都市整備委員会速記録第十三号

令和五年十一月二日(木曜日)
第六委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長竹井ようこ君
副委員長土屋 みわ君
副委員長尾崎あや子君
理事森口つかさ君
理事加藤 雅之君
理事田村 利光君
松田りゅうすけ君
松田 康将君
関野たかなり君
原田あきら君
中山 信行君
後藤 なみ君
西沢けいた君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長谷崎 馨一君
次長小平 基晴君
技監小野 幹雄君
技監湯川 雅史君
理事朝山  勉君
総務部長打田 武彦君
都市づくり政策部長山崎 弘人君
都市基盤部長三宮  隆君
市街地整備部長三木  健君
市街地建築部長飯泉  洋君
基地対策部長金子 光博君
連携・連絡調整担当部長調整担当部長兼務山本 哲也君
企画担当部長長尾 肇太君
先端技術調整担当部長DX推進担当部長兼務安東 季之君
まちづくり推進担当部長谷内加寿子君
築地まちづくり推進担当部長飯塚 佳史君
まちづくり調整担当部長澤井 正明君
景観・プロジェクト担当部長真島  誉君
交通政策担当部長調整担当部長兼務井川 武史君
航空政策担当部長物流担当部長外かく環状道路担当部長兼務土橋 秀規君
地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務佐々木啓文君
防災都市づくり担当部長池内 光介君
多摩ニュータウン事業担当部長山田 裕之君
局務担当部長末元  清君
耐震化推進担当部長谷井  隆君
横田基地共用化推進担当部長土屋 太郎君

本日の会議に付した事件
都市整備局関係
事務事業について(質疑)

○竹井委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○打田総務部長 十月二十六日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております資料1、都市整備委員会資料の表紙をおめくりいただきまして、目次をご覧ください。資料は一件でございます。
 一ページをお開き願います。1、横田基地におけるパラシュート訓練の通告状況及びパラシュート訓練に伴う事故の状況(過去五年間)でございます。
 (1)、パラシュート訓練の通告状況及び(2)、パラシュート訓練に伴う事故の状況につきまして、一ページから二ページにかけまして記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○竹井委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田村委員 私から、まず都心部・臨海地域地下鉄について伺います。
 我が会派は、日本の持続的な成長に大きく寄与する首都圏鉄道網の拡充について、実務者協議会を設置するなど尽力してきました。事業化に向けては、地下鉄八号線、品川地下鉄に続き、都心部・臨海地域地下鉄について、都の一層の取組が期待されます。
 そこで、臨海地下鉄が果たす役割とこれまでの取組について伺います。

○三宮都市基盤部長 都心部・臨海地域地下鉄は、世界から人、企業、投資を呼び込み、東京と日本の持続的成長を牽引する臨海部と区部中心部をつなぐ基幹的な交通基盤としての役割を担うことが期待されております。
 国の参画も得た事業計画検討会において検討を進め、ルートや駅の位置を含めた事業計画案を令和四年十一月に取りまとめ、公表いたしました。

○田村委員 東京都は、事業計画深度化に向けて、今年度予算を計上して計画のブラッシュアップを実施していますが、どのような目標感と体制の下で取り組んでいるのか伺います。

○三宮都市基盤部長 東京ベイeSGまちづくり戦略二〇二二において、二〇四〇年までの実現を目指す取組としており、そのため、鉄道建設に豊富な知見と実績を有する独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構に業務委託を行い、運行計画などの詳細検討を実施しております。

○田村委員 これからの東京を支える築地や豊洲などを結ぶこの臨海地下鉄は、大規模な公共事業となりますが、二〇四〇年の臨海部を想像すると、新しいまちに必要なインフラであることはいうまでもありません。
 そのためには、都はしっかりと検討を進め、早期に事業主体を決めた上で、一日も早い開業を目指していただきたいと思います。検討に当たっては、仮称有明・東京ビッグサイト駅と東京ビッグサイトへのアクセス利便性など、駅と主要な周辺施設との連携といったことも忘れずに、真に都民に喜ばれる、利便性の高い交通インフラの整備を実現することを要望いたします。
 次に、地域公共交通について伺います。
 私はかねてから、人の移動は行政区域を意識することなく行われることから、隣接する区市町村同士が連携して地域公共交通の取組を進めることが有効であり、都が広域的な視点に立って、その取組を先導していくことが重要と申し上げてきています。
 令和四年第三回定例会の一般質問では、西多摩地域における広域連携の取組についてただした際に、奥多摩町、あきる野市及び檜原村の行政界を越える幹線系統バス路線について、都も参画し、地元自治体の広域連携による地域公共交通計画の検討に着手したとの答弁がありました。
 その後、令和五年二月から、法定の西多摩地域の地域公共交通活性化協議会が設置され、計画の策定のための議論が開始されたと聞いています。
 そこで、協議会における現在の検討状況と今後の予定を伺います。

○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 これまで協議会を三回開催し、計画の基本的方針、目標、施策などについて議論をしております。
 引き続き検討を重ね、西多摩地域における幹線系統バスの確保、維持に向けて、地元自治体と共同し、年度末を目途に計画を策定する予定でございます。

○田村委員 西多摩地域の取組については、引き続き地元自治体を都が先導して進めていっていただきたいと思います。
 次に、地域公共交通のデータ活用について伺います。
 コミュニティ交通の広域的な取組を進めていく上では、データを整備することはもちろんですが、データをうまく活用することが重要です。
 都は令和五年度から、市区町村がコミュニティ交通のデータを整備する際の支援を開始したとのことですが、都の支援の内容と、市区町村によるデータを活用した施策の方向性について伺います。

○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 都は今年度から、コミュニティ交通の乗降場の位置情報や運行ダイヤなど、市区町村が行うデータ整備の費用について支援を開始しております。
 市区町村は、整備したデータについて、地域の課題解決や利用者利便の向上に資する政策、計画の立案に活用する方策を検討していくこととしております。

○田村委員 質問の冒頭でも触れましたが、地域公共交通における課題の一つは広域化です。その際、データ活用は重要な要素の一つです。データの質、量の拡充を図るとともに、その活用方法についても、支援を強化することをお願いします。
 次に、物流対策について伺います。
 今や、宅配サービスが普及拡大していますが、人口が少なく、交通の不便な地域において宅配サービスを行う場合、一回一回の配送における配送個数が少なく、長距離輸送となることが多いため、輸送が非常に非効率になります。配送ドライバーの負担につながることになります。
 こうした中、都は昨年度、奥多摩地域において貨客混載の実証実験を行いました。トラックに代えて路線バスを利用して宅配便の荷物を輸送したことで、輸送ドライバーの労働時間が削減でき、CO2排出の削減にもつながるなど、取組は効果的だったとも聞いています。
 都は今後、貨客混載をどのように拡大していくのか、取組について伺います。

○土橋航空政策担当部長物流担当部長外かく環状道路担当部長兼務 実証実験において、配送ドライバーの労働時間削減などの効果が確認できておりまして、今後、貨客混載の取組を他の地域に拡大するため、適地の調査を進め、宅配事業者などに実験効果をPRすることにより、取組を働きかけてまいります。

○田村委員 来年から働き方改革が物流事業者にも適用されます。地域公共交通を含め、様々な場面で貨客混載の可能性が試されることを期待します。
 次に、豪雨対策について伺います。
 都市を人の体に例えるなら、豪雨災害は、体の機能を破壊する重大な病状に例えられます。病気になってしまったとき、人であれば即効薬や手術などが考えられますが、都市が重篤なダメージを受けた場合、即効薬となる対策は難しく、回復には時間を要します。このため、リスクを低減することが重要であり、河川や下水道の整備を進めるとともに、その過程においても氾濫を防ぐ取組が必要です。
 都が豪雨対策基本方針を改定するに当たっての河川や下水からの氾濫による豪雨災害の未然防止策の狙いと、今後の取組について見解を伺います。

○三宮都市基盤部長 都では、東京都豪雨対策基本方針を定め、河川、下水道の整備と併せて、それらの負荷を軽減する流域対策にも取り組んできました。
 流域対策は、降った雨を地中に浸透させることなどにより、河川、下水への流出を抑制し、外水、内水氾濫を防ぐ効果が期待されるものでございます。
 対策の推進には、多様な関係者の理解と協力が不可欠であり、方針改定に当たっては、ロゴマークや動画を活用した広報の強化等を行うとともに、都民や事業者への支援の充実、認定制度等、幅広に施策を検討してまいります。

○田村委員 現在、都が支援する雨水浸透対策の対象拡大や、対象とする流域の拡大も視野に入れた検討をお願いします。
 先般公表された東京都豪雨対策基本方針(改定)中間とりまとめにおいて、豪雨対策における各施策の基本的な役割分担が示されています。施策については、流域対策などのほかに、家づくり、まちづくりの中で、グリーンインフラの導入についても示されています。
 ここで示されたグリーンインフラが担う役割と、浸水対策としての定量的な効果について見解を伺います。

○三宮都市基盤部長 豪雨対策の各施策の役割分担については、気候変動を踏まえた目標降雨に対し、主に河川整備、下水道整備、流域対策により浸水被害を防止することとし、基本方針に示したグリーンインフラは、目標を超える降雨に対応する、もしもの備えと位置づけております。また、その取組効果については、今後検証を進めてまいります。

○田村委員 グリーンインフラには、雨水浸透による豪雨対策効果が期待されますが、土中の環境によってもその効果が左右されるという説もあります。そこで、土中の環境も視野に入れた検証方法の採用を要望いたします。
 次に、再生骨材コンクリートの利用拡大について伺います。
 我が国は、資源の乏しい国である上、天然資源の枯渇が進行しているといった背景などから、資源の有効な利用を図る必要があります。
 再生骨材コンクリートは、建物の解体工事等で発生したコンクリート塊から製造したコンクリート用骨材を再利用したコンクリートであり、環境に与える負荷を軽減する再生資源として大きく期待されています。
 一方、再生骨材コンクリートは、都内に製造するプラントの数が少ないことから、製造プラントから工事現場までの距離が長くなり、利用できる工事現場が限定され、工事事業者が使用しづらい状況にあると聞いています。
 今後、再生骨材コンクリートをより一層普及させていくためには、公共工事の利用が促進されるように、再生骨材コンクリートの製造プラントの数を増やすことが求められます。
 再生骨材コンクリートの利用拡大に向けて、どのように取り組んでいくのか伺います。

○澤井まちづくり調整担当部長 都は、再生骨材コンクリートの使用者などを対象にヒアリングを実施し、今年度は、製造者を対象に加え、利用促進に向けた課題の把握に努めておりまして、こうした情報を庁内で共有しながら、建設副産物のリサイクルの推進に努めてまいります。

○田村委員 庁内には、関係者で構成される建設副産物対策協議会があります。今回収集した情報をそこで共有し、調整を図り、再生骨材コンクリートの利用拡大による東京都でのコンクリートの地産地消へ向けて、取組を進めていただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。

○後藤委員 私からは、グリーンインフラについて質疑をしたいというふうに思います。
 気候危機による自然災害の激甚化が進む中、都市において緑が果たす役割というものは、これまで以上に重要となっていると思っております。こうした観点から、自然が持つ力を生かして活用していく、このグリーンインフラという考え方が非常に重要であり、そして、その活用ということが急務であるというふうに考えております。
 こうした観点から、私たちは、第二定例会、そして第三定例会の代表質問などの機会を踏まえまして、グリーンインフラの活用を提案してまいりました。それに対して都は、百年先を見据え、貴重な緑を未来へ継承していく新たなプロジェクトである東京グリーンビズを始動させたところであります。
 世界の都市では、既にグリーンインフラを活用し、様々な成果が上がっているところでありまして、この日本の首都である東京においても、グリーンインフラの活用、そして、都市強靱性とまちの潤いを兼ね備えたまちづくりのグランドビジョンというものを描くと同時に、都市構造に合わせた、まさに今後は、東京版のグリーンインフラの活用が必要であるというふうに考えております。
 こうした問題意識から、本日は五点質問をさせていただきたいと思います。
 ちょっとスクリーンを使ってご説明をさせていただこうと思います。(画像表示)今回からスクリーンが使えますので、こちらをご覧いただきたいと思いますが、これは、東京グリーンビズの資料から抜粋をさせていただいておりますけれども、まず、グリーンインフラって何ですかというところでいくと、ここに書いてあるとおり、緑や自然の機能を発揮する、そして、自然環境が有する機能を社会課題の解決に活用していくということでございまして、この資料の中では、レインガーデンや屋上緑化、そして多自然川づくりの事例などが示されております。
 レインガーデンというのは、これ、ぱっと見ると、ただの植栽に見えるんですけれども、これはただの植栽ではなくて、ここに雨水を一時的にためて、時間をかけてじわっと浸透させるような機能があるということで、これを地下に入れることで、ゆっくりと雨水が浸透していくということですね。こういう機能があったりとか、あるいは屋上緑化、これは都議会の屋上ですけれども、なかなか都心はスペースが限られているということでありますので、こうした屋上緑化と、例えば保水性の高いような舗装と合わせることで、緑の水を吸収する力が高まると。さらには、生物多様性の観点という意味で、自然を再生する自然川づくりという取組なども、グリーンインフラに含まれるということであります。
 例えばこれ、一例です。これは何かというと、横浜市のグランモール公園ということで、もう都市整備の皆様はご存じかもしれませんが、これも一見すると変哲もない緑道に見えるんですけれども、実はこのブロックのところが保水性のブロックになっていまして、ここに雨水をためていく仕組みがあるということです。
 雨水をためて、蒸発して大気を冷却するということで、特に横浜市なんかも、非常に夏が暑いということで、涼しいまちづくりということに寄与しているということで、実際にここが、ブロックがあるところとないところでは、温度が全然違いますよというような形で、ただ緑を植えるということではなくて、緑の持つ力を最大限活用する技術ということも含めてのグリーンインフラというふうにいわれています。
 翻って東京都を見てみれば、やはり気候変動による豪雨災害であったり、あるいは夏、今年の夏も暑かったですよね、非常に。ヒートアイランドであったり、あるいは生物多様性の危機というふうにいわれている中で、やはり都民が実感ができる緑の創出ということに加えて、夏でも涼しいまちづくりや防災性の向上という観点から、グリーンインフラの活用というものが非常に重要になってくるということでございます。
 さらには、世界を見れば、グリーンインフラの活用というものは非常に進んでおりまして、アメリカであればニューヨーク、アジアであればシンガポールといったように、当たり前の考え方になっています。
 これまでは、ダムや貯留池などに水を流していくハードインフラが中心でありましたけれども、こうしたものに加えて、今回、豪雨対策基本方針の中にもありましたけれども、やはりこのグリーンインフラなどを活用して、しっかりと自然を活用していく。貯留や土壌への浸透、こうした治水対策というものが世界各地で広がっているということでございます。国策としてグリーンインフラが広まっているということでございます。
 こうした重要性から、会派でも様々視察などを重ねて、代表質問でも取り上げさせていただきました。こうしたことから、今回取上げをさせていただいている東京グリーンビズでも、グリーンインフラが、ここですね、自然、緑の機能を発揮するということで、しっかりと位置づけられて進んでいくという観点のさなかにあるということでございます。
 そして、こうした過程の中で、私たちは、第二回定例会の代表質問でも、まちの中の様々な場所に緑を生み出す新たなまちづくりに向けて、豪雨対策基本方針においても、雨水の流出抑制に資するグリーンインフラについて取上げをさせていただきまして、都道や都立学校、そして都有施設などから導入を進めていくとともに、そして民間開発や戸建ての住宅など、民間の開発においても導入を進めていく、導入を後押ししていくべきと提案をさせていただきました。
 これに対して都市整備局長からは、豪雨対策基本方針の改定に当たっては、海外の諸都市の先進事例も学びながら、導入を促す仕組みづくりの検討を行うといったご答弁がありました。
 来年度に向けましては、まちの様々な場所にグリーンインフラを生み出す実効性の高い施策を進めるべきと考えておりますが、現在の検討状況について伺いたいと思います。

○三宮都市基盤部長 公共施設や民間施設における導入を促進するため、取組機運醸成に向けた広報などの支援の強化や、積極的に取り組む企業の認定、認証などについて検討しておりまして、基本方針改定に反映してまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。
 ただいまのご答弁では、後方支援の強化や、企業の認定、認証制度などについても検討しているということで、しっかりと前向きに取組が進められているということを確認させていただきました。
 また、この中間の取りまとめ、こちらの方でも、しっかりとグリーンインフラが位置づけられているということも確認をさせていただいております。
 今後は、こうした計画の内容に沿って様々な取組が進められていくと思いますけれども、ぜひ後方支援の強化と併せて、こうしたグリーンインフラを活用していく地域地域での普及啓発ですね、こうしたこともぜひ行っていただきたいと思います。
 まだまだ新しい概念でもありますので、グリーンインフラって何だろうと思われている区市町村の担当者の方もいらっしゃると思います。ぜひしっかりと区市との連携というところもお願いをさせていただきたいというふうに思います。
 また、グリーンインフラにつきましては、まちづくりや都市デザイン、こうしたものと一体的に取り組んでいくことが重要であるというふうに思います。
 例えば、これから開発される敷地でグリーンインフラを導入した場合には、容積率の緩和を行うなど、都市開発諸制度も活用していただきながら、グリーンインフラを増やしていく仕組みを構築するべきだというふうに考えます。
 現在の検討状況について伺いたいと思います。

○山崎都市づくり政策部長 現在、グリーンインフラの効果に関する事例の調査や専門家へのヒアリングを実施しております。こうした調査結果等を踏まえ、都市開発諸制度において、貯留浸透機能の効果が高い緑化を誘導する仕組みの在り方などについて検討してまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。
 都市開発諸制度において、貯留浸透機能の高い緑化を誘導する仕組みを検討するということで、ぜひお願いをしたいというふうに思います。
 また、こうした制度を進めていくに当たっては、ぜひ、まちづくり、エリア性やモデル地域などの検討も併せてお願いをしたいというふうに思っております。
 例えば、こちらをご覧ください。こちら、見ていただくとおり、フランスのパリでありますけれども、このフランスのパリについては、二〇二四年のパリ・オリンピックに合わせて緑を増やしていくというようなことで、まさにフランスの一番モデル象徴的な地域を緑化するという取組が進んでいるわけであります。
 これは、エッフェル塔のたもとのパース図でありますけれども、こういうような形で緑を増やしていくということで、オリンピック史上最もグリーンな大会を目指すというふうにいっておりますが、やはりなかなか緑というものは、都民にとって体感をしていただくのが難しいという部分もあると思います。ここが大きく緑化されたと思っていただけるような、例えば、今、KK線の再生と併せて、緑のネットワークなどもやっていただいていると思いますけれども、こうした観点なども取り入れながら、ぜひ、都市部における緑のグリーンインフラのモデル地域、あるいは多摩や島しょなど様々、先ほど田村理事からも、その地域や土地によっての効果なども違うというような話がありましたけれども、やはりエリアごとにモデルとなる事業をしっかりと進めていただきたいというふうに思います。こうした検討を進めていただくことを要望させていただきたいというふうに思います。
 次に、グリーンインフラの普及拡大に向けましては、海外の事例を研究することに加えまして、やはりしっかりと東京の都市構造に合わせた取組を研究開発していくことも必要であるというふうに思います。
 例えば、全米でグリーンインフラを推奨する機関である米国の環境保護庁というところが、グリーンインフラの技術を十一に分けて、こういうものがありますというふうに提唱しているわけでありますけれども、物によってはなかなか、都心の中で広げられることができるのか、東京都の中でどう広げていくのか、地域性もあるというふうに思います。
 例えば、東京都であれば、道が狭隘であるとか、スペースがないとか、様々な地域性があるというふうに考えておりまして、グリーンインフラ、こうした技術を進めていくに当たっては、こうした技術をそのまま転用するのではなくて、ぜひ東京の特性に合わせた緑化の取組を誘導していくべきだというふうに考えますが、見解を伺います。

○山崎都市づくり政策部長 国内外の先進事例を参考にしながら、東京の地域特性を踏まえたグリーンインフラの取組が効果的に進められるよう、民間都市開発の誘導の在り方について検討してまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。
 しっかりと東京の地域特性も踏まえていただけるというご答弁もいただきましたので、ぜひどうぞよろしくお願いをいたします。
 ここまでは、グリーンインフラのまちづくりの誘導などについてお伺いをさせていただきましたけれども、復興小公園におけるグリーンインフラについても取り上げたいというふうに思います。
 災害時に都民の命を守る公園緑地は、自然の力によって都市を支えるグリーンインフラの一つでもあります。
 都は、関東大震災から百年の節目として、焼失地に造られた復興小公園の再整備に当たるとしております。私たちは、復興小公園を都が再生するに当たって、防火の観点とともに、水害を抑制し、かつ都民が自然に触れることによって精神を豊かにするグリーンインフラの観点、さらには生物多様性の観点と、多角的な機能を有する空間とすべきと提案をしているところであります。
 例えば、復興小公園の再生に当たっては、雨水流出抑制や生物多様性に配慮するなどして、グリーンインフラの趣旨を踏まえた再生とすべきだと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

○三木市街地整備部長 都は、今年度行った調査におきまして、公園におけるグリーンインフラに資する雨水循環システムやビオトープ等の施設整備、生物多様性に配慮した緑化の事例等が判明いたしました。こうした調査結果を関係区に提供いたしまして、復興小公園のさらなる再生を促進してまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。調査もいただきましてありがとうございました。
 事例として、様々緑化の事例があるということで、関係区に提供していただけるというお話がありましたけれども、こうした節目の事業でもありますので、ぜひしっかりとこうしたグリーンインフラの観点が普及していくように、取組をお願いしたいというふうに思います。
 これまでの質問では、グリーンインフラを活用した強靱性の高いまちづくりにつきまして、様々質問をさせていただきました。
 今後、都は、人々の生活にゆとりと潤いを与える緑の価値を一層高めて、都民と共に未来に継承していくということで、百年先を見据えた新たな緑のプロジェクトである東京グリーンビズですね、先ほど少し説明もさせていただきましたが、こちらを今年の八月に始動をしたわけであります。
 こうした東京グリーンビズが成功をしていくためには、まちづくりを所管する都市整備局の役割というものは非常に重要であるというふうに考えておりまして、特にグリーンインフラというのは、各局またがることが非常に多いんですね。建設だけではなく、下水道局であったり、都有施設に入っていけば様々な各局が入ってくるわけですから、関係局ともしっかりと連携をしていただいて、本プロジェクトを積極的に推進をしていただきたいと思います。
 緑と生きるまちづくりに向けて、局長の決意を伺いたいと思います。

○谷崎都市整備局長 緑と生きるまちづくりについてご質問いただきました。
 安らぎや潤いのある快適な都市環境を形成するためには、都市づくりの様々な機会を捉え、緑を保全、創出していくことが重要でございます。
 都はこれまでも、緑を守る取組として、生産緑地の買取り支援や農の風景育成地区の指定などにより、既存の緑の保全に取り組んでまいりました。
 また、緑を増やし、つなぐ取組といたしまして、都市開発の機会を捉えた豊かな緑の創出を促進し、大規模開発の多い都心三区で緑被率は増加してございます。
 今後は、屋敷林などの樹林地の保全、KK線の再生などにおける緑のネットワークの形成、民間開発におけるグリーンインフラの導入など、各局とも連携しながら、世界に誇るゆとりと潤いに満ちた東京の実現を図ってまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。
 局長の力強いご答弁であったというふうに思います。
 緑豊かで美しく、そしてかつ強靱性の高いまちづくりに向けまして、グリーンインフラも活用していただきながら、ぜひ全庁一丸となって取組を進めていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○中山委員 私は、ローテクでオールドファッションな質問になりますが、どうかよろしくお願いいたします。
 初めに、耐震化、特に新耐震について質問します。
 建築当時に法的に求められた建築基準を満たす建築物には、現状、昭和五十六年以前に建築されたいわゆる旧耐震の建築物と、昭和五十六年六月以降に建築され、かつ二〇〇〇年、平成十二年以前に建築されたいわゆる新耐震の建築物、そして、平成十二年六月以降に建築されたいわゆる新・新耐震の三種類がありまして、本来であれば、当然、新・新耐震に全て満たしていくことが望ましいことではあります。
 公明党は、旧耐震住宅への耐震化助成を、私有財産である個人や法人の建築物への耐震化助成それ自体が行政の発想の想定外であった時代から主張してまいりまして、国を動かし、実現に導いてまいりました。
 加えて、最近は、新耐震建築物に対しても早急な対応が必要であるとし、助成の対象に追加するよう、都議会本会議で求め、今年度、令和五年度の都予算から施行されているところでございます。
 新耐震基準は制定当時、震度五強程度の数十年に一度の頻度で発生する地震、あるいは震度六強から七に相当する数百年に一度程度の極めてまれに発生する地震への対応という想定で定められたものでありますが、二〇一六年、平成二十八年に発生した熊本地震では、震度七の前震と本震が立て続けに発生するという、専門家が想定外とする事態が実際に発生したことから、新耐震への対応が必要になった次第でございます。
 その上で、我が党は、本年の第一回定例会代表質問で、新耐震への対応を想定していない区市が多いとの現状を指摘し、新耐震への対応を図った補助制度への普及拡大を求めたところであります。
 これに対して、当時の福田都市整備局長からは、新耐震に対する助成を行っている六区市以外にも取組を拡大させるため、区市町村に対し、この助成制度の活用を働きかけていくとの答弁がございました。
 そこで、その後の都の取組により、現在までに新耐震基準の建築物への耐震化助成を実施している区市の数がどう増えたのか、加えて自治体ごとの特徴などについて見解を求めたいと思います。

○谷井耐震化推進担当部長 令和五年十月現在、新耐震基準の木造住宅への耐震化支援を実施しているのは十一区市であり、制度の特徴は、耐震診断のみを対象にしている自治体や、耐震改修まで対象にする自治体など、様々でございます。

○中山委員 十一区市に拡大したとのことであり、評価したいと思います。
 さらなる普及や活用の促進には、助成制度の効果的な情報発信、助成手続の簡便化、専門家による寄り添った相談、信頼できる工法や事業者の普及などがポイントとなるものと考えます。今後とも区市や事業者と連携し、さらなる前進を期待したいと思います。
 次に、ブロック塀の耐震化について質問します。
 地震時に、建築物本体は無事であったとしても、その周囲のブロック塀が倒壊すれば、歩行者や自転車に危険が及びます。それに加えて、倒壊した塀のコンクリート素材などが散乱すれば、車道が閉塞され、建物倒壊と同様に救助救援の妨げとなります。
 都は、耐震ポータルサイトにおいて、自主点検のポイントを分かりやすく解説し、倒壊を未然に防ぐための対応を所有者に求めています。さらに、都は我が党などの求めに応じて、特定緊急輸送道路沿道のブロック塀等で道路閉塞のおそれがあるものについて、耐震診断の結果を公表する事業を行っています。
 この事業の仕組みと公表の実績、その後、改修につながったのかをご紹介願いたいと思います。また、改修につながっていない塀につきましては、改修が実施されますよう都が支援していくべきと考えますが、見解を求めます。

○谷井耐震化推進担当部長 高さなど一定条件に該当する特定緊急輸送道路沿道のブロック塀等に対しまして、耐震診断の実施と報告を義務づけ、都内で対象の三件について診断結果を公表しております。
 そのうち、耐震性不足の二件は改修等が未実施であり、助成制度を所有者に案内するなど、地元自治体と連携し耐震化を促してまいります。

○中山委員 ぜひ、未実施の二件につきましても耐震改修につながるように、ご努力をお願いしたいと思います。
 また、今後は、建築物本体にも実施されております、一定条件を満たす場合の耐震診断の義務づけと結果の公表というセットの仕組みを経てもなお耐震改修等が進まない場合につきましては、ブロック塀を含めて、効果的な罰則的な意味合いのある措置の立案も検討が必要だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 続いて、豪雨対策について質問します。
 我が党は、九月二十六日、さきの第三回定例会の代表質問におきまして、昨今、全国各地で発生している線状降水帯の頻繁化を踏まえ、今後の整備目標を、これまでの一・一倍の降雨量に対応できる区部八十五ミリ、多摩部七十五ミリに引き上げるほか、複数の調節池を連結させ、最終的には東京湾へ流すなどのいわゆる調節池の地下河川化を目指すべきと求めました。
 東京都技監からは、一・一倍に増加する降雨量に対応するための目標整備水準の引上げ、地下調節池を延伸して洪水を海へ流す地下河川化や、複数の調節池をトンネルで連結するネットワーク化等の新たな整備手法を検討し、年内に取りまとめる旨の答弁がありました。この十月に公表されました東京都豪雨対策基本方針の改定に向けた中間の取りまとめの中では、その旨が明記されており、評価するものでございます。
 その上で、今後の課題の一つは区市町村負担という点になります。例えば下水道の整備でありますが、国事業でも四分の一、都の単独事業では二分の一の負担を区市町村が求められています。また、水害に強いまちづくりの代表的な取組の一つである高台まちづくり事業でも、四分の一の区市町村補助が前提となっています。
 都補助の実施局は、下水道局や都市整備局と異なりますが、結局は区市町村負担を伴う以上、財政力や受け止め方などの差異によって、自治体ごとに今後看過できないほどに進捗が異なってくることも予想されます。
 都市整備局は、こうした危惧に対し、財務局ともしっかりと協議しながら、懸念を払拭できる取組を検討すべきと考えますが、見解を求めます。

○三宮都市基盤部長 当局では、公共施設に一時貯留施設等を設置する場合の対策費用等につきまして、区市へ補助を行っております。
 年内に改定予定の基本方針に基づき、引き上げた政策目標達成に向けて、各局連携を強化し、豪雨対策の推進に取り組んでまいります。

○中山委員 ぜひ、引き上げられました政策目標に見合う補助の充実や、財政力によって左右されない補助の在り方への転換が進みますよう、ご努力をお願いしたいと思います。
 次いで、豪雨対策であります、命を守る避難方策としての高速道路の高架部を活用した人命を守る垂直避難について質問します。
 我が党は、国交省の担当者が、高速道路は物流施設であって避難施設ではないとかたくなに拒んでいた時代から、都議会から声を発してこの問題に取り組み、国会議員、区議会議員と連携して、やむを得ない命を守る緊急避難策として、高速道路高架部を活用した垂直避難の必要性を訴え、国の方針転換を実現させ、大規模水害が危惧される東部低地帯の関係五区の自治体当局とも協力して、推進を図ってきたところであります。
 今年六月十三日の第二回定例会の本会議代表質問では、目黒区選出の斉藤やすひろ都議が、高速道路高架部を安全に活用するためのルールづくりや、民間バス等を活用した避難者の安全な場所への誘導などを求めたところ、谷崎都市整備局長からは大変前向きな答弁がありました。
 あくまで、ほかの避難行動によってもなお避難し遅れた高速道路周辺の住民の方々に対する緊急避難的な取組でありますが、大規模洪水時とはいえ、慌てふためいて高架部に避難することによって二次被害が発生してはなりません。谷崎局長が答弁された、高速道路への避難時には、バスをあらかじめ高速道路高架部に待機させ、そのバスに乗せて高架部に一時避難した住民の方々を、その後の避難施設に安全に輸送するという取組が大変重要になってまいります。
 しかし、大規模な溢水が発生し、水はけが進まない場合がありましたときには、どの避難施設も満員状態で、しかも数日から数週間といったある程度の期間、避難生活を送れる施設を確保するということは、大変ハードルが高い取組であります。
 その結果、高架部に避難した方々を適切に移送できなくなってしまえば、その方々も困りますし、その後、高速道路を活用して進むはずであった救援物資の輸送や社会経済の復旧が遅れることになります。
 都は、こうした場合などにおいても、区と綿密に情報を交換し、適切な対応を図れますよう、広域自治体としての役割を発揮すべきと考えます。
 こうした点も含めて、高速道路高架部を垂直避難先として活用する場合での国、高速道路の事業体、東京都、地元区の役割もさらに明確化し、対応の初期から収束段階に至るまで、混乱の発生を未然に防ぐべきと考えますが、見解を求めます。

○土橋航空政策担当部長物流担当部長外かく環状道路担当部長兼務 本取組では、国の河川情報通知、都の要請による高速道路の通行止め、区主体の住民誘導など、おのおのが役割を果たし、必要な場合には、高架部へ移動した住民の輸送先の追加調整を都が行うなど、輸送完了まで関係者で連携する計画としてございます。

