委員長 | 高橋 信博君 |
副委員長 | 中山 信行君 |
副委員長 | いのつめまさみ君 |
理事 | 伊藤まさき君 |
理事 | 神林 茂君 |
理事 | 三原まさつぐ君 |
河野百合恵君 | |
植木こうじ君 | |
長橋 桂一君 | |
こいそ 明君 | |
新藤 義彦君 | |
立石 晴康君 | |
大塚たかあき君 | |
相川 博君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長 | 只腰 憲久君 |
次長総務部長事務取扱 | 泉本 和秀君 | |
技監 | 福島 七郎君 | |
理事 | 加藤 英夫君 | |
都市づくり政策部長 | 安井 順一君 | |
住宅政策推進部長 | 松村 光庸君 | |
都市基盤部長 | 升 貴三男君 | |
市街地整備部長 | 座間 充君 | |
市街地建築部長 | 河村 茂君 | |
都営住宅経営部長 | 清水 文夫君 | |
企画担当部長 | 横溝 良一君 | |
連絡調整担当部長 | 岡沢 裕君 | |
住宅政策担当部長 | 瀬良 智機君 | |
外かく環状道路担当部長 | 遠藤 正宏君 | |
民間開発担当部長 | 石川 進君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 小澤 弘君 | |
都市景観担当部長 | 町田 修二君 | |
経営改革担当部長 | 並木 勝市君 | |
参事 | 瀧本 裕之君 | |
参事 | 宇多田裕久君 | |
参事 | 福田 良行君 | |
参事 | 中島 俊明君 | |
参事 | 山口 幹幸君 | |
参事 | 荒川 達夫君 |
本日の会議に付した事件
都市整備局関係
陳情の審査
(1)二〇第四六号 新宿区西新宿五丁目中央北地区再開発における新宿区景観まちづくり条例に関する陳情
(2)二〇第五〇号の一 飼い主のいない猫に関する陳情
(3)二〇第六六号 建築紛争調整申出に関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・第百八十四回東京都都市計画審議会付議予定案件について
○高橋委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせをしましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の陳情の審査及び報告事項の聴取を行います。
なお、報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑終了まで行います。ご了承願います。
これより都市整備局関係に入ります。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
河島航空政策担当理事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
次に、陳情の審査を行います。
初めに、二〇第四六号、新宿区西新宿五丁目中央北地区再開発における新宿区景観まちづくり条例に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○町田都市景観担当部長 整理番号1、二〇第四六号、新宿区西新宿五丁目中央北地区再開発における新宿区景観まちづくり条例に関する陳情につきまして説明を申し上げます。
お手元の説明表の一ページをお開きいただきたいと存じます。
本陳情は、新宿区の伊沢佐知子様より提出されたものでございます。
陳情の要旨でございます。
新宿区が都市計画決定をした西新宿五丁目中央北地区再開発について、新宿区景観まちづくり条例に抵触する開発であるため、都において、次の事項を実現していただきたい。
1といたしまして、景観行政団体である新宿区に対し、都は景観行政団体の上部組織として、本計画の高さを百メートル以下とするよう指導すること。
2といたしまして、今回の景観について、特に、スカイラインについて及び西新宿六丁目西部地区地区計画との整合性についての都の意見を示すこと、というものでございます。
計画地は、東側が十二社通りに接し、西側は神田川に接しております。
現在の状況でございます。
都は、平成十九年九月五日に、景観条例に基づく事前協議書を受理しております。
