都市整備委員会速記録第八号

平成二十五年九月十七日(火曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長斉藤あつし君
副委員長神林  茂君
副委員長大島よしえ君
理事加藤 雅之君
理事秋田 一郎君
理事立石 晴康君
石川 良一君
白石たみお君
島崎 義司君
吉倉 正美君
中山 信行君
木村 基成君
北久保眞道君
尾崎 大介君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務藤井 寛行君
次長中嶋 正宏君
技監安井 順一君
理事櫻井  務君
理事佐野 克彦君
総務部長浅川 英夫君
都市づくり政策部長永島 恵子君
住宅政策推進部長細渕 順一君
都市基盤部長西倉 鉄也君
市街地整備部長鈴木 昭利君
市街地建築部長久保田浩二君
企画担当部長福田  至君
連絡調整担当部長黒川  亨君
景観・プロジェクト担当部長小野 幹雄君
まちづくり推進担当部長佐藤  匡君
住宅政策担当部長加藤  永君
民間住宅施策推進担当部長山崎 弘人君
地下鉄改革担当部長牧野 和宏君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務山下 幸俊君
防災都市づくり担当部長佐藤 伸朗君
多摩ニュータウン事業担当部長太田 誠一君
耐震化推進担当部長佐藤 千佳君
経営改革担当部長桜井 政人君
再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務小野寺弘樹君
営繕担当部長妹尾 高行君

本日の会議に付した事件
都市整備局関係
事務事業について(説明)
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見について
報告事項
・私債権の放棄について(説明)
・「地震に関する地域危険度測定調査(第七回)」の公表について(説明)
・第二百二回東京都都市計画審議会付議予定案件について(説明・質疑)

○斉藤委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、議席について申し上げます。
 本件は、過日の委員会で理事会にご一任をいただきましたが、協議の結果、ただいまご着席のとおりとなりましたので、ご了承願います。

○斉藤委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせを行いましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の事務事業及び第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに報告事項の聴取を行います。
 なお、報告事項、第二百二回東京都都市計画審議会付議予定案件についてにつきましては、本日は説明を聴取した後、質疑を終了まで行い、提出予定案件及び私債権の放棄について外一件の報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行います。また、事務事業につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いますので、ご了承願います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、東京都技監都市整備局長兼務から挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○藤井東京都技監 東京都技監の藤井寛行でございます。都市整備局長及び技監を兼務しております。
 斉藤委員長を初め委員の皆様方には、当局の事務事業につきまして、日ごろからご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
 都市整備局といたしましては、今後とも事務事業の適切かつ円滑な運営を図るとともに、安全で快適な都市づくりを進めるために、一層の努力をいたす所存でございます。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、お手元の理事者名簿に従いまして、当局の幹部職員をご紹介いたします。
 次長の中嶋正宏でございます。技監の安井順一でございます。住宅担当理事の櫻井務でございます。航空政策・交通基盤整備・地下鉄改革担当理事の佐野克彦でございます。総務部長の浅川英夫でございます。都市づくり政策部長の永島恵子でございます。住宅政策推進部長の細渕順一でございます。都市基盤部長の西倉鉄也でございます。市街地整備部長の鈴木昭利でございます。市街地建築部長の久保田浩二でございます。都営住宅経営部長の上野雄一でございます。企画担当部長の福田至でございます。連絡調整担当部長の黒川亨でございます。景観・プロジェクト担当部長の小野幹雄でございます。まちづくり推進担当部長の佐藤匡でございます。住宅政策担当部長の加藤永でございます。民間住宅施策推進担当部長の山崎弘人でございます。地下鉄改革担当部長の牧野和宏でございます。航空政策担当部長で外かく環状道路担当部長を兼務しております山下幸俊でございます。防災都市づくり担当部長の佐藤伸朗でございます。多摩ニュータウン事業担当部長の太田誠一でございます。耐震化推進担当部長の佐藤千佳でございます。経営改革担当部長の桜井政人でございます。再編利活用推進担当部長で建設推進担当部長を兼務しております小野寺弘樹でございます。営繕担当部長の妹尾高行でございます。当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の木村健治でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○斉藤委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○斉藤委員長 次に、事務事業について理事者の説明を求めます。

