都市整備委員会速記録第一号

平成三十年二月十五日(木曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長たきぐち学君
副委員長白石たみお君
副委員長馬場 信男君
理事小林 健二君
理事森澤 恭子君
理事神林  茂君
後藤 なみ君
滝田やすひこ君
森口つかさ君
星見てい子君
木下ふみこ君
山口  拓君
藤井  一君
秋田 一郎君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務邊見 隆士君
次長小泉  健君
技監上野 雄一君
理事今村 保雄君
理事佐藤 伸朗君
総務部長桜井 政人君
都市づくり政策部長久保田浩二君
住宅政策推進部長佐々木秀之君
都市基盤部長中島 高志君
市街地整備部長選手村担当部長兼務山下 幸俊君
市街地建築部長青柳 一彦君
都営住宅経営部長小野 幹雄君
基地対策部長青山 忠幸君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務佐々木 健君
連絡調整担当部長土屋 太郎君
都市づくりグランドデザイン担当部長五嶋 智洋君
まちづくり推進担当部長山崎 弘人君
まちづくり調整担当部長木村 宣代君
住宅政策担当部長田中 敬三君
民間住宅施策推進担当部長栗谷川哲雄君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務伊佐 賢一君
防災都市づくり担当部長安部 文洋君
多摩ニュータウン事業担当部長宮城 俊弥君
局務担当部長齊藤  敏君
耐震化推進担当部長飯泉  洋君
経営改革担当部長八嶋 吉人君
再編利活用推進担当部長渡辺 正信君
建設推進担当部長妹尾 高行君
営繕担当部長村居 秀彦君
横田基地共用化推進担当部長交通政策担当部長兼務堀   真君

本日の会議に付した事件
都市整備局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成三十年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備局所管分
・平成三十年度東京都都営住宅等事業会計予算
・平成三十年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・平成三十年度東京都都市開発資金会計予算
・平成三十年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・平成三十年度東京都都市再開発事業会計予算
・平成二十九年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 都市整備局所管分
・東京都鉄道新線建設等準備基金条例
・東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・都営住宅二十九H-一一一東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
・都営住宅二十九H-一一二東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
・都営住宅二十九H-一一四西(多摩市中沢一丁目)工事請負契約
請願陳情の審査
・二九第四七号 羽田空港増便による都心での新低空飛行ルートの再検討を国に求めることに関する請願
・二九第一二二号 都営住宅における犬猫飼育に関する陳情
報告事項
・ 築地再開発検討会議(第三回)について(説明)
・東京都住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画(案)について(説明)
・「地震に関する地域危険度測定調査(第八回)」の公表について(説明)
・第二百二十一回東京都都市計画審議会付議予定案件について(説明・質疑)

○たきぐち委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は三十二名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○たきぐち委員長 初めに、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、請願陳情の審査及び報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、提出予定案件及び報告事項の築地再開発検討会議(第三回)について外二件は、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項、第二百二十一回東京都都市計画審議会付議予定案件については、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○邊見東京都技監 本日は、平成三十年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、予算案が二件、条例案が二件、契約案が三件でございます。
 初めに、お手元の資料1、平成三十年度当初予算説明書に沿いまして、予算案の内容についてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。都市整備局所管全会計の予算総括表でございます。
 当局は、一般会計、特別会計及び公営企業会計を合わせまして、六つの会計を所管してございます。
 都市整備局予算の基本的な考え方ですが、災害に強い都市づくりの推進や、国際競争力の強化等に資する市街地やインフラの整備、快適な都市環境の形成、豊かな住生活の実現などに向けた施策を積極的に展開するとともに、都市づくりのグランドデザインで示した都市像の実現に向けた取り組みを推進するための経費を計上してございます。
 平成三十年度の会計別予算額について、表の上から順に申し上げます。
 まず一般会計は千三百四十二億九百万円でございます。
 次に、特別会計ですが、都営住宅等事業会計は千七百三十六億九千七百万円、都営住宅等保証金会計は十四億五千四百万円、都市開発資金会計は四十億五千七百万円、臨海都市基盤整備事業会計は二十三億六千三百万円でございます。
 次に、公営企業会計ですが、都市再開発事業会計は三十四億六千九百万円でございます。
 これら全ての会計の合計は三千百九十二億四千九百万円でございます。
 平成三十年度予算の主なポイントについて申し上げます。
 まず、災害に強いまちづくりでございます。
 木造住宅密集地域の改善に向けて、引き続き、特定整備路線の整備や不燃化特区における支援に積極的に取り組んでまいります。
 加えて、都有地を活用した権利者等の受け皿づくりを行うなど、不燃化を加速してまいります。
 建築物の耐震化促進につきましては、整備地域内において重点的に支援を進めてきた住宅の耐震化につきまして、整備地域外を含め、所有者への積極的な働きかけを行う区市町村を対象に支援を拡充してまいります。
 次に、都市の緑を守る取り組みでございます。
 東京の緑を、総量としてこれ以上減らさない、この目標を実現するための取り組みを具体化してまいります。
 このうち、農地につきましては、区市が公園として整備するために生産緑地を買い取る経費を補助するなど、都市の貴重な緑として守り、生かす取り組みを進めてまいります。
 次に、豊かな住生活の実現に向けた取り組みでございます。
 空き家対策を一層推進するため、区市町村への支援を拡充するとともに、既存住宅流通の活性化に向けた取り組みを進めてまいります。
 また、住宅セーフティーネット法に基づく登録住宅への助成を実施して、高齢者など住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居を支援してまいります。
 最後に、将来を見据えた取り組みでございます。
 都市づくりのグランドデザインで示した都市像を実現するため、調査検討などを進め、取り組みを具体化してまいります。
 また、鉄道ネットワークの充実強化に向け、交通政策審議会答申において事業化に向けて検討などを進めるべきとされた六路線について、検討を深度化するとともに、事業等の財源となる基金を設置し、関係者との協議、調整を加速してまいります。
 次に、平成二十九年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、平成二十九年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。平成二十九年度都市整備局補正予算総括表でございます。
 この補正予算案は、主に、現時点で執行しないことが明らかな事項について、不用額を精査いたしまして、必要な予算上の対応を行うものでございます。
 表の中央、縦の列にございます補正予算額欄をごらんください。
 平成二十九年度補正予算額は、一般会計においてマイナス百三億三千三百万余円でございます。
 続きまして、条例案についてご説明を申し上げます。
 お手元の資料3、平成三十年第一回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
 まず、東京都鉄道新線建設等準備基金条例案でございます。東京の持続的な成長に向け、鉄道ネットワークの充実等を図るため、東京都鉄道新線建設等準備基金を設置するものでございます。
 次に、東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございます。地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部を改正する政令の施行を踏まえ、二級建築士試験等の手数料の額を改定するものでございます。
 最後に、契約案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料4、平成三十年第一回都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。江東区辰巳一丁目などにおける都営住宅の工事請負契約議案が三件でございます。
 私からの説明は以上でございます。
 引き続き詳細な内容につきまして、総務部長からご説明をいたします。ご審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。

○桜井総務部長 まず初めに、平成三十年度当初予算案についてご説明を申し上げます。
 お手元の資料1、平成三十年度当初予算説明書をごらんください。
 都技監から先ほど総括的にご説明申し上げましたので、主な事業の概要について、一般会計から順にご説明を申し上げます。
 五ページをお開き願います。都市整備局一般会計総括表でございます。
 まず歳出でございますが、一番上の段、都市整備費の欄をごらんください。
 三十年度予算額は千三百四十二億九百万円、二十九年度予算と比較した増減率は、一番右に示してございますとおり、マイナス六・五%でございます。
 次に、歳入でございますが、一番下から二段目、計の欄をごらんください。
 三十年度予算額は七百十五億一千三百万余円、増減率はマイナス一〇・五%でございます。
 続いて、主要事業につきましてご説明申し上げます。
 八ページをお開き願います。表の左上、枠の外には予算科目の項を記載しておりまして、第一項、都市整備管理費でございます。
 表の一番上の段、第二目、企画調査費は、三十年度の事業費十八億二千万余円を計上し、前年度比較六億九千万余円の増となってございます。
 表の左側、中ほどには、特定財源及び差引一般財源を記載しておりまして、以下、各事業とも同様の形で記載させていただいております。
 表の右側、概要欄に事業の詳細を記載してございます。このうち、(1)の総合計画に関する調査のうち、オの緑確保の仕組みづくりの検討等は、確保することが望ましい既存の緑を明らかにするとともに、農地や樹林地などを保全する取り組みの具体化に向けた調査検討等を行うものでございます。
 (2)、東京における土地利用に関する基本方針策定調査は、都市づくりのグランドデザインを踏まえた土地利用のあり方について、基本方針の策定に向け、調査検討等を行うものでございます。
 (3)、都市計画区域マスタープランの改定は、法定計画である都市計画区域マスタープランの改定に向け、調査検討を行うものでございます。
 (5)、生産緑地公園補助制度は、新規事業でございまして、生産緑地の宅地化による緑の減少を抑制する取り組みとして、区市が公園、緑地として整備するために生産緑地を買い取る際に、買い取り費用に対して補助を行うものでございます。
 右側の九ページをごらんください。(11)と(12)は新規事業でございます。
 (11)、都市づくりに関する情報発信は、東京のインフラやまちづくりの技術を積極的に海外へ発信するための調査検討などを行うものでございます。
 (12)、集約型地域構造への再編の促進は、区市町村が立地適正化計画を策定する場合に、これに要する費用に対する補助を行うものでございます。
 一〇ページをお開き願います。第三目、水資源対策費につきましては、事業費十一億六千八百万余円を計上してございます。
 これは、八ッ場ダム建設に伴って必要となる関係住民の生活再建や生活環境、産業基盤の整備などの事業に対して、必要な経費を負担するものでございます。
 一三ページをお開き願います。第二項、都市基盤整備費の第二目、都市基盤調査費は、事業費十九億九千五百万余円を計上してございます。
 概要欄の(7)、東京の都市計画道路網の検討調査は、第四次事業化計画で優先整備路線として選定されなかった路線の今後のあり方などを検討する調査でございます。
 一四ページをお開き願います。(11)の広域交通ネットワーク形成等に関する調査は、国の交通政策審議会答申において事業化に向けた検討などを進めるべきとされた六路線について、事業化に向けた検討の深度化を図るものでございます。
 (15)と(16)は新規事業でございます。
 (15)の自転車活用推進法の施行に伴う検討調査は、自転車活用推進法の趣旨を踏まえ、自転車の活用の推進に向けた検討を行うものでございます。
 (16)の多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画改定調査は、下水道整備の基本となる計画の改定に向け調査検討を実施するものでございます。
 右側の一五ページをごらんください。第三目、都市基盤施設等助成費は事業費百八十七億一千八百万余円を計上してございます。
 概要欄の(1)、都市高速鉄道建設助成等のうち、ア及びイは、交通局及び東京地下鉄株式会社の大規模改良や耐震補強に対し、補助等を実施するものでございます。
 また、ウの鉄道新線建設等準備基金積立金は、後ほど条例案のご説明をいたしますが、これまで社会資本等整備基金に積み立ててきた東京地下鉄株式会社の株式配当金を、新たに設置する鉄道新線建設等準備基金に積み立てるものでございます。
 一六ページをお開き願います。(8)、鉄道駅総合バリアフリー推進事業は、鉄道駅へのホームドアやエレベーターの設置、トイレの洋式化を促進するため、整備費の一部に対して補助を行うものでございます。
 多機能トイレの設置や駅ホームの点状ブロック整備を補助対象に追加し、鉄道駅におけるバリアフリー化を促進してまいります。
 右側の一七ページをごらんください。(11)、観光バス駐車場整備費補助は、新規事業でございまして、観光バスの受け入れ環境を整備するため、観光バス駐車場整備について国の補助と連携して支援を実施するものでございます。
 一九ページをお開き願います。第三項、市街地整備費の第二目、都市防災施設整備事業費は、事業費六十九億九千万余円を計上してございます。
 概要欄の(4)、防災密集地域再生促進事業は、木造住宅密集地域において、住宅の建てかえや共同化等により不燃化を促進する事業でございます。
 このうち、ウの不燃化特区制度は、特区内において、専門家の派遣を行う区に対する支援や老朽建築物の建てかえや除却に対する助成、都税の減免措置などの特別の支援策を実施するものでございます。
 二〇ページをお開き願います。第三目、土地区画整理助成費は、事業費九十八億一千七百万余円を計上してございます。
 概要欄の(1)、土地区画整理事業助成は、区市町村や民間が施行する土地区画整理事業に対し助成を行うものでございます。
 まちづくりの機会を捉えた無電柱化を促進するため、無電柱化に対する助成に新たな加算を行ってまいります。
 二三ページをお開き願います。第六目、都市改造費は、事業費三百二十四億一千五百万余円を計上してございます。
 概要欄の(2)、都施行区画整理は、汐留、六町など五地区において、都施行の区画整理事業を実施するものでございます。
 (4)、地域と連携した延焼遮断帯形成事業は、特定整備路線の整備でございまして、まちづくりの取り組みと連携しながら、延焼遮断帯の形成を図るものでございます。
 二四ページをお開き願います。(8)、オリンピック・パラリンピック選手村の整備でございますが、街路築造など基盤整備を進めるとともに、特定建築者が行う建築工事も含め、大会に向けた整備を着実に進めてまいります。
 二七ページをお開き願います。第四項、建築行政費でございます。
 第二目、建築指導費は、事業費九十六億五千五百万余円を計上してございます。
 概要欄(3)、耐震改修促進事業は、アからカのとおり、建築物の耐震化を促進するための支援を実施するものでございます。
 このうち、エの緊急輸送道路沿道建築物耐震化促進事業等では、特に倒壊の危険性が高いIs値〇・三未満相当の特定緊急輸送道路沿道建築物について、改修に加え、建てかえ、除却についても補助上限を引き上げてまいります。
 また、カの住宅の耐震化のための助成制度では、所有者に対する個別訪問の実施など、改修等を促す積極的な取り組みを行う区市町村を対象に、整備地域外を含め、助成を拡充してまいります。
 三一ページをお開き願います。第五項、住宅費でございます。
 第三目、地域住宅対策費は、事業費三十七億三千三百万余円を計上してございます。
 概要欄の(1)、区市町村住宅等供給助成事業のうち、サービスつき高齢者向け住宅供給助成等は、高齢者が地域で安心して暮らし続けることができるよう、緊急時対応や安否確認等の生活支援サービスなどを提供する高齢者向け賃貸住宅の供給を図る事業でございます。
 三二ページをお開き願います。第四目、民間住宅対策費は、事業費二十六億二千八百万余円を計上してございます。
 (2)、民間住宅助成事業のうち、オの住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給促進は、新規事業でございまして、住宅セーフティーネット法に基づく登録住宅に対し、改修費や家賃低廉化等の補助を行う区市町村への助成を実施するものでございます。
 キの空き家活用等支援事業では、実態調査や改修費補助等に対する助成により区市町村の取り組みを後押しするとともに、新たにワンストップの相談体制を備え、効果的な普及啓発等を行う民間事業者に対して支援を実施するなど、空き家対策を一層推進してまいります。
 ケの既存住宅流通の活性化は、既存住宅の流通を促進するため、事業者グループの登録制度を創設し、建物状況調査、いわゆるインスペクションや普及啓発に係る費用の一部を補助するものでございます。
 少しページが飛びますが、三九ページをお開き願います。繰越明許費でございます。
 事業の性質上、年度内に支出が終わらない見込みのものにつきまして、あらかじめ繰越明許費として予算に定めておくものでございます。地下高速鉄道建設助成等、合計五十九億三百万円を見込んでおります。
 続きまして、四三ページをお開き願います。債務負担行為について記載してございます。
 債務負担行為は、複数年にわたる工事費等について、翌年度以降の債務の限度額を期間を限ってあらかじめ決定しておくものでございます。六町地区街路整備工事等、計五項目について計上しております。
 以上で一般会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、特別会計についてご説明申し上げます。
 四七ページをお開き願います。都営住宅等事業会計総括表でございます。
 歳出については、表の一番上、都営住宅等事業費の欄をごらんください。
 三十年度予算額は千七百三十六億九千七百万円、増減率はマイナス二・四%となっております。
 歳入については、表の一番下、計の欄に記載のとおり、歳出と同額となっております。
 五〇ページをお開き願います。第一項、都営住宅等事業費の第二目、住宅管理費は、事業費五百四十七億二百万余円を計上してございます。
 右側、概要欄の(1)、都営住宅等の管理運営では、三十年度における都営住宅等の管理予定戸数二十五万七千八百四戸に係る管理運営経費を計上してございます。
 右側の五一ページをごらんください。第三目、住宅建設費は、事業費七百十一億三千八百万余円を計上してございます。
 概要欄(1)の公営住宅建設事業等において、三千八百戸の都営住宅の建てかえを予定してございます。
 また、建てかえの実施に合わせた無電柱化にも取り組んでまいります。
 (2)、都営住宅耐震改修事業は、都営住宅耐震化整備プログラムに基づき、平成三十二年度までに耐震化率を一〇〇%とする目標に向け、計画的に都営住宅の耐震化を進めているものでございます。
 少しページが飛びますが、五七ページは、繰越明許費につきまして記載してございます。
 また、六一ページは、債務負担行為につきまして記載してございます。
 六五ページをお開き願います。都営住宅等保証金会計総括表でございます。
 この会計は、都営住宅等の入居者からお預かりする保証金の経理を行っているものでございます。
 三十年度の歳出の計は十四億五千四百万円、歳入の計は七十七億三千百万円を計上してございます。
 続いて、七五ページをお開き願います。都市開発資金会計総括表でございます。
 この会計は、都市施設の整備に要する用地の先行取得に係る経費の経理を行うものでございます。
 三十年度の歳出歳入とも四十億五千七百万円を計上してございます。増減率はプラス八四・七%でございますが、これは、土地売り払い収入の増加に伴い、一般会計繰出金が増加するためでございます。
 八三ページをお開き願います。臨海都市基盤整備事業会計総括表でございます。
 三十年度の歳出は二十三億六千三百万円、増減率はマイナス二二・一%でございます。また、歳入の計は五十三億九千四百万余円、増減率はプラス二二・六%でございます。
 八六ページをお開き願います。晴海、豊洲、有明北の三地区における開発費、合わせて二十二億百万余円を計上してございます。
 また、八九ページは、繰越明許費につきまして記載してございます。
 以上で特別会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、都市再開発事業会計についてご説明申し上げます。
 九三ページをお開き願います。都市再開発事業会計総括表でございます。
 この会計は、公営企業会計でございますので、収益的収支と資本的収支とに分けて記載しております。
 まず、収益的収支でございますが、三十年度の支出の合計は千二百万円、前年度と比較して四百万円の減となっております。
 同じページの下段、資本的収支でございますが、一番下の段の支出は三十四億五千七百万円、前年度と比較して十九億八千百万円の増、増減率はプラス一三四・二%でございます。
 少しページが飛びますが、九八ページをお開き願います。泉岳寺駅地区における都市再開発事業費三十億七百万円を計上してございます。
 羽田空港へのアクセスなど広域的な結節機能を担う泉岳寺駅において、駅施設の改良を実現するため、市街地再開発事業を実施するものでございます。
 三十年度には、事業計画の決定を予定しており、用地買収等を進めてまいります。
 平成三十年度当初予算案の説明は以上でございます。
 続きまして、平成二十九年度補正予算案についてご説明を申し上げます。
 お手元の資料2、平成二十九年度補正予算説明書の二ページをお開き願います。一般会計の都市整備局補正予算総括表でございます。
 補正予算額を表の中央、縦の列で示してございます。
 上の表、1、歳入予算の合計欄をごらんください。歳入の補正予算額合計はマイナス十四億三千万余円でございます。
 また、下の2、歳出予算の一番上の段になりますが、歳出の補正予算額合計はマイナス百三億三千三百万余円でございます。
 続いて、事業の内容についてご説明申し上げます。
 七ページをお開き願います。第一項、都市整備管理費の補正予算額はマイナス四億三百万円でございます。
 内容は、右側概要欄に、このページから八ページにかけて記載しておりますとおり、利根川・荒川水源地域対策基金等事業費負担金などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 九ページをお開き願います。第二項、都市基盤整備費の補正予算額はマイナス六億二千万円でございます。
 これは、東京地下鉄株式会社からの配当金の増配分を社会資本等整備基金に積み立てるとともに、都市高速鉄道建設助成などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 一〇ページをお開き願います。第三項、市街地整備費の補正予算額はマイナス五十一億二千万余円でございます。
 このページから一五ページにかけて記載しておりますとおり、災害時業務継続施設整備事業や地域と連携した延焼遮断帯形成事業などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 一六ページをお開き願います。第四項、建築行政費の補正予算額はマイナス二十八億二千七百万円でございます。
 これは、耐震改修促進事業の執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 一七ページをごらんください。第五項、住宅費の補正予算額はマイナス十三億六千三百万円でございます。
 このページから一八ページにかけて記載しておりますとおり、区市町村住宅等供給助成事業などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 平成二十九年度補正予算案の説明は以上でございます。
 続きまして、お手元の資料3、平成三十年第一回東京都議会定例会提出予定条例案説明資料をごらんください。
 三ページをお開き願います。東京都鉄道新線建設等準備基金条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、提案理由でございますが、東京の持続的な成長に向け、鉄道ネットワークの充実等を図るため、東京都鉄道新線建設等準備基金を設置するものでございます。
 2、条例案の概要でございますが、基金として積み立てる額は予算で定めることとし、東京都社会資本等整備基金に属していた東京地下鉄株式会社からの株式配当金及び当該株式配当金に係る利子の債権及び債務を引き継ぐこととしております。
 四ページから五ページにかけましては、条例案文等を記載してございます。
 九ページをお開き願います。東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、改正の理由でございますが、地方公共団体の手数料の標準に関する政令の一部を改正する政令の施行を踏まえ、二級建築士試験または木造建築士試験手数料の額を改定するものでございます。
 2、条例案の概要でございますが、二級建築士試験または木造建築士試験手数料の額を一万六千九百円から一万七千七百円に改めるものでございます。
 一〇ページには条例案文等を、一一ページには新旧対照表を記載してございます。
 最後に、契約案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料4、平成三十年第一回都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。
 一ページから二ページにかけましては、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載しております。
 三ページをお開き願います。都営住宅二十九H-一一一東、江東区辰巳一丁目工事の概要でございます。
 中段に記載のとおり、住宅の戸数は百九十六戸、構造等は鉄筋コンクリートづくり地上十四階建て一棟でございます。
 契約の相手方は株木建設株式会社、契約金額は二十一億二千七百六十万円、工期は平成三十二年六月二日までとなっております。
 四ページに案内図と配置図を、五ページに平面図と断面図を添付してございます。
 六ページをお開き願います。都営住宅二十九H-一一二東、江東区辰巳一丁目工事の概要でございます。
 中段に記載のとおり、住宅の戸数は百十二戸、構造等は鉄筋コンクリートづくり地上十四階建て一棟でございます。
 契約の相手方は塚本建設株式会社、契約金額は十二億九千五百八十九万二千円、工期は平成三十二年四月二十二日までとなっております。
 七ページに案内図と配置図を、八ページに平面図と断面図を添付してございます。
 九ページをお開き願います。都営住宅二十九H-一一四西、多摩市中沢一丁目工事の概要でございます。
 中段に記載のとおり、住宅の戸数は百二戸、構造等は鉄筋コンクリートづくり地上九階建て一棟でございます。
 契約の相手方は株式会社田中建設、契約金額は十一億二千三百二十万円、工期は平成三十二年十月二十六日までとなっております。
 一〇ページに案内図と配置図を、一一ページから一三ページにかけましては平面図と断面図を添付してございます。
 以上で、平成三十年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

