委員長 | 米川大二郎君 |
副委員長 | 鈴木 章浩君 |
副委員長 | 和泉なおみ君 |
理事 | 高橋 信博君 |
理事 | 上野 和彦君 |
理事 | 小山くにひこ君 |
保坂まさひろ君 | |
藤井とものり君 | |
斉藤れいな君 | |
森口つかさ君 | |
ひぐちたかあき君 | |
曽根はじめ君 | |
中山 信行君 | |
鈴木 邦和君 |
欠席委員 なし
出席説明員住宅政策本部 | 本部長 | 榎本 雅人君 |
技監 | 久保田浩二君 | |
住宅企画部長オリンピック・ パラリンピック調整担当部長兼務 | 佐々木秀之君 | |
都営住宅経営部長 | 青柳 一彦君 | |
総合調整担当部長連絡調整担当部長兼務 | 鈴木 誠司君 | |
住宅政策担当部長 | 武井 利行君 | |
民間住宅施策推進担当部長 | 飯塚 佳史君 | |
経営改革担当部長 | 土屋 太郎君 | |
再編利活用推進担当部長 | 栗谷川哲雄君 | |
建設推進担当部長 | 妹尾 高行君 | |
営繕担当部長 | 金子 陽子君 |
本日の会議に付した事件
住宅政策本部関係
事務事業について(質疑)
○米川委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより住宅政策本部関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○佐々木住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 十月二十日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元に配布しております資料1、都市整備委員会資料の表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。
資料は十六件でございます。
一ページをお開き願います。1、都営住宅、公社住宅のエレベーター設置状況でございます。
既設都営住宅及び公社住宅ごとに、過去五年間のエレベーターの設置状況を年度別に記載してございます。
二ページをお開きください。2、都営住宅使用承継事由発生件数、申請件数及び使用承継が認められた件数でございます。
過去五年間の各件数を使用承継事由発生期間別に記載してございます。
三ページをごらんください。3、公営住宅使用承継制度厳格化の実施状況でございます。
都道府県及び政令市ごとに、令和二年十月一日現在の実施状況を記載してございます。
四ページをお開きください。4、都営住宅、公社住宅における入居者の年齢別世帯数の状況及び単身入居者の年齢別世帯数の状況でございます。
入居者及び単身入居者ごとに、名義人の年齢区分が六十四歳以下及び六十五歳以上別に世帯数及び割合を記載してございます。
五ページをごらんください。5、都営住宅における収入階層別世帯数でございます。
令和二年三月三十一日現在の各世帯数について記載してございます。
六ページをお開きください。6、都営住宅における期限つき入居の募集戸数及び平均倍率でございます。
過去十年間の募集戸数と平均倍率を年度別に記載してございます。
七ページをごらんください。7、都営住宅建てかえによる型別供給実績でございます。
過去三年間の型別供給内訳を年度別に記載してございます。
八ページをお開きください。8、都営住宅の管理戸数、空き住戸数、募集停止戸数でございます。
令和二年三月三十一日現在の各戸数について記載してございます。
九ページをごらんください。9、都営住宅使用料一般減免の状況でございます。
過去十年間の減免件数を年度別に記載してございます。
一〇ページをお開きください。10、都営住宅の使用料収入でございます。
過去十年間の調定額、収入済額、収入率を年度別に記載してございます。
一一ページをごらんください。11、公社一般賃貸住宅及び都民住宅の空き住戸状況でございます。
公社一般賃貸住宅及び都民住宅ごとに、管理戸数及び空き住戸数を年度別に記載してございます。
一二ページをお開きください。12、都内の居住支援協議会設置状況と主な活動内容一覧でございます。
協議会名、設立年月及び主な活動内容について、三ページにわたって記載してございます。
一五ページをごらんください。13、東京都の空き家数、空き家率の推移でございます。
平成十年度以降の空き家数と空き家率を五年ごとに記載してございます。
一六ページをお開きください。14、区市町村別東京ささエール住宅の登録数及び専用住宅の内訳でございます。
令和二年三月三十一日現在の東京ささエール住宅の登録数と、そのうちの専用住宅の数を区市町村ごとに記載してございます。
一七ページをごらんください。15、住宅確保要配慮者向け賃貸住宅に係る家賃低廉化補助を実施している自治体及び補助実績でございます。
平成三十年度及び令和元年度の補助実績を、実施自治体別に記載してございます。
一八ページをお開きください。16、サービスつき高齢者向け住宅等供給実績でございます。
過去五年間及び累計の戸数をそれぞれの高齢者向け住宅ごとに記載してございます。
以上で資料説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○米川委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○森口委員 お願いします。二〇四〇年代に目指す東京の姿とその戦略を示した未来の東京戦略ビジョンでは、安心して住まえる住宅は日常生活の基盤であり、地域の居場所の確保とあわせて、良質な住まいが確保されている必要があるとしております。
都の住宅政策審議会では、東京が将来抱える、世界に類を見ない少子高齢化や世帯の単身化といった課題に対する取り組みとあわせて、ポストコロナ社会における都民の価値観や生活様式の変化を踏まえ、未来の東京にふさわしい住宅政策のあり方について議論が始まっているところであります。
将来の住宅政策を考えるに当たっては、都の住宅ストックを活用した都民の新たな居場所づくりの必要性とともに、住まいの安全・安心をいかに生み出していくかが重要であると考えております。今回は、そういった観点で、住宅政策本部の重要施策について質問を行っていきます。
本格的な少子高齢社会を迎える中、住宅セーフティーネットの中心的な役割を担う都営住宅では、高齢者の居住の安定を図りつつ、若年世帯や子育て世帯、ひとり親世帯など、多様な世帯の住宅確保への配慮も重要となっております。
そこで、都営住宅における多様な世帯の入居促進のため、都はどのように取り組んでいるのか伺います。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅の募集では、入居機会の公平性を確保するため、公募を原則としつつ、高齢者や障害者のほか、ひとり親世帯や多子世帯等の子育て世帯など、特に居住の安定を図る必要がある世帯に対して、ポイント方式や優遇抽せんによって優先入居を図っております。
加えまして、昨年五月の住宅政策審議会答申を踏まえ、都営住宅における多世代共生の実現に向け、若年ファミリー向け期限つき入居制度について、入居期限を子供の高校修了期まで延長し、また、対象をひとり親世帯に拡大する改正を行いました。
さらに、昨年、ひとり親世帯を毎月募集の申し込み対象世帯に追加するなど、募集を通じて多様な世帯の入居促進に取り組んでおります。
○森口委員 都営住宅には、そういった多様な世帯の住まいとしての役割に加え、さまざまな世代が交流できる地域の居場所としての役割も求められています。
都では、今年度、都営住宅の交流スペース等を活用した、東京みんなでサロンの実施を予定しておりますが、新型コロナウイルス感染症により世の中が大きく影響を受ける中での現在の取り組み状況について伺います。
○土屋経営改革担当部長 今年度、東京みんなでサロンのモデル事業の実施を予定しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、人々が集会所などに集まり、食事をともにして交流する事業の実施には、慎重な検討を要する状況でございます。
現在、マスクの着用、消毒液の設置、検温、換気、ソーシャルディスタンスの確保など、感染症対策にも配慮した上で、提供する飲食物の内容や屋外での実施を含めまして、実施方法の工夫について検討しております。
団地自治会や地域住民、地域活動を行う団体、社会貢献事業に取り組む民間事業者など、関係者の意向を十分に把握した上で、今後のモデル事業の実施に向けて取り組んでまいります。
○森口委員 新たな地域コミュニティとして、多様な人々が集い、かかわり、悩みを分かち合えるような居場所となるよう、コロナ禍も踏まえ、屋外で実施をしていくなど工夫をしていただきたいと要望いたします。
都営住宅だけではなく、中堅所得者向けの都民住宅についても利活用の取り組みが重要です。昨年十一月、稲城市にある都民住宅の空き住戸を活用して生活支援サービス施設が開設されていますが、開設から一年近くたち、設置者である市は、事業の効果をどう評価しているのか。また、こうした活用をほかの区市にも情報提供し、住民福祉の向上につなげるよう、都としても取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。
○土屋経営改革担当部長 都施行型都民住宅の空き住戸を活用して、区市町が地域に必要な保育、介護及び生活相談などの住民サービスを提供できるよう、空き住戸を区市町に目的外使用許可できる仕組みを平成二十九年度に構築いたしました。
昨年十一月、向陽台六丁目の都民住宅一住戸におきまして生活支援サービス拠点を開設した稲城市によりますと、施設では、介護や育児の相談や介護予防の体操などの活動が行われており、利用者からは、身近なところに気軽に相談できる場所ができてよかった、安心して生活できるという声が寄せられており、市としても、この拠点を活用して地域の生活支援サービスを充実していきたいとのことでございます。
今後、地域福祉の向上に資するよう、区市の担当課長会等を通じまして、この都民住宅を活用した取り組みにつきまして周知し、その活用拡大を図ってまいります。
○森口委員 都営住宅や都民住宅が、都民共有の財産として、そこに住む人の居住の場としてだけではなく、地域に開かれた形でさまざまな活用が図られるよう、一層取り組みを進めていくよう求めて、次の質問に移ります。
次に、都営住宅ストックの有効活用について伺います。
都営住宅が、子供から高齢者までさまざまな世代が集まる交流の場となり、また、商業や福祉など人々の暮らしを支える生活支援の機能も備えた拠点として、これまで以上に地域に貢献していくことが重要であると考えます。
そこで、次期住宅マスタープランにおいては、区部中心部などポテンシャルが高い地域を中心に、都有地の資産価値を十分に考慮し、都有資産の有効活用という視点に立った都営住宅ストックのあり方についても検討をしていくべきと考えますが、見解を伺います。
○栗谷川再編利活用推進担当部長 都営住宅は、都民共有の貴重な財産であり、住宅に困窮する高齢者や子育て世帯等に対するセーフティーネット機能を担うとともに、建てかえに伴う創出用地を民間活力によってまちづくりに有効に活用することが重要でございます。
昨年建てかえが完了した港区の北青山三丁目アパートでは、子育て世帯の入居促進などを図るとともに、都市整備局と連携しながら、創出用地を活用して民間活力等を生かしつつ、青山通り沿道との一体的なまちづくりなどを段階的に推進し、最先端の文化、流行の発信拠点の形成に取り組んでおります。
今後、こうした取り組みを含め、区部中心部等におけるまちづくりと連携した都営住宅ストックの有効活用などについて、住宅政策審議会の議論を踏まえ、新たな住宅マスタープラン策定の中で検討してまいります。
○森口委員 次に、住まいの安全・安心に関する取り組みについて伺います。
近年、地震、水害などにより、日本各地で多くの方々の生活が脅かされておりまして、都においても、大勢の都民がお住まいになる都営住宅の安全・安心の確保が重要と考えます。そこで、我が党の公約である都営住宅エレベーターの停電時対応を初め、都営住宅における安全・安心に関する取り組みについて質疑を進めていきたいと思います。
災害時は、多くの都民がスマートフォンから災害の情報を得るとともに、家族との連絡、安否確認などを行うことから、スマートフォンの充電ができる環境づくりが重要であります。都営住宅の建てかえ時には、太陽光発電設備を設置しておりますが、これまでは住民が使用することは困難でありました。
そこで、昨年十一月の都市整備委員会において、我が党の伊藤ゆう議員からの要望に対して、今後建てかえを行う都営住宅については、停電時に太陽光発電設備の電源が活用できるように取り組むことを表明されています。この取り組みは大変重要でありますので、確実に推進をしていただきたいと思います。
さらに、停電時に太陽光発電設備の電源を活用する取り組みから一歩進んだ対策として、本年三月の都市整備委員会において、我が党の関野たかなり議員から、夜間の停電時対応について検討を要望しております。これに対し、屋内であり、夜間も滞在が可能な集会所に太陽光発電設備と蓄電池設備の一体的な整備を計画するとの答弁がありました。この取り組みの進捗について伺います。
○妹尾建設推進担当部長 集会所への太陽光発電設備と蓄電池設備の一体的な整備につきましては、モデル事業として二団地で試行することといたしました。両団地について、昨年度、設計に着手し、現在、このうち一団地については工事の発注手続を開始しており、もう一団地については来年度の発注を予定しております。
工事の完成後に、長時間の停電を想定した防災訓練等の実施、日ごろの維持管理などを通じて、その有効性や課題を検証した上で、今後の展開につなげてまいります。
○森口委員 次に、都営住宅におけるエレベーター停電時の対応状況について伺います。
近年、日本各地で発生している地震の際にも多くのエレベーターが停止をし、エレベーターの中に長時間閉じ込められるとともに、救助にも時間がかかっています。こうしたことから都営住宅では、停電時に利用者がエレベーターの中に閉じ込められないよう、エレベーターが最寄りの階に停止をし扉が開く、停電時自動着床装置の設置を行っております。
都は、二〇二〇年に向けた実行プランで、二〇二四年度に、都営住宅のエレベーターの本装置の設置率八五%以上を目標と掲げておりますが、エレベーターの停電時の対策について、これまでの取り組みと現在の進捗状況を伺います。
○金子営繕担当部長 都営住宅のエレベーターの停電時自動着床装置につきましては、平成二十年度から、建てかえ及び既存の住棟に後づけで整備するエレベーターから設置を開始いたしました。
また、平成二十一年度から、大規模な改修を行うエレベーターにつきましても本装置の設置を開始いたしまして、それ以外の既存のエレベーターにつきましても、東日本大震災の状況を踏まえて、平成二十三年度以降、設置を進めてまいりました。このような取り組みによりまして、令和元年度末時点の設置率は約六九%となっております。
○森口委員 いつ起こるかわからない災害に向けて、早急に設置をしていただくことを要望いたします。
次に、LED照明の設置について伺います。
電球型LEDランプは、一般電球と比べると約九割も消費電力を抑えることができ、消費電力が少ないということは、それだけ排出するCO2も少なくなるので、環境への負荷が軽減できます。国のエネルギー基本計画においては、二〇三〇年までに照明ストックで一〇〇%の普及を目指すとしております。
都においても、二〇二〇年に向けた実行プランで、二〇三〇年度までに、都営住宅の共用部等の照明について全ての住棟のLED化を目標と掲げております。
そこで、共用部のLED化について、これまでの取り組みと現在の進捗について伺います。
○金子営繕担当部長 都営住宅の共用部のLED化につきましては、平成二十七年度から建てかえ事業の中で実施するとともに、既存の都営住宅につきましても、平成二十九年度から計画的に更新を進めております。この間のLED化実績は、令和元年度までに累計で約二万九千七百戸となっております。
○森口委員 実行プランで目標としている二〇三〇年度へ向け、都営住宅の全ての住棟への設置を、引き続き取り組みを求めます。
次に、ブロック塀の安全対策について伺います。
平成三十年六月に発生した大阪北部地震では、通学途中の児童が倒れてきたブロック塀の犠牲になるという痛ましい事故がありました。このような事故を二度と起こしてはならないと考えています。
都は、震災後早速、都有施設のブロック塀等について緊急点検を行い、その結果を公表するとともに、通学路を含む不特定多数が通行する道路等に面する塀などを優先的に、安全対策を進めております。
平成三十年十二月、都は、点検項目に適合しない塀がある都営住宅のうち、第一優先順位で塀の撤去等を進める団地名を公表しましたが、これらの団地について、これまでの取り組みと現在の進捗状況を伺います。
○金子営繕担当部長 大阪北部地震によるブロック塀等の倒壊事故を踏まえ、都営住宅の塀を対象に緊急点検を行った結果、六十二団地六十八カ所の塀につきましては、通学路を含む不特定多数の人が通行する道路等に面していることから、第一優先に撤去等を実施することとしております。
令和二年九月三十日時点で、万年塀につきましては、三十二カ所のうち十八カ所で撤去等が実施され、進捗率は約五六%となっております。組積造の塀につきましては、五カ所のうち四カ所で撤去等が実施され、進捗率は約八〇%、補強コンクリートブロック造の塀につきましては、三十一カ所のうち十八カ所で撤去等が実施され、進捗率は約五八%となっております。
なお、これを団地数で見ますと、六十二団地中三十七団地で実施済みとなっておりまして、進捗率は約六〇%となっております。
○森口委員 このような事故が起こらないよう、引き続き対策を進めていただきたいと要望いたします。
次に、マンションの適正管理について伺います。
本年四月から、マンションの管理状況届け出制度が始まりました。私は、かねてよりマンション管理の適正化や円滑な再生に向けた対応について要望をしてきており、この届け出制度に大いに期待をするところであります。
昭和五十八年以前に新築のマンションが届け出の対象となっており、まずは、これらの届け出義務であるマンションの届け出をしっかりと行い、その状況に応じ、行政が適切に助言等を行っていくことがマンション管理の適正化や円滑な再生に重要と考えます。
そこで、現在の届け出の状況と、今後、届け出率向上に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 本年四月から始まった管理状況届け出制度でございますが、現在の届け出数は約六千四百件であり、要届け出マンションのうち約四五%から届け出がございました。
届け出期限を経過しても届け出がなされないマンションに対しましては、適正な管理が行われていないことが懸念されることから、行政が直接粘り強くアプローチすることが必要であるため、今後、届け出対象マンションのある区市町と連携して、順次、届け出を促す文書を発出するなど、督促を行ってまいります。
さらに、こうした督促に対しても届け出がなされない場合には、今後、個別訪問調査を実施して、管理者やお住まいの方々から聞き取りを行うなど、届け出を行うよう求めてまいります。
○森口委員 都の所管マンション課に伺ったところ、届け出制度を都に先行して実施をしてきた豊島区では初年度に約五〇%、墨田区では約四〇%の届け出率だったとのことであります。約半年で四五%ほどですので、順調な滑り出しではないかと評価をいたしております。
今のご答弁では、届け出がなされないマンションに対して、さまざまな取り組みによって粘り強くアプローチをしていくとのことでありますので、区市と連携をしながら、都としても、引き続き積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。
また、行政から届け出を促すアプローチも大事ですが、あわせて管理組合が届け出しやすい仕組みをつくっていくことも重要と考えます。私は、昨年十一月の都市整備委員会の事務事業質疑にて、オンライン化による電子届け出については、届け出を行う管理組合、ユーザー視点に立った使いやすい手法にしていただきたいと要望をしました。
そこで、オンラインを活用した電子届け出状況について伺います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 現在の電子届け出の割合は、届け出数の約五割となっております。
届け出に当たり、管理組合の利便性の向上や負担軽減のため、オンラインによる届け出を可能とする機能を備えた管理状況届け出システムを新たに構築いたしました。システム構築に当たっては、チェックボックスでの選択回答を中心とするなど、管理組合が使いやすいシステムとしております。
また、届け出制度開始前に、対象となる全てのマンションに対しましてオンラインによる届け出方法の資料を郵送し周知しているほか、入力方法等のお問い合わせに対してもきめ細かく職員が対応するなど、オンラインでの届け出を円滑に行えるよう取り組んでございます。
○森口委員 届け出をオンラインで実施できるようにしたのは、都が初めてというふうにも伺っております。届け出対象が一万四千棟に及ぶ中、システムにより個々のマンションの届け出情報を一元的に管理をしていくことが重要と思いますが、さらに効率的で使いやすいシステムとなるよう、引き続き改善に努めてもらえるよう要望いたします。
また、届け出を出してもらうこと自体がこの制度の目的ではなく、届け出された情報の蓄積を、今後、助言や支援等につなげていくことが重要です。例えば、マンションにおいて大きな課題である防災対策につなげていくことが重要と考えます。
そこで、届け出制度では、社会的機能の向上に資する取り組みとして、防災への取り組みを届け出事項としております。届け出情報を活用し、どのようにマンションの防災について取り組むのかお伺いいたします。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 マンションは、東京都内における主要な居住の形態として広く普及し、まちの活力、魅力、防災力の形成とも密接に関連していることから、分譲マンションの管理組合が防災対策に主体的に取り組むことは重要でございます。
このため、管理状況届け出制度では、防災への取り組みとして、ハード面では耐震化の状況、ソフト面では防災マニュアルや用品の備蓄の有無等の事項を届け出を求める項目として設けてございます。
今後、届け出された情報をもとに、マンション適正管理啓発隊が個々のマンションを訪問し、適正管理に向けた普及啓発活動を行ってまいります。その際に、防災に対する取り組みが十分でないマンションに対しましては、マンション管理ガイドブックなどを活用したアドバイスのほか、各区市が実施する支援制度や総務局が実施する防災に関するセミナーの紹介などを行ってまいります。
こうした取り組みによりまして、マンションの防災力の向上を後押ししてまいります。
