委員長 | 尾崎 大介君 |
副委員長 | きたしろ勝彦君 |
副委員長 | 今村 るか君 |
理事 | 宇田川聡史君 |
理事 | 長橋 桂一君 |
理事 | 大塚たかあき君 |
加藤 雅之君 | |
吉住 健一君 | |
くりした善行君 | |
しのづか元君 | |
大島よしえ君 | |
興津 秀憲君 | |
中山 信行君 | |
山田 忠昭君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長理事兼務 | 河島 均君 |
次長 | 岳野 尚代君 | |
技監 | 福島 七郎君 | |
技監 | 升 貴三男君 | |
理事 | 加藤 英夫君 | |
総務部長 | 石野 利幸君 | |
都市づくり政策部長 | 安井 順一君 | |
住宅政策推進部長 | 紺野 秀之君 | |
都市基盤部長 | 座間 充君 | |
市街地整備部長 | 遠藤 正宏君 | |
市街地建築部長 | 滝本 裕之君 | |
都営住宅経営部長 | 清水 文夫君 | |
企画担当部長 | 横溝 良一君 | |
住宅政策担当部長 | 瀬良 智機君 | |
民間住宅施策推進担当部長 | 宇多田裕久君 | |
航空政策担当部長 | 邊見 隆士君 | |
外かく環状道路担当部長 | 野崎 誠貴君 | |
民間開発担当部長 | 石川 進君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 小澤 弘君 | |
耐震化推進担当部長 | 町田 修二君 | |
経営改革担当部長 | 岡沢 裕君 | |
再編利活用推進担当部長 | 中島 俊明君 | |
建設推進担当部長 | 山口 幹幸君 | |
営繕担当部長 | 荒川 達夫君 | |
参事 | 田崎 輝夫君 | |
参事 | 大塚 高雄君 |
本日の会議に付した事件
都市整備局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 都市整備局所管分
請願陳情の審査
(1)二一第一六号 (仮称)中野三丁目計画内容変更に関する請願
(2)二一第二八号 稲城・南山「縄文・古代・オオタカの森、ありがた山緑地」を実現することに関する陳情
(3)二一第三一号 「羽田航空宇宙科学館(仮称)」の設立に関する陳情
(4)二一第三六号 あきる野複合施設新築計画(温泉施設)の建設・運営に関する陳情
(5)二一第五六号 建て替え後も向原住宅に住み続けるための改善に関する陳情
(6)二一第六一号 「一八第九三号八ッ場ダムに関する陳情」を再び審議すること等に関する陳情
(7)二一第六二号 首都高速道路晴海線(豊洲・晴海間)の建設凍結に関する陳情
報告事項
・防災都市づくり推進計画の改定について(説明)
・第百八十八回東京都都市計画審議会付議予定案件について(説明・質疑)
○尾崎委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせをしましたので、ご了承を願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、請願陳情の審査並びに報告事項の聴取を行います。
なお、本日は、提出予定案件及び報告事項、防災都市づくり推進計画の改定についてにつきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。また、報告事項、第百八十八回東京都都市計画審議会付議予定案件についてにつきましては、説明を聴取した後、質疑終了まで行いたいと思いますので、ご了承を願います。
初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員の交代がありましたので、河島局長より紹介があります。
○河島都市整備局長 去る十一月一日付で異動のございました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
技監の福島七郎でございます。外かく環状道路担当部長の野崎誠貴でございます。
以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕
○尾崎委員長 紹介は終わりました。
○尾崎委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○河島都市整備局長 本日は、平成二十一年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
提出予定案件は、予算案が一件でございまして、お手元の資料1、平成二十一年度補正予算説明書に基づいてご説明申し上げます。
一ページをお開き願います。平成二十一年度都市整備局補正予算総括表でございます。
今回の東京都の補正予算案は、国の補正予算に基づき、拡充、創設される基金の積み立てを行い、あわせてこの基金を活用し、平成二十一年度に実施可能な事業について、所要額を計上するものでございます。
当局におきましては、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用して実施する事業につきまして、一般会計で三千四百五十万三千円を計上してございます。
引き続き、事業の内容につきまして総務部長よりご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○石野総務部長 平成二十一年度補正予算案についてご説明申し上げます。
ただいま局長から総括的なご説明をいたしましたので、私からは事業の概要についてご説明申し上げます。
お手元の資料1、平成二十一年度補正予算説明書の三ページをお開き願いたいと思います。一般会計の平成二十一年度都市整備局補正予算総括表でございます。
今回の補正予算額についての歳入予算及び歳出予算の科目別内訳並びに歳出から歳入を差し引いた一般財源充当額を記載してございます。
続いて、四ページをお開き願いたいと思います。歳出予算補正概要でございます。
一般会計、第五項、住宅費、第三目、地域住宅対策費でございます。補正予算額は三千四百五十万三千円でございます。
対象事業は、右側、概要欄に記載のとおり、マンションの耐震改修促進等に関する基礎調査でございます。これは、マンションの耐震改修などを促進するための基礎調査として、マンションの建物登記調査や管理組合へのアンケート調査を実施する事業でございます。本調査は緊急雇用創出事業として実施することから、調査会社に対し、失業者を一定割合以上新規雇用することなどの要件を定めて委託するものでございます。
甚だ簡単ではございますが、以上で、今定例会に提出を予定しております予算案の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○尾崎委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 なければ、資料要求はなしと確認をさせていただきます。
○尾崎委員長 次に、請願陳情の審査を行います。
初めに、二一第一六号、(仮称)中野三丁目計画内容変更に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○滝本市街地建築部長 資料2、請願・陳情審査説明表の一ページをお開きいただきたいと存じます。
整理番号1、請願二一第一六号、(仮称)中野三丁目計画内容変更に関する請願についてご説明申し上げます。
本請願は、中野区の地縁法人桃園町会会長、黒田義一さん外千七十一人から提出されたものでございます。
請願の要旨でございますが、都において次のことについて、野村不動産株式会社及び三井不動産レジデンシャル株式会社が計画している仮称中野三丁目計画を安全・安心な内容に修正、変更するように指導していただきたい。一、周辺地域と調和したまちづくりのため、建物高さの大幅な縮減を図ること。二、地域の安全・安心を確保するため、駐車場出入り口を桃園通り側に設置しないこと。三、桃園通り側に計画している駐車場を地下に建設し、建物周辺の緑化を図ることというものでございます。
計画地でございますが、三ページをごらんください。本件建築物の計画地は中野区中野三丁目百十一番四で、JR中野駅から二百メートルほど南に位置してございます。
一ページにお戻りいただきたいと存じます。これまでの経緯及び現在の状況でございますが、平成二十一年四月三日、建築主の野村不動産株式会社及び三井不動産レジデンシャル株式会社は、紛争予防条例に基づき、建築計画のお知らせ標識を設置するとともに、四月六日と二十五日に住民説明会を行いました。その後、八月四日に建築主は計画の変更案を住民に提示し、八月十日、中野区に擁壁設置に伴う開発許可を申請しました。八月三十一日、請願者は都議会に本請願を提出しました。九月一日、中野区は建築主に開発許可を行いました。
都は、請願者に対して相談に応じる中で、条例に基づき紛争を解決するためのあっせんの制度があることを説明してまいりました。また、建築主に対しては、請願者と誠意を持って話し合うよう指導するとともに、あっせんの申し出があった場合には速やかに応じるよう指導して、建築主から、あっせんの申し出があった場合に応じる旨の回答を得ました。現在、建築主からは、建築計画についてさらなる見直しの検討を行っていると聞いております。
なお、現時点であっせんの申し出はございませんが、請願者と建築主との間で適宜話し合いが行われております。また、都に対して景観法に基づく届け出が必要でございますが、この届け出は出されておりません。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○尾崎委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○吉住委員 都議会自民党の吉住です。私からは、本請願につきまして、既に地域に関係する議員の方々が紹介者になっておりますし、我が会派の川井しげお議員も、地元の住民の方のご意見を伺い、都に協力を要請しているところでございますので、この場では意見だけを述べさせていただきます。
資料にもございますし、今ご説明もいただきました。また、インターネットや現地の方もちょっと通って見てみましたが、町会の方々も書かれていますが、住宅地と商業地が入り組んだ土地でございますので、近隣の方々が不安を持つのは当然の話であります。
現在、事業者側も地域の意見を受けて計画の変更案を検討中とのことでございますので、内容については推移を見守りたいと思います。
建築基準法上、瑕疵がなければ建築確認はおりますし、建てることは可能ですが、建築後はそこに住む人々も住民になるのだということも認識しながら、まちとの共存をいかにして行っていくかということが大切だと考えます。
土地の持つポテンシャルを生かしつつも、生活をしている人々やまち並みとの共存、調和をしていけるよう、今後も事業者と住民の皆さんの話し合いが円滑に行われますよう、都も必要な協力は続けていくよう要望し、発言を終わります。
○長橋委員 私の方からは、本請願につきまして若干質疑をさせていただきたいと思います。
本請願、今お話がありましたとおり、我が党の高倉議員も紹介議員としておりますし、地域の声、地元の皆様の声を聞いて、この請願が出たんだろうと思います。
この地域は中野駅から至近の距離にありまして、お伺いをしますと、地域のまちづくりプロジェクト、こうした方々も住みやすく安全なまちづくりに取り組んでいると聞いておりますし、本請願は桃園町会の会長さん以下の請願でございます。新たに建設を予定されておりますマンションの建設に決して反対ではないと、このように聞いております。マンション建設に当たって、この請願におきますと、高さの問題であるとか、また駐車場の出入り口、これについての要望でございます。きょうは駐車場の出入り口について若干質疑をさせていただきます。
まず、この現在の状況にありますとおり、四月から住民説明会を実施したというところでございます。既に十一月になっているわけでありますけども、四月以降、地元の住民の皆様方と建築主とが、説明会または付随して打ち合わせ等をたびたび開いていると聞いております。建築主の方も、住民の要望を受けて若干変更もしているやに聞いておりますけれども、どのような状況できょうまで推移してきたのか、まずお伺いしたいと思います。
○滝本市街地建築部長 本件の建築主でございますが、平成二十一年の四月、本年の四月から現在まで、近隣住民に対するいわゆる住民説明会を四回、それから桃園町会との協議会を四回開催しております。
最近は、十一月十九日に町会との協議会を開催いたしまして、八月の見直し案について、さらに見直しを行った案を提示して説明したというふうに聞いております。この見直し案では、桃園通り側の機械式駐車場のうち、北側の部分を地下駐車場に変更し、その上部を公開空地とすることとしております。また、桃園通りから中野通り及び現在工事中の丸井中野店に貫通通路を設置するとともに、敷地内の緑化を充実することとしております。
このように住民と建築主との間で話し合いが続けられているというところでございます。
○長橋委員 本請願の中に、地域の安全・安心を確保するために駐車場出入り口を桃園通りに設置しないでもらいたい、こういう要望であります。ここの地域は幅員二十メーターある中野通りがありますが、中野通りからの駐車場の出入り口ではなくて、これは幅員六メーターに満たない西側の桃園通りに設置するということでございます。
これについて住民の方々は、学校の通学路でもありますし、道路交通法では時間規制もかかっている、または、かつてはこの跡地は、大型店舗の駐車場があり、そのときには中野通り付近に出入り口があって、なおかつその大型店舗とは、桃園通りには駐車場出入り口を設置しないというような覚書もあったやに聞いております。
こうした住民の声は、あくまで幅員六メーターのところに七十数台の車両の出入り口があると、マンションに住まわれる車だけではなくて郵便等の集配車も出入りをすると、非常に危険になるのではないかと、こういう危惧であろうかと思います。
そこで、なぜ中野通りに駐車場出入り口ができないで桃園通りに駐車場出入り口をつくるのか、まずそこら辺についてお伺いします。
○滝本市街地建築部長 本件計画における駐車場の出入り口の設置についてのお尋ねでございますけれども、東京都の建築安全条例におきましては、道路の交差点もしくは横断歩道から五メートル以内の道路に面して駐車場の出入り口を設けてはならないというふうにしてございます。建築主は、このことも踏まえまして交通管理者にも相談いたしまして、検討を実施したということでございまして、この検討の結果、本計画では中野通り側に駐車場の出入り口を設置することは困難であり、人や車の通行量、道路の見通し等の点から、中野通りよりも桃園通りの方がよいとして、桃園通り側に設置することとしたものでございます。
○長橋委員 そこで、住民の方々は、桃園通りに出入り口ができるということで、建築安全条例をもとに、幅員六メーター以下のところでは七十八台もの駐車場を設けるのはできないのではないか、こういうことでございます。ところが、同じ駐車場でありながら、機械式の駐車場であると建築安全条例の適用外になると、こういうことでありまして、それで桃園通りに設置するというようなことの説明を聞いているわけであります。
