委員長 | 竹井ようこ君 |
副委員長 | 土屋 みわ君 |
副委員長 | 尾崎あや子君 |
理事 | 加藤 雅之君 |
理事 | 森口つかさ君 |
理事 | 田村 利光君 |
松田りゅうすけ君 | |
関野たかなり君 | |
松田 康将君 | |
原田あきら君 | |
中山 信行君 | |
後藤 なみ君 | |
西沢けいた君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長 | 谷崎 馨一君 |
次長 | 小平 基晴君 | |
技監 | 小野 幹雄君 | |
理事 | 朝山 勉君 | |
総務部長 | 打田 武彦君 | |
都市基盤部長 | 三宮 隆君 | |
企画担当部長 | 長尾 肇太君 | |
住宅政策本部 | 本部長 | 山口 真君 |
技監 | 青柳 一彦君 | |
住宅企画部長 | 松崎伸一郎君 | |
都営住宅経営部長 | 栗谷川哲雄君 | |
連絡調整担当部長 | 今井 徳彦君 | |
経営改革担当部長 | 小町 高幹君 | |
都営住宅企画担当部長 | 平松 紀晴君 | |
建設推進担当部長 | 青木 成昭君 | |
営繕担当部長 | 小久保信一君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
住宅政策本部関係
契約議案の調査
・第二百七号議案 都営住宅五H−一一六東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
・第二百八号議案 都営住宅五H−一〇一西(国立市北三丁目)工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第二百十二号議案 東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅、東京都引揚者住宅等の指定管理者の指定について
都市整備局関係
付託議案の審査(説明・質疑)
・第二百二十二号議案 令和五年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出 都市整備局所管分
報告事項(質疑)
・東京都豪雨対策基本方針(改定)(案)について
○竹井委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申出がありました。
お諮りいたします。
本件については、取扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○竹井委員長 次に、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
令和五年十二月十三日
東京都議会議長 宇田川聡史
(公印省略)
都市整備委員長 竹井ようこ殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第二百七号議案 都営住宅五H−一一六東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
第二百八号議案 都営住宅五H−一〇一西(国立市北三丁目)工事請負契約
2 提出期限 令和五年十二月十五日(金)
○竹井委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部関係の契約議案の調査、住宅政策本部及び都市整備局関係の付託議案の審査並びに都市整備局関係の報告事項に対する質疑を行います。
これより住宅政策本部関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第二百七号議案及び第二百八号議案を一括して議題といたします。
本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○尾崎委員 第二百七号、第二百八号の工事請負契約について、都営住宅の建て替えに関わる工事請負契約には反対するものではありませんが、幾つか質問していきたいと思います。
都営住宅五H−一一六東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約により、建て替え後は二百五十七戸ですが、従前の住戸数はどうなっているのか伺います。
○青木建設推進担当部長 今回の契約議案における従前の住棟は五棟で、合計百七十戸です。
○尾崎委員 従前の住棟は五棟あって、今回の建て替えで二つの住棟に建て替えるということです。従前の五棟の合計が百七十戸ということですから、今回の建て替えだけ見ると、住戸は八十七戸増えるということです。最終的に全体で従前の住戸が建て替え後にどうなるのか。ぜひ一戸でも増えるようにしていただきたいと要望します。
江東区辰巳一丁目の都営住宅は、全体が大きいため、入居している人からは、次の建て替えは自分たちだと思っていたが違った、自分たちの建て替えはいつになるのかなどの声も出ています。また、建て替えに関わって壊す住棟の中で、引っ越しに応じない人もいて、入居者の中には心配をしている人が増えています。
入居者が納得して応じられるよう、丁寧な対応を求めるものです。何よりも、ほかの入居者の不安にならないよう対応していただきたいと要望しておきます。
次に、都営住宅五H−一〇一西(国立市北三丁目)工事請負契約により、建て替え後は百六戸ですが、従前の戸数はどうなっているのか伺います。
○青木建設推進担当部長 ただいまお尋ねいただきました契約議案における従前の住棟は四棟で、合計七十八戸です。
○尾崎委員 国立市北三丁目の都営住宅は、従前の住棟は四棟で七十八戸ですが、今回の建て替えにより二十八戸増えることになります。ぜひ最終的な戸数も増えるようにお願いしたいと思います。
次に、国立市北三丁目の建て替えは、今回が一期工事になります。移転先はどこになるのか。また、建て替えが終了した後、戻ってこられる人は何人なのか伺います。
○青木建設推進担当部長 建て替え前の居住者の多くは、近傍の国立北三丁目第二アパートに移転しています。
建て替え後のアパートに入居を希望している居住者は、移転時の抽せん会の実施時点では、国立北三丁目第二アパート以外に移転した六世帯であり、その全てが入居する予定でございます。
○尾崎委員 建て替えになる国立北三丁目の都営住宅のそばに国立北三丁目第二アパートがあります。そこに移転した人たちが多いということも聞いています。そうなると、それ以外に移転した人のうち六世帯が戻ってきたいと要望しているということです。建て替えが済んだときに最終の希望も聞くということですが、希望するみんなが戻れるようにお願いしたいと思います。
工事中のことについてですが、私の地元での建て替え工事の中で、砂ぼこりが舞い上がり、既に入居している棟の住戸の玄関の鍵穴に砂ぼこりが入り、鍵が開かなくなって、鍵を取り替えざるを得ない事態になった人がいます。自己負担で鍵を取り替えました。今年の九月のことです。
入居者の方に話を聞くと、風が強い日が連続していた時期に、工事現場では水まきがされなかったので、工事現場のそばにある住棟に砂ぼこりが飛んできたということです。
廊下は掃除が大変だった、鍵が開きにくくなった人も数人いて、鍵穴に掃除機で吸い込むと、細かい砂がたくさん出てきたということです。
この話だけを聞くと、砂漠じゃあるまいし本当か、そんなことが起こるのかと思う人は多いと思いますが、私も現場に行って、入居者の承諾を得て、鍵穴に掃除機を当てて吸い込むと、細かい砂が出てきました。
こんなことを繰り返されては困ります。近隣住民に対する対策として、騒音だけでなく、このような砂ぼこりが舞うようなことのないよう、水まきをきちんと行うこと。工事現場で何が起きているのかしっかりと監督すること。そして、住民からの苦情や相談には誠意を持って対応するよう、厳しく指摘しておきたいと思います。
最後に、型別供給の見直しが必要だと要望して、質問を終わります。
○竹井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹井委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長にご報告したいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○竹井委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第二百十二号議案を議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○森口委員 都営住宅の指定管理者の指定について伺います。
都営住宅の管理者として、住宅供給公社は、平成二十六年から五年ごとに特命選定されており、今回は、令和六年四月から令和十一年三月までの期間、指定管理者として選定がされます。
まずは、特命選定について、地方自治法や都営住宅条例など法令に根拠となる規定があるのか伺います。
○小町経営改革担当部長 地方自治法では、申請の方法や選定基準といった指定の手続、管理の基準及び業務の範囲等について条例に規定するものとしており、東京都営住宅条例では、公募や特命などの選定方法については特段規定しておりません。
○森口委員 では、特命選定の根拠はどこに規定されているのか伺います。
あわせて、どのような場合に特命選定になるのか、特命選定の選定基準について、どこに定められているのか伺います。
○小町経営改革担当部長 総務局が指定管理者制度の統一的な運用のため策定した東京都指定管理者制度に関する指針において、指定管理者の選定は公募によることを原則としておりますが、施設の状況に鑑み、競い合いによる効果が十分発揮されないと考えられる場合などには、特命により指定管理者候補者を選定することも可能としております。
特命選定が可能となる要件としては、都の政策等との密接な関連性及び施設の管理運営における団体の適格性の観点から、東京都政策連携団体による管理運営が適切である施設などが挙げられております。
○森口委員 地方自治法では、公の施設の指定管理者の指定の手続や選定について、地方公共団体は条例に定めなければならないと規定がされており、総務省の資料にも明記されております。
都営住宅条例には、指定管理者の申請の方法と一部の選定基準しか規定がされておらず、特命選定の選定基準等について規定をしていない理由を伺います。
○小町経営改革担当部長 地方自治法及び平成十五年七月十七日付の総務省通知、地方自治法の一部を改正する法律の公布についてにおいて、指定管理者制度について条例に定めるものとして明記されている申請の方法や選定基準といった指定の手続、管理の基準及び業務の範囲は、東京都営住宅条例に規定しております。
なお、特命選定の根拠と選定基準については、総務局が、指定管理者制度の統一的な運用のため策定した東京都指定管理者制度に関する指針を踏まえて、住宅政策本部の選定方針を策定しております。
○森口委員 地方自治法には、指定管理者の選定基準等について条例に定めなければならないとされており、特命選定の選定基準についても、条例に規定しなければならず、是正を求めます。
法令との整合性の指摘とともに、総務省によると、指定管理者の選定については、競争性、透明性、公平性、合理性の確保が求められており、今回のように公募を行わない非公募となる特命選定に当たっては、より都民から疑念が持たれないよう、都の総務局の内規である指針を根拠にするのではなく、議決の必要な都営住宅条例に規定をするべきであると重ねて申し上げておきます。
特命選定に当たっては、毎回、有識者から成る選定委員会で決定をしており、平成二十五年、当時の選定委員から出た指摘ですが、公社は、間接経費を見直すことにより、コスト縮減に取り組むべきである、また、都と公社が適度に緊張関係を保ちながら指定管理業務が行われるよう、都が適切なチェック機能を果たすべきであるとの指摘がされており、これらの指摘に対して、どのような対策が取られ、どのように改善をされているのか伺います。
○小町経営改革担当部長 平成二十六年度からの新たな指定管理期間において、選定委員会での意見も踏まえて、東京都住宅供給公社は、滞納使用料の徴収業務における外勤徴収員の報酬基準の見直しなど事業の執行方法の変更を行い、事業の費用対効果を高める取組を進め、コスト縮減を図ったところでございます。
また、都による公社への抜き打ち検査の実施や、事故等が発生した場合の対応として、指定管理業務委託料の削減を基本協定に盛り込むことにより、都と公社の緊張関係を保つ対策を行いました。
○森口委員 今回の特命選定の決定に当たっても、選定委員会が開かれております。
特命選定の合理性や透明性、コスト縮減の視点、また、都と公社の関係性について、選定委員から、さらなる取組や改善を求める指摘はどのようなものがあったのか伺います。
○小町経営改革担当部長 都営住宅等の指定管理者選定委員会では、指定管理者の選定に当たり、公募や地域分割についても検討すべきとの意見がございましたが、市場原理だけでは成立しない部分が大きく、コスト縮減だけすればよいというものではないなどの意見もありまして、選定委員会の最終的な意見としては特命がふさわしいとのことでございました。
また、福祉的機能を継続していくに当たっては、福祉部門との役割分担など、中長期的な検討も必要などの意見がございました。
○森口委員 今回、公募選定ではなく、一者の特命選定であり、選定委員会では、肯定的な意見だけでなく、お話のような改善点や懸念点に関する指摘が出てしかるべきであり、そういった意見についても議事録として公開をしていただくよう求めておきます。
住宅供給公社は、長年培ってきた技術やノウハウがあり、都と緊密に連携をし、迅速な対応ができるなど、都営住宅の指定管理者として適切であるといった点は十分に理解をしております。
一方で、指定管理が始まった平成十八年から、住宅供給公社の管理や特命選定が続いており、改めて、法令との整合性や選定の合理性、透明性の確保など、都民から疑念を持たれないよう、より一層の説明責任を果たすとともに、不断の改善を求めますが、最後に、都の受け止めを伺います。
○小町経営改革担当部長 選定に当たっては、外部有識者で構成される都営住宅等の指定管理者選定委員会を設置し、住宅、福祉、設備、法律、財務等の各専門分野から忌憚のない意見をいただき、公平かつ適正な審査を行い、その結果を公表しておりますが、今後、公表内容の充実を図るなど、さらなる透明性の確保に努めてまいります。
○中山委員 都営住宅等の指定管理者につきまして、令和六年度から五年間の新たな指定管理者として、東京都住宅供給公社を選定する議案が本定例会に提出されております。
世界でも例のない大規模な公営住宅であります都営住宅の指定管理者は、居住者が安全・安心に暮らすために必要な重大な業務を担っております。
都営住宅の維持管理には、様々な視点からの社会情勢の変化に伴う対応や、新たな都政課題への積極的な対応などの新しい要請への適切な対処が求められるところでもあります。
都営住宅の維持管理に係る指定管理者選定は、平成十七年度から実施され、今年度で計十八年間実施されてきております。
この間、居住者を含む社会環境は様々に変化しておりまして、スタートした平成十七年度時点での選定基準と現時点での選定基準では、相違があってもしかるべきものと考えます。
そこでまず、本制度スタート時から変わらない選定基準は何か。それに加え、近年になってから特に重要視されるようになっている選定基準として、都はどのような課題認識を抱いているのか。この点につきまして見解を求めたいと思います。
○小町経営改革担当部長 都営住宅等における指定管理者制度の導入に当たって、平成十七年に東京都営住宅条例等を改正し、都営住宅等及び共同施設の管理を効率的かつ適正に行うために必要な執行体制を確保することができること、安定的な経営基盤を有していることなどの選定基準を定めておりまして、その内容に変更はございません。
なお、近年の居住者の急速な高齢化、単身化等に適切に対応する必要があるとの課題認識から、この選定基準に基づき審査するに当たっての具体的な評価項目として、これらの都営住宅等を取り巻く課題に対応する事業提案がなされていることなどを、現在の指定管理者を選定した平成三十年に追加しております。
○中山委員 今、答弁がありましたような選定基準を基に、実際の選定過程では、公正、公平で厳正かつ適切な選定が所定のプロセスにしっかりと準拠して実施されることが求められております。
そこで、今回、公社を特命により指定管理者候補者として選定した具体的理由を明らかにされたいと思います。
加えて、選定過程が公正、公平なものであることが重要であります。都が適正であったと主張するだけでなく、都民や居住者からも適正なものであったとご認識をいただけることが重要であります。
都は、その適正性を担保するためにどのような努力を払ってきたのか、併せて見解を求めたいと思います。
○小町経営改革担当部長 都営住宅は、居住者の高齢化に伴うサービスの充実が求められ、大規模災害時には被災者向けの住宅として活用されるなど、都の政策全般との密接な関連性を持ち、また、居住者の福祉的サポートや適正、公平な管理など、管理運営の特殊性を有しております。
都の政策連携団体である東京都住宅供給公社は、適正で公平な入居者管理、巡回管理人による高齢者等のサポートや自治会支援機能の強化、ウクライナ避難民の受入れなど、都の指示に的確に対応してきた実績や能力を有しており、指定管理者管理運営状況評価で毎年高い評価を得ていることから、特命で選定することといたしました。
選定に当たっては、外部有識者で構成される都営住宅等の指定管理者選定委員会を設置し、住宅、福祉、設備、法律、財務等の各専門分野から忌憚のない意見をいただき、公平かつ適正な審査を行い、その結果を公表いたしました。
