都市整備委員会速記録第一号

平成二十八年二月十五日(月曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長中村ひろし君
副委員長北久保眞道君
副委員長曽根はじめ君
理事伊藤こういち君
理事河野ゆうき君
理事鈴木 章浩君
やながせ裕文君
中山ひろゆき君
白石たみお君
谷村 孝彦君
きたしろ勝彦君
藤井  一君
山田 忠昭君
立石 晴康君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務安井 順一君
次長浅川 英夫君
技監邊見 隆士君
理事榎本 雅人君
理事佐藤 伸朗君
総務部長今村 保雄君
都市づくり政策部長上野 雄一君
住宅政策推進部長桜井 政人君
都市基盤部長中島 高志君
市街地整備部長奥山 宏二君
市街地建築部長妹尾 高行君
都営住宅経営部長永島 恵子君
基地対策部長筧   直君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務荒井 俊之君
連絡調整担当部長菊澤 道生君
都市づくりグランドデザイン担当部長小野 幹雄君
まちづくり推進担当部長佐藤  匡君
住宅政策担当部長加藤  永君
民間住宅施策推進担当部長山崎 弘人君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務佐々木 健君
防災都市づくり担当部長山下 幸俊君
多摩ニュータウン事業担当部長宮城 俊弥君
局務担当部長森  高志君
耐震化推進担当部長飯泉  洋君
経営改革担当部長臼井 郁夫君
再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務五嶋 智洋君
営繕担当部長青柳 一彦君
横田基地共用化推進担当部長交通政策担当部長兼務堀   真君

本日の会議に付した事件
請願陳情の取り下げについて
都市整備局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備局所管分
・平成二十八年度東京都都営住宅等事業会計予算
・平成二十八年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・平成二十八年度東京都都市開発資金会計予算
・平成二十八年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・平成二十八年度東京都都市再開発事業会計予算
・平成二十七年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 都市整備局所管分
・東京都建築審査会条例の一部を改正する条例
・東京都文教地区建築条例の一部を改正する条例
・東京都建築安全条例の一部を改正する条例
・東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・都営住宅二十七H-一〇二・一〇三西(練馬区上石神井四丁目)工事請負契約
陳情の審査
(1)二七第九五号 羽田空港についての国の提案に関する陳情
(2)二七第一一五号 米軍横田基地へのCV-22オスプレイ配備計画に伴う環境レビューに関する陳情
(3)二七第一一六号 MV-22オスプレイのハワイ墜落事故の調査報告に関する陳情
報告事項
・良質なマンションストックの形成促進計画(案)について(説明)
・東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)(案)について(説明)
・防災都市づくり推進計画の改定(案)について(説明)
・東京都耐震改修促進計画の改定(案)について(説明)
・第二百十三回東京都都市計画審議会付議予定案件について(説明・質疑)

○中村委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、請願陳情の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布のとおり、二七第五三号、都市計画道路補助第九二号線整備計画及び整備事業の再検討に関する請願及び二七第九六号の一、近隣の住環境に悪影響を及ぼす土地利用を禁止することに関する陳情につきましては、議長から取り下げを許可した旨の通知がありましたので、ご了承願います。

○中村委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、陳情の審査及び報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、提出予定案件及び報告事項の良質なマンションストックの形成促進計画(案)について外三件につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項、第二百十三回東京都都市計画審議会付議予定案件についてにつきましては、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○安井東京都技監 本日は、平成二十八年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、予算案が二件、条例案が四件、契約案が一件でございます。
 初めに、お手元の資料1、平成二十八年度当初予算説明書に沿いまして、予算案の内容についてご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。都市整備局所管全会計の予算総括表でございます。
 当局は、一般会計、特別会計及び公営企業会計を合わせまして六つの会計を所管してございます。
 東京都の平成二十八年度予算の基本的な考え方でございますが、世界一の都市の実現に向けた取り組みを加速化、深化させ、力強く前進させる予算へと位置づけ、編成したものでございます。
 都市整備局の予算につきましては、オリンピック・パラリンピック開催とその先を見据え、東京都長期ビジョンに掲げる政策を確実に進め、安全・安心な都市づくりを加速させるとともに、東京の持続的発展や国際競争力の強化等に資する都市インフラの整備や快適な都市環境の実現などを着実に推進するための経費を計上してございます。
 次に、表の上から順に二十八年度の会計別予算額について申し上げます。
 まず、一般会計は千五百五十九億三千九百万円でございます。一般会計におきましては、選手村の整備などオリンピック・パラリンピック大会とその先を見据えた計画的な都市づくりや、木密地域不燃化十年プロジェクトなど安全・安心な都市づくりを加速させる取り組み等について、所要の経費を計上しております。
 次に、特別会計ですが、都営住宅等事業会計は千七百八十三億六千万円、都営住宅等保証金会計は三十億九千五百万円、都市開発資金会計は八十六億一千五百万円、臨海都市基盤整備事業会計は八十五億七千三百万円でございます。
 次に、公営企業会計ですが、都市再開発事業会計は一千四百四十四億八千二百万円。
 これら全ての会計の合計は四千九百九十億六千四百万円でございます。全会計の合計の予算額は、二十七年度と比較いたしますと十六億六千七百万円の減、増減率はマイナス〇・三%でございます。
 次に、平成二十七年度補正予算案についてご説明いたします。
 お手元の資料2、平成二十七年度補正予算説明書の一ページをお開き願います。平成二十七年度都市整備局補正予算総括表でございます。
 この補正予算案は、現時点で執行しないことが明らかな事項について、不用額を精査いたしまして、必要な予算上の対応を行うものでございます。
 表の中央、縦の列にございます補正予算額欄をごらんください。平成二十七年度補正予算額は、一般会計におきましてマイナス四百十億九千八百万余円でございます。
 続きまして、条例案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料3、平成二十八年第一回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんください。
 まず、東京都建築審査会条例の一部を改正する条例案でございます。建築基準法の改正等に伴い、東京都建築審査会の委員の任期に係る規定を設けるものでございます。
 次に、東京都文教地区建築条例の一部を改正する条例案でございます。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行等を踏まえ、文教地区内の建築制限について、所要の改正を行うものでございます。
 次に、東京都建築安全条例の一部を改正する条例案でございます。建築基準法施行令の改正等を踏まえ、階避難安全性能等を有する建築物の特例を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 次に、東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございます。建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の施行等に伴い、所要の手数料を新設するほか、規定を整備するものでございます。
 最後に、契約案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料4、平成二十八年第一回都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。練馬区上石神井四丁目において都営住宅等の建設工事を施行する契約議案でございます。
 私からの説明は以上でございます。
 引き続き詳細な内容につきまして、総務部長よりご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○今村総務部長 初めに、平成二十八年度当初予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成二十八年度当初予算説明書をごらんください。
 都技監からは総括的にご説明申し上げましたので、私からは主な事業の概要について、一般会計から順にご説明申し上げます。
 五ページをお開き願います。一般会計総括表でございます。
 まず、歳出でございますが、一番上の段、都市整備費の欄、二十八年度予算額は一千五百五十九億三千九百万円、二十七年度予算と比較した増減率はマイナス一・三%でございます。
 次に、歳入でございますが、一番下から二段目、計の欄、二十八年度予算額は七百九十五億五千二百万余円、増減率マイナス七・五%でございます。
 続いて、主要事業についてご説明申し上げます。
 八ページをお開き願います。表の左上、枠の外に予算科目の項を記載しております。第一項は都市整備管理費でございます。
 表の一番上の段、第二目、企画調査費には、二十八年度の事業費十一億八千六百万余円を計上しております。前年度比較二億六千五百万余円の増でございます。
 表の左側、中ほどの特定財源及び差引一般財源は、以下、各事業とも同様な形で記載しております。
 表の右側、概要欄には事業の詳細を記載しております。
 このうち(2)の都市づくりのグランドデザイン(仮称)検討調査は、東京を持続的に発展していくためにオリンピック・パラリンピック大会のレガシーを生かしつつ、その先を見据えて計画的に都市づくりを進めていく必要があることから、今後のさまざまな社会の変化を視野に入れた二〇四〇年代の東京の都市像を検討するものでございます。
 一〇ページをお開き願います。第三目、水資源対策費には、事業費五億百万余円を計上してございます。
 これは、主に八ッ場ダム建設に伴って必要となる水没に関係する住民の生活再建や生活環境、産業基盤の整備などの事業に対して必要な経費を負担するものでございます。
 一三ページをお開き願います。第二項、都市基盤整備費の第二目、都市基盤調査費には、事業費十二億八千六百万余円を計上してございます。
 概要欄(7)の舟運活性化に関する検討調査は、新規事業でございまして、東京の魅力をより高めていくために舟運の活性化に関する検討調査を行うものでございます。
 (8)の東京の都市計画道路網の検討調査は、このたび取りまとめる新たな整備方針に基づき、都市計画道路網のあり方を検討する調査でございます。
 一五ページをお開きください。第三目、都市基盤施設等助成費には、事業費百六十四億七千六百万余円を計上しております。
 概要欄(1)、都市高速鉄道建設助成等は、交通局及び東京地下鉄株式会社の大規模改良や耐震補強に対し補助等を実施するものでございます。
 一六ページをお開き願います。(8)、鉄道駅総合バリアフリー推進事業は、鉄道駅へのホームドアやエレベーターの設置を促進するため、整備費の一部に対して補助等を行うものでございます。
 また、オリンピック・パラリンピック競技大会への対応として、競技会場周辺の駅につきましては、通常の補助とは別枠の補助を実施するものでございます。
 一九ページをお開きください。第三項、市街地整備費でございます。第二目、都市防災施設整備事業費には、事業費七十六億三千万余円を計上してございます。
 概要欄(3)、防災密集地域再生促進事業は、木造住宅密集地域におきまして、住宅の建てかえや共同化等により不燃化を促進する事業でございます。
 このうち、ウの不燃化特区制度は、不燃化特区内におきまして区の取り組みに対する支援策を実施するものでございます。
 その下、エ、防災生活道路整備促進事業は、新規事業でございます。緊急時における車両の通行や住民の避難のため、生活道路の計画的な整備を進め、沿道の建てかえを促進し、不燃化を加速させるものでございます。
 その下、オ、地区計画策定支援も新規事業でございまして、敷地の細分化を防ぐ地区計画の策定を区や市に促し、今後、市街地が木密地域とならないように未然防止を図るものでございます。
 少し飛びますが、二三ページをお開き願います。第六目、都市改造費には、事業費五百三十一億八千六百万余円を計上しております。
 概要欄(3)、都施行区画整理でございますが、汐留、六町など五地区におきまして、都施行の区画整理事業を実施するものでございます。
 (5)、地域と連携した延焼遮断帯形成事業は、特定整備路線の整備でございまして、まちづくりの取り組みと連携しながら、延焼遮断帯の形成を図るものでございます。
 二四ページをお開きください。(8)、オリンピック・パラリンピック選手村の整備でございます。
 選手村の整備に当たりましては、将来、まちを支える基盤施設と住宅開発を一体的に進める必要があることから、市街地再開発事業として整備してまいります。
 二七ページをお開き願います。第四項、建築行政費でございます。第二目、建築指導費については、事業費百十六億五千三百万余円を計上しております。
 概要欄(3)、耐震改修促進事業のうち、エの緊急輸送道路沿道建築物耐震化促進事業等は、建物倒壊による道路閉塞を防止するための建物所有者による耐震改修事業等が確実に進むよう助成期限を延長するなど、耐震化の取り組みを着実に推進するものでございます。
 三一ページをお開き願います。第五項、住宅費でございます。第三目、地域住宅対策費につきましては、事業費四十九億二千七百万余円を計上してございます。
 概要欄の(1)、区市町村住宅等供給助成事業のうち、サービスつき高齢者向け住宅供給助成等は、高齢者が地域で安心して暮らし続けることができるよう、緊急時対応や安否確認等の生活支援サービスなどを提供する高齢者向け賃貸住宅の供給を図る事業でございます。
 三二ページをお開き願います。第四目、民間住宅対策費につきましては、事業費三十七億四千七百万余円を計上してございます。
 (2)、民間住宅助成事業のウ、マンションの管理適正化の推進は、区市等と連携してマンションの管理不全の予防、改善を図り、良質なマンションストックの形成に取り組んでいくものでございます。
 キ、空き家活用等支援事業は、広域的な観点から空き家に係る対策の検討のほか、区市町村が行う空き家対策計画の策定や、空き家改修工事助成等に対して都が補助を行うものでございます。
 少しページが飛びますが、三九ページをお開きください。繰越明許費でございます。
 事業の性質上、年度内に支出が終わらない見込みのものにつきまして、あらかじめ繰越明許費として予算に定めておくものでございます。地下高速鉄道建設助成等、合計六十七億二千百万円を見込んでおります。
 続きまして、四三ページをお開き願います。債務負担行為でございます。
 債務負担行為は、複数年にわたる工事費等について、翌年度以降の債務の限度額を、期間を限ってあらかじめ決定しておくものでございます。瑞江駅西部地区街路整備工事等、計六項目について計上しております。
 以上で一般会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、特別会計についてご説明申し上げます。
 四七ページをお開き願います。都営住宅等事業会計総括表でございます。
 歳出は、表の一番上、都営住宅等事業費の欄をごらんください。二十八年度予算額は一千七百八十三億六千万円、増減率はプラス一・二%となっております。
 歳入につきましては、表の一番下、計の欄に記載のとおり、歳出と同額となっております。
 五〇ページをお開き願います。第一項、都営住宅等事業費の第二目、住宅管理費には、事業費五百七十四億九千百万余円を計上しております。
 右側、概要欄の(1)、都営住宅等の管理運営では、二十八年度における都営住宅等の管理予定戸数二十五万九千三百八十七戸に係る管理運営経費を計上してございます。
 右側の五一ページをごらんください。第三目、住宅建設費には、事業費七百十八億百万余円を計上してございます。
 概要欄(1)、公営住宅建設事業等において、三千八百戸の都営住宅の建てかえを予定してございます。
 (2)、都営住宅耐震改修事業は、都営住宅耐震化整備プログラムに基づき、計画的に都営住宅の耐震改修を実施する事業でございます。
 少しページが飛びますが、五七ページをお開きください。繰越明許費について記載してございます。
 また、同じく六一ページには債務負担行為につきまして記載しております。
 六五ページをお開き願います。都営住宅等保証金会計総括表でございます。
 この会計は、都営住宅等の入居者からお預かりする保証金の経理を行っているものでございます。
 二十八年度の歳出の計は三十億九千五百万円、歳入の計は八十一億四千万円を計上してございます。
 続いて、七五ページをお開き願います。都市開発資金会計総括表でございます。
 この会計は、都市施設の整備に要する用地の先行取得に係る経費の経理を行うものでございます。
 二十八年度の歳出歳入とも八十六億一千五百万円を計上しております。増減率、プラス一四八・〇%でございますが、これは土地売り払い収入の増加に伴い、一般会計繰出金が増加するためのものでございます。
 八三ページをお開き願います。臨海都市基盤整備事業会計総括表でございます。
 二十八年度の歳出は八十五億七千三百万円、増減率はマイナス三四・八%でございます。また、歳入は百六億四千六百万余円、増減率はマイナス二九・八%でございます。
 八六ページをお開き願います。晴海、豊洲、有明北の三地区における開発費、合わせて八十四億二千六百万余円を計上してございます。
 九一ページをお開き願います。繰越明許費につきまして記載しております。
 以上で特別会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、都市再開発事業会計につきましてご説明申し上げます。
 九五ページをお開き願います。都市再開発事業会計総括表でございます。
 この会計は公営企業会計でございますので、収益的収支と資本的収支に分けて記載しております。
 まず、収益的収支でございますが、二十八年度の支出の合計は一千四百三十億八百万円、前年度と比較して一億六千七百万円の減となっております。収益的支出は、主に環状二号線地区におきまして、引き継ぎを予定している公共施設の処分原価を計上しております。
 同じページの下段、資本的収支でございますが、一番下の段の支出の合計は十四億七千四百万円、前年度と比較して七億二千二百万円の減、マイナス三二・九%でございます。
 これは、主に環状二号線地区におきまして事業の終息段階を迎えており、工事費が減少していることによるものでございます。
 一〇二ページをお開き願います。第三目、泉岳寺駅地区都市再開発事業費につきましては新規事業でございまして、事業費二億五千万円を計上してございます。
 これは、羽田空港などとの交通結節点としての役割が期待されている品川駅周辺におきまして、交通局が行う泉岳寺駅の改良とあわせて、市街地再開発事業を実施し、まちと駅の一体的な整備に取り組むものでございます。
 平成二十八年度当初予算案の説明は以上でございます。
 続きまして、平成二十七年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、平成二十七年度補正予算説明書の二ページをお開き願います。一般会計の都市整備局補正予算総括表でございます。
 補正予算額を表の中央、縦の列で示しております。
 上の表、1、歳入予算の合計欄をごらんください。歳入の補正予算額合計はマイナス三十億九千三百万余円でございます。
 また、下の2、歳出予算の一番上の段、歳出の補正予算額合計はマイナス四百十億九千八百万余円でございます。
 続いて、事業の内容についてご説明申し上げます。
 七ページをお開き願います。第一項、都市整備管理費の補正予算額はマイナス二億五千三百万円でございます。
 内容は、右側概要欄にこのページから八ページにかけて記載しておりますとおり、利根川・荒川水源地域対策基金等事業費負担金などの執行状況を踏まえ減額するものでございます。
 九ページをお開き願います。第二項、都市基盤整備費の補正予算額はマイナス二億五千七百万円でございます。
 このページから一〇ページにかけて記載しておりますとおり、総合治水対策事業などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 一一ページをごらんください。第三項、市街地整備費の補正予算額はマイナス九十三億七千二百万円でございます。
 このページから一六ページにかけて記載しておりますとおり、防災密集地域再生促進事業などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 一七ページをごらんください。第四項、建築行政費の補正予算額はマイナス二百五十一億二千三百万円でございます。
 これは、耐震改修促進事業の執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 一八ページをお開き願います。第五項、住宅費の補正予算額はマイナス六十億九千三百万円でございます。
 このページから二二ページにかけまして記載しておりますとおり、都営住宅等事業会計繰出金などの執行状況を踏まえて減額するものでございます。
 平成二十七年度補正予算案の説明は以上でございます。
 続きまして、お手元の資料3、平成二十八年第一回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんください。
 まず、三ページをお開き願います。東京都建築審査会条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、改正の理由でございますが、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の施行による建築基準法の改正に伴い、東京都建築審査会の委員の任期に係る規定を設けるものでございます。
 2、条例案の概要でございますが、建築基準法において定めていた委員の任期に係る規定を国土交通省令で定める基準を参酌し、条例に設けるものでございます。
 四ページから五ページにかけましては条例案文等を、六ページには新旧対照表を記載してございます。
 続きまして、九ページをお開き願います。東京都文教地区建築条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、改正の理由でございますが、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行等を踏まえ、所要の改正を行うものでございます。
 2、条例案の概要でございますが、文教地区内のナイトクラブ等の建築制限について所要の改正を行うものでございます。
 一〇ページには条例案文等を、一一ページには新旧対照表を記載してございます。
 一五ページをお開き願います。東京都建築安全条例の一部を改正する条例案でございます。
 1、改正の理由でございますが、建築基準法施行令及び地方自治法施行令の一部を改正する政令の施行による建築基準法施行令の改正を踏まえ、階避難安全性能等を有する建築物の階等に対する適用の除外の対象となる建築物に係る特例を設けるほか、規定の整備を行うものでございます。
 2、条例案の概要でございますが、階避難安全性能等を有する建築物の階等に対する適用の除外の対象となる建築物について、別の建築物とみなす部分に係る特例を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 一六ページから一七ページにかけましては条例案文等を、一八ページから一九ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
 二三ページをお開き願います。東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、改正の理由でございますが、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の施行等に伴い、建築物エネルギー消費性能向上計画の認定の申請等に関する手数料に係る規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 2、条例案の概要でございますが、(1)、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の施行等により、建築物エネルギー消費性能向上計画の認定制度が創設されることに伴い、認定申請等に係る手数料を新設するものでございます。
 (2)、長期使用構造等とするための措置及び維持保全の方法の基準の改正により、住宅の増改築に係る長期優良住宅認定制度が創設されることに伴い、認定申請等に係る手数料を新設するものでございます。
 二四ページから四三ページにかけましては条例案文等を、四四ページから七五ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
 最後に、契約案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料4、平成二十八年第一回都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。
 一ページに番号及び件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載しております。
 二ページをお開き願います。都営住宅二十七H-一〇二・一〇三西、練馬区上石神井四丁目工事の概要でございます。
 中段に記載のとおり、住宅の戸数は百八十戸、構造等は鉄筋コンクリートづくり六階建て一棟及び四から六階建て一棟の計二棟でございます。
 契約の相手方は株木・メイユウビルド建設共同企業体、契約金額は十四億三千百万円、工期は平成二十九年十月二十七日までとなっております。
 三ページに案内図と配置図を、四ページから七ページにかけましては平面図と断面図を添付しておりますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 以上で、平成二十八年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○中村委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○白石委員 資料要求をさせていただきます。
 一点目、都営住宅、公社住宅の十年間の建設実績。
 二点目、都と区市町村の耐震診断、耐震改修への助成の制度と昨年度の実績一覧。
 三点目、分譲マンションアドバイザー派遣助成の区や市の実績。
 四点目、首都高速道路への出資、貸付金の推移、十年分。
 五点目、横田基地対策にかかわる支出と軍民共用化の取り組みの経緯を資料要求させていただきます。
 以上です。

