都市整備委員会速記録第四号

平成二十四年三月二十二日(木曜日)
第六委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十二名
委員長泉谷つよし君
副委員長滝沢 景一君
副委員長神林  茂君
理事関口 太一君
理事橘  正剛君
理事遠藤  衛君
田中  健君
斉藤やすひろ君
小山くにひこ君
大島よしえ君
谷村 孝彦君
林田  武君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長技監兼務飯尾  豊君
次長長谷川 明君
技監安井 順一君
理事松井多美雄君
理事藤井 寛行君
総務部長田崎 輝夫君

本日の会議に付した事件
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備委員会所管分
・第十一号議案 平成二十四年度東京都都営住宅等事業会計予算
・第十二号議案 平成二十四年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・第十三号議案 平成二十四年度東京都都市開発資金会計予算
・第十六号議案 平成二十四年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・第十九号議案 平成二十四年度東京都都市再開発事業会計予算
付託議案の審査(決定)
・第五十九号議案 東京都建築審査会条例の一部を改正する条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○泉谷委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査及び付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより、予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十四年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市整備委員会所管分、第十一号議案から第十三号議案まで、第十六号議案及び第十九号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○小山委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十四年度予算にかかわる議案について、意見の開陳を行います。
 厳しい財政環境の中、一般会計の予算規模は、前年度比一・四%減の六兆一千四百九十億円と四年連続の減になり、政策的経費である一般歳出も、前年度比一・三%減の四兆五千二百三十一億円に抑制されています。投資的経費については、前年度比一・二%増の八千五百七億円として、新たな雇用や需要の創出などにも配慮されたものとなっています。
 事務事業評価においては、報告団体への支出などにも対象範囲を拡大し、百九十八件を見直し、約二百二十億円の財源を確保するとともに、歳出を精査して約一千百六十億円の事業費を削減しています。こうした取り組みを通じ、基金の取り崩しを最小限に抑えたことは、不安定な都税収入に支えられている都財政を運営する上で当然のリスク管理であり、評価するものであります。
 昨年三月に発生しました東日本大震災は、都政のあらゆる分野に新たな課題を投げかけました。そこで都は、こうした都政環境の変化を反映した都市戦略「二〇二〇年の東京」計画を発表し、大震災を乗り越え、日本の再生を牽引するとしております。
 本予算案では、首都直下地震や三連動地震へのさらなる防災対策の強化、災害に強く環境負荷の少ない省エネルギー型の都市づくりや放射能対策などに戦略的な対応を行うとしています。また、急激な円高に苦しむ中小企業を支え、雇用を守る取り組みを行うことや子どもや子育て家庭への支援などについても確実に取り組むとしています。
 一方で、住宅耐震化の対象の拡大、救急搬送時間の短縮に向けた取り組みやがん対策など、医療に対する都民ニーズの多様化や高齢化、高い失業率などに迅速に対応し、真に都民の安心を得るためには、さらなる施策の充実が必要です。
 また、都の財政運営にとって重要な課題であります法人事業税の暫定措置廃止については、私ども会派は都と協力して政府に働きかけてまいりました。その結果として、国の社会保障・税一体改革大綱において、撤廃に向けた方針が明記されました。しかしながら、今なおその実現には乗り越えるべきハードルや異論があり、私たちも撤廃が完全に実現するまで、引き続き国に対する取り組みを行ってまいります。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、都市整備局にかかわる事項について申し上げます。
 一、東京ユビキタス計画の推進においては、適切なコスト管理を行うとともに、民間や地域と密に連携し、ピープルデザインの考え方を取り入れていくこと。
 一、雨水浸透ますの設置促進など雨水流出の抑制対策を進めるなど、保水力のあるまちづくりの観点から浸水対策の推進を図ること。
 一、東京外かく環状道路地下本線整備について、早期着工を目指して取り組むこと。