○中山委員 先ほど、都が、近年特に重要度が増してきたと認識し、指定管理者選定での新たな基準についての答弁をいただいたところであります。
今回は、その中でも、居住者の高齢化、単身化という課題に注目をしたいと思います。
加えて、外国人居住者の増加に伴う言葉の壁なども、都営住宅内のコミュニティの維持にとっては特段の善処が必要な重要な課題であります。
これらの課題は、これからの五年間だけでなく、既にこれまでの取組の中においても対処が求められてきた課題といえます。
都営住宅が抱えるこれらの課題に対し、指定管理者候補である公社は、これまでどのように対応してきたのかについて、都の認識につきまして見解を求めたいと思います。
○小町経営改革担当部長 公社は、居住者の急速な高齢化、単身化に対応するため、巡回管理人に自治体の福祉部門等の経験者を積極的に採用することに加え、保健福祉業務に従事し、保健福祉等について豊富な知識や経験を有する職員を本社に二名配置して、巡回管理人の業務支援を行うとともに、八十歳以上の全世帯についての現状把握に努めているほか、地元区市町と安否確認協定を締結し、年百人以上を救出するなど、福祉的サポートを行っております。
また、自治会専用ダイヤルの設置や無料の弁護士相談の実施など、自治会支援の充実を図るとともに、広報紙「すまいのひろば」の日本語、英語、中国語、韓国語の四か国語版の配布や、窓口センターにおける多言語翻訳機の導入など、外国人居住者へのきめ細やかな対応にも取り組んでおります。
こうした取組により、公社は、都営住宅が抱える様々な課題に対応してきたと認識しております。
○中山委員 今ご答弁のありました点は私も幾つか見聞きしておりまして、しっかりと対応していただいていることを評価したいと思っております。
これまで、台風や大雨などの水害が発生した際には避難所で一夜を過ごした浸水の危険のある地域の都民の皆様からは多くの不安の声を伺ったところであります。
この点につきまして、我が党が提案し、住宅政策本部が積極的に対応を図ってきました都営住宅の空き室を活用した中高層階住居への垂直避難の実施など、将来起こり得る首都直下型地震や風水害時において、指定管理者には、都と連携して対応する能力があることが必須といえます。
都営住宅におきまして大事な点は、一たび大地震や大洪水などによる浸水が発生した場合には、都内の幅広い地域で同時に被害があちらこちらで発生するという点であります。
都民の生活を守るためには、特定の地域に限らず、都内全域で迅速に対応できる指定管理者とするべきであり、今後対応するというのではなく、既にその対応力を持っているという点が必要であります。
指定管理者候補である公社は、こうした災害時等における対応におきまして、どのような実績と能力を有しているのか、都としての見解を求めたいと思います。
○小町経営改革担当部長 公社においては、本年三月に総合防災計画の改正を行い、震災時の初動体制、参集ルールの見直しなど、より実態に即した内容にすることで非常時の事業体制の強化を図っております。
また、日常、居住者の総合窓口となっているお客さまセンターは、発災時には直ちに本社などとの連絡調整を行う災害対策拠点として機能することとしております。
さらに、公社は、約四百社の指定工事店とのネットワークを有しており、発災時の被災状況の確認や応急復旧対策等を迅速的確に行うことが可能であります。
○中山委員 生活空間としての都営住宅の機能を維持する取組としては、指定管理者制度に加え、管理業務委託という制度がございます。管理業務委託では、都が委託先を選定し、委託契約を締結して業務を履行しております。
現在、都は、東京都住宅供給公社との間で委託契約を締結し、公社は、都内十六か所の窓口センターを設け、それぞれの地域ごとに地元の工事店との関係を長年かけて構築し、地元であるからこそ迅速な対応を心がけているんだと思います。
管理業務委託は、今回の指定管理者制度とは異なり、議会の同意が必要とされる議決案件事項ではございませんし、今が次の委託先の選定や契約更新を図る時期でもございません。
しかし、管理業務委託がしっかりと行われているかどうかという認識は、適切な指定管理者の選定と同様に、生活空間としての都営住宅の機能が適切に維持されていることを見極める上では重要な視点となります。
この点、指定管理の業務では、エレベーター、消防設備、水道施設等の保守点検などの設備保守点検業務があり、指定管理者が広く入札で事業者を選定しております。
一方で、管理業務委託には、計画修繕、空き家修繕などの住宅営繕事業で、地元事業者を中心とする工事店制度があり、東京都住宅供給公社を委託先としております。
公社は、先ほど述べたように、都内十六か所の窓口センターを設け、それぞれの地域ごとに地元の工事店との関係を長年かけて構築しており、地元事業者と連携しているからこそ迅速な対応が可能になっているものと認識するところでもございます。
私も、真夜中や土日にお困り事のご相談を居住者の方からいただくたびごとに、公社を通じて、それぞれの地元の工事店、事業者の方々に迅速かつ丁寧なご対応をいただいている状況を実際に見聞きしておりまして、感謝しているところでもあります。
こうした地元事業者との良好な信頼関係を具体的にどう構築しているかということが、業務委託先の選定に当たってはとても重要なことと考えます。とりわけ重ねて申し上げますと、都営住宅の業務委託先であれば、地元事業者との良好な信頼関係を全都的に構築していける相手先であることが望ましいといえます。
さらにいえば、物価高騰対応や働き方改革など、下請先への配慮の進展も重要な視点です。よくいわれる下請泣かせ的な話題がちらつくような状況であっては、信頼関係も長続きはしません。
営繕業務などの管理業務委託は、今回、契約更新などのタイミングではないと理解しておりますが、それぞれの地域で地元住民や地元事業者と適切に良好な環境を維持できる体制が整っていることが望ましいものと考えます。
管理業務委託での取組は、指定管理者による災害時、緊急時の対応と並行して行われるべき重要な取組であります。
管理業務委託先の選定に当たりましては、それぞれの地域で地元事業者等に適切に発注できる体制が整っていることが望ましいものと考えます。
この点では、これからの五年間、指定管理先に選定されれば、今後はどのように努力いたしますというのではなく、やはり、既にそうした連携が事実として行われていることを確認できるなど、実効性を担保できることが重要と考えますが、見解をお伺いいたします。
○小町経営改革担当部長 管理業務委託のうち、特に営繕業務には、約二十五万四千戸に及ぶ都営住宅等を都民共有の資産として長期間適切に維持、保全することが求められております。
この業務の受託者は、居住者サービスの向上に向け、日常的に発生する小規模工事や緊急の修繕工事等について、地域ごとに地元事業者と信頼関係を築き、迅速かつ的確に工事を行えることが重要であります。
さらに、受託者には、都との緊密な連携の下、計画修繕、日常的な小口、緊急修繕など、営繕業務を長期間にわたり適切に実施する能力と実績を有することが必要と考えております。
○中山委員 話を指定管理者の選定に戻しますけれども、時代状況の変化に伴う新たな要請への指定管理者の対応力という点におきましては、様々な視点が考えられます中で、今回はあえて特出しで対人的スキルの重要性について触れておきたいと思います。
より具体的に申し上げますと、対人的スキルにたけた人材の確保を可能とする社内の人事制度をどう構築しているかという視点でございます。今日、対人的なスキルを身につけた人材は、どの業界でも、どの会社でも、喉から手が出るほど渇望しているのではないかと思います。
対人的スキルを身につけた人材の安定的な就労を可能とするためには、事業者内での適切な人事考課制度の確立が不可欠でありまして、この点につきましてもこれから努力するというのではなく、これまでどう努力してきたのかという点をしっかりと見極めてもらいたいと思います。
とりわけ都営住宅の場合、今お住まいの団地がお嫌なら、どうぞほかの団地にお移りくださいと安易に対処することはできない制度であると認識しております。単に好き嫌いだけで入居後も自由に団地間を転居できる制度としますと収拾がつかなくなってしまうという危惧もあるでしょうし、新規入居の募集や応募も混乱してしまう可能性が確かに存在します。
高齢者であれ、障害者の方であれ、子育て中のご家庭であれ、様々な居住者の方々が、法的に守られたセーフティーネットとして、ある意味、ほかでは代替できない選択肢としての都営住宅に入居されておりまして、トラブルにつながるからというだけでは、安易にその人に退去要請をするということもできない状況もございます。
住宅変更等、やむを得ない事情を抱える場合の転居は別といたしまして、期限付入居を除き、長くお住まいいただくことを前提として、いわばついの住みかとして入居されております。
生身の人間同士が触れ合います以上、多少のトラブルの発生は、それを前提として取り組むべきと考えるのは当然かとも思いますけれども、トラブルがあってもなくても、できる限り円満に団地生活を送っていただくことが必要であります。
以上、特出しして申し上げました対人的スキルにたけた人材の確保と育成について、公社はどう取り組んでいるのかにつきまして、都の認識につき見解を求めたいと思います。
○小町経営改革担当部長 指定管理者が、時代のニーズや変化に的確に対応していくためには、高い専門性とスキルを有する人材を確保することが必要であります。
公社においては、体系的な研修の実施や適正な評価による人事制度により職員の職務の習熟を図るとともに、窓口対応など都民と接する現場の第一線を担う職員を育成することで、指定管理者として適正かつ効率的な事業運営の確保に取り組んでおります。
○中山委員 今ご答弁いただきましたのはとても大事なことでございまして、これからもしっかりと私どもも見守りながら、また、提案もさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に何点か、幾つか要望させていただきたいと思います。
かつて都は、各都営団地に都庁職員を住まわせて管理人的機能を担う業務に当たらせていた時代がございました。しかし、あえて誤解を恐れずに申し上げますと、ほぼ二十四時間三百六十五日、団地に居住される職員に寄せられてくる苦情対応やトラブル処理に追われまして、心身を病む職員の方も出るなどの事情もあり、その対処も含めて今日の指定管理者制度の採用に至っているのではないかと思っております。
こうした困難性が高い業務を指定管理者に委託する以上、安かろう悪かろうというような業務履行の水準の低下、低くなっていく状態に陥らざるを得ないような取組であってはならないものと考えております。
対人的スキルの充実という人的サービスについては、日本は、残念ながら長らくボランティアは無償だと、そういう前提とするような社会慣習が存在してきました。この点の発想を切り替えない限り、介護業界でも困っておりますし、人的サービスの分野での人手不足はますます深刻化していくことは必定でありまして、都営住宅の指定管理業務は、この点で民間や他県での指定管理業務の模範となる、実際に働く方々の賃金水準を実現できるものとするべきであると思います。
今後、技術の進展により、ロボット機能やAI機能の活用によって代替されていくような機能は社会的に様々あるし、広がっていくと思います。その中にありまして、優れた対人的スキルに頼らざるを得ないような業務での賃金は、当然ある程度の高さというものが前提とされてしかるべきものと思います。
都庁職員自らが取り組むことにも困難性を覚えざるを得ないようなハードな業務を委ねる以上、その内容に見合った予算増を確保していくべきであると要望しておきます。
加えて、先ほど、指定管理者制度についての本質問の流れの中で、関係性の深い管理業務委託について触れさせていただきました。
現状、この二つの制度、指定管理者制度と管理業務委託の制度ですけれども、この二つの制度は全く別の事業であり、別々の事業者が受託者となることも制度上十分可能であります。しかし、別々の事業者が受託者となることのメリット、デメリットを都はしっかりと吟味し、議会や都民に情報の共有化を図って、より適切な制度としてどのような内容を目指すべきか、そのために、具体的にはどのような業務発注へと改善していけばよいのかについて、率直な議論を開始するべきであるというふうに思います。
この点、現状、都営住宅の指定管理者制度の選定は、公募または特命の方法から選ぶしかございません。当然、どちらの方法においても長所や短所、メリット、デメリットが存在するんだと思います。
ただ、最も重要な点は、期待される履行内容の確保が最も期待できる方法を選ぶということであります。その上で大事なことは、先ほど申し上げましたけれども、選定結果への都民の理解であります。
少なくとも、都庁や都政本体と関係性の深い団体、業務内容であるからといったような曖昧な表現で乱暴に特命選定の正当性を主張してしまうようなことは、かえって大きなマイナスイメージにつながるので絶対に避けるべきだと思います。
これこれかくかくしかじかといった事実に基づいて、指定管理で担う業務内容について、その団体が最もふさわしいということを論理的に説明できなければなりません。
どの方法で選んだ結果であれ、選定した事業者の決定について、入居者はもちろんのこと、入居していない都民からも、適正な税金の使い道の検証を目的とした情報公開、そうした点でご理解いただけるよう、より具体的には、業務内容の見学会とか、そういったものももっと開かれた形で進めていくべきではないかということを要望させていただきまして、本日の質疑を終わりたいと思います。
以上です。
○尾崎委員 私の方からも、第二百十二号議案、都営住宅等の指定管理者の指定について、事実確認のために幾つか質問していきたいと思います。
指定管理者が行う管理業務は、一、都営住宅等及び共同施設の設備の保守点検に関する業務、二、都営住宅等及び共同施設の適正な使用の確保に関する業務、三、駐車場の利用に関する業務等となっているわけです。
この中でも、基本的には共同施設や駐車場が中心だと思いますけれども、都営住宅の緑地といった入居者が管理すべきものについては、指定管理者が行う業務に入らないということでよろしいのかどうか伺いたいと思います。
○小町経営改革担当部長 敷地の草刈りや中低木の刈り込み、剪定、落ち葉の清掃など、居住者が行う共用部分の維持管理については指定管理業務には含まれておりません。
○尾崎委員 ただいまご答弁がありましたけれども、共用部分であっても、敷地の草刈りや中低木の刈り込み、剪定、落ち葉の清掃、そして、廊下などの清掃も入居者が管理するものだということです。
都営住宅入居者の高齢化がどこでも深刻な問題になっています。共用部分の清掃や敷地などの草むしりや中低木の刈り込みなども、以前のように入居者で力を合わせてやることが大変困難になっています。このことは、この間の常任委員会質疑でも多くの委員から声が上がっています。
そもそも指定管理者が行う管理業務の見直しが必要だと思います。ぜひ検討をお願いしたいと思います。
それでは、都営住宅等の入居者募集に関わる実務などについては、どこまで指定管理業務となるのか伺います。
○小町経営改革担当部長 都営住宅等の入居者の募集に係る業務については、指定管理業務ではなく管理業務委託により実施しております。
○尾崎委員 入居者の募集に関わる業務は管理業務委託だということです。そうなると、入居応募の収入状況や誰が入居できるかなどは、全て直接東京都が実務を行うのではなく、管理業務委託をしているということになります。
そうすると、入居したいと応募している都民の収入状況や何回申し込んでいるのかなどは、都が直接つかむ環境にないということが分かります。
家賃の滞納者への督促や相談、法的対応、名義人の死亡に伴う使用承継の手続などの諸申請は、どこまで指定管理業務になるのか伺います。
○小町経営改革担当部長 使用料滞納者への納付指導や法的措置に関連する業務、使用承継手続などの諸申請に関する業務は、指定管理業務でございます。
○尾崎委員 入居者の家賃滞納や、名義人が亡くなってからの使用承継に関わる様々な書類や、入居者の相談などは指定管理業務であると。これには都は直接対応することはないということになるわけです。そうなると、入居者が、何で困って、どんなことを知りたいのか、どんな要望があるのかも直接つかむ環境にないということです。
今回は、指定管理者の指定についての質疑ですが、質疑する中で、都営住宅等の指定管理と都営住宅等の管理業務委託等の違いがよく分かりません。
東京都住宅政策本部の事業概要によると、都営住宅等の指定管理の事業は、収納、滞納整理、入居者管理、設備保守点検、駐車場管理になっています。一方、都営住宅等の管理業務委託等の事業には、募集、財産管理、営繕、工事監理、耐震診断、改修となっています。
結局、指定管理と管理業務委託等で、都営住宅等に関わる事業を、ほとんどが東京都住宅供給公社で行うということになるということです。
都営住宅がセーフティーネット住宅として重要な役割を果たす上で、都民の実態や要望の声、困っている悩み事などを、東京都がもっと直接つかむ努力が必要だと考えます。
外部委員による指定管理者選定委員会における審査結果、意見のところで、急速なデジタル化により問題が発生することがある、デジタル化、ペーパーレス化は非常に重要な課題であるが、高齢者に混乱が生じないようにしていただきたいとありますが、具体的にどのような問題が起こっているのか伺います。
○小町経営改革担当部長 都では現在、居住者が行う各種手続のデジタル化やオンライン化を進めております。
選定委員会における委員の意見は、デジタル化は重要であるが、例えば高齢者の中にはデジタル機器の操作に慣れていない方もいるため、そういった方々が混乱しないようにしてほしいとの趣旨であり、現時点で問題が生じているとは聞いておりません。
