都市整備委員会速記録第十五号

平成三十年十二月十四日(金曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長本橋ひろたか君
副委員長佐野いくお君
副委員長和泉なおみ君
理事中山 信行君
理事神林  茂君
理事伊藤 ゆう君
けいの信一君
西郷あゆ美君
滝田やすひこ君
宮瀬 英治君
両角みのる君
高橋 信博君
荒木ちはる君
曽根はじめ君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長技監兼務佐藤 伸朗君
次長小泉  健君
技監上野 雄一君
理事今村 保雄君
理事中島 高志君
総務部長桜井 政人君
都市づくり政策部長久保田浩二君
住宅政策推進部長佐々木秀之君
都市基盤部長荒井 俊之君
市街地整備部長選手村担当部長兼務山下 幸俊君
市街地建築部長青柳 一彦君
都営住宅経営部長佐藤 千佳君
基地対策部長高原 俊幸君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務朝山  勉君
連絡調整担当部長土屋 太郎君
担当部長小口 新吾君
まちづくり推進担当部長山崎 弘人君
まちづくり調整担当部長木村 宣代君
住宅政策担当部長澁谷 浩一君
交通政策担当部長森  高志君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務新谷 景一君
防災都市づくり担当部長安部 文洋君
多摩ニュータウン事業担当部長松崎 浩一君
局務担当部長齊藤  敏君
耐震化推進担当部長青木 成昭君
経営改革担当部長八嶋 吉人君
再編利活用推進担当部長中山  衛君
建設推進担当部長妹尾 高行君
営繕担当部長村居 秀彦君
横田基地共用化推進担当部長宮城 俊弥君

本日の会議に付した事件
意見書について
都市整備局関係
契約議案の調査
・第二百二十三号議案 都営住宅三十CH-一一〇東(江東区辰巳一丁目・江東区施設)工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第二百一号議案 平成三十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 都市整備局所管分
・第二百九号議案 東京都市計画事業泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業施行規程
・第二百十号議案 東京都建築安全条例の一部を改正する条例
・第二百三十三号議案 東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅、東京都引揚者住宅等の指定管理者の指定について

○本橋委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申し出がございました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 では、異議なしと認めまして、そのように決定いたしました。

○本橋委員長 初めに、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分につきまして、議長から調査依頼がございました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成三十年十二月十二日
東京都議会議長 尾崎 大介
都市整備委員長 本橋ひろたか殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第二百二十三号議案 都営住宅三十CH-一一〇東(江東区辰巳一丁目・江東区施設)工事請負契約
2 提出期限 平成三十年十二月十四日(金)

○本橋委員長 本日は、お手元ご配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査を行いたいと存じます。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 栗谷川民間住宅施策推進担当部長は、所用のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承をお願いいたします。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第二百二十三号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○桜井総務部長 去る十一月二十八日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております資料1、都市整備委員会資料(十一月二十八日要求分)の表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。
 このうち、契約議案について要求がございましたのは、1、直近三年間に建替えを行った都営住宅の型別供給戸数と割合の一件でございます。
 一ページをお開き願います。平成二十七年度以降の型別供給戸数と割合を年度別に記載しております。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○本橋委員長 説明が終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言をお願いいたします。

○神林委員 本件につきましては、意見のみを申し上げさせていただきます。
 今回の建てかえ計画予定地は、東京メトロ有楽町線辰巳駅前の一等地であります。従前から、私どもたびたび申し上げているとおりでございますが、今後の都営住宅の建設に当たっては周辺地域の環境や防災面などに十分配慮した上で、法的に定められた容積率や建蔽率などを可能な限り有効的に活用して、最大限効果的、効率的な対応が進むよう要望をいたします。
 以上でございます。

○和泉委員 私もこの契約案件について意見を申し上げます。
 日本共産党は、新規建設を含め、都営住宅をふやすことを求めています。ですから、建設工事そのものには賛成です。
 しかし、建てかえ後の都営住宅については、私が実際に確認したものだけでも、天井板のねじどめが足りないもの、それからパイプスペースの出っ張り部分の床材のカットがとても雑で、角が盛り上がったり割れていたりしているもの、あるいは台所のコーキングの仕上げがぼこぼこになっているものなど、施工が悪い部分も直接住民の方たちから見せていただいてまいりました。
 建築費の高騰や職人の人手不足など、さまざまな要因があろうかとは思います。しかし、居住者にとっては日々の営みが長年続く場所になります。その人の、あるいは家族の文化や歴史が育まれていく、そういう場所でもあります。
 都営住宅が住まいのセーフティーネットとして、憲法二十五条の健康で文化的な生活を住宅の側面から担保する、そのためにも良質の住宅が提供できるよう、建設の質の確保を求めておきます。
 以上です。

○本橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 異議なしと認めまして、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○本橋委員長 次に、付託議案の審査を行いたいと存じます。
 第二百一号議案、平成三十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市整備局所管分、第二百九号議案、第二百十号議案及び第二百三十三号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
 資料について理事者の説明を求めます。

○桜井総務部長 去る十一月二十八日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております資料1、都市整備委員会資料(十一月二十八日要求分)の表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。
 このうち、付託議案について要求がございましたのは、2、都内の自治体におけるブロック塀の改善に活用できる助成制度一覧の一件でございます。
 二ページをお開き願います。ブロック塀の補修や撤去などの改善に活用できる助成制度を一覧に取りまとめ、区市町ごとに記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○本橋委員長 説明が終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
 それでは、発言をお願いしたいと存じます。

○両角委員 私からは、第二百三十三号議案、東京都営住宅等の指定管理者の指定について何点か確認をさせていただきたいと思います。
 今回、議案としてJKKを特命とする指定管理者の指定という案件が出てきているわけでございますが、まず最初に確認をさせていただきたいのは、この都営住宅等の管理について、指定管理と一方で業務委託というものがありますが、それぞれどのような考えで、そして業務をどのように切り分けているのかということ、これを確認させていただきたいと思います。

○八嶋経営改革担当部長 都営住宅を公的資産として適切に維持保全していくための修繕や統一性、信頼性が強く求められる入居者の募集につきましては都の業務としており、業務委託により実施しているものでございます。
 一方、日常的な入居者に直接対応する業務や施設管理業務等につきましては、地方自治法第二百四十四条の二第三項に定める指定管理者制度によりまして、公の施設の管理を指定管理者に行わせるものでございます。

○両角委員 今ご答弁いただきまして、業務委託については都の業務として統一性、信頼性が求められる部分と。必然的に指定管理については、それ以外ということで、指定管理者のノウハウ等が生かせる分野ということで切り分けをしているんだろうというふうに理解をさせていただきます。
 そして、それで、今までこの都営住宅等については、指定管理を何回か、その期間が終わって指定がえというのが行われてまいりましたけれど、過去の例を見ますと、例えば平成十七年度、これは指定管理制度が自治法改正で導入されて以降、初めての指定管理かと思いますが、そのときには一部地域について、具体的にいうと北区、それと武蔵野、三鷹、西東京市の一部をあわせた多摩地域、その二地域を公募にかけている。一つは特命、一つは公募と、そういうやり方をしていました。
 その三年後、平成二十年度の指定管理者を選ぶときには、さらにこれに加えて港区を、これは公募のエリアを切り出して指定管理者の募集をしたと。そういった経緯があるわけでございます。
 過去には、このようにエリア分けをして指定管理制度の趣旨を生かすような方向で民間参入を促す、そういう工夫がなされていたわけだと思うんですが、今回--まあ、それ以降ですね、特命への方針に方針転換をしたというふうに理解しておりますが、その方針転換をしたときに局内でどのような議論が行われたのか、これについてお聞かせをいただきたいと思います。

○八嶋経営改革担当部長 平成二十二年三月、都の指定管理者選定等に関する指針が改正されてございます。この指針では、都の政策との連動性及び管理運営の特殊性の観点から、行政支援、補完機能を有する監理団体の特命による管理運営が適切である施設は特命選定が可能であることが新たに規定されました。
 都営住宅は同指針の条件に当てはまることから、東京都住宅供給公社を特命で選定したものでございます。

○両角委員 今ご説明いただきましたが、東京都、他局含めて全体としては総務局の策定した東京都指定管理者選定等に関する指針、これに基づいて指定管理者の指定等をしているということであります。
 今ご答弁の中で、平成二十二年度の改正で都の政策との連動性及び管理運営の特殊性の観点から、行政支援、補完機能を有する監理団体による管理運営が適切である施設は監理団体に指定ができますよということで、それを受けて指定をしているんだという、そういうご説明でございましたけれど、それはもうできるということに決まったわけですが、今まで、それ以前は都市整備局としては、先ほどお話をしたように、公募の部分を拡大していくような考えにのっとって指定管理者を選ぶような取り組みがされてきたと。
 しかし、指針が決まったら、自動的にそれに乗ったということではなくて、本来十分な議論が中であったのではないかということを思ったわけでございますが、今ご答弁の中では事実関係の説明ということで、この指針の改定に伴って監理団体を指定できるようになったのでしたということでございましたが、そこら辺の議論というのをやはりしっかり踏まえていただきたいなと、そのように指摘をさせていただきたいと思います。
 続いて、結果として、今回も議案でJKK一者特命という形で出てきているわけでございますが、この指針に基づいて、次、仮に五年たって、また指定管理者を見直すというときにも、指針に基づけば、さらに監理団体だと、自動的にこのJKKが受けるということに現状なっているわけでございますが、そのことによって、例えば全部の都営住宅、ほか全体でこれ二十九万戸とか三十万戸なんでしょうか、もっとなのかな。それを指定管理をJKKに委ねるということは、結局、他の指定を受け得るところとの競争原理というのは全く働かなくなるということになると思いますが、そういった特命の弊害というものをどのように考えているのか、見解を伺いたいと思います。

○八嶋経営改革担当部長 指定管理者の選定に当たりましては、事業計画書を提出させ、外部委員により適正な管理に必要な執行体制、安定した経営基盤、法令等の遵守、課題に対する事業提案内容の観点から、指定管理業務に関する実績、能力、新たな提案について審査をしております。
 特命による弊害を防止する観点から、指定管理者につきましては、前年度の管理運営状況につきまして適切な管理の履行、法令等の遵守、使用料の適正収納、サービス内容の状況等について評価を行い、さらに主に外部委員により構成される評価委員会でも審査を行い、その結果を通知し、業務に反映をさせてございます。
 このほか公社では、お客様アンケート調査やお客様センター等に寄せられた都民の声を収集し、原因分析を行っております。
 これに基づきまして、経営指標として、お客様満足度につきまして窓口業務満足度、小口修繕業務満足度、電話応答率などの目標値を設定いたしまして、その達成と業務改善に向けた取り組みを行っているところでございます。

○両角委員 一つだけだと、結局比較ができなくなるということです。今、前年度の管理運営状況について評価を行っているということで、さらにこれ外部評価も入れているということで、これは重要なことだろうと思います。
 あるいは都民の声も収集しているということで、そういう工夫をされているというのは理解をするところなんですけれど、特命でもうずっとそこしかできないということになると、やはり緊張感はどうしても欠けると。
 我々も選挙がなかったら、やっぱり緊張感なくなるんですよね、我々も。四年に一回あるから緊張感を持って活動する。やっぱり競争相手がいるとか、そういうことはいろんな部分で必要なんだろうと。
 例えば、もし何か問題が起きたときに、ほかへかえられませんよということなんです。だから、そういうことも含めて、今外部評価等々をやられているということについてはもちろん評価をさせていただきますが、その重要性を十分認識して取り組んでいただきたいと、このように要望させていただきたいと思います。
 次に、それではこのJKK、これから五年間これを受けていくということになれば、一応これについては指定管理料というのは、年度ごとに協定を結んで、一年度幾らぐらいですよということを、まあこれでよかろうということで都と指定管理者が協定を結ぶというやり方になっています。
 こういう業務内容でこういう工夫をしたサービスをするんだと。じゃあ、それは大体幾らだということなんですが、それが適正な管理料かどうかということが重要だと思います。特に、指定管理業務に見合った対価にきちっとなっているのか、原資は税金でありますから。ということが必要だと思います。
 過去の都営住宅等の指定管理の年度ごとの予算額というのを見ると、二十八年度は九十三億円、二十九年度九十二億円、三十年度九十一億円ですから、一年度、単年度で九十億円超の業務を依頼しているということであります。
 その一者で、そこを選ぶ、いろんな評価が入っているということであっても、それが適正な価格なのかということをしっかりチェックをしていくことは非常に重要だというふうに考えます。
 指定管理料が適切かどうかをどのように評価をしているのか、具体的に局内の評価方法を伺いたいと思います。

○八嶋経営改革担当部長 都では、都営住宅等の指定管理料の積算に当たりましては、指定管理業務の内訳である収入認定などの窓口業務、昇降機点検などの施設財産維持保全などの業務について、管理戸数やエレベーター等の施設箇所数などの規模を想定いたしまして、財務局から示される単価等を参考にしながら、具体的な金額を適切に積み上げてございます。

