委員長 | 馬場 信男君 |
副委員長 | 奥澤 高広君 |
副委員長 | 和泉なおみ君 |
理事 | 古城まさお君 |
理事 | 秋田 一郎君 |
理事 | 伊藤 ゆう君 |
菅野 弘一君 | |
清水やすこ君 | |
森口つかさ君 | |
関野たかなり君 | |
中山 信行君 | |
村松 一希君 | |
中村ひろし君 | |
曽根はじめ君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 東京都技監都市整備局長兼務 | 佐藤 伸朗君 |
次長総務部長事務取扱 | 桜井 政人君 | |
技監 | 上野 雄一君 | |
理事 | 中島 高志君 | |
都市づくり政策部長 | 小野 幹雄君 | |
都市基盤部長 | 山下 幸俊君 | |
市街地整備部長選手村担当部長兼務 | 安部 文洋君 | |
市街地建築部長 | 青柳 一彦君 | |
基地対策部長 | 高原 俊幸君 | |
連携・連絡調整担当部長 | 八嶋 吉人君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 朝山 勉君 | |
担当部長 | 小口 新吾君 | |
まちづくり推進担当部長 | 吉野 敏郎君 | |
まちづくり調整担当部長 | 木村 宣代君 | |
景観・プロジェクト担当部長 | 山崎 弘人君 | |
交通政策担当部長 | 森 高志君 | |
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 | 新谷 景一君 | |
防災都市づくり担当部長 | 三宮 隆君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 松崎 浩一君 | |
局務担当部長 | 奥秋 聡克君 | |
耐震化推進担当部長 | 青木 成昭君 | |
横田基地共用化推進担当部長 | 泉水 一君 | |
住宅政策本部 | 本部長 | 榎本 雅人君 |
技監都営住宅経営部長事務取扱 | 久保田浩二君 | |
住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 佐々木秀之君 | |
連絡調整担当部長 | 水野 剛君 | |
住宅政策担当部長 | 澁谷 浩一君 | |
民間住宅施策推進担当部長 | 栗谷川哲雄君 | |
経営改革担当部長 | 土屋 太郎君 | |
再編利活用推進担当部長 | 中山 衛君 | |
建設推進担当部長 | 妹尾 高行君 | |
営繕担当部長 | 金子 陽子君 |
本日の会議に付した事件
住宅政策本部関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 住宅政策本部所管分
・令和二年度東京都都営住宅等事業会計予算
・令和二年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 住宅政策本部所管分
・東京都営住宅条例の一部を改正する条例
・都営住宅三十一H-一一四東(大田区東糀谷六丁目)工事請負契約
・都営住宅三十一H-一二八東(板橋区双葉町)工事請負契約
・都営住宅三十一H-一二二東(足立区江北七丁目)工事請負契約
報告事項(説明)
・東京マンション管理・再生促進計画(素案)について
都市整備局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備局所管分
・令和二年度東京都都市開発資金会計予算
・令和二年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・令和二年度東京都都市再開発事業会計予算
・令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 都市整備局所管分
・東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
・緑あふれる東京基金条例
請願陳情の審査
(1)一第四八号 西日暮里駅前地区市街地再開発事業に関する請願
(2)一第四九号 (仮称)千代田区三番町二十六計画に関する陳情
(3)一第七四号 荒川区西日暮里五丁目の用途地域の見直しに関する陳情
報告事項
・都市計画公園・緑地の整備方針及び緑確保の総合的な方針の改定について(説明)
・防災都市づくり推進計画の基本方針の改定について(説明)
・東京都耐震改修促進計画の改定について(説明)
・第二百二十九回東京都都市計画審議会付議予定案件について(説明・質疑)
○馬場委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、委員の所属変更について申し上げます。
議長から、去る一月三十一日付をもって、当委員会から東村邦浩議員が警察・消防委員会に所属変更になり、新たに中山信行議員が経済・港湾委員会から当委員会に所属変更になった旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
この際、新任の委員をご紹介いたします。
中山信行委員をご紹介いたします。
○中山委員 よろしくお願いいたします。
○馬場委員長 紹介は終わりました。
次に、議席について申し上げます。
議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思います。ご了承願います。
○馬場委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部及び都市整備局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、報告事項の聴取並びに都市整備局関係の請願陳情の審査を行います。
なお、本日は、都市整備局関係の都市計画審議会案件につきましては、説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、提出予定案件及びその他の報告事項につきましては、いずれも説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いますので、ご了承願います。
これより住宅政策本部関係に入ります。
初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○榎本住宅政策本部長 本日は、令和二年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております住宅政策本部関係の案件をご説明いたします。
提出予定案件は、予算案が二件、条例案が一件、契約案が三件でございます。
初めに、令和二年度住宅政策本部当初予算案についてでございます。
まず、令和二年度予算の基本的な考え方でございますが、二〇四〇年代の東京の実現を目指して策定された未来の東京戦略ビジョンの具体化に向けた施策を推進すること、また、東京都住宅マスタープランの目標や住宅政策審議会答申を踏まえ、住宅施策を着実に推進することなどに基づいて、必要な経費を計上しております。
それでは、お手元の資料1、令和二年度当初予算説明書の一ページをお開きください。住宅政策本部所管全会計予算総括表でございます。
令和二年度の会計別予算額について、表の上から順に申し上げます。
まず、一般会計は三百七十三億七百万円でございます。
次に、特別会計ですが、都営住宅等事業会計は一千六百八十四億八千七百万円、都営住宅等保証金会計は二十四億五千六百万円でございます。
これら全ての会計の合計は二千八十二億五千万円でございます。前年度の当初予算と比較いたしますと、十億一千八百万円、〇・五%の減となっております。
資料の詳細につきましては、後ほど住宅企画部長から説明をいたしますので、私からは、当初予算案のポイントについてご説明申し上げます。
まず、一般会計についてでございます。
初めに、住宅セーフティーネット機能の構築についてでございますが、不動産事業者、貸し主のセーフティーネット住宅への登録意欲の向上を図る新たな補助制度を創設し、登録促進を図ってまいります。
次に、空き家対策でございます。
区市町村等と連携したこれまでの取り組みに加え、民間事業者の取り組みへも新たに直接財政支援を行うことにより、民間活力も最大限活用しながら、空き家施策に重層的に取り組んでまいります。
次に、老朽マンション対策でございます。
区市町村や関係団体等と連携しながら、マンション管理条例に基づく届け出制度の円滑な運営を図り、管理不全の兆候のあるマンション等への支援を実施してまいります。
次に、未来の東京戦略ビジョンの具体化に向けた施策の推進でございます。
今後想定される東京都住宅マスタープランの改定や、住宅政策における5G活用について、必要な検討を実施してまいります。
続いて、都営住宅等事業会計についてでございますが、まず、地域の居場所づくりでございます。
未来の東京戦略ビジョンの早期実現に向けた取り組みとして、都営住宅等を活用した居場所づくりに係る事業を実施してまいります。
次に、公営住宅建設事業等でございます。
都営住宅を良質なストックとして維持更新していくため、計画的に建てかえを推進するとともに、敷地の有効利用により創出した用地の活用を通じて、地域のまちづくりに寄与してまいります。
最後に、都営住宅耐震改修事業でございます。
耐震改修への課題となる併存店舗つき住棟の対応について、引き続き買い取り等の支援業務委託を活用するなど、各店舗の合意形成を加速してまいります。
次に、令和元年度補正予算案についてご説明申し上げます。
お手元の資料2、令和元年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。令和元年度住宅政策本部補正予算総括表でございます。
この補正予算案は、現時点で執行しないことが明らかな事項について不用額を精査いたしまして、必要な予算上の対応を行うものでございます。
表の中央、縦の列にございます補正予算額欄をごらんください。
令和元年度補正予算額は、一般会計においてマイナス十億九千二百万円でございます。
次に、条例案についてご説明を申し上げます。
お手元の資料3、令和二年第一回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
東京都営住宅条例の一部を改正する条例案でございます。
民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行による公営住宅法の改正を踏まえ、明け渡し請求に係る利息に関する規定を改めるものでございます。
最後に、契約案についてご説明申し上げます。
お手元の資料4、令和二年第一回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。
大田区東糀谷六丁目などにおける都営住宅の工事請負契約議案が三件でございます。
私からの説明は以上でございます。
引き続き、詳細な内容につきまして、住宅企画部長よりご説明をいたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○佐々木住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 まず、令和二年度当初予算案についてご説明申し上げます。
お手元の資料1、令和二年度当初予算説明書をごらんください。
本部長から先ほど総括的にご説明いたしましたので、私からは、一般会計から順に主な事業の概要を中心にご説明申し上げます。
五ページをお開き願います。住宅政策本部一般会計総括表でございます。
歳出の二年度予算額の合計は、一番上の段、都市整備費の欄でございまして、三百七十三億七百万円、元年度予算と比較した増減率はプラス五・六%でございます。
次に、歳入の二年度予算額は、一番下から二段目、計の欄でございまして、五百五十一億六千万余円で、増減率はプラス三三〇・二%でございます。
歳入の大幅な増についてでございますが、都は、東京都住宅供給公社に対し、公社住宅の建設等に必要な資金を貸し付けており、今般、公社の財務体質をより強固なものとするため、有利子分について、計画よりも前倒しの繰り上げ償還を受けることとしたものでございます。
続いて、主要な事業につきましてご説明申し上げます。
七ページをお開き願います。表の左上、枠の外には予算科目の項を記載しておりまして、第五項、住宅政策費でございます。
表の一番上の段、第一目、管理費は、二年度の事業費と職員費合わせて三百十二億六千百万余円を計上してございます。
表の左側、中ほどに特定財源及び差引一般財源がございますが、以下、各目とも同様の形で記載させていただいております。
表の右側、概要欄に事業の詳細を記載してございます。
(4)の住宅政策に関する企画及び連絡調整のうち、ア、イ及びオは新規事業でございます。
アの東京都住宅マスタープラン策定のための基礎調査は、プランの改定を見据え、住宅等に関する基礎的データの収集、分析や政策指標の評価、検討等を行う基礎調査を実施するものでございます。
イの住宅政策における5G活用に係る検討調査は、5G、IoT活用による新たな施策についての検討を行うものでございます。
また、オの都営住宅を活用した単身高齢者の見守りシステム構築・実証プロジェクトは、大学提案の事業でございまして、AIを活用した単身高齢者の見守りシステム構築に向けた実証を都営住宅を活用して実施するものでございます。
八ページをお開き願います。
概要欄(6)のうち、イ、東京都住宅供給公社が多摩地域の公社住宅で行う移動支援にかかる実証実験プロジェクトでございますが、団地の活力低下等の課題を団地内の移動支援を通して解決する実証実験でございます。
一〇ページをお開き願います。第三目、民間住宅政策費は、事業費三十六億六千九百万余円を計上してございます。
概要欄の(1)、空き家施策推進事業のうち、アの空き家利活用等区市町村支援事業では、これまでの支援に加え、空き家を改修し、または除却後の跡地を防災備蓄倉庫等、防災に係る施設にする区市町村補助を拡充してまいります。
また、イの民間空き家対策東京モデル支援事業は、民間が企画提案する、将来、空き家となる可能性の高い住宅に向けた対策への補助や、民間が企画提案するTOKYO Data Highway等を活用した先端技術を駆使した空き家対策の取り組みへの補助などでございます。
概要欄の(2)、安心居住推進事業のうち、イの登録協力補助は、都内のセーフティーネット住宅、愛称東京ささエール住宅について、不動産事業者から貸し主への働きかけ等により、空き家、空き室が新たに専用住宅に登録された場合に、貸し主及び当該事業者に一定の報奨金を交付するものでございます。
また、見守り機器設置費等補助は、機器の設置等に係る初期費用を支援するモデル事業を実施するものでございます。
右側、一一ページをごらんください。第四目、マンション政策費は、事業費六億三千三百万余円を計上してございます。
概要欄の(1)のうち、アの適正管理啓発隊業務委託は、行政職員やマンション管理士等により管理不全の兆候があるマンション等を個別訪問するものでございまして、また、アドバイザー派遣費用助成は、届け出を行ったマンション等に対しアドバイザーを無料で派遣するものでございます。
加えて、届け出制度の実施に当たり、事務処理特例制度を活用するため、マンション管理条例に基づく事務処理特例交付金の計上や、分譲マンションに係る総合相談窓口の体制拡充を実施してまいります。
イのマンション再生支援検討調査は、敷地売却制度等について、国の動向も踏まえつつ、制度の活用を促進するための施策を検討するものでございます。
一七ページをお開き願います。繰越明許費でございます。
住宅建設事業等、合計十四億四千六百万円を見込んでございます。
続きまして、二一ページをお開き願います。債務負担行為でございます。
区市町村住宅建設工事費補助等、計三項目について、合計五億九千百万余円を見込んでございます。
以上が一般会計のご説明でございまして、引き続き、特別会計についてご説明申し上げます。
二五ページをお開き願います。都営住宅等事業会計総括表でございます。
歳出につきましては、表の一番上、都営住宅等事業費の欄をごらんください。
二年度予算額は千六百八十四億八千七百万円で、増減率はマイナス一・七%となってございます。
歳入につきましては、表の一番下、計の欄に記載のとおり、歳出と同額となってございます。
二八ページをお開き願います。第一項、都営住宅等事業費の第二目、住宅管理費は、事業費五百四十六億五千三百万余円を計上してございます。
右側、概要欄の(1)、都営住宅等の管理運営では、二年度における都営住宅等の管理予定戸数二十五万六千二百一戸に係る管理運営経費を計上してございます。
(2)、東京都住宅供給公社業務委託のうち、ウの環境整備では、共用部等における照明器具のLED化やブロック塀等の安全対策に取り組んでまいります。
エのその他のうち、食事提供サービスへの都営住宅施設活用事業では、都営住宅の集会所等を活用し、都営住宅や周辺地域に住む高齢者等が利用する、仮称ではございますが、大人食堂を開設してまいります。
また、シェア居住事業は、都営住宅等の空き住戸をシェア居住向けに整備するものでございます。
右側の二九ページをごらんください。第三目、住宅建設費は、事業費六百六十三億四千四百万余円を計上してございます。
概要欄の(1)、公営住宅建設事業等において、三千八百戸の都営住宅の建てかえや、これに合わせた無電柱化に取り組むほか、地域の居場所づくりに向けた検討調査を実施してまいります。
(2)、都営住宅耐震改修事業では、都営住宅耐震化整備プログラムに基づき、計画的に都営住宅の耐震化を進めてまいります。
ページが少し飛びますが、三五ページをお開き願います。繰越明許費でございまして、住宅建設事業について百四十四億八千二百万円を見込んでございます。
三九ページをお開き願います。債務負担行為でございまして、公営住宅建設工事等、計四項目について合計四百九十一億六千五百万余円を見込んでおります。
四三ページをお開き願います。都営住宅等保証金会計総括表でございます。
この会計は、都営住宅等の入居者からお預かりする保証金の経理を行っているものでございます。
二年度の歳出の計は二十四億五千六百万円で、歳入の計は百四億二千五百万円を計上してございます。
令和二年度当初予算案の説明は以上でございます。
続きまして、令和元年度補正予算案についてご説明申し上げます。
お手元の資料2、令和元年度補正予算説明書の二ページをお開き願います。一般会計の令和元年度住宅政策本部補正予算総括表でございます。
補正予算額を表の中央、縦の列で示してございます。
上の表、1、歳入予算の合計欄をごらんください。歳入の補正予算額合計はマイナス六千二百万余円でございます。
また、下の2、歳出予算の一番上の段になりますが、歳出の補正予算額合計はマイナス十億九千二百万円でございます。
続いて、事業の内容についてご説明申し上げます。
七ページをお開き願います。第五項、住宅政策費の補正予算額はマイナス十億九千二百万円でございます。
内容は、右側、概要欄に、このページから八ページにかけて記載しておりますとおり、安心居住推進事業や民間住宅支援事業などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
令和元年度補正予算案の説明は以上でございます。
次に、条例案につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料3、令和二年第一回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
