委員長 | 馬場 信男君 |
副委員長 | 奥澤 高広君 |
副委員長 | 和泉なおみ君 |
理事 | 古城まさお君 |
理事 | 秋田 一郎君 |
理事 | 伊藤 ゆう君 |
菅野 弘一君 | |
清水やすこ君 | |
森口つかさ君 | |
関野たかなり君 | |
村松 一希君 | |
中村ひろし君 | |
東村 邦浩君 | |
曽根はじめ君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 東京都技監都市整備局長兼務 | 佐藤 伸朗君 |
次長総務部長事務取扱 | 桜井 政人君 | |
技監 | 上野 雄一君 | |
理事 | 中島 高志君 | |
都市づくり政策部長 | 小野 幹雄君 | |
都市基盤部長 | 山下 幸俊君 | |
市街地整備部長選手村担当部長兼務 | 安部 文洋君 | |
市街地建築部長 | 青柳 一彦君 | |
基地対策部長 | 高原 俊幸君 | |
連携・連絡調整担当部長 | 八嶋 吉人君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 朝山 勉君 | |
担当部長 | 小口 新吾君 | |
まちづくり推進担当部長 | 吉野 敏郎君 | |
まちづくり調整担当部長 | 木村 宣代君 | |
景観・プロジェクト担当部長 | 山崎 弘人君 | |
交通政策担当部長 | 森 高志君 | |
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 | 新谷 景一君 | |
防災都市づくり担当部長 | 三宮 隆君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 松崎 浩一君 | |
局務担当部長 | 奥秋 聡克君 | |
耐震化推進担当部長 | 青木 成昭君 | |
横田基地共用化推進担当部長 | 泉水 一君 | |
住宅政策本部 | 本部長 | 榎本 雅人君 |
技監都営住宅経営部長事務取扱 | 久保田浩二君 | |
住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 佐々木秀之君 | |
連絡調整担当部長 | 水野 剛君 | |
住宅政策担当部長 | 澁谷 浩一君 | |
民間住宅施策推進担当部長 | 栗谷川哲雄君 | |
経営改革担当部長 | 土屋 太郎君 | |
再編利活用推進担当部長 | 中山 衛君 | |
建設推進担当部長 | 妹尾 高行君 | |
営繕担当部長 | 金子 陽子君 |
本日の会議に付した事件
住宅政策本部関係
契約議案の調査
・第二百二十二号議案 都営住宅三十一H-一〇五東(足立区竹の塚七丁目)工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百八十四号議案 令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 住宅政策本部所管分
都市整備局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百九十六号議案 東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百九十七号議案 東京都市計画事業亀戸・大島・小松川第二地区第一種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
・第百九十八号議案 東京都市計画事業亀戸・大島・小松川第三地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
・第百九十九号議案 東京都市計画事業亀戸・大島・小松川第四地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
・第二百号議案 東京都市計画事業六町四丁目付近土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例
・第二百一号議案 東京都市計画事業環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
・第二百二号議案 東京都市計画事業大橋地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
・第二百三号議案 東京都市計画事業泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業施行規程の一部を改正する条例
・第二百四号議案 東京都建築安全条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・築地地区まちづくり先行整備事業の実施方針の方向性について(船着場周辺エリア(第〇段階))
○馬場委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
議事課の担当書記の宮島慎裕君です。
よろしくお願いいたします。
〔書記挨拶〕
○馬場委員長 次に、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
令和元年十二月十一日
東京都議会議長 石川 良一
都市整備委員長 馬場 信男殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第二百二十二号議案 都営住宅三十一H-一〇五東(足立区竹の塚七丁目)工事請負契約
2 提出期限 令和元年十二月十三日(金)
○馬場委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部関係の契約議案の調査、住宅政策本部及び都市整備局関係の付託議案の審査並びに都市整備局関係の報告事項に関する質疑を行います。
これより住宅政策本部関係に入ります。
初めに、契約議案の調査を行います。
第二百二十二号議案を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○和泉委員 都営住宅の建てかえについては賛成です。
本案件と同時期に団地内で行われる都発注の整備工事区域に関連して、地元の住民の方から具体的な要望が二点出ていますので、意見として述べさせていただきます。
まず、今回の建てかえに係る建物の北側に、十号棟、十一号棟、十二号棟と並んでいますけれども、この三棟の西側にある資材置き場との間に、通路があります。ところが、この通路の都道一〇三号線から入ってくる部分、ここが柵で塞がれていて通行できません。この通路部分の柵について撤去して通行できるようにしてほしいというのが一点。
もう一点は、一号棟の前の三角形の変形地についても、住民が憩える場所として使わせてほしいということです。
概要については所管にお伝えしているところですけれども、ぜひ住民要望を丁寧に聞き取って応えていただくよう、改めてお願いしておきます。
以上です。
○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
それでは、お諮りいたします。
本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○馬場委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第百八十四号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、住宅政策本部所管分を議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○清水委員 令和元年度補正予算案の台風第十五号、第十九号における住宅被害対策区市町村支援事業について何問か質問いたします。
各地に記録的な大雨や暴風をもたらしたこの秋の台風第十五号及び第十九号により、都内においても、私の地元の西多摩地域を含め、広い地域で大きな被害が生じました。
今般の台風被害の中で、都民の生活の基盤である住宅への被害について、住宅政策本部が、被災者の住宅の安全と生活の再建を図るため、区市町村に対して独自の補助制度を創設したことを評価いたします。
そこで、まず、都内で生じた住宅被害の確認のために、区部、多摩地域、島しょ地域においてどのような被害があり、何棟の住宅被害があったのか伺います。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 台風第十五号では、島しょ地域を中心に記録的暴風雨により屋根が破損するなどの一部損壊の住宅が多く発生しており、また、台風第十九号では、区部に大雨特別警報が初めて発令され、多摩川などで河川が氾濫し、浸水被害の住宅が多く発生してございます。
台風第十五号による都内の被害状況は、全壊十三棟、半壊七十二棟など、一部破損等も含め、全体で千五百九十棟となっております。このうち、区部は四百九十棟、多摩地域は五十三棟、島しょ地域におきましては千四十七棟となってございます。
また、台風第十九号による都内の被害状況は、全壊三十八棟、半壊六百五十六棟など、一部破損等も含め、全体で二千四百三十二棟となっております。このうち、区部では千四百八十二棟、多摩地域は九百三棟、島しょ地域は四十七棟となってございます。
なお、西多摩地域においても、台風第十九号により百三十二棟の被害が生じており、とりわけ被害の大きかったあきる野市では七十棟となってございます。
○清水委員 この都補助事業は、年度末までの三カ月では補修等が間に合わない場合があると考えますが、どのような検討を行い、期限を決めたのか、また、被災者のうち、対象者全員が適用を受けられるのか伺います。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 本事業は、台風第十五号及び第十九号の住宅被害が広範であったことを鑑み、緊急対策として行うものであり、速やかな住宅の安全と生活の再建を図ることを目的としております。
加えて、損害割合が二〇%未満の一部損壊の住宅を対象としており、補修工事に要する期間も考慮し、今年度事業としてございます。
また、区市町村に対しましては、事務負担の軽減に向け、要綱案や申請書類の記載例の作成等の支援を行っていくとともに、問い合わせに丁寧に対応することにより、区市町村の円滑な事務の執行を後押しいたします。
都は、区市町村と協力し、台風被害に遭われた都民に広く支援が行き渡るよう取り組んでまいります。
○清水委員 本事業の対象地域における罹災証明書の交付者は約千四百人になると伺いました。速やかな支援につながるよう、被災者の立場に立ち、申請や交付の手続の簡素化が重要と考えますが、見解を伺います。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 本事業の実施に向けましては、あらかじめ事業主体となる区市町村の意向や要望を確認しております。
被災された方が行う補助金申請手続の簡素化につきましては、事業主体となる区市町村が定める補助要綱等により規定するものではございますが、都といたしましても、区市町村に対して他の自治体の事例を示すなど助言等を行うことで、被災された方にとって負担の少ない、できる限り使いやすい制度となるよう支援してまいります。
○清水委員 今回、補正予算案が二億五千万円です。その根拠はどのような根拠になっているのか、また、来年度予算に計上する予定がないのかお伺いいたします。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 予算案の額につきましては、台風第十五号及び第十九号被害による一部損壊及び床上浸水とされた住宅の棟数、これは東京都防災ホームページで公表されているものでございますが、これをもとに算出しております。その際、災害救助法が適用された地域においては、その半数が応急修理の対象となるものと想定し、対象を千七百棟とした上で、戸当たり十五万円を乗じて、二億五千万円としたところでございます。
また、先ほどご答弁いたしましたとおり、本事業は、台風第十五号及び第十九号の住宅被害が広範であったことを鑑み、緊急対策として行うものでありまして、損害割合が二〇%未満の一部損壊の住宅を対象としており、補修工事に要する期間も考慮し、今年度事業としております。
○清水委員 今ので納得いたしました。
台風第十五号及び第十九号における住宅被害対策区市町村支援事業について質疑をしてまいりました。
台風で一部損壊の住宅被害を受けた方に、この補助はとても意義のある制度であると思っています。
答弁にもありましたように、被災された方にとって、手続などでできるだけ負担感の少ない、利用しやすい制度となるよう、区市町村ともしっかり連携をとりながら、円滑に事務を実施していただくよう改めて要望いたしますとともに、被災された方の住宅の再建に資するよう期待して、質問を終わります。
○古城委員 第百八十四号議案、令和元年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、住宅政策本部所管分に関連して、台風第十五号、第十九号の住宅被害に対する支援について意見を申し述べます。
都議会公明党は、今般の台風被害に際して、区部、多摩、島しょの都内各地で、被災現場を調査し、住民要望を受けるとともに、国会議員や区市町村議員とのネットワークを生かして、届けられた切実な声を踏まえ、知事、都庁各局を初め関係機関に対して、早期の生活再建と復旧、復興に向けた要望を行ってまいりました。
九月二十四日には、台風第十五号の被害について、住宅損壊の支援にも触れ、知事へ緊急要望いたしました。都営住宅を利用した住宅確保とともに、従来全く支援がなかった住宅の一部損壊--具体的には、屋根が飛ぶと、修理に時間がかかり当分居住することが困難になりますが、半壊には至らず一部損壊に当たります。この点について、新たな制度構築も含めて支援をしっかり行うよう、積極的に対応していただきたいと申し入れたものです。
十月十三日には、台風第十九号の被害についても、台風第十五号における対応と同様に、都営住宅の提供と、住宅の一部損壊に対する支援制度の構築とともに支援内容の拡充を図ることを知事に求めました。知事は、いただいた要望について必要な補正予算措置等に対応していきたいと応じました。
これらを踏まえた都の対応について、十一月二十七日の本委員会において、東村委員より確認の質疑を行いました。
都は、国の措置でもなお対象とならない一部損壊の住宅について、緊急対策として区市町村を通じた支援措置の検討を進めてきたところ、令和元年度十二月補正予算案として、十一月十五日に、住宅被害対策区市町村支援事業を公表しました。
先日の事務事業質疑で申し上げた都営住宅居住者の要望への速やかな対応や、都営住宅を活用した支援も含め、今般の台風被害に対して、積極的に、そして迅速に対応されたことにより、現場の皆様は大変に喜んでおられます。住宅政策本部の皆様に感謝を申し上げます。
そして、都議会公明党は、一昨日十二月十日、本定例会の代表質問において、我が党の提案により補正予算案に盛り込まれた、災害救助法の対象となっていない住宅の一部損壊への都独自の制度について、既に修理費を支払った場合も対象とすること、また、災害救助法に基づく住宅一部損壊支援では応急修理の工事代金を既に支払ったものは対象となっていませんが、これについても都として支援することを求めました。これに対して、知事から、区市町村の意向も踏まえ柔軟に対応するべく、支払い済みのものも対象とする、これに加え、お話の支払い済みであったために国の応急修理の支援を受けることができなかった工事についても対象としていくとの方針が表明されました。
この事業による区市町村が負担する費用を含めた補助金の上限額は、三十万円または補修工事に要する経費の二分の一のいずれか少ない金額となっています。区市町村がこの補助制度を実施すれば、例えば補修工事に五十万円かかった場合、半額の二十五万円が補助されることになります。台風による住宅被害を受けた都民の皆様にとってはとても心強い施策であり、高く評価をいたします。
事業の早期実施に向けて、区市町村との調整を鋭意進めていただきたいと要望いたしまして、意見表明を終わります。
○菅野委員 私からも、この補正予算案の住宅被害対策区市町村支援事業についてお伺いしたいと思います。
重複する部分は削除いたしまして、要望も兼ねて一問質問させていただきたいと思います。
まず、台風第十五号、第十九号は、記録的な暴風雨をもたらし、各地に甚大な被害が発生しました。この都内でも、先ほど来お話があったように、広範囲に屋根の破損や床上浸水など、住宅に多くの被害が発生しています。
こうした中で、都は今回、国の制度の対象とならない一部損壊の住宅の補助を補正予算に計上された。そして、こういった取り組みというのが、台風被害に遭われた多くの都民をできる限り広く救済の対象としようとしている制度であると受けとめています。
既に修繕工事が終了して、従前の生活を取り戻している被災者もいらっしゃると伺っておりますが、その一方で、いまだに修理業者の確保ができずに、工事の見通しが立たない、それで、被災したままで困っている状態でいらっしゃるという方も大勢いらっしゃると聞いています。
せっかく今回のような制度をつくった以上、やはり対象となる方々に広く利用していただくことが重要です。これは区市町村が窓口にはなるんでしょうけれども、なかなか修理を請け負う業者が身の回りとか自力では見つけられない、見つからないといったようなことも聞いております。そうしたことがないように、都として取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 都では、現在、住宅政策本部のホームページにおいて、国土交通省及び住宅リフォーム推進協議会が運営している住まい再建事業者検索サイトの案内をするなど、被災者に対して、住宅の修繕工事業者に関する情報提供を行っております。