 一、外環ノ2のあり方について、地元と十分な協議を行うこと。
 一、首都圏の高速道路における現行の入り組んだ料金体系をさらに見直し、都民の声を反映させながら、より効率的に利用できる高速道路網の実現に向けた検討を行うこと。
 一、羽田空港の未決定発着枠の二・七万回については、国際線に振り向けるよう国に働きかけると同時に、ターミナル拡張工事の際には、この未決定分が施設設計段階で反映されるようスケジュール管理を徹底すること。
 一、羽田空港におけるビジネス航空の利用促進に向けて取り組むこと。また、羽田-成田両空港間も含めた羽田空港へのアクセス改善を図ること。
 一、横田基地を活用したビジネス航空の受け入れに際しては、顧客志向の観点から、横田から都心までの移動にヘリコプターを活用することも視野に入れて検討すること。
 一、ホームドア、ホームさくの設置等により、鉄道駅ホームの安全対策を促進すること。
 一、超高層建築物の長周期地震動対策について、国の対応を待つことなく、都としても積極的に取り組むこと。
 一、木造住宅の耐震改修促進事業について、耐震診断の受診拡大を図るとともに、診断後の改修まで制度が活用されるよう、創意工夫を凝らした運用や制度改善の検討を行うこと。また、対象エリアの拡大を検討すること。
 一、木密地域不燃化十年プロジェクトにおいては、地域の特性を損なうことなく、地域住民の合意形成を図りつつ推進すること。
 一、分譲マンションの耐震化に向けた詳細な実態調査を実施し、その分析結果をもとに施策の再構築を図ること。また、耐震診断の受診の促進を地元自治体とともに積極的に推進すること。さらに、分譲マンション建替え・改修アドバイザー制度の積極的活用などにより、診断後の対応へのフォローアップを図るなど、マンションの耐震化促進に努めること。
 一、既存住宅市場の育成に向けては、インスペクションの制度化や融資条件のあり方など、より具体的な課題の整理に取り組むこと。
 一、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化について、条例の適切な運用を図るとともに、丁寧に確実に進めること。
 一、多摩ニュータウンの都市基盤の更新に際しては、少子高齢化時代における市街地再生の先駆的取り組みとなるよう進めること。
 一、都営住宅の建てかえに当たっては、必要性を検証し、地元自治体との連携を十分に図りながら、地域のコミュニティバランスの観点も取り入れた計画を行うとともに、計画段階から近隣住民や地域のまちづくりに最大限の配慮を行うこと。
 一、都施行の市街地再開発事業においては、収支均衡に努めること。また、市街地再開発事業で得た創意工夫やノウハウを各地のまちづくりに活用していくように努めること。
 以上求めて、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○神林委員 私は都議会自由民主党を代表いたしまして、都市整備委員会に付託された平成二十四年度東京都予算関係議案について意見の開陳を行います。
 初めに、総括事項について申し上げます。
 平成二十四年度予算案は、厳しい財政環境が続く中で、都民の安全・安心を取り戻す確かな手だてを講じるとともに、東京の成長と発展に向けた取り組みを戦略的に推進するものとなっています。
 とりわけ注目すべきは、歳出総額を抑制しながらも、経済波及効果の高い投資的経費を八年連続で増加させている点です。同時に、事業評価を初め、むだをなくす取り組みを徹底して行い、基金残額を八千三百億円確保するなど、今後の備えも講じています。
 真に必要な施策の推進とそれを支える財政基盤の堅持という二つの課題を両立させたものとなっており評価するものです。
 今後も都税収入の好転が見込めない中、将来にわたり責任ある財政運営を行っていくためにも、自己改革努力を不断に進め、堅実な財政運営に徹することを望みます。
 最後に、現下の都民生活を取り巻く厳しい状況を踏まえ、各局とも施策の目的をできる限り早期に達成するべく、迅速かつ着実な予算執行に努めるよう強く要望いたします。
 次に、都市整備局関係について申し上げます。
 一、世界の範となる魅力とにぎわいを備えた環境先進都市東京を実現するため、都市づくりビジョンに基づき、都市再生の推進や環境負荷の少ない都市構造の構築、水と緑のネットワークの強化、美しく風格ある景観の形成、都市の安全性の確保などに向けた取り組みを着実に推進されたい。
 二、三環状道路などの広域幹線道路ネットワークの形成、羽田空港の一層の機能強化及び羽田や成田への空港アクセスの整備など、公共交通網の充実を積極的に推進されたい。
 三、木密地域の改善を加速させるため、木密地域不燃化十年プロジェクトを着実に推進されたい。特に、区の積極的な取り組みに対し都が特別な支援を行う不燃化特区制度については、平成二十四年度中に実効性ある制度を構築されたい。また、大地震から都民の安全や首都東京の都市機能を確保するため、一刻も早く緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を促進されたい。
 四、地域の特性に応じた良好な市街地の形成を図るため、土地区画整理事業、市街地再開発事業などの市街地整備事業を、都営住宅の建てかえにより生み出される用地なども活用し、積極的に推進されたい。
