都市整備委員会速記録第五号

平成二十七年六月八日(月曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長島田 幸成君
副委員長高橋 信博君
副委員長大島よしえ君
理事舟坂ちかお君
理事野上 純子君
理事神林  茂君
栗山よしじ君
白石たみお君
石川 良一君
上野 和彦君
谷村 孝彦君
菅野 弘一君
尾崎 大介君
立石 晴康君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長技監兼務安井 順一君
次長理事兼務浅川 英夫君
技監佐野 克彦君
理事西倉 鉄也君
総務部長細渕 順一君
都市づくり政策部長上野 雄一君
住宅政策推進部長今村 保雄君
都市基盤部長佐藤 伸朗君
市街地整備部長奥山 宏二君
市街地建築部長妹尾 高行君
都営住宅経営部長永島 恵子君
基地対策部長筧   直君
企画担当部長荒井 俊之君
連絡調整担当部長菊澤 道生君
都市づくりグランドデザイン担当部長小野 幹雄君
まちづくり推進担当部長佐藤  匡君
住宅政策担当部長加藤  永君
民間住宅施策推進担当部長山崎 弘人君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務山下 幸俊君
防災都市づくり担当部長佐々木 健君
多摩ニュータウン事業担当部長太田 誠一君
局務担当部長森  高志君
耐震化推進担当部長飯泉  洋君
経営改革担当部長臼井 郁夫君
再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務五嶋 智洋君
営繕担当部長青柳 一彦君
横田基地共用化推進担当部長交通政策担当部長兼務牧野 和宏君

本日の会議に付した事件
都市整備局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都市計画事業足立北部舎人町付近土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例
・東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
陳情の審査
(1)二七第九号
(2)二七第一〇号
(3)二七第一一号 港区白金二丁目マンション建設計画における災害に強い地域環境を創ることに関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・平成二十六年度東京都一般会計予算の繰越しについて
・平成二十六年度東京都都営住宅等事業会計予算の繰越しについて
・平成二十六年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算の繰越しについて
・平成二十六年度東京都都市再開発事業会計予算の繰越しについて
・第二百十回東京都都市計画審議会付議予定案件について

○島田委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課の担当書記の榎本徹君です。
 議案法制課の担当書記の北山雅恵さんです。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○島田委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、陳情の審査及び報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、提出予定案件につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項につきましては、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いたいと思いますので、ご了承願います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、安井都市整備局長より紹介があります。

○安井都市整備局長 去る四月一日付で異動のございました当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
 市街地整備部長の奥山宏二でございます。市街地建築部長の妹尾高行でございます。企画担当部長の荒井俊之でございます。連絡調整担当部長の菊澤道生でございます。都市づくりグランドデザイン担当部長の小野幹雄でございます。局務担当部長の森高志でございます。耐震化推進担当部長の飯泉洋でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の小泉雅裕でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○島田委員長 紹介は終わりました。

○島田委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○安井都市整備局長 本日は、平成二十七年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。提出予定案件は、条例案二件でございます。
 お手元の資料1、平成二十七年第二回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんください。
 まず、東京都市計画事業足立北部舎人町付近土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例案でございます。都施行の土地区画整理事業等について所管いたします東京都第一市街地整備事務所の移転に伴い、規定を整備するものでございます。
 次の東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございますが、建築士法の一部を改正する法律等の施行を踏まえ、関連する手数料の額を改定するものでございます。
 私からの説明は以上でございます。
 引き続き、詳細な内容につきまして総務部長よりご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○細渕総務部長 条例案についてご説明申し上げます。お手元の資料1、平成二十七年第二回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんください。
 三ページをお開き願います。まず、東京都市計画事業足立北部舎人町付近土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例案の概要につきましてご説明申し上げます。
 1、改正の理由でございますが、地方公共団体施行の土地区画整理事業は、土地区画整理法において、施行規程に事務所の所在地を記載することとされておりまして、東京都第一市街地整備事務所の移転に伴い、規定を整備するものでございます。
 2、条例案の概要でございますが、十二の区画整理事業の施行規程において所管事務所の所在地を改めるものでございます。
 四ページから六ページにかけましては条例案文等を、七ページから一八ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
 次に、二一ページをお開き願います。東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございます。
 1、改正の理由でございますが、建築士法の一部を改正する法律等の施行を踏まえ、建築士事務所登録手数料の額を改定するものでございます。
 2、条例案の概要でございますが、一級建築士事務所登録手数料を一万七千円から一万八千五百円に、二級建築士事務所または木造建築士事務所登録手数料を一万二千円から一万三千五百円に改定するものでございます。
 二二ページに条例案文等を、二三ページから二四ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
 以上で平成二十七年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○島田委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○島田委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○島田委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二七第九号から陳情二七第一一号までは、内容が同一でありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○妹尾市街地建築部長 お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の整理番号1、陳情二七第九号から一一号について、一括してご説明いたします。
 お手元の説明表の一ページをごらんください。整理番号1の港区白金二丁目マンション建設計画における災害に強い地域環境を創ることに関する陳情について、ご説明申し上げます。
 まず初めに、陳情者についてでございますが、四ページをごらんいただきたいと思います。
 本陳情は、陳情二七第九号が白金二丁目環境を守る会代表、横地明宏さん外九百五十四人から、陳情二七第一〇号が白金三光第五町会会長、大竹国康さんから、陳情二七第一一号が白金三光第五町会副会長環境厚生部長、林香燿子さんから提出されたものです。
 続きまして、本件建築物の計画地についてでございますが、恐れ入りますが、三ページ上段の案内図をごらんください。
 計画地は、港区白金二丁目十三番一外で、都営三田線白金高輪駅から七百メートルほど南西に位置しております。また、地形的には、東西に走る幹線道路である目黒通り、これが北側の台地と南側の台地に挟まれたような敷地となっております。
 三ページの下段には、本件建築物の配置図を載せております。本件建築物の北側の敷地、配置図では上半分に当たる部分でございますが、既存の緑地が多く残っている状況にございまして、本計画においては、当該緑地をできる限り保全する観点からも、一団地認定制度を活用し、北側敷地と一体的に整備する計画となっているものでございます。
 本件建築計画の現時点での概要につきましては、二ページをごらんいただきたいと思います。
 建築物の用途は共同住宅で、階数は地上二十八階、地下二階、高さは百メートルという計画となっております。
 恐れ入りますが、一ページ目にお戻りいただきたいと存じます。陳情の要旨でございますが、都において建設業者に対し次のような指導をするとともに、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 まず、願意の1としまして、建設業者は、首都直下型地震や液状化に対する周辺地域を含む安全性の確保について、住民に対し説明責任を果たすこと。
 願意の2として、都は、本建設計画の建築確認を行うに当たり、周辺都道等の防災対策について、住民に対し説明責任を果たすこと。
 願意の3として、住民の安心及び減災の観点から建築物の高さを見直し、今のまち並みと景観に合った計画とすること。
 願意の4として、車両の出入りは、日常生活道路である細い脇道を使わず、広い目黒通りで完結させることという内容でございます。
 続きまして、現在の状況でございます。
 平成二十六年十二月、仮称港区白金二丁目計画の建築主である三菱地所レジデンス株式会社及び野村不動産株式会社は、東京都の紛争予防条例に基づき、建築計画の内容を示す標識を設置しました。同月には、都条例に基づき、建築計画の説明会を実施したほか、陳情二七第九号の陳情代表者が居住するマンションにおいて、本年一月から五月までの時点で計九回の個別説明会を実施するなど、近隣関係住民の求めに応じて説明を行っています。
 なお、本件に関しては、陳情者の方は延べ九百五十七名いらっしゃいますが、ここからは説明の便宜上、陳情二七第九号の陳情代表者の方を陳情者と表現させていただきます。
 本年二月及び三月、陳情者等が港区長等に対し、建物高さ、建物の安全性の確保、車両出入り口等について見直し等を求める陳情書を提出しました。
 同年三月、陳情者等が同趣旨の請願を港区議会に提出し、同月の区議会建設常任委員会における審査において継続審査となりました。
 同年三月、都議会に対し本陳情がなされました。建築主はこの間、陳情者等に対し、建物高さを低減する提案を行っているほか、建築物の耐震性の確保や車両出入り口の安全策等について説明を行っております。
 同年五月、陳情者等が紛争調整申出書を都知事に提出しました。
 現在、あっせんの場を通じ、当事者間の話し合いが円滑に進むよう調整を行っているところでございます。
 都としては、今後とも建築主に対して近隣関係住民の方々に十分な説明を行うよう指導するとともに、当事者双方が和解に向けた話し合いを円滑にできるよう調整してまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○島田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○野上委員 ただいまご説明がありました白金二丁目マンション、陳情二七の九号、一〇号、一一号についてお伺いいたします。
 港区白金二丁目に超高層マンションが建設されることに対して、地域の住民の方々が大変不安に思っているという内容でございます。
 ちょっと私ごとで恐縮なんですけれども、現在、私は十五階建ての十五階、最上階に住んでおりまして、周りに高い建物が全くなかったので、まち全体を見渡せて、花火も見えるし、夜景もとてもきれいだったんです。
 ところが、百五十メートルぐらい離れたところに南のベランダに面した十四階建てのマンションが建築されて、またその隣に、その十四階よりさらに高い十五階建てのマンションが今建築中なんです。眺望が悪くなるということもありますけれども、向こう側から見られている感じもあるし、マンションの方々から建築を何とか阻止することはできないかというようなことをいろいろ相談したわけでございます。
 しかし、準工業地域ということで、建築においては基準をクリアしているので、建設はとめることができないと。地域住民の皆様からは、本当に何とかできないのかという声が上がったんですけれども、実は何もできない現状があります。これはじくじたる思いがあるんですけれども、今回、九百五十七名の方々の意見を集めていらっしゃるということで、ちょっと質疑をさせていただきたいと思っております。
 この陳情の対象となっている白金二丁目計画は、幹線道路である目黒通りに面する商業地域内に位置しているものの、後背地には閑静な住宅も多く、一部の近隣関係住民の方からは、本計画の概要が明らかになって以来、生活環境への影響を懸念する声が寄せられております。私も現地を歩かせていただきましたが、緑の多い閑静な住宅地で本当に住みやすい場所であるなということを認識いたしました。
 建築主と地域住民との合意がなされるかどうかというのは、結論的には大変難しい面があるとは思っておりますが、両者がどこまで歩み寄れるのか、納得できるのか、安心できるのかという点にあると思っております。
 こうした建築に伴って出される陳情は、本当に枚挙にいとまがないくらい多いのですけれども、東京都として何ができるのか、建築主が近隣の住民の方々の不安をどう解消できるのか。また、建築主が誠意ある説明を行って、近隣関係住民の方々の理解が得られるよう--一〇〇%理解が得られるというのはなかなか難しいのでしょうけれども、都が適切な指導を行うことが重要であると考えております。東京都が、リーダーシップをとっていただきたいと思っております。
 今回の陳情は、眺望とか、緑の環境の変化というよりも、どちらかというと防災、減災の観点からの指摘でございます。防災、減災対策を強化しなければなりませんし、都民の安全・安心の確保は都政の重要課題です。このような観点から、ただいまご説明のあった陳情の要旨に沿って何点か伺います。
 まず、第一点目は、液状化の懸念です。本計画の敷地南西部の目黒通りに面する敷地の一部が、港区が発行している液状化マップというのがあるんですけれども、液状化の可能性の高い地点が一部含まれているんです。メッシュとして表示されております。首都直下地震、これはいつ来るかもわかりません。首都直下地震に伴い液状化が発生し、建物が倒壊するのではないかと心配する地元の声があると聞いておりますが、液状化に対する建物の安全性についてはどうなのか、また、地元の不安解消に向けて都はどう取り組んでいくのかあわせてお伺いいたします。

