委員長 | 本橋ひろたか君 |
副委員長 | 奥澤 高広君 |
副委員長 | 和泉なおみ君 |
理事 | 中山 信行君 |
理事 | 神林 茂君 |
理事 | 伊藤 ゆう君 |
けいの信一君 | |
滝田やすひこ君 | |
宮瀬 英治君 | |
佐野いくお君 | |
高橋 信博君 | |
荒木ちはる君 | |
曽根はじめ君 |
欠席委員 一名
出席説明員都市整備局 | 局長技監兼務 | 佐藤 伸朗君 |
次長 | 小泉 健君 | |
技監 | 上野 雄一君 | |
理事 | 今村 保雄君 | |
理事 | 中島 高志君 | |
総務部長 | 桜井 政人君 | |
都市づくり政策部長 | 久保田浩二君 | |
住宅政策推進部長 | 佐々木秀之君 | |
都市基盤部長 | 荒井 俊之君 | |
市街地整備部長選手村担当部長兼務 | 山下 幸俊君 | |
市街地建築部長 | 青柳 一彦君 | |
都営住宅経営部長 | 佐藤 千佳君 | |
基地対策部長 | 高原 俊幸君 | |
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 | 朝山 勉君 | |
連絡調整担当部長 | 土屋 太郎君 | |
担当部長 | 小口 新吾君 | |
まちづくり推進担当部長 | 吉野 敏郎君 | |
まちづくり調整担当部長 | 木村 宣代君 | |
景観・プロジェクト担当部長 | 山崎 弘人君 | |
住宅政策担当部長 | 澁谷 浩一君 | |
民間住宅施策推進担当部長 | 栗谷川哲雄君 | |
交通政策担当部長 | 森 高志君 | |
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 | 新谷 景一君 | |
防災都市づくり担当部長 | 安部 文洋君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 松崎 浩一君 | |
局務担当部長 | 齊藤 敏君 | |
耐震化推進担当部長 | 青木 成昭君 | |
経営改革担当部長 | 八嶋 吉人君 | |
再編利活用推進担当部長 | 中山 衛君 | |
建設推進担当部長 | 妹尾 高行君 | |
営繕担当部長 | 村居 秀彦君 | |
横田基地共用化推進担当部長 | 宮城 俊弥君 |
本日の会議に付した事件
副委員長の辞任及び互選
都市整備局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成三十一年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備局所管分
・平成三十一年度東京都都営住宅等事業会計予算
・平成三十一年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・平成三十一年度東京都都市開発資金会計予算
・平成三十一年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・平成三十一年度東京都都市再開発事業会計予算
・平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 都市整備局所管分
・東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例
・東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例の一部を改正する条例
・高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例
・都営住宅三十H-一〇二東(足立区新田一丁目)工事請負契約
・都営住宅三十H-一〇三東(江東区東砂二丁目第二)工事請負契約
・都営住宅三十H-一〇六西(多摩市諏訪五丁目)工事その二請負契約
請願陳情の審査
(1)三〇第四二号 国に羽田空港増便による都心低空飛行計画の撤回を求めることに関する請願
(2)三〇第四三号 国に新都心低空飛行ルートの「教育型説明会」の開催を求めることに関する請願
(3)三〇第四五号 多摩都市モノレールの運賃値下げを求めることに関する請願
(4)三〇第九四号 羽田空港の機能強化等並びに新飛行経路における情報公開及び説明責任に関する陳情
(5)三〇第一〇一号 多摩市・稲城市の旧日本陸軍多摩火工廠跡の市民利用及び保全に関する陳情
(6)三〇第一〇二号 東京都住宅供給公社住宅における階段式中層住宅へのエレベーター設置に関する陳情
(7)三〇第一〇七号 都営住宅の使用承継制度に関する陳情
(8)三〇第一〇八号 都営住宅の使用承継問題に関する陳情
(9)三〇第一〇九号 米国政府文民要人の来日時における在日米軍専用施設横田飛行場等の不使用に関する陳情
(10)三〇第一一二号 羽田空港の国際線増便計画に伴う都心上空の低空飛行の中止に関する陳情
報告事項
・東京における土地利用に関する基本方針について(説明)
・築地まちづくり方針(素案)について(説明)
・東京都住宅政策審議会中間のまとめについて(説明)
・第二百二十五回東京都都市計画審議会付議予定案件について(説明・質疑)
○本橋委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
本委員会室の定員は三十二名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに十名を追加したいと存じますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 異議なしと認めまして、そのように決定させていただきました。
○本橋委員長 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
議長から、去る一月二十五日付をもちまして、当委員会から両角みのる議員が総務委員会に所属変更になり、新たに奥澤高広議員が総務委員会から当委員会に所属変更になった旨の通知がございましたので、ご報告申し上げます。
この際、新任の奥澤高広委員をご紹介いたします。
それでは、よろしくお願いします。
○奥澤委員 奥澤です。よろしくお願いします。
○本橋委員長 ただいま紹介が終わりました。
○本橋委員長 次に、佐野いくお副委員長から副委員長を辞任したい旨の申し出がございました。
お諮りいたします。
本件は、申し出のとおり辞任を許可することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 ご異議なしと認めます。よって、申し出のとおり、佐野いくお副委員長の辞任は許可されました。
○本橋委員長 次に、佐野いくお副委員長の辞任に伴い副委員長一名が欠員となりましたので、これより副委員長の互選を行いたいと存じます。
互選の方法はいかがいたしましょうか。
○滝田委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。
○本橋委員長 ただいまの動議にご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には奥澤高広委員をご指名申し上げます。これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には奥澤高広委員が当選されました。
それでは、奥澤副委員長から就任のご挨拶がございますので、ご清聴ください。
○奥澤副委員長 ただいま本委員会の副委員長にご指名いただきました奥澤高広でございます。本橋委員長を補佐して、公平、公正かつ活発な委員会運営に尽力をいたします。
委員及び理事者の皆様のご指導をよろしくお願い申し上げます。
○本橋委員長 では、奥澤副委員長、よろしくお願いいたします。
○本橋委員長 次に、議席について申し上げます。
議席につきましては、お手元ご配布の議席表のとおりといたしたいと思います。ご了承願います。
○本橋委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、請願陳情の審査及び報告事項の聴取を行いたいと存じます。
なお、本日は、提出予定案件及び報告事項の東京における土地利用に関する基本方針について外二件は、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項、第二百二十五回東京都都市計画審議会付議予定案件については、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
これより都市整備局関係に入りたいと存じます。
初めに、先般の人事異動に伴いまして、幹部職員に交代がありましたので、局長からご紹介がございます。
○佐藤都市整備局長 去る一月一日付で異動のございました当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
まちづくり推進担当部長の吉野敏郎でございます。景観・プロジェクト担当部長の山崎弘人でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者挨拶〕
○本橋委員長 ただいま紹介が終わりました。
○本橋委員長 次に、第一回定例会に提出を予定されております案件につきまして、理事者の説明を求めます。
○佐藤都市整備局長 本日は、平成三十一年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明させていただきます。
提出予定案件は、予算案が二件、条例案が四件、契約案が三件でございます。
初めに、平成三十一年度都市整備局当初予算案についてでございますが、平成三十一年度予算の基本的な考え方ですが、東京二〇二〇大会の開催準備の総仕上げを着実かつ効率的に進めること、また都市づくりのグランドデザインで描いた東京の将来の都市像実現に向けた道筋を確かなものにすること、この二点に基づいて必要な経費を計上してございます。
それでは、お手元の資料1、平成三十一年度当初予算説明書の一ページをお開き願いたいと存じます。
都市整備局関係、全会計の予算総括表でございます。
それでは、会計別予算額について、表の上から順に申し上げます。
まずは、一般会計は一千三百八十八億四千四百万円でございます。
次に、特別会計ですが、都営住宅等事業会計は一千七百十四億三千百万円、都営住宅等保証金会計は二十五億二百万円、都市開発資金会計は四十九億五千四百万円、臨海都市基盤整備事業会計は二十一億一千百万円でございます。
次に、公営企業会計でございますが、都市再開発事業会計は百四十八億八千五百万円でございまして、これら全ての会計の合計は三千三百四十七億二千七百万円でございます。前年度の当初予算と比較いたしまして百五十四億七千八百万円、四・八%の増となっております。
表の一番下をごらんください。住宅行政の体制をさらに強化するため、平成三十一年四月一日付で都市整備局の住宅行政部門を一級事業所として独立させ、新たに住宅政策本部を設置いたします。
こちらへ移管となる三十一年度予算額としましては二千九十二億六千八百万円でございまして、移管後の都市整備局所管予算は一千二百五十四億五千九百万円でございます。
続きまして、資料1の参考資料としてA4一枚が後ろについてございますけれども、こちらの方で、平成三十一年度の都市整備局関係の当初予算案のポイントにつきましてご説明申し上げます。
東京二〇二〇大会に向けまして、選手村の整備を着実に進めるほか、鉄道駅のバリアフリー化の促進により、大会後のレガシーとなるまちづくりも見据えて取り組んでまいります。
また、東京の将来の都市像実現に向けまして、都市の確実な安全と安心の確保として、木造住宅密集地域の改善に向け、引き続き特定整備路線の整備や不燃化特区における支援に積極的に取り組むとともに、建築物の耐震化についても改修等に向けた取り組みを強化してまいります。
また、昨年発生した地震や豪雨などの自然災害を踏まえ、新たにブロック塀等の安全対策や地下街浸水対策の検討調査に取り組んでまいります。
国際競争力の強化等に資する都市の再生に向けては、道路や鉄道、BRTなどの交通インフラの整備のほか、臨海地域や品川駅、田町駅周辺地域、築地地区などのまちづくりに向けた調査検討を実施いたします。
また、泉岳寺駅地区や六町地区などにおいて、都市機能や防災性を高める市街地再開発事業や土地区画整理事業についても着実に進めていくとともに、多摩ニュータウンの再生に向けた取り組みを拡充いたします。
豊かな住生活の実現と持続に向けましては、空き家対策や既存住宅の流通、マンションの管理適正化、再生の促進などについて、まちづくりとも連携させながら、取り組みを加速させてまいります。
また、都営住宅におきましては、三千八百戸の建てかえや耐震化を着実に進めるとともに、引き続き、無電柱化やLED化にも取り組んでまいります。
次に、平成三十年度補正予算案についてご説明申し上げます。
お手元の資料2、平成三十年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。平成三十年度都市整備局補正予算総括表でございます。
この補正予算案は、主に現時点で執行しないことが明らかな事項につきまして、不用額を精査いたしまして、必要な予算上の対応を行うものでございます。
表の中央、縦の列にございます補正予算額欄をごらんください。平成三十年度補正予算額は、一般会計において、マイナス百九十一億三千七百万余円でございます。
次に、条例案についてご説明申し上げます。
お手元の資料3、平成三十一年第一回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
まず、東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございます。所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の施行に伴い、地域福利増進事業の土地使用権等の取得における裁定の申請等に関する手数料に係る規定を設けるものでございます。
次に、東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例案でございます。良質なマンションストックの形成等を図り、都民生活の安定向上及び市街地環境の向上に寄与するため、マンションの適正な管理を促進するものでございます。
次に、高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例案でございます。ホテルまたは旅館において多くの人が利用しやすい客室の整備を図るため、高齢者、障害者等の移動の円滑化の促進に係る一般客室に関する基準を定めるほか、規定を整備するものでございます。
次に、東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例の一部を改正する条例案でございます。震災時における緊急輸送道路の機能を確保するため、沿道建築物の占有者の協力を得やすくするよう、環境を整備し、所有者の耐震化の取り組みを促すことにより、沿道建築物の耐震化をさらに推進するものでございます。
最後に、契約案についてご説明申し上げます。
お手元の資料4、平成三十一年第一回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。足立区新田一丁目などにおける都営住宅の工事請負契約議案が三件ございます。
私からの説明は以上でございます。
引き続き、詳細な内容につきまして、総務部長よりご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○桜井総務部長 まず、平成三十一年度当初予算案についてご説明申し上げます。
お手元の資料1、平成三十一年度当初予算説明書をごらんください。局長から先ほど総括的にご説明いたしましたので、私からは主な事業の概要を中心にご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。都市整備局関係予算総括表全会計でございます。
表の一番右側、備考欄をごらんください。来年度新たに設置される住宅政策本部へは、一般会計の一部と特別会計の都営住宅等事業会計及び都営住宅等保証金会計を移管いたします。
三ページをお開き願います。組織改正に伴う一般会計の予算説明でございます。
表の区分A欄の都市整備局関係予算は、これまで当局が所管しておりました予算でございまして、B欄が住宅政策本部へ移管する予算、C欄が移管後の都市整備局所管予算になります。
歳出におきましては、歳出欄の一番下、住宅政策費が住宅政策本部へ移管される予算でございます。本委員会では、住宅政策本部へ移管となる予算もあわせましてご審議をお願い申し上げます。
まず、都市整備局所管の予算につきましてご説明申し上げます。
九ページをお開き願います。都市整備局一般会計総括表でございます。
歳出の三十一年度予算額の合計は、一番上の段、都市整備費の欄でございまして、千三十五億九百万円、三十年度予算と比較した増減率はプラス五・四%でございます。
次に、歳入の三十一年度予算額は、一番下から二段目、計の欄でございまして、五百二十七億五百万余円で、増減率はマイナス八・三%でございます。
続いて、主要事業につきましてご説明申し上げます。
一二ページをお開き願います。表の左上、枠の外には予算科目の項を記載しておりまして、第一項、都市整備管理費でございます。
表の一番上の段、第二目、企画調査費は、三十一年度の事業費として十八億六千万余円を計上し、前年度比較三千九百万余円の増となっております。
表の左側、中ほどに特定財源及び差引一般財源がございますが、以下、各事業とも同様の形で記載させていただいております。
表の右側、概要欄に事業の詳細を記載してございます。(1)の総合計画に関する調査のうち、ウからオまでは新規事業でございます。
ウの臨海地域のまちづくり検討調査は、東京ベイエリアビジョン(仮称)の策定を、エの品川駅・田町駅周辺整備計画策定調査は、品川駅西口の駅前広場等における空間計画やデザインの検討などを行うものでございます。
また、オの築地地区まちづくり調査は、今年度末に取りまとめる予定のまちづくり方針に基づき、民間事業者からの提案募集に向けた準備や都市計画の手続などを進めるものでございます。
一七ページをお開き願います。第二項、都市基盤整備費の第二目、都市基盤調査費は、事業費三十億八千八百万余円を計上してございます。
概要欄の(3)、施設計画に関する調査のうち、エの東京の都市計画道路網の検討調査は、新たな都市計画道路や計画内容の再検討路線等、都市計画道路網の全体のあり方について、都内の交通量の動向や地域の実情などを踏まえて検討を行うものでございます。
クの広域交通ネットワーク形成等に関する調査は、国の答申において、事業化に向けて検討などを進めるべきとされた鉄道六路線を中心に、関係者とともに検討をさらに深めていくものでございます。
ケの広域交通の快適な利用に関する実施運営等業務は、これまで時差ビズとして実施してまいりましたが、新しいワークスタイルや企業活動の東京モデルをスムーズビズとして、その定着を図るため、交通需要マネジメントやテレワークなどの取り組みと一体的に推進してまいります。
コの都心と臨海副都心とを結ぶBRT整備事業は、臨海地域の交通需要の高まりに速やかに対応するため、利用者に優しく環境面でもすぐれたBRTの停留施設や交通ターミナルの整備等を実施するものでございます。
一九ページをお開き願います。第三目、都市基盤施設等助成費は、事業費百九十三億四千八百万余円を計上してございます。
概要欄の(1)、都市高速鉄道建設助成等のうち、ア及びイは、交通局及び東京地下鉄株式会社が行う駅のバリアフリー化や耐震補強に対して補助等を実施するものでございます。
二〇ページをお開き願います。(8)、鉄道駅総合バリアフリー推進事業は、鉄道事業者が行う駅へのホームドアやエレベーター、多機能トイレ等の整備に助成を行うものでございます。
右側二一ページをごらんください。第三項、市街地整備費の第一目、管理費は、事業費三十九億一千六百万余円を計上してございます。
概要欄の(4)、新宿駅直近地区再編整備検討調査は、新規事業でございまして、駅直近地区の再編による新宿の拠点性向上に向け、整備手法の検討を行うものでございます。
二二ページをお開き願います。第二目、都市防災施設整備事業費は、事業費六十五億一千八百万余円を計上してございます。
概要欄の(4)、防災密集地域再生促進事業は、木造住宅密集地域において、住宅の建てかえや共同化等により不燃化を促進する事業でございます。
このうち、ウの不燃化特区制度では、区が行う全戸訪問の助成回数の上限を撤廃するなど、住民に対する働きかけの強化を後押ししてまいります。
二六ページをお開き願います。第六目、都市改造費は、事業費三百八十二億二千四百万余円を計上してございます。
概要欄の(2)、都施行区画整理は、六町など五地区において、都施行の区画整理事業を実施するものでございます。
また、(3)、沿道一体整備及び(4)、地域と連携した延焼遮断帯形成事業は、重点整備地域における延焼遮断帯や避難、救援活動の空間となる都市計画道路の整備とあわせて、建物の共同化や効率的な土地利用に向け、沿道まちづくりの促進を図るものでございます。
右側、二七ページをごらんください。(8)、オリンピック・パラリンピック選手村の整備は、街路築造工事などを着実に進めるとともに、水素の活用を大会時に幅広くPRするためのインフォメーション施設の整備を行うものでございます。
二八ページをお開き願います。第七目、ニュータウン事業費は、事業費二十三億九千三百万余円を計上してございます。
概要欄の(1)、宅地販売事業等のうち、多摩ニュータウンの再生等は、空き店舗を活用した魅力的な生活関連サービスの導入、地形の高低差に対応した高齢者等の移動円滑化に向けた実証実験を行うものでございます。
三〇ページをお開き願います。第四項、建築行政費でございます。
第二目、建築指導費は、事業費七十億三千二百万余円を計上してございます。
概要欄の(1)、建築指導事務のうち、イの民間建築物等におけるブロック塀等の安全対策は、新規事業でございまして、平成三十年第四回定例会における補正予算に引き続き、民間のブロック塀等の撤去、新設につきまして、木塀設置とあわせて、区市町村の取り組みを支援してまいります。
(3)、耐震改修促進事業は、アからカのとおり、建築物の耐震化を促進するための支援を行うものでございます。
このうち、イの耐震化促進に向けた普及啓発では、耐震アドバイザー派遣回数の拡充により、建物所有者に対して継続的支援を行うほか、今後予定している耐震化推進条例の改正などを見据え、効果的な広報活動を展開してまいります。
三五ページをお開き願います。繰越明許費でございます。
事業の性質上、年度内に支出が終わらない見込みのものにつきまして、あらかじめ繰越明許費として予算に定めておくものでございます。
地下高速鉄道建設助成等、合計五十四億一千四百万円を見込んでおります。
続きまして、三九ページをお開き願います。債務負担行為について記載してございます。
債務負担行為は、複数年にわたる工事費等について、翌年度以降の債務の限度額を期間を限ってあらかじめ決定しておくものでございます。六町地区街路整備工事等、計二項目について計上しております。
以上が一般会計の説明でございまして、引き続き、特別会計についてご説明申し上げます。
四三ページをお開き願います。都市開発資金会計総括表でございます。
この会計は、都市施設の整備に要する用地の先行取得に係る経費の経理を行うものでございます。
三十一年度の歳出、歳入とも四十九億五千四百万円を計上してございます。増減率はプラス二二・一%でございますが、これは、過年度に行った用地の先行取得費相当額の一般会計への繰出金が増加するためでございます。
ページが少し飛びますが、五一ページをお開き願います。臨海都市基盤整備事業会計総括表でございます。
この会計は、臨海部の晴海、豊洲、有明北の三地区における広域的な都市基盤整備に係る経費の経理を行うものでございます。