○両角委員 いろんな単価を、決められた単価をもとに業務の分量とか、それを内部でチェックをして、積み上げによって局としての価格をもって、提案された額なりが適切かということをチェックするということでありますので、それは安心をしたというところでございます。
 次に、先ほどちょっと伺ったんですが、緊張感があるということが必要だと思います。そして、そうした中で、ここ数年東京都では知事を先頭に都政改革をどんどん進めるということで、この都政改革本部が見える化改革というのを実施してきていると。その中で都市整備局については、特に事業ユニットを都営住宅の建設、管理というそのテーマを提示されて、それについての課題、あるいはそれについて、こういうふうに改革をしていくんだということを議論して、そして本年の七月にこの報告書を発表してるというふうに理解をしているわけでございますけれど、そうした中で指摘があったかどうか、あるいは議論があったかどうかわからないんですが、JKKは法に基づいて設立をされた団体です。じゃ、この法に基づいて設立をされたJKKというのは、都営住宅等を管理する以外に、ほかに仕事ができるのかできないのかということをちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 例えば、東京都という行政エリア以外の公営住宅等の管理をJKKが実施することは可能なのかどうか。神奈川県とか埼玉県の公営住宅の管理を、そのノウハウを生かして実施をすることは可能なのか。
 あるいは、民間の大規模団地があって、そこをJKKのノウハウであるとかマンパワー、千五百人ぐらいの職員がいるわけですから、それを使って業務をやるということは制度として可能なのかどうかをまず確認をさせていただきたいと思います。

○佐々木住宅政策推進部長 地方住宅供給公社法では、行政区域を越えて事業を実施することにつきましては、本来の公社の設立目的に基づく業務の遂行に支障のない範囲内であれば、制度上特段の制限はないとされております。
 ただし、公営住宅管理の受託形態のうち、公営住宅法に基づく管理代行につきましては、公社が管理を代行できますのは都内の公営住宅に限られます。
 また、公社法によりますと、具体的には第二十一条第三項第八号でございますが、公社が民間住宅を管理することは可能であるとされてございます。

○両角委員 今ご答弁いただきまして、基本的には行政区域を越えて事業を実施することも可能であると。また、民間住宅を管理することも可能であると。
 この見える化改革の報告書によりますと、JKKの職員というのは千四百十二人ということになっております。そのうち、都営住宅等の管理業務に当たっているのが八百三十二人と。その他、括弧、独自事業と書いてありますが、この独自事業に当たるのは五百八十人というふうに記載がありました。
 こういうことだとすると、もし仮にこのJKKが、今都営住宅等の議案として出てきている管理を一部でも受けなくなると、この八百三十二人のマンパワーが、やっていく仕事がなくなっていくという、そういうことでもあります。
 そうすると、そのように考えると、特命による指定管理をするということと、JKKが存続をするという存在が何か裏表の関係にあるなというふうに私は感じるわけですが、今後のJKKのあり方というのを考えていかなくてはいけないのではないか、どんなふうに考えていくべきなのかというふうに思うわけでありますが、このJKKは都営住宅等の管理にほぼ特化をしていくんだということなのか、あるいは大変な長い歴史とマンパワーもあり、実績、ノウハウもある。そういったノウハウ等を生かして、他の民間等の管理業務にまで、あるいは独自業務というんですか、進出をしていくのか等、今後のあり方と方向性をどのように考えていらっしゃるのか、見解を伺いたいと思います。

○佐々木住宅政策推進部長 民間住宅等の管理業務の受託につきましては、公社本来業務の遂行に支障のない範囲で公社の持つノウハウやスケールメリットを生かすことができるか、経営の安定に寄与するかなどを考慮する必要があると考えてございます。
 また、民業圧迫との批判を招くことがないかなど、さまざまな検討を要する課題があると考えてございます。
 過去におきましては、公社でも、みずから販売した分譲マンションの管理を管理組合から受託していた実績はございますが、民間管理会社のマーケットが成熟をしてまいりましたことや公社の基幹業務に経営資源を集中するため、平成二十四年度までに段階的に撤退をしてございます。
 こうしたことから、現在のところ、公社は新たに民間住宅の管理等を行うことは考えていないというふうに聞いてございます。

○両角委員 考えていないんですよね。それはわかりました。
 この平成二十二年度の東京都指定管理者選定等に関する指針の改正はどういうことかというと、監理団体に特命することもできると。できる規定なんですよね。だから、それをもう完全に自動的にやるべきだというふうに思って、こういった議論をちょっとストップさせることではなくて、一応委員会で私もちょっと質問をさせていただいておりますが、こういった例えば一者による、そこがノウハウがあって、実績があって他にはできないことができるとしても、やはり緊張感とか、あるいはもし何らかの事故があったときに代替がきかないという、そういう一者の宿命がありますから、こういった指摘があったということはしっかり踏まえていただいて、今後、まあ、今回どういう形になるかわかりませんが、その後も特命でやるということであれば、さらにその疑問点や問題点を潰すというか、あるいは公社のあり方と裏表になっている部分をよく考えていただいて研究を続けていただくように、そのことを要望して、質問を終わります。

○けいの委員 私からも、都営住宅等の指定管理者選定について質問させていただきます。
 指定管理者による都営住宅の管理が始まって、ことしで十三年目になります。改めていうまでもなく、都営住宅は住宅に困窮する都民のための住宅であり、住宅セーフティーネットとしての役割を担っております。
 また、入居者の方は高齢化、単身化が進み、福祉的サポートが必要な方がふえており、都営住宅を取り巻く環境は変化しております。
 高齢者だけでは、共用部分の蛍光灯交換や掃除など、危険で重労働だと悲痛の声もございます。自治会費の徴収作業は、不在の方が多かったり、未払いがあったりと精神的にも大変だと聞いております。
 今後も居住者の負担は減ることはありません。こうした中ですから、公社が行う居住者サービスの水準は絶対に後退させてはなりません。サービス水準という点で指定管理者制度では、毎年度指定管理者が管理を適切に行っているか客観的にチェックすることが定められております。
 まず、これまでの公社の指定管理者としての管理運営状況評価は過去三年間、どのようになっているのか伺います。

○八嶋経営改革担当部長 指定管理者の管理運営状況につきましては、平成二十七年度までは、上からS、A、Bの三段階、平成二十八年度からは、S、Aプラス、A、Bの四段階で評価しております。
 東京都住宅供給公社の過去三カ年の評価につきましては、平成二十七年度はA、平成二十八年度はAプラス、平成二十九年度はS評価と、安定して高い評価となってございます。
 その理由といたしましては、使用料の収納率が九七・七%と、仕様書に定める目標値を上回り、不適正使用等への適切な指導など、すぐれた管理業務を行うとともに、巡回管理人を活用した見守りや安否確認など、きめ細やかな高齢者等への対応を行っていること、各自治会の取り組み事例を紹介する広報誌を全自治会へ配布したり、外国人居住者向けの書類作成サポートを行うなど、今日的課題に積極的に対応していること、駐車場のコインパーキング化や共益費の直接徴収など、都の事業が円滑に進むよう協力していること、居住者の満足度調査におきまして、職員の窓口対応及び巡回管理人の対応と管理に対する総合的な満足度につきまして、回答の九割以上から高い評価を得ていることなどの点から、外部委員等で構成される評価委員会で指定管理者として高い水準にあると評価されてございます。

○けいの委員 ありがとうございます。公社は、都営住宅の管理を安定して高い水準で行ってきた。しかも、この三年間は毎年評価が上がってきているという報告でした。外部委員を中心とした評価委員会による評価は、管理を適切に行っているのか客観的に評価するための重要な手段であります。引き続き居住者サービスの向上のために厳正な評価を行っていただきたいと思います。
 来年度以降の指定管理者を選定するに当たっては、外部委員会を設置し、審査が行われたと聞いております。選定委員会では、業務水準達成に必要な執行体制を有しているかなど、さまざまな評価項目に関して議論されたことと思います。
 先日の代表質問においても答弁をいただいたところでありますが、私からも、改めて確認させていただきたいと思います。
 公社を指定管理者候補として選定した理由について、さらに具体的に説明をお願いいたします。

○八嶋経営改革担当部長 都営住宅は高齢化に伴うサービスの充実が求められ、大規模災害時には応急仮設住宅として活用されるなど、都の政策との連動性を持ち、また、居住者の福祉的サポートや適正、公平な管理など、管理運営の特殊性を有しております。
 公社はこれまで、正確な収入認定に基づく確実な収納、不適正使用者への指導、収入基準や使用承継の制度が変更された際の的確な対応等の実績があり、今後も適正で公平な入居者管理が期待できます。
 また、高齢者等の居住者につきましては、地元区市町と安否確認協定を締結いたしまして、年百人以上を救出するなど福祉的サポートに必要な人材、能力を備えております。
 東日本大震災などの大規模災害が発生した際、避難者の受け入れにつきまして、都の指示に的確、迅速に対応してきた実績と能力がございます。
 また、公社住宅七万戸と合わせて三十四万戸の公的住宅を管理するため、コールセンターや十六カ所の窓口センターを設置するなど、スケールメリットを生かした迅速で効率的なサービス提供が可能でございます。
 さらに、今回の選定に際しましては、居住者の見守りや自治会支援の強化、災害発生時の工事店を活用した修繕などを新たに提案しております。
 加えて公社は、指定管理者管理運営状況評価におきまして、毎年良好な評価を得ております。
 これらのことから、東京都住宅供給公社を特命で指定管理者候補者として選定をしたものでございます。

○けいの委員 公社は昭和四十五年設立の都営住宅サービス公社以来、長年にわたって都営住宅の管理業務に携わってきました。今回の選定に当たっては、そうした公社の経験、ノウハウ、実績を踏まえており、その判断は妥当だと思います。
 また、毎年度安定して高い評価を得ていることからも、引き続き公社が都営住宅の管理を担うことが最適と考えます。
 しかし、今回の指定期間は来年四月から二〇二四年までの五年間であります。まさに、二〇二五年問題へと向かう最も大切な五年間になります。これまでの経験やノウハウがそのまま生かされていくという保証は全くありません。
 指定管理者には、居住者の高齢化、単身化という課題に加え、外国人居住者の増加に伴う言葉の壁への対処など、さまざまな難題へ対処する必要があり、これまでの水準に甘んじてはなりません。居住者のために積極果敢に新たなチャレンジをしていく五年間にしていただきたい。
 そこで、公社からは、都営住宅を取り巻く環境の変化に対応し、新たにどのような提案がされているのか、お伺いします。

○八嶋経営改革担当部長 急速な高齢化、単身化に対応するため、巡回管理人に自治体の福祉部門等の経験者を積極的に採用するとともに、八十歳以上の全世帯についての現状把握や、団地の集会所を活用した巡回管理人相談会の実施などを行うこととしております。
 見守りや生活支援を強化するため、民間事業者等のアイデアを活用した新たなサービスを検討、実施することとしております。
 自治会支援の強化といたしましては、公社職員が自治会役員会へ出席し、自治会が抱えている課題解決に向けた懇談を実施するとともに、共益費徴収事業の積極的な提案や自衛消防訓練の実施に向けたサポート等が提案されてございます。
 また、外国人居住者がふえていることから、広報紙「すまいのひろば」を日本語、英語、中国語、韓国語の四カ国語でホームページに掲載するなど、円滑かつ適切な対応を図ることとしてございます。
 災害発生時におきましては、公社の指定工事店約四百社のネットワークを生かし、迅速な情報伝達や補修を実施するとしております。
 以上のような新たな課題に対応するために、駐車場管理業務のうち、市場料金調査業務を外注化するなど、業務の効率化を推進すること等によりまして、新たな課題に対応するためのマンパワーを生み出し、有効に活用いたしますなど、新たな提案がなされております。

○けいの委員 ありがとうございました。現場を熟知している公社が現在の課題解決のため、さまざまな新たな提案をしてくださっているということです。都営住宅の居住者高齢化、単身化が急速に進行する中、居住者への福祉的サポートや自治会の支援など、きめ細かい配慮が必要であり、公社が長年積み重ねてきたノウハウ、人材などを基礎に新たなるサービス、さらなるサービス向上への取り組みを評価したいと思います。
 しかし、二〇二五年に向かって想定を大きく超える社会情勢の変化があることを念頭に置けば、新たなルールづくりやサービスの展開を柔軟かつ迅速に行える準備をしておかなければなりません。このまま都民の経済力の二極化が仮に進んでいったとしたら住宅困窮者が増加するかもしれません。住宅に困窮するということは、日常生活の困窮にもつながります。都と連携した新たな福祉的サポートの構築が求められるかもしれません。
 また、地域差があるとはいえ、募集倍率は依然として高倍率です。何回申し込んでも、何年待っても入居できないという方がいる一方で、運よく一回で入居できる方もいます。入居の公平、平等は担保しなければなりませんが、例えば、現在のポイント式を拡充して、単身者も可能にしたり、抽せんに漏れた回数もポイントにするなど、これはあくまでも例えばの話ですが、こうした思い切ったルールづくりも検討してみてはいかがでしょうか。
 全国でも類を見ない規模である二十六万戸の都営住宅の管理を行うのは大変なことだと思います。都と連携が密にとれて、住宅施策だけではなく、福祉も含め、都全般の施策と速やかな連動を図った取り組みでこれからも安心して暮らせるよう都営住宅の管理は公社にお願いしたいと、そういう声が居住者や申込希望者からも上がってくるような努力を公社には引き続きお願いしたいと思います。
 また、それができるのは東京都住宅供給公社しかないといわれるような取り組みを大いに期待して、私からの質問を終わります。ありがとうございます。