三ページをお開き願います。東京都営住宅条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
1、改正の理由でございますが、民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行による公営住宅法の改正を踏まえ、明け渡し請求に係る利息に関する規定を改める必要があるためでございます。
2、条例案の概要でございますが、不正の行為によって入居した者に対する請求額の算定に係る利息を年五%から法定利率に改めるものでございます。
四ページには条例案文等を、五ページには新旧対照表を記載してございます。
最後に、契約案についてご説明申し上げます。
お手元の資料4、令和二年第一回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。
一ページから二ページには、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載してございます。
三ページをお開き願います。都営住宅三十一H-一一四東(大田区東糀谷六丁目)工事の概要でございます。
中段に記載のとおり、住宅の戸数は二百二十八戸、構造等は鉄筋コンクリート造、地上十一階建てが一棟でございます。
契約の相手方は株式会社松尾工務店、契約金額は二十四億六千八百四十万円、工期は令和五年二月二十二日までとなってございます。
四ページに案内図と配置図を、五ページから七ページに平面図と断面図を添付してございます。
八ページをお開き願います。都営住宅三十一H-一二八東(板橋区双葉町)工事の概要でございます。
中段に記載のとおり、住宅の戸数は百戸、構造等は鉄筋コンクリート造、地上六階建てが一棟でございます。
契約の相手方は株木建設株式会社、契約金額は九億三千二百八十万円、工期は令和四年二月十八日までとなっております。
九ページに案内図と配置図を、一〇ページから一一ページに平面図と断面図を添付してございます。
一二ページをお開き願います。都営住宅三十一H-一二二東(足立区江北七丁目)工事の概要でございます。
中段に記載のとおり、住宅の戸数は九十六戸、構造等は鉄筋コンクリート造、地上六階建てが一棟でございます。
契約の相手方は塚本建設株式会社、契約金額は八億八千百十万円、工期は令和三年九月十六日までとなってございます。
一三ページに案内図と配置図を、一四ページに平面図と断面図を添付してございます。
以上で令和二年第一回東京都議会定例会に提出を予定してございます案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○馬場委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○曽根委員 この後のマンション管理・再生促進計画についての関連資料もありますが、来年度予算の中におおむね含まれますので、まとめてここで資料要求をしたいと思います。
一つは、マンション管理アドバイザーの派遣実績。
二つ目、区市町村が実施しているマンション管理アドバイザー派遣の助成一覧。
三つ目、都及び区市町村が実施しているマンション耐震診断、耐震改修の助成一覧。
四つ目、マンションに対する耐震診断及び耐震改修の当初予算と規模及び助成実績、過去五年間、お願いします。
五つ目、マンション啓発隊の訪問実績、過去五年間、お願いします。
六つ目、都営住宅、公社住宅の十年間の建設実績。
七つ目、都営住宅及び公社住宅における孤立死の発生件数、過去十年間をお願いします。
以上です。
○馬場委員長 ほか、よろしいですか。--ただいま曽根委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。
○馬場委員長 次に、理事者から、東京マンション管理・再生促進計画(素案)についての報告聴取をいたします。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 去る一月二十七日に公表いたしました東京マンション管理・再生促進計画(素案)についてご説明申し上げます。
お手元の資料6が本編でございますが、資料5として概要をおつけしておりますので、本日はこちらで説明させていただきます。
資料5をごらんください。
この計画は、昨年三月に制定した東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例に基づき、マンションの基本的施策を具体化し、総合的かつ計画的に推進するため策定するものでございます。計画期間は、来年度から令和十一年度までの十年間でございます。
また、未来の東京戦略ビジョンにおきましても、マンションの適正な管理、再生の促進を位置づけております。
次に、2の今後十年間の目標と具体的な施策展開でございますが、条例に基づく届け出制度を活用して、適正管理から円滑な再生につながる切れ目ない支援策を展開してまいります。
(1)のマンションの適正な管理の促進と(2)の老朽マンション等の再生の促進の二つを施策の柱といたしまして、それぞれ三つずつ、計六つの目標を設定し、具体的な取り組みを記載しております。
まず、目標1は、管理組合による自主的かつ適正な維持管理の推進です。管理適正化指針の活用促進や、防災対策などマンションの社会的機能を高める取り組みの促進、アドバイザー制度など専門家の活用促進などに取り組んでまいります。
目標2は、本年四月から施行される管理状況届け出制度を活用した適正な維持管理の促進です。届け出制度の確実な運用や、把握した管理状況に応じた助言や支援等の実施などに取り組んでまいります。
目標3は、管理の良好なマンションが適正に評価される市場の形成です。既存マンションの管理情報の的確な提供促進などを掲げております。
目標4は、マンションの状況に応じた適切な再生手法を選択できる環境の整備です。都市居住再生促進事業等を活用したバリアフリー等の改修促進や、敷地売却制度に係る支援策の検討などに取り組んでまいります。
目標5は、旧耐震基準のマンションの耐震化の促進です。届け出制度等を活用した耐震化の取り組み状況の把握や、区市町村による助成制度の創設や拡充への働きかけなどに取り組んでまいります。
目標6は、まちづくりと連携した老朽マンション等の再生です。マンション再生まちづくり制度の活用促進などを掲げております。
以上が計画素案の概要でございます。
現在、本計画素案についてパブリックコメント及び区市町村への意見照会を行っており、お寄せいただいた意見等も踏まえ、年度内に計画を策定する予定でございます。
説明は以上でございます。
○馬場委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
以上で住宅政策本部関係を終わります。
○馬場委員長 これより都市整備局関係に入ります。
初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○佐藤東京都技監 本日は、令和二年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
提出予定案件は、予算案が二件、条例案が三件でございます。
初めに、令和二年度都市整備局当初予算案についてでございます。
お手元の資料1、令和二年度当初予算説明書の一ページをお開き願います。都市整備局所管全会計の予算総括表でございます。
会計別予算額につきまして、表の上から順に申し上げます。
まず、一般会計は一千三十一億四千百万円でございます。
次に、特別会計は六十三億百万円で、このうち都市開発資金会計は四十億五千五百万円、臨海都市基盤整備事業会計は二十二億四千六百万円でございます。
次に、公営企業会計の都市再開発事業会計は九十一億四千六百万円でございまして、これら全会計の合計は一千百八十五億八千八百万円でございます。
前年度の当初予算と比較いたしまして、六十八億七千百万円、五・五%の減となっております。
続きまして、資料1の参考資料としてお手元に配布しております令和二年度都市整備局当初予算案のポイントに基づきましてご説明申し上げます。
まず、当局予算案の基本的な考え方でございますが、東京二〇二〇大会の確実な成功と、この取り組みを都市のレガシーへと発展させること、また、高度成熟都市の実現に向けたまちづくりを着実に進めること、この二点に基づいて必要な経費を計上してございます。
次に、各施策における主な事業についてご説明いたします。
まず、1、都市の確実な安全と安心の確保でございます。こちらは、木密地域の整備や建築物の耐震化の促進など、災害に強い都市づくりを推進するものでございます。
主な事業といたしましては、耐震改修促進事業や特定整備路線等の整備、不燃化特区制度、総合治水対策事業、無電柱化の面的な展開などがございます。
次に、2、人、物の交流ネットワークの機能強化でございます。こちらは、道路や鉄道、空港等のインフラ整備や交通結節機能の強化などを推進するものでございます。
主な事業といたしましては、都市計画道路網や鉄道ネットワークの検討、東京BRTの整備、スムーズビズの推進や舟運の活性化などがございます。
次に、3、国際競争力の強化等に資する都市の再生でございます。こちらは、都市再生のさまざまな仕組みの活用や民間の力の誘導などにより、都市機能の更新と質の高いまちづくりを推進するものでございます。
主な事業といたしましては、品川駅周辺や築地地区、新宿駅周辺のまちづくりに加え、大会後のレガシーとなる選手村の整備や多摩ニュータウンの再生、鉄道駅のバリアフリー化などがございます。
最後に、4、快適な都市環境の形成でございます。こちらは、豊かな緑の保全、創出や美しい都市景観の誘導、形成など、美しく風格のある都市の実現に向けた取り組みを推進するものでございます。
主な事業といたしましては、日本橋周辺の首都高の地下化や生産緑地公園補助制度、外堀の水質改善検討調査などがございます。
次に、令和元年度都市整備局補正予算案についてご説明申し上げます。
お手元の資料2、令和元年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。令和元年度都市整備局補正予算総括表でございます。
表の中央、縦の列にございます補正予算額の欄をごらんください。
令和元年度補正予算額は、一般会計において百五十一億二千百万余円でございます。
この補正予算案は、この後の条例案のところでご説明いたします緑あふれる東京基金を新たに設置するほか、現時点で執行しないことが明らかな事項について不用額を精査いたしまして、必要な予算上の対応を行うものでございます。
続きまして、条例案についてご説明申し上げます。
お手元の資料3、令和二年第一回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
まず、東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございます。
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律の施行等に伴い、建築物エネルギー消費性能基準に適合している旨の認定の申請に関する手数料に係る規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
次に、東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例案でございます。
地域の特性に応じたプロジェクションマッピングの活用を図るため、プロジェクションマッピング活用地区に係る規定を設けるほか、所要の改正を行うものでございます。
次に、緑あふれる東京基金条例案でございます。
都市における生産緑地、樹林地などの保全や新たな緑の創出などにより、緑を一層豊かにし、ゆとりと潤いのある東京の実現に資する事業に要する資金に充てるため、緑あふれる東京基金を設置するものでございます。
私からの説明は以上でございます。
引き続き、詳細な内容につきまして、次長の方からご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願いします。
○桜井次長 まず、令和二年度都市整備局当初予算案についてご説明申し上げます。
お手元の資料1、令和二年度当初予算説明書をごらんください。
先ほど都技監から総括的にご説明いたしましたので、私からは、主な事業の概要について一般会計から順にご説明申し上げます。
恐れ入りますが、五ページをお開き願います。都市整備局一般会計総括表でございます。
歳出の令和二年度予算額の合計は、一番上の段、都市整備費の欄でございまして、一千三十一億四千百万円、令和元年度予算と比較した増減率はマイナス〇・四%でございます。
次に、歳入の令和二年度予算額は、一番下から二段目、計の欄でございまして、五百一億六千四百万余円で、増減率はマイナス四・八%でございます。
続いて、主要事業につきましてご説明申し上げます。
八ページをお開き願います。表の左上、枠の外には予算科目の項を記載しておりまして、第一項、都市整備管理費でございます。
表の一番上の段、第二目、企画調査費は、令和二年度の事業費として二十億五千万余円を計上し、前年度比較一億九千万余円の増となってございます。
表の左側、中ほどに特定財源及び差引一般財源がございますが、以下、各事業とも同様の形で記載させていただいております。
表の右側、概要欄に事業の詳細を記載してございます。
(1)の総合計画に関する調査のうち、イの築地地区まちづくり調査は、先行整備を行う第ゼロ段階の船着き場周辺エリアにつきまして、民間事業者からの提案募集に向けた募集要項の公表を行うものでございます。
ウの臨海地域のまちづくり検討調査は、東京ベイエリアビジョンの策定に向け、まちづくりに係る調査検討を実施するものでございます。
エの品川駅・田町駅周辺整備計画策定調査は、今年度末に改定予定のまちづくりガイドラインに基づくデザインや都市計画決定に向けた検討を行うものでございます。
カの多摩の拠点づくりの取り組みの促進は新規事業でございまして、多摩地域におけるイノベーション創出拠点の整備に向けて、まちづくりの検討を行う市や町を支援するものでございます。
キの先端技術を活用したまちづくりの検討も同じく新規事業でございまして、西新宿や南大沢といった5G重点整備エリアにおいて、民間企業と連携し、データの収集、分析や実証実験等を行うほか、都市のデジタルマップ作成に向けた調査等を行うものでございます。
また、(4)の生産緑地公園補助制度は、都市計画公園区域内における生産緑地を買い取る区市を支援するものでございます。
一〇ページをお開き願います。第三目、水資源対策費は、事業費六億八千万余円を計上してございます。
概要欄の(3)、外堀の水質改善検討調査は新規事業でございまして、外堀の浄化に向け、導水などの水質改善策について、地元自治体や関係機関と連携して検討を進めるものでございます。
一三ページをお開き願います。第二項、都市基盤整備費の第二目、都市基盤調査費は、事業費百四十七億二千四百万余円を計上してございます。
概要欄の(2)、総合治水対策事業のうち、イ及びウにおいて、雨水浸透ますや一時貯留施設等の設置に取り組む区市を支援するほか、オの地下街浸水対策の検討調査では、大規模地下街における避難経路や雨水流入箇所について、施設管理者とともに調査を行ってまいります。
また、(3)の施設計画に関する調査のうち、イの東京の都市計画道路網の検討調査等は、今年度策定した基本方針を踏まえて、個別路線の検討や都市計画変更手続等を行うものでございます。
オの広域交通ネットワーク形成等に関する調査は、国の答申において事業化に向けて検討などを進めるべきとされた鉄道六路線を中心に、関係者とともに検討をさらに深めていくものでございます。
カの広域交通の快適な利用に関する実施運営等業務は、東京二〇二〇大会のレガシーにつなげていくため、交通需要マネジメントやテレワーク、時差ビズなどの取り組みをスムーズビズとして一体的に推進するものでございます。
ケの都心と臨海副都心とを結ぶBRT整備事業は、臨海地域の交通需要の高まりに速やかに対応するため、利用者に優しく環境面でもすぐれたBRTの停留施設や交通ターミナルの整備等を実施するものでございます。
一四ページをお開き願います。
ヌの地域公共交通の充実強化は新規事業でございまして、地域特性に応じた効率的な地域公共交通ネットワークの形成に向けた検討のほか、デマンド交通に関する実証実験を行う区市町村への支援を行うものでございます。
右側、一五ページをごらんください。第三目、都市基盤施設等助成費は、事業費二百三億一千万余円を計上してございます。
概要欄の(1)、都市高速鉄道建設助成等のうち、ア及びイは、交通局及び東京地下鉄株式会社が行う駅のバリアフリー化や耐震補強に対して補助等を実施するものでございます。
(2)、鉄道駅総合バリアフリー推進事業は、鉄道事業者が行う駅へのホームドアやエレベーター、多機能トイレ等の整備に助成を行うものでございます。今年度策定した優先整備に関する考え方を踏まえ、利用者十万人未満の駅にも補助を拡充するなど、取り組みをより一層進めてまいります。
一七ページをお開き願います。第三項、市街地整備費の第一目、管理費は、事業費四十七億一千五百万余円を計上してございます。
概要欄の(5)、市街地整備事業に関する検討調査のうち、イの災害に強い首都東京の形成に向けた検討は新規事業でございまして、水害対策や地震対策をハード、ソフトの両面から効率的、効果的に進めるため、国と連携し、防災まちづくり施策を検討するものでございます。
(6)の宅地開発無電柱化パイロット事業も同様に新規事業でございまして、開発行為における無電柱化を促進するため、まだ事例の少ない手法や新たな整備手法に取り組む事業者を支援するものでございます。
一九ページをお開き願います。第二目、都市防災施設整備事業費は、事業費五十六億六千七百万余円を計上してございます。
概要欄の(3)、防災都市づくり推進計画に関する検討調査は、今年度末に改定予定の基本方針に引き続き、来年度、各区の整備プログラムを取りまとめ、計画全体の改定を行うものでございます。
(4)の防災密集地域再生促進事業は、木造住宅密集地域において、住宅の建てかえや共同化等により不燃化を促進する事業でございます。
このうち、キの木密地域不燃化促進支援モデル事業は新規事業でございまして、無接道敷地における建てかえの促進や、地域特性を生かした魅力的なまち並みを有する住宅市街地への再生を目指す区の取り組みを支援するものでございます。
二三ページをお開き願います。第六目、都市改造費は、事業費三百三十一億七千二百万余円を計上してございます。
概要欄の(2)、都施行区画整理は、六町など四地区において都施行の区画整理事業を実施するものでございます。
また、(3)の沿道一体整備及び(4)の地域と連携した延焼遮断帯形成事業は、重点整備地域における延焼遮断帯や、避難、救援活動の空間となる都市計画道路の整備とあわせて、建物の共同化や効率的な土地利用に向け、沿道まちづくりの促進を図るものでございます。
(5)の新宿駅直近地区整備事業は、都による区画整理事業を予定しておりまして、令和十七年度の概成を目指し、来年度は駅前広場やデッキの設計等を行うものでございます。
(6)のオリンピック・パラリンピック選手村の整備は、大会時に水素エネルギーのプレゼンテーション事業を行い、大会後は令和四年度のまち開きに向けた都市基盤等の整備を行うものでございます。
二五ページをお開き願います。第七目、ニュータウン事業費は、事業費十六億七百万余円を計上してございます。
