都市整備委員会速記録第一号

平成二十二年二月二十二日(月曜日)
第五委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長尾崎 大介君
副委員長きたしろ勝彦君
副委員長今村 るか君
理事宇田川聡史君
理事長橋 桂一君
理事大塚たかあき君
加藤 雅之君
吉住 健一君
くりした善行君
しのづか元君
大島よしえ君
興津 秀憲君
中山 信行君
山田 忠昭君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長技監理事兼務河島  均君
次長岳野 尚代君
技監升 貴三男君
理事加藤 英夫君
総務部長石野 利幸君
都市づくり政策部長安井 順一君
住宅政策推進部長紺野 秀之君
都市基盤部長座間  充君
市街地整備部長遠藤 正宏君
市街地建築部長瀧本 裕之君
都営住宅経営部長清水 文夫君
企画担当部長横溝 良一君
住宅政策担当部長瀬良 智機君
民間住宅施策推進担当部長宇多田裕久君
航空政策担当部長邊見 隆士君
外かく環状道路担当部長野崎 誠貴君
民間開発担当部長石川  進君
多摩ニュータウン事業担当部長小澤  弘君
耐震化推進担当部長町田 修二君
経営改革担当部長岡沢  裕君
再編利活用推進担当部長中島 俊明君
建設推進担当部長山口 幹幸君
営繕担当部長荒川 達夫君
参事田崎 輝夫君
参事大塚 高雄君

本日の会議に付した事件
 都市整備局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十二年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備局所管分
・平成二十二年度東京都都営住宅等事業会計予算
・平成二十二年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・平成二十二年度東京都都市開発資金会計予算
・平成二十二年度東京都多摩ニュータウン事業会計予算
・平成二十二年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・平成二十二年度東京都都市再開発事業会計予算
・平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、繰越明許費 都市整備局所管分
・東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都高齢者円滑入居賃貸住宅登録手数料条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
(1)二一第一二二号 東京都住宅供給公社の家賃値上げ反対に関する請願
(2)二一第一二三号 東京都住宅供給公社の家賃値上げ反対に関する請願
(3)二一第一二五号 八ッ場ダム事業見直しに関する請願
(4)二一第一〇二号 首都高速晴海線(豊洲・晴海間)の高速道路計画の中止に関する陳情
(5)二一第一〇三号 都営住宅の共益費の受領に関する陳情
(6)二一第一〇四号 二子玉川再開発第二期事業計画における環境に配慮した持続可能な街づくりに関する陳情
(7)二一第一七九号 二子玉川東第二地区市街地再開発事業に関する陳情
(8)二一第一五一号 第三次事業化計画優先整備路線の選定での代沢・北沢地区検討経過の公表に関する陳情
(9)二一第一七七号の一 大島町の都市計画に関する陳情
(10)二一第一八二号 都営住宅の使用承継にかかわる病弱者の診断書に関する陳情
(11)二一第一八三号 都営住宅の入居基準引下げの凍結又は撤回を求めることに関する陳情
報告事項
・「緑確保の総合的な方針」(案)について(説明)
・第百八十九回東京都都市計画審議会付議予定案件等について(説明・質疑)

○尾崎委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は三十二名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。

○尾崎委員長 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承を願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、請願陳情の審査並びに報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、提出予定案件及び報告事項、緑確保の総合的な方針(案)についてにつきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。
 また、報告事項、第百八十九回東京都都市計画審議会付議予定案件等についてにつきましては、説明を聴取した後、質疑終了まで行いたいと思いますので、ご了承を願います。
 次に、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○河島都市整備局長 平成二十二年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、予算案が二件、条例案が二件でございます。
 初めに、平成二十二年度当初予算案の基本的な考え方についてご説明申し上げます。
 二十二年度の都予算は、大幅な税収減に直面し今後も厳しい財政状況が想定される中にあって、都財政の健全性を維持するとともに、東京の現在と将来に対して、今日、都がなすべき役割を積極的に果たす予算でございます。
 都市整備局の予算につきましては、「十年後の東京」計画に掲げた目標を着実に推進する施策について、重点的に予算計上するとともに、昨年七月に改定した東京の都市づくりビジョンで掲げております環境先進都市を目指す取り組みについて積極的に計上してございます。
 それでは、お手元の資料1、平成二十二年度当初予算説明書に沿いまして、予算案の内容についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。都市整備局所管全会計の予算総括表でございます。
 当局は一般会計、特別会計及び公営企業会計を合わせまして、七つの会計を所管してございます。表の上から順に、二十二年度の会計別予算額について申し上げます。
 まず、一般会計は、二千二百三十七億三千二百万円でございます。特別会計となっております都営住宅等事業会計は千六百五十九億三千四百万円、都営住宅等保証金会計は七億一千百万円、都市開発資金会計は十三億三千六百万円、多摩ニュータウン事業会計は百五十二億六千九百万円、臨海都市基盤整備事業会計は百五十一億八千万円でございます。公営企業会計となっております都市再開発事業会計は五百四十七億三千四百万円。これらすべての会計の合計は四千七百六十八億九千六百万円でございます。
 全会計の合計の予算額は、二十一年度と比較いたしますと、五百十七億五千六百万円の減額、増減率マイナス九・八%でございます。
 減額の理由でございますが、羽田空港再拡張事業や首都高速道路中央環状新宿線などの事業がピークを過ぎ収束しつつあることや、住宅供給公社の資金調達方法の見直しによりまして、東京都の貸付金が減少したことなどが大きな要因でございます。
 その一方で、都市づくりビジョンの実現に向けまして、緑確保の仕組みづくりなど、新規事業を含め、必要な予算を計上しているところでございます。
 次に、平成二十一年度補正予算案についてご説明いたします。
 恐れ入りますが、お手元の資料2、平成二十一年度補正予算説明書の三ページをお開き願います。一般会計の平成二十一年度都市整備局補正予算総括表でございます。
 今回の補正予算案は、大幅な都税収入の減少に対する予算上の対応として、都民サービスに支障を生じさせないということを前提に、歳入歳出の両面から洗い直しを行ったものでございます。
 まず、1の歳入予算の表でございますが、一番下の合計欄をごらんください。歳入の補正予算額は七十九億二千百万余円でございます。
 その下、2の歳出予算でございますが、一番上の都市整備費の欄をごらんください。歳出の補正予算額はマイナス三百六十八億六千百万余円でございます。
 また、一番下に、歳出の合計から歳入の合計を差し引いた一般財源充当額を記載してございますが、補正予算額はマイナス四百四十七億八千三百万余円でございます。
 続きまして、条例案についてご説明申し上げます。お手元の資料3、平成二十二年第一回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんください。
 まず、一の東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございます。
 本条例案は、特定都市河川浸水被害対策法に基づく雨水浸透阻害行為の許可等に関する手数料に係る規定を設けるほか、租税特別措置法の改正による良質住宅認定制度の廃止を受け、当該制度に係る規定を削除するものでございます。
 次に、二の東京都高齢者円滑入居賃貸住宅登録手数料条例の一部を改正する条例案でございますが、高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、登録を消除される高齢者円滑入居賃貸住宅について、登録の申請に係る手数料を免除する規定を設けるほか、規定の整備を行うものでございます。
 私の説明は以上でございます。引き続き、詳細な内容につきまして総務部長よりご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○石野総務部長 まず初めに、平成二十二年度当初予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成二十二年度当初予算説明書をごらんいただきたいと存じます。
 局長から総括的なご説明をいたしましたので、私からは主要事業の概要につきまして、一般会計から順にご説明申し上げます。
 五ページをお開き願います。都市整備局一般会計総括表でございます。
 まず、歳出でございますが、一番上の段、都市整備費の欄をごらんください。二十二年度予算額は二千二百三十七億三千二百万円、二十一年度からの増減率は、一番右に示してございますとおり、マイナス一八・四%でございます。
 次に、歳入でございますが、一番下から二段目、計の欄をごらんください。二十二年度予算額は一千四百六十四億七千四百万余円、増減率はマイナス七・一%でございます。
 続きまして、主要事業についてご説明申し上げます。
 八ページをお開き願います。表の左上、枠の外に予算科目の項を記載しておりまして、第一項、都市整備管理費でございます。
 表の一番上の段をごらんいただきますと、第二目、企画調査費につきまして、二十二年度の事業費三十三億八千五百万余円を計上しておりまして、前年度と比較して十二億四千七百万余円の増額となっております。
 表の左側、中ほどでございますが、特定財源及び差引一般財源を記載してございまして、以下、各事業とも同様の形で記載してございます。
 同じ表の右側、概要欄には事業の詳細を記載してございます。このうち(2)、ウ、歴史的建造物を中心とした景観形成事業は、都選定歴史的建造物の改修費用を助成する基金に資金を拠出する新規事業でございます。
 同じページの少し下でございますが、(5)のエ、緑確保の仕組みづくりにつきましても新規事業でございまして、これは土地所有者から請求を受け、買い取りの必要が生じた区市町村の用地取得費の一部を補助し、特別緑地保全地区の指定を拡大するなどの事業でございます。
 一〇ページをお開き願います。第三目、水資源対策費については、事業費五億六千五百万余円を計上してございます。これは主に八ッ場ダム建設に伴って必要となる水没関係住民の生活再建費や生活環境、産業基盤整備事業などの負担金でございます。
 一三ページをお開き願います。第二項、都市基盤整備費の第二目、都市基盤調査費につきましては、事業費四億四百万余円を計上してございます。
 概要欄の(2)、イ、豪雨災害に対する取り組みでございますが、これは豪雨対策基本方針に基づきまして、流域別豪雨対策の推進や浸透施設の設置補助などを行う事業でございます。
 一四ページをお開き願います。第三目、都市基盤施設等助成費につきましては、事業費四百九十四億五百万余円を計上してございます。
 このうちの(3)のウ、公共車両優先システム整備事業は新規事業でございます。これは信号を優先的に制御することにより、空港直行バスの円滑な運行を支援し、空港へのアクセス機能を強化する事業でございます。
 (6)、羽田空港再拡張事業でございますが、これは本年十月に供用開始となる新滑走路の整備費に対する貸付金でございます。
 一七ページをお開き願います。第三項、市街地整備の第二目、都市防災施設整備事業費につきましては、事業費二十三億五千万余円を計上してございます。
 (3)の防災密集地域再生促進事業は、木造住宅密集地域において、住宅の建てかえや共同化等により、不燃化を促進する事業でございます。
 二一ページをお開き願います。第六目、都市改造費につきましては、事業費五百二十七億四千五百万余円を計上してございます。
 (2)、都施行区画整理でございますが、これは汐留、秋葉原や花畑北部、瑞江駅西部など八地区において、都施行の区画整理事業を実施する事業でございます。
 その下の(3)、沿道一体整備でございますが、これは東池袋、鐘ヶ淵など五地区において、道路整備にあわせて民間活力を誘導し、沿道の効果的な土地利用を促進する事業でございます。
 二二ページをお開き願います。第七目、ニュータウン事業費につきましては、事業費二百三十六億六千百万余円を計上してございます。
 (4)の多摩ニュータウン事業会計繰出金は、多摩ニュータウン事業会計に対して、都債の償還に必要な資金を一般会計から繰り出すものでございます。
 二四ページをお開き願います。第四項、建築行政費の第二目、建築指導費につきましては、事業費十二億二千二百万余円を計上してございます。
 (3)の耐震改修促進事業のうち、ケ、耐震化促進のための規制誘導策等検討調査は新規事業でございます。これは防災上特に重点的な対応が必要な建築物について、耐震診断の義務化など、耐震化を一層推進するための都独自の規制誘導策を検討する事業でございます。
 二九ページをお開き願います。第五項、住宅費の第四目、民間住宅対策費につきましては、事業費七十三億八千八百万余円を計上してございます。
 (2)、民間住宅助成事業の中で新規事業が二つございます。
 一つ目は、キのサービスつき適合高齢者専用賃貸住宅供給助成事業でございます。これは高齢者専用賃貸住宅のうち、併設された高齢者生活支援施設や医療、介護事業所等と連携し、適正なサービスが提供されていると認定された住宅の建設費の一部を助成する事業でございます。
 二つ目は、クの子育て世帯向け優良賃貸住宅供給助成でございまして、これは子どもの安全の確保や、保育施設との連携を重視しつつ、低廉で良質な民間賃貸住宅をモデル供給するため、事業者に対し補助を行う事業でございます。
 三〇ページをお開き願います。第五目、都民住宅等供給助成費につきましては、事業費三百十一億一千百万余円で、前年度と比較して三百五億五千八百万余円の減額となっております。これは、住宅供給公社が可能な限り民間からの資金調達を実施することにより、都の貸付金が減少したことが主な要因でございます。
 右の三一ページの第六目、東京都住宅供給公社助成費につきましても、同じ理由により四十二億九百万余円減額となってございます。
 三二ページをお開き願います。一般歳入につきましては、過去の貸し付けに係る返還金収入などを計上してございます。
 続いて、三三ページから三五ページまでは繰越明許費について、また三七ページから四三ページまでは債務負担行為についてそれぞれ記載してございます。
 以上で一般会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、特別会計についてご説明申し上げます。
 四七ページをお開き願いたいと思います。都営住宅等事業会計総括表でございます。
 歳出につきましては、表の一番上、都営住宅等事業費の欄をごらんください。二十二年度予算額は一千六百五十九億三千四百万円、増減率はマイナス四・六%でございます。
 歳入につきましては、表の一番下、計の欄に記載してございますとおり、歳出と同額の一千六百五十九億三千四百万円となってございます。
 続いて、主要事業についてご説明申し上げます。
 五〇ページをお開き願います。第一項、都営住宅等事業費の第二目、住宅管理費につきましては、事業費四百四十二億七千三百万余円を計上してございます。
 右側、概要欄の(1)、都営住宅等の管理運営をごらんください。二十二年度における都営住宅等の管理戸数は二十五万七千九百四十六戸を予定してございます。その管理運営に係る経費を計上してございます。
 右側の五一ページをごらんください。第三目、住宅建設費につきましては、事業費五百九十八億余円を計上してございます。
 (1)、公営住宅建設事業等に記載してございますとおり、アの公営住宅建設事業は三千四百戸、イの都営住宅スーパーリフォーム事業は一千百戸をそれぞれ予定してございます。
 その下の(2)、都営住宅耐震改修事業は、東京都の耐震改修促進計画に基づき、計画的に都営住宅の耐震診断及び改修を実施する事業でございます。
 少しページが飛びますが、五五ページから五七ページは繰越明許費につきまして、また五九ページから六一ページまでにつきましては、債務負担行為についてそれぞれ記載してございます。
 六五ページをお開き願います。都営住宅等保証金会計総括表でございます。この会計は、都営住宅の入居者からお預かりする保証金の経理を行っているものでございます。
 二十二年度の歳出の計は七億一千百万円、歳入の計は九十八億八千三百万円を計上してございます。
 続きまして、七三ページをお開き願います。都市開発資金会計総括表でございます。この会計は、都市施設の整備に要する用地の先行取得を行う会計でございます。
 二十二年度の歳入歳出とも十三億三千六百万円を計上してございます。
 少しページが飛びますが、八一ページをお開き願いたいと思います。多摩ニュータウン事業会計総括表でございます。
 二十二年度の歳出は百五十二億六千九百万円、歳入は歳出と同額でございます。
 続きまして、八六ページをお開き願います。第四目、公債費会計繰出金につきましては、事業費百四十五億九千五百万余円を計上してございます。これは公債費会計に対する繰出金でございます。
 八七ページから八九ページには繰越明許費について記載してございます。
 九三ページをお開き願います。臨海都市基盤整備事業会計総括表でございます。
 二十二年度の歳出は百五十一億八千万円、増減率は二五・四%の増となってございます。また、歳入は百九十八億七千五百万余円、増減率はマイナス一四・九%でございます。
 九六ページをお開き願います。第二目、開発費につきましては、二十二年度の事業費百三十六億九千五百万円を計上してございます。これは概要欄にございますように、晴海、豊洲、有明北の三地区の整備に要する経費でございます。
 九九ページから一〇一ページまでは繰越明許費につきまして、一〇三ページから一〇五ページまでは債務負担行為についてそれぞれ記載してございます。
 以上で特別会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、都市再開発事業会計についてご説明申し上げます。
 一〇九ページをお開き願います。都市再開発事業会計総括表でございます。この会計は公営企業会計でございますので、収益的収支と資本的収支とに分けて記載してございます。
 まず、収益的収支でございますが、二十二年度の収入の合計は六十七億九千三百万余円、支出の合計は四十九億六千五百万円でございます。
 次に、資本的収支でございますが、収入の合計は四百六十五億一千六百万余円、支出の合計は四百九十七億六千九百万円でございます。
 事業の概要についてご説明申し上げます。
 少しページが飛びますが、一一六ページをお開き願います。第一款、資本的支出の第一項、都市再開発事業費でございますが、支出計は三百九十億六千八百万余円でございます。これは一一七ページから一一九ページに記載してございますとおり、北新宿地区、環状二号線地区、大橋地区における都市再開発事業費でございます。
 このうち、一一八ページの第三目、環状二号線地区都市再開発事業費をごらんください。事業費が二十一年度と比較して三十一億三千五百万円増加してございますが、これは用地補償費の増加によるものでございます。
 以上で平成二十二年度当初予算案の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、平成二十一年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、平成二十一年度補正予算説明書の六ページをお開き願います。第二項、都市基盤整備費の第三目、都市基盤施設等助成費でございます。
 表の上段、歳出計の補正予算額はマイナス二十九億八千六百万円でございます。これは右側の概要欄に記載のとおり、首都高速道路整備事業出資金などの事業について、歳出額を減額し、あわせてその財源の更正を行うものでございます。
 続いて、七ページをお開き願います。第三項、市街地整備費の補正予算額はマイナス三十六億七千九百万余円でございます。このうち第一目、管理費でございますが、補正予算額はマイナス五億二千五百万余円でございます。これは職員の給与関係費を減額するものでございます。
 一一ページをお開き願います。第六目、都市改造費でございますが、補正予算額はマイナス二十一億六千五百万円でございます。これは、概要欄の2、都市再開発事業会計支出金などの執行残額について減額するとともに、その財源の更正を行うものでございます。
 一三ページをお開き願います。第四項、建築行政費でございますが、補正予算額はマイナス三十三億二千七百万円でございます。これは耐震改修促進事業などの執行残額について減額するとともに、その財源の更正を行うためのものでございます。
 一四ページをお開き願います。第五項、住宅費の補正予算額はマイナス二百六十八億六千九百万円でございます。これにつきましては、一六ページから一七ページの概要欄にあります公社都民住宅供給助成事業及び東京都住宅供給公社貸付及び補助等において、住宅供給公社が可能な限り民間からの資金調達を実施することにより、都の貸付金が減少することによるものなどでございます。
 一九ページをお開き願います。繰越明許費の補正予算につきまして記載してございます。
 都市改造費の補正予算額は十八億七千五百万円でございます。これは、都市改造費について、翌年度に支出が見込まれる事業が増加したことから、繰越明許費を増額するものでございます。
 以上で平成二十一年度補正予算案についての説明を終わらせていただきます。
 続きまして、条例案についてご説明いたします。
 お手元の資料3、平成二十二年第一回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
 三ページをお開き願います。まず、東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案についてご説明申し上げます。
 1の改正の理由でございますが、特定都市河川浸水被害対策法に基づく雨水浸透阻害行為の許可等に関する手数料に係る規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 2の条例案の概要でございますが、まず(1)の特定都市河川浸水被害対策法に関するものでございますが、法に基づく雨水浸透阻害行為の許可等に関する手数料に係る規定を新設するものでございます。
 次に(2)でございますが、租税特別措置法等の一部を改正する法律により租税特別措置法が改正され、これによる良質住宅認定制度の廃止から既に十年以上が経過し新たに認定申請の可能性がなくなったため、当該制度に係る規定を削除するものでございます。
 五ページから七ページにかけまして条例案文を、九ページから一三ページにかけまして新旧対照表を記載してございます。
 次に、一七ページをお開き願います。東京都高齢者円滑入居賃貸住宅登録手数料条例の一部を改正する条例案でございます。
 1の改正の理由でございますが、高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、登録を消除される高齢者円滑入居賃貸住宅について、登録の申請に係る手数料を免除する規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 2の条例案の概要でございますが、改正法の施行に伴い、登録を消除される高齢者円滑入居賃貸住宅について、再度登録する際、重ねて手数料を徴収することを避けるため、手数料の免除に係る規定を新設するとともに、所要の規定を整備するものでございます。
 一九ページから二三ページにかけまして条例案文を、二五ページには新旧対照表を記載してございます。
 以上で平成二十二年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。

