都市整備委員会速記録第十三号

平成二十四年十一月十三日(火曜日)
第六委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十三名
委員長山口  拓君
副委員長田中  健君
副委員長田中たけし君
理事松葉多美子君
理事神林  茂君
理事門脇ふみよし君
小林 健二君
たきぐち学君
大島よしえ君
高橋 信博君
吉倉 正美君
遠藤  衛君
大沢  昇君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長技監兼務飯尾  豊君
次長目黒 克昭君
技監安井 順一君
理事藤井 寛行君
理事田崎 輝夫君
総務部長浅川 英夫君
都市づくり政策部長町田 修二君
住宅政策推進部長細渕 順一君
都市基盤部長石川  進君
市街地整備部長鈴木 昭利君
市街地建築部長砂川 俊雄君
都営住宅経営部長瀧本 裕之君
企画担当部長佐藤 伸朗君
連絡調整担当部長黒川  亨君
景観・プロジェクト担当部長永島 恵子君
住宅政策担当部長香山  幹君
民間住宅施策推進担当部長笹沼 正一君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務山下 幸俊君
防災都市づくり担当部長西倉 鉄也君
防災都市づくり調整担当部長加藤  隆君
多摩ニュータウン事業担当部長栗岡 祥一君
耐震化推進担当部長小野 幹雄君
経営改革担当部長桜井 政人君
再編利活用推進担当部長上野 雄一君
建設推進担当部長山田 雅史君
営繕担当部長妹尾 高行君

本日の会議に付した事件
 都市整備局関係
事務事業について(質疑)

○山口委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○浅川総務部長 十一月六日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております都市整備委員会資料の表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。資料は、1の都営住宅、公社住宅のエレベーター設置状況から、11の都内分譲マンションの着工戸数の推移までの十一件でございます。
 それでは、まず一ページをお開き願います。1、都営住宅、公社住宅のエレベーター設置状況でございます。
 過去五年間のエレベーターの設置状況を、既設都営住宅及び公社住宅について年度別に記載してございます。
 二ページをごらんください。2、平成十九年八月二十五日以降の都営住宅使用承継事由発生件数、申請件数及び使用承継が認められた件数でございます。
 平成十九年八月二十五日以降発生した使用承継事由発生件数のうち、使用承継申請件数、使用承継許可件数及びその内訳について記載してございます。
 三ページをごらんください。3、公営住宅使用承継制度厳格化の実施状況でございます。
 都道府県と政令市ごとに、平成二十四年十月一日現在の実施状況を記載してございます。
 四ページをごらんください。4、都営住宅入居収入基準引き下げにより収入基準を超える現入居世帯数でございます。
 入居収入基準の引き下げにより、新たに引き下げ後の基準を超える世帯数について記載してございます。
 五ページをごらんください。5、都営住宅、公社住宅における入居者の年齢別世帯数の状況でございます。
 都営住宅、公社住宅の別に、名義人の年齢区分が六十四歳以下及び六十五歳以上の世帯数及び割合を記載してございます。
 六ページをごらんください。6、都営住宅における期限つき入居の募集戸数でございます。
 都営住宅における期限つき入居の募集戸数を年度別に記載してございます。
 七ページをごらんください。7、都営住宅建てかえによる型別供給実績でございます。
 都営住宅建てかえによる型別供給実績を年度別に記載してございます。
 八ページをお開き願います。八ページから九ページにかけまして、8の都営住宅の応募状況を記載してございます。
 (1)では、世帯向けに実施した抽せん方式による募集、(2)では、単身者向けに実施した抽せん方式による募集、(3)では、ポイント方式による募集について、過去五年間の応募状況を年度別に記載してございます。
 一〇ページをごらんください。9、都営住宅の管理戸数、空き家戸数(事業用、募集用)、募集停止戸数でございます。
 都営住宅の管理戸数、そのうち事業用及び募集用別の空き家戸数並びに募集停止戸数を記載してございます。
 一一ページをごらんください。10、公社一般賃貸住宅及び都民住宅の空き家状況でございます。
 公社一般賃貸住宅と都民住宅の空き家状況を年度別に記載してございます。
 一二ページをごらんください。11、都内分譲マンションの着工戸数の推移でございます。
 過去五年間の都内分譲マンション着工戸数を年度別に記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○山口委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田中(健)委員 それでは、質問を始めさせていただきます。
 まず、エレベーターの安全性の確保について伺いたいと思います。
 先月の三十一日、二週間ほど前になりますが、金沢のホテルで、扉が開いたままエレベーターが動き、乗り込もうとしていたホテルの従業員が挟まれて亡くなるという悲惨な事故が発生いたしました。
 この事故を起こしたエレベーターはシンドラー社製、皆さんもご存じのとおり、平成十八年にも港区で同じシンドラー社製のエレベーターで事故があり、高校生が挟まれて亡くなるという痛ましい事故が起きております。
 エレベーターは、私たちの生活のより身近にある乗り物でありまして、子どもからお年寄りまで、ボタン一つで簡単に移動できる乗り物であります。今や都民の日常生活に必要不可欠な設備となりました。この安全を確保することが重要となってまいります。
 そこで、都におけるこれまでのエレベーターの安全に対する取り組みについてをまず伺います。

○砂川市街地建築部長 エレベーターは、設置された後も日常点検により、適正に維持管理を行い、安全性を確保していくことが重要でございます。
 建築基準法では、所有者等に対しまして、年一回、エレベーターの定期検査を行い、特定行政庁に報告することを義務づけております。
 国は、平成十八年のエレベーター事故の原因がブレーキの磨耗と推定されるとの昇降機等事故対策委員会の報告を受けまして、平成二十年にエレベーターの安全にかかわる技術基準を見直ししております。
 都は、この基準に基づきまして、所有者等より提出された定期報告書の内容を審査し、必要に応じて所有者等に対し是正指導を行っているところでございます。

○田中(健)委員 平成二十年に新たな安全基準を見直したということではありますが、しかしながら、このような痛ましい事故が再度起きてしまいました。
 現時点では、事故の原因というのははっきりわかっていないということでありますが、シンドラー社製のエレベーターについては、早急に安全性の確認を行うべきだと思っております。
 金沢での事故を受けて、シンドラー社みずからは緊急点検を行ったということも聞いておりますが、製造会社に任せているだけではとても十分とは思えませんし、私たちも安心してエレベーターに乗ることができません。
 都として、今回の事故についてどのように対応していくのか伺います。

○砂川市街地建築部長 国は、現在、昇降機等事故調査部会で今回の事故の原因解明に向けた調査検討を始めており、これとあわせて、全国のシンドラー社製エレベーターを対象として緊急点検を行うこととしております。
 都は、特定行政庁である区市と連携し、都内のすべてのシンドラー社製エレベーターを対象として、国からの点検要請に迅速に対応してまいります。

○田中(健)委員 平成十八年に起きた事故の遺族の家族とそれを支援する会で、赤とんぼの会というのがあるんですが、そのホームページにこのような文書が載っておりました。また痛ましい事件が起きてしまったと、早く大輔の事故の背景要因まで徹底的に調査し、事故の教訓を生かしていただきたいと強く願いますと、命をむだにしないでいただきたい、またエレベーター事故が起きてしまったという悔しい思いがいっぱいであるというものが載っておりました。
 二度とこういう事故がないように、この原因究明等は国の一義的な責任ではありますが、都も、東京都ではまず安心だということを皆さんに常にいえるように、管理を、また点検を徹底していただきたいと思っております。
 次に移ります。
 復興予算に関する問題でありますが、私の地元の大田区の京急蒲田西口の再開発事業が、復興予算に取り上げられておりました。この予算が事業に充当されていたという、これは報道ベースですが、そのようなテレビでの報道がありました。
 京急蒲田の西口の駅前の再開発というのは、先日、全面高架化がやっと終わり、これからというところであり、大田区の玄関口及び交通の結節点にふさわしい駅前の広場及びアクセス道路を一体的に整備することによって、駅前の商業地としての地域のにぎわい、さらには良好な都市型住宅の環境の創出と市街地の防災の向上、さらにいえば都市計画道路の都市基盤整備の強化、それを一体的に行うということで、これからまさに始まる事業であります。
 地元としては、一日も早いこの完成が望まれているところでありますが、そこで、実際のところ、京急蒲田西口の駅前再開発事業にいわゆる復興予算が使われていたのかということをお聞きします。

○西倉防災都市づくり担当部長 今年度、国土交通省は、京急蒲田西口駅前地区市街地再開発事業に対しまして、東日本大震災復興特別会計から、防災・省エネまちづくり緊急促進事業補助金を内示しております。
 しかし、施行者である組合から、現時点では補助金の交付申請は行われておりません。

○田中(健)委員 あくまでテレビの報道ベースでありましたので、今使われていないということをはっきりといっていただきましたので、京急蒲田西口の駅前再開発においては、現段階では復興予算が使われていないということをこの場で確認することができました。
 しかし、事業者としては、本来の事業目的に即した補助金により事業が円滑に進むことを望んでいると思っております。ぜひとも今後事業が円滑に進むよう、都もしっかり取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
 次に、東京の外かく環状道路の件についてを質問させていただきます。
 外環は、首都圏のみならず我が国の発展を支える重要な道路であります。外環の関越道から東名高速間については、二〇二〇年を目指して工事に着手することとなりました。東名高速から湾岸道路までの計画はいまだ具体化されておりません。外環を湾岸道路まで延伸させることにより、国際化をした羽田空港や京浜港と首都圏が密接につながることとなります。
 この九月の着工式、ここにいらっしゃる遠藤会長を初め議連の皆さん、私も参加をさせていただきましたが、国と関係機関との検討の場の設置が、羽田国土交通大臣から表明されたところでありまして、地元大田区としても、今後の検討がどのようになされるのかと関心のあるところであります。今後、都政も新たな体制となり、変わることと思いますが、しっかりと具体化を進めてもらいたいと思っております。
 都は、外環の東名高速から湾岸道路までについてどのように取り組むのか、見解を伺います。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 外環の東名高速から湾岸道路までの都の取り組みについてでございますが、交通、物流ネットワークの機能を最大限発揮するためには、外環を湾岸道路までつなぐことが重要でございます。
 このため都は、国と関係機関による検討の場を早期に立ち上げ、必要な調査を実施するよう、国に強く求めてまいります。

○田中(健)委員 湾岸方面に道路がつながるということで、羽田の話が出ましたので、関連して羽田空港の件についてもお聞きをしたいと思います。
 羽田空港跡地の話であります。この跡地の活用については、何度もこの委員会でも議論されてまいりましたが、国、都、地元区で構成する羽田空港の移転問題協議会、いわゆる三者協でありますが、その場において、平成二十二年に羽田空港跡地のまちづくり推進計画が策定されて、まちづくりの方向性が示されたところであります。
 この推進計画に基づいて、国により、環状八号線の第一ゾーンの中の区間の移転が完了したところであり、本年三月に供用が開始されるなど、基盤整備も着々と現在進んでおります。
 また、羽田空港の跡地のうち、第一ゾーンについては、昨年、国際戦略総合特区のエリアの一つとして、私たち東京都が提案しましたアジアヘッドクオーターとして指定されて、東京が日本の全体の経済成長の維持を牽引して、さらにはアジアの拠点として、地位を維持していこうということとなっております。
 こうした中、今後、都として、跡地のまちづくりにどのように取り組んでいくのかを伺います。

○山下航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務 羽田空港につきまして、都は、これまで、四本目の滑走路や新たな国際線ターミナルを国に提案し、実現させるなど、機能強化や国際化を強力に進めてまいりました。
 お話の羽田空港跡地につきましては、羽田空港の価値を最大限発揮させていく上で、空港と一体となった利用を図ることが重要でございます。
 今後も、羽田空港跡地まちづくり推進計画に基づき、国や地元区など関係機関と鋭意協議、調整を進め、跡地利用の具体化に取り組んでまいります。

○田中(健)委員 地元大田区としては、第一ゾーンにつきましては、国内外のビジネスマッチングの拠点として、産業交流施設のようなものを検討しているということで、東京都とも随時議論をしているということもお聞きしております。これも都政が新しくなったとしても、しっかりと羽田空港の国際化とともに、跡地の拠点づくりに邁進していただきたいということをお願いして、次に移りたいと思います。
 次は、耐震化についてであります。緊急輸送道路の沿道建築物の件でございます。
 この緊急輸送道路は、震災時においては、避難することや、救急救命や物資の輸送などを担う、都民にとっての生命線であることはいうまでもなく、今回の東京都の防災計画の中でも、緊急輸送道路の機能確保ということを重点的に進めている。そして、この機能確保は極めて重要な点であります。
 東日本大震災が発生した平成二十三年三月十一日、緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化の推進条例が可決されました。既存の建築物に耐震診断を義務づける全国初の試みであり、国の方でも、社会資本整備審議会の中で重要な建築物に対する規制強化の案が議題として取り上げられるなど、都の取り組みが大変注目されているところであります。
 旧耐震の基準で建てられた沿道建築物の耐震化を図り、現在の八一・三%の耐震化率を一〇〇%にするということが急務であり、都としては平成二十七年度までに実現するという目標を掲げております。
 本年四月から耐震診断の義務づけが施行されましたが、今年度における進捗状況と今後の取り組みについて伺います。

○小野耐震化推進担当部長 都は、条例制定後、義務化に先立ち、約五千棟を対象としまして、休日や夜間を含む個別訪問等を行いますとともに、本年四月からは、診断を行う建築士のあっせんなどを精力的に行ってまいりました。
 この結果、平成二十四年度の助成件数は、十月末時点の申請件数で、耐震診断が千三百四十件、補強設計が六十三件、改修工事が二十六件と、昨年度の実績に比べ大幅に伸びております。
 今後は、耐震診断の結果を次のステップである設計や改修工事に確実かつ速やかにつなげていくことが重要であると認識しております。
 都としましては、診断が完了した建物所有者のもとを順次訪問し、改修や建てかえに関する助言を行うなど、引き続き丁寧な対応を行ってまいりますとともに、区市町村や建設業の関係団体とも連携しまして、さまざまな支援策や働きかけを行い、耐震化を強力に推進してまいります。

○田中(健)委員 条例による耐震診断の実施義務化前に、診断済みの建物が既に約八百件あったと聞いていますので、今お話をいただきました千三百四十件と合わせますと、合計二千百四十棟が診断実施済みまたは実施中であるということであり、これをパーセントに直すと、約四三%の診断義務がこれまでに果たされたこととなります。条例化や、都の職員が個別的に回り働きかけをしているということで、かなり進んできたということであります。最終的には、この耐震診断が改修に結びつくことが大事でありますので、最終目標の耐震改修に向けた一層の取り組みをお願いしたいと思います。
 建築物は、外側をリニューアルすることも少なくなく、外見だけでは、建築物の耐震性の有無や新耐震基準か旧耐震基準かというのは判断ができません。
 こうしたことから、都では、耐震性能がある建築物に対して、都独自のマークを交付する耐震マーク表示制度を今年度から開始しました。(実物を示す)この青の、白の輪っかがかぶっているようなマークでありますが、この耐震マークを表示し、また掲示することで、利用者は安心して建物を利用でき、また、所有者にとっても耐震化に向けたインセンティブとなり、大変有意義な施策だと思っております。
 そこで、これまで耐震マークの交付状況、さらに普及に向けて今後の取り組みについてを伺います。

○小野耐震化推進担当部長 耐震マーク表示制度は、耐震性能が確保されている建築物に対しまして、一目でわかりやすい耐震マークを交付し、目立つ場所に掲示してもらうことで、都民に適切に情報提供しますとともに、所有者の耐震化に向けた主体的な取り組みを促進していくことを目的としております。
 平成二十四年四月から、条例で耐震診断が義務づけられました特定緊急輸送道路に面する建築物と公共建築物を対象に制度を開始しており、十月末現在で、沿道建築物につきましては約四百件、公共建築物につきましては約一万九千件を交付しております。特に、緊急輸送道路沿道建築物につきましては、条例と耐震マーク表示制度を連動して運用することで、耐震化を早急に進めることが重要であると考えております。
 今後とも、区市町村と連携し、広報紙やパンフレットによるPRを行うとともに、路線ごとにきめ細かく周知を行うなど、積極的に取り組んでまいります。

○田中(健)委員 都民が安心して建築物を利用して都心で暮らしていくためには、最初に申し上げました実際の建築物の耐震診断、改修、建てかえを進めていくとともに、この情報を広く都民に提供していくことが重要であります。
 このマーク、まだ余り皆さんも、始まったばかりでありますから、その周知が徹底しておらず、知らない方もまだたくさんいるかと思います。この都議会の二階にも張ってありましたが、恐らく気づかない人もいるんじゃないかと思うんですが、ぜひ、このようなシールが沿道沿いに張られて、安心して私たちが生活できるようなまちづくりを進めていただきたいと思っております。
 まちづくりということで二点質問をしたいと思います。
 これまで、都市化の進展に伴って、自動車の排気ガスによる大気汚染やまた大量の廃棄物が発生するということで、都市の活動に起因するさまざまな環境問題が、東京だけでなく全国でも生じております。
 こうした都市の環境問題に対処するために、環境負荷に配慮した都市づくりということがいわれてまいりました。近年では、地球環境問題の深刻化に伴い、地域の環境だけではなくて、地球環境に配慮した都市づくり、具体的には、地球温暖化問題の主な原因でありますCO2の排出量をできるだけ抑えて、低炭素な都市づくりというものが注目をされております。
 東京都においても、二〇二〇年までに温室効果ガスの排出量を二〇〇〇年度比で二五%削減をするものとしており、その実現に向けて、都市づくりを所管する都市整備局でも、果たす役割というのは非常に大きいものと考えています。
 そこで、都市整備局でも目指しております低炭素な都市づくりというものを進めるに当たり、基本的な考え方についてを伺います。

○町田都市づくり政策部長 都は、低炭素都市への転換を図るため、平成二十一年に都市づくりビジョンを改定いたしまして、魅力とにぎわいを備えた環境先進都市の実現を基本理念として位置づけております。
 都市づくりビジョンでは、都市機能の集積、集約化による環境負荷の少ない都市構造の実現、都市開発におけるカーボンマイナスの推進、さらには、都市交通ネットワークの整備促進による環境負荷の低減を位置づけております。都市づくりにおける環境負荷の低減に、これらをもとに取り組んでいるところでございます。
 具体的には、都市の更新等に伴う省エネルギーシステム導入の取り組みや三環状道路の整備、さらに公共交通の充実などでございます。これらにより、都市全体のCO2排出量の削減に向けた施策を進めているところでございます。

