委員長 | 本橋ひろたか君 |
副委員長 | 森澤 恭子君 |
副委員長 | 和泉なおみ君 |
理事 | 中山 信行君 |
理事 | 神林 茂君 |
理事 | 伊藤 ゆう君 |
けいの信一君 | |
滝田やすひこ君 | |
宮瀬 英治君 | |
佐野いくお君 | |
高橋 信博君 | |
たきぐち学君 | |
荒木ちはる君 | |
曽根はじめ君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 東京都技監都市整備局長兼務 | 佐藤 伸朗君 |
次長総務部長事務取扱 | 桜井 政人君 | |
技監 | 上野 雄一君 | |
理事 | 中島 高志君 | |
都市づくり政策部長 | 小野 幹雄君 | |
都市基盤部長 | 山下 幸俊君 | |
市街地整備部長選手村担当部長兼務 | 安部 文洋君 | |
市街地建築部長 | 青柳 一彦君 | |
基地対策部長 | 高原 俊幸君 | |
連携・連絡調整担当部長 | 八嶋 吉人君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 朝山 勉君 | |
担当部長 | 小口 新吾君 | |
まちづくり推進担当部長 | 吉野 敏郎君 | |
まちづくり調整担当部長 | 木村 宣代君 | |
景観・プロジェクト担当部長 | 山崎 弘人君 | |
交通政策担当部長 | 森 高志君 | |
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 | 新谷 景一君 | |
防災都市づくり担当部長 | 三宮 隆君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 松崎 浩一君 | |
局務担当部長 | 奥秋 聡克君 | |
耐震化推進担当部長 | 青木 成昭君 | |
横田基地共用化推進担当部長 | 泉水 一君 | |
住宅政策本部 | 本部長 | 榎本 雅人君 |
技監都営住宅経営部長事務取扱 | 久保田浩二君 | |
住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 佐々木秀之君 | |
連絡調整担当部長 | 水野 剛君 | |
住宅政策担当部長 | 澁谷 浩一君 | |
経営改革担当部長 | 土屋 太郎君 | |
再編利活用推進担当部長 | 中山 衛君 | |
建設推進担当部長 | 妹尾 高行君 | |
営繕担当部長 | 金子 陽子君 |
本日の会議に付した事件
住宅政策本部関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・都営住宅三十一H-一〇九東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
陳情の審査
(1)三一第一七号 原発事故による避難者の住まいの確保に関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・平成三十年度東京都一般会計予算(住宅政策本部所管分)の繰越しについて
・平成三十年度東京都都営住宅等事業会計予算の繰越しについて
都市整備局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都駐車場条例の一部を改正する条例
陳情の審査
(1)三一第六号 旧築地市場の跡地利用に関する陳情
(2)三一第七号 日米地位協定の見直しを国に求める意見書の提出に関する陳情
(3)三一第八号 芝浦工業大学豊洲第二校舎新築工事に関する陳情
報告事項
・都市復興の理念、目標及び基本方針(案)について(説明)
・築地まちづくり方針について(説明)
・平成三十年度東京都一般会計予算(都市整備局所管分)の繰越しについて(説明・質疑)
・平成三十年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算の繰越しについて(説明・質疑)
・第二百二十六回東京都都市計画審議会付議予定案件について(説明・質疑)
○本橋委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、本委員会の担当書記に交代がございましたので、紹介いたします。
議事課の担当書記の野原考平君です。
議案法制課の担当書記の渡壁佑司君です。
それでは、よろしくお願いいたします。
〔書記挨拶〕
○本橋委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会におきまして申し合わせましたので、ご了承のほどお願いいたします。
本日は、お手元ご配布の会議日程のとおり、住宅政策本部及び都市整備局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、陳情の審査及び報告事項の聴取を行います。
なお、本日は、住宅政策本部及び都市整備局関係の提出予定案件及び都市整備局関係の報告事項の都市復興の理念、目標及び基本方針(案)について外一件につきましては、いずれも説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行うこととし、住宅政策本部及び都市整備局関係の平成三十年度の予算の繰り越しについて及び都市整備局関係の都市計画審議会案件につきましては、いずれも説明を聴取した後、質疑を終了まで行いますので、ご了承お願いいたします。
これより住宅政策本部関係に入ります。
初めに、先般の組織改正により住宅政策本部が設置され、本部長に榎本雅人さんがご就任されました。
榎本本部長から挨拶並びに幹部職員の紹介がございます。
○榎本住宅政策本部長 住宅政策本部長の榎本雅人でございます。
本橋委員長を初め委員の皆様方には、日ごろからご指導、ご鞭撻を賜りまして、まことにありがとうございます。
住宅政策本部は、少子高齢化や住宅ストックの老朽化など、東京の住宅行政を取り巻く環境が大きく変化していることから、都の住宅政策を一層加速し、機動的に展開していくため、本年四月に新たな組織として発足をいたしました。
私ども住宅政策本部職員一同、これまでの都市づくり政策との連携をさらに発展させながら、都民の豊かな住生活の実現と持続に向け、着実に施策を展開していく所存でございます。何とぞよろしくご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
それでは、去る四月一日付で異動のございました当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
技監で都営住宅経営部長事務取扱をしております久保田浩二でございます。住宅企画部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務しております佐々木秀之でございます。連絡調整担当部長の水野剛でございます。住宅政策担当部長の澁谷浩一でございます。経営改革担当部長の土屋太郎でございます。再編利活用推進担当部長の中山衛でございます。建設推進担当部長の妹尾高行でございます。営繕担当部長の金子陽子でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の陰山峰子でございます。
なお、民間住宅施策推進担当部長の栗谷川哲雄は、公務のため、本日の委員会を欠席させていただいております。次回ご紹介させていただく予定でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○本橋委員長 ただいまご挨拶並びにご紹介が終わりました。
○本橋委員長 続きまして、第二回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。
○榎本住宅政策本部長 本日は、令和元年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております住宅政策本部関係の案件をご説明いたします。
提出予定案件は、契約案が一件でございます。
お手元の資料1、令和元年第二回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。
江東区辰巳一丁目における都営住宅の工事請負契約議案が一件でございます。
私からの説明は以上でございます。
引き続き、詳細な内容につきまして、住宅企画部長よりご説明をいたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○佐々木住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 契約案につきましてご説明を申し上げます。
お手元の資料1、令和元年第二回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。
一ページには、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載しております。
二ページをお開き願います。都営住宅三十一H-一〇九東、江東区辰巳一丁目工事の概要でございます。
中段に記載のとおり、住宅の戸数は、B棟百二十六戸、C棟四十九戸、計百七十五戸、構造等は、鉄筋コンクリートづくり、十四階建てのB棟が一棟、七階建てのC棟が一棟でございます。
契約の相手方は創真・Justice建設共同企業体、契約金額は二十億三千五百六十二万六千九百七十一円、工期は令和四年二月二十五日までとなっております。
三ページに案内図と配置図を、四ページにB棟の平面図と断面図を、五ページにC棟の平面図と断面図を添付してございます。
以上で令和元年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○本橋委員長 ただいま説明が終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言をお願いいたします。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 ないでしょうか。それでは、資料要求がないということでございますので、資料要求はなしと確認させていただきます。
○本橋委員長 次に、陳情の審査を行います。
陳情三一第一七号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○土屋経営改革担当部長 原発事故による避難者の住まいの確保に関する陳情についてご説明いたします。
お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
整理番号1、陳情三一第一七号、原発事故による避難者の住まいの確保に関する陳情についてご説明いたします。
陳情者は、江東区の原発事故避難者の住宅確保を支援する江東の会、小林和博さんです。
陳情の要旨は、都において、福島原発事故により都内の国家公務員宿舎で避難生活を続けている福島県からの避難者のうち希望者については、都営住宅の入居条件の緩和等の住まいの権利を保障するための措置を緊急にとっていただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、都は、東日本大震災後、被災県からの要請により、都営住宅等を災害救助法に基づく応急仮設住宅として、避難者に無償で提供してまいりました。
被災県では、復興公営住宅やインフラ等の整備状況に合わせ、応急仮設住宅の供与を順次終了しているところでございます。
都は、供与終了に合わせて、被災県からの要請を受け、都営住宅の避難者専用枠での募集、定期募集での当せん倍率の優遇、入居基準の緩和を実施してまいりました。また、都営住宅の入居要件に合致しない方に対しては、東京都住宅供給公社において、公社住宅の避難者専用枠募集や先着順募集の紹介、あっせん、入居基準の緩和を行ってまいりました。このように、都内での居住を希望する避難者に対しまして、きめ細かな住宅確保のための支援策を講じてまいりました。
一方、福島県は、避難指示区域外からの避難者について、平成二十九年三月末に応急仮設住宅の供与が終了した後、国家公務員宿舎に居住する避難者に限って最長二年間の有償での継続入居を認めるセーフティーネット契約を行いました。この契約は平成三十一年三月末に終了しましたが、四月以降も一部の方が居住しております。
都は、福島県からの要請を受け、県に協力して、セーフティーネット契約をしている避難指示区域外からの避難者について、昨年夏以降、個別に訪問し、住まいの意向等の把握を行いました。
都は、避難者の意向を踏まえ、都内での生活を希望する方に対し、都営住宅の定期募集での当せん倍率の優遇、入居基準の緩和、入居機会の拡大のための毎月募集を行うとともに、東京都住宅供給公社におきまして、公社住宅の先着順募集の紹介、あっせん等や入居基準の緩和を行ってまいりました。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○本橋委員長 ただいま説明が終わりました。
本件につきまして、発言の方をお願いいたします。
○伊藤委員 ただいまご説明をいただきました原発事故による避難者の住まい確保についての陳情に対して質疑をさせていただきたいと思います。
二〇一一年の三月十一日に起きた東日本大震災から、ことしで八年が経過をいたしています。時代も平成から新たに令和と移って、当時土砂にまみれた被災地の多くは既に整然とした基盤整備とまちづくりが施され、復興への確かな歩みが、力強くここ東京にも伝わってきているところではあります。
一方で、私も当時、何度となく地元目黒の友好都市である気仙沼にも足を運び、その惨状を目の当たりにいたしました。そして、当時の震災の影響で家族を失い、家を失い、職を失い、穏やかな日常を失った被災者がたくさんおられ、東京への避難を余儀なくされた方がいらっしゃることを改めて認識しているところでございます。
そうした家や職や日常を失った皆様にとりましては、東京への避難が一つの救いになっていた側面は確かにございます。
東日本大震災の被災者は、想定外の自然災害に加えて、さらには原発事故という未曽有の災害が加わり、その被害を一層深刻にさせました。
福島県の原発は私たち都民の電力の源でもあり、その発電に私たちの都民生活が支えられてきたことを考えれば、被災者に対して、都民として責任を大いに感じるところであります。
そこでまず、これまでに、東日本大震災による都内避難者への住宅支援を都としてどのように行ってきたのか伺いたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 都は、東日本大震災後、被災県からの要請により、都営住宅や国家公務員宿舎等を災害救助法に基づく応急仮設住宅として、避難者に無償で提供してまいりました。
被災県では、復興公営住宅やインフラ等の整備状況に合わせ、応急仮設住宅の提供を順次終了しており、都では、それぞれの提供終了に合わせ、被災県からの要請を受け、都営住宅の避難者専用枠での募集や定期募集での当せん倍率の優遇、入居資格の緩和を実施してまいりました。
また、都営住宅の入居資格に合致しない方に対しては、東京都住宅供給公社において、公社住宅の避難者専用枠募集や先着順募集の紹介、あっせん、入居基準の緩和を行うなど、都内での居住を希望する避難者に対して、きめ細かな住宅確保のための支援策を講じてまいりました。
○伊藤委員 今お話があったように、被災県から、この陳情に照らせば例えば福島県からの要請によって、都営住宅や国家公務員宿舎等を応急仮設住宅として無償で提供されてきたということがわかりました。
その上で、具体的に、都の取り組みによって、東日本大震災における都が提供する応急仮設住宅の避難者のうち、どれくらいの方が都営住宅を含め住宅を確保できたのか伺いたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 都では、東日本大震災の避難者に対して、ピーク時の平成二十四年三月末時点で、約二千百世帯に都営住宅等を応急仮設住宅として提供してきました。
これまでに、被災県と連携したさまざまな住宅確保の支援策を行ってきた結果、平成三十一年四月末時点では、都営住宅に入居した約二百三十世帯を含め、ピーク時の八割を超える約一千八百世帯が新たな住宅を確保しております。
なお、平成三十一年四月末時点で、都が被災県から要請を受け、応急仮設住宅を提供している世帯は、二百八十世帯でございます。
○伊藤委員 今答弁があったのは、平成二十四年三月末時点で、約二千百世帯に対して都営住宅等を応急仮設住宅として提供されてきたということがわかりました。かなり多くの方々に住宅を提供されてきたという経緯であるというふうに思います。
そして、あわせて伺いたいのは、今回、主に避難指示区域外の自主避難者の方々からの陳情でありますけれども、自主避難者について聞きたいと思います。
陳情者の皆様は、都営住宅を申し込むに当たって、収入要件や世帯要件に壁が存在していて、入りたいけれども入れない方々がいらっしゃると主張をされていらっしゃいます。
今、先ほどの答弁の中で、被災県からの要請を受けて、都営住宅の避難者専用枠での募集や定期募集での入居資格の緩和を実施してきたということでありましたが、少し整理をする上でも伺いたいと思います。
条例などで、入居資格がどのように規定をされ、そしてそれをどのように具体的に緩和しているのか、改めて伺いたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅の入居資格は、公営住宅法や都営住宅条例に、住宅困窮、収入、世帯、居住地などの要件が定められていますが、いわゆる子ども被災者支援法に基づく国の通知を踏まえまして、取り扱いについて一定の緩和をしてございます。
具体的には、住宅困窮については、現に住宅に困窮していることが法に定められておりますが、子ども被災者支援法に基づく支援対象地域に住宅や土地を所有していても、住宅を所有していないと取り扱ってございます。
収入につきましては、世帯全員の所得合計が一定金額以下であることが法で定められておりますが、都内と支援対象地域で別れて生活する世帯は、世帯全員の所得合計の二分の一を所得として取り扱ってございます。
世帯、居住地につきましては、現に同居し、または同居しようとする親族があること、また都内に居住していることが条例に定められておりますが、都内と支援対象地域で避難者とその配偶者が別れて生活している場合も、同居していると取り扱ってございます。
○伊藤委員 今ご説明をいただいたような形で、いわゆる入居の要件緩和を行ってきたということであろうかと思いますが、それでもなお新たに都営住宅を申し込みたいと思っていても、そもそもその要件を満たさないので申し込めないという方々がいらっしゃるということが、今回のこの陳情からも明らかになっております。
その具体的な例ですけれども、自主避難者の方々の中には、五十歳代で単身の方もいらっしゃるというふうに伺っていますが、もし五十歳代で単身の方が都営住宅に対して申し込みをした場合はどのようになるのか、改めて伺いたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅条例では、単身者の入居資格を六十歳以上の者、生活保護受給者、心身障害者などと定めておりまして、五十歳代の単身者の方でも、この要件に合致すれば、申し込みは可能でございます。
この要件に合致しない避難者の方々には、公社住宅や民間賃貸住宅などを案内し、新たな住宅の確保を支援してございます。
○伊藤委員 端的にいうと、今、現行の都民の皆様を対象にした、必ずしも被災者を対象にしたということではないと思いますが、条例に定めるところの単身者、その入居資格は基本的に六十歳以上であるということがわかりました。
ただし、今回、改めて申し上げますけれども、自主避難者の中には、五十歳代で単身の方もいらっしゃり、都営住宅に移り住んで新たな生活再建に向かいたいと思っていらっしゃる方にとっては、応募できないという現状があるということであり、それが今回の陳情につながっていることと思います。
都営住宅の入居条件として、平成十八年から、段階的に六十歳に引き上げられており、現行の条例に照らせば、五十歳代の単身者は申し込み自体ができないことになります。
しかし、これは、急増する六十歳以上の単身者向けに公営住宅を確保する狙いから、公営住宅法施行令の改正により、全国的に対象年齢が引き上げられたものであって、被災者を想定したものではなかったと認識をしております。
そこで、今回の陳情者の要望である六十歳未満の単身者の都営住宅への入居を仮にもかなえるとした場合に、必要となる措置とその課題について伺いたいと思います。
○土屋経営改革担当部長 都営住宅は、市場において自力で住宅を確保することが困難な低所得者等に対して住宅を供給するセーフティーネットとしての役割を担ってございます。
都営住宅条例では、こうした住宅に困窮する方々に対して的確に住宅を供給できるよう、単身者の入居資格を六十歳以上の者、生活保護受給者、心身障害者などと定めてございます。
六十歳未満の単身者に入居資格を拡大するには、条例の改正が必要でございますが、仮に自主避難者に対して入居資格を緩和すれば、単身者向け都営住宅への都民ニーズが高い中で、都営住宅への入居を希望する多くの都民や、かつて避難者であって既に自力で住宅を確保した方々に対して、公平性の確保が困難であると認識してございます。
