都市整備委員会速記録第十一号

平成二十六年十一月十三日(木曜日)
第六委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長島田 幸成君
副委員長高橋 信博君
副委員長大島よしえ君
理事舟坂ちかお君
理事野上 純子君
理事神林  茂君
栗山よしじ君
石川 良一君
白石たみお君
上野 和彦君
谷村 孝彦君
菅野 弘一君
尾崎 大介君
立石 晴康君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長技監兼務安井 順一君
次長浅川 英夫君
技監佐野 克彦君
理事櫻井  務君
理事西倉 鉄也君
総務部長細渕 順一君
都市づくり政策部長上野 雄一君
住宅政策推進部長今村 保雄君
都市基盤部長佐藤 伸朗君
市街地整備部長鈴木 昭利君
市街地建築部長久保田浩二君
都営住宅経営部長永島 恵子君
基地対策部長筧   直君
企画担当部長福田  至君
連絡調整担当部長黒川  亨君
景観・プロジェクト担当部長小野 幹雄君
まちづくり推進担当部長佐藤  匡君
住宅政策担当部長加藤  永君
民間住宅施策推進担当部長山崎 弘人君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務山下 幸俊君
防災都市づくり担当部長佐々木 健君
多摩ニュータウン事業担当部長太田 誠一君
局務担当部長臼田  仁君
耐震化推進担当部長佐藤 千佳君
経営改革担当部長臼井 郁夫君
再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務五嶋 智洋君
営繕担当部長青柳 一彦君
横田基地共用化推進担当部長交通政策担当部長兼務牧野 和宏君

本日の会議に付した事件
都市整備局関係
事務事業について(質疑)

○島田委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○細渕総務部長 十月二十七日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元に配布しております都市整備委員会資料の表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。
 資料は、ごらんのとおり十二件でございます。
 一ページをお開き願います。1、都営住宅、公社住宅のエレベーター設置状況でございます。
 過去五年間の設置状況を、既設都営住宅及び公社住宅ごとに年度別に記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、都営住宅使用承継事由発生件数、申請件数及び使用承継が認められた件数でございます。
 過去五年間のそれぞれの件数及び使用承継許可件数の内訳につきまして、年度別に記載してございます。
 三ページをごらんください。3、公営住宅使用承継制度厳格化の実施状況でございます。
 都道府県と政令市ごとに、平成二十六年十月一日現在の実施状況を記載してございます。
 四ページをお開きください。4、都営住宅、公社住宅における入居者の年齢別世帯数の状況でございます。
 名義人の年齢区分が六十四歳以下、六十五歳以上別の世帯数及び割合を記載してございます。
 五ページをごらんください。5、都営住宅における期限つき入居の募集戸数でございます。
 過去十年間の募集戸数を年度別に記載してございます。
 六ページをお開きください。6、都営住宅建てかえによる型別供給実績でございます。
 平成二十三年度以降の型別供給内訳を年度別に記載してございます。
 七ページをごらんください。7、都営住宅の応募状況でございます。
 (1)では、世帯向けの抽せん方式による募集、(2)では、単身者向けの抽せん方式による募集、次の八ページには、(3)、ポイント方式による募集について、過去五年間の応募状況を年度別に記載してございます。
 九ページをごらんください。8、都営住宅の管理戸数、空き家戸数、募集停止戸数でございます。
 平成二十五年度末のそれぞれの戸数について記載してございます。
 一〇ページをお開きください。9、公社一般賃貸住宅及び都民住宅の空き家状況でございます。
 それぞれの住宅につきまして、管理戸数及び空き家戸数を年度別に記載してございます。
 一一ページをごらんください。10、緊急輸送道路沿道建築物の耐震助成制度の区市町村別実績でございます。
 (1)には、特定緊急輸送道路の沿道建築物について、平成二十四年度、二十五年度における耐震診断、補強設計及び耐震改修等の別に、都の助成実績を区市町村ごとに記載してございます。
 次のページ、一二ページには、一般緊急輸送道路の沿道建築物について、同様に記載してございます。
 一三ページをごらんください。11、緊急輸送道路沿道建築物以外の木造住宅及びマンションの耐震診断、耐震改修助成実績でございます。
 (1)には、木造住宅について、資料10と同様、耐震診断、補強設計及び耐震改修等の別に、都の助成実績を区ごとに記載してございます。
 次の一四ページ、(2)には、マンションにつきまして、同様の項目における都の助成実績について、件数及び戸数を区市ごとに記載してございます。
 最後に、一五ページをごらんください。12、都内の居住支援協議会設置状況と主な活動内容一覧でございます。
 協議会名、設立年月及び主な活動内容について記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○島田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○神林委員 それでは、トップバッターでございますので、都の防災都市づくりについてと羽田空港の発着容量の拡大について、二点、これから順次伺ってまいります。
 まず初めに、都の防災都市づくりについて伺います。
 我が党は、先般の第三回都議会定例会の代表質問で、首都東京の特性を踏まえた効果的な施策を進めるべきであり、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催に向けて、首都東京の防災都市づくりに万全を期すべきであると主張しております。
 平成二十四年四月に公表されました首都直下地震等による東京の被害想定によれば、揺れによる建物全壊や地震火災などにより、最大約九千七百人の死者が発生するほか、甚大な人的、物的被害が予測されております。これらの被害を最小限に抑えるため、都はこれまで、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化や不燃化特区などの耐火、耐震化、不燃化の取り組みを行ってまいりました。
 そこでまず、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化について、これまでの取り組み状況を伺います。

○佐藤耐震化推進担当部長 特定沿道建築物の診断実施につきましては、個別訪問やアドバイザーの派遣などの働きかけの結果、本年十月末時点で、条例対象建築物の八七%以上が耐震診断に着手しておりまして、診断の結果を受けて改修の具体的検討に移っておられる建物所有者も多い状況でございます。
 合意形成や工事内容の検討に時間を要しますことから、所有者が確実に耐震化に取り組めますよう、診断と設計は、来年度まで助成期限を延長することを検討しております。また、改修は、国が拡充しました助成制度に合わせまして、来年度末までに工事着手した分についても助成の対象にすることを検討してございます。
 助成制度の運用とあわせまして、今後とも区市町村と連携した所有者への働きかけとともに、個別相談会やセミナー、改修事例見学会など技術情報の提供を行い、耐震化の早期実現を目指してまいります。

○神林委員 ただいま、るるご回答いただいたわけですけれども、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化について、平成二十三年四月の施行から着実に進められているということは把握させていただきました。
 一方、冒頭でお話しした被害想定では、最大の場合、死者の約四〇%が火災によるものと予測されております。耐震化を進めるとともに、不燃化についても同時に取り組むことが重要でございます。
 そこで、木密地域の不燃化の取り組みについて、これまでの取り組み状況を伺います。

○佐々木防災都市づくり担当部長 都は、防災都市づくり推進計画に基づき、木密地域のうち、震災時に大きな被害が予想される整備地域を対象に、重点的、集中的に木密対策を推進しているところでございます。
 具体的には、木造住宅密集地域整備事業による主要生活道路や公園の整備、また、東京都建築安全条例に基づく新たな防火規制による建築物の耐火性能の強化などを行っております。
 さらに、平成二十四年一月には、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、平成三十二年度までに整備地域における延焼による焼失ゼロの実現などを目標とし、木密地域の改善を強力に推進しております。

○神林委員 今、ご回答ありましたとおり、木密地域不燃化十年プロジェクトの立ち上げを含め、整備地域に対象を絞って対策を進めていることは理解できたところでございます。
 皆さんもご存じのとおり、整備地域は、老朽木密住宅が特に密集し、火災危険度が高い地域でございます。大地震が発生すれば、大規模な火災が発生するだけではなくて、避難、救急救援活動が妨げられるとともに、都心部と周辺部の分断を招き、首都機能にも影響を及ぼしかねない状況でございます。
 その意味で、東京都が広域的な自治体として何よりも、木密地域のうち、特に火災の危険度の高い整備地域に対象を絞って各種の木密対策に取り組んでいることは、まことに時宜を得たものであり、どこかの政党が主張するばらまき政策と違いましてね、限られた財源の中で効果的であると判断させていただきます。
 しかし、ここで一番大事なことは、施策をしっかり推進できたということではなくて、施策を推進したことによって上がる実質的な効果でございます。つまり、先ほど申し上げたとおり、首都直下地震等による東京の被害想定をどの程度改善できたかと、こういうことだと私は考えております。
 そこで、これまでの整備地域における取り組みの効果についてでありますが、木密対策の効果を把握する指標の一つとして、市街地の燃えにくさをあらわす不燃領域率というものがございます。数値が高いほど、延焼によるまちの焼失がしにくいというものでございます。
 そこで、防災都市づくり推進計画によると平成十八年に五六%であった整備地域の不燃領域率について、二十三区全体と比較するとどの程度改善が図られているのか、お伺いいたします。

○佐々木防災都市づくり担当部長 平成二十五年五月公表の、平成二十三年度土地利用現況調査により計算した結果、平成十八年から平成二十三年までに、整備地域では約三ポイント不燃領域率が上昇している一方、二十三区全体では約一ポイントの上昇でございます。

○神林委員 二十三区内では約一ポイントの上昇に対して、整備地域では約三ポイント上昇しているとのことでございまして、都市整備が不十分で狭小な敷地が多い整備地域内においても、重点的、集中的に対策を講じてきたことの効果が、ある程度ではございますけれども、あらわれてきていると判断させていただきたいと思います。
 今後は、お話しした被害想定を最小化していくために、目に見える成果を示していくことが重要でございます。
 そこで、木密地域不燃化十年プロジェクトにおける目標の一つとなっている整備地域における延焼による焼失ゼロの実現に向けて、今後、都はどのように取り組んでいくのか伺います。

○佐々木防災都市づくり担当部長 都は引き続き、既存の事業や規制等を活用して着実に木密対策を進めていくとともに、平成二十五年度から事業開始した不燃化特区制度を活用した取り組みを一層推進してまいります。
 このため、区が実施する個別相談会や東京商工会議所等と連携した建てかえ相談会の開催など、区の実情を踏まえながら老朽木造住宅の建てかえ等を促す取り組みを支援してまいります。
 さらに、都市づくり公社などを活用した用地取得により、地域整備の種地を確保するなどの取り組みも積極的に進めてまいります。
 このような取り組みにより、木密地域の不燃化を強力に推進し、安全・安心なまち東京の実現を図ってまいります。

○神林委員 引き続き、二枚看板でもございますよね、緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化や整備地域の改善など、対象を絞った対策を進めることで、首都東京の防災都市づくりに万全を期していただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
 ただしかし、現場では、木密地域内では居住者の高齢化が進んでいることや、助成を受けたとしても、耐震化や建てかえには高額な費用がかかるなどを考えますと、事業の必要性は理解できていても、なかなか実施には踏み切れないという声も多く聞いているところでございます。
 今後、これまでの取り組みをしっかりと検証した上で、数値目標なども設定して、より効果的な対策を改めて検討していただき、現実的な実効率が上がるようお願いして、これについての質問を終わります。
 次に、羽田空港の機能強化について伺います。
 本年七月に、国から、東京都心上空を飛行することで発着容量を拡大させる案が示されました。羽田空港の発着容量の拡大は、基本的に国益や首都圏の発展につながるものであり、基本的には、むやみに反対するものではなく、可能な限り協力して、羽田空港の発展とともに地元も同時に発展させていきたいと考えております。
 そこでまず、国から示された都心上空の飛行ルート設定による容量拡大の提案について、現在の取り組み状況を伺います。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 ただいま理事からもお話ありましたように、国が本年七月、羽田空港の機能強化を図るため、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに実現し得る方策として、都心上空を飛行するルート案を示し、具体化に向け関係都県等との協議会を設置いたしました。
 都といたしましては、今回のルート案は技術的な選択肢の一つであり、実施に際しましては、地元の理解と協力が前提と認識してございます。このため都は、副知事を座長とした二十三区及び周辺五市との連絡会を設け、情報共有や意見交換などの取り組みとともに、住民への説明方法などの調整を行っているところでございます。

○神林委員 先ほど私は、基本的には可能な限り協力していきたいと申し上げましたけれども、長年にわたり航空機騒音などに悩まされてきた空港周辺地域から選出されている議員として、絶対に譲れないことが二つございます。それについて、二点ばかりこれから質問をさせていただきたいと思います。
 まず一つ目でございますが、発着容量の拡大ばかりが検討されている中で、都心上空の飛行ルート設定による航空機騒音などに対する検討や対策が全くなされていないこと。二つ目には、それに伴う交通アクセスの整備や周辺市街地の環境改善が一向に具体化していないことでございます。
 そこで、この二点について順次伺ってまいります。
 羽田空港周辺地域にとって、羽田空港には、戦後のアメリカ軍による強制退去により、住みなれた土地や家を強制的に追われ、空港周辺に移り住んだ悲しい歴史がございます。さらに、その後、空港周辺の地域住民は長年にわたって航空機騒音に悩み、苦しみ、ようやく羽田空港沖合展開事業が完成して、一定の航空機騒音の決着に至ったわけでございます。
 羽田空港の機能強化について、このような歴史的経緯も踏まえ、空港周辺地域や飛行ルートに近接する住民の声を特に重視して取り組んでいくことは必要であると考えております。
 あえて空港周辺地域について申し上げれば、今回国から示された案では、特にB滑走路からの発着により空港跡地で七十五デシベル以上、海老取川沿いの町会でも七十デシベルを超える騒音が想定され、とても容認できるものではないと私は受けとめております。こうした騒音に対する地元の意見をしっかり踏まえた上で、羽田空港の機能強化に取り組んでいくべきと考えますが、都の見解を伺います。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 羽田空港は、都心に近く、二十四時間利用できる空港として、我が国の将来を左右する重要なインフラであり、その機能を十二分に発揮させていくことが必要でございます。
 都といたしましては、羽田空港の機能強化とさらなる国際化を推進していくとともに、周辺地域の航空機騒音等に配慮していくことが重要と認識しております。騒音の影響や安全性等については、丁寧な説明や正確な情報提供などを国に求め、地元の区市の意見をよく聞きながら、理解を得た上で羽田空港の容量拡大を実現してまいります。

○神林委員 ただいま答弁で、地元の市区の理解をしっかり得た上でというご答弁をいただいたわけでございます。都内上空を飛行することに対する騒音被害などへの危惧については、現状では、都内で空港周辺地域を除いては、従来より余り経験がないわけでございます。そういう意味では、数少ない経験をしている地域の議員として、実施されて苦情が出てから対応するのではなくて、事前に十分な調査や検証を行って、計画を再整備していただくことが必要だと考えておりますので、これも要望しておきます。
 次に、羽田空港の離発着枠の拡大の検討が進む中で、それに伴う空港への交通アクセスの向上と周辺地域の環境改善が必要不可欠なものでございます。現状でも、空港周辺地域では幹線道路の整備がおくれていることなどから、交通渋滞や生活道路への車の進入、環境悪化などの課題があり、離発着枠の拡大に伴う空港への交通アクセスの充実は、むしろ先行して行うべきものでございます。
 そこで、都は、空港への交通アクセスの充実についてどう取り組んでいくのか、見解を伺います。

○佐藤都市基盤部長 羽田空港の機能を最大限発揮させるためには、理事ご指摘のとおり、都内と空港とを結ぶ交通アクセスの充実が必要でございます。
 道路につきましては、平成二十七年三月には首都高速中央環状品川線が完成し、平成三十年完成を目途に、国道三五七号線東京港トンネルの整備が進められているところでございます。また、鉄道につきましても、現在都において、今後の鉄道ネットワークのあり方等について委員会を設置し、調査検討を進めております。
 今後も、空港アクセスの利便性向上や強化を国に働きかけるなど、積極的に取り組んでまいります。

○神林委員 今ご答弁いただきましたけれども、つけ加えていわせていただくならば、先ほど申し上げたとおり、周辺市街地の環境改善についても、空港アクセスの利便性の向上と同様に、当然いわなくても、先行して取り組んでいくべき課題でございます。ぜひとも積極的な取り組みを要望させていただきまして、私の質問を終わります。

○野上委員 都市整備委員会、初めての質問でございます。私の方は、広告つきバス停の上屋、ホームドア、LCP住宅、居住支援協議会、都営住宅関連ということで質問させていただきます。予定時間を早く終わるように頑張ります。
 最初に、広告つきバス停上屋についてでございます。
 私の地元の葛飾区には、地下鉄がございません。綾瀬、亀有、金町、JR常磐線、そして上野からの路線、それから押上から千葉の方向への京成線で、ちょっと縦にあるのかなと思うのが、高砂と金町を結ぶ金町線が一路線ございます。南北方向の移動は、バスが住民の大切な足として多くの人たちに利用されております。私も、事務所の青砥から亀有に行くときにはバスを利用しております。これは、電車路線がないからなんです。
 バスは、高齢者や身体障害者、子供を含む多くの都民が広く利用する公共交通機関でございます。実際にバスを待つ方たちを見ておりますと、皆様が快適に利用するためには、バス停に雨や夏の日差しを防ぐ屋根としての上屋を設置することが必要であると感じております。最近、都内のさまざまな駅前や大通りなどで、大変すばらしい、よいデザインの広告がついたバスの上屋を見かけます。
 まず最初に、この広告板のついたバス停上屋の設置のルールについてお伺いいたします。

○小野景観・プロジェクト担当部長 広告つきバス停上屋は、広告収入により、その維持管理や整備を促進するものでございますが、公共空間である道路上に広告を掲出することから、都におきましては、商業広告によって良好な景観が損なわれないよう、また、車や歩行者の安全を確保するため、広告板を車道と直交する位置に置くことのほか、大きさ、デザインなどについて規格を定めております。
 このほか、国が定めました道路占用許可の取り扱いとしまして、広告板を設置した後の歩道の幅員は、歩行者交通量が多い歩道では三・五メーター以上、その他の歩道では二メーター以上を確保することが条件となっております。

○野上委員 商業広告の収入をバス停留所の上屋に利用する仕組みは、大変よいアイデアだと思っております。上屋だけではなく、ロケーションシステムあるいはベンチ等の整備や維持管理費に、この広告収入を充てている場合もあります。今回は、広告について取り上げます。
 広告板を車道と直交して置くとなると、九十度となると、歩道の広い道路にしか活用することができないんです。バスは、地域の住民にとって重要な足となっておりますので、家のそばの生活道路にこそ、この上屋つきのバス停が必要なのではないでしょうか。歩道の広い道路でなくても、この仕組みを活用してバス停上屋の普及を図ることが必要ではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。

○小野景観・プロジェクト担当部長 都内のバス運行路線には、歩道が狭い道路もあり、現在の規格では、広告つきバス停上屋を設置することが困難なケースもあることは認識しております。
 一方、バスは、理事からもお話がありましたが、通勤や通学、病院への通院など、地域の住民にとって重要な交通手段であることから、上屋の設置を促進し、利用者の利便性の向上を図っていくことも重要でございます。
 こうしたことから、今後は、他の自治体の事例なども参考にしますとともに、交通管理者や道路管理者とも連携を図り、安全性を検証するなどして、比較的狭い道路における広告つきバス停上屋の活用策を検討してまいります。

○野上委員 今ご答弁の中で、比較的狭い道路における広告つきバス停上屋の活用策を検討していくとの答弁をいただきました。夏の日差しが照りつける中、屋根のあるバス停でバスを待つのは、高齢の方々、障害を持った方々、どんな方々にも優しい思いが伝わります。ぜひ今後ともそうした屋根をつけていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 次に、JR新小岩駅におけるホームドアの整備について質問させていただきます。
 私の地元でありますJR総武線の新小岩駅では、平成二十三年以降、ホームからの転落事故が多発しております。現在までに二十名の方々がみずからの命を絶っている現実があり、こうしたことはネット等の配信により、風評被害が続いております。また、運転士さんもPTSDを発症していることも聞いております。ことしに入ってからも、六月以降、毎月のように事故が発生している現状にあります。
 また、新小岩駅というのは、北口と南口が、高架下の道路により車も歩行者も渡ることはできるのですけれども、大変不便であることとか、この道路が混み合っているという現状がございます。また、先日は豪雨でこの道路が冠水してしまいまして、通行どめになりました。もう少し南北を自由に行き来できないかという課題を解決するために、平成三十年度の完成を目指して、駅の南北地域を結ぶ自由道路整備が今進められております。
 もう一つ、ちょっと宣伝いたしますと、十一月二十二日と二十三日は、近くの新小岩公園でフードフェスタが開催されます。第一回ということで、ポスター掲示したりネット配信したり、多くの人々を受け入れるべく準備をしているところでございます。どうか皆様も、お時間がありましたらいらしてください。
 駅北口の新小岩四丁目におきましても、区内の医療環境充実のために病院が誘致されることとなっておりまして、新小岩駅周辺のまちの活性化に向けた取り組みが行われております。
 駅利用者の安心・安全の確保や、まちの活性化に向けた取り組みの効果をさらに高めていく上で、新小岩駅に一日も早くホームドアを整備していくことが重要であると考えます。
 その整備には、車両の扉の位置などの問題もありますが、扉の位置の異なる車両に対応可能なホームドアなど、いろいろな新しい技術開発も行われております。ホームドアの整備促進に当たっては、こうした技術開発の動向も踏まえて、整備主体であります鉄道事業者、JRの積極的な取り組みが不可欠でございます。
 JRを例にとりますと、山手線へのホームドア整備が順次進められておりますが、新小岩駅のある総武線などの路線への整備はまだまだ進んでいない状況にございますので、JR新小岩駅を初めとする都内の駅へのホームドア整備について、都の所見をお伺いいたします。

○佐藤都市基盤部長 都は、JR東日本及び私鉄のうち、一日当たりの乗降利用者数、十万人以上の駅を優先して、今年度からホームドアの設置費用に対する補助制度を本格実施しておりまして、この制度を活用して鉄道事業者等との調整を図りながら、ホームドア整備の促進に取り組んでおります。
 JR新小岩駅につきましても、グリーン車と普通車の扉位置が異なるなどの課題がありますが、地元区とも連携しながら、鉄道事業者に対し積極的な働きかけを行い、ホームドアの整備に向けて取り組んでまいります。

○野上委員 何もやってくださっていないわけでもなく、飛び込み防止のための監視員さんをずっと配置していただいたりしているんですけれども、なかなか防ぎ切れないということもございます。
 我が党の山口代表も葛飾区に住んでおりまして、太田国土交通大臣に申し入れをしております。JRも、山手線の整備が終了いたしましたら、十万人以上の乗降客のいるところの整備を行うとのことですが、平成三十年度予定の南北通路と一緒に、この新小岩駅のホームドアを設置していただけますよう、都市整備局といたしましてもJRと連携をとりながら、ホームドアの設置に尽力をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
 次に行きます。LCP住宅について質問いたします。
 東日本大震災後の計画停電は、都民の生活に大きな影響を与えました。高層マンションにおいては、地震による倒壊などの建物被害は免れても、停電により、エレベーターの停止や給水ポンプの停止による断水などの影響が生じました。私の住んでいるマンションもエレベーターがとまりまして、十五階の最上階に住んでいるもので、大変な思いをいたしました。やせるような思いがいたしました。
 首都直下地震の切迫性が指摘される中で、高齢者や障害を持っている方も含めて、住んでいる方が、移動に不可欠なエレベーターが使用できなくなることや、断水によりトイレが使用できなくなることは、自宅で生活し続けることができなくて、結局は避難所への避難を余儀なくされるわけです。
 都は、停電時でもエレベーターや給水ポンプの運転に必要な最小限の電源を確保することで都民がそれぞれの住宅にとどまり、生活の継続を可能とする性能を備えた住宅を東京都LCP住宅として登録し、公表する制度を平成二十四年度に開始いたしました。
 そこで、これまでのLCP住宅の登録実績についてお伺いいたします。

○加藤住宅政策担当部長 東京都LCP住宅登録・閲覧制度につきましては、平成二十四年六月に制度運用を開始いたしまして、同年十一月に改定しました東京都地域防災計画におきましても、その普及促進を図る旨を位置づけております。
 これまでに、新築のマンション二件につきまして登録を受けておりまして、その概要をホームページなどで紹介しております。さらに、既存の集合住宅につきまして、墨田区にあります東京都住宅供給公社のトミンハイム横川一丁目住宅、こちらにおきまして、本年九月にLCP住宅に必要な発電設備の設置工事を完了いたしまして、既存住宅の第一号として、間もなく登録となる予定でございます。

○野上委員 登録の実績についてはよくわかりました。
 私も実は先日、LCP住宅の工事が完了した公社住宅トミンハイム横川一丁目を視察させていただきました。住宅の自治会の役員の方々は、安心できると大変喜んでおりました。何が大変かというと、住民一人一人の合意を取りつける、これがなかなか住民にお会いできないということで、大変苦労したけれども、本当にできてよかったというふうに喜んでいらっしゃいました。新築に続き、今回、トミンハイム横川一丁目のように既存住宅においてLCPが導入されたことは、LCP住宅の可能性が広がることになり、大変喜ばしいことだと思っております。
 そこで、こうした取り組みを受け、東京の防災性を高めるためには、LCP住宅のさらなる普及を図ることが重要と考えますが、都の今後の取り組みについてお伺いいたします。

○加藤住宅政策担当部長 LCP住宅の普及のためには、事業者あるいは居住する方々などにLCP住宅の意義や利点を理解していただくことが大変重要と考えております。このため、都といたしましては、マンション開発事業者や管理事業者などに対しまして説明会を開催し、LCP住宅の意義や登録基準などを説明してまいりました。
 今後は、LCP住宅の事業の仕組みや事例などを紹介するリーフレットを新たに作成いたしまして、また、ホームページでも事例などを紹介してまいりたいと考えております。