○妹尾市街地建築部長 建築主からは、液状化の可能性がある地表付近の砂層を貫通して、その下のれき層まで掘削し、そこを支持地盤として基礎を構築することにより、建物の安全性を確保する計画との報告を受けております。
 都は、近隣関係住民の不安解消のため、液状化も含めた災害時の安全対策について十分な情報提供がなされることは大変重要であると認識しておりまして、今後とも、あっせん等を通じ、建築主に対し必要な資料の提出や丁寧な説明を行うよう指導してまいります。

○野上委員 確かに高層マンションに関しては、支持地盤というんですか、かたいところまで掘削すれば大丈夫だと思いますけれども、近隣の方々の住んでいるところの液状化も考えられるわけです。前回、一九八五年に、今、アルビオンという建物が建っているその前は、三洋証券という建物があったそうなんですけれども、この建築現場では水が噴き出したということですし、その後、アルビオンを建てたときも、建設現場の中で水があふれて、計画が延期されたということを伺っております。
 この地域は、かなり傾斜地で巨木が鬱蒼と生え茂っている。結構水がたまって、その水を巨木が吸収しているのかなというふうに思うんです。私は素人なので、そこら辺よくわかりませんけれども、マンション建設では、どうしても出入り口とか、巨木を撤去しなくちゃいけないということなんですけれども、保水がどうなるか、樹木伐採で保水性がどうなるのか、マンション以外の地域での影響がどうなのかということがすごく心配されます。
 それから、超高層マンションは絶対倒れませんよ、液状化もしませんよという答弁があったわけでございますけれども、住民の方々の戸建ての家は、もちろん支持地盤まで掘削している家は多分一軒もないと思います。住民の方々は、超高層マンションが倒れることはなくても、自分たちの家に影響はないのかどうかを心配されているわけでございます。この点も近隣の方々への液状化の影響はどうなのかということを、しっかりと説明を果たしていただきたいということを要望しておきます。
 それから、液状化について、超高層の建物の安全性を確保するための対策が講じられているということだと思います。お答えいただいたように、建築主が近隣住民の皆様にしっかり説明し、安心いただけるよう都としてもご配慮をお願いしたいと思います。
 この液状化対策も含め、建築物の安全性を確保するために建築基準法等の関係法令に基づき、建築確認等の審査がなされると認識しておりますが、建築申請は既に出されたのでしょうか。また、出されていない場合はどのような形で手続が進められるのかお伺いいたします。

○妹尾市街地建築部長 建築確認申請は、現時点では提出されていないと建築主から聞いております。本計画のように高さが六十メートルを超える建築物について、建築基準法では、その構造方法について、国土交通大臣の認定を受けることが義務づけられております。そして、この認定結果とあわせて、建築確認申請が提出され、関係法令に基づく審査が行われ、建築物の安全性が確認されることとなります。

○野上委員 このような超高層建築物の構造の安全性については、通常の建築確認に加えて、国土交通大臣の認定、より高度なチェックが行われることがわかりました。
 次に、高さについてですが、港区では、絶対高さ制限を定める高度地区の導入を決定しておりまして、十月以降に着工する建築物からは、その制限が適用されると聞いております。
 これは、ちょっと現地でいろいろ聞いてきたことなんですけれども、この計画につきましては、一応四十メートル、周りは大体四十メートルの高さの建物が多いわけですけれども、それが指定値となっているんです。区の運用では、一定規模以上の敷地で、壁面を後退している、セットバックしているとか、空地あるいは緑化などの基準を満たして、港区長が認めて許可した場合には、最大で指定値の二・五倍、すなわち百メートルまで緩和される仕組みがあるということをお聞きしております。
 一方、地元では、百メートル近い高さの建築物による風害とか、日影の問題など、生活環境の悪化を心配する声も多いと思います。きのうも、私もその地域に行きまして、この四十メートルの高さの二・五倍がわあっと乱立するということを想像してみたんですけれども、全体のバランスの中では違和感があるのかなというふうに感じました。
 そこで、確認ですけれども、本計画について、事業者は九月の着工を予定していると聞いております。このように、十月に高度地区が施行される前に着工すれば、高さ制限の適用外となるのか、それに対して、高さ制限を運用する区はどのようなスタンスなのか、お伺いいたします。

○妹尾市街地建築部長 区が定める都市計画の高度地区では、絶対高さ制限が適用となる際、現に存する建築物、もしくは建築工事中の建築物等につきましては、当該規定を適用しないと定めておりまして、本計画についても、十月の施行前に着工した場合には、高さ制限の適用は受けないこととなります。
 また、区は、本計画に限らず、絶対高さ制限を超える計画については、十月一日より前に着工予定の計画であっても、高さ制限を導入する趣旨を伝えながら、その内容に沿った計画になるように協力を求めていると聞いております。

○野上委員 つまり高度地区が施行される前の着工であれば、法律上、高さ制限を課すことはできない。だから、所管行政庁である区としても、事業者に協力を要請する形にならざるを得ないということは理解できます。ですから、十月一日の基準日を過ぎると、港区は四十メートルの高さ制限がかかってくるけれども、十月一日前に着工すれば、四十メートルの二・五倍、つまり計画にあるように百メートルの高さまで建築できるということです。これは四十メートルの建物なのか、百メートルの建物なのか、十月一日の前か後で違うということは大変重要なことだと思っております。
 次に、最後の陳情にありますけれども、陳情趣旨の4にある車両の出入り口についてですけれども、敷地西側の脇道は下り坂で車が一台通れるかどうか、目黒通りへの一方通行の道なんですね。現地に行ってわかったのですけれども、幹線道路の目黒通りは、坂の下にあるんです。かなり急スピードで車がわあっとおりてきます。狭い道路から目黒通りに出るのは非常に厳しい。
 なぜかというと、一つは、右側にアルビオンという建物がぎりぎりまで建っていて、本当に見通しが悪いんです。カットしていないので、本当にこれは危険だと思っております。
 それから、サンタ・セシリアとか、みつばち保育園とか、子供たちが通園する道になっておりまして、歩道と車道をしっかり分離するとは思いますけれども、ここは非常に気をつけないと事故が起こったときにどうなのかなというふうに思いました。
 陳情のように、目黒通り沿いから車の出入りをした方が逆に安全ではないかと私は感じたんですけれども、なぜかというと、目黒通り沿いの方が、信号機があるので、すごいスピードで来た車も一回信号機の前でとまるんです。ですから、車両が出たり入ったりするのに非常に危なくない、危険ではないということがいえると思うんです。
 以上の理由で車両出入り口について、敷地西側の脇道ではなく、目黒通り沿いから出してほしいとの要望が寄せられておりますけれども、都の見解についてお伺いいたします。

○妹尾市街地建築部長 車両出入り口付近の安全性の確保は重要であると認識してございまして、都は今後とも、あっせん等を通じて、当事者間の話し合いが円滑に進むよう調整を図ってまいります。
 なお、本計画における車両出入り口については、建築主が警視庁等関係行政庁との協議に基づき、人や車の通行量、幹線道路である目黒通りの交通安全性の確保等の観点から、総合的に検討を行った結果、敷地西側の区道に面して車両出入り口を設ける計画となっていると聞いてございます。

○野上委員 警視庁がそういうふうにいっているそうですけれども、要するに近隣関係住民と建築主との間で話し合いがもっともっと本格的に進められて、不安点を解消していただければいいと思っております。法的な要件をクリアすることはもちろんですけれども、都として今後とも建築主に対する必要な資料の提出など、指導をしっかりと行っていただくとともに、その計画内容について、近隣関係住民と建築主との話し合いが円滑に行われるよう調整していただきますよう、この陳情は継続審査を要望して、質問を終わります。
 以上です。

○白石委員 私からもこの陳情について幾つか質問をさせていただきます。
 この陳情は、白金二丁目に地上二十八階、地下二階、最高高さ約百十メーターの超高層マンションが建設される計画に対して、地域住民はこの計画が強行されるようなことがあれば、今まで居住機能を中心とした落ちつきあるまち並みを形成してきた白金地域が壊されてしまうという不安と危惧が広がるもとで、代表者を含めて九百五十七人の方から陳情が提出されたものです。
 不安や危惧の具体的な中身は、地域の景観、安全・安心な歩行空間、防災、減災など、その地域に住む住民に当然保障されなければならない住環境に多大な影響を及ぼす開発計画が背景にあるということになります。
 そこで、まず初めに基本的なことを伺いたいと思いますが、今回の計画は、一団地認定を取得し、最高高さ約百十メーターの超高層マンション建設を行うという計画ですが、そもそも、一団地制度の目的というのはどのようなものになっているのか伺いたいと思います。

○妹尾市街地建築部長 一団地認定制度は、認定区域内の複数の敷地を一つとみなすことで、例えば日影規制につきましては、区域内の建物配置の自由度を高めるとともに、区域の外に対しては、日影の影響を認定を行わない場合と同等以下とすることによって、良好な市街地の環境の確保と適切な土地の有効利用との両立を図ることを目的としてございます。

○白石委員 今、答弁あったとおり、一団地建築物設計、また、連担建築物設計の認定基準の運用方針では、このように書かれています。良好な市街地環境の確保に寄与し、適切な土地の有効利用に資する建設計画に対して、本制度の積極的な活用を図るため、この制度の取り扱いに当たっての基準を定めるものであると、このように明記されています。
 すなわち、良好な市街地環境の確保に寄与する計画に対して、この制度を活用しますよというのがそもそもの目的であるべきです。横浜市の認定基準ではどのように定められているかといえば、周辺の市街地とも調和した、その地域にふさわしい景観やまち並みを形成するものでなければなりませんとさらに踏み込んだ表現となっているように、一団地が指定される前提は、良好な市街地環境の確保にあるということは明らかだというふうに思います。
 次に伺いたいと思いますが、そもそもこの敷地において一団地の認定を受けることなく、この百十メーターの超高層マンションの建設をすることは可能なのか伺いたいと思います。

