都市整備委員会速記録第二号

平成三十一年三月一日(金曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長本橋ひろたか君
副委員長森澤 恭子君
副委員長和泉なおみ君
理事中山 信行君
理事神林  茂君
理事伊藤 ゆう君
けいの信一君
滝田やすひこ君
宮瀬 英治君
佐野いくお君
高橋 信博君
たきぐち学君
荒木ちはる君
曽根はじめ君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長技監兼務佐藤 伸朗君
次長小泉  健君
技監上野 雄一君
理事今村 保雄君
理事中島 高志君
総務部長桜井 政人君
都市づくり政策部長久保田浩二君
住宅政策推進部長佐々木秀之君
都市基盤部長荒井 俊之君
市街地整備部長選手村担当部長兼務山下 幸俊君
市街地建築部長青柳 一彦君
都営住宅経営部長佐藤 千佳君
基地対策部長高原 俊幸君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務朝山  勉君
連絡調整担当部長土屋 太郎君
担当部長小口 新吾君
まちづくり推進担当部長吉野 敏郎君
まちづくり調整担当部長木村 宣代君
景観・プロジェクト担当部長山崎 弘人君
住宅政策担当部長澁谷 浩一君
民間住宅施策推進担当部長栗谷川哲雄君
交通政策担当部長森  高志君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務新谷 景一君
防災都市づくり担当部長安部 文洋君
多摩ニュータウン事業担当部長松崎 浩一君
局務担当部長齊藤  敏君
耐震化推進担当部長青木 成昭君
経営改革担当部長八嶋 吉人君
再編利活用推進担当部長中山  衛君
建設推進担当部長妹尾 高行君
営繕担当部長村居 秀彦君
横田基地共用化推進担当部長宮城 俊弥君

本日の会議に付した事件
副委員長の互選
都市整備局関係
契約議案の調査
・第七十九号議案 都営住宅三十H-一〇二東(足立区新田一丁目)工事請負契約
・第八十号議案 都営住宅三十H-一〇三東(江東区東砂二丁目第二)工事請負契約
・第八十一号議案 都営住宅三十H-一〇六西(多摩市諏訪五丁目)工事その二請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第九十三号議案 平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 都市整備局所管分
報告事項(質疑)
・築地まちづくり方針(素案)について
付託議案の審査(決定)
・第九十三号議案 平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 都市整備委員会所管分

○本橋委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、去る二月十九日付をもちまして、当委員会から西郷あゆ美議員が文教委員会に所属変更になり、新たに、たきぐち学議員が文教委員会から当委員会に所属変更になった旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
 また、去る二月二十六日の本会議におきまして、当委員会から奥澤高広議員が経済・港湾委員会に所属変更になり、新たに森澤恭子議員が経済・港湾委員会から当委員会に所属変更になりました。
 この際、新任の委員をご紹介いたします。
 初めに、たきぐち学委員をご紹介いたします。

○たきぐち委員 よろしくお願いいたします。

○本橋委員長 続きまして、森澤恭子委員をご紹介いたします。

○森澤委員 よろしくお願いいたします。

○本橋委員長 ご紹介が終わりました。

○本橋委員長 次に、奥澤高広副委員長の所属変更に伴いまして、副委員長一名が欠員となりましたので、これより副委員長の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○滝田委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○本橋委員長 ただいまの動議にご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には森澤恭子委員をご指名申し上げます。これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 それでは、異議なしと認めます。よって、副委員長には森澤委員がご当選されました。
 森澤副委員長から就任のご挨拶がございます。

○森澤副委員長 ただいま当委員会の副委員長にご指名をいただきました森澤恭子でございます。
 本委員会に向けられました都民の皆様の期待に応えられますよう、委員長を補佐いたしまして、公平、公正な委員会運営に微力ながら努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○本橋委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思います。ご了承のほどお願いいたします。

○本橋委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分につきまして、議長から調査依頼がありました。
 本件につきましては、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成三十一年二月二十八日
東京都議会議長 尾崎 大介
都市整備委員長 本橋ひろたか殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第七十九号議案 都営住宅三十H-一〇二東(足立区新田一丁目)工事請負契約
 第八十号議案 都営住宅三十H-一〇三東(江東区東砂二丁目第二)工事請負契約
 第八十一号議案 都営住宅三十H-一〇六西(多摩市諏訪五丁目)工事その二請負契約
2 提出期限 平成三十一年三月一日(金)

○本橋委員長 本日は、お手元ご配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の契約議案の調査、中途議決に係る付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第七十九号議案から第八十一号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行いたいと存じます。
 それでは、発言の方をお願いいたします。

○けいの委員 都営住宅の工事契約案件について、意見表明をさせていただきます。
 本会議の代表質問においても主張しました公社住宅の室内修繕に関する居住者負担について、今般の民法改正や国交省の賃貸住宅標準契約書の改定に伴い、URの取り組みやその考え方などを参考にして、公社としても、負担区分の見直しについて実施体制や財源も含めて早期に検討に入ることとし、都としても、法令などの趣旨を踏まえ、公社が円滑に対応できるように支援していくと前向きな答弁をいただいたところであります。
 公共住宅を担う公社賃貸住宅やUR賃貸住宅が、屋内修繕に関する居住者負担について検討している中、セーフティーネットとしての都営住宅についても同様な取り扱いができないか、都としても真剣に検討するべきときだと考えます。
 公社賃貸住宅やUR賃貸住宅と家賃体系が異なっていることは十分承知いたしておりますが、都営住宅の入居者の多くが日々の生活が精いっぱいで、修繕にまではとても手が回りません。
 先般、都営住宅の管理制度等のあり方について、東京都住宅政策審議会から中間のまとめが出されました。その中間のまとめでは、都営住宅における高齢化は著しく、名義人が七十五歳以上である世帯が全体の四割を超え、さらにその半数は単身世帯であると指摘されております。
 このように、ますます高齢、単身化が進んでいく中、財源の問題や執行体制等、解決すべき課題は山積されているかと思いますが、修繕における居住者負担の緩和を強く求めて、意見表明を終わります。

○和泉委員 私は、足立区都営新田一丁目住宅の建てかえの契約案件について質問いたします。
 この案件は、足立区新田一丁目の都営住宅の建てかえで、三期にわたって行われる建てかえ事業のうち、第一期の工事契約ということです。ただ、今回上がっているほかの八十号、八十一号の議案と違うのが、国直轄の高規格堤防と一体で契約が行われるという点です。
 第三期工事までで、現在ある新田一丁目アパート一号棟から八号棟までが建てかえの計画にかかります。それぞれの住棟の築年数はわかりますでしょうか。また、耐震診断を行っていると思いますが、その耐震性はどのようになっているでしょうか。

○妹尾建設推進担当部長 新田一丁目アパートの建てかえ前の住棟数は十二棟ございまして、いずれの住棟も建設からおおむね五十年を経過しております。この十二棟のうち五棟は除却済みで、現在居住者がお住まいの残り七棟のうち、耐震性があるのは二棟のみであることから、早期の建てかえを目指しているところでございます。

○和泉委員 除却済みの住棟があるということでしたが、その除却済みの住棟は何号棟でしょうか、教えてください。

○妹尾建設推進担当部長 除却済みの住棟は、一号棟から五号棟まででございます。

○和泉委員 先ほどの答弁で十二棟のうち五棟は除却済みだけれども、残りも築年数五十年を超えている、二棟を除けば耐震性も確保されていないという答弁でした。この都営住宅の建てかえが急を要しているというのは、今の答弁でも論をまたないところだと思います。我が党は、建てかえの必要性そのものは大いにあると考えます。
 しかし、当該契約の問題は、その建てかえが国の高規格堤防事業と一体のものとして行われ、その事業費も一括で今回の契約金約四十三億円の中に盛り込まれているということです。
 伺いますけれども、当該地域の高規格堤防の三期までの総事業費、これは幾らになるんでしょうか。そしてさらに、都の負担はどの程度になるんでしょうか。

○妹尾建設推進担当部長 新田一丁目地区において現在予定している高規格堤防三期合計の事業費は、おおむね四十四億円と国から聞いております。高規格堤防に関する都の直轄事業負担金の割合は、国によると一般的に約三分の一ということでございます。

○和泉委員 続けて伺いますが、そうしましたら、第一期工事になる今回の契約に係る部分の高規格堤防分の事業費、これは幾らでしょうか。

○妹尾建設推進担当部長 新田一丁目地区におけます今回の第一期工事分の契約金額のうち高規格堤防整備に係る事業費は、おおむね十一億円でございます。

○和泉委員 そうしますと、今回の契約だけでもおおむね三億円以上、全体では十三億円を超える都民の税金が国直轄の高規格堤防に費やされるということになります。
 このパネルは、国交省の荒川下流河川事務所のホームページのものです。高規格堤防は、従来の堤防から先の地域に、堤防の高さの三十倍もの距離を緩やかに下がるように土を盛ることによって、越流した水をなだらかな勾配に流すことによって堤防の壊滅的な破壊を防ごうというものです。
 しかし、堤防は全部つながってこそ、その効果を発揮します。どこかが切れていれば、その部分から水が流れ込み、深刻な被害をもたらす。高規格堤防でも同様のことがいえると思います。
 しかし、高規格堤防事業は、ここに書かれているように、住んでいらっしゃる方たちへの影響を少しでも軽減するために、地域のまちづくりや土地利用転換のときにやりますと。つまり、開発に合わせてつくっていきますよということですから、開発がなければできません。そのため、現在のペースでつくって、全部つながるためには単純計算でも百年、二百年かかると、そういう強い批判が出ているものです。
 しかも、荒川右岸でいえば、今回の地域のさらに下流に、大手ディベロッパーが盛り土をしないまま巨大マンションを三年ほど前に建ててしまいました。そうしますと、少なくともこの新築の巨大マンションが建てかえられ、そのときに高規格堤防化されなければ、荒川右岸の高規格堤防は完成しない。どんなにスムーズに進んでも今後数十年は、完成の見込みがないという事態になってしまいます。
 高規格堤防で、当該地域の氾濫を防ぐことはできても、高規格堤防化されていない地域の氾濫、これは決壊を防ぐことはできないのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。高規格堤防は地域の開発を契機に行うものというふうに聞いています。いかがですか。

○妹尾建設推進担当部長 想定を超える大規模な洪水時において、堤防の決壊を防ぐことにより、市街地の壊滅的な被害を回避することができます。国によりますと、高規格堤防は、決壊の原因である浸透、侵食、越水から堤防決壊を回避する唯一の手法でございまして、最善の強化手法とされております。
 なお、高規格堤防整備事業は、市街地再開発や区画整理などのまちづくりとあわせて行われるほか、大規模な敷地において実施される例もございます。

○和泉委員 市街地の壊滅的な被害を回避する唯一の方法だという答弁ですけれども、高規格堤防化されていない地域の氾濫、この決壊を防ぐことはできるのかということに対する明確な答弁はありませんでした。
 また、まちづくりとあわせて、あるいは大規模な工場の移転待ちということであれば、いつまでにスーパー堤防全体が完成するかという見込みもないということです。近年、二百年以上に一度といわれる降水量を記録した西日本豪雨に代表されるように、未曽有の豪雨が頻繁に発生しています。
 にもかかわらず、全体の完成が数十年先も見通せない、このような国の計画の共同事業者になって、都が、スーパー堤防、高規格堤防工事と一体の建てかえ工事を行うというのが、今回の契約なんです。
 では、全体が完成して、氾濫を防ぐようなことはできなかったとしても、スーパー堤防化のために当該地域をかさ上げすれば、都営住宅の住民はもちろん、周辺のお住まいの方も含め、荒川が氾濫するような豪雨のときにはこの地域に逃げ込む緊急避難には役立つといえるんでしょうか。
 私は、地元区の担当者にお話を聞きました。そこでわかったことは、大変驚きの内容でした。スーパー堤防でかさ上げすれば、浸水しないかもしれないが、周辺地域は二週間近く水が引かないため、孤立してしまう。だから、スーパー堤防でかさ上げした地域であっても、足立区の外に避難してもらう。そういうハザードマップを作成中であり、区民に配布する予定であるとのことでした。
 スーパー堤防ができた区域内にとどまるのは、本当に時間がないときくらいだとのことなんです。これでは、荒川が氾濫するような豪雨のときにも、避難場所としてはほとんど機能しないということになるんじゃないでしょうか。
 問題はそれだけじゃありません。質問の冒頭で申し上げたように、スーパー堤防、高規格堤防になるには、堤防の高さの三十倍の距離に緩やかな勾配をつけなければなりません。
 しかし、これもパネルにして持ってきましたが、国土交通省の説明資料では、当該地域は百四十メートルでとまってしまうんです。スーパー堤防完成のためには、今現在土手の高さは九メートルありますから、この幅は二百七十メートルなければいけません。だけれども、百四十メートルでとまってしまう。
 スーパー堤防の完成形に必要な三十倍は、この地域の境界からさらに百メートル後方のこの赤いラインということになります。この地図を見ていただくとわかるように、住宅がかなり建っています。
 このようなスーパー堤防は完成形とはいわず、暫定整備というようですけれども、今回つくられるスーパー堤防、暫定整備ということでよろしいんでしょうか。

○妹尾建設推進担当部長 国の高規格堤防は、幅の広い堤防をつくるため、堤防の高さから内陸側に三十分の一の勾配で盛り土を行うことを基本的な断面形状としております。
 今回都営住宅を建設する範囲におきましては、この基本的な断面形状で盛り土が行われますが、敷地南西側の道路に面する部分では段差が生じます。
 しかし、国によると、こうした基本的な断面形状が完成していない箇所がある場合でも、従前と比べ堤防の決壊リスクは低減し、安全性は格段に向上するとのことでございます。

○和泉委員 暫定整備というふうにはお認めになりませんでしたけれども、完成形ではないんです。本来であればこのような勾配でつくられるものを、この途中で今回の工事というのは切れてしまうわけですから、当然ここに高低差が生じます。
 国土交通省の関連団体というふうに位置づけられ、水や水辺に関する未解明、未開発な技術を先端的に研究をする公益財団法人リバーフロント研究所というのがありますけれども、ここの論文では、先ほどいいました暫定整備のこの急傾斜の部分、これをのり尻といいますが、通常の高規格堤防の暫定整備では、越流水洗掘破壊に対しては基本的に安全性を確保することはできない、のり尻部については、通常擁壁等で処理がされており、堤防を越流した水が数メートルの高さから落下し、かつ継続時間が数時間の単位である越流水の洗掘破壊に対する安全性を確保することは困難であるというふうにしています。
 のり尻、これですね、このパネルをごらんいただきたいというふうに思います。のり尻のところに水が数メートルの高さから何時間も落ちてきて、その水流によって堤防を破壊することから、安全性を確保するのは困難であるというふうに書いてあり、表にも、暫定整備は、越水破壊に対してのり尻はバツがついています。
 つまり、今回のような暫定整備の場合、堤防の強化という点でも重大な問題を抱えているということなんです。
 しかも、今まで話をしたように、暫定整備ではのり尻部分が急斜面になってしまう。そのため、国交省の説明資料でも、道路から都営住宅の建物に入るまでには、階段を上ったり長いスロープを上ったりしなければなりません。
 今回の計画では、高齢や障害を持つ単身者向けの一DKが二百六十八戸中百五十七戸、約六割を占めていますから、バリアフリーの点でも大きな課題を持つといわなければなりません。
 南西側道路と住宅棟の高低差はどのぐらいあるんでしょうか。エレベーターやエスカレーターの設置予定はあるんでしょうか。

○妹尾建設推進担当部長 ただいまのご答弁にお答えする前に、先ほどリバーフロント研究所の論文のご紹介がございましたので、それについて申し上げます。
 当該の論文は、荒川で整備する高規格堤防が他の河川に接する場合の整備手法の比較検討を行ったものであり、新田一丁目地区については、このケースに該当しないと考えております。
 なお、ご指摘のあった越流水による洗掘破壊の懸念につきましては、のり尻の安定性が局所的に損なわれることを評価したものでございまして、高規格堤防全体の安全性について評価したものではないと認識してございます。
 ただいまのご質問にお答えいたします。
 先ほどお答えしましたとおり、敷地南西側道路と住棟の地盤面との高低差、約五・五から六メートルございますが、これを階段及び車両用のスロープで接続する計画となってございます。
 敷地南西側道路と同一のレベルの地下一階に居住者の出入り口を設けまして、そこからエレベーターで昇降できるようにすることで、建物のバリアフリー化を図るという計画になっております。

○和泉委員 複数の川が合流するところについていえることだということでした。それで、暫定整備であって、高規格堤防そのものに対する知見ではないというお話もありましたけれども、今回の第三期までの工事というのは、結局二百七十メートルの幅を確保することができない、途中で切れてしまう暫定的な整備ということになるのではないでしょうか。必ずしも全部が全部この指摘に当てはまらないということにはならないのではないかというふうに思います。
 ただ、居住者の方のバリアフリーが確保される、エレベーターが設置される計画になっているということは、聞いて安心をいたしました。
 ところで、この新田一丁目アパートですけれども、今回建てかえとなる地域の横に、このようにまだ都営住宅があるんですけれども、今回建てかえとなる地域についてはここだけだと。一期から三期までで、ここだけですよと。その横にあるこの三つの号棟というのは、残されることになります。この三つの号棟については、どのようになるんでしょうか。

○妹尾建設推進担当部長 今回の一期の工事が終わりますと、そのできた住棟に、西側の住棟、それから北側に二棟ございますが、要は八号棟という高層の住棟がございますが、それ以外の住棟の方に入っていただくという計画になってございます。

○和泉委員 そうしますと、三期までの工事が終わった後、この八号棟から十一号棟までの方たちが住んでいたこの住宅棟はどのようになるんでしょうか。

○本橋委員長 もう一度繰り返しますか。--はい、もう一度ご質問をよろしくお願いします。

○和泉委員 私の説明が悪かったですね。今回三期までが終わった段階で、ここの住棟はどのようになるんでしょうかというふうに伺いました。

○妹尾建設推進担当部長 失礼いたしました。西側というか、北側、西北側というんですかね、そちらの方の住棟は、居住者が移転していただいた後、撤去するという予定になってございます。

○和泉委員 本来であれば、この部分についても都営住宅になっているわけですから、スーパー堤防の計画に入っていいと思うんですけれども、ここに民間のマンションがあると。そのために、今回はスーパー堤防の計画からこの地域が外れてしまったということになるんだというふうに思います。
 この地域をスーパー堤防でかさ上げすることができない。かといって、かさ上げせずに建ててしまえば、今回の建てかえ地域だけスーパー堤防にする意味が全くなくなってしまう。そのために、除却するということになるんだと思うんですが、今回の建てかえを通して、住宅の戸数は五百九十二戸から四百二十二戸まで、百七十戸減らされてしまいます。
 都営住宅の数が足りなくて、宝くじにでも当たるような高倍率になっているにもかかわらず、従前の住宅数も確保されず、大幅に減らされてしまう。その背景には、高規格堤防化を強行するという矛盾があるということを指摘しなければなりません。
 つまり、高規格堤防が完成するめどがなく、荒川の氾濫から地域全体を守ることができない。スーパー堤防ができた地域でも、荒川氾濫時には地域内にとどまれず、避難にほとんど機能しない。暫定整備であるために、のり尻が洗掘破壊する危険性がある。のり尻部分が急傾斜となり、階段やスロープの上りおりが、たとえエレベーターがあるとしても大変になってしまう。スーパー堤防化の盛り土などに一年近い期間が必要となり、移転が長引かされる。残された三棟分の都営住宅の建てかえのめどは立たないどころか、除却をされてしまって、住戸数が大幅に削減をされる。それにもかかわらず、高規格堤防にするためだけに三十億円もの国民、都民の税金が投入される。国の高規格堤防は問題が数多くあると思います。
 このようなスーパー堤防、高規格堤防と一体にしてしまうと、多くの問題が生じるということにならざるを得ません。
 しかし、冒頭述べたように、今回の建てかえが該当する住棟、これはいずれも高経年で耐震性に問題を抱えています。私たちが当初から老朽化した都営住宅の建てかえは急ぐべきだと指摘する点からいっても、首都直下地震対策などの観点から見ても、建てかえは待ったなしの課題です。
 よって、問題点を指摘しつつ、建てかえの緊急性に鑑み、住民の皆さんの安全と安心を確保することを優先する立場から、今回の契約案件には賛成しますけれども、国のスーパー堤防事業、国の高規格堤防事業と一括契約で行うというようなやり方は見直していただくよう強く求めて、質疑を終わります。

○妹尾建設推進担当部長 今回の高規格堤防の整備によりまして、従前と比べて堤防の決壊リスクは軽減し、安全性は格段に向上いたします。高規格堤防の整備は、国のこれまでの各所での整備を通じて行われた知見に基づきまして、本地区での計画においても適切に対応が図られるものと考えております。
 都としては、高規格堤防の企画、設計を所管する国と綿密な連携のもとに、事業に取り組んでまいります。

○本橋委員長 和泉副委員長、まだ二分ありますが。

○和泉委員 はい。私が指摘をしたのは、国の高規格堤防、このような中途半端な事業だけで、堤防としての機能がしっかりと守れるわけではないということです。そして、それによって百七十戸もの総戸数が減ってしまうんです。スーパー堤防と一体でやらなければ、きちんと住戸数は確保できるんです。ぜひ私が指摘した点もきちんと検討していただきたいというふうに思います。

○森澤委員 私からは第八十一号議案、多摩市諏訪五丁目都営住宅工事について、二点ほどお伺いさせていただきます。
 都は、平成二十四年に多摩ニュータウン等大規模住宅団地再生ガイドラインを策定し、高度経済成長期に住宅ストックとして建設された大規模住宅団地のポテンシャルを生かしながら、今後の地域の魅力の向上につなげていくという方向性を示しました。
 さらに、平成二十八年十二月に公表した二〇二〇年に向けた実行プランにおいて、多摩ニュータウンの都営住宅については、良質な住宅ストックとして維持更新するため、周辺の学校跡地や未利用地などを活用しながら計画的に建てかえを実施し、バリアフリー化など居住の水準向上に取り組むことや、特に都営諏訪団地は福祉施設との合築も行いながら先行的に建てかえに取り組んでいくことが記されています。
 諏訪五丁目都営住宅工事によって、どのような点で居住の水準向上を図ることができるのか、都の見解を伺います。

○妹尾建設推進担当部長 諏訪五丁目を含む諏訪団地は、四十一棟の住棟のうち三十六棟約千四百戸の住棟が昭和四十四年度の建設でございまして、老朽化が進んでいることから、平成二十八年度から建てかえ事業を始めております。
 今回の建てかえによりまして、耐震性の確保を図るとともに、エレベーターの設置や玄関や室内の段差解消などのバリアフリー化、建物の断熱性向上による省エネ化など、良質で安全性の高い住宅への更新により、居住水準の向上が図られることになります。

○森澤委員 防災対策について伺います。
 地元市からは、都営住宅内の改築工事に当たり、敷地内に非常時や防災訓練にも活用できるマンホールトイレ、かまどベンチ、災害対策用井戸、防火水槽、消火栓の設置をしてほしいという要望が出ております。
 都の現在の検討状況についてお伺いをいたします。

○妹尾建設推進担当部長 諏訪五丁目団地建てかえ事業についてでございますが、お話の防災関連設備のうち防火水槽を都が整備し、市に譲与することで協議が調っております。
 また、各住棟内には防災用物資の備蓄スペースを設置することとしております。

○森澤委員 市からの要望も踏まえまして、引き続き、地元市の声を聞きながら、連携し、進めていただくことを要望し、私からの質問を終わります。
 ありがとうございます。

○本橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 ご異議なしと認めまして、契約議案に対する質疑はただいま終了いたしました。
 お諮りさせていただきます。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 ご異議なしと認めまして、そのように決定をいたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○本橋委員長 次に、付託議案の審査を行わせていただきます。
 第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、都市整備局所管分を議題といたしたいと存じます。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行いたいと存じます。
 それでは、発言をお願いいたします。

○中山委員 私からは最終補正について質問させていただきます。
 この最終補正では、一般会計で約百九十一億円の減額補正となっております。減額補正となった理由について、私なりに確認させていただきますと、例えば、本年度執行する予定だったものを昨年度、前年度に前倒しして実施したために、本年度の執行が不用となり、減額補正しているものがあります。BRT停留施設設計を一部平成二十九年度後半に前倒ししたことに伴うものと理解しております。こうしたものについては、予定どおりに事業が進捗しており、特に問題はないと受けとめております。
 また、再開発事業で組合設立がおくれたため、三十年度に執行する予定のものが三十一年度送りになったもの、具体的にいいますと、大山町クロスポイント地区市街地再開発事業で、平成三十年九月までに組合設立予定だったものが平成三十一年四月に遅延の見込みとなったものでございますけれども、こうしたものについても、相手方の事情によるものでもあり、またスケジュールが若干おくれることにはなりますけれども最終的には予定どおりに事業が進捗することが見込まれておりまして、特に問題はないものと受けとめております。
 そうした中で、広く都民の関心が高いと思われる事業において減額補正となっている二つの事業について、進捗のぐあいを確認する意味で質疑をさせていただきたいと思います。
 まずは、鉄道駅のバリアフリー事業についてお伺いいたします。
 ホームドアやエレベーターの整備を行う鉄道駅バリアフリー事業は、誰もが安心して快適に移動できる環境を整えるために必要な事業でございます。
 加えて、来年の東京二〇二〇大会に向けて、競技会場周辺の最寄り駅や空港アクセス駅など多くの観客の利用が想定される駅につきましては、エレベーターの大型化や駅乗降客数の規模によらず、ホームドア整備が急ピッチで今進められているところと思います。
 そのような大切な時期に多額の不用額が生じていることが与える影響は少なくないのではないかと思います。一体どんな事情があったのかと心配しております。
 そこで、鉄道駅のバリアフリー事業について、減額理由と今後の整備の見通しについて所見をお伺いいたします。

