都市整備委員会速記録第十五号

令和五年十一月三十日(木曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十二名
委員長竹井ようこ君
副委員長土屋 みわ君
副委員長尾崎あや子君
理事森口つかさ君
理事加藤 雅之君
理事田村 利光君
松田りゅうすけ君
松田 康将君
関野たかなり君
原田あきら君
中山 信行君
後藤 なみ君

欠席委員 一名

出席説明員
都市整備局局長谷崎 馨一君
次長小平 基晴君
技監小野 幹雄君
技監湯川 雅史君
理事朝山  勉君
総務部長打田 武彦君
都市づくり政策部長山崎 弘人君
都市基盤部長三宮  隆君
市街地整備部長三木  健君
企画担当部長長尾 肇太君
まちづくり調整担当部長澤井 正明君
景観・プロジェクト担当部長真島  誉君
防災都市づくり担当部長池内 光介君
住宅政策本部本部長山口  真君
技監青柳 一彦君
住宅企画部長松崎伸一郎君
都営住宅経営部長栗谷川哲雄君
連絡調整担当部長今井 徳彦君
経営改革担当部長小町 高幹君
都営住宅企画担当部長平松 紀晴君
建設推進担当部長青木 成昭君

本日の会議に付した事件
住宅政策本部関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・都営住宅五H−一一六東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
・都営住宅五H−一〇一西(国立市北三丁目)工事請負契約
・東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅、東京都引揚者住宅等の指定管理者の指定について
陳情の審査
(1)五第三六号 都営住宅において単身の車いす使用者向けの募集対象住宅を拡大することに関する陳情
(2)五第四一号 東京都住宅供給公社の低所得世帯への家賃減額制度の創設に関する陳情
都市整備局関係
陳情の審査
(1)五第四九号の一 特定整備路線補助第二六号線の事業等に係る地域住民への説明会実施等に関する陳情
報告事項
・東京都豪雨対策基本方針(改定)(案)について(説明)
・第二百四十四回東京都都市計画審議会付議予定案件について(説明・質疑)

○竹井委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、住宅政策本部及び都市整備局関係の陳情の審査並びに都市整備局関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、報告事項、第二百四十四回東京都都市計画審議会付議予定案件については、説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、提出予定案件及びその他の報告事項については、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより住宅政策本部関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○山口住宅政策本部長 令和五年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております住宅政策本部関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、契約案が二件、事件案が一件でございます。
 初めに、お手元の資料1、令和五年第四回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをご覧ください。
 江東区辰巳一丁目などにおける都営住宅の工事請負契約議案が二件でございます。
 次に、お手元の資料2、東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅、東京都引揚者住宅等の指定管理者の指定についてをご覧ください。
 地方自治法の規定に基づき、都営住宅等の管理を行う指定管理者を指定するものでございます。
 私からの説明は以上でございます。
 詳細は住宅企画部長からご説明いたします。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○松崎住宅企画部長 それでは、令和五年第四回東京都議会定例会提出予定案件の詳細につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、令和五年第四回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをご覧ください。
 一ページには、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載してございます。
 二ページをお開きください。都営住宅五H−一一六東(江東区辰巳一丁目)工事の概要でございます。
 中段に記載のとおり、住宅の総戸数は二百五十七戸でございます。
 下段に記載のとおり、契約の相手方は関東建設工業株式会社、契約金額は三十七億九千百七十万円、工期は令和八年十二月八日までとなっております。
 三ページに案内図と配置図を、四ページから五ページには平面図、断面図を添付してございます。
 六ページをお開きください。都営住宅五H−一〇一西(国立市北三丁目)工事の概要でございます。
 中段に記載のとおり、住宅の総戸数は百六戸でございます。
 下段に記載のとおり、契約の相手方は株木・中村建設共同企業体、契約金額は十一億二千七百五十万円、工期は令和八年一月十三日までとなっております。
 七ページに案内図と配置図を、八ページに平面図と断面図を添付してございます。
 次に、事件案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅、東京都引揚者住宅等の指定管理者の指定についてをご覧ください。
 本事件案は、地方自治法第二百四十四条の二第三項の規定により、公の施設の管理を行わせる者を指定するものでございます。
 一、公の施設の名称は、東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅及び東京都引揚者住宅並びに東京都営住宅、東京都特定公共賃貸住宅及び東京都地域特別賃貸住宅に設置した共同施設でございます。
 二、指定管理者の名称及び主たる事務所の所在地でございますが、名称は東京都住宅供給公社、主たる事務所の所在地は東京都渋谷区神宮前五丁目五十三番六十七号でございます。
 三、指定の期間は、令和六年四月一日から令和十一年三月三十一日まででございます。
 以上で令和五年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○竹井委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○竹井委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情五第三六号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○平松都営住宅企画担当部長 整理番号1、陳情五第三六号についてご説明いたします。
 それでは、お手元の資料3、請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
 整理番号1、陳情五第三六号、都営住宅において単身の車いす使用者向けの募集対象住宅を拡大することに関する陳情についてご説明を申し上げます。
 陳情者は、墨田区の森田俊晴さんでございます。
 陳情の要旨は、都において、単身の車椅子使用者が、都営住宅の二から三人世帯向けの一般募集住宅にも応募できるよう、募集対象住宅を拡大していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都営住宅は、世帯人数に応じた間取りの住戸の供給を行っており、単身世帯向け募集では、主に一DKを用いております。
 おおむね平成三年度以降に供給された都営住宅は、全ての住戸について、高齢者をはじめ、車椅子使用者などの障害者等も日常生活を支障なく営むことができるよう、住棟にエレベーターやスロープを備え、室内の段差解消や車椅子通行幅を確保したバリアフリー仕様で設計されており、単身者向けの住戸も同様です。
 このバリアフリー仕様の単身者向け住戸は、入居者の募集案内でも明記されており、車椅子使用者も、他の単身高齢者や障害者等と公平な募集条件で応募が可能となっております。
 単身の車椅子使用者向けには、こうした単身者向けの住戸のほか、車椅子使用者専用の住戸があり、募集を行っております。募集倍率も、平均すると一般的な単身者向け住戸よりも低い傾向にあります。
 一方、二人以上及び三人以上世帯向けに募集している住戸は、子育て世帯などの住宅に困窮する家族世帯が使用することを前提に供給しており、公平性を確保しながら、公募を行っております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○竹井委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○尾崎委員 陳情五第三六号、都営住宅において単身の車いす使用者向けの募集対象住宅を拡大することに関する陳情について、賛成の立場で質問します。
 願意は、都において、単身の車椅子使用者が都営住宅の二人から三人世帯向けの一般募集住宅にも応募できるよう、募集対象住宅を拡大していただきたいというものです。
 最初に、現在、都営住宅の中で車椅子使用者向け住戸は何戸ありますか。

○青木建設推進担当部長 令和五年三月三十一日時点の車椅子使用者向け住戸の管理戸数は千二十二戸です。

○尾崎委員 都営住宅の管理戸数は約二十五万五千戸です。その中で車椅子使用者向け住戸はたった千二十二戸ということです。僅か〇・四%にすぎません。
 今回の陳情の理由に、単身用の車椅子使用者向け住宅の募集について、毎回の倍率が十倍近くになっていると述べているわけです。車椅子使用者向け住戸に入りたくても入れない状況があることははっきりしています。
 今後、車椅子使用者向けの住戸を増やす考えはありますか。

○青木建設推進担当部長 都営住宅の建て替えに当たり、地元自治体から、まちづくり構想などにより建設の要請があった場合、当該団地の居住者の状況等を踏まえながら、適切に供給してまいります。

○尾崎委員 建て替えのとき、地元自治体からの要望がある場合には、当該団地の居住者の状況を踏まえていくということのご答弁でした。
 私は、車椅子が必要な人たちが安心して暮らせる住宅を民間アパートで対応できるのかという疑問があります。やはり都営住宅の役割が大きいと思うわけです。病気や高齢になって車椅子の利用が必要になる人など、今後ますます車椅子使用者の入居希望が増えていくのだと思います。
 一般社団法人日本福祉用具供給協会によると、要介護二から四の二割程度の方が車椅子を利用しています。そもそも車椅子使用者向けの住戸を思い切って増やすべきだと要望するものです。
 それでは、車椅子使用者向け住戸は、建設する場合、広さはどのようになるのでしょうか。

○青木建設推進担当部長 車椅子使用者向け住戸は、浴室や洗面所、玄関を広くするなどの配慮をしており、現在の一DKタイプでは約五十平方メートルを基準としています。

○尾崎委員 ただいま約五十平方メートルを基準にしているということでした。
 今回の陳情の理由には、二人から三人世帯向けの一般募集住戸と同じ広さであり、バリアフリー仕様であれば利用できる単身の車椅子使用者も多いと考えると述べています。
 車椅子使用者にとって、住みやすい、移動がスムーズにできる住まいは、一定の広さが必要だと思います。車椅子使用者向け住戸が足りないのであれば、少なくても十分な広さのある住戸を車椅子使用者の方が入居できるように拡大すべきです。
 現在では、エレベーターは設置されていても、駅から遠くにあるため、募集しても応募がなく、空き住戸になっている二人から三人世帯向けの一般募集住戸があれば、早急に車椅子使用者の住戸として、単身であっても入居できるようにすべきだと要望するものです。
 最近、私のところに、車椅子を使用している人が、車椅子使用者向け住戸が少なくて、何度申し込んでも入れないので、一般募集住戸の単身用に応募した。何とか都営住宅に入れるように応募が決まった。車椅子での生活を考えたら、畳をフローリングしたいと要望し、自費でフローリングに変えるようにしたというお話でした。
 ところが、都営住宅をもし退去する際には、原状回復し、畳を元に戻すようにといわれたそうです。フローリングにするために畳を処分するのにもお金がかかります。原状回復が必要になれば、さらに畳を購入するお金がかかって大変だという相談でした。
 確認ですが、車椅子の生活をしている方が一般募集住戸に入居後、車椅子対応にするため、畳をフローリングにする場合や、台所、洗面所の高さなどの変更及び原状回復に関する費用は、誰が負担するのでしょうか。

○平松都営住宅企画担当部長 公共の財産である都営住宅等に、個人が工作物を設置することや改造を加えることは、公営住宅法等で原則として禁止しております。
 ただし、身体障害などのやむを得ない事情があり、住宅の維持に支障がなく、原状回復が容易であると都が認めたときは、工作物の設置等を許可することがございます。
 この場合、居住者の負担で工事を行うこととなります。また、退去時には、居住者の負担で工作物等を撤去し、原状回復することとなります。

○尾崎委員 車椅子で生活している方が一般募集住戸に入居になれば、フローリングにして、暮らしやすい、動きやすいようにしたいと思うのは当然です。しかし、フローリングするには、畳などの処分と原状回復にお金が余計にかかってしまうわけです。
 都が車椅子使用者向け住戸の整備が少な過ぎるからです。ここが一番の問題です。私は、少なくとも障害のある方が安心して暮らすための環境に必要な改善は、自己負担ではなく、都が環境整備すべきだと要望するものです。
 今回の陳情の理由に、単身の車椅子使用者は、家族の助けもなく、家賃、住宅設備、広さに困難を抱えている人が多いため、二人から三人世帯向けの一般募集住宅にも入居資格が認められるべきであると述べています。
 都営住宅は、住宅に困っている人が安心して暮らせるための住まいとして、役割を果たすべきです。人が生きていく上で欠かせない、生活の基盤である住まいです。障害のある方が自立して生活できるための住まいの環境は極めて重要です。
 まさに住まいは人権です。障害のある人もない人も、所得の少ない人も、住宅に困っている人も、安心して暮らせる状況をつくる必要があります。
 今回の陳情である都営住宅において単身の車椅子使用者向けの募集対象住宅を拡大するよう、あらゆる側面から検討し、実現するよう強く要望して、質問を終わります。

○竹井委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○竹井委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第三六号は不採択と決定いたしました。

○竹井委員長 次に、陳情五第四一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○今井連絡調整担当部長 整理番号2、陳情五第四一号についてご説明いたします。
 引き続き、お手元の資料3、請願・陳情審査説明表の二ページをお開きください。
 整理番号2、陳情五第四一号、東京都住宅供給公社の低所得世帯への家賃減額制度の創設に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、中野区に所在する東京都公社住宅自治会協議会会長、早川信さん外五千六百八十一人でございます。
 陳情の要旨でございますが、都において、東京都住宅供給公社に対し、公社住宅の低所得世帯の家賃を一割減額する制度を創設するよう指導していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、公社住宅の家賃は、地方住宅供給公社法施行規則第十六条に基づき、新規入居時に適用される募集家賃については、近傍同種の住宅の家賃と均衡を失しないよう、また、三年ごとの家賃改定時に適用される継続家賃については、近傍同種の住宅の家賃、変更前の家賃、経済事情の変動等を総合的に勘案し、変更後の家賃が近傍同種の住宅の家賃を上回らないように定めるものとされてございます。
 都公社は、この基準にのっとりまして、不動産鑑定士の評価を基に家賃を決定しており、これまでの適切な家賃の引上げまたは引下げにより、民間賃貸住宅の家賃との均衡を保ってございます。
 なお、令和四年度における継続家賃の平均改定率は、プラス〇・二%、百二十五円となってございます。
 引上げを行う際には、引上げ幅を募集家賃と現行継続家賃との差額の半分とし、その上限を五千円とする激変緩和措置を講じているほか、高齢者の低所得者世帯や生活保護世帯等、経済的困窮者となった場合には特別減額を行うなど、居住の安定確保に配慮してございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○竹井委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○尾崎委員 陳情五第四一号、東京都住宅供給公社の低所得世帯への家賃減額制度の創設に関する陳情について、賛成の立場で質問します。
 東京都住宅供給公社に入居している方たちも高齢になっており、今回の陳情の提出者である東京都公社住宅自治会協議会の皆さんが行った住まいと暮らしアンケートによると、世帯主の年齢は、二〇二三年の平均年齢は七十一歳となっています。三年前の調査では七十・三歳でしたから、〇・七歳上昇していることが分かります。世帯の人数は、単身生活の方が五一・六%で過半数を上回っています。
 東京都住宅供給公社が改定した経営理念に、住まいを通じて都民の暮らしを支え、社会に貢献することを最も大切な使命と記載しています。ところが、高齢になり、年金だけで暮らしていくのは大変な状況や、物価高騰で生活を切り詰めても、高い家賃では払えなくなってきている入居者が増えています。
 住み慣れた公社住宅に住み続けられるようにするための具体的支援は何がありますか。