○大島委員 それでは、補正予算案とそれから一般会計予算案について、それぞれ資料を提出していただきたいと思います。
 まず、補正予算案について、首都高速道路整備事業の進捗状況と出資金について。二つ目が、公社賃貸住宅及び都民住宅の空き家状況について。以上二点です。
 一般会計の予算案については、一つ、都営住宅関係では、まず都営住宅建設事業に係る中小企業への工事発注実績。二つ、都営住宅の管理戸数、空き家戸数、これは事業用、募集用と分けて出していただきたいんですが、それから募集停止をした戸数。三つ、平成十九年八月二十五日以降、年度ごとの使用承継事由の発生件数と使用承継申請件数及び使用が認められた件数及びその内容。
 二つ目は、全国、東京都並びに区部、多摩地域、大都市における民間借家の一カ月当たりの家賃、間代の比較。
 三つ目は、過去三年間に東京都及び区市町村が行った耐震診断、耐震補強改修工事の実績、これは件数と金額、その推移。それから都及び区市町村の助成制度の内容の一覧。
 四つ目は、都市再生関係です。一つ、都市再生緊急整備地域内の主な開発計画の推移。二つ、都市再生緊急整備地域内の主な開発計画の件数、延べ床面積。三つ、都市再生特別地区ごとの指定容積率に対する都市再生特別地区で定められた容積率の増加状況及び延べ床面積の推移。四つ、高さ百メートル以上の大規模ビルの建設状況の推移。五つ、都心三区、都心五区、二十三区の業務床面積の推移。六つ、都心三区、二十三区、多摩地域の建設床面積の用途別内訳の推移。七つ、首都圏中央連絡自動車道、東京外かく環状道路、首都高速中央環状線の事業費及び進捗状況、これは都区内のものだけで結構です。
 以上、よろしくお願いします。

○尾崎委員長 ただいま大島委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。

○尾崎委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
 二一第一二二号及び二一第一二三号、東京都住宅供給公社の家賃値上げ反対に関する請願は、内容が関連しておりますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○紺野住宅政策推進部長 資料4、請願・陳情審査説明表の整理番号1、請願二一第一二二号及び整理番号2、請願二一第一二三号は同一趣旨の請願でございますので、一括してご説明申し上げます。
 お手元の説明表一ページをお開きいただきたいと存じます。まず、整理番号1の東京都住宅供給公社の家賃値上げ反対に関する請願についてでございますが、請願者は中野区に所在する東京都公社住宅自治会協議会の早川信さん外二万四千二百三十七名でございます。
 請願の要旨は、都は、東京都住宅供給公社に対し、次のことを指導していただきたいというものでございます。一、平成二十二年四月以降の家賃値上げを行わないこと。二、設立の目的に立ち戻り、一方的な追い出しとなる定期借家制度を撤回すること。三、安くて良質でだれもが入居できる公共賃貸住宅の大量建設を行うことでございます。
 現在の状況でございますが、公社賃貸住宅の家賃は、地方住宅供給公社法施行規則第十六条により、近傍同種の住宅の家賃と均衡を失しないように公社が定めるものとされております。
 公社は、居住者の代表を含む有識者から成る賃貸住宅管理問題調査会を開催し、意見を聴取した上で、平成十六年二月、公社一般賃貸住宅の募集家賃の設定及び継続家賃の改定に係る実施方針を取りまとめております。公社では、この実施方針に基づきまして、平成十六年度以降、新規に入居される方に適用する募集家賃については毎年、既に居住されている方に適用する継続家賃については三年ごとに、改定を行うこととしております。
 公社におきましては、こうした家賃改定を通じて、民間賃貸住宅家賃との均衡を確保するともに、空き家解消による住宅ストックの有効活用を図ることとしており、原則として家賃改定を行っていくものと考えております。
 ただし、一昨年来続いております厳しい経済事情に配慮いたしまして、公社は昨年十一月、平成二十二年四月から予定しておりました継続家賃の引き上げについては、特例的な措置として、平成二十二年九月まで見送ることを決定いたしました。
 また、公社は、公的住宅として建設、供給しております公社一般賃貸住宅について、都民の共有財産との認識から、一定の居住者が長期にわたって占有するのではなく、広く都民が活用できるよう、利用の機会の拡大を図ることや建てかえの促進などを目的に、平成十五年六月から定期借家制度を導入したところでございます。
 定期借家制度を適用している住戸への入居に当たりましては、入居希望者に対し書面を交付して、入居者に十分に説明した上で、賃貸借契約を結んでいるところでございます。
 さらに、住宅の量的充足が達成された中にあって、公社の住宅供給は、従来の新規住宅の供給から既存の住宅ストックの活用へと転換してまいりました。公社は、平成十五年五月に公社一般賃貸住宅の再編整備計画を策定いたしまして、現在、老朽化した住宅の計画的な建てかえを進めているところでございます。
 続きまして、整理番号2でございますが、ただいまご説明いたしました整理番号1と同一件名の請願でございまして、請願の要旨及び現在の状況につきましても整理番号1と同様でございますので、請願者のみを説明させていただきたいと存じます。
 本請願は、日野市にお住まいの小俣昭光さん外百四十名から提出されたものでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。ご審査のほどよろしくお願い申し上げます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○大島委員 この公社の家賃値上げの請願者の方々から、今回出された内容の中で、公社の住宅管理の収益というのは、平成十九年決算では五十七億円の黒字だ、これまでの剰余金は三千百二十七億円になるといっております。平成二十年決算における黒字額と剰余金の合計は幾らになっているのでしょうか。

○紺野住宅政策推進部長 東京都住宅供給公社の平成二十年度決算における当期純利益は、約百二十六億円でございます。この当期純利益につきましては、公社一般賃貸住宅の建設の際、東京都から借り入れた借入金の返済に充てるため、その全額を土地債務償還積立金に積み足しておりまして、この基金を原資とした償還を平成二十年度から開始しているところでございます。
 また、剰余金の合計は約三千二百五十三億円となっております。この剰余金の大半は、平成十六年度決算において実施いたしました公社の土地建物資産の再評価に伴う含み益でございまして、これらの土地建物は公社が賃貸事業を行うに当たり不可欠な資産であるために、現金化が可能というものではございません。

○大島委員 今回、二十年度で百二十六億円の黒字になっているということです。過去の決算の中身を見てみますと、平成十四年度では十九億、十五年度では十四億九千万、十六年度では十三億八千五百万、十七年度では二十九億二千三百万、十八年度では四十八億四千四百万、十九年度では六十億二千二百万というような、決算の概要から見るとそういう黒字額が出ているということを私もわかりました。
 この中で、先ほどいわれましたように、一般の賃貸住宅については、公社が借りている、用地取得のために借り入れた都の貸付金を返済するために積み立てている、このようにいっておりますが、それでも実際にこれだけの黒字が出ているというのは現実の事実だというふうに思っております。
 また、二十年度の剰余金の合計が三千二百五十三億円ということで、これも十九年度の剰余金の合計が、調べましたら三千百二十七億円ということで、それを上回っているということです。つまり剰余金、ためるお金もふえている、こういうことで、公社には十分なお金があるということがこの決算の中身からも明らかだというふうに思います。
 昨年、公社が発表いたしましたプレスの資料によりますと、今回、家賃の引き上げ、これを半年間延期した、その影響が約半年間で四億円程度あるということだったので、私、単純に計算をしますと、年間で約八億円程度、このお金を公社に居住している方から取るのか、それとも公社の方でこれを負担するのかということになるわけですが、今実際にはこうしたたくさんのお金をためこんでおられる公社にとってみれば、この程度のお金は十分に支出できるものである、減収になっても大丈夫、こういうふうに思えるものです。
 今回のこの請願の方々の理由の中に、公社の居住者に家賃のアンケートを実施した、その中で、入居者は六十歳以上が六六・五%を占め、収入では二百万円以下が三二・五%、世帯の平均年収は三百六万円で、三年前の調査に比べると二十五万円下がっている。生活実態では、苦しくなったというのが五三・九%、非常に苦しくなったが一五・七%、こういう状況であるということが書かれております。実際の入居者のアンケートですから、こういう声がたくさんあふれているということもここから十分推測できるわけです。
 このことを見てみますと、確かに入居者の暮らしはますます厳しさを増している、こういってよいと思います。今回の執行機関の方の説明書によりましても、一昨年来続く厳しい経済事情に配慮して、昨年は据え置いたんだ、こういうことで書かれておりますが、経済情勢は相変わらず厳しい、そして先行きも不透明だ、これも今の時代を生きる中で感じておられる方も多いと思いますけども、こういう中で実際に公社の減収というのが八億円程度であるならば、平成二十一年度と同様に、平成二十二年度も一年間、家賃の引き上げの見送り、これができるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○紺野住宅政策推進部長 公社一般賃貸住宅の家賃は、地方住宅供給公社法施行規則第十六条によりまして、近傍同種の家賃と均衡を失しないよう公社が定めることとされています。
 これは、周辺の住宅と比較して家賃を高く設定すれば空き家となってしまって、貴重な住宅が活用されず、一方、周辺の住宅より低く設定すれば民業圧迫となるとの考えによるものでございまして、利益が上がっているからといって家賃を引き下げ、あるいは逆に、利益がなく赤字だから家賃を引き上げる、こういうものではございません。
 公社は、昨年十一月に、家賃の引き下げと据え置きにつきましては、平成二十二年四月からの実施を決定した上で、引き上げについては、同年四月から九月までの間の延期を決定したところでございます。これは昨今の深刻な景気状況の中で行った極めて例外的な措置でございまして、公社として三年に一度の家賃改定を行った上で、引き上げ等を実施していくのが原則でございます。
 したがって、延期措置の期限が到来する平成二十二年十月以降は、家賃の引き上げを実施するとともに、今後も原則どおり、家賃改定を適切に実施していくものと考えております。

○大島委員 今の答弁の中でも、近傍同種の家賃で比較をしていて、高く設定すれば空き家が出ちゃうし、低く設定したら民業を圧迫する、こういうお話でしたけど、実際に今ここで問題になっているのは、今住んでいる、公社に居住している方の家賃のことが問題になっているので、この方たちがまさに住めなくなってここを出ていかなきゃならない、こんな事態になったら、この方たち、居住者の方たちの暮らしを守るということはできないと思います。ましてや、民業を圧迫するなんていうことにはならない、入ってくる人の問題ではないので。その点については、今の答弁ではなかなか納得できるものではありません。
 また、こうした中で、家賃の引き上げをしないということはもちろんなんですけども、請願にあるように、今都民が求めているのは豪華な高家賃の住宅ではなくて、安くて良質で、だれもが入居できる住宅である、また、都営住宅の入居基準が引き下げられた中では、公社の賃貸住宅に申し込みたいという方もふえるわけですから、ここで大量の建設が必要であるというふうに思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

○紺野住宅政策推進部長 平成十五年の住宅・土地統計調査によりますと、東京の総世帯数約五百五十万世帯に対しまして、住宅ストックは約六百二十万戸で、七十万戸も多くなっております。また、速報値でございますが、平成二十年の住宅・土地統計調査では、東京の世帯数、約五百九十九万世帯に対し、住宅戸数が六百七十八万戸もございまして、その差が約七十九万戸に拡大しております。こうしたことから、住宅ストックは量的には十分充足しているものと認識しております。
 こうした状況下におきまして、民間住宅の新規供給もある中で、公社としては建てかえを中心とした既存住宅ストックの有効活用に取り組んできたところでございます。具体的には、既存住宅ストックの維持更新を通じまして、住戸面積の拡大や環境負荷低減型設備の設置、エレベーター設置等によるバリアフリー化などの住宅の質的向上に取り組んでいるところでございます。
 以上から、都として、公社に対して賃貸住宅の大量建設を求める考えはございません。

○大島委員 先ほどもいいましたように、今都民が求めているのは豪華な高家賃の住宅ではなくて、安くて良質で、だれもが入居できるような住宅が欲しいんだ、これがその思いだと思うんですね。住宅ストックがあふれ余っているから、じゃ、だれもが自分たちにとって必要で安くていい住宅に入れるのかといったら、そんなことはないわけです。だからこういう問題が起きてきているというふうに思っています。
 実際に、こうやって住宅が足りているといっている一方で、平成十五年六月からは定期借家制度を導入していますし、この入居、十年間で出ていくということになっておりますけれども、入居時に予測して十年後の家族の状況、これが予測どおりにいかないというのが昨今の状況ではないかというふうに思っています。
 そういう点で、ストックがたくさんあり余っているというのであれば、何も今入っている人を追い出す必要はないわけですから、定期借家制度によって、入居から十年たったら追い出す、これは矛盾しているのではないでしょうか。

○紺野住宅政策推進部長 東京の住宅ストックは、量的には十分充足しているということにつきましては先ほどお答えしたとおりでございますが、一方で、新築住宅など人気が集中する公社一般賃貸住宅に、なかなか入りにくいという声があることも事実でございます。そこで、公社では、公社一般賃貸住宅を都民の共有財産ととらえまして、特定の居住者の方が長期にわたって占有するのではなく、広く都民が活用できるよう、応募が集中し高倍率となる新築住宅等について、定期借家制度を導入しているものでございます。
 また、定期借家契約に当たりましては、入居希望者に書面を交付して、十分な説明を行っておりまして、ご指摘の点は当たらないものと考えております。

○大島委員 入居の際に、入居希望者に対して書面で十分に説明しているから大丈夫と、こういっているんですけど、だれも今から十年後の自分、それが右肩上がりの経済成長の中での十年後というのは想像できたかもしれませんけど、これほど経済状況が激動化している中で、十年後の自分の状況というのを本当に考えながらやっていっても、もう難しい、これが今、社会的な問題にもなっている側面があるというふうに私は思うんですね。
 そういう点でいいますと、大体一人の人に長く占有させるのはまずい、公平でということであるならば、入りたい人が入れるように住宅をふやせばいいわけですから。それもやらないで追い出す、十年たったら出ていって、新しい人を入れます。この考え方自体が、やっぱり公共的な住宅ということを考えるならば、間違っているのではないかというふうに思います。
 大体、自分が住んでいる住居に継続して住み続けるかどうかという判断は、本来そこに住んでいる当事者が決定するものだと思うんです。にもかかわらず、この制度によって入居から十年たったら出ていかなきゃならない。これは少なくとも、今お話があったように、ファミリータイプについては住宅が不足している、このことを都自身が認めていることではないでしょうか。期限が来ても、もし転居先が見つけられずに退去できない、こういう場合は一体どのように対処するんでしょうか。

○紺野住宅政策推進部長 定期借家制度が導入されましたのは平成十五年六月でありますため、まだ新築住宅等を対象とした十年の期限が到来して退去した居住者はございません。
 また、公社は、転居先について要望や問い合わせがあった場合には、条件等をお伺いした上で、公社で募集中の物件の中から条件に見合う物件を紹介することとしているところでございます。

○大島委員 もし転居先等で相談があったら見つけますよというお話なので、その部分は安心したんですけど、でも、逆にいえば、転居先を見つけるくらいなら、そこに住まわせておけばいいじゃないですか。転居させる必要はないというふうに私は思うんです。ほかがあいているんだったら、そこに入りたい人を入れればいいわけだから、そういうことについてやっぱり考えていくということが、こうした公的な住宅を提供していくところが考えなければいけないことだというふうに私は思います。
 日本共産党都議団はこれまでも、近傍同種の市場家賃制度の取りやめと、それから来年度の公社家賃の値上げをやめるように、繰り返し求めてきました。こうした要求が少し前進をしまして、来年度四月から九月までの半年間、継続家賃の引き上げが見送られた、このことはよかったというふうに思っていますが、昨年以上に厳しさが増している今の経済状況の中で、来年度も、半年といわず、ぜひ今年度同様に一年間、家賃改定を見送るべきだと考えます。
 そういう意味で、私はこの請願者の願意というのは十分理解できますし、この請願を採択するという立場で賛成をいたします。
 質問を終わります。

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 まず、請願二一第一二二号を起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○尾崎委員長 起立少数と認めます。よって、請願二一第一二二号は不採択と決定をいたしました。
 次に、請願二一第一二三号を起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○尾崎委員長 起立少数と認めます。よって、請願二一第一二三号は不採択と決定をいたしました。