○伊藤委員 課題について今ご答弁をいただきました。課題があることはわかりましたが、一方で、国家公務員宿舎に現在入居をされている避難者の皆さんの多くは、引き続き住宅支援を求めていらっしゃる方々だというふうに理解をしています。そのことに加えて、東京での生活に住みなれて、東京で生活再建を図っている途上の方々でもあるというふうにいえるかと思います。
現在は、先ほどご説明のあったセーフティーネット契約に定めるところの居住期限を国家公務員住宅等において超えているために、陳情にある避難者の方々が今後、福島県と居住者との契約に基づいて、居住期限をもう超えていますよということで二倍の賃料を請求される契約になっているというふうに聞いています。
少なくても早急な退去については、生活再建に向けて期間、時間がかかりますので、一定期間の猶予を設けて、二倍の請求などをかけないように、まず取り計らっていただきたいと思います。
このことは、福島県においての決定事項にもなろうかと思いますので、そうした声が都議会においてあったことを福島県へ都からしっかりお伝えをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○土屋経営改革担当部長 ただいまいただきました、早急な退去について一定期間の猶予を設け、二倍の請求をかけないように等のご意見につきましては、福島県へお伝えしてまいります。
都としても、今後とも、住宅支援を求めている避難者の方々に対して、福島県と連携して、生活状況や意向などをお聞きしながら支援してまいります。
○伊藤委員 都営住宅は、都民の皆さんを初めとした住民の皆さんの住宅確保のために、戦後来、整備をされているものであります。
一方で、私も常々思うんですけれども、災害は、もちろん日本の場合は全国的にどこで起こってもおかしくありません。四十を超える都道府県がそれぞれに協力をし合い、助け合ってもきていますし、一千八百程度ある各自治体も同様であります。
一方で、福島県に関しては、とりわけて都民の責任は重たいと思っております。それは、何よりも都民生活を支えてこられた福島原発が立地しているからにほかなりません。今回の災害の被害を大きくした背景も、原発事故にございます。
そういう意味では、これまで電力の供給源として大変お世話になってきた、また、さまざまな、そういう意味ではご負担をいただいた福島県の方々が自主避難をされてきた場合においては、都として全力でお支えをするのが都民の責務だというふうに思っております。そういう観点から質疑をさせていただきました。
きょう答弁にあったとおり、公営住宅の公平性と、そして今私が申し上げた点と、それぞれ一貫性をバランスよくとるというところにご苦労はあろうかと思いますけれども、しかし、可能な限り都としてこうした自主避難者の皆様に寄り添って、全力で生活再建に向けて支援をされることを望んで、質疑を終わらせていただきたいと思います。
○中山委員 私からは、今の伊藤理事の質疑も踏まえまして、意見表明だけさせていただきます。
東雲住宅などには私どもも当初から訪問させていただいて、お住まいの改善ということについて住民の方々のご意見をお伺いして、いろいろそれなりの努力をさせていただいてきたところでございます。
福島県側は帰ってきていただきたいという願いがあって、実際帰られている方々もいらっしゃる。ただ一方で、引き続き都内にとどまりたいというお気持ちの方々もいらっしゃる。そうしたことに対して、東京都が公社住宅のあっせんですとか、あるいは都営住宅の入居申し込みの資格がある方々については優遇倍率とか検討されてきたということは事実であるし、評価したいというふうに思います。
今回のことで問題なのは、やはり単身者の入居申し込みの条件ということでございまして、現実的には、今すぐ条例を改正するというのは、さまざまな方々のニーズがありますので非常に困難であるということで、大変恐縮ではございますけれども、条例改正ということについては、私どもも、今すぐは無理だろうという立場をとらざるを得ません。
ただ、福島県でも県営住宅があるわけですけれども、福島県の県営住宅でも、そうした単身者向けの制限の緩和というのは、まだ行われていないわけですよね。
国全体としてどういうふうにしていくべきなのかということはしっかり考えなければいけないということが一つと、それからもう一つは、先ほど伊藤理事からもございましたけれども、早急な退去勧告というものに関しては、これはやはり引き続き猶予していただきたいと。
そしてまた、家賃の高騰につながるような措置というものについては行わないようにということを、東京都も、福島県に対して恩を受けてきた立場として協力させていただいておりますけれども、現実的に今、福島県の方々の避難を受け入れさせていただいている立場からしても、福島県に対してきちっと申し上げていただきたいというふうに思います。
その上で、都営住宅ということについていうといろいろな条例改正というのは大変難しい問題があるのかもしれませんけれども、空き家対策ということに発した制度ではありますが、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅の制度がございます。
まだスタートといいますか、本当に本腰を入れた対策といいますか、対応ができ上がっているわけじゃありませんけれども、住宅確保要配慮者、自分の力では居住するべき住宅を確保できないという方々がいらっしゃる、そのことに着目をして、空き家対策ということも踏まえて、そういう制度を国でつくり上げ、都議会としても、私ども公明党が一所懸命に知事に対しても積極的な支援をするようにということを申し上げてきたところでありますけれども、そうしたものの活用を含めて、やはり妙案を考え出さないと本当はいけないのではないかと思っております。
残念ながら、今すぐこの陳情にお応えすることはできませんけれども、私どもとしては、妙案を考え出すということについて、しっかりと理事者側も取り組んでいただきたいし、議会としても知恵を絞っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○和泉委員 私からも、原発事故による避難者の住まいの確保に関する陳情についてお尋ねします。
先ほど理事者からも説明がありましたけれども、陳情の願意は、福島の原発事故から都内の国家公務員宿舎で避難生活を続けている避難者のうち希望者については、都営住宅の入居条件の緩和等の住まいの権利を保障するための措置を緊急にとっていただきたいということです。
そのうち避難区域以外からの避難者の多くは、二〇一七年三月に、応急仮設住宅の供与が終わっても住宅確保の見込みが立たない方に対して二年間継続して使用ができるよう、福島との間でセーフティーネット契約を結びましたけれども、いよいよその契約がこの三月末で切れました。
福島県は、退去しなければ損害金として家賃額の二倍を請求するという方針ですが、多くの方の新たな住まいが決まっていないということは、報道されているとおりです。
平成二十九年三月の区域外避難者への応急仮設住宅の供与終了時に、セーフティーネット契約を行った世帯数と、それから現在も住み続けている世帯数、これはそれぞれ何世帯あるのか伺います。
○土屋経営改革担当部長 平成二十九年三月にセーフティーネット契約を結んだ世帯は九十三世帯で、そのうち令和元年五月一日現在でお住まいの世帯は四十五世帯でございます。
○和泉委員 かなりの方が、家賃が二倍などのペナルティーが示される中でも残っていらっしゃる。そこには、転居先が見つからない、築き上げたコミュニティから切り離されたくないなど、出ていこうにも出ていけないさまざまな事情があると推察をされます。
実際、東京都総務局が毎年行っている都内避難者アンケート調査でも、避難生活を続けている世帯月収、半数以上が二十万円未満です。経済的にも、とても高家賃の住宅には移転できないということがよくわかります。
今から二年半前、小池知事は、福島県知事との会談において、まだお帰りになれない人たちにより安心していただけるよう模索したいと語って、住宅支援などで協力する意向を示したと報じられました。この姿勢を現在でも貫くことが大事だというふうに思います。
都は、区域外避難者への応急仮設住宅の供与が打ち切られる見込みとなった二〇一六年秋以降、どのような住宅支援を行ってきたのか伺います。
○土屋経営改革担当部長 都は、いわゆる子ども被災者支援法に基づく国の通知を踏まえまして、自主避難者で世帯の一部が都内に避難している場合は、収入認定及び使用料の算定に当たりまして、所得を二分の一に扱うなどの入居基準の緩和を行ってございます。
加えて、都独自の支援策として、都営住宅の定期募集での当せん倍率の優遇措置を実施するとともに、平成三十年一月からは毎月募集を行い、応募機会の拡大を図ってございます。
また、平成二十九年三月末の応急仮設住宅の提供終了に合わせ、自主避難者のうち、ひとり親世帯、高齢者世帯など、自力で新たな住まいを確保することが困難な世帯を対象として、専用枠募集を実施いたしました。
○和泉委員 住居という生活の基盤を確保して、これから先の人生に展望を持ってほしい、次の一歩を踏み出してほしい、そう思っているのは私だけではないと思います。現に伊藤理事や中山理事からも、応援する、被災者の皆さんを支援する、そのような旨の発言がありました。そして、都独自の支援に取り組んできたことは重要だと思います。
しかし、専用枠のお話がありましたけれども、初めに取り組んだ専用枠が、高齢者世帯、ひとり親世帯、障害者世帯のほかは、十八歳未満の子供が三人以上いるとか、小学校就学前の子供が二人以上いるとか、所得が月額六万五千円以下であるとか、非常に厳しい要件を満たさなければ応募できなかった。そのため、そもそも応募すらできない方が多数つくり出されてしまいました。
これは、神奈川県や埼玉県などが、通常の県営住宅に応募するのと同じ条件であれば応募できるとしていたこととは大きな違いになっています。
さらに、その後は専用枠はなくなり、当せん倍率の優遇があるとはいえ、今度は、そもそも応募倍率が高くて宝くじに当たるようなものだといわれる応募倍率の壁に阻まれます。
東北地方を中心としたブロック紙である河北新報は、子供二人と暮らすシングルマザーの方が、いつまでも公務員宿舎に住めるとは思っていないが、都営住宅には四回応募して当たらず、家賃が高額な都内の賃貸住宅ではパート勤めの収入で借りられない、手詰まり感を深める中、退去期限を迎え、都営住宅をあっせんするなど寄り添った対応をしてほしいと訴える様子を紹介しています。
東日本大震災による被災者のうち、現在までに何世帯が都営住宅に当せんしているんでしょうか、伺います。
○土屋経営改革担当部長 東日本大震災による避難者を対象に都営住宅の入居基準の緩和等を開始した平成二十七年五月募集から現在までに、専用枠募集で二百五十二世帯、定期募集で四十二世帯、毎月募集で十五世帯、合計で三百九世帯が当せんしてございます。
○和泉委員 三百を超える世帯が入居できたというのは重要ですけれども、そのほとんどが専用枠募集であり、それからあとは五十七世帯しか入居できないというところを見ても、やはり区域外避難者の方に特別な焦点を当てた支援が必要なのは明らかだというふうに思います。
残念ながら、全国的にも多くの自治体が、これまで行ってきた支援を打ち切っています。しかし、その中でも支援を継続している自治体もあります。
私は、愛媛県に聞き取りを行いました。愛媛県は、そもそも県営住宅を区域外避難者の方に提供する際、災害救助法に基づく応急仮設住宅としての扱いではなく、公営住宅法に基づく目的外使用の扱いとしました。
このため、所得の制限もなく、二〇一七年三月に応急仮設住宅としての提供が全国的に打ち切られても、愛媛県独自の取り組みとして、無償の県営住宅の提供を続けることができました。愛媛県では、二〇二〇年三月末まで継続し、現在八世帯、十二人に適用しているとのことでした。さらに、県内には市営住宅を提供している自治体もあるそうです。
なぜ現在も継続しているのかということについて、担当職員は、遠い愛媛まで避難していただいた方である、そして個々の状況を見てというのが一番大きく、県営住宅を出ていける状況にあるなら打ち切りもわかるのだが、自立して生活するにはまだ時間が必要であり、すぐ出ていってくださいという話にはならないと語っておられました。
私は、この状況は東京でも同じではないかと思います。原発事故がなければ、住む場所、働く場所を失い、ふるさとから引き?がされるように避難をする必要はなかった。あの日を境にして、この方たちの人生は大きく変わってしまった。避難している方たちには何の責任もないのに、そのような状況が八年以上も続いていて、この先もなかなか見通しが立たない現状です。
子ども被災者支援法は、放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないことなどのため、一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、または居住していた者、これらの者に準ずる者が、健康上の不安を抱え、生活上の負担を強いられており、その支援の必要性が生じているとして、被災者一人一人が、どこの地域に居住したり、移動したりする選択をみずからの意思によって行えるよう、被災者がどれを選択しても適切に支援しなければならない、国は、移動先における住宅の確保に関する施策を講ずる、そのために、施策の具体的な内容に被災者の意見を反映するなどとしています。
この精神は立派であり、都もこの立場に立つべきですが、問題は、それを実行するための施策が現状ではとても貧困で、理念と大きな乖離があることです。
国家公務員宿舎の継続使用と家賃の低廉化を国に強く求めつつ、愛媛県のような目的外使用の措置をとる、それが困難なら、応募要件を大幅に緩和した上で、改めて都営住宅の優先枠をつくって募集をかける、家賃補助や引っ越し代補助に取り組むなど、自治体としてできる手段は数多くあります。
都の具体的な支援強化を求め、この陳情について採択を主張して、私の発言を終わります。
○本橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行わせていただきたいと思います。
本件につきましては、起立により採決をいたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 ご着席ください。起立少数と認めます。よって、陳情三一第一七号は不採択と決定いたしました。
以上で陳情の審査を終わります。
○本橋委員長 次に、理事者から、平成三十年度東京都一般会計予算、住宅政策本部所管分の繰り越しについて外一件の報告を聴取いたします。
○佐々木住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 お手元の資料3、平成三十年度繰越説明書によりましてご説明を申し上げます。
今回のご報告は、平成三十年度予算の繰越明許費繰越につきまして、地方自治法施行令第百四十六条第二項の規定によりまして、議会にご報告するものでございます。
資料の一ページをお開き願います。初めに、1、平成三十年度繰越明許費繰越総括表でございます。
一般会計及び特別会計の各会計別に、予算現額、繰越明許費予算議決額、翌年度繰越額及びその財源内訳を記載してございます。
合計欄をごらんください。予算現額の欄の右側の欄、繰越明許費予算議決額を記載してございますが、こちらが百八十八億一千百万円であるのに対しまして、翌年度繰越額は百六十八億一千九百万円となってございます。財源といたしましては、その右に記載のとおり、国庫支出金、都債及び繰越金などを充当してございます。
ページをおめくりいただきまして、三ページ以降は事業別の内訳となってございます。
まず、一般会計でございます。
五ページをお開き願います。番号1、住宅建設事業でございます。
繰越理由は、都営住宅等事業会計における住宅建設事業の繰り越しに伴い、その財源として繰り越しをするものでございます。
次に、都営住宅等事業会計でございます。
九ページをお開き願います。番号1、住宅建設事業でございます。
繰越理由は、住宅建設工事に伴う関係機関等との調整等に日時を要したことによるものでございます。
以上をもちまして、平成三十年度東京都一般会計予算、住宅政策本部所管分の繰り越しについて外一件のご報告を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○本橋委員長 報告が終わりました。
本件に対する質疑を一括して行いますが、ご発言ございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 ご発言ないようでございます。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 では、異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で住宅政策本部関係を終わります。
○本橋委員長 ただいまから都市整備局関係に入らせていただきます。
初めに、先般の人事異動に伴いまして、東京都技監に佐藤伸朗君が就任されました。
また、幹部職員に交代がありましたので、佐藤東京都技監から挨拶並びに紹介がございます。
○佐藤東京都技監 東京都技監を拝命いたしました佐藤伸朗でございます。
東京都技監といたしまして、技術職員の人材確保や育成、技術の継承など、各局に共通する課題に庁内の横のつながりを一層強化しながら取り組むとともに、都庁の技術力の向上を図り、技術職が都政に一層貢献できるように努めてまいります。
引き続き都市整備局長を兼務いたしますので、本橋委員長を初め委員の皆様方のお力添えをいただきながら、職員一同力を合わせまして、局事業の適切かつ円滑な執行に努めてまいります。何とぞご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
それでは、続きまして、去る四月一日付で異動のございました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
次長で総務部長事務取扱をしております桜井政人でございます。連携・連絡調整担当部長の八嶋吉人でございます。都市づくり政策部長の小野幹雄でございます。都市基盤部長の山下幸俊でございます。市街地整備部長で選手村担当部長を兼務しております安部文洋でございます。防災都市づくり担当部長の三宮隆でございます。横田基地共用化推進担当部長の泉水一でございます。局務担当部長の奥秋聡克でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の赤塚慎一でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○本橋委員長 ただいま挨拶並びに紹介が終わりました。
○本橋委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。
○佐藤東京都技監 本日は、令和元年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。提出予定案件は、条例案が一件でございます。
お手元の資料1、令和元年第二回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。東京都駐車場条例の一部を改正する条例案でございます。
都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行に伴い、都市再生駐車施設配置計画の区域内における駐車施設の附置に係る規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
私からの説明は以上でございます。
引き続き、詳細な内容につきまして、次長からご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○桜井次長 条例案一件についてご説明申し上げます。
お手元の資料1、令和元年第二回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
三ページをお開き願います。東京都駐車場条例の一部を改正する条例(案)の概要につきましてご説明申し上げます。
1、改正の理由でございますが、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行に伴い、都市再生駐車施設配置計画の区域内における駐車施設の附置に係る規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
2、条例(案)の概要でございますが、条例で規定する附置義務にかかわらず、都市再生駐車施設配置計画の区域内において、当該配置計画に即して駐車施設を附置することを可能とする規定を追加するものでございます。
また、附置義務駐車施設に機械式駐車装置を用いる場合、保守点検を定期的に行わなければならないとする規定等を追加するものでございます。
四ページから七ページには条例案文等を、八ページから一三ページには新旧対照表を記載してございます。