○森口委員 ご答弁にあったように、管理組合が主体的に防災対策に取り組むことは重要です。ぜひ、届け出情報を活用して、効果的な普及啓発をお願いいたします。
良質なマンションストックの形成においては、適正な管理に加え、耐震化も重要な課題でありますが、届け出では、管理状況のほか、耐震化の状況の事項も設けられており、実態の把握が進んでいくことが期待されております。
そこで、現時点で届け出により把握できた耐震化の状況と、今後、この届け出情報を活用して、どのように耐震化を進めていくのか、伺います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 届け出のあったマンションのうち、旧耐震基準と考えられるマンション約四千五百棟におきまして、耐震診断の実施状況で実施済みと回答があったものが約三〇%、耐震改修の実施状況で実施済みと回答のあったものが約一〇%となってございます。
マンションの耐震化を促進するためには、所有者みずからが主体的に取り組めるよう、管理組合の合意形成に向けた働きかけが重要でございます。このため、耐震診断や耐震改修が図られていないマンションに対して、届け出により把握した個々の耐震化の状況等に応じ、耐震助成制度の案内やアドバイザー派遣等のきめ細かな助言等を実施し、管理組合の合意形成に向けた取り組みを支援してまいります。
○森口委員 これまでも都は、マンションの耐震化に向けてさまざまな取り組みを行ってきたことを承知しております。届け出制度によって個々のマンションの耐震化の状況が明らかになってくるので、それぞれの状況に応じた普及啓発や支援に取り組んでいただきたいと要望いたします。
さて、届け出義務対象となるマンションに対しては、行政が引き続き届け出を促し、普及啓発や管理状況に応じた助言、支援など、適正な管理に向けた取り組みを進めていくことと思いますが、届け出対象となっていないマンションについても、将来、適正管理に支障が生じないよう、行政の一層の対応が必要となると考えます。
そこで、届け出義務の対象とならない昭和五十九年以降のマンションについても、行政が適正な管理を働きかけることが必要と考えますが、見解を伺います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 今後、高経年マンションの急増が予想されることや、高齢化等による管理組合の担い手不足などによりまして、適正な管理に支障が生じるマンションが出てくることも懸念されます。
東京におけるマンションの管理の適正化に関する指針では、全てのマンションを対象として適正な管理を推進するために、管理組合が留意する事項などを定めております。届け出義務のないマンションに対しましても、本指針の周知と普及啓発を行うとともに、各種支援に関する情報提供、セミナーや総合相談窓口での相談などを通じまして、適正な管理を促進してまいります。
○森口委員 マンションは、都民の約四世帯に一世帯が居住する主要な居住形態でありまして、都道府県初である、この管理状況届け出制度を導入したことを高く評価するものであります。今後、この制度を円滑に進めるため、都が区市町村や関係団体と連携をしながら、ぜひ良質なマンションストックの形成に向け取り組んでいただくよう期待をいたしております。
次に、都民の居住の安定確保に向けた取り組みの中でも、平成二十九年に始まった住宅セーフティーネット制度、いわゆる東京ささエール住宅について質問をいたします。
住まいの確保は生活の基盤であり、健全な社会生活を営む上で、誰にとっても極めて重要であります。一方で、お一人で暮らす高齢者や障害をお持ちの方などは、アパートやマンションを借りようとしても、さまざまな事情から入居を断られることが多く、こういった実態は、残念ながらなくなっておりません。コロナ禍も加わった現在、こうした住宅確保要配慮者の方々にとって、住まいの確保はさらに切実な問題であります。
こうした社会的な課題に対応する一つの方法が、要配慮者の入居を拒まない民間賃貸住宅の登録制度を中心に、財政的な支援や居住支援の仕組みがセットとなった住宅セーフティーネット制度であります。私もこの制度に大いに期待をしているところでありますが、東京ささエール住宅が有意義に活用されるためには、その対象となる方々に、制度を十分に知っていただく必要があります。
そこで、制度の普及啓発に向け、これまで都は、どのように取り組んできたのかお伺いいたします。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 東京ささエール住宅の登録が促進され、また、より幅広く入居が促進されるためには、制度が広く認知されることが重要でございます。
このため、広く都民に向けまして、都はこれまで、わかりやすいパンフレット等を作成し、周知を図るとともに、東京ささエール住宅という親しみやすい愛称を設定して広報に活用するなど、工夫を凝らした普及啓発に取り組んでまいりました。
また、制度の直接の対象である貸し主や要配慮者に対しましては、不動産団体や福祉団体、居住支援法人等と連携し、セミナーや団体の会報誌において制度を紹介するなど、さまざまな機会を捉え、積極的な情報発信に努めてきたところでございます。
○森口委員 これまで都が、普及啓発に向けてさまざま努力を重ねてきたことがわかりました。ただ、現状で制度がどの程度知られているか、しっかりと把握をした上で、効果的な周知を展開していく必要があると思います。
そこで、東京ささエール住宅のさらなる活用を図るため、都は、制度の認知度を把握すべきと考えますが、見解を伺います。また、認知度の現状を踏まえ、今後どのように周知を強化していくのか伺います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 昨年、北区が貸し主を対象に実施した住宅セーフティーネット制度についての認知度調査によれば、約六割の方が、制度を知らない、約二割の方が、名前は知っているが内容は知らないと回答しているなど、都といたしましても、制度が十分には浸透していないものと考えてございます。
先ほどの答弁でもお答えをいたしましたが、本制度が幅広く利用されるためには、広く認知されることが重要でございまして、こうした認知度の現状を踏まえ、都として、東京ささエール住宅の認知度についての調査を行う予定でございます。
今後、調査の結果を周知の方法や広報媒体の選択に生かし、より効果的な周知が実現できるよう取り組んでまいります。
○森口委員 現状の認知度は決して高いとはいえず、都としても、これから独自の調査を行う予定とのことでありましたが、ぜひ調査を具体化し、政策効果の検証などにもつなげていただきたいと要望をいたします。
また、東京ささエール住宅については、普及啓発ももちろん重要ですが、入居した要配慮者が日々の生活を営む上で、適切な居住支援が提供されることが不可欠であり、これなくして居住の安定を確保できているとはいえません。
先ほども述べたように、要配慮者の属性や状況はさまざまであり、それゆえ居住支援においても、例えば、身寄りのない方の家賃債務保証や、高齢者の見守りや通院の付き添い、あるいは離職者の就労支援に至るまで、幅広いニーズがあります。
そこで、個々の要配慮者の属性や状況に応じたきめ細かい居住支援を実現するため、東京ささエール住宅の入居状況を把握することが必要と考えますが、見解を伺います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 東京ささエール住宅については、現在、国の登録システムにおきまして、登録に際して入居状況の入力が任意となっており、多くの事業者等が入力していないことから、要配慮者を含め、その状況を的確に把握することが困難でございます。
一方、事業者等に対して、その時々の入居状況を的確に報告するよう求めることは、過度な負担を生じさせることとなるため、現在におきましては、入居状況の把握よりも、要配慮者向けの住宅の受け皿となる東京ささエール住宅の登録促進に努めているところでございます。
要配慮者の入居状況の把握につきましては、今後、事業者等の負担などを踏まえて、その方法等を検討していく必要があると考えてございます。
○森口委員 要配慮者の入居後の居住支援を充実させるため、認知度調査に引き続き、要配慮者の入居状態についても、できる限り把握に努めていただくようお願いをしたいと思います。
そして、こうした一連の都の取り組みを通じ、居住支援が地域にしっかりと根づくとともに、東京ささエール住宅がより広く活用され、都民の居住の安定が確保されるよう、都においても、これからも精力的に取り組みを進めていただくことを要望いたします。
今回は、居場所づくりや安全・安心の観点から、さまざまな質疑を行ってきました。住宅は、日常生活の多くの時間を過ごす空間であり、都民の快適な暮らしを支える重要な基盤でありますが、今回の新型コロナウイルス感染症は、住宅確保が難しい方々を増加させるだけではなく、人と人の生きがいや多様な世代の交流の場となっていた居場所を喪失させるなど、都民の住生活に多大な影響を与えております。
一方で、テレワークなど新しい働き方が拡大をしており、今後の住宅政策においては、その定着への対応や、超成熟社会の進展による単身シニア層の増加に伴うICTの活用などが求められております。
そこで、最後に、新型コロナウイルス感染症に伴う現下の影響や、将来の社会のありようの変化を見据えて、今後どのように住宅政策を進めていくのか見解を伺い、私の質問を終えたいと思います。
○武井住宅政策担当部長 住宅は、生活の基盤であり、高齢化、単身化の進行など、家族のありようとも密接に関係しています。そのため、新型コロナウイルス感染症の影響も含め、都民の住まいに対する意識の変化や住生活を取り巻く社会経済状況に合わせて、新たな住宅政策を展望していくことが重要です。
今般の新型コロナウイルス感染症は、失業等による住宅喪失などの直接的な影響に加え、外出や交流の減少による居場所の喪失や高齢者の健康状況の悪化、孤立化など、都民の住生活にも大きな影響を与えています。
一方で、テレワーク等の新しい働き方の実践といった新しい日常が定着しつつあり、人々の住まいのあり方に対する意識も大きく変容していく可能性があります。こうした変化や新たな課題を見据えて、未来の東京戦略ビジョンで示した住宅戦略についても、例えば、都営住宅における地域の拠点や交流の場となる居場所づくりやICTを活用した高齢者見守り、空き家の地域資源としての活用、マンションの適正管理、大規模災害への備えなど、施策のバージョンアップを図っていく必要があります。
今後、こうした取り組みの具体化を図り、長期戦略に盛り込んでいくとともに、令和三年度末を目途に新たな住宅マスタープランに反映していきます。
○鈴木(章)委員 私からは、空き家対策と、あと、既存住宅の流通促進について、何点か確認をさせていただきます。
決算でも、この住宅政策に対しては質疑をさせていただきましたので、今回は事務事業ということで、どちらかというと、既存住宅の流通促進についてお伺いしたいなというふうに思います。
平成三十年に総務省が実施した住宅と土地の統計調査によって、今、都内の空き家数は約八十一万戸ぐらいあるというふうにいわれております。これはいうまでもなく、平成二十五年の前回調査に比べると、若干ながら減少しているわけです。
今後、高齢化の進展や、人口や世帯数の減少が見込まれる中で、適切に管理されていない空き家が増加すると、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼすということで、今社会問題になっています。
空き家といっても、さまざまあるわけです。腐朽してもう住めないような住宅や破損をして住めない住宅もありますし、また、所有者自体がわからない住宅などがありまして、実際この八十一万戸っていわれている中でも、人が住めるような賃貸住宅というのは、今五十万六千戸ぐらいだっていうふうに、これはもう報告されております。
この空き家をいかに活用して、そしていかに対策をとって、有効な、地域住民の生活環境を改善するために取り組んでいったり、そしてまた、これからの空き家をふやさないような取り組みにつなげていくことが大事だというふうに思います。
平成二十七年、このときに施行されました空家等対策特別措置法、これは区市町村を地域の実情に応じた空き家対策の実施主体として位置づけたわけです。
都道府県は、区市町村が取り組むこの空き家対策について、さまざま必要な支援を行うとされているんですけれども、ここで改めて、この区市町村の空き家対策を今までどのように支援してきたのかお伺いいたします。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 空き家対策を効果的に進めていくためには、地域の実情を把握している区市町村の取り組みが重要でございます。
このため、都は、平成二十七年度から区市町村が行う空き家の実態調査や、空き家の除却、改修などへの支援を実施しております。
また、平成二十九年度から、空き家対策連絡協議会を合計十二回開催し、学識経験者による講演や他県における先進的な取り組み事例などの情報共有を図ってございます。
さらに、昨年度からは、先駆的かつ高度なノウハウを要する課題の解決に取り組む区市町村を支援する先駆的空き家対策東京モデル支援事業や、区市町村のまちづくりの方向性を踏まえ、特定のエリアで集中的、連鎖的に空き家等をさまざまな用途に活用、再生するエリアリノベーション推進支援事業を実施してございます。
○鈴木(章)委員 区市町村の取り組みが重要というふうに位置づけられる中で、実際これまで区市町村、首都直下地震への備えとして、不燃領域率七〇%を目標にした地域の防災の観点の空き家対策というのが主だったんだというふうに思います。どちらかというと、腐朽、破損住宅への対応が中心であったと。
取り組みにおいても、その中で、不動産登記の課題とか所有者の特定が困難だったりとか、さまざま課題がある中で、今税制上の問題とか少しずつ改善される中で、取り組みも進んできたというふうに思います。
今答弁ありました、昨年度から始まった個々の空き家に対する取り組みに加えて、エリアリノベーションの推進支援事業、これは実は大田区の池上地域でもこの事業が実施されております。
そこで、この事業について、どのような取り組みで、また成果、今後の展開をどのようにお感じなのか、お伺いいたします。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 エリアリノベーション推進支援事業は、企画調整等を担うまちづくりプロデューサーの業務、事業に対しまして、最大五年間、都が区市町村を通じて財政支援するものでございます。
事業を実施する区市町村を公募し、学識経験者等で構成する選定委員会の評価を踏まえ、令和元年度は大田区の池上エリアを、令和二年度は調布市の富士見町エリアと調布駅から深大寺エリアを採択いたしました。
お話の池上エリアでは、池上駅から本門寺を結ぶ参道を中心とするエリアにおきまして、まちづくりプロデューサーが地域の魅力をホームページやフリーペーパーで発信するとともに、空き家所有者と空き家を活用したい事業者とのマッチングイベントなどを実施いたしました。
こうした取り組みによりまして、空き家が地域に根差した多目的スタジオや、多世代が学ぶ機会を提供するシェアスペースなどに活用されるなど、地域活動の活性化に向けた動きが生まれ始めてございます。
来年度も引き続き、これらのエリアにおけるエリアリノベーションの取り組みを支援し、空き家の活用、再生を通じた地域の価値や魅力の向上につなげてまいります。
○鈴木(章)委員 この池上エリアっていうのは、池上本門寺を中心にした門前町として、商店街と町会が一体となって、さまざまこれまでも取り組んできたわけです。
池上駅の駅舎が東急電鉄の尽力によって大きく変わった中で、まちづくりも随分進んでまいりました。この部分において、この事業を使って、最大五年間、まちづくりプロデューサーが活躍できるような、そうしたインセンティブになったんだというふうに思うんですけれども、実際まちの方々から聞くと、この五年間の財政支援なくなったら、これ続けられるのかっていうような話もいただいております。
また、東急電鉄さんも、事業の継続性っていうのを考えると、最終的にはこの地域の新たな担い手を探すということも視野に入れていかなきゃいけないというふうにいわれている中で、こういったまちづくりを進めていくには、やはりこの商店街振興とか、まちのコミュニティ創出、要するに産業労働局とか、ほかの局とも一体となった取り組みをもっときめ細かにしていかないと、やはり持続していくっていうことは難しいのかなというふうには思っております。
しかしながら、これは空き家を活用した新たな取り組みですので、私もいろんな課題を聞かせていただく中で、皆さんと一緒になって進めていきたいなというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
このように、具体的な成果も見え始めているわけですけれども、こうした動きが地域における持続的な取り組みになっていくように、これからも、区とも連携して、そして局もまたいで取り組んでいただきたいというふうに思います。
空き家の活用や再生は重要な取り組みなわけですけれども、先ほどもいいました、今ある住宅を今後空き家にしないという視点も本当に欠かせないというふうに思います。
その中で、既存住宅の流通というのが大変重要な要素になってくるわけです。先ほど、空き家の五十万六千件が人が住める賃貸住宅という中で、この部分をしっかりとリノベーションをして活用していくということがこれからまさに求められる中で、国は新たに、インスペクションの説明の義務化とか、安心R住宅の制度をつくって取り組みを進めているんですけれども、実際に流通の実績というのは横ばいで大して変わっていないなというふうに思わざるを得ません。
都は現在、既存住宅の流通促進に向けて、どのように取り組みをしているのか、改めてお伺いいたします。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 既存住宅の流通を促進することは、空き家の発生抑制に資するものでもあり、既存住宅の流通促進に向けましては、不安、汚い、わからないといった従来の中古住宅のマイナスイメージを払拭し、消費者が安心して既存住宅を売買できる市場環境を整備することが重要でございます。
委員のお話のとおり、国は、平成三十年四月から、既存住宅売買時における建物状況調査、いわゆるインスペクションに関する説明を宅地建物取引業者に義務づけております。また、国は、一定の要件を満たす既存住宅の広告販売時に、国の定める標章を使用できる安心R住宅制度を開始いたしました。
都におきましては、平成三十年四月に、国と時期を同じくして、都独自の東京都既存住宅流通促進事業者グループ登録制度を開始し、既存住宅の流通促進に向けて取り組んでおります。
また、都は、国の安心R住宅制度のより一層の普及を図るため、国に対して、安心R住宅など一定の品質を有する既存住宅の取得においても、その品質や性能等に応じた優遇措置、いわゆる住宅ローン減税などを講じることと要望してございます。
○鈴木(章)委員 今現在、中古マンションと新築マンションの流通、これ中古マンションが大体三万七千件以上、今流通しているんですね。新築マンションは三万五千件。ということは、近年では中古マンションの流通が大きく飛躍的に伸びているという状況の中で、これしっかりと、この建築状況調査の義務化を進めていくということが、やはりこの流通をさらに促進していく中で大事だというふうに思います。
これまでの建築状況調査と違って、検査員の技術力、そしてまた検査基準、検査方法も確立されたと。今までは、業者ごとに内容や基準も違っていて、この建築状況調査って一体何なんだろうというような、そのような、どちらかというと売り主さんが早く買ってもらいたいがために、ある意味、少しちょっといろんな問題があったとしても、その部分は伏して、いいところだけどんどん説明していたような、そういった向きもあったみたいですけれども、しっかりとこの制度ができたことによって、買い主の方も安心して買えると。そしてその後に、今回、契約不適合責任というものが生まれたことによって、例えば、今まで、三カ月間何もなければ、それでもう終わりよって話だったんですけれども、これから、一年以内であれば、売り主に責任を追及できると。
こういったことも今後の安心感につながっていくという部分では、私は本当にいい制度なんだなというふうに思うんですけれども、実態を調べてみると、このインスペクションの取り組みを進めているというような、なかなかそこには大きな課題があるというふうにも伺っています。
まず、よくいわれるのは、売り主さんが、やはり長い間使われていなかった建物の中で、ふぐあいがどの程度あることも自分が知らないっていう方もいらっしゃって、このインスペクションをすることによって、検査、調査することによって、新たに具体的な課題が知らされると、そういった思いがあって、別にそれに対して、改めて売り主の方もやる必要ないんじゃないかというような人もいるみたいです。
また、買い主の方も、やはりこの部分、インスペクションをやるには、検査、調査で大体三万から五万円かかるっていわれているんです。報告書もつくると八万円ぐらいかかるといわれている中で、この部分は一体誰が見るんだっていう話もあるというふうに伺っております。
やはりこれから、この部分を促進していくためにも、やはり仲介をされている不動産業者にもメリットがなくてはだめなわけですので、この部分をもう少し東京都の方で後押しすることによって、この中古住宅の流通というものがもっと加速するんではないかなというふうに思っておりますので、ぜひこれは検討をしていただきたいなというふうに思います。
この安心R住宅の部分においても、確かにこのインスペクションとか耐震性がしっかりと行われているというような確認ができるわけですけれども、これもなかなか進んでいかないっていうところに、やはりこれ仲介業の人たちのメリットがないというふうにもよくいわれるわけです。
今後、このことも大きな課題としてぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
しかしながら、こういった制度ができて、で、東京都は独自の既存住宅流通促進事業者グループ登録制度を平成三十年度に開始しました。
今後、どのようにこの制度を発展させて、既存住宅の流通促進を図っていくのか、お伺いいたします。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 都の既存住宅流通促進事業者グループ登録制度は、既存住宅の売買に関連するさまざまな事業者が連携して、消費者への適切な情報提供や、多様な相談にワンストップできめ細かに対応するグループを都が登録するもので、令和二年三月末現在、六グループを登録し、都内三十四の窓口で相談に対応してございます。
