都市整備委員会速記録第十三号

平成二十六年十二月十九日(金曜日)
第六委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長島田 幸成君
副委員長高橋 信博君
副委員長大島よしえ君
理事舟坂ちかお君
理事野上 純子君
理事神林  茂君
栗山よしじ君
石川 良一君
白石たみお君
上野 和彦君
谷村 孝彦君
菅野 弘一君
尾崎 大介君
立石 晴康君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長技監兼務安井 順一君
次長浅川 英夫君
技監佐野 克彦君
理事櫻井  務君
理事西倉 鉄也君
総務部長細渕 順一君
都市づくり政策部長上野 雄一君
住宅政策推進部長今村 保雄君
都市基盤部長佐藤 伸朗君
市街地整備部長鈴木 昭利君
市街地建築部長久保田浩二君
都営住宅経営部長永島 恵子君
基地対策部長筧   直君
企画担当部長福田  至君
連絡調整担当部長黒川  亨君
景観・プロジェクト担当部長小野 幹雄君
まちづくり推進担当部長佐藤  匡君
住宅政策担当部長加藤  永君
民間住宅施策推進担当部長山崎 弘人君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務山下 幸俊君
防災都市づくり担当部長佐々木 健君
多摩ニュータウン事業担当部長太田 誠一君
局務担当部長臼田  仁君
耐震化推進担当部長佐藤 千佳君
経営改革担当部長臼井 郁夫君
再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務五嶋 智洋君
営繕担当部長青柳 一彦君
横田基地共用化推進担当部長交通政策担当部長兼務牧野 和宏君

本日の会議に付した事件
都市整備局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百八十四号議案 平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、債務負担行為 都市整備局所管分
・第二百九号議案 東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第二百十号議案 宅地建物取引業法等関係手数料条例の一部を改正する条例

○島田委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の付託議案の審査を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百八十四号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、債務負担行為、都市整備局所管分、第二百九号議案及び第二百十号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○白石委員 補正予算にかかわり幾つか質問させていただきます。
 今回の補正予算は、特定整備路線補助二九号線に伴う物件調査委託費を債務負担行為として、限度額四百三十二万三千円を組むものとなっています。
 特定整備路線補助二九号線は、約三・五キロにわたり幅二十メーターの道路が、住宅街や商店街、保育施設、防災広場、学校など公共施設をも貫く道路計画となるため、計画線上の住民や品川区民から反対の声が現在広がっています。また、テレビや新聞などマスメディアもこの問題を取り上げ、さらに関心が広がっています。
 都市整備局所管区間は、東急大井町線戸越公園駅周辺の四百六十メーター区間となります。この区間には、戸越公園中央商店街、戸越公園駅前南口商店街の二つの商店街があります。
 この二つの商店街は、戦後間もない昭和二十年ごろに誕生いたしました。六十九年の歴史があり、まちとともに栄えてきたのがこの商店街です。二つの商店街を合わせ百三十店舗以上の店が軒を連ね、地域密着型の商店街として、地元住民の生活を文字どおり支えています。
 二つの商店街は、二九号線が通されれば、片側が根こそぎ削り取られるため、商店街の商店のみならず、地元住民からも道路計画に反対の声が広がっています。
 そこで、初めに伺いますが、物件調査とは具体的にどのような調査をし、どのような目的で行われるものなのかをお答えください。

○佐々木防災都市づくり担当部長 物件調査についてでございますが、物件調査は、用地の取得に伴い移転が必要となる建物や工作物などの物件の範囲、種類、数量、形状などを明確にするために行うものでありまして、移転補償費を算定するために欠かせない調査でございます。

○白石委員 今答弁であったように、物件調査は、道路建設に伴い建物や工作物の移転の必要がある場合、その土地にある財産や価値を調査し、移転補償額がどのくらいなのかを算定するための目的で行うものです。端的にいえば、道路計画線上に係る住民や商店街の店舗などに立ち退きを進めるために必要な調査ということになります。
 この物件調査は、道路の事業認可がおりてから行う調査であります。
 そこで伺いますが、都市整備局施行の四百六十メーター区間は事業認可されていないと思いますが、国に事業認可申請を現在までに提出しているのか、お答えください。

