委員長 | 藤井とものり君 |
副委員長 | 鈴木 錦治君 |
副委員長 | 尾崎あや子君 |
理事 | 関野たかなり君 |
理事 | 谷村 孝彦君 |
理事 | 小宮あんり君 |
吉住はるお君 | |
松田りゅうすけ君 | |
かつまたさとし君 | |
磯山 亮君 | |
原田あきら君 | |
平けいしょう君 | |
森口つかさ君 | |
中村ひろし君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長 | 福田 至君 |
次長 | 小沼 博靖君 | |
技監 | 安部 文洋君 | |
技監 | 小野 幹雄君 | |
理事 | 谷崎 馨一君 | |
総務部長 | 打田 武彦君 | |
都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 | 山崎 弘人君 | |
都市基盤部長 | 朝山 勉君 | |
市街地整備部長 | 三宮 隆君 | |
市街地建築部長 | 飯泉 洋君 | |
基地対策部長 | 金子 光博君 | |
連携・連絡調整担当部長調整担当部長兼務 | 住野 英進君 | |
企画担当部長 | 長尾 肇太君 | |
まちづくり推進担当部長 | 吉野 敏郎君 | |
築地まちづくり推進担当部長 | 飯塚 佳史君 | |
まちづくり調整担当部長 | 澤井 正明君 | |
交通政策担当部長先端技術調整担当部長兼務 | 三木 健君 | |
航空政策担当部長物流担当部長外かく環状道路担当部長兼務 | 土橋 秀規君 | |
地域公共交通担当部長 | 江端 治朗君 | |
防災都市づくり担当部長 | 池内 光介君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 泉水 一君 | |
担当部長 | 末元 清君 | |
耐震化推進担当部長 | 青木 成昭君 | |
横田基地共用化推進担当部長 | 山田 裕之君 |
本日の会議に付した事件
都市整備局関係
事務事業について(質疑)
○藤井委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより都市整備局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。その際要求いたしました資料は、お手元に配布をしております。
資料について理事者の説明を求めます。
○打田総務部長 十月二十七日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元に配布しております資料1、都市整備委員会資料の表紙をおめくりいただきまして、目次をご覧ください。資料は一件でございます。
一ページをお開き願います。1、横田基地におけるパラシュート訓練の通告状況及びパラシュート訓練に伴う事故の状況(過去五年間)でございます。
(1)、パラシュート訓練の通告状況及び(2)、パラシュート訓練に伴う事故の状況につきまして記載してございます。
以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○藤井委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言をお願いいたします。
○吉住委員 私は、まず、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化について伺います。
緊急輸送道路は、大地震の発生時に救急救命活動の生命線となり、緊急支援物資の輸送や復旧、復興の大動脈となる道路ですので、沿道建築物の耐震化を進め、震災時における通行機能を確保することは重要です。
そこでまず、現在進めている特定緊急輸送道路沿道建築物における耐震化の目標と進捗状況について伺います。
○青木耐震化推進担当部長 東京都耐震改修促進計画では、令和七年度末に総合到達率九九%以上などの目標を掲げています。この目標に対しまして、令和四年六月末時点で総合到達率は九二・六%となっております。
○吉住委員 非常に高い目標を掲げ、頑張って取り組んでいるところだと思いますが、さらに残っている建築物は、より困難な課題を抱えているものと思われます。令和七年度末までの目標を達成するために取組を強化する必要があると考えます。
現在、目標達成に向け、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化をどのように進めているのか伺います。
○青木耐震化推進担当部長 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の目標年次であります令和七年度末までに到達率を高めるためには、特に倒壊の危険性が高い建築物について重点的に取り組む必要があります。
このため、今年度、東京都が所管するこれらの建築物約百十棟の所有者に対し、文書による指導を行いました。これに合わせて実施したアンケートでは、占有者に対し都から助言してほしいという意向も示されるなど、建物所有者が抱える事情を把握できたことから、これらに丁寧に対応してまいります。
なお、区や市に対しましても、所管する建築物の所有者に指導を行うよう促しております。
○吉住委員 特定緊急輸送道路の通行機能を確保するためには、到達率が低い路線に対して重点的な取組を進めることが効果的だと考えますが、こうした路線を抱える区市町村とどのように連携しているのか伺います。
○青木耐震化推進担当部長 個別訪問などに積極的に取り組む区や市では、耐震診断や改修が促進されるなどの効果が現われていることから、講習会などを通じて個別訪問の成功事例などを紹介し、到達率の低い路線の解消に向けて区市町村を支援しております。
また、耐震化助成について、区市町村が助成率を都よりも低く設定している場合、所有者の金銭的な負担が大きくなることから、助成率を都と同様にするよう要請しております。
○吉住委員 緊急輸送道路の通行機能を確保するためには、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化はもとより、一般緊急輸送道路沿道建築物についても耐震化を進めていくべきと考えます。
都は、特定緊急輸送道路沿道建築物については、条例を制定し、耐震診断を義務とするなど重点的に取り組んできましたが、一般緊急輸送道路沿道建築物については、耐震性などの現状も正確に把握されていません。早期に一般緊急輸送道路沿道建築物の耐震化にもかじを切り、耐震性能など現状の把握を進めていくべきだと考えますが、都の見解を伺います。
○青木耐震化推進担当部長 東京全体の防災力を高めるためには、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化と同時に、一般緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を進めていくことが重要でございます。
所有者が抱える課題や耐震診断の意向などを把握するため、今年度、所有者に対するアンケート調査を実施しており、その結果を区市町村と共有し、所有者の状況に合わせた対応を行うよう促しております。
区市町村との連携をより強化し、一般緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を加速してまいります。
○吉住委員 緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断を実施し、耐震性能を把握することは、所有者だけではなく、その周辺で生活する人々のためにも重要であり、公共性があるものと考えます。そのため、一般緊急輸送道路沿道建築物についても特定緊急輸送道路沿道建築物と同様に、診断に係る費用の全額を助成することを併せて要望して、次の質問に移ります。
次に、用途地域の変更について伺います。
用途地域や容積率の変更は、都や地元区のまちづくりの方針などに描かれたまちの将来像を実現する上で、重要な誘導方策の一つとなっています。
都はこれまで、都内全域を対象として用途地域などの一斉見直しを実施してきたと思いますが、どのような観点で用途地域などの一斉見直しを行ってきたのか伺います。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都はこれまで、社会経済情勢の変化に対応するよう、用途地域の細分化など都市計画法の改正や、日影規制の導入など建築基準法等の改正、都における都市づくりの上位計画の見直しなどを踏まえて、用途地域等の一斉見直しを実施してまいりました。
一方、今後中長期的に人口が減少する成熟社会を迎える中、既成市街地の再編を進めながら、効率的で質の高い都市空間を創出するための土地利用の規制誘導が求められていることから、現在では、地区の課題にきめ細かく対応し、地域の特性に応じた目指すべき将来像を実現するよう、地区計画の決定に合わせ用途地域等を変更することを原則としております。
○吉住委員 地区計画により地域の将来像を示し、それにふさわしい用途地域などに変更することは、地区計画に地域の方々の意向を反映し、合意形成を図りながら都市計画の手続を進める上でも大切なことであると考えます。
一方で、地区計画の策定に合わせ用途地域などの変更をする場合、地区計画の策定主体はそれぞれの区となることから、都として、まちづくりの一体性をどのように確保していくのか伺います。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 東京の市街地は、行政界を超えて連担しており、土地利用や交通、防災、緑など、広域的な観点から、それらの機能の一体性を確保していくことは重要でございます。
このため、都は、地元区と連携し、区の都市計画マスタープランや地区計画等の個別の都市計画の上位計画となる都市計画区域マスタープランなどを策定しております。
また、都は、区のマスタープランや地区計画等の策定段階において、地元区と十分な協議、調整を行うとともに、東京全体の共通の基準である用途地域等に関する指定方針及び指定基準に基づき、地区計画の策定に合わせ用途地域等を変更することで、まちづくりの一体性を確保しております。
○吉住委員 地域の将来像の実現に向け、東京のまちづくりを一体的に進めるためには、都が主体となって地元区や隣接区などと連携を図り、積極的にまちづくりを誘導していく必要があると考えます。今後もしっかりと支援していただきたいと要望して、次の質問に移ります。
最後に、地域公共交通ネットワークの形成の促進のうち、区市町村への財政支援について伺います。
都は、三月に東京における地域公共交通の基本方針を策定し、それに基づき区市町村の主体的な取組を技術的、財政的に支援していくとしています。
多くの区市町村では、民間の路線バスなどが通っていない地域などを対象に住民のニーズに応じてコミュニティバスなどの事業を実施していますが、充実させればさせるほど、区市町村の財政負担は大きくなるのが実情です。
そこで、区市町村へのランニングコストを含む支援策について、都の考え方と対象となる期間について伺います。
○江端地域公共交通担当部長 コミュニティバスなどは、区市町村が主体的、自立的に運行するものであります。特に、事業開始の直後は多額の財政負担が必要となります。区市町村の事業運営の安定化を図るため、都は立ち上げ時の支援を行っております。
具体的には、導入時の調査検討費や車両購入費のほか、運行開始後三年間の運行経費の一部を区市町村に補助しております。また、今年度から新たに、住民の利用ニーズの変化に的確に対応するため、区市町村が関連する計画等との整合を図りながら既存路線の見直しを行う際、見直し後二年間の運行経費の一部を補助しております。
引き続き、区市町村の取組を支援し、地域公共交通の充実を図ってまいります。
○吉住委員 まちの変化などに応じて、地域の交通も時代にふさわしいものにしていく必要があり、今回の支援制度の拡充により、ランニングコストへの支援として、路線の見直しについても対象に加えたことを評価したいと思います。今後とも、区市町村の意見などもよく聞いていただき、使いやすい支援制度となるよう改良を重ねてもらうことを要望して、質問を終わります。
○関野委員 それでは、私からも事務事業の質疑をさせていただきます。
まずは、都市における緑の保全、創出に関する取組についてお伺いをします。
東京の緑は、都市農業や樹林地を中心に減少傾向が続いております。都は、令和元年度末に緑あふれる東京基金を創設し、三百億円を基金に拠出しました。本基金の活用については、令和二年三月の都市整備委員会で私も質問を行わせていただきましたが、区市が生産緑地の買取り要望に対応していくためには、具体的な財政的な支援策が必要というふうに述べております。
そこで、私からは、減少を続ける都市農地や樹林地などの緑を保全し、新たに公園などの緑を創出していくために都が取り組まれている事業についてお伺いをします。
生産緑地公園補助制度について、取組を開始された平成三十年度からこれまでの補助実績と今年度の取組状況についてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都は、生産緑地の二〇二二年問題を見据え、農業継続が見込めない生産緑地の緑を公園、緑地として保全していくため、平成三十年度に生産緑地公園補助制度を創設し、区市が都市計画公園、緑地内の生産緑地を買い取る事業に対し、補助を行っております。
令和三年度までの補助実績は、延べ二十五か所、合計約四・五ヘクタールであり、令和二年度、三年度については、予算に対して満額執行となっております。
今年度は、七か所、合計約二・三ヘクタールについて補助を予定しております。
○関野委員 では、次に、区市町村が都市計画公園、緑地以外の身近な公園、緑地を整備する際に活用できる補助制度、緑あふれる公園緑地等整備事業補助制度について、令和三年度の実績と今年度の取組状況についてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 本事業は、身近な公園が不足する地域の解消や貴重な生き物が生息する緑の保全に取り組む区市町への支援を行うことで、公園、緑地の整備を加速させ、緑豊かなゆとりと潤いのある東京の実現を目的としております。
令和三年度の補助実績は、四か所、合計約〇・七七ヘクタールでございます。
今年度は、五か所、合計約〇・九ヘクタールについて補助を予定しております。
○関野委員 本事業は、身近な公園が不足する地域の解消や貴重な自然を保全する広域的な緑のネットワークの確保などを行う区市町村への支援を実施するところであります。区市町村と共に、緑豊かなゆとりと潤いのある東京の実現を目的としているというところでありますが、次に、ちょっと質問をさせていただくところに関して、農ある風景の部分について質問をします。
次世代に継承していくために比較的まとまった農地や樹林地がある地区を指定する農の風景育成地区について、これまでの実績と今年度の取組、この点についてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 農の風景育成地区につきましては、平成二十三年度に制度を創設し、都は、地区の指定を目指す区市町に対し、指定に向けた調査費等について補助を行い、指定を後押ししてまいりました。これまで四区市において、合計五か所を指定しております。
さらに、今年度から地区指定後に行われる普及啓発などの取組に対する補助を開始しております。今年度は、三区市に対し指定に向けた調査を支援するほか、一市に対し指定後の収穫体験イベント等への補助を行い、地区における緑の保全を促進しております。
○関野委員 ありがとうございます。多くの区市が緑あふれる東京基金を財源とする補助制度を活用して、農業継続が困難な生産緑地や地域の貴重な樹林地等を公園として整備し、緑として保全するなど、そういった実績が見えております。
さらに、農の風景育成地区制度は、農地として保全することにより、良好な景観形成としてではなく、農地の持つ防災機能等維持にも寄与しているというふうにも私は考えております。来年度以降もこうした補助を継続することを区市からも強く要望をされているというふうにも聞いておりますので、私からも、補助制度のさらなる拡充と区市による利用の促進、また、緑の保全、創出の取組、こういったものをしっかりと推進をしていただきたいというふうに要望して、次の質問に移らせていただきます。
次は、舟運活性化についてです。
前期から、この舟運活性化については、民間事業者や利用者からの声を局の方に伝えるとともに、現状や問題点などを指摘し、活性化の要望をしてきました。それにより、らくらく舟旅通勤の第一弾の実績につながったというふうに認識しております。
また、今年六月ごろにも再度、問題に対してお話をするとともに、活性化への提案、要望を行い、港湾局の一部の船着場では、DX化の取組が改善されたというふうにも聞いています。
都はこれまで、新航路の開拓として社会実験の実施や、船着場の利便性向上として船着場のDX化など、様々な取組により舟運の活性化に取り組んできております。
今回、新規航路の開拓に当たり、通勤などの交通手段として、船の活用に向けたらくらく舟旅通勤の第二弾、これを実施いたしました。
そこで、この第二弾の取組について、三年前の第一弾の取組との違いと今後の目的、この点についてお伺いをいたします。
○三木交通政策担当部長先端技術調整担当部長兼務 第一弾は、通勤への舟運活用の可能性を検討することを目的といたしまして、二〇一九年夏に、日本橋の船着場から晴海地区の朝潮運河船着場までの一航路で、乗船料は無料にいたしまして、平日の朝の時間帯に運航を行ってまいりました。
今回第二弾は、実装化に向けました検証を目的といたしまして、隅田川や運河などを活用いたしまして、計六航路で五百円を中心とした料金を設定いたしまして、平日の朝だけでなく夕方の時間帯も運航を行いました。
○関野委員 ありがとうございます。
このらくらく舟旅通勤の第二弾については、第一弾と違い、料金を設定しての実施というふうなことですが、実施状況についてもお伺いをいたします。
○三木交通政策担当部長先端技術調整担当部長兼務 らくらく舟旅通勤の第二弾は、十月十七日から十一月四日までの平日に計十四日間実施いたしまして、朝は毎日四十便、夕方は水曜日と金曜日に十六便を運航いたしました。
有料で実施いたしましたが、一部には満席で予約を締め切る便があるなど、多くの方にご利用いただいたところでございます。
○関野委員 ありがとうございます。
今回の結果も踏まえ、今後の舟運活性化、これについて再度お伺いします。
○三木交通政策担当部長先端技術調整担当部長兼務 今後、航路別などの詳細な利用状況ですとかアンケート結果を集計いたしまして、分析もいたしまして、各航路の需要や利用に当たってのニーズなどを把握いたします。
これらを踏まえまして、事業性の検証など実施可能性のある航路につきまして検討いたしまして、定期航路の開設につなげてまいります。
舟運が身近な観光、交通手段として定着するように、港湾局、建設局などとも連携いたしながら、積極的に取り組んでまいります。
○関野委員 ありがとうございます。
以前に比べればDXは進んでいるというふうには考えますが、QRコードでの開錠など各船着場のDXを進め、今以上の舟運の活性化、この点については要望をしておきます。