また、修理を請け負う業者につきましては、都と災害時における協定を締結している業界団体等へ本制度が創設されたことをお知らせし、事業への協力を依頼するなど、台風被害に遭った都民が円滑に住宅の安全と生活の再建を図れるよう取り組んでまいります。
○菅野委員 修繕が追いつかない、間に合わないというのは、もちろん、業者がわからない、知らないだけではないわけです。建築資材が足りない、人材が不足している、いろんな要因が当然あるわけですけれども、それでも、やはりこうした制度を活用してもらう、そして一日も早く日常の生活に戻ってもらうということが重要ですので、局を超えてというとあれですが、都庁全体となって、一丸となって、また民間業者、また各自治体とも連携してそういった取り組みを行ってほしいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。
○和泉委員 台風十九号による深刻な被害に対して、補正予算を組んで対応しようという都の姿勢を評価しています。
住宅政策本部所管分としては、被災した住宅の補修費に対して組まれた補正予算ということになるわけですが、補助が必要な家屋について、千七百棟、これはどのような積み上げではじき出したんでしょうかということをお聞きする予定でしたが、既に清水委員の質問に対して答弁いただいていますので、重ねて聞くことはいたしません。
災害救助法が適用にならないところの被害棟数、適用になるところでは対象から漏れると思われる一部損壊住宅が半数と見込んだ数字だという答弁でした。
住宅当たりの補助額については、補助上限額三十万円ということで間違いありませんか。同時に、都はそれで十分だというふうに考えているんでしょうか、伺います。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 災害救助法が適用される地域では、一部損壊の住宅への応急修理費用の限度額は三十万円以内となっております。
今回の都の制度は、一部損壊の住宅のうち、災害救助法が適用されている地域内にあっても損害割合が一〇%未満の住宅や、災害救助法が適用されていない地域の住宅を対象としているため、応急修理の金額を上限としたものでございます。
○和泉委員 私は、今回都が、国の応急修繕の対象としない一部損壊住宅について、都として独自に支援をするという方針を決めたこと、加えて、区市町村からの要望も踏まえて、今定例会の本会議で、既に自力で修繕してしまった一部損壊住宅についても都独自の支援対象に加えて、国の応急支援の対象も都として補助を出しますとしたことは、非常に重要な踏み込みだったというふうに思います。
一方、一部損壊といっても、修繕には相当な費用がかかることは確かです。そういうことから、お隣の千葉県では、国の支援対象とならない住宅にも、国の支援対象となる住宅にも、最大で五十万円の補助を出すことを決めています。しかも、千葉県は、一部損壊住宅の被害だけで六万件を超えることを想定していますから、補助対象も相当に上るんです。
もちろん千葉では台風十五号の風害による被害が大きいのですが、千葉県の担当者に聞いたところ、浸水被害という点でも、例えば全部水をかぶって、壁の石こうボード、フローリングなど一階全部を変えることになると、百五十万円を超えるような費用になることが想定されるという話でした。
ですから、被災者の実態に寄り添って、都としても、できる限りの支援に踏み出していただきたいというふうに思うんです。ぜひ補助の拡充を今後検討していただきたいというふうに思います。
また、区市町村が二分の一負担の補助スキームをつくらなければ補助ができないことや、本人負担が少なくとも半分発生することについては、ハードルが高いのではないかという気がしますが、その点についてはいかがでしょうか。
○栗谷川民間住宅施策推進担当部長 被災住宅の補修等への支援に当たりましては、区市町村が地域の実情や被害状況を踏まえ実施することが重要であり、都は、広域的自治体として区市町村の取り組みを支援するために、区市町村が補助する金額の二分の一を補助するものでございます。
本事業は、被災した都民の住宅の安全と生活の再建を図ることができるよう、国の支援の対象とならない被災住宅について、新たな補助制度として創設したものでございます。
この事業により、台風被害に遭われた都民に広く支援が行き渡り、被災住宅への補修に寄与するものと考えております。
○和泉委員 昨日の本会議では、既に補修を行った住宅についても遡及して適用することを決めたということは、最初の方でも述べましたけれども、それとあわせて、台風被害に遭われた都民に広く支援を行き渡らせる、そのための重要な事業だというふうに私も思います。
しかし、財政状況が厳しい区市町村もあるだろうというふうに思うんです。実際の支援が被災者に確実に届くようにするためにも、区市町村の負担軽減や本人負担の軽減など、さらなる補助の拡充を求めるものです。
さらに、現在の気候変動のもとで、台風はもはや日常の被害として備える必要があるというふうに思います。震災の被害にしても、台風や豪雨の災害にしても、すぐに支援ができる状況をつくっておくために、恒久的な被災者支援の制度をつくることもぜひ検討を求めて、質疑を終わります。
○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
以上で住宅政策本部関係を終わります。
○馬場委員長 これより都市整備局関係に入ります。
初めに、付託議案の審査を行います。
第百九十六号議案から第二百四号議案までを一括して議題といたします。
本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。
○森口委員 私からは、東京都建築安全条例の一部を改正する条例について質問をいたします。
東京都建築安全条例は、国の建築基準法の付加基準として、建築物の安全、防火及び衛生の一層の向上を図ることを目的に、主に特殊建築物や大規模建築物等に対して、昭和二十五年に規定されたものでありまして、その後さまざまな社会環境の変化に合わせて、今日まで適宜改正が行われてきました。
今回の東京都建築安全条例の改正は、昨年六月の建築基準法の改正に伴うものでありますが、まずは、国の建築基準法が改正された経緯やその目的について伺います。
○青柳市街地建築部長 今回の建築基準法改正の背景としては、二点あるとされております。
一つ目は、平成二十八年の新潟県糸魚川市で発生した市街地火災などの大規模火災に対応する防火関連規制の見直しが必要であること、二つ目は、建築物の防火について、平成二十八年から、産学官が連携して防火、避難規定全般のさらなる性能規定化に向けた研究開発が進められたことにより、隣棟への延焼防止などについて現行規制と同等の安全性を確保可能な構造方法等の選択肢を広げることが可能となったことでございます。
これらを背景として、国の社会資本整備審議会において、建築法制の見直しの方向に関して審議を行い、その答申に即した内容の改正法案が国会に提出され、昨年六月に成立したものでございます。
その目的は主に、建築物、市街地の安全性の確保、既存建築ストックの活用、木造建築物の整備の推進の三つでございます。
○森口委員 これまで、建築基準法二十七条のもと、木造三階建ての戸建て住宅を保育所や福祉施設などへ用途変更する際は、既存の建物の壁、柱などに耐火被覆を新たに施す必要があり、施工面、コスト面において大きなハードルがあり、既存ストックの活用が進んできませんでした。
今回の法改正は、戸建て住宅ストックの九割に上るといわれている延べ面積二百平米以下の戸建て住宅について、福祉施設や商業施設など、用途変更する場合、大規模な改修工事を不要にするとともに、建築確認の手続を不要にするなど、既存建築ストックの利活用を促進し、木造建築物の建てかえや防火改修を推し進める法改正であります。
法改正は、昨年、平成三十年六月に行われております。都においては、本定例会で付議されたわけでありますが、建築物や市街地の安全性の確保、また既存建築ストックの利活用、木造建築物の整備の推進などの観点から、速やかに条例改正を行うべきであります。
そこで、昨年六月の法改正からの都の取り組みについて伺います。あわせて、建築安全条例はどのように改正されるのかお伺いいたします。
○青柳市街地建築部長 昨年六月の法改正後、本年六月に政令及び告示が公布され、条例改正に必要となる詳細な基準などが示されました。その後、区市町村や関係機関の意見を聞きながら、具体的な条例改正案を作成し、本定例会に付議したものでございます。
次に、今回の条例改正の内容についてでございますが、法令改正を受け、主に二点について見直すこととしております。
一つ目は、耐火性能に係る制限の合理化でございます。現行規定では、新たな防火規制の区域に存する建築物は、規模に応じて耐火建築物または準耐火建築物とすることを義務づけておりますが、これを改正し、延焼防止性能を有する建築物の建築も可能とするものでございます。
二つ目は、戸建て住宅等を福祉施設等に用途変更する際の制限の合理化でございます。小規模な特殊建築物について、屋内階段から屋外への出口までの避難経路に関する防火区画の制限の見直しを行うものでございます。
○森口委員 昨年六月の法改正から、条例改正に向けて前へ進めてきたわけでありますが、東京都建築安全条例は、建築基準法四十条のもと、その制限を強化しているため、今回のような法律の見直しに伴い、条例の付加基準についてもさまざま条ずれの見直しが必要となるわけであります。
建築安全条例は、今回の法改正に合わせて、耐火性能にかかわる制限の合理化や、戸建て住宅等を福祉施設等に用途変更する際の制限の合理化を行うとのことでありますが、この条例改正によって、戸建て住宅の用途変更や建てかえにおいて具体的にどのような効果が期待できるかお伺いいたします。
○青柳市街地建築部長 今回の条例改正に伴う効果は、法令改正の効果と同様でございまして、三点が挙げられております。
一つ目は、延焼防止性能の高い建築物への建てかえが促進されることで、密集市街地の整備改善が図られること。
二つ目は、三階建ての戸建て住宅等から店舗や福祉施設等への転用が円滑化されることで、空き家の他用途への転用など、既存建築ストックが有効活用できること。
三つ目は、木材がそのまま見えるあらわしで使いやすくなることなどによりまして、木のよさが実感できる形での木材利用が推進されることでございます。
○森口委員 ご答弁のように、今回の条例改正に伴い、都においても空き家など既存建築ストックの利活用が進み、木造建築物の建てかえや防火改修、木密地域の不燃化促進につながることが期待されているとわかりました。
一方、昨年の法改正に伴い、二百平米以下の建築物の用途変更は、建築確認の手続が不要となったことから、民間による既存ストックの利活用を適切に進めていくためには、条例改正の趣旨を踏まえた用途変更の具体例や新たな立て穴区画の見本を先導的な概念図として指し示すなど、今回の改正の考え方を民間事業者やオーナーなど関係者にわかりやすく伝えることが重要であると考えますが、都の見解を伺います。
○青柳市街地建築部長 今回の法令改正によりまして、延べ面積二百平方メートル未満の小規模な建築物に係る防火関係規制の合理化とあわせて、二百平方メートル以下の用途変更に係る建築確認手続が不要となりましたが、その場合でも、建築基準法上、建築物の所有者、管理者には、引き続き建築基準に適合させる責任がございます。
建築物の所有者などが用途転用や維持管理などを適切に行い、民間による既存建築ストックの活用が適切に進められるように、法令や条例の改正趣旨やその内容についてわかりやすく周知していくことは重要でございます。
このため、関係団体と連携し、解説書を作成するとともに、建築物の設計者、施工者の業界団体などに対して説明会を開催するほか、わかりやすいパンフレットを作成し、ホームページに掲載するなど、広く周知を図ってまいります。
また、都におきましては、建築物の所有者などによる維持管理が適切に行われるよう、福祉部局や消防部局などと連携しながら、必要な取り組みを行ってまいります。
○森口委員 今回対象となる二百平米以下の建築物の用途変更は建築確認の手続が不要であるため、条例改正の趣旨を踏まえた木造建築の先導モデルを、民間事業者、オーナーにしっかりと指し示していただきたいと思います。
今回の条例改正は、国の法律の見直しに伴う改正を都において迅速に進めるものであります。一方で、都の建築安全条例は、国の建築基準法の制限をさらに強化する付加基準として、昭和二十五年、今から七十年前に制定がされたものでありまして、昨今の建築技術の革新や防災、消火技術の発展とともに、その時々の社会環境や社会的要請に合わせた適時適切な改正も必要と考えます。
建築安全条例は、昭和二十五年に制定がされてから、その時々において、不特定多数が利用する地下街の安全性の確保の必要性、また障害者や高齢者に配慮した福祉のまちづくりの必要性、木密地域の再生産を防止する不燃化促進の必要性など、これまでもさまざまな改正が行われてきました。
平成十四年の歌舞伎町雑居ビルでの火災、また平成十六年の六本木ヒルズ自動回転ドアの痛ましい事故など、社会的影響が大きい重大事故を受け、基準が強化されてきた経緯もあります。
今日、都においては、超高齢化、単独世帯の増加が進むとともに、人々の居住や働き方の多様化が進み、二〇二五年に初めて迎える人口減少など、新たな転換期を迎えております。
たびたび質疑に取り上げられております東京都駐車場条例も、利用者の減少という新たな転換期を迎え、附置義務の抜本的な見直しが必要とされております。
昭和二十五年に制定がされました東京都建築安全条例におきましても、建物の安全性をしっかりと確保した上で、空き家の利活用、既存ストックの利活用といった今の社会的要請や社会環境に即さない基準の廃止なども含め、見直しを検討いただきたい旨要望し、質問を終わります。
○古城委員 第二百四号議案、東京都建築安全条例の一部を改正する条例に関連して質問します。
本改正案には、市街地の安全性の確保や既存建築ストックの活用など、東京の都市づくり、まちづくりにおける重要な事項が含まれています。
ただいまの質疑で、この改正案の概要についてはさまざま議論が行われておりましたので、私からはポイントを絞って確認をさせていただきたいと思います。
まず、今申し上げました一点目の市街地の安全性の確保についてであります。
首都直下地震や、平成二十八年の新潟県糸魚川市で発生した市街地火災など大規模火災から、都民の皆様の生命、財産と首都機能を守る上で、木造住宅密集地域の不燃化の促進は喫緊の課題であり、さらに不燃化の取り組みを加速していかなければなりません。
今回のこの安全条例の改正の一つに、新たな防火規制区域に関する規制の見直しがあるとのことであります。
そこで、まず、東京都建築安全条例に定める新たな防火規制区域とはどのようなものか、念のため確認をさせていただきます。
○青柳市街地建築部長 新たな防火規制区域は、平成十五年に東京都安全条例を改正し創設したものでございまして、準防火地域の防火規制を強化し、木造住宅密集地域における建築物の不燃化を促進することを目的としております。
具体的には、新たな防火規制区域内では、物置等の附属建築物を除き、建築物の建てかえまたは新築を行う際に、準耐火建築物以上とすることを義務づけ、木密地域における建築物の不燃化の促進を図ることとしております。
○古城委員 東京都の建築安全条例で定められる新たな防火規制区域は、木密地域における建築物の不燃化を促進することを目的として定められたもので、この区域内では、建てかえまたは新築されれば必ず準耐火建築物以上となるということを確認いたしました。
しかしながら、新たな防火規制区域を指定したとしても、実際に建てかえという行為がなければ、密集市街地の改善にはつながりません。木造住宅密集地域の改善を進める上で、延焼拡大防止にも資する道路、公園等の公共施設整備などの取り組みに加え、建築物の建てかえを促進していくことが重要であると考えます。
そこで、今回の法令改正を受けて、条例ではどのように新たな防火規制に関する規定について見直しを行うのかお尋ねをいたします。
○青柳市街地建築部長 現行条例におきまして、新たな防火規制の区域に存する建築物には、建てかえまたは新築を行う際に、規模に応じて耐火建築物または準耐火建築物とすることを義務づけております。
今回の改正は、延焼防止性能を有する建築物についても建築を可能とするものでございます。
具体的には、これまで全ての柱、はりなどについて一律に耐火性能を有することを求めておりましたが、改正後は、外壁及び開口部の防火性能を高めることにより、耐火建築物、準耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有する建築物の建築が可能となります。
○古城委員 今回の条例改正により、新たな防火規制区域内において、耐火建築物または準耐火建築物に加え、外壁などの耐火性能を高め、今申し上げた耐火そして準耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有していれば、建物の内側の壁や柱などに木材をあらわした状態でも建築物を建てることも可能となるということがわかりました。
そうしますと、これらによりまして、建てかえ後の建築物の構造や建物の内側の仕様など、設計上の選択肢がふえることになるともいえます。不燃化の促進へ着実につなげるべく、これらの内容を、特に木密地域内にお住まいの方に知っていただくために、区市とも連携して、周知に積極的に取り組むことを要望いたします。
次に、既存建築ストックの活用についてであります。
今回の法令改正では、空き家等の既存ストックの有効活用を図るため、戸建て住宅等から他の用途への転用を促進させることを念頭に、小規模な福祉施設などの特殊建築物に関する規定について見直されましたが、まず、その背景を確認させていただきます。
○青柳市街地建築部長 今回の法令改正の背景の一つといたしまして、平成二十八年から産学官が連携して、防火、避難規定全般のさらなる性能規定化に向けた研究開発が進められたことによりまして、現行規制と同等の安全性を確保可能な構造方法等の選択肢を広げることが可能となったことがございます。