概要欄の(1)、多摩ニュータウンの再生等のうち、多摩ニュータウンの再生は、空き店舗や空き住戸等の活用や魅力的な生活関連サービスの導入、高齢者等の移動円滑化についての調査検討を行うものでございます。
二七ページをお開き願います。第四項、建築行政費でございます。第二目、建築指導費は、事業費六十億七千四百万余円を計上してございます。
概要欄の(1)、建築指導事務のうち、ウの高齢者、障害者等の宿泊施設利用状況等に係る調査は新規事業でございまして、昨年九月に施行されました条例の附則を踏まえ、宿泊施設に必要なバリアフリーの整備水準の検討に向けた調査を行うものでございます。
エの東京都駐車場条例に係る実態調査も同様に新規事業でございまして、輸送の小口化、多頻度化やカーシェアリングの普及拡大など、自動車利用環境の変化を捉えた附置義務駐車場の適正な配置に向けて、駐車施設に係る実態調査を行うものでございます。
(3)の耐震改修促進事業は、アからカのとおり、建築物の耐震化を促進するための支援を行うものでございます。
このうち、ア、緊急輸送道路沿道建築物耐震化促進事業等の段階的改修及び占有者が存する建築物に対する加算補助は新規事業でございまして、前者は、Is値〇・六に満たない改修であっても、〇・三以上とする場合には特別に補助を行うもの、後者は、占有者の移転費用などの追加的な費用に対して加算補助を行うことで、建物所有者の取り組みを後押しするものでございます。
恐れ入ります、ページが少し飛びますが、三三ページをお開き願います。繰越明許費でございます。
事業の性質上、年度内に支出が終わらない見込みのものにつきまして、あらかじめ繰越明許費として予算に定めておくものでございます。地下高速鉄道建設助成等、合計四十六億二千九百万円を見込んでおります。
続きまして、三七ページをお開き願います。債務負担行為について記載してございます。
債務負担行為は、複数年にわたる工事費等について、翌年度以降の債務の限度額を、期間を限ってあらかじめ決定しておくものでございます。晴海二丁目BRTターミナル、車庫整備工事設計委託等、計九項目について計上しております。
以上が一般会計のご説明でございまして、引き続き、特別会計についてご説明申し上げます。
四一ページをお開き願います。都市開発資金会計総括表でございます。
この会計は、都市施設の整備に要する用地の先行取得に係る経費の経理を行うものでございます。
令和二年度の歳出、歳入とも四十億五千五百万円を計上してございます。増減率はマイナス一八・一%でございますが、これは、過年度に行った用地の先行取得費相当額の一般会計への繰出金が減少するためでございます。
恐れ入ります、ページが少し飛びますが、四九ページをお開き願います。臨海都市基盤整備事業会計総括表でございます。
この会計は、臨海部の晴海、豊洲、有明北の三地区における広域的な都市基盤整備に係る経費の経理を行うものでございます。
令和二年度の歳出は二十二億四千六百万円、増減率はプラス六・四%でございます。
また、歳入の計は三十七億六千四百万余円、増減率はマイナス九・八%でございます。
以上で特別会計の説明を終わらせていただきます。
続きまして、公営企業会計の都市再開発事業会計についてご説明申し上げます。
恐れ入ります、ページが少し飛びますが、五九ページをお開き願います。都市再開発事業会計総括表でございます。
まず、収益的収支でございますが、令和二年度の支出の合計は一千五百万円で、前年度と同額となっております。
同じページの下段、資本的収支でございますが、一番下の段の支出は九十一億三千百万円で、前年度と比較して五十七億三千九百万円の減、増減率はマイナス三八・六%でございます。
恐れ入ります、ページが少し飛びますが、六四ページをお開き願います。泉岳寺駅地区における都市再開発事業費、三十五億四千三百万円を計上してございます。
羽田空港へのアクセスなど広域的な結節機能を担う泉岳寺駅において、駅施設の改良を実現するため、市街地再開発事業を実施するものでございます。令和二年度は、既存の建物解体や埋蔵文化財調査等を実施いたします。
令和二年度都市整備局当初予算案の説明は以上でございます。
続きまして、令和元年度都市整備局補正予算案についてご説明申し上げます。
お手元の資料2、令和元年度補正予算説明書の二ページをお開き願います。一般会計の都市整備局補正予算総括表でございます。
補正予算額を表の中央、縦の列で示してございます。
上の表、1、歳入予算の合計欄をごらんください。
歳入の補正予算額合計はマイナス十八億四千百万余円でございます。
また、下の2、歳出予算の一番上の段になりますが、歳出の補正予算額合計は百五十一億二千百万余円でございます。
続いて、事業の内容についてご説明申し上げます。
七ページをお開き願います。第一項、都市整備管理費の補正予算額は二百九十八億七千百万円でございます。
内容は、右側、概要欄に記載しておりますとおり、新たに緑あふれる東京基金を創設するほか、一枚おめくりいただきまして、八ページでございますが、国土調査の執行状況を踏まえて減額するものでございます。
右側、九ページをごらんください。第二項、都市基盤整備費の補正予算額はマイナス三十二億九千三百万円でございます。
これは、このページから次の一〇ページにかけて記載しておりますとおり、施設計画に関する調査や都市高速鉄道建設助成などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
右側、一一ページをごらんください。第三項、市街地整備費の補正予算額はマイナス八十一億六千二百万余円でございます。
このページから一五ページにかけて記載しておりますとおり、防災密集地域再生促進事業や市街地再開発事業助成などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
一六ページをお開き願います。第四項、建築行政費の補正予算額はマイナス三十二億九千四百万円でございます。これは、耐震改修促進事業の執行状況を踏まえて減額するものでございます。
令和元年度都市整備局補正予算案の説明は以上でございます。
次に、条例案につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料3、令和二年第一回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
三ページをお開き願います。東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
1、改正の理由でございますが、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律の施行等に伴い、建築物エネルギー消費性能基準に適合している旨の認定の申請に関する手数料に係る規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
2、条例案の概要でございますが、省エネ性能に係る基準認定方法及び評価方法を追加するほか、規定を整備するものでございます。
四ページから一九ページには条例案文等を、二〇ページから二八ページには新旧対照表を記載してございます。
三一ページをお開き願います。東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
1、改正の理由でございますが、地域の特性に応じたプロジェクションマッピングの活用を図るため、プロジェクションマッピング活用地区に係る規定を設けるほか、所要の改正を行うものでございます。
2、条例案の概要でございますが、(1)、プロジェクションマッピング活用地区の新設、(2)、公益を目的とした行事等のために表示するプロジェクションマッピングに係る許可手続等の適用除外について規定してございます。
三三ページから三八ページには条例案文等を、三九ページから四四ページには新旧対照表を記載してございます。
四七ページをお開き願います。緑あふれる東京基金条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
1、提案理由でございますが、都市における生産緑地、樹林地等の保全や新たな緑の創出などにより、緑を一層豊かにし、ゆとりと潤いのある東京の実現に資する事業に要する資金に充てるため、緑あふれる東京基金を設置するものでございます。
2、条例案の概要でございますが、基金の設置、積立額及び管理等に関する事項等について規定してございます。
四八ページから五〇ページには条例案文等を記載してございます。
以上で令和二年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○馬場委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○曽根委員 後の報告にも関連はありますけれども、提出予定の予算案を含めたこちらの内容として、資料要求をしておきます。
一つは、首都高速道路に対する出資金、貸付金の推移、過去十年分をお願いします。
二つ目、羽田新飛行ルートの実験飛行について、都に寄せられた都民の意見の件数及び主な内容をお願いします。
三つ目、東京における航空機能に関する調査のテーマについて、過去五年間分、お願いします。
四つ目、都市整備局所管の特定整備路線の進捗状況をお願いします。
五つ目、都市整備局所管の特定整備路線の予算及び支出額の推移、事業が始まって以来の経過をお願いします。
六番目、都及び区市町村が実施している木造住宅等への耐震診断、耐震改修の助成の一覧をお願いします。
七つ目、都が支援する区市町村の耐震化促進普及啓発活動事業の一覧をお願いします。
八つ目、生産緑地地区の区市別面積を過去五年間分、お願いします。
九番目、基地対策部が行っている米軍基地対策の部会の一覧及び開催状況をお願いします。
以上です。
○馬場委員長 ただいま曽根委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○馬場委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
初めに、請願一第四八号及び陳情一第七四号は内容に関連がありますので、一括議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○小野都市づくり政策部長 整理番号1、請願一第四八号、整理番号3、陳情一第七四号につきましては一括してご説明いたします。
お手元の資料4、請願・陳情審査説明表の一ページをお開きください。整理番号1、請願一第四八号、西日暮里駅前地区市街地再開発事業に関する請願についてご説明申し上げます。
本請願は、荒川区のシャリエ西日暮里を守る会代表の中西七代さん外十二人の方から提出されたものでございます。
請願の要旨でございますが、都において、西日暮里駅前地区市街地再開発事業について、荒川区西日暮里五丁目の用途地域を変更しないようにしていただきたい、また、用途地域を変更するのであれば、荒川区西日暮里五丁目三十五番から三十八番までの区域のみにしていただきたいというものでございます。
恐れ入りますが、二ページの配置図をごらんください。
本請願の対象となっている当地区は、JR山手線、京浜東北線西日暮里駅の北東側、日暮里・舎人ライナーの東側に接する点線で囲まれた西日暮里駅前地区市街地再開発事業予定区域でございます。
現在の用途地域の指定状況は、放射第一一号線沿道三十メートルまでの区域は、商業地域、建ぺい率八〇%、容積率六〇〇%、放射第一一号線沿道三十メートルを超えた区域は、準工業地域、建ぺい率六〇%、容積率四〇〇%、環状第四号線沿道三十メートルまでの区域の一部は、商業地域、建ぺい率八〇%、容積率五〇〇%が指定されております。
恐縮ですが、一ページにお戻りください。現在の状況でございます。
平成十八年度に、地元関係者により西日暮里五丁目まちづくり協議会が発足されました。
平成二十一年度に策定されました荒川区都市計画マスタープランにおいて、西日暮里駅周辺は、再開発による計画的な土地利用を図るべき地域として位置づけられております。
当地区におきましては、学校跡地等の公益施設と共存し、多様な施設が複合した駅前らしく活気のあるまちを目指すため、平成二十六年度に西日暮里駅前地区市街地再開発準備組合が設立されております。
区は、平成二十七年度に西日暮里駅周辺地域まちづくり構想を策定しており、当地区について、交通結節機能を生かした多様な魅力を備えた区内最大の広域拠点としてのまちづくりを推進する地区として位置づけられております。
準備組合は、再開発事業に向けた地元の合意形成状況を踏まえ、平成三十一年三月に区に対して都市計画決定の手続を進める旨の依頼を行い、再開発事業に関する計画案をまとめ、同年六月に権利者向け、九月に周辺住民を対象に説明会を実施しております。
また、区は組合との調整の上、都市計画原案を策定し、令和元年九月下旬に当地区における地区計画、第一種市街地再開発事業、用途地域、街路計画の決定等の都市計画原案の地元説明会を開催しますとともに、都市計画原案の縦覧を行っております。
区の原案説明会における住民からの意見を踏まえ、令和二年一月現在、組合は地元関係者へ個別に丁寧な対応を行っているところでございます。
続きまして、整理番号3、陳情一第七四号、荒川区西日暮里五丁目の用途地域の見直しに関する陳情についてご説明申し上げます。
お手元の資料4、請願・陳情審査説明表の七ページをお開きいただきたいと存じます。
陳情者は、荒川区の松本恒信さん外五十九人の方から提出されたものでございます。
陳情の要旨でございますが、都において、荒川区西日暮里五丁目の用途地域を変更しないようにしていただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、先ほどご説明しました整理番号1、請願一第四八号の現在の状況と重複するため、こちらでは省略させていただきます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○馬場委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○村松委員 意見だけ述べさせていただきます。
西日暮里駅前地区市街地再開発事業に関する請願及び荒川区西日暮里五丁目の用途地域の見直しに関する陳情についてでございます。
西日暮里は、JR、東京メトロ、日暮里・舎人ライナーの三路線が結節するなど、日暮里駅等と一体的な地域として荒川区内の重要な拠点に位置づけられております。
その一方で、西日暮里には駅前広場が未整備の上、今回、請願陳情のあった本地区は、廃校となった中学校跡地や細分化された土地などにより、駅前としてふさわしい土地利用がなされていないなど、まちづくり上の課題も見受けられます。
そのため、地元では、十年以上にわたって将来的な再開発を目指してまちづくりを検討してきたと聞いております。
その過程においてさまざまなご意見が出ているようですが、先ほどのご説明にもありましたように、現在、再開発準備組合において地元関係者へ個別に丁寧な対応を行っていると聞いております。
今回の請願陳情の要旨は、用途地域の変更をしないでもらいたいとのことですが、現在地元において対応している状況を踏まえ、現時点では継続審査をお願いしたいと思います。
地域のまちづくりは一義的には区の取り組みかと思いますが、都も広域自治体として、ぜひ区と連携してまちづくりの取り組みを支援していただきたいと要望して、意見表明とさせていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○曽根委員 私からも、西日暮里駅前地区再開発事業に関する請願と陳情について、まずちょっとこの経過についてお聞きしたいと思います。
まず、中西さん外十二名による請願一第四八号について質問をいたします。
請願者は、現在、シャリエ西日暮里という分譲マンションに住む区分所有者の方々が中心に、今回の西日暮里駅前再開発の話は、古くは十三年前に浮上していて、当時は同マンションがまだ築六年のころだったため、新築間もない、しかも住みやすいマンションを再開発で取り壊して高層の再開発ビルにみんな取り込まれるという話に乗ってくる人はほとんどいませんでしたが、築十五年を過ぎたころから、今より広くて眺望のよいぴかぴかのマンションに自前の資金も出さずに移転できるかのような話に影響されて、マンション居住者の中に分断が起きているということを非常に心配しているということでした。
そこでお聞きしますが、請願者の方々は、少なくとも分譲マンションの区分所有者としての権利が最後まで守られるということを望んでいるようですが、マンションが再開発組合に加わるかどうかを決めるに当たって、区分所有者の基本的な権利はどの程度保障されるのか、その点についてお聞きします。
○三宮防災都市づくり担当部長 都市再開発法に基づく再開発組合の設立認可に当たりましては、施行区域内の土地所有者及び借地権者それぞれの三分の二以上の同意を得ること、同意者の所有する土地等の面積の合計が三分の二以上であること等が法定要件となっております。
区分所有のマンションということでございますが、区分所有のマンションにつきましては、敷地を複数で共有していることになります。
共有宅地の場合は、都市再開発法第七条の二に基づき、一とみなし、同意した者の敷地の共有持ち分の割合の合計が同意した数となり、仮に全員が同意した場合は、一とみなすことになります。面積についても同様の考え方となります。
○曽根委員 これは、私は、非常に不利な立場に置かれたなと思います。自分の住むマンションが再開発に加わる場合、一旦取り壊されて、新しく再開発ビルの一角に住みかえざるを得なくなるわけですが、一般に、マンションの建てかえなどの場合は五分の四以上の区分所有者の同意が必要です。
しかし、この場合、再開発組合の設立を決める場合は、マンションの規模にかかわらずマンション全体で地権者一人とみなされ、たとえ区分所有者の例えば五分の四が反対していても、地権者としては一人掛ける〇・八、〇・八人分の権利しかないということになります。もちろん、面積要件がありますので、マンションの規模によっては、面積で三分の二にかなり匹敵するような場合もないとはいえませんが、地権者の数でいうと、マンションの区分所有者一人一人の権利は非常に小さくなってしまうということは明らかです。
マンション以外の地権者の三分の二以上が賛成すれば組合は設立できることになりますし、あとの反対の方も強制的に組合に入らざるを得なくなります。しかも、新しく獲得できる権利床については、これは今まで住んでいたマンションよりも通常は狭い部屋になることはほぼ確実で、追加の自己資金を出さない限り、前のマンションと同じ広さの部屋を確保することはかなり難しいことになりますし、またその間の一時的な仮移転を含めて、住みかえには大変な負担を覚悟しなければなりません。
現在のマンションの環境が住みやすく管理状況も良好であれば、多くの居住者がこのままの生活を望むというのは、私は当然だと思います。それを、本人たちの意思にかかわりなく、マンション以外の地権者の三分の二以上の同意でもって再開発に巻き込むようなやり方が実は法律上許されてしまっている現在の制度というのは、明らかに不備があるといわざるを得ないと考えます。
そして、もう一つ、陳情者であります松本さん外五十九人の方々の陳情は、この地域に長く住み、戦後復興の区画整理にも協力したと。日暮里・舎人線の事業にも協力して、私有地の一部を公共に提供して協力してきた。そのときの建てかえや改修の借金もまだ返済中の方もいるのに、また新たな再開発に加われというのは到底認められないので、都の権限で用途地域の変更をしないように求めるというもので、私はこれもまた極めてもっともな要望であると思います。