○中村委員長 ただいま白石委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中村委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○中村委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情二七第九五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 整理番号1、陳情二七第九五号、羽田空港についての国の提案に関する陳情についてご説明いたします。
 お手元の請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
 本陳情は、目黒区の大場大志さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、国土交通省は平成二十七年六月、羽田空港のこれからとして、二〇二〇年(平成三十二年)以降の羽田空港国際線の増便を企図した処理能力拡大策を提案した。都において、国交省提案に関し、さまざまな手法で次のことを国に働きかけていただきたい。
 1、今後の羽田空港の利用方法については、広く住民や自治体などの関係者を交え、東京圏の将来像のあり方や環境保護などの観点から再検討することが必要であるため、この間、この提案を一旦凍結、もしくは撤回すること。
 2、今後の進め方については、国のみの判断ではなく、地域住民や自治体の意見、判断を十二分に尊重し、無益な対立を生み出さないために、住民に広く国交省提案の内容を周知するとともに、二〇二〇年、平成三十二年までにという拙速な実施を控えることというものでございます。
 現在の状況についてでございますが、都心に近く、二十四時間利用可能な羽田空港は、国内外に豊富な航空ネットワークを有する基幹的なインフラでございます。その機能を十二分に発揮させ、我が国の国際競争力の向上につなげていくため、これまでもD滑走路や国際線ターミナルの整備などにより、空港容量の拡大を図ってまいりました。
 現在の羽田空港の空港容量は、年間四十四・七万回、うち国際線は昼夜間合計で九万回でございますが、国の予測によりますと、おおむね二〇二〇年代前半には航空需要が空港容量を超える見込みでございます。したがって、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会やその後の航空需要に応え、国際便の就航をふやしていくためには、羽田空港の容量拡大は必要不可欠でございます。
 国は羽田空港の機能強化を図るため、平成二十六年八月、関係都県市等が参加する協議会において、飛行経路の見直し案を提案し、具体化に向けた協議を進めております。また、提案内容について理解を得るため、昨年七月から九月にかけてと十二月から本年一月にかけて、オープンハウス型の説明会を開催したほか、特設ホームページや電話窓口の設置、日刊紙への広告掲載など、さまざまな手法を活用して情報提供を行うとともに、住民の意見を聞いております。
 今後、国は本年夏までに環境影響に配慮した方策を策定することとしております。
 都は、国に対して引き続き、騒音の影響を軽減する方策の検討や徹底した安全管理に取り組むこととともに、二〇二〇年までのスケジュールを勘案し、必要な施設整備や防音工事の着実な準備を要望しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○中村委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○白石委員 羽田空港についての国の提案に関する陳情について、幾つか質問いたします。
 この陳情は、目黒区在住の大場大志さんから出された陳情となります。これまでも、羽田空港の増便による都心上空を低空で飛行することに、飛行経路下、直下の住民、そして周辺の方々からも飛行経路の撤回や凍結を求めて請願も提出されていますので、概要については省略させていただきます。
 初めに、都心上空を低空で飛行することを原則禁止としてきた理由を伺いたいと思いますが、いかがですか。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都内におきまして、法令により市街地上空を国から提案されている高度で飛行することを禁止している事実はございません。現在、運用されている飛行経路は、陸域での騒音影響を可能な限り軽減する観点から、東京湾を最大限に活用して設定しているものと聞いております。

