委員長 | 尾崎 大介君 |
副委員長 | きたしろ勝彦君 |
副委員長 | 今村 るか君 |
理事 | 宇田川聡史君 |
理事 | 長橋 桂一君 |
理事 | 大塚たかあき君 |
加藤 雅之君 | |
吉住 健一君 | |
くりした善行君 | |
しのづか元君 | |
大島よしえ君 | |
興津 秀憲君 | |
中山 信行君 | |
山田 忠昭君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長技監理事兼務 | 河島 均君 |
次長 | 岳野 尚代君 | |
技監 | 升 貴三男君 | |
理事 | 加藤 英夫君 | |
総務部長 | 石野 利幸君 | |
都市づくり政策部長 | 安井 順一君 | |
住宅政策推進部長 | 紺野 秀之君 | |
都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 | 座間 充君 | |
市街地整備部長 | 遠藤 正宏君 | |
市街地建築部長 | 瀧本 裕之君 | |
都営住宅経営部長 | 清水 文夫君 | |
企画担当部長 | 横溝 良一君 | |
住宅政策担当部長 | 瀬良 智機君 | |
民間住宅施策推進担当部長 | 宇多田裕久君 | |
航空政策担当部長 | 邊見 隆士君 | |
民間開発担当部長 | 石川 進君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 小澤 弘君 | |
耐震化推進担当部長 | 町田 修二君 | |
経営改革担当部長 | 岡沢 裕君 | |
再編利活用推進担当部長 | 中島 俊明君 | |
建設推進担当部長 | 山口 幹幸君 | |
営繕担当部長 | 荒川 達夫君 | |
参事 | 田崎 輝夫君 | |
参事 | 大塚 高雄君 |
本日の会議に付した事件
意見書について
都市整備局関係
契約議案の調査
・第百三十九号議案 都営住宅二十一CH-一〇二東(葛飾区高砂四丁目・葛飾区施設)工事請負契約
報告事項(説明・質疑)
・第百八十六回東京都都市計画審議会付議予定案件について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について
○尾崎委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、意見書について申し上げます。
委員から、お手元配布のとおり、意見書を提出したい旨の申し出がありました。
本件については、本日の理事会において協議の結果、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりました。
お諮りいたします。
本件については、理事会の協議結果のとおりとすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
○尾崎委員長 次に、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することとなっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十一年九月十五日
東京都議会議長 田中 良
都市整備委員長 尾崎 大介殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第百三十九号議案 都営住宅二十一CH-一〇二東(葛飾区高砂四丁目・葛飾区施設)工事請負契約
2 提出期限 平成二十一年九月十七日(木)
○尾崎委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の契約議案の調査及び報告事項の聴取並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
契約議案の調査を行います。
第百三十九号議案を議題といたします。
本案につきましては既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
ご発言をお願いいたします。
○宇田川委員 都営住宅の工事請負契約についてお尋ねをいたします。
都議会自民党では、入札契約制度改革のプロジェクトチームにおきまして、公共事業の正しいあり方についてさまざまな角度から検証を行い、報告をさせていただいたところです。昨年の十月にも、私から建設局に対して、公共事業における発注者のあり方という質疑を行ったところなんですが、本日も事業局としての取り組みといった観点でお伺いをさせていただきます。
このたびの葛飾区の契約案件において二点ほど疑問がございまして、その一点目は低入札ということでございます。
今週の代表質問で、我が党の川井幹事長の問いに対して財務局長の答弁がございました。低価格入札が続けば、工事現場における労働安全対策の切り下げや下請企業への不当なしわ寄せを生じさせるおそれが高く、中長期的にも、優良な事業者の減少や技術力の低下を招くなど、今後の公共工事の品質確保に悪影響が生じることが懸念され、必要な対策を講じるべき事態と認識をしている、都では入札契約制度改革研究会において検討しており、その報告を踏まえ、低入札価格調査制度について速やかに強化を図っていく、こういった答弁でございました。
私は大変前向きな答弁だと思っております。と同時に、やはり低入札というものには問題があるという見解が示されたのではないかな、そう考えているところでございます。今回の案件も、落札率は六〇%台という数字でありまして、まさに低入札といっていいと思います。
そこで、都市整備局における最近の低入札の実績、また、これまで低価格競争を抑制するためにどんな取り組みを行ってきたのかお伺いいたします。
○石野総務部長 都市整備局におけます低入札の実績についてのお尋ねでございますが、平成十九年度が七件、平成二十年度が一件でございまして、今年度につきましては、八月末までに、今回契約案件としてご提案しております一件が該当してございます。
局といたしましては、財務局が昨年九月に公表いたしました入札契約制度の当面の改善策についての実施方針も踏まえまして、低価格競争の抑制策として総合評価方式による工事発注を推進しているところでございます。
この結果、総合評価方式によるものは平成十九年度が九件、平成二十年度が十件であるのに対し、今年度は八月末までの五カ月間で発注いたしました件数が十七件となってございまして、既に昨年度を大幅に上回る実績を上げております。
局といたしましては、引き続き総合評価方式の取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。
○宇田川委員 都市整備において、私が思っていたより少ない件数で、ある意味ほっとしているところでございます。お話がありました総合評価方式がきちんと機能している証拠でありまして、価格競争の是正のために総合評価方式を適切かつ効果的に運用されている、こうした姿は高く評価をさせていただきます。
低入札の結果、下請、孫請の小零細企業にしわ寄せがいってしまう、このことを私は一番心配をしております。こうした弱い立場の企業を守るためにも、引き続き総合評価方式の取り組みを着実に進めていただくようにお願いを申し上げます。
公共工事というのは、品質をしっかり確保し、将来にわたって都市活動や都民生活を支える役割を果たさなければならない、いうまでもないことだと思います。と同時に、発注者、これは皆さんのことになると思うんですが、それと受注者ともどもに努力を惜しまず重ねていく必要があると考えます。人材育成をしっかりと行っていただき、互いに知識や技術などに対する努力を怠ってはならない、そのことによって、公共事業は品質確保がなされていくのだと考えております。
さて、今回は一般競争入札があったわけですが、落札者は都内に本店を持たない他県の業者でありました。都市整備局における都内業者の落札の現状と地元企業優先の取り組みはどうなっているのかを教えてください。
○石野総務部長 都市整備局におきましては、局、事務所契約の工事発注におけます指名業者の選定に当たりましては、事業者の本店所在地など地理的条件を重要な要件といたしまして考慮し、選定しているところでございます。
この結果、都市整備局の発注工事において都内に本店がある事業者が契約となっている割合でございますが、平成十九年度が九〇・六%、平成二十年度が九二・七%、今年度は八月末現在でございますが、九六・〇%と高まってございます。
今後とも契約の透明性、公正性の確保を図りながら、指名業者の選定に当たりましては都内の事業者優先に努めてまいります。
○宇田川委員 九〇%以上は都内業者であると、こういうお答えでありました。やはり都が地元企業を大切にしているという姿勢を示すことは、私は大事なことだと思っております。そのことによって、受注業者のみならず産業界全体に都との信頼関係が構築され醸成されていく、そして品質確保にも必ずつながるものだと考えます。
加えて、我々が一貫して主張してきたことは、公共事業とは、工事が完成して決して終わりではないということです。受注した業者がきちんと利益を得て、その利益に基づいた間違いのない納税をしていただく、これで初めて公共事業の完了を迎える、こう考えているわけでございます。
都内業者への発注は都税収入として返ってくる、結果、互いにより上を目指していける、こう考えております。
入札契約制度については、まだまだ多くの議論を重ねる必要があります。今後も我々は機会あるごとに提言を行ってまいりますが、都市整備局においても、ぜひ事業局として発注者としてさまざまな取り組みを積極的に講じていただきたいと思います。