○野上委員 LCP住宅は防災性が高く、さらなる普及が望まれます。ぜひ、LCP住宅とする利点などを丁寧に説明したわかりやすいリーフレットを作成していただき、マンション開発事業者などに制度の周知に努めていただきたいと思います。
 次に、居住支援協議会について質問させていただきます。
 冒頭に--来年は生活困窮者自立支援法が四月から施行されます。第三回定例会で、我が党は子供の貧困問題を取り上げました。子供の貧困率が一六・三%、約六人に一人が貧困家庭であるということ、そしてまた、その住環境が貧困とも関連しているということがよくわかりました。
 居住支援協議会は、低所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を育成する家庭その他の住宅の確保に特に配慮を要する者、住宅確保要配慮者が民間賃貸住宅に円滑に入居できるよう推進する組織です。この家の問題というのは、人生においても大変大きな課題だと思っております。
 最近の傾向としては、景気の変動などで失業した途端に居場所を失う場合もございます。また、危険ドラッグ、薬物依存症の方とか精神疾患を患ったとか、あるいはDVとか虐待で逃げ出さなければ命を絶たれてしまうような環境もあります。一人一人が孤立してしまったり、あるいは綱渡りのような状況で生活を送らなければならないことが、人生には多々あると思います。
 少子高齢化が進展し、都民の住まいを取り巻く環境が大きく変化している中で、高齢者、子育て世帯などが地域で安定した居住の場を確保できることが重要であると思っております。そのためには、住民に身近な区市町村が、不動産関係者やNPOなどと連携しながら、地域の実情に応じたきめ細かな取り組みを行うことが必要です。そのための仕組みとして、住宅セーフティーネット法第十条に規定されている居住支援協議会を、区市町村ごとに設立することが重要であると考えます。
 今まで、我が党の提案を受けまして、都は、区市町村による居住支援協議会の設立と活動を支援するため、この六月二十五日に東京都居住支援協議会を設立いたしました。これまでの活動状況について、まず最初にお伺いいたします。

○加藤住宅政策担当部長 東京都は、本年六月、区市町村におきます居住支援協議会の設立促進と活動支援のために、不動産関係団体や居住支援団体とともに東京都居住支援協議会を設立いたしました。
 都の協議会では、これまでに、その構成員の皆様の意見も聞きながら、協議会の役割や活動事例、居住支援に活用可能な諸制度、空き家を活用した居住支援を行う際に必要となる空き家の実態調査の手法などを説明いたしましたパンフレットを作成し、全ての区市町村や関係団体などに配布したところでございます。
 また、関係団体や区市町村職員、居住支援を行うNPOの方々などを対象にいたしまして、協議会の意義や役割、活用可能な諸制度、NPOの活動事例などを紹介するセミナーを開催いたしまして、協議会の活動に対する理解を深めていただいたところでございます。

○野上委員 区市町村による居住支援協議会の設立を促進し、地域の実情に応じた取り組みを進めていくためには、先ほどの情報提供や意識啓発が重要であり、都の協議会が行ったパンフレットの作成やセミナーの開催は有意義と考えます。
 一方、都内では現在、この資料を提示していただきましたけれども、三つの区で居住支援協議会が設立されているのみで、取り組みは始まったばかりであります。都による区市町村に対する継続的なバックアップが必要と考えます。
 そこで、今後の都の居住支援協議会による区市町村に対する支援についてお伺いいたします。

○加藤住宅政策担当部長 都の居住支援協議会におきましては、今年度、全国の居住支援協議会の活動状況や先進的な活動事例などを調査いたしまして、区市町村の協議会が活動を行う際に参考となる事項を資料集として取りまとめ、情報提供することにしております。また、区市町村や関係団体と連携しながら不動産関係団体向けのセミナーを開催するなど、関係者へのさらなる意識啓発に取り組んでまいります。
 こうした活動を通じまして、区市町村による居住支援協議会の設立促進及び活動支援をさらに進めてまいります。

○野上委員 参考事例を資料集として周知徹底を図り、区市町村や関係団体と連携しながら不動産関係団体向けのセミナーを開催するなど、関係団体へのさらなる意識啓発に取り組んでいくとの答弁をいただきました。ぜひとも確実に推進していくことができるように進めていただきたいと思います。
 そして、課題としては、それぞれの区市町村で設立するわけでございますので、居住地に対する制限がございます。これは、確実に縦割りの弊害が出てくることも考えられますし、管轄区域を越えて居住する場合に壁が生ずることもございます。それからまた、地域住民への理解--住みたいと思う人が、例えば元ホームレスであったとか、障害を抱えているとか、刑務所に入っていたとか、いろいろな状況が考えられると思うんです。一日も早く区市への、居住支援協議会が立ち上がるように努力をしていただき、困っている人々への支援を進めていただきたいと思います。
 最後に、都営住宅について質問させていただきます。
 都営住宅は、自力で住宅を確保することが困難な人々に対し、日常生活の基盤である住宅を低廉な家賃で供給するという、住宅セーフティーネットの役割を果たす重要な施設です。高齢化の進展に伴い、都営住宅にも多くの高齢者の方々が居住しており、介護を必要とする方も多い現状がございます。
 介護は、主に親族や事業者により行われておりますが、都営住宅を訪れる際、車を用いる場合もございます。都営住宅の居住者を介護する目的で訪れる者に対し、現状では、都営住宅駐車場の利用に関してどのような配慮がなされているのか、まず最初にお伺いいたします。

○臼井経営改革担当部長 都は、平成十五年に都営住宅条例を改正いたしまして、一定の条件のもとで、居住者以外にも都営住宅駐車場の利用を許可することといたしました。
 都営住宅の駐車場を利用できますのは、原則として都営住宅の使用者または同居者でございますが、長期にわたりあきがある場合には、都営住宅居住者のために介護に携わる親族が、知事の許可を受け、三年を超えない範囲におきまして利用することが可能となっております。

○野上委員 介護目的での駐車場利用に関し、一定の配慮がなされていることがわかりました。
 我が党は、昨年の決算特別委員会におきまして、都営住宅内に介護事業者が一時的に駐車できる場を設けるように要望するなど、折に触れて介護目的での駐車場利用について要望してきましたが、この点について、都の取り組みの進捗状況についてお伺いいたします。

○臼井経営改革担当部長 本年八月より、さまざまな目的で都営住宅を車で訪れる人々に対する利便性を考慮いたしまして、試験的に三団地で合計五十一区画のコインパーキングを設置いたしました。介護目的で訪れる方々も、このコインパーキングを利用することが可能となってございます。

○野上委員 コインパーキングの設置は、これまでの我が党の要望に合致する取り組みでありまして、居住者のメリットにもつながるものと高く評価をいたします。八月から試験的に運用が始まっているということですが、現在までの実施状況と将来の取り組みの方向性についてお伺いいたします。

○臼井経営改革担当部長 コインパーキングの稼働率はおおむね良好でございまして、運用に当たり大きなトラブルも起きてございません。介護目的で来訪する方々にもご利用いただいていると認識しておりまして、また従来、団地内通路に駐車していた車両がコインパーキングを使うようになったといった迷惑駐車削減の効果も見られているところでございます。試行を進める中で課題等を整理し、今後の取り組みを検討してまいります。

○野上委員 きょうの資料にもございますけれども、都営住宅の居住者の高齢化は今後も続き、それに伴い、介護の需要も減ることはないと思われます。今後も、居住者の方が安心して暮らしていけるように、コインパーキングの本格実施など、駐車場の利用に関し十分な取り組みを行うよう、さらに要望いたします。
 次に、都営住宅の環境施策についてお伺いいたします。
 東京は、日本の首都として経済活動や都市活動を支えるため、膨大なエネルギーを消費しております。電力の大消費地である東京が今後も発展していくためには、電力エネルギーの需要の安定が不可欠でございます。
 都議会公明党は、これまでも東京都での再生可能エネルギーの推進を強く訴えるとともに、先進的な取り組み事例の視察や事業者等からの意見聴取など、幅広く調査研究を行ってまいりました。本年十月には、再生可能エネルギーの導入拡大に関する提言を行ったところでございます。都有施設については、都みずからが率先し、可能な限り再生可能エネルギーの導入を図るよう、一層の利用拡大に努めてもらいたいと思っております。
 とりわけ、太陽光発電施設の設置は重要でございます。この提言でも触れていますが、都営住宅の屋上を活用した太陽光発電設備の設置状況について、まず最初にお伺いいたします。

○五嶋再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務 再生可能エネルギーの活用推進のため、都営住宅におきましては、平成十六年度から、建てかえに際し原則として全ての住棟の屋上に太陽光発電設備を設置するなど、取り組みを進めております。平成二十五年度末までに二百三十九基を設置しており、引き続き太陽光発電設備の設置を推進してまいります。

○野上委員 太陽光発電設備の設置により、再生可能エネルギーの供給に関する取り組みが進んでいることがわかり、評価いたします。
 次に、エネルギーの消費に関する取り組みについて質問をいたします。
 さきの党の再生可能エネルギーの導入拡大に関する提言では、省エネ、節電の一層の推進とともに、LED照明の活用を提言しております。LED照明は、省エネの効果に加えて、電気代が安くなる、機器の寿命が長くなり管理の負担が減るなどのメリットがございます。
 特に都営住宅では、自治会から、廊下などの共用部の照明をLED化してほしいという要望がたくさん寄せられております。都営住宅の共用部におけるLED照明の導入について、見解をお伺いいたします。

○五嶋再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務 LED照明につきましては、省電力、長寿命などの長所がございます。また、まぶしく感じる、光が広がらない、蛍光灯に比べて設置コストが高いなどの課題につきましては、近年、さまざまなLED照明器具が開発され、技術的に解消されつつあると認識しております。
 今後、LED照明につきましては、その普及状況や費用対効果なども勘案しながら、都営住宅の共用部への導入について検討してまいります。

○野上委員 省エネ効果の高いLED照明の導入は、ますます望まれていくと思います。今回、都営住宅では、自治会が共用部の電球の取りかえや電気代を負担していることから、LED化になると大きく負担軽減になると思います。都営住宅の共用部への導入について検討していくとの答弁をいただきました。一日も早い導入に向け検討していただきたいと思って、私の質疑を終了させていただきます。
 以上でございます。

○白石委員 私からも、三テーマで質問させていただきます。羽田空港と居住支援協議会、そして横田基地のオスプレイ飛来の問題について、三テーマで質問させていただきます。
 まず初めに、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を引き金に、羽田空港の離着陸機の飛行ルートを大幅に変更して、離発着を三万九千回ふやし、増加分を国際線に振り分ける計画が進められようとしています。
 拡大案で不可欠と提案されているのが、都心上空の飛行解禁です。国交省の首都圏空港機能強化技術検討小委員会は中間取りまとめを発表し、新しいルートが提案されました。この都心上空の飛行解禁で、関係区市や住民から、騒音や振動、そして落下物など不安の声が上がっています。
 そこで、幾つか質問をしたいと思います。
 まず初めに、基本的なことを質問したいと思います。
 今までに都は、航空騒音に対して、国にどのような姿勢で働きかけや協議をしてきたのか伺います。また、国から提案されている都心上空を飛行する新ルート案への都の態度はどのようなものか、伺いたいと思います。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 羽田空港は都心に近く、二十四時間利用できる空港として、我が国の将来を左右する重要なインフラであり、その機能を十二分に発揮させていくことが必要でございます。
 都は、羽田空港の機能強化とさらなる国際化を推進していくとともに、周辺地域の航空機騒音等に配慮していくことが重要と認識しており、引き続きこの認識のもと、国に対し、羽田空港の機能強化を働きかけてまいります。
 また、今回のルート案につきまして、都は、国が設置した協議会などにおきまして、丁寧な説明や正確な情報提供などを求めてまいります。

○白石委員 羽田空港の機能強化と、あわせて周辺地域の航空騒音に配慮していくことが重要という都の認識を答弁されました。
 例えば羽田空港がある大田区では、上空の低空飛行による航空機騒音の影響により、周辺住民の方々が現在も悩まされてきているという中で、大田区を含めた周辺自治体が国に働きかけを行って、羽田空港の再拡張前は朝の七時台から八時台は一日五便以下とされていたものを、一日三便以下にすると、国と協議して減らしてきた経過があります。国も、騒音総量を可能な限り抑制する観点から、飛行経路について、東京湾を最大活用して、市街地をなるべく飛行しないように設定してきました。
 このような経過を見ても、都が国に対して、都民の生活環境や暮らし、安全・安心を守る立場で国と協議を進めていくことは決定的となります。
 では次に、国交省から提案されている南風案二の場合は、新宿、渋谷、品川などを通過するとされていますが、どのくらいの高度で飛行すると国から提案されているか伺いたいと思います。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国の公表資料によりますと、今回のルート案におきまして、到着機の飛行高度は、新宿区内で約三千フィート、渋谷区内で約三千フィートから二千フィート、品川区内で約千五百フィートと読み取れます。

○白石委員 都庁付近上空では約九百メートル、渋谷区上空を九百メートルから四百五十メートル降下して、品川区では四百五十メートル以下というふうな飛行をするルート案というふうになっています。着陸ルートですから、羽田に近くなればなるほど低くなっていきます。渋谷区や港区、目黒区、品川区に至っては、スカイツリーよりも低い高さで頭上を航空機が通過するということになります。
 さらに、飛行時間帯は、南風時の午後三時から夜の七時の四時間です。一時間当たり、最大四十四機が飛ぶということになる案ですから、一分間で最大一・三回の飛行機が都心の上空を飛ぶことになります。これは、山手線の朝のラッシュ時の二分に一本の間隔よりも短いというふうなことになります。
 三時から七時の時間帯は、小学生たちの帰宅時間や、それから夕食の準備や夕食どきの時間帯とぶつかります。その時間帯に最大で一分間に一機以上が通過するということとなって、子育て世帯を初め周辺住民の生活への影響は、はかり知れない騒音や振動、落下物などの不安と、そして危険が伴って、暮らしを脅かす飛行ルート案であるということは明らかだというふうに思います。
 そこで、伺いたいと思いますが、国からの新ルート案の提案により、関係する自治体や都民からどのような声や意見が上がっているのか伺いたいと思います。また、具体的にどのような声や意見が出ているのかもあわせてお答えください。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 関係自治体や都民からは、羽田空港の機能強化は国際的な地位向上につながる、我が国の発展のために不可欠との意見のほか、航空機騒音について地域に十分な情報提供とわかりやすい説明が必要、騒音や落下物について不安などの声があると聞いております。

○白石委員 騒音や落下物に対しての不安の声を都としても聞いているということです。実際に、今どのような不安の声があるか私も聞いてみました。
 品川区内にある八潮団地は、羽田空港から約五キロの位置にあります。品川総合福祉センターなどを含む七十二棟の建物から成る、人口約一万二千人の巨大団地です。この八潮団地上空では、東京タワーよりも低い約三百メートルになるというふうな想定となっています。この八潮団地は、以前、団地上空を低空飛行で航空機が通過していたという経験を持っています。
 その当時の状況を聞いてみますと、飛行機が通過すると電話が聞こえない、テレビの声が聞こえないといった切実な実態が出されていました。当時子育てをしていたお母さんからは、飛行機が間近に迫ってくるので、もし落下物や墜落などしたらと考えると、すごく不安が大きかったと、このような当時の体験を語ってくれました。そして、またあの当時と同じような状況を繰り返すようなことは絶対に賛成できないなど、当時の体験が再び繰り返すようなことは認めるわけにはいかないといった強い反対の声が出されています。
 この方だけではありません。特に、当時の状況を体験している方や今現在でも航空機騒音で悩んでいる住民の方たちからは、不安の声が強く出されています。
 そこで、伺いたいと思いますが、都心上空を飛ぶとなると、当然騒音や振動、落下物などの問題が懸念されます。都は、このような問題にどのような姿勢で国と協議を進めているのかお答えください。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 先ほどもご答弁させていただきましたけれども、羽田空港は都心に近く、二十四時間利用できる空港として、その機能を十二分に発揮させていくことが必要でございます。都は、羽田空港の機能強化とさらなる国際化を推進していくとともに、周辺地域の航空機騒音等に配慮していくことは重要と認識しております。
 今回のルート案に伴う騒音の影響や安全性などについては、丁寧な説明や正確な情報提供などを国に求めてまいります。

○白石委員 私も、今回の質問に当たり、国交省の担当者から直接聞き取りを行いました。航空騒音では一千フィート、約三百メートルで約八十デシベルだと、千五百フィート、約四百五十メーターで六十から七十デシベルぐらいになると担当者は答えています。現在の環境基準では、単純に音の大きさだけではかっていないので、環境基準を超える地域は極めて限定的となっていますが、だからといって航空機騒音がないということではありません。
 都の環境局が毎年調査している東京都内における航空機騒音の調査結果では、平成二十四年度の調査を見ますと、大田区大森第四小学校の観測地点では、一日平均で三十二・四回、航空機騒音が観測されています。また、新仲七会館では一日六十・六回の騒音が観測されているというふうになっています。
 住民からは、新ルート案に対して、騒音を減らしてほしいのに逆行ではないかと、厳しい声も今現在上がっています。既に、このような航空機騒音などを減らしてほしいという声や、減らしてきている努力が、都心上空の飛行解禁となれば、今までなかった地域に航空騒音が拡散されるということになります。
 先ほど答弁で、協議会では丁寧に説明をすることと正確な情報提供を行うように求めているというふうな答弁をされましたが、情報提供や説明だけでは、周辺住民の不安は解消されません。ましてや、説明しただけで理解や納得などできるわけがないということを強く申し述べておきたいと思います。
 そこで伺いますが、国が詳細な説明を関係自治体にしたとしても、騒音や振動、落下物への不安などの問題が解消されないままの場合、都は、新ルート案を受け入れる立場に立つのか伺います。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都といたしましては、今回のルート案について、技術的な選択肢の一つであり、実施に際しては、今後、地元の理解と協力が前提と認識しております。このため、都は、副知事を座長とした二十三区及び周辺五市との連絡会を設け、情報共有や意見交換などの取り組みとともに、住民への説明方法などの調整を行っているところでございます。

○白石委員 今、私が質問をしたのは、不安が解消されないままの場合、都は、新ルート案を受け入れる立場に立つのかと、このように質問したんです。受け入れる立場に立つのか立たないのかという質問には、今答えていないんです。
 知事は、八月(発言する者あり)ちょっと黙ってください。知事は、八月二十六日付の日経新聞のインタビューに対して、どのようなことをいっているかというと、都心は森林とは違う、毎晩たたき起こされるのは困るけれども、若干の騒音は受容の範囲内、やらなければ便数がふえない、譲歩し合って最適化へ持ってくるしかない、利便性があれば、ある程度受け入れを考えるしかないと、このように日経新聞の八月二十六日付のインタビューに答えています。ある程度の騒音はしようがないと認識を示した上で、さらに受け入れまで示唆しているというのが、このインタビューの記事からも見てとれます。
 明確にお答えいただきたいんですが、騒音や振動、落下物への不安などの問題が解消されないままの場合、都は、新ルート案を受け入れる立場に立つのかどうか、もう一度答弁をお願いします。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 ただいまご答弁したとおりでございますけれども、都といたしましては、今回のルート案につきまして、技術的な選択肢の一つであり、実施に際しては、今後、地元の理解と協力が前提と認識しております。

○白石委員 先ほどから、航空騒音に配慮していくことが重要で、今後、地元の理解と協力が前提と、このようにいっていますが、知事は、利便性があれば、ある程度の騒音は我慢してもらうと、さらに受け入れまで示唆しているんです。これでは、周辺住民の不安はさらに増すばかりだというふうに思います。
 国交省に直接聞き取りを行ったときに、国交省の担当者に、来年の八月の概算要求で、都心上空を飛行し着陸する新しいルート用の航空機着陸用誘導装置、通称ILSの予算を五億程度要求を出すというふうなことを明確に答えていただきました。それプラス、関連する誘導路や用地造成費用を要求すると、聞き取りで明確にしています。
 実現が曖昧なものには予算は要求しません。既に、国は新ルート前提で動いているというふうに見てとれます。知事のインタビューや国の動きを見れば、都心上空を飛行する新ルートが、都と国の既定路線となっている危険性が高いということではないかと強く指摘しておきたいと思います。
 では伺いますが、今後、国に対して、都民の住環境や暮らし、安全・安心に大きな不安と影響を与える都心上空の飛行は、住民の不安を解消する立場で国と協議すべきですが、いかがでしょうか。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 騒音の影響や安全性等につきましては、丁寧な説明や正確な情報提供などを国に求め、地元の区市の理解を得た上で、羽田空港の容量拡大を実現してまいります。

○白石委員 今までなぜ都心上空を飛ばなかったかというと、関係自治体や住民の住環境などへの配慮から暗黙の了解とされ、不文律ですね、明文化されていない法律、原則六千フィート以下では飛べないとされてきました。
 しかし、今回提案されている新ルート案は、都心上空の飛行を解禁することとなり、三千フィート以下で飛行できるようになると。要するに、都心上空の飛行解禁は、空の規制緩和だということです。
 また、地上のように道路建設などを進めようとすると、権利問題などに及びますが、空には住民の権利などの法的縛りがないのが今の現状です。その中でも、歴史的経過を見れば、住民の運動や関係自治体の声が大きな力となって、都心上空は、原則飛行禁止とされてきた経過があります。
 都が国に対して、都民の生活環境や暮らし、安全・安心を守る立場で国と協議を進めていくことは決定的となります。国際競争力の強化の名のもとに、住民の暮らしを脅かすことが明らかな新ルートを安易に進めることは許されません。国が都民の暮らしや生活環境を脅かすようなことを進めようとするのであれば、その防波堤に立つのが東京都の役割と責任です。都心上空を低空で飛行するこの新ルート案は、住民の立場に立ち、今後、国と協議をすることを強く求めて、このテーマでの質問を終わりたいと思います。
 続きまして、居住支援協議会について質問させていただきます。
 都が今年度から予算をつけて取り組みを開始した居住支援協議会について、質問させていただきます。
 二〇〇七年に制定された住宅セーフティーネット法は、低所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世代など、住宅の確保に特に配慮する者を住宅確保要配慮者と位置づけて、民間の住宅に円滑に入居できるようにするため、地方自治体ごとに居住支援協議会を組織できると、このように定めています。この法律に基づき、都も今年度から居住支援協議会を設置したことは、重要な一歩だと思います。
 さらに、重層的に居住支援策を講じていくには、それぞれの地域の実情に応じてきめ細かな支援を行う区市町村単位の協議会設置が欠かせません。低所得者、高齢者、障害者、そして子育て世帯など、多岐にわたる住宅確保要配慮者支援のため、真に実効性のある取り組みを都内各地域に広げるためには、協議会の活動の発展が必要です。
 そこで伺いますが、六月に東京都居住支援協議会が設置され、現在、協議会は具体的にどのような活動をしているのか伺いたいと思います。

○加藤住宅政策担当部長 都は、この六月に東京都居住支援協議会を設立し、これまでに協議会の役割や活動事例などを説明したパンフレットを作成し、区市町村や関係団体に配布いたしました。また、関係団体や区市町村職員、居住支援を行うNPOの方々などを対象に、協議会の役割や意義、NPOの活動事例などを紹介するためのセミナーを開催したところでございます。

○白石委員 パンフレットは一万部を作成して、セミナーでは、NPOの活動事例の紹介をしながら、区市町村への設置促進を図っているというふうなことでした。
 それでは、現在、居住支援協議会が設置されている江東区や豊島区、板橋区、三区の具体的活動の内容を伺います。

○加藤住宅政策担当部長 都内で居住支援協議会を設立済みの三区の協議会におきましては、空き家の活用や民間賃貸住宅への円滑な入居を支援するグループに対する助成を行います居住支援モデル事業、あるいは高齢者世帯への民間賃貸住宅のあっせんなどを行っております。

○白石委員 例えば豊島区の協議会では、小さな子供を持つひとり親家庭は、住居を借りることができない、フルタイムで働けない、キャリアアップのための勉強時間がとれないなど、社会的、経済的弱者となる傾向に着目して、シングルマザーを対象に、としまシングルマザーズシェアライフプロジェクトを立ち上げました。シングルマザーへの居住支援を行うNPOと連携して、空き家、空き室を活用したモデル事業を行って、きめ細かな取り組みを行っています。
 実際にモデル事業を進めると、空き家の家主の理解がなかなか得られないということであったりとか、空き家が耐震基準を満たしていないので活用できないなどの課題や困難さに直面しながらも、積極的にシングルマザーへの支援を行っています。
 豊島区の協議会の取り組みを通じても、各区市町村単位で協議会を広げていく重要性というのを痛感いたします。また、行政の手の届かないような多彩な支援を行うNPOなどの居住支援団体の役割も大変重要だということを実感いたします。
 そこで伺いますが、都は、住宅確保要配慮者支援を広げるに当たり、NPOなどの居住支援団体の必要性と役割をどのように認識しているのかお伺いします。

○加藤住宅政策担当部長 NPOなどの居住支援団体には、さまざまなものがございますけれども、各地域で住宅確保要配慮者を初めとした都民の居住の安定確保に寄与する役割を果たしていただいている団体につきましては、その存在は重要であると認識しております。

○白石委員 現場で多彩な活動に取り組んでいるNPOなどの居住支援団体の役割は重要という認識を改めて確認させていただきました。
 三月の都市整備委員会で、NPOや居住支援をしている団体を協議会に入れるか、少なくとも意見を聞く場を設けることが重要ではないかと私も質問させていただきました。そのところ、答弁では、必要に応じさまざまな関係団体などからヒアリングを行うことも想定していると、このように答弁をされました。
 そこで伺いたいと思いますが、NPOなどへのヒアリングについて、今後どのような形で行おうとしているのか伺います。

○加藤住宅政策担当部長 都の居住支援協議会におきましては、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、セミナーを開催いたしまして、民間賃貸住宅への入居支援などに取り組むNPO団体の活動事例を把握し、これを紹介する場を設けたところでございます。これにより、参加者に地域で居住支援活動を行う際の参考にしていただきたいということで開催いたしました。
 今後も、こうした活動などを通じまして、これらの団体の活動状況などの情報収集に努め、区市町村や関係団体に情報提供を行っていきたいと考えております。

