都市整備委員会速記録第一号

令和三年二月十六日(火曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長米川大二郎君
副委員長鈴木 章浩君
副委員長和泉なおみ君
理事高橋 信博君
理事上野 和彦君
理事小山くにひこ君
保坂まさひろ君
藤井とものり君
斉藤れいな君
森口つかさ君
曽根はじめ君
中山 信行君
鈴木 邦和君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務上野 雄一君
次長桜井 政人君
技監福田  至君
理事安部 文洋君
総務部長木村 健治君
都市づくり政策部長小野 幹雄君
都市基盤部長特命担当部長兼務谷崎 馨一君
市街地整備部長選手村担当部長兼務朝山  勉君
市街地建築部長山崎 弘人君
基地対策部長三木 暁朗君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務三宮  隆君
まちづくり推進担当部長吉野 敏郎君
交通政策担当部長先端技術調整担当部長兼務三木  健君
防災都市づくり担当部長鈴木  理君
耐震化推進担当部長青木 成昭君
住宅政策本部本部長榎本 雅人君
技監久保田浩二君
住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務佐々木秀之君
都営住宅経営部長青柳 一彦君
住宅政策担当部長武井 利行君
民間住宅施策推進担当部長飯塚 佳史君
経営改革担当部長土屋 太郎君
再編利活用推進担当部長栗谷川哲雄君
建設推進担当部長妹尾 高行君
営繕担当部長金子 陽子君

本日の会議に付した事件
住宅政策本部関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 住宅政策本部所管分
・令和三年度東京都都営住宅等事業会計予算
・令和三年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・令和二年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、歳出 住宅政策本部所管分
・都営住宅二H−一一九西(世田谷区八幡山三丁目第二)工事請負契約
・都営住宅二H−一〇八西(村山)工事請負契約
・都営住宅二H−一一八西(世田谷区八幡山三丁目第二)工事請負契約
・都営住宅二H−一〇二東(墨田区堤通一丁目第二)工事請負契約
・都営住宅二H−一三一東(豊島区西巣鴨二丁目)工事請負契約
陳情の審査
(1)二第一二三号 原発事故による避難者の住まいの確保に関する陳情
都市整備局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備局所管分
・令和三年度東京都都市開発資金会計予算
・令和三年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・令和三年度東京都都市再開発事業会計予算
・令和二年度東京都一般会計補正予算(第十七号)中、歳出、繰越明許費 都市整備局所管分
・東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例
・東京都市計画事業新宿駅直近地区土地区画整理事業施行規程
陳情の審査
(1)二第一二四号の二 建設現場従事者に対する新型コロナウイルス感染防止対策の強化に関する陳情
報告事項
・自転車活用推進計画の改定について(説明)
・耐震改修促進計画の一部改定について(説明)
・東京高速道路(KK線)の再生方針(案)について(説明)
・第二百三十三回東京都都市計画審議会付議予定案件について(説明・質疑)

○米川委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、委員の退職について申し上げます。
 議長から、去る一月二十四日付をもって、公職選挙法第九十条の規定により、ひぐちたかあき委員が議員を退職した旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
 次に、議席について申し上げます。
 議席については、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○米川委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部及び都市整備局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、陳情の審査並びに都市整備局関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、報告事項、第二百三十三回東京都都市計画審議会付議予定案件については、説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、提出予定案件及びその他の報告事項については、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより住宅政策本部関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○榎本住宅政策本部長 本日は、令和三年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております住宅政策本部関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、予算案が二件、契約案が五件でございます。
 初めに、令和三年度住宅政策本部当初予算案についてでございます。
 まず、令和三年度予算案の基本的な考え方でございますが、未来の東京戦略案の各事業について、コロナ禍においても、住宅政策として目指すべき方向感を持って積極的に予算化すること、また、来年度末の東京都住宅マスタープランの策定を目指し、新たな住宅政策を練り上げ、目標達成に向け実施することなどに必要な経費を計上しております。
 それでは、お手元の資料1、令和三年度当初予算説明書の一ページをお開き願います。住宅政策本部関係、全会計の予算総括表でございます。
 令和三年度の会計別予算額について、表の上から順に申し上げます。
 まず、一般会計は三百六十億八千五百万円でございます。
 次に、特別会計ですが、都営住宅等事業会計は一千七百四十九億九百万円、都営住宅等保証金会計は二十六億四千二百万円でございます。
 これら全ての会計の合計は二千百三十六億三千六百万円でございます。前年度の当初予算と比較いたしますと、五十三億八千六百万円、二・六%の増となっております。
 資料1に基づく詳細につきましては、後ほど住宅企画部長からご説明いたします。
 私からは、当初予算案のポイントについて申し上げます。
 まず、一般会計についてでございます。
 初めに、DX、デジタルトランスフォーメーションの取り組みですが、住宅政策本部の施策をデジタルファーストの視点で見詰め直し、都政のQOS、クオリティー・オブ・サービスを向上してまいります。
 次に、住宅セーフティーネット機能の構築でございます。
 東京ささエール住宅の登録を促進するためのこれまでの取り組みに加え、新たな補助事業により、住宅確保要配慮者の状況に応じたきめ細かい居住支援を推進してまいります。
 次に、空き家対策でございます。
 区市町村等と連携した取り組みを引き続き着実に推進するとともに、民間事業者の取り組む、新たな働き方に資する取り組みにも財政支援を行うことにより、空き家施策に重層的に取り組んでまいります。
 次に、老朽マンション対策でございます。
 区市町村や関係団体等と連携しながら、東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例に基づく管理状況届け出制度を確実に運用するとともに、届け出情報により把握した管理不全の兆候のあるマンションなどを支援してまいります。
 次に、新たな住宅政策に向けた施策の推進でございます。
 令和三年度末に策定予定の東京都住宅マスタープランや、応急仮設住宅対策について、必要な検討等を実施してまいります。
 続いて、都営住宅等事業会計についてでございます。
 まず、都営住宅を活用した未来の東京戦略ビジョンの取り組みとして、居場所づくりに係る事業を実施してまいります。
 次に、公営住宅建設事業等でございます。
 計画的に都営住宅の建てかえを推進するとともに、創出用地の活用を通じて地域のまちづくりに寄与してまいります。
 最後に、都営住宅耐震改修事業でございます。
 耐震改修への課題となる併存店舗権利者との合意形成を一層推進し、計画的に耐震化を実施してまいります。
 次に、令和二年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、令和二年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。令和二年度住宅政策本部補正予算総括表でございます。
 この補正予算案は、現時点で執行しないことが明らかな事項について不用額を精査いたしまして、必要な予算上の対応を行うものでございます。
 表の中央、縦の列にございます補正予算額欄をごらんください。
 令和二年度補正予算額は、一般会計においてマイナス十五億七百万円でございます。
 次に、契約案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料3、令和三年第一回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。
 世田谷区八幡山三丁目などにおける都営住宅の工事請負契約議案が五件でございます。
 私からの説明は以上でございます。
 引き続き、詳細な内容につきまして、住宅企画部長よりご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○佐々木住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 まず、令和三年度当初予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、令和三年度当初予算説明書をごらんください。
 本部長から先ほど総括的にご説明いたしましたので、私からは、一般会計から順に主な事業の概要を中心にご説明申し上げます。
 五ページをお開き願います。住宅政策本部一般会計総括表でございます。
 歳出の三年度予算額の合計は、一番上の段、都市整備費の欄でございまして、三百六十億八千五百万円、二年度予算額と比較した増減率はマイナス三・三%でございます。
 次に、歳入の三年度予算額は、一番下から二段目、計の欄でございまして、二百六十一億三千九百万余円で、増減率はマイナス五二・六%でございます。
 続いて、主要な事業につきましてご説明申し上げます。
 七ページをお開き願います。表の左上、枠の外には予算科目の項を記載してございまして、第五項、住宅政策費でございます。
 表の一番上の段、第一目、管理費は、三年度の事業費と職員費合わせて三百十四億八千四百万余円を計上してございます。
 表の左側、中ほどに特定財源及び差引一般財源がございますが、以下、各事業とも同様の形で記載させていただいております。
 表の右側、概要欄に事業の詳細を記載してございます。
 (4)の住宅政策に関する企画及び連絡調整のうち、アの東京都住宅マスタープラン策定に関する調査は、東京の住宅事情にかかわるデータの把握、分析や、新たな住宅マスタープランの策定に向けた基礎調査を実施するものでございます。
 ウの災害時における応急仮設住宅対策のための検討調査は、応急仮設住宅の早期供与の体制、仕組みの構築の検討を行うものでございます。
 一〇ページをお開き願います。第三目、民間住宅政策費は、事業費二十八億三千五百万余円を計上してございます。
 概要欄の(1)、空き家施策推進事業のうち、アの空き家利活用等区市町村支援事業では、都の補助を使って改修した施設を別の用途へ転用する制限期間を緩和し短縮することで、区市町村がより活用しやすい制度に改善してまいります。
 また、イの民間空き家対策東京モデル支援事業では、これまでの補助に加え、民間が企画提案する空き家を活用した新たな取り組みにも補助を実施してまいります。
 あわせて、普及啓発、相談事業では、空き家所有者等に加え、新たに活用希望者の相談や双方のマッチングも実施してまいります。
 さらに、出張相談や専門家の無料派遣を行い、相談者へ寄り添ったサポートを開始いたします。
 概要欄の(2)、安心居住推進事業のうち、イの安心居住パッケージ事業では、居住支援法人等が区市町村や福祉関係者等と連携強化を図り、要配慮者の状況に応じ、きめ細かい居住支援サービスを提供するために、必要な活動費や居住支援サービス利用料を法人等へ補助するモデル事業を実施してまいります。
 右側、一一ページをごらんください。第四目、マンション政策費は、事業費六億九千八百万余円を計上してございます。
 概要欄の(1)のうち、アの適正管理啓発隊業務委託は、行政職員やマンション管理士等が管理不全の兆候があるマンション等を訪問し、普及啓発を図るものでございます。
 アドバイザー派遣費用助成では、マンション管理状況届け出制度に基づき届け出を行ったマンション等に対しアドバイザーを無料で派遣し、管理適正化への助言を実施いたします。
 イのマンション建替え支援検討調査は、改正マンション建替え円滑化法の動向を踏まえつつ、届け出情報等を活用した調査を実施し、建てかえ等に関連する新たな施策展開を検討するものでございます。
 一二ページをお開き願います。第五目、宅地建物取引業等指導費は、事業費三億六千四百万余円を計上してございます。
 概要欄の(1)の宅建業手続電子化等調査は、宅地建物取引業法等に基づく申請、届け出等の手続のオンライン化に向けた調査を実施するものでございます。
 概要欄の(2)の閲覧手数料のキャッシュレス化は、宅地建物取引業者名簿の閲覧手数料の支払いに電子マネーを導入するものでございます。
 一七ページをお開き願います。繰越明許費でございます。
 住宅建設事業等、合計十二億二千四百万円を見込んでございます。
 続きまして、二一ページをお開き願います。債務負担行為でございます。
 事項名は仮称でございますが、東京都住宅供給公社小笠原住宅の整備は、民間賃貸住宅が不足する小笠原におけるファミリー向け賃貸住宅の整備費用について、遠距離の離島ならではのコスト増相当を負担し、公社を支援するものでございます。
 計四項目について、合計七億八千九百万余円を見込んでございます。
 以上が一般会計の説明でございまして、引き続き、特別会計についてご説明申し上げます。
 二五ページをお開き願います。都営住宅等事業会計総括表でございます。
 歳出については、表の一番上、都営住宅等事業費の欄をごらんください。
 三年度予算額は一千七百四十九億九百万円で、増減率はプラス三・八%となっております。
 歳入については、表の一番下、計の欄に記載のとおり、歳出と同額となってございます。
 二八ページをお開き願います。
 第一項、都営住宅等事業費の第二目、住宅管理費は、事業費五百五十九億八千百万余円を計上してございます。
 右側、概要欄の(1)、都営住宅等の管理運営では、三年度における都営住宅等の管理予定戸数二十五万六千三百六十九戸に係る管理運営経費を計上してございます。
 (1)、都営住宅等の管理運営のうち、アの都営住宅募集のオンライン化では、都営住宅募集専用のシステムを新規に設計、開発し、申し込みや抽せん結果の通知などをオンラインでも可能にし、都民サービスの向上等に努めてまいります。
 (2)の東京都住宅供給公社業務委託のうち、ウの環境整備では、共用部等における照明器具のLED化やブロック塀等の安全対策などに取り組んでまいります。
 (3)、都営住宅指定管理者委託のうち、イの東京みんなでサロンでは、都営住宅の集会所等を活用し、都営住宅や周辺地域に住む高齢者等が利用するサロンを開設してまいります。
 右側の二九ページをごらんください。第三目、住宅建設費は、事業費七百二十六億一千五百万余円を計上してございます。
 概要欄の(1)、公営住宅建設事業等において、三千八百戸の都営住宅の建てかえや、これに合わせた無電柱化にも取り組んでまいります。
 地域の居場所づくりに向けた検討調査では、都営住宅の建てかえに合わせ、地域の居場所となる施設整備の検討調査を実施してまいります。
 また、モバイル端末等を活用した遠隔施工管理では、都営住宅の工事現場と事務所がリアルタイムで高品質な映像や音声を共有し、コロナ禍などにあっても遠隔から施工管理やテレビ会議が行え、施工を安定、継続してできる環境をモデル的に整備してまいります。
 (2)、都営住宅耐震改修事業では、令和二年十二月に改定した都営住宅耐震化整備プログラムに基づき、計画的に都営住宅の耐震化を進めてまいります。
 ページが少し飛びますが、三五ページをお開き願います。繰越明許費でございまして、住宅建設事業について百八十三億七千五百万円を見込んでございます。
 三九ページをお開き願います。債務負担行為でございまして、公営住宅建設工事等、計四項目について合計四百九十二億二百万余円を見込んでおります。
 四三ページをお開き願います。都営住宅等保証金会計総括表でございます。
 この会計は、都営住宅等の入居者からお預かりする保証金の経理を行っているものでございます。三年度の歳出の計は二十六億四千二百万円で、歳入の計は百八億三千三百万円を計上してございます。
 令和三年度当初予算案の説明は以上でございます。
 続きまして、令和二年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、令和二年度補正予算説明書の二ページをお開き願います。一般会計の令和二年度住宅政策本部補正予算総括表でございます。
 補正予算額を表の中央、縦の列で示してございます。
 上の表、1、歳入予算の合計欄をごらんください。歳入の補正予算額合計は、マイナス一千七百万余円でございます。
 また、下の2、歳出予算の一番上の段になりますが、歳出の補正予算額合計はマイナス十五億七百万円でございます。
 続いて、事業の内容についてご説明申し上げます。
 七ページをお開き願います。第五項、住宅政策費の補正予算額はマイナス十五億七百万円でございます。
 内容は、右側、概要欄に、このページから一〇ページにかけて記載しておりますとおり、都営住宅等事業会計繰出金や民間住宅支援事業などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 令和二年度補正予算案の説明は以上でございます。
 次に、契約案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料3、令和三年第一回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。
 一ページから三ページには、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載してございます。
 四ページをお開き願います。都営住宅二H−一一九西(世田谷区八幡山三丁目第二)工事の概要でございます。
 中段に記載のとおり、住宅の戸数はJ棟九十七戸、K棟百四十戸、計二百三十七戸、構造等は鉄筋コンクリート造、九階建てのJ棟が一棟、十四階建てのK棟が一棟でございます。
 契約の相手方は株式会社コバ建設、契約金額は二十億八千五百四十九万円、工期は令和五年二月二十四日までとなっております。
 五ページに案内図と配置図を、六ページから七ページにJ棟の平面図と断面図を、八ページにK棟の平面図と断面図を添付してございます。
 九ページをお開き願います。都営住宅二H−一〇八西(村山)工事の概要でございます。
 中段に記載のとおり、住宅の戸数はD棟百二十八戸、F棟百八戸、計二百三十六戸、構造等は鉄筋コンクリート造、八階建てのD棟が一棟、九階建てのF棟が一棟でございます。
 契約の相手方は株式会社田中建設、契約金額は十九億六千二十万円、工期は令和四年十一月九日までとなっております。
 一〇ページに案内図と配置図を、一一ページにD棟の平面図と断面図を、一二ページにF棟の平面図と断面図を添付してございます。
 一三ページをお開き願います。都営住宅二H−一一八西(世田谷区八幡山三丁目第二)工事の概要でございます。
 中段に記載のとおり、住宅の総戸数は百四十戸、構造等は鉄筋コンクリート造、地上十四階建てが一棟でございます。
 契約の相手方は株式会社コバ建設、契約金額は十二億六千四百一万円、工期は令和五年二月十六日までとなってございます。
 一四ページに案内図と配置図を、一五ページに平面図と断面図を添付してございます。
 一六ページをお開き願います。都営住宅二H−一〇二東(墨田区堤通一丁目第二)工事の概要でございます。
 中段に記載のとおり、住宅の総戸数は百戸、構造等は鉄筋コンクリート造、地上六階建てが一棟でございます。
 契約の相手方は佐藤建業株式会社、契約金額は十一億二千百二十八万五千円、工期は令和五年九月十九日までとなっております。
 一七ページに案内図と配置図を、一八ページから一九ページに平面図と断面図を添付してございます。
 二〇ページをお開き願います。都営住宅二H−一三一東(豊島区西巣鴨二丁目)工事の概要でございます。
 中段に記載のとおり、住宅の戸数はA棟七十二戸、C棟四十二戸、計百十四戸、構造等は鉄筋コンクリート造、八階建てのA棟が一棟、六階建てのC棟が一棟でございます。
 契約の相手方は埼和興産株式会社、契約金額は十億七千七百七十八万円、工期は令和五年五月一日までとなってございます。
 二一ページに案内図と配置図を、二二ページにA棟の平面図と断面図を、二三ページにC棟の平面図と断面図を添付してございます。
 以上で令和三年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○米川委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○曽根委員 私から、住宅政策本部の新年度予算について、何点か資料をお願いしたいと思います。
 一点目は、都営住宅、公社住宅の建設実績、十年分。
 二点目、都営住宅及び公社住宅における孤立死の発生件数、過去十年分。
 三点目、都営住宅の共用電灯のLED化の過去五年間の実績と現在の到達点がわかるもの。
 四番目、区市町村住宅供給助成費の予算と実績の推移、五年分お願いします。
 五点目、マンション管理アドバイザーの派遣実績と、区市町村の助成制度一覧。
 六点目、マンションの耐震診断及び耐震改修助成の予算と助成実績、過去五年分。
 七点目、マンション啓発隊の訪問実績、過去五年分。
 以上です。