本計画地について、新宿区は、平成二十年四月十一日、西新宿五丁目中央北地区地区計画、平成二十年七月一日に、西新宿五丁目中央北地区第一種市街地再開発事業の都市計画決定をしております。
また、これと前後いたしまして、都は、平成二十年五月八日、新宿区が景観行政団体になることについて同意をし、新宿区は、平成二十年七月十八日より、景観法に基づく景観行政団体の事務を開始しているところでございます。
説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○高橋委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○植木委員 この陳情は、今もご説明がありましたように、西新宿、新宿では一番中野寄り、私は中野なんですけれども、中野寄りで、川を一つ隔ててこの再開発のところになります。私も現地に行ってみましたが、確かに木造密集地域で、表通りは商店街の方々が並んでおって、それからちょっと奥に入ると確かに密集地域で、相当古い建物が多かったというふうに聞いています。
ただ、何人かの方といろいろお話ししてきたんですけれども、木造密集地域だから消防車は入れないから、早くした方がいいよ、こういうふうにおっしゃる方もおられました。それから、自分はこんな超高層ビルに入れないから別のところに店を構えるというふうに考えている、という方もおられました。それから賃貸の方は、自分たちは一切情報がない、お店だけやっているんだけれども、どういうふうになるのか一切話が来ないんでわかりませんと。逆に、どうなるんでしょうと、こういうふうに聞かれもいたしました。
私、前の都市整備委員会で、住宅密集地域のことについていろいろお聞きしたことがあるんですけれども、かつて自民党の議員の方の発言を聞いて、木造密集地域、即、超高層ビルでいいのかということをいったと思うんですけれども、今回がまさに、その密集市街地の建てかえ整備計画がいきなり二百メートルの超高層ビルになるということには、私も驚きを禁じ得ません。
いろいろ住民の皆さんと話しておりますと、木造密集地域というのはいろんな手法があって、共同で建てかえをすることも可能なんですよと、何もこんなでっかい超高層でなきゃいけないという話はないんですよというお話をしますと、そんな方法もあるんですかというふうに、逆にびっくりされる方もおられました。
中には、年配の方が多いから、後でお店を引き継ぐ人がいないからこれを潮どきに、前は反対をしていたんだけれども中に入ってもいいかな、と思っていると。ただ、ランニングコストとか自分の負担がどうなるのか、権利変換がどうなるのか、そういうのが非常に心配だという声もありました。
いずれにしても、木造密集地域の建てかえ整備については、やはり基本的には住民の生活、それから住民の皆さんが継続してそこに住めるということを基本にした取り組みが、私は必要だと思っているわけです。
今回、この建物が、これだけのものが出てきた背景というのは、三菱地所だとか藤和不動産とか東京電力さんも一部入っていますけれども、東京電力さんはごく一部ですけれども、そういうところが大体主導的に、そしてフジタ建設の方と中心になって、特定の建設のため引き受けてやるという仕組みになっているために、二百メートルという超高層ビルになっているんだろうと思うんです。それにしても、木造密集地域が何でこんなになるかという点は、やっぱり改めて考えなきゃいけないなというふうに思っています。
そこで一つ、二つ、まずお聞きしますけれども、現在の容積率、建ぺい率、高さ制限、これはどういうふうになっているでしょうか。多分、高さ制限も何メートルという仕切りじゃないと思うんで、この辺のだと、普通だとどのぐらいの規模になるのか、高さになるのか、もしわかればあわせてお願いしたいと思います。
○町田都市景観担当部長 現在定められております容積率、建ぺい率、高さ制限でございますけれども、現在は地区計画が定められておりまして、その指定がされているわけでございますけれども、地区計画が定められる前の容積率につきまして……
○植木委員 そうです。従前ですね。
○町田都市景観担当部長 従前でよろしいですね、恐縮でございます。従前につきましては、十二社通り沿いの路線二十メートルの範囲が容積率七〇〇パーセント、それから建ぺい率が八〇%、高度地区の制限はございません。その他の区域につきましては、容積率が三〇〇%、建ぺい率が六〇%、高度地区につきましては第二種高度地区が指定されております。