○今井連絡調整担当部長 東京都住宅供給公社は、入居から三年ごとの家賃改定に当たりまして、家賃が引上げとなる場合は、急激な家賃上昇を抑制するため、現行家賃と改定後の募集家賃との差額の二分の一を現行家賃に加えて算出の上、引上げ額が三千円を超える世帯には激変緩和措置を講じ、上限を五千円までとするなど、入居者の居住の安定に配慮しているところでございます。
 さらに、一定の所得要件や世帯要件等を満たす高齢者世帯やひとり親世帯、生活保護受給者世帯等を対象に、改定後の家賃を減額する家賃特別減額措置も講じてございます。
 また、高齢者などの入居者が公社住宅に住み続けられるよう、一定の条件で住宅階層の変更ができるなど、住み替えが可能な制度も設けてございます。

○尾崎委員 高齢者などの入居者が公社住宅に住み続けられるよう、一定の条件で住宅階層の変更ができるということですけれども、これには要件があります。その要件は、二十五年以上住んでいて、かつ七十歳以上の方が対象になると聞いています。
 例えば入居のときはファミリー世帯だったが、子供たちが独立し、七十歳以上になったので、部屋数の少ないところに変更できるというものです。これでは対象になる人は少ないのではないでしょうか。
 入居者の実態をよく聞き、入居者の要望をつかみ、住み続けられるための支援策の見直しを検討すべきだと要望するものです。
 東京都公社住宅自治会協議会が二〇二三年十月に実施した住まいと暮らしアンケートでは、居住者の平均所得は二百六十一万円で、二〇二〇年の前回は二百七十二万円でしたから、前回よりも、今回十一万円減少していたということです。
 また、所得が二百万円以下の世帯の割合は四六・九%で、前回は四二・八%ですから、前回より四・一%増加していました。
 このように、公社住宅の暮らしの実態は、この三年間でますます深刻になっていることが明らかになりました。この実態を都はどう受け止めますか。

○今井連絡調整担当部長 お話のアンケート結果については、現時点において、公社に提出されていないと聞いております。

○尾崎委員 二〇二三年十月に実施したこの住まいと暮らしアンケートは、集計がまとまったばかりのものです。今後、公社にも届くと思います。
 それにしても冷たい答弁だと思います。私が質問したのは、この三年間の中で居住者の平均所得が十一万円も減少していること。しかも、所得が二百万円以下の世帯の割合は四六・九%なんです。
 前回のアンケート調査以降、先ほどもいいましたけど、三年間で四・一%も増えているというこの実態があるわけです。三年間で暮らしの実態が深刻になっている、都はこれをどう受け止めるのか、その認識を私は聞いたんです。
 それなのに、公社に提出されていないとの答弁は本当に冷たい答弁です。公社住宅の入居者の暮らしの実態を真摯に受け止めるべきだと厳しく指摘をしておきます。
 高齢者の低所得者世帯や生活保護世帯等、経済的困窮者となった場合には特別減額を行うなど、居住の安定確保に配慮しているということです。
 特別減額の仕組みはどうなっていますか。また、特別減額をしている実績について伺います。

○今井連絡調整担当部長 公社は、高齢低所得者等の居住の安定に配慮する観点から、一定の要件に該当する世帯を対象に、改定後の継続家賃の上昇を抑制するための特別減額措置を講じてございます。
 具体的には、世帯収入が月収十五万八千円以下の世帯のうち、六十五歳以上の高齢者世帯やひとり親世帯などについては、現行の継続家賃を下限に減額することとしてございます。
 この家賃特別減額措置を講じた世帯数は、令和四年度で三千四百七十五世帯でございます。

○尾崎委員 家賃特別減額措置を講じているのは、二〇二二年度で三千四百七十五世帯ということです。公社住宅の管理戸数は約七万戸ですから、四・九%にすぎません。あまりにも少ないといわざるを得ません。
 住まいと暮らしアンケートでは、家賃が高過ぎる、値下げすべきは一一・八%であり、築年数、設備から値下げすべきと答えた人は五八%でした。合わせると六九・八%の入居者が家賃を値下げすべきと答えています。
 高い家賃に苦しんでいる入居者が多いということです。都はこのことをどう受け止めますか。

○今井連絡調整担当部長 アンケート結果につきましては、公社が、必要に応じ対応を検討するものと考えてございます。

○尾崎委員 本当に冷たい答弁が続いているわけですけど、私は高い家賃に苦しんでいる入居者の多いことについて、都はこのことをどう受け止めますかと、都の認識を聞いたんです。公社住宅の入居者だから、公社が対応について検討すべきだというような答弁です。
 公社の入居者も都民です。都民の住まいに関しての思いは、都として正面から受け止めるべきです。都民の暮らしの実態、住まいへの要望などを、人ごとではなく、きちんと受け止めて答弁すべきだと指摘しておきます。
 公社は、二〇二二年度における継続家賃の平均改定率は、プラス〇・二%、百二十五円となっているということですが、建物は一年古くなる、建物の耐用年数が年々減少するわけです。どうしてプラスになるのですか。

○今井連絡調整担当部長 公社住宅の家賃は、地方住宅供給公社法施行規則により、近傍同種の家賃と均衡を失しないよう、公社が定めることとされてございます。
 このため、公社は毎年度、不動産鑑定士に住宅ごとの市場家賃調査を委託し、近傍同種の家賃を把握しているところでございます。
 この調査では、住宅の設備の状況や、住宅の周辺環境等の個別要因に応じて、不動産鑑定士による専門的見地から賃料の補正を行い、適正な市場家賃を算出していると聞いてございます。

○尾崎委員 今、不動産鑑定士による専門的見地で適正な市場家賃を算出しているということですけれども、そんなことをいうのであれば、住宅環境をもっと改善する必要があるんです。
 入居者からは、結露、カビの改善や、浴槽、換気扇、網戸、モニター付インターホンをつけてほしいとの声が多数寄せられているんです。これは当然の要求だと思います。
 公社住宅のLED化の促進についても、公社の方針は二〇三〇年度までに完了する目標ですが、UR住宅の半分以下の実績にすぎません。これらの改善を早急に取り組むべきだと厳しく指摘するものです。
 先ほども述べましたが、アンケートには、築年数、設備から、値下げすべきと答えた人が五八%もありました。過半数を超えて要望しているわけです。
 公社住宅の居住年数は、全体の平均居住年数二十五・六年です。そして、三十年以上の居住は四〇・二%、四十年以上は二八・三%で、長く住んでいる人が多いわけですが、実感として、長く住んでいれば、その分、建物の価値も下がって当然ではないかと思っている人が多いということです。
 入居者が納得できる家賃にする必要があるのではないでしょうか。
 都は、公社住宅もセーフティーネット住宅の役割を果たすとしていますが、住宅困窮者が入居し、住み続けられるようにするためには、高い家賃ではなく、払える家賃にすべきですが、都はどう考えていますか。また、家賃の一割減額が求められていますが、いかがですか。

○今井連絡調整担当部長 公社住宅の家賃は、地方住宅供給公社法施行規則により、近傍同種の家賃と均衡を失しないよう、公社が定めることとされておりまして、これまで適切に設定されていると都は認識してございます。
 また、家賃の一割減額への対応につきましては、家賃改定に当たり、家賃が引上げとなる場合、激変緩和措置や家賃特別減額措置を行っていることから、居住の安定に配慮していると考えてございます。

○尾崎委員 激変緩和措置や家賃特別減額措置だけでは不十分なんです。都の認識を変える必要があると思います。
 公社住宅に住んでいる人たちは、高い家賃が払えないために都営住宅に入りたいという声も増えて、相談者も増えているんです。しかし、都営住宅に何度申し込んでも入れない状況が一方であります。
 さらに、高齢になってから住まいを変更するというのは、身体や精神に大きな負担がかかります。住環境が変わると、認知症が一気に進んでしまうという状況も出ているわけです。住み慣れたところに住み続けたい、これが一番の願いです。
 これまでのコミュニティを維持させながら、安心して暮らせる住環境を守るのは、都の役割ではないでしょうか。
 公社住宅もセーフティーネット住宅の役割があるというのであれば、家賃が高くて払えないという入居者の声に応え、必要な入居者に対して、家賃の一割減額について検討することを、都としても公社住宅に提案することを強く要望して、質問を終わります。

○竹井委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○竹井委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第四一号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で住宅政策本部関係を終わります。

○竹井委員長 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、陳情の審査を行います。
 陳情五第四九号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○池内防災都市づくり担当部長 整理番号1、陳情五第四九号の一、特定整備路線補助第二六号線の事業等に係る地域住民への説明会実施等に関する陳情についてご説明いたします。
 お手元資料1、陳情審査説明表の一ページをご覧ください。
 本陳情でございますが、板橋区の特定整備路線補助二六号線を考える会の金崎文子さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、都において、大山中央地区における特定整備路線補助第二六号線の事業及び再開発事業の進捗状況等について、地権者だけでなく、地域住民に対しても、板橋区等の関係機関と一緒に説明会を定期的に行うこと及び大山中央地区の特定整備路線補助第二六号線の事業計画について、説明会での意見や要望を踏まえ、見直しも含めて再検討することを実現していただきたいというものでございます。
 現状でございます。特定整備路線は、震災時の延焼遮断や避難路、緊急車両の通行路となるなど、震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域の防災性の向上を図る都施行の都市計画道路でございます。
 当該区間、補助第二六号線の大山中央地区につきましては、令和四年度末の用地取得率が約五一%となってございまして、六年度の工事実施に向け、関係機関と協議を行っております。
 整備に当たりましては、地域の方々も参画する交通計画ワークショップなど、様々な機会を通しまして、適時意見交換をしながら進めております。
 沿道の再開発事業のうち、大山町クロスポイント周辺地区の事業につきましては、令和元年度に再開発組合が設立認可され、令和三年度に着工し、来年度、令和六年度に竣工予定で進められております。組合からは、ホームページや現地での掲示等により、適宜、進捗状況についてお知らせをしております。
 大山町ピッコロ・スクエア周辺地区の事業につきましては、令和五年九月に再開発組合が設立認可されたところでございます。
 説明は以上でございます。審議のほどよろしくお願いいたします。

○竹井委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○松田(康)委員 特定整備路線補助二六号線に関しては、先般の事務事業質疑でもさせていただいたところでありますが、ここは延焼遮断帯としての木造密集地域における火災の拡大防止、さらには、地域の防災性、安全性、そのために必要不可欠な路線であります。
 また、本区間の計画区内に商店街、ハッピーロード大山商店街が含まれることから、にぎわいの維持向上を図りながら、沿道のまちづくりと一体的に道路整備を進めることが重要な路線であります。
 この沿道では二つの再開発事業が進められており、新たなまちのにぎわいの創出がされることが期待されております。
 事務事業質疑では、道路用地の取得率や再開発事業の進捗、まちのにぎわい維持向上のための都の取組について質疑をさせていただきました。質疑に対し、都は、商店街へ協力を行いながら事業を進めているなどの答弁がありました。
 一方、平成二十七年二月の補助第二六号線の事業化に先立ち、地元でも二六号線整備に合わせたまちづくりについて検討してきたと認識をしております。
 そこでまず、補助二六号線の事業化までの地元や区の取組について、経緯、この辺を簡潔にご答弁お願いします。

○池内防災都市づくり担当部長 地元では、平成二十一年に町会等で構成されました検討組織を立ち上げ、市街地分断の解消や回遊性の向上などを検討し、大山周辺地区まちづくりマスタープランを取りまとめ、平成二十四年に区へ提言をされたところでございます。
 これを受けまして、区は、翌年、二十五年度に大山まちづくり総合計画を策定し、今後取り組むべきまちづくりの内容を定め、現在実施中の再開発事業に至っているところでございます。

○松田(康)委員 陳情では、事業計画の見直しも含めて再検討するということを求められておりますが、現在、この二六号線の用地取得率は五割を超え、クロスポイント周辺地区の再開発事業についても、建築工事が順調に進んでいると聞いております。
 そこで、補助第二六号線の整備と再開発事業の進捗により、現在、道路用地はどのような状況か、再開発事業による建物の建築がどの程度進んでいるかについてお伺いをいたします。