ところが、その桃園通りはかなり狭いところでありますし、地元の方は危険という問題とあわせて、安全・安心の問題とあわせて、機械式の駐車場がそういったところにできることに対してもいかがなものかというような声もありまして、その要望を受け入れて、今度は機械式の駐車場を地下化するということであります。地下化することによって地域の方々にも使える公開空地にする、また、中野通りに抜ける道にも供用するということで、一歩前進したのではないかと思うわけでありますけれども、機械式駐車場だと建築安全条例の対象になっていない、そこら辺がよくわからないんです。同じ駐車場でありながら機械式駐車場はこの対象にならないというのはなぜなのか、まずそこら辺、ご説明をいただきたいと思います。
○滝本市街地建築部長 東京都建築安全条例でございますが、この条例は、建築基準法第四十条及び第四十三条第二項等を根拠として制定したものでございまして、建築物の構造、設備、敷地または建築物と道路との関係等について、必要な制限の付加を定めたものでございます。
この条例で規制できる対象につきましては建築基準法で定められておりまして、屋外に設置される機械式駐車場は対象となっておりません。建築安全条例第十条の二におきましては、通行の安全確保の観点から、自動車の出入り口を幅員六メートル未満の道路に設ける場合、建築物としての駐車場の面積を制限しておりますが、建築物の周囲の空地の状況等により、安全上支障がないと知事が認める場合は建設することが可能というふうにしております。
屋外の機械式駐車場については、この条例の規制対象にはなっておりませんけれども、こうした認定の仕組みというものも活用いたしまして、周囲と調和した計画に誘導していくといったようなことが考えられます。
○長橋委員 機械式駐車場については、建築基準法のもとにある建築安全条例の対象外であると、こういうことでありますし、そうした仕組みを活用してまずは提案をしたということであります。一問目で、七十八台の附置義務があると聞いておりますけれども、全部じゃありませんけれども、桃園通り側の機械式駐車場については地下化をする、こういうふうに変更の説明をしたということであります。
そうしますと、今度は、同じく建築安全条例の、今答弁にもありました十条の二では、幅員六メートルに満たない部分を有する場合には、駐車場の床面積を四百平方メートル以上は設けることができない、こういうふうになるわけであります。機械式駐車場ならば対象外であると。地下化をすると、今度は逆に建築安全条例の対象になるのではなかろうかと思います。
当然、七十八台全部であれば四百平米を超えるわけでありますけども、恐らくその一部を地下化したとしても、この建築安全条例に引っかかるのではなかろうかと思いますけれども、これが、機械式は対象外、今度は条例には反してしまうと、こういうふうになってしまうのではないですか。これはいかがでしょうか。
○滝本市街地建築部長 本件の計画につきましては、理事ご指摘ございましたけども、当初、機械式駐車場を敷地内に設置することとして計画の説明が行われたところでございますが、先ほどご説明したように、その後の見直しによりまして、現在は機械式駐車場の一部の地下化の検討が進められているというところでございます。
理事ご指摘いただきましたけれども、今後、地下化によって建築物としての駐車場が一定の面積、これが今回のケースでは四百平方メートルということになりますけれども、これを超えてその出入り口が桃園通り側に設けられる計画となる場合には、建築安全条例第十条の二の規定の対象となりまして、計画を進めていくためには知事の認定が必要となります。
これについて、都としましては、今後の本件の計画の内容を見た上で、建築物の周囲の空地の状況その他土地及び周囲の状況により、安全上支障がないというふうに判断される場合には、認定をするということになると考えております。
○長橋委員 今ご答弁のあったとおりであろうかと思いますけども、建築安全条例に反するといいますか、入らない場合には、今度はさまざまな検討の上、知事の認定が必要となる、こういうことであります。
住民の皆様は、桃園通り、幅員六メーター、ましてや学校の通学路である、それが機械式であろうがこういう形に地下式になろうが七十八台の車が出入りする、これに対して非常に心配をしているわけであります。
そうしたことを、もちろん桃園通りの、もし実際に七十八台の出入り口になった場合にはどれだけ交通量がふえるのかとか、現状はどうなのか、こういったこともきちっと調査をすることが必要であろうかと思うわけであります。
住民の皆様方はマンション自体に反対しているわけではありませんので、地域と融和した、また安全・安心のことをぜひ都としても指導していただきたいと思うわけであります。
あわせて、建築確認はこれからであります。その前に、きょうの説明資料にも、あっせんの申し出も建築主としては用意があるということでありますし、また、景観法に基づく届け出が必要である、こういうふうにあります。景観法の届け出についても、当然、まち並みの景観と調和したことであろうかと思いますけれども、具体的に景観法に基づく届け出、どのような協議を行うのか、教えていただきたいと思います。
○大塚参事 本件につきましては、今お話にありましたように、景観法に基づく届け出手続の対象でございまして、建築確認に先立ち景観の協議を行うものでございます。現在は事業者からの事前相談に応じている状況にございます。
景観法に基づく東京都の景観計画では、届け出などの景観に関する協議の基準といたしまして景観形成基準を定めてございます。景観形成基準は、建築物の配置や高さ、規模などさまざまな項目から構成されておりまして、協議に当たりましては、本件が立地する地区の将来像等を勘案しながら、道路など公共空間と連続したオープンスペースの確保や、周辺の建築物群との調和の観点から、良好な景観形成を図っていくこととなります。
○長橋委員 事前の相談をしながら、地元の景観と調和したものについて調整をしていくということであります。
本請願には、建物の高さについても言及しておりますし、駐車場の出入り口、また建物周辺の緑化、こういうことがありますけども、お伺いをしますと、地元のまちづくりプロジェクトでは、もちろん百メーターを超えるマンションでありますから、日照の問題、風害の問題も、これは大きな課題になっているわけであります。
こうした課題について、東京都のマンションはどんどんと高層化をしているわけでありまして、建築主はきちっと住民の方々に説明し、また、住民の方々の理解を得られるよう努力すべきであります。
また、もう一度駐車場の話に戻りますけども、七十八台という附置義務、駐車場条例で決められているわけでありますけども、この十八条では、前面道路の交通規制または前面道路の交通上、駐車場を設けることが好ましくない場合には、附置駐車場を敷地外に設けることも認めている、こういうことも私は知ったわけであります。そうしたことも住民はよく知っているわけでございますので、ぜひ今後、建築主は住民の方々にきちっと説明していくに当たって、もちろん営業的な部分もあるでありましょうし、東京都としてはそうした住民の声を踏まえて、建築主にしっかりと指導していただきたいと思いますけども、最後にお伺いをしたいと思います。
○滝本市街地建築部長 本件につきましては、これまでも地元で話し合いや調整が進められてきておりまして、十一月には建築主から見直し案が示されております。これでは貫通通路の設置や公開空地の充実等が図られているところでございます。
今後とも建築主に対しては、よりよい計画を目指して取り組みを進めるとともに、住民に十分説明を行い、良好な地域社会の形成が図られるよう、都として指導に努めてまいります。
○長橋委員 今ご答弁いただきました。ぜひ東京都として建築主に対して、まちづくりというのは人づくりだ、このようにもいわれているわけでありまして、こうした課題について東京都も積極的に指導して、住民の皆様の理解が得られるように努力していただきたいと思いますし、ましてや安全・安心のまちづくり、これも都市整備局の所管の一つであろうかと思います。ぜひ引き続きご努力をお願いして、質問を終わりたいと思います。
○大島委員 本請願は、自民、民主、公明、ネットの各会派の皆さんが紹介議員となって提出されているということで、当然、採択されるのではないかというふうに思っておりまして、意見の表明だけさせていただきたいと思います。
この件について、我が党は紹介議員になっておりませんけれども、中野区では、植木前都議会議員も桃園町会の方々とご一緒にこの超高層マンションの問題に取り組んできたということを聞いております。
そして、この請願者の皆さん方から、桃園町会の方々からなんですが、さまざまな資料をお送りいただきました。それを読ませていただきまして、まちづくりに関して、まちづくりプロジェクトというものも立ち上げており、住民本位のまちづくりに積極的に取り組んでいるということもよくわかりました。そして、この中では、安全で安心して住み続けられる地域のために守り育ててきた生活環境を悪化させることがないように、さらに、地域に愛され歓迎される建物の建設を望んでいると、こう書かれておりまして、請願者と建築主との間での話し合いも行われているということですが、住民の要望は妥当なものであり、この請願については採択すべきだと意見を表明させていただきます。
○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 異議なしと認めます。よって、請願二一第一六号は継続審査といたします。
○尾崎委員長 次に、二一第二八号、稲城・南山「縄文・古代・オオタカの森、ありがた山緑地」を実現することに関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○石川民間開発担当部長 整理番号2、陳情二一第二八号、稲城・南山「縄文・古代・オオタカの森、ありがた山緑地」を実現することに関する陳情についてご説明申し上げます。
お手元の説明表の五ページをごらんください。本件は、稲城の里山と史蹟を守る会の代表者である市村護郎氏外三百五人から提出されたものです。
陳情の趣旨は、緑地、希少動物、貴重な史跡を保全し、効率的公費の使い方を可能にし、地権者、組合にとっても、むだな経費を節減し負担を大幅に軽減するため、また、このことをきっかけに、私ども市民と事業者との協議、相互の信頼回復、皆が望むまちづくりを進めるため、南山東部区画整理事業計画について第三工区を中心に見直し、縄文・古代・オオタカの森、ありがた山緑地を実現していただきたいというものでございます。
次に、現在の状況でございます。
まず、六ページの位置図をごらんください。本件、南山東部土地区画整理事業地区でございますが、京王相模原線の稲城駅と京王よみうりランド駅の中間に位置し、地区の北側は京王相模原線に隣接しております。施行面積約八十七ヘクタールで、組合施行の土地区画整理事業でございます。
なお、陳情者が第三工区と称している箇所は、六ページの配置図の第三期工事区域と思われます。
この事業は、稲城市都市計画マスタープランにおいて、都市防災上危険ながけ地をなくすとともに、低層住宅地を基本に既存樹林地や寺社林を生かしたまちづくりを目指すと位置づけられております。組合は、平成二十一年一月に全区域で仮換地指定を行い、五月から第一期工事を進めております。
組合は、事業化に向けて、平成十三年から十四年にかけて、都条例に基づく環境影響評価の手続として説明会を実施いたしました。その後も、地元環境団体と協議を行う場を設けまして、緑の確保や希少種の保護などの要望に対応してきているところでございます。
具体的には、公園緑地で施行面積の約二割、道路の植栽や民有地の緑化で施行面積の約三割、緑を合計五割以上確保することとしております。また、希少種であるオオタカやトウキョウサンショウウオなどについて、モニタリング調査等を行っております。
加えて、組合は、文化財保護法に基づく所要の埋蔵文化財調査を実施し、その記録を保存しております。また、ありがた山の保全について、関係権利者と誠意を持って協議を行っております。
なお、地元稲城市では、市民団体が提出した事業の全面的見直しの要望に対し、平成二十年九月に、その考えがないことを市長名で回答しております。また、事業計画の見直しや市補助金の一部凍結に関する請願に対し、稲城市議会は、平成二十一年六月に不採択としております。
以上で説明を終わります。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。
○尾崎委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○大島委員 まず最初に、ここは組合施行で南山東部土地区画整理事業というのが行われている地域なんですけど、そこからの陳情です。
ことしの一月には全区域で仮換地指定を行って、一期工事が始まっているということです。区画整理事業の中とはいえ、住民にとって、緑に包まれた貴重な丘陵地の開発ということになるわけで、この自然環境を守りたいと思うのは当然のことだと思います。そもそも、この区画整理事業は権利者の方々の同意を得ながら進めるもので、仮換地指定が行われても、それですべてが終わったというものではありません。その点を踏まえて事業は進められるべきだと思います。
そこで、南山東部土地区画整理事業の権利者数と、現在までに同意を得ている数はどのくらいあるのか、お示しいただきたいと思います。
○石川民間開発担当部長 南山東部土地区画整理事業の権利者数でございますが、二百六十五人でございます。そのうち現在まで同意を得ている人数は二百五十一人と組合から聞いております。
○大島委員 通常、こういうものは全員が同意しないとなかなか事業が進められないというものなんですけれども、今のお話でもまだ全員が同意しているということではありません。また、組合施行の区画整理事業だといっても、この南山の景観などは市民にとって大切な場所であるということに何ら変わりはありません。
稲城南山には、ここにもありますように、希少種のオオタカとかトウキョウサンショウウオ、こういうものが生息する生態系豊かな里山と谷戸の自然が残っている場所なんですが、そのモニタリング調査を行っているというふうに書かれてあります。希少種がすみ続けるためには、その生態系を維持できるそういう環境が保存されなければならない、それが大切だといわれていますし、もしそういう希少種をこの場所から強制的に移動させた場合などでは、生息ができなくなるということもいわれています。
また、緑の確保という点では、緑を約五割確保したいということですけれども、この開発を施行する前の緑というのはどの程度残るのでしょうか。
○石川民間開発担当部長 緑の確保についてでございますが、本地区は、昭和三十年代に山砂を採取したときにできた高さ約六十メーターのがけ地が現在まで約五十年近く放置され、たびたびがけ崩れを発生しているほか、過去に子どもの死亡事故が起こるなど危険な状況にあり、この解決が稲城市の長年の課題となっていました。
そこで、この地区では、地権者の大多数の合意を得て、区画整理事業により、みずからの力で安全で緑豊かなまちづくりを進めているものでございます。
事業に当たり、組合は、この危険ながけ地の解消と既存樹林地や寺社林を生かしたまちづくりを両立させ、可能な限り現状の緑を保全することを目指しております。その結果、現状のまま改変しないで残る樹林地や寺社林等の緑地は、地区南側の奥畑谷戸公園、妙法寺など約十・七ヘクタールでございます。このほかにも、新たに公園や緑地の整備、道路の植栽のほか、民有地の緑化で、施行面積約八十七ヘクタールの五割以上の緑を確保することとしております。
○大島委員 このがけ地の問題などについては、区画整理の手法でなくてもがけ地を改善することは十分できると、この南山の自然を守る立場で考えている方たちはいろんな提案もしているということを聞いています。また、子どもの死亡事故も、このがけ地そのもので起きた事故ではないという話も聞いておりまして、実際に全体として安全という点では一致するところはあると思いますが、その提案が、緑そのものを確保するということとはまた違う立場で考えていっていただきたいなというふうに思っています。