○たきぐち委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○白石委員 資料要求をさせていただきます。
 まず第一点目、都営住宅、公社住宅の十年間の建設実績。
 二点目、都及び区市町村が実施している耐震診断、耐震改修の助成一覧。
 三点目、分譲マンションアドバイザー派遣助成についての区市の実施状況及び実績。
 四点目、首都高速道路に対する出資金、貸付金の推移、過去十年間。
 五点目、基地対策にかかわる支出。
 六点目、横田基地の軍民共用化にかかわる経過。
 七点目、東京都が提供している応急仮設住宅に福島県から自主避難されている世帯数及び人数、区市町村別。
 八点目、東京都が提供している応急仮設住宅に福島県から自主避難されている世帯数及び人数、住宅別。
 九点目、新鉄道六路線の想定事業費、路線別。
 十点目、生産緑地の都内総面積及び区市町村別面積、それぞれ五年間の推移。
 十一点目、都市計画公園内の生産緑地面積、区市町村別。
 以上を資料要求とさせていただきます。

○たきぐち委員長 ただいま白石副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○たきぐち委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願二九第四七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 整理番号1、請願二九第四七号についてご説明いたします。
 お手元の請願・陳情審査説明表の一ページをごらんください。整理番号1、請願二九第四七号、羽田空港増便による都心での新低空飛行ルートの再検討を国に求めることに関する請願についてご説明申し上げます。
 本請願でございますが、品川区の羽田増便による低空飛行ルートに反対する品川区民の会共同代表の三橋泉さん外千百二十八名からの請願でございます。
 請願の要旨でございますが、1、新都心低空飛行ルートの再検討を国及び国土交通省に強く求めること、2、羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会を早急に開催して協議し、品川区民の不安を解消する方策を打ち出すことというものでございます。
 説明表の三ページに、国が提案している飛行経路案のうち、品川区上空を通過する南風時の経路を添付しておりますので、あわせてごらんください。
 一ページにお戻りいただきたいと存じます。
 現在の状況でございますが、東京の国際競争力の強化に向け、二〇二〇年東京大会やその後の航空需要に応え、国際便の就航をふやしていくためにも、羽田空港の容量拡大は必要不可欠でございます。
 国は、平成二十六年八月に関係都県市などが参加する首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会--以下、協議会とさせていただきます--におきまして、羽田空港の飛行経路見直しなどによる機能強化方策を提案し、その後、平成二十八年七月の第四回協議会で環境影響等に配慮した方策を示しました。
 この中では、環境影響を軽減する方策とともに、羽田空港への乗り入れ航空会社に対する安全対策の徹底の要請や、新たに国の職員が駐機中の航空機をチェックする仕組みの構築などの安全対策が提示されました。
 これに対して、都は、引き続き安全管理の徹底に取り組むことを要請し、国は落下物の未然防止策の徹底と事案発生時の対応強化の両面から総合的な対策の具体化に向けた検討を行っております。
 加えて国は、昨年九月の航空機からの落下物事案の発生を踏まえ、外国航空会社を含む全ての航空会社から部品欠落の報告を求める運用を二十九年十一月から開始しております。また、有識者などから成る落下物防止等に係る総合対策推進会議を開催し、航空会社が遵守すべき落下物防止対策基準を二十九年度内を目途に策定する予定でございます。
 こうした取り組みについて国は、現在開催している四巡目の住民説明会において、説明要員を増員し、地元への丁寧な説明を行っております。
 都は、羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会--以下、連絡会とさせていただきます--これを設置し、これまで主に部長級の幹事会を活用し、情報共有や率直な意見交換を重ね、国に対して丁寧な情報提供と安全対策などの取り組みを要請してまいりました。今後とも適切に関係区市と連絡調整を行い、国の協議会開催の動向などを踏まえ、必要に応じて連絡会を開催してまいります。
 都は、引き続き国に対し、関係自治体の意見も聞きながら、地元への丁寧な情報提供を行うとともに、騒音影響の軽減や徹底した安全管理に取り組むことを要請してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○たきぐち委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○森澤委員 羽田空港機能強化による新飛行経路については、上空を飛行する予定となっている品川区を初めとして、多くの区民、市民、都民の方から大きな不安が上がっていることは都も認識されているかと思います。私も品川区で二人の幼児を子育てしている母親として、新飛行経路によってもたらされる影響については、非常に心配をしているところであります。
 そこで、都のこれまでの対応について伺います。
 まず、先ほどご説明の中にありました国の首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会で、都は国に対してどのような要請をしてきたのでしょうか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 東京の国際競争力の強化に向けて、二〇二〇年東京大会やその後の航空需要に応え、国際便の就航をふやしていくためにも、羽田空港の容量拡大は必要不可欠でございます。
 国が提案した飛行経路の見直しを受けまして、都は、羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会の幹事会などで地元区市と意見交換を重ね、そこでの意見を踏まえて、国が開催した協議会において、都民への丁寧な説明と騒音影響を軽減する方策の検討や徹底した安全管理に取り組むことを国に要請してまいりました。

○森澤委員 地元区市との意見交換を重ねることによって都民への丁寧な説明と騒音影響を軽減する方策の検討や徹底した安全管理に取り組むことを国に要請してきたということですけれども、こうした都や地元区市の要請に対して、実際にこれまで国はどのような対応をしてきたのでしょうか伺います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は、都や地元の要請を受けまして、きめ細かな情報提供や参加者からの丁寧な意見聴取が可能なオープンハウス型の住民説明会を実施し、現在四巡目を開催中でございます。今後も新飛行経路運航開始までの間、継続して説明会を開催するとしております。
 また、騒音影響の軽減につきましては、低騒音機の導入促進に取り組んでいるほか、飛行高度の引き上げや学校、病院等の防音工事助成の拡充などを行うこととしております。
 安全管理につきましては、羽田空港への乗り入れ航空会社に対する安全対策の徹底を要請するとともに、新たに国の職員が駐機中の航空機をチェックする仕組みの構築など、対策のメニューを示し、その具体化に向けた検討を進めてきております。

○森澤委員 今、国は、現在四巡目の、フェーズ四というところの住民説明会を行っているということですが、実際の開催状況と参加人数を伺います。また、説明会開催の広報はどのように行ってきたのでしょうか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 平成二十七年夏から平成二十九年春までに三期にわたって開催された説明会には、都内で延べ八十三日間、一万七百九十九人が来場いたしました。平成二十九年十一月から開催中の四巡目の説明会には、現在集計中の速報値でございますが、現在のところ、都内で延べ十二日間、約二千九百人が来場してございます。
 説明会開催につきまして、国は報道発表を行うとともに、特設ホームページや新聞広告などにより広報を行っておりまして、また、都を初めとする各自治体においても、広報紙やホームページへの掲載などにより説明会の周知に努めているところでございます。

○森澤委員 今、速報値で十二日間で二千九百人ということのお示しがありました。恐らく場所によってばらつきはあると思うんですけど、一日二百四十人程度というところで、関係する区民、市民の数からいうと周知が徹底されるとはいえず、もっと努力が必要なのではないかなと考えております。
 実際に四巡目の説明会の開催日程というのを見てみますと、平日一日だけ午後から夕方に開催するといった場合、例えば昼間、ほかの区で働いているような人は参加ができない、参加しにくいといったことも考えられますし、また地元の方によると、週末はほとんど人が通らないような区庁舎で土曜日に開催されていたりとか、そういったところで時間や場所の設定に周知や説明をしようとする努力が感じられないといったような声も実際伺っておりますし、私もそう感じます。
 ぜひとも、より多くの人が参加しやすい場所を設定し、複数日連続して開催するなど、説明会のあり方や周知の方法についての改善をぜひ国に求めていただきたいと思います。
 そして、先ほど、都は、羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会の幹事会などで地元区市との意見交換を重ねてきたというご説明がありましたけれども、その都が設置した関係区市連絡会はどのように行われるのでしょうか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 関係区市連絡会でございますが、これまで主に部長級の幹事会を活用し、情報共有や率直な意見交換を重ね、国に対して丁寧な情報提供と安全対策などの取り組みを要請してまいりました。
 今後、新たな飛行経路案を決定する際には、国は協議会を設置する予定でございます。そうした際には、都は連絡会を開催し、関係区市と情報共有及び意見交換を実施するなどにより意見を取りまとめて国の協議会に反映させてまいります。
 今後とも、国の協議会開催の動向なども踏まえ、適切に関係区市と連絡調整を行い、国に対して必要な要請を行ってまいります。

○森澤委員 国の協議会開催の動向なども踏まえて連絡会や幹事会において適切に関係区市と連絡調整を行って、国に対して必要な要請を行っていくということでしたけれども、引き続き関係区市としっかり情報共有、連携を図りながら、説明会はもとより、日ごろから都民の方から恐らくご意見、ご不安の声など寄せられていると思いますので、そういったことを含めて、国に対して必要な要請を行っていただくことを要望いたします。
 最後に、区民、市民、都民の皆様が不安に感じている落下物などの安全性について都の認識と国に対して何を求めていくのかを伺います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 新飛行経路は市街地の上空を通過することから、安全管理の徹底が重要であると認識しております。安全の確保は全てに優先することから、国は過去の事故からの教訓や新たな技術を踏まえ、安全対策を何重にも積み重ねていくことによって高水準の安全が実現されるよう取り組みを行っております。
 現在、国は、先ほど答弁したとおり、落下物対策の強化に向けて未然防止策の徹底と事案発生時の対応強化の両面から総合的な対策の具体化に向けた検討を進めているところでございます。
 加えまして、国は、昨年九月の航空機からの部品落下物事案の発生を踏まえ、外国航空会社を含む全ての航空会社から部品欠落の報告を求める運用を昨年十一月から開催してございます。また、有識者などから成る落下物防止等に係る総合対策推進会議を開催し、航空会社が遵守すべき落下物防止対策基準を今年度内を目途に新たに策定する予定であります。
 都は、引き続き国に対して安全管理の徹底を図るとともに、落下物対策の強化に向けた取り組みにつきまして地元に丁寧な情報提供を行うよう要請してまいります。

○森澤委員 都は、引き続き国に対して安全管理の徹底を図ることを要請していくということでしたけれども、新飛行経路による落下物による事故、ましてや負傷者が出るといったことは一件たりとも起こってはいけないわけです。羽田空港の機能強化、増便のために地元住民の安全・安心が置き去りになることはあってはなりません。
 引き続き関係する区民、市民を初めとする都民の声を丁寧に聞きながら、不安が解消されるよう取り組んでいただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。

○神林委員 私の方からは、本請願に対する意見を申し上げさせていただきます。
 羽田空港の発着容量拡大は、我が国の発展のために避けては通れない国策であり、可能な限り協力して、空港と地元の共存、共生を図っていくべきであると考えております。
 一方、今回の請願は、新飛行経路により新たに影響を受ける品川区に関する要請であり、昨今続いた航空機からの落下物についての報道などから、地元の住民が新飛行経路に関して不安を感じていることも理解できるところでございます。
 羽田空港を擁し、これまで羽田空港とともに歩んできた私の地元大田区でも、戦後GHQによる四十八時間以内の強制退去や、その後も長年にわたる航空機騒音の影響に苦しんでまいりました。
 こうした経緯を踏まえ、羽田空港の機能強化を進めるに当たっては、地元の声をよく聞き、その不安を解消するための取り組みを最大限行うことが重要と考えております。
 都においても、安全管理については万全を期した対策を図るよう国に強く求めるとともに、航空機騒音の影響を最小限にするための一層の取り組みと住民への丁寧な情報提供についても、引き続き国に対して強く働きかけるよう要望しておきます。
 以上でございます。

○小林委員 私からは、端的に四点確認をさせていただきます。
 このたびの請願の要旨の一つに、都心低空飛行ルートの再検討を国及び国土交通省に強く求めることとあります。
 初めに、羽田空港の新飛行経路案について、都は国に対して再検討を求めるお考えがあるのでしょうか、お伺いします。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 東京の国際競争力の強化に向けて、二〇二〇年東京大会やその後の航空需要に応え、国際便の就航をふやしていくためにも、羽田空港の容量拡大は必要不可欠でございます。
 羽田空港の容量拡大に向けて、国はあらゆる方策を技術的に検討した結果、飛行経路の見直し以外に実現方策がないことから、今回の飛行経路を提案しているものでございます。
 都は、国が設置した首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会におきまして、羽田空港の容量拡大に向けて、この飛行経路の見直しが必要との認識を共有しておりまして、国に再検討を求めることは考えておりません。

○小林委員 二つ目の要旨として、羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会を早急に開催して協議し、品川区民の不安を解消する方策を打ち出すこととあります。
 羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会、これまでの経過と今後の取り組みについてお伺いいたします。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国が提案した飛行経路の見直しを受けまして、都は、羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会の幹事会などで地元区市と意見交換を重ね、そこでの意見も踏まえて、国が開催した協議会において都民への丁寧な説明と騒音影響を軽減する方策の検討や徹底した安全管理に取り組むことを国に要請してまいりました。
 今後とも、国の協議会開催の動向などを踏まえ、適切に関係区市と連絡調整を行い、国に対して必要な要請を行ってまいります。

○小林委員 今のご答弁を踏まえまして改めて確認をさせていただきますが、これまで開催してきた連絡会の幹事会などで地元との意見交換を重ね、課題については、その都度国に要請して不安解消に取り組んできた、連絡会の役割を果たしているということでよろしいでしょうか。
 また、今後もこうした作業を真摯に続けるということが都の方針という認識でよろしいでしょうか、お伺いいたします。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 連絡会は、羽田空港の機能強化にかかわる課題等について都及び関係区市で情報共有や意見交換を行い、国の協議会に反映させることを目的としてございます。都は、主に部長級の幹事会において関係区市から率直な意見を聞き、これを踏まえた要請をその都度国に行い、地元の不安解消に取り組むことで連絡会の役割を果たしてきたと認識しており、今後とも関係区市と連絡調整を真摯に行い、引き続き国に対して必要な要請を行ってまいります。
 なお、新たな飛行経路案を決定する際には、国は協議会を開催する予定でございます。そうした際には連絡会を開催し、関係区市と情報共有及び意見交換を実施することなどにより意見を取りまとめて協議会に反映させてまいります。

○小林委員 昨年、航空機からの落下物が相次いで、さまざま報道もされている中で、やはり今回の新飛行経路案については、こうした落下物が相次いでいるという報道とも密接な関係がございます。当然のことながら、早急かつ着実な対策が求められるところであります。
 先ほども森澤理事の方からもご指摘がありましたけれども、改めて確認をいたしますが、こうした落下物が続いた事案に対して、都のお考え、そしてまた今後都として、国に対しどのような対策を求めていくのか、最後にお伺いいたします。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 新飛行経路は市街地の上空を通過することから、安全管理の徹底が重要であると認識しております。安全の確保は全てに優先することから、国は過去の事故からの教訓や新たな技術を踏まえ、安全対策を何重にも積み重ねていくことによって高水準の安全が実現されるよう取り組みを行っているところでございます。
 現在、国は、落下物対策の強化に向けて未然防止策の徹底と事案発生時の対応強化の両面から総合的な対策の具体化に向けた検討を進めているところでございます。
 加えて国は、昨年九月の航空機からの落下物事案の発生を踏まえ、外国航空会社を含む全ての航空会社から部品欠落の報告を求める運用を昨年十一月から開始しております。また、有識者などから成る落下物防止等に係る総合対策推進会議を開催し、航空会社が遵守すべき落下物防止対策基準を今年度内を目途に新たに策定する予定であります。
 都は、引き続き国に対して安全管理の徹底を図るとともに、落下物対策の強化に向けた取り組みについて、地元に丁寧な情報提供を行うよう要請してまいります。