○池内防災都市づくり担当部長 補助二六号線大山中央地区のうち、西側の区間では道路用地の更地化が進んでおり、一部では、道路幅員に相当します二十メーターの空間が一部では確保できてきているというところでございます。
 クロスポイント再開発では、本年十月時点で、二棟の高層棟のうち、二十五階建てのD街区は十九階まで、二十六階建てのA街区は十七階まで建ち上がっておりまして、来年十二月には外構工事も含め完了予定でございます。

○松田(康)委員 今お話しいただいたように、多くの店舗や住宅が、様々な思いの中で、この再開発のために立ち退きをし、既にクロスポイント再開発地域の二棟は二十階近くまで建ち上がっております。
 この陳情の資料にある、この間よく分からないといわれたんですけど、この川越街道がこちらなんですね。そこから、クロスポイントというのが、補助二六号線と商店街がクロスするところがクロスポイント、大山の駅がこっちですので、そこから遠くなって、ここで分断されちゃう、ここににぎわいをつくるのがピッコロ・スクエアということで、この二つの再開発が進んでいるんですが、今ご答弁いただいたのは、ここ、川越街道から入ったここにもうマンションが、二十何階建てのがもうここまで建っているんですね。これとこれがそうですね。再検討するということは、これ戻しちゃって、どうするんだっていう話になるわけです。ここを今から中止すると、損害としても相当なものが出てしまうと思います。
 この議論をして、この議論は、十年、二十年前、見直しを再検討というのであれば理解できるんですけれども、半世紀以上議論をしてきて、今ここまで進展している中でストップをかけるということが、果たして大山地区の将来のためになるのでしょうか。
 ピッコロ・スクエア周辺地区についても、今朝、マスコミでも一部、一方的な報道がなされていましたが、本年九月に組合の設立認可がなされました。現地でも、まちが変わりつつあり、大山のまちづくりが未来に向けて進んでいます。補助二六号線が整備をされると、まちが分断されるというのは、これは間違いない事実であります。
 しかし、商店街振興組合も、様々な先行事例の視察を繰り返し、補助第二六号線開通後も、より一層栄えた商店街を実現できるよう前向きに取り組んでいるところであります。地元の皆さんも、苦渋の決断という側面もありましたが、道路整備を前提としたまちづくりに賛成をしており、再検討は望んでおりません。
 補助二六号線沿道のまちづくりの早期整備をお願いして、質問を終わります。

○尾崎委員 私の方からも、陳情五第四九号の一、特定整備路線補助第二六号線の事業等に係る地域住民への説明会実施等に関する陳情について、賛成の立場で質問します。
 大山ハッピーロードは、一九七八年に誕生し、商店街のシンボルには長いアーケードがあり、車の進入も時間で規制し、買物しやすい商店街で、近所の人たちが徒歩や自転車で買物ができる商店街です。
 二〇〇六年六月には、経済産業省、中小企業庁、がんばる商店街七十七選に選ばれています。また、同年十一月には、第二回東京都商店街グランプリで大賞を受賞しています。全国、東京の中でも、元気のある商店街、地域に根差した商店街として有名です。
 私は議員になる前に、何度も大山ハッピーロード商店街を、地元の中小業者の皆さんと一緒に商店を訪問し、商店主の要望や商売への思いを聞いてきました。私自身も思い出のある大好きな商店街です。
 ところが、特定整備路線第二六号線によって、その大山ハッピーロードの中心部を分断され、商店街のシンボルである全長約五百六十メートルの商店街のアーケードは、来年四月以降に中心部分の百八十メートルほどを順次取り壊してしまいます。
 陳情を出された特定整備路線補助二六号線を考える会の皆さんは、ハッピーロード大山商店街を歩いている方々にアンケートに取り組んでいます。寄せられた声を少し紹介したいと思います。
 若い親子連れの方からは、商店街があるから、ここへ引っ越してきた、道路建設で商店がなくなるのは困る、商店街のアーケードがなくなるのは困る、なくならないように頑張ってほしいという声や、道路は要らない、いつも行っていたお店が何軒かなくなった、これ以上減らさないようにしてほしい、毎日来て商店街をなくさないでほしい、アーケードがあるから、シルバーカーを押して歩けるという声も寄せられたそうです。
 板橋区の顔でもある大山ハッピーロードへの思いは、今のままで残してほしいということだと思います。
 今回の陳情の願意は、一つに、大山中央地区における特定整備路線補助第二六号線の事業及び再開発事業の進捗等について、地権者だけでなく地域住民に対しても、板橋区等の関係機関と一緒に説明会を定期的に行うこと、二つに、大山中央地区の特定整備路線補助第二六号線の事業計画について、願意1による説明会での意見や要望を踏まえて、見直しも含めて再検討することです。
 そこで、幾つか質問します。
 陳情の理由を読むと、コロナ禍の影響で、地域住民や地権者などへの事業に関する説明会が、ポストへの書類投函などに変えられたようです。
 書類投函などに変更したのは何回ありますか。また、書類を投函した世帯はどのくらいなのかお聞きします。

○池内防災都市づくり担当部長 都では、地域の住民の皆様に対し、平成二十五年の事業概要及び測量説明会以降、計六回の説明会を実施してきております。
 また、お話にありました都及び再開発組合では、これまで、説明会に代えて書類投函を実施したことはございません。

○尾崎委員 書類投函に変えたことはないということですけれども、説明会に至らないようなお知らせの文書は、書類投函が一回から二回程度はあったんじゃないかということも聞いています。
 区民からは、知りたいことがあまりにも知らされない、情報を速やかに発信してほしいなどの声が出され、知らされないことへの不安があったといいます。僅かな情報であっても、地域住民の皆さんは説明会を求めており、説明会を開催すべきだということです。
 それでは、特定整備路線補助第二六号線の全線整備は当初いつとなっていましたか。また、現在はいつまでに全線整備を目指していますか、変更になった理由は何なのか伺います。

○池内防災都市づくり担当部長 補助第二六号線は、平成二十七年二月に事業着手をいたしまして、令和二年度までに整備することを目標としてまいりました。
 その後、事業の進捗状況を勘案し、令和二年に、目標年次を令和七年度末までといたしました。

○尾崎委員 当初の整備計画では二〇二〇年度までに整備することを目標にしたわけですけれども、現在は二〇二五年度末までに全線整備と、目標年次を変更しているということです。
 変更の理由には、進捗状況を勘案してというだけで、明確な答弁はありませんでした。住民の反対の声が強いからではないでしょうか。住民の合意が取れずに遅れてしまっているのではないでしょうか。
 住民訴訟も行われ、専門家の岩見良太郎埼玉大学名誉教授は、特定整備路線補助第二六号線の建設計画は、都市計画法に照らして違反だと厳しく批判しています。
 そもそも都市計画法第一条は、この法律は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とするとうたっています。
 しかし、この補助第二六号線の整備と、この道路に伴って進められる二つの再開発、クロスポイント周辺地区とピッコロ・スクエア周辺地区によって、公共の福祉の増進がもたらされるのかという視点から見たら、公共の福祉の増進で生き生きと活動できるどころか、区民が親しんできたまちが壊され、住み続けられない状況になる。それは暮らしが壊されてしまうことになると岩見良太郎埼玉大学名誉教授は指摘しています。
 大事なことなので確認します。
 現在の用地取得率はどうなっていますか。

○池内防災都市づくり担当部長 令和五年三月末時点の用地取得率は約五一%でございます。

○尾崎委員 用地取得率は、二〇二三年三月末時点で五一%ということです。
 しかし、大山ハッピーロード商店街には何軒の店舗があり、この補助第二六号線の事業で立ち退きを迫られる世帯はどのくらいなのかと私が一番知りたい部分については、都市整備局に聞いても、答えようがないということでした。そんなずさんな計画なんでしょうか。
 地元の方々からお話を聞くと、二六号線の道路建設によって移転が必要になる店舗のうち、新しく建設されるビルの商業部分に戻ってこられる店舗は、ほんの数店舗しかないんだということでした。
 コロナ感染症の影響や物価高騰の影響、経営者の高齢化に伴い、この開発の機会に商売の継続を諦めて、お店を閉めた店舗も増えているということでした。二六号線の道路建設が、長い間地元で頑張ってきた商店の廃業を後押ししてしまったことは明らかです。
 大山ピッコロ・スクエア周辺地区の中に都有地がありますが、現在どこの所管になっていますか。また、再開発準備組合には東京都は入っていますか。

○池内防災都市づくり担当部長 当該都有地の所管は都市整備局でございます。
 また、都は、再開発準備組合には参画しておりません。

○尾崎委員 大山ピッコロ・スクエア周辺地区市街地再開発組合が九月に認可されました。地権者は全員が再開発組合に入ることになるので、都も再開発組合に入っているということも聞いております。
 都有地の活用は現在どうなっていますか。今後の予定はどのように考えているのか伺います。

○池内防災都市づくり担当部長 現在、都有地の一部を板橋区に一時貸付しておりまして、今後は、再開発事業の進捗に合わせ、権利変換を受けずに転出する予定でございます。

○尾崎委員 この都有地は二千三百平方メートルあります。現在は子供たちの遊び場となっており、保育園児がこのピッコロ広場に毎日のように訪れ、楽しく遊んでいると地元の方たちはいっていました。
 そして、コロナ禍では開催できなかったけれども、夏祭りの会場としても、この広場が使われて、地域の交流の大きな役割を果たして、子供たちの大事な場所になっているということでした。
 板橋区の大山まちづくり総合計画によると、当初、二六号線の代替地として、この都有地を考えられていたと区が話していたそうです。都有地は都民の財産です。都民の声をよく聞き、都民のために使うべきだと厳しく指摘をしておきたいと思います。
 もともとこの都有地は、都営住宅があったところですから、住民の福祉の向上のために使うべき都有地なんです。ところが、いつの間にか、タワーマンションになるということです。とんでもない話です。
 十一月二十六日には、商店街の店主らでつくる大山問題を考える会の皆さんが、アーケードを壊すな、住民の声を聞かない強制立ち退きに反対だなどと訴えながら、住民や買物客ら約二百人が商店街を練り歩き、東京新聞でも報道されました。
 立ち退きを迫られている店主は、再開発先の都有地は、もともと再開発で立ち退く店舗の代替地にするといっていたのに、いつの間にか、タワーマンションの計画になっていた、都民の財産を、一部地権者と大手ディベロッパーの金もうけの材料に使うことは許されないと反対の姿勢を強調したと新聞でも報道されています。
 そして、地元で反対が噴出する根っこには、一部地権者やディベロッパー主導で進み、地域住民らの声がほとんど反映されなかったという不信感があるということも報道しています。私は、このとおりだと思います。
 都は、店主の声をどう受け止めますか。きちんと受け止めていただきたいと要望します。
 冒頭で紹介した岩見良太郎埼玉大学名誉教授も同じように、二六号線が、再開発を進め、住み続けられない状況をつくりました。さらに、この計画は、ディベロッパーのための計画であり、住民の意見は全くといっていいほど反映されていません。さらに、公平性も住民参加も無視です。費用対効果の点では、ディベロッパーはもうかりますが、住民は、長年住んでいた家を奪われ、どこにも費用対効果で住民利益はないことを明らかにしていると述べています。多くの方が、住民の声が反映されていないと批判しているわけです。
 そうであるならば、陳情の願意でもあるように、第二六号線の事業及び再開発事業の進捗状況等については、地権者だけでなく、多くの区民が注目していることであり、地域住民に対し、関係する区と共に説明会を定期的に行うべきです。
 また、地域住民の声をよく聞いて、意見や要望を踏まえて、第二六号線の事業計画の見直しも含めて再検討することを強く要望して、質問を終わります。

○竹井委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○竹井委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第四九号の一は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。

○竹井委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、東京都豪雨対策基本方針(改定)(案)についての報告を聴取いたします。

○三宮都市基盤部長 お手元に二種類の資料、資料3の東京都豪雨対策基本方針(改定)(案)とその概要版がございますが、資料2の概要版の方で説明させていただきます。
 まず、資料左側の改定の背景とポイントのところをご覧ください。
 東京都では、市街化の進展に伴う都市型水害に対応するため、東京都豪雨対策基本方針を策定し、豪雨対策を進めてきました。
 基本方針に基づき、外水氾濫を防ぐ河川整備、内水氾濫を防ぐ下水道整備、河川や下水道への雨の流出を減らす流域対策、水害に対して備える家づくり、まちづくり対策、命を守る避難方策を進めています。
 近年、気候変動により、二〇五〇年頃までに気温が二度程度上昇し、激甚化、頻発化する豪雨等による水害リスクの高まりが懸念されております。
 また、ここ数年、東京でも一時間五十ミリを超えるような豪雨が増えており、対策強化は急務となっております。
 このため、豪雨対策基本方針を改定します。
 今回の方針改定の主なポイントは四つございます。
 一つ目は、気候変動に伴い、一・一倍に増加すると想定される降雨量に対応するため、目標とする降雨を都内全域で現状の目標降雨からプラス十ミリ引き上げます。
 二つ目は、引き上げた目標に対して、これまでの対策を強化することに加え、新たな施策を展開することです。
 三つ目は、もしもの備えとして、目標を超える降雨にも対応していくことです。
 四つ目は、水害リスクが大きいなどの観点から、対策を先行するエリアを設定し、重点的に対策強化することで事業効果を早期発現し、都内全域へと段階的に事業を展開することでございます。
 裏面の方をご覧ください。
 具体的な取組として、豪雨対策の五つの施策を掲げています。
 主な取組の強化としまして、引き上げた目標降雨量については、主に河川整備、下水道整備、雨の流出を抑制する流域対策で対応します。
 今後、地下河川の検討、まちづくりに合わせた雨水調整池の整備、公共施設や住宅敷地内への雨水貯留浸透施設の設置促進等の取組を強化し、浸水被害を防ぎます。
 また、避難場所になる高台等の整備や、雨水流出抑制に資するグリーンインフラを増やして雨をしみ込みやすくするなど、水害に強いまちづくりを進めていきます。
 あわせて、浸水予測の充実や河川水位等、水害リスクの情報発信を強化して地域の防災力向上につなげていくことで、目標を超えるような降雨にも備えていきます。
 今回の豪雨対策基本方針の改定によって、対策を強化し、気候変動に対しても安全・安心な東京を目指してまいります。
 説明は以上でございます。