○白石委員 やはり居住の確保が困難な人たちの一番近くで活動されているNPOや支援団体から、実態の切実さやどんな支援が必要かを聞き取りをする環境をつくることは、低所得者や高齢者、子育て世代にどんなニーズがあり、どんな支援が必要なのか、また、NPOらしい柔軟性や創意にあふれた活動と教訓を把握して、区市町村に協議会を広げていく力につながるというふうに思います。ヒアリング自体は否定されなかったので、事務局を担っている東京都が積極的に協議会の中でも提案していくことを改めて求めておきたいと思います。
 埼玉県の協議会では、子育てのNPOが参加しています。鳥取県の協議会では、高齢者や障害者を支える社会福祉法人などが参加しています。都の協議会においても、現場の実態を反映させる視点や、蓄積したノウハウ、知識を取り入れる観点から、NPOなど支援団体を構成メンバーに加えることを改めて強く求めておきます。埼玉県は、設立時に参加団体をふやしていますし、さらにNPO枠をつくって、メンバーを固定しなくても、交代でさまざまなNPOが参加するなどのやり方もあるかというふうに思います。
 さらに、提案したいと思いますが、都の居住支援協議会の中に、高齢者、低所得者、そして子育て世代などの分野ごとに部会や分科会を設立して、具体的に住宅確保要配慮者の実態と課題、先進的な取り組みなどを集約して、区市町村の居住支援協議会に情報提供できるように、都の協議会をさらに発展させるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○加藤住宅政策担当部長 都の居住支援協議会におきましては、その設立目的に従って、現在、全ての住宅確保要配慮者を対象にした区市町村における居住支援協議会の設立を促進するための活動に取り組んでいるところでございます。
 今後の運営につきましては、その活動状況を踏まえ、また、区市町村などの意見も聞きながら、必要に応じて協議会の構成員と協議してまいりたいと思います。

○白石委員 今後の運営は、活動状況も踏まえて必要に応じて協議会の構成員と協議していくという答弁でした。分野ごとに部会や分科会などを設けて、それぞれの実態やニーズなどを具体的に議論できる協議会の発展は、住宅確保要配慮者の解決に、今よりもさらに近づきます。
 埼玉県では、住宅セーフティネット部会と子育て支援部会を設けて、さらに住宅セーフティネット部会のもとに、低所得者対策と震災時における民間賃貸住宅の提供という二つのワーキンググループをつくっています。そして、入居希望者と大家さんとのマッチングなどにも取り組んでいます。ここに、さきにも紹介しましたが、NPOも参加しています。こうした部会やワーキンググループの存在は、すぐに成果は出なくても、貴重な経験や教訓を蓄えていくことになり、協議会の役割が発揮できる大きな力となります。
 一昨年三月に策定された都の住宅マスタープランでは、住宅セーフティーネット構築の上でNPOの果たす役割の重要性が随所で強調されるとともに、都は、こうした団体の政策面での連携、協力を強化していきますとしています。このように書いてあるのですから、他県での取り組みにも学びながら、分野ごとの部会設置などに取り組んでいただきたいというふうに思います。各地域で実情やニーズも違うからこそ、都の協議会が積極的に取り組みを発展させていくことが重要です。さらなる居住支援協議会の発表を強く求めて、このテーマでの質問を終わります。
 次に、横田基地へのオスプレイの飛来と都の対応について質問をいたします。
 七月十九日の横田基地への初飛来以来、オスプレイは頻繁に飛来しています。また、厚木基地への飛来の際には町田市の市街地上空を飛ぶなど、都民の安全・安心は深刻に脅かされています。
 そこで伺いますが、米軍機MV22オスプレイが都内上空を飛行することについて、都は、オスプレイの危険性と、都民の暮らし、命を脅かすという、こういう認識はあるか伺います。

○筧基地対策部長 MV22オスプレイの我が国への配備に当たりましては、日本政府として主体的にその安全性を検証、確認しています。また、オスプレイの運用につきましても、地元住民に十分な配慮がなされ、最大限の安全対策がとられることが日米両政府間で合意されております。

○白石委員 今の答弁では、国が安全だから安全だと、国のいい分を丸のみにしているということです。
 さきの第三回定例会では、我が党の代表質問に対し、都は、導入当初、十万飛行時間で比較すると、MV22は、米海兵隊の回転翼機の中で事故率は最低だと、このような国の提出した資料をそのまま紹介しましたが、しかしそれは、一昨年八月までの重大事故をほかと比べたもので、その後の三件の重大事故は含まれていない数字です。Bクラス、Cクラスの事故を合わせると、海兵隊の平均を大きく上回っていることを考慮していないことも重大です。
 あわせて、機体の重さに比べて翼が小さいオスプレイは、エンジンが停止したときに、翼を自動回転させて安全におりるためのオートローテーションの機能を持っていないことも、重大な構造的欠陥を持った機体だといえます。住宅や学校、病院が密集する首都圏でオスプレイがオートローテーションが働かずに墜落した場合、はかり知れない深刻な被害をもたらす危険性があるということを、まず指摘しておきます。
 都内の自治体は、国のいい分を丸のみにはしていません。あきる野市は、住民の安全性への懸念が払拭されないまま、MV22オスプレイが横田基地へ飛来することがないよう強く要請すると、住民の意識を尊重して国に対してきっぱりと物をいっています。
 運用についても、安全対策を日米で合意しているとのことですが、その合意があからさまに破られているのが今の周知の事実です。
 沖縄県では、昨年の十月、十一月にオスプレイの飛行情報を集めましたが、四百五十七件のうち、学校や病院を含む人口密集地域上空などを飛行しているという報告が三百三十四件、夜十時以降に飛行しているという情報が十件、計三百三十七件、日米合意の趣旨に反していると思われる報告がありました。
 都内でもこうした事態が生まれているのは、七月十九日付東京新聞の写真で、オスプレイが町田市の町田第三中学校上空を飛行していることから確認ができます。人口密集地域、学校、病院などの上空を避けて飛行とした日米合意をも明白に踏みにじる行為です。このような実態があるからこそ、沖縄県では、過去二回、計四カ月間の情報収集を行っています。
 また、岩国基地を抱える山口県でも、県の職員、岩国市の職員、住民らの監視によって、オスプレイを初めとした米軍機の飛行状況のモニタリングを強化して、問題点を国に問い合わせするということや申し入れを行っています。
 ところが、都は、合意に違反していないか監視もしていなければ、一般的な情報交換はしているものの、意識的に自治体や住民から情報収集をすることも行っていないのが今の現状です。ほかの自治体の取り組みや、そして対応と比べても、おくれているといわざるを得ません。
 都は、どのような場合に米軍や防衛省に対し意見や申し入れを行っているのか伺いたいと思います。

○筧基地対策部長 米軍の運用は、安全保障にかかわるものでありまして、基本的には国の専管事項でありますが、その際には、国の防衛上の必要性とともに、地域への影響が考慮されるべきであります。
 このため、都では、地域に影響を及ぼす米軍の運用につきまして、国や米軍に要請を行っており、例えば米軍機の騒音に対しましては、環境基準の遵守や飛行時間帯の配慮等を求めております。
 また、オスプレイの飛来につきましても、いまだ周辺住民に不安の声があることから、国の責任において地元に十分な情報提供を行うよう要請を行っております。

○白石委員 七月一日以降、オスプレイの全国展開が急速に広がっています。東京都も例外ではなく、さらに飛行拡大の危険性が増していることへの認識はあるのか伺いたいと思います。
 また、オスプレイが都内上空を飛行することに住民や自治体から抗議の声が上がった場合、米軍や防衛省に抗議、申し入れを行っていく立場はあるのでしょうか、それぞれ伺いたいと思います。

○筧基地対策部長 繰り返しになりますが、安全保障は国の専管事項でありまして、オスプレイの都内への飛来が拡大する可能性については承知しておりませんが、オスプレイの飛行につきましては、最大限の安全性を確保し、地域に与える影響を最小限にとどめることが日米両政府間で合意され、それにのっとった運用がなされているものと認識しております。
 また、国や米軍への申し入れにつきましては、いまだ周辺住民にオスプレイに対する不安の声があることから、都は、これまでも国に対し、地元へ十分な情報提供を行い、丁寧に対応するよう要請しております。

○白石委員 結局、オスプレイの配備についても飛行拡大についても、そして運用についても、国任せというのが、今の答弁でも実情です。
 全国の自治体では、配備や訓練に反対する声が大きく広がっています。沖縄では、県内四十一全ての自治体の首長と議長が署名しました。この建白書という文書を首相に提出し、オスプレイの配備撤回、追加配備の中止などを求めました。全国でも、安全性を理由に反対や慎重な対応を求める決議は、ことし八月末までに二百十五の自治体で上がっています。
 横田基地や厚木基地の周辺自治体はもちろん、オスプレイの都内及び首都圏での展開を許さないよう、首都圏の自治体と協力し、国や、そして米軍にオスプレイの飛来中止や配備反対を申し入れるよう強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

○尾崎委員 私は、住宅政策について三点ほどお伺いをしたいと思います。
 良質な住宅ストックの形成と活用の観点からお伺いしますけれども、日本の住宅は、欧米諸国に比べて短命といわれております。滅失してしまった住宅の平均築後年数、これはアメリカが五十五年、イギリスが七十七年に対して、日本は二十七年というデータもございます。三十年足らずの短期間で住宅のスクラップ・アンド・ビルドを繰り返すことは、これは建設廃棄物の排出量の増加にもつながり、環境面からも問題があると思っております。質のよい住宅をつくり、きちんと手入れをして長く大切に使う社会への転換が強く求められていると思っております。
 こうした要請に応えるべく創設されたのが、長期優良住宅の認定制度であると認識しております。平成二十一年六月に法律が施行されてから、ちょうど五年が経過いたしました。制度の普及も進んでいることだと思っております。九月に公表された東京都長期ビジョンの中間報告にも、長期優良住宅の普及について触れられております。
 そこで、長期優良住宅認定制度について、改めて制度の概要をお伺いするとともに、東京都における普及の目標と現状について、まずお伺いをしたいと思います。

○山崎民間住宅施策推進担当部長 長期優良住宅認定制度は、住宅を長期間使用するために必要な性能である耐震性や耐久性、省エネ性、住環境への配慮等について、一定の基準を満たす住宅を、所管行政庁であります都や区市が認定する制度でございます。都内におきましては、平成二十五年度末までに約三万七千戸の認定実績がございます。
 また、都における普及の目標につきましては、東京都住宅マスタープラン及び東京都長期ビジョン中間報告におきまして、新築住宅の着工戸数に対する長期優良住宅の認定戸数の割合を平成三十二年度までに二〇%としてございます。これに対しまして、平成二十五年度の実績は六・三%となっております。

○尾崎委員 そうしましたら、目標達成には一層の普及促進を図る必要があると思いますけれども、この長期優良住宅認定制度の今後の普及に向けた取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○山崎民間住宅施策推進担当部長 制度の普及を図るためには、認知度を高めていくことが重要でありまして、都は、これまでも消費者や住宅生産者に対し、都市整備局のホームページやセミナー、講習会などにより、税制優遇などのメリットも含め制度の周知を図ってまいりました。
 引き続き、国や区市とも連携しながら、さまざまな機会を通じて制度の普及に努めてまいります。

○尾崎委員 この長期優良住宅を普及することも大変重要であると思いますけれども、一方で、住宅は量的に充足しておりまして、さらに将来的には人口減少社会を迎えることを踏まえますと、住宅の量をふやしていくのではなく、既存ストックの質の向上や有効活用に力点を置いた施策が重要となると考えております。
 ただ、まだ都内の既存ストックの中には、使われない住宅が一割程度存在しておりまして、ことし七月に総務省が発表した住宅・土地統計調査の速報集計によりますと、都内の空き家数は約八十二万戸と増加しております。区市町村によっては、空き家の管理条例を制定するなど、空き家対策の取り組みが始められてきておりますけれども、空き家の中には活用可能なものがありまして、こうした取り組みを進めていくべきだと考えております。
 私も、都が実施する空き家活用事業モデルというものには注目して、これまで本会議や委員会の場で空き家の活用促進をするように要望してまいりました。
 そこで、空き家活用モデル事業、これの実績についてお伺いをいたします。

○加藤住宅政策担当部長 都は、平成二十四年度から空き家の利活用方策の可能性を検証するため、高齢者や子育て世代などに賃貸することを要件に、バリアフリー改修工事などの費用の一部を補助するモデル事業を実施してきております。これまでの実績は三件でございまして、今後は、本モデル事業の成果なども踏まえ、空き家の利活用の促進策を検討してまいります。

○尾崎委員 この空き家というのは、やっぱり見方を変えれば、可能性を秘めた資源でありまして、必要によって手を加え、住宅として長く使い続けていくことが重要であると考えております。
 引き続き、空き家の活用促進に向けて積極的に取り組んでいくことを要望するんですが、もう一つ、区市町村ではこの空き家対策--さっき区市町村によっては空き家の管理条例を制定するなどといいましたけれども、例えば利活用をすることがもうできない、放置されて、手のつけようがない空き家というのがあるわけであります。
 この利活用することができない空き家というのは、例えば持ち主の人がどこか行方知れずになってしまったりしている場合があるわけでありまして、これはもちろん、僕も都市整備局の方に聞いたら、なかなかやはりそれは個人の固有財産なので、東京都が勝手に壊すというわけにもいかないんですというようなお話だったんですけれども、これは区市町村でそうした取り組みをしているところがありますので、東京都として、なかなかそれを独自でやっていくということは難しいのかもしれませんけれども、ぜひ区市町村でやっているそうした取り組みに対しては、東京都も後押しをしていただいて、新たな施策展開をしていただきたいなということを要望して、質問を終わりたいと思います。

○石川委員 土地区画整理事業について伺います。
 都内の十区二十五市二町は、東京土地区画整理事業推進連盟を組織いたしまして、土地区画整理事業の推進を図るため、毎年、東京都や国に対して要望活動を行っております。
 土地区画整理事業は、東京都内の区市町村において、いまだ防災上危険な木造密集住宅市街地の改善や慢性的な交通渋滞の解消など、安全で快適なまちを実現するため、都市の抱えるさまざまな課題をまちづくりの総合的な視点から解決することを目的としている事業でございます。
 そこで、まず改めて、土地区画整理事業の意義についてお伺いいたします。

○鈴木市街地整備部長 土地区画整理事業でございますが、道路、公園などの公共施設と宅地を一体的、面的に整備する総合的なまちづくり手法として、道路ネットワーク等の公共施設の整備改善と宅地の利用増進をあわせて図るものでありまして、防災性の向上、居住環境の改善、地域の活性化などの効果が期待されるものでございます。

○石川委員 このように、まちづくりにとって土地区画整理事業は、面的に市街地の環境を向上させることができる大変有効な手法であるといえます。
 次に、土地区画整理事業推進連盟加盟の区市町村が施行する土地区画整理事業の平成二十六年度の要望の内容と、それに対する都の補助金の実績について伺います。

○鈴木市街地整備部長 まず、平成二十六年度のご要望でございますが、十七地区におきまして、国費で約二十四億円、都費で約十九億円の補助要望がございました。これに対しまして国費の内示額は二十二億円と、厳しい経済情勢を反映して約九二%にとどまりましたが、都費につきましては要望額全額を確保しまして、都として、区市町村の土地区画整理事業を後押ししているものでございます。

○石川委員 このように、都内の区市町村が都に対する要望活動などを行いながら土地区画整理事業を推進し、地域環境の向上を図っているわけでありますけれども、地域の安全性や景観の向上のためには、特に道路の無電柱化を進めていく必要があると考えております。
 土地区画整理事業では、市街地の面的整備を行うことができ、計画的に道路や歩道を整備することができることから、当初の計画に取り込んでいくことで、より効果的に無電柱化を図ることができるわけであります。この無電柱化を区市町村が施行する土地区画整理事業などで積極的に進めていくべきであります。
 私の知るところでは、稲城市の矢野口駅周辺土地区画整理事業の駅前においても、稲城市が施行する土地区画整理事業にあわせて無電柱化を実施しております。今後、稲城市内では、稲城長沼駅周辺土地区画整理事業や南多摩駅周辺土地区画整理事業でも、これから駅前整備が進んでいくことになっています。
 そこで、この推進連盟加盟の区市町村が施行する土地区画整理事業の平成二十六年度要望地区の中で、どれくらいの地区で無電柱化に取り組んでいるのか、その実施状況についてお伺いいたします。

○鈴木市街地整備部長 東京土地区画整理事業推進連盟による区市町村施行の平成二十六年度要望地区十七地区のうち、無電柱化事業につきましては、ご紹介いただきました三地区も含めて九地区で実施または計画中でございます。
 なお、東京都では、平成十九年度に東京都無電柱化方針を定めておりまして、公共団体施行、民間施行のいずれの土地区画整理事業においても、この方針を踏まえながら、地区の幹線となる都市計画道路や駅前広場などにおきまして、無電柱化事業に引き続き取り組んでまいります。

○石川委員 国土交通省によりますと、全国にある電柱の数は三千五百五十二万本で、いまだに毎年七万本ずつ電柱がふえているということでございます。
 東京土地区画整理事業推進連盟の要望の中でも、平成二十三年三月に発生した東日本大震災でも広範囲で甚大な被害が発生し、災害に強いまちづくりと防災性の向上を強く訴えています。
 阪神・淡路大震災では約八千本の電柱が倒れ、その危険性も指摘されてきましたが、全国の電柱のない道路の比率はわずか一%にしかすぎません。東京二十三区でも七%にすぎず、ソウルの四六%、オリンピック・パラリンピックが開催されましたロンドンの一〇〇%には遠く及ばないわけであります。
 全国各地の歴史的建造物の街区を無電柱化することで景観も改善され、にぎわいや観光客を多く集めるようになった事例も報告されております。
 また、土地区画整理事業は、先ほどの指摘のように、面整備によって整然としたまち並みを生み出すことができる事業でもありますが、地権者の協力と負担なしに、なし得ない事業であります。計画から含めますと数十年にわたって事業が続き、その間、地権者の皆さんの権利を制限することも多く、道路線形が変わることを考えただけでも、個々の局面で多くの迷惑をかけることは想像できるわけであります。
 また、減歩や清算金等によって、地権者に直接の負担もお願いするわけでありまして、個別事業とはワンランク違うといえるほど、まちづくりに多くの貢献をいただいているわけであります。
 今後国会では、電線を地中に埋めるよう電力会社に促す仮称無電柱化推進法案が議員立法で提案される準備に入ったとの報道もありました。電柱を新設することを事実上禁止する内容で、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、都市景観や歩行者の利便性を高める狙いがあるといわれています。
 東京の区市町村が施行する土地区画整理事業の中で、無電柱化を進めている地区が半数程度あることが先ほどの答弁からわかったわけでありますけれども、電線地中化には、より多くのコストがかかることも事実であります。この際、東京都において全国に先駆けて、土地区画整理事業の中でこれ以上電柱をふやさない、無電柱化のための補助制度をさらに充実することを強く求めて、次の質問に移ります。
 たまリバー五十キロについてお伺いいたします。
 多摩川は、山梨県、東京都、神奈川県にまたがる自然豊かな、そして美しい景観を持つ、延長百三十八キロメートルの一級河川で、笠取山を源流としております。まだ護岸化されていないエリアも多く、川辺の野草や野鳥が多く見られ、人々に潤いを与える大空間でございます。最近ではアユも戻ってきており、アユ漁も復活し、また、一九八〇年代以降、排水の流入も抑制されたことから、鳥獣保護区指定や水源林保全などによりまして、鳥類の生息も回復しつつあります。
 また、中流以降の多摩川の支流は圧倒的に右岸に集中しておりまして、多摩川支流の最大の流域面積を持ちます秋川も、また、幹川流路延長の大きい浅川も右岸にあり、このことからも、右岸は自然豊かなゆえに、堤防や護岸整備がおくれてきたというふうにいえるわけであります。
 しかし、市民にとっては、右岸、左岸にかかわらず、多摩川はウオーキングやジョギング、サイクリングなどを初めとするスポーツを楽しむ都民、県民に日々利用されているところでございます。上流部から下流部までつなぐ、たまリバー五十キロということで、東京都によって左岸全体の構成というのは、なされております。左岸だけでなく、右岸にも多くの都民が住んでおりまして、日々多摩川と親しんでおりまして、右岸も含めた、たまリバーのコース設定を図るべきということを、昨年も私は、この事務事業質疑の中でお伺いをしたところでございます。
 答えといたしましては、現地の状況や地元市などの動向を踏まえ、研究すべき課題であるという答弁をいただいたわけでありますが、この一年間どのような研究がなされてきたのか、お伺いをいたします。

○佐藤都市基盤部長 たまリバー五十キロは、多摩川の左岸側の河川敷等で都民が散策などを楽しみ、健康の増進を図ることなどを目的とし、羽村市から大田区まで連続したコースを設定しておるものでございまして、現在、多くの都民に親しまれ、活用されております。
 右岸側につきましては、現場調査を行い、通路の整備状況やコースが連続していない現状を確認しております。また、既にコースを設定している左岸側においては、場所により幅員や舗装などの整備状況が異なること、自転車と歩行者の通行ルールが統一されていないことなど課題が残されており、関係区市と対応策について検討を行ってきております。

○石川委員 二〇一四年十月二十五日土曜日、第七回多摩川ウオーキングフェスタ、たまリバー五十キロと名づけられました自然豊かな多摩川河川敷等を利用した、体力や経験に合わせて選べる五つのコースから成るウオーキングイベントが、開催されました。最長コースは羽村取水堰から四十八キロ、最短コースがガス橋緑地から四キロのコースというもので、全てのウオーキングコースで完走していただくことを目標にしたそうであります。
 そのほかにも、ステージイベント、多摩川沿川十区市による物産展やドッグウオークなども行われました。
 このイベントは、主催は東京都で、多摩川左岸の大田区、世田谷区、立川市、府中市、昭島市、調布市、国立市、福生市、狛江市、羽村市、そして、当日は川崎市のソリッドスクエアをスタートし多摩川ガス橋緑地をゴールとする、みずウオーク二〇一四が開催される関係で、これは川崎市ほかの主催でございますけれども、多摩川右岸からは川崎市が後援者として参加をしているわけであります。多摩川右岸の東京の自治体だけが外されているわけでありますけれども、右岸の都の自治体も参加して、一体となったイベントとなることが望ましいというふうに考えているわけであります。
 そしてまた川崎市側も、未舗装の箇所や、人道橋をこれからかける予定などもあるわけですが、やはり下流から上流までのウオーキングやサイクリング等で多摩川を楽しめる施策を進めていくというふうに聞いております。
 右岸側も含めて、たまリバー五十キロから仮称たまリバー百キロ、これは右岸、左岸両方合わせると百キロということになるわけでありますけれども、百キロを実現するために、都の主導のもとに関係自治体と協議すべきだと考えておりますけれども、都の考え方を伺います。

○佐藤都市基盤部長 仮称たまリバー百キロというご提案をいただきましたが、都としては、まず、既に設定しているたまリバー五十キロにつきまして、利用者にとって使いやすいものとなるよう、関係自治体と連携して取り組んでまいります。

○石川委員 場所によっては、橋を渡って迂回して、また戻るというような方法、必ずしも右岸側を上から下まで全て行くわけではなくて、つながっていないところは左岸に出て、そしてまた右岸に戻ると、こういうようなコース設定も十分可能なわけでありまして、特に、神奈川県であります川崎市と東京都が連携して、こういった事業を図っていくということについても、大いに意義があるというふうに思っております。ぜひ神奈川県ともしっかりと協議していただきたいと思います。
 また、地元自治体とも協議していただいて、そんなにお金がかかる話でもないわけであります。まずは構想をはっきりと示して、仮称たまリバー百キロ、これはあくまでも仮称で、五十キロを百キロに延ばしてほしいよと、そういう意味で使っているにすぎませんけれども、両岸をしっかりとロードとしてつないでいく事業を進めていただきたいというふうに思っておりまして、昨年に引き続くわけでありますけれども、右岸のたまリバーの位置づけを明確にしていただくことを、まずはっきりと進めていただきたいということを求めまして、質問を終わらさせていただきます。
 以上でございます。

○栗山委員 何点か質問させてもらいます。
 まず、空き家活用についてご質問します。
 東京の人口は平成三十二年、世帯数は平成四十二年まで増加し、その後は減少していくと推計されています。ことし七月に発表された総務省の住宅・土地統計調査の速報集計によりますと、平成二十五年の都内の空き家率は一一%と、平成十年以降横ばいの状況であるものの、空き家総数は約八十二万戸と増加しており、地域の活力の低下や防災上の問題などが懸念されています。
 私の地元においても、空き家となった戸建て住宅が存在しています。このような戸建て住宅は、賃貸アパートと比べて床面積の広いものが多く、その活用が望まれますが、転居により不在となった空き家の所有者を把握することは容易でありません。
 こうした中、区市町村においては、地域の実態を踏まえた対策の実施に向けて、空き家の実態調査などの取り組みが始まっております。今後、東京の人口と世帯数が減少に向かう中、重要になってきている空き家の利活用について、区市町村の取り組みを支援すべきだと考えますが、都の認識をお伺いいたします。

○加藤住宅政策担当部長 空き家の中には、利用可能なものもございまして、これらが市場に流通することにより、都民にとっての住宅の選択肢は広がりを持つというふうに考えております。
 このため都は、高齢者や子育て世帯などに賃貸することを条件に、一戸建ての空き家などを対象といたしまして、バリアフリー改修工事費の費用の一部を補助するモデル事業を平成二十四年度から実施してまいりました。空き家の利活用を進めるためには、地域の実情を踏まえた取り組みが必要であることから、区市町村による空き家活用などにつきましての支援を検討してまいります。

○栗山委員 民間アパート経営者などは、空き家が数多くなる中でさまざまな経営努力を行っており、都としても、区市町村の支援など空き家活用について取り組むようにお願いいたします。
 一方、都は、公営住宅を数多く管理、供給しており、公営住宅の存在が民間事業者の経営を圧迫してはなりません。
 そこで、都営住宅の役割について、改めて見解をお伺いいたします。

○加藤住宅政策担当部長 人口減少社会が到来する中で単身高齢者の増加が予想されるなど、住宅市場を取り巻く状況が変化しております。住宅に困窮する世帯に住まいを安定的に確保することが重要と考えております。
 都営住宅は、市場において自力で適正な水準の住宅を確保することが困難な世帯へ、安定的に適切な住宅を供給する住宅セーフティーネットの中核でございます。また、老朽化の度合いなどを勘案し、計画的な建てかえを行うとともに、耐震化、バリアフリー化などを進めるなど、既存住宅ストックの有効活用に努めているところでございます。引き続き、住宅セーフティーネットの中核としての機能を的確に果たしてまいります。