○尾崎委員 ただでさえ入居者の高齢化が深刻になっている中でデジタル化やオンライン化を進めるということは、対応できない高齢者を置き去りにしてしまう可能性があります。
現在、問題は生じていないというご答弁ですが、スマホの講習会や説明会など、時間をかけて丁寧に行うことや、そこに参加できない人たちには訪問して対応するなどのきめ細やかな対応が求められます。
また、最近では福祉的機能も期待されている、そうした機能を継続していくに当たっては、福祉部門との役割分担など中長期的な検討も必要とあります。
具体的にはどのようなことでしょうか。
○小町経営改革担当部長 居住者の高齢化等に伴い、今後さらに福祉的サポートを充実させていくに当たっては、地元自治体の福祉部門や医療機関等との連携を図ることが必要であるとの趣旨でございます。
○尾崎委員 指定管理者がというよりは、私は、東京都として、地元自治体の福祉部門や医療機関等との連携を強めていくことが必要だというふうに考えます。
それでは、指定管理者選定委員会における審査結果、意見について、都は、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
○小町経営改革担当部長 都は、今回の選定委員会での意見等も参考にしながら、指定管理者を活用して、都営住宅の住宅セーフティーネットとしての機能が発揮されるよう取り組んでまいります。
○尾崎委員 東京都として、都民の住宅困窮者の実態をよくつかみ、都営住宅入居者が困っていること、家賃が払えない状況、使用承継に対する声など、指定管理者任せでなく、都として現状をよくつかみ、都民や都営住宅の入居者の声をきちんと受け止めて、制度に問題がある場合には、改善に向けて積極的に検討を行うよう要望するものです。
最後に、お客さまセンターについてです。
東京都住宅供給公社に相談したいと思っても、電話番号はお客さまセンターの電話番号しか分かりません。ホームページでは、窓口センターの住所、地図はありますが、電話番号などはありません。
今のような状況は、いつからなっているのか伺います。
○小町経営改革担当部長 東京都住宅供給公社は、都営住宅居住者の利便性を高めるため、平成二十年から、それまで各窓口センターに分かれていた問合せ先を一本化し、コールセンターとしてのお客さまセンターを設置しておりまして、緊急修繕、事故、火災及び居住者の安否確認要請などの緊急の受付について、三百六十五日二十四時間対応する体制を構築しております。
○尾崎委員 入居者の方が、困ったことがあり、電話しても日によって相談担当が変わり、相談の解決に時間がかかるなどの声もありますが、改善が求められていると思いますが、どうでしょうか。
○小町経営改革担当部長 お客さまセンターにおいて受けた相談は、各窓口センターに引き継ぎ、センター内の各部署が組織として情報共有し適切に対応しておりますが、解決に時間を要する場合には、公社本社と連携して対応しております。
○尾崎委員 この間、私のところに相談があった事例から見ても、例えば配管の故障があって水漏れがするということを電話したら、その修繕は入居者負担ですと修理の事業者を紹介するというだけだったということです。
本人は納得できず、いろいろ調べたら、部屋の外の管に問題があったことが分かり、入居者の負担にならないことが分かりましたが、かなり時間がかかりました。相談したそのときに適切な対応があれば、こんなに時間はかからなかったのではないかと思います。
また、困り事があり、相談したいと電話しても、地元の相談センターに回してもらわないと話ができず、毎回対応する人が変わってしまい大変だったということは、何人かからも聞きました。私自身も体験しました。
お客さまセンターは、三百六十五日二十四時間対応するというのは重要ですが、地元の窓口センターに直接電話できるようにすることで、相談も早く解決するのではないかと考えます。両方必要だと思いますので、ぜひ検討を求めるものです。
指定管理者が行う業務内容について、どういう内容を行うのか。この際、見直しなども含めて検討していただくことを求めて、質問を終わります。
○西沢委員 私からも、東京都住宅供給公社を特命で都営住宅の指定管理者とする議案について伺っていきたいというふうに思います。
ほかでも今日議論がいろいろあって、若干かぶるところはあろうかと思いますが、質問の切り口もちょっと違うんで、お聞きしていきたいというふうに思います。
私自身は特命そのものを否定するつもりは全くありません。特命だから悪ということでは当然ありませんが、基本的には公募が原則という中において、やはり今日もいろいろ議論がありましたが、多くの都民の方から疑義が上がらないような形でやるべきであるというような考えを持っております。
そうした中で、まず最初に、この都における指定管理者の選定について、政策連携団体への特命が可能である理由についてお伺いいたします。
○小町経営改革担当部長 都における指定管理者の選定から管理運営の実施、評価までを一貫した体系として整備した東京都指定管理者制度に関する指針には、指定管理者の特命選定が可能となる要件が定められております。
その要件の一つに、都の政策等との密接な関連性及び管理運営における団体の適格性の観点から、東京都政策連携団体による管理運営が適切である施設であることが規定されております。
○西沢委員 今、東京都指定管理者制度に関する指針と、先ほども議論がありましたけれども、これが基になって、ここに可能である要件が定められているというようなことで、指針を私も読んでみました。
今も答弁がありましたけれども、都の政策等との密接な関連性及び施設の管理運営における団体の適格性の観点から、政策連携団体による管理運営が適切である施設と、こういうふうに書いてあるわけで、これが、選定することも可能であるという、こういうことですね、施設になっていると。
これだけ読んでみても、可能であるということですから、特命にしなければいけないということでも当然ありません。特命にしなければいけないということではなく、特命にしてもいいよと、特命にすることは可能であるよということで、さらに、かつ関連性と、密接性というような、ここしか書いていないんですよね。
なので、これだけを理由にして特命にしなきゃいけないというものではないんだということを改めてちょっと確認をさせていただきました。必ずしも特命選定しなければならないというものではない。
そこで、なぜ今回、公社を指定管理者候補者として特命選定するに至ったのか、その理由をお伺いいたします。
○小町経営改革担当部長 都営住宅は、居住者の高齢化に伴うサービスの充実が求められ、大規模災害時には被災者向けの住宅として活用されるなど、都の政策全般との密接な関連性を持ち、また、居住者の福祉的サポートや適正、公平な管理など、管理運営の特殊性を有しております。
都の政策連携団体である東京都住宅供給公社は、適正で公平な入居者管理、巡回管理人による高齢者等のサポートや自治会支援機能の強化、ウクライナ避難民の受入れなど、都の指示に的確に対応してきた実績や能力を有しており、指定管理者管理運営状況評価で毎年高い評価を得ていることから、特命で選定することといたしました。
○西沢委員 特命選定するに当たって特殊性があるよというようなことでありました。
確かにおっしゃるように、東京都の施策と連携してやること、ウクライナの避難民の話なんかもありました。こうしたことは、大変重要なものであるというふうに認識はしております。
そういった意味では、ほかのいわゆる民間の管理会社なんかに任せることができないというようなことは分からなくもないということではありますが、値段について、ちょっとここで確認をしていきたいと思うんですね。
民間の管理会社と比較するに当たって、決算ベースで、いわば都営住宅の収入と支出について確認をしたいんですが、まず、令和四年度の決算ベースで使用料収入がどれくらいだったのかお伺いしたいと思います。
○栗谷川都営住宅経営部長 令和四年度決算における使用料収入は、指定管理の対象としていない小笠原住宅を除くと約六百五十億円となっております。
○西沢委員 ちょっと小笠原住宅を除くということで例外はあるものの、約六百五十億円、要はこれが家賃収入というようなことがいえるんだとは思います。
一方で、支出の部分は、これは議案があれなんで、これも令和四年度の決算ベースということで、指定管理者委託の経費、それから、管理委託戸数についても併せてお伺いしたいと思います。
○小町経営改革担当部長 令和四年度決算における指定管理に係る委託費は約百四億円でございます。
令和四年度の管理委託戸数は約二十五万四千戸でございます。
○西沢委員 今お伺いした大体六百五十億円お金がかかるよということで、収入の方が百四億円だよということで、管理費百四億円を使用料収入約六百五十億円で単純に割ると約一六%というふうになりまして、民間の管理会社に普通に管理費を頼むと大体三%から五%ぐらいになります。シェアハウスとかだともっと高くなったりしますけれども、基本的に五%ぐらいかなというのが相場なんですよね。
さっきも議論がありましたが、指定管理については大体それぐらいが相場というか、大体一六%ぐらいという話で、管理業務委託の方もあるじゃないかという話になると、またさらにかかります。特に管理業務委託の方だと、募集であったり、入居手続とか、さっきもちょっと話があったんですけれども、これまた別にかかっているということになります。
民間も、募集したりとか、入居手続やると、家賃一か月分とか、最近はゼロか月分でというところもありますけれども、今回、そういった意味では、ここの部分は除いて当然考えるべきだというように思いますが、いずれにしても、こういった形で民間の割合、相場と比較すると割高に感じざるを得ないというように思います。
そこで、改めて、この民間と何が違うのか、どのようなサービスを提供しているのかお伺いしたいというふうに思います。
○小町経営改革担当部長 公社は、居住者の急速な高齢化、単身化に対応するため、巡回管理人に自治体の福祉部門等の経験者を積極的に採用するとともに、八十歳以上の全世帯についての現状把握に努めているほか、地元区市町と安否確認協定を締結し、年百人以上を救出するなど、福祉的サポートを行っております。
また、コールセンターや十六か所の窓口センターを設置し、スケールメリットを生かした迅速で効率的なサービスを提供しております。
さらに、公社は、約四百社の指定工事店とのネットワークを有し、災害発生時の被災状況の確認や応急復旧対策等を迅速的確に行える体制を整備しております。
○西沢委員 ありがとうございます。確かに民間とは違うサービスがあると。さっきも話をしましたけれども、役割というものは当然あります。
そうした中で、年に百人以上救出するなどの福祉的サポートも実施しているという話がありました。そういったことでは、より福祉の分野、当たり前ですけれども、都営住宅ですから、困っている方々に対しての住居を提供するということですから、こうした役割は十分にあるというふうに私も思いますし、それは本当にすばらしいことだというように思っております。
ただ、これだけ、二十五万四千と先ほど管理戸数をいただきましたけれども、コールセンター、十六か所の窓口センターにスケールメリット、これは民間でも多分やりますよ。これだけ、二十五万ぐらいをやれるところがあるかないかというとまた別ですけれども、当然ですけれども、管理業務をやっている民間の会社では、そういったネットワーク、当然当初から持っていたりします。
また、公社が約四百社の指定工事店とのネットワークを有しということも、これも二十五万ほどの管理戸数があれば、これもいってみれば当然といえば当然、民間だとしてもやるんじゃないかなというふうに私は思います。
そうはいっても、これだけの規模の都営住宅において、これだけのサービスを提供するということは、いきなり民間にやれというのは当然難しいことだと思います。
私が今日申し上げたかったのは、そういった意味では、まだまだこれで終わりではなく、より多くの方が利用できるようにと。また、より多くの方が低廉に使用できるようにやはり無駄を省くべきだろうというふうに思っているわけであります。
連携を取りつつ、しっかり指導監督していっていただきたいというふうに思いますし、今後も当然に特命選定を続けるということではなく、民間が担える部分もあると思うので、柔軟に検討していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○松田(り)委員 私からも、都営住宅等の指定管理者の指定について質疑をさせていただきます。
先日の住宅政策本部の事務事業質疑でも取り上げさせていただきました。先ほど西沢委員の方からも、指定管理者制度においての特命選定については悪ではないというお話がありましたが、私もその点については同じ認識を持っていますが、ただ、この都営住宅の指定管理者については、住宅供給公社への特命指定については、悪とはいわないですけれども、大幅に改善の余地があるのではないかと、私は、前回の事務事業質疑も通じて感じております。
住宅政策本部として、平成三十年度から、今の契約、五年間の指定管理業務についての契約があるとは思いますが、東京都住宅供給公社の働きをどのように評価をしているのか、また、課題についてはどのような問題があると認識をしているのか、まず伺います。
○小町経営改革担当部長 東京都住宅供給公社は、適正で公平な入居者管理、巡回管理人による高齢者等のサポートや自治会支援機能の強化、ウクライナ避難民の受入れなど、都の指示に的確に対応してきた実績や能力を有していると考えており、指定管理者管理運営状況評価においても毎年高い評価を得ております。
一方で、令和四年度お客さまアンケート調査では、対応に時間がかかったなど、必ずしも評価の高くない業務もあったと認識しております。
○松田(り)委員 先ほどからも、入居者管理であったり、高齢者のサポート、また、ウクライナ避難民支援等の対応について、実績や能力について、私も疑問を呈するものではありませんが、果たして住宅供給公社でしかできないものなのかという部分について疑問を感じる部分があります。
もちろん住宅供給公社が都営住宅の指定管理においてはベターな選択肢であるとは思いますが、公募もしていない中で、果たしてベストな選択肢なのかという部分についても、私は一言述べさせていただければと思います。
今回、都営住宅の指定管理者の指定において、住宅供給公社に決定しましたが、指定管理者選定委員会でどのような議論がされたか、それは先ほどお伺いをいたしましたので、都営住宅の指定管理者の指定について、選定委員会では、どれだけの時間、議論をしたのかお伺いさせていただきます。
○小町経営改革担当部長 都営住宅等の指定管理者選定委員会では、指定管理者の選定に当たって、公募についても検討すべきとの意見がございましたが、都営住宅の居住者の高齢化への対応などの課題に対して公社が実績を有していることから、選定委員会の最終的な意見としては特命がふさわしいとのことでございました。
そのほか、居住者の高齢化への対応、自治会支援、DX化、組織内の研修、個人情報管理の徹底、設備保守点検業務など、都営住宅等の管理について指定管理者に求められる体制整備や取組内容について幅広く意見が出されました。
選定委員会で議論された時間は、第一回及び第二回の選定委員会の合計で約二時間二十分でございます。
○松田(り)委員 五年前の都市整備委員会でも、宮瀬委員の方から同じような質問がなされていまして、五年前の選定委員会でも、同じく二時間をかけて結論が出されている状況だと議事録に記載がございました。
直前に二時間ばかり議論をして、なし崩し的に特命選定するのではなくて、指定管理の制度の原点である選定は公募によることが原則だが、施設の状況に鑑み、競い合いによる効果が十分発揮されないと考えられる場合なのかというのを、ぜひ五年後、同じような議論がなされると思いますが、二時間ではなく、しっかりと、住宅政策本部としても、五年間時間をかけて、知恵を絞って、一部業務でも公募にできるようにしていただくよう要望しておきます。
次に、指定管理者選定委員会において、管理業務の切り分けや一部民間委託等の議論があったのか伺います。
○小町経営改革担当部長 都営住宅等の指定管理者選定委員会では、指定管理者の選定に当たって、公募と特命、それぞれの選定方法等の意見が出されましたが、指定管理者業務の切り分けや一部を民間委託することについての意見はございませんでした。
○松田(り)委員 ありがとうございます。公募か特命かの議論があったとは思いますが、この議論というのは、恐らくゼロか一〇〇というものではないとは思っています。私自身も、今すぐに全ての管理委託の内容について公募できるとも考えてはいません。
ただ、一部の地域であったりとか、業務の切り分けというのは、恐らく二時間の議論では、なかなか細かな精査というものはできないと思いますので、ぜひ住宅政策本部の側からも、選定委員会においては、この業務の切り分け等、議題として出していただくようお願いをしたいと思います。
前回の事務事業質疑については、外部委託比率についても伺いました。その際、答弁では、設備保守点検業務の外部比率の高さについて、私自身も非常に問題意識を持っております。
設備保守点検業務においては、令和四年度決算において五八・五%、約六割が外部委託をしていますが、なぜ東京都住宅供給公社に特命にて行う必要があるのか伺います。
○小町経営改革担当部長 都営住宅の管理は、居住者の生命、財産に直結する公共性の強い事業であるため、都内全地域において、公平、公正で安定的かつ継続的なサービス提供が求められております。
昇降機や消防設備、水道施設などの安全性の点検等の設備保守点検業務については、居住者の生命、財産に直結することから、都内全域で安定したサービスの提供が可能な公社に特命で委託することが必要なものでございます。