○中山委員 ゼロベースであった段階から、よくこの問題を進展させてきていただいたものと感謝いたします。関係区との協力も含めて、今後とも万全の準備を、様々課題はあると思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 次いで、事前復興であります。
 今年は、関東大震災から百年を迎え、震災後の復旧の取組が、後藤新平氏の様々な功績とともに話題となっております。しかし、百年後にふさわしい取組が進まないで、昔日の偉業をただたたえているだけでは、先達もお嘆きかもしれません。
 今日、大地震や富士山などの大規模火山の噴火の可能性は、決して想定外として片づけられるほど低くはありません。後々の人々から、令和の時代に生きていた責任ある人々は一体何をやっていたんだと糾弾されないよう、防災、減災の取組を強化しなければならないと強く自覚するものでございます。
 今日では、百年前に比べれば、建築物の不燃化や耐震化も大いに進んでおり、消防技術も向上しております。多くの建築物などが倒壊、焼損した関東大震災当時とは異なり、ある程度は原状回復を前提に、建築物や道路、橋梁等の新装整備を図ることは可能となっております。
 そのこと自体は大変喜ばしいことでございますが、原状回復が大きく前提とされる現代の復興におきましては、未整備の都市計画道路の推進や、狭隘道路や木密地域の改善、解消、鉄道新線などの交通不便地域の解消といった課題に取り組むことは、ある意味、百年前とは違った困難さに直面することになります。
 このほかにも、液状化しやすい地盤、都営住宅の偏在、中央卸売市場や大規模荷さばき施設などといった物流拠点の整備、さらに、大規模なリサイクル拠点や水素などの新エネルギー供給施設整備なども、復興などの機会を捉えないとなかなか進めにくい新たな課題が多く存在しております。
 あえて強引に単純化すれば、事前復興は、一つは、様々な権利主体による原状回復の取組を円滑に進めていくための事前の準備と、もう一つは、復興の機会を捉えた新たなまち並みや都市機能整備という、二つの取組の柱から構成されます。
 また一方で、建築土木の技術者や作業者の不足という現実が存在する中で、復興に要する資材や重機類も、優先順位をつけて効果的に配分しませんと、病院の機能が不全のままであったり、ライフラインの回復が遅れたりといった重大な二次被害を引き起こしかねません。
 都市復興に係る計画策定などの図上訓練を行っていると聞いておりますが、まず都庁における事前復興の取組の現状や、区市等における取組の現状を確認するとともに、今後の取組の方針について見解を求めたいと思います。

○三木市街地整備部長 都は平成十年度から、都や区市町村の職員等を対象に、様々な被害を想定して都市復興に関わる計画策定などの図上訓練を実施しております。
 例えば足立区では、複数の地区で区民と共に復興訓練を行うなど、関係者間の早期合意形成の取組を進めておりまして、今後、この取組を他の区市町村にも展開してまいります。

○中山委員 足立区の取組を評価していただいて、ありがとうございます。近藤区長には成り代われませんけれども、感謝したいと思います。
 課題の洗い出しを早急に進めていただくとともに、事前復興の検討などの取組に実際に参加できるのは、ごく一部の住民の方々であり、そこで得られました合意内容を地域全体の住民の合意として育てていくということも大事な課題となってまいります。ぜひそうした点にも積極的に取り組まれたいと思います。
 その意味で、事前復興の取組におきましては、取組内容や取組を通じて得られた知見の透明化、地域住民全体への情報の提供、共有が大切となってまいります。また、どんなに想定外をなくすための訓練を重ねたとしても、やはり災害発生時には、様々に新たな想定外が発生するものと思われます。
 事前復興で得られました知見を大切にしつつも、それにこだわらず柔軟に、災害発生時に出来した想定外の事態に積極的に対応できるよう判断し、そして、合意を積み重ねていけることの方が重要となってまいります。
 そこで提案したいことは、事前復興におきますAIの活用でございます。災害発生時に判明する膨大な情報を速やかに解析し、最適解を導くAI解析などのシミュレーションの改善を重ね、備えておくべきものと考えます。
 そうした検討過程を常にオープンに公開し、広く都民の英知を結集して、令和の時代にふさわしい事前復興とされることを期待したいと思います。見解を求めます。

○三木市街地整備部長 都は、復興計画について、被害規模や自治体の体制、住民との訓練の成果等を踏まえまして、事前に策定の考え方等を整理いたしまして、社会情勢も考慮して手順を見直しながら、引き続き都民に周知をしてまいります。
 また、復興計画の策定過程におきましては、家屋被害調査にデジタル技術を導入しておりまして、今後、AI等の活用も含めまして検討してまいります。

○中山委員 AIの活用も検討ということで、ありがとうございました。
 都は、復興計画につきまして、被害規模や自治体の体制、住民との訓練の成果等を踏まえ、事前に策定の考え方を整理し、社会情勢等も考慮して手順を見直しながら、引き続き都民に周知していくとの答弁でございました。また、AIの活用も含め検討していくとの答弁でございまして、ぜひ新しい時代にふさわしい事前復興とすることを期待したいと思います。
 続いて、木造住宅密集地域の解消について質問します。
 私は、木密解消や必要な都市計画道路の整備などは、大きな事前復興の取組の一環であると考えます。この視点に立てば、当然、建築物の不燃化や延焼防止の社会インフラ整備だけでなく、整備後のまち並みの機能と魅力をどう描くのかという視点でのまち並み整備の問題意識の共有が重要となってまいります。
 例えば、木密解消後も、住宅街のままでよいのか、コミュニティの核となるにぎわいや商業、娯楽、スポーツといった施設をどう確保するのか、各種オフィスや生産拠点といった仕事の場も兼ねることも重要ではないか、あるいはバリアフリーを進展させたい、オンデマンド交通の導入などで交通の不便性を解消させたいなど、様々な地域特性に応じたまち並み整備へのニーズがあります。
 整備後の対象地域の魅力の増進に向けて、関係者間の合意を形成することが、遠いように見えて、実は確実な木密対策の進展につながるものと考えます。
 木密対策と地区計画の策定支援との合わせ技、政策ミックスによる効果の相乗化を図るべきと考えますが、現状と今後の方針について見解を求めます。

○池内防災都市づくり担当部長 木密対策を進めるに当たりましては、地域のまち並みや将来像について、関係者間の合意形成を図り、地域の魅力や活力を向上させていくということも大変重要だというふうに思っております。
 都はこれまで、区市による基盤整備に合わせまして、地区計画の策定を支援することで、地域の特性に応じたまちづくりを促進させてまいりました。
 今後とも、今お話しいただいた視点も含めまして、区市の主体的取組を促しながら、防災都市づくりを加速してまいります。

○中山委員 不動産所有者の相続や世代交代などの機会でしか進まない木密解消ではなく、地域住民にとって夢が膨らむ、前向き感のある木密対策とすべく、地区計画の導入などを積極的に仕掛けていただくことを期待したいと思います。
 次いで、身近な都市再生について質問します。
 木密地域に限らず、周辺区や多摩部などにおきましても、にぎわいの創出や職住一体の活力につながるまちづくり、多世代や障害者なども安心して暮らせる生活空間や新たな拠点づくりは必要であり、街区の再編やまち並み景観の向上を可能とする、都市整備局によります身近な都市再生の取組に対する期待は大きいものと考えます。そうした取組は、結果として東京全体のポテンシャルの向上にも資するものと考えます。
 まず、街区再編まちづくり制度では、これまで幾つの地区指定が行われ、どういった効果を上げているのか、改めてご説明をお願いしたいと思います。

○山崎都市づくり政策部長 街区再編まちづくり制度における街並み再生地区を十三地区指定しております。
 地域の実情に応じた容積率緩和などにより、建築物の共同化等を促し、木造密集市街地の改善や高経年マンションの建て替え、商店街の活性化、バリアフリー動線の整備など、地域の課題解決を図りながら、街区単位で魅力あるまち並みの形成が進められております。

○中山委員 魅力あるまち並みの形成が進められているということですので、ぜひそうした効果、成果を力強く発信していただきたいというふうに思います。
 また、街並み景観づくり制度では、これまで幾つの地区指定が行われ、どういった効果を上げているのか、改めてご説明をお願いします。

○真島景観・プロジェクト担当部長 街並み景観重点地区といたしまして、十二地区を指定しております。
 地元協議会により、建物の高さや緑化率等を定めたガイドラインが策定され、地域の特性を生かした魅力的なまち並み景観づくりが推進されております。

○中山委員 この点につきましても、十二地区の成果につきまして、さらに発信を強めていただきたいと思います。都民の関心を呼ぶことはとても大事だと思います。
 さらに、そうした新たなまち並みの創出を行う際にも、具体的に地域のにぎわいの創出や魅力の向上につながる活動を担っていただける主体の方々の協力が必要であります。加えて、そうした主体が都内各地で幅広く活用できるようになれば、既存の公開空地や公園などでも、街区再編や景観まちづくりの効果に似た取組も可能となってまいります。
 この点、まちづくり団体の登録制度では、これまでどのような取組を推進し、どういった改善を実現してきたのか、改めて説明をお願いしたいと思います。

○山崎都市づくり政策部長 本制度は、地域の特性を生かしたまちづくり活動を主体的に行う団体を登録し、公開空地を活用した有料イベントの開催など、にぎわいを創出する活動等を可能とするものであり、これまで百六団体を登録しております。
 本年四月には、より多くの地区で公開空地の活用が可能となるよう、団体登録の要件である区域面積を一ヘクタールから〇・五ヘクタールに引き下げるなど、制度改正を実施しております。

○中山委員 要件の引下げを行っていただいて、より活用しやすくなったということで、大変すばらしいことだと思います。百六あるということなんですけれども、活動の地域が偏在しないように、ぜひ周辺区などでも活動主体が多く存在するように、お取組をお願いしたいと思います。
 これまでは、それぞれの地域の特性を生かしたまちづくりに関する質問を重ねてまいりました。これからは都内全般に通じる課題について取り上げたいと思います。
 まず、バリアフリーの進展でございます。その中でも、スロープの設置に注目したいと思います。
 高齢者が多く居住する集合住宅などでは、たとえ数段であっても階段は取り除いてもらいたい、その数段の階段があるだけでも、老老介護の中、車椅子での通院や外出ができず大変苦慮している、生活の質を改善してもらいたいとの声を、私自身、多く承ってきました。
 スロープを後から設置しようとしますと、スペース不足という壁にぶつかります。やはり新築時からスロープを設置しておくことが望ましいと考えます。
 私は、都が現状、ある程度の規模以上の建築物を対象に義務化を図り、スロープの設置を進めていることを評価するものでありますが、今後は、規模要件を原則外し、事務、産業系、居住系の別を問わず、全ての新築建造物にスロープの設置を義務づける方向で、都の取組を再編すべきものと考えております。
 ビル建造物や、戸建ての店舗や住宅を問わず、今後は、長寿命化が資源節約のSDGsの観点からも重要視されており、商取引上も、売買や賃貸を問わず、中古市場の流通の活性化が重要となってまいります。
 また、現状のスロープの勾配基準を満たすスロープを都営住宅などに後から設置した場合におきましても、電動車椅子以外の自力走行の車椅子の方や、老老介護で介助者の方が高齢者の方である場合などには、基準内の勾配であっても、きつくてとても利用できないといった声を伺うことがあります。
 都独自に勾配基準の改定を図りつつ、新築建造物への規模要件に左右されない、原則的なスロープの設置を義務化すべきであります。
 現状、都は国のバリアフリー法の基準を上回る水準で、広範に建築物へのバリアフリー化を義務づけており、この点は大変評価できますけれども、それでも補助には規模要件が残っております。
 しかし、障害があり、ちょっとした段差でも上り下りが困難な都民の方から見ますと、都の補助制度で面積要件を定めておりますと、要件以下の面積の場合には、スロープを設置しなくてもよいと都が承認しているかのようにも受け止められかねません。
 私は、規模にかかわらず、全ての建築物においては、スロープの設置が原則であるとの方針を都が打ち出すべきと考えております。
 加えて、国のバリアフリー法は、不特定多数者が利用する建造物を対象にしたものでございますが、都のバリアフリーの条例はそれだけではなく、集合住宅も対象に加えております。都市整備局は、住宅政策も担っていたからこそ生まれた画期的な視点であり、評価するものでありますけれども、個人住宅が条例の対象に加わっていない点は改正が必要と考えます。
 一つの条例を複数の所管で共管しても何ら差し支えはないわけでございますので、条例をどう整えるかとの視点も含めて見解を求めたいと思います。

○飯泉市街地建築部長 建築物バリアフリー条例における規模要件等につきまして必要な検討を行うとともに、条例で規定していない戸建て住宅などの建築物につきましては、関係部署や関係団体と連携しながら、バリアフリー化が促進されるよう取り組んでまいります。

○中山委員 大変前向きなご答弁だったと思います。都市整備局の姿勢を評価させていただきたいと思います。ぜひ、規模要件を外して、個人住宅も含めたバリアフリーの条例とされますよう要望しておきます。
 ただ、付け加えておきますと、私は全ての階段をなくせと申し上げているわけではございません。エレベーターを設置する場合も、災害時には使えなくなってしまうことも考えられますので、やはり階段は必要であります。健康増進のためにも、階段昇降はとてもよいというお話は聞いております。しゃれではございませんが、バリアアリーの方が健康寿命の増進に役立つとの見方もございます。あくまでも、スロープ、階段、どちらかを利用者の方が選択できる前提としておくべきだということを申し上げておくわけでございます。
 次いで、鉄道駅のバリアフリールートの進展について質問します。
 ワンルートの確保は、ほぼ完了に近いと認識しておりますが、今後も気を緩めずに、あくまで一〇〇%を目指していただきたいと思います。
 その上で、二ルート目以降の整備の進展に向け、都の支援を拡大していくべきと考えておりますが、その際におきましても、原則、全ての駅で、全ての出入口で、方向を問わず、バリアフリールートを整備すべきであるとの考え方が東京都の基本姿勢であるということを、今後は、より強く打ち出していただきたいと思います。
 この点でも、車椅子利用者や、つえをつきながら歩く人は、目の前に駅の出入口があっても、バリアフリー化されていなければ、諦めて、バリアフリー化されている出入口のところまで迂回すべきなんだという考え方を、都が補助の対象要件で追認していると疑われるようなことはないようにした方がよいと思います。
 現在、鉄道駅で都のバリアフリー条例による補助を活用するためには、区市町村がその駅周辺を含めまして、バリアフリー化の基本構想で網をかけておく必要がございます。
 しかし、都内七百五十八でしょうか、その駅のうち、区市町村がバリアフリーの基本構想の中でバリアフリー化の網をかけている駅の数よりも、かけていない駅の方がはるかに多いという話も聞きます。都市整備局は、この網のかかり具合を現在委託して調査しているとのことであり、そのご努力は評価したいと思います。
 その上で、私は、バリアフリー化の取組が始まった当初の頃ならまだしも、ここ現在に至りましては、全ての駅でバリアフリー化の基本構想の網をかけるのか、そもそも、いっそ都内全体がバリアフリー化の対象であるとして、基本構想の有無を補助要件とすること自体を廃止するよう見直すべきと考えます。
 少なくとも、近年の執行状況を見ましても、バリアフリー補助の執行残は多くありまして、鉄道駅のバリアフリー化補助への申請が、補助の対象を絞り込まなければならないほどの状態ではございません。むしろ幅広く、都はどの駅でも、どの出入口でも、バリアフリー化を歓迎していますよという構えを取るべきだと思います。
 以上、述べたことを踏まえまして、原則、都内の全駅で、全ての出入口で、方向を問わず、バリアフリールートを整備すべきであり、鉄道駅のバリアフリールートのさらなる進展に向け、一層支援を拡大すべきと考えます。
 そうした視点に立った上で、これまでの実績や成果を含め、見解を求めたいと思います。

○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 都は、鉄道事業者によるエレベーター設置等に対し補助を実施し、都内においてバリアフリー経路がワンルート確保済みの駅は、現在九八%でございます。
 令和二年度からは、優先整備の考え方に基づき、二ルート目以降の整備についても補助を拡充してきました。
 全ての出入口でバリアフリー経路の整備が進むよう、地元自治体と連携し、鉄道事業者に働きかけてまいります。

○中山委員 今ご答弁で入れていただきました。全ての出入口でということを、本当に都の姿勢として強く発信していただきたいと。必ず都民はついてきてくださるものというふうに思いますので、ぜひその方向でのご努力を強めていただきたいと思います。
 それこそ、世界で唯一の二度目のパラリンピック開催をした都市として、東京の新たなレガシーにふさわしく、バリアフリーの条例の改正や、鉄道駅へのバリアフリー補助要件の見直しを強く求めておきたいと思います。
 次いで、物流対策について質問します。
 物流の効率化は、都市整備局の大事な所掌事務と認識しておりますが、もともとドライバーなどの物流人材の不足が深刻化する中で、来年からの働き方改革の対応を過てば、さらに致命的に都の物流の機能は不全に陥りかねません。危機回避には、これからがラストチャンスとなるところでございます。
 そこで注目したいのが自動運転の進展でございます。自動運転は、社運をかけた取組として各自動車メーカーが競って改良を続けております。
 一方で、いかに自動車の性能が上がったとしても、車道の拡幅や歩行者と車両の分離などをある程度進めていかない限り、道幅の広い幹線道路以外では、優れた車両の性能を生かせず、自動運転の普及は壁にぶつかることになります。
 自動運転の進展には、車道の凸凹の解消やセンターラインなどの車線の明確化などが前提とされておりまして、この点は、我が国、特に東京の道路は大変良好であり、諸外国の中でも自動運転に適した環境にあるといわれております。
 しかし、その一方で、狭隘道路が多く、歩行者や自転車などとの車線の区別がない、センターラインもないような狭隘道路で、双方通行であるといったことも多く見受けられます。
 長年の経験を積んだドライバーが運転しているからこそ、事故率を低く抑えられており、トラックやバスが運行できている状況を私も多く目にしてまいりました。このままでは、高速道路や幹線道路以外は、日本の道路事情では自動車運転は難しく、せっかく開発した自動運転の技術も、国内ではなく、海外で日の目を見るというようなことにもなりかねません。
 この点、お隣の韓国では、自動運転レベルを韓国独自に設定して、数段階にレベル化し、道路事情に応じて使い分けて、各レベルの自動運転をつないで、まち中まで自動運転を可能とし、人や物の輸送を実現しようとする取組を始めております。
 そうした状況を踏まえまして、我が国でも、国交省におきまして自動運転に対応した道路空間に関する検討会などを開催し、時代に取り残されまいと巻き返しを図っております。私が仄聞するところでは、二〇四〇年代をめどに、自動運転に適した道路網を整備する方針とも仄聞しております。
 都におきましても、こうした情勢変化にいち早く対応し、従前事業にとらわれない新たな対応を図り、都内の貴重な物流人材の有効活用に向け、人と物の輸送の効率的な輸送に結びつく自動運転の進展を図るべきと考えます。
 これまでの取組と今後の方向性につきまして見解を求めます。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 都は、様々な地域の特性に応じた自動運転技術のまちづくりへの有効活用や、物流における自動運転技術の活用促進に向けまして、令和四年三月に、自動運転社会を見据えた都市づくりの在り方を取りまとめております。
 これに基づき、庁内関係部署と連携して、狭隘な道路などにおいて自動運転車を安全に走行させるために必要となる施設などについて検討を進め、自動運転社会の実現に向け、取り組んでまいります。

○中山委員 国の動きの先を行く取組を都内の道路整備の上でも方針化していただいて、自動運転の進展に寄与し、貴重なドライバー人材のより有効な活用に備えていただくことを要望しておきます。
 物流対策に関連して、駐車環境の整備について質問します。
 足立区には、北部流通業務団地というものが存在しておりまして、東京都の北足立市場や卸売事業者、倉庫、トラックターミナルなどの物流関連施設が集中しております。
 しかし、この近辺には荷待ちのトラックが多数、晩から朝方にかけて駐車しておりまして、課題となっております。北部流通業務団地内の施設に関連した荷待ちの車とは限りませんけれども、北部流通業務団地の機能改善のタイミングを生かして、駐車機能の充実を図るべきと私はかねてから主張してまいりました。
 北部流通業務団地に限らず、ドライバーの荷待ち従事の解消や、安心して駐停車できる駐車施設の充実は、都内の物流ネットワークの改善に向けて大事な課題であります。
 都市計画変更を伴う今回の北部流通業務団地の機能更新のタイミングを捉えて、都内、特に足立区北部におきます物流環境の改善に向け、都はどういった働きかけを行い、どういった成果を期待できる状況にあるのか、見解を求めたいと思います。

○三宮都市基盤部長 近年の物流ニーズの変化に応じた適切な更新へ誘導するため、都は、令和元年九月に、施設機能の更新に向けた取組を公表し、それに基づき、北部流通業務団地では、地元と意見交換を重ね、本年三月に都市計画を変更いたしました。
 これにより、適切な機能更新が促進されるとともに、効率的な施設配置による駐車スペースの確保などの地域の課題解決につながると考えております。

○中山委員 具体的な施設の改善は、当然これからになりますけれども、そうした方針の転換といいますか、そういうものをしっかり盛り込んでいただくように協議を重ねていただいたということで、そのご努力に大変感謝したいと思います。
 次に、鉄道路線整備について二点質問します。
 まず、地下鉄八号線でございます。
 平成二十八年の百九十八号答申で、押上から野田市までのルートの基本線が確定し、事業採算の目安を立てながら、事業主体の確定が次の課題とされる段階になりました。
 これまで、足立区などの個別に自治体が招聘活動をそれぞれ独自に展開してまいりましたが、ここ、この時点に至りましては、沿線の都内各区や、都外の埼玉、千葉両県と各県の該当の自治体とが団結し、採算性の向上や数値化を図ることが大事と判断し、課題となっております。
 そのためにも、東京都がそれらの自治体の先頭に立って、協議と準備の具体的成果を上げる主体、旗振り役となっていただきたいと考えております。見解を求めます。

○三宮都市基盤部長 地下鉄八号線の押上からの延伸につきましては、国の答申において、事業性などの課題が示されております。
 沿線区市で構成する促進連絡協議会におきまして、押上から亀有区間を対象に様々な検討がなされており、都は、同協議会に参加し、豊洲から住吉区間の事業や沿線での取組等を参考に、引き続き、技術的な助言を実施してまいります。

○中山委員 今ご答弁の中で、豊洲から住吉区間までのことについて触れていただきましたけれども、この区間では、まちづくりなどの取組も関連して進んでいくものと思います。そうしたことから得られます知見、ノウハウ、そうした視点も非常に大事になってまいりますので、今後、地下鉄八号線への都によります技術的助言に生かしていただくことを要望させていただきます。
 私が都議会議員になった当初から、悲願みたいなことをいわれて、集まっている住民の方々からは、俺たちが生きている間にどうなるのかみたいな話をたくさんお伺いしてまいりましたけれども、いよいよ具体的な検討の段階に入りましたので、足立区も他の自治体、他県と共同して、団結して取り組む決意でございますので、都による助言、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、足立区内のつくばエクスプレスと日暮里・舎人ライナーの朝夕の混雑緩和について質問したいと思います。
 両線とも、輸送容量の増量を実現する以外に、その解決方法はない現状に至っております。鉄道の混雑緩和は、民間の各鉄道会社に対し、都がイニシアチブを発揮してその進展を図っているところであり、都の直営であったり、都とのつながりが深かったりする両路線では、それこそ模範となる取組を示すことが求められております。
 具体的に、車両の連結数の増設が可能なつくばエクスプレスと、車両数の増量が困難な日暮里・舎人ライナーとでは、課題解決の目安の立て方が大きく異なっていると認識しております。
 特に、日暮里・舎人ライナーは、我が党などの要望などに応えていただいて、都交通局は、ありとあらゆる取組を既に実施していただいておりますが、もはや限界に達しております。始発電車、始発駅からもう満員ということで、途中の人が乗れないという状態で、荒川の人にとっては何のメリットがないというふうに、お叱りを受けたりします。交通局の努力だけでなく、東京都全体、とりわけ都市整備局が一体となって、抜本的な混雑緩和策を練り上げていくべきと考えます。
 つくばエクスプレスと日暮里・舎人ライナーのそれぞれの混雑緩和対策についてご説明をお願いするとともに、都市整備局が実施する今後の混雑緩和策について、見解を求めたいと思います。

○三宮都市基盤部長 つくばエクスプレスは、平成三十一年度から八両編成化事業を実施、日暮里・舎人ライナーは、交通局が全二十編成の八割をロングシート化するほか、当局の時差ビズと連携したオフピーク通勤を促すポイントキャンペーンを実施しております。
 そのうち、日暮里・舎人ライナーについては、事業者である交通局による輸送需要の現状分析や対策の検証などが必要であると考えております。
 今後とも、混雑緩和に向けて、都市整備局は、鉄道事業者と連携し、都内の鉄道ネットワークのさらなる充実等による輸送力強化や、オフピーク通勤を促進する時差ビズなど、ハード、ソフトの両面から取り組んでまいります。

○中山委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。大変難題でございますけれども、都庁全体の英知を結集していただいて、何とか現状の打開をお願い申し上げたいと思います。
 最後に、外堀浄化について質問させていただきたいと思います。
 我が党は、玉川上水の清流の復活と、それを汚濁被害が進む外堀の浄化に活用して、江戸時代からの水循環の復活を促す取組をいち早く提唱し、小池知事の英断もございまして、今や、水の都である東京都の観光政策の柱として大事な政策となっているところであります。
 そこで改めて、玉川上水の復活の水源を どう確保するのか、そして、その水の流れをどう外堀へと誘導するのか、そして、水流を外堀に誘導する以上、それを適切に東京湾へつなげませんと、自然界の出入口が整わないことになりますので、そうして初めて水循環が完成するものと考えております。
 このような視点を踏まえて、改めて外堀浄化への取組につきまして谷崎局長に見解をお願いしたいと思います。

○谷崎都市整備局長 外堀の浄化についてでございます。
 水の都東京を実現するためには、歴史的財産である外堀の水質改善の取組を進め、都民に癒やしの場を提供し、魅力あるまちづくりにつなげることが重要でございます。
 水質の改善に向け、長期的には、多摩川からの通水の可能性も展望しながら、荒川河川水や下水再生水を玉川上水路等を活用して導水する予定でございます。
 現在は、各局が連携して導水施設の基本設計等を進め、二〇三〇年代半ばの整備完了に向け取り組んでおります。これにより、神田川を経て、東京湾への水循環が形成することになります。
 引き続き、国や地元区とも連携し、外堀の水辺再生を着実に進めてまいります。

○中山委員 局長、ご答弁ありがとうございました。
 谷崎局長の下、今日、様々質問させていただきましたけれども、ぜひ局長の下、団結されて、人材が集う都市整備局でございますので、いろんな難題がございますけれども、先ほど申し上げたとおり、新たな解決の道を切り開いていただきますよう、よろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 以上です。

○尾崎委員 私の方からは、最初に、多摩都市モノレールについて幾つか質問させていただきます。
 多摩都市モノレールは、沿線に大学が多く、大学生はもちろんですが、高校生など学生の利用が多い路線だと思っています。
 物価高騰の影響で、大学生からは、親からの仕送りも大変で、アルバイトを増やしているが、学費が払えるか展望が見えない、生活も切り詰めている、生活費の中に占める交通費が重いなどの声が私たちのところにも届いています。
 多摩都市モノレールの学生通学割引定期は何%の割引率になっていますか。

○三宮都市基盤部長 令和五年十月末時点で六五%としているところでございます。

○尾崎委員 私は先日、神奈川県の実家から大学に通っているという学生から話を聞きました。
 小田急線で九駅、多摩都市モノレールに乗り換えて二駅、三か月学生割引定期を購入しているということですが、小田急線の学生割引定期は一万六千六百八十円。しかし、たった二駅だけの多摩都市モノレールの三か月学生割引定期は一万二千四百六十円だということです。学生の方は、学生定期を購入するたびに、多摩都市モノレールが高いと感じてしまうといっていました。
 先ほど、学生通学割引定期は六五%の割引率ということのご答弁でしたけれども、学生割引定期の見直しを強く要望するものです。特に今、学生の皆さんの暮らしが非常に大変になっているところですので、検討を求めておきたいと思います。
 次に、多摩都市モノレールの痴漢対策について、取組状況はどうなっていますか。

○三宮都市基盤部長 全車両への防犯カメラの設置を完了しておりまして、例年六月には、痴漢撲滅キャンペーンの一環として、車内や駅構内での放送による呼びかけやポスター掲出などを行っております。

○尾崎委員 防犯カメラは全車両に設置が完了したということですけれども、私は、痴漢をなくすための一番大事なものは、痴漢は犯罪という立場で対策を行うことだと思っています。
 都営地下鉄などでは、ホームや車内での痴漢は犯罪ですというアナウンスを行っています。多摩都市モノレールでも、混雑が予想される時間に積極的に行うなどして、痴漢をなくす対策を強化するよう要望するものです。
 また、若い女性からは、多摩都市モノレールには女性専用車両がないのでつくってほしいとの要望もされています。多摩都市モノレールは車両編成が少ないので、女性専用車をつくることは困難だということは承知をしておりますけれども、安心・安全を提供すること、人権を守る上でも重要なことだと位置づけていただきたいと要望するものです。
 また、若い人たちから、駅のトイレが汚い、和式トイレが多く洋式に替えてほしいの要望もあります。
 そこで、多摩都市モノレールの駅におけるトイレの数はどうなっていますか。

○三宮都市基盤部長 多摩都市モノレールの駅におけるトイレの個室数でございますが、百二十七室となっております。

○尾崎委員 私はこの間、幾つかの駅のトイレを見てきました。
 私の地元の玉川上水駅は、西武拝島線との接続駅です。利用者が多い駅だと思っています。トイレは男子トイレが五つですが、女子トイレは四つしかありません。日常的な光景として、多くの駅で女子トイレが混雑し、列ができています。時間がない朝は我慢しているという声もあります。
 多摩都市モノレール全体では、男子トイレは九十あるのに対し、女子トイレは僅か六十五しかありません。男子トイレと比較すると七二%で、トイレの数がとても少ない状況です。ジェンダー平等の観点から見ても、早急に改善が求められていると思います。
 次に、車椅子対応のトイレがある駅数はどうなっていますか。

○三宮都市基盤部長 車椅子対応の駅数は、全十九駅でございます。

○尾崎委員 全ての駅に一か所あるということは、大変重要だと思っています。
 それでは、多摩都市モノレールの駅のトイレの和式と洋式の数及び割合はどうなっていますか。

○三宮都市基盤部長 和式トイレの数は四十八基で割合は三八%、洋式トイレの数は七十九基で割合は六二%でございます。

○尾崎委員 洋式トイレが六二%ということです。私はこの数字を聞きまして、とても少ないなと感じました。
 都営交通のトイレの洋式化は全体で八六%です。細かく見ていくと、都営地下鉄では八七%、そのうち一番進んでいるのが大江戸線の一〇〇%になっています。都営交通と比較すると、多摩都市モノレールの洋式化は不十分だと思っています。
 多摩都市モノレールのトイレの洋式化についての認識と、改修計画など今後の取組はどうなっているのか伺います。

○三宮都市基盤部長 多摩都市モノレール株式会社では、トイレの改修については中期経営計画に定めております。

○尾崎委員 中期経営計画に定めているということですが、この中期経営計画は三年ごとの計画になっていると思います。トイレについては、二〇二九年に改修を終えるという内容になっています。これは、洋式化を完了するというものではなくて、バリアフリー化の改修を終えるということです。
 ちなみに、「ゆりかもめ」の駅にあるトイレの洋式化については、令和八年、二〇二六年までに完了するとなっており、今年の十一月末時点では九二%まで進んでいます。十六の駅の中で、洋式一〇〇%になっている駅は十三駅にもなっています。
 高齢者はもちろんですが、子供や若者のほとんどが、和式トイレでは困るんだ、和式トイレではできないという方が多く、混雑時に、和式トイレが空いていても、洋式トイレに入りたいと列に並んでいます。この現状から見るとトイレは大変深刻な問題です。
 多摩都市モノレールでも、バリアフリーにとどまらず、洋式一〇〇%を目指してほしいと思います。計画を前倒しして実現することを要望しておきたいと思います。
 次に、築地まちづくりについて伺っていきたいと思います。
 築地市場から豊洲市場に移転し、今年で五年目を迎えます。この五年間の中で、築地市場跡地は、東京五輪開催時には車両基地として活用されました。また、新型コロナ感染症の中では、水素ステーションとして役割を果たしました。今は解体作業が行われています。
 そこで、事実確認のために質問をしていきます。
 築地まちづくり事業の進捗状況について伺います。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 八月末の提案受付後、外部有識者による審査委員会が提案審査を実施しております。

