都市整備委員会速記録第九号

令和四年九月十五日(木曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長宮瀬 英治君
副委員長鈴木 錦治君
副委員長尾崎あや子君
理事林あきひろ君
理事平けいしょう君
理事中山 信行君
松田りゅうすけ君
もり  愛君
古城まさお君
渋谷のぶゆき君
原田あきら君
竹井ようこ君
本橋ひろたか君
柴崎 幹男君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長福田  至君
次長小沼 博靖君
技監安部 文洋君
技監小野 幹雄君
総務部長打田 武彦君
都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務山崎 弘人君
市街地整備部長三宮  隆君
市街地建築部長飯泉  洋君
まちづくり推進担当部長吉野 敏郎君
防災都市づくり担当部長池内 光介君
住宅政策本部本部長山口  真君
技監久保田浩二君
住宅企画部長越  秀幸君
民間住宅部長鈴木 誠司君
都営住宅経営部長青柳 一彦君
企画担当部長住宅市場担当部長兼務土屋 太郎君
民間住宅施策推進担当部長越智 英明君
建設推進担当部長栗谷川哲雄君

本日の会議に付した事件
住宅政策本部関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・都営住宅四H−一二九東(足立区鹿浜五丁目)工事請負契約
陳情の審査
(1)四第二五号 都営住宅の防犯に関する陳情
(2)四第三七号 都営塩浜二丁目アパートの建て替え計画に関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例について
都市整備局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・令和四年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、債務負担行為 都市整備局所管分
請願陳情の審査
(1)四第六号の一 宝生ハイツの建て替えにより想定される学校法人桜蔭学園の教育環境等に関する請願
(2)四第八号 渋谷区立美竹公園一帯における再開発事業の見直し・中止に関する請願
(3)四第二四号 日野市平山二丁目四一−二の開発許可に関する陳情
(4)四第三〇号 神宮外苑地区の再開発計画に関する陳情
(5)四第三一号 西日暮里駅前地区市街地再開発事業の見直しに関する陳情
報告事項
・建築物バリアフリー条例の見直しについて(説明)
・「震災時火災における避難場所等の指定(第九回)」の公表について(説明)
・「地震に関する地域危険度測定調査(第九回)」の公表について(説明)
・第二百三十九回東京都都市計画審議会付議予定案件について(説明・質疑)

○宮瀬委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、去る九月十四日付をもちまして、山田ひろし議員が当委員会から文教委員会に変更になり、新たに、もり愛議員が文教委員会から当委員会に所属変更になった旨、通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の委員をご紹介いたします。

○もり委員 よろしくお願いいたします。

○宮瀬委員長 紹介は終わりました。
 なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○宮瀬委員長 次に、陳情の取下げについて申し上げます。
 お手元配布のとおり、四第四九号、明治神宮野球場及び秩父宮ラグビー場の改修に関する陳情につきましては、議長から取下げを許可した旨の通知がありましたので、ご了承願います。

○宮瀬委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部及び都市整備局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、請願陳情の審査並びに報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、報告事項、東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例について及び第二百三十九回東京都都市計画審議会付議予定案件については、説明聴取の後、質疑をそれぞれ終了まで行い、提出予定案件及びその他の報告事項につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより住宅政策本部関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、住宅政策本部長から幹部職員の紹介があります。

○山口住宅政策本部長 九月九日付で当本部の幹部職員に異動がございましたので、紹介をさせていただきます。
 企画担当部長で住宅市場担当部長を兼務しております土屋太郎でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○宮瀬委員長 紹介は終わりました。

○宮瀬委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○山口住宅政策本部長 令和四年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております住宅政策本部関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、契約案が一件、条例案が一件でございます。このうち、都市整備委員会に付託される予定の契約案一件につきまして概要をご説明申し上げます。
 お手元の資料1、令和四年第三回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをご覧ください。
 足立区鹿浜五丁目における都営住宅の工事請負契約議案が一件でございます。
 私からの説明は以上でございます。
 詳細につきましては、住宅企画部長からご説明いたします。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○越住宅企画部長 それでは、令和四年第三回東京都議会定例会提出予定案件の契約案一件の詳細につきましてご説明を申し上げます。
 お手元の資料1、令和四年第三回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをご覧ください。
 一ページには、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載してございます。
 二ページをお開き願います。都営住宅四H−一二九東(足立区鹿浜五丁目)工事の概要でございます。
 中段に記載のとおり、住宅の総戸数は百四戸、構造等は鉄筋コンクリート造、地上八階建てが一棟でございます。
 契約の相手方は立花建設株式会社、契約金額は十億四千五万円、工期は令和六年十一月二十二日までとなっております。
 三ページに案内図と配置図を、四ページに平面図と断面図を添付してございます。
 以上で令和四年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております案件のうち、都市整備委員会に付託される予定の契約案一件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○宮瀬委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○宮瀬委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○宮瀬委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情四第二五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○栗谷川建設推進担当部長 整理番号1、陳情四第二五号についてご説明いたします。
 それでは、お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
 整理番号1、陳情四第二五号、都営住宅の防犯に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、松本容明さんでございます。
 陳情の要旨は、都において、都営住宅に防犯カメラを設置していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都営住宅では、エレベーター内については、構造上、他の共用部と比較して周辺からの見通しが確保できないため、居住者の安全・安心の観点から、都として防犯カメラを設置しております。
 その他共用部では、自治会からの申請があれば、都は、自治会による防犯カメラの設置を承認しております。
 陳情者からは、別途同様の問合せを受けており、上記防犯カメラに関する取扱いについて説明を行っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○宮瀬委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原田委員 本陳情について、一言意見を述べます。
 都営住宅の共用部に防犯カメラの設置を求める陳情ですが、防犯カメラの設置は、いうに及ばず共同住宅居住者の合意が必要となります。防犯上の効果あるいは犯行後の捜査に一定の効果がある一方で、住民のプライバシーを重大に侵害する危険性もあるのが防犯カメラの特徴であり、住民合意が必要な理由となります。
 本陳情を受けて確認したところ、都営住宅自治会の申請があれば、防犯カメラの設置については行われているという実績を聞いてまいりました。今回は個人の陳情ということで、自治会の合意の有無が分からないという状況で、議会としてその可否を判断する立場にはないという考えでありますが、住民合意が取れた場合の防犯カメラの設置については、その費用負担も含め、検討の課題はあるということを指摘させていただき、意見とします。

○竹井委員 一点、確認のために質問させていただきたいんですけれども、陳情者は、都営住宅の建て替え時において防犯カメラの設置を希望しているということですが、今、その場合、都としてはどのように対応しているのかについて伺います。

○栗谷川建設推進担当部長 都は、都営住宅の建設に当たり、居住者の安全・安心の観点から、共用部の見通し確保に十分留意した団地の配置計画や住棟の設計を行っております。
 ただし、エレベーター内につきましては、構造上、他の共用部と比較して周辺からの見通しが確保できないことから、防犯カメラの設置を行っております。
 エレベーター以外の共用部については、建て替え後、自治会から防犯カメラの設置申請があった場合、プライバシーの保護の取扱いなどを確認した上で、設置を承認することとしております。

○竹井委員 ありがとうございます。周知を含めて、自治会、また、あるいは自治会等から申請があればということでしたので、話し合って設置申請をするということでした。周知も含めてお願いできればと思います。
 以上です。ありがとうございます。

○宮瀬委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○宮瀬委員長 異議なしと認めます。よって、陳情四第二五号は不採択と決定いたしました。

○宮瀬委員長 次に、陳情四第三七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○栗谷川建設推進担当部長 整理番号2、陳情四第三七号についてご説明いたします。
 それでは、お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の三ページをお開き願います。
 整理番号2、陳情四第三七号、都営塩浜二丁目アパートの建て替え計画に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、江東区の都営塩浜二丁目団地建替え計画の見直しを求める会代表、大場勤一さん外百九人でございます。
 陳情の要旨は、都において、都営塩浜二丁目アパートの建て替え計画について、東陽一丁目の地域住民の生活に影響を及ぼすことのないよう、建物の高さ、位置、向き等を見直していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都営塩浜二丁目アパートは、江東区東陽一丁目の南側、幅約五十メートルの汐浜運河を隔てた江東区塩浜二丁目に位置しております。
 当該アパートは、昭和四十二年度の建設であり、建物の老朽化及び設備機能の低下が進んでいるため、令和五年度から建て替えに着手し、鉄筋コンクリート造十三階建ての住棟二棟及び十四階建ての住棟二棟、合計五百四十一戸の住戸を整備する予定でございます。
 建て替え計画の策定に当たっては、関係法令の規制を遵守した上で、住棟をできるだけ南側に分棟配置し、近隣への日照や通風を考慮するとともに、上層部を淡い色彩にすることで圧迫感の軽減を図るなど、周辺環境に配慮しております。
 建て替え計画の地域への説明については、令和四年一月に周辺三町会に説明した上で、二月に近隣説明会を実施いたしました。その際ご意見のあった方々の要望を受けて三月に個別に説明を実施するなど、丁寧な対応に努めております。
 十月には、江東区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づき、近隣説明会を開催する予定であり、今後とも近隣の方々のご理解を得ながら建て替え事業を進めてまいります。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○宮瀬委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○尾崎委員 陳情四第三七号、都営塩浜二丁目アパートの建て替え計画に関する陳情について、幾つか質問していきたいと思います。
 この間、住民説明会が行われていますが、住民の方たちからは納得ができないと声が上がっています。住民説明会ではどのような意見があったのか伺います。

○栗谷川建設推進担当部長 令和四年二月十六日に、近隣にお住まいの方々に対する塩浜二丁目アパートの建て替え計画説明会を開催し、新築する建物の概要などについて、配置図、立面図、日影図等を用いて説明を行い、出席された方々からご要望やご質問、ご意見をいただいております。
 具体的には、当該アパート敷地に比べ地盤面が低い東陽一丁目地区との高低差を考慮した日影図を作成してほしいといったご要望や、建て替えに伴う風環境の変化、電波障害発生時の対応や家屋調査の実施の有無についてのご質問などがあり、その場でお答えできないものは、後日、資料を作成の上、個別に説明を行っております。

○尾崎委員 今年の二月に近隣説明会を開き、その場で回答できないものは、後日、個別説明ということが、今ご回答ありましたが、私は、個別説明ではなかなか納得いくまでいかないんじゃないかなというふうに思っているんです。ですから、疑問に答えるための説明会、これをきちんと開くことを要望するものです。
 陳情の理由に、夏などの暑い時期は風の流れが阻害され、強風時にはビル風の発生が心配されるが、建て替え計画には風に対する配慮はなく、シミュレーションもないということが書かれていましたけれども、風のシミュレーションは実施しているのかどうか伺います。

○栗谷川建設推進担当部長 本計画は、東京都環境影響評価条例に基づく環境アセスメントの対象に該当しておらず、建築基準法等においても風環境の変化に係る評価は義務づけられておりませんが、条例の技術指針に例示されている風環境評価基準にのっとってシミュレーションを実施しております。
 その結果、周辺の風環境は建て替え前と変わらず、同評価基準において最も影響の少ないランクとなっております。

○尾崎委員 周辺風環境は建て替え前と変わらず、最も影響が少ないというご回答でしたけれども、住民の方たちからは、現在でも、都営塩浜二丁目アパートのすぐ近くにある汐浜運河に架かる太鼓橋では、強風のときに橋を渡るのは怖いという声があるので不安だと、高層の都営住宅が建つと今よりも風が強くなるんではないかと心配だという声が出ています。住民の皆さんが納得できるまで丁寧な対応をお願いしたいと思います。
 これまで五階建てで六棟だった都営住宅が、建て替え計画で十三階建ての二棟と十四階建ての二棟、合わせて四棟になるということですけれども、横一列に連なるような配置にしたのはなぜでしょうか。圧迫感を軽減するため、配置を横一列でないものに検討すべきだと考えますが、どうですか。

○栗谷川建設推進担当部長 当該敷地は、東西方向が約二百十メートル、南北方向が約六十メートルと細長い形状となっております。
 こうした敷地特性を踏まえ、本計画では、住棟をできるだけ敷地の南側に分棟配置し、上層部を淡い色彩にすることで、周辺への日照や通風を考慮するとともに、圧迫感の軽減を図っております。

○尾崎委員 周辺への日照や通風を考慮し、住棟をできるだけ敷地の南側にすることで圧迫感を軽減したというご答弁でしたけれども、近隣の方々にとっては、これまで五階建ての都営住宅が建て替え計画では十三階建て、十四階建てになるということは、これまでの高さの二・六倍から二・八倍になるということになるんです。景観も大きく変わります。近隣の人たちがこれまで見てきた風景が一気に変わるわけですから、不安や心配されることは当然だと思います。圧迫感を軽減するさらなる工夫を検討していただきたいと要望するものです。
 都営住宅を五階建てから高層にすることで空地ができると思いますが、どのように活用するのか伺います。

○栗谷川建設推進担当部長 建て替えにより敷地の北西側に用地を創出し、南西側に隣接する区立塩浜公園と、北側の汐浜運河沿いの潮風の散歩道を結ぶ幅員約二メートルの歩道状空地と公開緑地を計画しております。
 また、東側及び南側区道沿いにおいても同様の歩道状空地と公開緑地を計画し、歩行者が緑地に面して安全に安心して回遊できる空間を確保してまいります。

○尾崎委員 ただいまの答弁で、公園や歩道、緑地ができるということが分かりました。近隣住民の皆さんに、このことも含めて丁寧に説明して、広くお知らせしていくことが必要ではないかなと思います。
 十月には、先ほど説明があったように、江東区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づき、近隣説明会を開催する予定だということがありましたけれども、地元の住民の皆さんの疑問や不安、要望には丁寧に対応していただくことを強く求めます。
 また、時間になったから質疑応答をやめるということの対応ではなく、最初から十分な時間を確保して説明会を行うことも必要だと要望して、質問を終わります。

○宮瀬委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○宮瀬委員長 起立少数と認めます。よって、陳情四第三七号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。

○宮瀬委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。

○越住宅企画部長 令和四年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております条例案一件につきましてご報告申し上げます。
 お手元の資料3、令和四年第三回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をご覧ください。
 三ページをお開き願います。東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、改正の理由でございますが、住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律の施行による、長期優良住宅の普及の促進に関する法律の改正に伴い、長期優良住宅維持保全計画の認定制度が創設され、建築行為を伴わない既存住宅も長期優良住宅の認定対象となります。これに伴い、東京都都市整備局関係手数料条例に、長期優良住宅維持保全計画の認定の申請等に関する手数料に係る規定を設けるものでございます。
 2、条例案の概要でございますが、長期優良住宅建築等計画認定申請手数料等について、長期優良住宅維持保全計画に係る認定申請手数料等を加えるものでございます。
 四ページから五ページには条例案文等を、六ページから一一ページには新旧対照表を記載してございます。
 施行日は、令和四年十月一日を予定しております。
 以上で令和四年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております条例案一件のご報告を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○宮瀬委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。−−発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○宮瀬委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅政策本部関係を終わります。