○松田(り)委員 設備保守点検業務については、六割を外部委託にしているにもかからず、住宅供給公社でしかできないと前回もご説明をいただいたんですけれども、ちょっとその部分は、私自身はいまだに理解が追いつかない部分でもあります。
答弁を今聞いていますと、民間企業においては公平、公正で安定的かつ継続的なサービスが提供できないと、民間企業が管理をしている建物の昇降機や消防設備、水道施設管理は安定したサービスではないというふうに、答弁を聞いていると私には聞こえます。
ただ、実際には、私もマンションには住んでいますけれども、十分なサービスを受けられているという認識はあるので、ぜひこのあたりは、外部委託が六割、公平、公正、安定的かつ継続的なサービスも十分に民間企業でも提供可能だと私自身は認識をしていますので、このあたりの外部委託が高い部分については、率先して、一部公募も含めて、次の契約に向けて、ご検討いただければと思います。
最後になりますが、公営住宅について大阪府や神奈川県は、府営、県営住宅の管理業務において、指定管理者制度を用いて民間企業も管理業務を実施していますが、なぜ東京都では住宅供給公社でしか都営住宅の管理ができないのか、住宅政策本部の見解を伺います。
○小町経営改革担当部長 指定管理者については、平成十八年度から一部地域で公募を行い、公募の結果として、公社を都営住宅等の指定管理者として選定いたしました。
その後、平成二十二年に東京都指定管理者選定等に関する指針が改正され、同指針に基づき、都営住宅は、都の政策との連動性及び管理運営の特殊性を持ち、東京都監理団体による管理が適切な施設であることから、公社を特命で選定することが可能となりました。
加えて、都営住宅の管理は、居住者の生命、財産に直結する公共性の強い事業であるため、都内全地域において、公平、公正で安定的かつ継続的なサービス提供が求められることから、公社を特命で指定管理者として選定いたしました。
なお、都の政策連携団体である公社は、適正で公平な入居者管理、巡回管理人による高齢者等のサポートや自治会支援機能の強化、ウクライナ避難民の受入れなど、都の指示に的確に対応してきた実績や能力を有しておりまして、指定管理者管理運営状況評価においても毎年高い評価を得ております。
○松田(り)委員 ご説明ありがとうございます。
平成十五年九月の地方自治法改正により、指定管理者の制度が導入されまして、十八年四月から東京都においても本格導入をされました。
先ほども答弁にありましたとおり、十八年には一部地域で公募を行っていた実績もあるとは思うので、公募を行った結果、最終的には先ほどいわれた高齢者等へのサポート、入居者管理、あとは災害時の対応等、民間企業では担えないと、そういう結論の上、最終的に公募によって住宅供給公社が指定をされるのであれば問題ないとは思うのですが、ぜひ、五年間の契約は恐らく来年度からはスタートしますが、次回には、指定管理の公募による実施を行っていただきたいとお願いをしまして、質問を終わります。
以上です。
○関野委員 それでは、第二百十二号議案、指定管理者の指定について質疑をさせていただきます。最後ですので、ほとんどかぶっている部分もあるかなと思いますが、淡々と質疑をさせていただきますので、ご了承ください。
まずは、当たり前のことをちょっと聞きたいなと思っておりますが、政策連携団体である東京都住宅供給公社は、どのようなことに実際取り組んできて、特命による指定管理候補者として選定をされたのか、この点をまずはお伺いいたします。
○小町経営改革担当部長 都の政策連携団体である東京都住宅供給公社は、適正で公平な入居者管理、巡回管理人による高齢者等のサポートや自治会支援機能の強化、ウクライナ避難民の受入れなど、都の指示に的確に対応してきた実績や能力を有しており、指定管理者管理運営状況評価で毎年高い評価を得ていることから、特命で選定することといたしました。
○関野委員 ありがとうございます。
公社の事務などについては、入居、退去の事務や退去後の原状復帰、何か問題があったときの修繕や修理などの工事、日勤による管理業務、データ入力、入居などからのコールセンター業務、設備保守点検や地域コミュニティ強化の自治会支援など多くの業務内容があります。
私も以前、公社住宅に住んでおりましたので、入居の申込みなどはよく知っておりますが、正直、対応については、早かったり遅かったりと、業者の対応によってよい悪いというようなことはありました。
そういった情報などを実際に得ているというふうに思ってはおりますが、それが今回の選定にどのように反映されたのかなど、住んでいるときに思ったことはあります。
実際、この部分についてはちょっと質疑はしませんが、これだけ多岐にわたる業務内容となると、小さめの中小企業などではちょっと対応が難しいのかなというふうにも考えてはおります。
しかし、今回、指定管理者である公社の外部委託について、実際どんなルールの下で行っているのか。また、今回、民間企業が指定管理者になった場合、実際、外部委託、どういったものが発生するのか、この点についてお伺いをいたします。
○小町経営改革担当部長 都営住宅等の管理に係る基本協定において、指定管理者は、管理業務を一括して第三者に委託することはできませんが、専門性の高い個々の業務について第三者に委託することは可能である旨が規定されております。
民間企業が指定管理者になった場合でも、例えば設備保守点検業務については、昇降機や消防設備、水道施設などは有資格者による点検が法令等により義務づけられており、都営住宅等の設備を適切に維持するためには、専門事業者に委託して実施することが必要となり、外部委託は発生するものと考えられます。
○関野委員 ありがとうございます。公社の場合でも、民間の場合でも、外部委託は発生すると。また、当たり前ですが、専門分野については有資格者を使うということの答弁でした。
専門性の高い業務ということですが、一問目の答弁にあった巡回管理人による高齢者等のサポートについても、専門性があった方がいいのかなというふうには思っておりますが、この点について、ちょっと具体的な取組、これをお伺いしたいと思います。
○小町経営改革担当部長 公社は、居住者の急速な高齢化、単身化に対応するため、自ら窓口センター等に出向けない高齢者や障害者の世帯に対し、巡回管理人による定期的な訪問を実施し、各種申請書類に関する相談や取次ぎを行っております。
巡回管理人に自治体の福祉部門等の経験者を積極的に採用することに加え、保健福祉業務に従事し、保健福祉等について豊富な知識や経験を有する巡回管理業務相談員を本社に二名配置して、認知症などにより対応が困難な事例について現場に同行し、巡回管理人の業務を支援しております。
さらに、巡回管理業務相談員を講師とした研修も実施し、巡回管理人の高齢者等に対する対応力の向上に取り組んでおります。
○関野委員 巡回管理業務相談員を二名配置ということでしたが、今後の高齢化を考えると少ないように感じると同時に、何かあってから相談員に相談して対応する流れでは、ちょっと事故が起きるのではないかなというようなことも考えられます。
ぜひ、福祉の専門性を持ち、かつ巡回管理業務ができる、こういった方を配置すべきというふうに要望をしておきます。
その上で、東京都住宅供給公社は、公社住宅と都営住宅などを管理しておりますが、そのスケールメリットを生かした取組、この点についてどんなものがあるかお伺いをいたします。
○小町経営改革担当部長 公社は、都営住宅のほか、公社賃貸住宅や区市から受託した公営住宅などと合わせて約三十四万戸の住宅管理体制を構築しております。
このスケールメリットを生かし、事故、火災及び安否確認要請などの緊急時に、二十四時間三百六十五日、夜間、休日を問わず、迅速に対応するコールセンターや、対面による申請受付などを行う都内各所に設置した窓口センターなどを、公社住宅や都営住宅等の管理業務で共有することにより、都内全域において均一で安定したサービスを提供しております。
○関野委員 これまでの答弁で、公社本来の機能である適正で公平な入居者管理にとどまらず、長年にわたり公社住宅や都営住宅等の管理で培った経験値があるということでした。
これは私の考えですけど、民間がこの事業を実施したときのメリット、デメリット、政策連携団体が事業を実施したときのメリット、デメリット、こういったところを考えると、民間だと、ある意味、委託などが近しい企業とか、こういったことになる可能性もあるのかなというふうには考えられます。政策連携団体だと、それはないというふうには信じております。
逆をいうと、民間であれば、いろいろなミスなどがあると、関係者がしっかり共有して、改善するまでが早いというところがありますが、政策連携団体の場合は、どのくらい早くできるのかなというのが少し不安でもあります。ある意味デメリット、メリットがおのおのある状況なのかなと私なりに考えております。
今後、居住者の高齢化や単身化が進む中、公社の果たすべき役割は、ますます大きくなってくるのかなというようにも感じております。実績とノウハウを生かしながら、きめ細かい福祉的サポートなどもしっかりと取り組んでいくと同時に、先ほど他の委員の質疑の中にも、選定委員会での指摘というようなこともありました。こういった部分も含めて、都の政策連携団体として的確に対応して取り組んでいただきたいというふうに思っております。
こうしたことも踏まえながら、また、先ほど我が会派の森口理事からも質問があったような特命選定に関するプロセスに懸念を持たれないよう、懸念を抱かれないよう、条例の在り方や選定の合理性、透明性の確保にもしっかりと配慮していただき、来年度から、新たな五年間についても、都と公社は連携をしてしっかり取り組んでいただく、こういったことを強く要望して、私の質問を終わります。
○竹井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹井委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で住宅政策本部関係を終わります。
○竹井委員長 これより都市整備局関係に入ります。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
湯川技監は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
次に、付託議案の審査を行います。
第二百二十二号議案、令和五年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、都市整備局所管分を議題といたします。
本案について理事者の説明を求めます。
○谷崎都市整備局長 本日は、令和五年第四回東京都議会定例会に提出いたしました都市整備局関係の案件をご説明いたします。
追加提出案件は、予算案が一件でございます。
お手元の資料1、令和五年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。
令和五年度都市整備局補正予算総括表でございます。
この補正予算案は、六月補正予算計上事業の延長といたしまして、エネルギー価格高騰の影響を受けた事業者に対し、必要となる支援を実施するものでございます。一般会計において、十五億一千三百万円を計上してございます。
二ページをお開き願います。一般会計の令和五年度都市整備局補正予算総括表でございます。
今回の補正予算額十五億一千三百万円についての歳入予算及び歳出予算の科目別内訳並びに歳出から歳入を差し引きました一般財源充当額を記載してございます。
私の説明は以上でございます。
引き続き、詳細な内容につきましては、総務部長よりご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○打田総務部長 令和五年度補正予算につきまして、お手元の資料1、令和五年度補正予算説明書により詳細説明をさせていただきます。
五ページ、歳出予算補正概要をお開き願います。第二項、都市基盤整備費でございます。
補正予算額は、表の上段、歳出計の欄の中ほど、補正予算額の欄にありますとおり十五億一千三百万円でございます。このうち第三目、都市基盤施設等助成費の補正予算額は、その下段に記載してございまして、同じく十五億一千三百万円でございます。
内容は、右側、概要欄に記載しております。
概要欄の1の運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業でございますが、これは、燃料費高騰に直面する運輸事業者の負担軽減に向けた緊急対策として、引き続き国の臨時交付金を活用し、支援金を支給するものでございます。
以上で令和五年度補正予算案の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○竹井委員長 説明は終わりました。
これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○関野委員 それでは、補正予算に計上されている運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業についてお伺いをいたします。
エネルギー価格の高騰や食料品などの物価の高騰は多くの都民の生活や中小企業の経営に影響を与えており、不安の声が上がっているところであります。
我々は、中でも価格への転嫁が難しい運輸事業者に対する燃料費高騰対策の支援が必要であることを今まで訴え、こうした状況に適切に対応するよう、会派として、都に、年度当初から要望をしてきたところです。この要望に応えて、今回の補正予算において燃料費高騰緊急対策事業の実施が提案されたことは評価をしております。
そこで、改めて、この事業の趣旨及び対象についてお伺いをいたします。
○三宮都市基盤部長 本事業は、首都東京の経済を支える重要なインフラである物流及び通勤通学など、都民の日常生活と関わりの深い乗合バス事業を維持するため、物価、燃料価格高騰の影響を受けている中小貨物運送事業者や乗合バス事業者に支援金を交付する目的で実施しており、燃料価格が高止まりしている状況を鑑み、今回延長するものでございます。
○関野委員 本事業について、依然続く燃料価格の高騰を考慮しているとのことは、我々の課題認識としても一致をしております。
特に貨物運送事業者においては、標準的な運賃の告示制度の導入など制度改正がなされているものの、今なお、特に中小企業や個人事業主は、荷主と価格交渉を優位に進めることが難しいという声をいただいております。
中小の貨物運送事業者の不安解消のためにも、この支援が広く行き渡るように事業を進めることが必要であります。
そこで、今回の補正予算ではどのくらいの台数の支援を見込んでいるのか、この点についてお伺いをいたします。
○三宮都市基盤部長 昨年度の実績を踏まえ、現在の支援と同規模の約六万六千台に対して支援を行うことを想定しております。
この取組により、燃料費高騰に対して、年間を通じ、切れ目のない支援を実施してまいります。
○関野委員 前年度の実績を踏まえた規模を決定されたということですが、決算特別委員会で会派より申し上げたとおり、より多くの事業者が申請できるよう、法定書類の電子化の推進についても国に求めていただきたいというふうに思っております。
また、支援を求める事業者の方々からは、本支援に対して、継続を望む声、手続の簡素化を求める声もあります。制度そのものの分かりにくさへの意見など、様々な声があることと思っております。
そこで、最後に、当事者に対する都の認識、この点についてお伺いをいたします。
○三宮都市基盤部長 支援の継続を求める声を多くいただいており、燃料価格の高止まりの状況と併せ、継続することといたしました。
制度や手続そのものが分かりにくいという声などにつきましては、コールセンター及び電話対応窓口の強化などにより対応してまいります。
○関野委員 ありがとうございます。
これは要望でありますが、事業に携わる方の現場からの声をしっかりと引き続き聞いてほしいということ。また、物価、燃料費の高騰は依然として続いており、都内の物流ネットワークを支える貨物運送事業者、都民の日常を支える乗合バス事業者などに対して、その声もしっかりと聞いていただき、より多くの方に有効に活用されるよう、引き続き取り組んでいっていただきたいということをお願いいたします。
以上で私の質問を終わります。
○土屋委員 今回の補正予算で継続実施が提案されている運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業について伺います。
昨年来、我が会派は、物価高騰の影響の長期化に伴う都民生活への支援について対策を講ずるよう都に強く求めてきました。これを受けて、昨年の第三回定例会での補正予算に続き、本年の第二回定例会の補正予算において、厳しい経営環境にある運輸事業者向け支援が事業化されたところであります。
しかしながら、今も燃料価格は高止まりしており、十月の消費者物価は四十年ぶりの上昇率となるなどの物価の高騰は続いており、運輸事業の現場などからは、支援の継続を求める声が多く寄せられています。
そうした状況の中で、今回、この事業を継続するための補正予算が計上されたことは評価したいと思いますが、都として、本事業を継続することとした考え方を伺います。
○三宮都市基盤部長 燃料価格は依然として高い水準で推移しており、資源エネルギー庁による燃料油価格の激変緩和措置が延長され、運輸事業者からは、支援の継続を求める声を聞いております。
現在、本年四月から九月を対象期間として支援を行っておりますが、この状況を鑑み、引き続き、本年十月から令和六年三月までについても支援を行うことといたしました。
○土屋委員 現場の切実な要望に応える本事業は非常に意義があることであり、ぜひとも継続してもらいたいと思います。