○藤井東京都技監 都市整備局の主要事業の概要につきまして、お手元に配布しております資料1によりご説明申し上げます。
 一ページをお開きください。
 東京は、首都として、日本の成長エンジンの役割を果たしてまいりました。
 近年の国際的な都市間競争に勝ち抜くため、今後、さらに風格と魅力を備えた二十一世紀にふさわしい首都東京のまちづくりを進めていく必要があります。
 さらに、東日本大震災を教訓にした新たな課題に的確に対応し、東京を高度な防災性を備えた都市につくり変え、世界に誇れる安全・安心な都市を実現する取り組みを進めてまいります。
 また、こうした都市づくりの取り組みを着実に進めていくことが、先般開催が決定した二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを確実に実施することにもつながるものと考えます。
 事業の推進に当たっては、計画部門と事業実施部門とが一体となった組織の特性を十分に生かし、総合力を発揮して取り組んでまいります。
 続きまして、当局が所管する六つの施策の取り組みについてご説明申し上げます。
 二ページをお開きください。1の高度な防災都市づくりでございます。
 まず、木造住宅密集地域の整備につきましては、都民の生命と東京の都市機能を守るため、防災上の最大の弱点である木密地域の改善を一段と加速させる必要があります。このことから、木密地域不燃化十年プロジェクトにおいて、集中的、重点的に改善を図るべき地区を、区からの提案に基づき、都が不燃化特区に指定し、不燃化を強力に推進してまいります。既に十二地区で事業を実施し、現在、新規実施地区の募集を行っており、不燃化特区のさらなる拡大を図ってまいります。
 また、市街地の延焼を遮断し、避難や救援活動の空間ともなる特定整備路線二十八区間のうち、都市整備局ではまちづくりと一体となって行う五区間を所管し、道路整備を積極的に推進してまいります。
 建築物の耐震化の推進につきましては、東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例に基づき、耐震診断の義務づけが昨年四月に施行されました。
 耐震診断が義務化された建築物につきまして、引き続き、区市町村や関係団体などと連携し、個別訪問を行うなど所有者に対して耐震診断の早期実施を強く促してまいります。
 耐震診断が完了した建築物につきましては、今年度から開始した耐震改修に向けたさまざまな相談に対応する耐震化アドバイザーの無料派遣により、きめ細かい支援を実施するなど、耐震化に向けて積極的に取り組んでまいります。
 また、東京都耐震改修促進計画に基づき、区市町村とも連携して、住宅、建築物の耐震化を総合的に進めてまいります。
 三ページをごらんください。
 建築物の液状化対策につきましては、本年三月に、都民への普及啓発を図るため、液状化による建物被害に備えるための手引を策定するとともに、五月から区市などと連携し、液状化の可能性の有無の判断ができるよう過去の地形図などの資料の閲覧を開始いたしました。また、液状化対策を検討する初期段階におきまして、必要な情報の提供やアドバイスを行う東京都液状化対策アドバイザー制度を創設し、本年六月から相談を開始いたしました。
 長周期地震動対策につきましては、建物の特性に適した補強方法の事例などについて、超高層建築物の所有者などへ的確な情報提供を行うなどの取り組みを進めてまいります。
 総合的な治水対策の推進につきましては、近年の局所的豪雨による浸水被害を軽減するため、緊急豪雨対策に基づき、都営住宅などにおける一時貯留施設の設置や新宿駅東口地下街など大規模地下街における浸水対策計画の策定など、豪雨対策を積極的に推進してまいります。
 都市開発の機会を捉えた防災都市づくりの推進につきましては、都市開発諸制度を適用する大規模開発におきまして、防災備蓄倉庫や帰宅困難者の一時滞在施設の整備を誘導するなど、都市開発の機会を捉えて防災都市づくりを推進してまいります。
 五ページをごらんください。2の都市の再生と質の高いまちづくりでございます。
 まず、拠点整備の推進につきましては、昨年一月に特定都市再生緊急整備地域として、東京都心・臨海地域や品川駅・田町駅周辺地域、渋谷駅周辺地域など四地域が指定されました。引き続き、国際競争力の強化に向けて、大手町・丸の内・有楽町地区などにおきまして、東京の活力を高め、新しい魅力を創造する都市再生を積極的に推進してまいります。
 多摩ニュータウンにつきましては、核都市として複合的な都市機能を備えたまちづくりを進めるとともに、時代の変化により生じた課題に対しましても、地元市などと連携した取り組みを進めてまいります。
 民間活力を生かしたまちづくりプロジェクトの推進につきましては、竹芝地区、渋谷地区などにおきまして、引き続き都有地を有効に活用したプロジェクトを推進してまいります。
 市街地整備事業の推進につきましては、質の高い市街地の形成を目指して、環状第二号線新橋・虎ノ門地区などの都施行の事業や道路整備と一体的に進める沿道まちづくりなどを着実に推進してまいります。
 六ページをごらんください。3の首都東京を支える都市基盤の整備でございます。
 まず、三環状道路の整備促進につきましては、東京外かく環状道路のうち、昨年九月に工事着手した関越道から東名高速までの区間につきましては、国及び高速道路会社に対して二〇二〇年早期に開通するよう求めてまいります。
 また、東名高速から湾岸道路までの区間につきましては、計画の早期具体化に向け、国や関係機関による協議会の早期開催を国に強く求めてまいります。
 都市計画道路の整備につきましては、都内の都市計画道路は、いまだ六割程度の整備率であり、区部環状道路や多摩南北道路などの整備を推進してまいります。
 また、現行の第三次事業化計画以降を見据えた新たな都市計画道路の整備方針の調査検討を進めてまいります。
 鉄道、新交通システムの整備につきましては、地下鉄の利便性向上を図るため、本年三月、九段下駅の壁の撤去や乗りかえ駅の追加指定、改札通過サービスなどが実施されました。今後も利用者の視点に立ち、都営地下鉄と東京メトロのサービス改善、一体化の推進に取り組んでまいります。
 また、鉄道のさらなる利便性向上のため、京急蒲田駅の改良による空港アクセスの改善、渋谷駅などターミナル駅の再編整備を進めるほか、京王線新宿駅におきまして、ホーム柵設置費補助を試行的に行うなどバリアフリー化も推進してまいります。
 さらに、踏切問題の早期解決を図るため、JR南武線稲田堤-府中本町間など八路線九カ所で連続立体交差事業を実施しており、また、区施行の連続立体交差事業につきましても、東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近などに対して補助を行ってまいります。
 七ページをごらんください。
 航空政策の推進につきましては、平成二十五年度末に、羽田空港の国際線の発着枠が昼間三万回から六万回に拡大され、欧米や長距離アジア路線なども含め、高需要路線及びビジネス路線が充実される予定です。
 羽田空港の機能強化とさらなる国際化を図るため、国際線旅客ターミナル拡張事業の着実な推進やC滑走路延伸の早期供用開始、さらなる容量拡大策の検討などにつきまして、引き続き国に働きかけてまいります。
 物流対策の推進につきましては、総合物流ビジョンに基づき、繁華街における物流効率化などに関係各局などと連携し取り組んでまいります。
 八ページをごらんください。4の快適な都市環境の整備でございます。
 まず、緑豊かな都市の形成につきましては、水と緑のネットワークを形成するとともに、東京の防災機能の強化を図るため、都市計画公園・緑地の整備方針に基づき、公園、緑地の計画的な整備を推進します。あわせて、センター・コア・エリア内の未整備の都市計画公園、緑地につきまして、民間開発により緑地を確保する新たな仕組みにより、公園機能の早期発現を図ってまいります。
 良好な景観の形成につきましては、皇居周辺地域の景観誘導など、東京都景観計画に基づき、良好な景観形成に向けて引き続き取り組んでまいります。また、歴史的建造物などの保存や活用に努めるなど、魅力ある景観の形成を図ります。
 低炭素型都市づくりの推進につきましては、大規模開発など都市更新の機会を捉えて低炭素型の都市づくりを推進するため、都市開発諸制度の適用におきまして、一定の環境性能を条件化するなど、カーボンマイナスに積極的に取り組んでまいります。
 九ページをごらんください。5の住宅施策の推進でございます。
 まず、民間住宅施策の推進につきましては、少子高齢社会対応として、高齢者向けケアつき住まいや子育て世帯向け賃貸住宅の供給を促進していくほか、既存住宅の流通活性化や都民が安心して不動産を取引できるよう、法に基づく指導監督や普及啓発にも取り組んでまいります。
 また、分譲マンションにつきましては、引き続きマンション啓発隊を派遣し、耐震化促進に向けた取り組みを強化するとともに、管理組合などによる適切な維持管理や建てかえの円滑化を推進します。
 都営住宅の供給につきましては、高齢者世帯への供給はもとより、期限つき入居や優遇抽せんの実施などによる子育て世帯の居住支援など、真に住宅に困窮している都民への公平かつ的確な供給を進めています。
 また、都営住宅が都民共有の住宅セーフティーネットとして一層有効に機能するよう、管理制度の改革に取り組んでまいります。
 さらに、都営住宅の建てかえ事業の推進や耐震化、計画的な修繕の実施などにより、約二十六万戸のストックの維持更新を適切に進めるとともに、敷地の有効利用により創出された用地を活用し、地域のまちづくりや都市再生に寄与してまいります。
 一〇ページをごらんください。建築行政と開発規制でございます。
 建築物の安全性の向上を図るため、確認、検査はもとより、定期報告制度を確実に実施するなど、建築規制の実効性の確保に努めます。
 また、民間の宅地開発につきましては、良好かつ安全な市街地の形成、無秩序な市街化の防止などを図るため、都市計画法などに基づいて適切に指導監督を行ってまいります。
 これまで申し述べました事業に、局全体が一丸となって取り組むことによりまして、首都東京の安全・安心、活力と魅力を高め、都民生活の質の向上を図ってまいります。
 続きまして、総務部長より所管事業の詳細につきましてご説明をさせていただきます。