都は、これらのグループの活動に対して、インスペクション、普及活動、窓口体制整備に関する補助を実施しております。
現在、今年度実施の既存住宅流通市場に係るアンケート調査におきまして、当該制度を利用したいと回答した不動産事業者等に対し、グループ加入の働きかけを直接行っており、グループ登録の拡大に取り組んでいるところでございます。
こうした事業者グループ制度の登録、普及の促進とともに、さまざまな場面を通じて、既存住宅流通の市場の活性化とさらなる機運の醸成に努めてまいります。
○鈴木(章)委員 もう時間ですので、一言。
区市町村事業として空き家対策が位置づけられておりますけれども、ぜひこの区市町村と連携しながら、そして、東京都がやはり率先して、今大きな課題であるこの空き家対策をしっかりと進めていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
○中山委員 それでは、私から何点か質問させていただきたいと思います。
初めに、平成二十九年の住宅セーフティーネット制度の創設から、はや三年が経過いたしました東京ささエール住宅について質問させていただきます。
我が党は、この制度が有効に機能するように、さまざまな提言を行ってまいりました。
これを受けて東京都におかれましては、貸し主の不安を減らすための見守りサービスへの補助や、不動産会社へのインセンティブとなる登録報奨金制度などを実施していただいておるところでございます。高く評価したいと思います。
都は、二〇二五年までに三万戸という目標を目指していますが、国でも今年度中に十七万五千戸とする目標を設定し、登録手続の簡素化や家賃低廉化補助の拡大など、登録促進に向けてさまざまな取り組みを推進しているところであります。
そこで、まず、十月末現在のセーフティーネット住宅の登録状況について、国、都、それぞれの状況をお伺いしたいと思います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 本年十月末現在、セーフティーネット住宅は全国で十三万四千百三十九戸が登録されており、うち東京ささエール住宅は二千五百八十一戸となってございます。
○中山委員 国では既に十三万四千戸もの住宅が登録されている。しかし、東京の方は二千五百八十一戸であるということであります。
国は大きく進んでいるようでございますけれども、昨年度に比べ、国の登録戸数がどれだけふえたのかという点をお伺いしたいと思います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 令和元年度末の全国の登録戸数は二万八千九百八戸であり、本年十月末までに十万五千二百三十一戸増加してございます。
○中山委員 ここに来て、一年弱の年数の中で、十万戸ぐらいふえているということでありまして、急激に伸びていると。
国の登録戸数が急激に増加した理由を、東京都はどのように把握しているのかお伺いいたします。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 本年六月以降、愛知県、大阪府、兵庫県などで登録戸数が大きく増加してございます。
これらの府県の担当者からは、大手の不動産管理会社がみずから管理する物件を登録したことで、登録戸数が大幅に増加したと聞いてございます。
○中山委員 日本全国の状況として、要配慮者が利用できる住宅の登録数がふえたということは大変歓迎すべきことであると思います。今後、東京でも同じように登録数がふえていくことを私は期待したいと思っております。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
その一方で、本制度が末永く発展していくためには、質の向上を果たして、都民や事業者が注目し、高く評価していただける、多くの期待を集めていただけるような、そういう事実を積み重ねていくことが大事であると思います。具体的には、入居する要配慮者の居住の安定に力を入れていくことが重要となります。
そこで、要配慮者の居住の安定に向けた課題と、今後の対応についてお伺いしたいと思います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 要配慮者の居住の安定を図るためには、要配慮者と物件の円滑なマッチングや、きめ細かな居住支援が重要であり、都はこれまで、居住支援協議会におきまして、最新の制度の動向や先進的な取り組み事例等の情報共有を図り、区市町村や居住支援法人等の活動を支援してまいりました。
一方、こうした活動を通じまして、要配慮者の多岐にわたるニーズが居住支援を行う関係者等に届きにくい場合もあるとの意見や、現在の高齢者等を対象とした見守りサービスに加え、要配慮者の多様な属性に応じた支援が必要であるとの声が寄せられております。
今後、これまでの取り組みに加えまして、不動産団体や居住支援法人、入居支援を行うNPO法人等、現場を熟知する関係者へのヒアリングを行うなど、要配慮者と東京ささエール住宅とのマッチングにおける課題のさらなる把握に努めるとともに、高齢者や障害者、外国人など要配慮者の属性に応じた居住の安定に向けて支援のあり方を検討してまいります。
○中山委員 まず、しっかり課題を分析して把握していただくということがとても大事なことでありまして、その上で、具体的な支援のあり方というのを検討していただきたいというふうに思います。後で、私の意見は述べさせていただきます。
高齢者や子育て世帯など要配慮者によって必要な支援の内容というものは異なってまいります。要配慮者の方一人一人が、必要な支援を受けられるような仕組みがあって初めて東京ささエール住宅の意義が十分発揮されていくものと考えます。東京ささエール住宅の質の向上を図り、要配慮者の方々の居住の安定に資するよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
それから、各区市への強いアピールが必要であります。説明会などに来ていただいて説明するだけでなく、また、特別区や市町村の課長さんが集まる機会に出張っていって説明するだけでなくて、全区市に、まあ、思いとしてはですよ、全区市に個別に赴いて説明していくべきだというふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 住宅セーフティーネット制度の普及に当たり、改修費補助や家賃低廉化補助等の実施主体となる区市町村の役割は重要と認識してございます。
都はこれまでも、東京都居住支援協議会や住宅担当課長会等におきまして、補助制度の紹介を行うなど、各区市に制度創設の働きかけを行ってまいりました。
今後はこれに加え、制度を設けていない区市などを個別に訪問して意見交換を行い、制度の創設を強く働きかけるほか、東京ささエール住宅を活用した好事例の紹介を積極的に行うなど、制度の普及に取り組んでまいります。
○中山委員 今のご答弁にあった点は非常に大事でございまして、少なくとも制度がまだ設けられていない区市については全て訪問していただいて、積極的にご協力を求めていただきたいというふうに思います。
次に、都民住宅の出口戦略についてお伺いしたいと思います。
都民住宅は、バブル期に広さや設備など一定の基準で建設された住宅を、まあ、その基準を満たした住宅ですね、中堅所得者に対し適切な家賃負担で供給する目的で整備された住宅でありまして、その一部は都施行型都民住宅として、都がみずから供給してまいりました。
都民住宅の家賃は、二十年間を限度として市場家賃から減額され、入居者が負担する家賃は毎年三・五%ずつ上がる仕組みとなっておりますが、ほとんどの住宅で減額期間が既に終了しております。
家賃減額期間が終わることは、入居している方は、当然入居時から含めてご承知されているとは思いますけれども、入居後の社会の事情の変化により、収入が少なくなっていて家賃負担が重くなっているとの声が私どものもとにも寄せられております。
その社会的遠因は、終身雇用という体制が崩壊したり、右肩上がりの給与体系というものが失われたり、あるいは非正規職の拡大といったものもあるかもしれません。
人事院の調査によれば、平成三十年までのものしか私は参照しておりませんけれども、国民の給与総額は、平成二十一年以降、増加傾向にあったものの、それまでの間は、国税庁の民間給与実態統計調査によれば、民間給与所得者の平均給与額は、平成九年をピークに下落を続けておりました。
こうした状況下にあって、右肩上がりの給与体系にある人々の入居が前提であった都民住宅については、居住者の任意の選択の結果による入居であるとはいえ、可能な限り、可能な限り丁寧な対応をしていく必要があると私は考えております。
こうした方々が、希望すれば都民住宅から円滑に住みかえられますように、都施行型都民住宅の設置者である都として、何らかの住みかえ支援が必要と考えますが、まず、どのような選択肢が現状あるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 都民住宅にお住まいで、都営住宅の入居収入基準などの入居資格を満たす方につきましては、家賃の負担月額が、世帯の年間総収入を月額に換算した額の二〇%以上になるなど、一定の条件に合致する場合、都営住宅への申し込みを可能としております。その上で、高齢者や心身障害者世帯など一定の条件に合致する場合には、優遇抽せんの対象としております。
また、都営住宅の入居資格を満たさない方につきましては、公社住宅の募集情報を提供しております。
さらに、収入の減少による生活困窮や、病気や介護などの事情を抱える方につきましては、必要な生活支援や介護サービスなどが受けられるよう、地元自治体の福祉部門につないでおります。
○中山委員 都営住宅の入居資格を満たす場合には申し込みができるということが、ご答弁がありましたけれども、都民住宅の入居者の中には、都営住宅に申し込むことができることをそもそも知らない人もいらっしゃいます。
都はこれまで、どのように対応してきたのか、その点についてお伺いいたします。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅へ申し込みが可能であることにつきましては、都営住宅の募集パンフレットに記載してございます。
また、公社の各窓口センターでは、日常的に入居者の個別相談に対応しております。
○中山委員 都営住宅の募集パンフレットに記載しているとのことでありますけれども、都施行型都民住宅の家賃の減額期間は本年十一月で全ての住宅で終了するとのことであります。
この機会に、住宅支援を求める方々に必要な情報がしっかりと届きますように、都として、一歩踏み込んだ周知が必要と考えますが、今後どう対応していくのかお伺いいたします。
○土屋経営改革担当部長 都民住宅の入居者の方々が、条件に合致すれば都営住宅への申し込みが可能であることにつきましては、これまで以上に十分な周知が必要と認識してございます。
今後、都民住宅の家賃減額の終了に合わせて、都施行型都民住宅の入居者の方へ、改めて都営住宅の募集についてのお知らせを作成し、送付するなど、丁寧な周知に努めてまいります。
○中山委員 改めて周知を検討するとの答弁でありました。ぜひ前向きに進めていただきたいというふうに思います。
都営住宅への申し込みの機会は、以前は年四回の定期募集を待つしかありませんでしたけれども、ことしの二月からは、多摩地域の都営住宅を対象とした随時募集が開始されております。
随時募集は、入居希望者の事情に応じていつでも申し込みができる制度で、入居までの期間も最短で三カ月と、速やかな入居が可能であります。都によりますと、申し込みの実績も順調と伺っております。
また、都は、子育て世帯向けに毎月募集を行っておりまして、この点も我が党の要望に応えて実現していただきました。昨年からはひとり親世帯にも申し込みが可能となるなど、申し込みしやすい制度に改善されております。
都として、こうした制度も含め、都民住宅の入居者に周知を改めて行い、入居者の居住の安定が一層図られますように、取り組みを進めていっていただきたいと思います。
とりわけことしは、世界全体が新型コロナウイルス感染症による経済苦に直面しております。今後とも不断の努力で、他局の支援制度の活用の可能性も含めて、急激な所得減に直面する入居者の方々に寄り添った対応を続けていただきますように、切に要望して、次の質問に移ります。
次は、都営住宅の耐震化について質問いたします。
都営住宅耐震化整備プログラムでは、令和二年度末までに都営住宅の耐震化を一〇〇%とするとの目標を掲げております。
今年度はプログラムの最終年度となっておりますが、現在の進捗状況や今後の都の取り組みについてお伺いいたします。
都営住宅の耐震化率は、令和元年度末時点で九五・九%となっておりますが、分譲店舗の併設されている都営住宅の耐震化は、店舗所有者との合意形成が難しいことから、耐震化がおくれていると聞いておりますし、私の地元でも事実そうした事柄で苦慮を重ねてまいりました。
併存店舗のない住棟と併存店舗つき住棟のそれぞれの耐震化率をお伺いいたします。
○金子営繕担当部長 令和元年度末時点における併存店舗のない住棟の耐震化率は、戸数ベースで九七・五%、併存店舗つき住棟の耐震化率は、同様に四七・七%となっております。
○中山委員 併存店舗のない住棟の耐震化は順調に進んでおりまして、目標にあと一歩といったところに達していると思います。
その一方で、併存店舗つき住棟の耐震化については進んでいない現状にあることが改めてわかりました。
併存店舗つき都営住宅の耐震化は、店舗権利者への説明、移転を希望する店舗の買い取り、営業継続を希望する店舗の合意形成、耐震改修工事と、段階を追って進められていくものと伺っておりますが、それぞれの進捗状況についてお伺いをいたします。
○金子営繕担当部長 都は、平成三十年度、より効率的に耐震改修を行うため、一部の店舗を新たに買い取り、その内部に補強のための部材を集約配置することで、他の店舗の仮移転や一時休業などの負担を軽減し、合意形成を加速する仕組みを創設いたしました。
この仕組みとあわせまして、耐震改修の工法や工事における費用負担などにつきまして、令和二年十月末までに、東京都住宅供給公社への業務委託も活用しながら、耐震改修対象となっている四十四棟の三百七十九区画のうち、三百三十三区画の店舗権利者の皆様に対して丁寧な説明を行いました。
この中で、移転を検討するとお申し出のあった百四十区画の店舗のうち、四十一区画につきまして買い取り契約を締結することができました。
また、営業継続を希望する店舗権利者全員の費用負担等の合意が得られた八棟のうち、一棟が耐震改修工事を完了、二棟が工事中、五棟が工事着手予定となっております。
○中山委員 詳細な答弁をいただきましたけれども、公社の活用により、店舗権利者に対しての説明が進んでいることは確認できました。一部買い取り制度も活用して、これまで八棟が耐震化の見通しが立っているとのことであり、その点は評価したいと思います。
今年度が耐震化プログラムの最終年度となっておりますが、目標である耐震化率一〇〇%達成が大変厳しい状況の中、今後の取り組みについて、都はどのように行っていくのか、見解をお伺いいたします。
○金子営繕担当部長 都は、平成二十年三月に策定した都営住宅耐震化整備プログラムに基づきまして、令和二年度の耐震化率一〇〇%を目標とする取り組みを進めてまいりました。併存店舗のない住棟の耐震改修につきましては、耐震化の完了に向けた見通しが立ってきたところでございます。
一方、併存店舗つき住棟の耐震改修につきましては、移転を希望する店舗権利者、営業継続を希望する権利者、それぞれに丁寧な説明を行い、合意を得る必要がございます。
このため、全ての併存店舗つき住棟の耐震化には一定の時間を要する見込みであるものの、一部店舗の買い取り制度や説明業務の外部委託などの取り組みによりまして、耐震化が完了した住棟もあるなど、成果があらわれてきております。
これまでの取り組みを踏まえ、都は、都営住宅の管理者として、年内を目途に本プログラムの改定を行いまして、目標達成までの計画を改めて示した上で、着実に耐震化に取り組んでまいります。
○中山委員 改めて目標達成までの計画を示した上でというお話がございました。しっかりと議会に対しても、また、関係する都民の方々が安心するように、その目標を改めて示す際には、丁寧に説明をしていただきたいというふうに思います。
私の地元の足立区の都営住宅におきましても、当初はエレベーターの設置を目指しておりましたが、併存店舗つきの都営住宅で、店舗側の無断増築があったがために、エレベーターの増設には、その部分の撤去が必須条件となりまして、話し合いが進まず、結局、併存店舗の買い取りにより、団地全体の建てかえの道を選択することになった団地があります。
問題勃発の時点から既に数年の歩みを重ねておりますけれども、ようやくその解決に向けて着手されてきたところであり、その間粘り強く対処していただいた職員の方々には、感謝を申し上げているところであります。
併存店舗つき住棟につきましては、店舗との合意形成に向けた取り組みの途中であることから、耐震化プログラムを改定していくとのことでありますけれども、耐震化が必要な住宅の耐用年数というものも非常に大事なことでありまして、その点を考慮し、耐震改修とあわせて、建てかえ、撤去も含め、居住者の安全・安心を最優先に考えた取り組みを計画的に実施していただきたいと思います。
説明など理解を得る努力は、あくまでも丁寧に行っていただいて、かつ問題解決に向けた新たなステージへの進捗は、自信を持って堂々と進めていただきたいというふうにご期待申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
次に、都営住宅におきます集会所機能の見直しについてお伺いしたいと思います。
都営住宅におきましては、さまざま課題がありますけれども、今後は生活の質の向上や防災機能の充実などの点が重要な課題であると思っております。
その点、集会所の役割は、従前の設置基準をそのまま踏襲していればよいということだけではなくて、都営住宅が求められている社会的要請に沿って設置基準や標準設備などを見直していくべきと考えます。
特に、避難施設として、入居者や地域住民の皆様にも使い勝手のよい、そうしたニーズに応える集会所、さらには高齢者の孤独を防ぎ、健康寿命の増進に寄与する、さまざまな役割を発揮できる集会施設としてのバージョンアップというものが必要であると思います。
キーワードは、わかりやすくいうと、集まりやすさという点にあると思います。集会所に高齢者が集まりやすくするためには、エアコンやWi-Fiの設置や床面積の拡大などが必要であります。
エアコンは、熱中症や避難所肺炎といった言葉もありましたけれども、避難中のさまざまな健康増悪につながることがないように、そうしたものの発症を未然防止する上で不可欠であります。
Wi-Fiは、災害時の通信手段、また、具体的な話になりますけれども、高齢者へのスマホ教室なども開くことができるようになりますし、同じく必要であります。
さらには、床面積の拡大は、集会所を舞台としたさまざまな生活支援サービスへの参加者の増加や、今後もさまざま姿を変えて襲いかかってくるでありましょう感染症リスクに備えたディスタンスの確保などの点からも、確実に視野に入れて見直しを図っていくべきであります。
集会所のレベルアップが必要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。
○妹尾建設推進担当部長 都営住宅の集会所等は、居住者の共同の福祉のための施設でございまして、団地の戸数に応じて面積の基準を定め、整備を行っております。また、その管理運営は自治会が行っており、冷蔵庫、電話、エアコンなどにつきましては、集会所の使用実態に応じて自治会が設置しております。
お話のように、自治会活動以外での使用も想定し、都が集会所の面積拡大やエアコン、Wi-Fiなどの整備水準のレベルアップを行う場合には、整備後の施設管理の方法やその費用負担のあり方などが課題となるものと考えられます。
現在、都では、高齢者の居場所づくりなど、居住者や近隣の方々が交流を深めることができる事業として、都営住宅の集会所を活用して、東京みんなでサロンを実施することとし、他の自治体やURの公的住宅等における集会所の機能や仕様等について実態把握を進めております。
今後、費用負担等の課題や東京みんなでサロンの実施状況などを踏まえ、新たに整備する集会所の設備の仕様等について検討してまいります。
○中山委員 前向きな答弁をいただきまして、安心したところであります。今後の着実な進捗に期待したいと思います。その際にまた改めてご報告をお願いしたいと思います。
その上で、ちなみに、都営住宅内の共用部の照明器具のLED化への取りかえ工事が実施される場合には、集会所内外の照明器具のLED化も同時に行われると認識してよいか。建てかえ後の集会所において、LED照明器具を設置する取り組みを既に実施されていると思いますけれども、団地自治会からの要望が特に多い、既存の集会所におけるLED化の取り組みとあわせて、改めて確認を行いたいと思います。
○金子営繕担当部長 都営住宅の集会所の照明器具につきましては、平成二十七年度から建てかえ事業の中で、屋内及び外壁に設置するものを全てLED化しております。
既存の住宅につきましては、平成二十九年度から共用部等の照明器具のLED化を順次開始しておりますが、既存の集会所につきましては、その構造や仕様が多岐にわたり、照明器具の形状や照度の検証が必要であったため、今年度から内外の照明器具のLED化に着手しております。
○中山委員 既存の集会所につきましては、今年度から内外の照明器具のLED化に着手しているということでありまして、取り組みの改善を図ってきていただいた成果が上がっているものと評価させていただきたいと思います。
集会所の床面積の基準を広げる場合には、緑地面積の確保などが課題になる団地もあり得るのかと思います。管理上で、居住者への新たな負担とならないような手法であれば、屋上緑化なども一つの選択肢としては喜ばれるとは思います。
少なくとも、さまざま工夫を凝らしていただいた上で、緑地面積の確保などがネックとなって集会所の面積の拡大が実現しないといったような事態は避けていただいて、しっかりと検討を進めていただくことを要望し、次の質問に移りたいと思います。
次は、なかなか募集が図られにくい住戸の活用という点で、課題の分析に入りたいと思います。
近年、気候変動によりましてたびたび発生している大規模な水害や首都直下地震への備えなど、住民の防災意識も高まっております。いざというときの避難に備え、自治会、町会による防災訓練や、防災用物資の備蓄など、日ごろからの取り組みが重要であります。
都営住宅におきましては、我が党の求めに応じまして、平成二十七年度から建てかえの際に、防災備蓄物資の保管スペースを確保してきておりますが、既存の都営住宅においても同様のスペースの確保が求められるところであります。
