委員長 | 馬場 信男君 |
副委員長 | 奥澤 高広君 |
副委員長 | 和泉なおみ君 |
理事 | 古城まさお君 |
理事 | 秋田 一郎君 |
理事 | 村松 一希君 |
菅野 弘一君 | |
清水やすこ君 | |
西郷あゆ美君 | |
森口つかさ君 | |
関野たかなり君 | |
中山 信行君 | |
中村ひろし君 | |
曽根はじめ君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 東京都技監都市整備局長兼務 | 佐藤 伸朗君 |
次長総務部長事務取扱 | 桜井 政人君 | |
技監 | 上野 雄一君 | |
理事 | 中島 高志君 | |
都市づくり政策部長 | 小野 幹雄君 | |
都市基盤部長 | 山下 幸俊君 | |
市街地整備部長選手村担当部長兼務 | 安部 文洋君 | |
市街地建築部長 | 青柳 一彦君 | |
基地対策部長 | 高原 俊幸君 | |
連携・連絡調整担当部長 | 八嶋 吉人君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 朝山 勉君 | |
担当部長 | 小口 新吾君 | |
まちづくり推進担当部長 | 吉野 敏郎君 | |
まちづくり調整担当部長 | 木村 宣代君 | |
景観・プロジェクト担当部長 | 山崎 弘人君 | |
交通政策担当部長 | 森 高志君 | |
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 | 新谷 景一君 | |
防災都市づくり担当部長 | 三宮 隆君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 松崎 浩一君 | |
局務担当部長 | 奥秋 聡克君 | |
耐震化推進担当部長 | 青木 成昭君 | |
横田基地共用化推進担当部長 | 泉水 一君 | |
住宅政策本部 | 本部長 | 榎本 雅人君 |
技監都営住宅経営部長事務取扱 | 久保田浩二君 | |
住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 佐々木秀之君 | |
連絡調整担当部長 | 水野 剛君 | |
住宅政策担当部長 | 澁谷 浩一君 | |
民間住宅施策推進担当部長 | 栗谷川哲雄君 | |
経営改革担当部長 | 土屋 太郎君 | |
再編利活用推進担当部長 | 中山 衛君 | |
建設推進担当部長 | 妹尾 高行君 | |
営繕担当部長 | 金子 陽子君 |
本日の会議に付した事件
理事の互選
住宅政策本部関係
契約議案の調査
・第七十八号議案 都営住宅三十一H-一一四東(大田区東糀谷六丁目)工事請負契約
・第七十九号議案 都営住宅三十一H-一二八東(板橋区双葉町)工事請負契約
・第八十号議案 都営住宅三十一H-一二二東(足立区江北七丁目)工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第九十九号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 住宅政策本部所管分
都市整備局関係
付託議案の審査(質疑)
・第九十九号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 都市整備局所管分
・第五十号議案 緑あふれる東京基金条例
付託議案の審査(決定)
・第九十九議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 都市整備委員会所管分
・第五十号議案 緑あふれる東京基金条例
○馬場委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、委員の所属変更について申し上げます。
議長から、去る二月十七日付をもって、当委員会から伊藤ゆう議員が文教委員会に所属変更になり、新たに西郷あゆ美議員が文教委員会から当委員会に所属変更になった旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
この際、新任の西郷あゆ美委員、ご紹介でございます。
○西郷委員 よろしくお願いいたします。
○馬場委員長 ご紹介が終わりました。
○馬場委員長 次に、伊藤ゆう理事の所属変更に伴い、理事一名が欠員となりましたので、これより理事の互選を行います。
互選の方法はいかがいたしましょうか。
○森口委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名をしていただきたいと思います。
○馬場委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、理事には村松一希委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、理事には村松委員が当選されました。
次に、議席について申し上げます。
議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思います。ご了承願います。
○馬場委員長 次に、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
令和二年二月二十八日
東京都議会議長 石川 良一
都市整備委員長 馬場 信男殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第七十八号議案 都営住宅三十一H-一一四東(大田区東糀谷六丁目)工事請負契約
第七十九号議案 都営住宅三十一H-一二八東(板橋区双葉町)工事請負契約
第八十号議案 都営住宅三十一H-一二二東(足立区江北七丁目)工事請負契約
2 提出期限 令和二年三月二日(月)
○馬場委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部関係の契約議案の調査、住宅政策本部及び都市整備局関係の中途議決に係る付託議案の審査を行います。
これより住宅政策本部関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第七十八号議案から第八十号議案までを一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取いたしておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○曽根委員 それでは、私から、三つの都営団地の建てかえ事業について質問させていただきます。
三団地とも、居住する住民の要望に基づくものであり、私たちも推進の立場でお聞きしたいと思います。
私の経験では、大き目の団地の場合、一期目の建てかえはどうしても居住者がほかの団地に移転して、建てかえの場所をつくり、建てかえが終わった後に戻ってくる方もいる。それとともに、その団地の中で、二期目の対象の居住者の方が、できれば、その団地内ででき上がった一期目の都営住宅の中に移転すれば、一回で移転が終わると。団地内移転ができる受け皿も一期目の建物の中で用意できるとすると、以後の建てかえは非常にスムーズに動くという経験もあります。
