委員長 | 斉藤あつし君 |
副委員長 | 神林 茂君 |
副委員長 | 大島よしえ君 |
理事 | 加藤 雅之君 |
理事 | 秋田 一郎君 |
理事 | 立石 晴康君 |
石川 良一君 | |
白石たみお君 | |
島崎 義司君 | |
吉倉 正美君 | |
中山 信行君 | |
木村 基成君 | |
北久保眞道君 | |
尾崎 大介君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長技監兼務 | 安井 順一君 |
次長 | 浅川 英夫君 | |
技監 | 佐野 克彦君 | |
理事 | 櫻井 務君 | |
理事 | 西倉 鉄也君 | |
総務部長 | 細渕 順一君 | |
都市づくり政策部長 | 上野 雄一君 | |
住宅政策推進部長 | 今村 保雄君 | |
都市基盤部長 | 佐藤 伸朗君 | |
市街地整備部長 | 鈴木 昭利君 | |
市街地建築部長 | 久保田浩二君 | |
都営住宅経営部長 | 永島 恵子君 | |
基地対策部長 | 筧 直君 | |
企画担当部長 | 福田 至君 | |
連絡調整担当部長 | 黒川 亨君 | |
景観・プロジェクト担当部長 | 小野 幹雄君 | |
まちづくり推進担当部長 | 佐藤 匡君 | |
住宅政策担当部長 | 加藤 永君 | |
民間住宅施策推進担当部長 | 山崎 弘人君 | |
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 | 山下 幸俊君 | |
防災都市づくり担当部長 | 佐々木 健君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 太田 誠一君 | |
耐震化推進担当部長 | 佐藤 千佳君 | |
経営改革担当部長 | 臼井 郁夫君 | |
再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務 | 五嶋 智洋君 | |
営繕担当部長 | 青柳 一彦君 | |
横田基地共用化推進担当部長交通政策担当部長兼務 | 牧野 和宏君 |
本日の会議に付した事件
都市整備局関係
請願陳情の審査
(1)二六第八号の三 池上通り拡幅(補助第二八号線)はやめ、商店街支援、住宅耐震化等を実施することに関する請願
(2)二六第二三号 都営住宅の使用料に関する陳情
(3)二六第二七号 賃貸住宅の貸主における管理責任の設定に関する陳情
(4)二六第三〇号の二
(5)二六第三二号の二
(6)二六第三三号の二
(7)二六第三四号の二
(8)二六第三五号の二
(9)二六第三六号の二
補助第二八・二九号線及び放射第二号線の事業計画を白紙に戻すことに関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・第二百七回東京都都市計画審議会付議予定案件について
○斉藤委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせを行いましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の請願陳情の審査並びに報告事項の聴取を行います。
なお、本日は、報告事項につきましては、説明を聴取した後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
これより都市整備局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、都市整備局長に安井順一君が就任いたしました。
また、幹部職員の交代がありましたので、安井局長より挨拶並びに幹部職員の紹介がございます。
○安井都市整備局長 都市整備局長の安井でございます。建築の技監を兼務してございます。
斉藤委員長を初め委員の皆様方のお力添えをいただきながら、局事務事業の適切かつ円滑な運営を図るとともに、安全で快適な都市づくりを進めていくため、一層の努力をいたす所存でございます。何とぞよろしくお願いいたします。
それでは、去る七月十六日付で異動のございました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
技監の佐野克彦でございます。航空政策・交通基盤整備・交通政策担当理事の西倉鉄也でございます。都市づくり政策部長の上野雄一でございます。都営住宅経営部長の永島恵子でございます。都市基盤部長の佐藤伸朗でございます。基地対策部長の筧直でございます。防災都市づくり担当部長の佐々木健でございます。横田基地共用化推進担当部長の牧野和宏でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者挨拶〕
○斉藤委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。
○斉藤委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
初めに、請願二六第八号の三を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○佐藤耐震化推進担当部長 整理番号1、請願二六第八号の三、池上通り拡幅(補助第二八号線)はやめ、商店街支援、住宅耐震化等を実施することに関する請願につきましてご説明申し上げます。
お手元の請願・陳情審査説明表一ページをお開き願います。
請願者は、品川区の、池上通り(補助二八号線)拡幅に納得できない・暮らしと営業を守る会代表、多田康弘さん外四百六十九人でございます。
請願の要旨につきましては、都において、住宅耐震化の助成額を増額することというものでございます。
現在の状況でございます。東京都震災対策条例におきましては、地震による災害から一人でも多くの生命、財産を守るためには、第一に、みずからの生命はみずからが守るという自助、第二に、自分たちのまちは自分たちで守るという共助、この二つの理念に立つ都民と、公助の役割を果たす行政が連携し、それぞれの責務と役割を果たしていくこととしております。
こうした基本理念を踏まえまして、広域自治体としての都は、地震発生時における被害を軽減させ、首都東京の機能を維持するために、復旧、復興の大動脈であります緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化、震災時に大きな被害が想定される木造住宅密集地域内の整備地域における建築物の不燃化、耐震化や、災害時に重要な活動拠点となる建築物の耐震化などに重点を置きまして、公的助成を行っております。
住宅の耐震化につきましては、自助、共助、公助の原則を踏まえ、まず所有者みずからがその必要性を認識し、主体的に取り組むことが不可欠でございまして、都は、耐震化推進都民会議を構成いたしております民間団体等の協力を得ながら、耐震キャンペーン等による意識啓発のほか、技術力のある耐震診断事務所や、安価な信頼できる改修工法に関する情報提供など、所有者による耐震化を促しております。
以上で説明を終わります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○神林委員 この件につきましては、従前から何度か議論をいろいろさせていただいているところでございますので、本日におきましては、東京都議会自由民主党として意見だけを申し上げさせていただきます。
東京都震災対策条例にも示されているところですが、国においても、去る平成二十六年三月に閣議決定された首都直下地震緊急対策推進基本計画では、首都中枢機能の確保と、膨大な人的、物的被害への対応を、首都直下地震への対策の二つの柱として挙げております。
首都機能が集中する東京においては、一たび大地震が起これば、生命、財産に対する被害はもちろんのこと、政治経済活動などにおける被害は甚大であり、その影響は国内だけでなく、海外へ及ぶおそれがあります。いつ来るかわからない大地震に備え、震災時に都民の生命、財産を守ることは当然のことながら、首都中枢機能を維持し、速やかに復旧、復興を図るためには、都が広域自治体として公助に責任を持つ立場から、木造住宅密集地域の不燃化や、救急救命活動などに不可欠な緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化などの施策に、重点的かつ集中的に取り組む必要がございます。
我が党は責任与党として、限られた財源で、より多くの都民に対して効果的に施策が活用されることが、今、最も重要と考えており、安全・安心な首都東京の一日も早い実現が必要であるため、今回の請願の趣旨には沿いがたいことを表明いたします。
以上でございます。
○加藤委員 本請願につきまして、都議会公明党の立場から意見表明をさせていただきますが、本委員会では、今回の請願につきましては、補助第二八号線の拡幅事業そのものについて議論するものではないことは当然承知しておりますけれども、いろいろ私が地元の議員等にも聞いているところによりますと、必ずしも事業に反対の方ばかりではないというふうに聞いております。
この請願理由を見ますと、事業に多くの税金を使わなくても、個々の住宅改修の補助をふやした方がいいとするものでありますが、そのこと自体を完全に否定するわけではありませんが、延焼遮断帯をつくって、より避難しやすくする、緊急自動車が通れるようにするということは大事なことであります。また、火災等の拡大を防ぐという重要な役割があります。
特定整備路線の整備というものは、延焼遮断帯の形成を通じて、沿道建物の建てかえを促し、耐震化、不燃化を推し進め、東京の防災力を著しく向上させるためにも、時宜を得た推進が求められる最重要事業の一つだと認識しております。例えば墨田区においても、都が特定整備路線に位置づけた放射第三二号線の整備に着手しており、補助第一二〇号線の二期区間がこれに続きまして、非常に地域の防災性向上に向けた取り組みが、今、着実に進められているところでございます。
後世に残すべき安全・安心な首都東京を目指したまちづくりを、自助、共助、公助の原則に立って、皆の力を結集して着実に進めるべきものと考えます。根幹となる基盤整備、沿道の防災性向上の実現に向け、進めてきた事業を中止し、その事業費を新たな住宅耐震化助成の制度構築に用いるべきとする今回の請願の趣旨には、同意しかねるものであることを表明いたします。
以上です。
○白石委員 私からも何点か質問をさせていただきます。
まず、特定整備路線に指定されている補助二八号線の沿道の住民の方から、今回請願が出されています。この道路は、池上通りの一部、五百二十メーター区間を、十五メーターの現道から五メーター拡幅して、二十メーターにするという計画になっています。都は、補助二八号線について、震災時の延焼遮断帯として、火を断ち切る命の道路だと住民に説明し、道路づくりを受け入れるよう求めてきました。
しかし、昨日の環境・建設委員会の質疑で重大なことが明らかになりました。我が党の河野ゆりえ都議は、第一に、都がみずから行った延焼シミュレーション結果では、道路を現道の十五メーターから二十メーターに拡幅しても延焼突破され、約四百棟の建物が焼け落ち、さらに百棟の建物が発火し六時間も燃え続け、延焼は拡大し続けるというふうなシミュレーション結果となっていますと。加えて、さらに重大なことは、この延焼突破の事実を押し隠して、むしろシミュレーションで延焼を防げることがはっきりしたとまで住民にいっているということです。
このように、延焼遮断のための特定整備路線として進める理由も資格も問われているのが、現在のこの補助二八号線であるということを、初めに申し上げておきます。
この都市整備委員会では、補助二八号線に巨額の税金を投入するなら、住宅の耐震化の助成額を増額してほしいとの項目が審査されています。そこで伺いたいと思いますが、首都直下地震緊急対策推進基本計画では、建物の耐震化率を一〇〇%にした場合、全壊、倒壊数と死者数を約九割減らすことができることが明らかになっています。建物の耐震化の重要性をここで述べていますが、そのことについて都はどのような認識を持っているのか、伺います。
○佐藤耐震化推進担当部長 お話の首都直下地震緊急対策推進基本計画におきましては、あらゆる対策の大前提として、建物の耐震化が重要であることとともに、特に危険性の高い木造住宅密集市街地の解消に向けた取り組みや、消火活動、救命救助活動など、震災対策を行うための道路確保に向けて、早急な対策を講じる必要がある旨が述べられております。また、あわせて区市町村と国、都県との連携による対応の強化、充実とともに、行政による公助を含め、社会全体で自助、共助、公助により首都直下地震の被害の軽減に向けた備えの実践を推進することの重要性が述べられております。
これらの考え方は、東京都震災対策条例や、これまで進めてきております都の防災都市づくりの考え方とも一致しております。建物の耐震化につきましても、この考え方に沿って、自助、共助の理念に立ち、都民がみずから主体的に取り組み、地域全体で機運を醸成することとあわせまして、行政であります国、都、区市町村がそれぞれの公助の役割を果たすことが、安全・安心な都市の実現に不可欠であると認識しております。
○白石委員 今、述べられましたけれども、被害軽減に向けた備えという一般論を私が聞いたのでなくて、国と都も一致しているかのようにおっしゃいましたけれども、私が聞いたのはそういう一般論ではなくて、建物の耐震化についての考え方です。