○栗山委員 都営住宅の役割について、改めて見解を伺いましたが、一方で、都営住宅は公営住宅という本来の役割と同時に、都にとって、建物、土地など都民共有の財産としての性格もあります。都は、こうした財産を地域ニーズに対応させて有効活用していくことも重要だと考えます。
 現在、少子高齢化が急速に進む中、都民が住みなれた地域で子育てができたり、高齢者が安心して暮らせるよう福祉施設の整備は重要ですが、都内では、地元自治体等にとって用地などの確保は必ずしも容易ではございません。
 都営住宅は、都内のさまざまな場所に立地しており、昭和四十年代以前に建設され、老朽化しつつあるストックの更新を計画的かつ効率的に進めていくことが求められています。
 そこで、都営住宅の建てかえに際しては、現居住者の利便性向上の視点だけではなく、高層化に伴い創出した用地などで子育て支援施設や高齢者福祉の施設整備を促進し、地域の福祉ニーズに応えることが重要だと考えます。
 まず、これまでの都営住宅建てかえにおける福祉施設整備促進の取り組み状況についてお伺いいたします。

○五嶋再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務 これまで、老朽化した都営住宅につきましては、建てかえに当たりまして、バリアフリー化された住戸への更新を進めるとともに、敷地の有効利用を図って創出用地を生み出すなどにより、福祉施設の整備を促進してまいりました。
 創出用地などを活用した最近五年間の具体的な取り組みといたしましては、保育所等の子育て支援施設が十九施設、特別養護老人ホーム等の高齢者福祉施設が九施設、多機能型通所施設等の障害者福祉施設が三施設の計三十一施設が開設されております。
 今後とも、関係局や地元区市町と連携を図りながら、地域の特性やニーズを踏まえ、福祉施設の整備を積極的に促進してまいります。

○栗山委員 これまでも都営住宅の建てかえに際しては、地元自治体等の福祉施設整備を促進するための取り組みが着実に行われてきたということはわかりました。
 地域においては、福祉ニーズの充足と同様に、にぎわいと活力にあふれたまちづくりも重要であり、都営住宅の建てかえに伴い、福祉施設のみならず、多様な施設を複合的に整備することも、地域に貢献できる有効な方法と考えます。
 この点、これまでにも港区の港南地区や中央区の勝どき地区などにおいて、都営住宅の建てかえにあわせた民間活用プロジェクトにより、さまざまな施設が整備され、地域の魅力と活力の向上に役立っていると聞いております。立地や採算性について考慮する必要はあるものの、こうした複合的な施設整備を含むまちづくりを進める上で、民間活用プロジェクトの実施は有効な選択肢の一つと考えます。
 そこで、都営住宅の建てかえに伴い創出される都有地において、民間活力を生かしながら複合的施設の整備を含むまちづくりを行うことについての今後の展開についてお伺いいたします。

○五嶋再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務 都営住宅の建てかえに伴い創出される大規模な用地は、都民共有の貴重な財産であり、都の政策目的の実現や地域の課題解決に活用されることが重要でございます。
 こうした大規模な用地の活用に当たりましては、立地や事業採算性を勘案しながら、民間事業者の資金や創意工夫を生かした民活事業を実施して、必要な施設の整備や都市機能を導入したまちづくりを行うことが有効でございます。
 これまでも、お話にございました港区港南地区や中央区勝どき地区などにおきまして、民活事業により商業施設やクリニックモール、子育て世帯向けの良質な賃貸住宅などを導入したほか、各地で福祉インフラの導入を進めているところでございます。
 今後も、都営住宅の建てかえを推進しながら、民間活力を生かし、質の高い商業・業務施設の整備、木造住宅密集市街地の改善、福祉施設等生活支援機能の導入など、地域特性に応じたまちづくりを展開してまいります。

○栗山委員 民間活力を導入するためには、立地や事業採算性を十分に勘案する必要があることは理解できました。特に、都心部など事業採算性の高い場所に立地している都営住宅を建てかえる際には、極力創出用地を大きく確保し、民間活用プロジェクトにより、複合施設の整備等のまちづくりを進めていただきたいと考えます。
 次に、都市開発諸制度についてお伺いいたします。
 東京都では、公開空地等の整備に対し、建物の容積率などを緩和する都市開発諸制度を積極的に活用し、質の高い都市空間の形成を目指しておりますが、この制度の概要について、まずお伺いいたします。

○上野都市づくり政策部長 都市開発諸制度は、公開空地の整備など良好な市街地環境の形成に貢献する都市開発に対し、容積率などを緩和する制度でございまして、特定街区などの都市計画法に基づくものと、建築基準法に基づく総合設計を合わせ、四種類ございます。
 東京都は、都市づくりビジョンで示す地域像の実現や、防災や環境などの今日的な課題に対応するため、都市開発諸制度を戦略的に活用した都市づくりを進めております。具体的には、都心や地域の中心地など、それぞれの地域特性に応じて育成する用途の導入を図るとともに、防災備蓄倉庫の整備や緑化の増進、建築物の省エネルギー性能の向上などを促進することとしております。

○栗山委員 都心のように土地の高度利用を積極的に図るところもあれば、それほどの容積緩和を必要としない地域もあると思います。
 私の地元自由が丘も一般拠点地区に指定されておりますが、自由が丘のよいところは、高い建物がなく、青空を見ながらまちを回遊し、買い物ができるところです。そのような地域実情も踏まえて、都市開発諸制度による土地の高度利用を図るに当たっては、周辺環境への配慮を必要とする場合があると思いますが、どのような対応をなされるのかお伺いいたします。

○上野都市づくり政策部長 都市開発諸制度の活用に当たりましては、開発計画が、都市づくりビジョンを具体化した都市計画区域マスタープランや、それに即して定められる区市町村の都市計画マスタープランなどに適合することを条件としております。
 また、都市開発諸制度により容積率の緩和を受ける開発計画につきましては、市街地における環境改善に取り組むこととなっております。例えば、建築物の高さの最高限度が指定されている地域におきましては、その市街地におけます環境改善への貢献度合いなどに応じて、既定の都市計画等との調整を図りながら、個別の開発計画が取りまとめられておるところでございます。

○栗山委員 次に、連続立体交差化についてお伺いいたします。
 都内には、現在千カ所を超える踏切が残されており、踏切問題の早期解決が課題となっております。踏切対策基本方針に基づき、西武新宿線や京王線などで連続立体交差事業が着実に進められているとお聞きしております。
 しかし、都内には、ほかにも連続立体交差事業の候補区間があります。それらの区間においては、どのような観点から事業化を図っていくのか、考えをお伺いいたします。

○佐藤都市基盤部長 都は、平成十六年に踏切対策基本方針を策定し、効率的、効果的に踏切対策に取り組んでおります。同方針では、遮断時間が長い踏切数、交通量が多い踏切数、幹線道路にある踏切数などの指標から総合的に評価を行い、鉄道立体化の検討対象区間二十区間を選定しております。
 一方、道路と鉄道の立体化につきましては、地域におけるまちづくりと連動することから、地元区市が主体となり、道路と鉄道のあり方やまちづくりを検討することが必要でございます。このような観点を踏まえ、順次事業化に向けた取り組みを進めております。

○栗山委員 踏切対策基本方針に位置づけのある鉄道立体化検討対象区域には、東急大井町線、東横線自由が丘駅付近も含まれていますが、いまだに実現に至っておりません。この区間には多数の踏切があり、遮断時間の長い踏切もあるほか、自由が丘駅前の踏切など交通量の多い踏切もあります。自由が丘のまちづくりを促進するためにも、踏切による地域分断の解消は望ましく、それには鉄道立体化の検討を進めるべきであります。
 そこで、東急大井町線、東横線自由が丘駅付近の鉄道立体化に向けた都の見解についてお伺いいたします。

○佐藤都市基盤部長 ただいま委員お話しのとおり、東急大井町線、東横線自由が丘駅付近の区間は、踏切対策基本方針において鉄道立体化の検討対象区間二十区間のうちの一つに位置づけられております。
 この区間には、都市計画道路補助四六号線、補助二〇七号線、補助二〇八号線や都道などがあり、これらの道路と鉄道のあり方や鉄道沿線のまちづくりについて検討することが必要でございます。
 今後、道路整備計画の具体化や地元区によるまちづくりの取り組みの状況などを十分に踏まえて、適切に対応してまいります。

○栗山委員 連続立体交差事業にあわせて、道路整備や周辺のまちづくりが進むことは一般的だと思います。
 一方で、地域によっては、道路整備がすぐには進まない区間もあります。自由が丘駅付近には道路計画はありますが、現道のない区間も長くあり、近い将来に事業化することは困難であると思われます。このような地区で立体化を行うには、連続立体交差事業と道路整備の関係について再検討が必要であると私は考えます。
 現在は、道路整備計画の具体化を考慮して、踏切対策基本方針にある鉄道立体化の検討対象区域について徐々に事業化を図っている段階であり、今すぐは難しいと思います。しかし、自由が丘のまちのさらなる活性化を図る観点からも、自由が丘の連続立体交差事業について多角的に検討してもらうことを要望させていただきます。
 続きまして、都市計画道路補助四六号線について、防災まちづくりの観点からお伺いいたします。
 昨年、都が公表した地震に関する地域危険度測定調査によると、目黒本町、原町、洗足の地域は危険度三から四となっており、比較的危険度が低い目黒区にあっては、防災上の課題を抱える地域であるといえます。
 このため、区は平成三年から、目黒本町地区を手始めに段階的にエリアを拡大し、木密対策を進めてきました。これにより、児童遊園の整備や木造アパートの建てかえが進み、一歩ずつではありますが、地区内の防災性が高まってきています。
 都は、防災性の向上を一段と進めるため、木密地域不燃化十年プロジェクトとして、原町一丁目、洗足一丁目、目黒本町五丁目地区を不燃化特区に指定するとともに、地区を通る都市計画道路補助第四六号線を特定整備路線に位置づけ、早期整備を図っています。
 この道路整備は、これまでの密集市街地における不燃化の取り組みと相まって、地域の防災性向上に大きく寄与すると思われますが、特定整備路線である補助四六号線の整備と沿道まちづくりの現在の取り組み状況についてお伺いいたします。

○佐々木防災都市づくり担当部長 都は、補助四六号線のうち、ただいま委員からお話のありました目黒本町及び原町-洗足区間の約一キロの区間について、整備地域の早期改善に大きな効果を有することから、特定整備路線に指定しております。このうち目黒本町区間では、平成二十一年九月に事業認可を取得し、地区計画の策定など沿道のまちづくりと一体的に道路整備を進めており、二十五年度末の用地取得率は四七%となっております。さらに、沿道では防災街区整備事業の都市計画が決定されるなど、まちづくりも進んでいるところでございます。
 また、原町-洗足区間については、今年度中に事業認可を取得し、三十二年度までの事業完了を目指してまいるとともに、あわせて沿道のまちづくりについても、区と連携しながら支援してまいります。

○栗山委員 ただいま特定整備路線に位置づけた都市計画道路補助四六号線の整備とともに、沿道まちづくりが進んでいる旨の答弁がありました。引き続き、関係権利者のニーズを酌み取り、区と協力してまちづくりを進めながら、防災性の向上を目指し、特定整備路線の本区間の整備を二〇二〇年までに完了させていただきたいと思います。
 次に、この道路が完成した後のまちの将来像を考えてみたいのですが、改めて補助第四六号線の整備により期待される効果についてお伺いいたします。

○佐々木防災都市づくり担当部長 補助四六号線の整備により、延焼遮断帯が形成されるとともに、安全な避難路、緊急車両の通行路が確保されるため、震災時の大規模な市街地火災の防止、救助救援活動の円滑化が図られます。
 また、通常時においては、環状六号線山手通りから、バス通りである円融寺通りまで広幅員の道路がつながり、交通が円滑になることに加えまして、歩道の整備による歩行者の安全確保、緑豊かなまち並みの形成などの効果が期待されるところでございます。

○栗山委員 新しい道路ができれば、地域の防災性が向上するのはもちろんですが、道路のネットワークが充実し、歩車分離の安全な通行も可能になるということです。
 今後は、地域の振興のために、こうしたハードのインフラをどのように活用していくべきかというソフトのまちづくりについても考えていかなくてはなりません。地元では、路線バスやコミュニティバスの誘致などのアイデアも出されています。バス路線の新設は、基本的にバス事業者や地元区が判断することですが、道路整備が地域の可能性を広げるという点は評価したいと思います。
 次に、今後の都市計画道路の整備方針についてお伺いいたします。
 東京のさらなる発展を実現するためには、発展の基盤となる都市基盤の整備が必要不可欠であります。とりわけ都市計画道路は、都市を形成する基本的な都市基盤であります。東京の魅力を高め、国際競争力を強化し、知事のいわれる世界一の東京としていくためにも、この整備が重要であると考えます。
 そこでまず、都は、これまでどのように都市計画道路ネットワークの形成に取り組んできたのか、その結果、都市計画道路の完成率はどうなったのかお伺いいたします。

○佐藤都市基盤部長 都では、区部においては昭和五十六年から、多摩地域においては平成元年から、おおむね十年ごとに都市計画道路の事業化計画を策定しております。現在、平成二十七年度までを計画期間とする第三次事業化計画をもとに、おくれている区部の環状道路や多摩の南北道路などを優先整備路線に選定し、都市計画道路ネットワークの形成に取り組んでまいっております。
 その結果、平成二十五年三月末現在でございますが、都内の都市計画道路の整備状況は、計画延長約三千二百キロメートルのうち、約千九百八十キロメートルが完成し、完成率は約六二%となっております。

○栗山委員 都市計画道路の完成率は六二%ということでありますが、その整備はまだまだ道半ばであります。現在、長期にわたり土地の制限を受けている都民も多く存在しており、課題も多いと認識しております。
 しかしながら、東京のさらなる飛躍のためには、必要な都市計画道路について、引き続き整備していくべきだと考えています。現行の計画が平成二十七年度までであることから、現在、都は、次期事業化計画の策定に向けて検討中と聞いております。この次期事業化計画の中では、都市計画道路について必要性の確認をしっかりした上で、事業化するものについては、はっきりと明示していくべきだと考えています。
 そこで、これまでの取り組み状況及び今後の策定に向けた取り組みについてお伺いいたします。

○佐藤都市基盤部長 都と地元区市町は、平成二十五年、学識経験者による委員会や、都と区市町による検討会を立ち上げまして、次期事業化計画の検討に着手いたしました。今後、区市町など関係機関と密接に連携しながら、将来都市計画道路網の検証を行いまして、適切に優先整備路線を選定し、平成二十七年度末までに次期事業化計画を作成してまいります。

○栗山委員 平成二十七年度までに次期事業化計画を作成していくということでありますが、先ほど質問した補助四六号線の原町-洗足区間は、特定整備路線として平成二十六年には事業認可を取得するとのことであります。
 一方、この区間の西側から環七までについては依然として未着手で、道路整備のめどが立っていない状況でございます。この残りわずかな区間を整備すれば、道路と道路がつながってネットワークが形成され、周辺地域の渋滞解消はもとより、木造密集地域に隣接する地域として防災性も向上すると考えます。
 そこで、当該区間について今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

○佐藤都市基盤部長 補助四六号線のうち、特定整備路線となっている原町-洗足区間から環七までの区間につきましては、第三次事業化計画の優先整備路線には位置づけられておりません。
 都市計画道路の整備につきましては、都と地元区市町で、渋滞の効果的な解消や高度防災都市の実現などの観点から、次期事業化計画に向けまして優先整備路線の選定を行っていく予定でございまして、お尋ねの路線につきましても、この中で適切に対応してまいります。

○栗山委員 今後、適切に優先整備路線の選定を行うということですが、平成二十六年の第一回定例会で私が質問したとおり、いまだ事業化されていない第三次事業化計画の優先整備路線の補助一二七号線もあります。こうした路線については、まずは最小の範囲で、必要性が高い区間を優先整備路線とするなど、次期事業化計画の中で、改めて詳細に検討すべきだと要望いたします。
 次に、違反広告物対策についてお伺いします。
 電柱や街路樹などへの張り紙や、針金などで取りつけられた立て看板などが出されているのをよく見かけます。一方、年々都民の景観に対する意識は高まってきており、また、違反広告物の除去については、重要な課題であると考えています。
 そこで、このような違反広告物について、東京都はどのように対応しているのかお伺いいたします。

○小野景観・プロジェクト担当部長 電柱の張り紙や道路上の立て看板などは、都市の美観を損ね、通行の妨げとなるといった問題を生じることから、その対策は重要な課題であると認識しております。
 こうした違法な張り紙、立て看板などにつきましては、屋外広告物法に基づき、措置命令等の手続を経ることなく簡易に除却できるようになっており、都では運用に関するガイドラインを策定し、実施主体である区市町村の積極的な取り組みを促しております。
 また、毎年二月と十月には、都の呼びかけにより、区市町村や道路管理者、警察、地元商店街など関係者が連携して、地域で一斉に違反広告物を除却する共同キャンペーンを実施することで、違反広告物に対する意識向上にも努めております。

○栗山委員 さまざまな試みを行い、除去することで、一定の効果は出ていると思いますが、それでもまだ違反広告物が見受けられます。世界一の都市を目指す東京としては、良好な景観形成のために、こういった違反広告物をなくしていかなければならないと考えます。
 最近は巧妙化してきて、パイロンに広告を張り路上に置いたり、社名を記載しないで電話番号しか書かれておらず、どこの業者かわからないようになっております。
 そこで、このような違反広告物の是正に向けて、今後、都は取り組みを強化していく必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。

○小野景観・プロジェクト担当部長 都は、これまでもさまざま取り組みを実施してまいりましたが、違反広告物のない良好な都市を実現するためには、さらなる取り組みが必要でございます。
 このため、これまでの取り組みに加え、広告主となる業界団体などへの普及啓発の機会を設け、違反広告物の実態や指導事例を示すことなどにより、適切な広告物の掲出について働きかけることで、業界の主体的な改善を促してまいります。
 さらに、行政連絡会などを通じまして、効果的な是正指導や違反業者に関する情報交換を定期的に行うなど、区市町村と連携を緊密にしながら、違反者への指導等の強化を図ってまいります。

○栗山委員 業界への働きかけや違反者への指導の強化など、積極的な取り組みを進めるというお話を伺いました。関係機関との一層の連携や、罰則なども含め多様な方策を活用し、違反広告物のないまちをつくっていくよう取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○島田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後三時二十分休憩

   午後三時三十五分開議

○島田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○上野委員 都市整備委員会の初めての質疑でありますので、都民の方にも理解しやすい質疑になるように、基本的なことからお尋ねしたいと思っております。ぜひとも理事者の皆様にも、わかりやすい答弁を期待するところでございます。
 まず初めに、木造住宅密集地域の整備についてということで、高度の防災都市づくりの観点から何点か質問していきたいと思います。
 阪神・淡路大震災の教訓を受けて、都が立ち上げました東京都防災都市づくり推進計画、これによりますと、都内には約一万六千ヘクタールに及ぶ木造住宅密集地域が山手線の外周部に広範に分布しており、道路や公園などの都市基盤が不十分なことに加え、老朽化した木造建築物が集積するなど、防災上の課題を抱えているところでございます。
 都は、防災都市づくりを進めるに当たりまして、危険性の高い地域から優先的に整備を進めることとして、木造住宅密集地域を中心に、危険度が高く、特に老朽化した木造建築物が集積するなど震災時の大きな被害が予想される地域を、整備地域と位置づけたところでございます。
 この整備地域は、都心三区を除く二十区に二十八地域を指定しており、その面積は約七千ヘクタール、これは二十三区の約一一%に匹敵する広さであります。
 一方、特別区各区は、いわゆる密集事業により木密対策を進めております。都のパンフレットによりますと、平成二十六年四月現在で、密集事業地区は六十三地区、二千七百五十ヘクタールで事業中ということであります。この密集事業地区は、先ほどの二十八整備地域の地域内だけではなくて、地域外もあり、着実に木密対策を進めております。
 これまで長い間、木密地域の整備改善に向けまして、都と区は連携しながら延焼遮断帯となる道路の整備や建物の不燃化、耐震化を促進し、一定の成果というものは上げてきたと思います。
 しかしながら、道路の整備率、不燃領域率の進捗を見ますと、計画の目標を達成するにはなかなか厳しいものがあるなと、これは正直、皆さん方も思っているところではないかと思います。
 そうした中で、東日本大震災が発生しました。都は、その教訓を生かし、また、切迫性のある首都直下地震の発生を踏まえまして、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げ、不燃化特区により取り組みを加速しているところであります。
 こうしたさまざまな取り組みにより、木造住宅密集地域の整備を着実に進めるべきという立場から、また、不燃化、耐震化に加えて、液状化対策も防災都市づくりの重要な柱の一つであるという立場から、質問を具体的にしてまいります。
 不燃化特区は、現在三十八地区で事業実施中でありますが、指定準備地区や新たに区から応募があった地区を合わせれば四十八地区となります。不燃化特区は、四十八地区の合計面積が約二千八百七十ヘクタールであり、整備地域七千ヘクタールの約四割まで拡大されてきたというところでございます。
 現在、不燃化特区の応募は平成二十六年十二月までとなっております。これまで都は、不燃化特区の拡大を図ってきたところですが、目標をたしか五十地区にされていたと思います。それに近づいたところで、この十二月をもって募集を終了することになるのでしょうか、お尋ねします。

○佐々木防災都市づくり担当部長 都は、平成二十四年二月の先行実施地区の募集以降、区に対し、特区への応募の働きかけを行い、これまで四回にわたって区からの申請を受け付けてまいりました。
 その結果、区が行う特区への申請につきましては一定の目途がついたと捉えており、新たな地区の募集については、十二月を一つの区切りといたします。

○上野委員 それでは、都は、整備地域における不燃領域率の目標を平成三十二年度までに七〇%に引き上げるとしておりますが、この四十八地区の不燃化特区の取り組みにより、都民の命を守るためにも、都が掲げた目標をぜひ実現していただきたいと期待しておりますけれども、果たして可能なんでしょうか、見解を求めます。

○佐々木防災都市づくり担当部長 不燃化特区は、戸建て住宅への建てかえ助成や固定資産税等の減免など新たな取り組みを行うもので、より高い効果が期待できるものでございます。都は、目標の達成に向けて、従来からの取り組みに加え、市街地の不燃化を一段と加速する不燃化特区の取り組みを精力的に進めてまいります。

○上野委員 平成三十二年度までに整備地域の不燃領域率を七〇%に引き上げるよう精力的に取り組んでいくと、こういった力強い決意だと受けとめております。私も、その決意に従ってしっかりと応援してまいりたいと、改めて決意させていただきます。
 さて、不燃化を加速させる不燃化特区について、事業実施中である三十八地区の不燃領域率は何%になるのかお尋ねします。

○佐々木防災都市づくり担当部長 委員お尋ねの事業実施中の三十八地区については、応募時の値をもとに算出した場合、不燃領域率は約五三%でございます。

○上野委員 不燃化特区の各地区では、整備目標として不燃領域率七〇%を掲げておりますが、今の答弁にあった不燃領域率五三%を目標値まで引き上げるのは、これまでの進捗状況から容易なことではないなということを実感いたします。
 そこで、加速度を増す起爆剤となるのが不燃化特区制度であると、このように思っております。老朽建築物の除却費助成、あるいは固定資産税、都市計画税の減免措置という、まさに画期的な取り組みでありまして、私は大変評価しておりました。
 都市整備局からしっかり説明を受けて、私もしっかりと推進していこうということで、江戸川区の不燃化特区地域に入って、商店街も回ってきて、そして都民の方に、こんなすばらしい制度ができたんだから、いい建物つくっていきましょうと、地域を守りましょうという話をしていった。
 商店街の店主の方にそんな話をしたときに、何をうそついているんだと、こういわれたんですよ。あなたが説明しているようなことはないじゃないかと。一体何なのか、わからなかった。
 私たちのような専門の--通ってきている方なんですね、実家は別のところで、店だけと。道路の一番目立つところにあるわけですけれども--協力していこうということで、建てかえようと思いましたと。不燃化特区があるということも、あんたの街頭を聞いて思ったよと。
 ところが、聞いてみたら全くお金は出ませんと。どんなときに特区として助成が出るんだと、こういう話を聞いたらしいんです。それは、建物を除却する場合、これは全額出ます、そして、それに対してまた整地をします、これについても全額出ますよと。建てかえたらどうなのと。建てかえると除却費も何も出ませんといわれたと。
 何を、これが特区なのかと。あんた、うそつきだといわれた。
 それはないですよ、私も東京都の職員として働いていて、そして説明を受けたんだから、うそをいうわけありませんと。だけど、俺は聞いたんだと。どなたから聞いたんですか、東京都からですかと。いや、違う、区から聞いたと。
 で、区のところに行って確認をした。怒るようなつもりで行ったら、何と向こうから要綱を見せられた。そうしたら、いっていることは正しいんですよ。驚きました。何も説明受けていなかった。東京都の方々もみんな知っているのかと思った。恐らくここにいる方も知らなかったんじゃないですか、このような状況を。やはり起爆剤である以上は、特区制度というのを改善していかなきゃ、これはだめだということを実感したわけでございます。
 こうした現場の声を受けて、私たち都議会公明党は、六月二十四日に、当時の藤井都技監に、実効性ある不燃化特区制度に改善すべきと要望書を提出しまして、今回の第三回定例会での私の一般質問となったということなんです。
 一般質問の中で、不燃化特区制度は、現場の声を真摯に受けとめて実効性あるものに改善していくべきだと、こういう質問をして、安井局長からは、事業主体である区から、相談体制のさらなる充実など現行の支援策の改善を求める声が出されております、都は今後、こうした地域の声もよく踏まえまして、さらに使いやすい制度運用となるよう検討し、区の取り組みを効果的に後押しするという、こういう答弁があったわけでございます。
 そこで、この不燃化特区制度について、区から相談体制のさらなる充実など現行の支援策の改善を求める声が出されておりますとのことでしたが、相談体制のさらなる充実のほかにどのような意見が出されているのかお尋ねします。

○佐々木防災都市づくり担当部長 都は、不燃化特区制度の実施に当たり、事業主体である各区と定期的に意見交換を行っております。こういった中で、委員からただいまご指摘ございましたように、さまざまな意見が出されておりまして、これまでの取り組みを通じて、相談体制のさらなる充実など、区の方から現行支援策の改善を求めるというふうな形で意見が出されているところでございます。