三団地について、それぞれ、完成後の入居見込みと、その入居の方がどの団地から入居してくる予定になっているのかを伺います。
○妹尾建設推進担当部長 今回ご審議いただきます三つの住棟の完成後の入居見込みとその内訳でございますが、まず、大田区東糀谷六丁目につきましては、建設戸数二百二十八戸に対して、従前居住者の戻り入居が数世帯と、同団地内の他の住棟からの入居が約百九十世帯を見込んでおります。
板橋区双葉町につきましては、建設戸数百戸に対しまして、従前居住者の戻り入居が数世帯と、板橋区内外で今後建てかえる予定の団地からの入居が約九十世帯を見込んでおります。
足立区江北七丁目につきましては、今回の契約案及び同じ時期に完成予定の住棟の建設戸数合計二百六十一戸に対しまして、従前居住者の戻り入居は約三十世帯と、同団地内の他の住棟からの入居が約二百三十世帯を見込んでおります。
○曽根委員 今のお答えによると、いずれの三団地ともに、一旦、団地外に移転された方が、仮移転の方も、そこにとどまって本移転に切りかえたのも含めて、戻ってこられる方が数世帯にとどまっているということで、建設する住宅は、いずれもかなり大き目の住宅を建設するわけですが、その大部分を、次の建てかえの仮移転もしくは本移転に活用することができるという点では、今までの建てかえの事業の経験を生かして、建てかえ事業に伴う移転がスムーズに進むように配慮がされているということは重要だと思います。
この中で、大田区の東糀谷の団地の方々からは、四期ぐらいになるんでしょうかね、建てかえ期間がかなり長期にわたるということで、できるだけスムーズに、短い期間で移転が、仮移転と戻り入居ができるようにという要望が出されております。また、計画がまだ決まっていない一号棟の具体化を早くしてほしいとの追加要望があります。
また、足立区の江北については、従前居住者の戻り入居はわずかではありますけれども、そういう方々については、一旦仮移転をして、また戻ってくる。二回引っ越しをするわけですから、優先的な扱いをしてほしいという要望が出されておりますので、配慮をしていただきたいと。
板橋区の双葉町の団地ですけれども、ここは、一期で全ての建物を建てかえるということから、戻り入居はごくわずかで、そして、残った戸数はほかの団地の建てかえに活用するということをお答えになりましたが、ほかの団地が、次の建てかえ計画がまだ具体化をしていないのであれば、百戸近い建設をするわけで、可能な限り新規の都営住宅の募集に回すことが可能だし、また、そうしていただきたいというのは、繰り返し申し込んでも、都営住宅がなかなか当たらない都民の方々からの強い要望もありますので、ぜひそうした点での検討を、前にもいいましたけれども、ぜひ、住宅政策本部としてお願いしたいということを申し上げて、質問を終わります。
○馬場委員長 他に発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○馬場委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、住宅政策本部所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取いたしておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○和泉委員 補正予算説明書を見ますと、減額が大きいのが安心居住推進事業となっています。サービスつき高齢者向け住宅供給助成が五億四千八百万円、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給促進で二億四千八百万円がそれぞれ減額ということで、この二つが主な減額更正の内訳というふうになっています。
住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅、いわゆるセーフティーネット住宅の供給促進に絞って伺いたいと思います。
セーフティーネット住宅の供給促進に係る事業は、先ほども述べたとおり二億四千八百万円の減額補正というふうに聞いていますが、当初予算はどういうふうになっていたでしょうか。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 セーフティーネット住宅に関係する今年度の当初予算額は約二億七千五百万円でございます。
○和泉委員 当初予算が二億七千五百万円で、二億四千八百万円の減額更正ということは、事業全体としてはわずか一〇%しか執行されなかったということになります。都営住宅の応募倍率を見ても明確なように、住宅確保に困難を抱えている方たちは大勢います。その方々を支援するという看板を掲げて予算化しているのに、なぜ、このような低い執行率になるのかということをしっかり考える必要があると思います。
この事業のうち、家賃低廉化補助及び家賃債務保証低廉化補助について、それぞれの補助実績と実施している自治体数を伺います。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 今年度の補助実績につきましては、家賃低廉化が二十五戸、家賃債務保証料低廉化が七戸となる見込みでございます。
また、それぞれの補助を実施している自治体数は、家賃低廉化が四区一市、家賃債務保証料低廉化が二区一市となってございます。
○和泉委員 今ご答弁いただいたとおり、家賃を下げようと補助に取り組んでいる自治体は四区一市、低廉化された住宅数は二十五戸、家賃債務保証料、つまり、保証人が見つからないで、債務保証会社などに保証してもらう場合の保証料を下げようと補助に取り組んでいる自治体は二区一市、低廉化された住宅数は七戸というのが実態です。
これ、誰が見ても、取り組む自治体数も少なく、実績も上がっていないということは明白です。補助制度について自治体からはどのような声が上がっているんでしょうか。あわせて、補助を実施している自治体が少ない理由を、都はどのように分析しているのかについても伺います。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 区市町村からは、対象となる住宅の登録戸数が少ないことから、予算措置の必要性が低いと聞いており、これを主な原因と考えてございます。
○和泉委員 住宅の登録が少ないから予算の措置の必要性が低い。まるでニーズが低いかのようないい方ですけれども、そういう分析にとどまっていていいのかというふうに思います。大切なのは、そこから踏み込んで、なぜ登録数が少ないかということを解明することです。
小池知事も、超高齢社会を迎える中で、高齢者など住宅確保要配慮者の居住の安定を確保するためには、公共住宅に加えまして、民間住宅も含めた重層的なセーフティーネットの機能の強化が必要不可欠だ、住宅セーフティーネット制度はその大きな柱として期待されている、こう議会で強調しつつ、しかしながら、貸し主等に制度が十分浸透していない、また、高齢者の入居に対する貸し主の不安も強いということから、登録住宅数が伸び悩んでいるという分析を示しているじゃありませんか。
知事は、高齢者を中心にセーフティーネット住宅の制度の話をしていますけれども、都の目標を見れば、二〇二五年度までに三万戸の登録目標のうち、三分の一に当たる九千世帯は、年収が著しく低く、高い家賃を負担している若年単身者をカバーする分だとしています。