○白石委員 飛行ルートは、法律で定められているものではないということは承知しております。現在は、市街地への住環境を守るという角度から、東京湾を最大限に活用して、すなわち海上ルートを活用して、飛行経路が設定されているということになります。
 次に伺いたいのが、どのくらいの自治体に影響を及ぼすのかという点を確認したいというふうに思います。国交省から示されている新ルート案は、どのぐらいの自治体の上空を飛行する案となっているのか、具体的に伺いたいと思います。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 航空機の飛行による影響が少ないと国から聞いております飛行高度六千フィート以上の箇所を除外いたしますと、都内で上空を飛行機が飛行するのは、現在の飛行経路では三区、新たな飛行経路案では、現在精査中ではございますが、十四区となると聞いておるところでございます。
 したがいまして、お尋ねの新たに航空機が上空を飛行することとなるのは、十一区でございます。

○白石委員 新たに航空機が上空を飛行するという区は十一区だと、合計で十四区というふうなことを答弁されました。今まで飛んでいなかった区の十一区の上空を、低空で飛行するということになったということが明らかになりましたし、陳情者の方の目黒区では、目黒区民センター上空の約六百十メーターを飛行するというものであり、スカイツリーよりも低い高度で飛行するものです。先ほどの答弁でも、現在は海上を最大限に使用して、騒音の低減に努めていると、このように答弁されています。
 ここで騒音について、これまでどのような経緯をたどってきたのかということを振り返る必要が、今の時点であるというふうに思います。
 羽田空港に離発着する航空機の騒音について、これまでにどのぐらいの訴訟などが行われてきたのかということを伺いたいと思います。また、東京都を事務局として、大田区、品川区の地元自治体と国が協議会をつくり、三者協といわれていますけれども、騒音や安全性などを解決する議論が行われてきたというふうに思いますが、その経緯と成果を都はどのように認識しているのか、それぞれ伺いたいと思います。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 羽田空港の航空機騒音に関する訴訟につきましては、これまで四件ございまして、そのうち一件が沖合展開事業以前に提起されたものでございますが、これら四件につきましては、いずれも取り下げないし棄却されたものと聞いております。
 また、国、大田区、品川区及び都で構成いたします羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協についてでございますが、こちらは羽田空港移転に関し、国、都、地元区の三者で話し合いを進めるために昭和五十二年に設置されておりまして、沖合展開事業の進め方や跡地利用などについて協議が行われたところでございます。この三者協の主な成果といたしましては、沖合展開事業が実現したことや羽田空港跡地利用の進展にあると認識しているところでございます。

○白石委員 これまで訴訟になっているケースは、四件というふうに今、述べられました。
 江戸川区の騒音訴訟について、昭和四十八年二月に発行された江戸川区広報をきょう持ってまいりました。そこに書かれているのは、航空機騒音の訴訟を通じて、国交省と繰り返し協議が行われたというふうなことが、この広報にも記されています。国交省は、離陸時の騒音も含めて、将来、航空機騒音を根本的に改善するための努力をしていくということなどの確約が、この中でもされたというふうに書かれております。
 さらに読むと、離陸時の騒音も含めて、将来、航空機騒音を根本的に改善する努力をしていくんだというふうな確約と同時に、江戸川区長もいっていますが、この問題が発生してから江戸川区は、区と区議会、住民が一丸となって航空機騒音を追放しようとさまざまな運動を展開して、仮処分申請の訴えを起こすなど区を挙げて問題に取り組んでまいりましたと、環境は区民の共有財産ですとまでいって、国との協議を行ってきたというふうな経緯が書かれております。
 今回、こういうような住環境を著しく脅かす新ルート案が国から提示されたのであれば、本来であれば、東京都が真っ先に環境は都民の財産だという立場で声を上げなければいけないというふうに思います。今回と同様の趣旨で十一月の都市整備委員会で付託された請願審査のときにも、都は航空機騒音の環境基準は健康被害のことも配慮されていると、環境基準の目安を超える地域に住宅はないということを、都は国の定めた環境基準を超えていないから問題がないかのような答弁をいたしました。
 しかし、国の基準は約四十年前の知見に基づいて定められたものが、そのまま引き継がれたものだということです。今日、国際的な知見の到達に照らして、十分なものとはいえません。近年、欧州では疫学研究が盛んに行われて、交通騒音による睡眠妨害が心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患などの要因となることを明らかにしています。
 その中で一九九九年、WHO、世界保健機関の環境騒音ガイドラインでは、日本の航空機の環境基準が採用するW値、Ldenとも住民の睡眠を保護しないとまで指摘しております。同じガイドラインでは、幼少時代に騒音に慢性的に暴露された人は読解能力や学習意欲が低いことも明らかにされております。暴露期間が長いほど影響も大きくなるため、高速道路、空港、工場のような大きな騒音源の近くに保育所や学校をつくるべきではないということまで指摘をしています。
 だからこそ、二〇一一年、環境騒音は単に生活妨害や不快感の原因だけではなく、公衆衛生及び環境衛生の問題としても考慮されなければならないと、公衆衛生に対する脅威とも考えられると、このような報告を世界機関であるWHOが指摘をしています。
 それでは、伺いたいのですが、沖合展開事業はそもそもどのような目的で行われたものか、伺いたいと思います。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 羽田空港の沖合展開事業は、当時の航空需要や航空機騒音の状況を背景に、航空輸送力の確保や騒音問題の解消などを目的として、実施したものでございます。

○白石委員 今、答弁あったとおり、騒音問題の解消を目的として実施されてきたというふうなことです。それが沖合展開事業だったと。
 国交省が示している沖合展開事業の経緯を見ますと、これはホームページにも載っていますが、沖合展開事業は現空港の沖合に滑走路を移設及び新設し、飛行経路を市街地から遠ざけることによって、騒音問題を抜本的に解消すると、このように記されております。
 すなわち都心内陸部の上空を低空により飛行することは、地域住民の住環境を著しく脅かすことから、最大限海上ルートを使用して飛行する経路がこれまでとられてきたというのが、この間の騒音に関する経緯というふうになります。このことからも、羽田空港は東京湾の上空を使用するというのが原則だということです。初めから海上を最大限使用した飛行経路ではないということです。そこに至るまでには、地元の自治体や地域住民の長年の運動があったということです。先ほど江戸川区の訴訟に関する経緯も紹介させていただきました。
 今回の国交省が示す新ルート案は、今までの運動に取り組んできた住民や専門家、そして関係自治体の努力と運動の歴史を全て水の泡にしてしまうことであり、重大な方針転換となるという認識を、改めて都は持つ必要があると強く指摘したいというふうに思います。
 基本的なことをここで伺いたいと思いますが、今回の新ルート案によって、都民への影響ですね、国の提案が実現した場合、騒音の面で都民の負担が増すという認識が都としてはあるのかどうか、伺いたいと思います。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 羽田空港の機能を十二分に発揮させ、東京、ひいては我が国の国際競争力の向上につなげることは重要であり、東京二〇二〇大会やその後の航空需要に応えるため、羽田空港の容量を拡大し、機能強化を図ることは必要不可欠でございます。
 一方、今お話にありました国から提案されている飛行経路の見直し案によりまして、新たに飛行経路周辺となる地域において、一定の時間帯に騒音影響はふえるものと認識しております。
 このため、都は引き続き国に対して騒音の影響を軽減する方策の検討を求めるとともに、二〇二〇年までのスケジュールを勘案し、必要な施設整備や防音工事などの着実な準備を国に求めてまいります。

○白石委員 今、答弁していただきましたが、騒音の負担がふえるという認識は当然あるということを確認いたしました。
 それでは、これまでの騒音対策を具体的に伺いたいというふうに思っております。また、都心上空を低空で飛行するルートを解禁した場合、新たな騒音対策とはどのような対策が検討されているのか、あわせて伺いたいと思います。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 騒音対策といたしましては、国は飛行高度の引き上げや航空機騒音防止法の基準を超える住宅等に対する防音工事の助成などを行っております。
 先般、第二フェーズの説明会で示されたところでございますが、新飛行経路案の実施に当たり、環境への影響を軽減する方策として、国は、より静かな機体の使用を促すための空港使用料体系の見直しや、北風時の朝の出発経路の運用開始時間の後ろ倒しなどについて検討を行っていると聞いているところでございます。
 都といたしましては、騒音の影響を軽減する方策の検討を国に対して、引き続き求めてまいります。

○白石委員 今、答弁されましたが、具体的な騒音対策というふうなところでは、新たな飛行経路になると、先ほど答弁にもありましたとおり、今まで低空で飛行していなかった自治体、十一区にも騒音が拡散されるということになります。
 しかし、今、答弁していただいたものでは、従来やってきたことであり、現時点では新たな対策としては、空港使用料体系の見直しの検討、それから北風時においての後ろ倒しの時間帯の検討のみとなっています。要するに具体的には従来どおりの対策のみというのが現時点であり、新しい方策としては検討段階だというのが明らかになりました。これでは、都民の納得など到底得られないと指摘をしたいというふうに思います。
 この間も報道機関の中でも、オープンハウス型の説明会やさまざまな場面でこの騒音というのがどういうふうな影響があるのか具体的に示してほしいという声も、それぞれ上がっております。国は、この資料では八十デシベルをセミの声というような形で、リスクをいかに低く見せるかというような形での表示の仕方も行っております。
 そういう中で、この飛行経路下周辺の地域住民の皆さん、都民の皆さんからも、この騒音問題というのは非常に大きな問題だというふうな声が上がっております。今回の案によって、騒音がふえるという認識を持っているのであれば、なおさら具体的な対策が示されていないもとで、国の提案を認める立場には立てないというふうに思います。環境は都民の財産という立場で、国に強力にこれは働きかけていただきたいというふうに思っております。
 次にですが、安全性の角度から伺いたいというふうに思います。落下物や墜落事故防止対策とはどのような対策なのか、具体的に伺います。同時に、都心上空を低空で飛行するルートを解禁した場合、新たな対策とはどういう対策が検討されているのか、具体的に伺いたいと思います。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 落下物や墜落事故に対しては、過去の事故の経験や新たな技術を踏まえ、何重もの安全対策が講じられているところでございます。航空会社は、出発前の点検や定期整備時に機体のチェックをするなどの対策を講じております。また、国は、確実な点検整備の指導とともに事故を防止するため航空機の安全性の確認、パイロットの技能の維持及び地上からの運航支援等を実施しているところでございます。
 都といたしましては、徹底した安全管理の取り組みを国に対して求めているところでございます。

○白石委員 今、私が質問させていただいたのは、これまでの対策というのは具体的に示していただきましたが、国からの提案が実現したとなった場合の新たな対策とはどういう対策が検討されているのか、ちょっとお答えになっていないので、お聞きしたいと思いますが、いかがですか。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 ただいまご答弁申し上げたとおり、落下物や墜落事故に対しましては、過去の事故や経験、また、新たな技術を踏まえまして、何重もの安全対策が講じられているところでございます。
 こういったことを踏まえまして、都といたしましては、さらなる徹底した安全管理の取り組みを国に対して引き続き求めているところでございます。

○白石委員 今、答えられなかったと。要するに落下物や墜落事故など安全性への対策は、現時点では従来以外の新たな対策というのは何一つないというふうなことが、明らかになりました。十一月の委員会の答弁では、先ほどもいわれていますけれども、何重もの安全対策を行っていると述べられていますが、その何重もの対策はこれまでやられてきた対策です。
 市街地の上空を飛行するのですから、落下物などがあれば、住宅街へと、そのまま落下するということは容易に想定ができます。これは命にかかわる重大な問題だというふうな角度から見ると、今まで、従来型の安全対策だけではなく、こういう危険なルートになるわけですから、本来であれば、新たな安全対策だって示せなければいけないと。しかし、今の現時点では何一つないということです。
 例えば、私の地元品川区の大崎周辺では、飛行経路直下に立正大学や三木小学校などがあります。保育施設は大崎保育園などもあります。さらには、コロンビア大使館などの施設も、この飛行経路下の直下になるということです。この真上を約四百五十メーターの低空で飛行するルートになっているというのが、国交省の新ルート案の南風時の着陸時点での案だということを資料を見れば、見てとれます。
 都は、さきの羽田問題での請願においても安全性について何重もの対策を国は行っていると繰り返し、今も答弁されています。
 そこでお聞きしたいのが、直近の航空機からの落下物の事例を示していただきたいというふうに思います。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 最近の航空機からの落下物の事例についてでございますが、成田空港周辺では昨年十二月に航空機からの落下物と見られる金属部品が発見され、本年二月には氷塊が発見されております。

