委員長 | 高橋 信博君 |
副委員長 | 中山 信行君 |
副委員長 | いのつめまさみ君 |
理事 | 伊藤まさき君 |
理事 | 神林 茂君 |
理事 | 三原まさつぐ君 |
河野百合恵君 | |
植木こうじ君 | |
長橋 桂一君 | |
こいそ 明君 | |
新藤 義彦君 | |
立石 晴康君 | |
大塚たかあき君 | |
相川 博君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長 | 只腰 憲久君 |
次長総務部長事務取扱 | 泉本 和秀君 | |
技監 | 福島 七郎君 | |
理事 | 加藤 英夫君 | |
理事 | 河島 均君 | |
都市づくり政策部長 | 安井 順一君 | |
住宅政策推進部長 | 松村 光庸君 | |
都市基盤部長 | 升 貴三男君 | |
市街地整備部長 | 座間 充君 | |
市街地建築部長 | 河村 茂君 | |
都営住宅経営部長 | 清水 文夫君 | |
企画担当部長 | 横溝 良一君 | |
連絡調整担当部長 | 岡沢 裕君 | |
住宅政策担当部長 | 瀬良 智機君 | |
外かく環状道路担当部長 | 遠藤 正宏君 | |
民間開発担当部長 | 石川 進君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 小澤 弘君 | |
都市景観担当部長 | 町田 修二君 | |
経営改革担当部長 | 並木 勝市君 | |
参事 | 瀧本 裕之君 | |
参事 | 宇多田裕久君 | |
参事 | 福田 良行君 | |
参事 | 中島 俊明君 | |
参事 | 山口 幹幸君 | |
参事 | 荒川 達夫君 |
本日の会議に付した事件
都市整備局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十一年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備局所管分
・第十二号議案 平成二十一年度東京都都営住宅等事業会計予算
・第十三号議案 平成二十一年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・第十四号議案 平成二十一年度東京都都市開発資金会計予算
・第十七号議案 平成二十一年度東京都多摩ニュータウン事業会計予算
・第十八号議案 平成二十一年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・第二十一号議案 平成二十一年度東京都都市再開発事業会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第五十一号議案 東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第五十二号議案 東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
○高橋委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、予算の調査について申し上げます。
平成二十一年度の予算につきましては予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会の所管分について議長から調査依頼がありました。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十一年三月十三日
東京都議会議長 比留間敏夫
都市整備委員長 高橋 信博殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
このことについて、三月十三日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十九日(木)午後五時
(別紙1)
都市整備委員会
第一号議案 平成二十一年度東京都一般会計予算中
歳出
繰越明許費
債務負担行為 都市整備委員会所管分
第十二号議案 平成二十一年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十三号議案 平成二十一年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十四号議案 平成二十一年度東京都都市開発資金会計予算
第十七号議案 平成二十一年度東京都多摩ニュータウン事業会計予算
第十八号議案 平成二十一年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第二十一号議案 平成二十一年度東京都都市再開発事業会計予算
(別紙2省略)
○高橋委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
これより都市整備局関係に入ります。
予算の調査及び付託議案の審査を行います。
第一号議案、平成二十一年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市整備局所管分、第十二号議案から第十四号議案まで、第十七号議案、第十八号議案、第二十一号議案、第五十一号議案及び第五十二号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○泉本次長 二月十七日の当委員会でご要求をいただきました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元に配布してございます都市整備委員会資料の表紙をおめくりいただきます。目次をごらんください。
資料は、1の都営住宅建設事業に係る中小企業への工事発注実績から、11の首都圏中央連絡自動車道、東京外かく環状道路、首都高速中央環状線の事業費及び進捗状況(都内区間)までの十一件でございます。
それではまず、一ページをお願いいたします。1の都営住宅建設事業に係る中小企業への工事発注実績でございます。
都営住宅建設事業における発注実績につきまして、資本金三億円以下または従業員数三百人以下の中小企業への発注内訳を、財務局契約、当局契約の別に記載してございます。
二ページをごらんください。2の都営住宅の管理戸数・空き家戸数(事業用、募集用)、募集停止をした戸数でございます。
都営住宅の管理戸数及びその空き家戸数を事業用、募集用の別に記載してございます。あわせて、管理戸数の外数である募集停止戸数も記載してございます。
三ページをお開き願います。3の平成十九年八月二十五日以降使用承継事由発生件数と使用承継が認められた件数でございます。
使用承継事由発生件数と、このうち使用承継許可となった件数を記載してございます。
四ページでございます。4の、全国・東京都・大都市の民営借家の一カ月当たりの家賃・間代でございます。
民営借家の一カ月当たりの家賃、間代について、全国平均、一都三県及び全国大都市の比較を木造、非木造の別に記載してございます。
五ページをお願いいたします。5の都市再生緊急整備地域内の主な開発計画の推移でございます。
表頭の期間内に、都市計画決定または許可を受けた地区数及び延べ面積を、制度ごとに記載してございます。下段注書きにございますが、複数の制度をあわせて指定している地区の計上方法等でございます。
六ページをごらんください。6の都市再生緊急整備地域内の主な開発計画の件数、延べ面積でございます。
制度ごとに、地区数、区別の状況、延べ面積を記載してございます。下段注書きには、複数の制度をあわせて指定している地区の計上方法等を記載してございます。
七ページをお開き願います。7の都市再生特別地区ごとの指定容積率に対する都市再生特別地区で定めた容積率の増加状況及び延べ面積の推移でございます。
地区ごとに、用途地域に関する都市計画で定められている容積率である指定容積率、都市再生特別地区で定めた容積率及びその容積率の増加状況を記載してございます。下段には、各年度の延べ面積の推移を記載してございます。
八ページから九ページにかけまして、8の高さ百メートル以上の大規模ビルの建設状況でございます。
平成二十年十二月末までに建築確認済みの、高さ百メートル以上のビルにつきまして、竣工またはその予定日が平成十七年度から二十一年度のものを、名称、高さ、延べ面積について年度別に記載してございます。
一〇ページをごらんください。9の都心三区、都心五区、二十三区の業務床面積の推移でございます。
千代田区、中央区、港区の都心三区、これに新宿区、渋谷区を加えました都心五区、二十三区の別に、過去十年間の業務床の面積の推移を記載してございます。
一一ページをお開き願います。10の都心三区、二十三区、多摩地域の建物床面積の用途別内訳の推移でございます。
区域ごとに、住宅・アパート、事務所・店舗等、工場・倉庫、その他に分けまして、面積及び構成比を過去十年間にわたり記載してございます。
最後でございますが、一二ページ、11の首都圏中央連絡自動車道、東京外かく環状道路、首都高速中央環状線の事業費及び進捗状況(都内区間)でございます。
区間または路線別に、延長、概算事業費及び進捗状況を記載してございます。
以上で説明とさせていただきます。どうぞ、ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○高橋委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
発言を願います。
○神林委員 予算調査に関連しまして、三点ばかり質問させていただきたいと思っております。
まず初めに、都市づくりビジョンの改定について質問いたします。
本定例会の代表質問で、我が党は、都市づくりビジョンの改定の方向性とその進め方について質問をいたしました。これに対し、都市整備局長からは、「十年後の東京」計画に示した都市像を踏まえ、魅力とにぎわいを備えた環境先進都市を創造することにより世界の範となる東京の実現を目指す、そして来年度の早い時期に改定案を示すとの趣旨で答弁をいただいております。
都市づくりビジョンは、今後の東京の都市づくりの方向を示す大変重要な基本計画と認識しており、その改定内容は我々としても大変気になるところでございます。しかし、改定に当たっては、まず、現行ビジョンに基づく都市づくりが、策定の後どのように進展してきたのか検証、評価した上で、その結果を踏まえて策定していくことが重要ではないかと考えております。
そこで、お聞きいたしますが、現行の都市づくりビジョン策定による主な成果について、まずお伺いいたします。
○安井都市づくり政策部長 現行の都市づくりビジョンでございますが、二十一世紀を迎えまして、国際的な都市間競争の激化など、社会経済情勢の変化を踏まえまして、都市化による課題の対処などに追われていたそれまでの需要対応型の都市づくりから脱却いたしまして、目指すべき都市像を明確にした上で、その実現に向けて、政策誘導による都市づくりの展開を図るための基本的な指針を定めたものでございます。
都市づくりの目標といたしましては、世界をリードする魅力とにぎわいのある国際都市東京を掲げまして、国際競争力を備えた都市活力の維持発展など五つの理念を示しております。
都市構造の面では、これまでの多心型都市構造から、東京圏の集積のメリットを生かした多機能集約型の都市構造でございます環状メガロポリス構造を目指しておりまして、また、東京をセンター・コア再生ゾーンなど五つのゾーンに区分いたしまして、各ゾーンの将来像や戦略を描くとともに、地域の将来像を示してございます。
主な成果でございますが、例えば、ビジョンの内容に即しまして、中央環状線の新宿線開通や品川線の工事着手など三環状道路の整備、羽田空港の再拡張や横田飛行場の一部空域の返還など空港機能の強化が図られてございます。
さらに、大手町・丸の内・有楽町地区、六本木地区、品川駅周辺などにおきまして開発が促進されまして、都心部の拠点開発、機能の更新が大きく進展するとともに、分譲住宅を中心といたしまして新設着工住宅件数が増加し、都心三区及び五区の双方におきまして夜間人口が現在まで増加を続けるなど、都心居住も大きく進んできたと受けとめてございます。
このように、現行の都市づくりビジョンは、都市づくりを通じまして東京の都市再生に道筋をつけるということができた、このように受けとめてございます。
○神林委員 確かに我々の実感といたしましても、三環状道路の整備が進展し、羽田空港の再拡張や横田飛行場の空域が一部返還されるとか空港機能の強化が図られ、さらには都心部の拠点開発や都心居住の進展など、現在のビジョン策定後、東京の都市再生は着実に進んできたという感じがしております。
しかし、外環道の着手や羽田空港のさらなる国際化など、現行ビジョンに基づいて進めていかなければならない課題もたくさんあるはずでございます。
そうした中で、なぜ今ビジョンの改定に着手したのか、その必要性についてお伺いいたします。
○安井都市づくり政策部長 現行のビジョンにおきましても、高齢社会の到来であるとか、環境問題の対応といった取り組みの重要性について示してございます。
しかしながら、改めて今日の視点で東京をめぐる社会経済情勢を見ますと、大きく変化しているというのが実感でございます。二〇一五年をピークに東京の人口は減少局面を迎えまして、同時に、その後は少子高齢化が現行ビジョンの策定時の想定以上に急速に進展していくなど、人口構成も大きく変化していくことが想定されてございます。
また、環境負荷の増大による地球温暖化の進行や、水や緑、美しい景観に対する市民の意識も高まってきてございまして、さらに、切迫する首都直下地震に対する備えも急がなきゃいけないというようなことなど、新しい課題にも対応していく必要がございます。
このため、都民の間に生じた新たなニーズや時代の要請に的確、迅速に対応しまして、五十年先を見据えた都市づくりを進めていく必要が生じたことから、このたび都市づくりビジョンを改定することとしたものでございます。
○神林委員 ただいまご回答いただいたように、新しいニーズや時代の要請に的確に対応し都市づくりを進めていく必要があると、私も考えております。そうした時代の変化をしっかりと受けとめ、ビジョンの改定を進めてもらいたいと思います。よろしくお願いいたします。
そこでお聞きしますが、今回の改定するビジョンでは、どのような都市像を描いていこうと考えているのか伺います。
○安井都市づくり政策部長 広域的な都市構造といたしましては、先ほどご説明いたしましたが、引き続き、東京圏全体を視野に入れまして、環状メガロポリス構造の構築を推進してまいります。
これによりまして、環状方向の都市と都市の結びつきを重視して交通網の整備などを進めまして、多様な機能の集積のメリットを生かした東京圏の発展を目指してまいります。
また、人口減少や超高齢社会の到来など、新たな課題に対応いたしまして、身近な市街地におきましても、暮らしやすく、環境負荷の少ない市街地に再編していく必要があると考えてございます。
このため、都市インフラなど既存ストックの有効活用を図りながら、地域特性に応じまして、既存の交通結節点などを中心に、多様な都市機能をコンパクトに集積させた市街地の形成を目指すことといたします。
こうした都市像のもとに、今後、各地域の将来像や具体的な戦略を掲げまして、都市づくりの方向を明らかにしてまいります。
○神林委員 ぜひ、首都機能を担う東京圏全体の発展につながる広域交通ネットワークの整備や人口減少に応対し、環境負荷の低減に配慮した市街地の再編を積極的に進めてもらいたいと考えます。
卑近な例でいえば、私の地元で進められている京急蒲田駅周辺の連続立体交差事業、これはやはり移転を余儀なくされる方々とか、生活再建への道が立たないような方、こういう方もいらっしゃるわけですから、そういう方々に十分きめ細かな対応を怠ることなく、市街地の再編が一層進んでいくように期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
そうした都市像の実現に向け重点的に取り組む課題については、どのように考えているのか伺います。
○安井都市づくり政策部長 今後の重点的な課題といたしまして、まずは慢性的な道路交通渋滞の解消であるとか、災害に脆弱な木造住宅密集地域の改善など、いわば二十世紀の負の遺産ともいうべき課題の速やかな解消に取り組んでまいります。
また、第二に、東京をさらに成熟した都市へと導いていくために、人口減少の時代にも対応し得る既存市街地の再構築であるとか、環境負荷が低くエネルギー効率の高い都市構造への再編、駅周辺地域を中心とした主要施設のバリアフリー化などの充実に関する施策を図ってまいります。
さらには、現行ビジョンでの策定の時期より世界のグローバル化が進んでございまして、国際的な都市間競争も激化してございます。こうした中で、東京の信頼性を高め、都市としての新たな価値を創造していく必要があると認識してございまして、今後は、インフラ建築物の耐震化の促進であるとか、豊かな緑や美しい景観の創出などに積極的に取り組むことが、重点的に取り組む課題であるのではないかと認識してございます。
こうした課題に的確に対応していくために、これまでよりも一段高いレベルの政策誘導による都市づくりを展開いたしまして、世界の範となる環境先進都市東京の実現に取り組んでいきたいと考えてございます。
○神林委員 この都市ビジョンの改定についての最後の質問としまして、さきの代表質問では、ビジョンの改定の進め方について来年度の早い時期に改定案を示す、こういう答弁をいただいております。
そこで、今後の改定までの具体的なスケジュールについて伺います。
○安井都市づくり政策部長 現在、ビジョンの改定の検討と並行いたしまして、多摩の拠点整備の基本計画を初め、今後の市街地整備の基本方針あるいは緑確保の総合的な方針についても検討を進めているところでございます。
今後、庁内の関係局などとさらに検討を進めながら、こうした分野ごとの施策の方向とも共有を図りながら都市づくりビジョンの改定に取り組み、中間のまとめの段階で本委員会に改めてご説明したいと考えてございます。その後、本年の夏を目途にビジョンの改定版を公表したいと考えてございます。
○神林委員 ひとつよろしくお願いいたします。
それでは、次に、羽田空港の跡地利用について伺います。
羽田空港の跡地利用については、私、たびたび質問をさせていただいて、昨年の十二月の本会議でも質問をいたしましたけれども、跡地利用の推進、そして跡地利用とともに地元地域も同時によくしていきたい、こういう観点から、少し本会議とは違って突っ込んで質問をさせていただきたいと存じます。
昨年十二月の都議会で、都がみずから跡地を一括取得する必然性はないとの答弁がありましたが、この答弁は、二十七年前の、国と地元区から成る羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協議会で確認されている内容を撤回するものでございます。地元区や区議会でも突然の表明に反発を示しており、約束違反だという声が上がっております。
東京都は、沖合移転計画の促進を図るため、羽田沖合の埋め立てをみずからが実施し空港用地と交換する考え方のもとに、昭和五十六年に運輸大臣と都知事の間で確認書が締結されたとしておりますが、その後、跡地の面積が大幅に小さくなり、また基本計画が策定されるなど状況は大きく変化しているため、跡地を一括取得する必然性はなくなったと、こういうふうに答えているわけでございます。
しかし、跡地利用に対する東京都の役割や責務は三十年前から別に変化しているわけではございません。確認書の中の、都による跡地の取得に関連する部分について、いわば公的約束を破棄する形になったともいえるものであり、都の表明は受け入れられることではございません。
また、昭和五十六年六月の確認書では、必要な事項については三者協議会において適宜協議されるものとするとされており、都は、羽田空港の移転問題に関する公式な機関である三者協議会の場で都の方針の説明を行うべきであるにもかかわらず、協議会に対していまだ説明がございません。
都は、跡地の一括取得をしないことを一方的に表明するのではなく、三者協議会の場で区に対して丁寧に説明をした上で、区の意見を真摯に受けとめるべきと考えますが、今後、都はどのように対応するのか伺います。
○福田参事 昨年十二月の都議会において、跡地を一括取得する必然性はないことを表明した後の対応でございますけれども、まず、国と大田区、品川区を訪問して、その説明を行ってまいりました。その際、地元大田区からも、国と地元区から成る羽田空港移転問題協議会、いわゆる三者協の場で説明してほしいとの要望を受けております。
都といたしましては、跡地利用を推進するための三者協を年度内に開催することで調整を進めておりまして、その協議会において都の考え方を十分説明し、国や地元区と話し合って、跡地利用の早期具体化を図ってまいります。
○神林委員 三者協で十分に話し合いを行い、今のポイントの中に、ぜひ地元の意見について十分な配慮と反映をお願いしたいと思います。
あわせまして、年度内ということですからことしの三月三十一日までということだと思いますので、もう間もなくだと思いますので、ぜひとも早急にお願いしたいと存じます。
GHQによる強制退去の歴史を抱えている羽田地区の住民感情を踏まえれば、当時、国の機関とはいえ、強制退去に伴う土地の借り上げ事務などを行った東京都が、跡地を一括取得しないとの方針を表明したことは容認できません。撤回をしていただきたいという主張に変わりはございませんけれども、責任ある立場からすれば、ただ約束違反だといい続けても、押し問答となって跡地利用は先に進みません。
そこで、納得はできませんが、東京都は跡地を一括では取得しない方針とのことでございますが、部分的な取得の可能性は否定していないと思われます。
そこで質問いたしますけれども、羽田空港に隣接した立地特性を生かすため、東京都は、一括でなくとも、少なくとも部分的にでも跡地の取得を行い、都の施設を整備する考えはないのか伺います。
○福田参事 都による跡地の一部取得についてでございますけれども、跡地内には蒲田消防署の空港分署など、空港に関連する施設が立地しております。跡地利用の具体化にあわせて、こうした施設も含め、都の施設の立地のあり方について検討を進めてまいります。
その結果、都として施設整備を行うことになった場合には、国と調整して、跡地の一部を取得すること、または貸与を受けることが必要になると考えております。
○神林委員 私の考えからすれば、どうしてもということでございますが、一括取得が難しい場合には、跡地の部分的な取得についてはぜひともご検討願いたいと存じます。
また、羽田空港の跡地利用を進めるに当たっての大きな課題として、この跡地は、道路や公園、護岸やライフラインなど、基盤施設の整備がおくれております。跡地利用を進めるには、何はともあれ基盤整備を進めていかなければならないのは当然のことでございます。
そこで、跡地は、ゾーニングだけでは進まず、基盤整備をだれがどうやって整備するかなどを早急に決めるべきであると考えます。どのように考えているのか、お伺いいたします。
○福田参事 跡地の基盤整備についてでございますけれども、昨年三月、都は、国や地元区とともに三者協として跡地利用の基本計画を決定いたしまして、跡地を三つのゾーンに区分し、各ゾーンに立地する機能を位置づけるなど、土地利用の方向性を定めたところでございます。
その方向性に沿って、跡地利用にとって重要な環状八号線の線形改定については、現在、都市計画変更手続を行っておりまして、来年十月の新滑走路の供用開始に合わせて国が早急に整備を進めることとしております。
また、跡地利用を進めるためには、跡地を高潮から守るための護岸を整備するとともに、地区内交通を処理する区画道路や上下水道などのライフラインを、新たに整備することが不可欠であります。
今後、三者協におきまして、事業手法とともにこれら基盤施設の整備のあり方についても検討を進め、跡地のまちづくりを推進するための具体的な計画の策定を検討してまいります。
その際、特に土地所有者である国に対しては、多摩川護岸整備など、基盤施設の整備に対する積極的な取り組みを強く求めてまいります。
○神林委員 ともかくこの基盤整備が進まないことには先に進みませんので、ぜひ早急に、しかも東京都の主導でお願いしたいと存じます。
基盤整備の中で、空港を守る高潮対策のための護岸の整備がまずは急がれていると思います。多摩川沿いは国が、海老取川沿いは東京都にぜひ整備をしていただくことを、ここで強く要望しておきます。
一方、地元区においては、来年度から再来年度半ばにかけて、主に市街地に隣接する第一ゾーンについて、跡地に区が整備する施設や、跡地を取得する範囲を検討する調査を実施するための予算計上を行っていると聞いております。
このように、地元区は、今後跡地に整備する区の施設を具体化するとしておりますが、東京都は、地元大田区の跡地におけるまちづくりに対して具体的にどのように支援していくのか、この辺についてお聞きいたします。
○福田参事 大田区は、昨年十月に独自に策定したOTA基本プランで、市街地近接ゾーンについては区主導で整備するとしておりまして、区画道路や多目的広場などの基盤施設とともに、産業施設や文化・交流などの導入施設を例示しております。
また、大田区は、この市街地近接ゾーンについてどのような施設をどの場所に整備するのか、来年度、より具体的な検討を進めるというふうに聞いております。
都といたしましては、地元大田区が公共的な施設整備のために跡地を取得する場合には、国に対して特段の配慮を強く求めていくとともに、跡地利用に必要となる基盤施設の整備について、区に対して技術的支援など必要な協力を行ってまいります。
○神林委員 今ちょっと技術的支援というようなお話がございましたけれども、地元区というのは、やはり予算規模はそんな大きいものじゃないわけですね。あれだけの大きな土地でということになると、何でもかんでも区だということにはならないと思います。
地元区に対しては、東京都の財政支援についてもぜひともご検討いただくこと、これも要望しておきます。
この跡地は、東京都にとっても、地元にとっても大変重要な場所であるはずでございます。跡地利用に関するまとめとしまして、東京都は、この跡地利用を進めるに際してどのような役割を果たしていくのか、お伺いいたします。
○福田参事 跡地利用を進める際の都の役割でございますけれども、羽田空港跡地は国際線地区に隣接した重要な場所でございまして、できるだけ早く跡地利用を進めることが必要でございます。
既に新滑走路に加えて、国際線地区の旅客ターミナルや貨物ターミナルなどの整備が進んでおりまして、また都といたしましては、跡地内の環状八号線の都市計画変更手続、先ほどご説明させていただきましたように、これを進めているところでございます。これら施設が来年秋に供用を開始することで、羽田の再拡張、国際化が実現し、都心に近い羽田空港の機能を十分に発揮することが可能になります。
しかしながら、理事からご指摘がございましたように、跡地利用を進めるに当たっては、基盤施設の整備や事業手法など解決すべき課題が残っております。
都といたしましても、これまでも三者協の事務局として、共同調査の実施による検討作業の推進や地元区の意見等の反映などに努めてきたところでありますが、今後とも、国や地元区など関係機関と連携を一層強化しながら、課題の解決に向けて適切な調整を主体的に進めてまいります。
○神林委員 ぜひ東京都の主導で魅力あふれる跡地利用が進められることを心から期待しておりますので、よろしくお願いいたします。あくまでも東京都が主体でございますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次に、それに関連して、羽田空港跡地の周辺地域の羽田旭町地域のことにつきまして何点かお伺いをさせていただきます。
私は、これまで跡地のことを取り上げる際に、周辺のエリアを含めた一体的なまちづくりの重要性を一貫して主張してまいりました。空港と跡地周辺のまちづくりに関連し、羽田旭町地区について質問をこれよりいたします。
羽田旭町地区は、来年度に再拡張を完成する羽田国際空港に隣接し、過去に地元大田区が羽田臨空タウン構想を策定しております。地区内には土地利用転換が見込まれる大規模な工場用地や工場跡地があり、周辺には密集市街地が広がっております。
このような背景がある羽田旭町地域では、一昨年、環状八号線に面する工場用地を大手の物流業者が取得いたしました。羽田空港の再拡張、国際化をも視野に入れ、今後新たな物流施設が整備されると聞いております。
そこで、この地域は空港跡地に隣接する最も大規模な整備用地でございます。地元に対する影響も大きく、地元住民もその開発に大きな期待を持って注目をしております。只腰局長も私の本会議の質問で、空港跡地とその周辺地域を、一体的にまちづくりを進めていくことを答弁していただいております。まさにその周辺地域の土地がこの土地でございます。
繰り返していわせていただきますと、そういう意味では、東京都は羽田旭町地域の現状をどのように認識しているか、この点につきましてまず質問をさせていただきます。
○安井都市づくり政策部長 羽田旭町地区でございますけれども、工場のまちとして発展した経緯がございまして、狭い道路を挟んで住宅や工場などが混在する密集市街地を形成してございます。
また、今、理事のお話もございましたが、地区内には、大規模工場転出などにより、土地利用転換が見込まれる約十七ヘクタールの土地がございまして、隣接する羽田空港の移転跡地とともに、これらの土地利用転換を適切に誘導していくことにより、地域の発展や住環境の改善に努めることが重要だと認識してございます。
一昨年、物流事業者が、約十七ヘクタールの過半に当たります約十ヘクタールの工場用地を取得してございまして、今後新しい土地利用転換が進んでいく状況にございます。
都は、この開発が羽田空港と関連した形で進められまして、また、残りの跡地部分に先行して事業化されるといたしましても、十七ヘクタール全体が一体性を保ったまちづくりの視点のもとに検討されることが望ましい、このように考えてございます。
○神林委員 しつこく繰り返しになっちゃうんですけれども、私はともかく羽田の国際化に合わせて、空港がよくなるのと一緒に地元をよくしたい、これがまちづくりに対して重要であるというふうに考えております。
そこで、当地区では民間の開発計画が具体化したわけでございますが、大きな敷地でもあり、この機会をとらえて、例えば空港跡地との一体的な開発だとか、空港の表玄関としての景観、また、水と緑の潤いのあるまちづくり、防災性向上などにつながるような、地元区と連携してまちづくりを、計画を進めることが重要でございます。
そこで、今後、東京都はどのようにして民間事業者の開発を誘導し、まちづくりを進めていくのか伺います。
○安井都市づくり政策部長 都は、空港のポテンシャルを生かした開発を誘導し、また区のまちづくりを支援する立場から、区とともに地権者に話し合いの場を持つように働きかけまして、昨年十二月に協議の場を設置いたしました。
この場では、物流事業者が予定する国際物流ターミナルの事業スケジュールを前提といたしまして、今後の土地利用転換の課題、整備の方向につきまして、行政と民間事業者などで調整を行っているところでございます。
具体的に申し上げますと、周辺の市街地との調和であるとか空港移転跡地と連携した土地利用、環状八号線沿道のまち並みの形成、都市計画道路補助三八号線の拡幅、海老取川の水辺を生かした環境整備、開発に伴う交通の処理などについて意見交換を行っているところでございます。
○神林委員 今ご回答をお聞きしていまして、東京都としても当地区のまちづくりをしっかりと誘導していくということでございますので、以下、その部分について、具体的な事項についてお聞きしてまいります。
近年、まちづくりでは、環境や潤いの創出などが重要視されております。海老取川の水辺に恵まれた当地区には、水と緑の散歩道として地元に親しまれている、東京都の建設局が進めております武蔵野の路がございますが、この周辺地域だけが現在未整備になっております。
じゃあ質問でございますが、そういった状況の中で、これと連携して、緑や潤いのある水辺の空間の整備が重要であると考えますが、見解を伺います。
○安井都市づくり政策部長 当地区の近傍には、今お話もございました羽田弁天橋付近から城南島にかけまして、都内を周遊できる散策路の一部となります武蔵野の路の大井、羽田コースが整備されております。
今後、土地利用転換が進む工場の転出用地などは、東側で海老取川に接してございまして、これからの開発にあわせて、この武蔵野の路とつながるような水と緑のネットワークを広げることにより、地域の潤いや市街地環境の向上を図ることが重要だと考えております。
話し合いの場では、まちづくりの観点を踏まえながら、海老取川沿いの水際空間を区民に開放する緑豊かな公開空地として整備するように、物流事業者など地権者に、区とともに働きかけているところでございます。