具体的には、床面積が小さい建築物は避難経路も短く、避難に要する時間が比較的短くなるという技術的な知見を踏まえまして、三階建てで延べ面積二百平方メートル未満の小規模な建築物は、耐火建築物、準耐火建築物などとしなくとも、避難中に建築物が倒壊、延焼することはないとし、国において防火規制の合理化が図られたものでございます。
○古城委員 今、今回の法改正の背景、また理由を確認させていただきましたけれども、それでは、今回のこの法令改正を受けて条例の関連規定が見直されることになるわけですが、これまで条例ではどのような規制がかかっていたのか、また、それらの規定が今回の条例改正でどのようになるのか、あわせてお尋ねをいたします。
○青柳市街地建築部長 現行の条例では、三階以上を福祉施設等の用途に供する特殊建築物に対して、火災時の避難上の安全性を確保するため、屋内階段から屋外への出口までの避難経路を防火性能の高い壁や扉などで区画しなければならないこととしているため、用途転用を行う場合には、避難経路の壁を石こうボードで被覆するなどの改修工事を行う必要がございます。
今回の条例改正では、病院等、利用者が寝泊まりするものを除き、三階建てで延べ面積二百平方メートル未満の店舗等の特殊建築物については、従来のような高い防火性能ではなくても、一定の防火性能の区画とすればよいこととなります。
これによりまして、戸建て住宅から店舗等の小規模な特殊建築物に転用する場合、石こうボードで被覆するなどの大がかりな改修工事を行う必要がなくなるため、転用が容易となり、空き家等の既存ストックの有効活用が期待できるものでございます。
○古城委員 条例改正によって、空き家の転用を促進していくということを狙いにしているということでありますけれども、建築基準法改正の際の国会の議論等を見ておりますと、福祉施設などへの転用の促進、これも狙いとしていることがわかるわけでございます。
そうした場合に、例えばですが、グループホームなどの高齢者が利用する施設については、特に火災発生時の避難など、安全面について十分配慮すべきであると考えます。また、その必要性が非常に高いと考えます。この点について見解を求めます。
○青柳市街地建築部長 今回の法令改正では、三階建てで延べ面積二百平方メートル未満の小規模な特殊建築物につきましては、高い防火性能ではなく、一定の防火性能の区画とすることができますが、ホテル等につきましては、在館者が迅速に避難できる措置を講じることが義務づけられております。
具体的には、利用者が寝泊まりするいわゆる就寝用途につきましては、就寝中であっても火災の発生を早期に覚知できるよう、各居室において連動して作動する警報設備の設置を法により義務づけております。
さらに、就寝用途のうち病院やグループホーム等につきましては、避難経路となる階段への火災拡大を抑制するための措置として、階段等と居室との間への防火戸の設置を法により義務づけております。
それに加えまして、今回の条例改正では、病院やグループホーム等の小規模な特殊建築物につきまして、屋内階段から屋外への出口までの避難経路に設ける扉などは高い防火性能とすることを義務づけております。
こうしたことから、グループホームなど高齢者が利用する施設については、引き続き、火災時の避難など、安全性の確保を図っております。
○古城委員 今、質疑では二点の視点から確認をさせていただきましたけれども、今回の条例改正が、市街地並びに建築物の安全性の確保と既存建築ストックの有効活用が両立をされ、そして、そのことにより東京における防災、減災の向上につながることへの期待を申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○和泉委員 私も建築安全条例の改正についてお尋ねします。
昨年六月に建築基準法が変わったことに伴っての条例改正ということですけれども、まず、確認させてください。東京都建築安全条例は、どのような法的根拠に基づいて、どのようなことを規定しているんでしょうか、ご説明ください。
○青柳市街地建築部長 建築基準法第四十条などにより、安全上、防火上などの観点から、地方公共団体が条例で制限を付加することが認められております。
これに基づきまして、建築安全条例では、建築物の敷地、構造などに関して、安全上、防火上などの観点から必要な制限を規定しております。
○和泉委員 建築基準法第四十条ですけれども、地方の気候、風土の特殊性及び特殊建築物の用途、規模により、法だけでは安全、防火、衛生の目的を達しがたいと認める場合には、地方公共団体が条例で制限を付加することができると。
地域の特殊性を考えるときに、あるいは特殊建築物、すなわち病院や福祉施設、宿泊施設などたくさんの方が使う建物について考えるとき、安全や防火、衛生のためには、建築基準法よりも高い制限をかける必要がある場合がある。そのときに、自治体ごとに判断して規制を加えることが、建築基準法上できるようになっていて、その東京都版が建築安全条例だということだというふうに思います。
では、建築安全条例で建築基準法の基準とは別に付加した制限というのは、どのような建物がこの制限の対象になっているんでしょうか。
○青柳市街地建築部長 条例の対象建築物といたしましては、店舗、劇場、病院など、いわゆる特殊建築物などでございます。
○和泉委員 条例は、建物全般についていろいろ決めていますね。敷地と道路の関係や防火、避難、建築設備などに関して安全上、防火上または衛生上、必要な制限を付加する。また、店舗、劇場など先ほどご答弁いただきました不特定多数が利用する用途などに供する建築物、いわゆる特殊建築物については、さらに高い安全性を求める規定というふうになっています。
つまり大きくいって二つの分野で規制を強化していると。
一つは、あらゆる建物にかかわって、道路にどのように接すれば安全になるか、防火や避難の仕組みはどうするべきかを規制した部分。
そしてもう一つは、不特定多数の人が利用する建物について、建物の中でも規模も大きく、複雑な構造になりますし、たくさんの方が使う分だけ火災の発生の頻度も高まり、また避難も難しいものになります。例えば火災があったときに、どこに避難出口があるのか探しながら避難することになるわけですから、住宅とは、建物の中にいる人たちの状況が全然違います。
だからこそ、高い安全性を求めるという規定になっていたんだというふうに思いますが、今回の建築基準法、政令、この改定を受けて、建築物の安全、防火または衛生の目的を十分に達しがたいと都が認めた部分、つまり建築基準法以上に制限を付加する必要があるというふうに都が判断している部分は、どのような部分でしょうか。
○青柳市街地建築部長 今回の法令改正では、その背景の一つといたしまして、平成二十八年に新潟県糸魚川市で発生した市街地火災などを踏まえまして、建築物、市街地の安全性の確保等の観点から規制が見直されたものでございまして、今回の条例改正は、法令との整合を図るため必要な見直しを行うものでございます。
○和泉委員 建築基準法では安全上、防火上、衛生上の目的を達しがたいと認めて、特殊建築物について、さらに高い安全性を求める規定をしていたわけですよ。
建築基準法の方は今回の改正で規制の合理化を図ったというふうにされていますが、ただいまの答弁ですと、法令との整合性を図るための見直しということですから、国の基準に合わせるということでいいんでしょうか、伺います。
○馬場委員長 挙手願います。
○青柳市街地建築部長 今回法令が改正されたことによりまして、その法令との整合性を図る、直すべきところは直すというものでございます。
○和泉委員 法令との整合性を図るということですから、国の基準に合わせていくというのが結局今の答弁だったのかなというふうに思いますが、国の基準法に合わせて、果たして安全が担保されるものになるのかというところがやはり最も重要な部分だと思います。
今回の改定では、三階建て延べ面積二百平米未満の特殊建築物について、耐火建築物、準耐火建築物でなくてよいということになるわけですが、これはどのような理由からそのようになるんでしょうか、伺います。
○青柳市街地建築部長 今回の法令改正の背景の一つといたしまして、平成二十八年から産学官が連携して、防火、避難規定全般のさらなる性能規定化に向けた研究開発が進められ、現行規制と同等の安全性を確保可能な構造方法等の選択肢を広げることが可能となったことがございます。
具体的には、床面積が小さい建築物は避難経路も短く、避難に要する時間が比較的短くなるという技術的な知見を踏まえまして、三階建てで延べ面積二百平方メートル未満の小規模な建築物は、耐火建築物、準耐火建築物などとしなくとも、避難中に建築物が倒壊、延焼することはないとし、国において防火規制の合理化が図られたものでございます。
○和泉委員 特殊建築物には、障害者や高齢者のグループホームなど、介護や支援が必要な方が宿泊される福祉施設も含まれます。こうした施設は、夜間になれば職員が一人体制となるところが多いというのが実態です。そのようなときに、建物の面積が小さい特殊建築物ならば避難時間も短くなる、だから、防火規制も緩めてよいと一概にいえるんでしょうか。
構造が耐火構造、準耐火構造ではなくていいとなった部分、性能は向上しているんだと、このようにいいますけれども、建築基準法の規制緩和が行われている中で、現場では消防の指導が逆に強まっているということを建築設計事務所の方から聞いています。
消防の観点から見れば、建築基準法の規制緩和の流れは、火災のときの不安を増加させているということになるんじゃないんでしょうか。
さらに、今回の改定案では、いただいた説明資料の一番下の段に当たりますけれども、戸建て住宅等の福祉施設などへの用途変更に伴う制限が緩和をされて、直通階段から出口までの経路の壁は、耐火構造ではなく間仕切りでよいというふうにされています。
また、扉についても、煙を遮断することは求めるものの、病院や宿泊が可能な福祉施設などについては防火性能の一定の緩和が行われて、さらにホテルや簡易宿泊所、宿泊しない福祉施設については防火性能、火を遮る能力は求められなくなります。
今回の改定によって、例えば防火扉の問題など、消防庁とはどのようなすり合わせを行ってきたんでしょうか、伺います。
○青柳市街地建築部長 国におきまして、総務省消防庁などと意見交換を行った上で法令改正したものと聞いております。
○和泉委員 防火扉が従来のような防火性能を有しなくてもよいということになったら、これまでのスプリンクラー、この設置基準というのはどういうふうになるんでしょうか、伺います。
○青柳市街地建築部長 今回の法令改正の背景の一つといたしまして、平成二十八年から産学官が連携して、防火、避難規定全般のさらなる性能規定化に向けた研究開発が進められ、現行規制と同等の安全性を確保できる構造方法等の選択肢を広げることが可能となったことがございます。
これを踏まえまして、今回の法令や条例改正により、病院やグループホーム等につきましては、店舗等の特殊建築物と異なり、利用者の属性を考慮し、避難経路と居室等との間に扉を設置する場合は、従来どおり防火性能の高い防火戸の設置が義務づけられる一方で、一定の防火性能を有する防火戸についても、スプリンクラーとあわせて設置することも可能となりました。
これらはいずれも、火災時の避難の安全性の観点から、同等の安全性が確保できる方法であると認められております。
○和泉委員 これまでの防火扉は二十分間防火設備というふうになっていました。しかし、今回、居室などにスプリンクラーがついていれば十分防火設備でよいというふうになっています。スプリンクラーをつけるのか、つけないのか、この選択によって、二十分か、十分か、その防火設備の性能が変わってくる。スプリンクラーと組み合わせることで規制を緩和したということではないんでしょうか。
さらには、ホテルや旅館、簡易宿泊所のような施設や、入所する方の寝室がない福祉施設などについては、先ほどもいいましたように、防火性能は求められなくなります。
東京建築士会が発行した東京都建築安全条例とその解説では、建築安全条例で避難路を規制する理由について、避難階が火災になった場合は、階段から屋内を経て避難することが不可能になる、そこで、国が階段部分を規制しているのに加えて、この建築安全条例では道路までの安全な避難経路の確保を図っていると、このように書いてあります。ですから、規制を緩和するということは、その分だけ安全性に不安が生じるということにやはりなるんじゃないでしょうか。
これまで防火性能の高い扉が求められていたのは、どのような理由からでしょうか、また、今回そうでなくてもよいとするのはどのような理由からでしょうか、伺います。
○青柳市街地建築部長 法令改正前は、小規模な特殊建築物などにつきましては、三階建て以上の場合は、避難上の安全性を確保する観点から、防火性能の高い防火戸などを求めておりました。
今回の法令改正の背景の一つといたしまして、たびたび申し上げてございますが、平成二十八年から産学官が連携して、防火、避難規定全般のさらなる性能規定化に向けた研究開発が進められ、現行規制と同等の安全性を確保可能な構造方法等の選択肢を広げることが可能となったことがございます。
具体的には、床面積が小さい建築物は避難経路も短く、避難に要する時間が比較的短くなるという技術的な知見を踏まえまして、三階建てで延べ面積二百平方メートル未満の小規模な建築物は、従来のような高い防火性能の扉としなくとも、避難中に建築物が倒壊、延焼することはないとし、国において防火規制の合理化が図られたものでございます。
○和泉委員 先ほど来、同等の安全性が確保できる方法であるということを繰り返し答弁なさっているんですが、その具体的な中身はといえば、床面積が小さい建築物は避難経路も短く、避難に要する時間が比較的短くなるという技術的な知見なんだというふうにおっしゃっています。
この技術的な知見というのは、それではどういったものなんでしょうか、もう少し具体的に説明していただけますでしょうか。
○青柳市街地建築部長 小規模な建築物の場合、火災の初期につきましては、用途によらず火災の広がり方に差が少ないということから、小規模なものにつきましては経路も短く、避難に要する時間が比較的短いという技術的な知見を踏まえまして、耐火建築にしなくてもよいというものにしたものと聞いております。
○和泉委員 結局、火災の初期の段階では火の広がり方が、小規模な建物の場合には用途にかかわらず余り変わらないよと。だから、建物が小さければ、それだけ避難する時間が短くなるから大丈夫なんだと。それが、今までと違う防火性能でも同等の安全性が確保できる方法なんだということなんです。
間仕切りについて、あるいはドアについて、今までと同等の性能が求められるようなものを使うということではなくて、結局、規制緩和のベースとなっているのは、床面積が小さい建物ならば、避難に必要な時間が比較的短くなる、こういう国の知見です。答弁を聞く限り、都としての独自の検証をしたということでもありません。
しかも、住宅などを特殊建築物などに用途変更する場合、国の建築基準法の改定によって、今回の改定に係る小規模の建築物については、建築確認申請が要らなくなってしまっているんです。十分防火設備、あるいは二十分防火設備が整っているかどうかをチェックすることもできません。建築確認申請がないわけですから、特定行政庁が許可したり、建築主事などが確認する際の消防署長などの同意も必要なくなるというふうに思います。
所有者、業者任せになった建物が規定どおりにつくられているか、大変不安な状況が生み出されてしまうんじゃないんでしょうか。
空き家になった住宅などのストックを活用すること自体は大事なことですけれども、建築安全条例で行っている耐火規制は、居住者や利用者の命と身体の安全を守るための規制であり、安易に緩めるべきではありません。
近年も、福祉施設などで多くの方が命を落とす火災が全国各地で相次ぐ中で、必要な防火、耐火対策の徹底こそが求められています。
せっかく都は建築安全条例を策定して、建築基準法では達しがたい目的を達成するために制限を付加してきたわけですから、その条例の本来の目的に沿って、安全上、防火上、衛生上必要な制限をどうするべきか、検証し直すべきです。
事は人命にかかわる問題です。条例改定案は一度取り下げ、改めて検討し直すことを強く求めて、私の質疑を終わります。
○青柳市街地建築部長 先ほど延べ面積二百平方メートル以下の用途変更につきましては、建築確認手続が不要となったということでございますが、確かに今回の法改正によりまして、延べ面積二百平方メートル以下の小規模な建築物に係る防火関係規制の合理化に合わせまして、二百平方メートル以下の用途変更に係る建築手続は不要となりましたけれども、先ほどもちょっと申し上げましたとおり、建築基準法上の建築基準への適合義務は、引き続き法律により課されることになります。この場合、基本的には建築主の責任により、用途転用の際に求められる措置を講じることになります。
なお、都では、福祉施設等を所管する部局、消防部局、空き家活用等を所管する部局などと連携いたしまして、小規模な建築物の用途転用を行う場合、基準への適合義務は所有者等の責任として引き続き課されること、用途転用の際には建築士などに相談して基準への適合性について確認してもらうことなどを推奨するなどの内容を、パンフレットにまとめまして、各部局の窓口で配布するとともに、関係団体への周知を図るなど、必要な取り組みを講じてまいります。
○和泉委員 建築確認申請が要らなくなったという事実は変わらないんです。そして、その安全性能をどうやって担保するのかというのは、結局のところ業者任せ、所有者任せになるということなんです。
どんなに所管の局があったとしても、部材に何が使われているのか、そういうことまでのチェックが本当にできるんでしょうか、その点の安全の心配を私は申し上げているわけです。
繰り返しますけれども、事は人命にかかわる問題なんです。条例改定案はやはり一度取り下げて、都としてもしっかり検証し直して、改めてどんな制限が必要なのか検討し直すことを再度求めておきます。