○宮瀬委員長 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 谷崎理事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申出がありました。ご了承願います。
 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○福田都市整備局長 本日は、令和四年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、予算案が一件でございます。
 お手元の資料、令和四年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。令和四年度都市整備局補正予算総括表でございます。
 この補正予算案は、ウクライナ危機を発端とする原油価格の高騰への対策や防災対策の前倒しなどについて時期を逸することなく実施するものでございまして、一般会計において九十四億一千八百万円を計上してございます。
 二ページをお開き願います。一般会計の令和四年度都市整備局補正予算総括表でございます。
 今回の補正予算額九十四億一千八百万円についての歳入予算及び歳出予算の科目別内訳並びに歳出から歳入を差し引いた一般財源充当額を記載してございます。
 私の説明は以上でございます。
 引き続き、詳細な内容につきまして総務部長よりご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○打田総務部長 令和四年度補正予算につきまして、お手元の資料1、令和四年度補正予算説明書により詳細説明をさせていただきます。
 五ページ、歳入予算補正概要をお開き願います。
 補正予算額は、表の上段、分担金及び負担金の欄の中ほど、補正予算額の欄にありますとおり、六十三億円でございます。これは、首都高速道路日本橋区間の地下化に向け、中央区から拠出金を受け入れるものでございます。
 六ページ、歳出予算補正概要をお開き願います。第二項、都市基盤整備費でございます。
 補正予算額は、表の上段、歳出計の欄の中ほど、補正予算額の欄にありますとおり、九十四億一千八百万円でございます。このうち、第二目、都市基盤調査費の補正予算額は、その下段に記載してございまして、一億二千万円でございます。
 内容は、右側概要欄に記載しております。都心と臨海地域とを結ぶBRT整備事業でございますが、これは、BRTの本格運行に向けて、新橋駅前交差点における信号機等の移設や道路標識の設置などの改良工事を実施するものでございます。
 七ページをご覧ください。第三目、都市基盤施設等助成費でございますが、補正予算額は九十二億九千八百万円でございます。
 概要欄の1の首都高速道路整備事業補助金でございますが、これは、首都高速道路日本橋区間の地下化に向け、中央区から受け入れた拠出金と同額を独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に対して補助するものでございます。
 その下の2、運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業でございますが、これは、燃料費高騰に直面する運輸事業者の負担軽減に向けた緊急対策として、国の臨時交付金を活用し、支援金を支給するものでございます。
 続きまして、一一ページをお開き願います。債務負担行為について記載してございます。
 左側の番号1、新橋駅前交差点改良工事につきましては、先ほど六ページでご説明申し上げた工事の実施に必要となる債務負担行為として一億八千万円を計上してございます。
 その下の番号2、「宅地造成及び特定盛土等規制法」に基づく規制区域指定基礎調査等業務委託につきましては、同法の成立、公布を踏まえ、規制区域の早期指定に向けた基礎調査の実施に必要となる債務負担行為として二億一千七百九十五万八千円を計上してございます。
 その下の番号3、木密地域私道等無電柱化制度構築調査業務委託につきましては、重点整備地域内の私道等の無電柱化支援を早期に開始するため、制度構築に係る調査の実施に必要となる債務負担行為として五千五百万円を計上してございます。
 以上で令和四年度補正予算案の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○宮瀬委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○宮瀬委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○宮瀬委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願四第六号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○飯泉市街地建築部長 それでは、お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の一ページをお開きください。
 整理番号1、請願四第六号の一、宝生ハイツの建て替えにより想定される学校法人桜蔭学園の教育環境等に関する請願についてご説明申し上げます。
 本請願は、文京区の学校法人桜蔭学園理事長・校長、齊藤由紀子さん外一万四千七百十四人から提出されたものです。
 請願の要旨ですが、都において、宝生ハイツの建て替えについて、総合設計制度による建築計画の許可処分に当たっては、慎重に判断していただきたいというものです。
 本件計画地については、恐れ入りますが、三ページをお開きいただき、上段の位置図をご覧ください。
 計画地は、文京区本郷一丁目二十七番三十四号、三十五号で、都営三田線水道橋駅から百メートルほど東に位置しております。
 三ページの下段には本件の配置図を載せております。
 建築計画の概要については、恐れ入りますが、二ページにお戻りください。
 用途は共同住宅及び劇場、階数は地上二十階、地下一階、高さは六十八・九八メートルです。
 一ページをご覧ください。現在の状況でございます。
 令和四年五月、建築主である宝生ハイツ管理組合は、東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づき建築計画の標識を設置するとともに、同年六月、近隣関係住民に対する建築計画の説明会を三回開催いたしました。
 同月、請願者は、都議会に対して本請願を、都知事に対して同趣旨の陳情書をそれぞれ提出いたしました。
 同月、請願者は、都条例に基づく紛争調整の申出を行いました。このため、都は、請願者と建築主によるあっせんを同年八月二十五日から行っております。
 同年七月、建築主は、建築基準法に基づく総合設計の許可申請を都に行いました。
 その後、都は、東京都総合設計許可要綱に基づき、建築計画に係る図書を縦覧した上で、昨日、公聴会を開催し、利害関係人の意見を聴取いたしました。
 都は、今後とも、建築主に対して近隣関係住民に十分な説明を行うよう指導するとともに、あっせんの場を生かし、当事者双方の話合いが円滑に進むよう努めてまいります。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○宮瀬委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○尾崎委員 請願四第六号の一、宝生ハイツの建て替えにより想定される学校法人桜蔭学園の教育環境等に関する請願について、賛成の立場から幾つか質問をしていきたいと思います。
 請願者は、文京区の学校法人桜蔭学園の理事長である校長外一万四千七百十四人の署名の賛同によるものです。
 現在の宝生ハイツは、地上八階、地下一階建てで、総戸数は六十九戸、宝生ハイツには能楽堂も併設されています。現時点での建築計画は、共同住宅が、先ほどご説明あったと思いますけれども百九十七戸、能楽堂が一体となったもので、地上二十階、地下一階建てで、建物の高さ六十八・九八メートルです。地上八階のものが二・五倍の二十階建てになるわけです。
 私も現地を見てきましたけれども、桜蔭学園との境界である擁壁から距離は僅か四メートルです。宝生ハイツはそこに地上二十階建ての高層ビルを建てる計画です。近隣の住民の皆さんたちからは、なぜそんな高層のビルが建つのかとの疑問も出ています。
 そこで伺いますけれども、二〇二一年八月二十五日、公益社団法人宝生会から示された計画案は、総合設計制度を活用することにより、容積率を六〇〇%となるとしていますが、容積率緩和の根拠について伺います。

○飯泉市街地建築部長 総合設計制度は、敷地内に一定条件の公開空地が配置されるなど、市街地環境の整備改善に資すると認められる建築計画に対して、容積率や高さの制限を緩和することができる制度でございます。
 本計画敷地の基準容積率は都市計画で定められている四〇〇%でございますが、公開空地の設置や公益施設として能楽堂を整備することにより、総合設計制度の適用を受け、容積率が約六〇〇%に緩和されることを前提として計画されたものでございます。

○尾崎委員 公開空地の確保によって、容積率の緩和、絶対高さの緩和などが行われるということですけれども、宝生ハイツの計画では、この公開空地が必要なものなのかという疑問が住民の方々から出されています。
 幾つかの点で疑問の声が出されているので紹介したいと思いますけれども、一つは、勾配が急な人工坂、忠弥坂に大量の土を盛って拡幅する歩道、歩行者空間です。大量の盛土を行うことで安全なのか、本当に必要なものなのかという疑問が出ています。
 二つ目は、造成する坂道の歩道に面した能楽堂の屋上を公開空地にするものです。急な長い階段や坂道を上がらなければなりません。ここは一時避難所としても活用できる広場空間を設けると説明されていますけれども、近隣住民の方たちからは、高齢者や障害のある方は使えないのではないかと、こういう声も上がっています。桜蔭学園からは、この屋上空地から校舎がのぞき見される高さになると不安の声が出ています。
 三つ目は、一階部分の吹き抜けの空間、ピロティーです。建て替え計画では公開空地の扱いになっていますが、車を止めない公開空地になるとは思えないという声が出ています。現在の能楽堂のピロティーには毎日複数の車が駐車しているということです。
 これらの点から、本当に必要な公開空地になるのかと疑問が出ています。私も話を聞いて疑問に思います。容積率の緩和を行うための公開空地を設けたのではないかと思ってしまうほどです。
 宝生ハイツの隣は学校です。教育環境を全く考えていないのではないかといわざるを得ないような状況があります。隣が学校であるなら配慮が必要なのではないでしょうか。今は明るい教室で勉強できる状況ですが、宝生ハイツの建て替えによって教室は暗くなり、一日中、電気をつけなければならない状況になってしまうんです。
 東京都総合設計許可要綱を見ますと、容積率の緩和の対象に、地域社会の文化、教育等の向上に貢献する施設とありますが、宝生ハイツの建て替えは容積率緩和の対象になっているのか伺います。

○飯泉市街地建築部長 お尋ねの地域社会の文化、教育等の向上に貢献する施設につきましては、東京都総合設計許可要綱におきまして、地元自治体の要請等に基づき設置することを条件に、容積率緩和の対象となる公益施設等として位置づけてございます。
 本建物の能楽堂は、地元文京区が区の文化施策を展開する上で必要不可欠な存在としており、区民対象の鑑賞会や中学生向け鑑賞教室など文化的な催しを引き続き実施するため、貴重な文化資源として本計画の検討を進めるよう建築主に要請していることから、容積率緩和の対象施設として計画されております。

○尾崎委員 一方で、隣接するのは桜蔭学園であり、地域社会の文化、教育等の向上に貢献するための施設となります。矛盾するのではないでしょうか。お答えください。

○飯泉市街地建築部長 総合設計制度は、公開空地の設置や公益施設等の整備などを通じて、市街地環境の整備改善に資すると認められる建築計画に対して容積率などを緩和できる制度であることから、地域社会の文化、教育等の向上に貢献する施設である公益施設等の整備を容積率緩和の対象とすることは適切であると考えてございます。
 なお、総合設計の審査に当たりましては、要綱に定める技術基準を満たすよう指導することはもとより、周辺市街地の状況に応じた配慮を行うよう建築主側に適宜求めており、本件についても適切に対応してまいります。

○尾崎委員 ただいまの答弁の最後に、周辺市街地の状況に応じた配慮を行うよう建築主側に適宜求めており、本件においても適切に対応しているということですけれども、隣接する桜蔭学園は、中学校、高等学校の六年間を通じて一貫した教育を行っています。
 大正十三年、一九二四年四月に、関東大震災から一年を経ずに誕生した歴史があります。この桜蔭学園も地域社会の文化、教育等の向上に貢献する施設です。そして、文京区内でも大きな役割を果たしていると思っています。桜蔭学園の教育環境を壊すようなことはやってはいけない。やはり矛盾すると私は考えます。教育環境を守るためには、容積率の緩和は見直すべきだと要望するものです。
 この地域は、文教地区建築条例に基づく第一種文教地区ですが、高層ビルの建て替えが許可された理由について伺います。

○飯泉市街地建築部長 第一種文教地区は、文教環境の保護などを目的として東京都文教地区建築条例で定めている特別用途地区であり、建築基準法に基づく建物用途の規制に加えて特別に用途が制限されておりますが、建物高さについての規定はございません。
 お尋ねの建物高さに関してでございますが、本計画地は、文京区が決定した都市計画において最高高さが四十六メートルと定められているものの、総合設計制度を適用し、敷地面積が三千平米以上である本計画の場合は、区の指針に基づき、都市計画で定められた高さの一・五倍である六十九メートルまで緩和されます。

○尾崎委員 第一種文教地区は建物の高さの規定はないというご答弁でした。
 文京区は、二〇一四年、平成二十六年ですけれども、絶対高さ制限を定める高度地区の指定を行いました。この地域は四十六メートルの高さ制限がありますが、特例によって六十九メートルまで建築物が建てられることになっています。
 この点については、文京区議会では、絶対高さ制限に関する特例の見直しについては区民の合意が必須であるという区長答弁がありますけれども、同時に、当該計画に関する紛争予防は都が扱うこととなるが、本区からも事業者に対して地元住民等への丁寧な対応に努めるよう要望していると答弁されているんです。事業者である宝生ハイツが地元住民の皆さんへの丁寧な対応に努めるよう、文京区としても要望しているということは大変重要だと思います。
 宝生ハイツと桜蔭学園との話合いの中で、二〇二一年十二月一日に計画の変更が示されたということですが、どのような変更があったのか伺います。

○飯泉市街地建築部長 計画変更についてのご質問でございますが、東側に隣接する学校法人桜蔭学園へのプライバシーに配慮するため、四階から十一階までの東面の住戸を減らすとともに、人が出入りできるバルコニーを取りやめて室外機置場とし、併せて東面の窓を透明ガラスから不透明ガラスにするなどの変更を行ったと建築主から聞いてございます。

○尾崎委員 四階から十一階までの東側の住戸を減らすとともに、バルコニーを室外機置場として、併せて東面の窓を不透明ガラスにするなどの変更を行ったということ、今ご答弁ありましたが、それは当然の内容だと考えます。
 計画の変更がされても、学校の敷地との境界ぎりぎりに、三十教室以上の窓と真正面に向き合うわけです。宝生ハイツの上層部から教室をのぞかれる心配は解消されていないんです。教室は生徒が一日を過ごします。授業を受け、休み時間も教室で過ごし、食事を取り、体育やクラブ活動のための着替えも教室で行います。のぞき見、盗撮などの懸念は払拭されないんです。今までのように安心して教室の窓も開けることができなくなります。
 そもそも、宝生ハイツと桜蔭学園には、一九七七年、昭和五十二年の九月に取り交わした覚書があり、現在の高さ、位置及び容積も含めて、これを超えては、将来とも一切建築物を設置せずとの条項もあるということですが、この覚書は守るべきものだと思いますが、都の認識を伺います。

○飯泉市街地建築部長 お尋ねの覚書についてでございますが、昭和五十二年九月、現在の宝生ハイツを建築するに当たり、学校法人桜蔭学園と当時の建築主側との間で締結されたものであると承知しており、合意事項の解釈について双方で見解の相違があると聞いてございます。
 この覚書は民間同士で取り交わされたものであることから、関係者間で誠意を持って解決を図る必要があると認識してございます。

○尾崎委員 民間と民間の覚書ですからというようなご答弁ですけれども、両者が何度も何度も繰り返し話合いを行って合意をした内容が覚書として今も存在しているわけです。
 双方の見解の相違があるということですけれども、覚書の文書が何をいっているのかは、はっきりしているのではないでしょうか。覚書には、現在の高さを超えて将来とも一切建築物を設置せずと書かれているわけです。しかも、位置及び容積も含むと書かれているわけですから、この立場で進めるべきだと考えます。
 紛争予防条例に基づく紛争調整の申出があり、都は、請願者と建築主によるあっせんを八月二十五日から行っているとのことです。
 そこで伺いますが、九月十四日に公聴会が開かれ、利害関係人の意見を聴取とあります。どのような意見があったのかお聞きします。

○飯泉市街地建築部長 都は、東京都総合設計許可要綱に基づき、近隣住民など利害関係人の意見を聴取するため、昨日、公聴会を開催いたしました。
 公聴会では、建物の高さを抑えるべきである、日照阻害やプライバシーの侵害を起こすのではないかなど、計画に反対する意見をいただいております。
 なお、公聴会に先立ち、事前に都に提出された意見書では、建て替えにより創出される公開空地を一時的な避難場所に利用できることは地域貢献になるなどの賛成意見もいただいてございます。

