都市整備委員会速記録第九号

令和二年九月十七日(木曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長馬場 信男君
副委員長秋田 一郎君
副委員長和泉なおみ君
理事古城まさお君
理事菅野 弘一君
理事村松 一希君
清水やすこ君
奥澤 高広君
西郷あゆ美君
森口つかさ君
関野たかなり君
曽根はじめ君
中山 信行君
中村ひろし君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長技監兼務上野 雄一君
次長桜井 政人君
技監福田  至君
理事安部 文洋君
総務部長木村 健治君
都市づくり政策部長小野 幹雄君
都市基盤部長特命担当部長兼務谷崎 馨一君
市街地整備部長選手村担当部長兼務朝山  勉君
市街地建築部長山崎 弘人君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務三宮  隆君
交通政策担当部長先端技術調整担当部長兼務三木  健君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務新谷 景一君
防災都市づくり担当部長鈴木  理君
住宅政策本部本部長榎本 雅人君
技監久保田浩二君
住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務佐々木秀之君
住宅政策担当部長武井 利行君
経営改革担当部長土屋 太郎君

本日の会議に付した事件
副委員長の辞任及び互選
理事の互選
議席について
住宅政策本部関係
請願の審査
(1)二第七号の三 ハンセン病元患者・家族の人権回復及びハンセン病問題の全面解決に関する請願
都市整備局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
陳情の審査
(1)二第四六号 羽田空港の都心低空飛行ルートの中止・撤回を国に求めることに関する陳情
(2)二第四八号 羽田新飛行ルートの運用中止及び住民説明会の開催に関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・第二百三十一回東京都都市計画審議会付議予定案件について

○馬場委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、奥澤高広副委員長から副委員長を辞任したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、申し出のとおり奥澤高広副委員長の辞任は許可されました。

○馬場委員長 次に、奥澤高広副委員長の辞任に伴い、副委員長一名が欠員となりましたので、これより副委員長の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○西郷委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○馬場委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には秋田一郎理事をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には秋田一郎理事が当選されました。
 それでは、秋田一郎副委員長から就任のご挨拶があります。

○秋田副委員長 短い期間ではございますが、馬場委員長を支え、円滑な委員会運営に努力をしてまいります。よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

○馬場委員長 次に、秋田一郎理事の副委員長就任に伴い、理事一名が欠員となりましたので、これより理事の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○西郷委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○馬場委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、理事には菅野弘一委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、理事には菅野弘一委員が当選されました。

○馬場委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○馬場委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、住宅政策本部及び都市整備局関係の請願陳情の審査並びに都市整備局関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、都市整備局関係の提出予定案件につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行うこととし、都市整備局関係の報告事項につきましては、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
 これより住宅政策本部関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、本部長から紹介があります。

○榎本住宅政策本部長 去る七月一日付で異動のございました当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
 住宅政策担当部長の武井利行でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○馬場委員長 紹介は終わりました。

○馬場委員長 次に、請願の審査を行います。
 請願二第七号の三を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○土屋経営改革担当部長 整理番号1、請願二第七号の三についてご説明いたします。
 それでは、説明表の一ページをごらんください。整理番号1、請願二第七号の三、ハンセン病元患者・家族の人権回復及びハンセン病問題の全面解決に関する請願についてご説明申し上げます。
 請願者は、東村山市のハンセン病首都圏市民の会代表の森元美代治さんでございます。
 請願の要旨は、ハンセン病療養所の退所者等が都営住宅に優先的に入居できるようにすることでございます。
 現在の状況でございますが、都営住宅の入居者の募集は公募が原則であり、特別の事由のある方につきましては、公募の中で優先的に入居できる方法をとっております。
 その入居者決定方法は、優遇抽せんやポイント方式によるほか、福祉保健局など事業実施主体に対して一定戸数を特別に割り当てる方式などがございます。
 このうち、優遇抽せんは、抽せんにおいて、ひとり親、高齢者、心身障害者及び多子世帯等を対象に、当せん確率を一般の五倍または七倍高くする方式でございます。
 また、ポイント方式は、ひとり親、高齢者、心身障害者及び多子世帯等を対象として、抽せんによらず、住宅困窮度が高い方から順に入居していただく方式でございます。
 ハンセン病療養所の退所者であることをもって優先的に入居できる対象とはなりませんが、ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律第二条に規定するハンセン病療養所入所者等について、東京都営住宅条例では、同居親族要件の例外として、単身であっても入居を可能とし、また、入居収入基準を月額十五万八千円から二十一万四千円に緩和しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○馬場委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○森口委員 請願二第七号の三、ハンセン病元患者・家族の人権回復及びハンセン病問題の全面解決に関する請願について伺ってまいります。
 まずは、都営住宅の優先入居に関して伺います。
 先ほどご説明ありました優先的に入居できる仕組みとして、優遇抽せんやポイント方式、また、福祉保健局など事業実施主体に特別に割り当てる方式があるとのことですが、都は、優先入居の対象世帯をどのような考え方で選んでいるのか、お伺いいたします。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅は、公営住宅法に基づき、真に住宅に困窮する低所得者に住宅を的確に提供していくこととしております。国の通知に基づきまして、高齢者世帯や心身障害者世帯、ひとり親世帯などは、特に居住の安定確保が必要な者として、優先入居の対象としております。
 また、都独自の取り組みとして、結核回復者や宿泊所等転出者など、居住の安定に特別の配慮が必要と認める方々を対象に、福祉保健局など事業実施主体からの依頼に基づき、一定戸数を割り当てることによって、優先的に入居できるようにしております。

○森口委員 平成二十五年の六月に国土交通省から、公営住宅における優先入居に関する技術的助言としての通知が出されておりまして、こういった国の助言に基づき、優先入居の対象世帯やその選考方式を決めているものと、また、都独自に特別の配慮が必要と認めた方々についても対象にしているとのことであります。
 そこで、先ほどハンセン病療養所の退所者の方については、退所者であることだけをもっては優先入居の対象にしていないとのご説明でありましたが、その理由についてお伺いいたします。

○土屋経営改革担当部長 ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律第二条に規定するハンセン病療養所の入所者等であれば、東京都営住宅条例により、単身であっても都営住宅への入居を可能とし、また、入居収入基準を一般世帯より緩和する対象として、居住の安定を図っております。
 その上で、ハンセン病療養所を退所された方につきましては、先ほどご答弁申し上げました国の通知において、特に居住の安定確保が必要な者として示されていないことから、ハンセン病療養所の退所者であることをもって優先入居の対象とはしておりませんが、高齢者世帯、心身障害者世帯等の資格基準を満たす方につきましては、優先入居の対象となっております。

○森口委員 国の通知において優先入居の対象となってはいないが、都の都営住宅条例のもと、単身での入居を可能とするとともに、収入基準を緩和してきたとのことでありました。
 今回、ハンセン病に関して、改めてその歴史を確認させていただきました。現代においては感染症に位置づけられておらず、感染力も弱く、適切な治療で治癒する病気でありますが、長きにわたり誤った考え方のもと、国による強制隔離政策や優生手術などが行われてきたわけであります。
 平成八年にようやく、らい予防法が廃止をされ、その後、国が誤った隔離政策を続けていたとして訴訟判決を受け入れるなど、名誉や人権の回復、そして補償が行われております。長きにわたる国の誤った政策により、耐えがたい差別と偏見に苦しみ、いまだ元患者の皆さんやその家族にとって、大変な苦労が続いております。
 我が会派としても、これまでハンセン病に対する差別や偏見をなくすため、都民の正しい知識と理解を深める普及啓発活動の推進を都に強く求めてきたところであります。
 ハンセン病療養所入所者につきましては、国土交通省の省令において住宅確保要配慮者にも位置づけられておりまして、ハンセン病の患者の方が、これまで多大な苦痛と苦難を強いられてきたことからも、今回の請願を踏まえ、都として、居住の安定に特段の配慮が必要な方々として、都営住宅に優先的に入居できるよう位置づけるべきと考えますが、見解をお伺いします。

○土屋経営改革担当部長 例えば、多磨全生園の入所者の方々は平均年齢で八十六歳を超えているなど、長期にわたり療養所で生活してきたことから、市場におきまして自力で住宅を確保することが困難な状況にあると考えられます。
 こうしたことから、今後、都営住宅の優先入居の対象とする方向で検討するなど、今回の請願の審査を踏まえ、適切に対応してまいります。