○白石委員 実際は落下物が、毎年のように発見されているというふうな事例があります。今、答弁あったとおり、昨年十二月には千葉県成田市の水田で航空機からの落下物と見られる長さ約一メーター、重さ約四百九十グラムの棒状の部品が発見されています。また、先ほど答弁ありましたけれども、今月、二月五日には着陸する航空機から落下したと見られる氷の塊が千葉県芝山町の山林から発見されたということが発表されております。
 先ほど何重もの安全対策をやっているんだというふうな答弁がありましたけれども、実際はこのように、二月であったり、昨年の十二月も一メーターの部品が落下しているということになります。
 都心の飛行ルートの下には、市街地が広がって住宅が密集している、そういうところで例えば氷の塊やこういう部品が落ちた場合には、必ず誰かに当たってしまうのではないかというような不安が広がるのは当然だと思います。元機長の方は、着陸時の車輪を出す衝撃によって、翼についた氷の塊や部品が落ちるということがあると、このように述べております。車輪を出すタイミングは、おおよそ飛行場から約五キロ地点というふうになりますが、決まりはありません。成田でいえば、どこで車輪を出すかというふうなタイミングはありますけれども、羽田においてはありません。しかし、飛行条件などによって変わるというふうなこともあります。
 氷の塊や部品が落ちるということは後々にわかると、元機長の方はこうもおっしゃっていました。当然パイロットとして飛行しているときには、落ちたことはわかりません。都心上空を低空により飛行すれば、どこに落ちてもおかしくないということだと思います。このことは、都は改めて認識すべきということを強く指摘したいというふうに思います。
 この飛行経路の直下には、公共施設であったり、保育施設、学校施設、さまざまな会社もあります。こういうところに、万が一でも落下物や墜落事故などのようなことが起こってしまえば、これは大惨事になるというふうな想定があります。だからこそ、この間、沖合展開を行って、海上ルートを最大限に使用していこうというのが、国、そして地元自治体、住民、さまざまな運動によって、つくり上げてきた成果だというふうに思います。
 そこで、伺いたいと思いますが、都は丁寧な説明を国に対して要請していくと、このように繰り返し答弁されています。例えば、自治会レベルで説明会の開催の要望があった場合や従来型の説明会開催の要望があった場合、国に対して要望するのかどうか、伺いたいと思います。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都はこれまでも説明会場の追加や従来型のといいますか、教室型説明会の開催など、関係区市の要望を国に伝えてきておりまして、今後も関係区市から同様の要望があれば、国に伝えてまいります。

○白石委員 自治会などから住民説明会の要望があった際には、やはり都としても国に対して強く要望して、質問に答える説明会をさせるように、ここは都のイニシアチブを発揮していただきたいというふうに思います。
 騒音対策も安全対策も従来と変わらないということが、今回の質問で明らかになりました。住宅が建ち並ぶ市街地上空を低空で飛行することは、先ほども繰り返し述べていますけれども、都民の命や安全を脅かすものなんだと。
 大場大志さんは、今回の陳情を提出するに当たって、学校や会社、病院など生活になくてはならない基盤が根底から壊れてしまうことへの危惧を真剣に訴えておりました。また、国が開いているオープンハウス型の説明会に参加して、国交省の担当者に質問をしても、ご意見を承ったというばかりで、まともに質問に答えてくれないと話します。
 国は丁寧に説明するといいますが、住民サイドから質問が来たときは承るというふうな形で、結局、住民の意見に対して返ってこないというのが今の現状です。だからこそ、自治会やそういう団体、グループなどから住民説明会の要望があった際には、ぜひとも国に強く要望して、説明会を開くように指導していただきたいというふうに思います。
 国は経済の発展を強調して、羽田空港の機能強化による都心上空ルートの飛行解禁を掲げておりますが、住民犠牲の上に成り立つ経済政策など到底都民は納得しません。また、これまでの努力を水の泡にする重大な転換を、今現時点でしようとしています。
 都の最大の使命は住民福祉の向上です。飛行経路の直下には多くの学校、保育施設、住宅があります。一度落下物など航空機からあれば、都民の命を脅かす、脅威ともなる飛行経路です。
 以上の点からも、本陳情の採択を強く求めて、質問を終わりたいと思います。

○やながせ委員 私からも羽田空港についての国の提案に関する陳情について、基本的なことを幾つかお伺いしたいなというふうに思っております。
 今、話を聞いておりましても、ちょっと難しい問題だなというふうに感想としては思っています。ただ、私の調査の範囲としては、例えば福岡、また大阪国際空港と、大都市上空を飛行ルートにして飛んでいる空港というのは世界中多々ありまして、ニューヨークでいうとジョン・F・ケネディですか、あとヒースロー空港というところも当然大都市上空を旋回して入っていくというような飛び方をしているわけでございまして、もしそれだけ危険であるならば、こういった空港は全部閉鎖しなければいけないということになってしまうのかなというふうにも私は思うわけであります。
 羽田の機能強化ということに関しては、ずっとこれは都の念願であり、また国の念願の事業であるということ、国と都の発展には欠かせない事業だということ、この点からこの問題については考える必要があるのかなというふうに私は考えています。
 ただ、自分の家の上空を飛行機が飛んでいくということに対して、不安を感じるというのは当然であります。ですから、大場さんがこういった陳情を出されてきたという気持ちはよく理解できることでありますので、丁寧に寄り添った回答をしていくことが必要なのかなというふうに考えています。
 そういった観点から、私は基本的なことを幾つか聞きたいわけですけれども、落下物であります。落下物に関しては、特に氷の塊が落下するということがいわれています。部品が落ちるなんていうことは論外でありまして、こんな飛行機を飛ばしている航空会社はすぐに事業停止になってもおかしくないというぐらいのことだと思いますので、これは論外として、氷の塊を都心上空で落とす可能性があると。特にギャランと呼ばれる、先ほども話題に出ましたけれども、足をおろす際にその周辺についていた氷塊が落ちる可能性があるということであります。
 そこで、現在行われている航空機からの氷塊対策、また、同様に落下物を防止する対策がどのように進められてきて、その効果がどのように上がっているのかということについて、まずお伺いしたいと思います。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 氷塊を初めといたしました落下物を防止する対策についてでございますが、航空会社では出発前の点検や定期整備時に機体チェックを行うとともに、氷塊の落下を防ぐため凍結防止用ヒーターを設置して、機体に着氷しないような対策を講じているところでございます。また、国は航空会社に対しこうした点検整備を徹底するよう指導するとともに、国、航空会社、空港会社等の関係者が落下物の発生状況等について情報を共有し、対策を検討しております。
 国によりますと、羽田空港周辺では、平成十七年から二十六年の十年間の落下物の発生件数はゼロ件でございます。一方、同期間における成田空港周辺での落下物発生件数は十八件でございますが、その前の十年間の二十八件に比べ減少したと聞いているところでございます。

○やながせ委員 この十年間で落下物の件数が減少してきているということで、凍結防止用のヒーターを設置している機材がふえてきているということのようでありまして、ヒーターを設置している機材なのかどうか、どの機材を使うかというのは非常に大きな問題だと思いますので、これはしっかりと安全対策の一環として、機材の選定、着陸料を機材によって上下させるということを考えているということでございますけれども、これはしっかりと物をいっていっていただきたいというふうに思います。
 成田空港では落下物は減少しているということであります。羽田空港と同様に日本で、我が国で、大都市の上空を飛行経路とする空港として、例えば大阪国際空港というものがあるわけですけれども、大阪国際空港についてどれくらいの落下物が確認されているのか、これについてお伺いさせてください。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国によりますと、福岡空港で平成十七年に部品の落下事故があったということでございますが、それ以降、福岡空港、それから今お話にありました大阪国際空港ともに、両空港に離着陸する航空機からの落下物は発生していないというふうに聞いているところでございます。

○やながせ委員 落下物については、先ほども白石委員がいっていましたけれども、すぐに発見できるかどうかといったら、すぐに発見できない可能性もあるので、その報告の件数が正しいのかどうかということはあるわけですけれども、現状、少なくとも大阪国際空港においては落下物は発見されていないと、そういう運用がされていると。
 また、福岡空港では、これは一件あったということでございますけれども、一件でもあってはいけないことなんですけれども、確率としては、そのレベルであると。これを高いと見るのか、低いと見るのか、絶対あってはいけないことなので、これは高いと見なければいけないのでしょうけれども、こういったいわゆる大都市上空を飛んでいる同様の事例というものを広く周知させるということが、大事なのではないかというふうに考えています。
 海外においても、先ほど申し上げました大都市上空を飛行経路とする空港として、ジョン・F・ケネディ空港やロンドン・ヒースロー空港等々がございます。こういったところにおける落下物がどういう状況にあるのか、また、先ほどの大阪国際空港の事例等々も含めて、しっかりと住民の皆様にお伝えしていくということが重要なことだろうというふうに思います。
 そこで、市街地上空を飛行するということで、安全性の確保に十分取り組んでいくことについて、何よりも広報することが大事だろうというふうに考えています。広報ということと、都は落下物対策などの安全対策をさらに国に働きかけていっていただきたいと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 広報についてのお話についてでございますが、国は昨年七月から九月にかけてと十二月から本年一月にかけて、都内で延べ七十日間、オープンハウス型の説明会を開催し、落下物対策を初めとした安全確保の方策についての説明も行っているところでございます。国は引き続き特設ホームページや電話窓口を設置するとともに、羽田空港における常設の展示を行うなどによりまして、安全確保の取り組みを含め、羽田空港の機能強化について説明を行っていると聞いているところでございます。
 安全の確保は非常に重要でございまして、都といたしましては、引き続き地元への丁寧な説明と徹底した安全管理の取り組みを国に求めてまいります。

○やながせ委員 よろしくお願いしたいと思います。
 落下物と同時にもう一つ懸念されることが騒音の問題であります。私の地元の大田区を初めとして、品川区民の皆さんからも非常に多くの声を私のところにもいただいておりまして、騒音の負担がふえることについて懸念されている声が上がっております。
 それで、幾つかお伺いしたいんですけれども、航空機の騒音対策として、法で定める騒音の基準を超える地域の住宅には防音工事の助成が行われています。今回、国が提案している飛行経路の見直しにより、防音工事の補助対象となる住宅はあるのか、また、航空機騒音が住居系地域の環境基準を上回る地域はあるのかと、この点についてお伺いしたいと思います。

○佐々木航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 先般、国が実施いたしました第二フェーズの説明会の資料によりますと、今回提案した飛行経路で騒音予測を行った結果、航空機騒音防止法に基づく防音工事の補助対象となる住宅はないと聞いているところでございます。
 一方、住居系地域における航空機騒音の環境基準につきましては、従来より精緻な航空機騒音の評価指標でございますLdenによる騒音予測を、環境影響に配慮した方策の策定とあわせて、現在試算中であるというふうに国から聞いているところでございます。
 都といたしましては、引き続き騒音の影響を軽減させる方策の検討を国に求めてまいります。

○やながせ委員 今の音の影響については、あくまでも想定ということで、説明資料の中でもLdenでこの地域が影響を受けるのではないかといった資料がございます。ここには住宅が入っていないということでありますけれども、あくまで想定ということでございますので、これが対象となる住宅や地域が出てきたときには、しっかりと都が責任を持って周知していくということが大事だろうというふうに思います。
 また、国において騒音予測ですね、普通の騒音についても環境基準以上になるのかどうかということに関しても試算中ということでありますけれども、今後これを実施するに当たってはしっかりと定期的な観測をしていくということが必要だというふうに思いますので、この点については要請しておきたいというふうに思います。
 ところで、パラリンピックの競技大会において、大井ふ頭中央海浜公園が視覚障害者のブラインドサッカーの会場として予定されているということを聞いております。ブラインドサッカーは、選手たちにとって、ボールの音や味方からの指示、相手選手の声が大切な情報であり、音と声のコミュニケーションを妨害しないように、プレー中は観客も静かに見ることが求められる競技であります。
 この会場は新たな飛行経路からも非常に近いということから、航空機の音が競技の支障にならないように、国や組織委員会等の関係機関が情報を共有して十分に連携していけるように、都市整備局としても働きかけを行うように要請しておきたいというふうに思います。
 以上、本日確認した安全の確保、その他広報並びに騒音対策について、しっかり対応していただくとともに、パラリンピック競技大会の開催にも影響がないように都として取り組んでいただくと、あわせて羽田空港の機能強化をしっかりと着実に実現していくということ、これを前に進めることを要望して、私からの質問を終わりたいと思います。

○中村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○中村委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二七第九五号は不採択と決定いたしました。