○尾崎委員 宝生ハイツの建て替えについては、高層建築物の建設計画の変更を求める署名の訴えが、自治会の、町会の掲示板に貼り出されていました。本郷一丁目の住環境を守る会がつくられ、学校法人桜蔭学園のほかに地元の町会も構成団体となっています。近所にある金毘羅様、金刀比羅宮東京分社も支援すると名を連ねています。
 地元では、高層ビルへの建て替えに反対の声が広がっています。現在、紛争予防条例に基づいて紛争調整の申出があって、今ご答弁あったように、昨日、公聴会が開かれたわけです。
 今回の陳情は、宝生ハイツの建て替えの中止を求めているのではなく、見直しを求めているわけです。桜蔭学園と宝生ハイツの話合いができるように、東京都として役割を果たしていただくことを強く求めるものです。
 区議会での文京区長の答弁は先ほどもご紹介しましたけれども、東京都も事業者である宝生ハイツに対し、桜蔭学園や住民の皆さんに丁寧な対応を行うよう働きかけていただくことを強くお願いをいたしまして、質問を終わります。

○竹井委員 それでは、私からも幾つか質問させていただきたいと思います。
 現在の宝生ハイツを建設する際、先ほどもお話がありましたけれども、当時の建設施工会社などと学園側が取り交わした覚書があるということですけれども、その経緯と覚書の内容、そして、今後の都の対応について伺います。

○飯泉市街地建築部長 お尋ねの覚書についてでございますが、昭和五十二年九月、現在の宝生ハイツを建築するに当たり、学校法人桜蔭学園と当時の建築主側との間で締結されたものであると承知してございます。
 その内容については、建物の位置や高さなど、建築上の諸条件を関係者間で確認したものであると認識しているものの、合意事項の解釈について双方で見解の相違があると聞いております。
 覚書は民間同士で取り交わされたものであることから、関係者間で誠意を持って解決を図る必要があり、都としては、あっせんの機会などを通じて話合いが円滑に進むよう努めてまいります。

○竹井委員 都として、役割を持って、ちゃんとあっせんの機会で話合いが円滑に進むように努めていくということでした。ぜひともお願いをしたいと思います。
 また、昨日の公聴会について伺います。総合設計の許可申請を行われたということですので、それに基づいて公聴会を開催したということです。その対象になった方々と、それから、意見の賛否、また、内容について伺います。

○飯泉市街地建築部長 都は、東京都総合設計許可要綱に基づき、近隣住民など利害関係人の意見を聴取するため、昨日、公聴会を開催いたしました。
 まず、公聴会の対象に関してでございますが、本件敷地の境界線から建物高さの二倍の範囲内にある土地や建物の権利を有する方などに対し、開催の周知を行っております。
 次に、昨日の公聴会では、建物の高さを抑えるべきである、日照阻害やプライバシーの侵害を起こすのではないか、校舎の教育環境が脅かされるなど、計画に反対する意見をいただいてございます。
 また、公聴会に先立ち、事前に都に提出された意見書では、建て替えにより創出される公開空地を一時的な避難場所に利用できることは地域貢献になるなどの賛成意見もいただいてございます。

○竹井委員 昨日の公聴会では、様々な反対意見があったということだと理解をいたしました。事前に出された意見書では、地域貢献になるというような賛成意見があったということも理解をしたものですけれども、公聴会の様子も聞かせていただいたところです。
 宝生ハイツですけれども、今、約七十戸の共同住宅と能楽堂による区分所有の建物ということなんですが、建て替えに当たって権利者の合意形成の状況はどうなっているのか伺います。

○飯泉市街地建築部長 現在、区分所有者の間で建て替え決議に向けた合意形成を進めていると建築主から聞いてございます。

○竹井委員 先ほどお話もあった、建て替えに当たってバルコニー、また、窓などの工夫もしていただいているという話も聞いています。
 しかしながら、その場所場所の特性というものもありますし、生徒さんが日々、長い時間過ごすという学校の環境、学校が隣接しているという環境、そして、教育の環境、近隣の方々の声をしっかりと受け止めて話し合っていただきたいと思いますし、また、何より都としても、その話合いがうまく進むよう努めていただくことを重ねてお願いを申し上げます。
 以上です。

○宮瀬委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○宮瀬委員長 異議なしと認めます。よって、請願四第六号の一は継続審査といたします。

○宮瀬委員長 次に、請願四第八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○三宮市街地整備部長 整理番号2、請願四第八号につきましてご説明いたします。
 お手元の請願・陳情審査説明表の五ページをご覧ください。
 本請願でございますが、渋谷区の渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合事務局の宮川拓さんから提出されたものです。
 請願の要旨でございますが、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 一点目は、渋谷一丁目地区共同開発事業を見直す、または中止すること。
 二点目は、渋谷区立美竹公園において、寝そべられないようデザインに配慮したベンチを設置することや、野宿者及び生活困窮者に対する支援活動を阻害することなど、困窮者等の排除を企図する事業は行わないこと。
 以上二点でございます。
 説明表の六ページに事業場所の案内図と位置図がございますので、併せてご覧ください。
 現在の状況でございますが、都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)渋谷一丁目地区共同開発事業は、都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)の第二弾として事業応募者からの提案を受け、事業を実施する民間プロジェクトであり、東京都児童会館跡地と隣接する渋谷区役所旧第二美竹分庁舎及び渋谷区立美竹公園を一体的に共同開発し、児童会館跡地の歴史を踏まえ、子供の創造性を育む施設の整備や、多世代が交流できる空間の創出などを通じて、出会いと成長の拠点を形成するものでございます。
 本事業は、渋谷区と共同して、令和三年八月に事業者の募集を開始し、令和四年三月に事業予定者を公表いたしました。今後は、令和五年度の建設工事の着工及び令和八年度の建設工事の完了に向け、事業予定者と基本協定を締結するなどの取組を進めていくこととしてございます。
 なお、渋谷区立美竹公園については、渋谷区が本事業の募集要項において公園整備に関する条件を定めており、開発後も区立公園として区が管理していく予定でございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○宮瀬委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○もり委員 渋谷区立美竹公園一帯における再開発事業の見直し・中止に関する請願について意見を申し上げます。
 この請願は、渋谷区で野宿者の方の生活支援に関わっている方々から、美竹公園一帯の再開発により生活困窮者の方が排除されるような開発についての懸念が寄せられたものです。
 我が会派としても、コロナ禍で多くの非正規雇用の方が仕事や住まいを失った状況に、都知事に緊急要望を行い、年末年始のネットカフェ難民や住まいを失った方へのビジネスホテルの借り上げ支援など、生活困窮者支援に取り組んでまいりました。野宿者及び生活困窮者に対する支援活動を阻害することなど、困窮者等の排除があってはならないと要望いたします。
 その上で、本プロジェクトにおいては、渋谷区立美竹公園については、渋谷区が本事業の応募要項において公園に関する条件を定めており、開発後も区立公園として区が管理していく予定であると伺っており、本請願については不採択といたしますが、路上生活者の方々一人一人の背景に寄り添い、これは福祉保健局、また、住宅政策本部とも連携をしていただきながら、路上生活者の方をそのままにしておくことを是とするのではなく、適切に住まいの支援、伴走型の生活支援につなげることを求め、意見とさせていただきます。

○尾崎委員 私の方からも幾つか質問したいと思います。
 この請願は、渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合の方たちから出されたものです。美竹公園で一九九八年から困窮者の方々への支援活動を行い、毎週百人以上の人が集う場所となっているため、開発事業に伴う工事によって継続が不可能になる、美竹公園の管理は民間の指定管理者が行う計画になっているため、工事完了後も困窮者支援活動が危ぶまれるということです。
 そこで伺いますけれども、渋谷区立美竹公園一帯における再開発事業の進捗状況はどうなっているでしょうか。

○三宮市街地整備部長 都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)渋谷一丁目地区共同開発事業は、令和三年三月二十九日に事業実施方針を公表の後、同年八月十二日に事業者の募集を開始し、令和四年三月二十九日に事業予定者を公表したところでございます。

○尾崎委員 今年の三月二十九日には事業予定者を公表したということですけれども、それでは、再開発の今後のスケジュールと、住民からの意見を表明できる場はあるのか、伺います。

○三宮市街地整備部長 本事業の今後のスケジュールにつきましては、令和四年度に事業予定者と基本協定を締結し、令和五年度の建設工事の着工及び令和八年度の建設工事の完了に向け、取組を進めてまいります。
 本事業に関する説明会につきましては、工事着手前に事業予定者において開催する予定と聞いております。

○尾崎委員 今年度は事業予定者と基本協定を締結するということで、今ご答弁ありました。事業予定者と渋谷区と東京都の三者の基本協定になると思います。
 渋谷区議会では、この基本協定について、今開催されている区議会に報告があり、質疑を行っているということも聞きました。都議会では、渋谷区のように報告し、質疑できるようにすべきではないかとまず要望したいと思います。
 そもそも、都市再生ステップアップ・プロジェクトは都有地も活用しての再開発です。渋谷一丁目地区共同開発事業は、東京都児童会館跡地と隣接する渋谷区役所旧第二美竹分庁舎と区立美竹公園を一体的に共同開発するもので、民間プロジェクトを展開するとしています。都有地を七十年間の長期で定期借地する、都有地を民間に任せて七十年の間、貸し出すということですが、このことについて都議会に報告しないで進めることは許されないと私は考えています。
 渋谷一丁目地区共同開発事業について、これまで都議会やこの都市整備委員会に報告も質疑もできる場面がありませんでした。今どうなっているのか、今後どうなるのか、都のホームページに掲載されているだけでよく分かりません。
 特に、東京都児童会館は都民や子供たちにとって重要な役割を果たしてきました。その役割が今後どうなっていくのか、都民の強い関心があるところだと思っています。都有地は都民の財産です。都民の声が十分に反映されて、都民のために活用すべきだと考えます。
 日本共産党都議団は、都有地をてこに、まちの再開発を行うこと、しかも、民間プロジェクトで行うことには反対です。
 私は先日、土曜日の夕方に美竹公園に行ってきました。渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合の方たちが、食料支援としてお弁当やパン、バナナなどを配布していましたけれども、支援活動が始まると、予告した時間の三十分前には、もう既に行列ができて食料の配布など始まっていました。いつも百人くらいが集まるということですが、大変重要な取組だと見ていて思いました。
 コロナの感染拡大によって暮らしが大変になった人が増えており、各地でフードバンクの取組が広がっています。フードバンクなどで食料支援があって本当に助かった、果物は自分では買えない、こういう声も、感謝の言葉など幾つかの場所で聞こえてきています。
 現在は、コロナに加え、物価高騰の影響も暮らしを直撃しています。放置していたら命を奪うことにつながってしまいます。生活困窮者への支援は命に関わるものです。本来なら国や自治体が積極的に支援しなければならないものだと思います。
 公園は誰でも使えるものでなければなりません。美竹公園についても、渋谷区所管ではありますが、生活困窮者を追い出すようなことにならないよう、関係者の要望をよく聞き取ることを求めて、質疑とさせていただきます。

○宮瀬委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○宮瀬委員長 起立少数と認めます。よって、請願四第八号は不採択と決定いたしました。

○宮瀬委員長 次に、陳情四第二四号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○池内防災都市づくり担当部長 請願・陳情審査説明表の七ページをご覧ください。
 整理番号3、陳情四第二四号、日野市平山二丁目四一−二の開発許可に関する陳情についてご説明いたします。
 陳情者は、京王ショッピングモール街管理組合理事長、櫻田茂子さん外十名となってございます。
 陳情の趣旨は、東京都日野市平山二丁目四十一番二号の土地における都市計画法第二十九条に基づく開発許可申請が予定されている件について、都市計画法の審査基準を満たさないと思慮するため、不許可としていただきたいというものでございます。
 土地の状況でございます。八ページの上段案内図及び詳細図をご覧ください。
 陳情の対象となっております京王電鉄の所有地は、京王線平山城址公園駅から東に約五百メートルの位置にございまして、現在、開発予定地とされている当該土地は、空き地及び一部が駐車場として利用されております。また、当該土地に隣接する土地に京王ショッピングモール街がございます。
 次に、開発許可に関する状況でございます。
 お手元の資料には本年八月末時点となってございますけれども、本日の朝の時点で、開発許可の手続を行っております都市整備局多摩建築指導事務所に対しまして、都市計画法第二十九条に基づく開発許可の申請書は提出されておりません。
 また、開発許可申請前に行われる同法三十二条に基づく公共施設管理者との協議というのがございますけれども、この公共施設管理者である日野市に対しても確認したところ、まだ協議は行われていないというところでございます。
 なお、当該土地につきまして、今後、同法に基づく開発許可申請がなされた場合は、開発行為の内容について、同法三十三条に定める技術的基準に適合しているかについて厳正に審査を行い、適切に手続を進めていくことになります。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○宮瀬委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○尾崎委員 陳情四第二四号、日野市平山二丁目四一−二の開発許可に関する陳情について意見を述べたいと思います。
 ただいまの説明で、本日申請があったと−−じゃなくて、ちょっと聞き取れなかったので、その部分だけ、申し訳ありません、伺ってもいいですか、再度。

○池内防災都市づくり担当部長 声が聞き取りにくくて申し訳ございませんでした。
 本日の朝の時点で確認したところ、多摩建築指導事務所に対しては、開発許可申請書は提出されておりません。提出されていないということでございます。

○尾崎委員 大変失礼しました。よく聞き取れなかったので、ありがとうございます。
 日野市の京王ショッピングモール街管理組合の皆さんからの陳情ですけれども、今ご説明があったように、まだ申請が出ていないということを確認されているということですけれども、陳情を出された方々にとっては重大な問題なんですね。いても立ってもいられないという状況で、今回の陳情書を東京都に出されたということが文章からもうかがえます。
 陳情者の方たちが住んでいる京王ショッピングモール街の店舗兼共同住宅は、盛土した小高い丘の上に建っていて、近年、老朽化の影響でガス管や水道管の破損が起きているという状況もはっきりしているわけです。
 店舗兼共同住宅を購入した昭和五十一年、一九七六年に、売主であった京王電鉄株式会社からは、近隣も含めて商業施設の誘致開発を順次行うといううたい文句の下で販売され、購入した方たちは当然これに期待をして買ったわけです。ところが、何十年たっても何ら商業施設の誘致や開発は行われない。周辺一帯の開発も実現されない。昨年七月、突然に京王電鉄株式会社から、開発予定地を無関係な企業に売却してしまったと、今後はその企業が住宅を建て、第三者に販売すると説明があったというわけです。
 住民の皆さんがどれほど不安を抱えているかと思うと、胸が痛くなってくるという状況があります。
 東京都は、この住民の皆さんの声をよく聞いていただいて、丁寧な対応を、今から、情報を集めることも含めてやっていただきたいということをお願いしまして、意見といたします。

○宮瀬委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○宮瀬委員長 起立少数と認めます。よって、陳情四第二四号は不採択と決定いたしました。