○田中(健)委員 環境負荷の少ないまちを実現するためには、今おっしゃってもらいました行政が積極的にCO2の排出量の削減に向けた取り組みを行うことは当然であり、そこから始めていくのが第一だと思いますが、さらに、東京のような大都市においては、民間による開発が活発であるから、都市開発の機会をとらえて、低炭素型の都市づくりに寄与する取り組みを進めていくことがさらに重要であると考えております。
 そこで、民間の都市開発の機会をとらえて、低炭素の都市づくりを誘導していくべきであると考えておりますが、都としては今後どのように進めていくのか伺います。

○町田都市づくり政策部長 都市づくりを通じまして、東京を低炭素型の都市に再構築していくためには、業務や商業などの都市機能が集中する都心部等において、都市開発の機会をとらえて、最高水準の省エネルギー技術の導入を誘導していくことが重要でございます。
 都はこれまで、総合設計制度など、都の許認可が必要な大規模建築物を対象として、一定水準以上の環境性能の確保を義務づけ、建物の断熱性や省エネルギー効率の向上によるCO2排出量の削減を図ってまいりました。
 最近の事例では、都市開発諸制度の適用に当たり、最新のコージェネレーションシステムや太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入、また、高効率な照明や断熱性の高いガラスの採用など、CO2の排出量削減の取り組みを進めているところでございます。
 こうした取り組みを今後も継続していくことによりまして、トップレベルの環境性能を備えた良質な建築ストックの形成を促進し、最先端の低炭素都市の実現を目指してまいります。

○田中(健)委員 国においても、政府の地球温暖化対策、さらには、本年二月二十八日に閣議決定されて国会に提出されました都市の低炭素化の促進に関する法律案というもの、これによって、都市計画制度においても低炭素都市づくりの位置づけがなされたところであります。
 低炭素な社会を実現するためには、CO2を削減する取り組みについては大変重要なことであって、だれもが思うところであり、都市整備局のみならず、さまざまな局で取り組んでいることだと思います。その中でも、やはり都市整備局については、都市づくりの所管として都の先頭に立って、低炭素の都市の実現に向ける取り組みを大いに進めていっていただきたいと思います。
 まちづくりという視点で、最後に東京ユビキタス計画についてお聞きをしたいと思います。
 東京ユビキタス計画、昨年度の委員会でも、私、質問させてもらいましたが、なかなかこれも皆さんに伝わっていない、浸透していない、それはなぜなんだろうといった前回の質疑でありましたが、これについての進捗状況ももう一度伺いたいと思っております。
 これは、昨年の委員会でも話しましたが、平成十八年から行っている事業でありまして、トータルでもう十億円以上の予算が投じられてきました。これまでは、どちらかというと端末をつくる歴史でありまして、四回端末を更新して、その都度、大変大きなお金が使われてきた歴史があります。
 しかし、ことしからは、端末をやめて、すべてスマートフォン対応にしようということで、私はこの事業は大転換であると思い、前回も質問させてもらいました。
 スマートフォンが出てから、東京ユビキタス計画の目指すところが変わったかと思いますが、どのように改まったか伺います。

○佐藤企画担当部長 東京ユビキタス計画では、情報通信技術を十分に活用し、まちを訪れた人が、必要な情報をその場で手軽に得ることができるユビキタス都市を目指しております。
 ユビキタス社会では、多様な利用者のニーズにそれぞれ的確にこたえるサービスの提供が求められるわけでございますが、スマートフォンの普及により、ようやく利用者が市販の端末で情報を得る環境が整いつつあるところであります。
 スマートフォンを活用しながら、正確な位置を特定して、利用者の目的に合ったまちの情報提供や移動支援が可能なシステムを、地元の商店街や民間企業などが主体的に運営するための仕組みについて、国や関係者と連携して検討を進めてまいります。

○田中(健)委員 今の答弁でも、なかなか東京ユビキタス計画というのが私はまだ理解できないんですが、この事業は、一方で民間との共同で進めていくというのが大きな柱となっておりまして、毎年、民間事業者に、実証実験をしているということも伺っております。
 これまでは、都独自の端末を使って、それに伴った実証実験を行っていましたが、今回は、スマートフォンで、新たに民間企業に実証実験をしてもらったということでありますが、どのようなことが、それでできるようになったのかを伺います。

○佐藤企画担当部長 スマートフォンが出たことによりまして、専用端末によってしか体験のできなかったユビキタス環境を市販の端末で利用できることになります。ユビキタスの技術の汎用性を高めることになっております。
 これを受けまして、今年度の民間公募実験では、すべての応募者がスマートフォンを利用しての実験を提案してきております。
 例えば、スマートフォンを使って、銀座をめぐりながらポイントを集めるスタンプラリーや今いる場所に依存した話題を含んだ書籍の自動検索システムを構築し、スマートフォンなどで紹介する実験などがございます。
 今年度の実験の取り組みを広く周知いたしまして、今後のビジネスモデルの構築につなげてまいります。

○田中(健)委員 スマートフォンが出て、今お聞きしましたが、スタンプラリーとか書籍の自動検索システム、大変にすばらしいものなのかもしれないんですが、それを都が、今年度一億五千万円以上使っていますから、一億五千万を使って実証実験をやる意味があるのかということを、私は前回の委員会のときにもお話ししました。
 今、特にスマートフォンになりますと、多くの方が使われていると思いますけれども、アプリを自分でダウンロードして、いろんなことができるようになります。それをあえて東京都がユビキタス計画という壮大な計画のもとに行っているのが、私はなかなか理解できず、この計画自体をスマートフォンが出た時点で大きく見直すべきだといった意見をさせてもらいました。
 なぜならば、この計画には年次目標もなく、最終的にどういう社会にするのかというのは、いつでも、だれでもが、どこでも利用できる、もしくは障害のある人もない人も、どこでも回遊できるまちをつくるということをお聞きしているんですが、それに伴って東京がどういうふうになるのかといった最終的な目標が、目指す姿が見えてこないんです。
 ですから、もう十億円以上も使って、来年度の予算にも一億六千五百万と、さらに予算がふえてこの事業が盛り込まれていました。
 予算のことについては、予算特別委員会にその質疑は譲りますが、しかし、このままですと、毎年、何らかの事業をずっと繰り返すことになって、私はこれでいいのかといった一つの質問をしたいと思うんです。そうでないと、また来年も一億円、また一億円と続いて、結局何なんだというので、それでだめだったでは、大変に、税金に……まあこんな厳しい中で示しがつかないと思っております。
 できれば、ユビキタス社会が、例えばオリンピックのときに、世界じゅうにユビキタス社会を発信するとか、そういった目標を何か掲げて、もしくは何年度までにこの事業を成功させるとか、そういった目標を掲げてこの事業に取り組んでいただきたいと思いますが、最後にその決意を伺いたいと思います。

○佐藤企画担当部長 東京ユビキタス計画の目指している目標といたしましては、先生のお話のあったとおり、まちを訪れた人が必要な情報をその場で手軽に得ることができる、いつでも、だれでも、どこでも都市の情報が手に入る、そういうところを目指しているわけでございます。
 計画の当初は、技術の要求水準が高いために専用の端末を必要としたわけでございますが、市販されている汎用性の高い端末が、まちに携帯できる小型の電話機という形で登場したことによりまして、状況が大きく変化したということは、私どもも認識しているところでございます。
 この実験の参加者を初めとする民間企業各社が、今後、スマートフォンを使うことによりまして、この技術をどこまで駆使して新しいサービスを生み出していくかということで取り組みを開始したところでございまして、都としても、新たな方針ということでございますが、これまでの取り組みをさらに着実に進めて、ユビキタス社会の実現をなるべく早くということで目指してまいりたいと思います。

○神林委員 四項目につきましてお伺いいたしますので、順次ご答弁をお願いいたします。
 まず第一点目、不燃化特区の取り組みについてでございますけれども、これについては、去る平成二十四年八月、私の地元でございます大田区の糀谷地区、蒲田東地区を含む大森中地区を初め、十二地区がすべて先行実施地区に選定されました。
 当初、先行実施地区は三地区程度と予定されていましたけれども、我が党からの強い要請を踏まえ、応募したすべての地区が選定されたことは、木密地域の整備を進める上で好ましいことであり、我が党も大変評価するところでございます。
 さて、いよいよ来年度からその十二地区で事業が始まるわけでございますが、それに向けて区との間で準備を進めていると聞いております。
 そこで、まず一問目でございますが、先行実施地区の事業実施に向けた現在の取り組み状況を伺います。

○西倉防災都市づくり担当部長 先行実施地区は、地域の実情や区のまちづくりに関する方針などを反映し、規模や不燃領域率など、それぞれ異なる特色を持っておりまして、区からの支援策にかかわる提案も、専門家活用による支援や建てかえ促進のためのインセンティブなど多岐にわたってございます。
 現在、地区ごとに設定いたしました定例会議などを通じまして、区と緊密な連携を図りながら、整備プログラムを策定しているところでございます。
 今後、平成二十五年度の事業着手に向けまして、地域の実情に応じた不燃化特区の支援策を取りまとめるなど、積極的に取り組みを促進してまいります。

○神林委員 都内には多くの木造住宅密集地域が存在していることから、来年度から始める先行実施地区の取り組みを契機として、都民の理解を深めた上で、しっかりとその後の本格実施につなげていくことが重要であると考えております。
 そこで、不燃化特区制度の本格実施に向け、都はどのような取り組みを進めていくのか、伺います。

○西倉防災都市づくり担当部長 都は、先行実施地区での協議、整備プログラムの取り組みを踏まえまして、来年度からの本格実施地区の募集につなげていくことが極めて重要だと認識してございます。
 今後、募集に向けまして、既に設置されております特別区木密担当課長会を通じての先行実施地区での取り組みについての情報提供や関係機関との連携を深めた地域密着型集会の充実など、都としてきめ細やかな支援をすることで、区や地域住民が主体的に取り組む環境を整え、不燃化特区の拡大につなげてまいります。

○神林委員 二つ目は、建築物の耐震化について伺います。
 緊急輸送道路沿道建築物については、本年四月から耐震診断の義務化が施行され、さまざまな取り組みの結果、十月までの診断助成の申請は千三百件を超えたと聞いております。
 耐震診断については着実に進捗しているものと評価していますが、建築物の安全・安心を確保するためには、診断結果を改修や建てかえ工事につなげていくことが重要でございます。
 一方、厳しい経済状況の中、多くの所有者にとって、耐震化に取り組むことは並大抵のことではありません。我が党にも、幅広い相談に対応してほしい、診断結果によっては工事費も多額になることから、支援策を充実してほしいという声が数多く寄せられております。
 そこで、平成二十七年度までに耐震化を完了するには、こうした実態を踏まえ、所有者の取り組みをさらに後押しするような支援策を講じていく必要があると思いますが、見解を伺います。

○小野耐震化推進担当部長 耐震診断の結果を耐震改修や建てかえにつなげていくためには、所有者にとって必要な支援を的確に行っていくことが重要であると認識しております。
 このため都では、条例の施行にあわせて、補強設計や改修工事に関する助成制度を区市町村とも連携しながら拡充し、所有者の費用負担の軽減を図ってまいりました。また、改修工法の紹介や専門の相談窓口の設置を行うことにより、所有者が安心して耐震化に取り組める環境を整えてまいりました。
 都としましては、今後とも、国に対して助成制度の拡充を働きかけますとともに、所有者のニーズや実態を踏まえ、耐震改修や建てかえに結びつけるための支援策について、幅広く検討してまいります。

○神林委員 今、全体的なご答弁をいただいたわけですけれども、ちょっと現場の実態も踏まえまして、意見ですとか状態をここで披瀝させていただきたいと思います。
 対象建築物は五千棟ありますけれども、所有者の中には、厳しい経営状況にある中小企業の事業者からひとり暮らしの高齢者などさまざまでございます。特に、高齢者の方などは、一体どのような助成制度があるのかなど、情報に全くアクセスできない場合もあるでしょう。そのほかにも、経済的な事情により改修に踏み切れないなど、所有者一人一人の厳しい状況、切実な声を踏まえ、これだったら耐震改修や建てかえができるというような支援策を都庁の総力を挙げて検討することが必要でございます。
 また加えて、行政としても手をこまねいて待っているのではなく、みずから出向き、ケース・バイ・ケースに応じたきめ細かい対応をしていっていただきたいと考えております。
 耐震化を加速させるためには、あらゆる手だてを講じることが必要でございます。都や区市町村が不退転の覚悟でしっかりと取り組むことはもちろんですが、建築士、建設業などの民の力も結集して官民が一丸となって取り組むように、あわせて要望しておきます。
 さらに、地域防災計画素案でも、耐震化とともに不燃化を進めることで被害者を大きく減少させることができるとあります。
 四月に発表された被害想定では、最大の場合、死者の約四〇%が火災によるものと予測されております。耐震化を進めるとともに、不燃化についても同時に取り組むことも、要望としてつけ加えさせていただきます。
 さて、近々、地域防災計画が改定されることになっていますが、首都直下地震に早急に備える必要がございます。特に、死傷者を減らすためには、住宅の耐震化を進めることが極めて有効であります。
 都では、住宅の耐震化率を平成二十七年度までに九〇%、平成三十二年度までに九五%にする高い目標を掲げております。
 今、いろいろと地域の実情もお話しさせていただきましたけれども、そこで、目標達成に向け、住宅の耐震化にどのように取り組んでいくのか見解を伺います。

○小野耐震化推進担当部長 これまで都は、所有者みずからがその必要性を認識し、主体的に耐震化に取り組めるよう、普及啓発や情報提供を行うとともに、公共性がある場合には公的助成を行ってまいりました。
 昨年三月の東日本大震災以降、都民の関心もかつてなく高まっており、耐震化が進捗していることから、この機をとらえ、区市町村等とも連携し、所有者の取り組みを積極的に促してまいります。
 さらに、都では、条例に基づく緊急輸送道路沿道建築物の耐震化、分譲マンションの管理組合を直接訪問する啓発隊の実施、不燃化十年プロジェクトによる木密地域の整備改善など、実効性のある取り組みを開始いたしました。
 今後は、こうした多様な施策を総合的、重層的に展開することにより、住宅の耐震化を強力に推進してまいります。

○神林委員 今ご答弁にもありましたとおり、総合的、重層的にとございましたけれども、ポイントは、しっかりした数値を掲げたわけですから、実効率を上げるということが大変大きな課題としてこれから出てくると思いますので、ぜひその点、具体的なものを一つずつ積み上げていっていただきたいと思います。
 それでは、三点目、今後の都市計画道路についてお伺いいたします。
 日本の再生を牽引し、東京のさらなる発展を実現するためには、将来の発展基盤となる都市基盤の整備が必要不可欠でございます。とりわけ都市計画道路は、都市を形成する最も基本的な都市基盤であり、東京の魅力づくりと国際競争力の強化などの観点からも極めて重要であります。
 そこで、これまでどのように都市計画道路ネットワークの形成に取り組んできたのか、まずお伺いいたします。

○石川都市基盤部長 都では、都市計画道路の整備を計画的、効率的に進めるため、区部におきましては昭和五十六年から、多摩地域におきましては平成元年から、それぞれ、おおむね十年ごとに事業化計画を策定し、整備を推進してまいりました。
 現在進めております平成二十七年度までを計画期間とする第三次事業化計画におきましては、おくれている区部の環状道路や多摩の南北道路などを優先整備路線に選定して、都市計画道路ネットワークの形成に取り組んでおります。
 その結果、平成二十三年三月末におきまして、都内の都市計画道路の整備状況は、計画総延長三千百九十八キロメートルのうち千九百三十一キロメートルが完成しており、完成率は六〇・三%でございます。

○神林委員 関係者のご努力もありまして、一生懸命取り組んでいるのはわかるんですが、今、最後にも数字を出していただいたとおり、都内の都市計画道路の整備率はいまだ六割程度であり、都市計画道路ネットワークの形成としては十分とはいえません。
 区部の環状道路や多摩地域の軸となる幹線道路など、都市の骨格を形成する道路を一刻も早く完成させ、東京の最大の弱点である交通渋滞を解消し、活力ある東京へと再生していくことが都政の重要な課題となっております。
 さらに、大規模地震などへの備えとして、救命救急活動を支える命を守る道路の充実なども急務となっております。
 そこで、今後も都市計画道路のネットワーク強化に力を入れていく必要があると考えますが、平成二十七年度以降を見据えた都の取り組みについて伺います。

○石川都市基盤部長 都はこれまで、先ほどお答えいたしましたように、都市計画道路ネットワークの着実な整備に取り組んでまいりましたが、依然として、渋滞の解消や首都直下地震への備え、効率的な物流の実現、拠点間相互や都市間の連携の強化、主要駅周辺の交通の円滑化など、さまざまな課題が存在しております。
 このため都は、今年度、これらの課題を踏まえた今後の道路整備のあり方に関する調査検討に着手いたします。
 さらに、区部及び多摩地域のそれぞれにつきまして、地元自治体を含めた検討会を来年度の早い時期に設置し、新たな都市計画道路の整備方針の策定に向けて取り組んでまいります。

○神林委員 今ご答弁にも、都市計画道路の整備方針を二十七年度以降にもしっかりと対応していくということで、回答をいただいたところでございます。
 それでは、四点目、災害時における都市の自立性確保の推進について伺います。
 本年九月に公表された東京都地域防災計画素案の中では、都市開発において、防災備蓄倉庫や帰宅困難者のための一時滞在施設などの整備を進めることとしております。
 そこでまず、この施策を所管する都市整備局の基本的な考えについて伺います。

○町田都市づくり政策部長 都はこれまで、都市再生特別地区などを活用し、民間事業者に対しまして、一時滞在施設の確保や防災備蓄倉庫の整備などを誘導し、震災等における都市の防災機能の強化を図ってまいりました。
 さきの東日本大震災では、銀座三越や六本木ヒルズなどの大規模な民間建築物におきまして、帰宅困難者を屋内に安全かつ快適に受け入れることができ、災害時に逃げ込める場所として大きな効果を発揮したところでございます。
 今後、都市づくりを通じまして、こうした取り組みを都市開発全般に広げていくことが重要であることから、総合設計制度などの都市開発諸制度を活用して都市の自立性を高めていくこととし、本日発表いたしました東京都帰宅困難者対策実施計画に位置づけたところでございます。

○神林委員 震災などに備えて、大規模な民間建築物において一時滞在施設などを整備していくことは、非常に重要なことだと考えております。
 そこで、最後の質問といたしますが、都市開発諸制度における防災備蓄倉庫や一時滞在施設などの整備促進に具体的にどのように取り組んでいくのか伺って、私の質問を終わります。