○尾崎委員長 次に、二一第一二五号、八ッ場ダム事業見直しに関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○安井都市づくり政策部長 請願・陳情審査説明表の五ページをお開きいただきたいと思います。整理番号3、請願二一第一二五号、八ッ場ダム事業見直しに関する請願について説明いたします。請願者は、小平市の八ッ場ダムをストップさせる東京の会代表、深澤洋子さん外五千五百二十五名でございます。
 請願の趣旨は、国土交通省が事業を実施している八ッ場ダム事業について、事業へのかかわり方を改めて見直し、ダム予定地住民の生活再建に真摯に尽力することですというものです。
 現在の状況でございます。八ッ場ダムは、国土交通省が利根川上流の吾妻川に建設している多目的ダムでございまして、区部東部地域の洪水被害の軽減や、都民への安定的な給水の確保のために必要不可欠な施設でございます。このため、都は、利根川流域の関係五県とともに、国との共同事業者となって建設事業に参画しております。
 昭和二十七年の構想発表以来、地元との調整を重ね、昭和六十一年に当時の建設大臣が八ッ場ダムの建設に関する基本計画を作成しました。その後、水没地となる地元の意向を最大限に尊重しながら、特定多目的ダム法に基づく手続を積み重ね、平成二十七年度の完成を目指して事業を推進してまいりました。
 平成二十年度末におきまして、全体事業費四千六百億円のうち約七〇%まで執行を完了しております。現時点では、水没する国道及びJR吾妻線のつけかえ工事や県道の整備、家屋移転の約八割が完了し、ダム本体におきましても、関連工事である仮排水トンネルが昨年七月に既に完成してございます。
 長い経緯の末、ダム建設を受け入れた水没地の関係住民も、今では一日も早いダムの完成と、これを前提とした生活再建を切望しております。
 しかし、政権交代後の国は、八ッ場ダムの建設中止を宣言し、昨年九月に予定されていた本体工事の入札を中止いたしました。
 これに対し、ダム建設予定地の地元や一都五県知事は、今日まで一致団結して中止撤回を求めております。
 一方、国土交通大臣は、八ッ場ダムにつきまして、地元、関係都県などの理解を得るまでは、法に基づく基本計画の廃止の手続を始めないこととしており、さらに昨年十月二十七日に行われた関係知事との意見交換の場におきまして、ダム事業全体について、予断を持たずに再検証を行うと明言しております。
 これを受けまして、国土交通省では、昨年十二月三日に有識者会議を設置し、本年夏ごろの中間まとめに向け、今後の治水対策のあり方について検討が進められている状況です。
 八ッ場ダムなどの個別事業につきましては、中間取りまとめを踏まえ、各地方で検証を行う予定としております。
 なお、国の来年度予算案において、八ッ場ダムについては、生活再建事業を継続とされております。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○しのづか委員 それでは、請願二一第一二五号、八ッ場ダム事業見直しに関する請願に関する意見を申し上げます。
 先日、本請願の審査に当たり、会派の仲間と現地の状況を確認してまいりました。
 国においては、昨年九月の政権交代後、国土交通大臣は八ッ場ダム建設中止の方針を明言し、現在、今後の治水、利水のあり方の再検証を始めております。
 一方、東京都は、八ッ場ダムは治水、利水の両面から必要不可欠との立場をとってきており、現在もその姿勢を変えていません。しかし、私たちは八ッ場ダムが必要不可欠とするその根拠や理由についての都の説明に対し、これまでさまざまな疑問を投げかけてまいりましたが、十分に納得できるだけの回答をいただけなかったのも事実であります。
 私たちの立場は皆さんご承知のとおりですが、八ッ場ダムは国の直轄事業であるため、今後については国の再検証の結論を待つほかありません。したがって、今回の審査では継続審査とすることに同意いたしますが、特に利水面と今後の水需要について、都として独自に再検証することを強く求めておきます。
 また、事業の中止、継続のいかんにかかわらず、八ッ場ダム建設予定地住民の生活再建に対し、都として真摯に取り組んでいただくこと、さらに昨年十一月の八ッ場ダムに関する陳情審査の際に、我が会派の今村副委員長も申し上げたように、今後、都は、国と互いに真摯な姿勢で十分な話し合いに臨んでいただくことも重ねて要望いたします。
 以上を申し上げて、本請願に対する都議会民主党としての意見といたします。

○吉住委員 私からは、都議会自民党の立場を表明させていただきます。
 八ッ場ダムは、都民の生命と財産を守る重要な施設であると認識しております。我が党は、この事業の重要性を都民の皆様に理解していただくため、昨年十二月十日には、自民党の活動リポート特別号として新聞折り込みを行わせていただきました。
 十二月二十五日には、自由民主党が中心となり、国会議員や一都五県、地元自治体の代表とともに、八ッ場ダム建設推進全体協議会を開催し、八ッ場ダム建設中止の白紙撤回とダムの早期完成を国に求めることを宣言しました。
 一方で、国土交通大臣は、昨年九月には、文書で長野原町長に、最大の被害者ともいえる地元住民の方々や関係都県利水者などとの合意形成が不可欠と回答しております。また、ダム事業については、予断を持たずに再検証すると明言をしております。
 これを受けて、国は有識者会議を設置し、現在議論を行っており、この結果を踏まえて、今後の進め方を決定するとしております。有識者会議におきましては、中立的な立場で真摯な議論が行われていると聞いておりますので、今後、国において、早期に適切な判断がなされることを願って、本請願については継続審査とすることが妥当と考えます。
 以上です。

○長橋委員 本請願につきまして、公明党からも意見を表明させていただきます。
 都議会公明党は、これまでも繰り返し、八ッ場ダムについては、洪水、渇水から首都東京を守るために必要不可欠な施設であるということで主張してまいりました。私も本委員会ではそうした趣旨に基づいて質疑もさせていただきました。
 また、公明党は、現地に赴きまして、中止された現場がどのような状況になっているのかについて視察をしてまいりました。そこで改めて事業継続の必要性を認識するとともに、あくまでダム湖を前提とした一日も早い生活再建を切望する地元の方々の思いも聞いてまいりました。
 群馬県では、国より受託している湖面一号橋について、代替地の生活再建に必要不可欠であることから、工事の入札を行うなど、関係都県と連携しながら生活再建関連事業を着々と進めているところであります。下流都県のために、これまで行政に協力をしてきた地元の皆さん方のご意見をしっかりと政治の場に反映するとともに、ダム建設中止の白紙撤回と、ダムの早期完成を求めていかねばならない、このように考えております。
 国は、一都五県知事の申し入れや、知事からの要望を真摯に受けとめ、責任を持って事業を遂行していくべきであります。現在国において、有識者会議を開催し、今後の治水のあり方について検討を進めておりますけれども、その後に、今後のダムについて検証を行うとしているわけでありまして、八ッ場ダムについての検証については相当な時間がかかることが予想されます。
 国土交通大臣は、八ッ場ダムについて、予断なく再検証を行うと明言しておりますが、我が党は再検証を速やかに行って、早期に本体に着工することを望むものであります。こうした状況を踏まえて、本請願については継続審査とすべきであります。
 以上です。

○大島委員 まず、この請願の中でありますが、ことし一月八日に一都五県の知事からの緊急申し入れということに対する国土交通大臣からの回答があったということを聞きました。これは二回、一都五県の知事から申し入れ、十一月十三日と十二月二日に二回やられているんですが、その二つについて回答があったと。
 私もその回答を見せていただいたんですけれども、それによれば、八ッ場ダムの検証については、有識者会議が本年夏ごろに予定している中間取りまとめなどを踏まえて早急に行い、できるだけ早期にその結論を得ることとしているということや、八ッ場ダムの検証については、一都五県知事の皆様ともご相談しながら進めていくこととしており、必要に応じて話し合いの場を持ちたいと考えております、また、利根川の治水、利水計画に係るデータについては、可能な限り提供してまいりますということで、非常にこう前向きにお話し合いを進めたいというような意向が見えるというように私は感じました。
 こういう点で、この回答に対する東京都の見解はいかがなものかということについてお聞きしたいんですが。

○安井都市づくり政策部長 まず十一月十三日の申し入れに対する回答でございますけれども、平成二十二年度政府予算案の決定時までに、関係都県及び地元住民の理解を得ることにつきましては、現段階に至っても、いまだ何の対応もなされておりませんで、まことに遺憾であると受けとめてございます。
 また、マニフェストに中止を掲げた時点での具体的な根拠の説明につきましては、マニフェスト中止を掲げた際の検討は民主党が行ったので、政府として答える立場にないとの回答でございまして、一都五県にとりましても、地元住民にとりましても、全く納得しがたい回答といわざるを得ません。
 治水基準点における基本降水流量の安易な見直しを行わないことや、再検証の検討過程における関係都県への情報提供と協議につきましては、今後とも国に対する意見の申し入れなど、適宜適切な対応が必要であると考えてございます。
 さらに、十二月二日の申し入れに対する回答でございますが、再検証スケジュールの明確化については明らかになったものの、八ッ場ダム建設またはこれにかわる代替案の具体的な工程につきましては示されておりませんので、今後、国の具体的な動きを見て、一都五県としての対応を検討する必要があると考えてございます。

○大島委員 日本共産党は、この八ッ場ダムの問題について、一貫して、むだと環境破壊の計画だということで、住民の団体の皆さん方と協働して、国会でも都議会でも中止を求めてまいりました。
 鳩山政権ができた中で、この八ッ場ダム中止の表明というのは、こういう意味では当然の方向だというように思っております。しかし、その表明が、中止の根拠とか今後の対策について十分な具体的説明を抜きに行われたために、一部の住民や下流にある都県、東京都もそうですが、そこに中止撤回を求めるというような行動に移ったという原因ともなっていたと思っております。
 こうした鳩山政権に対して、日本共産党は、政府として真摯な姿勢で謝罪することや、住民の不安や要望に謙虚に耳を傾けて、ダム中止の理由を丁寧に説明すること、また生活再建や地域振興策を住民とともにつくり上げるという、住民の理解と合意を得る民主的なプロセスが必要だと国土交通省にも申し入れをし、要請も行ってきたところです。
 前原大臣から、住民への謝罪、そして政策変更の理由を明らかにし、ダム中止後の生活再建のあり方の話し合いをしたいという、こういう発言があったことは、私たち日本共産党が求めてきた方向での前向きの対応だと考えています。
 しかし、この一都五県の知事からの緊急申し入れへの回答でも、利水、治水に係る八ッ場ダム中止の理由について十分な説明が尽くされていない、この点については、東京都の先ほどの発言でも明らかなように、私どもももっと具体的に行うべきであるというふうに考えております。
 しかし、日本共産党はこれからも政府に対して、引き続き住民との懇談、それから意見交換の場を設けることも求め、八ッ場ダム中止の理由を明確に示すことを働きかけていきます。
 また、東京都も、むだな公共事業見直しの今の世論の流れや、総選挙での民意に従って、ダム建設中止に協力していくべきだと考えています。
 そういう意味で、この請願に対して賛成だということを表明いたしまして、発言を終わります。

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認めます。よって、請願二一第一二五号は継続審査といたします。

○尾崎委員長 次に、二一第一〇二号、首都高速晴海線(豊洲・晴海間)の高速道路計画の中止に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○座間都市基盤部長 整理番号4、陳情二一第一〇二号、首都高速晴海線(豊洲・晴海間)の高速道路計画の中止に関する陳情について説明いたします。
 資料4の九ページ及び一〇ページをお開きください。本陳情でございますが、中央区の臨海幹線道路計画に反対し、都民本位の臨海部開発を求める中央区の会代表、菅野きよ子さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨ですが、首都高速晴海線の豊洲から晴海間における建設計画を中止させていただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、都市高速道路晴海線は、都心部と臨海部との連携強化、築地地区などの都心部や臨海副都心で発生する交通の分散、臨海部における交通利便性の向上、臨海部の開発促進などに寄与する路線として、高速湾岸線の有明から高速都心環状線の築地を結ぶ約五・一キロメートルについて、平成五年七月に都市計画決定したものでございます。
 一〇ページ中段の平面図、下段の縦断図をごらんください。
 晴海線全線のうち、図面右側になりますが、有明から晴海までの約二・七キロメートルにつきましては、Ⅰ期区間として平成十二年八月に建設大臣が首都高速道路公団に基本計画を指示し、平成十三年十二月に事業着手しております。
 このⅠ期区間のうち、有明から豊洲までの約一・五キロメートルにつきましては、平成二十一年二月に開通し、残りの豊洲から晴海までの約一・二キロメートルにつきましては、平成二十四年度の完成に向け、事業を進めております。
 この豊洲から晴海までの区間につきましては、平成二十一年九月に住民から東京都議会に建設凍結を求める陳情が提出されておりましたが、平成二十一年十二月に不採択となっております。
 また、図面左側でございますが、晴海から築地までのⅡ期区間、約二・四キロメートルにつきましては、都市計画決定後の情勢の変化を踏まえ、交通量の推計や整備効果の検証など、事業化に関する検討を進めるとともに、国に対して早期の事業化を求めているところでございます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○大島委員 この陳情にある首都高速晴海線の豊洲-晴海間というのは、Ⅰ期区間の一部として平成二十四年度開通予定というものですが、これは昨年の十二月に出されたものとほぼ同じということで、質疑については前回もやっておりますので、意見だけ表明させていただきたいというふうに思います。
 今、国によるむだな公共事業の見直しというのが行われ、国の直轄事業の予算も削られています。車の台数も不況の中で減っているということもいわれていますし、道路需要について再検討し、この高速道路そのものが必要かどうかということも検討すべきです。
 また、新たな道路建設が自動車交通を誘発し、都心の交通分散どころか、都心にさらなる自動車の集中をもたらすことになりかねません。
 日本共産党は、この道路そのものが必要ないという立場から、この陳情に賛成する意見を述べさせていただきます。

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○尾崎委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第一〇二号は不採択と決定いたしました。

○尾崎委員長 次に、二一第一〇三号、都営住宅の共益費の受領に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○岡沢経営改革担当部長 恐れ入ります、説明表の一一ページをお開きいただきたいと存じます。整理番号5、陳情二一第一〇三号、都営住宅の共益費の受領に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、荒川区のさくら親交会会長、相川成夫さん外八人の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。内容は、一、都営住宅南千住第三アパートさくら堤通り南壱番館自治会長に、共益費を受領するよう指導すること。二、都営住宅の利用者が払わなければならない共益費の費用項目を明確にすること。三、共益費を、利用者が支払う利用料、家賃に加算する制度の導入を検討することというものでございます。
 現在の状況でございますが、都営住宅南千住八丁目第三アパートには、大多数の世帯が加入しておりますさくら堤通り南壱番館自治会と、それ以外の一部の世帯が加入するさくら親交会という二つの自治会がございます。共益費の額を決定して徴収しておりますのは、さくら堤通り南壱番館自治会でございますが、さくら親交会はその額を認めておりませんで、みずからが主張する額を受領するよう、さくら堤通り南壱番館自治会に求めているところでございます。これに対しまして、さくら堤通り南壱番館自治会は、入居者全体で定めた共益費の未払い額すべての支払いを求めまして、さくら親交会が主張する共益費を受領しておりません。
 二のところでございますが、自治会等が徴収する一般的な共益費の項目につきましては、都は「住まいのしおり」でお知らせしているところでございます。具体的な共益費は、団地ごとにその実情が異なりますことから、その項目の範囲内におきまして、自治会等が必要に応じて自主的に定めております。
 自治会が徴収する共益費を都が徴収する場合は、団地によりまして共益費の実態がさまざまでございまして、統一的な事務処理が難しいということがございます。また、新たに徴収や支払いの事務経費が必要となることから、共益費の徴収は自治会等がみずから行うこととしておりまして、都はこのことを入居時に配布する「住まいのしおり」に記載いたしまして、周知しているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願いいたします。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○大島委員 意見だけ述べさせていただきます。
 この陳情は、一つの都営住宅に二つの団地自治会が存在し、その自治会運営にかかわる問題の対応を議会に求めているものだと考えます。
 そもそもこの団地自治会とは、そこに住む人々が自主的に結成をして、自主的に運営をするものですから、こうした問題は議会にはなじまないものでもありますし、また団地住民が話し合いによって民主的に解決すべきものだと考えます。よって、この陳情については不採択といたします。