○神林委員 何点か質問をさせていただきますけれども、初めに補正予算の中から民間建築物などにおけるブロック塀などの安全対策について、まず伺います。
 今回、民間のブロック塀などの撤去や新設によって、補助対象事業数はどの程度なのか。
 また、未確定の部分も含めて、おおよそ都内では危険といわれる箇所がどの程度あるのかお示しください。

○青柳市街地建築部長 補正予算における補助対象につきましては、都内の自治体における本年六月から九月までの補助実績をもとに、撤去約百件、新設約五十件を見込んでおります。
 都内には、安全性に問題があるブロック塀がかなりあると思われますが、その実数は把握してございません。
 なお、複数の区市において実態調査が行われているところでございます。

○神林委員 今ご回答にありましたとおり、かなりあるというお話があったと思うんです。この件数ですと、まだまだこれから、都内に危険だと思われる箇所がたくさんあるということだというふうに私は認識しております。
 そこで、当然緊急度の高い順序で取り組んでいくのでしょうと思いますが、具体的にどのような条件や安全基準をもとに、何年度を目途に優先順位をつけて進めていくのか、お伺いいたします。

○青柳市街地建築部長 今回の都の補助制度は、民間のブロック塀等の撤去や新設などを行うものに補助金を交付する区市町村に対し、都が補助するものでございます。
 優先順位を含めた補助対象の設定につきましては、地域の実情に応じて区市町村が判断することとなっておりまして、都は区市町村の主体的な取り組みを技術的、財政的側面から支援し、ブロック塀等の安全対策の促進を図ってまいります。

○神林委員 私も別に制度の趣旨がわかっていないわけじゃないんですよ。ただ、ただいまお話のあった制度であっても、東京都として計画的に進めるのであれば、やはりしっかりとした見通しを持って取り組んでもらいたいと、そういうふうに思っている次第でございます。
 ところで、外見上、ブロック塀の状況がわからない箇所は、具体的にどのような方法で調査を行うのか、お伺いいたします。

○青柳市街地建築部長 目視で確認できない部分、例えば鉄筋の配筋を確認するには鉄筋探査機を使用したり、ブロック塀を部分的に壊して調査する方法等がございます。
 また、基礎の形状を確認するには、地面を一部掘削して調査する方法等がございます。

○神林委員 今ちょっと一つずれたような形になりましたけど、また本論に戻らせていただきますと、最低ここまでは実施するという一定基準を設けて、来年度以降、計画的、継続的にタイムスケジュールに沿って着実に行うべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○青柳市街地建築部長 今回の補正予算でのブロック塀等の安全対策の支援につきましては、安全・安心の観点から、その緊急性に鑑み、実施するものでございます。
 平成三十一年度予算におきましても必要な費用を要求するなど、来年度以降も継続して取り組む予定でございます。
 都は、できるだけ多くのブロック塀等の安全対策が行われるよう、補助制度を有する区市等と連携いたしまして、所有者に対して都の補助制度の周知を図ってまいります。

○神林委員 今答弁がありましたとおり、今回は緊急的な処置だということで、来年度以降も継続して取り組むということでございますので、ぜひ着実に、漏れなくお願いしたいと思います。
 それでは、今お話にあったとおり、区市町村が中心に対応するということでもありますので、区市町村で対応できていないところはあるのか、区市町村の補助制度の現状についてお伺いをいたします。
 また、対応できていない区市町村へはどのような対応を行うのか、お伺いいたします。

○青柳市街地建築部長 本年六月の大阪北部地震の発生直後に、都内の自治体におけるブロック塀の改善に活用できる助成制度について取りまとめたところ、三十五の区市町で生け垣の新設や細街路の拡幅整備等に合わせたブロック塀の撤去に対する補助を、八の区市でブロック塀の撤去や改善等の単独での補助を実施しておりました。
 その後、それぞれの区市町におきまして、ブロック塀等の安全対策についての検討が進められまして、順次補助制度の創設が行われているところでございます。
 都の補助制度の創設に向けた区市町村に対する説明会を十一月十六日に開催し、制度の趣旨を説明して、その活用を促したところでございます。
 今後も、都は、区市町による補助制度の創設や充実が図られるよう取り組んでまいります。

○神林委員 ぜひ漏れがないよう区市町村向けの説明会などで十分趣旨の徹底を図ってほしいと思います。
 今、区市町村の部分についてちょっとお聞きしましたけれども、やはり忘れてはならないのが都民への広報活動ですが、この点についてもお伺いいたします。

○青柳市街地建築部長 制度が創設されたらのお話でございますが、制度が創設された後のお話でございますが、都の制度が活用されますよう都民への周知を区市町村に要請するとともに、都としても速やかに局のホームページに掲載するほか、制度案内のチラシを作成し、都や区市町村の窓口等で配布するなど周知に努めてまいります。

○神林委員 それから、所管外ではありますけれども、同様に教育庁所管の学校のブロック塀、それから生活文化局所管の私立学校のブロック塀改修についてはどのような状況になっておりますか、お聞きいたします。

○青柳市街地建築部長 当局における民間のブロック塀等に対する補助と同様に、区市町村立及び私立の学校のブロック塀等の撤去等につきましても、今回、所管局におきまして補正予算で対応する予定となっております。

○神林委員 何か答弁が短かったような気がするんですけれどもね。余りいいたくはないんですが、東京都の行政はとかく縦割りになりがちでございます。でも、都民から見れば、同じまちの中の一つのことなんです。ですから、各局の動きを十分注視して連携をしていただきたいと、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 都内での事業数も多いし、軽微な危険箇所もあるので、ほかに緊急的、簡単な技術的対応はないのか。あわせて、木塀への改良、外壁改修、家具の転倒防止、感震ブレーカーなど、同様の対応策も同時に進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

○青柳市街地建築部長 都内には多くのブロック塀が設置されていることから、まずは国土交通省が作成した点検のチェックポイントをホームページで広く周知し、所有者による自己点検を促しているところでございます。
 あわせまして、自己点検の結果、危険性が確認された場合は、緊急対応として通行者への速やかな注意表示を行うよう所有者に促しております。
 また、木塀の設置につきましては、多摩産材等の国産木材の利活用を図るため、安全性に問題があるブロック塀等の代替として国産木材を使った塀を設置する場合、補助金を上乗せすることとしております。
 なお、家具の転倒防止対策等につきましては、多くの地元自治体におきまして、住民に対する周知や設置助成等に取り組んでいると認識しております。

○神林委員 そもそも論になってしまうんですけど、この事業の本来の目的は、震災時にブロック塀の倒壊により通行人への被害を防ぐことが目的でございます。
 いつ起きてもおかしくない震災に対して、答弁にもあったとおり、当面、未実施の箇所には近寄らない注意喚起表示を怠らないように周知徹底をしてほしいと思います。
 一日も早く着実にブロック塀倒壊による通行人被害を生じないよう対策をお願いして、この項については終了いたします。
 次に、泉岳寺駅地区の市街地再開発事業について何点か伺います。
 品川エリアは、平成二十六年に策定された品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン二〇一四において、これからの日本の成長を牽引する国際交流拠点として位置づけられていることとしており、山手線の新駅の建設や新駅周辺での大規模開発が進められておるところでございます。こうした地域において都施行の再開発を進められていくとのことでございます。
 そこでまず、本事業の目的とスケジュールについてお伺いいたします。

○山下市街地整備部長選手村担当部長兼務 泉岳寺駅は、羽田空港にアクセスする京浜急行と都心部や成田空港にアクセスする都営浅草線の接続駅として広域的な結節機能を担っておりまして、空港需要の増大に伴い、その重要性が高まっております。
 加えて、駅周辺におきまして、理事からもお話がありました国際交流拠点としての開発が進むことから、今後、泉岳寺駅の利用者はさらに増加することが見込まれます。
 こうした駅利用者の増加への対応や、乗りかえを含む利用者の安全性、利便性の確保を図ることから駅施設の改良が必要でございますが、国道の空間内だけではホーム拡幅は困難であるため、隣接する民有地を含めた整備が不可欠となっております。
 さらには、平成三十二年のJR新駅暫定開業までに、JR新駅と国道一五号を結ぶ都市計画道路補助第三三二号線を整備することも急務となっております。
 泉岳寺駅地区におきましては、こうした広域的、根幹的な都市施設である鉄道施設や幹線道路などの都市基盤の整備とまちづくりを一体的に進めるため、市街地再開発事業を実施することといたしました。
 今年度事業計画を決定し、平成三十六年のまち開きに合わせ、確実に事業を実施してまいります。

○神林委員 今回の再開発事業の計画は、我々の感覚からしますと、施行区域面積が三ヘクタールに満たない一ヘクタールということでございますので、本来ならば地元港区が実施すべき事業だと考えるわけでございます。
 そこで、この再開発事業を都施行の第二種市街地再開発事業にした理由をお伺いいたします。

○山下市街地整備部長選手村担当部長兼務 市街地再開発事業につきましては、平成十二年の都区制度改革実施大綱により、施行区域面積が三ヘクタール未満の場合、原則として区の施行としておりますが、緊急に施行する必要があるなど特別な事情があり、都と区の協議により都の分担とされた地区につきましては都が施行することとなっております。
 泉岳寺駅地区では、駅施設の改良やJR新駅暫定開業に合わせた都市計画道路の整備が急務となっていることから、こうした都市基盤の整備とまちづくりを一体的かつ確実に進めるため、港区と協議し、都施行による用地買収方式の第二種市街地再開発事業で実施することといたしました。

○神林委員 そこで、何で都施行にしたかという部分で、非常にいい部分があるので、それが本題なのでございますが、泉岳寺駅地区を含む品川駅北周辺地区については、都の再開発事業、URの土地区画整理事業、JRのビル開発事業が同時期に行われております。品川駅北周辺地区で進められる他の事業と主体が異なっていたとしても、相互に連携して進めていくことがまちづくりを行う上では重要でございます。
 特に品川駅から田町駅にかけての総合的再開発において最大の弱点は、中央に大きく広がるJRの操車場であります。そのため、再開発によって人や車の流れがどう円滑に流れるのかが主要な課題となります。
 そこで、隣接する他の事業とどのように連携してまちづくりを進めていくのか伺います。

○山下市街地整備部長選手村担当部長兼務 品川駅北周辺地区におきまして一体感のあるまちづくりを進めるため、都や区、学識経験者等で構成する委員会におきまして、平成二十九年三月に品川駅北周辺地区まちづくりガイドラインを作成してございます。この中で、品川駅とJR新駅、泉岳寺駅の三つの駅が連携し、まち全体をにぎわいでつなぐ駅まち一体のまちづくりを実現することとしております。
 さらに、平成二十九年七月には、このガイドラインの運用委員会を設置し、具体的な事業の調整を行っております。
 これらを踏まえまして、本再開発事業により、泉岳寺駅の地下駅前広場から再開発ビルを経由しJR新駅へアクセスするデッキレベルでの複数の歩行者ルートの構築や、歩車分離された安全な道路ネットワークの整備など、隣接する地区との一体感のあるまちづくりを進めてまいります。

○神林委員 今ご答弁にありましたとおり、隣接する各事業がばらばらの開発とならないよう、ガイドラインに基づき連携しまちづくりを進めるよう、引き続き取り組むようお願いをいたします。
 そこで考えていただきたいんですけど、この事業はこれから着工されて、平成三十六年度にまち開きと、こういうことを聞いているわけでございますが、高輪ゲートウェイに決定した新駅命名の由来は、未来と世界を結ぶ結節点になってほしいと、こういう願いを求められていると伺っております。自動車が空を飛ぶ時代もすぐそこに迫っている今、品川駅北周辺地区の開発が、そうした視点も含めて、将来を見据えた未来志向のまちづくりとなることを期待して、この項の質問を終わります。
 次に、今回、東京都住宅供給公社を特命で都営住宅の指定管理者とする方針が示されております。
 そこで、質問に当たり、まず都全体での指定管理者の選定方針がどうなっているのか、原則をお聞きしたいと思います。

○八嶋経営改革担当部長 都における指定管理者の選定に関しましては、東京都指定管理者等に関する指針に基本的な考え方を定めてございます。
 選定に当たりましては公募が原則であることを前提といたしまして、公募の周知、募集期間の確保、公募条件、選定の方法などが掲げられております。
 その上で、施設の状況に応じて、競い合いなどによる効果が十分発揮されないと考えられる場合、当該施設について、公募によらず特命により選定することが可能である旨を定めております。

○神林委員 そうした原則がある中で、今回はあえて五年前と同様、公社を特命で選定するということでありますが、それがどうして可能なのか。この後、若干ダブるところもあるかもしれませんが、大切な部分ですので、基準と公社を特命とする理由についてお伺いいたします。