○尾崎委員 築地市場の跡地のうち、まちづくり事業で活用する面積は幾らでしょうか。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 築地地区まちづくり事業で活用する都有地の面積は、約十九万平方メートルでございます。

○尾崎委員 それでは、築地まちづくり事業に関連し、都が行うものは何でしょうか。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 募集要項では、隅田川スーパー堤防整備事業による河川区域内の盛土、防災船着場の整備の実施等を都が実施するものとして示しております。

○尾崎委員 事業者の募集は公募型プロポーザル方式で、定期借地は何年の契約になるんでしょうか。また、貸付金額はどうなるのか伺います。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 募集要項では、定期借地権設定契約の貸付期間を、舟運利便施設等の施設運用期間七十年間に建設及び除却期間を加算した期間といたしました。
 また、貸付金額は、基準金額として示した一平方メートル当たり月額四千四百九十七円以上であることを条件に、事業者の提案した金額としております。

○尾崎委員 貸付金額については、基準金額、一平方メートル当たり月額四千四百九十七円以上ということですから、この金額に十九万ヘクタールを掛けて、全体の月額は約八億五千四百万円になるということです。年間で百二億四千八百万円、これを七十年間ですから、七千百七十三億六千万円になるということが単純な計算で分かってきます。
 築地市場の有償所管替えで約五千六百二十三億円で行われ、市場会計から一般会計に繰入れされたわけですが、民間事業者に七十年間で貸し出すと、その金額を大きく上回るという計算になるわけです。
 そもそも、築地市場跡地は都有地です。都民の財産です。都民の財産は都民のために活用することが本来の考え方ではないでしょうか。
 今年の八月三十一日に提案者等の受付を行いましたが、事業予定者は今年度三月末をめどに結果を出すというスケジュールで、それまでは受付事業者数も明らかにしないという説明を受けていましたが、今回、マスコミが報道してしまいました。どうしてこんなことが起こったのでしょうか。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 応募者の情報及び提案内容につきましては、非公表としております。
 また、報道の経緯等については承知をしておりません。

○尾崎委員 本来、非公開なはずなのに報道されてしまった。報道の経緯は承知していないということですけれども、新聞報道で、三井不動産を中心とする企業連合が東京都へ提出を行った案に多目的スタジアムの建設が含まれ、総事業費が八千億から九千億を見込んでいると報道されましたが、この情報は事実でしょうか。また、一万人以上収容の施設や一千人以上が集うホールを有したホテルなどと一緒に報道しているところもありますが、この情報は事実でしょうか。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 報道の内容につきましては、都はお答えする立場にございません。
 募集条件に関することにつきましては、既に募集要項においてお示しをしているところでございます。

○尾崎委員 一万人以上収容の施設や千人以上が集うホールを有したホテルというのは、募集条件になっているわけですが、募集条件と一緒に多目的スタジアムの建設が含まれ、総事業費が八千億から九千億を見込んでいるという、同じ記事として報道されているわけです。
 報道を見た都民や地元住民、場外市場の皆さんは、驚いた、本当なのか、もっと情報が知りたいと、私たちのところにも問合せがありました。
 都も、なぜ今回マスコミに流れ、このような報道になったのか分からないということですけれども、どの事業者が応募したか、一部の情報だけが突然出てくるような事態は、そもそも都が応募事業者を都民に非公開していることに原因があります。
 応募事業者を全て公開すべきではないでしょうか。伺います。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 応募者の情報等につきましては、公表することによる審査への影響が懸念されることから、非公表としているものでございます。

○尾崎委員 先ほどもいいましたけれども、築地市場跡地というのは、都民の財産である都有地なわけです。今後どうなるのか都民には知る権利があります。
 応募者の情報等について、公開することによる審査への影響が懸念されることから非公開というご答弁ですけれども、全て決まってから公表するのではなく、その都度、都民に公表することは当然のことだと思います。今からでも公表することを求めるものです。
 次に、築地市場跡地の埋蔵文化財の調査について、進捗状況と、現在どのようなものが見つかっているのか伺います。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 既に公表しております報告書のとおり、浴恩園付近についての試掘調査を終了しておりまして、旧築地市場の基礎等で破損している近世の石積みの一部などが出土しております。

○尾崎委員 私も報告書を見ましたが、ご答弁があったように、破損しているものが多く残念なところもありますけれども、歴史的には非常に重要なものだと思います。
 埋蔵文化財の調査で出たものを今後どのように扱っていくのでしょうか。都として保存するものはどんなものなのか伺います。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 埋蔵文化財調査によりまして出土した遺構などにつきましては、関係機関などと調整しながら適切に対応することとなってございます。

○尾崎委員 関係機関などと調整しながら適切に対応するということですけれども、ぜひ多くのものが保存できるようお願いしたいと思います。やはり築地の歴史を表すものですから、きちんと保存するという立場で頑張っていただきたいと思います。
 次に、現在、解体作業をしている工事現場のフェンスの壁面、大江戸線の市場前駅の出口のところに、マグロ塚を作る会のプレート、これは一九五四年三月一日、米国が南太平洋で行った水爆実験で被曝した「第五福竜丸」から水揚げされた魚の一部が築地市場に入荷したもので、被曝したサメやマグロを、消費者の手に渡る前に市場内に埋められ廃棄したもの、このような核の実験を再び起こさないことを願うプレート、こういうプレートが掲げられているわけです。
 以前、経済・港湾委員会にプレートを存続してほしいという請願が出された経緯があります。歴史の重要な一ページです。今後も残すべきですが、都はどのように考えていますか。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 お尋ねのプレートにつきましては、まずは所管している中央卸売市場におきまして検討することとなると考えてございます。

○尾崎委員 私は、築地市場の土地の有償所管替えが二〇一八年にあったというふうに記憶をしています。マグロ塚を作る会のプレートも所管が替わっているのかと思いましたけれども、今のご答弁ですと、まだ土地は中央卸売市場の名義だということになるわけですね。
 土地の所管替えの手続は、聞きましたら来年度以降ということでしたけれども、このプレートは、築地市場の大事な歴史であり、次の世代に伝えるべき内容です。どこの所管であっても残すということでお願いしたいと思います。築地まちづくり事業として残すべき歴史的なものとして位置づけていただくよう強く要望するものです。
 次に、場外市場の皆さんは、築地市場跡地の再開発について、情報が何も入らない、どんなものができるかによって自分たちの営業にどんな影響があるのか不安、情報が欲しいとの声が寄せられています。
 都は、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かすといっていますが、本気で食文化を生かすのであれば、場外市場の皆さんの実態がどうなっているのか調査すべきです。いかがでしょうか。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 都はこれまで、地域の協議会において事業に関する説明を行うとともに、地元の意見を踏まえた区からの要望などにも適切に対応しております。

○尾崎委員 築地市場がなくなった今、場外市場が大きくさま変わりしています。海外からの観光客でにぎわい、食べ歩きが中心となっています。今の状況を、食文化の歴史的、文化的ストックを十分に生かすとはいえないのではないかと疑問に思っています。
 築地市場まちづくりの担当者の皆さんは、場外市場に足を運び、現状をつかんでいるのか伺います。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 私も含めまして、築地まちづくりの担当者は、旧築地市場跡地に頻繁に足を運びまして、周辺を含めた現地確認を行っております。

○尾崎委員 足を運んでいるというのであれば、場外市場の皆さんの今の悩みや苦悩していることもご存じだと思います。ぜひそういう声を反映したまちづくりにしていただきたいと思います。
 私も先日、場外市場を歩き、事業者の皆さんからお話を聞きました。築地市場がなくなり、場外市場はさま変わりしてしまった、コロナ禍は海外のお客さんもほとんどいなくなって大変だった、今ようやく海外のお客さんがにぎわいを取り戻している。しかし、食べ歩きができる商品に変えたり、店の前のスペースを活用できるお店はにぎわっているが、そうでないお店は深刻になっている、海外の人はあまり売上げにはつながらない、以前からのお得意さんで支えられている、お店で状況に大きく差が出ているということも、この事業者の皆さんの声から分かりました。
 また、築地まちづくり事業については情報が何も入らない、そんな中、報道で知って、どうなるのかと不安になっている、都からきちんと情報を知らせてほしいとの要望も出されています。
 ご答弁で、築地市場跡地に足を運び、周辺を含めて現地を調査しているとのことですけれども、民間事業者任せではなく、場外市場の皆さんからの要望や地元住民からの要望を丁寧に聞いていただき、都民の声を反映した築地まちづくり事業を進めていただくよう強く要望するものです。
 築地まちづくり事業との関連から見て、臨海地下鉄構想も一緒に推進していくものになっているのではないかと思います。
 そこで幾つか質問します。
 東京都は、二〇二二年十一月に都心部・臨海地域地下鉄構想の事業計画案を発表しましたが、進捗状況について伺います。

○三宮都市基盤部長 事業計画案を基に、計画のブラッシュアップを行っているところでございます。

○尾崎委員 二〇一六年四月の交通政策審議会答申第百九十八号で幾つかの課題が出されていました。その課題とは何でしょうか。また、課題についてその後どのように検討が進んだのでしょうか。伺います。

○三宮都市基盤部長 百九十八号答申では、事業性に課題があるとされており、その後、事業計画検討会において検討を進め、令和四年十一月に事業計画案を取りまとめたものでございます。

○尾崎委員 国土交通省の資料によりますと、二〇一六年四月の交通政策審議会答申の分析結果では、区間が新銀座から新国際展示場で、費用効果は〇・七となっています。一にならないということがやはり課題になったということが分かります。
 そして、区間、秋葉原から新銀座、そして新国際展示場までとすると、費用効果率は一を超えて、一・六から一・五となることが分かります。
 このことから、二〇二二年十一月に発表された都心部・臨海地域地下鉄構想の事業計画案では、区間は東京から東京ビッグサイトとなったのだと思われます。つまり、当初の案から区間を変えることによって、費用効果率も一以上になることで、事業計画が出されたということになると思います。
 そこで伺いますけれども、都心部・臨海地域地下鉄の必要性について伺います。

○三宮都市基盤部長 本路線は、都心部と臨海部とをつなぐ基幹的な交通基盤としての役割が期待されております。

○尾崎委員 ルート、駅位置については、東京、新銀座、新築地、勝どき、晴海、豊洲市場、有明・ビッグサイト、名称は仮称というふうに発表されていますけれども、ルートについては決まったことなのか伺います。

○三宮都市基盤部長 令和四年公表時点での検討結果であり、想定ルートでございます。

○尾崎委員 ルートについては暫定ルートということです。
 私は、この臨海地下鉄構想で不安に思っていることが三つあります。
 一つは、一体地下何メートルのところを掘るのかということです。例えば、東京駅や築地駅などは、路線がたくさん入り込んでいる現状で、新しく路線を造ろうとすれば、もっと深いところを走ることになるわけです。工事の方向などは今後のことだと思いますが、リニア新幹線や外環道など大深度シールドマシンは事故が多発しています。地下の深いところを掘ることが安全にできるのかということです。
 二つ目は、より深いところを掘ることで費用が膨らむのではないかということです。
 そして三つ目は、事業者も簡単には決まらないということです。
 この三つのことについてどのようにしていくのかが問われていると思います。
 では、事業者は決まったのでしょうか。また、今後のスケジュールについて伺います。

○三宮都市基盤部長 事業者及び今後のスケジュールについては、未定でございます。

○尾崎委員 事業者や今後のスケジュールは未定ということです。
 そもそも私は、東京ベイまちづくりの構想が夢物語にしか見えません。都有地を開発の種地にすること、新たな巨大開発がなぜ必要なのか、国際会議場やホテル、イベント会場をどれだけ造るのか、本当に必要なのかも含めて十分な検討を行うこと、都民の要望をよく聞くことを強く要望しておきたいと思います。
 次に、横田基地についてです。
 東京都は、発がん性がある有機フッ素化合物について、この間、どのような取組をしてきたのかについて質問していきます。
 横田基地内でのPFASが含まれる泡消火薬剤の漏出問題について、都は二〇一八年十二月十一日に国に問合せをしています。どのような問合せをしたのですか。また、国からの回答について伺います。

○金子基地対策部長 国に対して、PFAS漏出の報道内容等の事実関係を問い合わせたところ、米側に照会しており、その回答を踏まえ、適切に対応していく旨の回答がございました。

○尾崎委員 二〇一八年十二月十日の沖縄タイムスで、在日米軍司令部のある米軍横田基地で二〇一〇年から二〇一七年に漏出した残留性有機フッ素化合物、PFOSを含む泡消火薬剤の量が、少なくても合計で三千百六十一リットルになるということが報道されたわけです。この報道は衝撃的な内容でした。これを受けて、先ほどいいました二〇一八年十二月十一日、東京都は国に問合せをしたわけですね。
 その後、この問題で何回国に問合せを行ったのか伺います。

○金子基地対策部長 本年六月末までに、国に対し五回の問合せを行っております。

○尾崎委員 五回問合せしているわけですが、まともな答弁、国から何もないわけです。
 そして、二〇二三年六月三十日にも国に問合せをしていますが、どんな内容で国に問合せをしたのですか。国からの回答はどういうものだったでしょうか。

○金子基地対策部長 国に対して、PFAS漏出の報道内容等の事実関係を問い合わせたところ、三件の漏出があったが、飛行場の外へ流出したとは認識していない旨、米側から説明を受けているなどの回答がございました。

○尾崎委員 東京都は六月十二日にも、六月十一日の東京新聞で、二〇二〇年六月、八月、十一月に消防車から漏出事故があったことが記載されているために、国に問合せをしています。しかし、このときも国は、現在、米側に事実関係等を確認しているという答え、そういう答えだけだったわけです。
 日本共産党都議団は、国会議員と一緒にこの間、防衛省からの聞き取りを繰り返し行ってきました。そして防衛省は、六月二十九日の日本共産党の防衛省からの聞き取りで、横田基地での泡消火薬剤の漏出について、二〇一〇年から二〇一二年に三件あった事実を公式に認めました。三十日のしんぶん赤旗で大きく掲載されたものです。日本共産党の機関紙であるしんぶん赤旗の日刊紙です。都は、このしんぶん赤旗の記事を見て防衛省に問合せを行ったということです。
 防衛省は、二〇一〇年から二〇一二年に三回のPFAS漏出があった事実は認めたわけですが、七月二十五日の日本共産党の防衛省からの聞き取りで、漏出について、二〇一八年の報道を受け、二〇一九年一月に報告書を入手し、米側に照会したと答えました。これまでの防衛省の答弁が虚偽だったことが明らかになったんです。
 結局、防衛省は、四年半前には三件の漏出事故は確認していたということなんです。こんな大事なことをすぐに公表しない防衛省の対応は信じられないことであり、国民をばかにした対応です。防衛省は、漏えいしていたといわれても仕方のない対応をこの間してきたことになります。東京都もこのことにもっと怒りを込めて働きかける必要があると思っています。
 この間、東京都が国に問合せをしても、まともに回答が来ていません。都はこのことをどう受け止めていますか。

○金子基地対策部長 漏出からかなりの時間が経過していることから、速やかな情報提供などにつきまして、国に要請をいたしました。

○尾崎委員 東京都と横田基地周辺市町連絡協議会は、七月五日の防衛大臣と北関東防衛局長宛ての要請文の中で、今回、情報提供のあった漏出は、発生からかなりの時間が経過しており、速やかに情報提供がされなかったことは、基地周辺住民の不信感につながりかねず、極めて遺憾であると記載をしているわけです。極めて遺憾であるということを要請文に書いたことは大変重要です。防衛省のこの間の対応のひどさは、本当に許されるものではありません。
 しかも、漏出は認めても、基地の外には流出していないなどと、米側の説明をそのまま東京都や都民に説明しているわけです。誰が考えても、基地の中で大量の漏出事故が起きたら、土壌にしみ込み、時間をかけて地下水となって流れることははっきりしているのではないでしょうか。
 防衛大臣は、横田基地の立入調査について、関係自治体から具体的な要請があれば、関係省庁と連携して米側に働きかけていきたいと、七月十一日の閣議後記者会見で述べています。
 今こそ東京都が先頭に立って国に要望すべきですが、いかがですか。

○金子基地対策部長 国からは、本件につき、日米関係者において様々な場を活用して協議を行っている、また、米側及び関係省庁と連携しつつ対応していくと聞いております。

○尾崎委員 都議会第三回定例会で、日本共産党都議団の代表質問に対し、横田基地の泡消火薬剤の漏出について、今後も国に必要なことを申し入れていくとの答弁がありましたが、国への要請以降で申入れを行ったのでしょうか。申入れの内容はどんな内容か、また、回答はあったのか、どんな内容の回答だったのか伺います。

○金子基地対策部長 都は、九月に国に対しまして要請の検討状況につき確認を行いました。
 国からは、本件につきまして、日米関係者において、様々な場を活用して協議を行っているところである旨の回答を得ているところでございます。

○尾崎委員 都は九月八日に、PFASについては多くの都民が健康への影響などについて不安を抱えており、早急に払拭する必要があると触れながら、防衛省に対して、検討状況について再度問合せをしているということなわけです。
 しかし、防衛省はこれに対しても、環境省の専門家会議における検討等を踏まえ、引き続き米側及び関係省庁と連携しつつ対応していくと答えているということだけなわけです。
 それでは、都が米軍に立入調査を求める前提として、最低限、米軍や国に事前に明らかにしてほしい情報とは、具体的にどんな情報でしょうか。

○金子基地対策部長 国からは、本件につき、日米関係者において様々な場を活用して協議を行っている、また、米側及び関係省庁と連携しつつ対応していくと聞いております。

○尾崎委員 私が質問して、私が知りたいと思っているのは、横田基地に立入調査を求めるために、都は最低限、米軍や国に事前に明らかにしてほしい情報は何かということなんです。これには今のご答弁では答えになっていません。
 都は、立入調査を求める気があるんでしょうか。都の本気度が問われているわけです。国がやることだからという姿勢ではなくて、都民の不安解消のためには、PFAS汚染源について可能性があるのであれば、本気で取り組むべきなんです。
 国連ビジネスと人権の作業部会が七月二十四日から八月四日まで訪日し、調査活動を行い、ミッション終了ステートメントを発表しました。その中で、作業部会は、東京や大阪、愛知でPFASの水質汚染の事例を聞き取りし、十分な対策を講じていないとし、汚染者負担原則に従い、この問題に取り組む責任が関係した事業者にあることを明らかにしておきたいと述べています。
 都は、この国連の意見をどう受け止めますか。また、事業者には泡消火薬剤を漏出した米軍も該当すると思います。都として米軍に責任を追及すべきですが、いかがですか。

○金子基地対策部長 国からは、都の要請を受けたことも踏まえ、日米関係者において様々な場を活用して協議を行っていると聞いております。

○尾崎委員 国連ビジネスと人権の作業部会は、日本に来て、多摩地域で自主的に血液検査を行っている方々からも直接話を聞いたということです。国連が健康を脅かすPFASを人権問題として位置づけているということがよく分かります。
 ミッション終了ステートメントでは、PFASの水質汚染に対し十分な対策を講じていないとし、汚染者負担原則に従うこと、取扱い責任が、関係した事業者の責任が問われているということを明らかにしたんです。私は、この視点は大変重要なものだと思います。
 多摩地域の汚染源については、横田基地の可能性が大きいということです。このことについては、東京都環境科学研究所の調査でも明らかになっているわけですから、米軍、米側に責任を求めるべきです。そして、第一歩は横田基地への立入調査だと思っています。
 全国知事会は、国に対し日米地位協定の見直しを提案、要望しています。PFAS汚染のことでも、現在の環境補足協定では、環境に影響を及ぼす事故、漏出が現に発生した場合とされ、過去に発生した漏出事故等についての立入調査は認められていないもので、大変不十分なんです。
 小池知事が先頭に立って、国や米国に働きかけることを強く要望して、質問を終わります。

○竹井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後三時五分休憩

   午後三時二十分開議

○竹井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○西沢委員 私からは、まず最初に、まちづくり、再開発についてお伺いをしたいというふうに思います。
 冒頭にちょっと申し上げておきたいのは、再開発自体を、私たちというか、私も否定しているわけでは当然なく、私、地元中野区ですけれども、中野駅の駅前は、本当に百年に一度の再開発ということで、これはもう進める立場で進めているというようなところから、再開発そのものは全く否定するものでもないし、むしろ、まちづくり、都市化を進めるに当たっては必要なものだというふうに思っています。
 百年に一度といいましたけれども、さらにその百年後を考えると、今の都市計画法って、市街化をしていくというようなことを前提につくられていますから、逆に原野化をしていく法律って今ないわけですよね。さらにその百年を考えるというところには、まだ至っていないというようなことだと思いますので、そういった意味では、現状、都市整備局さんが様々な再開発の、事業概要に書かれていますけれども、そういったことに進めていただいていることには、意義があるものだというようなことを申し上げて、質問に入りたいと思います。
 今申し上げた事業概要の八九ページに書いております神宮外苑地区の開発について、まずちょっとお伺いしていきたいというふうに思います。
 代表質問、定例会ごとに発言もさせていただいてきましたけれども、まちづくりには、利害関係者や住民などの意向ができるだけ把握され、反映されるように努めるべきだというように考えますが、まちづくりの市民参加について、まずお伺いしたいというふうに思います。

○山崎都市づくり政策部長 都はこれまでも、まちづくりの方針の策定等に際し、地権者や地元区等で構成する検討会を行うとともに、パブリックコメントなどを実施しております。
 また、都市計画決定に際し、法令に基づく説明会等に加え、事業者は開発計画の説明会を実施するなど、広く都民等の参加の機会を設けております。

○西沢委員 今、法令に基づく説明会などやっていますよと、広く都民の参加の機会を設けているという話がありましたが、私は、これまでの説明会が十分であったというふうには思いません。地域のみの説明会であったり、もしくは、我が党の議員も参加したいということを申し入れましたが、結果的にはそれも認められないということでありますから、広く都民などの参加を設けているというふうには、やはりいえないかなと。最低限の市民参加というものはやっているけれども、広くということにはならないんじゃないかと思っています。
 そのことで私は強く申し上げたいのは、九月二十日に私たちも会派で、神宮外苑地区について視察を行いました。我々都議会議員に加えて、国会議員や地元の区議会議員なども参加する視察であります。
 これについては、イコモスの石川先生がご案内をいただいたわけでありますが、そもそもは東京都に対して、都市整備局さんと環境局さんに説明をしてほしいというようなことを申し入れたわけですが、説明を断られました。事業者を紹介するということでありましたが、事業者にも断られました。
 これはですね、まず、私はこのことについてすごく怒っているわけですけれども、断られた理由についてはどういうものなんでしょうか。お伺いいたします。

○山崎都市づくり政策部長 神宮外苑の再開発は、明治神宮など民間事業者が自らの所有地において実施するものであるため、都は事業者を紹介させていただいたものでございます。

○西沢委員 民間事業者が自らの所有地で実施するから紹介したよということでありますが、民間事業者にも断られたということに関していうと、やっぱりこれちょっと、私は、都議会議員が調査権を基に議決をするか、議決に加わるに当たって賛成するか反対するかと判断をするに当たって、十分な説明がないまま議決に加わるというようなことにつながることになります。これは別に、与党だからとか野党だからとかということではなく、きちんと対応いただくべきなんじゃないかというふうに思います。
 もちろん、この外苑地区の開発について、私たちは厳しいことを結構議会でも発言をしていますから、それは正直面白くないと、執行機関の皆様からすれば思っている方もたくさんいらっしゃると思います。
 ただ、私たちも会派で議論を重ねた上で、こういう発言をしていこうというふうに決めているわけですから、その上で神宮外苑地区について、事業概要に書いてあるわけですよ、八九ページに。東京都の事業として概要の説明にも書いているものに関して説明できない、事業者がやるものだからと、事業者を紹介させていただいたというのは、私はあまりにもおかしいんじゃないかというふうに思います。
 ぜひ今後、都市整備局において、私ども視察をしたいと、視察といっても、事業者の所有地に勝手に入って中を見たわけでもないですからね。外から見て、一方的に、このイチョウ並木どうなんだと。すぐそこですよ、だって。すぐそこで、石川さんの方から話をされて、ここはこうだと、ここはだから建物が建ったら枯れそうなんだという説明があったけど、多分反論あると思うんですよ、恐らく。さっきはああいう説明があったけどこうだったと、現地を見たらこうじゃないですかというようなことを説明していただきたいなというふうに思うんですね。
 少なくとも、外苑地区の問題に限りませんけれども、ぜひ今後、視察、説明を申し入れた際には、視察を拒否しないでいただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○山崎都市づくり政策部長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、神宮外苑の再開発は民間事業者による事業でございますので、民間事業者が対応すべきものと考えております。
 なお、都といたしましては、基本的な事実を分かりやすくまとめましたファクトシートを作成し、ホームページで公表するなど、広く情報発信に努めているところでございます。

○西沢委員 ファクトシートを作ったからそれを見ろということなんですか。視察に行って説明してくれという話をした場合に、いやそれできませんと、これを見てくれとということなんですか。それはちょっといただけないですよね。
 少なくとも、神宮外苑地区に限らずですよ、でもこれって。これ、いっていることが、ちょっと東京都にとっては都合が悪いものだということについては、今後、ファクトシートを見るなり資料を用意しろということになるんですか。それはおかしくないですか。会派によって、じゃあ色分けするんですか。
 少なくとも、じゃ会派によって、視察の受入れ、マルにする、バツにするかということはしないと約束してもらえないでしょうか。どうでしょうか。

○山崎都市づくり政策部長 神宮外苑の再開発は民間事業者による事業であるため、民間事業者による対応が基本と考えております。
   〔発言する者あり〕

○西沢委員 そうですね、まあ事業概要、さっきいった八九ページに書いていますよ。ちょっとあまり、しょっぱなでそんな時間を使うつもりもなかったんですけれども、八九ページに、神宮外苑地区のまちづくりということで、ここには、中段の下の方から、開かれた庭として再生していくこととしていると、こう書いてあるわけですよね。
 今日は事務事業の質疑ですよ。この事務事業について、この神宮外苑のまちづくりについて聞いているわけですよね。そのときに、九月二十日ですけれども、私たち視察したときにはそれを説明しなかったと。今後は説明してくれますよねと聞いているわけです。
 これ、神宮外苑地区のまちづくりに限らずですけれども、ほかの例えば地区についても、それは都市づくり政策部長に聞く話じゃないかもしれませんが、もし局長とかでも、視察についての基本的な考え方、どなたか答えていただけないでしょうか。
 私たち、これでは視察、全部断られるという話になりますよ。都合の悪いことをいう会派は説明しませんという話になりませんか。どうでしょうか。局長、もしよかったら答えていただけないでしょうか。

○山崎都市づくり政策部長 視察といいましても様々な現場がございますので、それぞれの現場に応じて対応させていただくことになろうと思います。

○西沢委員 これ以上もう聞きませんけど、それぞれの現場に応じて対応していただくというご答弁いただいたんで、ぜひ、特に重要な問題だからこそご説明をいただきたいというふうに思いますので、改めて、こうした説明をこれからも、視察も含めてしていただきたいということを強く強く要請させていただきたいというように思います。
 この事業者もですけれども、結局、説明責任は果たしていないといわざるを得ない状況、都合の悪いものを、何とか説明を逃れて逃げ切ろうというようなことになりますから、東京都は事業者と一体として進めるところがあろうかと思いますから、さっき築地の話、ちょっと出ましたけれども、事業者と一緒になってやることなんかいっぱいあると思いますから、ぜひ事業者側にも同じことを伝えていただいて、事業者にいえば、東京都がいえば、最初に都市整備にいえば環境局がといったんですよ。環境局は事業者ですって、たらい回しになるというようなことになります。ぜひ改めて強く、視察の受入れ、説明については申し上げたいと、要請させていただきたいというふうに思います。
 その上で、この神宮外苑地区の再開発について、様々な議論がありますが、私たちも見直すべきだというようなことを話しています。
 ただ、現実的に、いろんな意見を聞かせていただく中で、この許可、取り消すことっていうのはできないんだよという話もよく聞きます。法的にそれは無理なんだよというようなこともあります。いやいやできるんだという話もあります。
 ここでちょっと確認したいと思いますが、そもそも神宮外苑の再開発について、許可を取り消すことというのは可能なのかどうかお伺いします。

○池内防災都市づくり担当部長 都市再開発法では、申請が法に規定する認可の基準を満たす場合には認可しなければならないと定められておりまして、これに基づき適切に認可したものでございます。

○西沢委員 基準を満たす場合には、認可しなければいけないというようなことでありまして、逆にいうと、基準に満たなければ認可しては駄目だということでもあります。
 この計画について、これまでずっと議論を重ねてきましたから、そのことだけ確認できればいいんですけれども、少なくとも、やはり法にのっとって適切に認可を実施するということは、事業者とやっぱり東京都が一体となって、このことについて本当に緊密に話していただくことが重要だというふうに思っているんですね。
 この認可についても、私たちは再開発そのものは反対しないということを冒頭申し上げました。都市計画の審議会においても私たちも賛成しました。でもその中身について、やっぱりちょっとおかしいところがあるんじゃないかということを申し上げているわけであります。
 なので、さっきちょっと視察の話も、事業者のことだからとかではなく、東京都がそういった意味では責任を持ってやると。私たちは代表質問の中では、東京都が率先して取り組むべきものというふうに申し上げたのは、そういったところでありますから、ぜひそういうふうな形で対応いただきたいというように思っています。
 基準を満たした場合は、認可しないといけないという話でありますけれども、逆にいうと、そういった意味では、皆さん職員の立場からしてみれば、そういうふうにせざるを得ないというところはあろうかと思います。
 だから、私たちは政治判断も必要じゃないかと、それこそ発信力のある知事が、既に局長と連名で事業者側にも申入れをされておりますけれども、そうしたことをさらに進めていくというようなことで、道が開けるんじゃないかというふうに思っています。
 改めて、市民からの声を受け止めとして、今後、東京都としてできる対応、これを行うべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○山崎都市づくり政策部長 事業を進めるに当たりましては、広く都民の理解と共感を得ることが重要であり、都はこれまでも事業者に対して、既存樹木の保全や分かりやすい情報発信などに取り組むよう要請してきております。

○西沢委員 今も、事業者に対していいましたというご答弁でありまして、それも当然だと思いますけれども、情報公開ということを改めて、事業者だけでなく、東京都自身が行っていくということを要請したいというふうに思います。
 神宮外苑についてはこの辺でございますけれども、再開発ということについて、ちょっと秋葉原の開発についてお伺いをして、確認をしておきたいというふうに思います。
 秋葉原の外神田一丁目について、再開発の事業化に向けた動きについて報道がされているところであります。
 現在の状況についてお伺いしたいと思います。

○池内防災都市づくり担当部長 現在、地元千代田区では、外神田一丁目南部地区の再開発の事業化に向け、都市計画決定の手続を進めております。

○西沢委員 手続を進めているというようなご答弁でございました。
 報道でしか見ていないわけですけれども、石丸電気の前社長が反対だという声を上げているということで、今後も恐らく注目が集まっていくのかなと思います。
 私は、石丸電気って聞くと歌が入ってくる。多分、若い職員さんとかは知らない人も、議員さんの中でも地方出身の方は知らない人も多いと思いますが、(「歌ってみよう」と呼ぶ者あり)いやいや、歌わないですよ。石丸電気さんとか、オノデンとかですね、佐藤無線とか……(「知らないです」と呼ぶ者あり)あ、知らない。そうですか。もうショックなんですけれどもね(発言する者あり)いやいやいや、質疑と関係ないんで、すみません。
 そういった意味では、知る人にとってはかなり注目する、秋葉原の開発と聞くと、あっ、あのことかと、あそこかということで、ぱっと頭に浮かぶんですよね。
 そうした中で、確認ですけれども、地権者の三分の二以上の同意が得られる見通しだというふうにございましたが、この三分の二という数字が持つ意味というものはどういうものなのかお伺いいたします。