○浅川総務部長 ただいま局長から主要事業の概要をご説明申し上げましたので、私からはお手元の資料2、事業概要、資料3、東京都監理団体等運営状況に基づき、当局の所管事業の内容をご説明申し上げます。
 まず資料2、事業概要の五ページをお開きください。局の役割でございます。
 都市整備局は、都市づくり全般にかかわる政策や住宅にかかわる政策の立案、道路や鉄道など都市基盤の整備、区画整理や再開発などの市街地の整備、宅地開発や建築物にかかわる指導、都営住宅の建設、管理など幅広い分野の業務を担っております。
 これらの業務に取り組むに当たっては、東日本大震災を教訓にした新たな課題や少子高齢化の進展、国際的な都市間競争の激化など社会経済情勢の変化に柔軟かつ迅速に対応し、都市の活力に加えて、風格や魅力を備えた首都東京のさらなる進化と高度な防災都市の実現を目指すことが重要であります。
 こうした認識のもと、高度な防災都市づくり、都市の再生と質の高いまちづくり、首都東京を支える都市基盤の整備、快適な都市環境の整備、住宅施策の推進、建築行政と開発規制の六つの施策を柱に計画部門と事業実施部門が一体となり、迅速かつ実効性ある都市整備を進めてまいります。
 次に、一〇ページをごらんください。局の組織、人員でございます。
 当局は、本庁七部、事業所七所で構成されております。
 本庁には、都市計画関係や緑地景観等の施策に取り組む都市づくり政策部や、住宅政策全般を担当する住宅政策推進部など七部がございます。
 また、事業所は次の一二ページにございますように、第一区画整理事務所、再開発事務所など計七所でございます。
 次に一七ページをごらんください。次の一八ページにかけまして、部課別、職種別の職員定数を一覧表にしてございます。
 一七ページ左上の合計欄に記載しておりますように、当局の職員定数は、平成二十五年四月一日現在千百二十九名でございます。
 続いて一九ページをごらんください。平成二十五年度の当局の予算についてでございます。
 ページの中段、イ、都市整備局予算の概要にございますとおり、局事業を都市基盤整備など五つの分野に分けて編成しております。
 まず、三環状道路や鉄道、航空などの都市基盤整備につきましては二百三十九億円余、土地区画整理や市街地再開発などの市街地整備は千四百八十億円余、耐震改修促進事業などの建築行政は百九十二億円余、都営住宅やマンション耐震化などの住宅政策は二千百五十五億円余、都市計画、調査につきましては四十四億円余となっております。
 また、会計別の予算規模につきましては、下段の表にございますように、一般会計が千五百九十九億円余、特別会計が千八百四十九億円余、公営企業会計が六百六十二億円余、総合計で四千百十一億円余でございます。
 続きまして、三一ページをお開きください。都市整備に関する基本的な計画でございますが、図に記載しております東京の都市づくりビジョンのほか、都市計画のマスタープラン、土地利用に関する基本的な計画、東京都住宅マスタープランについて、詳細を三三ページ以降に記載してございます。
 続きまして、各事業の概要を順にご説明申し上げます。
 五三ページをお開きください。第2部第1章は、高度な防災都市づくりについてでございます。
 五五ページごらんください。第1節、木造住宅密集地域の整備でございます。
 震災時に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域の改善を加速するための木密地域不燃化十年プロジェクトなどの取り組みについて記載してございます。
 六三ページをごらんください。第2節、建築物の耐震化の推進でございます。
 東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例に基づく、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化への取り組みや木造住宅やマンションなどの耐震化促進に係る耐震助成などの取り組みについて記載してございます。
 六八ページをごらんください。第3節は、建築物等の安全性の向上への取り組みとして、建築物やエレベーターの安全性向上、液状化対策、超高層建築物等における長周期地震動対策などについて記載してございます。
 七二ページをごらんください。第4節は、都市空間の確保と避難場所、避難道路の整備について記載してございます。
 七四ページをごらんください。第5節、復旧、復興対策の推進でございます。
 震災復興への取り組みや局を挙げた東日本大震災の発生を受けた避難者、被災地支援などについて記載してございます。
 七八ページをごらんください。第6節、総合的な治水対策の推進でございます。
 近年頻発する集中豪雨などへの備えとして、雨水流出抑制対策や地下街対策を含めた総合的な治水対策の取り組みなどについて記載してございます。
 八〇ページをごらんください。第7節、都市開発の機会を捉えた防災都市づくりの推進でございます。
 都市の防災対応力を強化するため、本年四月に都市開発諸制度活用方針を改定し、都市開発諸制度を適用する大規模建築物に対して、一時滞在施設や防災備蓄倉庫、自家発電設備の整備を推進しております。
 続きまして、八一ページをごらんください。第2部第2章は、都市の再生と質の高いまちづくりについて記載してございます。
 八三ページをごらんください。第1節、東京の都市構造と拠点整備の推進でございます。
 東京の都市整備を戦略的に推進するため、都市づくりビジョンでは、都心、副都心、核都市及び新拠点を中核拠点と位置づけ、地域の特性を生かした魅力ある都市整備を進めております。
 一〇一ページをごらんください。第2節、民間活力を生かしたまちづくりプロジェクトの推進でございます。
 民間活力の活用を図りながら、複数の都有地の有効活用を行い、まちづくりを進める都市再生ステップアッププロジェクトなどについて記載してございます。
 一〇七ページをごらんください。第3節、都主体の市街地整備事業の推進でございます。
 公共施設の整備促進、密集市街地解消など公共性が高く、民間では実施が困難なものについて、都が主体となって実施する土地区画整理事業や市街地再開発事業、都市整備と一体的に進める沿道まちづくりなどについて記載してございます。
 一一八ページをごらんください。第4節、地域が主役のまちづくりの推進でございます。
 東京に個性豊かで魅力のあるまち並みをふやしていくための東京のしゃれた街並みづくり推進条例に基づく街区再編まちづくり制度、街並み景観づくり制度などの取り組みや、本格的な高齢社会の到来などを踏まえて、人に優しいまちづくりを目指すバリアフリー化の取り組みについて記載してございます。
 続きまして一二五ページをごらんください。第2部第3章は、首都東京を支える都市基盤の整備について記載してございます。
 一二七ページをごらんください。第1節、総合的な交通施策の推進でございます。
 時代にふさわしい都市交通の実現のため、国や周辺自治体、交通事業者などと連携を図りながら、空港アクセスの改善、重点的かつ計画的な踏切対策の推進、交通需要マネジメントによる交通渋滞の解消などを通じて、総合的な交通ネットワークの構築に努めております。
 一二八ページをごらんください。第2節、道路網の整備でございます。
 区部及び多摩地域の都市計画道路の事業化計画や整備状況、三環状道路の整備などについて記載してございます。
 一三六ページをごらんください。第3節、鉄道、新交通システムの整備でございます。
 地下鉄等の整備や新交通システムの概要、既設鉄道の複々線化や連続立体交差事業などについて記載してございます。
 一四二ページをごらんください。第4節、航空政策の推進でございます。
 羽田空港の機能強化と国際化、横田飛行場の軍民共用化と空域の返還、ビジネス航空受け入れの推進など、首都圏の空港機能の充実に向けた取り組みについて記載してございます。
 一四六ページをごらんください。第5節、物流対策等の推進でございます。
 都の物流対策の基本的な考え方をまとめた総合物流ビジョンに基づく物流効率化の推進や物流拠点の整備支援、駐車対策の推進について記載してございます。
 続きまして、一五一ページをお開きください。第2部第4章は、快適な都市環境の整備についてでございます。
 一五三ページをごらんください。第1節、緑豊かな都市の形成でございます。
 水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させることを目指した緑の東京十年プロジェクトの取り組みのほか、緑確保の総合的な方針や民設公園制度、環境軸の形成、都市開発諸制度を活用した緑化の誘導など、東京らしい緑づくりについて記載してございます。
 一六四ページをごらんください。第2節は、望ましい水循環の形成について記載してございます。
 一六六ページをごらんください。第3節、水資源の開発でございます。
 東京の水需要に資する水資源開発の広域的な取り組みなどについて記載してございます。
 一六九ページをごらんください。第4節、良好な景観の形成でございます。
 美しく風格ある首都東京を実現するため、東京都景観計画に基づいた都独自の景観誘導策や屋外広告物の許可、規制誘導などの取り組みについて記載してございます。
 一七四ページをごらんください。第5節、省資源等に配慮した都市づくりでございます。
 都における総合的な建設副産物対策や都市開発諸制度におけるカーボンマイナスの取り組み等の低炭素型都市づくりの推進などについて記載してございます。
 一七七ページをごらんください。第6節、ユビキタス技術を活用したまちづくりの推進でございます。
 いつでも、どこでも、誰でもが、必要な情報をその場で手軽に得ることのできるユビキタス社会の実現に向け、最先端の情報通信技術を活用した実証実験に取り組んでおります。
 一七八ページをごらんください。第7節は、たまリバー五十キロについて記載してございます。
 続きまして、一七九ページをごらんください。第2部第5章は、住宅施策の推進についてでございます。
 一八一ページをごらんください。第1節、民間住宅施策の推進でございます。
 マンションの建てかえや適切な維持管理に係る普及啓発、相談支援活動などについて記載してございます。
 また、東京都LCP住宅、民間を活用した多様な住宅の供給誘導、高齢者向け住宅対策の推進、子育てに配慮した住宅の供給促進に向けた取り組みなどについて記載してございます。
 一九三ページをごらんください。第2節、都営住宅等の供給でございます。
 真に住宅に困窮する低所得者に低廉な家賃で住まいを提供するため、公営住宅法に基づき、都営住宅を整備、供給しております。
 昭和四十年代以前に建設された都営住宅を中心に計画的な建てかえを実施する都営住宅建てかえ事業や都営住宅の耐震化、都営住宅等の管理などについて記載してございます。
 続きまして、二一一ページをお開きください。第2部第6章は建築行政と開発規制について記載してございます。
 二一三ページをごらんください。第1節、建築行政の概要では、建築指導事務や建築審査会などについて記載してございます。
 二一六ページをごらんください。第2節、建築物の確認、許可、指導等では、建築基準法及びその他の関係法令による建築物の確認、許可、指導などについて記載してございます。
 二二四ページをごらんください。第3節、建設業者、建築士の指導育成では、建設業法に基づく建設業者の指導育成と建築士法に基づく建築士の指導育成について記載してございます。
 二二七ページをごらんください。第4節、宅地開発に対する規制等では、宅地造成等規制法に基づく開発規制や都市計画法に基づく開発許可などについて記載してございます。
 二三〇ページをごらんください。第5節は、優良宅地及び優良住宅認定について記載してございます。
 次に、二三一ページをごらんください。このページ以降は資料編となっておりまして、国土計画に始まり、都市計画に関する諸制度の内容、市街地整備事業の仕組みなど、本編の記述に対応した基本的な資料を掲載してございます。
 各事業の詳細等につきましては、事業概要の中にそれぞれ記載しておりますので、後ほどご参照いただきたいと存じます。
 最後に、お手元の資料3、東京都監理団体等運営状況によりまして、当局所管の団体についてご説明申し上げます。
 表紙の次のページをお開き願います。東京都が二五%以上の出資、または出捐を行っている当局所管の団体を記載してございます。
 公益法人等は、東京都住宅供給公社及び公益財団法人東京都都市づくり公社でございます。株式会社は、東京臨海高速鉄道、多摩都市モノレールなど七社でございます。
 次に、団体の概要をご説明いたします。
 本日は、一番上に記載してございます東京都住宅供給公社についてご説明いたします。
 お手元の資料3、東京都監理団体等運営状況に添付してございます東京都住宅供給公社の平成二十五年度経営状況等説明書の一ページをお開き願います。
 本公社は、地方住宅供給公社法に基づき設立された特別法人で、昭和四十一年四月一日に設立されております。資本金は一億五百万円で、東京都が全額出資してございます。
 以下、事業の概要等を記載してございます。
 その他の団体につきましては、添付してございます資料により後ほどごらんいただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、当局の事務事業につきましての説明とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○斉藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○白石委員 十三点資料要求させていただきます。
 一点目は、都営住宅、公社住宅のエレベーター設置状況、過去五年間。
 二点目、平成十九年八月二十五日以降の都営住宅使用承継事由発生件数、申請件数及び使用承継が認められた件数、年度別。
 三点目、公営住宅使用承継制度厳格化の実施状況、都道府県と政令市別。
 四点目、都営住宅入居収入基準引き下げにより、収入基準を超える現入居世帯数。
 五点目、都営住宅、公社住宅における入居者の年齢別世帯数の状況。
 六点目、都営住宅及び公社住宅における今年度及び来年度中に期限を迎える期限つき入居世帯数。
 七点目、都営住宅建てかえによる型別供給実績、過去十年間。
 八点目、都営住宅の応募状況、過去五年間。
 九点目、都営住宅の管理戸数、空き家戸数、事業用、募集用、募集停止戸数。
 十点目、公社一般賃貸住宅及び都民住宅の空き家状況。
 十一点目、都営住宅、公社住宅の耐震診断、耐震改修工事実績。
 十二点目、都内分譲マンションの着工戸数の推移、過去五年間。
 そして十三点目、違法貸しルーム対策についての都及び都内特定行政庁における情報収集及び是正の取り組み状況。
 以上です。