さきの一般質問では、我が党の斉藤議員が、就職氷河期世代の住宅問題を取り上げ、低収入で不安定な雇用に苦しむこの世代が、親が年金生活に入り、保証人として認められなくなる中で、高家賃ばかりでなく、家賃保証負担にも苦しんでいる実態を紹介して支援を求めました。
しかし、登録住宅の中でも、家賃や保証料の減額となる専用住宅の数は、低所得者用について専用ホームページから調べると、都内にわずか九十数戸、そのほとんどは八王市と羽村市にあり、それ以外はわずかに十戸前後なんです。
これでは、都が九千世帯も苦しんでいるとしている若い世代や就職氷河期世代は救われようもありません。私ども、制度に取り組んでいる自治体の担当者にヒアリングをしましたけれども、オーナーや不動産業者にもっとインセンティブが必要、この辺は来年度、都も新制度を設けるようですけれども、ほかにも耐震化など、家のグレードを上げなければならないが、その支援が必要、専用にして、借り手の間口が狭くなった場合、空き室になったときに、借り手がつかないリスクがあるなど、数多くの課題が出されました。
ですから、区市町村や居住支援協議会とも十分に協議して、住宅の登録にハードルとなっているのは何なのか、それを把握し、必要な手だてをとって、来年度は、このような大幅な減額をしなくても済むようにしていただきたいと思います。
結果として大きな不用額が出そうな予算についての減額補正を行うというものですから、反対はしませんが、重要な事業、都民の暮らしの安定のために必要とされている事業が必要なところに届いていないということになれば、事業の仕組みに問題があるのではないか。振り返りをしっかりとやっていただいて、次年度の予算と事業に反映していただきたいと強く要望して、質疑を終わります。
○中村委員 それでは、私からも、住宅政策本部の今年度の補正予算案について伺います。
まず、安心居住推進事業について伺います。
今回の補正予算案では、安心居住推進事業で約八億円の減額補正になっています。この事業にはセーフティーネット住宅の関連経費も計上されていると聞いていますが、その当初予算額と減額補正した金額について伺います。また、あわせて補助実績について伺います。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 お話の安心居住推進事業のうち、セーフティーネット住宅に関連する事業は改修費に対する補助などが主な内容となってございます。セーフティーネット住宅関連の事業の当初予算額は約二億七千五百万円でございますが、執行が当初の見込みを下回った結果、今回の補正予算案におきまして、約二億四千七百万円を減額してございます。
また、補助実績につきましては、改修費が八戸、家賃低廉化が二十五戸、家賃債務保証料低廉化が七戸となる見込みでございます。
○中村委員 予算額に比べるとほとんど未執行で、執行率が約一割と極めて低いのは大変残念です。補助実績としても大変寂しい限りです。制度そのものに進まない理由があるなら、それを市区町村から聞き取り、国に伝えていくことも重要だと考えます。
改めて実績減となった理由と、それに対する認識を伺います。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 さきにお話し申し上げました改修費などの補助は、区市町村が貸し主等に対して行う補助の一部を都が助成するものでございます。そのため、これらの補助を活用するためには、対象となるセーフティーネット住宅が所在する区市町村におきまして予算措置を行っていることが必要でございますが、令和元年度に予算措置したのは四区二市となっております。
補助制度を導入していない区市町村からは、対象となる住宅の登録戸数が少ないことなどから、予算措置の必要性が低いと聞いております。
都といたしましては、引き続き一層の登録促進を図るとともに、区市町村に対しまして補助制度の導入を働きかけていくことが必要と認識してございます。
○中村委員 もちろん、制度の大枠は国で、実施主体は区市町村であり、さらには不動産業者が参加してこなければ制度は進まないとはいえ、より一層、都としてどう促進できるかを検討していただきたいと思います。
都の住宅政策の基本は二十六万戸の都営住宅になっていますが、地域によっては百倍を超える倍率になることもあり、入れない人も多くいます。さきの決算委員会でも知事に家賃補助制度の創設を求めましたが、対象世帯の範囲や民間家賃への影響、財政負担の問題、生活保護制度との関係などの理由を述べて、課題があると認識していると答弁するのみでした。
とはいえ、実績が伸び悩むセーフティーネット住宅だけで住宅に困っている人の問題解決になるのでしょうか。私は、せめて都営住宅にポイント制で申し込むことができる方々には、入居できなかった場合には、家賃補助などの代替措置について検討すべきではないかということを申し上げます。
次に、マンション耐震改修促進事業について伺います。
補正予算案において、マンション耐震改修促進事業について当初見込みから実績が上回ったものもあるとは聞いていますが、全体として約一億四千万円もの減額補正になっています。
この事業における今年度の実績見込み、実績減に至った理由について伺います。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 今年度の実績見込みにつきましては、耐震アドバイザー派遣が八十七件、耐震診断が三千八百四十五戸、耐震改修及び設計が三千四百一戸、また、耐震化サポーター派遣が百二十三件となっております。
実績減となった理由は、耐震化を検討するに当たり、区分所有者間の合意形成に時間を要するなどにより、今年度内の事業実施に至らないものが多かったためと認識してございます。
なお、耐震改修及び設計につきましては、当初に見込んだ三千戸より実績が上回っており、これは団地型のマンションや規模の大きなマンションにおいて利用があったためでございます。
○中村委員 予算は執行残になりましたが、目標としていた以上の戸数が耐震改修及び設計が進んだことについては、その取り組みは評価したいと思います。しかし、マンションの場合、一棟単位になるので、成果として戸数で示すと、大規模マンションがうまくいったかどうかで年度の成果は大きく変動してしまいます。ご答弁があったように、区分所有者間で合意形成が困難なことは、先々本当に深刻になると思います。だからこそ、成果として何棟合意形成が図れたのかとか、建物単位での合意形成も指標とすることが実際の取り組みを反映すると思いますので、ぜひご検討願います。
また、さきの決算委員会でも質問しましたが、今後、マンションの老朽化、そしてそこに住む方々が高齢化もしていくため、都としてもその耐震化、その先にある建てかえについて、大変大きな課題の一つになると思います。
都は緊急輸送道路の沿道建築物について耐震診断を義務化し、耐震化を努力義務化し、大幅に補助したにもかかわらず、当初の予定に比べて大幅におくれています。これでは通常のマンションの耐震化はもっと難しく、より一層の取り組みをしなければ、幾ら個人の所有物とはいえ、倒壊や老朽化で戸建ての空き家に比べて周辺の住民や通行する方への危険ははかり知れないものになります。