○町田都市づくり政策部長 震災などの災害時におきまして、従業員などの一斉帰宅を抑制し、行き場のない帰宅困難者の一時滞在施設を確保するため、今回、都市開発諸制度のさらなる活用に向けた改定を検討しております。
 具体的には、防災備蓄倉庫と非常用発電設備の整備を制度適用の条件とするとともに、一時滞在施設については、床面積の一部を容積率緩和の対象として評価することを検討しており、今後、民間事業者など関係者との調整を図り、平成二十五年四月の帰宅困難者対策条例の施行にあわせ改定してまいります。
 こうした取り組みによりまして、防災機能を備えた優良な都市開発プロジェクトのさらなる誘導を図り、高度な防災都市を実現してまいります。

○吉倉委員 私からは、都営住宅における安心・安全の確保について何点か質問いたします。
 都営住宅は、住宅に困窮する都民の住宅セーフティーネットの柱であり、都の住宅政策の中心として、その役割は大変重要であります。
 都営住宅には、単身高齢者や障害者などの世帯も多く居住しており、これらの居住者の方々は、災害時には大きな影響を受けやすく、また、日々の生活においてもさまざまな配慮が必要とされます。居住者の方々の安心・安全の確保を図ることが強く求められるところであり、これについてハード、ソフトの両面から伺います。
 まず、ハード面として都営住宅の耐震化を取り上げます。
 昨年の東日本大震災に加え、首都直下地震の切迫性が指摘される中で、都営住宅の居住者の安心・安全を守るために、住宅の耐震化を図ることは喫緊の課題であります。
 我が党はかねてより、都に対し、都営住宅の耐震化の推進について要望を行ってまいりました。こうした中で、都は、平成二十年三月、都営住宅耐震化整備プログラムを策定し、耐震化の推進に向けて取り組みを進めてきております。
 さらに、東日本大震災の発生により、我が党は、防災対策の一層の推進が必要との観点から、都営住宅の耐震化をさらにスピードアップすべきだと都に要望いたしました。
 加えて、さきの第二回定例会で、都営住宅耐震化整備プログラムを改定し、都営住宅の耐震化率一〇〇%を早期に達成するよう都に求めたところであります。
 都は、こうしたことにこたえ、この七月、都営住宅耐震化整備プログラムの改定を行い、これまでの、平成二十七年度までに耐震化率九〇%以上とする目標に加え、平成三十二年度に耐震化率一〇〇%とする新たな目標を掲げ、都営住宅の耐震化を推進することとしております。この整備プログラムの改定については高く評価いたします。
 そこで、現在の都営住宅の耐震化の状況について、また、改定した整備プログラムにおける耐震改修の計画の概要について、改めて説明を求めたいと思います。

○妹尾営繕担当部長 平成二十三年度末時点で、都営住宅約二十六万二千戸のうち約十八万戸が耐震性を有しており、耐震化率は約六九%となってございます。
 改定しました整備プログラムの計画では、平成三十二年度に耐震化率一〇〇%の目標を達成するため、今後耐震化が必要な約八万二千戸のうち、建てかえにより約二万九千戸の耐震化を図るとともに、耐震改修につきましては約五万三千戸を実施することとして、年次計画を策定してございます。その中で、平成二十四年度においては、二十三年度の二倍以上となる約一万五千戸の耐震改修の実施を計画しております。
 今後、着実な目標の達成に向けて、耐震改修の設計や工事の進め方などに工夫を凝らしながら、より的確、効率的に耐震化を推進してまいります。

○吉倉委員 答弁をいただきましたとおり、都営住宅では、平成二十三年度末時点で耐震化率はまだ約七割であり、平成三十二年度に耐震化率一〇〇%を達成するためには、今後、約五万三千戸の耐震改修が必要ということであります。そのため、今後の耐震改修の設計や工事は、かなりの事業量になることが予想されます。整備プログラムの目標の達成に向けて、都は工夫を図りながら取り組みを進めていくということであります。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 約二十六万戸ある都営住宅は、立地条件や規模、構造もさまざまであり、今後、目標の達成に向けてクリアすべき課題もさまざまであろうと思います。
 その中で、特に都営住宅の一階に民間権利者の店舗がある併存店舗つき住棟の耐震改修は、都営住宅の耐震化を進める上で大きな課題になっております。
 私の地元の新宿区にある都営住宅の戸山ハイツには、高層住棟の一階に多くの併存店舗が入っております。戸山ハイツでは、現在、店舗のない一般の住棟で着々と耐震改修工事が進められておりますが、併存店舗つき住棟の耐震改修は進んでおりません。
 店舗つき住棟の耐震化は、耐震改修の費用負担について店舗権利者の合意を得ることが必要であり、これが難しいことはわかりますが、耐震化の推進に向けて、都の一層の取り組みを求めたいと考えております。
 そうした中で、重要な課題である緊急輸送道路沿道の耐震化を進める上では、沿道にある併存店舗つき住棟の耐震改修を早期に実施することが必要であり、我が党は、先般、第三回定例会の代表質問において都の取り組みを求めたところであります。これに対し、都からは、緊急輸送道路沿道の建築物にかかわる補助制度の適用について、区と調整を進めていくとの答弁がありました。
 このような併存店舗つき住棟の耐震改修について、これまでの都の取り組みと今後の対応、さらに緊急輸送道路沿道の補助制度適用の具体的な取り組みについて伺います。

○妹尾営繕担当部長 耐震改修を行う予定の都営住宅のうち、一階などに民間の権利者が区分所有する店舗が併設された併存店舗つき住棟は六十八棟、そのうち緊急輸送道路沿道の併存店舗つき住棟は十二棟ございます。
 これまで、店舗の権利者に対しては、耐震化の必要性や区分所有者としての責務についてできるだけ丁寧な説明を行い、耐震改修への協力を要請しております。
 今後、店舗権利者の負担の少ない工法の検討を進めるとともに、店舗権利者からの相談にきめ細かく応じるなど、併存店舗つき住棟の耐震改修の推進に努めてまいります。
 また、緊急輸送道路沿道の併存店舗につきましては、今後、耐震改修の実施設計を行いながら、補助制度の適用について、補助の実施主体である区と具体的な協議を進めるとともに、店舗権利者に対し、補助の適用を前提とした費用負担や改修の進め方について説明を行い、権利者の合意形成を促進してまいります。

○吉倉委員 併存店舗つき住棟の耐震改修に当たっては、店舗権利者の協力が不可欠であります。答弁にあったとおり、その取り組みを積極的に進めていただき、平成三十二年度にはぜひ都営住宅の耐震化率一〇〇%を達成していただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。
 次に、ソフト面の安心・安全の確保として、緊急時の安否確認を取り上げます。
 都営住宅には、単身高齢者や障害者などの世帯が多く居住されており、緊急時の安否確認は喫緊の課題であります。
 我が党は、これまでも、都に対し、都営住宅の孤独死への対応を強く求めてきており、これに対する都の対応を評価しております。
 また、本年三月に立川市で発生した九十代と六十代の高齢者親子の孤立死の事案を受け、我が党は、居住者の安否確認には一層迅速かつきめ細かい対応が必要との観点に立って都に申し入れを行うとともに、さきの予算特別委員会で質疑を行ったところであります。
 都営住宅における緊急時の安否確認について、本年三月に発生した事案以降、都は具体的にどのように取り組んできたのか、改めて説明をお願いしたいと思います。

○桜井経営改革担当部長 都及び東京都住宅供給公社は、緊急時の安否確認マニュアルにつきまして、本年四月、改定を行い、安否確認の対応として、二人以上の世帯への十分な配慮、立ち入り見送り時の管理職による判断、速やかな調査と迅速な立ち入りなど、判断基準や運用方法を改善いたしました。
 また、地元区市町との情報交換の体制づくりや連携策の協議を推進しております。
 さらに、緊急時の安否確認などに、より的確に対応できるよう、地元区市町を初め、警察、消防、団地自治会との連携協力に努めております。

○吉倉委員 答弁いただきましたとおり、これまでの都の取り組みについては、我が党の申し入れや質疑にこたえ、対応していただいていることがよくわかりました。こうした安否確認により、居住者の方が無事に救出されたとの話も聞いており、都の取り組みの成果が出ているというふうに考えております。
 そこで、緊急時の安否確認のための立ち入り等について、最近の実績を示していただきたいというふうに思います。

○桜井経営改革担当部長 都及び住宅供給公社では、緊急時の安否確認マニュアルに基づき、入室による確認を基本とする一層迅速な安否確認を実施しております。
 また、居住者向けの広報紙である「すまいのひろば」におきまして、四月の臨時号で、お客様センターの緊急問い合わせの電話番号を、居住者の方々に再度周知するとともに、八月号では、よりよい団地生活を送るためのご近所の方々への声かけなどを居住者の方々に呼びかけております。
 このような取り組みの結果、この四月以降九月までで、入室による安否確認を行った件数二百二十七件のうち、居住者の方を救出できた件数は四十一件となっておりまして、昨年度一年間の救出件数二十四件を既に上回っております。

○吉倉委員 積極的な取り組みの結果、より多くの方が救出されており、改善の効果を示すものとして評価いたします。
 一方、緊急時の安否確認とともに、福祉サービスの主要な担い手である地元区市等と連携した取り組みも重要であります。地元区市等との間では協議などが行われており、取り組みが進められていると聞いております。
 そこで、居住者の方々の安否確認など、安心・安全の確保に向けた都と地元区市等との連携の具体的な取り組みについて、その進捗状況を伺いたいと思います。

○桜井経営改革担当部長 これまで、都及び東京都住宅供給公社は、福祉担当部課長会などを通じて、区市等に対し、緊急時の安否確認の取り組みについて説明するとともに、安否確認に連携して対応すべく協議を呼びかけてまいりました。
 こうした中で、住宅供給公社と地元の区市十数団体との間で具体的な協議が始まっております。このうち、公社と幾つかの区市との間では、緊急時の情報共有、連絡体制の構築、現地調査時の手順、連絡協議会の設置など、連携、協力に関する協定が締結されたところでございます。
 今後、このような取り組みを初め、都及び住宅供給公社と地元区市町、警察、消防、団地自治会などとの緊急時の安否確認に関する連携、協力を一層推進し、都営住宅居住者の安全・安心の確保を図ってまいります。

○吉倉委員 緊急時の安否確認などを迅速かつ円滑に行うためには、住宅管理者である都や公社と地元区市等との連携、協力が不可欠であり、ぜひ、ご答弁をいただいた取り組みを一層推進していただきたいというふうに思っております。
 以上、ハード、ソフト両面から質疑を行ってまいりましたが、都民の高齢化が急速に進行する中、都には、都営住宅の居住者が安心して安全に生活していけるよう一層積極的に取り組んでいただくよう要望して、質問を終わります。

○大島委員 私も都営住宅についてお聞きをいたします。
 ちょうど今、都営住宅の空き家募集が終わったところなんですけれども、都営住宅に入りたいという相談が私のところにも相次いでいました。なかなか入れないで困っているということです。
 今回いただいた資料でも、平均倍率というところを見ますと、世帯向けで三十倍を超していまして、そして単身者向けでは六十倍近いということで、本当に相変わらず高い倍率で推移しているという状況です。
 こうした状況が一向に改善されないということが、もう一方では大変問題なんですけれども、都営住宅に入居している方と入居できていない方の公平性を確保するということで、長年にわたり同一親族が居住し続けることがないようにという理由をつけまして、使用承継基準が厳しくされました。
 都営住宅の使用承継については、二〇〇六年の八月から、原則として名義人の配偶者のみ認める、こう制度が変わったんですが、例外として認められるのは病弱者なんですけれども、あの障害者とか高齢、病弱者等がありますが、この病弱者について、二〇〇八年四月から、都立病院か東京都保健医療公社病院の診断書でなければ認められなくなりました。
 それまでは、同じこの病弱者は認めていたんですけれども、医師の診断書があればよかったんですね。それを変更した理由というのは何か伺います。

○桜井経営改革担当部長 病弱者についてでございますが、難病患者や公害病認定患者など以外につきましては、病名だけでは、使用承継の対象であるところの特別な事情にあるかどうかを判断できません。
 このため、承継の判定に当たりましては、都が設置した都立病院または都が中心となり設立した東京都保健医療公社が設置した病院の医師が的確に診断し、その医師の診断書を踏まえて行うこととしたものでございます。

○大島委員 それまでは別に都立病院とか公社病院の先生でなくてもよかったのに、ここから突然に、的確に判断するということで変えたんだということなんですね。
 これまで、この問題は私も何回かこの委員会で取り上げてきました。それで、答弁としては、的確な判断が民間の医療機関ではできないという答弁ではなかったんですね。ですけれども、都立病院とか公社病院については、さまざまな趣旨の説明とか、記載事項の説明とか、こういったことをしてきているので、そこに限定しているんだということでした。
 それならば、通常かかっているかかりつけ医こそ、患者さんの状況を最もわかって診断できるのですから、かかりつけ医に使用承継についての趣旨や記載内容の説明書をつけて診断書を書いてもらえばいいんじゃないかというふうに思うんですが、こうしたかかりつけ医の診断を参考にしない理由は何なのか、お伺いをいたします。

○桜井経営改革担当部長 使用承継は原則として配偶者に限ることとしておりまして、病弱者につきましては、特別な事情があると判断される場合に例外的に認めております。
 先ほどもご説明したとおり、難病患者や公害病認定患者など以外につきましては、病名だけでは、使用承継の対象であるところの特別な事情にあるかどうかを判断できません。
 このため、特別な事情にあるかどうかの判断に当たりましては、都が設置した都立病院または都が中心となり設立した東京都保健医療公社が設置した病院の医師が的確に診断し、その医師の診断書を踏まえて行うこととしたものでございます。

○大島委員 診断書が必要な理由というのが、病弱者については、病名だけで使用承継の対象かどうか、その特別な事情にあるかどうかと、この特別な事情を判断することができないからだというふうにご答弁いただいたんですけれども、しかし、指定医制度をとっているわけではないんですよね。都立病院や公社病院を指定医にしているということではないんですね。
 診断書というのは、もともと医師法に基づいて、お医者さん自身の判断で、患者さんの病名とか病状とか、こういったものを書くものですから。しかも医師の診断書というのは参考であって、最終的な判断は都市整備局が行うんじゃないんですか。

○桜井経営改革担当部長 診断書は、医師法に基づきまして、患者からの求めに応じて、個々の患者の病状を踏まえ、医師の判断により発行される文書でございます。
 この診断書に基づきまして、都において使用承継の行政的な判断を行っております。

○大島委員 だから、結局参考であって、最終的な判断は都市整備局、行政的な判断をするわけなんですよね。ですから、診断書が、一つは都市整備局の判断の基準というか、そういうものになるんだということなんですけれども、それだったらば、使用承継の趣旨を説明するとか、記載事項の説明とか、それらを記載する理由、こういったものを、都立病院や公社病院に説明しているということと同様なものを、患者さんからかかりつけ医に届けてもらって診断書を書いてもらえば、済むことじゃないかなというふうに思うんです。
 東京都が望むような使用承継制度の趣旨、これを理解した上で、客観的で的確な診断を行って、診断書というのを発行してもらえば、わざわざ遠い都立病院とか公社病院まで通院し、診断のための検査を最初から行わないとなかなか診断書を書いてくれないということもありますので、こんなことはしないで済みます。
 必要ならば、診断書に加えて、都市整備局として特別な事情の判断をしやすいようなチェック項目をつくって提出してもらえば、もっと合理的な形で判断できるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○桜井経営改革担当部長 都はこれまで、都立病院または東京都保健医療公社が設置した病院に対しまして、病院経営本部と連携し、同本部を通じまして、都営住宅の使用承継制度の趣旨、承継の際に必要な診断書の記載事項やそれらを記載する理由などについて、十分に説明を行ってまいりました。
 これらを行ったことによって、都立病院または公社病院の医師は、使用承継制度の趣旨を理解した上で、客観的で的確な診断を行い、診断書を発行できるものと考えております。
 したがいまして、項目が列挙されていれば済むものではないと考えております。

○大島委員 私は、項目を列挙すればいいというだけいっているんじゃないんですよ。お医者さんがちゃんと診断をした、その診断書も加えるということですよね。
 それから、今、都立病院とか公社の先生方は、趣旨をよく理解して書いてくださっているというんですが、実際に私たちのところに来る方のお話を聞きますと、病院に行ったら、何でこれがかかりつけ医の診断書じゃだめなんだと、公社病院や都立病院の先生がおっしゃっていると、どうするんですかという話が来たりとか、それから、かかりつけ医ではいろいろな検査をやって、病名も確定して診療の方法も決まっていると。にもかかわらず、もう一回、都立病院に行ったら、最初から検査しないと診断書を書けませんといわれて、本当に長い時間と労力が要るんだと。これはやっぱり時間とお金がかかるし、むだな医療費もふえてしまうわけですし、都立病院や公社病院の先生方の負担も大変になってくるというふうに思うんです。
 やっぱりお医者さんというのは、先ほど、医師法に基づいて診断書を書くということですから、間違ったものは書けないし、その先生自体の責任にもなってくるわけですから、今あるこういった合理的でないやり方は早急に検討し、見直すべきではないかというふうに思います。
 次に、若年ファミリーの期限つき入居についてお聞きをいたします。
 都営住宅の応募状況を見てみますと、一般の募集、きょうの資料でもいただいているんですけれども、応募倍率が三十四倍という、こういう高い倍率のときでも、定期使用の若年ファミリー用住宅の応募倍率というのは二・八倍から五・七倍ということで、一般に比べると非常に低いので、確かに入居しやすいんです。しかし、十年という期限つきのために、十年後の家族の状況とか収入状況などを考えますと、なかなか応募しにくいという声があります。
 期限つきの創設というか、始まったのが二〇〇一年度、これは三十七戸募集したと、先ほどの資料でもいただきましたが、この方たちは今年度でちょうど入居後十年になるんです。今度、この期限で退去するという世帯は何世帯ぐらいいるんでしょうか。

○桜井経営改革担当部長 若年ファミリー世帯向けの期限つき入居につきましては、平成二十四年三月三十一日時点で、二十四年度中に退去の期限が到来する世帯は八世帯でございます。