○荒井都市基盤部長 鉄道駅のバリアフリーに関する事業では、駅におけるホームドア、エレベーター、多機能トイレ等の整備を促進するため、整備費の一部に対して補助を実施しております。
 今回の減額補正は、国の補助金が鉄道事業者の要望額を下回り、都がこれと協調して行っている補助に不用額が生じたこと、また鉄道事業者が関係者との協議に時間を要したため施工時期に変更が生じたこと、施工内容の変更や契約差金により不用額が生じたことなどによるものでございます。
 このうち施工時期の変更が生じたものにつきましては、着実に整備が行われるよう来年度予算においても必要な額を計上してございます。

○中山委員 今のご答弁で、関係者との協議に時間を要したということがございましたけれども、一体どんな点で時間を要することになったのか、今後は大丈夫なのか、よくありがちなことで今後も起こり得るんですよということなのか、その点を確認しておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○荒井都市基盤部長 鉄道事業者からは、ホームドアの発注ボリュームが全国的にふえていることに伴う施工業者などとの調整のほか、エレベーターの場合、道路管理者や周辺住民などの関係者との協議に時間を要することがあるというふうに聞いてございます。
 鉄道事業者は、協議の円滑化に努めるとともに、工事手順の見直しや施工方法の工夫などによる工事工程の短縮にも努めており、都としても引き続き、安全管理に配慮しながら、可能な限り工程どおり工事を実施するように求めてまいります。

○中山委員 今年度実施できなかったものにつきましては、来年度予算で必要な額を計上しているとの答弁でございました。
 引き続き、鉄道事業者と十分に連携しながら、東京二〇二〇大会、さらにはその先のレガシーとして、鉄道駅のバリアフリー化を着実に進めていただきたいと思います。
 これは私の個人的な思いですけれども、一旦事業の補助を申請して、採択されて、進めておきながら、最終的に、時間がかかって年度内に執行できませんでしたよということになれば、ほかにも本当はつけてほしかった、エレベーターとかホームドアとかそういうものをやってほしかった、そういう駅もたくさんあるわけです。そういう面で、鉄道事業者にとってみれば、なかなかこれは売り上げが伸びるとかいうお話ではないので、どうしても時間がかかってしまうといいますか、後手に回るところもあるかもしれませんけれども、我々も真剣ですけれども都市整備局の皆さんも真剣に臨んでいらっしゃるわけですから、もしそんな後で間に合いませんでしたと、時間がかかりましたということになるのであれば、もっとほかに十分整っています、やりたいという駅もあるんだということを強くいっていただいて、やはり相手方の進捗を前向きにさせていただくように、ある面では攻めの姿勢でお願いをしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして二つ目は、木造住宅密集地域の改善に向けた事業についてお伺いいたします。
 私の地元足立区でも、木造密集地域を広く抱えております。三年前の熊本地震を初め、昨年には大阪府北部地震、北海道胆振東部地震が発生するなど、近年大きな地震が日本列島では頻発しております。首都直下地震につきましても、いつ発生してもおかしくない状況にありまして、都民の生命と財産を守るためには、木密地域の不燃化のさらなる加速が必要でございます。
 そこで、木密地域改善のかなめの事業であります防災密集地域再生促進事業と、地域と連携した延焼遮断帯形成事業につきまして、減額補正の理由を確認するとともに、事業の進捗状況についてお伺いしたいと思います。

○安部防災都市づくり担当部長 まず、防災密集地域再生促進事業では、木造住宅密集地域整備と不燃化特区について減額補正を行っておりまして、このうち木造住宅密集地域整備では、国の交付金が都の要望に対して配分が下回ったため、減額補正を行うものでございます。
 不燃化特区では、区の要望に基づき計上しておりますが、借地人と土地所有者との権利関係の調整に時間を要したことや、居住者の高齢化により建てかえ意欲が低下したことで除却や建てかえに至らなかったことなどによりまして、助成件数が区の想定を下回ったことから、今回補正を行うものでございます。
 不燃化特区の進捗状況は、今年度の一月末までの除却や建てかえの助成件数が約八百四十件、全体の執行額が約十七億二千万円でございまして、区が専門家とともに各戸を訪問するなど意欲的な取り組みによりまして、昨年度の同時期と比べてそれぞれ約一・三倍に増加しております。
 次に、地域と連携した延焼遮断帯形成事業につきましては、事業用地の取得に当たりまして、関係権利者との粘り強い交渉を重ね、一部契約に至っておりますが、移転先の選定に日時を要するなどの事情によりまして契約までに時間がかかる件もあり、執行見込みのない予算を減額するものでございます。
 進捗状況につきましては、例えば補助第四六号線原町、洗足地区の昨年十二月末現在の用地取得率は、昨年度末時点と比較して一二ポイント増加しているなど、用地取得が進んでおりまして、空間が確保されることで、延焼遮断の効果は着実に発揮されております。
 燃えない、燃え広がらないまちの実現に向け、今後も工夫を加え、不燃化を強力に推進してまいります。

○中山委員 木造住宅密集地域整備では、借地人との調整、高齢者の移転などの諸課題により除去や建てかえに至らなかったケースが多かったが、不燃化特区の助成件数及び執行額は、昨年度と比べてそれぞれ伸びているということであり、安心した次第でございます。
 また、延焼遮断帯形成事業では、移転先の選定に日時を要するなどの事情により減額補正を行うけれども、用地取得は進んでいるとのことでございました。
 それぞれ真摯にご努力をいただいた結果であると評価するものでありますが、不燃化の推進も延焼遮断帯の形成も、一たび火災や自然災害が発生すれば、もっと進捗しておけばよかった、あるいはもっと進捗させておいてほしかった、させたかったという声が起きるのは明らかであります。
 ましてや、とうとい人命が奪われるようなことが起きてしまえば、進捗を阻まれた要因が何であったのか、嫌でも改めて検証せざるを得ないというふうになることは明らかであります。
 ただ、どうやっても一旦失われてしまったものは戻ってこない、取り返しがつかないというのが現実でございます。
 したがって、この二つの大事な事業が、さらに着実に進捗率が進展していきますように、あらゆる角度からさらに工夫を試みていただくことを求めておきたいと思います。大変でしょうが、ぜひよろしくお願いいたします。
 専門家である都市整備局の皆さんが努力を今後も重ねていくであろうことは信じておりますけれども、僭越ながら、私どもとしましても、何かしらの一助になればとの思いで今後提案を試みておきたいと思っておりますので、その際は真摯に検討していただくことをお願いして、私の質問を終わります。

○高橋委員 それでは、木密地域に関する意見表明をさせていただきます。
 せんだって、北海道において昨年九月に起きた北海道胆振東部地震の一連の活動と考えられる震度六弱の地震が、先週二月二十一日に発生をいたしました。
 都でも、同様に大規模な地震が起きることを前提に防災について考える必要があり、木密地域のような延焼が起きやすい地域は、一刻も早く市街地の不燃化と延焼遮断帯の形成を両輪で進めていかなければなりません。
 先ほどの答弁でもありましたが、木密地域に関する予算の減額補正は行うものの、不燃化特区では昨年度の一・三倍と不燃化に向けた取り組みは着実に進んでいるとのことでした。
 これは、都と区が連携し、地域に寄り添った丁寧な対応を行ってきたからだと思います。全戸訪問や建築プランの提示、不燃化セミナーの開催など、住民の課題を解決するため、きめ細かく活動していることを私たちは承知しております。
 これからも、高齢者の方を初め、建てかえに向けた住民の課題に真摯に向き合い、取り組んでいただきたいと思います。
 また、延焼遮断帯の形成については、道路整備のための用地取得が進んでおり、効果が着実に発揮されてきているとのことでございました。阪神・淡路大震災では、幅員十二メートル以上の道路で延焼防止率が一〇〇%であったと確認されており、まさに都民の生命と財産を守る重要な取り組みであります。
 さらに、都市整備局におかれましては、道路整備とあわせて沿道のまちづくりを一体的に進め、権利者の皆様が引き続き地域で安全に暮らせるまちづくりを行うことも重要であります。これからも関係権利者の生活再建を支援しながら、事業を着実に推進していただきたいと思います。
 東京を襲うであろう大規模地震は、都市が不燃化されるまで待ってはくれません。いつ起こるかわからない状況であります。
 都、区ともにこれからも頑張ってくれることはわかっていますが、引き続き、手を緩めることなく、不燃化に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、本委員会で来年度予算案を審議する際に、党として今後の取り組みについて伺うことといたしまして、私の意見を終わります。

○宮瀬委員 では、よろしくお願いいたします。
 最初に、今回、三十年度の補正予算の説明書を見まして、これに対しまして金額の確認をさらっとさせていただきたいなと。
 三十年度の局全体の補正予算額と、その減額補正をした予算科目のうちの目の当初予算額、減額補正後の予算額、当初予算額に対する減額補正後の予算額の割合について伺います。つまり、当初の価額と実際使って割り戻した予算との比率でございます。お願いします。

○桜井総務部長 今回の補正予算は、約百九十一億円の減額補正でございます。予算科目のうち減額補正を行った目の当初予算額の合計は約九百四十九億円、減額補正後の予算額は約七百五十七億円でありまして、この当初予算額に対する補正後の予算額の割合は七九・八%でございます。

○宮瀬委員 割り戻した金額全体が大体八割ということでございまして、今お答えいただいている数字が低いのか高いのかというのは議論が分かれるところかと思いますけれども、同様の考え方で、直近三カ年の数字はどうなっているんでしょうか。

○桜井総務部長 先ほどお答えした割合の直近三カ年の数字でございますが、平成二十七年度が七二・三%、平成二十八年度が八四%、平成二十九年度が八九・九%となっております。

○宮瀬委員 大体予算、ざっくりですけど一千億計上していて、これに使えますよというのが一千億、大体そのうち二百億は使わずに戻しているということで、その割合が八割になるんですけれども、直近三カ年で七二・三%のときもありましたし、八四%のときもありました。大体おおむね八割ぐらいなのかなと。
 毎年約二割ぐらいが減額補正されている状況ですね。理由とそれに対する認識をお伺いします。

○桜井総務部長 減額補正は、主にその時点で執行しないことが明らかな事項について不用額を精査して、必要な予算上の対応を行うものでございます。
 減額補正の理由といたしましては、例えば落札差金によるものや、施工内容の変更によるもの、国の補助金が要望額を下回ったことに伴うものや、道路事業の認可や再開発組合の設立が当初の予定から遅延したことによるものなど、さまざまなものがございます。
 例えば、木密地域の不燃化などにおきましては、意欲的な区の取り組みを支援するために予算計上したものについて、借地人と土地所有者との権利関係の調整に時間を要したことから減額しているものもございます。
 減額補正は、さまざまな減額理由や関係者の意向を踏まえながら調整を行った結果によるものというふうに認識をしております。

○宮瀬委員 落札差額ですとか、補助金の国との兼ね合いですとか、工事のずれとかというご答弁でありまして、先ほど中山理事の方からも、そういったことが基本的にはあるのは認識しているというお話かと思います。
 ここからが本題といいますか、この補正予算額の項目をもう少し詳細に出していただきまして--例えば都市改造費とかも、大分丸まって数字が出ているわけであります。地域住宅対策費も、目を分けますとマンション耐震改修促進事業とか、いろいろ本当はプルダウンしていくと各事業におりていくんですが、その中で、建築指導費、耐震改修促進事業は予算消化率三三%、マンション耐震改修促進事業三八%、民間住宅助成事業五八%、地下街防災推進事業五六%であります。こういった数字は、詳細をプルダウンしてこなかったら出てこなかった数字でありまして、つまり、先ほど質疑でもありましたが、大事な予算がしっかりと執行されていないと。先ほどご答弁があったように年度ずれなのかなと。
 また、いろいろ区市町村の都合によって、その年だけなのかなということで、経年で出していただきましたら、平成二十八年、二十九年、三十年度と出していただきまして、耐震アドバイザー派遣事業、平成二十八年一五%、二十九年三〇%、三十年度は予算消化率五〇%でございます。
 都政の喫緊の課題であります空き家支援対策事業は、同年度でいきますと五一%、五五%、五〇%、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給促進事業も一二%でございます。
 ここまで経年で事業の予算未執行が続いているのは、国の補助金ですとか区市町村の都合云々を超えたところに理由があるのではないかなと思っています。とりわけ住宅関連事業を中心に減額補正の割合が高いんですけれども、その認識を伺います。

○佐々木住宅政策推進部長 住宅施策の事業についてのお尋ねでございまして、この住宅施策の事業につきましては、区市町村とともに進める補助事業が重要な位置を占めてございまして、区市町村と連携しながら、地域に根差した事業を展開しているところにその特色がございます。
 例えば空き家対策でございますけれども、都は、都と都内全区市町村による空き家対策連絡協議会の場を活用し、区市町村支援事業の内容や手続等について丁寧に説明し、周知を図っているほか、区及び市が設置している住宅担当課長会議に定期的に出向き、都の補助の活用を積極的に働きかけてございます。
 この空き家対策には、区市町村が実施する事業への補助がありますが、今回減額補正となりますのは、このうち空き家利活用などの補助事業でございます。
 予算の計上に当たりましては、区市町村の事業動向について意向調査やヒアリングを行い、その把握に努めているところでございますけれども、この利活用の補助制度につきましては、空き家の提供者と利用の希望者間におきまして、希望する条件等に、一定の時間を要するため、都の補助の活用に至っていない面があるものと考えてございます。
 そのため、区市町村の事業の進捗状況に合わせて随時補助の申請を受け付けるなど、柔軟に対応を図っているところでございます。
 また、マンションの耐震化でございますけれども、管理組合がみずからその必要性を認識し、主体的に取り組むことが必要でございます。都はこれまで、約一万二千棟ある都内旧耐震基準のマンションを対象にマンション啓発隊による個別訪問を行うなど、管理組合に対して助言等を行うとともに、区市と連携して補助制度の活用を促してございます。
 喫緊の課題である耐震化を進めるためには、管理組合の合意形成の状況に合わせ速やかに支援するため、区市の意向も踏まえ、必要な予算を確保しているところでございます。
 しかしながら、合意形成に時間を要している、また工事内容に区分所有者間の協議が調わない、また建てかえも含めて検討したい、そういったさまざまな理由から、すぐには耐震改修等の実施に至らないものもあるというふうに認識してございます。
 このため、区市町村の耐震化担当者による行政連絡会等において、耐震化の促進に向けて情報共有、意見交換等を行うとともに、個別のヒアリングにより補助対象のマンションの状況把握に努めるなど、対応を図っているところでございます。
 現在、区や市では、空き家対策は極めて重要な課題となっており、また、マンション対策もその必要性が大きく高まっていると受けとめてございます。
 今後とも住宅施策の事務事業の実施に当たりましては、引き続き、区市町村と綿密に意見交換し、課題等の把握に努めるとともに、積極的に働きかけながら、一層各種事業の効果的、効率的な執行に努めてまいりたいと思っております。

○宮瀬委員 大変長いご答弁ありがとうございます。聞いていますと、しっかりやっているように思えるんですけれども、では何でこんなに予算が未執行で残ってしまっているんでしょうか。それを含めて、しっかりと計画を立てるのが私は大事だと思うんです。
 こういった状況というのはよくわかるんですけれども、それを踏まえて、計画をつくって、予算をつける、プラン、ドゥー、シーを回していくということが仕事のあるべき姿と思いますが、いかがでしょうか。

○桜井総務部長 予算執行を行う上で、計画を策定し、それに基づき各年度の予算を編成して、常に見直しながらそれを実施していくということで、当局としては事業執行を行っているということでございます。

○宮瀬委員 繰り返しになっちゃいますけど、適切に行っているなら、どうしてこんなに予算が余っちゃっているのかなというところでありまして、例えば、さきの委員会でもやりましたけれども、家賃低廉化補助ですとか空き家対策も、私の視点から見ますと数字が出ていないという認識があります。
 数字が出ていないのは、当然お金を、執行予算が執行されていないからだという認識でありまして、ただ、住宅関連部門と総務部長から今ご答弁いただきましたけど、課題がまるでないかのようなご答弁に聞こえてしまっていて、実際数字が物語っているわけであります。
 じゃあ何で、予算執行額が、数字が八割だったらわかりますよ。何割をもってよしとするかという考え方がありますが、毎回二割、一割、三割とかっていう事業というのはおかしいと思うんですけど、どうなんでしょうか。

○桜井総務部長 今、委員、八割という数字をおっしゃっておられますけれども、この八割というのは、全体に対する割合ということではなくて、あくまでも減額補正を行った目に対しての割合だということで、全体ではないということでございます。
 それから、その割合が大きいのではないかということでございますけれども、先ほどもお答えいたしましたけれども、減額補正というのは、執行しないことが明らかな事項につきまして不用額を精査して、必要な予算上の措置を行うというものでございます。
 減額補正の理由はさまざまなものがございます。当局の事業は、区市町村との連携が必要なもの、それからまちづくりとか用地買収で地権者や土地所有者の意向を踏まえながら調整を行っていくもの、そういったものが数多くございます。減額は、それらの結果によるものというふうに受けとめております。
 引き続き、着実に事業を推進していくため、適切な予算の見積もり、さらに、適切な事業執行に努めてまいります。

○宮瀬委員 あっという間に時間がなくなってしまいまして、私、最後に意見をいおうと思いますが、私は民間企業出身ですが、こういったことというのはあり得ないと思っています。もちろんいろいろ区市町村の兼ね合いもあるでしょう。でも、そのニーズを酌んで、住民の意図を酌んで、戦略を立てて、しっかりと予算を立てるのが、いわゆるPDCAサイクルといいますけれども、それがあって予算を組んでいただくのが私は本筋だと。
 次年度にどう生かされているのかという話はもう今回しませんが、毎年数字は出るわけであります。適切にやっていただいているのであれば、しっかりと数字で証明していただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。

○本橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りさせていただきます。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 異議なしと認めまして、本案に対する質疑は終了いたしました。

○本橋委員長 次に、報告事項、築地まちづくり方針素案について質疑を行いたいと存じます。
 本件については、既に説明を聴取いたしております。
 その際要求いたしました資料は、お手元にご配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○桜井総務部長 二月十五日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明を申し上げます。
 お手元に配布しております資料1、都市整備委員会資料の表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。資料は一件でございます。
 一ページをお開き願います。1、平成二十九年六月二十日以降の、知事施政方針表明、知事所信表明及び平成二十九年第二回都議会臨時会知事発言並びに市場移転に関する関係局長会議及び記者会見での知事発言のうち、築地まちづくりに関する発言でございます。
 一ページから一〇ページにかけまして、知事発言のうち、築地まちづくりに関する発言を時系列に記載しております。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○本橋委員長 ただいま説明が終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行いたいと存じます。
 それでは、発言をお願いいたします。

○伊藤委員 それでは私から、報告事項、築地まちづくり方針について質疑をさせていただきたいというふうに思います。
 ことし一月二十三日に、築地まちづくりの方針素案が発表をされました。この発表を受けて、一層築地のまちづくりと、そして知事のいわば公約、発言について注目を今集めているところでございます。
 この間の経緯を振り返りながら、一つ一つ確認をさせていただきたいというふうに思います。
 まず初めに、二〇一七年六月の二十日、東京都議会議員選挙の直前に当たるタイミングですが、知事は、築地は守る、豊洲は生かすという方針を発表されました。これを受けて、庁内会議である関係局長会議を経て、外部有識者による築地まちづくり検討委員会が発足をしたというふうに認識しております。その後、庁内会議を経て、ことしの一月二十三日の関係局長会議後に築地まちづくり方針素案が発表されました。
 まずは、築地のまちづくりにかかわったそれぞれの会議体の性格と、そしてその会議体から得られた報告の概要について伺いたいと思います。

○木村まちづくり調整担当部長 検討の第一歩として設置されました築地再開発検討会議につきましては、都市計画や経済、経営などの分野の外部有識者により、築地再開発に当たっての基本的な考え方などについて検討を行い、築地まちづくりの大きな視点を取りまとめていただきました。
 この築地まちづくりの大きな視点は、さまざまな角度から議論を深め、大きな方向性、重点を置くべき事項、都がまちづくりの検討を進める上での留意事項など、基本的な考え方を取りまとめたものでございます。
 築地まちづくり庁内検討会は、提言いただきました築地まちづくりの大きな視点を踏まえまして、都としてのまちづくり方針の策定に向けて、庁内で検討を行う会議でございます。
 また、学識経験者を交えました築地まちづくり検討委員会は、築地まちづくり庁内検討会と連携し、築地まちづくり方針の原案を検討するものでございます。先日ご説明いたしました築地まちづくり方針の素案がその内容でございます。

○伊藤委員 ありがとうございました。それぞれの会議体の特性が理解できました。
 特に、二〇一七年の知事の発表の後に、事実上、築地のまちづくりに向けて検討会が立ち上がったという意味では、深い検討として、まちづくりの大きな視点をまとめた会議体であったというふうに理解をしております。
 築地再開発検討会議については、委員にも大変特徴があらわれていて、元文化庁長官の方であったり、そしてまた築地本願寺の代表の方、それからまたシャネル株式会社のリシャール・コラス代表取締役など、いわば庁内の方というよりは、むしろブランドとか、また築地の伝統、歴史などをしっかり語っていただける方々にお集まりをいただいたという意味で、ここに知事の築地まちづくりに対する思いの深さであったり、あるいは本質というものがあらわれているというふうに思います。
 そして、この資料の中でも再三にわたって食について議論がなされています。特に私が注目したのは、再開発検討会議、先ほど申し上げた民間の多くの方々から意見を寄せられているわけですが、第二回、平成二十九年十一月二十七日、委員からのプレゼンテーションというのがございます。
 食をまさに専門とされている大崎久美子委員、プレゼンテーションのテーマは日本の食文化、これからの築地の役割と再開発の視点というのがまずトップバッターでプレゼンテーションされているということでありますので、当初から、都として食についてしっかり築地のブランドと絡めて、あるいはまたそのブランド力を改めて認識するために議論されてきたということがよくわかります。
 そういう意味で、報告書の中でもたびたび食文化についての記述が上がってきております。その一つが、まさに先ほど述べられた築地まちづくりの大きな視点という報告書の中にも、食文化が大事であるということが書かれているところでございます。正確には、築地地区二十三ヘクタールの開発に当たっては、日本人の伝統的食生活、習慣の中核に根差す世界にも知られたブランドを十分に生かせるよう、さまざまな手法で後世に伝える工夫をするべきであると。築地まちづくりの大きな視点にもしっかり記載をされていることが確認できるところでございます。
 基本的には、この大きな視点に基づいて、その後、庁内会議あるいはまた関係局長会議などで方向性が確認をされていくということでありますので、その点はまず確認をしておきたいというふうに思います。
 一方で、知事の会見だったかと思いますけれども、食のテーマパークという発言がありました。非常に強いインパクトを与えた分だけに、さまざまなこうした検討資料あるいはまた報告資料の中において食の記述があるにもかかわらず、こうした報告において食に関する報告が十分ではないというような意見も時々伺ったりします。
 しかし、私からすると、先ほど申し上げたように、当初来、この築地再開発に当たって食を扱うということは当然のことであるというふうに思いますので、るる申し上げてきたとおり、こうした報告が上がってきているという事実を改めて確認しておきたいと思います。
 さきの私どもの代表質問でも、確認をさせていただきました。この代表質問に対し、知事は、食に根差した築地ブランドという答弁をされております。食は築地ブランドの根幹であるとの認識を示されたというふうに私どもも承知をしております。
 そこで、築地まちづくりにおける食または食文化の位置づけについて、認識を伺いたいと思います。

○木村まちづくり調整担当部長 築地ブランドは、市場業者を初め東京の食文化を担う多くの方々の努力により、長い歴史の中で育まれてきたものでございます。築地にとって食文化は、重要な要素の一つでございます。
 築地まちづくり方針素案では、将来像を実現するための必要な機能を導入するに当たって、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かすこととしてございます。

○伊藤委員 今の答弁、そしてまた先ほど私が申し上げたことからも、都の認識として、築地にとって食文化は重要な要素の一つということが改めて確認できました。
 改めて申し上げますが、知事は、さきの六月の二十日に築地は守る、豊洲は生かすと表明をしたわけであります。その後、豊洲、当時の新市場予定地はどうなったかといえば、まさに十月十一日に無事に開場されて、多くの方々のご協力のもと、円滑に移転という運びになりました。まさに豊洲は生かされたということであります。
 一方で、築地については、さまざまな声があり、私も当時、所管委員長を務めておりましたので、多くの市場関係者の方々の声というものを頂戴いたしました。
 例えば、築地の水産仲卸の方々を中心に、中には、築地で商売を存続したい、あるいは一旦豊洲に移転した後に築地に戻ってきたいというような声などもありましたし、また、一度豊洲に行ってみなければ、なかなかその後どういう事業形態ができるのかわからない、行ってみてから考えてみたいというような声もございました。
 築地のまちづくりの検討に当たって、こうした幅広い観点から検討が都においてもなされたというふうに理解しておりますが、こうしたさまざまな声というものを背景に幅広い検討をされてきたという認識で、間違いありませんでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくりの大きな視点を検討するに当たりましては、食を含め、さまざまな議論を深めてきたところでございます。築地まちづくりの大きな視点を踏まえ、都としての築地まちづくり方針を策定するために、学識経験者から、幅広い観点からご意見をいただきながら検討を進めてきたところでございます。