以上で令和元年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○本橋委員長 ただいま説明が終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言をお願いいたします。--ございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 ないようでございます。資料要求はなしと確認させていただきました。
○本橋委員長 次に、陳情の審査を行います。
初めに、陳情三一第六号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○木村まちづくり調整担当部長 本日ご審査いただきます陳情につきまして、お手元に配布してございます資料2、陳情審査説明表に基づきご説明申し上げます。
一ページをごらんください。整理番号1、陳情三一第六号、旧築地市場の跡地利用に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
本陳情は、中央区の税理士、渡邊一樹さんから提出されたものでございます。
その要旨は、都において、旧築地市場の跡地利用については、国際会議場等ではなく、老人向けの施設、障害者向けの施設及びそれらに類する介護施設等にしていただきたいというものでございます。
現在の状況につきましてご説明いたします。
築地再開発は、都心のまたとないロケーションにある立地のポテンシャルを生かし、その魅力と付加価値を高め、東京の持続的成長につながる新たなまちづくりを行うことを目的としております。
築地まちづくり方針は、外部の有識者から成る築地再開発検討会議により、平成三十年五月に取りまとめられた築地まちづくりの大きな視点を踏まえまして、都として築地のまちづくりの将来像や方向性、進め方を示すものとして、平成三十一年三月に策定いたしました。
大きな視点においては、導入機能について、築地再開発が東京及び日本全体にとって重要な役割を担うことや、経済合理性を意識しながら東京に不足しているものを補うなど、東京の競争力向上に資することなどの視点を重視して、具体的な検討を進めるべきと提言されております。
本方針では、将来像として、浜離宮恩賜庭園や銀座、隅田川、食文化など、魅力的な資源を有する地域のポテンシャルを生かしつつ、新たな東京ブランドを創造、発信する創発MICE機能を持つ国際的な交流拠点が形成されているなどとしております。
また、導入機能の考え方等については、東京二〇二〇大会後の東京を牽引する先進性と国際性を持つこと、他の国際都市との比較において東京に不足している機能を導入すること、国際会議場と大規模集客、交流施設を核として導入機能相互が連携し、相乗効果を発揮させながら、東京、日本の国際競争力をさらに高めていくなどとしております。
そして、コア施設の一つとして、国際競争力の向上に資する展示機能を備えた一定規模の国際会議場を導入することとしております。
具体的な計画内容等については、今後、都が、事業実施方針や事業者募集要項を作成、公表し、これに基づき民間事業者から提案を受け、具体化していくこととしております。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○本橋委員長 説明が終わりました。
本件についてご発言の方をお願いいたします。
○曽根委員 陳情三一第六号について質疑を行います。
この福祉施設などの導入を求める陳情と共通した意見が、ほかからもいろいろ聞かれるようになりました。
私たち日本共産党都議団は、小池知事の築地まちづくり方針に対しては、談話を出して厳しく批判してきました。築地に市場機能を残し、仲卸の業者が戻ってくることも協力するという公約を真っ向から踏みにじるものだからであります。
これからも、築地のまちづくりには、市場業者の声と地元住民の声をよく聞いて、それを尊重するよう、引き続き求めていきたいと思っております。
今回の陳情者は、都心の高い地価のために整備が困難な福祉や介護の施設をこの築地の跡地に求めております。これは極めて切実で、当然の要望だと考えます。
先ほど紹介したように、パブリックコメントの中でも、病院への難病患者や家族のための通院、そして宿泊のための施設を希望する声も出ておりますが、都としてはどう認識しているでしょうか。
○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針の素案につきましては、本年一月二十三日から二月二十一日までの三十日間、意見の募集、いわゆるパブリックコメントを実施したところ、その中には、難病患者や家族のための滞在施設をつくってほしいというご意見もいただいたところでございます。
○曽根委員 問題は、まちづくりの方針の中に、福祉や介護、ましてや患者さんの宿泊というような、そうした福祉、医療にかかわる方向性というのが言葉としてもなかなか出ていないということであります。
私たちは、陳情者の訴えのとおり、この都心の一等地には、民間の場所を使うと、大変な高地価のために、一般的に福祉施設を設置するのは、普通の福祉法人や医療法人にとっては極めて困難だという条件があるのは間違いないと思います。
例えば保育施設を都有地に建てようと思ったら、逆に、都内の平均地価、一平方メートル当たり三十四万円だったと思いますが、それを超える地価の部分については、九割減額という大きな援助があるわけです。
全部の福祉施設にこれが適用されているわけではないと思いますが、こうした都有地の利点を活用して、地元の住民や、また遠くからこの近くの大病院に通う、もしくは滞在する難病患者などのためにこういう施設をつくるということは、築地のまちづくり方針とは大きな意味では矛盾しないし、またさせてはならないんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針は、外部の有識者から成る築地再開発検討会議により、平成三十年五月に取りまとめられた築地まちづくりの大きな視点を踏まえ、都として、築地のまちづくりの将来像や方向性、進め方を示すものでございます。
その大きな視点においては、導入機能において、経済合理性を意識しながら、東京に不足しているものを補うなど、東京の競争力向上に資することなどの視点を重視すべきと提言されてございます。
具体的な計画内容につきましては、今後、都が、事業実施方針や事業者募集要項を作成、公表し、これに基づき民間事業者から提案を受け、具体化していくこととしてございます。
○曽根委員 東京都の魅力または国際的な競争力という言葉が方針にも並んでいますけれども、競争力というならば、都心でも安心して福祉や介護が保障される東京こそ、本当の意味で豊かな都市だといえるのではないでしょうか。これこそまた、住民にとっての大きな魅力でもあります。
昨年の市場移転までは、はっきりいって、都民の多くの方々は、小池知事がまだ公約を守ってくれるんじゃないかと期待する声が強かったというのが実態だと思います。
しかし、豊洲に市場が移転して、ようやく築地市場の跡地について地元を初め都民の中で真剣な議論が起きてきているというふうに私たちは受けとめております。
都の計画を決めるのは、はっきりいって少し時期尚早ではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発は、都心のまたとないロケーションにある立地のポテンシャルを生かし、その魅力と付加価値を高め、東京の持続的成長につながる新たなまちづくりを行うことを目的としてございます。
東京二〇二〇大会後を見据えて、着実に、段階的に整備していく必要があり、まちづくりを適切に誘導するため、本年三月にまちづくり方針を取りまとめたところでございます。
今後、この方針に沿って、都が、事業実施方針や事業者募集要項を作成、公表し、これに基づき民間からの提案を受けて、具体化したものであるというところでございます。
○曽根委員 意見を申し上げますが、東京全体の価値を本当に高めるというのであれば、企業が活動しやすいだけではなく、都民の暮らしという点でも価値を高めることが、私は、この残された都心の中での貴重な都有地二十三ヘクタールを活用する上では不可欠だろうと思います。
陳情者は、恐らく文書を見ても、中小企業などを相手に仕事をしている税理士の方です。こういう方々の声の背景には、築地やその近隣の都民の声が幅広く反映していることを大切にすべきであり、この陳情の採択を求めるものです。
以上です。
○本橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行いたいと存じます。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 ご着席ください。起立少数と認めます。よって、陳情三一第六号は不採択と決定いたしました。
○本橋委員長 次に、陳情三一第七号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○高原基地対策部長 お手元、陳情審査説明表の五ページをお開き願います。
整理番号2、陳情三一第七号、日米地位協定の見直しを国に求める意見書の提出に関する陳情は、大阪府の日米地位協定を見直す会共同代表、難波希美子さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨は、都において、全国知事会の米軍基地負担に関する提言の趣旨を支持し、それに基づいた地方自治の根幹を脅かす日米地位協定の見直しを求める意見書を提出していただきたいというものでございます。
現在の状況です。
日米地位協定は、日米安全保障条約の目的達成のために、我が国に駐留する米軍との円滑な行動を確保するため、米軍による我が国における施設、区域の使用と我が国における米軍の地位について規定したものであり、昭和三十五年に締結されました。
平成二十七年には、環境に影響を及ぼす事故が発生した場合における米軍施設、区域への立ち入り等について定めた環境補足協定が、平成二十九年には、軍属の範囲の明確化等を定めた軍属補足協定が締結されました。
都はこれまでも、日米地位協定について、補足協定により米軍の運用改善は図られているものの十分ではないことから、国への提案要求や米軍基地所在の都道府県で構成する渉外知事会を通じて、見直しを要請してまいりました。
平成三十年七月、全国知事会は、日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍に適用させることなどを求めた米軍基地負担に関する提言を全会一致で決議いたしました。
都は今後も、他の自治体と連携しながら、日米地位協定の見直しを国に要請してまいります。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○本橋委員長 ただいま説明が終わりました。
本件についてご発言をお願いいたします。
○曽根委員 日米地位協定の見直しを国に求める意見書の提出に関する陳情について、何点か質疑を行います。
全国知事会は、知事会の歴史始まって以来の日米地位協定見直しの提言というのを国に対して、昨年、全会一致で決議をいたしました。これは、多くの報道があるとおり、当時の沖縄県翁長知事の尽力で、日米地位協定とヨーロッパなどの各国の地位協定との違いを現地調査で検証した上で、また沖縄県の実情への理解も含めて、地位協定の見直しがどうしても必要との働きかけを受け、提言がまとめられたものと聞いております。
知事会が提言した地位協定見直しの提言の内容はどういうものでしょうか。
○高原基地対策部長 平成三十年七月、全国知事会は、日米地位協定の見直しを含む米軍基地負担に関する提言を全会一致で決議いたしました。
具体的には、日米地位協定を見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件、事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立ち入りの保障などを明記することを求めてございます。
○曽根委員 小池知事はこの提言の具体化について、どのように取り組んでおられるのかを説明してください。
○高原基地対策部長 都はこれまでも、国への提案要求や米軍基地所在の都道府県で構成する渉外知事会を通じて、日米地位協定の見直しを国に要請してまいりました。
さらに、さきにご答弁したとおり、昨年七月には、全国知事会においても日米地位協定の見直しに関する提言が決議されております。
今後も、知事会等を通じて、他の自治体と連携をしながら、国に対し日米地位協定の見直しを要請してまいります。
○曽根委員 知事が取り組んでおられるように、今後も他の自治体と連携しながら国に対し地位協定見直しを求めていくということは重要だと思います。
同時に、東京都は独自に横田基地や麻布のヘリポートなど、都内に米軍施設を抱えており、ここでさまざまな問題が生じた場合、都知事自身が独自に、国に申し入れや、また意見書提出を行うことも当然あってしかるべきであります。
陳情は、知事に地位協定見直しを求める意見書を出すように要望しておりますが、都知事として、在日アメリカ軍にかかわる事件、事故発生時などにおいて、日米地位協定の見直しにかかわるような具体的な要望、要請を行った例はあるでしょうか。
○高原基地対策部長 都はこれまでも、米軍関係者による事件、事故の発生時には、原因究明や再発防止とあわせて、米軍関係者に対する教育や綱紀粛正の徹底などを要請してございます。
また、横田基地に関する都と基地周辺市町連絡協議会におきましても、平成二十一年ですが、新型インフルエンザの感染拡大防止のため、横田基地における検疫の適切な実施等を要請したケースなどがございます。
○曽根委員 これまでも、知事や五市一町の自治体との連携で、米軍側に要請することまでは可能だったわけですが、検疫の問題にしても、また、その後も、米軍の兵士による事件や事故など起きた場合でも、必要な立入調査や検証ができるという保障がありません。警察権が及ばないために捜査できなかった事件のケースも大変多いわけです。
重大な事故や災害もしくは犯罪等が起きてから協定見直しを働きかけていたのでは間に合わないケースがあります。
国内法の適用や自治体権限の強化などは、全国知事会が全会一致でまとまっている今こそがチャンスではないでしょうか。その点で、申し入れや要請などを行うチャンスではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○高原基地対策部長 日米地位協定は、昭和三十五年の締結以来一度も改定をされておらず、補足協定等により運用の改善は図られているものの、国内法の適用や自治体職員の立ち入り権がないなど、依然として十分とはいえない状況でございます。
都では、都民の安全と生活環境を守る立場から、引き続き、他の自治体と連携し、日米地位協定の見直しを国に申し入れてまいります。
○曽根委員 知事は昨年の答弁で、米軍の運用に当たりましては、周辺住民の生活に最大限の配慮が払われなくてはなりませんと述べ、環境法令や国内法の適用、事件や事故のときの自治体職員立ち入りの保障など、日米地位協定の見直しに必要な問題を、例を挙げて幾つか掲げております。
東京都は、都独自でも、横田基地周辺の五市一町と共同でも、国に地位協定の抜本的見直しを繰り返し求めてきた経緯があります。その中には、全国知事会の今回の提言と重なる部分もありますけれども、今回の提言よりも踏み込んで国に求めている部分もあります。
また一方で、都や五市一町との申し入れでは不十分だが、今回の知事会の提言には、鮮明に書いている部分もある。それは、例えば、米軍機による低空飛行訓練については、訓練ルートや訓練が行われる時期について速やかな情報提供を必ず行い、関係自治体や地域住民の不安を払拭した上で実施されるよう十分な配慮を行うことという項目です。
オスプレイが配備され、アメリカ本国ならば住宅密集地はおろか生態系保護のために荒れ地でもやらせないような夜間訓練や離着陸訓練、低空飛行訓練が繰り広げられており、横田基地周辺はもとより、全国に騒音被害が広がっております。
また、横田基地では、無法なパラシュート降下訓練や物料投下訓練が行われまして、パラシュートが落下したり開かなかったり、物資が外れて落下する事故まで発生し、事故の不安も強まっております。
横田基地のある東京でこそ、訓練の情報提供が速やかに行われ、自治体や住民の不安を払拭した上で実施されることという知事の提言の重要性は、ほかの自治体以上に高いのではないでしょうか。また、これが実現されれば、基地の不安と被害は大きく軽減されるはずです。よって、都の、地位協定の見直しを求める国への提言は、陳情が求める方向でより深められるべきだと考えております。
知事の国への意見書提出という取り組みを求める陳情については、これは知事の与野党を問わず採択すべきと考えます。
以上です。
○本橋委員長 それでは、ほかにご発言がなければ、これより採決を行いたいと存じます。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 ご着席ください。起立少数と認めます。よって、陳情三一第七号は不採択と決定いたしました。
○本橋委員長 次に、陳情三一第八号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○青柳市街地建築部長 お手元の資料2、陳情審査説明表の七ページをごらんください。
整理番号3、陳情三一第八号、芝浦工業大学豊洲第二校舎新築工事に関する陳情についてご説明いたします。
本陳情は、シティタワーズ豊洲ザ・シンボル管理組合理事長、吉村千草さん外七百四十四人から提出されたものです。
陳情の要旨でございますが、シティタワーズ豊洲ザ・シンボルに隣接する敷地、江東区豊洲三丁目に計画されております芝浦工業大学の豊洲第二校舎新築工事に関し、都において、次の事項について行政指導を行っていただきたいというものです。
1として、陳情者及び建築主の双方が納得するまで諸手続及び作業着手を停止すること、2として、計画建築物の形状と配置の変更により、日照喪失を緩和すること、3として、圧迫感軽減のため、離隔距離を百十メートル以上確保し、七階建てまでにすること、4として、プライバシーの保護及び生活への配慮のため具体策を講ずること、また、屋上等にはメンテナンス時以外、出入りができないようにすること、5として、景観に配慮し、屋上には機械を置かないこと、また、屋上の緑化を図ることという内容でございます。
本件建築物の計画地につきましては、恐れ入りますが、九ページの上段の位置図をごらんください。
計画地は、江東区豊洲三丁目一番三十五で、東京メトロ有楽町線及び「ゆりかもめ」の豊洲駅前交差点から六百メートルほど北に位置しております。
陳情者等が居住されているシティタワーズ豊洲ザ・シンボルは、計画地の南東側に立地しています。また、計画地周辺の点線内は、豊洲二、三丁目地区地区計画の区域でございます。
九ページの下段には、計画建築物の配置図を載せております。
本件建築計画の概要につきましては、恐れ入りますが、八ページをごらんください。
建築物の用途は大学、階数は地上十四階、地下一階、高さは地区計画に適合した六十七・五メートルという計画です。
七ページにお戻りいただきたいと存じます。現在の状況でございます。
平成十八年、建築主である学校法人芝浦工業大学は、当地に第一期の建物を建築し、豊洲キャンパスを開設いたしました。
平成二十一年、陳情者等が居住するシティタワーズ豊洲ザ・シンボルが竣工いたしました。
平成三十年十一月、建築主は、本件計画である豊洲第二校舎新築工事について、江東区大規模建築物に係る建築計画の早期周知に関する指導要綱に基づき、建築計画の標識を設置するとともに、近隣関係住民への説明会を実施いたしました。
本年一月十七日、シティタワーズ豊洲ザ・シンボル管理組合は、都知事に対して、本陳情と同趣旨の陳情書を提出しております。
同月三十日、建築主は、東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づく建築計画の標識を設置いたしました。
本年二月、陳情者は、都議会に対して本陳情書を提出するとともに、江東区議会に対しても陳情書を提出しております。
なお、区議会においては、三月の建設委員会で審議され、継続審査となっております。
また、同時に、同管理組合は、都知事に対して、同条例に基づく紛争調整申出書を提出いたしました。これを受けまして、都は本年四月末現在、二回のあっせんの場を設け、現在も当事者間で話し合いが行われております。
都は今後とも、建築主に対して近隣関係住民の方々に十分な説明を行うよう指導するとともに、あっせんの機会を活用いたしまして、当事者双方が和解に向けた話し合いを円滑に行えるよう調整してまいります。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○本橋委員長 ただいま説明が終わりました。
本件について発言ございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 発言がないようでございます。
そこで、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 ご異議なしと認めます。よって、陳情三一第八号は継続審査といたします。
以上で陳情の審査を終わります。
○本橋委員長 次に、理事者から報告の申し出がございますので、これを聴取いたします。
初めに、都市復興の理念、目標及び基本方針(案)について及び築地まちづくり方針についての報告を聴取いたします。