○白石委員 私からも、羽田新ルートの請願について何点か質問したいと思います。
 羽田増便による都心での新低空飛行ルートの再検討を国に求めることに関する請願についてです。
 本請願は、羽田増便による低空飛行ルートに反対する品川区民の会共同代表の三橋泉さん外千百二十八名の方から提出をされております。この品川は私の地元でもあります。
 提出された請願は、国が二〇二〇年までに、これまで原則として飛行することができなかった都心上空を低空で飛行できるようにする新ルート計画の再検討や、都が設置した連絡会の早期開催を願意としております。
 そもそも羽田空港の機能強化はこれまでも行われてきましたが、航空機を起因としたさまざまな負担は生活を著しく脅かすことから、負担軽減の考え方に基づいて羽田空港の機能強化が段階的にされてきました。
 その歴史は紆余曲折もありながら、空港と地域がともに共存していくために、曲がりなりにも沖合展開事業などを通して、現在の海から入り海に出るという東京湾上空を最大限活用することを前提とした負担軽減策が講じられてきたというのが経緯となります。
 それでもなお、騒音や航空事故、大気汚染などに大田区、江東区、江戸川区では現在も苦しめられております。その負担をいかにして取り除くのかという議論が本来なされなければならないのにもかかわらず、国交省が提案する新ルート案は、品川区大井町駅上空で三百メーター、東京タワーよりも低く、八潮団地では二百メーター台にまで高度を下げるという計画です。しかも、一時間四十四機、一分二十秒に最大で一本飛んで来ると。これは朝の山手線のラッシュ時よりも多く飛んでくるという本数になります。都心上空の低空飛行を解禁するものとなっており、これまでの地域の負担軽減の原則やルールを葬り去り、航空政策のあり方を百八十度大転換するものとなっております。
 都は、羽田空港をめぐる歴史的経過を今こそ重く受けとめなければならないと初めに強く指摘をしておきたいと思います。
 まず初めに伺いますが、都心上空を低空で飛行する新ルートの提案について都が果たすべき役割についてお聞きいたします。
 騒音、落下物、墜落事故などの危険性、大気環境への影響など、都民生活に与える影響について都の果たすべき役割をどのように認識されていますか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都は、国が提案している羽田空港の飛行経路の見直しにより、新たに飛行経路周辺となる地域において騒音影響が生じること、落下物や航空機事故に対する懸念があることを認識してございます。
 都といたしましては、こうした都民生活の影響への懸念を払拭するために、関係区市としっかりと連携を図り、国に対し騒音影響の軽減や徹底した安全管理に取り組み、地元への丁寧な情報提供を求めていくことが重要と考えております。

○白石委員 騒音、落下物や墜落事故などの航空事故に対する都民の懸念があるということは認識していると。そして、その懸念を払拭することが都の役割であるという認識が現在示されました。都が果たすべき当然の役割であると、このように思いますが、そもそも住民の懸念を払拭するためのふさわしい役割を都が果たしているのかが、都民やそして品川区民、住民から厳しく問われております。
 まず、航空機騒音について住民の不安は払拭されているのかという点です。
 例えば、品川区民の方からは、以前、品川上空を飛行していたときはテレビの音が聞こえなかった、普通に会話ができないくらいうるさかった、今回の新ルートにより、あのときと同じ状況が繰り返されると思うとぞっとするとの声や、幼い子供を育てるお母さんやお父さんからは、子供がお昼寝をしているときに騒音によって寝かすことができなくなるのではないか、騒音による子供への影響が心配など、一層不安の声が広がっております。
 国の資料では、大井町駅上空で最大騒音量を推計値として八十デシベルと示しております。
 実際、現行ルート直下ではどの程度の騒音量なのか、私も住民の皆さんと調査を行いました。調査場所はゲートブリッジ付近が高度約三百メーター地点となりますので、そこで騒音測定器二台ではかったところ、ボーイング777、大型機は、資料では最大八十デシベルとなっておりますが、実際測定したところ八十四・五デシベルとなりました。ボーイング767、中型機は、七十八デシベルと国の資料ではされておりますが、実際は八十・五デシベルの測定結果となりました。
 最も騒音被害が想定される品川区の八潮団地付近は二百メーター台となる計画となっておりますが、国交省の資料では最大騒音値すら現在説明がされておりません。その地点で計測したところ、最大で八十六・六デシベルとなりました。つまり、最大騒音レベルの八十デシベルというのは、あくまでも推計値であって、現状がこれ以上になるということは既に明らかだというふうに思います。
 八十デシベルという音量はどのぐらいかというと、地下鉄の車内並みと、このようにいわれております。普通の会話は六十デシベルといわれています。それよりも二十デシベル高い。これはどのぐらいの音になるかというと、約十倍の音になるというのが八十デシベルという数値です。
 私だって簡単にはかれる、この実測値を示さずに推計値をしまして、あたかもそれ以上にはならないような説明を都民にしている国が、丁寧な説明をしている事実はないというふうに断じざるを得ないと思います。
 住民の懸念を払拭するためには、正確な情報の提供が大前提となります。しかし、国の騒音量の情報は推計値だけを示して住民に説明を行っています。このことからも正確な情報提供がなされてはおらず、極めて不十分であると思いますが、都も同じ認識ですか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 飛行経路見直しなどによる羽田空港の機能強化は国が事業主体であることから、騒音影響の検証については国が行うべきものと考えております。国は適切に評価をしているものと考えております。

○白石委員 私が聞いたのは、正確な情報が現在されていないという状況ですけれども、それは都は同じ認識でいいのか、それとも正確な情報が提供されていると、このような認識なのか、どちらでしょうか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 現在、国が実施しているオープンハウス型の説明会においても、騒音影響に対する国の評価については、わかりやすい形で丁寧に説明されているものと認識しております。

○白石委員 全く答弁不能ということなんですよ。私だって実測値で調べましたけれども、実際推計値以上に出るということなんです。正確な情報など提供されていないというのが今の実態なんです。
 先ほど都の役割は都民の懸念を払拭することが役割と、このように答弁されましたが、その姿勢は今の答弁からは一切見受けられないと厳しく指摘したいと思います。
 このような都の姿勢の背景には、関係自治体や航空会社などの関係者間で協議を行う場として国が設置した、先ほども出ておりますが協議会、ここで示された環境影響等に配慮した方策についての評価があります。二〇一六年七月に開催された第四回協議会で、国が示した方策について、都は、関係自治体や住民からの意見も勘案し、安全性に配慮した上で、全体として騒音影響の軽減に努めたものと都として評価すると、副知事がこの協議会の場で評価をしております。
 国から示された環境影響に配慮した方策を評価したとするのであれば、騒音影響の軽減効果はどのくらいであるのか、都は、それを検証した上で評価したのか伺いたいと思います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 飛行経路見直しなどによる羽田空港の機能強化は、国が事業主体であることから、騒音影響の評価、検証については国が行うべきものであり、都は行ってございません。
 国が示した低騒音機の導入促進などの騒音影響の軽減方策を講じることなどで、航空機騒音障害防止法に基づく騒音対策基準を超える地域は発生せず、住宅の防音工事が必要となるような音の影響は生じないことから、都は国が示した方策を評価したものでございます。

○白石委員 つまり、騒音については国が調べることであり、そもそも都は評価しないと。国は住宅の防音工事が必要となるような音は生じないといっているから、どの程度の効果があるのか検証する必要性もないというような趣旨の答弁ということになります。
 そもそもこの方策の中で騒音についての対策というのは、先ほど答弁もありました、低騒音の航空機を導入してもらうように料金体系を見直す、また、学校などに防音対策の工事助成の制度を設けたと、このぐらいであって、騒音が前提の対策しか掲げられていないというのが、この環境影響に配慮した方策の中の騒音の部分になります。
 都の姿勢は、都民の不安などの声には背を向ける一方で、国のいい分はうのみにする姿勢であることは、今の答弁でも明白だと思います。
 都が国の環境影響に配慮した方策を評価したことについて異論を唱えているのは私だけじゃありません。関係する地元自治体からも異論が出ております。これまで質問でもあったように、この連絡会においてです。どこの場で声が出されたのかというと、都が設置した--先ほども出ています羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会、その中で議事の公開する定めがない部長級の会議で関係区市から異論が続出しております。
 例えば港区から、国から示された環境影響等に配慮した方策については、区民から示されている騒音や落下物、安全運行等の疑問、不安などに直接応えるには不十分であり、理解が得られる内容になっていないとの意見です。墨田区からは、現在示されている方策では、環境影響への配慮がどの程度低減されるのか具体的でないので評価することはできないのではないか。豊島区、騒音の軽減に配慮したものと評価という表現には賛同できない。板橋区、環境影響等に配慮した方策によって、新たに飛行ルートとなった地域は環境影響が発生することになり、このような要望はしていない。こうしたことから評価するまでに至っていないなど異論が地元区市から続出をしております。
 関係区市からの意見を受けて、日を改めて、この都の意見を修正したものについて、再び関係自治体から出た意見がどういう意見だったか。
 港区、環境影響等に配慮した方策は、関係自治体や住民からの意見を勘案してはいるものの、落下物等への安全性や騒音対策等に関する住民の不安に配慮したものとはいえず、全体として騒音問題の軽減に努めたものとはいえない。江東区、騒音影響に努めたものと評価とはいいがたい。北区、騒音影響の軽減に努めたものと評価とあるが、評価ではなく、受けとめるという表現に改められたい。板橋区、国から示された資料では、具体的にどの程度騒音影響が軽減されるのかわかりません。そのため、評価するまでには至っていない。関係自治体からは、騒音や安全対策について評価できる方策には至っていないとの意見が集中をしております。
 しかし、都は、最終的に都の意見として取りまとめたのが先ほども述べたとおり、関係自治体や住民からの意見も勘案して、安全性に配慮した上で全体として騒音影響の軽減に努めたものと都として評価すると。この最初の質問で都の役割について、関係区市としっかりと連携を図り、国に対して意見をいうことが重要と、このように述べておりましたが、しっかりとした連携にはほど遠く、ここでも都の役割が果たされていないと指摘せざるを得ません。
 国の示した環境影響等に配慮した方策について、騒音だけではありません、落下物や墜落事故を防止するための安全対策についても、都は評価をしております。国の示した方策により、落下物や墜落事故に対してどの程度効果が発揮されると評価したのか伺います。
 また、羽田空港周辺においては、これまで落下物はゼロとされておりますが、新ルート計画が実施されてからも、落下物などの航空事故は発生しないという保証はどこにあるのか、それぞれ伺いたいと思います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は、環境影響等に配慮した方策において、航空会社の点検整備の徹底の指導など、これまでも実施してきた安全対策の強化に加えて、国の職員が駐機中の航空機をチェックする新たな仕組みの構築などの安全対策を示してございます。都は、この方策を関係自治体や住民からの意見を踏まえた上で安全性に配慮したものと評価しております。
 国はこの方策に基づき、落下物ゼロを目指し、現在総合的な対策の具体化に向けた検討を進めているところであり、都は国に対して引き続き安全管理の徹底を要請してまいります。

○白石委員 落下物や墜落事故が国の示した方策により発生しないと、このような判断は評価の上でされたんでしょうか、改めて伺いたいと思います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は落下物ゼロを目指し、現在総合的な対策の具体化に向けて検討を進めているところでありまして、都は国に対して引き続き安全管理の徹底を要請してまいります。

○白石委員 つまり、ゼロとなるということはいい切れないと。安全性に配慮した考え方を評価したという答弁です。これほど評価すべきポイントがずれている答弁はありません。評価すべきは、落下物などが発生したとしても、二次被害を防げる最大で唯一の対策である現在の海から入り海から出る、すなわち、東京湾上空を活用した飛行経路こそ、評価をすべきだということを改めて私、指摘をしたいと思います。
 いうまでもなく新ルート計画は、密集した都心上空を低空で飛行する計画としており、落下物などが発生すれば、都民の生命にかかわります。だからこそ、万が一でも事故を起こしてはならないことが前提とされなければなりません。
 直近でも、例えば、ANA機のパネルが茨城県の工場に落下をする、大阪ではKLMオランダ機からパネルが落下をして、そして走行中の乗用車を直撃するという事故も報道されております。さらに、どんな旅客機よりも点検整備されているはずの政府専用機のパネルが飛行中に落下すると、このようなニュースもなされております。
 以上のことからも、落下物、例えば部品、さらには氷の塊など、このような落下物はやはりどうあっても防げないという前提に立って、この落下物対策というのは行わなければなりません。
 そこで伺いたいと思うんですが、万が一でも事故を起こしてはならないという前提ですが、都も同じく、万が一でも事故の発生はあってはならないと、こういう認識でよいのかどうか、はっきりとお答えいただきたいと思います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は昨年九月の航空機からの落下物事案の発生を踏まえ、有識者などから成る落下物防止等に係る総合対策推進会議を開催し、航空会社が遵守すべき落下物防止対策基準を今年度内を目途に新たに策定する予定でございます。
 落下物ゼロを目指し、こうした取り組みが実効性のある取り組みとなることを国に対して求めてまいりたいと思っております。

○白石委員 私が聞いているのは国の目指していることじゃないんです。都も同じく、万が一でも事故の発生はあってはならないと、このような認識があるのか、それが前提とされているのかということを確認したいという質問なんです。改めて伺いますが、いかがでしょうか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 航空機による落下物等の安全対策は非常に重要なものであり、ゼロを目指すべきものと認識しております。

○白石委員 はっきりとお答えにならないと。ゼロを目指すべきではないんです、ゼロでなければならないんです。新ルートが仮に通されたとしても、一回でもおっこったら住民の命にかかわる問題なんです。
 これは小池都政が掲げる都民ファーストの中核をなすセーフシティーの視点からも重要な位置づけになると思います。都民の命を守る立場があるのかについて、基本的な都の認識を伺っているんです。
 もう一度聞きますが、万が一でも落下物など発生してはならないと、ただの一回も発生してはならないと、このような認識を持ち合わせていますか、いかがでしょうか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 航空機の安全対策につきまして、都は国に対して、その徹底を求めておりまして、国は落下物ゼロに向けた具体策の検討を今進めているところでございます。それが実効性のあるものになるよう、今後とも東京都としては安全性の確保を要請してまいりたいと考えております。

○白石委員 基本姿勢についても明確に答えることができないのであれば、行政を執行する資格がないといわざるを得ません。
 次に、都民から不安の声が上がっているのが、新ルートがもたらす航空機騒音によって資産価値が低下するのではないかとの指摘です。
 そこで伺いたいと思いますが、都は航空機騒音による資産価値への影響について、どのように認識をされておりますか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 一般的な不動産価値は、周辺の騒音等の環境面や立地、周辺施設等の地域要因だけではなく、人口の増減等の社会的要因、財政や金融等の経済的要因、土地利用計画等の行政的要因、あるいはそもそもの需要と供給のバランスなど、経済情勢を含めたさまざまな要素が絡み合い決定されるものでございます。
 このような中で、国は航空機の飛行経路と不動産価値の変動の間に直接的な因果関係を見出すことは難しいとしており、都も同様に認識してございます。

○白石委員 難しいと、このような答弁でした。
 航空機騒音が資産価値に及ぼす影響について因果関係を見出すことは困難であるということですけれども、都の認識が果たして本当に合っているのかと首をかしげたくなります。
 新ルート計画と同じように、市街地上空を低空で離着陸をしている大阪国際空港、通称伊丹空港の南に位置する豊中市に、私は直接、航空機騒音と不動産価値についてどのような影響があるか聞き取りを行いました。
 担当者からは、豊中市としては、航空機騒音による不動産価値の低下があることから、市独自で固定資産税の減額制度を創設しているということです。その減額率は、空港に近い騒音区域では四割減額です。それ以外の騒音区域は二割減額とされております。つまり、騒音によって不動産価値が減少する、この立場から固定資産税の減税制度を市が独自に設けているということです。
 先ほど国の航空機騒音の基準を超えている地域においては、ないよというふうな答弁がありました。それを私も豊中市に聞きました。この減税制度は、例えば国の航空機騒音の基準を超えたところにだけ適用をしているのですかと、このような質問に対して担当者は何と答えたか。国の基準はどんどん範囲を狭めるような改定を行っていると。国の基準は市として加味していない、また、技術の進歩により航空機の静音化が図られているものとはいえ、大きな変化は余りないと答えました。つまり、騒音は大して変わっていないと。しかも、国が定めている騒音コンター、基準ですね、この基準を超えていないからといって騒音がないということにはならないよと豊中市はいっております。
 先ほどの騒音での答弁で、国からは、住宅に防音工事が必要となるような音は生じないとしているとの認識を都は真に受けている認識を示されました。その認識がどれだけ甘いのか、豊中市のこの事例に目を向ければ明白だと思います。
 この豊中市の例を聞いても、航空機騒音による不動産価値の低下に因果関係が見出せないとの先ほどの認識は改めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国が示した低騒音機の導入促進などの騒音影響の軽減方策を講じることなどで、航空機騒音障害防止法に基づく騒音対策事業の基準を超える地域は発生せず、住宅の防音工事が必要となるような音の影響は生じないということを国は騒音影響において検証したところでございます。

○白石委員 答弁になっていないんです。その認識が甘いということなんです。だから豊中市の例を出したんです。
 問題意識すら示せないということなんです。調査をしようともしない、問題意識も持ち合わせないというのは国と東京都ぐらいかなと思います。
 不動産コンサルタントの長嶋氏は、騒音の影響で不動産価値は間違いなく下がる、特にタワーマンションは眺望がよいという理由で、単純に上に行けば行くほど不動産価値が高くなる、ところが、飛行機の騒音となると、上に行けば行くほどひどくなるので影響は避けられないとしています。
 また、アメリカのロサンゼルス空港ができたときに、コンサル会社がアメリカ連邦局に提出した資料では、静かな地域と騒音発生地域を比較すると、静かな地点の方が不動産価値は一八・六%高くなるとしております。これを一デシベル当たりに換算し直しますと一・三三%高くなると。逆をいえば、一デシベル上がることによって、一・三三%この価値は下落していきますよと、このような計算です。
 例えば、環境基準の五十五デシベルを基準とすると、大井町駅周辺では、三割以上の不動産価値の下落となります。
 きょうパネルで持ってきました。ごらんいただきたいというふうに思いますが、これは住友不動産が販売している大井町駅から徒歩四分のシティタワー大井町のチラシです。見えにくい方もいらっしゃるかと思います。このチラシの注意事項に何と書いてあるかというと、ここに書いてあるのは、わざわざ注意事項として記載しなければ--この注意事項には、本物件、地上上空三百メーターには羽田新航路の計画が発表されていると。決定した際には、本物件の住環境などに騒音による影響が生じる場合がありますと、わざわざチラシに書いております。
 これはどういうことかといいますと、注意事項として記載しなければ後々に問題になると、こういうおそれが住友不動産にあったんだと思います。でなければ、販売のチラシにこのようなことは書きません。東京都と国は、この不動産価値については因果関係は困難だと、このようにいいますが、それほど認識が甘いというふうに指摘せざるを得ません。
 ちなみに、このタワーマンションの最高価格約一億二千万ですから、先ほどのシミュレーションを当てはめると、約四千万円の減額になります。そして、一億二千万円は八千万円近くまで下落するということになります。
 都民の財産が国が提案する低空飛行計画により奪われるとの意味になるんです。都の役割である都民の財産を守るとの立場からも、本来であれば、都が率先して騒音影響による不動産価値の低下について調査をしなければならないと改めて指摘したいと思いますが、調査をされますでしょうか、いかがでしょうか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 先ほどもご答弁いたしましたけれども、一般的な不動産価値は、周辺の騒音等の環境面や立地、周辺施設等の地域要因だけではなく、人口の増減等の社会的要因、財政や金融等の経済的要因、土地利用計画等の行政的要因、あるいはそもそもの需要と供給のバランスなど、経済情勢を含めたさまざまな要素が絡み合い決定されるものでございます。
 このような中で、航空機の飛行経路と不動産価値の変動との間に直接的な因果関係を見出すことは難しいと考えております。

○白石委員 非常に恥ずかしい答弁です。豊中市では、不動産価値が下がるということで市が独自に固定資産税の減額をやっていると。不動産業界だって、この羽田問題については、自分たちのタワーマンション、売れるかどうかが心配だという声だって上がっております。そういうふうな前提に立って、これ都民の財産が奪われていくということになりますので、本来であれば都が率先して、国に対しても調査を求めたり都が独自にやったり、調査研究やったりと、このようなことをやることが本来の行政のあり方ではないかと強く私指摘したいと思います。
 次に、関係区市からの連絡会を開催してほしいとの意見や連絡会の意義が問われる発言がされているにもかかわらず、東京都の連絡会はこれまでに一度も開かれておりません。一方で、先ほども指摘した公開の規定がない部長級などの会議だけが現在開催されているのが状況であります。
 連絡会というのは、東京都が設置しているという関係なんです。そして、二十三区と五市が集まって、東京都がその場で関係区市の意見を聞いて、そして国の協議会において、その関係区市からの意見を反映させるために、この連絡会というのは設置したというものです。これまで国の設置した協議会というのは、四回開かれております。しかし、都の連絡会というのは一度たりとも開かれておりません。
 そこで伺いたいと思いますが、連絡会を開催する必要がないとした理由を具体的に伺いたいと思います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都は、羽田空港の機能強化の実現に向け、関係区市と情報共有や意見交換を行い、国の協議会に反映していくために、羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会を設置いたしました。
 この連絡会の中に設置した部長級の幹事会や課長級のワーキングにおいて、具体的な調整や意見交換を重ねてきており、都として連絡会の目的が果たされていると認識しているところでございます。

