都市整備委員会速記録第五号

平成三十年六月八日(金曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長たきぐち学君
副委員長白石たみお君
副委員長馬場 信男君
理事小林 健二君
理事森澤 恭子君
理事神林  茂君
後藤 なみ君
滝田やすひこ君
森口つかさ君
星見てい子君
木下ふみこ君
山口  拓君
藤井  一君
秋田 一郎君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長技監兼務佐藤 伸朗君
次長小泉  健君
技監上野 雄一君
理事今村 保雄君
理事中島 高志君
総務部長桜井 政人君
都市づくり政策部長久保田浩二君
住宅政策推進部長佐々木秀之君
都市基盤部長荒井 俊之君
市街地整備部長選手村担当部長兼務山下 幸俊君
市街地建築部長青柳 一彦君
基地対策部長高原 俊幸君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務朝山  勉君
連絡調整担当部長土屋 太郎君
担当部長小口 新吾君
まちづくり推進担当部長山崎 弘人君
まちづくり調整担当部長木村 宣代君
住宅政策担当部長田中 敬三君
民間住宅施策推進担当部長栗谷川哲雄君
交通政策担当部長森  高志君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務新谷 景一君
防災都市づくり担当部長安部 文洋君
多摩ニュータウン事業担当部長松崎 浩一君
局務担当部長齊藤  敏君
耐震化推進担当部長青木 成昭君
経営改革担当部長八嶋 吉人君
再編利活用推進担当部長中山  衛君
建設推進担当部長妹尾 高行君
営繕担当部長村居 秀彦君
横田基地共用化推進担当部長宮城 俊弥君

本日の会議に付した事件
都市整備局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例
・土地の売払いについて
陳情の審査
(1)三〇第七号 日本橋でのまちづくり及び首都高速道路に関する陳情
(2)三〇第一一号 羽田増便に伴う都心上空縦断の新ルートの情報公開と都民の安全を求める陳情
(3)三〇第一七号 日本橋街区の高速道路地下化について公聴会開催を要求する陳情
(4)三〇第一八号 愛宕山周辺地区(Ⅰ地区)開発事業中止を求める陳情
(5)三〇第一九号の一 岸記念体育会館の移転・建て替えに関する陳情
報告事項
・築地再開発検討会議(第五回)について(説明)
・築地再開発検討会議(第六回)について(説明)
・築地再開発検討会議(第七回)について(説明)
・「築地まちづくりの大きな視点」について(説明)
・「震災時火災における避難場所等の指定(第八回)」の公表について(説明)
・平成二十九年度東京都一般会計予算の繰越しについて(説明・質疑)
・平成二十九年度東京都都営住宅等事業会計予算の繰越しについて(説明・質疑)
・平成二十九年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算の繰越しについて(説明・質疑)
・第二百二十二回東京都都市計画審議会付議予定案件について(説明・質疑)

○たきぐち委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は三十二名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○たきぐち委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議案法制課の担当書記の堀家隆寛君です。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○たきぐち委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、陳情の審査及び報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、提出予定案件及び報告事項の築地再開発検討会議(第五回)について外四件につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項の平成二十九年度東京都一般会計予算の繰り越しについて外三件につきましては、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、都市整備局長に佐藤伸朗君が就任されました。また、幹部職員に交代がありましたので、佐藤局長から挨拶並びに紹介があります。

○佐藤都市整備局長 四月一日付で都市整備局長を拝命いたしました佐藤伸朗でございます。技監を兼務しております。
 たきぐち委員長を初め委員の皆様方のお力添えをいただきながら、局事務事業の適切かつ円滑な運営を図るとともに、安全で快適な都市づくりを進め、一層の努力をいたす所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、去る四月一日付及び四月十六日付で異動のございました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 航空政策・交通基盤整備・交通政策担当理事の中島高志でございます。都市基盤部長の荒井俊之でございます。基地対策部長の高原俊幸でございます。企画担当部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務しております朝山勉でございます。特命担当部長の小口新吾でございます。交通政策担当部長の森高志でございます。航空政策担当部長で外かく環状道路担当部長を兼務しております新谷景一でございます。多摩ニュータウン事業担当部長の松崎浩一でございます。耐震化推進担当部長の青木成昭でございます。再編利活用推進担当部長の中山衛でございます。横田基地共用化推進担当部長の宮城俊弥でございます。
 なお、都営住宅経営部長に就任いたしました佐藤千佳は、所用のため、本日委員会を欠席させていただいております。次回にご紹介させていただく予定でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○たきぐち委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○たきぐち委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○佐藤都市整備局長 本日は、平成三十年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。提出予定案件は、条例案が一件、事件案が一件でございます。
 初めに、お手元の資料1、平成三十年第二回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例案でございます。
 千代田区及び新宿区の町の名称の変更等に伴い、日影規制の対象区域の表示を改めるものでございます。
 次に、事件案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、土地の売払いについてをごらんください。多摩ニュータウン事業の販売宅地として整備した財産を売り払うものでございます。
 私からの説明は以上でございます。
 引き続き、詳細な内容につきまして、総務部長よりご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○桜井総務部長 まず初めに、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成三十年第二回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
 三ページをお開き願います。まず、東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、改正の理由及び2、条例案の概要でございますが、千代田区及び新宿区における町の名称の変更等に伴い、日影規制の対象区域の表示を改めるものでございます。
 四ページには条例案文等を、五ページから六ページには新旧対照表を記載してございます。
 お手元の資料2、土地の売払いについてをごらんください。
 二ページの案内図をお開き願います。所在地は、東京都八王子市鑓水二丁目百八番一及び同番四の都有地でございます。
 本件地は、京王相模原線多摩境駅の北西側約一・五キロメートル、橋本駅の北側約一・七キロメートルに位置しております。
 恐れ入りますが、一ページに戻っていただきまして、三、土地の種類及び面積でございます。土地の種類は宅地、面積は十一万九千四百五十二・九〇平方メートルでございます。四、価格は七十二億一千万円でございます。
 以上で平成三十年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○たきぐち委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○たきぐち委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情三〇第七号及び陳情三〇第一七号は内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○荒井都市基盤部長 整理番号1、陳情三〇第七号及び整理番号3、陳情三〇第一七号について、一括してご説明いたします。
 お手元の資料3、請願・陳情審査説明表の一ページをごらんください。整理番号1、陳情三〇第七号、日本橋でのまちづくり及び首都高速道路に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情でございますが、中央区の株式会社黒江屋代表取締役、柏原孫左衛門さんからの陳情でございます。
 陳情の要旨でございますが、都において次のことを実施していただきたい。
 1、日本橋街区下での首都高速道路開通案の廃止、2、日本橋における市街地再開発事業の推進廃止というものでございます。
 日本橋周辺の案内図につきましては、恐れ入りますが、説明表の三ページをごらんください。
 一ページにお戻りいただきたいと存じます。現在の状況でございますが、平成十四年に国が策定した都市再生緊急整備地域の地域整備方針では、日本橋等において、老朽建築物の機能更新や土地の集約化等により、業務、商業機能等が適切に調和した複合機能集積地を形成していくこと、日本橋川再生の検討に合わせて、首都高速道路--以下、首都高といわせていただきます--のあり方を検討すること、日本橋川の沿川においては、水辺環境を生かした都市開発事業を促進すること等が位置づけられております。
 なお、平成二十年及び二十四年には当該地域整備方針が改定され、国際金融拠点機能の強化や都市防災機能の強化を図ることが位置づけられております。
 平成十八年に有識者で構成される日本橋川に空を取り戻す会が設立され、日本橋川に空を取り戻し、潤いと品格あふれる首都東京の再生に向けて検討がなされ、民間が先導してまちづくりを行い、公共は、これを受けて首都高の地下化を行うことが提案されております。
 次に、日本橋川沿いでは、地元組織によるまちづくり機運の高まりを受け、平成二十四年以降、複数の市街地再開発準備組合が設立され、平成二十八年には、このうち三つの取り組みが国家戦略特区の都市再生プロジェクトに追加されております。
 また、首都高速道路株式会社は、道路構造物を長期にわたって健全に保つため、首都高の更新作業を進め、平成二十六年に日本橋周辺を含めた首都高の大規模更新計画を策定しております。
 これらの動向を踏まえ、都は平成二十九年七月に、国及び首都高速道路株式会社と共同で、日本橋のまちづくりと連携して首都高の地下化に向けて取り組んでいくことを公表するとともに、平成二十九年九月に策定した都市づくりのグランドデザインにおいて、首都高の大規模更新と日本橋周辺のまちづくりが連携して、首都高の地下化や水辺のにぎわい創出などに取り組むことを位置づけております。
 続きまして、二ページをごらんください。平成二十九年十一月に、国、都、首都高速道路株式会社に地元である中央区を加え、日本橋周辺のまちづくりと連携して、首都高の地下化に向けて関係者で計画案について、これは線形や構造、対象区間などでございますが、検討する首都高日本橋地下化検討会を設置いたしまして、取り組みを進めております。
 また、平成三十年三月に、日本橋川沿いの都市再生プロジェクトの最初の取り組みとして、日本橋一丁目中地区において都市再生特別地区の都市計画が決定されております。
 続きまして、九ページをごらんください。整理番号3、陳情三〇第一七号、日本橋街区の高速道路地下化について公聴会開催を要求する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情でございますが、江戸川区の高野祐子さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、専門家を初め広く意見を求めるため、都議会において、日本橋街区の高速道路の地下化について、地方自治法第百十五条の二に基づき、公聴会を開催していただきたいというものでございます。
 日本橋周辺の案内図につきましては、恐れ入りますが、説明表の一一ページをごらんください。なお、先ほどの説明で用いた案内図と同様のものでございます。
 九ページにお戻りいただきたいと存じます。現在の状況でございますが、一部先ほどの説明と重複するところがありますが、順を追って説明したいと思います。
 平成十三年に設立された有識者等を構成員とする東京都心における首都高速道路のあり方委員会におきまして、東京都心における首都高の将来ビジョンとその実現のための諸方策が検討され、日本橋地区における首都高の再構築案が提案されております。
 次に、平成十八年には、有識者で構成される日本橋川に空を取り戻す会におきまして、民間が先導してまちづくりを行い、公共はこれを受けて首都高の地下化を行うことが提案されております。
 また、平成二十四年には、有識者等を構成員とする首都高速の再生に関する有識者会議が設立され、首都高の再生の基本的な方針や進め方が検討され、首都高都心環状線の高架橋を撤去し、地下化などを含めた再生を目指す旨が提案されております。
 そして、平成二十六年に首都高の大規模更新計画が策定されるとともに、平成二十八年には、日本橋周辺でのまちづくりの取り組みが国家戦略特区の都市再生プロジェクトへ追加されております。
 これらの動向等を踏まえ、平成二十九年七月に、国及び首都高速道路株式会社と共同で、首都高地下化に向けて取り組んでいくことを公表しております。
 続きまして、一〇ページをごらんください。平成二十九年十一月には首都高日本橋地下化検討会を設置し、取り組みを進めておりまして、検討会開催後には、議事概要及び会議資料を国土交通省ホームページで公開しております。
 今後、都市計画を定める際には、都市計画原案を説明する機会や都市計画案の縦覧を通して、都民の意見を広く聞いてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○たきぐち委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○森口委員 私からは、陳情三〇第七号につきまして四点質問をさせていただきます。
 まずは首都高速道路についてですが、建設から五十年以上が経過をし、橋梁部の腐食やひび割れが発生するなど、老朽化が進行しているわけであります。東日本大震災後の平成二十四年には、首都高速道路の将来の更新に当たり、国土交通省の有識者会議におきまして、都心環状線の高架橋を撤去し、地下化などを含めた再生を目指し、その具体化に向けた検討を進めるべきとの答申がされております。
 これまで、さまざまな議論がされてきた日本橋の首都高地下化でありますが、ここで改めて、地下化にはどのような意義があるのか、お伺いをいたします。

○荒井都市基盤部長 首都高速道路は、我が国の経済活動を支える重要な基盤施設でございます。しかしながら、近年老朽化が進行しており、平成二十六年に日本橋区間を含めて大規模更新計画が策定されております。
 また、日本橋を含む首都高都心環状線内側のエリアは、高次な都市機能が集積する首都東京の中心部であり、平成二十八年には、日本橋周辺で検討が進むまちづくりの取り組みが国家戦略特区の都市再生プロジェクトに追加されてございます。
 この機会を捉えて、昨年七月、都は、国、首都高速道路株式会社と共同で、日本橋周辺のまちづくりと連携して首都高の地下化に取り組むことといたしました。
 この取り組みによりまして、高速道路ネットワーク機能を将来にわたり維持するとともに、国際金融都市にふさわしい品格のある都市景観の形成や、歴史や文化、さらには貴重な水辺空間を生かした日本橋の顔づくり、沿道環境の改善など、さまざまな効果が期待されております。

○森口委員 今回の陳情にありますように、日本橋の環境が大きく変わることにつきましては、地域からさまざまな意見があるものと思われます。
 そこで、これまでの日本橋川沿いで進められている地元のまちづくり関係者から、首都高日本橋の地下化につきましてどのような意向が示されてきたのか、お伺いをいたします。

○荒井都市基盤部長 平成二十九年六月から七月にかけて、日本橋一丁目中地区など日本橋川沿いの四つの再開発準備組合から中央区宛てに要望書が提出され、首都高速道路の移設、撤去に向けた取り組みは、地元日本橋にとって長年の悲願であり、再開発事業の実現に合わせた首都高の地下化にできる限り協力を行うとの考えが表明されております。
 これらの地元まちづくりの意向を踏まえて、平成二十九年七月に、中央区から国及び都に対して、日本橋周辺で展開されている五地区の市街地再開発事業の合意形成や地下化への協力について、区として責任を持ち、全力で取り組むとの考えが示されるとともに、首都高地下化の推進を要望する旨の申し入れがなされております。

○森口委員 日本橋につきましては、一六〇三年、江戸幕府の開府の際に建造がされ、全国に通じる五街道の起点として、江戸の中心であり、日本の中心であったわけであります。
 日本橋に拠点を置く企業や商工業者が中心となり、日本橋にかつてのにぎわいを取り戻し、日本橋地域全体の活性化や再生を目標に、一九九九年より活動されている日本橋ルネッサンス委員会によりますと、日本橋地域は、日本の経済、金融、商業、物流、文化の中心地として、今日まで発展を遂げてきました。日本橋地域には、長年培われてきたまちの文化、地域のコミュニティ、歴史的な建造物など、数多くの資産が残されております。私たちは、これらの個性ある地域の資産を次の時代に継承し、経済の発展とともに失われた自然や環境をよみがえらせ、これらを将来に向け、新しいまちづくりの中で生かしながら、次世代に向けたまちをつくらなければなりません。
 日本橋の再生は、まずは日本橋の景観と水辺の美しさを取り戻すことから始まります。地元の悲願であった首都高撤去はその第一歩であり、今後は、十五年とも二十年ともいわれているこの撤去、地下化の工程のスピードアップに取り組んでいきたいとの発言をされております。
 次に、日本橋周辺の再開発についてですが、五地区におきまして市街地再開発準備組合が設立され、再開発に向けて地元と協議が重ねられているものと認識をしております。
 そこで、それぞれの組合に地権者がどの程度加入しているのか、お伺いをいたします。

○久保田都市づくり政策部長 平成三十年三月現在、各地区における土地所有者等の再開発準備組合への加入率につきましては、日本橋一丁目中地区は約八三%、八重洲一丁目北地区は約九三%、日本橋一丁目一、二番街区は約八〇%、日本橋一丁目東地区は約七四%、日本橋室町一丁目地区は約七九%と中央区から聞いてございます。

○森口委員 先日の五月二十二日に国土交通省、東京都、首都高速道路株式会社は、国の重要文化財、日本橋の上を走る首都高速道路に関する検討会を開き、神田橋ジャンクションから江戸橋ジャンクションまでの約一・八キロを地下化する具体的なルート案を公表しております。
 そこで、今後、日本橋周辺のまちづくりをどのように調整を進めるのか、お伺いをいたします。

○久保田都市づくり政策部長 地元のまちづくりを所管いたします中央区は、日本橋周辺で展開をされている五地区の市街地再開発事業の合意形成や地下化への協力について、全力で取り組むとしてございます。区は、再開発準備組合の理事会へ常時出席をしておりまして、首都高地下化とまちづくりとの調整を積極的に行っているところでございます。
 昨年度、国、都、首都高速道路株式会社に区も加えた首都高日本橋地下化検討会が設置されましたが、その検討状況につきましても、区から各再開発準備組合に対し適宜説明が行われております。
 今後は、第二回検討会で示されました線形案をもとに、区が各準備組合と具体的な調整を進めていくことになりますが、都も区を通じて地元の意見を把握しながら、国や首都高などの関係機関と調整してまいります。

○森口委員 国、東京都、首都高、そして中央区など関係機関におきましては、さまざまな地元の意見があるとは思いますが、それぞれが連携をしながら地元の意見を把握し、調整をしていただいていることが理解できました。引き続き安全・安心の観点、日本橋地域全体のにぎわいの観点、歴史や文化など日本橋らしさをどのように将来にわたって継承していくのか、また、経済的な合理性、災害時のライフラインの確保など、本事業の意義や効果について、多くの理解と協力が得られますよう努めていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○星見委員 私は、日本橋でのまちづくり及び首都高速道路に関する陳情と、日本橋街区の高速道路地下化について公聴会開催を要求する陳情について質疑をいたします。
 首都高速の都心環状線日本橋区間については、一九六三年に首都高速が高架で建設されて以来、地域からは、これを撤去してほしいという声、また運動が上がってきました。
 そこで、先ほど理事者の方からもご説明ありました、日本橋に青空を、日本橋川に光をの署名活動、これ二回で延べ四十四万二千人の署名を国会に提出しています。
 この請願趣旨と請願項目を東京都は把握しているでしょうか。把握しているのであれば、その内容をお聞きします。

○荒井都市基盤部長 平成二十七年九月と平成二十九年六月に、地元団体が中心となり、日本橋地域の上空を覆う首都高速道路の撤去または移設を求める請願が、総計四十四万二千人の署名を集めて国会に提出されたことは、報道等を通じて承知しております。