将来を背負って立ってくれる子どもたちに胸を張って引き継ぐことができる、そんなこの大都市東京の都市づくりのためにも力を尽くしていただきますようお願いを申し上げ、終わります。
○大島委員 私の方からも、この案件の最初の契約の問題から入ろうと思ったんですけれども、若干、今の宇田川理事さんの話とかぶる部分もあるので、少しその辺は変えます。
今回の予定価格が六八・五八%という低入札価格になっていますが、お聞きしたところ、最低制限価格は大体八五%ぐらいだということだったんですね。そうすると、余りにも低過ぎるのではないかというふうに思いまして、この一期工事では、今回の契約案件で出てきているのは一件なんですが、あと四棟つくられるということなので、その四棟の方の予定価格に対する落札したときの金額を私の方で試算というか、見てみましたら、一つは一〇〇%、それからもう一つは九一・八%、八七%、八四・五%、それから施工能力審査方式の総合評価方式試行というのでやられたのが八〇・九%ということなんですが、いずれも八〇%以上ということで、これを上回って保っているという状況があるんですね。
そういう意味で、同じように積算して、同じような予定価格を東京都は決めているんですから、最低制限価格を下回るような入札価格では実際に業者の方も利益が出ないのではないかと、そういうことで非常に心配になりました。結果として、その業者が無理をするということになると、東京都が望むような内容での建設ができなくなってしまうんではないかと、その辺がちょっと不安にもなるんですけれども、低入札で入ったこの業者と契約をした理由はどういうところにあるんでしょうか。
○石野総務部長 まず本件でございますが、これは財務局契約でございます。
今ご質問でございましたが、この中では調査基準価格という価格がまずあるわけでございますが、入札価格がこの調査基準価格を下回っているわけでございますが、そうした場合には、その所管局、財務局でございますが、その中で低入札価格審査委員会、これを設置しまして、契約の内容について適切に対応した履行ができるかどうか、これを審査しまして、その上で問題がない場合は落札者となるということになってございます。
本件に係ります審査委員会では、入札者の積算能力、労務単価、品質管理、経営状況などの審査が行われまして、その結果、本契約の適正な履行に必要な施工能力、経営内容を備えているというのが確認されたため、落札者と認められたものでございます。
○大島委員 今のお話で、低入札価格の審査を行ったけれども、特段の問題は認められなかったのでこの企業にしたというようなお話でありました。しかし、予定価格を大きく下回る低価格で入札をしたということを、ある意味その審査会でも認めたということになってしまうのではないかと。つまり、この程度の価格でも十分建設はできるというお墨つきを東京都が与えたということになるのではないかと。
この辺が、なかなか今、不況の中で、建設業界の方たちも生き残りをかけて何とか仕事をとりたいというふうに思っていると思うんですけれども、こうした低価格が会社の経営とか下請労働者へのしわ寄せにならないかということを非常に心配しているんですが、その点はいかがでしょうか。
○石野総務部長 契約制度でございますけれども、制度全般の考え方につきましては財務局の方で位置づけの考えを作成し、各局がそれに基づいて行っているところでございます。
本件につきましては、予定価格が非常に高額にわたりますので、いわゆる財務局案件で、対象としては一般競争入札という形になってございます。そうした中で一般競争入札で、業者の方では十四者、一者辞退しましたので実際は応札が十三者ということになってございまして、そうした中で、結果的に落札率が六八・六%というところで落札金額がなっているところでございます。それが果たして適切かということにつきましては、先ほども申し上げましたが、財務局所管の低入札価格審査会、この中で、実際それが適切なのか、その適正な執行に問題はないのかということを含めまして検討して、その中で落札して認められたものでございます。
○大島委員 私の方としては、こうした低価格の入札がこれからも広がるということになると、なかなか業者の方たちについても厳しい状況が一層広がるのではないかということを危惧しております。
次に、質問を変えます。
今回の案件は、保育園を併設する都営住宅と聞きました。この保育園の定数はどのようになっているのでしょうか。
○山口建設推進担当部長 本件は、葛飾区高砂団地の一棟百五十四戸の工事請負契約の議案でございまして、ただいまのご質問とは直接関係ないものと思ってございます。
なお、ご質問の保育園につきましては葛飾区が行う事業であることから、私どもからはお答えを控えさせていただくことと思っております。
○大島委員 保育園の併設する都営住宅……(「契約議案からそれちゃだめだよ」と呼ぶ者あり)契約するこの建物は、保育園が併設されている建物なんですよ。(発言する者あり)はい。
それで、実際にその保育園が、こちらの方で聞きましたら、二つある保育園を一カ所にまとめてここに入るということなんですね。それで、実際には保育園の定数が、この二園をあわせたものよりも小さくなってしまうと、そういう状況が生まれてくるということでした。実際には今、待機児が非常にふえている中で、この面積をもっとふやす必要があるんではないかというふうに思っています。その点で、東京都は今、少子化対策を進めていますし、認可保育所の整備計画も前倒しで実施するというようなことをいっておりまして、三年間で保育定員を一万五千人分、そのうち認可保育所を六千五百人分ふやす計画をつくっているんですから、こうした問題については、定員を少なくとも減らすなということぐらいいってもいいのではないかというふうに思っています。
それじゃ、また質問を変えます。
都営住宅の直近の応募倍率は一体どうなのかということなんですが、葛飾の中での応募倍率はどのようなものになっているのでしょうか。
○山口建設推進担当部長 これもまた、本件議案とは直接関係ないと存じます。その上でお答え申し上げますが、昨年度の葛飾区内の一般世帯向けの都営住宅の応募倍率は三十四・六倍となってございます。
○大島委員 契約案件なんですけれども、今入る百五十四戸の問題で、この契約に出てくる都営住宅の問題でお聞きをしているんですが、この百五十四戸の内訳を見ますと、型別供給というのがふえているからだと思うんですけれども、一DKが四十戸、二人用の二DKが八十二戸、三人用の二DKが二十一戸、それから三DKが十一戸ということで、一人、二人用というのが全体の七九・二%を占めているんです。こうなると、子育て中のファミリー世帯などがほとんど入れないような設計になっているのではないかというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○山口建設推進担当部長 再三申しわけありませんが、本件につきましても直接関係ないと存じます。その上でご質問にお答えします。
都営住宅の建てかえ事業では、管理コストの抑制を図るため、元戸数以下を基本としまして、居住者の入居状況を踏まえるとともに、立地条件や敷地の形状などを勘案しながら建設戸数を決めているところでございます。こうした考え方のもとで、高砂団地では今後三期に分けて建てかえ事業を実施することとしておりまして、今後の事業の進捗状況を踏まえ、全体では千百戸程度、居住者の世帯構成に応じた適切な規模の都営住宅を建設するということにしてございます。
○大島委員 これから建てるということであれば、そういう中でもっとその世代間のバランスを考える、そういうような配置というのもぜひ考えていっていただきたいというふうに思っています。
今、三期の計画があるということなんですけれども、三期目の計画が明確でないんですけれども、建設時期とか建設場所、これはいつごろ決まるんでしょうか。
○中島再編利活用推進担当部長 三期の計画についてのお尋ねでございますけれども、本件契約案件と直接かかわらないと存じますけれども、高砂団地の建てかえ事業では全体を三期に分けて進めることとしておりまして、現在一期と二期については計画が定まっております。
三期の事業につきましては、今後の建てかえ事業の進捗や地域のまちづくりの動向、これらを見ながら計画を具体化していく予定でございます。
○大島委員 ありがとうございます。いずれにしても、その三期はつくるということなので、いつになるかはわからないということですよね。
それで、実は、今回の住宅が建てかえ住宅だということで、居住者などから切実な要望が寄せられているんです。今の団地の中で、十八号棟だけが浴室がついていない団地だそうです。この建てかえの計画、全体の三期の計画の中で、この棟は最も遅い三期の移転の対象になっているということで、現在二十二世帯住んでいるんですけれども、周辺の銭湯もなくなってしまって、高齢者の方が歩いて十五分から二十分ほどかかる銭湯に行かなきゃならないということになっているんですが、この十八号棟だけでも最初の移転計画の対象にするということはできないんでしょうか。
○山口建設推進担当部長 たびたび申しわけありません。本件につきましても議案とは直接関係ないことでございますが、ご質問でございますのでお答えいたします。
ご質問の十八号棟でございますけれども、住棟内に併存店舗、これは一階に店舗があるわけですが、併存店舗がございまして、区分所有権を有する店舗所有者との合意に相当の時間を要すると、こうしたことから、二期工事の完了後に居住者に移転していただくこととしてございます。上の二階以上の住宅部分にお住まいの居住者に先立って移転いただくことは、建物の保守管理あるいは安全確保の点からも極めて困難であると考えてございます。
なお、移転の時期等につきましては、既に説明会におきまして居住者の皆さんのご理解を得ているものと考えております。
