都市整備委員会速記録第四号

平成二十五年三月二十一日(木曜日)
第六委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長山口  拓君
副委員長田中  健君
副委員長田中たけし君
理事松葉多美子君
理事滝沢 景一君
理事神林  茂君
小林 健二君
和泉 武彦君
たきぐち学君
大島よしえ君
高橋 信博君
吉倉 正美君
遠藤  衛君
大沢  昇君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長技監兼務飯尾  豊君
次長目黒 克昭君
技監安井 順一君
理事藤井 寛行君
理事田崎 輝夫君
総務部長浅川 英夫君

本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備委員会所管分
・第十一号議案 平成二十五年度東京都都営住宅等事業会計予算
・第十二号議案 平成二十五年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・第十三号議案 平成二十五年度東京都都市開発資金会計予算
・第十六号議案 平成二十五年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・第十九号議案 平成二十五年度東京都都市再開発事業会計予算
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○山口委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十五年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市整備委員会所管分、第十一号議案から第十三号議案まで、第十六号議案及び第十九号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○滝沢委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十五年度予算案にかかわる議案について意見の開陳を行います。
 猪瀬知事のもとで最初に編成された平成二十五年度予算案は、都税収入が増加に転じたものの依然低い水準にある中で、将来の財政負担にも考慮した、総じて堅実な予算案となっています。
 猪瀬知事は、国を動かし、民間活力を引き出しながら、新たな東京モデルを発信していく予算案だと述べていますが、予算案に盛り込まれた調査や検討などを踏まえ、真に必要な事業については、今後の積極的な展開を期待するものです。
 また、予算案では、経済波及効果の高い公共投資に財源を重点的に配分するとし、投資的経費を前年度に比べ一・八%増の八千六百六十三億円とし、九年連続の増としています。
 今回、個別事業の経済波及効果や雇用創出数を示すという新たな試みも見られますが、こうした都民にわかりやすい説明については、今後も積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 さらに、二十五年度予算案から、新たに監査報告を活用した類似事業への横断的な検証が取り入れられましたが、各局におかれましては、今後、監査報告を積極的に活用されることを求めておきます。
 予算案の目的別の内訳では、福祉と保健は初めて一兆円の大台を超え、構成比も分野別のトップになりました。予算編成に当たっては、事業評価などを通じ、すべての施策を厳しく検証し、その効率性や実効性の向上に取り組んでいるとのことですが、今後とも、施策のあり方を不断に検証しながら、東京の特性を踏まえた費用対効果の高い施策の展開を要望するものです。
 また、監理団体、報告団体も含めた外郭団体改革として、外部有識者による評価、検証を恒常的に行う仕組みの構築についても強く求めておきます。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、都市整備局にかかわる事項について申し上げます。
 一、不燃化推進特定整備地区制度について。一、資金面でアドバイスできるような専門家についても、派遣するよう体制を整備すること。二、整備のスピードを上げるため、更地にした場合でも固定資産税が上がらないようにすることと同等の支援を検討すること。三、特区の中でも、エリアごとに異なる状況に応じたアプローチを行うなど、不燃化を推進すること。四、特定整備路線と一体となった取り組みを進めるため、相談窓口の一本化、区や関係局との連携を図り効果的な取り組みを進めること。
 一、旧耐震基準のマンションの耐震化に向け、きめ細やかな対応や助成制度の充実など、より一層の取り組みを行うこと。
 一、避難場所の見直しに当たっては、避難場所周辺の不燃化に結びつけるなど、避難有効面積の確保への取り組みを進めるよう区に働きかけること。
 一、民間住宅活用モデル事業については、区市町村と一層の連携を図るとともに、空き家所有者とNPO等とのマッチングなど、空き家の利活用方策を検討すること。
 一、東京における航空機能に関する調査の結果を生かし、羽田空港のさらなる機能強化に向けて取り組むこと。