○安部市街地整備部長選手村担当部長兼務 都市復興の理念、目標及び基本方針案につきましてご説明申し上げます。
資料3、都市復興の理念、目標及び基本方針(案)についてをごらんください。
この方針等は、首都直下地震などの被災時における迅速で計画的な都市復興に向けて、あらかじめ都民との間で共有するため作成するものでございます。
まず、検討経過です。
平成十三年度に阪神・淡路大震災の経験などを踏まえて策定しました震災復興グランドデザインの中で、復興の理念、目標及び基本方針を示しました。
その後、東日本大震災など全国各地で発生した大災害の教訓を考慮するとともに、平成二十九年度に策定した都市づくりのグランドデザインを踏まえつつ、学識経験者のご意見も伺いながら、改めて都市復興の理念、目標及び基本方針案を作成いたしました。
この案は、五月十日に公表し、六月十四日までパブリックコメントを実施中でございます。
次に、都市復興の理念、目標及び基本方針案の主なポイントでございます。
都市復興の目標は、被災を繰り返さない、活力とゆとりある高度成熟都市の実現としております。
基本方針は、都市復興においても都市づくりのグランドデザインの都市像を実現するとともに、想定を超える被害があった場合には、被災を繰り返さないよう、現在の都市づくりの計画変更も検討し、さらなる強靱化を目指すこととしております。また、住宅及び産業の復興との連携や多様な主体の連携により、都市復興を進めていくこととしております。
今後の予定でございます。
本案へのご意見などを踏まえまして、六月下旬に都市復興の理念、目標及び基本方針を公表する予定でございます。その後、都市計画区域マスタープランの改定などに反映することで、実効性を持たせてまいります。
次のページ以降に案の全文を添付しております。
以上で都市復興の理念、目標及び基本方針案についてのご説明を終わらせていただきます。
○木村まちづくり調整担当部長 三月二十九日に公表いたしました築地まちづくり方針についてご説明いたします。
本年一月に素案を公表し、パブリックコメントでいただいたご意見や都議会でのさまざまな議論を踏まえ、取りまとめたものでございます。
資料4の概要、下の段をごらんください。
築地再開発の目的は、築地のポテンシャルを生かし、魅力と付加価値を高め、東京の持続的成長につなげていくことであり、この方針は、築地再開発検討会議により取りまとめられました築地まちづくりの大きな視点を踏まえまして、都として将来像や分野別方針、進め方などを示すものでございます。
具体化に向けまして、民間の力を最大限に活用し、段階的な整備を進め、中長期的に都民にとっての価値を向上させていくなどとしております。
おめくりいただきまして、築地地区の将来像でございます。
浜離宮恩賜庭園や食文化など、魅力的な資源を有する地域のポテンシャルを生かしつつ、新たな築地ブランドを含む東京ブランドを創造、発信する創発MICE機能を持つ国際的な交流拠点が形成されているなどとしております。
下の段、四ページに、分野別方針を示してございます。
舟運や歩行者ネットワークなど都市基盤整備の方針、景観形成に係る方針、環境配慮に係る方針などをお示ししてございます。
次のページ、五ページに、分野別方針を続けて記載してございまして、土地利用の方針につきましては、導入機能の設定の視点といたしまして、先進性と国際性を持つこと、食文化の拠点として築地が育んできた活気とにぎわいに鑑み、新たなにぎわい、集客を創出すること、都として卸売市場を整備することはないなどとしてございます。
また、導入機能の基本的な考え方としては、浜離宮恩賜庭園など地域資源、築地にとって重要な要素の一つである食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かす、東京の新たな魅力を発信できるような機能を導入するなどとしてございます。
下の段、六ページでは、大・丸・有地区や臨海部など周辺地域とも連携して、相乗効果を生み出していくこと、コア施設といたしましては、国際競争力の向上に資する展示機能を備えた国際会議場などとしてございます。
おめくりいただきまして、七ページ、ゾーンごとの導入機能イメージでございます。
四つのゾーンに区分し、浜離宮側の緑の部分、おもてなしゾーンには質の高い国際会議場など、中央の部分、交流促進ゾーンには大規模集客、交流施設などとしてございます。
食文化など歴史的、文化的ストックを十分生かすなど、機能導入の考え方につきましても、方針を踏まえ、民間事業者からの提案を受けて具体化していくことを想定してございます。
下の段、八ページ、段階的な整備の進め方でございます。
先行して、第ゼロ段階として船着き場周辺のエリアを整備する、第一段階として浜離宮側おもてなしゾーンを整備するなど、四段階により整備していくこととしてございます。
次の九ページをごらんください。まちづくり方針策定後の進め方でございます。
民間からの提案を受けるため、都は、事業実施方針や事業者募集要項を作成、公表してまいります。また、長期的に一貫して開発をコントロールする仕組みも整えてまいります。
次に、パブリックコメントの結果などについてご報告申し上げます。
資料5の下の段をごらんください。
パブリックコメントの概要につきまして、個人、法人などから合計二百二通のご意見をいただきました。
主な意見の要旨といたしまして、例えば、まちづくり方針の素案に示された将来像を踏まえ、再開発を早期に進めていくべきとのご意見、また、築地は守るという基本方針を守ってほしいとのご意見、また、築地まちづくり方針に関するものといたしまして、食文化について、食文化を明記してほしいというご意見、食を中心とした再開発にすると明記すべき、また、具体的な機能導入に関するご意見といたしまして、築地市場を再整備してほしい、国際的な展示会や会議を誘致するには、東京のみならず、首都圏全体で構想する必要があるとのご意見がございました。
資料5の上段をごらんください。築地まちづくり方針素案からの主な修正内容を下線でお示ししてございます。括弧のページは、資料6のまちづくり方針のページでございます。
将来像や土地利用に関しまして、食文化の観点について、記述を充実してございます。
また、中ほど、築地に都として卸売市場を整備することはないということや、機能導入の考え方の下の段、より広い地域とも連携、機能分担を図りながら、相乗効果を生み出していくことなど記述をしております。
説明は以上でございます。
○本橋委員長 報告が終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言の方をお願いいたします。
○和泉委員 築地市場に関して、市場を残すことを含めて、寄せられたパブリックコメント以外の意見全て。
築地移転方針決定後に中央区との間で行われた協議の経過とその内容について。
築地再開発検討会議の中で、各委員から築地の食文化について出された意見。
それから、民間事業者ヒアリングの回数と日時、開催要綱及び議事録。
仲卸業者を初めとする市場関係者との協議の記録。
築地まちづくり庁内検討会ワーキンググループの議事録。
築地まちづくり検討委員会に係る打合せ会の議事録。
それと、都市復興の理念、目標及び基本方針案について、現在までに寄せられているパブリックコメント。
これまでの震災復興グランドデザインとの変更点、追加点を明らかにした新旧対照表。
以上です。よろしくお願いします。
○本橋委員長 ほかにございますか。
○宮瀬委員 私からは二点ございます。
他の国際都市における国際会議場及び大規模集客、交流施設の規模、開催件数、参加人数等の一覧。
二点目は、二百二通のパブコメの声が反映された、または前向きに検討されている件数及びその内容について、よろしくお願い申し上げます。
○本橋委員長 ほかにございますか。よろしいでしょうか。--それでは、ただいま和泉副委員長、宮瀬委員、それぞれ資料要求がございましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求されました委員と調整の上、ご提出の方をお願いいたしたいと存じます。
○本橋委員長 次に、平成三十年度東京都一般会計予算、都市整備局所管分の繰り越しについて外一件の報告を聴取いたします。
○桜井次長 お手元の資料8、平成三十年度繰越説明書によりましてご説明いたします。
今回のご報告は、平成三十年度予算の繰越明許費繰越について、地方自治法施行令第百四十六条第二項の規定によりまして、議会に報告するものでございます。
資料の一ページをお開き願います。初めに、1、平成三十年度繰越明許費繰越総括表でございます。
一般会計及び特別会計の各会計別に、予算現額、繰越明許費予算議決額、翌年度繰越額及びその財源内訳を記載してございます。
合計欄をごらんください。予算現額の右側の欄、繰越明許費予算議決額でございますが、これが四十二億二千九百万円であるのに対しまして、その右側の欄、翌年度繰越額は二十五億四千百万余円となってございます。財源といたしましては、その右に記載のとおり、国庫支出金、繰入金及び繰越金を充当してございます。
ページをおめくりいただき、三ページ以降は事業別の内訳となっております。
まず、一般会計でございます。
五ページをお開き願います。番号1、都市改造でございます。
繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関等との調整及び物件移転補償に伴う関係人の移転等に日時を要したことによるものでございます。
ページをおめくりいただき、七ページ以降は臨海都市基盤整備事業会計でございます。
九ページをお開き願います。番号1、臨海都市基盤整備でございます。
繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関との調整等に日時を要したことによるものでございます。
以上をもちまして、平成三十年度東京都一般会計予算、都市整備局所管分の繰り越しについて外一件についてご報告を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○本橋委員長 ただいま報告が終わりました。
本件に関しまして、質疑についてご発言ございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 ないようでございます。
それでは、お諮りをさせていただきます。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 異議なしと認めまして、本件に対する質疑は終了いたしました。
議事の都合によりまして、おおむね二十分間休憩いたしたいと存じます。
午後二時五十五分休憩
午後三時十五分開議
○本橋委員長 それでは、休憩前に引き続きまして委員会を再開させていただきます。
次に、第二百二十六回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。
○佐藤東京都技監 来る九月二日に開催予定の第二百二十六回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
今回、都市計画の決定・変更予定案件が区部で十三件ございます。
また、その他の付議予定案件が一件ございます。
なお、今回の都市計画審議会には付議いたしませんが、計画段階環境影響評価対象案件が市町村部で一件ございます。
本日は、これらのうち主な案件といたしまして、都市高速道路第四号線、第四号分岐線、第六号線及び幹線街路補助線街路第九六号線の変更案件及び八重洲一丁目北地区と日本橋室町一丁目地区の二つの都市再生特別地区につきましてご説明申し上げます。
それでは、引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。
○山下都市基盤部長 付議予定案件ナンバー1、東京都市計画道路都市高速道路第四号線の変更及び付議予定案件ナンバー2、東京都市計画道路都市高速道路第四号線分岐線の変更並びに付議予定案件ナンバー3、東京都市計画道路都市高速道路第六号線の変更につきましては、関連するものでございますので、一括してご説明いたします。
資料は、お手元の白色表紙、資料10の提案事項概要五ページから九ページまで、薄茶色表紙、資料11の事前説明会資料五ページから二九ページまででございます。
また、本案件は、現段階におきまして、東京都環境影響評価条例の対象事業ではございませんが、平成三十年十二月の条例改正が令和三年一月に施行されますと、対象事業となる予定でございます。このことから、特例的に環境アセスメント手続を実施し、環境に及ぼす影響を予測、評価するものでございます。
このため、今回都市計画変更案を作成して、環境影響の予測、評価を行い、白色表紙、資料14の特例的環境影響評価書案として取りまとめましたので、あわせてご報告いたします。
初めに、事前説明会資料の五ページの位置図をお開きください。また、スクリーンに今回の事業実施区間の航空写真を映しておりますので、あわせてごらんください。
都市高速道路第四号線は、世田谷区北烏山八丁目を起点とし、世田谷区、杉並区、渋谷区、新宿区、港区、千代田区を経まして、中央区八重洲二丁目に至ります延長約二十一・四キロメートルの路線でございます。
今回の一部区域等の変更区間は、このうちスクリーンの航空写真におきまして黄色で示しました神田橋ジャンクション付近の千代田区内神田二丁目から呉服橋交差点付近の中央区八重洲一丁目までの延長約〇・七キロメートルの区間でございます。
次に、事業説明会資料の一九ページをごらんください。
都市高速道路第四号線分岐線は、中央区日本橋本石町一丁目を起点とし、同区日本橋兜町一丁目に至ります延長約一・二キロメートルの路線でございます。
スクリーンの航空写真におきまして赤色で示しました路線全体が変更区間となります。
続きまして、事前説明会資料の二五ページをごらんください。
都市高速道路第六号線は、足立区神明町一丁目を起点とし、葛飾区、墨田区を経て、中央区日本橋兜町付近に至る延長約十五・五キロメートルの路線でございます。
今回の変更区間は、このうちスクリーンの航空写真におきまして青色で示しました江戸橋ジャンクション付近である中央区日本橋小網町から日本橋室町一丁目までの延長約〇・五キロメートルの区間でございます。
首都高速道路は、我が国の経済活動を支える重要な基盤施設として、高度経済成長期以来、これまで大きな役割を担っておりますが、建設から長い年月がたち、老朽化が進んでおります。
また、江戸橋ジャンクション付近では、都心環状線と四つの放射方向の路線が分岐、合流していることから、交通が集中し、渋滞が発生しております。
このような状況の中、平成二十六年に首都高速道路の大規模更新計画が策定されるとともに、平成二十八年には日本橋周辺で検討が進むまちづくりの取り組みが国家戦略特区の都市再生プロジェクトに追加されました。
この機会を捉え、国、東京都、首都高速道路株式会社は共同で、日本橋周辺のまちづくりと連携した首都高速道路の地下化に取り組むこととし、首都高日本橋地下化検討会にて計画案を取りまとめました。今回、この計画案をもとに都市計画変更を行うものでございます。
事前説明会資料二七ページの参考図1をごらんください。
上段は変更前の首都高速道路の平面図を示しております。中段は変更後の平面図、下段は縦断図になります。
下段の縦断図をごらんください。地下化となる区間は、図面左から、まず、JR線の下をくぐり、その後、地下鉄などを避けながら、江戸橋ジャンクションの付近で地上に上がり、図面右側で現在の都市高速道路第六号線と接続いたします。
また、地下式の区間の一部につきましては、適正かつ合理的な土地利用を図るため、立体的な範囲を定める区間といたします。
事前説明会資料二八ページの参考図2をごらんください。
都心環状線の機能を八重洲線に転換することにより、江戸橋ジャンクション付近の交通の円滑化を図ります。
事前説明会資料二九ページの参考図3をごらんください。
こちらは、現在と地下化後の日本橋周辺の景観の変化を示したものでございます。周辺のまちづくりと連携して首都高速道路を地下化することにより、日本橋川周辺の景観の改善など、地域の魅力の向上が図られます。
次に、各路線ごとの計画内容をご説明いたします。
恐れ入りますが、ページをお戻りいただきまして、事前説明会資料六ページ及び七ページの都市高速道路第四号線の計画図1、計画図2をごらんください。
第四号線につきましては、首都高速道路の地下化に伴い、都市計画の一部区域の変更、常盤橋出入り口の廃止を行います。
ページをおめくりいただき、八ページの計画図3をごらんください。
合理的な土地利用を図るため、立体的な範囲の設定を行います。
続きまして、事前説明会資料九ページから一八ページの第四号線の計画図4から計画図13をごらんください。
今回の変更に合わせまして、全線について車線数を四車線に決定いたします。
次に、都市高速道路第四号線分岐線について、事前説明会資料二〇ページから二二ページの計画図1から計画図3をごらんください。
第四号線分岐線につきましては、首都高速道路の地下化に伴い、起終点位置、延長、幅員、一部線形及び構造形式の変更を行うとともに、呉服橋出入り口と江戸橋出入り口の廃止を行います。
なお、構造形式につきましては、現在は変更対象区間全体がかさ上げ式でございますが、今回の変更により、地表式と地下式になります。
また、第四号線分岐線も、全線につきまして車線数を四車線に決定いたします。
ページをおめくりいただき、二三ページ及び二四ページの計画図4及び計画図5をごらんください。
合理的な土地利用を図るため、立体的な範囲の設定を行います。
次に、事前説明会資料二六ページの都市高速道路第六号線の計画図をごらんください。
第六号線につきましては、首都高速道路の地下化に伴い、都市計画の一部区域の変更を行います。
続きまして、環境影響評価についてご説明いたします。
お手元の白色表紙、資料14に挟んでおります要約版をごらんください。
環境に及ぼす影響の評価の結論につきましては、二ページから八ページに記載しております。
環境影響評価を行う項目といたしまして、大気汚染、騒音・振動、水質汚濁、土壌汚染、地盤、水循環、生物・生態系、景観、史跡・文化財、廃棄物の十項目について選定いたしまして、予測、評価をしております。
三ページの騒音・振動の工事の施行中における工事用車両の走行に伴う騒音レベルは、環境基準を超過する予測となっておりますが、現状でも既に環境基準値を超過している状況でございまして、工事用車両による騒音レベルの増加分は一デシベル未満となっております。
工事の際には、環境保全措置を講じ、影響を最小限にとどめるよう努めてまいります。
その他は、いずれの項目につきましても、予測結果は環境基準等の評価の指標を満足していることから、環境への影響は少ないと考えられ、都市計画を変更する上で支障はないと判断しております。
事業者につきましては、首都高速道路株式会社となる予定でございます。
付議予定案件ナンバー1からナンバー3までの説明は以上でございます。
次に、付議予定案件ナンバー4、東京都市計画道路幹線街路補助線街路第九六号線の変更につきましてご説明いたします。
資料は、お手元の白色表紙、ナンバー10の提案事項概要一一ページ、薄茶色表紙、資料11の事前説明会資料三一ページ及び三二ページでございます。
事前説明会資料の三一ページの位置図をお開きください。また、スクリーンに今回の変更区間の航空写真を映しておりますので、あわせてごらんください。
補助線街路第九六号線は、千代田区一ツ橋二丁目を起点とし、中央区八重洲二丁目に至る延長約二・七キロメートルの都心部の道路ネットワークを形成する主要な幹線道路でございます。
今回の変更区間は、中央区日本橋本石町二丁目付近の延長約〇・一キロメートルの区間でございます。
事前説明会資料の三二ページをごらんください。
本路線は、首都高速道路の地下化と施工上密接な関連を有するとともに、今回の変更区間南側にある常盤橋交差点は、五差路の複雑な交差点で、大きくカーブし、見通しが悪いなどの課題を抱えております。
また、周辺では都市再生の取り組みが行われており、健全な市街地の発展を支える都市基盤の整備が求められております。
このような状況を踏まえ、交通の円滑化と安全性の向上、安全で快適な歩行空間の確保を図るため、一部区域を変更するものでございます。
事業者につきましては、東京都の施行となる予定でございます。
付議予定案件ナンバー4の説明は以上でございます。
私からは以上でございます。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 まず、付議予定案件ナンバー5、東京都市計画都市再生特別地区八重洲一丁目北地区についてご説明いたします。
資料は、お手元の資料10、白色表紙、提案事項概要の一三ページから三五ページまで、資料11、薄茶色表紙、事前説明会資料の三三ページから五六ページまででございます。あわせて、資料12、若草色表紙、都市計画(素案)八重洲一丁目北地区もご参照ください。
今回の変更は、国家戦略特別区域法に基づき、国家戦略特別区域会議から東京都の都市計画審議会に付議が予定されているもので、事業主体は八重洲一丁目北地区再開発準備組合、東京建物株式会社でございます。
資料11、事前説明会資料三三ページの位置図とあわせてスクリーンをごらんください。
本地区は、幹線道路であります永代通り、外堀通りと日本橋川に囲まれた約一・六ヘクタールの区域であり、東京メトロの日本橋駅と隣接し、JR東京駅にも近接しております。