○神林委員 空港を行き来する人が、みんな、あそこよく見えるんですよね。そういう意味では、まず武蔵野の路を一つにしっかりつなげるということが一番大前提として必要だと思います。
さらには、今いったように、多くの方々からあそこの景観見えるわけですから、やはりきれいな親水護岸をつくったり、あるいはお花できれいに飾ったりだとか、ちょっと見晴らし台みたいに空港が眺められるようにしたりとか、せっかくつくるわけですからこの際、魅力あふれる緑道としていただくことを要望させていただきます。
また、当地区は羽田空港の玄関口に位置していることとともに、環状八号線という重要な幹線道路に面しておりますので、その立地にふさわしいまち並みや景観の形成が必要と考えます。この点についても東京都の所見を伺います。
○安井都市づくり政策部長 当地区でございますけれども、羽田空港の玄関口に位置するというお話がございました。しかしながら、周辺は住工混在の密集市街地ということもございまして、大変残念でございますが、必ずしも現状では統一感のあるまち並みが形成されているとはいいがたい状況にございます。
物流事業者が取得した工場用地は、一部が環状八号線に接し、商業地域が用途として指定されていることもございますので、すべてを物流施設とするのではなくて、当該用地内の沿道部分につきましては、今後の開発を契機に、地域にも開放されるような施設の配置であるとか、良好な景観の形成、緑化などに努めてもらえるよう事業者に要請しているところでございます。
また、今後、環八通り沿道におけるまち並みの形成のルールづくりなどを、こうした開発を機に区に働きかけることによりまして、にぎわいや潤いのある地域のまちづくりを都としても支援してまいりたいと考えております。
○神林委員 ただいまご答弁いただいたような、自然環境や景観に配慮した整備が期待されている一方で、環状八号線は交通量が大変多くなっております。待機車もふえております。既に大鳥居交差点では渋滞が見られる状況でございます。
現在、大田区南部では、国道一五号線との立体交差化など羽田空港周辺の交通アクセスの向上の取り組みが進められているものの、今後、国際貨物を扱う物流施設の整備により、深夜、早朝の時間帯をピークとした車両の出入りが、大幅にふえるものと考えております。
また地元住民からも、新たに貨物トラックが出入りすることや待機車両による、交通事故ですとか騒音ですとか排気ガスのこういう問題など、周辺への影響を心配する声も非常に出ております。
そこで、周辺交通に与える影響について、どのように考えているのか伺います。
○安井都市づくり政策部長 当地区は、大部分が工業専用地域に指定されてございますけれども、周辺には住宅が大変多く立地してございまして、環八通りも混雑してございます。このため、物流施設の計画段階から、大型車などによる周辺への影響を十分考慮していくことが、土地利用転換を図る上で基本的な認識であると受けとめてございます。
今後、まちづくりの話し合いによる調整を踏まえ、物流事業者が具体的な施設計画を検討する段階におきまして、都は、事業者に対し、敷地内の車の待機スペースや荷さばきスペースなどを十分確保するとともに、適切な車両動線、歩行者の安全の確保など、周辺への十分な配慮を要請してまいります。また、交通量をできるだけ縮減できる配送計画の工夫など、施設の運用面においても配慮を求めていく予定でございます。
あわせまして、跡地など周辺の混雑を緩和していくためには、今回の開発地区西側に接しております都市計画道路補助三八号線の拡幅整備が不可欠でございます。今後の開発にあわせまして、用地も確保できる部分もございますので、速やかに整備されることが望ましいと考えてございます。
○神林委員 今ご答弁いただいた中で、工専地域だからいいというわけじゃないんですよ。やはりこれから新しいまちづくりで、快適な空港周辺地域にしていこうというんですから、ぜひそういう部分についてもしっかりと指導をしていただきたいと思います。
特に、深夜、早朝の交通対策、待機車への対応、交通ルートには、地元住民に迷惑がかからないように十分な指導をしていただくことを要望しておきます。
また、今後の空港周辺地域の交通量の増大を想定して、広域的な道路のネットワークの整備ですとか補完ルートの検討についても、ぜひこれからしていただきたいと存じます。
このように、当地区の開発やまちづくりは地元住民にとって大きな影響があるわけですから、当然しっかりと地元に対する説明責任を果たしてもらわなければなりません。今後、住民にもきちんと説明して進めることが必要と考えますが、いかがでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 大変大きな開発でございますので、事業者による説明は当然必要でございますけれども、その説明が、計画の進捗に合わせまして、地元住民などに対しまして適宜適切に実施されるように、都としても事業者に要請してまいります。
また、こうした開発では、地域のまちづくりに主体的にかかわる地元区の役割は大変重要でございます。区と事業者が協力して住民への情報提供を行いつつ、またその意見を踏まえつつ、地域にとりましても望ましいまちづくりが進められていきますよう、都は区や事業者を支援し、まちづくりを促進してまいりたいと考えております。
○神林委員 質問の最後に二点ばかり要望させていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
まず一点目は、今お話がありましたとおり、しっかりと地元に対して説明を行い、少なくとも地元に一定の理解を得て開発が進められるよう指導していただきたいと存じます。これが一点目でございます。
それから二点目は、これのまとめというわけではございませんが、空港跡地及び周辺地域は今後大きな発展性を秘める土地でありますので、行政側に何のビジョンや指針もなしに、おのおのの地権者の思惑に沿った勝手な開発でよいのか、大変疑問に思います。
都区で協議して、騒音、環境、まちづくり、交通アクセス、緑と水辺、地元産業の活性化など、一定のビジョンや指針に基づいて、一体的、計画的な行政の指導が進められることを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○大塚委員 私からは、平成二十一年度の予算案に関して、地元の虎ノ門・新橋地区の環状二号線、いわゆるマッカーサー通りについて幾つか質問をいたします。
環状二号線は、昭和二十一年の都市計画以降、半世紀以上にもわたり推進派、反対派の議論があり、また、いろいろな事情があり事業化がされてきませんでした。
現在は、地元町会を初め関係者の長年のそうした苦労が実り、道路と建物を一体的に整備可能な立体道路制度を活用した東京都施行の市街地再開発事業により、環状二号線は整備が急ピッチで進められているところであります。多くの方々がその完成に大きな期待を寄せているところであります。
この道路は、港区などの都心に集中する交通を分散し、交通渋滞解消や環境にも配慮するなど、道路交通の円滑化を図る上で重要な、区部の環状道路に位置づけられております。
道路は人間の体に例えれば血管に当たり、血管が詰まれば人間も病気になってしまいます。東京都の都市機能のさらなる向上のためにも、三環状道路を含め東京の道路はまだまださらなる整備が必要と、私はそのように考えております。
また、二〇一六年に東京オリンピックが開催されれば、臨海部のオリンピックスタジアムと都心部を結ぶ主要な役割を果たすなど、再開発事業も含め、国際都市東京をPRするために必要な道路になると考えております。
今述べたとおり、早期に完成をさせる必要がある道路と考えます。
平成二十一年度予算案の先般の説明によりますと、二百八十五億円が計上されており、二十年度の予算の約二倍以上の伸びになっております。
そこで伺いますが、平成二十一年度に二百八十五億円を編成したその考え方について、見解をお伺いいたします。
○座間市街地整備部長 環状二号線地区におきます新橋・虎ノ門地区市街地再開発事業につきましては、平成二十六年度の完成を目指して事業の推進を図っております。
平成二十二年度にはⅢ街区の建築着工を予定しておりまして、道路及び施設建築物の整備を着実に進めるための用地取得が必要となっております。このため、平成二十一年度予算につきましては、用地費、施設建築物工事費、権利変換諸費など約二百八十五億円を計上しておりますけれども、そのうちの約二百七十億円に相当する部分が用地費になってございます。
なお、用地取得の対象といたしましては、環状二号線上にございます虎の門病院などの大規模敷地を予定してございます。
○大塚委員 今の答弁ですと、二百七十億円が用地費に充てられ、また、虎の門病院を初めとした大きな区画の用地取得に予算が使われているとのことです。
本線の道路工事を行うにしても、ある程度の用地規模がないと工事が進まないと思いますし、また現に、現地に入ってみますと、新橋から虎ノ門にかけて更地化が進み、着実に工事が進んでいることがよくわかります。
そこで、地元の方々も気にしておりますが、今年度までの用地買収状況と来年度の用地取得予定を、確認のため、数字も含めご説明をお願いいたします。
○座間市街地整備部長 用地取得状況につきましては、今年度は、Ⅲ街区の更地化に向けて、テナントを多く抱えております賃貸ビル所有者とテナントの意向に配慮しまして、移転先が早く見つかっているテナントと随時立ち退き補償契約を結び、円滑に移転させることに重点を置いてまいりました。今年度末までの用地取得につきましては、必要な取得面積約五万三百五十平方メートルのうち約三万五千七百平方メートルでございまして、取得率は約七〇%となっております。
来年度は、引き続き、テナントの移転促進を図るとともに用地取得も進めてまいりまして、そのうちⅢ街区におきます建築敷地の用地取得につきましては、必要な取得面積約一万六千平方メートルございますが、今年度末までには四五%の取得をしております。来年度は残りの五五%に対して取得をしまして、Ⅲ街区の用地取得を完了する予定でございます。
その結果、来年度末の地区全体の用地取得面積につきましては四万七千平方メートルとなりまして、用地の取得率につきましては約九五%に達する見込みでございます。
なお、用地取得に当たりましては、事業工程を考慮した上で、土地収用制度の活用を図るなど、着実な用地取得に努めてまいります。
○大塚委員 今お話しのように、来年度には環状二号線の道路部分や再開発ビルの敷地も含め、大部分の用地の取得が可能になることがよくわかりました。
この予算措置を契機に事業推進が大幅に図れることが考えられますが、具体的な道路整備の状況並びにスケジュールがどうなるか、ご説明をお願いいたします。
○座間市街地整備部長 道路整備状況でございますけれども、第一京浜からⅢ街区までの地下本線工事につきましては建設局が所管しておりますけれども、第一京浜から柳通りまでの区間など一部で既に工事を実施しております。
また、愛宕通りまでの区間につきましては、用地取得に合わせて順次工事着手の予定と聞いております。
また、Ⅲ街区内の区間につきましては、立体道路制度を活用して、Ⅲ街区の建築整備とあわせて平成二十二年度から整備を行い、Ⅲ街区から外堀通りの区間につきましては平成二十三年度から工事に着手する予定でございます。
これらの整備によりまして、新橋-虎ノ門間全体といたしましては、地上部道路の整備も含めまして平成二十五年度、二〇一三年度までに完了する予定でございます。
○大塚委員 二十一年度の予算規模を考えますと、平成二十五年度の整備目標ということが本当に現実的になってきたと思います。
もちろん道路整備に予算が重点配置されていると思いますが、同時進行しております立体道路制度を活用しての再開発事業に関しても、環状二号線と一体的に整備していく必要があると思いますし、地元の方々は、この地域のまちづくりに大きく貢献する事業として関心が高いところだと思います。
そこで、再開発事業Ⅲ街区についての建物の整備予定についてお伺いいたします。
○座間市街地整備部長 市街地再開発事業でございますけれども、まず、この地区で予定しております三つの街区のうち、平成十九年四月にⅡ街区のグランスイート虎ノ門が完成いたしまして、Ⅰ街区につきましては、平成二十二年秋の完成に向けまして現在工事を進めているところでございます。
お尋ねのⅢ街区につきましては、昨年六月に、社会状況の変化や権利者の要望等を反映しまして都市計画変更を行っております。具体的には、ホテルやコンファレンス用途を追加して文化・交流機能の充実を図るとともに、建物を二棟に集約し緑豊かな広場を約六千平方メートルに倍増させるなど、地域のシンボルとなるような建築計画としております。
この再開発事業につきましては既に管理処分計画の大臣認可を得ておりまして、平成二十一年度に特定建築者を決定した上で平成二十二年度に建築工事に着手し、平成二十六年度の完成を目指して工事を進める予定でございます。
○大塚委員 最後になりますけれども、今ご説明のように、地元要望を踏まえた上で、Ⅲ街区が果たす役割は、地域の活性化や港区ならではの都市機能に大きく貢献することが理解できました。
再開発事業では、現在、仮住まいをしているような権利者もいると思われますが、この方々のそれぞれのライフスタイルに合わせ、本格的な入居が完了するまで、東京都として十分な対応をするよう要望しておきます。
そしてまた、道路も含め順調に再開発事業が進んでいるようですけれども、以前から私は、再開発事業で都市再生が図られる地区と、隣接する地域のバランスをどのように図るかが重要なテーマであると、たびたび指摘をしてきました。
この地域でも、四十メーターの環状二号線や再開発事業により生まれ変わった街区と、バランスのとれたまち並みが形成されることが不可欠と考えますが、沿道のまちづくりについて再開発事業者としての考え方を伺い、質問を終わります。
○座間市街地整備部長 環状二号線地上部道路につきましては、幅員四十メートルの道路空間を生かして多くの緑を創出するとともに、Ⅲ街区で新たに生み出されます、まとまりのある緑豊かな広場と連続する、いわゆるグリーンロードネットワークの対象路線として位置づけられております。
本路線の整備に当たりましては、既に地元区や沿道住民とともに環状二号線地上部道路計画検討会を設置し、環状二号線地上部道路の整備案の検討を進めているところでございます。また、沿道には小規模な敷地に中低層の建物が立地しておりまして、地元では沿道の地権者が中心となって、環状二号線の整備に合わせて沿道にふさわしいまち並みにすることを目指して、まちづくり協議会を立ち上げて検討が進められております。
今後とも、地元区やまちづくり協議会と連携調整を図りながら、環状二号線地上部と沿道のまち並みが調和した、魅力ある景観やにぎわいのあるまちづくりに取り組んでまいります。
○長橋委員 それでは、私からも都市づくりビジョンの改定について、先ほど神林理事からもお尋ねがございましたが、重ならない範囲でお尋ねをしてまいりたいと思います。
先ほどのご答弁で、この都市づくりビジョン、来年度改定を目指す、いつなのかということで、夏を目途に公表するというご答弁がございました。そうしますと八年ぶりの改定になるわけでございまして、これが公表されたのが二〇〇一年の十月でございます。
そのときに、ビジョンの中に、新たな仕組みを導入して魅力あるまちを目指すということであろうかと思いますけれども、一つは、政策誘導型都市づくりを実現するための新たなルールをつくる、また、都市づくりの進め方に新たな仕組みを導入するということでありまして、それを進めて、都市づくり基本条例の制定をするということでございました。
具体的には、独自のルールということで、街区再編プログラムの創設を図る、それから街並みデザイナー制度の創設をする、または地区計画策定の原則化といいますか地区計画を積極的につくっていく--指定したところをですね、というような新たな仕組み、ルールがありましたけれども、こうしたものがどれだけ成果が上がったのか、実績が上がったのか、まずはそこら辺のところからお伺いいたします。
○安井都市づくり政策部長 都市づくりビジョンの策定後、自治体としての主体性を発揮いたしまして政策誘導型都市づくりを推進していくために、まず東京のしゃれた街並みづくり推進条例を制定いたしまして、お話にも今ございました街区再編まちづくり制度や街並み景観づくり制度を創設したほか、新防火地域制度など都独自の仕組みを導入しております。
具体的に申し上げますと、街区再編まちづくり制度は、密集市街地などまちづくりの課題を抱える地域を対象にいたしまして、地区整備の方針に従い、建築物の建てかえなどを行う場合には、容積率の緩和を可能とし地域の再編整備を促す、そういった制度でございます。このような地区整備の方針を策定した地区は、既に共同建てかえも具体化しましたが、武蔵小山駅東地区など三地区ございます。
また、街並み景観づくり制度は、景観形成上重要な地区を指定いたしまして、まち並み景観に配慮したまちづくりを進めていく制度でございます。現在、柴又帝釈天周辺など十地区を指定しておりますとともに、個人、法人を合わせまして三十八の街並みデザイナーの候補者を登録しております。
また、新防火地域は、防火地域と準防火地域の中間的な規制を持った新たな防火地域でございまして、建築物の建てかえに合わせまして、主に小規模な住宅などの不燃化を促進する制度でございます。現在、墨田区東向島地域、世田谷区太子堂地域など二十一地区を指定してございます。
さらに、こうした制度の創設に加えまして、都市開発諸制度の活用方針を改正いたしました。これにより、再開発などの機会をとらえまして、業務機能だけでなく、商業・文化機能、住宅などの多様な機能が集積した、魅力とにぎわいのある都心部の再編を、今日まで積極的に進めているところでございます。
○長橋委員 今、部長からご丁寧な答弁をいただきました。さまざまな実績、具体的にどの地域がと、こういうご答弁もいただきました。
それが、今回改定をするというところであります。なぜ改定するかということも先ほどございました。いわゆる「十年後の東京」のビジョンは出ましたし、またここ数年の、二〇〇一年から比べるとさまざまな社会状況の変化も、予測した以上に大きい変化をしているということであろうかと思います。特に少子高齢社会への突入は余りにも早いわけでありますし、また昨今の景気の低迷ということもありますから、そういう中で、更新時期を迎えているこの東京をどうつくっていくのかということで、改定でありますけれども、まさに東京の顔をつくるビジョンでございますので、積極的に取り組んでいただきたいと思うわけであります。
もう一点は、同じように、このビジョンの中に目標とか理念も掲げられております。いわゆる目標を、世界をリードする魅力とにぎわいのある国際都市東京を目指す、世界をリードするということがあります。
また、五つの理念がありますが、その中には、例えば国際競争力を備えた都市活力の維持発展、これが理念のトップにありますし、持続的繁栄を可能とする環境との共生、環境という視点も入っております。その他五つの理念、さらには目標時期も設定してあります。
五十年先を見据えながら二〇二五年を目標時期としてこのビジョンをつくりましたということでありますけれども、今いったような理念、目標、そういったことについては、今回改定に当たって変更するのかしないのか、そこら辺はいかがでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 今、長橋委員のお話の中にも取り上げていただきましたけれども、現行の都市づくりビジョンでは、世界をリードする魅力とにぎわいのある国際都市東京の創造を目標に掲げてございまして、国際競争力を備えた都市活力の維持発展であるとか、持続的繁栄を可能とする環境との共生であるとか、独自性の都市文化の創造、発信など、五つの理念のもとに都市づくりを推進してきたわけでございます。
今回の改定では、低炭素型都市づくりへの転換、あるいは水や緑に囲まれた美しい都市空間の再生といった、これからの都市づくりにおきまして一層重視すべき視点を強化いたしまして、目標を、世界の範となる魅力とにぎわいを備えた環境先進都市東京の創造といたしたいと考えてございます。
また、この目標のもとに、現在検討している改定案におきましては、持続的な繁栄に不可欠な地球規模の環境との共生であるとか、水と緑に囲まれた美しい都市空間の再生など新しい理念も示しまして、今後の都市づくりを進めていく上での基本的な事項としたいと考えております。
○長橋委員 今ご答弁いただきましたとおり、世界の範となる魅力とにぎわいを備えた環境先進都市、この目標については引き続き掲げて、新たに環境の問題とか課題であるとか、そういったことを、改定の内容に加えていくということであろうかと思います。
世界の範となる魅力ということについては、いかに都市づくりビジョンを改定するに当たっても、ある面でいえば、世界の中にあって東京をどうよりよく変えていくかということにあっては、目標を、私自身も、変えることはないだろうと思いますし変えてはいけないと思うわけであります。
しかしながら、東京がこの都市づくりビジョンを改定した後--先ほど実績もお伺いしましたけれども、そういう中で私、先週も予算特別委員会で資料としてご紹介したんですけれども、先ほどの理念の筆頭も、国際競争力を備えた東京を目指すというふうにいっているんですけれども、社会資本整備審議会でも、やはり首都東京にもっと力を入れなきゃいけない、こういう議論もあるようでありますし、IMDという世界競争力年鑑、これを知事にご紹介したんですけれども、世界の中で日本は現在二十二位になっている、東京都じゃなくて日本は世界第二十二位だと。スイスで発行しているこの世界競争力年鑑、二十年前から調査を始めて、調査を始めた一九八九年からは五年連続で一位だったのが、最近は二十位を低迷している。低迷といいますか、下がってしまっているというようなことであります。
これに対して知事は、いわゆる東京の都市計画はなかった、だから都市整備局に名前を変えた、こういうご答弁もしておりました。それから、東京のまち並みはコンパクトでいいところもあるし住みやすい、こういうふうにいっておりましたけれども、まだまだまち並みに不整備が残っている、これはいろんな困難な課題もあるけれどもやらなきゃいけない、このようにも知事は答弁をしていました。
そういうことで、いわゆるこの競争力年鑑を見ると、さまざまなことが課題として全体評価されているんですね。ですから、インフラの整備については、二十二位じゃなくてかなりいい方なんですね。
それからここは関係ないですけれども、教育の方なんかはかなり低い方に評価されているんですね。でも教育が低いのかというと--評価の基準が、どれだけお金をかけているかというと日本はかなり低いですよと、こういう評価なんです。逆に識字率だとか文盲率だとこれは世界第一位になっているわけで、いわゆるお金をかけたから教育がいいということでもなかろうかと思うんですけどね。評価がどういう基準になっているのかなと思ったりするわけであります。また、政府の効率性は、悪いと。こういうのは、スイスといいますか、競争力年鑑も認めているわけであります。
知事もその話を聞いて、そうはいってもイギリスの雑誌がこういうふうに紹介しているよというのを教えていただきましたけれども、暮らしやすさはどこなんだと。今度は都市ですね。暮らしやすさはどこだというと、東京は第三位になっている。一位はコペンハーゲンで、世界の二十五位まで紹介されているんですけれども、その中にニューヨークやロンドンは入っていないんですね。世界の三大都市といわれる中で、東京は三位というかなり上位に入っている。また、この二十五位の中に、東京だけじゃなくて福岡とか京都も入っているということで、そういう面でいうと、都市の暮らしやすさという点では評価が高いのかなと。
これは知事がいっておられた、やはり今はIT社会の中にあって、コンパクトで、まさに身近な、便利な機能が備わっている、こういうことが評価されたんじゃなかろうかなと僕は思うわけであります。
それはさりとて、やはり東京の課題はたくさんあるわけであります。今まで議論があった渋滞の問題もありますし、三環状の問題もありますし、そういったことについて、やはり東京みずから国際競争力を高めていくための方策をつくらなきゃいけない。
そのためには、この都市づくりビジョンの中に、国際競争力の取り組み、これをきちっととらまえて進めていかなきゃいけないと思うんですが、いかがでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 日本の国際競争力でございますけれども、ただいまご紹介いただいた資料の中でも、一九九〇年前後のトップクラスから大きく下落して、最近は相対的に低迷を続けているということが出てございます。
こうしたことも念頭に置きまして、これからの都市づくりでは、外かく環状道路の着手、中央環状線の完成など三環状道路の整備をさらに促進いたしますとともに、羽田空港における幅広い国際線の就航、横浜・川崎港との三港連携による物流の効率化など、広域的な交通インフラ、空港港湾機能の強化を図ってまいります。
都心部では、引き続き、多様な機能の集積した魅力ある拠点の形成を進めていきますが、その中で特に東京駅、有楽町駅周辺や、環二新橋周辺、赤坂・六本木地区など、国際金融拠点の強化を図ることとし、世界的な金融危機の状況下におきましても都市の活力を維持向上できるよう、都市再生を進めてまいりたいと考えてございます。
多摩地域に目を向けますれば、八王子市における産業交流拠点などの整備によりまして、多摩シリコンバレーを整備し、自立都市圏の形成を図ってまいります。
さらに、都内全域におきまして、交通結節点などを中心とした市街地の更新などによりまして、国外からの来訪者も含めまして、今お話がございましたが、だれもが暮らしやすい、そういった都市をさらにつくっていけるように、ユニバーサルデザインに基づくまちづくりも進めてまいりたいと考えております。
これらの施策を都市づくりビジョンに盛り込みまして、東京の都市活力あるいは国際競争力の維持向上につなげてまいりたいと考えております。
○長橋委員 今、るる八年間の実績についても伺いましたし、目標、理念、また、国際競争力を高める取り組み等々を聞いてきました。
そういったことが、この改定される都市づくりビジョンに反映されるのであろうかと思いますけれども、そういう中で、立派なビジョンができても、やはりそれをどう進めていくかということが大事であろうかと思います。
中には、東京のまちの更新は少し遅いんではないか、こういうふうに思っている人もいるかと思います。まさに知事も、何代知事がかわっても道路が貫通しない、こんな話もしていました。今の東京にあっては、過密の中に新たな都市計画道路をつくるであるとかさまざまな再開発を進めていくとなると、住民の合意を得るというのはなかなか大変な作業であろうかと思います。
私の地元でも、そういったご苦労の末に再開発ができた地域なんかは、大きくまちが更新してきれいになり、また立派になり、地域の防災性等々向上した例があるわけでありますけれども、今ご答弁いただいた国際競争力を高めていくには、やはりビジョンを策定しただけではなくてそれをどう速く進めていくのか、どうスピードを持って進めていくのか。この都市づくりビジョンの知事のあいさつにも、都市再生を迅速、確実に進めていく、こういうことであります。
そういった意味では、スピードを持ってこの都市づくりビジョンの中身について進めていく、場合によっては、何でも東京都がやるんではなくて、民間も大いに活用して共同しながらやっていくということも、仕組みの中で必要じゃなかろうかと思うんですけれども、そういったことを含めて、迅速性、これについて部長のご答弁をお願いします。
○安井都市づくり政策部長 都市づくりのスピード感、あるいは多様な民間などの主体との連携のお話だと思いますけれども、現行のビジョンの策定以後でございますが、都は国による都市再生緊急整備地域の指定を受けまして、迅速な都市再生に心がけているつもりではございます。その結果、当委員会におきましてもその都度ご説明してまいりましたが、今日まで大崎地区や丸の内地区など十五の都市再生特別地区について都市計画決定をいたしまして、事業を促進してまいってございます。
また、都心部だけでなく身近な地域におきましても、冒頭ご説明いたしましたが、街区再編まちづくり制度に基づきまして三地区の地域の再編整備を促進してまいりました。来月の四月からでございますけれども、この制度の適用条件をさらに区市町村の意向を踏まえて緩和いたしまして、地域の意欲的な取り組みをさらに促すこととしてございます。委員の地元豊島区におきましても、この制度を活用いたしまして、環五の一の整備に合わせまして幹線道路沿道のまちづくりが進んできている状況にございます。
こうした都市づくりを進めていく、しかも今お話にございましたようにスピード感を持って進めていくためには、多様な主体に共通する利益が、公共性である、このような視点が重要でございまして、今後改定する都市づくりビジョンの内容を都民、企業、NPOなどが共有しながら、また連携してスピード感を持って、目標とする市街地像の実現に取り組んでいきたいと考えてございます。
○長橋委員 今、種々ご答弁をいただきました。
東京が、都市づくりビジョンを改定する、国際競争力を高めていくということでありますし、あわせて、国際競争力の中で、東京がどういう東京を目指していくのか。
三大都市といわれるロンドン、ニューヨーク、東京。その中身は、金融のロンドン、経済のニューヨーク、そしてものづくりの東京だと、こういうようなことをいっておられる方もおられます。私は、これからやはり、日本のまた東京の技術力を発揮して、世界に冠たる環境都市東京を目指すべきであろうかと、そういうふうにも思います。
その環境技術もどんどん日本から流出して、技術はいいものを持っているんだけれども、それを活用する分野においてはちょっと追い越されているんじゃないか、このようにもいわれているわけであります。
そういったところを含めて、東京ならではの都市づくり、知事にお伺いしましたけれども、先週の予算特別委員会で局長お疲れでございましょうけれどもぜひ局長に、これからを担うビジョンの改定を含めて、東京ならではの都市づくりについて、この都市づくりビジョンにどう反映をして進めていくのか、最後、その総責任者でございます局長の決意をお伺いしたいと思います。
○只腰都市整備局長 先般来、予算特別委員会で知事からも答弁申し上げ、また、きょうも部長からずっと答弁申し上げましたけれども、現行の都市づくりビジョンをつくって七年ないし八年ぐらいになるわけでございますが、先ほど来ご説明いたしましたように、非常に大きな功績といいますか、そのビジョンのもとに都市づくりが進んだという要素があろうかと思います。
三環状道路あるいは都心部の再生につきましてはいうまでもございません。また、空港あるいは港の再編等につきましても、このビジョンの考え方に即しまして非常に大きな進展があったというふうに私ども考えてございます。
ただ、外環なんかもそうでございますが、三環状道路につきましてまだ道半ばでございますし、空港につきましてもまだ工事中ということで、先ほど来申し上げてきたような、東京を国際競争力と魅力の兼ね備えた都市にするという面では、これまでのビジョンの考え方を継承しまして、それを一層強化していかなきゃいけないというのが一点ございます。
それにあわせまして、前のビジョンでも環境とか防災とかに触れられてはおるわけですが、その後の地球規模の環境の変化もございまして、大都市東京としても、そういう面で環境の世紀のトップランナーとしての役割もあわせて果たさなきゃいけない、そういうのが最近の動向として非常に大きく出てまいりました。
また、防災についても、今までは燃えない都市ということでやってきたわけですが、それだけでは人的被害は減らないということから、耐震について大きく取り上げて、我々やってきてございます。
また、緑につきましても、これもずうっと東京をめぐる都市政策の一つの柱として取り組んではきたんですが、都市再生が進む一方で、これに合わせて、やっぱり緑あふれる東京というのをもっと強く押し出していかなきゃいけない、そういうような状況に立ち至ったわけでございます。
そういうことから、国際競争力の観点に加えましてもう一つ柱を立てて、環境とか防災とか、そういうことを重視した東京という、二眼レフの構造で都市づくりビジョンを改定しようというのが、今回の基本的な考え方でございます。
環境あるいは防災につきましては、いろいろ、パーツは既に昨年あるいは一昨年来積み重ねてきておりまして、例えば環二の環境軸それから都市開発諸制度におけるいろんな改正、こういうことを積み重ねてきております。こういうものをうまく組み合わせまして、前の都市づくりビジョンでは都市計画審議会を煩わせまして非常に長い間かけてやったわけですが、今回は迅速に、今申し上げたような点の修正を迅速に加えて都市づくりに生かすということで、今準備を進めているところでございます。