 五、少子高齢化社会に対応するため、福祉部門との緊密な連携により、高齢者専用の賃貸住宅の整備や子育て世帯向け住宅のモデル供給などの取り組みを推進されたい。
 六、多様化する都民の住宅ニーズへの対応や既存住宅市場の活性化のため、空き家を含めた住宅ストックの有効活用を進められたい。
 以上でございます。

○斉藤委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成二十四年度予算関係議案につきまして、意見開陳を行います。
 初めに、総括的事項について申し上げます。
 平成二十四年度の一般会計当初予算案は、都政史上初の五年連続都税収入減収という厳しい財政環境の中、歳出総額が抑制されたものとなっており、政策的経費である一般歳出は、前年度比一・三%減の四兆五千二百三十一億円と二年連続の減となっています。
 しかし、その中身を見れば、施策を厳選し、限られた財源を重点配分することで、都民の負託に的確にこたえるものへと練り上げられた予算となっていることがうかがえます。
 具体的には、依然として日本経済の低迷が続く中、雇用創出効果や中小企業の受注機会の拡大など、景気対策にも密接に連動する投資的経費を八年連続で増加させております。また、公明党が一貫して充実を求めてきた福祉と保健の分野については、金額、構成比ともに過去最高としています。
 加えて、防災力強化やエネルギー対策など、東日本大震災により浮き彫りとなった東京の新たな課題にも積極果敢に対応するものとなっています。とりわけ、全国自治体の先頭に立って災害廃棄物の受け入れを推進するなど、引き続き被災者、被災地支援にしっかりと取り組む姿勢は高く評価するものであります。
 都財政を取り巻く環境が厳しさを増す中において、このような予算を編成できたのは、都が公明党と手を携え、複式簿記・発生主義による新たな公会計制度も活用しながら、事業評価を初めとした都庁の自己改革努力を重ね、堅実な財政運営に徹底して取り組み、財政の対応力を培ってきたからにほかなりません。
 平成二十四年度予算案においても、むだをなくし、個々の施策の効率性や実効性を高める取り組みを徹底するとともに、都債や基金を適切に活用するなど、まさに、施策展開とそれを支える財政基盤の堅持とのバランスのとれた予算案といえます。
 厳しい財政環境が当面続くことが見込まれますが、いかなる状況にあっても都民生活を守っていけるよう、今後とも将来に向けて責任ある財政運営に努めることを強く望むものであります。
 あわせて、予算の執行に当たっては、都民の期待にこたえられるよう、より一層効率的、効果的に行うことを要望します。
 次に、都市整備局関係について申し上げます。
 一、都市づくりビジョンに基づき、東京の都市インフラや施設更新を効果的に進めながら、日本の経済発展を牽引する首都東京の国際競争力を一層強化し、あわせて環境先進都市東京の創造に取り組むこと。
 一、街区の大型化と公共施設や都市インフラの再編、さらに民間の構想力や実務能力、経済力を総合化して、活力と魅力に満ちた東京の再構築を実現するため、都市再生の開発プロジェクトを推進すること。
 一、都市再生ステップアッププロジェクトにおいては、地元ニーズに的確に対応しながらも、東京の将来像をリードするにふさわしい統一感のあるまちづくり構想に裏打ちされた取り組みとすること。
 一、木密地域不燃化十年プロジェクトを進めるに当たっては、都が主導し、木密地域の改善に積極的に取り組む区に特別な支援を行うこと。また、高齢者等への優遇策など実効性ある制度を構築し、不燃化を効果的に進めていくこと。
 一、木密地域不燃化十年プロジェクトポータルサイトをつくるなど、都民に広く情報提供を行うこと。
 一、本年四月からの緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断の義務化に当たっては、建物所有者に対して丁寧に説明をし、都民の理解と協力を得ながら、耐震化を着実かつ早期に進めていくこと。また、条例制定や東日本大震災を踏まえ、相談体制をより充実させること。
 一、交通システムにおける環境負荷の軽減に向け、多摩都市モノレールの延伸や地下鉄八号線等の鉄道交通網整備やLRT等の地域交通網整備の促進に向けて、都の役割を強化すること。
 一、羽田空港の機能強化とさらなる国際化を推進し、羽田が二十一世紀のインフラとして十二分に活用されるよう、国際線旅客ターミナル拡張の早期実施等を国に求めるとともに、空港アクセスの強化に取り組むこと。
 一、駅ホームからの転落防止策として極めて効果的な可動式ホームさく等の設置を鉄道事業者に強く働きかけるとともに、設置促進に向け支援すること。
 一、局地的な集中豪雨が多発し、浸水リスクが高まっていることから、浸水被害の危険性の高い地域においては、公共施設等を活用して、一時貯留施設等を積極的に設置していくこと。
 一、分譲マンション耐震化について、実態調査の結果を活用し、耐震化を一層加速すること。また、合意形成に時間がかかるマンション建てかえが周囲のまちづくりの動きに取り残されることがないような方策を講じること。