国の計画では、建築物の被害は、首都直下地震発生時の死者発生の主要因とし、その上であらゆる大前提として、国、地方公共団体等は建築物の耐震化の取り組みを強力に推進すると、このようにいっています。つまり、倒壊を中心とした建物被害から命を守るという観点から、国とともに、地方公共団体は建築物の耐震化を強力に進めるべきだと、このようにいっているわけですね。
ところが、都の耐震助成は、建物被害とはいっても、倒壊して道路閉塞が起こったら、木密地域では避難や救助が困難になるから助成すると、地域限定をつけて、ごく狭いところだけしか助成をしていないというのが、これが今の都の姿勢なんです。もし国と一致しているというなら、死者発生の主要因中の主要因である建物倒壊による圧死を防止するために、国と同じように地域限定を行わずに耐震助成を行うべきだというふうに思いますが、いかがですか。
○佐藤耐震化推進担当部長 都は広域自治体としての役割を踏まえまして、震災時の住宅倒壊によります道路閉塞や大規模な市街地火災を防止するという公共性の観点から、整備地域に的を絞り、区と連携して、木造住宅耐震化の公的助成を行っております。
今後とも、広域自治体としての役割を担う都と、より住民に身近で地域の実情に即した施策を展開する区市町村とが、それぞれの責務と役割のもと連携をしながら、首都東京全体の防災力の向上を実現してまいります。
○白石委員 今、答弁もされましたけれども、広域的な自治体の役割だといって、結局、倒壊による圧死から命を守るためにやることは、技術的なアドバイスだとか、そういうふうなところにとどまっていると。これでは、強力に国の方が--先ほどの基本計画に入っていますけれども、あらゆる大前提が建物の耐震化なんだというふうな部分の、本当に、言葉が泣くと思います。
では、次にお聞きしますが、耐震助成を行っている都道府県の中で、地域限定をつけて木造住宅の耐震改修助成をやっている県は、東京のほかにありますか。
○佐藤耐震化推進担当部長 都を除く四十六の道府県のうち、木造住宅の耐震化助成を実施していますのは、本年九月末現在で四十三の道府県と把握してございます。地域の実情に応じて実施していると聞いております。
都は、人口や産業、さらに政治、文化などの中枢機能が集中する首都としての特性や役割を踏まえまして、政策の優先順位から、緊急輸送道路沿道建築物や分譲マンションの耐震化、木密地域の不燃化などの施策を、重点的、集中的に取り組んでおるところでございます。
○白石委員 今、私が質問をしたのは、地域限定をつけて木造住宅の耐震改修助成をやっている県は東京のほかにどこかありますかというふうな質問をしたんですね。だけど、しっかりと答弁はされないということです。
現在、東京都も含めて四十四都道府県が耐震改修助成制度を設けていますが、東京都を除くと、三重県と奈良県以外は地域限定をしていないというのが事実です。そして、三重県も奈良県も、運用上は地域限定なく助成が受けられるようにしているんですね。
三月の本委員会で、都は、広域自治体として、都全体の安全性を最も効果的に高めるためには、特に防災力の向上が必要とされます整備地域に絞って助成をしているとおっしゃいましたが、国も他の県も目を向けているのは、一人一人の命を救うことなんですね。そして、広域自治体として、自分の県のどこにいようと、基礎自治体の財政力のあるなしで耐震改修ができないことがないように、財政支援する仕組みをつくっているということです。
それなのに、日本で最も財政力のある地方自治体である東京都が、どうして支援しないのですか。国の計画も受けて、建築物の耐震化支援についての都の考え方を根本的に改めるよう、強く求めていきたいというふうに思います。
では、品川区では耐震の課題はどうなっているか、次の質問に移っていきたいと思います。
品川区内で都の助成対象外地域はどのくらいの面積でどのくらいの割合があるか、伺いたいと思います。
○佐藤耐震化推進担当部長 都の木造住宅耐震化助成につきましては、広域自治体として、震災時の住宅の倒壊による道路閉塞や大規模な市街地火災を防止するという公共性の観点から、特に建物倒壊危険度や火災危険度が高い整備地域に的を絞り、重点的、集中的に実施しているものでございます。
品川区耐震改修促進計画によりますと、都がこうした考えに立って助成対象としております整備地域を除いた地域の面積は約千五百二ヘクタールであり、品川区全域の約六六%に当たります。
○白石委員 続けて質問してしまいます。その中に耐震性を満たさない建物の棟数は何棟とされていますか。
○佐藤耐震化推進担当部長 同じく品川区耐震改修促進計画によりますと、整備地域外における耐震性のない木造住宅は三千九百三十五棟であり、整備地域内では九千三百七十棟でございます。これを一ヘクタール当たりの棟数密度で見ますと、整備地域内では約十二・二棟、また、同じく整備地域外では約二・六棟と、整備地域内の方がそれ以外に比べまして約五倍の密度となっております。
都は、このような地域の耐震化に重点的、集中的に取り組んでおります。
○白石委員 私、今質問したのは何棟かというふうにいっているので、別にそれ以外のことを答弁してほしいといっているわけではありません。
まず、品川区内の整備地域を除いた地域の面積は、先ほど答弁ありました六六%で、約三分の二が対象地域外だということです。また、整備地域外の耐震性を満たさない木造住宅は、先ほど述べましたけれども、約四千棟ということになります。
東京都防災会議地震部会専門委員の中林一樹氏は、震災後、復興するときに、一戸当たり少なく見積もっても一千万円はかかると、このように主張しています。これを品川に照らすと、約四千棟の耐震性を満たさない住宅が仮に震災によって倒壊をして、行き場を失ったときに、四千棟掛ける一千万円ですから、約四百億円が最低でも復興経費としてかかるということになります。また、倒壊しているわけですから、数百人の規模の死者も想定されるということになります。さらに、阪神・淡路大震災による復興住宅などの経費は、一戸当たり土地代を含めて三千万円を超えるという専門家もいます。だとすれば、単純計算で一千二百億円がかかる想定になります。
現行の都の制度で耐震性を満たさない住宅四千棟に助成を広げたとしても、四千棟掛ける二十二万円ですから、八億八千万円の都の負担になると。はるかに安価に済むことは明白ではないでしょうか。
さらに、品川区内の特定整備路線は三路線あります。補助二九号線の五百メートルだけで八十数億円の費用がかかると、このように算出されています。補助二九号線の全長は三千四百九十メーター、補助二八号線、全長五百二十メーター、放射二号線、全長千二百メーター、それを全て合わせて五千二百十メーターですから、単純計算でも九百億円近くの費用がかかるというふうなことになります。都の負担は、その半分としても、四百数十億円が道路経費でかかるというふうになります。
そして、補助二八号線のように、延焼遮断効果に重大な疑義が生まれているのが、今の現在の実態なんですね。
また、この道路計画の沿道には、大井本通り商店街があります。商店の人たちから、私もいろいろお話を伺いました。伺うと、開業して三十年という商店や、中には開業して百年以上たっている商店もあるというのが、この商店街の、古くからの商店が建ち並んでいるという現状です。古くから人と人とのつながりを形成して、まちのコミュニティ機能を果たしてきた商店街が、この特定整備路線補助二八号線によって商店の立ち退きや閉店に追い込まれてしまうことによって、地域防災のかなめであるつながりやきずなが壊れてしまうというおそれがあります。それに多額の税金を投入するなら、住宅の耐震助成を充実させてほしいということは当然の願いだというふうに思います。
都は、先ほどから広域的な立場、広域的な立場と、役割分担をいっていますけれども、国は、首都直下に向けてどのように地方公共団体は、やっていくべきかということでは、あらゆる対策の大前提に耐震化なんだと、一〇〇%耐震化をすれば死者が九割減らせると、そして経済負担も減らせるんだということを、はっきりと述べているんですね。
四百七十人の請願者の切実な願いを実現するためにも、この請願、採択することを強く求めて、質問を終わります。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○斉藤委員長 起立少数と認めます。よって、請願二六第八号の三は不採択と決定いたしました。
○斉藤委員長 次に、陳情二六第二三号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○臼井経営改革担当部長 請願・陳情審査説明表の三ページをお開き願います。
整理番号2、陳情二六第二三号、都営住宅の使用料に関する陳情についてご説明いたします。
陳情者は、江東区の福井ゆり子さんでございます。
陳情の要旨は、都において、都営住宅の使用料(家賃)における収入超過基準額の引き上げを初め、個人の諸事情を考慮し、住宅使用料を決定していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、都営住宅は、住宅に困窮する低額所得者に対しまして低廉な家賃で賃貸される住宅でございます。家賃の決定につきましては、公営住宅法施行令により、入居者の収入の区分に応じた家賃算定基礎額に政令等で定めます規模や立地などに応じた数値を乗じた額とするものとされております。
公営住宅法におきましては、引き続き三年以上居住し、かつ一定の基準を超える収入のある入居者を収入超過者とし、明け渡し努力義務を課すとともに、同法施行令において、家賃につきましても収入等を勘案した割り増し家賃にし、最終的には近傍同種の住宅の家賃とすることが規定されております。収入超過者の基準につきましては、公営住宅法改正により条例で規定することとされたため、都におきましては、平成二十四年に東京都営住宅条例を改正し、規定した基準を適用しているものでございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○大島委員 本陳情について意見を述べさせていただきます。
二〇〇九年四月から都営住宅の入居収入基準が認定所得月額二十万円から十五万八千円に引き下げられ、これに伴って住宅使用料が二〇一〇年度から改定されました。都の資料でも、当時の入居者のおよそ一万七千五百世帯が入居収入基準を超える入居者となりました。入居収入基準が下がることによって収入超過者となってしまう方たちには、五年間は経過措置がとられてきましたが、収入超過者となれば、本来入居者の使用料に割り増し使用料が加算されて、近傍同種の住宅の家賃額まで毎年段階的に引き上げられる仕組みとなっています。
陳情者の方の生活実態は、陳情理由の範囲しかわかりませんが、入居収入基準が下がったために、収入がふえなくても収入超過者となることはあります。割り増し使用料がかけられ、これまで以上に厳しい生活が強いられるということは理解できます。また、入居収入基準が引き下げられたことにより、共働きの若年労働者や低賃金の非正規労働者など、住宅に困窮する世帯が都営住宅に申し込めずに困っているという相談なども、たくさん寄せられています。
入居収入基準を引き上げることが収入超過基準の引き上げにもつながるため、本陳情の趣旨に賛同し、趣旨採択とします。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決をいたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○斉藤委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二六第二三号は不採択と決定いたしました。
○斉藤委員長 次に、陳情二六第二七号を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○今村住宅政策推進部長 お手元の請願・陳情審査説明表の五ページをお開き願います。
整理番号3、陳情二六第二七号、賃貸住宅の貸主における管理責任の設定に関する陳情についてご説明申し上げます。
陳情者は、大田区の北條洋子さんでございます。
陳情の要旨でございますが、都において、賃貸住宅の貸し主に管理責任を持たせるための規則等をつくっていただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、民間賃貸住宅をめぐっては、契約等に起因するさまざまな問題が従来から発生しており、都に寄せられる相談は、ここ数年減少傾向にあるものの、平成二十五年度で約一万六千件となっております。その内容は、退去時の原状回復に関するものが最も多く、約四分の一を占め、続いて契約に関するもの、入居中の修繕等の管理に関するものの順になっております。
このうち、特に相談の多い退去時の原状回復や入居中の修繕に関しましては、東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例により、宅地建物取引業者に対し、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明とあわせて、費用負担に伴う法律上の原則や判例により定着した考え方などを借り主へと書面交付し、説明することを義務づけております。あわせて、原状回復などの基本的な考え方とともに、契約や住まい方の注意点、トラブルになってしまった場合の相談窓口や手続などをわかりやすく解説した冊子、賃貸住宅トラブル防止ガイドラインを累計で約十五万部発行し、東京都のホームページにも掲載するなどして、賃貸住宅に関係する方々の啓発に努めております。