四月から条例も施行されますので、期待したいとは思いますが、長期的な視点でさらなる対応について早目早目に対応していくことを求めて、質問を終わります。
○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で住宅政策本部関係を終わります。
○馬場委員長 これより都市整備局関係に入ります。
初めに、付託議案の審査を行います。
第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市整備局所管分及び第五十号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○関野委員 それでは、第五十号議案、緑あふれる東京基金に関して質疑を行わせていただきます。
いただいた基金条例案の概要を拝見させていただきました。今回の議案は、基金条例の制定が主な議案なのかなというふうに推察をいたしますが、条例案の概要や提案理由に書かれている内容を読むだけでは具体的には見えてこないというところです。
先ほどいったように、基金条例の制定が主な議案と推察しているんですが、ある意味、その上で伺いますが、基金の基本的な考え方について、まずはお伺いをさせていただきます。
○桜井次長 都市の緑は、良好な都市環境の保全、防災、レクリエーションなど、さまざまな機能を有しておりまして、人々の生活にとって不可欠なものでございます。このため、都市における生産緑地や樹林地等の保全、新たな緑の創出など、緑を一層豊かにし、ゆとりと潤いのある東京の実現に向けた施策を推進していくことを目的としまして、今般、緑あふれる東京基金を創設するものでございます。
今後、この基金を適切かつ効果的に活用することによりまして、あらゆる機会を通じて、緑の量的な底上げと質の向上を図ってまいります。
○関野委員 ありがとうございます。
では、どのようなものに活用するのか、具体的にどんな事業に充当していくことになるのか、この点についても、あえてお伺いをいたします。
○桜井次長 本基金につきましては、条例案に規定する設置目的に合致する事業に充当していくことになりますが、個々の充当対象や取り崩し額につきましては、来年度以降の予算編成を通じて具体的に検討することとしてまいります。
○関野委員 今の答弁を聞く限り、中身など詳細は来年以降決めていくということでした。今回の議案としては、先ほども発言しましたが、基金条例の制定ということですので、制定された場合、今後はどのような形で基金を積み上げていくのか、また、今回、三百億というようになっていますが、どのように捻出したのか、この点についてお伺いをいたします。
○桜井次長 今回の補正予算では、平成三十年度決算剰余金や都税収入の伸びなどにより生まれた財源を活用しまして、今後対応が必要となる膨大な財政需要に備えるため、四千五百億円を六つの基金に積み立てることとしております。このうち、緑あふれる東京基金の財源として三百億円を積み立てることとしたものでございます。
今後の積み立てにつきましては、今後の財政状況、基金の残高、基金充当事業の状況などを勘案しながら検討してまいります。
○関野委員 ありがとうございます。
ほかのところにある基金みたいに、東京都鉄道新線建設等準備基金、済みません、私の地元の件であるので、ちょっと名前を出させていただきましたが、このような感じで、ここの基金は東京メトロの株式配当が基金に積まれるというようなことでしたが、今の回答では、その都度基金に積み上げる金額は変わってくるというようなことで理解をさせていただきました。
さて、私の地元、北多摩一区には狭山丘陵というものがあります。その中の東大和の狭山丘陵で、昭和の終わりころに、都市計画緑地の指定を検討しているというような最中に、宅地開発の計画が持ち上がりました。開発を防ぐために緑の保全を図るため、市が先行的に用地を取得したという経緯があります。
都市計画決定された後、都は市から、当該用地を段階的に先行取得として買い取りを進めてきたが、途中で都の土地の先行取得が凍結となったと。また、一部がまだ東大和市の用地のままになっている。このため、市は財政状況が厳しい中、都に対して早期の買い取りを要望しているとともに、その後、先行取得は行われていないという状況です。
何がいいたいかといいますと、緑の保全や創出に向けて、区市町村は財政的に厳しい中、土地の買い取りも行っているということです。先日の代表質問でも、我が会派の代表質問の中で、産労からの答弁で、区市が生産緑地を買い取る場合に、その経費の半額を、また、当該生産緑地に福祉農園等を整備する際には、その施設整備費として五分の四を補助するという回答がありました。
また、都市整備局では生産緑地公園補助制度というもので、区市が生産緑地を買い取る経費に対しても補助を出しているというところであります。ただ、各局にまたがる補助の中でも、緑地保全や農地保全などの区市町村が独自の予算で実施しなければならない緑地保全などもあります。
都が保全をする場所のほか、こうした区市町村が保全をする場所について、東京都として重要だと考える緑地等保全に関しては、区市町村もそのままリンクするのかなというふうにも考えておりますし、費用の一部を補助することに加えて、区市町村の負担分の、リンクをしてくるということで考えております。そういう意味では、費用の一部を補助するということだけではなく、区市町村の負担分、この金額を例えばこの基金から無利子で貸し付けるなど、こういった検討も必要ではないかなということをお伝えしておきます。
また、公園用地にかかっている農地があった場合、区市町村が購入できればいいですが、先ほどいったように予算がない場合は購入できないと。購入できない場合はハウスメーカーなどにより開発行為が行われ、公園用地に戸建てが建ってしまうなど、建ってしまった場合は、計画を行おうとなったときには、その戸建ての人たちには交渉をして、補償して、代替地などさまざまな時間と予算、能力が必要になってくるというような流れだと私は考えております。
もちろん、購入できていれば、先ほどもいったように、このような費用や時間はかからないというように思っていますが、今、発言をさせていただいたこのような意見を踏まえて、基金を活用して、このように区市町村の取り組みを支援していくという視点は重要だと考えているんですけれども、都市整備局としての考えを再度お伺いをいたします。
○桜井次長 昨年末に策定いたしました未来の東京戦略ビジョンでは、緑あふれる東京プロジェクトといたしまして、都や区市町村による公園や緑地の整備、農地や自然地の保全などにより、都内全体の緑をふやす取り組みを進めていくといたしまして、その中で、基金を活用した補助なども例示をしております。
先ほどもお答えいたしましたけれども、本基金が充当される事業につきましては、来年度以降の予算編成の中で、個別に決定していきたいと考えております。
○関野委員 今後の検討というところでの、検討課題の中での一例としてお伝えをさせていただきました。
緑の保全、創出の取り組みは区市町村との連携がもちろん不可欠でございます。ぜひ先ほどお話しさせていただいた事案を理解していただき、検討課題としていただくこと、また、基金を適切かつ有効に活用すること、この点を要望いたしまして、今回の質問を終わります。