○大島委員 ここの今度の建設では、二人用の二DKの面積が三平米ほど広くなっているというのを見て、いいなと私は思っているんですけれども、何かそういう点では、今回永住ということで説明会の中で、新宿六丁目団地に移った人たちの中から、広くなるんだったら戻りたいという希望もあるということなんですが……(「委員長、これね、契約案件を議論してるのに、何でもできちゃうよ、そしたら」と呼び、その他発言する者あり)
○尾崎委員長 議案に沿った質疑をお願いいたします。
○大島委員 わかりました。じゃ、議案に沿ってということですと、そういうことで要望があるので、事情が変わった人にはぜひ戻り入居させてもいいんじゃないかと私は思っています。
それから、最後になりますが、ここの全体の敷地面積が九・六ヘクタールあるということなんですが、このうち建てかえを今決めている二期までの建設面積だと、大体三・三ヘクタールで三四%程度、三期目の分を入れても半分ぐらいの敷地が余ってしまうような計画になっているんですけれども、こうした後の利用計画というのはどういうことを考えているんでしょうか。
○中島再編利活用推進担当部長 本件議案とは直接関係ない質問でございますので、お答えを控えさせていただきます。
○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○尾崎委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○河島都市整備局長 来る十月二十九日、木曜日に開催予定の第百八十六回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
今回、東京都決定案件が全部で九件ございまして、その内訳は、区部で一件、市町村部で八件ございます。
本日は、これらのうち主な案件といたしまして、坂浜平尾土地区画整理事業の変更及びその関連案件で多摩三・四・三二号清水谷戸小田良線ほか三路線の変更につきましてご説明いたします。
また、今回の都市計画審議会には付議いたしませんが、環境影響評価書案の公示とあわせて都市計画案の公告を行う、いわゆるアセスの前合わせ案件といたしまして、府中三・二・二の二号及び国立三・三・二号東京八王子線の変更につきましてご説明いたします。
それでは、引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 本日ご審議いただく付議予定案件のうち、ナンバー5からナンバー9は、稲城市における坂浜平尾土地区画整理事業と、それに関連いたします都市計画道路の変更案件でございます。
お手元にお配りしております資料がございますけれども、そのうちこの案件につきましては、白表紙でございます提案事項概要の二四ページから三〇ページ、それから薄茶色表紙の事前説明会資料の二五ページから四〇ページに記載をされてございます。
それでは、坂浜平尾土地区画整理事業の変更並びに多摩都市計画道路三・四・三二号清水谷戸小田良線ほか三路線の廃止についてご説明をいたします。また、あわせまして、稲城市決定の多摩都市計画道路三・四・三六号小田良上平尾線の追加についてもご説明をいたします。
なお、土地区画整理事業の変更と都市計画道路四路線の廃止は、東京都決定の案件でございます。
まず位置でございますが、それでは薄茶色表紙の事前説明会資料の二五ページにございます位置図あるいはスクリーンをごらんいただきたいと思います。
坂浜平尾地区は稲城市の南西部、京王相模原線若葉台駅の東方一キロメートルに位置してございまして、住宅、農地、緑地が混在する約百八十四ヘクタールの地区でございます。
次に、白表紙の提案事項概要の二四ページ並びに薄茶色表紙の事前説明会資料二七ページをごらんいただきたいと存じます。
坂浜平尾地区については、良好な環境の市街地整備、多摩ニュータウン関連公共施設の整備促進などを図るため、平成九年に、東京都施行を前提といたしました土地区画整理事業並びに土地区画整理事業の中に位置づけられている多摩三・四・一七号を初めとした都市計画道路五路線を都市計画決定及び変更をしてございます。しかし、平成十一年に都が策定をいたしました財政再建推進プランなどを踏まえまして事業の見直しがなされまして、現在、未着手となっております。
このような状況の中で、稲城市は社会情勢等の変化などを踏まえまして、土地利用や道路交通ネットワークのあり方の見直しなどを行いまして、平成二十年三月に稲城市都市計画マスタープランを改定いたしました。
また、本地区内の上平尾地区と小田良地区におきましては、組合による土地区画整理事業の準備が進められてございまして、特に上平尾地区では、区域公告等、事業認可取得に向けた手続が進むなど、地域のまちづくりが進展する状況となってございます。
今回の変更は、稲城市都市計画マスタープランが改定されたことから、地域のまちづくりに合わせた公共施設の整備を行うために、坂浜平尾土地区画整理事業の公共施設の配置を変更するとともに、多摩都市計画道路から三・四・三二号清水谷戸小田良線ほか三路線を廃止し、新たに三・四・三六号小田良上平尾線を追加するものでございます。
なお、当該の四路線の廃止につきましては都の決定、新規の一路線の追加については稲城市の決定でございます。
最後でございますが、白表紙の三〇ページ、並びに薄茶色表紙、事前説明会資料の三七ページをごらんいただきたいと存じます。参考として、稲城市が決定いたします多摩都市計画道路三・四・三六号小田良上平尾線についてご説明をいたします。
多摩三・四・三六号小田良上平尾線は、拡幅整備中の鶴川街道との交差部分を起点といたしまして、川崎市との行政界を終点といたします延長約千八百メートル、二車線、幅員十七メートルの路線でございます。なお、この路線につきましては、上平尾地区と小田良地区で予定されている二つの組合土地区画整理事業並びに稲城市による整備を予定してございます。
以上で私の説明を終わります。
○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 私からは、環境影響評価手続開始案件、ナンバー1及びナンバー2、府中都市計画道路三・二・二の二号東京八王子線及び国立都市計画道路三・三・二号東京八王子線の変更に関する案件についてご説明申し上げます。
お手元の資料では、白表紙の提案事項概要の三三ページ、それから三八ページ、茶表紙の事前説明会資料四三ページから五二ページになります。
本件は、東京都環境影響評価条例の対象事業でございまして、今回は環境影響評価書案の公示とあわせて都市計画案の公告を行う、いわゆる前合わせでございまして、東京都決定の案件でございます。今後、条例に基づく環境影響評価を行った後に、東京都都市計画審議会に付議するものでございます。
白表紙の三三ページ、それから茶表紙の四三ページをお開きください。東京八王子線は、三鷹市牟礼一丁目を起点とし、調布市、小金井市、府中市、国立市、日野市を経まして、八王子市南浅川町に至る延長約三十四・二キロメートルの主要幹線道路でございます。
今回変更する区間は、府中所沢線との交差部から甲州街道との交差部までの間、約一・三キロメートルで、都施行区間唯一の未着手の区間となっております。本区間の整備によりまして、区部の放射五号線と一体となって、多摩地域と区部の連携を強化すること、甲州街道を初めとする周辺道路の渋滞緩和が図られるとともに、生活道路への通過交通の排除による良好な居住環境の確保や延焼遮断帯の形成による地域の防災性の向上等の効果が期待できるところでございます。
茶表紙の四六ページ、四七ページをごらんください。また、スクリーンに当地区の航空写真を映しておりますので、あわせてごらんいただきたいと思います。
本区間の沿道は、主に低層の住宅地であることから、沿道環境に配慮いたしまして、緑豊かな植樹帯と快適な歩行者空間を有する十メートルの環境施設帯を車道の両側に配置することといたしまして、府中都市計画道路三・二・二の二号につきましては、二十八メートルから三十六メートルの計画幅員を三十六メートルから四十メートルの幅員に、また国立都市計画道路三・三・二号につきましては、二十八メートルの計画幅員を四十メートルから四十一メートルに変更いたします。
また、この変更にあわせまして、府中都市計画道路三・二・二の二号及び国立都市計画道路三・三・二号全線につきまして、車線の数を四車線と定めます。
茶表紙の四九ページから五〇ページに、参考図といたしまして変更区間の平面図、縦断図及び横断図を掲載してございますので、ごらんいただきたいと思います。
なお、事業につきましては、東京都施行を予定しておりまして、平成三十年度の完成を目指しております。
続きまして、環境影響評価について説明いたします。
環境影響評価条例に基づきまして、本路線の環境影響評価書案を本日十七日付で知事に提出いたします。お手元の薄紫色の表紙の環境影響評価書案の概要の最初の方に、この要約が挟んであると思いますので、こちらで説明をさせていただきます。
二ページから三ページをごらんいただきたいと思いますけれども、環境に及ぼす影響の評価の結論について記載してございます。
1の大気汚染から次ページ8の廃棄物まで八項目について予測、評価しておりますが、いずれの項目につきましても予測結果は環境基準等の評価の指標を満足していることから、環境への影響は少ないと考えられ、都市計画を変更する上で支障ないと判断しております。
最後に、本路線の変更に伴い、関連する変更案件二件について説明いたします。
白表紙の三五ページから三八ページ、茶表紙の五一ページから五二ページをお開きいただきたいと思います。