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二一第一〇三号は不採択と決定いたしました。

○尾崎委員長 次に、二一第一〇四号、二子玉川再開発第二期事業計画における環境に配慮した持続可能な街づくりに関する陳情及び二一第一七九号、二子玉川東第二地区市街地再開発事業に関する陳情は内容が関連しておりますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○石川民間開発担当部長 整理番号6、陳情二一第一〇四号及び整理番号7、陳情二一第一七九号につきまして、あわせてご説明申し上げます。
 請願・陳情審査説明表の一三ページをお開き願います。まず、整理番号6、陳情二一第一〇四号、二子玉川再開発第二期事業計画における環境に配慮した持続可能な街づくりに関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、世田谷区の玉川にエコタウンを作る会代表、スチュワート・トシコさん外百八十八名でございます。
 陳情の要旨は、都において、平成二十一年十一月二十四日に世田谷区から意見具申された二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画を、現在ある自然環境を維持するとともに、次世代のためにも現政権が目指す脱温暖化計画に沿ったプランに変更し、環境面での事業者負担の責任を組合に受容するよう指導し、現行の計画のままでの組合設立には認可を下さないようにしていただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございますが、二子玉川東地区市街地再開発事業は、道路、交通広場、公園等の都市基盤整備とあわせ、駅周辺の活性化を図るとともに、水と緑の豊かな自然環境と調和した複合市街地を形成するものであり、東京都の都市づくりビジョン及び世田谷区基本方針に合致した計画となっております。
 資料の一四ページ、位置図、配置図をごらんください。二子玉川東地区では、東京都環境影響評価条例に基づく環境影響評価手続を経て、平成十二年六月に区域面積約十一・二ヘクタールについて、地区計画とあわせて、市街地再開発事業の都市計画を決定し、多くの地権者の合意を得て、事業を進めているところでございます。
 都市計画決定いたしました約十一・二ヘクタールのうち、第一期事業として、東地区約八・一ヘクタールにつきましては、平成十七年三月に再開発組合が設立され、平成二十三年三月の工事完了に向け事業を実施中で、平成二十一年末時点の事業進捗率は約六五%であります。
 今回の陳情の対象区域であります東第二地区の事業計画は、区域面積が約三・一ヘクタールで、幹線街路補助第四九号線や事務所、店舗、ホテル等の複合施設を整備するもので、都へ平成二十一年十一月二十四日に認可申請が提出され、平成二十二年一月七日から事業計画を縦覧し、二月四日まで事業計画に対する意見書の受け付けを行いました。
 東第二地区におきましては、緑豊かなオープンスペースの整備や風を遮断しないように施設配置を配慮するなど、ヒートアイランド現象の緩和を図るとともに、建築物の断熱性能の向上や設備の省エネルギー化を図り、CO2の発生を抑制するなど、再開発準備組合が環境配慮への積極的な取り組みを実施することとしております。
 また、東第二地区の事業計画の具体化に伴い、環境影響評価を見直すなど、必要な手続が適切に行われております。
 引き続き、整理番号7、陳情二一第一七九号、二子玉川東第二地区市街地再開発事業に関する陳情につきましてご説明申し上げます。
 資料の一五ページをお開き願います。陳情者は、世田谷区の二子玉川東地区住民まちづくり協議会会長、飯泉善一郎さん外一千百三十八名でございます。
 陳情の要旨は、都において二子玉川東第二地区市街地再開発事業について、今回の事業認可申請を審査するに当たって、次のことを実施していただきたい。一、事業者が住民の意見を十分聞くよう指導すること。二、地元区として住民と事業者が話し合う場を調整するよう、世田谷区へ働きかけることというものでございます。
 次に、現在の状況ですが、先ほどご説明をいたしました整理番号6と同様でございますので、一部説明を省略させていただき、資料の一五ページの下から六行目をごらんください。
 東第二地区に関する周辺住民等との話し合いにつきましては、市街地再開発事業を円滑に進めるため、都及び世田谷区は再開発準備組合に対して、住民の意見を聞き、話し合うよう指導してまいりました。
 世田谷区及び再開発準備組合は、平成二十一年十二月に陳情者である二子玉川東地区住民まちづくり協議会と話し合いを行っているほか、他の団体との話し合いも行っており、今後も地元の要請に応じて話し合いを行っていくこととしております。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○くりした委員 整理番号7番の陳情一七九号に関連した質問をさせていただきます。
 このたびの陳情は、既に一期工事が始まっている二子玉川の再開発事業に続く第二地区市街地の再開発事業の認可申請を行う上で、事業者が住民の意見をよりよく聞くよう、そして地元である世田谷区に対しても、住民と事業者が話し合う場を調整するよう、働きかけてほしいというものです。
 昨年十一月二十四日に認可申請が都に対して提出され、ことしの一月に公告、縦覧が行われ、そして二月四日まで事業計画に対する住民の意見書の受け付けが行われました。
 そして、その中において、この陳情者の方が代表されている団体を初めとする多くの方々から、再開発事業に対して反対をする意見書が提出をされました。その反対理由については多岐にわたりますけれども、多くは、現行の事業計画では周辺住民の生活環境に対して与える不利益が著しいため、計画を一部変更するよう都からも働きかけてほしい、そういった趣旨のものでした。
 その背景には、約五年前に一期事業の認可が行われた際に、陳情者の方を含む多数の方々が意見を述べるも、十分に納得をされないまま手続が進み、着工されてしまった、そういった経緯があります。
 現在の手続法においては、地元住民から多少の反対意見が寄せられても、提出された事業計画に対する影響力は比較的弱く、ほとんどのケースにおいては、事業者の当初の計画どおり進んでしまうのが実際のところかと思います。
 そんな中、多くの反対者の方々は、自分たちの生活環境が侵害されることに加えて、国及び地域行政から再開発に対する補助金が捻出されていた場合、彼らの納めた税金が、彼らの必要ないもの、それどころか、彼らにとっては有害なものに使われるという、そういった精神的苦痛も伴う、これは心情的には理解のできるところであります。
 行政の立場としても、補助金の対象となる事業においては、両者の調整を行う責任は大きく増すと考えますけれども、第一期及び第二期の再開発事業においては、国、都、地元区のそれぞれから補助金が出る予定になっておりますでしょうか伺います。

○石川民間開発担当部長 二子玉川東地区市街地再開発事業は、平成十二年六月に決定をした都市計画に基づき、道路、交通広場等の都市基盤の整備とあわせて、駅周辺の活性化や、水と緑豊かな自然環境と調和した複合市街地を創出するもので、関係地権者の大方の合意を得て実施されるものであり、世田谷区においても、広域生活拠点の形成を図るため、区の重点事業に位置づけ、事業を支援しているところでございます。
 この市街地再開発事業は、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を目的に、法令等に基づいて、公共施設の整備や建築物等の整備費の一部に補助等を実施しております。
 お尋ねの二子玉川東地区の市街地再開発事業における補助金等でございますが、第一期事業では約三百六億円、第二期事業では約六十九億円、合計三百七十五億円を予定しております。このうち、国が約二百二億円、都が約六億円、世田谷区が約百六十七億円を予定しております。

○くりした委員 第一期事業においては約三百億円、そして第二期事業においては約七十億円、合計三百七十億円の費用が税金から捻出をされるということでございますけれども、これがもし反対者の方の立場からするといかがなものでしょうか。自分たちの払ったたくさんの税金が使われるのに、行政が話を取り持つ姿勢も十分に見せていなかったら、これは大変に腹立たしいことではないでしょうか。
 都は、公平中立な立場で、調整の努力はルールにのっとって十分にしてきたとそういった認識であるかもしれませんけれども、こういった案件がわざわざ陳情として上ってくる、そういった経緯を少し考えていただきたいと思います。
 事業者側が、住民の方々の反対が強く、計画が進められない、そういったケースというのはほとんどないわけであります。しかし、もちろん東京都としても何も調整の努力を行っていないとは考えておりません。
 そこで、二つ目の質問でありますけれども、本件を含めた他の再開発事業に対しても、このたびの陳情が求めるような事業者への働きかけは既に行われていると考えます。具体的には現状、どういった方法で働きかけているんでしょうか、お伺いをいたします。

○石川民間開発担当部長 周辺住民への対応についてのお尋ねでございますが、都は、事業が円滑に進むよう、日ごろから区や市と連携をして、組合に対し、周辺住民等と話し合うよう働きかけをしているところでございまして、二子玉川東地区につきましても、世田谷区と連携をして組合に対して働きかけをしてきております。
 具体的には、世田谷区及び組合は、計画段階である平成十年度から十一年度にかけて、環境影響調査に関する説明会を八回、また組合は、事業実施段階となる平成十七年度以降に、工事に関する説明会を八回開催したほか、個別の問い合わせへの説明など、きめ細かな対応を行ってまいりました。
 また、世田谷区及び組合は、陳情者である二子玉川東地区住民まちづくり協議会と平成二十一年十二月に話し合いを行っているほか、玉川にエコタウンを作る会と平成二十二年一月に話し合いを行っており、今後も地元の要請に応じて話し合いを行っていくこととしております。
 都といたしましても、市街地再開発事業を円滑に進めるため、引き続き世田谷区と連携し、組合が周辺住民等と話し合いを行うよう働きかけをしてまいります。

○くりした委員 私は、この陳情者の方々からもお話を伺っているんですけれども、確かに今伺ったような形式的なことは、すべて行われている。しかし、住民の方からすると、それは形だけのもので、実質的な効力はほとんど持たないんじゃないのか、本当に都は働きかけてくれているのか、そういった印象を持たれているんですね。ですから、こういった陳情をわざわざ出されたわけであります。
 確かに業務としてこういった案件にかかわっていれば、図らずも事務的になることもあるかもしれません。しかし、住民の方々にとっては、その案件は一つしかないわけであります。そして、それが今後の生活に大きくかかわってくるわけであります。都の職員の方にも権限の許される範囲で、都の株主ともいえる住民の方々のために、できることは何かを考えて、ベストを尽くすという姿勢を忘れないでいただきたいと思います。
 要望が通るか通らないか、結果も大事ではありますけれども、仮に調整が難航したとしても、住民が、都も頑張って汗をかいてくれているなと、そういったものが伝わってくれば、都に対する考え方というのも違ってくるのではないでしょうか。
 よって、採決の結果にかかわらず、これまで以上に調整の努力をしてもらえるようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

○大島委員 私も二子玉の再開発の現場に行って見てまいりました。第一街区と第三街区というのがもうほぼ完成をしておりまして、第三街区の方はもうほとんど完成して、タワーのマンションが建っておりましたし、一街区については工事を若干していて、ちょうど一街区と三街区の真ん中のところが今回のこの陳情が出されている場所だったんです。
 あそこを見てみましたら、ここに書いてあるんですけれども、二子玉の東地区の市街地開発事業というのは水と緑の豊かな自然環境と調和した複合市街地を形成すると書いてあって、あの場所を見ましたら、ちょうど土手があって、桜の木がずっと、古木ですけど、ありまして、春になったらすごくいい桜が咲いて、いい場所だなと思っている反対側を見ると、もう本当にタワーのマンションが建っているということで、何か全然異質な感じを受けたんです。
 そういう意味では、この一街区と三街区の真ん中は、まさに貴重な、住民の皆さん方の思うような、そういう場所に使っていったらいいんじゃないかなというのを、私行ってみて率直に感じました。
 そこでお聞きするんですけども、第二期の事業計画の事業認可申請というのが都に提出された後、二月四日までに事業計画に対する意見書の受け付けを行ったと聞いておりますけれども、その意見書はどの程度提出されたのでしょうか。そして、その意見はどんな内容なのでしょうか。お聞きしたいと思います。

○石川民間開発担当部長 意見書についてでございますが、事業計画の縦覧に対しまして、周辺住民等から百九十九通の意見書の提出がございました。
 これらの意見書の意見のうち、賛成意見には、第二期事業で予定されているホテル、映画館、フィットネスクラブ等は地元住民にとって待ちに待った施設であり、一日も早く事業を進めてほしいというものなどがございます。
 また、反対意見には、開発に伴う日影や風害、景観の阻害、自動車の排気ガスの増加等による周辺環境の悪化や、二子玉川駅の混雑の増加、多額の税金投入などを理由として、事業計画の根本的な見直しを求めるものなどがございます。

○大島委員 その百九十九通のうち、賛成というのはどの程度あって、反対というのはどの程度あるのか、数はわかりますでしょうか。わかったら教えていただきたいんです。
 そしてまた、この提出された意見書の今後の取り扱いというのはどのようにされるのでしょうか。

○石川民間開発担当部長 提出された意見書百九十九通のうち、百九十一通が反対意見に関するものでございます。残り八通が賛成意見に関するものでございます。
 そして、意見書の取り扱いについてでございますが、提出された意見書については、都市再開発法に基づきまして、その内容を東京都が審査し、意見書の内容を採択すべきと認めるときは、事業計画に必要な修正を加えるよう申請者に命じ、修正した事業計画書について再度、縦覧及び意見書の提出等の手続を行うこととなります。また、意見書の内容を採択すべきでないと認めるときは、その旨を意見書を提出した方に通知することとなります。

○大島委員 そうすると、その事業計画が、意見書が妥当だと、採択すべきだということになった場合には、必要な修正を加えるようなことを命じることもできる、そういう権限を東京都は持っているということですよね。そうすると、どういう場合に採択ができるのかという、その基準というのはどういうものなんでしょうか。

○石川民間開発担当部長 事業認可につきましては、都市再開発法で四つの条件が規定されております。一つは、申請手続が法令に違反していないこと。二つは、定款及び事業計画の決定手続、内容が法令に違反していないこと。三つは、事業計画が市街地再開発事業の都市計画に適合し、事業施行期間が適切であること。四つは、市街地再開発事業を遂行するために必要な経済的基礎及び能力が十分であること。これら四つの条件に該当する場合は認可しなければならないということとなっており、これらの条件に適合することを確認して、今後認可をしてまいることとなります。

○大島委員 そうしますと、事業計画に必要な修正を加えるというようなことは、どういう意見が出されているかということを集約した上で、さらに東京都が考えて、そしてその中で必要なものだと思った場合はいうことができるけれども、いずれにしても、法令に違反していないとか、事業の基本的な決定の手続が法令に違反していないとか、そういう法的なものだけが、すみ分けというか、修正を命じるか命じないかというような基準になっているということなんでしょうか。
 そうすると、何のために住民の皆さんが意見を出しているのかというのが反映されないような気がするんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○石川民間開発担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、事業認可に当たりましては、法の定めによって四つの条件に適合する、そういった場合には認可をしなければない、このような規定になってございます。その一つの条件の中で、市街地再開発事業の都市計画に適合し、事業施行期間が適切であることといったような内容がございます。
 先ほどご答弁申し上げましたとおり、意見書の取り扱いについてでございますが、さまざまに提出された意見書につきまして、その内容はここに示してありますような都市計画に適合した内容であり、また事業の施行能力、資金計画等が適切である、こういったような内容を審査した上で、適切であるということが確認されれば、この四つの条件に従って認可をしていくということでございます。

○大島委員 いずれにしても、その事業の中身が、水と緑の豊かな自然環境と調和した複合市街地を形成する、こういうものに合っているかどうかということもその対象になっているということだというふうに思うんですね。そういう意味で、意見書を出された方たちの声が届けられるのかなと私は理解をいたしました。
 まず、住民は、この第一期の事業でも多くの被害を受けていると訴えているんです。例えば騒音とか振動はもちろんなんですけども、高くなってしまった建物の日照の問題だとか、それから今、工事をやられているんですけども、毎日のように通路が変わってしまうとか、もう本当に大変な思いをしているという声を聞いてまいりました。
 こうした被害の実態について、都として把握をしているんでしょうか。また、こうした問題を解決するためにも、陳情者は、事業者が住民の意見を十分に聞くように都として指導するということとか、世田谷区に住民と事業者が話し合う場を持つことの調整、こういうことを行ってほしいと求めておりますが、都としてこうした働きかけは行ってきたのでしょうか。

○石川民間開発担当部長 第一期事業の工事に伴いまして、建設工事の騒音や振動のほか、施設建築物による日影の影響などについて、周辺住民の方々から世田谷区及び再開発組合に連絡があり、その都度、組合は十分な説明を行うなど、適切な対応を行ってきたと世田谷区から聞いております。
 このような周辺住民への対応につきましては、これまでも都は世田谷区と連携をいたしまして、組合に対し、市街地再開発事業を円滑に進めるため話し合いを行うよう、働きかけをしてまいりました。
 先ほど、くりした委員にご答弁いたしましたが、具体的には世田谷区及び組合は計画段階である平成十年度から十一年度にかけて、環境影響調査に関する説明会を八回、また組合は事業実施段階となる十七年度以降に、工事に関する説明会を八回開催したほか、個別の問い合わせへの説明など、きめ細かな対応を行ってまいりました。
 また、今回の陳情者である二子玉川東地区住民まちづくり協議会及び玉川にエコタウンを作る会とも平成二十一年十二月から一月にかけて話し合いを行っており、今後も地元の要請に応じて話し合いを行っていくこととしております。

○大島委員 こうした被害が出たたびごとに、事業者の方が十分な説明を行ってきたというんですけど、住民が望んでいるのは説明じゃないんですよね。やっぱり改善だというふうに思うんですよ。その改善がないから、こうした被害が実際に広がっているということで訴えてくる。そういうことになっているんじゃないかなというふうに思っています。
 そういう意味では、ぜひ東京都が、こうした住民の皆さんの声を事業者につなぐ、世田谷区につなぐ、そういう重要なポジションを持っているわけですから、ぜひその力を発揮していただきたいというふうに思います。
 今住民の中に、この計画の変更を求める声が非常に大きくある、先ほどの反対の意見が、百九十九通中、百九十一通もあったということがそれを反映しているんだというふうに思うんですけれども、この玉川にエコタウンを作る会というところが無差別に行ったアンケートの結果というのが私のところに送られてまいりました。
 これを見ますと、高層のオフィスビルやホテル建設によって、二子玉川があなたにとってより快適で住みやすいまちになると思いますかという質問に対して、回答二百十四名のうち、そう思わないというのが百五十五名もいらっしゃるとか、それから、あなたにとってこの二子玉川東地区再開発Ⅱa街区をどんなイメージのまちにしたいですかという問いに対しては、一番多かったのが、文化、教育、図書館、小ホール、公共施設、福祉、医療、保育園施設街、こういったものが百五十四名の方がいらっしゃるということで、私このアンケートをとるのも大変だったろうと思うんですが、こういう住民の声が本当に反映してもらいたいと切に願っているあらわれだというふうに思います。
 こうした中で、この事業決定をする大変重要な場所にいる東京都として、この事業認可の決定ということをいつごろするのか、その辺の時期はどうなんでしょうか。

○石川民間開発担当部長 事業認可の時期についてでございますが、先ほどもご答弁いたしましたとおり、百九十九通の意見書が出てきておりますので、この百九十九通の意見書につきまして、先ほどご答弁したとおり、事業計画に必要な修正を加えるものであるのか、または意見書の内容を採択すべきでないというふうに認めるものであるのか、これをしっかり審査をいたしまして、その後、他の、先ほどもご答弁いたしました法に定める四つの条件に適合するかどうかといったような内容の審査をいたします。その審査をした上で、事業認可をしていくことになりますので、時期については現時点では未定でございます。

○大島委員 ぜひしっかりと住民の皆さんの声を受けとめて審査していただきたいなというふうに思っています。
 私は、この整理番号6については、陳情者が求める現在ある自然環境を維持する、維持したい、こういうことは大変重要なことだと考えています。そういう意味で、今出されているような事業認可についてはすべきでないという立場から、賛成をしたいと思います。
 また、整理番号7についても当然の要求だというふうに考えますので、この7についても賛成の意見を述べて、終わりにしたいと思います。

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 まず、陳情二一第一〇四号を起立により採決をいたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○尾崎委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第一〇四号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情二一第一七九号をお諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二一第一七九号は継続審査といたします。