○上野委員 同じことの繰り返しということで、細かい話まではなかなか聞けなかったんですけれども、災害時に避難する道路沿いに事務所や店舗というのがあります。特区の助成がなければ、建てかえが進まないんじゃないかということを懸念するようになりました。
 本来なら道路沿いの店舗とか事務所とか、そういったところは絶対倒れちゃいけない。ところが、そこがもし今のような状況の中で、助成がない中で建てかえなんかできるわけないだろうというような状況だと進まない。進まなかったらどうなりますか。倒れますよ、道路に。人が歩けない、逃げていられないと。これは、やっぱりしっかりと早くやらなきゃいけない。
 本来の目的である不燃化特区、不燃化促進、いつの間にか税の考え方で左右している。特区といいがたい状況になっているのではないでしょうか。それが、現場を歩いている中で都民から聞いてわかったわけでございまして、これは、歩いて初めてわかる話ですよ。本当は、皆さん方も現場に行って生の声を聞きながら、制度の改善というのを進めていくべきなんです。
 六月、要望したときに、藤井前都技監は、現場の声に耳を傾けながら不断に制度を改善することは必要です、真摯に受けとめて検討しますと、こう述べられたわけです。
 そこで、都では、より使いやすい制度運用に向けた検討を早急に進めて、制度改善を進めていくべきである、このように考えますが、都の見解を求めます。

○佐々木防災都市づくり担当部長 不燃化特区の取り組みに当たりましては、各区それぞれにおいて、都の制度をもとに地域の実情に応じた助成制度を構築しているところでございます。
 都といたしましては、支援策の改善を求める区からの意見に対し、国や区との適切な役割分担を見きわめた上で、必要に応じ各地区の課題について区に聞き取り調査をするなど、現場の声を真摯に聞きながら、より使いやすい制度運用に向けた検討を進めているところでございます。

○上野委員 ぜひ使いやすい制度運用に向けて、検討を進めていただきたいと思います。うそつき呼ばわりされないような、そうした制度をぜひつくってもらいたい。先ほども述べたように、不燃化特区制度は不燃化を加速する起爆剤であります。対象地区が出そろう来年四月には、全ての地区で一斉に、使いやすくなった制度を使って不燃化を加速すべきであると思います。そのためには、制度の改善は年度内に行うよう強く要望しておきます。
 さて、都は二十八の整備地域を指定して対策を進めておりますが、最初に述べましたように、区は、密集事業地区として整備地域内外で木密対策を進めております。
 そこで、整備地域外で木密対策が行われている地区数及び事業規模についてお尋ねします。

○佐々木防災都市づくり担当部長 平成二十六年四月時点で、整備地域外において、いわゆる密集事業を行っているのは、江戸川区の七地区を初めとする全部で十八地区、四百九十ヘクタールでございます。

○上野委員 現在、区が実施している密集事業地区は、整備地域内であれば都の補助がありますが、整備地域外であれば都の補助はありません。国は補助をしているんです。だから、区は、国とみずからのお金で実施している状況です。
 東京都防災都市づくり推進計画が始まる以前、実質的にはたしか平成九年だったと思いますけれども、その以前は、都は、区が実施している密集事業地区に対して、今の整備地域内外にわたり補助を実施しておりました。実際にやっておりました。現場の木密地域の環境は、歩いて回ってみましたが、この整備地域の中とか外とか、その危険な環境というのはほとんど変わらないんです。
 そこで、整備地域外についても、都は何らかの支援をすべきと考えますが、見解を求めます。

○佐々木防災都市づくり担当部長 都は、防災上脆弱な地域を整備地域に定め、広域的観点から都としての取り組みを重点化しております。
 一方、整備地域外においても、都が防災に関する都市計画の方針を定めることなどにより、区の防災まちづくりを促しているところでございます。

○上野委員 整備地域の指定によって、重点化すべき地域を定めることは否定するものではありません。
 しかし、通常、国の補助があれば、裏負担分として都の補助をつけてその事業を進める支援を行う、これが通常ですよね。私もそういうふうにやってきたわけでありますけれども、ところが、重点化によって、これまで見ていた整備地域外の密集事業地区の補助はなくしますというのは、本気で木密対策を推進する気持ちがあれば、できないんじゃないですかね。これまでの補助は継続し、さらに危険な箇所を重点化して手厚く補助すると。このことによって木密対策は進むのであって、補助をなくせば、そこはブレーキがかかるんです。アクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものじゃないでしょうか。
 恐らく、都市整備局は継続したかったと私は思っております。財政を優先する局が、木密対策の重要性、実施の困難性というものをわかっていないから、こうした状況になっているんじゃないでしょうか。
 いずれにしても、指定から外れた地区の取り組みが滞ることのないよう、区の取り組みを後押しするため、引き続き都の手厚い支援を求めて、要望とさせていただきます。
 さて、次に移りますけれども、防災上、特に脆弱な整備地域においては、不燃化、耐震化だけではなく、液状化への備えも重要であります。整備地域のうち、平成二十五年三月に公表していた東京の液状化予測において、液状化の可能性が高い地域及び液状化の可能性がある地域に該当するのは、それぞれ何ヘクタールあるのでしょうか。

○佐々木防災都市づくり担当部長 整備地域約七千ヘクタールのうち、液状化の可能性の高い地域は約六百ヘクタールでございます。また、可能性がある地域は二千五百ヘクタールでございます。

○上野委員 今のご答弁からもわかるように、整備地域の四割以上が液状化の可能性があるということであります。液状化予測図と整備地域の位置図というのを私も重ね合わせてみました。すると、二十八の整備地域のうち、半数以上の地域で液状化が発生する可能性があるということがわかるんです。
 ひとたび液状化現象が起きると、どんなに不燃化、耐震化された新しい家でも、沈下、傾斜して、都民は大変な苦しみを味わうんです。ある人がいっていましたけれども、死なないからいいんじゃないかみたいな、とんでもない話で、それは傾いた家に住んだ体験がない人の言葉ですよ。
 私は、今でも忘れません。あの江戸川の清新町地区で、三・一一、大変な地震があった。私、知りませんでしたけれども、その翌日に朝一番に電話が来ました。大変です、歩けません、すごい液状化でと。そして、私の友人が家を建ててそんなにたっていないにもかかわらず、沈下して倒れかかっている、どうしようもない状況なんで、何とかしてあげてくださいと。飛んで行きました。だけれども、もう遮断されて車が行けないんです。車が入れるような状況じゃなくなっている。
 数日たって、その方のところに行った。真っ暗だったから、いないと思ったけれども、ボタンを押した。出てこられましたよ、ご主人が。このご主人に、何とか私も頑張りますので、ご要望ありませんかといったら、入りなさいといわれた。自分の家に入れといわれた。震度五以上ですから大変な状況だから、いや、ここで結構ですといったら、そうじゃないんだと、あんたに体感してもらいたいんだという。
 入っていって、ご主人に従って、私たちのリビングは二階ですからと、二階に一緒に歩いていって、階段を上がろうとしました。二段、三段と上がっていく中で、後ろに倒れそうになって、びっくりしましたね。我々は、平行なところでいつも生活しているからわからない、傾いた家が。手すりを持ってやっと上がっていって、桟が完全に斜めになっている。うわあっ、大変だなと。
 上野さんね、私は頭痛がします、吐き気がするんです、夜中起きて、とても眠れません、何とかしてください、このままじゃだめですと、こう要望を受けて、そして玄関を出て帰ろうとしたときに、そこの奥さんと五歳の女の子に私を見送っていただいた。まさに帰ろうとしたときに、その五歳の女の子が、おじちゃんと声をかけてきた。びっくりしました。
 あそこの塀は真っすぐなの、斜めなのと聞いてくるわけですよ。何をいっているか、最初わからなかった。それを聞いたお母さんが突然泣かれた。この子は、今、真っすぐと斜めがわからなくなっているんだと。きょうも幼稚園の先生から、おたくのお子さんだけ、みんなと一緒に廊下を歩いていて何度も倒れる、どこかおかしいですよと呼ばれて、飛んでいって、病院に連れて行った。お医者さんから、脳をやられている可能性があるからMRIをやりましょうといわれたと。上野さん、MRIをやったことありますかと聞かれた。こんな五歳の子にMRIなんてやらせたくありませんと泣かれたんです。もう一生忘れませんね。
 それほど苦しい中で、急いでそのことを東京都の方に要望して、都市整備局は偉いですよ、これは被災地三県だけではなくて、この東京も、やはり被災者がいるということの配慮のもとで、都営住宅に入れるようになったわけです。そのことによって、その五歳の女の子は、今二年生ですけれども、何の障害もなくなった。
 お母さんがいっていましたよ、私に。お医者さんからいわれたと。あのまま斜めの状態に住んでいたら、小さいお子さんほど順応力が高いために、斜めが正常で平たいところが正常でないふうな頭になってしまったら大変な後遺症が残っていた、都営住宅に入ってよかったですねと。本当にそういった意味では、そのときの判断、動きというものについては、皆さんに本当にありがたいと感謝しているところでございます。
 こうした災害は、二度と繰り返してはならないわけでありまして、液状化対策は極めて大事だということです。整備地域において、不燃化の取り組みとあわせて、建物の液状化対策を進めるべきと考えますが、見解を求めます。

○佐々木防災都市づくり担当部長 整備地域内においては、区が、いわゆる密集事業や不燃化特区の取り組みを通じまして、住民からの相談にきめ細かく対応しているところでございます。都は、区がこうした機会を捉え、ホームページ等を活用して液状化に関する情報提供を行うよう働きかけてまいります。

○上野委員 それでは次に、液状化に関連いたしまして、避難場所、避難道路の指定について質問いたします。
 都市整備局は、避難場所、避難道路の指定を五年ごとに見直し、昨年五月に改定しておりますが、指定に当たっては、当然に東日本大震災の教訓を生かしていると考えておりますが、東京の液状化予測図と比較すると、液状化が懸念される地域を避難場所として指定している場所も見受けられます。そうした場所は何カ所あるのか、また、どのような地域にあるのか、お尋ねいたします。

○佐々木防災都市づくり担当部長 避難場所百九十七カ所のうち、液状化を考慮した避難場所は、足立区や江東区など十七の区に九十八カ所ございます。

○上野委員 それでは、避難場所、避難道路の指定に当たって、液状化の影響を考慮して指定すべきということで先ほどいいましたけれども、どのように考慮されたのか、具体的にお尋ねします。

○佐々木防災都市づくり担当部長 避難場所で液状化が発生した場合には、生命に危害が及ぶことはないものの、場所によっては、地面の亀裂や噴砂などにより立ち入りが困難になるおそれがあるため、避難上有効な面積を低減することとして、避難計画人口の見直しを行っているところでございます。
 また、避難場所、避難道路につきましては、おおむね五年ごとに見直しを行っております。今後、学識経験者の協力、助言を得ながら、新規及び拡大する避難場所等の確保などについて検討を行い、指定の見直し作業を進めてまいります。

○上野委員 避難場所について、液状化した場所に立ち入らないという考え方は理解できるわけですけれども、例えば江戸川区の清新町地域は、先ほどお話をしました、液状化して道路を歩くことも困難な状況、我々も行けなかったわけですけれども、その地域が避難場所に指定されているんですね。昨年三月に公表した液状化予測図でも、この地域というのは液状化の可能性が高い地域ということになっている。
 避難場所、避難道路の指定は、その後五月に改定されております。本当にこの液状化の影響を考慮して指定されたのか、疑問を抱かざるを得ません。避難場所として指定するからには、液状化対策を施して、都民が安心して避難できるようにすべきだと私は考えております。そうでないと、多くの人が避難場所までたどり着くことができないということになるわけであります。
 今後、指定の見直しはやるということでございますので、その見直しに当たっては、実際に起こり得ることを具体的に想定して、現実的な対策を講じてもらいたい、このことを強く述べさせていただきます。
 次に、豪雨対策についてお尋ねします。
 都は、平成十七年に、杉並区、中野区を中心に発生した甚大な浸水被害の状況を受け、平成十九年に豪雨対策基本方針を策定し、総合的な治水対策に取り組んできました。
 しかし、方針策定後も、平成二十年の町田市、平成二十二年に板橋区や北区、さらに平成二十五年の世田谷区や目黒区などで一度に数百棟にも及ぶ浸水被害が発生しております。
 こうしたことから、都は、改めて平成二十五年に学識経験者などから成る検討委員会を立ち上げ、近年の降雨特性や浸水被害の発生状況などを踏まえ、豪雨対策方針の見直しに着手して、平成二十六年六月に改定を行っております。
 そこで、初めての事務事業質疑でもございますので、まず、豪雨対策基本方針の改定の概要及び豪雨対策の進め方についてお尋ねします。

○佐藤都市基盤部長 今回の改定では、目標降雨につきまして、従来、都内全域に時間当たり七十五ミリと設定しておったものを、地域の違いによる降雨特性を反映するため、新たに八王子観測所のデータを採用いたしまして、区部を七十五ミリ、多摩部を六十五ミリと設定いたしました。
 また、河川、下水道整備の対策強化流域、対策強化地区の設定、あるいは大規模地下街の浸水対策計画の充実、オリンピック・パラリンピック開催時及び平成三十六年までの取り組みの明示などを行っております。
 豪雨対策の進め方についてでございますが、市町村と連携し、今回の改定内容に基づき、各流域ごとの豪雨対策計画を改定するなど、対策の目標を明らかにした上で取り組んでまいります。

○上野委員 ところで、国土交通省、国は、本年四月に集中豪雨や洪水、高潮などに備えたタイムラインの作成と地下街対策という、この二つの対策を打ち出しております。これは、我が国では初めての取り組みということだそうでございます。
 タイムラインの作成は、アメリカで大被害をもたらしたハリケーン・カトリーナの教訓から、一昨年にニューヨークを襲ったハリケーン・サンディの際に、上陸二日前には避難を準備する、三十六時間前には避難勧告を出す、一日前には地下鉄をとめると、こういった時間軸に沿った計画、つまりタイムラインに基づき対応した結果、減災で大きな効果があったと。こうしたことを受けて太田大臣が、日本でもタイムラインの考えを導入しようと考えて、時間軸に沿ったタイムラインの作成を決定したと、このように聞いているところでございます。
 そしてもう一つの、地下街対策は、地下鉄や地下街の対策であります。東京は、世界でもトップクラスの地下鉄や地下街が広がっております。もしもスーパータイフーンが東京を襲い、洪水や高潮で浸水すると、地下空間全体に広がって、想像を絶するような甚大な被害をもたらすことが想定されます。
 そこで、大規模地下街などの浸水対策について、都は、対策の実効性を高めるために、地下街、地下鉄、民間ビル及び区などと連携強化を図るよう取り組むべきと考えますが、現在の浸水対策の取り組み状況についてお尋ねします。

○佐藤都市基盤部長 今回の豪雨対策基本方針の改定に基づきまして、八重洲、歌舞伎町など九カ所の大規模地下街の浸水対策計画について、地下鉄、民間ビルなどとの連携を強化し、内容の拡充に取り組むことといたしました。
 現在、渋谷地下街におきまして、地下街、鉄道事業者、隣接する民間ビル及び区から成る検討会を立ち上げ、情報連絡体制の構築などの課題を取りまとめ、計画策定に向けた準備を進めております。
 今後も、地下街の浸水対策の実効性を高めるために、区、施設管理者などと連携して、大規模地下街等の浸水対策を推進してまいります。

○上野委員 東京には、浸水対策を必要とする多くの地下街が存在します。これらは、地下鉄やデパートなどと複雑に接続しており、それぞれが個別に浸水対策に取り組むのではなくて、しっかりと連携することで浸水対策の効果が発揮されるものと考えます。このことから、引き続き、都は浸水対策計画の策定を促すとともに、関係機関の協議の場を設けるなど連携の取り組みに積極的に関与していくことを期待いたしまして、次の質問に移ります。
 海抜が低く、平地の多い区部東部地区、ここでは記録的な豪雨、河川氾濫、高潮など、そうした水害時に避難できる高台や逃げ込める高い建物が住宅地には少ないんですね。そのため、避難場所である近くの小中学校まで避難できるか、多くの住民の方々が不安になっております。
 都がそうした都民の声に応える形で、昨年、大規模な水害時に都営住宅を緊急避難先とする覚書を、私の地元である江戸川区などと締結したことについては、大いに評価しているところであります。
 そこで、都営住宅及び公社住宅における現在の覚書の締結状況と、覚書を締結していない自治体への対応についてお尋ねします。

○臼井経営改革担当部長 覚書は、河川の氾濫などの大規模な水害が発生したときに、区が定める避難場所等に区民の方が避難する時間がない場合、緊急的に都営住宅を避難先とすることにつきまして各区から要請を受け、締結したものでございます。
 都営住宅につきましては、平成二十五年五月に江東区と、同年十月に墨田区、大田区、足立区、葛飾区、江戸川区との間で締結いたしました。また、本年九月には、公社住宅につきましても、都営住宅と同じ六区と覚書を締結しております。
 他の自治体につきましても、覚書締結の要請があれば、同様に覚書を締結していく予定でございます。

○上野委員 公営住宅の役割は、居住者だけではなくて、地域住民の方の命を守るという安全・安心に貢献することも、都民共有の施設として大事な役割があると思いますので、ぜひとも進めていただきたいと思います。応援します。
 それでは次に、都市基盤の整備の観点から、まず、道路ネットワーク形成の質問をしてまいりたいと思います。
 都市計画道路は、都市を形成する最も基本的な都市基盤の一つであり、東京の魅力づくりと国際競争力のさらなる強化を図るためには、都市計画道路の整備を着実に進めていくことが必要であります。また、上下水道やガスなどライフラインの収容空間としての役割も果たし、都民の生活や経済活動を支える上でも必要不可欠な都市空間であります。
 さらに、災害発生時には、火災拡大の遅延、防止といった延焼遮断機能はもとより、避難のための道路や救援救護活動のための緊急輸送路となる、都民の命を守る道としての役割も果たすなど、極めて重要な都市基盤であると思います。
 これまで、区部は昭和五十六年から、多摩地域は平成元年から、おおむね十年ごとに事業化計画を策定して、計画的、効率的な整備に努めてきました。この結果、昭和五十六年には東京全体で約四割だった都市計画道路の整備率が、平成二十四年度末には、先ほどもありました約六割に向上し、首都東京の健全な発展と都市の再生に大きく寄与してきたものと高く評価いたします。
 首都圏の発展を促すとともに、災害時の安全性を高めるためには、さらなる取り組みとして、行政域を越えた広域的な連携強化を図る道路ネットワークの形成が重要であります。東京を初めとする首都圏は、政治、経済等の中枢機能を担い、日本全体を牽引する重要な圏域と考えます。
 そこで、都県境を含む広域的な道路ネットワークの形成に向けた都の取り組みについてお尋ねします。

○佐藤都市基盤部長 都県境を越えた道路ネットワークは、隣接県市との人や物の交流を活発化させ、連携強化に資するとともに、震災時においては人命救助や救援物資の輸送など、大変重要な役割を果たすものでございます。
 平成二十七年度までを計画期間とする現行の事業化計画における優先整備路線の選定においては、都市間を連携する橋梁を優先度の高い路線として評価しております。都県境を越えた道路の整備に当たっては、関係者間で共通認識を深めていくことが重要であり、引き続き隣接県市と協議を進めるなど、行政区域を越えた道路ネットワークの形成に向けて積極的に取り組んでまいります。

○上野委員 次に、江戸川都県境の橋梁整備について質問します。
 江戸川区と対岸の千葉県市川市のそれぞれの防災拠点を連絡する補助第二八六号線という橋梁があります。これは、災害時の避難路や救援物資の輸送路として極めて重要な役割を担うものとなっております。千葉県側は東京外かく環状道路にアクセスするなど、都県境を越えた広域的な道路ネットワークを形成する路線でもあり、施行は千葉県が実施すると聞いております。
 多摩川では、おおむね三キロ間隔で歩行者が渡れる橋梁がかかっています。隅田川では、本当に一・何キロという間隔で橋梁があるわけですけれども、江戸川の当該区間、これは市川橋から今井橋までの延々八キロ区間に人が渡れる橋が一本もないと。あの三・一一のときには、その真ん中に京葉道路が走っているものだから、そこで人がたまっちゃって、どこに逃げるかと。高速道路に上がっちゃいけないといわれているものだから、結局また四キロ下のところまで歩いて逃げるということで、その地域の方々はえらい迷惑をこうむっていたわけであります。
 そこで、今後、防災橋となる補助二八六号の橋梁について、関係者間で協議を進め、第四次事業化計画の優先整備路線として位置づけるとともに、都県境であることから、東京都が主体となって早期に整備を図るべきだと考えますが、見解を求めます。

○佐藤都市基盤部長 補助第二八六号線は、ただいま委員からお話のあったとおり、千葉県との都県境を越えた道路ネットワークを形成し、災害時に江戸川区と対岸の市川市間の連携を支える上でも重要な路線でございます。
 これまで、区が提案したみずからが整備主体となる橋梁部の暫定整備案について、関係者間で検討を進めてまいりましたが、社会情勢の変化もあり、平成二十三年度に区は検討を保留すると表明しました。
 都市計画道路の整備については、都と地元区市町とで、渋滞の効果的な解消や高度防災都市の実現などの観点から、優先整備路線の選定を行っていく予定でございまして、お尋ねの路線につきましても、この中で適切に対応してまいります。

○上野委員 わかりました。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、東京の総合的な交通政策のあり方検討会、そしてまた広域交通ネットワーク検討委員会、これは五月に設置されて、この内容についていろいろお聞きしたいなということで用意していたわけですけれども、まだ現在検討半ばということで、ある程度見えてくる次の機会に質問は回したいと思いますので、この部分については、今回なしにしたいと思います。これで少しは短くなったんじゃないか。
 最後に、連続立体交差事業について質問したいと思います。
 非常にこの連続立体交差事業というのは、私自身も思い入れがあります。平成十三年から十六年の間、建設局の関連事業課でこの連続立体交差事業に取り組んでまいりまして、そういった意味では、職員の皆さんのご苦労というのは肌でわかっているつもりでございます。
 当時は、小田急と京成を担当しておりまして、小田急は仮線、複々線関係と係争問題で、もう本当に大変な状況でございましたが、京成は、押上線と立石の方ということで、地元の区の職員の方が非常によくて、墨田区もそうでした。葛飾区はさらによくて、本当に熱心で、住民とのつながりも、やっぱり人柄がいいものだから、すごくいいんですね。コミュニケーションがすばらしい。
 そうした職員の先頭に立っていたのが、佐藤都市基盤部長、当時課長ですね、いわれたくなかったかもしれませんけれども--とにかく大変な厳しい状況の中で、その当時佐藤さんに話したら、何か希望が見えてくるんですよ。非常に楽観主義な方かなというふうに思ったわけですけれども、やっぱりよく考えた上での話だということで、頭のいい方だなと当時から思っていたわけでございます。
 そうした中で、京成本線の中でも高砂もやっていたという話をされていましたから、今回、江戸川とも関連する京成本線、京成高砂駅から江戸川駅付近の連続立体交差化について質問したいと思います。
 都では、平成十六年六月に踏切対策基本方針を策定し、その中で鉄道立体化の検討対象区間を選定いたしました。京成高砂駅から江戸川駅付近は、平成二十年六月に鉄道立体化の事業候補区間として位置づけられております。
 先日、京成小岩駅周辺の商店街など挨拶で回っておりましたら、住民の方から、京成本線の立体化はどうなっているんですかということを聞かれたわけですね。六年たっているわけですから、全く進んでいないなんていえないものですから、いや、見えないからわからないけれども進んでいるんですなんていうことを答えていたわけですけれども、まだ都市計画が決定されていないんですね。
 心配されていました。その沿線沿いの一部地域でマンション計画があったり、建てられようとしたり、もうやっているところもあるわけですけれども、立体化するために仮線用地というのが必要です。これでえらい苦労しました。京成の押上線もそうでしたけれども、両脇にマンションのでかい高層ビルがあって、そこに仮線をつくらざるを得ないというのと、側道もつくらなきゃいけないと。莫大な費用と、交渉に対して大変な長い時間、これが必要になるわけであります。
 この事業への障害ができるだけ少なくなるようにしないと、今のこの高砂関係からの区間について、都市計画決定がなされていなければ、これは縛りがないんですから、どんどん建ってしまいますよ。後から事業局が入ったときには大変な思いをするわけです。自分が体験してきたから、なおさらそれを感じるわけで、早く都市計画決定して縛りをかけないと、まだ建ちますよ。その分、税金が多くかかるわけです。職員の時間もかかるわけです、交渉で。大変な問題になっていくのではないでしょうか。
 そこで、京成高砂駅から江戸川駅付近の立体化の都市計画決定に向けての取り組み状況についてお尋ねいたします。

○佐藤都市基盤部長 京成本線の京成高砂駅から江戸川駅付近の区間は、都が平成十六年に策定した踏切対策基本方針におきまして、鉄道立体化の検討対象区間二十区間の一つに位置づけられており、さらに平成二十年には、鉄道立体化の事業候補区間に選定されております。
 鉄道の立体化につきましては、ご案内のとおり、地域におけるまちづくりと連動することになりますけれども、大変な時間を要するものでございまして、特にこの区間につきましては、京成高砂駅直近にある車庫移転の取り扱いや駅前広場などの整備を含めた地元地域のまちづくりなどの課題がございます。
 このため、今後、地元区が行う駅周辺のまちづくりの取り組みを支援するとともに、鉄道事業者や関係局とも連携し、都市計画決定に向けた取り組みを進めてまいります。

○上野委員 今の答弁にもありました鉄道立体化の都市計画手続を行うには、さまざまな課題があるということでございますけれども、高砂車庫移転先の問題があったんですけれども、これも平成二十二年ですかね、三者での合意を得て、今進んでいるという状況だと思います。
 都市整備局の方も、都営住宅高砂団地、これの高層化、いいものをつくっていただいて、そこに用地が生み出されるというすばらしい構想の中で、それがある程度見えてきている状況なんですね。
 私、ちょっと察しますけれども、どうも立石の方で、あのときに、ずっと佐藤さんがいればもう解決しているのではないかと思っているんですけれども、いまだ解決していないと。ずっと回って歩きました。かなり用地はもう買収されているんですよ。だけど、できないのは立石の駅前の再開発の地域がどうも障害になっていると。状況的には、いい案も考えていらっしゃると思いますけど、まだまだ時間がかかりそうな雰囲気で、しかし、どうも立石が片づいたころに高砂にというふうな、そういう空気を感じるわけです。
 そうじゃないでしょといいたいわけ。時間かかります、両方とも。だったらば、事業化に向けても、当然、立石も何とか解決する方向にやりながら、高砂の方については、まず、先ほどいったように都市計画決定と並行して進めていきながら、決定していくと。それから考えても、まだ時間かかりますから当然に間に合いますので、無駄な税金を費やすことがないように、皆様方が積極的に取り組んでいただけるよう重ねて要望いたしまして、私の質問を終わります。