 一、羽田空港におけるビジネス航空機の利用促進に向けて取り組むこと。また、羽田-成田両空港間も含めた羽田空港へのアクセス改善を図ること。
 一、都営住宅の建てかえにおいては、敷地の有効利用を図り、地域に必要な子育て施設や高齢者施設の整備などを一層促進すること。
 一、都営住宅における居住者の安否確認については、地元自治体との連携強化に向けた一層の取り組みを進めること。
 一、都営住宅での東日本大震災避難者の孤立化防止については、個別訪問や交流の場の提供、生活相談などきめ細かく対応すること。また、三年の供与期間経過後についても適切に対応すること。
 一、雨水浸透ますの設置促進など雨水流出の抑制対策を進めるなど、保水力のあるまちづくりの観点から浸水対策の推進を図ること。
 一、首都圏の高速道路における現行の入り組んだ料金体系をさらに見直し、都民の声を反映させながら、より効率的に利用できる高速道路網の実現に向けた検討を行うこと。
 一、ホームドア、ホームさくの設置等により、鉄道駅ホームの安全対策を促進すること。
 一、都施行の市街地再開発事業においては、収支均衡に努めること。また、市街地再開発事業で得た創意工夫やノウハウを各地のまちづくりに活用していくように努めること。
 以上で都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○高橋委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、都市整備委員会に付託されました平成二十五年度東京都予算関係議案について意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成二十五年度予算案は、都税の増収を活用し、都民の安全・安心を守る取り組みを最優先に、首都東京の活力、魅力を高めていくための確かな手だてを講じるものとなっております。
 その結果、政策的経費である一般歳出は一・六%の増となっていますが、中でも特に目を引くのは、東京の都市機能を向上させるとともに、経済波及効果の高い投資的経費に財源を振り向け、九年連続で増加させていることです。
 首都東京の大命題ともいえる防災力の強化や国際競争力の向上に資するインフラ整備などを積極的に推進しており、景気対策の観点からも評価できるものです。
 その一方で、税収増の一部を都債発行の抑制に充てるなど、財政基盤の強化を図っており、施策の充実と財政基盤の強化の両面にしっかりと目配りがなされております。
 足元の景気には明るい兆しが見え始めていますが、都財政を取り巻く環境は、まだまだ楽観視できる状況にはありません。都民の暮らしを守るとともに、東京から日本の将来を切り開いていく施策を積極的に展開していくためにも、引き続き堅実な財政運営に徹することを望みます。
 最後に、現下の都民生活を取り巻く状況を適切に踏まえ、都民が施策の効果をできる限り早期に享受できるよう、各局とも迅速かつ着実な予算執行に努められるよう強く要望いたします。
 次に、都市整備局関係について申し上げます。
 一、都市づくりビジョンに基づき、都市再生の推進や環境負荷の少ない都市構造の構築、水と緑のネットワークの強化、美しく風格ある景観の形成、都市の安全性の確保等に向けた取り組みを着実に推進されたい。
 二、三環状道路等の広域幹線道路ネットワークの形成、羽田空港の一層の機能強化及び羽田や成田への空港アクセスの整備等、公共交通網の充実を積極的に推進されたい。
 三、木密地域の改善を加速させるため、木密地域不燃化十年プロジェクトを着実に推進されたい。特に、区の積極的な取り組みに対し都が特別な支援を行う不燃化特区制度については、各地域の事情に対応した支援を行われたい。
 また、大地震から都民の安全や首都東京の都市機能を確保するため、一刻も早く緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進されたい。
 四、マンション実態調査の結果を有効に活用し、多くの区分所有者の合意形成が必要となる分譲マンションの耐震化を効果的に推進されたい。
 五、都民が適切な液状化対策を講じられるよう地盤状況や具体的な対策工法などについて情報提供を行うとともに、都民からの相談に対して、区や市と連携し、きめ細かく対応されたい。
 六、近年多発する局地的な集中豪雨により浸水リスクが増加する中、不特定多数の人々が利用する大規模地下街の安全・安心を確保するため、浸水対策計画の策定を促進されたい。
 七、地域の特性に応じた良好な市街地の形成を図るため、土地区画整理事業、市街地再開発事業等の市街地整備事業を積極的に推進されたい。
 八、八ッ場ダムは、治水、利水の両面から必要不可欠な施設であることから、一日も早くダムを完成させるよう国に対し強く求められたい。
 九、高齢者が地域で安心して生活できるよう住宅施策と福祉施策を融合したサービスつき高齢者向け住宅など、ケアつき住宅の供給を着実に進められたい。
 十、防災上の課題や少子高齢化など多様化する都民の住宅ニーズへ対応するため、空き家を含めた既存住宅ストックの有効活用を進められたい。