○伊藤委員 今答弁があったとおり、さまざまな観点から議論を進めていただいたということであります。本当、さまざまなんですね。私も、市場の方々、先ほど申し上げたようにさまざまな立場の方々とお会いをいたしました。
 一概に市場の方といっても、もともと豊洲市場推進を強くされていた方もいらっしゃれば、緩やかにされていらっしゃった方もいれば、またあるいはそもそも移転そのものに反対をされていたり、あるいは今は豊洲において商売が順調に進んでいらっしゃる方もいれば、いまだに築地に帰りたい、あるいは築地で存続をしていたかったという方もいらっしゃいます。
 まさしくさまざまな市場の関係者の方々の意見というのが多様にあるのが、私は築地市場の意見であるというふうに感じているところであります。
 そういう意味で、ここは都市整備委員会ですから余り築地市場の当時のことを振り返る場面でありませんが、ただ一つ、市場関係者の方の評価として、少なくとも当時私がかかわっていた中で共通しているのは、やはりあの地下空間に盛り土がなくて、そして東京都の進め方、あるいは豊洲の安全性に対して大変な不安を覚えられた多くの市場関係者の方々がいて、一度立ちどまって検証してくれて、盛り土がなかったものにかわる、そうした安全性を担保する技術、あるいは工法というものを考えてくれたことについては、一致した意見として、私は知事に対して評価されているというふうに思います。
 あのとき立ちどまらずに、あのとき再検証せずに、あのまま盛り土がない状態で開場してほしかったと明言をされている市場関係者はいらっしゃらないというふうに私は理解をしています。
 しかし、このことはあのとき盛り土がなかったことを見逃してきた議会の責任でもあるというふうに私は思っておりまして、それに対して胸に手を当てずに批判ばかりするような議会であってはならないということを申し上げておきたいというふうに思います。
 先ほどの答弁で、食についての議論があったことがよくわかりました。その上で、知事は、早い段階で豊洲に中央卸売市場はつくらないということを表明し、先ほど申し上げた食のテーマパークという言葉を使って、食に根差したまちづくりのいわばイメージを表明されました。
 この言葉だけ捉えれば、二十三ヘクタールという広大な築地跡地の敷地全体が食一色になるかのような印象を与えますけれども、広大な敷地ですよ。わかりやすくいえば、東京ドームでいうと大体四個分ぐらいか、五個分ぐらいじゃないですか。それぐらいの広大な敷地が食一色になるような印象、あるいはまた広大な敷地において入り口から出口まで食だけということではないと、私はそういうふうに認識しました。
 食もあるだろう、しかし、ほかの要素もたくさん相まった複合施設ができる、私はこういうふうに認識しています。
 そういう意味で、改めて都の認識をお伺いしたいんですが、食のテーマパークについてどのように理解しているのか伺いたいと思います。

○木村まちづくり調整担当部長 食のテーマパークとは、一つの考え方として示したものとのことでございます。基本方針が示された後、関係局長会議におきまして、都として具体的な取り組みにつなげていくために、築地の再開発に向けた検討などが示されてございます。
 その後、築地再開発の検討の第一歩として、築地再開発検討会議が設置され、築地まちづくりの大きな視点が提言されました。
 その提言を踏まえ、都としての方針として、先般ご説明した築地まちづくり方針素案を取りまとめたところでございます。築地にとって食文化は、重要な要素の一つでございまして、素案においても、こうした歴史的、文化的なストックも十分に生かすことと示してございます。

○伊藤委員 大事なことは、築地において食というものが大事な要素であるということであります。そして、今認識を示されたとおり、まさに食のテーマパークというのも都において一つの大事な考え方であったということですよね。部長、そうでしょう。
 その上でお伺いをしますけれども、築地まちづくりにおいて出てくる築地ブランドとは、では一体何かといえば、私は、食に根差したブランドであり、そのブランドを構築してきたのは、すぐれた目ききで良質な鮮魚を世に送り出してきた水産仲卸の皆様を中心とした市場関係者ではないかと思います。
 誰がこれまでの築地ブランドを築き上げてきたのか、私は今申し上げた認識ですけれども、都の認識を伺いたいと思います。

○本橋委員長 部長、ちょっとお待ちください。傍聴席の方、恐縮です、私から見えなくて。じゃあ書記、対応してください。

○木村まちづくり調整担当部長 築地ブランドは、市場業者を初め東京の食文化を担う多くの方々の努力により、長い歴史の中で育まれてきたものであり、また、食文化は重要な要素の一つでございます。

○伊藤委員 もう一回、今の質問に対する答弁をいってください。

○木村まちづくり調整担当部長 築地ブランドは、市場業者を初め東京の食文化を担う多くの方々の努力により、長い歴史の中で育まれてきたものであり、また、食文化は重要な要素の一つでございます。

○伊藤委員 今、非常に端的にして、しかし本質的な答弁をいただいたと思います。築地ブランドは、市場業者を初め東京の食文化を担う多くの方々の努力、私もそう思います。まさに築地を守るというのは一体どういうことなのかというのは、実は今の答弁の中にも本質があらわれているというふうに思います。
 築地を守るということの本質は、八十三年間の長きにわたって築かれてきた食のブランドを守るということにほかなりません。市場をつくるとか、あるいは市場機能を残すといった議論に終始するのではなく、築かれてきた築地ブランドを守り、この価値を最大限生かしたまちづくりをどう行っていくかが、私は今、問われているというふうに思います。
 また、ブランドを築いてきた関係者に喜ばれるまちづくりでなければ、先ほどのまさに築地ブランドをつくってきた方々に対して顔向けができない、私はこう思います。まず、そのことを申し上げておきます。
 同時に、今後ですけれども、将来的に築地の跡地が再開発をされて、例えば、築地にそれならば戻って商売をしてみたいと思う今既に豊洲でお仕事をされている市場関係者の方もいらっしゃるかもしれませんので、そのことについても伺いたいと思います。
 今後、方針素案に沿って、--今、都の方針の素案は出ました、これに沿って、民間事業者に具体的な基本構想というんですかね、設計を公募することになろうかと思います。もちろんそこは民間の知恵をかり、力をかりて開発をしていくという方針でありますので、一旦都の手を離れて、民間公募にかけるわけでありますが、築地に戻って商売をと、築地でもともと商売をしていた方で改めて築地で商売をしたいと希望する人が名乗りを上げる可能性は、私は、十分に未来においてあり得るというふうに思います。
 そこで、築地で商売をしたいと希望する人の余地はあるのかどうか伺いたいと思います。

○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発は、築地エリアが有する食文化、浜離宮などのポテンシャルを生かし、都心のまたとない大規模な、貴重な土地を効果的に活用しながら、長期的な観点から経済合理性を考慮しつつ、民間の力を最大限に活用し、東京の持続的成長につなげていくことが重要でございまして、段階的に整備を進めることとしてございます。
 築地まちづくり方針素案では、築地まちづくりの大きな視点の提言を踏まえまして、食文化などの歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしてございます。
 年度内にまちづくり方針を取りまとめまして、その後、民間事業者からの提案も受けながらまちづくりを具体化してまいります。
 なお、事業手法につきましては、公募型プロポーザル方式に準じた民活事業による開発を想定してございます。

○伊藤委員 これからまさにプロポーザルを都としては受ける立場なので、ここでイエスとかノーとかいえる立場ではないというふうに思いますが、今の答弁には、私は、にじみ出ているものがたくさんあると思います。
 築地エリアが有する食文化を生かし、ここは大事ですね、食文化を生かし、そしてその後、民間事業者からの提案を受けながらまちづくりを具体化していくということですよ。ですから、私は、先ほど申し上げた改めて築地で商売をしたいという方々に、余地のある再開発だというふうに理解をいたしております。
 そこは今もう既にプロポーザルという話があったので、余り具体のことをここで聞いても答えづらいとは思いますが、しかし、やっぱりプロポーザルにしても、コンセプトをつくるのは東京都ですよね、今回の場合でいえば。単純売却するわけじゃないので。そこは、今お話しになられたまさに食文化をどう生かすのかということも、できる限り、都として具体に提案をしていただきたいというふうに思います。
 マルシェなのか、あるいは鮮魚コーナーなのか、そのコンセプトをしっかり明示して、希望する市場関係者が築地で一定程度商いができるようにしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針素案では、築地まちづくりの大きな視点の提言を踏まえ、食文化などの歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしてございます。
 年度内にまちづくり方針を取りまとめ、その後、民間事業者からの提案も受けながらまちづくりを具体化してまいります。その中で、食に関する機能についても、形態はさまざまなものがあり得ると考えられますが、方針に沿って具体的な機能が実現されると考えてございます。

○伊藤委員 これは今、重要な答弁だと思いますよ、本当に。
 移転をするに当たって、先ほど申し上げたように市場の関係者の方々にはさまざまな声がありました。しかし、さまざまな声があって、私は、少なくてもとりわけて築地存続に大きな声を上げていらっしゃった方々は、築地のブランド、あるいは築地で改めて商売をしたい、こういうお声が非常に強かったというふうに感じていますし、私はそれを小池知事が受けとめた結果として、これまでの経緯があったというふうに感じています。
 そんな中で、今答弁があったのは、食に関する機能についてもさまざまな形態のものがあり得る、そして、方針に沿って具体的な機能が実現される、こういう画期的な答弁。ただ、画期的というのは、ここで初めて答弁されたわけじゃなくて、答弁としては初めてかもしれませんけれども、基本的な思いというのはずっとここにあったということを私は改めて確認しておきたいというふうに思います。
 次に、築地まちづくりの収支について伺います。
 改めて、都が築地の跡地を売却するのではなくて、都が主体となって開発することとした経緯をまず伺いたいと思います。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくりの大きな視点では、当地区では都心の大規模で貴重な土地を効果的に活用してまちづくりを進める必要があり、長期的な時間軸を意識して、段階的開発により価値の最大化を図るべきと提言が示されました。
 この提言を踏まえ、まちづくり方針の策定に向けて検討が進められ、中長期の定期借地を想定いたしまして、まちづくりを進めていくこととしたものでございます。
 なお、収支につきましては、公募事業者の決定によりまして明らかになるものでございます。

○伊藤委員 高いポテンシャルと、東京の経済を牽引していくエリアが、私はこの築地の跡地だというふうに思います。だからこそ、売却することなく、いわば都が大家として開発することになっていくことについては、私は、妥当、むしろ未来からの要請だというふうにも思います。
 一方で、都が大家である以上、売ってすぐに現金にするわけではありませんので、今後のいわば採算性というものが問われてまいります。もっとも、東京都が行う事業なので、全くもって民間と同じような収支計画を立てたり、採算性を追求するということではないというふうに思います。もしそうであるならば、むしろ採算性、収益性のみを追求するのであれば、売却をしてしまえばいい、こういう結果になるわけであります。
 しかし、今回売却せずに都が民間の力を活用して開発する以上は、収益性に加えて、公益性や集客性といったまさに経済波及効果を狙ったものだというふうに認識をしております。
 そういう意味では、この認識が正しいかどうか、まず伺いたいと思います。

○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発では、長期的な観点から、東京の持続的成長につなげていくこととしてございます。公共的、公益的なまちづくりにも留意するとともに、経済合理性にも考慮しながら民間の力を最大限に活用し、段階的に整備を進め、東京全体としての価値の最大化を図ってまいります。
 浜離宮や隅田川、食文化など、地域のポテンシャルを最大限に生かしていく。都心の大規模で貴重な土地を収益性も勘案しながら効果的に活用し、周辺地域の付加価値の向上など、波及効果をもたらしながら、中長期的に東京及び都民にとっての価値の向上に向けて、開発を進めてまいります。

○伊藤委員 そうだと思います。長期的な観点から、東京の持続的成長、とりわけて二〇二〇年、東京二〇二〇大会が終わった後の景気動向が大変懸念をされています。
 そういう意味では、私は、今まさに議論されている臨海ベイエリアの中でも最も注目をされている、そしてまた付加価値の高いエリアが築地、その築地を簡単に現金化して、売ってしまおうという発想よりも、むしろこれを、長期的な視点に立って、東京全体の価値を最大化させていくために使っていくというのは重要な視点であるというふうに思います。
 都内でもいろんな再開発がこの二十年ぐらいの間に行われてきました。六本木であったり、あるいは銀座であったり、丸の内。しかし、どことはいいませんけれども、容積とそして売却、収益性を最優先した余りに、ビルが林立しているというようなまちづくりになっちゃった例も正直いえばあるじゃないですか。
 やはりそれは、一番収益が上がるのはオフィスビルですよ。オフィスビルを林立させれば、瞬間的には売却益も大きいと思います。
 しかし、それが果たして今お話しになられたような東京の持続的成長につながるまちづくりかといえば、甚だ疑問であり、私は、今後、東京都が主体的に、そしてまた民間の力を使って開発をするのであれば、まさしくそこから出てくるパワーというもの、エネルギーというものを最大化していただいて、東京の発展に貢献をしてほしいというふうに思います。
 ただし、気をつけなければいけないこともあわせて申し上げておきたいと思います。公益性とか、あるいは集客性というものを理由にして、採算度外視の計画であってはなりません。そこに陥らないようにするためには、やっぱり民間経営的目線で採算性を確保するということが重要であるというふうに考えます。
 そこで、公益性と収益性をあわせ持った採算をはかる物差し、これは、一般の民間にはないかもしれません。ですからこそ、最大にして最高の立地で行われる築地の再開発において、もう一度申し上げますが、公益性と収益性をあわせ持った採算をはかる物差しが必要になるというふうに考えますが、都はこの採算性をはかる物差し、今後どのように引いていくつもりなのか伺いたいと思います。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくりが適切に進められるよう、築地まちづくり方針を踏まえまして、各段階の開発、整備を通じて、まちづくり、財務、会計など、外部の有識者を交えながら、中長期にわたって一貫してコントロールする仕組みを構築していくとともに、議会に対して適宜報告を行ってまいります。
 経済合理性、官民の役割分担、経済波及効果などの検討につきましても、この仕組みの中で行っていくことを考えてございます。

○伊藤委員 部長、きょうはもうこれの集中質疑で、準備大変だったと思います。お疲れのところだと思います、正直いって。だけど、まちづくりはやっぱり明るい未来を開くものなので、元気よく自信持って答弁してくださいよ。お願いします。
 そして、都は、今お話しになられたように、大事なことを今おっしゃっていただきましたよ、まちづくり、財務、会計など、外部の有識者をしっかり交えて、庁内だけではない目をそこに加えながら、中長期にわたってコントロールする仕組みを構築するんだということでありますので、私どもの代表質問で再三この点については提言をしてきたことを、改めて今表明をしていただいたところでもございます。
 東京都は、わかりやすくいえば、今回の築地再開発に当たって、大家という位置づけになるんだろうと思います。民間的、先ほどいった企業感覚でいえば、土地の購入価格に対して何年間ぐらいで、収入を得て、そしていわゆるペイをするのかという見方になろうかと思います、これはあくまで民間でいえばということですが。
 しかし、ちょっと留意しておかなければいけないのは、築地の跡地、あそこを見るとわかるんですけれども、今ちょうど解体をされて、これからデポになって、そしてまた改めてオリンピックが終わった後に再開発をされていく。しかし、市場でしたから、あそこの地下ってどうなっているんですかといえば、それは、上下水道はあると思います、電気も通っていると思います。しかしながら、これからいずれにせよ、どういう形にせよまちづくりがされるに当たって必要となるような、いわばスペックの高いインフラがあそこにあるんですか、今、地下に。電気、通信、今の時代においていえば最も必要となるようなファイバーケーブル等々。市場でしたから、これからまさにここはインフラ整備をしなければいけないところだし、もっといえば道路も引かなきゃいけない。
 そういう意味で、ベースの土地購入価格については今回五千四百億円というものがひとり歩きしていますけれども、ベースで見る土地の購入価格というのを、民間で当てはめたときにこれが妥当なのかどうなのかということは、ちゃんと検証しなければ誤解を与えるというふうに思いますので、その点は申し述べておきたいと思います。
 また、収支をはかる期間です。民間でいいますと大体、企業がどんなに大きかったとしても、それは銀行が貸す融資期間であったり、あるいは企業寿命というものがありますので、おおむね三十年から三十五年というのがいいところなのではないかというふうに思います。
 一方で、都の場合は、先ほども答弁にあったように、長期的な展望でまちづくりをすることができることから、収支を見る期間も、必ずしも民間と同じベースで見ていいかどうかは検討の余地があるということを踏まえた上で、都民から見たときに納得のいく説明をする義務が都にはあるというふうに考えています。
 東京全体の発展に貢献する公益性と都民が納得する収益性あるいは収支を十分に勘案しながら、まさに説明のつく収支を求めていくべきだと考えますが、技監の所見を伺いたいと思います。

○上野技監 築地の土地は、都心のまたとない貴重な二十三ヘクタールという大規模な都有地でございます。築地再開発では、これを長期的な観点から有効利用しながら、民間の力を最大限に活用し、段階的な整備を進め、東京全体としての価値の最大化を図っていくこととしております。
 都が土地を持ち続け、長期的な時間軸を意識し、インフラの整備状況も勘案しながらまちづくりを進めることによりまして、周辺地域の付加価値の向上など、波及効果ももたらすことが可能となります。
 これまでの都が行ってきました都有地活用事業、これは幾つかございますけれども、これの中では基本的に七十年間の定期借地権を設定いたしまして、まちづくりに取り組んでおります。
 例えば、築地地区に近接いたします南側にございます竹芝地区、ここにおきましては、長期的観点から、民間による大規模開発とは異なるやり方によりまして、東京の国際競争力の向上に寄与することとしております。
 築地の再開発を推進する中で、公共性、公益性にも留意しながら、浜離宮や隅田川、食文化など、地域のポテンシャルを最大限に生かしまして、都としての収益性、経済合理性を勘案しながら、中長期的に東京及び都民にとっての価値を向上させていきたいと考えております。
 築地のまちづくりが適切に進められるよう、まちづくり方針を踏まえまして、各段階の開発、整備を通じて、まちづくり、財務、会計など、外部の有識者を交えながら、中長期にわたって一貫してコントロールする仕組みを構築してまいります。
 築地まちづくり方針にお示しさせていただきました将来像の実現に向けまして、さらに検討を進めながら、しっかりと取り組んでまいります。

○伊藤委員 ぜひお願いします。
 私は、まちづくりにおける収支、そしてそれを堂々と、都としてこういう公益性をもたらしているのでこういう収支だ、あるいはまた民間でいっても説明がつく収支だと説明のつく姿勢、あるいは説明そのものをこれから求めていきたいというふうに思っていますので、ぜひお願いを申し上げたいと思います。
 最後に申し上げますが、二〇一七年六月二十日の先ほども紹介した知事の発言は、築地ブランドを築き上げてきた市場関係者に寄り添う思いの強さのあらわれであったと私は受けとめています。現在、それが食に根差した築地を守るという開発コンセプトに至っていることは、築地ブランドを育まれてきた市場関係者への知事の一貫した熱意のあらわれだと感じています。
 食に根差した築地開発を実現することこそ、市場関係者に寄り添う知事の熱意を形にすることだということを申し上げて、質疑を終わらせていただきたいと思います。

○けいの委員 築地まちづくり方針について幾つかお尋ねいたします。
 今回、築地市場跡地を有償所管がえをして、一般会計で所有しつつ、民間の力を最大限に活用しながら開発していくという方針が出されました。
 そこで、かつて神田市場が閉鎖された際に、五年間で分割して、約三千七百億円で市場跡地二万七千平米二十七ヘクタールを有償所管がえしたことがありました。
 しかし、その十年後、平成十四年には、議会の議決が要らない二十ヘクタール以下という一万六千平米十六ヘクタールが、約四百億円で民間へ売却されております。
 面積を削ったので同じ取引額でないのは当然ですけれども、四千億近くで有償所管がえした上で、四百億円で、しかも二十ヘクタールを割り切るような一万六千平米十六ヘクタールを四百億円で売却したという、景気の状況や地価の変動があったにしても大変な安売りであったように感じます。
 そのときの背景、詳しく存じ上げませんから、この点については追及するつもりはございませんけれども、慌てて売却するようなことがあると大きく都民の利益を損ずることになる、このように思います。
 秋葉原はその後、この地域を拠点とした女性アイドルグループの大人気、PC関連販売店が集中する、そして大盛況である、オタク文化の聖地化する。こうした破格の安値での売却、手放したときには想像すらできなかった独自の発展をこの地域は遂げました。今では、爆買いに象徴されるインバウンドの集客で、まさに大にぎわいであります。
 神田市場跡地の民間への売却後のこのような変化を当時は誰も予想できなかった、こういう状況だと思います。神田はこのような利活用法が見えない状況での所管がえであったことと比較して、今回は、築地まちづくり方針を示した上で段階的な整備計画をもっての所管がえとなります。
 都心の超一等地に位置するこの都有地を一刻たりとも無計画のままで放置しておいてはなりません。いわんや予測不能な将来などを考えれば、総合的に妥当性のない金額で売却してしまえば、それこそ都民の利益損失となりかねません。
 先の読めない経済状況や、ますます深刻化する少子高齢社会により、社会構造が大きく変化することが予想される中、二〇四〇年代の将来像を示すとしている二十数年後までを目指したこのまちづくり方針を確実に実行するのは容易なことではありません。
 築地再開発に当たっては、段階的に適切な機能を順次導入、そして整備していくことになりますが、二〇四〇年代を目指すという長期にわたる整備のために、各段階でのコンセプトがばらばらになり、再開発地区全体に統一感がなくなってしまうようなことがあってはなりません。この点について見解を求めます。

○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発では、段階的に整備をしていくこととしてございますが、まちづくりが適切に進められるよう、全体の方針に基づき長期的に進行管理をしていくことが重要でございます。
 このため、まちづくり方針では、目標となる将来像を示すとともに、それを実現するための土地利用や都市基盤整備などの方針を示したところでございます。まちづくりが適切に進められるよう、築地まちづくり方針を踏まえ、各段階の開発、整備を通じて、まちづくり、財務、会計など、外部の有識者を交えながら、中長期にわたって一貫してコントロールする仕組みを構築していくとともに、議会に対して適宜報告を行ってまいります。

○けいの委員 今回の有償所管がえでは、補正予算で五千四百億円、総額で五千六百億円という莫大な金額だけがひとり歩きして、大騒動になっているわけですけれども、しかしこれは、新たな土地を購入するわけではなくて、あくまでも幅広い選択肢を得るために都有地の所管をかえるという行為であります。
 五千六百億円、莫大な金額が、今後長期貸付による賃料収入だけで本当に賄えるのか、こういう疑念を都民が持ってしまっても、これは仕方ありません。また、かつての臨海部の開発のように、都民から見れば必ずしも十分な賃料収入を得ているとは思えない、こうした前例もあることから、不安を払拭して、都民に夢と希望を持っていただけるような開発にしなければなりません。
 都心に残された貴重な都有地である築地市場跡地の再開発に当たり、そのポテンシャルを最大限有効に生かしていく、こういうレベルではなくて、浜離宮や銀座エリアはもとより、臨海、晴海、豊洲といったベイエリアなど、周辺地域のよさをさらに引き出し、相乗効果によって今後何倍にも価値を創造する再開発としていくべきと考えますが、見解を求めます。

○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発におきましては、浜離宮恩賜庭園や銀座、隅田川など、魅力的な資源を有する地域のポテンシャルを生かしつつ、国際的な交流拠点を形成することとしてございます。
 その将来像の実現に向け、海、川、陸が交差する要所にあることを生かし、舟運ネットワークを活用、強化していくこととしております。
 また、銀座など周辺のさまざまな資源とのつながりを重視し、より価値を高められるよう、周遊可能な歩行者のネットワークなどを形成してまいります。
 浜離宮など周辺の資源とも連携した取り組みを重視し、都民を初め国内外からの多くの人々が感動や楽しみを共有しつつ、東京の新たな魅力を発信できるような機能を導入してまいります。
 さらに、隅田川や東京湾などからの見え方などに配慮しながら、水辺のロケーションを生かし、創造的な拠点を象徴するすぐれたデザイン、景観を形成してまいります。
 このような取り組みを進めて、周辺地域の付加価値の向上、ひいては東京全体としての価値の最大化を図ってまいります。

○けいの委員 ありがとうございます。新たな機能の導入など、こういうご答弁がございましたけれども、例えば交通網、羽田空港アクセス線の臨海部ルートは、東京貨物ターミナル駅からりんかい線の東京テレポート駅に入り、新木場駅に向かう計画です。こうした計画をどのように活用していけるのか。また、将来的に、つくばエクスプレスが東京駅まで延伸したら地下鉄との接続を推進するとか、全ての可能性を排除せず、多くの人が気軽に行き来できるように、さまざまな検討をしていくべきです。
 その上で、築地再開発に当たっては、周辺地域と一体となったにぎわいの創出が最も大事です。ほとんどの方が抱く築地というイメージを残していかなければなりません。
 長年にわたって培ってきた築地の食文化という資産を生かしていくために、築地場外市場業者や地元中央区としっかり連携をとり続けて、進捗状況などを随時共有しながら、開発を進めていくべきと考えますが、見解を求めます。

○木村まちづくり調整担当部長 築地場外市場などとの関係でございますが、周辺地域との相乗効果により、地域一帯が人々が集まる交流拠点としてさらなるにぎわいを生み出していくことが重要であり、場外市場など周辺のさまざまな資源とのつながりを図り、歩行者ネットワークを形成していくとともに、場外市場に隣接するゲートゾーンにおきましては、場外市場などとのつながりにも配慮しながら、交通結節点にふさわしいにぎわいを創出することとしてございます。
 築地の再開発を進めるに当たりましては、民間事業者の提案を受けるとともに、地元区と連携し、まちづくりの具体化を図ってまいります。

○けいの委員 築地場外市場に配慮しながらという丁寧なお話でしたけれども、私もいろんな方とお話しすると、配慮をするんじゃなくて、築地の場外市場とできれば一体化していないと、本当のにぎわいというのは創出できない。臨海部ばかり取り上げるとあれなんですけれども、お台場もそうです。車で、また電車でばっと行って、そこにしかいれない、こういうふうに孤立してしまう開発というのは余りよくないと思うんです。
 私個人も、遊びに行けば、渋谷から原宿なんかは歩いて周遊する。この開発の近所でいえば上野と秋葉原あたりは、行ったり来たりしながら遊ぶわけです。上野駅でおりても秋葉原にお買い物に行ったり、食事はこっちに戻ってみたり、こういうふうに、地域をそれぞれ配慮するんじゃなくて、両方が相乗効果でより価値が高まっていく。
 その価値を高めていくためには、あらゆる可能性を排除せずに、全てを検討のテーブルに乗せて、何か一つでもいいアイデアがあるなら随時検討していく。
 そのためには、築地という長年にわたって培ってきた文化と、ただ隣接しているんじゃなくて、そこが一体化となるような開発にしていくことが最も大事だと思います。
 古きよき築地の伝統を残しつつも、新しい築地ブランドの創出ができる築地まちづくり方針を常にブラッシュアップして、二〇四〇年代を目指すというこの方針を実現していくことを要望して、質問を終わります。