茶表紙の五一ページを、まずごらんください。国立都市計画道路三・五・九号国立東線についてでございます。これは、国立市決定の案件でございまして、府中三・二・二の二号の変更に伴い、終点位置を変更いたします。また、この変更にあわせて、全線について車線数を二車線と定めます。
次の五二ページをごらんください。府中都市計画公園第二・二・一六号西原町公園につきましては中止決定の案件でございます。この案件につきましては、府中三・二・二の二号の変更に伴いまして区域を変更するものでございます。
説明は以上でございます。
○尾崎委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
順次発言を願います。
○興津委員 それでは、ただいまご報告をいただきました府中都市計画道路三・二・二の二号東京八王子線並びに国立都市計画道路三・三・二号東京八王子線につきまして、お伺いさせていただきたいと存じます。
当該道路計画は、いわゆる東八道路から日野バイパスにつながる延長約一・三キロに及ぶ計画道路ですが、現在、東八道路が府中市西原町二丁目、府中所沢線の交差点において進捗が今現在とどまっています。また、甲州街道を八王子方向へ抜けるには、一度そこから中河原駅方向へ向かい甲州街道に迂回するしかない状態となっているというふうに理解しています。また、逆方向は日野バイパスが甲州街道交差点までということになっていますので、国分寺方向へ抜けるのであれば、七小通りなど生活道路に入り込まざるを得ない状況になっているというのが現状であります。
また、地域住民の生活感覚におきましても、国分寺方向へ抜ける地域の通行に関しては、谷保天満前の交差点に向かい国立駅方向へ向かうか、先ほど申し上げました府中の七小通りに入り込んでいくということにならざるを得ない状態になっております。小学校のわきを通過するなど、安全性が危惧される状況にあると判断をしております。ただいまご報告いただきましたとおりに、その状況を今後改善していくということであるというふうに理解していますが、先ほどいただきました薄紫色の報告書の四九ページに、騒音、振動の現況調査によりますと、調査各地域におきまして、振動についてはクリアされているというふうにうかがえますが、騒音については環境基準を満足されていない状態であるというふうに伺っております。
そこで伺いますが、まず今回の環境アセス調査の結果のうち、特に騒音の予測、評価について今後どうなっていくんであろうかということも含めまして、まずお伺いしたいと存じます。
○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 騒音の予測、評価についてのお尋ねでございますけれども、騒音につきましては、東京都環境影響評価技術指針に基づきまして、工事の施工中と工事の完了後について予測、評価することとしております。このうち、工事の施工中の建設作業の騒音レベルにつきましては、低騒音、低振動の建設機械を採用することなど、環境保全のための措置を講ずることによりまして、最大七十七デシベルと予測されまして、環境基準である八十デシベルを下回っております。
また、工事の完了後の道路交通の騒音レベルにつきましては、環境施設帯や遮音壁の設置など環境保全の措置を講ずることで、最大で昼間六十六デシベル、夜間で六十二デシベルと予測されまして、昼間、夜間とも環境基準以下となってございます。
○興津委員 わかりました。ありがとうございます。
確かに、ただいまご報告いただきましたとおりに、当該地域は木造の低層の住宅が連なっている場所でもありますので、工事中そしてまた完成後も、その環境基準を上回らないようにご留意いただきたいと存じます。
また、続きまして、今回の環境アセス調査を踏まえた上で、今後予定しているおおよその手続についてお示しいただきたいと存じます。無論、地権者の方々との協議でありますので、流動的な部分もあろうかとは思いますが、現段階における目途をお示しいただきたいと存じます。
○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 ただいまの今後の手続につきまして、お答え申し上げます。
本日ご説明申し上げました環境影響評価書案及び都市計画案につきましては、来月の五日から公告、公示及び縦覧を行いまして、あわせて説明会を開催することとしております。その後、環境影響評価や都市計画の所定の手続を経まして、平成二十二年度に環境影響評価書を策定し、同時に都市計画決定を行っていく予定でございます。
また、事業につきましては、平成二十三年度に事業認可を取得いたしまして、平成三十年度の事業完了を予定しております。
○興津委員 ただいまご説明いただきましたとおりに、やはり現地の方々に対する説明会ということでしょうか、その辺が必要だろうと思っておりますが、今回の計画の実現については、地元自治体との協調とともに、地域住民の方々のご協力が不可欠であると存じております。都といたしましては、丁寧な対応を行う必要があると思います。今後の都としての取り組み、これは地元自治体さんも含めたということになるんでしょうが、その辺の進捗状況、今後の計画をお知らせいただきたいと思います。
○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 計画の実現に当たりましては、地域住民の協力が不可欠であると認識しております。
来月開催いたします説明会におきましては、評価書案や都市計画案の内容を解説したパンフレットやスライド等を活用いたしまして、わかりやすく説明を行った上で地域住民の質問などに答えていくこととしております。また、評価書案や都市計画案に対しまして意見のある方は、意見書を提出することができることとなっております。
さらに、事業の実施に際しましても、適宜説明会を開催するなど、今後とも地域住民の理解と協力をいただきながら、計画の実現に向けて取り組んでまいります。
○興津委員 わかりました。当該道路は府中市と国立市ということで二つの市にかかわる問題であると思いますので、住民説明会ということで今ご説明いただきましたけれども、当該の地域の地方自治団体さんがあるわけですので、この二つにまたがってということになりますので、その辺、懇切丁寧な、できれば各当該地、当該市において別々に対応していただければいいのかなというふうに思っております。
また、現在、日野バイパスの甲州街道との交差点が、日野バイパス開通によりまして交通量の増大があります。時間帯によっては、渋滞の頻度が非常に高まっています。ひどいときには、中央高速の出口から甲州街道まで渋滞が続く場合もあります。地域住民の方々からもご意見があるんですけれども、当該道路の整備により、またさらに渋滞を招くことにはならないでしょうか。その辺の心配をしていますけれども、いかがでしょうか。
○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 当該道路を含みます地域周辺には、甲州街道や府中所沢線、東京八王子線の三路線の幹線道路が近接して交差しております。
本計画道路が東京八王子線の一部ですけれども、これが整備されていないために、甲州街道や府中所沢線に過度に交通の負担が生じておりまして、各交差点で交通渋滞が発生しております。この東京八王子線を整備することによりまして、各幹線道路の交通の円滑化、分散化が適切に図られることから、お尋ねの日野バイパスと甲州街道との交差点の渋滞も緩和されるものと考えております。
○興津委員 ありがとうございます。
それでは、まとめますが、当該道路が完成することによって、現在の渋滞状況も緩和されてくるということと同時に、環境の方にもいい影響を与えるというふうにも伺いました。とりあえず現在の状況が、工事が進捗しまして完成までの間、今の状況がやっぱり続くのだということでもあります、裏返しますと。ということであれば、現在の交通の渋滞状況も、また今後とも何か方策を東京都の方として進めていただければありがたいなということを最後に要望させていただきまして、終わります。ありがとうございました。
○吉住委員 吉住です。稲城市の坂浜平尾地区の都市計画について、まずお聞きします。
理事者の説明でもお聞きしましたが、坂浜平尾地区は平成九年に都施行を前提とした土地区画整理事業として都市計画決定をされました。その後、都財政の悪化もあり、平成十一年策定の財政再建推進プランの中で事業が凍結状態となり、まちづくりの計画を大幅に見直すことになりました。
このような経緯を踏まえ、我が党のこいそ明議員は、地元の出身議員として、都の責任は大きいと考え、地元の意見を十分に踏まえたまちづくりの計画を進めるべきと主張し、三つの原則を訴えてきました。一つには、地元地権者に入っていただいたまちづくり検討委員会をつくること、一つには、都の責任において道路などのまちの基盤整備を図ること、そしてもう一つには、地区内の都有地の活用を図ることです。本日提案された都市計画道路の変更などは、そのような考え方も含んで立案されてきたと理解しておりますので、本変更案に賛成する立場から質疑をさせていただきます。
まず、坂浜平尾地区のまちづくりにおいて、今回の都市計画変更をどのように位置づけているのか、都の考えをお伺いいたします。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 坂浜平尾地区のまちづくりでございますが、平成九年八月に、都施行を前提にいたしまして坂浜平尾土地区画整理事業を都市計画決定いたしましたが、その後、財政再建推進プランの方針などによりまして、まちづくりの計画を見直すことになった経緯がございます。
都はこのようなことを十分に踏まえまして、新たなまちづくりを稲城市や地元地権者とともに進めてきたところでございますが、坂浜平尾地区では地形や地域の特性を生かしたまちづくりを進めることといたしてございます。