三十一年度の歳出は二十一億一千百万円、増減率はマイナス一〇・七%でございます。
また、歳入の計は四十一億七千二百万余円、増減率はマイナス二二・七%でございます。
以上で特別会計の説明を終わらせていただきます。
続きまして、公営企業会計の都市再開発事業会計についてご説明申し上げます。
ページが少し飛びますが、六一ページをお開き願います。都市再開発事業会計総括表でございます。
まず、収益的収支でございますが、三十一年度の支出の合計は千五百万円、前年度と比較して三百万円の増となっております。
同じページの下段、資本的収支でございますが、一番下の段の支出は百四十八億七千万円で、前年度と比較して百十四億一千三百万円の増、増減率はプラス三三〇・一%でございます。
ページが少し飛びますが、六六ページをお開き願います。泉岳寺駅地区における都市再開発事業費百四十三億三千七百万円を計上してございます。
羽田空港へのアクセスなど広域的な結節機能を担う泉岳寺駅において、駅施設の改良を実現するため、市街地再開発事業を実施するものでございます。三十一年度は、用地買収が本格化してまいります。
以上が都市整備局所管の予算でございます。
次に、住宅政策本部が所管することになります予算でございます。
七三ページをお開き願います。住宅政策本部一般会計総括表でございます。
まず、歳出の三十一年度予算額は、一番上の段、都市整備費の欄でございまして、三百五十三億三千五百万円で、三十年度予算と比較した増減率はマイナス二・〇%でございます。
次に、歳入の三十一年度予算額は、一番下から二段目、計の欄でございまして、百二十八億二千二百万余円で、増減率はマイナス八・八%でございます。
続いて、主要事業についてご説明申し上げます。
七七ページをお開き願います。第五項、住宅政策費でございます。
第三目、民間住宅政策費は、事業費四十一億三千五百万余円を計上してございます。
概要欄の(1)、空き家施策推進事業では、新たに区市町村による地域特性を踏まえた創意工夫等の取り組みを支援するとともに、特定エリア内の複数の空き家を対象とした集中的、連鎖的な活用に向けた取り組みに対し、区市町村を通じた支援を行ってまいります。
(2)、安心居住推進事業のうち、イの住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給促進では、これまでの区市町村への改修費補助や家賃債務保証料低廉化補助に加え、新たにモデル事業として、見守り活動を行う居住支援法人への補助を実施いたします。
(3)、民間住宅支援事業のうち、イの既存住宅流通の活性化は、事業者グループ登録制度を通じ、建物状況調査、いわゆるインスペクションや普及啓発に係る費用の一部を補助するものでございます。また、事業者がリフォームした住宅のモデルハウスを活用して、その魅力や効果を発信するために行う広報活動等に対しまして、新たに補助を行ってまいります。
七八ページをお開き願います。第四目、マンション政策費は、事業費六億九千百万余円を計上してございます。
概要欄の(1)、マンション適正管理・再生促進事業のうち、アのマンションの管理適正化の促進では、新たにマンション管理状況届出制度を開始し、分譲マンションの管理状況の把握、その状態に応じて専門家を活用した管理組合に対する支援を実施いたします。
また、イのマンション再生の促進では、マンション再生まちづくり制度といたしまして、単独での建てかえが困難なマンションについて、区市町村の計画検討や管理組合における合意形成を支援いたします。
(2)、マンション耐震改修促進事業では、引き続き、耐震改修等への支援を通じて耐震化の促進を図ってまいります。
八三ページをお開き願います。繰越明許費でございます。
住宅建設事業等、合計九億二百万円を見込んでおります。
続きまして、八七ページをお開き願います。債務負担行為でございます。
区市町村住宅建設工事費補助等、計三項目について計上しております。
以上が一般会計のご説明でございまして、引き続き、特別会計についてご説明申し上げます。
九一ページをお開き願います。都営住宅等事業会計総括表でございます。
歳出については、表の一番上、都営住宅等事業費の欄をごらんください。
三十一年度予算額は千七百十四億三千百万円で、増減率はマイナス一・三%となっております。
歳入については、表の一番下、計の欄に記載のとおり、歳出と同額となっております。
九四ページをお開き願います。第一項、都営住宅等事業費の第二目、住宅管理費は、事業費五百四十九億一千万余円を計上してございます。
右側、概要欄の(1)、都営住宅等の管理運営では、三十一年度における都営住宅等の管理予定戸数二十五万五千九百十五戸に係る管理運営経費を計上してございます。
(2)、東京都住宅供給公社業務委託のうち、ウの環境整備では、共用部等における照明器具のLED化やブロック塀等の安全対策などに取り組んでまいります。
右側の九五ページをごらんください。第三目、住宅建設費は、事業費六百七十七億四千万余円を計上してございます。
概要欄の(1)、公営住宅建設事業等において、三千八百戸の都営住宅の建てかえや、これに合わせた無電柱化にも取り組むほか、(2)、都営住宅耐震改修事業では、都営住宅耐震化整備プログラムに基づき計画的に都営住宅の耐震化を進めてまいります。
ページが少し飛びますが、一〇一ページをお開き願います。繰越明許費でございまして、住宅建設事業について百八十六億九千万円を見込んでおります。
一〇五ページをお開き願います。債務負担行為でございまして、公営住宅建設工事等、計四項目について合計四百六十五億二千五百万余円を見込んでおります。
一〇九ページをお開き願います。都営住宅等保証金会計総括表でございます。
この会計は、都営住宅等の入居者からお預かりする保証金の経理を行っているものでございます。
三十一年度の歳出の計は二十五億二百万円で、歳入の計は百一億七千七百万円を計上してございます。
平成三十一年度当初予算案の説明は以上でございます。
続きまして、平成三十年度補正予算案についてご説明申し上げます。
お手元の資料2、平成三十年度補正予算説明書の二ページをお開き願います。一般会計の都市整備局補正予算総括表でございます。
補正予算額を表の中央、縦の列で示してございます。
上の表、1、歳入予算の合計欄をごらんください。
歳入の補正予算額合計はマイナス二十四億三千九百万余円でございます。
また、下の2、歳出予算の一番上の段になりますが、歳出の補正予算額合計はマイナス百九十一億三千七百万余円でございます。
続いて、事業の内容についてご説明申し上げます。
七ページをお開き願います。第一項、都市整備管理費の補正予算額はマイナス七億一千五百万円でございます。
内容は、右側概要欄に、このページから八ページにかけて記載しておりますとおり、利根川・荒川水源地域対策基金等事業費負担金などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
九ページをごらんください。第二項、都市基盤整備費の補正予算額はマイナス二十四億五千四百万円でございます。
これは、このページから一〇ページにかけて記載しておりますとおり、施設計画に関する調査や都市高速鉄道建設助成などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
一一ページをごらんください。第三項、市街地整備費の補正予算額はマイナス七十九億二千三百万余円でございます。
このページから一六ページにかけて記載しておりますとおり、市街地整備事業に関する検討調査や防災密集地域再生促進事業などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
一七ページをごらんください。第四項、建築行政費の補正予算額はマイナス六十四億六千五百万円でございます。
これは、耐震改修促進事業の執行状況を踏まえて減額するものでございます。
一八ページをお開き願います。第五項、住宅費の補正予算額はマイナス十五億八千万円でございます。
このページから一九ページにかけて記載しておりますとおり、区市町村住宅等供給助成事業や民間住宅助成事業などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
平成三十年度補正予算案の説明は以上でございます。
次に、条例案につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料3、平成三十一年第一回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
三ページをお開き願います。東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
1、改正の理由でございますが、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の施行に伴い、地域福利増進事業の土地使用権等の取得における裁定の申請等に関する手数料に係る規定を設けるものでございます。
2、条例案の概要でございますが、特定所有者不明土地の使用についての裁定の申請に係る手数料を新設するものでございます。
四ページから七ページには条例案文等を、八ページから一一ページには新旧対照表を記載してございます。
一五ページをお開き願います。東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
1、提案理由でございますが、良質なマンションストックの形成等を図り、都民生活の安定向上及び市街地環境の向上に寄与するため、マンションの適正な管理を促進するものでございます。
2、条例案の概要でございますが、一五ページから一七ページにかけまして、(1)、都、管理組合、関係事業者等の責務、(2)、管理状況届出制度の創設、(3)、管理状況に応じた助言、支援等、(4)、区市町村との連携、(5)、区市町村の条例との関係に関する調整規定について定めてございます。
一八ページから三〇ページには、条例案文等を記載してございます。
三三ページをお開き願います。高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
1、改正の理由でございますが、ホテルまたは旅館において多くの人が利用しやすい客室の整備を図るため、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に係る一般客室に関する基準を定めるほか、規定を整備するものでございます。
2、条例案の概要でございますが、一般客室における段差の解消や出入り口の幅等に係る最低限の基準を設けるほか、規定を整備するものでございます。
三四ページから三九ページには条例案文等を、四〇ページから四七ページには新旧対照表を記載してございます。
五一ページをお開き願います。東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
1、改正の理由でございますが、震災時における緊急輸送道路の機能を確保するため、沿道建築物の占有者の協力を得やすくするよう環境を整備し、所有者の耐震化の取り組みを促すことにより、沿道建築物の耐震化をさらに推進するものでございます。
2、条例案の概要でございますが、沿道建築物の占有者の責務に係る規定を設けるほか、必要な事項を定めるものでございます。
五二ページから五四ページには条例案文等を、五五ページから五八ページには新旧対照表を記載してございます。
最後に、契約案につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料4、平成三十一年第一回東京都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。
一ページから二ページには、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載しております。
三ページをお開き願います。都営住宅三十H-一〇二東、足立区新田一丁目工事の概要でございます。
中段に記載のとおり、住宅の戸数は二百六十八戸、構造等は鉄骨鉄筋コンクリートづくり一部鉄筋コンクリートづくり、地下一階地上十四階建てが一棟でございます。
契約の相手方は株式会社ノバック、契約金額は四十二億九千八百四十万円、工期は平成三十四年二月二十三日までとなっております。
四ページに案内図と配置図を、五ページから六ページに平面図と断面図を添付してございます。
七ページをお開き願います。都営住宅三十H-一〇三東、江東区東砂二丁目第二工事の概要でございます。
中段に記載のとおり、住宅の戸数は二百三十五戸、構造等は鉄筋コンクリートづくり、九階建てが一棟でございます。
契約の相手方は新日本工業株式会社、契約金額は二十二億三千七百七十六万円、工期は平成三十四年一月十一日までとなっております。
八ページに案内図と配置図を、九ページから一〇ページに平面図と断面図を添付してございます。
一一ページをお開き願います。都営住宅三十H-一〇六西、多摩市諏訪五丁目工事その二の概要でございます。
中段に記載のとおり、住宅の戸数は百四十七戸、構造等は鉄筋コンクリートづくり、十一階建てが一棟でございます。
契約の相手方は佐藤建業株式会社、契約金額は十四億二千三百三十三万二千円、工期は平成三十三年四月十六日までとなっております。
一二ページに案内図と配置図を、一三ページから一四ページに平面図と断面図を添付してございます。
以上で平成三十一年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○本橋委員長 ただいま説明が終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言をお願いいたします。
○和泉委員 資料をお願いいたします。
住宅政策本部関係の予算額の過去十年間の推移。
都営住宅、公社住宅の十年間の建設状況、これは建てかえ、スーパーリフォーム、その他に分けてそれぞれ出してください。
首都高に対する出資金、貸付金とその内訳の推移、十年分。
都と区市町村の耐震診断、耐震改修の助成及びその普及啓発事業。
生産緑地地区の区市別面積、過去五年分。
マンション管理の条例の都内の事例と都の条例案との比較、これは要綱も含めてお願いいたします。
バリアフリー条例案への障害者団体等の要望、宿泊施設関係や設備メーカーなどの要望。
最後に、緊急輸送道路における、路線ごとの条例改正による対策を要する建築数。
以上です。よろしくお願いします。
○本橋委員長 ほかに資料要求はございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 それでは、ただいま和泉副委員長より資料要求がございましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 それでは、ご異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求されました委員と調整の上、ご提出のほどお願いいたします。
○本橋委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
初めに、請願三〇第四二号、請願三〇第四三号、陳情三〇第九四号及び陳情三〇第一一二号の四件につきましては、内容に関連がございますので、一括して議題といたしたいと存じます。
まずは、理事者の説明を求めます。
○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 整理番号1、請願三〇第四二号、整理番号2、請願三〇第四三号、整理番号4、陳情三〇第九四号及び整理番号10、陳情三〇第一一二号につきまして、一括してご説明いたします。
説明表の一ページをごらんください。整理番号1、請願三〇第四二号、国に羽田空港増便による都心低空飛行計画の撤回を求めることに関する請願についてご説明申し上げます。
請願者は、品川区の羽田増便による低空飛行ルートに反対する品川区民の会、共同代表の秋田操さんでございます。
請願の要旨は、都において、都民の生活の安全・安心のため、国に羽田空港増便による都心低空飛行計画の撤回を強く求めていただきたいというものでございます。
説明表の三ページに、国が提案している飛行経路案を添付しておりますので、あわせてごらんください。
一ページに戻りまして、説明を続けさせていただきます。
現在の状況でございますが、東京が国際的な都市間競争を勝ち抜くためには、国際線の増便を可能とする羽田空港の容量拡大が必要不可欠です。
国が提案した飛行経路の見直しに対し、都は、地元への丁寧な情報提供とともに、騒音影響の軽減や徹底した安全管理に取り組むよう国に要請してきました。
安全確保は全てに優先することから、国は、より高水準な安全が実現されるよう取り組みを行っており、昨年九月に落下物防止に特化した対策基準を制定し、本年一月から、国内外の航空会社に対し順次対策の義務づけを図るなど、落下物ゼロを目指して総合的な対策を充実していくとしております。
続きまして、五ページをごらんください。整理番号2、請願三〇第四三号、国に新都心低空飛行ルートの「教室型説明会」の開催を求めることに関する請願についてご説明申し上げます。
請願者は、品川区の羽田増便による低空飛行ルートに反対する品川区民の会、共同代表の三橋泉さんでございます。
請願の要旨は、都において、羽田空港増便による新都心低空飛行ルートの教室型説明会を開催し、都民に丁寧に説明することを国に対し強く求めていただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、情報提供について、国は、オープンハウス型の説明会をこれまで四期にわたり開催し、約一万四千名の方々が来場いたしました。昨年十二月から、五期目の説明会を開催しており、より多くの方の理解を得ることに努めております。
さらに、要請がありました関係自治体と相談の上、地域住民に対し、これまで個別に情報提供の場を設けております。
加えまして、情報発信拠点を平成二十九年七月から、都内二十五カ所でそれぞれ数日間設け、約八千人の方が来場し、また、日刊紙への折り込みチラシなど、情報提供手段の充実に取り組んでおります。
続きまして、一一ページをごらんください。整理番号4、陳情三〇第九四号、羽田空港の機能強化等並びに新飛行経路における情報公開及び説明責任に関する陳情についてご説明申し上げます。
陳情者は、目黒区の工藤真実さんでございます。
陳情の要旨は、都において、次のことを実現していただきたい、一つ、国と連携し、羽田空港の機能強化とこれにかかわる新飛行経路について一層の推進を図ること、二つ、羽田空港の新飛行経路の必要性を伝えると同時に住民説明会など積極的な情報公開及び説明責任を果たすことというものでございます。
現在の状況でございますが、騒音影響の軽減方策について、国は、飛行高度の引き上げを提案するとともに、低騒音機の導入促進策として国際線の着陸料を見直し、新たな料金体系を平成二十九年四月から導入しております。
また、都の要請を受け、平成三十年度から、学校、病院などの防音工事に対する助成制度を拡充しています。
情報提供について、都は、オープンハウス型説明会に毎回職員を参加させ、情報発信拠点においても、新宿駅西口広場などで情報提供の充実に協力しております。
ホームページでは、説明会の開催実績などを紹介し、開催予定の説明会について日時などをお知らせするなどの取り組みを実施しております。
安全対策やその他の情報提供につきましては、重複するので、こちらでは省略させていただきます。
続きまして、二五ページをごらんください。整理番号10、陳情三〇第一一二号、羽田空港の国際線増便計画に伴う都心上空の低空飛行の中止に関する陳情についてご説明申し上げます。
陳情者は、目黒区の街を飛行ルートにしないで@マークめぐろの会、陳情者代表の小泉一さんでございます。
陳情の要旨は、都において二〇二〇年以降における羽田空港などの国際線増便を企図した空港処理能力拡大方策に基づく、羽田空港の国際線増便計画に伴う都心上空の低空飛行の計画は中止するよう政府に求める意見書を採択していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、情報提供について、国は、五期目のオープンハウス型説明会を開催し、音の聞こえ方や落下物の事例を示すとともに、必要な対策について説明を行っております。
また、一般的に、不動産価値はさまざまな要素により決定されることから、国は、航空機の飛行経路と不動産価値の間に直接的な因果関係を見出すことは難しいとしております。
騒音影響の軽減方策や安全対策などにつきましては、重複などするので、こちらでは省略させていただきます。
都は、引き続き、国に対し、騒音影響の軽減や安全管理の徹底と地元への丁寧な対応についてより一層の取り組みを求め、二〇二〇年までの機能強化が実現できるよう積極的に取り組んでまいります。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。
○本橋委員長 ただいま説明が終わりました。
本件につきまして発言をお願いいたします。
○伊藤委員 私からは、羽田空港の飛行経路に関する陳情について質疑をさせていただきたいと思います。
私の選挙区も目黒区でありますので、陳情の説明書の中にもありましたが、六百メートル上空で飛行するエリアも選挙区に含まれております。大変多くの地元の住民の方々が高い関心を寄せているテーマでありますので、丁寧に伺いたいというふうに思います。
まず、陳情三〇第九四号の陳情要旨の中に書かれております羽田空港の機能強化という文言が出てくるんですけれども、まずもって、羽田空港の飛行経路の見直しなどによる機能強化に対する都の認識を伺いたいと思います。
○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 羽田空港は、都心に近く、二十四時間利用可能で、国内外に豊富な航空ネットワークを有する基幹的なインフラでございます。
現在、羽田空港は深夜、早朝の時間帯を除き、フル稼働の状態にあり、現行の飛行経路の運用のみでは、空港容量の拡大に限界がございます。
東京が国際的な都市間競争を勝ち抜いていくために、東京二〇二〇大会やその後の航空需要に応え、国際線の増便を可能とする羽田空港の容量拡大による機能強化が必要不可欠と認識しております。
○伊藤委員 今、都の認識を伺ったわけですが、あわせて国も、同じ認識を持っているんだろうというふうに思います。今、都は、国際線の増便を可能とする羽田空港の容量拡大による機能強化が必要不可欠だという答弁でありました。
その必要不可欠と同時に、私の地元民もそうですが、都民の多くが騒音、振動、あるいはまた落下物に対して大きな不安というものを今感じていらっしゃいますので、都民の不安払拭というのも必要不可欠であるというふうに、まずもって申し上げておきたいと思います。
その上で、羽田空港の機能強化に関する落下物や騒音対策について、国からの情報提供は現在どのように行われているのか伺いたいと思います。
○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は、より多くの方が参加でき、職員がマンツーマンで対応するなど一人一人から丁寧な意見聴取が可能となるオープンハウス型説明会をこれまで四期にわたり開催し、約一万四千名の方が来場しております。
また、昨年十二月より五期目の説明会を開催しており、本日までに飛行経路下の十三区のうち十一区において、平日及び休日に一回ずつ開催し、約八千名の方が来場しております。
オープンハウス型の説明会に加え、要請があった関係自治体と相談の上、対象となる地域住民の方々に情報提供を行う地域説明会を昨年十二月から実施しており、本年二月末までに品川区、渋谷区、新宿区など五区二十六地域で開催することとしております。
加えまして、映像による羽田空港機能強化の紹介や、音響装置による航空機の音の体感などが可能な移動式の情報発信拠点を、平成二十九年から、これまで都内二十五カ所でそれぞれ数日間ずつ設け、約八千名の方が来場しており、積極的に周知活動を行っております。