○中村委員長 次に、陳情二七第一一五号及び陳情二七第一一六号は、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○筧基地対策部長 お手元の請願・陳情審査説明表の五ページをお開き願います。
 整理番号2、陳情二七第一一五号、米軍横田基地へのCV-22オスプレイ配備計画に伴う環境レビューに関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、横田基地問題を考える会代表世話人、井出由美子さんです。
 陳情の要旨は、都において平成二十七年十月十五日に防衛省が公表したCV22の横田飛行場配備に関する環境レビューについて、次のことを実現していただきたい。
 1、CV22オスプレイの事故率に関し、以前はMV22オスプレイよりも事故率が高いと説明していたが、環境レビューでは安全性に問題はないと説明している。この矛盾について、国、防衛省に説明を求めること。
 2、環境レビューの作成年月日は平成二十七年二月二十四日となっているが、公表は平成二十七年十月十五日である。なぜ八カ月も経過してからの公表となったのか、国、防衛省に説明を求めること。
 3、環境レビューの内容について、国、防衛省に説明を求め、それを広報等により都民に詳細に説明することというものでございます。
 現在の状況ですが、国は平成二十七年七月中旬に米側からCV22の横田飛行場配備に関する環境レビューの提供を受け、翻訳や内容照会などを行った上で、同年十月十四日、都など関係自治体に説明を行い、翌十五日、防衛省のホームページにおいて公表いたしました。
 CV22につきましては、平成二十七年九月末の時点で総飛行時間が約五万一千時間にとどまっており、十万飛行時間に達しないと有意な事故率の数値を算出することが困難であると国は米側から説明を受けております。
 また、国は今般、改めてCV22についての過去の事故の原因等について確認したところ、CV22に特有の苛酷な条件下での訓練活動が原因で発生した重大事故はなかったとしております。国はMV22の運用の安全性について、国が独自に行った事故分析評価や日米合同委員会合意により十分に確認されたものとしております。
 また、CV22の運用の安全性についても、CV22とMV22は、機体構造及び基本性能が同一であり、米側も我が国における運用に際してMV22と同様に安全を徹底することを確認していることから、MV22と同様に確保されるとしております。
 続きまして、七ページをお開き願います。
 整理番号3、陳情二七第一一六号、MV-22オスプレイのハワイ墜落事故の調査報告に関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、横田基地の撤去を求める西多摩の会代表、高橋美枝子さんです。
 陳情の要旨は、都において次のことを実現していただきたい。
 1、MV22オスプレイのハワイでの墜落事故の調査報告書を、全文公開するよう日米両政府に要求すること。
 2、エンジンフィルター、空気ろ過装置が改善されていないMV22オスプレイの日本での飛行を直ちにやめさせるよう日米両政府に強く要求すること。
 3、オートローテーション、自動回転機能がないオスプレイの飛行は認められないので、MV22オスプレイの全機撤去と横田基地へのCV22オスプレイの配備撤回を日米両政府に要求すること。
 4、MV22オスプレイのハワイでの墜落事故に関する情報や、このことについての都の見解を、都の広報紙や公式ホームページなどで都民に知らせることというものでございます。
 現在の状況でございますが、平成二十七年十一月二十三日、米国は同年五月にハワイで発生したMV22オスプレイの事故について、調査結果を公表するとともに、日本政府に説明いたしました。
 国からは、MV22オスプレイの設計に根本的欠陥があるわけではないことが改めて確認され、また、マニュアルの改定や教育の徹底により、再発防止策がとられ、安全な飛行が確保されていると聞いております。また、国は、MV22オスプレイはオートローテーションが求められる場面はほとんど想定されないが、オートローテーションに係る機能自体は保持しているとしております。
 オスプレイの運用や配備のような安全保障に関することは、国の専管事項であり、国の責任で行うべきものです。
 都は、国において十分な説明責任を果たすとともに、CV22オスプレイの配備については、安全対策の徹底を米国に働きかけることを国に対して要請しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中村委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 それでは、まず陳情二七第一一五号について何点か質問いたします。
 環境レビューについて、これまでここでいわれている三項目、ほかにも恐らくたくさんの疑問点があると思いますが、特に重要な三つの項目について、都のこれまでの広報や説明ではわからないので、改めて国に説明を求め、都民にも公表すべきであるという、この立場は私たちも当然と考えております。
 したがって、この陳情については採択すべきという立場から何点かお聞きしたいと思います。
 まず、都の先ほどの状況説明、そのほかさまざまな形での広報を見ても、CV22は正確な事故率が出せるほどの段階にはなっていないということがいわれました。また、過去の訓練での事故はCV22の持つ特有の苛酷な条件での事故ではなかったと、そういうことを国または米軍の方で説明しているので、今回についてはMVと同様ということで考えているというような、かなり大ざっぱにいえば、そういう趣旨かと思います。
 ということは、かつて沖縄にMV22オスプレイが配備される際に、政府の説明でCV22はMV22よりも事故率が高いということや、その原因はCV22の任務が極めて危険な特殊任務であって、それが原因になって、CV22の事故率が高いんだというふうな説明がされたと聞いておりますが、これは事実上、撤回されるというふうに受け取ってよろしいのですか。

○筧基地対策部長 航空事故の事故率は、十万飛行時間当たりの飛行事故の件数として算出されます。国は従来より、CV22については運用導入されてからの飛行実績が浅いことから、事故率に占める各事故の割合は高くなるとしておりました。
 また、今般、改めて国がCV22の過去の事故原因等について確認したところ、苛酷な条件下での訓練活動が原因で発生した重大事故はなく、その上で改めてCV22の安全性について総合的に検討した結果、MV22と同等に判断するに至ったものと国から聞いております。

○曽根委員 前回の説明は、事実上どちらの理由もMVが安全だということを強調するために、CVの方を危険だといってきたことの中身は事実上撤回されたといわざるを得ないと思います。それにしても、CVが危険だといえない理由は、単に飛行時間がまだ少なくて、本当に危険なのかどうかわからないというだけのことであって、今後、飛行時間が延びていけば、やっぱり危険だということになる可能性は十分過ぎるほどあるといってもいいと思います。
 しかも、CVの機体はMVと同じだから、過去の事故の経験もみんな特殊任務をやっているときの訓練じゃないから、だからMVと同様だというのも極めて曖昧な理由であって、これを理由にMVも安全だし、CVも安全だという根拠になるというのも、これは二重の意味で、私はごまかし、極めて無責任な主張だといわざるを得ないと思います。
 この間、ご存じのように昨年のハワイ事故に続き、二度目の重大事故が起きました。揚陸艦への着艦に失敗して、機体そのものが完全にだめになっちゃったんですけれども、そういった事故が続いたことから、最近の報道ではMV22の事故率もCV並みに高くなっているということがいわれており、そうすると、これまでの飛行時間も少ないから、CV22の安全性が確認できないと。しかも、比べる対象のMV22も最近事故がふえてきて、CV並みになっているという点でも、実態としては何ら安全性が確認されたというようなものではないということは明らかじゃないでしょうか。
 陳情者は二番目に、この環境レビューの公表に八カ月もかかったのは、アメリカ側と政府の側で何か裏でやりとりがあったんじゃないかということも当然不審に思っているというふうに思います。これは安全性の問題ですから、都民の知らないところで、このオスプレイの安全性にかかわる重大な情報のやりとり、ましてや環境レビューの記述内容の調整などが行われては絶対にならないと思います。
 最近も、アメリカ軍のホームページから、オスプレイがクラスAの重大事故だけではなく、クラスDの些細な事故も含めると、大体飛行時間九十時間に一回事故を起こしているというようなことが明らかにされた部分が何か突然、削除されたというような話も出ているように、その情報の出し方さえいろいろと操作されるというようなことがあってはならないし、この八カ月の間にどういうやりとりがあったのかということは、引き続きこれは問題にしていかなきゃならないと思います。
 そこでお聞きしますが、結論として、東京都はCV22について、MV22と同様に安全を徹底するという、アメリカもしくは政府の説明を是としているようですけれども、MVが最近続けて事故を起こしている、この実態については、私の勝手な予測ですが、CV22が非常に危険なので、専ら訓練をMV22でやっているんじゃないかと思えるような、最近の集中的な事故が、MVで集中しているということにあらわれているし、どちらにしても事故率が上がっているということは、飛行時間が延びれば安全性が確保されてくるだろうと。つまり操縦者がだんだん操縦になれてくるから安全性が確保されてくるだろうというような、統計的な安全の領域に入ってくるという、こういう説明では、もう最近の事故の状況を見ると説明がつかなくなっているんじゃないかと。
 こういう点での、いってみれば日本の基地に配備する際の安全性についても、この環境レビュー自体も歯どめにはならないし、安全の保障にはならないということになっているんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○筧基地対策部長 都は、都民に影響を及ぼすような米軍機の運用につきまして国等に情報の提供を求めておりまして、先ほどありましたような、お尋ねのようなCV22及びMV22の運用状況については承知しておりません。
 国からは、今般のハワイの事故調査結果によってMV22の設計に根本的な欠陥があるわけではないことが改めて確認され、また、マニュアルの改定や教育の徹底により再発防止策がとられ、安全な飛行が確保されていると聞いております。
 また、国が独自に行った事故分析評価や日米合同委員会合意等を通じて、MV22の運用の安全性についても十分確認されたものとしております。
 CV22の運用の安全性につきましても、MV22と機体構造及び基本性能が同一であり、米国も我が国における運用に際してMV22と同様に安全を徹底することを確認していることから、MV22と同様に確保されるとしているところでございます。

○曽根委員 結局、米軍やその説明を受けた国がこういうふうに確認をし合っているから安全だと。東京都としては、それに従わざるを得ないというか、従うというか、そういうことだけで本当に都民の住んでいる住宅密集地の真ん中にある基地に、横田に配備されることについての安全性が本当に確保されるのかと。
 例えば、国の説明が、米軍の説明ですね、これが本当に信用できない場合はどうするのかということが、やっぱり問われてくるときが来ると思うんですよ。その場合、都の独自の判断基準、何もないということじゃ済まないだろうと思います。
 国の日米合意で、例えば訓練の高さだとかそういうものは決められていると思いますけれども、都独自に横田周辺のオスプレイ運航について、最低高度やヘリモードに移行する問題などについて、独自の約束を米軍とちゃんと交わすということはできないんでしょうか。

○筧基地対策部長 国からは、米国はCV22オスプレイの我が国での訓練、運用に際しては、MV22オスプレイに関する日米合同委員会合意を含む既存の全ての日米合意を遵守する旨を明言していると聞いております。
 MV22オスプレイに関する日米合同委員会合意におきましては、運用上必要な場合を除き、通常、米軍の施設及び区域内においてのみ垂直離着陸モードで飛行し、転換モードでの飛行時間をできる限り限定することのほか、低空飛行訓練につきましても、原則として、地上から約百五十メートル以上の高度で飛行することなどが定められております。

○曽根委員 こういう日米合意があり、これが前提となっているから、都独自の合意や約束は必要ないということだと思いますが、しかし、この日米合意自体も、本当にそれで安全確保されるのかという点では全く不十分だと私も思いますが、その日米合意さえ守られていないんじゃないかという実態は、現地にお住まいの方々にとっては、いわばもう既に経験済みだといわざるを得ないと思います。
 例えば、おととし二〇一四年に、七月十八、十九日にかけてオスプレイが初めて横田に飛来しましたが、このときには、幾つかのマスコミで映像や写真が報道されています。
 私が入手した報道の写真は、明らかに、オスプレイの少し上からヘリコプターで写真を撮っているんですけれども、もう高さが百五十メーター以下になっているんですよ。これは詳しく調べればわかることだと思いますが、恐らく東京都もその新聞報道は見ていると思います。しかも、それはもうほとんどがヘリモードになっているんですよ。まだ町田上空ですよ。そういう状態が現に写真でも報道されているのにもかかわらず、日米合意は守られているはずだと決めて、それで都独自としては何らの交渉も約束も考えていないというのは、これは都民に対して無責任だといわざるを得ないと思います。
 例えば、沖縄のMV22配備のときに環境レビューが出されましたが、これに対しても、当時、知事は仲井眞知事でしたけれども、仲井眞知事名で数十項目の質問を政府ないし米軍に出しているわけです。ちゃんと説明を求めている。これぐらいのことは地元の自治体として、都として行うべきだということは申し上げておきたいと思います。
 さらに、先ほどもちょっと事故の話がありましたが、陳情二七第一一六号についてなんですけれども、この点では、アメリカ軍の事故報告というのはわずかな文章です。これは明らかに事故の調査を行った上でのメディアリリースで、最終結論だけを簡潔に述べたというものであって、このバックには当然ながら調査のデータがあるはずです。それも含めた報告書、事故報告そのものをちゃんと出させると。
 少なくとも安全性に係るものは全部資料を出させて報告させ、都としては公表すべきだと思いますが、いかがですか。