○米川委員長 ただいま曽根委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○米川委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○米川委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二第一二三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○武井住宅政策担当部長 それでは、お手元の資料4、請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
 整理番号1、陳情二第一二三号、原発事故による避難者の住まいの確保に関する陳情についてご説明いたします。
 陳情者は、江東区の原発事故避難者の住宅確保を支援する江東の会、小林和博さん外六百二十人です。
 陳情の趣旨は、都において、福島原発事故により、都内の国家公務員宿舎で避難生活を続けている福島県の避難指示区域以外からの避難者に対して、公営住宅の確保に向けた特段の配慮をしていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都は、東日本大震災後、被災県からの要請により、都営住宅等を災害救助法に基づく応急仮設住宅として避難者に無償で提供してきました。
 被災県では、復興公営住宅やインフラ等の整備状況に合わせ、応急仮設住宅の供与を順次終了しているところでございます。
 都は、供与終了に合わせて被災県からの要請を受け、都営住宅の避難者専用枠での募集、定期募集での当せん倍率の優遇、入居基準の緩和を実施してきました。
 また、都営住宅の入居要件に合致しない方に対しては、東京都住宅供給公社において、公社住宅の避難者専用枠募集や先着順募集の紹介、あっせん、入居基準の緩和を行ってきました。
 このように、都内での居住を希望する避難者に対して、きめ細かな住宅確保のための支援策を講じてきました。
 一方、福島県は、避難指示区域外からの避難者について、平成二十九年三月末に応急仮設住宅の供与が終了した後、国家公務員宿舎に居住する避難者に限って最長二年間の有償での継続入居を認めるセーフティーネット契約を行い、この契約も平成三十一年三月末に終了しています。
 以降も一部の方が居住しており、令和元年七月以降、福島県は、損害金の請求や訴訟の提起を行っております。
 都では、福島県からの要請を受け、県に協力して、セーフティーネット契約をしている避難指示区域外からの避難者について、平成三十年夏以降、個別に訪問し、住まいの意向等の把握を行いました。
 都は、避難者の意向を踏まえ、都内での生活を希望する方に対し、都営住宅の定期募集での当せん倍率の優遇、入居基準の緩和、入居機会の拡大のための毎月募集や随時募集を行うとともに、東京都住宅供給公社において、公社住宅の先着順募集の紹介、あっせん等や入居基準の緩和を行っています。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○米川委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○和泉委員 本陳情は、福島原発事故により都内の国家公務員宿舎で避難生活を続けている自主避難者に対して、公営住宅の確保に向けた特段の配慮を求めています。
 まず初めに伺いますが、東日本大震災によって避難し、都内の応急仮設住宅に入っていた世帯の数、それと、現在までに転出をした世帯の数について、それぞれ伺います。

○武井住宅政策担当部長 都では、東日本大震災の避難者に対して応急仮設住宅を提供しており、ピーク時の平成二十四年三月末時点で入居していたのは約二千百世帯でありました。
 これまでに、被災県と連携したさまざまな住宅確保の支援策を行ってきた結果、令和二年十二月末までに約千九百世帯が都が提供した住宅から退去しております。

○和泉委員 ピーク時二千百世帯が、一千九百世帯はもう既に退出をしているというご答弁でした。
 今ご答弁いただいた数字は東日本大震災による避難者ということですから、福島県だけではなく、宮城県あるいは岩手県、こういったところからの避難者も含めてということでよろしいんですよね。−−続けて伺いますけれども、この避難者の方々のうち、原発事故による福島からの区域外避難者、いわゆる自主避難者の方たちに、都はこれまでどのような支援を行ってきたんでしょうか。
 先ほど若干説明もありましたけれども、あわせて、福島県から避難して応急仮設の期限が終了した方たちの現在の状況、これもあわせてお答えいただきたいと思います。お願いします。

○武井住宅政策担当部長 都は、東日本大震災後、被災県からの要請により、都営住宅等を災害救助法に基づく応急仮設住宅として避難者に無償で提供してまいりました。
 被災県では、復興公営住宅やインフラ等の整備状況に合わせて、応急仮設住宅の供与を順次終了しております。
 都では、供与終了に合わせて、被災県からの要請を受け、都営住宅の避難者専用枠での募集、定期募集での当せん倍率の優遇、避難指示区域外からの福島県の避難者については、子ども被災者支援法に基づく国の通知を踏まえ、世帯の一部が都内に避難している場合に収入を二分の一として扱うなどの入居基準の緩和を実施してまいりました。
 また、都営住宅の入居要件に合致しない方に対しては、東京都住宅供給公社において、公社住宅の避難者専用枠募集や先着順募集の紹介、あっせん、入居基準の緩和を行うなど、都内での居住を希望する避難者に対して、きめ細かな住宅確保のための支援策を講じてまいりました。
 昨年十二月末時点で、都が提供した住宅に居住している、福島県から避難し応急仮設住宅の期限が終了した方は、福島県が定める要件に該当しセーフティーネット契約を更新している方を含み、六十六世帯でございます。

○和泉委員 福島県から避難をして応急仮設住宅の期限が終了している方、これがいまだ六十六世帯残っている、退去せずに残っている方が六十六世帯ということです。
 今答弁にもありましたけれども、セーフティーネット契約、先ほどの若干の説明もありましたけれども、このセーフティーネット契約というのがどういうものなのか、少し具体的にご紹介いただけますでしょうか。

○武井住宅政策担当部長 お尋ねのセーフティーネット契約とは、避難指示区域外からの避難者について、平成二十九年三月末に応急仮設住宅の供与が終了した後、福島県が国家公務員宿舎に居住する避難者に限って平成三十一年三月まで有償での継続入居を認めた契約でございます。