また、特設ホームページや飛行経路下の区内全域を対象とした日刊紙への折り込みチラシ、ラジオ放送、電車内の動画及び窓上広告の実施など、情報提供手段の充実に取り組んでおります。
国は、こうしたさまざまな手段を通じ、羽田空港の飛行経路の見直し案とあわせて、落下物対策や騒音の軽減方策について情報提供を行っております。
○伊藤委員 今さまざまな方法ということで、さまざまな地域、さまざまな方法のご説明をいただきました。基本的に国の事業ということで、今の説明も、主語が大体国はということで、国が主体だということをお話しいただいたんだと思いますが、住民の皆さんはやっぱり国というのは非常に遠いところにある存在であって、国よりも東京都の方が身近に感じる行政であります。
私も地元を回っていますと、都のかかわりに対して非常に大きな関心を持たれていることを日々実感するわけでありまして、事業主体が国であるとしても、住民に近い都として、積極的にこの問題にはかかわっていただきたいということをまず申し上げたいというふうに思います。
申し上げたように、国よりも住民にとって近いのは都ですけれども、同時に、国に近いのは市区町村よりも東京都だというふうに私も思います。ですので、先ほど申し上げたとおり、住民に寄り添う責務が都にはあるというふうに感じております。
落下物が発生した場合等のですね、落下物に関する問題等について、どのような説明が行われているかということは今お話をいただきましたけれども、同時に、今度落下物が発生した場合の補償制度、万一にも落下物が発生しないということが大前提ですけれども、万が一落下物が発生した場合の補償制度がどうなっているのか。今申し上げたように、そのときに都はどのようにかかわっていくのかということについて伺いたいと思います。
○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 万が一航空機からの落下物による被害が発生した場合の補償についてでございますが、原因者となった航空機が特定された場合、当該航空機の運航者が補償を実施することとなっております。
一方、原因者である航空機が特定できない場合は、原因となった可能性のある複数の航空会社が共同して案分補償することとなってございます。
国は、被害者に補償費が速やかに支払われるよう、例えば羽田空港では、空港を管理する国などが補償費を立てかえることができるように仕組みづくりを進めております。
また、落下物による被害の程度に応じて見舞金を給付する制度の創設にも取り組んでおります。
こうした事案発生時の対応強化策については、新飛行経路の運用開始までに実施していくと聞いております。
都は、国によるこうした強化策が開始された場合、補償制度全体の周知徹底を図るよう国に対し求めるとともに、都としても、補償制度の仕組みなどについて情報提供を行ってまいります。
○伊藤委員 今お話をいただいたように、国も、万一落下物が発生した場合には、新しい補償制度をつくって、速やかに肩がわりするときは肩がわりをして、支払いができるようにするというような仕組みも進められているということがわかりました。
ただ、今、落下物について特出しをして伺いましたけれども、騒音についても、あるいはまた振動、あるいは先ほど不動産価格への影響なども説明にありましたけれども、これらについて、都民の方々が多く知りたいと思われていることについて、聞かれて初めて答えるという立ち位置ではなくて、できる限り都民の方々が何に不安を覚えるだろうなという想像力を持って、国に対して、その不安払拭のための説明を求めていくという姿勢でぜひ臨んでいただきたいということを改めて申し上げたいと思います。
そういう意味で、都は、国の情報提供を一層進めていくために、今後どのように取り組んでいくのか伺いたい。
○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都は、羽田空港機能強化について、都民へのきめ細やかな情報提供が必要と認識しておりまして、国に対し丁寧な対応を要請するとともに、機能強化に関する国の取り組みやその必要性などについて関係自治体と情報共有を図っております。
また、国のオープンハウス型説明会に毎回職員を参加させ、都への質問や意見に対する対応などの協力を行うとともに、地域説明会の開催に関する調整を実施しております。
さらに、情報発信拠点においても、都庁本庁舎や新宿駅西口地下広場で開催した際に、職員を会場に常駐させ、来場者に対し機能強化の内容が説明されているパネルの案内を行うなど、情報提供の充実に協力しております。
加えて、都のホームページでは、羽田空港の機能強化に関する国の取り組みや説明会の開催実績を紹介し、開催予定の説明会について、日時、場所などを広報紙やツイッターでお知らせするなどの取り組みを実施しており、幅広く情報提供を行うことに努めております。
○伊藤委員 今、どういう説明の仕方をしているかというお話をしていただきましたが、まだ都民の皆さんの中には、事業主体が国なので、都がどれほどかかわってくれるのか、寄り添ってくれるのかということに対して半信半疑の方も多いかと思います。
今までの取り組みに加えて一層丁寧に、そして積極的に、都として国に対して説明を促すとか、あるいは説明の仕方についても都民のさまざまな意見を国に伝えるなど、働きかけを強めていただきたいと思います。
都として、説明会を開催するなど、羽田空港機能強化に関する情報提供や説明責任について都はどのように考えているのか、そしてまた、今後は都としてどのような取り組みを主体的に行っていこうと考えているのかお伺いしたいと思います。
○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都は、羽田空港の機能強化に関し、国と連携し、オープンハウス型説明会での都への質問などへの対応や地域説明会開催についての関係自治体との調整、国からの情報について関係自治体との共有など、都民の理解が深まるよう積極的に取り組んでおります。
国は現在、羽田空港の飛行経路見直しなどによる機能強化について、事業主体として主体的に説明会を開催しているところでございます。
今後とも、都は、関係自治体と相談の上、引き続き、地域説明会の開催に関する調整を実施していくほか、より一層の丁寧な情報提供を国に対し強く要請してまいります。都は、引き続き国へ協力し、二〇二〇年までの機能強化が実現できるよう積極的に取り組んでまいります。
○伊藤委員 質疑を通じて最後に、より一層丁寧な情報提供を国に強く要請していくという答弁がありました。これをまさに具体化していただいて、るる質疑させていただいた、住民に国よりも近い位置で寄り添って取り組んでいただくように要請をして、質疑を終わらせていただきます。
○神林委員 私どもとしましても、この課題は大変重い課題だというふうに受けとめております。
ただし、今回提出されました請願陳情につきましては、従来より、同趣旨の請願陳情を含めてほぼ各定例会ごとに提出されております。したがいまして、今回は意見表明のみにとどめさせていただきます。
我が党といたしましては、前回同様、これからの航空機の必要性とともに、従来より騒音対策や落下物対策、地元住民への情報提供や説明などの対策に万全を期すとともに、特に地元地域については、過去の移転への経緯を十分に理解した上で、地元の意向にも可能な限り対応することを強く要望してきており、都としても、それに応えて現在取り組みが進められ、一定の成果も出てきております。
したがって、東京都では、今後とも引き続き住民の不安が払拭されるよう、こうした取り組みを全力を持って進めていくことを改めて要望して、私の意見表明といたします。
以上でございます。
○けいの委員 私からも一言意見を表明させていただきます。
国土交通省は、増加するインバウンドに対応するため、羽田空港の飛行経路見直しにより、東京二〇二〇大会までに国際線を増便する計画を進めています。
大会開催期間中には、世界中から選手、応援団、大会関係者のほか、多くの外国人観光客が東京に集うことになります。
飛行経路の見直しでは、羽田空港の二本の滑走路に向けて、埼玉方面から都心を通り、そして空港へ着陸する飛行経路が設定されており、この飛行経路は都内十三区の上空を通過することになります。
この経路を飛行機が飛ぶのは、年間平均で約四割に当たる南風のときの十五時から十九時までのうち三時間程度に限定されたものとの説明を受けておりますが、それでも空港周辺の地域では、三百メートル以下とかなり低い高度で上空を通過することとなり、地域住民の生活に大きな影響を及ぼすことが予想されます。
国土交通省は、オープンハウス型の説明会に加えて、品川区などでは、我が党の区議団の要請に応えて、連合町会単位でも説明会を行っております。回数を追うごとに今回の計画を知る方々がふえてはいっているものの、いまだ知らない方がいることは確かであります。
都は、羽田空港の飛行経路見直しの計画を知らない方がいなくなるくらい、関係地域の全住民への周知が徹底的に行われるよう、国への要請を一層強めていただきたい。
その上で、地域住民のさまざまな声に丁寧に応えていくと同時に、都民への情報提供を行うことを強く要望し、意見といたします。
○曽根委員 羽田新空路問題については、四つの請願陳情が出され、うち一件は推進の立場の方からも出ておりますが、三件はやはり落下物の問題、騒音の問題、また資産価値の下落を心配するなどの反対世論の大きさを反映して、見直しもしくは十分な説明がまだ足りないということを問題提起されております。
私も、みずからの経験から、この問題はやっぱりまだまだ知られていないというのを実感したわけなんですけれども、実は私が住んでおります北区の、もう東京の外れになりますが、赤羽台四丁目、この住まいがC滑走路に向かう好天時の新空路の直下に当たるわけです。
上空一千メートル程度というふうにはされていますが、直下の場合には、資料を見ますと、やはり七十デシベルぐらいの騒音は来ると。私のような北の外れに住んでいる者にまで、多いときは二、三分置きに、七十デシベルの騒音が来るのかと。ちょっとご近所と話をしていましたら、そんなことがあるのかということで、ほとんど知られていないわけです。
そういうことからも、今回、請願で例えば教室型の説明会をもっとちゃんとやってくれというものも含めて、請願陳情が出ておりますので、そういうことも含めてちょっと聞いていきたいと思います。
当然ながら、国にはできるだけ広く計画を知らせる努力を求めるべきですが、そのことをどう働きかけてきたのか、また、都自身が広報に努めるべきだが、その点について、都の姿勢は、やってきたことはどうかということについてお聞きしたいと思います。
○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都は、羽田空港の機能強化につきまして、地元へのきめ細やかな情報提供が必要と認識しており、国が平成二十六年に飛行経路の見直しを提案して以降、地元への丁寧な情報提供を要請してまいりました。
これを受けて、国は、より多くの方が参加できるオープンハウス型説明会の開催などにより、地元への周知を図ってきております。
都としても、機能強化に関する国の取り組みやその必要性などについて、関係自治体と情報共有を図っております。
また、国のオープンハウス型説明会での都への質問や意見への対応や、情報発信拠点における来場者に対するパネルの案内などを行っております。
さらに、都のホームページでは、羽田空港の機能強化に関する国の取り組みや説明会の開催実績を紹介し、開催予定の説明会について、日時、場所などを広報紙やツイッターでお知らせするなどの取り組みを実施しており、幅広く情報提供を行うことに努めております。
引き続き、都は、国に対し丁寧な情報提供を要請していくとともに、地元の理解がより深まるよう取り組んでまいります。
○曽根委員 請願三〇第四三号の品川区の羽田増便による低空飛行ルートに反対する品川区民の会の請願では、教室型説明会が非常に少ないということで、これをもっと開いてほしいということが強く求められております。
先ほどの説明でも、オープン型の説明会には十二月までに一万四千人ですか、それ以降八千人というような人数のカウントがありましたが、教室型説明会というような、ここでいわれているものの名前は出てこなかったと思いますが、全くここに、教室型の説明会をやりたくないのか、それとも、やったとしてもそれは人数に数えられないようなものなのか、位置づけがよくわからないんですけれども、この点については、どのような場合に教室型の説明会を行っているんでしょうか。
○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 オープン型説明会の開催に、十二月とご発言がございましたが、これまで四期にわたり一万四千名の方が来場したというものでございます。
まず、国は、オープンハウス型の説明会をこれまで四期にわたり開催し、現在、五期目の説明会を開催中でございます。
さらに、オープンハウス型説明会に加え、要請があった関係自治体と相談の上、対象となる地域住民の方々に情報提供を行う地域説明会を実施しており、昨年十二月から本年二月末まで、品川区、渋谷区、新宿区など五区二十六地域で開催することとしております。
○曽根委員 これは地元の自治体との相談でというようなことのようですけれども、この団体の方は、要するに地域で、まとまった人数で一つの会場を使って、きちんと説明を受けていろんな質問を受けるというような教室型の説明会の開催を求めているわけで、この点については、地元の理解がよく深まるようにというのであれば、どんな形であれ、説明会を求められれば、教室型でも開いていくということは当然のことだと思いますので、この点は強くこの請願の趣旨を酌んでいただきたいことを申し上げておきます。
それから、人数なんですけど、そうするとオープン型に来られたのが今まで一万四千人ということでいいんでしょうか。八千人という人数も出たんですけど、これは一万四千の中に含まれるということなんでしょうか。この一万四千人のオープン型説明会の人数というのは、これでかなり十分広がっているだろうというふうに思われているんですか、いかがでしょうか。
○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は、オープンハウス型説明会をこれまで四期にわたり開催し、約一万四千名の方が来場しております。
また、昨年十二月より五期目の説明会を開催しており、本日までに飛行経路下の十三区のうち十一区において、平日及び休日に一回ずつ開催し、八千名の方が来場しております。
したがいまして、一万四千名の中に八千名があるというわけではございません。
○曽根委員 区別する理由が余りよくわからないんですけど、つまり合計二万二千人程度の方はオープン型の説明会に来ているということでよろしいんですね。
この二万二千人というのが果たしてどれほどの人数なのかというのは、この新空路の影響を及ぼす範囲というのが、どこもまだあんまりはっきりした人口規模が出てこないので、この点については後で聞きたいと思いますが、このほかに目黒区の方の請願でも出ているように、資産評価への影響というものについて、かなり大きな不安が広がっているわけです。
低空飛行による資産評価への影響というのは、国や都はどのように予測し、また評価の対象となり得るのかということについての考え方はどうなっているでしょうか。
○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 一般的な不動産価値は、周辺の騒音などの環境面や立地、周辺施設などの地域要因だけでなく、人口増減などの社会的要因、財政や金融などの経済的要因、土地利用計画などの行政的要因、あるいはそもそもの需要と供給のバランスなど、経済情勢を含めたさまざまな要素が絡み合い決定されるものでございます。
このような中、国は、航空機の飛行経路と不動産価値の変動の間に直接的な因果関係を見出すことは難しいとしており、都も同様に認識しております。
○曽根委員 前にもこれは質問で取り上げましたが、国や都が幾らそういうふうに説明をしても、既にこの羽田に近い地域の住宅物件の中には、重要事項説明書の中に新空路問題が書かれているものもあらわれてきているわけです。
私自身、かなり距離が離れていると思っていましたが、既に不動産関係のサイトを見ますと、この新空路の影響でおたくの住宅はどれぐらいの影響を受けますよということがわかるように、誰でも見られるようなサイトがもうできていまして、新空路の飛行機が通過する十三区の中で、例えば私の自宅のように航空機騒音が七十デシベルぐらいまでなってしまう地域の人口規模っていうのは、およそ大体つかめるようになってきていると思います。
そういうデータは、本来なら、この計画を立てている国や、また都民への影響をきちんと押さえるべき東京都が公的に明らかにすべきだと思いますが、こういうデータはないんでしょうか。
○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国が公表しております新飛行経路案につきまして、仮に経路直下における大型機の瞬間の最大騒音レベルがおおむね七十デシベル以上ということを考えたとき、南風時のA滑走路到着経路につきましては、好天時に成増駅付近から羽田空港にかけて、悪天時には光が丘駅付近から羽田空港にかけて、C滑走路到着経路につきましては、好天時に北赤羽駅付近から羽田空港にかけて、悪天時に成増駅付近から羽田空港にかけてであると認識しております。
また、北風時の出発経路につきましては、羽田空港からC滑走路を北向きに出発し、荒川河口部から川沿いを北上した平井大橋付近にかけてであると認識しております。
お尋ねの人口規模のデータについては、ございません。
○曽根委員 公的には出していないんですけれども、例えば北区のこういう空路の図があって、私の家はここなんです。C滑走路、好天時のまあ、ほぼ直下です。数十メートルしか離れていません。
しかし、ここにですね、これは不動産関係のサイトですけど、町丁目別に全部出ているんですね。非常に手間がかかりましたけど、各町丁目別の人口っていうのは、各区が住民台帳から出していますから、私、この空路の下の七十デシベルがかかるぐらいのところの町丁目を全部出して、一個一個人口を積み上げました。手間はかかりましたけど、単純作業です。
その結果、十三の区で、七十デシベルかそれ以上にはなるだろうと思われる地域の人口の私の積算は百九万人という結果です。これは、実はこのサイトの方にも約百万人の規模というふうに出ていましたので、そんなに計算は狂っていないと思います。
この百万人の規模、またそれを超えるような人口に、七十デシベル以上の騒音を多いときには二、三分置きに上からもたらすという空路を設ける空港というのを、私はやっぱり簡単に認めるわけにいかないだろうと思うんですね。
東京の都心の約二十キロ以上を南北に通るわけですから、世界中にも、国内にも、そういう例はほとんどないと思いますし、しかも落下物もゼロを目指すという先ほどの答弁がありましたが、落下物の危険もゼロにはなり得ないわけです。
最近の調査でも、品川区、また港区などでも、アンケートでは七、八割の方が反対をしていると。こういう空路に変更することがいかに住民の声を無視している選択かは明らかですし、百万人の規模が少なからず影響を受けるのに、説明会にはまだ、いろいろ足しても二万人ちょっと、ほんの数%しか説明会にも来ていないと。
十分な説明を求める陳情や、また新空路の撤回、見直しを求める請願陳情には、私は、この議会として採択をすべきだし、逆に推進の立場の陳情には不採択を求めておきたいと思います。
以上で質問を終わります。
○奥澤委員 無所属東京みらいの奥澤でございます。私からも一言意見を述べさせていただきたいと思います。
同趣旨の陳情請願、過去にもありまして、我が会派の森澤都議から質疑と要望をさせていただいておるところでございます。
森澤都議は、地元品川区選出の議員として、羽田空港機能強化における地域の影響について、国による情報提供の機会が足りず、正確な一次情報に触れる機会が少ない、そして課題を正確に把握できている方が少ないのではないかといった問題意識から、課題解決のためには正確な情報認識が出発点であるという旨を述べています。特に、子育て世代に正確な情報を伝えていく重要性に触れて、羽田空港の機能強化によって地域の皆様の安全・安心が置き去りになることがあってはならないということを申し述べております。
その後、都から国に対してさまざま要望していただいているということには、感謝を申し上げたいというふうには思っております。
また、地元の皆様からの関心も大きい事項でありまして、反発も少なからずある中で、東京の未来を憂えて、東京全体の発展のためにと断腸の思いで発言されたことでありますから、私もその意図を踏襲して、ここからは私の意見を少しつけ加えさせていただきたいと思っております。
東京二〇二〇大会まで、あと一年と半年を切りました。羽田空港の機能強化、これは先ほど必要不可欠だというお話がありましたけれども、もう待ったなしの状況になっております。今後は、もちろん情報提供も大事なんですけれども、現実的に起こり得る影響について、より具体的な解決策を求められる、そういった段階に来ていると考えております。
騒音や安全性といった生活関係の影響をできるだけ低減すると同時に、羽田空港の機能強化がもたらす経済波及効果については、しっかりと地元の自治体、周辺の自治体も享受できるような環境整備が必要です。
説明会にせよ、安全対策にせよ、一義的には国が行うべきものであることは理解をしておりますけれども、今後は、より具体的な住民のニーズを酌み取って、実態に即した現実的な解決策を示していただきたいというふうに思います。
特に、サイレントマジョリティーといわれる、大きい声をなかなか上げることはしないけれども暮らしへの不安を抱えていらっしゃる方もいれば、逆にこれをいいきっかけだということで、インバウンドを獲得してさらなる成長を目指したいんだと考えている事業者さんの声も伺うところであります。
ぜひとも周辺の自治体、関係する自治体との連携を深めて、そういった住民の皆様の声を一つ一つ丁寧に拾っていただきたいというふうに思います。
また、国に対して要望するにとどまらずに、東京都として何ができるのかを考え続け、また実行し続けていきたいということを強く要望しまして、意見表明といたします。
○本橋委員長 それぞれ発言を頂戴いたしました。
ほかに発言がなければ、これより採決を行いたいと存じます。
初めに、請願三〇第四二号を起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 起立少数と認めます。よって、請願三〇第四二号は不採択と決定いたしました。
次に、請願三〇第四三号を起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 起立少数と認めます。よって、請願三〇第四三号は不採択と決定いたしました。
次に、陳情三〇第九四号を起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 起立多数と認めます。よって、陳情三〇第九四号は趣旨採択と決定いたしました。
次に、陳情三〇第一一二号を起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第一一二号は不採択と決定いたしました。
○本橋委員長 次に、請願三〇第四五号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○荒井都市基盤部長 整理番号3、請願三〇第四五号、多摩都市モノレールの運賃値下げを求めることに関する請願についてご説明いたします。
お手元の請願・陳情審査説明表の九ページをごらんください。本請願でございますが、世田谷区の中央大学モノレールの運賃を下げようの会の筒井大智さん外八百三十名から提出されたものでございます。