○池内防災都市づくり担当部長 都市計画決定された後に、再開発準備組合は、地権者の合意形成を踏まえ、都に組合設立のための認可申請を行うこととなります。
 都市再開発法では、この認可に当たり、区域内の土地所有者及び借地権者、それぞれの三分の二以上の同意を得ることなどが必要とされております。

○西沢委員 三分の二、土地所有者と、それから借地権者もですね。ということの三分の二以上取ることで、組合を設立できるというようなことになります。
 いろいろ聞いたところといいますか、話をもらうと、東京都が土地をその地域で持っていると。区も持っていてということですけれども、東京都が土地を持っているので、この三分の二に届くか届かないのかというのは、やっぱり東京都の判断によるところがあるというようなことで、東京都の判断はどうなのかというようなことに注目が集まるわけであります。
 この地区には、財務局と、それから住宅政策本部が所管をしている、土地を持っているのはですね、その局、それぞれの局が持っているというようなことと聞いておりますが、そういった意味では、都市整備局所管ではないので答えづらいのかとは思いますが、一般論として、再開発地区内、同じようなケースで、三分の二とかというときもそうですけれども、これに東京都として賛成するのかとか、反対するのかとかというのは、どういう基準があるのかというのを確認したいと思いますが、一般論として、こういった再開発地区内に都有地がある場合、都はどのように関わっていくのでしょうか。お伺いいたします。

○池内防災都市づくり担当部長 都有地の取扱いにつきましては、当該土地を所管する局が当該地の利用状況等に応じて判断するものでございます。

○西沢委員 所管局が利用状況に応じて判断するということで、都市整備局は手続を進めている部局というようなことで、都市整備局が決めるということでもないというようなことが確認できました。
 また、いろんな事情の中で、自然に何か、何%だったら賛成するとか、こういう土地の価値だったら反対するとかということは、決まっているのかなと思ったんですけど、そうでもないということで、所管局の、つまり一般論として聞きましたが、今回の外神田の開発については、財務局と、それから住宅政策本部が判断するというのが今の答弁で分かりました。今後についてはちょっと注視したいということだけ、今日は申し上げておきたいというように思います。
 続いて、都市計画道路の事業化についてお伺いしていきます。
 再開発の話になると、どうしても道、道路の話、避けて通れないわけであります。私の地元にも、都道で都市計画道路が幾つも通っておりますけれども、なかなか進まないということで、地権者の方や地元の方から様々なご相談をいただくところであります。
 そうした中で、現在、東京都第四次事業化計画というようなものがございまして、二〇一六年から二〇二五年までというようなことで進められているということですので、今、二〇二三年ですから、そろそろ第五次計画の話が出てくるのではないかというような状況だと思います。
 そこで改めて、まず最初に、東京の都市計画道路について、事業化計画に基づき事業の推進に努めてきていると思いますが、現在の事業化計画の目的並びにこれまでの策定経過についてお伺いしたいと思います。

○三宮都市基盤部長 都は、都市計画道路の整備を計画的、効率的に進めるため、平成二十八年に現計画である第四次事業化計画を区市町と共に策定しております。
 都はこれまで、区部では昭和五十六年、多摩地域では平成元年より、おおむね十年ごとに事業化計画を策定してまいりました。

○西沢委員 都市計画道路の整備についてのこれまでのいきさつ、確認させていただきました。
 計画的、効率的に進めているというような話でございましたが、ではどれくらい計画に基づいて事業を進めてきたのかをお伺いしていきたいというふうに思います。
 今、第四次計画という話でございますけれども、第三次計画と、二〇一五年度ぐらいまでの話、計画においてですけれども、優先整備路線のうち、事業化した路線の着手率についてお伺いしたいと思います。

○三宮都市基盤部長 第三次事業化計画の優先整備路線の着手率は、同計画終了時点で、都施行は約六割、区市町施行は約三割となっております。

○西沢委員 全ての路線が事業化されていないというようなことが分かりました。
 これは、地域の事情により、もちろん適切に判断しているというふうに理解をしておりますが、第三次計画で優先整備路線のその後、位置づけが気になると思います。第三次では、結果的には全部造られるわけでもない、事業着手すらしていないというところが結構あるよという答弁でありました。
 じゃ、その後、第三次計画の優先整備路線のうち、第四次事業化計画で優先整備路線から外れた路線、つまり、第三次が終わった後に、そこでできなくて四次になったと。四次の中では含まれたのかどうかということで、この四次計画から外れた路線がどれくらいを占めるのかお伺いします。

○三宮都市基盤部長 第三次事業化計画の優先整備路線のうち、第四次事業化計画で外れた路線については、路線延長として一割未満でございます。

○西沢委員 つまり、着手しなかったものでも、ほとんどは次の計画に位置づけているというようなことだろうというふうに思います。割合は多くないものではあろうかと思いますが、周辺の交通状況や地域の実情に応じて、優先的に整備すべき路線については、柔軟に検討しているというようなことが分かりました。
 最後に、この計画についてですけれども、この四次計画の進捗、第四次計画における優先整備路線の着手率と、優先整備路線として選定しなかった路線の着手率についてお伺いしたいと思います。

○三宮都市基盤部長 第四次事業化計画の優先整備路線の着手率は、令和四年度末時点で約三割となっており、優先整備路線として選定しなかった路線の着手率は、令和四年度末時点で一%未満でございます。

○西沢委員 令和四年度末時点ということでありますが、一%未満というようなことでありますから、これはやはり優先に位置づけられないと、なかなか着手がされないというようなことが分かったわけであります。改めて、この優先整備路線に位置づけられるということが極めて重要であるというようなことが分かりました。
 ただ、もちろん、無理やりそれを事業化しなければいけないということではなく、柔軟に対応しているというようなことも、今の質疑から分かりました。引き続き柔軟に、必要なものは必要だと。ただ、必要じゃないというものが、十年計画だとそういうものが出てくるものだというふうに思いますから、そういったところを慎重に位置づける作業を進めていただきたいというふうに思います。
 この質問、ちょっときっかけとなったのは、私、地元でも、青梅街道とか、地元の話で恐縮ですが、やっぱり優先路線に位置づけられないと当然進まないわけでありますけれども、八年ぐらい前にそうなったときに、つけられませんと、四次にもつけられませんとなって、第五次、二〇二五年になったときに、そうなった場合は、結果的に、十年後の話になると、もう既に築二十年ぐらいたっていたとしたら、さらに二十年ぐらい先、十年から二十年ぐらい先になってしまう。それでもならないかもしれないという話になると、常に高い建物が建たないです。
 走ってみると分かりますけれども、コの字型にやっぱり——コの字じゃないですね、こういう形になりますから、そうすると、やっぱり地権者の方々からすれば、最初から壊す時期、築四十年とか五十年ぐらい、最近は延命がありますけれども、RC住宅でもやはり六十年という形を見据えたりすると、今既にそういった土地建物を持っている方々からすると、何なんだこれはというようなことになります。
 そうしたことを改めて考えた上で、それはまた別の施策が必要になろうかと思いますけれども、位置づけについては、引き続き柔軟かつ慎重に対応していただきたいということを申し上げたいというふうに思います。
 続いて、ホームドアについてお伺いをしたいというふうに思います。
 ホームドアの整備ですね、私は都議会議員選挙に出るに当たって、前の会社の先輩が、これをいってくれよということをいわれていたということもありまして、やはりサラリーマンに限らず、電車を使う方々からすれば、ホームドアが整備されていないと不安だという声をたくさんいただくわけであります。
 そうした中で、ホームドアの整備については、「未来の東京」戦略で令和三年二月に公表されたものから二年半がたったわけであります。ここでホームドアの整備について目標値をつくっているわけでありますが、この間は、コロナの問題であったり、それから物価高であったり、厳しい社会環境の変化というものが続きました。
 その変化の上でも、今、ホームドアの整備についての目標値、目標の設定値は変わっているんでしょうか、変わっていないんでしょうか。確認したいと思います。

○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 都は、「未来の東京」戦略におきまして、ホームドアについて、地下鉄駅では二〇二五年度に一〇〇%、JR及び私鉄駅では、二〇三〇年度に約六割の駅で整備することを掲げておりまして、この目標に変更はございません。

○西沢委員 二〇二五年度までには地下鉄は一〇〇%ですね。二〇三〇年度までにはJRと私鉄で六割というようなことであります。
 十万人以上の乗降客の多い駅については、既に高い整備率になっているところもありますけれども、そうじゃないところもたくさんありますから、そういった意味では高い目標かとは思いますが、変更はないというようなことですから、ぜひそれは取り組んでいただきたいなというふうに思うわけなんであります。
 このホームドアの整備というようなことでありますが、私は、平成十八年の都が公表した「十年後の東京」実行プログラム、石原都政のときですけれども、これ、たまに私、いうんですけれども、私、初当選したのは平成二十一年なんですが、そのときに、もう既に平成十八年に東京都が十年後の東京、つまり平成二十八年までに、ホームドアまたはホーム柵、転落検知マットなどを都内全ての駅に設置しという目標を立てているんですね。
 これを見て、私は二十一年に初当選したときに、二十一年ですから、あと七年後までにはホームドアを設置するんだと、東京都はすごい頑張っているんだというようなことで、応援をする気持ちになっていたわけでありますが、結果的には全部つかなかったわけですね、ホームドア。
 これ何でなんだというようなことを聞いたところ、当時は、これは等が入っている。転落検知マットなどを都内全ての駅に設置しということが入っているわけで、転落検知マット等、それから、等というのは内方線だそうです。点字ブロックですよね。あれがやっているから、全ての駅、目標は達成しているんだというようなことだったんですね。
 これで私、愕然としたわけですよね。それこそ、以前からホームドアを設置してほしいという先輩の顔も浮かびましたし、そういうことなのかというようなことで愕然としましたが、東京都からしてみれば、いやいやと、目標は達成はしておりますということであります。
 なので、今回改めて、二〇三〇年度末まで、先ほど答弁がありました「未来の東京」戦略におけるホームドア整備の目標での六割、これは、そういうなどとか、転落検知マットとかじゃなく、ホームドアの設置と、ホームドアのみを対象としているということでいいんでしょうか。確認したいと思います。

○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 「未来の東京」戦略で示した目標は、ホームドアの設置を対象としたものでございます。

○西沢委員 ホームドアの設置ということで、ホームドアなどでも、等でもないということを改めて確認をさせていただきました。
 厳しい、高い目標だし、東京都は、東京都営交通は、頑張って来年度までにつけるということでありますが、当然、民間の話になっていくと、なかなか東京都、自治体としての役割だけで目標を達成するというのは、様々な事柄があって難しいとは思いますが、ぜひ一層目標の達成を目指して、ホームドアの設置を加速すべきだというふうに考えます。
 今後どのように取り組んでいくのか、見解をお伺いします。

○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 都は引き続き、区市町との連携などにより、鉄道事業者の取組を支援するとともに、鉄道事業者が作成した整備計画について前倒しを求めるなど、ホームドアの早期整備を働きかけてまいります。

○西沢委員 ぜひ、前倒しを求めるなどということで、前倒しをしてでもやっていくという覚悟を示していただいたものかと思います。前倒しじゃなくても、とにかくホームドアを設置するということが、極めて転落防止にも役に立つということは、もう論をまたないわけでありまして、引き続きぜひご努力、ご尽力いただきますようお願いを申し上げます。
 次に、鉄道の話で同じでありますけれども、踏切対策についてお伺いをしていきたいというように思います。
 踏切対策は、自治体によっても開きがあると思いますが、私、中野区の地元で大変恐縮でございますが、やっぱり西武鉄道の踏切の除却というものは地元の悲願でございまして、そのことについてもお伺いをしていきたいというように思います。
 都が平成十六年に作成した踏切対策基本方針であります。結構古いですよね、平成十六年。鉄道立体化の検討対象区間として二十区間、それ以外の重点踏切については、鉄道立体化以外の対策の検討対象区間として位置づけ、踏切対策を進めていくこととしております。
 そこで、都内における踏切対策のうち、鉄道立体化の検討対象区間及び鉄道立体化以外の対策の検討対象区間について、それぞれ進捗についてお伺いしたいと思います。

○三宮都市基盤部長 踏切対策基本方針における鉄道立体化の検討対象区間につきましては、六路線七か所で連続立体交差事業が事業中であり、三路線四か所で事業化に向けた準備を進めております。
 鉄道立体化以外の対策の検討対象区間につきましては、踏切道の拡幅や警報時間制御などの踏切システムの改善など、個々の踏切の状況に応じて、早期に実施可能な対策を実施しております。

○西沢委員 踏切対策は、策定して数年で全部踏切をなくすということは当然できないというふうに私も思います。かなりの大変な事業であるものの、やはり進めなければいけないものは進めていただきたいと思っております。
 この中野の西武鉄道ですね、今話がありました区間の中では、中井駅から野方駅というところがかなり進めていただいて、建設局が進めていただいているわけでありますけれども、私たちとすれば野方以西、野方駅から西側の方がまだまだできていないと。
 この地域に関しては、私も、ややこしい話もありますけれども、中野区内においては、野方駅という駅がありますけど、この踏切については、除却というのもやっぱり地元の悲願なんですね。ここを何とか除却したいと。目の前の駅です。
 ちなみに、私、ここで電車事故も見たことあるんですね。街頭演説中に目の前で事故を目撃したりとかして、やっぱりこの踏切が残るのかって考えると、これは何とか除却しなきゃいけないと。これは中野区も考えてもらっているわけでありますけれども、そうすると、そこの隣、隣の駅、隣の隣の駅となっていくと、そこにも当然影響していくわけであります。
 鷺ノ宮駅の周辺になりますと、周辺のまちづくりにも関わってきますが、目の前を東京都道が走ってあります。ここについても拡幅の工事があると。さらに、目の前は妙正寺川が流れていますから、調節池を造るというような話になると、どうしてもここも一緒にやらなきゃいけない。踏切の隣に川が走っているものですから、それも一緒にやるのがなかなか難しいと。
 さらにその隣には、住宅供給公社が西住宅を持って、建て替えを、もう既に期間を超えるほど、地元としても建て替えは悲願であります。
 そういった意味で、どれが欠けても、道路を造るにしても川をやらなきゃいけない、川をやるにしても立体化しなきゃいけないし、立体化するにしても、住宅供給公社の建て替えがセットじゃないと、ちなみに住宅供給公社、だから道が入れないんですね。ダンプカーが入れる道が、道幅がない、本当に古いものですから、ということから、周辺を一気に考えなければいけないというようなことにあります。そうした難しい局面の中で、中野区もやっていますが、東京都がやはりやらなきゃいけないところもあろうかと思います。
 改めて、西武新宿線について、鉄道立体化に向けた取組状況をお伺いしたいというふうに思います。

○三宮都市基盤部長 中井駅から野方駅付近、東村山駅付近については、既に事業着手しておりまして、井荻駅から西武柳沢駅付近及び野方駅から井荻駅付近につきましては、建設局において事業化に向けた準備を進めております。

○西沢委員 答弁はそんなところだろうというように思いますが、少なくとも今後、様々な東京都との絡みが出てきますので、引き続き、地域の悲願を達成すべくご努力をいただきたいということを申し上げておきたいというふうに思います。
 続いて、建築物の耐震化についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 地元の話を、ちょっと恐縮ですがさせていただきましたが、私の地元にも特定緊急輸送道路というものがございます。
 これは東日本大震災以降に始まってきたものでありますが、なかなか進んでこなかったというようなところがあろうかと思いますが、改めて、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の目標と進捗とともに、まだ耐震化されていない建築物にはどのような課題を抱えているのかお伺いしたいというふうに思います。

○谷井耐震化推進担当部長 特定沿道建築物については、令和七年度末に総合到達率九九%以上とする目標に対し、令和五年六月末時点で九二・八%であり、分譲マンションの区分所有者間やテナントとの合意形成が耐震化の課題となっております。

○西沢委員 到達率で九九%という話がございました。それだけ聞くとすごく進んでいる、実際進んでいると思います。これが始まっていって、猪瀬さんの答弁で覚えていますけれども、なかなか進まなくてという話で、延長したりとかしてきましたが、今、大分変わってきて進んできたのかというようなことが確認できました。
 ただ、当時は、私は耐震化率というものをすごく気にしていましたが、今、到達率ということで、これまでも都市整備委員会でいろいろ議論があったというふうには聞いてはいますけれども、新たな指標である到達率というようなものが、数字のマジックじゃないのかというようなことも確認したいと思いますので、改めて、この目標の指標としている総合到達率の考え方についてお伺いしたいと思います。

○谷井耐震化推進担当部長 総合到達率は、特定緊急輸送道路において、都県境から任意の区間に到達できる確率を都内全体で平均したものであり、通行機能確保の観点から、総合到達率を目標の指標として用いております。

○西沢委員 到達率の考えについて分かりました。分かりやすいですよね、そういっていわれると。私もホームページを見て、地図が出ていますけれども、地図になってみると分かりやすいなというふうにも思います。
 ただ、分かりやす過ぎて、ああここかというと、地元の議員さん気になるところだと思いますけれども、場所場所が結構開きがあったりとかというようなことがあるんじゃないかなというように思いますが、少なくとも県境から、そこまで行けない可能性があるところはどこなのかというところが分かりやすくなっているという指標かなというふうに思います。
 ただ、併せて何か発表するとか、しているんだと思いますけれども、過去と比較ができるような形にしていただくといいんじゃないかなというふうに思います。
 それから、特定沿道建築物ですけれども、診断結果について、当初は、やっぱり地元でも、地元の結構有名な方の持ち物が、これはもう名前が出るというような話になるというようなことで、ちょっと大ごとになったりもしたこともありました。
 ただ、東京都としては、建物の名前を公開するというようなことで整備を促進していくという強い意思だったというふうに理解しておりますが、現在はどういう状況なのか、所有者の反応についてお伺いしたいと思います。

○谷井耐震化推進担当部長 特定沿道建築物の耐震診断結果を公表した平成三十年当時は、建物所有者等から問合せがございました。
 近年、問合せは少なくなっているものの、指導や助言を行うなど耐震化を促しております。

○西沢委員 ありがとうございます。
 近年問合せ、私もそういうことを聞く機会が少なくなってきたんですけれども、ほかにもそういうことがあるのかなと思って聞かせていただきました。少なくなっているけれども、もちろん対応しているよというようなことだと思います。
 引き続き一〇〇%に向けて、達成するのってすごく、九割ぐらいなっていると何となくいいじゃないかという感じがしますけれども、でも、さっきの話も同じですけど、目標を一〇〇%達成するのってすごく難しい話だと思います。
 総合到達率、地図で見ると、この路線、結構長い区間で到達が厳しいというところがあるななんていうふうに感じますから、そういったポイントをぜひ進めていただきたいというように思います。
 それで、耐震化についてでありますけれども、この耐震化については、私、不動産の事業をちょっとかじっているんですが、やっぱり旧耐震というと昭和五十六年のイメージがあります。一九八一年、旧耐震です。売買の取引とか大分、昭和五十六年築のものだったとしても、今、築四十二年というようなことで、大分古い、それでも古いものになりますが、数年前まで、今もそうですけど、結構流通しています、それが中古住宅として旧耐震ですよと。新耐震ですよという形だと、築四十年ですけど、でも新耐震です新耐震ですというような取引が結構今でもあります。
 そんな中で、今回、東京都が平成十二年、つまり二〇〇〇年の新耐震基準、これも、二〇〇〇年にも建築基準法が改正されて、一九八一年の改正と二〇〇〇年の改正、両方あるわけでありますが、旧耐震と聞くと、私は一九八一年のことを思い出すんですね。
 ただ、二〇〇〇年での改修というようなことについて、耐震化を支援するというようなことを、東京都は今年から決めたわけであります。この理由について、まずちょっとお伺いしたいというふうに思います。

○谷井耐震化推進担当部長 新耐震基準の木造住宅は、令和四年に公表された被害想定では、耐震化による被害軽減効果が示されております。
 また、熊本地震では、一部で倒壊による被害が見られていることから、耐震化を支援することといたしました。

○西沢委員 これはいいことだというふうに思います。
 やっぱり二〇〇〇年に造られたもの、二〇〇一年、二年に造られたもの、築二十年ちょっとなんですよね。減価償却的な考えからいうと、そろそろ終わっていくというようなことで考えると、市場にこれからも出てくるというようなことになるんです。
 ただ、まだ築二十年ぐらいだと、業界だと結構築浅といういい方をします。築浅ですよというような、まあ投資向け物件なんか特にそうなんですね。築四十年ぐらいのものがまだまだ出ている中において、築二十年なんて、そう考えれば築浅だけれども、やっぱり耐震基準的には支援が必要なものなんだよということを、東京都からいっていくことは大事だと思います。
 二〇〇〇年基準といういい方をします。私もちょっとあまり理解なかったんですが、やっぱり旧耐震と聞くと一九八一年のことを感じるんで、二〇〇〇年基準ってどういうものなのかというものをネットで検索して、画像検索か何かすると、こういう日本木造住宅耐震補強事業者協同組合さんの資料が出てくるというようなことで、これが分かりやすいというようなことなんですが、東京都がいろいろチラシを作っていますけれども、東京都のチラシで、新耐震基準の木造住宅の耐震化を支援しますというと、一九八一年以降のものだから、もちろんうそでもないし、そのとおりだと思いますが、二〇〇〇年基準以降の、二〇〇〇年基準のもの、旧耐震じゃないけれども二〇〇〇年基準までのもの、旧耐震ではないけれども二〇〇〇年基準をクリアしていないものを支援しますよというようなもので作っています。ちょっと、知っている人はもちろん知っているし、業界の人は当然なんですけれども、分かりづらいんじゃないかなと思います。
 改めて、こういう資料も、民間から持ってくるんじゃなくて、東京都の方で作ったらどうかなと私は思うんで、これは聞きませんけれども、そういったことをご検討いただいた上で、ぜひ二〇〇〇年基準、大阪の方でちらっとやっているんですかね、東京が初というわけではないのかもしれませんが、まあやっていてもちゃんとやっているのは東京都だと思いますから、東京都からまさに二〇〇〇年基準という言葉がしっかりとしたワードになるよう、やっていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後のテーマでございますけれども、豪雨対策についてお伺いをしたいというふうに思います。
 先月ですかね、東京都豪雨対策基本方針の中間取りまとめというものが出されました。一月ほど前の話でしょうか。
 これは、新たな基本方針ということでお伺いしていきたいと思いますが、都市整備局、建設局、下水道局、三局で取り組んだものだということでございますが、そもそもこの基本方針はどういうものなのかお伺いします。

○三宮都市基盤部長 豪雨対策基本方針は、豪雨による水害に対する自助、共助、公助の考え方を踏まえ、河川整備、下水道整備、流域対策、家づくり・まちづくり、避難方策による総合的な治水対策の基本的な考え方を示すものでございます。

○西沢委員 基本的な考え方というようなご答弁でございまして、東京都におけるこういういい方は、イメージとしては上位計画と、上位の行政計画だというようなことだと思います。
 これを新たにしたというようなことでございますが、最近はですね、まあ近年、気候変動による影響というものが出ております。西日本豪雨や令和元年東日本台風であったりとか、今年は猛暑ですよね。気候変動というようなことで、何が最近のトレンドなのか分からないと。
 私もよくいっているんですけれども、十年に一度の気象だとか、二十年に一度の台風だとか、三十年に一度だとか、五十年以降だとか、よくいわれますが、こういういい方は、本当はしない方がいいんじゃないかと思います。
 切り抜き切り抜きで取ればそうかもしれませんけれども、ちょっと何か、ボジョレー・ヌーボーの評価みたいなもので、去年の方がよかったとか、今年は最高だとか、去年よりいいものだとか、そういういい方を変えて評価するというのは、私はミスリードを生むんじゃないかなというふうに思います。
 そうした中において、様々な豪雨、西日本豪雨であったり、台風であったり、猛暑であったりとかがあります。この豪雨対策基本方針は、こうした気候変動に対応するものなのかということを確認したいと思います。

○三宮都市基盤部長 今回の改定は、気候変動による激甚化、頻発化する豪雨に対応するため、豪雨対策の目標や各施策の役割分担等を見直し、強靱な都市を築くために行うものでございます。

○西沢委員 気候変動に対応するためのものだよというようなことだと理解します。
 TOKYO強靱化計画の一環かと思いますけれども、もちろんこの計画を見直して、これまでの常識とは違うもので対応するということは、非常に大事だというふうに思いますが、これをつくったから、もう対応できますということで当然ないわけで、柔軟に、今後どういう気候変動があるのかというのを、私たちも分からないところというものもあります。
 想定外を想定せよというようなふうにいわれたりしますけれども、逆にいうと、これだけ想定したんだけれども、こういったことがあったから想定外でしたというような、エキスキューズをできるための方針にはしないでいただきたいというようなことを申し上げさせていただきたいというふうに思っております。
 最後に、せっかく改定をしていたものですけれども、当然、都民の皆さんに広く知っていただくというようなことが重要かというように思います。
 そこで、広報の取組、広報に関するこれまでの取組状況についてお伺いしたいと思います。

○三宮都市基盤部長 当局が事務局を務める東京都総合治水対策協議会において、パンフレットを作成し、周知を図っているほか、中間取りまとめの公表と併せて、動画によるPRを開始したところでございます。

○西沢委員 広報について取組をということで、なかなか、今までの豪雨対策とか、ちょっとハード系の事業である中において、広く都民に知っていただくというようなことを、すみません、やってきたのかもしれないんですけれども、あまりそういった意味では、ほかの部局に比べれば、そこまで力を入れていなかった部分もあるんじゃないかなと思いますが、今回の広報ということで、都民一人一人にできることということを、私、ちょっとこれはすごいいいなというか、ちょっとお恥ずかしながら私自身もはっとさせられたというようなことがあります。自分でできることということで、例えばお風呂、みんなやっているのかな、豪雨の際は水を大量に抜くことを控えるというようなことって、私、やっていなかったなと思って、もちろん合流式とか、分流式によっての違いとかありますけど、そういう意識って、多分多くの都民の皆さんはあまり持っていないんじゃないかと思うんですね。
 自分の家は、区に住んでいて合流式だし、すごい雨降ってて、もう警戒も警報も出ているよというときに、そうかそうかといいながら、お風呂の水を大量に抜くというようなこともあったんじゃないかと思うんですね。
 最近、意識を変えていくことで防災意識というのは高まりますから、そういったことを、私もちょっと恥ずかしながら、そこはあまり意識していなかったものですから、これからお風呂の水は、そういったときに抜かないようにしようというふうに思いましたし、そういった意識をぜひ広報を通じて進めていただければということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいというふうに思います。

○松田(り)委員 よろしくお願いいたします。
 まず最初に、都市計画制度についてお伺いいたします。
 人口が増え、都市が拡大する時期においては、都市計画の役割は明確でした。新しいまちをどこにつくっていくのか、ニュータウンであったりベッドタウンと呼ばれる、私の生まれた年も、地元は東京ではありませんが、ニュータウンが数多くできていました。
 ただ、都市人口においても、今後、東京都内もそうです。人口が減る際には、都市計画の役割は変わっていくと考えています。
 既存市街地の再開発は、周期的にはもちろん必要になってきますが、果たしてその地域が再開発が必要なのか、開発に伴う無秩序な市街地の拡大や、市街地の中でも逆に再開発が誘導されず、市街地の荒廃が進む地区も、今後、東京都内でも発生をしてくるんじゃないかと思っております。
 市街地の人口密度の低下が進めば、やはり高齢化に加えまして、インフラの効率性の低下であったり、維持管理のコストの問題が新たに出てくると思います。
 また、東京都内であれば、人口の減少については、地方に比べると緩やかでありますが、高齢化の問題については避けては通れません。高齢者の方は移動手段が限定をされ、若年層に比べると、日常の移動距離は短いといわれておりまして、より一層、コンパクトなまちづくりが、今後のこの東京でも求められてくると考えております。
 このような問題、既に地方では起こっておりますが、東京都としても、この先、どのような都市計画を進めていくのか、在り方が問われてくると考えております。
 そこで質問ですが、今後は、市街地区域から市街化調整区域地域に見直すなど、人口減少時代に合った制度の運用が必要だと考えますが、見解を伺います。

○山崎都市づくり政策部長 用途地域等に関する指定方針及び指定基準では、立地適正化計画等の運用の状況を踏まえ、今後の人口動態の推移などを勘案し、長期的な取組の方向性として、まとまりのある緑空間としていくべき区域については、将来的な市街化調整区域への編入を検討することとしております。

○松田(り)委員 ありがとうございます。
 ただ、なかなか、市街化区域はですね、市街化調整区域地域に見直すという問題については、地元自治体であったりとか、あとは利権者の、住民の皆さん等も含めて難しい問題だとは思いますが、都市の無秩序な再開発を防ぐためにも、めり張りのある制度運用を行っていただければと思います。
 この問題については、用途地域についても同じ問題は抱えていると思います。人口減少社会を見据えた場合、用途地域制度についても、今は、現在の姿のみを表すことになっておりますが、現在の姿と将来の姿の両方を考えていくことが必要だと思います。
 このため、用途地域についても、現在だけでなく、将来の目標値を立てるなど、制度の見直しが必要と考えますが、東京都の見解を伺います。

○山崎都市づくり政策部長 人口減少社会も見据えた都市づくりのグランドデザインで示しております二〇四〇年代の目指すべき都市像の実現に向けまして、東京の土地利用を適切に誘導していく必要があり、用途地域等に関する指定方針及び指定基準に基づき、適切に用途地域等を定めております。

○松田(り)委員 市街化区域の変更や用途地域の将来図については、先ほどもお話をしたとおり、なかなか地元自治体としても、住民の皆さんとしても、難しい部分はあるとは思うんですけれども、しっかりと行政として将来図というのを描いていくというのも一つの役割だと思っておりますので、議論を進めていただくことをお願いを申し上げます。
 続きまして、総合設計制度についてお伺いいたします。
 都内中心部では、総合設計制度の適用の建物が隣接するケースも増えてきております。総合設計制度の中の公開空地という意味では、本来、この公開空地がいかに有効的に使われるのか、こういう部分で制度設計がされているとは思いますが、隣接するケースの場合、連続性がなく、隔離された公開空地になってしまったり、また、せっかくの公開空地が空間としてのみ存在をしており、なかなかうまく活用できていない、利用できていない公開空地も増加しており、公開空地の本来の目的が達成されていない区域も、区画も発生をしております。
 東京都では、都市開発諸制度等で生まれる公開空地においては、緑のネットワークの形成や、快適性、安全性、景観などと、その価値を一層向上させることを目的とした公開空地等のみどりづくり指針が策定をされています。
 その中で、総合設計制度を活用する敷地内での公開空地の外周に設ける塀やフェンス等については、緑の連続性であったり、隣地との交流が図れるように、できる限り塀やフェンスを造らず開放的に、さらに、バリアフリーの面からも段差を解消させる等、敷地を越えて連続できるよう、建築計画を東京都として誘導すべきだと考えますが、見解を伺います。

○飯泉市街地建築部長 都は、地区計画など地域のまちづくり計画も踏まえまして、公開空地と隣接する敷地の空地などが連続し、バリアフリーにも配慮された空間となるよう、引き続き周辺市街地の環境整備に資する建築計画を誘導してまいります。

○松田(り)委員 ありがとうございます。
 公開空地については、どうしても利用したいことであったりとか、あとは開発の時期によって、なかなかその連続性の部分については難しい部分もありますが、ぜひ引き続き、地元自治体とも連携をしながら、周辺の地域の住民の皆様が活用できる公開空地の設計であったり設定を、誘導をお願いできればと思います。
 次に、公開空地については、連続性の問題だけでなく、質の点についても課題を感じる部分があります。
 現在は、総合設計制度において、容積率の割増しに当たっては、連続性を確保するだけでなく、緑も連続させるなど、公開空地の質を高めていくという取組があって、重要だと考えるんですけれども、その点について都の見解を伺います。