以上です。
○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○馬場委員長 次に、報告事項、築地地区まちづくり先行整備事業の実施方針の方向性について、船着き場周辺エリア第ゼロ段階に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について、理事者の説明を求めます。
○桜井次長 去る十一月二十九日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元に配布しております資料1、都市整備委員会資料十一月二十九日要求分の表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。資料は三件でございます。
一ページをお開き願います。1、旧築地市場跡地の地歴でございます。
一ページから八ページにかけまして、安政六年から平成八年までの旧築地市場跡地の地歴を掲載してございます。
九ページをお開き願います。2、水上バスの利用状況、乗客の推移でございます。
東京水辺ラインの発着場ごとの乗船者数について、年度別に記載してございます。
一〇ページをごらんください。3、築地周辺における開発状況、中央区内、平成元年以降でございます。
中央区内における平成元年以降の市街地再開発事業、一一ページ以降ですが、特定街区、総合設計、再開発等促進区を定める地区計画及び都市再生特別地区について、対象の面積及び延べ面積等を記載してございます。
以上で資料説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○馬場委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○伊藤委員 私からは、築地まちづくりについて、とりわけていわゆるゼロ段階といわれる船着き場周辺エリアについて、報告事項に当たって質疑をさせていただきたいと思います。
今ご説明いただいたように、きょうの資料請求の中の資料からも明らかなように、江戸時代においては名家の屋敷街であったということでありますし、また、時代が移って、令和においてもなお東京の最も価値の高い地域、その地域におけるまちづくりが、このゼロ段階、築地まちづくりになると、こういうことでありますので、その分だけに、都民の注目、関心も大いに高いものというふうに認識をしています。
とりわけて築地の市場の跡地、そしてまた今後の東京のランドマークにもなり得るまちづくりでありますので、きょう改めてこのゼロ段階の意義について伺いたいと思います。
一般的には、工期を分けて、第一工期とか、第二工期とか、あるいは一段階、二段階といったところかと思いますが、あえてゼロ段階というふうに銘打って、今回まず着手としての先行整備事業を行う意義について伺いたいと思います。
とりわけてこの築地まちづくりは二〇四〇年代までかけて最終的に完成させていこうという計画になっていますので、長い時間をかける一方で、東京のまさに顔になるエリアにおいてにぎわいを失うことなく東京のまちの魅力を高めていこうということで、ゼロ段階という位置づけにされていることと推察をしていますが、その意義について都の見解を伺いたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 築地地区におきましては、東京二〇二〇大会の車両基地等の活用にも供しながら、埋蔵文化財調査等を行い、まちづくりを進めていく必要がございます。
また、インフラ整備の状況も勘案しながら、土地のより効果的な活用を図り、都民にとっての価値を最大化していくこととしておりまして、このことからも、全体のまちづくりの完成までには相応の期間を要するところでございます。
このような中、活用可能なまとまった土地を最も早期に生み出すことができる船着き場周辺エリアにおきまして、築地まちづくり方針に沿って、本格的整備に先立ち先行的に整備を行い、築地場外市場とのつながりにも配慮しながら、築地地区における新たなにぎわいを早い段階から創出していくこととしてございます。
また、水辺の立地を生かし、舟運の活性化や舟運ネットワークの充実を図りながら、本格的整備への効果的な移行や周辺地域の活性化に貢献していくこととしてございます。
○伊藤委員 今申し上げたように、にぎわいを失うことなく、まとまった土地を早期に活用していきたいんだという、そういった趣旨でご答弁をいただいたものと思います。
これから本当に長い時間をかけて工事に入っていくわけでありますけれども、築地は何といっても臨海部分と、そしてまた大・丸・有、この東京の中心エリアをつなぐ結節点でありますので、その結節点において、とりわけて舟運ということになろうかと思いますけれども、船着き場ができて、まちの魅力というものを維持していくという意義は極めて大きなものがあるというふうに思います。
ましてや周辺には現在も築地場外市場があり、場外の皆様にとりましても、築地の市場が豊洲に移って、どうしても客足が市場関係者という意味では伸び悩む中で、これからも外国人の旅行客の方、あるいは国内の旅行客の方々に足を運んでいただきたいという思いを持っていらっしゃいます。
そういう中にあって、船着き場がしっかりできて、観光スポットが新たに定着をしていくということは、築地まちづくり、ひいては東京全体の魅力において、極めて重要なことだというふうに理解をしております。
そんな中で、今後のスケジュール感についても伺っていきたいと思います。
今回の先行整備事業の実施方針の方向性についてという報告事項の中で、事業の進め方が示されていますが、ゼロ段階の今後のスケジュールについて、いつ事業者が決まるのか、あるいはまた予定としている令和四年の着工に向けて、今現在順調に進んでいるのか、この点について確認をさせていただきたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 先行整備を行う第ゼロ段階の船着き場周辺のエリアにおきましては、令和四年十月の着工に向けまして、現在、市場の解体工事や東京二〇二〇大会の車両基地整備工事と調整を図りながら、土壌汚染調査などを実施してございます。
今年度中に事業実施方針を公表し、令和二年ごろに事業者募集を想定しておりまして、事業者決定の時期は事業実施方針に示していく予定でございます。
○伊藤委員 今、答弁の中で、着工ですけれども、令和四年十月の着工に向けてというふうに言及がございました。この築地の再開発、まちづくり方針がこの都議会において議論されるようになって以来、いつ着工できるのかということが一つの争点にもなってきたところでございます。
そういう意味で、当時五年以内に着工しますという答弁をいただいておりましたが、この以前からいただいている五年以内の着工というのは、確認ですけれども令和四年十月までの着工という理解でよいのかどうか、答弁をお願いしたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 今回お示しいたしました先行整備事業における実施方針の方向性におきまして、令和四年十月を目途に着工することをお示ししておりまして、それはこれまで五年以内の着工を目指すとしてきたことと整合がとれてございます。
○伊藤委員 かつて答弁いただいた五年以内の着工とは、まさに今お話しになられた令和四年十月までの着工ということで確認をさせていただきました。
今後、一段階、二段階、三段階と進む中で、当然埋蔵文化財、あるいは土壌汚染対策工事も予想をされます。
そういう意味で、当初来、東京都の方からは二〇四〇年代の完成を目指していくというお話がありましたが、まずもって、このゼロ段階においては一つの着工、まあ、一つのスケジュール感の中で、予定どおり進んでいくということが方向性として見えてまいりました。そのことについては、ご努力いただいている都市整備局の皆さんに、また地元地域の皆さんに敬意を表したいと思います。
完成された後のゼロ段階のいわゆる船着き場でありますけれども、いうまでもなく、この十年間、あるいは二十年間の間に、舟運はかなり活性化をしてきたというふうに理解をしています。
かつて東京都の公園協会が持たれていた船底の浅い船のみならず、今は多くの民間の船なども東京湾周辺を行き来しておりますし、水辺空間が以前にも増して観光資源として利用されるようになりました。
そういう意味では、でき上がった船着き場をさまざまな船が利用できるように、門戸を広げていくべきであり、そしてまた、どんな船が今後この船着き場を利用されるのか、関心のあるところであります。
門戸を広げ、そしてどんな船が就航するのか、利用できるのか伺いたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 先行整備事業の実施方針の方向性では、都市基盤整備に係る方針といたしまして、築地地域の交流を促進し、にぎわい創出に寄与するよう船着き場を活用して、舟運の活性化、舟運ネットワークの充実を図るとしてございます。
築地地区の防災船着き場の利用に向けましては、引き続き、その整備、管理を行う建設局と調整を図ってまいります。
なお、隅田川にある防災船着き場のうち六カ所につきましては、平常時に一般の船舶に開放してございまして、水上オートバイを除く船舶で喫水条件を満たすなどすれば、利用可能となってございます。
○伊藤委員 今後、具体にはどんな船が着くのかについても検討がなされていくであろうと思いますが、今、本当にさまざまな形態の船が東京湾、あるいは河川を航行していますので、さまざまな船に門戸が開かれるようにお願いをしたいと思います。
最後に、要望を申し上げたいと思います。
今回はまさにゼロ段階ということで、本格的な整備に先行した形で事業が実施をされていきます。
今後、第一段階、第二段階、第三段階と、従来申し上げているように、企業やグループを分けずに一体的に、一グループないしは一企業にこの開発をしていただくべきだということは、これまでも申し上げてきました。
いずれにせよ、今後、第一、第二、第三段階において開発をされるグループ、あるいはまた開発を希望される企業にとっては、このゼロ段階における設計理念であったりとか、あるいは方向性、まさに固唾をのんで見守っている状態だというふうに思います。思いますが、これはあくまでゼロ段階であって、必ずしも船着き場の様相、設計というものが本格的な一、二、三段階の設計を縛るものではないというふうに思いますし、あくまでこれはにぎわいを失わないように、そしてまた舟運を活性化するために、今回先行的に事業として着手をしていくものだということを都からも発信をしていただきたいと思います。
それはすなわち今回の設計が、本格的な一、二、三段階において必ずしも拘束するものではないということを今後事業者の方々にしっかりPRをして、自由な発想で一、二、三段階における開発のコンセプトを出していただくということを強く望んで、質疑を終わらせていただきたいと思います。
○古城委員 築地地区まちづくり先行整備事業の実施方針の方向性について、船着き場周辺エリア第ゼロ段階に関連して質問します。
築地地区は、緑豊かで江戸情緒が漂う浜離宮恩賜庭園、国際的なビジネス拠点である大・丸・有地区、成熟した商業地である銀座、食文化の拠点である築地場外市場、都市発展の歴史を育んできた隅田川や東京湾といった魅力的な資源に隣接する地域であります。
また、今後はBRTや舟運、都心部と臨海地域とを結ぶ地下鉄構想などにより、人々の交流が一層盛んになっていくものと思われます。
そして、羽田空港や新設される国際クルーズターミナルなどへのアクセスも含めた陸海空にわたる交通の結節点に位置をしております。
地元の中央区からも、こうした恵まれた立地の特色を生かしたまちづくりが期待されております。
そこで、都議会公明党は、地元区との連携を重視しつつ、都民の夢と希望を育み、世界の主要都市に類のないロケーションを生かしたまちづくりとすることを訴えてまいりました。また、築地再開発の進め方について、都が築地市場跡地を段階的な整備をしていくとしているところ、開発方針の一貫性が薄らぐのではないかとの危惧や、築地場外市場への影響などが懸念されることを指摘してまいりました。
これらに対して、都技監からは、まちづくりを適切に進めるための一貫した方針のもと、周辺との相乗効果等も図りながら、適切に機能を順次導入していく必要があるとの認識を示していただいておるところでございます。
第ゼロ段階の開発により、築地地区のにぎわいを継続、拡大して、段階的開発を通じた新たなにぎわいの創出についても確実に拡大につながるように努めなければなりません。
第三段階において、改めてゼロベースで組み立てるということではなく、第ゼロ段階においても、都心部・臨海地域地下鉄構想などの将来のインフラ整備を見据えて計画すべきと考えます。この点について見解を求めたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針では、インフラ整備の状況も勘案しながら、長期的な観点から段階的な整備を進め、中長期的に都民にとっての価値を最大化していくこととしてございます。
全体のまちづくりの完成までには相応の期間を要する中で、船着き場周辺エリアにおきまして、まずは第ゼロ段階として、舟運活性化の観点から、本格的整備に先立ち先行的に整備を行いまして、築地場外市場とのつながりにも配慮しながら、築地地区における新たなにぎわいを早い段階から創出していくこととしてございます。
続きまして、第一段階の庭園側のエリアの整備、第二段階の中央エリアの整備を行い、第ゼロ段階から第二段階の段階的開発を通じまして、それらで導入する機能などを相互に連携させるとともに、築地場外市場など周辺資源などとも連携しながら、にぎわいを拡大できるようにしていきたいと考えてございます。
そして、インフラ整備に合わせまして、高度利用が可能と想定される船着き場周辺エリアにつきまして、第三段階として再整備を行い、将来の鉄道等の整備にふさわしいさらなる土地の高度利用を図り、地区全体としてさらなるにぎわいの創出を図っていきたいと考えてございます。
○古城委員 築地まちづくり方針の総論的な部分を確認させていただきましたけれども、もう一点、総論的な立場から確認をさせていただきたいと思います。
まちづくり方針には水の都東京の玄関口にふさわしい水辺の駅と示されております。この水辺の駅というものを、機能的な側面からイメージをしますと、例えばでありますが、鉄道連絡船と間近で接続する鉄道駅である和歌山港駅や宮島口駅、そして、かつて青函連絡船が往来した青森駅や函館駅を思い浮かべます。それから、現在の都内の舟運において一例を挙げますと、都営地下鉄を初め三路線の浅草駅と近接する浅草、それから伊豆・小笠原諸島への玄関口である竹芝、そして国際展示場、東京ビッグサイトに隣接する有明が挙げられると思います。
そしてもう一点の側面ですが、施設面でありますけれども、高齢者や障害のある方々、親子連れ、外国人旅行者を初めとして、誰もが安心して、そして安全に、心軽やかに移動することができる環境整備が重要であると考えます。
第ゼロ段階からも、特にアクセシブルなルートを確保し、エレベーター設置などバリアフリーに配慮した水辺の駅とするべきと考えます。
そこで、今、機能面また施設面から申し上げましたけれども、水の都東京の玄関口にふさわしい水辺の駅はどのようなイメージなのか、見解を求めたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 築地地区は、東京湾の湾奥、隅田川の河口に位置し、水の都東京の玄関口にございます。
当地区の将来像の実現に向けまして、東京湾、隅田川、陸からの交通ルートが交差する要所にあることを生かし、舟運、バス、地下鉄などのインフラから成る広域交通結節点を戦略的に形成するとともに、地域のにぎわいを創出し、東京全体の活性化にも資する舟運ネットワークのかなめを形成することとしてございます。
バリアフリーにも配慮しながら、船着き場周辺は、川側からのゲート性を意識し、水に向けた顔づくりを行うとともに、船着き場との一体性や効果的活用を考慮し、交通広場など交通結節機能等を確保していくと考えてございます。
○古城委員 具体的に、こういう場所、類似するような場所がございます。こういうことはなかなか、まだ現時点においては難しいんだと思いますけれども、今さまざま答弁をしていただいたところでありますが、第ゼロ段階においても、第三段階、最終的な様相を見据えた上で、この水辺の駅というものが形成をされていくということを期待したいというふうに思います。
その中で、先ほど、機能面ということで鉄道連絡線等の駅も具体例として挙げさせていただきましたが、水辺の駅については、舟運、それから陸上交通、そして地下鉄構想も含むというふうに理解をしておりますけれども、このまちづくり方針に示されている都心部・臨海地域地下鉄構想は、十月に取りまとめられた東京ベイエリアビジョン(仮称)の検討に係る官民連携チームの提案書にもこのように記載があります。
都心部や羽田空港等へのアクセス向上のため、羽田空港アクセス線の新設、地下鉄八号線の延伸、都心部・臨海地域地下鉄構想、都心部・品川地下鉄構想を実現、このように記載があるわけでございます。
そこで、この地下鉄構想の意義と課題を確認させていただきます。
○山下都市基盤部長 都心部・臨海地域地下鉄構想につきましては、銀座、東京などの都心部と臨海地域を結ぶことで臨海地域の拠点機能を一層強化し、さらに、ネットワークの面からも東京全体の公共交通のさらなる利便性向上に寄与することが見込まれます。
一方、国の答申では、この路線は事業性に課題があり、検討熟度が低く、関係者間において事業主体を含めた事業計画について十分な検討が必要とされております。
○古城委員 今、答弁いただいた答申、これは交通政策審議会の第百九十八号答申に当たるかと思いますけれども、ここには、東京駅付近において、常磐新線いわゆるつくばエクスプレスと相互直通運転を行う旨が示されています。