○竹井委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○竹井委員長 次に、第二百四十四回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。

○谷崎都市整備局長 私からは、来る令和六年二月六日に開催予定の第二百四十四回東京都都市計画審議会等に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
 今回、都市計画の決定、変更予定案件が、区部で十二件、市町村部で八件でございます。
 また、環境影響評価手続開始案件が、関連案件を含めまして、市町村部で七件ございます。
 本日は、これらのうち主な案件といたしまして、品川駅街区地区及び六本木五丁目西地区の都市再生特別地区とその関連案件及び都市高速鉄道都市モノレール第一号線とその関連案件につきましてご説明申し上げます。
 それでは、引き続き、詳細につきましては担当の部長から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○真島景観・プロジェクト担当部長 付議予定案件ナンバー1、東京都市計画都市再生特別地区品川駅街区と、ナンバー2の東京都市計画地区計画品川駅周辺地区地区計画は、相互に関連する案件のため、一括してご説明いたします。
 資料は、お手元の資料5、白色表紙、提案事項概要五ページから二〇ページまで、資料6、薄茶色表紙、事前説明資料五ページから二五ページまででございます。
 あわせて、資料7、薄オレンジ表紙、都市計画(素案)品川駅街区地区もご参照ください。
 まず、都市再生特別地区についてご説明いたします。
 今回の変更は、国家戦略特別区域法に基づきまして、東京都の都市計画審議会に付議が予定されているもので、事業主体は京浜急行電鉄株式会社及び東日本旅客鉄道株式会社でございます。
 事前説明資料五ページの位置図と併せて、前方スクリーンの航空写真をご覧ください。
 本地区は、京急線品川駅の一部を含めまして、区域の西側で第一京浜に接する約三・三ヘクタールの区域でございます。
 また、都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域である品川駅・田町駅周辺地域内に位置しております。
 事前説明資料八ページの参考図1と併せて、前方スクリーンをご覧ください。
 本計画は、駅とまちをつなぐ一体的な都市基盤整備、国際交流拠点にふさわしい都市機能の導入、防災機能強化と先導的な環境都市づくりに取り組むもので、当該緊急整備地域の地域整備方針に沿うものであり、かつ都市再生効果が高いものとなっております。
 具体的な都市再生への貢献内容につきましては、主なものとして、中央自由通路の延伸及び北側、南側自由通路の新設、南北貫通通路の整備、国道上空デッキの整備協力等により、歩行者ネットワークの強化を図ってまいります。
 また、多様な人々を迎え入れ、新たな交流、協働を推進し、新たな価値、文化の創出、発信に取り組むダイバーシティプラットフォームとして、ビジネス交流施設、ビジネス協働支援施設、情報発信施設を整備いたします。
 さらに、国内外の来街者に向け、日本各地の魅力や高輪築堤等の歴史、文化を伝える情報発信施設の整備も行います。
 提案事項概要の五ページ及び六ページ、それから、事前説明資料の六ページ及び七ページの計画図と併せまして、前方のスクリーンをご覧ください。
 都市再生特別地区の都市計画変更の内容についてご説明いたします。
 容積率については、本計画の都市再生への貢献内容を適切に評価した上で、区域全体の最高限度を九八〇%といたします。
 また、街区ごとにも最高限度を定め、北街区及び南a街区においては一〇〇〇%とし、一部をビジネス支援等を行う施設及び情報発信施設といたします。
 高さの最高限度は、北街区及び南a街区においては、高層部Aを百五十メートル、高層部Bを九十メートルなどといたします。
 事前説明資料の九ページの参考図2と併せて、前方のスクリーンをご覧ください。完成予想図でございます。
 続きまして、付議予定案件ナンバー2の品川駅周辺地区地区計画の変更につきましてご説明いたします。
 事前説明資料一一ページの位置図と併せまして、前方スクリーンの航空写真をご覧ください。
 本地区は、黄色の一点鎖線で示します約二十二・二ヘクタールの区域です。平成二十八年四月に当初の地区計画を決定しまして、区画道路等の都市基盤施設などを定めました。
 今回、都市再生特別地区の変更等に合わせまして、地区計画を変更いたします。
 提案事項概要の七ページから二〇ページの計画書、事前説明資料の一二ページの計画図1と併せて、前方スクリーンをご覧ください。
 斜線で示す区域7、環状第四号線の区域を地区計画の区域に追加することに伴いまして、地区計画の面積を約二十一・六ヘクタールから約二十二・二ヘクタールに変更します。
 また、東京都が令和三年三月に策定しました品川駅えきまちガイドラインなどを踏まえまして、計画書の下線部について、地区計画の目標を追加します。
 このほか、品川駅街区地区において、施設計画が具体化したことから、公共施設等の整備の方針などを変更、追加いたします。
 事前説明資料の一四ページの計画図2−2と併せまして、前方のスクリーンをご覧ください。
 主要な公共施設として、地上やデッキレベルに歩行者通路を位置づけるとともに、地区施設として、立体回遊空間や広場、歩行者通路などを位置づけます。
 付議予定案件ナンバー1及びナンバー2の説明は以上でございます。
 続きまして、付議予定案件ナンバー4、東京都市計画都市再生特別地区六本木五丁目西地区とナンバー5、東京都市計画地区計画六本木五丁目西地区地区計画は、関連する案件のため、一括してご説明いたします。
 資料は、お手元の資料5、白色表紙、提案事項概要二九ページから四四ページまで、それから、資料6、薄茶色表紙、事前説明資料四五ページから六五ページまでとなります。
 あわせて、資料9、灰色表紙、都市計画(素案)六本木五丁目西地区もご参照ください。
 まず、都市再生特別地区についてご説明いたします。
 今回の変更は、国家戦略特別区域法に基づきまして、東京都の都市計画審議会に付議が予定されているもので、事業主体は六本木五丁目西地区市街地再開発準備組合でございます。
 事前説明資料四五ページの位置図と併せまして、スクリーンをご覧ください。
 本地区は、地下鉄六本木駅に近接し、外苑東通りなどの幹線道路に接する約十・一ヘクタールの区域でございます。
 また、本地区は、都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域であります東京都心・臨海地域内に位置しております。
 事前説明資料五一ページの参考図1と併せまして、スクリーンをご覧ください。
 本計画は、新たな拠点を支える都市基盤の整備、国際競争力強化に資する都市機能の導入、環境への取組と防災対応力強化に取り組むもので、当該緊急整備地域の地域整備方針に沿うものであり、かつ都市再生の効果が高いものとなっております。
 具体的な都市再生への貢献内容につきましては、主なものとして、地下鉄接続通路、駅まち広場、交通結節広場により、まちに開かれた交通結節点、安全で快適な歩行者ネットワークを整備するとともに、六本木交差点周辺地域の自動車交通ネットワーク等の再編を行います。
 また、六本木の特性を生かした文化、交流、宿泊機能のほか、外国人就業者、居住者に対応する国際水準の居住機能を整備いたします。
 さらに、都心の森として、広大な敷地に一体的な屋上庭園を整備することで、緑豊かでまとまったオープンスペースを創出し、緑を身近に感じられる憩いの場とします。
 提案事項概要二九ページから三二ページまで、それから、事前説明資料四七ページの計画図2と併せて、スクリーンをご覧ください。
 都市再生特別地区の都市計画変更の内容についてご説明いたします。
 容積率については、本計画の都市再生の貢献内容を適切に評価した上で、区域全体の最高限度を一〇七〇%といたします。また、街区ごとにも最高限度を定め、A−1街区については一六九〇%とし、一部を国際的、先進的なビジネス活動を促進する施設とするほか、C街区については国際性の高い良好な教育環境を創出するため、また、D街区については国際文化会館の建物や庭園を維持、保全するため、それぞれ一五〇%、一〇〇%などといたします。
 高さの最高限度は、A−1街区におきましては、高層部Aを三百二十七メートル、C街区及びD街区におきましては、低層部F及びGを三十五メーターなどといたします。
 事前説明資料五二ページと併せて、スクリーンをご覧ください。完成予想図でございます。
 続きまして、付議予定案件ナンバー5の六本木五丁目西地区地区計画の決定につきましてご説明いたします。
 本件につきましても、国家戦略特別区域法に基づき、東京都の都市計画審議会に付議が予定されているものでございます。
 事前説明資料五三ページの位置図と併せて、スクリーンをご覧ください。
 対象区域は、都市再生特別地区の区域を含んだ約十・三ヘクタールの区域でございます。
 今回、都市再生特別地区の変更に併せまして、新たに地区計画を決定いたします。
 提案事項概要三三ページから四二ページまでと併せて、スクリーンをご覧ください。
 地区計画には、計画的複合市街地を形成するため、目標や土地利用の方針、再開発等促進区などを定めるとともに、地区内を立地特性に応じて区分いたします。
 事前説明資料五四ページから六〇ページまでと併せて、スクリーンをご覧ください。
 新たな道路ネットワークとなる地区幹線道路、交通結節機能を高める交通結節広場、開放的でにぎわいのある駅まち広場などを主要な公共施設に位置づけるとともに、地区内外の回遊性を向上させる重層的な歩行者ネットワークとなる歩行者通路などを地区施設に位置づけます。
 また、建築物等に関する事項といたしまして、壁面の位置の制限などを定めます。
 このほか、港区都市計画審議会へ、六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業の決定、高度地区の変更、防火地域及び準防化地域の変更について、別途付議が予定されております。
 参考といたしまして、市街地再開発事業につきましてご説明いたします。
 事前説明資料六三ページから六五ページまでと併せて、スクリーンをご覧ください。
 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、約九・二ヘクタールの区域に市街地再開発事業を決定いたします。
 付議予定案件ナンバー4及びナンバー5の説明は以上でございます。

○三宮都市基盤部長 付議予定案件ナンバー21から27、都市高速鉄道都市モノレール第一号線と関連する都市計画道路について、併せてご説明いたします。
 資料は、資料5、白色表紙、提案事項概要の八九ページから一〇二ページ、資料6、薄茶色表紙、事前説明資料一四一ページから一六六ページまでです。
 これらの案件は、多摩都市モノレールを上北台駅からJR八高線の箱根ケ崎駅付近まで延伸することに伴い、関連する都市計画を一体で定めるものです。
 都市モノレールは、軌道構造物や駅舎などのインフラ部と、電気通信設備や車両などのインフラ外部に分けられ、インフラ部が道路構造の一部とされることから、都市計画道路の特殊街路としての都市計画、インフラ外部については都市高速鉄道としての都市計画を定めます。
 あわせて、導入空間となる幹線街路についても、一部拡幅が必要となるため、都市計画の変更を行います。
 なお、都市モノレール整備事業は、東京都環境影響評価条例の対象案件であり、都市高速鉄道と特殊街路については、同条例による手続を併せて行う、いわゆる前合わせ案件です。
 また、今回、幹線街路については、本対象案件の関連案件となります。
 事前説明資料一四一ページの位置図と併せて、スクリーンをご覧ください。
 本計画の実施により、JR箱根ケ崎駅から多摩センター駅までつながり、多摩地域の公共交通ネットワークが強化され、多摩地域のアクセス利便性の向上が図られるとともに、沿線だけでなく、多摩地域全体の活力や魅力の向上などが期待されます。
 次に、今回の都市計画の内容についてご説明いたします。
 事前説明資料一四一ページ及び一五二ページから一五五ページの位置図、参考図と併せて、スクリーンをご覧ください。
 今回、都市計画を定める都市高速鉄道都市モノレール第一号線と特殊街路の計画区間は、多摩都市モノレールの終点の上北台駅が位置する東大和市上北台一丁目から、武蔵村山市内を通過し、西多摩郡瑞穂町大字箱根ケ崎までの延長約七・〇キロメートルです。
 幹線街路として、立川都市計画道路三・二・四号新青梅街道線については、一部区域の変更、福生都市計画道路三・四・四号新青梅街道線については、一部区域の変更及び一部幅員の変更、福生都市計画道路三・四・一〇号東京環状線については、一部幅員の変更となります。
 次に、事前説明資料一四二ページから一五一ページの都市高速鉄道の計画図と併せて、スクリーンをご覧ください。
 こちらでは、本計画において都市高速鉄道として必要となる、図の赤色で示した部分について、新たに区域を決定します。
 次に、事前説明資料一五六ページから一六五ページの計画図をご覧ください。
 各計画図において、赤色で示した部分が変更箇所となります。特殊街路である立九・六・一号多摩南北線及び福九・六・一号多摩南北線については、先ほどご説明の都市モノレールと同様の内容となります。
 また、立川都市計画では、立三・二・四号新青梅街道線に関して、新駅の設置により一部区域を変更します。
 福生都市計画では、福三・四・四号新青梅街道線及び福三・四・一〇号東京環状線に関して、新駅の設置により一部区域を変更するとともに、福三・四・四号新青梅街道線の箱根ケ崎アンダーパスの構造物等を避けるため、北側にモノレールを配置する計画としていることから、一部幅員を変更します。
 次に、環境影響評価書案の概要についてご説明いたします。
 お手元の薄黄色の冊子、環境影響評価書案の概要に挟み込んであるA4横の資料をご覧ください。
 本事業における環境に及ぼす影響の予測評価の項目は、騒音・振動、土壌汚染、日影、電波障害、景観、史跡・文化財、自然との触れ合い活動の場及び廃棄物の八項目となっております。
 主な項目についてご説明いたします。
 三ページをご覧ください。
 騒音・振動ですが、今回、工事の施工中及び工事の完了後について予測、評価を行っております。いずれの場合におきましても、評価の指標を満足するという結論となっております。
 また、その他の項目につきましても、適切な対応に努めることとしており、都市計画を決定する上で支障がないものと判断しております。
 最後に、関連案件として、立川都市計画道路七・四・二号榎本町線についてご説明します。
 恐れ入りますが、先ほどの薄茶色表紙、事前説明資料の一六六ページの計画図をご覧ください。スクリーンにも同じものを映しております。
 (仮称)ナンバー3駅を設置することに伴い、交通広場を設置するもので、赤色で示した部分が変更箇所となります。
 なお、この交通広場については、武蔵村山市が整備を予定しております。
 付議予定案件ナンバー21から27の説明は以上でございます。