○植木委員 そうすると、表通りからは、二十メートルまでは容積率が高いけれども、全体としてはそれよりはるかに奥行きがあるわけですから、いきなり二百メートルというのは建たない。
今、地区計画というお話がちょっと出ましたけれども、地区計画で、後で変えてきたんだろうと思うんですけれども、その辺の、なぜこういう大規模な建築物になってきたのかその理由、それから手法についてお示しいただきたいと思います。
○町田都市景観担当部長 高さにつきましては、新宿区が都市計画決定をいたしました高度地区では、地区計画において高さの最高限度が定められた場合には、その地区計画で定められました高さを、高度地区に関する高さの最高限度とすることができるということになっております。
新宿区では、道路等の都市基盤整備とあわせまして歩行者ネットワークの形成を図るとともに、市街地再開発事業等によりまして土地の高度利用を推進し、都心居住の推進等を図ることといたしまして、地区計画を平成二十年四月十一日に決定しております。その地区計画の中で、高さの最高限度を二百メートルとしているものでございます。
○植木委員 地区計画を都心居住として二百メートルに定めたから二百メートルなんだよというお話ですけれども、新宿を都市再生緊急整備の指定地域にもして、大体都市計画というのは、本来はまちを誘導するために規制的な意味合いからもともと出発していたのが、いつの間にか一つの仕組みをつくって、例えば、最初いっていた第二種高度地区、これが、後からできた地区計画によって高度地区というのが外されてしまって、高さがふえていく。
また、都市再生緊急整備の指定地域になると、それなりの容積緩和がプラスされていくということで、都市計画というのが緩和、緩和で重なっていくものになっているわけですね。そこが私は非常に問題だというふうに思うんです。
やはり都市計画というのは、最初の第二種高度地区というふうに決めた意味合いが、もともともっと深い意味があったはずなんですよね。それをなぜこういうふうにするのかというのは、新宿区決定だというんですけれども、私は非常に疑問に思いますし、こういうことでまちが現実にどんどんどんどん超高層化されていくということには、私は賛同できないということ。これまでもいろんな場所でいってきましたけれども、改めていいたいと思うんです。
ところで、この建物は住宅系となっていますけれども、何戸が計画されて、保留床はどのぐらいを予定しているのか。それから、その保留床はどこが取得する計画なのかお示しいただきたいと思います。
○石川民間開発担当部長 当地区につきましては、西新宿五丁目中央北地区として再開発事業の計画が予定されてございます。現在、事業計画を策定中でございまして、施設建築物の計画につきましては、計画の策定の中で定めることとなってございまして、計画する戸数並びに保留床の戸数等につきましてはまだ定まってございません。
なお、この保留床の規模については、現在の数字は持ち合わせてございません。
また保留床の取得については、既に保留床の処分等について、資金調達能力や販売能力など、信頼できる特定業務代行者を選定して、事業のリスクの低減を図っており、保留床が埋まらない場合は、最終的にこの特定業務代行者が取得することになります。
○植木委員 その特定業務代行者というのは、先ほど私が示したところでよろしいんでしょうか。確認のためお願いします。
○石川民間開発担当部長 当地区の再開発事業の特定業務代行者でございますが、株式会社フジタ、藤和不動産株式会社並びに三菱地所の三社でございます。
○植木委員 最終的には、販売の状況で、この特定業務代行者のところに保留床が行くというお話でした。全体として地権者はたしか八十六名ぐらいだと聞いています。小さな地権者もおられるし、先ほどもいいましたように既に外へ出るというふうに考えておられる方もおられますし、いろんな方がおられます。全体としての面積が狭い地域ですから、保留床の割合というのが、今の段階は事業策定中だからわからないというお話でしたけれども、相当保留床があるというふうに考えざるを得ない計画ですよね。二百メートルの超高層ビル、しかも延べ床面積が九万平米ですから。