○大島委員 私は、まず、住宅政策について伺っていきます。
 国の住生活基本計画には、住宅の位置づけと住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策の意義について、住宅は、人生の大半を過ごす欠くことのできない生活の基盤であり、家族と暮らし、人を育て、憩い、安らぐことのできるかけがえのない空間であるとともに、人々の社会生活や地域のコミュニティ活動を支える拠点でもあると書かれています。こういうことを聞きますと、やはり都民が人間らしく住み続けられる住居と環境を求める権利、これは都民の基本的人権だと考えます。
 世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準、最低居住面積水準は、最低居住水準と同様で、四人家族の場合で約五十平方メートルとなっております。
 そこで伺いますが、東京の最低居住面積水準未満率というのはどの程度なのか、また、都民の健康で文化的な住生活である最低居住面積水準を、ほぼ全ての世帯で確保するためにどのような対策をとっているのか、お伺いをいたします。

○加藤住宅政策担当部長 都内におけます最低居住面積水準未満率につきましては、平成二十年の住宅・土地統計調査によれば八・四%となってございます。
 最低居住面積水準の確保のためには、住宅ストック全体としての床面積が拡大すること、これと世帯構成に応じた適切な住宅が選択されることが必要でございます。住宅の床面積は、老朽化した住宅の建てかえや、ゆとりある新築住宅の供給などにより拡大してきておりまして、都といたしましても、例えばマンションの建てかえの促進事業などを通じまして、良好な住宅ストックの形成に努めております。
 また、住宅セーフティーネット機能を果たす都営住宅におきましては、市場において自力で住宅を確保することが困難な世帯に対して、適正な規模の住宅供給に努めているところでございます。

○大島委員 住生活基本計画の全国計画を見ますと、最低居住面積水準未満率というのは、二〇〇八年で四・三%なんですね。ですから、全国的なものと比較いたしますと、東京都八・四ですから、全国でも最低クラスになると思います。
 二〇〇六年度に策定しておりました都の第四次の住宅マスタープランでは、二〇〇三年に八・八%だったんです。ですから、それよりも若干ですね、〇・四%ほどよくなったというふうには思いますけれども、そのときは、二〇一〇年までに五%にするという目標を掲げていたんです。第五次の住宅マスタープランの目標では、二〇二〇年までの目標では、ほぼ解消というふうに書いてあるんですけれども、ぜひ早期に解消を図っていただきたいというふうに思います。東京都が直接真っ先にやれるのは都営住宅ではないかなというので、都営住宅の増設なんかにも、ぜひこの観点から取り組んでいただきたいなというふうに思っております。
 この住生活基本計画では、住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保という目標では、先ほど述べました最低居住面積水準未満率を早期に解消し、居住の安定の確保を図ることとしています。
 基本的な施策として、住宅確保要配慮者がそれぞれの入居者の特性に応じて適切な住宅を確保できるように、公的賃貸住宅の供給を促進するとともに、民間賃貸住宅への円滑な入居を促進するとして、先ほど我が党の白石委員からも質問がありましたけれども、居住支援協議会の役割、これが重視されています。
 東京における住宅確保要配慮者世帯数はどのように把握しているのでしょうか。また、今、非正規雇用の労働者の増加など、雇用破壊による住宅ローンの破綻や家賃の不払いが増加して、ホームレスへの転落や脱法ハウス入居等、深刻な事態も生じています。市場の活用、ストック重視を中心とした都の住宅政策では、市場からこぼれ落ちる人たちを救うには量的な限界があると思いますが、いかがでしょうか。

○加藤住宅政策担当部長 住宅確保要配慮者につきましては、平成二十年の住宅・土地統計調査によれば、例えば、都内の民間賃貸住宅に居住する単身高齢者世帯は約十三万世帯となってございます。この中には、所得が低い、あるいは障害を持つなど、さまざまな事情で居住の安定確保に配慮が必要な方々も一定程度含まれていると認識しております。
 いわゆる住宅セーフティーネット法におきましては、住宅確保要配慮者を、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を育成する家庭その他住宅の確保に特に配慮を要する者としてございますが、その個々の具体的な定義はなされてございません。ただ、そういった前提で住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給を促進するためのさまざまな施策を推進するという位置づけとなってございます。
 東京都の住宅マスタープランにおきましても、既存ストックの活用、市場の整備などとともに、重層的な住宅セーフティーネットの構築を掲げておりまして、都営住宅などの公的住宅ストックの有効活用や、区市町村や不動産関係団体と連携した民間賃貸住宅の活用などに取り組んでいるところでございます。

○大島委員 先ほどご答弁ありましたように、具体的な定義がないんですね。それだから、どういうものをどのようにというふうに数で把握するというのは、非常に漠としていて難しいというふうに、それは思います。
 でも、この東京に大体どのくらいこういう世帯があるのかなということを把握しないと--次の手を打っていくための施策をつくっていく上で、必要な数の把握だというふうに思っているんですね。
 例えば兵庫県の加東市というところでは、住宅マスタープランをつくるに当たって、住宅確保要配慮世帯数を、住生活基本法と住宅セーフティーネット法に基づいて推計しているんです。住宅確保要配慮者の範囲を、統計データを用いた世帯数の把握が可能な属性、例えば低額所得世帯、高齢単身・夫婦のみの世帯、それから障害者世帯、子育て世帯、外国人世帯、こういう属性で分けまして、公営住宅を除く借家に居住する世帯のうち、この推計の対象とする世帯の条件を決めて、住宅・土地統計調査データを使用して推計しているんです。その結果、加東市では、住宅確保要配慮世帯数を六百四十六戸と推計しています。
 それぞれの自治体で住宅確保要配慮者世帯数の推計の仕方は違うと思いますが、都としても、どれくらいの住宅確保要配慮者世帯数があるのかを数の上で把握することは必要ではないかというふうに思っています。ぜひ把握するということを要望しておきたいと思います。
 次に、国の住生活基本計画では、市場において自力では適正な水準の住宅を確保することのできない低額所得者等に対して、公平かつ的確に公営住宅を供給すると、基本的な施策の中に盛り込まれています。
 今回いただいた資料、ありがとうございます、この資料でも都営住宅の応募倍率、これは二〇〇九年四月から入居収入基準が二十万円から十五万八千円に引き下げられたんですけれども、その後も世帯向け住宅では、いろいろありますけれども、大体三十倍を超えているとか、単身用では六十倍近くなっているとか、とにかく都営住宅の応募倍率の高い状況がずっと続いているんですね。このことについて都はどのように受けとめているのか、また、この改善の方策についてどのように考えているのか、お伺いをいたします。

○臼井経営改革担当部長 都営住宅の募集は、公募を原則としております。これに加えまして、高齢世帯や子育て世帯など、特に居住の安定を図る必要がある都民に対しまして優先入居を実施するなど、真に住宅に困窮する都民に都営住宅を公平かつ適切、的確に供給するよう努めております。

○大島委員 それをずっとやってきても高倍率は変わらないということを私、いっているんです。住生活基本計画の基本的な施策には、既存ストックの有効活用を図りつつ、公営住宅制度を補完する重層的な住宅セーフティネットの構築を図るため、地域住宅協議会の活動等を通じて、各種公的賃貸住宅制度の一体的運用やストック間の柔軟な利活用等を円滑に行うと、こう書いてあるんです。
 都は、都営住宅について既存住宅ストックの有効活用を図ると、もうずっといっているんですけれども、少なくても、今建てかえをやっていますので、建てかえに当たっては、従前の戸数を確保すべきであるというふうには思っております。それはもちろんなんですけれども、将来に向けて社会的に利用可能な住宅ストックの蓄積のためにも、新規建設によって戸数をふやすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○加藤住宅政策担当部長 都営住宅につきましては、これまでも既存ストックの有効活用を図り、適切な供給や管理の適正化に努めてきたところでございます。今後とも、社会経済情勢が変化する中で重要な役割を果たしております都営住宅について、住宅セーフティーネットの中核としての機能を的確に果たせるよう取り組んでまいります。

○大島委員 都営住宅が住宅セーフティーネットの中核としての機能を的確に果たせているんでしょうか。毎回この応募倍率が高いというのは、入りたくても入れないという人が多いんですよということを示しているというふうに思うんですね。セーフティーネットが小さ過ぎると思いませんか。
 先ほども申し上げましたけれども、市場の活用、ストック重視、これを中心とした都の住宅政策では、市場からこぼれ落ちる人たちを救うには量的限界があるといっているんです。ぜひ新規建設を再開すべきですし、せめて建てかえ住宅の戸数については、従前を上回るように戸数をふやしていくことを検討していただくように要望しておきます。
 次に、都営住宅の高齢化の問題について伺います。
 いただいたこの資料では、昨年に比べて、六十五歳以上の名義人の世帯が二千九百八世帯、約一・五%ふえています。私は、ずっとこの資料をいただいてきているんですけれども、この間のこの資料をずっと古い年代から調べてみましたら、大体、毎年一・五%程度、高齢世帯がふえているというのが現状なんです。このまま推移していくと、十年後には八割近くの世帯が六十五歳以上になってしまうんではないかと。大変な状況になるということが予想されます。
 埼玉県では、高齢化が進む古い県営団地の活力を向上させようということで、団地の一部を学生向けのシェアルームや子育て世帯向けに改修して入居させるモデル事業を実施しております。兵庫県でも、県営住宅を活用した学生シェアハウスの募集が行われています。都としても、団地活性化のためにこうした取り組みを行う考えはないか伺います。
 また、高齢化への歯どめをかけるためにも、やっぱり若年の単身者にも入居資格を認めるべきだと思いますが、その点はいかがでしょうか。

○臼井経営改革担当部長 団地活性化のための取り組みといたしまして、都営住宅におきましては、子育て世帯を支援する観点などから、子育て世帯に対する当せん倍率の優遇制度や若年ファミリー世帯向けの期限つき入居を実施しております。
 また、都営住宅は、民間賃貸住宅におきまして入居制限を受けやすい世帯を初め、住宅に困窮する都民を対象といたしまして供給することを基本としており、若い世代の単身者につきましては、福祉施策や雇用就業施策とともに、民間事業者等の多様な連携によりまして、市場において居住の確保が図られるべきと考えております。

○大島委員 これまでも若年ファミリー世帯向けの募集というのはありますけれども、あれは期限つきで十年たつと出ていかなきゃいけないんですよね。ちょうど子育ての真っ最中に出ていかなきゃならないということで、これまた大変な苦労をしているということを、前に私、この委員会でも取り上げさせていただいたんですけれども、それから市場では、若年の単身者だったらどうにかなるだろうと、こういわれるんですけど、私は別の観点から、こうした団地を活性化するために若い人たちを入れるという点で、もっと若年単身者の方たちにも門戸を開くべきではないかなというふうに考えているんです。
 先ほどいいました埼玉県のモデル事業では、今年度、五戸を学生向けのシェアルームにし、そして三戸を子育て向けに改修して、学生向けについては、一戸に二人が共同で住めるような仕様にしているそうです。そして子育て世帯向けの部屋は、ものづくり大学の学生の若い感性を生かした改修を行って、学生たちが改修するんですね、その学生は、改修した中身について卒業制作として参加をするということなんです。そしてその入居した学生とか子育て世帯には、草刈りだとか祭りの設営など、自治会活動にも参加してもらう。まさに、共助による高齢化団地活性化のモデルにしようとしているんです。
 やっぱりいろいろな知恵を働かせる必要がこれからは出てくると思うんです。ぜひこうした斬新な事業の取り組みなども参考にしていただいて、都としても検討していただきたいというふうに思っております。
 さらに、高齢化に拍車をかけているものの一つに、公営住宅使用承継制度の厳格化、これによって、これは二〇〇六年八月から、名義人の使用承継については原則として名義人の配偶者のみとなってしまったんですね。このために、同居していた子供たちが住み続けられない状況になってしまったんです。私は、これも団地が高齢化する、その進む原因になっているのではないかと思っています。
 いただいた資料によりますと、この厳格化はまだ実施していない県もありますし、政令市などでは多くが実施していません。せめて一親等については承継できるようにしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○臼井経営改革担当部長 都営住宅の使用承継制度につきましては、公営住宅の入居者と非入居者間の公平性を確保する観点から、高齢者、障害者など居住の安定を図る必要のある者への一層の配慮を加えた上で、承継の厳格化を求める国の通知や東京都住宅政策審議会の答申も踏まえ、原則として配偶者に限ることとしております。

○大島委員 高齢化の観点から、私、今ずっと聞いてきているんですけれども、承継できないで出ていかなきゃならなかった方たちのお話も伺いますと、いろいろその後が大変だということで、せめてその団地に入ってから生まれた子供が、その団地から親がいなくなったら出ていかなきゃならないという、こんなことは改善してほしいなと、こういう要求がすごく寄せられているんですね。
 ただ、この中で例外規定も幾つかつくられているというのは承知しています。病弱者については、特別な事情があると判断されれば承継できる例外規定となっております。この判断のもとになる診断書は、都立病院か公社病院に勤務する医師の診断書となっておりますが、これは非常勤の医師の診断書も有効なのでしょうか。
 また、他の病院に、公社病院とか都立病院じゃない病院に入院している方で、手続をするために、この診断書をとりに都立病院や公社病院を受診することが困難なような場合は、入院中の病院の診断書でも認められるのかどうか、お伺いをいたします。

○臼井経営改革担当部長 都といたしましては、これまで都立病院または東京都保健医療公社が設置した病院に対しまして、病院経営本部と連携して、同本部を通じて都営住宅の使用承継制度の趣旨、承継の際に必要な診断書の記載事項やそれらを記載する理由などにつきまして、十分に説明を行ってきております。こうしたことを行うことによりまして、都立病院または公社病院の医師は、使用承継制度の趣旨を理解した上で、客観的で的確な診断を行い、診断書を発行していただけるものと考えております。
 他の病院に長期入院中で、都立病院あるいは公社病院で受診することが困難な場合につきましては、相談をしてほしいというような扱いをしておりますが、他の病院に入院していれば、何でもそこの診断書を認めるということではございません。

○大島委員 他の病院の診断書を何でも認めるわけではないけれども、相談した結果として認める場合もあるということだと思うんですね。
 それから、先ほどちょっと聞きましたけれども、公社病院とか都立病院に勤務する医師というのは、非常勤の医師でも勤務をしていれば、その方の書いた診断書というのは有効なんでしょうか。その点、もう一回お聞きします。

○臼井経営改革担当部長 都立病院や公社病院に勤務する医師の診断書は有効ということでございます。

○大島委員 そうすると、勤務していれば、非常勤の医師でもいいということだと思うんですね。
 私、診断書というのは、お医者さんが自分の責任で症状などを見立てて書くものというふうに思っているんですね。ですから、病院に勤務する医師ということはもちろんなんですけれども、医師というその資格でそこで書いているというふうに思っているんです。
 私が、非常勤の医師でも同じですかと聞いたのは、非常勤の医師の場合、都立病院にいるとき、そこで書くというのは有効なんですけれども、ほかの大学病院とかにまた行っている場合があるんですね。そうすると、その先生が書いた診断書は、ほかの病院の診断書になるわけです。そうすると、同じ先生が同じように診断するのに、差があるということになってしまうのではないかと、そう思うので聞いているんですけれども、そういう場合はどうなんでしょうか。同じお医者さんで、駒込病院なり都立病院に勤務している人が、ほかの病院で書いた場合は有効にならないんですか。

○臼井経営改革担当部長 先ほども答弁いたしましたとおり、都はこれまで、都立病院または公社病院に対しまして、都営住宅等の使用承継制度の趣旨、承継の際に必要な診断書の記載事項やそれらを記載する理由などについて、十分に説明を行ってきております。こうしたことから、都立病院や公社病院に勤務する医師は、使用承継制度の趣旨を理解した上で、客観的で的確な診断を行い、診断書を発行していただけるものと考えているため、診断書はこれらの病院のものに限っているということでございます。

○大島委員 そこに勤務していれば、そういう趣旨を十分に理解して書いているんだから、その書いた人は十分に理解しているというふうに思うわけですよね。それが、ほかへ行って書いたら、病院の名前が違うので認められないというのは、これは本当におかしな話だというふうに思うんです。
 だからそういう点では、やっぱり病院の判こというのが必要なのか、医師の判こが必要なのか、そのあたりがどうもこの問題では納得いかないんです。
 まあ、こればかりやっていられないので、次に、高齢者対策の一つとして、都営住宅のエレベーターの設置が急がれています。予算では、毎年大体六十五基分程度計上されていたかと思うんですけれども、いただいた資料では三十五基分しかつけられておりません。エレベーターの設置が進まない理由は何なのか、お伺いをいたします。

○青柳営繕担当部長 既存住棟へのエレベーター設置が進まない理由といたしましては、日影規制に既存不適格であるなど法令上の制約や、設置スペースがない、建物の構造上設置が困難であるなど、物理的な制約がございます。また、エレベーターの設置後に、使用料や共益費が増加すること等について居住者の同意が得られない場合もございます。

○大島委員 今、自治会などからは、設置を要望するという要望書などが東京都の方にもたくさん上がっているというふうに思うんです。待っているわけですよね、つくんじゃないかということで。
 でも、なかなかつかないということで、年齢は毎年一年ずつ多くなっていくものだから、大体、高齢者にとっては毎日、いつつくのか、いつつくのかというふうに思って暮らしているというのが実態なんです。ぜひ予算で計上されている分については、その年になるたけつけられるように、これは調査をしたりなんかするので大変な努力が必要だということはわかりますけれども、一日千秋の思いで待っている高齢者の方々のことを思って、ぜひ積極的に進めていただきたいなというふうに思っています。
 この中で、実は私、前から問題にしているんですが、店舗つきの住宅で増築の部分が建築基準法に適合しないという場合、都は、首都圏不燃建築公社に対して借地契約の更改等の機会に是正に向けた指導を店舗権利者に要請するということをずっといってきているんですけれども、これまでに一体どのくらいこの要請を行っているんでしょうか。

○臼井経営改革担当部長 都は、一般財団法人首都圏不燃建築公社に対し、借地契約の更新等の機会に、法に適合しない増築部分がある場合には、これまで三回にわたり、是正に向けた指導を店舗権利者に行うよう要請しております。

○大島委員 一体いつから三回なのかわからないんですけど、随分前から三回--三回って、一年に三回やっているということではないですよね。そうすると、なかなかやっぱり指導というか、要請もされていないのかなというふうに思ってしまうんです。
 私の住む足立区でも、こうした店舗つき住宅であった舎人団地で、違反状況が改善されてエレベーターが設置できたというところがあるんです。住民の皆さん、大変喜んでいるんですね。
 しかし、以前から私、要望しております花畑第三団地の十五号棟に、やっぱり同じように併存店舗があって、この是正の要請の経過についてお伺いをしたいんですが、いかがでしょうか。

○臼井経営改革担当部長 花畑第三アパートにつきまして、都はこれまで、一般財団法人首都圏不燃建築公社に対しまして、法に適合しない増築部分がある場合には、是正に向けた指導を行うよう要請を行ってきております。

○大島委員 要請した結果が一体どうなっているのかということを実は聞きたいんですけれども、高齢化が進む中で、同じ都営住宅に住みながら、ほかの棟には全てエレベーターが設置されているのに、自分の住むこの一棟だけが設置できずに困っている、これが花畑第三アパートの実態なんですけれども、何年たっても改善できないということで、非常に深刻な状況になっているんです。
 都営住宅を全部建てかえるときには、こうした分譲した店舗というのは都が買い取って、再分譲しないんですよね。今現在、店舗として活用しているというものだけでなく、空き家になっているというところもあるんです。それから、そこをまた賃貸で又貸ししているというところもあるんですけれども、こういったところは持ち主の方と話し合いをして、都が買い取って、高齢化団地活性化のために活用するなどということも含めて、ぜひ検討していただきたいというふうに思っています。
 先ほどもちょっと質問があった、高齢化によって、都営住宅の廊下の共用部分の電灯の交換、これも大変になっていて、脚立を使って蛍光灯を取りかえるって、すごく大変なんですよ、自治会の方たちがやっているんですけどね。それで、蛍光灯は自治会が負担をしているので、自分たちでやるか、または蛍光灯を買ったところの業者に少しお金を上げてやってもらうかとかということだけど、とにかく大変で、何とかしてほしいという声があるんです。そういう意味で、長寿命で電気代も安くなるLED化、これはすごく期待されているんですけれども、これはいかがでしょうか。

○五嶋再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務 先ほどもご答弁いたしましたとおり、今後、LED照明につきましては、その普及状況や費用対効果なども勘案しながら、都営住宅の共用部分への導入について検討してまいります。

○大島委員 検討していただくということはすごく大事なんですけれども、蛍光灯型のLED照明って、さまざまなタイプがあるんですよね。工事が必要とか工事不要とか、いろいろあります。今、随分よくなってきているということなんですけれども、既存の電源をそのまま使用する場合は、気をつけないと、消費電力が大して下がらないというだけでなくて、発熱とか火災とか、取り返しのつかない事故につながる可能性もあるということで、注意が必要だということもいわれているんです。
 電気の工事業者に依頼して、電源工事費用込みでやってもらうと、大体一灯八千円から九千円が相場で、二灯用だと工事費込みで大体一万五千円から一万八千円くらいになっちゃうということで、それを自治会で負担するのは、とっても大変だということなんです。検討してくださるということならば、ぜひそういう費用負担についても検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○五嶋再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務 繰り返しとなりますが、都営住宅の共用部分へのLED照明の導入につきましては、検討してまいります。

○大島委員 その検討の中身について少し踏み込んで質問をしたんですけれども、そういう声がありまして、私たちのところにも、電気工事屋さんなんかからも私、いろいろ聞きまして、今お話をしているんです。負担が大きいというのは大変なことなので、ぜひその点も含めて検討していただきたいというふうに思います。
 それから、これは視覚障害者の方からずっと要望されているものなんですけれども、都営住宅の和室の電灯、これはスイッチじゃなくて、つけたもののひもで引っ張るというのかな、そういう蛍光灯とか電灯なんです。視覚障害者の場合は、ひもで引いても、ついているのか、ついていないのかがよくわからないということなので、ぜひそのスイッチの部分をシーソー式のパチンとなる、そういうものにかえてほしいという要求があるんです。
 それと、階段の手すりに階数の点字板、これが設置されていないということで、エレベーターに乗らないで、さわって歩いていくときに、何階にいるのかというのがわかるようにしてほしいということで、そういう点字表示板の設置というのも求められているんですけれども、こういう点についていかがでしょうか。

○青柳営繕担当部長 都営住宅では、和室の照明器具は入居者が購入し、設置するものでございます。最近では、点灯、消灯が別々のボタンとなったリモコンスイッチも普及しており、それぞれの居住者に適した照明器具の選択が可能であると考えております。
 なお、模様がえ申請によりまして、照明器具のスイッチを自主設置することも可能となってございます。
 また、都営住宅の整備は、福祉のまちづくり条例に基づく建築物の整備基準に適合するよう実施しているところでございます。お尋ねの階段手すりへの階数の点字表示につきましては、この整備基準に、その設置は定められていないものでございます。

○大島委員 福祉のまちづくり条例、この二十六条に、住宅を供給する事業者は、高齢者や障害者を含めた全ての人が円滑に利用できるようにするために配慮された住宅の供給に努めなければならないと書いてあるんですね。
 それで、今は福祉のまちづくり条例の整備基準にその設置が定められていないから、つけていないんだという答弁だったんですけれども、例えば都市整備局で都営住宅の設計要領というのをつくっているということなんですけれども、この設計要領の中に、例えば音声つきエレベーターというのがありますよね、これも福祉のまちづくり条例では義務づけられていないんですけれども、都市整備局が検討して、つけているじゃありませんか。
 だから、福祉のまちづくり条例の基準に定められていないからつけないというのはおかしいと思うんです。やっぱり福祉の立場で都営住宅を供給するという、この福祉のまちづくり条例に基づいて供給するということになれば、当然検討していただきたいというふうに思います。これは答弁を求めないでおきます。ぜひ検討してください。
 次に、住宅マスタープランによりますと、二〇〇八年には都内の空き家総数が約七十二万戸となっておりまして、賃貸用の空き家が四十九・二万戸、長期不在の空き家は十八・九万戸となっています。
 この空き家対策として、各地の自治体が空き家等の適正管理条例などを制定する動きというのが急速に広がっているんです。その一方で、賃貸や売却が可能なものについては、有効活用を図ろうという、こういう取り組みも進められております。都も、空き家活用モデル事業というのに取り組んできておりますけれども、昨年の実績と課題についてお伺いをいたします。

○加藤住宅政策担当部長 都は、平成二十四年度から空き家の利活用方策の可能性を検証するため、高齢者や子育て世帯などに賃貸することを条件に、バリアフリー改修工事費等の費用の一部を補助するモデル事業を実施しております。昨年度の実績は三件でございます。
 課題につきましては、積極的に利活用を考えている所有者が少ないということ、あるいは高齢者等への住宅供給などを検討する事業者が、所有者の意向も含めた適切な物件を探すために相当の時間を要するというようなことが挙げられます。

○大島委員 私も、モデル事業で実施されたグループホームみたいなところも訪問して見させていただいたんですけど、なかなか大変だったということも聞きました。何が一番大変だったかというと、適当な空き家が見つけられなかった、それを見つけるのが大変だったといっていたんですね。今もご答弁でありましたけれども、所有者の意向も含めた適切な物件を探すために相当の時間を要すると、これも課題の一つだということなんですね。
 そういうことであれば、空き家活用を進める上で、空き家登録バンク、こういったものを設置するなど、空き家情報の提供が求められていると思うんですけれども、都として検討できないでしょうか。

○加藤住宅政策担当部長 空き家の利活用を進めるためには、所有者の意向やニーズなど、地域の実態を踏まえた取り組みが必要でございます。先ほどご答弁申し上げましたとおり、そもそも積極的に利活用を考えている空き家の所有者が少ないという状況がございますので、空き家バンクなどによる情報提供については、課題が大変多いというふうに考えております。