今回の都市計画変更でございますが、上平尾地区の組合土地区画整理事業などの地元地権者によるまちづくりと整合をとりながら進めてきたものでございまして、今後の坂浜平尾地区のまちづくりの根幹になる都市計画道路の変更と位置づけてございます。
○吉住委員 次に、坂浜平尾地区は、起伏のある地形そして緑、農地が多いことが特徴だと聞いておりますが、二十一世紀は環境の世紀ともいわれ、緑の保全や確保は極めて重要であると考えております。今後のまちづくりにおいて、どのように緑を保全し確保していくお考えなのかをお伺いいたします。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 坂浜平尾地区における今後のまちづくりでは、既に都市計画に位置づけられてございます清水谷戸緑地や小田良谷戸公園により、約三十ヘクタールのまとまった緑地を保全することとなってございます。
また、地区内で予定されております組合土地区画整理事業によりまして、公共的な公園及び緑地を確保いたしますとともに、地区計画を定めて生け垣や植栽による宅地内の緑化を図ってまいります。
さらに、生産緑地となっております農地を集約して農地の保全を図るとともに、街路樹を配置して道路の緑化も行ってまいります。
これらによりまして、緑の保全や創出を行い、四割以上の緑被率を目指して、環境に配慮したまちづくりを進めてまいります。
○吉住委員 今回の都市計画変更が地元の意見を集約したものであり、環境にも十分配慮し、地域の特徴を生かしたまちづくりに配慮がなされていることがわかりました。地区の発展はもとより、生活や環境にもかかわる案件ですので、都としても、引き続き全力で坂浜平尾地区のまちづくりに協力、推進していただくことをお願いしておきます。
続いて用途地域の方でございますが、稲城市南多摩駅周辺地区について伺います。
今回、用途地域の変更が予定されているJR南武線南多摩駅周辺地区では土地区画整理事業を実施中ですが、我が党は、土地区画整理事業によるまちづくりが良好な市街地の形成にとって非常に重要だとかねがね主張してきたところです。
一方、JR南武線のような連続立体交差事業は、沿線の市街地の分断が解消され、地区内がまちとして一体となることもあり、将来の世代に残していくべきまちづくりの絶好の機会としてとらえています。鉄道の高架化にあわせて、土地の区画整理事業により駅周辺の市街地都市基盤施設と一体で面的に整備することが、地域に及ぼす効果ははかり知れないものがあります。
そこで、連続立体交差事業と一体となって駅周辺の整備を行っている土地区画整理事業はどのようなものがあるのか、都内の状況についてお伺いしたいと思います。
○遠藤市街地整備部長 先生のご指摘にございましたように、連続立体交差事業は鉄道で分断されたまちの再編整備につながる事業でございます。これを土地区画整理事業や市街地再開発事業などの市街地整備事業と組み合わせることは、非常に大きな整備効果をもたらすものというふうに考えてございます。
ご質問の、連続立体交差事業と一体となって土地区画整理事業によります駅周辺整備を行っている地区は、現在五地区ございます。今回の案件でございます南多摩駅周辺地区のほか、同じ稲城市内でございますけれども、稲城長沼駅周辺地区、矢野口駅周辺地区、さらに、調布市の布田駅南地区、小金井市の東小金井駅北口地区でございまして、いずれも市施行の土地区画整理事業でございます。各地区とも地元市が地域の拠点と位置づけまして非常に熱心に取り組んでおりまして、事業につきましてはいずれも順調に進捗を遂げているところでございます。
○吉住委員 わかりました。都内で五地区ということでございますが、幾つもの地区で鉄道の高架にあわせた駅周辺の土地区画整理事業が行われていることを改めて確認できました。中でも南多摩地区は、南武線の立体交差事業など、ほかにも、この場合は是政橋ですとか川崎街道につながる都市計画道路の整備など、さまざまな公共施設整備が集中して行われる地区です。さらに、駅近くでありながら、大規模な工場を生かした市街地整備や縦横に走る水量豊かな水路の活用など、さまざまな整備課題を抱えた地区でもあると聞いております。
私は、この土地区画整理事業を通じて、これらの地域の特徴を踏まえた新たなまちづくりを行うことができると考えます。そこで、南多摩駅周辺地区の土地区画整理事業によるまちづくりに対する考えをお伺いしたいと思います。
○遠藤市街地整備部長 南多摩駅周辺地区の土地区画整理事業でございますけれども、地区内を通過いたします南武線の連続立体交差事業、これを最大限に生かしまして、これまでの住工混在から、工業ゾーンとして既存の工場を集約いたしますとともに、住環境整備ゾーンといたしまして水路を生かした快適な住環境を整備しようというものでございます。産業機能と住環境整備の両立を目指した点に、この土地区画整理事業の特色がございます。また、南多摩駅周辺地区は、稲城市が都市計画マスタープランにおきまして生活拠点として位置づけてございまして、非常に熱心に、熱意を持って事業推進に当たっているところでございます。
都といたしましては、こうした地域特性を生かした特色あるこの地区のまちづくりが魅力や活力にあふれた都市の実現に重要だと、このように考えまして、施行者である稲城市に対しまして、これまで技術的、財政的な支援を行ってまいりました。引き続き、事業の円滑な推進に向けまして市の取り組みを支援してまいります。
○吉住委員 それでは、質疑の方をまとめさせていただきます。
地元の自治体、地元市が熱心に取り組んでいることを改めて理解いたしました。こうした地元自治体を東京都が支援していくことによって、まちづくりが実現されることが大変望ましいことだと思います。ぜひ今後とも、東京の市街地整備の推進に努力されることをお願いしまして、私の質疑を終わります。
○加藤委員 墨田区京島一丁目地区用途地域変更に関して質問をいたします。
今、私の地元である墨田区のまちづくりが注目されておりまして、日本のランドマークタワーともなる東京スカイツリーの建設が進んでおります。現在、百メートルを超えまして、年内には倍の二百メートルまで達する予定です。
そして、京成押上線の立体化にあわせまして、曳舟でも大規模な再開発が進んでおります。この曳舟地区は、京島、東向島、押上といった下町情緒の残るまちです。一方、特に京島は、建物の老朽化や細い路地など防災上の問題があり、また、高齢化も進展しています。
こうした中、今回、都市計画の基本である用途地域の変更案が提案されておりますけれども、そこで曳舟地域におけるこれまでの取り組みの経緯について伺います。
○安井都市づくり政策部長 曳舟地区におけますこれまでの取り組みの経緯でございますが、平成三年ごろから、地元の発意によりまして、まちづくりの勉強会が発足してございます。その後、京成押上線の連続立体交差事業が検討される中で、区も駅周辺のまちづくりに積極的に取り組んできております。
平成十年二月には、京成曳舟駅を含みます押上駅から八広駅間におきまして連続立体交差事業の都市計画決定がされたことを踏まえまして、区におきましても、都市計画マスタープランに基づく魅力ある複合市街地の形成を誘導するために、平成十三年十一月、約十一ヘクタールの区域におきまして曳舟駅周辺地区地区計画を決定しております。
その後、まちづくりの機運が高まるとともに、区と地元住民が一体となった取り組みによりまして、先ほど稲城の例では連立と区画整理の組み合わせでございましたが、こちらでは連立と再開発の一体的な推進によりまして、順次、共同住宅であるとか大規模な商業施設の建設が進められまして、既に一部の住宅では入居が始まってございます。
今回の東第三地区につきましても、区と地元地権者などの話し合いが進みまして、商業・業務、住宅など駅前立地を生かしたにぎわいのある土地利用を誘導することとしてございます。
また、京成押上線の立体化に伴いまして、高架となる部分の下が有効に使えることになるわけでございまして、ここにも地域の活性化に貢献する駅前立地を生かしたにぎわいある土地利用を誘導するため、東第三地区とあわせまして地区整備計画案を取りまとめてございます。
こうした地元の状況を踏まえまして、都は、本地区が目標とする地域の将来像を具体化するために、用途地域を準工業地域から近隣商業地域に変更するなど、今回の都市計画変更案を提案しているところでございます。
○加藤委員 今の説明があったように、長い年月をかけて住民の勉強会や協議会が始まり、今回の都市計画につながっているということですけれども、まちづくりは何といっても住民の理解と協力が不可欠であります。
そこで、今回の都市計画案に対する地元の意見、反応についてお伺いします。
○安井都市づくり政策部長 今回の提案につきましては、墨田区では、ことし五月から六月にかけまして、地区内及び周辺住民を対象としましたまちづくり案の説明会を実施してございまして、さらに、この説明会で出された意見を踏まえまして、ことし八月に都市計画案の説明会を実施してございます。
こうした説明会で出された主な質問、意見でございますが、駅周辺全体のまちづくりについての区の考え方であるとか、地区計画などに基づきまして今後建設が計画されている建築物による周辺環境への影響などについての質問が出されたほか、緑に配慮したまちづくりを進めてほしいと、こういう地域の要望があったと聞いてございます。
○加藤委員 特段、大きな反対意見はなかったということですけれども、私も将来への期待の声をよく聞いております。一方、地元で話を聞く中で、幾つもの高層ビルが建つことによりまして風害が心配であるという意見も聞いております。ビル風というのは、いろんな要因がありまして、はっきりしないと思いますけれども、事前の予測と対策が重要です。