陳情者によりますと、近くのシティタワーの百平米のマンションが二億三千万で販売されているから、安く見積もっても一千億円以上の販売価格になるんじゃないかと。あくまでも推定ですけれども、そのぐらいの規模であるということは、私は間違いないと思うんですね。だからうまくいけば、こういう開発会社が大きな利益を上げることになってくると思うんですね。
それからもう一方で、今、金融不況といわれて、不動産ファンドだとか投機のマネーがどんどん引き下がっていく中で、ことしに入ってからも不動産や建設ゼネコンの方々で倒産をされた方もおられますし、あるいは事業を途中で中止したりするところも出始めてきているんですけれども、現在、どこでも住宅が過剰になっていて、分譲あるいは賃貸にしても、値段を引き下げないとなかなか埋まらないという状況だと思うんですよ。
そういうリスクを当然考えておられるんだろうと思うんですけれども、こういうリスクで、もし不採算になったときは、もちろん不採算の程度にもよりますけれども、先ほどの特定業務代行者が受ける場合と、それから権利者が実際には新たな負担が起きていく、そういうケースとかいろいろ考えられると思うんですけれども、そういう場合は、通常はどういうふうになるんでしょうか。
○石川民間開発担当部長 再開発事業の進め方の中で、事業採算性につきましては、都としても、この厳しい情勢の中で慎重な事業運営を図るように、事業の各段階において適切に指導してございますが、その指導の中で、保留床の処分、また建築物のコスト低減といったような事業全般にわたる採算性の向上等につきまして指導してございます。
なお、保留床の処分につきましては、特定業務代行者を選定してございますので、処分先が決まらなかった場合には、最終的には特定業務代行者が保留床を取得するということになり、リスクの低減を図っているところでございます。
○植木委員 これは、今、経済も非常に急速な展開をしていて、大手企業が突然廃止するという、あるいは倒産する危険性というのはどこの事業者にもあると思うんですね。しかもこれは住宅系ですから、もっと大変じゃないかなと私は思うんですよね。
そのときに、後で皆さんが許可をしたという責任を、もちろん最初の責任は事業者や地権者の方々なんだけれども、都としたってその責任は出てくるというふうに私は思うんですよね。そういう点についてはお考えなんでしょうか。
○石川民間開発担当部長 再開発事業を進めるに当たりましては、それぞれの各事業が適切に推進するよう、都としても、どのような経済情勢の中にあっても事業の各段階において適切に組合を指導してございます。そのような中で事業が円滑に進むように、引き続き都としても組合を指導してまいると考えてございます。
○植木委員 僕は、都としての責任というのは、いずれ問われる事業だなというふうに思います。
それから地権者の方々、私がずっと回ったところでは、確かに表通りの方々は多少大きな地権者の方々もおられましたけれども、全体として狭小な地権者が多いわけですが、権利変換して中に入った場合、その一人一人によって違いますよね。
ただ、管理費だとかあるいは建てかえ準備金なのか改修準備金なのか、これはいわば巨大なマンションですから、そういうものも当然出てくると思うんですけれども、この周辺で、こういった事例で、どのぐらいの管理費や修繕費やあるいは建てかえの積み立てが行われるのか、参考にお示しいただきたいと思います。
○石川民間開発担当部長 管理費、修繕費についてのお尋ねでございますが、この管理費や修繕費につきましては個人の財産にかかわることと考えられますので、その金額をお答えすることは差し控えさせていただきます。
○植木委員 もちろん当該のところは、まだ確定もしていないわけですからわからないですけれども、都内の参考例というのはあると思うんですよ。二百メートルの住宅棟というのは余りないのかな。その辺ちょっと正確にわかりませんけれども、サンプルでいいですからお示しください。
○石川民間開発担当部長 先ほどもお答えいたしましたとおり、再開発ビルの管理費、修繕積立金につきましては、他地区の事例でございますけれども、それぞれこういった管理費、修繕積立金につきましては、現在お住まいの方それぞれの個人の財産にかかわる情報でございますので、その金額をお答えすることは差し控えさせていただきます。