そういう点で、今、従前の残る緑の確保という点では、八十七ヘクタールのうち十・七ヘクタール程度、八分の一程度しか残らないということで、全体として緑を確保したい、五割は確保したいとはいっておりますが、新たな緑をつくるという点では、もともとあるものをなくしていくということを考えますと、やっぱり大変大きな問題だというふうに思っています。
東京では、緑の東京十年プロジェクトというものをつくっております。これは不十分なものではありますけれども、既存の緑の保全など質の高い緑づくりの中に、里山や森林など貴重な緑の保全と再生ということが書かれています。また、「十年後の東京」の目標の中にも、針葉樹と広葉樹が調和した美しい森林を復活させ、その機能を再生するとか、多摩の自然を保全していくため多角的な取り組みを進めるというようなことが書かれてあります。緑の保全のために取り組む、このことを具体化するということを考えたら、この緑地を保存してほしいという要望は十分に理解できるものです。
また、組合は、南山の遺跡調査を実施し、発見された貴重な遺跡について記録を保存しているというふうにいっておりますが、ここから出土したものについては現在どのようになっているのでしょうか。
○石川民間開発担当部長 埋蔵文化財調査により出土した主なものは、縄文時代の土器、石器や古墳時代の土師器、須恵器などでございます。
組合は、これらの出土品を記録保存し、現在、調査を実施した機関が管理、保管しております。発掘された出土品の処置については、稲城市教育委員会が法令の定めるところにより保存等の処置を講ずるものとなっており、今後、組合は教育委員会に出土品を引き継ぐこととしております。
○大島委員 ここの陳情者の方々の理由の中にも、稲城市内ではこれまでたくさんの貴重な遺跡が発掘されたが、現地復元、保存は一カ所もされていない、恐らくこの南山が最後の場所であろうと書かれています。教育委員会に引き継がれる予定というお話ですので、ぜひこういうものの保存については、積極的に考えていただきたいというふうに思っています。
緑の問題は、特に地球温暖化対策ということと密接に関係があります。地球温暖化対策の基本というのは、まず環境に多大な負荷を与える大規模開発を抑制すること、そしてCO2を吸収する緑を保全、拡大するというところにあります。国も、二〇二〇年までに一九九〇年比で二五%のCO2の削減を打ち出しています。南山は緑の宝庫として残すべきだと思います。
ありがた山の保全についても、関係権利者との協議が行われているようですが、陳情の趣旨は、この事業計画については、まだ工事着手されていない第三工区を中心に見直すことを求めているものです。
この陳情は、こうした願意にかなうものであると考えますので、ぜひ採択していただきたく意見を述べて、質問を終わります。
○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
○尾崎委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第二八号は不採択と決定いたしました。
○尾崎委員長 次に、二一第三一号、「羽田航空宇宙科学館(仮称)」の設立に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○邊見航空政策担当部長 それでは、お手元の説明表の次のページ、七ページをごらんください。
整理番号3、陳情二一第三一号、「羽田航空宇宙科学館(仮称)」の設立に関する陳情についてご説明を申し上げます。
本陳情は、府中市の羽田航空宇宙科学館推進会議会長、幸尾治朗さんから提出されたものでございます。
陳情の要旨は二点ございまして、一点目は、検討中の羽田空港跡地まちづくり推進計画(仮称)の一環として、航空宇宙科学館設立構想を組み入れることに基本的に賛同すること。二点目は、羽田航空宇宙科学館の設立に向けて、本構想の具体的な推進に一層の支援と協力をすることでございます。
現在の状況でございますが、東京都のほかに国及び地元区、この地元区は大田区と品川区ですけれども、これらから成る羽田空港移転問題協議会、これをいわゆる三者協と呼んでおりますけれども、この三者協におきまして、羽田空港の沖合展開事業及び再拡張事業の実施に伴い発生する跡地の利用について検討を進めまして、平成十九年三月、跡地の範囲及び面積並びに跡地の利用の検討に当たっての基本的な視点を合意いたしました。
これによりまして、国、都及び大田区は、羽田空港跡地利用基本計画に関する有識者委員会を設置して、跡地利用についての専門的かつ幅広い見地からの指導助言を得まして、検討を進めました。
その結果、平成十九年十月、三者協におきまして、羽田空港跡地利用基本計画の素案について合意した後に、パブリックコメントを実施して、平成二十年三月に羽田空港跡地利用基本計画として取りまとめ、公表してございます。
恐れ入ります、九ページの図面をごらんください。この跡地利用基本計画では、跡地全体を大きく三つのゾーン、具体的には市街地に近接する第一ゾーン、国際線地区に隣接する第二ゾーン、B滑走路に隣接する第三ゾーンの三つに分け、それぞれのゾーンについての土地利用の方向性を示してございます。
恐れ入ります、八ページにお戻りください。その後、平成二十一年三月に、三者協におきまして、新滑走路、国際線ターミナルが供用開始される平成二十二年十月までに、跡地利用基本計画に沿った土地利用の具体化、基盤整備のあり方などについて検討し、跡地利用の事業化をどのように進めるのかを明らかにする羽田空港跡地まちづくり推進計画、これは仮称でありますけれども、これを取りまとめることについて確認をいたしました。
具体的な施設等の整備内容については、この推進計画の内容を踏まえ、今後、事業実施段階において詳細な検討が行われることになります。
なお、大田区議会に対しましても同様の陳情が提出されて、平成二十年五月十六日の羽田空港対策特別委員会において継続となっております。
よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
○尾崎委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 発言がなければ、お諮りをいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二一第三一号は継続審査といたします。
○尾崎委員長 次に、二一第三六号、あきる野複合施設新築計画(温泉施設)の建設・運営に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○遠藤市街地整備部長 整理番号4、陳情二一第三六号、あきる野複合施設新築計画(温泉施設)の建設・運営に関する陳情についてご説明申し上げます。
お手元の説明表の一一ページをごらんいただきたいと存じます。本件は、あきる野複合施設新築計画見直しを求める近隣住民の会代表者、朝倉寿夫さん外二十一名から提出されたものでございます。
陳情の要旨は、都において、都の外郭団体である財団法人東京都新都市建設公社が進めているあきる野複合施設の建設及び運営について三点を実施していただきたいと。
一といたしまして、騒音、振動、低周波、臭気、交通問題等の対策が近隣住民に十分配慮した形で行われるよう指導すること。二として、住環境保全のため営業時間が夜九時で終わるよう指導すること。三として、公社と公社OBが取締役を務める有限会社タウンサービスが適正な関係にあるかどうか調査することというものでございます。
次に、現在の状況でございます。
まず、一二ページの位置図の方をごらんいただきたいと思います。本件複合施設の建設予定地でございますが、JR五日市線秋川駅から北に約七百五十メーターのところにございます。
財団法人東京都新都市建設公社は、東京都が中心となりまして出捐して設立された団体で、地方公共団体等からの受託事業のほか、地域開発関連事業等の自主事業を実施してございます。公社は、地域の活性化と公社の収益確保を図るため、この温浴施設を含む複合施設を公社の土地に建築しているものでございます。
公社は、複合施設につきまして、平成二十年六月から住民説明会を開始してございます。住民説明会におきまして、住民の方から、住環境が悪化すること、生活道路の安全が確保できないことなどを理由に計画の見直しを求めてきたものでございます。これに対しまして公社は、平成二十一年九月までに、複合施設の規模、配置など建築計画の変更や営業時間の見直しなどにつきまして、住民の方に回答してまいりました。
この間、平成二十年十月に、住民の方から都議会に複合施設の建築計画の内容の見直し等を求める陳情が提出されました。こちらは二十一年三月に不採択となってございます。
また、建築紛争予防条例に基づきます紛争調整の申し出がございまして、あっせんを行いましたが、合意には至りませんでした。こちらは九月に打ち切りとなってございます。
さらに、住民の方は、平成二十一年四月に、公社と井戸掘削工事に関する協定を締結いたしましたが、平成二十一年六月に工事禁止仮処分命令を裁判所に申し立てております。こちらは九月に住民の方から取り下げがなされております。
さらに加えまして、平成二十一年八月には、あきる野市議会に複合施設の建設、運営に関する陳情を提出してございます。こちらは九月に不採択となってございます。
現在、公社では、平成二十二年の五月の開業を目指しまして建築工事を進めているところでございます。
なお、複合施設の完成後、運営することが予定されております株式会社タウンサービスは、金融機関や地元企業等が出資している会社でございます。
以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○尾崎委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○興津委員 民主党の興津です。それでは、四点にわたりまして質問させていただきたいと存じます。
そもそも論から申し上げたいなというふうに思うんですが、これはあきる野市の秋川駅から、ただいまご説明のありましたとおり約七百メーターという至近の場所でありますが、そこの近辺は良好な住宅街であるというふうに伺っております。また、民主党のご当地の都議会議員さんとも打ち合わせをさせていただきましたところ、そもそもこの住宅街の真ん中に、このような温浴施設がいきなり昨年の六月に建設するということが発表されたということから、このような陳情という状況に、今現在至っているんだろうというふうに思います。そこを考えましたところ、やはりこの際、近隣の住民の人たちと協調を今後とも重ねていただきたいという立場から質問させていただきたいと存じます。
まず一点目なんですけれども、この温浴施設を建設しているのが新都市建設公社さんであるということでありますが、このような昨今の経済事情があります。今後において、竣工後にこの施設の運用というものが良好にといいますか、運用方を進めていけるのかどうか、それに関しての覚書あるいは契約書等々が公社との間で進められているのかどうか、その点を一点確認させていただきたいと存じます。
○遠藤市街地整備部長 お話のあきる野市の温浴施設でございますけども、東京都新都市建設公社が、地域の活性化と公社保有地の有効活用を図るため、地元の意向を受けまして建設しているものでございます。公社は、この土地の貸し付けについて公募を行いまして、応募のありましたタウンサービスから温浴施設の運営について提案がございまして、これを採用したものでございます。
公社は、施設の建設に当たりまして、タウンサービスと温浴施設の賃貸借に関して合意書を交わしている、このように聞いてございます。
○興津委員 わかりました。今後、竣工後の相談先といいますか、交渉先といいますか、そちらが運用先ということにもなってくるのだろうと思いますので、今後とも地域の住民の人たちと協調していただくためにも、相手先さんが、こちらの方も入ってくるということが今確認できたのかなというふうに思います。
では二点目でありますが、先ほどご説明をいただきました、陳情という形でもって提出されているというような経過を、厳然たる事実を踏まえてみたときに、きょう現在に至るまでの東京都の対応といいますか、公社の対応という部分がどのように経過をし、どのように市民協働が図られてきたのかどうか、その点の経過をご説明いただければと思います。
○遠藤市街地整備部長 公社は、この温浴施設に関連しまして、最初の住民説明会を平成二十年六月三十日に実施しております。それ以来、現在までに十回を超えます住民説明会や話し合いの場を設けてきてございます。公社は、温浴施設の規模や配置などの建築計画の変更や営業時間の見直しなどを求める住民の方の主張に対しまして、こうした説明会や話し合いの場を通じまして具体的な回答を行ってまいりました。
また、井戸掘削工事に関しまして、ことしの四月に住民の方との間で協定を締結いたしまして、その協定に基づきまして、現地で住民の方と内容を確認しながら慎重に工事を進めてきた、このように聞いております。
都といたしましては、公社は、住民からの理解が得られるよう十分説明を尽くした上で温浴施設の建設を進めてきている、このように認識してございます。
安全対策や騒音対策など、今後も引き続いて住民の方との話し合いに向けた公社の取り組みを尊重してまいりたい、このように考えてございます。
○興津委員 東京都の方としては、地域住民の人たちと公社さんが協調しているんだという認識であるというふうにご表明があったと思います。とはいいながらも、このように陳情という形でもって出されてきているということの側面を十分に酌み取っていただきたいということは、重ねて申し上げるべきだというふうに存じております。
近隣に、良好な住宅街というところに、いきなりこのような温浴施設、多種とは申し上げませんが、たくさんのお客様がお越しになるであろうということが想定されるような施設が、そこに厳然とあらわれてくるということに関しては、近隣住民の人にとってみれば、それは生活不安を感じるということは、これはもう否めない事実だろうというふうに思わざるを得ません。
したがいまして、そのことに関しては、やはり今後とも、鋭意継続をし、公社さんあるいは受託会社さんの方とあわせまして、十分な協調、協議を続けていただきたいというふうに私どもは考えております。
三点目といたしまして、営業時間ということが明記されております。このことに関しまして、東京都の公衆浴場組合さんの方にも質問させていただきましたけれども、特に営業時間にかかわるところの法律的な規制というものはかかっていないということは承りました。住宅街の真ん中であるという現時点のこの場所における営業時間が、一応、午後九時であるということを陳情者の人たちはおっしゃっているわけでありますけれども、この辺の妥当性といいますか、東京都の考え方というものがありましたらばお示しください。
○遠藤市街地整備部長 温浴施設の営業時間についてでございますけども、営業時間は収益に直結いたしますとともに、経営の根幹にかかわるものだというふうに考えております。運営主体が住民の方の意向にも配慮しつつみずからの判断で決定すべきもの、このように考えております。
公社はこれまで、住民の方の要望に対しまして、当初予定していた営業時間を二度にわたって見直ししておりまして、現在、午前十時から午後十一時までとするという案を提示しております。このように配慮を行ってきたというふうに聞いてございます。