○宮瀬委員長 次に、陳情四第三〇号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 整理番号4、陳情四第三〇号、神宮外苑地区の再開発計画に関する陳情についてご説明申し上げます。
 請願・陳情審査説明表の九ページをお開き願います。
 陳情者は、練馬区の今井美樹さんでございます。
 陳情の要旨は、都において、神宮外苑地区の再開発計画を見直していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、神宮外苑地区の再開発は、都が定めたまちづくり指針等を踏まえ、民間事業者が計画し、スポーツ施設の再整備や広場の創出、緑の充実などを図り、開かれた庭として再生していくものであります。
 都は、事業者からの企画提案を踏まえて都市計画の案を作成し、広く都民の意見を聞いた上で、都市計画審議会の議を経て、令和四年三月に都市計画の変更を行いました。
 同年五月には、神宮外苑地区をにぎわいあふれる緑豊かなスポーツの拠点としてさらに発展させていくため、その成り立ちや歴史を踏まえ、都民の共感と参画を得ながらまちづくりを推進するよう事業者に要請し、同年八月に取組状況の報告を受けました。
 この報告によれば、既存樹木については、事業者において追加調査を実施した結果、当初の計画よりも移植、保存する樹木を増やすこととし、今後も設計の工夫等によりさらなる樹木の保全に努めることとしております。
 また、生物多様性や生態系にも配慮しながら、質の高い新たな緑も創出し、従来よりも緑の量を増加させるとともに、次の百年に向けた市民の思いも反映できるよう、市民参加による植樹イベントや献木による植樹なども検討することとしております。
 さらに、バリアフリー化された安全で快適な歩行者空間を整備するとともに、多目的に利用できる中央広場や室内球技場、全天候型の新ラグビー場を整備するなど、地区全体で誰もが様々なスポーツに親しめる機会を創出していくこととしています。
 事業者は、神宮外苑地区におけるまちづくりのコンセプトや既存樹木の取扱い等についてホームページを通じて情報発信を行っており、今後、整備計画の詳細などについても順次公表していくこととしております。都においても、まちづくりの経緯や概要、よくある質問等を都市整備局のホームページに掲載するなど、広く情報提供を行っております。
 説明表一一ページには、現況図と再整備イメージをおつけしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○宮瀬委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○もり委員 都民ファーストの会東京都議団、もり愛です。
 神宮外苑地区の再開発計画に関する陳情について意見を申し上げます。
 私は、主権者である都民の声を都議会に反映し、都民のための都民ファーストの都政を進めるため、神宮外苑地区の再開発計画に関する陳情への思いを述べ、また、幾つか伺わせていただきます。
 昨日、委員会変更が急遽となったため、当局に対する質問通告もできないまま登壇をさせていただくため、ぜひ、質問を本当はさせていただきたかったという思いを込めて、後ほど答弁をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、令和四年、二〇二二年の三月の東京都市計画地区の変更に関してお伺いいたします。
 この都市計画の変更では、都市景観、風致の保全を図るとともに、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新による魅力的なスポーツクラスターと複合市街地の形成を図るため、公園まちづくり制度の適用による都市計画公園の変更の土地利用転換の動きに合わせ、新たな地区整備計画の策定等に伴う地区計画の変更があったと述べています。
 まず、スポーツクラスターについて伺います。
 ここで、森喜朗さんの「遺書 東京五輪への覚悟」から一文を引用させていただきます。
 二〇一一年三月十日の夜半から翌十一日の朝までかけて、赤坂プリンスホテルの一室で、私と伸晃さんとで石原さんを説得した、結果、石原さんが四選に出るといってくれた、都議会との関連でぎりぎりのタイミングだったけれど、どうやらそれで、まずオリンピック誘致再挑戦のスタートが切れたという一文を読んで、東京オリンピック誘致と神宮外苑のスポーツクラスターが切っても切れない関係にあり、一つは神宮外苑のスポーツクラスターづくりのために、東京二〇二〇大会招致に情熱を燃やされたのではないかと考えられて仕方がありません。
 二〇二〇年東京大会の招致活動が開始された二〇一一年の十二月、東京都は、二〇二〇年の東京で、既に神宮外苑地区をスポーツクラスターの地区として位置づけています。
 まず、そこで事実関係として、二〇一二年四月、東京都は岸記念体育館に対して、神宮外苑地区におけるスポーツクラスター形成に向けて、スポーツ関連団体の本部機能の集約を図ることを念頭に、神宮外苑地区への移転を提案されたというのは事実でしょうか。
 この提案は、東京二〇二〇大会の実施を前提として、東京二〇二〇大会を実施するに当たって、国立代々木競技場がハンドボールなどの競技会場となり、競技場施設だけでは大会運営のための用地の確保が難しい状況にあること、都市計画公園の区域内にあり、いずれは公園として整備されるべき土地であること等によるといわれておりますが、それは事実でしょうか。
 二〇二〇年大会の招致が決定したのは、二〇一三年九月のブエノスアイレスのIOC総会ですが、二〇二〇大会の招致が成功するかどうか分からない段階で岸記念体育館の神宮移転を提案することはフライングではないかと考えますが、お伺いいたします。
 また、東京二〇二〇大会の招致が決定する前の二〇一二年五月十五日、東京都の佐藤副知事と安井技監が衆議院会館で森喜朗氏を訪問し、神宮外苑の再整備について説明されたというのは事実でしょうか。
 次に、スポーツクラスターと複合市街地の形成のための高さ制限の緩和について伺います。
 旧国立競技場の一番高い部分は、景観保護の観点から、絵画館側の地盤から二十三メートル四十三センチでしたが、次々と高さ制限が緩和された経緯について、二〇一二年七月二十日、新国立競技場の応募要項では高さ七十メートルとなっており、二〇一二年十一月十五日には、高さ七十五メートルのザハ案が選定されています。
 東京都が二〇一三年六月の神宮外苑地区地区計画の決定で、高さ制限を国立競技場のあるA−2地区を七十五メーターに、神宮球場のあるA−4地区を八十メートルに引き上げたのは、新国立競技場のザハ案が選定されてからでしょうか。確認をさせてください。
 次に、二〇二二年三月の神宮外苑地区地区計画の変更のうち、公園まちづくり制度の適用による都市計画公園の変更の土地利用転換の動きに合わせ、新たな土地整備計画の選定等に伴う地区計画の変更についてお聞きしたいと思います。
 この地区計画の変更で、東京都は、高層ビルの建設が予定されているA−8−c地区の高さ限度は百八十五メーター、容積率の限度は十分の二十から十分の九十、青山通りに面したA−9地区の高さ最高限度百九十メーター、容積率の限度は十分の二十五から十分の百十五にしました。
 公園まちづくり制度の活用というのは、都市計画法第九条第十六項の特例容積率適用地区の制度を生かして、いわゆる空中権の移転を可能にしたと理解してよいのでしょうか。この空中権の価値は、巷間、三千億円ともいわれ、大きな利権が生み出されたともいわれております。地区計画を変更し、空中権ビジネスを可能にした東京都として、この価値を把握しているか伺います。
 本陳情を提出するに至った原因は、東京二〇二〇大会を奇禍として、神宮外苑地区をスポーツクラスターと複合市街地の形成にしようとしたことから始まっています。東京都はまさに当事者です。
 八月十八日に開催された東京都環境影響評価審議会は、私も傍聴をさせていただきましたが、画期的な審議会でした。
 これまで環境影響評価の手続では、審議会が答申を知事に提出すれば、知事が評価書案審査意見書を事業者に示し、事業者が環境影響評価書を知事に提出して工事に入っていくという流れでした。しかし、神宮外苑地区については、東京都環境影響評価条例の第七十四条の二、審議会は、第六十九条の規定による調査審議を行うため必要があるときは、事業者その他関係者の出席を求め、説明を聞き、また事業者その他関係者から資料の提出を求めることができるという規定を活用することを審議会で確認し、事業者が環境影響評価書を作成する前に、審議会の意見が盛り込まれているかどうかを審査し、さらに、事業者の事後調査計画書や工事中の事後調査報告書等についても事業者から聴取し、必要に応じて知事に意見を述べるとしています。これは本当に画期的なことです。
 環境影響評価審議会は答申を出して終わりではなく、環境保全措置が十分講じられているかを今後とも審査する体制を取られており、都議会としてはそれを高く評価し、応援をしていきたいと感じております。
 審議会の意見を事業者に実施させるのが、地区計画を変更して開発を可能にした当事者である都市整備局の仕事だと考えますが、見解を伺います。
 都市整備局が二〇一八年に作成した神宮外苑地区のまちづくり指針は、ショッピングモールも屋内競技場もなく、現の三井不動産案よりも日本イコモス案に近いのではないかと思いますが、見解を伺います。
 神宮外苑地区、よくある質問と回答を見ますと、東京都が主語となる部分と事業者が主語となる部分が明確に区別されていないようになっております。これは明確に分けてQ&Aを作るべきだと考えますが、見解を伺います。
 神宮外苑地区は東京都の土地ではないので、都市計画審議会での決定を得た後では、都はできることがないとのご説明もありましたが、都市計画審議会の在り方そのものが変わる時期にあると、先日の環境影響評価審議会を傍聴して強く感じました。
 私は、区議会議員時代から、民有地の緑をいかに守るか取り組む中で行政の緑化推進計画であったり都市計画があるのであり、本事業においても、環境影響評価審議会の審査や神宮外苑地区のまちづくり指針、小池知事が事業者に対して要請した要請文の中にも、歴史や地域特性を生かした景観形成、防災性の向上、既存樹木については、複数の樹木医の意見も聞きながら、木々の状態などを詳細に調査、公表し、設計の工夫などにより、極力保存または移植するなど、一本一本を大切に扱い、神宮外苑の豊かな自然環境の質の保全に努めること、とりわけ神宮外苑の象徴である四列のイチョウ並木の保全に万全を期すこととあり、都知事の要請文の内容に沿った事業であることを強く求めます。
 本陳情については、樹齢約百年の木が千本以上伐採される事実がない点や、環境影響評価審議会においても引き続き事業者に対して、環境保全措置が十分講じられているか、今後とも審査する体制を整えているという点を踏まえ、趣旨は酌み取れるものですが、本陳情については不採択とし、私の意見表明とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○原田委員 それでは、私からも、神宮外苑再開発について見直しを求める陳情について質疑いたします。
 今年五月二十六日の環境影響評価審議会第一部会の審議は衝撃を与えました。
 五回の審議を行うだけでも異例な上に、この日の審議でも、イチョウ並木に新神宮球場が迫り過ぎていることについて、根、茎の保全上、離隔が非常に不足している、日照の影響なども懸念されると指摘され、さらに、データ提供が足りないなど苦言が相次ぎ、予定されていた総括意見が出されることなく継続審議となった、そういう事態が起きたわけです。
 率直にいって、手続さえ整えば計画を妨げないとしてきた都のアセス手続が、計画の進捗に待ったをかけたのは異例中の異例でありました。
 八月十六日に再開された第一部会では、伐採される計画となっていた四百十五本の樹木が存置あるいは移植とされ、審議委員の中には評価する委員もいましたが、なお問題を指摘し、疑問視する委員もおり、総括意見は出されたものの、八月十八日の環境影響評価審議会総会では、環境保全について不確実性を拭えないと指摘され、審議会答申後も調査結果や事業中などにおける審議が約束されることとなりました。これは、都の環境影響評価制度上、前代未聞のことです。
 もともと全国的に先駆的意義を持った都の環境影響評価手続が本領を発揮することなく、例えば豊洲新市場の地下空洞の発見というスキャンダルにおいては、アセス手続を怠った市場移転の事業者たる小池知事を守るため、都知事たる小池知事がかばい、手続上の瑕疵をした事業者に厳しい措置を課す条文を緩和する条例改悪を行うなど、骨抜きにされてきた経緯があります。そうした都のアセスの汚名を返上する画期的審議であったと思います。
 改めてこの間、都議会でアセス手続の改善のために心血を注いできた都議の一人として、このたびの審議には敬意を表するものです。
 さて、当初は評価する人もいたものの、ここに来て疑問の声が上がってきているのが、事業者が環境影響評価書において伐採本数を四割減らすという修正についてです。これは、外苑再開発による約千本の伐採、移植のうち、四割に当たる四百十五本の伐採数を減らすというものです。その内訳は、三百十一本が枯損木として伐採数に入れられていたのを存置にするんだとし、八十五本を移植、イチョウ並木の兄弟木十九本を移植検討するというものであります。
 そこでお聞きしますが、八月十六日、環境影響評価審議会において事業者から示された樹木の伐採、移植に関わる一部修正案は四百十五本の伐採樹木を減らすというものでしたが、枯損木三百十一本は一体どの樹木を指しているのか、資料を都民に提示すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 事業者が都に提出いたしました環境影響評価書案では、具体的にどの樹木を枯損木としているかについては示されておりません。

○原田委員 今聞いたとおりです。残すことになったというその枯損木は、どの樹木かを示すことができないんだと。
 それでは、さらにお聞きします。枯損木を三百十一本としてきた根拠は何か。今回、事業の工夫などによって、そうした枯損の原因は取り除くことができるという理解でいいのか。だとすれば具体策を示してほしいが、事業者は何といっているか。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 環境影響評価書案では、事業期間中に立ち枯れ等により危険となった樹木について、道路通行車両や歩行者の安全管理のために除去する可能性があることから、過去の実績を参考に一定の割合を枯損木として計上しておりました。
 しかしながら、枯損木の除去措置は開発による伐採とは異なるものであることから、改めて本数の精査を行ったものでございます。
 今後、事業者は、地域内にある樹木の管理に当たっては、一本一本について最大限保存に努めていくこととしております。

○原田委員 今の答弁は、つまり枯損木というのは、開発によって枯損するのではなく、十数年に及ぶ事業期間中に自然に枯損するであろう樹木を伐採数に入れていたのだということなんですね。だから、もともと約千本の伐採、移植数のうち、三百十一本は伐採するものではなかったんだということだと、そういうことなんですね。
 しかし、その回答には幾つかの疑問が生じるわけです。まず、約千本の伐採数というのがそもそも、事業者はずっと隠し続け、都も少なくとも昨年の七月には資料も受け取っていながら、聞かれても隠し続けていた数字なわけです。石川幹子中央大学研究開発機構機構教授が今年一月からその足で毎木調査を行って、やっとつかんだのが千本の伐採数でした。この指摘があった後、約千本の伐採、移植を事業者は認めたわけです。
 ところが、環境影響評価審議会の追及に追い詰められた事業者が、伐採数のうち三百本以上は自然枯損するであろう樹木だったのだといい始めたわけですね。だから、その三百十一本は場所も示せないと。こんな怪しいことをいっているから、環境保全の不確実性を審議委員から指摘されるわけなんですね。
 ここで改めて、石川教授が指摘した約千本の伐採樹木の図を見ますと、明らかに再開発による巨大施設建設で伐採するしかない樹木で約千本ぐらいあるわけなんですね。
 また、この十数年ほどの実績値で枯損木三百十一本をはじいたといいますけれども、十数年ほどの枯損木は樹齢何年ほどの樹木だったのか、低木なのか、もしかしたら植栽程度のものだったのかも分かりません。三百十一本の枯損木問題についてはその場しのぎの言い訳だったのかどうか、明らかにせねばなりません。
 ラグビー場に向かうイチョウ並木について、都は、この兄弟木の存廃について事業者から資料の提供を受けていますね。都は、その報告について認識はありましたか。あればどのような報告書で、どのような内容であったかお聞かせください。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 ラグビー場に向かうイチョウ並木につきましては、令和二年二月に事業者から都に提出されました公園まちづくり計画において、移植が困難であると考えられるとされておりました。
 その後、地元区との調整などを踏まえ、令和三年七月に事業者から提出され、同年八月に都が公表いたしました環境影響評価書案において、今後、詳細な調査を行い、移植の可否を検討することが改めて示されました。
 都としては、事業者に対して、複数の樹木医の意見を聞きながら詳細な調査を行い、極力移植することを求めております。