 十一、都営住宅の建てかえに当たっては、都民共有の貴重な財産である敷地の有効活用を図り、地域のまちづくりに寄与する取り組みを進められたい。
 以上で私の意見開陳を終了いたします。

○小林委員 都議会公明党を代表しまして、当委員会に付託された平成二十五年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 平成二十五年度の一般会計当初予算案は、企業収益の持ち直しなどによって増加した都税収入を活用し、政策的経費である一般歳出を前年度比一・六%増の四兆五千九百四十三億円と三年ぶりに増加させています。
 その中身は、現場を踏まえた都民の安全・安心を守る取り組みや、国や民間を動かす先駆的な取り組みに財源を重点的に投入する、めり張りのきいたものとなっております。
 具体的には、我が党が掲げる防災・減災ニューディールとも合致する社会資本の老朽化対策を初めとした投資的経費は、九年連続で増加させております。
 また、公明党が一貫して充実を求めてきた福祉と保健の分野については、予算額が初めて一兆円を超え、構成比も過去最高としています。
 加えて、いまだ震災のつめ跡が残る被災地の復興に向けて、都内避難者への支援や災害廃棄物の受け入れ、被災地応援ツアーの継続など、被災者、被災地支援に物心両面にわたり取り組む姿勢は高く評価するものであります。
 一方、都財政は、景気変動の影響を受けやすい不安定な歳入構造にあり、税収増に転じたとはいえ、その先行きは楽観視できる状況にはありません。その点、今後の経済環境の変動に備えた財政基盤の強化は、将来にわたり安定的、持続的に行政サービスを提供していくために必要な取り組みであります。事業評価などを通じ、施策のむだをなくし、効率性や実効性の向上に努めるとともに、その際には、複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用しながら、きめ細かく分析、検証を行うよう求めます。
 今後とも、いかなる状況下にあっても都民生活を守り抜く覚悟で、将来に向けて責任ある堅実な財政運営に努めることを強く望むものであります。
 あわせて、予算の執行に当たっては、都民の期待にこたえられるよう、より一層効率的、効果的に行うとともに、景気回復の兆しを確かなものとするためにも、日本全体に大きな影響を与え得る東京が率先して、新たな成長につながる施策を強力に推し進めていくことを要望します。
 次に、都市整備局関係について申し上げます。
 一、都市づくりビジョンに基づき、東京の都市インフラや施設更新を効果的に進めながら、日本の経済発展を牽引する首都東京の国際競争力を一層強化し、あわせて環境先進都市の創造に取り組むこと。
 一、街区の大型化と公共施設や都市インフラの再編、さらに民間の構想力や実務能力、経済力を総合化して、活力と魅力に満ちた東京の再構築を実現するため、都市再生の開発プロジェクトを推進すること。
 一、都市再生ステップアッププロジェクトにおいては、地元ニーズに的確に対応しながらも、東京の将来像をリードするにふさわしい、統一感のあるまちづくり構想に裏打ちされた取り組みとすること。
 一、木密地域不燃化十年プロジェクトを具体的に推進するための不燃化特区制度において、住民合意の形成に向けてきめ細かで効果的な支援を行うこと。また、木造住宅密集地域の解消に当たって、建てかえ意欲を向上させるため、地域密着型集会の充実を図り、住民みずからの危機意識を高めるよう努めること。
 一、今後、木密対策も含め、新たなまちづくりや再開発に当たっては、隣接しない街区間でも容積率の移転を可能とする特例容積率移転適用制度を活用するなど、都市計画の新たな展開に向けて、都が積極的な条件整備に努めること。
 一、緊急輸送道路沿道建築物について、所有者が抱える個々の課題について幅広く対応し、耐震診断から改修、建てかえへとつなげていくこと。また、建物単独の建てかえだけではなく、共同化や街区再編などを積極的に推進していくこと。
 一、液状化対策に当たっては、きめ細かな相談体制を整えるとともに、今後発生が懸念される大規模地震による宅地の液状化被害を抑制するため、液状化対策が必要と判定された宅地における道路などの公共施設と宅地との一体的な液状化対策の支援を検討すること。
 一、交通システムにおける環境負荷の軽減に向け、多摩都市モノレールの延伸や地下鉄八号線、地下鉄十二号線等の鉄道交通網整備やLRTなどの地域交通網整備の促進に向けて、都の役割を強化すること。
 一、羽田空港の機能強化とさらなる国際化を推進し、羽田が二十一世紀のインフラとして十二分に活用されるよう国際線旅客ターミナル拡張の早期完成などを国に求めるとともに、空港アクセスの強化に取り組むこと。
 一、駅ホームからの転落防止策として極めて効果的なホームドアの設置を鉄道事業者に強く働きかけるとともに、設置促進に向け支援すること。
 一、局地的な集中豪雨が多発し、浸水リスクが高まっていることから、浸水被害の危険性の高い地域においては、公共施設などを活用して一時貯留施設などを積極的に設置していくこと。