○竹井委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田村委員 私からは、第八号善福寺川についてお聞きします。
 近年、全国各地で豪雨災害が発生しています。令和元年東日本台風では、都内でも記録的な豪雨に見舞われ、私の地元あきる野市などでも甚大な被害が発生しました。
 今年六月の台風二号では、善福寺川上流部において川から溢水し、床上浸水などの被害が発生したと聞いています。善福寺川は、平成十七年の豪雨や平成二十六年等においても浸水被害があり、護岸整備など対策を進めているものの、安全性をさらに高めるためには、新たな調節池の整備が必要だと考えます。
 そこで、この調節池の計画がどのように検討されてきたのか伺います。

○三宮都市基盤部長 事業予定者である建設局によると、平成二十四年に策定した中小河川における都の整備方針に基づき、平成二十八年に神田川流域河川整備計画を改定し、善福寺川上流部に新たな調節池の整備を決定しております。
 河川整備計画に基づき、令和三年から基本設計を進め、令和五年には、三か所からより効果的な取水が可能となるよう整備計画を改定いたしました。

○田村委員 検討の経緯について理解いたしました。
 河川整備計画の改定により、より効果的な取水が可能になるように、取水する地点を三か所にしたということですが、本調節池の取水施設や立て坑の位置をどのように決めたのか伺います。

○三宮都市基盤部長 事業予定者である建設局からは、平成二十四年に策定した中小河川における都の整備方針に基づき、時間五十ミリを超える部分の対策は調節池により対応することを基本とし、道路下や公園などの公共空間を活用して効率的な整備を実施すると聞いております。
 今回計画した取水施設は、主に区立関根文化公園や都立善福寺川緑地などの公共空間を活用するとともに、浸水実績や主要な流入位置などを総合的に勘案したとのことでございます。

○田村委員 取水施設や立て坑の位置の決め方については承知をいたしました。
 こうした検討などを踏まえ、事業予定者である建設局が既に詳細設計に着手したと聞いていますが、都市計画の決定前に設計業務を進めている理由について伺います。

○三宮都市基盤部長 事業予定者である建設局からは、調節池は、治水効果の早期発現のために重要な施設であると聞いております。
 善福寺川では、溢水による浸水被害が度々発生しており、八月の説明会においても本調節池の早期整備に対する要望があったことから、都市計画手続と並行し、設計業務を進め、速やかな工事着手に向けて準備しているということでございます。

○田村委員 速やかに事業を進める理由について理解をいたしました。
 早期整備に対する要望があった調節池について、地域の住民の理解を得ながら、効果の早期発現に向けてしっかり取り組んでいっていただくことを要望いたします。
 なお、今回、都市計画に関する公表前の情報をSNSに公開した議員がいると聞いています。議員が事前に知り得た情報の取扱いについては、都民への影響も大きいことから、常に厳格な管理と慎重な取扱いが求められることは大前提であり、公表前の公開は言語道断です。大変遺憾に思います。
 以上で私の質問を終わります。

○森口委員 私からも、第八号善福寺川について伺います。
 質問に先立ち、冒頭に一言申し上げたいと思います。
 先ほどもお話、今ございましたけれども、都市計画に関する情報につきまして、公表前にSNSに公開をした議員がいると伺っております。都市計画に関わる情報については大変慎重な取扱いが求められており、こうしたことが今後起こらないよう、ご注意をいただければと思います。
 質問に入ります。
 世界的な気候変動の影響により、これまで経験したことのない豪雨や台風に伴う自然災害などが全国各地で生じております。近年では、九州北部豪雨や、西日本を中心に大きな被害をもたらした平成三十年七月豪雨などが発生をいたしております。
 その後も、東日本を中心に大きな爪跡を残した令和元年東日本台風が発生をし、東京においても記録的な降雨となり、大きな被害に見舞われましたが、これまで整備をしてきた施設が浸水被害の軽減に一定の効果を発揮してきました。
 近年の状況を踏まえると、今後も調節池などの施設の整備を着実に推進していただくことが急務であります。
 そこで、河川に設置される調節池の効果について伺います。

○三宮都市基盤部長 調節池を整備することにより、大雨により河川水位が上昇した際に、一時的に川の水を貯留することで水位を下げ、浸水被害を防ぐ効果が期待されます。
 整備済みの環状七号線地下調節池では、令和元年東日本台風の大雨により河川水位が上昇した際に、善福寺川と神田川から河川の水を取り込み、水位を最大約一・五メートル低下させたと推定をされ、溢水防止に大きな効果を発揮いたしました。
 今回計画している地下調節池においても、浸水被害を防ぐ同様の効果が期待されるものであり、地元区から早期整備の要望をいただいております。

○森口委員 地下調節池は、溢水防止に大きな効果を発揮するものであります。
 気候変動を踏まえ、浸水対策は急務であるものの、新たな施設整備を進めるためには、地域の住民の理解を得ることが必要であります。今回の計画については、八月に都市計画素案の説明会が開かれたと聞いております。
 そこで、説明会開催についての住民への周知方法及び説明会に出席できなかった方への対応について伺います。

○三宮都市基盤部長 都市計画素案説明会については、八月一日の杉並区報にお知らせを掲載いたしました。
 あわせて、立て坑の中心から約二百メートルの範囲、トンネルルートの中心線から両側に約三十メートルの範囲、川沿いの範囲にお住まいの方へ、説明会のお知らせを約一万三千部配布いたしました。
 説明会後には、都のホームページに、当日の配布資料に説明内容を付したものと、音声入りの説明動画を公開し、出席できなかった方への周知を図っております。

○森口委員 様々な事前周知手段を取られたこと、その後も、動画対応等、工夫をされたことについて理解をいたしました。
 浸水対策は重要な取組でありますが、一方で、現在、地域にお住まいの方々の環境面に対する配慮も重要であります。
 そこで、環境への影響について、これまでどのような調査を行い、今後どのような調査を行うのか伺います。

○三宮都市基盤部長 事業予定者である建設局から、本事業の計画策定に当たり、現況の地質や地下水の調査、交通量の調査、樹木の調査など、環境面に関する調査を実施し、現状の把握に努めていると聞いております。
 あわせて、今後については、工事を実施する段階において工事中の周辺環境への影響を把握するため、地下水調査の継続や、騒音、振動の調査などを実施する予定であるとのことでございます。

○森口委員 環境への配慮についてのご答弁でありました。
 今後も、地域にお住まいの方々の理解を得ながら、実現に向けて着実に計画を進めていっていただきたいと思います。
 あわせて、気候変動に対応するため、良好な環境を形成するとともに、流出抑制効果が期待をされるグリーンインフラについても調節池などと併せて計画することを要望し、質問を終わります。

○加藤委員 私からも、第八号の善福寺川について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 善福寺川は、過去に何度も水害が発生をしておりまして、甚大な被害が起きていると認識をしております。平成十七年九月の豪雨では、善福寺川や妙正寺川などの氾濫により、都内で約六千棟の家屋が浸水するなどの被害が発生をしております。その後も、平成二十六年七月の豪雨においても川の水があふれる等、度々浸水被害が発生をしております。
 特に、今年六月の台風第二号では、これまで整備してきた善福寺川調節池に一〇〇%貯留をしたんですけれども、また、この下流部に当たる神田川・環状七号線地下調節池でも四五%貯留したというふうに聞いておりますけれども、この上流部の荻窪地区周辺においては、都内で唯一溢水被害が発生したと、このように聞いております。
 近年では、一時間に五十ミリを超える降雨の回数が増加し、それに伴う水害リスクが高まっています。このため、こうした降雨状況の変化に対応することが急務となっているわけであります。
 そこで、この調節池の必要性、これについて伺いたいと思います。

○三宮都市基盤部長 平成十七年九月の豪雨により、善福寺川では、床上、床下合わせて約千七百棟の浸水被害が発生し、本年六月にも、今回調節池を計画している善福寺川の上流部において溢水をいたしました。
 善福寺川上流調節池(仮称)は、降雨により増えた川の水を調節池に取り込むことにより水位を低下させ、浸水被害を軽減いたします。
 また、特に近年被害が起きた地域の浸水被害軽減につながる施設であり、命と暮らしを守るために欠かせない施設でございます。
 さらには、近年の気候変動に伴う豪雨被害は、激甚化、頻発化しており、こうした水害リスクの増大に対応していくためにも、必要な施設であると考えております。

○加藤委員 今、調節池の答弁があったように、必要性が地元に十分伝わるようお願いをしたいと思います。
 この調節池の整備に向けまして、都は、本年八月に、都市計画素案説明会を区内の小学校等で四回開催したと聞いております。しかし、地元住民の中には、説明会に出席できなかった方々や、この説明会で事業の内容を初めて知り、自分たちの意見を聞かずに事業が進んでしまうのではないかと、こうした危惧を持たれている方もおられるというふうに聞いております。
 都議会公明党としましても、この説明の機会を持つべきというふうに求めてきておりまして、この事業者等が十二月二日にオープン形式の説明会を持たれるということも聞いております。
 そこで、地元の声にしっかり耳を傾けて、計画や工事による影響について、都は説明を行うべきと考えますが、見解を伺います。

○三宮都市基盤部長 都は、本年八月に実施した都市計画素案説明会において、計画内容について説明を行い、地元の方々などからの意見を伺っております。その後も、電話や対面により、個別の対応を行ってきております。
 また、今後実施する都市計画案の縦覧期間中には、意見書を提出いただく機会を設けております。
 今後とも、丁寧な説明を行うとともに、地元の声に耳を傾け、住民の理解促進に努めてまいります。
 工事の影響については、事業予定者である建設局によりますと、現在検討中であるため、今後、検討結果を踏まえ、事業説明会や工事説明会等、機会を捉えて住民に説明していくというふうに聞いております。

○加藤委員 住民の不安の軽減や、ご理解、ご協力をいただくためにも、事業の内容について知る機会を増やすことは重要であります。都市計画手続にとらわれず、広く住民に説明する場を求めることを要望いたします。
 また、都は、既に個別対応などを行っている一方、住宅の近くに調節池の取水施設や立て坑が計画された住民からは、工事計画を一旦停止し、都民との対話をすることに関する署名活動や、ネットにおきましても、工事計画を一旦停止し、計画の再考をすることに関する賛同を求める動きがあるなど、事業実施による住環境悪化などを懸念する声が上がっていると聞いております。
 そこで、地域住民が懸念している公園や樹木への影響について見解を伺います。

○三宮都市基盤部長 事業予定者である建設局によると、影響の程度は今後の検討となるが、例えば、工事中において関根文化公園は、施工ヤードとしても活用するが、一部でも開放できないか検討を進めると聞いております。
 樹木については、大規模工事のため、一部伐採や移植の可能性がございますが、極力伐採しないように配慮し、可能なものは公園内の空きスペース等を確認して移植すると聞いております。

○加藤委員 都はこれまでも、住民に対する説明会を行ってきたと考えますが、今後についても機会をつくって説明を行い、住民の理解を得ていくことが重要です。
 このため、住民に説明する機会を設けるべきと考えますが、見解を伺います。

○三宮都市基盤部長 住民の皆様のさらなる理解に向けて、今後とも、説明の機会を設けることなどについて、事業予定者である建設局と連携しながら進めてまいります。

○加藤委員 今、答弁ありましたけれども、丁寧な説明をしっかり行っていただきたいと強く求めておきます。
 最後になりますけれども、先ほど両理事からも言及がありましたけれども、私もこの当委員会の理事でもありますし、都市計画審議会の委員でありますので、一言申し上げたいと思うんですけれども、一般には未公表の都市計画に関する情報が議員のSNSで公開されたことについては、やはり問題であるというふうに思っておりまして、この都市計画に関する公表前の情報については、当然慎重に扱うべきものと考えます。
 今後、このようなことがないように、十分に対応していただきたいと念を押しまして、質問を終わります。