○妹尾市街地建築部長 本敷地につきまして、現段階では一団地認定の申請がなされておりません。そういうことから、お尋ねの内容を判断する資料がございません。

○白石委員 陳情書の中にも図面が出ていまして、一団地の認定というふうな区割りがなされているというふうに思っております。申請予定区域と書いていますが、私も現計画でわかっている範囲で単純計算しますと、容積率は約九〇〇%という計算になります。一団地の認定を受けなければ、今、予定されているこの超高層マンションの計画は成り立たないということになります。
 次に、この一団地の認定は、東京都が審査をして認定するのか伺いたいと思います。

○妹尾市街地建築部長 本計画に関する一団地認定につきましては、延べ床面積が一万平方メートルを超える計画であるため、都が申請の窓口となる予定でございます。

○白石委員 今、答弁あったとおり、一団地の認定は東京都がするということになります。基本的なことを今質問してきましたが、まとめると、一団地として認定されるには、良好な市街地環境の確保に寄与することが前提であり、その認定は東京都が許可を出すという関係性がわかりました。また、この計画は、一団地の認定抜きには、この高さの超高層マンションは白金二丁目には建設できないということもわかりました。
 そもそも、この計画が良好な市街地環境の確保という角度から見た場合どうかといいますと、例えば安全な歩行空間では、西側の区道、通称暗闇坂というふうにいわれていますが、現在、車通りはほとんどなく、保育園、幼稚園、学生、それから保護者の通園、通学路としての役割や高齢者、幼児の散歩道としても日常から使用されています。この地域の安全で静かな住民の生活道路というふうになっています。
 しかし、この計画では、この区道を例えば工事車両の通行や、完成後は駐車場からの車両の出入り口として使用する計画が現在示されています。住民や子供を持つ父母の皆さんからは、車の出入りが激しくなり、事故の危険性や、例えば排ガスなどの健康への影響も心配していると、こういう声が上がっています。
 また、景観に配慮されているのかという角度では、私もこの地域を実際に歩いて見てきましたが、この地域は閑静な住宅街というふうになっており、用途地域は第一種中高層住居専用地域と商業地域で分けられていて、めり張りのあるまちづくりが歴史的にも形成されてきたことがよくわかりました。そこに、本来建てられない高さの百メーター級の超高層建築物が建てられるとなれば、この地域が守ってきた落ちつきのあるまち並みや景観が損なわれてしまうというのは、住民の当然の声だと思います。
 このことからも、良好な市街地環境とはほど遠い計画となっていることをまず指摘をしておきたいと思います。今後、都に対して事業者側が一団地の申請をしたときには、都が認定をする責任を負うわけですから、一団地の目的との整合性を適切に審査するよう、まず強く求めておきます。
 防災という視点からも、地域住民の皆さんから不安の声が上がっています。この地域の土地は、周辺が高台から地下水脈が集まる地区というふうになっています。以前から、大規模な工事中に出水トラブルが生じるということなど、水にまつわるトラブルなどが続出している地域となっています。このことは、住民の皆さんからも証言がなされています。
 そこで、伺いたいと思いますが、過去にこの地域で建物の建設中など、水が噴き出したというようなケースがあったかどうか伺いたいと思います。

○妹尾市街地建築部長 区におきましては、出水トラブルの件について、先ほどもご紹介した区の建設常任委員会の請願審査の中で、本計画の設計者から得た情報として、本計画の隣接地の建築計画の際に想定以上の水が出たらしいと、そういう答弁を行ったという情報を聞いてございますが、区に寄せられている建築工事中の事故災害情報の中には入っていないとも聞いております。都においては、お尋ねのケースについて把握してございません。

○白石委員 地域住民の方からもお話を聞くと、一九八五年以降、この地区で三回以上の大規模工事の際に出水トラブルがあったと伺いました。しかも、出水というのは、噴水のように水が出て、周辺も含めて水浸しになったと、このように聞いています。
 少し質問の角度を変えて伺いたいと思いますが、住民から出水トラブルが過去にあったということは聞いたことがありますか。

○妹尾市街地建築部長 住民の方から出水トラブルが過去にあったらしいと、そういうお話は聞いてございます。

○白石委員 この地域の住民の方は、過去に出水トラブルがあったというのは周知の事実とこの地域ではなっています。そのことからも、事実関係や土地の徹底した調査、また相応の対策を求めているというのが住民の皆さんの声となっています。
 あっせんの都の役割にはどのようなことが記されているのかというと、あっせんとは、当事者双方の主張の要点を確かめ、適切な助言や資料を提供することによって、紛争の解決に導くというものであると明記されています。
 主張の要点を確かめる作業では、区からの情報だけではなくて、丁寧に住民からの聞き取りも行っていくことが大切だというふうに思います。区の情報では記されていないといいますが、やはり住民が周知の事実で、こういう地域ではこんな出水トラブルがあったんだとなっているもとで、東京都がしっかりとそこでも丁寧に住民から聞き取りを行っていくということは、しっかりこれからもやっていってもらいたいというふうに思います。
 また、この地域は液状化の危険性が高い地域として、港区の液状化マップでも公表されています。その土地に超高層マンションを建てるとなれば、周辺住民が納得いく調査、そして検証をもとにした丁寧な住民への説明が必要不可欠となることはいうまでもありません。
 次に移りたいのですが、この建築紛争は、地元区との連携は欠かすことができないと、このように思いますけれども、ここで伺いたいのですが、都は地元区である港区と連携をして、この建築紛争解決に向けて進めていくのか伺いたいと思います。

○妹尾市街地建築部長 都としましては、建築紛争の調整に当たり、現地の状況、建築主の考え方や住民の方々の要望、当事者同士のお話し合いの進捗など、地元自治体と情報を交換し合い、共有することにより、紛争の解決に努めております。今後とも地元自治体と連携を図りながら、建築紛争の解決に努めてまいります。

○白石委員 住民側が三月十六日に区長宛てに、この計画についての陳情というのを出しています。五月八日に港区から回答文書が出されています。その文書では、話し合いやあっせんなどを所管している東京都にもこの経過も連絡をして、状況を説明したと書かれています。今後も東京都と連携し、建築紛争の防止や解決に努めてまいりますと。港区は都と連携して、この問題、建築紛争の解決に努めていくということがはっきりと明記をされております。
 これでおわかりのとおり、港区との連携はやはり欠かせないというふうに思います。そこで伺いたいと思いますが、港区がこの地域をどういう地域として形成しようとしているのか、また、絶対高さ制限の狙いというのはどこにあるのか、本制度はいつから適用予定となっているのか、それぞれお答えいただきたいと思います。

○妹尾市街地建築部長 港区のまちづくりマスタープランの中では、本計画地が含まれる地域の面的な整備の方針について、沿道の有効利用により、都市型住宅環境の整備を進めるとされております。また、絶対高さ制限を定める高度地区につきましては、周辺への配慮なく建設される中高層建築物を抑制し、良好な住環境と落ちつきあるまち並みを形成することを目的として、十月一日から適用されることとなっております。

○白石委員 四月十一日付の広報みなとでは、港区建築物の高さのルールを導入しますと、このように題して、絶対高さの制限を十月一日より、先ほど答弁されたとおり、適用されることが区報でも公表されています。絶対高さのルールの制度が適用されると、白金二丁目はどのような規制がかかるかといいますと、用途地域が商業地域と指定されている区域では高さ四十メーターまで、第一種中高層住居専用地域では高さ二十二メーターに規制がかかると、このようになります。
 この制度の目的は、周辺への配慮なく建設される中高層建築物を抑制して、良好な居住環境と落ちつきのあるまち並みを形成すると、これがこの制度の目的となります。すなわち、この制度が適用される前に駆け込みで超高層をやってしまおうというのが狙いです。やろうとしているところは、三菱地所レジデンス、野村不動産、三菱商事、設計施工が竹中工務店だと、日本のトップ企業がこのように進めようとしているというのが今の実態です。
 また、住民への説明会で、絶対高さルールの制度が適用されても、今の場所であれば百メーターの建物は建てられると、このように確認しているんだと、住民の質問に対して、この大企業、大手ゼネコンは説明いたしました。しかし、区はそのような事実はないと事業者に対して抗議したという事実があります。これは認識しているか伺いたいと思います。

○妹尾市街地建築部長 区においては、この計画の内容が認定の基準に合致するものであるかどうか、それを今、事業者と確認中であると聞いております。

○白石委員 私が今いったのは、住民説明会に対して、絶対高さのルールが適用されても、この企業の方々は今の場所であれば百メーターの建物が建てられるんだと、四十メートルの規制がかかっても大丈夫なんだと、このように確認していると、このように住民たちに説明しました。
 しかし、港区の請願の中での審議の中で明らかになったのですが、区は何もこういう事実はなかったというふうなことをいって、この企業にも抗議したという事実があります。名立たる大企業が住民への説明で、だますようなやり方で、この建築を進めようとしていることが既に今起こっているというふうな認識がとても重要だと思います。
 都は、あっせん調停において、地域住民から、液状化問題や防災対策、また必要な資料や検証結果の具体的な根拠となる資料の提出を求めた場合、事業者に住民の納得がいく資料の提出を指導するのか伺いたいと思います。

○妹尾市街地建築部長 先ほどもお答えしましたが、都はこれまでも建築主に対し、液状化対策等の防災対策に関する根拠資料とか、具体的な対策等について、住民に対する適切な説明を行うよう指導してきたところでございます。今後も、あっせん等を通じ、建築主に対し、必要と判断した資料の提出や丁寧な説明を行うよう指導してまいります。

○白石委員 必要な資料提出を求めていくと、誠意ある説明を企業にも指導していくと、このような答弁でした。住民の納得がいく資料の提出を事業者側に提出するよう指導するという意味は今の答弁で入っているのか、再度確認したいのですが、どうですか。

○妹尾市街地建築部長 繰り返しになりますが、今後ともあっせん等を通じて、建築主に対し、必要と判断した資料について提出を求め、丁寧な説明を行うよう指導してまいります。

○白石委員 私がここまで確認をするのは、先ほども取り上げたとおり、事業者側は住民をだますようなやり方で、この間も住民説明会が行われてきたという経過があるという事実です。それを踏まえて、東京都は、住民から要望が出された資料や調査、検証結果を事業者側にしっかりと提出するように、都が強力に指導するということが、今、都の役割としても求められているというふうに思います。なので、やはりここの部分では、しっかりと私も要望しておきたいと思います。
 また、港区と連携すると、このような答弁もありました。だとするのであれば、一団地の認定がおろされれば、十月一日に施行される港区の絶対高さルールの目的にある落ちついたまち並みの形成を図るための仕組みづくりが真逆の方向で、要するに十月一日前に建築してしまえば大丈夫だというふうな形で進められることになります。そういうふうな状況になれば、連携とはほど遠いものになるというふうに思います。
 重ねて、私の方からも要望しますが、この一団地の認定は東京都がおろすということになりますので、港区と連携するというのであれば、落ちついたまち並みを形成していく、この港区の方針と合致して--これから申請が出されるであろうと思いますので、このときにしっかりと整合性、そして適切に判断を求めたいというふうに思っております。
 あわせて、都には、地域住民が、この白金地域をしっかりと落ちつきのあるまち並みを後世に残していきたいんだと、この思いで声を上げていらっしゃいます。この思いを都は誠実に受けとめて、この建築紛争に臨むよう強く要望して、質問を終わりたいと思います。