したがって、これらの請願陳情は、その要望内容を最大限酌み上げるべきと考えますが、少なくとも、再開発を進める荒川区や東京都として、地元住民と十分な協議の上、合意を得て進めるべきものであり、都議会としてその協議が調うまでは結論を出すべき問題ではないと考えます。
以上です。
○馬場委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
初めに、請願一第四八号を採決いたします。
お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、請願一第四八号は継続審査といたします。
○馬場委員長 次に、陳情一第七四号を採決いたします。
お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一第七四号は継続審査といたします。
○馬場委員長 次に、陳情一第四九号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○青柳市街地建築部長 お手元の資料4、請願・陳情審査説明表の三ページをお開きください。整理番号2、陳情一第四九号、(仮称)千代田区三番町二十六計画に関する陳情についてご説明申し上げます。
本陳情は、千代田区の番町・九段の将来を考える会代表、久保寺由紀子さん外三人から提出されたものです。
陳情の要旨でございますが、都において、(仮称)千代田区三番町二十六計画の建築許可の審査に当たっては、住民の意見を踏まえ、建築基準法の総合設計制度の趣旨と千代田区の諸計画の目標等を尊重し、慎重に検討していただきたいというものです。
本件建築物の計画地につきましては、恐れ入りますが、五ページの上段の位置図をごらんください。
計画地は、千代田区三番町二十六番一外で、JR市ケ谷駅東口、市ケ谷駅交差点から九百メートルほど東に位置しております。
五ページの下段には、本件建築物の配置図を載せております。
本件建築計画の概要につきましては、恐れ入りますが、四ページをごらんください。
建築物の用途は共同住宅、階数は地上十七階、地下二階、高さは地区計画に適合した五十九・九九五メートルという計画です。
恐れ入りますが、三ページにお戻りいただきたいと存じます。現在の状況でございます。
令和元年七月、(仮称)千代田区三番町二十六計画の建築主である三菱地所レジデンス株式会社は、千代田区建築計画の早期周知に関する条例に基づき、建築計画の標識を設置しました。
同月、建築主は、近隣関係住民への説明会を二回実施しました。
同年九月、建築主は、東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づき、建築計画の標識を設置しました。
同年十月、陳情者が都議会に対し、陳情書を提出しました。
同月、陳情者等が都知事に対し、都条例に基づく陳情書及び紛争調整申出書を提出しました。
同年十一月、千代田区議会に対し提出されていた本件と同様の趣旨の陳情につきまして、審査の結果、陳情者や近隣住民の理解が得られるよう丁寧な説明を行うことを区として建築主に求める旨の決議がなされ、陳情審査は終了しました。
令和二年一月末現在、都は、同条例に基づき三回のあっせんの場を設けており、当事者間で話し合いが行われております。
なお、令和元年十一月、建築主から都に対し、総合設計許可申請が行われました。
許可申請の内容は、東京都総合設計許可要綱等の要件を満たし、千代田区の都市計画マスタープラン、三番町地区地区計画を踏まえたものであることから、都はこれを受理しました。
その後、都は、東京都総合設計許可要綱に基づき、建築計画に係る図書を利害関係人の縦覧に供した上、同年十二月に公聴会を開催しております。
都は今後とも、建築主に対して近隣関係住民の方々に十分な説明を行うよう指導するとともに、あっせんの機会を活用し、当事者双方が和解に向けた話し合いを円滑に行えるよう努めてまいります。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○馬場委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○関野委員 それでは、陳情一第四九号、(仮称)千代田区三番町二十六計画に関する陳情について、意見表明を行わせていただきます。
東京都としては、これまで三回のあっせんの場を設けており、当事者間で話し合いが行われていると、この陳情の趣旨の現在の状況等にも書いてあります。
また、区議会に対しても陳情が出され、こういった議決がなされているというところから、都としては、今後も建築主に対して近隣住民の方々に十分な説明を行い、理解が得られるよう指導し、当事者双方が和解に向けた話し合いを円滑に行えるよう調整されるというふうにも書かれておりますし、説明でもありました。
こういった経過を見守る必要があると考え、継続審査としていただきたいと要望をして、意見とさせていただきます。
○古城委員 私も、陳情一第四九号、(仮称)千代田区三番町二十六計画に関する陳情に関連して質問をいたします。
私は、先般、この陳情の争点となっている建築計画地周辺を訪れ、既に解体工事が着手されている現場及び周囲の状況をつぶさに確認をしてまいりました。
先ほどご説明がありました請願・陳情審査説明表の五ページの位置図のとおりでありまして、周辺には大学や中学、高校、さらには区立の小学校、幼稚園、そして大使館等もある、そういう地域でございます。
その上で、後ほども触れたいと思いますけれども、三番町地区地区計画の地区計画の目標にも示されているとおり、落ちついたまち並み、内堀などの歴史性を生かし、住宅、業務施設、店舗、教育施設等が共存する緑に囲まれた良好な市街地の形成が期待される地域であることを実感してまいりました。
さて、千代田区議会企画総務委員会において、昨年十一月、東京都に千代田区三番町二十六計画の慎重な扱いを求める意見書提出を要望する陳情の審査が行われました。
その際に配布された資料の一つである(仮称)千代田区三番町二十六計画早期周知条例説明会という資料が、千代田区議会議事録において公開されています。
それによれば、当該敷地の規制等について、用途地域は商業地域、第二種住居地域、容積率は四七〇・八一%、建ぺい率は九四・一六%、その他の規制として、第二種文教地区、第二種中高層住居専用地区、高度地区規制なし、日影規制なしとともに、三番町地区地区計画(B地区)と記されております。
千代田区においては、平成十年三月に千代田区都市計画マスタープランが策定され、地区特性に応じた地区計画の導入に向けた話し合いや検討が区内各地で始まったとのことであります。
この一連の中で、冒頭にも、また今も申し上げました三番町地区地区計画は、平成十八年九月十四日付で千代田区によって都市計画決定されております。
この地区計画における建築物等の高さの最高限度について、区議会の陳情審査では、区の建築指導課長から、この地区、基本は最高限度五十メートルとなっておりますけれども、総合設計の場合、最高限度の高さは六十メートルということで記載がされておりまして、この形で事業者の方は建築を計画しているようでございますとの説明がなされています。
また、先ほど述べました配布資料における計画概要の方には、本計画は東京都総合設計許可要綱を適用し、敷地面積の一部に公開空地を設定することにより、容積率と高さ制限の緩和を受けますとも記載をされております。
このように、総合設計を活用して建築を計画する建築主等に対して、陳情者は、本計画について、総合設計制度の趣旨等を尊重し、慎重に検討することを求めています。
このように、当事者双方が総合設計に触れていますので、初めに、総合設計制度の概要についてお尋ねをいたします。
○青柳市街地建築部長 総合設計制度は、建築基準法の規定に基づき、一定規模以上の敷地面積及び一定割合以上の空地を有する建築計画について、その容積及び形態の制限の緩和を許可するものでございます。
その目的は、建築敷地の共同化及び大規模化による土地の合理的な利用の促進並びに公共的な空地空間の確保による市街地環境の整備、改善等を図ることでございます。
○古城委員 それでは、本陳情においては、総合設計制度に関してどのような状況なのでしょうか。改めて、これまでの経過も含めてお尋ねをいたします。
○青柳市街地建築部長 令和元年十一月、建築主から都に対し、総合設計の許可申請が行われ、申請の内容が東京都総合設計許可要綱等の要件を満たし、千代田区の都市計画マスタープラン、三番町地区地区計画を踏まえたものであることから、これを受理しております。
同月、都は、許可要綱に基づき、建築計画に係る図書を利害関係人の縦覧に供した上、十二月に公聴会を開催いたしました。
今後、当該計画について、学識経験者により構成される建築審査会において審査が行われる予定でございます。
○古城委員 既に受理されている本件総合設計の許可申請の手続においては、今答弁がありましたとおり、今後、学識経験者で構成される建築審査会での審査が予定をされているということでありますけれども、一方で、本陳情に係る建築計画については、陳情者と建築主との間で都によるあっせんのもと話し合いが行われているとのことであります。
そこで、この話し合いはどのような状況であるのか、お尋ねをいたします。
○青柳市街地建築部長 陳情者らは、本件計画について、昨年十月、都知事に対して、東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づき、陳情書及び紛争調整申出書を提出し、都はこれを受け、建築主の同意のもと、これまで三回のあっせんを開催しております。
あっせんの場では、周辺環境への影響などについて、住民側からの要望に応じて、建築主側が詳細に説明するなどの話し合いが行われております。
都は引き続き、中立、公正な立場から、建築主と住民の方々が和解に向けた話し合いを円滑にできるように努めてまいります。
○古城委員 ありがとうございます。千代田区の都市計画マスタープランでは、まちづくりの実現に向けての章、チャプターに、まちづくりの主役はそこに住む皆さんです、また、区内の企業の皆さんもまちづくりの重要な担い手です、行政は、皆さんが相互の合意のもとに主体的に進めようとするまちづくりを支援する役割を担っていますとの記載があります。
陳情者の方も千代田区民、そして本件の建築主も本社所在地が千代田区であることから、当事者双方の話し合いが進展し、ここにうたわれる相互の合意のもとにのとおり、区マスタープランの土地利用の方針の一つ、誰もが安全に快適に過ごせるまち、そして三番町地区地区計画が目指す良好な市街地に向けたまちづくりが進むことを期待したいと思います。
そして、ただいま答弁をいただきましたけれども、それによれば、都は引き続き、中立、公正な立場から建築主と住民の方々が和解に向けた話し合いを円滑にできるように努めていくとのことでありますから、今後の話し合いの経過を見守る必要がある、このように申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○和泉委員 私も、この千代田区三番町二十六計画に係る陳情について質疑を行います。
千代田区三番町二十六計画について慎重な建築許可の審査を求めるという内容の陳情です。
ご説明があったとおり、区議会にも本陳情と同様の趣旨の陳情が提出をされて、十月の十八日、そして十一月の十一日、この二回にわたって審議が行われています。敷地面積や建築面積、延べ床面積、構造等は先ほど説明があったとおりです。建築主は三菱地所レジデンス株式会社、延べ床面積が一万平方メートルを超える計画なので、建築確認及び総合設計の確認及び許可は、東京都が建築主事及び特定行政庁であるという説明が区からなされています。
私も、総合設計制度とはどういう制度なのか、許可に至るプロセスも含めて、また、この案件が現在その制度の中のどのような段階で、今後どのように進んでいくのかお聞きするつもりでおりましたけれども、古城委員が同様の質問をしておりますので、重複は避けたいというふうに思います。
説明にあるとおり、既に三回のあっせんが行われているということです。今回の建築物がまち並みを大きく変えてしまう、周辺の住環境に大きく影響する、このことからの心配や懸念に基づくものからだというふうに思います。
住民の方々の思いは、先ほどご答弁にあった当該物件についての公聴会での意見にもはっきりとあらわれています。
例えば、建物高さは地区計画の高さ五十メートルに抑えるべきだ、周辺は三十メートル以下の建物が壁面をそろえているが、計画建物は一気に六十メートルで建ち上がり、まち並みを破壊している、高さ四メートルの屋上の巨大なフェンスは地区計画に反する、公開空地に関しても、人が入れる範囲は幅一・八メートルの歩行路だけで、人が憩える広場状空地ではない、強風の被害が不安である、計画建物は深刻な日影被害と反射光の害を起こす、駐車場の出入り口は児童の通行も多い大妻通り側ではなく裏側に設置をするべきだ、巨大な障壁のような建築物は通風を阻害しヒートアイランド現象を引き起こす、さまざまこのような不安が出されているわけです。
都は、二〇一七年に都市づくりのグランドデザインをつくりました。これは全体として東京都内の超高層化、一極集中を加速させるもので、大いに問題があるというふうに私たちは考えていますが、その中での知事の冒頭の言葉では、環境への配慮、社会への貢献、都市のマネジメント、この英語の頭文字をとって、いわゆるESGの概念も取り入れた都市づくりを進めることが重要ということをいわざるを得ない。環境、社会貢献や都市のマネジメントを考えるならば、建築者は周辺の住民の声をよく聞いて取り入れた調和のとれたまちづくりを目指すことは避けられない課題だというふうに思いますし、都も、そのようになるように支援をしていくべきだというふうに思います。
地元千代田区議会の陳情審査でも指摘されているのは、周辺の住民の意向を反映させる仕組みをどうやってつくるのか、現行の制度にその仕組みはちゃんと担保されているのかということです。
千代田区の都市マスタープラン、早期周知条例に基づく住民参加のまちづくりが丁寧に行われていないという趣旨の意見が、二回にわたる質疑の中で多くの議員から出されているんです。
また、都が許可する案件だと、ビル風の問題とか、どう考えても、ちょっとこういう建物ができたら困るなというときにも、書類がそろっていたら何もいえないのか、このような質問も出されています。
これに対して区は、建築審査会の方で必要があると判断するときは、関係人等の出席を求め、意見や説明を求めることができるとなっていて、現行制度の中でも意見をいう機会はあると、このように答弁しています。
都は、区議会で出されているこのようなもろもろの質問に対してどのように認識しているんでしょうか、伺います。
○青柳市街地建築部長 区議会で議論がなされたことは承知しております。
都は、令和元年十月、区議会での議論に先立ちまして、陳情者等からの紛争調整の申し出を受け、建築主に対して近隣関係住民の方々に十分な説明を行うよう指導を行ってきているところでございます。
○和泉委員 区の早期周知条例による説明会が七月に二回開催されていますけれども、それでも住民の皆さんが納得できるものになっていないから、紛争調停の申し出がなされ、三回のあっせんが行われているわけです。説明だけでは不十分だということではないのでしょうか。
区議会議事録は、その最後に、陳情の趣旨を踏まえ、陳情者の方々や近隣住民の方々が本件計画について十分な理解が得られるよう、都市計画マスタープラン、三番町地区地区計画に基づき、もう一段丁寧な対応を図ることを建築主に対して申し入れる、そのような趣旨の決議を受けて、都としてもこの点を踏まえて事業者へ指導する、また、建築審査会へ区議会からはこのような決議が上がっていることを報告として上げるべきだというふうに思いますが、いかがですか。
○青柳市街地建築部長 先ほど答弁いたしましたとおり、既に都は、建築主に対して近隣関係住民の方々に十分な説明を行うよう指導しております。
なお、区議会での陳情審査の結果につきましては、区の執行機関に対応を求めたものでございまして、都の建築審査会への報告は考えておりません。
○和泉委員 区議会は、住民が十分な理解が得られるように、もう一段丁寧な対応を求めるよう決議しているんですよ。区議会の決議です。私は、これは重く受けとめるべきだというふうに思います。
たとえ報告事項となっていなくても、公聴会でもこれだけ率直に住民の皆さんから懸念が出され、住民の意向を受けて区議会が決議をした。これは、このマンションの建築の計画をこのまま許可していいのかどうか、これを判断する上で大変重要です。たとえ報告事項とされていなくても、審査を進める上で参考とするべき重要なものとして、情報提供をするべきです。
そして、少なくともあっせんが行われている間は、建築審査会はそのことを尊重した慎重な審議を続けるべきです。
マンションが建った後にここに住む方たちと周辺の住民の皆さんとの良好な関係性のためにも、住民への丁寧な対応を都から指導するよう強く求めて、質疑を終わります。
○中村委員 それでは、私からも、千代田区三番町二十六計画に関する陳情について質問いたします。
私も質問に当たりまして、この現地を訪れさせていただきました。市ケ谷の駅から九段下まで、当該場所を含めて周辺を歩いてみましたけれども、非常に良好な住環境であり、こういったことを維持していきたいという住民の方々の思いというのも受けとめさせていただきました。
さて、本件について、身近なまちづくりというのは千代田区で行う権限だと思うんですが、本件の総合設計制度は都の権限のため、区議会でも一定の議論はしたようですが、都に対しても、都議会にも陳情が出されたということだと思います。
そこで、改めて、千代田区と都の役割分担はどのようになっているのか、その上で、千代田区ではこれまでどのような議論をされてきたのか、まず冒頭伺いたいと思います。
○青柳市街地建築部長 地元区は、身近なまちづくりを進めるため、区の都市計画マスタープランや地区計画の策定などを担っております。
一方、都は、広域的な都市づくりを進める立場から、都の都市計画マスタープランの策定、大規模な都市開発に関する都市計画や、延べ面積が一万平方メートルを超える大規模建築物の許可などに関する事務を担っております。
なお、本件計画は、千代田区内の建築物の建設が予定されていることにかかわって、千代田区議会にも同様の陳情が出され、区議会において審査されたと聞いております。
○中村委員 地区のことについては千代田区で議論されているんですけれども、法令上、一万平米を境にして区なのか都なのかというところで分かれてくるようではあるんですけれども、当然、地域のまちづくりということでございますので、千代田区の区議会での決議があったという話も先ほどありましたが、これも大変大事なことだと思っています。一万平米以上ということで、都の方で許可をすることにはなるんでしょうけれども、ぜひこれは区の方のこれまでの流れの方も重んじていただきたいというふうに思っています。
さて、今後になっていくわけですが、十二月に公聴会も行われたということですが、その内容も伺いたいと思います。また、現在、紛争予防条例に基づく三回のあっせんの場が設けられ、まだ当事者間の話し合いが続いているとのことです。都はどうかかわっているのか伺います。この話し合いと建築審査会のタイミングがどうなっているのかもあわせて伺います。