また、継続して支援を行う以上は、その支援を必要とするより多くの事業者に活用されることが望ましいわけでありますが、今回の支援を受けるに当たり、必要となる要件について伺います。
○三宮都市基盤部長 本事業は、中小企業の営業用貨物、軽貨物の自動車、路線定期運行の乗合バスを支援対象としており、これらの車両により、現に運送事業を営んでいることが要件となります。
これらの支給要件を満たしている場合は、現在の補助事業への申請を行っている事業者はもとより、新規に起業した事業者を含め、今回新たに申請を行う事業者も支援対象となります。
○土屋委員 今年度、新規に起業した事業者など今回新たに申請を行う事業者も広く支援の対象となるとのことでありますが、支援を求める事業者に対して早く補助が届くよう、申請を早期に受け付けるべきと考えますが、いつから申請を行うことができるのか伺います。
○三宮都市基盤部長 今回の支援制度の受付に当たっては、事業者からの速やかな申請を促すため、一月上旬をめどに、まず、郵送による申請受付を開始する予定でございます。
また、電子申請については、ポータルサイト上の申請フォームを整備した後、一月中旬からの開始を予定しております。
○土屋委員 年明けにも今回の支援の受付が始まるとのことであり、支援を求める事業者に早く補助を届けていっていただきたいと思います。
一方で、速やかな申請を行うためには、手続をなるべく簡易なものにする必要があります。さきの決算特別委員会の分科会質疑でも確認しましたが、昨年度の事業においては、手続の簡素化を求める声に対して、現在の事業では申請書類を一部見直したとのことであります。
今回の燃料費高騰に対する支援において、どのように手続の簡素化を図るのか伺います。
○三宮都市基盤部長 今回の手続におきまして、申請する車両に変更がなく、継続支援の申請を行う場合は、事業要件等の確認書類は改めて求めず、意向確認書のみを求めることといたします。
○土屋委員 既に提出されている書類等を活用し、手続の簡素化を図ることが分かりました。
本事業は、都内の物流ネットワークを支え、日常の地域住民の足を担う輸送事業者を支援する意義あるものであります。事業者からも、燃料価格が高い水準で推移する中、本支援金が支給されることは経営上の助けとなったとの声を聞いております。
今回は、必要となる書類も一部簡素化するとのことであり、そうした手続の改善を周知しながら、厳しい経営環境にある運送事業者に多くの支援が行き届くようにしていただくことを求め、質問を終わります。
○中山委員 東京都は、都市整備局におきまして、今年は、六月の第二回定例会での補正予算に続いて、今回の十二月補正におきましても、運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業を実施するということでございます。
本事業は、我が党が昨年に行いました原油高、物価高騰に対する緊急要望を受けて実施された意義のある取組であると評価をしております。
しかしながら、昨年の第三回定例会での補正予算では、三十億円の規模で、執行率は五割程度であったと聞いております。執行状況を踏まえて、今年度の六月補正、十二月補正においては十六億円の予算規模となっているとのことでございますが、予算を計上した以上は、燃料費の高騰に苦しむ事業者に対して支援が行き届くように工夫を重ねてもらいたいと思います。
昨年度事業の執行状況を踏まえ、事業者に対してどのように本制度の浸透を図っていくのか、見解を求めます。
○三宮都市基盤部長 昨年度につきましては、支援対象となっているバス事業者からの申請率は高かった一方で、個人経営の事業主が多く含まれる営業用貨物からの申請が伸びなかった面があると認識しております。
こうした状況を踏まえ、事業の周知に当たっては、これまでのトラックターミナルにおけるポスター掲示に加え、新たに、運送事業者が多く出入りする首都高速道路のパーキングエリア、都が所管する各卸売市場、道路保全整備公社の管理する駐車場なども掲示場所に加え、より多くの人に情報が届くよう周知を行ってまいります。
○中山委員 事業周知の面で、ポスターの掲示場所を拡大するなど工夫されているとのことでございます。
執行率だけで判断をするのは難しいかもしれませんが、どういった事業者への周知が足りていないのか、しっかりと分析をしていただいて、より多くの事業者、特に中小のですね、数台しかない、そういう事業者の方々に、手続の面倒くささみたいなものに対する不安感というものを取り除けるような周知をしっかりと行っていただいて、先ほども答弁がございましたけれども、工夫も重ねていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
補正事業の柱立てとしましては、六月補正時では、車両一台当たりの補助額で、一つとしては二万三千円、これは一般または特定貨物自動車運送事業の用に供する自動車、いわゆる緑ナンバーのトラック等ですね。二つ目として八千円、これは貨物軽自動車運送事業の用に供する自動車、黒ナンバーのトラックなど。三つ目として三万五千円、一般乗合旅客自動車運送事業の用に供する自動車、緑ナンバーの乗合バスの三種となっております。
この点、十二月補正では単価補正等はあったのかどうか、念のため確認しておきたいと思います。
○三宮都市基盤部長 本事業は、依然として続いている燃料費の高止まりに対する支援を行うこととしており、今回についても、現在、申請を受け付けている事業と同額の単価に基づく支援を実施するものでございます。
○中山委員 高止まりの状況をしっかりと踏まえて、従来と同額の支援を実施すると。対象としては、貨物輸送に係るトラック、そして、不特定多数の方が乗られます乗合バスになるということでございます。
都議会公明党は、この点で、特にタクシーに対する燃料費補助も加えて実施するように求めてまいりました。しかし、実現には至っておりません。タクシーも、民間バスと並んで交通政策上は公共交通に位置づけられているはずであります。だからこそ、タクシーの営業はそう簡単に自由に展開できません。
今、ライドシェアの議論が開始されておりまして、タクシーの不足が顕著な地域での実情に応じた議論には一定の価値があるかもしれませんけれども、需給バランスが整いつつあります東京などにおきましては、公共交通機関の位置づけを堅持して、安全性等を最優先させることが非常に大事であるというふうに思っております。
流しのタクシーを最近捕まえにくいんですという声もお伺いしますけれども、私は、経営者、運転者の方々から直接聞き及ぶところにおきましては、アプリで呼ばれてしまう度合いが多くて、流していてもあまり効率がよくないということがあるらしいということがございます。
外国人の方にも、高齢者の方にも安心して利用できるアプリの改善や普及を図った方がより現実的な対応かもしれません。スマホやアプリになじめない高齢者向けには、最寄りのコンビニで専門のアプリを使っていただいて、コンビニの店員の方にタクシーを呼んでいただいて、支払いは、利用者が現金で、あるいは電子マネー、カードで支払う仕組みなどの協力と、普及を進めた方が効果的とも考えております。
本日は、交通政策そのものの議論の機会ではございませんので、これ以上、改めてタクシーの公共交通としての位置づけの重要性の私の意見を展開させることは避けたいと思いますけれども、公共交通としてのタクシーの位置づけに疑念がないのであれば、乗合バスと並んで、燃料費高騰につきましても、公的補助が実施される際におきましては、タクシーを除外するべきではないということを強く申し上げて、今後の改善を要望しておくものであります。
今回、都が財源とする国の補助におきましても、タクシーを除く仕組みにはなっておりません。このことは、都市整備局さんに問合せをさせていただいて確認を得ているところでございます。今後の改善を期待しまして、次の質問に移りたいと思います。
六月補正の事業では、十月十七日から電子申請が開始されました。この間、トラック協会などから、申請の簡素化に向けまして、様々に改善を求める意見、要望が求められてきたことと考えております。
どういった準備、工夫を重ねて電子申請を開始したのかにつきまして見解を求めます。
○三宮都市基盤部長 電子申請につきましては、十月のポータルサイト開設に先立ち、局のホームページやSNSを活用し、必要となる書類等の事前準備を促すことで、円滑な申請手続につなげることといたしました。
○中山委員 加えて、今回の十二月申請では、書面による申請と電子申請とを同時に開始するべきと考えます。
いつから電子申請を開始するのか。申請期限の設定と併せて、先ほどもご答弁がありましたけど、改めて見解を求めたいと思います。
○三宮都市基盤部長 今回の支援は、補正予算成立後、速やかに制度の案内、周知を行い、電子申請のフォームを整えた上で、一月中旬から電子申請を受け付ける予定であり、申請受付期間については一か月程度を予定しております。
電子申請フォームの作成には、委託事業者において一定の時間を要することから、郵送による申請を先行して受け付ける予定でございます。
○中山委員 今回の申請におきましては、一月中旬から電子申請を受け付け、それに先立って郵送も取り組んでいくということを確認させていただきました。
本事業は、我が党がかねてから要望を行い、対策を求めてきたことに応えるものでもありまして、運輸事業者の方々に広く活用されること、さらには、今後の対象拡大にも大いに期待をするものであります。
事業者に対しましては、新たに燃料費高騰に対する支援が申請できることを、きめ細やかな方法で周知して情報を行き渡らせていただきたいと要望して、質問を終わります。
○竹井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後二時四十七分休憩
午後三時一分開議
○竹井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹井委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○竹井委員長 次に、報告事項、東京都豪雨対策基本方針(改定)(案)についてに対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○関野委員 それでは、東京都豪雨対策基本方針改定(案)について質疑をさせていただきます。
近年、気候変動の影響が顕在化しているといわれているところですが、身近なところでは、最近、暦上は冬であるにもかかわらず二十度を超える日があるなど、これまでとの違いを感じることが増えているように私は思っております。
振り返れば、今年の夏は危険な暑さを実感することが多かったが、これも地球温暖化に伴う気候変動の影響なのではないだろうかと。猛暑だけではなく、気候変動に伴い、降雨量の増加や台風の巨大化なども懸念されております。こういったことが起きると、一たび水害が起きれば、都民の命を脅かし、日々の豊かな暮らしを失うことにもつながりかねません。
このような危機に立ち向かうために、都では豪雨対策基本方針を改定し、対策を強化したということで案が出ているところですが、まず、引き上げる目標降雨に対してどのように取り組むのか、あえてお伺いをいたします。
○三宮都市基盤部長 気候変動による気温上昇に伴う降雨量の増加に対応するため、河川や下水道の施設整備による抜本的な対策を行うとともに、それらへの負荷を減らす流域対策を進めることで、浸水被害を防止してまいります。
○関野委員 気候変動に伴い、激甚化する風水害に立ち向かうべき局面において、豪雨対策の基軸となる基本方針を改定し、強靱な社会基盤の礎となる施設整備と、あらゆる関係者が協働して取り組む対策を総力を挙げて取り組むべきであるというふうにも思っております。
先ほどの答弁では、公共による河川や下水道の設備と、その負担軽減のために民間等でも取り組む流域対策が豪雨対策の両輪であるというようなことでしたので、理解をいたしました。双方を着実に進めることで、目標降雨に対して効果的な対策となることについて、私も大いに共感するところであります。
我が会派は、これまで気候変動による災害の抑制のため、豪雨対策基本方針の改定においては、ロンドン、ニューヨーク、シンガポールなど、諸都市での持続性を高める取組として研究、導入が進んでいるグリーンインフラについても盛り込むべきと訴えてきました。
これに対して、都は、もしもの備えとして流出抑制に資するグリーンインフラの導入を位置づけるとともに、四定代表において局長から、公共用地において先行的にレインガーデン等を設置する箇所を選定し、取組効果を検証するなど、導入促進を図っていくという力強い答弁もありました。
グリーンインフラについては、流出抑制効果があることに疑いはありませんが、導入促進を表明したこと、これについては大いに評価するものであります。
また、このようなグリーンインフラの導入に当たっては、都市全体で取組を進め、豪雨対策に加えて、生物多様性や都市の魅力など多様な機能向上へとつながっていくことにより、公共用地だけの取組にとどまらず、民間敷地においても取組を広げていくことが、対策を推進していく上で重要であるというふうに考えております。
そこで、民間による都市開発における取組としてどのようなことが考えられるのか、この点についてお伺いをいたします。
○三宮都市基盤部長 自然環境が有する機能を社会課題の解決に活用するグリーンインフラの考え方とも整合する雨水流出抑制を促進いたします。また、公共施設や民間施設における導入を促すための制度や機運醸成に向けた広報等の支援を強化いたします。
また、都市開発においては、都市開発諸制度等を活用し、雨水流出抑制に資するレインガーデン、緑地等の整備誘導を検討するなど、景観向上や生物多様性確保等の日常の豊かさに加えて、防災機能を強化してまいります。
○関野委員 都市開発における取組が、日常の豊かさと防災機能強化につながることは理解はできました。
ただ、都市開発に対しては様々な意見があり、環境破壊につながるという意見もありますが、開発により、まちが生まれ変わる中で、人々の生活にゆとりと潤いを与える新たな緑を確保することや、グリーンインフラの導入を図ることで、ヒートアイランド対策につながる効果もあるというふうに考えます。
と同時に、昨今、先ほどもお話をさせていただきましたが、木というものは、すべからく切ってはいけないものであるという風潮が最近はあります。しかし、木は、人が手を入れ、適切に管理してこそ価値があるというふうに私は考えています。
例えば樹齢四十年を超えた杉は−−失礼、ちょっといろいろあるので。例えば樹齢四十年は、すみません、原田さんの質問のときに入った言葉でした。
四十年というところを突くのも何なので、例えば樹木は成長期に多くのCO2、こういったものを吸収すると。ここにいる委員の、本会議でもありましたが、成熟した樹木になるにつれて、吸収できるCO2量、これはある意味減少をしていくという一面があるというふうにもあります。
人々が目先の情報だけでなく、大きな視点で、正しい見地を持って判断する、こういったことが重要であるのかなというふうには思っております。正直、古ければ、杉というようなお話もあったので、古くなると花粉も出て、それで東京都は花粉対策しているなんていうようなこともありますので、こういうところはもうちょっとしっかりと樹木に関しては勉強をしていかなければいけないのかなというふうに考えております。
それはいいとしまして、今後、都市の中で生み出されるグリーンインフラが、都民の暮らしと豊かさ、そして防災機能強化、こういったものに対して、しっかりと安全・安心を与えるものとなっていただくということをお願いいたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。
○土屋委員 地球温暖化による気候変動に伴い、関東においては、今後降雨量が一・一倍に増加するといわれています。
都内では、令和元年東日本台風において、長時間続く大雨に対し調節池が大きな効果を発揮した一方、私の地元世田谷区では、二子玉川駅周辺を中心に、多摩川からの溢水により多数の家屋が床上浸水する被害が発生し、大学の地下にある書庫が完全に水没しました。幸い人的被害はなかったものの、何事にも代え難い命を脅かす事態が起こり、改めて水害対策はとても重要だと、地域住民の水害対策に対する意識がさらに高まった災害でありました。
また、今年六月の台風二号でも善福寺川からの溢水による被害が発生しており、周辺は住宅が連檐する地域で、都民の生活が破壊され、命と財産が失われる危機が迫っていたと聞きました。
都はこれまでも、河川や下水道の整備に加え、流域対策等を含めた幅広い取組を行ってきましたが、気候変動により、近年でも依然として豪雨災害が発生しており、今後高まる豪雨災害リスクへの対策は急務であります。
今回改定される東京都豪雨対策基本方針は、このような状況を踏まえた内容であると捉えています。都民の命と財産を守るためには、気候変動の影響による豪雨災害の激甚化に備え、さらに対策を強化していくことが必要だと考えます。
そこで、改めて、豪雨対策の強化について、どのように取り組むのかお伺いいたします。
○三宮都市基盤部長 気候変動による降雨量の増加が見込まれる中、人口、資産が集積し、高度に土地利用される東京においては、激甚化、頻発化する豪雨への対策強化は急務でございます。
このことから、気候変動に伴い増加する降雨量に対応するため、都内全域で目標降雨を時間十ミリ引き上げ、河川や下水道といった流下施設の着実な整備や調節池等の貯留施設整備の取組を強化いたします。加えて、流域対策への支援も充実し、浸水被害を防止してまいります。
○土屋委員 豪雨対策の推進に当たっては、対策量の大きな取組を的確に実施していくことが必要だと考えます。尊い都民の生命を守るため、しっかりと取り組んでいただきますようお願いいたします。