このように、都におきましては、貸し主と借り主の間のトラブル防止に取り組むとともに、トラブルになってしまった場合のサポートとして、賃貸住宅相談員や弁護士による相談窓口を設置し、当事者間の話し合いを円滑に進めるためのアドバイス、また、裁判外紛争解決手続(ADR)や少額訴訟を初めとした訴訟手続などの案内などを行っております。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 発言がないようでございますので、お諮りいたします。
本件は、不採択とすることにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二六第二七号は不採択と決定いたしました。
○斉藤委員長 次に、陳情二六第三〇号の二、陳情二六第三二号の二、陳情二六第三三号の二、陳情二六第三四号の二、陳情二六第三五号の二及び陳情二六第三六号の二は、内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○佐藤都市基盤部長 それでは、整理番号4、陳情二六第三〇号の二及び整理番号5、陳情二六第三二号の二から第三六号の二について、一括してご説明いたします。
それでは、説明表の七ページをごらんください。
整理番号4、陳情二六第三〇号の二、補助第二八・二九号線及び放射第二号線の事業計画を白紙に戻すことに関する陳情についてご説明申し上げます。
陳情者は、品川区の「道路問題しながわ連絡会」代表の原田泰雄さんでございます。
陳情の要旨でございますが、都市計画法第十六条第一項では、都市計画の案を作成する場合に必要があると認めるときは、公聴会の開催など、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとされております。これまで行われてきた東京都の計画見直しでは、公聴会を行われずに決められておりますが、補助第二九号線などは、経過を振り返っても必要があるものと解するため、同法に基づく公聴会を開くことを都において実現していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、補助第二八号線、補助第二九号線及び放射第二号線は、昭和二十一年に都市計画を決定し、昭和四十一年までの都市計画の変更により、現在の計画に至っております。これらは、都市計画法に基づき適切に手続を実施したものでございます。
震災時に大きな被害が想定される整備地域におきまして、これらの路線は、延焼遮断帯の形成や避難、救護活動のための空間の確保など、地域の防災性の向上に重要な役割を担っております。都は、平成二十四年、木密地域不燃化十年プロジェクトに基づき、これらの路線を特定整備路線に選定し、整備を推進しているところでございます。
八ページをおめくりいただきますと、特定整備路線の位置をお示ししてございますので、あわせてごらんいただきたいと思います。
七ページに戻りまして、なお、事業の実施において、事業者が地元説明会を行い、説明会後も住民などのさまざまな要望や意見に対し、個別にきめ細かい対応を行っておるところでございます。
続きまして、説明表の九ページをごらんください。整理番号5、陳情二六第三二号の二から第三六号の二、補助第二八・二九号線及び放射第二号線の事業計画を白紙に戻すことに関する陳情についてご説明申し上げます。
陳情者でございますが、一〇ページをおめくりいただきたいと存じます。品川区の「住民の暮らしと安全・環境を守る会」副会長の石井さんのほか、計五名から同じ内容の陳情が提出されております。
九ページにお戻りいただきまして、陳情の要旨でございますが、都市計画法第十六条第一項では、都市計画の案を作成する場合に必要があると認めるときは、公聴会の開催など、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとしているため、沿線住民との公聴会を開催することを都において実現していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、先ほどご説明いたしました整理番号4、陳情二六第三〇号の二の内容と同様のため、こちらでは省略させていただきます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。
○斉藤委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○白石委員 この陳情に対して、私から意見を申し上げたいというふうに思います。
特定整備路線補助二八号、二九号線及び放射第二号線において、公聴会の開催を求める陳情です。
都の説明では、都市計画法に基づき適切に手続を実施したものであると説明をされました。確かに、手続論でいえば、都市計画の決定や変更の場合に公聴会を開催することが定められています。既に都市計画として決定済みのため、手続上、既に実施されているものということですが、しかし、これらの特定整備路線は、昭和二十一年に都市計画決定されましたが、今から六十八年前であり、戦後間もなくの混乱期の状況のもと、あたり一帯は焼け野原という中で、戦災復興の道路として都市計画決定されたものです。現在のまち並みとは全く違い、特定整備路線としての位置づけとも全く違います。
今回の特定整備路線の指定は、地域住民からの聞き取りを丁寧に進めた上での決定ではなく、東京都の照会に対して、それぞれ区が候補に上げたものです。火災対策といっても、延焼遮断帯の形成一つとっても、さまざまなやり方があります。緑地帯や公園などの整備、それから感震ブレーカー設置などを進めるなどして、出火防止を行うということや、スタンドパイプや可搬ポンプ、消防水利を充実させ、初期消火率を上げる、また、さまざまな施策を組み合わせるなど、いろいろな手段があります。ですから、行政が大いにイニシアチブを発揮しつつ、重要なのは、住民参加と合意で、地域にとってベストでかつ意欲を引き出すことが大切なんです。
ところが、今回の対策では、既にある都市計画道路の決定に従って、一方的に進められるというふうな現状があります。説明会も二回だけ、少ない地域では一回しかやられていないというのも現状です。先ほど都の説明では、丁寧に説明をしているというようなこともいっていましたけれども、それは事実に反しています。質問時間も三十分や一時間というふうに区切られていると。これでは、住民は到底納得できるわけがありません。
そもそも震災に強いまちづくりを進めるには、そこに住んでいる地域住民がまちの防災計画に参加し、一緒に取り組んでいくことに力を上げていくことが、本来のあるべき行政の姿です。住民参加で、安全・安心の震災に強いまちづくりをつくっていくことを求めて、本案件を趣旨採択とします。
以上です。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
初めに、陳情二六第三〇号の二を起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○斉藤委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二六第三〇号の二は不採択と決定いたしました。
次に、陳情二六第三二号の二、陳情二六第三三号の二、陳情二六第三四号の二、陳情二六第三五号の二及び陳情二六第三六号の二を起立により採決いたします。
本件は、いずれも趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
○斉藤委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二六第三二号の二、陳情二六第三三号の二、陳情二六第三四号の二、陳情二六第三五号の二及び陳情二六第三六号の二は、いずれも不採択と決定いたしました。
以上で請願陳情の審査を終わります。
○斉藤委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○安井都市整備局長 来る十一月十八日に開催予定の第二百七回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
今回、東京都決定案件が十六件、区部が十四件、市町村部が二件でございます。また、その他の付議予定案件三件がございます。本日は、これらのうち主な案件といたしまして、東京都市計画道路幹線街路外郭環状線の2及び東京都市計画防災街区整備方針につきましてご説明いたします。
引き続き担当部長から説明いたしますので、よろしくお願いいたします。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 それでは、付議予定案件ナンバー11、東京都市計画道路幹線街路外郭環状線の2の変更に関する案件につきましてご説明いたします。
資料は、お手元の資料3、白色表紙の提案事項概要三八ページから四一ページ及び資料4、薄茶色表紙の事前説明会資料五五ページから六四ページです。
提案事項概要の三八ページ及び事前説明会資料の五五ページをお開きください。
外郭環状線の2は、世田谷区北烏山五丁目を起点とし、三鷹市、武蔵野市、杉並区を経て、練馬区東大泉二丁目に至る延長約八千九百七十メートルの路線であり、昭和四十一年に都市高速道路の外郭環状線とともに、都内の都市計画道路ネットワークの一部として決定された都市計画道路でございます。
東京都は、平成十九年に高速道路の外環の都市計画を高架方式から地下方式に変更した際、関係区市等から出された要望を踏まえ、平成二十年、外環の地上部の街路についても検討の進め方を公表し、検討の視点と検討のプロセスを明らかにしました。これに基づき、この道路の必要性やあり方などについて、沿線区市ごとに話し合いの会を開催するなど、広く意見を聞きながら検討を進めております。
本年五月、これまでの検討を踏まえ、外環ノ2の都市計画に関する方針を定めました。本件は、この都市計画に関する方針に基づき、外環ノ2の練馬区間の都市計画を変更するものでございます。
次に、事前説明会資料の五六ページから五八ページをごらんください。
まず、今回、都市計画の区域を縮小する区間についてでございますが、放射七号線目白通りから放射六号線青梅街道までの区間のうち、事業中の大泉ジャンクション地域、及び仮称青梅街道インターチェンジの整備により地上部が改変される区間を除く区間が対象となります。
都市計画の幅員は、既定計画の四十メートルから、道路の基本的な機能を確保した上で、歩行者、自転車、自動車の通行空間を構造的に分離可能な二十二メートルに変更します。上石神井駅周辺につきましては、練馬区が平成二十年三月に策定した上石神井駅周辺地区まちづくり構想に示されたまちづくりの方向性を踏まえ、鉄道やバス等の交通手段を結節する機能を確保するため、現在の都市計画の区域を一部活用し、交通広場を設置いたします。なお、西武新宿線につきましては、井荻駅から東伏見駅間において鉄道立体化の検討対象区間とされているため、外環ノ2は平面で計画しています。また、この幅員変更に合わせて、放射七号線目白通りから放射六号線青梅街道までについて、車線の数を二車線と定めます。
茶表紙の五九ページから六一ページに、参考図として、幅員を変更する区間の平面図、縦断図、横断図を載せておりますので、ごらんください。
道路の線形につきましては、安全で円滑な交通の流れを確保するため、線形の連続性に留意するとともに、現在の都市計画の区域内において、上石神井駅付近での交通結節機能の確保、周辺地盤とのすりつけ、緑の保全などの地形、地物、現道活用等に配慮して計画しております。
以上で、付議予定案件ナンバー11の説明を終わります。
○佐々木防災都市づくり担当部長 私からは、付議予定案件ナンバー14、東京都市計画防災街区整備方針の変更についてご説明いたします。
お手元の資料としては、資料番号11と12、桃色の冊子で左上にそれぞれ別冊(2)-〔1〕、別冊(2)-〔2〕と付された二冊となります。説明につきましては、資料11、概要書を用いながら行います。
初めに、一ページをお開き願います。
1の策定の目的についてでございますが、本方針は、木造住宅密集地域を対象に、計画的な再開発または開発整備により、延焼防止機能及び避難機能の確保と土地の合理的かつ健全な利用を図り、安全で安心して住めるまちとして再生を図ることを目的に策定するものでございます。
次に、策定の効果についてでございますが、四ページ及びスクリーンをごらんください。
本方針のもとに、規制誘導策、防災まちづくりの計画などを重層的に組み合わせるとともに、下の枠囲みにあります木密地域を中心に実施される木造住宅密集地域整備事業など補助事業と連携しながら、これらが一体となって防災性の向上を図ってまいります。
スクリーン中段の左からごらんください。
防災再開発促進地区の指定により、建てかえ計画の認定による建てかえ補助や延焼等危険建築物の除却勧告を行うことができます。また、特定防災街区整備地区や防災街区整備地区計画の活用が図られるとともに、これらの都市計画は、防災街区整備事業の施行要件にもなっております。また、防災再開発促進地区の区域内では、都市再生機構のノウハウを活用することが可能となります。さらに、防災都市施設につきましては、施行予定者等を都市計画に定めることにより、早期整備を図ることができます。
お手数ですが、一ページにお戻りください。
ページ右上の法的位置づけについてでございますが、本方針はいわゆる密集法に基づく方針でございまして、これを都市計画に定めるものでございます。また、都市計画区域の整備、開発、保全の方針に即し、都市再開発方針などと整合を図り定めるものであり、防災街区整備事業など個別の都市計画の上位に位置づけられております。