○青柳市街地建築部長 公聴会の内容についてでございますが、近隣住民から、建築物の高さを抑えるべきである、強風の被害が心配である、日影被害や反射光害を起こすのではないかなどの意見をいただいております。
当事者間の話し合いにつきましては、当該建築物が延べ面積一万平方メートルを超えるものであることを踏まえまして、都が、紛争予防条例に基づきあっせんを開催し、建築主と住民の方々が和解に向けた話し合いを円滑にできるよう努めているところでございます。
一方、総合設計の許可につきましては、建築基準法に基づき、今後、建築審査会に付議する予定でございます。
○中村委員 先ほどからも議論が出ておりますが、陳情の対象になっている案件については、都に総合設計制度の申請もなされたということです。陳情者からは、その趣旨を尊重するようにと主張されています。要件は整っているとして都は受理したとのことですが、許可する前に同意が必要な建築審査会ではまだ議論されていないので、詳細な審査はこれからだと思います。
とはいえ、都は申請は受理しているわけなんですが、現時点で建築主が制度を尊重されていると考えているのか伺います。
○青柳市街地建築部長 許可申請につきましては、千代田区の都市計画マスタープラン、三番町地区地区計画と整合し、東京都総合設計許可要綱等の要件を満たしていることから、都はこれを受理したところでございます。
○中村委員 今後、建築審査会に付議されるとのことですが、これは法律に適合していれば認めるというものなのでしょうか。陳情者の主張されるように、総合設計制度は、周辺環境に十分配慮することとありますが、こうした定性的な項目はどのように判断されるのでしょうか、伺います。
○青柳市街地建築部長 許可申請の内容は現在審査中でございますが、法令等に適合し、建築審査会の同意が得られた場合には許可を行うことになります。
総合設計における周辺環境に与える影響につきましては、中高層建築物の計画の際に建築基準法上、検証が必要となる日影に加えまして、風環境、交通混雑度などの項目について、事業者において通常大規模な開発の検討の際に行われている定量的な検証を行うことによって、それに基づき判断することにしております。
○中村委員 定量的な検証ということですけれども、日影とか、風環境とか、交通混雑度とか、それぞれについて、例えばこれを数値化して定量的な検証を行ったとしても、かなり大きな建築物ですし、総合して合わせたときにまち全体としてどうなのかということもあると思いますから、書類の方は形式的に受理されているんでしょうけれども、その中身一つ一つを見ていただいて、総合的な判断というのをぜひこれから慎重に行っていただきたいと思っています。
そこで、総合設計制度についても先ほどお話がされているんですが、さまざまな問題点が指摘されています。公開空地などを設けることで、容積率がアップするというインセンティブが与えられるわけですが、そうするならば、高層な建物が建築される地域にとってはその分負担がふえるわけですから、公開空地等が地域に与える利益と均衡していなければ、建築主だけが得をすることになってしまいます。
公開空地の内容を決める際には地域住民の声を反映させてもよいという説もあるようなのですが、この件について見解を伺います。
○青柳市街地建築部長 総合設計制度は建築基準法で定められた制度でございまして、公共的な空地空間の確保により市街地環境の整備、改善等を図るため、建築物の容積及び形態の制限の緩和を許可するものでございます。その際、周辺環境に十分配慮した計画とすることとなっております。
なお、公開空地については、建築物の容積率緩和の度合いとの関係において、その面積、形状、緑化のしつらえ等が一律の基準により定まるものとなっております。
○中村委員 公開の空地ということで、周辺の皆様が利用できるようなところになるわけですから、一律の基準ということではあるんですけれども、周辺の方々がそういった空地があることでいいんだというふうに思っていただけるよう、手続等も含めて反映されるように工夫していくことが必要ではないかというふうに思っています。
さて、都心の開発のために、建築に関する規制の大幅な緩和の中で、総合設計制度も緩和が進んできたわけですけれども、居住を誘導するということであったようなんですが、むしろ今、地方から東京へ、さらに東京の中でもよりセンター・コアへの集中が進んでいます。
マンションの高層化に伴い、都心ではマンション紛争も頻発し、総合設計制度が適用される物件では、通常の案件よりも紛争の発生率も高いようです。都議会にも多くの請願や陳情が出されています。現行の総合設計制度に適合すれば許可せざるを得ないのでしょうが、これだけ紛争が起こるならば、大もとの制度そのものが適切かも再検討する必要があると思います。
建築基準法には詳細な基準はないので、これは都としてどのような制度をつくるかにあります。防災力の強化のためなど、一定のインセンティブを与えて再開発を促進する要素はあるとは思いますが、周辺環境との調和も考える必要性があります。この点について見解を伺います。
○青柳市街地建築部長 総合設計制度は建築基準法で定められた制度でございまして、公共的な空地空間の確保により、市街地環境の整備、改善等を図るため、建築物の容積及び形態の制限の緩和を許可するものでございます。
制度の大枠は国の許可準則により定められており、都においてはさらに、例えば防災備蓄倉庫の設置を義務づけているほか、緑化面積に応じた容積率の割り増しやカーボンマイナスの取り組みに応じた容積率の割り増しを導入するなど、その時々の政策課題に応じた総合設計制度の充実を図ってまいりました。
また、先ほども答弁いたしましたとおり、総合設計制度においては、周辺環境に十分配慮した計画とすることとなっております。
これまで、恵比寿ガーデンプレイスやタカシマヤタイムズスクエアなど、昨年度末現在で七百四十五件の許可を行っており、東京の市街地環境の向上に大きく貢献してきたと考えております。
今後とも、総合設計制度の適切な運用に努めてまいります。
○中村委員 総合設計制度そのものは、高い建物を建てるためのものではなくて、インセンティブですから、周辺環境に十分配慮した計画とするということだということで、今もお話もありました。
改めて、本件の話に戻りますけれども、陳情者の方は、この件に関しては慎重な検討を求めています。丁寧な対応を都はすべきだというふうに思いますけれども、今後の都の対応について伺います。
○青柳市街地建築部長 都は今後とも、建築主に対して、近隣関係住民の方々に十分な説明を行うよう指導するとともに、あっせんの機会を活用し、当事者双方が和解に向けた話し合いを円滑に行えるよう努めてまいります。
○中村委員 先ほど来の議員の質問からも続いておりましたし、今の答えでもありました。近隣の方々に対して十分な説明を行うよう指導していただいて、当事者双方が和解に向けて話し合いが円滑に行えるよう、都の方にも努めていただくことをご要望いたしまして、質問を終わります。
○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一第四九号は継続審査といたします。
以上で請願陳情の審査を終わります。
○馬場委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
初めに、都市計画公園・緑地の整備方針及び緑確保の総合的な方針の改定について外二件の報告を聴取いたします。
○小野都市づくり政策部長 都市計画公園・緑地の整備方針及び緑確保の総合的な方針の改定についてご説明いたします。
この二つの方針につきましては、一昨年から都と区市町村合同で改定の検討を行っており、このたび改定案がまとまりましたので、ご報告させていただきます。
都市計画公園・緑地の整備方針からご説明いたします。
資料5をごらんください。
左上の囲みにお示ししたとおり、都市計画公園・緑地の整備方針は、都、特別区、市、町が合同で作成しており、都市計画公園、緑地の計画的、効率的な整備促進を図るため、計画期間中に優先的に整備に着手する優先整備区域の設定などの事業化計画を柱としております。
一つ下の囲みになりますが、現行整備方針とこれまでの成果でございます。
現行の優先整備区域四百三十三ヘクタールのうち、平成三十年度末現在、三百十六ヘクタールが事業中、百九ヘクタールが供用済みとなっております。
右側の改定のポイントでございますが、戦略ビジョンで示した緑あふれる東京の実現に向け、新たに優先整備区域の設定を行うほか、優先整備区域拡大のルールの明確化、優先整備区域内の建築制限の緩和を行うこととなっております。
改定案の概要をご説明いたします。
Ⅰ、事業化計画の更新、評価基準等の改定をごらんください。
計画期間は、令和二年度から十一年度までの十年間とし、優先整備区域の設定面積は、都、区市町合計で、現行より九十六ヘクタール増の五百二十九ヘクタールとなっております。
事業主体別の内訳は表のとおりでございます。
資料6の都市計画公園・緑地の整備方針改定案の三四ページをごらんください。
このページから四〇ページまでに、事業主体別の優先整備区域の一覧を、都、特別区、市、町の順で掲載しております。
優先整備区域を設定した公園、緑地の位置につきましては、四一ページの位置図でご確認いただけます。
資料5にお戻りいただきまして、先ほどの表の右側のⅡをごらんください。今回の改定後に都市計画決定した公園、緑地の扱いでございます。
緑確保の総合的な方針の確保地などを都市計画決定した場合、優先整備区域とし、整備を進めることといたします。
一つ下のⅢは、優先整備区域で建築が認められていなかった木造建築物等の三階建てを建築可能とする建築制限の緩和でございます。
このほか、Ⅳにございます多様な事業主体との連携等を推進するために、公園まちづくり制度の推進、換地手法の活用など、今後の検討の方向性についても記述しております。
今後の予定ついて、右下のスケジュール案をごらんください。
本日二月十三日より三月十九日まで、都と区市町同時にパブリックコメントの募集を行い、五月の改定、公表を予定しております。
続きまして、資料5の裏面をごらんください。
緑確保の総合的な方針は、都、特別区、市町村が合同で策定をしており、減少傾向にある民有地の既存の緑の計画的な保全を目的とし、今後十年間に確保することが望ましい緑を確保地として場所と面積を公表するとともに、まちづくりで創出する緑や先導的に取り組む緑施策を提示しております。
一つ下の囲みになりますが、これまでの成果といたしましては、現行計画の確保地、合計四百三十九ヘクタールのうち、これまでに三百十五ヘクタールが確保済みとなっております。
改定後の計画期間は、令和二年度から十一年度までの十年間となっております。
右側の改定のポイントでございますが、戦略ビジョンを踏まえ、将来に引き継ぐべき樹林地や農地の保全を推進すること、骨格的な緑の充実等を目指して新たな確保地の設定と施策の提示を行うこと、特定生産緑地を確保の水準として新たに設け、生産緑地を保全すべき農地として明確化することとなっております。
改定案の概要をご説明いたします。
Ⅰ、既存の緑を守る方針では、既存の緑を、丘陵地、崖線、農地などに分類し、確保地を抽出しております。
表に記載のとおり、水準一から三の合計で約三百四ヘクタールを設定しております。また、特定生産緑地の水準につきましては、合計で約二千八百九十四ヘクタールを設定しております。
資料7、緑確保の総合的な方針(改定案)の三三ページをごらんください。こちらに確保地の総括表を掲載しております。
三四ページから四一ページまでに個別の確保地の内訳を掲載しておりますので、そちらで所在地や面積等をご確認いただけます。
資料5の裏面に戻りまして、先ほどの表の右側、Ⅱ、まちづくりで緑を創出する取り組みにおきましては、計画期間中にまとまった緑を創出する主なまちづくり事業をリストアップしますとともに、民間開発による緑化空間や公園緑地等をつなぐ緑のネットワークの考え方を提示しております。
Ⅲ、緑の確保をさらに推進する取り組みにおきましては、緑の保全や創出を推進する先導的な取り組みについて、都市開発諸制度等の活用による緑の保全、創出などの施策を提示しております。
右下のスケジュール案につきましては、整備方針と同様に、本日二月十三日より三月十九日まで、都と区市町村同時にパブリックコメントの募集を行い、五月に改定、公表を予定しております。
説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○三宮防災都市づくり担当部長 続きまして、防災都市づくり推進計画の基本方針の改定についてご報告いたします。
資料は、お手元の資料8をごらんください。
都は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、市街地の防災性を向上させるため、平成八年に策定した防災都市づくり推進計画以降、平成二十四年には木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、重点的、集中的な取り組みを実施しているところでございます。
このたび、これまでの取り組みの成果や課題に加え、新たな視点も踏まえた効果的な施策を展開するため、本計画を改定することといたしました。
本計画は、目標設定や整備方針を規定する基本方針と、基本方針に基づく具体的な整備計画を定める整備プログラムとで構成されております。このうち基本方針について改定するものです。
二ページをお開き願います。次に、基本方針改定案の概要についてご説明いたします。
まず、基本方針の概要でございますが、十年間の重点的、集中的な取り組みとして実施してきた不燃化特区制度の活用や特定整備路線の整備について、取り組みを五年間延長し、引き続き整備地域の不燃化を強力に推進してまいります。
次に、計画期間は二〇二一年度から二〇三〇年度までの十年間でございます。
次に、目標でございますが、現行計画の目標の達成見込みは地域の状況によって差があることから、地域ごとの状況や課題を踏まえ、それぞれの地域で効果を上げていくための目標を設定いたします。
まず、延焼遮断帯の形成につきましては、整備地域内の現状の形成率は六五%でございますが、目標設定に当たっては、特定整備路線を二〇二五年度までに全線整備し、あわせて沿道建築物の不燃化を進めることを考慮し、二〇三〇年度までに七五%を目指します。
次に、市街地の整備につきましては、整備地域のうち、市街地の焼失率がほぼゼロとなる不燃領域率七〇%以上の地域数は、現状で四地域でございますが、不燃化特区の取り組みや、後ほどご説明する整備地域における主な施策などにより不燃化を加速させ、七〇%以上の地域数を二〇二五年度までに半数以上、さらに二〇三〇年度までに全二十八地域とすることを目指します。
また、重点整備地域は、現状では地域全体の不燃領域率が五六%でございますが、二〇二五年度までに全ての地域で七〇%以上を目指しつつ、少なくとも各地域で一〇ポイント以上の向上を目指します。
次に、三ページの主な施策でございますが、木造住宅密集地域においては、市街地状況に応じた規制、誘導等として、敷地面積の最低限度の設定や防火規制等の指定による敷地の細分化防止や、建築物の不燃化を促進してまいります。
整備地域においては、地域の特性に応じ、事業や規制、誘導等を効果的に展開していくため、原則として新防火区域の指定を引き続き進めるとともに、建てかえが進まない街区の改善に向けた無接道敷地における建てかえ促進、都市開発諸制度の運用等による民間活力の活用、空き家の除却など、さまざまな施策を展開してまいります。
また、整備地域等の改善に合わせて、地域の特性に応じた創意工夫による魅力的なまち並みの住宅市街地への再生を促進してまいります。
次に、重点整備地域においては、不燃化特区制度を活用し、従来よりも踏み込んだ特別な支援を継続してまいります。
具体的には、戸別訪問などにより不燃化への意識の向上を図るとともに、老朽建築物の除却や建てかえ等を引き続き支援してまいります。
また、多摩地域や区部西部を中心として、農地を有し防災性の維持向上を図るべき地域においては、農地の保全、活用を最大限図るとともに、やむを得ず宅地化される場合に備えて、必要に応じた規制、誘導の導入を促進してまいります。
恐れ入りますが、一ページにお戻りいただきまして、最後に、改定のスケジュールでございますが、基本方針の改定案については、一月十六日から二月十七日までのパブリックコメントを経て、令和二年三月に基本方針として定め、公表いたします。
その後、基本方針に基づき整備プログラムを取りまとめ、令和二年度末に本計画を改定することとしております。
説明は以上でございます。
○青木耐震化推進担当部長 続きまして、東京都耐震改修促進計画の改定についてご報告いたします。
資料は10と11を用意してございまして、資料10に基づきご説明いたします。
1、経緯、背景に記載したとおり、今回改定しますのは、本年度末に耐震化率を九〇%とする目標を掲げておりました特定緊急輸送道路沿道建築物と、平成三十年に発生した大阪府北部地震におけるブロック塀倒壊被害などを踏まえて新たに加える組積造の塀に関する事項でございます。
2、改定の概要をごらんください。
特定緊急輸送道路沿道建築物につきましては、通行機能確保の観点から、区間到達率、総合到達率という新たな指標を導入し、耐震化を推進してまいります。
恐れ入ります、資料をおめくりいただきまして、二ページ目の図をごらんください。区間到達率図でございます。
区間到達率は、耐震診断によって明らかとなった建物それぞれの耐震性能に基づき、震災時における建物倒壊による道路閉塞の可能性をシミュレーションしたものでございまして、特定緊急輸送道路の都県境をスタート地点に設定し、任意のある区間に到達できるかどうかを百分率で示したものでございます。
図にありますとおり、令和元年六月末時点で、ごらんのようにそれぞれの区間ごと、左下の凡例の色分けのとおりとなっておりまして、数値が大きいほど、図で見ますと赤や黄色よりも、青の区間の方が到達できる可能性が高いということを示しております。
総合到達率は、区間到達率の都内全域での平均値で、図右上に示したとおり、九一・八%となっております。
資料一ページにお戻りください。
中ほどに記載してしておりますとおり、この指標によりまして、令和七年度末に総合到達率九九%、かつ区間到達率九五%未満の区間の解消、令和十七年度末に総合到達率一〇〇%とする目標としました。
この目標の達成に向けて、特に倒壊の危険性が高い建築物の段階的改修につきましては、二回目以降の工事が未定の場合でも一回目の工事を認めるとする補助要件の緩和や、占有者がいることにより追加的費用が生じるテナントビル等の所有者への補助の拡充などを進めてまいります。
組積造の塀につきまして、これはブロック塀などのことですけれども、特定緊急輸送道路の通行機能確保の効果をさらに高めるため、沿道の一定の塀に耐震診断を義務づけ、令和七年度末に耐震性が不十分なものをおおむね解消することを目標として取り組みを進めてまいります。
今後の予定ですけれども、三月末に計画の一部改定、四月一日に必要な規則の改正を行うこととしております。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○馬場委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。
この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩をいたします。
午後三時四分休憩
午後三時二十五分開議