○八嶋経営改革担当部長 指針には、指定管理者の特命選定が可能となる要件が定められてございます。これは五つございますけれども、そのうちの一つに、都の政策との連動性及び管理運営の特殊性の観点から、行政支援、補完機能を有する東京都監理団体による管理運営が適切である施設がございます。
 都営住宅は、高齢化に伴うサービスの充実が求められ、大規模災害時には応急仮設住宅として活用されるなど、都の政策との連動性を有し、また、居住者の福祉的サポートや適正、公平な管理など、管理運営の特殊性を有してございます。
 東京都住宅供給公社はこれまで、確実な家賃収入や高額所得者への対応、東日本大震災における都の指示への的確な対応などの実績、能力があり、また、安定した財政基盤を維持し、コストも抑制しております。
 また、公社は、毎年行われている指定管理者管理運営状況評価におきましても高い評価を得てございます。
 さらに、今回の選定におきまして、公社からは、事業計画において見える化改革で示された少子高齢化に伴う施策の方向性を踏まえ、見守り機能や災害対応力の強化など、新たな提案がなされております。
 これらのことから、公社を特命で選定することとしたものでございます。

○神林委員 今、先ほども回答でございましたとおり、特命の理由についての概要は理解できたところでございますが、特に確認しておきたい点につきまして何点かお聞きしたいと思います。
 ことしは、大変残念なことではありますが、北海道や大阪、島根での地震、西日本豪雨や大型台風、記録的猛暑など、非常に大きな自然災害が多かった年となりました。
 被害は甚大であり、ご不幸にも命を落とされた方、また、避難を余儀なくされ、いまだにご自宅に帰ることのできない方も大勢いらっしゃいます。
 そのような意味で、ことしは改めて自然災害への備え、対処が大変重要であることを痛感した年となりました。
 今回の公社を指定管理者とする特命理由の中でも、公社は避難所の受け入れについて、都の指示に明確、迅速に対応してきた実績があるほか、指定工事店約四百社とのネットワークを有しており、発災時の都営住宅の補修についても迅速な対応が可能であることが挙げられております。
 そこで、公社が実際にどのような実績を残してきたかをお伺いいたします。

○八嶋経営改革担当部長 都はこれまで、阪神・淡路大震災以来、三宅島噴火及び新島・神津島近海地震、東日本大震災などを初めとする大規模な自然災害の際に、国や被災自治体からの要請を受け、都営住宅等を避難者へ提供してまいりました。
 公社は、都からの指示を受けて、的確、迅速に対応し、国や被災自治体、区市町村とも連携しまして、被災者の生活のさまざまな局面に応じて生活支援に当たってきております。
 今後も、公社は公共機関といたしまして、このような役割を担うものと考えております。

○神林委員 いつもいわれることですけれども、いつ発生するかわからない大規模災害に対してしっかりと対応できるということだと私は今理解させていただきました。
 それでは、今後、将来発生する可能性の高い首都直下型地震に対し、公社はどのように対応していくのか、これからの工夫などもありましたら、あわせてお伺いをいたします。

○八嶋経営改革担当部長 公社におきましては、平成二十五年度に独自に総合防災計画を策定いたしまして、予防業務と応急業務につきまして組織体制と住宅施設等に係る対策を定めております。特に発災時には、職員が非常参集する初動体制を確立するとともに、被害状況の確認や被災者支援、住宅の復旧等を行うこととしております。
 また、日常、居住者の総合窓口となっているお客様センターは、発災時には直ちに本社などとの連絡調整を行う災害対策拠点として機能いたします。センターは制震構造の建物に設置されており、電気系統を二系統備えているため、片方がダウンしても給電が途絶えることはなく、また、停電しても、非常用発電機により七十二時間電気を供給できます。
 今回の選定における新たな提案といたしまして、約四百社の指定工事店と連携し、発災時に迅速な補修を行うこととしております。
 また、今年度から開始した都との合同訓練に指定工事店が参加し、効果的なものとするとともに、自主的に出動する仕組みを構築することとしております。
 さらに、都の指示に従い、応急仮設住宅の建設が可能な都営住宅及び公社住宅の敷地の確認と建設の際の支援を提案してございます。

○神林委員 今ご答弁いただきまして、公社がこれまで都市整備局とともにさまざまな災害が発生する都度、他県からの避難者に対し的確かつ迅速に応急仮設住宅の提供などを行ってまいったということ、また、将来、東京都を襲うであろう大震災に対しても充実した備えをし、また新たな取り組みにも挑戦しているということが理解できたわけです。
 ただしでございます、ただし、やはり先ほどもご指摘があったとおり、こうした実績や能力に安心し、なれ合いのような状況になることは避けなければなりません。外部の委員による評価制度や居住者アンケートなどもありますが、そうしたものだけに頼るのではなく、居住者へのサービスや災害への対応など、公社に管理を委ねることを誰もが納得できるよう、競争の意識を持ちながら、さらに能力を高めていく必要があります。
 そのために、都と公社の双方が緊張感を持った関係を保ち、車の両輪として機能することが大切だと考えております。
 こうしたことを踏まえながら、公社を都の住宅政策の重要なパートナーとして取り組んでいただくことを要望して、私の質問を終わります。

○和泉委員 私からは、まず泉岳寺開発規程について質疑を行いたいと思います。
 泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業についてです。
 この再開発事業の計画は、二〇一五年十一月に都市整備局と交通局の連名で発表されましたが、品川駅周辺の大規模開発をやると。そのために泉岳寺駅の機能強化が必要になる、あわせて一体的なまちづくりを行う、このように書いてあるわけです。
 既に昨年の本委員会で我が党の星見都議の質疑の中で、都は、周辺開発に伴う増加分を考えると、泉岳寺駅の一日当たりの乗降客数は六万人から十三万人へと物すごい数でふえるという想定を示しています。
 日本共産党都議団は、そもそもこの大規模開発に反対の立場ですが、乗降客数の倍増という負荷をかけるというのなら、JR東日本など品川駅周辺の大規模開発を開発者がふさわしい負担をするべきだという立場です。
 しかも、過去の事例を見ても、都はりんかい線の整備においては、地元企業が駅舎開発に約二分の一の負担をしていた、このような前例もあります。
 そこで伺いますけれども、当該再開発事業の総事業費、これは幾らになるのか。そして、そのうち都の負担額は幾らになるのでしょうか。

○山下市街地整備部長選手村担当部長兼務 泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業につきましては、事業費は約五百六十億円でございまして、このうち国からの補助金や港区からの公共施設管理者負担金、敷地処分収入などを除いた約百四十億円を都の負担額と見込んでおります。
 この負担額につきましては、本事業が泉岳寺駅の改良に起因していますことから、高速電車事業会計で負担することとなっております。

○和泉委員 都の負担は百四十億で、それは全額交通局が負担するんだという答弁でした。百四十億という金額も大変大きな負担になるだろうというふうに思います。
 ところで、過去に行われた都施行の再開発事業の中で大橋地区の再開発事業は、採算ラインを下回る敷地譲渡価格で決定したために、その後の保留床売却益や景気スライド条項による収益などを加えても赤字ということになりました。そこで、ほかの地区の事業の黒字によって穴埋めをしています。
 泉岳寺の再開発事業で最終的に赤字が出た場合には、どのように処理をされるのでしょうか。

○山下市街地整備部長選手村担当部長兼務 一般的に再開発事業では、用地を取得するタイミングや保留床を売却するタイミングなど、その時期や不動産市況などによりまして状況は異なってまいります。
 都は、再開発事業におきまして、これまで建築工事費のコスト縮減などにより支出事業費を抑制するとともに、不動産市況を踏まえ、付加価値の高い再開発ビルの計画となるように検討し、支出と収入のバランスのとれた事業となるよう努めてきておりまして、本再開発事業におきましても同様に取り組んでまいります。

○和泉委員 支出と収入のバランスのとれた事業となるよう努力していく、赤字を見込んでいないと。要するに、そういうご答弁だったというふうに思うんですけれども、現在は百四十億、交通局の負担でやる。要するに、一般会計からはお金は出ていかないというふうに見込んでいるんだと思うんですが、それでもやっぱり交通局の過大な負担にはなるというふうに思います。
 周辺の開発者負担が行われるよう要望すると同時に、今現在、ここの敷地には港区が所有する区民アパート、区営住宅が建っています。その底地も含めて一旦東京都が買収をして、買い取って、それを建物ができた後、特定建築者に売却をするという形になると思いますが、その認識で間違いないでしょうか。

○山下市街地整備部長選手村担当部長兼務 本事業につきましては、都施行によります第二種用地買収方式によります事業でございますので、そのような形で進めていく予定でございます。

○和泉委員 そうしますと、建物が建った後、特定建築者に幾らで東京都の底地を売り渡すのかと、ここがやはり大きな問題点になってこようかというふうに思うんです。くれぐれも土地--建物が建った後の東京都が持っている権利を特定建築者に売却するに当たって、東京都の赤字が出ないように、くれぐれもお願いをしたいというふうに思います。
 ところで、さきの都市整備委員会で質疑をしましたJR東日本による品川駅北周辺地区の開発、これは、品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドラインに沿って計画することを求められていました。この泉岳寺駅地区の開発は、この北側に当たりますが、同じようにガイドラインが前提条件となっているのでしょうか伺います。

○山下市街地整備部長選手村担当部長兼務 品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン二〇一四というものを平成二十六年九月に、品川駅、田町駅周辺の泉岳寺駅地区も含みます約六百三十ヘクタールの地域を対象といたしまして、国、都、地元区及び事業者などによりまちづくりの指針を定めてございます。
 さらに、このガイドラインに示されました目標を具体化するため、平成二十九年三月に品川駅北周辺地区まちづくりガイドラインを策定してございます。
 泉岳寺駅地区につきましては、これらの指針を踏まえ、まちづくりを進めていく予定でございます。

○和泉委員 ガイドライン二〇一四については、品川駅、田町駅周辺の約六百三十ヘクタールを対象としてまちづくりの指針を定めたものだと、このガイドラインを踏まえてまちづくりを進めるという答弁でした。ガイドラインの対象であるということです。
 それでは、当然ヒートアイランド対策として求められている風の道の確保が重要だというふうに考えますが、いかがでしょうか。
 また、そのためにシミュレーションは行っているかどうか、それぞれお答えください。

○山下市街地整備部長選手村担当部長兼務 泉岳寺駅地区につきましては、品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン二〇一四の風の道確保に関する技術指針におきまして示されています、今後の開発において風の道に配慮を要請する区域に含まれてございます。
 この区域では、極力オープンスペースを広くとることや建築物の高さを五十メートル以下にすること、高さが五十メートル超えになる場合でも、高層部は隣棟間隔を一定程度確保することなどが求められております。
 これらを踏まえまして、当地区では建物周辺に広場を設けるとともに、建物低層部の高さを五十メートルに抑え、高層部を北側に寄せるなど、風の道に配慮した計画となっております。
 なお、当地区につきましては、今ほど申し上げました今後の開発において風の道に配慮を要請する区域に含まれていることから、再開発ビルによる風の道の影響を検証する目的でシミュレーションを実施しておりまして、これにより風の抜けを確認してございます。

○和泉委員 今後の開発において、風の道への配慮を要請する区域についてガイドラインではどう書いてあるかというご説明もありましたけれども、極力オープンスペースをとる、建築物を高さ五十メートル以下にするとなっているというご答弁がありました。もちろん、その後に、五十メートル以上になる場合の推奨する建築例を出しています。五十メートル以上の建物にも道を開いていますけれども、極力五十メートル以下にするというのがガイドラインの考え方だというのもご紹介をいただきました。
 今回の施行規程案では、趣旨として市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用という文言も入っています。高度利用ということで、地球温暖化ガスの排出増という点でも、ヒートアイランド化の加速という点でも、大変環境負荷が大きな超高層ビルをあえて建てる計画と、また、開発者負担も現状ではふさわしくなっていない、そういう計画なのではないかと。それは認められないということを表明しておきたいと思います。
 また、実際に風の道がどうなっているかはシミュレーションはあるということでしたが、私どもに示されておりません。この委員会に資料として、本来であれば示していただきたかったというふうに思いますが、そのシミュレーションを見なければわかりません。
 今後、シミュレーション図の提出をいただいて、精査していく所存であることを表明して、意見表明に移ります。
 一般会計補正予算の民間建築物等におけるブロック塀の安全対策については、私たちの会派でも第三回定例会で求めておりまして、賛成です。
 私自身が、一九七八年の宮城県沖地震のとき、まだ仙台に住んでおりました。道の両側の民家のブロック塀が倒れて、それが折り重なっているその上を歩いて帰宅しました。もし揺れている最中にあの道を通っていたら、私の人生は十六年で終わっていたというふうに思います。ブロック塀の安全対策を徹底するということは、そういう問題です。
 実施状況の検証を含め、安全対策が徹底できるように、都としてさらなる取り組みの強化を求めておきます。
 東京都営住宅等の指定管理者の決定についても、意見を申し述べます。
 住宅供給公社を特命した理由の中に、指定管理者には柔軟できめ細やかな対応が求められる、公社は膨大な事務を円滑に行う体制と入居者からの信頼性を有している、こういった記載がありました。先ほど答弁でも、住民の回答者の九割以上が満足と答えている、管理状況評価も大変よいという答弁がありました。
 しかし、私の耳には、いろんな住民の方から、苦情や意見、要望に公社が丁寧に対応してくれない、そういう相談がたびたび上がってまいります。公社にいうと都にいってくれといわれる、都にいうと公社にいってくれといわれる、そうおっしゃっています。
 今回の決定について反対はしませんけれども、住民の要望や意見を都が直接聞く、その仕組みを充実していただきたい。そして、良好な管理の維持のためにも都が主体的な役割を果たすとともに、公社の管理にそれを生かすよう指導することを求めて、私の質疑を終わります。