なお、近隣の温泉や銭湯などを調べますと、営業時間を午後十一時ごろまでとしている施設が多い状況と、このようになってございます。
○興津委員 わかりました。公社といいますか、請負会社さんの方の経営状態にかかわることであるということでありますので、これは民間の営業という部分でありましょうから、公が云々というところもなかなか、差し控えるべきではなかろうかという部分もあろうかとは思います。あろうかとは思いますが、先ほど来くどく申し上げて恐縮ではありますが、住宅街の真ん中に忽然とあらわれるという状況におきまして、近隣の人たちの思いといいますか、不安感といいますか、生活不安といいますか、交通安全の不安も含めまして、お感じになることは間違いのない事実だというふうに私どもは考えております。
したがいまして、完成後は、近隣の住宅街の皆様とは、それこそ五年、十年、二十年という近隣のおつき合いをされていくのであろうと思われますので、そんなことを踏まえまして、十分に協議を地域住民と重ねていただきたいということを、公社さんの方も含めまして申し上げていただきたいと思いますけども、東京都の方として本日の協議を公社の方に伝える準備があるかどうかお聞かせください。
○遠藤市街地整備部長 ただいまの委員のご質疑につきましては、公社の方にも伝えてまいりたいと思います。
○興津委員 それではまとめますが、このように、やはり先ほど来から申し上げているとおりに、駅近の場所に、本当に良好な住宅街の場所、そこに突然とこのような計画が上がり、そしてこのように開発が進んでいるというところが、地域住民にとってみれば非常に心配の種であるということはぜひご理解をいただきまして、また今後とも公社さん、そして今後の経営母体となられるでしょうが、株式会社タウンサービスさんとの間で、近隣の住民の人たちとの間の協調というか、協働といいますか、このような協議の場を継続的に続け、良好な住宅環境を保持していただきたいということを要望して終わります。
○大島委員 まず、この陳情にある温浴施設というのは、東京都が七七%出捐する財団法人東京都新都市建設公社が、あきる野市の委託を受けて土地区画整理事業を行って、その換地により取得した土地に建設する、こういう関係になっています。
陳情書にもありますが、井戸を掘る工事では、騒音や振動、低周波の影響、近隣の家屋や住民に被害が発生した、こういうことです。
陳情者がつくるホームページに秋川三丁目の夕日ニュースというのがあるんですけども、私、それを見ましたら、そのときの様子がつづられておりました。一日約八時間もこういう作業が続いて、耐えられずに工事中止の仮処分まで申請したということです。仮処分申請というのは本当によっぽどのことでなければやらないとは思いますが、それほどひどかったのかなというふうに読み取れました。
東京都の外郭団体に対して、住民のこうした耐えがたい工事の状況を改善させるということはできなかったのでしょうか。
○遠藤市街地整備部長 東京都新都市建設公社は、昨年の六月に住民説明会を開催するとともに、七月に井戸掘削工事を発注しております。公社は当初、ことしの二月中旬までに井戸掘削工事を終える予定でございましたけども、住民の方との話し合いを行う必要が生じましたことから、工事の終了は九月下旬となってございます。
この間、公社は、四月の下旬に住民の方と協定を締結しまして、五月には工事の再開をしております。その一カ月後の六月下旬には、住民の方から工事禁止仮処分命令の申し立てがなされております。この申し立てにつきましては、九月上旬に取り下げが行われております。
こうした状況の中で、公社は、工事に起因いたします被害が生じないよう、掘削口径の小さい機械を選定したり防音対策に万全を期すなど、住民への影響を最小限に抑えるための対策に努めてきた、このように聞いてございます。
○大島委員 ここの工事を始める前に協定が結ばれたと。ところがこの協定というのは、結ばれたことは結ばれたんですけれども、騒音も協定書の基準値の八〇デシベル以下で進められる、しかし、朝九時から夕方六時ぐらいまで六〇デシベル前後の機械音がずっと続いていて、昼間、一日じゅう聞かされる住民にとってはもう耐えがたい音になっていたと。また、周辺の家では自宅なのにくつろぐこともできなかった、この間、工事時間の短縮を公社にお願いしましたが応じませんでした、昼休みも続いていました、動いていました、こういうふうに書かれています。
健康被害の問題でも、低周波の影響でしょうか、夜眠れなくなったり耳鳴りがやまない、血圧が上昇した、子どものいらいらがやまないなど、体調不良を訴える人が続出しましたと。この健康被害については、協定書の話し合いの中で盛り込むように要求してきたということですが、そのときは公社が認めようとしなかったもので、実際に心配が現実のものになってしまった、こういうふうにいわれています。やっぱり東京都の認識がちょっと違っているんじゃないかなというふうに感じました。
この地域は、先ほどもありましたけども、非常に閑静な住宅地で、隣接地には保育園もある。で、発表当初のこの施設の内容を見てみますと、こういう場所に、一階が温浴施設、岩盤浴、サウナ、ふろ、二階は演劇施設、劇場、食事どころ、休憩室、マッサージなど、駐車場は約五十台となっていました。
これはまさにレジャー施設といえるようなものですが、こうしたレジャー施設ができると、車の出入りを含む交通問題とか騒音問題が発生するおそれがあります。特に、深夜十一時までこのような状況が続くということになれば、静かな夜を過ごしてきた住民にとっては耐えがたいものがあると思います。だからこそ夜九時までの営業時間にしてほしいと、こういう要望が出ているのですが、この点についてはいかが考えますでしょうか。
○遠藤市街地整備部長 営業時間でございますけども、先ほど興津委員のご質問にもお答えしたとおりでございますけども、営業時間につきましては、収益に直結いたしますとともに経営の根幹にかかわるものでございまして、運営主体が、住民の方の意向にも配慮しつつみずからの判断で決定すべきものと考えてございます。
公社は、住民の方の要望に対しまして、当初予定していた営業時間を二度にわたって見直しし、午前十時から午後十一時までとするなど配慮を行ってきたと聞いてございます。
○大島委員 先ほど興津委員さんへの答弁の中でも、地域の温泉とか銭湯も午後十一時ごろまでが多いというようなことから、この十一時というのは妥当であるかのような答弁がされました。
しかし、ここは銭湯じゃなくて、先ほど私が話しましたように、温浴施設のほかに演劇施設とか劇場とか食事どころとか、そして車でどんどんここに来るというような駐車場まで完備している、まさにレジャー施設なんですね。これがこの閑静なまちの中にできるというところから、九時過ぎにはそういう音がないようにしてほしいというのが切実な願いだというふうに思うんですよ。
まず、新都市建設公社の目的というのを見てみましたら、首都の秩序ある発展を図ることとありました。地域住民がこれほど反対している中でこれを強行するというのは、公社として、まちの秩序ある発展よりも、先ほどありましたように収益確保を図ることを優先しているというふうに考えられますが、その点について都はどのように考えますでしょうか。
○遠藤市街地整備部長 財団法人東京都新都市建設公社は、昭和三十六年の首都圏整備構想に基づきまして、新都市の総合的建設と地域開発を促進し、首都の秩序ある発展を図ることを目的といたしまして、東京都及び関係六市の出捐により設立された団体でございます。
土地区画整理事業や下水道事業などの都市基盤整備の行政代行型の公益法人といたしまして、主として多摩地域の秩序ある発展に寄与してまいりました。
公社は、土地区画整理事業などの都市基盤整備を受託事業として実施するとともに、地域開発関連事業などの自主事業を行っておりまして、当該温浴施設は、自主事業の一環として、地元の要望を受けて、地域活性化のために建設しているものでございます。
○大島委員 地元の要望を受けてといいますが、先ほどの興津委員さんへの答弁の中にもありましたが、この温浴施設は、まず株式会社タウンサービスが提案して、そして公社がつくった温浴施設を、今度は公社から株式会社タウンサービスが借り受けて運営すると、こういうことが予定されているわけですね。
では、こんな提案をして、地域の方々からこれほど反対がある中で、この温浴施設を強行しようとしている株式会社タウンサービスとは一体どんな会社なのでしょうか。
○遠藤市街地整備部長 株式会社タウンサービスは、金融機関、地元企業などが出資する資本金一千万円の株式会社でございます。建設中のあきる野市の温浴施設が完成した後、この施設を運営することが予定されている、このように聞いております。
○大島委員 この陳情者の方々は、公社のOBが取締役を務める有限会社、ここでは有限会社タウンサービスと初めから決められていたことも不思議である、こういうふうに書かれているんですね。本当にこの関係は不思議だというふうに思うのは当然だと私も思います。
住民が閑静な住宅地で静かな夜を過ごしたいというのは当然の願いではないでしょうか。このような場所に株式会社タウンサービスの提案によって公社が温浴施設をつくり、住民との間に紛争を起こす、こういうことは好ましくないと考えます。住民の生活を守る公的役割を持っている公社が、住民との話し合いを重視して、工事を急ぐ必要はないと思います。
この陳情は、工事に当たっての騒音、開業後の地域社会への影響を危惧する立場からのものです。そもそも都の監理団体が営業を目的とする、しかも、もともとの組織の目的からも乖離した事業をするということは、正されるべきものであり、温泉のくみ上げについても、自然保護審議会でも問題となっておりますように、無制限の温泉掘削や地下水のくみ上げ、これは規制されるべきものであります。まして公的機関が自然に影響を与えることが心配されている温泉事業に手を出す必要はありません。
そういう点で、この陳情の採択を表明いたしまして質問を終わります。
○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
○尾崎委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第三六号は不採択と決定をいたしました。
○尾崎委員長 次に、二一第五六号、建て替え後も向原住宅に住み続けるための改善に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○紺野住宅政策推進部長 整理番号5、陳情二一第五六号、建て替え後も向原住宅に住み続けるための改善に関する陳情についてご説明申し上げます。
お手元の説明表の一三ページをお開きください。陳情者は、板橋区にお住まいの東京都住宅供給公社向原住宅自治会長の土田実さんでございます。
陳情の要旨は、都において、公社向原住宅に関して、次の項目を検討し実施するよう公社に要請していただきたいというものでございます。一、居住者の負担能力を考慮した家賃設定をすること。二、家賃減額制度を充実させ、高齢者世帯が居住し続けられるようにすることの二点でございます。
現在の状況でございますが、向原住宅は、昭和三十二年度から昭和三十四年度にかけて建設された三十二棟、総戸数八百四十戸から成る公社の一般賃貸住宅でございます。公社は、AからDの四ブロックに分けられた同住宅を、平成十九年度に第一期として事業に着手したBブロックから順次建てかえを行うこととしております。
次に、公社一般賃貸住宅の家賃についてでございますが、地方住宅供給公社法施行規則により、近傍同種の住宅の家賃との均衡を失しないよう定めることとされており、公社では、周辺の家賃相場をもとに家賃を算定しているところでございます。
また、公社は、いわゆる戻り入居者に対する配慮として、世帯要件や収入要件に応じた民間にはない家賃減額制度を設けてございます。まず、全世帯を対象に十年間家賃を減額する家賃激変緩和を、次に、高齢者等で一定の資格を有する世帯を対象に二十年間家賃負担を減額する高齢等傾斜減額を、さらに、高齢者等のうち都営住宅入居基準の収入要件を満たす世帯を対象に、要件を満たす限り家賃負担を軽減する高齢低所得世帯等家賃減額を設けております。
さらに、公社は、戻り入居を希望しない居住者に対しては、他の公社住宅等をあっせんし、移転費を助成していることに加えまして、移転先の公社住宅の家賃についても、戻り入居と同様の家賃減額制度が適用される仕組みなども設けております。
公社は、平成十九年三月に向原住宅のすべての居住者を対象とした建てかえ事業説明会を開催し、その際、不動産鑑定士による市場家賃調査等を踏まえ、今回の陳情の前提となっている概算家賃を提示いたしました。そして、居住者が戻り入居する時点での住戸ごとの家賃につきましては、建物の完成するおおむね三カ月前に改めて行う市場家賃調査等を踏まえ、決定することとしております。
なお、右側、一四ページの参考にありますように、この建てかえにより、従前四から五階の住宅が四から八階の住宅になり、一戸当たりの専用面積が、従前は二十四から三十四平方メートルであったものが、建てかえ後は三十四から七十平方メートル程度となります。加えて、各住棟にエレベーターが設置されるほか、各住戸にエアコンが装備されるなど、設備面での充実が図られます。
また、一枚おめくりいただいた一五ページには、向原住宅の位置図及び配置図をお示ししております。
当住宅の最寄り駅は、徒歩五分ほどの小竹向原駅でございまして、東京メトロと西武有楽町線が乗り入れております。当駅から東京メトロ副都心線の急行に乗りますと、池袋駅まで一駅、所要時間五分と交通至便の地にございます。
以上で説明を終わらせていただきます。ご審査のほどよろしくお願い申し上げます。
○尾崎委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○大島委員 まず、この陳情者の住宅は建てかえになって、その結果、近傍同種の住宅家賃との均衡を損なわない金額を家賃として設定すると。そのために家賃が大幅に引き上げられてしまい、住み続けるための負担が大きくなるということ、ここを改善してほしいという内容です。負担できる家賃に設定してほしいといっています。
そこで伺いますが、現在の家賃と建てかえ後の家賃はどのように変化するのでしょうか。
○紺野住宅政策推進部長 まず、現在の向原住宅の家賃についてでございますが、三十四平方メートルの二DKタイプで約三万九千円から四万九千円になっております。建てかえ後の概算家賃につきましては、平成十九年三月の建てかえ事業説明会で示した住戸モデルでは、三十四平方メートルの一DKタイプで九万七千円、四十五平方メートルの二DKタイプで十一万七千円となってございます。
一方、公社では、戻り入居者に対する家賃減額制度として、すべての戻り入居者を対象に十年間家賃を段階的に減額する家賃激変緩和措置のほか、二十年間にわたり同様に減額する高齢等傾斜減額、さらに、家賃を継続的に四五%減額する高齢低所得世帯等家賃減額を設けてございます。これらのうち、高齢低所得世帯等家賃減額が適用された場合は、家賃が四五%減額されるため、一DKタイプで約五万三千円、二DKタイプで約六万四千円となります。
以上、いろいろ申し上げましたが、わかりやすく面積が同じ三十四平方メートルの住戸の場合で比較いたしますと、現在の家賃が約三万九千円から四万九千円でありまして、戻り入居後、高齢低所得世帯等家賃減額後の家賃が適用された場合には、約五万三千円となるということでございます。