○本橋委員長 ここで運営について申し上げさせていただきます。
 議事の都合によりまして、おおむね二十分間休憩いたしたいと存じます。
   午後二時五十八分休憩

   午後三時二十分開議

○本橋委員長 それでは、休憩前に引き続きまして質疑を続けたいと思います。
 ご発言の方をお願いいたします。

○神林委員 これから申し上げる二つの事実は、築地市場から豊洲市場に移転し、築地跡地を再開発する上での混乱をまいたまさにエピローグであり、最も罪深い発言であります。
 一つ目は、知事は、平成二十八年八月二日に就任以降、十一月七日に迫ってきた豊洲市場の開場を独断で延期し、翌年の六月の専門家会議で、現状でも豊洲市場を開場して運営することに何ら問題がないという見解を得たにもかかわらず、約二年間にわたって豊洲市場の開場をおくらせました。
 その結果として、豊洲市場の維持管理費、関係者への営業損失補償、環状二号線の完成のおくれ、豊洲市場外の当面のにぎわい施設建設など、約二百億円を超えるといわれる莫大な損失を都民に与えたばかりか、都民が本来なら二年前から活用できるはずの豊洲市場の最新設備の便益を失わせるなど、数々の都民の利益に損害を与えました。
 まず最初に、このことが事実であるかどうかをイエス、ノーだけでお答えください。

○木村まちづくり調整担当部長 お尋ねの件につきましては、わかりかねるところでございます。

○神林委員 早速質問を繰り返したいところなんですけど、もう一つお話をさせていただいてから質問をさせていただきます。
 二つ目に、知事は二〇一七年六月、都議会議員選挙の直前、豊洲地域と築地地域の両地域や市場関係者に向けて、築地は守る、豊洲は生かすと発言し、わずか二キロメートルしか離れていない築地と豊洲の双方に食のテーマパークなどの市場機能の一部を残すなど、実現困難な夢を多くの関係者に抱かせた、このことが事実であるのかどうか、イエス、ノーだけでお答えください。

○木村まちづくり調整担当部長 お尋ねの件につきましては、わかりかねるところでございます。

○神林委員 木村さん、もう少しはっきり答えてください。ちょっと意味が、よく聞こえないということがあるんで、もうひとつお願いします。
 今、二つの件は、私としては事実だけを伝えたつもりでございまして、何かもし不適切な、例えば最も罪深い発言だとか、都民の利益に損害を与えたということが気になっているんでしたら、単に私は今まであったことの事実だけを伝えてきているんですよ。
 ですから、そういう意味で不適切な部分があったらカットしても結構ですけれども、もう一度ぜひご答弁をお願いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 お尋ねの件につきまして、わかりかねます。

○神林委員 まあ、同じ答弁なんでしょうね。さっきもいいましたとおり、じゃあ逆にこれが事実ではないというんだったら、どういうところが事実と違うのか、それもお尋ねしたいと思います。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、お尋ねの件につきましては、わかりかねます。

○神林委員 今、木村さんは四回続けてノーコメントという部分だったんですけど、今までの事実経過のみを私は申し上げているつもりなんですよ。ですから、木村さんはそういうお答えしかないと思いますけど、私は、多くの方々が理解して、しっかりこれは事実だということで認識しているということを確認させていただいております。ぜひそういう意味では、しっかりと事実しかいってないわけですから、うそのことを私はいっていないと思っていますよ。でも、やはりいろいろな文面があるからご答弁しにくいんだと思いますけど、それはやっぱりしっかり事実は事実として捉えていただきたいと思います。
 この件、何度繰り返していても同じ答弁しか来ないでしょうから、次に進みたいと思います。
 小池知事は二月二十六日の代表質問で、築地は守る、豊洲は生かすと従来まで公言してきた基本方針を一方的に破棄して、都民や市場関係者への約束をほごにいたしました。
 今日まで小池知事の独断で公言してきた方針は、築地の再開発の根幹にかかわる方針変換であり、避けては通れない最重要課題でございます。
 特に、小池知事は、代表質問の場で、食のテーマパークなどの内容を示したが、築地市場跡地をしっかりと生かしていくべきということを申し上げたと、理屈にもこじつけにもならないような答弁を続けておりました。
 これだけ都民や市場関係者への期待を裏切って、打ち砕いておきながら、基本方針の方向性は何ら変わっていないと詭弁を弄し、非を認めず、謝罪の気持ち一つあらわしておりません。
 これらの点について、改めて一つずつ検証させていただきたいと思います。
 それではまず、知事が二〇一七年六月に、築地跡地を食のテーマパークとして、市場機能の一部を再開発すると表明したことについて、今回の施設内容からも見てまいります。
 この件については、代表質問でも大分質疑がありましたが、今回の築地再開発の核心ですので、改めて確認をさせていただきます。
 まず、今回のまちづくりの素案の中で、いわゆる食のテーマパーク、飲食にかかわる部分となり得るのは、どこの施設エリアの中なのか、その概要説明をお願いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 食のテーマパークという表現は、築地の歩んできた歴史を踏まえた一つの考え方として示されたものと認識してございます。築地再開発は、築地エリアが有する食文化、浜離宮、本願寺、水辺などのポテンシャルを生かし、都心のまたとない大規模な、貴重な土地を効果的に活用しながら、長期的な観点から経済合理性を考慮しつつ、民間の力を最大限活用し、東京の持続的な成長につなげていくことが重要でございます。
 築地まちづくり方針素案では、有識者から成る築地再開発検討会議による築地まちづくりの大きな視点の提言を踏まえ、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしてございます。
 地域の特性を生かし、周辺エリアとも連携しつつ、国際会議場等の機能を中核としながら、文化、芸術、ウエルネスなどの機能を相互に連携、融合、相乗効果を発揮させ、東京の成長に大きく寄与する国際的な交流拠点を形成していくこととしてございます。
 また、ゾーンごとの導入機能イメージでは、例えばホテル、レストラン、場外市場などとのつながりへの配慮などを想定していることも示してございます。

○神林委員 今、食のテーマパークとはということをいいましたけれども、それは、今ごろになって急に突然発言した内容ですよね。今まではずっと、市場機能の一部を持ってきて食のテーマパークをつくっていくと発言していたわけですよ。
 ですから、これは最近いい始めた話で、今まで食のテーマパークについてそういう定義は、私どもは一回も聞いたことがないんですよ。ですから、従前の部分で、急に変えたということで我々は判断しています。
 ならば、せめて概要だけでもいいんですけど、食のテーマパークや市場機能がせめてこのエリアのどの辺にあるのか、予定しているのかぐらいは答えられるはずですが、いかがでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発では、長期的な観点から、経済合理性を考慮しながら民間の力を最大限に活用して、段階的な整備を進めていくこととしてございます。まちづくり方針の策定後、民間事業者からの提案を受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○神林委員 ちょっとあきれましたね。素案や概要の段階まで来て、食のテーマパークや市場機能が全く検討されていないと。そのスペースさえも全く用意されていないということでいいんでしょうかね。もし予定されているならば、当然このあたりのエリアに考えていますとぐらいは答えられるはずですが、いかがですか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発では、民間の力を最大限に活用して整備を進めていくこととしてございます。まちづくり方針の策定後、民間事業者からの提案を受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○神林委員 メーンだとさっきから少なくともいっているわけですよ。つまり、今回の再開発には、従来から小池知事が再三再四発言してきました食のテーマパークだとか、市場機能が、それこそ全く計画されていないということ、そういうことでよろしいのかなということを確認したいんです。
 しかも、たちが悪いことに、小池知事自身が従来から発言に何ら変わりはないと、そういういい方までしているんですね。食のテーマパーク中心だっていっているんでしょう。でも、概要書にも素案にも、そんなことは何も載っていないじゃないですか。いかがですか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針素案では、有識者から成る再開発検討会議による築地まちづくりの大きな視点を踏まえまして、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしてございます。
 地域の特性を生かし、周辺エリアとも連携しつつ、国際会議場等の機能を中核としながら、文化、芸術、ウエルネスなどの機能を相互に連携、相乗効果を発揮させ、東京の成長に大きく寄与する国際的な交流拠点を形成していくこととしてございます。
 また、ゾーンごとの導入機能イメージでは、例えばホテル、レストラン、場外市場などとのつながりへの配慮などを想定していることも示してございます。

○神林委員 全く答弁になっていませんので、局長、恐縮なんですけれども、局を代表して、ちょっとこの辺について見解をいただきたいんですが。

○佐藤都市整備局長 築地の再開発の検討でございますけれども、食のテーマパークという表現は、先ほど来申し上げていますとおり、これまで築地の歩んできた歴史、伝統、そういったものに立脚した一つの考え方ということで示されたと認識しておりまして、これまでの検討の中では、有識者からも、例えば食文化など歴史、文化的ストックを十分に生かす、そして国際的な交流拠点形成に努めていくんだと、そういう方向で検討を進めてきております。
 ですから、食のテーマパークという一つの考え方はありますけれども、食文化をしっかりとこの検討の中でも生かしていくということで考えてございます。

○神林委員 そうやってご答弁いただけるんですけれども、あの素案にも、あの概要にも、そういう文字、何も載っていないんですよ。私、一生懸命調べましたら、わずか一ページ、食文化という三文字だけがそこにありました。なのに、食の文化を中心としたまちづくりをするんですかということをお話ししているんですよ。つくるといったのに全く計画すらしていない。真逆の対応をしているわけでございますよ。
 しかも、さっきもいいましたとおり、知事ご本人は何も変わっていないといい張っています。幾ら局長や木村さんが知事をかばっているといっても、これはやっぱり間違っているし、おかしいと思いませんか。もう一度お聞きします。

○佐藤都市整備局長 多少繰り返しにはなってしまいますけれども、食のテーマパークというのは、誰が考えても、やはり築地というのは食ということとは切り離せないものだと思います、その伝統に立脚して、私どもは築地のまちづくりの検討を進めなきゃいけない、そういう意味で、テーマパークという一つの考え方は示されたわけでございますけれども、私ども今回お示ししている素案の中にも、食文化、そういったものを生かすんだというところは、しっかり反映させたつもりでございます。
 ですから、それを今後具体的な検討の中でもより具体的に検討を進めていきたいと考えてございます。

○神林委員 こういう答弁というのは行ったり来たりになるんでしょうけれども、要は何がいいたいかといいますと、知事本人が、築地に食のテーマパークや市場機能を置き込むことはできませんでした、私は間違っておりましたと都民や築地の皆さんに謝罪すべきだと思うんですよ。それについてはいかがでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 お尋ねの件につきましては、お答えする立場にございません。

○神林委員 四日の日に経済・港湾の方で直接聞いていただけるとは思いますので、この部分にしますけれども、確かに局長も木村さんも、職務上、知事をかばおうとして一生懸命答弁されているのはわかりますよ。その気持ちは十分わかりますけどね。そしてお二人とも非常に優秀な方ですよ。でも、今回は、この件は、どう見てもおかしいんですよ。ぜひそれを今度ゆっくり、家にでも帰ったら胸に手を当てて考えていただきたいと思います。
 この件について、しっかりと申し上げますけれども、もう一度申し上げますが、小池知事は食のテーマパークや市場機能を築地に置き込むことをかねがね明言しておりました。しかし、今回の概要やまちづくりの素案には、食のテーマパークや市場機能の言葉さえ一言も書かれていないし、その予定エリアさえ存在しておりません。これでは実現できるわけがないわけでございます。
 その上、なお始末が悪いことには、知事はこの場に及んでもまだ、何ら変わりはないとうそぶいているわけでございます。まさにあきれて物がいえないというところでございます。これではこれ以上論議が進まないので、話の内容をうまくすりかえただけでただ忠実に知事をかばっているだけとしか我々もいいようがないです。
 こんなことくどくどいいたくもありませんけど、失礼ですけどやっぱり、今回のこの委員会では知事の代理が局長でございますから、それはやはり局長、それこそ今謝ることはできないかもしれませんけどね、そういう気持ちでこれから取り組んでいただくことを強くお願いしておきます。
 これ以上質問しても、この問題については進展もない、持ち時間の都合も大分過ぎてしまいましたので、ここで打ち切りますけれども。
 神林がいっていることは、まともなことを話していると。局長や木村さんは知事の間違いをかばっているだけで、知事が発言した食のテーマパークや市場機能を築地に残す発言は実行できず、しかも、知事が今までの考え方を何ら変わっていないと発言するのはまやかしであり、都民や市場関係者に謝罪すべきであると。私は、この事実は正しいと確信しております。
 局長や木村さんも、きょう寝る前、さっきもお話ししたとおり、しっかり胸に手を当てて、よく考え直してほしいと思います。(発言する者あり)
 それでは、仕方がない、気を取り直して、事実関係が前後して若干の論理的矛盾も生じますが、改めてもとの質問に戻っていきたいと思います。
 私は、ほかの人の質問のときに、やじをいったり、横やりを入れたことは一回もございません。(「やじを飛ばされるようなことをしていないんです、こっちは」と呼ぶ者あり)いや、しています。でも、私は一回もしていない。そして、委員会で決めて、ちゃんと委員長からいわれた発言権を持って、今しているわけですから、質問の邪魔をするようなことは……
   〔発言する者あり〕

○本橋委員長 神林理事、お続けください、どうぞ。

○神林委員 ですから、発言を妨害するようなことはしないでください。
 次に入ります。
 小池知事は、食のテーマパークが何かはそれぞれ考えが違うと代表質問で発言されましたが、このように大切なことをそれぞれの考えが違うだけで片づけてよいのでしょうか、お伺いをいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、食のテーマパークという表現は、築地の歩んできた歴史を踏まえた一つの考え方として示されたものと認識してございます。まちづくり方針素案では、有識者から成る再開発検討会議による築地まちづくりの大きな視点の提言を踏まえまして、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かすなどとしてございます。

○神林委員 少なくとも東京に責任を担うべき都知事が、こんな大事なことを、こんないいかげんな発言が許されるのでしょうか。局長、たびたび申しわけございませんが、知事に成りかわって、ご答弁をお願いいたします。

○佐藤都市整備局長 六月二十日に、知事が、食のテーマパークという発言をしたことは間違いございません。ただ、その後、私どもは築地の跡地につきまして、再開発の検討をするということで知事から指示を受けて、検討を続けてきておりまして、その中では、食のテーマパークというのは一つの考え方として示されたと。そして、私どもは、さまざまな学経の方々からも、食文化というのは築地の検討の中では大事な要素だということで、検討を進めてきたわけでございます。

○神林委員 なかなか進まないので、それではまず、平成二十九年六月二十日の日以降知事が発言してきた食のテーマパークとは、一体どのようなものなのかご説明をお願いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 これまでの築地の歴史や伝統、そして場外市場などの存在を踏まえれば、築地にとって食がキーワードの一つであるということはいうまでもございません。築地が培ってきた大切な食文化というものを再開発の中でも生かしていくといった考えで、基本方針の中で食のテーマパークという表現を用いたものと受けとめてございます。

○神林委員 正確を期すために、一応辞書で調べてみました。そうしたら、食のテーマパークとは、一つの料理、食べ物のジャンルに特化して、その専門店を集めた屋内型施設、こういうふうに解説されてきたわけでございます。ですから、以降、この内容をちゃんと理解した上でご答弁をお願いしたいと思います。
 さらに、知事のいう食のテーマパークとは、今回のまちづくり構想の中でどのように生かされたのか、もう少し具体的に、明確に、現実的な面からお答えをお願いします。

○木村まちづくり調整担当部長 食のテーマパークという表現は、築地の歩んできた歴史を踏まえた一つの考え方として示されたものと認識してございます。築地再開発は、築地エリアが有する食文化、浜離宮、本願寺、水辺などのポテンシャルを生かし、都心のまたとない大規模な、貴重な土地を効果的に活用しながら、長期的な観点から経済合理性を考慮しつつ、民間の力を最大限活用し、東京の持続的な成長につなげていくことが重要でございます。
 まちづくり方針の素案では、有識者から成る再開発検討会議による築地まちづくりの大きな視点の提言を踏まえ、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしてございます。
 すなわち、地域の特性を生かし、周辺エリアとも連携しつつ、国際会議場等の機能を中核としながら、文化、芸術、ウエルネスなどの機能を相互に連携、融合、相乗効果を発揮させまして、東京の成長に大きく寄与する国際的な交流拠点を形成していくこととしてございます。
 また、ゾーンごとの導入機能のイメージでは、例えばホテル、レストラン、場外市場などとのつながりへの配慮などを想定していることも示してございます。
 年度内にまちづくり方針を取りまとめ、その後、民間事業者からの提案も受けながらまちづくりを具体化してまいります。その中で食に関する機能につきましても、形態はさまざまなものがあり得ると考えられますが、方針に沿って具体的な機能が実現されると考えてございます。

○神林委員 先ほどから何度もいっているんですけど、食のテーマパークなんていう言葉は一個も出てきませんし、素案やまちづくりの概要の中でもそうですよ、食文化っていう言葉がただ一つだけ出てきているだけなんですよ。
 それで、食のテーマパークやるとか、市場機能をこれからどんどんどんどん大きくしていくなんていっていますけど、スペースすらないんですよ。ぜひ、ちゃんとよく読んでくださいよ、素案と概要を。そういうことが本当に書いてありますか、何も書いていないと思いますよ。取ってつけたような感じの内容だったんですけれども。
 また、知事の発言に期待を持たれた方々は、この築地の食のテーマパークをどのように想定したのでしょうか、お伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 お尋ねの件につきましては、わかりかねます。

○神林委員 なぜ私がこんなくどくどいうかわかりますか。食のテーマパーク、食のテーマパークって何度も何度もさっきからいっていますよね。これは、やっぱり知事に裏切られたそれぞれの皆さんの思いをたっぷり代弁して、そして私が質問しているんですよ。多くの裏切られた方々は、悔しさだとか、むなしさだとか、たっぷり持っているわけです。
 だから、私はこの件をはっきりこういう方々はどういう思いをしているんですかということを聞いているんですよ。それに対して、残念ながら、木村さんはその件についてはお答えできないでさらっと終わっちゃうんですね。非常に寂しいです。多くの裏切られた方々がいっぱいいるんですよ。そういう人たちの思いというのをもう少し感じていただきたいと思っております。
 さらに、食のテーマパークを期待して訪れた方々は、一体どこへ行ったらいいのでしょうか、お伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、食のテーマパークという表現は、築地の歩んできた歴史を踏まえた一つの考え方として示されたものと認識してございます。築地再開発は、築地エリアが有する食文化、浜離宮、本願寺、水辺などのポテンシャルを生かし、都心のまたとない大規模な、貴重な土地を効果的に活用しながら、長期的な観点から経済合理性を考慮しつつ、民間の力を最大限活用し、東京の持続的な成長につなげていくことが重要でございます。
 まちづくり方針素案では、有識者から成る再開発検討会議による築地まちづくりの大きな視点の提言を踏まえまして、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしております。
 すなわち地域の特性を生かし、周辺のエリアとも連携しつつ、国際会議場等の機能を中核としながら、文化、芸術、ウエルネスなどの機能を相互に連携、融合、相乗効果を発揮させまして、東京の成長に大きく寄与する国際的な交流拠点を形成していくこととしてございます。
 また、ゾーンごとの導入機能イメージでは、例えばホテル、レストラン、場外市場などとのつながりへの配慮などを想定していることも示してございます。
 年度内にまちづくり方針を取りまとめ、その後、民間事業者からの提案も受けながらまちづくりを具体化してまいります。その中で、食に関する機能につきましても、形態はさまざまなものがあり得ると考えられますが、方針に沿って具体的な機能が実現されると考えてございます。

○神林委員 ちょっと今のは私も愚問でしたね。訪れた方々が一体どこにっていったって、もともとその施設の中に期待するような施設がなければ、行きようがございませんものね。大変失礼をいたしました。
 今みたいなお話を聞いていますと、何度も何度もいっているんですけれども、概要版の三ページにわずか三文字、食文化という言葉が載っているだけなんですよ。本当にこれが食の文化を大切にしようという概要版やまちづくり方針なのかということを疑問に思います。計画の段階から、もともと食のテーマパークをつくるつもりはないということだと私は認識しております。
 そもそも所管が市場会計でなくなるということは、旧築地跡地には市場が建たないということを意味します。その結果、今回の再開発には盛り込まれておりません。
 まして新たな市場を整備し、築地に戻る市場業者を支援すると表明した知事の発言などは、全く実行できないと断定してよろしいでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 豊洲市場開場から半年に満たない状況でございます中で、市場の事業者の皆様には、まず豊洲での事業を軌道に乗せていただくことが重要でございまして、優先されるべきは、市場当局におきまして、業界団体とも連携しながら円滑な事業運営に全力を挙げていくこととなってございます。そうした中で、市場局とも連携し、仲卸業者の意見も聞きながら、丁寧に対応してまいりたいと考えてございます。

○神林委員 私は今質問で、断定していいんですかって聞いたんですよ。もし断定できないというならば、その根拠と理由を示してくださいと、こう続きたいんですが、いかがでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、市場局とも連携いたしまして、仲卸業者の意見も聞きながら、丁寧に対応してまいりたいというところでございます。

○神林委員 ならば、木村さんの心情に訴えるんですが、一生懸命知事をかばおうと答弁しているのはよくわかりますよ、それじゃあ、ご自身が客観的に考えたときに、この素案が本当に食のテーマパークといえるのか、改めて、職を離れて、素直な気持ちで一般都民の感覚でお答えください。

○木村まちづくり調整担当部長 これまでの有識者による議論の中でも、食の伝統文化ということが取り上げられておりまして、今回お示ししましたまちづくり方針の素案の中でも、食文化など歴史的、文化的なストックも十分に生かすということをお示ししているところでございます。
 食のテーマパークという表現を用いるかどうかはございますが、その趣旨は変わっていないと考えます。

○神林委員 一言でいえば、本当に職務に忠実ですねと私は評価させていただきます。
 少なくとも、失礼、木村さんを除いてといういい方の方がいいのかもしれませんが、私を初めとした都民や、知事から発言を聞いた築地の皆さんたちの思いは、旧築地市場の新鮮な食材を十分に活用して、築地のまち全体が、おいしくて、安価で、新鮮な食べ物が豊富に食べられる東京のシンボルを夢見たことだと私は思いますよ、違いますか。木村さん、お答え願います。

○木村まちづくり調整担当部長 仮定のお話につきましては、お答えしかねるところでございます。

○神林委員 じゃあ局長、済みません、お願いいたします。

○佐藤都市整備局長 期待していらっしゃった方々というお話もございましたけれども、先ほど来の質疑の中でも、築地にはいろんな考え方の方がいらっしゃるというお話がございました。それは確かにそのとおりだと思います。
 ただ、豊洲に中央市場を移した。市場としては、これからいよいよ豊洲が本格的に頑張っていくんだと。そういう中で、市場として頑張っていきたい人、それから、それではなくて築地にまだまだ思いのある人、いろんな方々がいらっしゃると思います。
 私ども、築地については、やはり都心にまたとない大事な土地でございますから、ここは東京のために、それこそ東京のために価値が最大になるようにということで、この開発をやるつもりでございます。
 ですから、もちろん食文化というものをどうやって生かしていくかという要素は、その中でもすごく大事な要素でございますけれども、それだけではない。その中で、食文化をどうやって形にしていくか、それはさまざまな形があるだろうということは、先ほども部長の方から答弁したとおりでございまして、そのいろんな形の中でどうやっていろんな方々の思いがそこに入っていくかということになると思います。
 済みません、以上でございます。

○神林委員 築地の食文化で、いろいろな考え方があるといいますけど、築地といわれて、食のテーマパークといわれて、それで思い起こすのは、そんなにいろいろな考え方、ないですよ。やっぱりおいしいものが豊富で、食べられるということがイメージなんじゃないですか。
 恐らくいろいろな考え方っていったって、そのほかのイメージを持っている人がどれぐらいいるっていうんでしょうかね。ぜひそんなへ理屈みたいなことはいわないで、しっかり素直な気持ちを答弁でお願いしたいと思います。
 知事は、築地のまちづくり方針の策定に当たり、食のテーマパークを超え、ウエルネスとか文化や伝統などを含めた形で築地に展開するとの発言をいたしました。これまで食のテーマパークという小池知事の言葉を信じてきた都民にとっては、全く理解できない発言でございます。
 食のテーマパークを超えの、超えとは一体何を意味するのか、見解を伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 食のテーマパークという表現は、築地の歩んできた歴史を踏まえた一つの考え方として示されたものと認識してございます。
 築地再開発は、築地エリアが有する食文化、浜離宮、本願寺、水辺などのポテンシャルを生かし、都心のまたとない大規模な、貴重な土地を効果的に活用しながら、長期的な観点から経済合理性を考慮しつつ、民間の力を最大限活用し、東京の持続的な成長につなげていくことが重要でございます。
 築地まちづくり方針素案では、有識者から成る築地再開発検討会議による築地まちづくりの大きな視点の提言を踏まえまして、食文化など歴史的、文化的ストックを十分生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしてございます。
 すなわち、地域の特性を生かし、周辺エリアと連携しつつ、国際会議場等の機能を中核としながら、文化、芸術、ウエルネスなどの機能を相互に連携、融合、相乗効果を発揮させまして、東京の成長に大きく寄与する国際的な交流拠点を形成していくこととしているということであると受けとめてございます。