都営住宅の空き住戸の中には、何かしらの事情により、しばらくの間、入居者の募集を見合わせているところもあるようでありますが、まず、その住戸はどのような理由で募集していないのかお伺いいたします。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅の住戸は、年四回の定期募集などで入居促進を図っておりますが、例えば将来的に建てかえなどが見込まれる場合などで、状況を慎重に見きわめている住戸もございます。
○中山委員 今答弁がありましたけれども、しばらくの間、結果として入居者の募集を見合わせているところもあるようであります。
そうした空き住戸を、入居者を募集するまでの間だけであったとしても、周辺地域から希望があれば、防災備蓄物資の置き場所として使えるように柔軟に対処すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅の住戸は、公営住宅法等に基づきまして、住宅に困窮する者に対して賃貸するため、都が整備した住宅でございます。
空き住戸は、公営住宅の用途に使用する行政財産でございますが、住宅を管理する上で支障がなく、国または地方公共団体が公用または公共用に使う場合などに限りまして、使用許可をすることができます。
入居者の募集を見合わせている空き住戸につきまして、地元区市町が防災備蓄物資の保管スペースとして活用することは、居住者及び地域住民の安全・安心の確保に資するものと認識しております。
今後、地元区市町から要望があれば相談に応じてまいります。
○中山委員 前向きな答弁ありがとうございました。
当然、できる限り多くの住戸で、新規募集や建てかえや災害対応、住宅変更などを通し、新たな入居に充てていくための努力がきちんとなされていることが大前提であると思います。
それでも、さまざまな事情により新規入居に回せない住戸があることも私は見聞きしているところであります。そうした際に、仮に一年単位の目的外使用の許可という制限つきであったとしても、防災倉庫などとしての活用は、都の資産の遊休化という無駄を防ぐ上で価値的な選択肢であると考えます。
今ご答弁になった制度が整った上では、改めて議会にご報告いただくとともに、広く都内自治体に周知し、自治体から要望があった場合には積極的で柔軟な対応をお願いしたいと思います。
次に、都営住宅の入居募集や空き室管理上の事務改革について質問させていただきたいと思います。
都営住宅は、住宅に困窮している方々のセーフティーネットの役割を果たしておりまして、真に住宅支援を必要とする方々が速やかに入居できるようにすることが大切であります。
その一方で、地元からは、都営住宅の見かけの雰囲気として、空き住戸が多いんじゃないかと、何で募集されないんだということをよくいわれます。
問い合わせを頂戴する機会も多く、都住の空き住戸には事業用と公募用があり、公募用でも既に募集に出しているものや、返還されてから修繕中のものなどがあり、全て募集に出せるわけではないことなどを、お問い合わせをいただく際に私なりに説明しているところでありますけれども、都営住宅への入居を希望する方々の理解を得ることにはなかなか結びつきません。
また、共益費や自治会費を集金に回っていらっしゃる自治会の人から見れば、都営住宅の応募倍率が高い中で、なかなか入居できないというふうにいわれている声があるのに、なぜ空き室、入居者がいない状態にしておくのかとのふんまんやる方ない思いも頂戴するところであります。
また、新規募集の際、いうにいわれない事情があり、抽せんに当たらなければ何も始まらないことは当然としても、当せんしたら一刻も早く入居したい、例えば、今住んでいらっしゃる賃貸住宅が取り壊されてしまうとか、そういうような事情があったりとか、そういういろんな事情があります。そうした事情があって、一刻も早く入居したいという切実な声もお伺いするところであります。
入居者を公正に選ぶために、資格審査に一定の期間を要していることは理解しておりますけれども、都営住宅への入居を希望する方が大勢いる中で、空き住戸が目立つ状況は改めていかなければならないと思います。都には、募集から入居までの期間短縮について検討を始めるよう、強く求めておきたいと思います。
とりわけ昨今はコロナ禍であります。急な収入減に苦しむご家庭であれば、入居を急ぐ事情も深刻化しておりまして、かつまた、新型コロナウイルスの感染を恐れる高齢者の方であれば、窓口等に出向くのもはばかられるようなお気持ちがあるのも当然であると思います。
当せん後の期間の短縮化や、短時間で多くの入居事案に対処できる事務対応への効率化、人混み回避への配慮など、さまざま幅広にご検討いただきたいと求めておきます。
加えて、先ほど申し述べましたように、入居者や希望する団地への入居を願う都民からは、どの部屋が空き室なのか、眺めていても本当のことはわからないというのが実態でありまして、ストレスを感じる向きもあるようであります。事実、そうした点での問い合わせを私も多く頂戴しております。
関係都民の要望に応えて都営住宅の空き住戸の減少に資するように努力を重ねながら、空き住戸の見える化にも取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅では、近年、単身死亡などにより退去世帯数が増加傾向にある中で、入居世帯数につきましては六千程度のまま推移していることから、空き住戸数がふえております。
都では、入居世帯数をふやすため、募集戸数をふやすとともに、過去の応募倍率の募集案内への記載や、多摩地域での少人数世帯向け住戸あっせん基準の緩和、いつでも申し込みができる随時募集の実施などの改善に取り組んでまいりました。
お話の空き住戸の見える化につきましては、今後、都営住宅の入居者情報等を一元管理しているシステムを活用した効率的なデータの集計など、実施方法について検討してまいります。
○中山委員 この点も前向きな答弁ありがとうございました。ぜひ適正な検討を重ねていただいた上で、早期に成果をおさめていただくようお願いしたいと思います。
次に、辰沼町アパートというところが足立区内にございまして、私も、ことし三月に都市整備委員会で、その建てかえに向けた取り組みをお伺いしたところであります。
昭和四十年代に建設された辰沼町アパートでありまして、老朽化が進んでおり、居住者の高齢化も進んでおります。既存の住棟に、仮にエレベーターを設置したとしても、階段室型の住棟が多く、電気代の高騰または中二階の踊り場部分にしかエレベーターの出入り口を設置できないことから、階段の昇降が残ることは避けられず、完全なバリアフリー化を果たすことはできないといった課題があります。
そのため、私は、ことしの三月の都市整備委員会で、この団地の建てかえを視野に入れた検討に着手していただきたいということを要望したところであります。
さらに、辰沼町アパートは、一団地の住宅施設の都市計画決定を受けている団地であり、その建てかえには、都市計画を変更してから地区計画を改めて設定するという手順が必要となっております。委員会の質問でもお話ししましたとおり、都市計画の変更には、手続の一定期間の確保が見込まれることから、一般的には建てかえまでの期間が長くなってしまいます。そのために、早急な対応についてもあわせて要望したところであります。
三月の委員会では、住宅政策本部から、今後、速やかに地元協議を開始し、建てかえも視野に検討を進めていくとの答弁があったところでありますが、そこで、現在の辰沼町アパートの建てかえについて、検討状況をお伺いいたします。
○栗谷川再編利活用推進担当部長 都営辰沼町アパートについては、一団地の住宅施設の都市計画が定められていることから、建てかえに当たり、住宅を高層化しつつ、良好な居住環境を確保するため、一団地の住宅施設を廃止し、新たに地区計画を都市計画として定める必要がございます。
委員のご指摘のとおり、地区計画の策定には一定の時間を要することから、早期の建てかえに向け、今年度に入り、策定主体である地元足立区と協議を開始いたしました。六月には調査委託を契約し、現在、地区計画の策定に必要な地域の情報を収集し、建てかえ基本計画の素案の検討などを進めているところでございます。
今後、この調査結果を踏まえまして、地区計画の目標、方針となるまちづくりの基本構想をまとめ、令和四年度の都市計画決定を目指して、引き続き足立区と連携協力してまいります。
○中山委員 建てかえを迅速に進めていただくためにも、まず、区とも協力いたしまして、地区計画の都市計画決定を早急に進めていただきたいと思います。
先ほど説明申し上げましたように、辰沼町アパートだけではありませんけれども、バリアフリー化が不十分で、高齢化が非常に進んでいる団地は数多くあります。
地区計画策定後、建物の建てかえ計画を本格的に検討していくことになると思いますが、辰沼町アパートの場合ですと、全十四棟ある住棟のうち、一、二、三、十一、十三、十四の号棟の六棟には、エレベーターが設置されておりません。そのため、今後具体的な建てかえ計画を検討する際には、ぜひこのような点を考慮し、建てかえ時には、これらの住棟の居住者の方々の意向を十分に尊重し、先行しての建てかえを希望する場合には、その意向に沿えるように進めていただくようお願いしたいと思います。
建てかえに関連してお伺いいたしますが、かつて都営住宅等の連帯保証人の廃止について取り上げたことがあります。
昨年、連帯保証人を廃止する都営住宅条例改正を行い、連帯保証人を立てている既入居者も連絡先に切りかえていくことが可能となりました。
入居時に連帯保証人をしっかりと獲得するといいますか、確保するのは、入居希望者にとって日に日に難しい社会情勢となってきておりまして、この点も相談が多い項目であります。
連帯保証人の位置づけを変更する作業は、基本、入居世帯の名義人の方が個別に連絡先への変更を届け出る方法が基本となっております。このタイミング以外に、聞くところによりますと、建てかえもそのタイミングの一つであるとも聞いておりますが、どのような手続のときに、この連絡先への変更が可能となるのかお伺いいたします。
○土屋経営改革担当部長 昨年九月の制度改正後、新規入居者の方は、使用許可手続において、連帯保証人でなく、連絡先を届け出ていただくこととしております。
既入居者の方につきましても、建てかえにより移転する場合や、使用承継により名義人が変わる場合など、改めて使用許可手続を行う際、連絡先を届け出ていただいております。
○中山委員 建てかえだけでなく、名義変更、使用承継、住宅変更等のタイミングが機会であるとのことでございます。しっかりとそういったタイミングを捉えて進めていっていただきたいというふうに思います。
最後は、意見だけいわせていただきますが、辰沼町の団地の例を挙げましたけれども、高齢者の方々にとってみると、引っ越しというのは大変な作業なんですね。
団地の方々も、かつては若かった人が多かったわけですけれど、そうしたときの建てかえ、引っ越しと、高齢者ばかり、それも八十歳、九十歳超えた単身の方々が、長年、家の中に残っている家具を整理して、それを廃棄したりしながら引っ越しをするということは、もう大変な作業です。
都の職員の方々も、ご実家にそうした祖父母の方がいらっしゃる、あるいは遠く離れて暮らしていらっしゃる方もいらっしゃると思いますけれども、そうした方が単身で引っ越しをするとなれば、どれだけ大変なことかということは想像にかたくないんであろうと思います。
そうした意味で、ハード面での建てかえの手続というものの最善を尽くす改良というのはもちろん大事ですけれども、高齢者が多くなってきている現実の都営住宅の中で引っ越しを伴うということは、これは大変−−都営住宅全体としてはやむを得ないことでもありますし、建てかえによって、機能が新たにリニューアルされるというメリットもあるわけですけれど、そこに、人生本当に最後になって、くたびれ切っちゃっている人がいらっしゃるわけですから、そうした中で建てかえに伴い引っ越しをするということについて、どういったことが東京都として、大家さんとして、援助できるのか、そういった点もしっかりと取り組んでいただきたいと、かつて申し上げましたけれども、その点を改めて申し上げさせていただきたいと思います。
都営住宅等の管理については、東京都住宅供給公社が委託先として選定されておりますけれども、そうしたハートウオーミングなソフト面での対応もできることを期待して、住宅供給公社への委託というものが選ばれているのも一つの理由であろうというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
公共住宅の政策においては、東京都の場合は、東京都住宅供給公社という、よきパートナーとなっていただける存在というものを確保して、連携して、成長してこられたんだと思います。そのパートナーの存在はとても大事です。
ところが、マンション政策などを初めとして、一般の賃貸住宅の空き住戸の問題もそうですけれども、東京都がパートナーとなっていける、協働した取り組みをする事業主体というものをどうつくるかということが今後、民間住宅政策においてはとても大事だと思います。
区市町村はその一つの候補でもありますけれども、東京都だけでやろうとしてもこれはなかなかできないし、また、民間企業者というのも大変な大事な存在ですけれども、企業者の方々の、ただご自分の好きにやってくださいというわけにもこれはいかない。
そういう面で、民間の住宅政策を進める上では、その政策を進める体制をどうつくるかということも、住宅政策本部の大事な、また、新たな役割であるということを強くご自覚いただきたいと思います。
例えが適切かどうかわかりませんけれども、医療の課題でいえば、手術や治療薬をつくるといった個別の取り組みももちろん大事なんですけれど、人材の確保をどう図るかとか、その間の連携をどうつくっていくかとか、そういう医療体制をどうつくるかということも、医療政策の意味では大事な課題です。
民間の住宅を対象とした住宅政策においては、区市町村をいかに東京都のよきパートナーとして、意識を持っていただいて、その関係をよく構築して、民間事業者の方々も、全体の取り組みの中でベクトルをきちっと合わせていただくところについては協力しながら、協働して取り組んでいくということが大事だと思います。
きょうはここまでにさせていただきますけれども、住宅政策におけるよきパートナーづくり、住宅政策の体制づくり、そうしたものについても、住宅政策本部の新たな大事な課題として強くご自覚いただいて、今後の取り組みを進めていただくことを希望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○曽根委員 それでは、よろしくお願いいたします。
コロナ禍の中で、地域経済のかつてない影響と被害が広がっており、この流れをどこかで断ち切らないと、最終的には都民の中で、雇用や営業とともに、住んでいる住宅を失う人が続々とあらわれる可能性が現実問題として出てきております。
今かろうじて住居確保給付金などの制度や、また、大家さんや金融機関などによる家賃やローンの支払い猶予期間、また、延長などによって、綱渡りでしのいでいる都民が大体数万から数十万世帯に及ぶともいわれています。
しかし、これらの支援制度は、いずれも期間限定であり、また、一度しか使えないのが原則ですから、制約があり、このままでは年明け、来年度にかけて、分譲、持ち家や賃貸を問わず、多数の都民が現住宅から追い出される事態も起こりかねません。
にもかかわらず、国も都もコロナ対策における住宅分野の政策はほとんど目ぼしいものは具体化されておらず、都の住宅政策本部としても、前々回の定例会ですか、ささエール住宅の新規登録などに一定の附帯設備の補助を行う、こうした事業があるぐらいです。
私からは、都が今、広域自治体として、とにかくあらゆる手法で住宅事業を思い切って拡充する必要があるという観点から、以下、何点かに絞って質問いたします。
最初に、都のささエール住宅についてお聞きします。
委員会に資料をいただきましたが、先ほども何人かの方が取り上げたとおり、ささエール住宅という名称には、余りふさわしくない現状だといわざるを得ないと思います。
そこで、このささエール住宅、つまり東京版のセーフティーネット住宅のどこに打開の道があるのかについて、幾つか質問いたします。
私は、何よりも、セーフティーネット住宅への公的な補助の規模が小さ過ぎるのが問題ではないかと思っております。
そこでお聞きしますが、昨年度、二〇一九年度におけるささエール住宅の新規登録住宅への補助の支出額は、都と区市町村の補助を合わせて幾らなのか、また、それを一戸当たりに平均すると幾らになるのか、この点をお答えいただきたいと思います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 令和元年度に新規登録された住宅に対する改修費補助、家賃低廉化補助、家賃債務保証料低廉化補助及び見守りサービス支援モデル事業の支出額は、国の補助を除き、都の補助が約四百五十六万円、区市町村の補助が約五百二十六万円であり、合計は約九百八十二万円でございます。
また、令和元年度に新規登録された住宅数は千九百四十四戸であり、そのうち専用住宅は三百十九戸でございます。
これらの補助の大半は専用住宅を対象としたものであることから、先ほどの都と区市町村の補助の合計、約九百八十二万円の専用住宅一戸当たりの平均支出額は約三万円となります。
なお、専用住宅に限定せず、新規登録された住宅の一戸当たりの平均支出額を求めますと約五千円となります。
○曽根委員 昨年度の登録住宅は千九百四十四戸ということで、それまでよりはかなりふえてきたのは確かですが、一戸当たりの都や区市の補助は五千円ほどにしかなりません。実際に補助額の大半を使っている専用住宅に絞って割り返しても、一戸当たり約三万円にすぎません。
やはり、家賃低廉化補助が行われてこそ、ようやく年間数十万円の補助が支給されて、賃貸居住者にとっては制度の魅力もかなり増してくるわけですが、実際には家賃補助まで実現している戸数は、資料にあるとおり、余りにも少ないわけです。
居住者に魅力がなければ、何よりもベースであるセーフティーネットの登録そのものがふえてこないし、そしてふえてこなければ、都内各地に満遍なく均等に登録住宅がふえるというふうになりませんので、ますます家賃補助も受けにくくなってしまう。ちょっと悪循環になっているんじゃないかというふうに思われます。
そこで、まず登録数が大きく伸びるためには、この制度が、登録する家主さんにとっても、同時に、入居する居住者にとっても、どちらにもメリットがあるようにしなければ、うまく普及していかないのは明らかじゃないかと私は思います。そのために、家主と居住者双方に対する補助制度の抜本的な充実が必要ではないかと思います。
先ほどお答えがあったように、登録住宅が伸びない最大の要因として、今の仕組みでは、一戸当たりの支援が余りにも小さい現状であるということが根本の問題としてあるんじゃないかと考えますが、都の見解を伺います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 都では、令和元年度当初予算に改修費補助を約一億六千万円計上していることを初め、東京ささエール住宅全体として約二億四千万円を計上するなど、必要な予算措置を行っていると考えてございます。
東京ささエール住宅の登録を促進するためには、制度に対する認知度を向上させるとともに、住宅確保要配慮者の入居に伴う貸し主の不安軽減を図ることが重要でございます。
こうしたことから、都はこれまで、さまざまな媒体を活用した広報を展開する一方、入居者の死亡に伴い貸し主に生じる損失を補償する少額短期保険等保険料補助や、見守りサービス支援モデル事業を実施してきたところでございます。
今後も、貸し主の不安軽減に資するこれらの補助が効果的に活用されるよう、制度の普及啓発に取り組んでまいります。
○曽根委員 確かに予算は億単位で用意されているんですが、実際は活用されていないという、この現状を打開するには、この制度のネックになっている問題を打開する必要があります。
何よりも登録住宅数の抜本的な拡大が重要なことは間違いないんですけれども、私は、登録数を抜本的にふやすためにも、この制度が最初から賃貸居住者にとっても必ずメリットがあるということを鮮明にするために、現在余りにも少ない家賃補助を抜本的にふやす対策が決定的だというふうに考えます。
都としては、家賃低廉化補助がより多くの自治体で活用されるように、都としても努力が必要だと思いますが、どうでしょうか。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 家賃低廉化補助は、補助対象者である貸し主に対し、区市町村の定める額を補助限度額として、都が区市町村を通じ、その二分の一を補助するものでございます。
この補助を活用するためには、対象の東京ささエール住宅が所在する区市町村におきまして、予算措置を行っていることが必要であり、令和二年度に予算を措置しているのは四区一市でございます。
都は、要配慮者の居住の安定確保を図るため、引き続き区市町村に対し導入を働きかけてまいります。
○曽根委員 都の方は、家賃補助の制度活用を区や市町村に働きかけ、また、制度の全体の普及にも努めるということですが、現実の到達点は四区一市の現状ということでは、やはり利用する賃貸居住希望者にとっては極めて限られた状況になってしまいます。
私は、この点を踏まえて、残るわずかな期間に三万戸という都の目標を少なくとも突破していく上で、ささエール住宅の登録条件として、要配慮者を拒否しないというだけではなく、最初から住宅確保要配慮者の専用住宅として登録する方向、そのためにも地元区市町村というよりも、都が、やはり家賃補助を出していく仕組みに拡充しなければ、東京のように、とにかく他の道府県に比べて家賃レベルの高い大都市では、なかなかこの制度は機能しないのではないかと考えます。
それと、当面年末年始にかけて、コロナによる失業者や収入が激減した零細企業などへの住居確保給付金を初め、持続化給付金、家賃補助、雇用調整金などが続々と期限切れで停止されていきますと、住宅を失う人がまちにあふれ出すおそれが十分にあります。
こうした都民への緊急対応も含めて、都内の民間賃貸住宅の空き家の活用を、例えば今行われているチャレンジネットの緊急の住宅提供では、約五百戸の民間の空き家や、それから都営住宅もわずかですが出しておりまして、これが家賃無料で期限つき入居できるものとして提供されておりますが、こうした制度も参考にして、大至急、現在の民間の賃貸空き家の活用を進めていく制度の検討の必要があることを指摘しておきたいと思います。
次に、やはりコロナ禍との関係も含めて、都営住宅について幾つか質問させていただきます。
コロナ対策でも、都営住宅の空き家活用を含めての緊急の取り組みが必要ですが、その点は後ほど質問させていただきます。
最初に、建てかえ事業で生まれた新築住宅や、また、団地内の余剰地について、その活用について質問させていただきます。
昨年度、二〇一九年度における都営住宅団地の建てかえ事業の対象団地は幾つか、そして建てかえ事業が完了、もしくは完了のめどがついた団地は幾つぐらいあったのか、これについてお聞きします。