○和泉委員 最初のご答弁にあったように、令和二年十二月末までにかなりの方たちが応急仮設住宅を退去しているということなんですけれども、ただいまご答弁があったとおり、セーフティーネット契約は、福島県が応急仮設住宅の供与を打ち切った後、国家公務員宿舎に居住している避難者に限定して結んだ契約で、契約を結んだ方たちは既にその契約期間も過ぎて、二倍の家賃が現在請求をされ、退去を迫られています。この方たちの多くが、都営住宅への入居を希望しているというふうに聞いています。
 しかし、都営住宅の入居条件に当てはまらなかったり、何度応募しても当せんしなかったりして、住むところに不安を抱えた、そういう生活を今現在強いられているわけです。
 都は二〇一六年に、福島県自主避難者向けに都営住宅入居募集の専用枠での募集を三百戸行いましたけれども、このときに実際に移転したのは何世帯あったんでしょうか。

○土屋経営改革担当部長 都は、福島県からの自主避難者について、平成二十九年三月末の応急仮設住宅の提供終了に合わせて、同県からの要請を受け、ひとり親世帯や高齢者世帯など、自力で新たな住まいを確保することが困難な世帯を対象として、専用枠募集を平成二十八年に実施いたしました。
 個別に十分な周知を行った上で募集を行い、募集戸数三百戸に対して百四十二世帯が入居いたしました。

○和泉委員 三百戸の専用枠募集を行ったんだけれども、実際に入居したのは半分にも満たない百四十二戸だったということです。
 現在、四十代を中心にしたロストジェネレーションといわれる方たちの生活不安が社会問題になっています。そういう中で、十年前に避難してきたときに四十代、五十代、こういう年齢層だった方たちが、しっかりとした正規の仕事を見つけて生活していくのは相当な困難があったはずです。
 現に、応急仮設住宅の提供が打ち切られた後も退去せずに残っている方たちの多くは非正規雇用で、コロナのもとで生活自体が大変な状況に直面しています。再度、専用枠募集を行うことが本当に切実に求められているというふうにも思います。
 都は、応急仮設住宅の提供期限が終了した後も居住している方たちの現況について、どのように把握しているんでしょうか。

○土屋経営改革担当部長 都は、東京都住宅供給公社への管理業務委託により、国家公務員宿舎東雲住宅内に現地事務所を設置し、入居者からの相談に公社職員が対応する体制をとっております。
 その上で、自主避難者の円滑な退去を支援するため、戸別訪問や電話連絡により生活状況や意向を伺うとともに、都営住宅等の入居者募集の案内を行っております。

○和泉委員 今ご答弁があったような戸別訪問や電話連絡などによって生活状況や意向を伺う、相談に応じる。これは、あくまで福島県のセーフティーネット契約を結んでいない方たちを対象にして行われているということだというふうに思います。
 応急仮設住宅の期限が終了した方で退去していない方は、セーフティーネット契約を結んだ方あるいはそうでない方含めて六十六世帯だと先ほど答弁ありましたけれども、いずれもさまざまな事情がおありだと思います。
 避難してから契約社員で働いていたひとり暮らしの方は、職場で何度も過呼吸で倒れ、真夜中に自宅で倒れることもあった。ついに体がいうことを聞かなくなって仕事をやめたそうです。一年近く無職の状態の後、ようやく今のパートの仕事ができるところまで回復したけれども、パートの給料で引っ越しや賃貸契約のための初期費用、資金をためることはとても無理な状態だといいます。それでも、生活する分は自分で精いっぱい何とかするから、住むところだけは奪わないでほしいと訴えているんです。
 福島からの自主避難者の方々の居住の安定を図るべきだというふうに思いますが、これについて都の認識を伺います。

○土屋経営改革担当部長 都は、福島県からの自主避難者の方々の居住支援を図るため、応急仮設住宅の提供終了に合わせて、同県からの要請を受け、これまで都営住宅の避難者専用枠での募集のほか、定期募集での当せん確率の優遇や入居資格の緩和を実施してまいりました。
 さらに、平成三十年一月から自主避難者も対象に毎月募集を実施するとともに、令和二年二月からは、申し込みから約三カ月で入居できる随時募集も行うなど、都営住宅への入居機会の拡大を図っております。

○和泉委員 都が行ってきたそれぞれの支援策、それはそれぞれ重要だというふうには思います。
 しかしながら、これまでの支援をもってしてもなお、いまだ六十六世帯の方たちが安定した居住の確保ができずにいるんです。だからこそ、こうして陳情が上がってきているわけです。
 当せん倍率の優遇や入居基準の緩和などを行ったという答弁ありましたけれども、例えば埼玉県では、自主避難者向けに中堅所得者向け県営住宅の収入要件を撤廃したり、それから六十歳未満の単身者の入居も可能にしたりしていますし、神奈川県では、原発避難者に限らず、低所得の非正規雇用者の生活不安が社会問題になっていることを受けて、昨年から六十歳以上という単身者の年齢制限そのものを撤廃しました。
 都も、コロナ対策として、一月から三月までの毎月募集に一般家庭の家族向けを対象に加えました。募集戸数も若干ふやしています。都の政策判断で募集をふやせるということだと思います。
 震災原発事故避難という特別の困難に直面した方たちが、十年たってもなお苦境に立たされている実態を、ぜひ、都は正面から受けとめていただきたいと思います。
 打開のために都が積極的に動いていただくことを強く要望し、本陳情の採択を主張して、質疑を終わります。

○米川委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○米川委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第一二三号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で住宅政策本部関係を終わります。