なお、建てかえ前の向原住宅は築後五十年が経過しておりまして、著しく老朽化が進んでいたところでございますが、今回、新築住宅となりまして、従来は設置されていなかったエレベーターが設置されるほか、バリアフリー化が施され、また最新の設備が装備されたものとなるものでございます。
○大島委員 建てかえによって住環境がよくなるというのはいいことですよ。そういうことは積極的に進めてもらいたいとだれもが思っているので、だから建てかえをどんどん進めていただきたいと私たちは思っています。
ただ、今のお話の中では、今、三万九千円から四万九千円の人たちが、減額を適用されなければ九万七千円、適用されても十年後には九万七千円になる、こういうことだと思います。
それから、改めて建物が完成するおおむね三カ月前に、市場家賃調査を踏まえて新しい家賃が決定されるということですから、必ずしも九万七千円ということではないというふうに思っておりますが、いずれにしましても、単純に考えれば、三万九千円が九万七千円、およそ六万円の値上げになるということだと思います。
戻り入居者について、高齢等傾斜減額というのがここに書かれておりますが、その対象になる世帯もあるようですけれども、この世帯はどのくらいあるのか、実数と割合で教えていただきたいと思います。また、戻り入居者の場合どの程度減額になるのか、伺います。
○紺野住宅政策推進部長 高齢等傾斜減額についてのお尋ねでございますが、世帯主が五十五歳以上の場合、二十年間にわたり家賃を減額する、これが高齢等傾斜減額というものでございますが、この対象となる世帯は、現在、向原住宅全体で六百九十五世帯いらっしゃいますが、この六百九十五世帯のうち五百六十三世帯となっておりまして、居住世帯に占める割合は約八一%となっております。
この高齢等傾斜減額が適用された場合、戻り入居一年目に家賃が三二%減額されまして、概算家賃、事業説明会でご説明した家賃をもとに算定いたしますと、三十四平方メートルの一DKタイプで、先ほどの九万七千円が六万五千九百円に、また、四十五平方メートルの二DKタイプで十一万七千円が七万九千五百円となります。
さらに、先ほどもご説明申し上げましたけれども、高齢等の方で特に所得が低い方々には、さらに手厚い減額措置であります高齢低所得世帯等家賃減額というものがございますが、これが適用された場合は、三十四平方メートルの一DKタイプで約五万三千円、四十五平米の二DKタイプで約六万四千円となるということでございます。
○大島委員 およそ八一%の世帯がこの対象になるということですから、世帯主が五十五歳以上の世帯がそれだけいるということですね、逆に考えると。だから、二十年後というのはかなりの年齢になるのかなというふうに思いまして、そうなったら、この減額がなくなってしまうわけですから、大変な事態になるのではないかと。それから、三年ごとに家賃も上がっていきますから、もっと大変な事態があるのかなというふうに思います。
陳情者は、向原住宅居住者の実態から、この住宅に住み続けられるように、契約家賃を一平米二千五百円以下、二千円程度にすることを求めています。
地方住宅供給公社法第一条の住民の生活の安定、二十二条の勤労者の適正利用の確保と賃貸料の適正化の努力についてどのように考えているのか、お聞きしたいと思います。
○紺野住宅政策推進部長 先ほどの答弁、ちょっと補足させていただきますと、高齢傾斜減額が適用された場合、二十年後に本来の契約家賃になるということではございません。少しずつ家賃が上がっていくんですが、六十五歳になって所得が低いということになった場合には低所得減額、家賃が四五%減額される制度の適用になりますから、二十年後に本来の契約家賃になるということではございませんので、答弁を補足させていただきます。
それから、ただいまのご質問でございますが、公社の家賃設定は、地方住宅供給公社法施行規則第十六条によりまして、近傍同種の家賃と均衡を失しないように定めるものとされております。これは、市場に比べて家賃が高ければ空き家となってしまいまして、せっかくの住宅が活用されない、一方、市場に比べて家賃が低ければ、民業圧迫となるといったことのほか、近傍の民間の賃貸住宅に住む居住者の方々との公平性等も勘案しまして、中堅勤労者世帯向けに良好な住宅を適切な家賃負担で提供するものでございまして、適切な措置であるのではないかと考えております。
また、従前からの居住者に対しましては、先ほど来ご説明させていただいております家賃激変緩和措置を設けているほか、高齢期になって所得が低下した場合にも居住の安定が確保できるよう、高齢等傾斜減額、高齢低所得世帯等家賃減額といったさまざまな家賃減額制度によりまして、経済的負担を和げているところでございます。
その上で、他の住宅への住みかえを希望する居住者に対しても、他の公社住宅や都営住宅へのあっせんをしておりまして、こうした住宅への移転の際には、民間の賃貸住宅へお移りになる方々も含め、移転料等の助成を行っているところでございます。
さらに、移転先の公社住宅の家賃につきましても、戻り入居の場合と同様のさまざまな家賃減額制度が適用される仕組みを用意するなどしておりまして、居住者の負担軽減と居住の安定の確保について、公社として最大限の配慮をしているものというふうに考えております。
○大島委員 公社として最大限の配慮を行っているということですけれども、住宅供給公社の決算は黒字が続いております。そういう点では、住み続けたいという居住者の願いにこたえてこの陳情に賛成をすると、この意見を述べて質問を終わります。
○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○尾崎委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第五六号は不採択と決定をいたしました。
○尾崎委員長 次に、二一第六一号、「一八第九三号八ッ場ダムに関する陳情」を再び審議すること等に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○安井都市づくり政策部長 請願・陳情審査説明表の一七ページをご参照ください。整理番号6、陳情二一第六一号、八ッ場ダムに関する陳情について説明いたします。
陳情者は、武蔵野市にお住まいの植田魅具さんでございます。
陳情の趣旨は、平成十八年十一月二十八日、当委員会において不採択となりました国土交通省が事業を実施している八ッ場ダムの建設に都の予算を組まないでほしいという陳情を、再び審議、採択することを求めるとともに、五十年間翻弄された地域住民の生活が八ッ場ダムの建設中止で脅かされることがないようにしてほしいというものでございます。
現在の状況を説明いたします。
八ッ場ダムは、国土交通省が利根川上流の吾妻川に建設している多目的ダムであり、区部東部地域の洪水被害の軽減や、都民への安定的な給水の確保のために必要不可欠な施設であることから、都は利根川流域の関係五県とともに国との共同事業者となって建設事業に参画しております。
昭和二十七年の構想発表以来、地元との調整を重ね、昭和六十一年に建設大臣が八ッ場ダム建設に関する基本計画を作成し、その後、地元の意向を最大限に尊重しながら、特定多目的ダム法に基づく変更手続を積み重ね、平成二十七年度の完成を目指して事業を推進してまいりました。
平成二十年度末におきまして、全体事業費四千六百億円のうち約七〇%まで執行を完了してございます。現時点では、水没する国道及びJR吾妻線のつけかえ工事や県道の整備、家屋移転の約八割が完了し、ダム本体におきましても、関連工事である仮排水トンネルが本年七月に既に完成しております。
長い経緯の末、ダム建設を受け入れた水没地の関係住民も、今では一日も早いダムの完成と、これを前提とした生活再建を切望しております。
しかし、政権交代後の国は、八ッ場ダムの建設中止を宣言し、本年九月に予定されていた本体工事の入札を中止いたしました。
これに対しまして、ダム建設予定地の地元や下流域の一都五県知事は、一致団結して中止撤回を求めており、国土交通大臣は、十月二十七日に行われた関係知事との意見交換の場において、これまでの方針を転換し、八ッ場ダム建設事業の再検証を行うと明言いたしました。
よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○尾崎委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○今村委員 それでは、八ッ場ダムに関する陳情について質疑をしたいと思いますけれども、我が民主党は、さきの衆議院選挙のマニフェストで、八ッ場ダムの中止を一つの公約にして政権交代を実現いたしました。当然、八ッ場ダムは、前原国交大臣が表明したように、ダム本体工事は中止するとの方針であります。
ただいまの説明の中にありましたダム工事の中止については、政権交代前の決定であるということも申し添えておきたいというふうに思いますけれども、しかしこのことにより、地元を初め関係者との協議や話し合いを行わないとは一言もいっておりません。東京都の八ッ場ダムに対する考え方は、中止表明後も変わっていないようでありますけれども、その後、国土交通大臣は現地視察を行い、地域の皆さんとの話し合いも行いたいとしております。さらに、関係一都四県の知事、地元群馬県知事と直接話す機会も持っております。
こうした状況を踏まえ、東京都は八ッ場ダム問題について今後どのように取り組むのか伺います。
○安井都市づくり政策部長 一都五県の知事と国土交通大臣が先月末に初めてこの問題につきまして話し合いを持ち、その場で大臣は、八ッ場ダムの建設事業について予断を持たずに再検証すると明言いたしました。これを受けまして、関係都県知事から国土交通大臣に対し、これまでの経緯や利根川流域の状況を踏まえて再検証するよう緊急に申し入れを行ってございます。
今後、国も再検証するという状況の変化を踏まえまして、引き続き関係県と連携し、八ッ場ダムにつきましては、国における政権交代の後も、従来からの都の立場を十分に理解してもらえるよう国に要請してまいります。
○今村委員 都市づくり政策部長から答弁がありましたけれども、八ッ場ダムに関することは大変大きな問題でもあります。都の姿勢を局を代表する局長に改めてお聞きをしたいと思います。
○河島都市整備局長 八ッ場ダムにつきましては、これまで国と地方が特定多目的ダム法などに基づくさまざまな手続を積み重ね、地元住民と長きにわたって合意形成を図りながら進めてきた事業でございます。また、カスリーン台風を持ち出すまでもなく、平成に入ってからも、利根川の流域では洪水、渇水の被害が発生しているところでございます。都民はもとより、首都東京の都市機能を維持し、これからの東京の発展を支える上で、八ッ場ダムは必要不可欠な施設でございます。
国土交通大臣は、十月二十七日に行われた一都五県の知事との意見交換の場において、予断を持たずに再検証する旨、表明されております。ただいま部長が答弁いたしましたように、都としてはこうした状況を踏まえつつ、八ッ場ダムについての都の考え方が理解されるよう、他の関係県と連携して国に要請してまいります。
○今村委員 都と政府の考え方にはまだ隔たりがあるようでありますけれども、ただいま局長からも、今後は国に話し合いを求めていくとの趣旨の答弁がありました。
政府は、関係者の皆さんと話し合い、協議を広く行う姿勢でおります。東京都が今後、互いに真摯な姿勢で十分に話し合いを持つことを求めて、質疑を終わりたいと思います。
○大島委員 八ッ場ダムの問題は、この委員会でも何回も取り上げられてきたものですが、半世紀かかってもダム本体の工事に未着手であるということ、さらに、工期が五年延長されて期限内に終えられるのかどうかという声も大きくなっていたときに、政権交代があって、鳩山首相も前原国土交通大臣もこの事業の中止を明言したという大きな変化が起きています。
八ッ場ダムの事業には四千七百億円もかかるといわれておりますが、同時に行われている水源地域対策特別措置法に基づく水源地域整備事業及び水源地域対策基金による生活再建対策等に東京都が出資してきた金額はどのくらいになるのか、また、陳情者がいっておりますように、予算計上の関係では来年度も計上する考えか伺います。
○安井都市づくり政策部長 水源地域対策特別措置法に基づきます事業につきましては、平成二十年度末の累計額は、支出額は約六十三億円でございます。一方、利根川・荒川水源地対策基金に基づく事業につきましては、平成二十年度末累計、約十四億円の支出でございます。
来年度の予算でございますけども、八ッ場ダムは事業中でございまして、当然、事業の継続を前提として予算案を策定する考えでございます。
○大島委員 五十年間、このダム計画によって翻弄されてきた住民の生活再建というのは、ダム建設と切り離して実行することが大事だと考えています。
国が正式に八ッ場ダム事業を中止した場合に、生活再建対策についてどのように考えるのか伺います。
○安井都市づくり政策部長 いわゆる水特事業と基金事業に係る費用は、両者ともダムによる水源の確保を前提として関係都県が負担しているものでございます。したがいまして、国が正式にダム建設を中止するとした場合には、水特事業等を進める根拠がなくなりますので、都が費用を負担する理由も消滅いたします。
ダム事業を伴わない生活再建対策につきましては、国が責任を持って行うべきでございまして、なお、今、水源地の地元の住民は、ダムを前提とした一日も早い生活再建を望んでいるところでございます。
○大島委員 東京都は国にダム建設の継続を求めていますが、結局、都の態度というのは、むだな公共事業見直しの世論の流れとか、国のダム建設見直し、中止の流れに逆らうものであり、認められません。
この問題につきましては、利水上の必要性とか洪水対策としての必要性がないこととか、八ッ場ダム特有の諸問題など、これまでもさまざまな議論をしてまいりました。総選挙の結果を受けて、民意に従ってダム建設中止に協力していくことこそ、今、東京都政に求められていることだと思います。その点で、この陳情に賛成の意見を申し上げまして質問を終わります。
○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二一第六一号は継続審査といたします。
○尾崎委員長 次に、二一第六二号、首都高速道路晴海線(豊洲・晴海間)の建設凍結に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○座間都市基盤部長 整理番号7、陳情二一第六二号、首都高速道路晴海線(豊洲・晴海間)の建設凍結に関する陳情についてご説明いたします。
資料2、説明表の一九ページをお開きください。本陳情は、江東区の臨海部開発問題を考える都民連絡会代表世話人の中野幸則さんから提出されたものでございます。
陳情の趣旨ですが、都において、首都高速晴海線の豊洲から晴海間の建設を、少なくとも晴海から築地間の事業化の見通しが明らかになるまでの間、凍結するよう指導的役割を果たすことというものでございます。
現在の状況でございますが、二〇ページの位置図をごらんください。都市高速道路晴海線は、築地地区などの都心部や臨海副都心で発生する交通の分散、臨海部における交通利便性の向上、臨海部の開発促進などに寄与する路線として、高速湾岸線の有明から高速都心環状線の築地を結ぶ約五・一キロについて、平成五年七月に都市計画決定したものでございます。
二〇ページ中段の平面図、下段の縦断図をごらんください。晴海線全線のうち、有明から晴海までの約二・七キロメートルにつきましては、Ⅰ期区間として、平成十二年八月に建設大臣が首都高速道路公団に基本計画を指示し、平成十三年十二月に事業着手しております。この基本計画に示されている晴海仮出入り口は全線高架で計画されているⅠ期区間の終点に位置しまして、晴海線本線を暫定的に平面街路に接続させる機能を担うものでございます。