○森口委員 ありがとうございます。今回の請願審査を踏まえ、ハンセン病療養所退所者について、都営住宅の優先入居の対象にする方向で検討していくなど、適切に対応をするとのことでありました。
 都営住宅は、住宅確保に特に配慮を要する都民の居住の安定を図る住宅セーフティーネットの中核であり、ハンセン病療養所退所者につきましても優先的に入居ができるよう、しっかりとした位置づけを改めて要望いたしたいと思います。
 今回のように、住宅確保に特に配慮が必要な対象者というのは、その時々の社会的要請や社会情勢に合わせて変わってくるのだと思われます。これまでも、DV被害者や犯罪被害者など、国の通知や都の住宅政策審議会の答申も踏まえ、都度、優先入居の対象やその内容を見直してきました。
 今回は、ハンセン病療養所退所者に関する配慮でありましたが、同様に、都が住宅確保要配慮者として定めているLGBTパートナーにつきましても、そもそも都営住宅の対象者となるよう、速やかな条例改正が必要と考えております。
 また、今回のような都営住宅の優先入居の対象や優先内容について、その多くが法規としての性質を持たない、あくまで事務的な内規である要綱で定めているわけですが、議会の議決が必要な条例や、知事が制定する規則で定める必要性も検討すべきであるとあわせて指摘をさせていただき、私の質疑を終わります。

○古城委員 東京都東村山市に所在する国立療養所多磨全生園の敷地内には、国立ハンセン病資料館が設置されております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、ことしの二月二十九日土曜日から全館臨時休館となりましたが、現在は事前予約制、定員制で再開をしております。
 私は、この再開初日の六月二十三日火曜日に訪問をいたしまして、ハンセン病とその対策の歴史を学んでまいりました。館内の展示の一角には、取り戻せていないものとのテーマで、家族のきずな、社会との共生、入所前の生活、人生の選択肢との四つの展示キャプションがございました。奪われた人間の尊厳と生存の権利、苛酷な療養所生活とともに、これらを前に、二度と繰り返してはならないと深く自覚をしたところであります。
 本日の請願二第七号、ハンセン病元患者・家族の人権回復及びハンセン病問題の全面解決に関する請願の審査に当たって、改めてこの自覚に立たせていただいて質問をいたします。
 この請願の三の願意は、都において、ハンセン病療養所の退所者等が都営住宅に優先的に入居できるようにすることを実現していただきたいとのことであります。
 現在、東京都が行っている優先的な入居の取り扱いは、一つに優遇抽せん、二つにポイント方式、三つに結核回復者や宿泊所及び宿泊提供施設在寮者、中国帰国者等に対する募集要綱が定められている特別割り当てが挙げられます。これらをつぶさに見ますと、都営住宅では、ハンセン病療養所の退所者等の方々は、退所者であることだけをもって優先入居の対象にはされておりません。
 一方で、隣県である神奈川県の県営住宅では、優先入居の対象となっております。具体的には、一般世帯向け住宅の優遇制度では、その対象になっています。また、一般単身者向け住宅では、資格要件の一つになっております。
 都営住宅では、どのような考え方で優先的に入居できる対象者を決めているのか、既に説明があったところでございます。
 国立ハンセン病資料館のホームページにも掲載されているとおり、ハンセン病は、らい菌による経過の慢性な感染症です。感染しても発症するとは限らず、今では発症自体がまれです。また、万が一発症しても、急激に症状が進むことはありません。現在では有効な治療薬が開発され、早期発見と早期治療により、後遺症を残さずに治るようになりました。
 にもかかわらず、日本では、一九九六年にらい予防法が廃止されるまで九十年に及ぶ隔離政策がとられ、罹患した人たちは人権を奪われたに等しい、否、それ以上の苛酷な生活を余儀なくされておりました。
 国は、明治四十年、一九〇七年に制定された癩予防に関する件に基づき、全国に五つのらい療養所をつくり、その一つである公立療養所第一区府県立全生病院、現在の国立療養所多磨全生園は、明治四十二年、一九〇九年、当時の東京府と関東、中部十一県の連合府県立として開設されました。
 新聞集成明治編年史には、らい療養所というと、その名が忌まわしいことから、全生病院と命名したと記され、同年九月の落成式には、当時の東京府知事、府会議員が出席していたことも記録されています。
 一九三一年、昭和六年に制定された旧法、癩予防法以後、徹底的に患者の強制隔離が始まり、全国の療養所に収容された患者の数は一万数千人にも及ぶといわれます。職業選択の自由も、居住地を選ぶ自由も奪い、発症した人たちへの偏見と差別を固定化させることになりました。
 療養所の所長には、規則に背いた患者を処罰、監禁できる懲戒検束権が与えられ、刑務所の囚人の監房よりも劣悪な部屋まで用意されていました。特に問題視された患者は、全国に一カ所設置された特別病室と称する重監房に移されました。そこでは、一九三九年から四七年までの間に延べ九十三人が収監され、うち二十三人が亡くなったといわれています。
 療養所では、結婚の条件として、男性は断種、女性は中絶が義務づけられました。中には、生まれてきた子供をその場で殺されることもあったといいます。療養所とは名ばかりの、終身強制収容所といっても過言ではありません。
 一方、世界的には、一九四三年にアメリカの医学誌に特効薬プロミンの効果が発表され、ハンセン病は完治可能になりました。一九五八年の第七回国際らい会議では、各国に強制隔離の全面廃棄を勧告、WHO、世界保健機関も一九六〇年、外来治療への移行を勧告しました。
 しかし、日本はこうした世界の流れに逆行し続けました。一九五三年に強制隔離政策を維持強化する新法らい予防法を制定、医学的根拠もない中、強制隔離政策の根拠法であった同法は、一九九六年の廃止まで存続しました。
 一九九八年に、療養所入所者は国に賠償を求める初の訴訟を熊本地裁に提起、二〇〇一年五月の判決で隔離政策は違憲と判断され、原告が勝訴しました。
 しかし、政府が通例に従って控訴の構えを見せたこのとき、当時の坂口力厚生労働大臣は、役人という役人が反対という中、辞表を懐にしのばせながら、控訴断念を強く主張しました。公明党も、党を挙げて政府に要請した結果、当時の小泉純一郎総理大臣は、控訴断念を決断。同年六月には、入所者の方々に対する補償金支給法が成立しました。
 その後も公明党は、二〇〇八年に、元患者の方々の福祉の増進や名誉回復を進めるハンセン病問題基本法の成立を推進するなど、元患者の方々とともに歩んでまいりました。
 今回の請願は、請願者であるハンセン病首都圏市民の会の支援者の方からの都議会公明党加藤雅之議員への相談を契機として、都議会各会派のご賛同を得て、今日に至るものであります。
 同じく紹介議員の筆頭で、多磨全生園の地元都議である谷村孝彦議員は、ハンセン病の歴史や人権の大切さを語り継ぐため、多磨全生園を永久保存するよう求めるとともに、知事の同園への訪問を繰り返し訴えてきました。
 これを受けて、小池知事は、二〇一七年四月、現職知事としては、一九五九年九月以来となる訪問を果たしました。榎本本部長は、総務局の人権担当理事にご在職中に、多磨全生園、国立ハンセン病資料館を訪問されたと伺っております。
 昨年十一月十五日には、ハンセン病元患者の家族に対する補償金、お一人当たり最大百八十万円でありますが、この支給法と、名誉回復規定の対象に、元患者家族を追加するなどとした改正ハンセン病問題基本法が、参院本会議において全会一致で可決、成立いたしました。
 ハンセン病に罹患した人や家族への世間の苛酷な扱いの事例は、枚挙にいとまがありません。終戦後の昭和二十六年、長男が発病した一家九人全員が心中するという大変痛ましい事件も起きております。
 ハンセン病の元患者、家族の方々は、長年にわたり、強制隔離のみならず、偏見や差別によって多大な苦痛と苦難を強いられてきました。今回の請願の趣旨である、ハンセン病療養所の退所者等が都営住宅に優先的に入居できるようにすべき、この趣旨に沿って、ハンセン病療養所の退所者の方々も対象にすべきである、都営住宅の優先入居の対象にすべきであると考えます。
 先ほど申し上げました、六月に訪問いたしました国立ハンセン病資料館では、発病してから入所するまでの絶望と、入所後に療養所で生きていく中での絶望とが展示されていました。先ほども申し上げた、劣悪な療養所の衣食住の環境は、壮絶なものがありました。男女数組が同宿する、夫婦雑居についての地獄のような夜との表現も、胸が締めつけられました。
 療養所の入所者の平均年齢は既に八十歳を超え、九十にも近づいております。その入所者の方々の大半は、ハンセン病は感染力が強く、しかも遺伝するとされていた時代に発症しており、治療よりも隔離に重点が置かれてきました。それによって、治療薬の恩恵を受けた時期も遅く、後遺症や合併症に対する適切な治療も行われなかったのであります。
 社会には、隔離政策によってハンセン病への強い恐怖感が植えつけられ、社会に復帰していった元患者に対する偏見と理不尽な差別を生み出していました。元患者の方々は、療養所の中で一生を終えていくしかないのかと、深い絶望感に襲われたに違いありません。
 国連の持続可能な開発目標、SDGsの目標十、人や国の不平等をなくそうでは、差別の解消がうたわれ、同じく目標十一、住み続けられるまちづくりをでは、適切、安全かつ安価な住宅が掲げられています。
 私は、社会的なつながりの中でハンセン病への正しい知識が普及されるとともに、元患者の方々が生きがいある人生を確立できることが大切だと考えます。
 ハンセン病療養所については、いわゆる医療機関であって、住居ではない、このような指摘もあるやもしれませんけれども、実際にハンセン病療養所で、そこで暮らしておられた元患者の方々のご苦労を思いますと、今こそ、適切な居住環境を備えた都営住宅に入居できるよう配慮すべきと考えます。
 そこで、都の見解を求めます。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅におきましては、建てかえや既存ストックの改善により、バリアフリー化や設備の維持更新を進めてきておりまして、高齢や障害などによる身体の状況にかかわらず、誰もが住みやすい住宅となるよう努めております。
 今後、都営住宅の優先入居の対象とする方向で検討するなど、今回の請願の審査を踏まえ、適切に対応してまいります。