○尾崎委員長 次に、二一第一五一号、第三次事業化計画優先整備路線の選定での代沢・北沢地区検討経過の公表に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○座間都市基盤部長 整理番号8、陳情二一第一五一号、第三次事業化計画優先整備路線の選定での代沢・北沢地区検討経過の公表に関する陳情について説明いたします。
 資料4の一七ページ及び一八ページをお開きください。本陳情につきましては、世田谷区の浅海正彦さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨ですが、都において、平成十六年の第三次事業化計画優先整備路線の選定の際に、代沢・北沢地区について、どのような検討がされたことにより決定されたのか、経過を公表していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、本陳情の補助第二六号線は、品川区東大井一丁目から板橋区氷川町を環状方向に結ぶ延長約二十二キロメートルの都市計画道路でございまして、環状六号線と環状七号線の中間に位置し、両環状道路を補完する幹線道路でございます。
 平成十六年三月に策定いたしました第三次事業化計画におきましては、自動車交通の円滑化や防災性の向上など、四つの評価項目を設定し、優先整備路線を選定しております。
 選定に当たりましては、平成十五年三月に道路整備の課題や基本的な考え方を記載いたしました中間のまとめを、さらに同年十二月には評価項目の考え方や選定方法を示しました区部における都市計画道路の整備方針案を取りまとめ、それぞれパブリックコメントを実施しております。その上で、都民からの意見を踏まえ、都及び二十三区で検討を進め、第三次事業化計画を策定いたしました。
 また、優先整備路線選定の考え方や選定方法、選定区間のほか、パブリックコメントで提出されました都民意見の概要や、その意見に対する都及び区の対応方針などについて、都のホームページで公開しております。さらに個別の路線につきましても、都及び二十三区におきまして、パンフレットを配布し、説明を行うなどの対応をしております。
 一八ページ、位置図をごらんください。優先整備路線に選定した補助第二六号線、代沢・北沢地区のうち、図面上部になりますけれども、小田急線東北沢駅付近の目黒区駒場四丁目から渋谷区大山町までの延長約五百五十メートルの区間につきましては平成十八年十二月から、また、図面下部になりますが、世田谷区三宿二丁目から池尻四丁目までの延長約四百四十メートルの区間につきましては平成二十年十二月から、それぞれ事業に着手し、段階的に整備を進めております。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○大島委員 陳情者は、平成十六年三月に策定した区部における都市計画道路の整備方針による第三次事業計画優先整備路線、今後十二年間、平成十六年から二十七年度で優先的に整備すべき路線の選定に当たって、その経過が住民に知らされていないと、こういうことで出されてきたものです。都として、平成十五年三月から一応の手続を踏んで決めてきたといっておりますけれども、この手続について、住民にどの程度浸透し、理解を得ていると考えているのでしょうか。

○座間都市基盤部長 計画の策定に当たりましては、平成十五年三月に道路整備の課題や基本的な考え方を記載いたしました中間のまとめを、また、同年十二月には評価項目の考え方や選定方法を示しました区部における都市計画道路の整備方針案を取りまとめまして、それぞれパブリックコメントを実施しております。
 また、パブリックコメントの実施や策定した第三次事業化計画につきましては、「広報東京都」、二十三区それぞれの区報でお知らせするとともに、ホームページの掲載や、都及び区の窓口でパンフレットを配布するなど、周知に努めたことによりまして、一定程度の理解は得られたものと考えております。

○大島委員 どの程度浸透して理解を得ているのかといったら、理解は得られているという答弁なんですけれども、理解を得られていたら、今回のような陳情は出てこないんじゃないかなと私は逆に思ってしまうんですね。
 パブリックコメントを実施したということなんですが、何件ぐらいの意見が寄せられて、それについてはどのように対応してきたんでしょうか。

○座間都市基盤部長 平成十五年三月に公表いたしました中間のまとめに対する意見は五百八十二件、平成十五年十二月に公表いたしました整備方針案に対する意見は七百八十二件でございます。
 都と区は、これらの意見を参考にいたしまして事業化計画を策定するとともに、あわせて意見に対する対応方式を取りまとめまして、ホームページを活用して提出された意見とともに公表しております。

○大島委員 都民からの意見を踏まえて検討してきたということなんですけれども、例えば都民に意見を求めるための説明会、またはこういうところで説明会を開いてほしいというような申し出があった場合、そこで開いたとか、実施してきたとかという、そういう経過はありますか。

○座間都市基盤部長 事業化計画につきましては、既定の都市計画道路におきまして、平成十六年度から二十七年度の間に二十三区内の優先的に整備する路線といたしまして二百八区間、延長約百三十三キロメートルを定めたものでございます。したがいまして、個別路線の都市計画決定の事業着手の段階とは異なるため、説明会は行っておりません。
 また、パブリックコメントでの補助第二六号線に関する意見といたしましては、整備推進を求める意見が二件、計画の見直しを求める意見が三件、その他の意見が二件、合計七件の意見がございました。
 都と二十三区では、提出されました意見の要旨を取りまとめまして、学識経験者で構成いたします専門アドバイザー委員会に提出しまして、その委員会での議論などを踏まえ、優先整備路線の整備効果などについて改めて検討を行い、事業化計画を策定したものでございます。

○大島委員 私のところに、この陳情者の方からお手紙をいただいたんです。それを見ますと、長年にわたって良好な住宅環境のもとに生活していた者として、今回の大型道路建設が居住の継続や地域の環境にどのような影響をもたらすのかを危惧しています。整備路線予定の代沢・北沢地区は起伏も激しく、井の頭線も通り、かなり大規模な工事の必要性が容易に想定され、それは住民の移転や、現在の静かな住環境の激変なしには不可能かと思われます。現地についてどのような検討の上で立案されたのかは、住民としてぜひ知りたい点の一つです。昭和二十一年の決定まではさかのぼらなくても、せめて第三次事業化計画での選定の際の具体的な検討経過は知りたいというのがこのたびの陳情ですと、このように書かれてありました。
 この方は、きっと不安に思っているのではないかな、ぜひともどういう検討で立案されたのか知りたいんだと、こういうことをいわれているんだというふうに思うんです。
 先ほど、いろいろな経過については都のホームページを見ればいいんじゃないか、また、区報とか、東京都の広報とか、そういうのを見ればいいじゃないか、それから、内容のパンフレットも東京都や区の窓口で配っていますよ、こういうふうにいっているんですけれども、実際には高齢者の方など、パソコンの操作ができない、こういう場合は、ホームページで幾ら公開していても、それを見るということはなかなか難しいというふうに思うんですね。
 だから、この地域で何が起きているのかということがどうしても知りたい、そういう場合には、例えばその地域に関係するところの周知徹底のための全戸配布、こんなものを行うとか、情報を公開していますよということを少なくとも知らせるような方法というのはあるんじゃないかというふうに思うんですが、それはいかがでしょうか。

○座間都市基盤部長 先ほどから答弁いたしておりますけれども、「広報東京都」あるいは区報にその内容をお知らせするとともに、個別の路線につきましては、この広報なり区報なりの中に連絡先、ホームページのアドレスがありますので、そちらからご連絡いただければ、個別路線について対応するということでございます。

○大島委員 確かにホームページを見なさいと、最近はそういうのがぱっとできるからいいんですけれども、できない人もいるということをやっぱり知っていただきたいなというふうに思うんですね。
 代沢・北沢地区の住民は、情報不足の中で事業化計画が進行していくことに不安を持っています。今後、都として、こういう方たちにどう対応しようとしているのか教えていただきたいと思います。

○座間都市基盤部長 繰り返しになりますけれども、事業化計画策定に関する情報につきましては、ホームページや広報など、さまざまな方法でこれまで周知してまいりました。さらに個別路線につきましても、都及び二十三区の中ではパンフレットを配布したり、説明するなどの対応を行っておりまして、今後とも都民からの相談や問い合わせに対して丁寧に対応していきたいと考えております。
 なお、今後、個別路線の事業着手段階におきましては、事業者において事業や測量などに関する説明会を開催しまして、住民の理解と協力を得まして整備を進めていきたいと考えております。

○大島委員 住民の方たちが、自分たちの住んでいるまちが一体これからどうなっていくんだろうか、まちづくりの決定は一体どうやって決められていくのかなと、やっぱり住民の抱えている不安や疑問に対して丁寧な説明をしてほしいというふうに思うのは当然のことだと思います。私はそうした願いにこたえることが必要と考えますので、この陳情の採択を求めて質問を終わります。

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決をいたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○尾崎委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第一五一号は不採択と決定いたしました。

○尾崎委員長 次に、二一第一七七号の一、大島町の都市計画に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○瀧本市街地建築部長 審査説明表の一九ページをお開きいただきたいと存じます。整理番号9、陳情二一第一七七号の一、大島町の都市計画に関する陳情についてご説明申し上げます。本陳情は、世田谷区の後藤雄一さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、都において、次の事項を実現していただきたい。一、大島町の第一種住居地域にある民間車検場に対し、都市計画法、法的設置要件等を厳格に適用し遵守させ、移転等の適切な指導を行っていただきたいというものでございます。
 これまでの経緯及び現在の状況でございますが、本民間車検場の事業主は、車検場敷地の西側の一宅地を挟んだ隣接地で、普通自動車等の車検場の指定を受けて、自動車修理工場を経営してまいりました。平成二十年に、事業主は車検場敷地に建っていた旧映画館を改修し、従前の修理工場を移転いたしました。
 二一ページ上段の位置図をごらんください。移転した本自動車修理工場は、大島町元町四丁目六の三にあり、図中央の網かけのところが建築物でございます。その周りの太線が工場の敷地であり、その左側の太線内が従前の工場の敷地でございます。
 一九ページにお戻り願います。三のところでございますが、移転した本修理工場の敷地は第一種住居地域内にございます。
 建築基準法では、原動機を使用する工場で作業場の床面積の合計が五十平方メートルを超えるものは、第一種住居地域内に建築してはならないと定めております。
 本修理工場の建築物は延べ面積が約百九十平方メートルで、内部に間仕切り壁がなく、建築基準法上の作業場の範囲が不明確な状態となっておりました。また、工場の移転に際して、建築基準法に基づく用途変更等の手続が行われておりませんでした。
 都は、昨年十月から作業場の床面積を五十平方メートル以内に区画して建築基準法に適合させるよう、事業主を指導いたしました。事業主は都の指導を受け、昨年十一月に法に基づく申請を行い、本年二月十五日に建築物内の用途を明確にする間仕切り壁を設置し、改修工事を完了いたしました。同日付で改修工事の完了届が提出されており、現在は適法な状態となっております。
 改修した本修理工場の平面図については二一ページ下段をごらんください。図のとおり、間仕切り壁の工事が完了しているところでございます。
 再び一九ページにお戻り願います。なお、道路運送車両法では、民間車検場の指定に必要な屋内作業場の面積は、普通自動車を対象とする場合は七十二平方メートル以上、軽自動車を対象とする場合は四十一・五平方メートル以上とされております。
 本修理工場については、事業主から、今後、軽自動車を対象とする車検場の指定を取得し、業務を行うとの報告を受けております。
 説明は以上でございます。ご審査のほどよろしくお願いいたします。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○大島委員 この件については、意見だけ表明させていただきたいと思います。
 まず、この陳情が出された昨年十二月十四日の時点では、陳情者のいわれるように、違法な状態にあったと思います。しかし、その後の経過の中で、適切な指導と、その指導に従って改善もされたという説明がありました。既に陳情者の願意は満たされておりますので、不採択とさせていただきたいと思います。

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二一第一七七号の一は不採択と決定いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をいたします。
   午後三時一分休憩

   午後三時十二分開議

○尾崎委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 二一第一八二号、都営住宅の使用承継にかかわる病弱者の診断書に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○岡沢経営改革担当部長 恐れ入ります、説明表の二三ページをお開きください。整理番号10、陳情二一第一八二号、都営住宅の使用承継にかかわる病弱者の診断書に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、足立区の山崎正男さん外四百四人の方から提出されたものでございます。
 本陳情の要旨でございますが、都において都営住宅の病弱者の使用承継について、かかりつけ医の診断書をぜひ認めていただきたいというものでございます。
 現在の状況についてご説明申し上げます。都営住宅の使用承継制度につきましては、平成十八年の東京都住宅政策審議会答申及び平成十七年十二月の国の通知を踏まえまして、公営住宅の入居者と非入居者間の公平性を確保するため、平成十八年八月に使用承継を原則として名義人の配偶者のみに認めるよう制度を改正いたしまして、一年間の周知期間を設けて、平成十九年八月から実施したものでございます。
 制度改正に当たりまして、高齢者、障害者、病弱者につきましては、居住の継続に配慮いたしまして、特別の事情により必要が認められる場合、例外的に名義人の第三親等親族間で承継を許可することといたしました。
 このうち、病弱者につきましては、難病患者、原爆被爆者、公害病認定患者以外につきましては、病名だけでは、使用承継の対象者となります特別の事情にあるかどうか判断できないことから、平成二十年四月の使用承継制度の運用の見直しに合わせまして、都が設置した都立病院、または都が中心となり設立した東京都保健医療公社が設置した病院の医師の診断書を踏まえて行っておりまして、その取り扱いにつきましては、病院経営本部を通じて都立病院や公社病院に対して周知を図っているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願いいたします。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○大島委員 今のご説明の中で、難病患者、原爆被爆者、公害病認定患者以外は、病名だけでは使用承継の対象者であるという特別な事情に当たるかどうか判断できない、このようにおっしゃっておりましたけれども、それでは、特別な事情として判断する基準というのは一体何でしょうか。

○岡沢経営改革担当部長 先ほどもご説明申し上げましたけれども、都営住宅の使用承継は原則として配偶者に限っているという中で、病弱者につきましては、難病や公害病患者など、特別な事情があると判断される場合に承継を認めているものでございます。
 難病でありますとか公害病認定患者等以外の病弱者につきましては、病名だけでは使用承継の対象者である特別な事情にあるかどうかを判断できませんものですから、承継の判定に当たりましては、都が設置した都立病院、または都が中心となり設立した東京都保健医療公社が設置した病院の医師が的確に診断いたしまして、その医師の診断書を踏まえて行っているところでございます。

○大島委員 そうすると、その診断書というのは、都立病院とか、それから東京都の保健医療公社病院の医師の診断書でなければだめだ、これが必要不可欠なんだということなんですけれども、この病院の医師しか判断できないという理由はどこにあるのでしょうか。

○岡沢経営改革担当部長 難病や公害病認定患者など以外につきましては、病名だけでは使用承継の対象であるところの特別な事情にあるかどうかを判断できませんものですから、承継の判定に当たりましては、都が設置した都立病院、または都が中心となり設立した東京都保健医療公社が設置した病院の医師が的確に診断し、その医師の診断書を踏まえて行っているところでございます。

○大島委員 それはさっきも聞きました。だから私は、特別な事情にあるかどうかという判断を、なぜ都立病院とか公社の病院の医師でなければ判断できないのかということを聞いているんですよ。

○岡沢経営改革担当部長 繰り返しになりますが、難病とか公害病の認定患者等以外につきましては、病名だけでは判断できませんものですから、承継の判断に当たりましては、都立病院、または公社病院の医師に的確に診ていただきまして、その医師の診断書を踏まえて行うということにしているところでございます。

○大島委員 じゃ、ちょっと聞きますけれども、都立病院とか公社病院の診断書というのは、独自の様式というのがあるんですか。また、診断基準というのが一般の病院とは違うんですか。

○岡沢経営改革担当部長 先ほども若干ご説明したと思いますけれども、都営住宅の入居につきましては、公募というものが原則でございます。ご案内のとおり、入居を希望している都民が多数おいでになります。こうした中で、使用承継によって、長年にわたりまして同一親族が居住し続けるということを認めることは、入居者、非入居者間の公平を損なうということにもなりかねません。ということで、今回、私どもは制度の改正をいたしたということでございます。
 その中で、病弱者につきましては、一定の者を除いて的確な判断をしなければいけない、使用承継という重大なことにかかわるものでございますから、的確な判断をしなければいけないということで、都立病院ないしは公社病院の医師の診断書を必要とするとしたものでございます。

○大島委員 いや私が聞いているのは、独自の様式があるんですかと聞いているんですけど、様式はないんですか。診断基準も違わないんですか。そこを聞かせてくださいよ。

○岡沢経営改革担当部長 診断書というものは、医師法に基づきまして、医師がご自分の判断で発行されるというものでございます。

○大島委員 都営住宅に入っている方が病弱者だということであれば、都営住宅に継続して居住しなければ生活の維持が困難と認められる方を認めているんだというふうに私、聞いているんですね。
 また、そういう状況があるのかどうかということについて、医師の的確な判断ということがあるということなんですけども、都立病院か公社病院でなければならない、こういっているんですけれども、例えばほかの病院に入院中で、都立病院あるいは公社病院で受診することが困難な場合については、入院中の病院の診断書でも認めることができると、このように聞いているんですが、それはどうしてでしょうか。

○岡沢経営改革担当部長 一定の場合についてそうした扱いをしているというふうに聞いておりますけれども、あくまでも原則は都立病院ないしは公社病院で診断書をいただくということになっております。

○大島委員 入院中の病院が都立病院や公社病院じゃなくても、そこのお医者さんの診断書でも認めることができるというようになっているんですよね。ということは、必ずしも都立病院や公社病院のお医者さんの判断でなくても、医師の診断というのが的確であるならば、これは認めているということじゃないんでしょうか。
 そして、さらにこの診断書だけじゃだめで、この診断書を踏まえて、都市整備局で総合的に判断して、都営住宅使用承継の可否を最終的に決定するということで、この決定というのは都市整備局がやっている、つまり医師の診断書というのは、その判定の一つにすぎない、このようになっているんですが、その点についてはいかがでしょうか。

○岡沢経営改革担当部長 先ほどの点について先に申し上げます。最初の点についてですね。
 ほかの病院に入院中で、都立病院あるいは公社病院で受診することが困難な場合については、相談をしてほしいというような扱いをしております。ただし、これはあくまでも相談をしてほしいということでありまして、何でもほかの病院に入院していれば、そこの診断書を認めるということではございません。
 また、診断書につきましては、あくまでも医師が発行するものでございますので、それに基づきまして行政的な判断をいたしているところでございます。

○大島委員 私は患者さんの状況を一番よくわかっているというのは、かかりつけのお医者さんが一番じゃないかなと。そこの方が、より適切に、そこに居住していなければ生活の維持が困難だということも判断できるんじゃないかなというふうに思うんですね。
 それで、大体都営住宅に居住している住民の多くは、居住地近くの病院とか診療所、こういうところに通院しているわけで、特に承継の問題があるからといって、都立病院とか公社病院に限定してかかっているわけじゃないんですよ。使用承継のためだけに、都立病院とか公社病院に通院して診断を受けるために、改めて今度検査を行ったり、時間とお金をかけて通院しなければならない、こういう事態となってきます。
 また、今、医師不足がいわれている中で、医師の過密労働というのが社会的な大問題となっているんですけれども、東京都がみずから経営に携わる病院に新たな負担を加えるという点でも、大問題ではないかなというふうに思うんですね。
 そして今、むだな医療費がふえる、抑える、こういう話もあるんですけれども、これですと、都立病院に新たにかからなければならない。住民の負担も大変ですけど、医療費の負担だって大変。それは、強いていえば、都民サービスの低下につながるものではないでしょうか。その点はいかがですか。