請願の要旨でございますが、都において多摩都市モノレールの運賃の負担軽減措置を導入するよう働きかけていただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、多摩都市モノレールは、都並びに沿線自治体である八王子市、立川市、日野市、東大和市及び多摩市、鉄道事業者、金融機関などが共同出資して設立された多摩都市モノレール株式会社--以下、会社とさせていただきます--によって運営されてございます。
平成十年十一月にⅠ期区間の立川北-上北台間が開業し、平成十二年一月にはⅡ期区間の多摩センター-立川北間が開業して、全線十六キロメートルの路線となっており、道路混雑の緩和や沿線のまちづくりの促進など、多摩の振興にとって重要な役割を果たしているところでございます。
これまで、都及び沿線五市は、会社に対して出資や無利子貸し付けなどの支援を行ってまいりました。
しかし、平成二十年度には、多額の借入金の返済負担に伴う資金ショートが見込まれたことから、都及び沿線五市などは、追加出資、借入金返済期間の延長、固定資産税減免の延長等、さらなる経営支援策を実施したところでございます。
こうした経営支援を受けまして、会社は、平成二十年度から平成二十九年度まで、経常利益、当期純利益とも十期連続で黒字を計上してございます。
その一方で、いまだ多くの長期債務を抱えており、また開業から二十年近くが経過し、今後、大規模修繕などの設備投資の増加も見込まれているところでございます。
モノレールを含む鉄道等の運賃の設定につきましては、関係法令等に基づき国土交通大臣への認可申請や届け出が必要であり、多摩都市モノレールの運賃もこうした手続にのっとって設定されてございます。
多摩都市モノレールでは、一駅区間を対象とした割引運賃、通学定期券の六五%割引などの運賃負担軽減策を導入しているところでございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。
○本橋委員長 ただいま説明が終わりました。
本件につきまして発言をお願いいたします。
○滝田委員 私からは多摩都市モノレールの運賃値下げに関する請願について幾つか質問をさせていただきます。
本件については、おととし十一月にほぼ同内容での陳情が上がってきておりまして、この都市整備委員会で、私、質疑をさせていただきましたので、簡潔に伺ってまいります。
おととしの質疑では、運賃の設定方法や、特に通学定期についてほかの鉄道と比べて料金が高いとはいえないということを確認させていただきました。
また、モノレールの延伸について、検討の具体化を進めている中で、事業採算、経営体力をしっかりと高めていくことも大切であり、運賃のあり方を審議する上では、総合的な経営状況から判断していく必要があると意見をさせていただきました。
おととしの確認事項の再確認となりますけれども、他の鉄道との運賃比較について、再度ご説明をお願いいたします。また、多摩都市モノレール株式会社の経営状況につきまして、最新の状況をご説明願います。
○荒井都市基盤部長 一般に、モノレールを含む鉄軌道は、建設時における初期投資が多額であり、とりわけ開業からの経過年数が比較的短い新規路線は、減価償却費や支払い利息などの負担が重く、それらが運賃に転嫁されてございます。
こうした前提を踏まえまして、比較的新しい他のモノレールや新交通システム、鉄道と比較した場合、多摩都市モノレールの運賃及び通学定期券とも大きな差異はないと考えております。
また、多摩都市モノレール株式会社の経営状況でございますが、平成二十九年度における一日平均乗車人員は十四万二千人余りとなり、過去最高を更新しており、同年度の決算は、営業収益が八十七億円、経常利益が十七億円、当期純利益が十億円となってございます。
一方で、平成十年の立川北-上北台間の開業から二十年を迎えており、安全で快適な利便性の高い輸送を行うためには、老朽化した施設や設備の大規模修繕など、設備投資を進めていく必要がございます。
また、都を初め関係自治体からの無利子貸付金の返済などを確実に実施していくことも課題でございます。
○滝田委員 ご説明ありがとうございます。おととしの質疑と状況は大きく変わっていないということを確認させていただきました。
設備更新や今後の延伸計画などを見据えて、経営体力を高めていくことが最重要と考えますけれども、経営課題について、どのような目標を定めて、戦略的に事業性を高めているのか、取り組みを伺います。
○荒井都市基盤部長 多摩都市モノレール株式会社では、昨年六月に今後四年間において会社が取り組むべき具体的な施策を示した中期経営計画を策定しており、目標として、安全の確保、お客様サービスの向上、沿線地域との連携、経営基盤の強化を四つの柱として位置づけてございます。
この計画に基づきまして、会社では、今年度、安全の確保に資する運行管理システムを更新しているほか、来年度以降も信号保安設備、車両設備、通信設備の改修、利用者の快適性、利便性を高める駅舎のリニューアルなど、さまざまな設備投資を計画的に行うこととしております。
また、こうした設備投資を円滑に進めていくため、安定した運輸収入の確保はもとより、附帯事業の着実な増収など、自立した財務基盤の確立に取り組むこととしております。
○滝田委員 昨年六月に策定されました中期経営計画については、私も拝見させていただきました。
一言申し上げますけれども、民間企業と比較しまして、数値目標やKPIの設定など、十分な内容とはいえません。今後、別の質疑の際に細かく述べさせていただきますけれども、次期計画策定に向けては、今から計画方法の研究をしていただきたいというふうに思います。
おととしの質疑において、私からの指摘に対して、今後、会社では、コスト削減に努めることはもとより、自治体や大学、企業といった地域の多様な主体と積極的に連携することで、こうした取り組みをより一層推進していくとともに、ダイヤの見直しや多言語案内の充実等のサービス向上に取り組むことで、乗車人員の増加を図り、収益の拡大につなげていくとしていると答弁がありました。
ついては、この一年三カ月でどのような取り組みが進捗できているかお伺いをいたします。
○荒井都市基盤部長 多摩都市モノレール株式会社では、中期経営計画を踏まえるとともに、昨年十一月二十七日に開業二十周年を迎えたことから、これを契機として、地域に愛されるブランドづくりを進めることとし、新たなブランドスローガンや二十周年記念のロゴマークを定めるとともに、地域との一層の連携やお客様サービスのさらなる向上に取り組んでおります。
地域との連携では、地元自治体と連携したスタンプラリーやウオーキングイベントの開催などに加え、今年度は駅構内での音大生によるクリスマスコンサートを新たに実施するなど、地域に密着した取り組みを展開しており、今後も沿線地域や企業、団体等が実施するイベントへの参画などを積極的に検討するとしております。
また、お客様サービスの向上では、駅や車内での案内表示を二カ国語から四カ国語とするように努めております。
さらに、開業以来、初めての本格的なダイヤ改正をことし三月に実施することとし、始発列車の繰り上げや最終列車の繰り下げを行うとともに、通勤通学時間帯の混雑緩和や遅延防止に対応するなど、利便性の向上を図るとしております。
会社ではこうした、沿線に住みたい、モノレールを使いたいと思っていただけるような取り組みを進め、沿線地域のさらなる活性化に貢献することとしております。
○滝田委員 説明いただきました取り組みも含めて、今後施策の数値目標やKPIを定めて、経営のレベルアップを図っていただきたいというふうに思います。
また、先ほど説明がありましたけれども、ダイヤ改正について、乗りかえのスムーズさや始発、最終の運行時間拡大などは、利用者の多くが求めておりましたので、三月の改正に期待をしております。
利用者の利便性を上げて、利用を促進することに今後も努めていただきたいと思いますが、特に平日の夜や休日などにおいて、モノレールを利用して拠点駅に出てもらうということは、まちの活性化や消費の拡大にもつながります。
乗車率の低い時間帯を活用しての乗車人員の増加にもなるものです。必ずしも学生向けだけというわけではありませんけれども、例えばドイツなどの海外では、グループ乗車や週末に大きな割引をする鉄道があるなど、工夫が見られます。
定期券利用者以外の利用を拡大する上での取り組みについて考えを伺います。
○荒井都市基盤部長 多摩都市モノレールでは、気軽にモノレールを利用できるよう、全線にわたり、一駅のみ乗車した場合の運賃を百円に割り引く制度を導入しております。
また、一日に何度でも乗りおりできる乗車券はもとより、沿線の大規模商業施設と連携した割引つき乗車券や多摩動物公園や昭和記念公園等と連携した乗車券、沿線五市の利用者を対象としたプロ野球観戦を含めた乗車券など、さまざまな企画乗車券を販売しております。
さらに、ワイン列車やビール列車などの企画列車の運行、沿線行事や大学の行事等に合わせた臨時列車の運行なども行っております。
会社としては、今後もこうした取り組みを積極的に進め、より多くの方々にモノレールを利用していただくよう努めていくとしております。
○滝田委員 おととしも申し上げましたけれども、多摩都市モノレールは、地域密着型の交通網であります。地元や民間の取り組みとしっかり連携していただくことで、社会的価値をさらに高めることができるのではないでしょうか。単純な運賃値下げではなくて、違った形で利用者や周辺地域に還元していく形が現時点では望ましいのではないかと私は考えます。
以上の意見をもちまして、私からの質問を終わります。
○神林委員 多摩都市モノレールの運賃値下げを求める請願について、一言申し上げます。
平成十年に開業した多摩都市モノレールは、多摩地域を南北につなぐ重要な交通機関であり、都や沿線自治体が出資する多摩都市モノレール株式会社が運営しております。
会社ではこれまで、できる限りの経営努力を行っており、料金面でも一駅区間の運賃を百円とするほか、通学定期券の六五%割引など、負担の軽減にも取り組んでいるところでございます。
その結果、この十年間、連続で黒字を計上していますが、一方で多くの借入金を抱えるとともに、大がかりな改修も見込まれるなど、まだまだ課題が残っております。
こうしたことから、現時点において運賃の値下げを考えることは、残念ながら現実的には難しいと判断しております。多摩地域にとって、安定した経営のもと、モノレールが安全で快適に走り続けていくことこそが何よりも大切なことでございます。
そのために、都がしっかりと会社の経営にも目を光らせていただき、効率的な経営にも努力するよう求めて、意見といたします。
以上でございます。
○曽根委員 私からも、この請願三〇第四五号、多摩都市モノレールの運賃値下げを求めることに関する請願について、何点かお聞きしたいと思いますが、これは、中央大学モノレールの運賃を下げようの会という方々からの請願で、八百三十人の主に学生さんと思われる署名を集めての請願で、こういったものはなかなか都議会でも珍しいかと思います。
多摩都市モノレールの学生定期を下げられるんじゃないかという問題は、おととしの十一月に我が党の白石都議から質疑で取り上げた経緯があります。
このときには、一例として、多摩都市モノレールと延長距離や料金体系や現状での利益率などが非常に似ている、また向こうは神戸市が最大株主ですが、東京都が七割程度、向こうも七割程度の株主であるという点なども共通しているということで、神戸のモノレールがちょうどその年に学生定期を今の、その当時六二%の割引率、つまり三八%に料金をかけていたんですが、それを約二割下げて、三〇%ぐらいに下げる。つまり割引率を七割にするという措置をとって、この財源として、神戸のモノレールが行った減資ですね、資本を切り下げたときに生まれた財源を充てたということを紹介しました。財源としては一億円程度でできるものだということがいわれました。
その結果どうなったかは、ちょっと後で紹介したいんですけれども、神戸のモノレールについては、神戸にこの間、私、行ってきたんですけれども、なぜ学生が利用している数が多いのかなと思ったら、神戸のポートタウンっていうんでしたっけ、島ですね、そこに大学が三つぐらい進出しているんですね、海辺の場所に。それで、学生数がふえてきているということに呼応しての措置だそうです。
多摩都市モノレールの沿線は、中央大学を初め明星大学や帝京大学など、また都立の松が谷高校もあるということで、学生定期の利用者の割合は、ほかの鉄道やバス路線に比べてもかなり多いんじゃないかと思いますが、学生パスの利用者は、乗客数の何%で、年間どれぐらいなのかを教えてください。
○荒井都市基盤部長 直近の平成二十九年度におきまして、通学定期を利用した方の数は、延べ数で年間約一千四百万人となっておりまして、輸送人員全体の延べ数約五千二百万人に対する割合は約二七%でございます。
○曽根委員 千四百万人は延べ数ですので、仮に一人の学生が年間二百日、往復で乗るというふうに考えれば、三、四万人が大体パスを利用しているのかなという感じですけれども、二七%というのは、決して少なくない割合だと思います。
現在の標準の割引率が六五%と先ほどお話がありましたが、仮にこれを七五%ぐらいまで割引にすると影響額はどれぐらいになるでしょうか。
○荒井都市基盤部長 直近の平成二十九年度におきまして、通学定期の利用による運輸収入は約十二億円でございます。
ただし、今いわれました六五%という割引率は、通学定期券の運賃を算出する上での標準的な割引率として設定されたものでありまして、実際には有効期間、それから区間などによって、割引率が必ずしも一律でないことなどから、七五%とした場合の正確な影響額の算出は困難でございます。
○曽根委員 はっきりした数字は出てこないんですけれども、もちろんこれは第一義的には、モノレールの会社が検討することではありますけれども、モノレール株式会社にせよ、それを最大株主として支えている東京都にせよ、本当に利用者サービスの姿勢があれば、私たちはシルバーパスの問題もいっていますけれども、学生が三割近い利用があるという中で、学生定期の割引率を上げた場合にどういう影響が出るかの試算は、やっていて当然だというふうに思います。
この請願にも、一駅ぐらい早目におりて歩けば運賃がちょっと安くなるとか、そういうことまで考えざるを得ないという点で、今日の学生の生活が、親の世帯も含めて、以前より厳しい現状だということは多くの方に知られるようになっていると思います。
先日も国会で、授業期間中にまでアルバイトをせざるを得ない学生が、私もびっくりしましたが、八割に及んでいると。場合によっては授業を休んででもアルバイトをしなきゃならないという現状が紹介もされました。
その一方で、学生の暮らしに一定の支援を行いながら、その力を生かそうという動きが、例えば都内や埼玉などのUR団地で学生の家賃を引き下げる一方で、地域コミュニティへの参加を進めるなどの動きもあります。
そこでお聞きしたいんですけど、多摩都市モノレールで、この沿線の大学との連携をやっている実績はどういうものがあるのか、学生生活を応援する上で、会社だけではなく、通学運賃負担が軽減できるような大学とモノレール会社との連携というのは、検討できる、できないのかどうか、この点についてお聞きします。
○荒井都市基盤部長 多摩都市モノレールでは、大学の行事に合わせた臨時列車の運行や地域活性化に関するゼミの活動への協力など、大学と連携した取り組みを行っております。
また、多摩都市モノレールでは、国の認可上は五〇%とされている通学定期券の割引率を、会社の努力として、六五%としているところでございます。
なお、各事業者において、通学定期券をどの程度の割引にするかについては、その経営状況に応じた事業者の判断に基づくものと考えてございます。
○曽根委員 神戸のモノレールは、減資を行った際に、その生まれた財源をごく一部ですけれども、学生利用者へのサービスに回したというのが特徴です。
多摩都市モノレールも、先ほど一定の減資を行ったということが報告されましたが、どういう理由で行われ、その財源をどのように活用したのかを改めてお聞きします。
○荒井都市基盤部長 多摩都市モノレール株式会社では、多額の借入金の返済負担に伴う資金ショートが見込まれたことから、平成二十年度に経営安定化計画を策定しており、都及び沿線五市などが、追加出資や借入金返済期間の延長、固定資産税減免の延長など、さらなる支援を実施しております。
お話の減資につきましても、この経営安定化計画の一環として、累積損失を解消させるとともに、税務上の対策として減資を実施しております。
資金ショートが見込まれる当時の経営状況のもと、こうした取り組みにより、会社の経営の改善を図っているものでございます。
○曽根委員 減資を行ったことによって、累積赤字を克服し、経営も安定化させて、現在、年間約十億円の規模の黒字を出すまでになったと。
莫大な投資で路線を開設したのは、もともとほかならない多摩の南北方向の貴重な交通の利便を向上させるためであったわけです。その目的に照らして、貴重な利益を生み出すことができるようになった、その一部を利用者サービスの充実に回すことは、私は経営の方針として、あり得ることだと思います。
そこで、先ほど紹介した神戸のモノレール、お聞きしましたら、一昨年度から割引率を引き上げたために、白石議員が紹介したように、減資の財源の一部、約一億円を使いましたが、学生定期の利用者が実数で千人以上ふえたそうです。したがって、これによって、直接の割引による減額分を超えて、利益はふえたそうです。
こうした経験も、私は率直に、ほとんど同じ条件でやっているモノレールですので、ぜひ参考にすべきだというふうに思います。
したがって、学生の方々がやはり自分たちの生活を何とか安心して勉学できるようにしたいというふうな思いで、東京都に、都議会に出してきている請願については、できるだけ応えていこうという姿勢で議会としては臨むべきで、神戸などを参考にしながら、努力をモノレール株式会社へ求めていくという点で、この請願の採択をお願いしたいと思います。
以上です。
○奥澤委員 それでは、私からは意見を表明させていただきたいというふうに思います。
まず、昨年六月の多摩市議会でありますけれども、多摩都市モノレールの利用しやすい料金設定と学生の通学定期の引き下げを求める意見書というものが可決されています。
本請願者の方々のみならず沿線の皆様が、もっと利用しやすい運賃体系を求めているということ自体には、理解をするところであります。
一方で、多摩都市モノレール株式会社が今後さまざまな財政需要を抱えていること、それから町田方面、箱根ヶ崎方面といった延伸計画もまだまだ道半ばだというところ、そういったところを考えますと、経営基盤を安定させていきたいという都の主張も理解するところでございます。
ただ、ここで大切なのは、両者は決して利益相反の関係ではないというところであります。つまり、両者の願いをかなえるためには、結局のところ、どれだけたくさんの方々に利用いただけるかということに尽きるということを忘れてはいけないというふうに私は考えております。
さまざまなブランディングとか、企画をされていることは存じておりまして、私も先日開催されたアルコール飲料の氷結というお酒とのコラボレーションのやつには応募し、参加させていただきまして、大変楽しい時間を過ごさせていただいて、思わず駅をおりた後も散財をしてしまうような、それぐらい楽しい時間を過ごさせていただきました。お隣の方とお話ししたら、リピーターの方だったんですけれども、次も楽しみにしていて、ほかのところに住んでいるんだけれども、また来たいというお話もありました。
しかしながら、これはあくまでも一過性の集客でありまして、定常的な利用につながらない、なかなか経営の改善というのには至らないものだと思います。
近隣にはJRや小田急電鉄、京王電鉄といった民間事業者がしのぎを削っている状況ですので、沿線エリアに暮らし、あるいは遊びに来てもらうような投資を積極的に行っている事業者さんが周りにいるということです。
例えば、少し離れますけれども町田市では、東急電鉄と町田市が協力して、南町田駅の再開発というのを行っておりますけれども、まちの価値を高めて、人の往来をふやして、結果としてたくさんの人に電車を利用してもらうという考えのもとで、つまりまち全体を俯瞰した取り組みを事業者が積極的に行っているところです。
こうした事業者と同等、あるいはそれ以上の経営努力をしていかないと、安全に安定的にモノレールを走らせるということも、いずれかなわなくなるときが来るかもしれませんし、沿線住民に愛されるという枠組みを超えて、沿線に人を呼び込んでいく、そういった発想でぜひ経営をしていっていただきたいということを思っています。
東京都監理団体経営改革プランにおきましても、沿線市や沿線企業などとの連携の必要性について述べられています。東京都の監理団体ということでありますから、その強みを生かして、行政と一体となった多摩地域全体のまちづくりを俯瞰した経営戦略をとっていただきたいと願うものであります。
特に、これから控えている箱根ヶ崎方面、そして町田方面の延伸につきましては、連携をより一層強化して、議論を加速していただきますようお願い申し上げます。
また、先ほどの曽根委員の質疑でもありましたけれども、神戸市の例が出ておりました。運賃引き下げというのは、直接的には収入減になるものかもしれませんけれども、長期的な視点で見れば、利用者数の増加や沿線地域の活性化に資する可能性もありますから、参考にしていただきたいということは私からも申し述べておきます。
少し話が広がってしまいましたので、最後にまとめます。
現在の多摩都市モノレール株式会社の置かれている経営状況を考えれば、現時点で運賃引き下げを求める本請願には、私は不採択の立場であります。
ただし、今後の経営戦略におきましては、単に経営基盤の安定化だけではなくて、延伸、あるいは沿線地域のまちづくりへの投資という視点、それから運賃設定、あるいは地域との連携が人の流れにどのような影響を与えるのかといった視点を持って、多摩地域全体を俯瞰した交通政策とまちづくりを積極的に進めていただきたいということをお願いしておきます。
その結果として、今請願をしてこられた学生さんの方々の願いというのが、将来的に沿線で暮らす方々の負担軽減へとつながるよう、さらなる努力を求めまして、意見表明とさせていただきます。
以上です。
○本橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行いたいと存じます。
本件につきましては、起立により採決をいたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 起立少数と認めます。よって、請願三〇第四五号は不採択と決定いたしました。
○本橋委員長 次に、陳情三〇第一〇一号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○高原基地対策部長 お手元の請願・陳情審査説明表の一五ページをお開き願います。
整理番号5、陳情三〇第一〇一号、多摩市・稲城市の旧日本陸軍多摩火工廠跡の市民利用及び保全に関する陳情は、稲城市の稲城の里山と史跡を守る会代表、市村護郎さん外千十三名の方から提出されたものでございます。
陳情の要旨は、都において次のことを実現していただきたいとして、1、多摩サービス補助施設の返還について、国への提案を引き続き強力に進めること、2、稲城市民には限定の開放日、日米親善や自然観察があるが、暫定措置としては、横田基地の許可がなくとも旧日本陸軍多摩火工廠跡に多摩市民及び稲城市民が自由に立ち入りできるよう、横田基地に働きかけること、3、多摩火工廠跡において、自治体、研究者、専門家による自然環境調査、戦争遺跡調査、保全及び遺跡調査ができるよう、横田基地に働きかけることというものでございます。
現在の状況ですが、多摩サービス補助施設は、多摩市と稲城市にまたがり、ゴルフ場やキャンプ場等から成る約百九十五万平方メートルに及ぶ在日米軍のレクリエーション施設であります。
当該施設は、昭和十三年に旧陸軍造兵廠火工廠板橋製造所多摩分工場として開所され、昭和二十一年には米軍が接収し、弾薬庫として使用しておりましたが、その後、昭和四十四年にゴルフ場を建設するなど、米軍がレクリエーション施設としての整備を進め、現在に至っております。