○白石委員 連絡会の目的が達成されているから開かないと、このような答弁でしたが、そんなわけないんです。連絡会の設置要綱、ちゃんとあります。どのように記載をされているのか、以前も都市整備委員会では指摘させていただきました。連絡会というのが議論する場なんだと要綱でしっかり定められております。
 では、部長級の幹事会などはどういう場か。要綱では連絡調整の場であると。連絡を調整する場なんです。それが要綱で皆さんが定めたものにはっきりと明記されていると。あくまでも議論の場は連絡会なんだというのが設置要綱ではっきりと書かれているわけです。だから、開いていないというのは公式の議論はされていないということになってしまうと。
 例えば私、連絡会に関する全ての資料をきょう持ってきました。これだけの資料があります。数百ページです。情報開示請求で入手いたしました。
 この中を見てみますと、例えば目黒区から、都は連絡会として意見をまとめるべきではないかという声が実際に部長級の幹事会で出されております。大田区からは、東京都として今後どのような役割を果たしていくことを想定しているのか連絡会の場で示していただきたいと、連絡会の開催を求める要望が出されております。
 では、設置要綱には何と書かれているか。連絡会の座長は、必要がある場合、または構成員から要請があり必要と認めたときは連絡会を招集すると、このように定められております。にもかかわらず、構成員から要望があっても一度も開催されていないのが今の都の連絡会になります。極めて不可解だと思います。なぜ構成員から要望があったにもかかわらず開かないとしたのか、その具体的な理由を伺いたいと思います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 部長級の幹事会や課長級のワーキングにおいて率直な意見交換を行い、具体な調整を行う中で協議会等で発言する内容等について取りまとめはなされたことから、この連絡会の目的とするところは果たされているというふうに認識しているものでございます。

○白石委員 大田区、それから先ほど挙げました目黒区から連絡会--構成員ですから、連絡会を開いてほしいという声がありましたが、じゃあ、この取り扱いについてはどのように取り扱ったんですか。座長と相談して、やる必要がないというふうになったのかどうなのか。この声に対してはどのような対応をされたのか伺いたいと思います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 課長、部長級の幹事会などにおける意見を踏まえて集約する中で取りまとめはなされたことから、組織として連絡会の目的は果たしている、果たされているものと判断したところでございます。

○白石委員 これ以上やっても同じ答弁の繰り返しかなというふうに思いますので、これ以上いいませんけれども、要するに構成員から要請があったにもかかわらず連絡会を招集していないというのは明らかになりました。そして、その理由が一体どこにあるのかというと、連絡会は公開の義務が生じるんです。話したことは全て公開になります。議事録も残ると思います。しかし、それを免れるかのように、公開の義務がない部長級及び課長級などの会議だけでこの間、事を済ませてきているというのが今部長さんがおっしゃられた答弁の中身になります。これ重大な問題です。
 これまでも、この東京都議会、そして都政は都政の透明化だと、議会改革していくんだと、このような決意が並々ならぬ思いがこの間も決意として出されております。
 しかし、この連絡会においては、それは適用されないということになります。公開の規定というのは、都民が議論の経過を知り得ないという中での密室の議論がされていることと同じ意味合いになるんです。これは私も情報開示しなければ、何を話していたかは全くわかりません。都民が議論の経過を知り得ないというような状況になるということは、どのようにお考えなのか、部長にお聞きしたいと思います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 幹事会における議事の要旨につきましてはホームページで公開しておりますし、さらに細かな情報につきましては情報公開請求があれば、そこにございますように原則開示をしているところでございます。

○白石委員 今、私本当に都民に対して失礼な発言だというふうに思います。知りたければ情報開示しなさいよと。それは二週間、そして延長、延長、延長という形でこの間だって私もやっていますけれども、こういう形で都市整備だって対応していると。本来すぐにその場で何が話されたのかわかることが都政の透明化だというふうに思います。
 そして、今おっしゃられたこの情報公開についても、私、本当に今疑問だというふうに思います。都民が議論の経過を知り得ない中で密室で議論されているというのは重大に思わなければなりません。しかも幹事会の議事要旨はホームページでアップしていると。これ、この間私が指摘して公開したものであって、しかも項目だけしか書いてありません。何を話したのか、具体的中身は全く都民は知り得ないという状況になります。この問題、重大な問題だとして、しっかりと認識をしてもらいたいと改めて強く要望したいと思います。
 そして、請願の願意でも掲げられている公開規定がある連絡会をすぐに開催して、関係区市、二十三区五市、そして副知事も含めて、公開の場で、この羽田空港の新飛行ルート問題、しっかりと都民の目でも見えるように議論すべきだと改めて強く要望をしておきたいというふうに思いますが、連絡会を開くご意思はありますか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 新たな飛行経路案を決定する際には、国は協議会を開催する予定でございます。そうした際には連絡会を開催し、関係区市と情報共有及び意見交換を実施することなどにより意見を取りまとめて協議会に反映させてまいります。

○白石委員 新たに国が協議会を開くときには連絡会を開きますという答弁です。しかし、四回開いているけれども一度も開いていないというのが今の実態なんです。
 そして、さらに伺いたいと思いますが、部長級の会議などで関係する自治体から、地元住民に説明するに当たり、教室型説明会の開催がこの中に多く要望されております。これまでに都内で関係区市から求められているいわゆる教室型の説明会は何回開催されたのか伺いたいと思います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は、羽田空港の機能強化に関する情報提供の手法として、専門家のアドバイスに基づき、きめ細かな情報提供や参加者からの丁寧な意見聴取が可能なオープンハウス型説明会を開催しており、いわゆる教室型説明会の開催はしてございません。
 なお、国は関係自治体と相談の上、オープンハウス型説明会を補完するものとして、地域の実情に応じて個別に情報提供の場を設けるなど、さまざまな形で丁寧な情報提供に努めているところでございます。

○白石委員 二重にも三重にもごまかしはあるということだと思います。先ほどから連絡会、幹事会などで関係区市と密接に意見交換をして、その旨を国に対してもいっていくというふうなことを述べられております。しかし、教室型の説明会の開催は、これまでただの一度もないというのが答弁上の、今おっしゃられました。
 国がこれ開かないということに対して、東京都はしっかりとこれを、何回も要望されておりますから、教室型の説明会、やるべきだとはっきりと断言して述べたことはあるでしょうか伺います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都は、教室型説明会を求める関係区市の意見があることを国に伝え、より丁寧な情報提供を行うよう国に対して要請しているところでございます。

○白石委員 意見を伝えたのみにとどまると。具体的に都として独自に教室型の説明会、関係する区市から要望があった場合はしっかりと開いてほしいと断言していったことはないということです。
 改めて伺います。一度も開催されていないこの教室型の説明会、この状況を都はどのように認識をされておりますか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は、専門家のアドバイスに基づき、きめ細かな情報提供や参加者からの丁寧な意見聴取が可能なオープンハウス型の説明会を開催しております。
 また、都の意見、関係区市の意見を踏まえた都の要請等に応え、国は関係自治体と相談の上、オープンハウス型説明会を補完するものとして地域の実情に応じて個別に情報提供の場を設けるなど、さまざまな形で丁寧な情報提供に努めているものと認識しております。

○白石委員 丁寧な情報提供に努めていると、国を擁護する発言しか出てきません。
 この幹事会において、新宿、品川、目黒、板橋、港などから再三にわたり教室型の説明会の開催を求めています。そして、今、専門家から提案があったオープンハウス型で事を済ますということをいっておりますが、実際に地元区からは教室型の説明会をやってほしいと、そして都がしっかりと要望してほしいということは幹事会でも出されている。しかし、それについては適切に国がやるものと認識しているというところにとどまると。そして、関係区市からは、こういう意見がありますよというだけにとどめて、都が独自にこれぐらいはやるべきじゃないかと。そして一度も開かれていない教室型の説明会について何も認識を示すことができないというのも、都の役割を果たしていないという明確な事実かというふうに思います。
 都がはっきりと国に教室型の説明会を開催することを強力にこれから要望すればいいんだと思うんです。それもいえないと。都は、これまでに教室型の説明会などと含ませて開催方法を引き続き検討してほしいと、このようないい方で国にいっております。このような消極的な立場は、それこそ連絡会の当初からの目的である関係区市の意見を国に反映するという根底が崩れるということになります。今後、都が国に対して具体的に教室型の説明会を強力に要望することを改めて求めておきたいと思います。
 そして、最後にですが、都心上空を低空で飛行する新ルート案を決定するときには、地元の理解が得られたとの判断は都として具体的にどのようにはかるのでしょうか、伺いたいと思います。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 新たな飛行経路案を決定する際に、国は協議会を開催する予定でございます。そうした際には連絡会を開催し、関係区市と情報共有及び意見交換を実施することなどにより意見を取りまとめて協議会に反映させてまいります。

○白石委員 次の協議会がもしかしたら意思決定になるかもしれないと。そのようなことになったら、初めての連絡会が最後の意思決定のときになると。地元の理解を得るために開くとは、まあ、余りにもお粗末な話です。それでは遅いし、都民には、関係区市からどのような意見が出ているのか目に触れる機会も与えられないようなやり方は、断じて認めることはできません。即刻この連絡会、開くことを求めますが、いかがでしょうか。

○伊佐航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 新たな飛行経路案を決定する際など、国の協議会の動向を踏まえ、必要に応じて連絡会を開催してまいります。

○白石委員 これまでの質疑を通して、騒音の影響でも、落下物や墜落事故などの危険性についても、また丁寧な説明も国からは何ら提供されていないということが明らかになりました。国がそのような状況であるにもかかわらず、都が果たすべき都民の懸念を払拭するような役割は果たされていないということも明らかになりました。そして、都は、都心低空飛行の実現に向けて突き進んでいるという、このような姿も露呈したと思います。
 そもそも、この新ルートにより三・九万回の増便を行うとしておりますが、住民の方からも、私も指摘をいただいて国交省に問い合わせました。新ルートを通さなくても現行ルートでもどのぐらい増便できるのかと。国交省の担当者は、二・八万回は現行でも増便はできると、このようにいっております。つまり、三・九万回のうち七割は現行ルートだってできるんだということです。
 これからさまざまな角度から、この問題、検証していかなければなりませんが、この三・九万回のうち、現行ルートでも二・八万回増便できると、これだけ、そして残りの一・一万回のために都民の命を危険にさらすというようなやり方は断じて許しません。
 こういう状況のもとでは、新都心低空飛行ルートの再検討を都として改めて国に求めること、そして連絡会の早期開催を求めること、この本請願の採択を本日都市整備委員会の各委員におかれましては、今の質疑でも明らかなように、しっかりと都の果たすべき役割を果たさせるためにも採択することを改めて呼びかけて、質問を終わります。

○たきぐち委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○たきぐち委員長 起立少数と認めます。よって、請願二九第四七号は不採択と決定いたしました。

○たきぐち委員長 次に、陳情二九第一二二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○八嶋経営改革担当部長 整理番号2、陳情二九第一二二号、都営住宅における犬猫飼育に関する陳情についてご説明をいたします。
 陳情者は、八王子市の阿部忠行さんでございます。
 陳情の要旨は、都において、都営住宅における犬猫飼育禁止条例等を制定していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都営住宅においては、入居者は、公営住宅法及び東京都営住宅条例に基づき、住戸を正常な状態において維持しなければならない義務を負っております。
 犬、猫などの動物の飼育は、鳴き声、抜け毛、ふん尿等が他の入居者の迷惑となり、平穏な使用を妨げ、また動物の飼育による住戸や共同施設の汚損等が入居者の義務に違反することから、都は都営住宅における動物の飼育を禁止しております。
 具体的には、募集時にパンフレットで動物飼育をお断りしている旨を周知するとともに、入居時には「住まいのしおり」を配布して説明を行い、動物を飼育しない旨の確認書を提出していただいております。
 また、入居後も、入居者向けの広報紙「すまいのひろば」や団地内掲示板へのポスター掲示により注意喚起をするとともに、団地自治会にチラシを回覧してもらうなど周知に努めております。
 入居者の動物飼育が判明した場合は個別訪問を行い、都営住宅において動物飼育が禁止されていることを改めて説明しております。その際、親族への引き取りの依頼や里親を仲介する民間団体の紹介などを行っております。
 平成二十八年度には、動物飼育に関する苦情、相談を延べ七百九件受けており、飼育者に対しては、相談に応じながら適切に指導を行っております。このうち、複数の動物を飼育し、害虫や悪臭の発生をもたらすなど、悪質、深刻な違反で、再三の指導によっても改善されていない六件については、地元の保健所と連携するなどして重点的に解決に取り組んでおります。
 こうした指導に応じず、近隣住民に著しい迷惑を与え続ける場合には、住宅の明け渡しを求めて訴訟を提起することとしておりまして、これまでに明け渡しが認められた事例がございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○たきぐち委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○木下委員 ただいまご説明いただきました都営住宅における犬猫飼育に関する陳情に関してご質問させていただきます。
 まず、都営住宅には、今何世帯、何名がお住まいでしょうか。基本的に今のご説明にありましたとおり、都営住宅においてはペットの飼育は禁止であると理解しておりますが、実態として何割ぐらいがペットの飼育を行っていらっしゃると都の方では考えていらっしゃいますでしょうか。

○八嶋経営改革担当部長 平成二十九年三月三十一日現在、都営住宅には二十二万一千四百二十二世帯、四十三万六百三十三人がお住まいになっております。
 ペット飼育の実態に関しましては、平成十四年度から二十二年度にかけて行った適正飼育モデル事業の開始に先立ちまして、入居者二千世帯を対象にペットの飼育に関するアンケート調査を実施いたしました。回答のありました一千三百十三世帯のうち、約九%の世帯が犬、猫を飼っているとのことでございました。
 居住者に対しては、パンフレット、「住まいのしおり」やポスター掲示、チラシの回覧などにより、犬、猫等の飼育をお断りしていることを周知徹底しております。また、動物飼育が判明した場合には、飼育をやめるよう指導を行ってございます。

○木下委員 ありがとうございました。今お示しいただきましたアンケートの結果の割合をそのまま適用すると、不正確な部分もあるかとは思いますけれども、全戸二十二万一千四百二十二世帯のうちの九%だとすると、一万九千九百二十八世帯、約二万世帯が犬や猫を実質的に飼っている計算になります。隠れて飼っている世帯がこれだけあるような状況では、本当は禁止のはずなのに、困るという方々がかなりいらっしゃることも想像にかたくないのではないかなというふうに感じます。
 そこで、ただいまのご答弁にもございました平成十四年度から実施されていらっしゃった都営住宅内動物適正飼育モデル事業についてお伺いいたします。
 事業の概要、そして結果、結果をもたらした原因について都としてはどのように分析されていますでしょうか。

○八嶋経営改革担当部長 適正飼育モデル事業は、都営住宅においてペットが適正に飼育できるかどうかの可能性を検証することを目的として、平成十四年度から二十二年度まで八年間かけて実施をいたしました。
 これは、高齢者や単身者が増加している状況を踏まえ、ペット飼育の可能性を検討するため、学識経験者、不動産業界団体、動物愛護協会、都営住宅自治会代表者、獣医師会などから成る検討会を設置し、ペット飼育のあり方や具体的な条件設定などについて提言を受けた上で、公募により申し込みがあった二団地において実施をいたしました。
 モデル事業では、自治会等が飼育ルールを作成し、遵守する旨の誓約書を飼い主から提出させ、ペットを登録し、講習会の開催や適正な飼い方の指導、トラブルへの対応などを行いました。
 これらの取り組みは、自治会により自主的に取り組まれたものでございまして、適正飼育の推進に向けた一定の成果があったものの、鳴き声やふん尿の不始末などの苦情等が継続的に寄せられました。
 二団地のうち、検証に適した規模の大きな団地において実施したアンケートでは、回答五百六十八件のうち二百六十八件、四七・二%が反対でございました。その結果、居住者の合意形成を得ることは難しいと判断し、モデル事業を終了し、都営住宅では引き続きペット飼育をお断りすることとしたものでございます。

○木下委員 ありがとうございました。ペットを飼う方々が結果的にルールを守れなかったことが課題として浮き上がったとのことと理解いたします。
 集合住宅におけるペットの飼育について、私なりに成功例や取り組みをヒアリングなどをしまして調べてみますと、URさんの賃貸住宅及び民間の賃貸住宅、また分譲住宅でのペットとの共生事例には、当たり前ではございますが二パターンございます。すなわち、ペットとの共生の方のみの住居とする場合と、ペットと共生する方とペットを飼わない方々との共生との場合がございます。このいずれのパターンにおきましても、うまく進めるための取り組みの基本として、一つとしては、ペット飼育を前提とした設備の充実、例えば、足洗い場やリードフック、原状回復のための壁クロスの見切りをつくるなど、こういったことをしている民間賃貸住宅はあるということでございます。
 さらに、ペットクラブを運営し、飼い主のコミュニティをつくったり、研修会を実施して飼い主の意識啓発を非常に強く行っていく、また飼い主同士のコミュニケーションをすることで自立的な違反をしない雰囲気づくりをされているというようなお話がございます。
 また、三つ目でございますが、重要になってくると思うんですが、ペットを飼う場合の規約をしっかりとつくり、この遵守を厳しく徹底していくということが重要だというふうに認識いたします。
 都営住宅におきまして、今述べさせていただきました、うまく進めるための取り組み、一つ目、二つ目、三つ目に関して実施していく可能性があることについて、さらには実施が難しいと考えるものにおいては、その理由をお聞かせいただけますでしょうか。

○八嶋経営改革担当部長 約八年間にわたり実施したモデル事業では、ペットとの共生を目指しまして、都営住宅内ペット適正飼育標準ルール、こういったものをつくりまして、これに基づきまして飼うことができるペットの種類と数、予防接種の義務づけ、飼育承認申請書の提出、ルールを守ることに関する誓約書の提出、不妊去勢手術の義務づけ、ペットの写真の添付、しつけを行うこと、ケージに入れての移動ですとか、ベランダ等では飼育しない、ブラッシングは居室内で行う、居室外でのふん便は必ず持ち帰るなどの非常に詳細な飼育ルールをつくりまして、自治会役員、飼い主全員、希望する居住者で構成する飼い主の会を結成いたしまして、マナーの向上やトラブルへの対応に取り組んだものでございます。
 飼い主の会でございますけれども、悪臭やふんの後始末などの苦情に対しまして団地内の清掃活動やマナー啓発チラシの配布など非常に熱心な活動を行いまして、マナー向上に努めるなど、飼育ルールの徹底に取り組んだところでございます。
 しかし、先ほど答弁いたしましたとおり、残念ながらルールを守らない飼い主がおりまして、団地内でペット飼育に反対する意見が多く、合意形成ができなかったことから困難であると判断したものでございます。
 こうした経緯を踏まえまして、都営住宅では動物飼育をお断りしており、今後とも飼育が判明した場合にはやめるように指導を行ってまいります。