今のような考え方をあわせまして、改定する都市づくりビジョンを迅速につくりまして、来年度の前半には公表できるように準備を進めてまいりたいと思います。
○河野委員 私は、区画整理の問題それから住まいの耐震化、それと都営住宅にかかわって質問させていただきます。
最初に、区画整理のことを伺います。
江戸川区内では、瑞江駅西部地区、篠崎駅東部地区の二つの都施行区画整理事業が進んでおります。新年度の予算案では、周辺区部区画整理事業の予算額は、今年度に比べて十三億増の百八十四億円とのことです。瑞江駅西部地区についていえば七億円増、篠崎駅東部地区は今年度と同額で、増額とはなっておりません。
施行完了年度、この二つの地区ですが、瑞江駅西部地区が平成二十五年度、篠崎駅東部地区が平成二十九年度とされています。瑞江でも篠崎でも、事業が始まった当時は、都の予算配分が少なくて事業におくれを来すことが心配されていました。この数年、区部周辺の区画整理事業は少し予算増額になってきておりますが、地元の住民はこれでいいとは思っていません。
そこで、初めにお聞きしますけれども、この二つの地区、区画整理事業が始まってかなり長い年月が過ぎておりますが、現在どこまで進捗が見られたのでしょうか。
施行面積に対しての整備終了面積、移転予定棟数と完了の棟数の数や割合、予算の執行状況などについてご答弁をお願いします。
○座間市街地整備部長 瑞江駅西部地区につきましては、施行面積約二十一ヘクタール、移転棟数が千二十四棟、事業費として三百四十六億円の事業費を充てております。平成二十年度末の進捗率でございますけれども、宅地整備で約三〇%、建物移転で約四二%、事業費で約四八%の見込みでございます。
また、篠崎駅東部地区につきましては、約十三ヘクタールの宅地整備、四百九十八棟の建物移転、二百八十九億円の事業費を充てております。平成二十年度末の進捗率につきましては、宅地整備で五五%、建物移転で七九%、事業費で五五%の見込みでございます。
○河野委員 まだなかなか大変な数字が、瑞江駅の方では示されていると思うんです。それで、私は、以下の質問、瑞江駅西部地区の区画整理を中心に伺っていきたいと思います。
この地区は、瑞江駅の周りの区画整理事業の中で、最も後発の地域になってしまいました。そのために、住民の方々の負担感とか不安が大きかったわけです。平成十四年に移転が始まりまして六年が過ぎようとしていますが、今いただいた答弁では、西部地区の移転棟数は四二%ですか、それから整備面積についても三〇%をやっと到達したということで、まちを歩くと、まだまだ完了までの道のりは遠いと感じています。
瑞江駅西部地区では、昨年、移転予定の権利者への補償金の提示、この事務がおくれたということで、いろいろ皆さん、心配がまたふえたというふうに聞いています。
なぜ、この事務作業のおくれが生じたのか説明いただけますか。
○座間市街地整備部長 事業の進捗に当たりましては、移転の状況が非常に大きく左右するわけでございますけれども、この瑞江駅西部地区につきまして、今年度の移転予定案件のうち、一件の大規模の権利者が予定どおり仮移転先を確保できませんで、期限内に移転ができない状況に相なりました。
これに伴いまして、周囲の多くの建物について移転時期あるいは補償期間の見直し、こういうものが必要となりまして、補償金の再算定に多くの時間と労力を費やした結果、補償金の提示時期がおくれたものでございます。
○河野委員 一件の権利者の方の仮移転がおくれたことが、玉突き的にいろんな問題を起こしたというご答弁だと思うんです。私もそういう要因はあるのかと思うんですけれども、もう一つの問題を考えてみたいと思います。
瑞江駅西部地区の移転棟数は、平成十九年度、二十年度、それぞれ百棟を超えるような進め方がされています。ですから、必然的に事務量もふえるわけです。この事業の進捗に見合って、区画整理事務所の職員の方の数が確保されているのか、これが疑問なんです。
第一区画整理事務所の職員配置数の推移をお尋ねしたいんですが、平成十八年度と平成二十年度の第一区画整理事務所の職員配置状況について、人数でお示しをいただきたいと思います。
○座間市街地整備部長 第一区画整理事務所におきまして、平成十八年度の職員定数ですけれども八十五名、これに対しまして、平成二十年度につきましては八十一名でございます。
○河野委員 人数は事業の進捗と逆さまにというか、反対に減っているということがわかります。私、平成十五年の事業概要で職員配置数を見てみましたけれども、第一区画整理事務所に配置されていた職員の数は九十五名でした。今年度八十一名ということですから、この六年で十四人も減員になっている、これは事実だと思うんですね。
次の質問なんですけれども、瑞江駅西部地区では、ことし三月末に移転が決まっていたのに、先ほどお話ししましたように補償金の問題などで事務手続がおくれて、そして仕方なく区画整理事務所が、この手続についてことし七月九日まで待ってください、という内容の文書を住民の方に示さざるを得なくなっています。三カ月以上も移転の予定がおくれてしまえば、当然、仮移転先の住宅の家賃の補償、これは追加算定が必要になります。それから、建てかえ工事をする工務店や引っ越しを頼む業者などに対しての予定も大幅に狂ってきてしまうわけですね。さまざまに住民への影響が及んでいます。
東京都がこのまま区画整理事業に携わる職員の数を減らしていけば、ほかの事業にもおくれを来す、このことが心配なんです。
実際に、第一区画じゃなくて第二区画整理事務所が担当している足立区六町地区などでも、おくれが出ているということを聞いています。
都市整備局は、事業に責任を持つ、この立場から、特に補償金の提示などの事務がおくれないように努力するべきだと思うんです。
定められたスケジュールで区画整理事業が進んでいくように、職員を減員するのではなくて必要なだけの増員をしてほしいということを、関係住民の方も望んでおられるわけなんですけれども、この点ではどんなお考えをお持ちでしょうか。
○座間市街地整備部長 事業執行に当たりましての人員の関係でございます。第一区画整理事務所では、瑞江駅西部地区など五地区で現在事業を推進しておりまして、各地区の事業の進捗状況に合わせ、効率的に職員を配置しているところでございます。
今後とも、着実に事業推進が図れますよう、適切な執行体制の整備や人員の確保に努めてまいります。
○河野委員 ごめんなさい、ちょっとわかりにくい答弁なので確認なんですが、適切に、それと同時に効率的にという言葉もおっしゃいましたけれども、適切に事業が進むように職員の確保をするということは、増員のことは視野に入れたご答弁なんでしょうか。
○座間市街地整備部長 事業の執行に当たりましては、効率的な執行が望まれるわけでございまして、現員をもちまして効率的かつ効果的な整備に推進してまいりたいと考えております。
○河野委員 現在の人数はふやす予定はないし、減らすということはおっしゃっていないから、その辺はあれなんですけれども、私は、今のままでは、住民の方々はやはり心配がふえるというふうに申し上げておきたいと思います。
移転と事業の進捗に関連して、もう一つ伺います。
瑞江駅西部地区の事業は、地区全体を五つの地域に分けて移転工事が行われております。A、B、C、D、Eというふうに分かれています。今、完了しているのはA地区とB地区の約半分までです。平成二十年度にB地区の残り半分が着工になりましたが、今ご答弁にありましたように、仮移転の手続がおくれたりして、移転すべき人たちが待たされています。平成二十一年度はB地区の隣のC地区の半分、それから平成二十二年度は同じC地区の残り半分、二十三年度はD地区に移転をかけていくということで、住民に説明されています。
そうすると、残るのは一番大きな地域のE地区だけということになるんですが、ここには戸建て住宅が密集しているんです。E地区で移転予定の戸建て住宅、どれくらいあるのでしょうか。
それから、これまでの事業の進捗状況に照らして考えると、このとても面積が大きく広い地域、最後のE地区全体が、東京都が施行完了年度と指定している平成二十四年度じゅうに事業が終わるのかという点では、私はちょっと疑問を持たざるを得ないんです。
E地区の移転予定の棟数は幾つあるのか、そして約束した平成二十四年度、ここで移転事業が完了するのか、お聞きしておきます。
○座間市街地整備部長 まず、E地区の移転棟数でございますけれども、約三百三十棟移転をする計画になっております。
この地区につきましては、先ほどお話がありましたけれども、平成十四年度から移転工事に着手しまして、その後は順調に事業が進捗してございます。引き続き適切な予算の確保に努め、事業執行期間内の完了に向けて計画的に事業を推進してまいります。
○河野委員 三百三十棟ということは大変な数なわけですね。都が施行完了の年度としているのは、瑞江駅西部地区全体で平成二十五年度ですから、平成二十六年の三月までに全部の事業を終了させるということです。
平成二十四年度にE地区の移転工事が完了しても、清算金の交付や徴収の手続が終わるまで約二年かかるといわれていますから、最大努力しても、三百三十棟のE地区の移転が終わったときに、いろいろな事務作業が終わって、平成二十六年度に延びてしまうということになるわけですね。
この「瑞江駅西部地区」という、地域の皆さんに配られているニュースを持ってきてみたんですけれども、ここですね、E地区、一番広いE地区。ここが平成二十四年以降に工事施行予定箇所ということで位置づけられていて、その下に小さく括弧つきで、財政その他の事情により変わることがありますと書き加えてあるんですね。だから、事態によってはどうなるかわからない、おくれが生じてしまうかもしれないという意味合いを持った文書だと読んでしまうんです。このままでは、事業が施行期間内に終わる見込みは薄いというのが住民の思いなんです。
それで今までの事業の進捗状況を見ますと、この間、移転棟数は、平成十九年、二十年と、お話ししましたように百棟を超えて進められてきておりますが、区画整理事業は、一般的に、一年間に移転が可能な棟数というのは約百棟前後だといわれているんですね。三百三十棟のこのE地区が果たして平成二十四年度で移転が一年間で終わるのかというと、これはとても疑問な数が、移転の未執行が残されているわけなんです。
五年後の平成二十六年三月末、平成二十五年度じゅうに、東京都がこれまで口を酸っぱくしてという感じで地域の皆さんに約束してこられた、施行期間は必ず守りますとの約束が本当に実現できる保証があるのかどうか、これはちゃんとこの場で確認をさせていただきたいので、再度お答えをお願いしたいと思います。
○座間市街地整備部長 地区内の移転の関係でございますけれども、今、委員おっしゃいましたように年間に百棟というお話でございましたが、既に完了しております瑞江駅の南地区におきましては、年間二百棟を超える移転を実施しております。
こういうことから、瑞江駅の西部地区におきましても、地元の合意あるいは移転戸数に応じた執行体制を整備することによって、完了年度の実施は可能だと考えております。
また、移転の実施に当たりましては、移転予定時期を部分的に前倒しするなど、効率的な移転が可能になるよう対応してまいります。
○河野委員 年間三百三十棟を、一遍にやるというお考えのようなことと受けとめましたけど、二百棟に比べて三百三十棟というのはまたちょっとレベルが違う話だと思うんです。だから、本当にそういう点では可能なのかどうかということは、地域住民の方に、不安のないようにきちんと説明していただくことをこの機会に求めておきます。
区画整理の最後の質問なんですが、東京都はこれまで、汐留や秋葉原などの都心部の区画整理や豊洲などの臨海部の区画整理事業の方が東京のポテンシャルが上がると、優先して予算を配分してきました。そのしわ寄せで区部周辺の区画整理事業がおくれて、住民の皆さんの負担感を重くしてきたという、こういう経過もあります。
東京都は今、石原知事のもとで、二〇一六年に東京にオリンピックを招致する、これを都政の最大の柱に据えるというようなことを強調しています。オリンピックが招致できるかどうか、これはわからないわけなんですけれども、第一区画整理事務所が担当している晴海、有明北などが、オリンピックの施設建設予定地になっております。オリンピック招致を名目にして臨海部の事業に重点を移し、再び、瑞江や篠崎など、住民の生活が存在する地区の区画整理の予算を削り込むようなことがあってはならないと私は考えるんですね。
区部周辺の区画整理地域の住民生活を最優先に事業を進めていくことを、東京都として頑張っていただきたい、このことを求めておきますので、お答えをお願いいたします。
○座間市街地整備部長 周辺区部の区画整理事業におきましては、近年、事業の本格化に合わせまして順調に予算規模を伸ばしてきております。先ほど委員ご指摘のように、瑞江駅西部地区につきましては約一八%増という予算の確保をしてございます。
また一方、都心部の区画整理事業につきましては、工事が完了に近づいている時期に来ております。
今後は、これまでの区画整理事業の予算フレームを生かしながら、都心部から周辺区部への事業の重点化、こういうものを進めてまいりたいと考えております。
○河野委員 私が今お話ししました江戸川区内の二つの都施行区画整理事業は、瑞江駅西部地区が十年間事業年度が延伸され、篠崎駅東部地区は十三年間も事業が延期、完了年度が延期になったんですね。事業の長期化の中で、住民の皆さんの高齢化も進んでおりますし、経済不況も深刻で生活が大変だという声が聞かれます。
東京都が関係権利者の声に耳を傾けて、誠意ある姿勢で、この二つの地区を含め、区部周辺の区画整理事業に臨んでいただくことを求めておきます。
次に、住宅耐震の問題について伺います。
昨年十二月十八日、東京都生活文化スポーツ局が、建物の耐震化に関する世論調査の結果を発表しています。住宅、公共建築物、大型店など民間施設、などについて調査しています。
その結果では、近い将来、東京で大きな地震が起こるかもしれないと不安を感じている人は八七・七%です。前回の二〇〇五年の調査よりは五ポイント減っているものの、約九割の人が、大きな地震が起きると不安を抱いていることがわかります。
また、この調査結果について三つのポイントが挙げられているんです。第一は、住まいの耐震性への不安があるとの回答が六三%。第二に、耐震診断か耐震改修を実施したという人は一二%。第三に、行政が取り組むべきことの第一位として、耐震診断、耐震改修に対する助成制度の充実、これが挙げられています。また、耐震診断や耐震改修をしたいという、この回答が四四%あることも注目すべき数字だと思うんです。
都民は、いつ東京に大きな地震が来るかわからない、この不安とともに東京に住み、そして住まいの耐震化を願っていることがわかります。
そこで、諸施策について幾つか伺っていきたいと思います。
都市整備局は、平成十九年三月に東京都耐震改修促進計画を出しています。昨年少し見直しがあったようで、地震発生時に閉塞を防ぐべき道路の指定を緊急輸送道路全路線に拡大するなど、一部改正がされております。この耐震改修促進計画によりますと、住宅については、平成二十七年度、二〇一五年度ですね、ここまでに耐震化率を九〇%にするという目標が掲げられています。
この目標に照らしまして、今、都内の住宅の耐震性はどのような状況に置かれているのでしょうか。
○河村市街地建築部長 最新のデータといたしまして、総務省の住宅・土地統計調査によりますと、二〇〇五年度、平成十七年度現在で、東京の住宅の耐震化率は七六・三%でございます。
都では現在、二〇一五年度、平成二十七年度に九〇%を目標に、住宅の耐震化を進めるため、木造住宅耐震化促進事業等による助成や、安価で信頼できる耐震工法、事例の紹介などの情報提供を、区市町村と連携して実施しております。
また今年度からは新たに、ビル、マンションの耐震改修事例を紹介するなど、当面、二〇一〇年度、平成二十二年度に耐震化率約八二%を目指し、鋭意取り組んでいるところでございます。
○河野委員 住宅の耐震は、戸建て住宅と集合住宅、また木造、非木造等、耐震強度を強める対策をそれぞれに講じなくてはならないと思います。
阪神・淡路大震災の教訓の最大のものは、犠牲者六千四百人を超えましたけれども、木造家屋の倒壊によって犠牲になった人がその八割に及んでおります。倒壊の危険性が高い木造住宅密集地域の対策が、本当に急がれている重要課題だと思います。
東京都は、平成十八年度から、木造住宅密集地域に指定されている二万三千ヘクタールのうち、特に危険度が高い地域として都内二十区二十七地区、六千五百ヘクタールを整備地区に指定し、耐震改修補強助成を実施してきました。
この制度がスタートするとき、都は、整備地域内には、昭和五十六年、一九八〇年以前の旧耐震基準の木造住宅が約十一万棟ある、内閣府が実施した特別世論調査などを根拠に、そのうち約半数の五万棟が耐震診断、補強助成対象になる見込みで、さらに、細街路に面して家屋倒壊時に道路閉塞を起こすおそれが高いものが五万棟のうち約半数ぐらいなどの試算をして、目標として十年間で約二万二千棟の耐震改修助成を行うと、私たちに説明をしていました。
問題は、この耐震改修促進計画のとおりに住宅耐震が進むかどうかということなんですが、都民の命と財産にかかわる重要な責任を負う事業ということで認識を深めていかなくてはならないと思います。
都が改修補強助成をスタートさせた整備地域の目標数に対して、制度が活用された戸数は、指定された二十区内でどれくらいあるのか。それから東京都の木造住宅耐震化助成は、二〇一五年までの十年間で耐震診断五万戸、補強助成二万二千戸、これを目標に掲げていますけれども、この取り組み、今どのような到達になっているのかご報告ください。
○河村市街地建築部長 木造住宅の耐震診断、耐震改修の助成についてですが、二〇〇六年度、平成十八年度は、耐震診断、設計にかかわるものが五百五十一件、改修等が二十二件でありまして、二〇〇七年度、平成十九年度でございますが、診断、設計にかかわるものが四百八十六件、改修等が四十七件という実績になってございます。
○河野委員 二年間で診断関係がトータルすると千三十七、補強助成の関係が六十九、約七十件ということなんですが、大変頑張っているけれども、数字としてはまだまだ先が見えない状況じゃないかなというのが、答弁いただいた感想です。
住宅耐震は、本当に都民の人命にかかわる問題です。一人でも多くの人の命を守るという視点に立って検討いたしますと、十八年度にスタートした木造住宅密集整備地域への住宅耐震の診断、補強助成の事業は、まち全体を視野に入れてきちんと耐震化を促進していく、その対策としてはまだ不十分さが残されていると私は感じます。
次に伺いますけれども、整備地域内の診断五万戸、補強助成二万二千戸の目標に対し、東京都の予算を見ますと、診断の目標は二〇〇八年度で千五百棟、二〇〇九年度で二千棟、それから耐震改修は二〇〇八年度で五百棟、二〇〇九年度で六百棟です。予算額はそれぞれ、一億四千二百万と、新年度が一億七千六百万ということで、これまでの実績を見たり予算案で掲げた目標の棟数や額--これでは、十年間で、都自身が掲げた目標に到達することができないんじゃないかと心配してしまうんですけど、どうなんでしょうか。
さっきご答弁がありましたような状況にとどまっている、この点での分析はされているのか。また今後、この事業、制度をどのように目標達成に向けて進めていくのか。具体的な計画、お聞かせいただきたいと思います。
○河村市街地建築部長 改修が進まない要因でございますが、昨年都が実施いたしました世論調査によりますと、その理由として、都民は、地震が来ても我が家は耐えられる、改修しても大地震が来たら被害は避けられない、などを挙げてございまして、建物の耐震化に向けた意識啓発が課題になっていることが伺えます。
そこで今後とも、都民会議や各種キャンペーン、また今年度実施し効果のあった、区市等の行う戸別訪問、いわゆるローラー作戦の拡大など、普及啓発活動に力を入れてまいります。
また、耐震化に係る総合相談窓口を開設し、都民の利便性の向上を図ってまいります。
こういった取り組みを通じまして、住まいの耐震化を進めてまいりたいと考えております。
○河野委員 進まない要因に都民の方の声も紹介されましたけど、生活文化スポーツ局の調査した結果もあるわけですね。やっぱり総合的に検討していただくことが必要なのと、東京都が普及啓発活動に力を入れるということなんですが、ぜひその点では、都民の皆さんの意識啓発のために一層ご努力いただきたいと思います。
それで、木造住宅密集整備地域の耐震化を促進していくということでは、現行制度についてやはりもう一回見詰め直す必要があるんじゃないかと思うんです。
整備地域内であっても、耐震補強の助成を受けられるのは幅員六メートル以下の道路に面する住宅、などの条件がつけられています。耐震診断、補強の自己負担費用は、診断で三分の一、計算しますと五万以上になりますか。それから補強工事の場合は、大体一軒百五十万かかるといわれていますから、二分の一自己負担でも少なくとも七十五万以上、八十万くらいの負担になります。
都民の所得が急激に今低くなっている状況も考慮して、補助額の引き上げを行う、そして補助対象になる条件の緩和など、平成十八年度からこれまで取り組んできたこの事業について、改めて見直しをしていくべきなんではないかと考えるものですが、いかがでしょうか。
○河村市街地建築部長 住宅の耐震化は所有者によって行うことを基本としてございまして、地震発生時に木造住宅が多数倒壊し、道路閉塞により避難、救急・消火活動に支障を来すなど、市街地大火のおそれのある地域につきましては公的助成の対象としてございます。
今後ともこれらの地域について重点的に取り組んでまいりたいと思います。
○河野委員 本当に人命を、一人でも犠牲を出さないという立場に立つと、もっと都の施策が充実したものにならないといけないし、予算についても一億数千万円、そういうレベルでとどまっていては、これは目標どおりに進むということはなかなか難しいんじゃないかということを思いますので、さらにご検討いただくように強く要望しておきたいと思います。
もう一点、防災シェルターについて伺います。
今年度から防災シェルターの購入に、都の補助がされるということがスタートしています。阪神・淡路大震災では、室内家具の下敷きで亡くなった人が犠牲者の方の一割の六百人といわれています。大地震のとき、命を守る上で一つの有効な対策がこの防災シェルターだと思うんですが、これは、区市と協力して都が進める事業と聞いています。
今年度、購入補助制度を実施した自治体はどれぐらいあるのでしょうか。また、活用された件数は東京都として把握されているのか。それから今後、防災シェルター購入助成の自治体が広がるような東京都の努力、どういうものが計画されているのか、お聞きします。
○河村市街地建築部長 防災シェルターということで、多分、耐震シェルターと防災ベッドを組み合わせた内容のものだと思います。私ども、耐震シェルター等と呼んでおります。耐震シェルター等の助成事業は今年度から始まった事業でございまして、都民にまだ十分浸透していない面がございますことは一ついえるかなと。
シェルター等助成事業を立ち上げている区市は現在十四ございまして、今後増加が見込まれてございます。
大地震の切迫性が高まる中、都はこれまでも、都民会議を立ち上げまして社会機運を醸成するとともに、耐震助成等を通じ木造住宅の耐震改修を促進してまいりました。
一方、応急対策として、住宅の倒壊から命を守るため、耐震シェルターや防災ベッドなどについて展示会等で広く都民に紹介するなど、その普及にも努めてまいりました。
今後は利用者の増大を目指し、住民に身近な区市等を通じ、福祉施策等とも連携して、施策のPRを行うなど、なお一層の周知に努めてまいります。
○河野委員 十四区市ということでお答えをいただきました。
東京都内には二十三区、二十六市と町村があるわけで、まだまだ緒についたばかりという状態だと思うんです。もちろん今年度から始まっているんですからそういうことなんですが、いつ来るかわからない地震に備えて、こうした制度はやはり、本当に迅速なスピード感あふれた取り組みをしていただくことが必要だと思います。
都内の木造住宅密集地域は、初めに述べましたように二万三千ヘクタールに及んでいます。整備地域六千五百ヘクタールそして重点地域二千五百ヘクタール、この耐震化を急ぐことはもちろんですけれども、やはり今私が取り上げました整備地域の事業ですね、この問題では力を入れていただきたいですし、そのほかにも東京都が、木造住宅密集地域整備事業ということで、防災空間を広げる、道路の拡幅などを進める、そういうこともなさっているようなので、防災空間を広げるための土地確保などについても力を入れていただくように求めて、耐震の問題については質問を終わらせていただきたいと思います。
次に、都営住宅の問題について伺います。
最初にちょっとご紹介したいものがあるので読んでみますけれども、東京都住宅政策審議会の議事録、要点筆記が、都市整備局のホームページからアクセスできますので読んでみました。平成十八年五月の審議会では、住宅マスタープランの見直しに向けた答申づくりと関連して、使用承継について委員の意見が記録されています。
一人の委員の方は、特定の人が代を超えてまでも利用するような承継制度を改めて厳格にするべき、との考えを述べていますが、ほかの委員からは、名義人以外の人の所得が低い場合でも承継できないとなると低所得者が外に出てしまうことになる、こうした人が外から都営住宅に入れるかというと倍率が高くて入れないし、民間賃貸住宅に入居するだけの家賃負担能力もないためにほったらかされてしまうのではないかという心配がある、という考えを述べて、使用承継は審議会の答申で拙速に答えを出すのではなくて、今度つくるマスタープラン--二〇〇七年に発表されましたね、今度つくるマスタープランで都民に投げかけるなど検討した方がよいのではないかと、東京都に対して慎重な対応を求めています。
このような意見が出されている中で、都は国土交通省の住宅局長通知によって、都の住宅政策審議会の答申に使用承継制度の厳格化を盛り込みました。私は、この東京都の姿勢は、生活に困窮する都民の生活の実態を見ておらず冷たさがあらわれているものである、そういうふうに感じたことを初めに意見として申し上げて、質問に移りたいと思います。
最初に、使用承継制度の問題です。
おととし、平成十九年八月二十五日から都営住宅の使用承継の対象が、原則配偶者と厳格化されました。昨年四月実施で緩和の見直しもありましたが、居住者から、依然として問い合わせや改善の要望が寄せられています。
初めに、制度変更後の承継の状況についてお聞きいたします。
使用承継事由発生の件数と許可になった件数についてお示しいただきたいし、一年間での使用承継許可件数、これがどのような状況になっているのか、お願いします。
○並木経営改革担当部長 使用承継の許可件数等についてでございますけれども、お手元の委員会資料にございますように、平成十九年八月二十五日以降平成二十一年二月十七日までに、使用承継事由が発生した旨の届け出があった件数は六千百四件でございまして、それに対しまして、同日までに使用承継の許可の出た件数が四千五百九件となってございます。
この使用承継の許可済みの件数を単純に一年間当たりに直しますと、約三千二百件となります。
○河野委員 これまで都の方では、一年間の平均した使用承継許可件数は約四千件とおっしゃっていましたから、一年間で三千二百件ということは、許可件数が減少しているということになって厳格化が影響している、私はこのように受けとめます。
使用承継に関して私たちに寄せられている相談の具体的な例、幾つか紹介したいと思います。
まず、新宿区の方です。二十歳の大学生と小学六年生の子どもを残して、名義人のお母さんが亡くなりました。都は、二十歳の姉では使用承継ができない、そして小学六年の子ども、十八歳未満ですけれども、この子だけでは生活できないから都営住宅に残ってもらうわけにはいかないと、居住の継続を認めていません。家賃は一万八千円でしたけれども昨年九月から二万六千七百円に引き上げになったそうで、二十歳のお姉さんのアルバイト収入月五万円程度ではとても民間アパートに移ることができない、こういう人たちです。
それから、次は港区の方です。五十代の夫婦と子ども一人の一家は、夫の母の介護のために同居していました。子どもはまだ高校に通っています。昨年、名義人の母が亡くなりました。これまでなら、子どもである夫に承継が認められたはずなんですけれども、六十歳の年齢に達していないから不許可になりました。家族が支え合って長年親を介護しながら生活してきたのに、承継が認められないのはどうしても納得ができないと、この方は強く抗議しています。
私が住んでいる江戸川区の五十九歳の男性の方です。昨年九月にやはり名義人のお母さんが亡くなりました。承継が認められないということがわかりがっかりしていましたが、去年の十一月、ちょうど単身者向けの都営住宅募集がありましたので、これに申し込みました。現在住んでいる都営住宅の募集もあったんですけれども、ここは二百倍近い倍率の地区であることがわかりましたから、もっと古い都営住宅、不便な地区を申し込んだんです。
こういういろんな方からの相談があって、それぞれに皆さん、どうしたらいいかと悩んでいるんですが、その他、都内各地からいずれも身につまされるような相談が寄せられています。名義人のお母さんが亡くなったときに五十九歳十カ月だったという女性からの相談もありました。
今紹介したように、勉学中の子どもさんだけが残された家庭、または五十代まで父母の介護をしながら頑張ってきた家族、こうした人が救済されるというような柔軟な対応は検討されてもいいんじゃないかと思うんです。特に相談がふえている五十代後半の一親等の人たちは、都営住宅を出た場合には、民間アパートもなかなか、高齢期に近いということで貸してくれる大家さんも少ない、そして家賃も高いということで大変な状態です。
年齢や家族構成に対して、使用承継の許可の問題では、東京都が柔軟な検討、対策を講じられることを求めたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○並木経営改革担当部長 使用承継に係る年齢に関する対応についてのご質問でございますけれども、既にこれまで何回もご答弁申し上げているとおり、使用承継につきましては、都営住宅の入居は公募によるものとする原則の例外でございまして、入居者と非入居者間の公平性を確保する観点から、委員今ご指摘のとおり、十九年八月より承継対象を、原則として配偶者に限定したものでございます。
しかし、特に居住の安定性や継続性に配慮すべき者につきましては例外的に承継を認めることとしておりまして、その基準として、高齢者については、単身でも都営住宅への申し込みを認めたり、倍率優遇やポイント方式による優先入居の対象としているのと同様に、六十歳以上を対象としたものでございます。
なお、年齢につきましての柔軟な対応につきましては、従来は、承継者が六十歳以上の高齢者であることに加え、同居者がいる場合には同居者のいずれもが六十歳以上の高齢者または十八歳未満という要件を掲げてございましたけれども、既に平成二十年四月の運用の見直しによりまして、承継者が六十歳以上であれば、同居者の年齢は問わないといったようなものに変えてございます。
○河野委員 今、お答えになったのは、使用承継の厳格化によって大変な困難に直面した中で、都民の多数の世論が起こって、そして東京都もそれを受け入れざるを得ない、やっぱり改善が必要だと判断された中での改善だと思うんですね。でも、まだ困っている人がいるということはやはり認識していただきたいと思うんです。
相談を寄せてきている人たちは、名義人の親を亡くした悲しみと同時に、長年暮らしてきた住居からの転居を要求されているわけです。名義人の子どもに五十代後半の年代の人が多いのも、相談の特徴の一つになっています。いずれも、年老いた親の介護に一生懸命頑張ってきた人たちです。一親等まで承継が認められていれば、問題が起きなかった人たちです。
住宅難民といってもよいような人たちを今つくり出しているようなのが、使用承継の許可の厳格化です。私は、一昨年までのように、承継を一親等まで認めるよう制度を見直すことが必要じゃないかと考えているんです。全国でも、今もなお、愛知、京都、兵庫、福岡など大都市圏で、使用承継は以前と同じ制度のままです。それから十七の政令市でも、制度を厳格化したのはわずか四市です。
全国に比べて民間賃貸住宅の家賃が高いということは、本日出していただきました局からの資料でもはっきりとしておりますが、民間賃貸住宅家賃が高いこの東京で、都民に居住の安心を提供する上でも、せめて一親等まで承継できるよう見直しを求めたいと思うんですけれども、ご答弁いただきたいと思います。
○並木経営改革担当部長 繰り返しの答弁で恐縮でございますけれども、都営住宅の入居は公募によることが原則というそのもとに、入居者、非入居者間の公平性を確保する観点から今回の見直しを図ったものでございます。