○原田委員 それでは、善福寺川八号、都市計画変更についてお聞きいたします。
 八月、突如として住民に報告された善福寺川の地下調節池計画が、現在、杉並の住民に混乱をもたらしています。昨日までに、直筆署名が二千五百筆を超え、ネット署名数が一万人を超えました。近隣住民は、三か所合わせても隣接住民百件に満たない。そんなにないですよね。これがたった二週間で、直筆二千五百筆、ネット署名一万人を超えたわけです。つまり、杉並のこの公園などを使っている多くの住民が、物すごい勢いで声を上げているということなんですね。
 都市型水害の被害に遭ってきた善福寺川上流部において、水害対策の決め手ともいえる規模三十万立方メートルの地下貯水池計画に、なぜこれほどまでの反対が起きるのか。質問するとともに、都市整備局の計画、そして、その進め方がどのような問題を引き起こしてきたのか、ここに明らかにしたいと思います。
 思い出されるのは、二十年前の大水害です。区議になりたての私は、時間雨量百十二ミリの線状降水帯の発生により、現場に駆けつけました。善福寺川は、大変な被害を住民にこのときもたらしました。成田東の水害地域で、私のおなかの上の辺りまで汚水につかり、助けに行った家の少女から、あなたに一体何ができるんですかといわれ、本当になすすべもなく茫然とたたずんでしまったのを今でも覚えています。
 それ以来、区議会でも、都議会に来てからも、本当に効果のある水害対策は何なのかを提案してまいりました。
 今回の計画地となる善福寺川上流は、住宅街が広がり、ハードな水害対策が難しい地域です。ですから、私はかねてより、上流地域の水害対策は大規模でない小まめな雨水流出抑制策、つまりは、降った雨を地面に戻す道路舗装などの大量敷設こそ、環境負荷が少なく有効だということを訴えてきたわけです。練馬区では、透水性舗装が大規模に行われていましてね、石神井川や白子川では、水害が減ったと住民が実感しています。
 しかし、今回、善福寺川上流で示されたのは、まさにこれでもかというほど大規模なハード事業でした。三つの取水口が計画されましたが、確かにそのいずれも各水害常襲地域のすぐ上流に設置され、その規模は三十万立米ですから、当然効果は高いといえます。
 問題は、効果の高いハード対策であればあるほど、その工事や完成後の施設がもたらす環境への負荷が重大になるということなんです。都や我々都議会議員は、取水口ごとに、どのような影響があるのかしっかり見ないといけません。
 まず、せきれい橋付近です。私の住む成田地域において、善福寺川に沿って広大に広がる都立善福寺川緑地公園の中でも、ロケット公園といえば誰もが場所の分かる区域です。ロケット公園というのは通称でして、ロケットの形をした遊具が、私が四十八歳ですけれども、幼児のときにもうありましたから、すごい前からあると思うんですけど、何代にもわたってこのロケットの形をした遊具が、さらに幾つかの遊具が集まり、この周囲をプラタナスの大木が何本もそびえ立つ人気の公園です。私も子供もよく遊んでいたわけですけど、真夏でも明らかに周囲より涼しく、子供から高齢者までみんなに愛されているといって、杉並の成田地域、何万人住んでいるんでしょうね、誰も否定しません。
 計画では、このロケット公園が立て坑建設のために丸ごとなくなり、工事完了後は大規模な管理棟が建つといいます。地域では、わざわざなぜここを選ぶのか、管理棟だけは別の場所に動かせるのではないのかとか、資材置場はどうなるんだと、不信、あるいはせめてもの提案など、様々な声が上がっています。
 そこでお聞きします。善福寺川緑地公園の通称ロケット公園は、プラタナスの大木が何本も育ち、木陰を生み、真夏でもいられる子供から大人まで人気のスペースになっていますが、詳細設計を発注した都や、受託したパシフィックコンサルタンツは、そうした地域の実情まで把握していますか。

○三宮都市基盤部長 事業予定者である建設局からは、現場調査も行っており、現地の状況は把握していると聞いております。
 なお、先ほどご指摘のありました、流域対策だけで十分ではないかというようなお話がございましたが、水害に対して地域の安全を高めていくためには、大事なことですけれども、それだけではやはり不十分でございまして、河川などのハード整備と併せて、ハードと流域対策の双方を進めることで、水害に強いまちを実現していくことが必要であるというふうに考えております。

○原田委員 流域だけでは足りないという話ですけれども、そもそもやったことがないですよね、大規模に敷設というのを。それは大体自治体に任されているんです。
 皆さんは、補助金も出さずに流域対策の目標だけを自治体にお任せして、すごい使い勝手の悪い流域対策の補助金を出していますけど、私はその問題を何度も追及してまいりました。それによって幾つか改善していただいたんで、それは助かったなと思いましたけど、そもそも抜本的に予算が足りない。
 ところが、ハード対策にだけは猛烈なお金をかけるわけです。今回、一千億円ですよ。それだけあったら何ができたんですかと。既にパシフィックコンサルタンツが現場調査を行っていたと。現地の状況を把握しているといいますけれども、現地調査をしておきながら、これだけ盛り上がっている住民の声を一言も聞いていないし、住民に対して言葉を投げかけてもいない。
 水害地域に、上流でそれほど遠くなくまとまった土地、それがロケット公園ぐらいにしか見ていなかったわけですよ。どれだけかけがえのない公園か、そこに住む住民がどれだけロケット公園付近の環境を愛していて、どれだけの思いで私財を投じてこの地域に家を建てたのか、聞いていないわけでしょう。いい過ぎに聞こえるかもしれませんけど、この計画がどうなるかに人生かかっているわけなんですよ。分かりますか。
 公園の周りのお宅は、公園の雰囲気に合わせて趣向を凝らしたり、家の一部をカフェにしたりと、私が生まれる十年、二十年、三十年前ぐらい、二十年ぐらい前なのか、まだ草ぼうぼうで大変危険な地域だったといっています。それを東京都が整備をして、そして、周りの住んでいる民家のお宅たちもすごくきれいにしたりして、育ててきた公園なわけです。都立公園が目指すべき、住民と行政による美しいまちが形成されてまいりました。
 近隣住民だけでなく、百数十名の会員を誇る早朝ラジオ体操の参加者たちからも、あるいは、遠く離れた地域に住んでいる方々からも、ロケット公園だけは守るべきなんじゃないのかという声がまさに噴出しているわけです。だから、たった二週間で二千五百筆、直筆で、ネット署名で一万筆、そういうのが集まってくるわけですよ。そうした声を、都も、パシコンも、全く聞いていないわけでしょう。何が現地調査ですか。何も調査できていない。
 工事が始まるとき、大きな問題となるのが資材置場と大型トラックの進入路です。この地に建設する場合、五日市街道からの車両ルートにより、お隣のセンター広場、先ほどのラジオ体操の皆さんが利用している広場を、センター広場を通ることになります。もしも川沿いに道を通そうとすれば、大量の樹木伐採を伴ってしまうことになると。センター広場を通る可能性が大きいと思うんですけれども、そうなれば長期にわたり、このロケット公園と二つの広場、合わせて数ヘクタールの緑地が目の前からなくなり、高く長い目隠しパネルが延々とそびえることとなります。それが少なくとも十年間です。それがどれだけ苦しいことか想像してほしいと思うんですよ、皆さん。
 工事の資材置場は何平米ほど必要となるのか。また、どこに置くことになるのか教えてください。

○三宮都市基盤部長 事業予定者である建設局からは、工事の資材置場や面積については、詳細設計の中で検討し、配置等の詳細は、施工者が確定した後に施工計画として立案するものであると聞いております。

○原田委員 都市計画決定が行われようとしていて、今日、都市計画素案が案に変わっているわけですよ。なのに、地域にとって一番大事な工事内容の一つである資材置場や、物すごい数の十トントラックがどこを通るのか分からないってどういうことなんですか。十年間、壁で囲われるんですよ。資材置場や工事車両の走る道は、それがどこであって、どんなふうにあの公園を隔ててしまうのか全く分からないなんて、そんな状況でどうやって計画に理解を示せというんですか。今のところここを予定しているとかくらい、本当はいえるんでしょう。何で隠すんですか。
 善福寺川緑地公園は、さきに成田西調節池の工事が何年にもわたり行われており、公園の半分は工事中という地域だった場所なんですね。もうそろそろ終わって、工事現場の固まりみたいになっていた、そんな公園がまた美しい公園に戻ると切望されていたんです。だから隠そうとしているんじゃないかな、まさか、また、少なくとも十年は巨大な工事現場が出現するとは、誰も思っていませんから。
 そもそもこの地域は、下流からの河川拡幅が二十年ぐらいするとそのうち到達します。つまり、この工事が十年で終わったとすると、また次の工事がやってきて、足かけ数十年にわたって工事現場が目の前に広がることになるわけです。上流地域でのハード対策というのは、こういう影響を与える、こういうことをいうんですよ。簡単に、ハード対策は水害対策になるなんていえるものじゃないんです。
 水害対策は重要です。しかし、その効果を追い求めて強引に進めると、水害とは全く違った重大な被害が地域にもたらされてしまうんです。そのことを、都は、分からなさ過ぎます。
 二か所目、関根文化公園は、川沿いに広がる、これまた地域にとってかけがえのない公園です。もともとは区営プールがありましたが、東日本大震災で被災し、廃止。水害対策で既に地下調節池をつくっていました。その後、その上が広場状の公園になりまして、実はこの地域、前の区長によって児童館が廃止されまして、意外に近隣に公園も少ない地域でして、関根文化公園は地域にとって重要な公園となり、今、多くの子供たちが遊び、日常、昼日中も保育園児たちがこの公園を利用しています。本当にまとまった公園がここぐらいしかないんですね、地域の保育園とかだと。
 ところが、今回の地下調節池計画で取水口の一つにされてしまい、再びこの公園が使えなくなると。やっと使えるようになったと思ったら。しかも、今度は十年以上という構想に、知った人たちは大変驚いているわけです。だからあんなに署名が集まるんです。
 そこでお聞きしますが、関根文化公園の敷地が今回の地下調節池計画の用地となるのは、いつから構想されていたのか。

○三宮都市基盤部長 事業予定者である建設局からは、令和二年八月に、都から区へ、区有地活用について依頼をし、同年九月に、区から都へ、当該地を候補地として調節池の設計を進めることを了承する回答があったと聞いております。

○原田委員 実に、三年前には地下調節池計画の話があり、関根文化公園は狙われていたと。このときの地下調節池の構想がどの程度のものだったのか気になりますので調べてまいりましたが、今回ほどの具体性はなかったやにお聞きしております。
 しかし、いずれにしても、住民が全く知らないところで、都と区の職員、そして、当時の区長だけで話が進んでいくというのは、本当に問題だと思うんです。これは、住民合意がないというだけにとどまらない問題です。
 実は、この地域には、ほぼ同じ地域の対岸に、善福寺川の、大規模な駐車場がありまして、何と地権者は売るつもりだったわけです。もしも住民に、三年も前からこの計画に、しっかりとお話、胸襟を開いて都や区が話をしていれば、公園をつぶさずに、そうした住民の情報を生かして、計画はその地域で進んでいたかもしれません。誰ですか、都市計画が決まるまで一切情報なんか流すなといった議員は。ちゃんと住民に、スケジュールまで一緒に考えて、そうしないと進むものも進まないんですよ。しっかりと住民と一緒にスケジュールから確認し合っていく、そういう姿勢が本当に大事だと思います。
 大変残念ながら、最近、この大規模駐車場、民間に買われてしまったそうです。何ということかと。こういうことを見ても、東京都が水面下で事業を進めるデメリットというものが明らかだと思うんですね。これは前区長の責任も相当のものではありますが、児童館もつぶした上、公園まで都に差し出すなんて、地元が見えていなかったにもほどがあるというのは、ここでは前区長の責任というのも指摘をしておかなきゃいけないなと思っています。
 最後は、原寺分橋、どういう地域か。井荻公園という坂の上の公園がありますけれども、その坂の下の川沿いのお宅を二十数軒丸ごと、取水口と管理棟建設のために立ち退きさせるという計画です。
 私は先日、取水口と管理棟の設置で公園を奪われる二つの地域の方々、そして、原寺分橋で立ち退きを迫られようとしている人たちの代表の訪問を受けました。原寺分橋の方は、何と親子三代にわたってこの地域に住んでいて、まさについの住みかと信じて暮らしていたといいます。
 原寺分橋付近は、湧水が湧いておりまして、下水が流れなければ本当に清流です。たまにメディアなどにも取り上げられる善福寺川を里川にカエル会という団体がありますが、この団体が行った調査によると、原寺分橋の付近では、希少順でいえば、区部の絶滅危惧種一類のドジョウ、ニホンスッポン、絶滅危惧種二類のトウヨシノボリ、そのほか、オイカワやカマツカ、さらにはアオダイショウまで泳いでいたということです。少し上流に歩けば善福寺池もあり、本当にいい環境です。
 そんなある日、商業チラシとともに入っていた住民説明会のチラシがあったのを覚えていて、何の気なしに聞きに行った説明会で、自分たちの地域が根こそぎ立ち退きになるという重大な計画に驚いたといいます。地元説明会に出かけた人は少なく、後からその方が地域に知らせ、みんな驚いたとのことでした。
 許し難いのは、法定説明会たる素案の説明会が終わった後は、各戸を訪問したというんですね、職員は。何で各戸訪問ができるのなら法定説明会の前にやらないのかと。チラシを一枚入れただけで素案説明会という重大な手続を進めてしまったのか。本当に不誠実ですよ。そのため、地域では、不安、不信、怒りの声が沸き上がり、地権者の多くが計画の見直しを求める、そんな状況となってしまっています。これ、実は大変なことなんです。
 そこでお聞きしますが、原寺分橋付近の相当数の立ち退きについて、用地買収が完了しない状態で他地域の取水施設及び立て坑の工事は着工されるのか。