○星見委員 今、報道でということでしたので、その報道を聞いたという程度なんでしょうかと思います。
 この署名の趣旨なんですけれども、ちょっと抜粋して読み上げてみますと、大型車両を初めとする大量の通過交通が流入し、都心の交通環境を圧迫している現状を見詰め直し、社会経済活動を効果的に支える道路ネットワークを再考すべきときが来ている、私たちは、地域の歴史、文化を継承した潤いと活気のある都市づくりを目指し、日本橋上空はもとより、利用者の極めて少ない首都高速一号線上野線など、地域を分断する都心環状線を一部撤去し、日本橋の地に青空を取り戻すことを願います。これが請願の趣旨の主張している部分に書かれています。
 請願項目では二つありまして、簡潔でした。一つ目は、人が主人公となる交通環境の実現に向け、都心部の通過交通を抑制し得る交通体系の総合的見直しを図ること。二つ目、首都高速道路の補強やつくりかえのあり方を検討し、その撤去を含む抜本的な対応策を確立すること。これが、この四十四万二千人を含めた請願の二つの内容です。
 私、この内容というのは、高速道路で失われた人間らしい文化や自然、それから歴史を東京日本橋で復活させたいという願いが込められているんだと思うんです。特に、通過交通量を抑制することや、また、高速道路の撤去の呼びかけに多くの都民の共感が得られた結果が、四十四万二千という、こうした重たい数字になったのではないかと思います。
 私、陳情審査のために改めて日本橋の上に行って、そこから地域を歩いてきました。この署名に取り組んだという女性は、日本橋の空を取り戻すのと同時に、都心の高速道路を減らして、人間らしい地域を一緒に取り戻したかった、そして、昨年七月に国と都が同時に首都高速道路日本橋間の地下化を発表したのを知り、それは違うとがっかりしたと話していました。
 四十四万二千人の署名は、ここに書かれている、今読み上げたとおりなんですけれども、首都高の撤去などを行って、交通よりも、人間らしい地域、歴史や、そして文化や、そこで行われている商いが生きる地域を復活させたいというものがその主眼であって、地下化を求めて集まったというふうに歪曲することはできないのではないかと思いまして、東京都がぜひこの点を認識し直していただくことが重要かなと思っています。
 そして、陳情者も、日本橋に空を取り戻そうと活動している方でした。日本橋街区下での首都高速道路の開通案、これ要するに地下化案を指しているんですけれども、これは五十五年前と同様に東京に宿題を残すものではないかと、廃止することを求めています。
 そもそも地下化案は、いつから東京都の案になったのかをお聞きしたいと思います。
 二〇一六年五月、東京都は国に、東京都都市再生プロジェクトについて、これを提出し、承認されています。このときに、日本橋をめぐって舛添前知事が、地下化となると膨大な予算がかかるが、長期的な課題としてやりたいと述べ、国などと議論することを示唆したとの報道があります。この後、都としてどのような経緯で議論が行われてきたのかをまずお聞きします。

○荒井都市基盤部長 お話の報道は、平成二十八年五月の第十一回東京圏国家戦略特別区域会議の際の舛添前知事の発言だと認識しております。この時点では、長期的な課題としてといっているように、長期的な課題として捉えており、特段の調整等は行っておりません。

○星見委員 そうしますと、昨年の二〇一七年七月二十一日付で、国交省と都市整備局、東京都は同時に、日本橋周辺のまちづくりと連携し、首都高速道路の地下化に向けて取り組みます、こういう文書を発表しているんですけれども、この経緯がよくわかりません。
 国、東京都、首都高速株式会社が共同で地下化を進めようと、いつから協議を開始していたのかを伺います。

○荒井都市基盤部長 中央区が東京都に対して、区が作成した地下化案について地元が協力する意向がある旨を説明したことを受けて、昨年春ごろから、国と地下化に向けて取り組む旨を共同で公表する事務調整を始めたところでございます。

○星見委員 すると、協議は誰の提案で始まったのでしょうか。

○荒井都市基盤部長 中央区からの説明を受けまして、国と東京都で地下化に向けて取り組む旨を共同で公表する旨を、事務調整を開始したということでございます。共同で、でございます。

○星見委員 七月二十一日、発表されたんですけれども、協議は何回ぐらい行われて、都からは誰が出席していたのでしょうか。

○荒井都市基盤部長 平成二十九年七月のプレス発表に向けまして、同年春ごろからなんですが、さまざまなレベルで随時調整を行ってきておりました。

○星見委員 今、中央区の意向を受けてというのと、昨年春ころからというのはわかったんですけれども、東京都が受けているわけで、国にもいっていますが、東京都が地元自治体ということで受けているというふうに考えると、東京都から地下化を提案して、国と協議を進めてきたというのが経緯なのかなというふうに、今の流れからいうと整理されるかと思います。
 陳情者は、第一に税金の問題があるとして、地下化に使われる建設費用問題を指摘しています。
 そこで、国交省は七月二十一日の記者会見で、事業費の総見込みはと聞かれ、コスト削減、それから首都高速料金を上げることは想定していないなど、踏み込んだ答えをしています。五月二十二日の第二回検討会議、国と東京都と首都高の検討会議の資料では、ことしの夏ごろ、事業費については概算としてスケジュールが載っていますが、報道などでは数千億から一兆円などという、さまざまな数が飛んでいる状態です。
 それで、七月二十一日の記者会見までに、地下化に伴うこの多額の整備費についてはどのように議論されてきたのでしょうか。また、多額になる予想の中で、それでも整備する結論に至った理由というのは何なんでしょうか、お願いします。

○荒井都市基盤部長 平成二十九年七月二十一日に、日本橋周辺のまちづくりと連携して、首都高の地下化に向けて取り組んでいくことを公表したものでございます。
 概算事業費につきましては、ルートや構造の検討を経て算出するものでありまして、今回五月に、対象区間、地下ルート案を出しましたが、それをもとに今後詳細な検討を進める中で精査してまいります。

○星見委員 報道でも、それから以前に何回かさまざまな検討がされている中で、五千億という額が出たことがあります。それで、多額な費用がかかるという場合、整備を断念するという選択肢もあったかと思うんですけれども、七月二十一日時点では、そのような選択肢も残されていたんでしょうか、お聞きします。

○荒井都市基盤部長 先ほど述べたとおり、平成二十九年七月二十一日には、日本橋周辺のまちづくりと連携して、首都高の地下化に向けて取り組んでいくことを公表したものでございまして、概算事業費の検討はこれからでございます。

○星見委員 今お答えを聞いていると、どういう費用がかかるのか、どうなるのかということがまともに検討されないまま、七月二十一日に至ったというような印象を受けます。
 それで、都心環状線の日本橋区間は、平成二十六年六月に作成されました首都高株式会社の首都高速道路の更新計画について、これで大規模更新を行うと位置づけられています。これは、高架のままでの大規模更新の予算になっていると思いますが、地下化ルートに変更した場合、この大規模更新という位置づけはどうなるでしょうか。

○荒井都市基盤部長 高架構造から地下構造に構造形式が変わりましても、老朽化した高速道路を大規模に更新する必要があるということには変わりはないと考えております。
 また、地下化する場合の事業スキームにつきましては、今後検討していくこととしております。

○星見委員 この首都高速道路の大規模更新を含めた事業の変更については、都議会で議決され、日本橋区間の事業費は一千四百十二億円となっています。地下化の場合は費用負担についての考え方、どう変わるのかをお聞きします。

○荒井都市基盤部長 先ほど申し上げたとおり、概算事業費、それから事業スキームにつきましては、今後検討してまいります。

○星見委員 日本橋区間が地下化される場合も、基本的には、現行ルールの整備ですと大規模更新であると。大規模更新であれば、首都高株式会社の負担と考えられます。しかし、答弁では、今後、スキームも財政負担も考えていきますというふうになってきます。
 都議会が承認している大規模更新の費用は、先ほどいいましたように一千四百十二億円しかありませんから、これだけではどうあがいても地下化の費用は捻出できないとなってくるわけです。
 この日本橋区間が地下化に変更された場合、報道では、国と東京都の負担割合がこれから議論になるとされています。
 東京都が費用負担する可能性はありますか。その場合は、その根拠はどこにあるんでしょうか。

○荒井都市基盤部長 先ほどから申し上げているとおり、概算事業費、それから事業スキームは今後検討していくこととしておりまして、現段階ではお答えできません。

○星見委員 もう一つ、同じく費用負担問題では、これまでのいろいろな提案の経緯からだと思いますが、民間からの費用負担という部分も報道されています。民間に費用負担を求める可能性はあるのでしょうか。その場合、民間はどこを指すのかもお聞きします。お願いします。

○久保田都市づくり政策部長 首都高地下化につきましては、日本橋周辺のまちづくりと連携して取り組むこととしてございます。
 首都高地下化の概算事業費や事業スキーム等については、今後検討してまいります。

○星見委員 今いろいろお聞きした、この陳情者が税金の使い方の問題という、第一に書かれている部分なんですが、非常にわからない、一体これから何がどうこの費用として出てくるかわからない事態だというふうに思います。
 今回の日本橋区間は一千二百メートル、一・二キロ程度だといわれているわけですけれども、これに一体五千億から--わかりませんけれども、どのぐらいかかるのか、出ている数もはっきりしません。報道では数千億といういい方をされていますが、これまで首都高でかかってきた一メートル当たりの単価としては、べらぼうなものになるという認識が全体の中に広がっています。
 そういう中でなんですけれども、首都高と東京都が共同で進めた首都高速品川線の総事業費と東京都の負担割合は幾らなのかをお聞きします。これは、私、目黒区出身の都議会議員なので、地元で行われました東京都の事業になっていますので、参考までにお聞きしたいと思います。

○荒井都市基盤部長 中央環状品川線は、東京都と首都高速道路株式会社が共同で平成十八年に都市計画事業の認可を取得し、平成二十七年三月に開通いたしました。
 総事業費は約三千百億円であり、二本のトンネルのうち、一本を東京都が街路事業として約千四百億円で実施したものでございます。

○星見委員 この首都高品川線は、本来東京都が行う事業ではありませんでした。早期着工を目指すとして、東京都がみずから名乗りを上げて、東京都の事業として進めてきたものです。
 今お話を伺いまして、この結果、事業費の四五%以上、千四百億円もの負担を東京都が行ったという結果になっています。今回の品川線のこの例を見ると、どれだけかかるかわからないこの地下化の費用なんですけれども、一体、東京都がどういうかかわりをするつもりでいるのかが、財政面では全くわからない中で、国、東京都、そして道路事業をやっている首都高株式会社と、共同で地下化だけはやりますというだけが先に発表されてきているということが、やっぱり都民にとっても大きな疑問な点ではないかと思うんです。
 日本橋間を地下化した場合は、これまでの報道などから考えると、さらに膨大な税金投入が発生する危険があるのではないかというふうに思います。
 都民に相談もなく巨額の税金投入をすることは、絶対に許されないということを申し述べておきます。
 次は、地下化の工事について伺います。
 日本橋川の地下周辺には、東京メトロ半蔵門線など三つの地下鉄線が走り、そのほかに上下水道や東京電力の坑道、多数の埋設配管等々が埋まっているということで、非常に、ここを縫うように走ることの難しさが一つは指摘されていました。
 それともう一つ、日本橋の地盤は、国土地理院の地形分類図では、砂州あるいは砂れき州というようなものになっていまして、海から来た砂が蓄積してできた地層になっていると。ここを、川底を上に見ながら含水層を蛇行して進む極めて難しい工事になるとの報道も出ていました。
 地下ルート案を検討した五月の第二回検討会には、東京都からは佐藤都市整備局長が参加されていますけれども、この工事の難易度については、東京都はどのように認識しているんでしょうか。

○荒井都市基盤部長 首都高日本橋の地下化に当たりましては、さまざまな地下埋設物、さらには日本橋川への影響や周辺のまちづくりとの調整等、技術的な課題がございます。
 これまで国、都、首都高、中央区をメンバーとした首都高日本橋地下化検討会で、地下化の区間や技術的に可能なルート案について検討を行ってまいりました。
 高度に都市化した既存市街地のトンネル工事でありますが、委員おっしゃるように、周辺に既に半蔵門線とかそういった地下鉄も掘られております。関係者が連携を図り、首都高の地下化に向けて取り組んでまいります。

○星見委員 関係者の連携はかなり大変なことになるかなというのと、実際にそれだけのさまざまな埋設物、そして地層の問題など、難しいんだろうというふうには思います。地下化の記者会見でも、針の穴に糸を通すようだというお話がありました。
 工事の安全性や工事の手法にも、課題が山積みされているのではないかと心配されます。
 そして、次にもう一つ、道路の形状についてです。首都高速の大規模改修の対象にされたこの日本橋区間が指定されたのは、一つは、この先のところで渋滞ができるということも含めて、事故の減少をどう進めるかというのが、その一つの理由でした。
 今回のこの道路の形状ですけれども、距離は一・二キロ、この中で、深い短距離で下りで勾配で入っていって、これをS字に曲がって、またきつい勾配で上がっていくという状況になっています。
 これが一体、運転の安全上から考えるとどうなのかと、問題はないのかという部分について危惧がありますが、その点はいかがですか。

○荒井都市基盤部長 第二回地下化検討会で示された地下化ルート案は、道路構造令などの法令、技術基準に適合する構造となっており、道路構造上の安全は満たされております。
 今後、具体的な検討を進める中で交通管理者との調整を進めていき、より安全で快適な道路となるよう取り組んでいきます。
 また、周辺のジャンクション、分合流によって事故が多発するという話もございましたが、今回の地下化ルート案につきましては、江戸橋ジャンクションとの分合流路をなくすこととしておりまして、交通への影響は低減するものと考えております。

○星見委員 地下ルート案を見ますと、高架から地下への高低差が三十メートルを超える、ちょっとこれ正確じゃないので、三十メートルなのか四十メートルなのか、それが一・二キロという狭い区間の中で高低差があるという、一つはその問題があります。
 そして、下り坂のまま地下に入っていって、斜面のままS字カーブを曲がって、また上がるか下がるかするという構造に、とりあえず、出されたものについてはなっています。
 私、タクシーの運転手さんに、この形状での運転について意見をもらいました。首都高ではカーブする箇所が多々あり、車体が斜めになるところであるとか、それから渋滞ができやすいところなどは、やっぱり緊張するというお話をしていました。地下で急斜面を上りおりしながらS字でカーブする、それもトンネルの中だということを想定すると、かなり緊張するというのが運転手さんのお答えでした。それから、こういう形状だと、ジャンクションじゃなくても当然渋滞しやすくなるのではないかという、そういうご意見でした。
 これは、一人の運転手さんのご意見でありますけれども、運転の安全向上と渋滞解消を目指して本来行う大規模改修なんですけれども、この形状自身、この大きな目的との関係でも、構造自身にも無理があるのではないかというふうに私は思います。
 もう一つお聞きしたいのが、陳情者のところからでは、街区の工事と一体で地下化も進めていくというくだりの中で、工事がどのぐらいかかるかによって、まちづくりも大きく影響を受けるという話が出てきます。
 そういう意味では、地下化の工事は、二〇二〇年オリンピック終了後からの見込みですというのが記者会見でいわれておりますけれども、完成まではどのぐらいの年数を想定されているんでしょうか。

○荒井都市基盤部長 まず、先ほど来の道路の構造についてでございますが、先ほど述べたとおり、道路構造令など最新の法令に基づきまして、安全性を確保した構造としております。
 それから、工事期間につきましては、現在未定でございます。

○星見委員 その道路構造令でいうと、首都高は大体、傾斜六%ぐらいが最高になるんじゃないかとは思うんですけれども、六%で例えばこれもし入っていって、それで斜面上でS字に、S字にカーブするときの真上は日本橋の橋だとちょっとお聞きしましたけれども、S字でカーブをして、また六%程度でもし上がるような道路になってしまったら、これは大変なことだと思います。そうならないように多分、構造計算等々していくのかもしれませんけれども、どちらにしても斜面で下りながら入り、また下りながら上がっていくという、これが一体、首都高速道路の運転手さんにとってストレスにならない道路なのかというと、私は、運転手さんがおっしゃったように、かなりのストレスになる道路じゃないかなと思います。
 それとあわせて、今、見込み、どこまでかかるのかというのはまだわからないということでした。地下ルートを完成するまでは、現在の首都高の高架の部分は残すことになると思うんですね。これが十年先なのか二十年先なのか、地下ルートが開通しない限りは、現状、日本橋の上の、すぐ頭上にある高架の首都高はなくならないというふうになっていると思うんです。
 そうすると、現在、大規模更新が必要だといわれている、この高架されている首都高の真上の部分についての老朽化と、また交通安全対策はどうするつもりなのか、それからその費用、どの程度を推測されるのか、それもお願いいたします。

○荒井都市基盤部長 一般的に、首都高の大規模更新工事ですが、事業年数が十年以上に及ぶ箇所が多くなってございます。更新工事期間中の既存施設の保全や安全対策につきましては、首都高速道路株式会社が適切に維持管理していくと聞いております。
 また、その費用につきましては、大規模更新区間のみならず、首都高の路線全体でやっている維持管理の一環でございますから、個別区間の算出は行っていないとのことでございます。

○星見委員 この年数がまだわからず、費用も幾らかかるかもわからず、そして四十四万二千人が出した橋の上の首都高を撤去してほしいという願いは、十年先か二十年先か、この地下化が完成しないと実現できないというのが、今だんだんわかってきました。
 それで、もう一つ陳情者から出ているのは、まちづくりの問題です。
 東京都は、国から都市再生緊急整備地域の地域整備方針への意見照会で、大都市における環境の再生のモデルとして日本橋川の再生を検討、この際、あわせて首都高速道路のあり方を検討する。これは国家戦略特区の問題を含めての国からの問い合わせなんですが、これについてはどのように回答されているんでしょうか。

○久保田都市づくり政策部長 当初の地域整備方針の決定がなされましたのは平成十四年の七月でございます。当時の資料は文書保存年限を過ぎておりまして、記録は残ってございません。どのような回答をしたかは不明でございます。