○島田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、いずれも継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島田委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二七第九号から陳情二七第一一号までは、いずれも継続審査といたします。
 以上で陳情の審査を終わります。

○島田委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、平成二十六年度予算の繰り越しに関する四件の報告を聴取いたします。

○細渕総務部長 お手元の資料3、平成二十六年度繰越説明書によりましてご説明させていただきます。
 今回のご報告は、平成二十六年度予算の繰越明許費繰越及び建設改良費繰越について、地方自治法施行令第百四十六条第二項及び地方公営企業法第二十六条第三項の規定によりまして、議会にご報告するものでございます。
 資料の一ページをお開き願います。初めに、番号1、平成二十六年度繰越明許費繰越総括表でございます。
 一般会計及び特別会計の各会計別に予算現額、繰越明許費予算議決額、翌年度繰越額及びその財源内訳を記載してございます。
 合計欄をごらんください。予算現額の欄の右側の欄、繰越明許費予算議決額を記載してございますが、これが百六十億二千三百万円であるのに対して、翌年度繰越額は百二十九億九千万余円となってございます。
 財源といたしましては、その右に記載のとおり、国庫支出金、その他の特定財源及び繰越金を充当してございます。
 次に、番号2、平成二十六年度建設改良費繰越総括表でございます。
 公営企業会計である都市再開発事業会計につきまして、予算計上額、支払い義務発生額、翌年度繰越額、その財源である繰越資金及び不用額を記載してございます。
 予算計上額百三十四億八千五百万余円に対して、支払い義務発生額は百九億一千五百万余円、翌年度繰越額が六億七千万余円となってございます。
 ページをおめくりいただき、三ページ以降は事業別の内訳となっております。まず、一般会計でございます。
 五ページをお開き願います。番号1、臨海都市基盤関連街路整備でございます。
 繰越理由は、物件移転補償に伴う関係人の移転に日時を要したことによるものでございます。
 六ページをお開き願います。番号2、都市改造でございます。
 繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関との調整及び物件移転補償に伴う関係人の移転等に日時を要したことによるものでございます。
 番号3、住宅建設事業でございます。
 繰越理由は、都営住宅等事業会計における住宅建設事業の繰り越しに伴い、その財源として繰り越しするものでございます。
 次に、都営住宅等事業会計でございます。
 九ページをお開き願います。番号1、住宅建設事業でございます。
 繰越理由は、住宅建設工事に伴う地元住民との調整等に日時を要したことによるものでございます。
 続きまして、臨海都市基盤整備事業会計でございます。
 一三ページをお開き願います。番号1、臨海都市基盤整備でございます。
 繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関との調整及び物件移転補償に伴う関係人の移転等に日時を要したことによるものでございます。
 最後になりますが、公営企業会計である都市再開発事業会計でございます。
 一七ページをお開き願います。番号1、市街地再開発事業でございます。
 繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関との調整等に日時を要したことによるものでございます。
 以上をもちまして、平成二十六年度予算の繰り越しについてご報告を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○島田委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○島田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これに異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。

○島田委員長 次に、第二百十回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。

○安井都市整備局長 来る九月二日に開催予定の第二百十回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
 今回、東京都決定案件は十一件ございまして、その内訳は、区部で四件、市町村部で七件でございます。
 また、その他の付議予定案件が二件ございます。
 本日は、これらのうち主な案件といたしまして、八重洲一丁目六地区及び八重洲二丁目一地区の都市再生特別地区並びに愛宕地区地区計画につきましてご説明いたします。
 引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。

○上野都市づくり政策部長 第二百十回東京都都市計画審議会付議予定案件につきましてご説明申し上げます。
 まず、付議予定案件ナンバー1及びナンバー2につきましてご説明いたします。
 付議予定案件ナンバー1は都市再生特別地区八重洲一丁目六地区の変更、ナンバー2は都市再生特別地区八重洲二丁目一地区の変更に係る案件でございまして、双方関連いたしますので、一括してご説明いたします。
 資料は、お手元の資料5、白色表紙、提案事項概要五ページから二二ページまで、資料6、薄茶色表紙、事前説明会資料五ページから二九ページまででございます。あわせて、資料7、薄オレンジ色表紙、都市計画素案八重洲一丁目六地区、八重洲二丁目一地区もご参照ください。
 今回の変更は、国家戦略特別区域法に基づき、東京都の都市計画審議会に付議が予定されているものでございまして、事業主体は再開発準備組合等でございます。また、事業協力者は、一丁目六地区は東京建物株式会社、二丁目一地区は三井不動産株式会社でございます。
 資料6、事前説明会資料五ページの位置図とあわせてスクリーンをごらんください。
 八重洲地区は東京駅前にございまして、外堀通りなどの幹線道路に接する交通利便性の高い地区でございます。区域面積は、北側の八重洲一丁目六地区は約一・四ヘクタール、南側の八重洲二丁目一地区は約一・七ヘクタールでございます。両地区は、特定都市再生緊急整備地域である東京都心・臨海地域内に位置しております。
 一丁目六地区では、平成十三年度に地元地権者等で構成する協議会が設置され、二丁目一地区では、平成十四年度に検討会が設置されております。その後、一丁目六地区では平成二十年度に、二丁目一地区では平成二十四年度に市街地再開発準備組合が設立され、これまでの間、まちづくりの検討が各地区におきまして進められてまいりました。
 今回の都市再生特別地区の変更は、二つの都市計画自動車ターミナル及び二つの市街地再開発事業の決定並びに地区計画の変更とあわせて行うものでございます。
 資料6、事前説明会資料の九ページとあわせてスクリーンをごらんください。
 本計画は、市街地再開発事業による街区再編とあわせて、東京駅前の交通結節機能の強化、国際競争力を高める都市機能の導入、防災対応力強化と環境負荷低減など、当地域の都市再生緊急整備地域の整備方針に沿うものであり、かつ都市再生の効果が高いものと判断しております。
 具体的な都市再生の貢献内容につきましてご説明いたします。
 まず、羽田空港や地方都市を結ぶバスターミナルを計十三バース整備するとともに、東京駅と八重洲地下街等を結ぶバリアフリーの歩行者ネットワークを整備し、交通結節機能の強化を図ります。
 また、国際競争力強化を図る機能の導入といたしまして、日本橋の創薬の拠点と連携したビジネスの交流を促進する大規模会議場等を整備いたします。
 このほか、コージェネレーションシステムの導入による防災対応力の強化、周辺地区とも連携した熱融通等による環境負荷低減を図ってまいります。
 参考といたしまして、中央区決定の都市計画につきまして、順にご説明いたします。
 まず資料5、提案事項概要の七ページ及び一一ページ、あわせてスクリーンをごらんください。東京都市計画自動車ターミナルの決定についてでございます。
 東京の玄関口にふさわしい国際化に対応した東京駅前の交通結節機能の強化を図るため、バスターミナルを二カ所、それぞれ約〇・五ヘクタール決定いたします。
 次に、資料5、提案事項概要の八ページ及び一二ページ、あわせてスクリーンをごらんください。八重洲一丁目東地区及び八重洲二丁目北地区の第一種市街地再開発事業の決定についてでございます。
 都市再生特別地区を定める各地区におきまして、土地の高度利用と都市機能の更新を図るため、それぞれ市街地再開発事業を決定いたします。
 次に、資料5、提案事項概要の一三ページから二二ページ、あわせてスクリーンをごらんください。日本橋・東京駅前地区地区計画の変更についてでございます。
 地区計画の目標にバスターミナルの整備等を位置づけるとともに、地区施設といたしまして、広場や歩道状空地等を追加いたします。
 大変恐れ入りますが、資料をお戻りいただきまして、資料5の提案事項概要の五ページと六ページ及び同じく提案事項概要の九ページと一〇ページ、あわせてスクリーンをごらんいただきたいと存じます。都市再生特別地区の都市計画決定の内容についてご説明いたします。
 八重洲一丁目六地区につきましては、容積率の最高限度を全体で一六七〇%とし、一部を医療施設等といたします。高さの最高限度につきましては、高層部を二百五十メートルなどといたします。
 八重洲二丁目一地区につきましては、容積率の最高限度を全体で一六七〇%といたしまして、一部をホテルやビジネス交流施設等といたします。高さの最高限度は、高層部を二百四十五メートルなどといたします。
 資料6、事前説明会資料の一〇ページと二〇ページ、あわせてスクリーンをごらんください。完成予想図でございます。
 付議予定案件ナンバー1及びナンバー2、都市再生特別地区の説明につきましては以上でございます。
 続きまして、付議予定案件ナンバー7、愛宕地区地区計画の変更につきましてご説明いたします。
 資料5の白色表紙、提案事項概要は二七ページから三一ページまで、資料6の薄茶色表紙、事前説明会資料は三四ページから三八ページまでとなります。
 本案件は、国家戦略特別区域法に基づき、東京都都市計画審議会に付議が予定されているものでございます。
 資料6、事前説明会資料三四ページの位置図とあわせてスクリーンの航空写真をごらんください。
 本地区は、東京メトロ日比谷線神谷町駅の北東側に位置する面積約七・七ヘクタールの区域でございまして、平成十年二月に当初の地区計画を決定し、順次開発整備が進められてまいりました。
 資料6、事前説明会資料三五ページの計画図1とあわせてスクリーンをごらんください。
 今回は、本地区の既決定区域約六・六ヘクタールの北側に約一・一ヘクタールの区域を追加するとともに、追加部分のうち、I地区約〇・七ヘクタールにおきまして、開発計画の具体化にあわせて地区整備計画を定めるものでございます。
 このI地区につきましては、特定都市再生緊急整備地域の整備計画が平成二十六年十月に定められておりまして、商業、住宅機能等を備えた、外国人にとっても暮らしやすい生活環境の整備、安全・安心に利用できる歩行者ネットワークの整備といった方針が位置づけられております。今回は、この上位計画などを踏まえ、地区計画を変更いたします。
 変更内容につきましてご説明いたします。
 資料5、提案事項概要二八ページとあわせてスクリーンをごらんください。
 土地利用に関する基本方針につきまして、I地区に国際水準の居住機能とそれを支える商業、生活支援機能を配置するとともに、公園を含む広場及びこれと一体化した空地を整備し、周辺地区と連携して、国際的なビジネス拠点を整備することを加えます。
 資料5、提案事項概要二七ページから三一ページ、資料6、事前説明会資料三六ページの計画図2とあわせてスクリーンをごらんください。
 主要な公共施設といたしまして、都市環境と地区内外の防災性の向上を図るため、広場を位置づけいたします。また、バリアフリーにも配慮した周辺市街地と連続する広域的な歩行者ネットワークを形成するため、歩行者通路を地区施設として位置づけるとともに、隣接する虎ノ門ヒルズと本地区の間に歩行者デッキを整備いたします。
 このほか、容積率の最高限度、建築物等の高さの最高限度などを定めます。
 付議予定案件につきましての説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○島田委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○立石委員 都市再生特別地区、八重洲一丁目六地区及び八重洲二丁目一地区につきまして、昨年の暮れに発表された東京都長期ビジョンでは、世界一の都市東京の実現を目指して、都が行う施策として、八つの都市戦略が掲げられています。今回提案された都市再生特別地区八重洲一丁目六地区及び八重洲二丁目一地区を含む八重洲地区については、都市戦略6、世界をリードするグローバル都市の実現の中で、交通結節点機能の強化、歩行者ネットワークの充実とともに、風格のあるまち並みを形成することを地域の将来像としています。
 そこで、長期ビジョンで掲げる都市戦略に照らして、本案件が世界一の都市東京の実現にどのように貢献するか、まずお伺いいたします。