○馬場委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
第二百二十九回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。
○佐藤東京都技監 来る五月十九日に開催予定の第二百二十九回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明申し上げます。
今回、都市計画の決定変更予定案件が区部で五件、市町村部で八件、それから町村決定の付議予定案件が十一件ございます。
なお、今回の都市計画審議会には付議いたしませんが、環境影響評価手続開始案件が区部で一件、市町村部で一件ございます。本日は、これらのうち主な案件といたしまして、都市再生特別地区内神田一丁目地区及び都市高速鉄道西武鉄道新宿線につきましてご説明申し上げます。
それでは、引き続き担当部長の方からご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 付議予定案件ナンバー1、東京都市計画都市再生特別地区内神田一丁目地区についてご説明いたします。
資料は、お手元の資料13、白色表紙、提案事項概要の五ページから九ページまで、資料14、薄茶色表紙、事前説明資料の五ページから一二ページまででございます。あわせて、資料15、若草色表紙、都市計画(素案)内神田一丁目地区もご参照ください。
本案件は、国家戦略特別区域法に基づき、国家戦略特別区域会議から東京都の都市計画審議会に付議が予定されているものでございまして、事業主体は三菱地所株式会社でございます。
資料14、事前説明資料五ページの位置図とあわせて、スクリーンをごらんください。
本地区は、幹線道路である都道四〇二号、都道四〇五号、日本橋川に囲まれた約一・〇ヘクタールの区域でございます。また、都市再生緊急整備地域である秋葉原、神田地域内に位置しております。
資料14、事前説明資料八ページの参考図1とあわせて、スクリーンをごらんください。
本計画は、神田、大手町エリアの回遊性向上を促す都市基盤と日本橋川沿いの水辺空間の整備、国際競争力強化に資するビジネス、産業支援機能の導入、防災性向上と環境負荷低減など、当該都市再生緊急整備地域の地域整備方針に沿うものであり、かつ、都市再生の効果が高いものとなっております。
具体的な都市再生への貢献内容につきましては、主なものといたしまして、神田エリアと大手町エリアの結節点となる交流広場約一千平方メートルを整備するとともに、区道の無電柱化等により、神田エリアの歩行者ネットワークを強化いたします。また、水辺のにぎわいを創出する水辺広場の整備、舟運活性化に向けた船着き場の整備を行います。さらに、アグリフード分野のイノベーションを加速させるビジネス産業支援施設約三千五百平方メートルを整備いたします。
続いて、資料13、提案事項概要の五ページと六ページ、資料14、事前説明資料の六ページの計画図とあわせて、スクリーンをごらんください。
都市再生特別地区の都市計画変更の内容についてご説明いたします。
容積率につきましては、本計画の都市再生への貢献内容を適切に評価した上で、最高限度を一四〇〇%とし、一部を国際的、先進的なビジネス活動を促進する施設、都市の魅力創造に資する施設といたします。高さの最高限度は、高層部を百三十メートル、低層部を十五メートルといたします。
資料14、事前説明資料の九ページとあわせて、スクリーンをごらんください。完成予想図でございます。
最後に、参考といたしまして、国家戦略特別区域法に基づき、国家戦略特別区域会議から千代田区の都市計画審議会へ別途付議が予定されております都市計画についてご説明いたします。
内神田南部地区地区計画の決定についてでございます。
資料14、事前説明資料の一〇ページから一二ページまでとあわせて、スクリーンをごらんください。
地区施設として、広場や歩道状空地を位置づけます。
付議予定案件ナンバー1の説明は以上でございます。
○山下都市基盤部長 付議予定案件ナンバー25、東京都市計画都市高速鉄道西武鉄道新宿線の都市計画変更及び付議予定案件ナンバー26、西東京都市計画都市高速鉄道西武鉄道新宿線の都市計画決定につきまして、一括してご説明いたします。
資料は、お手元資料13、白色表紙、提案事項概要の九七ページから九九ページ、資料14、薄茶色表紙、事前説明資料の一三九ページから一七六ページまででございます。
この案件は、都市高速鉄道西武鉄道新宿線の井荻駅から西武柳沢駅付近における連続立体交差化に伴う都市計画の決定及び西武新宿駅から上石神井駅間の複々線化計画の廃止を行うものでございます。そのうち、連続立体交差化につきましては、東京都環境影響評価条例の対象事業案件でございまして、同条例による手続をあわせて行う、いわゆる前合わせ案件でございます。
スクリーン及び事前説明資料一三九ページの位置図をごらんください。
初めに、西武鉄道新宿線の概況及び複々線化計画廃止の経緯につきましてご説明いたします。
西武鉄道新宿線は、西武新宿駅から高田馬場駅、所沢駅を経由し、本川越駅に至る総延長約四十七・五キロメートルの路線で、東京圏の主要な鉄道ネットワークを構成する重要な路線の一つでございます。同線では、高田馬場駅から中井駅間等で連続立体交差化計画の都市計画決定がなされており、中井駅から野方駅間や東村山駅付近では、現在、事業が進められております。
一方、連続立体交差化計画とは別に、西武新宿駅から上石神井駅間の約十二・八キロメートルは、都市交通の利便性の向上及び円滑化を目的として、複々線化することを平成五年に都市計画決定しておりました。しかし、西武鉄道株式会社は、平成七年に輸送人員の減少及び事業費の高騰等を理由に、複々線化計画を延期することを表明いたしました。
その後、運行形態の改善等もあり、計画当時一九〇%を上回っていた混雑率が約一六〇%程度まで減少し、当初の目的である都市交通の利便性の向上及び円滑化が一定程度図られていることなどから、今回、複々線化の都市計画を廃止することといたしました。
続きまして、複々線化計画廃止の都市計画の内容についてご説明いたします。
スクリーン及び事前説明資料一四一ページから一六五ページの計画図1から25をごらんください。
複々線化につきましては、全区間の廃止となります。計画図の黄色で示しました部分について廃止いたします。
次に、連続立体交差化計画につきましてご説明いたします。スクリーンをごらんください。
今回、連続立体交差化する井荻駅から西武柳沢駅間の約五・五キロメートルの区間には、補助第一三二号線などと平面交差する踏切があり、そのうち十二カ所は、いわゆるあかずの踏切のため、交通渋滞のほか、鉄道により地域の分断が生じております。こうした踏切による道路交通渋滞の解消及び沿線市街地の一体的なまちづくりの推進等を目的に、十九カ所の踏切を除去する連続立体交差化を行うことといたしました。
本連続立体交差化計画は、平成二十八年三月に社会資本総合整備計画に位置づけ、平成三十一年二月に都市計画素案の説明会を開催しております。
続きまして、連続立体交差化計画の都市計画の内容についてご説明いたします。
事前説明資料一七四ページから一七六ページの参考図2から4をごらんください。
鉄道の構造形式につきましては、高架形式と地下方式の二つの案を検討いたしました。この二つの案につきまして、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除去する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件の三つの条件から比較検討し、総合的に判断した結果、地下式では、既存の西東京市道二〇三五号線で通行できなくなることなどから、高架方式が有利となりました。これらのことにより、高架方式を最適案として選定いたしました。
恐れ入りますが、ページをお戻りいただきまして、事前説明資料一六二ページから一七二ページの計画図22から29、計画図1から3をごらんください。
井荻駅から西武柳沢駅付近の連続立体交差化により、都市高速鉄道として必要となる図の赤色で示した部分について、新たに区域を決定いたします。本事業は、総事業費約一千七百億円で、事業認可の取得は令和三年度から四年度を予定しており、認可取得後約十五年の事業期間を予定しております。
次に、環境影響評価書案の概要につきましてご説明いたします。
資料17、アイボリー色の冊子、環境影響評価書案の概要に挟み込んでありますA4横の資料の一ページから五ページをごらんください。
本連続立体交差事業におけます環境に及ぼす環境の予測評価項目は、騒音・振動、土壌汚染、日影、電波障害、景観、史跡・文化財、自然との触れ合い活動の場及び廃棄物の八項目となっております。
主な項目についてご説明いたします。二ページをごらんください。
騒音、振動でございますが、今回工事の施行中及び工事の完了後について予測評価を行っております。いずれの場合におきましても、評価の指標を満足、もしくはおおむね満足するという結論になっております。
また、その他の項目につきましても、適切な対応に努めるものでございます。
以上、都市計画で決定する上で支障がないものと判断しております。
最後に、西武鉄道新宿線の変更及び決定に関連する都市計画道路等についてご説明いたします。
提案事項概要の一〇〇ページから一一二ページ及び事前説明資料の一七七ページから一九〇ページをごらんください。
今回の連続立体交差化に合わせまして、沿線の良好な住環境の保全や、地域の交通の円滑化、安全性の向上などを目的に、鉄道附属街路等を同時に決定し、上井草駅、武蔵関駅には、新たに駅前広場を設けます。
付議予定案件ナンバー25及び26の説明は以上でございます。
○馬場委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○森口委員 私からは、西武鉄道新宿線における都市計画変更に関して質問をいたします。
今回、西武新宿駅から上石神井駅間における地下急行線の計画が廃止となるわけでありますが、まずは、今回廃止となる地下急行線のこれまでの経緯について改めて伺います。
○山下都市基盤部長 西武鉄道新宿線の西武新宿駅から上石神井駅間の複々線化計画は、都市交通の利便性の向上及び円滑化を図ることを目的としまして、輸送力増強のための線増線を追加変更し、延長約十二・八キロメートルの地下トンネル方式で、平成五年四月に都市計画決定しております。
その後、西武鉄道が平成七年一月に輸送人員の減少及び事業費の高騰等を理由に、本計画の延期を表明しております。平成二十年三月には、鉄道事業法に基づく認可の取り下げを行っております。
その後、本路線におけます運行形態の改善が図られるとともに、車両の長編成化などの取り組みや輸送人員のさらなる減少により、計画当時一九〇%を上回っていました混雑率が約一六〇%程度まで減少していることなどから、本計画を廃止することとし、昨年五月、都市計画素案の説明会を実施しております。
○森口委員 平成の初期に都市計画決定した複々線化の計画が、その後の混雑率の緩和などにより、事業者である西武鉄道により事業が延期されてきたことが確認ができました。平成七年に延期された計画でありますが、それから二十五年ほどたって、このたび廃止されることになるわけですけれども、なぜ今、都市計画を廃止をするのか伺います。
○山下都市基盤部長 ただいまもご答弁いたしましたように、西武新宿線におけます運行形態の改善が図られるとともに、車両の長編成化などの取り組みや輸送人員の減少によりまして、計画当時一九〇%を上回っていました混雑率が約一六〇%程度まで減少しております。
さらに、今回都市計画を変更する区間では、引き続き連続立体交差事業の推進や鉄道施設の改良などを講じることとなっております。
これらにより、計画当初の目的であります都市交通の利便性向上及び円滑化が一定程度図られることから、都市計画を廃止することといたしました。
○森口委員 複々線化の当初の目的が、これまでの西武鉄道の取り組みや混雑率の減少など、そういった状況変化により達成がされたため、今回、計画廃止の手続を進めるとのことであります。
一方で、この複々線化につきましては、地下に急行を走らせることで、地上を走る電車の数が減少し、この区間の踏切の遮断時間が減少すると期待がされておりました。高田馬場駅から中井駅にかけましては、多数のあかずの踏切がいまだ存在をしており、踏切渋滞など、長年の課題として残っております。
この地下急行線の区間におきましては、中井駅から野方駅間が、現在、連続立体交差事業の事業中であり、また、野方駅から井荻駅間が事業の準備中であり、井荻駅から西側の区間が、今回、連続立体交差事業の手続をされる区間となります。
今回の都市計画変更では、新宿区内の区間、特に、高田馬場駅から中井駅の区間だけが連続立体交差事業が取り残されることになるわけでありますけれども、本区間におきましても、道路交通渋滞や踏切事故の解消に向けて、踏切対策を推進するべきと考えますが、新宿区内の踏切対策の取り組みについて伺います。
○山下都市基盤部長 西武新宿線の高田馬場駅から中井駅間につきましては、平成十六年に策定しました踏切対策基本方針におきまして、鉄道立体化以外の対策の検討対象区間となっておりまして、踏切道の拡幅や警報時間制御の踏切システムの改善などの対策を検討する区間としております。
このため、関係者間で連携しまして、鉄道事業者による運行計画の工夫や、最新の技術を活用した障害物検知装置の導入などの検討を実施してまいります。
○森口委員 平成十六年に策定されました都の踏切対策基本方針においては、高田馬場駅から中井駅にかけて、遮断時間が長く、車も人も、通行量が多い踏切として、十一カ所が重点踏切に指定がされております。
この重点踏切は、二〇二五年までに重点的に交通円滑化の対策を実施、検討する踏切でありまして、引き続き、新宿区内の踏切対策につきましても、関係者とより一層の議論をしていただき、取り組みを推進していただきたい旨要望し、質問を終わります。
○和泉委員 私からは、内神田一丁目の都市再生特区について質問します。
この内神田一丁目地区の都市再生特別地区及び地区計画ですけれども、住民説明会の開催など、どのような手順を経て決定されていくんでしょうか。
また、現在はどの段階にあるんでしょうか。
まず初めに、この点について伺います。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 まず、都市再生特別地区につきましては、昨年の十月に、事業者が近隣住民等を対象とした事業計画の説明会を行い、同年十一月には、都に対して都市計画提案がなされ、翌十二月に国家戦略特別区域会議の下に設置された都市再生分科会において、都市計画原案について合意が得られたところでございます。
また、地区計画につきましては、昨年七月に、区民委員も含まれる千代田区の都市計画審議会の場で報告等が行われ、同年十二月には、区が区域内の関係権利者を対象に説明会を行っております。
また、この説明会に続き、事業者から都市再生特別地区についても説明を行い、現在に至っております。
今後、さらに国家戦略特別区域法に基づく都市計画の案の公告縦覧等を通じて、広く住民等の意見を聞いた上で、都及び区の都市計画審議会等を経て決定される予定でございます。
○和泉委員 日本橋川を挟んで、南には大手町の超高層ビル群、そして日本橋川に面した北側、神田橋と鎌倉橋の間に今回の計画区域があるわけです。徳川家康が江戸に入府した際に石材などを鎌倉から船で運んで陸揚げをした、このことから鎌倉河岸とこの地域一帯が呼ばれていて、当時の遺構なども残っています。
また、鎌倉橋には、一九四四年の米軍による爆撃と機銃掃射の跡が残っていて、これもまた貴重な戦跡となっていると思います。
江戸の時代のにぎわいと戦争の被害、昔をしのぶ姿を今に残すこの場所に、高さ百三十メートルもの高層ビルを建てようというのが今回の計画です。内神田南部地区のまちづくりが区計審で議論される中で、鎌倉河岸の復活を望む声や、この再開発によって大手町の波が神田に押し寄せてくる、このような不安の声が出ています。都は、このような声を認識しているでしょうか。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 昨年七月に開催されました千代田区の都市計画審議会におきまして、本計画に関連する内神田南部地区地区計画などの報告を行った際、お話のようなご意見があったということは聞いております。そうした意見も踏まえまして、本計画では、鎌倉河岸としてにぎわいを有した歴史を踏まえた空間形成を行うこととしております。
また、区の上位計画では、地元の声を踏まえて、神田エリアと大手町エリアのにぎわいをつなぐことで、エリア間の連携や相乗効果を図ることが位置づけられておりまして、本計画はそれと整合したものとなっております。
○和泉委員 今、最後にご答弁いただいたような内容も踏まえて、地域の住民の方が大手町の波が押し寄せてくると、このように感じているんではないんでしょうか。この地区計画によって高層ビルが建ち並ぶ、このことへの懸念なんです。神田のまちが大手町のような超高層ビルにのみ込まれていく、まちの姿が変わってしまう、このことに対する抵抗感なんです。この意見を踏まえてと答弁されましたけれども、そうであれば、この計画自体の変更を求めるべきじゃないんでしょうか。
鎌倉河岸としてにぎわいを有した歴史性、これは一体どう守られていくんでしょうか。都市計画案を見ても、その歴史性に触れた部分はあるものの、図を見る限り、その歴史性に配慮した趣というものは感じられません。
何より重大なことは、事業者が説明会を実施したといいましたが、ほとんどの住民がこの都市計画案を知らされていないということです。まちづくりは、住民の理解と合意を得ながら進めることが重要ではないかというふうに思いますけれども、この点、都の見解を伺います。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 国家戦略特別区域法で準用する都市計画法では、都市計画の案について、住民等の意見を反映するために必要な措置を講ずることとされておりまして、本計画につきましても、先ほどご答弁申し上げたとおり、説明会などを行ってきております。
引き続き、都市計画の案の公告縦覧等を通じて、広く住民等の意見を聞きながら手続を進めてまいります。
○和泉委員 では伺いますが、その説明会でどのような意見が出て、計画案にどのように反映されたんでしょうか。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 昨年十月に事業者が実施いたしました近隣住民等を対象とした説明会におきましては、鎌倉河岸の歴史や、内神田らしさといった地域の魅力を発信してほしいといった意見があったと伺っております。
これらの意見を踏まえまして、先ほどもご答弁いたしましたとおりですが、本計画につきましては、鎌倉河岸としてにぎわいを有した歴史性を踏まえた空間形成を行うこととしております。
また、神田エリアと大手町エリアのエリアをつなぐことで、エリア間の連携や相乗効果を図ると。区の上位計画を踏まえて両エリアをつなぐ位置に交流広場等を設けると。その他、あるいは神田エリアにつきましても、無電柱化等の取り組みによって、快適な歩行者空間の形成を図っていくというような取り組みを計画しているところでございます。
○和泉委員 住民に説明をしたと、丁寧に説明をしたということと、住民の意見を反映するということでは、質的に違うんです。説明しただけでは、意見を反映したというふうにはいえないんです。住民参加で住民とともに進めるまちづくりとはいえない。