○斉藤委員長 ただいま資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○斉藤委員長 次に、第三回定例会に提出予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○藤井東京都技監 本日は、平成二十五年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、事件案が一件でございます。
 お手元の資料4の議案、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見についてでございますが、本件は、特定多目的ダム法に基づき、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更につきまして、国土交通大臣から意見を求められましたので、意見を付して、やむを得ないものとして同意することを提案するものでございます。
 私からの説明は以上でございます。
 引き続き、詳細な内容につきまして、総務部長よりご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○浅川総務部長 それでは、引き続き、私から事件案につきましてご説明申し上げます。
 この事件案は、関係法の規定に基づき提出するものでございます。
 まず、資料4の議案、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見についてをごらんください。
 本件は、特定多目的ダム法第四条第四項の規定に基づき、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更について、国土交通大臣から意見を求められましたので、意見を述べることを提案するものでございます。
 恐れ入りますが、資料4に添付しております八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見についての説明資料をごらんください。
 まず、最後のページ、五ページをお開き願います。上段の地図は、利根川水系と八ッ場ダムの位置関係を表示した位置図でございます。
 八ッ場ダムは、利根川水系の上流、吾妻川に建設される多目的ダムでございます。
 建設場所は、群馬県吾妻郡長野原町でダムの規模は下段の八ッ場ダム貯水池容量配分図に示してございます。
 有効貯水容量は九千万立方メートルで重力式コンクリートダムでございます。
 戻りまして、二ページをお開き願います。基本計画の変更に関する内容を記載してございます。
 三ページから四ページにかけて基本計画の新旧対照表を記載してございます。
 四ページをごらんください。今回の主な変更点は二点ございます。
 第一の変更点は、1、建設の目的、(1)、洪水調節でございます。計画高水流量を毎秒三千九百立方メートルから三千立方メートルに、洪水調節量を毎秒二千四百立方メートルから二千八百立方メートルに変更するものでございます。
 第二の変更点は、7の工期でございます。平成二十七年度までを平成三十一年度までに変更するものでございます。
 一ページにお戻りください。中ほどに記載しておりますとおり、このたびの基本計画の変更案につきましては、意見を付してやむを得ないものとして同意する旨を回答するものでございます。
 付す意見は二点ございまして、一点目は、速やかにダム本体工事に着手し、一日も早く完成させること、二点目は、工期延長等により事業費が増額しないよう徹底したコスト縮減等に取り組むことでございます。
 以上で平成二十五年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○斉藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○白石委員 二点資料要求させていただきます。
 一点目、八ッ場ダム建設工事にかかわる今後の財政負担のあらまし。
 二点目が、八ッ場ダム基本計画における事業の進捗状況。
 以上です。よろしくお願いいたします。

○斉藤委員長 資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 それでは、異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○斉藤委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、私債権の放棄について外一件の報告を聴取いたします。

○浅川総務部長 まず、私からは私債権の放棄についてご報告申し上げます。
 東京都債権管理条例第十三条に基づき、都市整備局が平成二十四年度に実施した私債権の放棄についてでございます。
 お手元の資料5、私債権の放棄についてをごらんください。
 平成二十四年度に放棄した私債権は、工事請負契約に係る契約違約金で、金額は一千百七十万二千二百五十円でございます。
 当該債権は、工事請負契約において工期内に工事が完了しなかったため、契約を解除したことに伴う契約違約金でございまして、平成十二年度に発生し、同年度以降、債務の履行が滞っている債権でございます。
 債務者に対し、督促、各種調査など徴収に向けて努力を重ねてまいりましたが、これまでの徴収努力の状況を踏まえると実質的に回収不能であり、債務者が債務を履行しないことが見込まれます。
 また、当該債権は、消滅時効に係る時効期間が平成十六年度に経過しており、債務者である法人についても、法人登記を残したまま実体がなく、代表者も行方不明等の状態で、時効の援用の確認を得ることができないことから、平成二十五年三月に放棄を実施したところでございます。
 以上、私債権の放棄につきましてご説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○佐藤防災都市づくり担当部長 続きまして、資料6と7により、第七回地震に関する地域危険度測定調査についてご説明させていただきます。
 まず、資料6をごらんください。地域危険度測定調査は、東京都震災対策条例に基づきまして、昭和五十年からおおむね五年ごとに公表しております。
 本調査の目的は、地震に強い都市づくりの指標として震災対策事業を実施する地域の選択に活用するとともに、都民の皆様に地震災害に対する認識を深めていただき、防災意識の高揚に役立てるものです。
 地域危険度の概要ですが、地震に対する建物倒壊、火災、総合の三つの危険度を都内五千百三十三町丁目ごとに測定いたしまして、五段階にランク分けをしております。
 今回は、東北地方太平洋沖地震を考慮して液状化の影響を見直すなど、最新のデータと知見を反映し、より精度の高い測定方法へ改善しております。
 また、新たに災害時の活動のしやすさや困難さをあらわす指標として、道路基盤の整備状況に基づき災害時活動困難度を測定し、この指標を考慮した危険度についても評価しております。
 本調査の内容及び結果につきましては、資料7のパンフレットにより説明いたします。
 まず、こちらのパンフレット、六ページ、七ページをごらんください。建物倒壊危険度でございますが、建物倒壊危険度は、地盤の特徴、それから建物の特性をもとにいたしまして、地震の揺れにより建物が壊れる危険性の度合いを測定したものです。
 一枚おめくりいただきまして、九ページの図をごらんください。こちらの図は、各町丁目の建物倒壊危険度の分布状況を示しております。
 焦げ茶色のところがランク五で最も危険度が高く、朱色がランク四、オレンジ色がランク三、黄緑が二、水色のところがランク一ということで一番危険度が低いという表現になってございます。
 建物倒壊危険度の高い地域は、主に荒川、隅田川沿いの下町地域一帯に分布しております。これらの地域は、地震の揺れを増幅しやすい軟弱な地盤上にあり、古い木造などの建物が密集しております。
 また一枚おめくりください。火災危険度についてでございます。
 火災危険度は、出火の危険性と延焼の危険性をもとにいたしまして、地震の揺れにより延焼火災が生じる危険性の度合いを測定したものです。
 また一枚おめくりいただきまして、十三ページの図をごらんください。火災危険度の高い地域は、主に環状七号線沿いにドーナツ状に分布しているという状況でございます。
 次に、総合危険度についてでございますが、また一枚おめくりいただきまして、一四ページ、一五ページをごらんください。地震の危険性を都民にわかりやすく伝えるために、先ほどの建物倒壊、それから火災の危険性を一つの指標にまとめたものが総合危険度です。
 総合危険度の高い地域は、建物倒壊危険度と火災危険度の高い地域を重ねた分布となっております。
 最後に、災害時活動困難度を考慮した危険度についてでございますが、一六ページをごらんください。災害時活動困難度とは、道路基盤の整備状況をもとに、災害時の避難や消火、救助活動のしやすさ、困難さにつきまして評価したものです。
 一七ページ下側の図にありますとおり、災害時活動困難度を考慮した結果、杉並区東部、中野区などの地域では危険度が上がる結果となっております。また、道路整備が進んでおります台東区や墨田区南部周辺などでは危険度が下がっております。
 災害時活動困難度を考慮いたしました総合危険度の分布状況につきましては、最後の二一ページの図をごらんいただきたいと思います。
 新たに災害時活動困難度を考慮した危険度が加わったことによりまして、建物の不燃化や耐震化といった建物自体への取り組みに加えまして、道路整備などのまちづくりをあわせて行っていく必要がある地域がどこであるかというところが見てとれることになります。
 以上で地域危険度測定調査についてのご報告を終わらせていただきます。
 なお、本調査の内容につきましては、本日付で公表する予定でございます。