○妹尾建設推進担当部長 昨年度、都営住宅の建てかえ事業におきまして、建物が竣工したのは二十五団地あります。そのうち、最終期のものは八団地でございます。
また、昨年度末現在、建てかえ工事が進行しているのは五十八団地ございまして、そのうち最終期のものは十八団地でございます。
それぞれ最終期のものを合計いたしますと二十六団地となります。
○曽根委員 建物が竣工したのが昨年度で二十五団地、うち八団地、約三分の一が最終期、建てかえ終了したものです。
それから、建てかえ工事は今進行しているというのが五十八団地あって、そのうち最終期の建てかえをやっているのが十八団地、つまり全体の建てかえ事業の八十三団地ぐらいになるんですかね、うち二十六団地が最終期で終わったものもあるし、今まだ今年度にかけて進行しているものもあると。こういう状況で、だんだん建てかえの終了段階に入っているものがふえてきているわけです。
一方で、一期目の建てかえに着手した団地はどれぐらいかというと、これは資料をいただきまして、今年度の東部住宅事務所、西部住宅事務所の建てかえ予定団地のリストをいただいたんですが、東部住宅事務所では一期目の建てかえが今年度十七団地のうち四団地、西部住宅事務所では九団地のうち二団地だというふうにリストではなっています。
つまり、一期目の団地が少なくなっているということは、その他の団地で建てかえが終了した後、ほかの団地から建てかえ一期目で移ってくる居住者が大変少なくなってくるということになります。
二期目以降の建てかえ住宅は、団地内の居住者のローリングで大半はやりくりできますので、全体として、東京都の都営住宅の、昭和四十年代建設の都営団地の建てかえは終息段階に近づいていることは明らかであります。
そこで、私は、今、管理戸数が減って、資料によれば二十五万二千戸ぐらいになっている都営住宅について、都民の側ではむしろ住宅難が広がり、公営住宅への要望が強まっている中ですから、新たな公営住宅の、都営住宅の提供をあらゆる手法で広げていく必要があるというふうに考えます。
何よりも新規の用地取得による新規建設の再開が−−私たちずっといい続けてきたことですけれども、特にもともと都営団地が少ない都心区の港や目黒など、こういうところでは非常に要望が強いわけですが、同時に建てかえ事業の中で、高層化などによって新たに創出された用地に新しい住棟建設が可能ならば、場合によっては建てかえ事業を追加して住宅をふやすことが技術的には可能になってまいります。
先ほどの二十六団地のうち、建てかえ後に五百平方メートル以上の余剰地が生まれる団地は何カ所ぐらいあるでしょうか。
○妹尾建設推進担当部長 二十六団地のうち、五百平方メートル以上の用地の創出が見込まれる団地は九団地ございます。
○曽根委員 昨年度、もしくは今年度に最終段階、最後の建てかえが終わることが見込まれる二十六団地のうち、大体これも三分の一程度が五百平方メートル以上の建てかえ後の余剰地が出るわけです。
この中には、既に民間に売却して、民間の分譲マンションや、民間のさまざまな高齢者住宅などをつくる予定の北青山の団地も含まれているようですけれども、やはりこういうふうにして余剰地が生まれてくる余地がある、こういうところに、これまでも私たち第一義的には、地域で必要な保育園や介護施設など、福祉施設に活用するということを強く求めてまいりましたが、同時に、住宅政策本部として、地域住民の要望に沿って、地域に都営住宅の整備などの要望が強ければ、そういう積極的な活用法も検討すべきだと。
ましてや、普通財産に戻し、安易に民間売却などに回さないようにすべきだというふうにいってきましたが、この点では、現状、東京都としてはどういう方針で臨むんでしょうか。
○武井住宅政策担当部長 都営住宅につきましては、住宅セーフティーネットの中核としての機能を的確に果たせるよう、適切な供給や適正な管理に努めております。
今後、人口減少が見込まれる中、都営住宅については、現在のストックを有効に活用し、計画的な建てかえに取り組んでいくこととしております。
都営住宅の建てかえによる創出用地は、都民共有の財産であり、まちづくりに効果的に活用し、都の政策目的の実現や地域の課題解決を図ることが重要であると考えております。
○曽根委員 地元の地域のまちづくりの必要性や住民要望に沿って、さまざまな検討が可能になってきている。その点で、私はその中の要望の一つに住宅要望というのが、今、緊急にも、また、長期的に見ても、公営住宅の要望は強まっているというふうに思いますので、この点をぜひ今後とも具体化していただきたいということを強く要望しておきます。
前回の本委員会で、私は板橋区の双葉町住宅の建てかえ後の入居募集については、計画的に新規の募集にかけるよう求めてきましたが、その後の取り組みについてはどうなっているでしょうか。
○妹尾建設推進担当部長 建てかえ事業を円滑に進めるため、団地の建てかえにおける最終期の住棟は、次に区内で建てかえに着手する団地の居住者の移転先として活用することとしておりますが、居住者の移転の状況を見ながら、公募住宅としての活用も図っております。
双葉町アパートにつきましては、建てかえ工事に着手したところでございまして、今後、工事の完了に合わせて、仮移転中の居住者の戻り移転の意向などを勘案しながら、その活用を検討していくことになります。
○曽根委員 双葉町団地については、もともと仮移転中の、そして新築の建てかえ住宅ができたときの戻り入居の予定は数軒だというふうにお聞きしていました。
でき上がる住宅は百軒、その戻り入居の方々の意向が、もし仮移転した先でずっと住み続けたいという意向に変化したという場合も含めて、さらに戻り入居が減ってくれば、計画上ほとんど全ての住宅を、百戸ほとんど全ての住宅を新規公募にかけることもあり得るということになります。
二年後の話ですけれども、板橋区内の多くの人が都営住宅を求めており、この地域の課題に合致していれば、新規募集への活用をぜひ積極的に検討すべきであります。
もう一つ、以前は建てかえに当たって、従前居住者の家族構成に合わせて型別供給の戸数割合を決めておりましたが、そうするとどんどん一DKがふえてきて、その後の都営住宅としての活用も、単身や高齢世帯に偏ってしまう傾向を私たち指摘してまいりました。
そこで、型別供給について、一DKや小型二DKの供給割合が非常に多く、将来的に高齢化と単身化に偏る傾向が心配されますので、建てかえ事業では、団地の従前居住者の戸数を確保した上で、残りは、できるだけ二DK、三DK以上に重点化する取り組みが必要であるということを以前申し上げたと思います。
この取り組みの現状についてお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○妹尾建設推進担当部長 都営住宅の建てかえに当たりましては、従前居住者の世帯構成などの状況を勘案した上で、地元自治体との協議を行いながら、団地ごとの特性を踏まえて、必要なファミリー向け住戸の整備を図ることとしております。
現在、建てかえ対象としております昭和四十年代以前に建設された住宅におきまして、三人以上の世帯の割合は約一〇%でございますが、令和元年度の建てかえ事業では、建設戸数の約二六%を三人以上の世帯を対象としたファミリー向け住戸として整備してございます。
○曽根委員 住政審でも、余りにも高齢化、そして単身世帯の増加が目立つということから、やはりソーシャルミックスが年代の構成を多様化させていくとの観点が示されたところですので、若年世帯の入居を可能とする収入基準の思い切った引き上げとあわせて、こうした型別供給についても一定の努力をされていることは今お答えにありましたが、さらに努力が必要だというふうに申し上げたいと思います。
そして、期限つき入居についても、資料でいただきましたように倍率が限りなく一倍に近づいていると。昨年ちょっと上がりましたが、やはりこれは期限つき入居に対する都民、ファミリー、子育て世帯の魅力が薄くなっているということから、最近制度の改善はありましたが、やはり無期限で子育て世帯が入居できる新規供給をふやすように、収入基準の問題も含めて強く求めておきたいと思います。
さて、もう一つ、都営住宅の資料の中で見過ごせないのが、空き家住戸の戸数の増加です。
都営住宅の空き家が現在約二万八千戸、管理戸数の一割を大きく超えており、別の資料にありますように、都内の全住宅の中の空き家戸数の割合よりも超えているという状況は、これはゆゆしき問題だと思います。
最近このように都営住宅の空き家が大変ふえてきているその主な要因は何でしょうか。先ほどちょっとご質問ありましたけれども、あわせてちょっとお聞きします。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅では、近年、単身死亡などにより退去世帯数が増加傾向にある中で、入居世帯数につきましては六千程度のまま推移していることから、空き住戸数がふえてございます。
○曽根委員 これは初めてお聞きして、ちょっと私、驚いたんですが、一つは、単身死亡などにより退去世帯数がふえているということですが、これはまさに建てかえなどの事業も通じて、また、入居募集のやり方などを通じて、都営住宅が極端に高齢化し、また、単身者がふえていることの一つの結果というか、問題がいよいよ本格的にあらわれてきているというふうに思います。
ちょっと先ほどお話もありましたが、単身者が亡くなった場合、一定の割合で、亡くなってからしばらくわからないということがあって、それが事故住宅の要因にもつながっているというふうに私、近隣の都営住宅を見ていて、そういうふうに痛感しております。
その点でも、年代が多様にいて、そしてコミュニティも維持されていく団地のあり方をやはり真剣に追求していかなきゃならない、この点が一点です。
それから、もう一つは、入居世帯が六千戸程度で毎年推移しているというのは、たしか公募にかけているのは一万一千戸ぐらいありますので、どの段階かで一万一千戸公募して、恐らく当せん者出ていると思うんですけど、途中で入居辞退になっていると。どういう段階かわかりませんけど、半分近くが入居しないという、公募による入居がとまっている、その問題についても私は分析が必要だと思います。現段階では、その数字だけなので、わかりませんが。
先ほどちょっとほかの委員からもお話があったように、やっぱり地域、特に都営住宅の外の方から、何であんなに空き家が多いんだと、もったいないじゃないかという声は現実に私の周りにもたくさんありますし、それから、入居基準をちょっと超えたぐらいの世帯の家族持ちの方は、実際に民間のアパートに住んでいて、その家賃を払った後の可処分所得が、都営住宅に入居している方の実際に使えるお金よりも自分たちは厳しいという実感を持っておられる方がかなりいるということなんです。そういう方にとっては、都営住宅入居者に対する不公平感を抱いている人もおります。
そういう点では、これだけの空き家をやはり門戸を広げる形で何とか活用し、入居募集をふやすと同時に、さまざまな面で活用していくことは、住宅政策本部にとって今急がなければならない課題だというふうに思います。
例えばコロナ禍で住宅を失った都民を、災害による住宅喪失の被害者となるべく同じような扱いに近づけていくと。緊急の入居をシェアルームも含めて検討することは今後急いで行わなければならないということが一つです。
それから、私、北区ですけれども、私の地元で桐ケ丘団地という大きな団地があり、そして隣にはURの赤羽台住宅があって、両方合わせて約八千戸の住宅、そしてその周りの普通のまち場の住宅も含めまして、かなり多くの住宅の、高台にある住宅は、もし荒川が氾濫したときの低地帯からの避難者の受け入れとして、どういうふうに活用できるかということを、今検討を始めたところです。
この地域の連合自治会のところで検討が今進んでおりまして、例えば、足立や八王子などで実現している災害対策用の都営住宅の空き家の活用ということと同時に、災害避難者、特に荒川のような大規模水害になる危険性のある地域の避難者を緊急に受け入れる、その空き家の活用も含めて、本格的に検討することを強く求めておきたいと思います。
以上、都営住宅、今、非常に大きな曲がり角に来ていると思いますし、コロナ禍の中で東京都が持っている貴重な住宅の資産を都民のために全面的に活用する、そのことを強く求めて、私の質問を終わります。
○米川委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後三時十八分休憩
午後三時四十一分開議
○米川委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○藤井委員 お願いします。
まず、都営住宅の募集に関連をして、幾つかお伺いをしてまいりたいと思います。
募集戸数に対する入居世帯数の割合である入居率は年々下がってきている状況にあります。基本的に退去の数の分だけ募集がなされていると思いますが、残念ながら、この入居率は下がってきておりまして、都営住宅は選ばれない存在になってきてしまっているのではないかと懸念をしているわけであります。
この入居率でありますけれども、平成二十二年度で七三・三%ございましたが、令和元年度で五四・一%まで低下をしてございます。まず、その原因をどのように考えているのかについてお伺いをしたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 年間の募集戸数に対する入居世帯数の割合につきましては、募集戸数をふやす一方、入居世帯数は一定水準で推移しているため、低下傾向にございます。
これに対しまして、都は、住宅に困窮する低所得者に対して、都営住宅を的確に提供できるよう、子育て世帯への支援のため、若年ファミリー世帯向け期限つき入居制度の拡充や、いつでも申し込み可能な随時募集の実施、過去の応募倍率の募集案内への記載など、募集改善に取り組んでおります。
○藤井委員 募集戸数をふやす一方で、入居者は横ばいであるという答弁でありましたが、そもそもそれがどういう理由なんですかということを伺ったつもりなんですけれども、この辺の理由については明確な答弁がございませんでしたが、ぜひこの原因についても究明していただくことで、ぜひ対策につなげていただきたいなというふうに思います。
この間、都として、若年ファミリー向けの世帯募集を拡充されてこられたと思います。しかし、この若年ファミリー向け世帯の応募倍率は、二〇〇七年の十二・三倍からどんどん減少してございまして、二〇一七年においては一・九倍まで少なくなっているという状況でございます。
そもそも若い世代にとっては、公営住宅に住みたいという、希望をする意識というか、感覚というか、そういったものも、高齢の世帯、高齢者の方に比べたら、希薄になってきているのではないかという点が非常に不安視をされるわけでございますけれども、その点については、都としてどのように認識をされていらっしゃるんでしょうか。
○土屋経営改革担当部長 若年ファミリー向けの世帯の答弁に入ります前に、先ほど委員からお話のありました、なかなか入居が進んでいないという原因についてですけれども、平成三十年七月の見える化改革報告書の中でですけれども、世帯向け、単身向け住宅の応募倍率が高い水準となる一方で、応募の大半が一部の住戸に集中していると、そういう傾向がございます。例えば、郊外ですとか、最寄り駅までバス利用が必要ですとか、間取りの大きいなどの住戸で、応募が少ない傾向があります。
これに対して、先ほど答弁申しましたいろいろな募集改革ですが、応募倍率平準化などに取り組んでいるところでございます。
それでは、若年ファミリーの方の答弁に移らせていただきます。
都営住宅は、都民の住宅セーフティーネットの中核としての機能を担っておりまして、昨年五月の東京都住宅政策審議会答申で、高齢化、単身化が進む都営住宅における若年ファミリー世帯の入居促進などによる多世代共生の推進につきまして提言を受けております。
この答申を踏まえまして、昨年、若年ファミリー向け期限つき入居制度につきまして、入居期限を子供の高校修了期まで延長し、また、対象をひとり親世帯に拡大する改正などを行いまして、昨年十一月に新制度による募集を開始いたしました。
昨年の五月と、それから制度改正後に募集しました十一月の募集を比較しますと、それぞれ七百五十戸の募集戸数につきまして、十一月募集で申込者数が、五月募集の八百三十三人から一千三百五十一人にふえてございまして、応募倍率で申しますと一・一倍から一・八倍に上昇したということがございます。都営住宅への入居を希望する子育て世帯のニーズは十分にあるものと認識してございます。
○藤井委員 ご答弁ありがとうございました。
応募倍率でいえば、一・一倍から一・八倍にふえたということでございます。短期的に見ていけば、この取り組みは功を奏しているということだと思いますが、長期的に見ていくと、数自体は先ほど私、ご紹介申し上げましたとおり、非常にどんどん低下をしてきているという状況でございます。
ちょっと先ほども若干触れさせていただいたんですが、やっぱり若い世代にとってみると、生活に困窮していて、住宅の確保に困っているときに、都営住宅に申し込んでみようかと、そういう発想というか、そういったものにもなかなかなりづらいというか、そういった発想そのものが希薄というか、こういった状況もあろうかと思いますので、そういった原因なども都としてしっかり把握をして、対策に取り組んでいただきたいなと思います。
その他方というか、反面の問題として、都営住宅がかなり高齢化をしているという問題があろうかと思います。とりわけ昭和四十年代以前に建設をされた大規模団地においては、特に今、高齢化が進んでいる状況であります。
団地によっては、六十五歳以上の方が八割を超えて、さらに七十五歳以上の方が五割にも及ぶという団地もありますし、さらに申し上げますと、ひとり暮らしの高齢者の方も五割以上いるという団地も多いと伺っております。
本来この都営住宅も含めての公営住宅は、生活困窮者、そして住宅確保に困っている方のためのものと位置づけられています。これは公営住宅法の基本的な趣旨であるわけでございますけれども、その一方で、現実は、ただいま申し上げましたとおり、高齢者のための住宅というような性格がかなり強まってきているわけであります。
恐らく、その傾向は今後もどんどん強まっていくのではないかなと思うわけでございますけれども、高齢者の住まいというか、そういったものとしての位置づけというか、性格というか、そういったものに転換をしていくというのも一つの考え方なんじゃないかなと思うわけでありますけれども、その点について見解を伺いたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅は、都民の住宅セーフティーネットの中核としての機能を担っております。
先ほど答弁申しました昨年五月の住宅政策審議会答申でも、高齢化、単身化が進む都営住宅における多世代共生の実現に向けまして、子育て世帯への支援の一層の充実や単身者の入居制度の拡大についても提言をいただいております。この答申を踏まえまして、昨年、若年ファミリー向け期限つき入居制度の拡充などを行いました。
今後とも、社会経済情勢の変化に応じて、都営住宅の管理制度を適切に見直しながら、多世代共生の推進に取り組んでまいります。
○藤井委員 ただいまの答弁にありましたとおり、多世代共生を推進していくというご答弁というか、お話があったわけでございますけれども、先ほども申し上げましたが、また若者の世代にとってみると、なかなか選考しづらいというか、そういった状況があろうかと思います。いわばミスマッチを起こしてしまっているような状況だろうとも思うわけでございます。
次に、部屋の有効活用についてお伺いをしてまいりたいと思いますが、ご家族でかつて入居されておられても、配偶者がお亡くなりになり、そしてお子様が独立をされたりして、単身となって、ひとり暮らし、おひとり暮らしになられる高齢者の方もふえておられるわけであります。
一方で、都営住宅の間取りを見ますと、住宅ストックに占める割合として、三DKが六割、二DKが三割ということでありまして、その大部分は二人から四人用ということであります。先ほどミスマッチという表現も申し上げたわけでございますけれども、こちらもちょっと需要と供給が一致をしていないという部分があろうかなと思います。
限られた資産でありますので、有効活用を図っていくという視点から、当然入居者の方のご理解をいただくということはもう大前提となるわけでございますけれども、一定程度部屋の活用については工夫をしていくということも必要なのかなと思うわけでございますけれども、その点について見解を伺いたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅では、入居者の転出や死亡などにより、世帯員構成が減少した場合には、新たな世帯員構成に応じた適切な規模の住戸へ変更する制度を設けております。
例えば、専用面積が五十平米超で三DK以上の住戸の入居者が単身者となった場合、入居者の申請によりまして、その世帯員数に応じた住戸への変更を受け付けております。これにより生じた空き住戸は、公募などを通じて、子育て世帯など家族向け用として活用することとしております。
今後とも、こうした住宅変更などの制度を活用しまして、世帯員構成に応じた適切な間取りの提供を進めてまいります。
○藤井委員 適切な対応をされていくというご答弁あったと思いますが、本当に、都営住宅は都民の大切な資産でありますので、有効活用を図っていくという観点でいうと、もちろん今住まわれている方のご理解を得るということは大前提でありますけれども、これは有効活用を図っていくという視点で、適切な対応というものをぜひ検討していただきたいなというふうに思います。
次に、収入超過者と高額所得者への対応についてお伺いをしてまいりたいと思います。
前者の収入超過者においては、いわゆる明け渡しの努力義務があり、そして、割り増しの家賃を課されるということであります。また、後者の高額所得者については、これは明け渡しの義務があるわけでございます。
こうした問題に対してどのように対応されておられるのか。また、人数の推移等について、どんな状況になっているのか、わかればお伺いをしたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 まず、収入超過者につきましては、直近五年間の各年度末時点では、平成二十七年度と二十八年度では、それぞれ約一万五千世帯、平成二十九年度から令和元年度までは、それぞれ約一万四千世帯となっております。
公営住宅法では、収入超過者は、お話のように住宅明け渡し請求の対象となっていないことから、自主的な退去を促進するため、都は割り増し使用料を徴収するとともに、毎年度、住宅明け渡し努力義務について通知を行うなどの対応に努めております。
また、高額所得者につきましては、直近五年間の各年度当初では、平成二十七年度が六百三十三人、二十八年度が四百三十二人、二十九年度が四百五十一人、三十年度が四百九十二人、令和元年度が五百十二人となっております。