○古城委員 私からも、第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市整備局所管分及び第五十号議案、緑あふれる東京基金条例に関連して質問をいたします。
公明党は一九六七年、昭和四十二年、東京の未来構想、緑の森と噴水の中にそびえる高層都市大東京を発表いたしました。都民に健康と潤い、また、憩いを与える大森林地帯の整備や、モノレール、高速道路が縦横に走る立体交通網の構築、公害の根絶などが盛り込まれた、当時において先見性豊かな政策提言であります。
五十三年前にこのビジョンを発表したときは、公害問題や住宅不足、交通渋滞などが深刻で、現実離れしたユートピア構想のように受けとめられました。都議会公明党はこれまで議会質問等を通じて、玉川上水を活用した外堀の浄化、日本橋川の水質改善を初め、この構想に描かれた水と緑の回廊の実現に向けて提言をしてまいりました。
都においても、かつて、平成十八年末に策定した「十年後の東京」において、多摩川、荒川沿いに帯状に連なる公園の緑で都心を包み、さらに東京港の海の森から皇居、神宮外苑、新宿御苑、代々木公園などを結ぶ風の道をつくり、都心に東京湾の空気を取り入れる構想を描いていました。そして今、未来の東京戦略ビジョンにおいて、水と緑あふれる東京戦略を掲げて、緑あふれる東京プロジェクトが打ち出されています。
そこでまず、東京の緑の現状について確認をしたいと思います。一つの指標となるであろうみどり率の直近の推移についてお尋ねをいたします。
○桜井次長 平成三十年に環境局が実施をいたしましたみどり率の調査結果によりますと、平成三十年の都全域のみどり率は五二・五%となっておりまして、平成二十五年の五三・〇%から〇・五ポイント減少しております。
用途別に比較をいたしますと、公園緑地は三・八%から三・九%と〇・一ポイント増加しているのに対しまして、樹林、原野、草地は四二・九%から四二・六%と〇・三ポイントの減少、農用地は三・七%から三・四%と〇・三ポイント減少をしております。
○古城委員 今お答えいただきましたが、これまでのさまざまな取り組みによって、一定程度は減少が抑制をされてはいるものの、短期間というよりも長期間にわたって、低下傾向が続いていて、なかなか十分とはいえない状況であろうかというふうに思います。
今回のこの条例案の提案理由には、都市における生産緑地、樹林地等の保全や新たな緑の創出などにより、緑を一層豊かにし、ゆとりと潤いのある東京の実現に資する事業に要する資金に充てるため、緑あふれる東京基金を設置するとのことであります。
これ以上緑を減らさないということが重要であり、そのために、今般、保全と創出をキーワードに基金が設置をされる、これが補正予算案と基金の眼目であろうと、このようになろうかと思います。
そこで、基金の役割と基金のメリットについて見解を求めます。
○桜井次長 都は景気変動の影響を受けやすい不安定な財政構造を有しているという特徴がございます。
そうした中にありましても、未来の東京戦略ビジョンで示しました緑あふれる東京の実現に向けて、将来にわたって安定的かつ継続的に取り組みを推進していく必要がございまして、そのためには、年度間の財源調整機能を果たす基金は、特に重要な役割を担うものでございます。
○古城委員 将来にわたって安定的かつ継続的に取り組みを推進する必要があるということですので、次に、今後、どのように進めていくかということを質問をさせていただく予定でしたけれども、先ほどの質疑で、来年度以降の予算編成の中で具体的に検討していくということでありましたので、重複を避けまして、意見として申し述べさせていただきたいと思います。
先ほどの質疑でも言及がありましたが、都において、農地については昨年度から生産緑地公園補助制度が開始をされております。しかしながら、生産緑地がある区市というのはある程度限定をされます。私の地元新宿区には生産緑地地区はありませんけれども、区内の緑の実態を把握するため、五年に一度、新宿区みどりの実態調査を実施しています。
直近の第八次調査は、平成二十七年六月から二十八年二月まで、平成二十七年度中に行われました。これによりますと、新宿区のみどり率は一九・九四%であって、前回調査の平成二十二年度からは〇・四二ポイント減少をしております。先ほど冒頭の質問でも確認をさせていただきましたが、都内においても、例えば公園緑地がふえている一方で、樹林、原野、草地は減少しているという回答がありましたけれども、確かにおっしゃるとおりで、新宿区内の草地についても、五百二十七カ所から四百三十五カ所に減少、さらには面積でいうと、三十二・八ヘクタールから二十八・二ヘクタールへ、このように減少しています。
これは、空き地であった草地が恐らく建築によって消失をしてしまった、このようなことが大きな原因になろうかと思います。
こうした実情を踏まえて、新宿区では、区立小学校の校庭や屋上を芝生化したり、区立公園を拡張したり、そして、空地の少ない場所柄から、再開発で誕生した高層集合住宅の屋上の緑化を促したり、大きな樹木、樹林や生け垣を残すために、維持管理費を一部助成する制度を活用したり、緑をふやし、保全する取り組みが着実に進められているところであります。
今回設置をされる基金は、都が都民の皆様からお預かりした税金を活用して設置するものであります。したがって、その事業効果がより幅広い都民の皆様に還元されるよう、また、多くの区市町村において基金を活用した取り組みが進められるような視点での検討を要望させていただきます。
あわせて、都においては、東京全体の公園や緑地保全などの計画調整は都市整備局、さらに公園の建設や街路樹を植えるのは建設局、多摩の森林は産業労働局と環境局、そして、その他の緑については環境局、このように緑関連の施策はさまざまな局の所管にまたがっております。
そこで、基金を活用した施策の推進に当たっては、関係各局の緊密な連携が不可欠であり、その上で、都市整備局のリーダーシップのもとで、都庁の総合力を十分に発揮していただきたい、このことを申し添えまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○和泉委員 緑あふれる東京基金条例についてです。
この基金は、現段階ではどのようなものに使われるのか、まだ漠然としていて、詳細が決まるのは、先ほど来の質疑にもあるとおり、これからだということですけれども、一言意見を申し述べておきます。
戦略ビジョンにも、目指す姿の一つとして、水と緑を一層豊かにし、ゆとりと潤いのある東京が示され、緑確保の総合的な方針改定案が三月に報告、質疑、この都市整備委員会で行われる予定になっています。この基金は、これらとも関連して設置されるものだというふうに思います。緑を確保し、新たに創出していくことは、地球温暖化対策としても重要ですから、反対はしません。
しかし、一方で、都心ではさまざまな特区制度による開発が行われ、超高層ビルが林立する計画がめじろ押しです。緑確保の総合的な方針の改定案には、緑確保と引きかえに容積率をボーナスするような提案が盛り込まれています。この基金の使い道としても、開発との引きかえの緑確保に活用されるようなことは到底認められません。この基金が開発のさらなるインセンティブに使われるということではなく、減少している農地や樹林地などの創出、保全に寄与するものになるよう強く要望しておきます。