 一、マンション等の居住者の避難対策として、震災時でも生活を継続できる性能を持つLCP住宅の整備を促進すること。
 一、都営住宅については、近い将来、耐用年数を超える住宅が大量に発生し、住宅のセーフティーネット機能が損なわれ、入居難が深刻化することのないよう、建てかえ事業を大幅に加速させること。また、管理戸数の弾力的運用を図ること。
 一、高齢社会の進展により、高齢者の住まいのあり方に一層きめ細かな配慮が必要であることから、都営住宅の間取りについても、より使い勝手のよい間取りに変更するなど、住宅セーフティーネットとしての機能を確保するため、不断の運用の改善に取り組むこと。また、高齢化による自治機能低下を補うため、共益費の回収負担の軽減や団地内コミュニティ機能の維持向上のための支援策を具体的に推進すること。
 一、少子化の進展に対応するため、現居住者の円滑な転居を優先しながらも、都営住宅の建てかえ後の住宅の一部を子育て世帯向けの募集住宅とすること。また、一般世帯向けの公募戸数に影響を与えることのないよう、子育て世帯向け期限つき入居戸数を大幅に拡大すること。さらに、先駆的なモデル事業を積極的に推進し、区市町村と連携して、民間の子育て世帯向け住宅の普及に向けた取り組みを確実に行うこと。
 一、高齢者向け住宅の供給に当たっては、サービスつき高齢者向け住宅やグループ居住、共同居住等、状況に応じたさまざまな形態の住まい方を提示するとともに、整備や運営を担う多様な主体の取り組みを促していくこと。
 一、東京都住宅供給公社の少子高齢対応として、一般賃貸住宅の空き家募集において、高齢者等の低層階への優先入居や子育て世帯の倍率優遇の措置の利用促進を図るほか、建てかえに際して創出される余剰地を活用し、医療、介護などの生活支援サービスつきの高齢者向け賃貸住宅の整備を加速すること。
 一、都営住宅の居住者の安否確認については、合いかぎの保有のあり方も含め、早急にマニュアルを改訂すること。
 一、就労促進に伴う都営住宅の空き家活用については、都民の共通の貴重な財産であることから、多くの都民が納得できる明確なルールのもとに進めていくこと。
 一、都内に約七十五万戸ある空き家について、都民に対して的確に情報を届けつつ、その対策に早急に取り組むこと。
 以上をもちまして意見の開陳を終わります。

○大島委員 日本共産党都議団を代表し、意見を表明します。
 景気低迷が続く中で暮らしと雇用が破壊され、都民生活は重大な困難に直面しています。都政は、都民の福祉、暮らしを守るという地方自治体本来の役割を発揮するときです。また、首都直下地震が切迫している中で、防災、震災対策の強化が求められています。
 ところが、石原都政の来年度予算は、外かく環状道路を初め、巨大な道路や湾港施設の建設、さらには八ッ場ダム建設などの浪費的投資を拡大する一方で、都民生活を守るための福祉や暮らし、中小企業支援、また放射能対策や防災など、都民の安全・安心のための施策は極めて不十分です。都営住宅の新規建設に至っては、十三年間連続ゼロです。
 都政を暮らし、雇用、福祉を守る都民本位の都政に転換するための我が党の全体の見解については、本会議質問や予算特別委員会などで明らかにしています。
 都市整備局関係について述べます。
 災害対策では、液状化対策や長周期地震動対策の検討、特定緊急輸送道路沿道建築物耐震改修促進で、耐震診断の実質全額補助の実施、都営住宅の耐震改修戸数を二〇一一年度の二倍に拡大するなど一定の前進面はありますが、震災や深刻な被害が予想される木造住宅の倒壊、火災を防止する耐震化予算の拡充や助成対象地域を抜本的に拡大すること、区の進める木造住宅密集地域の安全化施策への細やかな支援などが求められています。
 地域住民、都民から強い反対や疑問の声が上がっているむだな公共事業である外環道を進めることや、都が負担する必要のない首都高速道路、中央環状新宿線、品川線など整備事業に百十一億九千四百万円も出資し続けていることなど、全体として大型開発優先の姿勢があらわれている予算となっています。
 日本共産党都議団は、大型開発の促進ではなく、生活密着型の公共事業への転換を図り、災害に強い東京の実現を目指し、都市と生活の質を高めることを求め、以下、主要な点について要望します。
 一、さらなる東京一極集中と環境破壊をもたらす都市再生の促進は中止し、都市づくり計画を、人口減少時代にふさわしいだれもが安心して住み続けられる環境共生型まちづくりを目指すこと。
 一、国直轄事業負担金、首都高速道路整備事業出資金など、本来、東京都が負担する必要のない支出は行わないこと。
 一、過大な水需要予測に基づく八ッ場ダム建設計画は中止すること。
 一、圏央道、外かく環状道路と外環ノ2、環状二号線などの環状道路計画は中止し、都民参加で再検討すること。
 一、区部都市計画道路や多摩地域における都市計画道路の整備方針については、既存道路の整備拡充を基本とし、生活道路と歩道優先、自然環境への負荷とならないよう、都民参加で再検討すること。
 一、東京における公共交通を中心とした交通網の整備を進めるため、ロードプライシングを初めとした総合的な交通政策を確立すること。多摩モノレールにシルバーパスを適用すること。