○木下委員 ありがとうございました。細かいルールを定めて、そして飼い主の会、自治会などが動いて、しっかりとルールの徹底を試みたにもかかわらず、モデル事業の二団地においては、残念ながら、反対の方がふえてしまうような飼育状況が継続されたというようなお答えでございました。
 実際に今のモデル事業の中でもお話を伺うと、多頭飼育があって、犬、猫にとっても不衛生な環境であったというような、動物愛護の観点からもこういったことはなくさなければならないというふうに強く思う立場でございます。
 問題となりますのは、原則ペット飼育を禁止しているにもかかわらず、実態として都営住宅で先ほど申し上げたような二万世帯の方々がこっそり飼っているという状況を都も把握している状況を放置しているということにあるんではないでしょうか。
 曖昧な状態は本来であればなくすべきでありますし、自治会の方々によるルールの徹底では、やはり徹底し切れなかったというような状況があることを鑑みますと、今後、効果をもたらすような犬、猫を飼う方とそうでない方の共生ということを都営住宅においてきちっと進めていくことを考えていきますと、この陳情の方々がおっしゃるような条例の制定という選択肢も排除せず、今後きちっと都として対応をお考えいただくことも必要なのではないかなというふうに思っておるところでございます。
 都のモデル事業で設定されましたルールも同様とのことでございますが、動物愛護団体の方々からいただきました共生のために守るべき最新の規則内容ということで、主な規則内容を改めて参考のためにお示しさせていただきます。
 動物を飼養できる種類、大きさ、頭数制限、犬、猫一頭まで等を明示すること。犬の狂犬病予防接種の登録及び健康診断結果の提出義務、年一回。飼育の申請書の提出、添付としまして動物飼育誓約書、ワクチン接種証明書、保健所犬鑑札の写し、狂犬病予防注射済み証の写し、動物の最新写真、日本国内持ち込み許可証--外来種の場合、それから動物飼育許可証の発行等の提出でございます。
 さらに飼養規則を遵守する旨、違反した場合の飼育禁止処分の承諾の誓約書の提出、敷地内における散歩の禁止、繁殖等営利目的での飼育の禁止、去勢避妊手術等の繁殖制限措置の努力義務、専有部分以外でのマンション内での給餌--餌をやることですね。それから排尿、排便の禁止、敷地内の移動はケージ、キャリーバッグ等で行うこと、共生に対応できるしつけを義務化する、犬、猫のマイクロチップの努力義務をお願いする、ごみ置き場への動物の立入禁止、エレベーターの動物同乗の場合の、ほかの居住者への明示、地震、火災等の災害時の動物の保護の義務、死亡した場合、動物霊園で葬る等適正な処理などが必要ではないかというお話も伺っております。
 つまり、きちっとルール化していくこと、これだけのことをやらないと共生はできない。曖昧にしておくと、先ほど申し上げたようなことが起こっているということで、集合住宅におきましても、ペットを飼う人も飼わない人も快適に共生でき、動物にとっても好ましい環境が生まれる東京にしていくために、都営住宅におきましてもルールの徹底を厳しくするなどを考えた上で、その上での啓発とか環境整備について行政としてひるむことなく取り組んでいただきたいというふうに私の方では思っております。
 このお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

○八嶋経営改革担当部長 今、動物飼育をしている実態というものがありながら放置をしているというのはちょっと、そういった旨のご発言がございました。
 まずアンケート調査でございますけれども、あくまで二千世帯を対象に行ったアンケートでございまして、そのときにはたまたま約九%の方が犬、猫を飼っているという結果だったということ、それから、これはもちろん無記名で行ったアンケートでございますので、私ども冒頭の説明でもございましたけれども、入居者の動物飼育が判明した場合には個別訪問を行い、都営住宅においては動物飼育は禁止されていることを改めて説明しておりまして、その際、親族への引き取りの依頼、里親を仲介する民間団体の紹介などを行っているというところでございます。

○星見委員 それでは、私から、今の都営住宅における犬猫飼育に関する陳情についてご質問させていただきます。
 先ほどご報告がありましたけれども、全国的にも、東京都のように原則として公営住宅のペット飼育を禁止している自治体がほとんどなんだなというのが調べてみてわかりました。しかし、公営住宅法にも、そして施行規則にもペットの飼育は禁止との規定はありませんでした。直接的な法的根拠はありませんけれども、住民の皆さんとの関係では、ペットの鳴き声やにおい、それから汚物など、さまざまな居住者の関係の中で居住者に対する迷惑行為の禁止に該当すると解釈されているためだというふうに思います。
 先ほど都の状況報告の中にも、入居者の義務に違反する、こういう考え方が今の東京都の考え方だということがわかりました。
 今このペット問題について、先ほどの質疑の中でも、東京都が動物適正飼育モデル事業を二〇〇二年から二〇一〇年まで二団地で実施したということが報告されました。その検証の結果、現在この状況なんだろうなと思います。
 ただ、二〇一〇年に動物愛護法が制定されまして、二〇一二年にはこれがさらに改定されています。それから、集合住宅でのペットの飼育状況も随分変わりました。
 先ほどご報告があったような都営住宅での動物適正飼育モデル事業を行われた当時と現在では、環境が変化していると思います。改めて、都営住宅でのペット飼育について検証し直す必要があるのではないかと思いますけれども、この点についてまずご見解を伺います。

○八嶋経営改革担当部長 モデル事業では、自治会等が飼育ルールを作成し、遵守する旨の誓約書を飼い主から提出させ、ペットを登録し、講習会の開催や適正な飼い方の指導、トラブルへの対応などを行いました。
 これらの取り組みは自治会により自主的に取り組まれたものであり、適正飼育の推進に向けた一定の成果があったものの、鳴き声やふん尿の不始末などの苦情等が継続的に寄せられました。
 二団地のうち、検証に適した規模の大きな団地において実施したアンケートでは、回答五百六十八件のうち二百六十八件、四七・二%が反対でございました。その結果、居住者の合意形成を得ることは難しいと判断し、モデル事業を終了し、都営住宅では引き続きペット飼育をお断りすることとしたものでございます。
 都営住宅では、現在も動物飼育に関する苦情、相談は継続的に発生しておりまして、モデル事業を行っていたときと状況は変化していないと考えてございます。

○星見委員 今、状況は変わっていないというご答弁でしたけれども、先ほどいいましたように、今ペット問題の環境というのは、法律も、その後、ちょうど東京都のこの調査が行われた後に改正されまして、大きく変化しています。
 ご答弁を聞いていると、変化していないのは東京都ということではないかというふうに今感じました。
 例えば、他県では東京都と同様な議論の中で、ペットの飼育可能な公営住宅が生まれています。一つ目は、一般公営住宅の中でのペットの飼育問題です。
 東京都が実施したような議論を通して、大阪府は別の結論に行き着きました。大阪府の府営住宅では、自治会の八割以上が飼育に賛成した場合は飼育が可能になっています。十一団地十二自治会という報告もありました。
 大阪府は、ペット飼育が行われている団地では、自治会が飼い主にペット管理委員会を設置させ、飼育規約をつくり、自主的にマナーを守らせる取り組みをしています。こうした取り組みから学ぶ点は、東京都もあるのではないでしょうか。
 また、大分市、松本市、これは北海道の上砂川町にも幾つかありました。そのほか調べると、もっとあるんじゃないかなと思います。
 また、一般公営住宅の中にペットのくぐり戸やペット用トイレ設置場所などを設置した--これはペットとの共生住宅ですね、こういうものを実は上越市や松本市ではつくっているという実例も既にありました。
 また、環境が変わっているんじゃないかなというのは、一般の分譲マンションと、そして賃貸マンションもそうですけれども、新規にできているものの八割のかなりの量が供給されている中で、ペット共有、一緒に住めるような条項がついているというふうになってきている。そういう住宅市場の中でも近年変化が起きています。
 また、そのほかに、私いろいろ調べておりましたら、公的住宅として近いものとしては、公団賃貸住宅も変わっていました。UR賃貸情報センターがつくっているホームページを見ましたら、URペット共生住宅、ちょうどこんなものですけれども、UR賃貸住宅でペットと暮らそう、これがばあんとスローガンとして出ているんです。その中に、これはUR自身が独自に集合住宅で犬、猫を飼うことについてどのように考えますかという、これは世論調査をやっているものが載っています。その中で、簡単にいうと、約六割の人が一定のルールを守れば飼ってもよいと思うと回答をしています。
 このURの賃貸住宅のこの中を読んでいくと、お客様とペットの生活を実現、向上すべくペット飼育規則を定めましたということで、URは一歩前に出てこの問題を積極的に取り入れようというふうにされているのがわかります。
 ペットと生活をする方々の情報交換やコミュニケーションの場としてペットクラブを設立、さまざまな活動を犬及び猫の飼い主を中心とする会員で自主的に運営していただいておりますという中身になっているんです。
 これはどこの集合住宅でも、分譲マンションでも、公団でも、都営住宅でも、集合住宅で犬、猫ペットを飼うというのは一時大きな問題になった社会問題の一つだったと思います。それをどう解決するかというところに足を踏み出したところは、さまざまな解決方向に向かって動いてきたというのがこの間の経過ではないでしょうか。
 そういう意味では、先ほど答弁の中でありましたように、東京都の認識自身は、モデル事業を行っていたときと環境や状況は全く変わっていませんよと。ここにやっぱり、東京都の頭がかたい、そして、入居されている皆さんや周りの東京都の住環境がどうなっているかっていうところに積極的に研究して取り組もうという姿勢が薄いんじゃないかなというふうに私は思います。
 この一般住宅の問題等含めて、もう一つ変化があるなと思っているのが災害支援の中から生まれてきた変化です。
 これは阪神・淡路大震災や東日本大震災の仮設住宅や復興公営住宅でペット飼育可能な公営住宅がつくられてきたという経過の中で生まれています。
 中央防災会議の防災基本計画には、仮設住宅などでのペットの受け入れは今どのように書かれているのかお聞きしたいと思います。
 また、災害復興公営住宅でペット飼育を可能にしている住宅、把握されていましたら、その取り組みなどもお聞きいたします。お願いいたします。

○八嶋経営改革担当部長 平成二十九年四月に修正されました中央防災会議の防災基本計画では、応急仮設住宅の運営管理に関しまして、必要に応じて応急仮設住宅における家庭動物の受け入れに配慮するものとするとの記述がございます。
 兵庫県や神戸市などでは、阪神・淡路大震災により、従前の住宅を失った被災者の中で犬、猫などの動物を飼育し、精神的な支えとしている方への配慮として、災害公営住宅においてペット飼育が可能な住宅を一部導入したことは承知してございます。
 また、これに関してでございますけれども、先ほどのご発言とも若干関連いたしますけれども、例えばこの検討に当たりまして、神戸市では、立地については飼育にかかわるトラブルを避けるために、自然環境に恵まれた郊外地が推奨されるというふうな検討経緯もございます。こうしたところも東京都の中では、なかなか困難なところではないかなというふうに考えてございます。
 また、モデル事業でございますけれども、当初三年間の予定で開始してございまして、さらに十分な検証が必要だろうということで五年間延長して、あえて八年間実施したということでございまして、その中で、先ほど委員からはUR住宅の取り組みとしてペットクラブをつくってというようなお話もございましたけれども、ほぼ同様な形で飼い主の会ということを、これは必須の条件としてつくっていただき、また取り組んできたところでございますけれども、結果として合意形成が困難であったというところでございます。

○星見委員 今ご答弁いただきましたように、二〇一二年に動物の愛護及び管理に関する法律が改正されている。そのときに災害対応において東日本大震災を受けて、既に中央防災会議の防災基本計画、二〇一一年十二月修正で、避難場所における家庭動物のためのスペースの確保に努めるものとする。そしてもう一つ、今ご答弁あったように、応急仮設住宅における家庭動物の受け入れに配慮するものとする。これが文言として明記されるというふうに変わりました。
 東日本大震災の被災地では、宮城県、そして岩手県、特に陸前高田や釜石などでは、複数の応急仮設住宅でペットを連れての入居が容認されたというふうに変化しています。その後の被災者が、今度は避難所から応急仮設住宅、そして恒久的な住宅に移行していく際に、ペットに伴う、これをどうするかというのが国や地方自治体から検討、準備する必要が生まれてくるという状況に変わってきているんじゃないのかなというふうに思います。
 今部長は、スペースがあるかないかとか立地がどうかということをいっていましたけれども、地震というのは立地のあるところに来るわけじゃありませんからね。ましてや都市部では、都営住宅だけではなく、新たに公営住宅、あるいはこういう避難住宅、応急仮設住宅から移ってくるという場合には、当然こういう問題も大規模に発生する可能性がある。どこかの、東京の話ではないよという態度でこれに臨んでいると、とんでもない勘違いをされるんじゃないかなと思います。
 阪神・淡路大震災でどのような苦労をしたのかなということで私調べてみました。そうしましたら、当初、やはり兵庫県は一般の公営住宅では東京都と同じように、ペット飼育は禁止であったため、災害復興公営住宅も同様な方針にしていました。しかし、ペットが受け入れられないことが発表されますと、国の内外の動物愛護団体や獣医師会、ボランティア団体、フランスからも意見が出たそうですけれども、百通を超える意見や要望書が次々と提出されました。
 いろいろな議論が行われた結果、ペットとの共生社会を構築する、こういう考え方に立って、もう一つはペットが被災者の精神的支えとなっている、ここにペット飼育が認められる環境整備が必要なのではないかということで、一足飛びにいったというよりは、さまざまな試行錯誤の中で、こういう被災の中でも動物と一緒にいられるような公営住宅の整備が行われたということがわかりました。
 また、神戸市も途中から方針を変えて、ペット飼育住宅の検討を行いまして、二棟で六十九戸ではありましたけれども、ペット飼育可能住宅をつくっています。
 最近では、熊本が熊本地震の被災者向けの仮設住宅を建設しておりまして、十六市町村全てがペット同居の入居を今認めています。
 県の担当者は、ひとり暮らしの高齢者にとってペットは家族の一員、孤独感を解消するために欠かせない存在、こういうふうに説明をしております。
 ペットは室内かリードをつけて外で飼うのが原則で、熊本市は入居申請時に動物アレルギーの有無を調査、そしてペット連れの世帯は、飼っていない世帯と違う区画に入居してもらう、こういう配慮もしていたというふうに、これは当時のものに載っておりました、報道されていました。
 今回の陳情者が都営住宅内のペットにより不快な思いをされている事態を解決したいと考えていることについては共感できることだと思います。
 一方で、東京都自身の公営住宅のペット問題、どうするのかというのは、一律に飼えません、それだけでは済まないような社会状況の変化があるんじゃないかなというふうに思います。
 東京都に今、一般都営住宅でのペットのトラブル解消も必要だと思います。なぜかというと、実は地域の猫のボランティアの方にも、この陳情を私は読んでもらいました。さまざまな意見がありましたけれども、その中からいわれた中で、実は地域の、目黒の猫のボランティアの方からは、大田で都営住宅の建てかえが起きたときに、都営住宅の建てかえが起きるたびに多数の捨て猫が地域に出て、その対応で大変になる。大田のときも大変だったという話も聞きました。
 こうした状況は、今、都の共生社会を目指すという考え方や、それから殺処分ゼロ、動物愛護の観点から考えても、都営住宅の問題を、ただ飼えませんよと、その規則を徹底しますというだけでは解決しないという状態になっているという認識を東京都が持つことがまず大事なんじゃないかなというふうに先ほどのご答弁を聞いて思いました。
 ぜひ、東京都自身が住民とペットが共生できる取り組みの検討をどうするのかということを、積極的に環境が変わったという認識のもとでやっていただきたいことと、それから震災後の復興に向かう中での仮設住宅や復興公営住宅、こういう問題ができたときにペットの対応の考え方をしっかり整理しておくということも必要じゃないかということを申し述べまして、私からのお話は終わりといたします。

○後藤委員 先ほど木下委員や星見委員からもペットの都営住宅の部分に関するご質疑がございましたので、なるべくかぶらないように高齢者というカテゴリーに分けて二点ほどご質問をさせていただきたいなというふうに思っております。
 まず一点目なんですけれども、現在、都営住宅において高齢化が進んでいるというのはよくいわれている話かというふうに思っておりますが、実際に入居者となる名義人の高齢者の割合というものを教えていただきたいと思います。

○八嶋経営改革担当部長 平成二十九年三月三十一日現在の入居者でございますけれども、名義人のうち、六十五歳以上の割合が六六・六%となってございます。

○後藤委員 ありがとうございました。六六・六%ということで、高齢者の比率が七割弱というお話でございました。
 現在の日本の高齢化というのが高齢化率が約二七%というような事実と比較をいたしますと、都営住宅において高齢化というのは、大変進んでいるということがわかりました。少子高齢化や高齢者のひとり住まいがふえるというような都営住宅の実態の中で、先ほど星見委員からもご指摘ございましたけれども、ペットの飼育が認知症の予防というところであったり、あとはQOLの向上といった健康的な効果が見込まれるということは、実際にさまざまな科学的な見地というところからも明らかな事実でございます。
 実際に、現在多くの介護施設や病院ではセラピードッグが活躍しているという点からも、そういった事実は認められたものであるというふうに思っております。
 また、ひとり暮らし世帯という観点におきましては、平成二十七年度の福祉保健局の基礎調査というところでは、高齢者のうち約二〇%ということで、五人に一人がひとり暮らし世帯だというようなデータも出ております。
 こうした事実からいきますと、ひとり暮らしの高齢者の方々にとってペットというのは、単なる愛玩動物と、所有物というような価値観ではなく、家族同様の存在に社会の価値観というものも変化を遂げていることも事実なのかなというふうに思っておりまして、こういった現状からいえば、高齢者とペットの共生というのは福祉の観点からいっても大変重要なテーマであるというふうに私考えております。
 そこで、二点目のご質問になりますけれども、都営住宅における犬猫飼育の禁止に関する制度というものは、いつごろ制定されたものであるのかということをお聞かせいただきたいと思います。

○八嶋経営改革担当部長 昭和三十九年に入居者に配布いたしました「住まいのしおり」の中に、鉄筋アパートでのペット飼育はお断りする旨の記載を確認してございます。

○後藤委員 ありがとうございました。昭和三十九年というところでいきますと、このルールの制定自体がもう五十年以上前につくられたものであるということがわかりました。
 先ほどご指摘がございましたように、一般の新規の分譲マンションにおけるペット飼育可能な物件というのは、時代のニーズに合わせてふえ続けているという事実もございます。調査開始の九八年、当時は一%を超える程度だったものが、二〇〇七年には八六・二%ということで、今新規で分譲されるマンションの八割、九割近くがペット飼育可というような事実を踏まえますと、ペットと共生することというのは、もう今、社会通念上は当たり前の価値観に変貌しているのではないかなというのが私の考えでございます。
 それに伴って、都営住宅のペット飼育に関するルールというものも改めて再考すべきなのではないかというふうに思っておりますし、先ほど既にご指摘がございましたけれども、実態調査を行ったというお話がございました。モデル事業の約二千世帯でペットの飼育に関する実態調査をされたというお話がありましたが、やはりこういった議論を進めるに当たって、たった二千世帯では都営住宅におけるペット飼育の実態を把握しているとはいえないのかなというふうに思っております。
 多頭飼いというような、近隣住民にとっても、動物愛護の視点にとっても問題になっているケース等々の対応につきましても、行政のお話を聞くと、ペット飼育を禁止しているので、そもそも飼っているはずがないというような議論の前提に立っているという意味でいきますと、結局、問題が前に進んでいかないということでございますので、まずは一度しっかりとした実態調査を進めていくべきだというふうに思っております。
 そして、九%ほどのペット飼育というようなモデル事業の調査がありましたけれども、既に飼っている住民が存在するという前提に立った上で、しっかりと対策を考えていくべきだというふうに考えております。
 現状放っておいても問題が解決するものではないというふうに考えておりますので、例えば、ペットが飼育されているという前提に立った上で、禁止という方向にしっかりとしていくのであれば、里親を探すとか、一代までに制限をするであったりとか、明文化したルールの厳格化というような議論が必要になってくるでしょうし、ペットを飼育可とするのであれば、先ほど詳細な標準ルールというものがあるにもかかわらず、なかなかマナーの徹底に至らなかったというような事実を踏まえた上で、どのように共生をしていくのかという実態に合わせた議論を深めていくことが大変重要だというふうに考えております。
 ぜひ都営住宅におけるペットの問題がまずは先送りされることなく進んでいくことを私からは期待をさせていただき、質疑を終了させていただきます。

○八嶋経営改革担当部長 ただいま後藤委員から、禁止であるならば里親を探すなど適正な運用設計をすべきとのご発言ありましたけれども、冒頭、現在の状況のご説明のとおり、動物飼育が判明した場合には、親族への引き取りの依頼や里親を仲介する民間団体の紹介などを行ってございます。
 また、最後にペット問題が先送りされることなく進んでいくよう期待する旨のご発言頂戴いたしましたけれども、繰り返しになりますが、都営住宅では動物の飼育を禁止してございます。入居者の説明会等で居住者への周知に努めており、飼育が判明した場合は個別訪問を行い、禁止について改めて説明し、指導を行っております。今後とも適切に取り組んでまいります。