○古城委員 ただいま、今後都営住宅の優先入居の対象とする方向で検討するなど、今回の請願の審査を踏まえた適切な対応を行っていただくとの答弁がございました。
 住宅政策本部の皆様におかれましては、ぜひとも、ハンセン病元患者の皆様、ご家族の皆様の思いを酌み取っていただいて、速やかに制度設計に取り組んでいただきたいと要望をさせていただきます。
 今、新型コロナウイルス感染症に感染した人などへの差別や誹謗中傷、加えて、自粛を強要するため他人へ嫌がらせをする自粛警察などが問題になっています。全国ハンセン病療養所入所者協議会の事務局長は、これはハンセン病も同じだ、療養所から社会復帰できたものの、世間の風当たりに耐えられず、再び療養所に戻る人は多い、その悲しみはどれほどか、新型コロナとハンセン病は、病気そのものは違うが、いわれのない中傷や差別を受ける点で重なる部分があると指摘されております。
 さらに、ハンセン病の人権侵害は、もし自分が病気になったらどうするかという視点が社会に欠けていたことが問題を長引かせた一因だ、これは新型コロナの問題でも当てはまる、自分がなったならの視点を常に持ち、感染者や医療従事者に思いやりの言葉をかけてほしいと呼びかけておられます。
 社会には、ハンセン病は治らず、すぐに感染する病であるとの偏見がありました。無知、これは偏見を生み、偏見は差別を育てます。国立ハンセン病療養所などで、四十年以上にわたりハンセン病の臨床医として従事された方は、新型コロナウイルスは科学的解明が途上であることで未知です、わからないことで、自分が感染するかもしれないとの不安が増大する、そこから、病気や感染者、やがては第三者へのネガティブな感情が起こってしまう、だからこそ、お互いの人権を尊重することが大切です、ハンセン病患者の歩みは、いかなる不安が社会を覆っても、人権だけは守らなければならないことを教えてくれていると語っています。
 都営住宅における人権施策の一つとして、東京都住宅供給公社が発行し、毎月全世帯に配布されている広報紙「すまいのひろば」には、定期的に、みんなで築こう人権の世紀として、啓発記事が掲載されています。
 そこで、こうした機会なども活用して、元患者の方々を初め、居住者の人権を守る取り組みを積極的に行うことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○和泉委員 日本共産党の和泉なおみです。私も、質疑を行いたいと思います。
 請願者は、提出の理由の中で、ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律、これは受けた被害を補償するものとしては十分とはいえないとして、元患者、家族が安心して暮らせる差別のない共生社会の実現のために、都として、八項目の実現を求め、本請願を都議会に提出しています。
 この都市整備委員会には、ハンセン病療養所の退所者等が都営住宅に優先的に入居できるようにすること、このことについて審査が付託されています。国の長年にわたる隔離政策がどのようなものだったか、先ほど古城委員からもるるご説明がありました。家族が分断され、家族関係の修復に困難を抱えている元患者、家族の皆さんの権利回復と、差別や偏見をなくすために、あらゆる努力が国と行政に求められているというふうに思います。
 先ほど都は、現在の状況について、ハンセン病療養所の退所者であることをもって、優先的入居ができる対象とはならないと説明をされましたけれども、まず、都営住宅に係るハンセン病療養所の退所者等の入居状況について伺いたいと思います。
 ハンセン病療養所の退所者で、現在、都営住宅に入居している世帯の数はどのようになっているでしょうか。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅の単身者向け募集で用いている申込区分である、ハンセン病療養所入所者等によって入居している世帯は、令和二年八月末日現在、いらっしゃいません。
 家族向け募集では、ハンセン病療養所入所者等という申込区分がないため、入居世帯数は把握しておりません。

○和泉委員 では、続けて伺いますが、直近の一年間で療養所退所者等、療養所の患者が募集に応募した数、これはどのようになっていますでしょうか。

○土屋経営改革担当部長 応募した数とのご質問でございます。
 令和元年度の募集で見ますと、単身者向け募集に応募した方のうち、ハンセン病療養所入所者等の区分で申し込まれた方は、延べ六名いらっしゃいます。
 家族向け募集では、ハンセン病療養所入所者等という申込区分がないため、応募者数については把握してございません。

○和泉委員 直近一年間だけでも、単身者で申込者は六名いたけれども、当せんはしなかった。優先入居の対象になっていれば、当せんしていた可能性があったかもしれないという方たちだというふうに思います。
 いうまでもなく、国の法律のために、九十年にわたってハンセン病の方たちの隔離政策が続けられた。このことを国も認めて、国家賠償が行われるということになりました。
 けれども、社会から切り離されて、家族から引き剥がされて、苛酷な差別、偏見に苦しんできた。そして、今なお完全に差別がなくなったとはいえない状況の中で、療養所退所者の方や家族の失われた時間は戻ってきませんし、生活が安定しているとは決していえないというのが現実です。
 この方たちが安定した社会生活を送るために、安心して住み続けられる住宅を提供することは、都として当然の責務だというふうに考えます。同居親族要件の例外として、単身であっても入居を可能とし、入居収入基準も緩和しているということではありますが、実際に一人も当せんしていない。家族と同居の方たちに関しては、入居の実態すらつかめていない。これは、改められてしかるべきだというふうに思います。
 ハンセン病療養所退所者等を特別の事由のある者の対象にして、優先的に入居できるようにするという本請願は、採択されることを主張いたします。
 以上です。

○中村委員 それでは、ハンセン病元患者・家族の人権回復及びハンセン病問題の全面解決に関する請願について、私からも質問いたします。
 ハンセン病は、既に治る病気になっていても、長年、国の隔離政策で療養所に住むことを余儀なくされてきました。そして、こういった請願も出てきているわけですが、まず最初に、現在、都内でハンセン病療養所の退所者などがどのくらいいるのか、また、その方々の住宅事情はどうなっているのか伺います。

○土屋経営改革担当部長 入所者支援を所管する部局より、ハンセン病療養所の退所者等の調査につきましては、プライバシー保護の観点から適切でないと聞いておりまして、住宅政策本部としても把握してございません。

○中村委員 確かに、退所された方々まで、どこまで追いかけて生活のことを考えるかというのはあると思うんですけれども、ただ、都の方から、いつでも困ったときには相談してくださいねという体制をとっておけば、どのくらい、全員がどうかということはわからなくても、少なくとも困った方々が、住宅に困っているんだということをいってくることもできると思うので、私は、都としてそういった、調べるということでないとしても、相談できるような体制というのは必要ではないかというふうには思っていますので、今後、これは福祉保健局と連携して、特に住宅の問題については、住宅政策本部の方でご検討いただきたいというふうに思っています。
 国の方でなかなか、住宅のそういった優遇する対象になっていないとしても、都としても単独で、独自でできるということもできるでしょうから、ご検討をお願いしたいと思っています。
 さて、ハンセン病療養所の入所者などは、同居親族要件や入居収入基準を緩和しているとのことですが、さらに優先的に入居できる対象にもすべきではないかと考えますが、見解を伺います。

○土屋経営改革担当部長 例えば、多磨全生園の入所者の方々は、平均年齢で八十六歳を超えているなど、長期にわたり療養所で生活してきたことから、市場において自力で住宅を確保することが困難な状況にあると考えられます。
 こうしたことから、今後、都営住宅の優先入居の対象とする方向で検討をするなど、今回の請願の審査を踏まえ、適切に対応してまいります。

○中村委員 優先入居の対象とする方向で検討していただけるという回答がありました。
 ただ、その優先入居もいろいろ種類があるようで、優遇の抽せんとかでは、倍率が、入りやすくはなるのかもしれないけど、必ず入れるというわけではないんだろうというふうには思っています。
 歴史的な背景や当事者の年齢などを考えると、一定戸数を特別に割り当てる方式が妥当ではないかと考えます。また、現実的な対象人数のことも考えると、この一定戸数を特別に割り当てる方式が可能ではないかと考えます。
 今後、方式を見直す必要があると考えますが、見解を伺います。