築地の地元中央区が行った都心部と臨海部を結ぶ地下鉄新線の整備に向けた検討調査では、つくばエクスプレス等の乗り入れや羽田空港方面への延伸の検討、さらには建設主体や経営形態の検討が行われております。
この中央区の報告書の結果を都としてはどのように捉えているのかお尋ねをいたします。
○山下都市基盤部長 沿線区でございます中央区は、平成二十六年及び二十七年に、都心部と臨海部を結ぶ地下鉄新線の整備に向けた検討調査を実施し、意義、必要性や概略のルート案などを報告書として取りまとめております。
都といたしましては、都心部・臨海地域地下鉄構想の検討に当たり、この報告書も参考にして取り組んでまいります。
○古城委員 地下鉄構想について、築地まちづくり方針の中でも、具体化を図るとの記載がございます。
また、答申の中でも、関係地方公共団体等において、事業主体を含めた事業計画について十分な検討が行われることを期待と、このように示されているわけでございます。
そこで、現在の取り組み状況を確認させてください。
○山下都市基盤部長 本路線は、東京全体の公共交通のさらなる利便性向上に寄与することが見込まれている一方、国の答申では、検討熟度が低く、構想段階であるため、事業主体を含めた事業計画について十分な検討が必要とされております。
都といたしましては、臨海地域における開発動向などを勘案しながら、国の答申を踏まえ、構想をより具体化するため、国や地元区など関係者間で連携して取り組んでまいります。
○古城委員 この都心部、臨海部の地下鉄構想については、築地まちづくり方針の中の時期的なものとの整合性、何年度に実現が可能なのかという点については、やはりなかなか現時点においては明示が難しい、そういう構想なんだろうなということは理解をするところであります。
そういう意味においては、地元中央区が期待をする都心部と、そして臨海部を結ぶ中において、築地のにぎわいをより導いていく、また活性化をする、その誘客をするための動線としてこの地下鉄構想があるわけですけれども、地下鉄構想が実現するまでの間、じゃあどういう交通手段を使ってこの地区に多くの観光客、また買い物客を引き込んでくるのかと、こういう点についてはさまざまな方法があるとは思います。
ベイエリアビジョンの提案書、先ほど申し上げましたが、この中では、鉄道ネットワーク整備までの間は、BRTにより東京、品川、羽田空港などとのアクセスを強化と記されております。当然、このベイエリアビジョンは築地から以南のベイエリア全てを包含するわけですので、一概にこの築地だけを指すものではありませんけれども、BRTと明示がされているところでございます。
そこで、第ゼロ段階におけるBRTの乗り入れはどのようになっているのか、確認をしたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 第ゼロ段階におけるBRTの乗り入れにつきましては、運行ルートである環状第二号線等から第ゼロ段階のエリアまでのアクセスなど、検討、調整が必要な事項がございまして、現時点ではBRTの乗り入れは想定していないところでございます。
○古城委員 第ゼロ段階におけるこの当該エリア、ゲートゾーンへの快適なアクセスが確保される必要があると考えますけれども、築地まちづくり方針の中では、都営地下鉄大江戸線の築地市場駅は明示される一方で、東京メトロ日比谷線の築地駅、当然さまざまな地図の縮尺の関係、大きさもありますけれども、交通結節機能の部分においては地下鉄という大きなくくりの中に含まれております。
それから同様に、観光バスというものも明示をされているわけですが、一方で、今も晴海通りを営業走行する都営バスは、広く陸上交通、もしくは単語のバスというところに含まれているものと理解をしております。
そこでお尋ねをしたいと思うわけですけれども、こういった点も含めてゲートゾーンへの公共交通によるアクセス、これは今現状でどのようになっているのか、また認識をされているのかお尋ねをしたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 ゲートゾーンは、築地市場駅、築地駅、東銀座駅から約一キロメートル以内の徒歩圏内に位置してございます。
また、ゲートゾーンが面する晴海通りには、東京駅などへ向かう路線バスが運行されており、付近に停留所が設置されてございます。
○古城委員 先ほどBRTについてお尋ねをさせていただきましたけれども、ご承知のとおり、このBRTの運行計画によれば、東京二〇二〇大会後のプレ運行二次段階で、東京ビッグサイトや東京国際クルーズターミナルに向かって検討路線が示されております。そして、環状二号線本線トンネルの開通、二〇二二年度後、また晴海五丁目の選手村まち開き後の本格運行段階では、それらに加えて、銀座や東京駅方面に検討路線が示されています。これらは中央区の検討調査報告書に示される都心部・臨海地域地下鉄構想の延伸区間とも重なります。
先ほども引用して申し上げましたとおり、鉄道ネットワーク整備までの間はBRTによりアクセスを強化することが求められる中、この地下鉄構想が実現するまでの間はBRTが交通需要を担う主力となるべく、弾力的に運用するべきではないかと考えております。
そこで、第三段階におけるBRTの乗り入れはどのようになっているのかお尋ねをいたします。
○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針では、交通結節点の形成に係る方針などをお示ししてございます。
具体的には、まず、都心部との連携強化に向け、地下鉄など基幹交通インフラ整備の具体化を図る、また、第三段階として、インフラ整備に合わせ高度利用が可能と想定される第ゼロ段階のエリアについて再整備を行う、その際、交通広場などについては観光バスの需要にも対応できるようにするとともに、BRTの乗り入れの可能性についても考慮するといった方針を示してございます。
○古城委員 冒頭に申し上げましたように、築地地区のにぎわいを継続、拡大、そして段階的な開発を通じた新たなにぎわいの創出、このためには、やはり交通の機能の充実というものは欠かせないものであると考えます。
地下鉄構想の実現には多くの、そして長い時間がかかることが当然予想されるわけでありますけれども、それまでの期間、その他の地下鉄、そして今申し上げましたBRT、さらには晴海通りを運行する都営バス等も含めた、こういった交通機能の充実ということが必要になってくるものと考えてございます。
これまで質疑をさせていただいたことも踏まえまして改めてお尋ねをしたいと思いますけれども、築地地区のまちづくりにつきましては、地元の意見をしっかりと聞いていただいて、またこれまでも行っていただいておるとは思いますが、地元の中央区としっかりと連携して取り組んでいく必要があると考えます。この点について最後に見解を伺いたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 第ゼロ段階のまちづくりを進めるに当たりまして、築地場外市場とのつながりにも配慮しながら、築地地区の新たなにぎわいを早い段階から創出していくことと考えてございます。
まちづくりの具体化に向けまして、事業者から具体的な提案を受けることとしてございますが、まちづくりの推進に当たりましては、地元区とも連携を図っていくと考えてございます。
○古城委員 段階的な開発であっても、まちづくりの一体性を確保して、地元中央区や場外市場業者の皆様の意見を十分に反映していただきながら、まちづくり方針をブラッシュアップしていくことを要望いたしまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○菅野委員 私からも、先日ご報告を受けました築地地区まちづくり先行整備事業の実施方針の方向性に関連してお聞きしたいと思います。
まず、我が会派の考え方ですが、先日の我が会派の小宮政調会長の代表質問でもさせていただいたとおり、私どもとしては、築地まちづくり方針そのものに、まだ大きな不信を覚えているというような立場であります。
都が、都民の税金、五千億という税金で買った土地を長期間民間に貸し付けて、それで、さらに公益性、そして収益性も上げろというような事業についての不信、これはそのときの佐藤都技監の方からの答弁では、そのときのリスクを代表質問では尋ねたわけですけれども、これについては、既に都でもこれまで、将来ニーズへの対応の余地も残しながら都有地を有効活用できる、長期の定期借地権による民間活用プロジェクトはやってきているよと。
長期間にわたって事業を確実に遂行し、事業目的を実現できるよう優良な事業者を選定してきているんだという実績を答弁としてお答えになられました。
しかしながら、これまで都がかかわってきたさまざまな貸し地による事業、定期借地による事業を見てきても、これだけの規模、そしてやはりさまざまなこれからの課題、まだまだ不確定な要素をいっぱい抱えている中で、そうした方針を打ち出してどんどん進めていくということが果たしていかがなものか、まあ、まだまだ検討の余地があるのではないかということを常々考えている次第であります。
このまちづくり方針によれば、今回報告を受けました第ゼロ段階、これがまさにゲートゾーンというんでしょうかね。船着き場を中心とした中期的なと書いてありますけれども、その中期というのが果たしてどれぐらいなのかというのはちょっとわかりません。そうした活用から、一段階、二段階、三段階--三段階はまた同じ場所に戻るわけですけれども、そうした段階を経て、整備をするというような流れは書いてあるわけです。
先ほど来のさまざまな委員の質疑の中にもありましたとおり、まだまだそうした中では課題を解決していかなければならないことが多いという中での今回のゼロ段階のまずは報告、このタイミングでこのゼロ段階、先行整備事業の実施方針の方向性の報告を行われた、このことについての理由と、誰がそれを決めたのかお教えいただきたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発では、公募型プロポーザル方式による都有地活用事業を想定しておりまして、事業実施方針や事業者募集要項を公表し、事業者を選定して、まちづくりを進めることを想定してございます。
また、先行整備する第ゼロ段階としての船着き場周辺エリアにつきましては、今年度中に実施方針を公表することとしてございます。
一方、築地まちづくりにつきましては、これまでも議会にご報告を行い、検討を進めてきたところでございます。本年六月の当委員会におきまして築地まちづくり方針につきましてご報告をさせていただいた際、事業実施方針の公表前にその内容について質疑の場を設けることにつきまして、ご要望もいただいたところでございます。
事業者募集手法に関する具体的な内容、条件などにつきましては、実施方針の策定、公表時に明らかにすることとなるものでございます。
こうしたことを踏まえ、先行整備する船着き場周辺エリアの今年度中の事業実施方針の公表に向けて、本定例会の当委員会におきまして報告させていただいたものでございます。
○菅野委員 今伺いましたけれども、今年度中に実施方針をということであります。
もともとの計画にもそういったことが書かれているわけでありますけれども、しかしながら、先ほど来お話がありましたように、この本体、本体というとおかしいですが、今後その次から整備していく第一段階から第二段階という部分において、またこのゼロ段階においても、実際に着工というのは、先ほどお話ししました令和四年ということでございますけれども、まだ現状でいうと解体工事が行われている場所があります。
そして、オリンピック開催時は車両基地として活用して、それを撤去した後にさまざまな土壌汚染対策、また埋蔵物の調査というのが本格的に実施されていくわけであります。
そうしたことで非常に、先ほどいただいた資料の地歴を見てもわかるとおり、有名な武家屋敷があったり、このゼロ段階のところも、そうではないですけれども、やはりさまざまな施設があった、軍の施設があったりしたということで、このゼロ段階も、じゃあなぜゼロ段階だけが先に、まあ、仮に中期の貸し付けだからいいんだよとはいっても、いざ、中期でも、民間がじゃあ暫定でもいいですと、将来的には全体で都としてまた考えていくことがあったとしても暫定でもいいですということで使わせるにしても、やはり実際の事業が始められるかどうかというのは非常にリスクを負うことになるわけですし、当然、その次の一段階から二段階に進む事業が確定しないと、それまでは単純に現状の築地のポテンシャルに対してどう収益を上げるか、しかも一定の期間で収益を上げるかという、単純にいうと国道の幹線沿いにファミレスを出すような計画に近い、それよりは少しはもちろん大きいものでしょうけれども、余り壮大なビジョンというものはなかなか描きにくいのかなというふうに感じるわけであります。
先ほど伊藤委員の質問にもありましたけれども、そうしたことが足かせにならないように、次の段階もフリーハンドでやってほしいと、それはそのとおりであろうかと思います。そういった意味でも、さまざまな不確定な要因というのがまだまだ残っているうちに、そのゼロ段階が何となく少し--まあ、私の判断ですと、まずは船着き場の整備がありますよ、舟運の活性化をしたいですよ、これはもう、私のいる港区でも竹芝のステップアップなどがあったり、いろいろのことで舟運活用したいと思っていますので、そういった意味の、確かに広く都民、また大きなところにPRをするという意味では、非常に大きなポテンシャルであるかと思います。
それと、やはり既存の場外、それから築地のさまざまな旧来からあるまち並み、まちと近いところにある位置ですから、まあ単純にいえば、そのまま晴海通りにも出られるしみたいな形で、活用がやりやすいんじゃないかということで、そういった選考として決めたんだろうと思いますけれども、ただ今いったようにこのゼロ段階で想定しているこの場所も、将来にわたっては全体のまちの玄関になるわけであります。
そして、まあ、大きくは書いてありませんけど、将来はここに首都高も通ったりするような形になったり、さまざまなまだまだこの敷地を取り巻く環境の変化とか、それからいろんな要因があるわけで、そうしたものがある程度具体的な形で見えてこないと、なかなか次へ進められないんじゃないかなというような懸念を覚えるわけです。
そうした中で、本格的な築地まちづくり、これは、まず二〇二二年には一段階の事業者を募集したいというふうになっていますけれども、この二〇二二年の事業者募集のときには、この計画によれば、ゼロ段階の着工にちょうど入るわけですね。
ですから、もうその段階で、一段階の事業者のおおむね将来ビジョンみたいなものが出てくるわけですから、そこと、今のゼロ段階の人が既に着工してしまってどういう事業をやっていこうかということを決めることと、整合性が全くとれていないというのは--全く望めないわけでありますし、また、将来的な二段階の整備に向けて、二段階後まで今のゼロ段階の中期的活用をさせるのか、それとも二段階が始まるまでには少なくとももう契約を終えるのかというのも、先の一段階、二段階の整備の計画が余りにも不確定過ぎて、ゼロ段階の人が一体何年で契約をしたらいいのかというのも読めないんじゃないかという懸念もあるわけであります。
そうしたこれだけの大きなポテンシャルの土地をですね、やはり一番の問題は、民間はいろいろなスキルで、例えばいろんな資金調達方法をやって、もちろん特定目的会社をつくってこうしたものをやっていくんだろうと思いますけれども、ただやはり借地というようなリスク、デメリットもあります。
それから、都は都で、長期貸し付けに当たって、先ほどからお話がありましたように、仮に、他の都の定期借地の例を見ると七十年ぐらいで貸しているケースが多いんですが、七十年といっても準備段階の年数と、それからその後の解体も含めた部分を考えたり、さっきのような要因がいろいろあるんです。
もしかしたら、二〇四〇年代ぐらいを目途に完成ということになると、完成してから七十年後ということになると、二一〇〇年を超えてしまうようなプロジェクトなわけですね。
その間、東京都の所管局である、そのときに都市整備局というのがあるのかどうかわかりませんけれども、そこがずっとこのいわゆる家主として、地主として、特定目的会社との間のさまざまな折衝や、トラブルや問題、その間、経済状況や物事の状況も変わったり、また、長期的にやるにしても、常に採算がうまく回るようなものがずっとつくられればいいですけど、やっぱり後半になってきたときに、あと十年でこの土地は返さなければならないといったときに、例えば公益、公共性の強いホールをつくった、何かアミューズメントの施設をつくりました、MICEの施設をつくりましたといっても、その例えば設備更新というものを民間が本当に真剣に考えるのかどうかとか、いろんな将来的なリスクは負っていかなければならないわけであります。
ですから、そういったようなことが我々の中に非常にまだまだ不信な状態として残っている以上、やっぱりゼロ段階についてもまだまだ慎重に検討すべきというふうに申し上げておきたいと思います。
きょうはちょっと用意した質問はしませんで、最後に、先ほどもありましたけれども、ゼロ段階の着工予定は、令和四年十月に向けて取り組みますよということがありました。
先ほどの答弁にもありましたように、これは当初からずっとお話がある五年以内に着工したいというようなことと整合がとれているというようなご答弁がありましたけれども、まさに約束をしたといっている五年以内の着工に何とか間に合わせたいから、何としてもここでゼロ段階をスタートさせたいという思いがあるんじゃないかとつい考えてしまうわけであります。
そしてさらには、何度もいいますけれども、長期間この土地を民間に貸し付けて、都が所有し続けて、この大プロジェクト、二十三ヘクタール、これ東京ドームシティ全体の二倍以上ぐらいあるわけですから、それぐらい大きな、さまざまな複合の施設、そしてさまざまな目的、公共、公益性を持たせた施設をずっと長期間守り続けるような、その都が負うリスクも含めて考えていく上で非常に問題だと思うわけです。その問題の背景となるのが、小池都知事が前回の都議会議員選挙のときに築地は守るというふうにいった、その築地は守るといったことを守るために、このまちづくりをこうした形で東京都が所有し続けて行うんじゃないかというような、こういうことも、うがった見方をすると考えてしまうということであります。