次に、二ページをお開きください。主な経緯でございます。
平成七年の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、都は、地震に強い都市づくりの一層の推進を図るため、平成九年三月、防災都市づくり推進計画を策定しております。そして、平成十一年一月、都市計画に防災再開発の方針を定め、防災再開発促進地区を指定しました。これを皮切りに、防災都市づくりの進展に伴い、平成二十年六月までに四回の追加指定をしているところでございます。
さらに、平成二十三年三月の東日本大震災を受け、都は、平成二十四年一月、木密地域不燃化十年プロジェクトの実施方針を策定し、木密地域の改善を一段と加速するため、不燃化特区制度を創設、特定整備路線を指定することにより、重点的、集中的に防災対策を展開しているところでございます。
続きまして、このページの右側、本方針を定めるに当たっての考え方についてご説明させていただきます。
本方針には、木造住宅密集地域を中心に、防災街区の整備を促進するため、防災再開発促進地区及び防災公共施設などを定めます。
まず、防災再開発促進地区の指定の考え方についてでございますが、防災再開発促進地区とは、特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区でありまして、防災街区の整備に資する事業、制度などが既に導入されている、または導入が確実に見込まれる地区などを指定いたします。
次に、2の防災公共施設についてでございます。これは、延焼防止機能及び避難機能を確保するために整備すべき道路、公園などの公共施設のことでございまして、沿道の建築物などと一体となって機能する公共施設や防災街区整備事業などが既に導入されている、または将来導入が見込まれる地区の周辺にある公共施設などを指定いたします。
そして、3の再開発方針との関係では、防災再開発促進地区は、防災性の向上を目的として市街地整備の計画が明らかな地区であることから、都市再開発法第二条の三に規定する地区、いわゆる二号地区と整合を図ります。
続きまして、三ページをごらんください。
本方針において定める内容は、〔1〕から〔3〕にございます、防災再開発促進地区及び防災公共施設、防災再開発促進地区の整備または開発の計画の概要、防災公共施設の整備などの概要でございます。
次に、このページの右側、変更の概要についてでございますが、防災再開発促進地区につきましては、変更前の六十四地区から八十二地区へと十八地区を新たに追加し、区域拡大した地区と合わせると約一千三百六十六ヘクタールの追加指定となります。今回の改定では、従来より防災対策に取り組んでいる地区に加え、木密地域不燃化十年プロジェクトに基づく不燃化特区などを指定しております。
次に、防災公共施設につきましては、変更前の百四十五カ所から二百三十三カ所へ八十八カ所の追加指定をしております。具体的には、木密地域不燃化十年プロジェクトに基づく特定整備路線などを指定しております。
このとおり、防災再開発促進地区と防災公共施設が幅広く木密地域をカバーすることで、防災街区の整備促進に寄与いたします。
次に、五ページと六ページに地区ごとの一覧を示してございます。この一覧表の地区名の右側に、防災再開発促進地区の新規指定、区域変更などの欄がございまして、それぞれ該当するものに黒丸を付し、変更があったことを示しております。また、横棒は変更がないことを意味しております。さらに、表の一番右側には、変更前、変更後の防災再開発促進地区の面積を示しております。
最後に、七ページ及びスクリーンをごらんください。
先ほどの一覧表の八十二地区の促進地区を地図上に示しております。灰色のべた塗りは既決定の地区を示し、ピンク色は新規指定または区域拡大の地区を、また、右上がりの斜線は既決定の防災公共施設を含む促進地区をあらわし、右下がりの斜線は新たに追加した施設を含む促進地区を示しております。
付議予定案件ナンバー14の説明は以上でございます。
○斉藤委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○神林委員 ただいま報告ありました中での外環ノ2についてお伺いいたします。
我が党では、過去にこの当委員会でも、道路に関して、この件、数度質問しております。その際、一貫して、練馬区間の整備に向けた取り組みを早急に進めるべきということを主張してまいりました。したがって、今回は、議論の軸となる部分についてしっかりと確認をするために、質問を何点か、させていただきたいと思います。
その後、練馬区間の検討が進み、都市計画の方針が公表され、都市計画変更手続が進められているとのことでございます。そこでまず、外環ノ2の練馬区間の必要性を改めて伺いたいと思います。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 外環の地上部に計画されている道路、外環ノ2は、広域的な自動車交通に対処するとともに、地域の利便性向上や沿線のまちづくりに寄与する道路であり、都内の都市計画道路ネットワークの一部として都市計画決定されてございます。
このうち練馬区間は、骨格幹線道路である放射七号線目白通りから放射六号線青梅街道までの延長約四・四キロメートルの環状方向の路線であり、大泉街道、新青梅街道、千川通りなどと交差し、練馬区内に限っても広域道路ネットワークを形成するとともに、災害時の安全な避難路の確保や生活道路に流入してくる通過交通の抑制など、地域が抱える課題解決に必要な道路でございます。とりわけ、西武新宿線上石神井駅周辺におきましては、鉄道とバスなどとの乗り継ぎを円滑にする交通結節機能の確保や商店街の活性化など、地元が取り組むまちづくりに欠かせない南北道路でございます。
○神林委員 ただいま答弁いただきまして、過去にもいろいろとこの問題についてお話ししてましたけれども、要約させていただければ、地域が抱える課題解決に必要な道路、地元が取り組むまちづくりに欠かせない南北道路だと。こういうことで、しっかり確認をさせていただいたところでございます。
次に、外環ノ2の都市計画案では、従来の幅員四十メートルを二十二メートルに縮小していますけれども、その理由について伺います。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 昨年十二月、外環ノ2の練馬区間の整備のあり方として、円滑に交通処理できる往復二車線の車道など、道路の基本的な機能を確保して幅員を十八メートルに縮小する案、これに独立した自転車道を加えた幅員二十二メートルの案、さらに、現在の都市計画を活用して幅広い緑地帯を設けた幅員四十メートルの案を公表いたしました。
その後、地元練馬区は、区民の意見を聴取した上で、本年二月、外環ノ2に関する今後の取り組み方針を策定し、南北交通に資する重要な都市計画道路との認識のもと、歩行者や自転車の快適な通行空間の確保などに配慮して、早期整備を図るよう都に要請がございました。
練馬区の要請や地元住民の意見を踏まえ、これらの複数案につきまして、環境、防災、交通、暮らしの四つの視点から成る道路の機能や移転棟数などの事業性を比較検討し、最終的に本年五月、外環ノ2の練馬区間につきまして、幅員を二十二メートルに縮小する方針を定めました。
○神林委員 今、複数案が比較検討されたということで、地元の意見をしっかりと踏まえて尊重していただいたということで、感謝申し上げると同時に、しっかりと確認をさせていただきました。
外環ノ2については、沿線自治体から地元の意見を丁寧に聞きながら取り組むようにと、私どもも要望しているところでございますけれども、具体的にどのような検討のプロセスを経て、練馬区間の変更を都市計画審議会に付議することになったのか、伺います。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 外環ノ2につきましては、平成十九年に外環の都市計画を高架方式から地下方式に変更した際、関係区市等から出された要望を踏まえまして、平成二十年、都市計画の方針を取りまとめるための検討のプロセスを明らかにし、必要性やあり方などについて広く意見を聞きながら検討を進めてまいりました。練馬区間につきましては、公募による地域住民などで構成する話し合いの会を六回、広く意見を聞く会を六回、都市計画変更の素案説明会を三回、来場者に個別に意見を聞くオープンハウスを十五回開催するなど、地域住民の意見を丁寧に聞きながら検討し、結論を得たことから、都市計画変更の手続を遅滞なく進め、十一月に開催される都市計画審議会に付議することといたしました。
なお、練馬区間以外の青梅街道から東八道路までの区間につきましては、引き続き、平成二十年に明らかにしました検討のプロセスに基づき、広く意見を聞きながら検討を進めてまいります。
○神林委員 ただいま答弁を受けまして、検討のプロセスを明らかにした上で、地元の意見を何度も聞きながら丁寧に取り組んできたことがわかりました。何点か質問させていただきましたけれども、今回、議論の軸となる部分につきましてしっかりと確認をさせていただきました。
最後に、我が党としての意見を申し上げさせていただきますと、早期完成を待ち望む、声なき多くの方々がいることを踏まえて、ぜひとも十一月の都市計画審議会に付議し、関係する権利者に対しては親身に対応しながら、早期整備に向けて取り組んでいただくように要望して、私の質問を終わります。
以上です。
○大島委員 私からも何点か質問をさせていただきます。
まず最初に、私の地元であります足立区の関原三丁目と興野一丁目にかかわる用途地域の変更について質問させていただきます。
この関原三丁目地内、そして興野一丁目ほか各地内のこの両案件は、道路現況が全くない木密、木造密集地域に都市計画道路を通すということで、都がその沿道の用途地域を変更するということなんですが、あわせて、区が最低限度高度地区の設定や防火地域への変更というものを行うものです。もしこの変更が行われますと、従来の木造二階建ての建てかえというのが、この地域ではできなくなります。その点で、地元から生活再建の不安も大きいと聞いています。
こうした変更によって、建てかえの際には、どうしても防火地域、それから最低限度高度地区というのがあるために、三階建ての耐火建築物になってしまうんですね。そうすると、より費用がかさむということになります。
こうした状況になるため、この負担軽減に向けた手だても必要だと考えておりますが、この点についてはいかがでしょうか。
○上野都市づくり政策部長 足立区関原三丁目地区及び足立区興野一丁目ほか地区は、両地区とも都市計画道路補助一三八号線沿道にあり、その補助一三八号線は、東京都防災都市づくり推進計画におきまして、主要延焼遮断帯として位置づけられております。今回、補助一三八号線の整備の進捗に応じ、その沿道の両地区におきまして、道路整備と一体となって延焼遮断帯の形成を促進するため、用途地域の変更を行うものでございます。
区におきましては、沿道の建築物の不燃化を促進するため、助成制度の一つであります都市防災不燃化促進事業を導入する予定と聞いております。
○大島委員 現場を見てもらうとわかるんですけれど、この補助一三八号線、今、通そうとしている部分というのが両方から迫られてきて、非常に困難なので、事業がおくれてきているという、そういう事情もあるんですね。
今回、不燃化促進事業によって、不燃化の助成が行われる見通しもあるということなので、建てかえの際などの負担軽減になるということで、大変必要な施策ではないかというふうに考えています。
区の説明会も開かれていますし、補償費の提示も始まったと聞いているんですが、高齢者の方が大変多い地域でありますし、あわせて築年数の経過した家屋も大変多いんですね。そのため、生活再建とか、なりわいの再建に重大な影響を及ぼすところもあります。立ち退きで地域のコミュニティも壊れるのではないかという、危惧する声もあります。
延焼遮断帯を形成するといって、全然現道のないところに都市計画道路を通していくということや、それに伴う用途地域の変更、これには反対です。
次に、幹線街路外郭環状線の2について質問をさせていただきます。
外環ノ2というのは、都内の都市計画道路ネットワークの一部として都市計画されたおよそ九キロのうち、今回の計画変更は練馬区部分のおよそ三キロだけなんですね。これは、ほかに杉並、武蔵野、三鷹と同じこの道路の沿道に、それぞれの自治体があるんですけれども、練馬区以外の沿道の区市の状況というのはどうなっているんでしょうか。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 外環ノ2につきましては、平成二十年に計画のプロセスを明らかにいたしまして、広く意見を聞きながら検討を進めてまいりました。杉並区におきましては、平成二十三年から公募による地域住民などで構成する話し合いの会を十一回、武蔵野市においては、平成二十一年から十九回開催しており、現在も継続中でございます。三鷹市におきましては、話し合いの会の開催に向けた調整を進めているところでございます。
○大島委員 つまり、練馬区以外では今でも話し合いを継続している、住民の皆さんと丁寧な話し合いの会を開催しているということだと思うんですね。三鷹市についてはこれからだと。つまり沿道の自治体によって、これについて非常にさまざまな取り組みをしているということになるんですね。