○斉藤委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○白石委員 一点資料要求させていただきます。
 災害時活動困難度の測定結果の詳細。
 以上です。よろしくお願いいたします。

○斉藤委員長 資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出を願います。

○斉藤委員長 次に、第二百二回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。

○藤井東京都技監 来る十月三十日に開催予定の第二百二回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
 今回、東京都決定案件が全部で五件あり、その内訳は、区部で一件、市町村部で四件でございます。
 本日は、これらのうち、主な案件といたしまして、日比谷地区における都市再生特別地区並びに多摩川左岸北多摩二号流域下水道につきまして、ご説明いたします。
 それでは、引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。

○小野景観・プロジェクト担当部長 付議予定案件ナンバー1、日比谷地区の都市再生特別地区の変更につきましてご説明いたします。
 資料につきましては、資料9、白表紙の提案事項概要三ページと四ページ、資料10、薄茶色表紙、事前説明会資料三ページから八ページまででございます。
 あわせまして、資料11、若草色表紙、都市計画(素案)の提案、日比谷地区もご参照ください。
 本件は、三井不動産株式会社から、本年六月に提出された都市再生特別措置法に基づく都市計画の提案を踏まえたものでございます。
 スクリーンをごらんください。都における特定都市再生緊急整備地域の指定状況でございます。
 本地区は、特定都市再生緊急整備地域であります東京都心・臨海地域内に位置しております。
 本地域の地域整備方針では、国際競争力の向上に資する先進的なビジネス支援機能の導入促進、文化交流機能の集積や隣接する日比谷公園の環境を生かした多様な機能が複合する風格とにぎわいのある都心拠点の形成、緑豊かな回遊拠点の形成などが挙げられております。
 資料10、薄茶色表紙、事前説明会資料の三ページ、スクリーンの位置図と航空写真をごらんください。
 計画地は、西側は日比谷公園、日比谷通りに隣接し、北側は晴海通り、東側はJR線に囲まれました面積約一・四ヘクタールの区域でございます。
 また、地下鉄千代田線、日比谷線、三田線日比谷駅に近接するなど、高い交通利便性を有しております。
 一方で、計画地を含む周辺地域では、地下鉄の乗りかえや地下から地上へ至るバリアフリー動線が未整備であり、地上部では歩行者空間が不足し、通過交通が流入しているなど、安全性、利便性の面で課題を抱えております。
 さらに、計画地周辺では、宝塚劇場や日生劇場などの文化施設が集積しておりますが、施設間の連携やにぎわいのある丸の内地区の仲通りとの連携が図られていないなどの課題も抱えております。
 このため、計画地周辺では、平成二十三年に学識経験者、東京都、千代田区、地元地権者、商店会などによりますまちづくり検討会が設立され、地域の課題解決に向けてまちづくり基本構想を策定、その後、基本構想の具体化を図るため、平成二十四年に本計画地や宝塚劇場などを新たに区域に追加する地区計画の変更が実施されております。
 今回の都市計画提案は、こうしたまちづくり基本構想や地区計画などに基づいてなされたものでございます。
 資料10、事前説明会資料の七ページとスクリーンをごらんください。事業者からの提案につきましては、周辺地区や地下鉄駅をつなぐ歩行者ネットワークの形成や国際競争力を高める都市機能の導入、防災機能の強化や環境負荷低減など、当地域の整備方針に沿うもので、かつ都市再生の効果が高いものと判断しております。
 具体的な都市再生の貢献でございますが、七ページの右上の平面図をごらんください。区道一三一号の歩道拡幅、区道一三六号の歩行者専用化などにより、歩行空間を拡充しますとともに、区道に沿って地区のにぎわいの核となる広場約四千平米を整備し、丸の内地区の仲通りのにぎわいを南に延伸させるよう南北軸の強化を図ってまいります。
 また、千代田線と日比谷線の日比谷駅を結ぶ地下通路、地下広場などのバリアフリー動線を整備しますとともに、周辺建物への地下歩行者、駐車場ネットワークを形成するなど、歩行者中心の基盤整備を図ってまいります。
 次に、国際競争力強化の取り組みについてご説明いたします。
 国内外のベンチャー企業を積極的に育成し、新たなビジネスの創出を支援するため、本計画では、国内外のベンチャー企業などとグローバル企業の交流を支援する機能、事業拡大のための投資を促進する機能、法律、会計、知的財産などの手続を支援する機能を備えたビジネス連携拠点の整備を図ってまいります。
 また、本計画で整備しますプロモーションアトリウム、プロモーションシアター、日比谷テラスなどを活用し、既存の劇場や映画館などとも連携し、まちのにぎわいの創出を図るイベントの開催やビジネス拠点と連携したビジネスイベントの開催などにより、文化交流、情報発信力の強化を図ってまいります。
 さらに、災害時の一時滞在施設や備蓄倉庫の整備などの帰宅困難者支援機能の導入を図りますとともに、コージェネレーションシステムや非常用発電設備の整備による防災機能の強化、地域冷暖房施設の整備や日比谷公園と連携した緑化空間の創出などにより、環境負荷の低減を図ってまいります。
 資料9、白表紙、提案事項概要の三ページと資料10、薄茶色表紙、事前説明会資料の五ページをごらんください。
 都市計画の主な内容としましては、容積率の最高限度を一四五〇%としまして、一部を産業支援に寄与する施設などといたします。
 高さの最高限度は、高層部を百九十八メートル、中層部Aを六十八メートル、中層部Bを三十六メートルなどといたします。
 最後になりますが、資料10、事前説明会資料の八ページをごらんください。完成予想図でございます。
 私からの説明は以上でございます。