築地のポテンシャル、そして築地の魅力をしっかりと生かして、今後とも都民のために活用するためには、まだまださまざまな考え方もあるかと思います。そうしたことの余地も残していただき、ご検討いただきたいことを要望して、質問を終わります。
○馬場委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後三時六分休憩
午後三時二十五分開議
○馬場委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
○曽根委員 私からも、築地のまちづくりの、現在ゼロ段階にかかろうとしておりますが、その後の全体構想も含めて何点かお聞きしておきたいと思います。
最初に、先ほども少しどなたかもお聞きになりましたが、ゼロ段階のエリアについても何らかの埋蔵文化財が推測されるということで、その内容についてはどういうものか、また、この埋蔵文化財の調査が必要だった場合、それがまた一定の期間かかる場合は、他のエリアから開発をスタートさせるというようなことがあり得るのか、まとめて二点、お聞きします。
○木村まちづくり調整担当部長 都において埋蔵文化財調査を所管しております東京都教育委員会は、江戸市中の範囲を江戸遺跡と称しておりまして、旧築地市場跡地の多くは、この範囲内となってございます。船着き場周辺エリアの一部につきましては、かつての護岸があったと想定される範囲等につきまして、埋蔵文化財調査が必要になるものと考えてございます。
また、他の地域から開発することもあるかというご質問につきましては、築地地区におきましては、東京二〇二〇大会の車両基地等の活用にも供した上で、土壌汚染及び埋蔵文化財調査を行い、まちづくりを進めていく必要がございます。
また、インフラ整備の状況も勘案しながら、土地のより効果的な活用を図り、都民にとっての価値を最大化していくこととしており、このことからも、全体のまちづくりの完成までは相応の期間を要するところでございます。
第ゼロ段階の船着き場周辺エリアは、活用可能なまとまった土地を最も早期に生み出すことができるエリアでございまして、築地まちづくり方針に沿って、本格的整備に先立ち先行的に整備を行い、築地場外市場とのつながりにも配慮しながら、築地地区における新たなにぎわいを早い段階から創出していくこととしてございます。
このため、第ゼロ段階以外のエリアから開発することは考えてございません。
○曽根委員 まあ、埋蔵文化財だらけの地域のようで、そういう意味では、ここが一番早くスタートできそうだということもあったんだと思います。したがって、ゼロ段階のエリアの埋蔵文化財は調査を始めるけれども、その先の第一段階、第二段階というところについては、その都度、文化財調査をやっていくということになるわけですよね。かなりの、今相応の期間っておっしゃいましたけど、相当の期間かかるわけですね。
したがって、全体構想も含めて調査がかなりの期間に及び、また、その間に都民の要望や地元の地域住民、場外市場の皆さん、そのほか築地にかかわる方々の意見を聞くチャンスは、もうかなりの期間、そういうチャンスはあるということは強調しておきたいんです。
この間、都民の意見をいろんな形で聞いてきたといっても、パブリックコメントが一昨年から去年にかけてやられたぐらいで、特に場外市場の皆さんのところに行きますと、ほとんど東京都からは何もいってこないというふうなお話でしたので、そういう関係者の方々の要望、意見を十分に聞く、その時間も十分にあるということを強調しておきたいんですが、こういう意見、要望を最大限取り入れる、この点についてはどのように考えておりますか。
○木村まちづくり調整担当部長 築地地区におきましては、東京二〇二〇大会の車両基地等の活用にも供した上で、土壌汚染及び埋蔵文化財調査を行い、まちづくりを進めていく必要がございます。
また、インフラ整備の状況も勘案しながら、土地のより効果的な活用を図り、都民にとっての価値を最大化していくこととしてございまして、このことからも、全体のまちづくりの完成までには相応の期間を要します。
そうした中で、築地まちづくり方針に沿って、段階的に適切な機能を順次導入、整備していくこととしてございます。その際、各段階の整備に向けまして、埋蔵文化財等の調査を戦略的に行うこととしてございます。
○曽根委員 今、あんまりはっきりとは、関係の方々や地域住民の要望をどんどん聞いていくというような話はちょっとなかったかと思いますが、ぜひこれをお願いしたいと。
私がこの点を強調するのは、今でも、築地に市場機能を残したいという小池知事のあの約束はどうだったのかと、これからまだ相当の時間、開発を本格スタートするまでに時間があるのであれば、この約束を守ることだってできるじゃないかという声がやっぱりあるわけです、現地には。
私たちは公約破りだといって厳しく批判しましたが、もし知事が築地に市場機能を残したいと述べた大きな方向性は変わっていないというのであれば、この築地の跡地に、今後のまちづくりの中で、市場を一部でも再建できる余地があればそれに取り組む、そういう考えはあるのかどうか、この点はいかがでしょうか。
○木村まちづくり調整担当部長 市場機能に関しましては、都が中央卸売市場として運営するのは豊洲市場でございまして、豊洲市場移転後の再開発においては、都が改めて卸売市場を築地に整備することはないということから、このことにつきまして、築地まちづくり方針に明記してございます。
なお、築地まちづくり方針では、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしてございます。築地まちづくり方針に基づきまして、民間事業者から提案を受けながら、まちづくりを具体化していくこととしてございます。
食に関する機能につきましても、形態はさまざまなものがあり得ると考えられますが、築地まちづくり方針に沿って具体的な機能が実現されると考えてございます。
○曽根委員 つまり、食文化の継承ということではいろんな形が考えられるが、ただし卸売市場だけは絶対だめというかたくなな態度。
私、地元の皆さんの声、特にこの際ちょっとお聞きしておきたいんですけれども、場外市場の方々は、真ん中に東京都の経営する中央卸売市場というものがあったからこそ、あの周りに場外市場が発展した。これは誰も否定できない事実です。
今、さまざまな業種、業態を考えて、中央市場がなくなった後の自分たちの経営を必死になって探っているわけですが、そういう場外市場の方々の経営努力と競合しない範囲での何らかの市場機能を残すとか、場外市場を補完する開発のあり方が期待されているんじゃないかと思いますが、この点では、場外市場の方々からの意見、こういうものを具体的に今聞いているのか、また今後、それを受けとめるつもりがあるのか、この点はどうでしょうか。
○木村まちづくり調整担当部長 先行整備事業の実施方針の方向性では、第ゼロ段階については、本格的整備に先立ち先行的に整備を行い、築地場外市場とのつながりにも配慮しながら、築地地区における新たなにぎわいを早い段階から創出していくとしてございます。
今後、これを踏まえて、事業実施方針や事業者募集要項を作成、公表いたしまして、具体的な実施条件を明らかにした上で、事業者の創意工夫を生かした提案を受け、事業実施方針の内容を実現していくと考えてございます。
○曽根委員 築地市場を残すことこそ、食文化の拠点のにぎわいと活気を生かす道だったと私たちは考えます。
また、場外市場の個別店舗の意見はまだ十分聞いていないようですので、場外市場とのつながりに配慮するというのであれば、この要望を最大限取り入れていくように求めておきます。
それから、この間、都議会のこの本委員会に、近くの大病院に入院している患者さんの家族の方、また、福祉施設が地元に足りないという要望が陳情として出され、こうした方々の患者や家族にとっての宿泊施設、また福祉の機能は切実な要望ですので、検討するよう求めておきたいと思います。
次に、舟運利用について、ゼロ段階では、舟運利用が見込めるということで船着き場周辺の開発からスタートするわけですが、この根拠はどういうものでしょうか。水上バスの利用者などの資料を見ますと、舟運利用がすぐに大きく展開できるというふうには必ずしも見えないんですが、いかがでしょうか。
○木村まちづくり調整担当部長 先行整備事業の実施方針の方向性では、都市基盤整備にかかわる方針として、築地地域の交流を促進し、にぎわい創出に寄与するよう、船着き場を活用して、舟運の活性化、舟運ネットワークの充実を図るとしてございます。
今後、これを踏まえて、事業実施方針や事業者募集要項を作成、公表し、具体的な実施条件を明らかにした上で、事業者の創意工夫を生かした提案を受け、事業実施方針の内容を実現していくと考えてございます。
なお、東京水辺ラインの乗降客数が近年減少していることにつきましては、主要な発着場でございます両国防災船着き場が工事に伴い休止したことが影響していると考えられるところでございます。
○曽根委員 我が党は、舟運の普及はよいことだと考えておりますが、都は、水上バス利用の社会実験を最近行いましたよね、七月二十四日から八月二日まで。これは、東京水辺空間の魅力を引き出すため、舟運を活性化し、身近な観光交通手段として定着することを目指し、通勤の社会実験、真夏のらくらく舟旅通勤という名目で行ったということで、案内も私たちいただきました。
この結果が、用意した平日のみの--何日間なんですかね、十日間ぐらいの乗降客数が座席数の六割程度だったと。これは初めてのことですから、それが十分なのか、もう一歩だったのかは、ちょっと私たちも評価しかねますが、都の取り組みの姿勢として、ちょっと意見を申し上げておきたいと思います。
このときに申し込もうとした方から、車椅子が利用できる水上バスを用意してもらいたいという要望が来ていると思うんです、東京都の方に。それが残念ながら、この実験では車椅子対応の水上バスを持っている船会社が実験に参加しなかったということで、それは用意できなかったと。その方は、オリンピックを機に、こうしたバリアフリーですかね。舟運でのバリアフリーも進めていこうということならば、こういう船会社をやっぱり参加させて実験をやるべきじゃないかという意見を述べておられました。私もそのとおりだと思います。
こういう点でも、舟運を本当に普及していこうと、築地の今後のまちづくりに、いずれにしても海辺に沿ったロケーションを生かすには舟運は大事だと思いますので、こういう準備不足を克服して取り組む必要があるということは申し上げておきたいと思います。
それから、国際会議場について、これはゼロ段階からさらに先に進んでの全体構想の中心に据えているものですけれども、開発全体の中心に、なぜ国際会議場を据えたのか。国際会議場の需要は伸び悩んでいるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○木村まちづくり調整担当部長 国際会議の振興を目的に設立した国際機関でございますICCAの報告によりますと、世界全体の国際会議の総数は、過去からの大きな流れといたしまして増加傾向にございます。観光庁の資料によりますと、日本では大規模会議場の不足などが課題として挙げられてございます。
築地まちづくり方針では、国際競争力の向上に資する展示機能を備えた一定規模の国際会議場をコア施設の一つとして整備することとしてございます。
○曽根委員 これについては、大きな流れとしては伸びてきているというお話でしたが、最近になって、日本政府の観光局が国際会議統計というのを毎年出しておりまして、ホームページでも出ておりますが、最新のものが昨年十一月に発表した二〇一七年国際会議統計なんですけれども、ここでは世界規模で見る国際会議の動向として二つの国際会議統計が紹介されており、その一つが今お話のあったICCA、国際会議協会の資料です。
これを見ますと、二〇〇八年から二〇一五年までは、確かに世界の国際会議件数は毎年増加していますが、今おっしゃったのはもっと長期に見た一〇%という、これはどちらかというと九〇年代ぐらいまでで、最近は五%程度しか伸びておりませんし、さらに、二〇一五年の一万三千四百三十四件をピークに、二〇一六年は一万三千百四十二件、二〇一七年は一万二千五百六十三件と減少傾向にあるというのが今のトレンドの動きなんです。
国際会議統計が使っているもう一つの統計でありますUIA、国際団体連合のものを見ますと、こちらでは、世界の国際会議件数は二〇〇八年から二〇一七年にかけて、一万一千八十五件から一万三百五十四件へと十年間で減っているという統計も出ています。
それぞれ、国際会議をどういう基準で見るかとか統計のとり方は違いますけれども、二つの大きな国際的な統計の機関が出しているデータで、どちらも減少傾向が見られるということなんですね。
一方で、今お話しのように、国際会議場、日本は足りないんだということで、全国各地で国際会議場をつくられてきているんですが、そういう中で、東京に最新鋭のでかいのをつくって、限られたパイになりつつある国際会議を、国内の、それもなかなか世界的な規模でいうと日本の国際会議場は振るわないんですけれども、その限られたシェアをさらにひとり占めするような、競合を激しくするような、そういうことは東京都のやるべきことなのかという、これは疑問の声が出ても当然ではないかと思います。
こういう問題がありながら、なぜ国際会議場を中心的なコンセプトに据えたのかと、地元からそういう要望が出ていたのかと、私はあんまり出ていないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針では、導入機能について、東京二〇二〇大会後の東京を牽引する先進性と国際性を持つこと、他の国際都市との比較において東京に不足する機能を導入すること、コア施設を核として導入機能相互が連携し、相乗効果を発揮させながら、東京、日本の国際競争力をさらに高めていくなどの考え方等を示してございます。こうした考え方に沿って、コア施設の一つとして、国際競争力の競争に資する展示機能を備えた一定規模の国際会議場を導入することとしてございます。
国際会議の総数につきましては、先ほどご答弁いたしましたように増加の傾向にあるという資料もございます。
なお、築地まちづくり方針素案のパブリックコメントにおきましては、創発MICE機能に関して、世界との競争を勝ち抜くために、早期の実現を期待するなどの意見がございました。
○曽根委員 パブコメの話はありましたが、私が聞いた地元からの要望と多くの都民からの声という点では、お話はなかったのかなというふうに思わざるを得ません。地元や都民の要望は、もっとほかにあるはずなんですね。日本国内の大型の国際会議場施設というのは、私は国際会議場Indexというホームページを見つけたので、拾ってみましたら三十五施設紹介されていました。これは相対的に国内で大きいところだと思いますが、そのオープンした年月を調べてみると、三十五施設のうち十以上の施設が、この二十年間の間につくられているんですよ。ですから、収容人数でいくと半分近い人数が、この二十年間で次々と全国にできてきたんじゃないかと思います。
札幌でいうとSORA、国際会議場が二〇〇三年にオープンして、新潟では朱鷺メッセコンベンションホールが同じく二〇〇三年、富山の国際会議場は二〇〇〇年、岡山のママカリフォーラムというんですか、二〇〇一年などなど、この二十年近い間に次々とできてきて、これと競合していくことになると思うんですけど、率直にいって、各地方自治体、大変な財政の厳しい中で、必死になって何とか外国の方、観光客も含めて地元に呼び寄せようと、かなり巨額を投じて新しい施設をつくり、利用料も安く抑えるために補助金も出しているところもあると思います。こういう苦労してやっているときに、東京がまたこういうこととあえて競争して、国際競争力といいながら実は国内のほかの都市と競争してシェアを占めるというやり方は、私はもう見直した方がいいということは申し上げておきたいと思います。
それで、築地市場の移転は昨年強行されましたが、今後、五輪のデポに使った後の開発構想には都民や地元の声も反映されておりませんし、現在東京のまちづくりとして課題になっているような例えば防災の問題や緑の環境問題などにも、この方針を見ると触れてはいますけれども、ごく部分的な記述になっており、本気でこのことに向き合うという姿勢は、姿は、残念ながら見られません。
我々は、改めて、知事の何が何でも市場だけは認めないという都民への公約破りと、国際競争力ばかり重視して、都民と地元が最も切実に求めている方向にはなかなか目を向けようとしない態度こそ、このことのまちづくりの誤りの根源だということを指摘して、質問を終わります。
○中村委員 それでは、築地地区のまちづくりについて質問いたします。
先ほども委員会の要求資料にもありましたけれども、この近辺、多くの開発事業というのはあるわけですけれども、これまでこの委員会でも説明等を求めてきたんですけれども、今回の方向性ということの段階でこうしてご報告をいただきましたので、質疑をしていきたいと思っています。
都心に残る二十三ヘクタールという貴重で広大な土地だということの特徴もあるんですが、もう一方、この築地市場のこれまでの経過ということもあるので、そういった点では、いろいろと議論すべきところもあるんだろうと思っています。
私からは、きょう改めて、また、この経過の中で出てきたまちづくりの方針の中で、この間、都議会の中での付帯決議というのが予算の審議の際にあったんですけれども、改めて確認いたしますが、この築地のまちづくりについては、中央区との合意を踏まえ、築地での食文化の拠点が継承されるよう最大限協力することということがありますので、そういったものがどう実現をされていくのかということも含めて、質問の方もしていきたいと思っています。