○土屋経営改革担当部長 今回の請願の審査を踏まえまして、今後、優先入居の方法について適切に検討してまいります。

○中村委員 優先入居の方法について適切に検討していただけるということなんですが、重ねて、一定戸数を特別に割り当てていただきたいということを要望したいと思います。
 また、私も以前、国立ハンセン病資料館の方に伺ったことがあります。今回、そこの資料館の方のホームページを見ましたら、館長の方からホームページに、新型コロナウイルス感染症に関連してハンセン病問題と同じ過ちを繰り返さないためにという文章を載せていました。これは、ハンセン病と新型コロナウイルスによる感染症とでは、その病気の性格は大いに違っている、本来は同一に論じられるものでないかもしれませんとしながらも、ハンセン病患者や回復者及びその家族が体験してきたような、病気を理由とした不当な差別、偏見、いじめ等は、決して繰り返されてはなりませんと述べています。
 今回、この請願を可決して、何とか都営住宅に入れるようにしていただきたいのですが、そうしたサービスが仮にできても、差別や偏見などがあって、そういったことを気にして、こういったサービスがなかなか受けられないということがないようにすることも必要ですから、ぜひとも制度を進めていきたいという思いもありますし、これは都を挙げて、こういった差別、偏見がなく、安心して暮らせる環境をつくっていただければということを要望いたしまして、質問を終わります。

○馬場委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、請願二第七号の三は採択と決定いたしました。
 請願の審査を終わります。
 以上で住宅政策本部関係を終わります。

○馬場委員長 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、都市整備局長に上野雄一君が就任されました。
 また、幹部職員に交代がありましたので、上野局長から挨拶並びに紹介があります。

○上野都市整備局長 都市整備局長の上野雄一でございます。技監を兼務しております。
 馬場委員長を初め委員の皆様方にお力添えをいただきながら、局事務事業の適切かつ円滑な運営を図るとともに、安全で快適な都市づくりを進めるため、一層の努力をいたす所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、七月十三日付で異動のございました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 技監の福田至でございます。航空政策・交通基盤整備・交通政策担当理事の安部文洋でございます。都市基盤部長で特命担当部長を兼務しております谷崎馨一でございます。企画担当部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務しております三宮隆でございます。交通政策担当部長で先端技術調整担当部長を兼務しております三木健でございます。防災都市づくり担当部長の鈴木理でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○馬場委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○馬場委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○上野都市整備局長 本日は、令和二年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、条例案が一件でございます。
 お手元の資料1、令和二年第三回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
 東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございます。
 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行による建築基準法の改正に伴い、居住環境向上用途誘導地区内の建築物の建蔽率等に関する制限の適用除外に係る許可申請手数料の規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 私からの説明は以上でございます。
 引き続き、詳細な内容につきまして、総務部長からご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○木村総務部長 条例案一件についてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、令和二年第三回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
 三ページをお開き願います。東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、改正の理由及び2、条例案の概要でございますが、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行による建築基準法の改正に伴い、居住環境向上用途誘導地区内の建築物の建蔽率等に関する制限の適用除外に係る許可申請手数料の規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 四ページから六ページには条例案文等を、七ページから一〇ページには新旧対照表を記載してございます。
 以上で令和二年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○馬場委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。--なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○馬場委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二第四六号及び陳情二第四八号は内容に関連がありますので、一括議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 資料2、陳情審査説明表をごらんください。
 表紙をおめくりください。整理番号1、陳情二第四六号及び整理番号2、陳情二第四八号につきまして、一括してご説明させていただきます。
 なお、重複する内容や一部表現を省略してご説明することをお許しください。
 説明表の一ページをごらんください。
 整理番号1、陳情二第四六号、羽田空港の都心低空飛行ルートの中止・撤回を国に求めることに関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、品川区の羽田増便による低空飛行ルートに反対する品川区民の会共同代表の秋田操さんでございます。
 陳情の要旨は、都において、国に対し、羽田空港増便によって令和二年三月二十九日から始まった都心低空飛行ルートの中止、撤回を強く求めていただきたいというものでございます。説明表の三ページに、国が運用を開始した新飛行経路を添付してありますので、あわせてごらんください。
 一ページに戻りまして、説明を続けさせていただきます。
 現在の状況でございますが、将来にわたって、東京が国際競争力を持って持続的な発展を続けていくためには、国内外に豊富なネットワークを有する羽田空港の機能強化を図ることが不可欠です。
 平成二十六年八月、国は、国際線の需要が集中する時間帯に限った飛行経路の見直しによる空港容量の拡大案を提案し、それに対し、都は、地元への丁寧な情報提供とともに、騒音影響の軽減や徹底した安全管理に取り組むことを国に要請してまいりました。
 国は、特設ホームページなどに加え、情報発信拠点やオープンハウス型の説明会の開催、要請があった関係自治体と相談の上、対象となる地域住民の方々に情報提供を行ってまいりました。
 さらに、騒音影響の軽減策として、飛行高度の引き上げや低騒音機の導入促進を図るための着陸料の見直し、防音工事に対する助成制度の拡充などのさまざまな取り組みを実施してまいりました。
 安全の確保は全てに優先することから、落下物対策につきまして、国は、航空会社への落下物防止対策の義務づけを行うなど、総合的な対策を実施するとともに、万が一、落下物による被害が発生した場合に備え、補償の充実にも取り組んでまいりました。
 なお、飛行経路下の不動産価格への影響につきまして、国は、航空機の飛行経路と不動産価値の変動との間に直接的な因果関係を見出すことは難しいとしております。
 こうした国の対応を踏まえまして、都は、昨年八月の首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会において、地元への丁寧な情報提供と、騒音、安全対策の着実な実施を改めて要請いたしました。
 国は、みずからの判断、責任で令和二年三月から新飛行経路の運用を開始し、国際線の増便をすることを決定いたしました。
 国は、日本の国際競争力の強化、首都圏における航空機の騒音による影響の分散などのためには、羽田空港における新飛行経路の運用は不可欠であるとともに、羽田空港において減便が発生している期間を活用して、航空機の騒音対策や安全対策を改めて徹底し、増便した際の円滑な運用に備えるため、本年三月二十九日から新飛行経路の運用を開始したとしております。
 運用開始後も、国は、新飛行経路下の都内十六カ所で航空機騒音の測定を行い、ホームページで公表するとともに、落下物ゼロを目指して最大限取り組んでいくとしております。
 続きまして、五ページをごらんください。
 整理番号2、陳情二第四八号、羽田新飛行ルートの運用中止及び住民説明会の開催に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、品川区の羽田低空飛行ルート反対八潮住民の会共同代表の高橋勝さんでございます。
 陳情の要旨は、都において、国土交通省に対し、次のことを要請していただきたい、1、必要のない羽田新飛行ルートの運用を当面中止し、ルートを見直すこと、2、実機飛行確認の結果について、住民説明会を開催することというものでございます。
 現在の状況でございますが、国は、新飛行経路運用開始前に実施した実機飛行確認において、騒音影響の実態を把握するとともに、結果について、国のホームページやニュースレターを通じて広く情報提供を行っております。
 この騒音測定結果について、国は、騒音測定局ごとに実測値の平均値と推計平均値とを比較した結果、推計平均値以下及び同等の測定局が約八割、推計平均値以上の測定局が約二割あったとしております。また、着陸時の進入角度を三度から三・四五度に引き上げた運用時における実測値の平均値を比較したところ、一定の軽減効果があったとしております。
 国は、南風好天時に運用される三・四五度の進入角度について、シミュレーターによる検証及び安全性の確認を行っていること、国内及び諸外国の複数の空港の進入方式において採用されていることなどを踏まえ、安全性の問題はないとしております。
 落下物対策について、国は、さまざまな対策を実施した結果、航空会社の意識向上や情報の蓄積による点検精度の向上が図られてきたとしております。今後とも、落下物ゼロを目指し、最大限取り組んでいくとしております。
 都としては、引き続き、国に対しまして、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供や騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○馬場委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 それでは、私から、二件の陳情について何点か質疑をさせていただきます。
 それぞれの陳情者は、いずれも羽田新空路の見直し、変更を求めております。
 そこで、お聞きしますが、昨年の八月に当時の国交大臣が新空路実施を決めて以来、政府関係の公的な場で新空路自体の見直しが検討されたことはあるのでしょうか、その点をお聞きします。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国からは、昨年八月に羽田空港の新飛行経路の導入を決定してからこれまでに、経路の見直しを検討したことはないと聞いております。

○曽根委員 そうしますと、昨年の八月決定以降も、品川区議会など地元の議会でのルート見直しを求める意見書や決議が繰り返し上がっておりますが、これが国の検討に全く対象とされていない、地元の声を全く聞く耳なしというふうにいわざるを得ません。
 そこで、ことし六月末に羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会というものが設置されましたが、ここでは、三月末から実施されている新空路への関係住民の声や、また、関係区の区議会での決議や意見書などは報告されているのでしょうか。それはどういう内容で報告されているでしょうか。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 六月三十日に行われました第一回検討会の公開された資料によりますと、新経路運用開始後に寄せられた主なご意見として、コロナウイルスの影響による減便やオリンピックが延期になった状況で新ルートの運用は不要であるや、防音工事を助成してほしいなどが記載されております。
 また、関係区の区議会での決議や意見書としては、令和元年九月二十日の品川区議会での決議の事例などが記載されております。