Ⅰ期区間のうち、有明から豊洲までの約一・五キロメートルにつきましては、本年二月に開通し、残りの豊洲から晴海までの約一・二キロメートルについて、平成二十四年度の完成に向け事業を進めているところでございます。
一方、晴海から築地までのⅡ期区間、約二・四キロメートルにつきましては、都市計画決定後の情勢の変化を踏まえ、交通量の推計や整備効果の検証など、事業化に関する検証を進めるとともに、国に対して早期の事業化を求めているところでございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○尾崎委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○くりした委員 私からは、本陳情に関連して数点質問をさせていただきたいと思います。
本陳情は、都市高速道路晴海線の豊洲-晴海間の建設に際して、まだ国による事業化が行われていない資料上のⅡ期区間、築地-晴海間の建設が完了するまで、一時的に晴海三丁目交差点付近に高速道路の仮出入り口をつくり、晴海-豊洲間の高速道路を活用することに対して、出入り口の再工事に必要な工数と晴海三丁目交差点周辺の環境悪化を理由に見送りを要望するものであります。
まず最初の質問として、本陳情の論拠の一つとなっております晴海-豊洲間の高速道路に関して、先につくられた豊洲出入り口と非常に近いために、ほとんど利用者がいないのではないかという点について、東京都は豊洲-晴海間の交通量予測を行っているのでしょうか、お伺いします。
○座間都市基盤部長 首都高速晴海線のⅠ期区間の一部でございます豊洲から晴海までの区間の完成時の予測交通量でございますが、これは推測をしております。平成十一年度の予測結果によりますと、一日当たり約七千九百台となっております。
○くりした委員 一日当たり約八千台ということであれば、決してこれは多くない量というふうに聞いておりますけれども、仮にこの間の高速道路の建設を凍結するということであれば、第Ⅱ期区間の工事が確定するまでに全く利用ができないということになってしまいますので、晴海線を完成するという前提に立てば、少なからず改善する交通の利便性と出入り口の再整備に発生する費用及び周辺環境への影響を照らし合わせて、検討を進めていく必要があるかと思います。
そこで、周辺住民が危惧している出入り口付近の交通環境に関して、豊洲-晴海区間を整備することによる影響についてお伺いします。
○座間都市基盤部長 首都高速晴海線は、都心部と臨海部との連絡強化や築地、月島地区や臨海副都心地区で発生する交通の分散を図るとともに、首都高速道路の都心環状線と湾岸線のネットワークの強化によりまして、箱崎ジャンクションや浜崎橋ジャンクションといった渋滞ポイントを避けて、都心部と羽田、横浜、千葉方面との相互アクセスを可能にするなど、交通利便性の向上に資する路線でございます。
このうち、お尋ねの豊洲から晴海までの区間の整備によりまして、延長で晴海線全線の約五〇%強が完成いたしまして、築地地区を初めとする都心から高速湾岸線方面へのアクセスの向上が図られると考えております。
また、新たに晴海地区に仮出入り口が設置されることによりまして、周辺地区における交通の分散が図られまして、一般道を含めた地区の交通環境あるいは交通の円滑化につながるものと考えております。
○くりした委員 出入り口ができることによって、晴海三丁目付近に流入する車両の量がふえるだけではなく、同地域からの外部へのアクセスが容易になることによって、もしかしたら交通環境を改善できる可能性もあるということで、判断材料の一つとして考慮されるかと思います。
そこで、三つ目の質問として、本陳情の中で、Ⅱ期区間の整備の際に車線数をふやすことや仮出入り口のために料金所を設置することに対して、不経済という指摘もなされておりますけれども、このことについて見解をお伺いいたします。
○座間都市基盤部長 首都高速晴海線につきましては、Ⅰ期区間につきましては暫定二車線で整備をしておりまして、Ⅱ期区間の整備時に全線四車線で整備する計画となっております。このため、Ⅰ期区間の整備におきましては、四車線化を見込んだ橋脚や橋げたの設置など、Ⅱ期区間の整備も見通した構造としております。仮設構造物が最小限になるような配慮もしております。また、料金所につきましても再利用が可能と考えております。
○くりした委員 お聞きしたところ、東京都としても再整備のむだを省くためにできる限りの工夫をされているという認識かと思います。第Ⅱ期区間の整備予定が立っておらず、仮の設備を利用する期間の予測が立たないことから、発生する便益と再整備にかかる費用を真っ向から比較することは非常に困難なことかと思いますけれども、判断における一つの参考になったかと思います。
採決の結果にかかわらず、こういった多様なご意見、お立場を持った方々がおられるというのは間違いのない事実でございます。これに対して、今後はできる限り丁寧な説明と意見聴取を行いつつ、住民の理解と協力を得て事業を展開されるよう強く要望いたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。
○大島委員 首都高速晴海線は高速湾岸線と高速都心環状線を結ぶ道路ですが、既に有明から豊洲までについては供用が開始されていて、その先、豊洲から晴海までの間の工事が始まったばかりだと聞いています。
この道路の当初の目的は、臨海副都心開発のアクセス道路として計画されたものです。現在、都市高速道路の晴海線Ⅰ期区間の完成による効果はどのようなものになっているのか伺います。
○座間都市基盤部長 高速晴海線のⅠ期区間であります有明から晴海までの区間、約二・七キロメートルの整備によりまして、延長で晴海線全線の約五〇%強が完成いたしまして、築地地区を初めとする都心から高速湾岸方面へのアクセスの向上が図られることになります。また、新たに晴海地区に仮出入り口が設置されることによりまして、周辺地域における交通の分散が図られ、一般道を含めた地区の交通の円滑化につながるものと考えております。これらの効果が期待できることから、Ⅰ期区間の一部である豊洲から晴海までの区間の早期完成が必要であると考えております。
○大島委員 もともとの計画になかった晴海の仮出入り口を設置することで、晴海三丁目交差点の近くでの混雑を引き起こし、周辺の環境を悪化させるのではないか、こういう心配をする声もあります。
今、むだな公共事業の見直しが行われ、国の直轄事業の予算も削られている中、車の台数もこの不況を反映して減っている、こういうこともいわれています。道路需要についても検討がされていて、この高速道路そのものが必要かどうかも検討すべきだと考えます。新たな道路建設によって自動車交通が誘発されるということは明らかですし、都心の交通分散どころか、都心の自動車のさらなる集中をもたらすということは明らかです。
我が党はこの道路そのものに反対するとともに、この陳情に賛成であることを述べて、質問を終わります。
○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
○尾崎委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二一第六二号は不採択と決定をいたしました。
以上で請願陳情の審査を終わります。
○尾崎委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
まず、防災都市づくり推進計画の改定についての報告を聴取いたします。
○石川民間開発担当部長 防災都市づくり推進計画の改定につきまして、中間のまとめを取りまとめましたので、資料3及び資料4によりご報告いたします。
最初に、資料3、中間のまとめの概要をごらんください。
まず、計画の目的ですが、本計画は、東京都震災対策条例に基づき定める計画で、都市づくりビジョン等に示す災害に強い東京の実現を目指すものでございます。平成七年度の計画策定後、平成十五年度に続き、今回が二回目の改定となります。
対象区域ですが、この計画は市街化区域を対象とし、木造住宅密集地域が存在する地域を中心に延焼遮断帯を整備するとともに、震災時に大きな被害が想定される地域を整備地域、重点整備地域に指定し、防災都市づくりの諸施策を展開するものでございます。計画期間は平成三十七年度とし、重点整備地域では平成二十七年度までの整備プログラムを定めています。
今回の計画改定のポイントですが、三点ございます。
まず、一つ目が市街地の不燃化整備の加速でございます。首都直下地震の切迫性を踏まえ、市街地の不燃化を加速するため、区と共同して実効性ある整備プログラムを取りまとめるとともに、重点整備地域における市街地の不燃化の目標を引き上げ、市街地大火の危険性を大幅に低減いたします。
二つ目が、耐震化施策との連携による、燃えないに加え、壊れない都市づくりの促進です。
三つ目が、防災性の向上の取り組みとあわせて、緑化の促進など、良好な住環境の形成に向けた地域住民主体のまちづくりの促進です。
以上が主な改定のポイントでございます。
次に、お手元の資料4、防災都市づくり推進計画、中間のまとめをごらんください。
全体の構成ですが、表紙の次のページに目次を示しております。第1章から第4章までが、防災都市づくりの目標と整備方針や整備地域等の指定などから成る基本方針でございます。第5章から第8章までが具体的な整備プログラムとなります。
それぞれの内容でございますが、七ページをごらんください。基本方針の第1章の冒頭には東京における防災上の課題を示しております。首都直下地震による東京の被害想定では、区部の木造住宅密集地域を中心に、建物倒壊や地震火災の被害の発生が予想されております。
一三ページをごらんください。今後の新たな施策の展開として、整備効果を踏まえた施策の展開を示しております。
表8をごらんください。これまでの取り組みにより、重点整備地域では、不燃領域率が平成八年からの十年間で、二十三区平均では五ポイント上昇したのに対して、それを上回る八ポイント上昇し、約五六%となるなど、市街地の防災性は着実に向上しております。
一五ページ、図3をごらんください。整備をさらに加速するために、これまでの取り組みを検証し、整備効果の高い事業や規制誘導策を積極的かつ重層的に実施することで、重点整備地域の不燃領域率の目標値をこれまでより五%引き上げ、市街地大火の危険性がほとんどなくなる六五%といたしました。
一七ページをごらんください。良好な地域コミュニティ等が維持された、安全で安心して暮らせる防災都市づくりの目標像を示しております。
一八ページをごらんください。防災都市づくりの対象と基本的な考え方を示しております。
一つは延焼遮断帯の形成及び緊急輸送道路の確保です。二つ目は安全な市街地の形成です。三つ目は避難場所等の確保です。
二一ページをごらんください。延焼遮断帯の整備方針として、重点整備地域内の延焼遮断帯形成率の目標をこれまでより五%引き上げ、六五%といたします。
二五ページをごらんください。緊急輸送道路の機能確保の方針として、平成二十七年度までに緊急輸送道路沿道における道路閉塞のおそれのある建築物の耐震化率を一〇〇%といたします。
二八ページをごらんください。市街地整備の方針として、先ほどの重点整備地域などにおける不燃領域率の目標の実現に向け、さまざまな効果的な取り組みを行います。
三一ページをごらんください。避難場所等の整備の方針として、平成二十七年度までに、区部における避難有効面積が不足する避難場所及び避難距離が三キロ以上となる避難圏域を解消していきます。
三四ページをごらんください。第2章の防災都市づくりの施策でございます。
効果的な事業等の実施及び重点化など、今後の施策の展開の基本的視点等を示しております。
三八、三九ページには、整備を進めるための具体的な施策の例として、沿道一体整備事業等の効果的な事業や防災街区整備地区計画等の規制誘導策を整備対象ごとに記載してございます。
四一ページをごらんください。整備地域の指定でございます。
整備地域は、羽田地域の追加や谷中地域や十条、赤羽西地域の拡大により、約七千ヘクタールを指定しています。これらの地域では、木造住宅の耐震化を促進するとともに、約六千百ヘクタールを対象に重点的に事業等を実施していきます。
四三ページをごらんください。重点整備地域の指定ですが、これは前回の計画と同様でございます。
次に、四七ページからが整備プログラムです。
四九ページをごらんください。第5章、延焼遮断帯の整備計画です。
五〇ページ以降に、骨格防災軸や重点整備地域内の延焼遮断帯の整備予定を路線ごとに示しております。
五六ページをごらんください。第6章、緊急輸送道路の機能確保です。
緊急輸送道路沿道の耐震化を促進するため、耐震改修促進法に基づく指導助言や、耐震化総合窓口を活用した相談、支援など、さまざまな施策を進めてまいります。
五七ページをごらんください。以降が第7章、重点整備地域、整備地域の整備プログラムになります。
表15は重点整備地域の整備計画等の総括表となっており、平成二十七年度までの各地区ごとの不燃領域率などの目標を定め、整備に向けた事業や規制誘導策を示しております。
また、重点整備地域の各地区ごとの整備目標、地区の現況、整備方針及び整備計画図を六〇ページ以降に示しております。
一〇九ページをごらんください。整備地域の整備プログラムでございます。二十八地域の整備計画の総括表を示しております。
一一一ページ以降に、各地域別の整備計画として、地区の現況、地域の概要、整備方針及び整備計画図を示しています。
以上が中間のまとめの内容でございます。
なお、今後の予定でございますが、本日、中間のまとめを公表した後、きょうから十二月十八日までパブリックコメントを実施いたします。計画の公表は一月末ごろを予定しております。
説明は以上でございます。
○尾崎委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言願います。
○大島委員 五点ほどお願いします。
一つは、木造住宅密集地域の整備事業の進捗状況。
二つ目は、木造個人住宅の耐震補強助成事業の実施状況。
三つ目は、公立学校耐震改修の状況。
四つ目は、防災予算の推移。
五つ目は、国内における過去百年間の主な地震の状況。
以上五点、お願いします。
○尾崎委員長 ただいま大島委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
○尾崎委員長 次に、第百八十八回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。
○河島都市整備局長 来る二月五日に開催予定の第百八十八回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
今回、東京都決定案件は九件ございまして、その内訳は、区部で八件、市町村部で一件でございます。
また、都市計画審議会を設置していない八丈町が、都市計画法第十九条第一項の規定により直接、都の本審議会に付議する八丈町決定の案件を一件予定しております。
本日は、これらのうち主な案件といたしまして、都市再生特別地区神田駿河台四丁目六地区の変更及び都市高速道路第七号線の変更につきましてご説明いたします。
それでは、引き続き担当部長から説明いたしますので、よろしくお願いいたします。
○安井都市づくり政策部長 東京都市計画都市再生特別地区神田駿河台四丁目六地区の変更について説明いたします。