○西倉都市基盤部長 続きまして、付議予定案件ナンバー5、国立都市計画、国分寺都市計画及び立川都市計画の三つの都市計画区域にまたがります多摩川左岸北多摩二号流域下水道の排水区域の追加変更に関する案件につきましてご説明申し上げます。
 資料9、白表紙の提案事項概要一三ページ及び資料10、薄茶色表紙の事前説明会資料三七ページ及び三八ページとなります。
 恐れ入ります。前方スクリーンの航空写真をごらんください。青い線で囲まれました区域が現在の多摩川左岸北多摩二号流域下水道の排水区域となります。
 今回追加する区域は、赤い線で囲まれましたJR立川駅を中心といたしまして、北は五日市街道、南は多摩川、東は国立市との市境、西は昭和記念公園に囲まれました面積約千百四十七ヘクタールの区域となります。
 赤い線で囲まれた区域は、現在、立川市公共下水道錦町処理区として、立川市が昭和四十二年に錦町下水処理場の供用を開始し、現在に至っております。
 資料10、薄茶色表紙の事前説明会資料、三七ページをごらんいただきたいと思います。
 平成二十一年七月に改定されました多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画では、この錦町処理区につきましては、処理場が更新時期を迎え、現在の敷地では高度処理に必要な用地の確保が困難であることから、多摩川左岸北多摩二号流域下水道の区域に編入することで、排水区域の広域化による下水道事業の効率化及び多摩川や東京湾などの公共用水域の水質改善を図ることとしております。
 青色の斜線で表示いたしました区域が多摩川左岸北多摩二号流域下水道の排水区域となりますが、今回の変更は、この排水区域に赤塗りした区域を追加変更するものでございます。
 この変更によりまして、多摩川左岸北多摩二号流域下水道の排水区域面積は、千五百九十七ヘクタールから二千七百四十四ヘクタールになります。
 また、都市計画事務の手続の簡素化によりまして、流域下水道の排水区域につきましては、接続する流域関連公共下水道名のみを決定すればよいこととなりましたので、資料9、白表紙の提案事項概要の一三ページにありますように、排水区域の表示方法を変更するものでございます。
 以上で説明を終わります。

○斉藤委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○立石委員 都市再生特区についてお伺いいたします。
 都市再生特区という仕組みは、民間事業者が容積率のボーナスをもらいながら公共インフラを整備するなど、本来公共が行うべきことを事業者の提案によって、都市再生を都市再生社会貢献という形でなされていこうということで、これは非常にいいことだと私は思っております。
 特に、歌舞伎座なんかを見ますと、新しく新装になった歌舞伎座で、旧来、浅草線の東銀座駅でおりて、あの細い階段をとことこ歩いて、多分八十段前後歩いたかと思います。また昔の第四世代の歌舞伎座はお年寄りや雨の日などは大変不自由だ、それがA3出口で見事にエスカレーター、エレベーター、バリアフリー化されたフラットなものができた。ああ、こういうふうになることが、要は都市再生特区の利点だな、こう思って、いろいろ今までやってきた中を歩いてみたことがございます。その中で果たして、歌舞伎座は確かにすばらしくなりましたが、将来ともに本当にこれが担保できるだろうか、誰がこれを、見張るといっては言葉が悪いですが、監視、見張っていくんだろうか、チェックしていくんだろうか、そんな心配がよぎっております。
 特に、今回の日比谷地区の都市再生特区では、今お話がありましたけれども、どのような都市再生貢献が具体的に行われるのか。確認の意味で、また確認の方法の意味でどんなことが行われるか、ちょっと改めてお聞きしたいと思います。

○小野景観・プロジェクト担当部長 都市再生の貢献についてでございますが、まず丸の内仲通りのにぎわいを延伸します南北歩行者軸の強化や約四千平米のまとまった広場空間の整備、今、理事からもお話ありましたが、歌舞伎座と同様に地下鉄千代田線、日比谷線の二つの日比谷駅をつなぐバリアフリー動線の整備など、歩行者中心の基盤整備を実現いたします。
 また、国内外のベンチャー、中小企業を育成して新産業の創出を支援するビジネス連携拠点や周辺施設と連携したイベントの開催など、文化交流、情報発信拠点の整備によりまして、国際競争力を高める都市機能の導入を図ってまいります。
 さらに一時滞在施設、備蓄倉庫の整備などの帰宅困難者対策や自立性、安定性の高いエネルギーシステムの導入、日比谷公園と連携した緑化空間の創出などによりまして、防災機能の強化と環境負荷の低減を図ってまいります。

○立石委員 今ご説明にもありましたように、また、先ほどの説明にもありましたが、それはそのとおりだというふうに、なるほどなと思うわけであります。
 しかし、例えば、いわゆる丸の内仲通り、歩いてみたことがあるんです。しょっちゅう歩いているわけではありませんが、歩いてみました。歩道の敷石なんかがですね、僕の目から見ると甲乙丙丁、ランクがあるわけですね。これは誰がどうやって決めているのか、もう既に都市計画決定するときに、それなりの一流の建築家の方が決めているのかなというふうに理解しながらも、あれ、何でここが違うんだろう、こういうふうに思ったりするような場面もありますし、ベンチなんかもすばらしくできておりますけれども、例えば、三菱地所がやった、例えば住友がやった、三井がやった、野村がやったとか、いろんなディベロッパーがいろんな仕組みをつくっていく中で、甲乙とか、そういう基準というのは、何か担保されているんでしょうか、チェックされるんですか、それぞれの提案者のご自由にお任せと、こういうことになっているんでしょうか。

○小野景観・プロジェクト担当部長 丸の内仲通りの舗装についてご提示がありましたけれども、舗装につきましては通常よりもレベルの高い仕様にすることが決まっております。具体的な詳細につきましては、今後、道路管理者、地元区とも調整しながら決めてまいります。
 なお、内容につきましては、今後、東京都としましても指導しますとともに、最終的には協定を結びまして、その履行ができるように担保してまいります。

○立石委員 今の部長さんのご答弁にありましたように、しっかりと、レベルが、がたがたにならないようにという意味だろうと思いますし、提案された事業者の方のご意思もあるんでしょうから、そこまでいえないのかもしれませんが、それはそれなりにわかるとして--この特区の提案書を見ますと、次にですね、例の三・一一のときもそうでしたが、我々引っ越しのときなんかでも経験することですが、たんす一さおにつき大変な荷物になりますね。つまり、自分の部屋に広げてみたら、大変な荷物の数になることで驚くことがありますが、そういう意味において、これだけの超高層をぼんと建てて、いわゆる帰宅困難者、本当に大丈夫なのかなということをお聞きしておきたいと思います。大丈夫になることになっているわけでしょうけれども、それは実際に、事実上、夜中もあるし、土日もあるだろうし、そんなようなときに、ルールとしてデリバリーをしたり、コントロールしたり、そういう指揮命令といいますか、例えば、前の電通を初めとする汐留シオサイトの場合のように組合がしっかりできているような例がありますが、それは今でもコントロールされているなというふうに、時々通ると思いますけれども、それはどうでしょうか。

○小野景観・プロジェクト担当部長 ご指摘のとおり、一時滞在施設や備蓄倉庫は、災害時におきまして有効に機能させることが不可欠でございます。
 このため、今回の計画では、仮に電力とガスの供給が停止した場合でも、三日間は備蓄した重油によりまして非常用電源の供給を行い、一時滞在施設では必要な照明や空調などを確保しますとともに、映像ビジョン等を設置し、複数の言語による正確かつ迅速な災害情報、交通機関の運行情報などを発信してまいります。
 また、備蓄倉庫につきましては、帰宅困難者約三千人、三日分の水、食料、毛布など、地元千代田区が提供しまして、災害時には提案者と区が連携して、物資の配布を行うことになっております。
 なお、詳細な運用につきましては、建物完成までに、提案者が区との間で具体的な役割分担や手順などについて協議を行い、協定を締結することになっております。
 さらに提案者が主体となりまして、宝塚劇場、日生劇場などの周辺地権者、商店会とも連携しまして、シオサイトのお話がありましたが、そのようなエリアマネジメント組織を立ち上げる予定でございまして、防災訓練の実施など、地域全体の防災対策の強化に取り組んでいくことにしております。