○大島委員 利活用を考えている空き家の所有者が少ないということなんですけど、それも実際にその空き家の調査などをしてみないと、実際はわからないというふうに思うんですね。
 ことし三月に、公益財団法人東京市町村自治調査会というところ、これは多摩・島しょ地域の市町村の自治に関する調査研究をする行政シンクタンクだということなんですけれども、ここが自治体の空き家対策に関する調査研究報告書というのを、これなんですけど、発表しました。これを私、読んでみましたけれども、多摩とか東京都内とかだけでなくて、ほかの都市についても、いろいろな情報が集められているんです。その中に、尾道市では空き家バンクの取り組みがあるということで、それも紹介されておりました。
 この報告書をどうやってつくったかというと、多摩と島しょ地域の全ての市町村に対するアンケート調査、それからヒアリングも行っているんです。こうして実態調査を行って調査研究したその内容がまとめられているんです。もちろん市町村の事例とか、取り組みの状況などもとてもわかりやすくて、私は参考になりました。
 私は、都としても空き家の実態調査を行う必要があると思うんです。ですから、実際のところ、空き家登録バンクなどはなかなか難しいとはいっておりますけれども、そういった情報をまず東京都が持っているということが非常に必要なことだというふうに思います。これは多摩部なので、二十三区はないのですけれども、ぜひこういう調査を行っていただきたいというふうに思います。
 次に、空き家活用を進める上で、グループホームとかシェアハウスという新しい住まい方の活用というのも検討されています。
 しかし、こうしたいわゆる貸しルームというのは、昨年九月に出された国交省の技術的助言によって、建築基準法上の寄宿舎に該当するため、住宅から寄宿舎仕様に改修しようとすると、さまざまな規制がありまして、またその分、費用負担も大きくなるということでした。
 今回、国は、この規制を緩和する改正を行ったと聞いておりますが、どのような緩和策が盛り込まれたのか、お伺いいたします。

○久保田市街地建築部長 本年七月の建築基準法施行令の改正により、寄宿舎において、延焼防止等に配慮し、小屋裏または天井裏に達する準耐火構造の壁とすることが求められる防火上主要な間仕切り壁につきまして、スプリンクラー設備を設置する場合や小規模で避難が極めて容易である場合に、その防火対策を不要といたしました。

○大島委員 これを受けてだと思いますが、現在、東京都の安全条例の見直しも行うということで、パブリックコメントがちょうど行われているんですね。今回、都の安全条例の見直しを行う理由は何なんでしょうか。

○久保田市街地建築部長 国は、グループホームや貸しルームにつきまして、建築基準法上、寄宿舎と位置づけるとともに、住宅からの転用を容易にすることも考慮し、政令改正を行い、利用者の避難上の安全性が十分に確保される場合に、防火上主要な間仕切り壁の防火対策の規制を緩和いたしました。
 都といたしましても、国の改正趣旨を踏まえ、建築安全条例における寄宿舎の基準につきまして、避難の安全性の確保等を考慮しつつ、多様な住まい方にも対応できるよう、また既存ストックの活用も想定いたしまして、見直しを検討しているところでございます。

○大島委員 多様な住まい方にも対応できるように、また、既存ストックの活用も想定しということで、新たな住まい方に向けて改善がされていくのかなというふうに思うんですね。
 今、高齢者とか若者など、多様な世代が一定のプライバシーを確保しながら共同生活を行うという新しい住まい方というのがかなり普及してきています。都も、多様な住まい方に対応できるようにしようということや、既存ストックの活用も想定して、今回の安全条例の見直しを検討しているということなんです。
 都の住宅マスタープランでは、ルームシェアとかホームシェアなどの新たな住まい方に関し、トラブル防止の観点から、ルールづくりについて検討し、取り組むとしていましたが、ぜひルールづくりだけでなく、都としても新たな住まい方を検討していっていただきたいなというふうに思います。
 次に、マンション対策について伺います。
 二〇一一年八月に行ったマンション実態調査、これで明らかになった旧耐震基準のマンションのうち、耐震診断、耐震改修が実施された状況についてお伺いをいたします。

○山崎民間住宅施策推進担当部長 都が行った実態調査によれば、都内における旧耐震基準の分譲マンションは約一万二千棟でございまして、これらの管理組合に対して実施いたしましたアンケート調査の結果、回答のあった約二千三百棟のうち、耐震診断実施済みは約一七%、耐震改修実施済みは約六%となっております。

○大島委員 今の答弁によって、旧耐震基準のマンション数が約一万二千棟で、これに先ほどのアンケート調査で得られた率を掛けてみますと、耐震診断は二千四十棟、耐震改修は七百二十棟しか行われていないことになるんですね。そうすると、あと一万棟以上の耐震化を進めなければならないという、こういう状況になっています。
 いただいた資料によりますと、この一年間で緊急輸送道路沿道建築物では、これは分譲マンションに限っていないんですけれども、診断が千四百五十五件、補強設計が二百十六件、耐震改修は百三十五件、緊急輸送道路以外でマンションの耐震診断は百四十件、補強設計が十三件、耐震改修は十一件しか行われておりません。耐震診断が進まない理由をどのように考えているのか、また、その対策についてお伺いをいたします。

○山崎民間住宅施策推進担当部長 実態調査でのアンケートによりますと、耐震診断の検討を実施していない理由として、耐震診断や耐震改修に必要な費用がないこと、居住者の高齢化や住戸の賃貸化により、耐震化への関心が低いことなどが多く挙げられております。
 このため、都は、セミナーやマンション啓発隊活動等を通じまして普及啓発に努めるとともに、区市とも連携して耐震アドバイザーの派遣、耐震診断や耐震改修に対する助成等の支援を実施しております。

○大島委員 普及啓発とともに、専門家のアドバイスというのが大変大きな力になると思うんです。都は、マンション耐震化促進事業を実施しておりまして、国の社会資本整備総合交付金を活用して、耐震化助成事業を行う区市に対しては助成金を支給しているんです。耐震アドバイザーの派遣事業にも助成し、専門の知識を有する建築士を耐震アドバイザーとして派遣して、耐震診断等に係る助言とか相談に応じています。
 公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターでは、マンションの維持管理に対するマンション管理アドバイザー派遣とか、それから建てかえか改修かの判断が定まっていないような老朽化したマンションの管理組合などに、建てかえ、改修のアドバイザー派遣、こういった事業を行っているんです。
 こうした派遣料は、独自に補助している区市もありますけれども、東京都は補助しておりません。マンションの耐震化というのを促進するためにも、こうした専門家のアドバイスが受けられる分譲マンション管理アドバイザーとか建替え・改修アドバイザー制度に、都としても助成すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○山崎民間住宅施策推進担当部長 マンションの適正な管理や耐震改修、建てかえなどを円滑に進めていくためには、法律や建築などの専門知識が必要でございます。そのため都は、管理組合等の求めに応じて、マンション管理士や建築士などの専門家を派遣し、情報提供やアドバイスを行う管理アドバイザー制度及び建替え・改修アドバイザー制度を設けております。
 マンションの管理や建てかえ、改修は、管理組合みずからの責任と費用負担で行うべきものでございますので、派遣費用の助成までは行っておりません。

○大島委員 自己責任で行うということを強調しておりますけれども、マンション管理アドバイザー派遣には、テキストを使いながらアドバイスを受けるのに、一回の派遣料が一万四千四十円、個別具体的なアドバイスを受けるには一回二万一千六百円かかります。これは、それくらいならという方もいるかもしれないんですけれども、マンション建替え・改修アドバイザー制度では、テキストで行うアドバイスは一回一万四千四十円なんですけれども、検討書を作成してアドバイスを受けるには、派遣料が五十万円を超すものもあるんです。ぜひ支援を検討していただきたいと思います。
 マンション実態調査によりますと、二〇一三年度末現在で都内の分譲マンションの総戸数は約百六十五万戸となっておりますが、建築時期別の内訳を見ますと、一九七一年以前に建築された旧々耐震基準でのマンションの戸数が都内に約七万戸、四%あると。それから旧耐震基準で建設されたマンション戸数は約二十九万戸、これは約一八%と、全体の約二二%が新耐震基準を満たしていません。
 都内における築後四十年を経過した老朽マンションの戸数を見ますと、二〇一三年には約十二万六千戸ですが、十年後の二〇二三年には約四十二万三千戸と三倍に増加すると推計されています。
 また、二〇〇八年、住宅・土地統計調査をもとにした国交省の再集計では、築四十年を超える分譲マンションでは、六十歳以上のみの老人世帯が半数を占め、管理組合の役員のなり手も不足して深刻化しています。住民の高齢化が、建てかえや修繕などを一層困難にしています。今後、老朽マンションに対する一層の対策が必要となります。こうした都内の老朽マンション対策について、都はどのような問題意識を持っているのか、お伺いをいたします。

○山崎民間住宅施策推進担当部長 都民の住生活を支える良質なマンションストックを形成し、将来世代へ継承していくため、旧耐震基準のマンションの耐震化の促進や、老朽化したマンションの建てかえ等の円滑化を図ることが必要でございます。
 マンションの耐震化や建てかえ等を進めるには、多数の区分所有者間の合意形成が必要な上、先ほどもご答弁いたしましたとおり、費用負担の問題ですとか、居住者の高齢化や住戸の賃貸化といった問題があるものと認識しております。

○大島委員 耐震性不足の老朽マンションの建てかえを促進するためといって、マンションの建替えの円滑化等に関する法律の改正法がことし六月に成立しました。
 しかし、従前の法にあった危険有害な状況にあるマンションの建てかえ勧告制度が廃止され、区分所有者の五分の四の決議で敷地売却が可能となってしまうなど新たな問題もあって、やみくもに建てかえを急ぐのでなく、管理して長く使うことも視野に入れて、修繕積立金の範囲内でできる耐震改修など、現実的な対策をとるべきです。都として、老朽化や耐震不足のマンション対策をどのように進めていくのか、お伺いいたします。

○山崎民間住宅施策推進担当部長 都といたしましては、ただいまご答弁いたしました問題意識のもと、マンションの耐震化や建てかえ等の円滑化を図るための方策につきまして、国の法改正なども踏まえつつ、住宅政策審議会等において検討しているところでございます。

○大島委員 よろしくお願いします。
 最後に、南山開発についてお聞きします。
 稲城市の南山開発では、組合施行の土地区画整理事業が進められています。根方谷戸に五十万立米、よみうりランド坂に四十万立米もの残土を埋め立てて、盛り土の造成地をつくる予定となっています。
 先日は広島北部の土砂崩壊事故、さらに台風十八号で横浜市の土砂災害事故は、台風や記録的豪雨が頻発している今日、土砂災害の恐ろしさを私たちに見せつけました。
 こうした中で、南山開発で大量の残土を利用して盛り土をするんですけれども、この高盛り土の下には民家やマンションが存在しているんです。この盛り土の崩壊を防止するための安全対策はどのように施されているのか。また、根方谷戸というのは区画整理計画では緑地になるということなんですが、その管理は誰が行うのかお伺いいたします。

○佐々木防災都市づくり担当部長 ご質問の場所は、宅地造成等規制法における規制区域内であることから、法令の技術的基準に基づき、安全性を確認した上で宅地造成の許可を出しているところであり、今後、事業者であります区画整理組合は、その許可に従って整備を行う予定でございます。
 また、根方谷戸につきましては、今お話にありましたように、将来、公園緑地、すなわち公共施設として整備する計画になっておりまして、整備後は稲城市が管理する予定でございます。

○大島委員 法令に基づいた安全確認をした上で宅地造成の許可を出しているということなので、東京都としても責任があるというふうに思いますし、それから今後の管理を行う稲城市の責任も大変重要だというふうに思います。
 同時に、都は国に対して、大規模宅地造成地の崩壊対策について、基準の引き上げを求めるべきです。さらに、崩壊の不安を持ちながら大規模盛り土の下に住まなければならない住民の生命や安全、住居や生活を脅かす稲城南山開発のランド通りと根方谷戸の大量土砂埋立計画については、異常気象が連続して発生している今日の事態を鑑みて、区画整理組合に再検討するよう働きかけることを求めて、質問を終わります。

○立石委員 高齢者の住まいについて質問いたします。
 高齢化が進展する中、介護サービス提供を行う特別養護老人ホームなど施設の増設には限界があります。高齢者の多くは、介護が必要になっても、可能な限り住みなれた地域で生活し続けることを望んでいます。
 一方、今住んでいる自宅での在宅サービスのみでは、周りを見ても、対応が困難なケースが見られます。こうしたことを考慮すると、身の回りが不自由になっても安心して暮らすことができるサービスつき高齢者住宅は、高齢者にとって理想の住まいであり、身近な地域で整備することが必要です。
 先日、東京都住宅供給公社として初めてのサービスつき高齢者向け住宅、コーシャハイム千歳烏山を視察しました。団地内には、保育所や地域の居場所となる多世代交流施設も設置されており、高齢者は、サービスつき高齢者向け住宅に住みかえても、子供たちの元気な声が聞こえ、若い世代の暮らしを目にすることができます。いわゆる幼老共生を実感できる住環境は、高齢者のみならず、若い世代の成長にもプラスになります。
 また、私の地元中央区の勝どき五丁目でも、都営住宅の跡地利用を含む再開発プロジェクトが進行中です。民間住宅などとあわせて、中央区内で初めてのサ高住が建設される予定です。
 こうした事例も含め、地域の特性に応じて、高齢者の多様な暮らし方を実現できる住まいが必要です。都においても、新たに一般向け住宅とサ高住を併設する事業を開始しており、こうした多世代がともに暮らせる取り組みを私は高く評価しています。
 そこで、一般住宅併設型サービス付き高齢者向け住宅整備事業の概要と進捗状況について、まずお伺いをいたします。

○山崎民間住宅施策推進担当部長 お尋ねの事業は、サービスつき高齢者向け住宅の供給促進の一環といたしまして、事業者からのさまざまな提案を生かし、高齢者が多様な居住者と触れ合いながら暮らすことのできる住宅をモデル的に整備するものでございます。
 事業の実施に当たりましては、居住者の触れ合いを促進させる工夫や仕組みを提案することなどを条件とし、幅広い事業者から提案や創意工夫を引き出すため、応募受け付け及び選定を二期に分けて実施することといたしました。
 第一期の応募受け付けは九月に行いまして、三事業者からの応募があり、先月、二事業者を決定したところでございます。第二期については、先週応募を受け付け、来月事業者を決定する予定でございます。決定した事業者は、都の補助を受けて本年度中に実施設計を行い、来年度着工の予定でございます。

○立石委員 ありがとうございます。
 東京全体として見た場合、住宅の戸数は世帯数を一割以上上回っており、今後、人口減少社会を迎える中で、既存ストックの活用も必要です。地元中央区でも、空き家やオフィスビルの空き室をよく目にします。そうした空き室を改修して、認可保育園へ転用した例もあります。
 サ高住を新築する場合、居住までに一年以上の建設工事の期間が必要です。一方、既存住宅を改修すれば短期間でできるため、高齢者が求める住まいのニーズへの迅速な対応が可能です。
 そこで、既存住宅の改修によるサ高住の整備に向けた取り組みについてお伺いをいたします。

○山崎民間住宅施策推進担当部長 高齢者住まい法に基づくサービスつき高齢者向け住宅の登録数は、先月末で八千七百四十六戸であり、そのうち、既存建物の改修によるものは四百六十一戸でございます。
 都は、既存ストックの利活用を促進する観点から、建物を改修してサービスつき高齢者向け住宅を整備する場合、住戸の専用面積基準を独自に緩和するとともに、昨年度からは事業者に対し、国と同額を加算して改修費用の補助を実施しております。
 しかしながら、サービスつき高齢者向け住宅への転用が容易な物件が少ない上、既存建物の改修の場合、廊下幅の確保や段差の解消などバリアフリー対応が難しいことや、エレベーターの設置など大規模な工事が必要になることなどの課題がございまして、こうした状況を踏まえ、改修による整備の一層の促進が図られるよう検討してまいります。

○立石委員 急ぎます。
 次に、都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通についてお伺いいたします。
 これまで私は、地元とともに晴海や勝どきの交通不便解消に向けて、二十年近く公共交通整備の必要性を訴えてきました。今回、ようやく都が連結バスを運行させるBRTの整備に乗り出し、運行計画策定のパートナーである事業協力者が決まったことは大きな前進です。まず、今回BRTとした理由を伺います。

○佐藤都市基盤部長 BRTは、鉄軌道の整備や大がかりな送電設備などが不要で、柔軟なルートの設定ができるなどの利点がございます。この特性を生かすことで、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会を契機とした開発や選手村の後利用などにより、晴海や勝どきなどの一帯で大きく伸びる交通需要にいち早く対応できます。
 今回選定した事業協力者も、実現性の高い交通機関としてBRTを提案してきており、こうしたことから都としてもBRTの整備を行うことといたしました。

○立石委員 今ご答弁のように、いち早く地域を支える交通の実現に取り組んでほしいと思います。
 加えて、これまで私が海外で見聞きしてきました中で、ぜひ今回の計画に取り入れてもらいたいものが二つあります。
 一つは、徹底したバリアフリー対応であります。
 私が見てきたストラスブールのLRTは、車両の四隅にタイヤ室を設け、いわば大型トレーラーの荷台部分に客用のスペースを設けています。この結果、車両の床の高さはわずか二十五センチにすぎません。停留所のホームとの段差も極めて少なく、非常に便利な乗り物になっています。今回のBRTにも、こうした発想に基づく車両を取り入れ、駅と車両との段差やすき間を極力なくしてもらいたいと考えています。都の見解をお伺いいたします。

○佐藤都市基盤部長 バスは、バリアフリーに対応した車両であっても、道路事情などにより停留所と車両の間に段差やすき間が生じ、車椅子やベビーカーなどの利用には、乗務員などの補助が必要な場合もございます。
 現在、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会開催に向けて、国の支援のもと、民間が電車のようにすき間なく停車させる自動運転技術などを開発しており、こうした技術を取り入れ、最先端技術を実証する場としてもBRTの整備を進め、全ての人に優しく、使いやすい交通機関としてまいります。

○立石委員 現在の日本の技術をもってすれば、誰もが不自由なく快適に利用できるBRTになると考えます。ぜひこのBRT計画の中で実現してほしいと考えます。
 もう一つの考えは、BRTの停留所を鉄道の駅のような形状と機能にしてもらいたいということであります。
 先日、町田で運行している連結バスを見てきました。バスが二台つながった車両は、存在感もあり、デザインも洗練された車両ですが、バス停の形状は、皆さんが想像するバスストップのままです。
 LRTでは道路にレールがあり、立派な停留所が、停留所というか駅だな、駅として整備されることで、その存在が明確であり、地域の風景にもなじみます。今回のBRT計画でも、鉄道並みの機能を持った駅として整備することで、機能面でも存在としても地域の中心となり、まちの発展にもつながります。こうした駅には、レンタサイクル施設や住民のための利便施設などを併設し、まさに総合的に地域の利便を提供する交通機関となるべきだと考えます。
 ところで、通常バス停となるような場所を駅にするためには、さまざまな課題があると考えられます。また、BRTの速達性や定時性の確保も大きな課題です。今回のBRTの計画を実現するためには、内外の関係者を束ね、さまざまな意見、英知を取り入れていくべきと考えます。今後どのように計画づくりを進めるのか、都の見解を伺います。

○佐藤都市基盤部長 BRTの導入が想定される臨海副都心一帯では、既存の路線バスが多く運行されており、地域交通の見直しの検討やルートとなる道路の管理者、交通管理者、地元区との調整が必要でございます。
 このため、地域交通全体を見据えた議論ができるよう、さまざまな意見を聞きながら、ルート、運行頻度、施設、料金などの基本的な事項を定めることが重要でございまして、委員からご提案のあったとおり、必要な関係者を集めた体制を整えて検討してまいります。

○立石委員 冒頭に申し上げましたとおり、このBRT計画は、地域に欠かすことのできない交通機関となります。いち早く整備、運行されることはもちろん、地域に愛される交通機関となるよう、デザインやカラーなどのコンセプトも早い段階から発信すべきです。中規模交通機関の新たな東京モデルとなるよう願って、次の質問に入ります。
 昨年の第三回定例会でも質問をさせていただきましたが、首都高速道路の大規模更新について改めて伺います。
 まだ日本に高速道路がなかった時代に、かの有名な漫画家、手塚治虫氏が描いた未来都市には、現在の首都高速のような構造物が描かれておりました。首都高速道路が建設されたばかりのころには、現在のようには車も大量に走っておらず、首都高速を利用しながら、手塚治虫氏が描いたあの絵の光景をよく思い浮かべていたものであります。
 今では、総延長約三百キロメートルにも及ぶ首都高速道路が整備され、首都東京の経済活動を支える大動脈となっております。
 しかしながら、どのような構造物でも老朽化は必ず訪れるものでありまして、何らかの対処をしていかなければなりません。昨年の定例会で私が質問をいたしましたのは、首都高の大規模更新について、更新の区間や施工の内容などは、その当時、首都高が検討中でありました。まだ決まっていなかったわけであります。
 そこで、首都高の大規模更新について、最近の取り組み状況について、まずお伺いいたします。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 首都高速道路は、一日百万台もの自動車が利用する首都東京の大動脈であり、今後もその機能を確保していくためには、大規模更新等の老朽化対策を計画的に実施していくことが不可欠でございます。
 大規模更新の財源につきましては、民営化時に定められた四十五年間の償還計画に含まれていないため、国は本年六月に法を改正し、高速道路会社の料金徴収の期限を十五年間延長して、更新財源を確保できるようにいたしました。
 首都高速道路株式会社は、一号羽田線東品川桟橋・鮫洲埋立部と高速大師橋、三号渋谷線池尻-三軒茶屋間、都心環状線竹橋-江戸橋間と銀座-新富町間の計五区間について、大規模更新の実施を明らかにしており、都においては、現在、東品川桟橋・鮫洲埋立部の都市計画変更の手続を進めております。

○立石委員 急ぎます。
 昨年末から現在までの取り組み状況についてはわかりました。私の知り得るところでは、六月に開会された国の社会資本整備審議会の部会で、首都高速道路株式会社が大規模更新五区間のうち、都心環状線の二区間については、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック後に工事着手するとしております。そうであるとすれば、この都心環状線二区間以外は、オリンピック・パラリンピック前に早々工事着手するということになります。
 そこで、オリンピック・パラリンピック前に工事着手する区間について、今後の取り組みをお伺いいたします。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 ただいま委員からご指摘ございましたとおり、首都高速道路株式会社は、一号羽田線東品川桟橋・鮫洲埋立部と高速大師橋、三号渋谷線池尻-三軒茶屋間の三区間について、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の前に工事着手するとしております。
 具体的には、一号羽田線東品川桟橋・鮫洲埋立部につきましては、平成二十七年度中に工事に着手し、他の二区間につきましては、二十七年度から都市計画変更等の手続に着手する予定でございます。
 都といたしましては、これら三区間の大規模更新につきまして、首都高速道路株式会社が早期に着手できるよう、遅滞なく手続を進めてまいります。

○立石委員 私の地元中央区は、都心環状線の銀座から新富町までのいわゆる築地川区間、演舞場の付近です。また、竹橋から日本橋までのいわゆる日本橋区間と呼ばれる箇所が、この大規模更新計画の箇所とされています。とりわけ、名橋日本橋の上空を通る日本橋区間につきましては、地元の日本橋かいわいにおきまして、日本橋に青空を、日本橋川に光をというキャッチフレーズのもと、署名活動が活発に行われているところであります。
 ここまで、この都心環状線二区間を除く一号羽田線など三カ所までの答弁をいただきました。そこで、残る都心環状線のこの二区間について、どのように今取り組んでおられるかお伺いをいたします。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国は、都心環状線の築地川区間につきまして、パブリック・プライベート・パートナーシップ、いわゆるPPPを活用した官民連携により、民間都市開発と一体となった老朽化対策について検討するため、国、都、地元区、首都高速道路株式会社等をメンバーとするワーキンググループを設置し、これまで四回開催してございます。また、日本橋区間につきましても、国は、本年八月に築地川区間と同様のワーキンググループを設置し、この区間の取り扱い等につきまして検討を始めたところでございます。
 都といたしましては、今後とも首都高速道路の更新を進めていく中で、都市再生と連携した周辺のまちづくりなど、国や地元区等の関係機関と連携しながら、よりよい都市環境の実現のため取り組んでまいります。

○立石委員 日本橋地域は、日ごろの地域における日本橋川の清掃などの活気あふれるさまざまな活動が、観光振興や水辺の魅力向上などに大きくつながり、日本の中心地、顔として、世界中にアピールしているところであります。
 地元中央区では、長年懸案とされている日本橋上空を通る首都高速道路についても、ようやく国が重い腰を上げ、都や中央区、首都高とともに検討組織を持ち上げたとのことであり、本格的に検討する場ができたということは、大いに評価できるものと考えます。今後の日本橋が、よりよい姿となっていくことを期待いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

○谷村委員 それでは、最終質問者の番になりました。事務事業質疑に入らせていただきたいと思います。
 本委員会、顔ぶれを見ますと、三分の一は一期目の議員の方ということもありますので、事務事業質疑を一段落つくところではありますが、最初に局長、この都市整備局というのが、いつ、そしてどういう経緯で誕生したのかというご説明をいただければ、そして今後の事務事業に対するご決意を冒頭に伺って、質問に入らせていただきたいと思います。

○安井都市整備局長 私も、いつだったかちょっと失念しましたので、今、次長に確認しまして、平成十六年に旧都市計画局と住宅局、それから建設局にございました面整備の一部が一緒になって、目的としては、計画と事業実施部門が一体になってやるというような趣旨で組織再編されて、今日に至ってございます。