 一、分譲マンション耐震化について、実態調査の結果を活用し、耐震化を一層加速すること。また、合意形成に時間がかかるマンション建てかえが、周囲のまちづくりの動きに取り残されることがないような方策を講じること。
 一、マンションなどの居住者の避難対策として、震災時でも住宅内で生活を継続できる性能を持つLCP住宅の整備を促進すること。
 一、都営住宅については、近い将来、耐用年数を超える住宅が大量に発生し、住宅のセーフティーネット機能が損なわれ、入居難が深刻化することのないよう建てかえ事業を大幅に加速させること。また、管理戸数の弾力的運用を図ること。
 一、高齢社会の進展により、高齢者の住まいのあり方に一層きめ細かな配慮が必要であることから、都営住宅の間取りについても、より使い勝手のよい間取りに変更するなど、住宅セーフティーネットとしての機能を確保するため、不断の運用の改善に取り組むこと。
 また、高齢化による自治機能低下を補うため、共益費の回収負担の軽減や団地内コミュニティ機能の維持向上のための支援策を具体的に推進すること。
 一、少子化の進展に対応するため、現居住者の円滑な転居を優先しながらも、都営住宅の建てかえ後の住宅の一部を子育て世帯向けの募集住宅とすること。また、一般世帯向けの公募戸数に影響を与えることのないよう子育て世帯向け期限つき入居戸数を大幅に拡大すること。さらに、区市町村と連携して、民間の子育て世帯向け住宅の普及に向けた取り組みを確実に行うこと。
 一、高齢者が住みなれた地域で安心して住み続けられるように、サービスつき高齢者向け住宅の一層の供給促進に取り組むこと。
 一、東京都住宅供給公社の少子高齢対応として、一般賃貸住宅の空き家募集において、高齢者などの低層階への優先入居や子育て世帯の倍率優遇の措置の利用促進を図るほか、建てかえに際して創出される余剰地を活用し、医療、介護などの生活支援サービスつきの高齢者向け賃貸住宅の整備を加速すること。
 一、就労促進に伴う都営住宅の空き家活用については、都民の共通の貴重な財産であることから、多くの都民が納得できる明確なルールのもとに進めていくこと。
 一、都内に約七十五万戸ある空き家について、都民に対して的確に情報を届けつつ、その対策に早急に取り組むこと。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○大島委員 日本共産党都議団を代表し、意見を表明します。
 長引くデフレ不況や社会保障の切り下げによって、都民の暮らしの厳しさが一層増している中で、都民の福祉、暮らしを守り、切迫する首都直下地震への防災、震災対策の強化も求められています。
 ところが、猪瀬都政の来年度予算は、幹線道路や過大な港湾施設整備、欧米などの多国籍企業を呼び込む巨大開発のための事業など、大型開発促進を最重点とする一方で、都民生活を守るための福祉や雇用、中小企業対策などは極めて不十分です。都営住宅の新規建設に至っては、十四年間連続ゼロです。
 都政を、暮らし、雇用、福祉を守る都民本位の都政に転換するための我が党の全体の見解については、本会議質問や予算委員会などで明らかにしています。
 都市整備局関係について述べます。
 震災対策では、建築物の液状化被害に備えるための手引の作成や情報提供の具体化のための予算が計上され、区市町村住宅供給助成事業でサービスつき高齢者向け住宅建設費補助を増額しているなど、一定の前進面はありますが、最大の被害が想定される木造住宅密集地域における住宅の耐震化、不燃化、難燃化などへの助成対象地域や助成額の拡充はなく、新たな適用は、住民追い出しにつながりかねない不燃化特区に限られていることは、見過ごすことができない問題です。
 地域住民、都民から強い反対や疑問の声が上がっているむだな公共事業である外環道を進めることや、都が負担する必要のない首都高速道路--中央環状新宿線、品川線など、整備事業に九十四億六千万円も出資し続けていることなど、全体として国際競争力強化を名目とした環境負荷の高い超高層ビルや巨大道路計画を推進する予算となっています。
 日本共産党都議団は、都市再生の名による環状道路や大型開発の促進ではなく、生活密着型の公共事業への転換を図り、だれもが安心して住み続けられる災害に強い東京の実現と、都市や暮らしの質を高めることを求め、以下、主要な点について要望します。
 一、さらなる東京一極集中と環境破壊をもたらす都市再生の促進は中止し、都市づくり計画を、人口減少社会にふさわしく、また切迫した首都直下地震への備えを進め、だれもが安心して住み続けられる真の持続可能な社会を目指すこと。
 一、木密地域不燃化十年プロジェクトで示された不燃化特区制度は、住み続けたいと願う居住者を強制的に追い出すことがないよう住民合意を基本に進めること。借地借家人など従前居住者の受け皿となる住宅を確保することや、従前の生活が担保できるような補償制度を創設すること。
 一、木造住宅密集地域の安全化対策は、幹線道路の整備や再開発優先ではなく、地域内の住宅の耐震化、難燃化のための支援こそ抜本的に強化すること。木造住宅の耐震化を促進するために、助成対象地域を都内全域とし、助成額の抜本的な引き上げを図ること。
 一、耐震化とともに防火改修を進めることの効果について検証し、耐震改修と防火改修を同時に行う場合、助成を上積みする制度を創設すること。