都は、年度当初におきまして、高額所得者の認定を行い、明け渡しに向けた計画の提出を求めるなど、相談と指導を実施するとともに、東京都都営住宅高額所得者審査会の審査を経た上で、住宅の明け渡し請求など厳正な対応を行っております。
○藤井委員 今五年間の推移についてご答弁いただいたわけでありますけど、この五年間だけで見ると、若干減ったか、横ばいかということでございますが、長期的に見れば、相当減ってきておられるということであります。
これは本当に公平性にもかかわる問題でありますので、ご答弁にありましたとおり、引き続き厳正な対処をしていただきたいと思います。
次に、入居申し込みにかかわる審査の問題についてお伺いをしたいと思いますが、現在の制度では、あくまでも所得面と収入面しか判断をされないわけであります。資産が幾らあっても、例えば極端な話、家を買えてしまうような貯金があったりだとか、あるいは高級外車を持っていても入居できてしまうし、そして住み続けられてしまうというようなことが現実として起こってしまうわけでもあります。
この審査に関しましては、こうした所得面、収入面のフローベースだけではなくて、ストック面、資産面も加味をした審査に変えていくべきだというふうに思うわけでありますけれども、この点についていかがお考えか伺いたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 公営住宅法では、入居者資格を、住宅に困窮する低額所得者としており、都営住宅の入居資格審査においては、住宅の賃貸借契約書や、家賃の支払いを確認できる通帳の写しなどにより、住宅困窮者に該当することを確認するなど、厳正な審査を行っております。
国は、平成十七年に入居者資格につきまして、住宅を所有しながら公営住宅への入居を希望している者や、住宅の取得が可能な預金を保有している者は、住宅困窮者に該当しないことを示しましたが、公営住宅法では、資産の取り扱いを明記しておらず、その調査権限に関する規定もございません。
資産の取り扱い及び調査権限につきまして、公営住宅法上、明確に位置づけるよう国に対して提案要求しているところでございます。
今後とも、都営住宅を一層的確に供給できるよう十分検討していくとともに、現状に即した法制度の整備を国に要求してまいります。
○藤井委員 今のご答弁ですと、調査権限がないと。国の方針が曖昧な部分があるというお話でございました。
ただ、こちらも公平性にかかわる話でございます。私、地元の区民からよくいただく声なんですけれども、都営住宅の駐車場に、例えば、某高級車が停車しているのはおかしいとか、こういった声もいただくことがございます。
ぜひ都として、そうした都民の声もあるということも踏まえた対応というものをぜひ求めたいというふうに思います。
その関連で最後に、都営住宅にかかわる駐車場についてお伺いをしてまいりたいと思います。
今、都営住宅、約八百団地に約四万八千区画の駐車区画が設置されていると伺っております。現在、都においては、駐車場の利用率、三月末の数字であるそうでありますけれども、約六五%が利用されていて、逆をいえば、一万七千区画、三五%にあきがあるというような状況であるそうであります。
都営住宅の空き住戸の話と一緒で、あいているのは非常にもったいないわけでありまして、都営住宅にお住まいの方で埋まらないのであれば、近隣の住民の方にも利用していただくなどの一定の有効活用を図っていくための方策が必要だと思っているわけでありますけれども、都の見解を伺いたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅の駐車場は、都営住宅の居住者が利用する目的で設置しておりますが、居住者の高齢化などに伴いまして利用率が低下していることから、空き区画につきましては、居住者の利用に支障のない範囲で地域住民向けに貸し出しております。
地域住民向けの貸し出しにつきましては、平成十三年の貸し出し開始以降、利用拡大を図っておりまして、本年三月末現在、二百二十四団地一千二百十二区画で実施しております。
また、居住者への来客や介護車両など、一時的な駐車ニーズに対応するため、コインパーキングを設置しております。平成三十年七月の本格実施以降、設置区画数を拡大し、本年三月末現在、三十団地二百七十区画で展開しております。
○藤井委員 コインパーキングの設置などの取り組みも行っていただいているというような話でございました。ただ、全体の三五%、一万七千区画を埋めるというのは、そう容易な話ではないと思います。
今回の質疑においては、空き住戸、空き駐車場、そして若年ファミリー世帯の公営住宅に対する意識、そして選考の問題などを取り上げてまいりました。
私ども会派としては、かねてより、都が、都営住宅という住宅ストックを直接持つというような方式から、家賃補助の充実を図っていく、これが民間空き家の活用も含めて適切な対応ではないのかと。そして、何よりも住宅困窮者を救済していくということにつながっていくのではないかということを申し上げてまいりました。
これまで都としては、都営住宅を建設し、維持をしていくというのが基本的な施策だったと思いますけれども、家賃補助についても、ぜひ、これは政策の転換というのかどうかわかりませんけれども、こういったことも踏まえて、ぜひ検討をしていただきたいと思います。
この質疑については、我が会派としても、これまで行わせていただいてまいりましたが、なかなか前向きな答弁は得られてきませんでしたけれども、住宅政策の転換を図っていくという観点でも、また、施策の環境も大分変わってきているということも踏まえて、さらに検討を進めていただきたいということを申し上げまして、私どもの会派からの質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○斉藤委員 これまで私、厚生委員会の方に所属をさせていただいておりまして、本日初めて住宅政策本部に対する質疑を行わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
コロナが発生する以前から、都内でさまざまな状況の方が生活を再建する、また、自立をするために、自分らしく人生を送っていくためには、ご希望に合った住まいを確保することができるかどうかにかかっているということを痛感してまいりました。
障害者、高齢者を初めとして、例えばDV被害者や児童養護施設退所者なども対象として、住宅の確保に配慮が必要な方の入居を拒まない賃貸物件の供給を促進する制度として、本来であれば賃貸物件契約にハードルがあるような場合でも、住まいが確保できるようにささエール住宅の取り組みを行われていることは大変重要と考えております。
一方で、ささエール住宅の現在の登録住戸ですけれども、今、戸数としては都内で約二千六百ちょっと、建物としては二百棟ほどとなっていると思いますけれども、これは、例えば利用者の立場で自分が入居できるところを検索してみますと、地域を限定、もしくは入居できる対象を限定して検索すると、地域の中に一棟だけとか、もしくは一棟もないといったような状況になってしまいまして、やはりとても選択肢が少なくなってしまうようなことを懸念しております。
住まいを探す方の中には、とはいえ、さまざまな事情がある場合もありまして、住めればどこでもいいというわけではございません。
例えば障害がある方の中には、障害特性によっては、住まいのある場所の近くに、たくさんの人が出入りするコンビニなどがあると興奮してしまって、毎日の仕事の行き帰りに支障が出てしまうなど、その立地や環境にも大変配慮を必要とされる方もおりますので、できるだけ多くの選択肢が得られるような、やはりこのささエール住宅の登録の促進には力を入れていただきたいと考えております。
大家さんの情報サイトでも、好事例の紹介などを最近始めてくださっているものもありますので、恐らくこれからまた伸びていくんだとは思っているんですけれども、不動産業や大家さんからは、登録に当たり事件や事故があったらどうなるのかなどの不安の声を聞くこともございます。
そこで、東京ささエール住宅の登録促進に向けた課題と現在の取り組みについて伺います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 東京ささエール住宅の登録促進に向けた主な課題といたしましては、貸し主等に制度が十分に浸透していないこと、住宅確保要配慮者の入居に伴う貸し主の不安が根強いことが挙げられると考えており、都はこれまで、さまざまな施策を講じております。
制度の認知度を高めるため、わかりやすいパンフレットを作成、配布し、広く周知を図るとともに、居住支援法人等と連携し、住宅確保要配慮者への情報発信にも取り組んでまいりました。
本年二月には、都独自に東京ささエール住宅という親しみやすい愛称を設定し、さまざまな媒体を活用した広報を実施してございます。
また、貸し主等の不安軽減を図るため、昨年度から、入居者の死亡に伴い、貸し主に生じる損失を補償する少額短期保険の保険料や、高齢者向けに見守りサービスを提供する居住支援法人に対する補助を実施しており、今年度からはこれらに加え、見守り機器の設置等への補助も行っております。
○斉藤委員 今年度からは見守り機器設置などを改修する場合の直接補助も開始をされたということで、さらに登録してくださる大家さんがふえていくことを期待しております。
大家さんのご不安の軽減には、さまざま取り組んでくださっているものを今お答えいただいたんですけれども、それらの実績について伺いたいと思います。
少額短期保険等保険料補助と見守りサービス支援モデル事業のこれまでの実績について伺います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 これまで、少額短期保険等保険料補助を設けた区市町村は、墨田区、新宿区、豊島区の三区であり、現在のところ補助実績はございません。
また、見守りサービス支援モデル事業のこれまでの補助実績は二件となってございます。
○斉藤委員 少額短期保険の方は区市町村が取り組む必要があるということで、まだ取り組んでくださっている区が三区、そして、見守りサービスの方は直接補助なんですが、二件ということでありました。
少額短期保険等保険料補助や見守りサービス支援モデル事業のこれまでの実績はまだ少ないんですけれども、特にコロナ禍において、住居の確保や入居継続に困難を抱える要配慮者の増加も鑑みまして、積極的に事業効果などを区市町村に示すなど、本制度の積極活用に向けた周知も必要と考えております。補助の活用に向けた課題と今後の対応について伺います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 少額短期保険等保険料補助や見守りサービス支援モデル事業は、高齢者の入居に対する貸し主等の不安軽減につながる重要な取り組みであると考えてございます。
しかし、補助対象となる住宅の登録戸数が少ないため、補助制度を設ける区市町村が限られていることや、貸し主等に住宅セーフティーネット制度が十分に浸透していないなどの課題がございます。
このため、補助の利用拡大に向けて、引き続き、補助の内容や効果をわかりやすく伝えるなど、区市町村に対して制度創設を働きかけるとともに、不動産関係団体や居住支援法人が開催するセミナー等を通じまして、貸し主や不動産事業者への周知などに取り組んでまいります。
○斉藤委員 まずは、やはり登録住戸をふやしていくことが必要だと。そのためにさまざま周知などに取り組まれていくというご答弁でありました。
東京都の住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画では、二〇二五年までに三万戸登録を目指すとされていまして、そもそもこの目標は、総務省の調査をもとに推計し、低所得で高い家賃を負担している若年単身者九千世帯と、狭い住宅に居住し公営住宅の収入基準以下の高齢者など二万世帯を数えて設定されているということですから、その目標値にDV被害者や若年被害女性、また、児童養護施設退所者などは入っていないこともありまして、本当はここにつながるべき世帯となると、もっとそのニーズとしての数は大きいのだと私は想像しています。
この制度自体がもっと実績を上げていき、大家さんたちからも信頼されるようになっていくことが、東京ささエール住宅という制度を育てていってくださるとも思いますので、ぜひさまざまな場所での積極的な周知を重ねてお願いを申し上げます。
さて、私は、実際に若年女性や児童養護施設退所者、また、DV被害者を支援する団体にお話を伺ってきた中で、住まいを確保したいと考えている当事者が本当に多いということや、住まいを確保するということが、当事者たちの仕事の選択などにも大変大きな影響を与えるということを伺ってまいりました。
具体的には、寮つきの仕事を選択して、仕事自体の内容がやはり合わずに、その後は仕事も住まいも失ってしまうという例が多いということや、DV被害者については、逃げた後の住まいの確保に不安がある余りに、逃げることに踏み出すことができず、結局我慢をして毎日暴力に耐えているという例などを伺ってまいりました。それほどに、毎日雨露をしのげる場所を確保するということは一大事であります。
また、このような当事者を支える活動をされている民間の方たちには、こういった方たちが入居できる物件が本当に少ないというお話を伺いますので、ささエール住宅の周知は必須と考えております。
ちなみに、私がやりとりをしている幾つかの団体は、まだこの制度の存在をご存じではありませんでした。ひとり親、DV被害者、児童養護施設退所者など、それぞれの属性ごとに、東京ささエール住宅の入居状況を把握した上で、入居につながりにくい現状がある場合は、適切かつ効果的な周知啓発を行っていくことや、住宅への入居に当たって必要があると考えられる支援を行うべきと考えます。
支援を行う関係者や利用者となる都民への周知について、今後の取り組みを伺います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 住宅確保要配慮者に対して居住支援等に関する情報を確実に届けるためには、それぞれの要配慮者を支援する関係者を通じて情報提供を行うことが有効と考えてございます。
このため、都はこれまで、要配慮者と住宅のマッチングを行う区市町村の担当者や、居住支援法人等が参加する居住支援協議会におきまして、最新の制度の動向や居住支援法人の先進的な取り組み事例などについて、情報共有を図ってまいりました。
一方、DV被害者や児童養護施設退所者などにつきましては、居住支援に関する情報が届きにくいと考えられることから、必要な情報を効果的に提供できるよう、さまざまな要配慮者を支援する団体等から意見を聞き、要配慮者ごとの課題の把握に努めております。
引き続き、こうした団体や区市町村、居住支援法人等と連携して、要配慮者への積極的かつきめ細かな情報発信を行ってまいります。
○斉藤委員 さまざまな要配慮者を支援する団体等からご意見を伺ってくださるということで、今後、ニーズのある当事者の入居へつながっていくことを期待しております。
登録住居の促進とともに積極的な取り組みをお願い申し上げ、次の質問に移ります。
ここからは、都営住宅管理について伺わせていただきます。
まず、多摩ニュータウンにおける都営住宅の建てかえについて伺います。
多摩ニュータウンは、一九七一年に諏訪、永山地区より入居が始まり、まちとしての産声を上げました。
その後、約五十年の時を経て、住宅を初めとして、業務、商業、教育、文化など、多様な施設が立地する複合拠点として成長し、多摩地域におけるとても主要なまちとなっているのが現状です。
けれど、同時に、時代の移り変わりとともに、施設の老朽化、また、少子化、高齢化などに伴う課題が顕在化をしてきている状況でございます。
初期の開発が行われた多摩市の諏訪地区では、二〇一三年十月に諏訪二丁目にある民間分譲マンションの建てかえ事業が竣工し、子育て世帯を初めとした新たな居住者を多く迎えております。
今後、地域に広く立地する公的住宅についても、建てかえが進み、地域の再生に寄与することが期待をされています。
諏訪地区の公的住宅の中でも都営住宅については、URや住宅供給公社の賃貸住宅に先行して建てかえが始まったと伺っております。
そこでまず、都営住宅、都営諏訪団地の建てかえの状況について伺います。
○栗谷川再編利活用推進担当部長 都営諏訪団地については、従前約千五百戸の建てかえに向け、地元多摩市の協力を得て、第一期の事業用地として、市立の西永山中学校跡地と中諏訪小学校グラウンド跡地を活用し、事業を進めております。
平成二十八年度に中学校跡地において建設工事に着手し、令和元年度に二百二十三戸が完成し、団地内北東部の三棟から居住者の移転が完了いたしました。この三棟の跡地においては、令和三年度から第二期工事に着手する予定でございます。
また、平成三十年度に小学校グラウンド跡地において建設工事に着手し、令和三年度に二百十戸が完成する予定でございます。引き続き、諏訪団地の建てかえを円滑に進めてまいります。
○斉藤委員 ありがとうございます。
都営諏訪団地の建てかえに当たっては、旧西永山中学校の跡地を都営住宅の建てかえ用地として活用されたとのことでありまして、多摩市の福祉施設を都営住宅に併設するなど、福祉サービスの向上にも寄与されております。
私も実は昨年、こちらの現地の視察に伺わせていただいたんですけれども、福祉施設の事業者さんたちからも、立地や環境も大変いいというお話や、利用者さんたちにとっても大変ありがたいというお話を伺ってまいりました。
また、旧西永山中学校跡地については、都営諏訪団地の建てかえを進めるために土地を無償で貸し付け、将来、都営住宅の建てかえにより創出される用地と交換するというふうに多摩市から伺っています。
今後の都営住宅の建てかえに当たっても、ぜひとも地域に貢献できる施設が整備、誘導できるように用地を創出し、将来のまちづくりに貢献できるようにしてもらいたいと考えております。
そこで、今後の都営諏訪団地の建てかえに伴い創出される用地の見込みについて伺います。
○栗谷川再編利活用推進担当部長 都営諏訪団地の建てかえについては、地元多摩市や庁内関係局、都市再生機構、住宅供給公社などの関係者によって構成される多摩市ニュータウン再生推進会議において、主要な議題となってございます。
今後、建てかえに伴い創出される用地の利用等については、本会議等を通じて、地元市の意見を聞きながら、関係者と協議、検討してまいります。
○斉藤委員 地元市の意見を聞きながらと、重要な答弁いただきましてありがとうございました。
まさに多摩市ニュータウン再生推進会議で今、今後のまちづくりにおいて、尾根幹線沿道沿いの地域に必要な施設、機能は一体どんなものかといったようなことも議論、検討が重ねられております。
その中で、例えばですけれども、産業関係者からの提案としては、比較的大きな土地があるというふうに決定をしているのであれば、こんなことができますよというような、活用できる土地確保の状況によって、取り組めることが変わってくるということも言及をされております。
市の検討を踏まえて、創出用地を、立地や環境も踏まえた地域のポテンシャルを最大限に生かせるものとなるように取り組んでいただくとともに、用地の用途変更も含めた都市計画の策定に当たっては、都市整備局の協力、調整も必要になると思いますので、ぜひ連携をして進めていただくようお願いを申し上げます。
また、長期間の計画であると思いますので、長い期間据え置きのままになる都営住宅用地については、市民や市のさまざまな要請も加味していただきまして、有効活用が可能になるようご検討いただくことを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
次に、都営住宅におけるひとり親など若い世帯の入居や申し込みについて伺います。
住宅政策審議会の答申で、期限つき入居制度の倍率が下がっていることや、ひとり親世帯が対象となっていないことなどの指摘があったことも踏まえて、都は、昨年十一月募集のときから期限つき入居制度の応募資格にひとり親世帯も対象とするという改正を行われたと認識をしております。
昨年度十一月の申し込み世帯の状況を見てみますと、この対象拡大でニーズのあったひとり親世帯がお申し込みくださったのかなと思われる増加が確認ができますので、この対象拡大の効果はあったんだろうというふうに拝察をしております。
若年ファミリー向け定期使用住宅の倍率がやや上がりましたので、子育て世帯の生活困窮の状況が、コロナ禍となり本年、さらに緊迫をしてきていることも鑑みますと、今後倍率が上がると同時に、より多くの方に当せんをしていただきたいと考えると、募集戸数をふやしていくことも必要になるのかと思われる部分もありますけれども、まずは、現在のひとり親の世帯などに着実に情報の周知を行っていただきたいと願うものであります。
そこで、ひとり親など若い世帯が都営住宅に申し込む際に、居室内や地域の情報をできるだけ把握できるようにすべきと考えますが、都はどのように周知を行っているか伺います。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅の募集では、子育て世帯を支援するため、若年夫婦、子育て世帯向け期限つき入居や毎月募集などを実施しておりまして、募集に当たりましては、入居希望者に必要な情報が届くよう、都や区市町等の窓口でのリーフレット配布や、都、東京都住宅供給公社のホームページ、SNSなどさまざまな媒体を使って情報発信しております。また、昨年より、区市町の子育て部門の窓口を通じた、子育て世帯への周知を始めたところでございます。
加えまして、毎月募集では、SNSで居室内の画像や区市町と連携した近隣の子育て施設などの情報を発信するとともに、随時募集では、申し込み受け付け後、同じ団地内で同タイプの住戸を内覧できるようにいたしました。
今後とも、ひとり親世帯など子育て世帯が安心して都営住宅に申し込めるよう、きめ細かな周知に努めてまいります。
○斉藤委員 本年は、コロナで特に女性が経済的に厳しい状況に陥っている方がふえているというふうに伺っています。例えば、子供が休校であったりとか保育の自粛というところにはまってしまいますと、どうしても働きに出ることができないとか、そして、困窮したひとり親については、今ホームページなどのことをお答えいただいたんですけれども、スマホやパソコンを持っていない方も実はたくさんいらっしゃるというふうにも現状伺っております。
こういったホームページやSNSに加えて、例えば、先ほどのささエール住宅の方の周知と一緒なんですけれども、こういった支援する民間団体や、もしくは子供食堂などを通した、連携をした周知をお願いしたいということを申し上げて、次の質問に移ります。
次に、都営住宅における障害者の入居への配慮について伺わせていただきます。
地元多摩市から昨年、本件について市議会から東京都へという形で陳情が提出をされました。陳情の願意は、都営住宅を初めとして障害者の住宅確保に当たり配慮や支援を求めるもので、この陳情の当事者のご家族に、私もお話を伺っています。