○原田委員 令和二年二月に公園まちづくり計画という書類で、移植は困難だと書いてあったんですよ、イチョウ並木の兄弟木は。ところが、その後検討をしてといういい方をしましたけれども、環境影響評価審議会には、移植が困難と考えていたその経緯を伏せて、移植の可否を検討するという表現を緩めて出していたわけです。とんでもない話なわけですよ。
 もう一度いいます。答弁で出てきた公園まちづくり計画は二〇二〇年作成です。もう二年前には、都に対して兄弟木は移植困難とかなり詳しく書いてあったわけです。これも我が党の情報公開請求で分かったことなんです。都と事業者はずっと、兄弟木はできる限り移植を検討とごまかしてきたんです。
 この期に及んでも移植の可否を検討といいますけど、事業者はもう結論を出しているじゃありませんか。兄弟木はイチョウ並木の一部として後世に受け継がれなければならないと、外苑の入り口に掲げられたイチョウ並木の由来にも書いてあるわけです。目先の金に目がくらんだ事業者や都に、世界に誇る東京都の宝を売り飛ばさせてはならないと改めて訴えたいと思う。
 さて、環境影響評価審議会第一部会が八月十六日に再開されようとしたタイミングで、石川幹子中央大学研究開発機構機構教授、東大名誉教授が記者会見をしています。そこでは、新宿御苑の隣に道路建設が進む際、御苑の並木とその道路ですね、トンネルにしようということになって、御苑トンネルに十五メートルの離隔を取って、御苑の樹木を守る対策を施したわけです。見事に御苑の自然は守られ、一方で、四十年の間に枯損した樹木を見ると、やはりトンネル沿いに集中していることも分かってまいりました。
 そこでお聞きします。石川教授が四十年前に手がけた御苑トンネル建設における環境保全策は、樹木から十五メートルの離隔を取ることで成功しました。イチョウ並木の幹から六メートルに新球場を建てることは、西側イチョウ並木の枯損や成長の遅れを来す危険性があると考えますが、都の見解はいかがか。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 四列のイチョウ並木の保全につきましては、野球場棟の実施設計前に専門家によるイチョウ並木の根系調査を行うこと、また、その調査結果を踏まえ、建築計画及び施工計画における環境保全のための措置を具体的に示し、確実に実施することなどに留意すべきことを盛り込んだ環境影響評価書案審査意見書を環境局が事業者に送付しております。
 なお、事業者は、環境影響評価審議会の部会において、根を保全するための具体的な基礎構造や施工方法を提示するとともに、今後、根の詳細調査の結果を踏まえまして、基礎構造の工夫などを行うほか、重要な根が複数確認される場合は、根の切断を避けるため、野球場の壁面後退など設計を工夫するとの説明を行っております。

○原田委員 私、石川教授の手がけた御苑トンネルの成果を踏まえて、外苑再開発に対する都の見解を求めましたが、それに対してまともな答弁といえたのかと、今のが。
 それでも、イチョウ並木の根系調査など留意点を事業者に送付しているという答弁が入っておりましたから、まさに外苑再開発には、環境保全上、不確実性、不確定な要素が大きいということは、認識があるようだなというふうに受け止めました。
 私はやっぱり、この期に及んでも、イチョウ並木を大事に思うのであれば、神宮の森を、百年たってあそこまで育った森を守るというのであれば、もう球場もラグビー場も現地でそのまま建て替えるしかないんじゃないですかと。むしろ保全をして、いずれも歴史のある建物ですから、補修をしてやるしかないんじゃないのかなということを改めて、この陳情をいただいて、私たちの主張として訴えておきたいと思います。
 都はこれまで、百年の大木よりも、新植された、新しく植えられた若い木々の方が多くのCO2を吸収すると議会で答弁してきましたが、百年の大木と三メートルの若木で、本当にCO2の吸収量は若木の方が吸収するといえるのかと。また、その根拠になる資料、何を用いて答弁してきたのか教えてください。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 林野庁のホームページでは、成長期の若い森林ではCO2をどんどん吸収する一方、成熟した森林になると全体として吸収能力は低下していくとしております。
 事業者におきましては、既存樹木の保全と併せて新たな緑も創出し、適切に維持管理しながら樹木を育成して、地区全体のCO2の吸収能力も向上させていくこととしております。

○原田委員 林野庁がいっているわけですから、これ、一定の信頼に足る定説なわけですが、ところが、例えば二〇一四年一月、Nature誌に、年老いた大きな樹木の方が、若く小さい樹木よりも大気中の二酸化炭素を吸収していることが分かったとする研究が掲載されています。従来、古く大きな樹木は、温室効果ガスであるCO2を比較的吸収しないと考えられていましたが、これを覆す結果なわけですね。
 研究チームは、四百三種の樹木六十七万三千四十六本のデータを分析。その結果、大きく年老いた樹木の方が成長が早く、より多くのCO2を吸収していることが判明したというわけですね。
 確かに、単純に考えても大きな木の方が枝や葉をぐんぐん伸ばすわけで、私の友人の家も大きな木を植えていて、本当にそれを剪定するのに物すごいお金がかかって大変だったわけですけど、よく考えてみれば、小さな苗木みたいな木の成長とは比べものにならないよなとは思うわけです。私もまだ詳しいわけではありませんので、有識者の方々にも聞いてみたいなと思っているところです。
 その点で、東京都も建設局など大変お世話になっている藤井英二郎千葉大名誉教授は、世界の大都市では樹冠被覆率が重視されていると指摘をしています。
 樹木には、地下水をくみ上げ、枝葉から蒸発させる蒸散効果というのがありまして、これが真夏の強い日差しと熱を大幅に緩和するんだそうです。木陰に行くと涼しく感じるのは、単に日よけの影響だけではないと。地下水をくみ上げて、地上で降り注がせると、蒸散させると、これがすごく大事だということなんですね。ですから、木々の枝葉がどれだけ伸びているかは都市としての価値なんだというわけです。
 そこでお聞きします。外苑再開発計画では、伐採した樹木よりも数十本多い樹木を新植するといわれていますが、樹冠被覆率で見た場合、樹木の量は増えるといえるのかどうか示してください。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 今回の事業者の計画は、既存樹木の保全に加え、新たな緑も創出し、それらを適切に維持管理しながら樹木を育成することで、従来よりも緑の量を増加させ、神宮外苑の緑空間の充実を図るものでございます。

○原田委員 樹冠被覆率についてお聞きしたんですけど、まともな答弁がありませんでした。
 しかし、東京都が緑の量として認識しているのは、どんな樹木か植物かに関係なく面積で測るんだというわけですね。これで百年たった大木も芝生や植え込みも一緒にされてしまうわけです。これも都民の目を欺く、まやかし以外の何物でもありませんが、次にお聞きするのは、こうしたごまかしとは一線を画した、異様なまでの詐欺的な計画です。
 外苑再開発では、都市計画公園の敷地を三・四ヘクタール除外し、その区域に超高層ビルを建てる計画となっています。しかし、さすがに都市計画公園を除外した区域に超高層ビルを建てるのは法にもとると考えたのか、除外した面積の六〇%の緑地等を創出しなければならないルールがつくられたわけです。これが公園まちづくり制度です。
 ところが、緑地等の等には、これまでも指摘してきましたけれども、小さな植栽も含まれるどころか、デッキの上など歩道状空地やエレベーターなど、緑でも何でもないものまで含まれていることを指摘してまいりました。さらなる問題は、この緑地等には、新規に整備された都市計画公園という得体の知れないものまで含まれていることです。
 そこでお聞きします。新ラグビー場の建設によって建国記念文庫の森が三分の二削られることになりますが、残った三分の一の森が、公園まちづくり制度上、都市計画公園を新規に整備した面積というものにカウントされています。これは間違いないか。また、伐採された森の残った樹木が、都市計画公園を新規に整備した面積に数えられているのは問題があると考えますが、都の見解を求めます。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 東京都公園まちづくり制度実施要綱では、緑地等の整備基準について、都市計画公園、緑地を新規に整備する場合は、当該部分の面積を緑地等の面積及び緑地等確保対象区域面積に加えることとするとしております。
 今回の公園まちづくり計画では、従前、未供用となっていた区域の面積から都市計画公園を削除する区域の面積を差し引いた面積を、新ラグビー場の区域において、一般の方がいつでも利用できる場として新たに整備し、供用にする予定であることから、当該面積を都市計画公園を新規に整備する面積として取り扱っているものでございます。

○原田委員 頭がこんがらがる質問と答弁なので要約しますと、都市計画公園を削除する代わりに新たな緑地等を設置しなければならないのが公園まちづくり制度なわけです。ところが、その緑地等に新ラグビー場建設で三分の一に削られた森が加えられていたことが分かったんです。つまり、都市計画公園を削除する代わりに整備する緑地は、元からある森を三分の二潰して整備すると。あからさまな欺瞞じゃないんですかと私は指摘をしているわけです。
 さらに、この三分の二が失われる建国記念文庫の森、新ラグビー場が建設されたら残るこの三分の一の森も、全滅するんじゃないかと石川教授は述べています。石川教授は、都市計画公園が三・四ヘクタール削られることの代償措置はないじゃないかと、実際には、そう指摘をしていると。東京の都市計画始まって以来の不祥事だと厳しく指摘しています。
 公園まちづくり制度が整備する緑地等は、代償措置どころか、外苑の森を潰して整備されるわけですよ。本当にこんな計画でいいんでしょうか。
 さて、そんなことまでやって整備される新ラグビー場についても無数の疑問が湧いてまいりました。
 独立行政法人JSCが所有する新ラグビー場の改築は、二月の都市計画審議会の決定よりも早い一月からPFI事業の募集が行われ、この八月に決定されました。この際、神宮外苑地区地区計画の筆頭事業者である三井不動産が落札した事業者に名を連ねていることが分かりましたが、独立行政法人たるJSCが公募した事業者入札に、JSCと共同して再開発計画を進めている三井不動産が応募し、落札するのは問題があるんじゃありませんか。
 これは、入札の際の公募に関する質問でも複数指摘されていたことなんですけれども、問題はないとする事業者の見解を求めておきます。その見解に対する東京都の見解も求めます。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 JSCによりますと、事業者公募に当たり、事業提案の検討に必要となる情報は入札説明書等により入札参加者に対してひとしく提示しているため、再開発事業の地権者等が入札参加することに問題はないとのことでございます。
 事業者の選定につきましては、JSCが適切に対応すべきことでございます。

○原田委員 入札に応募してくる会社全てに入札説明書を配ったから、不公平な入札ではないってどういう理屈ですか、一体。
 いいですか。要するに、公共性の高い組織であるはずのJSCが公募した事業に、JSCと仲のいい事業者が入っていたのではないですかと、それは独占的地位を使った不公平な入札になっていませんかと聞いたんです。
 私の考えが違うのなら違うといっていただければ、その理由も聞いた上、勉強し直します。ですが、不公平な入札になっていませんかと聞いたのに対し、取説を全応募者に配ったので公平ですといわれても困るわけですよ。逆に、何かごまかしているのかなと考えてしまうわけです。
 三井不動産が神宮外苑地区地区計画に公的に関わるようになったのはいつか。三井不動産と都は、いつから外苑再開発事業においてやり取りを始めたのか、教えてください。

○吉野まちづくり推進担当部長 三井不動産は、神宮外苑地区地区計画の区域内にホテル等を整備するに当たり、宗教法人明治神宮と共に、地区計画に係る企画提案書を平成二十八年八月に都に提出してございます。
 また、都は、平成二十七年四月に、三井不動産を含む関係権利者六者と神宮外苑地区まちづくりに係る基本覚書を締結しております。

○原田委員 とても興味深い答弁だと思うんですね。私はこの質問を以前にもしたことがあって、そのときの答弁も、公的に三井不動産がこの神宮外苑再開発に現れるのは、二〇一五年の基本覚書締結からだという答弁があったわけです。
 ところが、その後の我が党都議団の追及と情報公開請求で、二〇一四年七月作成の恒久サブトラック設置が困難な理由という文書が発見され、出てきたわけですよね。(パネルを示す)これを見ると、この時点で、三井不動産のビルとおぼしき事務所等という絵が出てくるわけです。ここなんですけど。これ、二〇一四年なんです。さっき覚書は二〇一五年で、ここで公的に三井不動産は現れるんだというんですけど、私たちの情報公開では、この二〇一四年に、三井不動産の現在の百八十五メートルのビルとおぼしき、その原形の事務所等が出てくるんですよね。これを見ていますから。覚書のこれ一年前ですよ、このビルが現れるのは。
 私、今年の三月九日、予算特別委員会での私への答弁で、二〇一三年から地権者等との協議を始め、二〇一四年に恒久サブトラックの設置は困難と判断したといっているわけです。この地権者等の等には三井不動産が含まれていて、やはり二〇一五年の覚書締結以前から、三井不動産は外苑再開発計画に対して、公的な性格も帯びていないうちに入り込んでいたんではありませんかと。
 ですから、今日の答弁で、もうちょっとそこら辺が明らかになるのかなと思ったんですが、今回も、二〇一五年が公的に三井不動産が現れる日だと答弁でいってのけたわけなんですね。
 この議論は今後の議会に回したいなと思っているんですけど、こういう実態を見ても、なお三井不動産が公的に現れるのは、外苑再開発に関わるのは二〇一五年だといい張るのか−−聞いてもいいですか、それだけちょっと一問答えてください、部長。

○吉野まちづくり推進担当部長 今ご指摘の資料でございますけれども、神宮外苑地区に恒久サブトラック設置が困難な理由を副知事に説明するため、大規模なスポーツ施設だけでなく、ほかの施設も含めて施設の大まかな配置を示したものと認識しております。この資料でご指摘の内容について判断することはできません。

○原田委員 分かりました。
 現計画の百八十五メートルのビルが建っているところに、この二〇一四年時点で突如、事務所等というポンチ絵が出てくるわけですけど、それは何となく描いたものであって現計画とは関係がないと、三井不動産ビルとは関係がないんだという答弁だったと。強弁だと思いますけれども、改めて、外苑再開発計画がいまだに不透明かつ自然環境だけは破壊することが明瞭な計画であることが浮き彫りになったと思っています。
 この点で、本陳情の趣旨には賛同するものでありまして採択を主張しますし、改めて質疑を通して、秩父宮ラグビー場も神宮球場も現地で、文化財としての価値も私は高いと思っていますから、そのまま保存をしていく、そのまま改修をしていくということが最も大事な道なんではないのかなということを主張させていただきまして、陳情の質疑を終わらせていただきます。

○宮瀬委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時八分休憩

   午後三時二十五分開議
○宮瀬委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○竹井委員 私からも何点か質問をさせていただきます。
 都議会立憲民主党は、都民の皆様の声を受けまして、五月二十六日、都知事に対して、神宮外苑地区再開発計画事業に関する要請書を提出いたしました。その中で、まず、樹木の伐採については可能な限り少なくしていくべきだ、削減していくべきだというふうに要請をしたところでありますけれども、現在の取組状況を伺います。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都は、事業者に対し、既存樹木については、複数の樹木医の意見も聞きながら樹木の状態などを詳細に調査、公表し、設計の工夫などにより、極力保存または移植するなど、一本一本を大切に扱い、神宮外苑の豊かな自然環境の質の保全に努めることなどを要請いたしました。
 これに対する事業者からの取組状況の報告では、本年四月からの樹木の追加調査の結果によって、当初の計画よりも移植、保存する樹木を増やすこととし、今後も設計の工夫等により、さらなる樹木の保全に努めていくこととしております。
 先月開かれました環境影響評価審議会の部会において、事業者から、既存樹木の伐採本数を九百七十一本から五百五十六本に削減することが示されております。