また、これは三局にまたがった事業でもありますので、実施に向けてはスピード感を持ちながら、しっかりと三局で連携して取り組んでいただくこと、この点についても要望して、次の質問に移ります。
次の質問は、所有者不明土地の利用についてです。
所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の施行後、地域福利増進事業を実施した事例、これはあるのか、これについてまずはお伺いします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 地域福利増進事業は、地域住民などの共同の福祉または利便の増進を図るため、所有者不明土地に一定期間の使用権を設定し、地方公共団体やNPO、民間事業者等が、道路、教育、福祉、医療施設、公園、購買施設などを整備する事業でございます。
国によれば、この事業の実施事例は一件でございまして、新潟県で、村が主体となり、高台の所有者不明土地を防災空地として整備した事業でございます。
なお、国は、先進的な取組を支援するため、全国で十四件をモデル事業として採択し、その成果を公表し、全国の自治体等に取組を展開することで、所有者不明土地の利用の円滑化と適正管理を促進しております。
○関野委員 地域福利増進事業の実績が全国で一件ということで少ないのかなというふうには思いますが、地域福利増進事業の土地の使用期間、これが短いなど使いにくいからではないかなというふうに私は考えます。
本法については、本年の十一月一日にも改正法が施行されたというふうに聞いていますが、どのような変更、改正内容だったのかお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 今回の法改正では、地域福利増進事業の対象事業に、備蓄倉庫等の災害関連施設や再生可能エネルギー発電施設に関する事業などが追加されました。
また、路外駐車場や公園、緑地、購買施設などで周辺地域に不足している施設や、備蓄倉庫などの災害関連施設など一部の事業については、土地の使用権の上限期間が従前の十年から二十年に延長されました。
今後も、地域福利増進事業の利用促進に向け、関係区市町村や都民等へ周知啓発に努めてまいります。
○関野委員 ありがとうございます。
改正法により、対象事業者の追加と一部事業についての使用権が十年から二十年になったということですが、利用促進が進むと考えられるというふうには思っております。
しかし、そのためには、まずは周知という部分が必要ですので、利用促進に向けては、一度で終わることなく、定期的に促すとともに、関係区市町村へ丁寧な説明と関係業種への情報提供、これについての実施をお願いすることを要望して、次の質問に移らせていただきます。
次に、地籍調査についてお伺いします。
阪神・淡路大震災や新潟中越地震、東日本大震災で、地面が動いて境界の復元が困難になる実害が出ていることなどから、地籍調査の必要性が改めて認識されているところであります。また、近年の豪雨による河川の氾濫や土砂崩れなどの起こる危険性が高まる中、地籍調査の取組を着実に進めていくことが必要です。今回の地籍調査について議論を進めていくに当たり、最初に幾つか、まずは基本的な内容を確認させていただきます。
まずは、地籍調査、これはどういったものなのか、また、都内の地籍調査の進捗状況について全国の平均と併せてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 地籍調査は、国土調査法に基づく調査の一つで、土地の境界や権利関係を明確にし、土地に関する紛争の防止や災害後の迅速な復興やまちづくりの推進を図ること等を目的に、区市町村が主体となって事業を実施しております。
具体的には、調査対象区域内の一筆ごとの土地について、その所有者、地番、地目を調べ、境界の確認、面積の測量を世界共通の測量基準である世界測地系を使用して行い、現況に合った正確な地図及び簿冊を作成しております。
都内の地籍調査の進捗率につきましては、令和四年三月時点で二四%となっておりまして、全国平均は五二%でございます。
○関野委員 全国平均は五二%、東京都は二四%ということで、都内の進捗率が低い状況にありますが、この理由についてもお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都内の地籍調査の進捗率が全国平均より低い理由といたしましては、地方都市に比べ都市化が進んでいる東京におきましては、土地が細分化され、権利関係がふくそう化しており、土地権利者の調査や同意の取得に時間を要するなど、調査の困難性が高いことが挙げられます。
○関野委員 災害対策などの観点から地籍調査の重要性が確認されている中、都内の進捗状況は低い状況にあり、地道に地籍調査を行うとともに、効果的に進めていくための取組も講じていくことが必要というふうにも考えられます。
宅地開発等において、土地の面積測量や境界確定などが行われた際、登記所に測量図などを提出し、登記申請がなされ、測量図は保管されている状況です。この測量結果を活用して地籍調査につなげていけば、このように低い進捗にはならないというふうには私は思っているんですが、国のこれまでの取組についてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 国土調査法第十九条五項により、宅地開発等において民間が行った測量及び調査の成果についても、国が認めて指定した場合は、地籍調査の成果と同様に取り扱うことができることとなっております。
また、令和二年の法改正により、民間事業者等の測量成果について区市町村が代わりに十九条五項指定申請を行うことができるようになっております。
○関野委員 ありがとうございます。
都内のこれまでの十九条五項の指定の実績及び、そのうち、法令による義務づけなどにより指定を受ける土地区画整理事業などを除いた民間開発における実績、これについてもお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都内の十九条五項指定の実績につきましては、令和三年度までに合計約二千七百ヘクタールが指定されております。そのうち、土地区画整理事業等を除いた民間開発における実績は約二十五ヘクタールとなっております。
なお、令和二年の法改正により創設されました区市町村が民間事業者等に代わって行う申請については、都内での実績はございません。
○関野委員 ありがとうございます。
今答弁もあったように実績はないということですが、なぜ民間開発では十九条五項の指定制度があまり活用されていないのか、この点についてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 十九条五項指定については、地震などが起きても成果の散逸がなくなることや、測量の信頼性が高まり近隣との境界争いなどが未然に防止されることなどのメリットがございます。
一方で、区市や関係団体によると、制度のメリットが十分に知られていないことに加え、民間事業者にとっては、登記所に送付する地図の電子化など追加的な手間がかかることなどが活用されていない理由として挙げられております。
また、測量を行った民間事業者に代わり区市町村が指定申請を行う仕組みについては、区市町村に経験やノウハウがないことなどから活用が進んでいないと考えられます。
○関野委員 ありがとうございます。
宅地開発等で得られた測量の成果を地籍調査につなげていく取組、これが普及すれば、地籍調査が進みにくい理由の一つである境界の確定のための立会いを改めて行う必要がなくなるなど、地籍調査の進捗スピードを速めることにつながるというふうに私は考えているんですが、今後どのように取り組んでいくのか、この点についてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都は、地籍調査が効率的に進められるよう、区市町村や関係団体と連携し、十九条五項指定のメリット等についてパンフレットやホームページなどを通じて土地所有者等への普及啓発を行うとともに、民間事業者等にその活用について働きかけてまいります。
また、都は、区市町村が十九条五項指定の申請を代わりに行うことができる制度の普及に向けまして有用なノウハウの蓄積等を行うため、現在、国、区市町村、測量の専門家等と共にモデルケースの検討を行う準備を進めておりまして、引き続き積極的に取り組んでまいります。
○関野委員 ありがとうございます。建物の建て替えや住宅開発などの際の測量の成果、こういったものを地籍調査の成果と同様の取扱いとするため、国と区市町村と共にしっかりと進めていただきたいというふうに思っております。
その上で要望なんですが、六項については区市町村への対応などの説明を徹底的に行っていただきたい。そして、五項については事業者への周知、これの徹底も一緒にこの部分を要望して、次の質問に移らせていただきます。
次は、障害者グループホームの整備促進についてです。
障害者が地域で安心して暮らすことができるよう、グループホームの整備促進が重要であります。第六期東京都障害者福祉計画で挙げた三年間の整備目標二千五百人増を、初年度でその半分近く整備されている、このことに関しては順調な進捗だというふうに思います。
一方で、都心部など、対象となる土地、建物が限られるという話も聞いております。先日の厚生委員会で我が党の菅原都議が、建築計画に対する容積率の緩和ができる都市開発諸制度を活用した障害者グループホーム整備について質問したところでありますが、都市開発諸制度を適用したグループホーム整備の実績について、まずはお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都市開発諸制度の容積率緩和によりグループホームを整備した実績について、高齢者グループホームが一件でございまして、障害者グループホームについてはございません。
○関野委員 次に、都市開発諸制度を活用する上で、開発事業者と障害者グループホームの運営事業者、双方のニーズが折り合うことが必要であるというふうにも認識しております。
障害者グループホームをはじめとした福祉施設の整備を進める上で、整備費用に関する補助や公有地の活用などがまず考えられますが、建築計画に対する容積率の緩和も障害者グループホーム整備の促進策の一つであるというふうにも考えます。
この制度を活用した障害者グループホーム整備の促進に向けてどのように取り組むのか、この点についてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都は、開発事業者に対し、障害者グループホームの整備についても容積率緩和の対象となることを周知するとともに、区市と連携して、地域のニーズや障害者グループホームの整備、運営を希望する事業者に関する情報の提供等を行ってまいります。
○関野委員 グループホームの質問のときにも話しましたが、先日の厚生委員会で我が会派の菅原都議からも福祉保健局からの観点で質問しております。今後、障害者グループホーム整備促進のためにも、また、その他グループホームなどについても、福祉保健局としっかりと密に連携をとりながら進めていただきたいということを要望して、次の質問に移ります。
鉄道駅等のバリアフリー化の推進、ホームドアの整備についてお伺いをいたします。
都は、JR及び私鉄ホームドアの整備について、令和二年度末時点で都内の駅における整備率が三三・三%であるものを、二〇三〇年度に約六割とする目標を掲げております。令和三年度末の整備率は三四・五%であり、一・二ポイントの進捗にとどまっています。
このままでは、二〇三〇年度に約六割という目標を達成できないのではないかというふうに危惧しておりますが、目標達成に向けた課題と取組、この点についてお伺いをいたします。
○江端地域公共交通担当部長 ホームドアの整備に当たっては、財源の確保のほか、扉位置の異なる列車への対応や狭隘なホームでの設置スペースの確保、ホームドアの荷重に対するホームの補強などの技術的な課題がございます。
財源の確保については、都は、平成二十六年度から都内のJR及び私鉄に対して補助を開始し、令和二年度には補助対象駅の拡大と上限額の引上げを行いました。
ホームドアの整備率は、平成二十五年度末の約一七%から令和三年度末には約三四%となっております。
また、技術的な課題に対しては、令和三年度に鉄道事業者との検討会を設置し、各社の対応など取組事例の研究及び共有化を図っております。
○関野委員 都は、ホームドア整備を促進するため、優先整備の考え方を示しております。そこでは、駅周辺の施設の用途や駅の構造などを考慮することとしており、例として、特別支援学校や病院、高齢者福祉施設などが挙げられております。
そこで、優先整備の考え方も踏まえて、近年、ホームドアが整備された駅はどのようなところがあるか、これについてお伺いをいたします。
○江端地域公共交通担当部長 令和三年度には、近くに特別支援学校のあるりんかい線品川シーサイド駅で、また、令和四年度には、盲学校の最寄り駅であるJR飯田橋駅においてホームドアが整備されました。
また、同じく令和四年度には、ホームが狭隘であった東武鉄道竹ノ塚駅において、連続立体交差事業に伴う駅改良に合わせてホームドアが整備されてございます。
○関野委員 様々な課題があることは理解しております。ホームドアは、利用者の安全確保に不可欠でありますので、目標達成に向け、視覚障害者団体等の声も聞きながら整備を加速するよう、事業者への取組を促していただきたい、こういったことを要望して、最後の質問に移らせていただきます。
北多摩一区ですので、多摩都市モノレールについて何点か質問させていただきます。
多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸について、先日、都市計画素案説明会が開催をされました。私自身も説明会に参加させていただきましたし、もちろん各市の市議会議員の方も同時に参加されておりました。たしか、谷村理事の方も参加をされていたというふうに思っております。
さて、説明会でも様々な質疑が行われておりましたが、素案説明会の開催が発表されて以降、新聞やテレビ、ネットニュースなど数多くの媒体で本事業が取り上げられているところでございます。
今回の説明会をもって、多くの情報が一斉にオープンになったわけでありますが、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面延伸に対する地元住民の期待は大きく、説明会に出席した方だけではなく、広く大勢の方に情報が伝わるようにすべきだというふうにも考えております。
説明会の場においても、都のホームページで質問フォームを設けて質問を受け付けることや、主な質疑の内容については公表する旨のアナウンスがされておりましたが、ここで改めて確認をさせていただきます。
説明会での質疑や質問フォームでいただいた内容について、きちんとしっかりと公表すべきというふうに考えておりますが、いつごろ公表するのか、この点についてお伺いをいたします。
○朝山都市基盤部長 今回の説明会においては、質疑応答の時間を設けるとともに、その後も皆様からご意見、ご質問をお出しいただけるよう、説明会初日から二週間の間、都市整備局のホームページにて質問フォームを設けております。
質問フォームや説明会などを通じていただいたご意見、ご質問については、その主な要旨とそれに対する回答を、十一月中を目途に局のホームページに掲載する予定でございます。
○関野委員 ありがとうございます。
では、次に、たまモノ子育て応援事業について、今年三月の予算特別委員会においても、沿線の小学校に周知、また、広報の徹底について私からもお願いをしたところでありますが、事業の実施に当たりどのような周知を行ったのか、この点についてお伺いをいたします。
○朝山都市基盤部長 実施に当たりましては、沿線市の校長会等を活用し、小学校に周知を行うなど、沿線地域との連携を図りました。
あわせて、駅施設等へのポスターの掲出のほか、沿線情報誌やSNS等を活用した告知、沿線施設との連携による広報を行っております。
○関野委員 しっかりと周知していただいているようで安心をいたしました。
また、三月の予算特別委員会では、ゴールデンウイーク、夏休み、冬休みについて取組を実施するというような答弁がありましたが、これまでのたまモノこどもワンデーパスの販売などの事業の実績と、次回冬休みの実施、これについてお伺いをいたします。
○朝山都市基盤部長 これまで、ゴールデンウイークと夏休み期間を中心にワンデーパスを百円で販売し、それぞれ約七千枚、約二万枚を売り上げました。併せてアンケート調査を行ったところ三千件を超える回答があり、沿線地域だけでなく、その他の地域からも多くの方が利用していることを確認しております。
次回は、冬休み期間を中心に、十一月下旬から約二か月程度実施する予定でございます。
○関野委員 ありがとうございます。たまモノ子育て応援事業については、一回目のゴールデンウイークが七千枚、二回目の夏休みが二万枚いうことで、実施日数の違いもありますが売上げ枚数が増えている状況が分かりました。
また、アンケートも三千件を超える回答があったということで、周知を工夫した結果とも受け止められますし、当日、課長も駅などでこうやってパンフレットを持ちながら立っていたのを私も何度か見かけております。三千件を超えるアンケート、このアンケート内容によっては、どのような利用が多いのかなども検証できる状況にあるというふうにも考えておりますので、いただいた意見をしっかりと今後の取組に反映させていただきたいということを要望しておきます。
また、モノレールの都市計画素案説明会でのやりとりは、早急に公表する予定と聞き、安心もしております。地元の方々にとっては、数十年間にわたり待ち望んでいた事業でもあります。ホームページに掲載するときは、多くの方が分かりやすい形で掲載をしていただくことを要望して、私の質問を終わらせていただきます。
○谷村委員 今日は朝方までの予定時間となっておりますので、質問を短縮、可能な限りさせていただきます。
屋外広告物、これは広告宣伝車についてですけれども、三問予定しておりましたが、一問に絞ってお尋ねをいたします。
東京都屋外広告物条例制定、これは昭和二十四年に屋外広告物法が制定され、屋外広告物の規制が都道府県の事務として条例の定めにより行うと。それを受けて、同年八月に制定をされております。
この条例の目的は、屋外広告物の表示の場所や方法等について必要な基準を定めること、良好な景観の形成や風致の維持、公衆に対する危害の防止を図ること、そういった目的でありますけれども、繁華街などでは、特に最近では、ホストクラブ等の広告を載せた巨大なトラックが、新宿であったり池袋であったり、繁華街で通行をしております。
自動車の車体広告物については、自動車登録された都道府県等の屋外広告物条例に従うということになっておりますが、都内で走行する広告宣伝車は、そのほとんどが都外ナンバーであり、都条例の規制対象外になっていると。で、近隣都市については、広告宣伝車の規制自体がない、あるいは規制があっても自主審査体制がない自治体も多くあるということになりますと、せっかく東京都で広告宣伝車を規制する条例があったとしても、都外ナンバーは対象外ということになると、この条例の実効性がないのではないかという声も寄せられております。