○星見委員 日本橋の周辺をどういうまちにしていくかということが、ここから動き始めていくわけですけれども、国からは緊急整備地域に指定をされ、そして先ほどもちょっと舛添前知事のところで出てきました二〇一六年には、今度は都が国に、国家戦略特区として都市再生プロジェクトを提出し、この中で、日本橋については金融軸を支える多様な機能の集積、こういう地域にするということが出されています。それが今の、この陳情者の中からも出ています日本橋における市街地再開発事業の推進問題にかかわってくるわけです。
 先ほどご説明でも、今五つの準備組合が動いていて、ここに超高層を含めた、川沿いにビルが建ち並んでいくという計画が進んでいます。都市計画決定では一カ所が指定されているという段階になっています。
 この陳情者は、第二の柱のところで、日本橋の商業が失われようとしている、街区下の工事には十年以上かかるといわれている、実際ボストンでは、高速道路の地下化に着工時から完成まで十五年かかっていたと。江戸時代より商業の中心であった日本橋に百年以上続く老舗が多くあるが、十年間この地で商売ができない場合、かわる地で商売をしなければならず、日本橋の商業は失われていくという、江戸時代から続き、そしてこの地元でまちづくりをやってきた人からの、こういう声が届いているのが今度の陳情だと思います。
 この陳情の一番最後のところには--今、何を回答したか、もう文書がないのでわからないというふうにありましたけれども、国から出された都市再生緊急地域の指定が、国から、上からかぶせられ、そして東京都がこれを受けた形で、金融軸を中心にした、要するに東京駅から日本橋、そして大手町、これを、一帯全部を金融としてつながるまちづくりに変えるんだという方針になっているわけです。こうした国や都の主導ではなくというふうに最後のところで書かれています。ぜひ地元民間に日本橋らしいまちづくりを任せていただきたいという声が出ている。私は、積極的な声だと思うんです。
 そういうふうに考えますと、私、今回日本橋を歩いてみて、地域の中にはたくさんのいろんな意見があるなと思いました。その中で大方の方が一致しているのが、早く日本橋上空の首都高速を外してほしいというご意見です。
 しかし、地下化計画が発表になり、この先二十年ぐらいまで、地下化が完成するまでは、先ほども話したように現行の高架を使い続けることになり、空は戻ってきません。
 そして、ある方は、一番早く外せるのは、この区間の首都高速を廃止することだということをいっていました。確かに、そうすると地下化の費用も要りませんし、もともとの請願趣旨にありましたように、この地域への交通の流入をしっかりと抑制することによって、首都高自身を縮小させていくという、そこに人間らしい地域や、江戸からの文化や営みをつくり直してほしいという、こういう声も地域の中にはたくさんあるんだなというのを実感しています。
 そして、もう一方の陳情の方で出していただきました内容についてもお聞きしたいと思います。
 この首都高の日本橋区間の地下化については、先ほどのご説明でも、東京都は、都市計画を定める際には、都市計画原案を説明する機会や縦覧を通して都民の意見を幅広く聞く、そういうふうにしています。
 その前に、原案になる前に都民や関係者の幅広い意見を聞いて、それを反映させるという工夫、検討をすべきじゃないかと思うんですけれども、その見解を伺います。

○荒井都市基盤部長 首都高の日本橋区間の地下化につきましては、これまでさまざまな委員会等で有識者による議論、検討が行われてきております。
 現在進められている検討会では、これらの有識者による検討経緯も踏まえて、地下化の検討に取り組んでいるところでございます。
 また、国交省と首都高、中央区との検討会の内容につきましても、検討会開催後に議事概要及び会議資料を公開しているところでございます。
 今後、都市計画を定める際には、一般的な都市計画と同様に、都市計画原案を説明する機会や都市計画案の縦覧を通じて、都民の意見を広く聞いてまいります。

○星見委員 今、有識者の皆さんなどから何度も意見を寄せられてまいりましたっていいますけれども、東京都が、先ほどのお話ですと、地下化で国と相談をし始めたのは去年の春からだということですよ、まだ。このまま都市計画を、通常の都市計画決定の手続だけで進めていくというのは、今、私、質疑しただけでもいろいろな課題がある。東京都民はそれを知らないまま都市計画が進み、そして意見聴取だけされ、進んでいく。これは、やっぱり都民は本当に、今、都民ファーストという言葉がこの東京都のスローガンになっていますけれども、違うんじゃないかなというふうに思います。
 また、きょうご参加の会派の皆さんにも、陳情で出していただきました、この地方自治法第百十五条の二、都議会がみずから公聴会を開いて、案件について、審査しながら深めていく、そして結論を出していくというのは、私はまさに、都議会自身が行政をチェックする役割を発揮するという意味でも非常に重要な立場であり、大切な場になるのではないかと思います。
 ぜひ本陳情二件については、各会派の皆さんにも趣旨採択を求めて、私の質疑を終わります。

○たきぐち委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情三〇第七号を起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○たきぐち委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第七号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情三〇第一七号を起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○たきぐち委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第一七号は不採択と決定いたしました。

○たきぐち委員長 次に、陳情三〇第一一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 整理番号2、陳情三〇第一一号についてご説明いたします。
 お手元の請願・陳情審査説明表の五ページをごらんください。整理番号2、陳情三〇第一一号、羽田増便に伴う都心上空縦断の新ルートの情報公開と都民の安全を求める陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情でございますが、新宿区の羽田増便に伴う都心上空縦断ルートの影響を考える都民の会代表の行成恵美子さん外千百六十七名からの陳情でございます。
 陳情の趣旨でございますが、東京都は、国、国土交通省に対し、羽田空港の国際線増便計画について、以下の点を示し、慎重な計画策定と都民への説明責任を果たすよう働きかけてください。
 1、落下物対策と事故が起きた場合の責任体制、2、騒音の影響を明らかにすることとその対策、3、飛行機の着陸間隔が狭まることへの安全対策、4、着陸時の管制官指示が二度の切りかえを要することでのパイロットの負担の影響というものでございます。
 説明表の七ページに、国が提案している飛行経路案を添付しておりますので、あわせてごらんください。
 五ページに戻りまして、説明を続けさせていただきます。現在の状況でございますが、東京の国際競争力の強化に向け、東京二〇二〇大会やその後の航空需要に応え、国際便の就航をふやしていくためには、羽田空港の容量拡大は不可欠でございます。
 現在の飛行経路は、陸域での騒音影響を可能な限り軽減する観点から、東京湾を最大限に活用して設定されておりますが、現行の運用では空港容量の拡大に限界があるため、国は、学識経験者の検討に基づき、さまざまなケースを技術的に検証した結果、国際線の需要が集中する時間帯に限った飛行経路の見直しを提案いたしました。
 国の提案に対し、都は、地元への丁寧な情報提供と騒音影響を軽減する方策の検討や徹底した安全管理に取り組むことを要請してまいりました。
 これを受けて、国は、特設ホームページや日刊紙への広告掲載などに加え、平成二十七年七月から三十年二月までの間、四期にわたり、羽田空港機能強化に関するオープンハウス型の住民説明会を開催し、職員がマンツーマンで対応するなど、きめ細やかな情報提供を行っており、今後も継続的に実施する予定でございます。
 また、落下物対策につきまして、国は、航空機をチェックする新たな体制の構築や、落下物の原因者である航空会社に対する処分の仕組みづくりなどを進めており、新飛行経路の運用開始までに実施するとしております。
 加えて、最近の落下物事案を踏まえ、外国航空会社を含む全ての航空会社から部品欠落の報告を求める運用を昨年十一月から開始しております。
 さらに、改良型部品への交換の義務づけなど、落下物防止に特化した対策基準案を本年三月に取りまとめております。
 また、万が一、落下物による被害が発生した場合に備えまして、原因者が全く特定できない場合にも補償される制度の創設を検討するなど、補償の充実にも取り組んでいるところでございます。
 騒音の影響につきましても、国は、説明会などで新たな飛行経路での航空機の機種ごと、高さごとの音の推計値などを明らかにするとともに、音の聞こえ方を体験できるようにしております。
 また、国は、騒音影響の軽減方策として、国際線の着陸料を見直し、騒音の要素を加味した新たな料金体系を昨年四月から導入し、より静かな機体の使用を促すとともに、飛行高度の引き上げを予定しております。
 さらに、都の要請を受けて、今年度から、防音工事に対する補助制度について、騒音発生時間数などの要件を緩和することで、これまで対象にならなかった飛行経路周辺の学校、病院などに補助できるようにするとともに、小規模保育施設などを新たに対象に追加しております。
 航空機の離着陸の安全性の確保につきまして、国際民間航空機関が航空機同士の間隔や飛行経路の角度に関する世界共通のルールを定めております。国は、新飛行経路の運用につきましても、このルールに基づきながら定めていくことから、安全上の問題はないとしております。
 国は、羽田空港の新飛行経路により航空機が横田空域を通過する際の管制の具体的な運用方法につきまして、安全性確保を優先する観点から、現在、米軍と調整中でございます。
 都は、引き続き国に対し、都民の理解が深まるよう、関係自治体の意見も聞きながら地元への丁寧な情報提供を行うとともに、騒音影響の軽減や徹底した安全管理に取り組むことを要請してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○たきぐち委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○森澤委員 今回の陳情において、慎重な計画策定と都民への説明責任という点が上がっております。説明責任というところで、二点ほど質問をさせていただきます。
 先ほども説明にありましたけれども、これまで四期にわたり、羽田空港機能強化に関するオープンハウス型の住民説明会を開催されていることは認識をしております。二月の委員会でも私から、オープンハウス型の住民説明会についても、より多くの人が参加しやすい場所を設定し、複数日連続して開催するなど、説明会のあり方や周知の方法についての改善をぜひ国に求めていただきたいということを要望させていただきました。
 ですが、現状、羽田空港機能強化における地域の影響について、国による情報提供の機会がまだまだ少ないと感じるところであります。正確な一次情報に触れる機会が少ない中では、例えば一部の偏った情報や誤った認識が広がって、課題を正確に把握できないおそれもあると懸念しております。
 この課題を考える中で、地域の皆様が正確な一次情報を持つことが非常に重要だと考えるわけです。正確な情報のもとで、課題をしっかりと考えられるようしていくべきだと考えます。
 オープンハウス型は、今後継続的に実施していく予定であるということですが、もっと日常的に区民、都民に正しい情報がリーチするよう、国は努力していくべきだと考えますし、人が集まる場所を含め、積極的に広報、情報発信をしていくべきだと考えますが、都の認識を伺います。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 羽田空港機能強化に関しまして、国はこれまで、一人一人にきめ細やかな情報提供や丁寧な意見聴取が可能なオープンハウス型の住民説明会を都内で延べ九十六日開催し、約一万四千人の方々がご来場しております。国は、ご来場した皆様方からさまざまな意見やご要望を伺ってきております。
 さらに、関係自治体と相談の上、よりきめ細かい情報提供やご意見、ご質問などを把握する必要がある場合に、オープンハウス型説明会を補完するものとして、個別に情報提供を行い、話を伺う場を設けております。
 加えまして、移動式の情報発信拠点を昨年七月から本年二月にかけて、都庁を初め都内十カ所でそれぞれ数日間設け、約三千八百人の方々がご来場しておりまして、映像による羽田空港の機能強化の紹介や音響装置による航空機の音の体感など、積極的に周知活動を行っております。
 都は、できる限り多くの都民の理解を深められるよう、今年度も国に対し、これらの取り組みの拡大を求めるとともに、国による情報提供に協力し、羽田空港機能強化の実現に向けて取り組んでまいります。

○森澤委員 今、個別に情報提供を行い、話を伺う場を設けたり、移動式の情報発信拠点を設けているということでしたが、これからまた取り組みの拡大を求めるということですので、ぜひ都民、区民の方の理解が深まるよう進めていただきたいというふうに思います。
 そういった中で、不安を多く持たれるような子育て世代に対しても、しっかりと正しい情報を伝えていくべきだと考えております。
 私も毎日、保育園、幼稚園への送迎をしておりますが、保育園、幼稚園など、エントランスや受付にチラシがあったりポスターがあると、そういったところは非常に目につくわけです。そういった形で、子育て世代にもしっかり情報を伝えていくべきだと思いますけれども、都の認識を伺います。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は、オープンハウス型の説明会や、それを補完する個別の情報提供の場などにおきまして情報提供を行うとともに、ご来場していただいた方々からさまざまなご意見やご要望を伺ってきておりまして、この中では、羽田空港機能強化に関し、まだ知らない住民が多いとの意見もございました。
 昨年からは、新たに移動式の情報発信拠点を設けておりまして、ご家族でご来場された方も見受けられましたが、今後とも、子育て世代を含めた多様な世代の方々に適切に情報が伝わりますよう、ご提案のチラシの配布などを含め、より丁寧な周知、広報を国に働きかけてまいります。

○森澤委員 やはりまだ知らない住民が多くいるということも認識されているということですので、ぜひ正しい情報を、子育て世代含め、あらゆる世代の方に適切な情報が行き渡って、正しい課題認識の中で、この問題、課題について議論ができるような場をつくっていただければと思います。
 二月の委員会でも申し上げましたけれども、羽田空港の機能強化、増便のために、地域の住民の方の安全・安心が置き去りになることがあってはなりません。
 引き続き、関係する区民、都民の声を丁寧に聞き、不安が解消されるよう取り組んでいただくことを強く求めて、質問を終わります。

○神林委員 私からは、都議会自由民主党として意見表明を行います。
 本陳情につきましては、直近でも平成二十九年第二回定例会での陳情と請願の二件、平成三十年第一回定例会での請願など、過去三回以上にわたって同趣旨の請願陳情が提出されております。
 我が党といたしましては、これからの航空機の必要性とともに、従来より騒音対策や落下物対策、地元住民への情報提供や説明などに万全を期すことを強く要望してきており、東京都としても、それに応えて現在取り組みが進められ、一定の成果も出てきております。
 したがって、東京都では、今後とも引き続き住民の不安が払拭されるよう、こうした取り組みを全力をもって進めていくことを改めて要望しておきます。
 以上です。

○白石委員 私からも、羽田増便に伴う都心上空縦断ルートの影響を考える都民の会代表、行成恵美子さん外千百六十七人の方から提出された、羽田増便に伴う都心上空縦断の新ルートの情報公開と都民の安全を求める陳情について質問させていただきます。
 まず、そもそもこれまでの羽田空港の機能強化というのは、空港と地域がともに共存していくために、地域住民の負担軽減策を講じながら取り組まれてきました。
 例えば沖合展開事業では、飛行機を内陸に飛ばさないように沖合に滑走路を展開することで、東京湾を最大限活用したルート、つまり海から入り海から出るという現在の飛行経路が確立をされました。
 しかし、現行ルートの低空直下に位置する大田区、江戸川区、江東区の地域住民は、現在も航空機騒音などに悩まされ、その負担は決して軽くありません。その負担をいかにして取り除くのかということこそ、現在、国や、そして政治が本来やる仕事ではないかと、改めて指摘したいと思います。
 ところが、国が提案した羽田新飛行ルート計画は、これまで低空で飛ばなかった新宿区、目黒区、渋谷区、港区など十三区が新たに飛行ルート直下となり、二十三区中十六区の上空を低空で飛行する計画となっております。
 新着陸ルートでは、都庁上空で九百メーター、渋谷スクランブル交差点付近では、スカイツリーよりも低い六百メーターまで高度を下げ、私の地元品川区の大井町駅では、東京タワーよりも低い三百メーターと超低空飛行となります。その上、朝の山手線のラッシュ時よりも多い一分二十秒に一機が最大で飛行するという計画になっております。
 国の提案は、これまで原則飛行しないとしてきた都心上空の低空飛行を解禁するものであり、貫かれてきた住民の負担軽減の原則やルールを覆す、これまでの考え方を百八十度転換させる計画であると、これも強く指摘させていただきたいと思います。
 都民に甚大な影響を及ぼす羽田新ルート計画に対して、これまで七千七百四十二人の都民の方々が計六度、請願陳情、提出をされております。とりわけ、騒音や大気汚染などによる生活環境への影響や、落下物や墜落事故など都民の命にかかわる問題について、ますます現在広がっております。
 そこで、まず初めに伺いたいと思いますが、昨年十一月から国交省は、全国の国際線の就航が多い七空港で部品脱落の報告を求める運用を開始されております。そこで、ことし五月までに報告された件数を伺いたいと思います。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 部品脱落の報告の運用を開始いたしました昨年十一月九日から本年五月三十一日までの間の報告件数につきましては、七空港合わせて二百十九件でございます。
 なお、昨年十一月から開始されているこの運用は、外国航空会社を加えた全ての航空会社から報告を求めているとともに、それまでの重さや面積などの要件を外した全ての航空機部品が対象となってございます。

○白石委員 二百十九件ということです。
 国交省は、二〇〇九年から二〇一六年の八年間で四百五十一件の部品脱落があったと調査報告結果が出されています。今回、国交省が新たに調査をして明らかになった部品脱落件数は、さきの四百五十一件とカウントの仕方は違いますが、単純に比較することはできませんけれども、約七カ月間で二百十九件もの部品が脱落していたということになります。
 いうまでもなく、部品や氷の塊などが航空機から落下すれば、重大な事故へと発展します。例えば昨年九月に大阪市の中心部で、オランダ航空機から約四・三キログラムのパネルが脱落して、京阪国道を走行中の自動車に衝突するという事故が起こっております。マスコミでも繰り返し報道がされ、毎日新聞の報道では、飛行ルートと落下現場が水平距離で三キロ以上離れていたと、このような報道もされております。
 また、ことし一月には、最も機体の整備が丁寧にされているはずの政府専用機からパネルが脱落していたことも明らかとなっています。
 先月の五月二十四日にも、熊本で日航機の部品が落下する重大な事故が発生をしております。機体のエンジンを包むケースに亀裂があり、空港から七キロの病院のガラスが割れ、少なくとも十カ所に金属片が見つかったと、このような報道もされています。
 つまり、落下物が万が一でもあれば重大な事故につながるということは、これまでの落下物の事故を見れば明らかだと思います。
 そこで、伺いたいと思いますが、国交省の調査で七カ月間で二百十九件明らかになりました。この部品脱落の件数を都はどのように受けとめているのか伺いたいと思います。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 今回の報告件数は、外国航空会社が対象になるとともに、それまでの重さや面積などの要件を外し、全ての航空機部品を対象としたものでありますので、過去の件数と比較することは難しいと考えております。
 都といたしましては、落下物ゼロを目指し、引き続き国に対し、安全管理の徹底を要請してまいります。