○神林委員 質問に正確に的確に答えていただいていないんですがね、食のテーマパーク超えという言葉は、私には、言葉の意味だけを捉えれば、食のテーマパークを超越して、さらに進化したものと、こういうふうに想像するわけでございますが、すなわち、知事の食のテーマパーク構想を撤回したものなのかどうなのか、また、なぜそのようにいうことができるのか、合理的な説明を求めます。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、食のテーマパークという表現は、築地の歩んできた歴史を踏まえた一つの考え方として示されたものと認識してございます。
 築地再開発は、築地エリアが有する食文化、浜離宮、本願寺、水辺などのポテンシャルを生かし、都心のまたとない大規模な、貴重な土地を効果的に活用しながら、長期的な観点から経済合理性を考慮しつつ、民間の力を最大限活用し、東京の持続的な成長につなげていくことが重要でございます。
 築地まちづくり方針素案では、有識者提言である築地まちづくりの大きな視点の提言を踏まえまして、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしてございます。
 すなわち、地域の特性を生かし、周辺エリアとも連携しつつ、国際会議場等の機能を中核としながら、文化、芸術、ウエルネスなどの機能を相互に連携、融合、相乗効果を発揮させ、東京の成長に大きく寄与する国際的な交流拠点を形成していくこととしてございます。
 また、ゾーンごとの導入機能イメージでは、例えばホテル、レストラン、場外市場などとのつながりへの配慮などを想定していることも示してございます。年度内にまちづくり方針を取りまとめ、その後、民間事業者からの提案も受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○神林委員 ずっと質疑応答しているんですけど、全く、何ていうんでしょうか、原稿どおりそのまま読んでおられますので、それしか動きがないんでしょうけれども、今までの意見を私なりにまとめさせていただきますと、余りにも、知事と、知事から発言を聞いた築地、豊洲地域の関係者や我々都民とでは、大きな乖離がございます。
 知事なら何をやっても許されるのでしょうか。知事が発言した築地は残すという言葉に全く裏切られてしまいました。皆さんそう思いませんか。これでは、知事が発言した言葉と、現実に完成するまちづくりとでは、全く違った内容になってしまいます。知事に期待が大きく裏切られました。少なくとも、常識を持った都民や築地の皆さんの多くは、強い憤りを感じていると思いますよ。
 知事は、こうした皆さんに対して、私の食のテーマパークについての発言は間違っていました、実現、実行できませんと謝罪すべきでありますが、改めて伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 お尋ねの件につきまして、お答えする立場にございません。

○神林委員 お答えできないそうなので、局長、もう一度お願いいたします。

○佐藤都市整備局長 食のテーマパークという一つの考え方はありましたが、それから発して、これまでいろいろ検討してきたという、その現在の到達点が、こちらのまちづくり方針の素案だというふうに考えてございます。
 その中では、築地の伝統としての食文化もしっかり生かしていく、それから、それだけではなくて、今後の東京の未来にとって非常に一番大事な敷地として国際交流拠点を設けていくと、そういったこれからの考え方を示しております。
 その中に一つの考え方も、発展的に反映されているものだと考えてございまして、謝罪の必要はないと考えてございます。

○神林委員 残念ながら、このまま裏切ったまま進めるということだと、そういうふうに断定をさせていただきます。
 最後に、もし、こうした裏切りに対して、今後、食のテーマパークに関しての新たに考えていることや構想がありましたら、この際、お聞きをしておきます。

○木村まちづくり調整担当部長 お尋ねの件、お話のあった点についてはわかりかねます。
 なお、食のテーマパークにつきましては、先ほど来、再三申し上げているところでございます。築地再開発においては、地域の特性を生かしまして、周辺エリアとも連携しつつ、国際会議場等の機能を中核としながら、文化、芸術、ウエルネスなどの機能が相互に連携、融合、相乗効果を発揮させ、東京の成長に大きく寄与する国際的な交流拠点を形成していくこととしておりまして、その中で、食に関する機能につきましても、形態はさまざまなものがあり得ると考えられますが、方針に沿って具体的な機能が実現されると考えてございます。

○神林委員 小池知事は、二月の二十六日の代表質問で、都が中央卸売市場として運営するのは豊洲市場であり、豊洲との近接性を考えれば、築地再開発において、都が改めて卸売市場を整備することはないと発言しております。
 この発言は、私が従前から何度も何度も、古い方はよくわかっていると思いますが、都市整備委員会で再三疑念を抱いて質問してきたことでございます。その都度、都市整備の皆さんは、明快な答弁を避けてきましたが、私が疑念を抱いたとおりになったということで、何かあんまりいい結果ではないんですが、残念な気持ちでございます。この際申し上げておきます、そのことを。
 それではまず、いつの間に、築地は守る、豊洲は生かすが、築地は生かす、豊洲は生かすとなったのか、誰が勝手に変更して置きかえたのですか、お伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 築地と豊洲の両方を生かすという豊洲市場への移転に関する基本スタンスにつきましては、平成二十九年七月二十一日の市場移転に関する関係局長会議において示されたものでございます。その背景につきましては存じ上げておりません。

○神林委員 今、そういう説明がありましたけど、今までは再三再四、築地は守る、豊洲は生かすといっていたんですよ。それが、何か知らない間に、築地は生かす、豊洲は生かすになっちゃったんですよ。何か詐欺に遭ったような気がしているんですけど、誰がいい始めたんですか、誰が勝手に変更したんですか、もう一度お伺いします。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、背景については存じ上げておりません。

○神林委員 また局長に聞きたいんですけど、今回は聞きませんから、大丈夫です。
 築地は守る、豊洲は生かす、この言葉こそが、知事が築地の皆さん、豊洲の皆さんの双方に、選挙目当てのパフォーマンスとして発言した愚行でございます。わずか二キロメートルしか離れていない距離に、東京の二大食のテーマパークを建設することは至難のわざであり、本当に成り立つのでしょうか、お伺いをいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 一昨年六月の基本方針で示されたものは大きな方向性でございまして、現在、その実現に向けて、関係局において取り組んでいるところでございます。

○神林委員 だって、まちづくり素案とか概要がもうできているんですよ。その中で、そんな構想まで何もできていないということなんでしょうか、お伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 一昨年の基本方針を行政としての取り組みにつなげていくために、再開発に向けての検討を行うということになりまして、有識者会議を設置するなど再開発の検討を進めてきたところでございます。
 有識者の提言、また、その後の検討の中で学識経験者のご意見等も踏まえながら、まちづくり方針の素案を取りまとめたところでございます。

○神林委員 概要だとか素案ができた中で、こんな基本的で大事なことが全く議論されてこないこと自体がおかしいんですよ。ならば問いますけれども、じゃあ、豊洲と築地の現況と今後の見通しだとか、どうやってすみ分けを行うのかとか、そういうことについては何ら検討があるんですか、教えてください。

○木村まちづくり調整担当部長 豊洲につきましては、二〇一八年十月に豊洲市場が開場し、今後につきましても、都が中央卸売市場として運営を行っていくこととなってございます。
 築地につきましては、豊洲市場の開場に伴いまして、築地市場跡地に約二十三ヘクタールの敷地が創出されることとなりまして、今後、再開発によりまして、魅力的な資源を有する地域のポテンシャルを生かしつつ、国際的な交流拠点を形成していくこととしてございます。
 また、都のベイエリアビジョンと連携し、対象地域となる築地と豊洲、台場など各エリアとを有機的につなぎまして、特色を生かしながら、世界でも最先端のまちづくりを進め、新たな産業や投資を呼び込んでいくこととしてございます。
 また、伝統と新しいまちが共存する臨海地域に展開されるさまざまな機能とも有機的なつながりを図りながら、相乗効果を生み出していくこととしてございます。
 まちづくり方針策定後、この方針に沿って、民間事業者からの提案を受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○神林委員 それは最近決まったことですよね。今までは、豊洲市場の市場機能の一部を築地に持ってくるという話がずっと続いていたわけですよ。それがこうなって急に、そういう今のご答弁のようになったわけですよ。それじゃ、築地機能って一体何ですかということになってくると思うんですよね。
 現況と今後の見通しだとか、どうやってすみ分けしていくのかということを今聞きましたので、じゃあ、市場機能というものは、そもそもどういうものなのかということをお伺いしていきます。そもそも、市場機能とは何なんでしょうかということでございます。
 小池知事は、代表質問の中で、市場機能の確保に市場事業者の皆さんの意見を伺うと発言しておりますけれども、どう見ても無理でございます。どういうことなのか、ご説明を願います。

○木村まちづくり調整担当部長 市場機能につきましては、ウエブサイトによりますと、消費者に対する迅速で安定的な生鮮食料品等の提供、生産者に対する確実で速やかな販路の提供、小売業者等に対する取引の場の提供と聞いてございます。

○神林委員 木村さんもちゃんと辞書を調べてもらったんですね。私も辞書を調べましたら、市場機能とは、生鮮食品などを安定的に供給する基幹システムということでございまして、これからの質問の中で、この内容を基本にして、以降、しっかり答弁をしていただきたいと思います。
 それでは、市場事業者の皆さんが、本当に市場としての豊洲を破棄して、築地に戻ってくると思いますか、伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 豊洲市場開場から半年に満たないという状況のもとでは、事業者の皆様には、まずは豊洲での事業を軌道に乗せていただくことが重要でございまして、開設者である市場局といたしまして、業界団体とも連携しながら、円滑な市場運営に全力を挙げることに優先して取り組むこととしてございます。仲卸業者の皆様のご意見については、市場局とも連携をして、丁寧に聞いていくということとなってございます。

○神林委員 私も、現場の市場業者の方に聞いたんですよ。そうしたら、現場の方ですよ、法律上も科学的にも安全な豊洲市場で、五年間ビジネスをやって回り始めている状況で、それを捨てて築地に戻ってくるわけがないというふうにおっしゃっていました。いかがでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 お尋ねの件についてはお答えいたしかねます。

○神林委員 お答えしないとか、するかじゃなくて、そういうことをいっている方が現場の方々の中でいらっしゃるんですよ。それに対して、どういうお気持ちですかといっているんですよ。だから、皆さん方が戻ってくる気がないといっているのに、そういう意思は全然お聞きになっていないんですか。それを聞いているんです。

○木村まちづくり調整担当部長 現在、豊洲市場開場から半年に満たないという状況のもとで、事業者の皆様には、まずは豊洲市場での事業を軌道に乗せていただくことが重要であり、開設者である市場局として、業界団体とも連携しながら、円滑な市場運営に全力を挙げることに優先して取り組むこととしているということでございます。

○神林委員 もう、だから、このことはいいませんけどね、さっきもいったように、現場の方々が、法律上も科学的にも安全な豊洲市場で、五年間ももうビジネスをやって順調に回ったら、皆さん、戻ってくると思っているんですかね。それを私は聞きたかっただけでございます。
 しかも、仲卸の目ききを使って食のテーマパークをつくりたいと。これも本当にできるんでしょうかと思っているんですが、いかがでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地の再開発は、築地エリアが有する食文化、浜離宮、本願寺、水辺などのポテンシャルを生かし、都心のまたとない大規模な、貴重な土地を効果的に活用しながら、長期的な観点から経済合理性を考慮しつつ、民間の力を最大限活用し、東京の持続的な成長につなげていくことが重要でございます。
 築地まちづくり方針素案では、有識者から成る築地再開発検討会議による築地まちづくりの大きな視点を踏まえまして、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしてございます。
 年度内にまちづくり方針を取りまとめまして、その後、民間事業者からの提案も受けながらまちづくりを具体化してまいります。その中で、食に関する機能につきましても、形態はさまざまなものがあり得ると考えられますが、方針に沿って具体的な機能が実現されると考えてございます。

○神林委員 ほら、またちょっと質問と答弁が食い違っちゃっているんですよ。仲卸の目ききを使って食のテーマパークをつくりたいということをよくお話しされていたわけですよ、そのことが本当にできるんですかということを私はお聞きしているんです。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、築地まちづくり方針素案では、有識者から成る検討会議におきましての提言を踏まえまして、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしてございます。
 年度内にまちづくり方針を取りまとめまして、その後、民間事業者からの提案も受けながらまちづくりを具体化してまいります。その中で、食に関する機能についても、形態はさまざまなものがあり得ると考えられますが、方針に沿って具体的な機能が実現されると考えてございます。

○神林委員 質問にしっかり答えてくれていないんですけどね。
 これも、現場の仲卸の目ききをされている方々から聞いたお話です。仲卸が目ききをできるのは競りがあるからできるわけでございまして、そこに荷役会社が品物を持ってこなければ、競りも行えないんですよと。だから、これも現実的には非常に難しいということをおっしゃっておりました。それがいいたかったわけですから、ぜひご理解いただきたいと思います。
 次に、中央卸売市場会計から一般会計への有償所管がえについて伺います。この件について、代表質問でも質疑がありましたが、今回の築地再開発の核心部分でありますので、改めて確認をさせていただきます。
 まず、中央卸売市場会計から一般会計への有償所管がえは、一体いつごろから検討され、いつ表明され、どのような経過を経て決定されてきたのか、これも先ほどの質問でありましたので、ダブる部分は割愛して結構ですので、簡単に概略をお願いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 有償所管がえにつきましては、まちづくりとは別途、所管局において検討が進められてきたところでございます。経緯につきましては、昨年十一月、市場移転に関する関係局長会議におきまして、中央卸売市場会計の収支の試算を行う中で、築地まちづくりの検討状況を踏まえ、一般会計への所管がえも視野に入れて検討が進められたところでございます。
 その後の第四回定例会におきましても、一般会計への有償所管がえを軸として検討を加速する旨を所管局より表明するなど、それぞれの段階におきまして状況を明らかにしながら検討が進められてきたところでございます。
 その上で、本年一月の関係局長会議におきまして、東京全体としての価値の最大化を目指すまちづくりを見据え、市場会計の収支試算も踏まえまして、市場会計から一般会計へと公有財産規則に基づいた有償所管がえを行うこととなったものでございます。

○神林委員 今、経過を聞いていまして改めて、中途議決で強行採決して、質疑も行わずに最初は進めちゃおうと思ったわけですよ。これじゃ、都民も議会も要らないということになっちゃいますよね。
 そこで、平成三十一年一月二十三日の関係局長会議において、突如、議会や都民への説明もなく、築地市場跡地の有償所管がえを発表しましたが、意思決定プロセスが唐突かつ不透明ではないかと思いますので、見解を伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 有償所管がえにつきましては、先ほどご答弁いたしました経緯を経て進められてきたものでございます。

○神林委員 それでは、今回、なぜ知事の今までの発言を大きく翻して、有償所管がえをしなければならなかったのか、その理由と必要性について伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 旧築地市場の跡地につきましては、東京全体としての価値の最大化を目指すまちづくりを見据えまして、外部の鑑定価格により行った収支試算を踏まえまして、中央卸売市場会計から一般会計へと公有財産規則に基づく有償所管がえを行うこととしたものと受けとめてございます。

○神林委員 本当の意味での理由とか必要性を何も語られていないんですが、我々、こういう結果を見ていまして、知事がどこにでも都合のよいことを発言して、いざ実施になって、現実的には実現不可能となったので、大幅な方向変換を余儀なくされるということではないのかなということを強く感じております。
 そこで、この際ですから、メリット、デメリットなどについて明確にお答えください。

○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発では、長期的な観点から、東京の持続的成長につなげていくまちづくりを進めていくこととしてございます。都心の大規模な土地を効果的に活用しながら、民間の力を最大限に生かし、段階的な整備を進め、短期的な利益の追求ではなく、東京全体としての価値の向上を図っていくこととしてございます。
 整備を進めるに当たりまして、土地を民間に売却することなく都が所有し、有効活用することで、中長期的に東京及び都民にとっての価値を向上させることが可能となると考えてございます。
 例えば、都が土地を持ち続けることによりまして、長期的な時間軸を意識し、地下鉄などインフラの整備状況も勘案しながら段階的開発を進め、周辺地域の付加価値の向上など波及効果ももたらしながら、価値の最大化を図ることが可能となると考えてございます。

○神林委員 ここで、きょうの委員会が開かれたのは、委員の皆さんのご理解を得て、やっと中途議決前に、このように質疑ができるようにしていただいたわけです。
 そこで、一番ここで問題なのは、規定上は必要がないとはいえ、中央卸売市場会計から一般会計への有償所管がえは五千六百億円という莫大な額であり、築地再開発の貴重な資金元となる案件でもございます。
 都民の代表である都議会に、十分な質疑も行わずに、中途議決で多数決をもって強行することは断じて認められるものではありません。なぜ十分な質疑も行わずに中途議決で強行しようとしたのかお伺いをいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 お尋ねの件につきましてはわかりかねます。

○神林委員 局長、また、たびたびで恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

○佐藤都市整備局長 中途議決の順番につきましては、いろいろあるかもしれませんが、築地のまちづくりにつきましては本委員会で、それから、有償所管がえにつきましてはそれぞれの所管委員会で、そして、市場につきましてはまた所管委員会だと。それぞれの所管委員会でしっかり議論するということは間違いないと思っておりまして、私どもとしましては、本委員会で築地のまちづくりについてしっかりご答弁させていただきたいと考えてございます。

○神林委員 一言でいえば、こんな大きな出来事を質疑なしで採決しようということ自体が全く都民だとか議会を無視した愚行でございまして、あってはならないことであるというふうに指摘をさせていただきます。
 次に、二十三ヘクタールという旧築地市場の土地は残されたものの、現在、新たに都民に五千六百億円という借金を背負わせたのは事実でございます。その借金を放っておくわけにはいきません。
 少なくとも、豊洲市場建設にかけた経費や、知事の二年間延期による無駄な経費分などは、一般会計の中で回収して、同程度の額を返済して正常な形に戻していかなければなりません。そうした観点に立ち返ると、当開発の採算性や収益性などをどのような目安を持って検討すればよいのか伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 ご指摘の点につきましては、さまざまなご意見があると思われますが、いずれにいたしましても、築地再開発では、長期的な観点から、東京の持続的成長につなげていくこととしてございます。
 公共的、公益的なまちづくりにも留意するとともに、経済合理性を考慮しながら民間の力を最大限に活用し、段階的に整備を進め、東京全体としての価値の最大化を図っていくこととしてございます。
 浜離宮や隅田川、食文化など、地域のポテンシャルを最大限に生かしていき、都心の大規模で貴重な土地を収益性も勘案しながら効果的に活用し、周辺地域の付加価値の向上など波及効果をもたらしながら、中長期的に都民及び東京にとっての価値の向上に向けまして開発を進めることとしております。
 こうしたまちづくりが適切に進められるよう、築地まちづくり方針を踏まえ、各段階の開発、整備を通じまして、まちづくり、財務、会計など、外部の有識者を交えながら、中長期にわたって一貫してコントロールする仕組みを構築するとともに、議会にも適宜報告してまいります。

○神林委員 私が今いいたかったのは、こういった形で多くの借金も残っているわけですから、常に採算性や収益性を重点課題に置いて、検討を進めていただきますよう、この際、要望をさせていただきます。
 また、市場会計から一般会計に有償所管がえをしたことによって、具体的にどのような使い道に変化があったのか伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 市場会計において跡地を保有するということにつきましては、独立採算の公営企業会計でございますことから、短期的な利益や採算性が重視されるとともに、将来の資金繰りの状況によりましては、当初の方針を変更して民間への土地の売却等を選択せざるを得ない状況も想定し得ると聞いてございます。

○神林委員 今度の質問は所管外といわれるかもしれませんけれども、今後の築地のまちづくりに大きく影響する問題でございますので、あえて質問させていただきますが、現時点における一般的な民間の売却と、外部の鑑定価格により行った今回検討されている長期の定期借地による活用とでは、収支試算でどの程度の差があるのかお伺いをいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 有償所管がえの検討につきましては、まちづくり方針の検討とは別途行っておりまして、当局ではお答えしかねるところでございます。

○神林委員 そういう答弁が返ってくるなとは思っていたんですけれども、このことだけは覚えてくださいよ。木村さん、いいですか。この先、賃料収入が順調に入ってくるとは請け負えないわけですよ。都が計画している賃料収入などが実際に入ってくるのは、少なくとも十年程度先になりますよ。
 都が長期にわたり財政的責任を担うリスクを抱えて築地再開発を進めることが、本当に都民にとってメリットがあるとは、どう見ても思えないんですよ。ぜひ、このことをしっかりと胸にしまって、これからも準備をしていただきたいと思います。都市整備は今回は所管じゃありませんけどね。それはあるんですよ、絶対。十年先にならないと入って来ないですから、現物は。
 そういうことも含めながら、長い間、こういう負債をデメリットとして抱えていかなきゃいけないんですよ。それは大変なことなんです。ぜひ、それも認識していただきたいと思います。
 今後の築地再開発の財源の見通しは、再開から終了まで、おおむね、毎年どのような形で、どの程度推移していくのか伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 築地では、公募型プロポーザル方式に準じた民活事業の活用を想定してございます。地代収入につきましては、公募事業者の提案によりまして明らかになるものでございます。財源見通しを持つことは現段階では困難でございます。
 また、事業者募集等の時期につきましては、今後、さらに検討することとしてございます。

○神林委員 確かに、これから民間でプロポーザルをやったりもしますから、それによってかなりいろいろと変わってくるのはわかります。ただ、やはりこれだけ大きな計画をこうやって長いスパンにかけてやるということでしたら、そういう基本的なお金のやりくりだとか、そういうものを想定して入れていかなきゃ、私は、計画性のある事業ができないというふうに考えております。
 では、少なくとも、どのような観点で築地跡地の収支を見ていこうと考えているのか、ちょっといい方を変えて質問させていただきます。

○木村まちづくり調整担当部長 収支の見通しにつきましては今後の検討となりますが、築地再開発については、浜離宮や隅田川、食文化など、地域のポテンシャルを最大限に生かし、都心の大規模で貴重な土地を収益性も勘案しながら効果的に活用していくことを考えてございます。
 東京と日本の国際競争力をさらに高めていくため、国際会議場等をコアとして、機能を導入するとともに、周辺地区の機能と連携して相乗効果を発揮させていくことを考えてございます。
 周辺地域の付加価値の向上など波及効果をもたらしながら、中長期的に都民及び東京にとっての価値の向上に向けて開発を進めてまいります。

○神林委員 私もこの辺の問題については、なかなか都市整備だけで、一存でできるとは思っていないんですよ。だからこそ、知事をこの場に呼んで、こういう質問も含めて一問一答の質疑をやらないとできないということを前々からいっていたわけでございまして、よく皆さんご理解をいただきたいと思っております。
 次に、埋蔵文化財発掘調査など相当分二百億円、試算額でございますが計上されておりますが、各段階での築地再開発のまちづくり方針日程と時間的にどのように調整を進めていくのか伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 埋蔵文化財調査につきましては、他の大規模開発の事例を参考に、状況にもよりますが、年間調査範囲といたしまして、一ヘクタールから三ヘクタールと想定してございます。
 築地まちづくり方針の素案で示してございます段階的な整備の進め方に合わせまして、発掘調査が終了した街区から順次土地を事業者に引き渡すことや、他の現場とも調整しながら調査人員を最大限確保することなどを考えてございます。

○神林委員 ご存じのとおり、ご当地は、旧松平定信邸があった場所なんですよ。歴史を変えるような史料が出るかもしれないんですね。ですから、もし重要文化財など貴重な文化財が発見された場合、具体的にどのような調査を行い、築地再開発のおくれにどの程度影響を及ぼすのか伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 一般的な進め方といたしましては、区の教育委員会と調整を行いながら、試掘調査を行い、その結果を踏まえ、本格的な発掘調査を実施してまいります。文化財の発見される位置、種類などにもよると思われるため、仮定の話にはご答弁しかねるところでございます。

○神林委員 いずれにいたしましても、文化財の十分な調査期間、それから、工期におくれが出ないように、十分な検討を要望しておきます。
 それでは、今回のまちづくりについて、年度内に方針を取りまとめるとのことでございますが、まちづくり概要だけで、詳細はまだ決定していないと回答されるかもしれませんが、現段階でしっかりとその基本的考え方や方針が固まっていなければ計画的なまちづくりができないと考えて、これより順次質問をさせていただきます。
 まず、国際競争力を持つ国際会議場を中核に、富裕層向けのホテルや大規模な交流、商業施設について伺います。当該地はオリンピック後に開発を始める二十三ヘクタールの新しい東京の顔であります。かねてから国際会議場や展示場の足りないといわれている根拠を具体的数字でお示しください。

○木村まちづくり調整担当部長 導入機能につきましては、東京二〇二〇大会後の東京を牽引する先進性と国際性を持つこと、他の国際都市との比較において、東京に不足している機能を導入すること、コア施設を核として、導入機能相互を連携し、相乗効果を発揮させながら、東京、日本の国際競争力をさらに高めていくなどの考え方等をお示ししてございます。コア施設の一つでございます国際会議場につきましては、統計の資料なども参考にしてございます。

○神林委員 それでは、将来、年間どれくらいの来訪客予測を見込んでいるのか、また、海外との連携や広報活動はどのように進めていくのか伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくりが適切に進められるよう、各段階の開発、整備を通じまして、外部の有識者を交えながら、中長期にわたりまして一貫してコントロールする仕組みを構築してまいります。その際、来訪者予測などにつきましても、今後さらに検討してまいります。

○神林委員 今あえてお話ししたのは、国内外への誘致活動が来訪者数に大きく影響をしますので、十分な活動を行ってほしいということで質問をさせていただきました。
 次に、羽田、幕張にも同種施設がありますが、近隣類似施設への影響、連携をどのように図っていくのか伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 都のベイエリアビジョンと連携いたしまして、対象地域となる築地と豊洲、台場などの各エリアとを有機的につなぎ、特色を生かしながら、世界でも最先端のまちづくりを進め、新たな産業や投資を呼び込んでいくこととしてございます。
 また、伝統と新しいまちが共存する臨海地域に展開されるさまざまな機能と有機的なつながりを図りながら、相乗効果を生み出すこととしてございます。
 まちづくり方針策定後、方針に沿って、民間事業者からの提案を受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○神林委員 これも事前に十分な連絡調整を図って、お互いの連携によって、共存共栄を図っていただきたいと思います。
 次に、南西に築地川を挟んで、浜離宮恩賜庭園、南東には隅田川と親和性を図るとされていますが、水際を活用した有効利用にどのような工夫を検討しているのかお伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針の素案では、おもてなしゾーンでは、浜離宮恩賜庭園との一体性や見え方なども考慮しながら、浜離宮と水辺を生かした国際競争力向上に必要な展示機能を備えた質の高い国際会議場、ボールルームなどを備えた上質なホテルなどを想定してございます。
 また、水辺の顔づくりゾーンでは、水辺を活用した憩いやにぎわい空間を創出するとともに、アメニティー性の高い広場、緑地、レストランなどを想定してございます。