○三宮都市基盤部長 事業予定者である建設局からは、工事の着工時期は、用地の取得状況等を踏まえて検討すると聞いております。
 なお、素案説明会の後に建設局の方からご説明に行ったということでございますが、これは、地域の住民の皆様に丁寧な説明を行うということの趣旨からやったものであると聞いております。

○原田委員 丁寧な説明というんだったら、何で大事な説明会がありますよって各戸訪問を先にやらないんですか。それは、素案の説明会というのは法定説明会ですよ。その前に、たったチラシ一枚ぺらっと入れて、それで、終わった後、各戸訪問ってどういうことですか。全然丁寧というか、だまし討ちみたいなものですよ。
 率直にいって、原寺分橋の住民は、都のやり口に相当疑問を持っています。これでは、用地買収なんていうのは何年たっても進みません。工事期間で十年あるといわれていますけど、用地買収だけで十年、あるいは二十年かかってしまうんじゃありませんか。先ほどの部長の答弁と合わせるとですよ、工事着工も用地買収等を踏まえてとのことですから、つまり、用地買収が終わらないとなかなか工事着工できない、全体として。完成まで三十年かかることだってあり得るというか、それが今のリアルです。この計画の大規模なハード対応、水面下で話を進めておいて一気に押し切ろうとする都市計画手続の進め方が、逆に水害対策を遅らせることになろうとしているわけです。
 しかも、もし、原寺分橋の用地買収が進まない中で、せきれい橋や関根文化公園での立て坑の工事だけは進めちゃおうというようなことがあれば、これはどういうことが起きるか。それは、資材置場や大型トラックの道路、通路を造り、それを囲う延々と続く高く長い壁ができてしまう。一度出来上がってしまったら、今度は途中で止まるわけですよ。用地買収が進んでいないので、シールドマシンは走れないわけですよ。そのまま囲いが数十年にわたって立ち並び続け、公園の利用もできないということだってあるわけなんですね。これ、現実にあり得る事態なんですよね。そうなったら誰が責任を取るんですか。都市整備局も建設局も、そして、我々都議会議員も、よくよく考えるべきなんですよ。
 この計画に対し、隣接住民だけでなく多くの区民が声を上げるに至ったのが、まさに手続のひどさです。八月に行われた住民説明会は、都市計画素案の住民説明会であり、つまり法定説明会です。チラシを一万数千枚、当該地域の住民宅に配ったとの話でしたが、十一月三日、せきれい橋付近の住民から、私、呼ばれまして現地に赴くと、数十名が集まっていて驚きました。私も数名ぐらいが集まっているのかなと思っていたら、もうまちではやっぱり、ちゃぶ台をひっくり返した状況になっているわけですよ。
 数十名公園に集まっていまして、その人たちのうち、チラシがポストに入っているのを見たという人が数名しかいなかったんです。集まっている人たちの九割近くが、明らかにポスティングされていないというんですね。ポスティングされた人がいうには、チラシといっても割としっかりした紙で、私さっき、ぺらっと一枚っていっちゃいましたけど、入っていれば気づく、そういっています。明らかにポスティングされていないと、住民たちは口をそろえていいました。
 これ、都市計画素案の説明会を知らせる大事なチラシなんですよ。それがほとんど、せきれい橋付近で配られていなかったのじゃないのか。重大なことだと思うので、ポスティング業者も含めて、どういうことをやったのかというのをちゃんと調査してください。
 ちゃんと聞いた方がいいですよね、これ。部長、調査してください。

○三宮都市基盤部長 素案説明会の広報、お知らせについては、適切に遂行しております。

○原田委員 ちゃんと答えてください、部長。住民の皆さんが、ポスティングが全くされていなかったと口をそろえていうわけです。調査ぐらいするべきじゃありませんか、部長。もう一度。調査するかどうか。しないならしないといえばいい。

○三宮都市基盤部長 適切に遂行しているというふうに私どもは考えております。

○原田委員 今の姿勢の在り方も含めて、東京都の今の姿というものが問われるんだということを指摘したいと思います。
 八月に素案の説明会があり、せきれい橋の住民の多くが知ることになるのは、ずっと後の十月に入ってからです。だって、説明会にほとんど行っていなかったんですよ。うわさがうわさを呼び、やっとこれは大変なことなんじゃないかと十月に入ってから大炎上したわけです。
 しかし、やっとこさ建設局の職員を呼んで話を聞いても、今は何も決まっていないとの回答ばかりで、納得のいくものではありませんでした。そのとき、都の職員は、こういったというんです。現在は素案の素案の段階であり、ゆっくり進むので。そういったそうです。これが本当だとすれば、それは虚偽の説明ですよ。まず、素案の素案などというものは、都市計画の手続にありません。そして、ゆっくりどころか、杉並区の職員も驚くほどのスピードで動いていくわけですよ。
 今日、この都市整備委員会で、第二百四十四回都市計画審議会の議題に善福寺川八号の都市計画変更が含まれていたことが、私たち都議会議員に報告されたということはですよ、素案から都市計画案に、手続の重大な一歩が進んでしまったことを意味しているわけです。そして、二月には都市計画決定、あまりにも異常なスピードで、誰の声も聞く気がないのが明らかとなるような手続のやり方ですよ。
 素案の素案とか、ゆっくり進むんで安心してくださいとか、本当にいっていたとしたら、私、大問題だと思うんですけど、都市計画の担当部長として建設局の職員に確認すべきじゃありませんか、部長。

○三宮都市基盤部長 事業予定者である建設局のお話でございまして、私どもでは承知をしておりません。

○原田委員 違うでしょう。都市計画決定に関わる問題でしょうが。素案の素案ってあるんですか、一体。
   〔傍聴席にて発言する者あり〕

○竹井委員長 いいですか、すみません。傍聴の方、少しお静かにしていただけますでしょうか。お願いいたします。

○原田委員 声が漏れるのも本当に分かるんです。そもそも都市計画手続のスケジュールが住民にひた隠しにされている時点で、都民と決める、都民が決めるという小池知事のスローガンと真っ向から矛盾するんじゃないのかなと私は思います。
 大体、素案が案になり、手続が進むという今日の都市整備委員会当日まで、当日までですよ、善福寺川地下調節池計画が報告、質疑されるかどうかも公表されない、分からないという、これ、異常じゃありませんか。
 同じくですよ。本日に至るまで、来年二月の都市計画審議会に本計画が上程されるスケジュールも、住民には今日の今日まで知らせないというのも、私は重大問題だと思いますよ。私なんかは、今日の善福寺川の報告があって質疑するから傍聴に来てくださいということも、いってはいけないといわれたわけです。委員の皆さん、こんなこと今までありましたか。外苑でもなかったですよ、私。都市整備局がちょっと非常に敏感になっています。この計画、何があるんですか、一体。
 そこで、一応聞いておきます。都市計画素案が都市計画案となるまで、都市計画審議会のスケジュールを住民に伝えないのは、法的根拠がある手続なんですか。皆さんの勝手なルールなんじゃないんですか。

○三宮都市基盤部長 都市計画法十七条では、都市計画を決定するときは、その旨を公告し、当該都市計画を決定しようとする理由を添えて、当該公告の日から二週間、公衆の縦覧に供しなければならないとされております。
 都は、法に基づき適切に運用をしております。

○原田委員 一体何の答弁をしたんですか、一体。都市計画審議会に、この善福寺川の計画がいつかかるのかについて、今日までスケジュールを表には出せないというそのルールは、法的な根拠があるんですかって聞いたわけです。
 公告縦覧の前にスケジュールだけは示したって問題ないし、スケジュールを公告縦覧の前に見せてはならないなんて法律にはなっていないでしょう。そんなことを書いていないでしょう、法律には、部長。もっと都民と共に都市計画というのはつくってもらわなきゃ困るわけですよ。
 以上の理由から、全くもってこの計画の手続は異常に次ぐ異常の連続であり、本日をもって素案から都市計画案に昇格するなどという手続を私は認めないということをはっきりと訴えておきたいと思います。
 さて、八月から、ずさんかつ一気に進められてきた本計画ですが、一体この計画は、いつからつくられてきたのか気になります。後学のため確認しておきます。
 善福寺川地下調節池計画は、いつから構想が始まっていたのか。

○三宮都市基盤部長 事業予定者である建設局からは、平成二十四年に策定した中小河川における都の整備方針に基づき、平成二十八年に神田川流域河川整備計画を改定し、善福寺川上流部に新たな調節池の整備を決定したと聞いております。

○原田委員 平成二十八年というと、二〇一六年になるわけです。平成は大体八十八を足すと西暦になる。今から七年前、しかし、そのときは上流部に調節池をつくるという、ふわっとした計画だったんではないかと推測します。それが令和二年、二〇二〇年には、先ほどの答弁で、関根文化公園に、都から区への要請があったと、この土地を貸してくれないかと。ただ、このときもまだ今回のような計画にはなっていなかったんじゃないかと。
 令和三年、二一年から始まったんじゃないかというのが先ほど、他の委員の答弁にありました。そこのあたりで具体化が始まったということだと思うんですけれども、このあたりは、実際、都市整備局が主導したのか、建設局が主導したのか、まだよく分からないんで、本日はここまでにしておきます。
 いずれにしても、数年前からこの計画の動きはあったものの、全てが水面下で行われ、ここまでに至ったということが分かりました。こんなハード対策がどれだけの影響を地域に与えるのか、あまりにも想像力が足りなさ過ぎます。住民に一々聞いていたら進む話も進まないと思っているということなのかと。それは独裁者の考えですよ。
 はなから住民の声を聞く気がないというのを如実に表しているのが、技術協力、施工タイプ、ECI方式という設計から施工までの新しい発注スタイルです。
 これまで公共事業は、設計を発注して、できた詳細設計で施工業者の入札を行ってきました。この設計にこそ、住民の福祉向上を願う行政の姿勢が表れるべき、のせるべきなんですけれども、そうした姿勢が行政から失われてはや数十年、ここに来て、設計段階に施工者の技術協力や見積りの話を盛り込めるという発注方式が、今回の工事で初採用されてしまいました。この発注方式は、詳細設計から手っ取り早く施工に移れるという利点もありますが、もはや住民の声が入る余地がありません。
 ECI方式を導入した初入札となりますが、導入することを決めたのはいつか。

○三宮都市基盤部長 事業予定者である建設局からは、令和五年九月に、善福寺川上流調節池(仮称)工事に伴う技術協力業務を起工し、決定したと聞いております。

○原田委員 八月に素案の法定説明会があって、その次の月の九月にはECIで、住民の声なんか一切取り入れずに、施工業者にどんどん進めてくれとばかりにECI方式で詳細設計を発注すると。
 パシフィックコンサルタンツは、昨年、官製談合で指名停止処分になった会社です。そのパシコンが、より施工業者と密接に、設計、施工を一まとめにしたようなECI方式発注の一翼を担うというのは、都民として不安です。
 また、パシコンは、十月、先月の十月二十七日から一か月間の指名停止処分になったばかりです。それは、あの外かく環状道路のシールドマシン工法において、粗雑な業務を行ったことによるというんですね。これ、私がいっているんじゃないんですよ。指名停止の国交省の文章で、粗雑な業務を行ったことというのが理由になっているんです、指名停止の。
 すごい辛辣な書き方だと思うんですけれども、要は、設計段階で地下構造物とシールドマシンの掘進位置を間違えて設計してしまったために、シールドマシンがぶつかって一部壊れちゃったわけです。これで外環のランプ工事は止まりましたから、大変な事故でした。そのパシコンが善福寺川地下調節池計画の詳細設計を担うというんですから、心配で仕方がありません。
 パシコンが詳細設計を受注してから、その僅か数日、一週間後、二週間後、本当に僅かの間でこの指名停止の判断が下ると。詳細設計が終わるまで、ありとあらゆることが全く分からないまま、都市計画案に手続が進み、二月には都計審にかけられるというんですから、これじゃもうめちゃくちゃですよ。
 私は、水害対策を早く進めたいからこそ、この無謀な計画にきっぱりと反対を表明するものです。やはり上流部に大規模なハード事業は無理があるわけなんですよ。ですから、私はこれまで、道路の透水性舗装や、各家庭やマンションの地下に貯水槽を設置する事業に抜本的な予算をつけることを求めてきました。
 特に透水性舗装は、都建設局が、その昔、研究を重ねていた施策でありまして、雨水を地面に浸透させることでヒートアイランド現象を減少させる機能が期待される。そもそもゲリラ豪雨自体の減少が期待された、そうした施策で、かつ、突然のゲリラ豪雨に対し、雨水を下水に一気に流さない、タイムラグをつくる機能も有しています。練馬区では、他区と比べて規模の大きな透水性舗装が施されていてというのは先ほど示しました、石神井川などでの水害が減ったという住民の実感があります。これこそ、小池都知事が推奨するグリーンインフラそのものなんじゃないのかなと。
 また、百歩譲って、百歩譲ってハード対策というなら、善福寺川の水圧を大幅に高めているのは、現在、上流部で水圧を高めているのは、実は武蔵野市から下水流入がありまして、これが大きな要因になっているんですね。大雨時にその現場へ行くとすさまじいです。川の横から出た穴から、対岸の壁にぶつかるぐらいの勢いでぶおっと流れるんです。そこから先は濁流になるんです。
 これは、改善する話合いが、実は杉並区と武蔵野市と東京都で話合いが持たれていましたが、立ち止まってしまっています。一千億もこの計画に充てるんだったら、なぜその下水処理に充ててもらえないのかなと、地域ではそうした声も上がっているわけですよ。こっちの方がよほど早く、しかも難なく終わるんじゃないのと。かけがえのない公園をつぶし、湧水を枯らし、大規模な用地買収で工期が異常に長引くことが確実な本計画は、抜本的に見直すことを求めて、善福寺川八号の質疑を終えます。(三宮都市基盤部長発言を求む)
 次に、特区の質疑に移ります。