○米川委員長 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○上野東京都技監 本日は、令和三年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、予算案が二件、条例案が三件でございます。
 初めに、令和三年度都市整備局当初予算案についてでございます。
 お手元の資料1、令和三年度当初予算説明書の一ページをお開き願います。都市整備局所管全会計の予算総括表でございます。
 会計別予算額につきまして、表の上から順に申し上げます。
 まず、一般会計は八百四十億五百万円でございます。
 次に、特別会計は二十六億九千八百万円で、このうち都市開発資金会計は十億二千三百万円、臨海都市基盤整備事業会計は十六億七千五百万円でございます。
 次に、公営企業会計の都市再開発事業会計は五十八億六百万円でございます。これら全会計の合計は九百二十五億九百万円でございます。
 前年度の当初予算と比較いたしまして、二百六十億七千九百万円、二二%の減となっております。
 これは、主に一般会計の減によるものでございまして、具体的には、令和二年度の予算に計上しておりました東京BRTのターミナル用地を港湾局から所管がえするための経費の減や都が施行する区画整理事業など、事業進捗に伴う事業費の減などでございます。その一方で、新型コロナウイルス感染症も踏まえまして、新しい日常にも対応しながら、新規事業や補助制度の拡充を初め、必要な予算を計上しております。
 その概要につきまして、お手元に配布しております資料1の参考資料、令和三年度都市整備局当初予算案のポイントによりましてご説明させていただきます。
 まず、当初予算案の基本的な考え方でございます。新しい日常にも対応しながら、災害から都民の安全・安心を守るとともに、デジタルトランスフォーメーションによる、人が輝く東京、世界から選ばれる都市東京の実現に向けた都市づくりを展開する。こうした考え方のもと、令和三年度の予算を計上しております。
 次に、各施策における主な事業につきましてご説明いたします。
 まず、1、都市の確実な安全と安心の確保でございます。こちらは、木密地域の整備や建築物の耐震化の促進など、災害に強い都市づくりを推進するものでございます。
 主な事業といたしましては、耐震改修促進事業や不燃化特区制度、特定整備路線等の整備、無電柱化の面的な展開、災害に強い首都東京の形成に向けた検討などがございます。
 次に、2、人・モノの交流ネットワークの機能強化でございます。こちらは、道路や鉄道、空港等のインフラ整備や、交通結節機能の強化などを推進するものでございます。
 主な事業といたしましては、都市計画道路網や鉄道ネットワークの検討、乗合バスにおける感染症対策や、スムーズビズの推進、地域公共交通の充実強化などがございます。
 次に3、国際競争力の強化等に資する都市の再生でございます。こちらは、都市再生のさまざまな仕組みの活用や民間の力の誘導などによりまして、都市機能の更新と質の高いまちづくりを推進するものでございます。
 主な事業といたしましては、品川駅周辺や築地地区、新宿駅直近や西新宿地区のまちづくりに加え、多摩ニュータウンの再生、鉄道駅のバリアフリー化、東京高速道路、いわゆるKK線に係る検討のほか、当局の行政手続のデジタル化に向けた検討などがございます。
 最後に、4、快適な都市環境の形成でございます。こちらは、豊かな緑の保全、創出や美しい都市景観の誘導、形成など、美しく風格のある都市の実現に向けた取り組みを推進するものでございます。
 主な事業といたしましては、生産緑地公園補助制度や緑あふれる公園緑地等整備事業補助制度、人々が憩う外濠の水辺再生事業などがございます。
 次に、令和二年度都市整備局補正予算案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、令和二年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。令和二年度都市整備局補正予算総括表でございます。
 表の中央、縦の列にございます補正予算額の欄をごらんください。
 令和二年度補正予算額は、一般会計におきましてマイナス三百二十一億六千万余円でございます。
 この補正予算案は、現時点で執行しないことが明らかな事項につきまして不用額を精査するなどいたしまして、必要な予算上の対応を行うものでございます。
 次に、条例案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料3、令和三年第一回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
 まず、東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございます。
 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行に伴い、特定建築物の非住宅部分の建築物エネルギー消費性能適合性判定等の申請に関する手数料に係る規定を設けるほか、所要の改正を行うものでございます。
 次に、高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例案でございます。
 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行等に伴い、公立小学校等に係る規定を改めるほか、規定を整備するものでございます。
 次に、東京都市計画事業新宿駅直近地区土地区画整理事業施行規程案でございます。
 新宿区新宿駅付近における土地区画整理事業の施行につきまして、必要な事項を定めるものでございます。
 私からの説明は以上でございます。
 引き続き、詳細な内容につきまして、総務部長からご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○木村総務部長 まず、令和三年度都市整備局当初予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、令和三年度当初予算説明書をごらんください。
 先ほど都技監から総括的にご説明いたしましたので、私からは、主な事業の概要について一般会計から順にご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、五ページをお開き願います。都市整備局一般会計総括表でございます。
 歳出の令和三年度予算額の合計は、一番上の段、都市整備費の欄でございまして、八百四十億五百万円、令和二年度予算と比較した増減率はマイナス一八・六%でございます。
 次に、歳入の令和三年度予算額は、一番下から二段目、計の欄でございまして、六百九十三億一千五百万余円で、増減率は三八・二%でございます。
 続いて、主要事業につきましてご説明申し上げます。
 八ページをお開き願います。表の左上、枠の外には予算科目の項を記載しておりまして、第一項、都市整備管理費でございます。
 表の一番上の段、第二目、企画調査費は、令和三年度の事業費として二十九億四百万余円を計上し、前年度比較八億八千四百万余円の増となってございます。
 表の左側、中ほどに特定財源及び差引一般財源がございますが、以下、各事業とも同様の形で記載させていただいております。
 表の右側、概要欄に事業の詳細を記載してございます。
 (1)の総合計画に関する調査のうち、イの築地地区まちづくり調査は、実施方針の公表や事業者募集に向けまして調査検討を行うものでございます。
 カの東京高速道路、いわゆるKK線に係るまちづくり検討調査は、KK線上部空間の整備内容や、整備に当たっての事業スキームなどに関する調査を行うものでございます。
 (2)の多摩の拠点づくりの取組の促進は、多摩地域におけるイノベーション創出拠点の整備に向けて、検討を行う市を支援するものでございます。
 (5)の公開空地等の活用に関する検討は新規事業でございまして、公開空地などのオープンスペースのさらなる活用に向けて、調査検討を実施するものでございます。
 次の(6)、先端技術を活用したまちづくりの検討は、モデルエリアにおける都市の3Dデジタルマップの作成等を行いますとともに、西新宿におきまして5G等から得られるビッグデータのまちづくりへの利活用などについて調査検討を行うものでございます。
 右側、九ページをごらんください。
 (7)の生産緑地公園補助制度は、都市計画公園、緑地区域内の生産緑地を買い取る区市を支援するものでございます。
 また、(8)の緑あふれる公園緑地等整備事業補助制度は新規事業でございまして、こちらは、都市計画公園、緑地区域外の公園緑地等を買い取る区市町を支援するものでございます。
 (11)の屋外広告物指導事務等のうち、屋外広告物関係事務の電子申請化に向けた検討も新規事業でございまして、当局の行政手続のデジタル化を推進するものでございます。
 おめくりいただき、一〇ページをお開き願います。第三目、水資源対策費は、事業費一億五千万余円を計上してございます。
 概要欄の(1)、人々が憩う外濠の水辺再生事業は、外堀の浄化に向け、導水などの水質改善策について検討を進めるものでございます。
 一三ページをお開き願います。第二項、都市基盤整備費の第二目、都市基盤調査費は、事業費二十一億九千万余円を計上してございます。
 概要欄の(3)の施設計画に関する調査のうち、イの東京の都市計画道路網の検討調査等は、個別路線の検討や都市計画変更手続等を行うものでございます。
 オの広域交通ネットワーク形成等に関する調査は、国の答申において事業化に向けて検討などを進めるべきとされた鉄道六路線を中心に、検討をさらに深めていくものでございます。
 次のカ及びキにつきましては、テレワークや時差ビズなどのスムーズビズの取り組みのほか、鉄道の快適な利用に向けまして、中長期的に実現可能な施策を検討していくものでございます。
 また、ケの都心と臨海副都心とを結ぶBRT整備事業は、BRTの停留施設の整備等を実施するものでございまして、次のコの舟運活性化に関する検討調査は、今後の舟運の利活用に関する総合的な検討を実施するものでございます。
 おめくりいただき、一四ページをお開き願います。
 スの西新宿基盤再整備方針案策定調査は新規事業でございまして、まちづくりと連携し、道路空間のあり方等を検討するものでございます。
 セの地域公共交通の充実・強化は、地域の特性に応じまして、地域公共交通の目指すべき姿や都の支援の方向性を検討するとともに、区市町村の取り組みを技術的、財政的に支援するものでございます。
 右側、一五ページをごらんください。第三目、都市基盤施設等助成費は、事業費百六十七億八千百万余円を計上してございます。
 概要欄の(1)、都市高速鉄道建設助成等のうち、ア及びイは、交通局及び東京地下鉄株式会社が行う駅のバリアフリー化や耐震補強等に対して補助を実施するものでございます。
 また、(2)、鉄道駅総合バリアフリー推進事業は、鉄道事業者が行う駅へのホームドアやエレベーター等の整備に助成を行うものでございます。
 おめくりいただき、一六ページをお開き願います。
 (7)の京急品川駅総合改善事業は新規事業でございまして、京急品川駅の改良事業に対して補助を実施するものでございます。
 (11)のバス事業助成のうち、ウの乗合バスにおける感染症対策に係る整備事業も新規事業でございまして、アクリル板の設置など、バス事業者が実施する設備整備に対して補助を実施するものでございます。
 右側、一七ページをごらんください。第三項、市街地整備費の第一目、管理費は、事業費四十八億六千八百万余円を計上してございます。
 概要欄の(3)、市街地整備に関する管理事務等のうち、開発許可区域図等の電子化は新規事業でございまして、当局の行政手続のデジタル化を推進するものでございます。
 また、(4)、市街地整備事業に関する検討調査のうち、アの災害に強い首都「東京」の形成に向けた検討は、国と連携しまして、江戸川区等のモデル地区における高台まちづくりなどを検討するものでございます。
 キの南大沢地区先端技術を活用したまちづくりは、多摩地域の課題解決等のため、5G等の先端技術を活用した実証実験などを推進するものでございます。
 おめくりいただき、一八ページをお開き願います。第二目、都市防災施設整備事業費は、事業費六十一億五千四百万余円を計上してございます。
 概要欄の(4)の防災密集地域再生促進事業は、木造住宅密集地域において住宅の建てかえや共同化等により、不燃化を促進する事業でございます。
 このうち、アの不燃化特区制度では、住宅の除却、建てかえや専門家派遣に関する支援制度について補助対象の拡大を図りますとともに、オの防災生活道路機能維持事業では、防災生活道路の無電柱化について地元自治体に対する補助率を拡大するなど、取り組みを一層進めてまいります。
 恐れ入りますが、二二ページをお開き願います。第六目、都市改造費は、事業費三百二十億一千四百万余円を計上してございます。
 概要欄の(3)の沿道一体整備及び(4)の地域と連携した延焼遮断帯形成事業は、延焼遮断帯や都市計画道路の整備とあわせて、沿道まちづくりの促進を図るものでございます。
 (5)の新宿駅直近地区整備事業は、都による区画整理事業を予定しておりまして、令和十七年度の概成を目指し、来年度は駅前広場やデッキの設計等を行うものでございます。
 右側、二三ページをごらんください。第七目、ニュータウン事業費は、事業費十五億五千三百万余円を計上してございます。
 概要欄の(1)、多摩ニュータウンの再生等のうち、多摩ニュータウンの再生は、空き店舗や空き住戸等の活用、魅力的な生活関連サービスの導入を支援するものでございます。
 二五ページをお開き願います。第四項、建築行政費でございます。第二目、建築指導費は、事業費五十億三千二百万余円を計上してございます。
 概要欄の(1)、建築指導事務のうち、オの東京都建築安全条例に係る実態調査は新規事業でございまして、社会状況の変化に対応し、柔軟に建物用途の変更が行えるよう調査検討を実施するものでございます。
 また、カからケにつきましても同様に新規事業でございまして、建築確認申請など、建築分野における行政手続のデジタル化等を推進するものでございます。
 おめくりいただき、二六ページをお開き願います。
 (3)の耐震改修促進事業は、建築物の耐震化を促進するための支援を行うものでございます。
 このうち、イの住宅の耐震化のための助成制度では、都の補助上限額を引き上げますとともに、除却費についても補助対象を拡大いたしまして、取り組みを一層進めてまいります。
 恐れ入ります、ページが少し飛びますが、三一ページをお開き願います。繰越明許費でございます。
 事業の性質上、年度内に支出が終わらない見込みのものにつきまして、あらかじめ繰越明許費として予算に定めておくものでございます。地下高速鉄道建設助成など、合計三十九億八千二百万円を見込んでおります。
 続きまして、三五ページをお開き願います。債務負担行為について記載してございます。
 債務負担行為は、複数年にわたる工事費等について、翌年度以降の債務の限度額を、期間を限ってあらかじめ決定しておくものでございます。六町地区街路整備工事など、計五項目について計上しております。
 以上が一般会計の説明でございまして、引き続き、特別会計についてご説明申し上げます。
 三九ページをごらんいただきたいと存じます。都市開発資金会計総括表でございます。
 この会計は、都市施設の整備に要する用地の先行取得に係る経費の経理を行うものでございます。
 令和三年度の歳出、歳入とも十億二千三百万円を計上してございます。増減率はマイナス七四・八%でございます。
 恐れ入ります、ページが少し飛びますが、四七ページをお開き願います。臨海都市基盤整備事業会計総括表でございます。
 この会計は、臨海部の晴海、豊洲、有明北の三地区における広域的な都市基盤整備に係る経費の経理を行うものでございます。
 令和三年度の歳出は十六億七千五百万円、増減率はマイナス二五・四%でございます。
 また、歳入の計は三十二億六千万余円、増減率はマイナス一三・四%でございます。
 以上で特別会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、公営企業会計の都市再開発事業会計についてご説明申し上げます。
 恐れ入ります、少しページが飛びますが、五七ページをお開き願います。都市再開発事業会計総括表でございます。
 まず、収益的収支でございますが、令和三年度の支出の合計は千五百万円で、前年度と同額となっております。
 同じページの下段、資本的収支でございますが、一番下の段の支出は五十七億九千百万円で、前年度と比較して三十三億四千万円の減、増減率はマイナス三六・六%でございます。
 恐れ入ります、ページが少し飛びますが、六二ページをお開き願います。泉岳寺駅地区における都市再開発事業費、三十四億五千百万円を計上してございます。
 羽田空港へのアクセスなど広域的な結節機能を担う泉岳寺駅において、駅施設の改良を実現するため、市街地再開発事業を実施するものでございます。令和三年度は、既存の建物解体等を実施いたします。
 令和三年度都市整備局当初予算案の説明は以上でございます。
 続きまして、令和二年度都市整備局補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、令和二年度補正予算説明書の二ページをお開き願います。一般会計の都市整備局補正予算総括表でございます。
 補正予算額を表の中央、縦の列で示してございます。
 上の表、1、歳入予算の合計欄をごらんください。
 歳入の補正予算額合計はマイナス二十五億九千五百万余円でございます。
 また、下の2、歳出予算の一番上の段になりますが、歳出の補正予算額合計はマイナス三百二十一億六千万余円でございます。
 続いて、事業の内容についてご説明申し上げます。
 七ページをお開き願います。第一項、都市整備管理費の補正予算額はマイナス三億六千七百万円でございます。
 内容は、右側、概要欄に記載しておりますとおり、総合計画に関する調査や、一枚おめくりいただきまして、八ページでございますが、国土調査の執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 右側、九ページをごらんください。第二項、都市基盤整備費の補正予算額はマイナス百七十三億千四百万円でございます。
 これは、このページから次の一〇ページにかけまして記載しておりますとおり、施設計画に関する調査や都市高速鉄道建設助成などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 一一ページをごらんください。第三項、市街地整備費の補正予算額はマイナス百八億六千四百万余円でございます。
 このページから一四ページにかけて記載しておりますとおり、市街地整備事業に関する検討調査や都施行区画整理などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 一五ページをごらんください。第四項、建築行政費の補正予算額はマイナス三十六億千五百万円でございます。
 これは、耐震改修促進事業の執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 恐れ入りますが、一九ページをお開き願います。最後に、繰越明許費の補正予算について記載してございます。
 都市整備費の補正予算額は三千九百万円でございまして、これは、都市づくりに関する情報発信について翌年度に支出が見込まれることから、繰越明許費を計上するものでございます。
 令和二年度都市整備局補正予算案の説明は以上でございます。
 次に、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料3、令和三年第一回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
 三ページをお開き願います。東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、改正の理由及び2、条例案の概要でございますが、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行に伴い、特定建築物の非住宅部分の建築物エネルギー消費性能適合性判定等の申請に関する手数料に係る規定を設けるほか、所要の改正を行うものでございます。
 四ページから四〇ページにかけて条例案文等を、四一ページから六九ページには新旧対照表を記載してございます。
 次に、恐れ入りますが、七三ページをお開き願います。高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、改正の理由及び2、条例案の概要でございますが、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令の施行等に伴い、公立小学校等に係る規定を改めるほか、規定を整備するものでございます。
 七四ページから七五ページには条例案文等を、七六ページには新旧対照表を記載してございます。
 次に、恐れ入りますが、七九ページをお開き願います。東京都市計画事業新宿駅直近地区土地区画整理事業施行規程案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、提案理由でございますが、新宿区新宿駅付近における土地区画整理事業の施行について必要な事項を定めるものでございます。
 2、条例案の概要でございますが、都が新宿駅直近地区土地区画整理事業を実施するため、土地区画整理法に基づき、事業の名称、施行地区、範囲等の必要な事項を定めるものでございます。
 八〇ページから九一ページに条例案文等を記載してございます。
 以上で令和三年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○米川委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○曽根委員 それでは、私から、都市整備局令和三年度予算案についての資料を何点かお願いいたします。
 一点目は、首都高速道路に対する出資金、貸付金の推移、過去十年分をお願いします。
 二点目は、東京における航空機能に関する調査の内容について、過去五年分をお願いします。
 三点目は、都市整備局所管の特定整備路線の予算及び支出額の推移、事業開始以来の用地取得等の状況及び事業の延長申請状況についてお願いします。
 四点目、都及び区市町村が実施している木造住宅等への耐震診断、耐震改修の助成の一覧をお願いします。
 五点目、都が支援する区市町村の耐震化促進普及啓発活動事業の一覧をお願いします。
 六点目、新たな区域マスタープランで指定された環状七号線内側の開発拠点と、そこでの再開発等の計画状況がわかるものをお願いします。
 七点目、生産緑地地区の区市別面積を過去五年間分お願いします。
 八点目、都が米軍や政府に対して行ってきた都内の米軍施設返還に関する要請や申し入れについて、過去十年分お願いします。
 以上です。