日米地位協定第二条では、米軍の施設及び区域が必要でなくなった場合は、日本国に返還しなければならず、そのために必要性を絶えず検討することが定められております。
都は、国に対する提案要求等を通じて、米軍基地の整理、縮小、返還が促進されるよう働きかけており、その中でも、多摩サービス補助施設は、市街地に隣接する貴重な緑地であり、広く都民に開放するため、直ちに返還されるよう要請しております。
これまで、多摩サービス補助施設は、稲城市公園用地等として、四回にわたり約四万四千平方メートルが返還されております。
都は、今後も引き続き、全面返還に向けて国に働きかけてまいります。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○本橋委員長 ただいま説明が終わりました。
本件についてのご発言をお願いいたします。
○佐野委員 それでは、本陳情に対しまして、一言意見を申し述べさせていただきたいと思います。
審査に当たっては、現地を見ておく必要があると思いまして、先日行ってまいりました。もちろん許可なく入れませんので、今回入り口周辺を見るだけでございました。
以前、私、市議会議員時代に、沖縄の米軍施設、ホワイトビーチ地区ですけれども、視察させていただいた経験がありますので、しかるべきルートで許可を得ることは可能かと思いましたけれども、時間がなかった、また変に刺激しても悪い影響があってはならないということで、今回、外観だけ、また、中身についてはインターネット上での情報収集にとどめておきました。
さて、第一印象ですけれども、東京の郊外に、駅からもすぐ近くで横田基地からも離れたところに、このような米軍のレクリエーション施設があることを知りませんでしたので、驚きました。
また、有刺鉄線が張りめぐらされた金網柵に囲まれて、英語でウオーニングと警告の看板がついておりまして、基地を思わせるゲートと看板がありました。
外からは、球技場や乗馬施設、ピクニックなど、アメリカらしいレクリエーション施設が見え、広場もあり、また航空写真で見るとゴルフ場もあるようで、そして広大な、何といっても多摩丘陵の里山が含まれている。また、旧陸軍の施設も残っているということでございました。
これらのレクリエーション施設としての価値や、緑や自然環境としての価値、歴史的価値がある広大な空間が残っていることをまず認識いたしました。
いい方は適当ではないかもしれませんけれども、この施設によって、開発から逃れたエリアと、貴重な空間なのかもしれないと思いました。
さらに、蛇足でございますけれども、沖縄の米軍基地を視察した際、感じたことでございますけれども、軍内というのは一つの社会があって、自然環境の専門家や歴史、文化の専門家、あるいは地元との折衝や広報の専門家などさまざまな方々がいて、決してこの地の自然環境や歴史環境に無関心ではないと思っています。
いずれにしろ、一刻も早く返還され、公園緑地として、史跡として、このまま市民や都民の利用に供されることが望ましいと強く思った次第でございます。
さて、この問題については、昨年十二月に開催されました第四回定例会で、我が会派のここ多摩、稲城が地元の石川良一都議が一般質問で取り上げております。
この質疑で、都は、この施設の即時返還をこれまで求めてきたこと、既に一部の敷地が返還されていること、今後も引き続き返還を求めていくことを確認しております。
一方で、多摩市や稲城市が主催する交流事業などで市民利用も進んでいるようでございますけれども、陳情にあるように、自由な出入りなど、米軍との共同利用などを積極的に進めれば、かえってこの施設の恒久化につながりかねない、返還が遠のく可能性も否定はできません。
こうしたことから、我が会派としては、都に対しては引き続き即時返還を求めていくことが重要であり、本陳情については、一つ目は既に願意を満たしているのかなと。
また、二つ目、三つ目については、この時期の利用要望や調査要望は、かえって返還の妨げにもなりかねないということも考えまして、願意に沿うことは難しいと考えました。
以上で意見といたします。
○神林委員 陳情三〇第一〇一号について、意見表明を行います。
多摩サービス補助施設には、ゴルフ場のほかにキャンプ場などが整備されておりますが、ここは基本的には緑豊かな里山であり、都内においても貴重な緑地でございます。
しかも、この施設は米軍用のレクリエーション施設とのことであり、その利用目的から、国内の他の民間施設でも代用可能ではないかと思います。
こうしたことから、私としても、一刻も早い全面返還がなされ、都民に開放されるべきと考えております。
また、市民利用については、地元市が既に積極的に取り組んでおりますが、今後も必要であれば、個別に地元を通じて進めていけばいいのであって、あくまで都は長期的なまちづくりの視点から、施設の返還を国や米軍に求めていくべきであると考えます。
都はこれまで、即時返還を要請してきており、今後も引き続き働きかけていくとのことなので、本陳情については不採択といたします。
以上でございます。
○和泉委員 本陳情は、多摩補助サービス施設の返還、市民の自由な立ち入り、自然環境調査や戦争遺跡調査、保全ができるようにしてもらいたいといった内容です。
多摩サービス補助施設ですけれども、先ほど部長から説明があったとおり、多摩市、稲城市に所在していて、その面積は百九十五万平米、施設の目的、用途は、米軍のレクリエーション施設、ゴルフ場、キャンプ場、馬術場などがあるとのことでした。
百九十五万平米ですね、百九十五ヘクタール、本当に驚くべき広さだというふうに思います。余り広くてイメージが湧かないので、何か比較できないかというふうに思って調べてみましたら、日比谷公園の公園面積が十六ヘクタールですから、日比谷公園が十二個すっぽり入ってしまう。
東京ディズニーランドもかなり広い遊園地ですけれども、その面積は五十一ヘクタールですから、東京ディズニーランドが四つも入ってしまうと。
新宿区でこれを重ねてみたらどうだろうというふうに思って、同じ縮尺でつくってみました。都庁の場所から東に向かってこれを配置しますと、このように、ちょっとわかりづらいですけれども、新宿駅、歌舞伎町を覆って、若松河田の駅近く、実に大江戸線三駅の分のところまで行くくらい広いんです。
都内のそれほどの広大な土地が、在日米軍の軍事基地というわけではなく、レクリエーション施設として使われている。半分近くがゴルフ場、あとはキャンプ場が大半で、広大な野山にロッジやキャンプ場が点々としてある、レストランやバーもある、そしてその野山の一角に乗馬クラブもある、そういった状況です。
都内の広大な土地が米軍専用のレクリエーション施設として提供されているのは、極めて不思議なことです。どのような法的根拠に基づいているんでしょうか。一体国内にこのような類似施設があるんでしょうか。
○高原基地対策部長 日米安全保障条約第六条では、日本国の安全に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国の施設及び区域を使用することが許されると規定してございます。
これに基づきまして、日米地位協定の第二条も、合衆国は日本国内の施設及び区域の使用が許されるとし、同三条で、合衆国は施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため、必要な全ての措置をとることができると規定しております。
国は、これらの規定により、米軍に対し施設及び区域を提供してございます。
なお、類似の施設といたしましては、沖縄県にスポーツ施設等を有する奥間レスト・センターがあるというふうに聞いてございます。
○和泉委員 日米安保条約の第六条、あるいは日米地位協定の第二条、第三条、これに基づいているものだといろいろおっしゃいましたけれども、要は安保条約で日本の安全に寄与するために、米軍は日本の施設や区域を使えるように定めているということなんですけれども、ゴルフ場やキャンプ場がどのように日本を守るというんでしょうか。なぜ米軍専用施設にしなければならないのか、さっぱり理解できないのは私だけではないというふうに思います。
都からいただいた防衛省の資料で見ても、都と沖縄のレクリエーション施設は、その他という分類に入っているんです。防衛省から見ても説明がつかないということなんだと思います。
主な在日米軍基地は、青森県の三沢、神奈川県の厚木や横須賀、山口県の岩国、長崎県の佐世保などにありますけれども、このような、基地から別の場所に独立してある附属施設というのは、東京と沖縄の二つしかないというところから見ても、米軍にとって、なくては活動が立ち行かないという施設でもないのではないか、これは明白だと思います。
しかも、沖縄の施設の面積は五十五ヘクタールです。多摩サービス補助施設の四分の一、多摩サービス補助施設ほどの広大な土地がレクリエーション施設としても必要なのか、説明がつかないのも明らかです。
日本は、安保条約や日米地位協定にも基づかない米軍の駐留経費を、思いやり予算という名前をつけて支払っていることで有名です。
この多摩サービス補助施設内のゴルフ場、それから馬術場、キャンプ場には、思いやり予算、つまり国民の税金は投入されているんでしょうか。
○高原基地対策部長 一般に、在日米軍駐留経費につきましては、日米地位協定及び特別協定に基づき、我が国が一定の負担をしているというふうには承知しておりますけれども、多摩サービス補助施設につきまして、具体的なことにつきましては承知してございません。
○和泉委員 都としては知らないと。我が党の国会議員が国からいただいた資料によりますと、二〇一四年のものですからちょっと古いですが、日本が給与を全額負担している米軍基地の従業員の職種は九百二種類に上ります。
その中には、ゴルフコース整備員三十五人、米兵へのレクリエーション情報を提供、計画するレクリエーション専門職補助約九十人、バーテンダーやクラブ関係者約百十人など、レクリエーション娯楽施設などの福利厚生施設で働く労働者、実に六千百九十七人が含まれるとのことです。
多摩サービス補助施設の職員だけには払いませんということにはならないでしょうから、広大な土地だけでなく、給与もみんな日本が提供しているということになるんだと思います。
そこで、陳情者の望むこの施設への立ち入りですけれども、施設への都民の立ち入りはどのようになっているんでしょうか。
○高原基地対策部長 当該施設は米軍の施設でございますので、米軍の許可なく立ち入ることはできません。
なお、地元の稲城市や多摩市では、毎年、米軍と連携いたしまして、施設の一部地域を開放して、売店の設置やバンド演奏を行うフェスティバルだとか、子供向けのキャンプやゴルフ大会、あるいは自然観察を目的とした施設内の散策会などは実施をしてございます。
○和泉委員 許可なく立ち入ることはできないと。陳情者である稲城の里山と史跡を守る会の方たちが調査に入りたいと申請をしても、最近は許可がおりないとのことです。
稲城フェスティバルなどで入るのも、年間に数日にすぎません。その場合でも、日本国民であることを証明できる書類を提出して、事前に申請をすることが必要だというふうに聞きました。全く理不尽な話だと思います。
私も先日、現地を視察しました。先ほど佐野委員からもお話があったとおり、鉄条網が張りめぐらされていて、警告という看板がその鉄条網の至るところに張ってあります。
これです。(パネルを示す)これも先ほどお話がありました。ここに日本語で何て書いてあるかというと、不法な立ち入りは日本国法律によって罰せられる、当該施設は軍用犬により巡回されていると書いてあるんです。
そして、児童遊園の前、これは児童遊園です。児童遊園の前でも、ゴルフ場の前でも、写真を撮っていると日本人の警備員が出てきて、何とピストルをここに下げて出てくるんです。本当にびっくりしました。
日本では、銃刀法で、鉄砲の所持は警察や自衛隊など法令に基づく職務以外では禁止されています。狩猟や競技などに必要な場合は、都道府県公安委員会の許可が必要です。警備員という仕事で銃を携帯することは、もちろんできません。
ところが、調べてみると、日米合同委員会で日米間に密約が結ばれていて、在日米軍の使用する施設や区域内においては、必要最少限度の日本人を含む武装警備員を使用し得るとなっているそうです。しかし、その内側は、児童遊園やキャンプ場です。武装する警備員が必要でしょうか。
例えば、神奈川県には米軍との共用で公園が開設されていますけれども、武装警備員がいるなどという話は聞いたことがありません。結局、米軍だけが使える米軍の施設ということですから、ほかのキャンプ場やゴルフ場ならばあり得ないテロなどを恐れて、異常な警戒をしている、日本人はまともに立ち入れない、そういうことになっているということではないでしょうか。
また、そこで、多摩火工廠ですけれども、先ほど説明にもありましたけれども、板橋区にあった陸軍造兵廠火工廠板橋製造所でつくられた原料を火薬に加工して整えたり、袋に詰めたりするという作業が行われていました。できたものは相模の補給廠に送られて、砲弾や弾薬などに加工されて戦場に送られました。
そのトンネル、全面コンクリートの半地下式の倉庫、木造の倉庫、エレベーター、大型ボイラーと煙突などが残っています。板橋区の製造所の方は、現在国指定の史跡となっていますけれども、残っているのはほんの一部だけです。
また、豊川市にも旧海軍造兵廠跡が残っていて、平和公園として保全されることになったそうですが、ここもやはり残っているのは一部だけだということですから、多摩火工廠は、戦時中の旧陸軍の火薬工場が全て当時のまま残っている、全国的に見ても大変貴重な史跡であると研究者もいっています。
それだけではなく、縄文時代の出土品があること、また、環境省や都が指定している絶滅危惧種の動植物が八十二種も確認されているというふうにも聞いています。米軍は独自に環境調査や文化物調査を行ったというふうに聞きましたが、いつ行われて、どのような結果だったんでしょうか。調査報告書を都は入手していますでしょうか。
○高原基地対策部長 かかる調査につきましては、国を通じて横田基地にも問い合わせをいたしましたが、回答はございませんでした。都としては把握をしてございません。
○和泉委員 多摩サービス補助施設を管理している米軍の第三七四施設中隊環境事務所というところがつくっているサービス補助施設の説明パンフレットの最後に、横田基地環境事務所の一環として、埋蔵文化財及び自然資源調査並びに保護活動も行っています、埋蔵文化財の調査は一九九七年実施され、最も古いもので縄文時代前期の土器を確認しています、また、自然資源の調査は、一九九九年から生物多様性調査が実施され、鳥類六十一種、哺乳類十三種、昆虫千二十七種、両生類十一種、魚類二種、そして植物は八百三種類が確認されています、そのうち、国指定の絶滅危惧種は十一種、都指定のものは七十一種を数えますと書いてあります。
都は、国に対し、多摩サービス補助施設について、毎年、市街地に隣接する貴重な緑地であり、広く都民に開放するため、直ちに返還されるよう取り組むこととの要望を上げているわけですから、環境局や教育庁とも協力して、こういう調査結果を取り寄せ、実態を把握するべきだというふうに思います。
沖縄県は、返還後の基地を含む八十七の施設について、米軍基地環境カルテをつくり、ホームページで公開しています。そして、先ほどの沖縄の奥間レスト・センター一つとっても、植物、動物の状況、井戸や湧水、地下水の状況、環境汚染の可能性などをまとめています。
このようにしてこそ、多摩サービス補助施設が市街地に隣接する貴重な緑であることを広く都民に知らせて、施設を返せという世論を高めることができるのではないでしょうか。
都として即時返還を求めるのは平成十一年十月からと、都の発行する東京の米軍基地二〇一八には書かれています。もう二十年の月日がたとうとしているわけですが、国からはどのような回答があったのでしょうか。そもそも多摩サービス補助施設の返還は、日米合同委員会の議題に上っているんでしょうか。
○高原基地対策部長 日米地位協定第二条では、米軍の施設及び区域が必要でなくなった場合には、日本国に返還されなくてはならず、その必要性を絶えず検討することが定められてございます。
これに基づきまして、多摩サービス補助施設は、先ほどもご説明申し上げましたが、昭和四十四年以降、四回にわたり、その一部が返還されてきており、ご指摘の平成十一年以降だけでも二回返還がなされてございます。
その都度日米合同委員会の議題に上っているかどうかは承知はしてございませんが、それぞれ、その回その回、日米間の合意に基づいて返還されているというふうに承知してございます。
○和泉委員 即時返還を求めることは当然です。
しかし、二十年たっても、都の要請に基づいて国や米軍がどのように動いているか、それすらわからないということでいいんでしょうか。
今回、そもそもこの多摩サービス補助施設がどういう経緯でレクリエーション施設になったのか、その歴史的な経過も調べてみました。
そうするとわかったのは、昭和四十二年以降弾薬の製造を中止し、昭和四十四年に返還された昭島にあった米軍ゴルフ場が民間企業である昭和飛行機に返還されたことに伴い、ゴルフ場が移ってきた、それに伴って、レクリエーション施設として整備したということです。
では、なぜ昭島のゴルフ場が返還されたのか。国会図書館で昭和飛行機四十年史や当時の新聞をひもといてみました。
そこでわかったのは、繰り返し昭和飛行機が当時の特別調達庁、通産省、そして日米合同委員会に土地を返してくれと強く要請したこと、そして日米合同委員会でも議論がされたこと、代替地が見つからないから返さないとの旨を日本政府から文書で回答されたこと、そしてとうとう裁判に訴え、地裁で勝利し、高裁で和解に持ち込んだということです。
地裁の判決を報じた当時の朝日新聞は、米軍ゴルフ場に返還の判決、本来の目的を逸脱、土地明け渡しで国が敗訴と見出しを掲げ、本文では、利用目的は、安保条約第一条にいう米軍駐留の目的を達成するために必要であると見るべきだが、ゴルフ場に使用することはこの目的に沿うものとはいいがたいと判決した、このことを紹介しています。
都は、レクリエーション施設は日本国の安全に寄与する云々とおっしゃって、法的に認められるかのようにおっしゃいましたが、ゴルフ場に使うのは米軍駐留の本来の目的を逸脱していると判決が出され、和解で返還に応じた、こういう歴史があることを鑑みれば、戦後七十年以上経過してもなお、米軍のレクリエーション施設のために都民の立ち入りが禁止され、環境調査も史跡調査もまともにできないというのは、やはり異常であり、もっと強く返還を求めて当然です。
また、事を曖昧にせず、日米合同委員会の議題にかけて、文書で回答をもらうべきです。その前段階として、市民の自由な立ち入り、自然環境調査や戦争遺跡調査、保全ができるようにしてもらいたいという本陳情は、採択されるべきだということを申し述べて、質疑を終わります。
○本橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行いたいと存じます。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第一〇一号は不採択と決定いたしました。
この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたしたいと存じます。
午後四時二十四分休憩
午後四時四十五分開議
○本橋委員長 それでは、休憩前に引き続きまして、委員会を再開させていただきます。
次に、陳情三〇第一〇二号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○佐々木住宅政策推進部長 お手元の請願・陳情審査説明表の一七ページをお開きいただきたいと存じます。
整理番号6、陳情三〇第一〇二号、東京都住宅供給公社住宅における階段式中層住宅へのエレベーター設置に関する陳情についてご説明を申し上げます。
陳情者は、中野区に所在する東京都公社住宅自治会協議会会長早川信さん外三十一名でございます。
陳情の要旨でございます。
陳情の要旨は、都において、東京都住宅供給公社に対し、一般賃貸住宅の階段式中層住宅にエレベーターを設置するよう指導していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、都公社におきましては、一般賃貸住宅のうち、建設年代が古い住宅につきましては、住宅の経年化とともに居住者の高齢化も進んでおり、住まいのバリアフリー化は重要な課題と認識をしてございます。
そこで、都公社では、公社一般賃貸住宅の再編整備計画を策定し、計画的に建てかえを進める中で、エレベーターの設置などバリアフリー化を図っております。
このほか廊下型の住棟では、構造上可能なものにつきましては、後づけでエレベーターを設置しております。
一方、階段室型住棟にエレベーターを設置するためには、エレベーターが着床する階段室の踊り場の手すり壁を撤去する必要がございますが、当該部分が建物のはりとなっている場合には撤去できないなどの構造上の問題がございます。
また、昨今の建設費の高騰により設置費用が高額になるなど、設置には多くの課題が残ります。
こうしたことから、エレベーターが設置されていない住棟では、住戸内の手すり設置などによる設備改善を行うとともに、下層階への住みかえを希望する高齢者などに対する住宅階層変更制度を設け、過去十年間で約千世帯が住みかえを行ってございます。
さらに、空き家募集時には、高齢者等優先申込制度を設け、下層階への優先入居を行っております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○本橋委員長 説明が終わりました。
本件についてのご発言をお願いいたします。
○佐野委員 それでは、本陳情に対しまして一言意見を申し述べさせていただきたいと思います。
本陳情につきましては、陳情者の方々から直接その趣旨を伺いました。エレベーターがないため不便な生活を強いられていると。お年寄りからは五階まで一気に上がることができず途中で休憩しながら上がっていることや、四、五階の空き家率が高いこと、ベビーカーが使えないと入居をちゅうちょしてしまうこと、エレベーター設置で、空き家の解消や子育て世代の入居など団地の活性が図られるのではないかというようなご要望を伺ったところでございます。
その中で、都営住宅では階段室型でもエレベーターを設置している、UR住宅においても設置がなされていること、公社でも一棟例があるなどの話が出ていましたので、実際の現場を見たり、まず私、設置の経緯や費用などを調べてみることにいたしました。
まず、公社住宅の現状ということで、私の小平の自宅から一番近い久米川駅東住宅に伺ってみました。
事業は昭和三十九年から、今築五十一年ということで、階段式の五階建てが二十六棟もある団地でございます。全てエレベーターはございません。
まず、こういう状況を見て、陳情の背景を確認させていただいております。
次に、公社に一つの事例があったということで、コーシャハイム千歳烏山を見てまいりました。
ここは、全てリフォームして、多様性と多世代共生型、階段室型を廊下型に変えてエレベーターをつけ、陳情者のお話では、この改修型では、入居しながらできないので望まない例だということでございまして、事業者側も、改修に建てかえ費用の約八割、聞いたところによりますと約三億二千万円かかったということで、モデルにはならない、この事例限りの施策にとどまっているという話も伺いました。
次に、都営住宅で進めているということで調べてほしいということでしたので、十六年度に十五基、その後十七年度、十八年度に十五基ずつ、十九年度はゼロ、そして二十年に十二基、二十一年に九基と、二十二年に二基で、二十三年から二十六年まではゼロということで、最近二十七年につけた九基、ここが足立区の辰沼団地というところで、そこを見させていただいております。
それぞれの階段室に三棟で九基つけた例ということで、一基当たり、聞いたところによりますと四千百万円の費用がかかったと。
この団地はそもそも十四棟ございまして、一棟は高層で、もちろんエレベーターはついております。五棟が廊下型の中層ですので、後からエレベーターが設置されていると。残りの八棟が階段室型で、今回このうちの三棟に設置をし、九基。残りまだ五棟あるわけですけれども、五棟に階段室が二十二ありますので、全てつけるとすれば二十二基必要で、概算によりますと約九億円かかると。しかし、今後予定はないというふうに伺いました。