資料でございますけども、白表紙は三ページ、それから、茶表紙は三ページから七ページ、また適宜、緑色のA4縦使いの提案をご参照いただきながらお聞きいただきたいと存じます。
今回の変更でございますが、駿河台開発特定目的会社から本年十月に出されました都市再生特別措置法に基づく都市計画の提案を踏まえたものでございます。
スクリーンをごらんいただきますと、本地区は、都におけます都市再生緊急整備地域の秋葉原、神田地域内にございます。
茶表紙の資料の三ページでございますけども、計画地の位置でございますが、西側は本郷通り、北側は淡路坂、南側は幽霊坂に接します、面積約一・三ヘクタールの区域でございます。
スクリーンの航空写真がございますけども、計画地は、JR御茶ノ水駅、地下鉄千代田線新御茶ノ水駅の双方に接してございます。
事業者からの提案につきましては、秋葉原、神田地域の整備方針に沿いまして、かつ、都市再生効果が大きいものと判断しております。
茶表紙の六ページをご参照ください。
本計画によります都市再生の貢献といたしましては、駅前の立体都市広場、仮称でございますが、タウンゲートプラザとして、地区周辺の緑とともに、緑の回廊を形成する地上、地下広場を一体的に整備するもののほか、地下鉄新御茶ノ水駅のバリアフリー化などを行いまして、駅周辺の安全で快適な歩行者空間を整備するものでございます。
また、計画の建物の中でございますが、地域の観光資源の提供や歴史を伝えるギャラリーなどを備えましたタウンゲートコアなどを整備いたしまして、地域文化の発信、交流拠点の形成を図ります。
さらに、環境負荷の低減への取り組みといたしまして、太陽光発電の導入などを行います。
白表紙の資料の三ページ、それから茶表紙は四ページでございますけども、計画図がございます。
都市計画の主な内容でございまして、容積率の最高限度は九七〇%といたしまして、このうち一一〇%以上を文化交流施設、教育関連施設などの用途といたします。高さの最高限度は、高層部の部分で百十八メーターといたします。
茶表紙の七ページに完成予想図を載せてございます。主要用途は、事務所、店舗、文化交流施設、教育関連施設、駐車場などを予定してございます。
説明は以上でございます。
○座間都市基盤部長 私からは、東京都市計画道路都市高速道路第七号線の変更についてご説明いたします。
資料は、白表紙の提案事項概要二七ページ、それから薄茶表紙の事前説明会資料の三〇ページからでございます。
まず、お手元の白表紙の二七ページ及び薄茶表紙の三〇ページをお開きください。都市高速道路第七号線は、江戸川区篠崎町三丁目の千葉県境を起点とし、墨田区千歳一丁目を終点とする延長約十二キロメートルの高速道路でございます。起点では京葉道路に接続し、終点では両国ジャンクションで都市高速道路第六号線に接続しております。
薄茶色表紙の三六ページをごらんいただきたいと思います。また、後ろには三環状道路の図面を示しておりますけども、中央環状線は首都圏の三つの環状道路の一つでございまして、都心部に集中する交通を迂回、分散し、都心部の交通混雑の緩和に寄与する重要な道路でございます。しかしながら、中央環状線は、現在、放射方向の第七号線と連結されていないために、環状道路としての機能が十分に発揮されていない状況にございます。
このため、需要が高い中央環状線の堀切ジャンクション方向と第七号線の千葉方向とを相互に結ぶ連結路を新たに設置するとともに、連結路と近接する第七号線の小松川出入り口におきまして、中央環状線の出入りが可能となるよう、入り口の追加及び出口の区域を変更するものでございます。
なお、この変更にあわせて、第七号線の全線について車線の数を四車線と定めます。
薄茶色表紙の四四ページから四六ページをごらんください。こちらに変更区間の平面図、横断図及び縦断図を掲載しておりますので、ごらんいただきたいと思います。
また、本路線の変更に伴いまして、関連する変更案件について説明いたします。
白表紙の二八ページ、薄茶色表紙の四七ページをごらんください。第七号線に並行いたします附属街路第三号線及び第四号線は江戸川区決定の案件でございまして、第七号線の変更に伴い、一部について線形及び幅員を変更いたします。
なお、事業につきましては、首都高速道路株式会社の施行、平成二十六年度の完成を予定しております。
説明は以上でございます。
○尾崎委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○くりした委員 私からは、神田駿河台四丁目六地区の都市再生特別地区案件について質問をさせていただきます。
先ほどご説明がありましたけれども、本案件の建設予定地は、都市再生緊急整備地域、秋葉原、神田地域に指定されており、事業者が地域の整備方針に沿って市街地の整備を行うことによって、既存の用途地域等に基づく用途、容積率等の規制を免除することを東京都が確認を行うという流れになっているかと思います。
この地域の整備方針の中で、十分な安全性を確保すること、文化、居住機能を強化すること、ヒートアイランド対策等の環境施策を充実すること、歴史、まち並みを残していくこと等が挙げられています。これらの条件に計画されている建築物が合致するか否か、通常よりも自由度の高い建築物は周辺地域に与える影響もより多大であるため、確認を行う東京都は、より責任を持って検証を行う必要があるという前提に立って質問をさせていただきます。
まず、安全という観点についてお伺いいたしますが、建築予定のビルは百メートルを上回る高さであり、超高層につきもののビル風が発生することは避けられないと予測されます。ビル風の発生に対してどのような形で調査検討を行われていますでしょうか、そして、当該案件における調査結果についてお伺いします。
○安井都市づくり政策部長 都市再生特別地区のような大規模な建築物を計画する場合でございますけども、計画の提案などに先立ちまして、事業者におきまして、計画建物建設に伴う計画地周辺の風環境の変化について、風洞実験などにより検討を行ってございます。
今回の計画におきましては、風環境の予測、評価に当たりまして、都のアセス条例に準じまして、東京都環境影響評価技術指針に準拠し、全体として計画建物による影響は軽微であるとの評価が得られてございます。
なお、こちらの提案の中の六七ページに記載してございますけども、今後、事業者におきまして、実施設計の中で、さらによりよい風環境の確保に向けまして、建物外装や植栽計画の検討を進めることとしてございます。
○くりした委員 今お伺いいたしましたこのたび行われたビル風のシミュレーション方法に関しては、本案件に限らず、幅広く多くの案件に対して風害予測の調査方法として活用されていると伺っております。
しかしながら、通常の気候下において、最大瞬間風速が一定値を超える日数を数えてランク付けをするという方式であるがために、一時的に発生した突風、強風や台風等の特別な条件下においては、十分な予測を行うことができないという指摘もされています。
事実、私の地元であります秋葉原においては、百メーター以下、つまりこのたびのビルよりも低層のビルの周辺でさえ、突発的なビル風がたびたび発生しまして、往来の方が転倒してけがをする等のケースが後を絶ちません。実際に付近で暮らすお年寄りの方々については、風が強い日は怖くて外を歩けないという方もいらっしゃいます。もちろん、秋葉原の案件においても、先ほどご説明いただいたような調査方法で事前に安全を確認しているわけですけれども、実際には事故が起こってしまっているわけです。
そこで、このたびの案件においても、もしそういった突風や災害時の風害に対して別途調査が行われているとすれば、その内容についてお伺いをいたします。
○安井都市づくり政策部長 特区の提案を受けるに当たりまして、風環境でございますけども、事業者に対しましては、都のアセス条例に準じて、東京都環境影響評価技術指針による検討を行うよう指導したというのは、先ほど答弁したとおりでございます。
この技術指針は、年間を通じまして、日常生活で普通に経験し得るような風による影響を評価するものでございまして、気象上、ごくまれに発生する暴風による影響を検証するものではございません。
○くりした委員 お聞きしたところ、恐らく、この調査を行うイコール風害は問題ないというのが現在の常識になっていると思うんですけれども、実際に付近で暮らす方々にとっては、これらの調査方法が十分でないという部分も一部存在するというのが現実であります。
これまでやっていないことを考えて、より入念な配慮をしていく、より踏み込んだ意見をしていくというのは、決して容易なことではありませんけれども、一つ一つの案件ごとに本当に多くの影響を受ける方々が後ろにおられます。日本の最先端を行く東京都としては、慣例どおりのチェックに終止することなく、地域で暮らす方々の目線で安心・安全なまちをつくっていく、そういった目的に沿って、より柔軟に細心の注意を払って、一つ一つの検討に臨んでほしいと思っております。
風害の件におきましては、そういった住民の方々の声もございますので、その他の調査方式の導入も視野に入れて、より一層の慎重な検討を重ねてもらうことを強くお願いいたしまして、安全に関する質問を終わります。
次に、本計画の地域貢献に関して質問させていただきたいと思います。
このたびの地域の整備方針においては、多様な魅力を持った都市にしていくための貢献が不可欠とされておりますが、現在ではどのような点が予定されているのか伺います。
○安井都市づくり政策部長 本計画の中の魅力というか、地域の貢献の内容でございます。地形上、この計画地は大きな高低差がございまして、歩きやすいとはいえないJR御茶ノ水駅前あるいは地下鉄新御茶ノ水駅前におきまして、駅周辺の快適な歩行者空間の整備といたしまして、地上と地下にわたる都市広場で、仮称でございますタウンゲートプラザを整備するようなこと、また、駅周辺の歩行者ネットワークの充実強化、地下鉄新御茶ノ水駅のバリアフリーの整備など行うものでございます。
さらに、JR御茶ノ水駅のバリアフリー化や歩行者空間が決して十分ではない聖橋口駅前広場の整備にもこの事業が協力することとしてございます。
駅前の都市広場でございますが、地域の人々に軍艦山として親しまれてきました敷地南東にある大きなクスノキや石垣を保全し、さらにこれに加えまして高木を中心とした緑化を計画するなど、緑豊かな地域に開放された憩いの空間が創出されることになります。また、これによりまして、周辺には湯島聖堂や神田川の緑など既存の緑があるわけでございますけども、こういったものが広域的にも緑のネットワークとして形成されることになります。
また、地上の広場でございますけども、休憩のためのスペース、カフェなどの整備、あるいは地域の祭り、イベントへの積極的な活用、また、国の重要文化財でございますニコライ堂を眺望できる開放的な視点場を確保するなど、本計画は、地域の多様な魅力づくりや地域の交流の活性化にも大きく貢献するものと判断してございます。
○くりした委員 今、たくさんの点をお答えいただきましたけれども、その中でも、特に交通環境の改善という点で非常に評価すべきものがあるのではないかというふうに感じました。目の前にありますJR御茶ノ水駅においては本当に常時混雑しており、たくさんの方々が歩行して非常に危険であると感じておりました。ぜひとも交通環境の整備については力を入れていただければと思います。
また、広場を地域のイベント事に貸し出したりするというのは、周辺環境の活性化という意味で、また価値のあることだと思います。
しかし、私が一つ懸念として持っておりますのは、神田というのは歴史的、文化的に多くの特徴を持ったまちでございます。新たな開発によって、これまでのまち並みが失われ、現在の魅力を失ってしまうおそれがあるのではないかということであります。
そこで、東京都で、当該地域が他のまちに埋没することなく、御茶ノ水が御茶ノ水であるための取り組みについて考慮しているのであれば、お伺いしたいと思います。
○安井都市づくり政策部長 この計画によりまして、いかにアイデンティティーを発揮するかというような趣旨のご質問だと思いますけども、御茶ノ水の地域、この周辺では大学、病院などが集積してございます。また、計画地周辺では江戸、明治時代の歴史、文化資源が豊富でございまして、古書店や神田須田町の老舗店街など、都市型の観光資源にも富んだ地域でございます。しかしながら、現状では地域の観光情報を発信する機能が不足しているなど、地域文化交流の拠点づくりも求められているところでございます。
こうした地域の特性であるとか都市再生緊急整備地域の整備方針を踏まえまして、本計画におきましては、地域に開かれた交流施設の整備といたしまして、地域文化の情報発信機能を強化して交流を促進するためのタウンゲートコア、また大学、医療機関の交流機能の強化を図るためのアカデミックカンファレンスセンター、地域の教育機能の強化充実に貢献する大学等教育関連施設の整備を行うこととしてございます。
また、先ほどもお答えしましたが、湯島聖堂など周辺のまとまった緑とも連携した緑化の推進、ニコライ堂など周辺のまち並みや計画地の歴史に配慮した地上広場の整備を行うなど、本プロジェクトは、御茶ノ水の地域ならではの都市再生に貢献するものと考えてございます。
○くりした委員 たくさんの点をお答えいただいたんですけれども、私が特に気になったのは、駿河台にしかない史跡を活用していくということで、まちの活性化を図るという点でございます。非常に付加価値を与えやすいことから、ぜひとも積極的に推進していただきたいというふうに思っております。
私が地元を歩いて回って見ている限りでは、向かいにあるニコライ堂に関しては、本当にベストなアングルで見られる場所が、現在工事予定区域として囲われているため立ち入ることができないんですけれども、本当に多くの方々が写真を撮っていたり、絵をかいていたりというふうな姿を見ることができます。わざわざ遠方から来られる方もたくさんいらっしゃるようです。
ですので、既にこの資料の中で案としては上がっておりますけれども、私としては、区域西側の空き地におきましては、ぜひともニコライ堂、千代田区においても有数の史跡でありますけれども、これを十二分に活用して、地域住民の方々やこの地域を訪れる方々の憩いの場となるよう、この資料の中にある、まさにイメージ図のような光景が実際に実現できるように、東京都からも要請をいただけるようお願いいたしたいと思います。
また、既に現在活用が予定されている軍艦山のれんがのみならず、周囲の地域には文化的、学術的に価値の高い史跡というのが非常に多く存在しております。その一例として、地元の区議会で話題に上がったそうですけれども、地域周辺に有名な芸術家にゆかりのある蔵が存在しているそうです。これは近くの再開発の予定地域内にありますので、近々壊されてしまう予定だそうですが、例えばこういったものをうまく利用するなりして、やはりまちの個性をより色濃く残せるということもできるかと思います。
こういったものを壊すのは簡単ですけれども、二度と戻すことはできませんので、ぜひともいま一度慎重に、こういった歴史的遺産の価値に目を向けていただいて、そういった活用のアイデアを模索していただけるよう、働きかけを行っていただくようお願いして、私からの質問を終わらせていただきます。
○長橋委員 私からは、都市高速鉄道八号線、いわゆる東京メトロ有楽町線の都市計画変更につきまして若干お伺いをいたします。
この都市計画変更は、有楽町線小竹向原駅と千川駅の間に新たに連絡線を設置して、いままでの副都心線、有楽町線の平面交差を解消するというようなことが書いてあるわけでありますけれども、そうした変更をするに当たって、まずはどういう効果があるのか伺いたいと思うわけであります。