引き上げる目標降雨への対応は着実に進めていただきたいところでありますが、気候変動の影響には不確実な面があり、今後の大雨が目標降雨内に収まるとは限りません。豪雨災害に対して強靱な都市をつくるためには、目標降雨を上回る大雨が降った際の備えが必要であります。
そこで、目標降雨を超える大雨に対してはどのように取り組むのか伺います。
○三宮都市基盤部長 予想を超える降雨への備えとして、新たな仕組みにより高台まちづくりを加速することや、新たな取組としてグリーンインフラ等の整備、それらのハード対策と避難を組み合わせて対応し、水害に強いまちづくりを推進してまいります。
○土屋委員 刻々と激甚化、頻発化する豪雨に対応していくには、浸水被害を防止する取組、想定し得る全ての豪雨から都民を守る取組を重層的に進めようとしていることが分かりました。
さらに、豪雨対策を一層効果的に推進するためには、行政だけではなく、企業や地域の皆様が豪雨対策を知り、それを周りの人に伝えることで、多くの人と意識を共有し、変えていくことにより、行動することにつなげていくことが大切であります。
河川や下水道の整備と併せ、その負荷軽減を図る流域対策に多様な関係者が取り組む必要がありますが、現状では、一般の方々の施策への認知が進んでいないことが課題の一つとなっています。
そこで、流域対策について、広く一般の方々へどのような周知の取組を行っているのかお伺いいたします。
○三宮都市基盤部長 一般の方々が身の回りでできる取組の象徴として、雨水しみこみプロジェクトという愛称とロゴマークの活用を九都県市首脳会議で提案し、共同して流域対策など豪雨対策の広報に本年十一月から取り組んでおります。
広報の実施に当たっては、各都県市にあるサイネージ等において動画を放映するとともに、共通のチラシを配布するなど、対策の認知度向上を図っております。
○土屋委員 私も本日、雨水しみこみプロジェクトのバッジをつけさせていただいておりますが、気候変動に対応した強靱な都市をつくり上げるためには、ハード整備を中心として、様々な施策が充実することが必要であります。
究極の理想は、豪雨対策に社会全体で取り組んでいくことでありますが、まずは隗より始めよで、都が率先して浸水被害から都民の命と財産を守るハード整備にしっかりと取り組んでいっていただくことを要望して、私の質問を終わります。
○加藤委員 近年、全国的に豪雨災害が頻発化、激甚化しております。都内でも、六月に台風二号がもたらした大雨による善福寺川の溢水があり、第二回都議会定例会の公明党代表質問でも、対策について取り上げたところです。
このような地域におきまして、人々の暮らしを守り、浸水被害を繰り返さないよう、地下調節池の手続等も現在進められているところであります。
また、今夏の猛暑は、気候変動という現象を多くの方が実感し、今後の東京のさらなる危機を予感させるものでありました。
このような状況に対応するため、都では今回、東京都豪雨対策基本方針の改定に向けて、政策目標とする降雨量を時間十ミリ引き上げ、豪雨対策の推進に取り組んでいくとしています。
そこでまず、基本方針で目標とする降雨について伺います。また、目標設定により、どれぐらいの、どういった水害に対応できるのか確認をいたします。
○三宮都市基盤部長 本方針では、都内全域において、気候変動を踏まえた年超過確率二十分の一規模相当の降雨に対応することを目標としております。これは、一年間に目標を超える降雨が発生する確率が五%であることを示しております。この目標設定により、発生が予測される大部分の降雨に対応することが可能となります。
○加藤委員 今回の改定で、発生が予測される大部分の降雨に対応することができるということで、都民の安全確保にとって頼もしいことだと思います。基本方針で示された目標の早期実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。
都はこれまで、総合的に治水対策を進めてきましたが、今後の豪雨対策の推進に先立ち、取組の現在地を把握することが重要であると考えます。
そこで、まず、流域対策の現状について質問します。
改定前の東京都豪雨対策基本方針に示された流域対策の目標値に対する現状の実施状況、これについて伺います。
○三宮都市基盤部長 基本方針に定めた豪雨対策を強化する神田川など九流域においては、時間十ミリに相当する対策量六百五十四万立方メートルを令和十九年度までの目標としております。令和二年度末までの進捗率は約六割となっており、おおむね順調に推移しております。
○加藤委員 令和十九年度までの目標に対して、二年度末までに約六割の進捗ということでありますので、流域対策は順調に進んでいると考えます。引き続き、目標の達成に向けて着実に取り組んでいただきたいと思います。
都は、東京都豪雨対策基本方針の改定に向けまして、政策目標とする降雨量を時間十ミリ引き上げ、豪雨対策の推進に取り組んでいくとしていますが、流域対策の取組が進んでいるのであれば、河川や下水道の整備ではなく流域対策を進めれば十分という、そうした意見も一部にはあります。
しかし、我が党は、豪雨対策において大きな力を発揮する河川や下水道のハード整備、これが不可欠であり、さらにその負荷を軽減する流域対策とを組み合わせた幅広い取組、これが高い次元で調和することによって、より効果を発揮すると、そのように考えております。
そこで、豪雨対策を推進するため、改定予定の基本方針において、引き上げる目標に対応するため、どういった対策を強化するのか伺います。
○三宮都市基盤部長 改定する基本方針において引き上げる目標降雨に対応するため、雨水流出を抑制する流域対策の推進はもとより、抜本的対策として、調節池を含めた河川や下水道の整備による対策を強化してまいります。
例えば、TOKYO強靱化プロジェクトと連携し、新たな調節池百五十万立方メートルの事業化を前倒しするなど、二〇四〇年代に向けて豪雨対策を加速してまいります。
○加藤委員 流域対策も大事でありますけれども、抜本的な対策としまして、調節池を含めた河川や下水道の整備を強化していくことが重要ということであります。第三回定例会の代表質問でも、その旨訴えさせていただきました。
気候変動は、待ったなしでございます。加速できるところは加速し、速やかに万全の備えを構築していただきたいと存じます。そして、豪雨対策の取組を効果的に推進するためには、優先順位をつけて効率的に対策を実施することが重要だと考えます。
そこで、改定予定の基本方針において、どのような地域から対策を強化していくのか伺います。
○三宮都市基盤部長 効果の早期発現に向け、過去の浸水被害の状況や、浸水時に被害が想定される箇所のシミュレーション等を踏まえ、リスクの高い地域から重点的に対策を実施してまいります。
○加藤委員 リスクの高い地域から効率的に対策を進め、早期の効果発現に向けて取り組むことが、都民の安全・安心につながっていくと考えています。抜本的対策である河川整備等の着実な推進を望みます。それと同時並行で、この流域対策も重要な取組であります。
一つ大事な視点としまして、東京の各地で進む大規模な開発行為に際しては、開発をきっかけに都市機能の向上が図られるとともに、緑の創出や流域対策も行われており、豪雨対策についても大きな役割を果たしているのではないかということであります。
知事も今定例会の所信表明において、自然環境と都市機能の調和が重要視され、大きな転換点を迎えているのがまちづくりと述べていました。
そこで、基本方針における流域対策のうち、大規模民間施設の取組の内容について伺います。
○三宮都市基盤部長 都はこれまで、おおむね五百平方メートル以上の大規模民間施設を対象に、流域別計画等に基づき定めた一ヘクタール当たり五百から九百五十立方メートルの対策量に応じた雨水貯留浸透施設の設置を強く働きかけております。
今後、事業者の効果的な取組を推進するため、開発面積当たりの対策量の引上げや、対象となる開発面積の引下げなどを検討してまいります。
○加藤委員 この大規模民間施設において雨水貯留浸透施設の設置が進んでおり、社会的にも地域的にも貢献をしていることで開発行為への理解も進んでいくと、そのように考えます。
そして、この開発面積当たりの対策量の引上げや、対象となる開発面積の引下げなどを検討していくということでありますので、今後も流域対策に大きく貢献する事業者の取組を促していただきたいと要望いたします。
流域対策には、貯留という点と浸透という点がありますけれども、貯留のメニューの一つとして雨水タンクがあります。私の地元墨田区は、対策強化流域ではないものの、地下水位が高く、雨水が浸透しにくいため、天水尊と呼ばれる小型の貯留タンクや、コミュニティで共有する雨水貯留施設、路地尊、これが身近な地域に多く設置されております。
こうした降った雨を一時的に備える雨水タンクを至るところに設置して、災害時の備えや打ち水として活用するなど、雨水の利活用が進んでいます。
また、大規模な貯留タンクとして、国技館、江戸博、東京スカイツリーなどで利活用されております。こういったよい取組が、墨田区だけにとどまらず、都内全域はもとより、首都圏全域に広がっていくことで、豪雨対策のさらなる推進が図られると考えています。
そこで、豪雨対策の推進に資する好事例の展開について、どのように取り組んでいくのか伺います。
○三宮都市基盤部長 都の関係部局及び都内の区市町村により構成される東京都総合治水対策協議会におきまして、豪雨対策の推進に資する好事例について共有し、協議会のホームページに掲載するなど、知見を蓄積することで区市町村の取組を相互に促進してまいります。
○加藤委員 都と区市町村が情報交換を行い、知見が蓄積されていくことは大切でありまして、豪雨対策が促進されるものと思います。今後も、ぜひこの取組を広げていただきたいと思います。
また、近年の気候変動においては、海面水位の上昇などの低地河川への影響もあるといわれています。豪雨対策は、中小河川を中心とした洪水への対策が中心になりますが、海水面より低い土地が広がる東部低地帯は、一たび水害が発生すると、長期的かつ甚大な被害が発生するおそれがあります。
そこで、基本方針に基づく低地河川における取組について伺います。
○三宮都市基盤部長 低地河川が流れる東部低地帯におきましては、高潮防御施設の整備を着実に推進していくことで、洪水に対する安全性も併せて確保してまいります。
また、水害に強いまちづくりを進めるため、大規模水害時における公共施設を活用した緊急時の避難場所の確保や、活動拠点となる高台整備を推進してまいります。
さらに、国と連携した高規格堤防整備促進に関する新たな仕組みの導入等の検討を行ってまいります。
○加藤委員 ゼロメートル地帯である墨田区は、水害対策も非常に大事であります。高規格堤防も、速やかに進めてもらいたいという地域もあれば、高規格堤防を待っていられないので、緊急時の避難場所確保や高台整備を急がねばならない地域もあります。また、低地河川においては、高潮も考慮しながら多面的に対策していくことが重要です。今後も実効性の高い取組を検討していくことを求めておきます。
これまで目標降雨までの取組を中心に質問をさせていただきましたけれども、目標を超える降雨に対応するもしもの備え、これも必要でございます。
豪雨に対して最もリスクの大きい場所の一つは、地下街や地下駅など、人が密集している地下空間であると考えています。地下にいると地上の状況に気づきにくく、少しでも冠水すれば水が流れ込み、気づいたときには手遅れとなるおそれがあります。水圧というのは思った以上に強く、水の流れに逆らって階段を上がることは困難だと聞いております。
また、このような地下空間には、土地カンのない来街者や外国人も多数います。そのため、地下空間の利用者に対する情報伝達手段については、多言語化も含めて充実させる必要があると考えています。
そこで、もしもの備えとして、情報伝達手段の充実についてどのように取り組んでいるのか伺います。
○三宮都市基盤部長 利用者への情報提供を行うデジタルサイネージの整備など、避難誘導策の充実に取り組む地下街管理会社等に対する支援を実施しております。
また、国際都市として多くの外国人が暮らし訪れることを見据え、避難誘導の多言語化とサイン表示の充実などを促進してまいります。
○加藤委員 デジタルサイネージやサインを効果的に用いて情報伝達手段の充実を図り、誰一人取り残されないようにしていただきたいと存じます。
その上で、避難誘導の多言語化については、サイン表示などにとどまらず、音声による対応が重要であると考えます。一刻を争うわけですから、表示を見ている余裕や、表示のある場所の近くにいない場合があると思うんですね。多言語の音声を繰り返しスピーカーで流すことが重要であります。設備導入が進むよう取組を求めておきます。
また、地下空間からの避難の実効性を高めるためには、同じ地下空間に連なる施設管理者等が連携して、手遅れになる前に避難行動を促す必要があると考えています。
そこで、地下空間からの避難誘導についてどのように取り組んでいるのか伺います。
○三宮都市基盤部長 都内十二地区の大規模地下街等の施設管理者等により構成される東京都地下街等浸水対策協議会において、もしものときに備え、利用者を迅速かつ円滑に避難誘導するための避難経路の精査を実施しております。その際、接続するビル等の協力の下、垂直避難を受け入れております。
また、周辺ビルなど施設間の連携強化や、利用者視点による浸水対策の強化を図るため、先般、都民参加型の避難訓練を渋谷駅周辺において実施いたしました。
○加藤委員 官民が連携して垂直避難等の備えを進めることが、この避難の実効性を高める上で重要であると考えます。
また、渋谷における都民参加型の避難訓練のようなすばらしい取組を他の地区にもぜひ広げていただきたいと思います。
これまで浸水被害を防止する取組と、もしもの備えについて伺いました。気候変動により、これから人類は未知の領域に突入しようとしております。様々な施策を組み合わせ、激甚化する豪雨災害に対して、強靱な都市をつくり上げることが必要と考えます。
また、日本は常にあらゆる災害の危機にさらされている災害大国であります。その中で、首都東京は、想定を超える最悪の事態に対しても、都民の生命を守り抜き、これからも世界に冠する都市であり続けなければなりません。したがって、豪雨対策は極めて重要なものであります。
そこで、最後に、豪雨対策基本方針の改定を踏まえ、強靱な都市の実現に向けた局長の決意を伺います。
○谷崎都市整備局長 今回の改定に当たりましては、気候変動に対応するため対策の目標を引き上げ、あらゆる関係者と連携し、長期的な視野を持って豪雨対策に取り組んでいくこととしております。
そのため、抜本的対策である河川整備や下水道整備を加速、強化するとともに、その負荷を軽減する流域対策とを組み合わせた幅広い取組により、事業を展開してまいります。刻々と激甚化、頻発化する豪雨に対し、災害リスクが高いエリアへの重点的な対策強化により、事業効果を早期に発現させ、より強いまちへと進化させてまいります。
今後とも、新たな方針に基づき豪雨対策を進め、人々の安全・安心を確保し、強靱で持続可能な首都東京を実現してまいります。
○加藤委員 局長から、強靱で持続可能な首都東京の実現に向けた強い決意がありました。これからも切迫感を持って豪雨対策を進めることにより、人々の安全・安心の願いに応え、強靱な東京を実現していくことを要望し、質問を終わります。
○原田委員 私からも、豪雨対策基本方針の中間とりまとめについて質疑をさせていただきます。
前文、少し長くなるんですけれども、本方針は、二〇〇五年九月四日の杉並区、中野区を中心とした時間百ミリを超える集中豪雨を受け、二〇〇七年八月に策定されたのが始まりです。私がよくこの委員会で紹介する議員駆け出しの頃のエピソードは、まさにこのときの経験でした。
私が赴いた被災地は、頻繁に水害に見舞われていますが、都市型水害により、お風呂や水道から下水が逆流するというような現象は、この百ミリのときからはありません。この区域は、確かに極めて低いところに位置するのですが、その後の豪雨で床下浸水はありましたが、床上浸水ですとか、それから、この区域のマンホールから下水が大量に逆流したということはなかったと記憶しています。ただ、床下浸水は何度かあったんですね。
実は、逆に、この地域よりもうちょっと高台にある阿佐ヶ谷団地南端の幾つかのマンホールから下水が噴出をして、もうちょっと高台にあるんですよ、そこから川が、こうやってわあっと建物とかを回るように、善福寺川の歩道を沿うようにして、善福寺川には水は入らないで、より低いその地域に流れ込むという、その阿佐ヶ谷団地の南端のマンホールから噴き出したのが川のようになって、この水害地域に流れ込んできているというのがありました。というか、これがほとんどなんです。
下水というのは不思議で、河岸段丘の状況ですとか巨大団地の存在、阿佐ヶ谷団地ですね、その当時は。そして、下水の細さによる汚水の流れ次第で、比較的高い位置のマンホールでも噴き出してしまうことがあるわけなんです。
ですので、私は、豪雨時にできる、この阿佐ヶ谷団地からの下水の川の流れの中腹で何らかの対処することを東京都に求めました。その結果、透水性グレーチングとともに、バイパスと僕らは呼んでいますけれども、あふれた下水を特別の管で川に直接流すという下水の手術を行ったんですね。
これによってですね−−さらには、阿佐ヶ谷団地が建て替えてプラウドシティ阿佐ヶ谷になるときに、その地下に五千立米の地下貯水槽が造られまして、私はもっと造ってほしかったんですけれども、一万ぐらい造れたろうとか思ったんですけど、この区域の水害は大幅に減ったというのが地域の実感です。
このように、上流部での水害は、豪雨のすごさにどう対応するかというより、下水のありようをしっかりと見詰めれば、小さなハード対策を行うことで対策が可能なことがあるわけなんですね。