先ほど、千代田区三番町二十六計画の陳情審査でも思いましたけれども、なぜ周辺地域の方たちを蚊帳の外に置いて、まちづくりの計画だけが先に進んでいくんでしょうか。自分たちが暮らすまち、先祖が大事に守ってきたまち、そのまちのこれからを考えるときに、住民とともに考えて知恵を出し合い、ともにまちをつくっていく。その視点が欲しいと思います。
事業所にたとえその視点がなくても、東京都はこの視点で、しっかりと事業者を指導するべきだというふうに思います。誰かがつくった巨大なビル、誰かがつくったまちのにぎわい、外から訪れる人にとってきれいに見えても、自分たちが望んでいないまちの形に一体誰が責任を持てるんでしょうか。
私は、東京のまちづくりは、やはりそのまちの個性、歴史、文化、それらをつくってきた人たちとともに行っていくものだというふうに思います。この都市計画案についても、周辺の住民の皆さんと十分に話し合っていただいて、説明だけで終わることなく納得の得られるものとして、計画を立て直すことを求めて、質疑を終わります。
○中村委員 それでは、西武新宿線について質問いたします。
今回の都市計画では、井荻駅から西武柳沢駅の連続立体交差事業と西武新宿駅から上石神井駅での複々線化に向けての線増線の廃止の二つが主な内容になっています。
最初に、西武新宿線の連続立体交差事業について伺います。
あかずの踏切で交通に大きな影響を与えていますが、その現状を伺います。
○山下都市基盤部長 連続立体交差化の区間であります西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅区間には、ピーク時の遮断時間が四十分以上である、あかずの踏切が十二カ所存在してございます。
交差します都市計画道路といたしましては、外環ノ2や補助第二二九号線千川通りなどがございまして、広域的な道路交通への影響も大きいことが想定されます。そのため、踏切による交通渋滞の発生や、鉄道による地域分断などの問題が発生しておりまして、国などと協議、調整の上、連続立体交差化を進めることといたしました。
○中村委員 先ほども一部説明がありましたが、改めて、今後の事業の具体的なスケジュールと総事業費について伺います。
また、工事が完了した際に踏切が解消されれば、交通状況が改善され、大きな社会的な効果もあると考えますが、見通しを伺います。
○山下都市基盤部長 今後のスケジュールといたしましては、令和二年度に都市計画決定、三年度から四年度の事業認可取得を予定してございます。
事業認可取得後、約十五年の事業期間を予定しておりまして、総事業費は約一千七百十億円でございます。
本事業の実施によりまして、十九カ所の踏切を除却するとともに、今後整備されます外環ノ2や、補助第二二九号線千川通りなどと立体交差することによりまして、踏切での交通渋滞の解消、道路と鉄道それぞれの安全性向上が図られます。
さらに、鉄道により分断されていました地域が一体化されまして、都市計画道路などの整備とあわせて推進することによりまして、安全で快適なまちづくりが実現されることになります。
○中村委員 複々線化の廃止に関連して、混雑状況の緩和についても伺います。
現在の西武新宿線の混雑状況はどうなっているのでしょうか。高架化そのものは輸送力には変化がありません。むしろ、廃止する地下の線増線を整備して複々線化すれば増便され、輸送力が増強されます。
今回、線増線をやめるとのことですが、大きな予算がかかる事業なので、その実施については必要性が重要になりますが、今回の廃止は、人口減少社会に向けて輸送力をふやさなくてもよいという判断なのでしょうか。
西武新宿線の混雑の緩和に向けての取り組みについて、状況の現状と今後の見通し、今後どのような対応をしていくのかを伺います。
○山下都市基盤部長 西武鉄道新宿線の西武新宿駅から上石神井駅間の複々線化計画は、都市交通の利便性の向上及び円滑化を図ることを目的としまして、輸送力増強のための線増線を追加変更し、平成五年四月に都市計画決定いたしました。
その後、本路線における運行形態の改善が図られるとともに、車両の長編成化などの取り組み、輸送人員の減少によりまして、計画当時一九〇%を上回っていました混雑率が約一六〇%程度まで減少しております。
さらに、今回都市計画を変更する区間では、引き続き連続立体交差事業の推進や鉄道施設の改良などを講じることとなっております。
これらによりまして、計画当初の目的でございます都市交通の利便性向上及び円滑化が一定程度図られることから、都市計画を廃止することといたしました。
引き続き、西武鉄道と連携を密にしながら、混雑緩和に向けました取り組みを着実に進めてまいります。
○中村委員 西武新宿線については、あかずの踏切について、地域からもその解消に向けて強い声がありましたが、他の路線と比べると決して早い対応ではなかったかと思います。高架化がおくれたため、幹線道路の環状八号線が大渋滞していたため、先行して地下化をしました。また、伏見通りも旧道が渋滞し、都市計画道路を整備する際にも地下化されました。
鉄道や駅は、車中心の地方と違い、都市部においてはまちづくりの中心です。今回の連続立体交差事業を行うに際して、目的は踏切の解消ですが、それとともに駅も建てかえられます。計画が決まるまではいろいろなご意見があったとは思いますが、事業を行うのであれば、よりにぎわいを創出してこそ、大きな税金を使う意味もあります。
今回の連続立体交差事業により、今後の西武線沿線のまちづくりをどのように考えているのか伺います。
○山下都市基盤部長 鉄道の立体化につきましては、地域におけるまちづくりと大きく連動することから、地元区市が主体となり、地域の将来像や鉄道立体化を契機としたまちづくりの方針などを検討することが必要でございます。
今回の連続立体交差化の区間であります西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間では、鉄道の立体化とあわせて、上井草駅や武蔵関駅などで地元区市による駅前広場の整備を予定してございます。
引き続き、連続立体交差事業を契機とした計画的な駅空間の整備を促進し、交通結節機能を強化するなど、地元区市と連携しながら、沿線まちづくりを進めてまいります。
○中村委員 西武新宿線の高架化について、駅舎やホームの方も建てかえるわけでしょうけれども、少し関連して、同時にホームドアも設置できないのかと思います。
かねてから、駅のホームドア柵の設置を求めていました。目の不自由な方が転落して亡くなる事故がことしも早々に報じられました。健常者の方も転落する事故が起きています。都営地下鉄で設置した駅では、当然のことながら転落の事故はゼロになっています。
ホームドアをつけても混雑は緩和しませんが、少なくとも転落事故でダイヤが乱れれば、そのたびに混乱は増してしまいます。私は、今すぐにでも全ての駅のホームに設置をすることを求めるものですが、それが無理なら、せめてこうした駅をつくりかえる際には、一緒に設置をすべきと考えます。
私はよく、地元が三鷹なので中央線を使うのですが、数年前に連続立体交差事業が完成し、新しい駅へと生まれ変わりましたが、ホームに立って猛スピードで電車が通過しているのを見ると、なぜ駅を新しくしたのにホームドアができなかったのかと悔やまれます。特に、中央線は頻繁に事故が起こり、ダイヤも大きく乱れます。西武新宿線でもこれから駅が新しくなるわけですから、ぜひホームドアを設置していただきたいですし、現在事業中の区間の駅でも、先行して設置をしていただきたいと思います。
西武新宿線について、今すぐにでもホームドアの設置を望みますが、それが無理なら、高架化に際して同時にホームドアも設置すべきと考えますが、見解を伺います。
○山下都市基盤部長 ホームドアの整備につきましては、鉄道事業者の積極的な取り組みが不可欠でございます。都は、事業者に対しまして、ホームドア整備を進めるよう積極的に働きかけております。
西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間につきまして、連続立体交差化とあわせたホームドアの設置は未定でございますが、設置の可能な構造でホームを設計しているものと西武鉄道から聞いております。
引き続き、都といたしましては、国や地元区市と連携して、鉄道事業者のホームドア整備促進に向け、取り組んでまいります。
○中村委員 これで最後にいたしますが、西武新宿線だけではなくて、他の連続立体交差事業でも、駅がつくられるときは同時に設置していただきたいと思っています。
私は、駅を新設や大幅改修をする際には必ずホームドア柵を設置するよう、例えば条例制定することなども必要だと思います。
バリアフリーでエレベーターやエスカレーターは義務化されていますが、目の不自由な方にとってはこれも必要な設備であって、その観点からの設置の義務化もしてもいいのではないかと思います。
鉄道事業者には、乗客の安全をもっと真剣に考えていただきたいと思います。都としても、法整備化を進めると同時に、知事を先頭に鉄道会社にもっと強く要請することが必要と考えますが、最後に見解を伺います。
○山下都市基盤部長 利用者の安全を確保するため、ホームドアの整備を促進するには、鉄道事業者の積極的な取り組みが不可欠でございます。都は、これまで鉄道事業者に対する補助を行い、これにより利用者十万人以上の駅のうち半数を超える駅でホームドアが設置され、整備が進みつつございます。
さらなるホームドアの整備に向けて、昨年九月、ホームの形状などの駅の特性や、駅周辺における盲学校などの立地状況を考慮した鉄道駅バリアフリーに関する優先整備の考え方を取りまとめ、これに基づき、来年度から利用者十万人未満の駅にも補助を拡大する予定でございます。
こうした取り組みによりまして、今後、ホームドアの整備を積極的に推進してまいります。
○曽根委員 私からは、最初に、案件総括表で道路部門に出ております補助九二号線及び補助一七八号線の、これは一部廃止になると思いますが、これについて一点だけ確認しておきたいと思います。
道路計画の廃止の手続がこれから進められていきますが、どの段階までにこれの道路計画にかわる地区計画を策定する必要があるのか、そのタイミングについて都の考えをお聞きします。
○山下都市基盤部長 補助第九二号線と補助第一七八号線の都市計画手続につきましては、五月に行われます東京都都市計画審議会の審議を経た後、夏ごろに告示の予定でございます。
谷中地区の地区計画につきましても、都市計画道路の変更とあわせまして、台東区において決定する予定でございます。
○曽根委員 すると、台東区の方では谷中のお寺や、墓地や、さまざまな商店街なんかも含めて、独特のまち並みになっていますが、その地区計画のあり方について、早ければ夏ぐらいまでには決めていくみたいなことがあり得るので、ここで申し上げておきますが、補助九二号線の廃止というのは、何十年来、上野駅から道灌山通りまでの計画が、地元住民を縛ってきたものを、今回ついに廃止に至るわけで、私たちはこの廃止そのものは当然だと思いますが、この間、都市計画で縛られてきた方々の相当被害もあるわけです。
したがって、今後どういう形でまちづくりを誘導していくかについては、地元の今まで、ある意味では影響を受け続けた住民の方々の意見を尊重することなしに、行政が上から押しつけるようなことがあっては絶対ならないので、その必要な協議の時間を確実に保証することが大事だということを申し上げておきたいと思います。
あともう一点は、この補助九二号線は残り半分があります。
しかし、上野駅から台東区、荒川区のところまでの、いわば、道路のネットワークの中心部分が廃止されたわけですので、周辺の方に向かう残りの部分についても、ネットワークの上で果たす役割も全く違ってくることになります。
そういう意味で、改めて抜本的な見直し、私にいわせれば、荒川から北区にかけて残りの路線が残っておりますが、一部区画整理の事業の中ででき上がった道路の部分は、今ほとんど車は通らない状態です。この道路の部分を最小限生かす程度にして、あとは、道路計画はやはり廃止に向かって検討する方が、地元住民の願いに沿ったまちづくりができるということは意見として申し上げておきたいと思います。
それでは、次に、先ほども質問がありましたが、西武新宿線の井荻-西武柳沢間の立体化事業についてお聞きします。
西武新宿線井荻-西武柳沢駅間の連続立体交差事業は、この目的というのは、当然ながら鉄道と地域とを立体に交差させて踏切を解消することにより、地域の交通をスムーズにしたり、良好なまちづくりを進めたりすることにあるはずです。
地域の強い願いであるあかずの踏切の解消がどのようにしたらスムーズに実現できるのか、同時に、住民への犠牲もできる限り少なくして、また、沿線に良好な環境をもたらすように、そうしたさまざまな点を考慮しながら、立体化の事業方式には、私は、大変賢明な判断が求められると思います。
そこでお聞きしますが、今回選択された事業方式というのは、仮線高架方式、それから直上の高架方式、そして地下方式の三つの案から比較検討した上で、仮線高架方式を選んだわけですが、実は地下方式の中にも、単線シールドのやり方と複線シールドのやり方があります。この比較については、地下方式の中にも二通りあるということの、この比較はなぜ行わなかったのかお聞きします。
○山下都市基盤部長 事業予定者でございます建設局によりますと、単線シールド工法は、断面が小さく、合理的であるため、支障物との離隔の確保や縦断的に狭い空間を通過する場合に有利であると聞いております。
本区間では、石神井川や水道幹線などがございまして、離隔の確保や、限られた空間での施工が必要であるため、本区間の地下方式は単線シールド工法で検討していると聞いております。
○曽根委員 これはいわずもがななんですけど、西武新宿線というのは、もちろん単線鉄道ではありません。したがって、単線シールドでやる場合には、二つのシールドを掘る必要が出てきます。二本並べて掘れば、かえって横幅が大きくなって、一つのトンネルの断面は確かに複線シールドより小さくても、二本掘れば、かえって横幅が大きくなって、線路の敷地をはみ出すので、沿線建物の買収が必要になるわけです。
複線シールドなら一つのシールドで済みますから、地上の線路敷地をはみ出さずに工事できるという方法もあるんじゃないかと思いますが、こういったことは検討されていないんでしょうか。
○山下都市基盤部長 ただいまご答弁いたしましたとおり、事業予定者でございます建設局によりますと、単線シールド工法は断面が小さく、合理的であるため、支障物との離隔の確保や縦断的に狭い空間を通過する場合に有利であると聞いております。
本区間では、石神井川や水道幹線などがございまして、離隔の確保や、限られた空間での施工が必要でございますので、本区間の地下方式の検討は単線シールド工法で検討していると聞いております。
○曽根委員 どうやら事業者の建設局からお聞きになっていないようですから、単線シールドを二本掘って、その二本を掘ることで、何か地下のある障害物をうまくクリアできるというのがあって、例えば複線シールドはトンネルが大きくなりますから、それではできないんだというような具体的な理由があれば別ですが、そういうことは一切説明もされていないし、この間の説明会でも一切出てきておりません。
限られた空間だから単線シールドだといいますけれども、そもそも複線シールドでは施工が不能なのかどうかと、この点について調べていないというのでは、全くおかしいんじゃないかと思います。
複線シールドは非現実的な方法ならまだしも、例えば東京の地下鉄では、さまざまな構造物が埋まっていますが、東京メトロでも、いろんな路線で、複線シールドで掘り進めています。
一番最近の副都心線では、複合型シールドといって、半径が違う三つの円を組み合わせたものをつくってまして、これだと縦方向の長さを短くすることができて、コストの削減や残土が減って、環境負荷の軽減に役立つということを、以前、東京メトロの技術職員から聞きました。
既に実現している手法であって、この工法を、つまり複線シールド工法を最初から比較の対象から外しているのは、事業者みずからが選択の幅を狭めていることになります。
改めて比較検討を求めておきたいと思います。
次に、三つの手法を比較した上で、用地の買収、借地の件数、またその費用は幾らなのか、買収借地に係る期間をどう見込んでいるのか--買収の時間ですね、期間は何をもとに試算したのか、お聞きします。
○山下都市基盤部長 事業予定者でございます建設局によりますと、用地買収の対象建物件数及び費用は、三方式とございました、仮線高架方式で約二百四十件、約三百八十億円、直上高架方式で約二百二十件、約四百六十億円、地下方式で約百八十件、約二百七十億円でございます。
用地取得期間は、これまでの連続立体交差事業の用地取得の実績を踏まえまして、仮線高架方式で五年、直上高架方式で四年、地下方式で四年と試算していると聞いております。
○曽根委員 つまり用地取得一つとっても、やはり高架で行う方が立ち退きとなる件数が多く、時間もかかる。これは当然です。
加えて、仮線高架方式というのは、仮線をつくるために建っている家や住民に一旦立ち退いてもらって、そこの土地を借りる。高架ができたらその仮線をなくして、そこに住民が戻ってくる。そういうやり方もありますよね。
その場合、仮線高架方式で必要となる借地については、三つの工法の比較検討したときには、約一万平米の土地が対象となるというふうに説明されていますが、地下方式で必要な用地は、約一万一千六百平米ということですから、仮線高架方式の場合、借地だけでも地下方式並みの用地が必要となるわけですね。加えて鉄道や側道の用地も、もちろん買収用地もありますから、合わせると、仮線高架方式では四万六千八百平米と、地下方式の四倍もの用地が必要となることになります。
仮線高架方式では、地下方式の用地に匹敵するだけの面積を借り上げることになるわけですが、事業に伴う用地の買収や借地については、都市計画の変更による土地収用を伴う、いわゆる強制的な事業となるのかどうか。
また、任意による事業の部分がある場合は、その物件の件数や、その任意になる理由を伺いたい。その場合、強制力を伴う事業とは区別して計算されているのかどうか、この点を伺います。
○山下都市基盤部長 用地取得につきましては、今回都市計画を定める区域において行うこととなります。
また、土地収用法の適用につきましては、状況に応じて適切に判断していくものとなります。
なお、工事上必要な借地につきましては、都市計画上の位置づけはございませんが、今後事業の深度化に伴い、事業者が具体的な区域について明らかにしていく予定でございます。
○曽根委員 そうすると、仮線高架方式の場合、工事に必要な借地は都市計画上の位置づけはないということですよね。これは強制的に買収できないということになるんじゃないでしょうか。
借地になる方が、住みなれた土地を更地にしてどこかに転居し、その上で高架ができて、仮線が必要なくなる。まあ、大体十五年ぐらいはかかるでしょうから、その後に家を建て直して戻ってくると。こうした長い期間に仮住まいを強いられ、住宅の撤去と再建も強いられると、このような借地に簡単に住民の納得が得られるのかと。その場合、強い反対があれば事業が進むことが困難な場合もあり得るんじゃないでしょうか。
こういう点を、つまり、そういう部分での費用負担をどうするかなどについては、相当住民合意を得るために難しくなるということも、この点は指摘しておきたいと思います。仮線高架方式というのはこういう問題を抱えているということです。
それから、もう一つは立ち退きの問題に関連して伺いたいんですが、今回、車両基地の問題があります。