○竹井委員 また、再開発計画におきまして、樹木を伐採せざるを得ないということであれば、伐採ではなくて、歴史ある樹木の移植を行うという選択肢をとるべきであるということも要請をさせていただいたところですけれども、それにつきましても取組状況を伺います。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 繰り返しになりますが、事業者からの取組状況の報告では、本年四月からの樹木の追加調査の結果によって、当初の計画よりも移植、保存する樹木を増やすこととし、今後も設計の工夫等により、さらなる樹木の保全に努めることとしております。
 また、事業者は、ラグビー場に向かうイチョウ並木について、今後詳細な調査を行い、移植の可否を検討することとしております。

○竹井委員 東京都として、地権者並びに再開発事業者などにしっかりと要望を伝えていただくとともに、日本イコモス国内委員会から意見書が出ている代替案の一部の採用も含めて、樹木の伐採を最大限行わないように配慮をしてください、働きかけてくださるように要望しますということを申し上げていました。事業者の対応状況を伺います。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 事業者は、神宮外苑地区の歴史と風格を継承するため、既存樹木については、四列のイチョウ並木を保存するとともに、樹木の状態などを詳細に調査し、設計の工夫などにより、樹木の保全に努めることとしております。
 また、生物多様性や生態系の保全に配慮しながら、質の高い新たな緑も創出し、従来よりも緑の割合を増加させることとしております。
 なお、お話の日本イコモス国内委員会の提案につきましては、スポーツ施設の現地建て替えを前提としておりまして、競技の継続性の問題など課題も多いものと思われます。

○竹井委員 先ほどもお話が出ております都の環境影響評価審議会におきまして、八月に事業者による環境保全案、これを了としたものの、歴史ある樹木の保全が徹底されているかどうか、事業者には折々に説明を求めて、工事の進捗を注視するという話がありました。大変異例のこととのことですけれども、私たちもこの間、事業者による都知事への要請に対する報告も拝見したところです。一定の前進を確認しております。
 しかしながら、私たちもまた、注視をしていきたいと思いますし、この請願については五月二十六日に受理をされているということで、タイムラグはあると思っておりますけれども、しかし、理由にありますように、都民に対して十分な周知、説明、議論の徹底、これはこの先もお願いをしたいということで、賛成をしたいと思っております。
 以上でございます。

○松田委員 陳情四第三〇号、神宮外苑地区の再開発計画に関する陳情について、一言申し上げます。
 環境影響評価審議会ついては都市整備委員会の所管ではありませんが、都市整備委員会でも過去数多く、この再開発計画、議論がございましたので、陳情に合わせて意見を述べさせていただきます。
 改めてにはなりますが、東京維新の会といたしましては、再開発計画全てに反対するわけではありません。都市の持続的な発展には再開発は欠かせず、再開発なくしては持続可能な発展はありません。
 ただ、時代によって都民のニーズは変わってきており、都が定めたまちづくり指針や都市計画の内容を踏まえるだけでは理解が得られるわけではなく、今は、いかに持続可能な発展が望めるのか、また、生物生態系や景観等についても、都民の求める基準は上がってきていると感じています。
 今回の神宮外苑地区の再開発計画については、東京新聞が実施をいたしました都民意識調査では、明治神宮外苑地区の多数の樹木を伐採する再開発計画については、約七割が反対との声もあったとの調査結果が出ておりますが、都民は、再開発ではなく、伐採ありきの再開発に大きな懸念を示していると感じています。
 八月十八日に開催いたしました東京都環境影響評価審議会の総会後には、東京都から審査意見書が事業者に送付され、その中には、本事業については、都民から、樹木伐採の反対意見をはじめ、先人から継承された環境を失うことへの懸念や事業計画の十分な周知、公開を求める意見など、多くの懸念が表明されていると、都民の声を東京都として正式に表明したことは、これまでの市民運動の大きな成果だと感じています。
 今回の陳情内容につきましては、既に同様の内容を、都民の声を受け東京都としては事業者に対して要請を行っている、また、事業者についても不十分な部分はありますが、東京都の要請に対して一定の努力が認められることもあり、不採択をしておりますが、都として引き続き、都民の大きな懸案事項でもございますので、適切に指導、監督していくことを求め、陳情に対する意見とさせていただきます。
 以上です。

○宮瀬委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○宮瀬委員長 起立少数と認めます。よって、陳情四第三〇号は不採択と決定いたしました。

○宮瀬委員長 次に、陳情四第三一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 整理番号5、陳情四第三一号、西日暮里駅前地区市街地再開発事業の見直しに関する陳情についてご説明申し上げます。
 請願・陳情審査説明表の一三ページをお開き願います。
 陳情者は、荒川区の松本恒信さん外六十二人でございます。
 陳情の要旨は、都において、西日暮里駅前地区市街地再開発事業における超高層マンションの建設を中止するとともに、再開発計画について見直していただきたいというものでございます。
 一四ページの現況図をご覧ください。
 本陳情の対象となっている地区は、JR西日暮里駅の北東側、日暮里・舎人ライナー西日暮里駅の西側に位置する、赤枠で囲われた西日暮里駅前地区市街地再開発事業予定区域でございます。
 一三ページにお戻りいただきまして、現在の状況でございますが、当地区は、区が定める西日暮里駅周辺地域まちづくり構想において、土地の高度利用により、文化交流、商業、業務、住宅機能等の拠点的な都市機能を導入し、地域の新たな魅力と活力を創出する文化交流拠点を形成することが位置づけられております。
 区は、そうした上位計画の位置づけや周辺環境への影響、権利者等の合意形成状況などを踏まえ、令和三年六月に市街地再開発事業等の都市計画決定などを行い、都は、これに合わせて用途地域の変更を行いました。
 今回の計画は、交通広場やJR線と日暮里・舎人ライナーの円滑な乗換えに資する歩行者デッキなどの都市基盤を整備し、交通結節機能の強化を図るとともに、土地の高度利用を図りながら、駅前にふさわしい商業、業務機能、都市型住宅等の多様な機能を導入するものであります。
 計画建物による景観や風環境などへの影響については、西日暮里駅前地区市街地再開発準備組合が環境影響評価を実施しており、周辺環境に配慮した計画となっております。また、住宅の各階に備蓄倉庫を整備するほか、災害時の帰宅困難者等の一時滞在スペースの確保など防災対応力の強化を図る計画となっております。
 準備組合は、引き続き権利者等へ丁寧な説明を行うことなどにより、さらなる合意形成を図り、法令等に基づき市街地再開発事業の事業化に向けて取り組むこととしております。
 説明表一四ページには、現況図に加え再整備イメージをおつけしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○宮瀬委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○原田委員 西日暮里駅前地区市街地再開発事業の見直しに関する陳情について質疑をさせていただきます。
 広い区有地が活用される超高層ビル計画ですが、地域住民のみならず、広く荒川区民から懸念の声が上がっている再開発計画です。そこで、どのような計画なのか一通り聞いていきたいと思っています。
 まず、面積二万三千平米ともいわれる当該開発事業区域内に占める区が所有する中学校跡地などの敷地面積は、区域内の宅地の何%か。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 荒川区は、再開発事業の区域内に中学校跡地や保育園などの土地を所有しており、その面積は、再開発事業区域の宅地の約三七%でございます。

○原田委員 三分の一以上が区有地とのことであります。
 そこでお聞きしますが、開発後に荒川区が所有することになる床面積は何平米か。それは開発ビルの総床面積の何%に当たるのか。また、再開発ビルの住宅戸数は何戸になるのか、お示しください。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 開発後に荒川区が所有することになる床面積につきましては、約四千平方メートルを想定していると区から聞いております。この面積は、再開発事業で建設される予定の建築物の延べ面積の約二・五%に当たるものでございます。
 また、再開発事業において、住宅は約千戸を予定しております。

○原田委員 驚きました。荒川区は、宅地面積の三七%の土地を所有しているのに、再開発ビルには二・五%の床面積しか所有できないと。敷地だけで五千四百六十平米あるといわれた区有地が、再開発ビルでは四千平米しか床面積を取れないんだっていうんですね。五千平米を超える敷地でしたら、幾つもの住民施設を造ることができますよ。これには荒川区民も相当腹が立つんじゃないのかなというのは、それは思うわけです。
 当該再開発事業地の従前、従後の容積率を示してください。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都市計画変更前の容積率は、加重平均で四六二%でございます。
 都市計画変更後の容積率は九五〇%でございます。

○原田委員 九五〇%と。目いっぱいの容積率に上げてしまうため、何十年もたって改築の時期を迎える頃には、もうこの地域は容積を緩和することはできないでしょう。
 今回、大変な規模の保留床を生じさせ、しかしながら、その利益はディベロッパーが事業協力者として持っていってしまう。そんなことになったら、大規模改修や毎月の管理費に、そうした保留床を売り払ったお金が残されていない可能性が出てきてしまうわけですね。そうなれば、この狭い土地にぎゅうぎゅう詰めに押し込められた住民たちで、もう次の改築なんていうのはできないかもしれないよと、物すごいお金をかけなきゃ改修することはできないよとなってしまうとすると、本来等価交換のはずの第一種市街地再開発計画ですけれども、区の所有することになる将来の再開発ビルの四千平米、これは年を追うごとにその価値を失っていくことになるんじゃないですかと。
 そういう大事なことが全く見えないし議論もされないまま、事業がどんどんと進んでいくとすれば、荒川区民から批判の声が上がるのも当然だと思うわけです。
 また、この区所有の床にはホールが整備される予定とのことです。住民の皆さんからは、敷地目いっぱいに巨大ビルが建つこの計画では、災害時に避難する場所がないという声が上がっています。そこで、この整備予定のホールが避難場所だという説明がなされているんだそうなんですね。
 しかし、先般改定された都の地震被害想定でも、高層ビルの受ける被害を定性的に位置づけようという議論がなされたばっかりなわけです。千戸もの住民の皆さんが本当に安全に避難できるのかと、そういう検討は真剣に行われているのかと疑問が残るわけです。
 環境面への影響も聞いておきたいと思います。開発ビルの従前、従後のCO2排出量を示していただきたいと思います。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 開発前のCO2排出量については、エネルギー実績等が把握できないため算定できません。
 令和四年二月に環境局に提出されました環境影響評価書によると、開発後の住宅以外の用途からのCO2排出量は、年間約四千八十九トンでございます。

○原田委員 現在の地域は、CO2の排出量の報告義務がないぐらいのレベルなんですよね。それが、高さ百七十メートルの超高層ビルで、年間CO2排出量四千トンほどと跳ね上がっていくわけです。
 でも、百七十メートルの超高層ビルにしては少ない方だなと思いきや、これは住宅を用途の排出量計算に入れていないからであります。千戸に及ぶタワーマンションであることを考えると、大体、集合住宅の場合は一世帯当たり一・六トンとか一・七トンとかというCO2の排出量じゃないかといわれていると思いますから、千戸ということを考えるとすごいなということなわけですけれども、荒川区内有数の大規模なCO2の排出源となることが予想されます。
 さて、このような計画ですけれども、改めて、本計画の権利者数は何名で、同意している人数と同意していない人数は何名か、教えてください。

○池内防災都市づくり担当部長 区によりますと、市街地再開発事業の都市計画区域内におきまして、土地の所有者及び借地権者から成る権利者数は七十八名でございます。当計画への同意の状況については、六十五名が同意しているということでございます。
 引き続き、まだ同意の意思を示されていない十三名の方を含め、準備組合は、権利者等と協議を重ね、合意形成を図っていくこととしてございます。

○原田委員 つまり同意率は八三%と。逆にいえば、一七%が反対しているわけですね。
 もうちょっと詳しくお聞きします。この地域の借家人と居住者数はそれぞれ何名で、権利者数では何名となるのか。

○池内防災都市づくり担当部長 区によりますと、この市街地再開発事業の施行区域内において、今年六月時点で借家人は約三百名、居住者は約四百五十名となっております。
 このうち、土地所有者及び借地権者から成る権利者数では四十から五十名程度であると聞いてございます。

○原田委員 居住者で見ると四百五十名が住んでいる地域なんだと。実は、反対しているのは十三の地権者なんですけれども、その地権者の中には、マンションが含まれているわけですね。反対としては一とカウントされますが、居住者でいえば極めて大規模な方々が反対の声を上げているというのが実態なんじゃないでしょうか。
 また、線路に面する一帯の中小ビルの皆さんは計画に反対しているとお聞きしています。舎人ライナーを通すときに一度セットバックで協力しているから。舎人ライナーは都営なんですけれども、都としてもこうした声に向き合う責任があるんじゃないのかなというふうに思ったりするわけです。
 本事業は、今後、都に対してはどのような行政手続が必要となるのか。

○池内防災都市づくり担当部長 本地区におきましては、組合施行による第一種市街地再開発事業が計画されております。このため、施行区域内の土地所有者または借地権者から、都に対し組合設立の認可申請がなされますと、都は、都市再開発法にのっとり審査を行い、適正に手続を進めていくことになります。

○原田委員 今後、本組合設立の認可申請がありまして、恐らくそれと同時に事業計画が組まれていくんじゃないかなと。そのときに至っても、恐らく地権者一人一人がどれだけの権利が再開発によって得られるのか不明だろうといわれています。
 多額の補助金が税金から投入されることになっているようなんですけれども、最後まで事業協力者、つまりディベロッパーの利益は見えてこないというふうになっており、このような第一種市街地再開発の問題がだんだんクローズアップされてきているんじゃないでしょうか。
 中野区囲町西地区では、都市計画決定後−−この間やりましたけどね、準備組合での同意率が現在五〇%ほどに下がったとお聞きしました。これでは本組合設立認可申請が出せる状況でありません。こういうことは、私は今後増えていくんじゃないのかなと。
 改めて、西日暮里駅前地区再開発計画は不透明で、荒川区民にとっては明らかに不利な開発になっているんじゃないかということを指摘し、陳情は、これを採択すべきものと判断し、質疑を終わります。

○宮瀬委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○宮瀬委員長 起立少数と認めます。よって、陳情四第三一号は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。

○宮瀬委員長 次に、理事者から報告の申出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、建築物バリアフリー条例の見直しについて外二件の報告を聴取いたします。

○飯泉市街地建築部長 建築物バリアフリー条例の見直しについてご報告いたします。
 恐れ入りますが、お手元の資料3をご覧ください。
 初めに、見直しの経緯、背景についてでございますが、都は、平成三十一年に高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例、いわゆる建築物バリアフリー条例を改正し、新築等を行う延べ床面積千平米以上の宿泊施設を対象に、一般客室における段差の解消や浴室等の出入口幅を七十センチ以上とするなどの基準を全国で初めて設け、車椅子使用者をはじめ、多くの人が利用しやすい客室の整備を促してまいりました。
 こうした中、東京二〇二〇大会の開催を契機に都民のバリアフリーに対する理解も深まり、大会のレガシーを都市のレガシーとして発展させていくため、さらなるバリアフリー化が求められております。
 都は、こうした状況を受け、建築物バリアフリー条例の見直しを検討してまいりました。
 次に、規定の見直し案についてでございますが、表に、平成三十一年に改正した現行の規定と今回の見直し案を示してございます。
 具体的には、〔1〕、客室の出入口幅と〔3〕、客室内の段差については変更ございません。
 一方、〔2〕、浴室等の出入口幅について、客室面積十五平米未満の場合は幅七十センチ以上で変更がないものの、客室面積十五平米以上の場合は幅七十五センチ以上といたします。
 また、〔4〕、浴室等前の通路幅については、現行では規定がありませんが、客室面積十五平米未満の場合は幅八十センチ以上、客室面積十五平米以上の場合は幅百センチ以上といたします。
 これらの変更により、電動車椅子も含む車椅子使用者にとって、より使いやすい一般客室の整備を促進してまいります。
 なお、見直しの検討に当たり、通路幅や室内での回転スペースなどに必要となる最低限の客室面積を検証いたしました。その結果、客室面積十五平米を境に異なる基準を設定させていただいております。
 これら規定の見直しの考え方について八月一日から八月三十一日までパブリックコメントを実施したところ、六通七件のご意見をいただきました。反対意見はございませんでした。
 今後、これらの意見などを踏まえ、令和五年第一回定例会に建築物バリアフリー条例の改正案を提案させていただく予定でございます。
 説明は以上でございます。