実際見ても、かなり小さ目の狭いエレベーター、そして、設置の仕方も階段室の、三階四階とか、四階五階の中間の踊り場に接続するタイプでございますので、階段は残ってしまうという、完全なバリアフリーとはならないような状況で、しかも使用するのが三、四、五階の方々、まあ、六世帯に一つつけているというような状況ではないか。そして、維持管理のランニングコストも年間八十三万ぐらい、電気代が十七万ぐらいかかるという話を聞くと、私も都議会議員として税の使い方を考えると、都営住宅といえども、使い方としてどうなのかなというような感じもちょっとしないではないなというふうな感想でございます。
次に、URの事例でございますけれども、近くに滝山団地がありますので見てきたかったんですけれども、ちょっと時間がなかったものですから、私の住んでいる小平には小平団地というのがございまして、五階建ての階段室型で五十棟建っています。全てエレベーターはありませんが、ただし最近、一棟そっくり改修して介護福祉施設に転用していく、こういうような例がありますが、この設置費用は国からの補助金がつくというような状況だと伺っています。
今回いろいろ実際に見て、調べたりして感じたことでございますけれども、数年が経過した階段室型がいかに多い現状があるかということ。そして、技術的には可能でありますけれども、物すごく大きな費用がかかると。
ですから、その費用対効果や耐用年数、建てかえの計画などを含めて、十分検証する必要があるのかなと思いました。
また、設置費用の財源に関しても、運営形態あるいは制度面でも、都営とURと公社は非常に異なっております。都営でやっているから、あるいは公社でやっているからということは一概にいえないということを感じております。家賃の基準も異なりますし、維持管理費の負担についても違うということでございます。
またさらには、居住者の合意形成の問題があるというふうにも伺っております。例えば、一、二階の人は必要ないわけでございますし、陳情の方々からは一割でもいいから進めてほしいという切なる願いがあるようではございますけれども、ここでやはり公平性の問題も出てくるということがございます。それぞれの地域の条件や、建物、敷地の条件も異なるわけでございます。
さらには、公社では一階、下層階への住みかえを希望する高齢者などに対する住宅階層変更制度を設けて、居住者の暮らしやすさに配慮した運営も行っているということでございますけれども、ここについても、なかなか別の棟へは移りたくないというような意向のずれで進まないという現状もお伺いいたしました。
東京都としては、東京都住宅供給公社に対しまして、指導監督の責任を有するということでございますけれども、経営とか収支に大きな影響を及ぼす設備投資を、このエレベーターを公社の自主財源によって設置することについて、具体的な指導をする立場ではなかなかないのではないかと推察をいたします。
公社としては、今日、住宅のバリアフリー化は必須条件でございます。公社においては、建てかえ等の機会を捉え、あるいは現状で廊下型の棟に設置を進めたり、手すり設置、設備改善など可能な限り改善に努めているようでございますので、さらなる努力についても期待をしたいところでございますけれども、本陳情につきましては、残念ながら願意に沿うことは困難であると判断せざるを得ないということでございます。
以上、意見を申し上げさせていただきました。
○神林委員 今ご意見が出たとおりでございまして、今回の陳情三〇第一〇二号については、高齢化が進む中で、住宅のバリアフリー化を推進することは大変重要なことでございます。
今、事例を具体的に何点か出していただいたので、あえてそこまでは申しませんけれども、やはり結論的にいいますと、今回の陳情による階段室型の公社住宅の住棟について、エレベーターを後から設置するというのは、今お話にありましたとおり、具体的な事例の中で構造の問題などさまざま検討した結果も、課題が非常に大きいということが見受けられるところでございます。
先ほどの説明でも、公社は、高齢者に配慮した下層階への住みかえや空き家募集時の下層階への優先入居などを行っているとのことでございます。
ですから、こうした取り組みを着実に実施することも重要であり、引き続き、居住者の現場の実態、あるいは要望をよく聞きながら対応していくことが大事だと考えております。
公社においては、こうした住宅階層変更制度など、現在の制度を最大限活用しつつ、真に困窮している方々には、できるところから順次対応してほしいということを意見として申し上げて、私の意見といたします。
○和泉委員 本陳情は、公社住宅自治会協議会の方たちから、階段式中層住宅へのエレベーター設置を求めて提出をされています。
まず基本的なことから伺いますが、公社住宅はどのような定義のもとでつくられて、どのような役割を担っているんでしょうか。
○佐々木住宅政策推進部長 公社住宅は、地方住宅供給公社法に基づきまして、住宅供給公社が、主に中堅所得者層向けに建設、賃貸している住宅でございます。
具体的には、民間では十分に供給されにくいファミリー世帯向け等の住宅を中心に供給しているところでございます。
○和泉委員 その地方住宅供給公社法なんですけれども、第一条に、地方住宅供給公社は、居住環境の良好な集団住宅及びその用に供する宅地を供給し、もって住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするとあります。
JKK東京アクションプランの冒頭には、お客様に喜ばれ、地域に喜ばれることが私たちの喜びです、私たちは、都民の皆様に対して、安全・安心で喜ばれる住まいとサービスを提供し続け、東京の未来を創造しますとあります。これが基本理念として掲げられているんです。これも、住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与するという住宅供給公社の目的を達成するための行動指針ということになるんだろうというふうに思います。だとすれば、高齢化している住民の安全・安心を担保して、生活の安定と良好な住環境で住民に喜ばれる住まいのために、エレベーターは欠かせないものだというふうに思います。
そこで伺いますが、都内の公社一般賃貸住宅は全部で何戸あるんでしょうか。そのうち、エレベーターが設置されていない住戸は何戸でしょうか、あわせてお答えください。
○佐々木住宅政策推進部長 公社一般賃貸住宅の戸数は、平成三十年三月末現在でございますが、六万五千百六十九戸でございます。このうちエレベーターが設置されていない住宅の戸数は三万六千四百八十五戸でございまして、そのうち階段室型は三万五千九百八十四戸でございまして、未設置の住宅はほとんどが階段室型の住棟でございます。
○和泉委員 エレベーターが設置されていない住宅が全体の半数以上、そのほとんどが階段室型ということになります。
都営住宅の方は、階段室型の住棟でもエレベーターの設置が進んでいるというのは、今佐野委員からも、それから神林理事からもお話があったとおりです。
公社住宅で設置が進まないのは、どういう理由によるものなんでしょうか。
○佐々木住宅政策推進部長 階段室型住棟にエレベーターを設置するためには、エレベーターが着床する階段室踊り場の手すり壁を撤去する必要がございますが、当該部分が建物のはりとなっている場合には撤去できないなどの構造上の問題がございます。
また、昨今の建設費高騰によりまして設置費用が高額になるなど、エレベーター設置には多くの課題がある、こうしたことが理由でございます。
○和泉委員 今、構造上の課題がある、それから設置費用が高騰している、そのようなお話がありましたけれども、でも実際に都営住宅の方は設置が進んでいるわけですし、公社は住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的として、都が設立しているわけです。
四階、五階まで高齢の住民が、時に買い物の荷物を持って階段を毎日上りおりしている状況をこのままにしていていいということにはならないんじゃありませんか。
現在未設置となっている住宅について、今後の設置計画はどうなっているんでしょうか。
○佐々木住宅政策推進部長 公社は、公社一般賃貸住宅の再編整備計画に基づきまして計画的に建てかえを進める中で、エレベーターの設置や居室内の段差解消などバリアフリー化を図ってございます。
建てかえに伴い、平成三十年三月末までに七十九基のエレベーターを設置し、エレベーター設置の住宅が四千八百十戸増加をしたところでございます。
今後とも、公社は、居住者の状況や事業の採算性などを総合的に考慮し、検討をしていくとしてございます。
○和泉委員 これまでも、エレベーターの設置などでバリアフリー化を図ってきており、今後とも総合的に考慮し、検討される、それは非常に重要な姿勢だというふうに思います。
東京都も、公社も、公社住宅のあり方として一貫して強調しているのが、少子高齢化社会に応える住まいとサービスの提供という観点です。
東京都監理団体経営改革プランとして、都住宅供給公社についての文書でも、都内では子育て世帯に適した広さと間取りの住宅が不足し、高齢者が安心して暮らせる賃貸住宅の整備も十分とはいえない、よって、公社にはこのような住まいへのニーズが求められていると書いてあります。
さらに、公社は、今後の人口減少を見据えて、既存ストックの活用に重点を置いた新たな事業展開が必要となっていると書いてあります。これは間違いないですね。
○佐々木住宅政策推進部長 同種の内容について記載されていると承知をしてございます。
○和泉委員 子育て世帯や高齢者が安心して暮らすという住まいのニーズに応えるのが公社の役割であり、それを特に既存ストックの活用を通じて行っていく考え方を公社が策定し、この経営改革プランは、都として毎年度取り組み状況等について進捗を管理していきますとしているわけです。それなのに、妊娠中の女性、ベビーカーを持って上りおりするパパやママにも、階段の上りおりが足腰や心臓への負担からも大変になっている高齢者にも、絶対に欠かせないエレベーターが設置されていないという住戸が、公社住宅の既存ストックの半分以上にも上っている。このような状況を都として放置することは許されないということは明白ではないでしょうか。求められるのは、都と公社が力を合わせて改善することです。
階段室型の住棟にエレベーターを設置していくのは、費用面でも、技術面でも大仕事であるということは理解できます。しかし、少子高齢化社会に対応して、既存ストックにエレベーターを設置していくことは、都と公社の社会的な責任だと考えます。
平成二十九年度決算を見ても、公社一般賃貸住宅管理事業の収支は二百二十二億円という巨額の黒字です。その中から計画的に、エレベーターの設置を行っていくことを検討するべきだと思います。
住宅供給公社に自立した経営を求め、可能な限り東京都の支援に頼らない経営を推進する必要があるという意見をつけている都包括外部監査の報告でも、少子高齢化など都民ニーズに即した住宅の供給については否定はしていませんから、こうしたことは許されるというふうに思います。
本陳情は採択されるべきだと最後に申し述べて、質疑を終わります。
○本橋委員長 ほかにご発言がなければ、これより採決を行いたいと存じます。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第一〇二号は不採択と決定いたしました。
○本橋委員長 次に、陳情三〇第一〇七号及び陳情三〇第一〇八号の二件は、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○八嶋経営改革担当部長 整理番号7、陳情三〇第一〇七号及び整理番号8、陳情三〇第一〇八号について、一括してご説明いたします。
それでは、説明表の一九ページをごらんください。
整理番号7、陳情三〇第一〇七号、都営住宅の使用承継制度に関する陳情についてご説明申し上げます。
陳情者は、足立区の足立区江北都住会代表の上田誠さん外千二百二十七人でございます。
陳情の要旨は、都において、都営住宅の使用承継を認める範囲を原則配偶者のみから一親等の同居する子供までに広げていただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、都営住宅の使用承継制度については、公営住宅の入居者と非入居者間の公平性を確保する観点から、平成十七年の承継の厳格化を求める国の通知や平成十八年の東京都住宅政策審議会の答申を踏まえ、原則として配偶者に限定しております。
また、特に居住の安定を図る必要がある者として、高齢者、障害者及び病弱者について、例外的に承継を許可する配慮をしております。
なお、使用承継の対象とならない方には、直ちに退去を求めるのではなく、六カ月の退去猶予期間を設けるとともに、公社住宅の募集情報の提供や区市町の相談窓口の紹介などを行っております。
また、特に生活保護受給者については、区市町の福祉部門と連携して住宅の確保に努めるなど、きめ細かい対応に努めております。
続きまして、説明表の二一ページをごらんください。
整理番号8、陳情三〇第一〇八号、都営住宅の使用承継問題に関する陳情についてご説明申し上げます。
陳情者は、足立区の公的住宅等を考える足立の会代表の石川千代子さん外三百十七人でございます。
陳情の要旨は、都において、都営住宅の使用承継を名義人の一親等まで認めるよう変更していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、先ほどご説明いたしました整理番号7、陳情三〇第一〇七号の内容と同様のため、こちらでは省略させていただきます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。
○本橋委員長 説明が終わりました。
本件についてのご発言をお願いいたします。
○佐野委員 それでは、本件二件の陳情につきまして意見を述べさせていただければと思います。
たまたまなんですけれども、都営に母親と二人で住む私の同級生が、七年ほど前、母親を亡くしまして退去を求められた例がありました。そのとき、何とか承継できないものかと思ったので、ちょっと意見をいわせていただきたいと思います。
彼は、当時五十代でございましたので、そして定職につけず、アルバイト的な短期の仕事をつないで生活をしておりました。生まれも育ちもそこの都営でございまして、建てかえ後も、その都営に住んでいたわけでございます。小学生時代の同級生ということでございました。
生活は、見ていて非常に質素でございました。私の推測でしかないんですけれども、子供のころから少し、今でいう発達障害ではないかというような感じがしておりまして、ですから、なかなか職場になじめなかったり、その上、五十を過ぎますと腰を痛めたり、腕を痛めたりというようなことをしておりまして、なかなか仕事が長続きしなかったと。
そういう同級生が、母と二人で暮らしていて、母親が亡くなったから出なければならないと。何とかならないものかなということを非常に感じたのを覚えております。
退去するには、荷物を全て整理しなければならないし、引っ越しにも大きな労力が必要です。住みなれた場所、そして近所づき合い、知り合いの方も何人もいたでしょうし、高齢者ではない、障害者でもない、病弱で診断書がもらえるわけでもないということで、今回の陳情もいろいろな、一つの例を挙げて、少しでも情があるなら、せめて一親等まで使用継承を認めるべきだというような内容になっていると思います。
非常に気持ちはよくわかります。しかし、これをもってこの制度を見直しするということの影響の大きさというのをやはり我々は考えなきゃいけないのかなというふうに思っています。
特に、公営住宅の入居者と非入居者の公平性の確保の観点ということで、多くの方が入居を望んでいるような状況も伺っておりますし、なかなかこの願意に沿うことが困難ではないかというふうに考えております。
最近いただいた資料で、データが示すと八五%が使用承継しているということで、配偶者以外でも過去五年間で毎年六百人を超える人が高齢者あるいは障害者、病弱者という理由で承継をしているということで、この制度もかなり柔軟な運用を図っているということが読み取れるのではないかと思っています。
しかし、残りの一五%の中にも、私の挙げました例のように、発達障害とか、なかなか障害であるという判断もしにくかったり、障害の程度とか状況、そういうことが、なかなか違っています。そういうことで、十分そういうところを配慮して、それぞれの事情に応じた、できる限り親身になって人生に寄り添った対応を引き続きお願いしたいということを申し述べさせていただきまして、意見とさせていただきます。
○神林委員 私の方も、陳情三〇第一〇七号と陳情三〇第一〇八号について意見を申し述べさせていただきます。
都営住宅の平成二十九年度の平均応募倍率は、世帯向けが二十一・五倍、単身世帯向けは五十二・五倍となっております。この倍率を見ても、都営住宅への入居を希望する多くの方々にお待ちいただいている状況にあることがわかります。
都営住宅の使用承継制度は、公募の例外であり、入居者と非入居者間の公平性を確保する観点から、高齢者、障害者及び病弱者といった住宅の確保に配慮しなければならない方々には例外を設けていますが、基本的にはその運用は厳格にすべきと考えます。
都営住宅をお待ちの多くの方々のために、少しでも入居への門戸を広げるべきと考えますので、残念ながら不採択とさせていただきます。
以上でございます。
○和泉委員 陳情第一〇七号、一〇八号、これは、都営住宅の使用承継の原則を配偶者のみから一親等の同居の子供にまで広げてほしいというものです。
特に一〇七号を出された皆さんは、都営住宅の七つの自治会の自治会長の皆さんたちが先頭に立って取りまとめて、取り組まれた。ここに大変大きな特色があります。
都の住宅政策審議会でも、現在、都営住宅における管理制度のあり方について検討が行われている真っただ中ですが、その中間のまとめを拝見しますと、都営住宅では、多様な入居者が、日常的なかかわり合いや交流を通じて団地内の地域社会のつながりを育んできた、その中核をなすのが団地自治会であり、子育て世帯や高齢者世帯などの多世代の入居者の参加により構成され、共用部分の管理、相互扶助、イベントなどの自主的な取り組みを行っていると。自治会について、団地コミュニティの中核として大変高い評価と位置づけがされています。
世代も考え方もさまざま。多様な方が集まる自治会の皆さんが、しかも、七つもの自治会が今のままではいけないと声を上げ、都に改善を求めたのは、少なくとも近年にない出来事です。それだけやむにやまれぬ思いがあったと思います。
陳情された自治会長の皆様から、地元の斉藤まりこ都議がお話を伺いました。
会長さんは、このままでは自治会が立ち行かなくなる、その観点を強調しているところに、今度の陳情の特徴があるんだと力を込めてお話をされていたとのことです。
今、自治会はとても大きな役割を果たしている。行政から頼まれて、消防や交通安全の先頭に立っている。啓発もやっている。見守りもやっている。部屋で高齢者が倒れたところをベランダから入って救出したことが何度もあった。ことしに入ってからも、脳梗塞で動けなくなった女性をみんなで助けて、消防署から表彰を受けている。
しかし、そういう自治会の担い手が今、高齢化で大変になっているんです。
ある会長さんは、九十二歳ですが、死ぬまでやってくれといわれている、二、三年前に大病を患って入院したが、誰もかわりにやってくれる人がなく、自治会を解散しようとしたが、区から職員が来て、何とか続けてほしいと退院後に頭を下げられ、引き受けざるを得なかったとのことです。
そんなとき皆さんが期待しているのが、子供のころから何十年も同じ団地に住んで、顔もよく知っていて、声もかけやすい息子、娘さんの世代です。
ところが、いろいろと自治会の仕事も手伝ってくれていたりして、これから役員も頼めるねといっていたら、そんな人が承継されず、いろいろ頼んだけどだめだったと追い出されてしまう。自治会の存続にかかわる問題なんだ、必ず改善してほしいと訴えられました。
まず、お尋ねします。
このような自治会役員の皆さんの切実な声を都はどのように受けとめているんでしょうか。
○八嶋経営改革担当部長 都営住宅の自治会は、居住者の高齢化などにより、その担い手が減少し、活動に影響が出ている実態があることは認識をしてございます。
そのため、自治会役員の負担を軽減する仕組みといたしまして、昨年度から、都による共益費の直接徴収を開始し、平成三十年四月現在、百七十三自治会がこの仕組みを利用しております。
また、東京都住宅供給公社の巡回管理人を通じて、自治会が抱える多様な問題、例えば自治会への加入に関することや備蓄倉庫の設置などの防災対策等の相談を受けております。
さらに、都内に十六カ所ある公社の窓口センターにおきまして、自治会代表者との懇談会を開催してございます。具体的には、昨年度は七十九の自治会を対象として、見守りなどの自主的な取り組みや地元自治体による支援などについて情報交換を行ったところでございます。
○和泉委員 都の皆さんが、自治会の皆さんの声に耳を傾けて、さまざまな改善の手を打とうとしている姿勢とその取り組みは重要だと思います。
しかし、実態が必ずしもかみ合っていない。例えば、共益費ですが、草刈りなどを肩がわりしてくれるとの案内もしてくれ、説明会も開いてくれる。その善意はわかるのだけれど、いろいろ積み上げると、単純計算で四千円くらいになってしまう。草刈りでも、見積もりをとると一万五千円だとか二万円だとかいわれる。都営住宅にお住まいの方、特に国民年金で生活するひとり暮らしの女性にとっては、五百円でも大切なんです。百円、二百円の値上げならいいじゃないかというふうにはならない。実際に、総会でも制度について説明したら、冗談じゃない、何を考えているんだ会長と拒否されたというんです。また、草刈りを年二回してくれるというが、夏場に雨が降ると、三週間で、もう草がぼうぼうになってしまう、間尺に合わないといっています。
さらには、基礎自治体からどんどん仕事を頼まれているのが実情です。これ以上自治会費は上げられないという実態の中で、手弁当で頑張っておられる。行政からは、軽減どころか、たくさんの仕事が舞い込んでくる。この実情を踏まえた踏み込んだ支援が、どうしても必要なんです。
そして、自治会の進める活動は、どうしてもきのうきょうでできるということにはならない。顔なじみの心が通った関係が必要になる。そこには長い積み上げが必要です。だからこそ、この長い積み上げがあるからこそ、使用承継の改善を求めているというところをぜひ心していただきたいというふうに思います。
もう一つ皆さんが訴えているのは、顔なじみの人が八方手を尽くしても退去せざるを得ない悲惨な姿です。ホームレスになった方もいます。寝るところがなく、目の前の公園にいたこともあって、今まで同じ団地に住んでいたのに余りにもかわいそうだったと。
また、ある方は、兄弟はなく、親が亡くなった後頼る人もなく、自治会が出す五千円の香典をいつもらえますかと聞きに来た、どんなにいい出しづらかっただろうかと。
親が亡くなったときに、その年金で食べていた女性は六十歳手前で、収入もなく、アパートを借りることもできずに、本当は行きたくなかった姉夫婦のところに居候させてもらうことになった。
一つ一つが余りにつらい実態です。これを都はどのように受けとめているんでしょうか。
○八嶋経営改革担当部長 都営住宅への入居は、公募が原則となっております。公募の例外である使用承継によって、長年にわたり同一親族が居住し続けることを認めることは、入居者、非入居者間の公平性を著しく損なうことになります。
このため、真に住宅に困窮する低額所得者に対して的確に都営住宅が供給されるよう、使用承継を認める範囲を配偶者、高齢者、障害者及び病弱者に限ることとしているものでございます。
○和泉委員 一体何を聞いているのかといわざるを得ない答弁だと思います。
都営住宅を追い出されホームレスになってしまった。六十歳を過ぎた姉夫婦の家に無理をいって居候せざるを得なかった。これのどこに住宅に困窮する低額所得者に救いの手を差し伸べている実態がありますか。