この計画では、車両基地の面積を現状から三分の一に縮小して、大きな空地を生み出すと。その一方で、引き込み線を二本、路線の間に引き込むという形になっているそうです。このため、東側の線路が膨らんで、その分だけ、東側に膨らむ車両基地の土地を、立ち退きをさせて土地を取得しなきゃならないということになります。これまでの用地を活用して、住民の犠牲をふやさないやり方はとれなかったのかとの声も出されています。
なぜこのような計画となっているのか、現行の車両基地というのは、引き込み線が構造令などにもし抵触しているというのであれば、その根拠の法令というのはあるんでしょうか。この点についてお伺いします。
○山下都市基盤部長 上石神井駅付近の車庫は、西武新宿線で最も都心方面にある車庫でございまして、上石神井駅始発及び終電車への対応や、鉄道施設や車両の故障、事故、災害等における緊急時の対応など、西武新宿線の車両運用上で重要な拠点でございます。
西武鉄道からは、安全かつ安定的な運行に資する現在の西武鉄道の技術基準への適合等を勘案して、車庫の配線計画を検討していると聞いております。
また、現行の車両基地の車庫線につきましては、当時の技術基準に適合したものであると聞いております。
○曽根委員 その西武鉄道のお話によれば、車両基地の位置の変更というのは、国などの公の基準というのではなく、西武鉄道の中の独自の基準に今回あわせて、技術基準への適合等を勘案して車庫の配線計画を検討したということだということですね。
問題は、その基準がどういうものか。どうして土地を買い足して、線路の新たなカーブを緩めるための土地を買い足さなきゃならなくなったのか。こういうことについて、きちんと住民に話がされていないということなんですね。
これはどうしてもこの安全のために必要なんですという説明がされていれば、住民の理解もあるかもしれませんが、これでは全く判断もできないのではないでしょうか。
ちょっとお聞きしたいんですけど、都は西武鉄道に対して当該部分、つまり、車両基地の、この基準をちゃんと明らかにして、住民や東京都に対しても説明してもらいたいんだと、公開してほしいというようなことを要望したことはあるでしょうか。
○山下都市基盤部長 西武鉄道の技術基準でございますけれども、これは西武鉄道が国土交通省へ届け出を出して策定していると聞いております。
鉄道に関します技術上の基準を定める省令に基づき、各社が定めます実施基準を遵守して、鉄道線形の検討を行っていると認識しております。
○曽根委員 今回の連続立体交差事業は、都道府県または指定都市が都市計画事業として実施するものであります。したがって、西武が責任持ってやるというだけでは済まされないのではないでしょうか。
特に、車両の走行の安全のために、車両基地を変えなきゃならないんだということがきちんと説明もされないままで、この事業の中に組み込まれているということについては、改めて、この問題は西武鉄道の説明責任を果たさせるように、東京都から働きかけるよう、これは事業局は建設局ですから、都として対応するように求めておきます。
今まで質問してきましたけれども、私、現状の計画では幾つか問題があると思うんですけど、一つ目は、そもそも工法を選ぶ比較検討の段階で、住民犠牲が少なく、かつ用地費や工期も縮減できる地下の複線シールド工法が具体的に検討されていないこと。できるかできないか、確認をすればいいことなんで、こういうことをちゃんと検討すべきだということが一つ。
二つ目に、比較検討の結果、選択された仮線高架方式について、相当の借地が必要となる。この用地を借り上げる交渉期間の見通しが、私は率直にいって甘いんじゃないかと。十五年以上も貸してくれる--その沿線の住民が果たしてオーケーしてくれるのかと。
三つ目に、車両基地についても新たな立ち退きが生まれるにもかかわらず、現状では十分な説明をされていないということなど、これらの点で大きな問題を抱えた状態にあると考えています。
そして、このようなやり方で進めようとしても、地域の納得は得られませんし、交渉が長引くなどして、結局は住民の悲願であるあかずの踏切の解消に時間がかかってしまうんじゃないかということが強く懸念されます。
私は、住民の意見に耳を傾けて、追加の調査検討をすることを求めたいと思います。
関連して幾つかちょっと聞いておきたいんですが、一つは、ホームを拡幅する、空き地を余分に創出して、新たに収益施設をつくるなど、鉄道連続立体交差事業以外の事業については、都などの費用負担は行われるべきではないと考えますが、どのような取り決めとなっているでしょうか。
○山下都市基盤部長 連続立体交差事業の事業費負担割合につきましては、国土交通省が定める都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱等に基づき、都市側と鉄道側の負担割合が決められております。
鉄道事業者において増強を行う場合の費用などにつきましては、全額鉄道事業者の負担となっております。
○曽根委員 あわせてお聞きしますが、今回もう既に事業化されて地下化方式で進んでいる中井-野方駅間の連続立体交差化事業と、それから、井荻からの西側の今回計画されている事業の間、野方駅から井荻駅間の連続立体事業のスケジュールについて伺います。
○山下都市基盤部長 西武新宿線の野方駅から井荻駅間につきましては、現在事業予定者であります建設局が鉄道構造物の設計等を進めてございます。
また、連続立体交差事業の効果を高めるためには、本事業とあわせて駅前広場などのまちづくりに取り組むことが重要でございまして、現在、地元区が駅周辺のまちづくり整備方針などの策定に向けて検討を進めてございます。
現段階で具体的なスケジュールは未定でございます。
○曽根委員 今回の西武新宿線の立体化について、どのような手法がとられるとしても、連続立体交差事業を進めるには相当な用地を必要とすることから、数多くの住民の暮らしに影響を及ぼします。一旦できれば、百年先のまちづくりにまで大きな影響を及ぼします。
よって、事業を進めるためには、さまざまな可能性について丁寧な検討が必要ですし、そのプロセスについても可能な限り公開して、地域の納得を得ることが必要です。そうでなければ、こうした事業は絶対に進みません。現状の計画はそれが極めて不十分であることを指摘して、この問題の質問を終わります。
次に、立川三・三・三〇号線の問題について、何点か質問させていただきます。
本道路の計画幅員二十八メートルが必要だというふうにされております。自動車交通量や、歩行者交通量などの根拠、また、その根拠となる調査検討はいつどのように行われたのか。
立川三・三・三〇号線は計画されてから、かなりの年月たっております。二十八メートルというかなりの大型の道路になりますが、車線数や自転車道、歩行者道、植樹帯などはどのような内訳となっているのか、これらについてお聞きいたします。
○山下都市基盤部長 立川三・三・三〇号立川東大和線は、多摩地域における南北方向の主要路線でございまして、国立市境から、立川市内を南北に縦断し、東大和市多摩湖六丁目に至ります多摩地域の骨格を形成する重要な都市計画道路でございます。
本路線は、多摩地域におけます人と物の動きの円滑化や都市間の連携強化、立川通りを初めとする周辺道路の渋滞緩和、生活道路への通過交通の流入を抑制することなどによる良好な居住環境の確保、災害時における安全な避難経路の確保などによる地域の防災性の向上、安全で快適な都市空間の創出を目的といたしまして整備するものでございます。
計画幅員につきましては、昭和四十四年に立川通りの交通渋滞の緩和策として、標準幅員二十八メートルへ拡幅されております。
平成三十一年二月の環境影響評価書案に用いました計画交通量の推計結果によりますと、道路ネットワーク整備完了時に、一日当たり二万三千百台から二万八千六百台であるため、都道における道路構造の技術的基準に関する条例で、四車線が必要でございます。標準幅員二十八メートルの幅員構成につきましては、現時点で往復四車線の車道部十七・五メートルの両側に、五・二五メートルの歩行者、自転車の通行空間及び植樹帯をそれぞれ配置することとしております。
○曽根委員 この道路計画というのは、調べてみましたら、一九六一年、つまり、今から六十年近く前の計画がスタートで、このときは三十三メーター道路として計画がつくられたそうですね。二十八メートルに縮小されたのが、今お話のあった昭和四十四年、一九六九年、ここから見ても、もう半世紀以上たっているわけです。
今の答弁の中で、道路ネットワーク整備完了時というお話があったので、ちょっと確認なんですけれども、道路ネットワークの整備というのは、この立川三・三・三〇号線の、この道路の範囲なのか、それとも東京都の都市計画道路全体のネットワークのことなのかを確認しておきたいと思います。
○山下都市基盤部長 これにつきましては、東京都内のネットワークがフルで完成したものを想定しております。
○曽根委員 立川三・三・三〇というのは、骨格幹線道路ですからそういうことになりますよね。
そうすると、昨年も、都市計画道路の基本方針の質疑でも申し上げましたが、東京都は都市計画道路の計画をほとんど廃止していませんので、私もいいましたけど、ほかの会派の方からも、一体いつになったら全て完成するのかというような、見通しが見えないという趣旨の発言もありました。
しかもこの道路についても、今回の計画区間のその先には日本女子体育大学のグラウンドがあるわけです。そこを分断することができるかどうかなど、この道路自体も難題が山積しています。道路整備の見通しもなく、その間に自動車交通が大きく減っていく可能性も濃厚だといわざるを得ません。
次に、環境評価の中で、今問題になっているPM二・五について、どのような検証をするのか。もし行えないとするならば、理由は何かをお聞きします。
○山下都市基盤部長 PM二・五につきましては、環境影響評価において予測評価の対象としてはございません。
その理由といたしましては、生成の仕組みや発生源の寄与割合など未解明な部分が多いため、現時点ではPM二・五の予測は困難でございまして、東京都環境影響評価技術指針におきましても、原則として予測事項の対象としないとされております。
○曽根委員 国際的にも今大問題になっているPM二・五の測定が、技術指針に入っていないからといって測定もしないという姿勢は、住民の環境への影響に目を向けようという姿勢に欠けるといわざるを得ないと思います。
近隣には住宅街や学校が、この道路の近隣に存在しています。住宅街や学校に求められる騒音基準について、どのように調査が行われるんでしょうか。
○山下都市基盤部長 事業におけます騒音の影響につきましては、東京都環境影響評価技術指針に基づきまして、適切に予測評価を行ってございます。
評価指標といたします環境基準は、環境基本法第十六条の規定におきまして、人の健康の保護及び生活環境の保全の上で維持されることが望ましい基準として定めたものでございます。
本路線は、四車線の幹線道路であることから、道路端から二十メートルの範囲においては、幹線交通を担う道路に近接する空間に係る基準値が適用されます。
本事業では、歩道、植樹帯等の設置に加えまして、遮音壁や低騒音舗装などの環境保全のための措置を講ずることによりまして、評価の指標としました環境基準を満足いたします。
また、本路線の沿道には、立川第二中学校がありますため、校舎における道路交通騒音の予測を行ったところ、窓あけ時の教室内におけます騒音レベルは、学校環境衛生基準の判定基準以下となっております。
○曽根委員 お答えにあったように、現在は、この地域は良好な低層の戸建て住宅が建ち並ぶという地域ですから、都の環境確保条例では、昼間は五十五デシベル以下、夜間は四十五デシベル以下にすることが求められている地域ですよね。
ところが、今お話になったように、幹線交通を担う道路に近接する空間という、ここにかかわる基準値が適用されて緩くなるわけですね。幹線道路が通ってしまうと、これくらい我慢せよということになりまして、この騒音規制が昼間は七十デシベル、夜間でも六十五デシベルに跳ね上がるわけです。こういうことから、良好な住環境が一変してしまうんじゃないかということで、地元の反対が非常に強く上がっております。
部長さんは、地元で沿道予定地の住宅に、もうたくさんの反対の意思表示の看板が数多く掲げられているという、この現地の光景をごらんになったことがあるでしょうか。
○山下都市基盤部長 現地におきまして、二十八メートル道路反対の看板を確認しております。
今後とも、地元の理解と協力が得られるよう努めてまいります。
○曽根委員 地元の理解と協力が得られるよう努めていくというのであれば、多数の反対の声が上がっている理由を、どのように認識しているか、この認識についてお聞きしたいと思います。
○山下都市基盤部長 住民説明会や環境影響評価書案に関する都民の意見書では、本路線の整備に対しまして、道路整備による生活環境の悪化、コミュニティの分断、本路線の整備は不要不急である、交通量の増加により歩行者が危険になるなどの意見がございました。
これらの意見に対します都の見解といたしまして、環境への影響につきましては、東京都環境影響評価技術指針に基づきまして、適切に予測評価を行っておりまして、環境保全のための措置を講ずることによりまして、環境基準等の評価の指標を満足しております。
コミュニティの分断の懸念に対しましては、交通管理者と協議し、横断歩道などを適切な箇所に確保することとしております。
事業の必要性につきましては、平成二十八年に策定いたしました第四次事業化計画におきまして、都市計画道路としての必要性の検証をした上で、骨格幹線道路網を形成することから、優先的に整備するべき路線に選定してございます。
最後に、歩行者の安全性につきましては、車道を往復四車線で整備し、その両側に歩行空間や自転車走行空間などを整備いたします。あわせて電線類の地中化を行うことで、安全で快適な都市空間を創出するなどでございます。
○曽根委員 この骨格幹線道路をつくり、交通量がふえる以上は、今、現道がほとんどない地域もありますよね。こういうところは、歩道を整備するとしても歩行者の危険が増すことは避けられません。同時に、住民の方が強く心配しているのは、大型道路によるコミュニティの分断、生活環境の悪化であります。
例えば、知事が参加したことがある羽衣ねぶたについて、これまでどおりに道路が使えるのか、主催している自治会の事務所は移転しなければならないんじゃないかなどの声が出ていますが、どう考えるのでしょうか。
○山下都市基盤部長 地元商店街振興組合が主催しております羽衣ねぶた祭りは、立川三・三・三〇号線と交差します都道一四五号線を一時的に使用し開催されているものと認識しております。立川三・三・三〇号線の工事の際は、開催時期と工事の時期の調整等、できる限り支障のないよう対応すると事業者から聞いております。
また、本路線の整備に伴いまして、区域内にございます自治会の羽衣二丁目北会館の移転が必要となりますが、再建に係る補償等、適切に対応すると聞いております。
○曽根委員 これはこの自治会の方々が中心になってねぶた祭りをやってるんですが、事務所の移転だけじゃないというんです。羽衣ねぶた祭り自体が、青森のねぶたの地元と、この地域が非常に似ていて、つまり七メートルから九メートル幅の道路幅であるからこそ、あの活気とにぎわいが保たれていると。同じ道路の広さだから、ねぶた祭りのやり方をこちらに導入して、見事に地域に定着したということをおっしゃっていました。
道路の拡張というのは、祭りの雰囲気まで大きく変えることになりかねないと、地元の町会の方々は心配しております。こうしたコミュニティのあり方まで壊して、道路を押し通すのが本当に正しいまちづくりなのかが、今回厳しく問われていると思います。
そこで、これまで説明会などをどのように開催してきたのか、そこで出された住民の声はどのようなものだったか、お聞きします。
○山下都市基盤部長 これまで、平成二十八年十二月に都市計画変更素案の説明会を三回、平成三十一年三月に都市計画変更案及び環境影響評価書案の説明会を三回開催しまして、沿道住民の方々からさまざまな意見をいただいております。
これらの説明会での主な意見といたしましては、道路整備の目的や理由、道路の地下化、高架化の検討の要望、周辺環境への影響の懸念などでございました。
また、平成三十一年三月十五日から五月七日まで、環境影響評価書案に対します意見を受け付け、九百七十件の意見書が提出されております。
主な意見といたしましては、道路整備による生活環境の悪化やコミュニティの分断、本路線の整備は不要不急、交通量の増加による歩行者の危険などでありまして、これらの意見に対しまして、令和元年九月に見解書を公表しております。
本路線は、多摩地域における人と物の動きの円滑化や、都市間の連携強化、立川通りを初めとする周辺道路の渋滞緩和、生活道路への通過交通の流入を抑制することによります良好な居住環境の確保、災害時におけます安全な避難経路の確保などによる地域の防災性の向上、安全で快適な都市空間の創出を目的としまして整備するものでございます。
今後とも、地元の理解と協力が得られるよう努めてまいります。
○曽根委員 九百七十件という、千件近い評価書案に対する意見の紹介の中でもいわれているように、ほとんどがこの道路に対する疑問の声、反対の声だったと思うんですね。
現時点で住民の理解と納得は、私は得られていないと思うんですけれども、都はどういう判断をしているのか、その根拠も含めて説明をしていただきたい。
○山下都市基盤部長 この道路の整備につきましては、さまざまな意見があることは承知しております。
立川三・三・三〇号線は、多摩地域の骨格を形成する重要な都市計画道路でありまして、多摩南北主要五路線のうち、唯一の未整備区間が残る路線となっております。
また、平成二十八年に策定いたしました第四次事業化計画におきまして、必要性を検証した上で優先的に整備すべき路線に選定されてございます。
今後とも、地元の理解と協力が得られるよう努め、早期整備を進めてまいります。
○曽根委員 都として、少なくとも地元の住民の方々がつくっている、二十八メートル道路計画を考える立川市民の会などとの協議を継続すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○山下都市基盤部長 平成二十八年十二月に都市計画変更素案説明会、平成三十一年三月に都市計画変更案及び環境影響評価書案説明会を開催し、意見等のある方々と質疑応答を行うとともに、説明会後も電話等におきまして個別に対応を行っております。
引き続き、事業概要説明会や用地説明会等を開催いたしまして、地権者を初め、地域の方々に対しまして、わかりやすい丁寧な説明に努めてまいります。
○曽根委員 住民団体がもう実際できて活発に活動しているわけですから、そこの団体との協議をきちんと行うべきだということは強く求めておきます。
先ほど答弁にありました多摩の南北五路線で唯一未整備だと、ここを何とかしたいというのは行政の都合であって、こちらを優先するのではなく、長年培ってきたコミュニティを破壊したり、住民の意向を無視して強引に進めるということは絶対に許されないということは指摘しておきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○馬場委員長 他に発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、第二百二十九回東京都都市計画審議会付議予定案件についてに対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時四十八分散会
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