以上です。
○中村委員 それでは、緑あふれる東京基金について、条例、補正予算に関して質問します。
今回、新たに条例を制定し、基金を創設し、補正予算で三百億円を基金に積むことが提案されました。一九九二年に生産緑地地区に指定された多くの生産緑地が三十年を経過したことで買い取り申し出が可能になり、生産緑地の二〇二二年問題ともいわれています。
もちろん、都市農業の振興がまずは重要であり、営農を続けていけるようにしていくことが大切です。その上で、都市部の緑地の多くが農地であることから、相続で農地を手放さざるを得なくなった場合、農地として維持できなくても、少なくとも緑地として残していくことが重要です。
生産緑地制度は、買い取りの申し出があれば、自治体は原則買い取らなければならないことになっています。しかし、相続が発生した際などにも都内は地価が高いことから、実際には買い支えることができず、結局は売却され、膨大な緑地が減少し続けるという厳しい状況にあるのが現状です。改めて都の取り組みを確認したいと思います。
そこで最初に、生産緑地公園補助制度の平成三十年度の実績を伺います。
○桜井次長 生産緑地公園補助制度は、都市計画公園区域内の営農が困難になった生産緑地を買い取る区市に対し、都が助成を行うものでございます。
生産緑地公園補助制度の平成三十年度の実績でございますが、二区に対して補助を実施しておりまして、補助対象面積は約五千六百平方メートル、補助金額は約四・七億円でございます。
○中村委員 補助を受けた自治体はわずか二区のみということで、買い取ることができた面積は、多くの緑地が失われたことを考えると、わずかといわざるを得ません。だからこそ、新たに基金を設けることになるのですが、効果をどう発揮するかが重要です。
そこでまず、緑地にもいろいろ種類があるとは思いますが、開発による緑地の創出や屋上、壁面緑化のことであれば、それでは人工的な創出であり、限られた基金を活用するとなれば、相対的な優先度は低いと考えます。
条例では基金は、生産緑地、樹林地等の保全に加え、新たな緑の創出などにも活用するとありますが、これはどのようなことなのか伺います。
○桜井次長 今後、緑の量的な底上げと質の向上に向けまして、この基金を適切かつ効果的に活用するとしてございますが、本基金が充当される事業につきましては、来年度以降の予算編成の中で個別に決定していくことになります。
○中村委員 もちろん緑を確保しないよりも、どのような緑地であっても確保した方がよいとは思いますので、屋上や壁面の緑化も進めていただきたいとは思いますが、今ある自然な緑地をいかに守っていくかは、より一層重要だと思っています。そのためには、むしろ開発の規制を強化する方が緑地の保全に効き目があるのではないかとも思いますが、直接的な買い取りという方法で緑地を確保することも重要ですので、ぜひこの基金の活用に際しては、自然な緑地の確保を優先に考えていただきたいと思います。
さて、今年度の最終補正予算での三百億円はどのようにして積んだのでしょうか。今回は年度末の執行残を積んだということでしょうか。地価が高いので、基金の規模として三百億円では足りないということも考えられますが、積み立ての規模の目標はどう考えているのでしょうか。また、今後の使い方についても、毎年基金を取り崩して使うのでしょうか。また、今年度末のように、毎年度末に執行残を積み立てるのでしょうか。
そこで、今回の三百億円をどのように積んだのか、今後どのように積み立てや取り崩しを行うのかの考え方について伺います。
○桜井次長 今回の補正予算では、平成三十年度決算剰余金や都税収入の伸びなどにより生まれた財源を活用し、今後対応が必要となる膨大な財政需要に備えるため、四千五百億円を六つの基金に積み立てることとしております。このうち、緑あふれる東京基金の財源として三百億円を積み立てることとしたものでございます。
今後の積み立てや取り崩し額につきましては、今後の財政状況、基金残高、基金充当事業の状況などを勘案しながら検討してまいります。
○中村委員 今後検討するということで、まだ決まっていないということですが、都市における良好な住環境の確保だけではなく、災害対策などを考えても、少しでも緑地の減少を減らすことが重要ですし、基金の今後の積み立て、取り崩しの計画は大変重要だと思います。
基金は自治体の貯金であり、年度末に執行残が出ると、とりあえず積み立てようとなりますが、できれば、そのような受け身な姿勢ではなく、緑地の確保とあわせて計画的な積み立て、取り崩しを求めます。
さて、この基金は、どこを優先して取り組むのでしょうか。買い取り申し出があって、全て買い取れるだけの予算確保は困難でしょうから、買い取れない場合には、売却されて宅地化をし、緑地が損なわれてしまいます。
市区町村の制度との連携は、基金ができることによって変わるのでしょうが、財源のある自治体に偏ってしまわないでしょうかなど、いろいろ懸念があります。
そこで、基金の活用は令和三年からとのことですが、具体的にはどう使っていくのか伺います。
○桜井次長 都は、区市町村が進めている将来に引き継ぐべき緑の保全や、緑が不足する地域等における緑の創出を進める取り組みを強力に後押しすることとしております。これまでも特定生産緑地の指定促進や緑化率を定める地区計画の導入など、技術的支援や都市計画の観点から、区市町村と連携してさまざまな取り組みを進めてきております。
先ほどもお答えいたしましたが、本基金が充当される事業につきましては、来年度以降の予算編成の中で個別に決定してまいります。
○中村委員 個別に決定していくという答弁でしたが、都としてどう重点的に取り組んでいくかは重要です。もちろん、どこが買い取り申し出があるかは事前にはわかりにくいですし、買い取った農地を各市区町村がどのように利活用するかは各自治体の判断になるとは思いますが、だからこそ、都としても多額の基金を組み、市区町村を補助するのですから、基金ができたから、毎年度の予算の執行ごとに市区町村の求めに応じるということだけではなくて、基金を創設する最初に大きな方針を検討する必要があると考えます。そのことを要望しまして、質問を終わります。
○奥澤委員 私からは、補正予算についてお伺いしたいと思います。
まず、耐震改修促進事業について、昨年に引き続いての減額補正の額が大きいようですけれども、この理由についてお伺いしたいと思います。
○青木耐震化推進担当部長 区市町村や建物所有者が積極的に取り組めるよう予算を計上しておりますけれども、実際に所有者が耐震化に取り組む際にテナントとの調整が困難であるなど、さまざまな事情があったことから、費用助成の申請件数が当初予算で想定した件数に至らない見込みとなったことが理由でございます。
○奥澤委員 耐震化、これは喫緊の課題であるということはもう誰もがわかっていることだと思いますけれども、なかなかステークホルダーが多数存在するという部分、これがネックになっているということだと思います。この困難をどう解消していくのか、そのために、都がどう役割を果たしていくのかというのは、きょうではなく、次回の委員会のところで、来年度予算に関連して質疑をさせていただきたいなと思っております。