 一、都営住宅の応募倍率が高倍率で推移している中、不足している都営住宅を確保するために、新規建設を再開するとともに、建てかえ時に戸数をふやすことや借り上げ公共住宅制度を活用すること。若者向け都営住宅を整備するとともに、若者への家賃助成に踏み出すこと。
 一、都営住宅の入居収入基準及び使用承継の基準をもとに戻すこと。若年ファミリー世帯や非正規雇用労働者などの入居条件を緩和し、若年単身者の入居資格を認めて、ソーシャルミックスを進めること。また、型別供給をやめ、住戸面積の拡大、間取りの改善、三DK、四DKなど多世帯向け住宅の拡充を図るとともに、エレベーター設置を促進すること。
 一、都営住宅及び公社住宅の一般公募の期限つき入居制度はやめること。期限つき入居者に対して一方的な退去を強行せず、契約更新を認めること。
 一、都営住宅における孤独死対策や認知症高齢者対策等のために、仮称見守りサポーター登録制度を実施し、住宅管理者として重層的な見守りと巡回管理人の増員で、きめ細やかな相談に応じられるようにすること。
 一、東京都住宅供給公社の一般賃貸住宅家賃の設定は、近傍同種ではなく、応能を基本とした制度に改めるとともに、三年ごとの見直しをやめること。
 一、マンション実態調査結果を分析し、修繕積立金、管理、技術、法律など総合的なマンション相談窓口を都として設置するとともに、マンション白書の定期発行及び管理組合育成支援事業を実施すること。
 一、マンションの大規模修繕利子補給制度を拡充するとともに、助成制度をつくること。区市町村が実施するマンション支援事業に対する財政支援を実施すること。
 一、マンションの耐震化促進のために、分譲マンション耐震化助成を拡充すること。また、賃貸マンションについてもマンション耐震化助成の適用を検討すること。
 一、超高層マンションなどの長周期地震動対策や住宅地の液状化、土砂災害対策を強化すること。
 一、住宅リフォーム助成を都として実施すること。また、住宅リフォーム助成を実施する区市町村への財政支援を行うこと。
 一、住宅統計調査等に基づく都民の住宅実態を把握するため、二〇〇三年以降発行されていない東京都住宅白書を再発行すること。また、居住者代表も参加する賃貸住宅管理問題調査会を早急に開催すること。
 一、圏央道、外かく環状道路と外環ノ2、環状二号線などの環状道路計画は中止し、都民参加で再検討すること。
 一、東京における公共交通を中心とした交通網の整備を進めるため、ロードプライシングを初めとした総合的な交通政策を確立すること。多摩モノレールにシルバーパスを適用すること。
 一、駅ホームからの転落事故、列車との衝突事故を防止するため、都営地下鉄を初め、都内すべての駅への可動式ホームさく、ホームドア設置を進めること。
 一、あかずの踏切解消に向けた対策、踏切の安全対策を強化すること。
 一、都市型水害対策として、豪雨対策基本方針に基づく事業を促進し、雨水浸透策や地下室、地下街対策など抜本策を講じること。また、国、区市町村、民間とも連携し、総合治水対策を本格的に推進すること。
 一、東日本大震災による都内避難者の住まい保障を強めるため、都営住宅等への入居、民間住宅借り上げは、期限を区切らず、被災地に戻れる条件が整うまで保障すること。民間住宅借り上げの対象要件を緩和すること。
 以上で意見開陳を終わります。

○山口委員長 以上で予算に対する意見開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○山口委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山口委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○山口委員長 この際、飯尾都市整備局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○飯尾都市整備局長 一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 このたびの定例会に提案いたしました議案につきまして、山口委員長を初め委員の皆様には、熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。
 これまでのご審議の過程でいただきました多くの貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事務事業の執行に十分反映させ、万全を期してまいりたいと存じます。
 今後とも一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、大変簡単ではございますが、御礼のごあいさつとさせていただきます。まことにありがとうございました。

○山口委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十八分散会

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