このときのバイパスの工事費、数百万円ほどの価格かなという印象ですけれども、来年二月の都計審にかかる三十万立米の地下調節池建設には一千億の経費が必要と聞いています。十年、二十年かかると聞いていますから、もしかしたら、価格の高騰とか物価とかも変わってきますから、もっとになるのかもしれません。
建設局は、本当に善福寺川沿いの一つ一つの水害地域の特性をしっかり検証したのか問われていますが、それは都市整備局にも問われているんだと私は思っているわけです。
中小河川上流部での都市型水害対策は、大規模なハード対策を行うと、この間も指摘しましたが、水害対策にはなりつつも、違う被害、水害対策被害ともいうべき重大な環境破壊が引き起こされます。善福寺川の地下調節池でいえば、杉並で極めて清廉な湧水の破壊、これは完全に破壊されます、今回の計画で。その真下に造っちゃうので。
二つの貴重な公園が、工事中だけでなく、工事も十年とも二十年ともいわれているわけですけど、管理棟の建設により、未来永劫その区域からは奪われ、隣接住民は人生設計を破壊されるレベルの住環境被害を受けること。そもそもかなりの立ち退きを要求するため、用地買収が進まず、結果、水害対策が遅れるという本末転倒も起こるんではないかといわれていると。
ですから、私は、水害対策を常に強く求めつつも、上流部での水害対策というのは、小さなハード対策を小まめに行うこと、さっきのバイパスみたいなことですね、さらには、透水性舗装など、平米ごとの貯水量は大きくないものの、大規模に設置すれば、豪雨時に一気に下水に流れ込む雨水を抑制することができるような施策を求めてきたわけです。
中小河川の上流部水害対策において注意が必要なのは、一気に降って河川の水圧を上昇させるゲリラ豪雨です。そしてそのゲリラ豪雨は、ヒートアイランド現象により頻発化するようになってきたといわれています。
そこでお聞きしますが、東京のゲリラ豪雨はヒートアイランド現象が要因となっているといわれていますが、東京都にその認識はありますか。
○三宮都市基盤部長 環境局のホームページでは、東京都では、過去百年間の間に約三度気温が上昇した、中小規模の都市の平均気温上昇が約一度であるのに比べて大きな上昇である、これは地球温暖化の影響もあるが、ヒートアイランド現象による影響も大きく表れていると示されております。
○原田委員 他局の資料にも当たっていただきまして、ありがとうございます。
環境局も、東京の気温上昇にはヒートアイランド現象が大きく影響しているといっているわけです。
私の質問は、ゲリラ豪雨の原因にヒートアイランド現象があるんじゃないかといわれているよねという質問だったんですけど、そういう答弁をいただいたと。ヒートアイランド現象によって東京が温暖化しているという。むしろ気候変動の影響より、ヒートアイランド現象の影響の方が大きいというのが実は専門家の定説です。
ただし、こうしたヒートアイランド現象に対する都市整備局の見識、見解が、環境局のを持ってくるあたり、東京都の都市整備局にないというのは、私は問題だと思うんですね。
今、世界は一・五度の気温上昇を抑えるために必死なわけですが、東京でいえば、一九〇〇年代初めより三度の気温上昇が確認されているわけです。どおりで暑いと。このうち、気候変動による影響は、東京の場合、一度。二度はヒートアイランド現象によるものだといわれているわけですね。先ほどの環境局の見解とほぼ合っていると。その要因は、アスファルト舗装や超高層ビル群の出現ということが明らかなわけです。
そして、ヒートアイランド現象はゲリラ豪雨の頻発を招き、今、善福寺川というたった一つの中小河川の対策に環七地下調節池で一千億円かけた。新たに上流部で今回一千億円の税金がつぎ込まれようとしていると。そのほか、数十億円レベルで調節池を幾つか造っていますよね。
ちなみに、環七地下調節池の年間維持費は五百万や一千万じゃありません。二億円ほどかかっています。こういう対策を全河川でやるというのかと。深い傷にばんそうこうを貼るような治療は、私は間違っていると思うんですね。
少なくとも、ヒートアイランド現象対策を同時に行うのが肝要であり、お金も大規模ハード対策ほどかからないんですから、私は、いわゆるワイズスペンディングだと思うんですよね。
そこでお聞きしますけれども、これまで豪雨対策は、河川の拡幅や地下調節池など大規模なハードに傾いてきました。しかし、気候変動だけでなく、ヒートアイランド現象によるゲリラ豪雨の頻発化が問題となっており、この対策こそ求められていると考えますが、東京都の認識はいかがか。
○三宮都市基盤部長 気象庁によれば、極端な大雨の強度の変化には、都市化の影響との明確な関連性は確認されず、その影響を評価するためには、引き続きデータの蓄積や調査研究が必要とされております。
また、先ほどご指摘ありました地球温暖化とヒートアイランド現象の内訳ということについては、これは環境局のホームページでも、過去百年間で約三度気温が上昇したことについては、気候変動とヒートアイランド現象による温度上昇の内訳を示したものではございませんで、地球温暖化とヒートアイランド現象の両方の影響が表れているということを示したものでございます。
○原田委員 環境局は、三度上がったっていってるんですよね。そのうち、今の気候変動の専門家は、あとヒートアイランド現象の専門家は、気候変動が大体一度ぐらいで、東京都の場合は、二度はヒートアイランドだっていってるので、勉強しておいてください。
今、答弁でちょっと驚きの答弁が出てきたと。気象庁によれば、その関連性は確認されないと、ヒートアイランド現象と極端な大雨の強度の変化には。それは、実はいわれているんです。明確なデータで示すことって難しいねっていわれているんですけれども、そもそもですね、気象庁においても、それから環境省においても、どこでも、原因は分からないんだけれども、ちょっと調査研究をしていく必要があるし、いずれにしてもヒートアイランド対策はやらないといけないよねっていうのが大体の方向性なんですね。
なので、今それだけ、私がヒートアイランド現象によるゲリラ豪雨の頻発化対策を求めて、それに対して関連性は確認されないだけいうと、東京都は、都市整備局は、やはり深い傷であるヒートアイランド現象に対して、ずっとその原因は放置したまま、対応策、対応策で一千億単位、数十億単位のお金を払っていくことになるんですかっていう話になっちゃうんで、私は、もうちょっとこのヒートアイランド現象というものに対して、見識を高めていただきたいなって思うんです。
東京の温暖化の要因に、ヒートアイランド現象があることは認めたわけですね。ところが、ヒートアイランド現象がゲリラ豪雨の頻発に影響を与えているという、かなり定説に近い話だと思っているんですけれども、その対策を求めたところ、ヒートアイランドとゲリラ豪雨の増加の関係は分からないんだという答弁が出たわけです。それは、さすがに苦しいんじゃないかと。
それこそ、公益財団法人東京都環境公社の東京の暑熱化の実態と極端現象というレポートでは、ヒートアイランド現象の要因は、一、緑地や水面の減少の影響、二、建築物の高層化の影響、三、人工排熱の影響などが挙げられているわけですね。つまりは、超高層ビルなど再開発などの都市化が影響しているんだということなんです。
さらに、都土木技術支援・人材育成センター年報に掲載された建設局の職員が書いたと思われる河川施設のヒートアイランド対策という論文なんですけれども、冒頭、都市活動に起因する温度上昇、すなわちヒートアイランド現象は、夏季暑熱期に最も顕著に表れる、連続する熱帯夜の出現やゲリラ豪雨の発生などである、いうまでもなく、このヒートアイランド現象の緩和策は、首都東京に求められた課題の一つだっていうわけですね。
環境局系、建設局系は、ヒートアイランド対策やらないとまずいよねと、東京都の課題の一つだよねといっているんですけれども、改めてお聞きしますけど、都市整備局だけがヒートアイランド現象とゲリラ豪雨の連関性、認めないのはなぜなんですか。
○三宮都市基盤部長 今回お示ししております基本方針の改定につきましては、これは地球規模で影響を及ぼしている気候変動に対応するためのものでございます。降雨量の増加、台風の強大化など、災害リスクに対応する対策をどうしていくかということについての方針を示したものでございます。
○原田委員 なるほど。普通の都市が大体百年間で一度上がって、東京だけが三度上がっているんだけど、それが都市化によるヒートアイランド現象によるものだというのは分からないんだと。とにかく三度上がっていると、ほかの都市より。
普通は、ヒートアイランド現象がそうさせているんですよねというふうになるんですけど、そこは、都市化によるヒートアイランド現象による気温上昇は認めないと。とにかく気温上昇に対して対策をするのであって、割とかたくなに、ヒートアイランド対策はしないんだということをいったように聞こえるんです。(「しないとはいっていない」と呼ぶ者あり)しないとはいっていないっていうやじが飛びましたけど、どうですか。
○三宮都市基盤部長 ヒートアイランド対策をするしないではございませんで、本方針の性格を申し上げたものでございます。
○原田委員 実は、いろいろ調べていたら、今も松田委員からやじがいっぱい飛んでいたんですけど、御党の早坂義弘都議のレポートを見ますと、ヒートアイランド現象で局所的な集中豪雨が頻発するようになったというふうに書かれていて、それはそうだろうなと、これが一般的な見解だろうなと思うんですけど、これだけだとちょっと心もとないんで、いろいろ調べてみますと、環境省のヒートアイランド対策大綱でもはっきりと、ヒートアイランド現象による局所的集中豪雨との関連性も指摘されているといって、対策をしなきゃいけないねって書いてあるわけですね。
さらに、そもそもなんですけど、実は二〇一四年版東京都豪雨対策基本方針の本文、まだ改定されていますけど、現方針、本文を読んでみました。すると、こう書いてあるわけです。第1章、降雨状況や浸水被害状況などの変化、この部分で、増加する豪雨というところの最後、このような時間五十ミリを超える降雨回数の増加傾向については、地球温暖化やヒートアイランド現象などの影響も考えられることから、今後とも持続する可能性があると。何のことはない、改定される前の文章には、しっかりとヒートアイランド現象って書いてあるわけなんですね、豪雨を増やしているよと。
二〇一四年版と今回の豪雨対策基本方針見比べますと、不思議なことに気づきます。豪雨や降雨の現状について記述してある部分を見てみたんですけど、今回の中間とりまとめには、ヒートアイランド現象とゲリラ豪雨の関係の記載がなくなっていたんですね。単にゲリラ豪雨が増加していると書いてあるだけで、その要因がすっぽり抜け落ちてしまっているんです。これどうしてなんですか。
○三宮都市基盤部長 ただいまご指摘いただきました平成二十六年の方針、今回の改定は、その方針を踏まえて、地球規模で進んでいる気候変動による変化、これに対応するものとしてつくったものでございます。
ということでございますから、平成二十六方針を踏まえて、さらに目標降雨をレベルアップすると、その上での対策ということの方針を示したものでございます。
○原田委員 つまりヒートアイランド対策については、引き続き平成二十六年の記載も踏まえてやっていかないと大変なことになるよねという認識はあるということですね。もう一度。
○三宮都市基盤部長 先ほど答弁申し上げましたが、ヒートアイランドの対策、それから、気候変動の対策という、具体的にそれでどれだけ何をやるということではなく、全体として気候変動、この大きな影響に対して目標降雨強度をレベルアップして、それで対策を強化していくということが方針でございます。
○原田委員 あのね、東京都というのは、周りの気候変動の影響、百年で一度といわれていますけど、三度上がっているんですね。これの主な要因はヒートアイランド現象だっていわれていて、それはゲリラ豪雨との連関性が強くうたわれていて、このヒートアイランド対策は都市化の問題が非常に大きくあると。環境省も、都心部の巨大なビル建設とかが要因になっているみたいなことを書いているんですよね。
だから、この豪雨対策基本方針つくるのは都市整備局なわけです。その都市整備局が、今、都心部でのヒートアイランド現象を加速させるようなまちづくりを進めてきてしまっているという、かなり重大な矛盾を突きつけられているわけですよ。
で、その豪雨対策基本方針がどういうふうに生まれ変わるのかなと思ったら、豪雨の原因になっているヒートアイランド現象の文言が消えたと。今聞いたら、踏まえているんだけど、気候変動全体に対して何かをしなきゃいけないと。
つまり、ヒートアイランド現象に対しては、都市整備としてまちづくりの在り方を改めることなく、このままやっていくんだと、激甚化する豪雨に対して対処していけばいいんだという、何だかとっても、何ていうんですか、何ていうか分かりませんけれども、こういう矛盾に満ちたまちづくりを何とかしないといけないでしょうということを私はいいたいんです。
この辺にしますけれども、いずれにしても豪雨対策をつかさどる都市整備局の認識や姿勢としては、私は看過できないものを感じますので、今後、問われていかなければならないなと思いました。
さて、ヒートアイランド現象の対策としては、東京都建設局がかつて研究を進めていた透水性舗装など雨水浸透策が有効といわれています。豪雨対策基本方針は、ゲリラ豪雨の頻発に合わせて、ハード対策ばかりが目標を引き上げられてきましたが、ハード対策は上流域に行くほど住環境との摩擦を引き起こすことが大きいと。
その点、流域対策は、立ち退きや広大な広場などが必要ありません。流域対策の目標を引き上げることこそ重要と考えますが、なぜ流域対策だけが目標を引き上げられないのか、教えてください。
○三宮都市基盤部長 改定する豪雨対策基本方針では、気候変動を踏まえ、引き上げた目標に対して、河川の整備、下水道の整備、流域対策で対応していくこととしております。このことから、ご指摘には当たらないと考えております。
○原田委員 そうはいっても、今回、六十五ミリから区部は七十五ミリに引き上げられたんですけど、ずっと流域対策って昔から十ミリですよね、そのうちの。
私はね、かなりのポテンシャルあるなと思っていまして、二十ミリいけるでしょうと思っているんですよ。そういう話なんです。
はっきりいって、今、例えば杉並区と練馬区だけでも、全然透水性舗装のレベルって違うんです。練馬区の方が多いんです。なぜか。練馬区の職員さんに聞いたこともあったんですけど、練馬区の職員さんは、自分たちが杉並区の倍やっているという自覚もなかったんですね。もうちょっとこういうところを、杉並区の職員にもやってもらいたいものだなと思いますけど、それには、やっぱり東京都の補助が非常に必要になってくるなというふうに思っています。
この透水性舗装ですけど、実は、昔住んでいた私の家の前が透水性舗装されていまして、豪雨時のその威力を目の当たりにしてきました。すごいんです。どんな豪雨でも、十分くらい、雨水を大体のんでくれるんです。十分ぐらいたつと、わあって浮いてきて下水の方に流れていっちゃうんですね。ただ、この十分ってすごく大事なんですね。二十年近くたっても、のみ込む量は、あんまり車通らない普通の歩道なので、変わらなかったと記憶しています。
しかも重要なのは、透水性舗装っていうのは、のみ込んだ雨がそのまま地面に落ちますし、真夏の猛暑時は逆に蒸発してその地域を冷やす力があるわけです。大規模に行われれば、まち全体を冷やす力があります。これは私の肌感覚で話しているわけではなくて、日本ヒートアイランド学会という組織がありますが、これには協賛会員として東京都環境局も名を連ねていると。
二〇〇七年の論文ですけど、そこにはこう書かれています。我々は、都市の水環境を回復させる機能を有する透水性舗装の雨水貯留能力に着目し、透水性舗装においてもヒートアイランド化を抑制する効果が発揮されるかどうかを検証した、その結果、貯留した雨水の蒸発によって、従来の舗装と比較して路面温度が低減されることを実証したと。
ヒートアイランド対策になるということは、積乱雲が都心部でも育って降り注ぐゲリラ豪雨を軽減する力を持っているということです。豪雨自体を減らしていく力があるとすれば、私は、この施策を進めない手はないと思うんですね。
ところが、今でも豪雨対策基本方針の柱は、河川をさらに深く掘るか、調節池を造るかに偏っています。都市整備局は、各市町村が行う流域対策について補助事業を行っていますよね。私が都議になったとき、この制度を使いやすいものにしてほしいと訴えて、それに応えていただいて、かなり改善されたと思っています。
しかし、依然として利用が少ないのが現状なんです。なぜなら、そもそも補助の上限額が低過ぎまして、担当職員がかじりついて補助制度を利用しようとするには、あまりにももらえる額が少な過ぎる。数百万とかね、一自治体で。
上限額を撤廃して、区市町村道の透水性舗装化を一〇〇%都が補助する制度をつくれば、これはかなり大規模かつ早急に水害対策を進めることができます。十年も二十年もかけて一千億の地下調節池を造っている場合じゃないと私は思っているんです。(「練馬は何でできたの」と呼ぶ者あり)さて−−本当に練馬の人がなぜこんなに頑張っているかというと、実は共産党の都議会議員がその当時、都政でも区政でも頑張ったという経験があるわけなんですけれども、(笑声)そうすると手前みそみたいになっちゃうんでいいませんけど、いや、本当に有名な話なんです。
さて、知事はグリーンインフラを強調するようになり、とうとうグリーンビズなる用語まで飛び出し、本腰を入れるかに見えました。
しかし、私が代表質問で指摘したように、何だか雲行きが怪しくなってきていると。そこで、今回の中間とりまとめで、グリーンインフラが流域対策として取り上げられていないことに気づきました。
そこでお聞きしますが、具体的な取組の施策4に示されたグリーンインフラは、施策3の雨水の流出を抑える流域対策になぜ入らないのか、教えてください。