○たきぐち委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二九第一二二号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時三十分休憩

   午後三時五十分開議

○たきぐち委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 築地再開発検討会議(第三回)について外二件の報告を聴取いたします。

○木村まちづくり調整担当部長 一月二十五日に開催した第三回築地再開発検討会議につきましてご説明いたします。
 会議では、三名の委員の方からプレゼンテーションを行っていただき、コラス委員の意見紹介、有識者ヒアリング報告の後、意見交換を行いました。
 お手元の資料6をごらんください。
 まず、プレゼンテーションの内容ですが、青木委員から国内の再生建築事例、環境技術などについて、岸井委員から鉄道等の広域交通計画や敷地計画などとの調整などについて、小池委員から陸、水、空などの視点から満足を目指すなどについて、それぞれのお立場から貴重なご意見をいただきました。
 続いて、欠席されたコラス委員から住むと遊ぶのブレンド、築地というブランドを生かすなどについて、いただいたご意見を説明いたしました。
 また、有識者へのヒアリングとして、田中総長から水運の活用、発信するなどについて、中井教授から将来を見て種地を持つ、土地を一度に手放さない手法などについて、竹内名誉館長から新しい築地のまち、にぎわいのまちなどについて、いただいたご意見を報告いたしました。
 また、意見交換では、当初は半円形状のものが全て保存できないかと考えたが、ほとんど不可能に近いだろう。部材の一部を解体時に保存しておき、再利用することで、築地の歴史の承継ができるのではないか。誰のために再開発をするのか。どこに価値を収れんしていくのか、築地をどんなふうにしていくかというグランドデザインを考えた方がよい。何か新しいものが生み出されていくとか、新陳代謝されるとか、前に向かって考えておく必要がある。将来の人たちに向けて何が必要なのかということを考えて議論していきたい。国際仲裁施設に同時通訳や翻訳サービスなど、設備の面でも充実していけば、国際的なさまざまな会議に活用できる。家庭の和食離れが進み、どう食べるかという面で和食文化にある日本人の心を取り戻すといったことに築地の発信力を活用できるとよい。土地利用について、全部を有効利用して使うという考えもあるが、広い土地なので、将来に向けて順番に考えていく、一定量余地を残しておくといった意見はヒントになる。時間軸の中で、ある時点で一気に開発するか、長期にわたり段階的にその都度判断していくのかを考えた方がよい。また、未来社会がどうなっているかという観点から土地利用を考えるという時間軸もある。築地は、公共交通の利便性が必ずしも高くない中で、都心に大変近いところに大きなスペースがあり、浜離宮に接していて、隅田川に面していて、東京湾に開いていることを生かすことをぜひ考えなければならない。大変貴重なこの土地の開発が次の東京にインパクトを持つものになればと思うので、長期的な目で考えるべきである。オープンスペース、緑、水辺などが持つ貨幣換算できない価値がある。直接そこからは貨幣換算価値は生まないが、土地の付加価値をつくり出すことは重要。財政的にどうするかという意見もあったが、財政、商業的な要素から離れた意見も出していただき、我々が選択の助けをするという発想でいろいろ提言をいただければと思うなど、貴重なご意見をいただきました。
 説明は以上でございます。

○田中住宅政策担当部長 東京都住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料8がパブリックコメント中の本編でございますが、資料7として、概要をおつけしておりますので、こちらでご説明させていただきます。資料7をごらんください。
 まず、1の計画の目的等でございますが、住宅確保要配慮者の居住の安定確保のため、公共住宅に加え、民間賃貸住宅への入居の円滑化を進めることにより、住宅セーフティーネット機能の強化が重要であり、住宅セーフティーネット法の改正を踏まえ、昨年十月に開始した住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅の登録を着実に進めるため、本計画を策定するものでございます。
 計画期間は、昨年三月に策定しました住宅マスタープランの計画期間である二〇二五年度まででございます。
 次に、2の計画のポイントでございますが、登録目標戸数、住宅確保要配慮者の範囲及び東京の実情に応じた登録基準の設定という三つのポイントがございます。
 まず、一点目のポイントでございますが、住宅セーフティーネット法に基づく住宅の登録目標戸数について、二〇二五年度までの登録目標戸数を三万戸に設定しております。
 続いて、二点目の住宅確保要配慮者の範囲につきましては、貸し主の選択の幅を広げるとともに、借り主の多様なニーズに応えるため広く設定しております。
 具体的には、住宅セーフティーネット法や省令で定められている住宅確保要配慮者に加え、本計画では海外からの引き揚げ者、新婚世帯などを位置づけていくこととしており、国の基本方針における例示の全てを盛り込んでおります。
 続いて、三点目の東京の実情に応じた登録基準の設定につきましては、都内の空き家等を最大限活用するとともに、住宅確保要配慮者の多様なニーズに応えるため、既存住宅を活用する場合、国の面積基準を緩和することとしております。
 具体的には、国で一律二十五平方メートル以上と定められている各戸の床面積について、着工年度に応じて、それぞれ十五平方メートル以上、十七平方メートル以上、二十平方メートル以上に緩和するほか、台所、収納、または浴室が共用である場合、各戸の床面積について、十八平方メートル以上を十三平方メートル以上に緩和することとしています。
 また、シェアハウスの場合、専用居室面積について、九平方メートル以上を七平方メートル以上に、住宅全体の面積については、居住人数に応じて、資料記載のとおり、面積基準を緩和することとしております。
 以上が供給促進計画案の概要でございます。
 現在、本計画案について、パブリックコメント及び区市町村への意見照会を行っており、お寄せいただいた意見等も踏まえ、年度内に計画を策定する予定でございます。
 説明は以上でございます。

○安部防災都市づくり担当部長 第八回地震に関する地域危険度測定調査についてご説明させていただきます。
 資料は、資料9、地震に関する地域危険度測定調査(第八回)の公表について、資料10、同調査パンフレットでございます。資料9をごらんください。
 地域危険度測定調査は、東京都震災対策条例に基づきまして、昭和五十年からおおむね五年ごとに公表しております。本調査の目的は、都民の皆様に地震災害に対する認識を深めていただき、防災意識の高揚に役立てるとともに、震災対策事業を実施する地域の選定に活用するものでございます。
 地域危険度の測定手法の概要ですが、地震に対する建物倒壊、火災、総合の三つの危険量を都内五千百七十七町丁目ごとに測定しまして、五段階にランク分けをしております。
 今回の調査では、最新のデータと知見を反映し、より精度の高い測定方法へ改善しております。
 建物倒壊危険度は、旧耐震建物について、耐震診断結果を反映しており、火災危険度はシミュレーションの延焼時間を延長し、燃え広がりやすさをより反映できるようにしています。総合危険度では、避難、救援可能な生活道路の整備状況を評価しております。
 次に、調査結果のポイントとしましては、建物倒壊危険量は、耐震性の高い建物への建てかえなどによりまして、平均して約二割低下しており、火災危険量は、不燃化建てかえや道路、公園の整備などにより、平均して約四割低下しております。
 震災時に特に甚大な被害が想定される整備地域につきましても、危険量は低下していますが、相対評価のため、危険度は依然として高くなっています。
 一枚おめくりください。それぞれ各町丁目の危険度の分布状況をお示ししています。
 左下の凡例にありますように、焦げ茶色のところがランク五で最も危険度が高く、水色のところがランク一で危険度が一番低い地域となっております。
 上段の図は、建物倒壊危険度です。地盤の特性と建物の特性をもとに、地震の揺れによって建物が壊れる危険性の度合いを測定したものでございます。
 危険度が高い地域は、主に荒川や隅田川沿いに分布しています。これらの地域は、地震の揺れを増幅しやすい軟弱な地盤上に古い木造などの建物が密集しています。
 中段の図は、火災危険度です。出火の危険性と延焼の危険性をもとに、地震の揺れにより、延焼火災が生じる危険性の度合いを測定したものでございます。
 危険度が高い地域は、主に環状七号線の内側を中心としたドーナツ状のエリアや区部のJR中央線沿線に分布しております。
 下段の図は、総合危険度です。建物倒壊や火災の危険性に生活道路の整備状況など、避難や消火、救助活動の困難さを加味しまして、一つの指標にまとめたものでございます。
 生活道路の整備状況を評価することで、環状七号線沿いの中野区や杉並区、多摩地域の一部で危険度が高くなっております。台東区や墨田区南部などでは、道路整備が進んでいることもありまして、危険度は低くなっております。
 以上で地域危険度測定調査についてのご報告を終わらせていただきます。
 なお、本調査の内容の公表は、本日でございます。

○たきぐち委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○たきぐち委員長 次に、第二百二十一回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。

○邊見東京都技監 来る平成三十年五月十七日に開催予定の第二百二十一回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明を申し上げます。
 今回、東京都決定・変更予定案件が区部で四件、市町村部で一件ございます。また、その他の付議予定案件が二件ございます。
 本日は、これらのうち主な案件といたしまして、赤坂二丁目地区及び歌舞伎町一丁目地区の都市再生特別地区につきましてご説明いたします。
 それでは、引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いを申し上げます。

○久保田都市づくり政策部長 付議予定案件ナンバー1、東京都市計画都市再生特別地区赤坂二丁目地区についてご説明いたします。
 資料は、お手元の資料12、白色表紙、提案事項概要五ページから一〇ページまで、資料13、薄茶色表紙、事前説明会資料五ページから一五ページまででございます。あわせて、資料14、藤色表紙、都市計画(素案)赤坂二丁目地区もご参照ください。
 今回の変更は、国家戦略特別区域法に基づき、東京都の都市計画審議会に付議が予定されているもので、事業主体は森トラスト株式会社でございます。
 資料13、事前説明会資料五ページの位置図とあわせてスクリーンをごらんください。
 本地区は、東京メトロ溜池山王駅に近接した約二・〇ヘクタールの区域です。また、特定都市再生緊急整備地域である東京都心・臨海地域内に位置しております。
 資料13、事前説明会資料九ページの参考図1とあわせてスクリーンをごらんください。
 本計画は、国際競争力を高める文化発信、観光支援機能の導入や歩行者ネットワークの強化など、当該都市再生緊急整備地域の地域整備方針に沿うものであり、かつ都市再生の効果が高いものとなっております。
 具体的な都市再生の貢献内容につきましては、主なものとして、観光振興への寄与を目的とした、歴史、文化発信施設を約二千平方メートル、訪日外国人の滞在施設として、国際水準のホテル及びサービスアパートメントを合わせて約一万八千五百平方メートル整備いたします。
 また、計画地の東西を結ぶ歩行者動線は、高低差も大きく、地域の課題であることから、バリアフリーにも配慮した歩行者ネットワークを整備いたします。
 さらに、区域外における電線類の地中化約一・三キロメートルや、敷地内には既存の崖地形状を生かした大規模緑地約五千平方メートルを整備いたします。
 資料12、提案事項概要五ページ、資料13、事前説明会資料六ページの計画図1とあわせてスクリーンをごらんください。
 都市再生特別地区の都市計画変更の内容についてご説明いたします。
 容積率につきましては、本計画の都市再生の貢献内容を適切に評価した上で、最高限度を一一五〇%とし、一部を歴史、文化発信施設や宿泊施設等といたします。高さの最高限度は、高層部を二百十メートルなどといたします。
 資料13、事前説明会資料一〇ページの参考図2とあわせてスクリーンをごらんください。完成予想図でございます。
 参考といたしまして、国家戦略特別区域法に基づき、国家戦略特別区域会議から港区都市計画審議会へ別途付議が予定されております地区計画の決定についてご説明いたします。
 資料13、事前説明会資料一三ページの計画図2とあわせてスクリーンをごらんください。
 都市再生特別地区を定める地区において、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新により、国際性、文化性豊かな魅力ある複合市街地の形成を図るため、地区計画を決定いたします。
 付議予定案件ナンバー1の説明は以上でございます。
 続きまして、付議予定案件ナンバー2、東京都市計画都市再生特別地区歌舞伎町一丁目地区についてご説明いたします。
 資料は、お手元の資料12、白色表紙、提案事項概要一一ページから一五ページまで、資料13、薄茶色表紙、事前説明会資料一六ページから二五ページまででございます。あわせて、資料15、桜色表紙、都市計画(素案)歌舞伎町一丁目地区もご参照ください。
 今回の変更は、国家戦略特別区域法に基づき、東京都の都市計画審議会に付議が予定されているもので、事業主体は株式会社東急レクリエーション及び東京急行電鉄株式会社でございます。
 資料13、事前説明会資料一六ページの位置図とあわせてスクリーンをごらんください。
 本地区は、西武新宿駅前通りとシネシティ広場との間に位置し、西武新宿線の西武新宿駅に近接する約〇・六ヘクタールの区域です。また、特定都市再生緊急整備地域である新宿駅周辺地域内に位置しております。
 資料13、事前説明会資料一九ページの参考図1とあわせてスクリーンをごらんください。
 本計画は、国際競争力の強化に資するまちの核となる新たな都市観光拠点の創出とまちの回遊性と、にぎわいを創出する都市観光インフラの整備など、当該都市再生緊急整備地域の地域整備方針に沿うものであり、かつ都市再生の効果が高いものとなっております。
 具体的な都市再生への貢献内容につきましては、多様な大衆娯楽文化を世界に発信する複合エンターテインメント施設として、約三千三百平方メートルの劇場及び約三千二百平方メートルのライブホールなどを整備いたします。
 また、グローバルツーリストの多様な滞在ニーズに対応する約三万三千平方メートルの宿泊施設を整備いたします。
 さらに、シネシティ広場に面して、屋外ビジョン及び屋外ステージを整備することにより、広場と施設とが一体となった屋外劇場的都市空間を形成し、にぎわいを創出いたします。
 基盤整備といたしまして、空港連絡バスルート確保のため、新宿職業安定所前交差点を改良するとともに、敷地内にバス乗降場を整備することとしております。
 また、西武新宿駅前通りをリニューアルし、観光ルートにふさわしい良好なデザインへの改良とセミフラット化などによるバリアフリー対応の整備もすることとしております。
 資料12、提案事項概要一一ページ、資料13、事前説明会資料一七ページの計画図とあわせてスクリーンをごらんください。
 都市再生特別地区の都市計画変更の内容についてご説明いたします。
 容積率につきましては、本計画の都市再生への貢献内容を適切に評価した上で、最高限度を一五〇〇%とし、一部を文化発信施設及び宿泊施設といたします。高さの最高限度は、高層部を二百二十五メートルなどといたします。
 資料13、事前説明会資料二〇ページの参考図2とあわせてスクリーンをごらんください。完成予想図でございます。
 参考といたしまして、国家戦略特別区域法に基づき、国家戦略特別区域会議から新宿区都市計画審議会へ別途付議が予定されております地区計画の変更についてご説明いたします。
 資料13、事前説明会資料二三ページの計画図2とあわせてスクリーンをごらんください。
 歌舞伎町シネシティ広場周辺地区地区計画の変更については、地区施設として、歩道状空地と歩行者通路の追加などを行います。
 付議予定案件ナンバー2の説明は以上でございます。

○たきぐち委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○森口委員 歌舞伎町一丁目の都市計画につきましてお伺いをさせていただきます。
 ご説明を聞いているだけでも、非常にわくわくしております。
 歌舞伎町につきましては、世界有数の繁華街の一つであり、世界中からも多くの観光客が訪れるまちであります。一方で、これまでもまちの安全・安心、そして景観、経済活動、建物の老朽化など、課題を抱えてきました。
 まちの犯罪抑止、そして環境美化などの取り組みとともに、世界のエンターテインメントシティー歌舞伎町の実現を目指し、地元商店街、関係行政機関、事業者など、官民一体となり、歌舞伎町ルネッサンス推進協議会や歌舞伎町タウン・マネージメント組織をつくり、誰もが楽しめる、にぎわいのある歌舞伎町のまちづくりに取り組んできたところでございます。
 そこで伺います。
 今回の歌舞伎町一丁目地区の都市計画は、都市再生緊急整備地域に指定がされており、地域整備方針や都市計画区域マスタープラン等との整合が求められています。国が定めました地域整備方針、都の都市計画区域マスタープラン、新宿区まちづくり長期計画都市マスタープランにおけるこの地域、歌舞伎町一丁目エリアのまちづくりの方針について、まずはお伺いをいたします。

○久保田都市づくり政策部長 国、都及び区の上位計画では、回遊性のある観光交流拠点の形成や文化、芸術、娯楽などの多様な機能が集積されたにぎわいと活力が感じられる拠点の形成のほか、宿泊施設の誘致、バス等の駐車スペースの確保、多くの人を魅了するエンターテインメント空間の形成などの方針が示されてございます。

○森口委員 歌舞伎町につきましては、まさに戦後より、当時としては大変珍しい民間主導によるまちづくりが進められてきたまちでございます。当時、鈴木喜兵衛氏、そして都の建設局の石川栄耀氏、そういった方が中心となり、歌舞伎町は戦後復興の大衆娯楽文化の拠点として、エンターテインメントシティーを実現するというビジョンのもと、まちづくりが行われてきました。
 最近では官民一体となり、まちの環境美化の取り組みを進めるとともに、新宿コマ劇場跡地には、ホテルや映画館、飲食店が入る、今はゴジラがまちの新たなランドマークになっておりますが、新宿東宝ビルが二〇一五年にオープンをいたしました。
 また、歌舞伎町へのメーンゲートでありますセントラルロードも整備されまして、こちらもジャパン・プレミアなど、レッドカーペットイベント、そういったものも開催がされております。
 さらに、二〇一六年には、シネシティ広場も全面フラットにリニューアルされまして、こちらもオープンカフェやイベントが開催をされております。
 毎年九月には、こちらで私も毎年担がせていただいておりますが、昨年は角筈連合みこし渡御の出発式もこちらのシネシティ広場で盛大に行われました。
 当日は、はんてん姿で、おいさ、ちょいさのかけ声のもと、千鳥担ぎを行い、歌舞伎町を練り歩くわけではありますが、これは強烈に祭りやみこしといった日本の伝統的な文化に世界中の観光客が触れる機会となっておりまして、日本の文化を世界に発信する。そして、外国人観光客とみこし、また熱気にあふれたはんてん姿の担ぎ手たちが入りまじった様子というのは、まさにエンターテインメントシティーそのものであるというふうに感じております。
 歌舞伎町は、健全な大衆文化、娯楽の企画、制作、発表の場でありますエンターテインメントシティー歌舞伎町の実現に向けまして、歌舞伎町ルネサンスを推進し、子供から大人まで誰もが楽しめる世界に誇る繁華街として、今まさにポテンシャルを高めているところであります。
 世界からの観光客もふえる中、歌舞伎町特有のエンターテインメントシティーとしての魅力や交通の利便性が高まっていくことで、東京の国際競争力を高めていくことが期待をされております。
 今回の歌舞伎町一丁目地区の都市計画は、特定都市再生緊急整備地域内に位置されており、まさに国際競争力の強化を図っていくことが求められていますが、具体的にはどのような取り組みを行っていくのでしょうか、お伺いをいたします。

○久保田都市づくり政策部長 本計画では、回遊性のある観光交流拠点の形成などの方針のもと、観光先進国の実現に向け、歌舞伎町の拠点性、文化発信力のさらなる充実強化やまちの回遊性とにぎわいを創出する都市観光インフラ整備により、東京の国際競争力強化を図っていくこととしてございます。
 具体的には、まちの核となる新たな都市観光拠点を創出するため、複合エンターテインメント施設として、約三千三百平方メートルの劇場及び約三千二百平方メートルのライブホールなど、またグローバルツーリストの多様な滞在ニーズに対応する約三万三千平方メートルの宿泊施設を整備いたします。
 さらに、シネシティ広場に面して屋外ビジョン及び屋外ステージを整備することにより、にぎわい創出やイベント時の活用等を行い、広場と施設とが一体となった屋外劇場的都市空間を形成いたします。
 また、都市観光インフラ整備の観点から、空港連絡バスルート確保のため、職安通りの新宿職業安定所前交差点を改良するとともに、敷地内にバス乗降場を整備いたします。
 さらに、西武新宿駅前通りを良好なデザインへリニューアルするとともに、バリアフリー対応を行うこととしてございます。