○竹井委員長 ちょっと待ってくださいね。ちょっと待ってください、すみません、今、質問していましたか。

○原田委員 いません。

○竹井委員長 いません。じゃあ後で。

○原田委員 次に、特区の質問に移ります。
 ここから先は、時間も考えましてちょっと機械的になってしまいますけれども、ぱっぱっぱっと聞いていきたいと思います。
 品川駅街区地区について、本計画の従前、従後の容積率の変化をお示しください。

○真島景観・プロジェクト担当部長 従前の用途における容積率は、加重平均で約四七〇%であります。
 従後の容積率は、本地区の周辺と連携した歩行者ネットワークの整備等による見直し相当容積率約二〇〇%を加味した上で、地下鉄駅や駅前広場等を結ぶ立体的な歩行者動線の整備等を評価いたしまして九八〇%としております。

○原田委員 本計画の従前、従後のCO2排出量の変化をお示しください。

○真島景観・プロジェクト担当部長 本地区の開発前の建築物からのCO2排出量につきましては、エネルギー消費実績等が把握できないため算定できません。
 開発後のCO2排出量につきましては、環境面での先進的な取組により最高水準の環境性能を確保し、目標としたCO2排出原単位以下とするなど一定の仮定条件のもとに試算いたしますと、年間約二万四千八百トン以下となります。
 さらに、今後の建物供用開始時までに、事業者が最大限に努力しながら再生可能エネルギー由来の電力利用に取り組むことなどによりまして、実際のCO2排出量は大幅に削減すると聞いております。
 加えまして、ゼロエミッション東京の実現を目指し、今後の社会状況の変化や技術革新の状況を踏まえまして、さらに効果的な取組を継続する、検討するとしております。

○原田委員 最後の答弁で、ゼロエミッション東京の実現を目指すとありました。二〇三〇年までに二〇〇〇年のCO2、温暖化ガス排出量を二〇〇〇年時の半分にするんだという計画で、残りあと六年ほどとなりましたが、現在、二〇〇〇年と比べて温暖化ガスは数%しか減っていないという状況です。
 もう既に、冷暖房であったり断熱であったり、様々な省エネ技術というのが物すごく社会全体で進んでいるにもかかわらず、全然減らないのは何でなのかと。昔のビルの半分ぐらいですよね、今、省エネ。なのに、何で減らないのか、業務ビルは増えたりしているのか、ビルの排出量は。結局、超高層ビルの排出というのは物すごいんだなということが、ここ最近見えてきているわけですよね。
 この間の他会派の委員の決特での質疑だったんですけど、これまで東京都が補助金を出してつけた太陽光パネルが年間に吸うCO2、幾らぐらいなのかと質疑をされておりまして、それが年間に六万トン吸い込んでくれる、減らすことになっているというのを、清水都議ですか、やっていましたけれども、六万トンと年間に、これまで補助金を出してつけた太陽光パネルが。この品川のビルが吐き出す年間の排出量が二万四千八百トンと。ちなみにこの間、資料を取らせていただきまして、この十年間に百メートル以上のビルが何棟建ったか調べてみましたけれども、百三十七棟、十年間で建っているということが分かりました。そりゃあCO2減るはずが、温暖化ガス、減るはずがないなと。
 いっておきたいと思うんですけど、これ、ただじゃないんですよね、CO2排出。この業者が出した分を何とかしてカバーするとかじゃないんですよ。私が都議会議員になった七年前、環境・建設委員会に入っていたときに見ていた数字で、環境局の予算って四百億ぐらいでした。この間出た予算見積り、二千三百億ですよ。産労局とか都市整備局が出すとかも含めると千数百億ある、環境問題、気候変動対策で。三千数百億円ぐらい、今、都民は気候変動対策にお金を出しているんですね。七年前ではなかった出費を出している。
 それなのに、この開発というのだけは、国際競争力だ、国際競争力だといって無邪気に吐き出し続ける。この人たちは、誰もその尻拭いをしようとしない。全部都民が税金で払っていくと。どういうことなのかなって私は思うわけです。
 さて、同計画のすぐ横を高輪築堤が埋蔵されていることが予想されておりますが、そこには現在、線路も走っている区域となっています。
 高輪築堤の遺跡調査は、どのような方法で行われ、今のところどのような調査結果がもたらされているのか教えてください。

○澤井まちづくり調整担当部長 高輪築堤につきましては、令和二年九月に高輪築堤調査・保存等検討委員会が設置され、調査方法などの検討が行われております。
 高輪築堤の山側に位置する本地区につきましても、検討委員会の指導助言の下、事業者などが試掘調査を進めており、旧品川停車場に関わる駅前広場の盛土層などが確認されているが、高輪築堤は発見されていないと聞いております。

○原田委員 試掘調査が行われて、線路の下じゃなかったんですけれども、開発地に伴って試掘をしたところ、何と旧品川停車場に関わる駅前広場の盛土層が出てきたと。皆さん、慣れないでもらいたいと思うんですけど、これは神宮外苑よりも前に、去年、ヘリテージアラートが国際イコモスから出されている遺跡です。つまり、もしもそのまま保存をすれば、世界遺産になる、そういう遺跡なんですよね。
 それも私が前々から訴えていたんですけれども、今の品川駅と高輪築堤があったところの品川駅というのは、もうちょっとずっと下の方にあると。私は、ちょっと前に専門家の方の話も聞いて、北品川駅ぐらいのところにあるんじゃないかということをいっちゃっていたんですけど、実際は、今回の再開発地域のちょっと先のところに旧品川駅が、停車場があるということが分かった、発見をされたと。これ、大事なことだと思うんですね。
 ぜひ、かつての品川停車場の駅前広場、盛土層が出てきたということですけれども、しっかりとした保全に努めてもらいたいと。いつか線路の一本ぐらいはちょっと外して高輪築堤が浮かび上がるような、そういう再開発を私は見てみたいものだなと、全部ぶっ壊すばかりじゃなくて、そういうふうに思います。
 田町駅西口駅前地区、本計画の従前、従後の容積率の変化をお示しください。

○真島景観・プロジェクト担当部長 従前の用途地域における容積率は七〇〇%でございます。
 従後の容積率は、民有地を活用した交通広場の整備など、駅まち一体の基盤整備、隣地街区と一体となった歩行者ネットワークの形成等の提案内容を評価いたしまして、一三〇〇%としております。

○原田委員 本計画の従前、従後のCO2排出量の変化をお示しください。

○真島景観・プロジェクト担当部長 開発前のCO2排出量は、年間約四千トンでございます。
 開発後建物のCO2排出量につきましては、環境面での先進的な取組により最高水準の環境性能を確保し、目標としたCO2排出原単位以下とするなど一定の仮定条件を下に試算いたしますと、年間約五千五百トン以下となります。
 さらに、今後の建物の供用開始時までに、事業者が最大限に努力しながら再生可能エネルギー由来の電力利用に取り組むことなどによりまして、実際のCO2排出量を大幅に削減し、従前よりも低い排出量を目指すと聞いております。
 加えて、ゼロエミッション東京の実現を目指しまして、今後の社会状況の変化や技術革新の状況を踏まえまして、さらに効果的な取組を継続していくと聞いてございます。

○原田委員 CO2は、現状の四千トンから年間五千五百トンになるということですけれども、かなり排出原単位もすごい下がっているんですけれども、やっぱり体を大きくするために、同じか、ちょっと上がっちゃうわけですね、結局。
 ちなみにヨーロッパなどでは、年間に出す排出量だけじゃなくて、そのビルを建てるときの建材CO2というのも測るようになっています。日本ではそういうことは行われていませんけれども、とある専門家の方は、年間に吐き出すCO2の大体十数年分ぐらい、つくるときに出すんじゃないかというふうに試算をしている人がいました。ですので、これで五千五百トンぐらいが出ると、それの十数年分ですから数万トン出るわけですよね。
 次の六本木五丁目西地区、もう一つ森ビルの新しいまちができるといっても過言ではありません。大規模な開発計画が出てまいりました。
 本計画の従前、従後の容積率の変化をお示しください。

○真島景観・プロジェクト担当部長 従前の用途地域における容積率は、加重平均で約三六〇%でございます。
 従後の容積率は、道路拡幅や地区幹線道路等の基盤整備等による見直し相当容積率約二七〇%を加味した上で、開かれた都心の森や駅とまちをつなぐ歩行者ネットワーク等の、整備等を評価いたしまして一〇七〇%としてございます。

○原田委員 三六〇%ほどということで、うちの地域の阿佐ケ谷駅前よりも低い容積率が一〇七〇%に、見直し相当容積率約二七〇%のボーナスも加えていくと。
 容積率というのは、まちをコントロールする、人口をコントロールするという規制数値といわれていまして、これをめちゃくちゃに緩和をしていけば、人口の配置であったり、まちづくりであったりというもの、インフラというものを誤っていくというふうにいわれているわけです。
 しかし、今、都市整備局の容積率の緩和、市街地再開発であったり、あるいは国のやる特区であったり、どれも全く計画があってやっているようには思えないですよね。
 重大なのはCO2の排出量です。本計画の従前、従後のCO2排出量の変化をお示しください。

○真島景観・プロジェクト担当部長 当地区の開発前の建築物からのCO2排出量は、エネルギー消費実績等が把握できないため算定できません。
 当地区の開発後のCO2排出量につきましては、省エネカルテにおいて対象外となっている住宅部分を除きまして、環境面での先進的な取組により最高水準の環境性能を確保し、目標としたCO2排出原単位以下とするなど一定の仮定条件を基に試算いたしますと、年間約五万三千二百トン以下となります。
 さらに、事業者によるオフサイト太陽光発電等の省エネ事業等を推進するとともに、今後の建物供用開始時までに、事業者が最大限努力しながら再生可能エネルギー由来の電力利用に取り組むことにより、実際のCO2排出量は大幅に削減すると聞いてございます。
 加えまして、ゼロエミッション東京の実現を目指し、今後の社会状況の変化や技術革新の状況を踏まえまして、さらに効果的な取組を継続して検討するとしてございます。

○原田委員 JRの駅前の容積率よりも低かった三六〇%の地域です。当然、CO2の排出量の報告義務なんかないようなまちでした。そこがこの開発によって、何と五万三千二百トンのCO2をこれから出すことになると。建材CO2を考えれば七十万トンか八十万トンかと。すさまじい気候変動対策に対する負荷をかけることになるんですね。
 ちなみにこれは、神宮外苑再開発が四万七千トンですから、それをも上回っています。青山の三井不動産と六本木の森ビルが競い合って、どっちがでかいまちをつくるかと。いつまでこんなまちづくりを進めているのかと。よくよく我々は考えていかなきゃいけないし、どこかで歯止めをかけなきゃいけないときが来ているんじゃないですか。
 都市再生特別地区の同意率、現在何%で、補助金を見込んでいるのか教えてください。

○真島景観・プロジェクト担当部長 事業者からの都市計画素案の提出時における当地区の権利者数は八十四人であり、同意率は約七五%となってございます。
 再開発準備組合は、より多くの権利者から理解を得られるよう、引き続き丁寧な説明などを行うこととしてございまして、港区におきましても、権利者の合意形成が図られるよう、再開発準備組合を指導していくと聞いてございます。
 また、補助金につきましてですけれども、再開発準備組合からは、市街地再開発事業の実施に当たりまして補助金を活用する予定と聞いてございます。

○原田委員 この計画ですけれども、八十四人の地権者のうち、何と二五%が反対していると。二十数名、反対しているんですね、八十四人のうち。これなかなかの規模で、ちなみに港区の市街地再開発事業の基準は、八〇%以上の同意率がないと本組合にさせませんよというのがありますから、これ、大変に批判者も多いんだなと、地権者の中で、思っています。
 補助金を見込んでいると。これだけのCO2を出して環境負荷を与えるのに、今度はさらに、国と自治体から補助金が出るという話になっています。本当にこういうまちづくりの在り方、お金の使い方、改めないといけないと思っています。ちなみに、出すとしたら、百億じゃ利かないと思いますよ。物すごい規模で、この二つの棟のビルに出すんだと思います。
 用途地域変更、練馬区上石神井一丁目各地内の補助第七六号線、新青梅街道と補助二二九号線、千川通りの間の用地取得率は何%かを聞いて、質問を終わりたいと思います。

○山崎都市づくり政策部長 お尋ねの区間の用地取得率は、令和四年度末時点で約一四%でございます。

○原田委員 一四%の用地取得率と。この段階でもうこの道路の、まだできていない道路の周りを四〇〇%に、JRの駅前近くぐらいまでぼんと引き上げるということですから、本当に札束で住民の顔を引っぱたくような、そうやって追い出しをかけるといいますか、私は、こういうことでまちづくりを誘導することが本当に民主的なまちづくりの在り方なのかということを、甚だ疑問であるということを訴えて、質疑を終わります。

○竹井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時四十六分散会

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