○本橋委員長 ここで運営について申し上げます。
 議事の都合により、暫時休憩いたしたいと存じます。
   午後二時二十二分休憩

   午後二時四十五分開議

○本橋委員長 それでは、休憩前に引き続きまして委員会を再開いたしたいと存じます。
 質疑を続けたいと思います。
 発言の方、お願いいたします。

○宮瀬委員 どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方からは二点お伺いします。
 まず、ブロック塀対策について伺います。
 今回、予算金額が一千万ということでありまして、実際に何メートル分を想定していて、また、都内民有地での危険な塀はどれぐらいあるのかということと、今後何年で解消するかといったことをお伺いしようと思いましたが、先ほど神林理事の答弁を聞いていましたので、早速ちょっと割愛させていただきます。
 その中のご答弁の中で、把握されていないと、問題のあるブロック塀の実態を把握されていないということでありましたが、申請ベースで予算を組んでいると。撤去約百件、新設五十件ということでございます。
 都内には、さまざま多くの危険な民間のブロック塀があると思いますが、来年度の予算要求の額といいますか、それを見ますと、都内の撤去及び新設しなきゃいけない総数がわかるのかなと思います。お伺いいたします。

○青柳市街地建築部長 平成三十一年度予算におきまして、民間のブロック塀等の安全対策として五千万円を要求しております。

○宮瀬委員 四カ月間で約一千万でございまして、五千万ということでありますと、おおむね撤去が五百件、新設が二百件という計算になるわけであります。
 都内の中に本当に危険な箇所が、いわゆる五百件とか七百五十件なのかという議論になるわけでありますが、どう実態を把握していくかというのは大事だと思っております。
 今回の補正予算の中での私どものポイントは、今回の申請のやり方というのが、本人がブロック塀をかえたいという意思が基本的になければ、その補助金、補正予算が使われない可能性があると。
 例えば、所有者が高齢化しているですとか、もうこの塀は危なくないとご本人が主張されている場合ですとか、要はお金の問題だけじゃないケースもあると思います。
 ただ、周囲の方々は、あそこのブロック塀は通学とか歩いていく際に危ないのではないかと。でも、本人がやらないといったときに、結果、ブロック塀はかわらぬままになってしまう危険性があるのではないかなと思っております。
 耐震改修促進法の改正では、住宅のほとんどがブロック塀耐震の義務除外となっておりまして、そういった課題がある中で、都は危険なブロック塀等の所有者に対しましてどう対応していくのか、お伺いいたします。

○青柳市街地建築部長 都は、これまでの耐震改修に係るパンフレットを活用した普及啓発に加えまして、大阪北部地震後には国土交通省が作成した点検のチェックポイントをホームページで広く周知し、所有者の自己点検を促すことにより意識啓発を図っているところでございます。
 また、建築基準法令に違反するなど、危険なブロック塀等につきましては、近隣住民からの通報等を踏まえまして、建築行政を所管する特定行政庁として、その所有者に対する是正指導等を行っております。

○宮瀬委員 ぜひここは区市町村の皆さんと連携をして、どうやってアウトリーチしていくのか、働きかけていくのは大きな課題だと思っておりますので、ぜひお願いしたいと思います。
 また、ちょっとレアなケースなんですが、一応念のため確認をしておきたいと思いますが、大阪北部地震のことを考えますと、家は大丈夫であっても塀が危険というケースを想定していると思いますが、逆はどうなのかなと。大変細かい質問で恐縮ですが、極端な例としまして、塀は直しましたけれども、家ごと倒れちゃったといったケースもあると思っております。
 そういったこともある中で、建物の耐震性が確認できない。つまり、家屋、住宅の方の耐震性が確認できない場合でも、塀の撤去、改修費を補助するのでしょうか、お伺いします。

○青柳市街地建築部長 建築物の耐震性が確認できない場合でございましても、その敷地内のブロック塀等が道路等に面するもので安全性に問題があれば、補助の対象となります。

○宮瀬委員 念のため確認させていただきました。
 そこで、今回のブロック塀対策の主眼は、大阪北部地震におきまして、通学中といいますか、子供が亡くなってしまったといったことが今回の契機だと思っております。
 今回の議案の方を確認させていただくと、もちろん、他局においては学校、私立学校含めてさまざま明記があるんですけれども、都市整備局から出てきております議案に関しましては、通学路という単語が一つも入っていないわけであります。やはり通学路を最優先で安全対策を進めることが大切だという当初の目的から、通学路に面した危険なブロック塀の除去、これを最優先にしていただきたいと思っておりますが、所見をお伺いします。

○青柳市街地建築部長 先ほども答弁させていただきましたけれども、都は所有者による安全対策の取り組みを支援するため、自己点検のチェックポイントや区市町による助成制度及び相談窓口の一覧等をホームページに掲載し、広く情報を発信しているところでございます。
 さらに、地震発生時のブロック塀等の倒壊による人的被害を防ぐため、民間のブロック塀等の撤去や新設などを行う者に補助金を交付する区市町村に対し都が補助する制度を創設するものでございます。
 補助対象の設定につきましては通学路を優先するなど、地域の実情に応じて区市町村が判断することとなっております。
 都は区市町村の主体的な取り組みを技術的、財政的側面から支援し、ブロック塀等の安全対策の促進を図ってまいります。

○宮瀬委員 ご答弁の中で通学路を優先するなど、区市町村が地域の実情に応じて判断できる仕組みがあって、都は技術的、財政的な面から支援して安全対策を促進していくというご答弁がございました。ぜひ、何のためにこの補正予算が組まれているのかということを念頭に置きながらお願いをしたいと思います。
 それで、一つ懸念事項がございまして、補正予算の概要の中に木塀設置という表現が十分の十の補助で書いてあります。東京都は木造密集地域の解消ということで、いかに火事が燃え広がらないかといったことを皆さんの局で日々努力されてやっているかと思います。
 しかし、木塀でありますと、逆に火がつきやすいのではないかという懸念が当然あるわけであります。燃えない木は基本的にはございませんので、木塀の設置をどんどんしていけば、火事が燃え広がりやすくなるといったことで、私はこの件は大きな問題だと思っていますが、所見をお伺いします。

○青柳市街地建築部長 委員のお話にもございましたが、多摩産材等の国産木材の利活用を図るため、安全性に問題があるブロック塀等の代替として国産木材を使った塀を設置する場合、補助金を上乗せいたします。木塀の設置支援による市場の拡大に加えまして、軽量化に伴う震災時における安全性の向上や、良好な景観形成への寄与などの効果が期待されることから、建築基準法との関係も勘案しながら、広く活用できる仕組みといたします。
 ただし、木造住宅密集地域におきましては、燃え広がらないまちづくりの推進という方針との整合性を確保する必要がございますので、補助の条件設定等につきまして検討を進めているところでございます。
 市街地の安全性を確保しながら木塀の設置が円滑に進むよう、都は区市町村と連携して取り組んでまいります。

○宮瀬委員 今、大事なご答弁がありましたが、整合性が必要だといったことで、補助の条件等を検討するということのご答弁でございました。何を優先するのかというのは大変議論の分かれるところでございますが、整合性をとるために検討するといったご答弁でありますので、検討しているということでございますので、ぜひここはお願いをしたいと思います。
 次に、特命随意契約について伺います。
 改めて、基本のことで恐縮なんですが、指定管理制度ということでございますが、その意味と定義について正確に教えていただけますでしょうか。

○八嶋経営改革担当部長 従来、公の施設の管理の委託先につきましては、地方公共団体が出資する団体等に限定をされておりました。
 指定管理者制度は、公の施設の管理につきまして、民間事業者に対しても参入の機会を設けることにより住民サービスの向上と行政の効率化を図ることを目的といたしまして、平成十五年の地方自治法改正により創設されたものでございます。

○宮瀬委員 ご答弁の中に、民間事業者に対しても参入の機会を設けることで住民サービスの向上と行政の効率化を目指すということでございまして、これが制度の趣旨だと皆さんも答弁に出ているように考えているわけでございます。
 そういった中で、今回、指定管理候補者の決定に関しての選考委員会の議事要旨の方を見させていただきまして、選考委員会の審議時間、ちょっと事前に教えていただきましたが、九月五日、十月九日の二回やって、審議時間が五十一分と五十七分と、二時間程度で審議しているわけでございます。
 最近、大阪府、大阪市の方では、分割をして各公募を広くかけて民間事業者を参入させるという取り組みが始まっております。
 この制度がいいか悪いかというのは、私は、まだ検証しなきゃいけないところなので明言は避けますが、こういった大きな自治体の中での動きが大阪府以外にも出てきております。その委員会の中で民間への委託や分割した方がいい、もしくはそういったご意見、議論はあったんでしょうか。

○八嶋経営改革担当部長 委員会の審議におきましては、制度説明等の段階で、東京都指定管理者選定指針に定める特命要件、公社へ特命する理由等を説明してから審議に入ってございます。
 委員会の審議の中では、民間への委託や地域を分割して委託することの議論はございませんでした。

○宮瀬委員 ご答弁の中にそういった議論はないといったことでございます。私は議論の中でいろんな多様性のある議論をやっぱりしてほしいなと思っておりまして、先駆的かどうかはあれですけれども、こういった取り組みは一体どうなんだという検証は進めたのか、そういった議論もすべきなんじゃないかなと私は思っております。
 率直に聞いて恐縮ですけれども、東京都としましては、大阪の分割委託方式をどう考えているんでしょうか。

○八嶋経営改革担当部長 都営住宅の指定管理業務につきましては、都内同一の安定したサービスが求められることから、都内全域を一括管理することとしております。
 これにより、一カ所のお客様センターで全ての問い合わせに対応するワンストップサービスなど、都内共通の良質なサービスを安定的に供給するほか、災害発生時に都営住宅を応急仮設住宅等として活用する場合、都内全域での迅速で効率的な対応が可能となると考えてございます。

○宮瀬委員 さまざまな考え方はあるのは承知しているわけでございますが、こういった声も委員会で上がっていますので、議論の中に入れていただきたいことを要望したいと思います。
 その中で、お金の話になりますが、この五年間で公社に対して払った委託料というのは幾らなんでしょうか。

○八嶋経営改革担当部長 百万円単位を四捨五入してお答えさせていただきます。
 平成二十五年度決算は約七十八億八千二百万円、平成二十六年度決算は約八十五億一千九百万円、平成二十七年度決算は約八十六億四千三百万円、平成二十八年度決算は約八十八億三千五百万円、平成二十九年度決算は約八十九億五千五百万円、合計で四百二十八億三千四百万円となっております。

○宮瀬委員 今四百二十八億とありましたが、それは都営住宅指定管理者委託料だと思っておりまして、私の質問は、公社に委託した金額を聞いているわけでありますけれども、その中に東京都住宅供給公社委託というのが同時にございまして、その金額を含めると、合算幾らになるのでしょうか。

○八嶋経営改革担当部長 失礼いたしました。平成二十五年度から平成二十九年度までの指定管理料と業務委託料の合計でございますけれども、二千五百三十三億二千六百万円となってございます。

○宮瀬委員 私なんかは、てっきり五年で四百二十八億だと思っていたわけでありますが、実際今のご答弁にありますとおり、二千五百三十三億余円というご答弁がございました。莫大な金額でありまして、私も今この数字を持っていますけれども、東京都住宅供給公社委託と管理者委託と、前者の方が大体五倍ぐらい金額が、桁が一個違っているわけでございます。こういった二千五百三十三億、五年間でお預けしていると。しかも、それが特命随意契約で一者だということは、さまざまな議論の余地があるのではないかなと。先ほど両角委員ですとか神林委員からも緊張感という話がありましたが、本当に緊張感が持てるのかといった議論がほかの委員からも出ているわけであります。
 もう一つ数字を確認いたしますが、今まで公社と特命随意契約の期間はどれぐらいだったのか。また、いわゆるJKKですが、JKKの前身時代からどれぐらいの期間だったのか、お伺いします。

○八嶋経営改革担当部長 前述のとおり、公の施設の管理の委託先につきましては、平成十五年に地方自治法が改正されて指定管理者制度が創設されるまで、地方公共団体が出資する団体等に限定されておりました。
 都営住宅の管理を行うために、都直営の住宅管理事務所廃止に伴いまして、管理を専門に行います財団を立ち上げまして、これが財団法人の都営住宅サービス公社でございますけれども、こちらが昭和四十六年から業務を開始して、平成元年に東京都住宅供給公社に統合されたという経緯でございます。
 平成十八年度からは一部地域で公募を行いまして、公社を指定管理者として選定してございます。その後、二十六年度からは特命で公社を指定しているものでございます。