そこで、今回の再開発で、ビル建設によるビル風の影響と対策はどうしているか伺います。
○石川民間開発担当部長 ビル風の影響と対策についてでございますが、ビル風の対策につきましては植栽が有効とされており、当地区においても、風対策として再開発ビルの敷地内への植栽を計画しております。
今回の京成曳舟駅前東第三地区の再開発の計画に当たっては、事業予定者である再開発準備組合が東京都環境影響評価技術指針に準じ、曳舟周辺の気象データをもとに再開発ビル建設によるビル風の影響の程度を予測してございます。その結果、再開発ビル建設後も、建設前と同様に住宅地相当の風環境となり、大きな変化はないと考えられます。
今後とも、事業の実施に当たり、良好な環境確保に努めるよう、組合を適切に指導してまいります。
○加藤委員 地元住民の心配の声を踏まえ、都としても十分な対応をお願いしたいというふうに思います。そして、全体としては、災害に強くにぎわいのあるまちに再生というのが地元の希望であります。新しい曳舟のまちでスカイツリーを見るのが楽しみである、長年の苦労が報われるという声を聞きました。新しいまちに生まれ変わることはいいことですけれども、古くから住んでいる人たちも安心して住み続けられることも大切です。
今回の都市計画案件とは直接関係はありませんが、都に対しては、京島地区の木造住宅密集事業や耐震化事業など、既存市街地における安全・安心のための取り組みの強化もお願いしたいと存じます。
そして最後に、都ではこの七月、今後の都市づくりを展開する上での方針、東京の新しい都市づくりビジョンを改定しましたが、これを踏まえ、墨田区のような下町地区の都市づくりを今後どのように進めていくのか、見解を伺います。
○安井都市づくり政策部長 都ではことし七月に、東京の新しい都市づくりビジョンを改定いたしまして、この中で、今回の計画のように駅周辺のまちづくりなどを促進しまして、地域の生活を支え魅力を高める施設の充実を図り、にぎわいのある生活拠点を整備することとしてございます。
例えば墨田区におきましては、曳舟地区のほか、東向島、京島、八広、押上、業平橋、鐘ヶ淵など東部エリアの代表的な地区を具体的に挙げまして、地場産業や歴史と伝統を生かした住工商が調和した魅力あるまちの形成など、下町らしさを生かした都市づくりの将来像を示してございます。
都はこうした将来像の実現に向けまして、連続立体交差事業や広域的な幹線道路など、都市基盤整備を推進するとともに、今お話がございました木造住宅密集地域の改善やだれもが安心して暮らしやすい都市づくりなど、地元が中心となって進める取り組みを積極的に支援していきたいというふうに考えてございます。
○加藤委員 都心、副都心や山の手だけでなく、古くからのコミュニティが残る下町の再生こそが東京の都市づくりの課題だと思います。新しい都市づくりビジョンに基づき、魅力ある下町の都市づくりを積極的に進めていくようお願いして、質問を終わります。
○大島委員 私は、京島一丁目の用途地域の変更と、坂浜平尾地区の関連する案件と、それから環境影響評価書、この三つの問題で質問させていただきます。
まず、曳舟周辺の地区計画と今回の用途地域の変更なんですけれども、区の整備計画ができたので、それに合わせるために都が用途地域の変更を行ったというふうに聞きました。この曳舟駅周辺の全体の開発計画はどのようなものなのか、教えていただきたいんですが。
○石川民間開発担当部長 曳舟駅周辺の開発の計画でございますが、当地区につきましては木造密集地域でございまして、老朽住宅が密集し、道路や公園などのオープンスペースが不足しているところでございまして、災害に強い安全で快適な市街地整備が求められている地域でございます。
また、東武伊勢崎線の曳舟駅と京成押上線の京成曳舟駅を結ぶ交通の要衝にありながら、その立地にふさわしい土地利用がなされていない状況にございます。
そのため、この立地を生かして安全で快適な市街地整備を進めるために、先ほども答弁がございましたが、当地区では平成三年ごろから住民主体でまちづくりの勉強を開始し、京成押上線の連続立体交差事業の実施を契機として、大方の地域住民の合意に基づいて、魅力ある複合市街地の形成を目指しまして、再開発事業により段階的に整備を行うこととなったものでございます。
現在、二地区において事業が完成もしくは完了間近という状況になってございます。また、さらに南側の曳舟駅前の東第二南地区については、今後、権利変換計画を作成いたしまして事業に向けて準備を進めているところでございます。そして、今回案件となってございます京成曳舟駅前東第三地区についても、今後、再開発事業によるまちづくりに着手する予定でございます。
○大島委員 この地域が私は余りよくわからなくて、きのう実は現地に行って見てきたんですね、どんなまちになっているのかというのがわからなくて。行ったら、東武の曳舟の駅前には都市再生機構が建設した二十六階建て、八十五メートルというんですが、店舗つきの住宅と、あと四十一階建てのマンションかな、百四十二メートルと、すごい高いビル、それができておりまして、その隣には大型商業施設、イトーヨーカ堂と書いてありましたけれども、その建設が既に始まっているということで、そこは更地になっていたんですけれども、そして京成の線路を渡った反対側のところには地上二十六階建ての店舗つきの住宅が既に建っていまして、さらにその隣には、ちょうど京成曳舟駅前になるところらしいんですけれども、そこには住宅とか事務所とか店舗が入るということで、これは地上二十二階建てぐらいの高層のビルがやっぱり建つ、その建設の工事が進められようとしておりまして、そこもまだ更地になっていました。
今回の用途地域の変更の報告があったところでは、説明いただいたときには高さが九十九メートルで、あと住宅とか、それから業務床も入るというような建設計画があるというふうに聞いたんですけれども、行ってみて、何かまちが本当に変わったなという感じがしちゃうんですが、もともと京島って、東京大空襲でも焼け残ったというふうにいわれた場所ですし、町工場とか棟割りの長屋が軒を並べる下町情緒が残るこういうまちだったという感じがするんですけれども、それが何か一変してしまったというふうに感じました。こういう点で、そういう開発というのを都はどうお思いでしょうか。
○石川民間開発担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、曳舟駅周辺地区につきましては老朽化した木造住宅が密集し、災害に強い安全で快適な市街地の整備が求められている地域でございます。
この地区の整備に当たりましては、長年、地元の地権者の皆さん方が話し合いを続け、京成押上線の連続立体交差事業の実施を契機として、大方の地権者の皆さんの合意を得て、段階的に現在市街地再開発事業を進めているところでございます。
再開発事業の実施によりまして、良質な住宅を確保するとともに、オープンスペースの確保や緑豊かな環境の創出により、災害に強い安全でゆとりある住環境を整備しているところでございます。
また、道路や公園などの都市基盤を整備しながら、かいわい性のあるにぎわい空間を形成するとともに、道路沿いには曳舟らしい、今、委員からご指摘のありました連棟長屋がこの地区の魅力を形成している一部でもございましたが、そういった街並み景観を再現する連続した小割店舗を配置するなど、個性あるまちづくりにも努めてございます。
今後とも曳舟らしさを生かしながら、住民全体で進めている安全で快適なまちづくりを都としても支援をしてまいります。
○大島委員 快適で安全なまちづくりという、私たちも本当に震災に強い安心して住めるまちというのは大いに進めていって、修復型のまちづくりなんかもどんどんやってもらいたいなというふうに思っています。
ただ、私はきのう行って、地域の今回対象になったエリアにお住まいの方に、商店の方なんですけれども、ちょっとお話を聞いてきたんですね。そうしたら、そこは十坪ほどの小さな土地で営業している方だったんですけれども、再開発ビルの中に入ると一DK程度の小さな部屋しかもらえないんだと。それで、管理費が月々四万ぐらいかかるという話を聞いているというんですね。これはどういうことなのかよくわからないんですけれども、今まで管理費なんか払った生活をしてこなかったので、これでは国民年金だけじゃ暮らしていけないといっていました。近くに大型店舗ができてしまうと、自分たちのような小さな商売は続けられないんだ、さりとて、家を建てかえてここに住み続けるというのも困難だということで、どちらにしてももうここにはいられなくなると、非常に寂しそうに、不安そうに話してくださいました。
京島の人たちにとってみれば、あの場所というのは交通の便も非常によくて、物価も安くて、住みやすいまちなんだといっていました。ただ、高齢化が急速に進んでいる中で、これからのまちが大きく変わり、日当たりが悪くなったり、ビル風がすごく強くなったり、物価が高くなる、こういうところで住みづらいまちになってしまうんじゃないかという、そういう不安も持たれておりました。住宅密集地ということがあるので、さまざまな心配は引き続き解消していくという方向で、都の方も力を注いでいただけるというふうに思っておりますが、私はここを見てきて、まちの個性とか景観などの調和というのが、開発が進めば進むほど、一つ一つの案件はいいものかもしれないんですけれども、それが集まってみると結果としてまち全体が何か壊れてしまったような、そんな可能性も出てくるんじゃないかというふうに思いました。
そういう意味で、私はこうした開発については考え直すべきではないかなというふうに思っております。(「賛成なのか反対なのかよくわからない」と呼ぶ者あり)だから、そういう意味ではちょっと反対ですね。
次に、坂浜平尾地区の問題でお聞きしたいというふうに思っています。