○曽根委員 そうしますと、こうした地元の声は、要約ではあったにしても、この検討会に報告をされているし、騒音に対しても、二千五百回ぐらいですか、地元の苦情なり批判の声があったこともこの中に紹介されています。
 では、こうした地元の住民や空路変更を求めている品川区議会などの意見について、この検討会の中では議論があったんでしょうか。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 本検討会は非公開でありまして、公開された資料では明らかではございません。

○曽根委員 非公開ではありますが、この検討会に出された報告資料とともに、私は、議事概要というものは、これはホームページでたしか紹介されているのをいただいて見ているんですけれども、この中を見ると、検討会で出された、名前はありませんが、各委員からの意見は、要約的には紹介されているように見えますが、この中には、例えば管制技術などの意見はいろいろ出ていますが、地元の声を受けてルートそのものの見直しに関する意見は、一切ありません。
 したがって、議事概要に正確にこれが内容として反映されていればの前提に立ってみれば、この検討会は、地元のルート変更などの意見を全く取り上げてはいないというふうにいわざるを得ません。
 それから、検討会に出された騒音の測定値についても疑問があるので、ちょっと聞いておきたいんですが、検討会に報告された騒音の測定値は、各測定点の平均値とされていますが、大体、騒音測定の場合には、何らかの方法で最大値を出すのが普通ですけれども、なぜこの航空機騒音の調査に関しては最大値を出さないんでしょうか。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 航空機ごとの騒音の最大値は、気象条件、機体重量、エンジンの出力などのさまざまな要因によりまして、実際には標準的な値より上下にばらつきが生じるものであると聞いております。
 このため、これまで国は、住民説明会などで、全国の空港周辺で大型機、中型機、小型機の機体サイズごとに、それぞれの機種について測定した最大値を平均した値を推計平均値として示しております。

○曽根委員 今のお答えですと、航空機騒音についても、かなり上下でばらつきがあるというお答えでしたが、道路公害の問題での議論の中でも、自動車騒音についても、かなり時間帯や天候によって騒音にはばらつきがあり、最大値と平均値でもかなり大きな差があると。だからこそ、平均値だけで騒音の影響を見るのは、これはやっぱり正確ではないということで、いろいろな議論を経て、最大値も報告するようになったと聞いております。また、そうしなければ、自動車公害でも、道路沿道の住民への騒音被害が一番ひどいときはどうなんだということがわからないわけで、調査の意味が大きく失われてしまうからです。
 今回の航空機騒音の場合も、例えば曇り空の場合には、かえって航空機の音が雲にはね返って、高い値になるということもいわれておりますので、国は、生データをとってあるのは当然ですから、これを専門家に提供して、最大値の分析をきちんと行うべきだということは申し上げておきたいと思います。
 それから次に、三月の運用開始から間もなく、コロナ禍によって国際便が激減いたしました。品川区の意見にもありましたように、トータルすれば、当分の間、新空路を運用しなくても、羽田の離発着に支障はないということは明らかです。
 海外からの航空便がこれだけ大幅に減って、また今後も当分の間、減り続けている中で、なぜ新空路を運用し続けているのか、国はどのように説明しているでしょうか。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は、日本の国際競争力の強化、首都圏における航空機の騒音による影響の分散などのためには、羽田空港における新飛行経路の運用は不可欠であるとともに、羽田空港において減便が発生している期間を活用して、航空機の騒音対策や安全対策を改めて徹底し、増便した際の円滑な運用に備えるため、本年三月二十九日から新飛行経路の運用を開始したとしてございます。

○曽根委員 それは、この間の第二回定例議会のときにも我が党の質問に東京都のお答え、そうでしたが、私たちの国会議員が、国会で質問したことに対する現在の赤羽国土交通大臣の答弁は、もっとはっきりと、騒音測定のために飛ばしているんだということをおっしゃっているわけです。これは本当に驚くべき答弁であって、どうしても南北のこの新空路、しかも都心密集地を通過していく、かなり危険度の高い空路を運用しなくても、東京湾横断ルートでこれまでのように運用することが可能であるにもかかわらず、南北ルートがこれから本格的に実施した際の騒音がどれほどのものかを調べるために、そのことが中心で運用しているんだとすれば、これはとんでもないことだと思います。
 その点で、これまでの、もう三月末からですから、四、五、六、七、八と、九月まで入れると半年近く飛ばしているわけですので、新ルート運用時の騒音などの影響を調べるというなら、騒音データは十分蓄積をしたはずであって、一方では、二分置きの飛行騒音を経験した都民から、二千五百以上の苦情が来ていると聞いておりますので、東京都は、国の意向に沿って騒音や落下物の危険、事故のリスクの高い都心の南北ルートに固執するのではなくて、この間、相次いでいる都民からの騒音への苦情や批判に応えて、都民の安全・安心を優先する立場から、国に新飛行ルートの中止、見直しを求める立場に立つように強く求めておきたいと思います。
 そして、この二つの陳情については採択することを求めて、私の質疑は終わります。

○奥澤委員 それでは、私からは、二点質問させていただきたいと思います。
 新飛行ルート運航が始まる中で、まず確認しておかなければならないのは安全性でありますけれども、これまでに、落下物などの安全性の懸念が生じる事案はどの程度発生しているのか、また、万が一、落下物が発生した場合の対応はどのようになっているのかを、お伺いしたいと思います。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 二〇一九年四月から二〇二〇年八月末までの羽田空港周辺において、現時点で確認された落下物はゼロ件でございます。
 到着後の点検における欠落部品の二〇一九年度の総計は、国際線が多く就航する羽田や成田など七空港の合計で九百二十八個となってございます。欠落部品の約半数は、小さなねじやリベットなどのとめ具などであり、重量別では、全体の約六割は十グラム未満となってございます。
 国などが管理する空港では、万が一、航空機からの落下物による被害が発生した場合の補償につきましては、原因者が特定となった航空機が特定される場合、当該航空機の運航者が補償を実施し、特定できない場合、原因となった可能性のある複数の航空会社が共同して案分する補償制度が設けられておりましたが、国は、二〇一九年三月三十日より、本邦及び外国の航空会社に対しまして、こうした被害者救済制度の加入を義務化いたしました。
 あわせて、落下物に起因する物損等の被害に対する見舞金制度を創設するとともに、速やかな被害者救済の実現などのため、羽田空港において、落下物被害にかかわる修繕などの費用を立てかえる制度を創設してございます。

○奥澤委員 今、周辺での落下物の確認はゼロ件ということで、安全という部分では、まだ数字では確かめられていないというか、安全に運航できているんじゃないかというようなお答えだったんだと思います。
 加えて、さまざまな制度を創設して、もし何かあった場合には補償していこうと、そういった制度を重ねているという部分、ここはしっかりと評価していかないといけない部分なんだろうというふうに思います。
 一方で、やっぱり飛んでみるとといういい方が正しいのかどうか、想定していたよりも機影が大きくて圧迫感を感じるだとか、あるいは音も思っていたよりも大きいなというような声も届いているのは事実であって、快適性、あるいは安心かという観点、先ほど安全のお話しましたけれども、安心かという部分でいうと、やはり不安を感じるという声は寄せられているのは、これは事実だと思います。
 特に、先ほどもお話ありましたけれども、新飛行ルートに重なる自治体の議会においては、新飛行ルートの固定化を避けるという意見書が議決をされているなどの動きも出てきています。
 そこで、新飛行ルートの固定化を避けるということについて、国の取り組み状況、そして都の受けとめ方、あるいは認識について、お伺いをしたいと思います。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 品川区や地元の区議会などを踏まえまして、国は、本年六月十六日に羽田新経路に係る技術的な方策について検討する会を設置いたしました。
 国は、本検討会におきまして、羽田新経路の固定化を避けるための方策について、現在の滑走路の使い方を前提とした上で、最近の航空管制や航空機の技術革新を踏まえ、技術的観点から検討を行うとしておりまして、第一回が六月三十日に開催されました。
 都といたしましては、国において適切に検討が進められるものと受けとめております。

○奥澤委員 私自身は、羽田空港の機能強化については、東京、ひいては日本のさらなる発展を目指すという上では非常に重要なものであるというふうに認識をしています。
 実際に運航が始まる中で、より丁寧に対策すべきことも一方でふえているんだろうというふうに思います。
 先ほど、技術革新等を踏まえて検討を行うという、そういった国の見解もお話ありましたけれども、どんどん社会も変わっていく中ですので、そこの検討はとめないように、当面は国の検討の状況を、しっかり都としても注視をしていただきたいということをお話しするのとあわせて、地元からの要望、これは地元区からしっかり要望も寄せられていると思いますので、より一層の騒音の軽減策の推進、それから落下物対策、これはもう万全を期しても期しても足りないぐらいだと思いますけれども、落下物対策の着実な実行、これを適宜適切に国に対してしっかりと求めていく、これをお願いして、私からは質問を終わりたいと思います。