○白石委員 私が聞いたのは、以前と今回の調査の仕方の違いについて聞いたんじゃないんです。七カ月間で二百十九件の落下物がおっこっていると。このことについて、この件数、都はどういうふうに受けとめているのかということを質問したんです。もう一度お答えいただきたいと思います。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 航空機からの落下物の発生は、あってはならない事象でございますが、落下物が発生しているのは事実でございます。
 都民の不安を払拭するために、落下物対策をしっかりと講ずることが重要でありまして、国は、関係者と協力して、未然防止策の徹底や事案発生時の対応の強化の両面から成る落下物対策総合パッケージをことしの三月に公表いたしております。
 国は今後、未然防止策の一つでありますハードとソフトが一体となった落下物防止対策基準を策定するとともに、本年度内に、日本及び日本に乗り入れる外国航空会社に対し、基準の遵守を義務づける予定でございます。
 都といたしましては、落下物ゼロを目指し、こうした取り組みが実効性のあるものとなるよう、国に対して求めてまいります。

○白石委員 長々答弁されましたが、受けとめを聞いたんです。でも、あってはならないというふうな認識でした。
 この二百十九件という数字がどういう数字なのかということを、改めて都は誠実に受けとめなければいけないと思います。二百十九件、わかりやすくいいますと、十一月の九日から五月三十一日の二百四日間で二百十九件という数字になります。つまり、航空機から毎日一件以上、部品が落下しているという衝撃の数字だということになると。
 さらにいえば、全国に百近くある空港のうち、今回調査されたのは七空港の調査ですから、実際はこれ以上の部品脱落があると考えるのは、至極当然だというふうに思います。それほどの数なんだというふうなことを今受けとめないと、万が一でも発生して命が奪われれば、取り返しのつかないということになるんだということを改めて指摘したいと思います。
 陳情の理由でも触れられているように、落下物事故などが超過密地域の都心上空で一度でも発生すれば、命が奪われる重大事故に直結します。だからこそ、都民の不安は一層広がっているんです。
 そこで、伺いたいと思いますが、都は落下物に対して、安全性の確保について、どのような認識を持っていますか。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は、関係者と協力いたしまして、未然防止策の徹底及び事案発生時の対応の強化の両面から成る落下物対策総合パッケージをことしの三月に公表いたしております。
 落下物対策総合パッケージは、未然防止策の徹底と落下物防止対策基準の策定や、落下物防止対策事例をまとめた対策集の活用及び駐機中の機体チェックの強化であり、そして事案発生時の対応強化として、補償などの充実策を主な内容としております。

○白石委員 今、私が質問したのは、安全性の確保についてどのように認識をしておりますかと。今、国の対策をいわれました。認識を伺っているんです。お答えください。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 航空機からの落下物の発生は、あってはならない事象でございます。落下物が発生しているのは事実でございます。都といたしましては、落下物ゼロを目指し、こうした取り組みが実効性のあるものとなるよう、国に対して求めてまいります。

○白石委員 あってはならないという認識が今示されました。当然、あってはならないんです。万が一でも発生してはいけないんです。
 その認識があるのであれば、一日一回以上、毎日部品が脱落しているというこの現状を見れば、人口密集地域を低空で飛行する羽田新ルート計画は容認できないとの結論になるのではありませんか。お答えいただきたいと思います。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 東京の国際競争力の強化に向けまして、東京二〇二〇大会やその後の航空需要に応え、国際便の就航をふやしていくためにも、羽田空港の容量拡大は不可欠でございます。
 都は、国に対し、飛行経路の見直しに関する情報をしっかりと地元に伝え、都民の理解を深めることが重要であると考えております。都は引き続き、地元への丁寧な情報提供と騒音影響を軽減する方策の検討、そして徹底した安全管理に取り組むことを国に要請してまいります。

○白石委員 いきなり経済の話になりました。住民の犠牲の上に経済発展を成り立たせるということ自体、私、本当に東京都の姿勢としておかしいというふうに指摘したいと思います。
 こんな状態が、部品脱落が毎日のように全国でおっこっていると。しかも七空港ですから、全国百空港ありますから、調べたらさらにそれ以上落ちているということは当然だと思います。こんな状態で、今のこの落下物の問題、正面から受けとめることができないという、今、東京都の姿勢が明らかになりました。
 都民の生命と財産を守る都の役割と責任を放棄していると、このようにいわざるを得ないというふうに思います。
 先ほど来から、国が検討する落下物防止対策が、これが重要なんだという答弁が繰り返されています。都民の命を守る対策が検討されているのか、そして実効性のある対策が、そもそも現在、国において検討されているのかが焦点となると思います。
 そこで、伺いたいと思いますが、現在、国が検討している落下物防止対策を端的にご説明いただきたいと思います。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は、関係者と協力いたしまして、未然防止策の徹底及び事案発生時の対応の強化の両面から成る落下物対策総合パッケージをことしの三月に公表いたしております。
 この落下物対策総合パッケージは、未然の防止策の徹底として、落下物防止対策基準の策定や落下物防止対策事例をまとめた対策集の活用及び駐機中の機体のチェックの強化でありまして、そして事案発生時の対応の強化といたしまして、補償などの充実策を主な内容としております。

○白石委員 つまり未然防止の対策としては、過去の落下物事故のケースを洗い出して、防止対策の基準を策定すると。そして、駐機中の機体の点検を強化すると。これが未然防止策の大きな柱になっているということです。
 それでは伺いますが、駐機中の機体チェックは国の職員が行うとしていますが、どのような職員が行うのか伺いたいと思います。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 駐機中の機体チェックは、落下物の未然防止などを目的に実施されるものでございます。実施に当たりまして、国土交通省から、整備士の資格を持った職員、または整備にかかわる専門的な研修を受けた職員が行うと聞いております。

○白石委員 つまり、整備士の資格を持っていない職員でも、研修を受ければよいというふうな今検討がされているということです。整備士の資格を持っていない職員が機体をチェックすることに、どれほどの落下物防止の実効性があるのか、私、非常に疑問です。
 そもそも航空整備士というのは、厳しい国家試験を受けて資格を取得しております。専門的な訓練なども受けて、技量と経験を兼ねそろえたプロが整備士です。一口にいっても、航空運航整備士から一等航空整備士まで、資格や業務内容もさまざま整備士にはあります。
 例えば一等航空整備士はどういうお仕事かというと、整備の最終確認を行うという重責を担う資格になります。
 国家試験は、年度によっては合格率一桁という超難関となっているわけです。試験科目は筆記と実技。筆記では、航空力学、エンジン、電気部品、それに航空法などの知識が問われ、これに受かると実際に航空機を使った口頭試験と実地試験に進みます。点検や検査に関する事項や作業、機器の取扱方法などの知識と経験がチェックされて、そして受かるというふうになります。それほど厳しい試験を受けていかないと、この整備士というのはなれないということなんです。
 一等航空整備士の資格は、しかも機種ごとに違うんです。ほかの機種を担当するとなれば、それぞれの機種の試験を受けなければなりません。それほど航空機に、一つの機種に精通をして、技術と経験を兼ねそろえたプロの整備士だということです。
 その視点で飛行の合間の点検などを行ってこそ、機体のふぐあいを事前に見つけることができ、安全性を保つということができるという、安全性の担保につながると思います。
 私、疑問に思ったので、整備士の方、それから航空会社、運航会社の方々にも関係者にも聞きました。同じようなことをいわれていました。
 やはり整備士が見る視点、それからパイロットが見る視点、このようなダブルチェックも行いながら、本来であれば航空機というのは、飛行間の点検をしていくことが今重要なんだと。そもそも整備士でもない、研修を受けただけの国交省の職員がチェックをしても、整備士以上の点検などできるはずがないと、このようにいっております。
 そもそも国はこれまで、規制緩和の名のもとで安全基準の切り下げを進めてきたということを指摘しておきたいと思います。
 例えば、以前は飛行間点検、いわゆる駐機中の機体チェックは、国家資格を持つ、先ほどいった整備士が複数名で点検をしておりましたが、現在規制緩和がやられて、一名でも可能という緩和が行われています。
 また、製造メーカーなどが飛行間点検をしなくてもよいとした航空機は、機長による出発前点検で安全性の確認と、そしてふぐあい発生時の整備体制が整っていれば、整備士の点検は省略可能とすると、このような規制緩和がやられています。
 つまり簡単にいえば、整備士の点検すらしなくてもよいというような緩和が、これまでされてきているんです。
 その緩和により、どんなことが起こったか。二〇一六年一月、全日空、ANAでは、新フライトオペレーションと題しまして、全機種、整備士による飛行間点検を廃止して、有資格整備士を配置しない運航体制に移行しております。
 国は、みずから安全基準の切り下げを行っておきながら、そのことは一切、目をつむり、国交省の職員が抜き打ちでチェックするから安全が強化されると、このようなことをいっても余りにもお粗末な話です。
 先ほどから、丁寧な説明だと、正確な情報だと、このようにいわれております。だったら、この規制緩和の問題、当然、都もご存じだと思いますので、この安全基準の切り下げが行われてきたこと、東京都は認識をされておりますが、いかがでしょうか。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 整備士に関しまして、さまざまな規制緩和、法改正が行われたことは認識しております。

○白石委員 認識されて、どうなんですか。安全基準を切り下げてきたというふうな認識はありますか。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 航空機の安全性については、確保されているものと認識しております。

○白石委員 とんでもない答弁です。これまで規制緩和によって、効率化、この名のもとで規制緩和が行われて、今や、全日空に限っては全機種でこの新フライトオペレーション、整備士が見なくてもいいと、配置しなくてもいいんだというような運航体制に移行しているんです。
 こういうふうな正確な情報は、一切発信されていないんです。その中で、今、国は検討しているんだと、国の職員が抜き打ちでチェックするから安全が強化されるんだと、本末転倒な話です。
 みずから国が安全基準を切り下げて、緩和をしてきて、今こういう状況になっていると。本当に私、この問題、しっかりと正面から東京都は受けとめないと、仮に通った際、万が一でも落下物が発生して命が奪われたら、取り返しのつかないことになる。落下物が最も発生しやすいタイミングというのは、着陸装置、ギアをおろすときともいわれています。
 落下物や墜落事故など二次被害を防ぐ最大の対策は、海上を活用するということです。これは以前にも指摘をしておりますが、改めて述べますが、例えば成田空港では、着陸装置をおろす場所を海上に指定し、本当にやられているか現在監視をしております。その対策により、落下物の発生件数は急減する成果を出しております。つまり、最も効果的な対策が海上を活用するということを成田空港がみずから実証しています。それでも成田空港周辺では、毎年、数件の落下物が発生しているという状況になります。つまり、航空機からの落下物を減らすことはできても、ゼロには現在ならないというのが航空業界の常識なんです。
 航空機から落下物が発生することの前提に立って、最も有効な対策は、海上ルート、つまり、現在東京湾上空を活用することなんだということなんです。いろんな安全対策や防止対策を評価しておりますけど、今の現行ルートの東京湾の海上を使うという、このルートの評価が一切されていないということを改めて指摘をしておきたいと思います。
 これまで以上に落下物対策等を強化して安全対策の徹底を図る、このようにいろいろ述べておりますけれども、ごまかしなんだと。むしろ最大の安全対策を講ずることができない極めて危険なルートが、現在、国が提案をしている羽田新ルートだというふうに厳しく指摘したいと思います。
 この落下物防止対策の問題だけ見ても、都民の不安など一切払拭しない、懸念も払拭しないというふうに思います。落下物も、先ほどいったように全国で毎日のように落ちている中で、羽田新ルートなど推進をしようとすること自体が許されないと、強く指摘をしたいと思います。
 そして、先ほどから丁寧な説明、オープンハウス型の説明会などいわれておりましたけれども、私のところにも以前、相談がありました。
 このような展示場というか、説明会に行って、モニターがあって、七十デシベルというテロップがあって、そして音が流れていると。で、そこに行った方がその職員に聞きました、これは七十デシベルの音ですかと。そしたら、七十デシベルだとうるさいので、音量を下げていますと。こんなことがこれまでやられてきたんです。そして、ヘッドホンに今なっています。しかし、ヘッドホンで聞くのと実際では全く乖離するというのは、専門家だっていっているんです。
 丁寧な説明などされていないんです。だから、現在、東京都に陳情が、そして請願が計六件、七千人以上の都民の方から来ているんです。
 最後に、羽田新ルートについて地元の理解が得られたというのは、具体的にどのような状況のことか、また、どのように確認していくのか伺いたいと思います。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都は、国が提案しております羽田空港の飛行経路の見直しにより、新たに飛行経路周辺となる地域におきまして騒音影響が生じること、落下物や航空機事故に対する懸念があることを認識しております。
 都といたしましては、こうした都民生活の影響への懸念を払拭するため、国に地元への丁寧な情報提供を要請し、国は、オープンハウス型の説明会や、それを補完する個別の情報提供の場、移動式の情報発信拠点などにおいて情報提供を行うとともに、来場された方々からさまざまなご意見やご要望を伺ってきております。
 引き続き、都は、関係区市としっかりと連携を図り、国に対し、騒音影響の軽減や徹底した安全管理に取り組み、地元への丁寧な情報提供を行うよう求めてまいります。
 新たな飛行経路案の決定に当たりまして、国は、首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会を開催する予定でありまして、その際に、都は、都及び関係区市の連絡会を開催し、関係区市の意見を取りまとめてまいります。

○白石委員 よくわからない答弁なんです。要するに、連絡会で関係区市のこの合意を、理解を得るということでよろしいでしょうか。

○新谷航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都といたしましては、さまざまな都民生活の影響への懸念を払拭するために、関係区市としっかりと連携を図り、国に対し、騒音影響の軽減や徹底した安全管理に取り組み、地元への丁寧な情報提供を求めていくことが重要と考えております。
 新たな飛行経路の決定に当たりましては、国は協議会を開催する予定でありまして、その際には、都は連絡会を開催し、関係区市の意見を取りまとめてまいります。

○白石委員 二回同じ答弁なんです。結局は、東京都が設置した、まだ、ただの一度も開いていない連絡会を開いて、関係区市の理解を得るというふうな方向になることは間違いないと思います。
 この連絡会で、しっかりと二十三区、それから五市、関係区市もありますから、ここで理解を得られなければ、まず東京都としては推進できないということになると思います。
 都民の懸念が現在でも払拭されていないことは明白です。騒音でもどの程度影響があるのかも、推計値しか示されておりません。管制官やパイロットにどのぐらい負担があるのかも、実際にはわかりません。最大で八十秒に一機が飛行する過密な状況のもと、着陸間隔の問題も見過ごすことはできません。
 国は何ら丁寧な説明など、そして説明責任など果たしていないというような状況から、以上のことからも、本陳情を採択するよう各会派の皆さんに心から呼びかけて、質問を終わりたいと思います。

○山口委員 私からも、陳情三〇第一一号、羽田増便に伴う都心上空縦断の新ルートの情報公開と都民の安全を求める陳情に対し、会派を代表して意見を申し上げたいと思います。
 国土交通省は、首都圏の空港機能強化のため、羽田空港の発着枠をふやし、離着陸をする航空機をふやすこととしています。これに伴って、これまでは海から出て海から入っていた航空機が、内陸上空を通るルートが新たに設定されます。
 当然のことながら、住民は大変不安を感じています。騒音対策の一層の強化、それから先般、国土交通省におきまして落下物対策総合パッケージが示されましたが、都民が生活しているまち中への落下物など絶対にあってはならないことでありますから、さらなる追加対策も都として求め、外国航空機まで含めた安全対策の徹底が不可欠と考えますので、改めて意見として申し述べさせていただきます。

○たきぐち委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○たきぐち委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第一一号は不採択と決定いたしました。

○たきぐち委員長 次に、陳情三〇第一八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○青柳市街地建築部長 お手元の資料3、請願・陳情審査説明表の一三ページをお開きいただきたいと存じます。
 整理番号4、陳情三〇第一八号、愛宕山周辺地区(I地区)開発事業中止を求める陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、港区の松山美香さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、都において、愛宕山周辺地区、I地区開発事業で計画されている超高層ビルの仮称虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワーについて、安全対策の観点から、建築主に対し、テロ対策を含めた安全対策が整わない限り、開発事業を中止するよう指導していただきたいというものでございます。
 愛宕山周辺地区、I地区の位置につきましては、恐れ入りますが、一四ページ上段の位置図をごらんください。愛宕山周辺地区、I地区は、東京メトロ日比谷線神谷町駅の北東側、虎ノ門ヒルズのほぼ真南に位置しております。その詳細の位置につきましては、一四ページ下段の配置図をごらんいただきたいと存じます。
 一三ページにお戻りください。現在の状況でございます。
 平成二十八年九月、建築主である森ビル株式会社は、東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づく建築計画の標識を設置いたしました。
 同月、建築主は、同条例に基づく建築計画の説明会を実施しております。
 建築主は、上記説明会に加え、近隣建築物の管理組合総会で計画の状況を説明するなど、近隣住民の求めに応じ、詳細な説明を行っております。
 なお、現時点で、陳情者から同条例に基づく紛争の調整に係る申し出等はございません。
 第一八号の説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○たきぐち委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三〇第一八号は継続審査といたします。
 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時五十一分休憩