まず、今回は、船着き場周辺エリア第ゼロ段階の実施方針の方向性が示されました。場所の特性から、舟運をかなり強調した方針になっていますが、三月に発表した方針のゾーニングでは、具体的にはホテルやサービスアパートメントなどを想定しているようです。
ただ、これは第ゼロ段階からのものなのか、第三段階からのものなのか、方針では明確ではありません。第ゼロ段階は、中期の定期借地とすることで、築地地区全体を見据えて実施すべきと考えますが、どのような内容を想定しているのか伺います。
○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針では、インフラ整備の状況も勘案しながら、長期的な観点から段階的な整備を進め、中長期的に都民にとっての価値を最大化していくこととしてございます。
全体のまちづくりの完成までには相応の期間を要する中で、船着き場周辺エリアにおいて、まずは第ゼロ段階として、舟運活性化の観点から、本格的整備に先立ち先行的に整備を行い、築地場外市場とのつながりにも配慮しながら、築地地区における新たなにぎわいを早い段階から創出していくこととしてございます。
船着き場周辺エリアについての先行整備事業の実施方針の方向性では、土地利用に係る方針として、食文化の拠点として築地が育んできた活気とにぎわいに鑑み、また水辺を生かして、新たなにぎわい、交流を創出する機能、空間を導入、整備するとしてございます。
その先行整備事業に続きまして、第一段階の庭園側のエリアの整備、第二段階の中央エリアの整備を行い、第ゼロ段階から第二段階の段階的開発を通じて、それらで導入する機能などを相互に連携させるとともに、築地場外市場など周辺資源などとも連携しながら、にぎわいを拡大できるようにしていきたいと考えてございます。
○中村委員 先行の事業ということで、ゼロ段階ということではあって、中期の定期借地ということなんですけれども、これ、かなり第一、第二とやっていくと、第三段階をもっと先だと見ると、もうこれは仮というよりも、本当にかなり長い期間になるんだろうと思いますから、このゼロ段階での事業についても、もう全体を見通した、そういった考え方がないといけないんだろうと思いますから、そこは拙速にならないように、しっかりと考えていただきたいと思っています。
とりわけ、このゼロ段階の中でも第一工区と第二工区というふうに分かれていますが、具体的にはどのような進め方を想定しているのでしょうか。これ、募集は一つの事業者ということなのか、二つ別の事業者ということなのでしょうか。先に事業を行うのが第一工区側で、右側であるので、これは舟運がメーンになっていくと思いますが、第二工区は場外市場側なので、にぎわいがメーンになっていくんだとは思いますが、果たしてこれはどのような進め方を検討しているのか伺います。
○木村まちづくり調整担当部長 船着き場周辺エリアの事業実施方針につきましては、従前の土地利用状況も踏まえるとともに、舟運の活性化や舟運ネットワークの充実に寄与するため、第一工区、第二工区の二つの工区を設定することとしてございます。
第ゼロ段階では、土壌汚染、埋蔵文化財調査、東京二〇二〇大会の車両基地撤去工事、旧築地市場解体工事を進めながら、舟運活性化などの観点から、まずは、令和四年十月を目途に第一工区の着工を想定してございます。
○中村委員 第ゼロ段階の敷地の中でも、時期のずれというのがあるんだろうと思います。建物が建っているわけですから、壊していってということなんでしょうけれども、順に第一工区、第二工区ということになるんだと思います。先ほど、少し長い目で見てほしいということだったので、そういった点では、少し段階が分かれているとやりづらいところはあるんでしょうけれども、それでもしっかり先を見据えたやり方が必要なんだと思いますので、こういった提案の方に注目していきたいと思っています。
さて、このまちづくり方針の中で、環境への配慮ということを強くうたっています。しかし、中期とはいえ定期借地ということになるわけですから、それを終えるとまちを壊してつくりかえるということになるんですが、そうなると、それが環境への配慮ということをいえるんでしょうか、見解を伺います。
○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針では、築地まちづくりの全体目標といたしまして、豊かな水と緑に囲まれた立地を生かし、時代の最先端であり続ける環境モデルとなる都市の実現を掲げてございます。
その中で、先行整備事業の実施方針の方向性といたしましては、環境配慮にかかわる方針として、中期間の活用であることも念頭に、環境配慮の創意工夫がされた取り組みを推進するとしてございます。
今後、これを踏まえて、事業実施方針や事業者募集要項を作成、公表し、具体的な実施条件を明らかにした上で、事業者の創意工夫を生かした提案を受け、実施方針の内容を実現してまいります。
○中村委員 いずれにしても定期借地ということですから、通常であれば更地にして返すということになるんでしょうけれども、そういった中で、どのように建築資材等の工夫をしていくとか、環境に配慮できることはこの範囲の中でやっていくしかないと思いますので、その点は工夫もしていただきたいと思っています。
さて、ゼロ段階のエリアでは令和二年ごろに事業者募集とありますが、実際には、オリンピックまでは車両基地などに活用し、その後で土壌汚染対策と埋蔵文化財調査を行うとのことです。
具体的に整備が始まり事業を行うスケジュールは、令和四年十月をめどとなりますが、オリンピックが終わるのは令和二年のまだ半ばで、二年間で対策を完了するということになるのですが、そのめどはついているのでしょうか。見込みよりこれらの対策がおくれたらどうなるのでしょうか、伺います。
○木村まちづくり調整担当部長 先行整備を行う第ゼロ段階の船着き場周辺のエリアにおきましては、令和四年十月の着工に向けまして、市場の解体工事や東京二〇二〇大会の車両基地整備工事と調整を図りながら、土壌汚染調査等を実施しているところでございます。
○中村委員 目標に向けてということなわけですけれども、おくれたらどうするかというふうに聞いたんですけれども、まあ、何とかやりますということだと思います。とりあえず、これ、どんなものが出てくるかというのがわからなかったりはするんですけれども、しっかりと対策等はやっていただくということで、期限は期限で大事なんですけれども、そこに向けて、いいかげんなことにならないとは思ってはいるんですけれども、きちんとした対策等はしっかりとやっていただきたいと思っています。
さて、もともと中期の定期借地を想定しているようです。まちづくりの方針では、この第ゼロ段階が二〇二〇年ごろに事業者を募集し、第一段階は二〇二二年ごろに事業者を募集し、第二段階は二〇二〇年代半ばごろに事業者を募集とあります。この第ゼロ段階を再整備する第三段階では、スケジュールの記載が書いてはありません。とはいえ、ゼロ段階から中期の定期借地なので、最低十年以上なのでもっと長いんだろうと思いますけれども、第三段階は最速でも二〇三〇年代以降の事業者募集ということになっていくと思います。全体像が明らかになるのはかなり先になり、そのころは社会状況も変わっている可能性は十分あります。
これまでの委員会の質疑では、全体の自由度を高めるため、ゾーニングは厳密なものではないということが答弁もされていたようですが、第ゼロ段階の地域は第三段階として再整備するのですが、かなり、十年以上も経過すると、社会状況の変化などで大きく状況も変わってくると思います。第三段階までに再度新たな姿を見直すことも重要かと思いますが、見解を伺います。
○木村まちづくり調整担当部長 平成三十年五月に築地再開発検討会議で取りまとめられた築地まちづくりの大きな視点では、インフラの検討や整備については長期的な時間軸で考えていく必要があり、その状況も勘案しながら、築地地区の開発を一気にではなく、段階的開発により価値の最大化を図るべきであるとの提言を受けてございます。また、段階的な整備は、社会、経済情勢の変化、将来の社会ニーズにも柔軟に対応が可能となることからも有効との提言を受けてございます。
それを踏まえ、本年三月に公表した築地まちづくり方針におきましては、築地再開発では、長期的な観点から戦略的、段階的な整備等を進め、中長期的に都民にとっての価値を向上させていくこととしてございます。その際、段階的整備の進捗に応じ、将来の鉄道等の整備にふさわしい、さらなる土地の高度利用を図ることとしてございます。
具体的には、第ゼロ段階では、水の都にふさわしい舟運活性化などの観点から先行整備し、第三段階では、インフラ整備に合わせて高度利用が可能と想定されるこのエリアにつきまして、再整備を行うこととしてございます。
○中村委員 ここで改めて、少しスケジュールの方も確認したいと思うんですが、小池知事が当初示したスケジュールでは五年で再開発するとのことでしたが、途中から五年で事業開始という表現に変わっていました。そして、今回、令和四年十月から着工となると、またおくれてしまっているのではないかとも思います。
改めて、知事が示したスケジュールと今回の方針との整合性がとれているのか伺います。
○木村まちづくり調整担当部長 平成二十九年六月二十日の基本方針において、築地は五年後を目途に再開発するという大きな方針が示され、このことについては、これまで五年以内の着工を目指すこととしてございます。平成二十九年十月に築地再開発検討会議を設置し、検討を開始していることから、そこから五年以内の着工を目指すこととしてきたところでございます。
今回の先行整備事業における実施方針の方向性においては、令和四年十月を目途に着工するとお示ししてございまして、それは、これまで五年以内の着工を目指すとしてきたことと整合がとれてございます。
○中村委員 最初に、平成二十九年六月二十日に五年以内と示していて、そしてその後十月に再開発検討会議のところでまた五年以内ということで、短いでしょうけど四カ月、そこでずれてはいるわけです。
今後、二十九年十月から五年後ということで、令和四年十月ということになるわけです。いろんなことが起こり得るので、計画は計画としてあるんですが、また変わることはあるかもしれませんけれども、変わったときには変わったときちんと説明を関係する人にしていくということが大事なことだと思っていますので、計画どおりまずやっていくということだと思いますけれども、スケジュールに関しては、もし変わることがあるようであればきちんと説明をしていただきたいと思っています。
さて、舟運も大事ですが、将来的に地下鉄が通るとなると、利用する人数は圧倒的に地下鉄の方が多くなると思われます。だからこそ、第ゼロ段階では舟運の活用とはありますが、改めて第三段階として地下鉄の駅を見越して再開発することになり、舟運よりも駅が中心の再開発にもなっていくのではないかとも思います。
今後、地下鉄の整備は、第三段階に大きな影響を与えます。万一地下鉄ができなくても予定どおり第三段階の再整備を行うのか、それとも、地下鉄の整備を待って三段階の整備を行うのか。地下鉄と舟運がどのように再開発に影響するのか伺います。
○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針では、東京湾、隅田川、陸からの交通ルートが交差する要所にあることを生かし、舟運、バス、地下鉄などからのインフラから成る広域交通結節点を戦略的に形成するとしてございます。
また、都心部との連携強化に向け、地下鉄など基幹交通インフラ整備の具体化を図ることとしてございます。
さらに、第三段階として、インフラ整備に合わせ高度利用が可能と想定される第ゼロ段階の整備エリアにつきまして、再整備を行うこととしてございます。
○中村委員 次に、食文化のことについて伺います。
先ほど述べましたが、都議会の付帯決議で食文化の継承を決めたこともあり、その重要性を私たちはずっと主張もしてきました。これは大変重要な要素なんですが、第ゼロ段階の範囲と期間で、どのようにこれをプロポーザルに反映をさせるのでしょうか、見解を伺います。
○木村まちづくり調整担当部長 先行整備事業の実施方針の方向性では、土地利用に係る方針として、食文化の拠点として築地が育んできた活気とにぎわいに鑑み、また水辺を生かして、新たなにぎわい、交流を創出する機能、空間を導入、整備するとしてございます。
今後、これを踏まえて、事業実施方針や募集要項を作成、公表し、具体的な実施条件を明らかにした上で、事業者の創意工夫を生かした提案を受け、実施方針の内容を実現していくと考えてございます。
○中村委員 これまでの議会の審議では、この食文化の継承ということと、もう一つ、地元の中央区の意向や、特にこの隣の場外市場との関係ということも重要になっていきます。中央区や場外市場、住民の意見を聞く必要がありますが、どのようにして聞くのでしょうか。プロポーザルの審査をするメンバーの中に、少なくとも中央区の代表が入ってもよいとも考えますが、見解を伺います。
○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくりでは、事業者の募集及び選定に当たり審査委員会の設置を予定してございますが、そのメンバーは未定でございます。
なお、これまでの定期借地による都有地を活用した民間活用プロジェクトでは、事業者の選定に当たり審査委員会を設置してございまして、その際、事業者の募集及び選定に関する事項を専門的かつ客観的に審査するため、外部有識者から成る審査委員としてございます。
○中村委員 まだメンバーは未定だということなんですけれども、いずれにしても、どの段階にしても、いろんな段階があるとは思うんですけれども、地元の中央区の意向が何らか反映するような枠組みをつくっていただければと思っています。
さて、ゼロ段階の重要な位置づけは、築地場外市場とのつながりであると思います。これまで私も、時々今までの築地市場があるときにも、日曜日に築地市場に行って買い物してきましたよといっている人のことはよく聞いていたんですけれども、日曜日に市場はやっていないので、そういった方々は恐らく築地の場外市場のことをいっていたんだと思いますけれども、多くの方が、あそこの場外市場のことを築地市場だと思っている方もどうもいるようです。
こういった、新宿駅にもありますし、私の地元の近くにも吉祥寺などもありますけれども、古い雑然とした商店街というのは大変魅力があります。こういった、船着き場と場外市場をつなぐ地域でもあり、市場そのものが移転をしてしまいお客様が減ってしまったともいわれていますこの場外市場のにぎわいを、どう取り戻し、むしろ活性化させていくかは、この地域の位置づけが大変重要になります。第ゼロ段階における築地場外市場の活性化について、どう考えるか伺います。
○木村まちづくり調整担当部長 先行整備事業の実施方針の方向性では、第ゼロ段階については、本格的整備に先立ち先行的に整備を行い、築地場外市場とのつながりにも配慮しながら、築地地区における新たなにぎわいを早い段階から創出していくとしてございます。
また、土地利用に係る方針として、食文化の拠点として築地が育んできた活気とにぎわいに鑑み、また水辺を生かして、新たなにぎわい、交流を創出する機能、空間を導入、整備するとしてございます。
今後、これを踏まえて、実施方針や募集要項を作成、公表し、具体的な実施条件を明らかにした上で、事業者の創意工夫を生かした提案を受け、実施方針の内容を実現していくと考えてございます。
○中村委員 先ほど冒頭に、議会の付帯決議の中で中央区との合意を踏まえという項目があるといったんですが、この東京都と中央区との合意の中に、築地のまちということが、銀座に隣接する極めて高いポテンシャルがあるということと、また、築地市場を中心として場外市場など周辺とのかかわりの中で独特の伝統文化を生み出してきたということがあり、そういったことの特質をどのように引き継いでいくのかということを検討を行っていくということもあります。そういった点では、築地のまちづくりについては、場外市場というのは大変重要なことですので、しっかりと検討していただきたいと思います。
さて、オリンピック後になるかどうか、いつかわかりませんが、景気というのは波がありますから、その変動に対してどういう対応をするかということは大事になります。少なくとも、オリンピックの後には、世間の目は大阪万博に移ってしまう可能性もあります。仮定の話としても、契約のリスク回避という点では、プロポーザルをして事業者が決まった後に、都が土壌対策や文化財調査をしている間にも、社会状況が変化をする可能性は十分あり得ます。事業なので、千客万来施設のように、事業者が撤退してしまうようなこともあり得ます。
大変大規模な事業を長期間にわたって行うのですが、リスク管理についてどう考えているのか伺います。
○木村まちづくり調整担当部長 都はこれまで、将来ニーズへの対応の余地も残しながら都有地を有効に活用できる、長期の定期借地権による民間活用プロジェクトを実施しておりまして、長期間にわたって事業を確実に遂行し、事業目的を実現できるよう、一定の要件を満たす優良な事業者を選定してきたところでございます。
具体的には、都有地において必要な施設等を整備し、運営する期間中、安定して事業を実施できる企画力、技術力及び経営能力等を有する者を公募型プロポーザル方式により選定してございます。その際に考慮される事業実施に係るリスク、責任等については、基本的に都が原因者となる事項を除き、事業者が負うことを条件としてございます。
築地においても、こうした要件を満たす優良な事業者を選定し、まちづくりを進めることを想定してございます。
○中村委員 かなり長期の事業になってくるところもありますので、リスク管理についてはしっかりとしていただきたいと思います。
さて、少し話は変わるんですけれども、このゼロ地区のところ、直接そこには入っていなくて隣接していることになるんですが、建設局の所管で、かちどき橋の資料館というのもあります。はね橋であった勝鬨橋の技術が展示される貴重な資料館ですが、平日も休みの日があるので、毎日あけていただいた方がいいのかなというふうに思っています。将来的には第三段階のころになるのかもしませんけれども、例えば旧築地市場にゆかりの資料館などもあれば、あわせて観光地になると思います。