○谷村委員 ご決意も伺いたいんですが、突然でしたので結構でございますが、この十年間、都市計画局と住宅局が、事実上この二局が一体化して、都市整備局十年になるわけですけれども、これがどうだったのかということを、本来こうした事務事業質疑の中で総括的にするべきときに入っているのではないかと思っております。
 私ども都議会公明党も、代表質問に当たりまして、この都市整備局あるいは福祉保健局等の局整備がどうだったのかということについて、幾度か問題提起をさせていただいております。それにつきましては、局内でも検証はされているかと思いますが、我が会派におきましても、引き続き検討させていただきたいと思っております。
 世界都市ランキング、よく取り上げられますのが、森記念財団の都市戦略研究所が出しているものでございますが、毎年、毎回、東京は四位になっております。上位、ニューヨーク、ロンドン、パリについては多少の入れかえがあるようでございますけれども、今回六回目になっても、ベストスリーには入らない状況であるんですけれども、これをつぶさに確認いたしますと、分野別ランキングというのがありまして、六つの分野、経済、研究開発、文化交流、そして居住、それから環境、交通アクセスと、この分野別ランキングというのが出たわけです。
 トータルでは四位なわけですが、経済では東京は一位、そして研究開発では二位、文化交流では八位、そして環境では一位、交通アクセスでは十位と。決定的にランクが低いのが居住なわけであります、これが二十位と。
 この分野別のランキング以外に、東京の強み、そして弱みの分析も明らかにされているわけです。同じ居住というものが、片や強みになっていたり、あるいは弱みになっていたりするわけですけれども、この居住分野の生活利便性、これは東京の強みとして位置づけられているわけですが、居住分野の居住コスト、これは東京の弱みとして位置づけられているわけであります。
 ベストスリーに入っていくためには、この居住二十位というものを大きく前進させるだけで、舛添都知事が標榜されております、ベストスリーの市を上回ることができる。あるいは二〇二〇年の東京オリンピックを契機に、前回のオリンピックで一位になったロンドンを超えることができる、その鍵を持っているのは、この居住の分野であると思っております。
 その居住を、東京都というところで担っていらっしゃるのが都市整備局になるわけですけれども、また局長に改めて伺ってもですね、まあ、二度も質問するのは恐縮ですので、住宅担当理事というのが東京都にはいらっしゃるわけですけれども、こうした世界都市ランキング二十位、そしてその居住の中でも、コストの面で大きな課題を抱えているということは明らかになっているわけですが、こうしたことについてどういう取り組みが必要になってくると思われるのか、どこに課題があるのか。あるいはこの十年間、都市整備局としてどういう取り組みをしてこられたのか。どの角度からでも結構ですので、ずっと長時間、質問ばかり聞かれていたでしょうから、ぜひご質問をさせていただきたいと思います。

○櫻井理事 東京の住宅政策についてのご質問と承ってございます。
 居住のコストということでお話を承りましたので、やはり居住のコストということになりますと、先ほど来、本日ご質問をさまざまいただいておりますけれども、住宅セーフティーネットの部分が一番重要な部分というふうに考えてございまして、その中核をなすもの、私どもは都営住宅を管理させていただいてございます。そうしたものを中心としつつも、また、先ほども野上先生とかにご質問を頂戴いたしましたが、居住支援協議会を本年立ち上げさせていただきました。そうした、今度は民間住宅の方への居住の促進というような、そうしたことの努力というのは、この十年間、局統合されても、引き続き続けさせていただいてきたというふうに認識してございます。
 以上でございます。

○谷村委員 ありがとうございます。この住宅セーフティーネットの、今お挙げになりました都営住宅事業、あるいは公社住宅事業、これは住宅供給公社がされているわけですけれども、住宅局が都市整備局に入って、この都営住宅事業というのがそんなに進んでいないんじゃないかというご指摘もあります。あるいは公社住宅の建てかえについては、もう事実上これは行き詰まりをしていて、いわゆる家賃料だけで回転をさせておりますので、一般会計を投入しなくなってから建てかえが全く進まない、ほとんど進まない状況にあります。
 こうしたことについて、都市整備局として、住宅局を吸収して誕生したわけでございますので、こういう声に対して、これは質問いたしませんが、しっかりとお応えいただけるような取り組みを私は強く期待いたしているわけであります。
 ご答弁いただけるということでしたら、局長、ご答弁いただいても結構ですけど、目をそらされているので、何かあるのかなと思いますけど、大丈夫ですか。
 そういう趣旨も踏まえて質問をさせていただきたいと思います。といっても、私の地元問題を例に挙げてなんですが、東大和市にあります向原都営住宅、これが建てかえが行われまして、一千九百世帯ある都営住宅ですけれども、平成十五年には第三期の建てかえが終わったわけですね。で、転居も終わって、そしてそれまであった住宅の除却も平成十六年度には終わっているわけです。すなわち、更地化されたのが平成十六年で、それから約十年たっているわけですけれども、その空き地について、ずっと手が入れられていないわけです。あえて手を入れていただいたとすれば、放置されているので雑草が大変だと、そして虫が出ると、早くやってもらえないかというご要望をいただいて、それについて対応していただきました。
 この十年というのが、くしくも都市整備局に住宅局が吸収されてというか、あるいは都市計画局と合体して都市整備局になっての十年間と歩みがぴたっと重なるんですね。だから、都市整備局になって、都営住宅に対する取り組みというのが大きく後退しているのではないかという指摘、向原都営住宅だけではありませんけれども、受けるわけであります。
 この間、向原都営住宅、十年間、空き地の利活用についてどういう取り組みをされてきたのか、議事録に残す意味でもご答弁をお願いしたいと思います。

○五嶋再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務 平成十六年度に建物除却を行って以降、同年に創出用地の利活用のあり方に関する調査を実施し、その成果を踏まえまして、平成十八年度、地元東大和市と協議会を設置し、創出用地に係る整備方針の検討を開始いたしました。
 平成十九年度末には、都は、東大和市向原地区プロジェクトの方針を決定いたしましたが、その後のリーマンショックによる経済状況の悪化を踏まえ、事業者が参画しやすい条件となるようプロジェクトの内容を再検討し、平成二十三年七月、事業者を公募いたしました。同年十二月に事業予定者を決定いたしましたが、その後、事業予定者構成員に法令違反が判明したため、平成二十四年十一月、事業者決定手続を取りやめ、現在に至っております。

○谷村委員 全く何もされてこなかったわけではないんですが、結果として十年、更地のままになっているわけであります。しかし、法令違反等が出て休止したような状況でありますけれども、それからもう三年たって、あれはどうなったんだというふうにいわれているわけであります。
 この休止状態を打破して、今後どういうふうに取り組んでいかれるのか、その方向性についてお示しいただきたいと思います。

○五嶋再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務 本プロジェクトは、公有財産である都有地を活用する事業でございまして、法令違反がある事業者に事業を行わせることは不適当であることから、プロジェクトを休止いたしました。
 現在、一連の問題の整理の見通しがない中で、本プロジェクトを休止している状態でございまして、都民共有の財産である貴重な都有地を有効活用する観点から、活用を図ることが適当であると考えております。
 本プロジェクトにつきましては、提案募集から三年以上が経過し、その間、高断熱や太陽光発電などを取り入れた環境配慮型住宅が一般に普及するなど、社会経済状況が変化していることから、創出用地の活用につきまして、改めて検討を行います。

○谷村委員 しっかりとお願いをしたいんですけれども、十年経過していても、やっとこうして委員会でご質問をさせていただいて、やっと少し前に進めるようなご答弁をいただいたんですから感謝しなきゃいけないんですけれども、この間、実は法令違反を犯した事業者というのは、東村山本町プロジェクト、石原都知事が東京の住宅建設費は高い、土地代は別としても建設コストが高いので、三割安の住宅をつくってみせると、それを都内全体の住宅建設に普及するのだという、そういうことで行われた東村山市の本町プロジェクトで行った事業者が、向原地区のプロジェクトでも同じ業者が、たまたまですけどなったわけであります。こうした経緯、局長、ご存じですか。--いや、いいです。
 そこで、東村山本町プロジェクトの三割安の、実証実験といういい方をしていたわけですけど、その実証実験は成功だったのか、失敗だったのかということを、実は私、前回、都市整備委員会にいさせていただいたときに取り上げさせていただきましたが、必ずしも三割安でできていないというようなこともあったわけであります。
 そういう経緯も踏まえて、向原地区プロジェクトについて、偶然でしょうけれども、事業者の法令違反によって休止状態になっているわけでありますので、早急にこの次、どういう形で都営住宅の建てかえによって創出された都有地を利活用していくのかということに対して、方向性を出していただければというふうに思います。
 その隣に、向原都営住宅の隣になるわけですが、東京街道団地というのが同じく東大和市にあります。これも古い建物を平成二十一年に除却して、更地になっているわけであります。しかし、当初都営住宅の自治会に説明された住宅建設、あるいは地元の東大和市に説明された建てかえ事業の建設より、それを建設しないで途中で終わったかのような状況になりました。それはおかしいんじゃないかということで前回、都市整備委員会で取り上げさせていただいて、従前戸数の一千九百はしっかりとつくりますよというご答弁をいただいているわけでございますが、そのためには六百六十戸ぐらい建設しなきゃいけないんですが、その都営住宅、途中でとまっていて、千四百でとまっているわけですが、千九百にしていく、そういう今後のスケジュールについてお伺いをしたい。

○五嶋再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務 東京街道団地は、昭和三十年代から建設が開始された戸数約千九百戸の大団地でございまして、平成十九年度までに約千四百戸の建てかえを実施しております。現在、後期建てかえ計画を作成しており、さらに六百六十戸程度の都営住宅を建設する予定でございます。
 後期建てかえ計画の区域は、一団地の住宅施設の都市計画によりまして、建物や施設の配置、規模などが細かく定められていることから、建物を高層化、集約化し、用地を創出するために、この一団地の住宅施設を廃止いたします。
 あわせて、良好な居住環境の確保や緑の保全を行うため、新たに地区計画を定めることとしております。現在、土地利用の方針や、道路、公園等の地区施設の位置などにつきまして、都市計画決定権者である地元市と協議を行っており、平成二十八年度に都市計画の変更を行い、平成二十九年度以降に都営住宅の建設に着手する予定でございます。

○谷村委員 今ご答弁いただきましたけど、平成十九年度までに千四百戸の建てかえを完了しているわけでありますので、次、着手する年次を今明らかにしていただきましたけど、平成二十九年度以降と。結果として十年間、途中で都営住宅の建てかえ事業がストップをしているということをぜひ重く受けとめていただきたいと思います。
 また、都市計画変更しなきゃいけない決定権者が地元市だということですけれども、であるがゆえに、東大和市に瑕疵があるかのようなことではないと思いますので、十年間とまるけれども、これから着手するということを、ぜひ私どもも期待させていただきたいと思います。
 その上で、同じように、創出された用地というのがあるわけですけれども、それに対してどういう施設をいつごろ設置していかれるのか、お尋ねをします。

○五嶋再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務 都営住宅の建てかえに伴う創出用地につきましては、都民共有の財産であり、都の政策目的の実現や地域の課題解決に寄与するよう活用される必要があることから、東京街道団地の創出用地につきましては、福祉施設等の公共公益ゾーンとすることを考えております。
 公共公益施設の整備につきましては、都市計画変更後の平成二十九年度以降に着手となる予定でございます。

○谷村委員 ということで、先ほどの都営住宅の建設も平成二十九年度以降ですけれども、創出された用地にゾーニングをして、福祉施設等の公共公益ゾーン、これに着手するのも同じ平成二十九年度以降ということで、住宅が先にでき上がって、その創出された用地に着手するということのないように、もう十年たつわけですので、原則、住宅建設とそれから福祉施設等の建設については、同時に着手できるような取り組みをお願いしたいと思います。
 でないとまた、次の委員会に立って、都市整備局ができて住宅行政、特に都営住宅事業についておくれをとったなんていうことをまた申し上げたくもございませんので、これはぜひよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、都営住宅の自治会活動についてお尋ねしたいと思います。
 都営住宅は、建設以来、その管理だとか運営だとかというのは、その居住者で構成されている自治会がさまざまなことを担って管理運営が成り立っているわけであります。
 しかし、近年、長く自治会役員を務めてこられた方、あるいは入居されても自治会に入会しない方、具体的には自治会費を払わない方というのが多くいらっしゃいまして、昭和三十年代の当時の都営住宅を管理運営していく基となる自治会というのは、ある意味では性善説でできていたわけですけれど、片や高齢化で、片やそんなの関係ないというような方が入居するような状況下で、非常に自治会活動というものができなくなっている現状があるわけであります。それに対して東京都として、都市整備局としてどういう認識でいらっしゃるのか、お尋ねをいたします。

○臼井経営改革担当部長 都営住宅の自治会は、都営住宅の居住者を会員といたしまして、会員相互の親睦を図り、快適な環境の維持管理に対処する等の目的で設立され、居住者が共同で使用する施設の運営や団地内の管理に大きな役割を果たしております。
 しかしながら、居住者の高齢化などによりまして自治会活動の担い手が減少し、自治会活動に影響が生じている実態があることは認識しております。
 このため、高齢者の見守り活動に熱心に取り組むなど活発に活動している自治会を紹介し、他の自治会においても参考にしていただくよう、東京都住宅供給公社において事例集として取りまとめ、全団地の自治会に配布したところでございます。

○谷村委員 多分誤解されているんだろうと思うんですけれども、私の質問の趣旨は、自治会の担い手が高齢だったり、あるいは自治会活動をするのに非協力的だったりという方々がいらっしゃって、それで自治会活動ができなくなっているという指摘をさせていただいているんですね。
 今の、そういう認識を持っているというふうにお答えいただいたことについては、共通認識があるんだなということで、ほっとしているわけですけれども、そのための取り組みが、活発に活動している自治会を紹介したり、あるいは他の自治会においての、こういう事例集にまとめられて説明されても、そういうことをやっているのはいいですねと。だけど、それをやりたくてもできないという自治会があるというのが、担い手が減少しているということなわけですね。
 その担い手が少なくなっている自治会に対して、どういう取り組みをしていただけるのかというのが趣旨でございますので、いろんな活躍、活動を聞いても、それはやれるなら、うちの自治会でもやりたいとなるわけですけれども、その中で多くの自治会長さんがおっしゃるのは、都営住宅に入居する段階で、都市整備局として、東京都として自治会の位置づけというものをもう少しきちんとして、自治会に加入しなければいけないとか、そういったことをしてもらいたいということが一番強くいわれるわけですけれども、その点について質問いたします。

○臼井経営改革担当部長 都営住宅入居者に対します説明会におきまして、団地の通路の清掃、除草、排水溝の清掃など、共用部分の維持管理は居住者に行っていただくものであること、その費用は居住者が共同で負担していただくものであることを、まず説明しております。
 また、入居したらまず、共益費の支払い方法などについて自治会の役員などから説明を受けていただくよう案内しているところでございます。

○谷村委員 ありがとうございます。
 もう一回改めてお尋ねいたしますけれども、入居予定者に自治会に加入するようにと。加入してもらえないと成り立たないんです、都営住宅。それに対して、東京都の取り組みをもう一度改めてお伺いいたします。

○臼井経営改革担当部長 居住者には、団地内の共用部分の維持管理を行う義務があること、多くの団地で自治会がそうした活動を行っていることを説明し、入居したらまず、自治会の役員などに、氏名、部屋番号、入居年月日を記載した書面を提出するよう案内しているところであります。
 今後は、入居の際の案内をよりきめ細かく行うなど、自治会加入促進につながるような取り組みを検討していきたいと考えているところでございます。

○谷村委員 ぜひともよろしくお願いいたします。
 今のご認識で、居住者には団地内の共用部分の維持管理を行う義務があるんだと、その義務を履行しているのは、自治会というものがあってからなので、その自治会に加入しなくてもと、そこが自由になっては、結局義務を履行しないことになるわけですので、今、自治会加入促進につながるような取り組みをご検討していただくということでございますので、ぜひ加入と。
 加入ということが、イコール自治会費も払うということでございます。そして共益費も負担するという、そういうことになってくると思います。その共益費を払わない人も多いんです。その共益費をまとめて払うのが自治会なわけですね。自治会活動もしない、共益費も払わない、その金額を自治会加入している人たちが、自分の共益費プラス自治会費等で払っているんです。おかしいですよね。
 それを改善していただくには、入居時にしっかりと、今ご検討いただくということでありましたけれども、自治会にも加入し、自治会費も払う、そして共益費も当然払うんだという、そこを実効性のあるものに、ぜひご検討いただきたいと思います。
 その上で、コミュニティ活動活性化モデル事業をしていただいておりますけれども--高齢化した自治会役員の方が、自治会費もそうですけど、共益費について、戸別に訪問し徴収していると。それはもう大変な負担になっているわけで、それぞれの都営住宅の自治会が、例えば東京電力と契約しているわけじゃないんだといわれる方がいるんですね。で、その払わない方がいらっしゃる分をどうしようかとやっているうちに、遅延金の請求が来たりすると。何で自治会がそこまでやらなきゃいけないんだという、そういう大きな負担感をお持ちなわけですけれども、こうした共益費がきちんと回収できないことに対して、私ども都議会公明党として強く要望させていただきました。
 その結果、平成二十三年度からコミュニティ活動活性化モデル事業というものを立ち上げていただいて、東京都が共益費を直接徴収していただいているということなわけです。この事業をされる前は東京都ではとてもできませんとずっといわれていたわけですけど、モデル事業として東京都で共益費徴収できる、モデル事業ですけれども、そういうことを三年間されたと思うんですけど、この実施内容と、またその成果についてお尋ねいたします。

○臼井経営改革担当部長 高齢化の進行等を踏まえ、自治会活動などのコミュニティ機能を支援するコミュニティ活動活性化モデル事業を三つの都営住宅団地において実施しております。
 具体的には、共用設備の電気料金や水道料金など、これまで自治会が徴収していた共益費を東京都が直接徴収することにより、自治会の負担を軽減するとともに、相談窓口の開設等により自治会の実情を把握した上で、自治会活動の具体的な提案を行い、コミュニティの活性化を図るといった事業でございます。
 居住者からは、共益費徴収に費やしていた時間と労力がなくなり、自治会活動に注力できるようになった、交流活動の具体的な方策、提案をしてくれたことで、触れ合いの場が発足し、仲間意識や安心感が高まったなど、おおむね好意的な意見が寄せられております。

○谷村委員 ということで、繰り返しませんが、東京都で共益費の直接徴収を、三つの自治会ですけれども、三年間できているということでございますが、このモデル事業の、今お話ありました成果を踏まえて、今後どういう取り組みをしていただくのか、ご説明をいただければと思います。

○臼井経営改革担当部長 今回のモデル事業のうち、特に共益費の都による直接徴収につきまして居住者から好意的な意見が寄せられており、徴収率が向上するなどの成果も出ております。
 今後、この成果を踏まえ、具体的な方策につきまして幅広く検討してまいります。

○谷村委員 幅広くご検討をお願いしたいと思います。
 本当は、いつまでモデル事業のままにしているのかと申し上げたいわけですね。三つの団地を、もっとふやしていいんじゃないですかということを申し上げたいわけですけど、この三年間ではまだまだ不十分なのかもしれませんので、このモデル事業の総括を踏まえた上で、モデル対象をふやすのか、あるいは全都営住宅に拡大するのか、それを早期にご検討していただくなり、早期に結論を出していただきますことをご期待申し上げたいと思います。
 続きまして、都営住宅団地自治会運営で大変苦しんでいらっしゃる方からお伺いするお話をもとにさせていただいておりますその最後、三つ目になりますけれども、都営住宅団地の駐車場の管理についてであります。
 これは、都営住宅ができてからずっと長年にわたって、自治会が公社から業務を受け取ってという形で、いわゆる自治会が管理していたという長い経緯がありました。
 しかし、透明性とかという課題もあるんでしょう、契約方法を競争入札に変えられて、民間事業者も多く参入されるようになったと。その結果として、民間事業者が参入していても、都営住宅内の駐車場の管理をしているのか、していないのかわからない、しているというんだったら、何の管理をしているのかと、こういうお声を大変私ども多く伺うわけですけれども、都営住宅の駐車場の管理、どういうふうなことがされているのか、そして、具体的に住宅供給公社として、民間が参入したその事業者に対しては、どういう業務を委託しているのか、お尋ねいたします。

○臼井経営改革担当部長 都営住宅の駐車場は、指定管理者でございます東京都住宅供給公社が管理しているところでございます。公社は、契約の透明性を確保するため、競争入札により選定した事業者や自治会に、駐車場の施設管理に関する業務を行わせております。
 委託業務内容といたしましては、駐車場の清掃、施設の損傷状況の点検や補修を必要とする状況を発見した際の公社への連絡などでございます。

○谷村委員 ちょっと繰り返し、前後になるかもしれませんけれども、自治会会長さんを初め役員の方からは、事業者が駐車場の清掃をしている姿を見たことがない、駐車場の周辺の草刈りは私たちがやっているというご指摘があって、結局、駐車場管理がなされていないんじゃないかという声を大変に多く受けるわけですけれども、これについての東京都都市整備局としてのご認識をお尋ねいたします。

○臼井経営改革担当部長 公社からは、委託業務の履行につきましては定期的に報告を受け、確認していると聞いております。今後とも適切に管理が行われるよう、公社を指導してまいります。

○谷村委員 指定管理者である住宅供給公社からどう聞いているか、適切に行われているというふうに聞いているというご答弁なんでしょう、今のお答えでいきますと。
 だけど、都営住宅経営部の方では、課長の方を含め数多くの方が、自治会の会長初め役員の方と面談したり、あるいは要請を受けたり、物すごく幅広く都営住宅の自治会の方、あるいは居住者の方からお話を数多く聞かれたり、意見交換されたりというふうに私は認識いたしております。
 この実態について、改めてご指摘するわけですけど、再度のご答弁は求めませんが、公社からの報告を受けてそうだということではなく、できましたら実態について確認していただきますように、強く希望をいたしておきます。
 最後に、横田基地の軍民共用化についてお尋ねいたします。
 これまで石原都政の十数年間、石原都知事の一期目の都知事選挙の公約に、横田基地の軍民共用化をし、それによって東京都の利便性が上がるんだと、そういうことでされたわけです。結局、任期中には実現しないまま、都政を放り出して国政に行かれたわけですけれども、この横田基地の軍民共用化については、大変数多くの地域の方々、実現すればいいなというふうに受けとめておられまして、東京都としても、平成十二年に航空政策基本方針というのを出されております。
 その後、出されていないのが非常に残念なんですけれども、今一番何をいわれているかというと、この軍民共用化について、今まで知事の特命を受ける知事本局だったけれども、それが政策企画局に移って、都市整備局になったと。都営住宅の話じゃありませんけど、都市整備局にこれが移ったから、もう横田基地の軍民共用化というのは無理なんじゃないかという、あるいは大きく後退するんじゃないかというお話、お声を伺うわけでございます。
 これについて、西倉理事、そういうことはないんだと、今まで知事本局でされていた取り組みが都市整備局に移っても、東京都としては一歩も後退することはないんだと。知事の思いの違いというのは、それはあるでしょうけれども、この航空政策基本方針を出されて取り組んできた東京都として、都市整備局に移っても全力を挙げて取り組んでいかれるんだというような、そういうご答弁をいただけないでしょうか。

○西倉理事 横田基地の軍民共用化につきましては、首都圏の空港容量を拡大するという観点から非常に効果が高いというふうに考えてございます。
 組織の再編がございまして、今回、横田基地の軍民共用化については、都市整備局にその仕事が移管されましたが、従来と同様、国とタイアップをしながら真摯に対応していくということでございます。

○谷村委員 よろしくお願いいたします。
 その前提で質問させていただきますけれども、多摩地域だけではなく、横田飛行場が民間でも利用できるようになりますと、首都圏西部地域の航空需要を担うという位置づけもされました。また、その際には大規模イベントに対応した利用についても言及がなされているわけであります。
 また、平成十五年の日米首脳会談でも議論されて、ロードマップにも載せられて、十二カ月で2プラス2、この結論を得るというところまで行きました。また、日本の状況としては、航空自衛隊の航空総隊司令部が横田基地に移動いたしました。そういう具体的な進展が期待できるさまざまなシーンがこの間あったわけですけれども、そういったことも踏まえて、今後、横田基地軍民共用化をどのように進めていかれるのか、お尋ねをいたします。

○牧野横田基地共用化推進担当部長交通政策担当部長兼務 横田基地の軍民共用化の取り組みでございますが、平成十五年に国への提案要求を契機といたしまして、政府関係省庁と東京都の協議の場を設置し、実務的な検討を行ってまいりました。
 また、日米両政府間におきましても、先ほど委員のお話にもございましたが、平成十八年に、在日米軍の再編実施のための日米ロードマップの中に共用化が位置づけられ、具体的な協議が行われてきましたが、いまだ合意には至っておりません。
 今後とも、日米協議の進展に向け、提案要求活動や関東地方知事会での要望などの機会を捉えて、国に働きかけてまいります。

○谷村委員 ぜひよろしくお願いをいたします。
 さらに、改めて申し上げるまでもありませんけれども、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催時には、羽田、成田の今の六本の滑走路では、例えば開会式など一時的に国家元首が集中して来るようなときには対応できないんではないかといわれております。北京オリンピックでは、ご案内のとおり、百の国家元首が来たというふうにいわれております。大統領だったり、首相、国王だったりですね。ロンドン・オリンピックの際は、百五十の元首クラスの航空機が来ても大丈夫なように備えたといわれております。
 そうした各国の政府関係者以外にも、大会関係者やスポンサー等も含めて、日本にプライベートジェットで来る、ビジネスジェットで来ることも想定されております。現在でも、既に世界的に事業展開している企業のトップ、CEOからは、日本の羽田、成田では、ビジネスジェットの受け入れについては、本当にもう二度と来たくないという声が上がっているといわれております。大変多くの強い不満があるようでございます。
 その人たちも、東京オリンピック、史上最高のといわれて来てみたけど、結局、延々と待たされたり、着陸許可もなかなか出なかったりというようなことがあっては、本当に残念なことだと思いますので、東京オリンピック・パラリンピックを史上最高の大会にするためにも、そして大会開催に伴う航空需要のピーク時に横田基地の活用を図って、そしてそれを実績として、ステップとして、突破口として共用化を実現していただきたいと思いますが、お尋ねいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○牧野横田基地共用化推進担当部長交通政策担当部長兼務 二〇二〇年オリンピック・パラリンピック大会開催時には、選手、観客、関係者など、東京周辺に多くの来訪者が集中することが見込まれております。来訪者を十分な態勢で迎えるためには、都心に近く、滑走路などの空港施設が整備された横田基地を活用することは、有効な選択肢と認識しております。
 二〇二〇年大会開催時におけるビジネス機やチャーター機などの需要を把握しながら、需要に応じて横田基地の活用について国に働きかけるなど、引き続き共用化の早期実現に向けて取り組んでまいります。

○島田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これに異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○島田委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時二十七分散会

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