○神林委員 ここで気をつけていただきたいのは、水との親和性を図るためには、水質の浄化が不可欠なんですよ。ですから、水質の浄化策の検討をぜひお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、富裕層を羽田空港からクルーザーで直接ホテルに迎える舟運ネットワークのルートや所要時間、輸送力、その他の寄港予定地についてお示しください。

○木村まちづくり調整担当部長 舟運ネットワークの形成の詳細につきましては、今後、舟運事業者へのヒアリングなどを踏まえまして検討を行う予定でございます。

○神林委員 これも当然ですけど、富裕層だけじゃなくて、一般向けの交通手段についてもあわせて検討を願いたいと思います。
 次に、二〇一六年度で国際会議の消費額五千三百八十四億円、参加外国人一人当たりの消費額三十三万円、訪日する外国人一人当たりの平均消費額十五万円と見込まれておりますが、このたびのMICEの経済効果をどの程度見込んでいるのかお伺いをいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 先ほどご説明いたしましたとおり、まちづくりが適切に進められるよう、各段階の開発、整備を通じまして、外部の有識者を交えながら、中長期にわたって一貫してコントロールする仕組みを構築してまいります。その中で、経済波及効果などについても検討をしてまいります。

○神林委員 先ほど申し上げましたとおり、収益性とか採算性をはかる上では、大変大きな影響力がありますので、ぜひ、その辺にしっかりと焦点を当てていただきたいと思います。
 それで、MICEの経済効果というのは、先ほども申し上げましたけれども、広報宣伝活動だとか、誘致活動だとか、施設内容や開催効果などによって大きく変化するものでございますので、十分な準備を怠らないように、準備をしっかりとしていただくように、これも要望させていただきます。
 次に、うわさされるカジノを含む総合型リゾート施設について、導入の動きとその可能性についてお伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 都におきましては、IRにつきましては、国の意向調査に対して検討中と回答いたしましたとおり、さまざまな課題を検討する必要があると考えているところでございます。築地まちづくり方針の素案には、カジノ施設の導入につきまして盛り込んでございません。築地では想定してございません。

○神林委員 今のご答弁から、カジノは入れないということでよろしいんですね。わかりました。
 次に、当地区は、高密度の道路、鉄道ネットワークがうたわれておりますが、高速道路との交通アクセスを初め、渋滞懸念がなくなったのか、都心部との連携強化をどのように図っていくのか伺います。また、今後、新交通システムの導入をどのように考えているのか伺います。
 以上です。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針の素案では、都心部との連携強化に向けまして、地下鉄など基幹交通インフラ整備の具体化を図ることとしてございます。
 また、高速道路につきまして、都市高速道路晴海線へのアクセスについて調整を行うことに留意することとしてございます。
 さらに、交通広場などにつきましては、観光バスの需要にも対応できるようにするとともに、BRTの乗り入れの可能性についても考慮することとしてございます。
 これら都市基盤整備につきまして、まちづくり方針の策定後、さらに検討を進めてまいります。

○神林委員 次に、国際会議場など、入場者が一時的に殺到することが予想されております。最低二方向以上、駅からの動線を確保したり、回遊性を持たせることが必要かと考えますが、どのように考えているかお伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針の素案では、当地区周辺の歴史資産や文化資産、特徴ある地域を結びつけ、連携を強化することができるよう、楽しく周遊できる歩行者のネットワークなどを形成することとしてございます。
 それに向けまして、国内外の観光客が多く訪れる浜離宮、銀座地区の商業エリア、歌舞伎座、築地本願寺や築地場外市場など、周辺のさまざまな資源とのつながりを図り、さらなる地域資源の発掘を行いながら、案内サインの充実を図るなど、築地地区とつながる歩行者ネットワークの普及啓発を進めてまいります。
 また、スーパー堤防や防潮堤の活用などにより、水辺沿いの歩いて楽しい歩行者ネットワークを形成するなどとしてございます。

○神林委員 地区南東側がスーパー堤防の計画区域となっておりますけれども、高潮や大地震による水害の危険性はどの程度想定され、対策を組んでいるのかお伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 都では、高潮や大地震による水害から築地地区を含む東部低地帯を守るため、隅田川においてスーパー堤防の整備を進めてございます。高潮に対しましては伊勢湾台風級の高さに対応しておりまして、地震に対しては将来にわたって考えられる最大級の強さを持つ地震に対応しているということでございます。

○神林委員 当地区は景観形成特別地区にも指定されておりまして、景観形成を図るとうたわれておりますけれども、歩行者ネットワーク、水辺沿いの歩いて楽しいネットワークなどの回遊性も必要であり、その際、眺望が悪化することをどのように防ぐのか、また、それに対する工夫がないのかお伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針の素案では、隅田川や東京湾、浜離宮からの見え方などに配慮しながら、水辺のロケーションを生かし、文化の創造拠点を象徴するすぐれたデザイン、景観を形成することとしてございます。地区全体として、相応のオープンスペース、緑などを確保しながら、環境、景観などの観点からも良質な空間を創出することとしてございます。
 また、隅田川や浜離宮への視線の抜けや、スーパー堤防と一体となった空間づくりにも配慮することとしてございます。

○神林委員 盛り土については先ほどもちょっと問題になりましたが、盛り土をすることによって、基盤、地盤の高さを調節するとされておりますが、その高さと範囲、地震に対する強度、それに要する経費など、概要についてお願いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 スーパー堤防は、後背地で民間事業者が行う開発に合わせまして、一体的に整備されることを想定してございます。盛り土高さと範囲、それに要する経費につきましては、民間事業の提案を受ける中で具体化していくと考えてございます。

○神林委員 先ほども再三質疑いたしましたけれども、改めてここで確認をしておきます。場外市場に近い北東側区域は、食文化を発信するスペースなのか、あるいは、文化、芸術、技術、デザイン、スポーツ、健康を含めた交流スペースなのか、具体的なスペースと内容をお示しください。

○木村まちづくり調整担当部長 場外市場にも隣接するゲートゾーンにつきましては、場外市場などとのつながりにも配慮しながら、周辺地域や他のゾーンとの機能分担を図り、相乗効果をもたらす開発によりまして、交通結節点にふさわしいにぎわいを創出することを想定してございます。
 年度内にまちづくり方針を取りまとめ、その後、民間事業者からの提案も受けながらまちづくりを具体化してまいります。その中で、食に関する機能につきましても、形態はさまざまなものがあり得ると考えられますが、方針に沿って具体的な機能が実現されると考えてございます。

○神林委員 ちょっと先ほども触れましたけれども、豊洲と築地は二キロメートルぐらいしか離れていないわけですよ。ですから、わずか二キロメートルという部分で、改めて、豊洲との競合をどのように避けるのかお伺いをいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 豊洲につきましては、二〇一八年十月に豊洲市場が開場し、今後についても、都が中央卸売市場として運営を行っていくところでございます。
 築地につきましては、豊洲市場の開場に伴いまして、築地市場跡地に約二十三ヘクタールの敷地が創出されることになりまして、今後、再開発によりまして、魅力的な資源を有する地域のポテンシャルを生かしつつ、国際的な交流拠点を形成してまいります。
 都のベイエリアビジョンと連携し、対象地域となる築地と豊洲、台場などの各エリアとを有機的につなぎ、特色を生かしながら、世界でも最先端のまちづくりを進め、新たな産業や投資を呼び込んでいくこととしてございます。
 また、伝統と新しいまちが共存する臨海地域に展開されるさまざまな機能とも有機的なつながりを持ちながら、相乗効果を生み出すこととしてございます。まちづくり方針策定後、この方針に沿いまして、民間事業者からの提案を受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○神林委員 再三再四、食の部分が出ているわけでございますけれども、競合の部分をどう解決していくかと同時に、やっぱり豊洲との連携も、わずか二キロしか離れていないから、必要なわけですよ。このことについてどう考えているかお示しください。

○木村まちづくり調整担当部長 豊洲につきましては、二〇一八年十月に豊洲市場が開場し、今後も都が中央卸売市場として運営を行っていくこととなってございます。
 築地については、豊洲市場の開場に伴いまして、築地市場跡地に約二十三ヘクタールの敷地が創出されることとなりまして、今後、再開発により、魅力的な資源を有する地域のポテンシャルを生かしつつ、国際的な交流拠点を形成してまいります。
 都のベイエリアビジョンと連携し、対象地域となる築地と豊洲、台場など各エリアとを有機的につなぎ、特色を生かしながら、世界でも最先端のまちづくりを進め、新たな産業や投資を呼び込んでいくこととしてございます。
 また、伝統と新しいまちが共存する臨海地域に展開されるさまざまな機能とも有機的なつながりを図りながら、相乗効果を生み出すこととしてございます。
 まちづくり方針策定後、方針に沿って、民間事業者からの提案を受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○神林委員 ここでちょっと心配なことを一つ挟んでおくんですが、豊洲に飲食、それから商業施設を予定している事業者、特に、築地の食のテーマパーク化に反対して建設がおくれている、こういった事業者の方々には、いつごろ、どのような説明をしていくのかお伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 必要に応じまして、市場局とも連携して適切に対応してまいります。

○神林委員 これもなるべく早く、納得のいくような説明をぜひしていただきたいと思っております。
 豊洲では、マグロの競り見学やマルシェを開くなど、新しい食文化として、豊洲ブランドの確立を進めておりますが、どのような調整を図っていくのか伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 豊洲につきましては、二〇一八年十月に豊洲市場が開場し、今後についても都が中央卸売市場として運営を行っていくこととなってございます。
 築地につきましては、豊洲市場の開場に伴いまして、築地市場跡地に約二十三ヘクタールの敷地が創出されることとなり、今後、再開発により、魅力的な資源を有する地域のポテンシャルを生かしつつ、国際的な交流拠点を形成してまいります。
 都のベイエリアビジョンと連携し、対象地域となる築地と豊洲、台場など各エリアとを有機的につなぎ、特色を生かしながら、世界でも最先端のまちづくりを進め、新たな産業や投資を呼び込んでいくこととしてございます。
 また、伝統と新しいまちが共存する臨海地域に展開されるさまざまな機能とも有機的なつながりを図りながら、相乗効果を生み出すこととしてございます。
 まちづくり方針策定後、方針に沿って、民間事業者からの提案を受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○神林委員 これは二〇一七年三月ですが、港区まちづくりマスタープラン、これは、竹芝駅周辺における庭園やふ頭などの地域資源とのつながりに配慮した歩行者ネットワークの拡充などを掲げておりますが、港区との調整をどのように進めていくのかお伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくり方針を策定するための検討に当たりましては、港区も、築地まちづくり検討委員会の委員として参画しながら検討を進めてきたところでございます。
 築地の再開発を進めるに当たりましては、民間事業者の提案を受けるとともに、地元区と連携し、まちづくりの具体化を図ってまいります。

○神林委員 年度内には方針を取りまとめるとされておりますが、先ほど来から再三議論しておりました、築地は食に限らないブランドを探らざるを得ないと考えますが、どのような方針のブランドを探っていくのかお伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 築地のまちづくりに当たりましては、浜離宮や隅田川など地域資源、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かしながら、新たな東京ブランドを創造、発信する国際的な交流拠点を形成することとしてございます。

○神林委員 素案で掲げている、江戸の歴史や情緒を生かすなど、築地の精神性や国際性を兼ね備えた東京の新たな顔として育てていくためには、具体的にメーンテーマやまち全体のデザインイメージをどのように掲げていくことも大切だと考えておるでしょうか、見解を伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 メーンテーマを将来像と受けとめますと、築地まちづくり方針の素案では、浜離宮恩賜庭園や隅田川など地域資源、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かしながら、新たな東京ブランドを創造、発信する国際的な交流拠点を形成することとしてございます。
 また、デザインにつきましては、隅田川や東京湾、浜離宮恩賜庭園からの見え方などに配慮しながら、水辺のロケーションを生かし、文化の創造拠点を象徴するすぐれたデザイン、景観を形成することとしてございます。
 まちづくり方針の策定後、民間事業者からの提案を受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○神林委員 今後の築地まちづくりの計画について、民間の力を活用し、東京都の築地まちづくり庁内検討会や検討委員会など、どのような組織の構造と参画のもとに進めていくのか伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくりを進めるに当たりましては、地元区とも連携し、長期的に一貫して開発をコントロールする仕組みを整えてまいります。まちづくりが適切に進められるよう、まちづくり方針を踏まえた各段階の開発、整備を通じて、まちづくり、財務、会計など、外部の有識者を交えながら、中長期にわたって一貫してコントロールする仕組みを構築してまいります。
 築地の再開発を進めるに当たりましては、民間事業者の提案を受けるとともに、地元区と連携し、まちづくりの具体化を図ってまいります。

○神林委員 まちづくりが着実に進められるよう、外部有識者を交えたコントロール体制を構築するとしておりますが、その具体的な姿が見えてきません。
 また、議会に対してはどのように報告を行っていくのか伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくりのコントロールにつきましては、先ほど述べましたような体制を考えてございます。
 議会に対しても、適宜報告を行ってまいります。

○神林委員 しっかり報告をして、それで審議して、また対応していただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 将来像の実現に当たっては、築地まちづくりの大きな視点で示された、築地再開発が東京と日本にとって重要な役割を担うこと、環境への取り組みや水辺、緑を生かすことなどを重視し、ソサエティー五・〇の実現を全体目標として設定するとしておりますが、具体的にどのような点に考慮し、設定していくのか伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくり方針素案では、ソサエティー五・〇の実現など、今後の社会の動向も考慮しながら、新たなにぎわいが創造される地域の中核となるまちの実現などを全体目標として設定してございます。
 なお、国におきましては、AIやIoT、センサー、ロボット、ビッグデータといった第四次産業革命がもたらす技術革新が生活や経済社会を画期的に変えようとしていることを踏まえ、持続可能な開発目標に向けて、国民一人一人の生活を豊かにするために、ソサエティー五・〇を実現することとされてございます。

○神林委員 まちづくり概要には、まちづくり方針を上位計画とし、民間から提案を受けながら段階的に開発を進めていく、経済合理性を考慮しながら民間の力を最大限活用するとありますが、経済の合理性をどのように担保していくのか、官民の役割分担をどのように進めていくのか伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 先ほどご答弁いたしましたとおり、まちづくりが適切に進められるよう、各段階の開発、整備を通じまして、外部の有識者を交えながら、中長期にわたって一貫してコントロールする仕組みを構築してまいります。その際、経済合理性や官民の役割分担についても留意しながら検討してまいります。

○神林委員 世界中の多くの人たちが交流する拠点を目指す新都心ですので、防災、防犯上の備え、環境対策への備えについても当然必要不可欠となりますので、見解を伺いたいと思います。
 ちょうど予定の二時間になりましたので、これで私の質問を、答弁を聞いて終わります。

○木村まちづくり調整担当部長 防犯につきましては、まちづくり方針の素案におきまして、特に防潮堤の活用等による歩行者ネットワークの形成に関しまして、防犯上の対策について調整を図ることとしてございます。
 また、機能導入に当たりまして、防災につきまして、地域の防災性の向上に寄与することとしてございます。先ほどもご答弁いたしましたとおり、都では、高潮や大地震による水害から築地地区を含む東部低地帯を守るため、隅田川においてスーパー堤防の整備を進めておりまして、高潮に対しましては伊勢湾台風級の高さに対応しており、地震に対しては将来にわたって考えられる最大級の強さを持つ地震に対応してございます。
 さらに、環境につきましても、最先端の取り組みが行われることなどをまちづくり方針に示してございます。まちづくり方針の策定後、民間事業者からの提案を受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○本橋委員長 ここで運営について申し上げます。
 議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたしたいと存じます。
   午後五時十八分休憩

   午後五時四十分開議

○本橋委員長 休憩前に引き続きまして委員会を再開いたします。
 質疑を行いたいと思います。
 発言をお願いいたします。

○曽根委員 それでは、私からも築地のまちづくり方針素案について質問をさせていただきます。
 やはり出発点はおととしの六月二十日、小池知事が築地市場の基本方針であれほどはっきりと、築地は守る、築地に市場機能を残す、築地に戻りたい仲卸の方をお手伝いしたいとまで発言したにもかかわらず、まだ二年もたっておりませんが、今日では、市場機能という言葉は実は築地ブランドをさらに発展させていきたいとの思いで述べたものだといいわけしながら、卸売市場は豊洲だけで運営し、築地には整備しないと答弁しています。
 ただ、築地の食文化は大事な要素だから、素案にはただ一カ所だけですけれども、歴史的、文化的ストックも十分に生かすということを示したと述べて、あとは民間主導で国際会議場を中核とする再開発を進めるという話です。
 二十八日の毎日新聞のメディア時評というコラムがありますが、ここで石井妙子さんというノンフィクション作家が、これは明らかな公約違反だとずばり書いておりますが、全くそのとおりです。
 私も、鈴木知事以来、青島、石原、猪瀬、舛添と、小池知事で六人目になりますけれども、今まで対峙してきた知事の中で、これほど見事な公約破りというのは珍しいと思います。どうしてこういう話にすりかわっていってしまったのか、この間の経過について幾つかただしておきたいと思います。
 小池知事が最初に基本方針を覆したのは、実は、都議選直後の七月の関係局長会議でした。ここで、都議選前の築地に市場を残すという話とはあべこべの民間主導の再開発が打ち出されたわけです。
 しかし、その後招集された築地再開発検討会議にはそれでも、有識者として、卸売市場としての築地市場の存続を要望しているメンバーも参加しておりました。だから、一定の都民の期待も集めたと思います。ただ、民間主導の開発の流れというのはもう変わりませんでした。
 検討会議では、複数の委員から、これからの時代やニーズの変化に対応できるように、最初からコンセプトをコンクリートせずに段階的な開発をすべきだとの意見も出されておりましたが、結局、その後の素案の中では、国際会議場を中核にする方向が打ち出されております。
 そこでまず最初にお聞きしたいのは、築地まちづくりの大きな視点、有識者の会議で出されたこの大きな視点の中で、段階的開発により価値の最大化を図るというような内容がありますが、これは素案に生かされたのかどうか。なぜ、いきなり素案の中で具体的な国際会議場が中核になってしまうのか。この点について、最初にお聞きしたいと思います。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針の素案では、築地まちづくりの大きな視点で提言されました段階的開発により価値の最大化を図るということを踏まえ、東京全体としての価値の最大化を図るため、段階的に適切な機能を順次導入、整備していくこととしてございます。

○曽根委員 段階的に開発を進めるといっても、中核となるコンセプトは、もう素案の段階から、国際会議場や展示場などという形でコンクリートされてしまっているわけです。
 さらに、この大きな視点を受けて、その後、非公開で庁内の検討会が行われておりますが、私、大変疑問なのは、この庁内の検討会が非公開であるということと同時に、ここには市場長が参加しておりませんよね。これはなぜですか。

○木村まちづくり調整担当部長 今回、まちづくり方針素案を策定するに当たりまして行いました会議は、東京都の部長級のメンバーを中心に構成しているものでございます。
 最初、ハードについての議論を行うということで、要綱の構成委員には中央卸売市場のメンバーは入ってございませんが、議論の中で適宜必要ということで、会議への出席を求めていた回もございます。

○曽根委員 いわば、常に参加をする常設メンバーとしては入っていない。市場としての歴史だとか、それから食文化が重要だというのなら、まちづくりの上で築地が果たしてきた役割を今後にもきちんと継承していくべき責任者が、いわば中央卸売市場長ですから、東京都としては。この人が入っていないということなんですよ。
 こうやって庁内の中で検討が進められていく中でどんどんと、私は、このコンセプトから市場機能だとか食文化とか、そういうものが切り離されていったんじゃないかというふうに見えるわけです。
 では、まちづくり方針を検討する過程で、市場機能の確保だとか、築地ブランドを生かすとか、食のテーマパークとか、食文化の伝統などの内容を盛り込むことについて、知事の側から何らかの指示はあったんでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針の策定に当たりましては、築地まちづくり庁内検討会に加えまして、学識経験者を交えた築地まちづくり検討委員会を立ち上げまして、検討を進めてまいりました。それらの検討会における議論や検討状況を踏まえまして、知事に報告を行ってございます。

○曽根委員 つまり、この検討会での内容は、報告は知事側にしていたけれども、知事の方から特に指示はなかったということでよろしいですか。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくり方針の策定に当たりまして、庁内検討会、築地まちづくり検討委員会等において検討を進めてまいりましたので、そういった検討状況につきまして、知事に報告を行ってございます。

○曽根委員 知事から明確な指示があれば、当然、次の検討委員会で報告しなければおかしな話になりますから、結局、知事は、一昨年六月二十日に示した方向について、こうした庁内の検討会、最後の具体化の場に反映させようとしていなかったということですよね。
 知事の答弁で、築地ブランドを発展させたいという思いから市場機能を残すとまで発言したというのは、これは一体何だったのかと。その後の具体化では、知事の側から具体的な指示も提案もされていないということであれば、この発言はその場しのぎということになりかねません。それにしても、あれだけはっきりと知事が言明していたにもかかわらず、都の職員の中で、検討の場で、市場機能や食のテーマパークなどというアイデアが全く取り上げられなくなったのはなぜなのかということです。
 それでお聞きしますけれども、知事が、基本方針であれだけ市場機能の確保ということを強調したのに、今回の素案の中でも、ただ一カ所、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かす、この表現だけですよね、入ってくるのは。この表現だけになってしまったのはなぜでしょうか。おととしの知事の発言から余りにもさま変わりしていると思いますが、どうですか。

○木村まちづくり調整担当部長 市場機能につきましては、都が中央卸売市場として運営するのは豊洲市場でございまして、豊洲市場移転後の築地再開発におきまして、都が改めて卸売市場を整備することはないと考えてございます。
 一方、築地にとりまして、食文化は重要な要素の一つでございまして、築地まちづくり方針の素案では、有識者から成る築地再開発検討会議による築地まちづくりの大きな視点の提言を踏まえまして、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしてございます。

○曽根委員 先日の本会議でも、小池知事は、今の部長と同じ答弁で、この素案の中のこの一言、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かす、これにしがみついて、ここに私の思いが残っているかのような答弁をしています。
 しかし、これでは、はっきりいって何もいっていないのと同じだと思います。しかも、開発のメーンというのは国際会議場や展示場なんですから、もう完全にずれているわけです。
 先ほど、場合によっては、豊洲で今働いている仲卸の方が築地に戻ってくる道が閉ざされていないかのような話もありましたけれども、もともと小池知事は、築地のこのブランド力、いってみれば築地市場の価値ですね、これは、六月二十日の基本方針の発表の中で、東京都の莫大な資産であると考えられますといいながら、高い知名度、そして長い歴史、日本で唯一市場がブランドになった希有な存在といっていいかと思いますと。そして、その築地ブランドの核をなすのが仲卸の皆さんでありまして、この仲卸の方々の目きき力ということがまさにブランドの宝の部分かと思いますと。
 私、知事はよくわかっていると思うんです。その仲卸さんが豊洲に行って、それからまた築地に戻りたいといっても、そこには仲卸という仕事が待っているわけじゃないわけですよね。卸売市場ないわけですから、築地には。
 こういう形で、築地のブランド力が生かせるのかどうか、これは極めて曖昧、しかも可能性は小さいといわざるを得ないことは知事もわかっていると思いますが、市場機能を残すという言葉を、今は歴史的、文化的ストックなどという言葉にすりかえているということは、私は重大だと思います。
 それで、もう一つ、我が党は繰り返し、仲卸業者の方々の声をちゃんと聞けと迫ってきましたし、知事も答弁のたびに、丁寧に聞いてきたしこれからも聞いていくという趣旨の答えをしています。これがどうなったかということです。
 これまでまちづくり方針の検討過程で、東京都が仲卸など市場業者の方々の意見を聞いたのはいつなのか、誰が、どこで、誰に意見を聞いたんでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発検討会議の状況につきましては、関係局とともに、仲卸業者の代表の方々に説明を行ってまいりました。
 また、今回の築地まちづくり方針の素案につきましては、パブリックコメント期間中の二月八日に、関係局とともに豊洲市場に出向いて、仲卸業者の代表の方々に説明を行いました。

○曽根委員 はっきりいって、都市整備局の幹部の方が市場の方と一緒に、仲卸の役員の方に会ったんだということですよね、二月八日。この二月八日に、まさか役員とだけ会うというような話じゃないと思うんですけれども、どうなんでしょうか。
 もし卸売業者の本当の悩みが聞きたければ、豊洲行きを決断してみんなを引っ張っていった役員の方だけに会うだけでは、本当の意見は聞けないんじゃないかと。
 おのおのの仲卸業者には、二月八日に東京都と仲卸業者の代表が会うことが知らされていたんでしょうか。その代表は、仲卸業者の意見を取りまとめてきたんでしょうか。いかがですか。

○木村まちづくり調整担当部長 記者会見でもお話がありましたように、水産仲卸団体のご意見といたしましては、中央卸売市場が豊洲市場である以上、仲卸として事業を営むのは豊洲であり、組織として築地に戻ることは考えていない旨の話があったところでございます。

○曽根委員 そういう意見だけを代表の方から聞いて、これが卸売業者、仲卸業者の皆さんを代表する声だと決めつけているとすれば、もう市場業者の本当の願いというのは絶対に東京都に届くはずがありません。
 例えば、同じころに仲卸の方々でつくっている築地女将さん会、ちょうどこのころに、豊洲と築地のどちらで商売したいかと聞くアンケートを仲卸業者の方々にとっているんですけれども、三桁の単位で回答が寄せられていますが、その結果は、当然築地がいいというのが六一%、できれば築地がいいというのが三二%と合わせて九三%を占めているわけです。代表の意見とは大きく乖離しているんじゃないでしょうか。
 こういう業者の方、とりわけ仲卸業者の方々の声が、今、部長が答弁されたような意見とは大きく乖離があるという認識はありますか。