○立石委員 エリアマネジメントという組織を立ち上げて、ご近所、宝塚、日生劇場だとか商店会だとか、皆さんが入って、いろいろな意見交換しながら、一朝有事のときの組織をつくっていこうということですから、それなりに安心だなと、こういうふうに思っております。
 私は、いろいろ思って、きょうまで幾つか、特区という制度ができて随分たちますけれども、本当に特区特区そこのけそこのけ特区が通るというような気がすることもあるんです。賛成しながらも、気がすることがあるんです。
 それはね、特区というのは本来あり得ない--要するに大原則で都市の再生のために、日比谷の今度の例でもよりよいものができるということは誰でもわかるわけですけれども、あの絵にも描いてあるように、明治維新の鹿鳴館だとか、帝国ホテルだとか、そういった歴史的な、それこそ本多静六先生、植物学者というか、東大の農学部を創設したといわれている先生は、首かけの大木を移したなんていうような話も出てくるわけです。そういう非常に歴史のあるまちに特区をして、どんとこう建築技術的なものが、いろいろアッパーなものをつくっても問題ない、都市再生の上でこれはあった方がいいんだと、こういうことになっていけば、当然それは、私は肯定をしておるんですが、担保をどういうふうにとっていくか。初めに決めた規則がいつの間にか忘れられて、それが当たり前のようになっていくということで恐れるんです。
 今、ここをエリアマネジメントにしようということであれば、それはそれでいいな、そういうものができることがいいなと思っておりますけれども、ひとつこの辺も十分に気をつけてほしいなと思います。
 この提案書の中にも中小企業云々というのがあります。しかし、あなた方ね、皆さん、中小企業の立場を知っていたら、本当になっているかと実態調査をできたらぜひやっていかなきゃいけない、やるべきだというふうに私は思っております。
 もう本当に鼻で蹴散らかされるようにして冷たい思いをさせられているんです。それが実態なんです。皆さんは多分わからないと思います。しかし、我々都会議員だとか地方議員には、そういう怨嗟の声が特に響いてきますよ。それは、技術的に優秀な、よく前の石原知事が、心臓の小さなモーター、あるいはまた子供用の眼科医が使う白内障の手術の小さな針なんかも、本当に小さな中小企業がやっているんだということをよくいっておられましたけれども、全く同じで、中小企業の中に、それはもうだめなもの多いかもしれないけれども、これは取り上げるべきものというものはいっぱいあるはずです。
 ですから、そういう点もやっぱり大きな権威を持つ役所がしっかりと見定めていかないと、特区特区そこのけそこのけでは、技術が届かないで、ただエコノミカルに、経済的に、これで幾らで貸せるんだ、そういうようなことだけで世の中が決まっていったら、もう本当にばかにされる、国際都市でも何でもない、単なるエコノミックアニマルじゃないかと、こういうふうにさげすまれると思います。
 この間の立派なプレゼンテーション、ああいうのを見ていても、本当に胸がすかっとしたわけですけれども、皆さんがしっかりと、都市整備局が特区という特別な方法を持って、みんながいいまちをつくろうとしているわけですから、しっかり監視してほしい、そして担保してほしい、そういうことを要望して質問を終わります。

○大島委員 私からも都市再生特別地区、日比谷地区の問題で質問をさせていただきます。
 今回の提案の中でも、開発による都市再生への貢献ということで、地下鉄日比谷線と千代田線の日比谷駅をつなぐバリアフリー動線などの整備が挙げられています。こういったバリアフリーというのは必要なことだと思います。しかし、これは鉄道事業者とか東京メトロなどが実際にはやれることだというふうに思っているんです。
 そして、今回この二駅をつないで、また周辺の建物とも接続させる地下通路、これが整備されるということになっておりますが、多くの歩行者の方が地下通路に集まるということになります。ピーク時、地下通路の歩行者交通量の予測をお伺いします。
 また、周辺建物と接続する地下駐車場ネットワークの整備というのもありますが、この周辺建物と合わせた地下駐車場の駐車台数を伺います。

○小野景観・プロジェクト担当部長 地下鉄から計画地に向かいます地下通路におけます歩行者交通量は、ピーク時間当たり約四千六百人を想定しております。
 また、計画建物の地下駐車場の台数は約四百二十台、接続する宝塚劇場の地下駐車場の台数は約百十台、合計で五百三十台でございます。

○大島委員 今のご答弁にもありましたけれども、ピーク時間当たり約四千六百人、この歩行者の方が地下通路を行き来するということです。しかも、今度は地下駐車場が隣のビルと一緒になるということで、これも最大で五百三十台もの自動車が集中するということになります。
 こうした巨大な地下空間における歩行者等の安全の確保、これが本当に必要だと考えています。
 今回も防災機能の強化というのが都市再生の貢献の中で提案されております。帰宅困難者支援機能として三千人を収容し、水や食料など三日分を備蓄する計画とありますが、こうした地下空間に多くの人が行き来しているときに、大地震とか、今回の台風のように数十年に一度しか起きないような局所的な大雨とか洪水、こういったものに遭遇し大変危険な状況が起きるということも考えられます。こうした地下通路には、さまざまな年齢層の歩行者がおりますので、パニックなどを起こし、避難誘導のことも心配です。
 地下空間が大きければ大きいほど、地震時の歩行者の安全の確保、また洪水などに対する安全性、こういったものがどのように確保されているのか、お伺いいたします。

○小野景観・プロジェクト担当部長 地下通路や地下広場につきましては、高い耐震性を確保しますとともに、明快な空間構成やサイン計画などによりまして、自分の存在する場所と避難経路をわかりやすくする工夫をすることにしております。
 また、仮に地震などによって電力供給が停止した場合であっても、隣接する区の公共施設とともに非常用電力を供給して、照明、空調などを維持し、歩行者の安全性を確保できる計画としております。
 大雨による洪水に対しましては、地下通路等に防水扉を設置し水の浸入を防ぎますとともに、非常用発電設備を浸水のおそれのない地上八階に設置することで、災害時においても自立的、安定的なエネルギーの供給に万全を期すことにしております。
 なお、都市再生特別地区を活用する開発では、当然のことではございますが、提案者などが詳細な防災計画を策定し、歩行者の避難誘導が安全かつ円滑に行われるように取り組むことになっております。
 さらに提案者は、周辺の地権者と一体となったエリアマネジメント組織を設立し、防災訓練や啓発のイベントなどを実施することにしておりまして、こうした取り組みにより、日比谷地区全体の防災性が向上することになります。

○大島委員 地下の安全性の問題では、さまざまな機能があるということで安心だということなんですが、提案者が詳細な防災計画を策定するということになっておりますが、この詳細な防災計画というのは、東京都も入って検討しているものなのでしょうか。

○小野景観・プロジェクト担当部長 今後検討してまいりますものでございまして、先ほども答弁しましたが、最終的には建物が完成する前に東京都と提案者が協定を結びますので、その際に内容等を確認したいと思っております。

○大島委員 ぜひいい協定を結んでもらいたいとは思いますが、本計画は事業者の提案で基準容積率九〇〇%を都市再生への貢献の評価によりまして容積率五五〇%アップし、そして最高限度を一四五〇%にふやすという計画です。これにより、高さ百九十八メートル、地上三十七階地下四階、延べ床面積十八万五千平米の巨大ビルが出現することになります。従前あったビルの高さとか延べ床面積はどのようなものだったのか、お伺いします。
 東京都の景観計画では、先ほども説明がありましたけれども、皇居周辺の建物群について、皇居の緑や水辺と調和した眺望景観を保全するということになっておりますが、このビルの出現によって調和が崩れるのではないでしょうか。また、この歴史を踏まえた風格あるまち並み形成にはならないと思いますが、いかがでしょうか。

○小野景観・プロジェクト担当部長 計画地には従前二棟のビルがございまして、高さはいずれも約三十一メートル、延べ床面積は合計で約十一万四千平米となっておりました。本計画では低層部の壁面を隣接している歴史のある日生劇場の壁面線に合わせ、さらに高層部を日比谷通りから大きく後退させることによりまして、お堀端に面した近代建築の特徴である高さ百尺の記憶を継承する軒線の連続性を強調しますとともに、丸の内や有楽町から続いているスカイラインを守り、地域特性を踏まえた風格と統一感のあるまち並みを形成することとしております。
 また、大手町、丸の内方面から続く仲通りのにぎわいと豊かな歩行者空間を計画区域内に延伸させますとともに、皇居や日比谷公園を一望できる低層部の屋上テラスに豊かな緑を整備し、テラスからも周辺からも緑を目にすることができる場を計画するなど、周辺の環境とも調和した新しい魅力ある景観を創出することにしております。
 このように皇居のお堀の前に残されてきた特色ある景観の継承と皇居や日比谷公園の緑との調和など、新たな魅力を創出することによりまして、首都東京の顔づくりに貢献するプロジェクトであると考えております。