○岡沢経営改革担当部長 時間とかお金のむだではないかというご質問かと思いますけれども、先ほどご説明申し上げたとおり、今回の使用承継の見直しに関しまして、やはり居住の継続を認める、認めないという重要な事柄でございますので、これはぜひ都立病院ないしは公社病院での的確な診断をしていだきたいというのが私どもの考え方でございます。

○大島委員 例外的な許可になるからということで、診断書についてという注意事項というのが配られているんですね。これによりますと、都立病院及び東京都保健医療公社病院は紹介予約制です。そのため、おかかりの医療機関などから紹介状を用意していただいて、診察を希望する診療科の予約をとった上で受診してください。診断書は、診察や検査などを行った上で作成されますので、それにかかる医療費が必要になります。また、紹介状をお持ちでない場合は、非紹介患者初診加算料が必要になりますということで、本当に承継のために新たな医者にかからなきゃならないと、こういうことが強制的に行われようとしているというふうに、私、どうしても思えちゃうんですね。
 それで、実際に例えば紹介料とかも含めてですけれども、診断書料が無料になるとか、都立病院でやれば、この部分は大丈夫ですよというような、そういう負担軽減という考え方もないというふうに思うんですよ。
 そういう中で、やっぱり都民の皆さん方に負担を重くしながら、そして的確な判断が民間の医療機関ではできないんだと、こういっているんですけれども、それはすごく失礼な話じゃないかなというふうに思うんですけど、的確な判断が民間病院ではできないという理由について教えてください。

○岡沢経営改革担当部長 私は先ほどから、どこではできないということは一切申し上げておりません。大変重要な判断でございますので、都立病院ないしは公社病院で的確に診ていただきたいということを再三申し上げているところでございます。

○大島委員 どこの病院が的確じゃないとか、的確だとかいっているんじゃないと。それだったら、どこの病院でもいいんじゃないかなと私は思うんですよ。
 そして実際に、最終的にはこの診断書を踏まえて都市整備局で総合的に判断して、使用承継の可否を決定すると書いてあるんですよね。ということは、医者の診断書というのは、都市整備局が判断をする一つの材料にしかすぎないと。その材料が的確な診断であるのかどうなのかというのは、私はお医者さんの資格というのが特段違うものじゃないというふうに思っていますので、例えば大学病院に通っているところでのお医者さんの診断が、的確な判断ができるものではないというのもおかしいというふうに思いますし、都立病院の先生じゃなければだめだということにこだわる必要はないというふうに思うんですよ。
 やっぱりこれまで、これから幾らいっても、多分同じ答弁を何回も繰り返すだけなので、その答弁の部分だけはもう耳によく入っておりますので、それ以上いっても仕方がないのかなというふうに思いますが、でもやっぱり都営住宅における使用承継については、かかりつけ医の診断書が不適当と、こういうふうにいっているとしか聞こえないんですね。
 こうした考え方を改めていただきたい。そしてそのことについては、やっぱり最終的には都市整備局が判断をするんだから、その一つの材料としての診断書なんだから、それはかかりつけ医の診断であっても、身近なところでとれるものであったら、それはとってきてもらう。それがやっぱり判断をする都市整備局の態度ではないかなというふうに思っています。
 そういう点で、これからもこの使用承継問題についてはいろんな場面でやっていきたいとは思いますけども、今回のこの陳情については、こうした改善を積極的に求めていっていただきたいということで、採択をしていただきたいと、採択をしたいと、こういうこと述べて質問を終わります。

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○尾崎委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第一八二号は不採択と決定いたしました。

○尾崎委員長 次に、二一第一八三号、都営住宅の入居基準引下げの凍結又は撤回を求めることに関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○岡沢経営改革担当部長 それでは、説明表の二四ページをごらんいただきたいと存じます。
 整理番号11、陳情二一第一八三号、都営住宅の入居基準引下げの凍結又は撤回を求めることに関する陳情についてご説明を申し上げます。本陳情は、足立区の山崎正男さん外四百七十二人の方から提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、次のことを実現していただきたいというものでございます。内容は、一、平成二十二年四月から予定している月額収入基準の引き下げと近傍同種家賃への大幅値上げの凍結または撤回を決断すること。二、月額収入基準の引き下げと近傍同種家賃への大幅値上げを政令改正前に戻すよう、国土交通省に意見書を提出することでございます。
 現在の状況についてご説明申し上げます。公営住宅の入居収入基準でございますが、公営住宅法及び施行令によりこれらは定められておりまして、平成十九年十二月の政令改正によりまして、月額二十万円から十五万八千円に引き下げられ、平成二十一年四月から既に施行されているところでございます。
 また、今回の政令改正では、既存入居者に対する経過措置といたしまして、施行後五年間は改正前の月額二十万円の入居収入基準が適用されます。このため、平成二十五年度までは、改正後の十五万八千円を超えても収入超過者にはならず、平成二十二年四月から近傍同種家賃が適用されることはございません。
 なお、入居収入基準の見直しに伴います使用料改正につきましては、政令により平成二十一年度からの実施が決まっておりまして、都でも規則改正を既に行っているところでございますが、居住者のうち約七割の世帯では、制度改正に伴う使用料の引き上げはございません。使用料が上がります残り約三割の世帯につきましても、都では引き上げを一年間行わず、平成二十二年度から実施することですとか、五年間で段階的に引き上げを実施する国の経過措置を講じてもなお負担の変化が大きい、収入区分が二段階上昇する世帯に対しましては、この期間を七年間とする措置を既に講じているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願いいたします。

○尾崎委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○大島委員 ことしの四月から都住の使用料が改定されるということなんですけれども、実際には二十一年四月から既に値上げは施行されていると。今回、値上げ、使用料の改定という中で、その主な見直しの内容と、改定に伴う影響額はどれくらいあるのかということについてお聞きしたいんですが。

○岡沢経営改革担当部長 使用料改定の主な見直しの内容と、改定に伴う影響額についてのお尋ねかと思いますが、公営住宅の使用料の算定方法、都営住宅ももちろん含まれるわけですけども、これは公営住宅法及び公営住宅法施行令によりまして全国一律に定められているところでございます。
 今回の使用料の見直しは、公営住宅を住宅困窮者に対して公平かつ的確に供給するため、前回改定の平成八年以降の世帯所得状況等の変化を踏まえまして、国が施行令の改正により行ったものでございます。
 都は実施に当たりまして、既に都営住宅に入居されている世帯に配慮いたしまして、独自の措置といたしまして、使用料の値上げ時期を一年間延ばし、平成二十二年四月から実施することといたしました。また、五年間で段階的に引き上げを実施する国の経過措置を講じてもなお使用料の引き上げ幅が大きい、収入区分が二段階上昇する世帯につきましては、経過措置期間を七年間にするなどの措置を講じているところでございます。
 改定の影響額についてでございますが、平成二十二年度の使用料につきましては、昨年、居住者の方々から提出された収入報告に基づいて算定しております。このため、前年度と比べた使用料の増減につきましては、それぞれの世帯収入の変動等に伴う分も含まれております。このため、制度改正による影響額のみを正確に算定することは困難でございます。

○大島委員 今回、入居収入基準が見直されたということで、これによって収入超過となる世帯はどの程度あるんでしょうか。

○岡沢経営改革担当部長 収入超過世帯についてでございますが、まず今回の政令改正では、既存の入居者に対して経過措置といたしまして、施行後五年間は改正前の入居収入基準が適用されることになります。このため、平成二十五年度までは改正後の入居収入基準を超過しても、超えても収入超過者にはなりません。
 したがいまして、入居収入基準の引き下げによりまして、引き下げ後の基準を超えることになるかどうかというのは、平成二十六年度の使用料を算定する際に判断するということになりますので、現時点でこの数字を正確に算定するということはなかなか難しいというふうに思います。
 なお、昨年、本委員会の事務事業質疑のときに提出させていただいた資料がございますけども、そこでは平成二十一年六月現在の入居者を対象といたしまして、二十五年度まで収入は変わらないと、ずっと変わらないという前提で、改正後の基準を当てはめて試算をしたところ、その資料によれば、入居収入基準の引き下げによりまして、新たに引き下げ後の基準を超えることとなる世帯数は約一万七千五百世帯というふうになってございます。

○大島委員 収入超過者、まだ五年間はあるということなんですけど、収入超過者となった世帯は平成二十六年四月から五年間で近傍同種の家賃になるという割り増し使用料を払うことになります。あわせて、明け渡し努力義務が課せられるということになるわけです。また、高額所得者の基準も三十九万七千円から三十一万三千円に引き下げられることによって、五年後に明け渡し義務が生じる、こういう方も出てまいります。
 これらは、国が基準を一方的に引き下げたことによるもので、入居者の責任ではないわけです。都として入居者の暮らしを守るためにも、こうした問題を生じる結果となった国土交通省に対して、政令改正前に戻すように意見を上げるべきでないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○岡沢経営改革担当部長 今回の公営住宅法の施行令改正による入居収入基準の改正は、公営住宅を住宅困窮者に公平かつ的確に供給するという目的でなされたものでございます。また、この内容は、東京都住宅マスタープランの内容とも整合するということでございますので、見直しを行う等の考えはございません。
 なお、今回の入居収入基準の改正とあわせまして、使用料についても改正が行われております。都以外の各県の県営住宅では、政令の施行日どおり、昨年四月から既に引き上げが行われているところでございますけれども、都では使用料の引き上げを一年間延ばす措置を実施したところでございます。

○大島委員 一年間延ばしたということは本当によかったなと思っているんですよ。ことし、先ほどもありましたけれども、公社住宅の居住者の方でさえ、家賃の引き上げは半年間延期されているんですよね。それなのに、低所得者を対象とした都営住宅の使用料を四月から引き上げるということはすべきではないというふうに私は思います。昨年一年間据え置くことができたんですから、来年度も引き続き据え置くべきです。したがって、この陳情に賛成をし、質問を終わります。

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○尾崎委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第一八三号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。

○尾崎委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 まず、緑確保の総合的な方針(案)についての報告を聴取いたします。

○大塚参事 緑確保の総合的な方針につきましては、緑施策の一環といたしまして、一昨年から都と区市町村が合同で検討を進めているものでございまして、このたび方針案がまとまりましたので、資料5の概要と資料6の本編に基づき、ご報告いたします。
 資料5をごらんください。方針案のポイントを説明いたします。
 本方針の必要性と位置づけでございますが、方針は、東京の緑が全体として減少傾向にあることから、特にその原因となっている崖線や屋敷林などの既存の緑について、保全の取り組みを一層強化する必要があるとしたもので、既に行われております一千ヘクタールの緑をふやす取り組みと車の両輪となって、緑を守る施策を「十年後の東京」への実行プログラムに位置づけたところでございます。
 策定の経緯でございますが、平成二十年八月から検討に着手して以来、都区市町村合同検討委員会等での検討を重ね、今回の案に至っております。今後につきましては、明日から、この方針案に附属する図面を含め、都と区市町村のホームページに掲載し、パブリックコメントを行った上で、本年五月に最終的に取りまとめる予定でございます。
 策定のポイントと枠組みでございますが、この方針は、既存の民有地の緑のうち、確保することが望ましい緑を明らかにしていくことや、まちづくりの中で生まれる緑の施策を明らかにしていくこと、取り組みを推進する新たな施策を提示、推進していくことが柱になっております。
 また、計画期間は十年で、必要に応じて時点修正や改定を行い、最新のものとしていきます。
 二枚目をごらんください。本方針の構成と方向性でございます。
 黄色の枠で示したように、大きく三つの柱から成っております。
 まず、一番上の既存の緑を守る方針です。
 これは丘陵地や崖線の緑、屋敷林などの既存の緑のうち、特に民有地の緑について、都と区市町村が、今後十年間にどこをどのくらい保全していくかを、その担保力の強さに応じて、水準一、二、三という段階に分けまして、場所や面積等を具体的にリストアップしたものでございます。
 その結果、例えば特別緑地保全地区、これは優遇税制や土地の買い取り制度がありますけれども、このような担保性の高い制度での指定が行われるものを水準一としますと、これを合計して二百九十二ヘクタールという結果になりました。条例による許可や協定などによって保全を進める方式を水準二及び三としますと、これを合計して十三ヘクタールとなります。
 また、計画期間の十年間に限らず、将来的に緑を確保する予備軍を確保候補地として検討した結果、その合計は約一千百ヘクタールになってございます。
 次に、二番目の緑のまちづくり指針でございます。これはさまざまなまちづくり、例えば地区計画、区画整理、市街地再開発事業などで生み出される緑や、地域の目指す緑の方向性を明らかにしようとするものですけれども、今回は、区市町の緑の基本計画の改定が数多く進行中であるということから、整合を図るために、緑に係るまちづくり事業等を百五カ所リストアップすることにとどめ、地域の目指す緑の方向性を最終的にまとめるのは、おおむね二年後を考えてございます。
 三番目に、一番下の欄の新たな施策でございます。既存の緑への施策や緑のまちづくりを進める施策、その他に分けて示しておりますが、主なものにつきまして本編の方で説明をさせていただきます。
 では、資料6の本編に移らせていただきたいと思います。
 表紙をめくっていただきますと、目次がございます。全体は五章で構成されております。
 おめくりいただきまして、一ページから一四ページまでは樹林地や農地の現状と課題を示してございます。
 一五から一六ページは、緑への都民意識として、樹林地所有者へのアンケート結果、一七、一八ページは、都政モニターアンケートの結果を記載しております。
 一九ページに移りまして、本方針の具体的な内容に移ります。
 二〇ページにかけての方針の枠組みは先ほど申し上げたとおりでございますが、二一、二二ページには、都区市町村共同で取り組むことや、確保することが望ましい緑を明らかにすることなど、策定に向けて重視する五つの視点を示しております。
 二三ページから二五ページまでは、東京の既存の緑の現状を系統的に分類する考え方をまとめてあります。緑の系統を地図情報で大まかに表現したものが二六ページのカラー版で折り込んであるところでございます。
 二七ページから三〇ページまでは、既存の緑を守る方針の基本的な考え方です。樹林地や農地への取り組みや社会全体で緑を支える仕組みづくりなどについて記述しております。
 三一、三二ページは、緑を確保するための担保性の強さについて、水準一、二、三、確保候補地のように分ける考え方を示しております。この方式で区市町村が合同でリストアップし、取りまとめた総括表が三三ページとなります。
 次の三四ページ以降、四二ページまでは、その内訳となっておりまして、場所や面積等を個々別に掲載しております。
 四三ページから五一ページまでは、既存の緑を守るための新たな施策を示しております。ポイントを幾つか拾いますと、四五ページ、崖線の緑の保全では、特に多摩川由来の崖線の緑をモデルに、関係する八つの自治体と都が協議体をつくり、保全のためのガイドラインを作成してまいります。
 四六ページ、都市緑地法に基づく特別緑地保全地区の指定推進ですけれども、区市町村の指定を財政的な面から支援し、拡大していくために、土地の買い取りが生じる場合に、新たに都が補助を行う制度を創設いたします。
 四九ページ、民間基金と連携した緑地保全ですが、これは先週、セブンイレブンみどりの基金と都が協定を結んだところでございますが、一定の助成枠や条件を設けた上で、緑の基金が都内の緑の保全活動を行う団体に対して活動費の助成を行っていくものでございます。
 五二ページから五九ページは、既に進めている緑確保の取り組みや区市町村が実施している制度等を取りまとめております。
 六〇ページから六二ページまでは、緑のまちづくり指針の基本的な考え方を記述し、六三ページから七八ページまでは、まちづくりで生まれる緑の事業のリストや自治体の緑化施策を一覧として掲載しているところでございます。
 七九ページから八二ページは、緑化地域制度の指定促進など、緑のまちづくりを進める新たな施策を示しております。
 八三ページから八五ページにかけましては、今後、方針の実効性を持たせるための取り組みや考え方を五項目にわたり記述してございます。
 説明は以上でございます。

○尾崎委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○尾崎委員長 次に、第百八十九回東京都都市計画審議会付議予定案件等についての報告を聴取いたします。

○河島都市整備局長 来る五月二十一日に開催予定の第百八十九回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
 今回、東京都決定案件は十一件ございまして、その内訳は、区部で六件、市町村部で五件でございます。本日は、これらのうち、主な案件といたしまして、豊洲地区地区計画の変更につきましてご説明いたします。
 また、今回の都市計画審議会には付議いたしませんが、いわゆるアセスの前合わせ案件といたしまして、東武鉄道伊勢崎線の変更ほか関連案件につきましてご説明いたします。
 それでは、引き続き、担当部長から説明いたしますので、よろしくお願いいたします。

○安井都市づくり政策部長 豊洲地区地区計画の変更の案件を説明いたします。資料でございますけれども、白表紙の提案事項概要と、薄茶表紙の事前説明会資料でございます。
 この茶表紙の二七ページに位置図がございます。本地区は東京臨海部江東区の豊洲ふ頭と、その東側部分を含む面積約百二・二ヘクタールの区域でございます。平成五年七月に当初の地区計画を決定し、順次開発が進められてきてございます。
 提案事項概要二五ページからに計画書、事前説明会資料二八ページに計画図がございます。地区計画の変更内容を説明いたします。
 今回は、地区の東側、区域一の一-二街区及び一-三街区におきまして、施設計画が具体化したことから、地区整備計画約二・七ヘクタールを追加いたします。
 一-二街区でございますけれども、周辺開発の進捗に伴う就学児童の増加に対応するために小学校を、また、一-三街区では、医療環境の充実を図るために総合病院を整備いたします。
 各街区には、地区施設として、歩道状空地一号や緑道一-一号から一-四号を位置づけるとともに、建築物等の用途の制限、高さの最高限度、壁面の位置の制限などを地区整備計画として定めます。
 説明は以上です。