○森口委員 シネシティ広場と本施設とが一体となり、屋外劇場的なにぎわいの空間を創出していくという点や、またシネシティ広場、セントラルロード、区立大久保公園など、複数の拠点というものを、まちづくりの担い手であります歌舞伎町タウン・マネージメント、そして新たな民間事業者がまちづくりの団体をつくり、運営をしていくという点は、さらなるまちのにぎわいが面的に高まっていくものとして、大変期待されております。
 また、都市再生の貢献としまして、敷地内に成田空港、羽田空港からのバスの乗降場の整備が計画をされております。これまで歌舞伎町は、東新宿駅の近くのバス停、そしてバスタ新宿しかなかったわけでして、空港からのアクセスが非常に悪かったという点がございます。
 本計画によりまして、この施設を起点として、歌舞伎町に新たなにぎわいが波及していくものだというふうに考えております。まさに、空港バスの整備こそが、地元歌舞伎町商店街振興組合や、また町会の方々の要望でもございました。
 都市再生特別地区の開発は、事業が行われる区域及びその周辺の住民等の理解が必要であり、事業者による説明会、公聴会の開催が求められております。
 そこで、事業者による説明会、公聴会は、これまでどのように行われてきたのか、また、地元からどのような意見、要望が上がってきたのかお伺いをいたします。

○久保田都市づくり政策部長 都市再生特別地区の案件につきましては、都市計画提案をする際に、事業者による説明会を行うこととしており、本計画におきましても、事業者による提案に先立って、計二回、説明会を開催をしてございます。
 説明会では、道路拡幅の有無やバリアフリー対応の状況など、歩行者空間の整備内容に関することのほか、劇場の整備、運営に関する事項、工事期間中にシネシティ広場を資材置き場として使用することを考えているかなどの質問があったと聞いてございます。
 また、事業者は別途、地元商店街組合など七団体に対し個別に説明会を行い、各団体からは空港と歌舞伎町をつなぐリムジンバス乗降場の整備や、西武新宿駅前通りの再整備などの要望があったと聞いてございます。

○森口委員 私も本計画につきまして、地元の方々にこれまでの経緯や意向などを伺ってまいりました。これまで犯罪抑止、また環境美化の取り組み、そして新宿東宝ビルのオープン、周辺インフラの整備によって、まちに来る観光客が子供から大人まで多様に変わってきたというふうにまちの方はおっしゃっておられました。
 本計画につきましても、民間事業者の資金やノウハウを活用し、新たなまちの活性化につながる大型のプロジェクトとして、地元でも期待がされております。
 歌舞伎町という突き抜けた個性を持ったまちが、今回のような民間事業者によって、宿泊施設、飲食店、エンターテインメント施設が充実をし、さらにまちの回遊性と交通の利便性が高まることで、新たな観光客のにぎわいが期待できる一方、まちとして、これからは本当のおもてなしを提供していかなければ、このにぎわいは続かないというふうに地元の方々がおっしゃっていたのが非常に印象に残っております。
 最後の質問に移ります。
 平成二十四年に東京都防災会議が発表された首都直下地震等による東京の被害想定報告書では、新宿駅周辺地域におきまして、帰宅困難者は最大で三十六万人とされており、そのうち五万人が行き場のない状態に陥るとなっております。
 本計画は、都市再生特別措置法のもと、都市の防災に関する機能を確保する施策が求められておりますが、そのような中で今回の開発計画ではどのような取り組みを行うのか、お伺いをいたします。

○久保田都市づくり政策部長 本計画地がございます歌舞伎町は、新宿駅周辺地域に位置づけられておりまして、今回の計画提案に当たり、事業者は帰宅困難者対策について、地元新宿区と協議を行い、劇場やライブホールなどを帰宅困難者のいっとき滞在施設として開放し、約千七百人を受け入れることとしており、三日分の災害備蓄品を確保できる備蓄倉庫も整備することとしてございます。
 また、周辺小学校などのいっとき避難所に設置をされた備蓄倉庫と一体的に使用する新宿区管理の備蓄倉庫約五十平方メートルも整備することとしてございます。
 さらに、事業者において、発災時の一層の避難支援に資する取り組みとして、シネシティ広場側に設置する屋外ビジョンを活用して、災害情報発信を行うこととしてございます。

○森口委員 帰宅困難者のいっとき滞在施設として公表がされている施設を東京都の防災マップで調べたのですけれども、歌舞伎町エリアには公表されているものは一件もなく、最寄りは西新宿七丁目の新宿都税事務所となっておりました。新宿区に確認をしたところ、現時点で新宿駅周辺の帰宅困難者受け入れ数は現状、今一万一千人ほどということでした。
 現状、帰宅困難者のいっとき滞在施設は全く足りていないわけですけれども、そういった意味でも今回の本施設の帰宅困難者受け入れ千七百名というものは大変重要であると考えております。
 先週二月九日に新宿区と東京都により、新宿の拠点再整備方針案が発表されております。二〇四〇年代を見据えた新宿駅周辺の将来像といたしまして、駅、駅前広場、駅ビルが一体化した新宿グランドターミナルが再編をされ、駅周辺一帯が歩行者中心の空間として広がっていくことになります。
 二〇四〇年、歌舞伎町が世界に誇るエンターテインメントシティーとして、魅力がさらに高まっており、そのにぎわいが新宿のまち全体へと広がっていることを、私も新宿区民、そして都民の一人として、非常に楽しみにいたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○秋田委員 私からも都計審に付議予定されております都市再生特別地区の中から歌舞伎町一丁目地区についての質問をさせていただきたいと思います。
 委員長を初め委員の皆様方にも、どのあたりかというところを想像していただくために、あえて申し上げさせていただくと、西武新宿駅前通りの旧東急ミラノ座跡地、もうちょっとわかりやすくいうと、新宿プリンスホテルの前、あるいはペペの前というところの案件でございます。
 昨年制定した都市づくりのグランドデザインでは、持続的な成長を生み、活力にあふれる拠点を形成する戦略のもと、その取り組みとして、国際ビジネス拠点で持続的な経済成長を牽引することが示されており、また都が取りまとめた新宿の新たなまちづくりの方針では、国際交流都市新宿を目指し、商業や娯楽、業務などの多様な都市機能の集積を生かして、東京の成長や国際競争力を担う再編整備を進めていくということにしております。
 一方で、本日あった資料の中の資料15の八六ページというところをぜひ開いていただくとわかるんですが、インバウンドに関していうと、訪都外国人旅行者が訪問した場所、複数回答でございますが、実は東京都を訪れている外国人の皆さんが一番来ているのは新宿でございます。浅草じゃないかな、あるいは銀座じゃないかな、そんなイメージがありますが、実は新宿でございます。
 先ほど赤坂地区についての再編整備のお話もございました。資料14の四五ページ、これを開いていただくと、宿泊先として人気がどこかという資料があるんですね。ここをごらんいただいても、一位は新宿。東京駅周辺、丸の内、赤坂、六本木でもなく、新宿周辺だと。特にこの円グラフを見ていただくと、アジアの方が多いということも、下の居住割合ランキングを一緒に見ていただくとよくわかるのかなと。
 こうしたことを踏まえて、新宿駅周辺の一翼を担う歌舞伎町の特性は何で、どのような将来像を目指すこととしているのか、その実現に向け、今回の開発によって、どのような取り組みをやっていくのかを伺わせていただきたいと思います。

○久保田都市づくり政策部長 新宿駅周辺地域は、新宿駅を中心に業務、商業、観光、娯楽機能など、さまざまな都市機能が複数の地区に分かれて集積しており、国内外から多くの旅行者などが訪れ交流する多様性豊かなまちとして発展をしてまいりました。
 その中でも歌舞伎町は、戦後から高度成長期にかけて、大衆娯楽文化を核としたまちづくりが行われ、娯楽施設や飲食店が集積する世界有数の繁華街として発展し、多くの外国人が訪れる観光拠点となってございます。
 こうした地域特性や歴史的経緯を踏まえ、昨年六月に都が区とともに取りまとめた新宿の新たなまちづくり、二〇四〇年代の新宿の拠点づくりでは、歌舞伎町において、国際的なエンターテインメント拠点を形成することとしてございます。
 本計画では、多様な大衆娯楽文化を世界に発信するステージとなる劇場やライブホール、映画館の複合エンターテインメント施設や、シネシティ広場と一体となった屋外ビジョン及び屋外ステージなどを整備し、歌舞伎町のにぎわいの核となるシネシティ広場の魅力向上を図ることとしてございます。
 また、増加するグローバルツーリストのため、多様な滞在ニーズに対応する宿泊施設を整備するとともに、空港からの交通利便性の向上を図るため、敷地内にバス乗降場を整備いたします。

○秋田委員 今は新宿区でございますが、新宿区の前がいろいろ、淀橋区とか、四谷区とか、牛込区が合併して、新宿区になったわけでございますが、その前は歌舞伎町と称される地域は淀橋区の一部分でございました。
 もっと申し上げると、大臣や、あるいは軍人、高級軍人が住んでいらっしゃった山の手の住宅街だったわけでございます、今の歌舞伎町のエリアがですね、今から考えると想像できない話でございますが。
 歌舞伎町という名前も、実は歌舞伎座が来ることを前提として、つけられた名前だといわれております。結果、いらっしゃらなくて、誘致できなくて、コマ劇場等ができたということでございまして、ちょっと今のイメージとかけ離れている部分が歴史的にはある。
 どちらかというと、現在の歌舞伎町というのは、男性的で、ちょっとわい雑なイメージが先行するエリアでございますけれども、石原都政時代に歌舞伎町ルネサンスというのが始まりまして、私ども都議会自民党も安心・安全のために、あそこら辺の警戒に当時一期生だった私も伺った思いがございます。
 平成二十七年には、コマ劇場が東宝ビルに生まれ変わるなど、歌舞伎町のイメージも少しずつ変わりつつあるのかなと。実際私も先ほど森口委員のお話があったように、映画のイベントにたまたまジャパンプレミアですか、たまたま遭遇したことがございまして、有名なミッション・インポッシブルのトム・クルーズと遭遇したことがございまして、かつてでは考えられないなというふうに思っております。
 また、最近では、近くの大久保公園ではラーメンフェス等々のいろいろなイベントが行われていて、若者も少しずつ戻りつつあるのかなと思っております。
 かつてのにぎやかだったいい意味での新宿歌舞伎町のイメージというのは、どちらかというと、今でいうと渋谷に近いのかなと、いろいろお話を聞くと思う次第でございますが、そうした歴史的な経過、経緯を含めて、今回の開発を契機に若い人や女性、家族連れが来られるようなまちづくりをしていくことが、私は歌舞伎町のさらなるイメージアップのために必要だと考えます。具体的な取り組みを伺います。

○久保田都市づくり政策部長 本計画では、歌舞伎町のさらなるイメージアップを図るため、訪日外国人のみならず、若い人や女性、家族連れなど、さまざまな人たちを魅了するまちづくりを展開することとしてございます。
 具体的には、海外でも人気の高いアニメ、ゲームといった日本のポップカルチャーを体験型サービスとして提供するなど、先進的な大衆娯楽文化を世界に発信してまいります。
 また、先ほど申し上げましたシネシティ広場と一体となったにぎわい空間におきましては、歌舞伎町における既存のエリアマネジメント組織である歌舞伎町タウン・マネージメントとも連携しながら、まちの魅力発信やイベントによる地域活性化事業などを展開してまいります。
 これらの企画、運営につきましては、エンターテインメント施設の開発、運営ノウハウを有する東急レクリエーション、東京急行電鉄及びソニーミュージックグループが連携して、新会社を設立し、劇場やライブホールなどを活用した魅力あるコンテンツを発信していくこととしてございます。

○秋田委員 ぜひ、東京都の職員の方も進んで歌舞伎町に行きたいと思えるようなまちづくりを進めていただきたいなと思う次第でございますが、まちのにぎわいを創出していくためには、ソフトの取り組みとあわせて、観光客も含めた歌舞伎町を訪れる人たちが歩いて楽しめるようなハードの空間づくりが重要なんだと思います。
 これらの観点から、今回の開発ではどのような取り組みを行うのか伺います。

○久保田都市づくり政策部長 西武新宿駅前通りは、職安通りから大久保通りまでの未整備区間が開通することにより、新宿から大久保における観光客の往来が増加し、観光地をつなぐ観光軸やにぎわいの波及軸として、重要性が高まることが期待されております。
 このため、まちの回遊性とにぎわいを創出する都市観光インフラの整備として、未整備区間の整備と連携し、職安通りにおける新宿職業安定所前交差点の中央分離帯を撤去し、十字路交差点に改良するとともに、西武新宿駅前通りの街路灯の改修や表層の美装化、セミフラット化など、観光ルートにふさわしい良好なデザインへとリニューアルをいたします。
 また、今回の計画をされている建物周囲には、店舗と一体となったにぎわい空間やキッチンカーなども配置できる歩行者空間を敷地内に整備をいたしまして、にぎわいのリングを形成するとともに、西武新宿駅前通りとシネシティ広場を結ぶ東西のネットワーク軸を強化いたしまして、歌舞伎町全体ににぎわいの波及を目指すこととしてございます。

○秋田委員 冒頭にもインバウンドの話をお話しさせていただきましたが、大変多くの外国人の皆さんが来るエリアでございます。また、今回の開発には、成田、羽田から歌舞伎町にダイレクトにつながるリムジンバスのルートも計画されております。
 リムジンで来る人たちにとっては、今回の開発エリアが日本の玄関口にもなるわけでございますから、歌舞伎町、新宿に対してよいイメージを持ってもらって、東京にとってもよいイメージを持ってもらって、さらなるインバウンド増につなげていくためにも、今回の開発を契機にまちのイメージアップを図っていくことが何よりも重要だと思います。
 残念ながら、現在のところは子供さん連れ、あるいは女性が単独で行くようなまちというイメージではないと思いますので、その点はしっかりとやっていただいて、さまざまな関係者と、特に東京都においては産業労働局の観光部等とも連携協力をして、よりよい開発をお願い申し上げて、私の質問を終わります。

○星見委員 それでは、私は再生特別地区での二件についてお伺いいたします。
 まず、一つ目は、ナンバーワンの赤坂二丁目地区についてです。
 この特別地区、赤坂二丁目地区は、森トラストの都市計画素案によると、六本木、虎ノ門地区における都市開発事業と連携して、開発を進める位置にあります。ここでほかの七地区の開発が国際的なビジネス支援機能、国際水準の居住機能、国際水準の教育機能、国際水準の医療機能など、外国人のための超高層まちづくりが進んでいると紹介されています。
 赤坂二丁目地区も、外国人の受け皿となる滞在施設の整備と観光情報、そして移動手段の提供、外国人のニーズを満たす歴史、文化発信施設の整備、こういう外国人用の超高層ビルです。
 その位置づけは、国家戦略特区として、東京都が目指す国際金融都市実現やアジアヘッドクオーター誘導のまちづくりですけれども、こういうまちづくりが都民の福祉向上にどのように役立つのか、まずお聞きいたします。

○久保田都市づくり政策部長 当地区を含む六本木、虎ノ門地区における都市再生緊急整備地域の地域整備方針では、多様な機能を備えたにぎわいにあふれた国際性豊かな交流ゾーンを形成することとしており、これまでも国際的なビジネス支援、交流施設の整備、国際的な宿泊施設や中長期の滞在施設の整備、高度な防災機能の導入や外国人にも利用しやすい国際的な医療施設の整備などの取り組みが進められてきてございます。
 当地区におきましても、上位計画を踏まえ、歴史、文化発信施設や滞在施設の整備などとともに地域の課題にも対応しながら、溜池山王駅から本計画地の後背の高台エリアをつなぐ歩行者空間の確保、地形を生かした大規模緑地やバリアフリー動線の整備、広域的な電線類地中化による歩行者ネットワークの強化などを図ることとしてございます。
 昨年策定をいたしました都市づくりのグランドデザインでも、このような民間の優良なプロジェクトを推進し、世界をリードする国際ビジネス拠点を育成することなどによりまして、東京を世界から選ばれる高度に成熟した都市、新しい東京へと生まれ変わらせ、持続的に発展させていくこととしており、こうした都市再生プロジェクトの推進は、都民の福祉の向上にも十分寄与するものと考えてございます。

○星見委員 今のお話ですと、民間の今回のプロジェクトも東京を発展させる取り組みの一つだから、結果的には都民福祉が向上するんだよ、寄与するんだよというご答弁だったかと思います。
 今回の赤坂二丁目は、アメリカ大使館周辺を含め、虎ノ門、六本木地域で、森トラストが国際水準、国際的として、外資系の金融やIT企業を呼び込むために、欧米人などを対象にしたインフラ整備を大規模に進めているという地域になります。
 私、この計画書を持っていきまして、さまざまな都民に意見を聞いてみました。いろいろ広げて、見ていただいたんですけれども、港区民の方からは、今、港区民の平均年収がついに一千万円を超えたと聞いた、年間三百万円の区民の方の収入が一千万円になったわけではない、所得の低い区民は、開発で追い出され、超高額所得者を呼び込んでいる、こういう開発の結果じゃないかというお話をされた方もいらっしゃいました。
 また、親の代から住んできた港区民、こういう方々が住めなくなっているということについても声がありました。
 もう一つ、虎ノ門ヒルズに入居した区民からは、これは祖先の土地を権利変換して、虎ノ門ヒルズに入られたようですけれども、この方の実感は、結局だまされたのかなという思いがあるということも出ておりました。
 そのほかにも、投資信託会社や外国人優遇もいいかげんにすべきだといっている方もいました。
 さまざまなご意見がある中で、私はこれまでこの地域での国際水準、国際的といわれているまちづくりが進んできて、その陰になっているこういう方々もいらっしゃるんじゃないのかなというふうに思います。
 そういう中で都市計画の手法として、都市再生特別区域が使われて、地域貢献として、歩行者ネットワークや緑化の推進、ミュージアムなどがあると評価して、都は容積率四九〇%を追加し、一一五〇%、高さ限度を二百十メートルにする内容になっています。
 この膨大な容積率の緩和がなぜ必要なのかを伺います。また、この高さについて、東京都としてはどのように考えているのかも伺います。

○久保田都市づくり政策部長 本地区におきましては、上位計画等に沿い、都市再生への貢献として、国際競争力を高める文化発信、観光支援機能の導入や歩行者ネットワークの強化と緑化の推進、防災性の向上を図ることとしてございます。
 具体的には、本地区内外の資源を活用し、多様なニーズに対応した歴史、文化発信施設約二千平方メートル、外国人来訪者の幅広い宿泊ニーズに対応した国際水準のホテル、サービスアパートメント約一万八千五百平方メートル、地域の防災と良好な都市景観の創出に寄与する電線類の地中化約一・三キロメートルなどの整備を行うこととしてございます。
 これらの多様な都市再生の貢献内容を適切かつ総合的に評価をし、容積率を四九〇%緩和してございます。
 また、建築物の高さの最高限度につきましては、日影及び航空規制、景観への配慮なども考慮して設定しているところでございます。