このため、厳格な承継化を求める国の通知や都の住宅政策審議会の答申も踏まえて、高齢者、障害者等居住の安定を図る者への一層の配慮を加えた上で、原則として配偶者に限ったものでございまして、一親等に戻すことは考えてございません。
○河野委員 答弁はそういうふうにおっしゃるだろうと思いました。冷たいなという感じです。
東京都は、他県などに比べて病弱者にも承継を認めているから、弱い人の立場に立っていて、承継の基準は厳しいとは思わない、というような答弁もこれまでされてきました。確かに、公害患者、被爆者の方、難病の方への配慮はあると思います。
その他の病弱者については、残されている問題で、診断書の問題があるんですね。都立病院や公社病院の診断書でなければ認めない。これは、病気を持っている人にとってはとても大変なことなんです。
都立病院が、私、江戸川区ですけれども、区内にありません。診断書を書いてもらえとなると、電車とかバスを乗り継いで、墨田区の墨東病院あるいは葛飾区亀有にある東部地域病院、公社病院ですが、ここに行かなくてはならないんです。都立病院や公社病院の医師に都営住宅の使用承継と診断書、この関係をわかってもらうのもなかなか難しくて、私に相談があった人は、墨東病院に二回足を運んで相談室のワーカーさんにもよくよく説明して、ようやく承継が認められる診断書を書いてもらえたということでした。
患者の病歴や症状を一番よくわかっているのはやはりかかりつけ医である、これは間違いないと思うんです。都営住宅が東京都の財産、都民の共有の財産という理由だけで、かかりつけ医の診断書は認めないというのは、どうしても納得ができない問題です。
都立病院、公社病院に加えて、かかりつけ医の診断書も認めるように、その状況に応じて検討していただいて、改善していただくことが必要なんじゃないかと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○並木経営改革担当部長 診断書の対応についてでございますけれども、診断書は、医師法に基づきまして、あくまで病院の医師が診察した場合、求めに応じて個々の患者の状況を踏まえて、各病院の医師の判断により適宜作成されるものでございます。
今回の承継制度の見直しに伴います診断書の取り扱いにつきましては、これまでも病院経営本部等を通じて周知を図ってございます。
また、承継の手続を行う窓口センターにおきましては、承継に必要な診断書について説明をするチラシを配布するなどして、丁寧な対応に努めてございます。
今後とも、承継制度におきます診断書の取り扱い等につきましては、適宜、病院経営本部等を通じて周知を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○河野委員 努力されているということはご説明で……(発言する者あり)違う、違う、しているんですよ、窓口センターに置いているというんですから。説明書を置いたり、病院経営本部と連絡をとり合っているということでは、以前よりは少しはよくなったのかなという気はいたしますけれども、でもまだ足りません。
だから、私は、かかりつけ医の診断書、これも認めるように検討をいただきたいということを改めて要求しておきます。
次に、都営住宅の建てかえと型別供給についてお伺いをいたします。
都は、古い都営住宅の建てかえを、昭和三十年代建築のものから四十年代建築のものも対象にすると、枠を広げました。二〇〇九年度も三千二百戸の建てかえ事業を行うとしています。
古い都営住宅は、耐震性に問題があったりエレベーターがなくてバリアフリー仕様になっていないなどの問題がありますから、建てかえ事業は大事な取り組みであると思いますが、問題も多く存在します。
建てかえ対象になる都営アパートは高齢の居住者が多くいますから、本当に丁寧な対応が必要だということを感じます。これまで、建てかえが始まることになった都住の居住者からいろいろな意見が届いています。建てかえに入る際の問題について、この寄せられた意見の中から伺ってまいりたいと思います。
具体的な例ですけれども、江戸川区の東船堀都営アパートが建てかえ事業をするということで、昨年十二月十四日、初めて住民説明会が開かれました。説明会では、年が明けたら二月の初めに本移転先の都住見学をして、その後、本移転、仮移転などについて意向調査をして、七月ごろまでに皆さん移転してくださいと、こういうスケジュールが話されました。大体半年で、今いるところを出てくださいということになると思います。
本移転を希望する世帯は、荒川を渡った対岸の小松川の再開発地域に設けられている、建てかえ用の都営アパートです。仮移転の世帯は、区内各所に空き室がある都営アパートに分散して、建てかえが終わったらまた戻ってくるという説明だったようです。
説明会に参加した居住者は、約半年の間に転居しなくてはならないこと、そして移転先の団地もあらかじめ東京都から指定されている、こういうことについて、何か納得ができないものが残るという疑問を投げています。
建てかえ事業を進めるに当たっては、計画を一年くらい前に居住者に示す、この周知期間が必要なんじゃないでしょうか。また移転先についても、都が一方的に選定して示すのではなくて、居住者への意向調査をまず先行させて、皆さんの希望を聞き取ってから移転先を示すべきではないかと思うんですけれども、こうした改善、可能な問題だと思いますが、どうでしょうか。
○山口参事 建てかえに当たりましては、団地ごとに敷地の形状や建築基準法上の条件が異なることを踏まえ、老朽化の度合い、居住者の移転先の確保の状況、地域のまちづくりとの連携などを勘案しながら、計画が固まり次第居住者に説明をしてございます。
なお、説明に当たりましては、団地居住者を代表する自治会役員等に対しましてご説明を行い、自治会の意向を確認した上で、すべての居住者を対象にして全体説明会を行いまして、建設計画や移転の進め方などをご説明してございます。
また、居住者の移転に際しましては、居住者の世帯構成に応じた基準を設けまして、これに基づいて本移転用と仮移転の住宅を提示しまして、必要に応じて個別相談会を行うなど、適切に対応しているところでございます。
○河野委員 適切に対応しているとは私は思っていません。
二月八日、東船堀都営アパートの人たちが小松川の本移転先の住宅見学に行っています。参加した人は、これまで住んでいた船堀の都営アパートに比べて部屋がとても狭くなってしまうことにびっくりしたそうです。部屋の内外ともにバリアフリー構造になっている、これはいいと認めつつも、一人世帯で三十二平米、二人世帯で三十七平米ですから--小松川はまだ、改良二DKというんですか、去年の八月に出されたあの基準前に建てられた住宅ですから二人世帯三十七平米なんですね。これを、えっ、こんなに狭くなるのと感じてびっくりしたそうです。
世帯の人数によって居住面積を決めるという型別供給の方針が、都営住宅に導入されて久しくなります。住戸専用面積、これはこれまで何回か見直しがあったと聞いています。石原知事が就任したのが平成十一年、一九九九年ですが、この当時の住戸専用面積とその後の見直しの推移について説明をお願いしたいと思います。
一DKとか二DK、一人世帯から三人世帯くらいまでの比較、見直し、どのようにされたかご説明お願いします。
○山口参事 まず、平成十一年の型別供給基準では、一人または二人世帯用の一DKの面積は三十三平米から四十三平米でございまして、二人または三人世帯用の二DKの面積は四十五平米から五十五平米でございました。
その後、平成十五年に改正された基準では、一人または二人世帯の一DKの面積は三十二平米、三人世帯用の二DKの面積は四十七平米となってございます。
○河野委員 平成十一年、平成十五年と比べると、やっぱり極端に狭くなっているというのが今のご説明でわかりました。
東京都が二〇〇七年三月に発表した住宅マスタープランでは、最低居住水準未満率を、二〇〇三年の八・八%から二〇一〇年にはほぼ解消するとしています。しかし、最低居住面積は単身者で二十五平米ですから、十分な広さとは決していえません。東京都はかつて、この最低居住面積じゃなくて、都営住宅については住戸専用面積は、都市型誘導居住面積水準ということで建設を進めていたのではないんですか。
知事就任前の平成十一年の住戸の標準規模の面積を見ると、単身者で四十平米という、都市型誘導居住面積水準に合致する住戸面積で建設がされています。これが、財政再建推進プランが出たときから--平成十一年にプランは出ているんですが、その後の平成十五年の見直しのときに極端に狭い面積に、今ご説明があったように変わってしまったわけです。
この平成十五年の見直しが、どういう都の方針や考え方、背景があって、狭くなる基準が設けられたのか、ご説明をいただきたいと思います。
○山口参事 現行の型別供給実施基準は、近年の都民の世帯人員の減少や高齢化、単身世帯の増加などによりまして世帯の小規模化が見込まれる中、建てかえ事業におきまして、世帯構成に応じた、より的確な居室構成、面積規模の都営住宅の供給を図ることを目的として、平成十五年に改正したものでございます。
なお、委員、先ほどお話ございましたように、二人世帯用住宅につきましては、昨年、平成二十年に、若年ファミリー世帯など多様な世帯が活用できるよう、一部見直しを行ったところでございます。
この中で定めた住戸面積につきましては、都営住宅は都民共有のセーフティーネットであることから、入居対象世帯の区分をもとに、それぞれの世帯人員に応じた最低居住面積水準を確保するとともに、バリアフリーなどを考慮して設定しております。
○河野委員 最低居住面積水準を基本に考えながら住宅提供をしていくということなんですが、東京都は、平成十一年ごろまでは都市型誘導居住面積水準に基づいて都営住宅の建設を進めていたはずです。で、さっきお話ししましたように、石原知事が就任して十一年の秋に財政再建推進プランが出されて、その後、平成十五年に、より狭い面積の住宅の建設が進んできちゃったわけですね。
どうして十一年までの方針が変わってしまったのか、私も考えてみたんですが、その背景には、財政再建推進プランによる都民施策への予算の削減、こういうことで、都営住宅についてもコストの削減などの考え方があるのではないかというふうに思うんですけれども、これはどのような見解をお持ちでしょうか。
○山口参事 ただいまご答弁したとおり、繰り返しになりますが、建てかえで供給する住戸の面積につきましては、都営住宅は都民共有のセーフティーネットであることから、入居対象世帯の人員に応じた最低居住面積水準を確保するとともに、バリアフリーなどを考慮して設定しているものでございまして、適切なものと考えてございます。
建てかえ事業に当たりましては、コスト縮減を念頭に置いて事業遂行を図ることは当然のことでございまして、結果としてコスト縮減にも寄与しているものと考えてございます。
○河野委員 そうなんです。バリアフリーとかいろいろおっしゃっていますけれども、基本的に、住戸面積がより狭隘になってきた背景には、やっぱり財政再建推進プランを根拠とした都民施策への予算の削減、コスト縮減というようなこと--今、寄与するものというふうにおっしゃいましたけれども、そういうことが背景にあると思うんですね。
この問題については、東京都は、今、住宅政策にとってこういう姿勢でいいのかどうかという点では、私はとても疑問を持っています。
次の質問に入りますけど、ことし二月二十一日の「週刊東洋経済」誌に、都営住宅の型別供給による住宅面積が余りにも狭いことに都民の反発の声が出ていることが紹介されています。大きく見出しで、介護ベッドも置けないということが書いてあります。
都内の目黒区とか足立区の都営住宅の方々、型別供給の方々のいろいろな声を紹介している記事なんですけれども、小松川の都営アパートを見学に行った東船堀都営アパートの居住者の方々も、この記事に書かれているのと同じような感想を述べています。
二人世帯で二Kの三十七平米しかない居住スペースで、ここに孫が来ても泊まらせられない、布団や家財道具の多くを処分しなくてはならないという問題を初め、本当にたくさんの意見が出されているんです。
昨年八月、先ほどお話がありましたように、二人用の二K、三平米広げて四十平米にするという改善設計がされましたけれども、一間に固めて三平米広がるわけではなくて、全体に三十センチ幅で玄関から奥行きのところまで面積が広がる設計ですから、二DKといっても台所に食卓セットが置けないというのも率直な感想です。単身者の一DKも食卓セットを置ける間取りとはいえない。
これは以前、私もこの委員会で申し上げましたけれども、反発が出ていると報道されている現在の一DK、改善されたとはいう二人用の二DK、こうした住宅について、本当に、健康で文化的な生活を営む権利を国民が有するという憲法二十五条の立場に立った住宅といえるのかどうかという点では疑問です。
この一DKそして二人用の二Kや二DKについて、これから二人用二Kはつくらないという方針は聞いておりますけれども、まだ狭い二人用二DKについてもさらなる改善を求めたいと私は思いますが、いかがでしょうか。
○山口参事 何度も繰り返しで恐縮でございますが、建てかえで供給する住宅の面積は、世帯人員に応じた最低居住面積水準を確保している、それからバリアフリーにも配慮した規模にしていると、適切というふうに考えてございます。設備、機能の面からしても、我々は適切なものというふうに考えてございます。
いろいろ個人的なご事情はあるかもしれませんが、現在の間取りの中で、住まい方を工夫しながらお住まいいただければというふうに思っております。
○河野委員 時間がないからこれ以上いいませんけれども、私は、以前の東京都が方針としていた都市型の誘導居住面積水準、やはり、ここを視野に入れた都営住宅の提供を都民にしていくことが重要な時期に至っていると思っています。
都営住宅の建てかえの問題でもう一つ伺いますが、居住者の住戸専用面積を狭めるのと一緒に、今、高層化して建てかえで住宅を集約していきますから、空き地が生み出されています。その土地を、都は、定期借地権などを使ってあるいは売却したりして、民間の業者に住宅づくりをさせています。
青山一丁目の都営アパートのところもその一つなんですが、ここは敷地のところに三井不動産、大成建設などが高層の高級賃貸住宅を建設しています。パークアクシス青山一丁目タワー、三百八十戸ですか、高級住宅のようです。私、ホームページを見てみました。
今このパークアクシス青山一丁目タワーは二十四戸空き室がある、となっているんですね。この空き室の一覧、プリントしてきてみたんですが、家賃が、目の玉が飛び出るという言葉がありますけれども、すごい高いです。三十五・七五平米の賃貸住宅で二十五万円、で、ずうっと行きまして、すごく高級な、ですから二百四・七一平米というのが最高なんですが、何と二百七十万円の家賃です。二十四戸あいているそうで、一体ここにだれが入るのかなと思いながらこのホームページを見ました。
昨年十一月に青山一丁目のアパートの空き家募集がありましたけれども、募集に出た戸数はたった一戸だったんですね。倍率を見ますと千百倍を超えているんです。一方では、二十四戸、都営住宅の土地であったところに建った高級賃貸住宅が高い家賃であいていて、もう一つの都営アパートの方、都民が入りたいと願っている方にはたった一戸しかあきがなくて、千百倍もの応募がある。これは、本当に何か不可思議な状況が今、都政のもとで生み出されているんじゃないでしょうか。
都営住宅用地に都民多数が望んでいる都営アパートを建てず、ほんの一握りの高額所得の人でないと入れない高級住宅建設に、都民の財産を提供している。都民はこれに納得していないと考えるんですけれども、都市整備局はどのようなご見解をお持ちでしょうか。
○中島参事 都営住宅の建てかえに当たりましては、敷地の有効利用を図りながら、そうした用地を生み出し、さまざまな事業展開をしてございます。
生み出した用地につきましては、都民共有の貴重な財産であることから、民間事業者の創意工夫を引き出しながら、保育園やグループホーム等の建設、道路、公園、河川などの公共施設の整備、木造住宅密集地域の解消など、地域の特性を踏まえたまちづくりに活用していくことが重要であると考えてございます。
お話がございました南青山一丁目団地につきましては、都心居住の推進、これを図るとともに、保育園、図書館あるいはグループホーム等、地域が必要とする施設を建設いたしまして、地域のまちづくりに貢献しているところでございます。
今後とも、団地の状況を勘案しながら、民間活用事業を行うことにより地域のまちづくりを推進してまいります。
○河野委員 都心居住の推進ということはありましたけれども、このパークアクシス青山は、私が見たこのホームページでは二十四戸空き室と書いてありますけれども、現地の人は、もっともっとたくさんあいているといっているんですね。入居率六割だといっている人もいるんですよ。
だから、多くの人が住めない住宅を、東京都は民間の力活用ということで提供している、都有地を提供しているということで、今おっしゃった都民共有の貴重な財産であるということの認識をこの都営住宅用地にお持ちであれば、私はやはり、都民多くが望んでいて、年間平均でも三十数倍の応募倍率となっている都営住宅のためにこれを活用することが、都民が納得のいく都政のあり方だというふうに思っているんです。
都営住宅の問題で最後にお聞きしますが、東京都は、都営住宅の総戸数抑制策についてはこれまで見直しの姿勢を示さないで、新年度も引き続き都営住宅の新規募集の建設はゼロという状態です。十一年連続、一戸も新規募集のための都住を建てないことになります。建てかえに当たっても、元戸数以下の供給を基準にするとしています。
これまで質問してきました使用承継制度の改悪。型別供給の名による、狭い住宅で居住者に我慢をしてもらう。また空き家募集の応募倍率が千百倍を超えている地区がある。平均しても三十数倍の高倍率でなかなか入居の希望がかなえられていない。こうした問題が起きる根源にあるのが、総戸数抑制策だと思うんです。
この間、ワーキングプアと呼ばれる人が増大して、貧困と格差の拡大が社会問題化してきたことはご存じのとおりなんですけれども、これが昨年秋から金融危機、経済危機のもとで一層深刻になり、失業者がふえ続け、都民の生活、本当にかつてないほど苦しい状態になっています。だからこそ、生活の基盤である住宅対策の充実が急がれると思うんです。
特に都営住宅の新規供給は切実に要望されていて、都がこれに真正面からこたえることが大事になっています。新規募集の都営住宅建設の再開、総戸数抑制策の見直しを求めるものなんですけれども、明快なご答弁をいただきたいと思います。
○山口参事 都営住宅用地は都民共有の貴重な財産であることから、建てかえに当たりましては、老朽化した都営住宅を更新するだけでなく、土地をできる限り有効に活用して用地を生み出し、地域のまちづくりに的確にこたえていくことが重要と考えてございます。
また、都内の住宅数は世帯数を一割以上上回っておりまして、さらに、将来的には東京都においても人口減少社会の到来が見込まれております。
一方、都営住宅は、一度建設を行いますと長期間にわたって管理していかなければならないことから、管理コストを抑制していく方針でございまして、元戸数以下を基本として、入居実態を踏まえながら建てかえを行ってまいります。
○河野委員 じゃ、最後に意見を申し上げます。
今のご答弁では、私は到底納得できないんです。
きょうは質問する時間がありませんので申し上げませんでしたが、この四月から都営住宅の収入基準の引き下げが実施される予定です。都営住宅への入居や応募がますます狭められていきます。この根拠になっている国土交通省の政令撤回を都として求めていただく、これを私はこの機会に要望したいと思います。
また、都が、公営住宅法第一条の、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸、または転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする、この法の精神を守って、都民のための住宅施策の充実に力を尽くしていただきたいこと。あわせて、今、住宅困窮の都民がふえておりますが、こうした都民への民間住宅施策についても、都民ニーズにこたえた取り組みをしていただきますように努力を強く求めまして、質問を終らせていただきます。以上です。
○高橋委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
午後三時三十八分休憩
午後三時五十二分開議
○高橋委員長 休憩前に引き続きまして委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○三原委員 それでは、平成二十一年度予算に関連して、予算の編成方針の中で都民に安心をもたらし希望を指し示す、こういうふうに書いてありますから、安心のことと、希望というか将来の夢みたいなことの部分について、幾つかピンポイントでお尋ねをしたいと思います。
都営住宅の耐震改修について最初に伺いますが、都営住宅の耐震化整備プログラムというのをつくられて取り組んでおられるというふうに聞いております。
私どもは通常、都営住宅は約七千棟というようなことをいうんですけど、一体その中で、昭和五十六年の耐震基準を十分クリアして問題がないという都営住宅がどれぐらいあるのか。あるいはまた、逆に、五十六年度基準をクリアしていないために、耐震調査をして耐震改修をしなきゃいけないというのがどれぐらいあるのか、今まで余り議論したことがなかったものですからこの際きちっと教えていただき、耐震診断をした結果、耐震補強をしなきゃならないとなった場合は当然それを対応していくわけですけれども、現在どの程度進んでいて、将来に向かってはどういうふうにやっていかなきゃならないぐらい耐震性の少ない住宅があるのか、そこをまず、数字を入れてご説明いただきたいと思います。
○荒川参事 都営住宅の耐震化でございますけれども、大地震による建物の被害から居住者の生命を守り、日常生活の安全を確保するため、東京都耐震改修促進計画に基づき、都営住宅耐震化整備プログラムを平成二十年三月に策定してございます。
この整備プログラムでは、都営住宅全体約七千百棟のうち、新耐震基準で設計された約二千七百棟と建てかえ対象約千二百棟を除いた約三千二百棟の耐震診断を平成二十四年度までに行うとともに、耐震基準に満たないと判定されたものにつきましては改修工事等を順次実施しまして、平成二十七年度までに都営住宅の耐震化率を九〇%以上とすることとしてございます。
また、耐震改修が必要な住棟数を約千二百棟と推計してございます。現在までに約千百棟、六万八千戸の耐震診断に着手しまして、二十二棟二千七十八戸の耐震改修工事を実施してございます。
平成二十一年度の予算につきましては、耐震診断約六百棟、改修工事約百棟分を計上してございます。
○三原委員 わかりました。一言でいうと、三千二百棟ぐらいのものを耐震診断をして、多分そのうちの千二百棟ぐらいが耐震補強しなきゃいけないという数字でいいですか。今のご説明、済みません、ちょっと速かったのでうまく聞き取れなかったんですけど。
だとすると、今年はたしか二、三十棟の耐震補強だというふうに聞いていますけど、仮に二、三十棟ずつ耐震補強をやっていって、千二、三百棟耐震補強しなきゃいけないとなったら、何十年もかかるわけですからね。
それは予算との兼ね合いですから、我々が行政側を非難するわけにいきませんけど、これは、もう少しここにおられる都市整備委員会の委員の皆さんにもしっかりアピールして、あるいは都民にもアピールをして、もう少しピッチを上げて耐震補強をしていかなきゃいけないんじゃないかということを非常に感じますが、その点だけちょっとお答えください。
○荒川参事 耐震改修の実態でございますけれども、先ほど申しましたとおり、都営住宅耐震化整備プログラム、昨年度末に策定したものでございます。今年度は初年度でございますので、現在、耐震診断、設計等を実施してございまして、今後、ピッチを上げて進んでいくというふうに考えているところでございます。
○三原委員 よくわかりました。
議員側からかなり応援しないと、主計もそう簡単に財布のひもが緩まないと思います。耐震診断は--寝ている人が毎晩、これは危なくて寝ていられないよというんではね。
先ほど河野委員さんから、もっと都営住宅に入れてやれというお話がありましたけど、せっかく入っても地震が来たらつぶれちゃうというんじゃどうしようもないわけです。やっぱりこれは、どんどん新しく建てかえたり建てたりすることも重要ですけど、一説によれば、関東大震災級の地震が三、四十年のうちに来るんではないかという話がありますが、その間じゅうただひたすら一生懸命耐震改修をやっていかなきゃいけないわけですから、これはもっと我々にも皆さん方がPRをしていただいて、もっと耐震補強をやりましょうよということをいっていただかなければいけないし、我々もそういうことを改めて認識をして、協力をしていきたいと思います。
耐震診断の話が出ましたから、ちょっと内容は細かくて恐縮ですけど、足立区の新田一丁目アパートというところも耐震改修の予定に入っているそうですからまことにありがたいことですが、そこの都営住宅の一室を足立区は保育園として借り受けて開園したいという希望があるそうで、そのことについては都と区で既にちゃんと協議が調っているというふうに聞いております。
予算特別委員会でもそのことを取り上げられたそうですけど、私の知る限りでは、ご質問をなさった会派の先生は非常に優しいから余り局長に詰め寄らなかったみたいですけど、ちょっと私はうるさいですから、局長、よく聞いておいてね。
何が重要かというと、都と区で貸してもらうという話がついただけでは実はだめなので、私の推測も入りますけど、多分、耐震設計をして、業者さんに発注して耐震改修をきちっとやって、年度内に、来年の三月末に耐震改修を終えようと、こういう段取りだろうと思います。
ところが、皆さん方は直接タッチされたことがないからわからないかもしれないですけど、保育園を開園するというのは、十月とか十一月ごろまでに、必ず来年四月一日には開園できるということが確約されて初めて区内の保護者の人に、来年はここに保育園ができますよということを知らせ、かつ十二月に入ると、保護者の人に、子どもを通園させたい人は申し出てくださいということで俗にいう募集をするわけですね。で、一月、二月に審査をして、二月の終わりとか三月初めには保護者に、どの保育園に入れるようになりましたという通知をするわけですよ。したがって、三月末に耐震改修を終えました、どうぞ足立区さん、保育園として使ってくださいといっても、そこから今度は内装を全部やって、整えて、いよいよ開園できるというと、また三カ月とか五カ月とかたってしまって、年度の途中に開園という大変ややこしい手続になると私は推測しています。
したがって、やる以上は来年の四月一日から開園できるということを前提に--ことしの秋から改修設計図面ができるんでしょうからそれを区側にも見せてやって、かつその図面に基づいて足立区が、改修計画といいますか保育園として使うための内装、そういうものをきちっと図面に落として、皆さん方の改修工事とほぼ並行して内装工事などをやって、皆さん方の耐震補強工事が三月末に終わるというのとほぼ同時に、保育園として使う部分の内装工事もきちっと終わる、したがって四月一日から保育園として開園できますと。
こういうことになるわけなので、実は、貸しますよ、借りますよという話だけではなくて、恐らく過去にも余り例がないと思いますけど、設計図面も見せて、改修工事と同時並行に内装工事業者さんも入ってきちっと仕事をやっていくというのがないと、これ、せっかくのいい配慮が、いい結果にならないんですよね。
きっと細かいことはその議員さん方もいわなかったんでしょうけど、実はそこが決まっていないと、いよいよ区の人が、都の方に図面を見せていただけませんかというようなことがいえないんですよ。
ですから、まさにせっかくのご配慮ですから、ぜひそこまできちっとやっていただくことが、足立区役所も喜ぶでしょうしひいては区民、都民が喜ぶ、こういうことになりますから、非常に細かいんですけど、実は肝心なそこのところを確認したいと思います。
○清水都営住宅経営部長 都営新田一丁目アパートの保育園の開設についてでございますが、都営住宅の管理や建てかえなど、事業を進めていく上で、地元区市や住民の要望にこたえ、地域のまちづくりに貢献していくことは重要と考えてございます。
ただいま理事からるる伺いました足立区新田一丁目の件につきましては、昨年十二月から十二号棟の耐震改修設計を進めており、本年二月、足立区から区立保育園の再設置の要望を受け、使用許可の条件に合致することから、区へは設置を認める方針を伝えてございます。
今後、理事並びに足立区の要望にこたえ、二十二年四月に区立保育園が開設できるよう耐震改修工事を早めるとともに、保育園の内装工事を並行して進められるよう工夫を図るなど、地元足立区と十分にきめ細かく連携調整をしてまいります。
○三原委員 どうも部長、ありがとうございました。まさに仏つくって魂入れずになっちゃうところだったんでしょうけどね。
東京都の工事と区の工事が同時並行して行われるなんていうのは恐らく例はないと思いますけど、そういう配慮があれば四月一日にちゃんと開園できる、それに手前の十二月ごろちゃんと募集もできるということなので大変ありがたいと思いますので、心からお願いをしますから、ぜひそのような手続、段取りでやっていってください。
次に、先ほど、やはり区画整理のことで委員から質問がありました。ずっと聞かせていただきましたけど、区画整理というのは、面積も広い、それから権利関係もいろいろ複雑、かつ、もとの位置にきちっと戻るというわけでもない事情もありますから、なかなか進まないのはよくわかるんです。しかも、これは住民側からたっての希望で事業をやろうというわけじゃなくて、いうならば行政側あるいは政治的にこの地域をやった方がいいという判断をして始めますから、なかなかうまくいかない、問題点が出てくるのはよくわかるわけです。
そこで、私は昨年の十月の事務事業の質疑のときにも申し上げたんですけど、足立にしろ、江戸川にしろあるいは北区にしろ、都施行の区画整理事業の中で、いろんな事情があって長期に中断をせざるを得ないというふうになっている方については、特別な判断が必要なんではないか。その特別な判断というのは何かというと、基本的に、その特別な事情をよく酌んで、従前地あるいは仮換地先の土地を都が買い上げてあげる。それによって、その周辺がうまく進んで事業が進展するというケースがあるような気がするんですね。
しかも、五年とか十年とか経過するとその人の人生設計も変わってきますから、六十ぐらいでこのお話が来ても、七十過ぎれば果たしてこのままこの場所で商売やっていけるだろうかというようなことを当然考えられます。しかも、実際に事業が行われるのはさらにそれから何年か先ですから。
そういうことを考えると、何か区画整理の新しい手法として、特に長期中断になっている物件について、これは、買い上げのような特別な手法を講じていくということが区画整理事業を進める大きなポイントになると思いますので、重ねてきょうお尋ねをしたいと思います。
○座間市街地整備部長 土地区画整理事業の推進についてでございますけれども、区画整理事業の推進に当たりましては、理事ご指摘のように、長期中断がなるべく発生しない施行の方法が望ましいわけでございます。都といたしましては、この長期中断対策として、これまで、仮住まいや仮営業等に必要となる費用の補償を行うとともに、施行者による仮住宅、仮設住宅、仮設店舗の設置や、長期中断となる権利者の仮換地を、整備済みの都有地の仮換地と入れかえるなどの対応を図ってきております。
理事ご指摘の、従前地あるいは仮換地先の買い上げにつきましては、長期中断を解消するために有効な施策の一つであると考えられますので、長期中断の物件が複数それによって解消されるなど、特に効果がある場合につきましては、その状況を個別に対応しまして今後検討を進めてまいりたいと考えております。
○三原委員 区画整理の手法としては異例なやり方ですから、長期中断は買い上げます、ということをきちっというわけにはいかないだろうと私も思います。
ですけど、ぜひこれは理事者の皆さん方が知恵を出して、そういう何らかの形で解決をするということの策の一つに使っていただくというか、対応していただきたいと思いますので、重ねて長期中断については、買収というような手法をとるというご決断を求めておきたいと思います。
ただ、めったやたらにそうやるとなると、みんな買ってくれよという話になりますから、本来の区画整理じゃなくなってしまいますので、その兼ね合いは非常に難しいというのは私もよくわかりますが、長期中断で、ここを買収すればこの範囲の土地が、いよいよ順番にうまく動かせるというのは必ず出てくるんですよ。
だから、そのときにはこういう手法を使ってもらって、もし逆な異議が出るようなら、議会側にもそういう意見があってやったんだということをむしろいっていただいてもいいんだと思いますし、そういうことで事業を進めてもらいたいと思います。