近隣自治体とより緊密に連携し、効果を出すための対策が必要ではないかと思いますが、都としての今後の対応についてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 まず都は、都内ナンバーの車につきましては、都条例に基づき、発光や反射により運転者を幻惑させるおそれがある広告物等を禁止するとともに、デザインの質の確保を図るため、表示内容に関して、公益社団法人東京屋外広告協会による自主審査を受けることを求めております。
都内を走行いたします都外ナンバーの広告宣伝車につきましても、東京屋外広告協会による自主審査を受けられる体制を整備しておりまして、その活用について、近隣県市や関係事業者への協力要請を行っているところでございます。
また、広告宣伝車に係る規制につきましては、これまでも、都と近隣県市で構成される協議会などにおきまして情報共有を行うとともに、広域的な規制の在り方についても協議を行っております。
今後は、国に対して全国で統一したルールが適用されるよう屋外広告物法等の見直しについて提案要求を行うとともに、九都県市首脳会議などの場において、都と同様の規制や審査体制の構築を求めていくなど、より有効な対策が講じられるよう積極的に対応してまいります。
○谷村委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
続きまして、本日の主課題であります多摩都市モノレールの箱根ケ崎への延伸について質問をさせていただきます。
今年の第一回定例会の施政方針として、小池知事は、多摩都市モノレールにつきましては、箱根ケ崎方面への延伸に向け、来年度−−というのは令和四年度ですけれども、都市計画等の手続に着手すると表明され、過日の第三回定例会での所信表明演説の中では、多摩都市モノレールの箱根ケ崎への延伸に向けては、来月−−というのは先月の十月になります、都市計画等の手続を開始し、沿線自治体の住民向け説明会を開催してまいりますと述べられました。
これを受けて九月二十六日、都市計画素案の説明会が始まる前の段階で、地元武蔵村山市の市民団体である、米原義春会長を中心とされるモノレールを呼ぼう!市民の会の皆様、そして武蔵村山市議会公明党の皆様とご一緒に、それぞれ小池知事宛てに、一、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸を一日も早く実現すること、二、沿線住民への説明会は可能な限り多くの市民に対して実施すること、三、説明会で住民から出されるご要望については真摯に受け止め、検討すること、以上三点について都庁で申入れをさせていただきました。
私自身がモノレールの延伸に取り組み始めて二十一年目になりますが、二〇一八年、平成三十年二月九日には、モノレールを呼ぼう!市民の会の皆様とご一緒に、直接、小池知事に対してモノレール延伸の要望をさせていただいたこともありました。
知事が所信表明で述べられた、都市計画等の手続に着手する、この等というのは環境影響評価になるわけですが、同時にスタートしておりますけれども、都市計画の手続の第一歩となる、待ちに待った都市計画素案の説明会が開催されました。
まず、その開催結果についてお伺いをしたいと思います。
○朝山都市基盤部長 多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸につきましては、十月に沿線住民に対し都市計画素案説明会を開催いたしました。
沿線自治体である東大和市、武蔵村山市、瑞穂町において計六回開催し、八百八十五名の方に来場いただきました。
○谷村委員 説明会が全部で六回開催され、瑞穂町での会場はご遠慮させていただきましたけれども、私の地元で開催された説明会には四回とも全て出席させていただきました。関野理事ともお会いをしましたが、お会いできなかった議員もいらっしゃいましたけれども、初日は、冷たい雨が降りしきる中でも多くの方がご参加され、場内はどこかしら熱気に包まれていたような気がいたします。
説明そのものはスライド方式で、音声も録音されたものを流されていましたので、毎回同じ内容ではありましたけれども、私は、この説明会に参加された方々がどういった点に関心を持たれているのか、どういったご不安を抱いておられるのか、どういったご要望を持たれているのかを伺うには、大変によい機会だと思っております。
各会場では、時間の制約もありましたけれども、大体七問から八問の質問があり、司会進行を務められた方も質問のポイントを的確に整理されておられましたし、ご説明されていた新良課長さんをはじめ、建設局、多摩都市モノレール株式会社、二市一町の方のご説明も、とても丁重に、丁寧に、分かりやすくご説明をされていたと思っております。
説明会には、沿線住民の方々に加えて報道関係者も多く訪れており、実際にその放映、報道も見ましたが、多摩都市モノレールの延伸に対する期待の大きさを改めて実感しました。
この説明会で出たご質問とご説明につきましては、私も全てメモをしておりますが、この歴史の記録に残す意味でも確認させていただきたいと思います。
主にどういう質問が出たというご認識なのかお伺いをいたします。
○朝山都市基盤部長 説明会におきましては、駅の構造に関することや事業費、今後のスケジュールなどのほか、導入空間となる新青梅街道拡幅事業の進捗状況、沿線二市一町のまちづくりの内容などについてご質問をいただきました。
○谷村委員 説明会で出された主な質問も踏まえ、都市整備局に関する内容につきまして、この場で何点か確認をさせていただきたいと思います。
まず、事業費についてですが、令和二年度に都は検討を開始し、今回事業費が正式に算出されたものと思います。説明会でもお答えがありましたが、今回の延伸について事業費は幾らになるのか、あわせて、基本的なその負担の考え方についてお伺いをいたします。
○朝山都市基盤部長 事業費につきましては、令和二年度から建設局において実施してきた現況調査、基本設計及び多摩都市モノレール株式会社における検討の結果、一千三十億円を見込んでおります。
費用負担につきましては、軌道構造物や駅舎等のインフラ部は東京都、電気通信設備、車両等のインフラ外部については多摩都市モノレール株式会社が負担することが基本となります。
このほか、東京都や沿線市町の出資金、社会資本整備総合交付金の適用などを想定しておりまして、詳細な負担については、今後決定してまいります。
○谷村委員 多摩都市モノレール株式会社としても多額な負担となるわけですけれども、そもそもこの多摩都市モノレール株式会社は、車両基地などの土地を国から購入するなど多額の初期投資をしてのスタートでしたので、その返済等もあり、資金ショートする寸前の状況に陥ったことがあります。
そこで、二〇〇八年には約三百億円の東京都からの追加出資等、具体的には二百十億円の増資と、九十億円の融資返済を求めず、債務の株式化の支援を都が行ったわけですけれども、この際、日本共産党さんはこれに反対をされております。そうすると、もしこのときの追加出資がなければ、モノレールの延伸どころか、現在の多摩都市モノレールそのものが存在しなかったことになると思います。
私ども公明党は、今後とも、このモノレールの延伸を進めていくために経営を支える必要がある場合については、しっかりと責任を持って進めていくべきであることを明確に主張しておきたいと思います。
続いて、延伸区間の七つの駅の位置について質問します。
今回の延伸に伴い、新たに七駅が設置されることは、今回の説明会において初めて明らかになりました。地元市の念願がかなったところであります。武蔵村山市は、何とか五つの駅が欲しいという、この主張がかなったわけであります。
その上で、駅がどこにできるかは地元の方々にとって大きな関心事であり、説明会の会場に掲示された図面を見ながら、多くの方々が会話を弾ませておられました。
二〇一八年、平成三十年に地元市町が策定したモノレール沿線まちづくり構想においても、地元市町が想定する駅位置などは示されてはいましたが、沿線まちづくりにおいて、駅がどこに配置されるかは大変重要な要素であります。
そこで、新たに設置される七駅についてどのように検討し、そして配置したのか、お伺いをいたします。
○朝山都市基盤部長 駅位置の配置につきましては、開業区間と同様、約一キロメートル間隔を前提に、沿線市町によるまちづくり計画との整合や幹線道路との交差点部等を考慮いたしました。
具体的な駅位置については、事業者となる建設局や多摩都市モノレール株式会社も参加する連絡調整会議の場において、地元自治体とも情報共有等を図りながら検討を進めてまいりました。
○谷村委員 このたびの都市計画素案説明会では、東大和の会場では質問時間に多少余裕ができて、司会進行の方から、遠慮なくご質問をと促されて質問をされた方もおられました。また、武蔵村山市の三会場では全ての質問に丁寧にお答えいただいて、説明会の終了が告げられたときには、自然に拍手が沸き起こっておりました。こういう市民説明会、住民説明会で拍手が最後に起こるのは珍しいことだと語りながら退場されている方もおられました。
初日の会場では、質問者の中に国立や町田から来られた方もおられまして、私も話しかけられましたけれども、その方は大の鉄道ファンの方でして、最初の質問の後、二度、三度手を挙げられておりましたけれども、質問者が多くて二度目の質問はできないような状況でした。説明会は感染症対策もしっかりとされていて、都民、市民、住民の方々が熱望されてきたすばらしい説明会になったと思っております。
このたび、都市計画等の手続が開始されたことを、特に武蔵村山市の地元住民の皆様は本当に喜んでおられます。一日も早い開業に向けて取り組んでいただきたいと思いますが、最後に、この都市計画素案の説明会後はどのように手続が進められていくのかお伺いをいたします。
○朝山都市基盤部長 先日の都市計画素案説明会開催後、都は、東京都環境影響評価条例に基づき、十月二十六日には調査計画書を提出しております。
都は、今後、都市計画案及び環境影響評価書案の縦覧を行うとともに、説明会を開催し、意見書提出の手続を経て都市計画審議会に付議し、決定することになります。
その後、都市計画の事業認可を取得し、工事着手となります。
○谷村委員 ありがとうございます。着実に推進をしていただきたいと思います。
この多摩都市モノレールの箱根ケ崎への延伸に向けて、市民の皆様の先頭に立たれて全力で取り組まれながらも、道半ばでお亡くなりになられました武蔵村山市の荒井三男元市長、藤野勝前市長にもご報告をするような思いで今日は質問をさせていただきました。
今日は時間が限られておりますので、別の機会にまた取り上げさせていただきたいと思いますが、まだまだスタートラインに立ったばかりであります。現在の山崎泰大市長と、そしてモノレールを呼ぼう!市民の会の皆様、さらにはモノレールの延伸を熱望されている全ての武蔵村山市民の皆様と共に、これからも全力で取り組んでまいりたいと思います。
都市整備局の皆様におかれましても、今後とも着実に箱根ケ崎への延伸に向けた取組を進めていただきますよう強く要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○尾崎委員 私の方からも、多摩都市モノレールについてご質問させていただきたいんですが、重複を避けるために、私が考えていた質問、ほぼほぼ出されてしまいましたので、私からのお願いですとか住民の皆さんの思いなどを中心にお話しさせていただきたいと思います。
多摩都市モノレールは、現在、私の住んでいる東大和市の上北台までになっています。お隣の武蔵村山市は、都内でも鉄道が走っていない唯一のまちで、多摩都市モノレールの延伸は、住民の皆さんの悲願となっています。
武蔵村山市では、先ほどもお話しありましたけれども、市議会、そして市政が一丸となって多摩都市モノレール延伸に取り組んで、モノレールを呼ぼう!市民の会が中心となって署名運動にも取り組んできました。
今回、住民説明会なども行われ、令和四年十月、今年の十月ですけれども、都市計画素案説明会も実施されることになって、上北台の駅から瑞穂町の箱根ケ崎まで約七キロメートルを結ぶ路線が延伸するという方針が決まったことになります。
十月二十五日には、私の地元である東大和市においても住民説明会が行われ、たくさんの質問が出されました。やはり住民の皆さんの一番の関心事は、いつ完成するんだろうか、今後のスケジュールはどうなっているのか、自分が生きているうちにモノレールが完成できるのかという思いと、そうはいってもようやくここまで進んだ、こういう喜びの思いが住民の皆さんから寄せられています。そして、多摩都市モノレールの延伸で、まちが今後どのように変わるのかということだと思います。
私は、事業費についても先ほどご答弁ありましたので質問は避けますけれども、武蔵村山市の歴史の大きな一ページとなることは間違いがありません。そして、事業費は一千三十億円を見込んでいるということも分かりましたし、都の負担分は現時点では未定だということですけれども、都の負担額はどのぐらいになるのか、工事の着工期間はどうなるのか、これが、市民の皆さんからの関心の強いところです。ぜひ決まった時点で速やかに情報公開をしていただくことを強く求めます。
同時に、多摩都市モノレールが開通した後、民間バスの本数が大幅に削減された地域がこれまでもあります。多摩都市モノレールが走るようになって多摩地域での移動が便利になるという一方で、多摩都市モノレールの駅から移動が困難になるというところも増えているんです。多摩都市モノレールの延伸に関わり、このような状況が起きないように、特に民間バスとの連携なども強めていただくことを強く要望しておきたいと思います。
次に、今年度、親子で出かけやすい環境を創出するということで、多摩地域の活力や魅力の向上を図るために、多摩都市モノレール株式会社の協力の下、新しく、たまモノ子育て応援事業も始まりました。この問題も質問が重複するので、私からの質問は重複を避けたものだけにさせていただきます。
今回、利用者の方たちにアンケートをお願いし、三千件を超えるご意見が寄せられたということも伺っています。
それでは、これらに寄せられたアンケートの結果については、どのような議論を行っているのか伺います。
○朝山都市基盤部長 アンケート調査につきましては、三千件を超える意見が寄せられております。
引き続き、冬休み期間にもアンケート調査を行い、それらの結果や利用実態などから政策効果を分析することとしております。
○尾崎委員 今年度は、子供のワンデーパスで多摩都市モノレール全線が一日乗り放題で、小学生用で期間中百円で購入でき、多彩な特典もついているという説明も聞いています。今後も継続した事業にしていただきたいんですが、とりわけゴールデンウイークや夏休みは子供料金を−−今回は乗り放題で百円だったわけですが、もっと安く、例えば、五十円にするですとか、その期間だけは乗り放題で無料にするなど、都民に貢献することをぜひ検討していただくことを要望するものです。
次に、コミュニティバスとデマンド交通について、幾つか質問していきたいと思います。
二〇二〇年十一月に改正地域公共交通活性化再生法が施行されたことに伴い、国土交通省は、地域公共交通計画等の作成と運用の手引きについて改訂版を公表しました。東京都は今年三月に、東京における地域公共交通の基本方針を策定しました。都は、今年度から地域交通計画策定費の補助を始めたことは大変重要だと思います。
そこで、今年度の地域公共交通計画策定費の補助の実績と、地域公共交通計画を策定した区市町村はこれまで幾つになるのか伺います。
○江端地域公共交通担当部長 令和四年度の地域公共交通計画策定費の補助については、十月末時点で、六自治体に対し計約一千五百万円の交付を決定しております。
また、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく地域公共交通計画については、これまで六自治体で策定してございます。
○尾崎委員 それぞれ区市町村が地域公共交通について住民の皆さんと共に議論し、住民の皆さんの要望も踏まえて計画をつくることが大事になってきていると思います。高齢化が進む中、運転免許を返納する人も増え、安全のために自転車に乗るのもやめた人が増えています。そのため、地域住民の足となり、住民が自由に移動できる交通権を保障する公共交通の役割はますます重要となってきています。
鉄道や民間バスに加え、コミュニティバスの運行、バス停まで行くのが困難な人もいらっしゃるので、それを支えるためにはデマンド交通なども必要です。地域にあらゆる交通網が必要だと思いますので、引き続き支援の拡充を求めるものです。
コロナの影響に加え、物価高騰で都民の暮らしも事業者も大変厳しい状況になっています。コロナ禍で、バスやタクシー業界はお客さんが減って大変だという声も寄せられています。また、コミュニティバスの利用者数にも影響が出ていると聞いています。
物価高騰で苦しんでいる運輸事業者の方々へ、補正予算が第三回定例会で決まりました。東京都運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業の対象者は、貨物運送事業者、乗合バス事業者への支援です。
乗合バスにはコミュニティバスを含むとなっていますけれども、この場合は区市町村が実施しているコミュニティバスの全てに支援するという内容なのかどうか伺います。
○朝山都市基盤部長 今回の支援は、コミュニティバスを含む路線定期運行を行っている乗合バス事業を対象とし、要件を満たすものに交付することとしております。
○尾崎委員 要件を満たせば、コミュニティバスにも燃料費の支援が行われるということです。とても重要な支援だと思います。
定期運行乗合バスが対象ということは承知をしていることですが、地域ではコミュニティバスと同様に大きな役割を果たしているデマンド交通にも支援ができるよう要望するものです。ぜひご検討をお願いしたいと思います。
次に、現時点でコミュニティバスとデマンド交通を実施している区市町村は、それぞれ幾つあるのか伺います。
○江端地域公共交通担当部長 区市町村が関与している、いわゆるコミュニティバスについては、実証運行も含め、令和四年十月末時点で二十二区二十三市三町四村が導入しているものと承知しております。
また、デマンド交通については、実証運行も含め、令和四年十月末時点で五市一村が導入しているものと承知しております。
○尾崎委員 地域で住民の足となり、大きな役割を果たしているコミュニティバスやデマンド交通は、ただいまご答弁があったように、全ての地域で運行しているといえる状況まで来ていると思います。今年度、コミュニティバス、デマンド交通への都の支援が拡充しました。これも大変重要です。
今年度、コミュニティバスとデマンド交通の調査や検討、実証運転については、それぞれ幾つの区市町村に補助を実施しているのか伺います。
○江端地域公共交通担当部長 令和四年度のコミュニティバスやデマンド交通の調査検討費補助については、十月末時点で四自治体に対し交付を決定しております。
また、同様に実証運行については、三自治体に対し交付を決定しております。
○尾崎委員 調査検討費補助は四自治体、実証運行費は三自治体ということでした。コミュニティバスとデマンド交通を両方運行している自治体も生まれているので単純にはいえませんが、島しょを除くと、まさにほとんどのところでコミュニティバスもしくはデマンド交通が運行される予定だということも分かりました。
しかし、それでも、コミュニティバスの路線を見直してほしい、本数を増やしてほしい、コミュニティバスを走らせてほしいという要求は、私たちのところにもたくさん寄せられます。