○大島委員 三十七世帯入って八世帯が残っているということなので、途中でほかの一般の都営住宅の募集に応募した方もいるでしょうし、そこから出てマンションや他の住宅に移ったという方もあるんだというふうに思うんです。
 ただ、これは単純計算ですから、今、大体どのくらい入っているのかという、期限つきの方がどのくらいいるのかというのは、なかなか把握が難しいというお話だったので、単純に計算しますと、入居者のおよそ二割ぐらいの方が期限までいて、そして退去という状況になるんだということになるわけです。
 現在、期限つきの住居の方がどのくらいいるかわからないんですけれども、きょういただいた募集の状況、これも全部足し算すればいいというわけではないとは思いますけれども、期限つき入居の募集戸数から推測をしますと、大体五千戸ちょっとありますから、その二割として一千世帯ぐらいの方が、将来、期限が到来して退去せざるを得なくなる人たちなのかなというふうに思えるんです。そうなると、退去するという点でいえば、また住宅に困窮する人になってしまうんじゃないか、安心して住み続けられないということじゃないかと、ここが非常に心配なわけです。
 十年の期間が満了した時点において、都営住宅の入居資格がある世帯には、希望によって他の都営住宅をあっせんしているというふうに聞いておりますが、どのような住宅をあっせんしているのでしょうか。希望する住宅に入居できるのか。公社住宅で、同じような期限つき入居の方も再契約をして居住継続も可能となっております。都営住宅でも同様に、使用許可を再更新するなどの弾力的な運用をするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○桜井経営改革担当部長 期限つき入居につきましては、制度導入当時の建設・住宅委員会の質疑において答弁いたしましたとおり、十年の期間が満了した時点において都営住宅の入居資格がある世帯に対しまして、希望により他の都営住宅のあっせんを行っております。

○大島委員 期限つきでやるということは、もともと入れていない方や、それから入っている方との循環というか、そういうことを目的として始まったというふうに聞いているんですけれども、実際に十年の期間が満了した時点で入居資格がある世帯は、希望によってほかの都営住宅をあっせんしているというんですよね。ほかの住宅をあっせんするというのは、住宅変更でやるのか、新たに提案するのかわからないんですけれども、結局同じように都営住宅に入れるわけですよね。つまり、場所が違ったところに移してしまうということなんじゃないかというふうに思うんです。
 私は、こういう入居者について非常に大事にしていただけるというのは、いいことだというふうに思うんですけれども、利用機会の公平性の確保というもともとの理由が、もう既にこれでなくなってしまうんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○桜井経営改革担当部長 先ほどお答えいたしましたとおり、期限つき入居につきましては、十年の期間が満了した時点において都営住宅の入居資格がある世帯に対して、希望により他の住宅をあっせんしてございます。
 期限つき入居は、あらかじめ十年間という期間を定めて入居していただく制度でございますので、期間満了後の再更新ということは考えてございません。

○大島委員 子育て世帯を支援するというふうに言っているんです。子育て支援ということでいうならば、それからもう一つ、利用機会の公平を確保するために期限を導入していること自体が、本当におかしいというふうに思うんです。
 入居後十年で、住宅における子育て世帯への支援というのを後退させてよいんでしょうか。

○桜井経営改革担当部長 少子化が進行する中で、子育て世帯向けに十年間の期限つきで都営住宅を供給することは、都営住宅の利用機会の公平を確保しつつ、子育て世帯の居住支援に有効であると考えております。
 入居期限の到来時には、他の公的住宅の募集の案内を行うほか、都営住宅の入居資格を満たす世帯に対しては、他の都営住宅をあっせんしております。

○大島委員 都営住宅、引き続き入居したいということで、希望があればあっせんしてくれるというんですけれども、大体、同じ団地の中のほかのところというのはなかなかないんです。今あいているところというと、少し遠いところとか、居住環境が大きく変わってしまって、特に子育て中の方たちが十年というので困っているのは、そこに入居してから生まれたお子さんとか小さなお子さんが、ちょうど小学校、中学校、高校という、こういう教育でいうと節目のときあたりに十年が来てしまうということで、転校などを余儀なくされてしまうとか、お友達との関係が絶たれてしまうとか、大変な状況になるので、本当に困っているということなんです。
 希望によってほかの都営住宅をあっせんするというのであれば、わざわざ追い出す必要はないと思うんです。再契約も可能だと思います。
 利用機会の公平性を確保するとか、入居者と非入居者との間の公平性の確保とか、さまざまな理由をつけて入居者を都営住宅から退去させ、そのあいたところに、住宅に困窮して入居を希望している人を入居させている、これが今のやり方です。
 入居希望者がなかなか入居できないというのは、都営住宅の新規建設が十三年間ゼロと、こういうことになったことが大きな理由だと思います。
 調べてみましたら、新規建設を行っていた九九年の年間募集戸数というのは九千四百四十戸、平均応募倍率は十一・六倍、新規建設をやめましたが、それまでの蓄えがあった二〇〇〇年には、募集戸数が六千三十一戸、平均応募倍率は十六・九倍だったんです。
 ところが、新規建設ゼロの影響が出始めた二〇〇一年には、募集戸数は三千三百九十八戸と激減をしまして、平均応募倍率も二十九倍にはね上がり、入居困難な状況になっていきました。
 全体の都営住宅の戸数をふやさない限り、都営住宅に入居したいという都民の願いを実現できません。知事がどうなるかわかりませんけれども、新規建設はぜひ復活すべきだと思います。
 次に、都営住宅のエレベーターの設置についてお伺いをいたします。
 いただいた資料では、設置は進んでいるということなんですけれども、二〇〇九年以降は、予算で計画した数の大体半分ぐらいしか設置されてないんです、大体毎年の予算で六十基ぐらいつけるというふうになっていますから。一方で、希望しても設置できない住棟というのもかなりあるということです。
 その中で、東京都が敷地を貸している都営住宅の併存店舗、これが現在、百十五団地、千二百十店舗あるということなんですけれども、その中で、増築されている店舗が一階部分にあるということで、エレベーターの設置が困難になっている住棟があります。
 こうした増築のある店舗はどのくらいあるのかお聞きします。

○妹尾営繕担当部長 都営住宅の一階部分にある店舗には、建設後、増築を行っているものも相当数存在してございます。

○大島委員 相当数ということで、どのくらいあるのか把握が余りできていないという話なんだと思いますけれども、私もほかのところからいろいろ調査とかで聞きますと、九割以上は違反建築物だという話もあるんです。だから、かなり多くあるんだという認識では一致できるというふうに思います。
 都営住宅の一階部分にある違法建築物、これの是正についての勧告や指導は、一体だれが行うかという問題なんです。
 私は、これまでも何回かこの委員会で取り上げてきましたけれども、店舗つき住宅の店舗との関係では、地主である東京都が財団法人首都圏不燃建築公社と土地の賃貸契約を結んでいます。そして、不燃公社が地代を徴収して東京都に納めていると。それから、不燃公社は、併存店舗分譲契約によりまして、店舗を購入した区分所有者との間で土地の賃貸契約を結んで地代を徴収すると、こういうことなんです。つまり、この三者の間で結ばれているそれぞれの契約内容には、土地の使用状況の制限とか、変更の規制とか、契約に違反したときには、契約を解除することができるという厳しい内容も明記されているんですね。
 東京都は、本来、店舗所有者と直接契約を締結している不燃公社が是正の要請を行うべきだといってきましたけれども、都営住宅に併設されている店舗と維持管理に関する契約を締結しているのは東京都なんです。ですから、東京都として違反増築についてどのような指導を行っているのかお聞きします。

○桜井経営改革担当部長 都は、都営住宅に併設されている店舗との間で、土地賃貸借契約の締結更新時や借地権の譲渡時において、適切な建物の維持管理を行うための建物の維持管理に関する契約を締結しております。
 都といたしましては、契約締結やエレベーター設置工事等の機会をとらえ、都営住宅に併設された店舗の増築部分が建築基準法に適合しない場合には、区を初め関係団体と連携したさまざまな働きかけを通して、文書送付や戸別訪問を行い、店舗所有者が増築部分を是正するよう要請しております。

○大島委員 その是正は要請とかでやっているんだけれども、なかなか進んでいないというか、実際にそこに住んでいる方にしてみると、余り一生懸命やってくれているんじゃないなというふうな感覚があるんです。
 足立区にある舎人団地では、ようやく違反建築の撤去などのめどがついてエレベーターの設置工事が始まって、大変喜ばれています。花畑にある花畑第三団地でも、同様のこうした違反増築部分があるために、住民がエレベーターを設置してもらえずに困っている状況が続いているんです。
 都と不燃公社が店舗所有者への働きかけを進めているということなんですが、その後の進捗状況及び今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○妹尾営繕担当部長 都営住宅の併存店舗で、財団法人首都圏不燃建築公社が店舗権利者と土地の賃貸借契約を締結しているものにつきまして、都は同公社に対し、借地契約の更新等の機会に、法に適合しない増築部分がある場合には、是正に向けた指導を店舗権利者に行うよう要請しております。
 花畑第三アパートにおける十五号棟の八区画の併存店舗につきましても、都は同公社に対し、法に適合しない増築部分がある場合には是正に向けた指導を行うよう、要請することとなります。

○大島委員 借地契約の更新の機会に是正を求めていくというふうにご答弁いただいたんですけれども、私もこれをちょっと調べましたら、借地契約の更新というのが、昭和五十五年以前の団地については旧借地借家法の法定更新になっていて、更新契約というのはほとんど結んでいないということなんです。
 そうすると、機会をとらえてといっても、なかなか指導ができないんだというふうに思うんですけれども、こういう点についてはいかがなんでしょうか。

○妹尾営繕担当部長 都営住宅の併存店舗の増築部分につきましては、その状況などを踏まえながら、必要な場合、不燃建築公社に要請することとなります。

○大島委員 必要な場合に要請することになると、ずっと要請してくれているんだと思うんですけれども、余りこれをやっていても同じ答弁の繰り返しになっちゃうので、私はやっぱり、今、高齢化が進んでいる団地の中で、同じ都営住宅に住みながら、ほかはみんなエレベーターがついているのに、この一棟だけがエレベーター設置ができない。それが放置されている状況というのは、本当に不公平だという声も高まっているんです。階段の上りおりがますます困難になっていて、一日も早いエレベーター設置が望まれています。引き続き問題解決に向けての取り組みをぜひ積極的にお願いします。
 次に、木密地域の不燃化十年プロジェクトについてお聞きします。
 市街地の不燃化を促進する取り組みとして、整備地域には新たな防火規制を導入し、特に改善を必要としている地区に、従来より踏み込んだ取り組みを行う区に対して、不燃化のための特別の支援を行う新たな制度ということで、不燃化推進特定整備地区、不燃化特区を構築し、区と連携して推進する先行実施地域、これを募集しました。
 当初、三地区程度ということでしたが、結果として、応募のあった十一区十二地区すべてを、従来よりも踏み込んだ主体的で責任を持った提案であったとして、先行実施地域と選定をしました。
 従来より踏み込んだ提案というのは具体的にどんなものであったのか、お伺いをいたします。

○西倉防災都市づくり担当部長 各区からは、それぞれの地域の実情に応じまして、専門家活用や建てかえ促進のためのインセンティブなど、木密地域整備のための従来よりも踏み込んだ主体的で責任を持ったさまざまな提案がなされてございます。
 そういった状況に加えまして、木密対策の緊急性、重要性などを総合的に勘案いたしまして、十二地区すべてを先行実施地区とすることとしたところでございます。

○大島委員 私も、幾つかの区でどんな提案をしたのかということで聞いてみました。やっぱりそれぞれの地域の中でまちづくりに関心を持たれている方たちが中心になって、いろんな話し合いがされたということなんです。
 荒川区などでは、都営住宅の跡地周辺の面的な整備をしていくというようなところとか、老朽家屋除却を促進するとか、いろいろ本当に新しい取り組みなども含めて積極的な提案がされているということがわかりました。
 現在、各区から出された提案内容について、都が関与して整備プログラムを策定中というふうに聞きますけれども、コア事業も含めて、先行実施地区への特別な支援については、不燃化十年プロジェクト実施方針でも特別の支援メニューが示されておりますが、各区から都に対してどんな要請があったのか、また、こうした要請について、都はどのような検討をしているのかお伺いいたします。

○西倉防災都市づくり担当部長 コア事業といたしましては、区が主体となり、都市計画事業として施行する市街地再開発事業や防災街区整備事業のほか、道路法の規定に基づいて行います生活道路の拡幅整備などが提案されてございます。
 また、特別の支援につきましては、先ほども申し上げましたけれども、専門家活用による支援や建てかえ促進のためのインセンティブなど、さまざまな提案がなされてございます。
 現在、こういった提案も踏まえつつ、各区と緊密な連携を図りながら、地域の実情に合った不燃化特区の制度案を取りまとめているところでございます。

○大島委員 不燃化特区の先行実施地域、足立区はなかったんですけれども、隣の荒川区でお話を伺ってきました。
 ここでは、都へ提案するメニューとして、不燃化助成の上乗せとか、固定資産税の負担軽減や都有地の提供などもありましたけれども、借地借家人が住み続けられるような共同住宅の供給、また、従前の生活が担保できる保証制度の創設ということで、家賃助成とか建てかえ費用の支援、また、危険老朽建築物の除却にかかわる制度の創設などもありました。こうした支援メニューもぜひ実施していっていただきたいというふうに思います。
 コア事業については、区主導で実施することになっておりますが、都市計画事業など強制力のある手法を活用するということが基本になっています。
 墨田区でもお伺いしたんですけれども、墨田区では二地区が選定されていました。鐘ヶ淵周辺のコア事業の市街地再開発計画、これは何か議会でも大問題になっているということでした。その中で、区は、強制的な事業実施はあり得ない、住民合意がなければ強行しないとかいっているようです。私も、市街地再開発などの市街地開発事業というのは、住民合意によって進めるべきと考えます。
 事業の合意形成と事業期間との関係はどのように考えているのか、また、コア事業の変更はあり得るのか、お伺いいたします。

○西倉防災都市づくり担当部長 もとより、事業を進める上では、住民に対し十分に説明し、理解を得ながら進めることは重要であると認識してございます。
 現在、不燃化特区の先行実施地区につきましては、区からの提案も踏まえつつ、各区と緊密な連携を図りながら、事業手法も含め、地域の実情に合った不燃化特区の制度案を取りまとめているところでございまして、制度の詳細が固まり次第、公表してまいります。

○大島委員 不燃化十年プロジェクトの目標であります整備地域における不燃領域率を、二〇二〇年度までに七〇%に引き上げるために、不燃化特区とか都市計画道路の整備による延焼遮断帯の形成、こういったものを掲げております。こうした地域に存在する危険老朽家屋、この対策も重要であるというふうに考えております。
 先ほど申しましたけれども、荒川区からの要請メニューにもありました老朽危険家屋というのは、地震や自然災害をきっかけに住宅の一部が崩壊し、火災の発生や人的被害を与える危険なものになりかねません。
 私の地元の足立区では、こうした老朽危険家屋対策のために、老朽家屋等の適正管理に関する条例というのを制定いたしまして、専門部署をつくり、区による調査、指導、勧告を行い、解体除却工事費を助成するという取り組みを始めました。危険が切迫している場合で所有者が即時対応できないというときには、区が所有者の同意を得て必要最低限の回避措置を行い、費用を所有者から求償するというものです。昨年十一月から施行しておりますけれども、二十三年度中には九件、今年度は既に七件の解体が済みまして、効果が上がっています。
 木造密集地域における老朽家屋対策を防災都市づくりに位置づけ、こうした取り組みについて都として支援する考えはないでしょうか。

○西倉防災都市づくり担当部長 木造密集地域の整備につきましては、現在、木密地域不燃化十年プロジェクトを立ち上げまして、不燃化特区の先行実施地区を指定し、その解消に向けた取り組みを加速しているところでございます。
 先行実施地区におきまして、各区から提案されたさまざまな支援策を踏まえまして、各区と緊密な連携を図りながら、それぞれの実情に合った不燃化特区の制度案を取りまとめているところでございます。

○大島委員 ぜひ、その制度案の中に、こういった緊急な支援メニューというのも入れていただきたいというふうに思います。
 危険とわかっていても、これまで手をつけられずにいた老朽危険家屋、これを撤去して区民の安全を守るという、まさに従来よりも踏み込んだ取り組みだと私は思っています。不燃領域率をアップするには、分子をふやすことと分母を少なくする、この両方から迫るということが必要だというふうに考えています。
 急がれる木造密集地域の対策を進めるために、耐震診断、耐震改修助成の地域を拡大することや、助成額の上乗せなども検討することを求めまして、質問を終わります。

○たきぐち委員 私からも、不燃化、耐震化、そして景観について伺いたいと思います。先ほど来の質疑と大分重複する部分もあろうかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。
 昨年の東日本大震災から一年八カ月が経過いたしました。一万五千人の方々の命が失われ、行方不明者を含めると二万人を超えるという、まさに未曾有の災害でありました。
 この東京におきましても、震度五強の大きな揺れを経験し、マグニチュード七クラスの首都直下型の地震が発生する可能性が七〇%とこれまで繰り返しいわれてきたことが、ここに来て、四年以内に七〇%の確率で発生するという試算が東大の研究チームから発表されたり、現実的な感覚として、また切迫性を持って、都民にとらえられておりまして、改めて過去の大震災から学ぶと同時に、命を守るための対策を急がなければならないと考えます。
 都は、東京都防災会議で、ことし五月に被害想定の見直しを発表し、ここで四つの地震モデルを想定し、最悪のケースで約九千七百人の方が命を失うとしています。
 これを受けて、東京都地域防災計画の修正素案を策定し、死者を約六千人減少させる目標を掲げました。この減災効果の内訳は、建築物の耐震化で約三千九百人減、建築物の不燃化、耐震化及び延焼遮断帯の整備等で約二千人の減、防災市民組織や消防団の初期消火力の強化で約五百人の減としております。
 東日本大震災からの教訓も数多くあろうかと思いますが、とりわけ東京においては、耐震化によって建物による圧死から命を守り、不燃化や延焼遮断帯の整備で火災から命を守ると、これは耐震化、不燃化、初期消火、この三点に尽きるかと思いますが、これまで都が講じてきた施策を加速度的にそのスピードを高めていかなければなりません。こうした認識を前提に何点か質問させていただきたいと思います。
 東京都における震災対策の大きな課題として、先ほど来質疑がありますとおり、木造密集地域における防災対応力の強化が長年指摘され続けてきました。
 いうまでもなく、木造密集地域の課題というのは、四メートル未満の狭隘な細街路の多さ、老朽家屋の集積、既存不適格建築物、違法建築の多さ、土地、建物の権利関係の複雑さ、建物所有者、入居者ともに高齢化の進展、借家やアパートの多さなどなどが挙げられるかと思います。
 都はこれまで、木造住宅密集地域整備事業や都市防災不燃化促進事業を実施して、老朽建築物などの耐火建築物への建てかえを進めてきました。今回打ち出した木密地域不燃化十年プロジェクトで指定する不燃化特区は、これらをさらに加速させるための施策と考えますが、これまでの事業との違いはどこにあるのか伺います。