○飯泉市街地建築部長 総合設計制度で設ける公開空地につきましては、公開空地等のみどりづくり指針に適合させた上で、周辺の緑との連続性や樹種の多様性など、緑の質を評価することによりまして、容積率を割り増すことができることとしております。

○松田(り)委員 都心部においては、まだまだ人口が増加をする、そういう基礎自治体もあります。今後、人口増加の中では、総合設計制度を利用した公開空地も増加をすることが予想されますので、ぜひこの質の向上に向けても、容積率の緩和はもちろんのことながら、事業者が質の向上にインセンティブが働くような運用をご検討いただければと思います。
 次に、広告宣伝車に対する屋外広告物規制の考え方について質疑をさせていただきます。
 令和五年度第二回東京都広告物審議会において、広告宣伝車に対する規制についてはどのようなことが審議会で議論されたのか伺います。

○真島景観・プロジェクト担当部長 さきの審議会では、都内を走行する都外ナンバーの広告宣伝車に現行の都条例の規制を適用することについて、議論が行われたところでございます。

○松田(り)委員 ありがとうございます。
 審議会の資料を確認させていただきますと、現在の都内の繁華街では、トラックの荷台等に屋外広告物を表示した広告宣伝車が、派手な色使いや過度の発光を伴って低速で周回走行しており、良好な景観形成への影響や交通環境の悪化の問題が生じている等、課題感が示されておりました。
 コロナ禍では、東京都としても、都外ナンバーの利用した広告宣伝車を運行していたと聞いております。東京都としてこれまで広告宣伝車を運行した例は幾つあるか、その際に、今回の規制対象となるLED等を使用した例は幾つあるのか伺います。

○真島景観・プロジェクト担当部長 公共的目的の広告は許可不要でございますが、過去三年間に都の事業で広告宣伝車を使用した例は、東京屋外広告協会の自主審査の記録では五件あり、LED等を使用した例は確認されてございません。

○松田(り)委員 すみません、ちょっと一点確認なんですけれども、自主審査の記録は、今、五件ありと答弁をいただきましたが、それが全て東京都の運用実績なのか。それとも、これは自主審査の記録が五件であって、自主審査を受けていない例というのはあるのか、確認をさせていただけますでしょうか。

○真島景観・プロジェクト担当部長 そのような事実は、確認できておりません。

○松田(り)委員 ありがとうございます。
 また、一部報道では、東京都が当初コロナ禍で走行させようとしたデザインが、東京屋外広告協会から修正の指摘があったと報道がありましたが、事実かどうかお伺いいたします。

○真島景観・プロジェクト担当部長 東京屋外広告協会のデザイン自主審査の中で、当初のデザインでは赤色が鮮やか過ぎたため、修正を依頼したと聞いております。

○松田(り)委員 すみません、ちょっとその話はまた後ほどさせてはいただくんですけれども、まず東京都への許可申請について、先にお伺いできればと思います。
 東京都への許可申請前には、この屋外広告協会にデザインの自主審査を受けることが求められるということになっており、審査を受けなければ許可申請ができないということになっています。
 ただ、この審査については、自主審査という表現をしておりますが、自主審査という表現を改める必要があると考えますが、東京都の見解をお伺いいたします。

○真島景観・プロジェクト担当部長 広告宣伝車のデザインについて、屋外広告業の業界団体である東京屋外広告協会が自ら基準を定めて審査を行っているものでございます。

○松田(り)委員 ありがとうございます。
 私もちょっと、自主審査という表現から、自主的に審査を受けるものだというふうに最初は認識していたこともあり、屋外広告協会が自ら基準を決めているので自主審査という答弁だったと思います。
 その審査の内容を見ていきますと、一般基準においては、都市景観の調和を損なうもの、公序良俗に反しないことと、非常に曖昧な表現がなされています。
 この二つに適合するかどうかについては、屋外広告協会が判断することで間違いないのか、また、自主審査において、どの点で許可ができなかったのか、下りなかったのかは、申請事業者には説明をされるのかお伺いいたします。

○真島景観・プロジェクト担当部長 自主審査の際は、基準に適合するか否かについて、東京屋外広告協会が一方的に判断するものではなく、申請者と対話をしながら、よりよいデザインとなるよう誘導していくと聞いております。

○松田(り)委員 今後、この審査が始まると、これまで審査を受けていなかった事業者が多く審査に来ることが予想されますので、ぜひ一方的に判断するものではなく、答弁のとおり実施をしていただくことを望みます。
 ここで、広告宣伝車のデザイン自主審査基準を見ていると、四つ挙げられております。運転者の誤認を招くような広告物として、発光、蛍光など、反射効果を有する材料を使用するもの、自動車の方向指示器や制動灯と紛らわしいもの、信号機または道路標識等の効果を妨げるもの、このあたりまでは私も理解はできるのですが、運転者の注意力が散漫となる広告物として、デザイン構成がストーリー性のある四こま漫画や映像表示となっているもの、文字表記が縦書きであるもの、車体後部の文字表記が多いもの、絵柄や文字が過密であるもの、車体後部に電話番号やホームページアドレスが記載されているものも、今回、審査の対象というか、禁止の事項に挙げられております。
 なぜ文字表記が縦書きであるものが注意力散漫となる広告になるのか。ホームページアドレスを示されて、ホームページをその場で検索する人もなかなかいないなと思うんですけれども、ホームページ等が示されているのが注意力散漫になると考えているのか、都の見解を伺います。

○真島景観・プロジェクト担当部長 東京屋外広告協会が定めた禁止事項につきましては、交通安全の観点から、運転者の注意力が散漫になる広告物として自主的に設定したものでございます。

○松田(り)委員 ありがとうございます。
 今の答弁を聞かせていただくと、あくまでも審査基準自体は、東京都ではなく、屋外広告協会が自主的に審査基準を設定していると。なぜ縦書きが駄目なのか、ホームページアドレスが記載をされていると禁止事項にあるのかは、あくまでも広告協会が自主的に審査を設定しているとのご説明だと思います。
 ただ今後、都内を走行する際は、あくまでも許可申請手続に協会による審査を必ず受けなければいけないと。それがなければ、東京都への許可申請はできないというふうな制度になっています。
 東京都としても、自主審査基準がどのようになっているか、本来であれば十分理解が必要なはずです。
 少し三つ前ですかね、の質疑に戻らせていただきますと、本来、自主審査基準がどのようになっているのか、東京都が理解をしていなければいけませんが、前述では、東京都が走らせました——コロナ禍ですね、広告宣伝車においてもデザインの修正が入ったという答弁がありました。東京都が、屋外広告協会の許可申請の自主審査を受けなければいけないといっているにもかかわらず、この実施主体である東京都がこの内容を理解していないということになると考えます。
 実施主体である東京都でさえ理解をしていない審査基準を、果たして民間企業に、自主審査という名の下に強制をさせることが正しいのか、甚だ疑問に感じる部分であります。
 これだけ多様な広告宣伝車は、東京の新しい文化であり、これまでなかった新しい表現だと思っております。ここまで新しい多様なアドトラックが増えたのも、これまで都内を走行する都外ナンバーの広告宣伝車に対して、都条例が適用されなかったからこそ、ここまで新しい表現としてのアドトラックが広まったと考えます。
 パブコメも十二月には実施予定と聞いておりますので、パブコメも経て、改めて、この審査方法であったり、今の制度について、今後の制度について見直しもするなど、慎重な判断を求めます。
 第二回定例会でも、一般質問でも広告宣伝車について取り上げさせていただきました。その後、多くの民間事業者から反響がありました。
 都内の広告会社からもヒアリングを行いましたが、広告宣伝車、なぜこれだけ増えたのかと聞くと、やはり広告業界でも宣伝効果が非常に高く、今は、新しくこの掲載案件に応じた自動ルートの算出であったり、また走行位置に合わせた自動音量のコントロール、外光に合わせたディスプレー面の照明度のコントロールなど、本当に日本独自のイノベーションが起きようとしているさなかでもあると思っています。海外にも、このノウハウは輸出は十分可能だというふうなお話も聞かせていただきました。
 今回の規制強化の報道を受け、新たな規制によって、もう既に撤退を考えている企業、そして、新しく改正される条例に適合したアドトラックを新規事業として検討している企業もあると思います。
 ここまで多様なアドトラックの日本独自の発達を遂げているのも、今の東京都があったからだと思っています。新しい表現を受け入れる度量も、都市としても、私自身としては必要ではないかと思っております。
 最後に、デザイン審査ではなく、交通環境の悪化の問題について伺います。
 先ほどの審議会においては、広告宣伝車が低速で周回走行していることについても、審議会として課題を持っていると記載がございました。
 東京都として、低速周回走行についてどのような対策を考えているのかお伺いいたします。

○真島景観・プロジェクト担当部長 低速で周回走行していることにつきましては、広告宣伝車の問題の一つとして取り上げたものでございます。

○松田(り)委員 ありがとうございます。
 先ほども述べたとおり、広告宣伝車、アドトラックの広告効果は非常に高いと評価をされており、新しい規制があった後も、さらに新規事業者が増えてくるんじゃないかと、先ほどヒアリングをした企業の方もいっておりました。
 新しい表現の部分の規制については、デザイン規制ですね、パブコメを経て実施をされるふうに、今、流れとはなっておりますが、ぜひこの規制プラスアルファで、アドトラックの走行自体に新たな規制をかけることがないようお願いを申し上げまして、本日の質疑を終わります。ありがとうございました。

○土屋委員 よろしくお願いいたします。
 首都直下地震、いつ起きてもおかしくないといわれている中で、安全で安心できる都市の実現は急務であります。
 東京の防災対応力の強化を図るため、耐震化を進めることが重要でありまして、各会計決算特別委員会の分科会質疑においても、耐震化の取組を伺ったところであります。
 先日の質疑に対し、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を促進するため、法や条例に基づく指導、指示を行うこととしているとのご答弁がありました。
 そこでまず、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に向け、指導、指示をどのように進めているのかお伺いいたします。

○谷井耐震化推進担当部長 令和四年一月に特定沿道建築物の指導、指示等の進め方を公表し、都所管のうち、倒壊の危険性が高い建築物の所有者に対し、目標年次の令和七年度末までに耐震化を完了するよう指導、指示を行っております。

○土屋委員 令和四年に進め方を公表したとのことですが、令和四年度と五年度の取組の内容についてお伺いいたします。

○谷井耐震化推進担当部長 令和四年度は耐震化を促す指導文書を建物所有者に送付し、令和五年度は、設計等への着手が確認できない方に対して指示文書を送付しており、必要に応じて都職員が説明に赴き、助言を行うなど、耐震化を促しております。

○土屋委員 この取組によりまして耐震化がどの程度進んだのか、取組の効果をお伺いいたします。

○谷井耐震化推進担当部長 指導文書を送付した建築物百七件のうち、その後、約一年間で補強設計等への着手が確認できたものが二十件でございます。
 引き続き、特定沿道建築物の耐震化に取り組んでまいります。

○土屋委員 百七件のうち二十件ということで、一年間で対象のおよそ二割に進捗が見られたということは評価いたします。
 しかしながら、残りのおよそ八割も含めて耐震化を早急に進めていく必要があります。東京を強靱な都市とするべく、引き続き耐震化に取り組んでいただきますようお願いいたします。
 次に、地域公共交通の取組についてお伺いいたします。
 高齢化が進む中、運転免許を返納する方や、また、けがなどの防止や安全面を考えて、自転車乗車をやめる方などが増えてきているとも聞いております。そのため、地域住民の足となり、住民の自由に移動できる手段を確保するためにも、公共交通の役割は重要となってきております。
 私が住む世田谷区では、急峻な地形や狭隘な道路により、特に子育て世代や高齢者などの移動が困難な地域が存在しておりまして、地域の特性やニーズに対応した移動手段の確保が求められています。
 そして、世田谷区の砧地区では、交通不便地域での移動手段を確保するため、区が主体となり、今年度よりデマンド交通の運行が行われておりますが、そこに都も支援していると聞いております。
 そこで、こうした区市町村が主体となった地域公共交通の取組に対する都の役割をお伺いいたします。

○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 都は、令和四年に策定しました東京における地域公共交通の基本方針に基づき、地域公共交通の確保、充実に向けて、区市町村が主体的に地域の交通課題の解決に取り組めるよう、技術的、財政的に支援する役割を担っております。

○土屋委員 この東京における地域交通の基本方針には、地域の将来像や今後の取組の方向性、そして具体的な支援策が盛り込まれております。そういった中で、こういった区市町村の積極的な取組を都が支援することが重要でありますので、引き続きしっかりと支援していただきたいと思います。
 一方、都内には、世田谷区と同様な地域の交通課題を抱える区市町村も数多くあると思います。世田谷区の取組は、ほかの区市町村でも活用することが期待されるものでもありますし、都から他の区市町村などにも共有すべきと考えますが、見解を伺います。

○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 都は、東京全体で地域公共交通の充実を図っていくため、地域のニーズに応じた移動手段の導入に取り組んだ先行事例を、区市町村が参加する行政連絡会等で情報提供、共有し、区市町村の取組を後押ししていきます。

○土屋委員 鉄道や民間バス、そしてコミュニティバスやデマンド交通、グリーンスローモビリティーなど、まちの変化などに応じて、地域交通も時代に沿ったものにしていく必要があると思います。
 今後とも、区市町村の意見などもよく聞いていただき、持続可能な地域公共交通の実現に向けて取組を行っていただくことを要望し、次の質問に移ります。
 踏切対策です。
 都内には、まだ数多くの踏切が残されておりまして、道路の渋滞や踏切事故の危険性など、多くの課題を抱えています。
 私の地元である世田谷区内では、京王線の明大前や千歳烏山駅付近では、連続立体交差事業が進められておりまして、踏切解消に向けた取組が行われているところでありますが、ほかの路線についても踏切解消を求める要望をいただく機会も多くあります。
 そこで、東急世田谷線については、路面電車のため性質が異なるかもしれませんが、東急世田谷線を除き、世田谷区内にどれだけの踏切が残されているのかお伺いいたします。

○三宮都市基盤部長 東急世田谷線を除きますと、世田谷区内には現在五十七か所の踏切が残されており、京王線の連続立体交差事業により、区内二十二か所の踏切が除却される見込みでございます。

○土屋委員 明大前や千歳烏山駅付近の踏切除却については、先ほど中野区のお話もありましたが、世田谷区民の悲願でもありますので、一日も早い事業完了をよろしくお願いいたします。
 同じく世田谷区内に目を向けますと、東急大井町線の自由が丘駅から等々力駅付近についても、東京都が策定した踏切対策基本方針において、鉄道立体化の検討対象区間の一つに選定されています。
 大井町線についても、朝夕のラッシュ時には踏切の遮断が著しく、ぜひとも踏切の解消を進めていただきたいと切望するところでありますが、京王線鉄道立体化の際にもそうであったように、鉄道立体化において、地元区の取組というのも大変重要だと思いますが、東急大井町線の鉄道立体化について、地元区の動きなどはどうなのかお伺いいたします。

○三宮都市基盤部長 本区間は目黒区と世田谷区にまたがっており、今年度、両区は連携し、大井町線、東横線の開かずの踏切解消に向け、調査などを実施していると聞いております。

○土屋委員 ありがとうございます。
 地元区の動きを踏まえ、都としても、東急大井町線の鉄道立体化に向けてきちんと取り組むべきと考えますが、本区間に対する認識を含めた都の見解と対応をお伺いいたします。

○三宮都市基盤部長 本区間の鉄道立体化については、地域のまちづくりと連動することから、地元区が主体となり、地域の将来像や、まちづくり方針等について検討するとともに、交差する道路整備計画との整合を図る必要がございます。
 都は、地元区が行うまちづくりの状況や道路整備計画の具体化などを踏まえ、適切に対応してまいります。

○土屋委員 行政、都民、企業などの連携により、踏切問題を早期に解決し、都市交通の円滑化のみならず、まちづくりや都市の発展実現に向けて取り組んでいただきますことを要望し、次に移ります。
 私も、地元の話の連発で大変恐縮ではありますが、私の地元中の地元である桜新町の商店街では、かなりの頻度によりまして、荷さばき車両でスムーズな通行が阻害されておりまして、荷さばきスペースの不足を実感しておるところでありますが、令和四年三月に東京都は総合的な駐車対策の在り方を策定し、その中で、共同荷さばきスペースの設置など、荷さばき車両に対する取組の方向性を打ち出しています。
 こうした方向性を踏まえ、集配中のトラックが荷さばき空間として駐停車できるスペースの拡充などを引き続き図っていく必要があると考えますが、都の取組をお伺いいたします。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 荷さばきスペースは、地域の実情に応じた配置が必要であるため、都は、区市町村が策定する駐車場地域ルールを活用した共同荷さばき場の設置や、コインパーキングの活用などにより、引き続きその確保に努めてまいります。

○土屋委員 路上駐車車両により集配業務が阻害されたり、また、特に都心においては、荷さばきスペースなどの駐車場所が依然として不足しておりますので、ぜひとも区市町村と連携をして取組を進めていただきたいと思います。
 次に、自転車です。
 自転車は、環境負荷の低減や健康増進にも資する身近な交通手段の一つであり、誰もが快適に安心して自転車を利用できる環境の一層の充実を図ることが求められています。
 都では、総合的な自転車活用方策を取りまとめた東京都自転車活用推進計画を令和三年度に改定しましたが、今、自転車にまつわるトラブルやクレームなどが急増していると聞いております。
 例えば、駐輪場がない向かいの物件の入居者が、勝手に近所の物件の屋根付駐輪場を利用していたりとか、私の事務所が入っているビルの隣のビルが、飲食店やカラオケが入っているビルなのですが、夜になると、事務所に入る入り口のスペースが自転車だらけで、中に入れないというような非常に迷惑な状況であったりするんですが、やはり駐輪場不足であったり、また運転中における自転車トラブルの急増、そして違法な電動アシスト自転車による事故が最近相次いでおり、近年、ネットで販売される自転車も増加しているとのことで、その整備状況や安全性、違法性など、様々な懸念があります。
 そこで、自転車の安心・安全な利用に向け、都としてどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 都は、自転車の整備点検の促進などにつきまして、令和三年五月に改定した自転車活用推進計画に位置づけ、都のホームページなどを活用した広報を実施してまいりました。
 引き続き、庁内及び区市町村などと連携し、その普及啓発に取り組んでまいります。

○土屋委員 ネットでの購入者は、自身が例えば違反のものを購入していることさえも気づかず購入してしまっているというケースが多いそうであります。整備点検の促進とともに違法自転車についても、注意喚起などもともにお願いいたします。
 次に、歴史的建造物についてでありますが、歴史的建造物は、一度失われたり損なわれたりすると、復元するのは非常に困難であります。
 先日、これまた地元で大変恐縮なのですが、世田谷区の清明亭、もともと、わかもと製薬社長の邸宅だった土地にあった、昭和初期に建てられた一風変わった建築様式の茶室が、都立高校内の敷地内に現存しておりまして、見学をさせていただきましたが、茶の湯の精神、そして日本文化の一端をかいま見ました。
 その清明亭を含め、世田谷区では四件が選定されていますが、これら歴史的建造物を保存する意義と選定の状況についてお伺いいたします。

○真島景観・プロジェクト担当部長 歴史的建造物は、都市の記憶を次世代に引き継ぐ貴重な景観資源であり、これらを保存、活用することは、都市の魅力を高めていく上で重要であります。
 東京都景観条例に基づき、現在、九十六件を選定してございます。

○土屋委員 東京には多くの歴史的建造物が存在しており、これらを都民に周知することは、歴史的景観の形成を進めていく上で重要であります。
 そこで、歴史的建造物の情報発信に関する今後の取組についてお伺いいたします。

○真島景観・プロジェクト担当部長 都は今年度、新たに、映画やアニメなどの舞台となった歴史的建造物を紹介する動画を作成しています。
 今後、ホームページやSNS等で広く都民に発信することで認知をさらに拡大し、保存の機運を醸成してまいります。

○土屋委員 建築物は、一般的に老朽化によって耐久性が落ちて、機能性低下が見られていくようになるのですが、一方で、時間の経過とともに、歴史的価値の向上や合築など多様な価値が顕在化し、このような価値が地域の活性化、まちづくりに大きく貢献するわけでありますから、ぜひとも一つでも多くの建築物選定をはじめ、歴史的建造物の魅力を広く国内外に発信し、その保存を図るとともに、より一層の活用を促進するための取組を進めていただきますようお願いいたします。
 最後に、物流について質問いたします。
 この緑の事業概要ブックには、都は、陸海空の物流基盤の整備、産業振興、民間との連携など総合的な観点から、東京都の物流対策の基本的な考え方をまとめた総合物流ビジョンを平成十八年に策定し、物流の効率化を戦略的に推進する、そう書かれておりますが、この総合物流ビジョンについて、どのような計画なのかお伺いいたします。

○土橋航空政策担当部長物流担当部長外かく環状道路担当部長兼務 総合物流ビジョンは、国際競争力の強化や暮らしと環境の向上を実現するため、首都圏を視野に入れて物流の効率化を推進することを目的に、物流対策の基本的な考え方として平成十八年に策定したものでございます。
 このビジョンは、都市整備局が軸になって、各局の物流関連施策を取りまとめておりまして、施策別に即効性のある短期的な取組と中長期的な取組を体系化し、推進することとしております。

○土屋委員 このビジョンの中に、物流対策の取組目標時期というものがあり、短期対応としておおむね五年、中期対応としておおむね十年、長期対応としてはおおむね二十年程度という取組目標時期が設定されています。
 ビジョン策定から十七年たつ現在、それら示されていた施策の進捗状況を伺います。

○土橋航空政策担当部長物流担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都はこれまで、関係部局と連携し、荷さばき可能な駐車場の普及による輸送の効率化などに加え、中央環状線の整備が完了するなど、三環状道路の整備などの取組を着実に進めてまいりました。
 一方、施策の中には、モーダルシフトなど、関係者との調整などに解決すべき課題を抱え、十分な進捗が図られていないものもありますが、進行管理を図りながら、各局連携して物流対策の推進に取り組んでまいります。

○土屋委員 今後、順調に進んでいる施策については、引き続き着実に推進し、より高い成果を目指すとともに、目標達成について課題が生じている施策については、要因分析などを踏まえ、必要な見直しを行い、所期の成果が達成できるよう取り組んでいただきたいと思います。
 また、これは都市整備局、そしてこの総合物流ビジョンに限ってのことではありませんが、こういった戦略ビジョンや方針というのは、つくったら終わりじゃないんです。策定しただけでは、当たり前ですが意味がありません。
 戦略の策定に当たり、盛り込む政策分野の下の具体的な施策、事業について、この場合は五年後、十年後、二十年後とフェーズ設定したのであれば、それらの基本目標とその数値目標を毎年度効果検証して、必要に応じて総合戦略を改定して取組を実施し、達成していく、それで初めてビジョンの意味が出てくるのではないでしょうか。
 この総合ビジョンに関して、都市整備局は取りまとめ役、いわば管理責任者なのですから、このビジョンに示された各施策が計画目標どおりに進むよう、他の局や部署が所管する施策においても、都市整備局が積極的に関わって汗をかいていく、そういったことももっと必要なのではないかと思います。
 そして、先ほどご答弁いただきましたが、各局としっかりと連携をして、物流対策、とりわけ二〇二四年問題や待ったなしの物流問題解決に、プロアクティブな姿勢で取り組んでいただくことを強く要望し、私の質問を終わります。

○関野委員 まずは、多摩のまちづくり戦略についてお伺いをいたします。
 多摩地域は、緑豊かな自然、企業や大学の集積など、様々な魅力を有しているところであります。
 多摩地域がより一層発展していくためには、多摩地域の各拠点が特徴を生かして魅力を高めていくことが重要と考えております。
 そのためには、地域内外の交流を加速させるとともに、道路など交通基盤と連携した拠点づくりを進めていく必要がありますが、近年は、バスや自動車だけでなく、自転車や電動キックボードなど、道路上を往来しているところです。車両同士、歩行者との接触事故なども増加していると聞いているところですが、こういったものが新たな課題になっているところです。
 一方、周辺の地域から拠点への移動が確保され、拠点が地域の魅力の中心となることも重要であるとも考えております。
 また、都は三月に多摩のまちづくり戦略の基本的な考えを示したところですが、そこで改めてお伺いをします。基本的な考えも踏まえて、拠点へのアクセスについての認識、この点についてお伺いをいたします。

○澤井まちづくり調整担当部長 魅力と活力のある拠点の形成に向けてでございますけれども、人、物などの自由な交流の実現を図ることが重要でございます。
 そのため、拠点間の連携の強化に加えまして、多様な交通モードで誰もが自由に拠点にアクセスできるよう、取組を進めてまいります。

○関野委員 多様な交通モードで誰もが自由に拠点にアクセスできるようということでした。
 多様な交通モードの中でも、一番身近な交通手段である自転車は、近年よく使われている交通手段であります。利用しやすい環境づくりが一番必要なのではないかなと、重要であるというふうにも考えている中ですが、自転車で安全に走行できるような通行空間、これを確保するなど、利用環境の向上についても検討を深めていただきたいというふうにも考えます。
 特に、二十三区より面積の広い多摩地域においては、歩行者、自転車、車道を分けた交通基盤についても考えていく必要があると考えています。
 自転車レーンや自転車ナビマークなどではなく、自転車道、構造的分離、視覚的分離を活用した仕様を基に、検討も含め、多摩のまちづくり、ひいては安全走行のための空間確保の上、歩行者道、自転車道の設置を進めていただきたいということを強く要望して、次に進みます。
 次は、都市計画道路の整備の進め方についてです。
 東京の都市計画道路については、都市計画道路の整備方針に基づき推進してきており、現在、第四次の計画期間中でありますが、どのように優先整備路線を選定したのかについて、まずは伺います。

○三宮都市基盤部長 現方針である第四次事業化計画では、交通処理機能の確保など、十五の検証項目による必要性の検証を実施しております。
 必要性が確認された都市計画道路の中から、今後十年間で優先的に整備すべき路線として優先整備路線を選定しております。

○関野委員 第四次事業化計画で必要性の検証を行い、優先整備路線を選定していくということでした。
 一方で、優先整備路線として選定されなかった路線も多くあると思っております。第四次事業化計画で優先整備路線として選定しなかった路線について、整備や見直しを行う場合の進め方、この件についてお伺いをいたします。

○三宮都市基盤部長 優先整備路線として選定しなかった路線についても、周辺のまちづくりの具体化などに応じて事業化しております。
 一方で、見直しについては、令和元年に策定した都市計画道路の在り方に関する基本方針などに基づき、都市計画の廃止や幅員縮小等を適宜進めております。

○関野委員 第四次事業化計画で優先整備路線として選定しなかった路線についても、事業化や計画廃止等の見直しも実施しているということでありました。
 計画廃止などについては、順次手続を進められると思いますが、一方で、道路整備には多くの時間を要しており、特に用地の取得は難航することも多くあります。
 このため、効率的に用地を取得していくことが重要でありますが、都市計画道路の用地については、事業認可前から先行取得しているというふうにも聞いておりますが、その制度の概要と実績についてお伺いをいたします。

○三宮都市基盤部長 都は、都施行の優先整備路線を対象に、機動的な用地取得を図るため、地権者の申出により事業認可前から用地を取得する制度を平成二十八年度から設けておりまして、これまでに本制度を活用して取得した土地の件数は十件でございます。

○関野委員 本制度は、道路整備の早期完成を目指す上で有効な制度であるというふうにも私は考えておりますが、活用件数については低い状況であるというふうにいわざるを得ないかなと。
 引き続き、本制度のさらなる活用に向けた検証を図りながら、必要な道路整備を早期に進めていくことを要望するとともに、先ほどの多摩のまちづくり戦略の質疑でも意見としていわせていただきましたが、多摩における車道整備はもとより、歩行者道、自転車道の幅員についても、最大限の幅員確保を念頭に置きながら道路整備を進めていただきたいということも要望して、次の質問に入ります。
 都は、自転車活用推進計画を策定し、自転車活用に取り組んでいるところですが、自転車活用の推進には通行空間の確保も重要であります。
 そこで、自転車通行空間の整備に向けて、東京都としてどのように取り組んできたのかについてお伺いをいたします。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 都は、令和三年五月に改定しました自転車活用推進計画に基づきまして、庁内及び区市町村と連携し、安全、快適な自転車の利用環境を創出しており、引き続き自転車通行空間の整備に取り組んでまいります。

○関野委員 多摩湖の旧自動車道、現在は多摩湖自転車歩行者道というふうに改名をされている場所があります。ここは、昭和五十六年頃、東京都から道路部分を東大和に移管され、歩道部分は東京都建設局の管理の下、現状に至っております。
 その後、ある意味、私も市議会で何度も取り上げ、東京都や北北建へ要望を上げてきているところなんですが、移管後四十年以上たっているにもかかわらず、自転車道としていたにもかかわらず、実現していないばかりか、先ほど名称が変わったといいましたが、平成三十年に自転車歩行者道というふうに名称が変わりました。
 現状の細い幅員のまま自転車歩行者道となったことで、実際利用している方からは、やはり広げてほしいという声もいただいているところです。
 しかし、多摩湖の沿道ということもあり、物理的な制限のある場所でもあることも、整備が難しい理由だというふうには思っておりますが、こうした場所で自転車空間を実現するためには、実情に合った整備も必要ではないかというふうに考えています。
 こうした観点から、自転車通行空間の整備の形態に対する基本的な考え方についてお伺いをいたします。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 自転車活用推進計画では、自転車通行空間については、限られた道路幅員の中で、歩行者、自転車、自動車の交通量や沿道の状況などを踏まえて、地域の道路事情に応じた形態で整備を進めることとしております。

○関野委員 多摩湖自転車歩行者道については、幅員を広げるには、都民の水となる多摩湖の湖面の安全性などを考慮しながら、現在のフェンスをセットバックする必要があります。可能な場所においては三メートル程度必要ですが、水辺状況により狭くなるところもあり、三メートルセットバックできないところもありますが、以前、ちょっと水道局とお話をしたところでは、こういったこともやぶさかではないという見解を受けているところですので、ぜひ庁内連携をして、地域の道路事情に応じた形態で整備をしていただくことを強く要望をしておきます。
 今までの多摩まちづくり、都市計画道路、自転車道といいましたが、今回、ほかの委員からも質疑がありましたが、やはり自転車道をしっかりと造ってほしいというところです。自転車が車道に降りてきたことによって、多くの危険が起こっているところなので、できるだけ自転車道というものが設置されることを強く願っているところであります。
 次に、舟運についてです。
 東京の魅力をさらに高めていくためには、舟運の活性化が重要であり、私ども都民ファーストの会も、議席をいただいてから、ずっとこの件については追っかけてきた事業であると。同時に、これまでも東京都も社会実証などの取組を進めてきたところですが、昨年までの社会実証の結果を踏まえた舟運活性化に向けた現在の取組についてお伺いをいたします。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 舟運の活性化に向けまして、昨年度の社会実験などを踏まえ、立ち上げ期の運航経費の支援や、船舶のバリアフリー化などの補助制度を今年度新たに創設いたしました。
 この補助制度を活用いたしまして、先月、日本橋から豊洲航路の運航が開始され、来年春には、晴海から日の出航路の運航が開始される予定でございます。

○関野委員 定期航路が実現し、舟運の活性化に向けた取組が着実に進展していることを理解いたしました。
 舟運の活性化については、新たな定期航路だけではなく、舟運事業者の利便性を向上させる取組も重要であると考えています。
 その一つに船着場予約のDX化があります。以前は、舟運事業者が船着場を利用する際、電話とファクスにより予約手続を行っていましたが、現在は、インターネットなどから予約ができるシステム導入が進んでいると聞いております。
 そこで、船着場予約システムの導入について、これまでの取組をお伺いをいたします。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 都は、船着場予約システムにつきまして、令和元年度より、港湾局及び建設局が管理する船着場に導入を進め、現在、都が一般開放している十二か所十四船着場全てにおいて予約システムの使用が可能となってございます。

○関野委員 船着場予約システムの導入が着実に進展しているというふうに確認ができました。
 一般開放されている船着場には、都が管理するもののほか、区や民間事業者が管理するものもあります。
 事業者のさらなる利便性向上には、予約システムを使える船着場をさらに増やしていくことが必要であるというふうに考えておりますが、船着場予約システムの導入について、今後の展望についてお伺いをいたします。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 今年度、都は、区などの船着場管理者がインターネットから予約できるシステムを導入する際、初期費用の二分の一を補助する制度を創設いたしました。
 こうした取組によりまして、関係者と連携して、DXによる船着場利用者の利便性を向上してまいります。