○馬場委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情二第四六号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○馬場委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第四六号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情二第四八号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○馬場委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第四八号は不採択と決定をいたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。

○馬場委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○上野都市整備局長 来る十一月十七日に開催予定の第二百三十一回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
 今回、都市計画の決定・変更予定案件が区部で七件ございます。
 本日は、これらのうち主な案件といたしまして、港区赤坂七丁目地内の用途地域の変更につきましてご説明申し上げます。
 それでは、引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。

○小野都市づくり政策部長 付議予定案件ナンバー1、港区赤坂七丁目地内におきます用途地域の変更についてご説明いたします。
 資料は、お手元の資料4、白色表紙、提案事項概要五ページから一三ページまで、資料5、薄茶色表紙、事前説明資料五ページから一六ページまでとなっております。
 資料5、事前説明資料五ページの位置図とあわせまして、スクリーン上の航空写真をごらんください。
 本地区は、スクリーン上、赤線で囲まれております区域で、丸ノ内線、銀座線赤坂見附駅と、銀座線、半蔵門線、大江戸線青山一丁目駅の中間に位置し、放射四号線、通称青山通りに面した面積約一・二ヘクタールの区域となっております。
 本地区は、道路基盤が脆弱で老朽マンションも複数存在し、防災性の向上が課題となっております。また、起伏のある地形であることから、バリアフリー空間のネットワーク化や緑地空間の連続化などによる市街地環境の向上が求められております。
 このような背景を踏まえ、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに、安全で快適な歩行者ネットワークや地区周辺とつながる緑のネットワークを形成し、緑豊かな魅力ある複合市街地を形成するため、港区におきまして、地区計画や第一種市街地再開発事業などを決定することとしており、これに合わせて用途地域の変更を行うものでございます。
 参考としまして、港区が決定します都市計画についてご説明いたします。
 まず、地区計画についてでございます。
 資料4、提案事項概要一〇ページから一三ページまで、資料5、事前説明資料一三ページから一六ページまで、あわせてスクリーンをごらんください。
 地区計画の区域の約一・三ヘクタールについて、立地特性を踏まえ、地区をA地区とB地区の二つに区分し、それぞれの土地利用の方針を定めております。
 地区整備計画では、地区施設として、区画道路、広場、緑地等を定めるとともに、建築物の用途の制限、壁面の位置の制限、建築物の高さの最高限度等を定めております。
 次に、第一種市街地再開発事業についてご説明いたします。
 資料4、提案事項概要九ページ、資料5、事前説明資料九ページから一二ページまで、あわせてスクリーンをごらんください。
 施行区域は、地区計画におけますB地区全域及びA地区のうち区画道路にかかる部分の約一・二ヘクタールとなっております。
 スクリーンに投影しておりますパースは、本事業で整備する予定の施設建築物のイメージでございます。主要用途は、住宅、事務所及び店舗、延べ面積は約九万二千平方メートル、高さの限度は、高層部が百六十メートル、中層部が三十メートルとなっております。また、公共施設として、区画道路、緑地を整備する予定となっております。
 次に、高度利用地区の変更についてでございます。
 資料4、提案事項概要六ページから八ページまで、資料5、事前説明資料七ページから八ページまで、あわせてスクリーンをごらんください。
 区域は市街地再開発事業と同一で、面積は約一・二ヘクタールでございます。建築物の容積率の最高限度及び最低限度、壁面の位置の制限などを定めます。
 恐れ入りますが、資料をお戻りいただきまして、資料5、事前説明資料六ページの計画図とあわせましてスクリーンをごらんください。
 以上、ご説明申し上げました都市計画の決定や変更に合わせまして、約一・二ヘクタールの区域において用途地域を変更いたします。
 変更の内容は、計画図中〔1〕の区域について、第二種中高層住居専用地域、建蔽率六〇%、容積率三〇〇%であったものを、第二種住居地域、建蔽率六〇%、容積率四〇〇%に変更、計画図中〔2〕の区域について、第二種住居地域、建蔽率六〇%、容積率三〇〇%だったものを、用途地域、建蔽率はそのままで、容積率四〇〇%に変更いたします。
 また、今回の用途地域の変更に合わせ、港区におきまして、防火地域及び準防火地域の変更と高度地区の変更が行われる予定となっております。
 付議予定案件ナンバー1の説明は以上でございます。

○馬場委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○村松委員 よろしくお願いします。私からは、石神井町一丁目の用途地域変更についてお伺いいたします。
 ちょうど、補助一三二号線ができてきている地域の沿道だと認識をしております。もともと駅までの動線となる道路で、車も人も大変多いところなんですけれども、道幅が狭くて、かなり危険な地域でありました。それが、道路がだんだんできてきて、非常に安全性が増したと認識しております。
 この都市計画道路補助一三二号線及び二三二号線の道路事業が開始して、かなり時間がたってからのこの用途地域変更となっております。もう少し早いタイミングでできたのではないかなと思っているんですけれども、これまでの経緯をお伺いいたします。

○小野都市づくり政策部長 練馬区では、平成十五年に石神井公園駅周辺まちづくり全体構想を策定し、平成二十四年に本地区において地区計画を策定しております。その後、区は、平成二十七年から二十八年に石神井公園駅周辺地区まちづくり懇談会を開催し、地域の意見を伺うとともに、平成三十年からは、道路整備の進捗や駅前の市街地再開発事業の検討に合わせ、補助一三二号線沿道まちづくり意見交換会やまち並み整備勉強会を開催するなどし、地区計画の変更案を取りまとめたところでございます。
 今回は、本地区計画の変更と合わせ、用途地域の変更を行うものでございます。

○村松委員 区の地区計画の変更に合わせてということで、経緯については理解をしております。
 用途地域の変更について伺いたいんですけれども、例えば、この本地区において、都市計画道路補助第一三二号線沿道の三十メートルについて、第一種住居地域、容積率が三〇〇%に変更となるということなんですが、この考え方をお伺いいたします。

○小野都市づくり政策部長 用途地域の変更に当たっては、区の都市計画マスタープランや地区計画などにより示された市街地像を実現するため、用途地域等に関する指定方針及び指定基準に基づき、適切に用途地域を定めております。
 なお、ご指摘の補助一三二号線沿道につきましては、都市計画道路の整備状況や延焼遮断帯としての位置づけを踏まえ、同基準により用途地域を変更するものでございます。

○村松委員 指定基準に基づいてということと、延焼遮断帯としての位置づけもあるということで、これはこの当該地区、特に練馬の西側については、こうした道路が余り少ないものですから、非常に重要な位置づけだなと思っております。
 この石神井公園駅の高架化とともに開発が進んできて、住宅地としても人気のエリアとなっております。今回の用途変更地域は駅に近くて、すごく好立地であります。宅地としても、商業地としても、まちの活性化に大きく貢献できる場所として期待をされております。道路の整備状況に合わせてであることはよく理解しておりますが、容積率の緩和など、まちづくりに大きくかかわりますので、なるべく早く行っていただきたいと思っております。
 用途地域の変更と合わせて、土地区画整理事業の都市計画の一部が除外されますけれども、こちらの経緯についてもお伺いいたします。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 練馬大泉石神井付近土地区画整理事業は、都が昭和四十四年に緑地地域を廃止し、同エリアにおいて都市計画決定しました土地区画整理事業を施行すべき区域、いわゆるすべき区域の一部でございます。
 都では、すべき区域の市街地整備のためのガイドラインを定めまして、地区計画や街路事業等の土地区画整理事業以外の手法により、土地区画整理事業と同程度の整備水準が担保される地区につきまして、すべき区域から除外できることとしてございます。
 本地区につきましては、区から地区整備計画の策定と合わせて、地区計画の区域に係るすべき区域を解除する旨の協議があったため、都が審査をしたところ、ガイドラインで定める基準を満たすことが確認できました。
 こうしたことから、今回、土地区画整理事業の都市計画の一部を除外することとしたものでございます。

○村松委員 地元区からの申し出により審査をしたということで、用途地域の変更同様、区画整理をすべき区域の解除というのは、地区のまちづくりを進めて地域の活性化を図るためには、なるべく早く行うべきものと考えます。
 都においては、よりスピード感を持ってまちづくりに取り組めるよう、区との連携協力をさらに促進していただくようお願いして、終わります。