○西倉防災都市づくり担当部長 木密地域を抱える区は、これまでもご指摘のような取り組みを実施してきており、都も防災都市づくり推進計画を策定いたしまして整備地域を定め、建物の不燃化、耐震化を進める区を支援してまいりました。
 首都直下地震の切迫性や東日本大震災の発生を踏まえ、従来からの取り組みに加えまして、特に改善を必要としている地区につきまして、都と区の連携のもと、区が主体となって、従来よりも踏み込んだ整備促進策を重点的、集中的に講じることにより、木密地域の改善を一段と加速する施策として、不燃化特区に取り組むこととしております。

○たきぐち委員 従来よりも踏み込んだ整備促進策ということで、今ご答弁はありませんでしたが、先ほどの質疑のやりとりの中では、専門家の活用の支援、あるいは建てかえの促進のインセンティブということでお話がありまして、具体的な中身については、今検討中だということでありますが、報道ベースでは、建てかえに対する助成金の増額であったり、固定資産税の減免であったり、あるいは住宅移転先としての都有地の提供などが、報道ベースでいわれておりまして、こういったことが考えられているんだろうと思います。
 不燃化特区を指定するに当たりまして、それぞれの地区の整備プログラムにコア事業が含まれているということが要件になっておりますが、どのようなコア事業が提案され、二十五年度からの整備プログラム実施に向けて、現在、都と区はどのような協議をしているのか伺います。

○西倉防災都市づくり担当部長 コア事業といたしましては、区が主体となり都市計画事業として施行する市街地再開発事業や防災街区整備事業のほか、道路法の規定に基づいて行う生活道路の拡幅整備などが提案されてございます。
 先行実施地区に選定した十二地区では、現在、地区ごとに都と区が共同で整備プログラムの策定を進めております。この中で、コア事業につきましては、事業の波及効果など、木密地域の整備改善に寄与する方策などにつきまして協議を行っているところでございます。

○たきぐち委員 コア事業につきましては、先ほど大島委員からも、荒川区の取り組みについてかなり詳細な質疑がありまして、私も今、手元に荒川区の提案がありますので、一つ一つ申し上げることは今回は省きたいと思いますけれども、今回の地区の指定要件、整備プログラムの認定要件のうち、コア事業というのが肝になるのかなと考えております。
 先ほどご答弁ありましたとおり、区が主体となる都市計画事業、これは市街地再開発事業であったり防災街区整備事業であったり、こうした強制力を伴う手法を活用できるかどうか、これがポイントであろうかと思います。逆にいうならば、こうした都市計画事業などがないと、今回の先行実施地区としては、不燃化特区としては認められないということになるのかもしれません。
 整備地域は、二十八地域、約七千ヘクタールあるわけであります。このたび指定された先行実施地区は全体の五・九%にすぎません。残りの整備地域において、必ずしも都市計画事業というのは予定されている地域ばかりではないと思いますが、来年度からの本格実施に向けて、残る地域についてどのように進めていくのか伺います。

○西倉防災都市づくり担当部長 不燃化特区に係る制度につきましては、先行実施地区における整備プログラムの策定を通じまして制度構築を行い、今年度中に取りまとめを図ります。
 来年度には、本格実施地区の募集を行いまして、区からの提案に基づきまして、都が不燃化特区の指定と整備プログラムの認定を行います。
 募集に当たりましては、先行実施地区の情報提供を行うなど、都がきめ細やかな支援を行うことで、より多くの地区の応募を促しまして、不燃化特区の取り組みを拡大してまいります。

○たきぐち委員 整備地域というのは、まさに対策が急がれている地域でありまして、木密地域というのは、こうした対策が急がれる地域であると同時に、独特の人情味があふれるような地域でもあるわけであります。
 既にさまざまな各区からの提案があって、それをもとに協議をしているということでありますので、ぜひそういった区からのさまざまな提案を踏まえて進めていただきたいと思いますし、また、共同住宅ばかりが進んで地域性のよさが失われるということがないように、これも区としっかりと協議を深めながら、本格実施につなげていただきたいと思います。
 十年プロジェクトのもう一つの柱が特定整備路線の指定でありまして、二十八区間を指定されました。
 都市計画道路として決定されながら、これまでなかなか整備が進んでこなかったのが実情でありますが、火災の延焼を防ぐための延焼遮断帯の整備は極めて重要であろうかと思います。
 今後、特定整備路線の整備を契機として、その周辺の整備地域における不燃化をどのように進めていくのか伺います。

○西倉防災都市づくり担当部長 木密地域不燃化十年プロジェクトは、整備地域内の延焼遮断帯を形成する主要な都市計画道路を対象に指定いたしまして整備を推進する特定整備路線と、特に重点的、集中的に改善を図るべき地区を指定して、都と区が連携して不燃化を強力に推進する不燃化特区という二つの制度により、燃え広がらない、燃えないまちの実現を図ることとしております。
 木密地域の改善を図るには、特定整備路線の整備とあわせまして、整備地域の不燃化を進めていくことが有効であるため、都は区とともに、不燃化を推進する効果的な方策につきまして検討してまいります。

○たきぐち委員 道路の整備、特定整備路線の整備については、建設局の所管ということでありますけれども、特定整備路線を加速度的に整備を進めていくというのとあわせて、面としての効果的な方策を進めていただきたいと思います。
 不燃化特区の創設で建物の不燃化を進めていくということは、大変重要でありまして、ぜひ進めていただきたいと思いますが、地域の防災性を向上させるためには、建物の耐震化をこれまで以上に促進することも重要であるということはいうまでもありません。
 各区市町村で耐震化助成を実施しておりますけれども、その補助率というのは、二分の一だったり、三分の二だったり、十分の十だったりと、自治体によってさまざまかと思います。
 火災を発生させないようにするためには、いかに建物の全壊を防ぐかということが極めて重要かと思います。地域防災計画では、住宅の耐震化率を平成二十七年度までに九〇%に高めるとしておりますけれども、都民の防災意識が高まっている今こそ、耐震化を促すために、都がアクセルを踏んで耐震化を加速させるべきと考えますが見解を伺います。

○小野耐震化推進担当部長 都は、所有者みずからが住宅の耐震化の必要性を認識し、主体的に取り組めるよう、耐震キャンペーンによる普及啓発やポータルサイトによる情報提供、安価で信頼できる耐震改修工法の紹介を行ってまいりました。
 また、住宅の耐震化は、住民に身近な区市町村の取り組みが重要でありますことから、地元区が行う簡易診断や相談会の開催などに活用できる区市町村普及啓発支援事業を積極的に活用することにより、区と連携して木造住宅の耐震化に取り組んでおります。
 さらに、整備地域では、震災時に住宅が倒壊した場合、道路閉塞や出火により避難、応急活動が妨げられるとともに、大規模な市街地火災につながるおそれがあることから、区と連携して公的助成を行っております。
 委員ご指摘のように、昨年三月の東日本大震災以降、都民の関心も高まっていますことから、この機をとらえまして、助成事業を初めとしましたさまざまな施策を積極的に実施することにより、住宅の耐震化を強力に促進してまいります。

○たきぐち委員 これまで、耐震化助成のメニューはあるけれども、なかなかその利用者がふえないということが課題だったかと思いますが、東日本大震災以降、都民の意識は確実に高まっておりまして、整備地域における都の木造住宅耐震化助成の実績は、耐震診断及び改修合わせて、二十二年度の四百六十四件から二十三年度一千六十九件へと二・三倍、私の地元の荒川区でも四十四件から百十五件と、二・六倍となっておりまして、今年度もさらにそれを上回るペースで増加しているという状況も確認しております。
 先ほどの神林理事の質疑で、ことし、既に千三百件を超えたというような話もありましたけれども、ほかの区でも、手元に正確な数字はありませんけれども、同様の傾向にあるというふうに聞いております。
 まさに都民の関心が高いこの機会をとらえて、さまざまな政策を実施して、耐震化を強力に促進していただきたいと思いますし、その際、今、各自治体の担当者ともいろいろと協議して、これについてはたびたび我が会派からも要望しておりますけれども、助成の対象を整備地域以外にも拡大したり、あるいは整備地域においても、前面道路の幅員が六メートル以下という条件を緩和するなど、この機会をしっかりととらえてさまざまな検討を進めていただきたいと、これは要望いたしたいと思います。
 一方で、費用負担などの事情によって、建物の耐震改修に踏み出せない都民もいます。完全な耐震化にならなくても、都民の命を守るためには、都が実施する耐震シェルターや防災ベッドの設置費用を助成することは有効であり、利用を促進することが重要だと思います。
 そこで、助成事業のこれまでの実績と、助成事業がさらに利用されるようにするため、今後の取り組みについて伺います。

○小野耐震化推進担当部長 耐震シェルター、防災ベッドの設置費用助成の実績につきましては、制度を開始した平成二十年度は二十五件、平成二十一年度と二十二年度はそれぞれ三件、平成二十三年度は十七件となっております。
 都では、この事業が積極的に利用されるよう、これまで、利用者、都民に対しまして、耐震シェルターや防災ベッドの種類や特徴、助成制度の概要について、パンフレットやホームページで紹介してまいりました。
 また、九月と一月の年二回開催しております耐震キャンペーンや区市町村が開催するイベントでの展示などを行い、実物を見て体験できる機会も設けてまいりました。
 今後は、こうした周知や展示を積極的に行うとともに、さらに区市町村とも連携し、町会や地域単位のきめ細かい周知、木造住宅の耐震診断や無料相談会の機会をとらえた案内など、創意工夫を行い、効果的なPRに努めてまいります。

○たきぐち委員 利用実績は、二十三年度は増加したようでありますけれども、まだまだ件数としては少ない状況かと思います。
 冒頭に申し上げたとおり、木密地域においては居住者の高齢化が進んでいまして、経済的に耐震改修が困難なことから、耐震化がおくれているという実態があります。しかし、震度七に備えて命を守らなければならないわけであります。
 東日本大震災では、東京では震度五強の揺れを経験いたしました。改めて申し上げるまでもないんですが、震度五というのは強震、震度六というのは烈震、震度七というのは激震と表現をされるわけでありまして、昨年の三月十一日に私たちが経験した震度五強というのは、物につかまらないと歩くことが難しいと、これを我々は体感したわけであります。
 被害想定で、都内の幅広いエリアで想定されている震度六強、これは、はわないと動くことができない。震度七というのは、はっても移動できないという揺れであるわけであります。つまり、そこから動くこともできないし、逃げることもできない状況でありまして、そこから想像力を働かせて、耐震シェルターのような耐震装置の設置を促進することで命を守っていくという取り組みは、極めて重要だと考えておりますので、ぜひ区市町村と連携を図りながら、取り組みを強化していただきたいと思います。
 先週まで地元で選挙をやっていたものですから、ちょっとスローガン的になるんですけれども、被害想定見直しをして九千七百人の方が命を失うと。私の地元の荒川区では四百二十二人が被害に遭うと想定されているんですが、こうやって数字であらわしますと、非常に一つ一つの命というものが軽くとらえられてしまうようなところがあります、もちろん想定を出すことは必要でありますけれども。そういった観点から、とにかく一人の命も失わないように何ができるかということを、都と区がしっかりと連携を図って取り組みを進めていただきたいということを強く要望いたします。
 関東大震災では、同時多発火災、火災旋風によって多くの被害が出ました。関東大震災の犠牲者は十万五千人余ともいわれておりまして、このうち、当時の東京府では七万人余が犠牲になったと推計されています。このうち九五%の六万六千人余が火災による犠牲者でありました。
 先日、東京新聞で大きく取り上げられましたけれども、今回の被害想定には火災旋風による被害は含まれておりません。メカニズムが解明されておりませんので、想定をしようがないというのが現状だろうかと思いますが、私は、火災旋風について、地元荒川区出身の吉村昭先生の「関東大震災」という著書がありまして、そこに生々しい記述があるものですから、区議会議員のときから、火災旋風についてはさまざまな場で言及をしてまいりましたけれども、こうした著書だけでなくて、最近になって専門家の間でも、火災旋風の怖さを指摘する声も出てきております。
 東日本大震災の教訓の一つというのは、逃げることの重要性ではないかと思います。釜石の奇跡と呼ばれた津波てんでんこの教えであったり、岩手県の洋野町というところでは、消防団員が率先して大声を上げながら逃げて、一人の犠牲者も出さなかったという話もあります。
 津波と火災を一緒にすることはできませんけれども、火災旋風の怖さを共有認識することで、火災からどう逃げるかということも重要な視点になるかと思います。
 そこで、避難場所、そして避難経路の検証を行うとともに、都民への周知を徹底すべきと考えますが、見解を伺います。

○西倉防災都市づくり担当部長 震災時に拡大する火災から住民を安全に保護するために指定する避難場所につきましては、市街地状況の変化や人口の増減などを考慮いたしまして、現在見直しを行っているところでございます。
 これまでも、おおむね五年ごとに見直しを行ってきておりまして、その際、避難有効面積の確保と遠距離避難の解消に努めるとともに、避難有効面積の算定や火災による輻射熱の想定など、技術的な検証につきましては、最新の知見に基づいて行うこととしております。
 避難場所の位置、避難経路などにつきまして、これまで都は、区と連携し、パンフレットの作成やホームページへの掲載、標識の設置など、都民への情報提供、周知に努めてきておりまして、今後ともこうした取り組みを進めてまいります。

○たきぐち委員 地震火災の専門家は、避難所と避難場所の混同を懸念している声もありますし、また、現状の避難場所の選定には火災旋風の発生は考慮していないという指摘もあります。
 総務省消防庁の消防研究センターで、このメカニズムの解明に向けて実験をしているようでありますが、こうした実験結果を共有して、今ご答弁がありましたとおり、五年ごとの見直しを行っている中で、技術的な検証については、最新の知見に基づいて行うこととしているということでありますので、ぜひ、火災旋風に対する実験結果、またメカニズムの解明も共有しながら、対策を講じていただきたいということを強く要望したいと思います。
 最後に、景観行政について伺います。
 局の事業概要には、まちづくりに当たっては、効率性や利便性だけではなくて、地域の個性や潤い、安らぎ、さらには歴史的、文化的な雰囲気などに配慮することは、これまで以上に強く求められており、景観行政を総合的かつ計画的に進める必要があるとされています。
 都は、平成十九年に景観計画を策定し、さまざまな施策を行っていると聞いております。景観形成に関する都の取り組みについて伺います。

○永島景観・プロジェクト担当部長 都は、景観法に規定する景観計画区域として都全域を対象とし、東京全体から見て、特に景観構造の主要な骨格となっている丘陵地の緑や河川沿いの地域等を景観基本軸等として景観計画を定め、景観法に基づく届け出制度による景観誘導を行っております。
 さらに、東京都景観条例に基づき、都市開発諸制度等を活用して計画される大規模建築物等を対象に、事前協議制度を導入し、皇居周辺の風格ある景観の誘導や水辺からの眺望に配慮した景観誘導、複数の大規模建築物等が計画される区域における地域の個性を生かした景観誘導等を景観計画に定め、都独自の取り組みを行っております。

○たきぐち委員 都の取り組みはわかりました。
 昨年ごろから、またそれ以前から、日暮里富士見坂からの眺望を歴史的な風景遺産として継承するための運動があって、議論となっています。
 私は、この問題を感傷的にとらえるつもりはありませんし、経済活動との兼ね合いや財産権との関係などから、非常に難しい問題だと認識しておりますが、実際に現場に立って、これまでの江戸時代からの歴史をうかがうと、これからの東京のまちづくりにおいて、歴史的な風景を残しながらまちづくりを進めていくということも、一方では重要な視点ではないかとも感じております。
 こうした富士見坂から見える富士山への眺望の議論を契機とした都の眺望保全の取り組みについて、見解を伺います。

○永島景観・プロジェクト担当部長 景観法では、良好な景観は、適正な制限のもとに、地域の自然、歴史、文化等と人々の生活、経済活動等とが調和した土地利用がなされることなどを通じて、その整備及び保全が図られなければならないと定められております。
 こうした法律の理念を踏まえて、都では、平成十九年に景観計画を策定し、我が国の近代化の過程で首都東京の象徴性を意図してつくられた国会議事堂や迎賓館などの保全対象建築物や、我が国を代表する景観として保全され、今日に伝えられている文化財庭園等を中心とした眺望保全を行っております。
 お話にあった富士山につきましては、都内でもさまざまな場所から眺望が可能であり、さらに、超高層建築物の展望台からなど新たな眺望の場も創出されていることなどから、特に日暮里富士見坂を施策の対象とすることは考えておりません。

○たきぐち委員 いみじくも、昨日、日暮里富士見坂からのダイヤモンド富士が見られ、けさの新聞各紙の一面にそのきれいな風景が掲載されています。
 眺望保全と経済活動の両立を図るということは、本当に難しい側面もありまして、広域にわたって規制をかけるというのは現実的ではないと思いますが、眺望保全、これを風景遺産というふうにとらえるのであれば、比較的新しい概念であろうかと思います。規制をするというよりもルールづくりをするという視点で、今後、景観審議会におけるさまざまな専門家の見地からも取り組みをお願いしたいと思います。
 最後に、景観形成に当たっては、区市町村の景観行政団体への移行が進んでいますが、広域にわたり調和のとれた景観形成を進めるために、都の役割は大きいと考えます。
 区市をまたぐような場合の景観形成に対して、広域行政を担う都が主導的な役割を果たすべきと考えますが、見解を伺います。

○永島景観・プロジェクト担当部長 東京では、まち並みが連担していることに加え、区市町村の行政界を越えて調和のとれた景観誘導を行っていく必要があることから、都全域を景観計画の区域とし、区市町村の景観計画に先立ち東京都景観計画を定めております。
 都では、東京全体から見て、特に景観構造の主要な骨格となっている地域である景観基本軸や、共通の景観特性を持ち、ある一定の広がりを持った地域である景観形成特別地区などについて、区市町村の行政界を越えて方針や基準を定め、景観計画を策定いたしました。
 さらに、東京都景観条例に基づき、都市開発諸制度等を活用して計画される大規模建築物等を対象に、文化財庭園等や、国会議事堂や迎賓館等を中心とした眺望保全を行うとともに、皇居周辺の風格ある景観誘導など、都独自の取り組みを行っております。
 区市町村の景観行政団体への移行の協議に際しましては、このような都の景観計画との整合を図るとともに、区市町村がそれぞれの地域特性を生かしたきめ細やかな取り組みを行えるよう、景観計画の策定等について支援を行っております。