○筧基地対策部長 国からは、MV22オスプレイのハワイにおける事故の調査報告書は公表されておらず、国も米側から提供を受けていないと聞いております。調査結果の概要は米国が公表するとともに、国におきましても、防衛省がホームページにおきまして、その日本語訳と説明資料を掲載しているところでございます。
 国からは、事故調査報告書につきまして、米側に対して、米軍の運用や個人のプライバシーにかかわる部分について必要な編集作業を行った上で、日本側に提供するよう求めていると聞いているところでございます。

○曽根委員 最後におっしゃった点は私、重要だと思いますが、つまり、もとになるこの事故報告書については、プライバシーその他に配慮した上で国が米軍に提出を求めているというのが現状だということですね。
 すなわち、この事故の最終的な原因や、その解決の方法についての分析や評価は、この詳しい報告書を見なければ結論は出ないはずだと思うんで、これはまだ決着がついていないということだといえると思いますので、これは強く早急に米国ないしは政府側に対する資料の提出を求めていくように、都に要望したいと思います。
 そこで、今回出されたメディアリリース及びその附属の資料だけ見ても、先ほどお話のあったように、オスプレイに根本的な機体の欠陥があるということじゃないんだというふうな結論を出すには、余りにもそれは曖昧というか、表面しか見ていないんじゃないかといわざるを得ない点が二つあります。そのことをちょっと聞きたいんですけれども、一つは、粉じんや砂じんが舞い上がった中で設計上ホバリングをしていられる想定時間がこの、それ以上にとどまったから墜落したんだけれども、その時間もより短くせざるを得ないというふうなことがメディアリリースでは書かれていました。
 しかし、この根拠は非常に曖昧だと思いますが、設計上の想定時間、砂じんや粉じんの中にとどまれる時間というのはどのように設定をされたのかということは、都はつかんでいるんでしょうか。

○筧基地対策部長 国からの説明では、オスプレイが設計上、砂じんの中にとどまることができる想定時間については承知していないが、パイロットにはその時々の気象状況や砂じん等の状況を見きわめ、それに適応した航空機の運用が求められるとのことでございます。
 また、米軍は今回の事故を受けまして、飛行マニュアルの改定を行い、砂じん内における飛行時間を短縮したとのことでございます。

○曽根委員 つまり、設定の時間は都としては把握していないということでしょうか。それを確認してよろしいですか。

○筧基地対策部長 国からの説明では、オスプレイが設計上、砂じんの中にとどまることができる想定時間については承知していないと聞いております。

○曽根委員 これは少なくとも最小限の情報、安全にかかわる重要情報だと思います。改めて、メディアリリースされた文書と資料を見ますと、この中に、設計上想定されている時間以上に砂じんの中にとどまるといった極めて例外的な原因により今般の事案が発生したということをわざわざいっている。設計上想定されている時間以上にというふうにこの中に明記されていますから、これは当然ながら、都側がこれをどういう時間の範囲で設計上想定されていて、今度変更したマニュアルをどれぐらいに変更したのか、変更したことで安全になったのかということは、この事故に係る一番大事なところだと私は思いますので、これについては少なくとも、今、知らないのであれば、当然国や、それを通じて米軍に確認をすべきだと思います。
 もう一つ、陳情者もいっているように、オートローテーション機能自体が機能しなかったんじゃないかといっていますが、これについては都としての認識はどうでしょうか。

○筧基地対策部長 国からは、今回のハワイの事故では、着陸を試みようとして低高度でホバリングしている際に起きたものでありまして、オートローテーションを機能させるだけの高度がなかったと聞いております。

○曽根委員 このオートローテーション機能があるかないかということは、オスプレイの沖縄配備の際にも大変重要な争点になりました。政府の説明では、オートローテーション機能自体は持っているんだという説明でした。
 しかし、私たちが入手した資料によると、日本政府がアメリカの説明で聞いているという、シミュレーションだと思いますが、オートローテーション機能というのは、それを始める高さは高度二千フィート、つまり六百十メートル程度の高さが必要と。それから、水平方向に時速二百二十二キロ以上で飛んでいないとこれは機能として働かないと。つまり、水平方向のスピードが相当出ていないと、このオートローテーション機能はオスプレイの場合は働かないと。
 したがって、今回の事故のように、既にヘリモードになっていて地上に近づいているときには、オートローテーション機能というのは全く期待できないということであって、これは大型であろうが、小型であろうが、ヘリコプターなどとは全く違うと、これは明らかになっているわけです。
 私も自衛隊のヘリコプター訓練の様子を--今、動画でも見られますけれども、もう地上のすぐ上からでも、エンジンが停止した場合にヘリコプターのローターが自動的に回る、その垂直方向にヘリが落下しようとすると、ローターが回ってスピードを減速するという訓練を繰り返しやって、これを訓練をしなければ操縦できないということらしいです。オスプレイのプロペラの形というのは全くヘリコプターとは違いますから、そういう意味でも、このオートローテーション機能というのは、オスプレイが起こしている数々の事故等を防止する何らの力もないというふうに私は断定しても構わないぐらいの状況だと思います。
 そういう点では、私は今回の事故に関して、一番大事な安全性、それも機体の構造にかかわる安全性が問われているにもかかわらず、機体の構造には問題がない、オートローテーション機能を持っていると。そして砂じんを吸い込んだ、これが何秒間以上吸い込んだら危険なのか、こういうことについてもほとんどわかっていないという状況だと思います。
 この点を含めて、改めて政府側に対して事態の解明を行うように求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○筧基地対策部長 先ほどご説明申し上げましたように、国からの説明では、オスプレイが設計上、砂じんの中にとどまることができる想定時間については国は承知していないということですが、それは、パイロットにはその時々の気象状況や砂じん等の状況を見きわめ、それに適応した航空機の運用が求められるということでございます。
 また、今回の事故を受けまして、米軍は飛行マニュアルの改定を行い、砂じん内における飛行時間を短縮したということでございまして、こうした対応によって機体の安全性は確保しているものと国は考えていると聞いております。

○曽根委員 これは余りにも、もう亡くなっているパイロットに対して、極めて問題のある説明だと思います。
 このアメリカ軍のメディアリリースでさえ、最後に、事故機の搭乗員は、エンジンの不調に対処するに当たり、NATOPS、これは訓練ですけれども、全ての緊急手続を打てる手は打ったということを評価しています。さらに、事故調査は、任務や訓練にかかわる搭乗員による誤った対応や過失により本件事故が発生したものではないと結論づけているということで、その操縦していた米軍の操縦士はマニュアルどおり手を打ち、それでも事故は防げなかったと。
 したがって、これは人為的なミスというよりも、やはりこの機体の安全性を確保するためにどれぐらいのホバリングの時間、しかも、地面が砂じんだった場合にどこまでが安全なのかという決定的なデータを持っていないまま、危険な航空機を飛ばしているという軍の側に問題があるんだということをいっているわけですよ。
 したがって、この機体の安全性というのは、じゃあ、その周りの状況によってどれぐらい変わってくるのかということだって、実はわかっていないわけですよね。
 私の知ったところでは、このエンジンはロールスロイスがつくっているようですけれども、結局その開発をアメリカ軍が急がせたために、砂じんの中での安全性テストはほとんどやっていないと。すると、つまりバックデータがないという、そういう中で、結局は今回CVは中東や、それからそういう砂漠地帯にも出撃をすることになるでしょうし、日本でいえば北富士演習場の火山の砂じんの多いところに行って訓練を現にやっていますし、ハワイでも同じようなところで事故を起こしていると。
 恐らく五、六年前でしょうか、CVがイラクに出撃したことがありますね。このときは機体が燃えちゃって回収できなかったわけですよ。このときも恐らくは、砂漠地帯に飛んでいっているわけですから、これと同じような原因による事故が起きているんじゃないかと思うんですが、残念ながら機体回収できませんから、最終的には事故の確認もできていないわけですね。
 したがって、これは機体の安全性は確認できたとは到底いえないということを申し上げておきたいと思います。
 最後ですけれども、こうしたオスプレイの横田配備について、最終的に都は、どの段階のどのレベルの安全性で容認できるのか、認められるのかと、この基準が最終的にはないじゃないかということが、私は非常にひっかかるわけです。そういう基準が軍事的な施設、もしくは防衛上の施設だから、民間機よりも多少危険でもしようがないんだということには、住宅密集地ですから、私はならないと思うんです。
 したがって、最終的には、安全性は民間航空機並みということを都としては求めていかなきゃならないと思いますが、いかがでしょうか。

○筧基地対策部長 国は、MV22オスプレイの運用の安全性につきまして、国が独自に行った事故分析評価や日米合同委員会合意により十分確認されたものとしております。
 また、CV22の運用の安全性につきましても、MV22と機体構造及び基本性能が同一であり、米国も我が国における運用に際して、MV22と同様に安全を徹底することを確認していることから、MV22と同様に確保されるとしております。
 なお、オスプレイ等の軍用機と民間航空機は、その運用形態が全く異なることから、事故率等を単純に比較することは適当でないと考えております。

○曽根委員 これは自治体の対応としては、私はやはり不合格だと思います。
 まず第一に、オスプレイのCV22、MV22についての安全性の最大のバロメーターである事故率が、今はっきりしていないということですよ。これが第一。
 それから、環境レビューや、それから日米合意についても、これが守られているということが東京都も確認していないし、我々はこの目から見れば明らかに市街地をホバリングに近い状態で飛んでいるんですから、これは守られていないという現地の声をちゃんと受けとめるのかということが二つ目。
 それから、ハワイの事故のこのメディアリリースを見ても、設計上の砂じんの中の想定時間も都としては把握していないし、それがどう改善されたといえるのかということもわかっていない。さらにいえば、詳しい報告書もまだ受け取っていない。分析もされていない。
 何よりも都が、軍用機と民間機は単純に比較できないといいますが、じゃあ、どこまで危険でもいいのかということを都として認められるのかどうかということですね。私はそんな基準は設定できないと思います。やっぱり民間機並みに安全性を確保せよということは自治体としてはいわなきゃならないと。
 都の基本姿勢という点でも、やはり都民にリスクを負わせるわけにいかないという姿勢をもっと貫いて、陳情者がお二人ともいっているように、米軍や国に対して強く迫っていくということで、この二つの陳情は採択をすべきだと考えます。
 以上です。

○中村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○中村委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二七第一一五号及び陳情二七第一一六号は、いずれも不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。

○中村委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、良質なマンションストックの形成促進計画(案)について外三件の報告を聴取いたします。

○山崎民間住宅施策推進担当部長 去る二月八日に公表いたしました良質なマンションストックの形成促進計画(案)についてご説明申し上げます。
 お手元の資料7が本編でございますが、資料6として概要版をおつけしておりますので、こちらで説明させていただきます。
 資料6をごらんください。
 この計画は、昨年九月の住宅政策審議会答申を踏まえ、安全で良質なマンションストックの形成を目指して、施策を総合的かつ計画的に推進するため策定するものでございます。
 計画期間は、平成二十八年度から平成三十七年度までの十年間でございます。
 次に、2の今後十年間の目標と具体的な施策展開でございますが、ここでは、(1)のマンションの適正な管理の促進と、(2)の老朽マンション等の再生の促進の二つを施策の柱といたしまして、それぞれ三つずつ、計六つの目標を設定し、具体的な取り組みを記載しております。
 まず、目標1は、管理組合による自主的かつ適正な維持管理の促進です。
 マンション管理ガイドラインの普及や情報ポータルサイトの開設などに取り組んでまいります。
 目標2は、管理状況の実態把握と管理不全の予防、改善です。
 区市と連携し、マンションの基本情報や管理状況を把握できる仕組みの構築などに取り組んでまいります。
 目標3は、管理の良好なマンションが適正に評価される市場の形成です。
 優良マンション登録表示制度の普及などに取り組んでまいります。
 目標4は、マンションの状況に応じた適切な再生手法を選択できる環境の整備です。
 高齢者等への支援の充実、改修や敷地売却制度の活用に対する支援などに取り組んでまいります。
 目標5は、旧耐震基準のマンションの耐震化の促進です。
 マンション啓発隊の再訪問や、耐震診断に必要な設計図書の復元費用への助成などに取り組んでまいります。
 目標6は、まちづくりと連携した老朽マンション等の再生です。
 既に着手しております先行モデル事業の成果を踏まえた、仮称マンション再生まちづくり制度の創設などに取り組んでまいります。
 次に、3、計画の推進に向けてでございます。
 新たに構築する制度や仕組みについて、試行等の成果を踏まえ、条例化も視野に検討を進めるとともに、さらなる法整備や税制優遇措置等について、国への継続的な働きかけを行ってまいります。
 また、臨海部等で増加している超高層マンションへの対応など、近年顕在化している課題について今後実態を調査し、対応策を検討してまいります。
 以上が計画案の概要でございます。
 現在、本計画案についてパブリックコメントを実施しており、お寄せいただいた意見等も踏まえ、年度内に計画を策定する予定でございます。
 説明は以上でございます。