 一、都営地下鉄、東京メトロの全路線で、可動式ホームさくの設置を急ぐとともに、バリアフリー対策を強化すること。鉄道の高架化、複々線化に際しては、住民合意を前提にするとともに、騒音など環境対策に万全を尽くし、地元負担の軽減に努めること。
 一、災害に強いまちづくりのため、耐震改修促進計画の充実、木造住宅密集地域の安全化を進めること。木造住宅密集地域の木造住宅耐震診断、耐震改修助成は、整備地域に限定せず、居住者の生活実態を踏まえ、基準の見直しと助成額の抜本的な引き上げを行い、区市町村への支援を強めること。
 一、超高層マンションなどの長周期地震動対策や住宅地の液状化、土砂災害対策を強化すること。
 一、都市型水害対策として、豪雨対策基本方針に基づく事業を促進し、雨水浸透策や地下室、地下街対策など、抜本策を講じること。また、国、区市町村、民間とも連携し、総合治水対策を本格的に推進すること。
 一、緑の喪失につながる開発を抑制し、東京の緑の計画について、地球環境問題にとって重要な柱と位置づけること。
 一、国公用地は、都市公園、防災公園など緑の回復と保全に活用し、都民本位の利用計画を策定すること。都営住宅用地を活用した民間開発やまちづくりへの供給は中止すること。
 一、都営住宅の総戸数抑制策を改め、新規建設を再開すること。公営住宅法に基づく民間住宅の都営住宅としての借り上げや若年ファミリー世帯や非正規雇用労働者などの入居条件を緩和し、ソーシャルミックスを進めること。また、住戸面積の拡大、間取りの改善、三DK、四DKなど多世帯向け住宅の拡充を図ること。
 一、老朽化した都営住宅、公社住宅の建てかえを進めるとともに、耐震化やバリアフリー化のための改修を促進し、エレベーター設置も進めること。
 一、都営住宅の使用承継制度の条件緩和に努め、もとの一親等まで認めること。
 一、都営住宅に入居資格がありながら入居できず、住宅に困窮している都民に家賃補助を行うことや若者家賃助成を実施すること。
 一、都営住宅及び公社住宅の一般公募の期限つき入居制度をやめること。期限つき入居者に対して一方的な退去を強行せず、契約更新を認めること。
 一、孤独死対策や認知症高齢者対策、高齢者の見守りに取り組み、巡回管理人を増員して、きめ細やかな相談に応じられるようにすること。
 一、東京都住宅供給公社の一般賃貸住宅家賃の設定は、近傍同種ではなく、応能を基本とした制度に改めるとともに、三年ごとの見直しをやめること。
 一、マンションの劣化診断や省エネ化、アスベストの除去、大規模修繕、改築、建てかえについての助成や長期低利の融資制度を都独自につくること。
 一、東日本大震災による都内避難者の住まい保障を強めるため、都営住宅や民間賃貸住宅借り上げなど、応急仮設住宅提供を拡充すること。
 以上で意見開陳を終わります。

○泉谷委員長 以上で予算に対する意見開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○泉谷委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第五十九号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第五十九号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○泉谷委員長 異議なしと認めます。よって、第五十九号議案は、原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○泉谷委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○泉谷委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○泉谷委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。

○泉谷委員長 この際、飯尾都市整備局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○飯尾都市整備局長 一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 このたびの定例会に提案いたしました議案につきまして、ただいまご決定をいただきました。
 泉谷委員長を初め、委員の皆様には熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。これまでのご審議の過程でいただきました多くの貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事務事業の執行に十分反映させ、万全を期してまいりたいと存じます。
 今後とも一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、大変簡単ではございますが、御礼のごあいさつとさせていただきます。
 まことにありがとうございました。

○泉谷委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十八分散会

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