○たきぐち委員 今後も、区市町村をまたぐような案件も出てくることも予想されておりますので、地域特性を生かした取り組みを行うよう、都の主導的な取り組みに期待をいたしたいと思います。
 ちょっと論点はずれるかもしれませんが、パリとかローマ、北京、ソウルなどの首都には世界遺産がありますけれども、東京の都心部にはありません。
 また、日本のまち並み保存である伝統的建造物保存地区も、ほとんどの道府県にはありますが、東京にはないという指摘もあります。こうした観点からも今後の景観行政を進めていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。

○山口委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十二分休憩

   午後三時三十分開議

○山口委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○田中(た)委員 まず初めに、建築物の安全性の観点から何点かお伺いをいたします。
 これまで我が国は、多くの大規模災害を経験し、貴重な財産を失ってまいりました。しかし、これらの災害の経験を踏まえ、同様の災害を受けないよう新たな対策を講じ、その都度、復興し発展し続けてまいりました。
 昨年、我々は東日本大震災を経験いたしましたが、首都直下型地震の発生が予測されている中、首都東京の安全を確保するためにも、その経験を生かして、さらに災害に強いまちを築かなくてはなりません。
 そこで、先ほど神林理事からも質疑をさせていただいたとおり、これまで建築物の耐震化促進のために多くの議論が行われ、建築物の耐震診断促進、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進等々の施策が行われております。
 このように、建築物の耐震化は最優先に進めなければなりませんが、一方で、都民が安全に、しかも安心して生活していくためには、エレベーターなどの建築設備や天井などの非構造部材についても、安全性を確保していくことが重要であります。そこで、これらの視点に立ち、何点かお伺いをいたします。
 まず、エレベーターの安全性の観点からお伺いをしてまいります。
 建築物におけるエレベーターは、集合住宅に住む高齢者や特に高層建築物などにおいて日常的な活動に欠くことのできない施設であり、安心して使用できるよう、万全の安全対策を講じることが必要であると考えます。
 しかし、先月の末に、先ほど田中健副委員長のご質疑もありましたが、金沢のアパホテルにおいて、女性従業員がエレベーターに乗り込もうとしたところ、戸が開いている状態で、かごが上昇し、挟まれて死亡するという大変痛ましい事故が発生いたしました。わずか六年前、平成十八年にも港区において、同じシンドラー社製のエレベーターで高校生が亡くなられた悲惨な事故がありました。このときの事故の教訓が生かされず、再度同様の事故が繰り返されたことは残念でなりません。
 そこでまず、この平成十八年の港区での事故を踏まえ、都は、これまでどのように安全対策に取り組んできたのか、先ほども質疑がございましたので、より具体的にお伺いをしていきたいと思います。

○砂川市街地建築部長 都は、平成十八年、港区で発生したエレベーター事故の後、直ちに都内のシンドラー社製エレベーターについて、区市と連携して緊急点検を実施し、安全性を確認しております。
 国は、エレベーター事故の原因がブレーキの摩耗と推定されるとの昇降機等事故対策委員会の報告を受けまして、平成二十年にエレベーターの安全にかかわる技術基準の見直しを行っております。
 都は、この基準に基づきまして、ロープ式エレベーターの巻き上げ機のブレーキの摩耗やロープの損傷及びエレベーターの運行を制御する機器の状況などについて、所有者等より提出された定期報告書の内容を審査し、必要に応じて所有者等に対しまして設備の改善などの是正指導を行っているところでございます。

○田中(た)委員 金沢での事故を受けて、シンドラー社は全国一斉に緊急点検を開始したと発表しておりますが、エレベーターの安全を確保するために、行政としても速やかに対応していかなければならないと考えます。
 今回の事故を起こしたシンドラー社製のエレベーターは、平成十八年に港区で事故を起こしたエレベーターと巻き上げ機が同じ型であると報道されております。
 私は、まずは、都内のシンドラー社製のエレベーターの状況を把握し、早急に安全確保に向けた対応が必要であると考えますが、都の取り組みについてお伺いいたします。

○砂川市街地建築部長 都は、今回の金沢での事故の後、事故を起こしたエレベーターと同じ型の巻き上げ機を使用しているエレベーターの設置状況について、シンドラー社に問い合わせ、都内で十の施設に合計十六台あるとの報告を受けております。
 さらに、そのうち制御装置も同じ型のエレベーターは、四施設に六台あると報告を受けており、これらのエレベーターの所有者等に対しまして、直ちに事故を起こしたエレベーターと同じ型の巻き上げ機であることなどについて情報提供を行っております。
 国は、現在、昇降機等事故調査部会で事故原因の解明に向けた調査検討を始めており、あわせて全国シンドラー社製エレベーターを対象とした緊急点検を再び行うこととしております。
 都は、特定行政庁である区市と連携いたしまして、都内のシンドラー社が設置したエレベーター約千六百台を対象として、国からの点検要請に迅速に対応してまいります。

○田中(た)委員 ぜひともよろしくお願いをいたします。
 国土交通省では、平成十八年の事故を踏まえ、平成二十一年から、扉が開いたままエレベーターが動いた場合に、非常停止させる機能を持つ装置の設置を新たに義務づけております。しかし、平成二十一年以前に設置された既存のエレベーターには、法律的な義務はないため、この装置の取りつけは進んでいないと伺っております。
 悲惨な事故を二度と発生させることのないよう、この装置の設置を促し、エレベーターの安全対策を進めるべきと考えますが、都のご見解をお伺いいたします。

○砂川市街地建築部長 ご指摘の装置は、建築基準法において設置が義務づけられており、国では、戸が開くと書いて戸開走行保護装置と呼んでおります。
 都は、建築基準法に基づく定期報告により、平成二十一年以前のエレベーターの戸開走行保護装置の設置状況を把握しており、この装置が設置されていない既存のエレベーターの所有者等に対しまして、設置を促しております。
 また、都は、エレベーターの保守点検会社の業界と連携いたしまして、地震対策として有効なP波感知型装置の設置を促すリーフレットを所有者等に配布しておりますが、今後この戸開走行保護装置つきましても、装置の設置が促進されるよう同様な取り組みを行ってまいります。
 なお、国では、戸開走行保護装置の設置推進を図ることとしておりまして、都は、国から具体的な対策が示された場合に速やかに対応するなど、引き続きエレベーターの安全性の向上に取り組んでまいります。

○田中(た)委員 いわゆる既存不適格状態にある平成二十一年以前に設置されたエレベーターが現実的には存在しております。二度と同様の事故を発生させないためにも、国には速やかに対策を示してもらいたいものでありますが、この国の動きを踏まえつつ、エレベーター所有者の理解を得て、戸開走行保護装置の設置促進に向け、引き続きご尽力いただきたいと思いますし、またあわせて、首都直下地震の発生が予測されている中において、P波感知型装置の設置は急務であります。設置促進に向けてもご尽力いただき、安全で安心して利用できるエレベーター環境を実現していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続いて、天井の脱落防止対策についてお伺いをいたします。
 東日本大震災では、東北から関東地方を中心に多数の建築物において天井が脱落し、かつてない規模で被害があったと伺っております。都内の施設においても、ホールの天井が落下し、二名の方が犠牲となる痛ましい事故が起きたことは記憶に新しいところであります。
 そこでまず、都内建築物における天井の脱落防止対策について、これまでの都の取り組み状況についてお伺いをいたします。

○砂川市街地建築部長 都は、建築基準法の定期報告制度により、国の基準に基づき、床面積が五百平方メートル以上の大規模空間の天井で落下のおそれのあるものについて、建築物の所有者等に対しまして改善を指導してまいりました。
 しかし、東日本大震災では、この規模に満たない天井が落下し、死傷者が出たことから、調査対象を拡大するとともに、年二回の建築物防災週間において査察の件数をふやして防災査察を実施し、同様の取り組みを行うよう区市へ協力を要請したところでございます。
 こうした取り組みの結果、建築物防災週間の調査では、大規模空間を持つ建築物で、天井脱落防止対策を行い改善された件数は、平成二十二年度以前は最も多い年で十三件であったものが、二十三年度、昨年度はその二倍となる二十六件と大幅に増加しております。

○田中(た)委員 国は、東日本大震災による全国の天井の被害状況を踏まえ、ことしの七月に天井の脱落防止対策に関する試案を発表いたしました。この試案によりますと、これまでの基準を見直し、六メーター以上の高さにある面積二百平米以上の天井を対象としております。
 このような国の動向も踏まえ、都としてさらに天井脱落防止に向けた取り組みを進めていくべきと考えますが、ご見解をお伺いいたします。

○砂川市街地建築部長 国の試案では、お話のとおり、天井脱落防止対策の対象を、天井の面積は五百平方メートルから二百平方メートル以上に拡大する一方、高さは六メーター以上の天井とすることとしております。
 都としては、国の試案が示された段階ではございますが、その内容を踏まえまして、都が所管する不特定多数の人が利用する大規模空間を持つ建築物約三千二百棟を対象といたしまして、天井の面積や高さ、脱落防止対策の実施状況など幅広い項目について調査を行い、実態を把握することといたしました。
 都は、この調査結果に基づきまして、今後、国の新たな基準が示された場合には、対象となる建築物の所有者等に対しまして、速やかに改善指導を行ってまいります。
 都内の大規模空間を持つ建築物の中には、震災時の一時滞在施設として想定されているものもあることから、今後とも、区市と緊密に連携いたしまして、天井の脱落防止対策に積極的に取り組んでまいります。

○田中(た)委員 大規模空間を持つ建築物は、今もご答弁がありましたように、日常的に多くの人たちが集う場所でありますし、また、災害が発生したときには、一時的に避難する方々や帰宅困難者が多く集まってくることが予想されます。そのような建築物の安全確保も急務でありますので、天井脱落防止に向けても積極的に取り組んでいただきたいと、強く要望いたします。
 次に、応急仮設住宅に入居している避難者の方々への支援についてお伺いをいたします。
 都では、昨年の東日本大震災に対応し、都営住宅だけではなく、民間賃貸住宅においても、家主や不動産業の団体の協力を得て、多くの避難者の方々を受け入れております。
 現在、都が応急仮設住宅として借り上げた民間賃貸住宅では、約千人の方々が暮らしていらっしゃいますが、避難生活の長期化に伴い、加齢や健康状況の悪化などにより階段の上りおりが困難となってきても、エレベーターがなかったり、また、介護が必要になってきても、介護スペースが十分に確保できないようなこともあるかと思われます。
 そこで、民間賃貸住宅による応急仮設住宅において、こうした真にやむを得ない事情があって、現在の住宅では生活が困難となった方に対して、住みかえの配慮が必要であると考えておりますが、ご見解をお伺いいたします。

○細渕住宅政策推進部長 お話のように、避難生活の長期化に伴いまして、当初提供した応急仮設住宅では、居住が困難になることも考えられます。
 国は、応急仮設住宅間の住みかえにつきまして、原則として被災県に戻る場合しか認めておりませんが、都として、健康状態の悪化など特別な事情があり、やむを得ないと判断する場合には、被災県等との協議の上で、都内での住みかえにも対応していくことといたします。

○田中(た)委員 都内の民間賃貸住宅による応急仮設住宅では、現在約四百四十世帯の方々が暮らしていらっしゃると伺っております。
 都は、ことし五月から避難者の方々の受け入れ期間を二年間から三年間に延長いたしましたが、家主の方々の中には、二年間という想定で都が設定した上限家賃や設備などの条件で積極的に対応していただいている方もいらっしゃいます。
 そこで、家主の方々のご理解いただき、円滑に受け入れ期間の延長を行うために、都としてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○細渕住宅政策推進部長 民間賃貸住宅によります応急仮設住宅の受け入れにつきましては、期間は二年間を前提に、家主の方々や不動産業界の協力を得て開始したものでございます。
 避難の長期化が見込まれることから、本年五月に受け入れ期間を延長いたしましたが、住宅の借り上げに当たり、国の応急仮設住宅の取り扱い等も踏まえまして、引き続きご協力をいただく家主の方々に配慮を行うなど、避難者の方々の安定した居住の確保に努めてまいります。

○田中(た)委員 まだまだ昨年発生した東日本大震災の復興が、なかなか進まない中、このように東京に避難をされてきた方々の住宅の確保は長期化することも予測され、家主の方々の理解をいただきながら、このような被災された方々のお住まいの確保に向けても、引き続きのご尽力をいただきたいと存じます。
 私ども都議会自民党は、大震災からの一日も早い復旧復興を願い、被災地支援を行い、また東京に避難された避難者支援も行ってまいりました。
 都として、今後とも避難者の方々が安心して暮らせるように、さらなるご支援をいただくことを強く要望いたしまして、質問を終わります。

○小林委員 私の方からは、四つのテーマについて何点かお伺いをさせていただきます。
 初めに、都市計画公園・緑地の整備方針に基づく公園、緑地の整備促進についてお伺いをいたします。
 平成十八年に、都、区市町が共同で都市計画公園・緑地の整備方針を策定し、取り組みを進めてこられたわけですが、昨年十二月には、この整備方針が改定されました。改定に当たっては、新たな事業化計画として杉並区の高井戸公園、そして私の地元の練馬城址公園が優先整備区域に選定され、今後、地域における防災拠点としての役割を担った公園整備がなされることになりました。
 初めに、練馬城址公園の整備着手が盛り込まれた今回の都市計画公園・緑地の整備方針は、どのような考え方に基づいて改定をされたのかお伺いをいたします。

○町田都市づくり政策部長 都市計画公園・緑地の整備方針は、今後十年間で優先的に整備する公園、緑地の区域を明らかにし、計画的、効果的な整備促進を図るものでございます。
 整備方針の改定に当たりましては、水と緑のネットワークの形成とともに、東日本大震災を踏まえまして首都東京の防災機能の強化を図るため、震災時に避難場所や救助等の活動拠点となる公園等の拡大を図ることといたしました。
 加えて、センター・コア・エリア内の長期間利用に供されていない公園等の区域について、地域の防災性の向上や緑豊かな都市空間の形成など公園機能の早期発現を図るため、民間開発の機運をとらえ、まとまった広さの緑地を早期に確保する仕組みを創設したものでございます。

○小林委員 練馬区には、既に石神井公園、光が丘公園、大泉中央公園、城北中央公園と四つの都立公園があり、いずれも区民の皆様の憩いの場として親しまれております。練馬城址公園についても、五つ目の広大な公園整備でありまして、地元の関心も高く、私のもとにも既にさまざまなご意見やご要望が寄せられております。
 先ほどのご答弁にもありましたが、今回の整備方針の改定では、今後十年間に優先的に進める区域を定めているとのことでございましたが、練馬城址公園も含め、いかなる基準に基づいて選定をされたのかお伺いいたします。

○町田都市づくり政策部長 優先整備区域の選定に当たりましては、公園等が持つ機能と役割につきまして、防災、環境保全、レクリエーション、景観・魅力の四つの視点と、水と緑のネットワークを形成する上での重要な位置づけになるという観点から、重点化を図るべき公園等を選定いたしました。その上で、これらの公園等につきまして、区域の重要性や整備効果などの面から検討を加え、優先整備区域として設定したものでございます。
 これによりまして、都と区市町全体で百五十四カ所、四百三十三ヘクタールについて優先的に整備を進め、首都東京の防災機能の強化を図るとともに、水と緑のネットワークの形成を図ってまいります。

○小林委員 防災機能の強化、また水と緑のネットワークの形成という大目的があると思いますが、公園の整備というのは、都市の顔、また色を変えていくことでもあり、住民、また利用者がどれだけ笑顔になれる公園であるのかが大事ではないかというふうに思います。
 私は、練馬生まれの練馬育ちで、幼少期より近くにありました石神井公園に親しんでまいりました。小学校低学年の遠足も石神井公園でありまして、この公園には自分の思い出がたくさん詰まっているといっても過言ではありません。
 練馬城址公園については、今後具体的には建設局が整備に着手していくことになると思います。練馬区における重要な取り組みとして、私もしっかりと取り組んでいきたいと思いますが、ぜひとも練馬区の地域住民の皆様の声に十分に耳を傾けていただき、練馬区、そして区民の皆様と一体となって、だれもが笑顔になれる公園整備がなされるよう、今後ともご努力をいただきたいと思います。
 次に、歴史的建造物の保存などによる景観形成についてお伺いいたします。
 私たちが歴史の呼吸を感じる一つとして、建造物の存在があります。数々の風雪に耐え、数十年、また数百年存在し続けた建造物が今に残ることは、奇跡でもあり、その建物を舞台に繰り広げられたであろう人間模様に思いをはせることは、現代を生きる私たちにも、さまざまなことを教えてくれていると思います。
 首都東京にも歴史的な建造物が数多く存在していますが、日進月歩でそのまち並みも変化を遂げています。活発な都市活動が行われている東京においては、歴史的建造物の保存、活用を行うとともに、新しい開発と共存、調和させることが極めて重要であると思います。
 そこで、都市再生と歴史的建造物の保存、活用とのあり方について、基本的な都の考え方をお伺いいたします。

○永島景観・プロジェクト担当部長 東京が美しく魅力ある都市として一層発展していくためには、都市の再生を積極的に進めながら、歴史と文化を生かした都市づくりを行っていくことが重要でございます。
 都は、これまでも都市開発諸制度を活用して、歴史的な建造物である三菱一号館などの保存、活用を図るとともに、東京歴史まちづくりファンドを活用し、柴又帝釈天題経寺大客殿などの都選定歴史的建造物の保存、修復を支援しております。
 さらに、丸の内駅舎の復元を契機として、行幸通りなどにおいて歴史的な建造物を生かした一体的な景観形成を図ることにより、美しく風格のある首都の顔づくりを進めております。
 今後も、こうした取り組みにより、成熟した都市としての多様な魅力を備えた首都東京を実現してまいります。