○関野委員 船着場予約システムの導入をさらに進めていくということでした。
 船着場または防災船着場などは、先ほども述べましたが、都が管理するものと、区が管理するもの、民間が管理するものなど、百二十か所ほどあります。全ての場所でネット予約ができ、かつ、QRコードなどを活用した利用時の施錠解錠なども含め、引き続き、船着場利用の利便性向上、さらには舟運の活性化や、インバウンドのナイトエコノミーなどの活性化に向け、取組の推進をしていただきたいということを要望しまして、私の質問を終わります。

○加藤委員 都議会公明党の加藤雅之でございます。
 久方ぶりに都市整備委員会に戻ってまいりまして、初当選後に所属しましたのがこの都市整備委員会でございました。当時、委員会の質疑の調整等でご尽力をいただいた、その当時の課長さんの方々が、今、ずらっと目の前に座っておりまして、大変うれしく思っております。またお世話になりますけれども、どうかよろしくお願いをいたします。
 それでは、初めに東京のまちづくりに関して質問をいたします。
 まちづくりを進める上で、都市整備局の果たす役割は大きく、時間はかかりますが、都民の生活に直結する取組であります。
 都民が豊かに暮らせる住宅地域の整備、産業の発展を牽引する商業、オフィスが集積する都市再生の地域の整備、そして、環境に配慮したものづくりを行う工場の持続的な発展が可能となる地域の整備が欠かせません。
 特に、産業の発展を支える大小様々な都内の工場が、固定資産税の負担増、近隣の騒音問題、後継者不足などで、都外への転出や廃業という状況が続いて数が減少しております。ひいては日本の競争力低下につながっており、危機感を抱いております。
 昨年、令和三年度各会計決算特別委員会の総括質疑でも取り上げましたが、一つの指標として、二〇〇一年に六万八千件あった都内の中小製造業者が、二〇一六年には約四万件と、おおよそ二万八千件も減少をしています。最新のデータではもっと減っていると思いますけれども、これに合わせるように、工業利用の土地面積も、約六千三百八十ヘクタールから約五千三百七十ヘクタールと、約一千ヘクタール減少しておりまして、その分、住宅地等に変化し、その割合も七割以上が区部となっています。
 私は、住宅地が増えることは、人口流入の面もありますので否定はしていませんが、問題は、今ある貴重な工業地域を戦略的に活用する取組が弱いのではないかと、そのように思っているところであります。
 例えば、私の地元である墨田区の東墨田一丁目には、工業地域内の広大な都有地が、長年、空き地のまま活用されずにあります。先ほど申し上げたとおり、区部では工業地域の割合が減少しており、事業概要には約二・一%となっておりまして、非常に少ないわけであります。
 そこで、工業系の用途は、東京のものづくりを支える上で貴重な存在でありますが、工業地域の土地利用について東京都の見解を伺います。

○山崎都市づくり政策部長 用途地域等に関する指定方針及び指定基準では、工業地域は、住宅等との混在を排除することが困難または不適当な工業地で、産業機能の維持を図るべき区域などを指定することとしております。

○加藤委員 今の答弁にありますように、工業地域は、工場の操業をしやすくするためにあるわけであって、産業振興に欠かせないわけであります。
 以前、東京都は、待機児童解消に向けて、保育所等整備のために、区市町村に対して活用予定のない土地の情報提供を行いましたが、墨田区については、全てこのエリアの工業地域だったため、地元の保守系議員などから、こんなところに保育所を建設しろというのかと、このように都の対応に疑問を呈しておられました。
 確かに用途地域としては、工業地域には幼稚園は設置できないんですけれども、保育所等は可能となっております。この規定もどうかなというふうに思うんですけれども、結局このエリアに保育所は設置されませんでした。
 それはさておき、都市整備局としては、地域に残る貴重な工業地域の維持発展のために、環境に優しい工場の設置や、都の政策課題をリードする事業者の誘致など、ぜひ他局と協力して、土地の活用が進むように取組を求めておきたいと思います。
 次に、防災都市づくりについて質問をいたします。
 第三回定例会の一般質問でも取り上げました高台まちづくりについてです。
 今年も、台風や線状降水帯などにより、全国各地で水害被害が報告されており、大規模水害の発生リスクは、地球温暖化の進行と相まって、今後より一層高まっていくことが見込まれております。特に東部低地帯は、大水害が発生すると、広範囲で長時間の浸水による被害が想定されており、激甚化する水害によって、都民の安心・安全が脅かされております。
 これに対しまして、都は国と共に策定した災害に強い首都「東京」形成ビジョンの下、国及び地元区と連携して、東部低地帯において、水害に強い高台まちづくりが進められていると聞いております。
 高台まちづくりの手法として、特に高規格堤防は関係者も多く、地元まちづくりに合わせて進めていく必要があることから、ノウハウ等が十分ではない自治体では、困難を伴うことが多いです。
 こうしたことから、高台まちづくりに取り組む地元区に対して、都も積極的に関与し、推進していくべきと考えます。また、可能な限り、都施行の区画整理事業も増やしてもらいたいと、このように思っているわけでございます。
 そこで、大規模水害のリスクが高まる中、都民の安全・安心を確保する高台まちづくりについて、改めて都の取組状況について伺います。

○三木市街地整備部長 都は、ビジョンを踏まえまして、TOKYO強靱化プロジェクトにおきまして、高台まちづくりをリーディング事業として位置づけまして、施策を展開しております。
 中長期的には、高規格堤防の整備促進のため、荒川、江戸川、多摩川におきまして、国と連携し、実効力を伴う新たな仕組みの検討を進めております。

○加藤委員 新たな仕組みの検討を進めているということで、将来的な高台まちづくりを見据え、高規格堤防の整備促進等に向けて、国と連携し、都も積極的に検討を進めていることは理解をいたしました。引き続きスピード感を持って進めていただきたいと思います。
 一方、ゼロメートル地帯においても、エリアによって、高規格堤防を求める地域とそうでない地域があるわけです。したがって、短期的な取組としては、再開発事業等の機会を捉えて高台まちづくりを進めていく必要があります。
 具体的な取組について伺います。

○三木市街地整備部長 都は、都市開発諸制度の改定や高台まちづくりを支援する補助制度の創設等を行ってまいりました。
 板橋区舟渡地区では、水害時の一時避難施設の整備を公共貢献として評価いたしまして、容積率緩和を行う都市開発諸制度を初めて適用いたしました。
 また、江戸川区船堀地区では、都の補助制度を活用いたしまして、建物間の連絡デッキ等の検討を進めまして、令和四年度に高台まちづくり基本方針を策定いたしました。

○加藤委員 今後、より一層高まっていく東部低地帯の大規模水害リスクから都民を守るためには、高台まちづくりの加速が重要であります。
 板橋区舟渡地区や江戸川区の船堀地区での先進的な取組は、墨田区内の鐘ヶ淵地区においても生かしていけると考えられます。今後とも地元区ともよく連携し、着実な推進を図り、水害に強い東京の実現を図っていただきたいと思います。
 次に、鐘ヶ淵地区に関連しまして、現在進めている沿道一体整備事業について確認をいたします。
 補助第一二〇号線鐘ヶ淵地区のⅠ期区間では、拡幅工事が進んでおり、特定整備路線であるⅡ期区間においても、着実に用地取得が進んでおります。
 そこで、毎回、事あるごとに聞いておりますけれども、現在の一二〇号線鐘ヶ淵地区の進捗状況について伺います。

○池内防災都市づくり担当部長 Ⅰ期区間につきましては、拡幅側で埋設管の敷設工事や歩道整備がおおむね完了しておりまして、歩道の一般開放を行っております。現在、車道切替え工事を実施中でございます。
 Ⅱ期区間については、昨年度末時点での用地取得率は約七一%でございまして、現在、踏切安全対策工事や下水道工事の準備を進めております。

○加藤委員 先月二十日のことですけれども、この一二〇号線の鐘ケ淵駅踏切近くの道路上で、車と低学年の小学生が衝突するという重傷事故が発生をいたしました。事故原因など詳しい状況は知らされていませんけれども、痛ましい事故が起こらないように、引き続き安全な道路構造となるよう、拡幅の取組を加速していただきたいと思います。
 また、拡幅されるまでには時間がかかるため、緊急対策として、当面における踏切付近の交通安全対策を求めてきました。これに対し都は、踏切付近のカラー舗装や車の通行止め箇所を設けるなどの工事を予定していますが、不調等で遅れていると聞いておりますので、引き続き工事を急ぐようお願いをいたします。
 次に、鐘ケ淵駅に関連して、ホームドアの整備について質問します。
 令和九年四月にこの墨田区墨田五丁目の都有地に都立の特別支援学校が建設され、鐘ケ淵駅が最寄り駅となります。現在の鐘ケ淵駅はホームドアがなく、ホームも湾曲し、車両との間に隙間があるなど、障害のある子供たちが利用するには危険な駅だというふうに思います。
 そこで、特別支援学校建設に伴う鐘ケ淵駅へのホームドア設置について、都の見解を伺います。

○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 鐘ケ淵駅につきましては、東武鉄道によりますと、令和八年度以降に整備を開始し、十七年度までにホームドア整備を完了する計画としています。
 都は、令和元年に公表した優先整備の考え方の中で、駅周辺における特別支援学校等の立地状況を考慮するとしており、この考え方に基づき、東武鉄道に対し、ホームドアの整備推進を働きかけてまいります。

○加藤委員 鐘ケ淵駅につきましては、連続立体化に向けての事業候補区間に位置づけられました。将来はこの駅のホームの形状も変わると思いますけれども、時期はまだ先であります。したがって、特別支援学校の開校時期に間に合うよう、あと三年半ぐらいありますけれども、しっかりと東武鉄道に働きかけるよう求めます。
 次に、木密地域における私道等の無電柱化の取組について質問をいたします。
 電線や電柱については、様々な問題がクローズアップされております。景観が悪い、道幅が狭くなり歩きにくい、自動車が来たときにはみ出てくるので危険であるなど、特に木密地域においては、地震等による電柱の倒壊や断線等が、避難や救急活動への支障になることが懸念されております。
 そこで、木密地域における私道の無電柱化に対する都の支援の内容について伺います。

○池内防災都市づくり担当部長 都は昨年度より、重点整備地域におきまして、私道の無電柱化に取り組む区や、私道の土地所有者などに対する費用の助成制度を導入しておりまして、今年度からは、整備地域と防災街区促進地区を補助の対象地域に追加しているところでございます。

○加藤委員 私道の無電柱化促進に向けた事業の概要は理解をいたしました。今後も事業を進めていただきたいと思います。
 全国的にも前例のない取組であり、かつ私道であるため、特に地元の理解を促しながら事業を進めることが必要であります。
 そこで、木密地域における私道等の無電柱化に対する今後の都の取組について伺います。

○池内防災都市づくり担当部長 都は、区の協力を得まして、土地所有者の理解と協力を得るために、まずは重点整備地域での土地の権利関係や所有者の意向調査に着手しております。
 今後は、その事業の意義などを土地所有者に丁寧に説明しつつ、先ほど申し上げた新たに補助対象とした地域でも、制度の利用促進を図ってまいります。

○加藤委員 新たに補助対象となった地域での利用促進が進むよう、取組をお願いいたします。
 実は、私も私道の行き止まりのところに住んでいまして、電柱が倒壊したら、もう逃げ場がないんですね。失ってしまうと。先日、電柱を交換する工事があるというんで、今、すごい太い電柱なんですね。車の支障も、結構妨げられていると。細い電柱に替えてくれるのかなと思ったんですけれども、期待外れでちょっと残念だったんですけれども、墨田区はご存じのように、木密地域、特に道路の狭い私道が多くて、どこから玄関に入るのか、迷路のような細い道がいっぱいあるわけですね。そうした意味で、区への働きかけも精力的に行って、無電柱化の促進をお願いしたいと、そのように思います。
 次に、鉄道と舟運について伺います。
 私は、公明党の都議といたしまして、中央区を担当していることもありまして、都心部・臨海地域地下鉄構想には関心を持って取り組んでまいりました。先ほど否定的なご意見もありましたけれども、大変重要な路線だというふうに認識をしております。
 二〇一六年には、当時の石井国土交通大臣にも、矢田中央区長、押田中央区議会議長をはじめ、関係者と共に、同構想の早期実現を求める申入れを行いました。その後、交通政策審議会答申で、事業化に向けて関係者による検討の深度化を図るべきだと、このように示されたわけでございます。
 都としても、事業計画検討会を立ち上げ、優先整備六路線に加え、重要な路線と位置づけたことは大きな朗報でありました。
 そうした関係から、毎年、中央区で開催される新線の推進大会に出席し、今年も間もなく開催されます。
 現状は、東京駅から有明・東京ビッグサイトまでの区間が示されていますが、将来の臨海エリアの発展を支える上で基盤となる路線であり、さらにその先には、空港へのアクセスということが国際競争力の強化につながります。
 そこで、都心部・臨海地域地下鉄について、羽田空港への接続を検討すべきと考えますが、見解を伺います。

○三宮都市基盤部長 今年一月に開催した第五回検討会におきまして、羽田空港アクセス線の臨海部ルートとの接続を検討し、その場合でも事業性が確保できることを確認しております。
 羽田空港との接続も見据えつつ、まずは東京から有明までの区間について検討を行ってまいります。

○加藤委員 羽田空港へのアクセスルートは複数考えられていますが、JRの東山手ルートが最も早く、令和十三年度の開業を目指しています。
 しかし、一部区間を混雑の激しい在来線を活用するため、本数が限られるのではないかとの懸念を示す専門家もいます。そこで、りんかい線の羽田ルートへの接続が可能となれば、JRのルートの隙間を埋めることができ、本数が充実すると考えますので、検討会での議論をお願いしたいと思います。
 また、この事業主体については、秋葉原から東京駅まで常磐新線との接続が検討されていますので、首都圏新都市鉄道株式会社ということも考えられますが、まずは東京駅から臨海部を優先して検討するということでありますので、そうすると、りんかい線に国際展示場の駅があることから考えますと、東京臨海高速鉄道株式会社の方が、事業主体としてはいいのではないかと勝手に思っているわけでございます。
 しかも、羽田空港への接続は有力な選択肢であり、都の政策連携団体という点から考えても、都が主体として推進すべきと考えます。
 東京メトロやJRなどとの複合体といったことも考えられますが、いずれにしても、未来の東京の発展を牽引する重要な路線でありますので、都が主体となって進めていただきたいと強く求めておきます。
 次に、舟運についてですが、海や運河に囲まれた臨海部は、水辺や船を生かした取組が重要であります。船による移動は時間がかかる印象を持たれることもありますが、対岸に渡る場合については、陸を回るより、船で移動する方が時間も短く便利な場合もあります。
 そこで、こうした場所では、舟運を交通手段として活用すべきと考えますが、見解を伺います。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 来年春の選手村跡地のまち開きに合わせまして、晴海と対岸の日の出を直線的に結ぶ航路の運航を事業者が開始する予定でございます。
 引き続き、舟運の活用による移動の利便性向上などに向けまして、さらなる航路の拡大に取り組んでまいります。

○加藤委員 この選手村跡地は、住宅の総戸数が約六千五百戸で、人口は約一万二千人になると想定されています。BRTや都バス、それから地下鉄大江戸線を利用しても、日の出に行くには乗換えが必要ですので、ニーズは高いのではないかと、そのように期待をしております。
 また、以前、実証実験、社会実験として、両国と朝潮運河を結ぶ航路もありました。JRの両国駅から勝どき駅を経由して、トリトンスクエアに行く場合などを考えますと、乗換えもありませんし、時間的にも有利となります。今後、各方面の開拓を要望しておきます。
 次に、屋外広告物について質問します。
 私は、令和二年の予算特別委員会で、二週間ごとに変わるバス停上屋広告の表示内容変更申請がその都度必要となっているため、他県に倣い、一々申請窓口に行くことなく、メール申請などデジタルを活用した行政手続に変えるべきだと求めました。
 これに対しまして、都は、行政サービス向上等の観点から、電子申請化など事務手続の簡略化について、関係区等とも協議しながら検討していくとの答弁を得ました。それから三年が経過いたしました。
 そこで、屋外広告物許可申請のデジタル化の進捗状況と今後の取組について伺います。

○真島景観・プロジェクト担当部長 都は、屋外広告物の許可申請手続のデジタル化に向けまして、現在、システム開発を進めており、令和五年度内に運用を開始する予定でございます。
 区市町に対しても、事務の統一性の確保などの観点から、都が開発したシステムの利用を働きかけてまいります。

○加藤委員 大分待ちましたけれども、今年度内に運用開始予定ということで、しっかりと進めていただきたいと存じます。
 また、二週間ごとに区市町の窓口行脚をするのは、もう時代遅れだと思いますので、区市町に対しましても、都のシステム利用の働きかけを丁寧に行っていただきたいと思います。
 コロナの感染症蔓延という時期を経て、DXの重要性はますます増しております。都は都政の構造改革を強力に進めていくとしているわけですから、スピード感を併せ持って取り組んでもらいたいと強く求めておきます。
 次に、我が党の谷村議員が、昨年の当委員会における事務事業質疑などで取り上げ、また、今年の第二回定例会の都議会公明党の代表質問でも取り上げました広告宣伝車の規制について質問をいたします。
 この問題については、私もバス停の広告付上屋の規制緩和を進めてきた立場からしても、大きな問題だと認識していました。なぜなら、広告付上屋の規制緩和を求めた際、当初、警視庁から、ドライバーの脇見運転の危険性があるとして慎重な意見が出されたからです。
 それからしますと、止まっている小さなバス停広告に比べたら、広告宣伝車は何倍も大きく、しかも過剰に光って移動するわけですから、脇見するどころではないと。いわゆるがん見、注視せざるを得ない、こういう状況となるわけでございます。
 これに対しまして、バス停上屋の広告は、景観にも配慮していて、周囲からも、きれいだとか、まちになじんで明るくなるとのご評価をいただいていて、迷惑よりも歓迎されております。
 一方、宣伝車の方は苦情が多く、都の担当者に規制強化を求めていたわけですが、他県ナンバーのため規制できないと当時いわれました。しかし、諦めることなく、谷村議員をはじめ都議会公明党の粘り強い働きかけで、事態が動いたというふうに思っております。
 そこで、都内を走行する他県ナンバーの広告宣伝車に対する規制について、現在の検討の進捗状況と今後の予定について伺います。

○真島景観・プロジェクト担当部長 都は、広告宣伝車の規制について、本年六月に広告物審議会に諮問したところであり、先月、都内を走行する都外ナンバーの広告宣伝車に対し、東京都屋外広告物条例の規制を適用すべきとの考え方が示されました。
 今後、この考え方についてパブリックコメントを実施することとしており、その後、審議会の答申を経て、条例施行規則の改正を行い、来年五月から施行する予定でございます。

○加藤委員 来年五月からの施行予定ということでありますけれども、現在も低速走行で渋滞を招いております。交通事故が起こらないよう、規則改正後、事業者への通知、説明など、できるだけ早くの取組をお願いいたします。
 最後に、建築物の分別解体及び再資源化に関する取組について質問をいたします。
 都内における一定規模以上の建築物の解体工事は、年間二万件程度行われているようですが、循環型社会の形成のためには、これらの解体工事により発生した副産物を、再資源化して有効利用するものと、廃棄物として処理するものとに、適正に分別解体することが必要であります。
 そして、適正な解体処理を行うためには、工事の場所や規模、発生材に応じた作業内容や、所要工期等の計画立案が非常に重要であると考えております。
 そこで、分別解体や再資源化に向けて、工事実施に先立ち、都は解体工事に対してどのように指導しているのか伺います。

○飯泉市街地建築部長 都は、建設リサイクル法に基づきまして、解体工事の発注者から建設副産物の再資源化に係る届出を受理いたしまして、分別解体などの計画の確認と必要な助言を行っております。

○加藤委員 都においての計画段階での確認や助言を行っていることは分かりました。
 一方で、区市が届出等の受理や助言を行う解体工事もあり、また、多様な申請者や、おのおのの施工環境に対し、適正な助言を行っていると思います。
 そこで、解体工事において適正な助言を行うための取組について伺います。

○澤井まちづくり調整担当部長 都は平成十四年度から、特定行政庁である自治体などと連絡協議会を設置いたしまして、届出者や施工者に対し適切な助言ができるよう、分別解体に向けた課題の共有と連絡調整に取り組んでおります。

○加藤委員 関係自治体が適正な助言等を行うことができるよう、連絡協議会を設置して、都と一丸となった取組を行っているということで、評価をいたします。
 さらに、解体工事現場において、建設リサイクル法の遵守状況を確認することは大切であります。
 そこで、施工中の解体工事における履行確認の取組について伺います。

○澤井まちづくり調整担当部長 都は、関係自治体などと連携いたしまして、分別解体や再資源化を適正に進めるために、工事を抽出して一斉パトロールを年三回実施いたしまして、履行の確認と助言を行っております。

○加藤委員 解体工事において、計画から施工において一貫したチェック体制が整っていることが分かり、安心をいたしました。
 ただし、これは床面積八十平米以上が対象となっていると聞いております。一方で、床面積が八十平米未満の解体工事の場合は、工事に伴う届出や分別解体及び再資源化が義務づけされておらず、適正なリサイクルが守られていないという事例も聞いております。
 特に、地域の身近な場所で、狭小な土地面積の解体現場においては、近隣トラブルが発生をしております。東京の持続ある発展を目指し、建設資源循環のさらなる推進を図るためには、より小規模の工事においても、分別解体、再資源化の取組が必要ではないかと考えます。
 そのため、建築物解体工事における届出や分別解体、再資源化の義務づけの対象基準について、八十平米未満を含めた規模への拡大が可能であるか検討をお願いいたしまして、質問を終わります。

○竹井委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時四十一分休憩

   午後六時四分開議

○竹井委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○原田委員 私からは、事務事業説明の質疑に当たり、神宮外苑再開発についてお聞きします。
 外苑再開発に賛成をする意見のほとんどは、私有地なのだから、ほかからつべこべいうのはおかしいというものであります。しかし、これは大きな間違いです。
 まず、私有地だけではありません。独立行政法人日本スポーツ振興センターの土地が計画地の約四分の一を占めています。国民共有の財産たるこの土地が、三井不動産という民間大企業を筆頭とする事業者によって勝手に処分され、財産価値が下がるようなことがあってはならないのはいうまでもありませんが、その情報公開は拒否されています。
 そして、私有地の開発だから文句をいえないという議論のもう一つの間違いは、外苑再開発が、それまでのその土地のルールにのっとっておらず、特別の配慮を東京都や地元区から受けているという点にあります。
 特別な配慮、それはまず、公園まちづくり制度という新しくつくられたばかりの制度が適用され、都市計画公園区域が三万四千平米も削除してもらえました。
 都内にはたくさんの都市計画公園区域がありますが、どこに、うちの家を都市計画公園区域から外してくださいといって外してもらったところがあるでしょうか。しかし、外苑の再開発だけは、その区域を外すことが特別に認められ、ビルが建てられるようになったんです。
 また、そのビルを超高層にしてあげる特別な配慮も行われました。それが再開発等促進区を定める地区計画です。
 公園区域から区域を外されたビルの建つ区域へと容積が移転され、超高層にできるという荒業が行われています。この地区計画の適用は本来、埋立地や工場跡地、木造密集住宅地など、五つの事例が対象地として例示されていますが、神宮外苑はどの事例にも当てはまりません。
 さらに、地元区は、東京都の要請を受け、風致地区を変更し、高さ制限を無制限にしています。
 皆さん、私たちは、家を建てようと、建て替えようとするとき、その地域の建築ルールにのっとって、ローンを組んで家を建て直したりするわけですよね。容積率を変えたり寄せたり、都市計画公園区域の土地なら勝手にそれを外したりして、ただで家を建て替えるなんてことはできません。
 しかし、外苑再開発は、この東京都の特別の配慮により、三井不動産や伊藤忠は、特別の配慮で超一等地にしてもらった区域に超高層ビルやホテルを建てて、明治神宮やJSCは、ローンも組むことなく建物の改修が行えるようになるといわれているわけです。
 えっ、何で三井不動産や宗教法人だけがそんなことをしてもらえるのと、私たちの財産である秩父宮ラグビー場は、土地の価値を落とすところに追いやられて、本当に価値は減少しないのと、そういう疑問の声が出るのは当然なわけです。
 もちろん、この特別の配慮が、もしも三井不動産の営業利益のためとか、最近よく耳にする明治神宮の護持など、民間の個人的な思惑を理由に行っていたとしたら、法律違反になります。
 ですから、あくまでもこの外苑再開発は、地元区や東京都が定めた、そのまちの未来、ひいては東京の未来にとって有益と判断されて、特別な配慮が行われているはずなわけです。
 ところが、九月十五日の記者会見で、小池都知事は再開発の目的について、外苑と内苑の護持を進めると事業者の明治神宮がいっている、内苑の森を守るためにどうするかを外苑が担っている、そう話しました。恐るべきことです。
 そこで、私は、先日の決算特別委員会第三分科会で、東京都は当該年度、第一種市街地再開発事業を施行認可していますが、認可の判断に内苑の護持を記した行政文書あるいは計画や方針はありますかと問いました。
 答弁はどのようなものだったか。答弁は、施行認可は、都市再開発法にのっとり、本年二月適切に認可を実施したというものでした。つまり、都市再開発法にのっとり適切に認可したのであって、内苑の護持などという理由はありませんという回答なわけです。当たり前です。
 そこでお聞きします。たとえ事業者がいっている言葉としても、外苑再開発に内苑の護持がかかっていると記者会見で知事がいうのは不適切ではありませんか。百歩譲って、行政の長たる知事が内苑の護持を外苑再開発の説明として語るのなら、それを証明する資料を提示すべきではありませんか。お答えください。

○山崎都市づくり政策部長 まず、ご質問にお答えする前に、今回の外苑の再開発につきまして、一般ルールによらず特別の配慮があったかのお話がございましたけれども、その例として公園まちづくり制度等についておっしゃっておりましたけれども、まず、公園まちづくり制度につきましては、都心部における長期未供用区域を含む都市計画公園において、民間都市開発の機運を捉えて、まちづくりと公園緑地の整備を両立させながら、公園機能の早期発現と良好なまちづくりを実現すると、そういった制度でございます。
 今回のこの制度の適用に当たりましては、要綱に基づき適切に行っておりますし、令和四年二月に開催されました都市計画審議会におきまして、都市計画公園の変更について、公園まちづくり制度活用を前提とした都市計画公園の変更について審議をいただき、ご承認をいただいているものでございます。
 その他、再開発等促進区を定める地区計画につきましても、これは一般的な制度でございます。決して特別な配慮を行ったということではございません。
 それから、ご質問でございますけれども、知事の内苑の護持という発言についてでございますけれども、これは、事業者から示されましたまちづくりの意義について述べたものでございます。事業者として考えているまちづくりの意義が多くの方々に伝わることは重要なことと考えておりまして、知事がそれを発言するのは不適切とのご指摘は当たらないと考えております。

○原田委員 なかなか勇気ある答弁をしていただきました。
 公園まちづくり制度、未供用区域において、それを長期に未供用だった地域を公園にするんだと。外苑の地区で未供用とされていたところは秩父宮ラグビー場ですけれども、かなり多くの方が、毎年、シーズンになるとラグビー場を利用していて、非常に親しまれているラグビー場ですね。
 未供用というのは一体何を指しているんですか。

○山崎都市づくり政策部長 供用か未供用かの判断につきましては、関係する法令等の考え方によっているところでございます。

○原田委員 聞かれてもいないことを答弁したのは、部長あなたでしょう。ちゃんと答えなさいよ。どこが未供用なんですか。

○山崎都市づくり政策部長 まず、その都市公園における供用とは、一般的に都市公園法等の法令に基づき開園の手続を行った上で、広く一般に開放しているところでございます。
 秩父宮ラグビー場は、独立行政法人日本スポーツ振興センターが所有し、管理している施設でありまして、都市公園の施設ではなく、未供用の区域でございます。

○原田委員 全く答弁になっていないですよ。神宮球場だって明治神宮が所有していまして、同じようにプロスポーツ、アマチュアスポーツ、使われていますよ。
 今の答弁、何が未供用だったのか全く説明ができなかったわけですけど、これまでの都市整備局の説明は、一周回れないからと、行き止まりの部分があるからという説明でした。
 それさえ答えられないで、よく私の質問に余計な答弁をしてくれたなと思いますけれども、今の前の答弁で、事業者から示されたまちづくりの意義を知事が語っただけだとおっしゃったわけですね。
 知事はこう答えているんです。まず五月十九日の記者会見、明治神宮からは内苑、外苑の護持といったようなことなど、コンセプトも明確に出していただいている。知事は、事業者から示されたまちづくりの意義について述べるにとどまらず、内苑、外苑の護持を、コンセプトを明確に出してもらっていると述べたわけですよ。つまり、一宗教法人の懐事情を、都市計画変更や再開発手法の適用の根拠にしてしまっているわけです。そういうことでしょう、部長。

○山崎都市づくり政策部長 知事の護持の発言につきましては、繰り返しですけれども、事業者から示されたまちづくりの意義について述べたものでございます。
 都市再開発法に基づく認可につきましては、法令に基づき適切に行ったものでございます。

○原田委員 認可については適切に行ったというのは、今、行政としての矜持を見た気がします。そうなんですよ。内苑の護持なんてことを知事が口にしたら、都市計画終わっちゃうわけですよ。
 ところが、もうちょっと紹介しましょう。九月十五日の記者会見でも知事ははっきりといっています。内苑と外苑が、これもいつも申し上げておりますけれども、両方で、内苑のあの森を守っていくためにどうすべきかということを外苑が担っておられる。片方の目だけで見るのでなく、左の目だけで見るのでなく、内苑と外苑の両目で見ていただいて、ご判断が必要かというふうに思います、こう語っておられまして、もはや事業者の言葉も借りていないんですよ、九月十五日は。
 こういう発言、非常に問題でありまして、局長にお聞きしますけど、都市計画決定や施行認可を行った知事が、認可理由にない内苑護持を再開発事業の意義として語っちゃ駄目だよと局長からいうべきじゃありませんか。

○山崎都市づくり政策部長 内苑、外苑の護持につきましては、これは繰り返しですけれども、事業者から示されたまちづくりの意義でございます。このまちづくりの意義、事業者として考えているまちづくりの意義が多くの方々に正しく伝わることは重要なことと考えております。(原田委員「重要なことといったの、何」と呼ぶ)もう一度申し上げますけれども、事業者として考えているまちづくりの意義が多くの方々に正しく伝わることは重要と考えております。

○原田委員 えっ、何、内苑の護持というのが、東京都の施行認可の条件だと正しく伝わった方がいいっていったんですか。

○山崎都市づくり政策部長 施行認可の条件とは一言も申し上げておりません。事業者として考えているまちづくりの意義が多くの方々に伝わることが重要と申し上げたわけでございます。

○原田委員 あなたは行政マンとして、施行認可の条件というのは、まちの将来とかそういうのを語ればいいだけなのに、何でわざわざ内苑の護持を、四月からですよ、今年のしかも。何年も事業をやっていますけど、今年の四月から突然、内苑の護持というのを事業者はいい出したんです。その直後に知事も、内苑の護持という言葉を方々で語るようになったんです。
 その言葉が広まる方がいいと都市整備局はいっているということですね、局長。

○山崎都市づくり政策部長 繰り返しの答弁で恐縮でございますが、事業者として考えているまちづくりの意義が多くの方々に正しく伝わることは重要と考えております。

○原田委員 事業者がそういう分には、どのようにいうか問題はないけれども、東京都としてはせめて、内苑の護持とかそういう、民間の利益のためとか、懐事情とかを考慮した、それが施行認可や都市計画決定の条件にはなりませんよという答弁ぐらいは、あってもいいんじゃないですか、部長。局長、部長が答弁できないなら。