もう一点、減額補正されているものとして、オリンピック・パラリンピック選手村の整備費、これ気にかかりました。準備が大詰めを迎える中で何かトラブルでもあったんだろうかというような不安を覚えましたけれども、オリンピック・パラリンピック選手村の整備について、減額補正している理由についてお伺いしたいと思います。
○安部市街地整備部長選手村担当部長兼務 選手村地区の市街地再開発事業につきましては、道路整備や土地をかさ上げする盛り土など基盤整備を進めまして、予定どおり、昨年末に東京二〇二〇大会に向けた整備を完了させました。
選手村の整備につきましては、当初予算におきまして約十八億九千五百万円計上しておりましたが、一億四千七百万円を減額補正することとしておりまして、このうち七千百万円は盛り土にかかわるものでございます。
これは当初、搬入する土の約六割弱を外部から購入する予定としておりましたが、街区間で調整を行いまして、地区内で発生した土を盛り土に使用する割合を全体の約四割強から約八割にふやすことが可能となりましたため、購入及び運搬費用の節減を図ることができたことによるものでございます。このほか、設計、測量等の委託料につきましても減額補正しております。
大会後におきましても工夫を加えながら、選手村地区の整備を着実に進めてまいります。
○奥澤委員 盛り土に関しての工夫を行ったこと、それから、設計や測量の委託料についてもより適正な価格になったということだと思います。どうしても、こうしたハード系の事業については、年度末に駆け込みで予算を使い切ろうというような、そういったイメージが我々、特に都民の皆様からもよく指摘を受けることがあります。
私としては、もちろん、先ほど取り上げた耐震改修促進事業のように、何としても執行率を上げて事業が進むようにと努力してほしいものもある一方で、今回の整備費の減額補正のような、こういった工夫はぜひとも評価されていく、そんな組織風土をつくり上げてほしいということも思うわけです。
そこで、選手村の取り組みのように、賢い支出に向けたより一層の工夫がなされるよう、今後とも取り組むべきと考えますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○桜井次長 予算の執行過程におきましては、無駄の排除を徹底することで歳出の精査を行っております。今回のオリンピック・パラリンピック選手村の整備に関する減額補正は、そうした取り組みによりコスト縮減などが図られたものと考えております。
また、予算編成におきましても、過去の決算や執行状況について分析、検証を行いまして、必要性や有益性を吟味し、必要な見直し、再構築を行っております。
あわせて、一つ一つの事業の効率性、実効性を向上させる継続的な取り組みといたしまして、事業評価も実施をしております。
今後とも、歳入、歳出全般にわたる徹底した見直しを不断に行いまして、一つ一つの事業の効果が最大限に発揮されるよう、創意工夫を凝らし、適切な執行に努めてまいります。
○奥澤委員 ありがとうございます。事業ごとに当然、課題も違えば、見直す方向性、これも違うと思います。不断の創意工夫、今お話ありました。これが評価されていって、たくさん生まれてくる、そのような組織となるように、引き続きご尽力いただきたいと申し上げておきます。
それから一点、今回、新型コロナウイルス感染症の拡大予防という観点でいろいろな対策が講じられているわけですけれども、特にその中でも、テレワークの話、満員電車をどう解消していくのかというような話も出てきています。ぜひとも、今すぐにやる対策というのは、皆さんにとっては多くはないのかもしれないんですけど、ぜひとも今の世の中の流れにしっかりとアンテナを張っていただいて、さまざまな事業が効果的に進んでいくように、来年度取り組んでいただきたいということを一言申し上げて、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございます。
○曽根委員 私からも、都市整備局補正予算について何点かお聞きしたいと思います。
まず、耐震助成事業についてお聞きします。
今もちょっとご質問ありましたけど、予算説明書でいうと最後のページになりますが、三十二億九千四百万円の減額になっております。もとが、たしか六十億ちょっとでしたから、半分以上減額ということになっているかと思います。
しかもこの中には、今お話のあった緊急輸送道路の沿道建物についての耐震助成と、私たちも思い切った拡充が必要だと常々申し上げている住宅耐震助成が両方含まれているわけですよ。
それぞれ補正、減額後の額がどれほどになったのか。そして、これは平成三十年度の決算と比べてどうなのかということをお聞きするために、平成三十年度のそれぞれの決算額についてもお知らせいただきたいと思います。
○青木耐震化推進担当部長 減額後の予算三十五億円のうち、緊急輸送道路沿道建築物に関するものが二十八億五千万円、それと住宅は一億八千万でございます。ご質問のありました平成三十年度決算額、こちら総額約二十四億七千万なんですけれども、緊急輸送道路沿道建築物に関するものが二十一億四千万円、住宅は一億二千万円でございます。
○曽根委員 昨年度も大幅な減額補正をし、かつ決算でもさらに減ったと。たしか、耐震助成予算全体としては九十億円ぐらいあったと思うんですね、昨年度の当初は。これを決算で最終的には二十四億七千万が沿道耐震、住宅耐震は一億二千万円まで減額補正した上に、さらに決算でも減らしたという経過で、今年度も、このままでは昨年規模にとどまらざるを得ないという減額補正を行われているというふうに思います。
特に沿道耐震については、先ほどもちょっとお話ありましたが、占有者、つまりテナントなどの借り店舗の補償や、それからIs値が〇・六未満でも段階的な耐震改修を認めるなど、条例改正が行われたのがたしか一年前でした。これは実施は来年度からということで、今年度の分は減額補正というふうになったんだと思いますが、今年度中もこの制度が発足した七月以降、普及や具体化については努力をされてきたと思いますが、どの程度まで進んでいるのかお聞きします。
○青木耐震化推進担当部長 ご指摘のありました条例改正の内容の周知についてでございますが、都営地下鉄への車内動画広告の掲載や耐震キャンペーンのイベントにおけるパネル展示、耐震ポータルサイトによる広報により広く都民にお知らせいたしました。また、区市職員と私どもの沿道建築物への個別訪問やダイレクトメールによりまして、個々の建物所有者に対して周知を行ってまいりました。
○曽根委員 緊急輸送道路の沿道耐震については、一定の努力をされていることは間違いないと思いますし、来年度、この実施の状況を見ながら、思い切ったさらなる提案も私たち、主張はしていきたいと思いますが、お聞きした範囲でいうと、住宅耐震助成の方は、本当にどんどん減ってしまって、ことしは一億八千万しか残っていないんですけれども、去年も一億二千万しか使わなかったと。必要な規模からいうと、本当にわずかな額しか執行されていないということで、かつ私たち心配なのは、次年度、二〇年度についても、抜本的な制度の改革の方向が今のところ聞こえてこないという点も非常に深刻ではないかと受けとめております。この点は改めて、来年度の予算審議、三月中旬の本委員会で、改めて問題提起も含めて質疑をしたいと思います。