○小林委員 私は、平成二十二年の第一回定例会の一般質問で、歴史や文化と一体になったまちづくりを進めることが重要であるという認識を持ちまして、東京都景観条例に基づいて定めた歴史的景観保全の指針を有効に活用し、広く歴史的な景観形成に努めていくべきだと質問をさせていただきました。
 その当時、都からは、この指針は、歴史的な建造物を核とした良好な景観形成を図るため、周辺で建築などを行う場合の配慮事項を定めたものであり、現在は、個々の歴史的な建造物ごとに景観への配慮を行う範囲を設定しているが、より効果的に景観形成を図るため、複数の歴史的建造物などが一定の地域にまとまって存在するような場合は、地域全体を景観への配慮を行う範囲とするように検討していくとのご答弁をいただきました。
 よりよい景観形成を図るために、歴史的建造物を点としてとらえていくか、また線でとらえていくのか、面でとらえるのか、当然のことながら状況によって一律的な考え方はできないと思いますが、さきの一般質問でご答弁いただいたその後の取り組み状況についてお伺いいたします。

○永島景観・プロジェクト担当部長 東京は市街地が広範囲にわたっており、区市町村の行政界を越えてまち並みが連続しています。都市全体として良好な景観形成を図るため、都全域を景観計画の区域とし、区市町村の景観計画策定に先立ち、東京都景観計画を策定いたしました。
 そのため、区市町村が景観行政団体への移行を申し出た場合には、複数の行政界にまたがる景観形成の継承についても前提として移行の協議を行っております。
 お話の歴史的景観保全の指針もその一つでございまして、移行に際しては、これまで都が進めている歴史的建造物等の保存、活用の考え方を引き継ぐとともに、地域の特色を引き出せる景観計画となるよう協議しております。
 例えば、今後移行が予定されている文京区におきましては、複数の歴史的建造物の集積が見られる地域において効果的に景観形成が図られるよう、地域全体を景観への配慮を行う範囲とすることを検討していると聞いております。
 また、都独自の取り組みの例といたしましては、我が国の歴史と文化を代表する風格ある美しい景観を備えている皇居周辺地域に対して、景観誘導区域を設定し、大規模建築物等の建築に際してデザイン協議を行うなど、首都東京の魅力の向上を図っております。

○小林委員 先ほどの公園整備の際にも申し上げましたが、歴史的建造物を中心とした景観形成に取り組む際にも、やはり地域住民の声というのは大変に大事なことであると思います。歴史的建造物は、一度壊れてしまったら取り返しのつかない歴史的価値あるものだからこそ、それを守り継承したいとの強い意思が働くと思います。
 歴史的建造物の保存、活用と新しい開発との共存共栄というテーマは、一朝一夕に解決できるものではなく、あらゆる知恵を集結していかなければなりません。今後とも景観形成という取り組みを通じて関係各局と連携をとりながら、歴史の息吹薫る東京、また新進の気概あふれる東京の実現に向け、都の手腕をぜひとも発揮していただきたいと思います。
 次に、先ほどもご質問がございました東京ユビキタス計画についてお伺いをさせていただきます。
 現在、最先端の情報通信技術を活用したユビキタス空間場所情報システムを、観光、商業やバリアフリーなどの視点から生かし、日本のすぐれた技術を世界に発信するという方針のもと、平成十七年度より東京ユビキタス計画の実証実験が行われております。既に実証実験より七年目を迎えましたが、情報通信技術の進歩が年々急速に進む中、実証実験においてもさまざまに反映されていることと思います。
 特に、昨年十二月には、爆発的に普及したスマートフォンを活用した実証実験への取り組みもあり、昨年の第四回定例会の私の一般質問で、その実験内容についてお伺いをいたしましたが、今日までの東京ユビキタス計画の成果と課題についてお伺いをいたします。

○佐藤企画担当部長 東京ユビキタス計画では、情報通信技術を十分に活用し、まちを訪れた人が必要な情報をその場で手軽に得ることができるユビキタス都市を目指しております。
 そのため、平成十八年度から銀座地区におきまして、地元の方々の協力のもと、まちの情報提供や移動支援などのためにユビキタス環境を整備するとともに、そのインフラを民間企業に開放し、民間公募実験を積み重ねてまいりました。
 昨年末からユビキタス環境に対応したスマートフォンが活用可能となり、先月からはアイフォンでも一部の機能に対応できるようになってきておりまして、現在利用者が着実に増大しつつあります。民間公募実験におきましても、今年度はすべての参加企業がスマートフォンによる実験を行っているという状況でございます。
 課題といたしましては、ユビキタス技術の実用化に向けて民間企業にビジネスモデルの構築を促すこと、民間ビジネスの展開に当たり、道路内に設置された機器の法的位置づけなど必要な制度構築を行うこと、さらに、災害時にも寄与する情報提供手段としての可能性を探ることが挙げられております。

○小林委員 ありがとうございます。今ご答弁いただいた成果、そしてまた新たに見えてきた課題も踏まえて、引き続き計画を実施していくことになると思いますが、今後さらにどのような取り組みを予定されているのか、確認をさせていただきます。

○佐藤企画担当部長 民間公募実験等の機会を通じまして、スマートフォンを活用した実験に参画する事業者数の拡大及び実験の多様化を図り、モデルとなる民間ビジネスの展開に早期につなげていきたいと考えております。
 また、場所情報が入ったICタグなど、道路内に設ける情報機器を道路法に明確に位置づけるよう、国に対して引き続き要望するとともに、道路管理者などとの協議を進めてまいります。
 さらに、災害時の情報提供手段として活用できる位置特定技術の可能性につきまして、地元区など関係機関とともに検討を進めてまいります。
 こうした取り組みを通じまして、まちの魅力や活力を高めるとともに、だれもが安心してまち歩きを楽しめるユニバーサルデザインのまちづくりを目指してまいります。

○小林委員 今ご答弁の中で、災害時の情報提供手段として活用できるシステムの可能性を検討していくとのご答弁がありましたが、今後の課題として非常に大事な視点ではないかと思います。
 東京都帰宅困難者対策条例においても、安否確認と情報提供のための体制整備という点について盛り込まれておりますが、本年の第二回定例会の際に、我が党の高倉議員の一般質問の中で、帰宅困難者への情報提供の方策として、スマートフォンにおける専用のアプリケーションの提供を提案したところ、総務局を中心に今検討が始められていると聞いております。
 災害対策として、使える手段を幅広く検討していくという視点は大変に大事ではないかというふうに思います。このユビキタス計画で得られた成果、課題を検証しつつ、災害時の情報提供手段として寄与できるような取り組みをぜひとも具現化をしていっていただきたいと思います。
 最後に、建物の試験機関と検査機関の登録制度についてお伺いをいたします。
 建物の工事では、柱やはりなどが構造的に必要な強度を持っているのかを確認するため、コンクリートの試験や鉄骨の溶接部の検査が行われております。
 都では、このような試験や検査を行う機関について東京都独自の登録制度を設けておりますが、この東京都独自の登録制度が創設された背景についてお伺いいたします。

○砂川市街地建築部長 平成七年の阪神・淡路大震災では、施工の不備が原因と考えられる建築物の被害が見られたため、建築基準法が改正されまして、平成十一年に中間検査制度が創設されております。
 都は、平成十二年に、完了検査に加えまして中間検査の際にも、工事施工者や工事監理者にコンクリートや鉄骨、鉄筋などの材料や接合部の試験及び検査の結果を提出することを義務づけております。
 工事施工者や工事監理者は、通常、コンクリートや鉄筋などについては試験機関に、鉄骨の接合部などにつきましては検査機関に試験、検査を依頼していることから、これらの試験検査機関の信頼性、透明性を向上させることが重要でございます。
 こうしたことから、都は、試験、検査に必要な資格を持った技術者を備えるなど、一定の技術力を有する試験機関及び検査機関を都知事登録機関として登録する制度を平成十四年に創設したものでございます。

○小林委員 都知事登録制度創設の背景として、阪神・淡路大震災を契機として、施工段階での検査が重要であること、また、試験及び検査制度の信頼性確保が大事であるとのご答弁でしたが、懸念される首都直下型地震に備え、建築物の試験及び検査はますます重要性を増してくるのではないかと思います。
 公明党は、東日本大震災の教訓をもとに、災害に強い国づくりを強力に推進していくために、防災・減災ニューディールを掲げ、推進のための法律案も国会に提出しております。これは国が基本計画を定めて、十年間の集中期間を設けて、老朽化した橋や堤防などの修繕、改築を計画的に行い、耐震上の懸念がある建物について耐震改修を加速させていくものですが、建物の安全性の確保のための試験、また検査も重要な役割を果たしていくと思います。
 平成十四年の制度創設以来十年が経過しましたが、その間、工事現場においては、作業の省力化や合理化のため、これまでと違う施工方法が行われるようになり、それとともに新しい検査の方法も取り入れられております。
 例えば鉄筋の継ぎ手については、切り取ったサンプルを試験機関に持ち込んで行われる破壊試験が一般的に採用されていますが、工事現場で行うことができる非破壊検査も用いられています。しかし、現在の登録制度では、非破壊検査の検査機関は鉄骨だけで、鉄筋は対象となっておりません。
 こうした状況を踏まえ、都は、鉄筋を対象とする登録制度の改正を検討していると聞いておりますが、その進捗状況についてお伺いいたします。

○砂川市街地建築部長 鉄筋の継ぎ手につきましては、近年、検査に要する手間やコストの削減への要求に加え、特に超高層建築物などで従来行われてきた圧接継ぎ手に加えまして、溶接継ぎ手や機械式継ぎ手も多く採用されていることから、超音波探傷検査などの非破壊検査の需要が増加してきております。
 このため都は、鉄骨の溶接部に加えまして、新たに鉄筋の継ぎ手につきましても、超音波探傷検査などの非破壊検査を行う検査機関を都知事登録制度に追加することを考えており、現在、検査機関の業務の執行体制や検査業務に必要な施設などについての基準について、検討を進めているところでございます。

○小林委員 私、都議会に送り出していただく以前は衆議院議員の秘書をしておりましたが、その秘書をしておりました議員は、もともと超音波探傷検査の研究者でありました。その関係もありまして、秘書時代より、この非破壊検査や超音波探傷検査について私も関心を持って取り組んでまいりました。
 また、十年前の都知事登録制度の創設の際には、関係業界の方も、都の先駆的な取り組みを大変に評価されておりました。鉄筋を対象とする登録制度の改正については、検討を進めているとのご答弁でありましたが、防災対策の大事な一翼を担う検査体制の充実のために、関係者とも十分な協議を重ねながら、かつ早急に検討を進めていただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○大沢委員 私からも、都市整備局の事業の首都東京を支える都市基盤の整備の中にあります道路網の整備及び鉄道新交通システムの整備、この二点について質問をさせていただこうと思いましたが、まず、道路網の整備の大きな事業であります外環道の整備の件ですが、この委員会にも所属されております遠藤委員が議員連盟の会長でありますし、私もその議員連盟で幹事長をさせていただきまして、CO2の削減や、そしてまた東京の国際競争力の強化、地域の活性化、また先ほど来から議論がされております災害防災の面におきまして、災害時の物資の輸送に大きく役立つ外環道の整備は、一日も早く行うべきであると考えております。また、ミッシングリンクを解消して、しっかりとした高速道路のネットワークを構築すべきだという考えを持っております。
 そこで、質問をさせていただこうと思いましたが、我が党の田中健委員が既に質問をしておりますので、その質問は省かせていただきまして、鉄道新交通システムの整備という観点から質問をさせていただきます。
 江東区及び区部東部地域における鉄軌道ネットワークの拡充についてお伺いをさせていただきます。
 江東区では、JR総武線、都営新宿線、東京メトロ東西線及び有楽町線など、東西方向には多くの鉄道路線が走っておりますが、これらを南北に結ぶ路線は不十分であることが、江東区、そしてまた区部東部地域の長年の課題となっているのが現状であります。
 また、先ごろ国が発表した平成二十三年度の東京圏の鉄道混雑率によりますと、東京メトロ東西線の木場と門前仲町の区間は、体が触れ合い、相当圧迫感のある二〇〇%前後の混雑率が続いているとされており、混雑の緩和が喫緊の課題となっております。
 あわせて江東区では、江東区、そして墨田区、葛飾区、松戸市の三区一市から成る地下鉄八号線・十一号線促進連絡協議会で合意形成された豊洲駅から住吉駅間約五・二キロの整備の早期事業化を目指しております。この事業は、江東区内の南北交通を格段に便利にするだけではなく、東西線など区内既存路線の混雑緩和、そして地域活性化につながる効果が期待をされております。
 地下鉄八号線の延伸は、平成十二年の運輸政策審議会答申第十八号で、平成二十七年までに整備に着手することが適当な路線として位置づけられておりますが、いまだ着手されていないのが現状でございます。
 そこで、本路線の整備に向けた現在の状況、そしてまた取り組みについてお伺いをいたします。

○石川都市基盤部長 地下鉄八号線の延伸につきましては、委員お話しのとおり、運輸政策審議会答申第十八号におきまして、平成二十七年までに整備に着手することが適当である路線として位置づけられております。
 地元江東区では、平成十九年度から独自調査を進め、平成二十二年度に事業化検討会を設置し、国や都、東京メトロもオブザーバーとして参加して、事業採算性等の検討を進めております。
 また、江東区では、早期実現に向けて平成二十二年度より建設基金を積み立てるなど取り組んでおります。今年度も学識経験者や関係機関で構成される事業化検討委員会が設置されたところであり、都も国や東京メトロとともに委員として参画し、事業採算性等の検討を進めております。

○大沢委員 ただいまのご答弁でありますと、江東区の独自調査においては、平成二十二年度は事業化検討会を設置して、国や都、そしてまた東京メトロもオブザーバーとして参加をしていた。それが今年度は、都も国や東京メトロととともに委員として参画をしている。一歩前進をしているのかなと、そのような認識を持つわけでございます。
 そしてまた、江東区においては、今、私この手元にありますが、江東区報八月号でありますが、そこに、江東区としての立場を示す文章がなされております。これは本委員会の事業ではございませんが、築地市場の豊洲移転に伴いまして、受け入れ側の江東区が東京都と三つの課題を協議し、そして理解を深めたところで受け入れの準備を進めていく、そのような協議がなされた文章でございます。
 ご紹介をさせていただきますと、その一つ目の課題というものは豊洲の土壌汚染問題で、汚染土壌をきれいにすること、これが移転に当たる大前提であるということでございます。
 そして二つ目は、にぎわいの創出ということでございます。築地市場や場外市場のように、外国人が観光できる市場そして江東区民や観光客が、買い物や食事を楽しめるような場外市場を整備しろということでございます。それを要望して、またその要望を受け入れて、都は、千客万来施設と呼ばれる集客施設の整備を市場計画案に取り入れております。
 そして三つ目は、地下鉄八号線の延伸問題で、市場やにぎわい施設に、区内全域から、また遠方から、だれもが気軽に訪れるためには、江東区の南北を結ぶ鉄道網の整備、いわゆる地下鉄八号線の豊洲-住吉間の延伸工事が不可欠であるということを強く求めております。
 その三つの課題に対しまして、当時の佐藤副知事が江東区を訪れ、その実現に向け、江東区と連携し、最大限の努力を傾注していく決意であるという合意のもとに、江東区は新市場の受け入れを判断したという経緯があるわけでございます。
 そして、そのような都と区の合意というものがありますから、それは、築地市場の移転問題では、築地市場のある中央区も都との間で合意を交わし、新市場が予定されている江東区との間においても、十分な協議、調整を進め、必要な支援を講じていただきたい、そのように私は考えておりますし、特に豊洲地域は、新市場の開場によってトラックなどの交通が集中することも予想され、そしてまた交通需要の抑制や環境対策、地域の利便性の向上などの観点から、公共交通基盤の整備に向けて積極的に取り組んでいただきたい、そのように思っております。
 また、豊洲地区や臨海部では、ほかにも、「ゆりかもめ」の豊洲から勝どき間の延伸が、先ほどの国の答申でも位置づけられております。加えて、江東区が過去にJR越中島貨物線を利用した新木場から亀戸間のLRT構想についても検討している事実があります。
 江東区の豊洲地域や、その北側に位置します墨田区のスカイツリー周辺など区部東部地域のまちづくりが進んでいる中で、やはり八号線やLRT、「ゆりかもめ」等の整備は、江東区内の南北の交通の利便性向上だけにとどまらず、区部東部地域のアクセス改善や混雑の解消など、交通ネットワークを補強する必要性が高まっているのが事実であります。
 また、鉄道が整備をされれば、新駅などを中心として新たな拠点も形成されることになり、これは、古くいえばマイタウン構想の副都心の多重化、それを含めて、この都市整備局がつくりました東京の都市ビジョンづくりの中にあるセンター・コア・エリアの育成というところに、私はつながってくるのであろうと思います。
 また、区部東部では、古くから山の手とは異なった独特の下町文化が根づく上野や浅草、そしてまた錦糸町や亀戸といった拠点から、臨海地域のような比較的新しい拠点など、さまざまなまちの個性が存在し、そしてこの東京の活力を支えているとともに、まちのにぎわいをもたらしているのが現状であります。
 今後、こうした地域特性に合わせた地元区によるまちづくりを東京都も支援することなどにより、この区部東部全体のさらなる魅力の創出に向けて、引き続き、都として、積極的に都市づくりに取り組んでいただくことを要望そしてまた意見として申し上げさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

○遠藤委員 事務事業の質問に当たりまして、初めに、長寿命環境配慮住宅モデル事業について質問いたします。
 平成二十三年三月の第一回定例会において、府中市内で実施している長寿命環境配慮住宅モデル事業は、どのようなものであるかについて伺いました。また、本モデル事業の概要と今後の普及啓発について質問をいたしたいと思います。
 今回のモデル事業は、中小工務店の参加を得て実施しているもので、木造住宅における中小工務店の経験や創意工夫を活用していくものであります。また、公募により最もすぐれた企画提案をした民間業者に都有地を売却し、事業者がその企画提案に基づき個別住宅を建設、分譲するものと聞いております。
 そこで、前回の質問の後、この事業をどのように進めてこられたか、お聞きいたします。

○笹沼民間住宅施策推進担当部長 このモデル事業は、学識経験者等で構成される審査委員会の議を経て、昨年秋に事業者を選定し、鋭意進めてございます。本事業は、全体で十六棟を建設、分譲する計画であり、九月には第一期の四棟が完成いたしました。
 住宅の長寿命化につきましては、高い耐久性や耐震性を持つ丈夫な構造躯体、間取り変更が容易な内装、メンテナンスがしやすい設備配置とするなどの工夫をしております。
 また、環境配慮につきましては、建設から廃棄までトータルでCO2を一般的な住宅に比べ五〇%以下に削減するなどし、都内初となるライフサイクルカーボンマイナス住宅に認証されました。
 普及啓発についてですが、中小工務店を対象に、長寿命化、省エネルギー化などの工夫を工事途中の現場で紹介する見学会を開催しております。また、都民に対しましては、長寿命で環境に配慮した住宅を体感していただけるよう、モデルハウスの公開を行っております。
 今後、入居者のエネルギー使用に関する調査、検証を行いまして、その結果も含め、本事業のさらなる普及啓発に努めてまいります。