○山崎都市づくり政策部長 内苑の護持というのと、再開発の施行認可というのは、直接関連づけてお答えはしていませんけれども……(原田委員「していないのね」と呼ぶ)ええ。そこは繰り返し申し上げているとおり、施行認可につきましては、法令に基づいて適切に行ったものであり、一方で、事業者として考えているまちづくりの意義というのが多くの方に正しく伝わるということは、都としても都民の理解と共感を得てまちづくりを進めるようにということを事業者に要請しているわけですから、そういったものが正しく伝わることは重要と考えてございます。

○原田委員 行政マンなんですから、内苑の護持みたいな話を持ってきて、それが広まることはいいことですねなんていう答弁で終わっていたら、恐ろしいことなんですからね。
 認可の際には、内苑の護持なんてどこにも書いていないよということは、改めて確認しました。知事に気をつけろといっておいてくださいよ、局長。
 が、しかし、樹木の伐採の批判から始まって、次に都市計画公園に超高層ビルを建てるという再開発上の問題が注目を浴びるようになって、苦し紛れに、今年四月に事業者がいい出した内苑の護持という言葉に、知事まで飛びついてしまうというのは困ったものであります。追い詰められているということがよく分かります。
 知事がこうした無理筋に頼らざるを得ないのは、結局、この神宮外苑再開発が、最初から東京都と三井不動産が二人三脚で進めてきた計画だということから、都民の目を遠ざけたいという下心があるからではないでしょうか。
 都は、このまちづくりは二〇一五年の覚書という文書から始まっているとファクトシートでも説明をしています。確かに、ここで初めて都が公表してきた公文書に、この覚書、二〇一五年、初めて公文書に三井不動産も登場します、公表してきた公文書ではね。
 ところが、昨年二月です。都市計画審議会での私の追及、三月の予算特別委員会での都議団の追及で追い込まれた都市整備局は、これまでひた隠しにしてきた情報を一定規模で公開せざるを得なくなりました。
 すると、その今までは見せてこなかった開示資料や議会答弁に、二〇一三年から地権者らがやり取りを始めたと書いてあることが分かってまいりました。
 二〇一三年から地権者等とのやり取りに東京都は加わっていましたか。

○谷内まちづくり推進担当部長 平成二十五年六月の神宮外苑地区地区計画の決定を踏まえ、関係地権者等との個別の調整を行っております。

○原田委員 何と東京都は、二〇一五年から始まった事業だよとファクトシートには書いていましたけど、二〇一三年から個別調整を始めているということが分かりました。
 その議題の中に、三井不動産や伊藤忠商事、神宮外苑の利益のために再開発事業によって規制を緩和してもらうなんてことが書いてあったら、大変なことになるわけです。
 そこでお聞きしますが——だから、あくまでも地元区や東京の未来のためということが書かれていないといけないのに、そうした資料に、一企業や民間法人の利益のためなんてことが書いてあったら大変なことになるわけですね。
 そこでお聞きしますけれども、東京都は二〇一三年に地権者等とやり取りを始めたとのことですが、この地権者等の等に三井不動産は含まれていますか。

○谷内まちづくり推進担当部長 一般的に関係地権者等といった場合には、地権者のほか、地元区や区域内のビルの権利を有する者等が含まれます。

○原田委員 一般的に地権者のほか、区域内のビルの権利を有する者等が含まれるんだと。一般論を聞いているわけではありません。
 さらにお聞きしますけれども、ビルの権利を有する者等の言葉の中に、三井不動産は入っていますか。

○谷内まちづくり推進担当部長 三井不動産は、区域内の青山OM-SQUAREビルの権利を有しております。
 平成二十五年、地区計画を決定した後、当時の関係地権者等との個別の調整において、三井不動産は含まれるかについては、記録は見当たりません。

○原田委員 三井不動産が二〇一三年に、外苑再開発をめぐる一五年の覚書よりも前ですからね、水面下交渉の現場に、既に三井不動産が現れていたことが確認できました。
 地権者でもない三井不動産が、二〇一三年当時から水面下交渉に出席していたことが分かり、先ほどの答弁で、東京都も個別に対応しているということまで分かりました。
 では、そのやり取りの記録があると思うのですが、地権者等と東京都とのやり取りのメモや資料は、当然残っていると思いますが、発見できましたか。

○谷内まちづくり推進担当部長 地権者等との調整状況に関する資料につきましては、これまでも都市整備局のホームページで公表しております。
 なお、平成二十七年四月の基本覚書締結以前に三井不動産と調整した記録は、見当たりません。

○原田委員 この答弁は面白いんですよ。地権者等との調整状況についてはホームページで出しているというんで、いわれた資料を、開示資料を見てみました。(パネルを示す)b区域がこの再開発地域ですね。明治神宮とTEPIAとのやり取りは、このホームページに資料を掲載していることが確認されました。ここですね。明治神宮とTEPIAは、確かにこの資料に書いてあると。
 しかしながら、見てください。私は、黒塗りといおうと思ったら、よく見たら白塗りだったんですけど、全面、何をしゃべったか白塗りと。ただし、最も重要なのは三井不動産ですよね。TEPIAと明治神宮のやり取りは、一応資料があったと、白塗りだけど。しかし、三井不動産と東京都とのやり取りは、今の答弁、最後の方でさらっといいましたけれども、見当たりませんという答弁でした。聞き取れましたか。ありませんではないんです。ここがみそなんですね。一番肝腎な資料が見当たらないというのは、それ一つ取っても、この再開発への都民の不信は高まるしかないと思いますよ。
 二〇一五年から始まったんだと、この話合いは。ファクトシートに書いてあるわけです。ところが、二〇一三年から、後から開示せざるを得なくなって出てきた資料には、かなり二年も前から地権者らと話合いをやっていると。そこには三井不動産も入っていたということが今分かりました。
 しかし、ほかの地権者との資料の存在は分かりましたが、三井不動産とのやり取りだけが分からないと。見当たらないと。
 もう一つ私が気になっている問題あります。二〇一四年に作成された、神宮外苑地区に恒久サブトラック設置が困難な理由という文書には、これまたかなりの白塗りがあります。権利変換計画申請直前まで計画が進んでいるのに、なぜ開示できないんですか。
 この神宮外苑地区に恒久サブトラック設置が困難な理由という二〇一四年の文書、後に白塗りを開示するつもりはありますか。

○谷内まちづくり推進担当部長 開示請求につきましては、情報公開条例に基づいて、非開示、開示部分を適切に判断し、対応しております。

○原田委員 私、ここに持ってきたんですね、その資料をね。(パネルを示す)二〇一四年というのは、三井不動産のビルとおぼしき建物がイメージ図に現れると同時に、陸上競技場にとってなくてはならないサブトラックがなくなる年です。これ大事なんですよ。なぜなくなったのか。よもや、三井不動産のビルを建てるために邪魔になったと書いてあったら、大変なことになるわけですが、そこでこの資料を見ていただきたいわけです。
 サブトラックの設置が困難な理由をパターンで分けて示した資料です。ご覧のとおり、最も大きな白塗りとなった資料となりました。何が書いてあったんでしょうか、これ。全面非開示です。
 陸上競技場にとってなくてはならないサブトラックが、なぜか国立競技場、あんなに立派に造ったのにない。珍しい陸上競技場になったわけですが、それが二〇一四年、三井不動産のビルとおぼしきイメージ図が作られると同時に、このサブトラックもなくなっているわけですね。何でなんだといっても出てこないわけですよ。今のように全面非開示です。
 この二〇一三年、二〇一四年の資料が、ことごとく重要そうな部分が白塗りとなっており、中には、三井不動産と東京都のやり取りなど、見当たらないというものまであるわけです。見当たらないものがあるというんですね。いよいよこの計画が、外苑地区の将来を考えてつくられたものではなく、一部の企業や政治家の思惑で固められてきた計画なんじゃないのか、そこに公共性はないのではないかということが問われ始めているわけです。
 そのことを、今日は、こうしたいまだ開示されない資料を基に解き明かしてきましたけれども、今後、多くの方々が、緑の問題、緑伐採の問題から、これから再開発の問題、そして、その背景にいる民間企業であるとか政治家のこうした問題、つながりという問題に、多くの世論がこれから集中していくんだろうと思っていますし、私たちもそこをこれから、この議会、長いですから、今度は決算特別委員会もありますから、そういうところでもしっかりと皆さんにお聞きしていかなきゃいけないなと思っています。
 さて、この後は、外苑について気になる問題を幾つか聞いてみたいと思います。
 まず、国際イコモスのヘリテージアラートに対する事業者の反論について、都市整備局に関わる問題についてお聞きします。
 国際イコモスのヘリテージアラートが、森が完膚なきまでに破壊されると指摘したことについて、第一種市街地再開発の事業計画地に、建国記念文庫の森以外にまとまった森はないんだというような反論をしたわけですが、神宮外苑は、球場を取り囲む樹木や、ラグビー場につながるイチョウ並木、大規模施設の天然芝も含めて、全体として豊かな環境を訪れた人々に提供してきました。事業者の反論はまさに、こういう兄弟木や球場周辺の樹木を軽視した発言ではないかと考えるんですが、都の見解を伺います。

○山崎都市づくり政策部長 事業者がイコモスのヘリテージアラートへの見解を示したものでありまして、都としてお答えする立場にございません。

○原田委員 お答えする立場にないという答弁だったわけですけれども、外苑地区地区計画にはこう書いてあるわけです。神宮外苑イチョウ並木をはじめとする歴史的な景観や緑地等の保全など、地区資源を活用した風格ある緑の環境づくりを推進すると。歴史的な景観や緑地を保全していくと誇っているわけです、地区計画自身が。
 今は、神宮球場にしても秩父宮ラグビー場にしても、高さを抑えてありまして、空と樹木が、ラグビー場にこの間入って見てきましたけど、本当にイチョウ並木がばあっと、ラグビー場の向こうにさあっと整然と並んでいるのが目に入ってくるんですよね。まさに森に囲まれたスポーツ環境が実現しています。
 昨年、私は日本陸連を訪ね、外苑再開発に対する見解についてお聞きをしたことがあるんですけれども、窓からは、そうした大規模施設も樹木の高さを大きく超えるようなことがなく、一面森に見えるようになっていて、球場を取り囲む樹木がそういう効果をちゃんと考えられて植えられているんだなということがよく分かりました。
 陸連の方はこういうんです。海外から来る方は、このような森の中でスポーツができるなんてうらやましいですね、そういうんだそうです。そのことは地区計画にも、そういうすばらしい緑の環境なんだということは書いてあるわけですよ。
 それを守り発展させるはずの市街地再開発事業の事業者が、まとまった森はないかのようにいってのけたわけですよ。都は注意をしないといけない立場でしょう。発言する立場にないなんて、どの口がいえるんですか、一体。地区計画とか、誰がつくってきたんですか、一体、一緒に。
 こういう乱暴な事業者の開き直りに何もいえないということは、都市計画や再開発の認可権者である小池都知事も、乱暴な再開発を容認しているということになるわけですよ。
 実際は知事も、外苑の森は、超高層ビルに変えたところで何の関係もない、問題もないと思っているんじゃありませんか。グリーンビズどころか、グリーンウオッシュそのものであります。
 事業者は、まとまった森はないと暴言を吐くと同時に、国際イコモスが公園内に超高層ビルを建てる計画を批判したのに対して、事務所棟、複合棟A、複合棟Bの建設を予定しておりますが、全て都市計画公園区域の外ですと反論しました。
 しかし、三井不動産の百八十五メートル超高層ビルが建つ場所は、公園まちづくり制度で区域削除されるまで都市計画公園区域だったんじゃありませんか。都の見解を伺います。

○山崎都市づくり政策部長 まず、事業者は、既存樹木につきましては、一本一本大切に扱い、様々な工夫により極力保存、または移植するとともに、新たな植樹も行い、樹木の本数や緑の割合を増加させる計画を示しているところでございます。
 また、四列のイチョウ並木は保存し、ラグビー場に向かうイチョウ並木については移植を検討するとしてございます。
 それから、また事業者は、お尋ねの高層ビルにつきまして、複合棟Aというふうに呼んでいますけれども、この複合棟Aを含めた神宮外苑地区におきまして、公園まちづくり制度を活用して、質の高い公園的空間を創出するとともに、青山通り沿道等において、土地の高度利用等によるにぎわいの創出を図ることとしております。

○原田委員 明白な事実さえ、言葉をいい換えて分かりにくくしてあげて、事業者を擁護しました。
 公園まちづくり制度を活用してという答弁が今ありましたけれども、要は、基は都市計画公園だったという答弁なんです。基は都市計画公園だったんだけど、事業者は、公園まちづくり制度でそこを削除してもらって、そこにビルを建てているんですという答弁で、私が都市計画公園の区域だった場所でしょうっていったら、そうですってはっきり答えればいいじゃないですか。
 誰だって知っているわけです、都市計画公園区域を外して超高層ビルを建てる再開発だということを。それを、超高層ビルは全て都市計画公園区域の外などという反論を擁護することはあり得ませんし、これ反論になっていない。東京都がこの再開発の本質を積極的に隠そう隠そうとしていることが、私は逆に浮き彫りになるような答弁だったなと思っています。情けない限りです。
 当初のまちの方向性と神宮外苑の再開発が矛盾を生じてしまう、そういう問題の一つがホテル建設です。
 外苑地区は、風致地区とともに文教地区にも実は指定された地域です。文教地区建築条例は、原則としてホテルを建てることは許されていませんが、外苑再開発にはなぜホテルを建てることができるのか。同時に、日本青年館のホテルが許されてきた理由は何か。

○山崎都市づくり政策部長 東京都文教地区建築条例では、文教上必要または文教上の目的を害するおそれがないと認められ許可を受けた場合は、建築が可能となっております。
 日本青年館につきましては、東京都文教地区建築条例に基づき、文教上必要として認め、許可しているものでございます。

○原田委員 日本青年館、外苑創建の際、全国の日本青年団の勤労奉仕に助けられた経緯があることから、外苑内にこの日本青年館が建てられた、そういう経緯があります。
 そうした外苑を、全国から訪れる方々あるいはスポーツの全国大会などで外苑を訪れる学生や子供たちに、高価でない宿と交流の場を提供すると。なるほど、これは一定の説得力があるなという感じはするわけです。
 ただ、これ、国立競技場北側の三井不動産の三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミアも同様の理由で許可されたということなんですね。一泊三万円から六万円するホテルが、文教上必要といえるのでしょうか。
 都民が集い、歴史と文化に思いをはせる憩いの森、野球、ラグビーなど、大衆スポーツとプロスポーツが交わる全国でも珍しいコモンスペース、神宮外苑に、高額ホテルが立ち並ぶことが果たしてふさわしいのか、私は疑問だということを申し上げておきます。
 さて、最後の質問になりますけれども、こうした神宮外苑のほかに、日比谷公園、葛西臨海公園、さらには明治公園の「鉄腕!DASH!!」騒ぎと、都立公園を利用した開発と大量の樹木伐採に大きな注目が集まり、小池知事は慌ててグリーンビズなるものを強調し始めました。
 そこでお聞きしますが、知事が所信表明で示した都心で増えた六万平米の緑地という発言の根拠として、都内のどこで、何平米という資料を示すことはできますか。

○山崎都市づくり政策部長 六万平方メートルにつきましては、都心三区で令和元年以降に竣工した大規模開発のうち、一定規模以上の緑が整備された開発における緑化面積を集計したものでございます。

○原田委員 ですから、それを資料で示すことはできるかって聞いたんです。もう一度。

○山崎都市づくり政策部長 六万平米につきまして、竹芝や麻布台、大手町などの大規模開発における緑化面積を集計したものでございます。

○原田委員 それはもう知っています。ちゃんと六万平米の内訳、どこの地域で何平米だというのを出せるんですかって聞いているんです。というか、さっきの答弁に緑化面積を集計したって書いてあるから、あるんでしょう、資料が。それを見せてください。

○山崎都市づくり政策部長 六万平米の内訳については公表しておりませんが、開示請求があれば、情報公開条例に基づき適切に対応させていただきます。
   〔発言する者あり〕

○原田委員 まあね、都議会での知事の所信表明という、二元代表制において最も厳正な対応が求められる場での発言について、その根拠を具体的に示すことができないというのは、ちょっと信じられません。
 大体、大型開発することによって生まれた緑地だというんですよね。大型開発というのは、地上百メートル、二百メートルと容積を増やしており、そのCO2排出量は膨大な量になりまして、壁面緑化とか屋上緑化、周辺の植栽ぐらいで足りるようなものじゃないわけですよ。
 例えば、神宮外苑再開発後のこの地域の年間CO2排出量、四万七千トンです。これをもし森林で吸収しようとすると、さっき開発で六万平米の緑地ができたっていいましたけど、もしこの四万七千トンのCO2を森林で吸収しようとすると、樹齢四十年の杉の木が五百三十四万平米必要とされるわけです。地球が温暖化するわけなんですよ。
 大型開発の環境負荷を隠して、逆に六万平米の植栽や壁面緑化が増えましたと自慢話にするあたり、欺瞞にもほどがあります。これ一つとっても、小池都知事のいうグリーンというのが、まやかし以外の何物でもないということがよく分かります。
 先ほど、都民ファーストの委員の雨水浸透策の質問、とても大事なことだと、私、聞いていて思いました。しかし、それが大型開発の環境負荷とセットになれば何の意味もなくなるわけですよ。
 外苑再開発で追い込まれた小池都知事は、事業者がやっていることだといってみたり、内苑の護持だとかいってみたり、グリーンビズでツリーバンクとかいってみたり、いずれも苦し紛れの言動に、およそ行政としての持続可能性はありません。
 都市整備局におかれましては、真に都政のSDGsのために、持続可能な都政のために、小池都知事や一部の企業に引きずられない事業推進を求めて、事務事業質疑を終わりたいと思います。

○松田(康)委員 私からは、地元板橋区の話題を中心として、また、他の委員と重なるところはちょっと質問を変えながら、削除もしながら、進めてまいりたいと思います。
 まず、地元板橋区の大山のまちづくりについて質問をさせていただきたいと思います。
 特定整備路線である補助二六号線大山区間、延焼遮断帯として木造住宅密集地域における火災の拡大を防止するなど、地域の防災性、安全性の向上のために必要不可欠な路線であります。
 また、本区間の計画線内に、都内でも有数のハッピーロード大山商店街が含まれることから、にぎわいの維持向上を図りながら、沿道のまちづくりと一体的に道路整備を進めることが重要な路線であります。
 この大山ハッピーロードという商店街ですが、五百六十メートル、アーケードがあります。そこで今度、東上線が立体化、大山はしますので、少しアーケードが削られます。東京都の都市計画道路の補助二六号線が商店街に対して斜めに入るので、ここも半分以上アーケードが取れる。この真ん中を道が通る、その中でどうやってにぎわいをつくっていくかというのが、今大きな課題となっております。
 この沿道、二つの再開発事業が進められています。これがにぎわいをつくる事業なんですけれども、新たなまちのにぎわいをつくる、そういう取組をしていかなければならない状況の中で、この補助二六号線大山区間の整備と沿道の市街地再開発事業の進捗状況について、まずお伺いいたします。

○池内防災都市づくり担当部長 補助二六号線につきましては、令和五年三月末時点の用地取得率が約五一%でございまして、来年度の工事実施に向け、関係機関と協議を実施してございます。
 また、周辺の再開発としまして、クロスポイントの再開発事業につきましては、令和六年度の竣工に向けて工事が進められているほか、ピッコロ・スクエア周辺については、令和五年九月に組合設立認可を受け、現在、権利変換計画作成に向けた調整が行われております。

○松田(康)委員 ありがとうございます。
 補助二六号線整備、よく分かりました。
 今、ピッコロ・スクエアというお話が出たんですが、ちょっと聞いている皆さん分からないと思うんですけど、ちょうどクロスポイントとピッコロ・スクエア、二つの開発を今再開しているんですが、クロスポイントというのは、商店街と新しい道が交わる、ここをにぎわいをつくっていく。ピッコロ・スクエアというのは、大山駅から来ると、分断されて向こう側になってしまう商店街、ここににぎわいをつくるところがピッコロ・スクエアというところになります。
 分からないですかね。(発言する者あり)知らぬがなですね。後藤委員のようにちゃんと今度図を持ってきて、説明すると長くなってしまいますので、まあ黙っててください。
 東上線の近くに行くA街区というのは、これはまだ進んでいないんですね。まだ整備率が低いということなんですが、ここをしっかりと後押しをよろしくお願いしたいと思います。
 現地を歩いてみると、ちょうどその真ん中辺り、事業の進捗に伴って、商店街周辺で更地化された土地が見受けられます。
 都は、この事業用地について、地域のにぎわい維持向上のためにどのような活用を図ってきたのか伺います。

○池内防災都市づくり担当部長 都は、商店街などへ、まちの活性化を検討するための専門家を派遣してございまして、事業用地で開催するイベントの企画などへの協力も行っております。
 これまで、地元からの要望を受け、商店街に面した事業用地の一部を一時休憩場所として利用していただいているほか、今年度は地域のイベントなども予定してございます。

○松田(康)委員 先日もここでハロウィンのイベントなど行われましたが、事業が進んでいく中においても、地域主催のイベントやその開催、また、そこをサロンとして利用を許可していただいていることによって、商店街のにぎわい維持のために協力をいただいていることを、改めてお礼を申し上げます。
 先ほどの答弁の中で、クロスポイント周辺地区の再開発が来年度竣工というご答弁ありましたけれども、このクロスポイント再開発の周辺道路用地についても、竣工に合わせた整備を行って有効活用を図っていくべきと考えますが、都はどのような計画を立てているのか伺います。

○池内防災都市づくり担当部長 再開発区域周辺で連続して取得した道路用地につきましては、歩道や緊急車両の通行路など暫定整備を行うべく、関係機関と協議を進めております。
 暫定整備後につきましては、地域のにぎわいの維持向上に関するニーズを踏まえまして、関係機関と調整を行い、有効活用を図ってまいります。

○松田(康)委員 開通前のこの道路については、ここ十年ほど、ピッコロ・スクエア、先ほどいったところなんですけど、ここで大山夏祭りや盆踊り大会、祭礼時の神酒所、こんなことをやっているんですけれども、そういったものも、年四回程度イベントをやりたいなというふうに地元から意見が出ております。そういったときもこの用地、利用させていただけるということでよろしいでしょうか。

○池内防災都市づくり担当部長 地元の方々からいろんなご要望をいただいていることは、事務所から聞いておりますので、先ほど申しましたように、関係機関と調整を図りながら、有効活用を図ってまいりたいと思います。

○松田(康)委員 ありがとうございます。前向きな答弁ありがとうございます。
 先ほども申し上げましたが、A街区が進んでいないことによって、今、補助二六号線、この後、長期間開通しないことも考えられるところであります。
 この完成をしている未開通道路区間において、イベント時以外は、例えばテラスとして利用するとか、フェンスで囲うんじゃなくて、車以外は自由に出入りできるようにするとか、あとは、できれば景観に配慮したものにする。そして、道路部の仮設電柱なども、東電と協議が必要だと思いますけれども、景観を害さないようにするといった、商店街のにぎわいにも資する取組をさらに後押ししていただければと思います。
 また、道路完成時には、回遊性確保のために、横断歩道を商店街の両サイドに整備してもらいたいという要望があります。いっぱいお願いすることはあるんですけれども、今後また地元町会や商店街とも協議の機会をお願いしておきます。
 道路によって分断をされて、にぎわいを継続する商店街というのはまれだと思います。そういった全国の先行事例になれるよう、都としても引き続き、地域の防災性、安全性の向上とにぎわい維持向上に向けて、補助第二六号線の整備と沿道まちづくりが着実に進むように要望いたします。
 一方で、補助二六号線に隣接する補助第八六号線のうち、東武東上線と交差をする区間では、第二次事業化計画で優先整備路線に位置づけられていましたが、第三次及び第四次計画では、優先整備路線に位置づけられておりません。
 本路線は、板橋区から北区までつながる、環状方向のネットワークを形成する重要な道路であり、当該区間の東武東上線と交差する踏切では渋滞も発生しており、幅員も狭く、安全面からも課題がある区間でございます。
 現在は第四次事業化の計画期間中ですが、次の計画を策定するときは、本路線の課題をしっかりと認識をして、優先整備路線に位置づけるよう要望して、次の質問に移ります。
 次に、今度は東武東上線のホームドア整備——ずっと地元でいきます——についてお伺いいたします。
 都内の鉄道のホームドアの整備については、先ほども質疑がありました。今、令和四年度末の状況として、JRと私鉄の駅では百七十三駅で整備をされて、進捗率が、JR、私鉄ともに大体三六%というふうに聞いております。
 これについて、JRや私鉄、地下鉄ごとの整備状況、先ほど伺いましたので分かりましたが、事業者ごと、そして路線ごとの整備状況について、ちょっと聞いてみたいと思います。
 東武東上線におけるホームドアの整備状況について、まずお願いいたします。

○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 東武東上線には、都内に十駅があり、そのうち池袋駅でホームドアが設置されています。池袋駅には五つの番線があり、四つの番線でホームドアが設置されております。

○松田(康)委員 東京都は、JRや私鉄駅のホームドア整備に対する補助を平成二十六年度から本格的に行っているとのことですが、開始から十年近くが経過をしたことになります。
 地下鉄駅では、既に九割の駅でホームドアが設置されているということですが、JRと私鉄の駅では、先ほども述べたように、整備率は三六%、四割弱にとどまっております。
 一つの駅を整備するのにどのぐらいかかるんですかと聞いたら、やっぱり五億から七億ぐらいかかると。補助があるんですけど、今、最大で東京都が四千万、地元自治体が最大四千万ということで、八千万がマックスという中で、なかなか難しいところ、事業者負担もあると思います。
 この補助制度、つくってから、都内のJR、私鉄の駅ではどのぐらいホームドアの整備が進んだのか伺います。

○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 都内駅のホームドア整備状況は、JR及び私鉄駅において、令和四年度末時点で整備率が三六%でございますので、補助制度創設前の平成二十五年度末時点の一七・三%から一八・七ポイント上昇してございます。

○松田(康)委員 この制度を始めてから約倍に上昇したと。二〇三〇年も、先ほどご答弁いただいたように六〇%を目指していくと。しっかり整備のほどよろしくお願いいたします。
 東武東上線の板橋区内の駅、ホームドアは一つも設置されていません。特に下赤塚駅では、令和三年に、視覚障害者の方が転落をして死亡するという痛ましい事故がありました。これを受けて、板橋区と豊島区の視覚障害者団体で要望活動を行った経緯があります。駅の安全対策、特に視覚障害者の方の安全対策として、ホームドア設置は沿線住民からも強い要望があります。
 そこで、東武東上線の板橋区内の駅について、ホームドアの整備の今後の見通しと、早期整備に向けた都の取組をお伺いいたします。

○佐々木地域公共交通担当部長多摩ニュータウン事業調整担当部長兼務 東武東上線の板橋区内には七つの駅があります。そのうち、東武練馬、下赤塚、成増の三駅は、令和四年度からホームドア等の設計に着手し、七年度までに整備する計画でございます。また、大山から上板橋の四駅は、令和八年度以降整備に着手し、十七年度までに整備する計画としてございます。
 都といたしましては、引き続き東武鉄道に対し、ホームドアの早期整備を働きかけてまいります。

○松田(康)委員 ありがとうございます。
 東武練馬、下赤塚、成増に関しては令和七年度までということで、これは東武鉄道は、先ほど加藤理事からも質問がありましたが、東武鉄道はスカイツリーラインと東上線と、スカイツリーラインで今やっている整備をやって、今度、東上線のこの三駅をやる。また、令和八年から十七年度まで次の、先ほど鐘ケ淵でしたっけ、を含めて、それ以外の東上線の板橋区内の駅もやっていくということが分かりました。
 また、東武練馬以降、上板橋から大山区間含めて、立体化なども計画をされていくところでありますので、立体化とリンクをしながら、またホームドアの整備をしていくことを要望して、次の質問に移ります。
 先ほど西沢委員の質問の中で、緊急輸送道路の耐震化率の質疑があったんですけれども、その中で、先ほど西沢委員の資料を拝見させていただいたら、川越街道の環七より西側、埼玉県に至るまでと、新大宮バイパスにおける耐震化区間達成率が六〇%未満となっていますが、この理由と、今後の取組について伺います。

○谷井耐震化推進担当部長 委員お話しの区間の区間到達率は六〇%未満であり、その理由としましては、沿道に特に倒壊の危険性が高いマンションなどが多く存在していると考えております。
 このため、今後も地元区と連携し、マンション住民の合意形成を支援するなど、耐震化に取り組んでまいります。

○松田(康)委員 ありがとうございます。
 ちょっとすみません、通告していなかったので、急な質問なんで、今後また詳しい状況を教えていただきまして、それから改めて協議を進めさせていただければと思います。地元としてもしっかり協力をして、沿道整備に力を入れていきたいと思います。
 次に、建築確認のデジタル化について伺います。
 現在、様々な分野でデジタル化が進んでおります。東京都は、建築確認のデジタル化に着手をされていると聞いております。
 そこでまず、建築確認手続のデジタル化について、国の取組や他の地方自治体の先行事例について伺います。

○飯泉市街地建築部長 現在、国では、建築確認等に係る電子申請システムを整備中であると聞いております。
 また、全国の特定行政庁では、北海道が、令和四年度から建築確認申請などの手続についてオンラインでの受付を開始しております。

○松田(康)委員 ありがとうございます。
 自治体では北海道が先行しているということですが、都は二十三区や多摩部もあり、東京都全体の建築行政を取りまとめている立場にあると思います。
 次に、建築確認などのデジタル化について、現在の都の取組について伺います。

○飯泉市街地建築部長 建築確認等のデジタル化に関しましては、現在、オンラインでの受付が可能なシステムを構築中でございまして、令和五年度の運用開始を目指し、取組を進めております。

○松田(康)委員 本年度の運用開始を目指して進めているということですが、建築確認などのデジタル化について、来年度以降の都の取組について伺います。

○飯泉市街地建築部長 都が構築中のシステムにつきましては、都内の特定行政庁である区市も利用可能な汎用性を備えたものとしておりまして、令和六年度以降、システムの利用を希望する区市と調整等を行ってまいります。

○松田(康)委員 ありがとうございます。
 着実に進めていただくようお願いいたします。また、建築物を建てる際の確認申請のデジタル化は、今、状況は分かりました。
 建てた建物のうち、ホテル、デパート、病院など、不特定多数の方が利用する建物については、防火や避難での安全性を特に確保していかなければなりません。
 そこで質問いたします。建物の維持管理を適切に行うことは重要であります。定期報告についてもデジタル化を進める必要があると思いますが、現在の都の取組について伺います。

○飯泉市街地建築部長 定期報告につきましても、建築確認等の手続と同様にデジタル化を進めておりまして、令和五年度の運用開始を目指し、システムの構築を進めております。

○松田(康)委員 ありがとうございます。
 建築確認、そしてその後の更新についても、デジタル化が進んでいるということが分かりました。今後も、業界の方の意見に耳を傾けながら推進していただくことを要望して、次の質問に移ります。
 次は、先ほど尾崎副委員長から話の出ました築地のまちづくりについてお伺いをいたします。
 昨年十一月、事業者募集要項を公表、事業者からの提案を受けて、事業に向けて審議をしている。この件については、後ほどちょっと触れさせていただきますが、まず先に、この現地の土壌汚染調査を行うということになっておりますが、三月の委員会における我が党の質問に対して、進捗率は九割ですというご答弁をいただいております。
 現在の土壌汚染調査の進捗状況と調査結果についてお伺いいたします。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 都市整備局が調査を実施する千八百八十三の地点のうち、昨年度末までに千七百三十三地点での調査を完了し、このうち七百七十八地点におきまして、鉛等が土壌汚染対策法などに基づく基準値を超過いたしております。
 現在、百三十八地点で調査を実施しておりまして、今年度末までに、都市整備局が調査を実施する地点の九九%で調査が終了する予定でございます。

○松田(康)委員 約千九百地点での調査が今年度の調査でほぼ終わります。九九%というご答弁がありました。
 令和四年度までの調査で、土対、土壌汚染対策法の基準値を七百七十八地点が超えており、千九百のうち、約四〇%の地点で土壌汚染が確認されたということは、正直、多いなという印象を受けております。
 鉛などの土壌汚染が出ているということですが、基準値を超過している土壌汚染について、健康被害への心配はないのか、また、どのように安全を確認していくのかを伺います。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 当該区域は、土壌汚染の摂取経路がないことや、埋立地であり、地下水を飲用利用することはないことなどから、健康被害が生じる見込みはございません。
 今後、周辺への影響を把握するため、条例に基づくモニタリング等を実施し、その結果等も踏まえまして、必要な対策計画を策定する予定でございます。