また、都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域である東京都心・臨海地域内に位置しております。
資料11、事前説明会資料三七ページの参考図1とあわせてスクリーンをごらんください。
本計画は、日本橋川沿いの連続的な水辺空間と歩行者ネットワークの整備、国際競争力の強化に資する金融拠点の形成、防災対応力強化と環境負荷低減など、当該都市再生緊急整備地域の地域整備方針に沿うものであり、かつ都市再生の効果が高いものとなっております。
具体的な都市再生への貢献内容につきましては、主なものといたしまして、日本橋川交流拠点の象徴となる広場として、合計約三千四百平方メートルの広場を整備いたします。また、駅、まち、川をつなぐ地上、地下、デッキレベルの歩行者ネットワークを整備するとともに、首都高地下化の実現に向けた協力を行います。
さらに、国際金融、都心型MICEを支える高度金融人材サポート施設、約八百平方メートルを整備いたします。
資料10、提案事項概要の一三ページから一五ページまで、事前説明会資料の三五ページの計画図2とあわせてスクリーンをごらんください。
都市再生特別地区の都市計画変更の内容についてご説明いたします。
容積率については、本計画の都市再生への貢献内容を適切に評価した上で、最高限度を一六七〇%とし、一部をビジネス支援施設といたします。
高さの最高限度は、南街区の高層部を二百三十五メートル、日本橋川に面する北街区の低層部Aを二十メートルなどといたします。
資料11、事前説明会資料の三八ページとあわせてスクリーンをごらんください。完成予想図でございます。
続いて、参考といたしまして、国家戦略特別区域法に基づき、国家戦略特別区域会議から中央区都市計画審議会へ別途付議が予定されております都市計画について順にご説明いたします。
まず、日本橋・東京駅前地区地区計画の変更についてでございます。
資料11、事前説明会資料の三九ページから四六ページまでとあわせてスクリーンをごらんください。
地区施設として、広場や歩行者通路等を追加いたします。
また、本計画地の地下に首都高速道路が整備されることを踏まえ、道路の上下の空間に建築物等を建築できるようにするため、重複利用区域を定めます。
次に、八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業の決定についてでございます。
資料11、事前説明会資料の五一ページから五四ページまでとあわせてスクリーンをごらんください。
都市再生特別地区を定める区域において、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、市街地再開発事業を決定いたします。
最後に、八重洲一丁目特定街区の変更についてご説明いたします。
資料11、事前説明会資料五五ページ及び五六ページとあわせてスクリーンをごらんください。
都市再生特別地区の決定に合わせて、区域内の一部に指定されております特定街区の都市計画を廃止いたします。
付議予定案件ナンバー5の説明は以上でございます。
次に、付議予定案件ナンバー6の東京都市計画都市再生特別地区日本橋室町一丁目地区とナンバー14、国家戦略住宅整備事業は、相互に関連する案件のため、一括してご説明いたします。
資料は、お手元の資料10、白色表紙、提案事項概要の三七ページから四一ページまでと一六ページから三二ページまで及び六一ページ、資料11、薄茶色表紙、事前説明会資料の五七ページから六六ページまでと三九ページから五〇ページまで及び八九ページでございます。あわせて、資料13、薄オレンジ色表紙、都市計画(素案)日本橋室町一丁目地区もご参照ください。
まず、都市再生特別地区の変更についてご説明いたします。
今回の変更は、国家戦略特別区域法に基づき、国家戦略特別区域会議から東京都の都市計画審議会に付議が予定されているもので、事業主体は日本橋室町一丁目地区市街地再開発準備組合、三井不動産株式会社でございます。
資料11、事前説明会資料五七ページの位置図とあわせてスクリーンをごらんください。
本地区は、幹線道路である中央通りに西側で接し、南側は日本橋川に接する約一・一ヘクタールの区域であり、東京メトロの三越前駅と隣接しております。
また、都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域である東京都心・臨海地域内に位置しております。
資料11、事前説明会資料六一ページの参考図1とあわせてスクリーンをごらんください。
本計画は、日本橋川沿いの連続的な水辺空間と回遊を促す歩行者基盤の整備、国際競争力の強化に資するライフサイエンス拠点及び居住環境の形成、防災対応力強化、環境負荷低減など、当該都市再生緊急整備地域の地域整備方針に沿うものであり、かつ都市再生の効果が高いものとなっております。
具体的な都市再生への貢献内容につきましては、主なものといたしまして、川沿いプロムナードなど、日本橋川沿いのにぎわいのある水辺空間と交流拠点を整備いたします。
また、電線類地中化など、まち中の回遊を促す歩行者空間などを整備するとともに、首都高地下化の実現に向けた協力を行います。
さらに、ライフサイエンス産業を支える拠点形成のため、ビジネス情報発信施設や創造支援施設など、約三千平方メートルを整備いたします。
資料10、提案事項概要の三七ページから三九ページまで、資料11、事前説明会資料の五九ページの計画図2とあわせてスクリーンをごらんください。
都市再生特別地区の都市計画変更の内容についてご説明いたします。
容積率については、本計画の都市再生への貢献内容を適切に評価した上で、最高限度を一三一〇%とし、一部をビジネス、産業支援施設といたします。
高さの最高限度は、中央通りに面するA街区の高層部を百八十メートル、日本橋川に面するB、C、D街区の低層部Aを十五メートルなどといたします。
資料11、事前説明会資料の六二ページとあわせてスクリーンをごらんください。完成予想図でございます。
続いて、付議予定案件ナンバー14の国家戦略住宅整備事業についてご説明いたします。
今回、国家戦略特別区域法に基づく住宅容積率の緩和の制度を活用し、産業の国際競争力強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図るために必要な住宅の整備を促進するため、区域計画に国家戦略住宅整備事業を定めるもので、同法第十六条の規定により、国家戦略特別区域会議から東京都都市計画審議会に付議を予定するものです。
資料10、提案事項概要の六一ページ、資料11、事前説明会資料八九ページの区域図とあわせてスクリーンをごらんください。
対象区域は、都市再生特別地区の区域と同じく約一・一ヘクタールの区域でございます。
その一部を住宅の用途に供する建築物の容積率の最高限度の数値の算出方法などを定め、本計画においては、地区全体の容積率の最高限度を一四〇〇%といたします。
続いて、参考といたしまして、国家戦略特別区域法に基づき、国家戦略特別区域会議から中央区都市計画審議会へ別途付議が予定されております都市計画について、順にご説明いたします。
まず、日本橋・東京駅前地区地区計画の変更についてでございます。
資料11、事前説明会資料の三九ページから四一ページまで及び四七ページから五〇ページまでとあわせてスクリーンをごらんください。
地区施設として、貫通通路や歩行者通路等を追加いたします。
また、本計画地の地下に首都高速道路が整備されることを踏まえ、道路の上下の空間に建築物等を建築できるようにするため、重複利用区域を定めます。
次に、日本橋室町一丁目地区第一種市街地再開発事業の決定についてでございます。
資料11、事前説明会資料六四ページの計画図1とあわせてスクリーンをごらんください。
都市再生特別地区を定める区域において、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、市街地再開発事業を決定いたします。
付議予定案件ナンバー6及びナンバー14の説明は以上でございます。
○本橋委員長 それでは、報告が終わりました。
これより本件に対する質疑を行いたいと存じます。
発言をお願いいたします。
○滝田委員 私からは、首都高速道路の日本橋周辺地区の地下化に関連しまして、都市計画道路の変更及び日本橋と八重洲の再開発が議題となっておりますので、一連のものとして質問をさせていただきます。
以前にも当委員会で申し上げておりますけれども、東京は、これまでの都市化の流れの中で犠牲にされてきた水辺、緑、空を都市に取り戻す、都市づくりの転換点にあると考えています。
東京の新たな活力と魅力を高めるため、水辺や緑、空を生かすハード面の整備に加えまして、エリアマネジメントなどのソフト面での施策についても、都市整備局がリーダーシップを発揮して促進していただきたいと思います。
また、本年度は都の長期計画の策定を進めるということですので、その中でも柱の一つとしまして、水辺、緑、空を生かす次世代の都市づくりについて具体的に盛り込むことを期待いたします。
韓国ソウル市では既に、二〇〇〇年代前半に清渓川という河川におきまして、上空を通していた高架道路を廃止して、魅力的な水辺空間を再生させておりまして、世界的にも有名な事例となりました。
東京でも同じ時期より、日本橋に空を取り戻し、水辺を取り戻すという議論はありましたけれども、これまで事業化には至っておりませんでした。
まず、首都高速道路日本橋地区の地下化の意義とこれまでの経緯についてお伺いをいたします。
○山下都市基盤部長 地下化の経緯でございますけれども、日本橋の上にかかります首都高は、近年老朽化が進む一方で、周辺景観に与える影響についてさまざまな議論がなされてまいりました。
こうした状況の中で、首都高の大規模更新の機会を捉えて、国家戦略特区の都市再生プロジェクトなど周辺のまちづくりと連携し、平成二十九年七月、国や首都高速道路株式会社と共同で、地下化に向けて取り組むことといたしました。
その後、国などとともに首都高日本橋地下化検討会を設置し、平成三十年七月に地下化の計画案を取りまとめました。
地下化の意義といたしましては、高速道路ネットワークの機能を将来にわたり維持するとともに、国際金融都市にふさわしい品格のある都市景観の形成や、歴史や文化、さらには貴重な水辺空間を生かした日本橋の顔づくり、沿道環境の改善などが期待されます。
○滝田委員 この二年間で方向性がぐっと進んだように思いますけれども、続けてお伺いしたいと思います。
長年構想にとどまっていたものが、今般、事業化に向けて加速できた経緯について、今後のほかの事業にも参考になりますので、補足の説明についてお伺いをいたします。
○山下都市基盤部長 補足説明いたしますと、日本橋周辺の首都高につきましては、これまで、有識者等によりさまざまな議論がなされ、地下化案を最も有力な案として推奨することや、高架橋を撤去し、地下化などを含め再生を目指すことなどが提言されてまいりまして、移設空間の確保や膨大な事業費を要するなどの課題がございました。
平成二十六年、首都高速道路株式会社は、老朽化が進んでいる区間を対象に更新計画を策定し、今回地下化する区間が含まれる竹橋ジャンクションから江戸橋ジャンクション間をその対象区間に位置づけ、大規模更新に向けた具体的な検討が開始されました。
平成二十八年には、日本橋周辺で検討が進む複数のまちづくりの取り組みが国家戦略特区の都市再生プロジェクトに追加され、地下化ルートの導入空間の確保など、民間プロジェクトの協力が得られることとなりました。
これらのことから、都は、国や首都高速道路株式会社と共同で、日本橋周辺のまちづくりと連携し、首都高の地下化に向けた取り組みを加速することになったものでございます。
○滝田委員 大きな事業費がかかるということも課題であったというふうに思いますが、インフラの更新事業、あるいは民間の再開発事業など、複数の分野や複数の事業主体を組み合わせて、総合的なプロジェクトとして問題解決をする。こうしたことは、今後の参考となるモデルになるというふうに思います。
この二年間特に、都が調整力やリーダーシップを発揮して、地元自治体や地権者、事業者の皆様と協力をして、都市計画まで至ったということを評価いたします。
水辺の再生というこれまでの都市空間を転換する事業であり、オフィスだけではなくて、人が集う場所、商業、観光も含めた多様な機能を備えた新たな日本橋ブランドを形成する。そして、ソウルの清渓川ではなくて、今度は東京日本橋だというふうに、世界中の都市づくりの専門家が視察に訪れるようなエリアをつくっていただきたいというふうに思います。
次に、事業費について確認をしていきたいというふうに思います。
今回の首都高地下化に係る概算事業費は約三千二百億円とされております。そのうちの約一千億円は、地下化をせずとも実施をしなければならない、もともとの大規模更新費用として、首都高速道路株式会社が支出を見込んでいたものとされています。
ついては、首都高都心環状線におきまして、大規模更新をしなければならないとされている箇所とその事業費及び修繕で対応ができる区間の距離と事業費をお伺いいたします。
○山下都市基盤部長 首都高速道路株式会社では、平成二十六年に策定した更新計画に基づき、老朽化が激しい五カ所八キロメートルで、大規模更新を順次行うこととしておりまして、その事業費は四千三百九億円を見込んでございます。
加えて、新たな損傷の発生、進行を抑制するため、五十五キロメートルの区間を対象に、橋梁の補強などの大規模修繕を順次実施し、長期の耐久性向上を図ることとしておりまして、その事業費は二千三百五十四億円を見込んでおります。
これらの事業のうち、都心環状線におきます大規模更新の対象は二区間でございまして、竹橋から江戸橋までの日本橋区間で千五百三十億円を見込んでおりまして、そのうち、委員からご指摘ありました一千億円が、今回の地下化の事業費の一部に相当いたします。また、銀座から新富町までの築地川区間で五百八十七億円を見込んでございます。
また、都心環状線の大規模修繕につきましては、損傷状況を精査した上で実施することとしておりまして、事業費は確定していないと首都高速道路株式会社から聞いております。
○滝田委員 平成二十六年に、大規模更新が必要な区間と補修等の修繕で済む区間に大きく区分をしており、説明いただきましたとおり、大規模更新と大規模修繕では、事業費に大きな差があるということでもありました。都心環状線におきましても、事業費は確定していないとご説明がありましたけれども、大規模修繕で対応する区間が多いというふうに理解をしております。
日本橋区間については、大規模更新がいずれにしても必要であるということで、約一千億円分に相当するとのご説明をいただきました。
一方で、地下化の事業費、先ほども私の方からお話ししましたけれども、約三千二百億円がかかるということですので、残りは約二千二百億円ということで、この確保については、私の方から説明をしてしまいますけれども、いただいている説明資料等から理解しておりますのは、一つ目は、民間開発の貢献として四百億円分、二番目としまして、区道分を再開発に活用することによる貢献で地元中央区が八十億円、三番目としまして、都道の橋梁かけかえをあわせて行うことによりまして都が三百二十億円を負担する、四番目としまして、都が出資をしている首都高速道路株式会社のコスト削減努力で四百億円を捻出する、五番目としまして、首都高速道路整備事業に関しての都などの出資金の償還時期を繰り延べて利子支払いを削減することで一千億円を捻出するというふうに理解をしております。
以上の五項目のうちで、民間開発分を除きますと約一千八百億円分は、国や都などを中心としました追加的な公的負担ではあります。しかしながら、出資金の活用やコスト削減努力などで実際のキャッシュの支出を減らした、工夫をされた資金確保スキームを構築しているというふうに理解をしています。
次に、この地下化につきまして、見込まれる事業効果及び事業効果を発揮する上での課題を伺います。
○山下都市基盤部長 首都高の大規模更新の機会を捉え、日本橋周辺のまちづくりと連携して首都高を地下化することにより、品格ある都市景観の形成、歴史、文化、さらには水辺を生かした都市の顔づくりなど、東京の価値の向上につながります。
また、渋滞や事故の原因となる江戸橋ジャンクションの分合流部をなくすことで、都心環状線を利用する車が八重洲線に転換し、江戸橋ジャンクション付近の交通の円滑化が図られます。
なお、八重洲線と接続いたします東京高速道路は大型車の通行に対応していないことから、大型車の環状方向の交通機能につきまして、国などの関係者とともにスピード感を持って検討を進め、コストを精査しながら、その確保案を早期に作成してまいります。
○滝田委員 平成十八年の有識者によります提言書によると、首都高の地下化に伴う魅力ある都市景観を再生することで、来訪者の近隣地域での消費増加、これが一兆円から一・七兆円、当該地域の不動産価値の増加で〇・八兆円から一・四兆円程度の間接的な効果というものが期待されるというふうにあります。
当該事業は、単純な高速道路の更新事業ということではありません。地下化によって多額の追加費用がかかるものでもありますので、その分のビーバイシーについては検証していただきたいというふうに私の方では思っております。
さて、説明いただきました事業効果のうちで、渋滞緩和効果については、江戸橋ジャンクションの構造が単純になる、シンプルになるということは、効果があるというふうに思います。
ただ、渋滞緩和効果を発揮するためには、八重洲線と接続をする東京高速道路、いわゆるKK線の改善が必要であると先ほどもご説明がありました。この改善費用につきましては、本来は首都高地下化にかかわる事業費用として私は説明されるべきであると認識をしています。説明責任のあるものとしまして、早期に事業費用の概算も示していただきたいと要望いたします。
また、渋滞緩和の前提としまして、現時点で八重洲線の走行キャパシティーが余っているということに対して、江戸橋ジャンクションへの流入が過剰になるというふうに課題があると認識をしています。
これにつきましては、整備に十年以上かかるというふうにもいわれております地下化事業をまたなくても、できることがあるのではないかというふうに思います。
現時点で、ソフト面での対策を打って、利用を誘導しまして、渋滞緩和を図るべきと考えますけれども、見解をお伺いいたします。
○山下都市基盤部長 首都高速道路株式会社からは、八重洲線と接続する東京高速道路が大型車の通行に対応していないことから、八重洲線への分流部における大型車の誤進入防止が課題となっており、積極的に誘導していない状況にあると聞いております。
また、ソフト面での対策につきまして、広域交通情報の提供や混雑日、混雑時間帯の積極的なPR、満足度調査の結果を踏まえた情報提供の充実などを引き続き実施していくと聞いております。
○滝田委員 神田橋ジャンクションの分岐における標識をちょっと確認しましたけれども、都心環状線方面がローマ字でC1、その後、箱崎、銀座というような表記になっておりまして、一方、八重洲方面は、八重洲線を示しますローマ字のY、丸の内、新橋というふうに書かれております。その横に小さく大型車両禁止の標識が表示されているというような現状であるというふうに認識をしておりまして、八重洲線を走っても都心環状線に後ほど合流できるということは、この標識からではわかりにくいのではないのかなというふうに思いますし、一方で誤進入防止という面も、小さな標識しかありません。
そういう意味では、行政側の整備の経緯としましては、都心環状線と八重洲線というのはもちろん違うんですけれども、利用者の目線では、八重洲線もある意味都心環状線の分岐線であるということで、そうしたことが明確にわかるような路線番号や標識にするという工夫を検討するべきではないかなというふうに思いますので、改めてそれは指摘をいたします。関係者と検討をいただきたいというふうに私から要望をいたします。
次に、関連する周辺の再開発事業についてお伺いをいたします。
今回の都市計画審議会の付託案件であります八重洲一丁目北地区と日本橋室町一丁目地区における容積率の緩和及び根拠となる公共貢献の概要を説明願います。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 都市再生特別地区の容積率については、事業者の創意工夫を十分に生かすという制度の趣旨を踏まえまして、一律的な基準によらず、民間提案を一件ごとに審査し、都市再生への貢献内容と既に決定されている周辺開発とのバランスなどを総合的に評価、判断して定めております。
八重洲一丁目北地区では、都市再生への貢献として、川沿いの立体広場約三千四百平方メートルや回遊性の向上を図る歩行者ネットワークの整備、建築計画等の調整、工夫による首都高の整備等に必要な空間の創出や、首都高地下化に関連した工事スペース等への協力、高度金融人材サポート施設約八百平方メートルの整備などを行い、これらを総合的に評価して、容積率の最高限度を一六七〇%と定めております。
日本橋室町一丁目地区では、都市再生への貢献といたしまして、川沿いのプロムナードやにぎわい空間の整備、まち中の回遊性を向上するバリアフリー動線の整備や区域内外の道路約〇・二キロメートルの電線類地中化、建築計画等の調整、工夫による首都高の整備等に必要な空間の創出や、首都高地下化に関連した工事スペース等への協力、ライフサイエンス企業の成長を支援する施設約三千平方メートルの整備などを行い、これらを総合的に評価するとともに、国家戦略住宅整備事業による住宅容積率の緩和を活用することで、容積率の最高限度を一四〇〇%と定めております。