○遠藤委員 完成した住宅は、長く使えて環境に配慮された先進的なものであるということがよく理解できるわけであります。本モデル事業の普及啓発に引き続き努力するよう、改めて要望しておきます。
 さて、私も先日、このモデルハウスを実際に視察し、工夫や努力が随所に凝らされていることを感じました。その際、建物全体のおよそ六割は多摩産材が使用されているということを聞きました。私はかねてから、多摩の森林の重要性や多摩産材の利用促進を訴えてきており、このように多摩産材が多く使用された住宅がふえてきているということは、非常によいことというふうに思っております。
 そこで、多摩産材を使用した住宅の普及促進の取り組みについてお伺いいたします。

○笹沼民間住宅施策推進担当部長 お話のとおり、住宅の建設に多摩産材を活用することは、森林の循環の再生のみならず、地球温暖化防止の観点からも非常に重要なことであると認識をしております。
 都は、都営住宅の建てかえ時に多摩産材を使用しているほか、平成十六年度から実施いたしました東村山市本町地区プロジェクトや本モデル事業におきまして、多摩産材を活用した木造住宅の建設、供給を促進しております。
 これらの取り組み事例につきましては、毎年実施しておりますこれからの家づくりセミナーなどを通じて広く情報発信を行いながら、普及啓発に努めております。
 また、多摩産材の生産供給に携わる事業者等で構成いたします東京の木・いえづくり協議会と連携をいたしまして、都庁舎や昭和記念公園などで多摩産材の展示会等のイベントを開催し、都民や事業者に対しまして広く情報提供を行ってまいりました。
 今後とも、こうした取り組みを通じまして、多摩産材の住宅への利用拡大が図られるよう普及啓発に努めてまいります。

○遠藤委員 多摩産材を積極的に活用することは、東京の森林の整備や林業の振興、さらには花粉症対策など、環境保全にも寄与するものと考えております。
 モデル住宅を視察した際に、需要者側である工務店から、乾燥した木材が、事業の進捗に合わせて必要なときに必要な量がなかなか手に入らない、こういうことを聞きました。多摩地域の製材事業者は、他県の大規模な製材所に比べて零細で、製材量も限られているということは承知しておりますが、多摩産材の利用を促進していくためには、必要なときに必要な量を供給することが必要であります。
 産業労働局において、多摩産材を使っている製材事業者に対し、乾燥機械などの導入補助を行っていることも承知しております。ここに産労から、その資料をいただいておりますけれども、内容は割愛させていただきますけれども、今後とも品質の確保された木材が安定的に供給される環境を一層整備し、関係各局と連携して、多摩産材の利用拡大を図ることを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 次は、都営住宅の建てかえ事業について何点か質問をいたします。
 現在、都においては、昭和三十年代に建設された都営住宅団地に加え、昭和四十年代に建設された団地まで建てかえの対象を広げ、年間三千六百戸の建てかえ事業を着実に進めており、大変評価をするところでございます。
 都営住宅については、既存のストックを有効に活用する観点に立って、適切な維持更新を計画的に行っていくことが必要であります。これまでも我が党は、都営住宅の建てかえの際は、老朽化した住宅を更新し住みやすい住宅にするとともに、敷地の有効活用を図って東京の都市づくりを促進していくことが重要であると主張し、都は、これにこたえて取り組みを今推進しているところであります。
 現在、都が建てかえの対象としている昭和四十年代以前に建設された都営住宅団地の中には、大規模な団地も少なからず含まれており、こうした大規模団地の建てかえでは、まとまった用地を生み出すことが可能であり、これをうまく利用することにより、地域のまちづくりに大きな効果をもたらすと期待をしております。
 そこで、初めに、現在建てかえ事業に着手している大規模な都営住宅団地にはどのようなものがあるのか、また、これらの団地の建てかえについて、おおむねの進捗状況がどうなっているのか、お聞かせください。

○山田建設推進担当部長 現在、建てかえ事業を行うこととして選定している団地の中で、建てかえの計画戸数が千戸を超える大規模な団地は、区部では北区の桐ヶ丘一丁目アパートなど六団地、市部では武蔵村山市の村山アパートなど五団地の計十一団地でございます。
 この十一団地のうち、桐ヶ丘一丁目アパートなど九団地は既に着工しており、調布市の仙川アパートは今年度着工する予定でございます。また、江東区の辰巳アパートは、来年度の着工に向けて取り組みを推進しているところでございます。

○遠藤委員 都において、現在建てかえ事業に着手している大規模団地は、区部で六団地、市部では五団地、計十一団地であります。ここに、所管局から細かい資料がありますけれども、これも割愛させていただきます。大規模団地につきましては、用地の創出を図りながら、着実に建てかえ事業を進めていただきたいと思っております。
 今ご答弁があった今年度着工するという仙川アパート、これは調布市にある昭和三十年代に建設された大規模団地であります。この団地では、かつて建てかえ計画をし、自治会や居住者に対して説明に入ったところでありますけれども、居住者同士の考えがまとまらないと、このようなことから中断した経過はありますが、現在では居住者の合意も得られ、建てかえ事業が進み始めているとのことであります。
 そこで、改めて仙川アパートの建てかえ計画の概要について、また、現在の進捗状況がどうなっているのか、お聞きいたします。

○山田建設推進担当部長 仙川アパートは、昭和三十六年度から三十九年度にかけて建設された三十五棟千百二十六戸の大規模な都営住宅団地でございます。建設から四十八年以上経過し、建物本体や設備機器、配管等の老朽化が進行しているほか、エレベーターも設置されていないことから、建てかえを計画しております。
 建てかえ計画では、十五棟千二百戸の住宅を五期に分けて建設するとともに、敷地の有効利用を図りまして、まとまった用地を創出する予定でございます。建てかえ計画につきましては、平成二十三年六月から七月にかけて居住者や近隣の住民への説明会を実施し、現在、第一期の建てかえ工事の発注に向けた準備を進めており、今年度工事に着手する予定でございます。

○遠藤委員 仙川アパートの建てかえの取り組みが着実に進んでいることを改めて確認をさせていただきました。
 冒頭に申し上げましたけれども、都営住宅の建てかえに当たっては、老朽化した住宅の更新はもとより、敷地の有効利用により、地域に求められている施設や機能を導入していくことが大切であります。仙川アパートでは、集会所、交番、医療機関など、地域の方々が利用でき、安全に安心して暮らすことのできる施設が強く求められております。こうした施設の導入が必要なわけであります。
 また、仙川アパートは、京王線仙川駅から近く、利便性の高い場所に立地していることから、団地の用地を活用することにより、活力あるまちづくりを展開することが大いに期待できるところでございます。
 仙川アパートにおいては、その立地条件を生かし、建てかえの推進とともに、用地を活用して地域に求められている施設の導入やまちづくりの促進を図っていくべきと考えます。今後どのように進めていくのか、お考えをお聞かせください。

○山田建設推進担当部長 仙川アパートの建てかえにつきましては、地元市とも協議を行いながら計画を策定しており、団地内には図書館、保育園、集会所を設けるとともに、地区計画に基づき、地域に必要な道路や公園、緑地を整備することとしております。
 また、建てかえに当たりましては、既存の四階、五階建てを中心とした中層住宅を集約し、高層化することにより敷地の有効利用を図りまして、京王線の仙川駅に近い場所に約二ヘクタールのまとまった用地を創出する計画としております。
 この創出用地につきましては、周辺市街地の状況などを勘案しながら、駅から近く利便性が高い特性を生かしまして、都市機能の充実を図るとともに、各種の都市施設を初め、ご指摘のあった集会施設や交番、医療機関など地域に必要な施設の導入も含め、地元市とも連携いたしまして、その活用策について検討し、地域のまちづくりの促進に取り組んでまいります。

○遠藤委員 仙川アパートの建てかえについては、今のご答弁があった方向で今後とも取り組みを推進していただきたいと思います。地域に必要な施設の整備やまちづくりを進めていただくことを強く求めておきます。
 また、仙川アパートの中央を通る調布都市計画道路三・四・一七号線は、道路ネットワークの形成や防災上の視点からも重要な路線であります。今回、特にこの仙川アパートが高層化されるというところからして、居住者も大変高齢化をしてきている。そして現在の道路では、消防車、特にはしご車が非常に進入しにくい状況にあるわけであります。
 したがいまして、都市整備局におきましても、都営住宅団地の更新とともに、関係部局との連携を図りながら、早急に整備を推進するようにお願いをしておきます。
 今後、少子高齢化が急速に進んでいく中、地域コミュニティの活性化を図ることが必要であります。また、地球温暖化や東日本大震災を踏まえた木密地域の整備など、東京が抱える問題への対応も不可欠であります。都営住宅の建てかえに当たっては、こうした観点を踏まえながら、活力ある地域のまちづくりに貢献していくことが最も重要であると思っております。
 大規模団地の取り組みを含め、今後、都営住宅の整備や供給、まちづくりへの貢献をどのようにして進めていくのか、都の見解をお聞きいたします。

○本都営住宅経営部長 都営住宅につきましては、既存ストックの適切な維持更新によりまして、住宅セーフティーネットとしての機能を保持するとともに、敷地の有効利用を図って用地を創出し、東京の都市づくりに寄与していくことが重要でございます。
 このため、都営住宅の建てかえを推進いたしまして、老朽化した住宅の更新を図るとともに、敷地の有効利用により、道路、公園等の整備や緑の充実、保育所や高齢者施設の整備を図るなど、地域のまちづくりに寄与するよう取り組みを進めております。
 また、少子高齢化の進行を踏まえまして、若年ファミリー世帯向けの期限つき入居の実施などにより、子育て世帯の入居の促進や団地コミュニティの活性化に取り組んでおります。
 さらに、今後の建てかえ事業に当たりましては、地球温暖化対策としてのCO2の削減、東日本大震災を踏まえた木造住宅密集地域の整備など、良好な都市環境の形成や都市機能の更新を図る取り組みが重要と考えております。
 今後、こうした観点も重視いたしまして、時代の状況に的確に対応しながら、住みやすい都営住宅の整備や供給を推進するとともに、活力あるまちづくりに寄与してまいります。

○遠藤委員 今ご答弁がありましたが、都においては、老朽化した都営住宅の建てかえの推進とともに、用地の有効活用を図っていただき、団地が立地する地域のニーズを的確に踏まえながら、首都東京を高度な防災都市として誇れるまちづくりの推進に貢献していただくようにお願いいたしまして、質疑を終わります。

○松葉委員 緊急豪雨対策についてお伺いをいたします。
 都内では、平成十七年の九月四日、一時間一一二ミリ、総雨量二六三ミリの集中豪雨によりまして、神田川や善福寺川がはんらんをいたしました。私の地元杉並区におきましても、床上床下浸水、浸水棟数千八百七十三棟という甚大な被害でございました。
 水害当日の夜、私が急行させていただきました地域も、道路は、水が腰の高さでもう川のようになって流れておりまして、それはそれは甚大な被害といった状況でございました。水が引いてからも、ご家庭の中では、泥だらけになった家具や使えない家電製品、ランドセル、制服、水を吸い込んだ畳の取りかえや、またそして消毒といった復旧作業が大変な状況でございまして、どこに怒りをぶつけていいかわからないような怒り、そしてまた絶望感といったものを私も全身で受けとめさせていただきました。七年たった今でも、そのときのことは眼と命に焼きついております。
 こうした水害を受けまして、都は平成十九年の八月に豪雨対策基本方針を策定し、河川及び下水道の整備とともに、雨水を貯留浸透させる流域対策を進めてきました。
 杉並区内でも、河川事業としては河川激甚災害対策特別緊急事業といたしまして、善福寺川の下流域の整備、また、現在では善福寺調節池の工事に着手をいたしております。また、下水道事業といたしましては、阿佐ヶ谷地域において下水道貯留管の整備を完了いたしました。また、流域対策としては、区市が行う個人住宅への雨水浸透施設設置事業に対して、その費用の一部を補助しており、杉並区でも積極的に取り組んでいるところであります。
 この平成十七年の九月四日以降も、平成二十二年七月には、時間一〇〇ミリを超える集中豪雨が発生いたしまして、石神井川の溝田橋付近がはんらんをして、北区などで浸水被害が生じております。
 これを受け、都は、豪雨対策基本方針に基づく取り組みに加えて、平成二十二年十一月に緊急豪雨対策を作成して、現在施策に取り組んでおられます。そこで、改めてこの緊急豪雨対策の概要についてお伺いをいたします。

○石川都市基盤部長 緊急豪雨対策についてでございますが、この対策は、近年の局地的な集中豪雨の増加を踏まえ、浸水の危険性が高い神田川流域など七流域を中心に、局の垣根を越えて、迅速かつ集中的に実施すべき施策を取りまとめたものでございます。
 緊急豪雨対策の内容といたしましては、流域をまたぐ地下調整池の整備や大規模地下街への浸水を防ぐ下水道貯留管の整備、また、公共施設を活用した雨水の一時貯留施設の設置促進及び命と暮らしを守る防災情報の提供、これら四つを対策の柱としております。

○松葉委員 この緊急豪雨対策では、河川や下水道の取り組みとともに、公共施設を活用した一時貯留施設の設置が柱の一つとして位置づけられていることを確認させていただきました。
 この緊急豪雨対策の取り組みは、迅速に進めることが必要であります。河川や下水道の整備の上に、さらに自治体も一緒になって取り組むことが大切であると考えます。公共施設を活用した雨水の一時貯留施設の設置促進に関しては、総合的に浸水被害を防いでいくためのさらなる効果を発揮するために極めて重要だと考えております。
 そこで、公共施設を活用した一時貯留施設の整備の現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。

○石川都市基盤部長 都は、緊急豪雨対策に基づき一時貯留施設の設置を促進するため、関係者から成る協議会を設置いたしまして、関係区市等が所管する施設の建てかえ計画や空きスペースの有無などを調査し、設置を要請しております。これまでに都営住宅四団地に加えて、世田谷区や武蔵野市の小中学校の校庭などで整備を行っております。
 さらに、公共施設を活用した一時貯留施設等の設置を効率的に進めていくため、わかりやすい解説と実例を紹介した技術指針を本年六月に策定し、協議会を通して本指針を周知し、設置を促進しております。
 また、今年度から区市が整備可能な公共施設を把握し、設置に向けた実施計画を策定する際に費用の一部を補助する制度を新設し、各区市の取り組みを支援しております。
 今後も、都が率先して整備を進めていくとともに、国や区市に対して、整備に積極的に取り組むよう直接働きかけることにより、整備促進に取り組んでまいります。

○松葉委員 流域対策を進めるには、庁内各局に加えまして、国や区市町村との連携が不可欠であると思います。雨が降るたびに、浸水被害が起こるのではないかと、そういうふうに不安に思われていらっしゃる都民の皆様の安心のために、都市整備局が横ぐしを通す役割を積極的に果たし、一刻も早く地域住民の安全で安心な暮らしを確保していただくことを要望いたします。
 次に、都営住宅の建てかえについて質問をさせていただきます。
 都営住宅につきましては、ソフト的な対策とともに、既存ストックの適切な計画修繕を行うとともに、老朽化した住宅の建てかえを推進していくことが必要であると考えております。
 地元杉並区におきましても、都営住宅の建てかえ事業が順次実施をされ、団地の更新が図られております。
 そこでまず、現在、杉並区内で建てかえ事業に着手をしている都営住宅とその団地が建設された時期について、改めて確認をさせていただきます。

○山田建設推進担当部長 都営住宅の建てかえにつきましては、昭和四十年代以前に建設した団地を対象として、年間三千六百戸の規模で事業を推進しております。
 このうち、杉並区内におきましては、現在、久我山アパート、高円寺アパートなど五団地の建設事業に着手しておりまして、昭和三十年代建設の団地は四団地、昭和四十年代建設の団地が一団地でございます。

○松葉委員 都においては、昭和四十年代以前に建設をした都営住宅を建てかえの対象とし、主に三十年代に建設された団地の建てかえが行われているというふうにいわれておりますけれども、杉並区においても同様の取り組みが進められているということを確認させていただきました。都において、こうした都営住宅の建てかえの取り組みを着実に実施していることは評価をいたします。
 その上で、杉並区内には、昭和三十年代に建設された、昭和三十二年、三十三年でございますけれども、天沼にあります都営天沼アパートがまだ残っております。早期の建てかえが必要となっていると考えております。
 この団地は、おふろもなく、居住者の高齢化も進んでおりまして、七十代、八十代の方がほとんどでございまして、コミュニティも崩壊しつつある現状になっております。できるだけ早く建てかえ事業に着手して、エレベーターなどが設置されたバリアフリー化された住宅への更新を図ることが必要であると考えております。また、建てかえを行うことにより、多様な世代の方々に入居していただくことも可能であり、近隣の方々との交流などもふえ、地域の活性化にもつながっていくものと思います。
 そこで、こうした昭和三十年代に建設された団地の建てかえを初め、都は、都営住宅の建てかえ事業についてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○山田建設推進担当部長 都営住宅につきましては、都民の住宅セーフティーネットの機能を保持するため、都営住宅の建てかえを着実に推進していくことが必要であると考えております。
 杉並区内にある昭和三十年代に建設した団地を初め、建てかえの対象としている都営住宅団地では、建物や設備の老朽化に加え、多くの住棟でエレベーターが設置されていないなどバリアフリー化も不十分であることから、早期の建てかえが必要でございます。
 建てかえに当たりましては、建設年次や老朽化の度合い、設備やバリアフリー化の状況、地域のまちづくりとの連携や周辺市街地の状況などを勘案し、敷地の有効利用も図りながら、順次建てかえ計画の検討を行い、事業に着手してまいります。
 今後とも、都民にとって住みやすい都営住宅の整備供給に向けて、建てかえ事業の推進に取り組んでまいります。

○松葉委員 都民の住宅セーフティーネットである都営住宅は、重要な役割を担っております。今のご答弁にありましたように、都営住宅の建てかえ事業を積極的に推進していただくことを強く要望をさせていただきます。
 また、その際には、都民共有の貴重な財産として、地域のニーズを踏まえた取り組みも重要であると考えております。そうした点も踏まえて取り組んでいただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○山口委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○山口委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十五分散会

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