○宮瀬委員 ご答弁ですと、昭和四十六年からということでございまして、数えますと実に四十七年、その前身の財団法人都営住宅サービス公社の時代から担っていると。実際一部、平成十八年度から一部地域、先ほど両角委員のお話がありましたように二エリアの方で一部公募があった中でも、結果、住宅公社の方がとっているといったことであります。
 四十七年ということでありますが、実際、ではその管理料といいますか、お金はどれぐらい払ってきたのかなということでございます。
 どの組織が受けて、どう管理を受けて、費用は幾らになるのかと。また、指定管理制度を平成十八年から、指定管理制度が始まってからの金額だけではなくて総額、可能であれば教えてください。

○八嶋経営改革担当部長 先ほど申し上げましたけれども、都営住宅の管理を行うために、都直営の住宅管理事務所廃止に伴いまして財団法人都営住宅サービス公社が昭和四十六年から業務を開始いたしまして、平成元年に東京都住宅供給公社に統合されました。
 平成十八年度から一部地域で公募を行い、公社を指定管理者として選定をし、二十六年度からは特命で公社を指定してございます。
 恐縮でございますけれども、委託の範囲は拡大してきてございまして、現在とほぼ同様の委託となりました指定管理者制度が始まりました平成十八年度から二十九年度までの十二年間の費用総額ということでお答えさせていただきたいと存じます。
 指定管理業務委託の合計で約五千三百七十六億円でございます。このうち業務委託、これが営繕を含むものですから大きな数字になってございまして、四千四百十九億円、指定管理の方が九百五十七億円となってございます。

○宮瀬委員 今ご答弁にありました。過去のことはちょっとすぐ答弁出ないということで、指定管理制度が始まった平成十八年度から十二年で総額五千三百七十六億円という金額のご答弁がございました。もうすごい莫大な金額でございまして、それを本当に特命随意契約で一者、何年という考え方ありますが、今のところ四十七年。期間を区切っても、この十二年で五千億円を超える金額を払っているわけであります。こういったことは私どもの会派は大変違和感を覚えておりまして、本当に今の制度でいいのかと。
 例えば、今回の指定管理候補者の選定委員会の中の資料を見ますと、特命理由の中に、指定管理者の倒産等によるサービスの停止は許されないと。倒産してしまったら困っちゃいますということだと、それが筆頭に挙げられていますが、先ほどのご答弁の中で、平成十八年度からは一部地域で公募を行っていたといったことがあるので、当然民間企業もそこに公募で入っていたと思います。結果、公社の方が選ばれていたと思いますが、では、実際に何者公募があったのか、そのうち、実際に特命理由となったサービスの停止といいますか、倒産した会社は何者あったのか、お伺いします。

○八嶋経営改革担当部長 平成十七年度に行われました第一回の選定では、北区と武蔵野市、三鷹市、西東京市の三市をまとめた地域の二カ所で公募を実施いたしまして、延べ十二者が応募をいたしました。
 倒産した会社はあるのかということでございますけれども、過去に都営住宅の指定管理者の公募に応募した民間企業につきまして、あくまで参考ではございますけれども、ホームページを調べましたところ、一者を除きホームページが存在していることは確認ができましたが、倒産した会社があるかについては不明でございます。

○宮瀬委員 私もその十二者をちょっと調べましたが、大変大きな企業が多くて、倒産のリスクというのはゼロとはいいませんけれども、ちゃんとそれ以降残っているわけでありまして、その会社の中では数十万の戸数を管理している会社もあると思っております。
 そういった中であえて公社を選んでいくといったことの理由の中に、住民のサービス向上と行政の効率化といったことがあります。その効率化といったところで、じゃあ、実際に本当に効率化しているのかというところでございます。
 平成二十五年度と平成二十九年度、前回の指定管理の際の期間です。最初と最後での戸数と金額というのをお伺いします。

○八嶋経営改革担当部長 百万円単位を四捨五入してお答えいたしますと、平成二十五年度決算額は約四百四十二億四千九百万円、平成二十九年度決算額は約五百三十三億四千四百万円となっております。こちらは指定管理料と業務委託料、両方合わせた金額でございます。
 戸数ですけれども、平成二十五年度は二十五万九千五百九十四戸、平成二十九年度は二十五万五千六百二十一戸となっております。

○宮瀬委員 端的にいいますと、戸数は四千軒減っているわけであります。管理戸数二十五万五千、五年間で四千減っているわけですね、しかし、金額が四百四十二億から五百三十三億ということで、実に一・二倍の、百億円ぐらい近く委託金額が上がっていると。百億でございます。
 ということは、行政の効率化といった面から見たときに、管理戸数が減っているのに委託料が百億も上がっちゃっているといったことは、本当に効率化なのでしょうか。
 JKKは民間といいながら都の監理団体でありますし、純粋な民間企業とはなかなかいいがたいところがある中で、やはり参入を阻害してしまっている、民間の参入を阻害し、効率化の面でも委託金額が上がっていることから、本当に効率化しているのかといったことが証明できないのではないかと思いますが、所見をお伺いします。

○八嶋経営改革担当部長 金額の増加につきましては、エレベーターの基数が増加しておりまして、それに伴う保守点検費用が増加していることや労務単価の上昇、施設の老朽化に伴う修繕需要の増、それから平成二十六年度には消費税の増税もございました。こうした費用が増加をしてございます。
 また、公社は業務効率化のため、都からの受託業務を発注するに当たり、入札や工事店の成績評定による入れかえを行うことで競争性を確保しております。
 今回の公社からの提案では、さらなる外注化を検討するなどの提案もなされてございます。
 また、公社は、公社住宅七万戸と合わせまして三十四万戸の公的住宅を管理するため、コールセンターや十六カ所の窓口センターを設置するなど、スケールメリットを生かした迅速で効率的なサービス提供を行っております。

○宮瀬委員 実際にどれぐらい効率化しているのか、金額だけではやっぱりわからないわけであります。その内訳の詳細ですとか、しっかりと透明性を確保していただいて、胸を張って効率化しているんだと、この部分は効率化してるんだということをぜひ皆さんが納得できるような形で公開していただきたいと思います。
 一方で、観点を少し変えまして、ここ五年の都市整備局から公社への再就職や都からの出向状況というのはあるんでしょうか。また、再就職や出向などをしている場合はどのようなポストなのか、役員含めて教えてください。

○佐々木住宅政策推進部長 公社への、まず都派遣職員でございますが、平成三十年八月一日現在、都派遣職員は七名でございます。職層別に申し上げますと、部長級二名、課長二名、係長級二名、主任級が一名ということでございます。
 ポストでございますが、管理職のポスト、部長級でございますけれども、総務部では総務部長、また、公営住宅管理部では公営住宅管理部長、課長級につきましては総務部の財務課長、公営住宅管理部では公営住宅管理課長でございます。
 また、過去五年間におきまして、都を退職した職員のうち、都市整備局から公社に固有職員といたしまして再就職した職員はおりません。
 また、常勤役員でございますけれども、常勤役員につきましては、平成三十年八月一日現在、五名中、都派遣が一名、都退職者三名でございます。近年では、平成二十九年度まで都退職者四名でございました。

○宮瀬委員 さまざまポストについて聞きましたが、実際、ここは都の例えば部長さんが公社の部長さんに行くと。出向という形でもうずうっと指定のポストなんでしょうか。

○佐々木住宅政策推進部長 まず部長級で申し上げますと、総務部長及び公営住宅管理部長につきましては、ここ近年、都派遣でございます。ただ、都派遣職員で申し上げますと、例えば平成二十五年には十名でありましたものが、平成二十九年度は七名となるなど、毎年度都派遣職員の必要性等を精査いたしまして派遣を行っているものでございます。

○宮瀬委員 今ご答弁で、公社の総務部長、公営住宅管理部長は、ずっと都の皆さんの、都の方から派遣されているという表現は正しくないかもしれませんが、指定のポストになっていると。
 では、今ありました総務部の総務部長ですとか公営住宅管理部長という部署はどういう役割、職責の部署なんでしょうか。

○佐々木住宅政策推進部長 まず、総務部は公社内全体の総括や連絡調整の役割を担ってる部署でございます。
 また、公営住宅部、公営住宅管理部は都営住宅や区市から受託している公営住宅等の管理事業全体の総括及び進行管理の役割を担ってる部署でございます。

○宮瀬委員 いろいろ役割、職責がある中で、いわゆる特命随意契約の意思決定にかかわるような部署なんでしょうか。あらぬ疑惑を持たれない部署なんでしょうか。

○佐々木住宅政策推進部長 まず特命随意契約、都からの特命随意契約の意思決定自体は都で行っておりまして、公社で意思決定を行っているものではないというふうに認識をしてございます。
 なお、公社における契約事務を総括する契約課でございますが、同課には都派遣職員はおりません。
 なお、公社ではコンプライアンスの徹底というものに取り組んでおりまして、社内のコンプライアンス体制の強化、また、コンプライアンス総括部門における検査、あるいは外部の監査法人における会計監査の実施など、公社では適正な業務運営に努めていると認識をしてございます。

○宮瀬委員 意思決定は公社で--都が行っており、公社で意思決定を行っていないといったご答弁でありましたが、ただ、実際は都の部長さんが向こうに行って、常勤のポストがあって、双方、意思疎通がスムーズにいっているところもきっとあると思います。
 しかし、やっぱり疑念を持たれるような形でありますとよくないのではないかなと私は思っております。その点は要望にとどめますが、透明性を確保していただいて、そういった疑念を持たれないようにしていただきたいと思います。
 指定管理者制度というのは冒頭確認しましたが、民間事業者に対しまして門戸を開いて、サービスの向上と行政の効率化というのが最初のお題目でございました。しかし、四十七年間、名称は変わりましたが、公社の方で行い、指定管理制度後も十二年間で五千億円を超える金額が使われていると。実際には、選定の中ではさまざまなやり方、手法が他地域で出ているんですけれども、議論の対象日数がなっていないといったことが今回確認できました。過去二回、都も民間を対象に公募をしていましたが、結局公社が選定されているわけであります。
 十年ほど前の状況とは大きく変わって、状況はやっぱりどんどん今変わっていまして、現在の特命を継続していくことは疑問を感じざるを得ない部分がございます。
 そこで、今回の指定期間が終了する五年後、公社を特命で再び指定管理とするのか、それとも公募にするのか、どのような方針で管理者を選定するのか、なかなか答えづらい質問であることは重々承知でありますが、大事な問いかけなのでお答えいただければと思います。

○八嶋経営改革担当部長 今回、第四回定例都議会に付議いたしまして、本委員会で委員の皆様にご議論いただいているのは、平成三十一年度からの指定管理者の選定についてでございます。
 五年後にどのような方針で都営住宅の管理者を定めるのかにつきましては、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。

○宮瀬委員 もちろん重々承知しておりまして、非礼といいますか、わかった上で聞かせていただきました。
 今のご答弁でありますと、五年先のことはわからないといった趣旨だったと思いますが、前向きに捉えますと、裏を返しますと、どう決めるかはまだ決まっていない、あらゆる可能性があるんだという意味だと私どもは捉えております。
 質疑で誤解してほしくないのは、決してJKKそのものを否定しているわけではございません。JKKならJKKでしっかりと誰もが納得する形で選ばれてほしいといったことが趣旨でございます。
 要望になりますが、次回からは、あらゆる可能性を最初から否定することなく、ましてや議論もしないといったことは、ぜひ改善していただきたいと思います。さまざまな議論や検討をしていただき、本来の指定管理制度の趣旨に合った形にしていただきたいと思います。
 公社の特命ありきといった誤解を招きそうな現在の選定方式には、強い危機感を抱いております。
 都民の期待に応え、信頼を裏切ることなく、誰もが納得できる方法で指定管理者を選定すること、そして何よりも競争原理が働くことで、より少ない予算で都営住宅にお住まいの居住者の方々がよりよいサービスを享受できるよう、公募も視野に入れながら工夫と努力に励んでいただきたいと思っておりますが、所見をお伺いします。

○八嶋経営改革担当部長 繰り返しになりますけれども、今回、第四回定例都議会に付議いたしまして本委員会で委員の皆様にご議論いただいているのは、平成三十一年度からの指定管理者の選定についてでございます。五年後にどのような方針で都営住宅の管理者を定めるのかにつきましては、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。

○宮瀬委員 今ご答弁ございましたが、より少ない予算で都営住宅にお住まいの居住者の方々がよりよいサービスを享受できる、その工夫と努力に、では励んでいただくことをお願いしたいのですが、ご答弁はどうでしょうか。

○八嶋経営改革担当部長 都営住宅の管理者の選定方針につきましては答弁を差し控えさせていただきますけれども、私ども都庁の職員、皆、全体の奉仕者といたしまして日々工夫と努力に励んでいるという認識でございます。

○宮瀬委員 さまざま議論させていただきましたが、いろいろ問題提起をさせていただきました。努力をしていくということで最後終わりたいなと思いまして、あえて聞かせていただきましたが、そのお言葉を信じまして、質問を終わります。