○星見委員 都市再生特別区のこの指定をかけている地域には、それぞれの地域の公共のライフワーク等々を整備していくための課題があるかと思うんです。ですから、当然地域で開発を進める事業者に、事業者自身が自分のご努力で貢献していくということはあり得るんだとは思います。ただ、都市再生特区全体からいうと、一体何が起きているんだろうかなというのが私は非常に気になります。
 都市再生緊急整備地域のうち、都市再生に貢献し、土地の合理的かつ健全な高度利用を図る特別の用途、容積、高さ、配列等の建設物の建築を誘導する必要があると認められる区域にこれが指定されるわけです。
 都市再生特区の指定によって、民間提案の創意工夫を最大に引き出す、こういうふうにいう中で、既存の都市計画規制が廃止されて、ゼロベースになってしまうというところに私は大きな問題があるんじゃないかと思うんです。
 ある意味でいえば、東京都がこれまで培ってきたさまざまな都市計画の手法がここでは使われなくなる。規制の仕組みは排除されるというふうになっています。ですから、ゼロベースで建物の用途、容積率、建蔽率などの決定を何でも可能にする仕組みがつくられてしまうわけです。
 今回の赤坂二丁目でも、計画容積率が一一五〇%まで引き上げられています。先ほど貢献がいかにあるかというご答弁がありましたけれども、緩和に当たっての何らかの客観的ルールがあるわけじゃないというのも事前にお話を聞いてわかりました。事業者提案をのむための直感ともいえるような判断で、柔軟な規制緩和が進んでいるのではないかというのが、この都市再生特区の制度を使った地域で起きていることだと思います。
 ご答弁では、膨大な容積率緩和と超高層が住民のためになると、地域のためになるというようなお話でしたけれども、しかし誰がもうかっているのかを見れば、こうした手法が一目瞭然で見えてくるんではないかと思うんです。
 例えば十五階まで可能である土地、ここに容積率をこのように加算していけば、二十五階でも可能になっていくわけです。そこに大きなもうけが出てくると思います。
 今回、赤坂二丁目の地区の容積率は一・七倍になっています。事業提案者である森トラストに大きな利益を誘導する規制緩和になっているということがいえると思うんです。
 こうした手法を使っている中で、私は住民にとって、もう一つ大きな問題になっているのは、環境の側面からではないかというふうに思います。既にこの地域では、高さ二百四十七メートルの虎ノ門ヒルズが建っています。外国人用の超高層ビルを次々と周辺にこれからも建設する予定です。先ほどご答弁があったとおりです。
 地域環境に対してどのような影響が出てくるというふうに都は考えているかをお伺いいたします。

○久保田都市づくり政策部長 このような大規模開発につきましては、東京都環境影響評価条例に基づき、対象事業ごとに事業者が周辺環境への影響につきまして調査、予測、評価を行い、必要に応じて適切な対策を講じることになってございます。
 本計画では、例えば大気汚染につきましては、工事の施工中、完了後とも評価指標を下回っており、工事車両や地下駐車場の供用に伴う大気質への影響は少ないとされてございます。
 また、溜池山王駅から本計画地の背後の高台エリアをつなぐ歩行者空間の確保、地形を生かした大規模緑地やバリアフリー動線の整備、歩行者ネットワークの充実強化により、地域環境の向上を図ってまいります。

○星見委員 今のご答弁は、開発によって、地域環境の向上を図っていくんだというご答弁でした。私の地元目黒にも超高層ビルが何本かありますけれども、この環境問題の一つの中に起きているのが風害だというふうに思っています。
 これまで都としても風害の事後アセスはどうなっているのかというふうに思っておりますけれども、個別の超高層ビルごとに限らず、六本木、虎ノ門地区、赤坂など、私は地域ごとを含めて、実際にまちで測定したデータをもとにして、風害の状況を把握すべきではないかというふうに思います。
 まして、これからこれだけの数のビルが集中して建ち上がったときに、この地域にどういう風の流れが起きるのかというのは、一つ一つのデータだけではわかりません。その点についてはいかがでしょうか。

○久保田都市づくり政策部長 このような大規模開発につきましては、先ほど答弁申し上げましたとおり、東京都環境影響評価条例に基づき、風環境につきましても適切に予測、評価を行っており、本計画についても開発前と開発後において、周辺建物も含めた模型を再現し、風洞実験を行い、問題のないことを確認をしてございます。
 また、事後調査につきましても、事業者が風の状況を確認した上で、必要に応じて適切な対策を講じることとしてございます。
 なお、本計画におきましては、港区ビル風対策要綱に基づき、工事完了後におきましても、一定期間、防風植栽の育成状況や風環境について対策効果を確認することとなってございます。

○星見委員 風害問題というのは、目に見えない、誰かがなかなか実際の被害を住民自身もつかむということが非常に難しい問題だと思っています。計画時には当然シミュレーションも出され、この中にもどうなっているかと。ただ、それぞれ事業者によって、データの出し方が違うので、住民から見ると非常にわかりづらいです。
 実際に建物が建った後に、ビルの風害、多くの住民が実感している問題です。これは赤坂とか、虎ノ門、六本木だけの問題ではないと思っています。
 実は先ほどもいいました地元の港区民の人からいろいろ聞いている中であったのが、ビル風で、開発地域でビルにつくられた植樹された木の枝が折れて飛んで、よくベンツにぶつかる、そういう問題も出ていると。
 本来であれば、風を弱めるために入れてある木ですら、上が折れていくという状態も現にあると聞きました。地域に超高層ビルや、それから新しい道路が次々建設される中で、地域全体の風がどのように風害として発生しているのか。これは今回もこの一つのビルについての風害シミュレーションはありますけれども、これが複合的になった場合どうなっているのか、モデルでは全くわかりません。
 やっぱり実際に建築前、建築後、データをとる。それも一つのビルだけではなくて、これだけの先ほどご答弁もありましたように、これから森トラストがつくるビルだけでも膨大なビルの数がここに建っていくと。そのほとんどが特区を使った超高層になっていくという中では、風の問題についても、個別の開発地域に限定せず、地区全体を、それも実測データとして調査研究するよう求めておきます。
 それから、次は同じ環境でヒートアイランドに対する影響についてです。
 国土交通省や気象庁が行った調査や研究で、東京都の都市再生事業による人工排熱の増加や超高層ビルの増加が、ヒートアイランドをどう加速させているのかという、この問題について、私は都として研究すべきだと思います。
 都市再生特区地域や総合設計による超高層ビルの増加、この問題については、十年ほど前までは国交省についても汐留、新橋、東京駅、日本橋、品川駅、目黒、大崎など、調査を行い、対策の総合的手法の開発に取り組んできたという経過があります。これについてどのようにお考えでしょうか。

○久保田都市づくり政策部長 本地区が位置する赤坂、虎ノ門周辺では、港区生物多様性緑化ガイドにおきまして、緑被率の低いエリアとして、緑被不足の解消が課題とされてございます。
 赤坂、虎ノ門周辺では、ヒートアイランド対策に資するよう、複数の都市開発プロジェクトにより、大規模な緑地や赤坂・虎ノ門緑道といった連続した緑化空間が整備されてきております。
 本計画では、高低差のある地形を生かし、生物多様性にも配慮しながら、敷地の三割以上の大規模緑地、約五千平方メートルの整備を行うこととしており、広大な緑化空間を創出することで、ヒートアイランド対策にも寄与するものでございます。
 なお、国土交通省のヒートアイランド現象緩和に向けた都市づくりガイドラインによれば、公園等の緑地ではその面積が大きくなるほど、周辺市街地より気温の低下する範囲が大きくなることが示されているところでございます。

○星見委員 今、ヒートアイランド、それぞれの一つ一つのビルの中で対応がされているというご答弁でもあったかと思います。確かに緑被率が高まれば、放射される熱も含めて、吸収もされるのでということで、そういうふうになっています。
 しかし、抜けているのは、その緑被率を、敷地内につくるために、建物を高くしているということに、またもう一つの問題があるんじゃないかと思います。結局コンクリの面がどんどんと上に伸びていっていることによって、どうなっているのかというのはわかりません。
 このヒートアイランドの問題については、平成二十五年にヒートアイランド対策大綱が改定されまして、気象庁が科学的見地から報告書を出しています。二〇一六年のヒートアイランド監視報告書、昨年出されているんですけれども、一九三一年から二〇一六年を統計的に処理して、この中で指摘されているのは、都市化による気温の長期的な上昇傾向、これが明確にあると。そして、関東地方では、東京都心部から埼玉県東部で、都市化の影響が明瞭にヒートアイランド化としてあらわれているというのが昨年出されているんですね。
 都市特有の現象として発生しているヒートアイランド現象というのは、地球温暖化もこれに加わっているわけですから、都民生活に重大な影響があると思います。気温が上昇するんですから、私たちもそうですけれども、暑くてたまらないという不快感だけではありません。都民の生活からいうと、昨今、夏の熱中症が毎年問題になり、死亡するなど、健康への被害も生じています。
 また、大気汚染と乾燥が相まったぜんそくなど、気管支系の疾患、また感染症を引き起こす、越冬する蚊によって持ち込まれる病気もありまして、生物生態系自身に変化が起きているんではないかという懸念もこの報告書には述べられておりました。
 都市再生特別地区や総合計画においてつくられている、先ほどいいましたように、一〇〇〇%を超えるこういう超高層建物が、一部緑地率を上げたとしても、結局ヒートアイランド化に拍車をかけている可能性があるのかどうかというのは、都市計画の中でもきちっと検証されるべきではないでしょうか。
 こうした環境にどういう変化を及ぼしているのかということを科学的見地に立って、都市工学に基づいて、しっかり見直すという必要が私は都民生活の関係でもあるんじゃないかと思います。
 次、ナンバーツーの都市再生特区の歌舞伎町一丁目についてお伺いをいたします。
 東急による総合エンターテイメント施設で、六〇〇%の容積率追加で、ここは一五〇〇%の最高限度、高さ二百二十五メートルまでというふうになっています。東京都で恐らく最大の総合エンターテイメント施設になる計画です。
 地下のライブホールは千五百人、劇場は八百五十人、映画館は八スクリーン、高層にホテル、ちょっと計算すると、この中のデータで逆算すると八百室ぐらい入るのかなという感じです。一番上にはレストランも入ります。
 これだけたくさんの施設が集積された割に、私は見にいって、敷地が狭いのにびっくりいたしました。この計画で、この図などで見ると、結構広い敷地の中にこういう大きな建物ができるのかなと思いましたけれども、ほかの特区制度の中でも、それほど広い敷地ではないなというふうに実感いたしました。
 それに加えて、エンターテインメントの実施予定も、夜に特化したものを入れていく、ナイトエンターテインメントを実施したいということも書かれていました。私はすごく心配になりましたのは、夜、観客が満席のときに災害が起きた場合、避難経路など、防災面での計画、大丈夫なんだろうかなと思いました。これだけではとてもそういうところまではわかりません。
 都はその内容についてどうチェックしているのかお聞きいたします。

○久保田都市づくり政策部長 本計画は、安全・安心への配慮の観点から、災害時における設備機器の持続性を確保するとともに、帰宅困難者の受け入れなどにより、地域の防災対応力の強化を図ることとしてございます。
 建物の安全性や避難計画などにつきましては、事業者において、都市計画の提案に先立ち、計画の段階から建築確認部門や消防部門と十分に事前協議を行っているところでございます。
 具体的な建築物の安全性や避難計画につきましては、都市計画手続とは別に建築確認申請時に建築基準法及び東京都建築安全条例並びに消防法などの法令に基づき、厳格に審査されることとなってございます。

○星見委員 現地を見て歩きましたけれども、先ほどさまざまな委員がおっしゃっていたように、ここは歌舞伎町独特の道路や敷地のつくりがあって、路地等、狭いところがたくさんあるんだなというふうに思いました。
 都内でも初めての大規模な総合エンターテインメント施設で、人が一つのところに密集してくるというふうになるかなと思います。この計画書をもとにざっと、素人ですけれども、計算すると、五千人近くの観客や宿泊客が施設にいるようになることもあるんではないかというふうに思います。
 歩行者の発生集中交通量では、一日当たり三万七千六百一、そしてピーク時と想定しています十八時台、夜の歩行者は、このビルができることによって、その周辺に三千四百八十六名というふうに予想されておりました。どちらにしても、比較的人口と建物が密集しているところに膨大な人口が、人の数が集中するというふうなのが見てとれます。
 施設内から火災が出たらどうなるのか、それから、大地震が起きて施設内の電気系統に異常が起きたらどうなるのか、また地下には千五百名のライブハウスが入るようになりますから、一気に避難させることができるのかとか、周辺のさまざまな状況から見ると、後になってから想定外では済まされないなというふうに思います。
 今、確認申請の前には厳格な審査がございますというふうな話でしたけれども、私は都計審にかけるときには、少なくても東京都、都市整備局自身がしっかりと、この事業者提案の中だけでは、例えばそういう場合にどうなるのかというのがさっぱりわからないんですね。避難計画であるとか、それからこれだけのものをつくるわけですから、容積率一五〇〇%なんていうものなんですから、一体どういうふうな工夫がされているのかというのは、やっぱりしっかりとご答弁できるように調べておいてもらった方がいいというふうに思います。
 そういう意味では、そこの部分については、都計審までに避難計画等についても把握することを求めておきます。
 また、もう一つお聞きしておきたいのは、この計画書の中には、環境負荷低減ということで、CO2の排出量の単価を平米当たり八八・五キロ以下を目指すという取り組みが書かれています。目指すとあるだけで、実効性が担保されているのかどうかわかりません。
 既に東急は渋谷駅前にヒカリエを建設していますが、ここの状態はどうなのか、当初の計画と比べて今どうなっているのかをお聞きいたします。

○久保田都市づくり政策部長 ヒカリエにおけます年間CO2排出量につきましては、想定以上の来館者の増大やIT企業の占める割合が高くなったことなどによりまして、空調設備等の負荷が増大し、都市計画提案時より大きくなっているということでございますが、計画的なLED化やテナントに対するさらなる省エネの働きかけなどの対策によりまして、この数年の年間CO2排出量は着実に減少してございます。
 引き続き、都は事業者に対しまして、毎年行います履行状況報告の機会などを捉えまして、提案時の目標値に近づけるよう求めてまいります。
 なお、本計画において、環境負荷低減やCO2排出量の削減につきまして、都市再生への貢献としてございますけれども、容積率緩和の評価対象とはしてございません。

○星見委員 今、ヒカリエについては、計画段階と違って、実際にはCO2排出量の問題では非常に苦労されているということがわかりまして、実現できていないと。特区での膨大な容積率の緩和によって、超高層が次々出てきているという中で、先ほどは地域環境に貢献できる、よい環境になるんだというお話がありましたけれども、環境への負荷として、最も注目すべきCO2の排出量、今、一つの問題しか聞いていませんけれども、計画どおりにはなかなかいっていないということも見えてまいりました。
 今、規制できる担保も、それからCO2排出量については、計画には目指すものは書かれているけれども、強制力がないという中で、こういう超高層だとか、容積率だけがどんどん進んでいく中で、環境負荷はどうするのか、こういう問題もこの制度の問題点として見えてきているんじゃないかなと思います。
 また、三つ目、お聞きしたい質問があります。高さの問題です。
 歌舞伎町一、二丁目、見て歩きましたけれども、突出したものになります。一番高い東宝シネマビルで百三十メートルですね、今、ゴジラの顔が乗っているところですけど。これより約百メートルも高くなります。まちの景観上、私は歩いていて見た場合に違和感があるんじゃないかと思います。
 ここが高くなると、また次のビルも結局高くなっていくのではないでしょうか。まちづくりとしてのルールがなくなっていってしまうんではないか。結局こういう中で住民や中小のお店は大規模開発にのみ込まれて、残れなくなっていきます。
 近隣から百メートルも突出する高さ、事業者に下げるように働きかけるべきではないかと思いますが、その点についてはいかがですか。

○久保田都市づくり政策部長 都が認定をいたしました歌舞伎町シネシティ広場周辺地区大規模建築物等に係る特定区域景観形成指針におきまして、建築物の高さについては、新宿駅周辺地域としての新宿の拠点性を象徴する景観の形成に配慮し、新宿駅周辺の建築物群と統一感のあるスカイラインにすることとしてございます。
 この方針に基づき、本地区における建築物の高さにつきましては、上層部は新宿西口エリアの超高層ビル群と連担するスカイラインを形成するとともに、基壇部は周辺建物と調和するスカイラインを形成することとしてございます。
 なお、具体的な建築物の高さの最高限度につきましては、周辺環境への影響等も踏まえ、適切に設定をしているところでございます。

○星見委員 地域からぼおんと突出すると、都はこれがランドマークだとか、象徴するから必要なんだというお話になりますよね。でも、ランドマークがどおんとできると、今度はその高さに合わせてスカイラインを入れるんだというんで、また全部がどんと上がっていくと。それの繰り返しが続いていて、それに合わせて容積率が膨大に緩和されて、超高層が次々持ち込まれると、この繰り返しをしているというのが今のやり方じゃないかと思うんです。
 私もこれ見せてもらったんです。スカイラインを調整するんだと。こんなにスカイラインがきれいに見えるんですよという写真を見たら、どこから見ているんだろうと思ったら、文京シビックセンターから見るんですよね。文京シビックセンターからスカイラインを見てきれいかどうかという、それはどこかから見れば、多分並ぶでしょうけれども、やっぱり地元との関係でどうなのか。
 大久保方面から見ると、ちょうど突出して、そのために低層部を少し下げて、山にならないようにしているんだという努力が書かれているのはわかりますけれども、私はやっぱり先ほどいったような環境への負荷の問題であるとか、それから新宿の周りに今でも人口が集中する交通網、それからショッピングモール等々ある地域ですから、安全の観点から考えた場合に、どの程度の容積率や建蔽率のものをつくることが望ましいのかというのは、私はもっと東京都のイニシアチブによってコントロールし、誘導すべき場所ではないのかなと思います。
 結局こうした次々と容積率の緩和や高さが地域に持ち込まれて、巨大なまちづくりがつくられると、結局地元にいる住民や中小企業、商店街などが結果的には追い出されていってしまうと。これが新宿区民であり、東京都民なわけです。
 地域の中から幾つか声がありました。地元の商店からは、自分たちがかかわらないうちに計画が発表されて、あれよあれよというふうにここまで来たという声もあれば、心配事としては、先ほども環境のご説明でもありましたけれども、やっぱり道路の問題については大丈夫なのかという声も出ています。
 これは単に狭いというだけじゃなくて、車の流入がどう変わっていくんだろうかと。リムジンなどの動きや、それから二本の道について整備されることについてというよりは、狭いところにさまざまな道路が、駐車場、これだけのエンターテインメント施設ができた場合に、流れ方がどうなるんだろうという声もありました。
 ぜひ高さや安全面を含め、地元の住民や商店などの声を思い切り反映するよう求めておきます。
 最後に、質問ではありませんけれども、今、東京都が進めようとしている国際金融都市、この構想について、少し意見をいわせていただきたいと思います。
 今回、都市再生特別地区のまちづくり、これを利用して構築されようとしている国際金融都市東京の方針なんですけれども、私はこれは本当に凍結して、抜本的に方向転換すべきではないかと思います。
 国際金融都市・東京のあり方懇談会の論点というのを読んで驚きました。アメリカなどの海外独立系資産運用会社の日本市場に対する声、要求はということで、資産運用機能の向上を急速に図るために、一千七百四十六兆円の国民の家計資産、公的年金と預貯金をターゲットにするというものです。これはアベノミクスの日本再興戦略二〇一六の東京版だということですね。
 この間、振り返れば、年金を膨大にアベノミクスの株のつり上げに利用しても、イギリスのEU離脱や、先週のようにアメリカの経済が上下するたびに、日本の金融市場は大荒れというふうになってきました。
 こうした背景には、安倍政権による金融頼みとか、投機マネー頼みで、ゆがんだ経済政策があると思うんです。東京都自身がこれを使って、東京を世界一の都市にするんだという方針を出していること自身、また安倍政権の経済政策に一緒に乗っかって、都民の家計資産を次々とつぎ込ませるような国際金融都市東京構想、私はこれは先ほどいいましたけれども、都民の福祉の向上どころか、下手をしたら都民生活を破壊しかねないようなものになるんじゃないかと思います。
 都民の暮らしや福祉の拡充を本来の役割としている東京都、自治体ですから、リスクの多い金融業ともいえるようなこの事業は、自治体にふさわしくないと思います。
 また、都市計画との関係でいうと、東京都は、アジアの金融ハブにするんだとして、昨年十二月に海外金融系企業の誘致促進等に向けた当面の対応というのを公表しています。内容は、海外からの資産運用業者とフィンテック企業を誘致するインフラやビジネス環境の整備になっているわけです。
 こうした環境整備として、きょうも使われていますけれども、都市再生特別区域の指定をどんどんふやしていくと、結局は住民本位のまちづくりを否定するようなものになるんではないか、そこに大きな問題があることを指摘して、質問を終わります。

○たきぐち委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○たきぐち委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時十四分散会

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