○和泉委員 私の方からは、港区赤坂七丁目の案件について質疑をしたいというふうに思います。
 区決定の赤坂七丁目北地区地区計画の決定、そして赤坂七丁目二番地区第一種市街地再開発事業の決定に伴っての用途地域の変更ということですが、先ほど航空写真でも示されていましたとおり、北側に赤坂御用地を臨み、細い道路を挟んで西側は高橋是清公園、さらに周辺はカナダ大使館やドイツ文化館などもあって、緑豊かで落ちついた雰囲気の地域です。
 区決定の第一種市街地再開発事業で準備組合が立ち上げられ、権利者数は二十一人、ことしの六月の時点では、そのうち同意者が十八・五八人、率にして八八・四八%が同意しているということです。一つの建物で一人の地権者ということになりますけれども、区分所有マンションの場合には、その中にたくさん人が住んでいるわけです。
 当該地域には三つの区分所有マンションが建っていますが、この三つのマンションについて、土地の所有はどのような形態となっているか、それぞれお答えください。

○小野都市づくり政策部長 三棟の区分所有マンションのうち、二棟は所有権、一棟は借地権と聞いております。

○和泉委員 所有権の二棟については、建物と共有している敷地部分も含めて権利変換になるというふうに思いますけれども、借地権のマンションについては、土地の所有権を有していません。
 また、戸建ての地権者もいるようですけれども、マンション区分所有者も含め、居住者が自分の希望に反して住まいが奪われたり、現在よりも資産が減少したりする、そういうことがあってはならないというふうに考えますが、このような地権者の権利の保全というのはどのように担保されるのか、あわせて伺います。

○鈴木防災都市づくり担当部長 施行地区内の土地所有権に加えまして、借地権及び建物の所有権は、今後設立されます予定の再開発組合が定める権利変換計画に基づき、原則等価で再開発建物の一部の権利に置きかえられます。
 また、施行地区内に権利を有する方が、権利変換計画の作成前の申し出により地区外に転出する場合、従前の権利と同等の補償を受けることができることとなっております。

○和泉委員 借地権も権利変換の対象となる権利として、再開発建物の権利床に置きかえられる。しかし、同意していない人は、新しい建物の中に入るか出ていくかの二択になると。今後、権利変換計画に基づいて、原則等価で再開発建物の床の権利に置きかえられるということですけれども、このような地権者の権利も、結局、床面積を多く持つ事業者などの意向で阻害されることにならないか、この懸念を拭えません。
 八八%が同意しているということですけれども、一二%の方は、いまだ同意が得られていないということであり、そういう方たちが自分の意に反して、先ほども申しましたけれども、住みなれた家を離れなければならない、これは本来あってはならないことだというふうに思っています。
 さらに伺いますが、区決定の地区計画は、A地区、B地区に分かれているうち、第一種市街地再開発にかかっているのはB地区です。ここに建設が予定されている建物は、住宅だけではなくて、業務商業機能及び生活利便施設なども入るということのようですが、それぞれの権利形態はどのようなものになるんでしょうか。

○小野都市づくり政策部長 権利変換計画につきましては、今後設立される予定の再開発組合が検討していくことになりますが、権利者または事業協力者の区分所有となることが考えられます。

○和泉委員 事業協力者というのは、ゼネコンやディベロッパー、この再開発でいえば野村不動産などになると思います。この事業協力者が、再開発が終わった後も区分所有者として残るということです。結局、建物が建った後も住民の皆さんの権利が十分に保障されるのかという懸念は、建物を建てるときだけじゃないということになります。
 そもそも、独自で建てかえることが困難なマンションの区分所有者にとって、さらに大きな建物を建てて、保留床を売却して事業費に充てる、これが第一種市街地再開発事業です。
 ですから、でき上がった建物の中に入ってくる区分所有者の数は、事業者とゼネコンの利益を賄える規模ということになりますから、当然、今より大幅にふえることになります。この第一種再開発ですと七百戸相当というふうになっています。
 しかし、四十年後、五十年後、再びマンションを建てかえるときには、高さ百六十メートル、床面積が九万二千平米の建物を誰がどうやって建てかえるんでしょうか。建てかえが無理で売却する、このようなことになったら、今の敷地面積を、今より圧倒的に多い所有権者で分けることになりますから、わずかばかりの売却益を手に、住みなれた場所を離れるということにもなるんじゃないでしょうか。事業費が捻出できる程度の保留床を持った建物を建てれば、巨大な超高層ビルにする必要はないというふうに思います。
 まちづくりは、いうまでもなく百年の計といわれています。長年住み続けてきた人たち、なりわいを立ててきた人たちが、そのまちの歴史や文化をつくってきたんです。
 今回の再開発で九割近くの方たちが同意していることがあるとしても、都は、この百年の計に立って、結果的に住む人が出ていかなければならなくなるような再開発ではなく、住み続けるための都市づくりを住民主体で進めることに、そのことにこそ支援をしていただきたいと強く求めて、質疑を終わります。

○中村委員 それでは、練馬区石神井町一丁目外各地内の東京都市計画用途地域変更に関連して質問します。
 質問するに際して現地を訪れて、駅の周りの状況も見てきました。駅の近くには商業地域があり、近くには都立石神井公園もあり、生活にはとてもよい環境にあります。既に一部では再開発が進み、補助一三二号線や補助二三二号線の一部も整備されたり、高層ビルも建っています。現在でも、道路が狭いとはいえ、飲食店などの商店が軒を並べてにぎわっています。
 そこで、まず、今回の市街地再開発事業の都市計画の目的を伺います。

○小野都市づくり政策部長 本地区は、石神井公園駅前に立地し、地区内に都市計画道路が貫通する計画となっており、また、本地区周辺は、練馬区の都市計画マスタープランにおいて、商業・業務環境を高める地域拠点に位置づけられておりますが、現状では、敷地が細分化され、道路には歩道がなく、歩行者と自動車がふくそうする状況となっております。
 このような状況を踏まえ、区は、市街地再開発事業の実施により、敷地の統合と老朽化した建築物の共同化、不燃化により防災性を高め、オープンスペースや緑を創出し、歩車分離した都市計画道路の整備を行うとともに、商業施設や公益施設を集約的に整備し、安全で魅力ある地域拠点を形成することとしております。

○中村委員 再開発があると、店を所有ではなくて賃貸で経営している場合には、一般的に、賃料が上がり、もとの場所に戻って商売することが事実上不可能となってしまいます。防災上、交通上も、狭くて混雑している状況を改善することが必要とはいえ、それがゆえに一定のにぎわいもありました。
 それが、高層ビルになり賃料が上がると、通りとしては、大手のチェーン店かガラス張りのエントランスになることもよくあります。まちの魅力についての考え方はさまざまありますが、通勤の方や地域の方が、駅前で食べたり飲んだり買い物をしたりというまちではなくなることもあります。
 今後、どのようなまちづくりを行うのか、見解を伺います。

○小野都市づくり政策部長 区では、市街地再開発事業の実施により、住宅、商業施設のほか、公益施設などを整備しますとともに、建物内に貫通通路を設け、駅前から石神井公園へとつながる歩行者ネットワークの形成などにより、駅前の魅力や利便性が向上し、既存の商店街や公園などへとつながるにぎわいも創出されるものとしております。
 また、引き続き、地域とともに無電柱化や商店街通りの再整備など、商業環境の活性化にも取り組んでいくと、区から聞いております。

○中村委員 今回の再開発事業で百メートルの高さのビルが建ちます。また、道路が商店街を抜けて整備されるなど、まちの様子が一変します。
 賛成や反対など、どのような地域の声があったのか伺います。

○小野都市づくり政策部長 区からは、これまで開催した説明会などにおきまして、地区計画の変更や市街地再開発事業の実施に対して、さまざまな意見があったと聞いております。
 駅前の活性化につながるとして事業を推進してほしいとする意見や、安全な道路整備を早期に求めるなどの意見があった一方で、再開発ビルの高層化によるビル風等を懸念する声などがあったと区から聞いております。

○中村委員 地域からは、さまざまな声が出ているようです。今後のまちづくりにおいて、丁寧に地域の声を聞く必要があります。今後の取り組みを伺います。

○小野都市づくり政策部長 区からは、石神井公園駅周辺地区まちづくり懇談会のほか、再開発事業に係る報告会、区域別の意見交換会などを数多く開催するなど、地域住民の意見を伺っており、今後とも、ご理解をいただけるよう丁寧な対応をしていくと聞いております。

○中村委員 ぜひ、区だけではなくて、都の方でも地域の声を聞いていただいて、丁寧に対応していただければというふうに思っています。
 最後に、新型コロナウイルスによって、まちづくりの考え方も変わってくるところもあると思います。技術の進歩に伴い、テレワークも促進され、必ずしも都心や駅の近くで、値段が高くて狭い場所ではなく、遠くても値段が安くて広い場所に住んだり働いたりと考え方が変わり、まちも変わっていく可能性もあります。今後、必ずしもこのような集中型の都市づくりとは変わっていくのではないかと思います。
 まだコロナがおさまっていない状況ですが、先々、個別の再開発やまちづくりにも影響が出てくると思いますので、今後、コロナの影響によるまちづくりを検討していただくことも要望して、質問を終わります。