○佐々木防災都市づくり担当部長 現在、事業認可申請提出の準備を進めているところでございまして、今年度中の事業認可を予定しているところでございます。

○白石委員 十二月現在でも、国に事業認可は今のところされていないという状況です。
 そもそも物件調査は、来年度以降に予定されており、今年度予算には計上されていませんでした。それを前倒しをし、補正予算として計上するのは、道路を強行に進める一歩として組むものであるとしか思えませんが、物件調査を前倒しで進める理由をお答えいただけますか。

○佐々木防災都市づくり担当部長 補助二九号線の戸越公園駅周辺地区におきましては、平成二十年四月に戸越公園駅周辺まちづくり協議会が発足し、駅前の街区では再開発準備組合が設立されるなど、まちづくりの検討が進んでおります。
 こうしたまちづくりの具体的な事業化の検討においては、街路事業の移転補償費が重要な要素の一つとなることから、金額の提示を早期に求められることが想定されます。このため、補正予算を組み、事業認可後速やかに物件調査に着手することにより、補償額を少しでも早く提示できるようにするものでございます。

○白石委員 今の答弁ですと、まちづくり協議会から、地元のまちづくりの具体的な事業化の検討を進めるため、移転補償額がどのくらいになるのか早く算定してほしいと、この要望に応えたものということになります。
 しかし、実際には、立ち退き対象の住民や商店からは、住み続けたいとの声や、長年商売をしてきた、道路によって店を奪われたくないという声が根強く出されています。それがこの地域の現状です。
 平成二十六年十月八日に、東京都知事と関係局に対して、特定整備路線整備に反対する全都の住民の会や運動団体の特定整備路線事業化の白紙撤回を求める要請行動が、都庁内で行われました。その場で、二九号線にかかわる住民の会から舛添都知事宛てに、四十一名の方が住所と実名を出して、私の訴えと題し、直訴文が手渡されたと思います。
 そこで伺いますが、この直訴文の中で、都市整備局施行区間に係る要望書の数はどのくらいあったのか、あわせて要望はどのような内容だったのか、お答えください。
 また、地元ではどのような声が上がっているのか、それに対する都の認識をそれぞれお答えください。

○佐々木防災都市づくり担当部長 ことし十月に受領いたしました補助二九号線の都市整備局施行区間である戸越五丁目、六丁目にお住まいの方からの要望書は十通でございます。
 主な意見は、商店街がなくなる、コミュニティが分断される、国道一号線があるのに不要などでございました。
 また、地元のまちづくり協議会からは、道路整備を前提とした戸越公園駅周辺のまちづくり、鉄道の立体化や生活再建などについての意見や要望をいただいているところでございます。
 都は、引き続き区と連携し、地元の意見や要望を丁寧に聞きながら、道路整備に取り組んでまいります。