○三宮都市基盤部長 グリーンインフラは、自然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に活用しようとする考え方であり、豪雨対策基本方針において目標を超える降雨に対応するため、もしもの備えに位置づけております。
○原田委員 みんな、ちょっとはてなっていう、各委員からも思ったと思うんです、感想が出ると思うんですけど、もしもの備えと、これがどういう意味なのかちょっと分かんないんですけど、でも少なくとも、こういう小さな構えじゃ駄目だと思うんですね。
グリーンインフラは、今後の東京のまちづくりを左右する極めて重要なキーワードです。小池知事のいうように、大型開発の環境負荷をカモフラージュするために、木を植えたり透水性舗装をするといった見せかけの環境配慮、いわゆるグリーンウオッシュに利用され、おざなりに導入されて終わりではたまりません。
グリーンインフラとは何か。東京のまちづくりを根底から変えていくその可能性を都市整備局の心ある職員の皆さん、あるいは議員各位が真剣に考え、取り組んでいっていただけるよう訴えて、質問を終わります。
〔三宮都市基盤部長発言を求む〕
○竹井委員長 質問されましたか。
〔原田委員「していないです」と呼び、その他発言する者あり〕
○三宮都市基盤部長 グリーンインフラについてのお話ございましたが、グリーンインフラは、雨水流出抑制として有効なものと考えております。豪雨対策基本方針の中でも、今後、取組効果について検証を進めていくというふうに位置づけております。都市のリダンダンシーとして重要なものであり、それを現在、もしもの備えに位置づけたということでございます。
○原田委員 せっかく部長が答弁していただいたので、最後に、私も今の感想を述べたいと思うんですけれども、流域対策として有効だという答弁が出てまいりました。非常に重要です。
今後、流域対策としてグリーンインフラ位置づけていただいて、だったら、この豪雨対策基本方針の中でも、3のところにグリーンインフラ入れてもいいんじゃないのかなと。本腰を入れてこの流域対策というものに抜本的な予算の傾注、労力を傾けてもらいたいなということを呼びかけまして、お願いしまして、私もその点では皆さんとはぶつかるつもりはないんです。
ですので、何とかこれを、上流地域に住んでいる、中小河川上流部に住んでいる、水害を目の前で見ている議員としては、何とか環境負荷を与えずに水害対策できないものかなって思っているんで、そこの点は力を合わせていきたいなと思っています。
以上です。
○松田(り)委員 東京都豪雨対策基本方針についてお伺いいたします。
令和元年の台風十九号において、大田区では多摩川の溢水は避けられましたが、多摩川からの逆流や内水滞留によりまして、お隣の世田谷さんもそうですが、大田区内でも浸水被害がありました。多摩川自体も水位が上がり、河川敷が川と一体になり、消防団の方に聞きますと、河川敷の下りる階段のところでいうと、本当にあと一段、十センチ程度になるまで水が迫ってきたと聞きました。多くの多摩川周辺地域の皆様が避難をしました。
大田区は、ハザードマップを見ますと、多摩川が氾濫をした場合、約半分以上が浸水する地域でもあり、令和元年の台風によって、多摩川周辺区民の皆様が、改めて水害による怖さを認識したタイミングでもありました。
また、多摩川はもちろんのことながら、令和元年に浸水した地域については、多摩川の水位上昇に伴う多摩川への排水不良による内水滞留、排水樋門全閉による内水滞留が原因であり、内水氾濫という言葉も、この多摩川周辺の区民にとってはなじみのある言葉となっております。
今回は、豪雨対策基本方針を改定し、都においても河川整備や下水道、流域対策等の総合的な治水対策の方向性を改めて都民に示すことになると思いますが、内水氾濫を防ぐ下水道整備という観点から、区部の下水道整備について、今回の改定で、平成二十六年の方針から何が変わったのかお伺いいたします。
○三宮都市基盤部長 今回の改定では、気候変動を踏まえ目標降雨を増加するものとし、都内全域で時間十ミリ引き上げて設定し、区部における下水道整備の目標降雨は時間八十五ミリといたします。
下水道整備については、平成二十六年改定の基本方針では、区部全域で時間五十ミリ降雨への対応を基本としておりました。今回の改定では、区部全域で時間七十五ミリ降雨に対応するため、下水道整備を推進し、内水氾濫による被害を防止するとしております。
○松田(り)委員 大田区も多摩川周辺、呑川周辺、内川周辺とともに重点地区として指定をされている地域でありますが、下水道整備の区部での重点地区選定の考え方についてお伺いいたします。
○三宮都市基盤部長 重点地区の選定に当たりましては、浸水リスクが高い地区を選定することとし、過去の浸水実績に加え、流出解析シミュレーションの結果などを考慮して行っております。
○松田(り)委員 私も大田区に引っ越してきたときに、大田区の水害リスクの高さについて改めて感じはしました。多摩川周辺地域の区民は、常日頃からこのような浸水リスクについて考えてはいますが、引き続き大田区と連携をしながら、この下水道整備についても進めていっていただければと思います。
下水道整備の観点でいうと、今回は豪雨対策基本方針の改定でありますが、大田区では、この下水道の一つの問題でいうと、合流式下水道の問題がよく区議会でも問題となっています。特に大田区の呑川では、合流式下水道によりまして、蒲田駅周辺地域によって水質の悪化に伴う異臭等の問題が長年大田区の一つの課題ともなっております。豪雨の機会が増えると、それだけ合流式下水道による汚水の河川への放出の機会も増えると考えられるため、河川の氾濫はもちろん対策としては大事でありますが、ぜひ豪雨対策基本方針の中で、この合流式下水道の問題も含めて、下水道局の管轄になるとは思いますが、連携をしながら進めていっていただくよう要望しまして、質問を終わります。
○田村委員 今年は、大正十二年に発生した関東大震災から百年の節目でした。突如として発生した巨大地震によって、江戸時代から受け継いだ遺産や、明治時代に近代化された都市が壊滅的被害を受け、十万人を超える尊い命が失われました。破局的な災害は、いつ起こるか分かりません。
近年、気候変動の影響によるものと思われる豪雨災害が全国各地で発生しています。令和元年東日本台風では、都内でも記録的な降雨に見舞われ、甚大な被害が発生しました。私の地元あきる野市でも、秋川からの溢水による浸水被害を生じ、我々が気候変動のさなかに生きていること、それを実感するきっかけの一つになりました。
このような中、都では、今後の気候変動に対応するため、東京都豪雨対策基本方針改定の検討を行い、目標とする降雨を都内全域で時間十ミリ引き上げ、各施設の整備など対策をさらに強化することとしています。
豪雨に対する総合的な取組を推進するためには、河川、下水道の整備のみならず、個々の取組は小さいながら、皆で取り組むことで大きな力を発揮する流域対策を一層強化することが重要です。
都内全域で対策を強化するためには、例えば、対象となる雨水貯留浸透施設の考え方の拡充や、現在、対策強化流域に係る区市町村に限られている流域対策の支援対象地域を拡大することなどが効果的と考えられます。
そこで、都はこれまで、流域対策にどのように取り組み、基本方針の改定に基づきどのような方策を盛り込んでいくのか見解を伺います。
○三宮都市基盤部長 都では、豪雨対策基本方針に基づいて対策強化流域を指定し、公共施設や個人住宅等の貯留浸透施設設置への支援制度を創設し、流域対策を促進してまいりました。
対策推進には、地域の実情を踏まえた取組が効果的であることから、改定する基本方針において、新たに区市町村が提案する先進的な流域対策の取組に対する支援を実施いたします。また、都民や事業者への支援を充実するなど、基本的な考え方を示してまいります。
○田村委員 流域対策の強化は、重要な取組です。引き上げた目標降雨に対応するため、対策強化流域以外にも対象地域を拡大するなど、引き続き支援の充実を検討するとともに、抜本的な対策である河川や下水道の整備にも、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
気候変動の影響が深刻さを増す中で、自然環境が有する機能を社会課題の解決に活用するグリーンインフラが注目を集めています。
そうした中で、東京都には、都の面積の約四割を占める約八万ヘクタールの森林があり、その約七割が多摩地域西部に存在しています。森林は、CO2吸収など多数の機能を持っています。そのうち水の貯留機能は、森林に膨大な量の水をためることにより、洪水を緩和させる効果があります。まさに、緑の調節池といえます。今こそ、都内の充実した森林が持つポテンシャルに着目し、森林に適切に手を入れるなど、雨水流出抑制の取組を一層推進していくべきと考えます。
そこで、基本方針における森林などを含めたグリーンインフラの役割について伺います。
○三宮都市基盤部長 グリーンインフラそのものは、自然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に活用する考え方でございます。
先生ご指摘の森林などの緑は、豊かな水源を育み、都民を豪雨災害などから守る役割を担い、雨水流出抑制に資するグリーンインフラとしての機能を有しております。
○田村委員 森林などの緑は、都民を豪雨災害などから守る役割を担うという答弁でした。
グリーンインフラには多様な機能がありますが、東京都には、都市部でのグリーンインフラと森林のグリーンインフラを有する、世界の首都でもまれに見る多様性のあるグリーンインフラを実現できるポテンシャルがあるということです。
また、グリーンインフラが水の貯留機能を発揮するには重要な条件があります。それは、土中の環境を整えることです。その土壌が多孔質で菌根菌による菌糸が張り巡らされるなど、水を浸透させる、ためる状態になっていなければ機能は発揮されません。ただ地面を露出させればいいというものではないんです。
最後に、東京の森林が緑の調節池としての機能を十分に果たすまでには、残念ながら長い時間がかかります。しかし、気候変動による想定外の豪雨は、いつ襲ってくるか分かりません。そのための緊急の備えとして、現在、都が推進しているコンクリートの調節池も必要であるということはいうまでもないということを申し添えて、私の質問を終わります。
○松田(康)委員 今、豪雨対策基本方針について、委員からいろんなご意見、そして質疑がありましたが、私の方はちょっと視点を変えて、川はつながっているという視点から質問したいと思います。
この豪雨対策においては、広範囲に降る雨についての対応が必要です。東京都の隣接自治体の管理者との連携、これはかなり行う場面が多いかなと思っています。
一方、例えば河川の整備においては、下流側の管理者が違う、異なることによって、都の対策が進むだけでは早期の安全性向上が見込めない場合もあると思います。
そこで、下流側が他県であるなどによって河道整備が進まない河川において、基本方針に基づきどのように取り組むのか伺います。
○三宮都市基盤部長 河川の拡幅や護岸改修等の河道整備に先行して調節池を整備することで、下流への負荷低減を図りつつ、上流側の河道整備を推進していくことにより、安全性を早期に向上させるよう取り組んでまいります。
○松田(康)委員 東京都の方でしっかりやれることをやっていくんだよという趣旨の答弁をいただきました。
ただ、やっぱり川は絶対的に全部がつながっていますので、今日は基本方針に対する質疑ですので、ここに入っていないのでお答えは難しいとは思うんですが、今後、他県との連携、ぜひやっていただきたいなと思います。
東京都から流れて神奈川を通って海に出るものもあれば、埼玉県から来て東京都に行って海に出るものもあるということですので、国の河川だと国交省が管理していますので、国は全体を見て、例えばうちは荒川が流れているんですけれども、荒川は令和元年台風でかなりやはり、多摩川ほどではなかったんですが、ぎりぎりまで来たという経緯がありまして、ちょうど今秋ヶ瀬に貯水池というのがあって、そこが秋ヶ瀬、彩湖というところが埼玉県にあるんですけど、そこに、あのとき三千九百万立米中三千五百万立米がそこに貯水をされたんですが、さらにもう一つ大きなものを造っていて、二〇二五年に完成すれば、令和元年級が来ても、ある程度対応できる、ある程度というか、ほとんど対応できるというふうに、ちょうど岡本三成先生が、公明党さんなんですけれども、ちょうどうちの選挙区で、このエリアが岡本先生だったので、いろいろ、当時国交委員だったので意見交換をさせていただいて、一緒に対応させていただいたことがありました。
そして、他県連携なんですけれども、やはり都がやれることをしっかり先にまずやっていくということをお願いしておきたいと思います。その上で、他県との連携をよろしくお願いいたします。
今般の気候変動によって、激甚化する風水害に対して、目標とする降雨量を引き上げ、そして対策強化を行うとしておりますが、先ほど流域対策でというお話もありましたけれども、果たして流域対策だけで、例えば透水性舗装、いいなと思ったんですけど、それは十ミリ部分のところを透水性舗装で二十ミリにできるのかといったら、ちょっとどうなのかなと個人的には疑問に思うところがあります。しっかりそういった場合は、エビデンス抽出できるのであれば、それもそれでと私は思っております。
これまで取り組んでいた河川、下水道、流域などの取組強化をして、効果的に組み合わせることが、やはり重要であると思っています。
そこで、豪雨対策基本方針における施策の役割分担について伺います。
○三宮都市基盤部長 気候変動を踏まえた目標降雨に対する抜本的な対策としては、河川整備においては、洪水を安全に流下させる河道整備と調節池によって外水氾濫を防ぐとともに、下水道においては、内水氾濫を防ぐ施設整備等を行ってまいります。
さらに、こうした河川と下水道の負荷を減らす流域対策を組み合わせることで、目標とする降雨に対して浸水被害を防止してまいります。
○松田(康)委員 ありがとうございます。
今後、気候変動によって激甚化する豪雨災害に対して、調節池などを含む河川や下水道による抜本的な対策を行って、さらに雨水の流出を抑える流域対策を加えて、豪雨対策の役割分担をしていく、気候変動に対して安心・安全な都市を築いていくというご答弁をいただきました。
こうした施設整備を着実に進めるとともに、気候変動に対しては不確実性があるといわれており、将来の予想を超えるような降雨に対しても備えていく必要があります。もしもの備えとして、都民一人一人が豪雨対策を自分事として捉えることが、自助や共助の取組を高めることにもつながってまいります。
このことから、行政と地域住民、あるいは行政と企業、多様な関係者が連携をして、行政から情報を一人一人がしっかりと受け止めて、危険を察知して行動していくことも不可欠であります。
そこで、この基本方針における情報発信の取組について伺います。
○三宮都市基盤部長 情報発信につきましては、豪雨対策を自分事化していくために、災害対策の重要性を伝える動画等によるPRや、防災教育等の強化を図ってまいります。
また、集中豪雨などで急激に水位が上昇することによる水害リスクを分かりやすく迅速に伝えていくため、河川監視カメラによるリアルタイムの水位情報を動画配信するなど、目に見える形での情報発信に努めてまいります。
今後は、AI等を用いた河川監視カメラ映像の自動解析の導入に向けた検討を進めてまいります。
○松田(康)委員 今、様々ご答弁をいただきました。AIを用いた河川監視カメラ映像の自動解析の導入ということなんですけれども、やはり雨がいっぱい降ると、どうしても見に行っちゃう人がいます。これを何とかやっぱりやめてもらわないと本当に危ないなということを−−毎回ニュースで、見に行きました、一人溺れましたというお話が入ってきます。こうした情報発信、またカメラ映像で映すという答弁もありましたけれども、情報発信を行って、都民一人一人の意識を変えて行動変容につなげていくことが大変重要であると思います。
ただ、この情報発信をしているということを情報発信をしていただくことも併せてお願いしたいなと。それがあることを知らなければ、やはり直接現地に行ってしまいますので、こういうことをやっているんですよという広報にも力をぜひ入れていただきたいとお願いをしておきます。
地球温暖化は一層深刻化をしております。気候変動による風水害の頻発化、激甚化への対応は待ったなしであります。いつ起こってもおかしくない豪雨災害に対して、新たな方針を定めて、ハード、ソフト両面から対策の強化を図り、都民の生命と財産を守る安全・安心な都市を実現するために、豪雨対策は必要不可欠な重要施策であります。
そこで、最後に、気候変動に対する豪雨対策に取り組み、強靱で持続可能な都市の実現に向けた局長の決意を伺って、質問を終わります。
○谷崎都市整備局長 激甚化、頻発化する豪雨災害から都民の生命と財産を守り、安全・安心な都市を将来に引き継いでいくことが、未来の東京の実現に求められております。
今年は、関東大震災から百年の節目の年であり、その機会を捉え、様々な災害に対する都民の意識醸成を図ってまいりました。
気候変動に対応する豪雨対策につきましては、基本方針を改定し、行政としての取組を加速させるとともに、改めて都民や事業者に取組の輪を広げていくものでございます。改定する方針に基づき豪雨対策を進め、百年先も安心して暮らせる強靱で持続可能な都市東京を築き上げてまいります。
○竹井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹井委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時二十五分散会
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