私の方は、六町と花畑北部と二つ都施行でやっていただいていますが、六町のときは、かつてつくばエクスプレスの事業を進めるために先行借り上げとか、あるいは今度、一四〇号道路のための買収とか、ちょっと区画整理としては例外のようなやり方を幾つかやって、今日うまく来ているんですね。
だから、皆さん方の知恵をもってすれば必ず、常識的ではないけど非常に効果的だという何か策があると思いますから、その一つとして長期中断の用地の買い上げというのを真剣に議論をしていただいて、実行してもらいたいと思います。
そういうことで、足立、江戸川、北区とあります区画整理がさらに進展することを我々は祈っているわけですが、ちょっと細かいことで済みません、六町区画整理で遠からず問題になると思うんで、中山委員なんかはこれから一生懸命そのことを取り組んでもらいたいと思いますから先にいっておきます。
足立区の六町区画整理というところのちょうど真ん中を、二五八号線といいましたかね、道路が通っています。東側の方は足立区が工事をやって、せんだって、地下鉄の車両基地の下をトンネルで抜くような工事も無事に終えて、開通式をやりました。今度足立区は、綾瀬川という川を渡る橋を、ことしの秋ぐらいから着工しようといっています。
川ですから渇水期しか工事ができないということですので、多分ことしの秋、いよいよ本格的に作業に入ったとしても、三年とか四年かからないと橋はかからないと思うんです。四年ぐらいたって橋がかかった、それじゃあその次の道路はというと、今度はその区画整理区域内に入って、しかも悲しいことに、順番でやっていこうというのがA、B、C、D、Eとあるんですけど、CとかDのところに橋ができ上がった後の道路がありますから、橋はでき上がりましたが、その次の道路は区画整理がやるものですからなかなかできないんですというと、少なくとも五年ぐらいたって橋ができ上がって、皆さんきっと一年や二年は辛抱しているでしょうけど、三年たち、五年たち、十年たっても道路ができないというと、何なんだと。
橋は区役所が一生懸命努力してつくったのに、そこから先の道路は、東京都が区画整理でやるといったって十年も道路ができないというばかな話あるか、ということに必ずなりますよね。だから、今から区画整理の手順をもう一遍そのことを踏まえて考えてもらって、いきなりどこかと取りかえてやりますというわけにはいかないんですけど、だけどちょっと何か考えないと、私も中山先生も、地元で耐えられませんよ。
橋はできたが道路は全然できない、だれが道路をつくらないんだといって、あれは東京都の区画整理だよといったら、都会議員は何しているんだよと必ずなりますからね。
ですから、これはやっぱり区画整理の手法として--当初から考えた手順はありますよ、A、B、C、D、Eとブロック別にやっていくのはわかっているんですけど、二五八道路の部分については、さっきの長期中断の買い上げ対策じゃありませんけど、特別な知恵をやっぱり出してもらって少し何か考えないと、これはもう大変なことになるなというのが今から想像できるんですよ。
これは、すぐこうやりましょうということではないと思いますが、かなり真剣に一、二年かけて議論をしていただいて、足立区が、何か橋をつくったら歩行者と自転車は通しますというふうに、うまくおりられるようにするらしいんですけど、だけどそれはもう大変ですから、どうすれば橋から先の区画整理区域内の二五八号線の道路がより早くできるかということについて、かなり知恵を絞ってもらわなきゃいけないんで、先のことを今いってもしようがないかもしれませんが、何かご意見があればお答えください。
○座間市街地整備部長 ただいま理事ご指摘のとおり、六町地区におきましては、効率よく移転工事が行われますように、地元権利者及び土地区画整理審議会等のご理解、協力のもとに、平成二十三年度以降の施行区域を五つのブロックに区分して、その施行順序を決定しております。
補助二五八号線につきましては、このうち事業の後半に施行する区域に位置しておりまして、施行年度がかなり後になることになっております。しかしながら、足立区が、平成二十三年度の完成に向けて整備を予定しております綾瀬川の橋梁整備に着手するという状況を踏まえまして、交通アクセスの確保を含む周辺の交通処理等についてどのような対応が可能なのか、今後検討してまいりたいと考えております。
○三原委員 ぜひ真剣に検討していただいて、私のみならず中山先生もほかの足立の議員さんも、折に触れてこれは議論になると思いますから、そのとき答弁に窮しないように、三年がかりか四年がかりできちっと考えてもらえばいいですから、しかしぜひこれは先に申し上げておきます。
ちょっと観点を変えまして、国土交通省となったから今はどう名称が変わっているんでしょうか、交通政策審議会というふうにいうんでしょうか。昔は運輸省の運輸政策審議会と、こういったんですけど、これが平成十二年に十八号答申というのを出したそうでございますが、それ以後どういう動きになっているのか、この審議会の動き、それから東京都が今どういうふうにその審議会とかかわっておられるかは余り表に出てきていないので、ちょっと教えていただきたいと思います。
○升都市基盤部長 運輸政策審議会でございますが、平成十三年に運輸省と建設省が合体した省庁再編がございました。それに伴いまして、国土交通省は、運輸政策審議会など旧運輸省系の審議会を統合いたしまして、新たに交通政策審議会というものを設置してございます。この交通政策審議会のもとに、鉄道に関する事項を審議いたします陸上交通分科会鉄道部会というものが設置されておりまして、都の場合は副知事が専門委員として参画しておるところでございます。
鉄道部会では、昨年六月に、今後の鉄道運輸のあるべき姿でございますとか、鉄道政策が目指すべき方向について提言をまとめてございますが、これまで具体的な路線についての記述はございません。
○三原委員 わかりました。
ちょっと私の方も不勉強で、その辺、答申が来ているというのを知らなかったんですけど、具体的な路線名などが出ていないとどうしても我々も注目しないんで申しわけないと思いますが、知事の方が「十年後の東京」という政策を掲げられ、皆さん方もかかわられて実行プログラムなども出ておりますけど、いわゆる公共交通ということから、三環状道路の建設などは非常に強く述べられていますけど、公共交通、特に公共輸送にかかわる交通網については一行も出ていないんですよね。
東京都内の鉄道路線はもうこれでいいのか、というふうに私は思いますけど、十年以内にどうしようという鉄道はないからといえばそれまでかもしれませんが、十年間の間にやっぱり議会側もそして理事者側も、都民のためにこの鉄道は具体化しようよというのが当然あってもいいと思うんです。まさかうっかり書き忘れたということはないと思いますけど、非常にそんな気がするぐらい「十年後の東京」の実行プログラムの中にそういうのが出てこないのが、私はちょっと残念というか、心配だなという気がします。
我々がかねてからやっていることはメトロセブン、エイトライナーというもので、環七、環八の地下に鉄道を敷こうという運動を関連区市、都会議員も国会議員も入ってやっています。それから、私の地元では、地下鉄八号線の延伸というのを毎年やったりしていますが、こういういろんな希望の鉄道のランク、目標年次までに着手した方がいいとか、検討した方がいいとかという分け方を昔の運政審はしていましたけど、今の交通政策審議会ではそういうのを何か出していますかね。
○升都市基盤部長 今お話にございましたように、運輸政策審議会答申、平成十二年に十八号が出てございますが、基本的にはそれを基本に今、鉄道整備を進めておるところでございます。
今お話にございましたように交通政策審議会に形が変わっておりますが、そちらの方ではそういうものが出てございません。ただ、国土交通省では、この十八号答申に基づいて進めている、そのまま引き続いてやっているということでございます。
○三原委員 済みません、いただいた時間がもう来てしまいましたから。
私どもが承知するところでは、平成二十七年か何かまでに整備を推進すべき路線、今後検討すべき路線というような分け方で、A1とかA2とかBとかいいますよね。たしかメトロセブン、エイトライナーはBで、地下鉄八号線というのはA2ですね。A1は日暮里・舎人ライナーなんかですから、A2ということになっているんでしょう。
そのA2に入っている八号線、これは足立区だけではなくて伊藤先生のところの葛飾が入っています。八号、十一号は連絡協議会みたいなのをつくってやっておられるそうですけど、足立区は呼んでもらっていませんのでこれはまた中山先生と相談して--八号線は江東、墨田、葛飾も関係していますけど、そこから今度、北は足立、八潮、吉川、そして野田とこういうところが関係してきますから、そういう連絡協議会みたいなのをつくらなきゃいけないだろうと、こう思っているんです。葛飾さんにとってみれば、八号を亀有からどちらの方向に延ばすかという微妙な問題がありますから、なかなかご一緒にといいづらいんですけど。
ただ、八号、十一号の促進連絡協議会があるというのは我々十分承知をしていませんでしたから、これを手本に足立区も、この八号線延伸についてぜひ連絡協議会を立ち上げて、一層運動を起こしていかなきゃいけないだろうな、そういうことをやらなきゃいけないと思っているんで、まだ、東京都の方にどうしてくださいという要望をするわけではないんですけど。
ただ、私が一番いいたかったのは、今、一通り都内の鉄道路線について、いうならば目鼻がついたという感じになっているのかなと思うんですね。ですけど、これから十年、二十年先に向かっては、A2のところに記載されている八号線とか十一号線を、一つA1に上げていく。それから、Bのところに分類されているメトロセブン、エイトライナーはA2に上げていくという運動を、これはぜひ積極的に東京都が、理事者側もやってもらいたいし、我々議員側も一生懸命やりますし、そして関連の市区町村にもお願いをして一緒になってもらって、やっていく。
鉄道網のさらなる発展、それが「十年後の東京」にうたっていないのがちょっと寂しいなということを感じたからこれは申し上げたんですけど、これからそれをさらに強力に格上げして、東京をさらによくしていくということに力を注がなきゃいけない、こう思いますので、これはあえて私の個人的な主張ですけど、時間が来ましたから申し上げて、答弁は要りませんから、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○伊藤委員 私からは、先ほど三原理事からも言及がありましたけれども、地下鉄八号、十一号線の延伸についてお尋ねいたしたいと思います。
本路線の延伸については、昭和六十一年に江東区、墨田区、葛飾区、松戸市の三区一市で地下鉄八号、十一号線促進連絡協議会を設置し、その後平成三年には千葉県及び東京都も協議会に参加し検討を進め、平成十二年の運輸政策審議会答申第十八号において、八号は野田市まで、十一号線は松戸までが、目標年次までに整備着手することが適当な路線との位置づけがされ、その後も協議会における検討が継続されていると聞いております。
人口減少時代を迎え、混雑率や路線網など、社会資本としての望ましい整備水準について議論がある一方、高齢化社会、環境問題への対応や、社会や利用者のニーズに的確に対応した地下鉄整備の検討を進める必要があると思います。
この間、国においては、十九号答申での上下分離方式や、平成十七年に都市鉄道等利便増進法が施行されるなど、新たな鉄道整備に向けた方向性が示されております。
私としても、今後地下鉄整備を進める上では、現在ある鉄道網をより速く、使いやすいものに整備し、活力ある都市活動とゆとりある日常生活をより多くの方に提供していくことが重要であると考えており、この視点に着目し、地下鉄八号、十一号線の延伸について検討するべきであるというふうに考えております。
それではまずお聞きしますけれども、現在、この協議会における検討状況について、お伺いしたいと思います。
○升都市基盤部長 地下鉄八号線、十一号線の促進連絡協議会でございます。先ほど三原理事からもお話がございましたように、沿線の江東区、墨田区、葛飾区、松戸市が主体となって構成されているところでございます。
協議会の検討状況でございますが、八号線、十一号線の延伸などについて、事業主体、事業スキームの検討などを行っているところでございます。
○伊藤委員 次に、地下鉄八号、十一号線の延伸については、全体としては大変延長路線が長いんですけれども、三区間の区間ごとに着目すれば、十分、利便増進法の速達性向上事業にも該当する内容であると考えますけれども、いかがでしょうか。ご所見を伺います。
○升都市基盤部長 お話しの都市鉄道等の利便増進法でございます。平成十七年に施行されておりますが、既存ストックを有効活用しつつ、都市鉄道ネットワークの機能を高度化する施設の整備により、都市鉄道等の利便を増進しようとする目的で施行されてございます。
このうちの速達性向上事業でございますが、路線間の接続が不十分で、遠くの乗りかえ駅へ迂回が必要な場合に、連絡線整備等により速達性を向上させる事業でございます。
事業化に当たりましては、法に基づきまして、営業主体と整備主体が調整いたしまして速達性向上計画を作成し、国土交通大臣の計画認定を受けることとなってございます。
○伊藤委員 国が判断をすることだという答弁だと思いますが、臨海部、特に豊洲駅周辺では、芝浦工業大学や大型商業施設のアーバンドックの整備が完了するとともに、今後、東京都としましても、例えば豊洲一から三丁目の地区のまちづくり方針などに示されておりますように、居住人口が二万二千人、就業人口が三万三千人のまちづくりが進展すると聞いております。
さらにオリンピックの招致など、さまざまな取り組みを都としても進めているわけでありますが、そうした豊洲地区に対する東京東部地域からのアクセス向上を図る上で必要な路線と考えますけれども、ご所見をお伺いいたします。
○升都市基盤部長 八号線並びに十一号線でございますが、先ほどから申し上げておりますように、平成十二年の運輸政策審議会答申ではA2路線といわれているものでございまして、平成二十七年までに整備着手することが適当な路線として位置づけがなされておるところでございます。十一号線ですと松戸方面からの路線だということで、そのまま都心に入っていくという路線になろうかと思います。
しかし、本路線の実現には、事業主体や事業採算性の向上、多額の事業費の確保など、さまざまな課題があるというふうに考えているところでございます。
○伊藤委員 さらに、豊洲-住吉間が整備された場合、その整備効果は葛飾区や松戸市を含めて大変大きく広がり、協議会としても、先行整備に値する区間であるとともに、その整備効果は東西線の混雑緩和、特に日本橋から東陽町の区間でありますけれども、混雑の緩和が見込まれます。
都としても推進するべき内容であると考えますが、ご所見を伺います。
○升都市基盤部長 答弁がちょっと繰り返しになって申しわけございませんが、協議会ではこれまで、八号線、十一号線の沿線区市を中心に、事業のスキームなどについて検討を行っているところでございます。
豊洲-住吉間を含みます八号線、十一号線延伸には、事業主体でございますとか、事業採算性をどう向上させていくか、多額の事業費をどう確保するかなど、さまざまな課題があるというふうに考えているところでございます。
東京都といたしましては、引き続き協議会に参加していきたいというふうに考えております。
○伊藤委員 越えなければならないハードルがたくさんあるということはよくわかりますけれども、ぜひとも都としても、国や自治体と連携をしていただいて、早い実現に向けて努力をしていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
○中山委員 私からは、まず、公社一般賃貸住宅について質問させていただきます。
都が関与する公共賃貸住宅としては、まず都営住宅がありまして、二十六万戸供給されております。次いで、東京都住宅供給公社が供給する一般賃貸住宅があり、都内で六万戸が供給されております。
この公社一般賃貸住宅は、都営住宅と同様に古くなっておりまして、公社が都営住宅を管理しているという点もありますから、外観が非常に似ているということもあって、一見すると、どちらが都営住宅でどちらが公社住宅かわからない、というような状況がたくさんございます。
こうした外観上の酷似が原因かどうかわかりませんけれども、その性格についてまで両者を混同して論議している一部の会派があると、私は感じております。
そこで、東京都住宅供給公社の一般賃貸住宅について、幾つか質問させていただきます。
公社がこうした一般賃貸住宅を供給することのそもそもの目的は一体何なのか、都営住宅や民間賃貸住宅との比較も交えて、お答えをいただきたいと思います。
○松村住宅政策推進部長 都営住宅は、一定の収入以下で、真に住宅に困窮する都民向けに低廉な家賃で供給するものであり、住宅セーフティーネットの中核をなすものでございます。
一方、民間賃貸住宅は、どちらかというと、単身者など小規模世帯向けの、規模の比較的小さな住宅の供給が中心となっております。
そうした中で、公社の一般賃貸住宅は、中堅所得者、ファミリー世帯向けに良質な住宅を適切な家賃負担で供給することにより、その面ではまだ十分ではない民間賃貸住宅市場を補完する役割を果たしております。
○中山委員 公社の一般賃貸住宅でございますけれども、都民にどのように受け入れられているのかということを募集状況を通して見ますと、建てかえ住宅での新築募集や定期空き家募集では、軒並み十倍を超える高い抽せん倍率となっております。利用率で見ても、平成十九年度末で九八%と高い利用率を確保していると伺っております。
例えば、公社の一般賃貸住宅が多い町田市や私の地元の足立区などでは、手ごろな家賃や、保証金、更新手数料が不要なことが魅力ともなりまして、高齢者ばかりでなく若い世帯の方々の居住者も多いというふうに感じております。これは、公社一般賃貸住宅が良質であり、かつ適切な家賃負担で供給されているということの証左であると考えております。
ちなみにお伺いいたしますが、公社の一般賃貸住宅は比較的低廉な家賃で供給されていると思いますけれども、一般賃貸住宅の平均家賃と、家賃が五万円以下の住戸数は一体どのくらいあるのか、お伺いいたします。
○松村住宅政策推進部長 公社一般賃貸住宅の平均家賃は、平成二十一年一月末現在で五万七千四百五十円でございます。また、本日の委員会資料にもございますが、東京都における民営借家の平均家賃が、平成十五年住宅・土地統計調査で、木造が六万七千二百八十七円、非木造が八万九千五百十六円であるのに対し、低い水準でございます。
また、五万円以下の家賃の住戸数でございますが、公社一般賃貸住宅六万二千戸のうち三万三千五百戸、率にして五四%を占めております。
○中山委員 私も今お伺いして初めてわかったわけですけど、五万円以下が五割を超えているということですね。
確かに足立区はまだまだ安いところが多くて、三原先生のご指導もいただいて発展していかなくちゃいけないんですけれども、余り高くなっちゃっても困るというところもありますがそれはそれとして、公社はちゃんと、こういう低廉な家賃で住宅を供給してくれていると。
公社がこうした家賃の低廉な住宅を供給できるのは、財政運営の健全性を確保しているからこそであると私は思います。
公社は、安定的な経営を進めるために、これまでどのような経営改革に取り組んできたのか、お伺いいたします。
○松村住宅政策推進部長 収益確保の面についてでございますが、公社は、効率的な募集や適切な家賃設定、オープンルームや電車内広告を活用した営業努力などによりまして、公社一般賃貸住宅の利用率を高め、確実な家賃収入の確保に努めてまいりました。
また、老朽化した一般賃貸住宅の再編整備を推進することによりまして、建てかえ住宅を新たに供給し、家賃収入の増加も得てまいりました。
一方、経費削減の面についてでございますが、公社は、平成十五年度以降、ダブルAマイナスという高い格付を取得いたしましての社債発行や、シンジケートローンなど低利資金の自力確保に努めてまいりました。
また公社は、こうした資金活用をいたしまして、高利率の借入金を借りかえるなどにより、平成十四年度に百六十八億円あった支払い利息を平成十九年度には百二十六億円と、この五年間で四十二億円縮減してまいりました。
○中山委員 この五年間で四十二億円も縮減してきた。大変な努力であると思います。
また、ダブルAマイナスというのはかなり高い格付で、後でもしわかったら、同じような格付の会社がどこなのかというのを教えてもらえると実感がわくんじゃないかと思います。
公社がその役割を果たすために、みずから社債を発行し資金調達を行っているということは高く評価いたしますが、また、その社債の格付が高いということは、何を隠すまでもなく、財務体質のよさというものが高く評価されているから格付が高いわけであります。
一時期、北海道や千葉県、長崎県などの住宅供給公社が破綻して、道民、県民に多大な負担をかけたことがありました。これは論外ともいうべき事態ですけれども、こういうことが起きないとは限らない。起きないとは限らない中で、公社が、不断の経営改革を行い健全な財政運営を確保しているからこそ、都民のための住宅政策の中でニーズにこたえていけるのだと認識しております。
その財務体質の健全性を保つためには、仮に借入金があるとすれば、それをできる限り早期に返還していくことも重要であります。
公社は、一般賃貸住宅の建設に当たり、用地取得費を都から借り入れ、今後の償還に備えるため、土地債務償還積立金に利益を積み立ててきたということでございますが、この仕組み、目的を説明していただきたいと思います。
○松村住宅政策推進部長 公社は、一般賃貸住宅の用地取得に当たりまして、都から借り入れた借入金が平成十九年度末で千七百三十二億円あり、この償還に計画的に備えるため、償還原資として利益の全部を土地債務償還積立金に積み立てているものでございます。
この土地債務償還積立金は、剰余金の中に位置づけられているため、一見すると処分可能な利益剰余金のように見られますが、決してそういうことではございません。
つまり、建物の建設に係る借入金は、建物の減価償却費が費用に計上され、それに見合う現金が留保されるのに対しまして、土地の取得に係る借入金は、土地が減価償却の対象にならず、費用に計上されないため、利益の中に償還原資が留保されるということになるものでございまして、これは民間も含めた会計実務上の仕組みというものでございます。
○中山委員 公社は都の貸付金を受けて一般賃貸住宅を建設、供給してきたわけでありますから、借りてきたものを返さなければならないのは当たり前の話であります。
また、土地の取得に充てた借金の償還原資が利益を通じてしか確保できないのは、民間も同じ仕組みであり、そうした会計実務を理解せず、ややもすると、借金の返済はどうでもいいような印象を与えるような主張は、私は無責任ではないかというふうに思います。
先日の都市整備委員会で、公社による都貸付金の繰り上げ償還の話がございました。平成二十一年度予算にも同様の取り組みが計上されております。その目的と効果を、補正予算とあわせてお示しいただきたいと思います。
○松村住宅政策推進部長 公社は、自主自立経営の確立に向けて、借入金等の負債圧縮や支払い利息の縮減が財務上の喫緊の課題となっております。
このため、公社は、主に平成十九年度末で三百二十二億円ある土地債務償還積立金を取り崩し、平成二十年度に百二十九億円、平成二十一年度にも百二十八億円の都貸付金の繰り上げ償還を実施することとしたものでございます。
公社財務におきましては、これら都貸付金の繰り上げ償還により、借入金等の負債が二百五十七億円圧縮され、この先、五十六億円の支払い利息が削減されることになります。
こうした都貸付金の繰り上げ償還は、都と公社で合意した上で取り組んでいるものでございまして、今後とも、公社の経営状況や資金繰りを慎重に踏まえながら、適時適切に行っていく予定でございます。
○中山委員 公社によります都貸付金の繰り上げ償還が、財務基盤の強化に向けた取り組みとして着実に行われているということが明らかになりました。
また、補正予算に計上した公社による都貸付金の繰り上げ償還が都の財源対策として行われたかのごとき、都の都合でやられたみたいな主張は、全く根拠のないものであることも判明したと私は思います。
都貸付金を繰り上げ償還しなければ家賃が下がるという人もいらっしゃいますけれども、そうした事実はあるんでしょうか、お伺いいたします。
○松村住宅政策推進部長 公社一般賃貸住宅の家賃設定は、周辺の住宅と比較しまして、家賃を高く設定すれば空き家となり貴重な住宅が活用されず、周辺の住宅より低く設定すれば民業圧迫となることから、平成十四年に改正された公社法施行規則におきまして、近傍同種の住宅と均衡を失しないように定めること、とされたものでございます。したがって、利益が出たから家賃を下げ、赤字だから家賃を上げるというような仕組みではございません。
もとより、都貸付金の繰り上げ償還は、もともと返済する必要がある貸付金の償還時期を前倒ししただけのものでございまして、都貸付金の繰り上げ償還をしなければ家賃が下がるというような関係にはございません。
○中山委員 繰り上げ償還をしなければ家賃が下がるというような関係性は全くないということでございまして、そのような主張は、全く根も葉もないいいがかりであるということが明らかになりました。
確かに、家賃が安くなるんじゃないかという期待感を抱かせることは、喜ぶ人ばかりですから、そういう期待を抱かせて、実際はそうじゃないということが明らかなのにそういうことをいうというのは、欺く行為じゃないかと私は思います。
公社は、今般の厳しい社会経済状況を踏まえて、平成二十一年度の家賃改定のうち、引き下げは行った上で引き上げを見送る--これは大事ですよね、引き下げを行った上で引き上げを見送り、この四月からは、子育て世帯に対する倍率優遇や、高齢者等、階段の昇降が困難な方がいる世帯の一、二階住戸への優先入居を実施するなど、住宅政策の課題にも適切に対応しております。
近傍の家賃との均衡を無視して一方的に家賃を引き下げろという主張は、民業を圧迫します。民間賃貸住宅市場の成熟を妨げるとともに、中堅所得層へ良質な賃貸住宅を供給している公社の経営基盤を脅かすものであります。
長期債務の早期償還に努めるなど、公社の財務体質をより強固なものにすること。また、指定管理業務を初めとする都営住宅管理業務の一括受託により、安定的な経営基盤を確保すること。公社にとって、この二本の柱が今後も確保されることが大事だと私は考えておりますし、そのことがあってこそ、都民の期待にこたえる公共住宅の供給が可能になると考えます。
その意味で、これまでの公社の取り組みを改めて評価するとともに、東京都としても、良質な公共賃貸住宅の供給を通じて都民のニーズにこたえられるよう、引き続き公社を適切に指導することをお願いして、次の質問に移ります。
都市再生ステップアッププロジェクトについて質問させていただきます。
都市づくりビジョンの改定がされるようでございますが、先ほど来お話がございました。都民が将来に希望を持てるような、夢のあるまちづくりが、今、この不景気な状況であるからこそ大事であります。
その夢を実現していくためには、さまざまな主体がさまざまな手法を講じて取り組む、そういう協力というものが大事です。都が直接関与する取り組みとして、都有地を活用したまちづくりが大変有効であります。
二月十日に財務局から公表された主要施設十カ年維持更新計画におきまして、まちづくりに役立つ都有地の活用として都市再生ステップアッププロジェクトが示されました。
では、この都市再生ステップアッププロジェクトの内容はどういうものか、まずお伺いいたします。
○瀧本参事 都市再生ステップアッププロジェクトでございますが、東京の都市再生を推進し活力と魅力ある東京を実現するため、民間活力の活用も図りながら、都有施設の効率的配置や都有財産の有効活用を行いまして、都有地及び周辺地区のまちづくりを進める事業でございます。
都有地を活用したまちづくりとしましては、これまで、南青山一丁目地区や勝どき一丁目地区において、民間活力を活用したプロジェクトを実施してまいりました。これらのプロジェクトは主に単一の都有地を対象としておりますが、都市再生ステップアッププロジェクトは、東京の都市再生に向けまして、地区の誘導目標を設定しまして、複数の都有地を活用してより広く積極的にまちづくりを進めようとするものでございます。
先ほどお話のございました、都の主要施設十カ年維持更新計画におきまして、都市再生ステップアッププロジェクトの事例としてお示しした竹芝地区を初めとしまして、今後、具体的な地区のプロジェクトについて検討を進めてまいります。
○中山委員 都市再生ステップアッププロジェクトは、都有地活用の新しい手法を切り開くものとして、私は大変期待しております。
よく知事は、やや皮肉も込めて、ごみ箱をひっくり返したようだというようなことを、東京のまち並みについて表現を用いられる場合があります。私は、これは単に景観だけの問題じゃなくて、東京のまちづくりが一体何に向かって、何に力を入れて行われているのか、その方向性、ベクトルというものがはっきりとわからない、伝わってこない、そういうものがややもすればありがちであったという点を反映しているのかなとも思います。
この都市再生ステップアッププロジェクトを実施される際には、地区ごとにまちづくりの誘導目標を設定するとのことでございますが、東京の将来像の実現に向けて、都が直接取り組むリーディングプロジェクトとして整備を進めていくためには、都が明確な目標を持ってこのプロジェクトに取り組むことが重要であります。
そこで、都市再生ステップアッププロジェクトでは、どのような誘導目標を設定してまちづくりを行うのか、お伺いいたします。
○瀧本参事 都市再生ステップアッププロジェクトの誘導目標につきましては、社会経済情勢の動向や地区の特性を踏まえて設定することが必要でございます。
低炭素型都市の実現に向けた環境への配慮や緑の創出、ユニバーサルデザインなどについては、今後の都市づくりにおいて共通の理念として重要でございまして、設定する目標のベースになるというふうに認識してございます。
さらに、それぞれの対象地区の特性に応じまして、産業や観光、防災、福祉や文化など、都市機能の向上を目指す目標を設定することが考えられます。
これらの目標の達成を目指すまちづくりを進めることによりまして、東京の都市再生を推進し、活力と魅力ある東京の実現を図っていくこととしてございます。
○中山委員 今ご答弁にございました各視点は非常に大事な視点で、これは、それぞれの地域差、地域状況の差はあるかもしれませんけれども、やはり共通の認識を持って、それをどうあらわしていくか、取り組んでいただきたい。そうでなければ、東京都が全体どこに向かおうとしているのか、この都市再生プロジェクトにおいてすらそれがあらわれないとしたら、いろいろな課題というのは、絵にかいたもちに終わりかねない。そういうことは絶対ないというふうに確信いたしておりますけれども、都市再生プロジェクトで東京都が示そうとしている東京の将来像というものが、はっきりと内外に伝わるようなものを目指していただきたいというふうに思います。
その都市再生プロジェクトに関連して、ユビキタスについてお伺いさせていただきます。
これからのまちづくりにおきましては、環境への配慮や緑の創出はもとより、東京が世界に開かれた活力ある都市として、観光やユニバーサルデザインなどについても、共通のコンセプトとして強く打ち出していくことが重要であると考えます。
昨年の第三回定例会都議会の一般質問におきまして、通信技術を活用してコミュニケーションバリアフリーを図ることが、ユニバーサルデザインのまちづくりを進める上で重要であると、私は主張させていただきました。
こうしたまちづくりにつながるものとして、東京ユビキタス計画の取り組みに注目してまいりました。これは、日本の誇る最先端技術を活用して、いつでも、どこでも、だれでも必要な情報を手に入れることができる社会、すなわちユビキタス社会の実現を目指すもので、都民が、より機能的で、快適性の高い都市生活を送る上で、大変重要な取り組みであると考えております。
そこで、まず、東京ユビキタス計画が目指している目的についてお伺いいたします。
○横溝企画担当部長 東京ユビキタス計画の目的についてでございますけれども、都では、ユビキタス技術を活用して、外国人や障害者などを含むすべての人々が不安を感じることなくまち歩きができる、ユニバーサルデザインのまちづくりを目指しております。
具体的には、街路灯ですとか建物ですとか、そういうところにICタグを取りつけまして、これとコンピューターを無線で結び、日本語、英語、中国語などの多言語でまちの歴史や文化、ショッピング情報を提供いたしまして、観光やまちの活性化を図ることとしております。