東京都が、都内の都市計画道路ネットワークの一部だよと、こう位置づけている道路なんですけれども、沿道の区市の状況がこのようにばらばらで定まっていないと。それなのに、なぜ練馬区のみ先行して計画変更をするんでしょうか。地上部街路がばらばらな状況、それぞれの杉並の意見や三鷹の意見、それから武蔵野の意見と、全部違ったものになってきた場合、今回は二十二メートルに狭めるということなんですけど、四十メートルでもいいというところが出てくるかもしれないし、この外環ノ2は要らないといって廃止にしてほしいという意見も出てくるかもしれない。そうすると、一本の道路があちこちの自治体の意見で変わってきてしまうと、こういう状況になっていると思うんですね。
ですから、今回、何でこの都市計画審議会に練馬区部分だけをかけなければならないのか、その緊急性と必要性についてお伺いいたします。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 外環ノ2は、広域的な自動車交通に対処するとともに、地域の利便性向上や沿線のまちづくりに寄与する道路であり、都内の都市計画道路ネットワークの一部として都市計画決定されてございます。
このうち、練馬区間は、練馬区内に限っても広域道路ネットワークを形成するとともに、災害時の安全な避難路の確保や生活道路に流入している通過交通の抑制など、地域が抱える課題解決に必要な道路でございます。これまで平成二十年に明らかにいたしました検討のプロセスに基づき、話し合いの会や広く意見を聞く会、オープンハウス等を通じて、地域住民の意見を聞きながら検討し、結論を得たことから、練馬区間につきまして都市計画の変更の手続を遅滞なく進め、十一月に開催される都市計画審議会に付議することといたしました。
なお、練馬区間以外の青梅街道から東八道路までの区間につきましては、引き続き広く意見を聞きながら検討を進めてまいります。
○大島委員 地域の中で話がまとまったというようなことで、今回提案したんだというお話なんですけれども、現実問題は、まだまだ住民の合意形成されていないというのが率直な私の感想です。そうした中で、道路全体をどうするかという話し合いが、各自治体ごとにばらばらに、今、始まっているところなのに、ここだけ先行してやるという理由にはならないというふうに、私は思います。
二〇〇一年の四月に、東京外かく環状道路の計画のたたき台というのが出されました。いろいろな資料をいただいたんですけれども、この中で、現計画の自動車専用道路と幹線道路の広域機能を集約して、全線地下構造の自動車専用道路としますと書かれているんですね。これは平成十三年四月に出されたものです。ここに書かれているように、幹線道路の広域機能も集約して、全線地下構造にする。これがたたき台として提案されたんです。ですから、地上部利用について、検討のためのメニューというのがここに出されておりますけれども、そこの中には、住宅、地域コミュニティを維持する場合ということで、地上部道路の廃止、これも入っているんですね。
武蔵野市で開かれた地上部街路に関する話し合いの会の議事録をいただきまして、これは武蔵野市の場合ですが、それを読みますと、東京都の方が説明に行っているわけですけれども、その中で、外環という問題を解決するに当たっては、一体的にどうしていくかということを考えないといけなかったので、ずっと計画をどうしようかという見直しをいろいろ考えてきたと。つまり、高速道路の外環本線と、そして地上部街路、この二つについて一体的に考えてきたというんですね。
それだったら、外環の本線と一体のものとして計画されてきた外環ノ2を、二〇〇七年の本線を地下化にする、この都市計画変更の際に、なぜ廃止の提案をしなかったのでしょうか。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 外環ノ2は、昭和四十一年当時、高速道路の外環と一体となって自動車交通に対処するとともに、地域の利便性向上や沿線のまちづくりに寄与する道路として、都内の都市計画道路ネットワークの一部として計画決定されたものでございます。
平成十九年、高速道路の外環を地下方式に変更した際、関係区市等から出された要望を踏まえて、外環ノ2の必要性やあり方などについて、広く意見を聞きながら検討してまいりました。このうち、練馬区間につきましては、話し合いの会や広く意見を聞く会、オープンハウス等を通じまして、地域住民の意見を聞きながら検討し、結論を得たことから、都市計画の変更の手続を遅滞なく進めることとしたものでございます。
○大島委員 外環を地下方式に変更すると。あの当時、外環の大深度地下方式を都市計画審議会に提案した責任者が、石原慎太郎、当時の都知事なんですね。都知事は、都市計画変更に着手する際、古い家にしがみついていて非常に不安な不便な生活を送ってきましたが、家をリニューアルされるのも結構でしょうと、こう記者会見ではっきり述べたんです。家をリニューアルできるようになるのは、都市計画道路の整備計画がなくなって、建設、建築制限がなくなったり、立ち退きや強制収用の不安がなくなったりしてこそできることです。この石原元都知事の発言というのは、地元の中では大変大きく歓迎をされたんですね。
それでは今、この二つの道路、地下に潜ってしまった外環本線と、上に残ってしまった外環ノ2、これは都知事がいっていた、また東京都がこれまでいっていたこととは一体何だろうか、一体どんなことだったのだろうか、だまされたんじゃないかと、地元の方が思うのは当然ではないでしょうか。立ち退きとか地域分断を避けるために外環本体を地下に移すといって住民を説得しながら、外環ノ2に立ち退きの仕組みを維持し続ける。こんなやり方は、民主主義の観点に照らしても決して許されるものではありません。
さらに重大なのは、二〇一二年の記者会見で石原元都知事が、外環ノ2をつくろうとしているようだが、それなら外環本線は地下につくらずとも地上部でいいんじゃないかという記者からの質問に対して、その問題は、私、余りつまびらかにしていない、外環本線は地下に通さざるを得ないと私は思ったんだけども、さらにその上に新しい都道をつくろうというの、道路計画として、今、残っているの、と。こういう認識を示したんですよね。問題があるなら、もう一度現場に行って確かめてきますとまで言明したんですよ。都知事として都市計画審議会に提案した本人が、地上部道路は残っていない、地下に通した上にさらに地上部に都道をつくるということに疑問を呈する、そして現場に行って確かめてくるとまでいったんですよ。
私たち確かめに行くんなら早く行ってくれと、何回もいいました。ところが、その後、石原氏も、その後の猪瀬知事も、一度も現場を訪れていないじゃありませんか。それでどうして、都知事の名前で地上部道路を存続されるという提案が出せるんでしょうか。
舛添知事は現場主義を表明している方ですから、まずは舛添知事みずからが現場を訪れて、地域の住民の声をつかむことが必要だと私は思います。
そして、二〇〇三年一月、国と東京都が発表した外かく環状道路に関する方針、これは地下に入れるという、この検討のときなんですけど、そのときには地上部街路について全く触れられていなかったんです。ところが、そのわずか二カ月後の二〇〇三年三月に発表された方針では、青梅街道から目白通りについては、地元の意向を踏まえながら、地上部街路の設置を検討するというふうに変わっちゃったんですよ。その理由は何でしょうか、お聞きします。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 国と都は平成十五年一月に、関越道から東名高速道路間の東京外かく環状道路に関する方針を公表いたしました。それをもとに、沿線自治体との意見交換等をして、地上部街路等の記載を追加し、同年三月に改めて方針として公表してございます。
○大島委員 今、沿線自治体の意見を得て、そして方針として公表したものだという答弁だったんですけど、この東京外環道路の沿線区市長の意見交換会という、その概要のメモというのを、私、いただきました。練馬区から、青梅街道にインターチェンジをつくらないのであれば外環の整備に反対するとか、また地上部の利用、関連道路の整備、石神井等の沿道のまちづくりについて、外環と一体的に検討していただきたいという発言が、区長からあったんですよね。
こうした自治体の長の意見はそのまま受け入れて、住民の声は聞かずに方針を決めていく。全く住民無視の非民主的なやり方だと思います。こうした住民無視のやり方はやめるべきだと思いますが、この方針を決めたときに、自治体の長の意見は聞いているんですけど、住民の皆さんの意見は聞いたんでしょうか。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 三月に公表いたしました方針に、国と都は、一月十日に公表した外環の方向性について、沿線自治体との意見交換等を踏まえ、外環の方針を定めたと記載してございます。
○大島委員 住民からの意見を聞いたか聞かないかというのは、はっきりいわないんですけど、今のお話だと聞いていないよね。そして、やっぱり住民の声を聞かずにこういう方針をどんどんつくっていっちゃうというのが、後々大変なことになっていくというのが、この今の現状を見ればわかると思うんですよ。
先日、地域の皆さん方からご意見を伺う機会がありました。自然の宝庫といわれる野鳥の森、ボート池や三宝寺池などがあって、高齢者や子供たちが自然に親しんでいる石神井公園のすぐそばを、幅員二十二メートルの道路が通ることによって、地域が分断され、こうしたすばらしい環境が守られなくなると訴えられました。都市計画素案の説明会やオープンハウスの意見を見ますと、住民の中に、地上部街路は要らないという声が根強くあるということが示されています。
都はこの間、地元との話し合いを進めてきたといいますが、住民合意はとれているんでしょうか、お伺いいたします。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 外環ノ2の練馬区間は、練馬区内に限っても、広域道路ネットワークを形成するとともに、災害時の安全な避難路の確保や生活道路に流入している通過交通の抑制など、地域が抱える課題解決に必要な道路でございます。
これまで都は、話し合いの会や広く意見を聞く会、オープンハウス等を通じて、地域住民の方々の意見を聞きながら、外環ノ2の必要性やあり方などについて検討してまいりました。また、地元練馬区は、区民の意見を聴取した上で、本年二月、外環ノ2に関する今後の取り組み方針を策定し、南北交通に資する重要な都市計画道路との認識のもと、早期整備を図るよう都に要請がございました。
都は、練馬区の要請や地域住民の意見を踏まえ、本年五月、都市計画に関する方針を定め、都市計画変更の手続を遅滞なく進めることといたしました。
○大島委員 私は率直に、住民合意はとれているんですかと聞いたんですけど、まともに答えてくださらなかったんですが、でも、今の答弁を聞いただけでも、まだまだ反対の意見は根強くあるし、そういう声も踏まえてということなんですけど、本当に方針に反映されているのかどうかという点では疑問に感じております。
今回の都市計画変更によって、幅員が四十メートルから二十二メートルに変更されますが、このことによって都市計画道路から外れる区域が出てくるんですね。そこの区域の建築制限はなくなるんでしょうか。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 練馬区間につきましては、話し合いの会や広く意見を聞く会、オープンハウス等を通じて、地域住民の意見を聞きながら検討し、本年五月、幅員を二十二メートルに縮小する都市計画の方針を定めました。
都市計画法第五十三条の規定では、都市計画施設の区域内において建築物等の建築をしようとするときは知事等の許可を受けなければならないとされてございます。今回提案している都市計画案が決定された場合、これまでの事例と同様、外環ノ2の区域から外れる土地で、建築物等の建築をしようとするときは、他の都市計画施設の区域内や市街地開発事業の施行区域内を除き、都市計画法第五十三条の規定に基づく許可は不要となります。
○大島委員 今回の幅員変更は、先ほども説明がありましたけど、幅員縮小の路線図を見てみますと、均等に狭めているんじゃないんですね。では、どのようにして計画変更線を決定していったのか、また、その変更線を決めるに当たって関係住民からの意見聴取などを行ったのか、お伺いします。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 変更案の道路の線形につきましては、条例で定める道路構造の技術的基準を遵守しつつ、既決定の都市計画の範囲内において、現道の活用等に配慮し、設定しております。
本案につきましては、都市計画の変更素案を作成した段階で、本年六月から七月にかけて説明会とオープンハウスを九回開催し、地域住民の意見を聴取した上で取りまとめたものでございまして、十一月に開催される都市計画審議会に付議するものでございます。
○大島委員 先日、私、周辺道路の将来交通状況という資料をいただいたんですね。これは、広域的な視点、人と物の流れの円滑化というふうになっているんですよ。旅行速度、つまりどれくらいの速さで車が走れるようになるか、渋滞が少なくなるのかということを示している資料だというふうに思うんですね。
私、これを見てちょっとびっくりしたんですけど、地上部街路が整備された場合と整備されない場合というのが比較で出ているんです。この地上部街路が整備された場合とされない場合なんですけど、現状との比較というのも、もちろんあるんですね。これを見ても、渋滞解消に効果があるとしてきた大泉学園通りでは、現在時速十四・五キロが、今度整備されると二十六・六キロになるんですが、整備されなくても二十・六キロで走れるんですね。今よりもよくなるということなんです、整備されなくても。井草通りでは現在時速十四・五キロなんですけど、整備すると三十七・六キロ、整備しなくても三十四・八キロになるんですよ。余り関係ないんだなと思いました。それほど大きな差はありません。