○米川委員長 ただいま曽根委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○米川委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○米川委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二第一二四号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○山崎市街地建築部長 お手元の資料4、陳情審査説明表の一ページをお開きください。整理番号1、陳情二第一二四号の二、建設現場従事者に対する新型コロナウイルス感染防止対策の強化に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、新宿区の全国建設労働組合総連合東京都連合会執行委員長、菅原良和さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都において、建設現場での新型コロナウイルス感染防止に向けた情報提供等の支援を行っていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、令和二年四月、都は、都発注工事における新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図る観点から、工事現場における新型コロナ感染症の拡大防止措置、感染者が発生した場合の対応等を内容とする、東京都における公共工事の新型コロナウイルス感染症拡大防止ガイドラインを策定いたしました。
 都は、このガイドラインを都の工事発注部署から受注者等に対して周知するほか、受注者以外の建設業者に対しても情報提供を行うため、建設業法に基づく建設業者団体として都に届け出を行っている二十六の団体に対して送付をしております。
 同年五月、国土交通省は、建設業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインを作成し、全国の建設業者団体等に情報提供をしておりまして、都においても、このガイドラインについて工事発注部署から受注者等に対して周知するほか、ホームページでも公表し、幅広く情報提供を行っております。
 東京都技術会議では、今年度、コロナ対応部会を設置し、建設工事現場等における感染予防と感染拡大の防止に向け、ウエアラブルカメラを活用した工事現場の遠隔管理などの非接触による業務実施方法の検討等を行い、その検討内容等について、東京都インフラポータルサイトにおいて広く情報提供しております。
 また、都は、建設業者団体との連絡会、建築工事現場危害防止講習会等の機会を通じて、建設現場での新型コロナウイルスの感染防止に向けた必要な情報提供を行うこととしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○米川委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 それでは、私から、陳情二の一二四号の二、建設事業者に対する新型コロナ感染防止対策の強化に関する陳情について、何点か質問させていただきます。
 本陳情は、昨年の本議会に一旦出されて、その後取り下げられ、陳情内容を、二回目の緊急事態宣言の状況に合わせて、一部変更して提出されたものです。
 前回から一貫して陳情者は、社会基盤整備に携わる建設現場従事者の役割を行政として、より重視するよう要望しております。
 特にコロナ禍の中でも、必要な社会基盤である公共施設、学校、保育園、病院、都営住宅等なども含めて、建設事業に携わるとともに、かつて三・一一東北大震災の地震、津波災害のときにも、また先日のような突然の地震、また水害などによる被害からも住民の生命、財産を守り、復興事業の先頭に立つという点で、災害多発の東京にとって、建設土木など建設現場従事者をエッセンシャルワーカーの一分野として位置づけることを求めております。
 その上で、都と都議会に現場従事者へのPCR検査の体制の強化、公的な全員検査の実施、感染防止の情報提供の支援などを求めております。PCR検査等については、厚生委員会の審議にかかっておりますので、私からは、都市整備局が所管する建設現場へのコロナ感染にかかわる情報提供について、簡潔に質問させていただきます。
 陳情の理由書を読みますと、陳情者は、都の感染防止対策の情報提供が、とりわけ建設現場の建設従事者に直接届くような具体的な支援を求めていると考えられますが、先ほど説明された国や都の情報提供が、現場にまで浸透し、普及するような状況になっているのかどうか、この点についてお伺いいたします。

○山崎市街地建築部長 先ほどご説明いたしました都及び国のガイドラインは、工事現場において、具体的に感染防止対策に取り組めるよう、取り組み事例についての現場写真や三密回避を呼びかけるポスター等の掲示例などを多用して作成されております。
 都や国では、各事業者における感染防止の取り組みの参考としていただくため、建設業者団体にガイドラインを送付しております。それを受けまして各団体では、団体のホームページにガイドラインを掲載するとともに、会員企業への郵送、メール配信などにより、周知に努めており、団体からは、各事業者がガイドラインも活用し、工事現場ごとに工夫しながら感染防止対策に取り組んでいると聞いております。

○曽根委員 昨年の四月七日に一回目の緊急事態宣言が出され、五月の連休明けには五月末までの延長が打ち出されたその当時に、建設労働者の組合であります全建総連の皆さんが都議会の我が会派及び各会派に、大規模なビル建設などの現場で次々とコロナ感染が発生したのを受けて、多くの現場で作業がストップした状態で、このしわ寄せで下請労働者が仕事からあぶれて暮らしが厳しくなったり、動いている現場では、作業員の休憩所、詰所が三密状態のままで、いつクラスターが発生しても不思議でない、ずさんな感染対策の実態などについて実情を訴えてまいりました。
 また、一部のマスコミでも当時報道されましたが、その後は実態については影を潜めております。
 イギリスやアメリカの建設業界では、従事者の定期的PCR検査や陽性者の休業補償などが一般的に行われていることも参考に、東京の建設現場での検査体制の強化も、当時、陳情者から要望されました。
 検査の問題は厚生委員会で審議されておりますが、都市整備局が国と連携で出しているマニュアルについて、その後の現場でのコロナ感染経路の特徴などを踏まえていく必要があると考えられます。
 既に昨年、大手ゼネコンの担当する工事現場で、昨年夏に感染が発生し、死亡者も出ているということが報じられております。都の情報提供は、こうした深刻な事例も含めて、感染防止のリアルな教訓を酌み取って改善していくことが必要と思いますが、そういう点ではどうでしょうか。

○山崎市街地建築部長 都及び国のガイドラインにつきましては、既に熱中症予防対策の追加や、厚生労働省が行ったクラスター発生状況の分析等を踏まえた必要な改定が行われておりまして、建設業者団体への周知も行われております。

○曽根委員 昨年、都や国のマニュアルについては改定が行われたり、現場で目立つような掲示物や宣伝物を掲示するよう配布しているというようなことはお聞きしていますが、これが本当に、建設従事者、直接、現場で働く人たちに十分浸透し、届いているというふうには必ずしもいえないという状況だと思います。
 特に、感染者を出してしまった現場のゼネコンは、自分の監督下で起こった事例は余り詳細に報告したくないということがありますし、実際、労働者の感染経路は、追跡調査も難しい実情もあると思われます。
 したがって、真に現場に役立つ防止対策の支援や情報提供は、できるだけ現場の実情に沿って、絶えず新しい情報をもとに行うべきと考えます。
 よって、本陳情については、コロナ検査の抜本拡充とあわせて、都の情報提供を一層強化する立場で趣旨採択をすべきであると申し上げて、質疑を終わります。

○斉藤委員 私からも、陳情二第一二四号の二、建設現場従事者に対する新型コロナウイルス感染防止対策の強化に関する陳情について、意見を申し上げます。
 本陳情の要旨は、建設現場でのコロナ感染防止に向けた情報提供等の支援を行うこととされています。
 これまで、新型コロナ感染症にかかわる感染防止対策の支援は、主に福祉保健局の方で医療、福祉機関に、また、教育庁の方から教育機関に、そして、さまざまな中小事業所については産業労働局で行ってきていることに加えまして、情報発信や情報提供については総務局の方で専用サイトなどを活用することなどから取り組んでいるものと考えております。
 その中で今回、本陳情は、建設現場従事者を対象として情報提供等の支援を求めるものが付託をされました。この情報提供については、感染防止対策を施しながら業務が継続できるような情報に加え、恐らく、必要な対策の支援を強化いただきたいというものだと考えております。
 実は、これは、建設現場従事者のみならず、私のもとにもさまざまな業種、業態の従事者の皆様からご要望いただくことがございます。東京都の各業種へのガイドラインなどの提供はあるものの、このガイドラインを守っていればコロナ感染者が出ないかというと、実際はそんなことはないというのが実態です。
 業務開始時に体温計を配置し業務を遂行したとしても、実際に無症状の感染者であった場合、そのまま仕事を継続され、休憩所や洗面所でのリスクも残ってしまいます。
 また、濃厚接触者の積極的疫学調査を東京都は一月二十二日付であり方を変更されていますので、もしご家族や仕事場で一緒の方が感染者となった場合でも、行政検査の対象とならない事例も生じてきているということを伺っておりまして、この状況では仕事を休めることはないため、実質的には都内各地で感染防止が図れていない、そういった場面が多々あるのではないかとご不安の声を都民の方からいただくこともございます。
 業務の継続に当たり、一つ一つの業務開始前には、自主的に自費で検査を義務づけているような事業者も一部あるんですけれども、その予算がとれない場合は、皆さん不安な気持ちがありながらも、検査を受けないままに仕事に従事しなければならない。そして、ご家族や仕事仲間にうつしてしまっているかもしれないということも不安に感じながら毎日生活をされていると、そういう方もふえているというふうに伺っております。
 この意味で、本陳情の求めている趣旨である、より適切な感染防止に向けた情報提供等の支援については賛同するものですが、本来、これはこの陳情を出してくださった業種のみならず、全ての対面型での職種や業態に、あまねく支援の強化を行っていただきたいと願うことから、本陳情には趣旨採択とすることを求めて、私の意見を終わります。

○米川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○米川委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二第一二四号の二は趣旨採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。

○米川委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、自転車活用推進計画の改定について外二件について、報告を聴取いたします。

○三木交通政策担当部長先端技術調整担当部長兼務 私からは、東京都自転車活用推進計画の案につきましてご説明申し上げます。
 資料につきましては、資料5、自転車活用推進計画の改定(案)について、資料6、同推進計画案の概要、資料7、同本編をお配りいたしております。
 本計画は、自転車の活用の推進を図る上で必要な他の計画や関連施策との整合を図り、都の自転車施策の基本的な方向性を示すものでございます。
 恐れ入りますが、お手元の資料5をご参照ください。こちらを用いましてご説明をさせていただきます。
 平成二十九年五月に自転車活用推進法が施行され、平成三十年六月に国が自転車活用推進計画を策定したことを受けまして、都も平成三十一年三月に東京都自転車活用推進計画を策定いたしまして、通行空間整備や交通安全等の計画を包含いたしました、都の自転車活用に関する総合的な施策の推進を図ってまいりましたところでございます。
 令和三年度からの次期計画に向けまして、車中心から人中心の環境に優しいまちづくりを目指すとともに、コロナ禍におきまして自転車活用の増加等も踏まえまして、誰もが快適に安心して自転車を利用できる環境の一層の充実を図るべく、現計画の改定をいたしております。
 次期計画につきましては、二月十二日に案を公表いたしまして、現在、パブリックコメントを実施いたしているところでございます。
 次に、施策の概要でございます。
 自転車活用に関する多種多様な施策の見直しを踏まえまして、特に積極的に取り組む施策といたしまして、通行空間の連続性や駐車対策を考慮した自転車ネットワークの形成、自転車事故や駅前放置自転車の減少を目指す自転車安全対策の強化、利用が増加している自転車シェアリングの広域利用推進、コロナ禍を踏まえた新しい日常への対応の四点につきまして推進いたしてまいります。
 目標といたしましては、自転車ネットワークの形成につきましては、自転車通行空間の優先整備路線を二〇三〇年度までに五百六十五キロ整備することといたしております。
 また、自転車安全対策の強化につきましては、自転車乗車中の事故件数を二〇二五年までに七千件以下に、また、自転車乗車中の死者数を二〇二五年までに十八人以下にそれぞれ削減することを目指すことといたしております。
 自転車利用の促進といたしましては、広域利用が可能な自転車シェアリングを実施する自治体数に関しましては、二〇三〇年度に向けさらなる増加を目指すことといたしております。
 新しい日常への対応に関しましては、区市における自転車活用推進計画の策定を促進いたしまして、二〇三〇年度までに都内四十九区市におきまして策定することを目指すことといたしております。
 さらに、多様な施策の早期かつ相乗的な効果発現を図るため、一定の範囲を重点地区(仮称)といたしまして新たに設定いたしまして、区市町村等と協働いたしまして、集中的に環境整備を実施していくことといたしました。
 本計画の改定時には、先行して取り組む地区を盛り込む予定でございます。
 最後に、今後の予定でございます。
 推進計画案に対するパブリックコメントを、今月十二日から三月十三日までの三十日間、実施中でございます。その結果を踏まえまして、来年度早期に本計画を改定する予定でございます。
 なお、参考に示しておりますとおり、安全で快適な自転車通行空間の整備を推進する東京都自転車通行空間整備推進計画、交通安全対策全般にわたる総合的かつ長期的な施策大綱である第十一次東京都交通安全計画、自転車安全利用条例に基づく東京都自転車安全利用推進計画につきましても、同時に改定を予定いたしております。
 以上で自転車活用推進計画の案に関しまして、ご説明を終わらせていただきます。