区市町村は、住民の声に応えようと努力しています。都のコミュニティバス、デマンド交通への運行費補助は、運行開始から三年間となっています。運行費補助が三年間で、その期間に持続できるようにすることは大変困難です。都の運行費補助がなくなると、運行による収入だけでは経費が賄えず、区市町村の補填額が増えています。
日本共産党都議団の調査で、直近五年間のコミュニティバス事業の収支と区市町村の補填額なども明らかになりました。調査の結果では、多摩地域の負担額が大変重くなっているということが分かりました。
日本共産党都議団のコミュニティバスについての調査で、運行を維持するため区市町村が補助している金額の合計は、二〇二一年度で二十八億四千六百万円を超えています。内訳では、区部の補助額は十一億三千四百万円です。一方、多摩部は十六億六千六百万円となっています。しかも、各自治体の普通会計決算額に対する割合で比較しても、多摩地域は〇・一〇%、区部は〇・〇五%、多摩地域は区部の倍になっていることが分かりました。この状況をどのように受け止めますか。
○江端地域公共交通担当部長 コミュニティバスの運行は、区市町村による主体的、自立的な運営を前提として、交通需要や事業の持続可能性、財政負担の将来的な見通し等について十分に検討がなされていることが必要でございます。
○尾崎委員 私は、区市町村の現状、特に多摩地域のコミュニティバスの運行を維持するために、普通会計から補填している割合が多摩地域は区部の二倍になっている状況について、どう受け止めるのかと質問しました。私の質問に正面から答えていただけていないと思います。この現実を都としてきちんと受け止めて、都の役割を果たすことが早急に求められています。
二〇二三年度予算に対する町村会、町村議長会の要望でも、交通弱者の解消等が求められていると示し、総合交付金の拡充を求め、コミュニティバスについては、コミュニティバスの運行は不採算事業であるが、住民の利便性の向上には必須事業であり、継続した事業実施のために補助制度の拡充を図られたいと要望しています。
市長会の予算要望でも、コミュニティバスに対する補助制度の拡充を求めており、運行経費に対する補助については、新型コロナウイルスの影響により収支状況が悪化していることから、運行開始から三年間となっている補助期間及び補助要件の見直しを行い、継続的かつ地域の実情に合致する支援策を講じることと、切実な要望です。
日本共産党都議団の調査でも、都の運営費の補助額は僅かで、二〇二一年度のコミュニティバスの運行のために、区市町村の補填額の僅か五%にも満たないという状況です。
コミュニティバスやデマンド交通が継続的に運行するためには、都の運営費補助の拡充が求められていますが、いかがですか。
○江端地域公共交通担当部長 コミュニティバスやデマンド交通の運行は、区市町村による主体的、自立的な運営を前提として、交通需要や事業の持続可能性、財政負担の将来的な見通し等について十分に検討することが必要でございます。
その上で、事業運営の安定化を図るため、事業立ち上げ時に必要となる諸経費を支援してございます。
さらに、今年度から、区市町村が関連する計画等と整合を図りながら既存路線の見直しを行う際、必要な諸経費を支援してございます。
○尾崎委員 今年度、既存路線の見直しに当たっても都の支援が始まったことは重要なんです。しかし、まだまだ不十分だといわなければなりません。
先ほども紹介しましたが、それぞれの自治体は、コミュニティバスの運行は不採算事業であるが、住民の利便性の向上には必須事業と位置づけて必死に頑張っています。区市町村が一番求めている運営費補助の拡充を本気で検討することを強く求めるものです。
次に、横田基地について質問していきたいと思います。
日本共産党都議団は、この間、横田基地が単なる空輸基地から特殊作戦部隊の基地、前線直結の基地に変貌していることを本会議でも委員会でも明らかにしてきました。
横田基地にオスプレイが配備されて四年になります。横田基地に配備されたCV22オスプレイは、低空で敵地に行き、要人を殺害するための役割を持ったものであり、当然、訓練も苛酷なものになっています。
住宅から約百メートルのところでオスプレイのホバリングが行われ、夜十時過ぎまで続くことがあります。住民の方からは、騒音や振動のせいで家族との会話ができない、ヘッドホンなしにテレビを見ることはできない、ホバリングの振動が原因で家屋の壁にひびが入った、風圧により基地内の小石などが家屋の敷地内に飛び込んでくる、騒音が原因で体調を崩し、通院しているなど、被害が起きていると訴えています。
北関東防衛局は、このような具体的な被害実態を具体的に列挙して、家族がくつろぐ時間帯において会話ができない程度の騒音が数時間にわたって継続するというのは、離発着に伴い、一時的に生ずる騒音に対する苦情と比べると、より深刻だとして、ホバリングを北側ヘリパッドで行わないといった抜本的措置を講じるよう求めました。
このように、横田基地での北側ヘリパッド、住宅のそばでのオスプレイのホバリングについて北関東防衛局は、今年二月十六日、横田基地第三百七十四空輸航空団副司令官宛てに、CV22ホバリングに係る配慮について要請しました。
ところが、米側からは、CV22オスプレイの訓練が北側ヘリパッドで行われる理由は、南側ヘリパッド付近で追加工事が行われているためと説明がありました。しかし、南側ヘリパッドの工事完了後も北側ヘリパッドの使用は継続して行う可能性は排除されないことになりますと、五月二十四日に北関東防衛局にメールで回答がありました。何一つ改善されていません。
都として、米軍、米国に直接、住宅のそばでの北側ヘリパッドでのオスプレイのホバリング訓練はやめるよう要望すべきですがどうですか。
○金子基地対策部長 安全保障に関することは国の専管事項であるが、オスプレイの訓練を含む米軍の運用に当たっては、安全面に最大限配慮するとともに、地元住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めるべきであります。
オスプレイの運用に係る周辺住民の生活環境への配慮について、従前から地元自治体と共に、米軍等に対し要請を行っております。
○尾崎委員 今のご答弁で、従前から地元自治体と共に、米軍等に対し要請しているとのことです。何も改善されていない状況なんです。地元住民に与える影響を最小限にとどめるよう努力すべきというのであれば、改善されるまで徹底して都が役割を果たすべきです。米軍、米国に直接申入れを行うことを、小池知事に強く求めるものです。
しかも、五月二十四日の北関東防衛局への回答で、南側ヘリパッドの工事完了後も北側ヘリパッドの使用は継続して行う可能性は排除されないということは、大変問題なんです。北側ヘリパッドでのホバリングの訓練を行っている理由が、南側ヘリパッドの工事だったわけです。それなのに、南側ヘリパッドの工事が終わっても北側ヘリパッドのホバリング訓練は行う可能性があるという、とんでもない回答です。都として、この問題について、米軍、米国に対し直接、北側ヘリパッドでのホバリング訓練、住宅のそばでホバリングすることは中止するよう強く要望することを求めるものです。
住民の、都民の健康が脅かされているんです。住民の方は、騒音や振動が改善されないことから、騒音測定器で騒音の測定を始めています。北側ヘリパッド、住宅のそばのオスプレイのホバリング訓練は、ますますひどい状況になっているともいっています。今年九月、騒音測定器で九十から百デシベルになるほどの騒音です。都は、この状況をどう受け止めますか。
○金子基地対策部長 米軍の運用に起因する航空機騒音等につきましては、国が適切に対処すべきものでありますが、オスプレイの運用に当たっては、地元住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めるべきであります。
このため、都は、米軍の運用に当たっては、基地周辺住民の安全確保を優先し、細心の配慮と安全対策の徹底、生活環境への配慮等について繰り返し要請を行っており、騒音防止対策の推進等について求めてまいりました。
今後とも国や米軍に対して必要なことを申し入れてまいります。
○尾崎委員 私が一番聞きたかったのは、住民の方が騒音測定器で九十から百デシベルあった事実を都はどう受け止めるのかということなんです。
ただいまのご答弁では、都は、基地周辺住民の安全確保を優先し、細心の配慮と安全対策の徹底、生活環境への配慮等について繰り返し要請を行っており、騒音防止対策の推進等について求めてきたといいますけれども、住民の方から、騒音測定器で百デシベルあったことも寄せられているわけですから、住民の方は、オスプレイの音を聞くだけで体が震えると、恐怖なんだということまでいっているんです。都民の健康と命を守るために動くときだと、厳しく指摘をさせていただきたいと思います。
次に、横田基地所属のCV22オスプレイは、十月二十日、飛行中に操縦席内の警告表示を受け、和歌山県白浜町の南紀白浜空港に緊急着陸しました。北関東防衛局からは、軽微なセンサーの不具合が生じたため、修理を実施し、二十一日午前六時ごろに同空港を離陸したとのことですが、CV22オスプレイの緊急着陸は、二〇一八年四月の横田基地への初飛来以降五回目です。あまりにも緊急着陸が繰り返されています。このことについて、都はどう認識していますか。
○金子基地対策部長 オスプレイを含む米軍機につきましては、事故や予防着陸が発生しており、安全対策の徹底は必要と考えております。都はこれまでも、地元自治体と共に米軍機の運用について安全対策の徹底を求めてきております。
南紀白浜空港における横田基地所属CV22オスプレイの予防着陸につきましても、米軍及び国に対し、安全確保の徹底を図ることなどについて要請を行いました。
○尾崎委員 私たち日本共産党都議団は、十月二十四日、小池知事宛てに、緊急着陸を繰り返す横田基地CV22オスプレイの飛行中止を求める申入れを行って、一つは、十月二十日のCV22オスプレイの緊急着陸について詳細な情報を提供すること、二つ目に、横田基地所属のCV22オスプレイ六機の飛行を中止し、全て撤去すること、今後の増配備計画は中止すること、三つ目が、日米地位協定を改正し、CV22オスプレイの国内での緊急着陸の原因調査を日本政府が行うことができるようにする、この三点を要望しました。
都も、周辺市町連絡協議会として二十四日、安全確保の徹底を図ることなどを米軍及び国に対して要請したというご答弁が先ほどありましたけれども、その後、何か回答はあったのでしょうか。
○金子基地対策部長 回答は来ておりません。
○尾崎委員 二度とこのような事態が起きないようにするためにも、要請して終わりではなく、徹底して、米軍、米国に働きかけることを強く求めるものです。
CV22オスプレイについては、八月十七日に、クラッチの不具合が短期間に頻回に起きたことを受けて、米空軍はCV22オスプレイの全機、五十二機を地上待機としました。その後、九月二日には解除しましたが、クラッチの不具合が解消されたわけではありません。このままでは、いつ事故が起きてもおかしくない状況なんです。
都として、米国、米軍に直接、オスプレイ配備を撤去すること、今後の増配備を中止することを求めるべきだと思いますが、いかがですか。
○金子基地対策部長 安全保障に関することは国の専管事項であり、米軍の運用に当たり、住民に不安を与えないよう最大限の配慮を払われなければなりません。
国からは、CV22オスプレイの機体自体の安全性に問題がなく、教育訓練や機体点検等を継続的に行うことで、飛行の安全が確保できると確認したと聞いております。
都はこれまでも、安全対策の徹底等について、地元自治体と共に国や米軍に要請してまいりました。今後も、都民の生命、安全・安心を守る立場から、必要なことを申し入れてまいります。
○尾崎委員 私は、日本共産党の国会議員団と共に、八月二十四日に防衛省に聞き取りを行いました。驚いたことに、米海兵隊は、二〇一〇年にはクラッチの不具合を確認していたということです。しかも、十一月八日の参院外交防衛委員会で日本共産党の山添拓参議院議員が、米軍からクラッチの不具合を知らされた時期はいつかと質問すると、防衛省は、米国防省からクラッチを原因とする特有の現象がまれに発生することを二〇一〇年の段階で把握していた、このように答弁をしたんです。
そこで、重要なことなので伺いますが、横田基地にCV22オスプレイが配備されたのは二〇一八年です。オスプレイ配備に当たっての防衛省が作成した説明資料には、クラッチの不具合、ハード・クラッチ・エンゲージメント、これで制御不能に陥る危険があるなどということは一言も書かれていません。
防衛省は、二〇一〇年にハード・クラッチ・エンゲージメントのことを承知していたわけですが、CV22オスプレイが横田基地に配備されるとき、都には情報提供や説明はあったのでしょうか。
○金子基地対策部長 情報提供や説明は受けておりません。
○尾崎委員 防衛省は、二〇一〇年にオスプレイのクラッチの不具合、承知しながら、東京都には情報提供や説明もなく、都民にも隠しながら横田基地にオスプレイを配備したことになるんです。これは絶対に許されないことであり、あってはならないことです。
都として、防衛省に対し、横田基地にオスプレイが配備されるとき知っていた情報をなぜ東京都に説明しなかったのか厳しく批判し、防衛省の知っている全ての情報について、東京都と都民に公表することを強く求めるべきです。
今からでも、欠陥機であるオスプレイは横田基地から撤去すること、そして、今後の増配備計画は中止することを強く求めるものです。東京都の役割は、都民の安全、命を守ることだと厳しく指摘をして、質問を終わります。
○中村委員 それでは、都市整備局の事務事業について、最初に、今後のまちづくりについて質問します。
新型コロナウイルスの感染拡大は社会を大きく変えました。テレワークで自宅で過ごす時間が増えたり、ICT化により通勤の必要がなくなることもあります。少子高齢化における人口減少社会において、ゆとりのある暮らしが求められます。
まずそこで、ゆとりのあるまちづくりが必要になると考えますが、見解を伺います。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 令和三年三月に策定した都市計画区域マスタープランにおいては、コロナ危機を契機として、都市の持つ集積のメリットは生かしつつも、密閉、密集、密接の三密を回避し、感染症の拡大防止と経済社会活動の両立を図る、強靱で持続可能な都市づくりを進めていくこととしております。
こうした考え方を踏まえ、例えば、多様なライフスタイルに対応した住まいや働く場の整備、身近な緑とオープンスペースの拡大、人中心の歩きやすい空間の創出や自転車利用環境のさらなる充実などを図ってまいります。
○中村委員 三密を避けるということですので、都心部に過度に集中したまちづくりからの転換や、もともと海外に比べて狭いといわれる住宅が、ゆとりを持てるようにすることも求められます。コロナを機に、この見直しが必要かと思っています。
過密した都市においては、防災上も空間が必要です。公園だけではなく、駅前や役所の前などに人が集う場としての広場があることは重要です。今、都市にある空地を残し、また、増やすことは大切だと思います。
また、災害について、急斜面地などの無理な開発が土砂崩れを引き起こしたりもしています。宅地開発は、現在の法律では、要件が当てはまれば許可をせざるを得ないということですが、空き家も多くある昨今においては、緑地や空き地を宅地化することについては慎重な対応を検討していただきたいと思います。
次に、都市計画道路について伺います。
都市計画道路は、交通の円滑化や渋滞の緩和や防災上の延焼遮断帯としての意味がありますが、計画から半世紀以上が経過し、整備が困難なものもあります。都は計画の見直しを図っていますが、一度引いた線を消すことには慎重になっています。その間に建物が建て替えられると、また整備が難しくなります。
計画だけあって、いつ事業化されるのか分からないと、見通しが立たないので困るという声も聞こえます。このため、都市計画道路内の土地で買取りの申出があれば買うことにすれば、早期に道路にもなります。事業認可前の土地も購入することについての見解を伺います。
○朝山都市基盤部長 都は、平成二十八年に策定した第四次事業化計画に合わせて、優先整備路線を対象に、機動的な用地取得を図るため、地権者の申出により事業認可前から用地を取得する制度を設けております。
引き続き、こうした制度を活用しつつ、必要な都市計画道路の整備を着実に進めてまいります。
○中村委員 計画線の中に住んでいる方で、道路に反対だという方でなくても、いつどうなるか分からないと見通しが立たないから困るという方もいます。優先整備路線については対象にするということなんですが、場合によっては、そうではないことも検討するということも、そういった方々の生活支援にもつながるので、こういったことも検討していただければというふうに思っています。
また、住宅地で、道路も何もないところに新規の都市計画道路を整備するのは困難で、実際には、代わり得る道路がある場合には、その道路を拡幅する計画に変更することもあるのではなどの地元の声もあります。都市計画道路の未着手の路線は、必要に応じて柔軟に見直しを行っていくことが必要と考えますが、見解を伺います。
○朝山都市基盤部長 都はこれまで、おおむね十年ごとに事業化計画を策定し、その中で都市計画道路の必要性の検証を行い、適宜計画の見直しを行ってきたところでございます。
引き続き、必要な見直しを行ってまいります。
○中村委員 必要性の検証を行っているとのことでしたが、実現性の検証やそれに基づく見直しも必要だと思います。その上で、安全な歩行空間の整備の観点からも、都民にとっては、ふだん通る現在ある道路の拡幅を求めることが多いのは当然のことです。困難なことは承知しつつも、都市計画道路でない現道を都市計画道路にして、長期的に拡幅することも検討していただきたいと思います。
次に、交通政策について伺います。
超高齢社会における高齢者の移動は深刻になっています。民間では不採算になるためバス路線もない地域でのコミュニティバスが期待されますが、そもそも不採算なので市区町村の財政的負担が重くなっています。
都は、初期投資と三年分の運営費を出してはいますが、さらに継続して支援をする必要があると考えますが、見解を伺います。
○江端地域公共交通担当部長 コミュニティバスの導入に際しては、市区町村による主体的、自立的な運営を前提として、交通需要や事業の持続可能性、財政負担の将来的な見通し等について十分に検討することが必要でございます。
都は、事業立ち上げの際に支援することにより事業運営の安定化を図るため、導入時の調査検討経費や車両購入費のほか、運行開始後三年間の運行経費の一部を市区町村に補助してございます。
○中村委員 コミュニティバスは、そもそも民間では採算の取れない路線なので、三年たったら経済的に自立できるというわけではありません。継続した支援の検討を求めます。
また、コミュニティバスは、市区町村が中心になると、その自治体内の移動になってしまいます。しかし、高齢の方は、駅や病院に行くと自治体の境界を越えることもあります。
都は、市町村を越えたニーズがある路線については、広域自治体として複数の市町村を支援する必要がありますが、見解を伺います。
○江端地域公共交通担当部長 市区町村域を越えた利用者目線の輸送ニーズにも的確に対応するためには、コミュニティバスを複数の自治体で連携して運行することも有効でございます。