○上野都市づくり政策部長 東京都長期ビジョンでは、世界一の都市東京の実現に向けた政策といたしまして、利用者本位の都市インフラを備えた都市の実現など八つの都市戦略を掲げた上で、都市づくりとの連携による交通結節点の機能強化など、具体的な今後の政策展開を明らかにしております。
 この長期ビジョンに示されました、都市戦略と今回の提案との対応関係につきましてお答えいたします。
 今回の提案では、まず都市戦略2、利用者本位の都市インフラを備えた都市の実現を図るため、本計画におきましては、羽田空港や地方都市を結ぶバスターミナルを二地区合わせて十三バース整備するとともに、東京駅と八重洲地下街等を結ぶバリアフリーの歩行者ネットワークを整備し、交通結節機能を強化することとしております。
 また、都市戦略6、世界をリードするグローバル都市の実現を図るため、本計画におきましては、国際競争力強化を図る機能の導入といたしまして、日本橋の創薬の拠点と連携したビジネスの交流を促進する大規模会議場等を整備することとしております。
 さらに、都市戦略7、豊かな環境などを次世代に引き継ぐ都市の実現を図るため、本計画におきましては、コージェネレーションシステムの導入による防災対応力の強化、周辺地区とも連携した熱融通等による環境負荷低減に取り組むことといたしております。

○立石委員 本案件が、世界一の都市東京の実現に高く貢献するものであることがわかりました。提案事項概要の八ページ及び一二ページを見ると、本案件は都市再開発法に基づく都市再開発事業で実施されていることとなっています。
 再開発事業の実施には、地元地権者の理解、協力が欠かせないところでありますが、地区内地権者の同意状況はどのようになっているのか、今後の事業の進展に支障がないのか、お伺いいたします。

○佐々木防災都市づくり担当部長 都市計画決定の段階では、市街地再開発事業の施行に対する権利者の同意を得る手続は行われておりませんが、準備組合の加入状況につきましては、八重洲一丁目が約六七%、八重洲二丁目が約九七%と聞いております。各準備組合においては、引き続き事業推進に向け、権利者とより一層の調整、合意形成を図っていくこととしており、都といたしましても、市街地再開発組合の設立に向け、技術的な指導、助言を行うなど、準備組合を適切に支援してまいります。

○立石委員 今後、事業者が丁寧に地元に説明し、理解と協力を求めて、事業を進めていくことを要望しておきます。
 今は若干落ちついているようでありますが、二年ほど前には工事費の高騰が話題となりました。公共工事では、落札者なしが相次ぎ、契約予定額を増額して、再発注する例も多くあったと聞いています。
 工事費高騰の原因の一つに労働力不足がいわれていますが、これは深刻な状況です。総務省の労働力調査によれば、建設業従業者は一九九七年には六百八十五万人でしたが、二〇一二年には五百三万人まで減少しています。また、高齢化も進み、一九九七年には二四%であった五十五歳以上の割合が、二〇一二年には三四%と一〇%もアップしています。
 本案件の都市再生特別地区のように、都市計画の実現には、最終的には建設工事が伴います。建設業従業者を安定的に確保しなければ、建設工事の進捗が阻害され、ひいては世界一の都市東京を目指した都市計画の実現にそごを来すことになります。建設業従業者を安定的に確保するには、年ごとの工事量が平均的にあることが望ましいと考えられます。これは工事費の予想外の高騰を防ぐためにも効果があると思います。
 そこで、本案件の建設工事はいつからいつまで予定しているのか伺います。また、その時期に工事を行う理由もあわせてお伺いしたいと思います。

○佐々木防災都市づくり担当部長 工事の実施時期につきましては、オリンピック・パラリンピック大会開催前後の工事需要や今後の組合設立認可等に伴う関係機関との協議、手続に必要な期間などを勘案しながら検討してきたものと事業者から聞いておるところでございます。現時点におきましては、都市計画素案に記載のとおり、八重洲一丁目は平成三十二年十月から三十六年三月を、八重洲二丁目は平成三十年一月から三十三年四月を予定工期としているところでございます。

○立石委員 申し上げたとおり、建設業従業者を安定的に確保していくことは重要であります。そのためにも、年ごとの工事量を平準化する配慮が必要であります。本案件のような都市計画についても、年ごとの工事量を平準化するという観点に立って、決定の時期を考えていく必要があると私は考えております。これは意見として申し上げておきます。
 意見です。タクシーに乗って、私の家から帝国ホテルまで知らない運転手さんがいるので、あなた今まで何をやっていたの、どういうお仕事をしていましたか、こういうふうに聞きますと、大概、建設業関係のいわゆる職人さんでありまして、なるほどタクシーの運転手さんになることは、地理を覚えたり大変なことであるけれども、さらにまた、技能を有する建設業従業者は大変な年月がいうまでもなくかかるわけでありますから、いってみれば、ぼんぼんじゃんじゃん仕事を出せばいいというものではなくて、しっかりと大きなお仕事を出される事業者の皆さんや都市整備局は大きな配慮を必要とするのではないかと思っております。
 簡単にいいますと、二〇〇九年のリーマンショックの時代と一九九二年でございましたか、いわゆるバブルの頂点とのおおむねの建設業の概要はどういうふうに変わったか、工事量の総額を一九九二年のピークを一〇〇とすれば、おおむね六割ぐらい減ったというのが実感ですから、今さらながら改めて、きのうまであった職人を復活させるということは大変難しいことであります。そういう意味で、特にこの際、本席で強調して、私の意見といたしたいと思います。
 終わります。

○上野委員 私からは、説明にはありませんでしたけれども、その他の付議予定案件におけるナンバー12、13、これは私の地元でもあります江戸川区施行の上篠崎一丁目北部土地区画整理事業の事業計画の決定に伴う意見書の審査について質疑をしたいと思います。
 九月に都計審が行われるとのことでございますが、そこでは口頭陳述の場を設けることを決定し、意見書の審査自体は口頭陳述の後になる、このように思っております。
 そこで、今後の審査に先立ちまして、本事業の意義を明らかにしておきたいと思いますので、まず本事業の意義と必要性についてお尋ねいたします。

○奥山市街地整備部長 本区画整理事業の施行地区は、幅員四メートル未満の行きどまりの私道に老朽木造家屋が密集するなど、基盤整備が十分でなく、防災性、安全性の面から早期に改善が必要な地域でございます。このため、本事業により、幅員六メートルの区画道路や都市計画緑地などを整備するとともに、良好な住宅街区の形成を図ることとしております。
 このほかに、本施行地区の周辺では、都立篠崎公園、都市計画道路補助第二八八号線などの整備が予定されており、本事業においても、これらの施設の一部を整備することとしております。また、本地域では、大規模水害に備え、国の高規格堤防整備事業、いわゆるスーパー堤防の整備が予定されております。こうした取り組みを通じて、災害に強く、安全・安心で緑豊かなまちが実現されます。

○上野委員 土地区画整理事業は、私も東京都職員時代に実務に携わってきましたけれども、住民の方は初めは総論賛成で各論反対という方がいらっしゃいます。その大半は、我が家の補償への不安から来るものが多いわけでございます。そこで、不安をあおるような反対運動の動きがなぜか必ず起きてきて、なお不安になるという、こういった状況の中を、事業者はまさに地道にこつこつと個別に公共事業の補償、これがいかに手厚いものかということをわかりやすく詳細に説明していきながら、それぞれご理解をいただいていくと、そして事業が進んでいくということを経験してきたわけでございます。
 江戸川区では、これまでも区画整理事業が瑞江地区など区施行部は完了しております。この地域の方ともよく話をするんですけれども、反対されていた方々も含めての多くの方が、広い道路になった、公園もできた、安全で快適なまちができたと今は本当に喜んでいらっしゃる、これが実態でございます。その意味でも、この事業が地域の課題を解消し、安全・安心なまちづくりとして極めて意義の大きいことだと私は確信しております。
 次に、先ほどの答弁にもありましたように、都市計画審議会資料によりますと、本地区では江戸川高規格堤防整備事業、いわゆるスーパー堤防の整備が予定されていると記載されております。
 そこで、本事業はスーパー堤防整備事業とどのように関連づけて進めていくのかお尋ねいたします。

○奥山市街地整備部長 国におきましては、人口が集中した区域で堤防が決壊すると甚大な人的被害が発生する可能性が高い河川沿いを、スーパー堤防を整備する区間と定めており、本区画整理事業の施行地区はその区間に位置しております。
 また、江戸川区では、平成十八年に策定した江戸川区スーパー堤防整備方針において、本施行地区を含む一帯を面的な市街地整備を通じて、スーパー堤防化を目指すエリアとして位置づけております。このため、江戸川区の河川管理者である国土交通省では、本区画整理のまちづくりとあわせスーパー堤防整備事業を実施する予定でございます。こうした取り組みにより、本地域の高台化が図られるとともに、避難場所が確保され、地域の防災性が向上することとなります。