また、お年寄りや障害のある方のために、道路の段差情報の提供や、音声による道案内を行うシステムを構築するなど、安心して歩けるまちづくりを目指して取り組んでおります。
○中山委員 今お話がございましたように、ユビキタス技術は、外国人旅行者の方や障害をお持ちの方々などの支援に大きな可能性を秘めていることは事実でありますし、大いに実際に役立ってくれるものと期待しております。
コミュニケーションバリアフリーを進めて、マイノリティーでも安心して暮らせるまちづくり、これが東京全体で進められていくことが、東京の本当の意味でのユニバーサルデザインの先進性というものを指し示していくことになると私は考えます。
東京ユビキタス計画では、こうしたまちづくりに向けて、平成十七年度から、上野や銀座地区で地元の方々と連携した実証実験を進めていただいております。私も銀座の実験を同僚議員とともに拝見させていただきました。
今年度は、銀座に加えて、新宿の都庁舎でも実験を行ったと聞いております。銀座と新宿の二つのエリアで実験を行うことで、これまでにない新たな展開を図ることができたものと思います。
そこで、今年度の実証実験がどのようなものであったのか、お伺いいたします。
○横溝企画担当部長 今年度の実験についてでございますけれども、銀座の約六十の店舗、都庁周辺の三つのホテル、民間企業十三社などの参画を得て実施をいたしました。
銀座では、観光スポットやイベント情報の紹介など、昨年に比べましてコンテンツを充実し、まち歩きを一層楽しめるように工夫をいたしました。また、直接、障害者の方々に参加をいただきまして、目的地まで道案内するシステムについて、問題点や改善点の把握に努めたところでございます。
新宿では、新たに、都庁展望室からの眺望について、ユビキタス技術を用いて観光案内を行いました。また都庁周辺のホテルでは、外国人旅行客を対象に端末を貸し出しまして、民間による運用の可能性についても検証いたしました。さらに、同じ端末を持って新宿から銀座へ誘導することで、地域間においてもシステムが有効に稼働するかどうか確認したところでございます。
実験にはフランスや韓国など海外の方も含む約九百名に参加をいただきまして、現在、その結果を取りまとめているところでございます。
○中山委員 今年度は新宿と銀座の二つの拠点を結ぶ実験を展開され、面的に広がりを持ったユビキタス化に挑戦されたと。新たな段階に入ったという印象がございます。
世界に新しい技術を根づかせていくためには、初期の段階で、行政が先導的な役割を果たすことが重要でございます。その役割を担ったのが実証実験でございました。
また、この技術を実用化のレベルにつなげていくためには、いつでも、どこでも、だれもがこの技術の恩恵に浴することができるよう、ユビキタス環境の面的拡大を図ることや、民間がさまざまな情報サービスを競うことができるための条件整備をしていくことが重要であります。
そこで、ユビキタスに関する質問の最後に、ユビキタス技術を活用したユニバーサルデザインのまちづくりを進めるに当たって、東京都は今後どのような役割を果たしていこうとしているのか、このことについてお伺いいたします。
○横溝企画担当部長 今後の都の役割についてでございますけれども、都といたしましては、引き続き実証実験を通して問題点を把握するとともに、これまでの実験で明らかになった課題、例えば、ICタグなどの法的位置づけですとか情報インフラの整備主体などについて検討を進めてまいります。
また、公民の役割分担のもと、都市再生の機会をとらえて、ユビキタス技術を活用してまちづくりに取り組むよう、開発事業者や関係者に働きかけてまいります。
一方、民間が主体となってビジネスモデルを構築することも大変重要と考えておりまして、今後都といたしましては、民間によるシステムの運営方法や事業性などについて、関係者間で整理し、必要な支援を検討してまいります。
○中山委員 オリンピックが本決まりになりますと、絶対そうなっていただきたいというふうに願っておりますけれども、多くの外国人の方々が来日されることになります。パラリンピックも開催されます。立候補ファイルの提出に際して、知事からも、ユビキタス技術の活用を目指しているとの説明がございました。
東京ユビキタス計画の実証実験で得られました知見をもとに、関係各局とも連携して、今、答弁の中で初めてお伺いしましたけれども、民間の主導によるモデル事業といいますか、民間が技術を発揮する、そういう場づくり、そういうことが非常に大事だというふうに思います。実証実験で終わっちゃうのか、それともそれが具体的に進んでいくのか、それは環境をどう整えるかによって変わってきます。ましてや不景気という時代もありますので、その環境、場が設定されないとなかなか民間が乗り込めない。
例えば都道とか公共交通とか、こういうものにはユビキタスを、都がその環境としてインフラ整備は集中して行う、その活用は、民間が主体となって運用についてソフト的なものをいろいろ募っていく。そういうようなシステムが非常に大事だ、その橋渡しを果たすことが大事だというふうに、私は思います。
ユビキタス社会の実現を目指していただくことを要望して、次の質問に移らせていただきます。
次に、既存住宅の省エネリフォーム、新しく事業として立ち上がったものですけれども、これについてお伺いいたします。
平成二十年六月の第二回定例会におきまして、我が党の東村議員の新たな住宅政策に関する質問に対し、知事からは、少子高齢化の進展、環境問題の深刻化など、状況の変化を踏まえた住宅政策を総合的に展開していくとの答弁がございました。私も当時、質問原稿の執筆ということで担当させていただいて、局の皆様ともいろいろ打ち合わせさせていただいて、同じ情熱を分かち合いながら、住宅政策の新たな展開を目指していろいろ意見を交わさせていただいたことを覚えております。
そこで、都市整備局の平成二十一年度当初予算案を見ますと、環境に配慮したカーボンマイナス住宅の供給促進に関する予算が盛り込まれております。これは、特に既存住宅の省エネリフォームを促進するためのものと聞いておりますが、今後、住宅分野の環境対策における既存住宅の省エネリフォームの重要性について、都の所見をお伺いいたします。
○瀬良住宅政策担当部長 地球温暖化の防止に向けて、CO2排出量の削減など環境負荷の低減を図るためには、住宅の分野においても、環境に対する負荷の小さい住まいづくりに取り組むことが重要であると考えております。
具体的には、壁や窓などの断熱性能の向上や、効率性が高く省エネ性能にすぐれた設備機器の導入、太陽エネルギーなどの自然エネルギーの活用などを促進することが必要でございます。
こうした取り組みの推進に当たっては、新築住宅に対する施策はもとより都内の約六百二十万戸の既存住宅ストックを視野に入れ、そのリフォームなどにより、住宅の省エネルギー化の促進を図ることが重要であると、このように認識しております。
○中山委員 今お話がございましたように、環境負荷の軽減という東京都全体の課題におきましても、既存住宅の省エネリフォームということが推進されていくことは非常に重要であります。
しかし、現実的には、リフォームを実施する際に、省エネ化まで検討してリフォームを手がけてくださるというケースは限られているというのが現状ではないかと思います。
こうした状況に対応し、都としても、都民や事業者が省エネリフォームに取り組みやすい環境を整備する必要があると考えます。
今年度、都は、省エネリフォームの事例募集を実施されたと伺っておりますが、どのような取り組みが行われてきたのか、お伺いいたします。
○瀬良住宅政策担当部長 既存住宅の省エネリフォームを普及、促進していくためには、広く都民や事業者に対し、省エネリフォームに係る情報提供を行い、その普及を図っていく必要があると考えております。
このため、今年度九月から十一月にかけて、既存住宅における省エネリフォームの実施事例を広く募集し、設計手法や工法について評価した上で優良なものを選定し、二月にその結果を公表したところでございます。
さらに、三月十日から十二日の三日間にわたり、新宿駅西口広場イベントコーナーにおいて住宅の省エネリフォーム展示会を開催し、選定された実施事例等のパネルによる紹介や省エネ性能の高い機器等の展示などを行い、多くの来場者を得たところでございます。
○中山委員 二月に結果を公表されたということでございますけれども、そうした成果が都民に大きく、広く周知されていくということは非常に大事でございます。
東京都におけるカーボンマイナスの取り組みを推進していくためには、さらにこれまでの取り組みの成果を生かし、既存住宅の省エネリフォームの一層の促進を図ることが必要であると考えます。
今後、省エネリフォームをどう推進していくかについて、展開の方針についてお伺いいたします。
○瀬良住宅政策担当部長 省エネリフォーム促進のための今後の展開についてでございますけれども、今後、選定された省エネリフォーム実施事例などの工事の概要、工事費用などを紹介するとともに、助成制度などの関連情報を取りまとめた、省エネリフォームに関するガイドブックを作成し、その普及啓発を図ることとしております。
また、来年度においては、このガイドブックを活用したセミナーなどの普及活動を行い、引き続き多くの都民や事業者に向けた情報発信を行ってまいります。
○中山委員 省エネリフォームの実施事例などをまとめたガイドブックを作成されるということでございまして、そうした取り組みの成果が大きく広がっていくことを期待しております。
住まいの省エネ化は環境負荷の低減に寄与するだけでなく、光熱費の削減による省コスト、結露の防止などによる住宅の耐久性の向上、室内環境の快適性の向上など多くの効果が期待できます。引き続き、都におかれましては積極的に取り組んでいただきたいと思います。
新たな住宅政策に関連するもう一つの視点として、少子高齢化の進展に対応するという点がございます。
平成二十一年度当初予算案には、新たに、子育て世帯に配慮した民間住宅の環境の整備に係る費用が計上されておりますけれども、この内容についてお伺いいたします。
○瀬良住宅政策担当部長 昨年十二月に東京都が策定いたしました「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇九において、社会全体で子育てを応援する東京を実現するための三カ年の事業展開の一つとして、子育て世帯に配慮した住宅環境の整備が掲げられております。
これを受けまして、子どもを安心して育てられる住まいづくりを促進する観点から、平成二十一年度において、子育てに配慮した住宅の技術的指針の策定とその普及を図ることとしたものでございます。
○中山委員 子育てに配慮した住宅の技術的指針を策定するというお話がございました。これは大変難しい課題に挑戦されたなと、よくぞ決意されたというふうに思います。
単に広けりゃいいとかそういう論議はいっぱいあるわけですけれども、現実的に、税収をアップするとか、そういう財政的な裏づけがないとなかなか難しい面もあります。そういう中で、子育てに適した住宅環境とはどういうものなのかということの指針を策定すると。ソフト的なことですけれども、非常に大事な視点で、そういう視点から消費者の目線も高まるし、また、新たに供給側も意欲をわかせていくということが大事ではないかと思います。
その指針の内容、どういうものを考えていらっしゃるのか。またこの指針を、都民や住宅供給事業者にどのように普及しようとしているのか、お伺いいたします。
○瀬良住宅政策担当部長 子育てに配慮した住宅は、子どもたちにとって安全で、また親にとっても、子育てがしやすいさまざまな配慮や工夫がなされていることが必要でございます。
こうしたことから、今回策定する技術的指針においては、バリアフリー化、柱の角の面取り加工や、開閉を緩やかにするドアクローザーの設置などの事故防止の配慮それから防音対策など、子育てに配慮した住宅に必要な技術的な事項を盛り込むことを予定しております。
技術的指針の内容は、ガイドとして取りまとめて、都民に広く広報するとともに、事業者団体を通じて民間の住宅供給事業者に対しても周知することで、子育てに配慮した住宅の普及を促進してまいります。
○中山委員 技術的指針の内容は、ガイドとして取りまとめ、都民に広く広報するとともに、事業者団体を通じて住宅供給事業者に対しても周知することで、子育て支援を普及していくということでございました。
少子化が進展する中で、我が会派はこれまでも、住宅政策における子育て支援を主張してまいりました。都では、都営住宅におきまして、多子世帯やひとり親世帯の優先入居や、若年ファミリー世帯を対象にした期限つき入居など、施策の充実に取り組んできているところであります。
今後は、今回の技術的指針を活用した、子育てに配慮した住宅の普及支援など、民間住宅における子育て支援についても推進していくべきと考えておりますので、積極的な取り組みをお願いいたします。
今、具体的にいろんな話が出ました。我が会派の伊藤議員もかつて、子どもの目線眼鏡というのを本会議でやったことがあります。子育てに配慮した住宅というもの--いろんな世代の方が同居しているとわいている知恵というものも、なかなか今の核家族の時代では、ない状況もあったりして、そういうものを消費者としても求めていく、また供給者側も提供していく、そういうことが進められていくことになると非常にいいと思います。
また、長寿命環境配慮住宅モデル事業についてもいろいろ課題はあると思いますけれども、環境配慮型住宅の一環という視点からも大事なことだと思いますので、ぜひ粘り強く取り組んでいただければと思います。
次に、耐震化について若干お伺いいたします。
平成二十一年度の耐震化事業におきましては、建築物の耐震化総合相談窓口の設置が予算計上されております。
耐震化の促進は、首都東京が抱える大事な課題であり、我が党も重ねてその前進を求めてまいりました。
特に、わかりやすい耐震工法の周知などは、長橋議員が取り組まれてきた大事な課題でありますし、都民が耐震化に取り組みやすい環境整備に力を入れてきたという、我が会派の経緯もございます。今回のワンストップの総合相談窓口の設置を高く評価いたします。
この相談窓口はどのような機能を担うものなのか、まずお伺いいたします。
○河村市街地建築部長 総合相談窓口についてでございますが、現在、緊急輸送道路沿道に多くございます鉄筋コンクリート造などの非木造建物の耐震化に係る区市町村窓口での相談体制は、必ずしも十分というわけではございません。また、非木造建物の相談には、構造の種類や工法の違いなどにより、一層の専門性が必要とされます。
そこで、一元的に相談を受けられる総合相談窓口を財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターに設置し、電話等による一般相談から、構造の専門家による、図面等を見ながらの技術的な専門相談まで、区市町村などと協力しながら、都民、建物所有者が耐震化に取り組みやすい環境を整備してまいります。
○中山委員 今、総合相談窓口を、財団法人の東京都防災・建築まちづくりセンターに設置されるということでございました。こういう大事な外郭団体があるということでございまして、住宅供給公社とあわせて、新たな住宅政策をこうしたところでいろいろ検討していただきたいし、実施していただきたいなというふうに私は思います。
この総合相談窓口の活用を促す意味で、この窓口があるということをまず知っていただくということが非常に大事だと思いますけれども、その周知についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○河村市街地建築部長 相談窓口につきましては、「広報東京都」及びホームページで紹介するとともに、区市町村の広報紙への掲載を依頼し、都民や建物所有者に広く周知してまいります。
また、相談窓口をわかりやすく案内するチラシを作成し、区市町村や関係業界団体を通じ、その存在をPRしてまいります。さらに、マスコミ等さまざまな広報媒体を駆使し、都民等に幅広く広報を行ってまいります。
それらの取り組みを重層的に行うことで、利用者に対し、総合相談窓口の周知徹底を図ってまいります。
○中山委員 この総合相談窓口がなぜ画期的なのかといえば、区市町村ごとにさまざまな耐震化施策があるという中で、東京都として相談窓口を設けるということに挑戦しているからなんですね。実際に耐震改修をしようと思えば、さまざまな制度を組み合わせてやるわけですけれども、立地条件によって当然アドバイスの内容も変わってくるわけです。
個々の対応に当たりましては、具体的な立地場所等をきちっと踏まえて、いろいろな区市町村の制度も使えるように、シミュレーションを提示しながら、丁寧な対応に努めていただきたいと思いますけれども、その点での今後の方針についてお伺いいたします。
○河村市街地建築部長 耐震助成は、区市町村により、助成対象となる建物や助成内容等に違いがございます。そこで、建物の所在地や構造等、個別の対象建物の状況を踏まえるとともに、相談者のニーズを把握し、きめ細かな対応を行ってまいります。
また、耐震改修を行う方につきましては、個々の事例に即し、安価で信頼できる耐震改修工法の紹介や費用面でのアドバイス等も行い、相談者が耐震化に向けみずから行動を起こせるよう、懇切丁寧な対応を行ってまいります。
○中山委員 今、費用面でのアドバイスというような話もございました。
これは非常に大事な点で、具体的にどういうふうにしたら費用を確保できるかということで、これはやはりこれから課題になるかと思いますけれども、耐震改修ということをにらんだ金融商品といいますか、融資のあり方とかそういうことについても、できれば区市町村との連携を先ほどのセンターで窓口を設けながらやっていただいて、今は低金利時代なので金融商品を新たに開発するのはなかなか難しい時代でありますけれども、挑戦していただきたいというふうに思います。具体的にアドバイスをしていただけるというだけでも大変なことだと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に、区画整理事業について質問させていただきます。
区画整理事業、今、さまざまご論議いただいてまいりました。都庁としても一生懸命努力していただいている中で、大変苦しい状況でございますけれども、区画整理事業の中でも事業承継とか居住継続ということで課題が生じている点について、私は質問させていただきたいというふうに思います。
ご案内のとおり、サブプライムローンに端を発した金融不安というものがさまざまな面で中小企業者の経営を圧迫しておりまして、貸し渋りも起きております。こうした情勢の中で、民間金融機関による個人融資は今後一層の引き締め、貸し渋りが予想されております。
そこで、お伺いいたします。東京都におきましても、土地区画整理事業の権利者に対して移転資金を貸し付ける制度があるとお伺いしておりますが、どのような制度であるのか。また、貸し付けを実際に受けた方は、一体どういう理由でこの制度を活用するに至ったのか。そういった事例の紹介も含めて、お話しいただける範囲でご答弁いただければと思います。
○座間市街地整備部長 移転資金貸付制度でございますが、これは、公共事業の施行に伴う移転資金貸付条例に基づきまして、都の施行する土地区画整理事業あるいは再開発事業に伴い、移転等が必要となった権利者に対して、その生活再建を支援するために移転資金の貸し付けを行う制度でございます。
この制度の運用ですが、貸付希望者のうち、移転資金の調達が困難と認められること、借入金の返済能力が十分であることなど一定の条件を備えている権利者を対象に、担保物件に抵当権を設定し、限度額の範囲内で貸し付けを行っているものでございます。
また、この制度を利用する理由といたしましては、新築物件の建築をするための自己資金の不足や、抵当弁済による資金不足などを挙げることができます。
なお、平成二十一年三月現在の利用件数は二百五十一件で、貸出残高は約十七億円でございます。
○中山委員 東京都に、公共事業の対象になった方々に対して移転資金の貸付制度があるということでございました。事業に協力してくださった方々の生活再建を助成、応援し、円滑な移転を促進する制度として非常に有意義なものだと思います。
次に、この制度の運用についてお伺いしたいと思います。
私は最近、この貸付制度の限度額を拡大してほしいということを地元でお伺いいたしました。
補償金をいただいたんだけれども、土地のローンがある、その担保を外してもらうために補償金のほとんどをつぎ込んでしまった。残っているお金は数百万円しかない。そこで、住宅を建てなければいけないし、また事業承継のための会社の建物も建てなければいけない。けれども、貸し渋りに遭って民間金融機関からは断られてしまったというような話でございました。
都は、こうした貸付限度額の拡大をしてほしいという声を承知していらっしゃるかどうか、また最近の貸付状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
○座間市街地整備部長 移転資金の貸付限度額につきましては、補償金総額の二分の一以内、三千万円を限度として貸し付けを行っております。
さらに、特別貸し付けとして、バリアフリー住宅への対応など、特に必要と認められる場合に限りまして、返済能力及び担保価値の範囲内で一千万円まで加算できることとなっております。
この移転資金の貸付限度額の拡大につきましては、地元から要望が出ていることについては承知してございます。
また、最近の貸付状況につきましては、平成十九年度は三件、総額一千八百五十万円。平成二十年度は二件、総額一千四百五十万円を融資してございます。
○中山委員 移転資金貸付制度は非常に有意義な制度だとは思いますけれども、今ご答弁でありましたとおり、最近の利用実績がふえているわけではないということでございまして、これは、近ごろまで民間金融機関の融資が比較的好調であったということが原因だと思います。
はっきりいいますと、余りにも急激に景気が後退して、急激に貸し渋りが発生してきている状況があるために、資金調達の計画が狂ってしまうということも背景にはあるんであろうと思います。今までだったら特に問題なく融資してくれた事業者についても、融資をしてもらえないという状況が急激に出てきているということでございます。
しかし、冒頭にも述べましたとおり、今後はこの経済状況の中で、この貸付制度を利用する人も増加していく可能性があると私は思います。
そこで、移転資金貸付制度をどのようにPRしているのか。今後、不況下で制度を利用したいという人がふえてくると思うので、今後はより丁寧な説明をお願いしたいと思います。
また、都として、権利者の方々の生活再建について、他にどのような援助を提供できるのか、そういったことも含めてご答弁をいただければと思います。
○座間市街地整備部長 移転資金貸付制度の周知でございますが、これまで、それぞれの事業での用地説明会、移転説明会や補償交渉の折衝時に、制度について説明しております。
また、各事業の移転補償説明用のパンフレットにこの制度を記載するとともに、移転資金を必要とする経営者に対し、制度の内容を記載した、移転資金貸付制度のご案内というものを配布してございます。
近年の景気の悪化に伴い、今後とも当制度の利用がふえることが予想されることから、さまざまな機会をとらえて、より丁寧な周知及び説明に努めてまいりたいと考えております。
また、権利者の生活再建の援助につきましては、移転資金貸付制度以外に、住宅ローンのつけかえを行う際に金融機関との交渉に担当者が同行したり、弁護士等の専門家への相談の仲介を行うことも実施しております。
今後とも、各権利者の事情を考慮しながら、より一層きめ細かい対応に努めてまいります。
○中山委員 金融機関との交渉に担当者が同行したりしている事例もあるというようなことですよね。すごいことだなというふうに思いますけれども、よく頑張っていただいているというふうに思います。
ただ、区画整理事業に協力をしてくださった方がその後の事業承継ができなくなる--それは直接、都の責任ではないかもしれません、貸し渋りとか、そういう問題はですね。けれども、そういうことが一つでもあるということは非常に心苦しい話でございまして、直接交渉に当たっていらっしゃる都の職員の方々は、私が申すまでもなくいろんなことを感じていらっしゃるんだと思います。
私は、特に、補償金の総額の二分の一以内という制約について、時限的にでも引き上げを検討すべきだというふうに思います。
この件につきましては、条例の所管が建設局ということでございますので答弁は求めませんけれども、今後ともぜひ関係局とよくご協議いただいて、前向きな検討をお願いしたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で終わります。
○高橋委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩をいたします。
午後五時二十六分休憩
午後五時四十三分開議
○高橋委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○植木委員 私は、最初に、東京中央郵便局舎について伺いたいと思います。
これは昨年の十一月の都計審の案件で、都市再生特別地区として提案されてきました。
ご存じのように、中央郵便局舎の問題について、重要文化財として残すべきだ、こういうお話があり、日本郵政と総務省と文化庁とで、保存部分を現在の計画より少しふやすことで決着の方向だ、ということが新聞報道されています。まだどういうふうに推移するかわかりませんが、いずれにしても、重要文化財としてでなくて登録文化財としての範囲内だというふうに報道がありました。
しかし、重要文化財の保存という、総務相の投げた意見の反映というのは非常に大きな波紋を投げかけてきたと思うんですね。工事で価値がなくなったら国家的損失になる、重要文化財の価値があるものをなくすのはトキを焼き鳥にして食べるような話だ、文化や歴史を大切にする国でなければならない、こうした言葉が毎日、テレビや新聞でも報道されました。
私も都市整備委員会で保存の立場で主張しましたが、ことしの二月に行われた都市計画審議会では、日本共産党の松村都議一人が、保存すべきであるという立場で、決定することに反対をいたしました。他の方々は賛成をしてゴーサインを出してきた、こういうことだろうと思うんです。
この建物の保存の問題、非常に大事なことです。それにとどまらず、今後もこういうことはいろいろあるというふうに思いますので、幾つか質問をしておきたいと思っております。
昨年、私が十一月の都計審案件の質疑で、都として保存の検討はどのようにしてきたのかという質問に対して、平成十年に、東京都選定の歴史的建造物という位置づけで、景観審議会の審議を経て、東京都選定歴史的建造物の選定候補のリストに登載した、そして、郵政省と所有者に対して建物保存に向けての協議を行ってきた、ところが郵政民営化の検討過程の中で、将来計画が未定であるということで同意には至らなかった、こういう報告がここの場で出されたと思うんですね。これは郵政省の時代だと思うんです。で、実際に民営化になって、昨年提案されたわけです。
国では、重要文化財としての価値ある建物だ、こういうことがいわれているわけですが、この面で、都として実際に、民営化後の日本郵政に対して、都の指定であれ国の指定であれ、努力すべきではなかったかという、保存せよという指導をどのように行ってきたのか、まず伺います。
○町田都市景観担当部長 郵政民営化後の都の対応でございますけれども、民営化後につきましては、再整備計画に関する日本郵政株式会社との協議の中におきまして、東京駅前のまち並み景観を形成するという観点から、可能な限りの保存を図るよう、所有者である郵政株式会社の方に働きかけてまいりました。
以上でございます。
○植木委員 当時東京都にも、重要文化財として保存してほしいという申し入れも各界からあったと思うんですけれども、そういう立場での話し合いですか。その辺、中身を具体的に教えてください。
○町田都市景観担当部長 都市整備局といたしまして所管いたしておりますのは、景観条例に基づく東京都選定歴史的建造物の取り扱いでございます。こちらの方は、まち並み景観というものを前提にしての保存、活用といったところが一つの目的でございますので、先ほど申しましたように、まち並み景観というものを形成するという観点からの働きかけでございます。
文化財云々につきましては当局の所管ではございませんので、取り扱っておりません。
○植木委員 重要文化財は当局の所管でないというんですけれども、東京都に対して、やはり重要文化財として残してほしいという意向は来ていたはずなんですよね。それは否定できないと思うんですよ。
まち並み景観保存という立場だけでいいのかというのがこのたび問われたんですけれども、それについてはどのように考えていますか。
○町田都市景観担当部長 保存というものを考えたときに、建物の博物学的な保存といいましょうか、保存することが目的での保存というものと、まち並みなり景観なりを形づくる上での保存というとらえ方があろうかと思います。
今回の場合、あそこでの再整備というものが一つの大事な視点としてございました。そういったものも含めましての保存に対する働きかけでございます。
以上でございます。
○植木委員 再整備が前提であるからというお話でした。
もう一つお聞きします。昨年の九月に都市整備局と都教委の担当者が文化庁を訪問したとなっていますけれども、どのような目的と、どのような話をしてきたのか教えてください。
○瀧本参事 昨年の九月でございますが、文化庁から、事業者の日本郵政株式会社による東京中央郵便局に関する建てかえ計画について、文化財保護の観点から説明を求められたということがございました。
○植木委員 文化財保護の立場から呼ばれたと。
マスコミの報道によりますと、都は、登録文化財として登録することを文化庁と協議をしている--郵政省の話としてという前提がたしかあったと思うんですけれども、いずれにしても都は、文化財に登録することを文化庁と協議している、それから文化庁が認める再開発として受け入れたという報道。それから文化庁は、現状の再開発案では文化的価値が失われると再三日本郵政に説明している、こういうふうにいっている。一方で、日本郵政は、少しでも建物を残せば登録されると思っていたと。
こういう認識の違いが幾つか報道されているんですけれども、都として、どういうふうに事実認識をしているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○瀧本参事 新聞報道ということでございまして、個々の新聞記事の内容について都として論評する立場にはございませんけれども、事業者の日本郵政株式会社によります東京中央郵便局に関する建てかえ計画について、先ほど申し上げましたけれども、文化庁から、文化財保護の観点から説明を求められたということがございました。
その際の東京都からの説明内容でございますけれども、当時の、提案前の建てかえ計画で、その相談内容ということでございます。それにかかわることでございますので、お答えは差し控えさせていただきます。
○植木委員 提案の内容に触れることだから差し控えたいというお話がありましたが、最終的な提案として出てきたのは、二百メートルの超高層のビルで、保存部分はごく一部だったという報道です。その過程で、内容は公表できないというんですけれども、やっぱり都市整備という面があって、確かに教育庁そのものではない、しかしながら、こうした重要文化財としての保存という問題が起きているときに都教委の担当者とも一緒に行っているわけですから、当然そういう話し合いをできる立場にあったと、私は思うんですよね。
だから、一つは郵政省の時代、それから民営化された以後、事前審査の段階、それから教育庁と話し合う、これはこちらから求めたわけじゃないけれども、場があった。
本来なら都市整備局が、こういう要請があったら都教委と相談するぐらいの必要があるかと思うんですけれども、そういうことの努力はやっぱり足りなかったんじゃないかと私は思うんですよね。それが結果としていろいろあらわれてきた。で、総務相の発言のようになってきたわけです。
だから、この過程というのは非常に私は大事だと。というのは、まちづくりそれから文化財、あるいは皆さんが一番やっている景観という問題も当然入りますけれども、こういう問題は、これからもまた過去にもいろいろあって、残したもの、残せないもの、いろいろありますけれども、今回のようなせっかくのチャンスが再度あったわけですから、改めて考える必要があると思うんです。
社会的にもいろいろ問題が投げかけられて、都市計画と文化財の保護の関係はどういうふうに考えたらいいのかとか、まちづくりや景観問題をどう考えていたのか、いろんな方々が論評をされておりました。
その一方で、郵政の民営化、この中での問題がやっぱりもう一面ではあると思うんですね。