そのため、市区町村の区域を越えて都内の他の自治体内を運行する場合のほか、都内の複数自治体が共同で運行する場合なども補助の対象としてございます。
○中村委員 複数の市区町村でも支援するとの答弁がありました。
ただ、市役所のように、その市の人しか行かない施設と違って、駅や病院は住所とは関係なく移動します。その駅や病院のある市区町村には、近いがゆえにバスのニーズはなくとも、その隣の市町村の方は、遠いからこそバスが必要にもなります。こういった市区町村境を越えた移動について、場合によっては都が積極的に関与をして導入されるようにすることも必要だと思いますので、ご検討をお願いいたします。
また、普通のコミュニティバスだと狭い道路で入れなかったり、地域のニーズに合わなかったりもします。私の地元の三鷹市では、先月から、地域の特性に合わせて異なる二種類の実証運行を始めました。
一つはオンデマンド交通と、もう一つはグリーンスローモビリティーを採用するなど、新たな取組を始めました。こうした動きに対して、都は技術的な支援や財政的な支援を積極的に行う必要がありますが、見解を伺います。
○江端地域公共交通担当部長 今年度から、住民の方々の需要に応じて機動的に利用できるデマンド交通や、高低差や狭隘道路の移動に適した小型で低速の電気自動車であるグリーンスローモビリティーの導入経費を新たに補助の対象としてございます。
また、先行的な取組事例を都と市区町村から成る行政運営会などで情報提供し、広く共有することなどにより、市区町村の主体的な取組を後押ししてございます。
○中村委員 地域の交通の課題を関係者で議論する地域公共交通会議の果たす役割は大きいといえます。今話題になっている乗合運送についても、こうした会議の場で議論がなされるべきです。
そこで、地域公共交通会議に都も関わるなど適切に対応する必要があると考えますが、見解を伺います。
○江端地域公共交通担当部長 地域公共交通会議は、市区町村等が主宰し、地域の交通サービスの在り方について協議する場として位置づけられております。
都は、市区町村からの要請に応じて地域公共交通会議等に参加し、広域的、専門的な立場から必要な助言や情報提供を行ってございます。
○中村委員 乗合輸送については、地方のように公共交通機関が全くない場合には検討されるかもしれませんが、都市部のように便利な地域で行うことは、安全の問題や地域公共交通の安定を損ねるおそれもあります。だからこそ、地域公共交通会議で関係者が集まり、きちんと議論することが大切です。便利な移動は重要ですが、安全は何より大切なので、慎重な議論を求めます。
多摩地域は、総人口の約三分の一に当たる四百万人もの人口を抱えています。南北方向の移動については私自身大変不便さを感じるところですが、都心方向に向かう移動や地域内での移動も多く見られる中で、多摩地域は公共交通機関が不十分な状況かと思います。
そこで、多摩地域における交通ネットワークの現状について、都の見解を伺います。
○朝山都市基盤部長 多摩地域の全世帯のうち、最寄り駅までの距離が一キロメートル以上となる割合が全体の約半数を占めるなど、鉄道へのアクセスが不便な地域が見られます。
都といたしましては、コミュニティバスやデマンド交通など、地元自治体が行う地域の特性に応じた移動手段の確保策について支援を行っております。
○中村委員 最寄りの駅まで一キロ以上が半数とのことですが、二十三区ではそうした地域はほとんどないようです。こうした交通については三多摩格差の一つでもあります。
多摩地域では、都心への交通はありますが、南北方向の移動はやはり不便です。必ずしも都心に向かうだけではありませんし、むしろ多摩地域内の交通が発達すれば、まだまだ高い可能性を秘めている地域ともいえます。新たに多摩都市モノレールが延伸されるのは喜ばしいことだとは思っています。
一方、山手線と武蔵野線の間は、人口の割には便利な南北交通がほとんどありません。かなり前になりますが、都道調布保谷線を整備する際にLRT、路面電車を検討できないかと、沿線市が都に提案したこともありました。
最近、このLRTについては三鷹市議会でも議論が起きています。議会での議論の結果、三鷹市と調布市で協力して再度研究を開始したということでもあります。都においても、こうした自治体の動向を注視して、必要な支援を行うことを要望したいと思います。
次に、都の交通の取組でもあるスムーズビズについて伺います。
知事は、前回二〇一六年の知事選挙で七つのゼロを公約に掲げました。そのうちの一つに、満員電車ゼロがありましたが、そもそもどういう姿を目指すのか伺います。
○朝山都市基盤部長 満員電車ゼロは目指すべき姿と認識しておりまして、都が策定した都市づくりのグランドデザインでは、二〇四〇年代の都市づくりの挑戦の一つとして、鉄道のピーク時の混雑解消を掲げております。
また、「未来の東京」戦略においても、目指すべき二〇四〇年代の東京の姿として、満員電車が過去のものとなっていると示しており、それを目指して、ハード、ソフトの両面から様々な取組を総合的に推進しております。
○中村委員 コロナ禍になって少し時間もたちましたので、減ったり、また増えたりもしてきていますが、今この現在の電車の混み具合について、現状どのように認識しているのか伺います。
○朝山都市基盤部長 国が公表している東京圏の主要三十一区間のピーク時間帯における平均混雑率は、コロナ前の令和元年度実績で一六三%であったが、最新の調査結果では、令和三年度実績で一〇八%に減少しております。
一方、時間帯によっては、一部混雑している列車も見られます。
○中村委員 知事は、委員会で乗車率が減ったことを成果のように誇っていましたが、取組の貢献があったとも思いますが、コロナ禍においては、最大の要因がコロナであったことは明らかであり、やはり喜ぶべきことではなかったのかと思います。
とはいえ、結果的には過密さが減ったのは確かですが、コロナが収まると少しずつ乗客が戻り、時間帯によっては満員になってもいます。特にコロナ禍には、ここ数年、慣れもありますが、これまで以上に他人との距離を取りたくもなります。コロナが完全に終わったときには、また元の混雑に戻ることのないように取り組むことを求めます。
さて、知事は、過去の公約で二階建て電車についても言及していましたが、満員電車ゼロの実現に向けてどのように取り組んでいるのか伺います。
○朝山都市基盤部長 スムーズビズの取組をはじめとし、様々な工夫を凝らしながら、できることから着実に進めており、今後とも、鉄道の混雑緩和に、ハード、ソフトの両面から総合的に取り組み、快適な通勤環境を創出してまいります。
○中村委員 一つの象徴ということかとは思いますが、今となっては実現しない公約の象徴になっています。
その実現性は最初から多くの人が疑問を持っていましたが、手法はともかく、毎日満員電車に乗る人にとっては、満員電車ゼロには期待をしたはずです。少しでも混雑緩和ができるよう、コロナ後の社会の変化を見据えた取組を求めます。
また、コロナ禍でも、最近では朝晩は通常でも混雑しているのにもかかわらず、昨今、事故等で電車が遅れることが多くて、過密したダイヤでは、少し遅れるだけで、より一層の混雑を招きます。転落やホームへの立入りだけが原因ではないのですが、ホームドアの設置が進めば少しでも事故は減らせて、混雑を減らすこともできます。
度々この委員会でも取り上げてきましたが、安全のためには当然ですが、スムーズな交通という観点からも、ホームドアの設置を促進することを改めて求めておきたいと思います。
次に、防災と耐震化について伺います。
昨日も茨城で震度五の地震があり、東京でも震度三と揺れました。改めて、地震はコロナであろうと関係なく襲ってくることを思い知らされました。
今年五月に総務局から、首都直下地震等による東京の被害想定の見直しが発表されました。これまでの耐震化や不燃化等の取組も踏まえて想定される被害が減少したことは、一定成果があったのだと思います。
しかし、同じ災害を比べて被害想定が減少しただけではなくて、揺れの想定が増大した地域もあり、不安を感じている都民もいるものと思われます。
都は、住宅の耐震化にどのように取り組んでいるのか伺います。
○青木耐震化推進担当部長 都は、個別訪問など住宅の所有者への積極的な働きかけを行う区市町村を対象として、耐震化助成などの取組を支援しています。
また、地震被害に対する不安解消に向けたアドバイザー派遣などの区市町村の取組に対しても支援しており、引き続き住宅の耐震化を促進してまいります。
○中村委員 前回、被害想定を発表した平成二十四年のときの想定と、想定する地震が変わっています。東京湾北部地震から都心南部直下地震に変わり、多摩直下地震から多摩東部直下地震に、元禄型関東地震から大正関東地震に変わりました。
同じ揺れでの被害想定の見直しだけではなくて、基準となる揺れの予測が変わっています。場所によっては想定される震度が変わり、私の地元三鷹市でも、多くの地域が震度六弱の予測から六強へと揺れが激しくなっています。
こうした地域は、対策を強化する必要があります。耐震化の制度は同じでも、揺れが激しくなった地域を強化するよう、市区町村の背中を押すことも必要だと思っていますので、よろしくお願いします。
次に、市街地の不燃化の取組について質問します。
多摩地域にも木造住宅密集地域も多く存在しており、取組を強化して解消していくことが重要であると認識しています。
都は、防災都市づくり推進計画に基づき、市街地の不燃化を進めていますが、木造住宅密集地域のうち、区部の重点整備地域において不燃化特区制度を展開しています。
まずは、区部でも取り組んでいる不燃化特区制度の取組について伺います。
○池内防災都市づくり担当部長 都は、防災都市づくり推進計画において、防災都市づくりに資する事業を重層的かつ集中的に実施する地域を重点整備地域に指定し、不燃化特区制度を活用して、老朽建築物の建て替えや除却への助成、まちづくりコンサルタントなどの専門家派遣に対する支援などを行っております。
○中村委員 区部での重点的な取組の概要は、今お聞かせいただきました。
とはいえ、その取組はより一層加速させる必要があります。平成二十四年に木密地域不燃化十年プロジェクトを策定しましたが、令和二年に不燃化特区を五年延長しました。より達成に向けて、着実な取組を求めたいと思います。
一方、多摩地域においても危険な木造住宅密集地域は存在します。こうした地域においても不燃化の取組は重要と考えます。
そこで、多摩地域の木造住宅密集地域の改善に向けた都の取組を伺います。
○池内防災都市づくり担当部長 多摩地域を含む都内に存在する木造住宅密集地域では、地区計画または用途地域での敷地面積の最低限度の設定による敷地の細分化防止、市街化状況に応じた防火規制等の指定によりまして、建築物の不燃化を促進することを図るとしております。
今後も、地区計画策定に取り組むように区市に対して働きかけるとともに、財政支援を行い、木密地域の改善を促進してまいります。
○中村委員 これまでも不燃化特区は二十三区だけだったわけですが、改めて多摩地域も力を入れるべきではないかと思います。特に、二十三区の近くの市では住宅密集地域もあります。町丁目の危険度の指標では下町の方が高いわけですが、局所的に見れば、道路が狭く、延焼の危険も高く、消防車が入れないところも多くあります。二十三区が全部終わってから市町村にということだけではなく、一定並行しての取組も必要かと思っていますので、お願いしたいと思います。
さて、東部低地帯では、豪雨対策で約二百五十万人が他県等への広域避難を行うことを想定していましたが、令和元年の台風十九号では、鉄道が早期に計画運休を決めたことから広域避難が困難となるなど、その課題があらわとなりました。
その後、水害時の避難については、垂直避難も含めた分散避難を提唱するようになりました。
都市づくりにおいては、大規模水害時の対応に向けてどのような取組を行ってきたのか伺います。
○三宮市街地整備部長 都は、国と共に設置した連絡会議において、東部低地帯の水害対策などについて幅広く検討を重ね、災害時でも、命の安全、最低限の避難生活水準が確保され、社会経済活動が一定程度継続することができるよう、区画整理と高規格堤防による高台づくりや、再開発事業による避難スペースの確保等の方策を盛り込んだビジョンを令和二年十二月に公表いたしました。
こうした方策について、地区特性を踏まえた適用を図るため、連絡会議の下に地元区を含めたワーキンググループを設置し、地域の避難計画とも連携しながら、モデル地区ごとに検討してきております。
○中村委員 計画的なまちづくりにおいて、急激な容積率の緩和はあまりよいとは思いませんが、私は、水害が想定される地域においては、容積率を上げてでも垂直避難を可能にせざるを得ないと考えます。
また、被害のあるところは住めないというようなこともできませんし、土地をかさ上げするにも時間を要し、早期に効果を上げる策としては現実的ではありません。
大規模水害時の対策として、垂直避難ができる建物を増やしていく必要性があると考えますが、見解を伺います。
○三宮市街地整備部長 ビジョンでは、ゼロメートル地帯等の広域避難対象者は膨大であり、現実的には逃げ遅れが生じるおそれがあるため垂直避難などの浸水域にとどまる場合の対応も併せて進めることとしており、具体的には、民間再開発事業において、地元区市の地域防災計画を踏まえ、施設建築物上層階への避難スペースの確保等について計画段階から誘導することとしております。
また、都においては、開発区域内外における一時避難施設や避難に有効なデッキの整備などを公共的な貢献として評価し、容積率を緩和する都市開発諸制度の改定を令和二年度に行っており、今後とも災害に強い都市づくりを進めてまいります。
○中村委員 二百五十万人の方を避難させるために多くの方が尽力されているとは思いますが、今すぐに二百五十万人の避難先を探すのは相当困難だと思います。それであれば、ともかくその瞬間命を守るために、横が無理なら上に逃げてでも、二百五十万人がそのときにいられる場所を確保することが急務だと思います。現実的な対応を求めて、質問を終わります。
○藤井委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩をいたします。
午後十時七分休憩
午後十時二十四分開議
○藤井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○松田委員 それでは、事務事業質疑について始めさせていただければと思います。
まず最初に、コロナ禍で東京都はどのように変わっていったのかという視点で、都市づくりのグランドデザインについてお伺いできればと思っています。
コロナ禍で、様々な報道等で東京から人がいなくなる等の話がありましたが、結果的に見ると、コロナ禍でも東京一極集中は変わりませんでした。そして今後、日本全体が人口減少のトレンドに入っていく中でも、人口割合でいうと、東京であったりとか都市部の人口割合というのは、恐らく増えていくんだろうと私自身は思っています。そして、それ自体は決して日本全体を見ても悪いことではなく、私たち政党としても、よくツインエンジンという、東京と大阪の話をさせていただくんですけれども、メインエンジンは東京で変わりがないと私自身は考えています。
その中で、都市づくりのグランドデザインの中で、東京都は今後、世界のどの都市も経験をしたことのない少子高齢化、人口減少社会を迎えることになると、二〇一七年の策定時には記載がありますが、東京都内の人口動態について、コロナ禍を経て、作成時と現時点での都としての見通しの違いはあるかお伺いいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 二〇一七年に策定した都市づくりのグランドデザインと、二〇二一年に策定した「未来の東京」戦略における人口予測では、いずれにおいても東京の人口は二〇二五年をピークに減少に転じ、二〇三五年には約四人に一人が高齢者となる時代が到来すると予測しており、こうした点において、グランドデザインの策定当時から大きな違いは現れておりません。
○松田委員 ご説明をいただいたとおり、都内の人口推計だけを見ると大きな違いは出ていないかと思いますが、私自身は、より詳細な分析、地域による違い等を見ていくべきだと思っています。
コロナ初期のデータを見てみると、東京都内では都心部の人口増加率が高まっており、埼玉、千葉、神奈川等の人口増についても、地域別に見てみますと、東京との県境が増えており、都内へ約一時間程度離れた、快適にテレワークが行われる、同じ家賃でも、少し広めの住まいが借りられる近隣県に移動が進んだと見られています。
郊外回帰はもちろんのことながら、最初に述べましたとおり、都心への回帰も進んでおり、人口推計に出ない移動がこの四年間では出ているのかと思っています。
次に、グランドデザインを見ますと、東京都においても、少子高齢、人口減少社会を迎えるとありますが、都は、少子高齢化対策、人口減少社会に対して、どのような都市構造を目指していくのかお伺いいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都市づくりのグランドデザインでは、急激な社会変化を見据え、広域レベルと地域レベルの二層の都市構造を示すことにより、都市活力の維持向上と快適でゆとりある都市生活を両立していくこととしております。
広域的なレベルの都市構造については、少子高齢化、人口減少の進行が見込まれる中、東京圏全体で活力の向上や国際競争力を高めていくため、都心部を中心とした高度な都市機能の集積や、環状方向の広域交通基盤等を最大限に活用し、人、物、情報の交流をさらに促進してまいります。
地域レベルの都市構造につきましては、より身近な圏域において、鉄道網等の既存インフラを生かしつつ都市機能を集約し、誰もが暮らしやすいコンパクトな市街地への再編を進めてまいります。
○松田委員 広域レベルと地域レベルの二層の都市構造というところですが、それはもとより、地域レベル、多摩と二十三区であったりとか、または、二十三区の中でも目指すべき都市構造は違ってくると思いますので、ぜひこのあたりも東京都がしっかりと視点を持って、コンパクトなまちづくりを行っていっていただければと思います。
人口減少についてもご指摘がありましたが、自然減ですね、死亡者数が出生数を上回る状況、自然減だけでなく、全国的な人口減少の影響により、転入者数が転出者数を超える社会増の縮小が見込まれていますが、子育てしやすいまちづくりによる出生数を増やし、自然減を緩和するまちづくりだけでなく、都としては魅力あるまちづくりを行い、日本全体で人口減少であっても、社会増を維持することが日本の未来にとって大事なことだと考えますが、都として、社会増を維持していくためにどのような取組を行っていくのかをお伺いいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 少子高齢、人口減少社会を迎えると予測される中で、東京圏全体で国内外の人、物、情報の交流をさらに促進するとともに、あらゆる人が活躍、挑戦できることや、生活のゆとりを楽しみ、個々人から見れば特色のある個性を有する様々な地域で、多様なライフスタイルに柔軟に対応した住まい方、働き方、憩い方を選択できる都市を目指すことが重要でございます。
このため、多様なライフスタイルに応じた暮らしの場の創出、コミュニティを生む都市の多様なスペースの創出、あらゆる場所で緑を感じられる都市の構築などを進めていくこととしております。