○上野委員 今の答弁でもう一回確認です。江戸川区の河川管理者、これは江戸川の河川管理者ですかね。よろしいですか。--はい。
 私は、政治家、政所の基本というのは、治水など民の貴重な生命と財産を守ることだと、このように心得ているところでございます。この江戸川区は、皆様ご承知のとおり、江戸川区全体の約七割が、海とか川よりも低い、いわゆるゼロメートル地帯ということでございまして、ちょうど鍋底みたいな状況になっていて、私たちの生活というのは堤防で守られていると。この堤防が切れたら、本当に命が危ない、財産も危ないという極めて厳しい環境の中で生活しております。
 災害が起きてからでは遅いわけであります。首都直下地震、これも想定されておりますし、またフィリピンを襲ったようなスーパー台風、高潮が八メートルを超えるというこういったものが来たときには、間違いなく水害に遭うという、こういう脆弱な地域であると。これに対して、しっかりと私たちは区民の命を守らなきゃならない。
 こういった意味で、今現在、そういった水害があったときに区民の命を守る、避難はどこに避難するか。篠崎地域の方々は、その地域よりも上流四キロ上がっていって、あの狭い市川橋を渡って、千葉の国府台まで二十万人の方が逃げるという、こういった今計画になっているわけであって、群馬大学の片田教授がシミュレーションでやったら、ほとんどなくなっていきますと、これじゃ危ないですよと、こういった指摘を受けて、私も都議会議員になったときからいっていますけれども、江戸川区内で高台をつくらなきゃいかぬぞと。区内で皆さんが避難できるような場所をつくらなければいかぬと。
 だから、この都立の防災公園です、篠崎は。篠崎公園を高台化すべきだということを強く訴えてきたわけでございます。この篠崎公園の高台化について、平成二十四年二月の東京都の公園審議会、私も審議会の中の一員としておりましたけれども、そこで答申の中に、篠崎公園はAPプラス六メーターまでの高台化するという答申が出て、そして東京都もその方針を決定したということでございます。
 こうした中で、資料6の五二ページに絵がございますけれども、これを見ながらお話しするとわかりやすいかなと思いますけれども、薄青いところが篠崎公園、緑色のところが堤防になっています、土手です。篠崎公園のところをAPプラス六メーターの高台に、二十ヘクタールほどつくっていこうと、二十万人。
 そして、下の方、南側になりますか、補助二八六号線というのが江戸川を渡っています。こういう橋をつくる計画がありまして、この先は千葉県の市川市になっていますけれども、実は千葉県の市川市の先に大洲防災公園というのがあるんです。皆様もご承知のとおり、防災公園の拠点同士を結ぶというのは、極めて防災対策上重要なことで、この計画はまさに千葉県の市川市の大洲防災公園と東京都の都立篠崎防災公園を結ぶいわゆる防災橋という位置づけなんです。
 だから、この橋はしっかりとつくっていかなければいかぬわけですけれども、ここで大事なことは、高台化の篠崎公園に避難された二十万人の方、もしも水がどんどん上がってきたときに、陸の孤島になっちゃいけないということで、この方々がスーパー堤防を通って、二八六号線の防災橋を渡って、千葉の大洲防災公園まで逃げられるように、こういった避難経路というのを、大事だということで計画しているわけでございます。このことを皆さんしっかりと頭に入れていただきたいなと思っているところでございます。
 したがいまして、篠崎公園に隣接する本地区を高台化して、避難動線を確保することが極めて重要であるということであります。本事業をスーパー堤防の整備と一体的に実施することにより、地域の防災性は一段と高まることが期待できるわけでございます。一部、反対の方もいらっしゃいますけれども、多くの区民の方はスーパー堤防事業の促進を望んでいるんです。
 参考にお話しさせていただきますけれども、前政権の時代に事業仕分けでスーパー堤防の話が出ました。江戸川区民の方は本当に怒りました。平成二十二年十二月二十七日には、時の国土交通大臣宛てにですね、これですけれども、区民の十二万一千三百六十八人の署名入りのスーパー堤防整備促進の要望書が提出されているんです。これだけ区民の方は本当にスーパー堤防を望んでいるわけであります。命を守るということが大事だということです。
 どうか都市計画審議会におかれましては、本事業の重要性をよく理解していただいた上で、今後の意見書審査に臨んでいただくことを切望して、質問を終わります。

○白石委員 私からは八重洲一丁目六地区並びに八重洲二丁目一地区の再開発事業について質問したいと思います。
 この再開発事業は、国際競争力を高める都市機能の導入などを名目に、現在でも八〇〇%、もしくは九〇〇%の高い容積率をさらに上積みして、一六七〇%へと倍増させると。反対側の大手町、丸の内、有楽町地域の超高層ビル群を含めた東京駅周辺でもない、二百五十メートルクラスの超高層オフィスビルを二棟も建てる計画となっております。その開発のため、伝統ある区立小学校をオフィスビルにのみ込んでしまうと、そのような計画になっています。
 そこで、質問したいと思いますが、市街地再開発事業で整備する超高層オフィスビルの中に公立小学校が入る事例は全国でどのぐらいあるのか伺いたいと思います。

○佐々木防災都市づくり担当部長 市街地再開発事業で整備された建築物に公立小学校が併設された事例は、調べた限りでは確認しておりません。この件について、中央区に確認したところ、城東小学校については、まちづくりと連動した中で、東京駅前にふさわしい特色ある小学校として、そのあり方を考えていくこととしているというふうに聞いているところでございます。

○白石委員 今、答弁あったとおり、超高層ビル内に公立小学校が入るのは全国でも初めてだと。発達段階にある小学生が、グローバル競争でしのぎ合っている多国籍企業が幾つも入り、緊張感みなぎる大人たちが何万という規模で働く超高層ビルで授業を受けると。これで心身の発達に影響はないのかと大変心配されます。
 城東小学校は、まずビルのどこに入居して、また校庭はどこにできる予定なのか伺いたいと思います。

○佐々木防災都市づくり担当部長 小学校は、八重洲二丁目北地区市街地再開発事業の施設建築物の柳通り側の低層部に配置され、校庭はその屋上に整備される予定と書かれているところでございます。

○白石委員 配置もそうですし、それから今、屋上に校庭が配置されるというふうなところもいわれました。一つだけ指摘しておきたいんですが、現在、この中でも歩行者発生集中交通量が出されていますが、現在約三万人が九万人へと三倍に膨らむというふうな想定になっています。そして、オフィスビルと一体化するというのが今回の計画なんです。
 屋上は高度何メートルになるのか。この図だと、低層部Aのところで五十メーターと書かれておりますが、実際は何メーターに配置されるのか伺いたいと思います。

○佐々木防災都市づくり担当部長 実際の校庭の位置、施設建築物につきましては、現在の都市計画の中で、低層部の最高高さの限度が五十メートルというふうな枠組みの中で計画されることになりますが、枠組みの中というのは、それより低いところでというふうなことで計画されることになりますが、区としましては、現在のところ四階相当、大体地上から約二十メートルの高さで予定していると聞いているところでございます。

○白石委員 今、答弁ありました。この図で見ますと、地上五十メーターと。五十メーターというと、マンションでいうと十六階から十七階と。二十メーターでいきますと六階、七階程度になると思うのですが、屋上に相当する高さで--例えば、子供たち、いろんな子供たちがいます、高所恐怖症の子供もいるでしょうし、ビル風による影響も懸念されます。ドームなどで覆うというふうな構想もあるかのようなことも聞いていますけれども、このように風対策としてドームで覆ってしまえば、青空も見えないということになります。
 通常の学校では、移動は階段という形になりますが、この学校は移動はエレベーターにならざるを得ないのではないかと、このようなところも指摘しておきたいと思います。安全管理上も問題ですし、移動の時間を考えれば、授業にも支障が出かねないというふうな中で、昼休みなどに遊ぶということも難しく、通常の小学校よりも困難になるのではないかという懸念もあります。屋上グラウンドは、都内の小学校にも幾つかはあっても、これほど高いところにグラウンドをつくるという例は全国では初めてだというふうに思います。
 ところが、この提案書には、低層部に小学校が入ることが書かれているばかりで、どのような影響が子供たちの心身にあらわれるのか検討した箇所が一切ないということです。詳細設計はこれから後なんだというふうにいわれていますので、こういう形で再開発事業をどんどん進めていくというのは、見切り発車というふうにしかなりませんし、こういうようなやり方は本当に許されないというふうに思います。
 国際都市間競争に勝利するためなら、子供たちが多少犠牲になっても構わない、発達に影響が出てもしようがないと。そのようなことで、世界に誇れる都市が果たしてできるのかと問いたいというふうに思います。私は、実際このような観点から見たら、これは余りにも多大なる影響を子供たちにも及ぼす再開発事業だと、このようなゆがみを持った発想では、都市間競争に勝ち抜くこと自体ができないというふうにいわざるを得ません。
 オフィスビルにのみ込まれる計画の中央区立城東小学校の校舎は、今から八十六年前の一九二四年に完成した歴史ある校舎となっています。この校舎について、日本建築学会からどのような声が上がっているのか伺いたいと思います。

○佐々木防災都市づくり担当部長 日本建築学会のホームページの情報によりますと、平成二十二年に学会から中央区に対し要望書が出されているところでございます。その内容につきましては、震災復興事業として建設された復興小学校で、当時、区内に残っていた城東小学校を含む七つの小学校につきましては、文化財としての価値があると考えていること、また、保存、活用方法には、記録保存や部材保存など、さまざまな選択肢がありますが、校舎の持つ文化財的な価値を十分に考慮した形での保存、活用方法を検討してほしい旨の要望でございます。
 これに対して、区といたしましては、将来に向けて、日本建築学会の協力も得ながら、あらかじめ調査を行うなど、復興小学校の幅広い保存、活用に関して研究検討を進めるものとしているというところでございます。

○白石委員 今、答弁あったとおり、文化財として値打ちがあり、それにふさわしい保存と活用をと。私もこの要望書をきょう手元に持ってきましたが、読みました。何が書かれているかというと--関東大震災の後に、大地震に負けないというだけでなく、復興の願いを込めてつくられた復興校舎であるんですね、城東小学校は。その特徴として、設計の規格は、児童の健康と安全を重視し、良好な教育環境を整えると、高い理想に基づいています。
 具体的には、城東小学校を私も見にいきましたが、片仮名のコの字の校舎にして、窓面積を多くし、風と日光を取り込むために細心の注意を払って建てられています。
 また、デザイン面ではどうかといいますと、校舎の外観のデザインは、互いに異なる個性的な特徴を持っていて、いずれも表現主義的なデザインによる建築の秀作として高く評価されています。具体的に私も、先ほどもいいましたが、見にいきました。窓や階段室などに特徴のあるアーチや半円を用いた大変伸びやかなデザインで、こういう校舎で子供たちが学べれば、気持ちよく学校生活を送れるだろうなと私も実感いたしました。
 そして、各校舎の外観は、互いに異なる個性的な表現を持っていますので、地域のアイデンティティーを形づくるランドマークとしての意義もあり、昭和初期とは異なって、都市部に空地が減っている現代において、景観上の価値をますます高めていると、このように建築学会からの要望書の中にも書かれています。
 これをつくったのは中央区ではなく、東京市、現在の東京都、皆さんの先輩方というふうになります。ところが、この復興校舎は、かつて百十七校ありましたが、現存するものはわずか二十一校と。そのうち、現役なのは十校余りとなっています。数少ない一つが中央区の城東小学校というふうになります。八十六年の歴史で、風や光を取り入れる設計で、子供たちの心身の発達に細心の注意を払って、都市の貴重な空間を確保し、景観の価値が高まっていると。それを一瞬で壊して、正反対の性格を持った施設にしようとしているのが今回の計画ではないかと強く指摘したいと思います。
 景観保存という点では、きょう私は持ってきましたが、東京都都市景観マスタープラン、これを読ませていただきました。これは東京都が出されているものですが、そこではどのように書かれているかと申しますと、私たちは、先人から受け継いだ良好な自然環境を保全し、江戸東京の歴史や文化を伝える景観を現代に生かすとともに、活力に満ちた都市の発展に合わせて、世界都市にふさわしい、美しく潤いのある都市景観を創造していかなければならないと考えます。しかし、これは一長一短にできるものではありません。長い時間と多くの人々の力が必要です。私たちの東京を自信を持って次代に引き継ぐために、美しく潤いのある都市景観を一緒につくり上げていこうではありませんかと、このように高らかに呼びかけまでこの文面の中ではされています。
 この精神に立って、皆さんの先輩方が高い理想に燃えて建てたこの歴史ある建物を守りこそすれ、壊すことに手をかしてはならないとさらに強調しておきたいというふうに思います。
 次に、この開発が果たす国際貢献ということについてお尋ねしたいと思います。
 この別冊の資料にもありますが、都市計画素案の六九ページのカンファレンスセンターに関する資料の中で述べられている国際会議の基準はどのようになっているか伺いたいと思います。