結局、民営化によって、今回経営効率が前面に出て、超高層ビルの計画で百億円の利潤を上げる、これが大前提なんだ、こういうふうになってくると、勢い、利益と文化財保護とが何か対立関係のようにされてしまう。これは、私はいかがなものかなと。かんぽの宿も問題になっていますけれども、これも土地の有効活用の流れの一環じゃないかと、そういうふうに思うんですよ。
だから、都市整備であっても、やはりこういう問題については、利益優先、効率優先あるいは都市再生優先でいいのかというのを改めて考えていただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○瀧本参事 ご案内のとおり、こちらの大・丸・有地区でございますけれども、都市再生緊急整備地域の指定になってございまして、その整備方針に基づいて、東京駅前地域にふさわしい、東京の、日本の国際競争力を高めるというような大きな流れ、計画の中で、事業者としてこの開発というものの提案があり、あわせまして、東京駅前地下広場の四千平米に至る地下広場の整備を初めとした公共貢献をする、新しい時代に新しい機能を導入して東京の活力、魅力を高める、そういうことでの提案があったわけでございます。
一方では、できる限りそうした歴史的な建築物については保存あるいは再現ということでこれを残していく、歴史の継承を図っていく、東京駅前の景観の継承を図っていくという中でのバランスをとった提案ということで私どもは承りまして、都市計画審議会に、東京都としてこの計画は妥当であるということで付議をさせていただいたというものでございます。
○植木委員 妥当であると、今、見えを切られましたけれども、その妥当であることに対して、今回問題が投げかけられたわけですよ。妥当であると都市計画の審議会で決定までした、そのことに問題が投げかけられたんですよ。だから、やはりもう一つ考えなきゃいけないんですよ。
しかも、日本郵政の中で検討委員会が--学者の方々と日本郵政の方で、学経の方が七人ですか、それから郵政の方が二人、座長を除くと六人は、重要文化財に指定して、残すことを前提とした計画が最善だ、こういう補足意見もつけて、六人が全面保存を主張しているというふうにいわれています。もちろん、一〇〇%全面保存とは若干ニュアンスの違う人もいますけれども、基本は全面保存ですよね。そういうふうにいっていて、やっぱり重要文化財が今回問題になった。今後もしこういう問題があったときに、景観だけでいいのかというのはやはりきちっとにらんでいかなきゃいけないと思うんですよ。
といいますのは今回、日本建築学会の東京中央郵便局庁舎、大阪中央郵便局庁舎に対する歴史的価値に関する見解、こういうのが出されて、改めて重要文化財としての保存を呼びかけています。社会的にも呼びかける立場で、来週、シンポジウムも開催されます。
こういうふうに見解が出されて、当然皆さんも承知していると思うんですけれども、こういう問題というのはどのように今後--私は今回のに生かしてほしいわけですけれども、皆さんは今後も含めてでないと答えづらいと思うんで、両面から、こうした見解をどのように受けとめているでしょうか。
○瀧本参事 今後も引き続き、都市再生の開発の内容、そういうものを受けて、開発と、一方では歴史的な建築物とのバランスをとった都市づくりというものが重要であろう、そういう観点から取り組みを進めていくことになると思います。
○植木委員 これはまだ完全な決着になったわけではありません。話し合いだけですから、具体的な内容が出てこないと最終的にはわかりませんし、建築確認申請も出てくるでしょう。
そもそも、都市再生特別地区、こういうものができて、短期間に都市計画決定がされているようになってきたこと。それから、容積率も、公共貢献というあいまいな理屈をつけて数百%もアップさせてきたこと。さらには、特例容積率の適用地区ということで、いわば天空率みたいな形で売り買いをされる。こういうことも可能になって、超高層化を当然視する動きが、都市再生の動きの中で、あると思うんです。それが結局利益優先の保証になっているわけですよね。
容積率をどれだけ持つかによって、どれだけ貸したり売ったりすることができるかというのが基本になって、結局利益優先ということになってくるということが、私は都市再生の中の一つの悪い側面だと思っています。
それからもう一つは、これはここで皆さんにいっても責任をとってもらうものではないですけれども、郵政の民営化の問題が、まさに、郵政事業というよりも、どう土地や建物を早く処分して財産をつくっていくのかと、いわば不動産業に手を出す、こういう側面が今回端的にあらわれてきた。
それから、もう一点は、これまで私もこの委員会で繰り返し指摘をしてまいりましたけれども、CO2の排出量の問題。これが、二百メートルからの超高層ビルでやはり大きな課題となっています。
この問題は、直接的にはこの前の委員会でやったので繰り返しませんが、きょう配っていただいた資料を見ましたら、都市再生特別地区で、この間、延べ床面積が二百十八ヘクタールになった、こういう数字が七ページに出されていて、ああ、なるほどなと。二百十八ヘクタールというとどのくらいかなと思って単純計算をしてみましたら、中央区の面積の五分の一に当たるんですね、二割。結構広いですね。
それから、従前の面積がわからないんで正確な数字はわかりませんけれども、指定容積率と容積率の増加状況を見ますと、約五〇%、容積率の増加があるわけです。そう考えてみますと、五〇%、だから二百十八を三で割ると--百四十四ヘクタールがおおよそ増加した分といっても、そんなに大きな違いはないと思うんですね。百四十四ヘクタール、東京ドーム大体三十個分ぐらいでしょうか、そのぐらいのものになってくる。そういう環境問題、これは毎回指摘をしていますけれども。
いずれにしても今回の問題については、重要文化財の保存に当たって、まちづくりあるいは再開発というものとの関係をどうするのか、この辺を現在の計画にも、最後までまだ出ていませんから、生かしていただきたいし、今後についても努力をしていただきたいと強く要望して、次の質問に移りたいと思います。
次の質問は、外環の問題です。
今定例会では、本会議や予算特別委員会でいろんな角度から外環問題での発言がございました。いろんな角度があるんですけれども、私は三つの角度で内容を確かめたいというふうに思っています。一つは費用負担の問題、一つは進め方の問題、もう一つは外環ノ2の問題、大まかにいってこの三つ、今回もいろんな発言がございました。
最初に費用負担の問題ですけれども、道路の中期計画によりますと、大泉ジャンクションから東名高速道路までの十六キロについては一兆六千億円、約一メートル一億円と、こういう数字です。また、そこから大田区の平和島ジャンクションまで二十四キロで一兆九千億円、合計三兆五千億円ということがこの道路の中期計画に載っています。それから、これまでの過去のいろんな議事録を見ますと、外環ノ2が約六千億円というふうに出ておりました。それも含めますと、はるかに四兆円を超える巨額の計画であると。
現在問題になったのはこの十六キロ区間だろうと思うんですが、知事は、オリンピックをてこにして外環をつくる、こういうことでありました。私が、外環がなぜオリンピックの立候補ファイルに掲載していないのかという質問をしたところ、現在は事業が決まっていないから載せていなかったという趣旨の答弁を行いましたので、事業が決まったらオリンピックの費用に一兆六千億円が上乗せされる、こういうことだろうと思います。
それで、いろんな答弁を見てみますと、知事や局長やいろんな方が答えていますけれども、こういうふうにいっています。国の責任において整備すべき路線ではあるが、事業の進捗に向けて都も協力して用地を確保していく、こう述べていますけれども、この、用地を確保していく、ということはどういうことでしょうか。
国の責任において整備すべき路線ではあるが、ということは、国の費用負担という意味合いだとすると、用地確保について東京都が積極的に負担しますよと、こういうことですか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 ただいま用地のお尋ねがございました。
ご案内かと思いますけれども、外環の、練馬から世田谷までの十六キロの区間につきましては四カ所のインターチェンジとジャンクションができることになってございます。このインターチェンジ、ジャンクションの建設のために、合わせて約四十ヘクタールの土地の取得、約一千棟の建物の移転が必要でございます。
外環は高速自動車国道でございまして、先ほどお話ございましたけれども、国がその責任において整備すべき路線事業でございます。私ども都といたしましては、この外環の事業促進に向けまして、現在、国から用地取得に関する業務の一部を受託するということで協議を進めてございます。受託する業務の具体的な内容につきましては、建設局で今、内部検討を行っている段階でございます。
それと、冒頭の委員のお話にございました、中期計画に外環の事業費が、世田谷から練馬まで十六キロの事業費が一・六兆円積み上がっているというふうにお話ございましたけれども、それは、道路特定財源の見直しの中で、中期計画を見直すということになってございまして、昨年の暮れに国交省は道路の中期計画を新たに発表してございます。その中では、将来の道路のあり方、アウトカム指標だけを示しておりまして、個々の路線が幾らという積み上げはしてございませんので、そこについては、私どもとしては承知していないといいますか、ちょっと事実と反するんではないかなというふうに思っております。その余につきましても、事業費についてるるお話ございましたけれども、中期計画には記載されておらないというのが事実でございます。
○植木委員 見直しをするというのはもちろんありましたけれども、一兆六千億円の数字は現実に出ています。その資料がちょっと今ここに持ってきておりませんけれども、それは事実です。それが道路の中期計画であったかどうかということは、私は確かめたいと思っていますけれども、十六キロが一兆六千億円、それから二十四キロで三兆五千億円。
その後の見直しはまだ出ていないのは確かだけれども、これは見直しが出ていないだけで、現在、出されている直近の数字はこれしかないんじゃないですか。答えてください。
○遠藤外かく環状道路担当部長 一昨年の道路の中期計画、これは途中で廃案になったわけでございます。その中では参考資料といたしまして、外環十六キロについては、お話しの一・六兆円というのは記載されてございますけれども、現時点で確定した唯一の数字としましては、一・六兆円ということは確かでございますが、国交省におきましては、現在それの精査を行っている、縮減の方向で精査を行っているというふうに聞いてございます。
○植木委員 縮減の方向で調査を行っているのは事実だけれども、正確な数字として出ているのはこれしかないんですよ。そんな、私が間違っているようなことをね、とんでもないですよ、あなたは。この数字しかないんですよ。私の質問をあたかも間違ったようなことをいうなんてね、私は本当に頭にきますよ。このほかに数字があるんですか。ちゃんといってください。とんでもないですよ。ほかに数字があるか、ちゃんといってください。
○遠藤外かく環状道路担当部長 国が発表しているこれまでの数字では一・六兆円ということでございます。
○植木委員 それでもう一つお聞きしますけれども、国幹会議はまだ開かれていませんから、事業主体が高速道路株式会社になるのか、国が直轄方式で整備を行うのかはまだ出ていないと思うんですね。見直しはもちろん出ていませんけれども、事業主体に、高速道路株式会社がなる場合についてちょっとお聞きします。
これは利用者負担の問題とか採算性の問題があると思うんですが、株式会社がやった場合、こうした採算性の問題があって、東京都が考えているような整備速度になるのかどうか。それから、採算性がどのように事業に影響するのか、わかりましたら教えてください。
○遠藤外かく環状道路担当部長 外環の建設主体につきましては、昨年の一月に告示されました外環の基本計画におきまして、国土交通大臣または高速道路株式会社法に規定する会社というふうになってございます。現段階におきまして、事業主体が特定はされてございません。国はまだ明らかにしてございません。
仮定の話になりますけれども、事業主体が高速道路会社となった場合には、会社が自己調達した資金によりまして高速道路の建設を行うということが想定されます。
○植木委員 自己調達で予算を立てて、計画を立てていく。都が思うような整備速度になるかどうかというのは、これは今の段階でははっきりいえないことだろうと思うんですね。だから答えはなかったんですけれども、多分そういうことだろうと思うんです。
それからもう一つですけれども、先ほどもいいましたように、国の新直轄事業として、本来、国の責任において整備すべきだが、かなりの部分は都として協力、つまり負担すると知事はいっています。都市整備局長も同様の発言をしていたと思うんです。これは、国が、今度は新直轄方式というんでしょうか、これで整備を行うことを想定されているんでしょうか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 高速道路の事業手法につきましては、先ほどお話ございました高速道路株式会社が行います有料道路事業に加えまして、高速国道として国費を投入して事業を行う新直轄方式、これがございます。新直轄方式でいきますと、法の定めるところによりまして、事業費の四分の一の都負担が生ずるということになってございます。
知事の発言につきましては、こうしたルールに基づく負担を念頭に置いた発言というふうに理解してございます。
○植木委員 ルールにのっとった発言だというんですけれども、じゃあ、先ほど、受託という言葉が新しい言葉として出てきました。
四十ヘクタールの土地、千棟の建物にどいてもらうわけですね。買収して、どいてもらうと。一部受託するというんですけれども、この受託の財源、主体、それから四千億円との関係、これはどうなるんでしょうか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 先ほど申し上げましたように、新直轄方式の場合は、高速自動車国道法に定めるところによりまして、事業費の四分の一の地方負担といいますか、都負担が生じてまいります。
もう一つ、用地の話とこれとは全然別でございまして、用地の方は、先ほど申し上げましたように本来これは国が実施すべき事業でございまして、当然に用地取得業務につきましても国が行うものでございますけれども、事業促進の観点から、都がその一部を受託して行おうというものでございます。
その場合におきまして、費用につきましては、事務費を含めまして国が支出をするということで考えてございまして、都の負担、持ち出しはないということでございます。
○植木委員 四千億円との関係では、直接は、ないと。そうしますと、幾らかかるかわからないけれども、四十ヘクタールの用地買収費が別に出てくるということですか。ちょっと確認したいんですけれども。
○遠藤外かく環状道路担当部長 済みません、ちょっと戻りまして、先ほど委員の方から四千億というお話がございましたけれども、私どもとしては、まだ事業スキームが決まっておりませんので、そこについてはちょっと承知はしてございません。
○植木委員 四分の一は、わかりました。失礼しました。四千億円というのは、一兆六千億円を前提にした計算だと四千億円という意味です。だからこれは、一兆六千億円がどうなるか、まだ最終決定はされていないけれども、今の段階の数字ではそういうことだということですから、それはわかりました。
問題は、先ほど、用地買収は本来国が行うものだ、つまり受託した場合、国がお金を出すんだよ、都の負担はないよという説明があったんですが、この用地費は、現在では一兆六千億円となっています。これが修正されるかどうかわかりませんけれども、これとの関係、つまりこの中に入るのか、別枠なのか、これはどうですか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 新直轄方式の都の事業費負担につきましては、先ほどるる申し上げたとおりでございまして、そのほかに都の負担が出る、用地に対しての負担が生ずるということではございません。
○植木委員 そうすると、現在では一兆六千億円という数字の中に入るというふうに--間違いないですね。これが一つ。
それから、もう時間もないから続けていっちゃいます。
知事は、これまでの記者会見の中で、外環道を断固つくる、ある程度見切りをつけてでも推進しなければだめだと、これは二〇〇五年の九月の記者会見。二〇〇六年の予算特別委員会では、オリンピックがもし決まればそれに間に合うように、ちゃんと環境の整備の一つとして環状線を完成する努力をしますと。今回、定例会でもそれから記者会見でも、応分の負担をやりますよとまでいいました。
総じていいますとやっぱり、都が応分の負担をするよというのが何回も出てくるということは、新直轄事業で四分の一という今の仕切りになっているけれども、それに加えていろいろ協力するよと、こういう趣旨にも思えるんですが、それが二点目。
三点目は、知事の、そういう、オリンピックのためにはとにかく間に合うようにちゃんとすると、こういう姿勢で皆さんも取り組んでいるということですか。三つ確認をお願いします。
○遠藤外かく環状道路担当部長 一点目でございますけれども、知事の決意を、十五年当時、そのような形で知事がお話しされたものというふうに考えます。
二点目でございますけれども、先ほど来お話し申し上げておりますように、外環の事業スキームにつきましては、国において現時点では未定でございますので、知事の発言は、先ほども申し上げましたように、ルールに基づく負担を念頭に置いた発言というふうに考えてございます。
それと三つ目、オリンピックとの関係がございましたけれども、オリンピックは、現在、立候補ファイルを提出してございますけれども、整備計画が決まっていないという現実の中で、それについては計画の中に記載していないというふうに聞いてございます。
○植木委員 ルールにのっとってやるというお話だというんですけれども、そうすると四分の一負担以上のことは、都は一切やらない、負担しない、こういうふうにいい切っていいんでしょうか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 繰り返しになりますけれども、事業スキームについては未定でございまして、それに基づく負担は念頭に置いて考えていくべきものというふうに考えてございます。
○植木委員 四分の一を念頭に置いて考えているということは、これ以上負担しないということだと受けとめておきます。
しかしながら、この間の答弁や記者会見を見ますと、やっぱり応分の負担はするよという姿勢は、ありありと見える。それからもう一つは、私が直接質問した中身にあるように、オリンピックの立候補ファイルに載っていないのは、まだ整備計画が確定していないからだと。で、国幹会議で早く決めろ、決めろといって、近々やりそうなことを知事はいっていますから、オリンピックファイルの事業費の中に、一兆六千億円がどのくらい減るのかふえるのかわかりませんけれども、一兆六千億円前後の金が計上される、こういうことですね。
結局、オリンピックに、「十年後の東京」の中にはそこまで仕上げるというふうには書いていないんだけど、石原知事の頭の中ではそういう思いがある。だから、とにかく急げ、急げと。財政問題にもそういうふうにあらわれている。
次に、今後の手続問題です。
知事は、所信表明で、外環道については、沿道地域においては都市計画変更後も八十回を超える住民との話し合いを重ねておりまして機は熟しておりますと、こういっております。また、あとは高速道路建設の意思決定を行う国土開発幹線自動車道建設会議を開催し事業着手に踏み出すばかりでありますと。もう見切り発車ですよ、今後の住民との話し合いはもう必要ないですよといわんばかりの発言になっています。
現在、対応の方針案というのが出されていて、関係区市からもいろいろ意見が出たり、地元の住民からもいろいろ意見が出ております。
一つだけ例を挙げますと、武蔵野市が前に出したものを見ますと、前後を省略しますけれども、外環本線の事業着手については、外環ノ2の計画の方向性が明確なものとなってから行うべきであり、現時点では着手を容認するものではない、こういうふうにいっております。それでも、対応の方針案の案をとってしまうんですか。ここはちょっと教えていただきたいんですが。
○遠藤外かく環状道路担当部長 今、委員がお話の中で引用されていた武蔵野市長の意見につきましては、今から二年少し前の十九年一月でございますけれども、外環本線の都市計画変更を行う際に市長が話された意見の一部でございます。そのことについては私どもも承知してございます。
その後、私ども東京都は、都市計画変更を行いました後も、国や地元市とともに沿線の地区で延べ八十回以上にわたる住民との話し合いを重ねてまいりました。これらの話し合いにおきまして、住民の意見や要望を直接聞くとともに、今の段階で可能な限りの回答、ご説明を、誠意を持って行ってまいったところでございます。
そういったことを踏まえまして、先ほどお話ございましたけれども、一月には、国とともに、こうした話し合いの場などを通じて住民の方々から出されました意見や要望に対する対応の素案を取りまとめ、公表してございます。さらに、この素案につきましてはパブリックコメントを募りますとともに、地元区市や住民からの要請を受けまして、沿線の各地域に出向きまして内容の説明を行ってきたということでございます。
私どもといたしましては、こうした取り組みを通じまして、地域の住民の方々から、外環事業に対しまして大方の理解が得られたというふうに受けとめてございます。
こうしたことから、武蔵野市長さんは、二年前に確かにそういう意見ございましたけれども、二年前とは大きく状況が変化してきているというふうに考えてございます。
○植木委員 しきりに二年前という話をするんですけど、確かに二年前ですよ。だから、前に出したといった--じゃあ、これは二年前だからもう要らないというんですか。僕は、武蔵野市から正式に出たのはこれが最後だと思っているんですよね。ほかに正式なのはまだ出ていないはずですよ。いかがですか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 正式なものとしては、今お話がありましたものが、公印をついたものとしては一番直近であることは事実でございます。
しかしながら、武蔵野市長さん初め沿線の地上部の街路にかかわります関係の区市長さんからの要請を受けまして、この外環ノ2に関しましては、この道路の必要性やあり方について、地元と話し合うことを約束してございます。
また、沿線地域での話し合いにおきましても、沿線住民の方々に、これまで外環本線を主に扱ってきた話し合いとは別に場を設けまして、地上部街路についての話し合いを行うことを約束してきてございます。
こういったことを踏まえますと、二年前とは状況は大きく変化してきているというふうに考えているわけでございます。
○植木委員 武蔵野市から出ているのは、これが最終的な、正式なものですよ。最近出ていません。
じゃあ、住民の大まかな理解を得たというんですけれども、先日、練馬区の元関町一丁目町会の代表が国交省に対して、対応の方針案から青梅インターチェンジについての記述部分を削除してくださいという要請が行われているんですよね。これは国会議員の方も同席して、名前はいいませんけれども、出ています。
しかも、こういうふうにいろいろいっていますね。これは練馬区にも出しているんですけれども、これまで練馬区と地元町会が築いてきた信頼関係を決定的に傷つけるものですと。で、練馬区の人たちの発言まで載っけているんですね。練馬区都市整備部長はこのことについて、区議会交通対策等特別委員会で、遺憾であるとの立場を表明されました。遺憾であるというのは、対応の方針案のことですね。
また、志村区長と地元町会は、青梅街道インターチェンジ建設問題について真摯に意見交換をし今後も話し合いを続けていく、強制的に壊すことは絶対にいけないと思っていると合意したところですということも記述して、陳情書を国土交通省に出しているんですよね。
そのほかにも、地域の住民の皆さんは独自に地域課題検討会報告会を開催して、地域PIはやったけど、問題が山積みされているということを報告しています。
さらには、八の釜についてだって、対応の方針案では、誠意を持って対応していく姿勢は書いてありますけれども、具体的な中身は書いていないんですよ。
これでも対応の方針案は、案をとって決定にしていっちゃうんですか。その間の住民との話し合いはないんですか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 初めに、青梅街道インター周辺のことについてお話がございましたのでこれについて申し上げますと、都と国は、地元区とも相談いたしまして、先ほどお話がございました、地元の方々に話し合いの開催を提案しましたけれども、残念ながらそれの実現には至りませんでした。
しかしながら、これと並行して実施してまいりましたオープンハウスや意見を聞く会、こういった場におきまして、地域住民の方々のご意見、ご要望については、十分に聞きますとともに丁寧に説明を行ってきたというふうに考えてございまして、青梅街道インター周辺地区における対策につきましても、それらをもとにいたしまして作成して、他の地域の分とあわせまして、対応の方針として取りまとめたところでございます。
それともう一つ、八の釜というのは大泉ジャンクション周辺のことでございますけれども、そこにつきましても話し合いの場におきまして、現段階において使用可能な最新のデータを用いまして、住民の方々への情報の提供に努めてまいりました。今後とも、事業実施段階におきまして、より詳細な調査を実施するなどしましてデータを公表するなど、丁寧な説明を行っていくというふうに私どもとしては考えております。
それと、話し合いを行わないのかということでございますけれども、基本的には、素案の地元での説明会あるいは話し合いの場に参加されなかった方々にも、広くこのやりとりの状況についてお知らせする必要があるというふうに考えまして、私どもとしてはパブリックコメントを行ったところでございます。
そうした場で十分対応してきたと考えておりまして、新たな説明会、話し合いということについては、私どもとしては考えてございません。
○植木委員 練馬の町会の方々とはやっぱり合意がとれていないということを、みずからお話がありました。
十分説明してきたというんですけど、昭和四十五年、根本龍太郎建設大臣はこういうことをいっているんですよ。当時は三百回話し合いをやったというんですよね。地元と話し合い得る条件の整うまでは、これは強行すべきでない、その間においてはしばらく凍結せざるを得ない、こう思っていますと。
国も都も一緒になって三百回やったというわけね、大小いろいろあるでしょうけれども。それから比べて、八十回やったから見切り発車。回数の問題ではないけれども。
さっき練馬のインターチェンジの地元の町会の話をしましたけれども、合意はとれていないんですよ。それでも進めるという姿勢、この進め方の問題が二つ目。
三つ目の問題は、外環ノ2についても、これも問題です。今回、外環ノ2については、早期整備が必要な外環本線とは切り離して進めるべきものと、こういう主張が相次ぎました。これは、僕は二つの点で本質を曲げるものじゃないかなというふうに思うんですね。
第一点目は、もともと昭和四十一年の都市計画案として、外環本線と外環ノ2というのは外環本線の関連として追加されたと。しかも当時、都市計画審議会でも一体として論議がされた。で、高架がだめなら掘り割り式も提案されて、反対されて、先ほどいった根本建設大臣が凍結宣言をしたという、そういう経過がある。
それから、知事が就任して、平成十八年の四月二十一日に当時の記者会見でこういうふうにいっています。私も現地に行きましたけれどもね、あそこに住んでいる人たちは、計画のもとでね、家を建て直そうと思っても建て直せない、それでとにかく古い家にしがみついて我慢をして、どうなるかわからない、非常に不安な、不便な生活を送ってきました、家をリニューアルされるのも結構でしょう、そういうご迷惑をかけないように、とにかくあの下をくぐる、そういう工法でやりますので、その点はご安心をいただきたいと思っておりますと、こういうふうに知事は明確に述べました。
それから、国と都市整備局が一体となって発行した冊子、このぐらいの厚いやつですね、地上部について、有効活用についての質問にこういうふうに答えています。これはもう何カ所も答えているんですけど、二つだけ挙げます。外環は、環境への影響や、移転や地域分断への影響を考慮し大深度地下構造としたことから、地上部の利用が可能となりました、大深度のシールド工法を活用した区間では、移転の必要がなくなることからこれまでどおりの生活が可能ですと、こういうふうにいっています。
つまり、一体のものとして地下にやる、上は活用しない、これまでどおりの生活が可能だというふうに論議をしています。知事の記者会見も、皆さんが国と一緒になって発行した冊子でも同様なことがいわれています。地上部はこれまでどおりの生活が可能だ、移転が必要ない、こういっていますけど、これについては違いますか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 外環につきましては、都市計画変更後も八十回、その前の、都市計画変更に至るまでに約四百回、都合四百八十回の話し合いを地元で重ねてきてございます。
外環ノ2、地上部の街路についてのお話がございましたけれども、先ほどもちょっと触れましたが、地元にいろいろな意見があることについては私どもも承知しております。これまでこの地上部街路につきましては、この道路の必要性やあり方について、関係する区市長からの要請を受けまして、地元と話し合うことを約束してございます。
都といたしましては、この地上部街路の取り組みは、早期整備が必要な外環本線とは切り離して進めるべきものというふうに考えてございます。今後、できるだけ早期に地元との話し合いが実現できるように努めてまいりたいというふうに考えてございます。
それと最後に、移転が必要なくなったとか、あるいは将来ここで生活することができるようになったというふうな発言があった、というふうに紹介がありましたけれども、その発言につきましては、都市計画をまだ変更する前の段階で、当時の担当した職員が将来にわたっての可能性の一つを述べたものというふうに私どもとしては考えてございます。
○植木委員 将来の可能性のことだと。じゃあ、知事はうそをついたことになるんですか。どっちがうそをついたことになるんですか。
将来の可能性なんて言葉は、私、何回もこの冊子を読んだけど、書いていませんよ。職員がうそをついたのか、知事がうそをついたのか、どっちですか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 基本的には同じだというふうに考えております。
○植木委員 同じということは、じゃあ、もう一度いいますよ。
不便な生活を送ってきましたが、家をリニューアルされるのも結構でしょう、そういうご迷惑をかけないように、とにかくあの下をくぐる、そういう工法でやりますので、その点はご安心をいただきたいと思っていると。
住民に迷惑をかけない、不便な生活はさせない、これまでどおりの生活が可能だ、移転が必要なくなった、こういうことでよろしいんですね。
○遠藤外かく環状道路担当部長 外環の本線が地下化になったことについての発言だというふうに、私どもとしては存じております。
先ほど来申し上げておりますように、地上部の街路につきましてはさまざまなご意見がございまして、その必要性やあり方などについて、これから地域の住民の方々とよく話し合っていく考えでございます。
○植木委員 私は、さまざまな意見のことをいっているんじゃないんですよ。知事の意見、それから都市整備局が、まだ都市計画決定がなされていない段階だといいわけをしていましたけれども、皆さんが発行した本のことをいっているんです。どこが違うんですか。うそなんですか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 繰り返しになりますけれども、知事の発言あるいは当時かかわった者の発言、それを踏まえまして、この地上部街路の必要性やあり方などについて、地元、関係する区市長さんの意見なども踏まえまして、これから話し合いを始めるということでございます。
○植木委員 時間がないから先に進みますけど、知事が述べたことも、皆さんの冊子で出していることも、皆さん否定できないんですよ。知事を否定したら、皆さん、だれのもとでやっているかわからなくなっちゃうわけですから。これは、時間がないんで、続きはまた別途やりますけど。
じゃあ、三つ目の問題として、外環ノ2についての二つ目。今のは外環ノ2の一つ目の問題。