この当事者の方は重度の知的障害がありまして、ご家族は、本人の特性も踏まえて、毎回、応募が出ている住戸が明らかになるたびに全ての住宅棟を歩いて回りまして、近くに本人の落ちついた生活を阻害するようなポイントが存在しないか見て回った上で、要件に合う住戸に申し込みをされるという努力を毎年繰り返されているんですけれども、いまだに落選が続いているという状況でございます。
そもそも、二十四時間の介助を必要とする方については、単身であっても生活スペースに介助者のスペースも必要であるという事情があることを加味していただけないかということもこちらの陳情の願意には含まれておりました。単身者向け物件は倍率が高く、長年申し込んでも落選しているということもあってのご要望だと考えております。
陳情者は障害のある方ですが、障害のある人は、住まいを探しているならグループホームを探せばいいといわれてしまうこともあったそうですが、都内の障害者グループホームは、障害の種別によっては受け入れられる人数が大変少なく限定的であることもありまして、また、家族の暮らしている地域、この場合でいうと多摩市ですけれども、自身の通う、もしくは就労施設の近くの地域、もしくは自分が通った学校のある地域、こういったところにはグループホームがないということから、本来は生まれ育ってきた地域の中で自立をしたい、生活をしたい、そして家族もそうさせてあげたいという、こういった希望をかなえてあげたいということで、今回の場合は多摩市なんですけれども、ただそれだけの本当に切実な希望でございます。
また、単に個人的な要望ではなく、障害のある単身者が都営住宅入居等を目指し、家族の近くで自立した生活を目指すということは、最近決して珍しくなくなってきているということから、この陳情は多摩市議会においては全ての会派が賛同する形で採択をされたと伺っております。
そこで、そもそも二十四時間介助を必要とする方については、単身者として単身向け住戸にしか申し込めないという制限をなくして、多摩地域では大変倍率が低く入りやすい物件となっている二人以上住戸にも入れるようにすべきと考えますが、見解を伺います。
○土屋経営改革担当部長 昨年五月の住宅政策審議会答申を踏まえまして、多摩地域において、世帯人数に応じて提供する住戸の広さと間取りを決めている住戸あっせん基準を緩和し、比較的広い応募なしの住戸を単身用とするなどの弾力的な運用を行いました。これにより、介助を必要とする方々を含め、単身世帯の入居の選択肢が広がりました。
今後とも、真に住宅に困窮する方々に都営住宅を的確に提供できるよう、募集の改善に努めてまいります。
○斉藤委員 ありがとうございます。住戸のあっせん基準の緩和を行ってくださる、本当にこのことが地元からも大変期待を寄せられておりまして、ここに入れるようになることを本当に願うものなんですけれども、では、このコロナ禍の影響で六月に時期を変更して実施された令和二年五月募集のところでは、多摩市内の都営住宅において、このあっせん基準の緩和による単身者向けの住戸として、どのような間取りの部屋を何戸募集し、何人が応募し、倍率はどのようになったのか、募集の実績について伺いたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 令和元年五月募集では、多摩市内の都営住宅における単身者向けの募集戸数はゼロでありましたが、令和二年五月募集では、あっせん基準の緩和によりまして、専用面積が三十八平米から四十二平米までの三DK住戸、二団地、計十九戸を単身者向けとして募集いたしました。この募集では、申込者数は累計で百三十五人となり、倍率は住戸により一倍、五倍、五・七倍、三十八倍でありました。
○斉藤委員 ありがとうございます。あっせん基準の緩和の前後でゼロ戸から十九戸へと広がったということも明らかになりましたし、こちら、かなり、募集が始まって人気があったということが今の倍率の詳細からわかるところがございます。住戸によりかなり開きがあったようですけれども、単身者が多摩市内でやや広目の住戸に申し込みができるようになったこと自体は、以上お伝えした事情から、障害のある方やご家族から大変歓迎をされております。
けれども、実際に陳情を出した当事者の方が、いまだに希望する住戸への当せんがかなっておらず、例えば家族と二人で申し込む際にはポイント制の対象となって少し入りやすい状況になると思われますが、単身の障害者も自立を目指して入居を願う場合もあるのだということで、何らかの入居に当たる配慮や支援をいただくことはできないでしょうかというご要望は今も継続していただいております。
まずは、このあっせん基準の緩和による住戸の募集の実施を、今後も継続をしていただくようお願いを申し上げまして、また、将来的に基準緩和で、お困りの当事者らの問題が解決をしているのかどうかを精査し、さまざまな可能性を検討していっていただきたいということをお願い申し上げます。
次に、都営住宅へのLGBTパートナーの入居について伺います。
先日、私は一般質問で、東京都の福利厚生制度が同性パートナーに認められていない点について、五輪人権条例に照らしても不当な差別となる可能性を指摘させていただきました。
都においては、福祉保健局の養育里親の委託では同性カップルを対象として認めるなど、同性パートナーを事実婚と同様に取り扱う判断も既にされていると認識をしております。
そこで、住宅政策本部においても同性パートナーの都営住宅への入居を可能とするよう制度を是正するべきと考えますが、検討状況を伺います。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅では、使用者の資格の一つとして、東京都営住宅条例で同居親族要件を定めており、入居の際、親族関係については住民票により確認しております。同性パートナーにつきましては、親族関係の記載がないため、入居資格を確認できません。
東京都性自認及び性的指向に関する基本計画も踏まえ、他の自治体における動向や入居資格の確認方法等の課題を調査しており、都営住宅の管理制度等における取り扱いについて引き続き検討してまいります。
○斉藤委員 ありがとうございます。
ちなみに、お隣の神奈川県ですけれども、昨年九月に同性カップルの県営住宅への入居を認めたということです。市町村で同性パートナーシップ証明を受けた同性カップルを事実婚とみなし、内縁関係と同じく夫婦または親子を主体とした家族として対象とするということであります。そして、茨城県でも同性カップルを公的に認める県のパートナーシップ宣誓制度を受けて、県内九市町が同性カップルの公営住宅への入居申請を家族と同じ扱いとすると。関東近県のみならず、沖縄県那覇市などは、パートナーシップ制度が開始をされた二〇一六年から入居は可能となっています。
今は二〇二〇年ですので、東京都は長らく検討してくださっていると思いますが、もう少しスピードアップをしていただけるとありがたいと思います。
公営住宅制度の趣旨は、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としておりまして、また、既に同居親族要件が撤廃されていることに鑑みれば、異性か同性かということではなく、生活実態に応じた対応がとられてしかるべきと考えております。
都内でも、同性パートナーシップ制度を開始する区市町村はまだ一部ではありますが、多摩地域も含め着実にふえておりまして、その制度を導入した区市町村に当事者が引っ越しているという事実もございます。まずは、住民登録や戸籍の事務を行う区市町村の取り組みを支援する形で、差別を解消するという英断を、ぜひ東京都にも早く取り組んでいただきたいと願うものです。
次に、コロナ禍特別支援住宅について伺います。
東京都住宅供給公社では、本年八月から、コロナ禍特別支援住宅という制度を開始したと伺っています。コロナの影響で失業や雇いどめから経済的状況が悪化している方は多く、本事業の意義について、大変大きいものと受けとめております。
そこで、現在の申し込み状況について伺います。
○鈴木総合調整担当部長連絡調整担当部長兼務 東京都住宅供給公社では、本年八月二十五日から、新型コロナウイルス感染拡大の影響による休業、失業等で収入が減少し、より低廉な家賃の住宅への住みかえを希望している方を対象に、入居初年度の家賃を最大五〇%減額するコロナ禍特別支援住宅の募集を開始しております。
本年十月末時点の申し込み状況については、募集戸数百戸に対して、区部、市部の合計で四十四件の申し込みがございます。
○斉藤委員 ありがとうございます。
募集戸数に対して申し込みが少し少ないため、周知をより強化していくことが必要と考えているんですけれども、今後どのように周知を図っていくか伺います。
○鈴木総合調整担当部長連絡調整担当部長兼務 コロナ禍特別支援住宅については、東京都住宅供給公社のホームページに掲載しているほか、日々寄せられる公社住宅への入居の相談内容に応じてご紹介を行っております。
今後、区市町村や都の関係部署などと連携して、相談窓口にチラシを置くなど、本制度の利用者のニーズを考慮しながら、必要とする方に情報が行き届くようPRに努めてまいります。
○斉藤委員 日々動いているものだと思いますので、こちらの住宅は定期借家ではあるものの、四年目以降も継続して契約することが可能であるということや、とにかく今が最も厳しいという方にとっては、一年目の家賃が五〇%減額されるということから、ぜひ申し込みや入居につながっていただきたいと願っております。
周知をさらにしてくださるというご答弁だったんですが、例えば、申し込みや相談は来たけれど、実際の入居までにつながる方が少ないということが続くようであれば、入居条件のところにあります昨年の同月と比べて世帯の収入が三〇%減少した方などの条件を緩和することなどもご検討いただきたいと。これは、昨年度が既に収入が大変低い状態、状況であって、さらにそこからことし下がっている世帯については、三〇%には届かなくても、一〇%減っても、二〇%減っても大変厳しい状況にある世帯もあるということを伺っておりますので、ご検討をお願いしたいということを申し上げ、次の質問に移ります。
ここからは、団地再生について伺わせていただきます。
まず、老朽マンションの再生を支援する都の取り組みについて伺います。
都内では老朽マンションが今後急増すると予測をされておりまして、円滑な再生が急務となっております。建てかえを検討すべき時期を迎えている老朽マンションの中には、敷地が狭いものや容積率に余裕がないもの、郊外型の団地型マンションなど建てかえを実現するには条件が厳しいものが多くございます。
そこで、まちづくりと連携した老朽マンションの再生に向けた都の取り組みについて伺います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 都は、容積率や絶対高さ制限により既存不適格になっているなど単独での建てかえが困難なマンションには、周辺との共同化などによりまちづくりと連携した建てかえを促進するため、平成二十九年度にマンション再生まちづくり制度を創設し、その活用を図っております。この制度では、区市町村が行うまちづくり計画の検討、策定費用を補助しております。
また、都がマンションの再生を図る必要性が高い推進地区として指定した地区内におきまして、管理組合が行う区分所有者への意向調査や説明会の実施等に対して、区市町村と連携して補助し、再生に向けた管理組合の合意形成を支援しております。
この制度を活用して、これまでに、まちづくり計画の検討、策定に取り組む六つの区市に対して支援を行い、三つの地区において合意形成などを支援するまちづくり推進地区の指定を行ってございます。
○斉藤委員 ありがとうございます。
次は、多摩ニュータウンにおける支援について伺いたいんですけれども、地元の多摩市の多摩ニュータウンでは、築年数の経過した分譲マンションも多くございまして、一部では建てかえに向けた検討などが進められると聞いております。
マンション再生まちづくり制度は、老朽マンションの再生とまちづくりとを連携させるよい制度と考えておりますけれども、多摩ニュータウンにおける、この制度を活用した団地型分譲マンションへの都の支援について伺います。
○飯塚民間住宅施策推進担当部長 都は、マンション再生まちづくり制度の創設以前の平成二十七年度より、まちづくりと連携したマンション再生の先行モデル事業として諏訪、永山地区のまちづくり計画を検討する市の取り組みを支援しており、地域の安全性、魅力の向上に寄与する団地型分譲マンションの再生を目的とした計画の策定につなげてまいりました。
平成三十年四月には、マンション再生まちづくり制度により諏訪、永山地区を推進地区に指定いたしまして、地区内の旧耐震基準のマンションの管理組合に対して再生に向けた合意形成の取り組みを継続して支援しております。
また、今年度から、諏訪、永山地区に隣接する愛宕、貝取、豊ヶ丘地区におきましても、まちづくり計画の策定に向けた市の取り組みに対して支援を開始いたしました。
今後とも、本制度を活用して、良質なマンションストックの形成とともに、まちの再生、魅力の向上につながるよう、市と連携しながら取り組んでまいります。
○斉藤委員 ありがとうございます。今年度は、諏訪、永山に加えて、愛宕、貝取、豊ヶ丘地区も支援を開始されたということで、大変長い時間のかかるマンションの再生に向けた取り組みですけれども、今回、コロナのことで計画の策定に向けた検討や調整、議論がストップしてしまわないように、感染防止対策についてのご相談なども、もしあった場合は対応していただきますようお願いを申し上げます。
次に、地元の市民の方からも大変要望の高い住みかえ支援について伺います。
高齢者などの賃貸住宅への住みかえ支援について、区市町村の取り組みを支援するべきと考えますが、見解を伺います。
○武井住宅政策担当部長 高齢者など住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への住みかえを進めていくためには、地域の実情に精通し、入居についての相談等を行う区市町村の役割が重要であります。
このため、都は、居住支援協議会を設置し、区市町村に対し居住支援協議会の設立事例の情報提供や経費の補助などの設立支援を行うとともに、他自治体の居住支援の先進的な取り組み事例の紹介や、不動産団体や福祉団体等と連携して意見交換の場を設けるなどの活動支援を行っております。
今後とも、高齢者等の住みかえや入居が円滑に図られるよう、区市町村による居住支援の取り組みを支援してまいります。
○斉藤委員 ありがとうございます。
担当の方にお話を伺ったところ、多摩市の取り組みはかなり進んでいる方だと、先進的な方だということで、東京都は、さらに幅広く居住支援協議会の設立に向けた支援などを現段階では行われていくということでありました。
多摩市の協議会も今後、相談事例がふえていきますと、恐らく具体的な東京都への要望なども出てくる可能性もございますので、その際には都としての知見や情報提供、また他の自治体との連携など支援をいただきたいと考えております。
次に、東京みんなでサロンについてお伺いしたかったんですが、本日質疑が既にありましたので、意見だけ述べさせていただきます。
東京みんなでサロンは、私の方からも大変期待を寄せておりますので、コロナの影響でさまざま難しさが出てしまっているということが大変残念でなりません。今年度は、子供食堂なども開催をできていないところが大変多いこともありまして、場としてみんなで一緒に食事をとれる場所、機会というのは、実は本当に貴重だと考えております。貴重であり、必要なものであるとも考えています。
一方で、保育園や学校などでは、先生方や保育士さんが工夫をしながら、席の間にこういった透明の間仕切りをしたり、反対側を向くような並びにしながら食べたりということをしながら、それでも一緒に食事をとるという場は毎日設けられているわけでございます。どれだけ感染防止対策をとったとしても、コロナに感染するリスクというのは誰しも、完全にゼロにするということはできないというふうに私は思っております。
私たちは、決して感染者を責めるような社会をつくってはいけないと思っているところでございます。感染者が出たとしても、保育園や学校を責めないでほしいと、例えば小児科学会の提言がなされておりますけれども、それと同じく、人と人のつながる場をつくろうとされていた住宅政策本部の皆様には、コロナの中でもその場をぜひともつくっていただきたいと。また、その際には自治会や事業者が責められてしまわないように、十分な感染防止対策をとることをご支援いただきたいと、その二点だけお願いをしたいと思います。
稲城市向陽台の生活支援サービスの件も質問がありましたので、こちらは割愛をさせていただきます。
最後に、かねてから奥澤都議からも伺わせていただいておりました、大学と連携した若い世代の入居支援について伺いたいと思います。
シェア居住のニーズの把握の進捗はどうなっていますでしょうか。
○土屋経営改革担当部長 高齢化が進む都営住宅における多世代共生の一つとして、大学と連携して学生が入居できるようにすることは、団地の活性化に資するものと認識してございます。
現在、新型コロナウイルス感染症の影響を見定めつつ、候補とする大学と入居希望者の選考方法や、大学に使用を許可する場合の条件等について意見交換を行っております。
今後、モデル実施に向けまして、活用する住戸の条件や事業の運営形態など、具体的な実施方法についてさらに検討を進めてまいります。
○斉藤委員 モデル実施に向け調整や検討を進めてくださっているということで、こちらも都営住宅のストック活用、また、多世代共生に向けた重要な取り組みであるということで、今後も私たち注視をさせていただきたいと思います。
この候補とする大学については、例えば多摩市の都営住宅を活用する場合、連携するのは、できれば多摩市内の大学だけではなくて、近隣の市には、ほかの道府県から、東京都以外から多くの学生が上京をして通っているという大学もありますので、さまざまにお話をしに行ってみてほしいと思っております。
今、コロナのことで、実は障害者就労支援施設などには、ふだん来ない、高齢者の住宅からたくさん、ご自宅の整理だったり、掃除だったりというところのお手伝いのお仕事が入るようになっているという話もあったりします。そこに、もともとひきこもりだった方などが作業をしたいと考えて、就労支援施設の方に来てくださることもふえていると伺っておりますので、例えば、この学生さんの都営住宅でのシェア居住にも、学生さんにとってのメリット、また、シニアの方のメリットが、うまく結びつくんだと、結び合うんだという実績をつくっていくことができれば、都営住宅における多世代共生のモデルとして、今後生かされていくことになると考えております。
例えば、学生さんについては、大学を現在休学する生徒さんも多い中、そのような生徒さんも対象としていただけるよう大学に働きかけることや、ニーズを調べるために、まずは、学生さんに声を伺っていくことなども、積極的に取り組みを進めていただきたいということを要望させていただきまして、私の質問を終わります。
○保坂委員 私からは、まず最初に、都営住宅を活用した水害時の緊急避難についてを質問させていただきます。
特に大きな被害が想定されます東部低地帯、江東五区は、犠牲者ゼロを目指して、二〇一八年に大規模水害広域避難計画を策定されたことは、まさに記憶に新しいところでございます。
計画では、江戸川や荒川が氾濫する大規模水害時に際して、標高が高い地域などの浸水のおそれがない地域へ避難する、まさに広域避難が必要であるといわれております。しかし、実際には広域避難にも限界があり、高台のような救助基地や垂直避難ができる建物が付近にあれば、自力で避難ができない人も救えることができます。行政と民間が連携をして緊急避難場所を確保することが大きなテーマとなっています。
こうした考えのもと、都は、水害時の緊急避難先として都営住宅の空き住戸を活用できる仕組みを整え、地元自治体との間で協定を結んでおりますが、その取り組み内容についてまず伺います。
○土屋経営改革担当部長 都は、水害のおそれのある地域におきまして、都営住宅やその周辺の住民が、避難場所等に避難する時間的余裕がない場合の緊急避難先として、都営住宅の上層階の空き住戸を一時的に活用する仕組みを整えました。
具体的には、協定を結んだ区市町に対し、都は毎年度、その依頼に応じて、水害時の緊急避難先として使用可能な住戸のリストを提供する。区市町は、浸水が発生するおそれがあると判断した際に、都に都営住宅の空き住戸の使用を要請し、都は、無償で一時提供することとしております。緊急避難先としての管理運営は区市町が実施し、水が引き、本来の避難場所等への移転等が終了後、区市町は、住戸を都に返還することとしております。
○保坂委員 まさに水害時に緊急避難する場所として、都営住宅もその機能を担うということが今わかりました。特に東部低地帯や多摩川周辺の自治体にとりましては大変有効になると考えております。
そこで、現時点での協定の締結状況と、これまでの活用実績について伺います。
○土屋経営改革担当部長 本年六月に足立区と、その後八月に八王子市、清瀬市と協定を締結いたしました。
十月に台風第十四号が発生した際には、清瀬市からの要請を受け、都営住宅の空き住戸の鍵を市に貸与し、市は浸水被害に備えました。その後の台風の進路の状況等によりまして避難には至らず、緊急避難先としての空き住戸の使用実績はありませんでしたが、あらかじめ都と市の間で活用可能な住戸リストや手順等について定めていたことにより、市への鍵渡し等、円滑に行うことができました。
○保坂委員 年々、東京でも浸水リスクが高まり、地元自治体でも早目の避難を呼びかけているなど、被害に備えた対策が進んでおります。避難場所などに避難する時間的余裕がない場合の緊急避難先として、都営住宅に避難ができるのは、地域住民にとっての安全・安心につながります。こうした取り組みを、特にまだ締結に至っていない東部低地帯の自治体などに広げていっていただきますよう要望いたします。
私の地元台東区も東部低地帯に位置し、荒川や隅田川の氾濫により浸水の被害が想定をされております。ただいま伺った、緊急時に都営住宅の空き住戸を活用する協定はまだ締結されてはいませんが、都営住宅の共用部分を緊急避難先とする覚書の方は、既に平成二十八年度に締結をしております。
しかしながら、せっかくの仕組みが地元では余り知られていないことから、災害時に有効に機能するよう、地元自治体と連携した地域住民への周知について、さらに工夫を図るべきであると考えますが、見解を伺います。
○土屋経営改革担当部長 地元住民への周知につきましては、主に避難所を確保、運営する地元自治体の役割であると認識しており、緊急時に空き住戸を提供する協定や、廊下などの共用部分を緊急避難先とする覚書を締結している各区市から、防災ホームページへの掲載などにより周知を図っていると聞いております。
都としても、協定や覚書の締結の際は、団地自治会に対してお知らせするとともに、都民に施策が広く伝わるよう、各区市と同時に報道発表するほか、都のホームページで公表しております。
今後とも、地元自治体と連携した広報により、都民への周知に努めてまいります。