○座間都市基盤部長 環境影響評価手続開始案件の東京都市計画都市高速鉄道東武伊勢崎線及び東京都市計画道路補助第二六一号線に関する都市計画変更の案件について説明いたします。
 都市高速鉄道東武鉄道伊勢崎線につきましては、東京都環境影響評価条例の対象事業案件でございまして、今回は環境影響評価書案の公示とあわせまして、都市計画案の公告を行います、いわゆる前合わせの案件でございまして、条例に基づく環境影響評価を行った後に、東京都都市計画審議会に付議するものでございます。
 資料、お手元の白表紙の提案事項概要の四三ページから四六ページ、薄茶色表紙の事前説明会資料の四七ページからになります。
 まず、都市高速鉄道東武鉄道伊勢崎線につきまして説明いたします。事前説明会資料の四七ページの位置図をごらんください。また、後方スクリーンに変更区間の竹ノ塚駅周辺の航空写真を映しておりますので、あわせてごらんいただきたいと思います。
 東武鉄道伊勢崎線は、浅草駅から群馬県の伊勢崎駅を結ぶ路線でございまして、明治三十二年に北千住駅から久喜駅間で営業を開始いたしまして、明治四十三年に全線開通いたしております。
 本路線は、北千住駅におきまして東京地下鉄日比谷線、押上駅におきまして東京地下鉄半蔵門線とそれぞれ相互直通運転を行うなど、東京圏の鉄道ネットワークを構成する重要な路線の一部となってございます。
 今回変更対象となる竹ノ塚駅付近では、いわゆるあかずの踏切が二カ所ございまして、踏切による慢性的な交通渋滞や、平成十七年三月には四人が死傷する踏切事故が発生しております。そのほか、鉄道による地域分断等が生じておりまして、これらを解消するとともに、地域の活性化を図ることが課題となっております。
 このため、東武鉄道伊勢崎線竹ノ塚駅付近において、踏切による交通渋滞の解消、道路と鉄道の安全性の向上及び沿線市街地の一体的なまちづくりの推進等を目的といたしまして、連続立体交差化を行うことといたしております。
 本案件は、足立区が都内初の区施行連続立体交差事業として、平成十九年四月に国土交通省による新規着工準備採択を受けておりまして、平成二十一年六月に都市計画の素案の説明会を開催しております。
 次に、変更内容について説明いたします。事前説明会資料の四七ページに位置図、四八ページから五三ページに計画図、五四ページに参考図を掲載しておりますが、まず五四ページの参考図をごらんください。
 今回の竹ノ塚駅付近の立体化に伴いまして変更を行う区間は、西新井駅北側から埼玉県との都県境となっております。
 鉄道の立体化は、地形的条件、計画的条件、事業的条件の三条件から検討を行うこととしておりまして、今回の計画では、本区間の北側が既に高架化されていることや、事業費などを総合的に勘案いたしまして、高架方式といたしております。
 本鉄道計画の事業主体は足立区でございまして、総事業費は約五百億円、事業期間は平成二十三年度から平成三十一年度を予定しております。
 次に、環境影響評価の概要につきましてご説明いたします。お手元の青色の表紙、環境影響評価書案の概要に挟み込んであります桃色の表紙の資料でございます。これの二ページからになりますが、二ページから四ページをごらんいただきたいと思います。
 本案件におけます環境に及ぼす影響の予測、評価の項目につきましては、1の騒音・振動から、日影、電波障害、景観、史跡・文化財、廃棄物の六項目となっております。
 このうち、騒音・振動でございますが、今回工事の施工中及び工事の完了後について予測、評価を行っておりまして、いずれの場合におきましても、評価の指標を満足し、もしくは、おおむね満足するという結論となっております。
 また、その他の項目につきましても、評価の指標を満足するものとなっております。
 これらのことから、都市計画を変更する上で、支障がないものと判断しております。
 次に、東武鉄道伊勢崎線の変更に関連する都市計画道路補助二六一号線ほかについて説明いたします。
 またこの薄茶色表紙の事前説明会資料の五五ページと五六ページをごらんいただきたいと思います。
 東武鉄道伊勢崎線の連続立体交差化に伴いまして、交差する補助第二六一号線の構造形式を現在のかさ上げ式から地表式に変更いたします。これとあわせまして、一部区域の変更を行います。
 また、補助二六一号線の全線の車線数を二車線と決定いたします。
 六〇ページ、六一ページをごらんください。そのほか、足立区決定の竹ノ塚駅付近広場一、竹ノ塚駅付近街路一、足立区画街路第一四号線を同時に変更いたします。
 以上で説明を終わります。

○尾崎委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○宇田川委員 東武伊勢崎線の連続立体交差事業についてお尋ねをさせていただきます。
 都内には約一千二百カ所の踏切が残されておりまして、交通渋滞、地域分断、事故の危険性など、さまざまな問題が発生しております。東京の国際都市としての魅力向上、経済活動の促進、都民生活の安全確保、利便性の向上などのためには、踏切問題を一刻も早く改善していくことが重要だと考えます。
 この中でも、東武伊勢崎線の竹ノ塚駅付近については、今お話がありましたとおり、平成十七年三月に四人が死傷するという痛ましい事故が発生するなど、連続立体交差化による踏切解消が喫緊の課題となっております。このため、我が党の高島先生もこの問題を都議会の場で何度も取り上げ、竹ノ塚駅付近の連続立体交差化の促進を訴えてまいりました。
 足立区議会では、超党派による事業推進に向けた要望活動を行うとともに、都内初の区施行、全国で二番目の区市施行として、足立区が事業主体となることを決断いたしました。まさに英断といっていいと思います。
 こうした努力が実り、平成十九年度に国から連続立体交差事業の新規着工準備採択を得て、昨年六月、事業化への第一歩ともいうべき都市計画素案説明会を開催したことは、非常に喜ばしいことであります。
 まず、改めてではございますが、東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近の連続立体交差化の事業効果についてお伺いをいたします。

○座間都市基盤部長 連続立体交差事業は、交通渋滞や地域分断を解消し、地域の活性化に資する極めて効果の高い事業でございます。
 東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近の連続立体交差事業は、鉄道を高架化することによりまして、駅付近にある朝夕のラッシュ、一時間に五十七分あるいは五十八分も閉まっておりますいわゆるあかずの踏切を二カ所除却するものでございます。
 この事業によりまして、踏切での慢性的な交通渋滞を解消するとともに、歩行者や自転車などの安全性、利便性の向上が図られると考えております。
 また、鉄道と交差する都市計画道路補助第二六一号線や駅前広場等をあわせて整備することによりまして、鉄道により隔てられておりました東西地域が一体化され、安全で快適なまちづくりが実現するものと考えております。

○宇田川委員 本事業の効果については今のご答弁でよくわかりました。大きな効果が期待される、だからこそ一日も早い事業の完成が望まれます。
 そこで、今後の事業スケジュールについて具体的に教えていただけますでしょうか。

○座間都市基盤部長 東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近の連続立体交差化計画、これに関連します道路計画につきましては、昨年六月、都市計画素案の地元説明会を開催いたしました。今後、この都市計画案及び環境影響評価書案に関します地元説明会を開催するなど、平成二十二年度内の都市計画決定を目指しまして、引き続き、都市計画及び環境影響評価の諸手続を進めてまいります。
 また、事業化につきましては、平成二十三年度に足立区が事業認可を取得いたしまして、平成三十一年度の事業完了を予定しております。

○宇田川委員 本事業は、足立区が事業主体になりますが、事業を推進するには、従来の補助金や交付金を統合した国の社会資本整備総合交付金を確保することはもとより、都の積極的な後押しが不可欠だと考えます。
 国が今示している公共事業のあり方を聞いておりますと、不安を隠し得ない状況でもありまして、だからこそ、なおさらに都の支援は確実に実行していただきたいと思っております。今後の都の支援策についてお伺いいたします。

○座間都市基盤部長 理事ご指摘のとおり、本事業を推進するためには、現在国が制度設計を行っております従来の補助金や交付金を統合した社会資本整備総合交付金を確保するとともに、引き続き区に対し積極的な支援を行っていくことが重要だと考えております。
 そのため、区に対しては、技術的な支援を行うとともに、平成二十年度より足立区の負担額の二分の一を補助する財政的な支援を行っておりまして、引き続き事業の推進に向け、支援をしてまいります。
 なお、制度の内容が明らかとなっていない社会資本整備総合交付金制度の運用方法につきましても、一日も早く明らかにするよう、国に要望するとともに、既に平成十九年度に連続立体交差事業の新規着工準備採択を受け、現在の補助制度のもとに、必要な予算措置がなされている竹ノ塚駅付近の連続立体交差事業に対しまして、社会資本整備総合交付金制度においても、必要な交付金が確実に措置されるよう、国に強く求めてまいります。

○宇田川委員 お話にありましたとおり、都の積極的な取り組みは地元の皆さんも大変心強く感じていることだと思います。竹ノ塚駅付近の連続立体交差化は、地域生活を支える上で非常に重要な事業でありまして、早期完成が求められるのは当然だと思います。
 その財源となる国の社会資本整備総合交付金については、制度設計中のことでありまして、都は国に一日も早い制度の運用方法の確立と、従来、補助金で交付されることが見込まれていた事業に対する交付金の確保を働きかけていくということでありますが、我々都議会としても、国に対して交付金の確保に向けた取り組みを積極的に行っていきたい、そう考えているところでございます。
 引き続き、都においては、事業者である地元足立区に対して技術面、財政面など、多方面からの必要な支援などを行っていただくことを要望させていただきます。
 加えて、蛇足になるかもしれませんが、京成本線の連続立体化も積極的な都の後押しをお願いしたい。成田新高速鉄道、スカイアクセスと名づけられたようですが、これが本年七月に開通されます。この開通によって、踏切の遮断時間が今よりさらに増加されることが懸念されております。したがって、京成本線の連立についてもぜひ積極的に取り組みを行うこと、これも重ねて要望を申し上げて質問を終わります。

○中山委員 私からも足立区と東京都の双方から提示されております東武伊勢崎線連続立体交差事業に係る都市計画案件について質問させていただきます。
 先ほどは宇田川理事から対応の的確な質疑がありまして、地元の委員として御礼を申し上げます。ありがとうございました。宇田川理事からの質疑を踏まえまして、何点かお伺いさせていただきます。
 来月十五日をもって、足立区竹ノ塚駅付近の痛ましい死傷事故の発生から満五年を迎えることになります。私ごとで恐縮ですけれども、事故発生の翌日、私も事故発生時と同じ時刻に事故現場に赴き、関係者の皆様のお話を伺いながら、事故の再発防止と、たび重ねて痛ましい事故を繰り返してきたこの踏切の立体交差化の実現を深く決意したことを思い起こします。
 その後、まずは当面の危機回避措置として、踏切内の通行帯の幅員を広げて、円滑な渡り終わりを導く工夫を凝らしたり、自転車も乗れるエレベーターつきの横断橋も新設したりするなどの措置が足立区の自主的な努力を中心に施され、東京都からも的確な技術的アドバイスをちょうだいしたと伺っております。
 事故発生の直後から、事故現場となった道路が足立区道であったため、国の補助事業の対象とならなかったことや、付近の踏切が既に道路側がオーバーパスやアンダーパスしての立体化が施工済みであることや、鉄道をかさ上げした場合、近くにある東武鉄道の操車場への出入りが急勾配になり過ぎ、過去に断念せざるを得なかった一つの要因となったことなどの経緯があるなど、幾つかの厚い壁に直面しました。
 しかし、足立区、東京都など、一致団結のご協力もあって、足立区の財政上の厳しさという困難も乗り越えて、鉄道のかさ上げという理想的な形で、先ほどの質疑のご答弁でもありましたとおり、足立区の意向として、晴れて立体交差化事業が平成二十三年からの着手を目指す段階まで至っていることを、万感の思いを持って心から喜ぶものでございます。
 私の前任の土持前都議会議員が初めて都議会議員になったときに質問したとき、この問題を取り上げたそうでございますけれども、中山君、よろしく頼むよということで、引き継ぎを受けた際に仰せつかりました。本当にありがたい思いでございます。関係各位、特に東京都都市整備局の皆様のご協力に深く感謝申し上げるものであります。河島局長、都市整備局の皆様、まことにありがとうございます。
 この東武伊勢崎線の竹ノ塚駅付近では、ラッシュ一時間当たり約五十分以上も閉鎖されているあかずの踏切でございます。歩行者、自転車の回遊性、利便性が著しく損なわれております。このため、地域で生活する区民は、大変な不便を強いられており、踏切の解消は区民の長年にわたる悲願となっております。
 このボトルネック状態を解消すべく、東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近の連続立体交差化がいよいよスタートしました。しかし、順調に完成を見るまでは、事故の再発防止の取り組みを含め、片時も油断することはできません。今後、その一日も早い完成に向けて、都を初めとする関係者が協力し、取り組んでいく必要があります。
 そこで、東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近の連続立体交差化と関連する補助第二六一号線の取り組みについて伺います。
 まず、東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近の連続立体交差化の実現には、国の補助金を活用することはもとより、事業主体である足立区に対して、都が財政的な支援を行うことが不可欠であると考えます。既に平成二十年度に支援を行っていると聞き及んでいますが、これまでの都の支援内容と平成二十二年度の都予算の措置状況についてお伺いいたします。

○座間都市基盤部長 これまで連続立体交差事業の施行者は、都道府県及び政令指定都市に限定されておりましたけれども、国は平成十七年度に、県庁所在都市及び特別区など、それに準ずる都市を追加する制度拡充を行っております。
 これによりまして、足立区が平成十九年度に新規着工準備採択を受け、みずから立体交差事業の施行者になっております。
 都はこれを受けまして、踏切対策を加速する観点から、平成二十年度より足立区の負担額の二分の一を補助するための制度を創設いたしました。これに基づきまして、平成二十年度及び平成二十一年度は、比較設計や環境調査等に関する調査に対し補助を行っております。
 また、平成二十二年度は、鉄道の概略設計などに対する補助として千三百七十五万円を予算案に計上させていただいております。引き続き、連続立体交差化の早期実現に向け、必要な予算を確保してまいります。

○中山委員 区に対して東京都の財政的な支援が着実に実施されていることはわかりました。一方、国政においては、民主党が中心となっての政権が誕生し、公共事業に対する風当たりが非常に強くなっていると感じております。もちろんむだな公共工事の撤廃は大変結構なことで、私も賛同しますけれども、中止を先に決めて、むだかどうか後から検証するというのでは、これは別の案件でありますからこれ以上申し上げませんけれども、私の全く個人的な意見ですが、理屈に合わない話だと思っております。
 ただ、少なくとも都内のあかずの踏切は、地元住民のみならず、都内全体の経済振興の妨げになっており、その解消に努めることをむだだと思うような人はいないのではないでしょうか。都議会関係者の一致した意見であると信じております。
 しかし、それはそれとして、結果的に土木建築関係費の二割削減が国方針と伝えられる中、本事業に対する国の補助金の確保に今後影響が出ることはないのか心配であります。伺います。

○座間都市基盤部長 東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近の連続立体交差化は、あかずの踏切を除却することによりまして、交通渋滞や地域分断を解消し、地域の活性化に資する効果の高い事業でございます。これまでも政府提案要求におきまして、本事業の推進に必要な補助金の確保を国に要求しておりますけども、現在、社会資本整備総合交付金の制度設計が、そのさなかであることから、その運用方法等につきまして一日も早く明らかにするように国に要望してまいります。
 今後とも、国に対しまして、区と十分に連携を図りながら、あらゆる機会をとらえて本事業の重要性を訴え、事業推進に必要な予算の安定的、継続的な確保がなされるよう、強く求めてまいります。

○中山委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 鉄道の連続立体交差化や都市計画道路の整備は、交通の円滑化や地域の活性化を促すなど、地域のまちづくりに密接に関連する事業であります。東武伊勢崎線の連続立体交差化と同時に、変更する補助第二六一号線は、足立区の北部地域を東西に連結する道路で、今回の竹ノ塚駅付近を除くと、ほぼ整備が完了しております。
 そこで、今回都市計画変更する竹ノ塚駅周辺の補助第二六一号線の事業化の予定についてお伺いします。

○座間都市基盤部長 理事者後方のスクリーンをごらんいただきたいと思います。補助第二六一号線のうち、今回都市計画変更いたします区間を含む東武伊勢崎線から西側の延長約九百メートルにつきましては、第三次事業化計画で都施行の優先整備路線に選定しております。この優先整備路線の西側、舎人公園付近になりますが、放射一一号線、いわゆる尾久橋通りでございますが、ここから伊興小学校までの延長約千四十メートルにつきましては、現在事業中でございます。
 今回の変更区間を含みます優先整備路線につきましては、事業予定者であります建設局から、現在事業中の区間あるいは鉄道連続立体交差化事業の進捗状況などを踏まえつつ、事業に着手する予定であると聞いております。

○中山委員 竹ノ塚駅付近の東武伊勢崎線の連続立体交差化にあわせて、足立区では、竹ノ塚駅東口の交通広場を拡張するための都市計画変更の手続を進めております。この計画案によりますと、広場の拡張を行うためには、現在広場の東側に立地しております都市再生機構の竹の塚第三団地三号棟の撤去が必要となり、将来この住棟にお住まいの方々には、ほかの場所への移転をお願いしなければなりません。
 将来この都市計画事業が実施される際には、都として移転先となる都営住宅を提供することなども考えに入れてまちづくりを支援することが重要と考えますが、いかがでございましょうか。

○山口建設推進担当部長 東京都は、都市再生機構や東京都住宅供給公社の賃貸住宅の建てかえに当たりまして、家賃が著しく上昇するなど、居住の安定について特別な配慮が必要と認められる場合には、公的住宅の建てかえを促進するために、一定の戸数の範囲内で都営住宅への入居を認める措置を講じてございます。
 お話しの団地につきましても、建てかえに際して、都市再生機構から依頼があった場合には、この仕組みによりまして、都営住宅の入居資格を満たす居住者に対しまして、移転先としての都営住宅の活用を検討してまいります。

○中山委員 今お話があったように、URの住宅については、建てかえを行う場合には東京都の方もお手伝いができると。ただ、撤退されちゃうということになると、支援のしようがないということでありまして、これはまず足立区としては、UR団地の建てかえ事業の中で何とか対応していただきたいというのが願いであると思います。
 ただ、その中でも、今お話があったように、著しく家賃等の変動のために居住し続けることが困難な場合に、UR側の取り組みが東京都も乗れる仕組みであるならば、都営住宅等のご提供等も、その際には考えに入れてご対応いただきたいと思います。
 最後に、地元委員として、東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近の連続立体交差化の早期完成に向け、応援に努めてまいりますので、東京都におかれましても、引き続き区に対する支援に努めていただくとともに、国に対しても、予算確保を強く働きかけるなど積極的に取り組んでいただくことをお願いしまして、質問を終わります。