先ほどもやりとりがありましたので大体わかったのですが、平成九年に都施行の区画整理事業を行うということで都市計画決定がされてきたのが、途中で計画が変更になったということで、東京都ではなくて今度は組合施行の区画整理が行われるようだということなんですが、ところが稲城市のマスタープランでは、今回、新駅ができる予定地付近の都市計画道路を廃止するという案件になっているんですけれども、稲城市の方では、この新駅構想というのはまだ残っておりまして、向こうがかいた構想図みたいのかな、それを見たら、まだちゃんとあるんですね。そうすると、マスタープランと今回の計画の変更というのはどういうふうな整合性を持っているのかというのがちょっとわからなかったので、教えていただきたいんですが。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 都は、稲城市と坂浜平尾地区の新たなまちづくり方針を策定いたしまして、各地区ごとの特性や現況の地形を生かしまして段階的にまちづくりを進めていくことといたしましたが、この考え方は稲城市のマスタープランにも反映されております。
それらの中で、今、委員からお話がありました新駅の設置は、駅周辺のまちづくりの熟度を勘案して検討すべき長期的な課題と位置づけられてございます。今回の都市計画変更は、こうした考えを踏まえまして既定の都市計画道路の見直しを行い、現在進められているまちづくりに必要な路線の追加を行うものでございます。
なお、この計画案は稲城市と十分に協議の上、作成をしてございます。
○大島委員 組合施行の区画整理事業で、その計画が進められるというようなことにもなるのかなというふうに思いました。
次に、環境問題についてお聞きしたいと思います。
今回の変更では、大きな道路を通すということになりますと、その周りを中心にした宅地開発などのまちづくりが一気に進んでいくのではないかというふうに危惧されます。ミニ宅地化が進めば、豊かな緑をなくしてしまうことにもつながるのではないか。現在の緑被率というのはどのくらいなのか、この緑被率はどのようにして算出しているのか、それから、このまちづくりが進むと、将来の緑被率というのはどの程度になるのかについてお聞きしたいと思います。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 三点のご質問をいただきましたので、順番にご説明をいたしますが、まず緑被率はどのように算定するかということでございますが、緑被率は芝や高木の幹などの緑で地上が覆われている面積が全体の面積に占める割合でございまして、航空写真などから測定をいたしてございます。
次に、現在の緑被率でございますが、坂浜平尾地区における現在の緑被率は、樹林地、草地、農地などの植物で覆われた土地の面積が全体面積に占める割合として、おおむね六割となってございます。
将来の緑被率でございますが、先ほどもお答えいたしましたけれども、坂浜平尾地区では、既に都市計画に位置づけられております清水谷戸緑地や小田良谷戸公園によりまして、約三十ヘクタールのまとまった緑地が保全されてございます。
さらに、組合施行の土地区画整理事業区域内では公共的な公園及び緑地を確保するほか、農地の保全や道路の緑化、地区計画による宅地内緑化等を進めてまいります。
これらによりまして、将来につきましては四割以上の緑被率を目指すこととしてございます。
○大島委員 一番最初に、そこに絵をというのかな、写真を見せていただいたんですね、この地域の。そうしたら、やっぱりすごく緑の多いところだなというふうに思いました。あれは航空写真を撮ったやつを出してくださったんだなというふうに思ったんですけれども、ちょうど今回の都市計画決定されたすぐそば、川崎の方からでしょうか、小規模宅地というのか、宅地がずっと迫ってきているようなのも見えたんですね。だから、やがてこれがあの緑のところに全部広がっていってしまうのかなというような気にもなって、やや心配になりました。緑被率は今おおむね六〇%が、この開発が進められると四〇%ということで、二〇%も減ってしまうんだなというのを感じて、何か心配になります。
ついでになんですけれども、環境問題で平成九年のときにこの問題がやっぱり出されたときの議事録を読ませていただいたんですね。そのときに、当時、東京都が区画整理事業をやるといったあの地域の予定地に、絶滅のおそれがある希少野生動植物種に指定されているオオタカの営巣が確認されて、そのときのやりとりを見ますと、継続して調査するというような答弁があったんですが、その後の調査は行われているんでしょうか。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 平成九年に、都は坂浜平尾土地区画整理事業を行うに当たりまして、オオタカの調査を継続して行うこととしてございました。その後、今お話がございましたとおり、事業の見直しがなされまして、都は区画整理事業を行わないことになってございます。オオタカの調査は事業者が行うものでございますので、都は事業の見直しの以降、調査を行ってございません。
○大島委員 今、東京都が区画整理事業をしないということが決まったので、東京都はもうやっていないということで、そうすると、今度区画整理事業をやる、今二つの区画整理事業が立ち上がろうとしていると聞いていますが、そこの事業者が行うということになるんだと思うんですね。そうすると、大体東京都がやることも広い範囲なので非常に困難をきわめたかなと思いますが、そういう点でいうと、この区画整理事業者がやるというのも大変なことになるんではないかというふうに思うんです。やっぱりそういう点では、東京都も一緒に、調査などについてはやっていくべきだというふうに私は思いました。
このオオタカというのは、議事録を読みますと自然界の食物連鎖の生態系の頂点に立つ動物だと。オオタカが生息するためには、ヒヨドリとか、ドバトとか、オナガとか、ヤマドリなど、えさになる鳥がすめるような環境が必要なんだと。そして、その小鳥が繁殖するためには、昆虫や木の実が豊富でなきゃならない。野草や樹木が生育するためには、大地と水と太陽が必要だということで、こうして緑被率でも二〇%も削減されちゃうような自然環境がどんどん破壊されていくというのを見ていますと、地球温暖化がこれほど深刻になっているときに、こうした開発は急ぐべきでないと思っています。住民合意を基本にしながら、ぜひ計画を見直していくことも検討していただきたいなと思っています。
最後に、環境影響評価の問題でお聞きします。
今回のこの大気汚染とか、騒音とか、振動などの調査地点なんですが、いつも調査をしている定点のほかに、まちが今できちゃって、その中で新しく道路が通るところ、そういうところなどで、やっぱり調査を多くする必要があるのではないかというふうに思いますが、この調査地点はどのようにして選んだのでしょうか。
○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 調査地点の選定の理由でございますけれども、現地調査の地点につきましては東京都環境影響評価技術指針の中に規定がございまして、大気質につきましては地域の概況等を考慮して大気質の状況を適切に把握し得る地点、また騒音、振動につきましては地域の状況等を考慮して騒音、振動の状況を適切に把握し得る地点を選定するように規定されてございます。
このため、今回、当該地点の大気質につきましては、道路、道路沿道及び後背地の大気質の状況を的確に把握し得ると予測される西原町公園など四地点を選定しております。また、騒音、振動につきましては地域内の土地利用状況、建造物及び道路等による騒音及び振動の伝搬の影響を考慮いたしまして、府中第十中学校など五地点を選定しております。
○大島委員 かなり市街地化されているようですね。都民からの、これをやる前にとった意見というのが、ここのところに、一一四ページに出ていまして、その中に、当該道路整備計画は四十年以上前に策定されたものであり、当時と比べ社会環境が異なってしまった現在、当該道路の必要性は薄れ、事業予定地には良好な住宅地が形成されているというふうに書かれているんですね。ですから、こういう良好な住宅地が壊されるという点では、非常に危惧したご意見でなかったかなというふうに思うんですが、その辺も含めて、今適切な場所でやっていると、調査をしているということで、地域内でもやられているような答弁でありましたけれども、そういう点でいえば、こうしたまちの中の今、住宅地になってしまっているようなところに道路を通すということで、非常に環境に与える影響などについて心配されている向きも多いので、こういう調査の観測地点というのは、今、大気汚染で四地点、騒音、振動で五地点といいましたけれども、もっと広げる必要があるのではないかというふうに私は思いました。ただ、これは指針どおりということなので、そういう指針になっているということになるんだと思いますが、私はもっと必要な地点があるというふうに思いました。
もう一つ、今回のこのアセスの対象にはならないかもしれませんけれども、環境破壊の一つに、例えばこの大きな道路がまちを分断してしまう、それから立ち退きも含めて地域の住民のコミュニティを破壊する、こういう問題についてはどう対応なさろうとしていらっしゃるんでしょうか。
○座間都市基盤部長外かく環状道路担当部長兼務 当該計画道路の標準幅員は、委員ご指摘のとおり三十六メートルでございます。沿道に配慮しまして、快適な歩行者空間を有する環境施設帯を両側に十メートルずつ確保するため、実際の歩行者が横断するいわゆる車道幅員というのは十六メートルになります。こういう道路の整備に当たりましては、沿道の土地利用現況や主要な施設の位置、歩行者動線等を踏まえまして、交通管理者とも協議して適切な箇所において信号交差点や横断歩道等の設置を検討しております。