   午後三時十分開議

○たきぐち委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 陳情三〇第一九号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○山崎まちづくり推進担当部長 整理番号5、陳情三〇第一九号の一、岸記念体育会館の移転・建て替えに関する陳情についてご説明いたします。
 お手元の請願・陳情審査説明表の一五ページをごらんください。陳情者は、豊島区の新日本スポーツ連盟東京都連盟理事長の萩原純一さんでございます。
 陳情の要旨でございますが、1、都市整備局は、岸記念体育会館の移転、建てかえをめぐる局内で行われた検討、日本体育協会とのやりとり、政治家とのやりとり、五輪組織委員会やオリンピック・パラリンピック準備局とのやりとりなど、経過を都民に全面的に明らかにすること。
 2、都市整備局は、岸記念体育会館敷地の五輪活用がどのような経過で進められてきたか明らかにすることというものでございます。
 一七ページに岸記念体育会館の周辺図を、一八ページには会館の移転先となります神宮外苑地区、新国立競技場の周辺図を添付しておりますので、あわせてごらんください。
 一五ページにお戻りいただきまして、現在の状況でございますが、都は、神宮外苑地区におけるスポーツクラスターの形成について、平成二十二年十二月に策定した「十年後の東京」への実行プログラム二〇一一などの長期計画に位置づけ、国立霞ヶ丘競技場の建てかえやオリンピック・パラリンピック大会の招致といった国家プロジェクトとも連動し、都の政策として取り組んでまいりました。
 平成二十三年九月ごろから、都は、国立競技場の建てかえを契機として、周辺の都有地も含めた地区の再編整備について検討を開始し、その中で、岸記念体育会館の神宮外苑地区への移転についても検討を始めております。
 平成二十四年四月に、都は、その当時、会館の現在地での建てかえをなお希望し、検討を進めていた日本体育協会に対しまして、神宮外苑地区におけるスポーツクラスターの形成に向けて、スポーツ関連団体の本部機能の集約を図ることを念頭に、会館の移転を検討することを提案いたしました。その後、協会から都に、会館の移転先についての問い合わせなどが行われ、平成二十七年二月には、都から協会に対して、移転先の候補地についても伝えております。
 一方、会館の敷地は、都市計画代々木公園として昭和三十二年に都市計画決定されており、いずれは公園として整備されるべき土地でございました。また、平成二十五年九月に、東京が二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市に決定し、国立代々木競技場がハンドボールなどの競技会場となりました。
 都市整備局は、会館敷地が代々木競技場に隣接していることから、オリンピック・パラリンピック準備局を通じて、組織委員会に会場計画の検討状況の問い合わせなどを行い、そのやりとりを踏まえ、平成二十七年三月に、都市計画代々木公園における事業着手の必要性について整理をしております。
 同年八月には、組織委員会からオリンピック・パラリンピック準備局に対し、会館敷地の大会運営用地としての活用の可能性について検討依頼があり、同月、準備局から都市整備局に対し、大会運営用地の確保に向けた検討の依頼がございました。都市整備局は、会館敷地を含む街区を大会運営に活用できるよう早期に事業化を図るために、平成二十七年十二月一日に優先整備区域に指定し、同月十五日に公表いたしました。
 他方、神宮外苑地区におきまして、都は、平成二十四年十二月に日本スポーツ振興センターから地区計画の企画提案を受け、国立競技場の建てかえを契機としたスポーツ、文化、交流の魅力に富んだスポーツクラスターの形成を目指しまして、平成二十五年六月に神宮外苑地区地区計画の都市計画決定を行っております。その後、関係地権者との協議を進め、地区計画の方針を踏まえ、新国立競技場等への多くの観客を安全、快適に移動させるための歩行者動線やたまり空間を早期に整備するため、平成二十七年十二月十五日に土地区画整理事業を実施することを公表いたしました。
 この優先整備区域の指定及び土地区画整理事業実施の公表後の平成二十七年十二月二十二日に、協会から都に対し、会館の神宮外苑地区への移転要望が出され、都は、地区計画の方針に沿ったものとして、平成二十八年一月七日に都有地への移転の検討を進めることを了承しております。
 その後、都は、平成二十八年二月に協会から地区計画の企画提案を受け、同年十月に地区計画の変更を行うとともに、同月には土地区画整理事業の施行認可を取得し、事業に着手いたしました。
 また、都は、平成二十九年一月に、会館の移転先となる都有地の取扱方針を決定し、これに基づき、都有地の財産処理などを現在進めているところでございます。
 こうした一連の経緯につきまして、都は、平成三十年度予算案に代々木公園の用地取得費等を計上するに当たり、改めて関連する情報の整理などを行った上で、本年第一回都議会定例会におきまして、丁寧に答弁や説明を行っております。
 また、都市整備局のホームページにおいて、会館移転の経緯等について事実関係を掲載するとともに、庁内での検討資料や関係者とのやりとりの記録なども含め、関連する公文書の公開を行っております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○たきぐち委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○白石委員 質問させていただきます。
 質疑に入るに当たりまして、前提があります。岸記念体育会館の移転をめぐっては、都は、日体協と水面下で長年にわたって協議を繰り返していました。私どもは何度も都議会で、水面下で協議してきた事実はないかと質問をいたしましたが、都の答弁は、その事実をひた隠しにして、明らかにしてきませんでした。
 また、明らかにしなかった理由について、都は、正式な都市計画協議の契機になる文書のやりとりについての事実だけを明らかにするやり方をとってきたからだと、このようにしましたが、私たちには、都市整備局がそんなやり方をとっているとの説明は、過去の質問においても全くありませんでした。
 このため、曽根都議にも私にも説明に丁寧さを欠いた部分があったものと受けとめておりますと、邊見前都技監がみずから答弁をされました。
 本日改めて、岸記念体育会館の移転に関する陳情の質疑を行いますが、さきの委員会において都市整備局は丁寧な説明をしていくと、このようにしていますので、そのように、きょうの質疑もしていただきたいと思います。そうでなければ、都市整備局のトップであった都技監のあの答弁は何だったのかということになってしまいます。
 このたび新局長になられた佐藤都市整備局長に確認をいたしたいと思いますが、前局長であった邊見都技監がいったように、この岸記念体育会館の問題は丁寧な説明を行っていくという同じ立場でよろしいか、確認だけさせてください。

○佐藤都市整備局長 先ほどの陳情のところで、現在の状況ということでこれまでの経緯も説明されました。再度なぞりますと、神宮外苑地区をスポーツの一大拠点、スポーツクラスターを形成するということにしようということで、都の政策を実現するために、岸体育館の移転の検討ということを都から提案して、いろいろな方面と事前の協議、調整をしながら、その時点では、それで行けるかどうかということはあったわけですけれども、都市計画案ができてくるという段階になったと。
 そのときの答弁は、そうした都市計画協議の契機となる文書のやりとりということでお答えしたものだということで認識したわけでございますが、その後、本年の第一回定例会で代々木公園の用地取得費を予算計上するということで、改めて関連する情報を整理いたしまして、本委員会でも主要な経緯は説明いたしましたけれども、それに基づいて答弁をしたというふうになっております。
 これまでの質疑の中では、その間、政治家から働きかけがなかったことなどもはっきりとご説明させていただいたりしております。これらは、いずれも真摯に事実をお答えしたものだということで考えてございまして、ただ、私どもも丁寧さを欠いた部分があったということで局としておわびを申し上げた次第でございます。
 今後とも、都議会に対しては、より一層説明責任を果たしながら、都民のためになる政策目的の実現に資するまちづくり行政をしっかりと進めていく所存でございますので、よろしくお願いします。

○白石委員 長々経過、お話しされましたが、私が聞いたのは、きょうの委員会の質疑でも丁寧な説明をするという立場でよろしいですかということを確認したいというふうに思っているんです。もう一度お願いします。

○佐藤都市整備局長 本日に限らず、本委員会では丁寧にご答弁させていただきたいと考えてございます。

○白石委員 新局長の佐藤局長から、本日に限らず、この問題含めて丁寧な説明責任を果たしていくというご答弁がありました。
 さて、岸記念体育会館については、現在の土地を東京都が買い取り、移転補償費も含め、都民の税金百二十三億円を支払おうと、このようにしております。
 一方、移転先も東京都が用意をして、規制緩和で大きなビルが建てられるようにしました。移転先の都有地の代金は七十億円とされていますから、日体協は百二十三億円と七十億円の差額の五十三億円を手に入れて、会館建てかえの悲願を実現できるということになると思います。
 一団体に対して異常な優遇が行われてきたということは、さきの委員会でもいろいろご指摘をさせていただきました。
 三月の都議会での質疑を通して明らかになったことは何なのかと。この問題での森元首相を初めとする自民党政治家の深いかかわりです。三月十三日の予算特別委員会の我が党の曽根はじめ議員の質疑と、三月十九日の私の都市整備委員会の質疑を通じて、そもそものきっかけに、森元首相から石原知事への働きかけがあったことなどが明らかになりました。
 また、我が党は独自調査で、当時の副知事や都市整備局の一部の幹部が、森喜朗元首相や萩生田光一自民党幹事長代行など、自民党の政治家だけと面談を繰り返していた文書を入手しました。当初は文書の存在を曖昧にしていた都市整備局も、認めるということに至りました。特定の政治家の要望に沿うように行政をゆがめるなど、絶対にあってはならないということは、改めて申し上げておきたいと思います。
 今回は、政治家の関与について新しく出てきた資料に沿ってお尋ねをしたいと思います。
 我が党は、岸記念体育会館や神宮外苑の再整備にかかわって、都の幹部が森元首相ら政治家と面談、報告をした記録、メモの開示請求を行って、先月の五月十一日までにたくさんの資料をいただきました。まず、森元首相との面談記録は、既に入手していた五月十五日だけでなく、きょうパネルで持ってきましたが、ちょっと見ていただければというふうに思いますが、この前はその一でした。森会長訪問その二、神宮外苑の再整備という二度目の訪問記録が、開示請求で新たに出てきたということになります。
 そこで、最初に伺いたいと思いますが、この文書はいつ発見をされたのか、どこにあったのか、具体的な場所、また、ファイルなどに整理されていたのか、ファイル名もあわせて伺いたいというふうに思います。

○山崎まちづくり推進担当部長 お尋ねの文書につきましては、本年三月十四日に開示請求を受けまして、開示請求に係る公文書を短期間に検索することが困難であるなどの理由で、三月二十九日に開示決定等の期間延長の通知をさせていただきまして、その後の五月十一日に開示の決定をさせていただいたものでございます。
 文書を発見した日付について、正確な日付まで把握はしておりませんけれども、恐らく三月二十九日以降であろうというふうに思われます。
 文書の保管につきましては、執務室内に未整理の状態で保管されていたファイルの中にとじられていたものでございまして、ファイル名というのは特につけられていなかったということでございます。

○白石委員 それでは、もう一点聞きたいんですが、知事にはどう報告をされているんですか。

○山崎まちづくり推進担当部長 当該文書につきまして、知事には開示決定前に、他の文書もございましたので、それらと一緒でございますけれども、開示を予定している文書として報告をしております。

○白石委員 済みません、もう一点聞きますが、知事には開示決定前に報告していると。この開示された文書は、全部知事に渡したということですか、それとも見せたということですか、どちらですか。

○山崎まちづくり推進担当部長 知事にはお見せをしたということでございまして、お渡しはしてございません。

○白石委員 さきの質問に戻りますが、文書はファイル名は特にないということですね。しかし、ファイルには入っていたということです。
 そこで、お尋ねをしたいと思いますが、第一回定例会で確認された二〇一二年五月十五日の森元首相との面談記録には、神宮外苑の再整備についてという名前がついています。
 まず、この五月十五日の面談記録ですが、この文書は、予算案をつくる際に岸体の移転にかかわる経緯に関する資料整理を行った中で出てきたというふうに、最初の三月の本委員会で部長が答弁をされております。わかりますね、五月十五日の資料というのは。--はい。
 その三カ月後に行われたこの面談記録には、森会長訪問その二と、神宮外苑の再整備と同様の名前が、もう皆さんも見ればわかると思いますが、ついているんですから、当然、同じファイルに入っていたというふうに思われます。
 なぜ、五月十五日のは三月の本委員会ではあって、その当時には、その二はなかったのかと、非常に疑問になります。同じ名前ですからね、一般的には同じファイルにしか入っていないというふうに思うんですけれども、これは同一のファイルに入っていましたか。お答えください。

○山崎まちづくり推進担当部長 五月十五日の森氏への訪問の記録と、今のパネルでお示しの文書が同じファイルにとじられていたものかというのは、ちょっと把握をしておりません。

○白石委員 非常に疑問です。資料整理をしたのに、この前のその一は見つかって、その二は見つからなかったと。誰がどう考えたって、疑問にしか思わないというふうに思います。そんな話を、今、部長が、一は見つかったけれども、二についてはそのときは見つからなかったんだと、そんなことを幾らいったって、誰も納得しないというふうに思います。
 しかも重大なことは、この文書には、岸記念体育会館の移転について、森氏の次のような言葉があるんですね。これ見ていただければ、下の方です。岸記念会館の土地も都に買ってもらうとすっきりしていいと、僕はそういう意見だ。これ、森氏がいったんですね。ここに書いてあります。非常にあからさまな物いいだというふうに思います。
 これは、森氏の重大な働きかけではありませんか。お伺いします。

○山崎まちづくり推進担当部長 先ほどもご説明申し上げましたとおり、都は、平成二十四年四月に日本体育協会に対しまして、神宮外苑地区への岸記念体育会館の移転を検討することを提案しております。
 その後の五月十五日には、森喜朗氏のところに、神宮外苑地区全体の再整備について都から説明に伺っていると。そのときに、森氏の方からは、岸記念体育会館についての発言もあったということは、これまで開示した文書に記載されているとおりでございます。
 今お尋ねの文書、七月三日の時点でございますけれども、この時点で森氏がそのような発言をしたということにつきまして、森氏は当然、都からそういった日体協の移転について提案をしていること、あるいは日体協の中でどういう検討がなされているか、その状況など、そういったものも恐らく承知をしていたのではないかというふうに思いますので、そういったことがあっての発言であったということだろうと思います。

○白石委員 ちょっとよくわからないんですけれども、森氏は--いいですか、岸記念体育会館の土地も都に買ってもらうとすっきりしていいと、僕はそういう意見なんだというふうにいっていると。
 今のご答弁だと、森氏はもう既に知っているから、これは問題のない意見なんだというふうな理解でよろしいんですか。もう一度改めてお答えください。

○山崎まちづくり推進担当部長 森氏の発言につきましては、あくまで意見として、森氏のそのときの意見としておっしゃったものというふうに受けとめております。

○白石委員 今の答弁では、意見を述べただけにすぎないということです。
 では、この森氏の意見について、岸記念体育会館の土地も都に買ってもらったらすっきりしていいと、僕はそういう意見なんだというふうにいっております。
 じゃあ、この森氏の意見について、都からは、いえいえ、そういうわけにはいきませんと反論をされたのですか、お答えください。

○山崎まちづくり推進担当部長 当該メモを見る限りにおきましては、森氏の発言前後の都の発言についての記載はないわけでございますので、お尋ねの点については、メモからはわからないわけでございます。
 したがって、私どもは、メモの中にも記載がございますが、当事の当事者の一人であります安井元都技監に確認をいたしましたところ、都からは、敷地購入の意思の表明はもとより、具体的な回答はしていなかったと思うということでございました。

○白石委員 安井氏に確認をしたと。で、これについて、そういう反論とか何も意見を述べていないであろうということでよろしいですか。
 政治家が自分はそういう意見だというふうにいえば、そのとおりやるべきだという意思表明にほかならないと思います。これに対して何かいわなければ、反論しなければ、何にもいわなければ、森氏は、自分の意見を都は受けとめたとなるのは当然じゃありませんか。
 森氏から、都が買ってくれたらすっきりすると、それが僕の意見なんだと。しかし、都側は、安井氏は何もいわないと。そうすれば森さんは、当然これは、あっ、自分の意見が通ったんだなというふうに思うのは、もう誰が見たって当然だというふうに思います。
 私たちは、日本体育協会の事務局から聞き取りを行いました。二月一日です。岸記念体育会館の敷地の売却について伺いました。そうしたら、あそこ都市計画公園区域内で都市計画規制がかかっておりますので、売却しようと思っても売却できないんだと、まず買ってくれる民間はいないだろうというようなことをいっていました。検討材料には日体協も挙げたみたいです。しかし、都市計画区域で厳しい規制が、高さもかかっておりますので、民間は買ってくれないと。
 だから、あそこで建てられるだけのものをその範囲内で建てようと。ほかの民間ビルも探すしかないかなというふうにも思ったけれども、それもなかなかできないだろうと。だから、今の古い会館をだましだまし使っていくしかないのかなというような、このような当時の記憶ですね、日体協は話をしてくれました。
 つまりこれ何をいいたいかというと、日体協側は、神宮外苑に移ってくれとだけ提案されても、岸記念体育会館の敷地を買ってくれなければ動きようがないんです。これも日体協、いっていました。日体協の一番の弱点はお金がないということだということでした。だから、森元首相のように買ってくれと働きかけるんだなというふうに思うんですね。その背景を、私たちも日体協の聞き取りの中でいろいろ聞きました。
 特定の政治家によって都市行政が本当にゆがめられたという疑惑が、こういう経過を見ても、ますます高まっていることを指摘しておきたいというふうに思います。
 次に、内田氏、高島氏の面談記録が出てまいりました。きょうもそのパネルも持ってきました。これも情報開示です、内田茂氏ですね、そして高島なおき氏です。これが情報開示で新たに出てきた資料であります。これ、取り扱いますので、ここに置いておきます。
 この面談記録、この文書は、いつその存在を、まずは発見したのか、保存されていた具体的な場所はどこなのか、先ほどと同じ質問です。どのようなファイルに整理をされていたのか、それぞれお答えいただきたいと思います。

○山崎まちづくり推進担当部長 その二点の文書につきましては、先ほどの七月三日の森氏への訪問の記録の文書といずれも同じでございます。(白石委員「同じファイル」と呼ぶ)失礼しました、言葉が足りませんでした。発見した文書を見つけた日付につきましては、正確な日付は把握しておりませんが、恐らく三月二十九日以降であったであろうと。
 それから、保管されていた場所につきましては、執務室内に未整理の状態で保管されていたファイルにとじられていたものでございます。

○白石委員 未整理の中でとじられていたと。何にとじられていたんですか。未整理の中でとじられていたと--これは内田氏、高島氏、それから森氏も出てきました、後から。これは同じファイルというふうなことでいいですか。

○山崎まちづくり推進担当部長 済みません、同じファイルだったかどうかはちょっと確認をしておりません。

○白石委員 ちょっと細かく聞きますが、確認をしていないんだったら、後で確認をしていただいて、この岸記念体育会館、森氏も高島氏も内田氏もいろいろ出てきましたけれども、一体ファイルというのはどのぐらいあるものなんですか。一つの、要するに倉庫というか、そういうキャビネットに全部入っているのか、それともそのフロアで散乱をしているのか、そこら辺をちょっと確認したいと思います。

○山崎まちづくり推進担当部長 ファイルの保管の状態につきましては、キャビネットの中に入っていたり、あるいは棚の上に置かれていた段ボール箱の中に入っていたり、いろいろあったようでありますが、全体の量というのは、ちょっと把握しておりません。