○木村まちづくり調整担当部長 豊洲市場開場から半年に満たないという状況のもとで、事業者の皆様には、まず豊洲での事業を軌道に乗せていただくことが重要であり、市場当局におきまして、業界団体とも連携しながら、円滑な市場運営に全力を挙げることを優先して取り組むこととしております。そうした中で、市場当局と連携し、仲卸業者の意見も聞きながら、丁寧に対応していきたいというところでございます。

○曽根委員 もちろん、豊洲市場に移ったからには、そこで頑張らなければ市場業者として生きていけませんから、それは頑張るのは当然です。しかし、事実として総取扱量はかなり落ちているわけです。しかも、豊洲市場というのは大きな冷蔵庫の中で仕事をしているようなものですから、電気代が物すごく高くなっている、非常に厳しい中で、それでも、とりわけ仲卸の業者の方々は頑張って働いています。
 先ほどちょっと紹介したメディア時評の石井さんという方は、豊洲の問題点として、豊洲移転後、取扱高は大幅に減少し、交通不便な上に市場内部の使い勝手が余りにも悪いため買い出し人が他の市場に流出してしまったという問題や、六千億円もかけた最新設備のはずなのに、床の陥没、シャッター、エレベーターの故障、黒い粉じんが舞う現象も見られ、市場関係者の一部からは喉の痛みを訴える声も上がっている、市場内ではターレによる事故がふえ、死者まで出ている、現在も地下水からは基準値百三十倍のベンゼンが検出され、水位も高いままだと。もとより豊洲は維持費だけでも年間百億円を超える、本当に持続可能な市場なのか、安心・安全な市場なのか、いま一度検証が必要であろうというふうに書いておりまして、全くそのとおりだと思います。
 今後は、仲卸など市場業者の意見を東京都は引き続き聞いていくといっておりますが、どのように聞いて、どう生かしていくのか、この点についてお聞きします。

○木村まちづくり調整担当部長 豊洲市場開場から半年に満たないという状況のもとで、事業者の皆様には、まず豊洲での事業を軌道に乗せていただくことが重要でございまして、市場当局におきまして、業界団体とも連携しながら、円滑な市場運営に全力を挙げることを優先して取り組むこととしてございます。そうした中で、市場当局と連携し、仲卸業者の意見も聞きながら、丁寧に対応していくこととなってございます。

○曽根委員 築地の跡地開発という道にもう踏み込んでいますけれども、しかし、これは本当に都民のために、また市場業者の方が納得するものになっていくのかどうかが、今、極めて大きな瀬戸際に立っています。
 この先、本当の意味で市場業者の方々の願いや声を聞き入れることができるかどうかというのは、東京都のいわば力が試されている問題ですので、しかも、声を聞いただけじゃなくて、きちんと計画に反映できる道がなければ何にもなりませんので、このことは申し上げておきたいと思います。
 同時に、場外市場も、これは先日我が党が一軒一軒訪ねて調査をいたしましたところ、どこも売り上げの減少で皆さん悩んでおりました。東京都は、場外市場の問題は築地の開発とは別物だということでは済まされないと私は思います。
 築地場外市場の業者にまちづくりへの意見を聞いたのかどうか、これからはどうするのかお聞きします。

○木村まちづくり調整担当部長 築地の再開発につきましては、築地まちづくり庁内検討会に加えまして、学識経験者も交え、地元区も参画した築地まちづくり検討委員会を立ち上げまして、行政としてのまちづくり方針を検討してきたところでございます。
 まちづくり方針につきましては、素案を公表し、広く都民の意見を聞いたところでありまして、年度内に取りまとめていく予定でございます。今後、築地場外市場につきまして、区とも連携し、適切に対応してまいります。

○曽根委員 今までも場外市場の方々の声を直接聞いたことはないようですし、今後もそういう話は今出てきませんでしたが、長年、築地市場あってこその場外市場、また場外市場あってこその築地の利便性、ともに支え合ってきた存在ですので、私たちは、少なくとも、豊洲への市場移転の打撃を受けている現在の場外市場の業者の方々への支援事業を東京都が立ち上げることが必要だというふうに考えております。
 次に、問題なのは、今回、まちづくり方針とともに、築地の有償所管がえに一般会計から五千四百億円以上の巨額を、しかも年度末補正予算でつぎ込もうとしている問題です。
 築地の二十三ヘクタール全体を有償所管がえするということは、築地のまちづくり方針を確定していくこととセットで行っているのか、まちづくり方針策定に欠かせない手続なのかどうかをお聞きしておきます。

○木村まちづくり調整担当部長 築地市場の跡地につきましては、東京全体としての価値の最大化を目指すまちづくりを見据えまして、外部の鑑定価格により行った収支計算を踏まえ、中央卸売市場会計から一般会計へと公有財産規則に基づく有償所管がえを行うこととしたものと受けとめてございます。

○曽根委員 これはまちづくりそのものの方針の問題と別々の問題であることは当然です。もし、この築地の跡地を市場会計に置いておいたとしても、開発方針を決めることはできるわけです。
 よしんば普通財産にした方が民間が手を挙げやすいとしたとしても、今回補正予算で年度内に全額を用意する、そういうふうにしなければならない理由がよくわかりません。
 そこで、まちづくり方針の素案については今、たしか二月の二十一日までパブリックコメントが行われまして、それを踏まえたまちづくり方針--これは補正予算が議決をされようとしている三月六日の中途本会議までに、この方針はまとめられるのでしょうか。それとも、それより後になって確定をするんでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくり方針につきましては、素案を公表し、広く都民の意見を聞いたところでございまして、年度内に取りまとめていく予定でございます。

○曽根委員 もう三月六日中途本会議までは日もありませんから、まちづくり方針そのものは、やはり三月末になっていくと思われます。
 では、なぜその方針が確定しないうちに、五千四百億円以上もの財源を六日までに議決して、年度末までにお金を動かすのかと。これは余りに性急といわざるを得ません。
 しかも、このまちづくり素案だけでどうやって、現在のところこのまちづくり素案が出ているだけですが、これでどうやって築地の土地代の鑑定ができるのかも極めて不鮮明です。
 築地の二十三ヘクタールの開発だけで最大の価値を生むことを考えたら、土地の鑑定価格はもっと上がってしまうと思いますが、そういう可能性が高いと思いますが、五千四百億円余りのこの鑑定価格の計算根拠となる土地利用の構想、どういう施設を、インフラを配備するのかというようなことは、都市整備局は示しているんでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地市場の跡地につきましては、東京全体としての価値の最大化を目指すまちづくりを見据え、外部の鑑定価格により行った収支計算を踏まえ、中央卸売市場会計から一般会計へと公有財産規則に基づく有償所管がえを行うこととしたものと受けとめてございます。
 都市整備局といたしましては、今回取りまとめましたまちづくり方針の素案につきまして検討しておりまして、そういった情報は共有してございます。

○曽根委員 今、先ほどまで財政委員会でも審議されていたと思いますが、今回のこの土地代の鑑定に当たって、最大活用する、最大価値が出るような活用の仕方をするというようなことが先ほどもちょっとありましたけれども、そういうことを考えていく基準となるべき土地の利用方法などについてはまだ何も決まっていないわけで、にもかかわらず五千四百億円余りの金額が出てくる。これ、大変大きい額ですけれども、一平方メートル当たりにしますと二百五十万円程度で、都心の土地価格としてはそれほど高くはありません。
 専門家にいわせると、これから土地利用が確定していく中で、例えば地区計画が決まってくると、容積率の緩和が恐らく行われていくだろうと。現在は五〇〇%程度だと思いますが。そうすると、地価も上がってくるだろうと。それは誰の利益になるのかということが大問題だと思うんです。
 恐らく、五千四百億円余りのこの土地代をベースにして、長期貸付で民間が手を挙げるのを今、誘導しているわけですから、民間がここに進出した後に地区計画をプロポーザルか何かで決めて、その後に地価が上がっていく。その利益は、民間の方が享受するという可能性が非常に高くなってくると私は思うんですね。
 そういう意味で、だから民間が進出しやすいということを誘導しているのかもしれませんが、だとすれば、長期的に見て、これが本当に、民間企業のもうけのためというよりも都民の利益のためになるのかどうかというところが、今後厳しく問われてくると思います。
 したがって、今回の築地跡地の有償所管がえというやり方は、第一には、築地の土地を市場機能とか食のテーマパークとかいうイメージから引き剥がして、民間企業に自由に開発させるという一つの目的があったことと、第二には、結局この五千四百億円という金額が豊洲市場の莫大な赤字の穴埋めという点とぴったり一致しているというところで、いわば民間に自由な開発を許し、かつ豊洲については急いでとにかく穴埋めをするという、本音のところではこういう狙いがあるというふうにいわざるを得ないという点で、都民の財政ですから、そのつぎ込み方として、こんなやり方は絶対に都民の理解を得られないというふうに私たちは考えております。この点を強く指摘して、私の質疑を終わります。

○宮瀬委員 どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、ほかの委員からも大騒動とか、また、答弁ずっと聞いていましたが、かみ合っていない答弁も多くて、委員会でもやじが飛んだりということで、質問に入る前に率直にお伺いしたいんですけれども、なぜこういった大きな問題になってしまったのか、どこに問題があったと皆さんお考えでしょうか。所見で構いませんので、ご答弁をお願いします。

○木村まちづくり調整担当部長 築地のまちづくりにつきましては、またとない大規模なポテンシャルの高い土地を、しっかりとポテンシャルを生かして、魅力的なまちづくりを進めていく必要があると考えてございますので、その方向性に特段の問題があるとは考えてございません。

○宮瀬委員 聞いているのは、今のこの状態が大問題になっているということを私はお伺いしているんですけれども、こういった、ほかの与党の委員の皆さんも大騒動といった声も出ていましたけど、問題ではないという認識ですか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地のまちづくりにつきましては、二十三ヘクタールという貴重な都民の財産をしっかりと有効に使っていこうということで考えてございますので、その方向で問題があるとは考えてございません。

○宮瀬委員 私たちがやっていることは問題ないですよというご趣旨でよろしいんでしょうかね。多分、今までの質疑を聞いていますと、ずうっと何を聞いても同じ答弁になって議論も進まないので、質問の方に入りますけれども、あくまで私見の要素が多いですが、私などは、小池都政の改革、さまざま具体的な提言をしてまいりました、前期。挙げると切りがありませんけれども、改革をする知事であれば応援しますよと。
 ただ、ならぬものはならぬ、おかしなものはおかしいというのは、しっかりといっていかなきゃいけないと思っておりまして、是々非々という単語が正しいかどうかわかりませんけれども、きょうは非のスタンスで厳しく確認させていただきたいと思っております。
 まず、代表質問の方で、築地は守るといったことは公約違反じゃないんですかということを確認しましたら、知事のご答弁がさまざま出てまいりました。その一個一個確認をしていく前に確認を、さらに一個前にしておきたいんですけれども、まず、きょういろいろ問いかけますが、皆さんのご答弁というのは知事のご答弁と同じだと、同様の考えだという認識で、まずよろしいんでしょうか。そこを最初確認させてください。

○木村まちづくり調整担当部長 築地のまちづくりを進めていくに当たりまして、特段の違いがあるとは考えてございません。

○宮瀬委員 ということは、知事と同じ考えであるというご答弁でございました。
 では確認をしてまいりますけれども、公約違反ではないのかといったことに対しまして、代表質問で、東京全体の価値を最大化していくことこそが築地が培ってきた大切なものを守る、発展させることになると考えているとご答弁ありましたけれども、築地が培ってきた大切なものというのは何でしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地ブランドは、市場業者を初め東京の食文化を担う方々の努力により、長い歴史の中で育まれてきたものであり、都民の貴重な財産でございます。
 また、築地にとって食文化は、重要な要素の一つでございます。

○宮瀬委員 今、ご答弁聞いていますと、築地を守るといったことは、築地が培ってきた大切なものを守り、発展すること、そのことは何かと聞きましたら、市場業者を初め東京の食文化を担う方々の努力により、歴史の中で育まれた都民の財産ですと。普通の都民が思う築地の貴重な財産とは--普通はですよ、築地市場を含む築地なのではないでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 市場につきましては、豊洲市場が開場いたしまして、豊洲市場に、中央卸売市場を開設する、都として中央卸売市場として維持していくということとしておりまして、築地市場には、都として市場機能を整備するということは考えてございません。

○宮瀬委員 少し意味がわかりづらかったんですけれども、つまり、築地を守るという単語は、築地市場を守るではないといった意味でしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地の再開発におきまして、都として市場機能を整備することは考えてございません。築地ブランドにつきましては、市場業者を初めとして東京の食文化を担う方々の努力によりまして、長い歴史の中で育まれてきたものでございまして、都民の貴重な財産でございます。
 また、築地にとりまして食文化は、重要な要素の一つでございます。

○宮瀬委員 全く答弁がかみ合わなくてびっくりしているんですけど、じゃ、シンプルに聞きます。築地を守るといったことは、築地市場を守るといったことではないという私は認識をしていますが、正しいでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、築地の再開発におきまして、都として市場を整備するということは考えてございません。

○宮瀬委員 ちょっと、これずっと続くんでしょうけど、普通の、一般の都民の感覚からすれば、築地を守るといったら、多くの人は築地市場を含めて守られるんだというふうに思うと思うんですよ。それが普通の感覚なんじゃないかと思うんですけれども、結果そうなっていないということは、都民が誤解していたり、都民の認識が悪かったり、そういうことなんでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 一昨年、基本方針で示されましたのは、豊洲と築地の両方を生かすことを趣旨とする大きな方向性でございまして、日本の中核市場としての可能性を持つ豊洲と、都心に近くさまざまなポテンシャルを有する築地、東京のさらなる成長に向けて、この両方を生かしていくということだというふうに認識してございます。
 この基本方針をベースに、都として検討を行いまして、一昨年七月の市場移転に関する関係局長会議において、築地については民間主導で再開発を進めていくこととし、その後、有識者の意見もいただきながら検討を重ねてきたところでございます。
 まちづくり方針の素案では、再開発の考え方として、地域のポテンシャルを生かしつつ、新たな東京ブランド創造、発信する国際的な交流拠点を形成することとしており、都民の皆様からの意見も踏まえ、年度内にまちづくり方針を取りまとめていくこととしてございます。

○宮瀬委員 済みません、本当に、質問に対する答えに、答えていただいていないという認識なんですけれども、違いますかね。結構大事なところで、これ、ずっと同じ答弁ですよね、正直ね。じゃあ、ちょっと違うステージでまたこれはやりたいと思います。
 そういった中で、代表質問で、公約違反ではないのかといって、その中で謝罪の件も我が会派が知事に求めたときに、ご答弁が直接ないわけであります。局としても、謝罪と公約違反ということに関しまして、同じ認識なんでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、知事が本会議におきましてご答弁しておりますように、基本方針で示したのは豊洲と築地の両方を生かすことを趣旨とする大きな方向性であるということでございまして、東京全体の価値を最大化していくことこそが、築地が培ってきた大切なものを守り、発展させることになるというふうに受けとめてございます。

○宮瀬委員 そうなりますと、先ほど、神林理事の質疑の中で、局長が明確に謝罪の必要はなしとおっしゃっておりまして、もう一回確認しますが、公約違反でもないし、謝罪の必要もないといった認識でよろしいでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 先ほど局長からもご答弁いたしましたように、謝罪の必要はないと考えてございます。

○宮瀬委員 大事なところなので、公約違反でもないという認識でよろしいですか。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、基本方針で示されました築地は守るということにつきましては、豊洲と築地の両方を生かすということを趣旨といたします大きな方向性でございます。特段、謝罪等の必要はないと考えてございます。

○宮瀬委員 皆さんのお考えはよくわかりましたので、では次に行きたいと思います。
 代表質問の中で、希望する仲買の方々に対しては築地にまた復帰される際のお手伝いをさせていただくといったことがございました。そういった中で、仲卸業者の意見も聞きながら丁寧に対応していきますよといった答弁をさっき聞いていましたので、そこは割愛します。
 では、実際に代表質問の答弁の中では、ちょっと読んで恐縮ですけれども、築地に思いを寄せる仲買業者の意見を聞きながら丁寧に対応していくと答弁をし、知事会見では、場外市場の方、また新規参入の意向のある方を含めた工程表を作成したいと述べていらっしゃいました。さらに、築地のまちづくり方針の素案では、各段階において事業者を募集するとしていますが、仲買事業者が築地に戻れるというのは、実際に何年ごろになるんでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 豊洲市場開場から半年に満たない状況のもとでは、事業者の皆様には、まず豊洲での事業を軌道に乗せていただくことが重要でございまして、市場当局におきまして、業界団体とも連携しながら、円滑な市場運営に全力を挙げることに優先して取り組むこととしております。
 そういった前提のもとで、どういったご意見があるのか、市場当局と連携し、引き続き、仲卸業者の意見も聞きながら、丁寧に対応していきたいと考えてございます。
 なお、まちづくりにおきまして、民間事業者の募集などを行う時期等につきましては、今後検討していくこととしてございます。

○宮瀬委員 聞き方を変えまして、基本的には、築地の再整備が完了してから、戻っていただくかどうかの、完了してからの話といいますか、ある程度、箱物ができてからということでよろしいんでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、豊洲市場開場から半年に満たない状況のもとで、事業者の皆様には、まず豊洲での事業を軌道に乗せていただくということが重要でございまして、市場当局におきまして、業界団体と連携しながら、円滑な市場運営に全力を挙げることを優先して取り組むこととしてございます。
 そういった前提のもとで、どういったご意見があるのか、市場当局と連携して、仲卸業者の意見も聞きながら、丁寧に対応してまいりたいと考えてございます。

○宮瀬委員 質問が、築地の再開発がある程度見えてきたり、箱物ができたりしますよね、その後でいいんですか。だって、今、何もないところからは当然、おっしゃるようにできないと思いますけれども、それを聞いております。

○木村まちづくり調整担当部長 築地のまちづくりにおきましては、段階的に整備を進めていくこととしてございまして、先ほどの繰り返しになりますが、段階的整備に際しての民間事業者の募集などの時期等につきまして、今後検討してまいります。

○宮瀬委員 となりますと、段階的整備というのは、お伺いしたところによると平成四十年代というふうに聞いているんですが、その認識でよろしいでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地の再開発におきましては、段階的に整備を進めていくこととしておりまして、将来像といたしましては二〇四〇年代の将来像を示してございますが、整備につきましては順次有効に活用するという観点から、段階的に活用を図っていきたいと考えておりまして、現在、まちづくり方針の素案におきまして、第ゼロ段階から第三段階まで段階を示してございます。募集の仕方等につきましては、今後検討していくこととしてございます。

○宮瀬委員 もうご答弁のとおりで、四〇年代ということは、二〇四九年が最大値でございまして、当然、私の認識ですと、しっかりと地ならしはして施設ができて、そこから、戻るというか営業されると思いますので、最長二十年後になってしまうんじゃないでしょうか。今、二〇一九--あっ、平成ですね、失礼いたしました。
 ということは、いずれにせよ、すぐに戻れるといった状況ではないと思うんですけれども、そういったお話というのは、事前にちゃんと仲買業者の人たちにしっかりと伝えていたんでしょうか。
 つまり、知事が、築地に戻ることを希望する仲買業者は戻れますよと、検討しますよといったお話をしていますけれども、実際に、いつごろ戻れるかとか、そんなに先になるかとか、五年後だとか、いろいろ報道も出ていますけれども、そういったお話はされているんでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 公表いたしましたまちづくり方針の素案で示しております段階的整備の進め方といたしましては、第ゼロ段階から第三段階までに分けまして、先行する部分につきましては二〇二〇年ごろに事業者を募集するですとか、順次有効に使っていくということで、全てを二〇四〇年代というふうに示しているものではございません。具体的な募集の時期等につきましては、今後引き続き検討していきます。

○宮瀬委員 ちょっと視点を変えまして、築地に戻ることを希望する仲買業者は、仲買業者として……(「仲卸」と呼ぶ者あり)仲卸業者として戻れるんでしょうか。(「全然違うから、仲買と仲卸は」と呼ぶ者あり)失礼いたしました。

○木村まちづくり調整担当部長 東京都が中央卸売市場として運営するのは、豊洲市場でございます。豊洲市場への移転後の築地再開発といたしまして、都が改めて卸売市場を整備することはないと考えてございます。

○宮瀬委員 ということは、仲卸業者としては戻ることはできないということでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、築地の再開発におきまして、東京都が改めて卸売市場を整備することはないと考えてございます。

○宮瀬委員 多分、このやりとりもずっと同じですよね。だから次に行きますけれども、同じテーマで聞いていますけれども、違う角度から聞いていますので、誠実に、答えていただける部分はちゃんと答えていただきたいと改めてお願いを申し上げます。
 次に、築地の再開発のコンセプトでございますが、食文化の拠点継承について、代表質問では、築地まちづくり方針に食文化の拠点継承という視点を明確に位置づけるべきだと主張してまいりました。
 知事が、一月二十五日の定例会見で、食のテーマパークというのは捉え方にもよる、ウエルネスの部分でも、食というのも一つの課題だと述べたことに違和感を感じております。
 そこで、築地まちづくり方針と東京ベイエリアビジョンとの統合ということが指摘されていますが、ウエルネスというものは、晴海の選手村跡地で想定されるコンセプトと競合するのではないでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 東京ベイエリアビジョン(仮称)との連携を図る築地まちづくり方針の素案では、機能導入の考え方の一つといたしまして、伝統と新しいまちとが共存する臨海地域に展開されているさまざまな機能とも有機的なつながりを図りながら、相乗効果を生み出していくこととしてございます。まちづくり方針の策定後、方針に沿って、民間事業者からの提案を受け、まちづくりの具体化を図ってまいります。

○宮瀬委員 続けてですけれども、築地まちづくり方針の二四ページに、この地域のコア施設として国際会議場を明記していまして、先ほどからさまざまな質疑も出ておりますが、やはり食文化という記述がそこにはないわけでありまして、コア施設として食文化を明記すべきだと私どもは考えていますが、いかがでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針の素案では、浜離宮や隅田川などの地域資源、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、新たな東京ブランドを創造、発信する国際的な交流拠点を形成することとしてございます。
 この将来像の実現に向け、国際会議場をコアとして、文化、芸術、テクノロジー、ウエルネスなどの機能を導入するとともに、周辺地区の機能と連携して相乗効果を発揮させることとしてございます。
 こうした取り組みによりまして、当地区の特性を生かし、魅力的な拠点を形成してまいります。

○宮瀬委員 次に、収支の方でありますが、代表質問の方でも--昨年五月に有識者から成る築地再開発検討会議が取りまとめました築地まちづくりの大きな視点では、収支のことが書かれておりまして、収支バランスとの関係についてもあわせて検討を行う必要があると書かれておりました。
 この提言での収支というのはどういう意味なのかというのを改めてお伺いするとともに、築地再開発検討会議の議事録を読む限り、収支の話は出ていないように思われます。どの外部専門家からの指摘か、根拠となる資料は示されているんでしょうか、お伺いします。

○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発検討会議では、経済合理性を確保しながらまちづくりを進めていくことが必要だとのご発言がありました。そうした発言を踏まえまして、大きな視点では、まちづくりの収支バランスという言葉を使ってございます。この収支とは、まちづくりの収支のことでございまして、民間事業者にとっての採算性などのことを意味していると考えてございます。

○宮瀬委員 収支の見える化は、先ほど質疑も出ていましたが、必要だと思っておりますが、なぜ提言されていた収支について、築地まちづくり方針素案では盛り込まれていなかったのか。今後のことということで改めてお伺いしますが、少なくとも今後は見える化をすべきと考えますが、所見をお伺いします。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針は、提言いただきました大きな視点を踏まえ、都として築地再開発の将来像や方向性、進め方を示すものでございます。築地再開発は、築地まちづくり方針に沿って、事業者からの提案を受けながら段階的に進めることになります。
 こうしたまちづくりが適切に進められるよう、各段階の開発、整備を通じて、外部の有識者を交えながら、中長期にわたって一貫してコントロールする仕組みを構築するとともに、議会にも報告してまいります。その際、経済合理性や官民の役割分担についても留意しながら検討してまいります。
 なお、収入につきましては、公募事業者の決定により明らかになっていくものでございます。

○宮瀬委員 議会に報告していただけるということで、今後、どこまで出せるかという協議もあると思いますが、見える化はしっかりとしていただけるという認識をいたしました。
 ちょっと飛びまして、次、MICEなんですけれども、東京都では、MICE誘致戦略というものを設定して、私も三年前に公営企業の決算特別委員会の方で質疑を大分させていただきました。その質疑の中でまあ、彼らもMICE事業をやっているわけでありますが、こういった部署とはすり合わせを今回の件でしたのでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 今回、取りまとめを行い、公表いたしましたまちづくり方針の素案をまとめるに当たりまして、連携を図ったところでございます。

○宮瀬委員 結構大事な、一番メーンとなる場所でございますので、東京都全体でのMICEの戦略とリンクしていないといけないわけであります。
 実際にいつ、また会議体、議事要旨等はあるんでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針の素案をまとめるに当たりまして、連携を図ったところでございますが、会議体等という形ではございませんので、議事録等もございません。

○宮瀬委員 大変重要な会議であるべきはずだと思っておりまして、今の、議事録もなく、議事要旨もなく、会議体でもなくということであれば、実際は、何も、そこでどういう会話があって、どういう戦略を、数字目標を共有してといったことが、当然共有されていないといわれてもいたし方ないといわざるを得ないと思っておりますが、それはどういった認識でしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくり方針の素案では、築地再開発におきまして、浜離宮恩賜庭園などの魅力的な資源を有する地域のポテンシャルを生かしつつ、新たな東京ブランドを創造、発信する創発MICE機能を持つ国際的な交流拠点を形成することとしております。
 引き続き、関係部局とも連携し、東京ひいては日本の国際競争力強化に資するまちづくりを具体化してまいります。

○宮瀬委員 繰り返しの答弁が続いちゃうかもしれないんですけど、このMICE、創発MICEという表現ではありますが、MICE事業だという認識がありまして、都全体のMICEの戦略の中で、今やっているMICEの事業との兼ね合い、連携というのは必須だと思っております。
 それが、ご答弁聞いておりますと、議事録もなく、議事要旨もなく、会議体もいつかというのがないといったことは問題だという指摘をしていますが、改めて答弁をお願いします。