○松田委員 人口減少というのは日本の大きなトレンドでありますが、東京都としては、人口減少にとらわれず、社会増を誘引するまちづくりを都市整備局としても取り組んでいっていただきたいと思います。
転入者数が転出者数を超える自然増については、年齢別に見てみますと、十八歳から三十二歳に集中しております。かくいう私も二十五歳のときに東京に転入をしてきて、はや十年が経過をいたしました。皆さんの中にも同じ境遇の方はいるかとは思いますが、私自身も、仕事の関係で転入というのはありましたけれども、東京の都市としての魅力に引かれ、上京し、転入をしてきたという部分もございます。気がつけば、東京をもっとよくしたいと思い、今この立場に立たせていただいております。
少し話がそれましたが、東京都の自然増には、若年層が魅力を感じるまちづくりが必要です。
また、全年齢で社会増が起こっているわけではなく、年によって若干の違いはあるんですけれども、五十代後半から、少しずつではありますが転出者が増えている傾向があります。推測にはなりますが、仕事のために都内にいた方が、引退とともに東京を離れていってしまったというふうな見方もできると思います。東京の人口を維持するには、仕事のために東京にいた人たちを引退後も都内に住み続けたいと思うまちづくりをしていく、これも一つの東京の人口の維持には大きな鍵になると考えています。
それでは、ここまで日本の中の東京という部分についてお話をさせていただきましたが、最後に、世界の中の東京という都市の観点から質疑をさせていただければと思います。
コロナ禍では、東京だけではなく世界各都市に大きな影響を与えました。ニューヨーク、ロンドン、パリ等、ほかの地域でも大きなダメージを一律に受けました。コロナ禍で、東京は都市として海外からは何を求められるようになったのか。私自身も数多くの海外の方とコミュニケーションを取ってきた経験からいうと、東京は間違いなく暮らしやすく、そして安心で安全なまちだとは思っています。
ただ、安心・安全、暮らしやすいだけでは、国境を越えて人は移動してこないというのも事実だと思っています。それがコロナで、これだけ暮らしやすい都市だと私自身も思っている中で、ウェブスリーの関係であったりとか金融関係の友人は、気がつけば日本から離れ、東京から離れ、海外の都市を選択している、そういうこともあります。
二〇一七年、グランドデザインを作成された後、様々なことがありました。ブレグジット、そして香港の情勢変化、そして一番大きなコロナ禍を経て、どのようなまちづくりをしていくのか議論をしていく、東京もしていかなければいけないと思っています。
二〇一七に作成をしたグランドデザインから、東京が果たすべき役割について、世界における役割、日本における役割は変わりつつあるのか、お伺いいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 グランドデザインでは、東京の世界における役割として、包容力を持ち、多様な人々、文化の交流を育むこと、都市課題の先駆的な都市モデルを構築、発信すること、伝統と先進を融合させ、新たな価値を創出することを示しております。
また、日本における役割といたしまして、日本の首都として経済活動の推進力を発揮すること、様々な地域と連携し、一層魅力的な日本を創造、発信することを示しております。
社会状況の変化や技術革新が進展している状況も踏まえまして、引き続き、こうした役割を果たす東京の都市づくりをより一層進めてまいります。
○松田委員 これまで、コロナ禍の前であれば、やはり日本のマーケットであったり、そして東京のマーケットにアプローチをするためには、ある程度、日本に拠点を持たなければいけない、こういう社会だったと思います。
ただ、現状は、日本のマーケット、東京のマーケットにアプローチをするにしても、日本に拠点がなくとも、オンラインが普及したことにより、今後、これまで日本にいなければいけなかった、こういう人たちも、海外に、まちの魅力がなければ逃避していく、私は懸念を抱いております。
他の海外の都市と比べた際に、公共交通機関の利便性や駅の密度など、電車、バス等も時間どおりに来たりとか、こういう利便性については非常に高いものがあると思います。
ただ、空港へのアクセスであったりとか、先ほど中村委員の方からもありましたけれども、移動の快適さ、満員電車であったりとか、そういう部分については、引き続き東京の弱い部分かとも思っています。
次に、その移動の快適さの観点からご質問させていただければと思います。
通勤時の満員電車も挙げましたが、なかなか、通勤時の満員電車の解消の手だても残念ながら見当たらないというのが今のところだと思います。
そんな中、自転車活用推進計画を中心にまちづくりをしていく中で、今後、自転車だけではなくて、移動のモビリティーについて大きな時代の変化、流れが来ていると思いますので、その観点から質問させていただきたいと思います。
海外では、シェアリングモビリティーといいましても、ライドシェア、カーシェアリング、電動キックボードのシェアリング、バイクシェア等の様々な新しいモビリティーサービスが発展をしてきています。
そしてそんな中、路肩、車道、そして歩道を利用するサービスのため、事業者間や利用者間で、歩道、道路空間の取り合いが起こっている、こういうのも状況です。都市によっては、電動キックボードを普及させたが、なかなかうまく運用ができないため、事業者において台数を制限するなど、このような道路空間の取り合いが現状生じています。
私自身も、半年前、四月にポーランドに行ってまいりました。その際に、私も二年半ぶりぐらいに海外を訪れたのですが、驚いたことに、シェアリングモビリティー、特にキックボードのシェアリングについて、この二年半近くで著しい大きな変化があったと思っています。そこには、モビリティーの違いもありますし、運用の違いも大きくあると思っています。
ポーランドでは、今の日本にあるような設置されたポートを利用した電動自転車のシェア文化は既にほとんど利用されておらず、まち中では電動キックボードの日常が定着をしていました。ただ、それは決して電動自転車と電動キックボードのモビリティーの差ではなくて、電動キックボードの場合は、ポーランドでいうと、基本的にはまちの大方の部分で乗り捨てはできるという、そういう運用の差が普及の差につながっていると、私自身も、自分自身で行って感じをいたしました。
都内では、なかなか乗り捨てという同様の運用自体は難しいとは考えますが、ポートの増設等を含めて、民間事業者がポートの増設を進めていますが、なかなか難しい状況というのも現状だと思います。
道路空間が物理的に飽和をしており、なかなか新しいモビリティーを導入したくても導入ができない、こういう状況という部分で、新たなソリューションが必要と考えています。
東京都として、今後、自動運転技術の普及なども見据えて、どのように道路空間を活用していくのかお伺いいたします。
○三木交通政策担当部長先端技術調整担当部長兼務 都は、本年三月に自動運転社会を見据えた都市づくりの在り方を策定いたしました。本在り方では、自動運転車の普及により、車線数の減少や車線の幅員の縮小にも寄与することを想定いたしております。
こうしたことから、車道空間を縮小し、ゆとりある歩行空間や荷さばきなどの多目的利用ができる空間を創出する方策を示しておるところでございます。
今後とも、道路空間におけるゆとりやにぎわいの創出を図りまして、安心してまち歩きが楽しめるような都市を目指してまいります。
○松田委員 道路空間の再分配をするに当たっても、都内であれば既存の交通の整理が必要となって、一律になかなか車等の制限もすることができない中では、自動運転技術に頼らざるを得ないということだとも思います。
その中でも、脱炭素の観点から、環境負荷が低いモビリティーへの転換は必要不可欠だと思っています。
今ある環境負荷の低い最たるものは自転車だと考えますが、自転車推進に向けて、東京都としてどのような施策を展開しているのかお伺いいたします。
○三木交通政策担当部長先端技術調整担当部長兼務 都は、令和三年五月に改定いたしました東京都自転車活用推進計画におきまして、自転車通行空間の整備や自転車シェアリングの広域利用の促進、ニーズに応じた駐輪場の整備、交通安全対策の強化などを進めております。
○松田委員 東京都の自転車活用推進計画の上位計画には、国土交通省作成のものがあるとは思いますが、ぜひ国の自転車活用推進計画の先を行く、自転車だけでなく、シェアリングモビリティーの推進であったりとか、また、新たなモビリティーの導入を見据えたまちづくりをぜひ都市整備局の皆様にはお願いをできればと要望しております。
最後に、東京都の課題の一つでもある、先ほど述べました空港へのアクセスの問題についてお伺いさせていただければと思います。
昨年も事務事業質疑で私もお伺いさせていただきましたが、この一年間で大きく動いた事業の一つでもあると思います。空港へのアクセス強化への取組について、プロジェクトの進捗状況をお伺いいたします。
○朝山都市基盤部長 国の答申では、空港アクセスの向上に資するプロジェクトとして、羽田空港アクセス線や新空港線などが示されております。
羽田空港アクセス線は、田町駅付近から羽田空港へ向かうルートについて、JR東日本が二〇二九年度の運行開始を目指し、工事着手に向けた手続を進めております。
また、新空港線は、都と大田区が本年六月に事業費の地方負担などについて合意したことを受け、区などの関係者が事業化に向けた取組を進めております。
○松田委員 大田区を走る新空港線については、大田区内でも、いつ事業化が進むか、今か今かと待ち望まれていた路線でもあります。ようやくかという安堵の声、そして今後への期待感があふれています。
もちろん、過去数十年間にわたって構想されておりまして、事業化といっても、なかなか具体的なイメージがついていない、こういう区民の方も数多くおります。今後は、大田区が主体となりながらも、ぜひ東京都にもサポートをいただきながら、区民に、新空港線ができた後の大田区や蒲田の未来であったり、そして新空港線の可能性について発信をサポートいただければと思います。
時系列で見ますと、ご説明をいただきました六月に地区負担の都区間の合意を含む基本事項について合意がされました。そして十月には、大田区と東急電鉄では、新空港線の整備主体となる第三セクターの発起人として、十月十四日に羽田エアポートライン株式会社を設立いたしましたが、新空港線について、都の今後の役割についてお伺いいたします。
○朝山都市基盤部長 整備主体となる第三セクターが中心となり、都市鉄道利便増進事業の採択に向けた調整や都市計画手続など、事業化に向けた取組を進めることとしております。
都といたしましては、こうした取組を支援していくため、関係者と必要な協議、調整を進めてまいります。
○松田委員 新空港線については十年以上にも及ぶ長期間の事業にはなりますので、ぜひ都には引き続き事業化に向けた関係各者との調整等サポートいただきますようお願いを申し上げまして、事務事業質疑を終わります。
以上です。
○磯山委員 それでは、都市計画道路の整備計画について幾つか質問します。
まず初めに、東京の都市計画道路の総延長、現在までの完成率について、区部及び多摩地域について伺います。
○朝山都市基盤部長 東京の都市計画道路については、令和三年三月三十一日時点で、区部で約千七百六十八キロメートル、多摩地域で約千四百二十七キロメートルとなっており、島しょ部を含めますと、総延長は約三千二百五キロメートルとなっております。
また、完成率は全体で約六五%となっており、区部では約六六%、多摩地域では約六二%となっております。
○磯山委員 都市計画道路の完成率は、現時点で六五%程度ということですが、一方で、まだまだ整備する路線が三割以上残っており、未着手の路線も多く存在しているものと理解をいたします。
都内の地価を考えると、一つの路線を整備するにも多額の費用と時間を要することも容易に想像できますし、借地権や地上権が設定されるなど、権利関係の複雑な土地も増加傾向にあると聞いております。最近では、長期間放置され、所有者が不明な土地も増加していることも問題となっております。
こうした中、これまで都は、都市計画道路の整備をどのような工夫の下、計画的に進めてきたのか伺います。
○朝山都市基盤部長 東京都は、区市町と共に、区部では昭和五十六年、多摩地域では平成元年より都市計画の事業化計画を策定してきておりまして、この中で、都市計画道路を計画的、効率的に整備するため、おおむね十年間で優先的に整備に取り組む路線を選定してまいりました。
平成二十八年三月に策定した第四次事業化計画では、骨格幹線道路網の形成や高度な防災都市の実現など六つの選定項目を設定し、事業の継続性や実現性などを踏まえ、優先整備路線を選定しております。
○磯山委員 それでは、第四次事業化計画の優先整備路線について、区部及び多摩地域において何か所を選定し、このうち何か所で着手しているのか、伺います。
○朝山都市基盤部長 第四次事業化計画の優先整備路線として、区部で百八十か所、多摩地域で百四十か所を選定しておりまして、令和三年三月三十一日時点で、区部三十八か所、多摩地域三十五か所で事業に着手しております。
○磯山委員 優先整備路線の選定及び着手状況については分かりましたが、未着手の路線については一日も早い着手に向けて全力で取り組んでいただくことを要望いたします。
また、どの道路でどのような課題があるのか、そのため都市計画道路のどの路線を優先的に整備するのか、事情をよく知っているのは、やはり地元市区であると思っております。このため、優先整備路線の選定に当たっては、地元市区との連携は不可欠です。
そこで、第四次事業化計画はどのような体制で検討を行ったのか伺います。
○朝山都市基盤部長 東京都は、第四次事業化計画の策定に当たり、区部及び多摩地域それぞれに策定検討会議を設置し、地元自治体と協働で調査検討を進めております。
なお、区市町の自主運営による特別区検討会、市町検討会を設置し、意見を取りまとめ、検討を進めました。
○磯山委員 都が市区などとも連携して事業化計画を定め、整備に取り組んでいることは分かりました。
一方で、都内ではまだまだ必要な路線も多く、すぐにはできない道路も少なくないと思います。小平においても、都市計画道路の完成率は四割程度にとどまっており、東京全体の都市計画道路の完成率と比較しても遅れています。また、小平市より北側、埼玉県と接する市内の都市計画道路についても、同様に完成率は低くなっております。
これにより、小平を含む多摩の北部地域では朝夕の交通渋滞が各所で発生しており、ほかにも増して都市計画道路の整備が強く求められるわけであり、都県境にまたがる都市計画道路の整備を促進し、首都圏全体で活発な交流を実現する都県間ネットワークを形成するためにも、埼玉県側との連携は不可欠であると考えます。
そこで、都は、埼玉県との連携をどのように図っているのか、見解を伺います。
○朝山都市基盤部長 都県境を越える道路ネットワークの形成は、近隣県との交流、連携を図るために重要でございまして、都と埼玉県とを結ぶ道路の接続につきましては、調整会議を立ち上げるなど県と連携して取り組んでおります。
今後も、埼玉県など関係自治体と連携して都県間の道路ネットワークの形成を図ってまいります。
○磯山委員 重要な都県間の道路ネットワークの整備を、埼玉県と連携して推進していることが分かりました。
以上、都市計画道路の整備計画について質問をしてきましたが、一方で、小平市内において、多摩南北五路線の一つでもある府中所沢線については、長年の時間を要しているものの、用地買収も大分進んできていると伺っており、一定の評価をしているところではありますが、引き続き、関係市をはじめ埼玉県とも連携しながら、一日も早い都市計画道路の整備を進めていくよう要望して、次の質問に移ります。
次に、多摩のまちづくりについて伺います。
都は、平成二十九年九月に都市づくりのグランドデザインを策定し、その中では、二〇四〇年代の目指すべき東京の都市の姿と、その実現に向けた都市づくりの基本的な方針と具体的な方策が示されています。
グランドデザインでは、活力とゆとりのある高度成熟都市を都市づくりの目標と定め、都市活力の維持向上と快適でゆとりのある都市生活の両立を図るため、広域レベルと地域レベルの二層の都市構造とともに、都内を中枢広域拠点域、新都市生活創造域、多摩広域拠点域、自然環境共生域の四つの地域区分を定めています。
例えば、この地域区分のうち新都市生活創造域は、おおむね環状七号線から、西側はJR武蔵野線までの間の区間で、多摩広域拠点域は、おおむねJR武蔵野線から圏央道までの間の区域であり、小平市や国分寺市、府中市などがこれらの地域区分に位置しています。
小平市内は、大部分が新都市生活創造域に位置しており、個別の拠点地域では、小川、小平、花小金井の駅周辺地域の将来像の一端として、都市基盤の整備や土地の有効利用が進み、商業、公共公益施設等の機能の集積などにより、にぎわいや交流が育まれる市街地を形成することが示されています。
このように、広域的な視点からそれぞれの拠点や地域が果たすべき役割を明確にするとともに、拠点や地域の個性を生かしながら、都民や民間事業者、市区町村などの様々な主体が連携して魅力的なまちづくりを進めることで、東京全体の活力を向上させていくことは重要であります。
そこで、グランドデザインで示された小平市内の拠点や地域について、都として、どのようにまちづくりを進めていく方針なのか伺います。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都は昨年三月、都市づくりのグランドデザインなどを踏まえ、都市計画区域マスタープランを改定し、花小金井駅周辺を地域の拠点に位置づけ、将来像として、例えば、鉄道立体化の実現に向けた検討が進み、業務や商業において均衡のとれた魅力ある空間づくりの進展などを示しております。
また、小平駅と小川駅周辺を生活の中心地に位置づけ、将来像として、駅前の高度利用が図られ、交通広場や道路など都市基盤の整備のほか、商業の拠点の形成などを示しております。
都は、市が都市計画で地区計画や都市施設等を定める際には、都市計画区域マスタープランとの整合が図られるよう協議、調整を行うなど、市と連携して、グランドデザインで示した都市像や将来像の実現を目指してまいります。
○磯山委員 拠点などにおけるまちづくりの方向性は確認できました。このことを踏まえて次の質問に移ります。
多摩地域は、大学や企業の集積や緑豊かな自然など活力や魅力あふれるポテンシャルを有する地域である一方で、少子高齢化や工場の移転など課題もあります。
こうした中、多摩地域をさらに発展させていくためには、例えば、グランドデザインで示されたように、多摩イノベーション交流ゾーンでの企業の集積や、交通ネットワークを生かした内外との交流などによる新たな魅力や価値を引き出していくことを多摩地域全体に広げていくことが必要と思います。
そこで、都は、こうしたイノベーションも生かして、多摩のまちづくりにどのように取り組んでいるのか伺います。
○澤井まちづくり調整担当部長 都は、「未来の東京」戦略なども踏まえ、多摩の強みである企業や大学などの集積も生かし、多様なイノベーション創出拠点の形成に向けて、多摩イノベーション創出まちづくり検討支援モデル事業を実施しております。