○白石委員 保存場所、そして管理状態というのは、なかなか曖昧にしか答えられないよということです。先ほどのご答弁と同じように、ファイルにはファイル名はないけれども、ファイルには入っていたということですね。
 私もこれ、三月の都市整備委員会で都が二〇一二年五月十日に作成した文書についてお尋ねをしております。この文書には、佐藤副知事と森元首相との会談後、早目に内田顧問、高島顧問に会う方向で調整すると。これもご存じだと思います。これが最初に出てきた開示ですね。この資料を取り上げて、私、これは事実かと尋ねましたが、まず上野技監、記憶にないといいました。山崎部長、メモの内容の信憑性自体はちょっと申し上げられないと、事実かどうかの確認のしようがないというふうなのまで、議事録を見ればわかります、おっしゃられました。
 五月十日付の、内田顧問、高島顧問と会う方向で調整すると書いた文書は、これも今年度の予算をつくる際に、岸体の移転にかかわる経緯に関する資料整理を行った中で出てきたと答弁されていますね、前回のところで。
 それなのに、会った記録文書は見つからなかったと。簡単にいえばですよ、最初に出てきたのは内田氏、高島氏、間をあけずに会うことを設定しましょうというのが、最初に開示で出てきました。しかし、これについて事実かと私、尋ねました。上野技監は記憶にない。メモの信憑性がどうかと、事実の確認のしようもないとまで山崎部長はおっしゃられました。
 そういうふうな中で、非常にこれも疑問だと。普通に整理をしていたら、内田顧問とそれから高島顧問の面談記録は、本来だったら見つかっているんじゃないかと。見つからなかったというふうなことをおっしゃられるんだったら、その理由を伺いたいと思います。どうでしょうか。

○山崎まちづくり推進担当部長 先に三月の時点で開示をしていた、例えば五月十日の記録などは、平成三十年度予算案に公園の用地取得費等を計上するに当たって、改めて我々の方で整理をして把握したものということはお伝えしましたが、そのときに、すべからくそういった政治家の方が載っている文書を探していたかというと、必ずしもそういうことではなくて、主な岸記念体育会館の移転にかかわる経緯を説明するに足りる文書ということで探して整理していたかと思います。
 改めて今回五月に開示をさせていただいた文書につきましては、ことしの三月十四日に開示請求を受けて、改めていろいろ未整理の状態で保管されていたものも含めていろいろ探して、その中に含まれていたものということでございます。

○白石委員 今の答弁もよくわからないんですけれども、要するに、岸体の経緯をどうやって説明しようかというふうな--予算案をつくる際ですね、説明をするときに、そういうときに、そこの対象、要するに探す対象にはなっていなかったということだというふうな今答弁ですね。だから、存在は把握をしていたのかどうなのかっていうことなんです。探してはいなかったということと、存在は知っていたけど、それを、要するに探す対象にしていなかったから、それは対象にしていなかったよということなのか。どちらですか。

○山崎まちづくり推進担当部長 五月に開示した方の文書につきましては、恐らく最初の予算計上に当たって、その情報を整理した段階では探していなかったんだということだと思います。(白石委員「探していなかったということは、存在は知っていたということなんですか」と呼ぶ)いや、ですから、存在も把握していなかったんだと思います。

○白石委員 本当に私、疑問です。それこそ山崎部長の言葉をかりるのであれば、今の答弁、本当に信憑性というものが問われるというふうに思います。
 そもそもね、森元首相とも会って、その後早目に内田顧問、高島顧問と会うというメモがあったと。そして、森元首相との面談した裏づけ文書も早々と見つかっていると。それなのに、内田顧問、高島顧問との面談記録の方は未整理で見つからなかったと。そんなはずないじゃないですかと。自民党の都連の幹部と東京都の密接な関係を押し隠そうとしていた疑いが極めて濃厚になるというふうに指摘せざるを得ないんです。
 ここに、先ほどいった高島氏との面談記録があります、これですね。岸体について、この問題は早目にけじめをつけた方がいいと、日体協の対応も不十分だと、このような言葉が書いてあります。岸体問題について、自民党都連幹部の意向を伺いながら都が進めていたということが、この文書からも、もう本当に明白です。
 政治家への働きかけという点では、さきの都市整備委員会では、上野技監から驚くべき発言がありました。国立競技場の建てかえや周辺のまちづくりは国策だと、その政策を実現するときに、都議会議員、国会議員の理解と協力は不可欠だと、その協力を求める働きかけが悪いとすれば仕事が成り立たないんだと。協力いただける方とは、手を携えて進めていくのが行政の仕事だと、このようにいい切りました。
 そこで、私がなぜ自民党の方々にばかり働きかけているのかと、協力してくれる議員とは自民党しかいないのかと、このように質問すると、協力いただける方に協力を求めたということを答弁されました。
 そこで、上野技監、お尋ねしたいと思います。
 当時、都議会議員でもない自民党の内田茂氏、高島なおき氏に、なぜ直接情報提供や説明をしなければならないのか。理由を上野技監に具体的に説明していただきたいと思います。(山崎まちづくり推進担当部長発言を求む)いや、上野技監です。

○山崎まちづくり推進担当部長 都は、神宮外苑地区におけるスポーツクラスターの形成について、「十年後の東京」への実行プログラム二〇一一や、「二〇二〇年の東京」計画といった長期計画につきまして、国立霞ヶ丘競技場の建てかえやオリンピック・パラリンピック競技大会招致といった国家プロジェクトとも連動し、都の政策として取り組んできたということは、これまでも再三申し上げているとおりでございます。
 その実現に向けましては、国や地元の自治体、関係者などの理解と協力が不可欠でございまして、都といたしましては、案件や状況などに応じまして、必要な資料を用いて必要な説明を行っていたというものでございます。

○白石委員 部長に聞いているんじゃないんです。これを答弁したのは上野技監なんです。丁寧な説明をするというふうに局長はおっしゃいました。だったら、この前、さきの都市整備委員会で答えた上野技監が答えるのが普通に筋ではないですか。
 上野技監にもう一度お聞きします。
 当時、都議会議員でもない自民党の内田茂氏、高島なおき氏に、なぜ直接情報提供や説明をしなければならないのか、理由を、上野技監がさきの都市整備委員会で答弁をされたんですから、具体的に説明を求めたいと思います。どうぞ。(山崎まちづくり推進担当部長発言を求む)いいよ、いいよ、もう。部長に聞いていないから。

○山崎まちづくり推進担当部長 繰り返しになりますが、政策の実現に向けましては、国や自治体、関係者などの理解と協力が不可欠であると。都といたしましては、案件や状況などに応じて、必要な資料を用いて必要な説明を行っていたものでございます。
 今お名前が挙がりました内田氏、高島氏でございますけれども、内田氏につきましては、その当時、国政への提案や要求などで重要な役割を果たされます自民党都連の幹事長という立場でございましたし、また高島氏につきましては、当時、都議会自民党の顧問というお立場で、内田氏からも、高島氏とも情報を共有しておくようにというお話があったところでございます。

○白石委員 だから、部長に聞いているんじゃないんです。上野技監が答弁をされたんですから。あのときあれほど、十分以上答弁をされて、非常に感情的に、そしてもうこれ何が問題なんだと、このように答弁されました、自信持って。だから私、聞いているんです。
 今、部長からの答弁では、自民党の都連の幹事長だからとか、このようにいっていますけれども、先ほどの答弁では、国でもないと、高島氏、内田氏は。地元の自治体でもないわけですから、関係者というふうな位置づけになるわけですね。この関係者というのは、今おっしゃられたのは、その人たちの肩書をいっただけです。
 私が聞いているのは、要するに自治体でもない、国でもない、そして都議会議員でもない内田氏、高島氏に関係者として必要だったんだという答弁だったのですから、どういう関係者なのか、具体的に説明をしたいと……(山崎まちづくり推進担当部長発言を求む)いや部長に聞いていない、上野技監に聞いているんです、よろしいですか--いや、だから部長には聞いていないんです、上野技監に聞いているんです。上田技監が答弁をされたんですから、自信持ってやっているんですから、あのとき。

○山崎まちづくり推進担当部長 新国立競技場の整備やその周辺の再整備といったものにつきましては、国策、国家プロジェクトとして推進してきたものでありまして、国の協力というのは不可欠というものでございます。そういった意味からも、当時、国政への提案や要求などで重要な役割を果たします自民党都連の幹事長という立場であった内田茂氏の方に説明に伺ったものと認識をしております。

○白石委員 上野技監が全く立たなくなったということなんですね。
 今、答弁だと、国に精通していると、力を持っているというようなご答弁でした。
 しかし、この時代、どういう時代だったかと。この時代は、民主党が政権与党でした。しかしこの開示請求、新たに出たやつ全て見ましたが、当時、都議会でも第一党だった、国政でも民主党政権だったと。
 しかし、民主党政権には、民主党にはですね、働きかけの記録が一切ないんです。これはどういうことですか。政権の与党を持っていて、都議会でも第一党だった、その民主党には何の働きかけもせず、そして自民党には働きかける、全くよくわからないと。お答えください。

○山崎まちづくり推進担当部長 政策目的の実現に向けましては、国、自治体、関係者などの理解と協力が不可欠ということを再三申し上げていますけれども、都としては、その案件や状況などに応じて、必要な資料を用いて必要な説明を行っていたということでございます。

○白石委員 理解と協力が不可欠だと。それには、政権与党でもない、第一党でもない自民党に、まずは相談をして情報提供することが、それが、まずは都としてやるべき第一義的なことだというふうな理解でよろしいですか、お答えください。

○山崎まちづくり推進担当部長 都といたしましては、その案件や状況などに応じて、必要な説明を行っていたということでございます。

○白石委員 岸体の案件は、やはり自民党マターだったということになるというふうに思います。
 内田顧問、高島顧問に対しては、きょうまたパネルを、もう一枚ありますが、この地図です。このパネルのように、二〇二〇年オリンピック開催までに、新国立競技場を初め公園などがどのように配置をされているのか、また、オリンピック開催後にはさらに枠を広げて、神宮球場や秩父宮ラグビー場、さらにはその先にある民間オフィスまで区域が入って、恐らく黒塗りのところ、その配置はもう描かれているだろうという図面です、これは。これも開示で出てきました、この図面、詳しい配置図になります。
 ところが、自民党の現職都議には、このように現状がどうなっているのかというこういう地図、詳しい配置図ではなくて、現況の地図だけは見せているんです。当時の現職の自民党の都議ですよ。
 しかし、自民党都連の幹部や、それから先ほどいった内田氏、高島氏、森氏には、具体的にこの配置図ですね、ステップワン、ステップツーという、この具体的な資料が出されています。当時、自民党の現役都議幹部にも、自民党以外の会派にも具体的な図面などは見せていないと、開示資料では見てとれます。それでよいということでよろしいでしょうか。確認したいと思います。

○山崎まちづくり推進担当部長 自民党の現役都議というのは、開示した文書で、村上都議のことを指しているんですかね。
 説明している資料が異なっているというのは、ご指摘のとおりでございますけれども、これもたびたび繰り返しで恐縮ですけれども、案件や状況などに応じて、必要な資料を用いて必要な説明を行っていたものでありまして、まず内田氏、高島氏に対しましては、神宮外苑地区全体の再整備の案について説明をしていたというものでございます。
 そのほかの都議の方々に対しましては、例えば新国立競技場の当時の検討状況ですとか、あるいは自民党以外の会派の都議にも説明をさせていただいておりますが、新国立競技場の整備に関連いたします都営霞ヶ丘アパートについての説明をしていたり、説明している内容が異なっていたということで、当然、その説明に用いる資料も異なっていたということであろうと思います。

○白石委員 必要な資料を見せたんだと。いわゆる森氏、高島氏、内田氏、これは具体的なこの配置図も含めて未来予想図をしっかりと見せると。しかし、現役の自民党の都議も含めて、きょう持ってきましたけど、こういう、ただ単なる地図ですね、これで説明をしていたりというふうな状況です。要するに、現役の自民党の都議会議員や、うちにも来ていますね、この開示で出ていますが、こんな資料は全くないというふうな状況でした。
 結局、内田氏、高島氏、森氏には具体的な未来予想図は見せるけれども、ほかの会派、そして現役の都議会議員には、この詳しい資料は一切見せませんというふうな開示が、これによって明らかになりました。
 なぜそのような差をつけるんですか。内田氏、高島氏、森氏には、このように未来予想図まで見せて具体的に情報提供すると。しかも、答弁で、この黒塗りもないということが明らかになっておりますので、これだけ詳しい資料が、都議会議員でもない何でもない自民党都連の幹部には見せるけれども、三人には見せるけれども、現役の都議会議員含めて、政権与党の民主党も含めて、ここにおられる会派の皆さんにもその当時は見せないと。これは何でそういう差をつけて説明をしたのか、その理由を具体的にお答えいただきたいと思います。

○山崎まちづくり推進担当部長 内田氏、高島氏につきまして、この神宮外苑地区の再整備が国家プロジェクトという位置づけのもと推進していく必要があるということで、都の方からも、神宮外苑地区全体の再整備の案をお示ししてご説明をさせていただいたものと思います。
 一方、他の都議会議員の方に対しましては、地元の都議会議員ということで説明をさせていただいたものと思われます。

○白石委員 よくわからないですが、例えばこれ、共産党です。大山現幹事長から神宮外苑地区に関する問い合わせがあり、説明に伺ったと。こっちから問い合わせをしたんですね、皆さんから来たんじゃなくて。そのときに、このような資料は一切、今神宮外苑のといいましたけど、一切見せられていないという状況なんですね。これはもう開示で明らかです。
 結局、状況に応じ、必要な人には必要な説明をするし、情報提供するけど、必要でない人には詳しい説明はしませんというふうに差をつけているということが明らかです。
 しかも、内田氏、高島氏、議員でもありません。しかし、都議会議員から呼ばれて、これどういうことですかと、神宮外苑地区、問い合わせがあっても、このような具体的な資料は見せないと。差をつけているということが、今の答弁でも明らかになりました。
 必要な説明を行うといいますが、その判断は都がやっていたのか伺いたいと思います。

○山崎まちづくり推進担当部長 都から説明しているものでありますから、都として、案件や状況などに応じまして、必要な資料を用いて必要な説明を行っていたものであります。

○白石委員 都が必要な会派、必要な方というのを判断して、その人によって、見せる資料も全く異なってくるというふうな答弁ということになりました。
 内田顧問との面会記録を改めて見ていただきたいと思います。内田顧問との面会記録には、内田顧問の主な発言として、現時点での議員への説明は、高島顧問、川井都議まででよい、地元議員への説明は、もう少し計画が熟成した段階の方がよい、ただし、地元区に出て行く前に再度内田顧問に相談すると。このように開示資料になっております。
 案件や状況などに応じ、必要な説明を行っていたと、このようにいいますが、内田顧問が、誰にいつ働きかけるか判断したりゴーサインを出していたというふうなことに、この開示を見ればつながると思いますが、いかがでしょうか。

○山崎まちづくり推進担当部長 そうした内田氏のご意見なども参考にはしていたとは思いますが、あくまで都として、案件や状況などに応じて、必要な説明を行っていたものと思います。

○白石委員 いや、重大な答弁ですよ。議員でもない人の--意見を参考にしたと、このような答弁されました。
 都議会議員にも呼ばれているんですよ、これ。説明にも行っているんですよ。
 それで、議員でもない人に、自民党の幹部に、都連の幹部にほかには見せない資料を見せて、そして意見を伺っていたと、参考にしていたと。とんでもないと。こういう異常な関係が、この開示資料から、自民党と都市整備局との間にできていたということが浮き彫りだということを、今、部長は答弁したということなんです。
 次に、関係者などの理解と協力を得るための働きかけについてお尋ねしたいと思います。
 上野技監、国策や都の政策を実現するためには、国会議員、都議会議員に働きかけることは当然だとして、協力してくれる方にご支援を求めたと答弁しましたが、協力してくれる方の判断基準を具体的に説明していただきたい。協力してくれる方は、どの会派ですか。協力してくれない方は、どの会派ですか。詳細にお答えください。(山崎まちづくり推進担当部長発言を求む)上野技監、委員長、上野技監です。

○上野技監 まず、本年の三月十九日の都市整備委員会での、お話のあった私の答弁についてでございますけれども、その答弁につきましては、説明がやや不足していた面もあったというふうに思います。
 そのとき私がお答え申し上げたかったことにつきましては、まず、この神宮外苑地区そのものは、歴史的に見ましても、国にとりましても、都のまちづくりにとっても極めて重要な場所でございまして、これまでも創設以来、さまざまな社会状況の変化の中にありましても、一貫してスポーツの拠点として整備が進められてきたところでございます。
 こうした経緯も踏まえまして、このたびの案件につきましては、部長の方からご答弁差し上げているように、都は、神宮外苑地区におけるスポーツクラスターの形成について、「十年後の東京」への実行プログラム二〇一一など東京都の長期計画の中に位置づけまして、国立霞ヶ丘競技場の建てかえやオリンピック・パラリンピック競技大会招致という国家プロジェクトとも連動しながら、都の政策として取り組んできたものでございます。
 それを実現するために、国、地元自治体、関係者などの理解と協力が不可欠でありまして、そういった観点から、都として、案件や状況などに応じて個々に必要な資料を用いて、そのときにその都度判断して必要な説明を行ってきたものでございます。

○白石委員 いや、説明不足じゃなく、ちゃんといっていただきました。
 要するに、国や自治体や関係者に、この人たちは位置づけられるわけですね。そして、協力が必要不可欠だったというふうな今のご説明です。都の政策を実現させるために、この人たちが必要不可欠だったんだと。国、自治体、そして関係者という三者を挙げました。じゃあ、内田氏、高島氏、関係者というんだったら、どういう関係者に都として位置づけるんですか、お答えください。

○山崎まちづくり推進担当部長 先ほどもご答弁いたしましたけれども、内田氏につきましては、当時、国政への提案や要求などで重要な役割を果たす自民党都連の幹事長という立場にあったわけでございます。
 これも再三申し上げているとおり、国立競技場の建てかえや周辺地域一体の再整備については国家プロジェクトと、国策として推進していたものでございますから、そういったお立場の方への説明を行っていたものと認識をしております。