○曽根委員 私からも、石神井町の用途地域変更の次回の都計審案件に関連しまして、この説明資料の中にも参考として出ています直近の再開発事業について、何点かちょっとお聞きしておきたいと思います。
 今回の用途地域変更の案件は、補助一三二号線、南北の道路ですけれども、これと交差する駅前の補助二三二号線というのが東西の道路として整備計画があり、この道路をつくる一環として、石神井公園駅南口の再開発が計画されているようですけれども、この内容について、お知らせいただきたいと思います。

○小野都市づくり政策部長 施行区域面積は約〇・六ヘクタール、そのうち大部分を占める北街区は、延べ面積約二万九千八百平方メートル、高さ約百メートル、地上二十六階、地下二階で、低層部を商業施設や公益施設など、高層部を住宅とした建築物が整備される予定となっております。

○曽根委員 きょうの資料の事前説明資料に、パースが二四ページに載っていますが、高さが百三メートル、百メートルちょっとあるみたいですね。私も現地に行ってみたんですが、駅が立体化されて、かなり以前に石神井公園に行ったときにおりた駅とは、がらりと様子が変わっていました。
 この中に再開発区域があって、〇・六ヘクタールですから、割合小さい規模ですけれども、その中に、古くて広い神社がすっぽり入っているんですね。再開発のいわゆる地権者、その中で推進の立場に立っているのは、この神社の宮司さんと、かなりの数の氏子さんがいるようで、これが中心になって再開発を進めているようだということでした。しかし、その方々はほとんどここの場所には住んでいないわけです、神社ですから。
 一方で、開発地域で駅に面した、何本かのビルが建っていて、この中で複数のビルのオーナーが、この再開発区域内なんですけれども、強く反対しているということでした。そのうちの一つのビルは自宅と、たしか歯医者さんなどが入っている複合ビルですが、これを建てかえて、去年かことしかにでき上がったばっかりというふうなお話も聞きました。これじゃなかなか大変だなと思うんですけれども、確かに地権者の三分の二以上、面積の三分の二以上を占める再開発組合の設立要件は満たすかもしれませんが、これは、後にもし等価交換で権利変換計画がつくられる過程で、このビルの複数のオーナーを含めて、合意を得るまでかなりもめることになるのは確実だというふうに聞きました。
 そこで、ちょっとお聞きしたいんですが、先ほどもちょっとありましたけれども、駅前のビルのオーナーなどが強く反対している。なぜもめているのか。この中に、まちづくりの協議が十分ではなかったんじゃないかと思われる節がありますが、いかがでしょうか。

○小野都市づくり政策部長 区の方からは、平成二十六年の準備組合の立ち上げ以降、これまで、報告会や説明会とあわせて、町会、商店会を初めとした地域住民や、再開発事業の権利者に対して説明し、意見を伺ってきており、準備組合の加入率は約九〇%となっておりますが、引き続き、未同意の方々に対しては、ご理解をいただけるよう丁寧に対応していくと聞いております。

○曽根委員 地権者の九割は、もう準備組合に入っているというお話ですから、数の上では多数の方が同意し、かつ推進の立場だと。しかし、その中の中心メンバーは、ここに住んでいない方なんですよね。
 しかし、駅前で、もうどうしてもそこがなければ再開発にならないという、駅から一本道を挟んでの一番いい場所のビルのオーナーが強く反対し、恐らく権利変換は大変だと思います、計画を立てるのが。
 どうしてこんなことになっているんだろうかと思っていろいろ調べてみましたら、練馬区が、区民の総意をもとに、この全域について建物の高さを最高三十五メートルに制限していると。石神井公園駅前の三十五メートル、それから少し離れたところは二十五メートル、さらに離れたところは十七メートルというふうに、なだらかに高さの制限をつけていて、石神井公園の景観を保全するように区と区民の合意で決められたんだというんです。それが、わずか、地区の計画として高さ制限を設けてから二年後に、この制限をはるかに超えるこういう超高層の、百メートル超のビルを建てる再開発が提案されてきたと。
 練馬区の高さ規制が実施されてそんなにたっていない時期に、こういう再開発計画が提案されたというのが事実だとすれば、余りに朝令暮改じゃないかというふうに思うんですが、この点はいかがでしょうか。

○小野都市づくり政策部長 本地区は、駅前の利便性の高い地区でございますが、狭小な宅地や老朽化した建築物が多くあり、建築物の共同化、不燃化や道路の整備などが必要となっております。
 そのような状況を踏まえ、本地区では、従前より、鉄道の連続立体交差事業や都市計画道路の事業化を見据えて共同化などの検討がなされており、地区計画におきましても、一定規模以上の敷地の場合は、市街地環境を向上させながら高層化されることも想定しているものでございます。
 区からは、こうした地区の方針などを踏まえまして、地元地権者において再開発に向けた検討がなされ、平成二十六年に再開発準備組合が設立されたものと聞いております。

○曽根委員 この問題について、八月の初めごろ公聴会が開かれたらしいですよね。ここで、この再開発の区域内ではないんですけれども、近くに住んでいる、古くからの自治会の役員などを務めた富岡さんという方が、なるほどなと思う意見を公聴会で陳述しているんですね。
 この富岡さん、二つの意見をいっているんですが、一つは、せっかく区民と区の間で、石神井公園の景観を損なわないよう決められた三十五メートルという制限の約束、これが先日の説明会では、法的に問題はないんだと、書きかえればいいんだというような説明があったけれども、まだ十年もたっていないことを、法律上できるからといって進めていく、こういうやり方が行政と住民との対立を生む元凶だというふうに指摘をしています。つじつま合わせのようなことをやってはいけないという意見です。
 もう一つ心配しておられるのは、この方は、一番この開発で利害関係が割れてしまって、二三二号線ですか、広い道路が開発の中でできる。それでまちが分かれるだけじゃなくって、多くの人が納得しないまま計画が進んでいけば、まちの人の気持ちも分断されてしまうんじゃないかと、そうならないように、再開発計画は慎重に進めていただきたいということを強く要望する意見を述べていました。これはもっともなことだと思います。
 そういう点で、この再開発を強引に進めれば、すぐ隣のブロックでも、もう高さ制限はなきに等しいということで、また再開発が計画されるんじゃないかということも地元ではささやかれているそうで、次々と駅前の景観が壊されていくことになりかねないという点も、心配の声が上がっておりましたので、指摘をしておきたいと思います。
 それから、今回の用途地域の変更というのが、補助一三二号線の方の道路拡幅に伴って、沿道不燃化、延焼遮断帯の形成も含めて用途地域を変えるわけですが、これによって、道路が完成したのでバスの路線が、今まで公園通り商店街という狭い六メートルちょっとの幅の道をバス路線が走っていたのを、この補助一三二号線の方に振りかえて駅前につなげるということで、公園通り商店街の方は、バスがどんどん通ってくるという、非常に交通の何というんですか、渋滞の激しい通りから、買い物がしやすくなるということになるようで、この点は改善だと思うんですけれども、その場合に、これまであったこの商店街の公園通りの道路の拡幅計画を変更して、道路は広げないけれども、地区計画で建物の壁面後退を地元の住民にお願いして、空地提供してもらうというふうに変わったということを聞きましたが、これは事実でしょうか。

○小野都市づくり政策部長 区は、道路拡幅ではなく、壁面後退により空間を確保することで、歩いて楽しい、にぎわいのあるまち並み景観の形成を図るとする地区計画の変更案を作成したところでございます。

○曽根委員 変更案を作成した段階ということですので、これを決定事項として、これまでの道路拡幅計画にかえて、こうした地区計画で道路幅を調整していくというやり方をとること自体は、住民合意ができていれば、私はあり得ることだと思いますが、この商店街の中で、そういう形で道路で削られてしまうよりは、自分のいわばお店の敷地として一・五ないし二メーターの後退をすると、その場所は自分の敷地であると、容積率も今までどおり使えるということの方を歓迎する意見もあるようですけれども、中には、いや、売却を予定していたのに、それで売却益を得て、建物の改修なり建てかえを考えていたのができなくなるというような意見もいろいろあるそうなんです。
 こういう点では、まだ案の段階ですので、何よりも地元商店街の、やっぱり営業、それから後継者不足、こうした悩みに応えつつ、地元の自治体、それから東京都も、こうした商店街のまち並みをきちんと、そこで商売したり暮らしている方々の暮らしを守る立場でよく話し合って意見を聞くという姿勢が大事だということは、この際申し上げておきたいと思います。
 石神井公園駅の周辺では、場合によっては、次々と超高層ビルが建ちかねないというような開発の、何か流れができてきているような危険がありますので、こうした中での住民の長年の願いである石神井公園周辺の景観がきちんと守られるように、この点を都としても、都市計画づくりの中で十分に配慮していただきたいということを申し上げて、終わります。

○馬場委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしましたので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五十五分散会

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