○青木耐震化推進担当部長 次に、耐震改修促進計画の一部改定について報告いたします。
 資料は、資料番号8と9でございます。資料8に基づき説明いたします。
 まず、1、経緯・背景です。
 この計画は、耐震改修促進法に基づき、平成十九年に策定し、平成二十八年に全面改定を行い、昨年度は、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化状況を検証し、新たな目標を設定するなどの改定を行いました。
 今年度は、目標年次を迎えました住宅と特定建築物について、必要な改定を行います。
 次に、2、改定の概要です。
 住宅については、令和七年度末までに、耐震性の不足する住宅をおおむね解消するという目標を掲げました。
 この目標に向けて、戸建て住宅などについては、耐震化の対象としている、いわゆる旧耐震基準のものが築後四十年以上となり、老朽化していることを踏まえ、耐震改修だけでなく、除却も積極的に働きかけてまいります。
 具体的には、除却に対する助成について、防災都市づくり推進計画に定める整備地域内だけでなく、整備地域以外も対象に加えます。また、区市町村による所有者への積極的な働きかけをさらに促進するため、個別訪問などに係る費用に対する補助を拡充いたします。
 分譲マンションについては、管理組合の活動が健全なマンションに、重点的に耐震化の取り組みを働きかけてまいります。
 次に、耐震改修促進法で特定建築物に分類されます、多数の方が利用する一定規模以上の建築物については、令和七年度末までに耐震化率を九五%とする目標を掲げました。
 これまで重点的に取り組んできた、公共性の高い学校や病院に対して積極的な働きかけを行うとともに、不特定多数の方が利用する大規模建築物に対しては、法に基づく指示などを行い、取り組みを促してまいります。
 これらの建築物に事務所や店舗等も加えまして、新たにアドバイザーの派遣などを行います。
 ただいまご説明した内容の一部改定素案を先日公表しまして、三月十三日までの期限で、現在、意見募集を行っているところでございます。このいただいた意見等を踏まえ、三月中に計画の一部改定を行う予定です。
 東京都耐震改修促進計画の一部改定についての報告は以上でございます。

○吉野まちづくり推進担当部長 続きまして、東京高速道路(KK線)再生方針(案)についてご説明いたします。
 お手元の資料11が本編でございますが、資料10の概要版でご説明させていただきます。
 資料10の一ページ、はじめにをごらんください。
 本方針案は、有識者等から成る東京高速道路(KK線)の既存施設のあり方検討会から提言された、KK線の再生、活用の目標等を都の方針として定め、あわせて高架施設の位置づけや事業スキームの考え方、今後の進め方を示すものでございます。
 二ページをごらんください。
 KK線の再生・活用の目標でございますが、東京の新たな価値や魅力を創出するため、KK線上部空間を歩行者中心の公共的空間として再生、活用するということでございます。
 次に、目指すべき将来像でございます。下段をごらんください。
 高架道路の形態を生かした広域的な歩行者系ネットワークの構築など、三つの将来像を示してございます。
 三ページから五ページをごらんください。
 五つの整備・誘導方針でございます。先ほどご説明しました三つの将来像を実現するために、高架施設の特徴を生かす、周辺まちづくり等との連携など、五つの整備、誘導方針を掲げております。整備、誘導方針の右側には、将来像のイメージ図を載せてございますので、あわせてごらんいただければと存じます。
 次に、高架施設の位置づけの考え方でございます。五ページ下段をごらんください。
 歩行者中心の公共的空間として再生する際、広域的な回遊性を高め、にぎわい、魅力を創出し、交流を促進するなど、誰もが利用できる公共的空間としての役割を担っていくことが求められます。今後、高架施設については、公共性を担保するため都市計画を新たに決定いたします。都市計画の具体的な種類や内容等については、引き続き検討、調整を進めてまいります。
 六ページをごらんください。
 事業スキームの考え方でございます。
 まず、整備主体等ですが、施設所有者がみずからまたはKK線隣接地における周辺まちづくりと連携して行うなど、民間活力を生かして整備を進めることを想定し、今後の周辺まちづくりの動向等も勘案しながら、引き続き検討、調整を進めてまいります。
 七ページをごらんください。
 次に、管理運営スキームでございますが、現行スキームは、道路下の建物の賃貸収入を施設の管理運営費に充当することで、KK線を無料で一般に供用しております。高架施設を再生する際にも、誰もが無料で利用できるように管理運営スキームを継承することを想定し、引き続き検討、調整を進めてまいります。
 最後に、今後の進め方でございます。七ページの下段をごらんください。
 今後、事業スキームや整備内容等について、検討の深度化を図り、関係者と調整しながら、事業化に向けた方針を取りまとめてまいります。
 全区間の整備完了については、二〇三〇年代から二〇四〇年代を目標時期としておりますが、都市空間の価値や魅力の早期向上に向けて、周辺まちづくりと連携した段階的整備等による一部区間の早期開放を図ってまいります。
 再生方針案の説明は以上になります。この案につきまして、本日からパブリックコメントを実施し、都民の皆様のご意見をお聞きした上で、年度内に方針を策定、公表する予定でございます。
 説明は以上でございます。

○米川委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。−−なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○米川委員長 次に、第二百三十三回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。

○上野東京都技監 まず、ご説明に先立ちまして、過日二月三日に開催されました第二百三十二回の都市計画審議会では、緊急事態宣言下での開催となりましたため、予定されておりました案件の審議を一部延期させていただきましたことを改めてご報告申し上げます。
 なお、審議を延期いたしました案件につきましては、これからご説明申し上げます第二百三十三回の審議会におきまして、審議を行う予定でございます。
 それでは、来る五月十八日に開催予定の第二百三十三回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明をいたします。
 今回、都市計画の決定・変更予定案件が区部で四件ございます。また、その他の付議予定案件が二件でございます。本日は、これらのうち、主な案件といたしまして、東京都市計画用途地域千代田区飯田橋三丁目地内につきましてご説明申し上げます。
 それでは、引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いをいたします。

○小野都市づくり政策部長 千代田区飯田橋三丁目地内における用途地域の変更についてご説明いたします。
 資料は、お手元の資料13、白色表紙、提案事項概要は五ページから一四ページまで、資料14、薄茶色表紙、事前説明資料は五ページから一六ページまでとなっております。
 事前説明資料五ページの位置図とあわせまして、スクリーンの航空写真をごらんください。
 本地区は、スクリーン上、赤色で囲まれております区域で、JR中央線、総武線飯田橋駅東口側に位置しており、JRに加え、東京メトロ東西線、有楽町線、南北線、都営大江戸線のそれぞれの飯田橋駅にも近接します、面積約〇・七ヘクタールの区域となっております。
 飯田橋駅東口の周辺では、歩道が狭く、広場も不足しております。また、土地の細分化や建物の老朽化が進んでいることから、広場などの歩行者空間の充実、土地の共同化や高度利用などによる、駅周辺にふさわしい基盤整備とにぎわい創出が課題となっております。
 今回、本地区において、駅及び駅周辺における安全性、快適性の向上や、にぎわいと潤いのある都市空間の形成を目指して、飯田橋二・三丁目地区地区計画を変更することとしており、これに合わせて用途地域の変更を行うものでございます。
 参考としまして、千代田区が決定します都市計画についてご説明いたします。
 まず、地区計画でございます。
 資料13、提案事項概要九ページから一四ページまで、資料14、事前説明資料一三ページから一六ページまで、あわせてスクリーンをごらんください。
 地区計画の区域約一七・七ヘクタールのうち約〇・七ヘクタールについて、新たにB−2地区として定め、土地利用の方針等を定めております。
 B−2地区の地区整備計画では、新たに地区施設として区画道路、広場、公共広場、貫通通路、歩道状空地を定めるとともに、建築物等の用途の制限、建築物の高さの最高限度等を定めております。
 次に、第一種市街地再開発事業についてでございます。
 資料13、提案事項概要八ページ、資料14、事前説明資料九ページから一二ページまで、あわせてスクリーンをごらんください。
 施行区域は、地区計画におけるB−2地区全域の約〇・七ヘクタールとなっております。スクリーンに投影しておりますパースは、本事業で整備する予定の施設建築物のイメージとなっております。主要用途は事務所、店舗及び駐車場、延べ面積は約四万五千七百平方メートル、高さの限度は百三十メートルとなっております。また、公共施設として区画道路、公共広場を整備する予定となっております。
 次に、高度利用地区の変更についてでございます。
 資料13、提案事項概要六ページから七ページまで、資料14、事前説明資料七ページから八ページまで、あわせてスクリーンをごらんください。
 区域は市街地再開発事業と同一で、面積は約〇・七ヘクタールでございます。建築物の容積率の最高限度及び最低限度、壁面の位置の制限などを定めております。
 恐れ入りますが、資料をお戻りいただきまして、資料14、事前説明資料六ページの計画図とあわせましてスクリーンをごらんください。
 以上、ご説明申し上げました都市計画の決定や変更に合わせまして、約〇・七ヘクタールの区域において用途地域を変更いたします。
 変更の内容は、計画図中〔1〕の区域について、商業地域、建蔽率八〇%、容積率五〇〇%であったものを、用途地域、建蔽率はそのままで、容積率八〇〇%に変更、計画図中〔2〕の区域について、商業地域、建蔽率八〇%、容積率七〇〇%であったものを、用途地域、建蔽率はそのままで、容積率八〇〇%に変更いたします。
 東京都市計画用途地域千代田区飯田橋三丁目地内の説明は以上でございます。

○米川委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。発言を願います。

○森口委員 私からは、第二百三十三回都市計画審議会付議予定案件、飯田橋三丁目地内の用途地域変更に関して、お伺いをいたします。
 飯田橋駅は、JRや東京メトロなど鉄道五路線が乗り入れるなど、交通利便性が高いエリアでありまして、その高いポテンシャルを生かし、商業の集積や回遊性ある土地利用を実現し、にぎわいを創出した魅力あるまちづくりを進めるべきと、これまで会派としても求めてきましたが、まずは、今回の用途地域変更の目的を改めて伺います。

○小野都市づくり政策部長 令和三年二月三日の都市計画審議会において答申を得ました都市計画区域の整備、開発及び保全の方針では、飯田橋駅周辺において、業務、商業、宿泊施設などの集積を図るとともに、駅前広場の整備などによる安全で快適な空間等を形成し、活力とにぎわいの拠点を創出することとなっております。
 千代田区の飯田橋・富士見地域まちづくり基本構想などにおきまして、駅周辺地区は、駅周辺街区との一体的な機能更新とあわせ、アクセス、回遊の拠点を形成するとともに、商業、サービス等の充実、ゆとりある歩行者空間の創出などを目指すこととしております。
 こうした上位計画を踏まえ、今回、当地区において、市街地再開発事業による交通結節機能の強化や、安全でにぎわいのある快適な複合拠点の形成を図るため、千代田区による地区計画や高度利用地区の変更などに合わせ、用途地域を変更するものでございます。

○森口委員 飯田橋駅周辺は、交通利便性に高いポテンシャルがある一方、駅周辺の歩行者の空間は狭く、バリアフリー動線にも大変課題があります。
 西口では、JRの駅舎整備など進められておりまして、再開発事業を活用した機能の更新により、歩行者広場や歩道が整備をされるとともに、低層部には、配置された商業施設などにより、にぎわいが創出されております。
 一方、東口の周辺は、中小の老朽化したビルが建ち並んでおり、地区のポテンシャルが十分生かし切れておらず、地元からは、再整備に大きな期待が寄せられているわけであります。
 今回の開発計画は、駅東口の直近に位置しておりまして、駅とまちをつなぐ非常に重要な開発になると考えます。今回の用途地域の変更などにより、具体的にどのような取り組みにつながるのかお伺いいたします。