○中山委員 私からは、補正予算の件と都営住宅の指定管理の問題について質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、ブロック塀の安全対策の推進を図る補正予算についてでございます。
 そもそも我が党は、ことしの六月十八日、大阪北部地震で通勤通学時間帯に通学中の女子児童が倒壊した小学校のブロック塀の犠牲になるという痛ましい事件を踏まえまして、六月二十六日に直接小池知事に対して、公立小中学校についてはブロック塀等の改修に係る区市町村への補助を行うこと、そして私立小中学校及び幼稚園については耐震化補助を活用してブロック塀等の改修を行う学校法人に対し支援すること、さらに保育園については子供家庭支援区市町村包括補助を活用し支援すること、そして通学路など民間施設のブロック塀の改修については市町村総合交付金等を活用し支援することを申し入れさせていただいて、その際、私も同席いたしましたけれども、小池知事は、皆様の声を受けとめ、都民に安心してもらえるよう進めていくと大変前向きに即答されました。
 これを受け我が党は、第三回定例会で民間所有、管理のブロック塀の安全対策を含めた補正予算の編成を代表質問で小池知事に求めまして、知事がこれに快く応じられて、今定例会での補正予算案の上程となったものでございます。都市整備局の迅速な対応を評価したいと思います。
 特に学校の通学路のことにつきましては、学校施設だけじゃございませんので、そこに面している建物の多くは民間の施設でございますから、民間向けのブロック塀の改修スキームというものが組み立てられませんと、それは通学路の安全性も保てませんし、また、通学路だけではなくて、子供たちを含めて大勢の方々が通行する道路、公道に面したところのブロック塀が倒壊の危険にあるという状態は、どの命も大切な命でございますので、それを解消していくための補正予算の提案ということは、大変歓迎したいと思っているところでございます。
 都民の命を守るためせっかく編成された予算案でございますから、円滑に活用が進んで役立っていくことを望んでおります。
 また、実際の補助金の申請、支給については、補助事業の実施主体であります区市町村が補助要綱を組むかどうか、予算を編成するかどうかにかかっております。この点、資料として、先ほどお示しいただいた六月二十八日現在、痛ましい事故が起きた直後の状況でお調べいただいたものをご提出いただいておりますけれども、現在、この補助要綱の整備、新設や改正も含めてどのくらい進んでいるのかが気になる点ではございます。
 この点、現時点での数値はないというふうに教えていただいておりますけれども、今後補正予算が成立された場合、どの時期に都内区市町村の補助要綱の整備ぐあいを調査して公表できるのか、そういったことを含めて今後の進捗のスケジュールをお尋ねしたいと思います。

○青柳市街地建築部長 今回の補正予算でのブロック塀等の安全対策の支援につきましては、安全・安心の観点から、その緊急性に鑑み、実施するものでございまして、補正予算が成立した場合には、できるだけ早く支援を開始できるよう準備を進めているところでございます。
 都の制度に対応いたしました区市町村の補助制度の一覧につきましても、都の支援の開始とあわせて示せるよう、作業を進めているところでございます。

○中山委員 できる限り早く調査をしていただいて、公表していただきたいというふうに思います。
 私どもも、国会、都議会は当然ですけれども、区市町村の議員とネットワークを構築しておりますので、その中で、なかなか対応できない区市町村がある場合につきましてはしっかりと連携をして、都民の命を守るために前向きな努力をその地でしていきたいと思っております。
 ただ、やはり区市町村にあくまでも決定権がありますので、区市町村ができない、まだやらないよという状況がもし残っていくとしたら、その区市町村に対して補助スキームの活用をどう促していくのか、既に十一月十六日に課長会を一回開いて説明はされているということだとは思いますけれども、多くの区市町村は補助要綱を整えていくと思うんですが、なかなかそこまで踏み切れない区市町村に対しては今後どうしていくのか、それをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○青柳市街地建築部長 ブロック塀の安全対策を促進していくには、区市町村と連携して取り組んでいくことが必要でございます。
 そのため、ただいま理事からのお話にもございましたが、都の補助制度の創設に向けた区市町村に対する説明会を十一月十六日に開催し、制度の趣旨を説明して、その活用を促したところでございます。
 さらに、今回の補正予算が成立し、都の補助制度が発足した場合には、区市町村による補助制度の創設や充実が図られるよう区市町村との連絡調整の場などを活用して要請をしてまいります。

○中山委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 ただ、できれば、どのくらいの区市町村かわかりませんけれども、全体を集めて一般的な会議を開くというのではなくて、個別によく話を聞いていただいて、当然区市町村は独立した団体ですから、都としてプレッシャーをかけるとか、そういう筋合いのものではありませんけれども、何が課題になっているのかという点をよく聞き取っていただいて進めていただきたいと、こういうふうに思っております。
 できる限り多くの区市町村、できれば全部の区市町村で実施をしていただきたい。そのためには、補助要綱自体はさまざまに異なる区市町村ごとのニーズに幅広く対応できるように、余り細かく規制せず、間口の広いものとして整えていくということが肝要と私は考えております。その方が活用が進みやすいというふうに思います。
 しかし、とはいえ、補助要綱の基本的な整え方にそごがあったりして、それが思いもよらないマイナスの効果をもたらしてはいけないとも思います。そのため、先ほど宮瀬委員からも質疑がありましたけれども、木製壁の設置の促進を図るための都の十分の十補助について少々確認しておきたいと思います。
 多摩産材を初め、各地域で、都市と森林地域との相互利益を図るために木材の活用促進、木製ブロック塀の設置の促進を図ること自体は、私も大いに賛成でございます。
 一方で、耐火構造の建築物をふやす必要性に追われている木造住宅密集地域では、都の補助要綱を盾に、むやみやたら木製の壁がふえても困るのは確かな点でございます。この点、都は何らかの対策、先ほど検討しているというお話でございましたけれども、確認でございますが、木密地域では一切木製の壁の設置は認めないということになるのか、改めて木密地域における対応の基本方針をお伺いしておきたいと思います。

○青柳市街地建築部長 ただいま理事からもお話がありましたとおり、木造密集地域におきましても、建築基準法との関係も勘案しながら木塀が広く活用できるような仕組みを考えていきたいと思っております。
 また、木造住宅密集地域におきましては、燃え広がらないまちづくりの推進という方針との整合性を図る必要がございます。
 補助の条件設定等について検討を進めているところでございますが、具体的な条件につきましては現在検討しているところでございますが、例えば、建築基準法における延焼の考え方などを参考にすることも考えられると思っております。
 いずれにいたしましても、市街地の安全性を確保しながら木塀の設置が円滑に進むよう、都は区市町村と連携して取り組んでまいります。

○中山委員 今ご答弁いただいて、建築基準法に定める延焼の考え方というものを参考にするというお話がございました。直接はご答弁がなかったんですけれども、一切認めないということではないけれどもということだと思うんです。よろしいですか。--はい。
 それで、建築基準法に基づく延焼の考え方ということに基づいて今後の補助要綱なり、基準というものを整えていくということになると、具体的にいうと、既存の建物との間の距離とか道路幅員とか、そういったものが一つの目安になるということなのか。わかりやすく、都民の方々に理解していただくためには、そういうことなのか確認したいと思います。

○青柳市街地建築部長 基準法におきまして、道路の中心線、あるいは隣との境界線から一定の距離の範囲内は延焼のおそれがある部分という言葉を使っておりますけれども、火災の延焼の危険があるというような範囲として考えられております。そのようなことも勘案しながら、木造住宅密集地域で木塀の設置できる範囲というものを検討していきたいと、そういうことも踏まえながら検討していくことも必要であると。現在、作業を進めているところでございます。

○中山委員 承知いたしました。精いっぱいご答弁いただいて、ありがとうございます。
 ともかく木密地域でのニーズに沿った老朽化した壁、耐震性の脆弱な壁の改善が結果的に進んでいくことを期待したいと思います。
 次いで、予算が限られている中で対応を優先すべき危険度の高い壁が、申請がおくれたりすることによって、通学路であれ、通学路以外であれ、後回しにならないようにしていかなければなりません。都として区市町村の自主性を当然重んじていくわけですけれども、区市町村に対して最低限、危険度の高いものから優先的に工事がなされていくように、そういう方針というものを示しておくべきと私は考えますけれども、その点いかがでしょうか。

○青柳市街地建築部長 国土交通省が作成し、当局のホームページで公表しているブロック塀の点検のチェックポイントでは、塀の高さや厚さ、基礎の有無などをチェックし、一つでも不適合があれば危険と判断し、改善することとされております。
 こうしたことも踏まえまして、今回の都の補助制度では、当該チェックポイント等より安全性に問題があると判断されたブロック塀は、差をつけず補助対象としております。
 なお、補助対象の優先順位につきましては、地域の実情に応じて区市町村が判断することとなっております。
 都は、区市町村の主体的な取り組みを技術的、財政的側面から支援し、ブロック塀等の安全対策の促進を図ってまいります。

○中山委員 この点は、ちょっと納得いかない点もありまして、やはりきちっと方針として危険度の高いところから優先的に工事がなされていくように、私は区市町村に対して方針をちゃんと示すべきだと思います。
 もちろん、それは縛るものではございませんけれども、縛るものではないけれども、趣旨はそういうことなんだよということをきちっと示していかないと--工事はなされているけれども、そんなに危ないところじゃないところばっかりで工事されているよということであっては困る。
 もちろん、予算が足りなくなれば、議会として財務にも働きかけて予算をしっかり獲得していくということは私どもの役割だと思いますけれども、当初の予定の予算の中では、やはり危険性の高いところが優先されて工事の進捗が進むようにご努力をいただきたいというふうに思います。
 続きまして、工事の範囲ですけれども、今回、ブロック塀の安全対策と同時に補正予算が組まれました公立学校の体育館における空調整備でも、我が党はリースへの対応など、断熱工事とか、そういったことも含めて区市町村の要望や課題認識に沿って、詳細に補助内容を詰めた質疑を代表質問等でも行いましたし、それに先立って、二回にわたって小池知事に直接要望もさせていただきました。
 都市整備局がつかさどりますブロック塀の安全対策においても、今回の制度は設計費や既存のブロック塀を取り除いて適法に廃棄する費用とか、そういったものも補助対象となるのかどうか確認しておきたいというふうに思います。

○青柳市街地建築部長 設計費につきましても、ブロック塀等の撤去や新設に要する経費といたしまして、その撤去や新設工事費と一体として補助対象となります。

○中山委員 ぜひ、設計費になるということですので、廃棄等に係る費用も含めてきちんとなりますよという説明をお伝えいただきたいというふうに思うところでございます。
 ぜひ今後とも頑張っていただきまして、都民の安全をしっかりと守る補助要綱として活用され、実っていくことを期待しております。よろしくお願いします。
 続いて、次の課題といたしまして、都営住宅の指定管理選考におきまして、東京都住宅供給公社との特命随意契約を結ぶ議案が今定例会で上程されております。この点、既に我が党は、先ほどもけいの委員が発言しましたけれども、先日の代表質問で基本的な都の選考理由を質問し、ご回答を頂戴しているところでございます。
 都営住宅にかつて長年居住してきて、現在は高齢化している現在の居住者について、私は、日本の高度経済成長期を支えてきた大変な功労者であるという発言を都議会の場でさせていただいたことがございました。それは、ご本人たちは東京に地方から出てきて、今日から見れば低い賃金であったかもしれませんけれども、当時の賃金ベースの中で本当に真面目に一生懸命働かれて、その中で、都営住宅に入れるぐらいですから賃金は低かったんでしょうけれども、その中で一生懸命頑張ってきたから日本の高度経済成長期というのがあって、そのお子さんたちはご自分たちが高齢になっていくに従って成人され、マンションに出たり、戸建てを買われたり、一般の賃貸住宅に行ったり巣立っていかれていますけれど、今もご自分たちは質素な生活を都営住宅で一生懸命頑張っていらっしゃって、中には自治会でも一生懸命頑張っていらっしゃる方々もいらっしゃいます。
 現に、私の前任都議であります亡くなられた土持正豊さんも、また、さきに勇退されたともとし春久さんも同じ同一の都営住宅でたまたま生活をしていた、小さいころ一緒にいたという方々でございました。ご自分が一時的に都営住宅で生活力を整えて、そこから巣立っていく場合も、あるいはご自分のご家族、お子さん等を育てて巣立たせていく場合であれ、都営住宅は立派にトランポリン政策としてのジャンプ台の役割を果たしていると私は考えております。
 また、当然、新たに入居する高齢者や病弱者や障害者の方々などのついの住みかとしても大事な役割を担っております。
 私も、何度も真夜中に火事が起きてしまった都営住宅の現場に駆けつけて、お見舞いを申し上げて、避難のお手伝いをしたり、消防隊員や消防団員の方々のご労苦に感謝を申し上げてきた経験がございまして、そうした経験が都営住宅での火災警報器の全室無料設置の促進につながっております。都営住宅経営部の方々には、その際、大変にご努力いただいた、深く感謝しているところでございます。
 そうした意味で、都営住宅でもさまざまな相談事への対応や自治会の方々のご苦労の一端を深く知る者の一人として、都営住宅の管理運営は誰でもできるといったような簡単なものではないということは、私なりに実感しているところであります。
 したがって、これまでのノウハウの蓄積に加え、一般の民間賃貸住宅とはまた違った意味で、人に優しい細かな心配りを要する管理、対応を求められる。コスト対応力という点でも、少なくとも現状では東京都住宅供給公社を超える選択肢がないという結論だと思いますけれども、その結論には私としても納得をするものであります。
 その上で、とはいえ、東京都住宅供給公社がそうしたコスト対応力を今後も長く維持できるかというと、常に費用対効果という点での民間事業者との厳しい競争にさらされていく場面も当然出てまいりますし、都からの委託費もそうやすやすと増額できるものではないと考えます。
 先ほど十八年からの費用の中で何千億円という話がありましたけれど、その多くは営繕費が入っていると思うんですが、今営繕費はそのうちどのくらい占めているか答えられますか--今答えられない。答えられるタイミングがあったら手を挙げてもらっても構わないんだけど。後でもいいですよ。
 その意味で、今後とも公社が安定的な経営を行うために、新たな収入の確保に努めるなど、収益の向上を図ることが重要と考えます。
 これは都から入ってくる費用は、そんなに簡単にふえるわけじゃないし、営繕費なんかは基本的に支払っているお金ですから。それで何か東京都が蓄積して、何か公社が蓄積してもうけているという話の性質ではないと思っておりますので、そうしたものの中で、ただ、マンパワーというものを確保しない限り、人に優しい管理というのはできません。
 その意味では、公社としてどう収益を上げていくのかということも考えていかないと、これは大事な視点じゃないかと思っております。まず、その点についてご答弁いただきたいと思います。