○滝田委員 開発敷地の地下を新たな高速道路が通るということになりますので、その空間確保であったり、あるいは建物の形状に与える影響などで、相当の工夫を民間事業者側で負うということを聞いています。
一方で、首都高が地下化されることによって、十年から二十年後ということではありますけれども、エリアの不動産価値は大きく向上するものと思います。
また、容積の緩和を得て事業を実施するということも踏まえまして、地下化によって生み出される水辺空間は、都民がその利益を享受できるような魅力的で象徴的な空間とするということが事業実施の前提条件となるのではないかと考えます。
世界との都市間競争に対峙できる魅力的な空間形成、エリアの魅力向上に、民間事業者にしっかりと取り組んでいただく必要があると考えますが、見解を伺います。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 都が策定いたしました都市づくりのグランドデザインでは、首都高速道路の大規模更新と日本橋周辺のまちづくりの機会を捉え、連携して首都高の地下化や水辺のにぎわい創出などに取り組むことにより、国際金融都市にふさわしい品格ある都市景観の形成や、歴史、文化を踏まえた日本橋の顔づくりなどを図ることとしております。
また、地元の中央区が策定いたしました日本橋川沿いエリアのまちづくりビジョン二〇一七では、国際都市東京を代表する世界に誇る日本の魅力的な水辺景観の形成を目指すとしております。
こうした位置づけを踏まえまして、八重洲一丁目北地区及び日本橋室町一丁目地区では、日本橋川沿いに水辺を楽しめる歩行者通路と緑地等のオープンスペース、川に顔を向けた低層のにぎわい施設を配置し、建物とオープンスペースが一体となったにぎわい空間を創出することで、日本橋を中心に、美しく魅力的な景観を備えた国際的な商業、観光エリアとして、国内外から人々を呼び込む日本橋川交流拠点を形成することとしております。
また、今回の二地区を含む日本橋川沿いの五地区が連携してエリアマネジメントを行う組織を設立し、水辺空間の魅力向上やにぎわい創出に向けた取り組みを行うこととしております。
○滝田委員 続けて伺います。水辺空間の活用がエリアマネジメントの核になりますけれども、柔軟な河川占用など、都としてどのように促していくのかお伺いをいたします。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 河川敷地占用許可準則では、河川管理者、地方公共団体等で構成する協議会を活用することで、都市及び地域の再生に資する河川敷地の利用に関し、地域の合意を得て区域が指定された河川敷地では、民間事業者の占用を認めることが可能とされております。
今回の二地区の計画では、この協議会を活用いたしまして、今後設立するエリアマネジメント組織が河川敷地と民間敷地が一体となった水辺空間の魅力向上等に取り組むことを予定しておりまして、水辺空間における美観形成や維持管理のほか、イベントやオープンカフェ等によるにぎわいづくりなどが、事業者において検討されております。
都といたしましても、にぎわいのある水辺空間の実現に向け、継続して関係者と調整を行ってまいります。
○滝田委員 今回は特に水辺、河川空間でありますけれども、河川空間や道路空間、公園といった公共空間の都市づくりへの活用は非常に重要なテーマであると考えています。
今回の場合、河川管理者であるのは都の建設局というふうに理解をしておりますけれども、管理の視点で活用を阻害するということのないように、しっかりと局間でも連携して取り組んでいただきたいと改めて要望をいたします。
また、昨年、地域再生法が改正されまして、地域再生エリアマネジメント負担金制度、いわゆる日本版BIDが創設をされました。エリアマネジメントを推進する上で長年必要性が指摘されていた制度であります。
今後、自立的な財源を確保しながら、民間が主体となって地域の魅力づくりに取り組めるように、事業者、地元自治体とともに、都内で制度活用のモデルケースをつくっていただきたいというふうに思います。
ぜひ日本橋地域におきましても、エリアの価値向上を民間が主体となって一層取り組めるように、本制度の活用を検討していただくように要望いたしまして、私からの質問を終わります。
○神林委員 私の方からも、今さら国家戦略特区云々についてお話しするわけではございませんけれども、日本橋川沿いのエリアでは、同時期に五つのプロジェクトが進むとのことでありますので、この機会、千載一遇の好機と捉えて、総合的な観点から未来を見据えた一つのまちとしての機能を有するまちづくりを進めることが重要でございます。
そうした観点から、何点か質問をさせていただきます。
まず、都市基盤について伺います。
日本橋川沿いエリア全体を俯瞰した誰もが使いやすい歩行者ネットワークなどについては調整が図られているのか、確認をさせていただきます。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 日本橋を中心とした川沿いのエリアにおいては、複数の再開発事業の検討が進められておりまして、それらが一体となってまちづくりが進められるように、地元の中央区では日本橋川沿いエリアのまちづくりビジョン二〇一七を策定しております。
その中で、特に歩行者ネットワークにつきましては、水辺の回遊やまちと水辺のネットワーク形成に配慮した快適な歩行者空間や滞留空間の整備などにより、日本橋川交流拠点を支える回遊性の高いバリアフリー化された歩行者中心の歩いて楽しめるまちを目指すこととしております。
現在、日本橋川沿いエリアで再開発を検討している五地区の事業者は、このビジョンの実現に向けまして、各プロジェクトが協調して取り組んでいけるように事業者間で調整を図っているところでございます。
○神林委員 今回、私はたまたまちょっと歩行者ネットワークの方に目を向けてみましたけれども、これは今、滝田委員の方からもいろいろと質問がありましたとおり、当然この下をいろいろと縦貫する高速道路、それから駅との円滑な接続、さらには駐車場等の適正配置、車両出入り口の位置、こういう車関係についても全く同様にエリア全体で考える必要がありますので、しっかりとご調整をいただきますよう、ここではその質問はいたしませんが、ぜひ要望させていただきます。
次に、八重洲一丁目北地区、日本橋室町一丁目地区では、具体的にどのような歩行者ネットワークを形成するのか伺います。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 区のまちづくりビジョンでは、歩行者ネットワーク形成の取り組みについて、水辺の回遊ネットワーク、街区間の横断デッキ、地下鉄との接続性を高めるエリアの地下ネットワークなどの整備を図ることといたしております。
こうした位置づけを踏まえまして、八重洲一丁目北地区では、日本橋川沿いに河川区域内の護岸上部も活用し、通行、滞留空間として利用できる水辺空間を整備するとともに、東京駅及び地下鉄日本橋駅から日本橋川沿いの水辺空間へ向かう地上、地下、デッキレベルの歩行者ネットワークと縦動線を整備することとしております。
また、水辺空間へと人々を誘引するゲート空間として、南街区の東京駅側に約一千平方メートルの地上広場を整備することとしております。
日本橋室町一丁目地区では、日本橋川沿いに水辺を感じることができるプロムナード等の歩行者動線及び人々の憩いの空間となるオープンスペースを整備するとともに、地下鉄三越前駅とまちをつなぐバリアフリー動線の整備や周辺道路の電線類地中化等により、まち中の回遊を促す歩行者空間を整備することとしております。
○神林委員 私がいろいろここの中でいいたいのは、未来を見据えた一つのまちとしての機能を有するということでございますので、その観点も含めまして、順次質問に答えていただければと思っておりますが、エリア全体が円滑につながってこそのネットワークですので、利用者の使い勝手などの詳細も含めて、引き続きご調整をお願いしたいと思っております。
ただいま歩行者ネットワークについて確認いたしましたが、例えば誘導表示灯のデザインとか、エリア全体で統一の図られたわかりやすいものにしていくことも必要なことでございます。
また、関連して申し上げれば、まち並み、景観などについても、当然エリア全体で統一感のあるものになるように調整を図ることが重要でございます。
五つの地区の景観デザインや誘導表示などについて、誰がどのような全体調整計画を図っていくのかお伺いいたします。また、特に都や区の責務や役割分担についても、どのように位置づけられているのかお伺いをいたします。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 お尋ねの景観デザインなどにつきましては、東京、日本橋の顔となる魅力あるまち並みの一体的な形成に向けて、東京のしゃれた街並みづくり推進条例に基づく街並み景観づくり制度を活用し、日本橋川沿いエリアの五地区の事業者が協調して街並み景観ガイドラインの策定に取り組んでいるところでございます。
具体的には、事業者間で調整を図りながら、エリア全体で調和のとれた建築デザインのルールづくりに取り組んでいるほか、誘導表示につきましては、誰にでもわかりやすいサインなどの検討が行われております。
都は、条例に基づき、区と連携して、合意形成が図られた地区から順次、街並み景観重点地区の指定を行うとともに、引き続き、事業者らとも協議を行い、ガイドラインの取りまとめが円滑に進むよう支援してまいります。
○神林委員 ご説明がありましたとおり、水辺を生かした日本の中心である日本橋らしいまち並みの形成と、外国人観光客も含めて誰もがわかりやすい誘導デザインの検討を進めていただくことが、まちの活性化につながるものと確信しておりますので、しっかりと地元の取り組みを支援していただくことをお願いしておきます。
次に、導入機能について伺います。
今回、八重洲一丁目北地区の計画では国際金融や都心型MICEの活性化を図るという提案が、日本橋室町一丁目地区ではライフサイエンスの拠点を形成するという提案がなされております。
こうした導入機能についても、一つのまちとしての意識を持って総合的な開発を進めるとともに、この機能を生かしていくことが重要だと考えます。
それで、国際金融、都心型MICEの活性化といった目的達成に向けて、日本橋川沿いの五地区全体でどういう取り組みがなされているのか伺います。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 先行する大手町、丸の内などのプロジェクトでは、既に金融関連のスタートアップ支援や金融人材育成といったビジネス環境の整備が進められております。
また、今回の日本橋川沿い五地区のエリアにつきましては、東京駅にも近接し、大手町から兜町にかけては金融関連企業が、また日本橋室町周辺におきましては製薬、ライフサイエンス関連企業などが集積している状況にございます。
都が策定いたしました二〇二〇年に向けた実行プランでは、日本橋地域の将来像について、宿泊、滞在、居住機能などを備えた国際金融、業務拠点を形成するとしております。
五地区の事業者の間では、こうした周辺の状況や上位計画を踏まえ、各地区における導入機能の役割分担や施設間の連携について調整が図られております。
具体的には、今回の二地区に近接する日本橋一丁目中地区では、金融分野やライフサイエンスビジネス分野の国際競争力を強化するため、大規模カンファレンスや国際級ホテルから成る都心型複合MICE拠点を整備することとしております。
今回の二地区におきましては、日本橋一丁目中地区と連携し、高度金融人材の活動をサポートする交流ラウンジや、ライフサイエンス企業を支援するビジネス情報発信スペースなどを整備し、国際ビジネス交流の環境整備をさらに進めることで、国際競争力強化に貢献してまいります。
さらに、五地区の事業者が連携してエリアマネジメントを行う組織を設立し、共同でMICE等の誘致を行うことなども検討しております。
○神林委員 今もちょっとお話ししましたとおり、やはり民間でしっかりと目的達成に向けた開発が進んでいるわけでございますので、今後も行政として引き続き適切に関与していただきたいと思います。
日本橋室町一丁目地区について伺います。
都市計画素案では、外国人等のニーズにも対応した住宅という提案がなされていますが、外国人が安心して生活できる環境を考えると、子育てや教育、医療、買い物など、さまざまなニーズがございます。
一般の区の取り組みですと、区民に生活の便利帳を配布するようなことがよく行われておりますが、例えば本計画においても、外国人向けの便利帳など、当然区市町村の行うことなのかもしれませんが、こういった作成もしてもよいのではないかなということを考えてしまいます。
日本橋室町一丁目地区の周辺には、外国人の生活を支援する施設が十分あるのか、十分あるとすれば、外国人居住者に対してどう周知徹底していくのか伺います。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 日本橋室町一丁目地区では、国際競争力の強化や複合的な経済活動の拠点整備に向けまして、周辺エリアで活動を行う外国人や高度人材なども含めた多様な居住者を想定した住宅を整備することとしております。
本地区の周辺には、英語対応可能な医療施設や子育て施設が立地しておりまして、今後、インターナショナルスクールなども整備される予定であるなど、外国人も利用可能な生活利便施設が充実しているという状況でございます。
本地区における外国人居住者に対しましては、そうした施設に関する情報を含め、幅広い生活情報について、入居時の案内や二十四時間多言語対応可能なコンシェルジュなどを通じて、適切に提供することとしております。
また、周辺の商業施設と連携して、家事代行、食事宅配などのご用聞きサービスを提供することも、今後検討していくと聞いております。
○神林委員 都市整備局では、平成二十九年九月に、これからの都市づくりに向けて、都市づくりのグランドデザインを策定したところでございます。今回のプロジェクトは、まさに日本の将来の中心地を形成する開発でございます。
もちろん民間による開発ですから、身勝手な要望を出すわけにはいきませんが、今回のプロジェクトに当たって、局としての思いや考え方、それから取り組み姿勢などについて、都技監、ひとつご見解をお伺いいたします。
○佐藤東京都技監 今いろいろと日本橋周辺のまちづくりについてご議論がございましたけれども、日本橋周辺は、かつては江戸の経済、文化の中心地でございました。五街道が日本橋から始まり、水運が隅田川を通って日本橋に流れ、まさに当時の世界最大都市の中心地、交通結節点、そしてそこが、さらに明治から今に至るまで生き残ってきたわけでございます。
よく、最も強いものではなくて最も変化に対応できるものが生存競争に残っていくという言葉がございますけれども、日本橋とはそういうまちではないかというふうに考えてございます。
その中で、高度成長期に日本橋を初め東京都心部は、しっかりとしたストックを形成して、高速道路もそうですけれども、そうやって日本の経済を支えてまいりました。そのストックが今、更新時期を迎えております。高速道路もしかり、それから業務、商業地のビル街もそうでございます。
その高度経済成長期のストックをまたどうやって更新していくか、そしてその更新によって東京がどうやって再生していくか、それが今の課題でございまして、日本橋の今回の地区だけではなくて、既に日本橋室町地区、あるいは高島屋など日本橋の二、三丁目の方も含めて、どんどん更新が進んできていると。その流れの中で、今回のご提案の都市再生特別地区の開発もあるというふうに考えてございます。
金融関連、あるいはライフサイエンス関連ということで、新たな産業の集積によって、また日本橋地区は大きな価値を生み出そうとしております。それに伴って、首都高の大規模更新を控えということがありまして、首都高の地下化によって、また水辺のにぎわいが出てくる、そして国際金融都市にふさわしい品格ある都市景観が形成されるということも期待されております。
今後、都市づくりのグランドデザインで目指す高度成熟都市ということで、世界から人を引きつけ、さらに東京の未来を引っ張っていく、そういうエリアでございますから、都としては、こうした長期的な都市づくりの観点も踏まえながら、官民の関係者が連携してさらに取り組みが進められるように、引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。
○和泉委員 私も、都市再生特別地区の八重洲一丁目北地区、日本橋室町一丁目地区について、あわせて伺います。
どちらも首都高の地下化に合わせ、再開発で現在ある建物を除却し、水辺のまちづくりを進めつつ、都市再生特別地区による莫大な容積率のボーナスによって、巨大な超高層の再開発ビルをつくると、こういう計画です。
既に都市計画決定された大手町D街区の三百九十メートルと二百三十メートルの超高層、日本橋一丁目中地区の二百八十七メートルの超高層、そして今回の二百三十三メートルと百八十メートルの超高層、今後計画されている日本橋一丁目一、二番街区、日本橋一丁目東地区にも超高層ビルの建設が狙われるでしょうから、日本橋川付近に巨大な超高層ビルが建ち並ぶということになってしまいます。
このような景観までも都民が望んでいるのかというと、そうとはとてもいえないんじゃないでしょうか。環境への負荷も大変深刻だというふうに思います。
八重洲一丁目北地区と日本橋室町一丁目地区の建設前、建設後のCO2排出量について伺います。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 CO2の排出量につきまして、まず、建設前につきましては、両地区とも既存のビルの大半が中小規模の建物ということもありまして、エネルギー実績等の把握ができないものですから、現在のCO2排出量については判定できないということでございます。
また、建設後ですけれども、建設後の建築物からのCO2排出量につきましては、まず、八重洲一丁目北地区が年間約一万一千三百トン、日本橋室町一丁目地区が、住宅を除きまして年間約六千二百七十トンと想定しております。
○和泉委員 続けて伺いますが、それはどのようにして算出をしているんでしょうか。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 CO2排出量の算出方法でございますけれども、まず、事務所用途については、想定床面積に目標CO2排出原単位である五十一キログラムを乗じまして算出しております。
商業用途及び宿泊用途につきましては、環境局が作成しております平成二十八年度の省エネカルテによるCO2排出原単位の平均値にそれぞれの用途の想定床面積を乗じて算出しております。
なお、住宅用途につきましては、省エネカルテにおいて対象外となっておりますため、CO2排出量の想定から除外しております。
○和泉委員 年間一万一千三百トンと六千二百七十トン、合わせて一万七千五百トン以上のCO2を排出します。
これは私どもがいつも指摘していることですけれども、この莫大なCO2を吸収するためにどれぐらいの緑が必要か。森林だと千七百五十ヘクタールが必要ということになります。中央区の面積が千二十一ヘクタールですから、中央区の一・七倍の面積の木を植えなければ、CO2を吸収できないということになります。
また、一つの家庭が出すCO2は年間約三・五トンですから、この二つの超高層ビルが出すCO2は、五千軒の家が一気にふえたくらいの排出量に値すると。しかも、この近辺の開発は、さきに紹介したように、二つのビルにはとどまりません。
既に決定されている日本橋一丁目中地区は年間三万八千トン、大手町D街区はそれ以上のCO2を排出します。深刻な環境負荷といわなければならないと思います。
私が強調したいのは、これが、今、東京都がほかの世界の大都市と一緒になって目指そうとしている都市の姿に逆行しているのではないでしょうかということです。
先日、東京都はUrban20の二〇一九年議長都市として、U20東京メイヤーズ・サミットという会議を開催し、ことしのG20に向けた声明を発表するとともに、G20議長国の安倍首相に届けています。
このメイヤーズ・サミットには、世界の重立った二十六の都市から代表が参加をして、ベルリン、ローマ、ジャカルタなどの市長、パリやソウルの副市長など、世界の首都の要人も参加しました。
そして、この声明は、差別の解消や社会保障の充実など、なかなか重要なことを述べていますが、中でも気候変動、温暖化対策にはかなり大きな部分を割いていて、気候変動や頻度を増す自然災害という課題に直面している現在、グリーンで質の高いインフラの重要性は幾ら強調しても足りない、二〇三〇年までに新築の建物、二〇五〇年までに全ての既存の建物が実質カーボンゼロになるよう、国レベルの規制や政策立案を行う、気候変動への効果的な対応のため、都市居住者と都市が一体となった運動を呼びかける、参加型で包摂的なプロセスを通じて、効果的な制度及び政策を構築するとしています。