○植木委員 個人の情報だというから仕方ないんですけれども、平均的なものぐらいはわかるんだろうと思うんですが、それにしても二百メートル級というのは、新宿あたりで住宅に特化した建物というのは余りないことは事実ですから。
ただ、これだけの大きなものになってきますと、聞くところによりますと、この建物の建設費もやはり一千億円近いというお話もマスコミの報道で見ました。そうなると、そういうものというのはかなりの金額になるんじゃないかなということが予想される。
つまり、この計画は住民から見てもいろいろ問題もあるし、リスクの面でも、一体最終的にリスクはどこがどういうふうに負担していくのかもまだわかりませんけれども、問題もある。それから実際に権利床を受けた場合でも、百歩譲って認めたとして、そこに入った場合でも、やはりランニングコストや修繕積立金や建てかえなどをどうするかということになれば、当然、結局これだけのものになると、大手に頼らざるを得なくなってくる。そういうものですよね。
これほど巨大な二百メートル級のマンションというのは余りたくさんはありませんので、もともとこれは二百メートルにすべきでないという前提ですけれども、そういうことがあるということを私は思っております。
それから、スカイラインというお話が出ていました。新宿区の景観審議会で、超高層スカイライン、都庁第一本庁舎から周辺市街地へ向かって徐々に下がっていくことが望ましいと、こういうことをいっているんですね。私はもともと二百メートルなんかだめだよという主張ですけれども、新宿区でさえそういうことをいっているんです。
これは、その東側は恐らく二百メートルもない建物が建っていると思うんですけれども、二百メートルのラインが一度できちゃうと、あっちにも二百メートル級があるよ、こっちにも二百メートル級があるよということで、結局どんどんどんどん景観が連担していく。そういうことを認める仕組みになっているということじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○町田都市景観担当部長 スカイラインについてでございますけれども、新宿区の景観まちづくり審議会におきましては、スカイラインに関する意見もございました。しかしながら一方では、再開発事業の実現に向け地元で積み重ねてきた努力というものも考慮すべきという意見もございました。
新宿区といたしましては、これらのご意見を踏まえまして、区の都市計画審議会において、二百メートルの高さ制限を含みます地区計画が決定されたものと認識しているところでございます。
一方、東京都では東京都景観計画がございますけれども、この景観計画の中に、良好な景観の形成に関する方針を定めてございます。その中では、副都心など、超高層建築物が群をなす地域におきましては、地域全体としてまとまりのあるスカイラインや景観の形成を図ることといたしております。
また、この方針を受けまして景観形成基準を定めてございます。一つは、大規模建築物等の建築等に係る景観形成基準。
地域で見ますと当該地域は一般地域というところに属しておりますけれども、一般地域の景観形成基準、こういったものにおきましては、周辺の建築物群と統一感のあるスカイラインとすること、それから周辺の主要な眺望点からの見え方を検討し、周辺の建築物群のスカイラインとの調和を図ることといたしております。
本計画につきましては、これらの方針それから景観形成基準に照らしまして、景観形成上、適切であると判断しております。
○植木委員 僕はとんでもないことだと思うんですよ。周辺というのはどこをとっているのかといったら、超高層ばかりとっているわけでしょう。連担としてまとまりのあるものという。だから、一カ所、最初は百二十メートルぐらい、それが二百メートルだから、二百四十メートルだから--今度、二百メートルのラインに合わせていこう、こういうふうになっていく。
周辺住民っていうのはどうですか。みんな木造密集だから、高くても二階か三階ですよ。そういうのは全く無視でしょう。やっぱりスカイラインの考え方自体がおかしいんですよ。スカイラインって一体何なんですか。高くすればいいというものじゃないんですよ。そうじゃありませんか。
それで一たび高くなったらどんどん、なっていく。恐らく、このままどんどんどんどん広がっていくでしょう。今度は、この建物の周辺、今みんな木造密集地域ですよ、二百メートル建ったんだから隣の街区も二百メートルにしようじゃないか、という話になる。こんな話じゃ、スカイラインの話は全然認められませんよ。