○大島委員 東京都の景観計画では、皇居等を中心に緩やかなすり鉢状のスカイラインを描くなど、皇居の水と緑との調和に配慮した高さ、規模、形態、意匠等にすると書かれています。
 しかし、今回の計画では、日比谷公園に面して、百九十八メートルもの超高層ビルが出現するということになるわけです。従前の高さのおよそ六倍以上ですよね。これでどうしてその緩やかなすり鉢状のスカイラインといえるのかと思うんです。そしてまた、先ほどの答弁で、高層部について日比谷通りから大きく後退させるといいましても、どうしても高さの関係でいえば、周辺のビルより突出したものになるというふうに思うんです。
 そうなると、この高さというのは、今までの歴史を踏まえた調和が崩れるといわざるを得ないと思いますが、いかがでしょうか。

○小野景観・プロジェクト担当部長 大手町・丸の内・有楽町ガイドラインでは、拠点を形成する場所では、百八十メートルから二百メートル程度の高さを誘導しております。皇居を中心にすり鉢状のスカイラインを描くとしておりまして、皇居からの距離もお堀、日比谷通りを挟んで十分な距離がございまして、約二百メートルの高さは何ら問題がないと思っております、

○大島委員 すり鉢状に緩やかにといっても、日比谷通りのところから急に上がるわけですよね。その後ろがずっと開発されていくというと、もっと大きなビルが建っていくというような、景観からいうとそうなってしまうのではないかというふうに私は思えるんです。
 そして、都市再生への貢献という点では、環境負荷の低減、これも評価されております。CO2の排出量についてはどのように考えているのか。また、自動車の発生集中交通量の増加及び歩行者の集中の増加は、どの程度見込んでいるのか、お伺いいたします。

○小野景観・プロジェクト担当部長 都は都市再生特別地区におきましては、建築物の熱負荷に対する性能や設備による省エネルギー性能を最高水準とすることを条件として、都市計画の提案を受理しております。
 本計画におきましても、東京都省エネカルテによりますテナントビルの平均値に比べ、約三五%の大幅なCO2削減を達成させることになっております。
 都市再生プロジェクトを推進し、老朽化したビルが建ち並ぶ市街地を最先端の環境性能を備えた市街地に更新することで、都市全体として環境負荷低減やエネルギーの効率化を図ることが可能となります。
 また、自動車発生集中交通量につきましては、国が定めますマニュアルにより計算した結果では、平日一日当たり約一千三百台の増加を想定しておりますが、混雑度を示す指標であります交差点需要率は、現況の最大値〇・六九六が開発後は〇・六九七とほとんど変わらず、交通管理者からも交通処理について了解が得られております。
 また、歩行者発生集中交通量につきましては、平日一日当たり約八万一千二百人の増加を想定しておりますが、今回の計画では建物周辺の全ての歩道、地下道等におきまして、自由な歩行に全く支障のないサービス水準Aレベルを確保しております。
 さらに本計画では、日比谷線と千代田線の二つの日比谷駅を結ぶ地下通路、幅員六メーター、延長七十メートル、地下広場約一千二百平米を整備することにしておりまして、バリアフリー動線を確保することにしており、誰もが安全で快適な歩行ができるネットワークが実現されます。

○大島委員 今ありましたけれども、環境に配慮したビルができるといいますけれども、その分結局容積率がアップして、従前ビルの高さで六倍、延べ床面積で一・六倍以上のボリュームがあるビルになるわけです。しかも、自動車発生集中交通量は、平日一日当たり約一千三百台ふえ、結果としてCO2削減にはなりません。
 歩行者は、平日一日当たり約八万一千二百人ふえるということですから、地震などの災害時に幾ら帰宅困難者対策を充実するといっても、その対策が追いつくはずはありません。
 こうした環境負荷の低減や帰宅困難者対策というのが、これで充実できると考えているのでしょうか。

○小野景観・プロジェクト担当部長 今お話のありました帰宅困難者、歩行者がふえるというお話ですが、この都市再生事業によりまして、新たに相当の自動車とか歩行者が生み出されるかのようなお話でしたが、自動車、歩行者も、より安全で円滑に交通処理ができる今回の計画地に集まってくる、十分活用していくということでございます。
 例えば、歩行者に関しましていえば、地下鉄駅との接続が容易でバリアフリーが実現された安全で快適な歩行者動線を積極的に活用することによって、にぎわいを創出しております。ですから、数字も上がっているのでございます。
 都市全体の中で、こうしたインフラが整備されております場所を積極的に活用することは、経済的にも、また環境的にも、そして安全面でも理にかなったことでございまして、単に計画地の数字が上がった下がったで議論することは適切ではないと考えております。

○大島委員 そうはいっても、たくさんの人が集まり、たくさんの車が集まる、そういう巨大なビルが出現するということで、安全だ安全だといっても、実際にどれほど安全なのかと疑問も持ちます。
 また、民間調査会社のデータによりますと、千代田区内の空き室のあるビルの比率は、二〇一三年七月のデータで空き室率六・五九%、空き室面積は十三万六千百十三坪でした。
 リーマンショック前の二〇〇八年七月では、空き室率は二・七三%、空き室面積は五万三千六十六坪で空き室率でおよそ二・四倍、空き室面積でおよそ二・六倍と大幅に空き室がふえています。また、坪当たりの平均賃料は、二〇〇八年七月は二万三千八百三十四円だったものが、二〇一三年七月には一万七千六百五十円と坪当たり六千百八十四円も安くなっています。つまり、賃貸料は安くなっても借り手がいないということです。
 こうした状況のもとでオフィスビルをふやし続けることについて、都の見解を伺います。

○小野景観・プロジェクト担当部長 国際競争力の強化のみならず、環境面においても世界の範となり、魅力ある国際都市として世界から注目される都市の姿を実現するため、都市再生特別地区などを活用し、質の高い民間のプロジェクトを積極的に誘導し、高水準なオフィスの供給や魅力やにぎわいのある商業機能、文化交流機能の整備などを推進していく必要がございます。
 お話のございましたオフィスビルの空室率につきましては、社会経済の状況や需要、供給のバランスなどによりまして絶えず変動するものでございまして、直近の都心五区の空室率で見ますと、三年八カ月ぶりの低水準に下がっております。
 そもそも長期的に多様な視点から考える必要がある都市づくりと、瞬間的な経済状況を反映した空室率を結びつけて論じることは適切ではないと考えております。
 都としましては、こうした空室率という一つの指標に左右されることなく、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会の開催の舞台としてもふさわしい都市、世界にアピールできる東京の実現に向け、今後とも積極的に都市再生を進めてまいります。

○大島委員 今、直近の都心五区の空室率が三年八カ月ぶりに低水準だったというお話がありました。都心五区の八月の空室率は八・一六%です。空き室率の危険水域は八%といわれる方もおりまして、決して低水準といえるものではありません。
 空き室率の悪化は瞬間的なものではなく、都心五区の平均空き室率はリーマンショック以降の二〇〇九年から四年連続で八%を超えています。
 また、私たちとは立場が異なりますが、著名な経営コンサルタントの大前研一氏は、都心で賃料が坪二万円を割り込んだら、ディベロッパーの危険水域といっています。
 二〇〇九年以降、四年連続で二万円を割り込み、二〇一二年度は一万六千円台まで落ち込みました。フリーレントといい、五年間は退去しないかわりに、初め半年とか、一、二年は賃料不要にするなどの出血大サービスの貸し方も横行しています。
 巨大な新築ビルの建設は、海外からの企業の呼び込みにはつながらず、周辺の既存ビルのテナントを大量に呼び寄せ、新たな空室をつくっています。
 例えば、あるホールディングスは、都内に分散していた傘下企業を千代田区の新築ビルに集めましたが、これによってJR田町駅や品川駅を中心とした地域に三万五千平米もの空き室をつくったと報道されています。
 こうした空き室が一旦生じた場合、空室を解消するには平均四百五十日以上、すなわち一年三カ月以上もかかるというのです。
 オフィスをふやしていくということは、供給過剰に拍車をかけ、また一時的に都心部の活況を生み出したとしても、周辺部の経済力を吸い上げ悪化させていきます。しかも、どんなに環境に配慮したビルであっても、容積率のアップで床面積がふえれば、温室効果ガスの発生量はふえ続け、自動車や歩行者、就業者を集中させる政策をとり続ければ、災害時の帰宅困難者対策を幾ら充実しても、追いつきません。
 こうした超高層ビルを集中させる政策はやめるべきであるということを申し上げ、質問を終わります。

○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十分散会

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