気候変動に対して、人口も産業も集中している都市が責任を果たそうと高らかに声明をうたい上げたわけです。そのときに、東京のど真ん中ともいえるこの地区で、あえて膨大な容積率のボーナスを都が与えることで、莫大なCO2を排出するような巨大ビルを次から次へとつくることを後押しする、これで世界に胸が張れるでしょうか。
伺いますが、この二つの計画は、メイヤーズ・サミットが目指している二〇三〇年までに全ての新築の建物で実質カーボンゼロになるようにする、こういった声明の精神に反しているんじゃないかと思いますが、都の見解はいかがですか。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 先ほどご答弁しましたように、現在の各地区でのCO2の排出量というのは想定できないわけでございますけれども、今回の二地区につきましては、いずれも市街地再開発事業によりまして古い建築ストックの更新を図っていくことによりまして、最高水準の環境性能を備えた建物のストックを整備していくというものでございます。
都市再生特別地区の活用に当たりましては、最先端の環境技術を導入し、建物の熱負荷に対する性能及び省エネルギー性能を最高水準にすることを制度適用の条件としております。
こうした都市再生特区が先導役となって高度な省エネルギー性能を有する都市開発を誘導、普及していくことによって、長期的、広域的な観点で見れば、都市全体の環境負荷の低減につなげていくというふうに考えております。
○和泉委員 最先端のビルといいますけれども、計画を見ると、目標としているのは、せいぜい一平米当たり五十一キログラムのCO2排出量に抑えるということです。
先ほど答弁していただいた、中央区の一・七倍の面積の森林がなければ吸収できないようなCO2、これは、その最高水準によって抑えられるということなんでしょうか。いかがですか。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 繰り返しのご答弁になりますが、都市再生特別地区の活用に当たりましては、最先端の環境技術を導入して、建物の熱負荷に対する性能及び省エネルギー性能を最高水準にするということを制度適用の条件にしておりまして、今回の二地区についても、こうした最高水準の環境性能を目指して取り組んでいくということでございます。
○和泉委員 その最高水準で想定したのが、先ほど答えていただいたCO2の排出量だということになるんじゃないでしょうか。
環境局がCO2排出量の目安について文書を出していますけれども、この程度のCO2排出量は、中小規模の事業所なら、オフィス系の自社ビルで三分の一程度が達成しているものなんです。
しかも、オフィスだけではなく、今回のビルは商業部分もありますけれども、その目標については持っていないわけです。ですから、先ほど示していただいたCO2の排出量をはるかに上回るようなCO2が排出されることが予測されるわけです。
いろいろいいますけれども、何よりもビルの延べ床面積が莫大なものになることが、CO2の大量排出の元凶です。それは、民間ディベロッパーが自分の裁量で決めたのではない、東京が与えた容積率の大幅な緩和というボーナスです。あえてそうしなければ、はるかに少ないCO2排出量に抑えられるじゃありませんか。
この地区の中にある幾つかのお店で話を聞いてきましたけれども、あるお店では、この先再開発ビルが建つまで十年以上、仮店舗と住まいを探して何とか夫婦で細々とやっていくしかないと語っておられました。
また、別のお店では、長年続いてきた店のたたずまい、壁や天井の木のあしらいが自慢だったけれども、超高層ビルの中にどれだけこの店のたたずまいを残せるだろうかと語っておられました。
今回の八重洲一丁目北地区、日本橋室町一丁目地区を含め、首都高の地下化を前提にして、日本橋川周辺五地区で今後再開発が進められ、巨大なビルが建ち並ぶまちへと日本橋が姿を変える。
確かに、日本橋川の中に橋脚がそびえ、その上を通る首都高速道路は、この地域の方たちにとっても、訪れる方たちにとっても、お江戸日本橋に似つかわしくないという姿に映るでしょう。
しかし、今後建ち並ぶであろう超高層ビルもまた、江戸の歴史と伝統に育まれてきたこのまちに似つかわしいものといえるんでしょうか。
昨年、日本橋一丁目の老舗、黒江屋さんから、首都高速道路開通案の廃止、市街地再開発事業の推進廃止を求める陳情が出されました。黒江屋さんは、三百年続く漆工芸品の老舗です。
陳情の理由の中で、日本橋には百年以上続く老舗が多くあるが、十年間この地で商売ができない場合、かわる地で商売をしなければならず、日本橋の商業を失ってしまう、四百年以上続くこの歴史を失ってまで、街区下の首都高速開通は必要ない、そして、日本橋周辺はお金をかけるまちではなく、伝統や技術など、知るほどによい物と手ごろになじめるまちである、日本橋に大きく高いビルはこれ以上必要なのかと問いかけて、それぞれの老舗が趣向を凝らした特徴ある建物が建ち並ぶ日本橋らしさを生かしたまちづくりを訴えています。
私も同感です。黒江屋さんのいうように、いま一度日本橋の歴史を見直し、江戸の粋や歴史、伝統を守るまちづくりを進めるよう求めて、私の質疑を終わります。
○森澤委員 私からも、首都高日本橋地下化並びに二つの再開発についてお伺いをいたします。
首都高日本橋地下化については、これまで何度も俎上に上がり、議論されてきましたが、最終的にはコスト面などで折り合わず、断念されてきた経緯があります。そして今回、概算事業費三千二百億円として事業スキームを示されました。
これまで断念してきたものと今回の違いはどこにあるのか、最終的に都はどれぐらい負担するのかということを最初にお伺いしようと思いましたが、先ほど滝田委員からの質疑でも出ておりますので、割愛をさせていただきます。
首都高の大規模更新と周辺のまちづくりを一緒に進めることでコストダウンをして、日本橋に空を取り戻す千載一遇の機会だというふうに理解をしております。また、都の負担は、橋梁のかけかえなどの関連事業費として約三百二十億円の支出を見込んでいるけれども、国からの補助が想定されることから、実質的な都の負担はその半分程度ということです。
事業者の方からも、早く地下化のルートが決まらないとなかなか再開発計画が進められないという声も聞いておりました。今回ルートが決定し、まちづくりが進み、新しい東京の核、魅力の一つとなることを期待するところです。
それでは、八重洲一丁目北地区、日本橋室町一丁目地区について伺っていきます。
このエリアには、日本橋一丁目中地区で、都心型複合MICE拠点を整備する計画があります。
一方で、東京における土地利用に関する基本方針によると、今後開発が進む品川では、リニア中央新幹線などの広域的な交通結節機能を生かし、MICE施設などの国際交流機能や業務、商業、宿泊、居住などの機能が集積する拠点の形成としていますし、築地も、まちづくり方針で新たな東京ブランドを創造、発信する創発MICE機能を持つ国際的な交流拠点が形成されるのが将来像とされています。
いろいろなところでMICEを中心にまちづくりが進もうという中で、MICE誘致については、アジアでも各国が熾烈な誘致競争をしていることを忘れてはなりません。都内で競合するのではなく、それぞれの立地やエリア特性を踏まえた差別化を行い、東京全体の魅力を向上させていくことがポイントになってくると考えます。
例えば、シンガポールでも、狭い国内にMICE施設が複数ありますが、空港に近いところでは大型展示を中心としたり、中心部に近いところではビジネス会議など、それぞれの特徴やそのエリアの強みを生かし合い、国全体が連携して誘致をしているということです。
東京においても、戦略的にMICE整備と誘致を行っていく必要があるのではないかと考えております。
そこでお伺いをいたします。都及び事業者は、このエリアにおけるMICEの役割や特色をどのように捉え、今回の計画に反映させているのか伺います。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 先行いたします大手町、丸の内などのプロジェクトでは、既に金融関連のスタートアップ支援や金融人材育成といったビジネス環境の整備が進められております。
また、今回の日本橋川沿い五地区のエリアについては東京駅にも近接し、大手町から兜町にかけては金融関連企業が、日本橋室町周辺においては製薬、ライフサイエンス関連企業などが集積をしております。
都が策定いたしました二〇二〇年に向けた実行プランでは、日本橋地域の将来像について、宿泊、滞在、居住機能などを備えた国際金融、業務拠点を形成するとしております。
こうした周辺の状況や上位計画を踏まえまして、今回の二地区に近接いたします日本橋一丁目中地区では、金融分野やライフサイエンスビジネス分野の国際競争力を強化するため、大規模カンファレンスや国際級ホテルから成る都心型複合MICE拠点を整備することとしております。
今回の二地区の計画におきましては、日本橋一丁目中地区などの周辺地区と連携し、国際ビジネス交流の環境整備をさらに進めることにより、国際競争力の強化に貢献することを狙いとしております。
○森澤委員 国際金融都市として、またライフサイエンスビジネスを中心に国際競争力の強化への貢献が狙いということです。
であれば、なおさら先ほど申し上げましたように、都の中での差別化はもとより、シンガポールなど世界の都市のMICE拠点と比較してどのような強みを持たせるのか、引き出せるのかを、今後引き続き都市計画の中で考えていただきたいと思います。
八重洲一丁目北地区では国際企業を支える高度金融人材サポート施設が、日本橋室町一丁目地区ではライフサイエンス企業の成長を支援する施設が提案されています。
これらの施設を生かして、どう金融やライフサイエンス分野の活性化に取り組んでいくのか、またMICEとどう連携していくのかを伺います。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 八重洲一丁目北地区では、多目的スペース、交流ラウンジなどから成る高度金融人材サポート施設を整備いたしまして、ビジネスイベントや商談、交流の場として活用するとともに、コンシェルジュによる金融人材への支援を行い、高度金融人材のビジネス活動や交流を促進してまいります。
日本橋室町一丁目地区では、展示スペース、会議室、フレキシブルオフィスなどから成るライフサイエンス企業を支援する施設を整備し、ベンチャー企業のマッチングイベントやシンポジウム、相談会などを企画、実施することで、ライフサイエンス企業の活動や交流を促進してまいります。
これら二地区とも、日本橋一丁目中地区の大規模カンファレンス施設と連携し、各施設の運用、活用を図ることを想定しております。
○森澤委員 日本橋一丁目中地区の大規模カンファレンス施設と連携し、各施設が連携して運用、活用することを想定しているということでした。
今回、それぞれの再開発で、日本橋室町一丁目地区は三井不動産、八重洲一丁目北地区は東京建物と、それぞれ違う事業者が再開発を担うことになっていますが、国際金融都市、ライフサイエンスを軸に機能を補完し合っていくというのは、非常に興味深いなというふうに感じております。
そういった中で、日本橋川沿いのエリアの観光やMICEを盛り上げていくためには、先ほども出ました水辺空間、そして日本橋の伝統や歴史を生かし、にぎわいを創出して、ほかにない魅力を持ったエリアとして育てていくことが必要だと考えますが、本エリアを特色あるまちとしていくためのエリアマネジメントの取り組みについて伺います。
○山崎景観・プロジェクト担当部長 日本橋川沿いエリアでは、首都高地下化の取り組みと連携し、川沿いの連続的な水辺空間と歩行者ネットワークの整備を図ることといたしております。
さらに、今回の二地区を含む日本橋川沿いエリアの五地区の事業者は、地元町会などとも連携しながら、エリアマネジメントを行う組織を設立し、一体的なまちづくりに取り組むことを検討しております。
具体的には、五地区の事業者で調整を図りながら、景観ガイドラインを作成し、国際都市東京を代表する魅力的な水辺景観の形成を図るとともに、地域文化の醸成及び発信、水辺空間の魅力向上、にぎわいの創出、MICE等の誘致などの活動に取り組むこととしております。
○森澤委員 五地区の事業者が地元町会等とも連携しながらエリアマネジメントを行う組織を設立し、一体的なまちづくりに取り組んでいくということでした。事業者がばらばらな分、エリアマネジメントがとても重要になってくるというふうに考えます。
リーダーシップを持って進めていく主体が必要です。あくまでも民間事業者が主な担い手となる中で、東京都がどのような役割を果たしていけるのか、サポートや後押しになってくるとは思いますが、広域行政体として役割を発揮していただきたいと思います。
今回、地下化のルートが決定されること、二つの再開発計画を通して、日本橋エリアが一気に変わっていく印象を受けます。これらの再開発が整うのは二〇三五年ごろだということですが、これからの十五年もまた随分世の中の様相やニーズが変わっていくと思われます。
金融都市の中核として、にぎわいが持続し、発展していくためには、都市機能を高めるハードの整備はもちろんのこと、ソフト面での都市の魅力向上が必須であると考えます。
都では、二〇四〇年代の東京の姿を念頭に置き、新たな長期計画の策定に向けた議論が開始されたところです。国際金融都市構想の主管局である戦略政策情報推進本部を初めとする関係各局との組織横断での連携もお願いしたいと思います。
それでは次に、三・一・六号南多摩尾根幹線について伺います。
南多摩尾根幹線は、一九六〇年代から整備され始めましたが、多摩ニュータウンの整備に合わせ、九〇年代には、関係する市と地元市民、行政や住宅・都市整備公団の努力もあって、立体交差と四車線の効率的な道路を目指して、用地の確保などがされました。
その後、多摩ニュータウン開発の終了に伴い、整備事業の主体は二〇〇四年に東京都に移管されましたが、二〇一五年には、立体交差から平面交差を主とする構想に変わったという変遷を経ています。
地元市民からは、南多摩尾根幹線整備への期待が高い中、今回のルート等の変更について提案が行われていますが、都は、この南多摩尾根幹線をどのように位置づけているのか、また、その変更により位置づけに変わりがないのか、見解を伺います。
○山下都市基盤部長 南多摩尾根幹線は、多摩地域の骨格をなす幹線道路であるとともに、調布保谷線と接続して、埼玉県から神奈川県に至る広域的な道路ネットワークを形成する重要な路線でございます。
本路線は、大半は暫定の二車線でありまして、慢性的な渋滞が発生するなどの課題を抱えていることから、平成二十七年二月に南多摩尾根幹線の整備方針を策定し、渋滞の緩和、広域的な幹線道路の機能確保のため、全線四車線とし、まちづくりとの一体性などから平面構造とすることなどを公表いたしました。
また、本路線は、平成二十八年三月に公表した都市計画道路の整備方針において、人や物の流れを円滑にするとともに、広域的な防災性の向上、良好な市街地環境の形成などが期待される骨格幹線道路網を形成することから、優先整備路線に位置づけております。
今回提案している変更を行ったといたしましても、これらの位置づけについては変わりはございません。
引き続き、地元市と連携し、都市計画変更や環境影響評価の手続を進め、早期整備に努めてまいります。
○森澤委員 広域的な道路ネットワークを形成する重要な路線であり、優先整備路線と位置づけていて、その位置づけは変わっていないということが確認できました。
さて、東公園周辺は渋滞も頻繁に起きており、地元市からは立体交差への要望も都へ出ていますが、今回の都市計画ではどのように反映されているのか、見解を伺います。
○山下都市基盤部長 本路線は、大半が暫定の二車線であるために、慢性的な交通渋滞が発生しており、お話の多摩東公園交差点につきましても、首都圏渋滞ボトルネック対策協議会において、主要渋滞箇所に選定され、また、地元からも立体交差化の要望が出されております。
今回の都市計画変更は、渋滞の緩和、広域的な幹線道路の機能確保のため、全線四車線とするものであり、多摩東公園交差点につきましては立体交差とはいたしませんが、本路線を四車線で整備することにより、渋滞が緩和し、交通の円滑化が図られると見込まれております。
○森澤委員 四車線により、渋滞緩和、交通の円滑化を図る狙いということでした。
次に、ルートについてお伺いをいたします。
湿地帯にはヘイケボタルや希少な淡水産貝類などが生息しており、できるだけ生態系に影響が出ないようなルートをとることが地元市民からも望まれています。
そういった中で、今回二つのルートが提案されていますが、それぞれの特徴と、それが検討されている理由についてお伺いをいたします。
○山下都市基盤部長 今回複数案を作成しました区間は、多摩市と稲城市の市境の山地斜面をトンネル構造で通過する計画でございます。
その市境付近の湿地におきまして、希少な陸産貝類を初め多様な動植物が生息、生育していることが判明し、平成二十六年十一月に連光寺・若葉台里山保全地域に指定されております。
保全地域内の湿地の直下に、既に都市計画決定されているルートが位置しておりまして、トンネル掘削による湿地内の生物の生息環境への影響が懸念されることから、採用可能な複数案として、既定都市計画のルートとともに、湿地を回避して南側を通るルートの二案を比較検討することとしております。
○森澤委員 地元で環境保全に携わっている人たちの声も含めて、計画に反映してほしいという声もあります。
今後どのように地元市民の声を聞いていくのか、プロセスを伺います。
○山下都市基盤部長 本区間は、四車線かつ延長二キロメートルを超えることから、東京都環境影響評価条例に基づく計画段階環境影響評価の対象でございまして、特例環境配慮書は今後縦覧に供され、地域の方々などには、環境保全の見地から、意見書の提出や都民の意見を聴く会において意見を述べる機会が設けられております。
その後、それらの意見は、学識経験者から成る環境影響評価審議会の審議の参考とされ、その審議の結果等を踏まえ、事業者は計画的評価や環境的評価、事業的評価等から総合的に判断し、計画案を一案に絞り込むことになります。
○森澤委員 これから市民の方が意見を述べる機会なども設けられるということでした。
このA案、B案を比較すると、湿地を回避した南側ルートB案の方が、より環境への負荷が少ないものなのかなと認識しているんですが、どれくらい具体的に環境の負担がないのかと、そういった指摘も市民の方から出てくる可能性がありますので、そのメリット、デメリット等をわかりやすく市民の皆様にもお伝えいただきますようよろしくお願いいたします。
さて、道路については、掘り割り式から地表式に変更になるということですが、このように変更された理由、環境評価も踏まえてお伺いをいたします。
○山下都市基盤部長 南多摩尾根幹線は、平成二十七年二月策定の整備方針におきまして、構造形式を掘り割り式から地表式に変更することとし、現在、順次掘り割り式の区間を地表式に変更してございます。
地元市では、南多摩尾根幹線の沿道については、業務、商業用途の土地利用を誘導し、地域の魅力向上とにぎわいの創出を図ることとしており、新たなまちづくりに合わせた整備が求められております。
平面構造の道路は、地域の方々も利用しやすく、来訪者も沿道に立ち寄りやすくなるなどの利点があるとともに、整備や維持管理コストの低減も図ることができます。
また、環境影響評価につきましては、地表式の区間で、大気汚染、騒音・振動など七項目の予測、評価を実施しておりまして、例えば騒音・振動の項目では、騒音軽減のため一部区間に遮音壁を設置するなど、環境保全措置を講じることとしております。
このような措置によりまして、いずれの評価項目におきましても、環境基準等の評価の指標を満足することから、環境への影響は少ないと考えられております。
○森澤委員 地表式に変更になることで、環境への影響は少ないということを認識いたしました。
さて、稲城市は現在、自転車のまちへの取り組みを進めています。オリンピックのロードレースに決定したことに加えて、シェアサイクルサービスの開始、シクロクロスのイベントが誕生するなど、多くのサイクリストが来訪し、特に適度なアップダウンのある南多摩尾根幹線は、関東では有名な練習コースの一つに数えられています。
今後は、サイクリストが集まるサイクルステーションの設置が検討されていることや、市内道路に自転車の安全な通行を促すための自転車ナビマークの設置などに力を入れることが明らかになっています。
自転車のまちとして、走行環境の整備は、地元市にとっても重要な課題ですが、例えば一例として、自転車専用レーンを整備してほしいという地元の声もあります。今回、自転車道についてはどうなるのか伺います。
○山下都市基盤部長 本区間では、四車線道路の整備に合わせ、幅の広い歩道、植樹帯等を設けることにより、安全で快適な歩行者、自転車通行空間を創出してまいります。
詳細につきましては、今後、事業実施段階で交通管理者等と協議し、決定してまいります。
○森澤委員 事業実施段階で検討していくというところで、建設局が主体となって進めていくということですが、ぜひ今後、地元市、サイクリスト、自転車利用者の意見も聞いていただき、自転車のまちとしてふさわしい整備を進めていただきたいということをお願いし、私からの質問を終わります。
○佐野委員 私からは、質疑はしません。意見を述べさせていただく時間をちょっととっていただきましたので、今回の都市計画審議会付議予定案件全般について幾つか意見を述べさせていただければと思っています。