○白石委員 住所から抜き出してカウントされたので十通と答弁されましたが、実際は、商売をしているけれども住所は他地域となっている方もいらっしゃるので、正確には十三名の方から、都市整備局施行区間から直訴文が届けられています。
 地元の意見や要望も丁寧に聞きながら取り組んでいくとも答弁もされましたが、それならば、住所だけを見て数など数えず、直訴文を出された方々のところに一軒一軒足を運んでお話を聞いていただきたいというふうに要望しておきます。そのようにすれば、十三件だということも容易にわかります。
 戸越公園駅南口商店街の金物店の方は、直訴文でこのように訴えています。戦後七十年、戸越のまちに住んでいました。私にとりましては、父が戦後の荒廃厳しいまちにおいて、何もない、仕事も来ない、お金もない悲惨な生活をしながら、私たち子供を大原小学校に入学させて、勉強に励まさせてくれました。しかし、当時は食料不足で、学業などではない生活をして住んでいました。戸越のまちも、朝七時より夜十一時まで必死に働いて、まちとして商店街として発展させてきたまちです。多くの商店街の会員の努力によって、道路をアスファルトかられんがに、まちのネオンも明るくされたまちに、頑張ってきたとおりです。今、輝く笑顔住み続けたいまち品川を目指して、戸越のまち、品川区のまちを発展させてくださると願っていましたが、夢かなわず、この住みやすい戸越を、道路をつくることで住民を立ち退かさせて、我々も、親の残してくれた事業もだめにする。この話には断じて反対します。道路よりも、耐震防火のまちづくりにはほかにもあるのではないかと、誠実な思いがつづられています。
 私、この直訴文を読ませていただきまして、商店街の歴史が刻まれていると思いました。商店の皆さんがどういう思いで商店街として発展させてきたのかが、この文に凝縮されています。アスファルトかられんがにかえ、ネオンも明るくさせて、地元の人たちが歩きやすく、買い物しやすく発展させてきたのがこの商店街の歴史なのです。商店街が地元住民の生活を支えてきたというふうなことだと思います。それを再びれんがからアスファルトの道路に戻すのかと、私からも強く訴えたいと思います。
 この方だけではありません。戸越公園駅前南口商店街で商売をしているほかの方はこのように訴えています。祖父の代から築き上げた八十年分の歴史と信用を余りにも軽視していませんか、今でも商店街はまちの中心で触れ合いの場です、こう述べ、知事にとっては小さな事案かもしれませんが、私たち住民にとっては人生を左右する大問題ですと、このように訴えています。
 地元ではどのような声が上がっているのかと先ほど質問したときに、答弁をされませんでしたので、確認いたしますが、戸越公園駅前南口商店街が道路計画への反対決議を商店街として上げていると思いますが、その事実を都は認識していないということですか。お答えいただきたいと思います。

○佐々木防災都市づくり担当部長 先ほども申し上げました、平成二十年四月に設立いたしました戸越公園駅周辺まちづくり協議会に南口の商店街の方も復帰されておりますので、現在、南口の商店街の方のご意見も含めて、まちづくりの検討を一緒に進めているところでございます。

○白石委員 いや、おかしいんですよ。私、商店街の方にもお話を伺いましたけれども、商店街として多数決をとって反対決議が上がったというふうな事実があります。商店街の方に聞いたら、区にも都にもそれはいっているというふうにいっているんですけど、もう一度伺いますが、これは認識されていないということですか。お答えいただけますか。

○佐々木防災都市づくり担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、戸越公園駅周辺まちづくり協議会におきまして、南口商店街の方とも意見交換をして、今後のまちづくりについて検討を進めているというところでございます。

○白石委員 質問に答えてくれていないんですよ。反対決議が上がったというのは認識しているかどうかというのを聞いているんです。
 まちづくり協議会に南口商店街が入っているのは私も知っています。ただ、南口商店街として、しっかり総会の中で多数決をして、この補助二九号線の道路計画に反対しますと決議が上がったという事実があるんです。
 しかし、今の答弁だと、認識をしているかしていないか答えていないんですけれども、認識されていますよね。もう一度確認しますが、お答えいただけますか。

○佐々木防災都市づくり担当部長 先ほどもご答弁申し上げたところでございますが、南口商店街の方につきましては、一時期まちづくり協議会から、反対の意向というふうなことで離れておりまして、今また再度復帰してございますので、そういった中で話し合いをしているという意味で認識してございます。