また、今回この環境施設帯の整備によりまして歩行者動線の確保が図られるため、新設する道路に沿いまして新しいコミュニティの形成が図られるものと考えております。なお、現在、こちらにお住まいの権利者、道路に係る権利者につきましては、今後その移転の補償の中で新たな生活再建を図っていただくということでございます。
○大島委員 この評価の中身については、これからまた縦覧をして、地域の方たちに見ていただいて、意見を寄せてもらうという手続があるというふうにお聞きました。そういう点では、住民合意を基本に都市計画というのはやっぱり進めるということが必要なんですが、今回、私がこれを見た関係では、やっぱりまだまだ十分な、都市計画の手続に入るための環境影響評価としては不十分でないかというふうに思っています。そういうことなので、これについても、もう一度検討していただけないかということを述べまして、質問を終わります。
○しのづか委員 私もこの稲城市を地元としておりまして、もうしばらくのおつき合いをお願いします。
坂浜平尾土地区画整理事業と南多摩駅周辺土地区画整理事業についてお伺いします。
まず坂浜平尾土地区画整理事業についてなんですが、先ほどの説明を聞いてわかりますように、都施行であった土地区画整理事業が、今回組合施行ということで新たに提案をされております。都施行の際に土地区画整理事業推進のために取得した約十四ヘクタール、都が都有地として先行買収地を取得しております。その土地は、都施行中止に伴って、それにかわる、今回の提案にあります地元都民が住める新たなまちづくりに活用すると聞いております。具体的にはどのように考えているのか。地元稲城市からは、これまでの東京都との協議では、先行買収した都有地については道路及び河川事業の代替地とするほか、公園計画地への集約及び組合土地区画整理などの今後のまちづくりへの活用を図るということで調整をされていると聞いています。
新たに組合施行の区画整理事業が今回認可される状況の中、東京都にかわって都民みずからが進めるこの事業の支援のため、その具体的方法を早急に明らかにすべきと考えますが、ご見解をお伺いします。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 先行買収した都有地につきましては、これまでも委員会でご議論をいただいてございますが、東京都では坂浜平尾土地区画整理事業の都市計画に先立ちまして、公共住宅の供給を目的として、坂浜平尾地区内に十四・六ヘクタールの土地を取得してございます。その後、土地区画整理事業の見直しに合わせまして、公共住宅供給についても見直しがされてございます。
都有地につきましては、三沢川の事業用地として一部活用されておりますが、坂浜平尾地区のまちづくりを進める上で有効に活用する必要があるということは従来より認識しておりまして、今後、地元の意見も十分お聞きしながら関係局と調整をしてまいりたいと考えてございます。
○しのづか委員 それではもう一点、本地区内に、先ほどのあれを見てもらえばわかるんですけれども、都立の公園、小田良谷戸公園と清水谷戸緑地が都市計画として位置づけられていますね。都施行の事業中止以降、この都市計画緑地内で、私も先日、現場を見てきたんですが、無許可で造成が行われているところがございます。一方、都市計画公園内では地権者が相続問題で困っているとも聞いておりますが、貴重なこの都内の緑を保全することは大変重要なことでありまして、特に都立の計画施設であれば、このようなことのないよう対策を講ずるべきであると考えます。
この都市計画施設は、具体的な事業の見込みが立っていないと聞いておりますが、早急に位置づけを検討して緑の保全を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 都市計画に位置づけられてございます清水谷戸緑地及び小田良谷戸公園につきましては、良好な緑地でございまして、地元からも強く保全を求められております。この緑地及び公園は、都施行の土地区画整理事業による整備を行う予定で、平成九年に都市計画決定を行ったものでございます。
その後、都施行の土地区画整理事業の見直しを受けまして、土地区画整理事業等を切り離しいたしまして、今ご議論をいただいています緑地につきましては、現在の環境特性を維持する方策につきまして関係部局と調整をしているところでございます。
○しのづか委員 今のご答弁は私にとっては不十分なんですが、やはり先ほどもいっていた四割の緑被をきちんと確保するためには、こういったところでこのような開発がどんどん進められていくと、その計画が、結局計画倒れになってしまうし、環境というものが守られていかないと思います。やはり何らかの対策、これを講ずるべきであると考えます。
それと、先ほどの第一点目は、やはり地元市そして組合の方と都がきちんと協議をして、もともとこれは都施行ですから、都施行が中止になって組合施行というふうになった事業ですから、きちんとその責任を果たしていただきたいと思います。
それでは、南多摩駅周辺土地区画整理事業についてお聞きします。
先ほどから質疑にございますように、多少重複するんですが、稲城市においては多摩ニュータウン開発にあわせて幹線道路などの基盤整備を行っており、JR南武線の三駅では、東京都が事業主体であるJR南武線連続立体交差事業とともに、駅周辺の整備を進めています。南多摩駅周辺土地区画整理事業については平成四年度に事業着手して、現在は駅南側区域の整備がおおむね完了してきている状況です。また、駅北側区域では、都市計画道路の多摩三・三・七号稲城府中線の用地あけもほぼ完了し、本年度から東京都による道路工事に着手しており、平成二十二年度に完成の予定とされています。
この用地あけについて、地権者の移転の協力によるものでありますけれども、区画整理の仮換地先は多摩三・三・七号線、駅周辺であり、同路線の整備完了後に仮換地が使用できることになるので、現在は仮住まいや仮事業所による営業所などの集団移転の形となっています。この区画整理事業とともに整備中の多摩三・三・七号線は、これもまた同時に進められている南武線の高架化が完了しないと、完了形での整備ができない状況であります。
そこで、次の点について伺います。
土地区画整理事業は、南武線連続立体交差事業や多摩三・三・七号線の整備と連携を図りつつ、きちんと進めるべきと考えますが、都の見解をもう一度お伺いします。
○遠藤市街地整備部長 南多摩駅周辺の土地区画整理事業でございますけれども、委員からお話がございましたように、地区内に都市計画道路、多摩三・三・七号線を抱えてございます。この道路用地を確保することにしております。他方、地区外につきましては、是政橋を含みます多摩三・三・七号線の街路事業を現在実施しております。それと、地区内を東西に通過いたします南武線につきましては連続立体交差事業が実施されているというところでございます。
このため、この地区の土地区画整理事業の実施に当たりましては、これらの関連事業と十分調整を図りながら事業推進に当たることが肝要でございます。
私ども都といたしましては、今後とも関連事業と十分連携を図りまして、土地区画整理事業が円滑に進むように施行者である稲城市を指導してまいりたいと、かように考えてございます。
○しのづか委員 これは意見なんですけれども、部局が違うということもあって、区画整理事業は都市整備局で、道路の整備や連続立体交差事業というのは建設局になるんですが、この区画整理事業の施行者は稲城市ですよね。稲城市を指導するのはもちろんのこと、できれば、東京都の事業ですからきちんと連携を図って、先ほどもいいました仮換地の移転というものがおくれるとなると、結局はどこか一つの工事がおくれてしまうとすべての土地区画整理事業がおくれてしまうわけで、そこに地権者である都民の方がいらっしゃるわけです。そこをやはりおくれないように、都市整備局としてはきちんとその指導というものを進めていっていただきたい。これは意見で、終わります。
○尾崎委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
○尾崎委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○尾崎委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。
○尾崎委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせしましたので、ご了承願います。
○尾崎委員長 この際、河島都市整備局長から発言を求められておりますので、これを許します。
○河島都市整備局長 一言御礼のごあいさつを申し上げます。
本定例会に提案いたしました議案につきまして、ご調査、ご審議を賜り、まことにありがとうございました。これまでのご審議の過程でいただきました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事務事業の執行に十分反映させ、万全を期してまいりたいと存じます。
引き続き、尾崎委員長を初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、甚だ簡単ではございますが、御礼のごあいさつとさせていただきます。まことにありがとうございました。
○尾崎委員長 発言は終わりました。
以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時四十三分散会
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