もう一つの問題は--三つの方向を出しました。これはどれも結局道路をつくるという結論しか出てこないんじゃないかというふうに、私は思えて仕方がないんです。
一つの方向性は、現在の都市計画区域を活用して道路と緑地を整備する。つまり幅四十メートルの道路をつくり、知事の意思に反して、住民を立ち退かせる計画になっているわけです。二つ目は、区域を縮小して車道と歩道を整備する。つまり縮小するけれども道路はつくりますよ、つくったところは立ち退いてもらいますよと。三つ目は最後にして、一つ目と二つ目、そういうことでよろしいんですね。
○遠藤外かく環状道路担当部長 委員からお話がございました外環の地上部の街路につきましては、三つの考え方を示してございます。
正確に申し上げますと、現在の都市計画区域を活用して道路と緑地を整備、これが一つ。都市計画の区域を縮小して車道と歩道を整備、これが二つ目。三つ目は、代替機能を確保して外環ノ2の都市計画を廃止。この三つでございます。
○植木委員 私は一つ目と二つ目の確認をしたんだけど、まあ、いいですよ。要するに、道路をつくるということです、一つ目、二つ目はね。
じゃ、三つ目。今、代替機能を確保して、とありました。外環ノ2の都市計画、確保して廃止する、こういうふうになっているんです。素直に読めば、廃止することもあり得るんだなと見えるんですけれども、じゃ、ここでいう代替機能を確保するということはどういうことですか。
もう時間がないから先をあわせていいますと、今まで代替道路といわれていた調布保谷線というのも、よく出てきます。これが地元では余り評判よくないんですけれども、これが代替道路として位置づけられれば、この外環ノ2の部分は廃止するという、そういうことですか。代替機能についてと、今のと、二つを。
○遠藤外かく環状道路担当部長 外環の地上部の街路ですけれども、もともと当初の計画では高架式で計画されていた外環道本線を収容するという空間の機能があったわけでございますけれども、それだけでなく、自動車交通の処理、防災性の向上、環境の確保、ライフラインの収容などといった機能を発揮するとともに、地域のまちづくりに寄与することを目的として都市計画決定された道路でございます。
仮にこれを廃止しようとする場合、例えばですけれども防災面から、震災といった大きな災害があったときに、この道路がなくても避難行動や地域への救援活動ができるのかどうか、支障がないかどうか、あるいはそれらを可能とする代替機能が確保されているのかどうか、こういった観点から検証を行う必要があるというふうに考えてございます。
こういった検証結果を関係区市や地域の住民の方々に明らかにするとともに、十分な合意を得ていく必要があるというふうに考えております。また、そのためには住民との話し合いが不可欠だというふうに考えておりまして、一定のプロセスを経ずして、直ちにこの計画を廃止することは困難というふうに考えてございます。
○植木委員 調布保谷線については答えがなかったので、それはもう一度答えてください。
それから、防災面とか環境面だとかで整備が整えば、つまり代替道路をつくれば、という意味なのか、それが調布保谷線と一緒なのか、違うのか。
その代替の道路ができなければ外環ノ2は廃止はないのか、三つの点について、まとめてお答えください。
○遠藤外かく環状道路担当部長 調布保谷線との関係についてお話がございました。交通処理といった観点から、この路線との比較考量をして必要性を検証する必要があるだろうというふうに考えます。
それと、先ほどご答弁の中で申し上げましたけれども、こうした機能確保がどうかということについては十分検証いたしまして、地元の区や市あるいは地域の住民の方々に明らかにする必要があるというふうに考えております。そうしたプロセスを経ずして、計画を直ちに廃止することは困難だというふうに考えてございます。
○植木委員 調布保谷線は代替道路だというふうにはいわなかったですね。
そうすると、代替道路をどこかにつくらないと外環ノ2の廃止はあり得ない、そういうふうにもとれるんですが、さっきから非常にあいまいな表現をしているんですけれども、はっきりいってください。
○遠藤外かく環状道路担当部長 先ほど来申し上げておりますように、都市計画道路でございますので、自動車交通の処理というだけじゃなくて環境面あるいは防災面、さまざまな機能を、この外環ノ2は期待されているわけでございまして、仮にこれを廃止しようといたしますと、いろんな角度から検討しなくちゃいけないということでございます。
交通処理だけを取り出せば、調布保谷線との比較、必要性の検討ということについては、可能性はあるかなというふうに考えます。
○植木委員 結局、代替の何かがないと、廃止はあり得ないということ。どう考えても、百歩譲ってもそういう話にしかならない。
私、三つの角度からいってきた。費用面で、以前より踏み込んだ答弁がどんどん出てきた。それから進め方、これも、もう機が熟したということで、地元との意見の一致がないところまで、どんどんネグレクトしていく。それから、外環ノ2は別枠だよといい出して、前からもそういう趣旨の、近いことはいっていましたけど、大合唱になってきた。そして、廃止するかどうかわからないのに、廃止ありきみたいなふうに受けとめられるような発言が相次いだ。これはとんでもないことだというふうに思います。
そういう意味で、オリンピックのために外環道路を促進するというようなやり方はやるべきではないということを重ねて強調して--あと一分だけで、一問お聞きしたいと思います。実は十分時間をとってやりたかったんですけど、一問だけにします。
それはマンション問題についてですが、私が十数年前に、マンションの専門部署、相談窓口を設けるべきだという提案をしてきまして、都内のマンションがふえ続ける中で、マンション特有の区分所有の問題、管理問題、大規模改修、耐震化の問題などで、住宅一般では済まなくなっていることに着目して提案しました。
このたび、マンション課ができたということは、そういう意味で大変喜ばしいことだと思っています。
マンション課をつくった今日的意図、これからどのようなことを中心に、具体的に進めていくのか。それから昨年私も質問しましたけれども、実態調査を行ってきてマンション白書を作成する、こう聞いておりますけどその見通しはどうか、あわせてご答弁をお願いします。
○宇多田参事 マンション施策の重要性につきましては、既に昨年の二定あるいは四定の本会議等でお答えしているところでございますが、特に耐震化につきましては喫緊の課題だという状況にあるところでございます。マンションを、世代を超えて住み継がれる住宅ストックとするには、適切な維持管理、耐震を含めた改修の促進や建てかえの円滑化等を図ることが重要でございます。これらの取り組みを総合的かつ円滑に行うために、都は新たに、マンション課を設置するものでございます。
これからどうやるかということでございますが、今申し上げました維持管理あるいは耐震化あるいは建てかえの円滑化等の施策を、総合的に進めてまいるというものでございます。
それから、マンションの調査についてでございますが、マンションの管理組合等の実態を調査しまして、維持管理や建てかえに係る課題等を明らかにするためにマンション白書の作成に取り組んでおりまして、現在、分析及び取りまとめを行っている最中でございます。
○こいそ委員 それでは、時間も来ておりますけれども、ポイントを絞りつつお聞きしていきたいと思います。
何点かお願いしたいと思いますが、まずこれは、何回も私、この委員会でも取り上げさせていただいておりますが、進行状況を含めた確認を、新年度にこれから向かうわけでありまして、その取り組み、対応につきまして教えていただきたいと思います。
まず初めに、多摩地域の都市計画道路についてでありますけれども、骨格的な役割を担う一つである南多摩尾根幹線についてお願いしたいと思います。
多摩地域は、四百万を超えておりますけれども、人口的には全国で十番目ぐらいの位置づけだというふうにいわれておりますが、そういうさまざま、大型店舗だとか産業集積、多くの大学立地等々、人、物の動きが非常に活発化してきております。
このためにも道路整備が必要なんでありますが、そこで、多摩地域において第三次事業化計画に位置づけられた都市計画道路の進捗状況について、まずお願いしたいと思います。
○升都市基盤部長 多摩地域の都市計画道路の進捗状況でございますが、多摩地域の都市計画道路は、六百四十九路線、総延長約千四百二十八キロが都市計画決定されておりまして、平成二十年三月現在で約五三%に当たります七百五十四キロが完成しております。
平成十八年四月に策定いたしました、多摩地域における都市計画道路の整備方針に示されている第三次事業化計画では、平成二十七年度までに整備着手すべき路線として、多摩の骨格幹線道路など、全体で百六十二カ所、延長約百三十五キロメートルを選定いたしました。
二十年三月末現在でございますが、このうち府中所沢線国分寺区間など、全体延長の一〇%に当たります二十六カ所、十四キロが事業化されております。
○こいそ委員 約四七%が未整備だということであります。
その都市計画道路の中でも、私どもも住んでおります尾根幹線ですね、多摩ニュータウンいわゆる南多摩五市、人口約百五十万ぐらいですかね、ますますふえておりますけれども--東西に尾根伝いに横断して、多摩川から町田街道まで結んで、まさに骨格幹線道路としての位置づけがなされている道路であるというふうに私どもも認識をしております。
しかし、この道路の東側については、先ほども少し出ておりましたけれども、多摩川を渡りますと調布保谷線、また埼玉の新座市にもつながると。またもって、中央道、首都高速道路、これ当然接続をするわけでありまして、西側については、都県境をまたいで一六号と圏央道にもこれが結びついていく、こういうような広域的ネットワークを形成する位置づけにあるわけなんですね。
単に尾根幹線というと、一地域の一区間の道路のようなとらえ方がありますけれども、まさに多摩地域全域、東京圏、そして広く首都圏において重要な位置を占める路線であることはいうまでもないと思うんですね。
そこで、都は、この通称南多摩尾根幹線が担う役割、意義についてどのようにとらえられているのか、お伺いしたいと思います。
○升都市基盤部長 南多摩尾根幹線でございますが、委員からお話がございましたように、多摩ニュータウンを中心とした、地域の交通の利便性を確保するのみならず、南多摩地域を支える幹線道路として重要な役割を担ってございます。
また本路線は、お話にもございましたが、国道一六号や圏央道などを視野に入れて、神奈川県の都市計画道路との接続について検討を行うこととしており、これが実現されれば、都県境を越えた都市間連携の強化に資する路線にもなり得るものと考えてございます。
○こいそ委員 まさに都市間連携の強化に資する路線になることは間違いないですね、現状から見ても。
そういうような前提に立って、現状を調査していただいている。これは建設局がやっていただいて、都市整備局もやっていただいたんでしょうか、交通量の調査をしていただいたということがございます。
いずれにしても、大学、高校、学校関係、それだけじゃありません。研究機関それから企業、住宅、これが周辺にますます張りついてきていると。こういうことになれば、必然的に、これは計画的に進められてきたわけであり、大型のショッピングセンターも沿道にはかなり立地をされてきていると。こういう中で、この路線がたかだか側道部分だけで補えることはないわけなんですね。
これはやはり交通量調査をしたり将来見通しをしっかり定めていれば、今のようにますますの慢性的な渋滞が発生して--しようがないから交差点付近の改良工事を、整備を急いでやってもらいました。そこへ迂回するように何カ所か。とてもそれでは間に合わないんですね、はっきりいって。
その中で、多摩地域の三次計画にはこれは入っていない、道路整備計画には。例えば、入った、位置づけされたとしても、二十七年までは着工されない。また、このような喫緊、重要な、前段申し上げたような、首都圏の広域ネットワーク形成をする骨格幹線道路である中で、これがやはり三次計画にも入っていない。多摩地域における都市計画道路整備方針、その中における、検討を行う事項ということで明示されていますね、明確にそこでは記されている。
そこで、南多摩尾根幹線、今からでもやはり三次計画にしっかり入れ込む。そして、まさに先ほど申し上げた、都県境も挟み、広域ネットワーク形成をしっかりと促進させていく。こういうことが、あの地域だけじゃない、東京の潜在的なポテンシャルをより引き上げていくといいますか、そういうことにつながっていくんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょうか。
○升都市基盤部長 今お話にございましたように、南多摩尾根幹線は、暫定的に、二車線で整備されている区間や、付近の都道を利用した区間があるものの、全線にわたって通行が可能でございまして、一応、道路ネットワークが形成されております。
このため、多摩地域における都市計画道路の整備方針では、当面の交通需要には対応可能と判断いたしまして、暫定整備区間などにおける本格整備については、第三次事業化計画に選定しなかったものでございます。
しかしながら、同整備方針では、南多摩尾根幹線が都県境を越えた道路網の一翼を担うことから、広域的な幹線ネットワークとしてのあり方を踏まえ、暫定整備区間における本格整備の形態などについて検討を行うことを明記しております。委員がお話しになったとおりでございます。
この本格整備を具体化するに当たりましては、将来の交通需要、整備効果、沿道環境への影響などの検討課題がございます。今後は、南多摩尾根幹線の本格整備につきまして、地元市とも連携を図り、これらの課題を踏まえ、道路整備形態などについて検討を進めてまいります。
○こいそ委員 当初は、当面、車線で、車線といったって、ご案内のように側道ですよ、側道。実際的に、将来的に、区間によっても違うけれども、掘り割り構造にして、掘り割りはなぜかといったら、いわゆるモノレールの構想線に位置づけされていますよね。ということで、掘り割り構造で抜いていくんだ、一部、やはりトンネルで抜いていくんだと。こういう大変大規模な計画が示されてきましたけれども、なかなかそれは難しいと思います。
しかしいずれにしても、通過が可能だといっても、まさに狭隘なというか、極端にいえば、ぎりぎり通れるぐらいの、車幅というか道路幅、幅員がある中で--それぞれ違いますね、やっとつながったといったって。こういう状態じゃ、慢性的な交通渋滞が、現実にもう起きている。
当面大丈夫じゃないかと。大丈夫ならよかったんだけれども、大丈夫じゃないんですね、現実。これをこのまま第三次計画にも何も示されていかない。先ほどいった、検討していくということの明示はあるけれども。しかし、具体的な形でこれを進めていくっていうのは、ただ単なるそこら辺の農道の話をいっているわけじゃない、単なる尾根道のことをいったわけじゃないんで、いわゆる広域幹線ネットワークを形成する非常に重要な本線でありますよね。
それからもう一点いわせていただければ、本線整備をするにしても、用地買収費、一円もかからないでしょう、極端にいえば。用地買収費ないんですよ、はっきりいって。だから、メリットあるんですよ、これ。そういう中で、ぜひ現状をもう一段見据えていただいて。
救急車通れません。そんなばかなことあるかというけれども、実際そうなんですよ。呼んだって、救急車はそこを通りません。迂回して来ます。消防車だってそうです。緊急車両はそうですよ。緊急車両通れないんだもの、ここ。こんな都道がありますかというの、はっきりいって。
いずれにしたって、もう少し現状を見据えていただいて、東京都の本来的、基本的な道路整備がいかにあるべきかということの中で、これをもう少し積極的に取り組んでいただきたいなと思います。
それともう一点、続きますけれども、ここは、今申し上げたようにモノレールの構想線が計画されています。今後いろんな経済動向も見据えていかなきゃならないわけでありますから、平面的な整備になるか、それはわかりませんけれども、いずれにしても、極めて、環境負荷を与えない、新しい形態の公共交通システム的なものをその本線に通したらどうかと。まだ計画ありますけれども、例えばモノレールも選択肢の一つですよ。もう一つの選択肢とすれば、LRTだってそうだ。軌道がなかなか難しいんだったら、例えば軌道を外してすなわちBRT、これをしたらどうかと。
もう時間がないから進みますけれども、せんだって、日経で非常にいい、一面でありましたね。それは環境防災都市ですよ。いわゆる広域的な、東京圏、首都圏に対する非常にいいことが書いてあった。
その中にも、公共交通的な環境負荷の中で、LRTなどの導入を促進すべきじゃないか、これから、新しい、代替的な、公共輸送的なものというのは、もうそろそろ検討すると。それを、一種の研究的なこともあったんでしょうけれども、やったらどのくらいのコストがかかるか、三千億円でできるとありました。これが高いかどうかというのは別問題としてね。現実的に導入するには、東京をもってして不可能なコスト、予算じゃないと思うんですね。こういうところを、私はいろんな形の中で--続けますけれども、二〇一六年東京オリンピック、その三年前は、我々は多摩国体といいたいけど、東京国体がありますよ。そういう中でも、さまざまに新しい形態的な、まさに交通的なネットワーク形成なりをする、いい踏み出し方ができるような目標があるじゃないですか、年次が。
そういう意味からも、このような代替的な、LRTでも結構でありますけれども、BRTでも、これを東京の、また、そのまち、そのまちのシンボル的な形で、東京都が先導的な役割を積極的に、このあたりも果たしていくべきじゃないかと。
尾根幹線だけじゃない。ほかでもいいです。東京を全体的に考えて、ここには軌道を通しても大丈夫かな、ここにはやはりこういう形態が必要かなと、全体的な中において検討していただけませんかね。
○升都市基盤部長 まず初めに、尾根幹線、その本体の整備でございますが、お話がございましたように、建設局の方で渋滞解消ということで右折レーン等を整備したところでございます。まだ、それの整備効果等を、現在建設局が調査をしているというふうに聞いてございます。私ども、そういう整備も踏まえまして、今後、市とともに整備形態等について検討に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
それから、BRT、LRTなどの導入に、東京都が積極的に取り組むべきではないかというお話がございました。BRTやLRTという、どちらかというと中量規模の交通システムでございます。さまざまな国で取り入れられておりまして、人と環境に優しい都市交通システムだというふうに報じられているものでございます。ある意味、地域交通を担う公共交通機関として有効であるというふうに考えております。基本的には、地域に密着した交通機関であることから、地元自治体が主体的に取り組むべき交通モードではないかというふうに考えております。
一方、導入に当たりましては、導入空間の確保や自動車交通への影響、それから交通需要の確保、事業主体など、さまざまな課題があるのもまた事実でございます。
私どもといたしましては、地元市等が導入の検討を行うという際には、技術的な支援でございますとか情報提供など、必要な協力を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
○こいそ委員 もっと発想を変えたらどうですかね。常々こういう話をすると、地元が、と。それで、地元に対していろいろな情報提供をする、支援をするということですよね。そうじゃないんじゃないかと思うんですね。
やっぱり、首都東京としてのこれからの公共交通のありようだとか、環境先進都市を志向する東京として、あらゆる形の中で導入をさまざま考えていく、検討していくということで、極めて私は有為だと思うんですね。
そういうことから見ても、地元が何か話に来れば相談に乗るよ、地元がやっぱりやるべき話なんだ、地元市が、地元区はという話は、私は、ないんじゃないかと思うんですね。これこそが政策の、びしっとした、しっかりした--私はやはりそこに、しっかりとした政策を立ち上げたっていいぐらいの政策じゃないかと思うんですよ。
公共の輸送機関的なもの、これは各機関との連携は当然必要だけど、東京として、これから日本全国に、世界に発信していくという、いわゆる東京発のような公共交通的なものを、実践的にもこれを実用化させていくというようなことも含めて、総合的な、広域行政体としての東京都がやっぱり積極的に--東京都こそやれると思うし、かつやらなきゃいけない話だと思うんですね。こういうこと、どうでしょうか。
○升都市基盤部長 繰り返しになって申しわけございませんが、私ども、交通モードの規模といたしましては、地域に密着した交通機関というふうに考えているところでございます。
そういう意味で、私ども、地元の区でございますとか市でございますとか、自治体が検討していくという場合には、いろいろな協力はしていきたいというふうに考えているところでございます。
なお、BRTにつきましては、オリンピックスタジアムのアクセス交通の関係で、都としても今勉強している最中でございます。
○こいそ委員 東京都が持つ情報だとか、人脈といいますか人力というんですかね、人ですよね。そういう総合力というのはやはり非常に高いですよ、強いですよ。
そういうものをぜひ、地元に対してということもそうかもしれないけれども、やはり先導的役割を担って果たしていくということも、第三者的じゃなくて、本来的には、都が率先垂範していくということが極めて重要じゃないかなと思えてならないんです。いずれにしても、私は強く提言、要望とさせていただきたいというふうに思います。
そして、今るるお話をさせていただきましたけれども、もう一段、私は、東京、それと東京圏というか首都圏における三多摩地域のありよう、そこにおける広域ネットワーク形成、道路形成、ここのしっかりした取り組み方を、ぜひ計画も含めて、このあたりもよろしくお願いしたい。重ねて要望させていただきます。
次に行きますけれども、時間もあれなので気にしながらやっておりますけれども、少し飛びますけど、ここはやっておかなきゃいけないなというところで。
まず、先ほどからるる区画整理事業のお話が出ておりました。それぞれ手法が違い、都施行だとか組合施行、いろいろありますけれども、その中で、稲城市にございます坂浜平尾地区を初め幾つかの区画整理の準備会が、今立ち上がってきております。実はこれは前にも若干触れさせていただきましたが、ここは、昭和四十年の十二月に新住事業都市計画決定がされたと。それから、平成九年の八月に都市計画決定がなされたという経過があります。
ところが、今申し上げたような年度、平成九年の八月ですけれども、平成十一年の七月に、もう具体的という話だったんですが、急遽着工の見合わせが入りまして、ここから即、見直しの開始に入っちゃったんですね。
九年八月都市計画決定して、十一年の七月にもう見直しに入っちゃったんです、具体的な見直しに。そして十三年の十月から見直しの説明に、地元に入りました。自来、説明会が行われてきたわけでありますけれども、全体説明、さまざまな説明がありました。
こういう中で、先行買収もかけられて、さまざまやってきたわけでありますけれども、飛びますが、平成十七年の十一月、今申し上げた地元の上平尾地区で組合の区画整理設立準備会が結成をされ、その翌年の三月に、小田良地区というところの組合区画整理設立準備会が結成されてきました。
これは、東京都施行の土地区画整理事業で本来行われていく、ですから先行的にも買収をかけていきましたし、さまざまな手続もとってきたし、地元に対しての協力を求めてきたという経緯がありましたが、今申し上げたような形で見直しが入りました。ということで、さてどうするかということで、今申し上げたように、地元でもこういう動きが始まっております。
これらの経緯を踏まえると、都の責任も当然あるんではないかと。まちづくりに対して、これら新たなまちづくりをこれからまた施行しようという中で今のような経緯がございましたけれども、さりとてまた、新たなまちづくりを展開していきたいという地元の思いも出てきております。都の取り組みの状況について、まず教えていただきたいと思います。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 ただいま委員からお話ございましたとおり、坂浜平尾地区は、平成九年八月に土地区画整理事業として都市計画決定をいたしましたが、その後、都財政の悪化などによりまして、都施行による区画整理事業の実施が困難となったことから、まちづくりの計画を見直すことになってございます。
都は、このような経緯を十分に踏まえまして、新たなまちづくりを、稲城市や地元地権者とともに進めてきたところでございます。
坂浜平尾地区につきましては、多摩都市計画の、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針や、稲城市の都市計画マスタープランの理念に沿いまして、地形や地域の特性を生かしたまちづくりを進めることにしておりまして、清水谷戸小田良線などの地域内の都市計画道路の見直しが必要となってございます。
こうしたことから、上平尾地区の組合土地区画整理事業等の状況を踏まえながら、本年十月に予定をされております都市計画審議会を目途に都市計画道路の見直しを図るため、関係機関との調整を進めているところでございます。
○こいそ委員 昭和四十年代に、先ほどいいましたけれども、都市計画が決定された。その折に広域的な都市計画道路が二路線決定されましたけれども、その一つが、現在、拡張事業に着手している都道鶴川街道ですね。もう一路線が坂浜平尾線であります。
これもやはり触れさせていただきましたが、北側は、ニュータウン街路一号線を経由して、都道鎌倉街道から府中方向につながっておりますし、先ほどいった中央道にもつながっている。南側は、新百合ケ丘付近を経由して東名川崎インターチェンジにつながっているんですね。先ほどの尾根幹線にも接続しておりますから、こういうネットワークの一翼を形成する路線でもあります。
このように、三十数年ですかね、もっとかな、四十年ぐらい。四十年たちますね。この間何にも手つかずなんですよ、はっきりいって。先ほども足立区のお話もありましたけれども、もう四十年間、全然、一ミリたりとも進んでいない、はっきりいって。
これからどうするんだといったって、今度、区画整理という話はあるけれども、これが順調に進んでもらえば大変ありがたいことでありますし、ぜひお願いしたいところであるんですけれども、建設局とこの都市整備局ですよね。局によって、区画整理方式は都市整備局、いわゆる街路事業で北側から整備していくのが建設局となっております。整備手法も、ご案内のように若干違いますね。
こういう中でありますけれども、とにもかくにも四十何年間、これからまたどのくらいになるのかなと。一年、二年じゃとてもできないと思いますけど、少なくとも四十年を一つのベースとして考えてもらって、今申し上げたような重要な、接続させる道路でもあるわけなんで、ぜひこの整備、一刻も早い整備を地元でも当然求めておりますけれども、現在の取り組み状況をお伺いします。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 委員お話ございましたとおり、平成十八年四月に策定されました、多摩地域における都市計画道路の整備方針におきまして、坂浜平尾線は、都の道路事業と組合土地区画整理事業の二つの施行方法により整備すると位置づけられてございます。
現在、都施行の道路事業区間につきましては、建設局において具体的な線形検討を進めてございます。また、区画整理区間につきましては、早期の事業着手に向けまして、土地区画整理事業組合の設立準備会に対しまして、構造等の検討の技術的支援を行ってございます。
今後とも、坂浜平尾線につきましては、委員お話ございましたとおり、長い年月もたってございますので、建設局と連携を図りながら一刻も早い早期整備に努めていきたいと考えてございます。
○こいそ委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。本当に一刻も早い着工を熱望、切望しておりますので、お願いしたいと思います。
あわせてお聞きします。坂浜平尾地区、今申し上げたように、地権者がさまざまな思いを持ちながら先行買収にも協力してもらったということがあるわけでありますけれども、先ほどからるる申し上げているような経緯も踏まえて、都は、坂浜平尾地区のまちづくりのための先行買収をかけた都有地の活用をぜひしていく、これがやはり必要ではないのかなと、非常に大切な部分ではないかなと思うんですが、これについて考え方を伺いたい。
それから、この地域は極めて、今、設立準備をしている地区、上平尾と小田良地区とありますけれども、起伏のある、なだらかな地形というんですかね、で、牧場があるんですね。それから、稲城市の名産であるナシだとかブドウ園があります。当然、野菜を栽培している農家もあります。こういうような牧歌的というんでしょうか、非常に穏やかな、非常にいい景観を有しているところでもあるんですね。
私は、こういうところ、とりわけ上平尾地区で、宅地整備を優先した土地区画整理事業ではなくて--土地区画整理をすると、どちらかというと多摩地域の方でも宅地優先するというふうになってくるわけなんですけれども、そうではなくて、農地とか緑の保全など、特徴を生かしながら、まさに環境に配慮した、地域特性を踏まえた土地区画整理事業をここの場で進めていってもいいんではないのかなと。いろんな土地区画整理手法、まちづくり手法というんですかね、あると思いますけれども、やっぱりここには、らしさがあって、東京のいろんな多面性があってもいいんではないかなと。
住宅先行的な形の中で一律的に土地区画整理をするという方向よりかは、私は、現況を生かしながら、ぜひこういうような特色ある土地区画整理を進めていってもらいたいというふうに考えている一人なんですけれども、これに対して都はどうでしょうかね。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 ただいま二点のご質問をいただきました。
最初に、都有地の活用というお話でございましたけれども、都は、坂浜平尾土地区画整理事業の都市計画決定に先立ちまして、公共住宅の供給を目的といたしまして十四・六ヘクタールの土地を取得してございます。その後、都施行の土地区画整理事業の中止に合わせまして、公共住宅供給についても見直された経緯がございます。
これらの都有地につきましては、今後、坂浜平尾のまちづくりを進める上で有効に活用する必要があるというふうに私どもも十分認識してございますので、地元のご意見も十分お聞きしながら、関係局と調整をして、活用を図ってまいりたいと考えてございます。
それから、二点目の、坂浜平尾地区の地域特性に応じた区画整理事業を進めていくべきだというご意見でございますが、上平尾地区というのは坂浜平尾地区の南側に位置する約二十五ヘクタールの地区でございまして、小田良地区は、ほぼ中央に位置する約三十ヘクタールの地区でございます。
これらの地区では、現在、新たなまちづくりに向けて土地区画整理組合の設立準備会が結成されてございますが、このうち、特に事業認可に向けての動きが先行してございます上平尾地区につきましては、約三〇%、三割が生産緑地となってございます。一方、同地区内には、非常に狭い四メートル以下の狭隘な道路も多くて、下水道が未整備であるため、基盤の整備が不十分な状況でもございます。
上平尾地区の準備会では、道路や下水道等公共施設の整備とともに、生産緑地等の集約化を図るなど、農地の保全をも目指してございます。都といたしましても、今、委員のお話ございましたとおり、農業と住宅が共存した、地域の特性を生かしたまちづくりを進められるよう、準備会を支援してまいりたいと思ってございます。
○こいそ委員 それでは、ぜひそういう地域特性を生かした区画整理にも取り組んで、支援をしていただきたいと思います。
都市農政、都市農住といいますか、さまざまいわれておりますけれども、やはり残すべき緑、環境、いわゆる農地保全というんですかね、こういうこともバランスを持って、ぜひそういう形で取り組んで、またその応援をしていただきたいというふうに思います。
私は、きょうはまだ、先ほどの植木さんとは視点がまた違いますが、歴史的建造物保全による景観形成についての事前の--大変申しわけなかったんであります。これは後日必ずやらせていただきますので。それとまた、もう一件ありましたけれども、大変慌ただしくて申しわけありませんでしたけれども、以上、大きく二点要望方させていただきました。よろしくどうぞお願いします。
終わります。
○高橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時二十八分散会
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