○白石委員 歪曲をしないでいただきたいと思いますが、認識として伺ったんですけれども、反対決議は今もう既に上がっているんです。取り下げているとかそういう事実は全くありません。
 この商店街の人たち、地元ではどのような声が上がっているかと、私、質問いたしました。商店街が反対決議を上げている事実について認識されていたというふうに今いわれましたけれども、それにもかかわらずこの重大事実については紹介されなかったと。本当におかしいと思うんです。なぜこの事実を先ほどの私の質問に対して取り上げなかったのか。
 いいですか。二つの商店街です、ここの都市整備の区間は。そのうちの一つの商店街が多数決によって反対決議を上げたという、この事実は重大な事実なんです。戸越公園駅前南口商店街として反対決議が上がっています。
 この事実を誠実に受けとめるのなら、都は先ほど、物件調査はあたかも地元要望に沿って早めるかのようにいいましたが、むしろ今こそ立ちどまって、白紙にして話し合うことこそ求められていると思います。それが行政の本来のあり方です。
 私は、このような都の不誠実な姿勢を見れば、二九号線を推進する資格がないといわれてもおかしくないと思います。
 商店街がなくなってしまう危機に、買い物に訪れる地元住民の方からも、商店街は地域密着の憩いの場だという声や、地域のコミュニケーションの場、南口商店街を潰さないでと、こういう声が数多く寄せられています。
 また、移り住んで三十二年となる方は、このように自分の思いをつづっています。私には三人の子供がおり、既にそれぞれ自立し、孫もいます。この地で生まれ育った子供たちにとってはこの家がふるさとです。商店街は皆気さくに相談ができ、子供のことなども話題にできる間柄となっています。商店街は交通量が少ないため、子供も高齢者も安心して通学や買い物ができ、商店主と挨拶を交わしています。近くには住民の防災広場としてかまどや簡易トイレも設置され、地域住民で避難訓練をしているゆたか防災公園があります。高層建築もなく日当たりのよいこの公園は、地元の保育園園児の一年中安心して遊べる場所でもあります。ここが、道路のため半分が消失されるのです。二九号線の計画が発表されたときに、なぜという驚きと怒りさえ覚えました、子供や孫のふるさとを奪わないでほしい、そして、防災公園を半分に削り取る道路がなぜ防災のためと説明できるのか理解できないというふうな声です。
 先ほど地元の意見や要望を丁寧に聞きながらと答弁されました。では、今までいったこういう声に対して、これらの声をどのように受けとめているのか、お答えいただけますか。

○佐々木防災都市づくり担当部長 この地域では、高度防災都市の実現に向け、延焼遮断帯や避難救援路として、整備地域の改善に大きな効果を有する補助二九号線の整備が急務でございます。
 また、平成二十五年二月に策定された品川区まちづくりマスタープランにおいても、延焼遮断帯として、地域の区民の安全な暮らしを守るために必要不可欠な道路であるとともに、ライフラインとしても重要な役割を持っていると位置づけ、都と密接な連携、協力を図り、早期着手に向けて取り組んでいくとしているところでございます。
 このため、今年度に予定している事業認可取得後も、用地説明会の開催や相談窓口の設置などを通して、引き続き、関係権利者お一人お一人の事情に応じたきめ細やかな対応を行い、理解が得られるよう努めてまいります。

○白石委員 防災のためと、このようなことをいわれました。防災のためといいますが、まちあっての防災です。
 阪神・淡路大震災では、地震直後の一撃により家屋が倒壊し、圧迫死により約八割もの人々が亡くなっています。道路を幾らつくっても、家が倒壊してしまえば住民の命と財産は守れません。
 国の中央防災会議が指摘しているように、あらゆる対策の大前提として建築物の耐震化を進めることです。建物の耐震化を一〇〇%にした場合、全壊棟数と死者数が約九割減少し、感震ブレーカーなどの設置による出火防止対策や初期消火成功率の向上などにより、焼失棟数と死者数が九割以上減少すると、国も提言をしています。
 戦後間もなく六十年以上続く商店主の方はこういうふうにいいます。みんな顔見知りで家族構成まで知っている、だからこそ助け合えると話します。店には世間話を楽しみに来るお年寄りも多い、コミュニティづくりの中心にある商店街が消えれば、長い年月で築かれてきた住民のきずなも失われると、地域の共助力を弱体化させる危機感を話しています。まさしくこの道路建設こそ、防災力を弱めるまちづくりとなるのではありませんか。
 この四百六十メーター区間だけでも、八十億円近い莫大な税金が投入されると推計されます。これだけの税金を投入するのであれば、建物の耐震化や難燃化にこそ税金を使ってほしいと求める住民の声は当然だと思います。
 また、環境悪化や交通事故の増加などの懸念も出されています。十二月十三日のテレビ朝日「ニュースなぜ太郎」で、二九号線の報道がされました。その中で、戸越公園中央商店街にある八百屋さんがインタビューで、交通量がふえると排気ガスとかが気になりますと、このように話し、環境悪化の懸念をする声が取り上げられました。
 二九号線の道路計画では、東急大井町線戸越公園駅の踏切を横断することとなります。約二百メートル以内に信号、踏切があり、さらに信号機を設置しなければいけない箇所も存在します。踏切待ちや信号待ちにより交通渋滞が発生することが懸念されますが、具体的にシミュレーションなどを行い、検討調査を行っているのか、伺いたいと思います。