○白石委員 改めていっていただきました。政権与党である民主党には頼れないけれども、自民党の都連の幹事長やそういう人たち、実力者には、この国家プロジェクトを実現させるためには必要だったんだというふうなご答弁でした。
 改めて聞きますが、当時、都議会第一党だった民主党に、内田氏、高島氏と同様の説明を行わなかったのは、それではなぜなのか、お答えいただきたいと思います。
   〔発言する者あり、笑声〕

○山崎まちづくり推進担当部長 これも繰り返しでございますけれども、政策目的の実現に向けましては、国、地元自治体、関係者などの理解と協力が不可欠でございまして、都といたしまして、案件や状況などに応じて、必要な資料を用いて必要な説明を行っていたということでございます。

○白石委員 部長ね、笑い事じゃないんですよ。これ、都政の闇の話なんですよ。民主党だけじゃないですよ。もちろん、私たち日本共産党都議団には全くこんな説明はなかったと。要するに都としては必要なかったという話になるんですよ。
 協力できる方にご支援を求めるという形で、協力できる人と協力できない人を分別をして、協力できる人のみに支援を求めることを日常的に都市整備局は行っているということでよろしいですか。お答えください。

○山崎まちづくり推進担当部長 政策目的の実現に向けましては、国、地元自治体、関係者などの理解と協力が不可欠であり、都として、案件や状況などに応じて必要な説明を行っております。

○佐藤都市整備局長 ただいまの部長答弁、補足説明をさせていただきたいと思います。
 都市整備局では、今回の神宮外苑地区に限らず、羽田空港の国際化ですとか三環状道路の整備とか、重要な政策の案件を常に抱えておりますが、特に重要な案件につきましては、国などの理解、協力が不可欠という場合が多々ございます。そのときは、やはりその必要に応じて、その案件が固まらない時点でいろんな方を巻き込んで、多くの方々に理解を求め、協力を求めるということで、説明を行っているというのが実態ではございます。
 ですから、本件につきましても、だんだんと、先ほど一番初めに申し上げたとおり、事前の協議、調整を行ってきたわけでございますけれども、協議が固まってきて、都議会の先生方に、こういう案を考えましたというふうにご説明することができる時点になりましたら、私どもは、それは真摯にご説明をしてきたつもりでございますが、それまで、案が固まるまでの間、さまざまな調整というのをずっと続けてきたわけでございます。その過程の話を今しているのだろうと思いますので、そこはご理解いただきたいと思います。

○白石委員 いや、重大なことですよ。外環や羽田の国際化は国家プロジェクトだと。そのときには、必要な、そして力のある方々にはしっかりと協力を求めていくんだということですね、重大ですよ。
 岸体から見えることは、それが内田氏、高島氏、森氏、都議会議員でもない方々には必要な資料は見せると、情報はどんどん提供すると。
 しかし、うちは、日本共産党都議団は必要ではないと。だから、資料を見せないんだと。議会の、本当にね、冒涜ですよ、こんな。で、表向きになったら皆さんにお知らせしますと、こんなことが日常的にやられていたというのが、今、局長の答弁ということになりますよ。よろしいですね。--よろしいですね、そういう理解でよろしいですね。

○佐藤都市整備局長 先ほど申し上げたとおり、議会を軽視するということではなくて、案ができたときに議会に必ずご説明をして、ご理解をいただき、ご意見をいただき、そして政策を形成していくということでございます。

○白石委員 非常に、異常な答弁だと思います。岸体の経緯を見ればわかります。
 本来、公正、公平であるべき行政が、そして都市計画を担う都市整備局、行政が、都市計画の規制を緩和したりとか、都市計画公園の区域を外そうとしたりとか、こういうことを日体協のためにやっていたという経緯が明らかになっているんです。それは、表向きにならない水面下の段階で、具体的に自民党の幹部とかと話して進めていくものなんだということをいっているんですよ。とんでもないというふうに思います。
 さらに伺います。
 萩生田氏との面会のやりとりでは、萩生田氏が、日建設計がこんな案を検討していると別図を広げながら、当時の安井技監に話して、安井技監は承知している、私の局が中心に副知事と相談しながら内々検討している、私も日建と会い、検討作業の方向を確認していると受け答えています。日建設計が神宮外苑プランを、なぜ、誰からの依頼で検討しているのでしょうか。安井元技監は、なぜ日建設計と会い、検討する必要があったのか、お答えいただきたいと思います。

○山崎まちづくり推進担当部長 平成二十四年二月二十八日の萩生田氏との情報交換の記録におきまして、萩生田氏が日建設計が検討していると説明しているプランの検討経緯については、都は関知をしておりません。
 国立競技場の建てかえのためには、周辺の歩行者空間等の都市基盤の整備、バリアフリー動線の整備、人だまり空間の確保など、まちづくりの課題を解決していくことが必要でございます。
 都は当時、それらの検討などのために日建設計に業務を委託しておりまして、そうした状況において、安井氏は日建設計と話をしていたものと思われます。

○白石委員 続いて、都が日建設計に神宮外苑のまちづくり調査を委託していたというふうな答弁ですが、それはどういう名称でしたか、お答えください。

○山崎まちづくり推進担当部長 報告書の名称といたしまして、霞ヶ丘町周辺地区まちづくり調査検討業務報告書ということでございますので、委託の件名といたしましては、霞ヶ丘町周辺地区まちづくり調査検討業務であったのではないかと思います。

○白石委員 霞ヶ丘町周辺地区まちづくり調査検討業務報告書ということになります。私も、この二〇一二年度の都市整備局の予算を読み返しましたが、そのような調査検討業務の痕跡はありませんでした。神宮外苑のまちづくりについては、近年、毎年のように委託調査が行われておりました。これはちゃんと議案として予算書に書いてあります。
 しかし、神宮外苑のまちづくりについて、議会には見えないやり方で進めているということも--私、読み返したら、予算書に一切書いてなかったです。しかし、この神宮外苑のまちづくりの委託調査というのは、その後やられているんですね。そのときには予算書に入っているんです。
 この二〇一一年の時点では、二〇一二年の三月、予算では、二〇一一年の予算のところでは予算書には入っていないというふうなことなんです。ここから見ても、全く議会にはばれないように、見えないやり方で進めているという、これも大問題であると指摘をするものでございます。
 以上、いろいろ述べてきましたけれども……(山崎まちづくり推進担当部長発言を求む)まだいっております。
 改めて、岸記念体育会館の移転、神宮外苑のまちづくりをめぐっては、全体の奉仕者たる公務員が、自民党の政治家と水面下でひそかに面談を繰り返し、時には自民党政治家から要望が出され、時には意向を伺いながら進められてきたことは明白になっています。
 今、部長が何かいいかけたので、どうぞ。

○山崎まちづくり推進担当部長 先ほどの予算書には載っていないという件ですけれども、国立競技場の建てかえを契機に検討を始めているわけでありまして、国立競技場の建てかえの話が出てきたのは平成二十三年度からだったと思います。
 したがって、平成二十三年度予算案の中に、要は予算要求の時期にそういったものはまだなかったわけなので、予算には計上されていなくて、年度途中に予算を流用して委託を出したということのようでございます。

○白石委員 年度途中というのは、具体的にはいつのことですか。お答えください。

○山崎まちづくり推進担当部長 予算流用の時期は、平成二十四年の二月ということでございます。

○白石委員 改めて、これから情報開示も含めてやらせていただきますので、真摯に誠実にしっかりと--今のご答弁だと予算の時期がずれていて、年度途中だったから流用したんだということでした。そして新国立が動き出したときだからということでした。
 しかし、新国立というのは国が進めるものであって、この神宮外苑と一体なものだというふうなご答弁だったと思いますけれども、しっかりとこれからこの問題についても調査をしていきたいと。よって、情報開示も含めてやらせていただきますので、すぐに出していただければというふうに思います。
 改めて、岸記念体育会館の移転、神宮外苑のまちづくりをめぐっては、先ほどもいいましたが、皆さん、全体の奉仕者たる公務員なんです。それが、先ほどいったように、必要な方、都の政策を実現される方、その方々には、議会を通さなくても、水面下で必要な情報を与えていくと。そして、都市計画規制の緩和などもどんどん検討し、進めていくと。そういう経過が今の答弁でも明らかになりました。都市整備局長も、これは当たり前なんだと、はっきりとおっしゃいました。非常に議会を冒涜した発言だと思います。
 現職の都議会議員が全く知らない中で、必要な人間と必要じゃない人間をより分けて、そして資料を与えていると。これこそ、まさしく今の都市整備局の癒着構造が明らかになったということを指摘せざるを得ないというふうに思います。
 最後に、岸記念体育会館は、あたかも五輪の運営用地として必要だから移転してもらうし、移転先も準備する、そう説明がされていましたが、この説明は後づけだったという疑惑もますます深まっています。五輪の競技会場をつかさどっている五輪組織委員会が、岸記念体育会館の敷地を五輪の運営用地として使えないかと正式に都に打診するのは、実は二〇一五年八月七日のことです。そして、運営用地とするために、岸体の敷地など優先整備区域に指定するのは十二月十五日のことです。
 ところが、その九カ月も前の三月四日に、都市整備局は、都市計画代々木公園における事業着手の必要性についてという文書を作成し、フロー図まで書かれています。岸記念体育会館の敷地を代々木公園にすることに緊急に着手する理由として、オープンスペースやたまり場など具体的な事例を挙げて、条件に合致する土地は岸記念体育会館に限られているというふうにした資料が存在しております。我が党が入手した開示資料から発覚をしております。この文書は、財務局、建設局との打ち合わせ資料に使ったということです。
 そして三月三十日、同月ですね、今挙げた都市整備局、財務局、建設局の三者で、都市整備局は岸体敷地の優先整備区域の決定をすると。建設局は、岸体敷地を二〇二〇年五輪大会までに公園として整備することを理由に、その代替地として神宮外苑の都有地を日体協に売却するなどといった資料を作成して、副知事に説明していたことも発覚をいたしました。
 都市整備局への聞き取りでは、三月四日以前に、都市整備局からオリ・パラ準備局を通じて、会場計画の検討状況などについて問い合わせをしていたと思われるとのことでしたが、昨日の文教委員会、我が党の池川友一都議会議員の質疑では、当のオリンピック・パラリンピック準備局は、大会運営に活用できる敷地が不足し、周辺に適当な用地が見当たらないことは都市整備局に伝えていたものの、では、岸記念体育会館の敷地が必要だと伝えていたのかと、何度も池川都議会議員、オリ・パラ局に聞きましたが、伝えたとはいいませんでした。
 そして、三月四日の文書も三月三十日の文書もオリ・パラ準備局は持っておらず、その文書の存在を知ったのが、ことし一月だということです。岸記念体育会館が五輪運営地として必要だから緊急に買い上げなければならない、そういうシナリオをオリ・パラ準備局のあずかり知らぬところでつくり、実行することを確認していたと。これらの事実からも、実際に日体協を優遇するために、オリンピックを口実にしたといわざるを得ません。
 共産党都議団は、この岸記念体育会館に関連する予算の凍結とともに、真相を究明するために全力を挙げる決意でございます。
 そして、きょう都市整備局長も含めて答弁された、水面下では、都議会議員でもない、その国家プロジェクトを実現する実力者には何をやってもいいと、資料を上げてもいいと。しかし、現役の都議会議員や必要でない人たちには資料も渡さない、そして表向きになったときにお知らせをするという差をつけていることも明らかとなりました。
 このような問題、これで終わるわけにはいきません。日本共産党都議団、この岸記念体育会館の問題、真相究明のため全力を挙げる決意を申し上げて、そして本陳情を採択すべきだと主張して、質問を終わります。(山崎まちづくり推進担当部長発言を求む)質問終わっているよ。

○山崎まちづくり推進担当部長 まず、先ほどの代々木公園の整備につきまして、もともと岸記念体育会館の敷地は都市計画代々木公園の区域の中にあったと、いずれは公園として整備するべき土地であったわけですから、都市整備局としては、当然、岸記念体育会館が移転後の土地につきまして、公園として整備するということの検討をしていたということでございます。
 そうした中で、オリンピック・パラリンピック準備局を通じまして、組織委員会に会場計画の検討状況を問い合わせたりしていたと。その際、代々木競技場のみでは大会運営用地に活用できる敷地が不足していること、また、その周辺に適当な用地が見当たらないことは聞いていたというようなことでございます。
 今お話しの二十七年三月四日付の都市整備局が作成した文書というのは、そうしたオリ・パラ局あるいは組織委員会とのやりとりを踏まえて、都市整備局において作成したものと思われます。
 また、本日、岸記念体育会館の移転、建てかえに関する陳情について、いろいろご質疑をいただいたわけでございますけれども、陳情の要旨でもあります岸記念体育会館の移転、建てかえの経過を全面的に明らかにすること、このことにつきましては、現在我々としてできることは精いっぱいさせていただいていると思っております。
 これも説明しておりますけれども、さきの第一回定例会では、予算案計上に当たって、改めて関連した情報を整理し、それに基づいて丁寧かつ具体的な説明や答弁をさせていただいております。また、この間、情報開示請求に対しましても適切に対応させていただいております。
 また、今月からは、都市整備局のホームページにおきまして、会館移転の経緯等について事実関係を掲載するとともに、庁内での検討資料や関係者とのやりとりの記録なども含めて、関連する公文書も公開をさせていただいております。
 こうした説明あるいはホームページを見ていただければおわかりいただけると思いますが、都といたしましては、神宮外苑地区におけるスポーツクラスターの形成については、「十年後の東京」への実行プログラム二〇一一等の長期計画に位置づけまして、国立競技場の建てかえやオリンピック・パラリンピック大会招致といった国家プロジェクトとも連動し、都の政策として取り組んできているものでございます。
 日体協については、代々木における現在地の建てかえをかつて検討していたわけですけれども、それにはいろいろ課題もあった中で、スポーツクラスター形成という政策目的に資するものとして、都から日体協に対しまして、岸記念体育会館の移転の検討をすることを提案し、都は関係者と調整を進めてきたということもご説明してきているとおりでございます。
 いろいろ開示させていたいただいた文書からも、あるいはその当時の担当者から聞き取った情報からも、森氏ら政治家からの働きかけによって、この岸記念体育会館の移転が始まったものではないということも明らかでございますし、また、政治家らの働きかけによって行政がゆがめられているという事実もございません。
 また、法律の専門家等による検証もこの間受けておりまして、その調査報告におきましては、経緯や手続等に関して、裁量権の行使も含め、明らかな違法性または法令違反の疑いは認められないというふうにされております。
 私どもといたしましては、今後とも一層の説明責任を果たしながら、神宮外苑のまちづくりを推進してまいります。

○白石委員 今、質問が終わったときに答弁をして、もう本当にひどいと。
 しかも、働きかけはなかったと。そもそも安井氏のヒアリングで、森氏から石原氏に働きかけがあった、相談があったと思うというヒアリングをやられているじゃないですか。本当にこういったところでも、オリ・パラの準備局に対してもですよ、もう一定の予算特別委員会でしっかりと明らかになっているんです。知らなかったといっているんです。
 本当に、こういうふうな問題一つ一つ合わせて、しっかりとこれからこの問題、終わらせるわけにはいかないということが一層明らかになったということを申し上げて、質問を終わります。

○たきぐち委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○たきぐち委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第一九号の一は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。

○たきぐち委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、築地再開発検討会議(第五回)について外四件の報告を聴取いたします。