○松田(康)委員 今、当該地域は、土壌汚染の摂取経路がないことや、埋立地で地下水を飲用利用することがないため、健康被害が生じる見込みはないとのご答弁をいただきましたが、そのとおりなんですね。
 八十年という長きにわたり、食を扱う市場としての役割を果たしてきた築地市場、そして、さらにその基準を上回る安全対策を講じた豊洲市場、その豊洲市場に対して、かつて小池知事は、安全だが安心ではないといい、平成二十九年、当時移転予定だった豊洲市場の風評被害につながったわけであります。
 東京都は、このような過ちを二度と起こさないよう、築地のまちづくりに向けた土壌汚染対策とその情報発信に取り組んでいただくことをお願い申し上げます。
 先ほどもお話が出ていた埋蔵文化財調査について伺います。
 先ほど、松平定信公の下屋敷のお話、浴恩園のお話が出ておりましたが、それ以外にも、江戸時代末期には軍艦の操練所や海軍の施設などがあったと聞いております。また、近代までの様々な遺構が埋蔵をされていると思います。
 都が行う埋蔵文化財調査、その調査結果と、先ほど関係機関と対応といったんですが、どこと対応して、今後どう進めていくのかについて伺います。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 都は、昨年度までに、都の旧跡である浴恩園跡地付近の試掘調査を終了しておりまして、旧築地市場の基礎等で破損している近世の石積みの一部等が出土をしております。
 今年度は、隅田川の旧護岸付近などにおきまして調査を実施するとともに、今後の調査や出土した遺構の取扱いなどについて、都の教育庁や中央区の教育委員会等と協議を進めてまいります。

○松田(康)委員 いつまでに終了するかというのは、おっしゃっていただけなかったんですが、まだ分からないのかもしれませんけれども、終了したところから開発に入っていただくようお願いをいたします。
 そして、先ほどお話の出ていた情報漏えいの話ですね、外部有識者から成る審査委員会が審査を実施中でありますが、まず最初に一つの案が報道され、そして、おとといのNHKでは両方の案、二つの案が出て、夕方のニュースでは概略図みたいのも出ておりました。
 そして、先ほど尾崎副委員長の、都は提案内容を非公表としているのに、何でこういうことになったんですかという質問で、都としてはちゃんと情報管理しています、報道の経緯ついては不承知でありますというご答弁だったんですが、報道の経緯について不承知。でも、本来クローズであるべきものが漏れてしまっている。この情報漏えい、この情報を知っているのは誰なんですか。今、都に示している案を知っているのはどなたなんですか。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 都が八月末に受け付けました提案の内容、これを知っている者といたしましては、都の事務局、それと、審査をお願いをしております審査委員、それと、都の検討を支援しております業務委託をしている会社が考えられるかと思います。

○松田(康)委員 今ご答弁あったのは、東京都、審査委員、委託をしている会社、今、二つ明らかというか、二つ出てきていますけれども、それ以外はないということでよろしいですか。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 失礼いたしました。当然ながら、各提案をしている応募者につきましては、自分がどういう応募をしたのか、提案をしたのかということは、それは承知をしているかと存じます。

○松田(康)委員 東京都、審査委員、応募者と委託会社ですか、四者ということですね。確認します。もう一回お願いします。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 事務局であります東京都、それと審査委員、それと、都の検討に対して業務支援を受託している企業、それと、提案を行った各応募者の企業ということでございます。

○松田(康)委員 今、四者ということが分かりました。
 一応確認しておきますけど、情報漏えいに関して、東京都ではありませんよね。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 都といたしましては、応募者の情報及び提案内容につきましては非公表としておりまして、審査過程の情報管理の徹底を図ってまいりました。
 情報が出ている経路といたしましては、都ではないというふうに考えてございます。

○松田(康)委員 都ではないということで、これ以上は追及はしません。
 都は、公平、公正、中立な審査を実施するとして、提案内容を非公表にして、議会にも、都民にも説明せず、審査過程の情報を管理徹底してきた。結果として報道されている。
 こうした内容が報道されると、都がいう公正、中立な審査は実施できないのではないかと憂慮しますが、いかがでしょうか。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 審査の実施に当たりましては、審査委員から、報道等による影響をヒアリングするなど、客観的かつ公正な審査に支障がないことを確認しながら、審査基準にのっとった適切な審査を行ってまいります。

○松田(康)委員 審査委員に確認しながら審査を進めることで、公平、公正な審査を行えるという答弁ですが、このままこのような情報の流出が続いてしまうと、影響が全くないといえるのか非常に疑問であります。
 東京都のいうように、公正、中立な審査が必要であることは確かでありますが、この審査の公平性を担保していくためには、今後どうしていくのか伺います。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 応募者に対しまして、引き続き情報管理の徹底を求めますとともに、都の検討に対する支援業務を受託した企業等を含めまして、改めて情報管理を徹底し、審査委員会による公正、中立な審査の実施を図ってまいります。

○松田(康)委員 こうした報道がなされているのは、都の情報管理や事業者の選定方法に問題があるのではないかと懸念がされるところであります。管理方法を点検するなど、改めて情報管理を徹底していただきたいと思います。
 もともとこの築地の土地は、豊洲市場に移るときに、市場があのときの試算で約四千五百億で売却の方針でありましたが、その後、小池知事が移転を延期する中で、有償所管替えを、平成何年でしたっけ、三十年、三十一年、まあ有償所管替えをして、そのときが、一般会計への有償所管替えが平成三十一年、五千六百億ということであります。
 先ほどの質疑でありましたけれども、売却しようとして市場が試算をしたときには、大体年間百五十億ぐらいという試算だったんですが、先ほどの質疑で、平米当たり四千四百九十七円の十九ヘクタールだから、年間百二億で貸すという、それが最低ラインですよという、先ほど尾崎副委員長のお話でありましたけれども、この百五十億と百億の差はどうして生まれてきたのか。また、採算については先ほど、七千億を七十年でしたっけ、ということで取れるという答弁でありましたが、この差について伺います。

○飯塚築地まちづくり推進担当部長 想定しております年間の賃料収入であります年間百二億円については、その根拠となっているところが、年間の貸付基準額四千四百九十七円平米当たりというところでございますので、この四千四百九十七円というところでございますけれども、築地まちづくり事業につきましては、将来の東京全体としての価値の最大化を目指し、公共性、公益性の観点に留意をいたしまして、大規模集客施設や交流機能等の導入、それと広域交通結節機能などの都市基盤の整備等、これらをまちづくり方針や事業実施方針に定めておりまして、民間事業者の役割として、これを事業の条件としているところでございます。
 募集要項で示しました貸付料の基準単価月額でございます四千四百九十七円、これは、建設費の変動等を踏まえながら、これらの条件に基づきまして、外部の不動産鑑定評価を実施し、算定したものでございます。
 その上で、公有財産の貸付けに当たって貸付料等を審議する公有財産価格審議会の評定をして、決定したというものでございます。

○松田(康)委員 審議会を通してやったということは確認させていただきました。
 市場の移転に際しては、用地が創出してから既に相当長い時間が経過をしております。この間、築地は守る、豊洲を生かすとか、食のテーマパークであったりとか、ローリングで移転するとか、物流倉庫に豊洲はするとか、いろんなお話があった中で、なかなか進まなかったところ、今ようやくスタートラインに立ったところ、ここをもう一度白紙にすると、また都民にとっても大きなマイナスになってしまうと思います。
 公平、公正、中立な提案審査を行い、都民の利益につながる築地まちづくりを着実に進めていくことは非常に重要でありますが、ここで谷崎局長の決意を聞きたいと思います。

○谷崎都市整備局長 築地まちづくりでは、都心のまたとない広大な土地と地域のポテンシャルを生かして、民間の力を最大限に活用しながら、東京の持続的な成長につなげていくことが重要でございます。
 優れた提案を適切に評価して事業予定者を選定できるよう、審査委員会による審査を適切に行い、築地地区のまちづくりを着実に推進してまいります。

○松田(康)委員 今、局長から、優れた提案を適切に評価といわれましたが、適切に管理ができていないので、今回のようなことが起こっているということであります。
 そもそも、先入観を持たないように、事業者名すら伏せて審査するところを、事業者名どころか中身まで一部出ていて、NHKでは図柄まで使って、おととい報道をされたところであります。ここまでいったら白紙にすべきなんじゃないかという意見も出てくるところでありますが、これが東京都の審査のあしき前例とならないように、しっかりとした公平、公正な審査を保って取り組んでいただくことをお願いして、次の質問に移ります。
 さて次、自動運転のお話、先ほど中山委員からお話があった、大体皆さんがお話ししたことの後追いで申し訳ないんですが、別の視点から質問していきたいと思います。
 今、自動運転サービス導入に向けて、東京都の取組と、今年度、八丈島、これは我が会派、数名視察、自動運転で行ってきたんですけれども、八丈島や西新宿地区において、自動運転バスを走行させたと聞いておりますが、この目的をまず伺います。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 自動運転サービスにつきましては、区市町村などによる導入を推進するため、庁内関係部署と連携して検討を進めております。
 その検討の一環といたしまして、八丈島で自動運転バスを走行させ、地域社会に対する受容性などについて検証を行いました。
 また、西新宿地区におきましては、多くの方々に自動運転を体験してもらうことや、技術的な検証のため、自動運転バスを運行いたしました。

○松田(康)委員 具体的な検討が始まっているということでありますが、その検討の中で、自動運転サービスを導入していく上で、どんなことが課題として確認されているのかを伺いたいと思います。また、実際にこの自動運転バス、走らせたことによっての課題も併せて伺います。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 区市町村などを対象に実施したアンケートにより、自動運転の導入に必要な法的手続の明確化などの課題が明らかになってございます。
 また、過年度に実施いたしました西新宿地区における実証では、路上駐車に起因する死角などへの技術的な対応などの課題が明らかになってございます。

○松田(康)委員 都市部と島しょ部は、課題が違うんだなということは分かりました。
 八丈島については、十月末、おとといまでだと思いますので、これから課題について改めてご報告いただきたいと思います。
 自動運転サービスを導入していくためには、様々な課題があり、これにこれから対応していく必要があります。こうした課題の解決に向けて、都は今後、どのように取り組んでいくのか伺います。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 都といたしましては、区市町村などによる自動運転サービスの導入に向けまして、必要な手順や、安全に自動運転車を走行させるために必要な環境整備の内容などについて検討、整理してまいります。

○松田(康)委員 路線バスやコミュニティバスなどの自動運転サービスについては、西新宿地区や八丈島に限らず、多摩地区や周辺区部なども導入できるように検討を進めていく必要があると考えますが、都はどのように取り組んでいくのでしょうか。お伺いします。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 自動運転サービスの導入につきましては、地域の交通特性によって整備すべき内容などが異なりますことから、都心部や郊外部など、それぞれの交通特性に応じた方策を検討し、区市町村などによる様々な地域での取組を支援してまいります。

○松田(康)委員 ただいまご答弁いただいたのは、都心部や郊外部それぞれに応じた方策を検討し、区市町村などによる様々な地域の取組を支援とご答弁いただいたんですが、例えば郊外部である板橋区の高島平などは、先ほど中山先生がおっしゃった条件にぴったりでして、センターラインがしっかりしている、中央分離帯もあるところも多くて、約五十年前にできたまちなので、新しいので、非常に碁盤の目のように整理をされている。ぼこぼこも少ない。
 高島平という土地のとおり平らなんですね。高島秋帆さんという人が、昔、鉄砲の砲術訓練を行った平らな土地なので、高島平ということなんですが、例えば高島平で導入をする、例えば板橋区が手を挙げたら、そういった可能性はありますでしょうか。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 一部重なるところもございますけれども、それぞれの交通特性に応じた方策を区市町村とも連携して検討いたしまして、様々な地域での取組を支援してまいります。

○松田(康)委員 可能性はあるということで受け取ってよろしいですか。——はい、うなずいていただきましたので、そのように取らせていただきます。
 この高島平という地域、非常に全国的にも結構ニュースになると思うんですね。高島平団地というのが昭和四十七年にできて、高齢化がすごく進んでいる地域でもありますので、自動運転には非常に期待を持っておりますので、ぜひお願いをして、次の質問に行きます。
 次も高島平の地域のお話なんですが、先ほど、北部流通団地でしたかね、お話があって、私は、西北部流通団地というのが高島平にございます。都内に四か所あるこの首都圏の物流拠点の一つなんですけれども、ここに板橋トラックターミナルというのがありまして、これが建て替えが進んでいます。この建て替えに関して、流通業務団地としてより効率的な施設とすることが必要だと考えています。
 そこで、東京都の流通業務団地の都市計画の考え方と、西北部流通業務団地における取組について伺います。

○三宮都市基盤部長 流通業務団地については、近年の物流ニーズの変化に応じた適切な更新へ誘導していくため、施設用途の複合化や適切な建築形態などの都市計画の見直しの方向性を令和元年九月に公表いたしました。
 西北部流通団地におきましては、昨年七月に地権者との連絡会を開催し、都市計画変更に向けた検討を開始しておりまして、引き続き必要な検討を行ってまいります。

○松田(康)委員 今、この流通業務団地内のトラックターミナルの話でありましたが、建て替えが進んだことによって、西高島平の駅前の約五万平米の空地ができるというふうにいわれています。地元区としては、ここに、にぎわいの形成だったり、防災対策だったり、産業への貢献など、いろんな要望を抱えているところであります。
 日本自動車ターミナル株式会社は、東京都が四三・三%の出資のところでもあります。ここは事業協力団体ということでもありますので、ぜひ地元板橋区との橋渡しを東京都にお願いをさせていただきたいと思います。
 次の質問に行きます。また高島平に戻るんですけれども、先ほど、やはり中山委員から質問がありました高速道路を使った避難について伺います。
 我が党も、この第二回定例会で質問し、具体的な行動を確認、検証し、住民が安全に移動できるよう取組を進めるという答弁をいただいておりますが、改めて、この取組の意義とその後の状況をお伺いします。

○土橋航空政策担当部長物流担当部長外かく環状道路担当部長兼務 住民を安全に誘導するためには、本取組の実効性をさらに高めることが重要でございまして、本年四月の協定締結以降、江東五区などの関係者間で、情報の共有方法や、おのおのの役割に基づく行動項目などについて、タイムラインに沿った確認、検証を行ってきてございます。

○松田(康)委員 ありがとうございます。
 今の進捗状況ですが、今、江東五区では進んでいますよというお話なんですが、板橋区をはじめとした区では、まだ高速道路利用は認められていないところであります。
 高島平というところなんですけど、非常に荒川、新河岸川があって低い土地にあります。板橋区、大体高台で、首都高五号線があるんですけど、そこから向こうがすごく低くなっていて、新河岸や舟渡といったところは、五メートル、七メートル浸水するといわれていて、そこから高台まで逃げると、直線距離で約二キロあります。真っすぐ逃げられないのが、高速のところが崖になっていて、ニリンソウが自生しているんですけど、崖だから、そこから逃げちゃ行けませんよということで、迂回をして、ずっと回って都道を通って、斜めに上がっていってください、これ、かなりな距離になってしまいますので、事前に逃げるのが一番なんですけど、逃げ遅れてしまう人がいます。
 ちょうど高島平のところに、先ほど話をしたトラックターミナルがあって、その横に首都高が走っていますので、ここを将来的には、また利用できるように検討していただくことをお願いいたします。
 最後に、三環状道路の整備についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 都内の高速道路、交通集中によって渋滞が依然として頻発をしております。特に、コロナが明けて行動が活発になっていて、どんどんどんどん渋滞は増えているのかなというのは、感覚的に感じているところであります。
 一番最初、都庁に初めて来たときは、私は、首都高のC2が新宿の辺で止まっていたので、家、私は成増というところに住んでいるんですけど、成増から首都高に乗って中野長者橋で降りて、自分の椅子に座るまで二十分だったんですが、先日、一時間二十分かかりました。非常に今、渋滞がすごい状況を肌で感じているところであります。
 なので、下道で来た方が早いような状況。下で回ってくると、練馬区を通って杉並、中野辺りを通って、新宿に来るんですけれども、こういったことは、やはり環状道路をしっかり整備することによって解決が、解決策としては一番大きなところだと思います。
 これまで圏央道、中央環状線開通をして、外環においては関越道から東名高速間の工事が進んでいます。残された整備区間は、東名道から湾岸道路の部分だけとなりました。
 東京の国際競争力の強化に資する外環の東名高速から湾岸道路間の整備に向けた局長の決意を伺います。

○谷崎都市整備局長 外かく環状道路の東名以南についてでございます。
 外環の東名高速から湾岸道路間は、首都圏三環状道路のいわば総仕上げの区間であり、国際競争力の強化に向けて、羽田空港や東京港のアクセスを強化する重要な区間でございます。
 この区間は、ルートや構造等が未定であるため、都は、国や川崎市との三者で構成する計画検討協議会において、計画の具体化に向けた検討を行ってきております。
 関越道から東名高速間に引き続き、この区間の整備がなされるよう、今後とも、国や関係機関と共に、計画の早期具体化に向け積極的に取り組んでまいります。

○松田(康)委員 ありがとうございます。
 質疑の中で、局長に二回も答弁に立っていただきまして、本当に恐縮でございます。
 今回、築地のことに関しては厳しいことも少し申し上げましたが、しっかりと前向きに捉えて、都政を前に進めるために、我々はしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げまして、私の事務事業質疑を終わります。

○森口委員 東京五輪から二年がたち、レガシーである持続可能性や多様性、包摂性にあふれた、活力とゆとりある高度成熟都市の実現に向けた取組が本格化しています。
 都は、世界の都市間競争に打ち勝ち、国際競争力が低下をし続ける日本全体を牽引していく重要な役割を担っております。
 我が会派は、東京が将来にわたり世界から選ばれる都市であり続けるため、強靱で持続可能な都市の実現に向け、デジタル、グリーンを主軸として、ゼロエミッションなど環境への配慮、都市開発諸制度などを活用したグリーンインフラの推進、水辺空間の創出や、歩行者中心の緑のネットワークの形成、ZEVや自動運転、次世代モビリティーなど新たな交通や輸送の円滑化、都市OSやデジタルツインを活用した防災対策、そしてスマートシティの実現など、様々な取組の推進を求めてまいりました。
 本日は、将来の東京を象徴するまちづくりが進められている東京ベイエリアについて質疑を行いたいと思います。
 ベイエリアは、東京ベイeSGまちづくり戦略において、海と緑の環境に調和した持続可能な次世代都市と位置づけられ、東京を先導するエリアとして開発が進められております。
 まずは、未来の東京の実現に向けたベイエリアの将来像について、デジタルとグリーンの観点から、その特徴を伺います。

○澤井まちづくり調整担当部長 東京ベイeSGまちづくり戦略二〇二二では、サステーナブルリカバリーの考え方に立脚した都市をベイエリアの将来像としております。
 具体的には、質の高い緑と魅力的な水辺空間の形成や、デジタルと先端技術をまちの隅々まで実装することを戦略として掲げております。

○森口委員 まちづくり戦略に先立ち公表された東京ベイeSGプロジェクトでは、ベイエリアは、最先端テクノロジーの巨大実装エリアとして、先端技術の実証実験や5G基盤の整備、スタートアップの集積など、先行プロジェクトを展開していくとされております。
 まちづくり戦略では、デジタルと先端技術をまちに実装するために、具体的にどのような取組が検討されているのか伺います。

○澤井まちづくり調整担当部長 まちづくり戦略では、自動運転サービスや空飛ぶ車、燃料電池船、マイクロモビリティーなど次世代モビリティーの実装、XRイベントなど新たなライブ、エンタメの展開による未来のまちのショーケース化、都市OSを介した観光、食、ヘルスケアなど分野横断型サービスの実装を示しております。

○森口委員 来年四月から五月には、ベイエリアで最先端テクノロジーを実装した未来の都市モデルを国内外に発信をする、五十万人規模のSusHi Techイベントが予定されております。
 有明アリーナや海の森、また日本科学未来館においては、ショーケースプログラムとして、最先端技術の実演や、二〇五〇年の未来の都市が表現されるとのことでありまして、今後、最先端テクノロジーが次々と実装され、あらゆる分野で都民のQOLが向上し、東京の魅力が高まることを期待いたします。
 次に、脱炭素環境先進都市の取組について伺います。
 東京大会の選手村跡地である晴海五丁目西地区では、大会後の改修が間もなく終わり、来春、まち開きを迎えます。
 都が整備を進めるこの地区では、環境先進都市のモデルとなるまちを目指して、低炭素化、省エネルギー化、都市のレジリエンス強化の実現を図っております。特に、水素のパイプライン供給の実用化は、国内初の取組として注目がされています。
 そこで、晴海五丁目西地区で取り組むエネルギー対策について伺います。

○三木市街地整備部長 本地区では、分譲住宅全てに家庭用燃料電池を設置するとともに、共用部におきましては、純水素型燃料電池、太陽光発電などの多様な電源を備えております。
 さらに、AIを活用し、多様な電源を連携させまして、街区単位でエネルギー管理を行う取組等によりまして、低炭素化、省エネルギー化を目指しております。

○森口委員 取組の効果として、CO2排出削減量の見込みや省エネルギーの水準について伺います。

○三木市街地整備部長 本地区の取組や設備機器の高効率化などによりまして、住宅街区におけますCO2排出量の削減は、二〇一三年を基準といたしまして、二〇三〇年時点で約年間一万一千七百トン、約四七%の削減を目標といたしております。
 また、本事業は、省エネルギー性能を評価いたします国内外の環境性能評価におきまして、複数の高ランクの認証を取得しております。

○森口委員 既存の省エネ技術を最大限活用するとともに、日本初となる水素パイプラインの供給や、多様な電源の確保と、AIエネルギーマネジメントによるエネルギーミックスなど、新技術の実装がされており、その取組や運用が注目されております。
 晴海五丁目西地区は、かつて国際見本市などがあった埋立地でありましたが、選手村の整備を機に、緑豊かな居住空間へと生まれ変わっています。晴海ふ頭公園や晴海緑道など、港湾局の公園も拡張がするなど、まち全体で緑のまちづくりが進められております。
 そこで、晴海五丁目西地区の整備における緑化のコンセプトについて伺います。

○三木市街地整備部長 本地区では、水と緑に親しみ、憩いと安らぎが感じられるまちをコンセプトに、街区内の様々な広場で空間ごとの特徴的な緑を形成することといたしております。
 また、街路の植栽に関しましては、オオシマザクラなどの四季が感じられる樹種を選定するなど、道路空間ごとに多様な緑のネットワークの形成を図っております。

○森口委員 この開発によって新たに創出される緑の量について伺います。

○三木市街地整備部長 本地区の街区内におきまして、地上部の緑化面積の計画は約三・七ヘクタールでございます。
 また、樹木の本数は、街区内と道路及び交通広場を合わせまして、中高木が約四千本となる予定でございます。

○森口委員 多様な世代が憩いと安らぎを得られるまちづくりとして、緑の整備が進められております。将来の東京を象徴する、緑あふれる環境先進モデル都市としてまち開きがされ、同様の取組が広がることを期待いたします。
 ベイエリアでは、この晴海五丁目とともに、芝浦一丁目プロジェクトにおいても、AIを活用した省エネや、再生可能エネルギー由来の電力の活用により、一〇〇%の脱炭素の取組が進められるなど、都市のゼロエミッション化が着実に進められていると理解をしております。
 次に、ベイエリアの交通インフラについて伺います。
 ベイエリアでは、大規模で多様な開発計画が進展をしており、晴海や勝どき、豊洲、有明、東雲、月島など、次々と高層マンションが建設がされるなど、人口が急増しており、今後も人口増が見込まれるなど、交通需要への対策が急務です。
 そこで、ベイエリアにおいて、将来にわたり、どのような交通インフラの整備を検討しているか伺います。

○三宮都市基盤部長 臨海地下鉄の整備や、既存の公共交通ネットワークの有効活用、舟運の活性化、東京BRTの運行、地区内交通の充実、首都高速晴海線の延伸等により、まちの魅力や活動の基盤となる交通ネットワークを構築してまいります。

○森口委員 新たなまちづくりが進み、人口が急増しているベイエリアと東京の都心部をつなぐ公共交通として、東京BRT、舟運、臨海地下鉄など検討が進められております。
 都は、交通需要増に速やかに対応すべく、令和二年十月より、都心とベイエリアを結ぶ高速輸送システム、BRTのプレ運行を始めております。晴海五丁目選手村跡地の入居が始まる来春、本格運行を行うことになるとともに、ベイエリアから東京駅をつなぐ新たな路線も検討がされております。
 ベイエリアにおける重要な公共交通の一つである東京BRTは、利便性を確保し、想定される需要に対応していく必要があると考えますが、その取組状況と整備後の効果について伺います。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 東京BRTは、現在、晴海五丁目の停留施設の整備などを進めております。来年春に選手村ルートの運行を開始し、臨海地域の交通ネットワークを拡充いたします。
 選手村ルートを含めたBRTの三ルートにつきましては、運行事業者と連携し、利用者ニーズなどを見極めながら、運行便数を検討するなど、開発が進む臨海地域での交通需要に対応してまいります。

○森口委員 ベイエリアにおいては、人口増と、昨今の観光需要やイベント等の増加により、都バスも大変混雑しており、増便して対応していると伺っています。
 今後、利便性の向上や交通需要に対応するべく、運行数の増便とともに、ベイエリアから新橋、銀座、東京駅をつなぐ新たな路線の整備など、検討を前に進めていただきたいと要望いたします。
 次に、舟運の取組について伺います。
 東京には、川、海、運河などすばらしい水辺空間があり、水の都の再生へ向けて舟運の活性化に取り組んでおり、令和元年より、我が会派の求めに応じ、通勤を想定した社会実験を行ってきました。
 先月、運航を開始した日本橋−豊洲間の航路とともに、来年、晴海五丁目のまち開きに合わせて、晴海−日の出間を結ぶ航路が船旅通勤として開始がされます。
 そこで、船旅通勤によって想定される効果について見解を伺います。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 船は、混雑や渋滞を回避し、快適に移動できる交通手段でございます。
 新しい通勤スタイル、ライフスタイルの一つとして、船による移動という新たな選択肢を提供いたしまして、多様な魅力を持つベイエリアの可能性を広げてまいります。

○森口委員 先月、運航を開始した日本橋−豊洲間ですが、火曜日、水曜日、木曜日の夕方のみの運航ですが、水辺から東京の夜景が見られるなど、好評と伺っております。
 通勤手段の分散化や、東京の新たな魅力として、朝の時間帯の運航、航路の拡充など、積極的に取組を広げていただきたいと思います。
 これまでの社会実験など舟運の検討において、通勤航路として、本二路線以外にどのような航路が検討されてきたのか伺います。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 通勤手段として舟運が利用されるよう、船着場周辺の土地利用や鉄道駅までの距離などを踏まえまして、航路の検討を行い、天王洲−五反田間や両国−日の出間などにおきまして、昨年度、区とも連携し、社会実験を行いました。

○森口委員 航路の拡大において、利便性の観点から、船着場は、鉄道やバス、シェアサイクルなど、交通結節点として、シームレスな移動が必要であり、船旅通勤をさらに身近なものとして広げていくためには、ほかの交通機関との接続が重要と考えます。
 そこで、船着場と鉄道など、他の交通との結節性を高めていくべきと考えますが、その取組について伺います。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 都は、駅から船着場までの案内サインの整備や、船着場に隣接したBRTの停留施設やシェアサイクルポートの整備などを進めております。
 引き続き、船着場が他の交通機関との結節点となるよう取り組んでまいります。

○森口委員 今後も、東京の魅力ある水辺空間の再生に向け、通勤や観光、また、ふだん使いの舟運の広がりに向け、引き続き取組を推進していただきたいと思います。
 ベイエリアと都心部を結ぶBRTや舟運など、新たな公共交通の定着には、MaaSの観点や利用者の利便性の観点から、グーグルマップや乗換えアプリへ経路検索できるようにすることが必要と考えます。
 そこで、東京BRTや舟運について、各種ナビアプリと運行情報の連携を行うべきと考えますが、その取組について伺います。

○井川交通政策担当部長調整担当部長兼務 東京BRTにつきましては、より多くのサービスで運行情報を入手できるよう、運行事業者へ働きかけてまいります。
 舟運につきましては、まず船旅通勤の二航路について、経路検索サービスで利用できるよう、舟運事業者と連携し、運航情報のオープンデータ化に取り組んでまいります。

○森口委員 通勤や観光外国人など、多様な方々が公共交通を利用するには、地図アプリやナビアプリによる経路検索が必要不可欠であり、運行情報の連携を求めておきます。
 次に、都心とベイエリアをつなぐ臨海地下鉄について伺います。
 臨海地下鉄は、東京駅から有明・東京ビッグサイトまでをつなぐ新たな地下鉄として、昨年十一月、都が事業計画を発表し、二〇四〇年頃の開業を目指しています。東京、銀座、築地、勝どき、晴海、豊洲市場、有明をつなぎ、将来的には羽田空港との接続や、つくばエクスプレスの延伸も検討がされるなど、早期の実現が期待をされています。
 そこで、新線の開業に向けた今後の取組や、想定する効果について見解を伺います。

○三宮都市基盤部長 今年度から、計画のブラッシュアップと事業主体の検討に着手しております。
 開業によりまして、東京から東京ビッグサイトまでが約三十五分から約十五分となり、都民など利用者の利便性やアクセス性が飛躍的に向上するなど、都心部と臨海部のポテンシャルを引き出すことで、国際競争力の強化につなげてまいります。

○森口委員 臨海地下鉄は、交通の不便さが大きな課題となっている臨海部と都心部をつなぐ基幹的な交通基盤であり、地下鉄八号線の延伸とともに、開通するとベイエリアの利便性が大きく向上することになります。関係者と連携し、事業化に向け、取組を進めていただきたいと思います。
 最後に、都心とベイエリアをつなぐ歩行者中心の緑のネットワークの創出について伺います。
 Tokyo Sky Corridorは、日本橋の首都高地下化に伴い、道路としての役割が大きく低下するKK線の有効活用として、その高架を歩行空間とし、隣接する新たな開発とも連携をし、ニューヨークのハイラインのように、高架と建物をデッキ等でつなげ、緑とにぎわいあふれる歩行者空間を創出する取組が進められております。
 世界有数の観光地であるニューヨークのハイラインにおいては、二〇〇九年に一部が開業し、その後、立体的な空中公園として次々と開発が進められており、アートやグルメ、ライブ、エンターテインメント、パフォーマンスに加え、デザイン性の高い建物が周囲に建設もされ、現在も進化し広がり続けています。
 Tokyo Sky Corridorにおいても、銀座、八重洲、有楽町、新橋などに隣接する立地を存分に生かし、世界から注目され、東京を象徴する緑とにぎわいあふれる魅力的な歩行空間として、早期に実現いただきたいと思いますが、見解を伺います。

○谷内まちづくり推進担当部長 KK線は、緑豊かな歩行者空間に整備することとしておりまして、植栽や飲食、休憩等のサービス機能の整備、アートの導入等について、今後、整備主体の東京高速道路株式会社と共に検討、調整を進めてまいります。
 今後、周辺まちづくりとも連携しながら、一部区間の早期開放も図ってまいります。

○森口委員 周辺の再開発と連動し、二〇二九年頃から段階的にスカイコリドーの供用が開始されることになります。
 今後、首都高築地川区間においても、掘り割りに蓋をし、上部空間を緑とにぎわい空間にするという検討も進んでいます。Tokyo Sky Corridorの緑とにぎわいのネットワークを、築地川上部空間や浜離宮恩賜庭園、また、築地再開発ともしっかりとつなげていくことが重要と考えます。
 ベイエリアと都心部をつなぐ、広域的な緑とにぎわいあふれる歩行者中心のネットワークを創出し、東京を象徴する魅力あふれるまちづくりを一体的に進めていただきたいと要望し、質問を終わります。

○竹井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○竹井委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時五十三分散会

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