○大島委員 では、私はまず最初に、調布市の都市計画決定の用途変更、飛田給のところから質問させていただきます。
 飛田給の北口というのは、味の素スタジアムができておりまして、このスタジアムの整備とあわせて都市計画道路が整備されています。北側の都市計画道路に続く形で、ちょうど踏切を挟んで反対側、南側がその今回の計画の場所になっています。
 私も現地に行って見てきたんですけれども、北側の開発はもう既にでき上がっておりまして、道路も拡幅されているんですけれども、聞くところによりますと、その前には商店がかなりあったと。ところが、それが道路拡幅に伴う形で移転をしてしまって、すっかり寂れてしまったと地元の方がそういっておりました。
 今回、南側にも商店があるんですね。今度の道路拡幅の影響で敷地面積が狭くなって、商店としての生活再建ができるかというところで不安をお持ちの方もいらっしゃるのですが、この辺についてはどのように考えているのでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 飛田給周辺では、都市計画道路の整備にあわせたまちづくりを推進するために、平成十七年より地元の商店会が中心となったまちづくり勉強会を開催されてございました。
 平成十八年には、こうした商店会などの取り組みを受けまして、市の条例に基づくまちづくり組織が設置されまして、地元住民が主体となってアンケート調査を行い、地区の課題を検討するなどの活動が行われてきてございます。
 平成十九年からは、市が主催するまちづくり懇談会が設置されまして、都市計画道路の整備であるとか、土地利用についての具体的な検討が行われてきてございまして、今回、地区計画に伴います用途地域の変更も、このような地元が中心となった勉強会や懇談会の取り組みを踏まえまして、案を取りまとめたものでございます。

○大島委員 商店の方々が中心になって計画をつくられたということであれば、南側については、そういった生活再建などについても話し合われているのではないかというふうに思いますが、もう一つ、今回の用途地域の変更のかかっているところなんですけど、飛田給駅のちょうど南側に鹿島建設の技術研究所の敷地があるんですね。今回、主な計画がそこの敷地全体がかけられているということで、その結果、第二種住居地域から近隣商業地域に用途を変更し、容積率も二〇〇%から三〇〇%と、一〇〇%上乗せされる。
 あそこは今、見てきたときに、ちょうど研究所のところが取り壊されていて、後ろの方が工事中だったんですけれども、この敷地全体の利用計画というのは一体どういうものになるのかというのがよくわからなかったんですが、この利用計画の情報というのはあるんでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 駅南側の土地所有者は、既存の研究所を解体して駅前広場の整備に必要な用地を提供する予定でございます。現在、公共用地提供後の土地の南側に、お話がございましたように、研究機能を集約する建築工事を行ってございまして、一方、残地の北側については具体的な利用計画はいまだ決まってないと聞いてございます。
 飛田給駅周辺地区は、市の都市計画マスタープランに基づきまして、地区計画を定め、武蔵野の森への玄関口として、都市計画道路の整備と一体的に、駅周辺に魅力的な空間を形成することとしてございます。残地の北側部分につきましても、地区計画の目標に即して、駅前にふさわしい適切な土地利用を図れるものと考えます。
 なお、容積率、用途地域の変更についてのお言葉がございましたけれども、駅南口につきましては、都市計画道路の整備により、現在の狭隘な道路を拡幅して安全な歩行者空間を確保するとともに、駅前広場が整備されることによりまして、将来的には、コミュニティバスの駅南口への乗り入れが可能となり、地域交通の利便性が高まることになります。
 都は、こうした駅周辺のまちづくりの進捗にあわせまして、公表されてございます基準に基づきまして、公共施設の整備水準を踏まえ、用途、容積を適切に見直すものでございます。

○大島委員 味の素スタジアムの開場で劇的に何か乗降客がふえて、駅の南側には大規模な駅前開発を行うということも可能になったという、そういう用途変更だというように地元の方からお話も聞きました。しかもその大半が鹿島建設の敷地だということで、鹿島建設の大規模な敷地を有効活用するということで、容積率の緩和とか用途変更を行うものではないか、こういうことも考えられます。
 北側の商店街が寂れてしまったということも、調布の都市計画審議会の中で議論されたという話も聞いておりまして、こうした商店街を本当に守り立てていくという点では、南側の地元商店街を寂れさせてしまわないようにということで、ぜひ慎重な対応を求めていきたいというふうに思っております。
 次に、調布の都市計画の隣の駅の、西調布駅のところの開発についてお聞きしたいと思います。
 飛田給の隣の駅が西調布の駅で、私もそこでついでに見てきたんですけれども、平成二十四年完成予定で都市計画道路事業が進められています。ちょうど旧甲州街道というのと今の甲州街道の間のところは、もう既にかなり用地買収も進められていて、道路の拡幅の形が見えているような感じがしたんですけれども、その南側の方は本当に狭い一方通行の道路で、両側に商店が張りついているような、そういう道路で、余りにもその違いが大きかったものですから、この辺の進捗状況というのをぜひお聞きしたいなと思っておりますが、いかがでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 駅の北側の方は、お話がございますように、都施行で進めてございまして、かなり事業が進んでございますけれども、駅の南側の方は市施行でございまして、これから事業が進むものと聞いてございます。

○大島委員 南側の方のといっても、駅のところで踏切がありまして、踏切までの道路の今回の計画なんですよね。道路幅が非常に狭いんです。これからやるんだということなんですけど、商店もかなりあるんですけれど、今回のやはりこの道路計画で敷地がとられてというか、道路にかかってしまって、かなり少ない土地の中で建てかえて商店をやるということになると、生活再建が難しいのかなというふうにも思われるところもあったんですけれども、こうした影響を受ける戸数というのはどのくらいあるか把握しているのでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 敷地の数と筆数では別ですけれども、筆数で見ますと、十四筆でございます。

○大島委員 私、今ここを見てきて、ちょうどあそこは駅広もないので、駅前広場をつくるということや、それから交通安全の関係では、あそこがもう少し幅が広くなればいいのかなというふうに思うんですけど、踏切でちょうど遮断されていまして、北側から南の駅広に入っても、また出ていくしかないような、そんな感じがするんですね。踏切が閉まっていると通り抜けができない、だからそういう点ではなかなか大変な場所だなというふうに思いました。
 ここでも商店街が破壊されていくのではないか、それから都施行の部分の道路は用地買収などがかなり進んであるんですけれども、商店は余り見当たらなかったんですね。西調布駅から南側の道路計画もあるということですから、ぜひ地元の商店とか地元住民の意見を十分に聞く必要があるというふうに考えます。
 次に、六本木一丁目西地区内の開発、地区計画です。
 今回の地区計画の変更は、ちょうどあそこは森ビルがあるんですね。森ビルの建てかえのために行われるような地区計画の変更ではないかというふうに私は思いました。そのときに関してなんですけど、六本木一丁目西地区内の、この地区計画がかかっているんですけども、そこの住民の意見というのはどのように聞いたんでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 都は都市計画法に基づきまして、地区計画区域内の地権者及び周辺住民に対して、縦覧、意見書提出など、原案の作成の段階、案の作成の段階におきまして、それぞれ意見を求める機会を設けてございます。
 また、縦覧などのたびに、地元の港区とともに住民説明会を開催いたしまして、その際出された意見も十分に考慮して、手続を進めてきてまいっております。
 さらに、都市計画の原案や案に関する説明及び意見聴取に加えまして、都市計画の内容に即して、開発の事業化を予定している民間事業者も、地権者や周辺住民に対して具体的な開発計画についての説明を行ってございます。
 なお、今回の提案は平成六年に決定された六本木一丁目西地区地区計画に係る整備計画の変更でございまして、当然のことながら、当初の地区計画を定める際にも今回と同様に説明会を開催するなど、住民の意見聴取を行ってございます。

○大島委員 そういうふうに意見を聞いてつくり上げてきた地区計画なんですけれども、聞くところによりますと、この地区内のA-5地区というところで係争中の事件があるというふうに聞いたんですけど、この内容はどういったものなんでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 今回変更する地区計画の区域のうちに、ちょうど南東に位置しますA-6地区の一部の地権者が、隣接するA-5地区で事業が進んでおります市街地再開発事業につきまして、組合設立認可の取り消しを求めて訴訟を起こしてございます。
 原告側の主な主張でございますが、A-5地区で認められている容積率と原告が権利を持つA-6地区の容積率に差があることから、平等の原則に反するなどというものでございます。第一審、第二審とも原告側敗訴してございまして、現在、最高裁に上告受理の申し立てを行ってございます。

○大島委員 結局、今の問題になっているのは、裁判の結果がどうなるかというのは別なんですけれども、最初に決めた容積率をさらにアップするというところと、同じ地域の中でそうじゃないところが出てきたということが、この地域の住民の方たちの係争につながる、裁判につながった問題だというふうに思うんですね。
 そういうふうに見ますと、まずこの再開発促進地区における地区計画というのは、大体、一体的、総合的に計画されているものだというふうに聞いているんですけれども、今回のB-1地区は公開空地をふやすということで、容積率が七八〇%から八六〇%に引き上げられるということなんです。
 そうすると、先ほどのA-5地区と同じように、六本木一丁目西地区全体のバランスを崩すということになるのではないでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 平成六年に決定してございます地区計画では、地区全体の目標としまして、駅前プラザなどの公共的空間を整備するとともに、駅周辺部を結ぶ系統的な歩行者動線の整備を推進することなどとなってございます。
 また、公共施設等の整備の方針では、回遊性の高い歩行者空間を形成するため、歩道、公開空地、広場などを有機的に結びつける歩行者通路を確保することなどを定め、この方針に即して地区施設などを計画してございます。
 今回提案している変更でございますけれども、地区計画全体のただいま申し上げました目標や方針に基づきまして、かつ、当初の計画よりも約一千平方メートルほど大きい三千平方メートルを超えるオープンスペースを確保して、隣接する公園などと連続した緑豊かな空間を整備することとなってございます。
 また、当地区と赤坂、溜池方面などとの間において、安全で快適な歩行者ネットワークが形成されるよう、高低差のある計画地周辺の地形を十分考慮いたしまして、歩行者デッキを整備することとしてございます。
 このように、今回の提案では、当初の地区計画で定めた水準よりも高いレベルの公共貢献について、公開されている基準に基づき、適切に評価して、容積率を定めたものでございます。
 なお、計画地区外の取り組みでございますために、今回の容積評価の対象とはしてございませんけれども、開発に伴います歩行者デッキは、地区の西側に接する六本木通り及び放射一号線に係る既存の歩道橋と同レベルで接続されまして、また、歩道橋利用者のためのエレベーターを二カ所設置するなど、地区外を含めたバリアフリー化に大きく貢献するものでございます。

○大島委員 公開空地や回遊性、それから歩行者通路ということが今回のメーンの内容だという説明でした。私もあそこに行って見てきたんですけれども、泉ガーデンというのが隣にありまして、あそこが非常に公開空地というか、歩行者の回廊みたいになっていて、緑も非常にありますし、あそこ全体としては非常にまとまった、いいエリアになっているんじゃないかなというふうに思ったんですね。
 そこにまた新しく公開空地をつくるんだというようなことで、そしてしかも、森ビルが建てかえをすることに伴って行われるんだということで、実際にあの地域にいる地権者の方々、六本木一丁目西地区の地区計画に合意をした地権者の方々の信頼も損なうようになるのではないかということが心配されるのですが、その点についてはいかがでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 今回提案してございます再開発等促進区の制度でございますけれども、区域全体の基盤整備などの一体性を確保しながら、街区ごとに街区の特性や事業の熟度に応じた整備を段階的に進める地区計画でございます。これによりまして、良好な都市環境の整備などに配慮しながら、土地の高度利用と都市機能の質的な高度化を図ることを目的としてございます。
 この制度は、事業の熟度に応じて段階的に整備を行うことから、例えば今回ご提案しています変更のように、高齢化社会に対応した歩行者デッキの整備によるバリアフリーの推進、環境や緑を重視した公開空地の一層の拡大など、まちづくりを取り巻く多様な状況の変化にも対応することができるものと考えてございます。
 都は今後とも、当初決定しました都市計画の基本的な枠組みを踏まえながら、必要に応じまして、計画の変更にも柔軟に対応し、再開発等促進区の制度の特徴を生かした、時代の要請にもこたえることができる都市づくりを進めていく考えでございます。

○大島委員 やはりあそこで開発をするということになれば、そこにいる地権者の方々の合意というのがやっぱり大事だというふうに思うんですね。それを変えてしまうということで、先ほどの裁判ざたになるというようなことが起きてくると、実際にそこで協力をしていこうという人たちの気持ちがやっぱり損なわれていくというのが、非常に大変なことになるんじゃないかなというふうに思います。
 今回の地区計画の変更というのは、そういう意味では住民合意がないままに、森ビルの建てかえのために容積率の緩和を行うというもので、到底認められない内容だと思います。今回の都市計画変更というのは出す必要はないというふうに思っております。
 次に、東品川地域の地区計画の変更の件で質問をいたします。
 今回の地区計画の変更は、わずか〇・一ヘクタールという大変狭い敷地面積で変更が行われます。これで地区計画といえるのかと、こういうふうに思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 東品川四丁目地区の地区計画でございますけれども、大規模な工場などの跡地と、その周辺の地元地権者が操業していました倉庫や工場の跡地を含むエリアを対象としておりまして、その区域面積は約十三・九ヘクタールでございます。変更分が〇・一ヘクタールでございます。
 先ほどもご説明しましたが、再開発等促進区という制度は、街区の特性や事業の熟度に応じて、土地利用転換を計画的、段階的に進める制度でございます。既にこの地区の区域全体としては、計画に沿って段階的に土地利用転換が進みまして、駅の周辺にふさわしい市街地がおおむね形成されてございます。
 今回は、土地利用転換がいまだ行われていない一部の区画につきまして、開発計画が具体化したことから、地区全体の整備状況と整合性を図りながら、より詳細な地区整備計画を定めるものでございます。

○大島委員 この場所は京浜運河があって、そこに工場のようなところがずっと建ち並んでいるというところが開発されているわけなんですけども、今回この地区計画で容積率の緩和が行われるんですね。これによってD3街区、ここの容積率は五九〇%というように変わるんです。そうすると、ここに高層ビルが林立するようになっていくというふうに思います。
 これでは、まさに計画的なまちづくりというよりも、容積率緩和の条件のみを与える計画になっているのではないかなと、こういうふうに思います。ここは運河沿いにある場所なので、こうした高層ビルが林立することによって、夏の海風を遮るというようなことにもつながりかねない、今、ヒートアイランド現象というのが非常に問題になっておりますが、こういうことを促進するということになるのではないかと思いますけど、いかがでしょうか。

○安井都市づくり政策部長 まず、容積率の緩和の方からお答えしますけれども、今回変更しますD3を含むD街区全体は、東側において京浜運河に接していることから、運河の管理用通路と一体となるように緑道を計画しまして、歩行者プロムナードとして整備し、水辺に沿った快適なまち並みの形成を図ることとしてございます。
 また、D街区の西側では、補助一六五号線の歩道に沿いまして、街区全体にわたって歩行者専用道路と壁面線を計画しまして、幅員約八・五メートルのゆとりある歩行者空間を確保するなど、地区施設や有効空地が連続的、効果的に整備されることとなります。
 さらに、今回の地区整備計画によりまして、駅に近く利便性の高い宿泊機能が導入され、地区全体としても既に立地しております商業・業務、居住機能とともに、地区計画が目指す良好な市街地が形成されることから、公開されています基準に基づきまして、計画の公共性を適切に評価し、容積率を設定したものでございます。
 また、ヒートアイランド現象のご質問がございましたが、今お答えしましたとおり、D街区全体を通じまして、運河の管理用通路と一体的に緑道が確保されることになりますので、京浜運河に沿って流れる風も感じることのできる快適な歩行者プロムナードが整備されます。
 また、水辺空間の整備とともに、運河沿いのD街区では、各敷地間の隣棟間隔を確保する壁面の位置の制限を定め、また街区を東西に結ぶ緑道を適切に配置してございます。
 これによりまして、商業・業務施設等が立地している内陸側のエリアと運河間のアクセスや視界を確保するとともに、風の通り抜けが妨げられないような施設配置の計画となってございます。
 なお、既に事業化されている大規模な工場跡地のエリアでは、商業・業務施設や、りんかい線品川シーサイド駅に対しまして、地域冷暖房による熱供給が行われてございます。ヒートアイランド対策としても有効なエネルギーの効率的な利用が実施されているものと考えてございます。

○大島委員 地区計画というのは一定のまとまりを持った地区において、地区の施設とか、建築物の整備とか、土地利用計画とか、こういったものを一体的、総合的に計画するものだというように聞いておりますが、今回の地区計画の変更は容積率などの緩和を行うためだけの変更ではないか、都市計画、地区計画といえるものではないんじゃないか、こういうふうに考えます。ですから、こうした計画の変更には私たちは反対です。
 最後に、私も地元なものですから、足立区の東武伊勢崎線竹ノ塚駅付近の連続立体交差計画について……(「地元も反対かもしれない」と呼ぶ者あり)いえ、反対じゃないです。これは大いに早くやってもらいたいということで。
 ほかの委員さんもやっておりますので、私は意見をいうだけにします。
 それで、ここは、先ほどもありましたように、踏切における死亡事故という痛ましい事故の教訓の上に立って、私も区議会で、ちょうどこのとき区議会議員をしていましたので、超党派で進めてきたものです。超党派だけでなくて、あそこは地元の自治会や町会の方々も本当に熱心に、一日も早く踏切の改善をということで運動を進められてきました。そういう意味では、足立区民にとって悲願の事業だといえます。
 今回、この環境影響評価については、振動、騒音とか日照等、地域住民の影響を極力避ける方法も視野に入れてぜひ検討していただきたいということと、補助街路の二六一号線、これにあわせて、まちづくりの一環として区が決定する竹ノ塚駅東口の駅前広場の拡幅ということで、先ほどもありましたけれども、URの店舗つき住宅があるんですね。ここも対象に入っているんですが、そこのお店の方に聞いてきたんですけれども、URからはこの計画は何も聞いてないというんですね、URからは。それで、取り壊しになるとかなんとかということについても一切聞いてないということで、本当にそんなことになったら大変だという話もあったんです。
 住民の中にも、そういったところでの反対の声もありますので、ぜひ住民の皆さんの声を十分に聞いて、住民合意のもとで進めていっていただきたいということを強く要望しておきます。
 以上です。

○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○尾崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十六分散会

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