次に、地下鉄の安全対策を賄っております都市高速鉄道建設助成、これもかなりの額、二十一億ぐらいですか、減額をされているんですが、これはたしか、都営地下鉄及びメトロの地下鉄の、例えばホームドアの設置などに使われる予算だと思いますが、まさに今年度から来年度にかけては、どんどん進めなきゃならない段階であるにもかかわらず、大幅な減額というのはどうも腑に落ちないわけですが、減額の理由はどういう理由でしょうか。
○山下都市基盤部長 都は国と協調いたしまして、都市交通政策を推進する観点から、利用者の円滑な移動や安全性の向上に資する施策といたしまして、駅のホームの延伸や拡幅、ホームドアやエレベーターの設置など、地下鉄駅の大規模改良工事等に対しまして補助を行ってございます。
今回の減額補正は、国の補助金が鉄道事業者の要望額を下回り、都はこれと協調して行っている補助に不用額が生じたことや、鉄道事業者が関係者との協議に時間を要したため、施工時期に変更が生じたことなどにより不用額が生じたことなどによるものでございます。
○曽根委員 予算説明書には国の補助金の減額が出てこないので、どういう仕組みかと思ったら、これは鉄道事業者に国から直接補助が行くそうですよね。しかし、それが、減額したこととあわせて、同率で都の補助も減額されていると。お聞きすると、約四割の減額だということなんですね、二十一億円。もともと五十億円を超える助成を予定していたと思うんです。
これだけ大幅な減額をしたということは、もともと大体ペースが決まっていた地下鉄、都営やメトロの、例えばホームドアの設置というのは、もう待ったなしの事業だと思いますが、こういうところに影響があったのかどうか、この点では補助がなくても取り組む事業者のやり方をとったんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○山下都市基盤部長 ホームドアの整備につきまして、事業者でございます東京メトロ及び交通局は、各路線における整備完了年度の計画を公表して取り組んでおりまして、令和元年度もこの計画に基づいて着実に整備を進めてございます。
こうした事業者の取り組みを支援するため、都は必要な予算を措置したものでございまして、国に対してはこれまでも提案要求の機会を捉え、財源の確保を求めてきております。
今後も、国や事業者と連携し、利用者の円滑な移動や安全性の向上に資する取り組みを推進してまいります。
○曽根委員 必要な額を都は支援したというようなお話でしたが、実際には、国の補助が、これは全国で総額が決まっていて、ほかの都市に持っていかれたということがあると、東京の分は減らされるということがあり得るわけですが、それが四割減ったのと同率で東京都の補助も減らしたわけですから、私は、東京都は国が補助を大幅に減らしたときには、それにかわって、ある程度穴埋めしてでも、この待ったなし、都民からも切望されているホームドアやバリアフリーを含む地下鉄の改善については、思い切って取り組む姿勢が必要だと思います。
今回は、鉄道事業者が、都民にも目標を、完成時期も明示して公表していますから、その約束を破るわけにはいかないということで、持ち出しで事業を進めたというようなことを聞いていますが、こういうことに対して、きちんと都がやはり姿勢を示すということが大事じゃないかということを申し上げておきたいと思います。
それから最後に、環状四号線の事業について、これも三億八千万円か九千万円、減額補正がされていますが、この理由について伺います。
○安部市街地整備部長選手村担当部長兼務 環状第四号線は、広域道路ネットワークを形成するとともに、国際交流拠点品川の実現に不可欠な路線でございまして、都は昨年七月に港南及び高輪区間の事業認可を取得しまして、現在、地権者と用地取得などに関する協議を進めております。
環状第四号線高輪地区整備事業の当初予算約八億三千百万円に対する三億八千九百万円の減額補正は主に、本路線整備のため、平成二十五年度に国から取得した高輪衆議院議員宿舎跡地に関するものでございます。宿舎跡地のうち、地権者への代替地として活用する部分には地下階の構造物及び基礎ぐいが残置されていることから、それらを撤去することとしておりましたが、今年度に入り、詳細に工法を検討した結果、基礎ぐいを撤去するための費用の増嵩と工期の長期化が見込まれる一方で、代替地の活用の見通しから、残置しても大きな支障にはならないことが明らかになったことから、基礎ぐいについては撤去しないことといたしました。
補正の大半がこの減額によるものでございますが、今回の減額補正による事業のおくれはなく、引き続き、関係地権者と協議を重ね、本路線の整備を着実に推進してまいります。
○曽根委員 環四事業の都市整備局所管の部分についてはおくれはないということで、これは一種の節約になったというようなお話かもしれませんが、都市整備局の事業部分のその先には、国道を挟んで建設局が道路事業を進める部分がこれからやられようとしています。来年度には、建設局の新規予算が、環四の白金台の部分について、ついているわけです。
しかし、ここは白金台の閑静な住宅地に、この骨格幹線道路という位置づけで環状四号線を、しかも、ここは地域、少しくぼ地になっていまして、地域の生活道路は低いところにある。ここの上を通して、生活道路とはほとんど交差しないような高さで整備しようという計画です。
地域の緊急自動車の通行を確保するなどの理由は成り立たない地域で、逆にこの地域の唯一の防災やコミュニティの拠点である公園を大半潰すことにもなります。自治会ぐるみで強く反対していると同時に、沿道となる私立学校も教育環境や通学の安全の懸念から反対しており、ここは住民の合意抜きの事業化の動きは絶対に許されないという地域です。
ほかでも、環状四号線は各地域で強い反対の世論がありまして、全体として見直しが求められていることは指摘しておきたいと思います。したがって、環状四号線事業は都市整備局の部分が仮に進んだとしても、都全体としての不要不急もしくは浪費的な道路事業として根本から見直しを求めておきたいと思いますが、今回の補正予算については、こういう内容で補正されたということについては確認をいたしました。
以上です。
○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
○馬場委員長 これより付託議案の審査を行います。
第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市整備委員会所管分及び第五十号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
これより採決を行います。
第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市整備委員会所管分及び第五十号議案を一括して採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、第九十九号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市整備委員会所管分及び第五十号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時二十分散会
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