○木村まちづくり調整担当部長 資料4から資料7の築地再開発に関する説明をさせていただきます。
 初めに、三月二十九日に開催いたしました第五回築地再開発検討会議についてご説明いたします。
 お手元の資料4をごらんください。概要でございますが、まず事務局から、第四回会議までのご意見等を踏まえた補足説明、事例報告、有識者ヒアリングの報告を行い、コラス委員から補足説明を行っていただいた後、テーマ別の議論を行いました。
 これらに関して、委員の方からいただきました主な意見をご報告させていただきます。
 伝統とモダニティーを一緒に生かしながら、築地の独特な文化を生かしながら、住む人にも経済的にも意味のある築地になったらいい。
 大きな視点、包括的な、総合的な大きな目で、どういう方向に築地へ持っていったらよいかということのアイデアを提供するのが我々の役割。
 銀座から築地までの間に歌舞伎座、築地本願寺などがあり、全体を商業地域から歴史文化地域にするなどの統一的なある程度の方向性を打ち出し、それに沿って築地市場跡地を開発していく方が現実的。
 実存した築地ホテルの再建など、魅力的風景を復元できれば、インパクトある観光資源になると考える。そして、歴史的建造物とつないで広がりを持たせて、築地を歴史のまちという形で全面的に押し出すような開発も考えられる。
 防災の視点で再開発が担うべき役割を打ち出していくべき。避難場所や備蓄の役割もあると思う。
 段階的につくっていくプロセスをどのようにマネジメントしていくのか、公民学の連携で仕組みをつくり上げていくことが重要。
 都がリーダーシップを握って、駅や舟運、道路をつなぐ結節点をつくるなどの検討をしないといけない。長期にわたるので、全体的なマネジメントという意味で、皆が同じ方向に向かって議論できる場をつくっていくべき。
 市場経済に受け入れられる施設に持っていかないと、自己満足的なものになりかねない。
 国の観光戦略の方向性も、付加価値を高めていこうというような方向になっているので、築地跡地についても同じ方向にやっていくのがベストではないか。
 今までの会議の中で、時間軸やコンセプト、機能など、いろいろな階層の話が出てきており、これらを整理することが必要。
 この会議でどこまで何を議論するのか、そこのレベル感を合わせていかないと、鳥の目で全体の基本的な考え方はまとまらない。ここで議論しないことをはっきりさせることが必要など、それぞれのお立場から貴重なご意見等をいただきました。
 続きまして、四月十九日に開催しました第六回築地再開発検討会議についてご説明させていただきます。
 資料5をごらんください。概要でございますが、事務局から、第五回会議までのご意見を踏まえ、補足説明及び築地まちづくりの大きな視点骨子案について説明を行いました。
 委員の方からいただきました主な意見をご報告いたします。
 付加価値目標や経済の波及効果の目標を設定するなど必要と思うが、少なくとも、無条件で何でもできることにならないよう、一定の経済合理性という表現を入れる必要がある。
 経済的価値を最大化するのは当たり前として、文化的な価値を最大化するというような文言を具体的に入れていただいた方がよい。
 大都市である東京に、何が足りない、多過ぎるという視点からズームインする必要があるのではないか。
 次のまちづくり方針も大事であり、経済合理性による規律が必要という面と、現在の収益性だけに注目して民間に委ねないよう考えていく必要がある。
 民間の力もかりながら新しい東京のブランドをつくっていくという流れがわかるように、より広域的な視点を加えてはどうか。
 電気自動車の普及、エネルギーの自活などもイメージし、新しい技術の展開を見据えて考えるなど記載した方がよい。
 他の主体も含めて横断的な問題解決ができる継続的な体制が必要。
 多様な主体が意見を出し合って考えるステップが必要など、貴重なご意見等をいただきました。
 また、これらのご意見を踏まえ、座長から、大きな視点骨子案についての、各委員からの意見等を踏まえた修正や取りまとめの方向性について、見解が示されました。
 続きまして、五月二十一日に開催しました第七回築地再開発検討会議についてご説明いたします。
 概要でございますが、築地まちづくりの大きな視点案について、築地再開発検討会議において決定し、知事に報告することが了承されました。
 その後、座長より知事に、築地再開発検討会議が取りまとめた築地まちづくりの大きな視点を手交いたしました。
 引き続きまして、会議で取りまとめられました築地まちづくりの大きな視点についてご説明いたします。
 お手元に、資料7、概要と資料8の冊子をお配りしておりますが、資料7によりご説明いたします。
 まず、検討会議の役割といたしまして、長期的時間軸に立った築地再開発の今後の検討と実施の枠組みを提供することとしております。
 次に、基本的な考え方などを五つの項目として整理しております。
 1、立地条件の最大限活用といたしまして、舟運、地下鉄など広域性の高い交通インフラから構成される交通結節点を戦略的に形成すべき。
 2、時間軸を見据えた周辺との有機的つながり強化では、都心の大規模な敷地で都民の貴重な財産である、価値をより高めるため周辺のさまざまな資源とのつながりを重視すべきといたしまして、楽しく歩ける歩行者のネットワークを形成し、広域的な回遊性を高めていく、特に浜離宮との連続性を生かしていく、また、インフラの検討、整備の状況も勘案しながら、段階的開発により価値の最大化を図るべきとしております。
 3、地域のブランド価値の再構築では、周辺と連携し新たな築地ブランドを創造しながら人々が集う交流拠点を形成すべき、日本人の伝統的食生活、習慣の中核に根差す世界にも知られたブランドを先端技術も活用し後世に伝える工夫をすべき、潜在的ブランドを顕在化する努力を行いつつ、将来の都民にとっての新たな価値を創出すべき。
 4の新たな築地が持つべき機能と空間のあり方では、大規模な敷地特性に応じて戦略的に機能を導入するといたしまして、東京及び日本全体にとって重要な役割を担うこと、環境技術など新技術の展開を見据える、経済合理性を意識しながら東京に不足しているものを補うなどの視点を重視していくこととしております、また、将来のニーズ喚起などのための一定のスペースの確保や、そのスペースの効果的な利用のためのマネジメントについても検討すべき、東京の競争力を高めていくため、良質な公園や広場などを適切に確保する、二十三ヘクタール内の地域特性に応じた空間イメージの基本的考え方を提示しております。
 5、ガバナンス体制の構築につきまして、一定の経済合理性を確保しながら総合的に価値の最大化を図る、一貫した方針に基づき中長期的開発のマネジメントを行っていくべき、ガバナンス組織の設置についても検討すべきでございます。
 説明は以上でございます。

○安部防災都市づくり担当部長 震災時火災における避難場所等の指定についてご説明申し上げます。
 資料9、震災時火災における避難場所等の指定(第八回)の公表についてをごらんください。
 都市整備局では、震災時に拡大する火災から都民を安全に保護するために、区部の避難場所、地区内残留地区及び避難道路を東京都震災対策条例に基づきまして指定しております。
 避難場所等の指定は、昭和四十七年からおおむね五年ごとに見直しを行っており、今回の指定見直しは第八回目となります。
 地域防災計画における避難者対策の位置づけとしましては、地震による火災が近隣で発生した際に、区の避難指示に基づき、まず、一時集合場所に集まり、災害の状況を見きわめます。一時集合場所に火災の危険がある場合は指定された避難場所へ移動し、火災が鎮火し、危険がなくなるまで待機します。
 また、火災の危険があり、一時集合場所に行けない場合は、直接、指定された避難場所に移動する場合もございます。
 避難場所は、火災の熱から身を守るために広いスペースを必要とすることから、面積をおよそ五ヘクタール以上としておりまして、火災の熱の影響が少なく、避難者が安全な場所まで後退できる奥行きがある場所を指定しております。
 一方、地区内残留地区は、周辺の不燃化が進んでおり、火災が発生してもエリア内に大規模な延焼火災のおそれがなく、避難場所への避難を要しない地区でございまして、避難場所が指定されておりません。
 地区内残留地区は、面積や建物の耐火率、火災危険度などの要件をもとに指定しております。
 次に、第八回の見直しの概要でございます。
 避難場所は、前回の百九十七カ所から今回二百十三カ所に増加しております。不燃化の進捗などによりまして周囲の安全性が高まったことから、都営住宅団地など新たに十七カ所を避難場所に追加するとともに、土地利用の変更に伴い、一カ所を廃止しております。
 地区内残留地区は、都市再生の取り組みを進めてきた結果、これまでの約一万ヘクタールから一万一千ヘクタールへと拡大しております。
 遠距離避難等に使用する避難道路は、前回から変更ございません。
 今回の見直しのポイントでございます。
 避難計画人口一人当たりの避難有効面積が一平方メートル未満の避難場所がこれまで一カ所ございましたが、避難場所の拡大などによりまして、全て一平方メートル以上と、防災都市づくり推進計画の目標を達成しております。
 次のページに避難場所等変更図、さらにその次に避難道路指定図を添付しております。
 以上で避難場所等の指定見直しについてのご報告を終わらせていただきます。この内容につきましては、本日付で公表いたします。

○たきぐち委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○たきぐち委員長 次に、理事者から、平成二十九年度東京都一般会計予算の繰り越しについて外二件の報告を聴取いたします。

○桜井総務部長 お手元の資料10、平成二十九年度繰越説明書によりましてご説明をいたします。
 今回のご報告は、平成二十九年度予算の繰越明許費繰越及び事故繰越について、地方自治法施行令第百四十六条第二項及び第百五十条第三項の規定によりまして、議会にご報告するものでございます。
 資料の一ページをお開き願います。初めに、番号1、平成二十九年度繰越明許費繰越総括表でございます。
 一般会計及び特別会計の各会計別に、予算現額、繰越明許費予算議決額、翌年度繰越額及びその財源内訳を記載してございます。
 合計欄をごらんください。予算現額の欄の右側の欄、繰越明許費予算議決額を記載してございますが、これが二百三十九億六千二百万円であるのに対して、翌年度繰越額は百九十一億九千七百万余円となってございます。財源といたしましては、その右に記載のとおり、国庫支出金、都債及び繰越金などを充当してございます。
 次に、番号2、平成二十九年度事故繰越総括表でございます。
 一般会計につきまして、支出負担行為額、翌年度繰越額及びその財源内訳を記載しております。
 支出負担行為額が三億三千四百万余円であるのに対して、翌年度繰越額は一億四千四百万余円となっております。財源は、その右に記載のとおりでございます。
 ページをおめくりいただきまして、三ページ以降は事業別の内訳となっております。
 まず、一般会計でございます。
 五ページをお開き願います。番号1、臨海都市基盤関連街路整備でございます。繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関との調整に日時を要したことによるものでございます。
 六ページをお開き願います。番号2、都市改造でございます。繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関等との調整及び物件移転補償に伴う関係人の移転等に日時を要したことによるものでございます。
 右側の七ページをごらんください。番号3、住宅建設事業でございます。繰越理由は、都営住宅等事業会計における住宅建設事業の繰り越しに伴い、その財源として繰り越しをするものでございます。
 続きまして、九ページをお開き願います。事故繰越でございます。
 番号1、都市改造でございます。繰越理由は、先行工事の遅延及び地中障害物の影響によるものでございます。
 次に、都営住宅等事業会計でございます。
 一三ページをお開き願います。番号1、住宅建設事業でございます。繰越理由は、住宅建設工事に伴う関係機関等との調整等に日時を要したことによるものでございます。
 最後になりますが、臨海都市基盤整備事業会計でございます。
 一七ページを開き願います。番号1、臨海都市基盤整備でございます。繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関との調整等に日時を要したことによるものでございます。
 以上をもちまして、平成二十九年度予算の繰り越しについてご報告を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○たきぐち委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 異議なしと認め、平成二十九年度東京都一般会計予算の繰り越しについて外二件に対する質疑は、いずれも終了いたしました。

○たきぐち委員長 次に、第二百二十二回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。

○佐藤都市整備局長 来る九月五日に開催予定の第二百二十二回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
 今回、東京都決定・変更予定案件が区部で一件、市町村部で一件、大島町決定の付議予定案件が一件ございます。本日は、これらのうち主な案件といたしまして、世田谷区成城九丁目ほか各地内の用途地域の変更につきましてご説明申し上げます。
 それでは、引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いします。

○久保田都市づくり政策部長 付議予定案件ナンバー1、世田谷区成城九丁目ほか各地内における用途地域の変更についてご説明いたします。
 資料は、お手元の資料12、白色表紙、提案事項概要五ページから一三ページまで、資料13、薄茶色表紙、事前説明会資料五ページから三一ページまででございます。
 資料13、事前説明会資料五ページの位置図とあわせてスクリーン上の位置図をごらんください。
 変更箇所は、世田谷区内の用途地域が指定されている区域のうち、スクリーン上、赤色の斜線でお示しをしている第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域及び準工業地域が指定をされてございます約二千二百七十七・二ヘクタールの区域です。
 世田谷区では、敷地面積の最低限度の制限のない低層住居専用地域以外の住宅地において敷地の細分化が進んでいることを踏まえ、世田谷区都市整備方針において、良好な住環境を維持し、住みやすい住宅地を形成するため、敷地面積の最低限度など新たな規制の導入を目指すとしております。
 平成二十九年九月、世田谷区では、商業系用途地域を除く用途地域において、敷地面積の最低限度を導入するなどとした建築物の高さ及び敷地面積に関するルールの見直しの基本的な考え方を策定し、これに基づき、敷地面積の最低限度を定めます。
 資料12、提案事項概要五ページから一三ページまで、資料13、事前説明会資料五ページから三一ページまでの計画図とあわせてスクリーンをごらんください。
 用途地域の変更内容についてご説明いたします。
 変更の内容といたしましては、現行の指定建蔽率や地域の特性に応じて、六十平方メートル、七十平方メートル、八十平方メートル及び百平方メートルの計四種類を指定いたします。
 なお、今回の用途地域の変更に合わせ、世田谷区において高度地区の変更が行われる予定です。
 付議予定案件ナンバー1の説明は以上でございます。

○たきぐち委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○滝田委員 私からは、町田市の都立大戸緑地にかかわる都市計画の変更に関して質問をいたします。
 私は、八王子市選出ではありますが、この大戸緑地のあります相原地区は、八王子市との市境にありまして、町田市選出の議員を通じて地元の声はこちらにも届いております。
 大戸緑地には、既に開園済みの二十二・四ヘクタールの都立公園に加えて、隣接して町田市の大地沢青少年センターが連担しており、丘陵地の豊かな自然を保全しつつ、その資源が自然体験やレクリエーションに活用されています。
 実は本日の朝も見に行ってきましたけれども、ハイキングをしているシニアの方々や子供たちの遠足などで、すてきな緑を楽しんでいました。すさんだ心が洗われる環境でしたので、ぜひとも皆様に休日にはハイキングに行っていただきたいなというふうに思います。
 地元相原地区の皆様も、長年、行政と連携して自然保全に努めてきました。今後の整備におきましても地元の関心は高く、さらなる連携が重要であると理解しております。
 公園整備そのものは建設局所管でありますけれども、当該都市計画の変更において、整備自体がどのような影響を受けるのか、地域住民の皆様の理解を深めておく必要があるものと考えております。
 そこで、当該大戸緑地の都市計画変更の狙いをお伺いいたします。

○久保田都市づくり政策部長 都市計画大戸緑地は、これまで町田都市計画道路第三・四・四六号大戸線から約五十メートル西側に離れて計画をされておりましたが、今回、計画区域の一部を都市計画道路に接するように変更し、計画面積を約一・六ヘクタール追加するものでございます。
 今回の変更によりまして、都立大戸緑地の入り口が都市計画道路に面し、利用者にわかりやすい位置に配置できることとなり、アクセスの向上が図られます。
 また、これまで計画区域外であった樹林地を計画区域に含めることにより、既定の計画区域内の樹林地と一体的な緑として保全を図ることが可能となります。

○滝田委員 ありがとうございます。都立大戸緑地、現在のアクセスは細い生活道路を通り抜ける形となっておりまして、利用者にも、市民の方にも好ましい状況とはいえません。宅地でもあり、拡張は難しいところでもあります。その中で、町田街道からのアプローチ整備は利用の促進につながることに加えて、都心に近接する貴重な自然に対しての関心をさらに高めるものになります。
 また、地元の方々からは、都立大戸緑地と町田市の大地沢青少年センターの一体感のある環境整備も期待されています。
 今回の都市計画変更を経て建設局が整備を進めていくことになりますが、東京都、町田市、地域の方々で協働して前に進めていただきますよう、重ねて要望いたします。
 以上です。

○藤井委員 それでは、最後になりますが、質問させていただきます。
 私は、先ほどご説明いただいた都市計画審議会の資料13の一番最後に載っております、三七ページ、大島都市計画ごみ焼却場第三号大島町北部第二ごみ焼却場についてでございます。
 これを廃止することの内容についてですが、これはもちろん賛成をするわけですけれども、先月ですか、私も大島町に行ってまいりまして、いろいろ見てまいりました。その中で、ちょっとこの問題について一言いわせていただきたいと思います。
 大島町は、大分前というか、し尿処理施設というのがなかったものですから、各家庭から集めたし尿をバキュームカーで集めまして、それを山間地に廃棄をしていたという実態があります。私も、かつてそういった現場を見に行ったこともあります。
 そのため、東京都から、し尿処理施設をつくれという指導が大島町にあり、また、大島町では町議会で特別委員会をつくりまして、この問題について種々議論をしてきたという経過がございます。
 また、大島町にありましたいわゆる清掃工場、野増というところにあったわけですけれども、これが老朽化をいたしまして、新しい清掃工場をつくらなきゃいけないという時期でございましたので、こういったし尿を含める汚泥処理施設と清掃工場と、あわせて新しい施設を建設するということになったわけでございます。
 このために、平成二十一年三月に、大島町の中に大島町循環型施設基本構想というのが作成をされまして、し尿処理施設、汚泥施設と清掃工場の二つの施設を一体的に複合施設として整備をする事業が始まったわけであります。
 私も、この施設が建設中に現場に行ったこともあります。その際、現地で説明を受けた、そしてまた担当課長として第一線で指揮をとっていたのが、今の大島の三辻町長であります。
 そういった経過もございまして、千波環境美化センターという汚泥再生処理施設が平成二十六年四月にできたわけです。事業主体は大島町でございますけれども、これができたことによって、今までの施設でありましたごみ焼却場が廃止になるということでございます。
 そういう経過の中で、今回、大島町におきますごみ焼却場の都市計画変更、これについては、新しい施設の稼働に伴い不用となったごみ焼却場を廃止するものであるんですけれども、新しい施設はどういう整備効果があるのか、お伺いいたします。

○荒井都市基盤部長 委員お話しされたとおり、大島町では、ごみ焼却場と汚泥再生処理施設が一体となった施設を平成二十三年に都市計画決定し、平成二十六年四月より稼働を開始しております。
 この新施設では、汚泥再生処理施設に集められたし尿及び浄化槽汚泥と給食センターから発生した生ごみを合わせて処理脱水したものを、ごみの燃焼を助ける助燃剤として利用するなど、リサイクルを実施しております。
 また、最新の処理技術によりまして、効率よくごみを焼却し、ダイオキシンの発生量を大幅に低下させるとともに、ごみピット内の臭気を高温で熱分解することにより、悪臭が外部に拡散するのを防止するなど、これまでより環境に配慮した施設となってございます。

○藤井委員 ただいまご説明ありましたように、新しい施設、私も先日見てきましたけれども、一つはダイオキシンの発生を抑制する、そういう最新技術が導入されておりますし、また、ごみを集めていますけど、大変におうんですけれども、そのごみのにおいも高温で熱分解をしちゃう。だから、外に悪臭が出ることがないとか、あるいはすごいなと思ったのは、太陽光発電パネル、これを設置しまして、そこで太陽光で得た電力を使って電気自動車に充電するという、そういった環境に優しい施策も推進をしておりました。
 なお、普通ちょっと、ごみ施設ですけど、この施設の中に見学者用の通路がありまして、中央制御室とか、プラットホームとかごみピットとか、内部を見学できるようにもなっているというものでございました。そういう意味で、すばらしい施設ができたということでございます。
 ぜひ、都民ファーストの皆様にも大島町に行っていただいて、こういった施設も見ていただければと思っております。
 それでは、最後に、今回廃止いたしましたごみ焼却場の跡地は、どのように利用されるのかについて伺います。

○荒井都市基盤部長 今回、都市計画を廃止いたします北部第二ごみ焼却場の跡地については、大島町が平成二十六年十二月にごみの焼却を停止し、平成二十八年三月末にごみ焼却場の廃止届を環境局に提出しておりまして、その後、建物の除却を行い、現在更地となっております。
 都市計画を廃止した後、大島町が資源物である段ボールの保管庫を設置する予定と聞いております。

○藤井委員 最後ですが、大島町は大変いろんな施設が整備されております。一つは安定型の最終処分場、それから粗大ごみの処理場を初め、民間活力を導入いたしましてリサイクルセンター、それからエコクリーンセンター、さらには島嶼一部事務組合によります管理型最終処分場など、非常に大島町の施設整備が充実をしてきております。
 そういった意味で、町の関係者と東京都の関係者の皆様のご努力に敬意を表しまして、ちょうど五時で終了いたします。

○たきぐち委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 異議なしと認め、第二百二十二回東京都都市計画審議会付議予定案件についてに対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時一分散会

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