青梅街道では、現在と余り変化がないし、吉祥寺通りや五日市街道でも、整備してもしなくても余り変化がありません。交通の渋滞解消だとかいろいろいっているけど、これ見ると、そんなことほとんどないんですよね。
こうした、練馬区において、地上部街路についてのこれまでの検討状況を見てみましても、住民の理解と納得を得られていないというのは明らかですし、解明しなければならないことも数多くあります。そういう点で考えますと、今回のこの都市計画の変更は、都市計画審議会にかける段階ではないので、都市計画審議会へ付議するべきではないという意見を述べておきたいと思います。
次に、今回提案された都市計画区域の整備、開発及び保全の方針についてお伺いいたします。
今回の都市計画区域マスタープランの改定は、おおむね二〇二五年を目標年次とする十年間の計画というものです。都市計画区域マスタープランの原案に対する意見募集や公聴会が開かれ、そこに出された意見と都の見解が示されました。私のところにも概要版が送られてまいりましたので、読ませていただきました。地域の個別意見等がかなりありましたけれども、それについての都の見解というのは、区域マスタープランは個別の事業や施策ではなく、都市計画の決定の方針を記載したものだと。個別の地区のまちづくりについては、都のマスタープランに即し、区市町村マスタープラン等で定めるものとしているんです。これは、都の区域マスタープランが区市町村独自の都市計画を縛るというものではないのでしょうか。
○上野都市づくり政策部長 都市計画法の運用では、都道府県が定める都市計画区域マスタープランは、市町村の行政区域にとらわれることなく、広域的観点から一体となっている都市全体としての一体性を確保するため、都市計画の基本的な方向性を示すべきものとされております。また、区市町村マスタープランにつきましては、広域的な都市計画との整合性を図るため、都道府県が定める都市計画区域マスタープランに即して定めることとされております。一方、区市町村マスタープランでは、より地域に密着した見地から、都市の将来像とその実現に向けての道筋を明らかにし、地域のまちづくりを推進するため、必要であれば、記載事項を策定主体の判断で追加することが認められております。
今回の都市計画区域マスタープランの変更に当たりましては、区市町村マスタープランとの整合性も確保できるよう、区市町村の意見を聞きながら十分調整を行い、取りまとめております。
○大島委員 区市町村の意見を聞いてつくるのでということなんですけれども、今回の改定を見ますと、これまで作成されていた多摩部では、十九の区域マスタープランがあったんですね。それから島しょ部、ここは六つの区域マスタープランがあって、区部と同様に、今回は多摩部、島しょ部というように、一体で策定することになりました。
都市計画運用指針では、複数の都市計画区域を対象とした一体の区域マスタープランの策定も考えられておりますが、その場合、複数の都市計画区域に共通する部分と異なる部分、つまり各都市計画区域のみに関する部分を明確に区分した構成とすることが望ましいとされているではありませんか。この点についてはいかがでしょうか。
○上野都市づくり政策部長 現行の都市計画区域マスタープランを策定いたしました当時は、都市計画区域ごとに策定することとされておりましたことから、多摩部、島しょ部は、原則市町村ごとに定められている都市計画区域ごとに策定したところでございます。
平成二十三年に、市街地が行政区域を越え連担している場合などにおきましては、複数の都市計画区域を対象とし、一体で策定することができるようになりました。そこで、多摩部及び島しょ部につきましては、土地利用や道路ネットワーク、景観などが都市計画区域を越えて形成されていることから、広域的な観点から一体的な都市づくりを推進するとともに、その全体像をわかりやすく示すため、今回、それぞれ一体のマスタープランとして策定することといたしました。
その上で、複数の都市計画区域に共通する事項といたしまして、東京が目指すべき将来像、主要な都市計画の決定の方針などを明らかにすると同時に、各区域の特性を明確にするため、区域区分の方針や特色ある地域の将来像につきましては、市町村を単位とする都市計画区域ごとに示すこととしております。
○大島委員 二〇一二年の四月一日から、用途地域の決定権については、二十三区は除外されておりますけど、市町村に移行されています。今回の改定の考え方では、市町村マスタープランが全体の都のマスタープランに拘束されることになり、各市町村の主体的なまちづくりは、一体性という言葉によって損なわれていくのではないか。地方分権の理念にも反するのではないかと考えます。
都市の将来像を都民の皆さんにわかりやすく示すことで、個別の都市計画に対する迅速な合意形成と円滑な実現を目指すと書いてありますが、主要な都市計画の決定の方針では、目指している都市の将来像の実現を図るために、区市町村マスタープランや個別の都市計画は都市計画区域マスタープランなどに即して定めるというようになっています。住民には非常にわかりづらい内容ですし、区市町村マスタープランが都のマスタープランに拘束されるために、都市計画への住民参加を制約することになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○上野都市づくり政策部長 先ほどもご答弁させていただきましたけれども、区市町村マスタープランにつきましては、広域的な都市計画との整合性を図るため、都道府県が定める都市計画区域マスタープランに即して定めることとされております。一方、区市町村マスタープランでは、より地域に密着した見地から、都市の将来像とその実現に向けての道筋を明らかにし、地域のまちづくりを推進するため、必要であれば記載事項を策定主体の判断で追加することが認められております。
今回の都市計画区域マスタープランの変更に当たりましても、区市町村マスタープランとの整合性も確保できるよう、区市町村の意見を聞きながら十分調整を行っておるところでございます。
○大島委員 今回の改定では、東京が目指すべき将来像として、環状メガロポリス構造の実現と集約型地域構造への再編、これを打ち出しています。環状メガロポリス構造の実現に向けては、国際的競争に勝ち抜くためには、業務機能の分散ではなく、多様な都市機能のさらなる集結、集積による強力なコアが必要だとして、均衡ある都市発展から、より強力な拠点育成による都市発展を展開し、センター・コア再生ゾーンの強化や、市街地における建築物の密度構成に関する方針では、都心、副都心、新拠点は、容積率七〇〇%から一三〇〇%の高密度とするとしています。これでは都心への一極集中をさらに加速することになるのではないでしょうか。
○上野都市づくり政策部長 さらなる国際競争力を備えた魅力ある首都へと再生していくためには、東京圏が一体となって、業務、産業、文化、居住、物流、防災など、多様な機能を分担しながら都市機能を発揮できる都市構造の実現が不可欠でございます。その中で、センター・コア再生ゾーンにおきましては、質の高い業務、商業を初め、多様な都市機能のさらなる集積、都市基盤のさらなる充実などを図るため、必要な密度構成に関します方針などを定めることとしております。
センター・コア以外の地域におきましても、周辺区部やその隣接市におきましては、生活機能が集積した誰もが暮らしやすいまちづくりや、木造住宅密集地域の安全性の確保、水と緑のネットワークの形成などを図ることとしております。
多摩地域におきましては、核都市などを中心に、拠点性の高いまちづくりを計画的に進めることによりまして、自立した圏域の形成を図ることとしております。
このように、東京におけるそれぞれの地域が地域特性に応じて魅力や活力などの向上を図れますよう、東京の都市づくりに引き続き取り組んでまいります。
○大島委員 センター・コアというような形で都心に集中して、高層ビルをどんどん建ててというこの考え方なんですけど、これは財界とか、それから大企業などが、いろいろな形で提案などもしているんですね。
そんな中で、伊藤滋さんの著書で「たたかう東京 東京計画二〇三〇+」というのを読みました。これを見ると、すごくよくわかるんですね。どういうことかというと、思い切った土地利用の高度化が必要だと。容積率を増加し、容積率二五〇〇%以上の象徴的な再開発のプロジェクトを展開する。また、用途混在地域を商業地域、これは容積率四〇〇%から五〇〇%に統一をして、日影規制は解消する。山手線内を全て防火地域に指定し、木造家屋をなくす。こういう構想が出されているんですけれども、こんなところに顕著にあらわれているのではないかと。
また、国家戦略特区に企業からさまざまな提案がされておりますが、これも幾つか見させていただきましたが、この考え方の中にも、こうした集中、集積、こういう考え方が顕著にあらわれています。
特に、四重の特区といわれておりますが、都市再生緊急整備地域、それに特定都市再生緊急整備地域、プラス、総合特区、国家戦略特区、こういう特区を重ねて、都市開発のあらゆる規制緩和の諸制度を活用していくと。これが今の全体の、これからの都市像を目指す方向性を示しているのではないかなというふうに思っています。
一方、集約型の地域構造への再編ではどうかというと、交通結節点などを中心に、市街地を集約型の地域構造へ再編し、地域に応じた拠点、これは中核拠点、生活拠点、生活中心地、これをつくるとしています。しかし、中核拠点などの形成育成方針、これを見ますと、都市開発諸制度を活用し、身近な圏域でも新たな開発と集中を強める、このことによって、なかなか動かない周辺のところの開発をどうやって動かしていくかの戦略ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○上野都市づくり政策部長 今回の都市計画区域マスタープランの変更におきましては、生活拠点におきましては、地域の特性に応じ、区市町村が定めることのできる地区計画等の活用によりまして、業務、文化、交流、医療福祉などの生活機能を集積し、幅広いサービスを提供できる広域的な中心性を備えた拠点を育成することとしております。また、より身近なコミュニティにおける生活中心地におきましても、地区計画等の活用により、住民の日常生活を支える商店や生活利便性を高めるコミュニティインフラなどを集積させまして、にぎわいと活力のある拠点の形成を図り、高齢者など誰もが暮らしやすいまちを実現することとしております。
○大島委員 今回の都市計画決定の方針では、豪雨対策とか震災対策などが加わり、強化されたということは、大変重要だなと思っております。しかし、なぜこれまで防災都市づくりは進まなかったのかというのを考えますと、やっぱり住み続けられないさまざまな要因が地域の衰退を招いていることにあるんだと考えられるんです。
真の防災都市づくりは、コミュニティ強化と一体となったまちづくりこそ必要です。巨大都市化を目指すということは、世界の温暖化対策の方向と矛盾する状況に進んでいくことでありますし、都市型災害の危険を増長し、防災と逆行する災害にもろい東京をつくり上げることになるのではないかと思います。
また一方、人口減少に向かう時代の都市計画ということも考えていくことが必要だと思います。人口が減って、同じ規模のまちを維持しようとすると、インフラ整備やサービスなどで一人当たりの経費がふえてしまいます。都市の成長をコントロールしていくということが必要ではないでしょうか。
○上野都市づくり政策部長 人口減少、少子高齢社会におきましては、市街地の拡大や都市機能の拡散により対処するのではなく、東京の市街地を集約型の地域構造に再編し、拠点間のネットワークを強化していくことが不可欠であると考えております。これによりまして、都市経営コストの効率化の要請に応えながら、都市の魅力と国際競争力の向上、快適な都市生活と機能的な都市活動の確保などを実現していく必要があると考えております。具体的には、既成市街地における拠点などを中心に、都市づくりを積極的に展開して、居住の集積を進めつつ、これに必要な都市機能を集約的に立地させたり再配置させることによりまして、都市のにぎわいや活力、利用圏人口の確保を通じた公共交通の維持、効率的な公共サービスの提供などの実現を図る必要があると考えております。
○大島委員 今、世界の先進大都市では、都市づくりをコントロールする成長管理の時代に入ったといわれているのに、これまでの都市の成長過程でつくられてきたまちづくり、都心に超高層ビルを乱立させて業務を集中し、業務機能のスプロール化をそのまま続け、さらに都心への一極集中を強めるという今回の提案は、認めるわけにはいきません。よって、今回提案の都市計画区域マスタープランには反対をいたします。
最後に、羽村駅西口土地区画整理事業について質問をさせていただきます。
今回の事業計画変更に関して、九百十二通の意見書の提出と、三百五十人の口頭陳述の申し立てがありました。口頭陳述の申し立ては、直接、都市計画審議会の委員さんの前ではできなかったということですが、職員による聞き取りの結果を口頭陳述録取書で、ここにもたくさんあるんですけど、報告されています。
二〇〇二年十二月に第百五十六回都市計画審議会というのが開かれまして、このときは事業計画案に対する意見書が一万一千三百通も寄せられまして、四百十名の方から口頭陳述の申し出がありました。そのときも今回と同様に、直接、都計審で口頭陳述をするのではなくて、職員の方が聴取して、二百二十三名の口頭陳述録取書で審査をするということでした。