○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発では、浜離宮など魅力的な資源を有する地域のポテンシャルを生かしつつ、新たな東京ブランドを創造、発信する交流拠点を形成することとしてございます。
 引き続き、関係部局とも連携し、東京ひいては日本の国際競争力強化に資するまちづくりを具体化してまいります。

○宮瀬委員 同じ答弁だと思うので、お伝えしますけれども、東京の長期ビジョンでは、向こうは向こうで、平成三十六年ごろを目途に都内での国際会議の開催件数を三百三十件、最低参加人数五十人規模の会議体で、三百三十件開催するといった目標がしっかりあるわけであります。
 そういった既存のMICE事業をやっているところとしっかりと連携ができていない、それを裏づける証拠がないといったことは、今回の築地再開発のメーンとなるコア施設、創発MICEという考えが急にとっぴに出てきてしまったというふうな疑念を持たれかねないと思っております。
 今、これから計画も進んでいく可能性が高いと思いますけれども、今からでも構いませんので、東京全体のMICEの事業はどこに行くのか、その中のコアMICEといっても過言ではないと思いますが、その中での位置づけをしっかりと明確化していただき、数字も、先ほど神林委員の方から何人規模ですかといったことも、答弁を聞いていまして、これからですということでありますが、そこはしっかりとすり合わせをしていただきたいと思っております。
 また、カジノの件も先ほど出ましたが、カジノが併設されたMICEになる可能性はないですよというご答弁を聞いておりましたが、将来的にわたってもないんでしょうか、それはわからないんでしょうか、どうでしょうか。

○木村まちづくり調整担当部長 都におきましては、IRについては、国からの意向調査に対して検討中と回答しておりまして、さまざまな課題を検討する必要があると考えてございます。築地まちづくり方針の素案には、カジノ施設導入については盛り込んでございません。築地では想定してございません。

○宮瀬委員 そのご答弁は先ほど聞いていて、それを受けて、今はないということでありますが、将来にわたってもないのか、どうなんですかという質問ですが、どうなんでしょうか。今のご答弁は、先ほどの神林理事の話も聞いていましたし、今も聞いていますので、改めてお答えをお願いします。

○木村まちづくり調整担当部長 繰り返しになりますが、築地まちづくり方針の素案にはカジノ施設導入について盛り込んでございません。築地では想定してございません。

○宮瀬委員 結局、今回、全体の質疑を通じて思うのは、同じ答弁の繰り返しで、ちょっと私もいろいろ角度を変えて聞いているんですけれども、大変、議論が深まらない。私の聞き方が悪い部分もあると思いますけれども、集中審議ということで、築地をどうやってやっていくのかということを都民の代表として明らかにしたいと確認してきているわけですけれども、どんなことを聞いても同じ答弁を繰り返し読まれるだけなので、これでは、私も都議会議員として役割、職責が十分果たせずに、大変困ってしまいます。
 だからといって、同じ質問をしても、また同じ答弁になってしまうので、私も持ち帰りますけれども、じゃ、最後に、パブリックコメントでございます。
 今、パブリックコメントを築地まちづくり方針の公表に合わせてやって、二月二十一日ということなのでもう終わっていると思います。その件数ですとか、意見内容、どのように生かすのか、ちょっと聞いておきたいと思います。

○木村まちづくり調整担当部長 二月二十一日まで行いましたパブリックコメントにつきまして、約二百通の意見をいただいたところでございます。意見の内容につきましては現在整理中でございますが、築地まちづくりの方針に対する意見といたしまして、築地再開発の推進に関するもの、築地市場や食など、具体的な施設、機能などに関するものなど、多くの意見をいただいたところでございます。
 パブリックコメントの意見とこれに対する考え方につきましては、年度内の方針策定時期に合わせて公表することといたしてございます。

○宮瀬委員 いつ出るかというのはなかなかいえないというのは、曽根委員の質疑で聞いていましたので、聞きませんけれども、ぜひ都民の皆さんの声、当然いろんなバックボーンをお持ちの方がお申し込み、ご意見されていると思うんです。
 それ以上に、きょう、私、大変個人的には残念な質疑でございまして、都民の代表である、会派も代表して出てきていますので、聞かれたことに対しては誠実にお答えしていただけなかったなというのが、私の個人的な感想でございます。善処していただきますようお願い申し上げ、また私、予算特別委員会に出ますので、そのときに確認したいと思います。
 以上で終わります。

○森澤委員 築地まちづくり方針素案につきまして、端的に幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。
 築地まちづくりについては、そのポテンシャルを生かし、民間主導で再開発を進めていくということです。検討会議は、基本的に有識者で議論がされていたため、本当に民間事業者が参画したいと思えるものになっているのかが非常に気になっております。
 築地まちづくり方針素案策定に当たっては、民間事業者の意見をどのように反映しているのか、見解を伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針素案の策定の過程におきまして、民間事業者からのヒアリングも行ってございます。例えば、導入機能につきまして、大規模であるという特徴を生かすことを優先的に考えながら、国際的な機能を誘導していくこと、また、求心力のあるものを備えることにより、ここを目がけて人が来るような核となるもの、そうしたものがイメージされるなどの意見がございました。そういった意見も参考に、今回、素案を取りまとめてございます。

○森澤委員 意見を聞いてこの策定を行ったということですが、この後、事業実施方針などを示す上でのところなんですが、例えば、有明レガシーエリアでは、港湾局が、まちづくりを進めるに当たり、進出意欲のある民間事業者との対話によるサウンディング調査、対話型個別ヒアリングなどを行っております。
 民間事業者が参入しやすいような築地市場跡地について、このまちづくりについて、このようなサウンディング調査が必ずしもいいというわけではありませんが、こういったものも必要ではないかと思いますが、見解を伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 先ほどご答弁いたしましたとおり、まちづくり方針の素案の策定の過程におきまして、民間事業者からのヒアリングも行ってございます。まちづくり方針の策定後につきましても、さらに民間の知恵やノウハウを最大限生かす観点から、必要に応じ民間ヒアリングを行いまして、事業実施方針などを作成し、民間事業者からの提案を受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○森澤委員 ありがとうございます。
 先ほど来、MICEの話が出ていましたけれども、私からも一点お伺いしたいと思います。
 東京における土地利用に関する基本方針、都市づくりのグランドデザインを踏まえた土地利用のあり方によりますと、品川では、リニア中央新幹線などの広域的な交通結節機能を生かし、MICE施設などの国際交流機能や業務、商業、宿泊、居住などの機能が集積する拠点の形成を推進する必要があると。MICEについては、品川エリアを中心に述べられています。
 現在のビッグサイトであるとか国際フォーラムの立地や、マリーナ整備などの将来の交通利便性を考えても、品川にMICEを整備するということの妥当性は高く、今後築地にMICEを整備することは、双方の魅力を奪い合ってしまうのではないかと、これは個人的ではありますが懸念もするところです。
 築地に、創発MICEということで今までにないMICEというところなんですが、そういった意味は、必ずしも国際会議場という意味ではなく、先ほどもありましたが、国際的な競争力向上に資するというところで、人や物やお金が集まる、そしてにぎわいを生み出す象徴的な存在として例示したというふうにも捉えましたが、都の見解を伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 築地再開発の導入機能につきまして、東京二〇二〇大会後の東京を牽引する先進性と国際性を持つこと、他の国際都市との比較において東京に不足している機能を導入すること、コア施設を核として導入機能相互が連携し、相乗効果を発揮させながら、東京、日本の国際競争力をさらに高めていくなどの考え方等を示してございます。
 こうした考え方に沿って、コア施設の一つとして、国際競争力の競争に資する展示機能を備えた一定規模の国際会議場を導入することとしてございます。

○森澤委員 次に、東京ベイエリアビジョンとの兼ね合いについて、ちょっとお伺いしたいと思います。
 築地エリアは、東京ベイエリアビジョンの対象地域の一つとなっています。ベイエリアビジョンについては現在、官民連携チームで検討が行われています。
 本来は、ベイエリア全体を考えた上で、築地をどうするか、どのような位置づけをするかという視点が必要になってくるのではないかと考えております。
 今回、築地だけがビジョンに先行する形となります。先に方針が策定されようとしている中なんですが、この東京ベイエリアビジョンとどう連携し、有機的なつながりというふうに書いてありますが、どのような有機的なつながりを持っていこうと考えているのか、都の見解を伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 築地と豊洲、台場などの各エリアとを有機的につなぎ、特色を生かしながら、世界でも最先端のまちづくりを進め、新たな産業や投資を呼び込むことが必要でございます。
 東京ベイエリアビジョンとの連携を図る築地まちづくり方針の素案では、導入機能の考え方の一つとして、伝統と新しいまちとが共存する臨海地域に展開されているさまざまな機能とも有機的なつながりを図りながら、相乗効果を生み出していくこととしてございます。
 まちづくり方針の策定後、方針に沿って、民間事業者からの提案を受け、まちづくりの具体化を図ってまいります。

○森澤委員 最後に、ゾーニングについてお伺いをしたいと考えています。
 二十三ヘクタールという広い敷地ということで、段階的整備になるのは妥当なわけですけれども、どのようなまちにするかという全体の具体的な事業計画があった上でゾーニングであるとか工期を考えていくというのが、民間事業者の一般的な手法なわけです。
 今回ゾーニングが示されていますけれども、道路の下や上を使って再開発していくという事例も多くなっている中、道路で区切るゾーニングは、民間のアイデアを狭めてしまう大きな要因になり得るのではないかというふうにも考えます。
 現在のゾーニングについて、事業者からの提案の中で、違ったゾーニングにした方がより価値のあるものが提案できるということになった場合、ゾーニングは柔軟に対応していただきたいと考えますが、見解を伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくり方針の素案では、築地のポテンシャルを生かし、魅力と付加価値を高め、まちの持続的発展につなげていくため、提言いただいた築地まちづくりの大きな視点を踏まえまして、都としての築地再開発の将来像や方向性、進め方を示すものでございます。
 まちづくり方針に示します土地利用のゾーニングは、必ずしも道路で区切る場所ということではなく、将来像を実現するための土地利用の方向性を図に示すものでございます。
 図に示すゾーニング間の取り合いなどの詳細は、事業実施方針などにおいて明確にしていくためイメージとしてございますが、このゾーニングを基本といたしまして、民間事業者から提案を受け、段階的に開発を進めてまいります。

○森澤委員 今回、都が土地を持ち続けていくわけですが、だからこそ、本当に未来の東京が必要としていて、都だからこそ整備できるものを整備すべきだと考えます。
 これまで中央卸売市場に支えられてきた築地を、先ほど来までありました築地が培ってきた食文化を踏まえながら、国内外から人を引きつける核とするために、ここにしかない、唯一無二のエリアにしていくべく、民間事業者の意見をしっかり聞きながら、民間の力が最大限発揮できるよう、引き続き、議論を重ね、進めていただくことを要望し、質問を終わります。
 ありがとうございます。

○滝田委員 先ほど、我が会派の伊藤ゆう理事より、築地市場跡地開発のまちづくり方針の素案に至るまでの過程と主要な論点について質疑をさせていただきました。
 私からは、方針に記された開発内容そのものについて幾つか質疑をさせていただきます。
 市場に関連する話は、大きくは三つに分けることができるものであり、混同した議論をするのはふさわしくないと私は考えます。
 三つというのは、まず一つは、有償所管がえなどの都庁内の手続の問題。二つ目は、豊洲市場の整備に起因する十一市場会計の年間百億円を超す赤字、これをどのように縮小、止血するか。そして三つ目が、当委員会で議論をしていくべき築地市場跡地の価値をどのように最大化するかであります。
 きょうこれまでの議論におきましても、その最大化するべき価値というのは、収益性だけではなくて、収益性と公益性との両面から総合的に勘案するものであると確認をしてきました。
 また、実際の開発においては、開発ノウハウと自由な発想、アイデアを持つ民間企業による提案を存分に生かし、都庁内外の東京の英知を集めて、開発を行っていくべきであります。
 今回の方針素案では、基本的な方向性が書かれていますけれども、細かなことは実は余り書かれておりません。これは、今後実施していく公募において、民間提案者に柔軟性を持たせておきたいという意図と理解をしております。
 一方で、柔軟性が高いということは、出てきた提案を比較評価する方法もよく考えなければいけないということであります。さまざまな提案パターンをシミュレーションして収益性と公益性を検討していくためには、専門性や視点を持った有識者による検討会などの体制を整えることが必要と考えますが、改めて都の見解を伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 築地のまちづくりが適切に進められるよう、築地まちづくり方針を踏まえまして、各段階の開発、整備を通じまして、まちづくり、財務、会計など、外部の有識者を交えながら、中長期にわたって一貫してコントロールする仕組みを構築していくとともに、議会にも適宜ご報告してまいります。
 今後、経済合理性についても、こういった中で検討してまいります。

○滝田委員 我が会派の代表質問や、本日、伊藤理事の方からも提案をしておりまして、民間目線でのプロジェクトマネジメントができる体制をしっかりと構築いただきたいと要望いたします。
 今回の方針素案では、四つのゾーンごとに一定の方向性の記載はありますが、全体としてどのような特徴のまちにするかははっきり見えておりません。都心のこれだけ大きな区画であり、東京が生み出すべき新しい価値とは何か、これを開発の中で提示していくことが必要ではないでしょうか。ICTや金融の規制緩和、支援を促す特区を視野に入れるべきと考えますし、また、イノベーションハブを導入し、ICT、金融、国際交流とあわせて、起業を誘発するエコシステムを備えたエリアを東京の成長戦略として創出すべきではないでしょうか。
 こうした全体のコンセプトについても、民間提案の中で求めていくのか、見解をお伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 導入機能につきまして、東京二〇二〇大会後の東京を牽引する先進性と国際性を持つこと、他の国際都市との比較において東京に不足している機能を導入すること、コア施設を核として導入機能相互が連携し、相乗効果を発揮させながら、東京、日本の国際競争力をさらに高めていくなどの考え方などを示してございます。
 こうした考え方に沿いまして、コア施設の一つとして、国際競争力の向上に資する展示機能を備えた一定規模の国際会議場を導入することとしてございます。
 まちづくり方針策定後、事業実施方針などを作成し、民間事業者からの提案も受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○滝田委員 つまり、考え方は説明のとおり示していただいておりますけれども、今後、具体的には民間事業者からの提案を経て検討していくという説明と理解をいたしました。
 次に、方針素案において、創発という少し耳なれない言葉があります。創発MICEは造語だと思うのですけれども、創発または創発MICEということの意味するものは何か、どのような国際会議場や展示場などを意味しているのかお伺いをいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくり方針の素案で用いております創発とは、築地のポテンシャルを生かしながら、都民を初め多くの人々が集い、文化等の取り組みを行うことなどを通じて、新たな東京ブランドを創造し、発信するという意味でございます。
 展示機能を備えた国際会議場につきましては、浜離宮恩賜庭園と水辺を生かし、地区内の他の施設等と一体的な機能を発揮させながら、新たな東京ブランドを創造、発信していくためのコア施設として機能させる方針でございます。

○滝田委員 説明ありがとうございます。やはり少し創発MICEという言葉がわかりにくいかなという印象を私は持っておりまして、そのため、MICEという言葉の方だけがひとり歩きしているというような印象を私は持っております。
 既に先ほどもほかの会派の方からも論点として出ておりますけれども、もし展示場ということですと、世界の主要な展示場と規模を比べると、当該敷地では中規模のものしかできません。世界基準での大規模展示場ということでは適地ではないわけでありますけれども、この点についてはどのような見解かお伺いをいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 展示場につきましては、先ほどご答弁いたしましたとおり、新たな東京ブランドを創造、発信していくために、浜離宮恩賜庭園と水辺を生かし、地区内の他の施設と一体的な機能を発揮させるため、国際会議場に併設する機能として想定してございます。

○滝田委員 恐らくですけれども、単純な展示場ということではなくて、複合機能とか、あるいは、築地のユニークさというところで勝負をしていきたいということだというふうには思うんですよね。単純な大きさだけでは勝負できる場所ではないというふうに思いますので、このあたりは、先ほどのその創発MICEという言葉もそうなんですけれども、今後も事業者であったりとか、あるいは都民に向けて、もう少しわかりやすく伝えていく必要があるのかなというふうに考えます。
 この敷地の南部、浜離宮や環状二号線の側ですけれども、おもてなしゾーンと位置づけて、ゾーンのコア施設に、先ほどお伺いしました国際会議場と上質なホテルの導入機能がイメージされています。
 このゾーンは、全体の五分の一弱に当たります約四ヘクタールありまして、一般的には十分に巨大な開発の敷地であります。当然そのほかにも、そのほかといいますのは国際会議場やホテルのほかにも、機能を複合させるものだというふうに考えますけれども、国際会議場と上質なホテル以外にどのような機能の導入を考えているのかお伺いをいたします。また、国際会議場とホテルにおいて想定している規模感があれば、あわせてお伺いをいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 おもてなしゾーンにおきまして、その他に複合される機能につきましては、展示機能を備えた質の高い国際会議場、ボールルームなどを備えた上質なホテルなどと相互に連関して、施設が相乗効果を発揮させられるような機能を導入することとしてございます。
 事業手法といたしまして、公募型プロポーザル方式の民活事業を活用することを想定しておりまして、施設規模など具体的な条件等につきましては、事業者募集要項で示すこととしてございます。

○滝田委員 一定程度、規模感などの具体的な条件を事業者募集段階で示すということでありますので、それまでに、会議場やホテルのニーズなどを分析して、深めていただきたいというふうに思います。
 MICEは、ミーティング・インセンティブトラベル・コンベンション・アンド・エキシビションの略語でありますけれども、このMICEの誘致競争、まさに都市間競争におきまして、歴史的建造物や空間など、特別感や地域特性を演出できる施設、いわゆるユニークベニューは、重要な要素であります。当該エリアにおいてMICEを成功させるためには、隣接する浜離宮の活用は必須、重要な要素であります。
 例えばですが、江戸文化を体験する、築地と浜離宮をつなぐ渡し船であったり、ライトアップや会食など夜の浜離宮の活用であったりと、世界のほかの都市にはできないことを実現していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 まちづくり方針の素案では、浜離宮恩賜庭園側、環状二号線の南西側でございますが、こちらの敷地にも船着き場を整備するなど、築地川沿いの親水空間を生かしながら、浜離宮恩賜庭園とも連携した地域の回遊性を高める舟運ネットワークの導入を図ることとしてございます。機能導入の方針の一つといたしまして、浜離宮とも連携した取り組みを重視することとしてございます。
 まちづくり方針策定後、民間事業者からの提案も受けながらまちづくりを具体化してまいります。

○滝田委員 ご説明ありがとうございます。これはぜひ前向きに進めていただいて、浜離宮にとっても、新しい価値を生み出す、挑戦をさせるということで、都庁内の横連携をしていただきたいというふうに思います。
 次に、敷地中央の一番広い部分、交流促進ゾーンについて伺います。こちらは第二段階での開発とされておりまして、第ゼロ段階のゲートゾーン整備から数えると、実質的に第三段階に当たるわけです。
 恐らく実際の開発が始まるのは少し先になる可能性があると理解をいたしますが、交流促進ゾーンの最大の特徴は、道路などで物理的な区分けがされていない広大な平面敷地であるということです。
 自由度が高く、民間からの幅広い提案を募るものと考えますけれども、物理的な区分けがされていない広大な平面敷地であるという特徴を生かし、この当該交流促進ゾーンをどのように開発していくのか、考え方を伺います。

○木村まちづくり調整担当部長 交流促進ゾーンにおきましての機能につきましては、都民が多様な創造的活動などを行うことができる大規模集客交流施設として設定してございます。新たな文化、芸術、デザインの創造活動や、スポーツ、ウエルネスに関する活動への参画など、都民を初め国内外からの多くの人々が感動や楽しみを共有しつつ、東京の新たな魅力を発信できるような機能を導入していく考えでございます。
 具体的な内容は、まちづくり方針策定後、事業実施方針や事業者募集要項の中で明らかにしてまいります。

○滝田委員 恐らく、これは機能もそうですし、空間的に平面で広大な敷地ということなので、選択肢が相当多岐にわたるというふうに思いますので、募集要項でいきなり絞ってしまうということではなくて、十分にヒアリングや、先ほども出ましたけれどもサウンディング調査などを活用しまして、アイデアを広げておくということをするべきと提案しておきます。
 最後のテーマになりますけれども、今後の当該敷地の価値向上について、ポテンシャルを確認したいというふうに思います。
 まず、地区全体の交通についてですが、今回の築地市場跡地の開発において、先ほども申しましたけれども、特に交流促進ゾーンについては、安易に都道や区道を設けないでいただきたいというふうに考えています。
 いわゆる都市計画上の道路を設置しますと、区画が細分化されるだけではなくて、付随してさまざまな規制が発生してきます。車両や歩行者の移動は、敷地内通路としての車道、歩道でよいわけです。
 そうすることによって、例えば道路上空空間の活用が柔軟にできたり、車両と歩行者を完全に分けたり、いろいろなアイデアが実現できます。
 また、整備コストとの兼ね合いにはなりますけれども、交通については、地下空間の活用も選択肢として考えていただきたいというふうに思います。
 ゲートゾーンでは、交通ターミナル機能や防災機能を確保するとありますが、本地区全体の交通計画について考えをお伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 築地のまちづくりに当たりましては、隅田川や陸からの交通ルートが交差する要所にあることを生かしまして、舟運、バス、地下鉄などのインフラから成る広域交通結節点を戦略的に形成することとしてございます。
 ゲートゾーンのみならず、他のゾーンに導入される機能及び浜離宮恩賜庭園とも連携する交通ターミナル機能や防災機能を確保するとともに、水辺に向けた顔づくりを行ってまいります。

○滝田委員 ちょっと私の質問の仕方も悪かったのかもしれないんですけれども、ゲートゾーン以外の部分の域内交通をどう考えるかということも、一定の方向性のもとで柔軟に考えていくということだろうというふうには思います。
 次の質問とも関連しますのでこのまま行きますけれども、現在の都市計画では、当該敷地の容積率は五〇〇%と設定されていると聞いています。羽田空港からの、高さに制限のあるエリアではあると思いますが、収益性だけではなくて、公益性を高めるための原資としても、特区や諸制度を活用しての容積率の緩和については、有効な手だてとなり得ます。
 先ほど指摘をしました、道路で区分けをしない、道路等の上空空間を活用する、地下空間を活用するといったようなことや、あるいは特区や諸制度の活用によって、土地の価値を最大限向上させていくべきと考えますけれども、築地跡地の再開発において、それらの制度の活用を行うことを想定しているか、見解をお伺いいたします。

○木村まちづくり調整担当部長 築地まちづくり方針の素案では、民間の活力や創意工夫を最大限活用しながら整備を進めていくこととしてございます。まちづくり方針の策定後、民間からの提案を受けましてまちづくりの具体化を図ってまいります。その中で、さまざまな提案があり得ると考えてございます。

○滝田委員 ちょっとぼかしたいい方かなというふうには思うんですけれども、基本的には特区とか諸制度の活用というのは、民間の提案をもとにして、どういった開発をするのかということも踏まえて考えていくということだというふうに思いますので、都庁の側からというか、行政の側からそれをやりましょうということを今、安易にいえないのかなというふうに思いますが、いずれにしても民間からは恐らく、容積率の話であったりとか、あるいは先ほどの道路の話であったりとかということは提案が来るのかなというふうに思いますので、ぜひ前向きに検討いただきたいなというふうに思います。
 最後に幾つか意見を付しますけれども、我が会派からは、代表質問、一般質問及び当該都市整備委員会において、築地エリアから臨海部に至る地下鉄構想を検討、具体化していくべきとかねてから主張しております。
 今回、有償所管がえに当たっての土地活用の評価は、近傍の現在の地価を参照しておりまして、こうした将来の公共交通の整備などによるポテンシャルは入っていないというふうに理解をしております。
 先ほども少し論点に上がりましたけれども、定期借地によって土地を何十年と長期に民間企業に貸与する形をとるのであれば、当初設定をする賃料と鉄道を整備した後の賃料は当然変わってくるべきというふうに考えます。
 公共交通の整備には多額の税金もかかることですので、今後、開発や定期借地の契約が具体化していく過程において、鉄道インフラ整備による利便性向上分を一定程度賃料として都が回収できるように検討していくべきと考えます。
 もちろん相手がいることですので、今答えられないというふうに思いますけれども、今後の検討をお願いいたします。
 また、舟運についてですが、私自身もこれまで都市整備委員会でたびたび指摘をしてまいりましたので、本日質問はいたしません。観光としての舟運だけではなくて、日常の移動手段として活用するための課題整理など、以前の答弁のとおり検討を進めていただいていると認識をしております。
 また、跡地の再開発においては、ゲートゾーンに、鉄道やバスなどほかの公共交通網と舟運との交通結節点を形成する。これは、これまで東京にはなかった新しい取り組みになります。文章で書くのは簡単なんですけれども、実際にデザインをするということは簡単ではありませんので、これはこれで一つの大きなチャレンジだというふうに考えます。今回の方針をもとに検討を深めていただければというふうに思います。
 また、水上からの景観について、こちらも先ほど議論がありましたけれども、これまで東京の開発では、水上からどういうふうに見られるかということはほとんど意識がされたことがありません。この点については、今後の公募等においても留意をするべきというふうに思いますので、提案をいたしておきます。
 本日もさまざまな意見が出ましたけれども、築地の再開発そのものは、東京の未来、夢のある話でありますので、今後とも、建設的に皆様と議論を深めていければというふうに思います。
 以上、意見を申し上げまして、私からの質問を終わります。
 ありがとうございました。

○本橋委員長 それでは、一通り発言予定者の質疑が終わったわけでございます。ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 ご異議なしと認めまして、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。

○本橋委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、都市整備委員会所管分を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了いたしております。
 これより採決を行いたいと存じます。
 第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、都市整備委員会所管分を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 ご異議なしと認めます。よって、第九十三号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、都市整備委員会所管分は、原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時三十一分散会