○佐々木防災都市づくり担当部長 鉄道や道路との交差部の交通処理については、今後、道路整備に当たり、交通管理者や鉄道事業者等の関係機関と十分に協議し、必要に応じ検討してまいります。
 また、先ほど委員から中央防災会議の報告書についてご指摘ございました。平成二十五年十二月の中央防災会議の首都直下地震の被害想定と対策についてという最終報告におきましても、火災対策といたしまして、出火防止対策とあわせて延焼被害の抑制対策を掲げておりまして、基盤整備等木造住宅密集市街地の解消に向けた取り組みを継続するなど、延焼の拡大を防ぐ火災に強い都市づくり、まちづくりを推進するというふうに位置づけられているところでございます。

○白石委員 まあいろいろいいますけれども、いいですか、あらゆる大前提に耐震化なんだと、このように述べているんです。しかも閣議決定もされているんです。本当にそういうところをしっかりと受けとめないで、今の耐震化の問題でも予算を毎回余らせているというような、このような今の都の状況、私、住民からすれば本当に許せない行為だと思います。
 今、具体的にシミュレーションなどを行い、検討調査を行っているのかというふうに伺ったんです。答えていないんです。現時点で検討されていますか。お答えください。

○佐々木防災都市づくり担当部長 先ほどご答弁申し上げたとおり、今後、道路整備に当たり、交通管理者や鉄道事業者等の関係機関と十分に協議し、必要に応じ検討してまいります。

○白石委員 答えてくれないんですね。要するに現時点では検討していないということなんです。いえないんですよ。現時点でですからね、シミュレーションをやっているのかと、交通渋滞に対してどういうふうに都がしっかりと調査しているのかと。全くやっていないということがはっきりとしました。検討も調査も現時点で何もされていないということです。
 二九号線の建設局施行区間の認可申請を見ると、道路建設を進める第一の理由は、本整備により交通の円滑化が図れるとともに、安全で快適な歩行空間が確保されるとしています。続いて、またというふうに述べまして、主要延焼遮断帯である同区間の整備により地域の防災が向上すると、このようになっています。
 この事実が判明したときに、地域からは、私たちは防災に協力していると思ったのに、本当は交通のためだったのかと、怒りの声が上がりました。道路の円滑化が図れると、このように第一の理由でしていますが、第一の理由だったとしても、この区間は、円滑化どころか、道路ができれば、踏切付近を中心とした深刻な交通渋滞などが生まれる可能性が極めて高いんです。
 ところが、交通渋滞の予測シミュレーションや調査検討もされないまま、先ほど答弁では、必要に応じてと、このようにいいましたけれども、事業認可申請が強行され、物件調査は前倒しで進められようとしています。余りに無責任ではないのかと、ここでも二九号線の建設を強行する資格がないと指摘せざるを得ません。
 二九号線の既に認可がおりている区間では、住民側が国土交通省に不服審査請求を出しています。第一次分では百一名が、そして第二次では二百十七名の方が申し立てを行いました。都が強行しようとすればするほど住民の連帯と運動は必ず広がります。このことを都は認識すべきです。(発言する者あり)ちょっと黙ってください。
 商店街を初めとした二九号線の建設反対、商店街とコミュニティを壊すなの声、踏切問題を中心とした交通渋滞への検討の欠如、きょうの質疑を通して、こうした重大問題を抱えた二九号線を進めることは、一歩でも許されないということが鮮明になったと思います。
 いつ起こるかわからない首都直下地震において、いいですか、今東京都がやろうとしていることは、道路だけありきでやって、そして共助力を弱めるようなまち壊し、商店街破壊をこれから進めようというふうな強行策になっています。
 よって、この補正予算には断固反対の意見を表明して、質問を終わります。

○島田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これに異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島田委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十八分散会

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