○上野都市づくり政策部長 お手元の資料7、都市計画素案の六九ページに出典が記載されておりますけれども、日本政府観光局が国際会議統計を集計する際に用いておりますものが、国際会議の選定基準でございます。その選定基準の内容は、主催者が国際機関、国際団体等であること、参加者総数が五十名以上であること、日本を含む三カ国以上が参加していることなどとなっております。

○白石委員 続いて、質問を続けたいと思いますが、ここはライフサイエンスビジネスの交流拠点となるということですが、ターゲットとしているのは六百人以上千人未満のライフサイエンスビジネス関連と。この国際会議というのはどのくらい二十三区内で開かれているのか伺いたいと思います。

○上野都市づくり政策部長 国際会議統計によりますと、平成二十五年に二十三区内で開催された国際会議は五百三十一回でございまして、都市計画素案に示されております規模別の割合から算出いたしますと、六百人から九百九十二人の規模は七十三回、千人以上の規模は二百十九回と推計されます。
 本地区で整備いたしますカンファレンスセンターは、日本橋のライフサイエンス拠点や東京国際フォーラム、日本橋兜町などの金融機関などと連携いたしまして、国際会議のほか国際会合や見本市の開催など、国内外の幅広い交流の場として活用することとしていることなどから、幅広い事業に対応できるものでございます。
 本地区のカンファレンスセンターは、六百人未満の小中規模の会議から、周辺施設では開催することが難しい大規模な会議への対応が可能でございまして、こうした施設を整備することは、ビジネスを初め、交流人口の拡大に寄与し、東京の国際競争力の強化や東京の活力を向上させていく上で極めて重要でございます。

○白石委員 今、続けて質問させていただきましたが、主催者があたかも国際機関、団体であるかのように述べられていますが、最初の質問でも、などとなっていて、特定の営利企業以外ならどんな団体でもいいと書いてあることは、まず指摘しておきたいというふうに思います。
 その上でですが、参加者数は五十名以上と。ところが、この資料はなぜか、六九ページを見ていただければわかりますが、三百名以上から計算された表となっております。実は国際会議というと、三百人未満の会議が多いということは明らかなんです。
 第二百回の都計審に出された浜松町二丁目四地区、世界貿易センタービルの建てかえなどの超高層ビル計画ですが、ここの提案書では次のように書かれているんです。
 国際会議の二〇一〇年開催実績によると、会議の規模は二百人未満が約五四%、七百人未満で約八五%と小規模の会議開催が主流となっていると。そして、過去十年間を見ても、小規模から中規模会議が多いことから、需要としては七百人程度まで許容できる中規模のコンベンションセンターや二百人未満のカンファレンスセンターが多いとされていると、このように書かれています。
 そこで、この計画では、羽田空港に近いエリアに収容人数五百から七百人程度の国際コンベンションセンターなどをつくることに対して、国際交流の容積率のボーナスを都が与えたというふうになります。五十名以上という国際会議の定義に基づいて計算すれば、六百人以上千人未満の国際会議が国際会議全体に占める割合は、今は一四%とありますが、わずか五・七%まで減ってしまいます。しかも、六百人から七百人の部分については、この表にも出ているように、JPタワーや日本橋三井ホールがあります。ですから、この部分を除いて、七百人以上千人未満で見ると、この部分の占める割合というのはわずか三・七%まで落ち込みます。過去十年で計算してみても、最高で四%というふうな状況です。
 このように統計をゆがめて水増しすると、このカンファレンスセンター、すなわち会議場がターゲットにしている七百人以上千人未満のライフサイエンスビジネスに関する国際会議がどれぐらいあるのかと、このように私も担当にも尋ねましたが、掌握していなかったと。全体では推計で、二十三区内で開かれた六百人以上千人未満の国際会議は七十三件なんだと先ほど答弁がありました。
 ちなみに二〇一三年度、全国で百三十九件、そのうち都外で開かれたものは、主催者からの掲載の許可を得た情報だけを掲載しますという、国際会議の一覧表でそういう前提があるのですが、チェックいたしました。ここに載っているだけで九十件以上がありました。差し引いても五十件にも足りません。実際この表に載っている都内の開催は十件ほどしかありませんでした。七十三件になるとはとても、これを見て、一つ一つ事細かに見ていけば、推計できるということにはならないのではないかと。
 本当にそのような需要があるのかも、まともに検証もせず、八〇〇、九〇〇%だった容積率を一六七〇%にまで大サービスすると。ディベロッパーや大手ゼネコン任せで、学校教育や都市の景観、環境に深刻な影響をもたらして、東京一極集中を加速させ、それ以外の地域を弱体化させる計画の後押しを東京都は進めるべきではないというふうに強く指摘したいと思います。
 よって、この計画には反対であるということを表明いたしまして、質問を終わります。

○栗山委員 ナンバー1とナンバー2の八重洲地区の都市再生特別地区についてご質問いたします。
 八重洲地区では、羽田空港や地方都市を結ぶバスターミナルを整備すると先ほどご説明をいただきました。オリンピック・パラリンピック大会開催後の観光客の増加等を踏まえ、羽田空港や地方都市を結ぶバスターミナルの整備効果は高いと考えます。東京のみならず、高速バスを利用して、地方へも国内外から観光客が訪れ、地方も東京も活性化する、よい計画であると考えます。
 ところで、修学旅行や観光目的の貸切バスの需要も高いわけですが、都内には貸切バスが発着できる駐車場は少なく、路上などで発着が行われているのが実情です。都議会自民党では、東京バス協会の要望を受けて、東京都に対して、都内の主要ターミナルにおいて、貸切バス発着場の整備拡充を要望しております。これに対して都は、駅周辺における再開発などのまちづくりの機会を的確に捉え、地元自治体や関係事業者等とともに連携を図りながら適切に対応していくと回答されています。
 そこで、質問させていただきます。これまでの都市再生特別地区における貸切バス発着場の整備の実績をお伺いいたします。

○上野都市づくり政策部長 これまでの都市再生特別地区におきましては、京橋二丁目の明治屋を含む特別地区と銀座六丁目の松坂屋を含む特別地区におきまして、現在、貸切バスの発着等に対応したバス乗降場の整備を行っております。京橋二丁目におきましては平成二十八年十月、銀座六丁目におきましては同年十一月に竣工予定でございます。

○栗山委員 都市開発の機会を捉えた取り組みを既に実施していることがわかりました。
 次に、今回の八重洲地区で整備するバスターミナルは、貸切バスの発着に対応した施設となるのでしょうか、お伺いいたします。

○上野都市づくり政策部長 今回の都市計画素案では、東京駅周辺におきましては、歩道上でのバスの乗降により歩道が混雑するなどの課題があることから、路上に分散しております高速乗合バスや定期観光バスの停留所を本地区内に整備するバスターミナルへ集約することとしております。貸切バスへの対応につきましては、今後バスターミナル運営者など関係者におきまして、バスターミナルの運営等を勘案しながら検討していくこととしております。都といたしましても、引き続き駅周辺における再開発などのまちづくりの機会を捉えまして、関係事業者等とも連携を図りながら対応してまいります。

○栗山委員 八重洲地区の貸切バスについても今後検討されていくことがよくわかりました。今後も都内の主要ターミナルにおいて都市再生の機会を捉え、貸切バスが発着できる施設の整備を促進していただきたいと考えます。
 今回の計画は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に、バスターミナル等の整備により、東京駅前の交通結節機能の強化を図るとともに、地方との連携を促進する大変重要な取り組みであると考えますので、事業を着実に推進していただけることをお願いいたしまして、私の質問を終わります。

○大島委員 私からは、最初に愛宕地区の地区計画変更についての意見を述べさせていただきます。
 愛宕地区再開発等促進区を定める地区計画の変更は、東京圏国家戦略特別区域会議に東京都が提出した東京圏区域計画素案に示されておりますように、都市計画法等の特例により、森ビル株式会社が事業主体となる開発計画を速やかに進めるために必要なものとなっています。
 東京都は、東京を世界に開かれたグローバルビジネス都市へと大改造する目標を掲げ、こうした目標達成に向けて、スピーディーに対応するとしています。森ビル株式会社は、虎ノ門、愛宕周辺における都市再生の方針を、計画地では、周辺開発との連携が図られた交通結節機能の強化を図るとともに、国際水準の居住機能、高水準の生活支援機能の導入を図るとしています。
 今回提案されておりますI地区は、指定容積率は加重平均で四七〇%ですが、これを事業者提案の計画容積率一二〇〇%と同様に、建築物の容積率の最高限度を一二〇〇%に引き上げ、建築物の高さの最高限度を二百二十メートルとしています。森ビルはここに地上五十六階、地下四階、住宅、店舗などの超高層ビルを建設する計画です。
 このI地区の隣には、港区の観光名所ともなっております愛宕山、愛宕神社があります。建築物等の整備方針では、地区内の歴史的、文化的環境の保全や愛宕山の眺望等の確保を図るとあり、土地利用に関する基本方針では、愛宕山に残された緑や歴史的環境を保全することも明記されています。
 しかし、桜と景観美の名所の隣に地上五十六階もの超高層ビルを建設することを許せば、この貴重な景観が破壊されてしまうことになり、愛宕山の眺望等の確保にも逆行することになります。今回の地区計画変更の理由には、国家戦略特別区域の指定に伴い、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図り、計画的複合市街地の形成を図るためと書かれています。
 東京圏国家戦略特別区域の指定に伴う地区計画の変更は、土地の合理的かつ健全な高度利用の名のもとに、大企業のもうけ最優先で、地域を破壊する方向は鮮明です。よって、この地区計画変更に反対するものです。
 続いて、都市計画事業上篠崎一丁目北部土地区画整理事業の事業計画決定に伴う意見書の審査及び口頭陳述の聴取等について質問いたします。
 上篠崎一丁目北部土地区画整理事業の事業計画決定に伴う意見書の審査及び口頭陳述の聴取の件ですが、今回は六百九十七名の方から七百六十六通の意見書が提出され、うち口頭陳述を申し立てている方が三十五名いるということです。意見書の内容を、若干ここに書かれているものだけですが、見てみますと、ほとんどが事業計画について反対、事業の進め方やスーパー堤防事業についても反対や疑問の声が多く、事業全体が納得できないというだけでなく、事業を進めようとしている江戸川区のやり方への怒りや不安も大変大きいと感じました。
 意見書についての事業者の見解が出されておりませんので、スーパー堤防事業を同時に進めようとしていることや、地域住民に対する説明への疑問などについては、本日の質疑では明らかにできませんので、後日に譲りますが、事業認可をする東京都として、現時点で答弁できる内容でお答えいただきたいと思っています。
 まず、事前説明会資料の五一ページ、事業計画案の概要というのを見ますと、事業の目的に、広域的な防災性の向上、都市基盤の整備、住環境の改善などが挙げられています。本地区を含む周辺には、昭和四十四年に土地区画整理事業の都市計画決定がされていることとあわせて、今回の事業の予定区域には、さまざまな都市計画施設があり、今回の区画整理事業とあわせて、これらの施設が整備されると聞いておりますが、具体的にはどのような施設があるのかお伺いいたします。