しかし、そのとき、賛成の立場から、施行者の羽村市長と区画整理促進の土地権利者の会というところから都計審での意見陳述の申し出があったということで、都市計画審議会に諮られまして、その判断で直接口頭陳述ができたという事例がありました。通常、こんなことはないんですが、異例な事実なんですね。
先日、この羽村の区画整理の問題でいろいろ携わっている住民の皆さんとお会いいたしまして、ご意見を伺う機会があったんですけれども、この第百五十六回都市計画審議会の例があるので、口頭陳述の申し出を都市計画の会長さん宛てに要望すると、こういっておりました。こういった要望が出された場合、都としてはどのように対応するのか、お聞きいたします。
○上野都市づくり政策部長 仮に口頭陳述の要望が出された場合には、その内容を精査の上、適切に対応してまいります。
○大島委員 その要望については受け取っていただいて、精査をしてということではありますが、住民の要望ですから、都市計画審議会の会長さん宛てにはぜひ伝えていただきたいし、また、これは二〇〇二年十二月の審議会での先例があるわけですから、ぜひ審議会でも取り上げていただいて、口頭陳述が審議会委員の前で行えるようになることを、私は期待しています。
地元では、事業を進めるべきという声がある一方で、今でも事業そのものに反対という声も根強くあります。減歩率の減率の問題とか、清算金も払えないのではないかという不安、区画整理の必要性を感じないなどという反対の理由もさまざまありました。これらの問題を解決するためには、区画整理事業手法によるまちづくりをやめて、修復型のまちづくりに切りかえるべきだという主張もあります。
一九九六年の都市計画案策定の時期から今日に至るまで、多くの住民の反対の声が数多く寄せられています。長年にわたり住民の根強い反対の声が上がることについて、都はどのように受けとめているのか、お伺いをいたします。
○鈴木市街地整備部長 平成十四年当時、当初の事業計画案に対しましては、約一万一千通に及ぶ意見書が提出されまして、そのうち九割が賛成、一割が反対の意見でございました。
そのような状況の中、同年開催の都市計画審議会におきまして、事業の実施に当たっては、関係住民の皆様にさらに十分説明を行い円滑な施行を図ることとの附帯意見を付しまして、事業計画の決定に至りました。そのため、それ以降も羽村市は丁寧な住民対応を行ってきております。
地元の皆様からのご意見としましては、事業計画変更に関することのほか、換地や清算金などについてさまざまなご意見が多数寄せられておりますが、これまで羽村市におきましては、熱心でかつ丁寧な合意形成の取り組みを行ってきておりまして、都としましても、本事業が円滑に推進するよう後押ししてまいります。
○大島委員 平成十四年の都市計画審議会において、事業の実施に当たっては関係住民にさらに十分説明を行い、円滑な施行を図ることという附帯決議がついたということも、大変異例なことですよね。これに基づいて、さまざまに住民に対応してきたということで、ご答弁がありましたけれども、意見書の内容を見てみますと、換地設計についてもさまざまな意見が出されておりますが、どうも理解と納得が得られていないように見受けられます。このまま事業を進めていってよいのかと思うんですが、都の見解を伺います。
○鈴木市街地整備部長 先ほどもご答弁申し上げましたが、本事業の施行者であります羽村市は、これまでも円滑に事業を進めるため、関係住民の皆様の合意形成を図りながら事業を進めてきております。特に、副委員長ご指摘の換地設計につきましては、平成二十年に第一次換地設計案を提示し、関係住民の皆様の意見や要望を取り入れ、第二次換地設計案を作成した後に、さらにご意見、ご要望を伺いまして修正を加えるなど、関係住民の皆様の意向に可能な限り配慮して案を作成するとともに、土地区画整理審議会におきましても丁寧な審議を重ね、決定に至っております。
このように、羽村市は換地設計の決定に当たりまして、平成十四年の意見書審査での附帯意見である事業の実施に当たっては、関係住民にさらに十分説明を行い、円滑な施行を図ることを踏まえまして、丁寧な住民対応を図りながら事業を進めてきていると都は認識しておりまして、引き続き本事業を支援してまいります。
○大島委員 この事業施行期間というのが二〇〇三年度から二〇二一年度までということで、この区画整理事業を行うに当たっての資金計画について不安の声も多数あると聞いています。市費の投入は、この資金計画、今回出ていますけど、これを見ますと、最高で年間五十九億円余となる年度があるんですね。市の年間予算を聞きましたら、約二百億円。この二五%も投入するという計画では、本当に住民の皆さん、不安に思っちゃうと思うんですが、こうした資金計画について都の見解をお伺いいたします。
○鈴木市街地整備部長 羽村市では、これまで羽村神明台地区、羽村富士見平地区及び羽村小作台地区など、区画整理によるまちづくりに積極的に取り組むことで、市民の皆様にとって安全で住みやすい市街地の形成を進めるとともに、産業立地の誘導に努めてまいりました。一方、こうした多様なまちづくりを進めるために、本地区では、既に予定されている国等の補助金に加えまして、住宅市街地総合整備事業などの補助制度の活用も検討しております。また、これとあわせまして、換地設計の決定に伴い、現在、具体の移転や工事の進め方につきまして検討を行い、今後、この検討結果に合わせ、事業の施行期間や資金計画を見直す予定でございます。
こうした努力を重ねながら、羽村市では着実なまちづくりの推進に取り組んでいるところでございます。
○大島委員 今回のこの意見書とか口頭陳述の録取書、本当にすごいと思うんですね、これ、重いくらいにたくさんありました。読み切れないですよ。
この事業の進行について、住民合意がまだまだとれていないんだなということがますます明らかになるような中身でした。環境を破壊し、住民や市民を苦しめる事業はやめるべきだ、上下水道も完備している閑静な住宅地を破壊し、ほとんどの家屋を移転させ、並べかえるという、無駄で無謀な事業だなど、事業のあり方そのものに反対する意見が数多く述べられていました。また、来る当てもないモノレール誘致のために四十メーター幅の道路建設はおかしいなど、都市計画のあり方に反対する意見、住民を無視して進めるやり方は人権侵害で、多くの住民が反対している、住民への十分な説明は行われていないなど、事業の進め方に疑問を呈する意見も多く述べられています。清算金に関する疑問、移転補償に関する問題など、多くが指摘されています。
これらは、以前から住民から出されてきた声でもありますが、それが解決せず、大きな疑問、不満として今でも残っているということが、これらの資料から明らかとなりました。事業の資金計画に対する疑問の声、施行期間に関する疑問などなど、数多くの市民が意見書を出し合い、そして口頭陳述を行ったということは、数多くの住民の支持を受けて熱心な反対運動が今でも続いていることのあらわれであり、今後、羽村市が事業を進めようとしても、この区画整理、なかなかスムーズな進展というのは到底望めないだろうなということを感じさせられました。
本事業計画は見直すべきであることを述べまして、私からの質問を終わります。
○尾崎委員 私からは、足立区の西新井駅西口周辺地区防災街区整備地区計画の中の補助一三八号線について、一言意見を申し上げます。
この補助一三八号線は、木密地域である西新井駅西口周辺、関原、梅田地区中心部を東西に横断するものであります。今回の計画区間の東側は既に立派な道路として完成し、供用されております。西側は、全ての家屋の立ち退き、また撤去も終わり、あとは整備を待つだけであります。この間に挟まれた部分は、全くの手つかずであります。
この道路は、再開発により大きく発展した西新井駅西口と、隣の梅島駅や五反野駅を結ぶ大切な道路であります。しかし、今は木密地域の中を通る、対向車がすれ違うのも大変な細い道しか存在せず、交通安全という観点でも危惧されております。防災のみならず、日常生活を送る上でも、近隣住民が早期開通を望んでおります。
ぜひ一日でも早い開通ができるようお願いをして、意見といたします。
○木村委員 羽村駅西口土地区画整理事業の事業計画変更に伴う意見書の審査に関して、幾つか確認させてください。
十一月の都市計画審議会で審査の対象となっている意見書は、羽村駅西口の土地区画整理事業の事業計画変更案に対するものだということですが、まず、今回の事業計画変更の内容について伺います。
○鈴木市街地整備部長 羽村駅西口土地区画整理事業の今回の事業計画変更でございますが、平成二十年に第一次換地設計案を提示し、関係住民の皆様の意見や要望を取り入れまして、第二次換地設計案を作成した後、さらにご意見、ご要望を伺いまして修正を加えるなど、関係住民の皆様のご意向に可能な限り配慮して案を作成してまいりました。土地区画整理審議会におきましても丁寧な審議を重ねまして、羽村市が平成二十五年八月に換地設計を決定したことに伴いまして、道路の新設、変更及び公園緑地の位置、形状の変更が必要となったことから、事業計画の変更を行うものでございます。また、これら公共施設整備計画の変更に伴いまして、資金計画の見直しも行うものでございます。
○木村委員 今回の事業計画変更の内容が、換地設計の決定に伴う公共施設の変更や資金計画の変更などであることはよくわかりました。
次に、羽村駅西口地区は、平成十四年三月に当初の事業計画案の縦覧が行われ、約一万一千通に及ぶ意見書の提出があり、そのうち賛成意見が九割にまで達し、約一万通ということでした。このような状況の中、当時の都市計画審議会では、事業の実施に当たっては、関係住民にさらに十分説明を行い、円滑な施行を行うこと、そういう附帯意見が提出され、平成十五年四月に事業計画を決定しています。しかしながら、今回の事業計画変更案の縦覧に伴う意見書は九百十二通、五百三十九名から提出され、口頭陳述の申し立てが五百九十一通、三百五十名となっており、いまだ反対の意見があります。
そこで伺いたいのですが、今回の事業計画変更のもととなる換地設計の決定に至るまでに、施行者である羽村市はどのような住民対応を行ってきたのでしょうか。
○鈴木市街地整備部長 施行者である羽村市は、平成十五年の事業計画決定以降も、都市計画審議会での附帯意見を踏まえまして、円滑に事業を進めるため、関係住民の皆様の合意形成を図るべく、区画整理事業に関する説明会や意見交換会をそれぞれ二十回以上、重ねてきております。また、平成十六年三月には、地元の権利者の皆様などから成る土地区画整理審議会を立ち上げまして、換地に関する基準等の審議を開始し、平成二十年に第一次換地設計案を提示し、関係住民の皆様の意見や要望を取り入れ、第二次換地設計案を作成いたしました。その後、さらにご意見、ご要望を伺って修正を加えるなど、関係住民の皆様のご意向に可能な限り配慮して案を作成するとともに、五年間の間に四十九回の土地区画整理審議会での丁寧な審議を積み重ねまして、平成二十五年八月に換地設計を決定するに至っております。
都としましては、ただいまご説明しましたとおり、羽村市は事業計画決定以降、意見書審査での附帯意見を踏まえまして、きめ細かな住民対応を図りながらこれまで事業を進めてきていると認識してございます。
○木村委員 わかりました。ありがとうございます。
最後に、私から本件に対する意見を述べさせていただきます。
今、伺ったところでは、今でも事業に反対する人がいるということは事実であります。とはいうものの、これまでの羽村市の対応を考えれば、当初、事業計画決定時の意見審査での附帯意見に配慮しているし、時間をかけて丁寧な住民対応を行ってきたと思います。また、今回の事業計画変更は、可能な限り住民の意向を踏まえて決定した換地設計に整合させるためのもので、必要な手続です。
よって、今後この事業を円滑に推進すべきであると申し上げて、私の質問を終わります。
○白石委員 私からも何点か質問させていただきます。
まず初めに、丸の内三丁目十地区の件について質問させていただきます。
丸の内三丁目十地区の開発では、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、都市再生特別地区を変更すると、このようにしています。まず、エネルギーネットワークと地下歩行者ネットワークの整備、国際競争力を図る国際交流機能の充実、防災対応能力強化と環境負荷低減の、三つの都市再生への貢献として、容積率を一三〇〇%から、一五〇〇%に緩和するというふうに資料でも書かれていますが、これにかかわり幾つか質問させていただきます。
今回の開発により新たに整備される地下通路の歩行者交通量はどの程度か、伺います。
○小野景観・プロジェクト担当部長 今回、新たに整備します地下通路の歩行者交通量は、平日一日当たり約四万三千九百人を想定しております。ピーク時間当たりでは約五千九百人となりますが、地下通路の幅員も十分であり、自由な歩行に 全く支障のないサービス水準、Aレベルを確保しております。なお、都庁に近い新宿西口地下歩道など、既存の地下通路と比べましても、ゆとりのある高い水準となっております。
○白石委員 資料を見ても、今、答弁でもありましたけれども、歩行者の交通量の増加は一日二万七千二百七十人と予測をしています。地下通路は、この歩行者の増加分がそのまま加わるという関係ではありませんけれども、今、答弁でもあったように四万三千九百人が歩行することが予測をされているという中で、歩行者が、ピーク時間では一時間当たり五千九百人が通行するということになります。