○小野都市づくり政策部長 JRや東京メトロ、都営地下鉄が乗り入れる飯田橋駅周辺において、市街地再開発事業の施行区域内に、地下鉄駅に直結する地下及び地上広場約千二百平方メートルや、駅と周辺市街地を結ぶ建物内の貫通通路の整備などが行われることから、それに対応して、商業地域、容積率五〇〇%、七〇〇%の指定を八〇〇%に変更することとしております。
 あわせて、高度利用地区の指定によりまして、再開発事業を誘導し、中小の老朽建築物を共同化することで、耐震性の強化を図るとともに、地区内外の電線類の地中化によって、防災性の向上や多様な機能の誘導による駅前にふさわしいにぎわい拠点の形成につながることとなります。

○森口委員 今回の開発計画におけるバリアフリー動線や歩行者空間の整備、安全ににぎわえる拠点形成は、この地区でまさに望まれてきたものでありまして、重要な取り組みであると考えます。
 東口では今後、複数の再開発計画があると伺っております。私の地元区である新宿区側でも、まちづくり協議会が設置をされているとともに、文京区側も再開発準備組合が再開発を計画いたしております。
 一方、こうした開発の動きがある中、JR駅から新宿区側、文京区側に渡る横断歩道橋は、障害を持った方に対応できておらず、歩行空間も十分でない状況であり、改善しなければならない課題が残されております。
 これまで我が会派として、この三区にまたがる飯田橋駅周辺の歩行者ネットワークの改善や、新たなにぎわいの創出に資する再整備の推進を求めるとともに、昨年の予算特別委員会における我が会派の樋口元都議、現千代田区長より、飯田橋駅周辺の都市基盤の再整備に向け取り組むべきとの質問を受け、都は、千代田区、新宿、文京の三区や鉄道会社などで構成する検討会を設置し、まちづくりと連携した都市基盤の整備方針の策定に向け、課題の整理や改善に向けた取り組みの方向性などについて検討を進め、周辺開発などの動向も勘案しながら、関係者と連携をし、駅とまちが一体となった便利でにぎわいのある交通結節点の整備に取り組んでいくとの答弁がありました。
 今回の開発計画はもちろんのこと、その先に続く新宿区など、駅周辺のまちづくりについても機を逸することなく、駅とまちの一体的な整備を進めていくべきであります。
 この三区にまたがる飯田橋駅周辺におきましては、都が果たすべき役割が大変重要でありまして、関係区と連携を図りながら、基盤整備方針を早期に取りまとめ、基盤の再整備と連携させたまちづくりを、一層都として推進していただくことを要望し、質問を終わります。

○和泉委員 私からも若干の質疑をさせていただきます。
 まず初めに、千代田区飯田橋三丁目地内の用途地域変更について、一言意見を申し上げます。
 今回の用途地域の変更では、地区計画区域のうち、先ほどご説明のありましたB−2地区における容積率を八〇〇%に引き上げるというものです。
 現地、私も歩いて見てみましたけれども、底地が比較的小さくて、築年数がかなり経過している、そういうビルが多く建っている地域です。また、先ほどご紹介あったとおり、三角形の土地になっていまして、その真ん中を分ける、土地を分ける形で道路が通っていて、その道路に分断された両側の細い三角形の土地は、それぞれ土地の有効活用が難しそうだなと感じる形状です。
 地権者は三十七人で、現在、同意は三十六人、お一人は、事業計画そのものには反対ではないというような意見も聞いています。同意率は現在九七%ということで、地元からも、反対の声が上がっていないというふうに聞いています。
 この建物が建つことによって、環境負荷がどうなるのか、あるいはオフィス需要が減っているといわれる中で、事務所をたくさん構えるような、そういったビルが建つということが、地権者に重過ぎる負担になりはしないかなどなど、今後精査する必要はあるとは思いますが、地権者の合意と、それから、主体性が最大限に尊重される事業となるように希望しておきます。
 続いて、江戸川区上篠崎一丁目ほか各地内における用途地域の変更について伺います。
 今回の地区計画の決定は、区域の特性に応じて、区画整理事業施行地区、補助第二八八号線沿道地区、それから、まちなみ検討地区、この三つの地区に区分して方針を定めるもののうち、土地区画整理施行地区のうちの住居街区、補助二八八号線地区において、用途地域の変更を行うというものです。
 本地区の江戸川に沿った部分には、国施行の幅二百メートルに及ぶ高規格堤防の建設計画が進んでいて、その部分も含めた区画整理事業で用地買収が相当進んでいるようです。
 また、今回の計画区域のほぼ真ん中には、九三八年に創建をされたという江戸川区で最も古い篠崎浅間神社があります。現地を歩いて見て回りましたが、ビニールハウスと、低層の住宅や幼稚園、小学校が、樹木に囲まれた由緒ある神社を囲むように立地していて、空が低く、閑静で落ちついた雰囲気の地域です。北側には、都立篠崎公園があって、家族連れを初め、多くの方たちが集まっていました。
 今回の区域を含む上篠崎地区のまちづくりに関しては、公募の会員十七人、自治会役員五人の二十二名によるまちなみ検討会が八回にわたって開かれています。
 この検討会の最初のワークショップの議論では、低層で緑豊かなまち並みをまちのよいところだと評価する意見が多く見られます。その一方で、将来開発されそうな土地が点在していると答えた方が圧倒的に多く、良好な今のまち並みの環境を維持できるのかと心配している様子がうかがえます。
 そこで伺いますが、計画区域の北部、篠崎公園、江戸川の土手に面した部分について、大河川景観軸、公園の景観拠点、農の景観拠点−−農業の農ですね、農の景観拠点として、地区の景観形成上中心となる空間というふうに区が位置づけながら、第一種中高層住宅専用地域に用途地域を変更して、建蔽率、容積率を引き上げる、その理由は何でしょうか。

○小野都市づくり政策部長 江戸川区都市計画マスタープランでは、本地区において、国によるスーパー堤防整備と一体的に、補助第二八八号線や土地区画整理事業などを推進し、密集市街地の改善などを図ることとしております。
 また、区が決定します地区計画では、地区の防災性、利便性の向上と、緑に恵まれた住環境の創出、沿道にふさわしい良好な市街地の形成などを図ることとしております。
 今回、当地区において、区画整理事業などの進捗を踏まえ、こうした地区の位置づけや将来像の実現を図るため、江戸川区による地区計画の決定に合わせ、用途地域を変更するものでございます。

○和泉委員 現地を見たときに、補助二八八号線の道路拡幅が計画されているところは、車の交通も余りなくて、真っすぐで広い道路に歩道も十分に整備されていて、なぜここで道路の拡幅が必要なのかという疑問を持ちました。やはり、まちなみ検討会のワークショップでも、広くて真っすぐな道路を高く評価している、そういう声が多く聞かれています。
 まちのよいところは、骨格道路や歩道が一定程度整備されていると思う方が十五人、思わないという方が二人なのに対して、まちの課題として、幅員が狭い道路や行きどまりがあると思う方は七人、思わないと答えた方が十一人、こういう結果でした。つまり、現在整備されている道路について、住民は不満を持っていないということではないでしょうか。
 道路の拡幅に当たっては、沿道の用地買収が必要となりますけれども、対象となる地権者の人数と、用地買収の進捗の状況について伺います。

○小野都市づくり政策部長 都市計画道路補助第二八八号線は、平成三十年に事業認可がなされ、事業者である江戸川区によって、別途、適切に事業の進捗が図られるものと認識しております。
 なお、地権者の数は五十七名でありまして、用地買収率は令和元年度末時点で約七%となっております。

○和泉委員 道路用の用地買収率が昨年の十二月の時点で、まだまだわずか七%だということです。
 ワークショップの議論の中で先ほど若干紹介もしましたけれども、まちのよいところとして、広い道路が格子状に整備されている、道が広くて真っすぐ、静かな道で落ちついた感じが好き、低層で緑豊かなまち並みがある、こういったことが挙げられています。
 今回の用途地域の変更で、建物の容積率を上げ中層建物の建設を可能にしたり、道路の拡幅による交通量増加の懸念などについて、住民からはどのような意見が出ているんでしょうか、伺います。

○小野都市づくり政策部長 区が決定します地区計画において、住居街区では、土地区画整理事業により、住宅街区の形成及び整備を行うことで、災害に強く、水と緑に親しむ快適な住居系市街地を形成することとしており、区画道路の新設や沿道緑化による緑豊かな住環境を創出することとしております。
 区は、区画整理事業に関する懇談会やまちなみ検討会などにおいて、検討の初期段階に住民から寄せられた課題等を踏まえ、区画整理事業の内容、地区計画の地域の将来像やまちづくりのルール、これに合わせた用途地域の変更について、住民への説明や意見交換を行い、都市計画案を策定するなど、丁寧に対応しております。
 なお、区が、昨年十二月七日より実施しました地区計画の原案の縦覧に対する反対の意見書の提出はなかったと聞いております。

○和泉委員 縦覧に対する反対の意見はなかったということです。
 今ご答弁で、水と緑に親しむ快適な住居系市街地を形成するとなっていますけれども、住民の皆さん、もう今、既に低層で緑豊かなまち並みがいい点だというふうに評価しているわけです。
 住宅街区の形成整備というふうにいいますけれども、格子状に道路がちゃんと整備されているということも、もう既に住民の皆さん、そこをよいところだというふうに評価されているわけです。
 上篠崎地区まちなみ検討会が、全八回開催されているわけですけれども、ほかの多くの江戸川区内のまちづくり協議会などでは、まちづくり協議会による提言が区に提出をされています。
 ところが、この地区では八回にわたるまちなみ検討会を開きながら、その最終的な報告や区への提言、こういったものが出ていません。これはなぜでしょうか。

○小野都市づくり政策部長 区は、まちなみ検討会を開催し、ワークショップ形式などを通じ、住民の方々と地区計画案に対する意見交換を行うなど、丁寧に対応してきております。
 区が決定する地区計画では、土地利用の方針として、補助第二八八号線沿道では、道路整備に合わせ、生活環境に資する店舗、事務所等と住宅が立地する良好な住宅市街地の形成を図るとともに、区画整理事業を実施する住居街区では、災害に強く、水と緑に親しむ快適な住居系市街地を形成することとしております。
 こうした地区計画の地域の将来像や、これに合わせた用途地域の変更について、これまで住民に説明し、例えば建築物の高さの最高限度を一部十九メートルから十六メートルに修正するなど、住民の意見を聞いて都市計画案を策定しており、繰り返しになりますが、昨年十二月七日より区が実施した地区計画の原案の縦覧に対する反対の意見書の提出はなかったと聞いております。

○和泉委員 この八回のまちなみ検討会の議論を通して見ていても、今回、計画として上がってきている容積率の変更、それから道路の拡幅、これがどうしても住民の側から必要だというふうに認めて進められる計画だというふうには思えないんです。
 このまちなみ検討会で議論をされている中身、それと結果、それと今回、江戸川区が出してきている計画との間には、相当なギャップがあるというふうに思わざるを得ないんですね。
 冒頭の答弁にもありましたけれども、国のスーパー堤防整備と一体に、道路の拡幅も区画整理事業もやってしまおうという計画だということです。
 住民の方々と意見交換を丁寧に行ったというふうにいいますが、そこで出されているまちのよいところ、低層で緑豊かな環境だとか静かな道路だとか、それと江戸川区の中層の建物と道路拡幅、交通量の増大につながる懸念、なぜ、住民の検討がそういう結果になるのかということは理解に苦しみます。八回にわたって議論されていることとは違う地区計画の内容になっていると思わざるを得ません。
 さらに、国の高規格堤防についても、沿線全てで完成して初めて効果があるものなんです。その完成に何百年もかかるというふうにいわれています。越水時の堤防の決壊を防ぐ上でも、高規格堤防は効果的だといって、国は今、スーパー堤防事業を進めていますけれども、その一方で、台風十九号のときに、堤防決壊した箇所が多数発生したことを受けて、河川堤防に関する技術検討会を立ち上げ、破堤しにくい堤防の技術的検討を継続して行っています。
 高規格堤防じゃなくても、もっと効果的で、費用も安い堤防の研究が、今現在進められているんです。何百年も後に完成するまで効果のない事業に莫大な費用をかけて、結局は住民が追い出されるまちづくりというのは、一体誰のためのものなんでしょうか。
 さきのまちなみ検討会のワークショップで四つ編成されたうちの一つの班では、まちの将来像、まちづくりの目標に、住民のためのまちが大切、この記載がありました。まさにまちづくりは、住民のために、住民とともに行っていくものであり、本地区計画のように、初めに高規格堤防ありきで計画するべきではないという意見を申し述べて、質疑を終わります。