まず、これまで四人の委員から出ていました首都高の地下化、そして日本橋川周辺の再開発の件でございます。付議予定案件のナンバー1から6と14になるかと思います。
ここは、これまで話が出ていますように、いよいよ日本橋にかかっていた高速がなくなるということ、これが現実を帯びてきているなということを、私も都市計画を少し勉強していましたので、感慨深いものがあるなと。滝田委員から、ソウルでも随分前にできていることが何で日本でできないんだというようなこと、これも勉強してきましたので、そういう意味では、いよいよ始まるのかなと。
滝田委員からは、これまでの経緯とか意義とか、そして事業費あるいは事業効果について、いろいろ詳しい話が聞けました。これが付議されるわけですので、都市計画法の都市計画審議会で東京都が決定する部分、これに対しては、私は異議はないというふうに思っています。
そして、今回の二件の都市再生、再開発のエリアですけれども、三十五年ほど前に私、室町の区域の中に会社がありまして、勤めておりました。先日行ってまいりましたら、三越前が随分変わっていまして、特にこのエリアはちょっと取り残されているのかなというような感も受けました。
ですから、やはり今回の計画を見ていますと、こんな高いの要らないんじゃないかという意見もございますけれども、それぞれの日本橋、これからの三越前、すばらしいまちになっていくんだろうなというふうに期待を持っております。
また、高速がなくなれば、川が今まで裏だったんですね、完全に裏ということで背を向けていたところが、今度は表になるということでございますので、また新しい魅力あるまちができていくんだろうなと。
そして、世界に--世界というか、国際化とか、東京が都市間競争に勝つとか、いろいろ話がありますけれども、やはりここはこういうポテンシャルがあって、東京として発展していく。さまざまな委員の意見がありましたけれども、そういうものを十分踏まえて、しっかりと取り組んでいただければというふうに思いました。
そして一方、八重洲の方は、既存のビルが二棟も建っていて、見ると二十二階建てのすばらしいビルがあるんですよね。ここがまた四十六階建てぐらいになっていくというようなところで、私なんかは多摩地域の人間ですので、この二十二階建てを壊して新しい建物を建てていくというような計画、もちろん公費をある意味では一部投入をしていくわけでございますので、小平の駅前再開発も二カ所ありますので、そういうところも忘れずにいてほしいなというふうな感想でございます。
それから、ナンバー7から10、大田区の東海の件、ここも見させていただきましたけれども、そもそも臨港地区という、都市計画法上、非常になじみがない--なじみがないというのは、私、多摩地域のエリアですので、こういう地区がないんですね、ということでいろいろお聞きした中では、港湾局の方が計画して、埋め立てをして、つくっているようなエリア。
それから、一部勝どきのところ、今回は臨港地区を外すというところで、そこはちっちゃな公園になっているんですけど、地区を決定したり、あるいは外したりというところが、港湾法との関係もあるとは思うんですけれども、こういうことが、港湾局の方の第六次とか第七次とか第八次とか、いろいろ計画があって、そういう中で、行くともう既に、大きなトレーラーがひっきりなしに行き交って、それでシャーシー状っていうんですか、そういうところはコンテナが物すごい高さで積み上がっている。
こういうところが、今さら都市計画法上、臨港地区に位置づけなきゃいけないというような経緯とか、その辺、いわゆるどういう港湾の計画、東京全体から見て、いわゆる東京港とか港湾の方の計画と、都市計画法上どういう位置づけ--もちろん用途地域は別にあると思うので、その辺がもう少しわかりやすい説明をしていただくと、我々議員というのは素人ですので、なかなか都市計画法とかなじみがないところがありますので、そういうところを東京全体のまちづくり、都市整備を見た中で、こういう臨港地区に位置づけるとか、下水道の区域がこうなるとか、そういうところを配慮していただいて、説明等いただければありがたいなというふうに思いました。
それから、当然これは、今回は都市計画法上、手続として位置づけるんですよという、これは都市整備局のマターですと。でも、そのもとの、いわゆる埋め立てして土地利用がされているところが港湾で管轄しているから、その経緯とか中身はよくわかりませんということではやっぱり困るので、しっかりと他局との情報交換もして、説明いただけるようにお願いできればと思っています。
それから最後に、今回計画段階での事前説明ということで、南多摩尾根幹線がございます。
先ほど森澤副委員長からの質疑もありましたけれども、A案というのは、もともとの都市計画の計画なんですね。A案を計画したときの線形というのは、それなりに根拠があって、それなりにやはり理由があってつくっているわけなんですよね。それをやっぱり変更するということは、何らかの理由が必要。それが今回の湿地のことなのかなと。
もう一つは、B案の方が明らかに短いルートで、アールというか、線形、いわゆるカーブも、もちろん道路構造令も満足しているし、それほど問題がない。ほぼ同じ曲線でいっていますよね。それで短くなっているんですから、事業費が安くなるというのは当然、影響評価にも書いてありますけれどね。そういう意味で、もともとのA案が計画されていたのは、どういう理由で、きちっとした設定があって。
それを今回たまたま連光寺・若葉台里山保全地域というのが東京では五十番目に指定されて、これが平成二十六年ですよね、こういうような社会状況の変化というんですかね、環境の変化によって、こういう非常に大事なところがある、そこは避けた方がいいだろうなという配慮が当然かかってきたんだろうと。
ですから、経済性だとかこういう自然環境の配慮というところを背景としてこういう変更が必要だというところをちゃんと理由にしないと、何で急に変更したの、そして逆に何で当初の計画はこうだったのかというところも、それをちょっとないがしろにすると、じゃあほかの都市計画の道路で、そのときの都市計画道路の線形、これだってちゃんと計画したのか、変更する理由としてきちっと前段の計画線の背景なり根拠をちゃんとつかんでおかなければ、変更もなかなか納得、あるいは理解されにくいんじゃないかというふうな感じを受けました。
もう一つ、先ほど説明がありました絶滅危惧種の二種類の貝が生息しているということなんですね。平成二十六年に指定されていますので、そのときに保全をしていこうということで、地域に決定しました。この間見てきたんですけれども、それからもう三年、四年ぐらいたっていますよね。じゃあどういうふうに保全しているのと環境局に聞いたら、貝をどう保全したら生き延びていくかという手法は、まだないようなことなんですね。
そうなると、道路の線形を外しましたから影響はほとんどなくなりましたよといっても、その貝が絶滅してしまうと、道路と全く関係ない理由で絶滅してしまっても、やっぱり道路ができたから絶滅しちゃったんじゃないのというふうにいわれかねないんじゃないかというのをちょっと私は危惧をしています。
ですから、そこは環境影響評価と関係はないかもしれないですが、環境影響評価の時点でこれは影響ないといっても、実際に将来、それがなくなってしまえばというのは、四年たつと植生が大分変わってきているんですね。
ここには書いてありませんけれども、キショウブという、アメリカ原産ですよね、黄色い花のショウブです。これが物すごい勢いで繁茂しちゃっているんですね。それと、周りの木が大分成長してくると水辺の環境が大分変わるんですね。
そういうものの影響で貝がなくなるのか、いやそれは別に貝とは関係ないんだというような研究なりを、都市整備としてもしっかりとつかんでおく必要があるんじゃないかというふうに私は危惧しておりますので、その辺は、今後そこの保全と道路の計画というところをきちっと分けて考えられるよう、あるいは説明できるようにしておく必要があるんじゃないかというふうに思っています。これは意見でございます。
以上、今回の案件の全般について、ちょっと取りとめのない意見でございますけれども、いわせていただきました。
ありがとうございます。
○曽根委員 私からも、日本橋付近の首都高速道路の地下化計画について何点かたださせていただきたいと思います。
本計画の出発点とされる署名運動がありましたが、この署名運動の表題といいますか、これは、日本橋の首都高高架部分を撤去することによって日本橋に青空をという内容になっており、これを期待した声を結集しまして、五十万近い署名が集まったということを聞いております。
しかし、これは結局、高速道路の撤去ではなく地下化計画に変わりまして、すると一日も早い青空をという願いは、二十年か、もしくはそれ以上も先に引き延ばされるということになり、地元の多くの方々の願いが踏みにじられたんじゃないかという危惧を私は持っております。
しかも、地下化に伴う総事業費がどこまで膨らむのかというのも大変不明瞭です。
そこで、最初にお聞きしたいのは、三千二百億円という予測される総事業費の中に、今回、地下化に伴って、江戸橋ジャンクションのところで、南方向、汐留方向の路線をとれなくなった、地下から上がってきたばかりの道路と高架の都心環状線の連結ができないということで、これを八重洲線の方に切りかえるということになりますけれども、これによる八重洲線の切りかえ及びKK線への接続に係る費用は、この中に含まれているのかどうか、それはどれぐらいかかって、路線案は決まったのかどうかについてお聞きします。
○山下都市基盤部長 ただいま委員の方からお話ありましたように、日本橋周辺の首都高の地下化に要する概算事業費は約三千二百億円を見込んでおりまして、この中には、既設の八重洲線との接続箇所の改築に要する費用は含まれております。
なお、地下化に当たりましては、渋滞緩和とコスト縮減を図るため、江戸橋ジャンクションとの分合流部をなくすこととしておりますが、八重洲線と接続する東京高速道路、KK線でございますが、大型車の通行に対応していないことから、大型車の環状方向の交通機能確保策につきまして、別途具体の検討を進めているところでありまして、その費用は含まれてございません。
○曽根委員 地下化によって渋滞解消になるとはおっしゃいましたが、東側のトンネル出口から南向きの路線は、これはどう考えてもとれないんじゃないかと、高さの違いがあり過ぎて。そのために、南方面の車については、トンネルの西側の手前の方で、八重洲線から東京高速道路、いわゆるKK線に回らざるを得なくなり、しかもKK線はその下にテナントが入っておりまして、今通行できない二十五トンクラスの重量積載のトラックの通行のための構造変更は極めて困難だというふうに聞いています。テナントを全部撤去させて骨組みを入れれば別ですけど、それは事実上できないだろうと。
そこで代替案として浮上しているのは、KK線の別線のプランをつくって、地下の道路をつくると。このプランは可能なのか、またその手法や費用はいつ決まるのかが問題だと思います。
追加の費用とか、路線の変更や重量貨物車の通行への改造の手法などが決まるのはいつごろになるんでしょうか。
○山下都市基盤部長 大型車の環状方向の交通機能確保策につきましては、昨年十二月に、国や首都高速道路株式会社とともに検討会を設置し、東京高速道路の構造強化案と別線を地下で整備する案の両案について検討を進めてございます。
今月二十七日にも検討会を開催したところでございまして、東京高速道路の構造強化案の課題が確認されるとともに、別線を地下で整備する案につきましては、その導入空間を都心環状線に接続する最短ルート上に確保できることが明らかになるなど、検討の熟度は高まっております。
引き続き、国などの関係者とともにスピード感を持って検討を進め、コストを精査しながら、大型車の環状方向の交通機能確保案を早期に作成してまいります。
○曽根委員 検討の熟度は高まったといわれますけれども、検討会は、つい先日の二十七日も含めて、何回も行えば議論が少しは深まるのは当然です。しかし、どういう手法をとるのか現在のところまでまだ定まっておらず、また、いつ決まるのか答弁もありませんでした。また、費用についてもお話がありませんでした。
ちなみに、大型車の交通手段が確保できなければ、首都高速道路環状線の当該区間で大型車が通行できなくなり、大回りになってしまう、これは絶対許されないことですよね。さらに、費用については言及がないと。こういう段階でどうして地下化の都市計画だけが先行して決められるという話になるのかと私は大変疑問です。
もう一度お聞きしますけれども、大型車の通行を確保する手法について、いつごろ決まるのかという見通しや、また費用についても幾らで、どのように確保するのか、こういう見通しについては全く今は答えられない状態なのかどうか、お答えいただきたい。
○山下都市基盤部長 先ほどもご答弁したとおりですが、大型車の環状方向の交通機能確保策につきましては、国などと、検討会におきまして、東京高速道路の構造強化案と別線を地下で整備する案の両案について検討を進めているところでございます。
引き続き、国などの関係者とともにスピード感を持って検討を進め、コストを精査しながら、大型車の交通機能確保策案を早期に作成してまいります。
○曽根委員 やっぱり大型車の通行する路線が確保されなければ、実際上、地下化というのは機能しない。であるにもかかわらず、いつ決まるのか見通しも、今のお答えをもっても鮮明には出てこないと。
費用の額も、コストを検討しながらとおっしゃいましたが、この捻出方法も不明なままです。相当な額になるんじゃないでしょうか。
別線案でいくと、この日本橋の地下化と同時に、そのさらに南の方で地下高速道路を新たにつくらなきゃならないわけですよね。そこは、空間はあいているという話が今わかったという程度です。
したがって、費用も時期も不明確なのに、地下化の都市計画を先に決めるというのは、余りに乱暴で早計だというふうにいわざるを得ません。
しかも、今回地下化するのは、現在の高速道路の下は困難なわけですよね。事前説明会資料の二七ページに、赤いラインになりますけれども、現在の道路の姿と地下化した場合の比較の地図が載っていますけれども、かなり今よりも南北にくねった形にならざるを得ない。
これは、半蔵門線と銀座線、それから浅草線を避けながら、地下から地上に上がってくるという関係で、やはり現在の日本橋の上の高架道路と同じ場所の地下は通れないということだと思いますけれども、そうすると、今度通す地下道路の上部には、必ずしも道路や掘り割りだけではなく、ビルが建っていることが当然あり得るわけですね。
そのビルの地下の、基礎ぐいが相当数入っている場所をトンネルで掘るということになるわけですけれども、その地下空間の基礎ぐいなどは、どのように対策をとるというつもりでしょうか。
○山下都市基盤部長 本事業は、周辺まちづくりが同時に進められる機会を捉えて取り組みを進めるものでございまして、地下化ルートの導入空間の確保など、民間プロジェクトの協力を得て実施するものでございます。
支障となるくいなどにつきましては、関係者間で協議の上、撤去する予定でございます。
○曽根委員 それでは、五つの再開発、これが進まない、進捗しない場合には、この地下の道路も実際には掘ることができない、ビルの下になっちゃいますので。
そういうことがあるわけですけれども、そうした再開発の進捗状況、スケジュールと地下の道路の進みぐあいとがそごを来す、うまく調整がつかないという場合はどうなっちゃうんですか。
○山下都市基盤部長 仮定の話についてはなかなかお答えできないところがございますけれども、首都高速道路の移設、撤去に向けた取り組みは、地元にとりまして長年の悲願でありまして、平成二十九年七月に、中央区から国及び都に対しまして、日本橋周辺で展開されている市街地再開発事業の合意形成や地下化への協力について、区として全力で取り組むとの考えが示されております。地下化の推進を要望する旨の申し入れもなされています。
こうした経緯を踏まえ、中央区は、再開発準備組合の理事会に出席し、関係者の合意形成に取り組むとともに、首都高地下化とまちづくりとの調整を積極的に行っております。
今後とも、地下化の実現に向けて、市街地再開発事業が円滑に進むよう、地域のまちづくりを含めて関係者との緊密な連携を図ってまいります。
○曽根委員 中央区はそういう表明だそうですけれども、地元の悲願というのは、高速の撤去だったわけです。署名もそういう形で集まっていた。それは、ソウルで実現したことがこの東京ではできないのかということも思いとしてはあったと思います。
それが、地下化という新たな計画になったために、その願いはかなり長期にならざるを得ない、地下にトンネルを掘りますので。これが自分の生きているうちには実現しなくなってしまうんじゃないかということへの疑問や批判の声も多数上がっており、先ほどもちょっと紹介がありましたが、組合の設立も簡単ではありません。
高速道路と再開発の組み合わせ、また東京高速道路、KK線の改造などのスケジュールや見通しがまだ全く不明確なままで、都市計画の地下化だけを計画決定するというのは、本当に適切だといえるのかどうか、この点をお聞きします。
○山下都市基盤部長 今回の地下化は、周辺のまちづくりと連携して取り組むこととしておりまして、国家戦略特区の都市再生プロジェクト等との円滑な調整を図る観点から、都市計画手続を速やかに進めることといたしました。
今回提案する都市計画案は、平成三十年七月に首都高日本橋地下化検討会で国などとともに取りまとめた計画案に基づき、地域住民に対して説明会を開催した上で作成したものでございます。
大型車の環状方向の交通機能につきましては、国などの関係者とともにスピード感を持って検討を進め、コストを精査しながら、その確保策を早期に作成してまいります。
○曽根委員 地下化のトンネル構造の複雑さや、これに合わせた再開発ビルの建てかえ計画の難しさ、またKK線の別線を地下でつくるために必要な膨大な手間と費用など、余りに困難がつきまとうこの地下化計画は、もし一つボタンをかけ間違えれば、総崩れになりかねないものです。
先ほど和泉議員も紹介したように、ある老舗のお店では、日本橋の麓にのれんを掲げて三百年、五代将軍綱吉の時代から営業を続ける老舗の代表が、この計画に疑義を強く唱えて反対している。この内容は昨年も本委員会で審議されましたが、極めて筋が通ったものだと思います。費用のことや、この地で長く商売をされている方の営業のこと、どれも地元の方、都民、国民の議論と深い納得がなければ、到底進められるものではありません。
首都高環状線の交通の安全性についても、地下化のこの構造で安全性は確保されるのか、それとも首都高環状線は今後どうあるべきかの検討も突っ込んで行われる必要があります。
そうした条件が整っていないのに、強引に都市計画の既成事実をつくってしまおうという今回の提案には強く抗議し、次の質問に移らせていただきます。
次に、築地の都市計画の変更について伺います。
今回、築地の市場跡地、この市場の都市計画を廃止するという案が事前説明の中で報告が入っておりますが、築地市場は日本橋にあった魚市場が関東大震災を機に移転したということですけれども、いつごろから定められているものでしょうか。
○山下都市基盤部長 築地市場は、日本橋にありました魚市場と京橋にありました青物市場が、関東大震災を契機に移転した我が国最初の都市計画市場でございまして、大正十三年に都市計画決定がされております。
○曽根委員 先日、世田谷の道路問題で、補助五二号線の調査に行きましたら、そこにある、あるお寺は、築地市場を建設するために、築地から世田谷の方に引っ越してきたと。今度は道路にひっかかって、また移転というのは困るという話をお聞きしました。幾つかのこうしたお寺やその他の大きな敷地を使って、築地市場がつくられたということであります。
今回の市場計画の廃止というのは、知事がこの間の公約を破って、築地に卸売市場を残さないと方針を決めたことを、今回、都市計画的にも具体化するものであります。
我が党は、知事の公約を信じて豊洲市場に移った卸売、仲卸業者の方々の築地に戻ることを願う、こういう思いを裏切るものとして、また築地でも十分可能な市場の再整備の可能性を葬り去るものとして、反対をしてまいりました。
築地まちづくり方針素案に対するパブリックコメントも二百二件の意見が寄せられましたが、築地は守るという基本方針を維持し、市場関係者や都民に対する公約を守るべきです、今回示された築地まちづくり方針素案は直ちに撤回すべきだと考えますという意見や、築地のまちは市場があればこそ世界の築地だったのです、築地場内市場の再整備を本気に考えてくださいなど知事の公約違反を指摘するもの、築地での市場再整備を求めるものなどの意見が七十件以上に及んでいます。
こうした状況のもとで、築地の市場の都市計画を廃止すべきではありません。この問題は、今度の委員会での築地まちづくり方針の質疑でも行わせていただくことを申し上げて、私の質疑を終わります。
○本橋委員長 それでは、一通りご発言が終わりました。
お諮りさせていただきます。
本件に対します質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 異議なしと認め、第二百二十六回東京都都市計画審議会付議予定案件についてに対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時二十七分散会
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