○中島都市基盤部長 それでは、私から、東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)(案)についてご説明申し上げます。
 お手元の資料は、資料8の概要版、資料9の整備方針案の本編となります。
 都は、都市計画道路を計画的、効率的に整備するため、おおむね十年間で優先的に整備する路線を定めた事業化計画を策定しております。
 現行の第三次事業化計画の計画期間が今年度末までとなっておりますため、来年度からの新たな計画として、特別区及び二十六市二町とともに整備方針の案を取りまとめ、昨年十二月十八日に公表いたしました。
 それでは、その内容につきまして資料8の概要版に沿ってご説明させていただきます。
 まず一ページをお開きください。
 都市計画道路の整備状況に加え、東京が目指すべき将来像、これらを踏まえました道路整備の基本理念を示し、四つの基本目標、活力、防災、暮らし、環境のもとに道路整備に取り組むこととしております。
 その下の整備方針案の流れでは、具体的な検討プロセスを示しております。
 都市計画道路ネットワークとしての必要性の検証を行った上で、十年間で優先的に事業に着手する優先整備路線の選定などを行っております。
 続きまして、二ページをごらんください。優先整備路線の選定の考え方を示しております。
 図に示しますとおり、広域的な課題や地域的な課題のそれぞれに対応するため、骨格幹線道路網の形成、地域のまちづくりへの貢献など、六つの選定項目を設定し、これらに照らして優先的に整備すべき路線の選定を行いました。
 その結果、下の表に示しますとおり、都全体で三百十五路線、二百二十三キロが優先整備路線となっております。
 次の三ページから六ページには、区部で選定いたしました路線の路線名や延長などをまとめた表と、あわせて路線の位置図を掲載しております。
 図の青色の線が都施行、赤色の線が区施行、緑色の線がその他区画整理組合などによる施行となっております。
 六ページの右下には、施行者別の路線数と延長を示してございます。
 多摩地域につきましては同様に、次の七ページから一〇ページまでとなります。
 七ページの左下に施行者別の路線数と延長を表示してございます。
 一〇ページの下をごらんください。
 これら優先整備路線の整備によりまして、骨格幹線道路網の形成や都県境を越えた道路網の形成が図られます。
 また、今回初めて、区部と多摩地域を統合した方針として策定しておりまして、区部と多摩地域の連携を一層強化するための道路整備も推進してまいります。
 次に、一一ページ及び見開きの一二ページ、一三ページをあわせてごらんください。優先整備路線以外の路線についてでございます。
 まず一一ページの上、見直し候補路線についてでございます。
 将来都市計画道路ネットワークとしての必要性につきまして、右上の図に示します十五の検証項目を設けて検証を行った結果、いずれの項目にも該当しない区間を見直し候補路線として位置づけております。
 見開きの一二、一三ページ左下のオレンジ色の表及び図面、オレンジ色の線で見直し候補路線の路線名や位置などを示しております。
 新たに都市計画道路が必要と考える箇所もございます。
 同じ見開きに示します黄色の表及び図面の黄色の矢印で示しておりますけれども、埼玉県や神奈川県との連携強化、羽田空港アクセスに資する路線などでございます。
 また、紫色の表及び紫色の線でございますが、計画検討路線となっておりまして、事業化に向けて道路の計画幅員や構造の変更など、現行の都市計画の内容について、再検討を要すべき路線を表示しております。
 これら見直し候補路線などの路線につきましては、平成二十八年度以降、関係区市などとともに検討を進めてまいります。
 次に一四ページをお開きください。まず、建築制限の緩和についてでございます。
 これまで、優先整備路線以外の都市計画道路区域内におきまして、三階建てまでの建築を可能としてまいりましたが、木造三階建て住宅の普及なども踏まえ、対象範囲を優先整備路線の区域内にまで拡大する新たな基準を提案しております。
 その下は、今後の都市計画道路に向けた取り組みについてでございます。
 今回の優先整備路線が整備されますと、都市計画道路の完成率は約八割となります。一方、残りの約二割につきましては未着手の状態が続くことになりますが、その中には、計画幅員までは完成していないものの、一定の道路機能を有する、いわゆる概成路線などがあります。
 これらの道路整備のあり方などにつきまして、今後の社会経済情勢の変化や都市づくりの進展などを見据え、二十八年度以降、検討を進めてまいります。
 以上が整備方針案の内容についてでございますが、本案につきましては、パブリックコメントの実施やオープンハウスの開催などを実施しております。
 今後、そうした機会を通じて、いただいた意見なども踏まえ、本年三月末までに整備方針として取りまとめていくこととしております。
 以上、私からのご説明を終わらせていただきます。

○山下防災都市づくり担当部長 次に、防災都市づくり推進計画の改定(案)についてご報告いたします。
 資料10、概要版、資料11、本編とございますが、お手元の資料10、表紙の1、計画の概要をごらんください。
 都では、首都直下地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえ、木密地域の改善に向けて、不燃化特区や特定整備路線の整備を進めているところでございます。
 今回の改定では、これら不燃化十年プロジェクトの取り組みを新たな目標と施策に反映し、引き続き重点的な改善に取り組んでまいります。
 さらに、木密地域のうち、特に大きな被害が想定される整備地域の改善を加速させるため、延焼遮断帯の内側の市街地について新たな施策を提示してございます。
 計画期間は、平成二十八年度から三十七年度までの十年間でございます。
 次に、2、今後十年間の目標でございます。
 延焼遮断帯につきましては、整備地域内の現状の形成率は六二%でございますが、目標設定に当たっては、特定整備路線を平成三十二年度までに全線整備し、あわせて沿道建築物の不燃化を進めることを考慮し、平成三十七年度までに七五%を目指します。
 次に、市街地の燃えにくさをあらわす指標である不燃領域率につきましては、整備地域の現状は平均で六一%でございますが、不燃化特区の取り組みや、後ほどご説明する整備地域のさらなる改善方策などにより不燃化を加速させ、平成三十二年度までに延焼による焼失率がほぼゼロとなる七〇%、さらに平成三十七年度までに全二十八地域において七〇%以上を目指します。
 また、重点整備地域は、不燃化特区五十二地区を新たに設定するもので、現状は五四%でございますが、平成三十二年度までに全地区で七〇%以上を目指します。
 次に、3、主な施策をごらんください。
 一点目は、整備地域のさらなる改善方策として、防災上重要な生活道路である防災生活道路の整備を契機に、延焼遮断帯の内側の市街地の不燃化、耐震化の加速を図るものでございます。
 具体的には、消防車の通行や円滑な避難を可能とする道路の計画を区とともに策定し、区の道路整備に向けた取り組みを後押しいたします。
 特に幅員六メートル以上の道路につきましては、地区計画等により担保し、着実に整備を進めてまいります。
 あわせて、道路整備と一体となって、沿道の不燃化建てかえや住宅の耐震化を進めることで安全な市街地の形成を図ってまいります。
 二点目は、整備地域以外への対応でございます。
 これまで都は、整備地域について重点的に改善を進めてまいりましたが、そのほかの老朽化した木造住宅が密集する地域についても改善または悪化防止を図って、防災性の向上にあわせて良好な住環境を形成してまいります。
 具体的には、地区計画等による敷地の細分化防止や市街地の耐火性を高める新防火区域の指定などの取り組みを区市に働きかけてまいります。
 最後に、今後の予定でございますが、二月十八日から三月三日までのパブリックコメントを経て、三月末の改定を予定しております。
 説明は以上でございます。

○飯泉耐震化推進担当部長 東京都耐震改修促進計画の改定(案)についてご説明申し上げます。
 資料は、資料12の概要と資料13の本編でございます。
 資料12に基づき説明させていただきます。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が四年後に迫る中、東京の防災対応力の強化を図るためには、さらなる耐震化の促進が必要でございます。
 そこで、耐震化の新たな目標と施策を示すため、今般計画を改定いたします。
 計画期間は、平成二十八年度から三十七年度の十年間でございます。
 2、耐震化率の現状と目標をごらんください。
 新たな目標でございますが、特定緊急輸送道路沿道建築物については、東京二〇二〇大会までに震災時における緊急輸送道路の機能を確保するため、平成三十一年度末までに耐震化率九〇%かつ、特に倒壊の危険性が高い建築物の解消を目指します。
 最終的には、平成三十七年度末までに一〇〇%の達成を目指します。
 また、住宅については、平成三十二年度末までに九五%以上、平成三十七年度末までに耐震性が不十分な住宅についておおむね解消することを目指します。
 次に、3、主な施策をごらんください。
 特定緊急輸送道路沿道建築物については、これまでの診断の実績を改修などに結びつけていくため、改修計画作成に向けた新たな支援制度を創設するとともに、特に倒壊の危険性が高い建築物における耐震改修費の助成の拡充などを行ってまいります。
 また、防災都市づくり推進計画に定める整備地域内の住宅については、防災生活道路沿道の不燃化、建てかえや、耐震改修等の促進により道路閉塞を防ぐため、助成対象を木造以外にも拡大するとともに、助成額の引き上げなどを行います。
 このほか、マンションの耐震化を図るため、マンション啓発隊の再訪問を実施するほか、普及啓発では工事現場に耐震マークを掲示するなど耐震化の進捗状況を見える化し、都民の機運をさらに醸成してまいります。
 今後、二月十八日からパブリックコメントを開始し、都民の意見などを踏まえ、三月末までに計画を改定する予定でございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○中村委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○白石委員 何点か資料要求させていただきます。
 良質なマンションストックの形成促進計画案について、資料要求をいたします。
 都内区市町村のマンション対策の窓口、施策、体制の現状一覧、マンション啓発隊のスタート以来の毎年の訪問件数と地域、再訪問や個別の働きかけの実績などについての資料、最近の超高層マンションの区市町村別の棟数と戸数、居住以外の目的による購入についての調査があれば、その資料。
 二つ目、第四次都市計画道路整備方針案について、資料要求をさせていただきます。
 第三次計画のときと同様に、優先整備路線について、路線ごとの事業費と総事業費の見込み額、第三次優先整備路線で第四次優先整備路線に入らなかった路線とその理由。
 三点目、耐震改修計画の改定案について、資料要求をいたします。
 本改定案における緊急輸送道路沿道建築物や住宅の耐震改修助成の計画について、来年度予算案との整合性はどうとるのか、二〇二〇年までの年次計画があれば、その資料をいただきたいと思います。
 以上です。

○中村委員長 白石委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中村委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○中村委員長 次に、第二百十三回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。

○安井東京都技監 来る五月十八日に開催予定の第二百十三回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
 今回、東京都決定、または変更予定の案件は五件ございまして、その内訳は、区部で四件、市町村部で一件でございます。
 本日は、これらのうち主な案件といたしまして、東京都市計画地区計画、臨海副都心有明北地区及び臨海副都心有明南地区につきましてご説明いたします。
 引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。