○池内防災都市づくり担当部長 去る七月十五日、第九回震災時火災における避難場所等の指定についてを公表いたしましたので、ご説明申し上げます。
 資料4をご覧ください。
 都市整備局では、震災時に拡大する火災から都民を安全に保護するために、区部の避難場所、地区内残留地区及び避難道路を東京都震災対策条例に基づき指定しております。
 避難場所の指定は、昭和四十七年からおおむね五年ごとに見直しを行っており、今回の指定見直しは第九回目となり、九月一日より運用を開始してございます。
 避難場所は、大規模な延焼火災が鎮火するまで一時的に待機する場所で、避難者の生命を保護するために、面積がおおむね五ヘクタール以上の公園、緑地、住宅団地、学校等を指定してございます。
 避難場所への流れについては、資料に示すとおり、近隣の小中学校、近所の公園など一時集合場所から避難する場合と、火災の状況によっては自宅等から直接避難する場合がございます。
 地区内残留地区は、不燃化が進んでおり、万が一火災が発生しても地区内に大規模な延焼火災のおそれがなく、広域的な避難を要しない地区として、避難場所が指定されてございません。地区内残留地区は、面積や、建物の耐火率、火災危険度などの要件を基に指定してございます。
 次に、第八回と比較した指定の概要でございます。
 避難場所は、前回の二百十三か所から今回二百二十一か所に増加しています。地権者等の同意により、新たに九か所を指定、二十二か所で区域を拡大しています。また、一か所を廃止してございます。その結果、前回から引き続き、全避難場所で避難計画人口一人当たりの避難有効面積一平方メートル以上を確保しているところでございます。
 地区内残留地区は、再開発等の進展により、新たに三か所を指定、五か所を拡大し、これまで一万一千百ヘクタールから一万一千五百ヘクタールへと拡大してございます。
 遠距離避難や延焼の危険性が高い地区で指定される避難道路は、地区内の不燃化等の進展により、一部の指定を解除してございます。
 一枚おめくりください。こちらは、これまで説明申し上げた避難場所、地区内残留地区及び避難道路の見直し部分と全体の配置をまとめたものでございますので、ご参照くださいませ。
 以上で避難場所の説明について終わらせていただきます。
 続きまして、去る九月九日、第九回地震に関する地域危険度測定調査について公表いたしましたので、ご説明申し上げます。
 資料5、地震に関する地域危険度測定調査(第九回)及び資料6が同調査のパンフレットとなってございます。
 資料5をご覧ください。地域危険度測定調査は、東京都震災対策条例に基づき、昭和五十年からおおむね五年ごとに公表しています。
 本調査の目的は、都民の皆様に地震災害に対する認識を深めていただき、防災意識の高揚に役立てるとともに、震災対策事業を実施する地域の選定に活用するものでございます。
 地域危険度の測定方法の概要ですけれども、地震に対する建物倒壊、火災、総合の三つの危険量を都内の市街化区域内の五千百九十二町丁目ごとに測定し、五段階の相対評価によりランク分けしてございます。
 今回の調査では、最新のデータと知見を反映し、より精度の高い測定方法に改善しています。
 建物倒壊危険度では、木造建物について、二〇一六年熊本地震における建物被害データを反映した建物全壊率を採用してございます。
 総合危険度の測定に当たっては、災害時活動困難係数について、より実態に即して災害活動に有効な空間や道路ネットワーク密度を算出し、評価をいたしました。
 調査結果の概要といたしましては、建物倒壊危険量は、耐震性の高い建物への建て替えや再開発などまちづくりが進んだことなどにより、平均して約二割減少してございます。火災危険量は、不燃化建て替えや広幅員道路、公園の整備が進んだことにより、平均して約五割減少してございます。
 二枚おめくりください。三つの危険度について、各町丁目の危険度の分布状況と危険量の変動をお示ししています。
 上段左側の図は、各町丁目の建物倒壊危険度のランク図を示しています。建物倒壊危険度は、地震の揺れによって建物が壊れる可能性の度合いを測定したものでございます。この危険度は、地盤特性や建物量、建物の種類、構造、建築年次といった建物の特性などを考慮し測定した建物倒壊危険量を基にランク分けいたしました。
 凡例にございますように、焦げ茶色のところがランク五で危険度が最も高く、水色のところがランク一で危険度が最も低い地域となってございます。
 上段右の図は、建物倒壊危険量の変動を示してございます。
 凡例にありますように、危険量が減少しているところは青色で示され、危険量が大きく減少しているエリアほど濃い青色で示されてございます。建物倒壊危険度のランクが高い地域で危険量が減少している傾向が確認できます。
 中段左側の図は、火災危険度のランク図を示しています。火災危険度は、地震の揺れで発生した火災の延焼により、被害を受ける危険性の度合いを測定したものでございます。この危険度は、東京消防庁が測定した火気、電気器具の出火率や使用状況などに基づく出火の危険性と、建物の構造や間隔などに基づく延焼の危険性とにより火災危険量を測定し、それを基にランク分けをいたしました。
 中段右の図は、火災危険量の変動を示してございます。火災危険度のランクが高い地域で危険量は大きく減少しており、防災都市づくりが進んできていることが確認できます。
 下の図は、総合危険度のランクを示しています。総合危険度は、建物倒壊や火災の危険性に加えて、災害時活動に有効な空間の広さ、道路ネットワークの密度の高さといった基盤の整備状況などを基に設定しました災害時の活動の困難さを加味して、一つの指標としてまとめたものでございます。
 以上で地域危険度測定調査についてのご説明を終わらせていただきます。

○宮瀬委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。−−なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○宮瀬委員長 次に、第二百三十九回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。

○福田都市整備局長 来る十一月十八日に開催予定の第二百三十九回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
 今回、都市計画の決定・変更予定案件が区部で十一件、市町村部で一件ございます。
 本日は、これらのうち主な案件といたしまして、都市再生特別地区の京橋三丁目東地区及び有楽町・銀座・新橋周辺地区地区計画につきましてご説明申し上げます。
 それでは、引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 それでは、付議予定案件ナンバー1、東京都市計画都市再生特別地区京橋三丁目東地区とナンバー2、東京都市計画地区計画有楽町・銀座・新橋周辺地区地区計画は、関連する案件のため、一括してご説明をさせていただきます。
 資料は、お手元の資料8、白色表紙、提案事項概要五ページから四四ページまで、資料9、薄茶色表紙、事前説明資料の五ページから六三ページまででございます。併せて資料10、薄緑色表紙、都市計画(素案)京橋三丁目東地区もご参照ください。
 まず、都市再生特別地区の変更についてご説明いたします。
 今回の変更は、国家戦略特別区域法に基づき、国家戦略特別区域会議から東京都の都市計画審議会に付議が予定されているもので、事業主体は京橋三丁目東地区再開発準備組合でございます。
 資料9の事前説明資料五ページの位置図と併せてスクリーンをご覧ください。
 本地区は、東京メトロ銀座線京橋駅の南東側に位置し、区域西側で中央通りに、南側で東京高速道路、KK線に接した約〇・九ヘクタールの区域でございます。
 また、都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域である東京都心・臨海地域内に位置しております。
 東京都は、令和三年三月に東京高速道路(KK線)再生方針を策定し、KK線上部空間を歩行者中心の公共的空間、Tokyo Sky Corridorとして再生、活用するとともに、周辺まちづくりと連携し、民間活力を生かして整備を進める方針を位置づけております。
 資料9、事前説明資料九ページの参考図1と併せてスクリーンをご覧ください。
 本計画は、京橋エリアの広域的な回遊性強化に資する都市基盤の整備、京橋エリアのにぎわい創出を支える都市機能の導入、防災対応力強化と環境負荷低減に取り組むもので、当該緊急整備地域の地域整備方針に沿うものであり、かつ都市再生の効果が高いものとなっております。
 具体的な都市再生への貢献内容につきましては、主なものといたしまして、Tokyo Sky Corridorの一部区間を緑豊かな歩行者空間として整備するとともに、人々を引き込む、広場空間と一体となった縦動線の整備等により、駅とまち、Tokyo Sky Corridorをつなぐ重層的な歩行者ネットワークの形成を図ります。
 また、アート、ものづくり文化の発展に寄与する仮称京橋アートセンター約六百平方メートルを整備するとともに、国際競争力強化に資する国際水準の宿泊施設約一万七千平方メートルを整備いたします。
 資料8、提案事項概要の五ページと六ページ、資料9、事前説明資料の七ページの計画図2と併せてスクリーンをご覧ください。
 都市再生特別地区の都市計画の内容についてご説明いたします。
 容積率については、本計画の都市再生への貢献内容を適切に評価した上で、最高限度を一九九〇%とし、一部を都市の魅力創造に資する施設や居住、滞在施設といたします。
 高さの最高限度は、高層部を百八十メートル、低層部を五十六メートルといたします。
 資料9、事前説明資料の一〇ページと併せてスクリーンをご覧ください。完成予想図でございます。
 続きまして、付議予定案件ナンバー2の有楽町・銀座・新橋周辺地区地区計画の決定についてご説明いたします。
 本件についても、国家戦略特別区域法に基づき、東京都の都市計画審議会に付議が予定されているものでございます。
 資料9、事前説明資料一一ページの位置図と併せてスクリーンをご覧ください。
 本地区は、黄色の一点鎖線で示すKK線及び京橋三丁目東地区の約五・二ヘクタールの区域でございます。
 資料9、事前説明資料の一二ページの計画図1と併せてスクリーンをご覧ください。
 区域全体について、地区計画の目標として、民間活力を生かしたTokyo Sky Corridorの段階的な整備を適切に誘導することにより、有楽町、銀座、新橋周辺地区の結節機能として、周辺のまちづくりとの連携を図った土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新、増進を促進することを定めます。
 また、公共施設等の整備の方針として、車中心から人中心の公共的空間として広場等を整備することや、地上部、地下部、Tokyo Sky Corridorをつなぐ上下移動の空間、縦動線を整備することなどを定めます。
 資料9、事前説明資料一三ページの計画図2−1と併せてスクリーンをご覧ください。
 地区施設として、広場1号から3号や歩道状空地、歩行者通路1号、2号を定めます。また、建築物等に関する事項として、壁面の位置の制限などを定めます。
 このほか、国家戦略特別区域会議から中央区都市計画審議会へ、京橋三丁目東地区第一種市街地再開発事業の決定や日本橋・東京駅前地区地区計画、高度利用地区の変更について、別途付議が予定されております。
 参考として、市街地再開発事業についてご説明いたします。
 資料9、事前説明資料の六〇ページから六三ページまでと併せてスクリーンをご覧ください。
 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、約〇・九ヘクタールの区域に市街地再開発事業を決定いたします。
 付議予定案件ナンバー1及びナンバー2の説明は以上でございます。

○宮瀬委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○古城委員 私からは、報告事項、第二百三十九回東京都都市計画審議会付議予定案件のうち、ナンバー1、都市再生特別地区京橋三丁目東地区及びナンバー2、有楽町・銀座・新橋周辺地区地区計画に関連して質問させていただきます。
 初めに、有楽町・銀座・新橋周辺地区地区計画についてであります。
 本年三月十六日の当委員会におきまして、都市整備局関係の予算の調査に当たり、東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針(中間まとめ)(案)にも言及して質疑を行ったところであります。
 この地区は、Tokyo Sky Corridorの実現を図り、それに合わせて拠点形成や都市機能の増進を図るエリアとされております。
 この三月の委員会の際に私は、「Power of 10+」の概念、それは目的地と場所、この概念でありますが、これらを踏まえましてTokyo Sky Corridorは、その周辺にある京橋、八重洲、銀座、有楽町、日比谷、新橋、汐留、築地などの、この「Power of 10+」でいうところの、いわゆる目的地を結ぶネットワークであるといえることから、人々が集い、憩い、多様な活動が繰り広げられる持続可能な都市づくりも論じさせていただきながら、ここで重視されるべき縦動線の整備に当たっては、これらの目的地への接続性を十分に考慮して配置していくことを訴えました。
 その後、東京都は同月、三月に、この東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針(中間まとめ)を策定したところであります。
 そこで、今日はまず、有楽町・銀座・新橋周辺地区地区計画において、この中間まとめの考え方が反映された点についてお尋ねいたします。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針(中間まとめ)では、自動車専用の道路から歩行者中心の公共的空間として再生するKK線について、歩行者系ネットワークの形成やKK線上部空間、Tokyo Sky Corridorの整備内容等の考え方を示しております。
 この中間まとめを踏まえまして、当地区計画では、KK線上部空間の全長約二キロメートルの連続性を確保するとともに、周辺の歩行者ネットワーク等との接続にも配慮した安全で快適な歩行者ネットワークを形成するため、にぎわいの創出、Tokyo Sky Corridorとの回遊性向上にも資する歩行者通路を、周辺開発と連携してデッキレベルで整備するとしております。
 また、重層的かつユニバーサルデザインの歩行者ネットワークを形成するため、地上部、地下部、Tokyo Sky Corridorをつなぐ階段やエレベーター等の縦動線を周辺開発と連携して整備するとしております。