○奥山市街地整備部長 本事業では、宅地の整備にあわせまして、施行地区内の公共施設であります都市計画道路、区画道路、公園、緑地を整備いたします。お話の都市計画施設につきましては、篠崎公園、都市計画道路補助第二八八号線及び第一三号江戸川緑地が位置づけられております。宅地の整備とあわせまして、こうした公共施設の整備を行うことにより、住環境の改善が図られ、災害に強く、安全・安心なまちづくりが実現されます。

○大島委員 今のご答弁にありましたけれども、さまざまな都市計画決定がここでされているということなんです。その中で、先ほどもいいましたこの事業の目的というところを見ますと、都市計画道路補助第二八八号線、それから都立篠崎公園の再整備、そして第一三号江戸川緑地の整備、江戸川高規格堤防整備事業が予定されているというふうに書いてあるんです。
 高規格堤防事業、いわゆるスーパー堤防の事業なんですが、これも都市計画の施設として位置づけているものなんでしょうか、それともこの堤防をつくるということは、第一三号江戸川緑地の整備と一体のものとして考えていくということなのでしょうか。

○奥山市街地整備部長 江戸川につきましては、都市計画河川ではないことから、江戸川の河川施設の一部でありますスーパー堤防につきましても都市計画施設としては定められておりませんが、国におけるスーパー堤防の整備区間の考え方といたしまして、人口が集中した区域で、堤防が決壊すると甚大な人的被害が発生する可能性が高い区間としておりまして、当該区間は、その区間として、国の方針として定められております。第一三号江戸川緑地のうち、スーパー堤防の整備区間と重複する部分につきましては、一体的に整備されることとなります。

○大島委員 堤防が決壊したときに人的被害を少なくするためにスーパー堤防の整備をする区間というのが定められているということで、このスーパー堤防の事業そのものについては、都市計画の施設としては計画されていないということでした。
 そうしますと、スーパー堤防を一遍に全部整備できれば、確かに決壊と人的被害というのは少なくなるかと思うんですけど、北小岩のスーパー堤防のときにも私はお話ししたと思うんですが、部分的に、できるところからやっていくということになると、ずっとつながって堤防ができるわけじゃないんですよね。そうなると、この被害というのはいつ来るかわからないから、そういう意味では決壊による人的被害を少なくするんだということ自体が、地元の人たちにとってみれば、スーパー堤防で守られるのかということにもなっていくのではないかなというふうに思うんです。
 今回、この施行区域の中に浅間神社というのがあるんです。ここは特別緑地保全地区という都市計画決定が江戸川区によって行われています。私もいろいろ調べたんですけれども、浅間神社付近の一帯は土地が高くて、地形上から古墳の跡ではないかといわれている注目すべき点があるということが、資料でとった中に書かれていたんですけれども、特別保全地区の都市計画決定がされているというために、区画整理事業や高規格堤防事業のかかる地域であるにもかかわらず、そのまま保存されるということを聞きました、この浅間神社につきましては。
 同じ施行区域内に、浅間神社と同様に由緒ある妙勝寺というお寺さんがあるんです。ここは江戸川区緑地の指定を受けた中にありまして、移転の対象となっています。こうした同じように歴史、文化が非常にある、由緒あるこういった施設について、また違う対応をしているということについての理由をお伺いいたします。

○奥山市街地整備部長 答弁の前に、先ほどのスーパー堤防の整備でございますけれども、国土交通省としましては、面的な整備が行われる地域、本事業のように区画整理が行われるような地域の事業とあわせまして整備をしていくという方針でございます。したがいまして、これらの事業とあわせて順次、線的にスーパー堤防が整備されるものと理解しております。
 お話の浅間神社につきましては、江戸川区内では最も古く、九三八年の創建といわれ、境内地には、樹高が三十メートル近い大木が生い茂り、区指定の天然記念物となっていることから、特別緑地保全地区として区が指定したものでございます。このような状況を勘案し、本神社は現在の位置に存置する方針であると聞いております。
 一方、妙勝寺の部分につきましては、このような指定がなされておらず、本事業において整備する都市計画施設である江戸川緑地の中にあることから、本施行地区内で移転する方針と聞いております。

○大島委員 スーパー堤防の関係でいえば、面的整備をするところとあわせてやっていくということですから、そういう整備を行うという計画がないところは、結局スーパー堤防にならないんです。だから、飛び飛びになっていくということ。
 それから、北小岩のときも私は指摘しましたけど、マンションの建設などで、そこをどうしてもスーパー堤防にしないというような民間事業者がいた場合は、そこは飛び越してやっていくんだというようなことも示されているわけですから、こういった面的整備というのをやる一部分だけがスーパー堤防化する。それによって人的被害を少なくするという、それは、なかなか一連のスーパー堤防化と考えると難しいのではないかなというふうに私は思っています。
 先ほどの浅間神社にかけられている特別緑地保全地区というのは、江戸川区の都市計画決定ですから、東京都がその理由については明確にはなかなかわからないというふうに思いますけれども、先ほど浅間神社というのは九三八年にできたといっていますけれども、もう一方で、妙勝寺というのも一二七八年の開山ということで、浅間神社は千百年くらい、妙勝寺は七百五十年ぐらい、その歴史の長さというのはどういうふうに見るのかというのはわかりませんけれども、いずれにしても歴史ある神社や寺院であるということには間違いがないんです。
 そういう点でいえば、しっかりと保全すべき施設だというふうに私は考えます。しかも、この妙勝寺には四百五十基を超える墓地があるんです。墓地の移転ということを考えても、相当の負担を強いられることになるんではないかというふうに思います。今回のこの意見書の中にも、七百三十年間、何千何万の祖先が眠る墓を百年に三回も掘り起こし、移転してもいいのかというような意見も出ているくらいで、結構墓地というのは、そこの方たちにとっては大切なものなんです。
 そういうことを考えますと、墓地の移転も含めて、住民の理解と協力なしには、こういった事業は進められないと思いますけれども、都の見解をお聞きします。

○奥山市街地整備部長 妙勝寺につきましては、先ほどご答弁申し上げましたように、都市計画緑地の中に位置することから、本施行地区内で適切に移転されることとなります。江戸川区では、平成十七年度より、本地域のまちづくりにつきまして、説明会や個別説明を幾度も重ねてきております。区では、これまで同様に、引き続き地区の住民の方々の理解と協力を得ながら、本事業を進めていくものと認識しております。

○大島委員 理解と協力を得ながら進めていってほしいと私も思います。ぜひ東京都としてもそういう意思を伝えていただきたいと思うんです。
 事前説明会資料の五三ページのところを見ますと、区画整理事業がまだ決定されていない段階で、墓地の移転先だけは既に指定されているんです、この紫色のところです。本堂も含めて、施行区域内で仮換地も行われていないのに、どうしてこういう提案ができるんでしょうか。

○奥山市街地整備部長 区画整理の事業計画の設計図に表示する内容は、土地区画整理法施行規則に定められており、お話の墓地のほか、施行地区内の公共施設並びに鉄道、軌道、官公署及び学校の用に供する宅地の位置及び形状を表示することとなっております。妙勝寺の本堂も含め、一般の宅地につきましては、事業計画の決定後、換地設計において決定していくこととなります。なお、江戸川区からは、妙勝寺本堂の移転先につきましては、墓地の位置等を考慮し定めていくと聞いております。

○大島委員 土地区画整理法で墓地の位置を表示するということになっているということなんですけれども、私は墓地の位置がなぜここなのかという疑問があるんです。当事者である妙勝寺さんの意見も聞かず、墓地の位置を指定するということは、妙勝寺を強制移転させるという区の強い意向があるからじゃないでしょうか。いずれにしても、住民の声を聞かないこうしたやり方は、住民との意思疎通を阻害するものだというふうに考えます。
 もう一つ、今回の土地区画整理の施行区域が、一の区域と二の区域では飛び地のようになっているんですが、その理由を伺います。

○奥山市街地整備部長 本施行地区は、一の区域と称する約三・八ヘクタールの区域と、そこから南に約三百メートル離れた二の区域と称する約〇・二ヘクタールの区域で構成されています。本事業は、江戸川区が所有している二の区域を、一の区域の権利者の移転先として活用できるため、両区域を一体的に施行することとしております。これにより、仮住まいの必要がなく、一回の移転で済むという方法が一部で可能となり、権利者の負担が軽減されることとなります。

○大島委員 今回、一回の移転で権利者の負担が軽減されるんだよという答弁だったんですけど、通常の区画整理事業では、換地で一回の移転で終了するんです。何でここではわざわざ一回の移転が可能だなんていうことをいうのかといえば、スーパー堤防をつくるために二回の移転が必要になってしまうからなんです。
 私も現地に調査に行ってきました。既に住宅地の用地買収がかなり進んでいて、空き地もかなり目立つんです。事業決定もされていない区画整理事業区域としては、異常なくらい空き地が広がっていました。事業が決定される前から住民に立ち退きを迫っていたんじゃないかと、こういうふうな疑問も持ちました。
 こうした内容については、事業者の見解が示されてから質疑したいと思いますけれども、このような状況のもとで、区画整理事業への住民の不安も疑問も大きくなっています。だからこそ、これほど多くの方たちが意見書を上げているんだと思うんです。
 それだけでなくて、住民の方々がみずからの生活の問題や地域コミュニティの問題、まちづくりの問題、今回の区画整理事業について、事業決定前に日ごろ考えているさまざまな意見を都市計画審議会の委員に直接聞いてもらいたいという願いは当然だと思います。三十五名の方の口頭陳述をぜひ都市計画審議会の場で直接聴取されることを強く要望し、発言を終わります。

○奥山市街地整備部長 先ほど一回の移転というお話がございました。一般的に区画整理事業では、仮住まいに一回移転して、またもう一回戻るという二回の移転となることが多くございます。今回は一回の移転で済むという方法をとるよう施行者江戸川区が努力しているということでございます。

○島田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これに異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島田委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十四分散会

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