では、開発により歩行者が増大をしますが、災害時の地下通路の安全性はどうなっているのか、伺います。
○小野景観・プロジェクト担当部長 地下通路につきましては、高い耐震性を確保しますとともに、明快な空間構成やサイン計画などにより、自分の位置と避難経路を認識しやすくする工夫をいたします。また、仮に地震などで電力が停止した場合におきましても、非常用電源を供給して照明、空調などを維持し、歩行者の安全性を確保いたします。大雨による洪水に対しましては、地下通路に防水扉を設置し、水の浸入を防ぐとともに、非常用発電設備を浸水のおそれのない三階に設置することで、災害時においても自立、安定的なエネルギー供給に万全を期すこととしております。
なお、都市再生特別地区を活用する開発では、提案者などが詳細な防災計画を策定し、歩行者の避難誘導が安全かつ円滑に行われるよう取り組むことになっており、さらに大手町、丸の内、有楽町地区では、法に基づく安全確保計画を今年度策定し、今後、警察や消防、地元協議会などとの連携による防災訓練や啓発イベントなどを総合的かつ継続的に実施していくことで、地区全体の防災性の向上を図ることとしております。
○白石委員 災害時、地下のような閉ざされた空間で、先ほどいろいろ防災計画があったりというふうな答弁もありましたけれども、閉ざされた空間では、地震があった場合とかでは、早く地上に出ようと歩行者がパニックに陥るという、そういうような被害が拡大することも懸念されます。
また、地下のネットワークをどんどん広げていくのは、新たな危険性を増すという声も出ています。先日もありましたが、記録的な集中豪雨なども、現在ふえています。地下への浸水などの対策もとっているというふうにいっておりますが、この間、本当に予想以上の記録的な集中豪雨もある中で、危険性が増しているという中で、地下のネットワークをどんどん広げていくと、歩行者など交通のところでも多くの人たちが流入してくるというところで、本当に一極集中になってしまうというふうな問題を指摘しておきたいというふうに思います。
災害時に問題のある地下通路整備を公共貢献として評価をして、さらに歩行者の増大を招くような容積率の緩和は、先ほどもいいましたけれども、新たな危険性を生み出すというふうに思います。また、一極集中もさらに加速することにつながります。
容積率評価について、都の考え方を伺いたいと思います。
○小野景観・プロジェクト担当部長 今回整備します地下通路は、東京都、千代田区、地権者などで作成された大手町・丸の内・有楽町地区まちづくりガイドラインに基づき、JR京葉線東京駅と地下鉄三田線日比谷駅、千代田線二重橋前駅をつなぐもので、地区全体の回遊性を高める地下歩行者ネットワークの形成に大きく貢献し、災害時におきましても、先ほどご答弁したように、安全な計画となっております。
容積率の緩和についてでございますが、ただいまご説明しました地下歩行者ネットワークの整備のほか、災害時の中枢業務機能の継続を図り、周辺を含む防災施設への電力、熱供給を図るための自立分散型エネルギーシステムの構築、ホール、バンケットの整備など国際会議の受け入れ機能のさらなる充実による国際競争力の強化、洞道整備による地域冷暖房施設のネットワーク構築による環境負荷低減などの取り組みを、都市再生による公共的な貢献として適切に評価しており、妥当なものと判断しております。
○白石委員 我が党も、さきの第二回定例会の代表質問で、日本建築学会や日本学術会議が、豊かな公共空間や緑地を確保するためには環境容量を超えた行き過ぎた開発を抑えなければいけない、これまでの産業経済の発展に偏った政策から脱皮して、生活の質の確保を目標とする方向に大きな政策転換をする時期に来ているという声明や提言を発表したことを紹介しました。
先ほども、私は防災の問題でもいいましたけれども、この代表質問で舛添知事の受けとめをただしたところ、これに対して知事は、地域の特性を踏まえた安全・安心で快適に暮らせる都市づくりを進めてきたと、また、引き続き生活の質を重視した、こうした取り組みを進めることで、住み心地のよい、さらに成熟した都市に東京をつくりかえてまいりますと、このようにいいましたが、実質的には、進めているのは、建築学会や学術会議が警告を唱えている、容量を超えた行き過ぎた開発、そして産業経済の発展に偏った政策ではないでしょうか。そうした都政のあらわれとして、今回の超高層ビル建築におけるさらなる容積率の緩和については、異議を申し述べておきたいと思います。
次に、防災街区整備方針の質問をさせていただきたいと思います。
この防災街区整備方針は、防災上危険性の高い木造住宅密集地域について、計画的な再開発または開発整備により、延焼防止機能及び避難機能の確保と土地の合理的かつ健全な利用が図られる防災街区の整備を促進し、安全で安心して住めるまちとして再生を図るために策定するものというふうに書かれて、目的が記されていますが、そこでまず確認の意味で質問させていただきます。
防災再開発促進地区に指定されることによって、その地区内に住んでいる住民が合意がなくても強制的に立ち退きを迫られるような、法的な強制力が働くことがあるのか、伺いたいと思います。
○佐々木防災都市づくり担当部長 防災再開発促進地区は、防災まちづくりを進めるための方針として、防災街区整備地区計画など個別の都市計画を定めるなどの際に、その内容を誘導するものであり、直接、直ちに住民の権利に影響を及ぼすものではございません。
○白石委員 続いての質問ですけれども、防災公共施設とは、道路や公園など延焼防止機能及び避難機能を確保するための施設と明記されていますが、新規で指定された防災公共施設は、道路と公園それぞれ幾つあるか、具体的に伺いたいと思います。
○佐々木防災都市づくり担当部長 今回、防災公共施設に新規指定いたしました道路は、特定整備路線を初めとする都市計画道路や主要生活道路など八十七カ所、それから公園につきましては一カ所でございます。これらの防災公共施設は、地震が発生した場合、市街地火災の延焼を遮断する効果を発揮するとともに、避難や緊急輸送の役割を担う防災上有効な公共施設でございまして、今後、整備を図るべきものを中心に、地域の実情に即し、指定しているところでございます。
○白石委員 この防災街区整備方針は、防災再開発促進地区を指定するけれども、地区を指定したからといって、建築物に関する制限がかかるとか、強制力がさらに強くなるということではないというふうなことですね。具体的な整備の手法はそれぞれの地域で決めているというふうな関係性になると思います。
そのもとで、それぞれの地域に意見を私も聞きました。どんな意見が出されているかというと、不燃化特区指定により、老朽家屋の除却費補助や戸建て建てかえ促進助成が出るので、地域住民にもメリットが大きいというような意見であったりとか、住民合意がとられている道路計画の地域からは賛成の意見が出されていました。しかしながら、住民の合意がとれていない、住民追い出し型の道路計画がある地域からは、強い反対の声が上がっています。また、先ほど答弁ありましたが、防災公共施設はほとんどが道路計画となっており、公園の増設などをもっと入れてほしいという意見も出されています。
この防災公共施設に新規で追加されたものは八十八カ所、そのうち八十七カ所は道路であり、公園はわずか一カ所というふうになります。変更前から変更後で、防災公共施設は合わせると二百三十三カ所が指定されたことになります。そのうち、公園はわずか十カ所にすぎません。防災のための公共施設づくりは、道路は頑張るけれども公園には力が入っていないということになっていないかという懸念も、述べておきたいというふうに思います。
私が特に今回、問題だというふうに思っているのが、延焼遮断帯などを名目とした特定整備路線が防災公共施設に軒並み加えられているということです。特定整備路線は、地元地域から、立ち退きによるコミュニティや商店街の破壊、巨額の税金投入に疑義が唱えられています。安全性が向上するか客観的な検証もされていない中、十分な説明も行われていないという問題点を抱えた路線が少なくありません。
その中で、特定整備路線だからと防災公共施設に組み入れるのは拙速であり、今回の防災街区整備方針には問題点が含まれているということを指摘し、次の質問に移っていきたいというふうに思います。
都市高速道路一号線並びに都市高速道路湾岸線の都市計画道路の変更について、質問を何点かさせていただきたいと思います。
首都高速道路のネットワーク機能を維持するとともに、構造物の安全性を確保するための変更というふうなことに、今回なっているところです。都市計画変更となる部分は、開通から五十年が経過して、私も見に行きましたけれども、そして、テレビでも結構流れたところなんですが、コンクリートの剥離とか、鉄筋の腐食、潮風とか塩水による、そういうふうな腐食も、今、目立っているところです。これをつくり変えるというふうな計画になっています。
また、東京モノレールが高速道路から一番近いところで六十センチ程度しか離れていないということもあるため、工事ができないというふうな状況で、モノレールとの距離も同時にとる計画となっています。そのため、陸地側に約五メートルぐらい寄せる計画となっているのが、今回の計画です。
山梨県の笹子トンネルでは、つり天井が突然崩落して、九人の命が奪われました。首都高速が開通から五十年が経過し、老朽化により破損や劣化、耐震性などに、大規模な修繕など、安全・安心をどう守るのかと。首都高の修繕は、切迫する首都直下地震から安全を確保するためにも必要なものだというふうに考えます。
そこで、ことしの六月二十七日と二十九日に、都の都市計画変更素案の説明会が、住民に対して行われました。その住民説明会に出られた住民の方から、どのような声が住民説明会で出たか、伺いたいと思います。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 首都高速一号線の東品川桟橋、鮫洲埋立部の更新に伴う都市計画変更素案の説明会は、先ほどお話がありましたとおり、本年六月下旬に二回開催してございます。その際の質疑応答では、工事説明会の時期や工事の期間、構造物の高さなどの質問や、デザインに配慮してほしい、騒音対策をしっかり行ってほしいなどの要望をいただいてございます。
○白石委員 素案説明会では、眺望や騒音の問題などが出たということですが、ここ、私の地元でもありますので、私が地元で聞く中においても、同様の声が上がっています。
例えば、今まで景色がよかったが、この計画によって家の前が道路になってしまうという、マンションの方からの声がありました。これが眺望の問題ですね。
それから、子育て中のお父さんやお母さんからも声を聞きました。道路がさらに家の近くになれば、騒音で子育てが大変になるのではないかという、騒音の問題の不安の声も上がっています。
また、道路ができたときのイメージをもっとわかりやすく説明してほしいなど、住民にわかりやすく、丁寧に説明をしてほしいという声も同時に上がっているのが、今の現状です。
そこで、今後、イメージパースなどを用いて、住民がより将来の形をイメージできるようにしてほしいと思っています。また、工事に着手するとなると、仮設の道路をつくって、交通を切りかえながら工事を進めるというふうになっていくと思います。仮設の道路は、陸地側にさらに近づくこともあり、騒音について遮音壁などの具体的な対策をとってほしいという声もあります。首都高速道路の安全と安心を確保していくためにも、大規模更新は必要な事業であり、その事業を円滑に進めるためにも、こうした地域の住民の不安の声に応えていく必要があるというふうに思います。
そこで、事業主体である首都高速会社が迅速に対応するように促すためにも、東京都が住民説明会で出た声などもしっかりと意見を伝えていくべきだというふうに考えますが、いかがですか。
○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 都は、素案説明会におきまして、現時点でお示しすることのできる情報を用いて、地元の方々に説明してございます。今後、計画を具体化していく中で、適切に対応してまいります。
○白石委員 適切に対応していくということなので、この住民の声もしっかりと伝えていくということだと思います。都からも首都高速会社に住民の意見を伝えていただきたいと、再度、私からも要望しておきます。
住民の不安を解消するため、現状では説明不足だといわざるを得ません。住民の方も、実は実際、きょう大きくはして--手持ちの資料で見えないと思うんですけれども、写真を撮って、自分たちで線を引いて、どのようになるかということも、住民の方、実際自分たちでもやっているんですけれども、やはり正確な情報を知りたいと。これをつくられたら、先ほど子育て中のお父さんやお母さんの子育ての問題も出ましたし、そういう中で、具体的にイメージパースや立体図などを用いて、地域住民がイメージできるように、丁寧な説明をしていくこと、それから、仮設道路での周辺住民の影響を最小限にしていくためにも、都としてもしっかりと住民の声に耳を傾けて、この事業主体である首都高速会社にもしっかりと要望も伝えていってもらいたいということを最後に強く求めまして、以上で質問を終わります。
○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斉藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時二十二分散会
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.