○古城委員 ただいまの答弁で、にぎわいの創出や回遊性の向上に資する歩行者ネットワークの形成とともに、縦動線を周辺開発と連携して整備していくということでありますので、この点に注目して、今回の案件であります東京高速道路、KK線にまさに隣接をしている京橋三丁目東地区についての質問を続けたいと思います。
 私は常々、様々な課題を抱える都市の再生は重要政策課題であるということ、そして、その重要政策課題の解決、また、今後の展開に当たっては、誰もが安心して心軽やかに移動できる、そして、分かりやすく利用しやすい都市空間の整備による、人に優しいまちづくりを訴えているところであります。
 先ほども申し上げましたが、三月の当委員会では、持続可能な都市づくりを志向していく、これがコロナ禍後の東京、日本においては大変重要であると私は考えておりますけれども、人々がそこにいたいと思う、いわゆる目的地を目指すべきであり、そこにはシナジーの創出が重なり合う場所の展開を企図すべきであるということを申し上げました。
 また、新しい都市の視点場を十か所程度設けると示されていることから、眺望を生かした、いわゆる場所の形成も付言したところであります。本日は、これらに加えて、このエリアの特性にも言及をしたいと思います。
 エリア全体を見回しますと、近代以降の京橋は、日本橋と銀座を結ぶ商店街として発展をし、高度経済成長期以後は多くの企業が進出をして、まさにオフィスビルが立ち並ぶビジネス街となっております。
 また、本地区は、京橋のほかの地区、また、八重洲の各地区と近接をしており、これら各地区との連携が期待をされるところであります。
 さらに、通称骨董通りを中心に、老舗の古美術商から現代アートのギャラリーまで、日本最大級ともいってもよい美術街が形成をされております。
 そこで、今回の京橋三丁目東地区につきまして、中間まとめや京橋エリアの特性を踏まえて計画している都市再生特別地区の取組をお尋ねいたします。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 当地区では、Tokyo Sky Corridorの早期開放に向け、地区南側の約三百メートルの区間を、中央通り付近にまちを眺めて楽しめる視点場を備えた緑豊かな歩行者空間として整備することで、にぎわいや魅力を創出し、交流を促進することとしております。
 また、今後、都市開発で整備される八重洲地区のネットワークと連携して、東京駅からTokyo Sky Corridorにつながる地上、地下の歩行者ネットワークを拡充するため、京橋駅からつながる地下通路、屋内広場、階段やエレベーター等の縦動線、接続デッキ等を整備することとしております。
 さらに、Tokyo Sky Corridorからも立ち寄りやすい位置に、仮称京橋アートセンターを整備し、若手アーティストの企画展などの情報発信を行うとともに、近隣のアーティゾン美術館、画廊、ギャラリーなどや、東京スクエアガーデン等の公開空地と連携したイベントの実施等により、京橋エリアのアート、ものづくり文化の発展と、巡り歩いて楽しいまちの実現を図ることとしております。

○古城委員 京橋三丁目東地区における都市再生への貢献について、今の答弁の中で二点重要かなと思う点は、まず一点目は、やはり歩行者中心のまちづくりという中で、ネットワークの形成は当然、東京駅八重洲側との連結もそうですけれども、やはりTokyo Sky Corridorの縦動線の整備とともに、この京橋三丁目東地区に建てられるビル、施設の中での縦動線、こうしたものが有機的に連携をする中において、車椅子を利用される方、また、ベビーカーを押す家族連れ、どなたにとっても楽しめるまち、そういう基盤となる、まずこの地区、これがTokyo Sky Corridorの周辺一帯の第一陣の開発となってまいりますので、先駆的なそうした取組を、しっかりと都市整備局の皆様におかれましても事業者をはじめ関係各位に誘導していただきたいと、推し進めていただきたいと思います。
 それから二点目としまして、今回、アート、ものづくりの文化の発展に寄与するという点も答弁をいただきました。答弁の中で、仮称京橋アートセンターというものが企画をされているということでありますけれども、やはりこの場所としては、一つは、今後の東京の発展を考えますと、先般、都においては東京文化戦略二〇三〇を策定いたしております。こうしたことを踏まえて、若手アーティストの皆さんの発信の場であったり育成の場であったり、また、過去から未来へ、現代アートも含めたそうした関係者の皆さんの交流の場としていくことも大変重要であると思います。
 最後に、意見として申し上げたいんですが、この京橋という場所、実は、ここに江戸時代に居宅を構えていた浮世絵画家が歌川広重であります。この彼の最晩年の作品群であります名所江戸百景では、七十六番目として京橋竹がしが描かれております。ぜひともこの京橋アートセンターでは、こうした歌川広重の作品展をぜひやっていただきたいと思いますし、周辺のギャラリー、骨董、古美術商でも、そうしたにぎわいを見せる連携したプロジェクト、さらにもう少し先に足を延ばしていただきますと、日本橋の方に老舗の百貨店がございます。そうした催事場で、例えば歌川広重だけではなくて、葛飾北斎の美術展をやっていただいたり、もう少し足を延ばしていただいて、日本橋、今、都市整備局の皆様にご尽力いただいている外濠浄化プロジェクトと連携をした日本橋川の浄化がなされて、首都高速道路の日本橋区間の地下化がなされた暁に、江戸情緒から、さらにこの先、令和の先、また、さらに二〇四〇年、二〇五〇年を見据えた東京の未来まで、そうした芸術とともに親しむことができる、そういうまちづくりのまず第一の拠点として、この京橋三丁目東地区、ぜひとも着実にプロジェクトを進めていっていただきたいということを意見、また、要望として申し上げさせていただきまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○尾崎委員 私の方からは、今回出されています東京都市計画用途変更について、北区桐ケ丘一丁目外各地内について幾つか質問していきたいと思います。
 今回の用途変更が行われる理由について、まず伺いたいと思います。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 北区の都市計画マスタープランにおいて、都営桐ケ丘団地の更新による良好な住宅ストックの活用、再生を促進するとともに生活利便施設や公共サービスの集積を図ることで、地区連携拠点の形成を図ることとしております。
 今回、都営住宅の建て替え等による良好な住宅市街地の形成や、地区連携拠点にふさわしい土地利用の誘導を図るとともに、道路、公園等の再配置やオープンスペースの充実等により、防災性を高めつつ、ゆとりある住環境と豊かな緑のあるまちを形成するため、北区による地区計画の変更に合わせて用途地域の変更を行うものでございます。

○尾崎委員 用途変更については、地元の住民の方たちから、複合地区B地区の北側に保育園があり、日影の影響を心配する声があります。また、現在でも都営住宅の二号棟、三号棟周辺をはじめ、中高層の建屋付近では、風による歩行困難や玄関ドアの開け閉めに支障を起こすことがあると声が寄せられています。住民への丁寧な情報発信が必要ですが、いかがでしょうか。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 複合地区B地区では、北区による区民センターの整備とともに、都による民間活用事業が予定されております。
 今後、それらの施設計画を具体化する際には、北側にある保育園及び既存住宅等への日影や風環境などの影響に配慮するとともに、近隣住民や自治会への説明などについても適切に対応していくと、北区や住宅政策本部からは聞いてございます。

○尾崎委員 北区の桐ケ丘地域のまちづくりについて、地元の住民説明会が今年三月に開かれ、桐ケ丘団地の歴史など動画も上映されたようです。しかし、質疑応答ができなかったことから、質問ができなくて残念だった、まちづくりについてもっと知りたかったという声や、高齢者に優しいまちづくりを心からお願いします、このような願い事も地元の日本共産党区議団に寄せられていると聞いています。
 住民の方たちの疑問に応え、住民の方たちに納得していただくための努力が必要ではないでしょうか。引き続き、都は北区と連携し、住民に対して丁寧に対応することを求めるものです。
 既に更地になっている東側エリアの複合地区B地区では、民間事業者の提案による商業、医療、福祉などの複合施設と北区による区民センター整備が予定されています。区民センターについては、やっとお風呂のある区民センターが実現できるんだねという声も寄せられているそうです。区民センターには、大小の集合施設や音楽練習室をはじめ、入浴施設や図書館も入れた施設として早く造ってほしいという要望が一層強くなり、住民の期待が広がっているということも聞いています。
 区画道路一号について新設されるということですけれども、新設する理由について伺います。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 区画道路一号は、従前、主に団地の居住者等が利用する通路として、地区計画において地区内通路とされておりました。
 北区は、複合地区B地区について、区民センターなどの公共サービスや商業、医療、福祉などの生活利便機能の集積を促進することで、周辺地域の居住者も含め、地区周辺の生活拠点の形成を図ることとしております。
 そうした土地利用に合わせ、交通の円滑化、周辺の生活環境向上などを担う区画道路として改めて地区計画に位置づけ、整備を図ることとしたものでございます。

○尾崎委員 複合地区B地区は、区民センターや生活利便機能の集積を促進することになります。区画道路一号は、交通の円滑化、周辺の生活環境の向上などを担うとして位置づけられたということです。
 区画道路一号は、幅員六メートル、延長は約三百メートルとなっています。住民の方からは、都営団地の居住者は高齢化が進んでおり、つえが必要な人や車椅子で移動せざるを得ない人が増えている、安心して歩ける状況にしてほしい、こういう声や、事故などを防止するためスピードの制限が必要なのではという声も届いています。
 また、北区の決定を見ると、主要生活道路一号を新設することにもなっています。主要生活道路一号は、都営住宅の南北を貫く初めての道路となります。道路沿いには小学校の校門もあり、子供たちの通学路でもあります。しかも、現在の区立桐ケ丘中央公園の樹木を伐採し、その中央部を通って団地北側に向かう道路となっています。
 住民の方々からは、子供たちの通学路であり、校門の前を通ることから、スピードを上げて走る通過道路にしないでほしい、歩行者優先でなければならない、このような、安全・安心に関わるたくさんの声も寄せられています。
 団地には、高齢者の方々や車椅子を利用する人も増えています。点字ブロックなどのバリアフリー対策にも丁寧な対策をとの声も出ています。学校関係者や住民の不安や心配を受け止めていただくことをお願いしたいと思います。
 樹木の伐採についても、先ほど用途変更の説明の中でもありました豊かな緑のあるまちを形成すると、そういうことを考えれば、中央公園の緑と樹木は保全すべきだ、なぜここに道路を通すのかという住民の声が出ていて、それに対しての対応も求められていると思っています。気候変動対策が待ったなしの状況の中で、樹木の伐採は見直すことを要望するものです。ぜひ伐採を減らすための検討を要望しまして、質問を終わります。

○原田委員 京橋三丁目東地区及び有楽町・銀座・新橋周辺地区地区計画についてお聞きします。
 KK線跡地を活用したSky Corridorがいよいよ地区計画として登場すると。本地区は、容積率が何%から何%に緩和されるのか。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 当地区の従前の容積率は加重平均で約七二九%であり、変更後の容積率は一九九〇%としております。

○原田委員 何と、一九九〇%と破格の容積率緩和となっています。高さ百八十メートルとのことです。日本橋でも約二〇〇〇%の容積率という建物が増えてまいりましたが、京橋でもこのレベルの容積率緩和が行われてしまうのかと。どこまでいくんだろうかと驚いています。
 これに伴う本計画の従前、従後のCO2排出量はどうなるか。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 当地区の開発前の建築物からのCO2排出量は、エネルギー実績等が把握できないため算定できません。
 開発後のCO2排出量につきましては、省エネカルテにおいて対象外となっている住宅部分を除き、環境面での先進的な取組により、最高水準の環境性能を確保し、目標としたCO2排出原単位以下とするなど、一定の仮定条件を基に試算いたしますと、年間約一万二百八十トン以下となります。
 さらに、今後、建物供用開始時までに事業者が最大限に努力しながら、再生可能エネルギー由来の電力利用に取り組むことなどにより、実際のCO2排出量は大幅に削減いたします。
 加えて、ゼロエミッション東京の実現を目指し、今後、社会状況の変化や技術革新の状況を踏まえ、さらに効果的な取組を継続して検討するとしております。

○原田委員 年間のCO2排出量が一万トンを超える超高層ビル計画であることが分かりました。五千平米ほどの土地に、実に四千軒分の家が建つような排出量になると。
 本地区の権利者数と同意状況は。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 事業者からの都市計画素案の提出時における当地区の権利者数は三十三人でありまして、同意率は約九一%となっております。

○原田委員 やはり数名は反対をする方がいらっしゃると。
 本計画の総工費、幾らになるのか。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 再開発準備組合からは、市街地再開発事業に係る資金計画は今後明らかにしていくと聞いております。

○原田委員 本計画に関して、国や自治体からの補助金は計画されているのか。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 再開発準備組合からは、市街地再開発事業の実施に当たり、補助金を活用する予定と聞いております。

○原田委員 今の時点では、どの再開発もそうなんですけれども、総工費も補助金の額も、幾らくらいを見込んでいるかも全然教えてもらえないわけなんですね。しかし、水面下でいろんなことが検討され尽くしているんだろうと思われます。
 本計画では、KK線敷地を含めて、というか、補助金が入るのに総工費も何にも分からないというのは、本当にね、一定の額とかを示さないと、このまま都市計画審議会で審議されちゃうんですよね。どういうことなのかなと。
 補助金も、だって五千万とか六千万じゃないわけですよ。これだけの計画になったら何十億という規模で入っていくわけですよ、自治体や国から。その資金面のお金の動き、税金の動きも全く分からないまま、我々が、この後は都市計画審議会に諮られて、この計画を審議しなきゃいけないと。何かこの手続の流れがおかしいなというふうに思いますよね、何度もいっていますけど。
 本計画では、KK線敷地を含めて再開発等促進区を定める地区計画を適用していますが、それはなぜか。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 都が令和三年三月に策定した東京高速道路(KK線)再生方針では、KK線上部空間を歩行者中心の公共的空間、Tokyo Sky Corridorとして再生、活用することとしております。
 再生方針を踏まえ、都が令和四年三月に策定した東京高速道路(KK線)再生の事業化に向けた方針(中間まとめ)では、KK線上部空間と周辺まちづくりとのデッキレベルの接続や、地下歩行者ネットワークと接続する階段及びエレベーター等の縦動線の整備等を行うこととしております。
 この方針を踏まえまして、KK線上部空間の整備と周辺まちづくりを一体的に誘導するため、再開発等促進区を定める地区計画を決定するものでございます。

○原田委員 歩行空間の整備、ちょっと高めの位置のところ歩くって、まあ確かに気持ちよさそうだなって感じはしますよね。
 ただ、だったらKK線のSky Corridorだけ進めればいいものを、本計画ではSky Corridorとその沿線での巨大開発と一体的にやっていくんだという答弁だったかと思います。いってみれば、巨大開発のためにSky Corridor計画が利用されるというのが実態なんじゃないでしょうかと。都民からすればSky Corridorだけでいいのに、歩くたびに、もうすぐ先には二百メートル近い巨大なビルがそびえることになると。本来、上空を歩いているはずなんですけれども、ビール瓶の底を歩いているような、そういう感覚になるんじゃないでしょうか。
 そこでお聞きしますけれども、京橋三丁目東地区の計画では、再開発等促進区を定める地区計画によるSky Corridorからの容積移転、ないと聞いておりますが、Sky Corridorからの容積移転、行わなかった理由は何か。

○山崎都市づくり政策部長景観・プロジェクト担当部長兼務 KK線は、現在、都市高速道路として活用されておりまして、事業者の提案では容積移転は行わない計画となっております。

○原田委員 答弁になっていないんですよね。容積移転は行わない計画になっているって、そんなことは分かっているから質問しているわけです。
 先ほどの陳情の審議でもありましたけれども、再開発等促進区を定める地区計画が適用された神宮外苑では、イチョウ並木の景観を脅かす超高層ビルに、イチョウ並木から容積が移転されるわけですよね。前代未聞なわけですよ、都市計画公園の中から、外の超高層ビルに容積が移転されるなんて。本当に破廉恥な計画になってるわけですけど、今回は、Sky Corridorからの容積移転は、この超高層ビルには、同じ再開発等促進区を定める地区計画なんですけれども行われなかったと。それは何でなのかなとか思ったりもしたわけですけれども、Sky Corridorは敷地自体が都有地ということです。当然都市整備局は、都有地を担当する部署とも話をしたと思うんですよ。都の何局とどのような話をしたのか教えてほしかったんですけれども、答えはありませんでした。
 Sky Corridorという、これもある意味で公園的な土地を使った巨大再開発の一つのように感じています。現に、銀座など幾つかの地域からは、まちの協議会みたいな場所で、銀座に超高層のビルなんか要らないんだという意見も出てきたっていう話も聞いています。Sky Corridorと一体となった巨大開発は許さないという立場から、今後も調査、追及していかなければいけないなと思って、取りあえず質疑を終わります。

○宮瀬委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○宮瀬委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十分散会

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