○上野都市づくり政策部長 まず、付議予定案件ナンバー3、臨海副都心有明北地区地区計画の変更につきましてご説明いたします。
 資料は、お手元の資料15、白色表紙、提案事項概要二九ページから四〇ページまで、資料16、薄茶色表紙、事前説明会資料二〇ページから二五ページまでとなります。
 資料16、事前説明会資料二〇ページの位置図とあわせてスクリーンをごらんください。
 本地区は、臨海副都心の北東部に位置する面積約百三十ヘクタールの区域でございます。平成五年七月に当初の地区計画を決定し、その後、順次地区整備計画を定め、開発が進められております。
 事前説明会資料二一ページの計画図1とあわせてスクリーンをごらんください。
 本地区では、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を契機といたしまして、スポーツ施設の整備等が予定されております。
 スクリーン上、青色の斜線で表示しております一-三街区におきましては、このたび、バレーボール施設の整備計画が具体化したことから、約五・六ヘクタールにおきまして地区整備計画の変更をいたします。
 次に、スクリーン上、緑色の斜線で表示しております四-二街区におきましては、平成五年の当初の地区計画の決定以前より有明テニスの森公園が整備されておりましたが、このたび、東京二〇二〇大会を契機といたしまして、当地区のまちづくりガイドラインに沿ったテニス場の再整備の計画が具体化したことから、約二十一・九ヘクタールにおきまして地区整備計画の追加を行います。
 地区整備計画の変更内容につきましてご説明いたします。
 資料16の事前説明会資料二四ページの参考図1とあわせて前方スクリーンをごらんください。
 一-三街区では、地区広場及び歩道状空地を地区施設として位置づけるとともに、建築物に関する事項といたしまして、建築物等の高さの最高限度などを定めます。
 事前説明会資料二五ページの参考図2とあわせてスクリーンをごらんください。
 四-二街区では、歩行者専用通路、緑地、歩道状空地を地区施設として位置づけるなどの変更を行います。
 付議予定案件ナンバー3の説明は以上でございます。
 次に、付議予定案件ナンバー4、臨海副都心有明南地区地区計画の変更につきましてご説明いたします。
 資料は、お手元の資料15、白色表紙、提案事項概要四一ページから四九ページまで、資料16、薄茶色表紙、事前説明会資料二六ページから二八ページまでとなります。
 事前説明会資料二六ページの位置図とあわせてスクリーンをごらんください。
 本地区は、臨海副都心の南東部に位置する面積約百七ヘクタールの区域でございまして、平成三年一月に当初の地区計画を決定し、その後順次地区整備計画を定め、開発が進められております。
 事前説明会資料二七ページの計画図1とあわせてスクリーンをごらんください。
 今回、臨海部における国際情報交流の拠点としての機能強化を図るため、本地区の南側、有明南二区域D街区におきまして、東京国際展示場の整備計画の見直しが具体化したことから、地区整備計画約十四・七ヘクタールを変更するものでございます。
 地区整備計画の変更内容につきましてご説明いたします。
 事前説明会資料二八ページの計画図2とあわせてスクリーンをごらんください。
 本街区では、スクリーン上、赤色でお示ししております隣地に面する側にも壁面の位置の制限を新たに定めるなどの変更を行います。
 付議予定案件につきましての説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○中村委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○白石委員 港区三田一丁目、三田小山町西地区の用途地域変更案件について、幾つか質問をいたします。
 再開発の対象となる現地に実際、私も見に行きました。麻布十番駅から歩いて三分という交通の利便性が高い地域でありながら、低層の木造住宅が肩を寄り添うようにして建ち並び、古くから続いてきたコミュニティを感じる地域だなというふうに……(「そうだ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます、思いました。
 この地域に広さ約二・五ヘクタール、北と南の二つの街区に分けて、この地域の戸建て住宅が軒並みなくなってしまいます。そのかわりに、それぞれの街区に最高で百六十五メーターの超高層を含む、百メーターを超える超高層の建物が建てられるというまち並みを一変させる再開発計画となっております。
 都の変更理由を見ると、土地利用上の観点から検討した結果、用途地域を変更すると、このようにされておりますが、都においてどのような検討がされて用途地域の変更を行おうとしているのか、都の考えを伺いたいと思います。

○上野都市づくり政策部長 今回、用途地域の変更を行いますC地区につきましては、老朽化している木造家屋が密集し細分化した土地利用がなされているとともに、依然として幅員四メーター未満の細街路が多く、道路基盤の脆弱な状況が課題となっております。
 このため、港区まちづくりのマスタープランにおきましては、街区の再編、土地の有効利用により、商業、業務、都市型住宅環境の整備を進めることとしておりまして、港区におきましては、この上位計画を実現するため、このたび、再開発事業の決定及び地区計画の変更等を行うこととしております。
 これら港区の都市計画における将来像との整合を図りながら、立地特性も勘案いたしまして、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、今回、用途地域の変更を行うものでございます。

○白石委員 港区が策定した地区計画を土台として検討した結果、用途地域の変更を提案していると、このようにするならば、既に事業が完了しているA、B地区において、地区計画が掲げた方針等どおりに進んでいるのかという検証が、また必要になるというふうに思います。
 三田小山町地区全体の地区計画の目標によると、まずこの資料にも載っておりますけれども、古くから培われてきたコミュニティを継承することや良好な居住環境の創出を図ることにより、安全で快適な魅力ある複合住宅市街地の形成などが掲げられております。
 そこで伺いたいと思いますが、A地区及びB地区は既に事業が完了しておりますが、地区計画の目標などが再開発事業によって実現をされているのか、都の認識を伺いたいというふうに思います。

○上野都市づくり政策部長 A地区及びB地区につきましては、今回、地区計画の変更を行いますC地区とともに古川沿いに位置いたしまして、古くから密集市街地として形成されておりまして、街区内側の住宅地につきましては、道路基盤が脆弱であり防災上危険性が高い地域でございました。
 このため、港区におきまして、平成十三年にA、B、C地区につきまして一体的な地区計画を定め、土地の合理的かつ健全な高度利用などを進め、防災性の向上などを図ることにより、安全で快適な魅力ある複合市街地を形成することを目標といたしまして、段階的な整備を行うことといたしました。
 A地区及びB地区におきましては既に再開発事業が完了しておりまして、地区計画の目標は実現されていると認識しております。

○白石委員 地区計画の方針どおりに進んでいるという趣旨の認識が示されました。
 A地区及びB地区の事業によって、実態として本当に達成されているのかということを改めて検証する必要があるというふうに思います。
 例えば、地元住民の方からは、地区計画の目標で掲げる古くから培ってきた良好なコミュニティが継承されているとはとても思えないと、このような意見が出されております。
 そこで伺いたいと思いますが、既に再開発事業が完了したA地区及びB地区において、事業着手時と事業完了後の土地所有者などの数を示していただきたいと思います。また、都はその状況をどのように認識をしているのか、あわせて伺いたいというふうに思います。

○山下防災都市づくり担当部長 A地区における従前の土地所有者などの数は、事業着手時が百八十二人、事業完了後で百五十三人でございます。B地区につきましては、事業着手時が百八十一人、事業完了後で九十四人となっております。
 これらの状況につきまして、都といたしましては、再開発組合が権利者と生活再建の話し合いを重ね、地権者の再開発ビルへの入居または転出の希望に応じて適切に対応した結果と認識しております。

○白石委員 再開発組合が権利者の意向を踏まえて適切に対応されたと、このように認識を示されましたが、B地区では、地権者の半数以上もの方が住みなれた地域を離れていくという結果となっております。これで古くから培ってきた良好なコミュニティが継承されているといえるのかというところが、やはりポイントになります。
 西地区は、弱小権利者が多いという特徴を持つ地域となっております。そのため、住み続けられなくなるのではないかという住民の方の危惧は当然の不安となります。西地区全体の地権者のうち、土地所有面積が七十平米以下の方は六八%に上っております。そのうち四割近くは、四十平米から五十平米未満となる狭小の土地に住まわれています。西地区の路線価から土地価格を推測してみると、最も安いところで一平米当たり六十万円台です。四十平米の土地所有者の土地価格は二千万円台後半から三千万円台程度になると推測できます。
 既に再開発事業が完了しているB地区のパークコート麻布十番の最も安い分譲価格は約四十二平米の広さで八千二百万円、A地区のシティタワー麻布十番では約五十五平米で一億一千万円です。
 これでは零細権利者は、等価交換で得られる床の面積は十分に得られず、よほど多くの資金を準備して床の買い増しをしなければ、従来のような住まいを確保できないのではないかというふうなことも推測できます。
 しかも、超高層マンションでは維持管理費も高騰いたします。結局、長年住みなれた土地から転出せざるを得ないような状況に追い込まれてしまうという結果を招く構造になっているのではないかというふうに思います。
 この地域の魅力は、つながりの深さです。再開発対象となっている西地区の方は次のようにお話をしてくれました。
 今はみんなが顔見知り、会えば必ず挨拶を交わす。先日の地震のときは、すぐに外へ出て近所の高齢者の方などに大丈夫と声かけをしたと。隣近所のことをみんながよく知っているからこそ、例えば、認知症を患っている方や高齢者の方に声かけをしてみんなで見守れる地域だと、このように訴えております。
 この声からも、昔から育まれてきたコミュニティは、かけがえのないこの地域の財産だというふうに思います。
 これまでの再開発を通して、まち並みが一変し、地域のつながりが壊されてしまった光景を目の当たりにしている住民が抱く不安というのは当然のことだというふうに思います。
 次に、良好な居住環境の創出がなされているかという視点から質問したいというふうに思います。
 竣工したA地区で植栽が倒木した事例が発生しているというふうに思いますが、いつ発生をされたのか。また、再開発事業の都市計画に基づき、C地区において百六十五メーターの超高層の建物が建設されることによって、さらなる悪影響を及ぼすことにならないのか、伺いたいというふうに思います。

○上野都市づくり政策部長 A地区におきましては、再開発の建物の竣工後間もない平成二十一年十月以降に何度か倒木が発生しておりまして、その原因につきましては、植栽の生育が不十分であることによるのではないかと港区から伺っております。
 今回、C地区の整備によります風環境への影響につきましては再開発準備組合におきまして評価が行われておりまして、その結果によりますと、A地区への影響につきましては、開発前後で変化がないか、改善されると聞いております。
 また、C地区への影響につきましては、適切に防風植栽等の対策を講じることにより、現況と同じく、住宅街の用途に対応する風環境におさまるとされております。
 いずれにいたしましても、今回の再開発計画を実施することによりまして、災害時の地域コミュニティの拠点となる緑豊かな区立公園や親水公園、合計約六千四百平方メートルが整備されるとともに、本地区の南側の崖地との高低差を解消する歩行者ネットワークが形成されるなど、安全で快適な魅力ある市街地が形成されることになります。

○白石委員 これまでに、ビル風対策として植えられた樹木が倒木する事態が発生をしております。先ほども答弁されたとおり、平成二十一年十月とさらに平成二十三年九月にも起こっていると伺っております。
 住民の方からは、木を植えて風対策をするから大丈夫と、先ほど部長の方からも答弁ありましたけれども、説明がされておりましたが、実態はそんなこと全くないと。風が強い日は今でも自転車に乗れない、傘が差せないといったことが実際に起こるとお話をしております。
 私もきのう、三田小山町地区を歩いてまいりました。パークコート麻布十番の目の前には、ビニール傘が道路脇の植栽に絡まって、傘の骨がむき出しで路上に落ちているという光景や、道路の向かいには自転車が倒れて、そこにも骨がむき出しの状態となっているビニール傘が落ちてありました。パークコート麻布十番やシティタワー麻布十番の前は明らかに風が強くなり、傘が差せないということを体験いたしました。
 一方で、まだ開発の手が入っていない西地区の中に入れば、風環境は緩やかとなっております。植栽をして風環境に配慮すると、このようにしておりますが、実際はそんな生易しい風ではないということです。
 再開発によって、良好な居住環境の創出や安全で快適な魅力ある複合市街地の形成などが生まれたのではなくて、風が強い日は自転車に乗れない、骨がむき出しとなった傘が路上に落ちて、それが風などにより飛ばされて人に当たる事故などが発生しかねないと、そんな身の危険を感じるほどのまちに変わってしまっているということなんです。
 現在、法人を除いた個人の準備組合への加入率は約七七%にとどまっています。未同意者の声を都としてどのように受けとめているのか、伺いたいというふうに思います。

○山下防災都市づくり担当部長 再開発準備組合によりますと、未同意者からは、高齢や戸建て志向のため現状維持を希望している、今後具体化される権利変換の状況を見て判断するといった声があると聞いておりますが、おおむね八割の権利者の同意を得ており、早期の事業着手が望まれております。
 本地区は、先ほども答弁ございましたように、老朽化した木造家屋が密集し、細分化された土地利用がなされているとともに、幅員四メートル未満の細街路も多く、道路基盤の脆弱な状況が課題となっておりますことから、市街地再開発事業により建物の不燃化やオープンスペースの確保等を行うものでございます。
 準備組合は、事業着手に向けまして、未同意者に対しまして、引き続き丁寧に話し合いを進め合意形成を図っていくとしており、都は区とともに適切に指導を行ってまいります。

○白石委員 小さい戸建て住宅が続く地域であり、十分な土地建物の資産を持っているとはいえない方が多い地域で、四軒に一軒が組合に参加していないという事実が大変に重いというふうに思います。
 住民が求めた情報などは、迅速かつ丁寧な情報提供をするよう組合に指導することは当然のことでありますが、そもそも、このまま事業が進められるような状況では今の時点ではないということです。
 三田小山町西地区再開発における用途地域の変更は、港区が策定した地区計画の方針と実態が乖離しているということは明白です。都が安易に用途地域を変更すれば、この地域の財産が奪われる再開発が進んでしまいます。
 よって、本案件は反対する立場を表明して、質問を終わりたいというふうに思います。

○中村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○中村委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時二十七分散会

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