住生活基本法は、第六条で、住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策の推進は、住宅が国民の健康で文化的な生活にとって不可欠な基盤であることに鑑み、低額所得者、被災者、高齢者、子供を育成する家庭その他住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保が図られることを旨として行われなければならないと書いています。低額所得者を無慈悲に追い出す都の承継制度は、この法の精神に明らかに反しているもので、直ちに正すべきです。
一体、使用承継を原則として配偶者にしか認めない、その法令上の根拠はどこにあるんでしょうか、お答えください。
○八嶋経営改革担当部長 まず、公営住宅は、公営住宅法に基づきまして、公募が原則となってございます。その上で、公営住宅の入居者と非入居者間の公平性を確保する観点から、承継の厳格化を求める平成十七年の国の通知、平成十八年の東京都住宅政策審議会の答申も踏まえ、原則として配偶者に限ってございます。
その上で、特例として、三親等内の親族で六十歳以上の高齢者、身体障害一級から三級までの者、精神障害一級から三級までの者、知的障害一度から四度までの者及び病弱者も対象としているものでございます。
○和泉委員 平成十七年に国交省が通知を出して、原則として配偶者に限るよう求めた、これを踏まえたと。私、その通知をパネルにして持ってきました。
確かにそうした一文があります。けれども、全国の自治体がそのような通知に基づいて公営住宅の使用承継を原則として配偶者に限ると厳格化を進めたかというと、実はそうでもないんです。
これは東京都からいただいた資料ですけれども、都道府県営住宅で見ると、皆さんから向かって左側になるんでしょうか、水色のところを見てください。四十七都道府県中三十八都府県は厳格化をして進んできていますけれども、大都市でそれ以外のところは、やっていないということです。厳格化していないんです。都道府県単位でも、これだけの厳格化していないところがある。
一方、大都市である政令市を見ると、二十市のうち厳格化を進めたのはたった八市にすぎません。それ以外は厳格化せず、同居している人は基本的に承継を認めているという市が多数なんです。
どうして国の通知どおりに厳格化しないのか。北の北海道札幌市から南の熊本県熊本市まで、この十二市全てに電話をかけて聞き取りましたが、どの市のお話も、なるほどというものでした。
ある市では、子供の世代といっても高齢に近く、すぐに出ていってもらうと住宅困窮になる、八十代の母親が亡くなって、五十代の息子が残っても無職だし、何十年も住んでいる方を出ていけとなっても、収入もないので、より弱者を救う方を選んでいると話してくれました。
また、別の市では、市営住宅は持ち家のない低額所得者の居住の安定を図るという大きな使命がある、入居資格をお持ちの方で突然住居を奪われる可能性があり、慎重に検討が必要だと話しています。
また、名義人が亡くなって、余計に家計が厳しくなることもあるかもしれない、民間に委ねてしまって退去をお願いするのは心情的にも酷だし、その人の生活が成り立たなくなる可能性があり、そこに判断の重きを置いているという市もありました。
一つ一つのお話に、私は心が温まりました。これが自治体としての当たり前の姿だと思います。
残された家族の生活を困窮させない。多くの政令市がこの立場から、自治体独自の裁量で、悩み、模索しながらも、これまでの使用承継制度を守っているんです。こういった姿勢を都はどのように受けとめますか。
○八嶋経営改革担当部長 繰り返しになりますけれども、公営住宅への入居は、公営住宅法に基づき公募が原則となっております。公募の例外である使用承継によって、長年にわたり同一親族が居住し続けることを認めることは、入居者、非入居者間の公平性を著しく損なうことになります。
このため、真に住宅に困窮する低額所得者に対して的確に都営住宅が供給されるよう、使用承継を認める範囲を配偶者、高齢者、障害者及び病弱者に限ることとしております。
使用承継の対象とならない方についても、直ちに退去を求めるのではなく、六カ月の退去猶予期間を設けるとともに、公社住宅の募集情報の提供や区市町の相談窓口の紹介などを行っております。
特に生活保護受給世帯につきましては、区市町の福祉部門と連携して住宅の確保に努めるなど、きめ細かい対応に努めております。
あわせて都は、住生活基本法の基本理念と住宅セーフティーネット法に基づき、公営住宅を中核とした公的賃貸住宅の提供に加え、民間賃貸住宅の活用や居住支援協議会による取り組みなど、重層的な住宅セーフティーネットの強化に努めているところでございます。
○和泉委員 まさにそのような支援から漏れている人が実際にいるんだということを、先ほど私は事例を示してお話をしました。
使用承継制度の厳格化を行っていない政令市の中には、平均の応募倍率で十七・六倍という東京都並みの高い倍率の自治体もありました。平均倍率は十倍で、人気のある住宅では百倍を超えるところもある、こういう自治体もありました。しかし、その中でも、もともと市営住宅に住んでいるのは低額所得者であり、その方を追い出して、新たに住宅困窮者を生み出してはならないとしているんです。
少なくとも、一親等でも、著しく所得の低い方は、居住の安定を図る必要があるものと考えざるを得ません。承継を認めるべきです。
現在、都営住宅にお住まいの名義人のお子さんには、非正規の方、無職の方、親の年金で生活されている方がたくさんいます。所得が著しく低いお子さんを承継の基準に加えるだけでも相当な方が救われると思いますが、いかがですか。
○八嶋経営改革担当部長 都営住宅は、市場において自力では適正な水準の住宅を確保することが困難な世帯に対しまして住宅を供給することにより、住宅セーフティーネットの中核としての役割を果たしてございます。
公募の例外である使用承継によって、長年にわたり同一親族が居住し続けることを認めることは、入居者、非入居者間の公平性を著しく損なうものでございます。
このため、真に住宅に困窮する低額所得者に対して的確に都営住宅が供給されるよう、使用承継を認める範囲を配偶者、高齢者、障害者及び病弱者に限ったものでございます。
使用承継の許可事由に該当しない低所得者は、生活保護を含む福祉施策、それから雇用就業施策により居住の確保が図られるものと認識をしてございます。
○和泉委員 今ご答弁にもあったように、たとえ生活保護を受けている人であっても、都営住宅から追い出しているんですよ。結局、どんなに収入がなくても、高齢者や障害者や病弱者でなければ都営住宅には残れないというのが今の東京都の基準なんです。
しかし実は、都は、特に所得が低い人を都営住宅に継続的に住めるように努力した経験はあります。
原発事故で福島県から東京都の都営住宅などに自主避難してきた方々が、二〇一六年に支援を打ち切られて継続入居できなくなりそうになったとき、東京都は、高齢者や障害者だけでなく、特に所得の低い一般世帯、具体的には月額六万五千円以下である場合には、都営住宅に特別の枠を設けて、応募して住めるようにしました。なぜそのような措置をとったのか都議会で尋ねたところ、特に自力で新たな住まいを確保することが困難な可能性があるという対象に入ってございますと、このように都は答えているんです。こういった考え方を都として持っている以上、特に所得の低い方には、居住の安定を図るために、承継の要件を緩和するべきだと思います。
今回興味深かったのが、ある市が、国の通知について、原則として現に同居している配偶者とあるが、そのほかに高齢者、障害者などで特に居住の安定を図る必要がある者とするとあり、市としては、この「など」に、お子さんは高齢に近く、なおかつ仕事を持っていない方が多いので、含まれるというふうに解釈をしているという話です。
実際、国の通知は限定列挙ではなく、もう一度見ていただきたいと思いますが、そのほかに高齢者、障害者などで特に居住の安定を図る必要がある者とするとしていて、この市としては、この「など」に子供さんを含んでいると。つまり、高齢者、障害者、病弱者は、特に居住の安定を図る必要がある者の例として示して、「など」として、それ以外の判断の余地を残しているということなんです。それが国の通知です。
国交省住宅総合整備課に確認したところ、国の通知はあくまでお願いであり、法的拘束力はない、自治体の実情に応じて判断していただくというのが国のスタンスだということでした。だから、「など」という文言をつけて、事業者の判断に委ねているんだという答えだったんです。
東京のように物価も家賃も高いところで、親が亡くなったからといって住むところを追われれば、直ちに生活は困窮します。まさに都が住宅困窮者を再生産することは許されません。実情の把握もせずに退去を迫るやり方は、住生活基本法や住宅セーフティーネット法の基本理念にも反すると思います。健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とすると定めた公営住宅法第一条の立場に立って、使用承継の範囲を広げるべきです。
よって、本陳情は採択するべきだと、されるべきだと強く主張して、質疑を終わります。
○本橋委員長 ほかにご発言がなければ、これより採決を行いたいと存じます。
初めに、陳情三〇第一〇七号を起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第一〇七号は不採択と決定いたしました。
次に、陳情三〇第一〇八号を起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第一〇八号は不採択と決定いたしました。
○本橋委員長 次に、陳情三〇第一〇九号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○高原基地対策部長 お手元の請願・陳情審査説明表の二三ページをお開き願います。
整理番号9、陳情三〇第一〇九号、米国政府文民要人の来日時における在日米軍専用施設横田飛行場等の不使用に関する陳情は、世田谷区のじょうま貴之さんから提出されたものでございます。
陳情の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいとして、1、文民である米国政府要人が我が国に入出国する際に、横田飛行場等の在日米軍専用施設を使うことなく、民間施設を利用することを求めること、2、上記願意1について、日本国政府から米国政府に対し、直接要請することを求める意見書を採択することというものでございます。
現在の状況ですが、横田飛行場は、日米地位協定に基づき米軍に提供されている飛行場であります。
日米地位協定第五条では、米国によって、米国のためにまたは米国の管理のもとに公の目的で運航される航空機は、米軍が使用している施設及び区域に出入りすることが認められており、国によると、米国政府要人の訪日の際に利用する空港等に関しては、その都度、日米政府で協議して定めているとのことであります。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○本橋委員長 ただいま説明が終わりました。
本件についてのご発言をお願いいたします。
○曽根委員 陳情者は、最近アメリカ政府の要人が、来日の際に、決まったように横田基地におり立ってくる、そこから直接ヘリコプターで都内に入ってくるということがふえているということで、このように、日本国内にありながら治外法権の米軍基地を利用するのは認めるべきでないという意見です。細かいディテールはともかくとして、この方のおっしゃっているように、日本の国にやってくるアメリカの政府要人に限って、たとえ同盟国とはいえ、日本の国内、首都東京にある、このような治外法権の場所に、税関も入管も通らずに直接おりて、それでアメリカの敷地のままで入ってくるというようなやり方は、日本のいわば主権をないがしろにしているじゃないかという主張には、私たち大きな意味で賛同するものです。
なぜこのように、この陳情のようなことが起きているのかなということで、この間の経過ですけれども、アメリカの要人が横田に直接飛来する事実は、過去には余りなかったように思いますが、これは最近ふえているんでしょうか。
○高原基地対策部長 最近の事例で申し上げます。
米国のトランプ大統領が平成二十九年十一月に一回、ペンス副大統領が平成三十年二月と十一月の二回、マティス国防長官が平成二十九年二月、平成三十年六月の二回、横田飛行場を利用したというふうに承知してございます。
○曽根委員 トランプ政権になってから、大統領級、もしくはそれに次ぐ立場のアメリカ政府要人が来る場合に、決まったように横田を利用しているということです。
したがって、最近の動きとして私は看過できない問題だと思います。
というのは、日本の国内に入ってくる以上、その安全を守るのは日本の政府の責任であるはずなんですけれども、横田に直接入ってくる場合には、日本の警察も、また要人を守るべき警備の人たちも、近づけないわけなんですね。
この要人の乗った、まあ軍用機ではないにしても、アメリカ政府の飛行機というのは、日米地位協定の対象になるんでしょうか。そのことについて確認したい。
○高原基地対策部長 先ほども現在の状況のところでご説明を申し上げましたけれども、日米地位協定の第五条では、米国によって、米国のためにまたは米国の管理のもとに公の目的で運航される航空機については、米軍が使用している施設及び区域に出入りすることができるというふうに定められてございます。
○曽根委員 ということは、軍用機に限らず、アメリカ政府の、アメリカの公的な管理のもとにある飛行機であれば、日米地位協定の対象になるということで、したがって、もし万が一事故などの場合にも、日本の警察や消防の権限は及ばないということになるわけですよね。
しかし、日本の国に要人が訪ねてきた以上は、日本の国の政府として大きな責任があるわけで、ここに大きな矛盾が生じているんだと思います。
したがって、日本の政府や、またこの地元の東京都としては看過できない問題として何らかの対応、ほかの国の要人と同じように通常の空港を利用するように、当然物をいうべきだと思いますが、政府の見解や対応はどうなっているでしょうか。
○高原基地対策部長 国によりますれば、日米地位協定の第五条では、米国によって、米国のためにまたは米国の管理のもとに公の目的で運航される航空機については、米軍が使用している施設及び区域に出入りすることが認められており、訪日に際しては、日米間でその都度、調整に基づいて決めているというふうにしてございます。
○曽根委員 日米間で調整といっても、日本の今の政府がアメリカに物申すのを期待するのはほとんど無理だということでありますし、また、最後は日米地位協定が壁になっているわけで、こうした日本の主権をないがしろにするやり方を都として認めるべきでない、また、国に物申すべきというこの陳情の訴えは、当然だというふうに考えます。
同時に、最近の要人の横田訪問というのは、決して横田基地の現状と無関係ではないんじゃないかと。
最近、横田基地にはアメリカ軍のオスプレイが五機配備されて、その際に、周辺の自治体や住民の間では相当な不安や、それからこのオスプレイの訓練などに対する苦情なども、私たちもたくさんお聞きしていますが、しかし、これに対してアメリカ軍は、全くその訓練内容や飛行の情報は私たちに提供しないという状況です。
例えば、東京新聞でも報じられましたが、最近、周辺自治体住民から、事故の多発しているオスプレイに不安があるということで、防衛省が昨年の暮れまではオスプレイの飛行訓練の調査日報をずっと続けていたんですが、毎日自治体に、都も含めて、報告をされていたオスプレイの飛行の調査について、一切日報はやめて、何か一月分まとめて自治体に報告するというやり方に切りかえてしまったようなんです。こういうことも、横田基地をめぐる都民の大きな不安に対するやり方としては極めてずさんで、また不当なやり方のように思います。
この横田の飛行訓練の毎日の調査というのは、オスプレイが来たときからだと思うんですが、どういうふうに始まって、理由はどういうことだったんでしょうか。
○高原基地対策部長 オスプレイと陳情趣旨との関連性が若干理解しかねるところもございますが、国によりますと、横田飛行場に飛来するCV22オスプレイにつきましては、地元の関心等を踏まえ、平成三十年四月以降、可能な範囲で北関東防衛局が離着陸の状況を確認しているということでございます。
○曽根委員 関連は私は相当あると思うんですけれども、これを毎日調査し、自治体に報告していたことを月報にしてしまったという理由は、どのように説明されていますか。
○高原基地対策部長 毎日の目視を月報に変えたということでございますが、これにつきましては、国によりますと、昨年十月の配備から三カ月が経過をし、CV22オスプレイの離着陸の状況につきましては、大まかな傾向を住民に知らせることができたと考え、本年一月からは月ごとに集計したものを情報提供することにしたということでございました。
○曽根委員 トランプ政権にかわってから、政府の要人が横田を利用して国内に入ってくるというだけではなく、昨年の夏にオスプレイが事実上配備されて以降、大変横田も、CV22オスプレイも不穏な動きを続けているわけです。大まかな傾向は、定まったという状況ではありません。
例えば、トランプが今度ベトナムで米朝会談に臨むということが発表されましたが、それに伴って、もう先取りして、CV22かどうかはわかりませんが、オスプレイがベトナムに派遣されているわけですね。横田に配備されていた五機のうち四機はもう嘉手納に移ってその体制に備えているというふうに、もうある意味じゃ、アメリカ軍、アメリカ政府の所有権を露骨にするような横田の活用のやり方を今どんどんやってきているというのが私は実態だと思うので、これに対して、日本の政府や、また東京都として黙っていていいのかというのは、この陳情者の訴えも含めて、やっぱり大きな問題だというふうに思います。
米軍は、自分のところの飛行機の訓練状況や、どこに行動して、どうやって、何の任務で出るなんてことはもう一切日本には提供しませんから、少なくとも国の方で日々のオスプレイの動きをしっかり調査し、基地周辺住民への迷惑や被害を防ぎ、万が一にも基地周辺の住民を巻き込むような事故が起きないように、必要な米軍への働きかけを、やっぱり日本の政府にさせなければならないと思います。
日報を続けるよう、改めて国に求めるべきだし、米軍による、また米政府による横田の勝手な使い方を改めるように求めるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○高原基地対策部長 米軍の基地の運用に関する情報は、国の責任において提供されるべきものだというふうに考えております。そういうことを踏まえ、都は、これはあくまで基地周辺の住民の方の生活環境を守り、そのご不安を和らげるという意味から行ったものではありますけれども、本年一月九日、国に対し、平成三十一年一月以降も横田基地におけるオスプレイの目視による毎日の情報提供を継続するように要請をしたところでございます。
今後も、国に対して適切に情報提供を行うよう求めてまいります。
○曽根委員 陳情者の訴えに戻りますと、防衛省というのは、日本国民と日本の国土を防衛するのが任務のはずで、改めて、日本の主権をないがしろにするこのようなやり方に対して、陳情者の訴えは当然であり、私たちは採択を主張したいと思います。
○本橋委員長 ほかにご発言がないようでしたら、これより採決を行いたいと存じます。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
○本橋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第一〇九号は不採択と決定いたしました。
以上で請願陳情の審査を終わらせていただきたいと思います。
○本橋委員長 続きまして、理事者から報告の申し出がございますので、これを聴取いたします。
東京における土地利用に関する基本方針について外二件の報告を聴取いたします。
○久保田都市づくり政策部長 東京における土地利用に関する基本方針についてご説明いたします。
本基本方針は、昨年二月に都市計画審議会に諮問し、今月六日に答申を得たものでございます。
本日は、資料6、答申骨子により説明させていただきます。
1、都市づくりのグランドデザインを踏まえた土地利用の方針として、将来の人口減少を見据えた東京の魅力や活力を高める土地利用へ転換すべきなどとしております。
2、新たな土地利用の誘導、(1)、東京の都市構造として、拠点ネットワークの充実強化と緑の充実を一体的に進め、東京の魅力や活力の向上が重要であるとしております。
〔1〕、拠点ネットワークの充実・強化については、地域の個性やポテンシャルを最大限に発揮し、新たな価値を創造することとして、中核的な拠点、活力とにぎわいの拠点などを位置づけることとしております。
次に、〔2〕、厚みとつながりのあるみどりの充実、みどりの量的な底上げと質の向上については、骨格の緑や地の緑について、都市計画区域マスタープランに重点的に取り組む対象地などを位置づけることとしております。
次に、(2)、地域区分等の特性に応じた土地利用の誘導については、〔1〕、中枢広域拠点域では、高密な鉄道ネットワークを生かし、中核的な拠点を形成すべきとしています。
国際ビジネス交流ゾーンについては、国際競争力強化に向けた機能導入の促進が重要であるとしております。
国際ビジネス交流ゾーンの外側については、木密地域では、新たな防火規制の区域拡大により不燃化を促進するとしております。
都心居住推進策の見直しについては、高齢化などに的確に対応するため、住宅の量的拡大から質の向上へ転換すべきとしております。
〔2〕、新都市生活創造域については、主要な駅周辺では、都市機能が集積した地域の拠点形成を図るべきなどとしております。
〔3〕、多摩広域拠点域については、リニア中央新幹線へのアクセスが強化される南多摩尾根幹線沿道では、業務機能等の立地を誘導すべきなどとしております。
多摩イノベーション交流ゾーンについては、イノベーション創出のための機能の集積の強化や研究施設の立地など、複合的な土地利用の誘導が必要としております。
〔4〕、自然環境共生域については、多様なライフスタイル等に対応した機能の誘導などにより、持続可能な地域を形成すべきなどとしております。
(3)の集約型の地域構造への再編に向けた誘導については、主要な駅周辺等への生活に必要な機能の集積と、その徒歩圏への住宅市街地の誘導等が必要としております。
最後に、5、将来像を実現する土地利用の展開に向けてといたしまして、用途地域等に関する指定方針、指定基準等を改定すべきとしております。
説明は以上でございます。
○木村まちづくり調整担当部長 取りまとめました築地まちづくり方針の素案をご説明いたします。
資料9が本編でございますが、資料8の概要版でご説明させていただきます。
一ページ、再開発の目的は、ポテンシャルを生かし、魅力と付加価値を高め、東京の持続的成長につなげていくことでございます。
有識者会議より提言されました築地まちづくりの大きな視点を踏まえ、都として、将来像や分野別方針、段階的整備の進め方などを示すものでございます。
二ページをごらんください。
将来像につきまして、浜離宮恩賜庭園など魅力的なポテンシャルを生かし、新たな東京ブランドを創造、発信する国際的な交流拠点が形成されている、従来のMICEの概念を超え、国際会議場等の機能を中核とし、文化、芸術、ウエルネスなどの機能が相乗効果を発揮、国内外から多くの人々が集い、感動し、楽しみを共有など、二〇四〇年代の将来像を示してございます。
二ページ下より、分野別の方針としまして、都市基盤整備、景観形成、環境配慮、次の三ページは、土地利用の方針でございます。
機能導入の考え方としまして、地域資源や食文化など歴史的、文化的ストックを十分生かす、江戸東京を象徴する文化の体験、新たな創造活動など、東京の新たな魅力を発信できるような機能を導入する、機能相互が相乗効果を発揮し、東京、日本の国際競争力をさらに高めていくなどとしております。