本事業では、令和二年度に多摩市など四つのモデル地区を選定し、二年間にわたり、地元市の産業政策とも連携したまちづくりを技術的、財政的に支援してまいりました。
この結果、イノベーションを創出する新たなまちづくりに向けては、公民学連携の仕組みづくりや、ハード、ソフトの両面からのまちづくりを進めるなどの取組が重要であるとの成果を得ております。
この成果を、多摩の新たな拠点整備計画の策定などにつなげてまいります。
○磯山委員 多摩地域、また、特に北多摩地域は、都心に近く、質の高い生活ができる地域であります。ただいまの答弁にあったモデル事業などの取組を整備計画の策定につなげていくということでありますので、北多摩のまちづくりに好影響を与えるような計画を期待して、次の質問に移ります。
次に、生産緑地地区について伺います。
私の地元の小平市は、青梅街道沿いに短冊型農地や屋敷林、玉川上水から引かれた用水路などの歴史を受け継いできた特徴的な風景と、その地割りを踏襲した土地利用が残っており、現在でもこうした水と緑による、ゆとりや安らぎのある住環境の創出につながっています。
市街化区域にある農地は、良好な生活環境の確保に効果があり、今後も保全する農地等を生産緑地地区に指定することで、農地の保全が図られてきました。このため、引き続き、生産緑地地区制度を生かしながら、地域住民にも防災や環境保全等の農地の有する様々な機能を理解していただき、生産緑地を維持しやすい環境を整備していくことが重要であります。
そこで、東京の生産緑地について、区部と多摩部それぞれの推移について伺います。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都内の生産緑地は、令和四年四月一日時点で、区部に約三百八十七ヘクタール、多摩部に約二千五百三十七ヘクタールございます。
都内の生産緑地の推移についてでございますが、平成二十四年からの十年間で、相続等の発生により、区部は約七十四ヘクタール、多摩部は約四百三十五ヘクタール減少しておりまして、都内全域では、全体の約一五%に当たる約五百九ヘクタールが減少しております。
○磯山委員 生産緑地は大きく減少しており、直近十年間で五百九ヘクタール、平均して一年で約五十ヘクタール、東京ドーム約十個分が毎年減少し続けているということになります。
平成二十九年には生産緑地法が改正され、さらに、十年間税制優遇措置を延長することとする特定生産緑地制度ができたわけであります。
そこで、特定生産緑地の現在の指定状況について伺います。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 今年六月末時点では、令和四年に特定生産緑地の指定対象となる都内の生産緑地約二千四百ヘクタールのうち、約九三%、約二千二百四十ヘクタールが指定済みまたは指定見込みとなってございます。
○磯山委員 特定生産緑地の指定は九割以上ということで、当初懸念されていた一気に農地が失われる事態はないことが分かりましたが、ただ、特定生産緑地に指定されたとしても、今後十年間の間には、多くの農地において相続等が発生し続けるわけでありますし、十年後、また再指定のことをどうするんだという議論にもなってくるんだと思います。
そこで、都は、こうした生産緑地の減少が進む中、どのように農地などの緑のあるまちづくりを推進していくのかについて伺います。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都は、都市の貴重な農地や樹林地を保全していくため、地域住民や自治体が意識を共有し、農のある風景を次世代に引き継ぐ農の風景育成地区の指定を推進してまいりました。
一方、農業継続が見込めない生産緑地については、都市計画公園、緑地内の生産緑地を区市が買い取る場合に補助を行い、公園整備を促進してまいりました。さらに、身近な公園等を区市が整備する際に補助を行い、樹林地等の保全を進めてまいりました。
引き続き、区市町と連携して、農の風景育成地区の指定を促進するとともに、農業継続が見込めない生産緑地や地域の貴重な樹林地等を公園、緑地として整備するなど、農地や緑を生かしたまちづくりを推進してまいります。
○磯山委員 多摩の市町村については、良好な住環境の持つ大きな魅力の一つに都市農地というものがあります。農地や樹林地などの緑を生かしたまちづくりについて、市区町村との連携はもとより、都市農業を振興する産業の部署とも連携していただいて、さらに推進していただきたいと考えます。
そのためには、相続等で維持が困難な都市農地を地域の緑の拠点として生かす補助制度の拡充や、農の風景育成地区の指定など、農地など緑のあるまちづくりを推進するための取組をより一層加速していただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、西武新宿線立体交差化事業の促進について伺います。
さきの第一回定例議会においても質問をさせていただきましたが、今回もさせていただきます。
私の地元である小平市では、道路と鉄道の立体化に向けた機運醸成を目指し、今月、花小金井駅の北口駅前においてオープンハウスを開催し、多くの市民から意見が寄せられました。また、西東京市においても仮称田無駅周辺連続立体交差を実現する会が立ち上がり、地域の中でも連続立体交差が熱望されております。
そこで、西武新宿線田無駅から花小金井駅付近の鉄道立体化について、関係自治体とも連携を深め、早期事業化を目指すべきと考えますが、見解を伺います。
○朝山都市基盤部長 本区間は、踏切対策基本方針において鉄道立体化の検討対象区間の一つに位置づけております。
鉄道の立体化については、地域におけるまちづくりと大きく連動することから、地元市が主体となり、地域の将来像や鉄道立体化を契機としたまちづくりの方針などを検討することが必要でございます。
また、本区間は、未整備の都市計画道路西東京三・四・二五号線及び三・四・二六号線と交差しておりまして、道路整備計画との整合を図ることも必要でございます。
都といたしましては、地元小平市や西東京市が行うまちづくりの取組を支援しつつ、その状況や道路整備計画の具体化などを踏まえ、引き続き適切に対応してまいります。
○磯山委員 引き続き地元市との連携を深めていただき、その取組を支援していただくことを要望し、次の質問に移ります。
平成三十年六月に発生した大阪府北部を震源とする地震では、登校途中の小学生がブロック塀の下敷きになって死亡するといった痛ましい被害が起きております。
このような犠牲者の発生を受け、東京都では平成三十年度より補正予算を組み、民間のブロック塀の安全対策のための補助事業を実施しております。地震から四年以上の歳月がたち、また、新型コロナの感染流行もあり、ブロック塀の安全性に対する世間の認識が弱まってきているように感じることもあります。
ブロック塀の安全を確保することは所有者の責務ではありますが、行政としての適切な支援や対応も、ブロック塀の倒壊による被害を繰り返さないために必要です。
そこでまず、東京都がこれまで実施してきた民間ブロック塀の安全対策に関する補助について、実施自治体の状況や実績等について伺います。
○飯泉市街地建築部長 都は、平成三十年六月に発生した大阪府北部地震でのブロック塀の倒壊被害を踏まえ、同年十二月に補助制度を創設し、倒壊の危険性がある民間所有のブロック塀等の除却や建て替えに対し、区市町を通じて助成を行っております。
都が制度を創設した平成三十年度は、杉並区や小平市など二十九区市で助成制度が運用されていました。その後、制度のない自治体に対して働きかけた結果、現在、四十五区市町で制度を運用してございます。
また、ブロック塀等の除却や建て替えへの補助実績についてでございますが、平成三十年度が百三十七件、令和元年度が五百三十八件、令和二年度が四百二十六件、令和三年度が三百九十二件となってございます。
○磯山委員 補助の実績につきましては了解いたしましたが、昨今、実績が頭打ちになるなどの傾向があるようです。危険なブロック塀を放置すると、地震時に倒壊してしまった場合、人に危害を加えてしまうことがあるといった認識が都民の中でも弱まってきているのではないかと考えてしまいます。
そこで、今後のブロック塀の安全対策の促進に向けた取組について見解を伺います。
○飯泉市街地建築部長 ブロック塀等の安全対策をさらに促進していくためには、より多くの自治体でブロック塀等の所有者が安全対策の支援を受けられるようにするとともに、所有者に対する啓発等の取組を強化することが重要でございます。
このため、ブロック塀等に係る区市町村との連絡会議を新たに設け、補助制度がない自治体に対する制度の創設やブロック塀の位置などの把握を働きかけるとともに、効果的な普及啓発の事例を紹介するなど安全対策に向けた取組を促し、都市の防災力向上に努めてまいります。
○磯山委員 連絡会議を新たに設けて取組を拡充していただけるということについては、非常に効果的であると思います。その姿勢は高く評価したいと思います。痛ましい事故が二度と起こらないよう、世界一安全・安心な都市東京の実現のために取組を進めていただくことを期待し、私の質問を終わります。
○森口委員 新宿駅周辺の再開発について伺います。
二〇四〇年代を見据えた新宿グランドターミナルの実現に向けて、新宿駅直近地区においては土地区画整理事業が進み、西新宿においては、スマートシティの先行整備や小田急、京王、また、西南口の再開発計画が決定をするなど、新宿駅周辺の拠点再整備が進められています。
世界一のターミナル駅である新宿駅を含む周辺一帯が再開発されることで、国内だけでなく、海外からも人、物、資本が集まる国際交流拠点として、東京の発展を牽引する新たなまちづくりが期待をされます。
そこで、二〇四〇年代に向けた新宿グランドターミナルの再編について、東西の回遊性を高めることで多様な主体が連携をし、新たなにぎわいを創出すべきと考えますが、現在の再開発の進捗状況を伺います。
○三宮市街地整備部長 新宿グランドターミナルへの再編に当たっては、都が施行する土地区画整理事業により、線路上空の東西デッキや歩行者優先の駅前広場などを整備するとともに、区域内の民間開発と連携して歩行者ネットワークを構築し、駅とまち、まちとまちの回遊性向上を図っていくこととしております。
現在の進捗状況としては、土地区画整理事業では、西口駅前広場工事を昨年度末から進めており、線路上空の東西デッキ等の設計を今年度から実施しております。
民間開発事業については、新宿駅西口地区では、この十月に小田急百貨店の建物の解体に着手しており、新宿駅西南口地区では、昨日、都市計画決定の告示がなされたところでございます。
今後、都は、二〇三五年度には東西デッキと東西駅前広場を一部完成させるなど、鉄道上空の新たな往来を確保していく予定でございます。
○森口委員 新宿駅の東には、東口からアルタ前、来年春に日本最大級のエンターテインメントビルが完成をする歌舞伎町、そして伊勢丹、また、新宿御苑が広がり、多くの来街者が集まります。駅の西側には都庁などオフィス街や大型ホテル、飲食店が連なり、パークPFIで改修が進んでいる新宿中央公園、再開発が進められている西新宿五丁目や西新宿三丁目、そして、初台、オペラシティまで、新宿駅を中心とした一帯の拠点再整備が進むことによって東西の回遊性が高まり、東京の発展を牽引する、にぎわいあるまちづくりが進むよう要望をいたします。
次に、飯田橋駅の再開発について伺います。
飯田橋駅は、JRやメトロなど鉄道五路線が乗り入れ、幹線道路も三車線で交差をするなど、交通利便性が高いエリアであります。
一方、新宿区、千代田区、文京区、この三区にまたがる駅周辺の歩行空間が十分確保されていないほか、五差路の歩道橋の老朽化やバリアフリー動線など、改善しなければならない課題が多く、そのような中において、新宿区、千代田区、文京区、それぞれの地域で準備組合が設立されるなど、段階的に飯田橋駅周辺の再開発が進んでいます。
そこで、各地域の再開発の機運を捉え、駅とまちが一体となった便利でにぎわいのある交通結節点の整備を着実に進めるべきと考えますが、今後の取組について伺います。
○朝山都市基盤部長 都は、飯田橋駅周辺における乗換え利便性の強化や広場整備等の歩行者空間の拡充、バリアフリー対策などを図るため、令和元年、検討会を設置し、関係三区及び鉄道事業者と共に、都市開発と連携して駅及び周辺の都市基盤とまちづくりとの一体的な再整備の実現に向けて検討を進めております。
現在、基盤整備方針の策定に向けて、整備の内容やスケジュール、事業手法等の協議、調整を鋭意進めており、今後、素案を作成し、パブリックコメントの準備を進めてまいります。
引き続き、駅周辺開発の動向を注視し、連携を図りながら、飯田橋駅とまちが一体となった便利でにぎわいのある交通結節点の整備に取り組んでまいります。
○森口委員 新宿区においては、今年度先行して下宮比町で再開発準備組合が設立されるとともに、駅前地区の基盤整備ビジョンが策定されています。それぞれの地域のまちづくりの動きを踏まえ、駅と周辺のまちが一体となった便利でにぎわいある交通結節点の基盤整備として、着実に進めていただきたいと要望いたします。
次に、建築物の建て替えや更新、再開発の際に課題となっている駐車場の附置義務について伺います。
公共交通機関のアクセスに優れ、駐車需要が比較的低いような大都市部の地域においては、駐車場の余剰が発生をしており、都内の自動車台数の減少傾向やカーシェアの普及が進むとともに、車中心のまちづくりから人中心のまちづくりへと大きな転換を迎えており、地域の実態や課題に合わせた駐車場の整備が求められています。
駐車場の附置義務は、出入口の乱立により、まちの連続性を分断し、にぎわいや景観の阻害につながっているといった課題や、建築物の建て替えや更新、集約化に対する障害となっているとともに、附置義務で設置された駐車場が活用されていないという実態も見られており、都は、本年三月に駐車場条例を改正し、地域ルールの策定可能なエリアを拡大しております。
そこで、建築物の建て替えや集約化を推進していくためには、地域ルール制度により、これまでに整備された駐車場ストックを有効に活用しながら、地域の事情に即した駐車場整備とすべきと考えますが、取組について伺います。
○飯泉市街地建築部長 昨今、鉄道駅周辺で駐車施設の過剰な供給が見られることなどから、本年三月に駐車場条例を改正し、区市が策定する駐車場整備計画に定められた地区に加え、鉄道駅周辺などにも地域ルール制度を適用できるようにいたしました。
さらに、本年六月、都が区市に財政的、技術的支援を行う促進事業を創設し、現在、目黒区の自由が丘駅周辺と世田谷区の下北沢駅周辺の二地区で事業を進めております。
今後、地域ルールの策定手順やノウハウを示した手引書を作成し、区市に周知するとともに、ルールの策定を働きかけることにより、既存駐車場の活用なども含め、地域特性に応じた駐車場の整備を促進してまいります。
○森口委員 車から人中心のまちづくりへと大きく転換していく中、それぞれの地域の事情に合わせた駐車場整備の取組を広げることで、老朽建築物の建て替えや集約、再開発が促進され、防災性の向上、都市の発展につなげていただきたいと思います。
次に、防災対策について伺います。
巨大地震の発生が年々懸念されている中、発災直後から避難や救急、消火活動、緊急物資の輸送などを円滑に行うために、緊急車両の通行確保が必要不可欠であります。都はこれまでも、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震改修に関わる補助要件を緩和し、補助内容を拡充するなど取組を進めてきました。
一方、緊急輸送道路の通行機能確保に向けては、耐震化が義務づけられている特定緊急輸送道路にかかわらず、都県境や広域防災拠点から都内各地に開設される避難所など地域の防災拠点へ、緊急物資や緊急車両の通行が滞ることのないよう道路閉塞を防ぐことが本来重要であります。
実効性ある緊急車両の通行確保に当たっては、都のこれまでに行ってきた沿道建築物の耐震化や住宅の耐震化、無電柱化など個々の取組を、地域の防災拠点と道路ネットワークをつなぐといった観点で一体的に捉え直し、発災時、都内各地の避難所など地域の防災拠点において緊急物資の輸送や救助活動が滞ることのないよう、都県境や広域防災拠点からつながる道路ネットワークの確保が重要と考えます。
そこで、地域の防災拠点につながる道路ネットワークの確保に当たっては、まずは、条例により耐震診断が義務づけられておらず、安全性の把握が進んでいない一般緊急輸送道路沿道建築物について耐震診断を進め、安全性の把握を行うことが必要であるが、取組とその実績を伺います。
○青木耐震化推進担当部長 緊急輸送道路全体の通行機能を把握するためには、一般緊急輸送道路沿道建築物についても耐震診断を進め、耐震性能を把握していく必要があります。
これまで一般沿道建築物の耐震化について普及啓発や助成を行ってきており、令和四年三月末時点で、旧耐震基準の沿道建築物のうち、約一割程度が耐震診断を行っております。
今年度から、個別訪問などを行うことを要件に区市町村への補助を拡充しており、今後、これを活用するよう働きかけ、一般緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断を促し、耐震化を加速させてまいります。
○森口委員 地域の避難所など防災拠点につながる道路ネットワークの確保に向けて、都は区市町村に対して沿道建築物の耐震化に関する指針を示し、地域の事情に即した具体的な取組が進むよう、技術的支援や補助率を拡充するなど、着実に取組を進めていただくことを改めて要望いたします。
本年五月、首都直下地震等の被害想定の見直しにより、十年ぶりとなる新たな被害想定が公表されました。この被害想定によると、十年前と比較をして、都における建物被害が約三十万棟から約十九万棟に減少するとともに、死者が約九千七百人から六千百人へと、四割程度大きく減少しています。人的被害の内訳としては、建物倒壊による死者は五千五百人が三千六百人、また、火災による死者は四千百人が二千五百人に減少することとなりました。
都はこれまで、耐震化や不燃化など減災に取り組んできましたが、今回の新たな被害想定の見直しによる減災の結果に関して、まずは耐震化の観点から、これまでの取組と実績を伺います。
○青木耐震化推進担当部長 都はこれまで、戸建て住宅や分譲マンションなどについて、普及啓発や耐震診断、改修などへの費用助成により耐震化を促してきました。
こうしたことなどから、住宅の耐震化率は、令和二年三月末時点で九二・〇%となっています。前回、被害想定が公表された直前の平成二十三年三月末時点の八一・二%から約一〇ポイント上昇しておりまして、建物の被害想定の軽減につながったものと認識しております。
○森口委員 ありがとうございます。
同様に、不燃化に関しても、これまでの取組と実績、また、新たな被害想定の見直しによる減災の結果に関する見解を伺います。
○池内防災都市づくり担当部長 都はこれまで、延焼を遮断する特定整備路線などの整備、不燃化特区制度の活用による老朽建築物の除却、建て替え支援などを行ってまいりました。また、防災生活道路の整備、市街地再開発事業、防災街区整備事業、新たな防火区域の指定など、防災まちづくりを地元区市と連携しながら推進してまいりました。整備地域全体の不燃領域率は令和二年度末の推定値で六四%となっております。
被害想定での建物被害等の減少は、こうした取組による建物の不燃化の進展などが要因の一つと考えております。今後とも不燃化の取組を着実に進めてまいります。