○佐々木住宅政策推進部長 東京都住宅供給公社はこれまで、公社住宅の高い入居率の維持によりまして安定した家賃収入を確保するとともに、高利率の借入金の繰り上げ償還により、支払い利息、すなわち支出を縮減するなど、経営基盤の強化に努めてまいりました。
 また、老朽化した住宅の建てかえに計画的に取り組むとともに、既存のストックにつきましても、住戸内や共用部の改善により資産価値の向上を図り、収益の向上に取り組んでおります。
 さらに、都営住宅の管理に加え、長年培ってきた公的住宅管理のノウハウやスケールメリットを生かし、区営、市営住宅等の受託にも取り組んでいるところでございます。
 公社においては、今後とも地方住宅供給公社法の枠組みを踏まえながら、事業収益の確保に向けた取り組みを推進していくものと考えてございます。

○八嶋経営改革担当部長 今、中山理事からご質問ございました営繕業務の金額でございますけれども、こちら平成二十九年度になりますが、東京都から公社の方に委託している金額、トータルで四百四十三億円余でございます。うち、営繕費が四百三十三億円余となってございます。

○中山委員 今ご答弁いただいて、営繕費が大宗を占めているということが理解できたところでございます。
 先ほどの佐々木部長の答弁にありましたけど、法律の枠組みの中での対応しか行われていないということは十分承知でございますけれども、法の条項文を読めば、住宅の管理というところに着目して、ソフト策の上では公社住宅を含め、さまざまな工夫を図る余地があるようにも感じております。団地が立地する地域のニーズに対応した付加価値を育む建てかえ時の工夫などについて、私も今後--URもそういう取り組みをしていますけれども、有益な提案を行えるように勉強を重ねていきたいというふうに思っております。
 次に、公社による管理が他の事業者による対応よりも有益であり続けるためには、先ほど申し上げましたとおり、何といってもマンパワーの量と質の豊富さが重要であります。中でも質の高さは何としてでも維持され、一層高めていってもらいたいと願うものであります。
 そこで、職員の意欲向上や組織体としての公社の体制強化につなげるために、公社職員の待遇改善に向けて公社はどのような取り組みを行っているのか、そのことを把握していらっしゃればお答えいただきたいというふうに思います。

○佐々木住宅政策推進部長 公社の事業運営が時代のニーズや変化に的確に対応していくためには、理事ご指摘のように、公社の経営を担う有為な人材の確保、育成と人事制度の改善が重要であると考えてございます。
 そのため、公社ではこれまでも、自前の技術集団など、高い専門性とスキルを有する人材の育成等に努めてまいりました。
 また、公社では、労働契約法の改正を踏まえ、有期雇用の契約職員を特定の業務を担う専任職として無期雇用契約に転換できる新たな人事制度を平成三十年四月より導入し、三百十五名を有期雇用から無期雇用に転換をいたしました。
 これによりまして職務の習熟を図り、窓口対応など現場の第一線を担う業務職員として積極的に活用し、公社全体の組織力の強化につなげるものと考えてございます。
 さらに、各職場で経験を積んだ契約職員や業務職員を正規職員に登用する取り組みも進めており、平成二十六年度から三十年度までの五年間で、計三十八名が登用されているところでございます。

○中山委員 私は、今そういうご答弁があったことは大変すばらしい取り組みをしているんじゃないかなと思います。そういうモチベーションを上げるための待遇改善、これは非常に大事で、同一労働同一賃金ということが働き方改革としてのキーワードになっておりまして、ただ、これは一朝一夕にできるものではないことはよくわかっておりますけれども、でもそれを実現していかないと、幾ら人に優しいサービスを提供しなさいというふうにいってもやってられないよということでは、それは難しいわけでございまして、こうした公社のそうした内部努力というものは評価しておきたいと思います。
 次いで、先日の代表質問でも我が党は、都の監理団体におけます障害者雇用の促進を求めたところでありますけれども、公社においての障害者雇用の現状と今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○佐々木住宅政策推進部長 公社におけます障害者の雇用数は、平成三十年六月一日現在でございますが、二十九名でございます。雇用率で見ますと三・〇一%で、法定雇用率の二・五%を上回ってございます。
 障害者につきましては、身体や精神といった障害の内容、程度や個々の適性を見きわめた上で配属し、それぞれの職員が職場で活躍できるよう配慮に努めてございます。
 公社におきましては、今後とも障害者の雇用促進に向けた都の方針等を踏まえながら、障害者の雇用を促進していくこととしてございます。

○中山委員 ぜひ、今ご答弁いただいたとおり、身体障害、精神障害、両方について積極的に雇用を進めていただいているということで、そうした状況は今後とも継続していくように公社に求めていただきたいと思います。
 あわせて、できれば、大変難しい課題なんですが、知的障害者の方々の雇用についても、これは職域の確定といいますか、創出といいますか、知的障害者の方々に立派に役割を果たしていただける、そういうお仕事の内容というものを確立しないと進まないわけですけれども、そのことについても挑戦をしていただきたいということをお伝えいただきたいというふうに思います。
 都の監理団体であります住宅供給公社が何十年も都営住宅の監理業務を担ってきたことに対して、天下りの受け皿となっているのではないかとの批判の声が確かにございます。
 先日も本会議で、東京都住宅公社を天下り団体と決めつけた発言をされた方がいらっしゃいましたけれども、一人でも退職後の職員が再就職していれば天下り団体なのか、それともそういった数が多いから天下り団体といっているのか、詳しくご説明はなかったのでわかりませんけれども、私は単にレッテルを張ることよりも事実が大事だと思います。
 先ほど宮瀬委員の質問の中で具体的な数等が、お話ございましたが、まず確認ですが、実態としてどういった状況にあるのか、そしてまた、都はどのように認識して、現在の状況について対応しているのか、お伺いしたいと思います。

○佐々木住宅政策推進部長 公社は、都の住宅政策との連動性が高く、また、住宅に困窮する都民の方々を対象とする都営住宅などの管理運営の特殊性を有する事業を担っておりまして、そのため、必要な派遣等を行っているものと考えてございます。
 派遣等の状況でございますが、まず公社の常勤役員につきましては、平成三十年八月一日現在、五名中三名が都退職者、一名が都派遣となってございます。
 また、都派遣職員については、同日現在で七名でございます。
 まず、都退職者におきましては、公社において都で培った経験を生かしまして、都民の住宅セーフティーネットとしての役割を果たしている都営住宅や公社住宅の管理運営に適正かつ円滑に取り組んでいると考えてございます。
 また、都派遣の役員及び職員につきましては、都と公社が緊密な連携のもと、都庁グループとして一体となって施策を実施、推進できること、また、現場の実態を住宅政策に円滑にフィードバックできること、さらに、経営マネジメントの視点で都政の動向をタイムリーに現場実務に反映できることなどのメリットがあると考えてございます。
 こうしたことから、都の住宅政策の重要なパートナーであります公社の役員に就任し、また、職員を派遣しているものと認識をしてございます。

○中山委員 やはり幹部職員の方が都庁のお仕事を終えた後、退職されて公社に行かれるということについて必要性を感じていらっしゃって、その状態をつくっていらっしゃる。また、現役の方々の交流についても、見直しを図りつつではあるけれども、現状も続いていることにもそれなりの理由があるということのご答弁がいただけました。
 問題は、やはりそれが都民にとって納得していただけるものであるかどうかということだと思います。それは、現実に何よりも事実にまさる雄弁はありませんので、本当に住宅供給公社が、数字で満足度九〇%を超えているということもありますけれど、本当に公社でなければできないサービスを展開しているという、そういう実感が都民の方々が得られるかどうかということにかかっているのではないかと思います。
 都営住宅に限っていえば、申込倍率は非常に高い数字をまだまだ示しております。改善はされてきていますが、まだ高い。かといって、じゃあ、何十万戸もさらにつくるかというと、八十万戸も賃貸住宅が余っている中で民業を圧迫するという危険性もあると。そういう中で、従前から都市整備局が取り組んできている住宅確保要配慮者の方々に向けた対策というのは非常に大事になっているという状況があるわけですけれども、ただ、民間であれば、入れる人の数の何十倍も申し込みがあれば、その中から大家さんが自分の気に入った人だけ選んで入れればいいかもしれませんけど、都営住宅はそういうわけにはいかない。
 ある面ではトラブルを起こす方々もいらっしゃるかもしれないけれども、そうした方々もきちっと都営住宅にちゃんと入っていただいて、できる限り、強制ではないんだけれども自治会の活動にも協力をしていただいて環境を整えていく。こういう作業というのは、大変な作業だろうと思っております。
 そうした中で、公社住宅や都営住宅がその役割を今後も適正に果たしていくためには、公社という存在を今後東京都がどういうふうにしようとしているのか。当然、監理団体全体について重要なパートナーであるということは認識しておりますけれども、そのパートナーという表現が、他の民間の事業者の方々のご努力によって民間でもできるんじゃないかという状況がもし出てくるとすれば、パートナーですよといい続けること自体に非常に無理が出てくるわけです。
 民間も当然努力をしていく。どんどんどんどんAIなんかも使っていろんな分析もするでしょうから、さまざまな対応を図っていくんだろうと思います。
 そうした民間の努力にも増して公社が今後とも東京都にとって重要なパートナーであるためには、公社をどういうふうにしていくかと、また、どうかかわっていくかということを東京都として明確な方針を持って取り組んでいかないと、また五年ごとにいろんなことで話をいわれても、そのたびに一から説明しているというのではなかなか難しいことですので、やっぱり積み重ねによって状況の認識変化と、社会的な認識の変化というものも私はかち取っていく必要があるだろうと思います。
 急速な少子高齢化の進展など社会経済状況が変化する中、都営住宅を初め、公的住宅を管理する公社の果たすべき役割について今後ますます大きくなっていくものと考えますが、公社の役割、使命について、最後に局長にお伺いしたいと思います。

○佐藤都市整備局長 本日は、公社及び指定管理者につきまして、さまざまな角度からご議論いただきました。
 公社は、やはり都の住宅政策の重要なパートナーでございます。中堅所得者向けの重要な賃貸住宅を供給するとともに、都民の住宅セーフティーネットの中核である都営住宅の管理というのをしっかりと行っていただいております。
 その中で、やはり社会経済の状況の変化に応じて、例えば老朽ストックの更新という意味では、老朽化した公社住宅の建てかえを公的資金に頼らずに計画的に実施する。その際には、保有する敷地を有効に活用して用地を創出して、地域の実情に応じて、高齢者施設などの福祉インフラの供給などに貢献というさまざまな工夫も取り組んでおります。
 また、民間では入居しにくい高齢者、あるいはファミリー世帯向けの住宅供給ということに取り組むという時代の要請に応えたこともやっており、さらには、こうしたノウハウは、高齢者や障害者など配慮を要する居住者が多い都営住宅の管理においても生かされております。
 長年にわたる公的住宅の管理で培った、民間住宅の事業者にはない実績とノウハウを生かしながら福祉的なサポート、新たな生活支援サービスの提供ということが可能になっているということでございます。
 今後ますます少子高齢化が進展するという中では、こうした公社の取り組みが、これまで自主事業として自主自立的に、長期的に安定的な経営に取り組んできたという、そういったノウハウも踏まえて新たな都民ニーズにも応えるということで、都営住宅の居住者、あるいは都民の皆様から高い信頼を築いてきた、これからも築いていくということを考えてございまして、今後とも、そういった公社が都の住宅政策の一翼を担って、公的な住宅事業者として社会的使命を果たしていっていただきたいというふうに期待しておるところでございます。

○中山委員 局長、ありがとうございました。
 本日は特命随意契約の問題でございますけれども、それがどうなるかということもそうですが、都庁本庁、都市整備局と公社という関係が、監理団体と都庁本体が共同して都民のさまざまな要望に応える。監理団体と協力しなければできないサービスの展開というものの模範として、今後も永続的な体制と内容を整えていかれることを期待して、質疑を終わらせていただきたいと思います。
 以上です。

○本橋委員長 以上で発言予定者のご質疑は終わったところでございます。
 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○本橋委員長 異議なしと認めまして、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時九分散会

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