○曽根委員 私からは二点、一つは荒川区西日暮里五丁目地内の用途地域変更について、もう一点は、千歳烏山駅前の用途地域変更について、質問させていただきます。
 昨年、陳情審査前後に、荒川区が事業計画の変更を提案していると聞いておりますが、その理由と変更内容について説明をいただきたい。また、いつ区の都市計画審議会で審査する予定かをお聞きします。

○小野都市づくり政策部長 事業計画の変更につきましては、荒川区からは、従前、区の整備によるホールを検討していたものを、社会経済情勢の変化などを踏まえ、区有施設と民間施設の連携による、文化交流拠点の形成に向けた検討を進めていくこととしたと聞いております。
 なお、区の都市計画審議会は、令和三年三月開催を予定しております。

○曽根委員 この開発には、昨年の陳情審査にも出されましたように、区域内外の住民から反対や不安の声が多い。地権者の一部からは、区域の六割が公共用地であり、民有地を巻き込まないでほしいという声、また、分譲マンションからは、ついの住みかとして暮らしたいのに、ばらばらに開発ビルの床をあてがわれ、仮移転の苦労や本移転後の居住面積が縮小するなど納得できないとの声もあります。
 しかも、地元の区議会議員からも、町屋の再開発が頓挫した経験から、この巨大ホールへの百九十億円の区費投入に不安の声があり、区の支出を結果として大幅に縮小せざるを得なくなったわけです。
 すると、逆に開発の採算を合わせるために、開発ビルの保留床を確実に売却しなければならない。区議会で、区は、開発ビルの容積率が実質一二〇〇%を超えるものになると認めたと聞いています。
 この開発による区域内のビル床面積は、現状で何平米あって、開発後には最大で何平米になるのか、都は把握しているでしょうか。

○小野都市づくり政策部長 荒川区の西日暮里駅周辺地域まちづくり構想では、本地区は、文化交流、商業、業務、住宅機能等の拠点的な都市機能を導入し、地域の活力等を創出する、多様な魅力を備えた区内最大の広域拠点としてのまちづくりを進めることとしております。
 今回、当地区において土地の大街区化、共同化による高度利用や、交通広場等の基盤整備などの都市機能の更新を行い、文化交流拠点にふさわしい、地域の個性を生かしたまちづくりを進めるため、荒川区による地区計画の変更に合わせ、用途地域を変更するものでございます。
 なお、ご質問の区域内の既存建物の延べ床面積の合計は約三万一千平方メートル、開発後は約十六万三千平方メートルを予定していると、区から聞いております。

○曽根委員 最近余り聞かないんですけれども、約五倍以上の床面積規模になるわけです。これでは、幾ら最先端の環境性能のビルを建設しても、従前の三倍近い炭酸ガスを排出し、温暖化の影響を及ぼしてしまいます。
 この開発でふえてしまう排出炭酸ガスの、これを吸収するのには、約八百ヘクタールの森林が必要で、例えば海の森、九十五ヘクタールありますが、これ八個分以上の森林が新たに必要になるわけです。幾ら森や公園づくりを頑張っても、もう現実に間に合いません。
 先日、環状七号線内側の開発拠点が三十二カ所から八十五にふやされたと指摘をいたしましたが、西日暮里もそのふえた一つなんですが、ふやされた開発拠点でいずれも同様の規模でビル開発が行われていけば、東京の開発による温暖化などの環境影響は、とめどなくふえていくことになってしまいます。
 この再開発の権利者の総数、また、土地所有者、借地権者その他の内訳、その中で開発への同意状況はどうなっているでしょうか。

○鈴木防災都市づくり担当部長 市街地再開発事業の都市計画につきましては、今回の用途地域変更とは別に、地元で検討が進められているところでございますが、当該計画区域内の権利者数は七十八名であり、その内訳は、土地所有者三十三名、借地権者四十五名でございます。
 同意の状況でございますが、土地所有者の同意率は約八〇%、借地権者の同意率は約八四%となっております。

○曽根委員 土地所有者と借地権者の人数はその程度ですけれども、荒川区が区議会で明らかにした借家人の人数は約四百人に及びます。開発が事業化されますと、この人たちは地権者ではありませんから開発ビルに権利床はなく、保留床を買える人はごく少数でしょうから、大部分は地域を立ち退くことになっていきます。近くに代替の住宅などを見つけるのはかなり厳しいと思います。
 私ごとですが、田端駅前の区画整理事業、もう十五年ぐらい前ですけれども、少数ながらこの小さな区画整理の中で、二十人程度の区域内賃貸居住者が出まして、その中の希望者を何とか都営住宅のあっせんとか抽せんに入居をお世話するのに、私どもの仲間の地元の区議と大変苦労した覚えがあります。
 しかし、この西日暮里は、この地域の借家人数の桁が違うわけです。こうした地域の特徴を踏まえて、今回は用途地域変更ですが、いずれ出てくる再開発の計画の中に、隣接も含め、地域住民には反対者が大変多いと聞いていますが、荒川区はこうした住民の意向を十分酌み上げて、計画づくりを進めているんでしょうか。

○小野都市づくり政策部長 平成十八年に地域住民を中心としたまちづくり協議会が設立され、区は、協議会の活動を支援し、地域住民とまちづくりに関する意見交換を行いながら、地区計画、市街地再開発事業、用途地域などの都市計画案の検討を行ってまいりました。
 先ほどご説明しました市街地再開発事業の事業計画の変更につきましても、区は、令和二年十一月二十六日から二十八日にかけて、準備組合と共同で説明会を開催するとともに、アンケートの実施や、当該説明会に参加できなかった権利者に対する個別説明などの丁寧な対応により、住民の意向を十分に確認していると区から聞いております。
 なお、用途地域の内容につきましては、当初案からの変更はございません。

○曽根委員 十分な意向を聞いているというご説明ですが、しかし、これに対して、昨年十一月に本委員会で審議したように、住民からの反対陳情が多数寄せられており、決してこの変更案が大方の納得は得られている状況でないことは、これの意見を見ても明らかです。
 最後に、区域内の六十三戸の分譲マンションの区分所有者についてちょっとお聞きしたいと思います。
 区域内の分譲マンションが再開発組合に加わるかどうかを決めるに当たって、区分所有者の再開発への同意はどのようにカウントされていくのかお聞きします。

○鈴木防災都市づくり担当部長 市街地再開発事業につきましては、用途地域の変更とは別途、地元で検討が進められているものではございますが、再開発組合の設立に当たりましては、都市再開発法におきまして、権利者数と土地の面積について法定要件が定められております。
 分譲マンションのような共有宅地の場合も、同法に基づき一の地権者とみなし、同意した者の敷地の持ち分割合により算定されることとなります。

○曽根委員 通常、再開発の事業組合を設立するには、地権者の三分の二以上の同意、地権者の所有する土地の三分の二以上の面積の地権者の同意が必要であるということは法的要件になっていますが、区分所有マンションのような共有宅地の場合は、この中で権利者一人とみなされるということです。
 法的にも区分所有者というのは、自分は数千万円の費用を払って手に入れた住宅の所有者でありながら、その権利は区分所有者が六十一人いれば、六十一分の一になってしまう。しかも、西日暮里の開発の場合、このマンションの居住者に対しては、荒川区からも具体的に意向の調査さえ行われていないと聞いています。
 どうせ全部足しても一人分だということで全く無視されているということであれば、余りにも理不尽で、区が答えたように、丁寧な対応というものでもありません。
 しかし、一旦開発にこのマンションが組み込まれれば、このマンションの管理組合の中で、非常に難しい個別の権利保障の協議を余儀なくされ、そして、マンション管理組合はいずれ解散という大変イバラの道を歩くことになります。
 西日暮里駅前再開発は、これまで示してきたように、第一には、区域内や近隣に住む住民、特に権利の弱い借家の方々や、マンション区分所有者が多数いるというこの地域で、立ち退かざるを得ない人が続出してしまうおそれの多い開発になろうとしている。
 例えば、開発を前提に、地域の区民の暮らしを守ろうとしたら、大量の公営住宅などを建設する必要がありますが、そんな開発は今まで事例がありません。
 それから、第二に、開発の財政見通しが立ちにくく、区は区民ホール計画を大幅に縮小しましたが、かえって開発事業の財政は苦しくなり、場合によっては、必要もない公共施設を開発ビルに移転させて、事業組合の赤字を補填するというような事態になりかねません。
 第三に、環境面でも、二〇三〇年までにCO2発生量を大体半分ぐらいまで抑えなければならないこの時代に、CO2の大量発生で、新たに海の森で八個分の森林を必要とする高層ビルを建設し環状七号線内側の開発ラッシュに拍車をかけるなど、地域住民の暮らしや居住環境を破壊するという、時代への逆行となるおそれが強いことから、根本から見直すべきであるという点で、これを前提とした用途地域の見直しに対しては反対をいたします。
 次に、千歳烏山駅前の用途地域変更について何点かお聞きします。
 本議案は京王線の千歳烏山駅付近の立体化事業に伴って、駅前広場などの整備を踏まえて、用途地域を変更すると聞いていますが、今回の主な変更点について説明をいただきたいと思います。

○小野都市づくり政策部長 世田谷区都市整備方針では、本地区は、主要な地域生活拠点に位置づけられているとともに、補助第二一六号線と駅前広場周辺は、防災力や交通結節機能を強化し、活力とにぎわいを創出することとなっております。
 区は、この上位計画などに基づき、連続立体交差事業や補助第二一六号線等の事業の進捗を踏まえ、住環境に配慮しながら回遊性のある魅力的な駅前商業空間の維持増進を図るため、地区計画を定めることとしております。
 今回の用途地域の変更は、この地区計画に示した市街地像の実現を図るため実施するものでございまして、例えば駅前広場周辺につきましては、現在の第一種住居地域、建蔽率六〇%、容積率二〇〇%から、商業地域、建蔽率八〇%、容積率五〇〇%への変更などを行うものでございます。

○曽根委員 この駅前地域の中で用地買収を必要としているのは、これまで補助二一六号線、また、京王線立体化に伴う用地買収に加えて、今回新たに駅前広場を確保するための店舗や住宅を含む約三十件ほどの用地が買収の必要があるというふうにお聞きしました。
 これは、駅前の場所にある有利な場所の営業権を守りたい店舗のオーナーなどにとっては、死活問題と捉えられております。
 しかも、道路のように以前から線引きされていたのではなく、新たに都市計画に加わってきた経過という点からも、現状で今後の見通しがなかなか立ちにくい中では、容易に同意しかねるという地権者がいるのも当然です。
 区は、繰り返し説明と協議を行っていると聞いていますが、全体の理解を得るための、引き続き努力が必要です。
 もう一つ、今後のまちづくりの展望を開く上で、駅前広場だけではなく、その後の駅前のまちづくりをどう進めるかが大事になると思います。今後、駅前整備の計画とともに再開発の事業を進める動きが進んでいると聞いていますが、どういう段階まで進んでいるでしょうか。

○小野都市づくり政策部長 先ほどご答弁しましたとおり、今回の用途地域の変更は、地区計画に示した市街地像を実現するためのものでございます。
 なお、市街地再開発事業につきましては、今回の用途地域の変更とは別のものでございますが、現在、区と地元権利者によって検討がなされ、昨年末にまちづくり準備会が設立されていると聞いております。

○曽根委員 まだ勉強会の段階ですので、地権者や住民の権利を縛る以前の段階で、あくまで自由で公平な協議が十分に行われることが私は重要だと思います。
 とりわけ重要な商業施設と住宅、そして、駅前の公共施設をどのように確保するかについては、この地域から誰ひとり望まない形で転出する人を出さないよう、また、世田谷区内でもトップクラスのにぎわいと都市機能の集積、また、区民の便利な暮らし、環境への配慮が両立し得るまちづくりになるよう、粘り強く要望に沿った計画づくりを区の方で進めていただくこと、また、都がそれを尊重してバックアップするよう強く希望して、質疑を終わりたいと思います。
 以上です。

○米川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○米川委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時二十四分散会

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