○保坂委員 台東区内の都営住宅は隅田川のそばの住宅街に位置しているため、その役割は非常に大きいです。周辺には高齢者も多く、広域避難場所である上野公園まで自力で逃げられない方も少なくないため、水害時は付近の都営住宅に逃げ込むことが想定をされます。周辺住民への周知については早急な対応をお願いします。
また、都と締結しましたそれぞれの自治体に対しましては、都が、共通の垂直避難ピクトグラム、こういったものを作成し、そして提供すれば、また自治体はより活用しやすくなると思いますので、検討をお願いします。
加えまして、垂直避難の実効性をさらに高めるため、避難訓練を定期的に実施することなども含めて、自治体から相談があれば、ぜひ前向きに協力していただき、連携して取り組んでいただきますことを要望して、次の質問に移ります。
続きまして、都営住宅の単身者向けへの取り組みについて質問します。
都営住宅の募集では、単身者向けは、場所によっては一千倍を超えるなど高倍率である一方、先ほども質問がございましたが、多摩地域では、応募割れや応募がない世帯向け住戸も数多くあります。
今後も、入居者の単身化が進むものと見込まれる中、単身者向け住戸のニーズは高まっていくものと思われます。しかし、都営住宅の既存ストックは単身世帯の需要に見合っておらず、早急な対応が必要と考えます。
そこで、都は、昨年五月の住宅政策審議会答申も踏まえ、単身者向け住戸のあっせん基準の弾力的な運用を始めたところですが、具体的にどのような取り組みを行っているのか伺います。
○土屋経営改革担当部長 近年の都営住宅の応募状況を見ますと、利便性の高い区部中心部などでは応募倍率が高い一方、多摩地域の三人用以上の住戸では応募なしの住戸が多く発生しております。
そのため、多摩地域において、世帯人数に応じて提供する住戸の広さと間取りを決めている住戸あっせん基準を緩和し、比較的広い応募なしの住戸を単身者向けにするなどの弾力的な運用を行いました。
これにより、単身者向けの募集戸数を増加させることで、単身入居希望者のニーズに対応するよう募集改善を図りました。
○保坂委員 住戸のあっせん基準を緩和すること、単身者用の住戸をふやす取り組みは、既存ストックの有効活用にもつながるといえます。コロナの影響により在宅勤務の頻度がふえていくことは容易に想像がつきます。だからこそ、比較的広い住戸を提供できる多摩地域の住戸を単身向けに提供ができれば、既存ストックのより有効な活用ができ、あっせん基準の緩和を積極的に進めていくべきとさらに考えます。
そこで、都営住宅の一般募集で、多摩地域において、単身者向け住戸は、住戸あっせん基準の緩和によって、昨年と比べことしはどのぐらいふえたのか伺います。
○土屋経営改革担当部長 令和元年の多摩地域における都営住宅の一般募集では、単身者向けの住戸は年間合計で百三十六戸でありましたが、住戸あっせん基準を緩和した後の令和二年では五百六十六戸となり、前年と比較して約四・二倍にふえました。
今後とも、この緩和したあっせん基準を活用し、多摩地域における単身者向け住戸の確保に努めてまいります。
○保坂委員 前年に比べて今年は四・二倍に住戸をふやされたということが確認できました。
今後とも、都営住宅を必要とする単身者が、より多く入居できますよう、募集改善に取り組んでいただきますよう要望いたします。
一つだけ、要望だけです、これは。要望だけさせてください。
私の地元台東区には、八団地の都営住宅があります。その中で、今一番古い都営住宅は、小島地区にあります台東小島アパートで、一九六四年度、まさに東京五輪大会の年に建設をされました。地理的にも台東区の中心部にありまして、非常に地の利もよく、商業施設、そして区の福祉施設なども入居するなど、地域に密着した都営住宅でもあります。
ただ、築五十年以上が経過し老朽化が進んでいることに加えて、道路ぎりぎりに建てられていることなどから、入居者だけでなく周辺住民からも、大きな地震が発生した場合にどうなってしまうのか、こういった不安の声が多く、建てかえを望む声も多くいただいております。私もこの地域のそばに住んでおりますので、本当に商業地のすばらしいところに一つ、この小島アパートが建っております。まさに地域の顔なんでございますので、ぜひとも私もここは建てかえを早く進めてほしいと思っております。
最近では、区内で一番古かった、隅田川に近い清川地区にあります清川二丁目第二アパートの建てかえが実施されまして、昨年に完成しております。
都においては、こういった現状を踏まえまして、早期に小島アパートの現状を調査されるとともに、一日も早く建てかえに向けて、台東区とも情報共有しながら検討、準備をしていただきたいと強く要望して、次、最後の質問に移ります。
最後に、都営住宅における環境対策の推進についてを伺います。
都は、ゼロエミッション東京戦略の中で、自動車から排出されるCO2を削減するため、二〇三〇年都内乗用車新車販売台数に占める環境負荷の低い電気自動車、EVなどのゼロエミッションビークル、ZEVの割合を五割まで高めることを目指しております。
私はこれまで、都有地にも電気自動車専用の充電設備の設置を進めていくことを強く求め、我が会派も求めてきましたことで、昨年十一月時点で都庁駐車場を含みます十カ所にわたる都有駐車場で設置が進んでおります。
そこで、都営住宅においても、駐車場の空き区画を活用して誰でも利用できるコインパーキングの設置を進めており、それに合わせて電気自動車専用の充電設備の設置を進めていくべきと考えておりますが、見解を伺います。
○土屋経営改革担当部長 都では、居住者の来客や介護車両などの一時的な駐車ニーズに対応するため、都営住宅の駐車場の空き区画を活用してコインパーキングの設置を進めております。
このコインパーキングは、都営住宅の居住者に限らず誰でも利用できることから、都営住宅ストックの活用を通じて電気自動車の普及に資するため、本年三月、コインパーキングの設置に際し、充電設備を設置する取り組みを開始しました。本年十月末現在、二団地に各一基ずつ、計二基設置しております。また、今月中を目途に、さらに別の二団地で各一基ずつ、合計四基稼働する予定でございます。
今後とも、コインパーキングの設置に合わせて、電気自動車用の充電設備の設置を進めてまいります。
○保坂委員 さらに多くの都営住宅でのコインパーキング設置に合わせて、電気自動車用の充電設備の設置を進めていただくよう要望します。
そこで、充電設備を設置していくことは、都営住宅での環境対策を推進する上で重要な取り組みでありますので、広く居住者や都民に知らせるべきと考えますが、都の見解を伺います。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅の駐車場の空き区画に設置されたコインパーキングにある電気自動車用の充電設備の設置につきましては、事業者により広告看板等で居住者や地域住民への周知をしております。
都は、今後、都のホームページにおいて、都営住宅におけるコインパーキングの設置及び充電器設置の状況について掲載し、広報してまいります。
○保坂委員 都営住宅ストックを活用した電気自動車の普及、ひいては環境力の強化に努めていただくことを要望します。
特に、将来的に、都営住宅の駐車場の空き区画を活用した車を所有しないカーシェアリングは、居住者の新たな交通手段として、環境面からも導入すべきと考えています。さらに、民間マンションでも既に始まっております電気自動車を導入したカーシェアリングも大変有効です。
さまざまな課題もあるとは思いますけれども、その実現に向けて取り組んでいただきますことを強く要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○高橋委員 それでは、私からは、一項目、都営住宅の駐車場へのコインパーキングの設置について伺います。
都は、居住者の来客や介護車両などの駐車ニーズに対応するため、都営住宅の駐車場を活用したコインパーキングの設置を進めております。先ほど質疑がありましたが、本年三月末現在、都営住宅の三十団地二百七十区画に置かれているとのことであります。
私の地元小平市の花小金井四丁目アパートにも、本年三月、コインパーキングが設置されました。来訪者によく利用されていて、迷惑駐車対策など、地域の利便性向上や活性化にも役立っており、よい取り組みだと思っております。
そこで、さらに多くの都営住宅でコインパーキング設置が進めばよいと考えますが、都の現在の取り組みについて伺います。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅のコインパーキングは、居住者の来客や介護車両などの一時的な駐車ニーズに対応するため、平成三十年七月に設置を開始いたしまして、毎年度拡大しており、今月中には三十七団地二百九十二区画で展開する予定でございます。
都営住宅の駐車場は、都営住宅の居住者が利用する目的で設置しております。一方、コインパーキングは、居住者に限らず誰もが利用できることから、目的外の使用となるため、管理開始後十年を経過した団地のうち、入居率は高いが駐車場の契約率が比較的低いものにおいて、国への用途廃止の手続を行った区画にて設置しております。
今後、条件が整った団地から、さらに拡大を図っていく予定でございます。
○高橋委員 今後とも、コインパーキングの設置を着実に進めてもらいたい。
コインパーキング事業は事業者が運営していることは承知しておりますが、地域によってはコインパーキングとしての採算性を見込むのが難しい団地もあるのではないかと思います。とはいえ、採算性は厳しくても、来客や介護車両などの駐車ニーズや迷惑駐車などの問題を抱える都営住宅も存在することではないかと思います。
そうした団地を含め、より多くの都営住宅でコインパーキングを設置できるようにすべきと考えますが、都ではどのような工夫をしているのか伺います。
○土屋経営改革担当部長 都では、公募の都度、一般競争入札を通じて事業者を選定し、地域の駐車ニーズに合わせた柔軟な料金設定など、その運営ノウハウを生かした事業展開を図っております。
また、必要に応じて、採算性の高い団地と低い団地を組み合わせ、地域性も考慮して、おおむね五団地ごとにグループ化して公募し、グループ単位で採算性を確保できるよう工夫しております。
今後とも、より多くの都営住宅でコインパーキングを設置できるよう取り組んでまいります。
○高橋委員 ただいま、より多くの都営住宅でコインパーキングの設置に取り組むとの前向きな答弁がありました。都民共有の財産である住宅ストックを活用して、都営住宅の居住者のみならず、広く地域の利便性の向上を図る取り組みはまことに重要であります。
今後とも、工夫を重ねながらコインパーキングの設置を進め、地域の課題解決に努めてほしいことを要望して、終わります。
○和泉委員 日本共産党の和泉なおみです。よろしくお願いいたします。
昨年の台風十九号で葛飾区では避難勧告が発令をされ、約一万九千人の区民が避難所へ避難しました。風による被害は幾つかあったものの、水害は免れることとなりましたが、東部低地帯の葛飾に暮らす区民にとって、近年の台風や豪雨による水害の危機を現実のこととして目の当たりにすることになりました。
区は、平成二十五年に都と、都営住宅の共用部分を緊急避難先とする覚書を、平成二十六年には東京都住宅供給公社とも同様の覚書を締結しています。
さらに、平成二十八年には、江東区、葛飾区、足立区、墨田区、江戸川区で江東五区広域避難推進協議会を発足させて、江東五区がとり得る対策をまとめた計画、これも発表しましたけれども、台風十九号のときには、広域避難の呼びかけ自体が交通渋滞などの混乱を招きかねないということから、広域避難は見送られました。身近な場所への緊急の垂直避難、それから、その場所の確保、この必要性を改めて認識する結果となりました。
先ほど、都営住宅の空き家の緊急避難先の対応などの話もありましたけれども、第三回定例会では、我が党の河野ゆりえ都議が一般質問で、都営住宅を建てかえる場合には上層階に集会所を設置することを求めました。これに対して都は、建てかえ時における集会所の上層階への設置については、構造上設置可能な規模が制限されることなどの制約を踏まえた上で、地元区市町等から要望があれば、協議に応じていくこととしていると、このように答弁をされました。
これまでに区市町に対してそのような通知を行っているのかについて伺います。
○妹尾建設推進担当部長 特段の通知はしてございません。
区市町村に対しましては、建てかえ事業ごとに行う個別の協議の中で対応することとしております。
○和泉委員 特段の通知はしていないという答弁でしたけれども、これまで上層階に集会所を設置した事例というのは、実際にはどのぐらいあるんでしょうか。また、そのうち、避難所機能の必要性、今回のような垂直避難の必要性から区市町村の要望を受けて実施されたというような実例はあるでしょうか、伺います。
○妹尾建設推進担当部長 令和二年三月三十一日時点におきまして、都営住宅の二階以上の上層階に設置されている集会室は三十四団地で三十八カ所でございます。これらのうち、水害の避難という目的で設置されたという集会所については聞いてございません。
○和泉委員 これまでにも上層階に集会所が設置された事例は三十四団地三十八カ所ということですから結構あるわけです。しかしながら、垂直避難できる場所として、区市町から上層階への設置を要望されて実施した例はないというご答弁でした。
第三回定例会の質疑では、構造上設置可能な規模が制限されるというふうに都は答弁されていますけれども、どのような制限になるのか具体的にお示しいただけますでしょうか。
○妹尾建設推進担当部長 集会所を上層階に設置する場合、最大でも二人世帯用の二DKの広さの空間を二つ合わせた約八十平米が設置可能な広さとなります。
○和泉委員 二DKの二部屋を合わせて八十平米程度が、設置できる広さの最大ということになるんだと思うんですけれども、これはどのような理由によるものなのか、改めて伺います。
○妹尾建設推進担当部長 その広さの制約につきましては、集会所を上層階に設置する場合には、建物の構造上不可欠な耐震壁、それの配置の制約により、広さに制限が生じるものでございます。
○和泉委員 つまり、壁でも耐震性を高めていると。そのために、その関係上、建物の上層階に壁のない大きな空間をつくるということはできない。そのために、広さは、先ほどご答弁あったとおり、二DKの部屋を二部屋合わせた分の程度、八十平米程度の範囲にとどまるということになろうかというふうに思います。
そうしますと、平地につくっている一般的な集会室の面積というのはどの程度になるものなんでしょうか。
○妹尾建設推進担当部長 都営住宅の集会所を住棟と別の棟で設置する場合ですが、現在、団地の規模に応じまして、面積が七十平米、百平米、百五十平米の面積で設置してございます。
○和泉委員 そうすると、団地の規模に応じて七十平米、百平米、百五十平米、三段階の集会所があると、今、定型としてはあるというご答弁でした。先ほど、八十平米が最大でつくれる上層階への集会所の面積の範囲ということでしたから、七十平米と百平米の中間程度のものは今の基準でいってもつくれるということになるかと思います。
江東五区は、河川が氾濫して浸水すれば五メートル以上の水に沈むと予測されているところもあって、また、平地で高低差が少ないものですから、長く水がとどまることになります。だからこそ、広域避難が位置づけられていて、葛飾はその避難先が茨城県というふうになっています。
しかし、区は、身近なところでの垂直避難先の確保にも現在力を入れています。都営住宅の建てかえに当たって上層階に集会所を設置することは、とりわけ、東部低地帯においては重要だというふうに思います。もちろん、どこの都営住宅でも建てかえに当たって上層階に集会所をつくることが求められているわけではないというふうには思いますけれども、とりわけ、東部低地帯にとっては非常に重要なんだというふうに思っています。面積の制限があるとのことではありますけれども、従来の定型の集会所にこだわらずに、どのようにすれば上層階に必要な面積の集会所を設置できるか、このことについてもぜひ検討していただきたいというふうに思います。
実際に、区市町から要望があった場合には、都は、どのような協議を区市町と行うことになるかについてもあわせて伺います。
○妹尾建設推進担当部長 都は、都営住宅の建てかえ事業に着手するに当たり、事前に地元区市町と住宅の計画などについて協議を行っておりまして、その中で集会所の設置場所等についても協議することになります。
○和泉委員 事前に地元区市町と住宅の計画段階から協議を行う、その中で協議するということですが、区市町が上層階に設置することも協議の対象だというふうに知っているということが必要なんだと思います。
区市町に対して、要望があれば集会所を上層階に設置することも協議の対象だということを伝えていただくことが、まず、協議を始める上で重要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○妹尾建設推進担当部長 集会所を上層階に設置した場合、災害時に停電でエレベーターが使えなくなるなど、高齢者や障害者の移動に支障が出る可能性がございます。
また、これまでにも住棟内に集会室を設置した団地では、集会室に近接する居住者からは騒音について、他の住棟の居住者からは集会室への移動が不便との苦情をいただいた例もございまして、こうした点にも配慮する必要があると考えております。
このような課題とともに、都営住宅の立地によって水害のリスクというのは異なるため、一律に通知するのではなく、個別の協議で対応していくこととしております。
○和泉委員 さまざまな課題があるということはわかりました。例えば、高齢者や障害者などの災害時要配慮者の垂直避難、これに当たっては、都営住宅に限らず、どこに避難をする場合でも考えなくてはならない課題だというふうに思います。地域の要配慮者を把握して、停電や避難が困難な状況になる前に早目の避難へと誘導することこそ必要です。また、水害と地震では避難する場所の要件も違ってくるわけですから、それも含めて避難所を確保する必要もあると思います。
居住者からの苦情についても、水害時の垂直避難先の確保という点を地域住民の皆さんとともに考えて、理解を深めながら進める必要もあるというふうに思います。
都と区市町が都民の命を守ることに本気になって取り組む姿勢が示せるかどうかは、住民の理解を得る上でも欠かせないというふうに思います。協議に当たっては、区市町との協議だけでなく、地域の皆さんとともに協議する必要があるのではないでしょうか。
住民の要望や心配に寄り添って、ともに課題を乗り越えていく、ぜひそういう立場で積極的な対応をしていただくことを期待しています。
続いて、高砂都営住宅建てかえ後の創出用地について伺います。
まず初めに、高砂都営住宅について、建てかえの進捗状況と今後の計画について伺います。
○栗谷川再編利活用推進担当部長 都営高砂四丁目アパートについては、地元葛飾区との協議に基づき、全体で千百戸程度を建設することとしており、平成二十年度より建てかえ事業に着手し、これまで合計八棟千十一戸の住宅が完成してございます。
現在、最後の一棟、百十戸程度の住宅を計画しており、葛飾区と建設に向けた協議を進めております。
今後、工事発注に必要な設計を進めてまいります。
○和泉委員 最後の一棟の工事発注のための設計に入るということですが、建てかえ事業はその一棟の建設でほぼ完了ということになろうかと思います。
現在、店舗が入っている住棟が二棟残っているんですけれども、住民は移動が完了しています。建物の除却までのスケジュールはどのようになっているのか伺います。
○栗谷川再編利活用推進担当部長 店舗のある二棟の住棟につきましては、一階部分に合計十九の併存店舗があり、建物の除却に当たっては、店舗部分の権利の買い取りが必要になります。これまで十七店舗の買い取り契約を締結しており、残りは二店舗となっております。
引き続き、店舗権利者に対して買い取りの交渉を進め、権利の取得が完了次第、順次、除却工事に着手してまいります。
○和泉委員 現在残っている店舗のうちの一つは郵便局です。この地域にはほかに郵便局がなくて、ここがなくなってしまえば、一番近い郵便局は、あかずの踏切を超えて五百メートル離れた場所にあるところか、それと線路とは反対側の六百メートル以上離れたところまで行かなくてはなりません。団地の住民だけではなく、地域の住民にとっても、郵便局がなくなってしまうのかという不安の声が出ています。ぜひこの郵便局を近い場所に残すよう、郵便局側とも十分な調整を図っていただきたいと思います。
また、もう一つの店舗についても、今後、営業の継続を事業者が望んでいるのであれば、それが可能となるよう丁寧に対応していただきたいと思います。
そうしますと、高砂都営住宅については百十戸程度の住棟をもう一棟建設し、残っている二棟の除却で事業が完了するということになると思いますが、高砂都営住宅の建てかえに当たっては、この地域の多くの皆さんから、跡地に特養ホームをつくってほしいという要望が上がっています。これを受けて、区は二度にわたって都に要望を出しています。
また、区は特養ホームをつくる方針も明らかにしています。地域の住民の皆さんからはいつごろできるのかと期待する声が多く出ています。
このことについて、今後、都は、どのように取り組むのか伺います。
○栗谷川再編利活用推進担当部長 都営住宅建てかえに伴う創出用地につきましては、まちづくりに効果的に活用し、都の政策目的の実現や地域の課題解決を図ることが重要と考えてございます。
地元区が本年八月に策定した高砂駅周辺地区まちづくりガイドプランでも、併存店舗のある住棟を含む用地に福祉施設などを誘導することを明示してございます。
都といたしましては、今後、当該用地の活用に向け、区と意見交換や協議、調整を行っていくこととしております。
○和泉委員 この地域には特養ホームがなくて、地域の皆さんにとっては、都営住宅の跡地に特養ホームを建ててほしいという要求は本当に切実なんです。答弁にもありましたとおり、本当に地域の課題解決を図ることが重要です。区議会にも二度にわたって陳情書が出されてきました。ですから、多くの方たちが計画の早期実施を待ち望んでいるんです。区も都からの早い返答を待っている状態です。
ぜひその見通しを区に対しても示していただきたいというふうに思いますし、可能な限り早い段階で区との協議を開始していただいて、区が一日も早く事業に着手できるよう支援していただけるよう求めて、私の質疑を終わります。
○米川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○米川委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で住宅政策本部関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時二十四分散会
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