昨年六月に副都心線が開通いたしまして、地元では副都心線開通に向けて大変な期待があったわけであります。東京で初めて都心三区を通らない地下鉄であるということで、副都心線の名称がついたんだろうと思います。池袋、新宿、渋谷、将来は渋谷で東横線と結んで横浜までの計画であるわけであります。また、途中さまざまな路線と接続しておりまして、副都心といわれる私の地元の池袋、新宿、渋谷、この活性化にももう一度寄与するんだろうと思うわけでありますが、さらにそれに、この効果を高めていくということであろうかと思いますが、まずは今回の変更についての効果、目的、お伺いをいたします。
○座間都市基盤部長 副都心線の今回変更の目的と効果でございます。こちらの薄茶表紙の資料の五〇ページ、五一ページをお開きください。五〇ページには副都心線の路線図、そして五一ページには、左の小竹向原から千川の区間を拡大した配線図を示してございます。
この有楽町線の小竹向原駅から千川駅間では、現在、右の五一ページの路線図の黄緑色で示しておりますけども、地下鉄成増方面と有楽町線の新木場方面を結ぶ経路、それと、青色で示しております練馬方面と副都心線の渋谷方面を結ぶ経路が平面交差をしております。この平面交差部では列車の通過待ちがありますので、朝ラッシュの時間帯を中心に列車の通過本数が現在で限界に達しております。先ほど理事からお話ありましたけども、平成二十四年度に予定しております渋谷駅における副都心線と東急東横線との相互直通運転後の列車本数の増加、これに対応することが困難になっております。また、列車のおくれが生じた場合、列車運行の混乱が長時間、広範に及ぶなどの問題が発生しております。
こうした平面交差による課題を解決するために、今回、連結線を設置するものでございます。これによりまして、練馬方面から渋谷方面に向かう列車との平面交差が解消され、両方面に向かう列車は相互に影響することなく、それぞれの方向に運行できるようになります。この結果、東急東横線との相互直通運転後の副都心線の列車本数増加への対応が可能となるとともに、平面交差部における列車の通過待ちが解消されるため、輸送の安定性が向上するものと考えております。
○長橋委員 今まで、通常は見えないところでありますので、なかなか列車が来ないというようなこともありました。今度は平面交差から新たな連絡線を設置して解消を図って、今、ご答弁では列車本数の増加を図っていくということでございます。
先ほど話しましたが、昨年六月に副都心線が開通した際に、一つは準急列車が走りました。今まではなかったわけでありますけれども、そうしたこともあって、小竹向原駅では六月当初は大変混乱をして、たびたびダイヤの乱れが生じておりました。私は豊島区ですので、池袋から小竹向原に行く途中の二つの駅、要町駅と千川駅、これが準急の場合には通過駅になりました。中には、副都心線が開通したことによってよくなった、利便性が高まった、まあ期待があったわけでありますけども、ここを利用する方々は逆に、本数が非常に少なくなった。また、今までは通過する電車がなかったのが準急列車が通過することによって非常にストレスもあり、また本数も減った。中には、おりる予定の駅を、間違って準急に乗って小竹向原まで行ってしまったというような方も多くいまして、実は私もその一人なんですけれども。
そういうことで、六月のスタートから準急列車が余りにも通るものですから、地元の方々からご要望をたびたび伺いました。そういう声を受けまして、地元の方々も一緒に東京メトロに申し入れをいたしまして、ぜひ、副都心線の利便性を高めていく意味においても、準急列車をもう少し勘案してくれないか、そして安全第一の上でも、ホームさくのドアとか、そういったことを要望させていただきました。
早速、東京メトロも、そうした利用者の方々からも声があったんでしょう、六月の開通後、わずか半年でダイヤの改正を行いました。平日では準急が四十四本走っていたのを二十本までに減らしましたし、土曜、休日、日曜日、八十八本あった準急列車を二十本に減らした。減った分だけ各駅停車、普通電車にかわったわけで、こういうことによって、地元の方々は東京メトロの対応について大変に評価したわけであります。
しかしながら、今回は、それでもやはり、池袋を結束点としていろんな、世界一の交通ネットワークだと思いますけど、その象徴のような感じもするわけでありまして、さらに本数の増加というのは常にあるわけであります。
そこで、今、列車の本数を増加する、こういうご答弁でありますけど、具体的に何本ふえるのか、そこら辺、わかりましたら教えていただきたいと思います。
○座間都市基盤部長 スクリーンに先ほどの八号線の路線図を示しておりますけども、副都心線の運行本数についてでございますが、副都心線と東急東横線との相互直通運転開始後でございますけども、現在の運行本数ですと時間当たり十七本でございまして、今回の計画変更によりまして、ピーク時間当たり二十四本まで拡大することが可能になります。
しかしながら、具体的な運行本数につきましては、今後、関係する鉄道事業者間で協議を行いまして、平成二十四年度の相互直通運転開始までに決定するということで、そういう予定になっております。
○長橋委員 今、部長が明確に二十四本になることは可能である、こういうご答弁でありました。これは残りますのでね。
具体的には、実際は東京メトロさんが運行計画等を検討して決まるんだろうと思うわけでありますけども、でも一時間当たり十七本、これも地方に比べたら大変な本数だと思うわけでありますけれども、それをまた今度は二十四本まで可能になるということは……(「すごいことだ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。すごいことであろうと思います。本当に車社会から、こうした都心に住む場合には、交通網を利用していろんな接続をしながら、東京の魅力が高まる、こういうことにもなろうかと思うわけであります。
そこで、本数をお伺いしましたので、今度はいつなんだ、こういうことも聞かなきゃいけないと思うわけであります。この連絡線の計画、具体的に今後の事業予定、なるべく早くしていただきたいと思うわけでありますけれども、大変な工事でもあろうかと思います。今後の事業予定をお伺いいたします。
○座間都市基盤部長 今後の事業予定でございますけども、東京メトロでは、今回の都市計画変更の後、平成二十二年度に工事に着手するという予定にしております。工事に当たりましては、初めに上りの連絡線を設置いたしまして、その後に下り線を整備することとしております。上り線につきましては、副都心線と東急東横線との相互直通運転が予定されております平成二十四年度までに工事を行いまして、また下り線につきましては、平成二十六年度までに供用開始するということになっております。
○長橋委員 以上で質問は終わりたいと思います。増強の具体的な本数、また時期について伺いました。東京の鉄道ネットワークがさらに充実するということであろうかと思いますし、こうした計画を私も地元の皆さん方にご説明またお話をする中で、きちっとこの東京の鉄道ネットワークの充実について、私も一生懸命議会で発言する中で努力をしていきたいと思っておりますので、こうしたネットワークにつきましては、東京都も積極的に関与して推進を図られることを望みまして、質問を終わります。
○大島委員 私は、都市再生特別地区の問題で今回二件出されておりますので、神田駿河台四丁目六地区と京橋三丁目一地区について、内容的には同じようなものなので一緒に質問をさせていただきます。
まず、この二つの案件は、都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域、秋葉原、神田地域内と日本橋、八重洲、銀座内に指定されている地域における開発の提案です。
都市再生特別地区内では、誘導する建築物には青天井の規制緩和が可能といわれるような大幅な規制緩和が行われます。今回は事業者からの計画提案制度により提案されたもので、都市計画決定権者である東京都と都市計画審議会に認められれば実行に移されるというものです。
非常に大きな事業でして、私もこれ、調べれば調べるほどよくわからなくなってしまうんですが、まずこの二つの提案はいずれも大幅な容積率の緩和がされています。神田駿河台地区では、基準容積率五五四%に対して、都市再生への貢献の評価として四一六%の容積率が上乗せされ、およそ七五%もの容積率アップが図られています。結果として最高限度が九七〇%にまで達しています。京橋地区でも同様に、基準容積率七六〇%に都市再生への貢献の評価として五三〇%上乗せして、容積率の最高限度を一二九〇%と、七割もの容積率のアップがされています。
私は、基準容積率の数値もなぜこういう数なのかというのもよくわからなかったんですが、それよりも、容積率をアップするという、上乗せするという基準がよくわからなかったんです。ただ、都市再生への貢献ということで、こうして大幅に容積率をふやす、その理由は何なのかということを伺いたいんですが。
○安井都市づくり政策部長 都市再生特別地区でございますけども、国が指定する緊急整備地域内におきまして、都市の魅力とか国際競争力を高める、こういった目的のために、地域の整備方針の実現に向けて、民間の創意工夫を生かした優良なプロジェクトの誘導を図り、都市の再生を推進する、そういった都市計画でございます。
この制度は、民間事業者の創意工夫に基づく計画提案を踏まえまして、容積率制限など既存の都市計画に基づく規制にかえまして、計画内の都市再生に対する貢献の度合いに応じまして、決して青天井というわけではございません。これを新たに定めるものでございます。
今回の案件の具体的な提案でございますけども、先ほどこれはくりした委員にもご説明しましたが、例えば神田駿河台四丁目六地区では、立体の都市広場であるとか、緑のネットワークであるとか、重要文化財を開放的に望む視点場の整備だとか、地下鉄新御茶ノ水駅のバリアフリー化、こういったことを、従来の敷地単位の計画でできないものを実現する内容でございます。
また、京橋三丁目一地区では、中央防波堤内側に計画されてございます海の森から皇居への緑につながる、そういった中間に位置してございまして、都が進めておりますグリーンロードネットワークの形成の一角をなします京橋の丘の整備、また地下鉄銀座線京橋駅のバリアフリー化などを実施するものでございます。
こういったものを貢献内容として評価いたしまして、都市計画を定めるものでございます。
○大島委員 貢献の度合いというのがどうやってはかられるのかなというのがよくわからないんですね。貢献する内容というのはここにも書いてあるので、そういう中身でやるのかなと思うんですけど、上乗せする分が四一六%の容積率になるとか、五三〇%の容積率になる、そうなるというのが、その数値がよくわからないなというふうに私は思っているんです。
その問題についてはまた後でお聞きすることにしまして、今回は、事業者にとっては容積率の大幅なアップによって床面積を大きくふやすことができますし、オープンスペースで緑の創出ということをいっておりますけども、上乗せされる容積分が与える環境負荷ということを考えれば、本当にささやかなものにすぎないと思います。むしろ事業者自身の受ける受益の方が多いと思います。
また、事業実施段階での環境アセスの対象も大きく変えてしまったために、今回の神田駿河台地区の案件は高さ百十八メートル、延べ床面積十万二千平米、京橋地区の案件は高さ百三十メートル、延べ床面積十一万六千平米ですが、アセスの対象にはなっていません。
都市再生によって供給されるオフィスビルによって、ヒートアイランド現象の原因となる温室効果ガスが上昇します。また、ビルの建てかえによって大量の建設廃材や残土が発生します。また、ビル完成後のオフィスを中心とした経済活動の活性化による廃棄物、これは一般も事業系も産業系もありますけれども、それが増加をいたしまして、環境への負荷を飛躍的に増大させるおそれがあります。
環境負荷の問題、環境に配慮していると、こういいますけれども、高層化することで、まち全体に与える影響が大変大きいと考えますが、その見解を伺います。
○安井都市づくり政策部長 都市再生と周辺環境への配慮ということでございますが、特に、今お話がありました地球温暖化対策のような問題につきましては、都市再生特別地区の提案におきまして、建築物の熱負荷に対する性能、設備による省エネルギー性能を最高水準とするための取り組みを義務づけているところでございます。
例えば、今回の二つの地区のプロジェクトでございますけども、高性能設備機器の導入であるとか、太陽光発電といった自然エネルギーの積極的利用など、最先端技術を導入することとしてございます。
こうした先進的なプロジェクトの事業化を契機といたしまして、地区、街区単位における環境負荷の低減を図ることが重要であると考えてございまして、東京を低炭素型の都市へと転換するためにも、都市再生プロジェクトを積極的に推進してまいります。
○大島委員 自動車の排気ガスというのも非常に深刻です。都市再生による新たに発生する自動車の集中ということも問題になってきます。神田駿河台地区では約二百五十台、京橋地区では附置義務台数以上の三百三十台の駐車場が設置されます。附置義務台数以上の駐車場の設置が、新たな車両を呼び込むことにもなると考えますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 駐車場の計画についてでございますけども、今回の二つの案件のうち、京橋地区につきましては、附置義務台数約二百五十台を含みます約三百三十台の駐車場を計画地内に整備することとしてございます。
この地区周辺では、現在、非常に路上駐車車両が多く、安全な歩行を妨げていることなど、駐車場の整備が地域の課題となってございます。
本計画では、地域の路上駐車を解消し、歩行者環境の向上を図るために、地元の中央区の駐車場整備の方針を踏まえまして、附置義務としての約二百五十台に加えまして時間貸し駐車場約八十台分を整備し、全体で約三百三十台とすることとしてございます。
本計画では、このように駐車場に関する地域の課題に対しまして積極的に対応するものでございまして、これにより円滑な道路交通や快適な歩行者空間が確保されるものでございます。
なお、神田駿河台四丁目六地区につきましては、計画地内の現状から、附置義務台数以上の駐車場を整備する必要がないことから、附置義務台数の約二百五十台分を計画地内で確保することとなってございます。
○大島委員 都市のあり方というのを考えるときには、今回の案件一つ一つを見るだけじゃなくて、この案件が建設される地域、都市再生の中でも石原知事がとりわけ重視しているセンター・コアといわれるこの地域に高層ビルを集中させ、過剰なビル供給によって大量な空き室の発生が出るとか、賃料の下落など、ビル不況ともいわれるような状況がつくり出されています。また、温室効果ガスの大量の発生、風の道といわれる、その道をふさぐことによってヒートアイランド現象を引き起こすなど、東京の環境と都民生活に大きな弊害をもたらすものになっています。
今、東京都に求められているのは、こうした都市の成長をコントロールする成長管理政策、この導入がどうしても必要だというふうに思います。
この立場から、今回のこの二つの案件について都市計画審議会にかけることに反対し、質問を終わります。
○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了をいたしました。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時四十七分散会
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