そういった中、例えば今議会の方に陳情も出ておりましたけれども、例えばマグロ塚を市場の一角につくってほしいというようなものも出ていたりとか、いろんなことが考えられるのではないかというふうに思います。このまちづくり方針にも橋の資料館の活用にも留意することとありますが、それだけでは集客は難しいので、新たな市場の資料館等も検討してみてはと考えますが、見解を伺います。
○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針では、導入機能の考え方として、東京の新たな魅力を発信できるような機能を導入するとともに、周辺の資源などとも連携した取り組みを重視することとしてございます。
今後、これらを踏まえて、事業実施方針や事業者募集要項を作成、公表し、事業者の創意工夫を生かした提案を受け、実施方針の内容を実現していくと考えてございます。
なお、事業の具体的な実施条件は、事業実施方針や事業者募集要項で明らかにすることと考えてございます。
○中村委員 これから事業方針とか募集要項をつくっていくということでした。ある意味で、この段階でということで報告いただいているので、まだ詳細なことはないんだと思いますし、むしろ、こういう途中段階で議会の方から報告をしてほしいといったので報告していただいたんだと思いますので、きょうも委員会の方でいろいろと意見等もいわさせていただきまして、地元中央区の声や、また場外市場を大切にしてほしいということもお話をさせていただきましたが、また次には、こういった募集要項等も出てくればこの委員会で審議することにもなると思いますので、しっかりそういったことを踏まえて作成いただければということをお願いいたしまして、質問を終わります。
○奥澤委員 私からも、築地地区のまちづくり事業、先行整備事業についてお話をさせていただきたいと思います。重複している部分を割愛しながら進めていきたいと思うんですけれども、早速一問目が重なってしまっておりますので一問目は割愛させていただいて、お話を進めていきたいと思います。
将来的には一体開発の中で、再整備という形でかなり大きな土地を進めていくということなんですけれども、今後のまちづくりのイメージを方向づけていくものでありまして、大変重要なものだというふうに思っています。周辺地域の魅力と相まって相乗効果を発揮できるような提案がなされていくこと、これを心から望む立場で質問をさせていただきたいと思っています。
周辺地域の魅力といえば、きょうも再三お話出ておりますけれども、場外市場と隣接しているというところだと思います。こちらは、やはり世界に類を見ない食文化の発信地ということでもありまして、多くの観光客が足を運ぶ場所になっています。
改めて、先日足を運んでみて気づいたんですけれども、場外というのは、朝と昼と夜と三つの顔があるんだなということを改めて思いました。私は今まで朝と昼には行ったことがあったんですけど、初めて夜に行きまして、夜に行くと、なかなか真っ暗なんですよね、まち全体が。幾つかのおすし屋さんとかお好み焼き屋さんかなんかが幾つかあるだけなんですけれども、ちょっと入って食事しながら聞いてみると、夜の時間帯というのはやっぱり多くのお店が閉まっちゃっているもので、観光客もちょっと怖くて入れないという話があったんです。少し暗い雰囲気で、ああ、もう何もやっていないのかなという形で、どうも足が遠のいているというお話がありました。
今度、にぎわい施設、人を呼び込むような施設をつくっていくという中で、これは業種とか業態が重ならないようにしていくような工夫とともに、時間帯を分けていくというか、夜に人を呼び込んでいくような部分というのもやっていくことが重要なのかなというのを改めて思った次第です。そういったこともぜひ念頭に置いていただいて、今後の話を進めていきたいかなと思っています。
一番大事なのは、今もいいましたけれども、場外でこれまでもご活動されてきた方々というのは今、業種の転換なんかもしながら、また新たなまちづくりをしていこうとしているところだと思いますので、その方々と要はお客さんの取り合いをしちゃうような、パイの奪い合いをするような、そういったことではなくて、ウィン・ウィンの関係、これはつくっていけると思いますので、ぜひ地元の方々とのコミュニケーションを存分にとっていただいて進めていただきたい。
その中で大切なことが、やっぱりこれから七十年、本当に長い期間にわたって一貫してまちづくりを進めていくという意味で、官民が一体となってエリアマネジメントを進めていくということだと思います。まちづくりの方針の中には、仮称デザインフォローアップ会議というような仕組みのお話も出ておりましたので、そこをしっかりとイメージを置いて、この第ゼロ段階から進めていただきたいということを申し述べておきます。
ここから質問の方に入っていきたいと思いますけれども、水辺空間の魅力というのも大変重要なところだと思います。今回船着き場のお話も多々出ておりますけれども、船着き場を起点として観光をしていく、まち歩きをしていくといった方々もたくさんいらっしゃると思います。そういったにぎわいの創出を期待する中では、待合機能というのが、ただ椅子が並んでいるだけとか、ちょっと売店があるとかそういったものではなくて、例えば日の出桟橋に最近できましたHi-NODEというカフェとかイベントスペース、こういったものが一体化しているような空間というのが最近できましたけれども、そういった場所を期待しています。
今回示されている待合機能、これはどのような機能を想定しているのか伺いたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 先行整備事業の実施方針の方向性では、都市基盤整備に係る方針として、築地地域の交流を促進し、にぎわい創出に寄与するよう、船着き場を活用して、舟運の活性化、舟運ネットワークの充実を図るとしてございます。
また、土地利用に係る方針として、舟運と陸上交通のつながりを考慮した待合機能等の必要な機能を導入するとしてございます。
今後、これらを踏まえて、事業実施方針や事業者募集要項を作成、公表し、事業者の創意工夫を生かした提案を受け、事業実施方針の内容を実現していくと考えてございます。
なお、事業の具体的な実施条件は、実施方針や募集要項で明らかにしていく予定でございます。
○奥澤委員 ありがとうございます。これから実施条件、具体的にということですけれども、既に、まあ、さまざま調整というか、局内での調整は進めていただきたいなと思う部分がありまして、それが何かというと、勝鬨橋を挟んで反対側、隅田川テラスというところがずっとこう広がっていて、先日も伺ったときにはジョギングしていたりだとか、あるいは犬の散歩をしたりだとか、いろんな形で楽しんでいらっしゃる方がいて、あるいは反対側、対岸のところはマンションが多くあると思うんですけれども、なかなか夜行くときれいなまち並みになっていて、こういったところも新しい魅力としてしっかりと開拓していくべきなんだろうなということを思いました。
それを考えたときに、スーパー堤防をこれからつくられていくと思いますけれども、そこは建設局が所管になると思いますけれども、そこはやっぱり防災的な機能というのみならず、良好な水辺空間、これは連続したまちづくりということが必要になってくると思うんです。
所管する建設局との調整、この重要性について見解をお伺いしたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 防災船着き場やスーパー堤防につきましては、これまでも建設局と調整をしておりまして、今後も引き続き行っていくと考えてございます。
○奥澤委員 引き続き調整を図っていくということですけれども、このとき、もう一つ観点として入れておいていただきたいのは、今は隅田川テラスの方は、管理者が公園協会さんが管理をしているということなんですけれども、今後、あそこにどういった人たちが往来するようになるかなということをぜひとも話をしていっていただきたいなと。そういったときに、どういった空間をつくっていくのか、どういった使い方を誘導していくのか、そしてどういったルールのもとでやっていくのかという、そういったところもきちんとイメージを膨らませていただきたいなと思います。
具体的にいうと、例えば博多の屋台とかがあそこに並ぶようなことも、場合によっては、日によってはあってもいいんじゃないかとか、あるいはマルシェのような形で、散歩をしながら少し野菜を買っていったり魚とか海の幸を買っていくような、そういったようなのがあそこであっても、近くに住んでいる方々にとってもなかなか楽しい魅力的な場所になるんじゃないかなと思います。
あるいは、健康増進を図る、ジョギングしたりサイクリングしたりするような人たちがいてもいいと思います。そういったときには、例えば健康遊具みたいなものをところどころ置いておいたりすると、そういった健康に興味関心がある人たちが来てくれるというような形で、今後どんな人に来てほしいのか、どんな使い方をしてほしいのか、そういったことをしっかりと調整を進めていっていただきたいなというふうに思います。
少し見方を変えまして、海外の方から見たときに、場外市場、どういうふうに見えているんだろうなと、あの場所はどう見えているんだろうなということで考えると、その存在自体がやっぱり日本の文化資産なんだということをよく耳にします。これからのまちづくりにおいて、文化資源がまちとまちをつないでいくような、そういった発想もあっていいのではないかなというふうに考えるところがありまして、歩行者空間でありながらにぎわいを創出する空間というのをこれからやっていくんだと思いますけれども、意図的に、余白といったらいけないんですけれども少し自由な空間を用意しておくことで、例えばアート活動を行っていく、そういったようなことができると、また新しい視点で人が呼び込めるんじゃないかなと思うんです。
今回の募集に当たって、敷地内の歩行者空間、オープンスペースなどにおいて、なるべく制約となる事項は減らしていくべきだと考えますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 先行整備事業の実施方針の方向性では、都市基盤整備にかかわる方針として、スーパー堤防の整備に伴う地盤面の高低差を有効に活用することなどにより、安全かつ快適な歩行者空間を形成するとしてございます。
また、土地利用に係る方針として、食文化の拠点として築地が育んできた活気とにぎわいに鑑み、また水辺を生かして、新たなにぎわい、交流を創出する機能、空間を導入、整備するとしてございます。
今後、これらを踏まえて、実施方針や募集要項を作成、公表し、具体的な実施条件を明らかにした上で、事業者の創意工夫を生かした提案を受け、実施方針の内容を実現していくと考えてございます。
○奥澤委員 先日、ある観光と文化に関する勉強会というものに参加させていただいて、皆さんご承知のとおり、観光と文化は、アートですね、すごく相性がいい、持ちつ持たれつの関係というものなんですけれども、そこの中で話題になったのが、新しい文化はどこから生まれるのかという話になりまして、これが、まず安価で自由に交流が生まれる空間を意図的に用意していく必要があるんだという話がありました。
そういうふうに考えたときに、この東京の中でどこで生まれるんだろうという話になったときに、公共空間、例えば公園なんか、そういった部分というのは一つの候補になり得る。そして、商店街の路地なんかも実はすごく魅力的なんですと、さっき中村委員の方から、雑多というか、ちょっとそういったような話もありましたけど、かえってああいうスペースの方が新しい文化が生まれるんですよなんていうお話がありまして、そういった視点もぜひ大切にしていただきたいなというふうに思いました。
例えば、生活文化局がやっているヘブンアーティスト事業というのがありまして、これはオープンスペースでアート活動を自由にやっていいですよというような場所が幾つか指定してあって、そこで、大道芸をやったり、音楽を演奏したり、絵を描いたり、そういったことをやっている方々がいらっしゃるんですけれども、ぜひそういった方々が、一定のルールは必要ですけれども、たくさん来てくれるような場所にしていくのも一つの案なんじゃないかなと思います。
つけ加えると、今いった勉強会、外国のナイトタイムエコノミーに通じた方々、例えばオランダで元ナイトメイヤーのミリク・ミラン氏なんかが参加しているような場所でしたけれども、そこで海外の方々が東京の魅力として何ですかという話をしたときに上がってきたのが、横丁とスナックとママさんだと。こういったものが実はすごく魅力的なんだという話がありました。
何がいいたいかというと、私たち自身がなかなか気づいていない魅力というのを、海外の方々の方が実は知っているというものがたくさんあるんだと思います。先ほど、審査委員はこれからまた決まっていくという話がありました。外部有識者をという話がありましたけれども、ぜひこの中に、日本に通じた外国人の有識者なんかも入れていくべきじゃないかなというふうに思います。
先日、東村委員が会長を務める日中友好議員連盟の方で、中国の方を視察させていただいたんですけれども、そのときも、まちづくりをしていくときに日本人の建築士の方が計画段階からずっと意見を申していたりだとか、あるいはシンガポールに私ことしの五月に行ったんですけれども、そこのまちづくりも必ず海外の方を入れるんだと。審査委員にも、例えば計画をつくっていく段階でも、必ず海外の方を入れると。何で海外の方を入れるんですかと聞けば、私たち自身が気づいていないんだ、どういうまちにすれば人が来てくれるかなんていうことは、自分たちではわからないんだということをおっしゃっていたのが大変印象的でした。
ぜひとも、この築地のまちづくりには、特に海外の方々から魅力を感じていただきたいという事業だと思いますので、検討していただきたいというふうに申し述べておきます。
次に、船着き場周辺の開発で、人の流れをつくっていこうと考えたときには、その移動範囲というものもしっかりと配慮していかなきゃいけないんだろうなと思います。先日夜に伺ったときも、歩いて銀座方面へ行ってみると、やっぱり歩くと少し遠いなと。車でタクシーに乗ってみると、やっぱり混んでしまって、なかなかたどり着けない。バスもちょっと待ち時間、冬になると寒いななんて思いながらしていると、一つの考え方として、シェアサイクルだとか、例えば今はまだ公道を走ることが許されていないですけれども電動キックボードだとかそういったもの、パーソナルモビリティーがこれから重要になってくるんじゃないかなというふうに思ったところです。
そういったことも踏まえて整備をしていく必要があると考えるんですけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 先行整備事業の実施方針の方向性では、土地利用に係る方針として、舟運と陸上交通のつながりを考慮した待合機能等の必要な機能を導入するとしてございます。
今後、これを踏まえて、実施方針や募集要項を作成、公表し、具体的な実施条件を明らかにした上で、事業者の創意工夫を生かした提案を受け、実施方針の内容を実現していくと考えてございます。
○奥澤委員 質問なんですけれども、ちょっとこの後予定していたものを少し飛ばしまして、意見だけお伝えさせていただくと、先ほど最初にもお話ししましたけれども、今回の整備というのは、ゼロ段階はこの後の全体の整備につながっていきますので、そのゲート性、今回お示しいただいた資料の中にもゲート性という話はありましたけれども、こちら、意匠性といったらいいですかね、デザインというのも大変重要だと思います。ここをゲートにして、そこからこのまちに入っていくという部分は大変重要だというふうに思います。その辺も、審査の項目では大切にしていただきたいなというふうに思っています。
審査の項目という観点でいうと、環境配慮は先ほども別の委員の方からお話ありました。環境への配慮という観点から、最後の一問質問させていただきたいと思うんですけれども、先日、本会議においても、知事から、気候変動対策に対しては強い思い入れ、そして強い気持ちで取り組んでいく、そういった考えが示されたところです。
ですので、この環境配慮というのが、法令遵守とかそういった部分でとどまってほしくないなというふうに思うんですね。特にここは、観光客を含めて多くの方々が訪れる、そして、想定されているMICE機能というものを入れるのであれば、海外の要人がたくさん足を運んでくる、そういった場所になるんだと思います。
その場所で、気候変動対策を先進的に取り組んでいるんだということを見せていくこと、これは東京のプレゼンスを高めていくことに必ずつながっていくと思っています。特に、エネルギーをどのようにしていくのか、エネルギーをどういうふうに使っていくのかという考え方、そして東京なりのその答えというかを見せていくこと、それを世界に発信していくということが大変重要だというふうに思っています。
そこで、ゼロ段階のまちづくりにおけるエネルギー利用の考え方についてお伺いして、私からの質問を終わりたいと思います。
○木村まちづくり調整担当部長 先行整備事業の実施方針の方向性では、環境配慮に係る方針として、中期間の活用であることも念頭に、環境配慮の創意工夫がされた取り組みを推進するとしてございます。
今後、これを踏まえて、事業実施方針や募集要項を作成、公表し、具体的な実施条件を明らかにした上で、事業者の創意工夫を生かした提案を受け、実施方針の内容を実現していくと考えてございます。
○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○馬場委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時三十二分散会
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