三ページ下のゾーンごとの機能導入イメージとして四つのゾーンに区分しまして、浜離宮側の緑の部分、おもてなしゾーンには、質の高い国際会議場など、中央の交流促進ゾーンには、大規模集客、交流施設などとしてございます。
四ページをごらんください。
段階的整備の進め方として、第ゼロ段階として、船着き場周辺のエリアを先行整備し、次に第一段階として、浜離宮側のエリアなど、定期借地による活用を想定し、段階的に整備を行うこととしてございます。
方針策定後の進め方といたしまして、民間からの提案を受けるため、都は実施方針や募集要項を作成、公表し、具体的な条件などを示してまいります。
現在、この素案につきましてパブリックコメントを実施しており、広く意見を聞いた上で年度内に方針を策定、公表する予定でございます。
以上でございます。
○澁谷住宅政策担当部長 今月十八日に公表予定の東京都住宅政策審議会中間のまとめについてご説明いたします。
お手元の資料11がその本編でございますが、資料10として概要を用意しておりますので、こちらで説明させていただきます。
資料10をごらんください。
1で、これまでの検討経過を記載しております。
昨年十月四日の第一回審議会で、知事から都営住宅における管理制度等のあり方について諮問を受け、調査検討の付託を受けた企画部会で具体的施策案を検討してまいりました。
今月七日の第二回審議会で企画部会より報告を受け、審議会として中間のまとめを取りまとめました。
2は、中間のまとめの課題と施策の方向性についてでございます。
都営住宅の入居者の高齢化、単身化が進む中、高齢者が安心して暮らせる環境整備、若年ファミリー世帯の入居促進等により多世代共生の推進が必要とし、そのための具体的な施策の方向性について提言していただいております。
施策の概要につきましては、大きくは三つの方向性がございます。
まず、子育て世帯への支援でございます。子育て世帯への期限つき募集倍率が低下傾向、平均入居期間も約五年であることから、入居期限を子の就学期に応じ延長できるようにするほか、その対象をひとり親世帯にも拡大し、また効果的な周知方法を検討するようご提言をいただきました。
二点目として、単身者の入居制度でございます。就職氷河期世代など新たな単身の住宅困窮者への支援等が課題となります。そのため、こうした方々に一定の条件のもとで入居を認め、その際に住戸面積に係るあっせん基準を弾力的に運用するほか、就労支援策との連携や学生の入居も検討するようご提言をいただきました。
三点目として、高齢者への生活支援サービスでございます。東京都住宅供給公社の職員である巡回管理人は都営住宅の管理が本務で、高齢者の見守りを専門的に担うのは困難でございます。そのため、生活支援サービスを担う地元区市町村や地域包括支援センター等との連携が必要であり、巡回管理人は居住者ニーズをそれらの主体につなぐ役割が求められること、そのほか、団地内の集会所等を活用し高齢入居者の交流を図るなど、民間事業者など多様な主体による見守りを充実すべきといったご提言をいただきました。
最後に、3として、今後の予定でございます。
来週十八日より、資料11の中間のまとめについて、パブリックコメントを実施いたします。いただいたご意見等を踏まえ答申素案とし、四月の審議会に諮り、五月の審議会で答申をいただく予定としております。
説明は以上でございます。
○本橋委員長 ただいまそれぞれ報告が終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言の方をお願いいたします。
○曽根委員 築地まちづくり方針素案について、二点の資料をお願いいたしたいと思います。
一つは、有識者による築地再開発検討会議が行われましたが、ここで出された主な意見について、資料をお願いします。
もう一点は、二〇一七年六月以降、築地市場の移転及び築地まちづくりについての小池知事の発言について、資料をお願いします。
○本橋委員長 ほかに資料要求はございますでしょうか。--よろしいですか。
それでは、ただいま曽根委員から資料要求がございましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 ご異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求されました委員とご調整の上、ご提出のほどお願いいたします。
○本橋委員長 次に、第二百二十五回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。
○佐藤都市整備局長 来る五月十六日に開催予定の第二百二十五回東京都都市計画審議会の付議予定案件につきまして、ご説明いたします。
今回、都市計画の決定・変更予定案件が区部で二件ございます。
また、その他の付議予定案件が三件、環境影響評価手続開始案件が、関連案件も含めまして、市町村部で二件ございます。
本日は、これらのうち主な案件といたしまして、環状第二号線新橋・虎ノ門地区の地区計画及び立川都市計画道路三・三・三〇号立川東大和線とその関連案件につきましてご説明申し上げます。
それでは、引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。
○久保田都市づくり政策部長 付議予定案件ナンバー2、環状第二号線新橋・虎ノ門地区地区計画の変更についてご説明いたします。
資料は、お手元の資料13、白色表紙、提案事項概要九ページから一八ページまで、資料14、薄茶色表紙、事前説明会資料九ページから一九ページまでとなります。
資料14、事前説明会資料九ページの位置図とあわせて、スクリーン上の航空写真をごらんください。
スクリーン上、青色の実線で表示している本地区は、JR新橋駅の南西約二百メートル付近に位置する面積約十三・八ヘクタールの区域です。本地区は、立体道路制度を活用し、環状第二号線とその上空及び路面下の建築物等の整備を一体的に行い、魅力と個性ある複合市街地の形成などを図るため、平成十年十二月に当初の地区計画を決定し、順次、段階的な開発が進められております。
さらに、沿道建築物の更新や細分化した敷地の統合を図り、にぎわいと統一感のあるまち並みを形成するため、東京のしゃれた街並みづくり推進条例に基づき、平成二十五年三月に、スクリーン上、黄色で表示している区域を、街並み再生地区に指定するとともに、まちづくりの方向性などを街並み再生方針として策定いたしました。
今回は、スクリーン上、赤色で表示をしている五-二街区において、街並み再生方針を踏まえるとともに、本地区地区計画の方針に沿って整備計画が具体化したことから、市街地の更新に合わせて、にぎわいや統一感のあるまち並みを形成するため、地区整備計画を変更するものです。
五-二街区において変更する地区整備計画の内容についてご説明いたします。
資料14、事前説明会資料一一ページの計画図二-一とあわせて、スクリーンをごらんください。
地区施設として、地区広場及び歩道状空地を位置づけます。
また、建築物等に関する事項として、容積率の最高限度や壁面の位置の制限などを定めます。
付議予定案件ナンバー2の説明は以上です。
○荒井都市基盤部長 次に、付議予定案件ナンバー6、立川都市計画道路三・三・三〇号立川東大和線及び付議予定案件ナンバー7、立川都市計画道路三・二・一〇号緑川通り線の変更についてご説明いたします。
資料は、お手元の資料13、白色表紙の提案事項概要二九ページ及び三一ページ、資料14、薄茶色表紙の事前説明会資料三九ページから四四ページと、資料15、紫色表紙の環境影響評価書案の概要に挟み込んであります要約でございます。
立川東大和線は、東京都環境影響評価条例に基づく事業段階環境影響評価の対象事業であり、今回は、環境影響評価書案の公示とあわせて都市計画案の公告を行う、いわゆる前合わせでございます。
今後、条例に基づく環境影響評価を行った後に、東京都都市計画審議会に付議するものでございます。
まず、立川三・三・三〇号立川東大和線についてご説明いたします。
お手元の資料14、事前説明会資料の三九ページの位置図をごらんください。また、スクリーンにも同じものを映しております。
立川三・三・三〇号立川東大和線は、縦方向の青い矢印で示す国立市境の立川市羽衣町二丁目から東大和市多摩湖六丁目に至る延長約八キロメートルの都市計画道路でございます。
当該道路は、多摩地域における主要な幹線道路であり、多摩南北主要五路線のうち唯一の未整備区間が残る路線となっております。
続いて、整備状況についてご説明します。
立川東大和線のうち太い実線で示します区間は、整備済みとなっております。
残る南側の破線及び白抜きの部分と北側の白抜きの部分は、未整備です。
このうち今回変更する区間は、縦方向の赤い矢印でお示ししております延長約七・五キロメートルの区間であり、JR中央本線とは立体交差する計画となっております。
次に、計画の内容をご説明いたします。
資料14、事前説明会資料の四四ページの参考図2をごらんください。また、スクリーンにも同じものを映しております。
今回の変更区間では、交通の円滑化を図るため、既に高架化されておりますJR中央本線との交差部付近の構造を変更します。
左側の図で、既定計画では、立川東大和線がJR中央本線及び立川三・二・一〇号緑川通り線の下を通る地下構造で計画されておりました。
その後、平成二十二年度にJR中央本線の連続立体交差事業が完了し高架化されたことで、右のように平面構造へ変更するものでございます。
また、立川東大和線から緑川通り線へのアクセスは、緑川通り線の支線一を介する計画でしたが、この変更に伴い廃止いたします。
資料をお戻りいただきまして、四〇ページの計画図1をごらんください。また、スクリーンにも同じものを映しております。
構造の変更に伴いまして、本路線の幅員及び区域を変更いたします。幅員につきましては、二十・七メートルから三十三・七メートルで計画されていた幅員を二十八メートルに変更いたしまして、区域の追加を行う箇所を赤、区域の削除を行う箇所を黄色で示しております。
なお、隅切り部は上位道路である本路線に帰属させます。
次に、現在のページから四二ページまでの計画図1、計画図2、計画図3をごらんください。スクリーンにも同じものを映しております。
今回の変更に合わせまして、計画図1の左側、立川三・四・八号との交差点から計画図2の下の図の右側の交差点、立川市幸町五丁目までの区間を四車線、そこから計画図3の終点までを二車線と定めます。
続きまして、環境影響評価についてご説明いたします。
東京都環境影響評価条例に基づきまして、本路線の環境影響評価書案を本日二月十五日付で知事に提出いたしました。
お手元の資料15、紫色表紙の環境影響評価書案の概要に、その要約を挟み込んでおりますので、ごらんください。
環境に及ぼす影響の評価の結論につきましては、二ページから四ページに記載しております。
環境影響評価を行う項目として、大気汚染、騒音・振動、土壌汚染、景観、廃棄物の五項目について選定し、予測、評価しておりますが、いずれにつきましても、予測結果は環境基準等の評価の指標を満足していることから、環境への影響は少ないと考えられ、都市計画を変更する上で支障はないと判断しております。
続きまして、事業予定についてご説明します。スクリーンの航空写真をごらんください。
今回の事業実施区間につきましては、立川市羽衣町二丁目地内の立川三・四・八号交差点から多摩都市モノレール泉体育館駅付近までの約二・五キロメートルを予定しております。
事業につきましては東京都施行を予定しており、平成四十二年度、西暦二〇三〇年度の完成を目指しております。
最後に、立川東大和線に関連して変更する立川都市計画道路三・二・一〇号緑川通り線についてご説明いたします。
恐れ入りますが、再度お手元の資料14、事前説明会資料の三九ページ、位置図をごらんください。スクリーンにも同じものを映しております。
立川三・二・一〇号緑川通り線ですが、横方向の青い矢印で示す区間である立川市富士見町二丁目から立川市曙町三丁目に至る延長約一・九キロメートルの道路でございます。
今回は、立川東大和線の構造変更に合わせまして、赤い丸で示す部分を変更いたします。
資料14、事前説明会資料の四〇ページの計画図1をごらんください。スクリーンにも同じものを映しております。
先ほどご説明したとおり、立川東大和線との交差部が平面構造となることから、支線一を廃止するとともに、終点位置を黄色の矢印から赤色の矢印に変更いたします。これに伴い、路線延長を変更いたします。
なお、立川三・二・一〇号緑川通り線につきましては、立川三・三・三〇号立川東大和線と同時期に立川市が整備を予定しております。
付議予定案件ナンバー6、ナンバー7の説明は以上でございます。
○本橋委員長 報告が終わりました。
これより本件に対する質疑を行いたいと存じます。
発言をお願いいたします。
○曽根委員 私から、今ご説明のあった立川三・三・三〇号線の、今回はJR中央本線との立体交差部分についての計画変更とそれに伴う環境アセス問題が提案されておりますが、私が問題だと考えているのは、その南側に未整備地区がある羽衣町方面の立川三・三・三〇号線の道路計画が、三年前の第四次見直しの際に優先整備路線に位置づけられたということであります。
今回の立体交差部分の計画変更に連動して、南側に道路の整備を進めていくという連動した動きがあるのではないかというふうに感じられますが、この地域の住民の皆さんに、道路計画についての住民説明は行われたのでしょうか。
○荒井都市基盤部長 今回の案件でございます立川三・三・三〇号立川東大和線は、多摩地域における南北方向の主要路線でございまして、国立市境から、立川市内を南北に縦断し、東大和市内多摩湖六丁目に至る多摩地域の骨格を形成する重要な都市計画道路でございます。
このうち国立市境から多摩都市モノレール泉体育館駅付近までの約三・一キロメートルの区間は、今お話がありましたとおり、平成二十八年三月に策定した第四次事業化計画において優先整備路線に位置づけられております。
今回都市計画を変更する立川市羽衣町二丁目の都道一四五号線から泉体育館駅付近までの約二・五キロメートルは、優先整備路線の一部となっております。その南側となるお話の区間につきましては、今回の都市計画変更の対象区間ではございませんが、優先整備路線となっております。今後、事業化に向けて取り組みを進める中で、適宜説明会を開催するなど、適切に対応していくものでございます。
○曽根委員 今回の計画変更ではないんですが、もう直結しておりまして、私、昨年の暮れに地元に、立川市のこの羽衣町のあたりに参りましてお話を聞いたんですけれども、二〇一六年、平成二十八年の十二月に、恐らく立体交差の関連だと思いますが都の説明会が行われたときに、この地域の方も参加をされたというふうにおっしゃっていました。この立体交差が行われますと、今までの道路が地下に潜るという計画から、線路が上がっていきますので、平面でもって交差ができると。そうすると、今度はいよいよ南側に事業が進んでくるということで、地元の方は驚くと同時に、何でこちらの地域まで道路計画を具体化するんだと怒りの声も上がっていると。急速に反対の声が広がっているというふうにお聞きしました。
なぜ反対が強いかという理由の一つが、この大型道路が南北通っていきますと、この羽衣町の地元行事として今立川で最大の祭りとなっているらしいんですが、青森のねぶたを模して長年開催されてきた羽衣ねぶた祭り、最近小池知事も参加したということですけれども、この本拠地が、大型道路で真っ二つになってしまうと。ましてや、祭りの世話役の方々が、その本拠地、発祥の地だというふうにもお聞きしましたが、町会の会館が、道路計画にのまれてしまう、この祭りの運営に大きな支障が出るんだということを訴えておられました。
都としては、この地元最大のお祭りであり、また、いってみればまちおこしの最大の、まあ何ていいますかね、イベントとなっている羽衣ねぶた祭りの運営に、大きな支障が出るという問題をどのように考えておられますか。
○荒井都市基盤部長 地元商店街振興組合が主催している羽衣ねぶた祭りは、本路線と交差する都道一四五号線を一時的に使用し、開催されているものと認識しております。
今、町会会館というお話もございましたが、祭りに使用しているねぶた置き場や本部の設置場所は、立川三・三・三〇号線の区域外にあると地元市からも聞いております。
○曽根委員 私は、ねぶた祭りの中心、世話役の一人という方から、地元中の地元の町会会館が道路計画に入ってしまっているんだというお話を聞いて、実質的には、この二十八メートル幅ですか、道路ができると--ねぶたは、ちょうど道幅が青森の地元中の地元のところとほとんど同じで、非常に環境も似ているので、立川の羽衣町に定着をしたと。その環境が一変してしまうということを大変心配されていました。
まちの無形文化財ともいうべきお祭りを道路計画で寂れさせてよいのか。できなくなるとはいいませんが、寂れてしまってよいのかということが厳しく問われているということは申し上げておきたいと思います。
また、この道路計画に当たる地域は、最近三階建ての集合住宅が建ち始めているということのようですが、優先整備路線に入っており、こういう道路計画の中に入っている地域であっても三階建て建設は可能なんでしょうか。
○荒井都市基盤部長 昭和五十六年より、都内の都市計画道路の区域内では、事業の施行が近い将来見込まれないなどの要件に該当する場合には、建築制限の緩和を行ってまいりました。
その後、平成二十八年三月に策定いたしました都市計画道路の整備方針におきまして、事業に着手する時期が不明確な中、地権者の方々の生活設計や土地の有効活用に十分配慮することが必要と判断して、新たな建築制限の基準を設置したものでございます。
具体的には、三階建てニーズへの対応、地権者の負担軽減、円滑な事業への影響を総合的に勘案し、これまで優先整備路線を対象としていなかった建築制限緩和の範囲を全ての路線に拡大したものでございます。
都市計画道路の区域内におきましては、一定の要件を満たせば三階建ての建築は可能といたしました。
なお、事業認可取得後は、都市計画事業の施行地内において、施行の障害となるおそれのある建築物の建築等を行おうとする場合には、知事等の許可が必要でございます。
○曽根委員 以前から、優先整備に入っていなければ三階建ても可能だという話は聞いていたんですが、前回三年前の平成二十八年三月の整備方針の中で、優先整備路線内に入っていても三階建てが建てられるというふうになったわけです。
以前、私もこの都市整備委員会で取り上げましたが、多くの場合、当分事業化されないことを見越して、借金をしてアパートを建て、その家賃収入で借金返済と生活費に充てる場合があり、今それが優先整備に入っていても可能になっていると。
しかし、建築費を返済できないうちに立ち退きになった場合、ほかの代替地がなければ、借金を返せずに破産になりかねないという問題が現に二十三区内では起きているということも当時指摘をいたしました。
東京都には、住民や地権者への情報の提供の責任が問われているということも、この際指摘をしておきたいと思います。
羽衣町の住民で、強く道路計画の見直しを求める声が出ているわけですが、このことについて都の認識はどうかと。
例えば、住民の団体が今つくられつつありますが、自主的な団体が求めれば住民の要望を聞く機会は持つことができるのかどうかをお聞きしておきます。
○荒井都市基盤部長 平成二十八年十二月に、今回の都市計画変更に関する素案説明会を三回開催し、羽衣町のみならず沿道住民の方々からさまざまな意見をいただいております。今後も、都市計画変更案の説明会や都民から提出される意見書などを通じて、広く都民の意見を聞いてまいります。
なお、お話の都道一四五号線より南側の区間につきましては今回の対象区間ではございませんので、今後、事業化に向けて取り組みを進める中で、適宜説明会を開催するなど適切に対応してまいります。
○曽根委員 住民の意見をきちんと聞いていただきたいということと、この要望を最大限尊重するならば、少なくともこの中央本線南側の、現在も整備が、もともとは、これは昭和四十一年ですか、それ以来全く進んでいない、宅地化も進んで、道路の必要性も特に住民からは全く意識されなかった、この部分についての道路計画は、抜本的に見直すべきだというふうに考えます。
道路の必要性という点で、東京都は、この中央本線南側の地域で道路の渋滞が特に起きているわけでもないと思いますが、大規模な道路が必要になるという理由は、どこにあるというふうに捉えているんでしょうか。
○荒井都市基盤部長 立川三・三・三〇号線でございますが、多摩地域における南北の主要な幹線道路でございまして、人や物の流れの円滑化のみならず、災害時における物資輸送や救援、救助など、防災性の向上にも寄与する重要な路線でございます。
現在、立川駅周辺では、駅北口付近や立川通りで慢性的な交通渋滞が発生していることに加えて、生活道路への通過交通の流入、通学のルートに歩道が確保されていないなど、さまざまな課題が生じております。
このような状況を踏まえまして、今般、都道一四五号線から二・五キロメートルの区間の事業化に向けて、都市計画変更等の手続を行うものでございます。
また、今回の都市計画変更区間より南側の立川三・三・三〇号線でございますが、多摩北部と甲州街道や中央自動車道を結ぶ路線として、枢要な交通機能を担う骨格幹線道路網の形成や交通処理機能の確保等の機能を有しており、第四次事業化計画において優先整備路線に位置づけておるものでございます。
○曽根委員 立川駅周辺や中央本線北側の地域での渋滞があることは、私も別に否定はしませんが、南側については住宅密集地域ではない上に、住民の側から骨格幹線道路が必要だというふうな声は、求める必然性もないわけです。
結局、今お話があったように、中央自動車道までつなげる広域道路としての役割を都が期待しているということじゃないでしょうか。その道路が、地元の方にとっては住宅地の騒音をふやし、また、ねぶた祭りを困難にするということを黙って見過ごせるはずがないということで今声が上がっているんだと思います。
こういう声をぜひ尊重すべきだということを申し上げておきます。
さらに、羽衣町の南側に行きますと、女子体育大学があるわけですが、このグラウンドが、この道路計画がそのまま進めば真っ二つになってしまうわけで、大学側との折衝はもちろんまだやってはいないと思いますが、こういう部分について、計画、このままじゃいかないんじゃないかなというふうに思うんですが、こういう計画についての変更というのは今後考えられるんでしょうか。
○荒井都市基盤部長 立川三・三・三〇号線と甲州街道とを結ぶ国立三・三・一五号線のうち東京女子体育大学及びその北側の区間は、第四次事業化計画において、国立市施行の優先整備路線に選定してございます。今後、事業者が事業の計画内容について適切に定めるものと考えております。
○曽根委員 市の施行ということですが、体育大学の広いグラウンドを分断するという現計画がこのまま了承を得られる保証はないと思います。
全体として、立川三・三・三〇号線のこの南側の道路計画は、国が今いろいろと指導している都市計画道路の見直しの中で、大きな条件として、地元の声、地元の住民の要望というものを尊重すべきという基準が、東京都の見直しの中では全くないということは、かねてから私たち指摘をしておりましたが、この地域では最大の一つの事例として、この問題があるんじゃないかということはいわざるを得ません。
この道路計画は抜本見直しして、計画の廃止も含めて検討すべきと申し上げておきたいと思います。
以上です。
○本橋委員長 ほかにご発言がなければ、お諮りいたしたいと存じます。
本件に対します質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○本橋委員長 ご異議なしと認めまして、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することといたしますので、ご了承願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時三十一分散会
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