○森口委員 耐震化、不燃化についてそれぞれご答弁いただいたように、局として高い目標を掲げ、減災の取組を着実に進めてきた結果であると思われます。
都は、全庁を挙げて、過去の阪神・淡路大震災や東日本大震災等を教訓に、備えよ常にの精神の下、都民の生命と財産を守るセーフシティ東京の実現に向け、スピード感を持って防災力の強化に努め、今回の人的、物的被害の減少につながっていることを評価いたしております。
次に、都市の強靱化について伺います。
新型コロナが流行し、二年半が過ぎました。この間にも、全国各地では地震や台風、豪雨による被害が発生をするなど、コロナ禍においても自然災害が頻発をしています。都においては、感染症や様々な自然災害の複合災害の発生を見据えた新たな防災対策が急務であり、昨今の気候変動に伴う電力逼迫など新たな懸念も生じています。
都は、気候変動や複合災害の発生など多様な脅威への万全な備えとして、インフラの整備とともにDXを活用するなど、都市強靱化に向けた全庁的な取組を開始しています。
そこで、現在の取組状況について伺います。
○長尾企画担当部長 本年七月に政策企画局が主となって公表しました「都市強靱化プロジェクト(仮称)」の策定に向けた論点におきましては、都が直面する危機に対し、全庁に共通した前提条件として共通の目線を設定いたしました。
現在、この共通の目線を踏まえて都庁全体で危機意識を共有し、関係局の連携の下、事業者や有識者の意見も聞きながら具体的な施策を検討しているところでございます。
○森口委員 新たな危機も踏まえ、都市強靱化に向けた全庁の取組として、今後具体的な施策が策定をされていくとの答弁でありました。
都市強靱化に向けて持続可能な都市インフラの整備として進められているのが、建設から六十年がたつ首都高速道路の大規模更新であります。都民の暮らしを支える重要な社会資本である首都高速道路は、一九六四年の東京五輪に向け建設がされており、その後、橋梁部の腐食やひび割れが発生するなど老朽化が進行しております。
東日本大震災後の平成二十四年には、首都高速道路の将来の更新に当たり、国土交通省の有識者会議において、都心環状線の高架橋を撤去し、地下化などを含めた再生を目指し、その具体化に向けた検討を進めるべきとの答申がされております。
工事が進められている日本橋のように、首都高速道路の地下化は、都市のインフラの強靱化とともに、水辺や緑あふれる美しい景観や開放的でゆとりとにぎわいある空間の創出につながり、複合災害や感染症といった新たな危機の視点からも、東京の発展に大きく資する取組であります。
そこで、持続可能な都市インフラの整備であり、開放的でゆとりある空間の創出につながる首都高速道路の地下化は、二度の五輪を経験し、次の新たな東京の象徴的なまちづくりを国内外に指し示すとともに、都市強靱化に資する取組として大変重要なテーマであると考えますが、見解を伺います。
○朝山都市基盤部長 大規模更新を行う首都高速道路の日本橋区間においては、周辺のまちづくりが同時に進められている機会を捉え、品格ある都市景観の形成や水辺を生かした都市の顔づくりに向け、地下化工事が進められております。
首都高の老朽化した構造物の更新に当たっては、最新の技術的知見や技術基準の適用により、長期にわたる耐久性が確保されることから、施設の強靱化に寄与することとなります。
都は、昨年策定した「未来の東京」戦略において、日本橋周辺のまちづくりのように大規模更新の機会を捉えた首都高の地下化など、円滑な交通と快適な環境の両立を目指していくことを位置づけておりまして、成熟した都市にふさわしいまちづくりを推進してまいります。
○森口委員 次の東京の象徴的なまちづくりとして、首都高の地下化を積極的に進め、安全・安心で緑あふれ、ゆとりある空間が創出をされ、世界から選ばれる東京の新たなまちづくりが進むことを期待しています。
次に、東京高速道路の既存ストックを活用したまちづくりについて伺います。
日本橋の首都高地下化に伴い、都心環状線ルートの再検討が行われ、KK線は自動車専用道路としての役割が大きく低下することから、既存ストックの有効活用として、ウオーカブルな緑とにぎわいあふれるSky Corridorとして生まれ変わります。
銀座、八重洲、有楽町、新橋などにも隣接する立地条件を生かし、拠点の回遊性を高め、地域の連続的なにぎわいを創出する人中心の新たなまちづくりが進められ、九月に小池知事も視察され、世界中から注目されているニューヨークのハイラインのように、Sky Corridorと隣接する建物がデッキ等でつながり、周辺地区の再生が連鎖的に促進されることが期待されます。
そこで、KK線再生の事業化に向けた取組について伺います。
○吉野まちづくり推進担当部長 東京高速道路(KK線)再生方針を踏まえ、都が令和四年三月に策定した事業化に向けた方針中間まとめでは、KK線上部空間を全線にわたって緑豊かな歩行者空間に整備するとともに、周辺まちづくりとのデッキレベルの接続や、地下歩行者ネットワークと接続する階段及びエレベーター等の縦動線の整備などを行うこととしております。
引き続き、上部空間の管理運営などについて関係者と調整を進め、今年度内に東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針を取りまとめ、ニューヨークのハイライン等も参考にしながら、Tokyo Sky Corridorの実現に向けた取組を推進してまいります。
○森口委員 今後、京橋三丁目東地区、八重洲二丁目南地区、有楽町駅周辺地区などKK線隣接地の再開発と連携をし、周辺建物とデッキ等でつながることで、緑あふれる連続した屋外空間として新たなにぎわいと交流が生まれ、二〇三〇年から二〇四〇年代に向け、段階的にSky Corridorが完成していくことになります。
ニューヨークのハイラインにおいても、二〇〇九年に一部が開業してから、立体的な空中公園として次々と開発が進められ、アートやグルメ、ライブ、エンタメのパフォーマンスに加え、デザイン性の高い建物が建設されるなど、ニューヨークの象徴的な観光地として進化を続けており、KK線の再生においても、東京の新たな都市の魅力になるよう取組を進めていただきたいと思います。
最後に、交通政策について伺います。
鉄道の混雑緩和に向け、JR東日本など鉄道事業者が時間帯別に運賃を変える、いわゆる時間差料金制の検討が進んでいます。鉄道の時間差料金制は、ニューヨークやロンドンなど海外の主要都市で導入がされ、ピーク時の混雑を緩和する効果が認められております。
コロナ禍が続く中においても、通勤や帰宅ラッシュ時に満員電車に苦しむ東京において、満員電車の解消は重要な課題であります。
我が会派は、かねてから時間差料金制の効果や技術的課題について検討するように求め、これに対し都は、先端技術の活用も視野に入れた混雑緩和の対策として、鉄道事業者と意見交換を行い、時間差料金制の導入に向けてさらなる検討を深めるなど、鉄道の混雑緩和に向けた取組を進めていますが、その実績と取組状況を伺います。
○朝山都市基盤部長 鉄道の混雑緩和は、社会の生産性を向上するためにも、ハード、ソフトの両面から官民が連携して解決していくべき重要な課題でございます。
都は、有識者や鉄道事業者と共に、利用者のさらなる分散につながる対策などを検討しておりまして、そのうち時間差料金制について試算した結果、ピーク時間帯の混雑が一定程度緩和する傾向を確認いたしました。
こうした中、JR東日本が、新たにオフピーク時間帯のみ利用可能で通常より約一〇%値下げしたオフピーク定期券について、九月に国に認可申請を行いました。
今年度は、このような事例も踏まえ、料金変動による交通行動の変化をシミュレーションなどにより把握いたしまして、効果についてさらなる精査を行ってまいります。
○森口委員 満員電車対策は、東京で働く方々の健康やメンタルヘルス、生産性の向上とともに、昨今の感染症に加え、過密状態による雑踏事故のリスクなど、東京で住み働く方々にとって重要な課題の一つであり、引き続き鉄道混雑緩和に向けた対策に努めていただきたいと要望し、質問を終わります。
○かつまた委員 私からは、初めに、都市開発の機会を捉えたエネルギーの面的利用による効率化について質問をいたします。
カーボンマイナスを本格的に進めるためには、個々の建物単位で消費電力の比較を図るのではなく、街区や地域単位での面的なエネルギー消費量の軽減に取り組んでいくことが重要であるというふうに認識をしております。
我が会派は、昨年の事務事業質疑において、こうした認識の下で、都市全体のエネルギー負荷を低減していくためにも、エネルギー利用の効率化を面的に促進する取組について質問したところであります。
都市開発において、地区、街区単位でのエネルギー融通や、需要パターンの異なる多様な用途の導入に加え、モニタリングを通したエネルギー消費量の最適化などにより、効率的なエネルギー利用を行っているとのことですが、こうした面的なエネルギー消費量の軽減に向けて、都として今後どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都は、都市開発諸制度の運用において、中核的な拠点地区などをエネルギーの面的利用推進エリアと位置づけ、面的エネルギー導入の検討を制度の適用条件としております。
例えば、内幸町一丁目地区では、街区内にエネルギーセンターを整備し、街区単位で電力、熱供給を一元化することや、ICT等を活用した高効率エネルギーマネジメントにより、効率的なエネルギー利用を進めることとしております。
今年度は、都市開発諸制度等を活用した優良な開発が集積する一定のエリアを想定し、建築物単位での省エネ効果に限らず、面的なエネルギー導入によるCO2削減効果の検証や、エネルギー利用の効率化を面的に促進する先進的な取組事例の収集などの調査を予定しております。
今後、調査結果等を踏まえ、面的エネルギーの導入促進に向けた普及啓発を行うなどさらなる取組を行い、都市全体のエネルギー負荷の低減につなげてまいります。
○かつまた委員 次に、都市計画道路について伺います。
都市計画道路は、人や物の円滑な移動を確保するとともに、都市環境や防災面で良好な都市空間を形成する上での重要な都市インフラであります。
私の地元大田区では、神奈川県側から都心部をつなぐ都側の入り口となっており、昔から交通渋滞の激しい箇所が区内でも多くありました。こうしたことを踏まえ、都市計画道路の整備は不可欠なものであるといっても過言ではありません。現在も、都や区などが役割分担の下、都市計画道路の整備を進めています。
そこで、何点か確認をいたします。まず、都市計画道路の目的についてお伺いをいたします。
○朝山都市基盤部長 都市計画道路は、様々な種別の道路を組み合わせて適切に配置することで、渋滞の解消、生活道路への通過交通の流入抑制、自動車走行速度の向上による地球温暖化の抑制、良好な市街地環境の形成などを図ることを目的としております。
○かつまた委員 都は、都市計画道路の整備を計画的に進めるため、事業化計画をおおむね十年ごとに策定して優先整備路線を選定した上で、選定された路線を重点化することとしています。
現在の計画は、平成二十八年に策定された第四次事業化計画の事業期間であるとのことです。優先的に整備する路線を定めて、都市計画道路の整備を進めることは重要なことである一方、社会情勢の変化などを捉え、整備の意義が薄れた都市計画道路については廃止することや、また、まちづくりの進展などを捉え、新たに必要となる都市計画道路もあるべきと考えます。
そこで、第四次事業化計画では、廃止を含む計画の見直しや新たな計画についても検討されており、その考え方や具体的な変更路線についてお伺いをいたします。
○朝山都市基盤部長 第四次事業化計画では、交通処理機能の確保など十五の検証項目による必要性の検証を実施し、いずれの項目にも該当しない路線を、廃止を含め見直し候補路線に位置づけ、補助第九八号線など九か所を示しております。
一方、東京を持続的に発展させていくためには、広域的な交流、連携などを支える道路ネットワークのさらなる充実が不可欠でございまして、新たに必要となる都市計画道路九か所を示しております。例えば多摩川スカイブリッジは、新たに必要となる都市計画道路として位置づけ、その後整備し、令和四年三月に開通いたしております。
○かつまた委員 ただいまの答弁で、多摩川スカイブリッジが新規路線として整備されたとありました。
多摩川スカイブリッジは、第一京浜の大師橋と国道三五七号湾岸線のほぼ中間であり、大田区と川崎市を結ぶ多摩川に架かる橋梁であります。この橋がこの三月に開通したことで、羽田と神奈川方面を結ぶ新たなルートが確保されました。今後、航空需要の増加に対しても羽田周辺の交通渋滞の緩和や、川崎、横浜方面へのアクセス性の向上など、地元でも期待されているところであります。
こうした状況の変化を捉え、今後も必要な検討を区などとも連携して進めていただきたいことを要望いたします。
また、羽田空港の周辺には、東京湾を千葉から都内を経由して神奈川をつなぐ首都圏の大動脈ともいえる都市計画道路、国道三五七号線があります。現在この道路では、多摩川をトンネルで川崎側とつなぐ工事が行われております。
この工事は国により実施されているので、都としてはあまり詳しい内容は把握されていないかもしれませんが、多摩川トンネルの進捗状況についてお伺いをいたします。
○朝山都市基盤部長 多摩川トンネルは令和二年二月に準備工事に着手いたしております。令和三年三月には、羽田立て坑工事などが契約となり、支障物撤去工事を進めていると事業者である国から聞いております。
都は、国に対して、引き続き多摩川トンネルなど国道三五七号の整備推進を求めてまいります。
○かつまた委員 この国道三五七号線は、首都圏の道路ネットワークには欠かせない路線であり、羽田空港の利便性をさらに高めることが期待できることからも、早期の事業完了が望まれております。今後、会派としても国に対してしっかりと事業を進めるよう求めていきたいと考えており、都も引き続き国への適切な対応をお願いして、次の質問に移ります。
次に、景観重要河川について質問をいたします。
東京都景観計画では、隅田川、多摩川など五つの河川を景観重要河川に位置づけておりますが、その理由についてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 道路、河川などの公共施設は、景観を構成する重要な要素であり、その周辺の土地利用と調和した整備や管理を行うことにより、効果的に良好な景観を形成することが可能となります。
このため、都は、景観法に基づく景観重要公共施設の制度を積極的に活用し、地域に親しまれる河川などを景観重要河川として位置づけ、地域のまちづくりや観光まちづくりなどと連携して、良好な景観の形成に配慮した整備を行うことといたしました。
例えば多摩川については、都市に残された水と緑のオアシスとして多くの市民に親しまれる河川であり、多摩川水系河川整備計画等に基づき、河川や周辺環境が織りなす個性的な魅力づくりに配慮した整備や生態系に配慮した自然環境の保全、創出などを進め、多摩川らしい河川景観を形成することとしております。
○かつまた委員 次に、景観重要河川に位置づけることにより、その効果についてお伺いをいたします。
○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 東京都景観計画に景観重要河川として位置づけられ、その整備に関する事項が定められた場合には、当該河川の整備は本計画に即して行われることとなります。
また、景観行政団体である都や区市は、景観重要河川の周辺で行われる一定規模以上の建築行為等に対して、景観法に基づく届出により景観形成基準への適合を求めております。
例えば大田区では、東京都景観計画を踏まえ、地域特性を反映した大田区景観計画を策定し、多摩川にも建築物の顔を向けた配置とすることや、色彩は多摩川や河川敷、周辺の建築物との調和を図ることなどの景観形成基準により、良好な景観形成を誘導しております。
○かつまた委員 次に、鉄道等のバリアフリー化の推進のうち、ホームドアについてお聞きをする予定でございましたが、先ほど質疑に出ておりましたので、私からは要望にとどめたいと思います。
利用者の安全確保には、ホームドアの設置は大変重要であります。JR及び私鉄のホームドアの整備は、二〇三〇年度に約六割の目標に向けて、整備の加速化に向け、費用の確保はもとより、技術的な課題の解決に向け、様々な方策を充実していただきたいことを要望させていただきます。
それでは、最後に、足立区の北部流通業務団地についてお伺いをいたします。
北部流通業務団地は、都内に四か所ある首都圏を支える物流拠点の一か所でありますが、流通団地周辺には路上に違法駐車をしているトラックなどが多く見られ、地域が抱える課題となっていると考えております。
これらの路上駐車のトラックがエアコンを使用するためにエンジンをかけっ放しにしており、周辺環境への影響が懸念をされております。これに対して、エンジンをかけずに外部コンセントに接続し、エアコンだけを稼働させる装置もあり、その整備を進めることも環境対策として有効と考えます。
一方で、根本的な解決策として、このような路上駐車のトラックを減らすために駐車場を増やすなどの対策が必要であると考えます。区部の流通業務団地の都市計画の見直しを踏まえ、北部流通業務団地においても、このような地域の課題の改善にも資する計画としていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○朝山都市基盤部長 流通業務団地については、近年の物流ニーズの変化に応じた適切な更新へ誘導していくため、施設用途の複合化や適切な建築形態などの都市計画の見直しの方向性を整理し、令和元年九月に公表いたしております。
これを踏まえ、南部流通業務団地については、地元区や地権者と丁寧に検討を重ね、令和二年三月に都市計画を変更しております。
北部流通業務団地についても、地元区や地権者と勉強会を実施し、都市計画変更に向けた方向性を共有いたしました。今後は、都市計画の見直しにより適切な機能更新が促進され、施設の複合化や駐車スペースの確保など、地域の課題解決につながると考えております。
○かつまた委員 地域の課題解決策として、管理者は建設局であると思いますが、舎人公園の駐車場の夜間利用を検討するなどの取組も考え得るが、効果的な都市計画の見直しを着実に進めていただくことを最後に要望し、質問を終わります。
○藤井委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○藤井委員長 速記を始めてください。
お諮りをいたします。
本日の質疑はこれにとどめ、委員会を閉会するとともに、明日午前零時五分に委員会を開会し、質疑を続行いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認めます。よって、明日は午前零時五分から委員会を開会いたします。
なお、ただいまご出席の皆様におかれましては、改めてご通知いたしませんのでご了承願います。
次に、傍聴券の有効期限についてお諮りいたします。
本日の傍聴券の有効期限は、明日の委員会終了までといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後十一時四十六分散会
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