しかも、これはスカイラインだけの問題じゃないんですよ。ここはもともと木造密集地域ですから、恐らくCO2排出量というのはなかなか換算しにくいと思うんですけれども、従来の木造密集地域での住民の皆さんのCO2と、それから二百メートルを建てた場合のCO2排出量、どのように変化するんですか。
○石川民間開発担当部長 CO2の排出の変化についてのご質問でございますが、従前の二酸化炭素の排出量につきましては、各家庭の排出状況が多様であり、把握することが難しく、現状では数字を持っておりません。
また当該再開発事業は、平成二十一年度の事業認可に向けて、現在、事業計画を策定中であり、具体的な設計内容が未確定でございます。したがって、二酸化炭素排出量の算定に当たっての根拠となる数字が確定しておりませんので、現状では数字を持ち合わせておりません。
今後、二酸化炭素排出量を初め、環境負荷の低減のための具体的な取り組みは、実施設計を検討する段階で指導してまいります。
○植木委員 木造密集地域だからわからない、こちらの方は割と素直にわかるんですよ。ただ、計算すれば八十六の地権者ですからわからないわけがないんですけれども、新しい建物は九万平米でしょう、九万平米なんですよ。原単位というのが、昨年度の実績で、こういう高層ビルで、旧来の建物でも年間百四キログラム、CO2の排出量になっている。これが新しい設計になりますと六十だったり八十だったり変化があるわけですけれども、マックスで見て百四としても、私計算してみましたら、年間九千三百六十トンもCO2を排出するんですよ。つまり、それだけ全部ふえているといっても過言でないと思うんです。各ご家庭の八十六戸の世帯はそんなにたくさんじゃないと思いますから、そういう意味で、環境の面からいってもおかしい。
いずれにしても、もう時間もありませんから、木造密集地域の整備促進ということは私どもも真剣に考えて取り組んでおりますけれども、それがイコールこういう超高層ビルというふうになるということはやるべきではないし、やはり住民の皆さん同士で、そこに住み続けられる方法というのは何なのかということを真剣に考えて、そういう内容を住民に提示する、そういう責任が東京都にはあるというふうに私は思っています。
よって、この陳情につきましては、趣旨を生かして採択していただきたいというふうに思っております。
○高橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○高橋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二〇第四六号は不採択と決定いたしました。
○高橋委員長 次に、二〇第五〇号の一、飼い主のいない猫に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○山口参事 整理番号2、二〇第五〇号の一、飼い主のいない猫に関する陳情についてご説明申し上げます。
請願・陳情審査説明表の三ページをお開き願います。
陳情者は、中野区の、やさしさに手をつなごう会代表、臼井幸子さん外三百八十九名でございます。
陳情の要旨ですが、都において、次のことを実現していただきたいというものでございまして、都営住宅の建てかえ前に猫の飼育状況を調査し、飼い主の責任を放棄させないようにすること。動物愛護法に沿って、飼い主のいない不幸な猫をこれ以上ふやさないことでございます。
現在の状況ですが、都では約二十六万戸の都営住宅を設置しており、これを管理する立場から、以下の方針により対応しているところでございます。
都営住宅は共同住宅であることから、犬、猫、鳥などの動物飼育については、鳴き声、抜け毛、ふん尿等が他の入居者に迷惑を及ぼす原因になることから、入居者に対し、お断りをしているところでございます。
また、共同生活を営む上で守っていただきたいことなどについては、入居時にそれらを記載した「住まいのしおり」を手渡しいたしますとともに、入居後についても広報紙「すまいのひろば」を各戸に配布して、周知徹底に努めているところでございます。
なお、居住者の動物飼育に関する苦情などがあった場合には、必要に応じて当該居住者に対し、新たな飼い主を探すなど、適切な措置を講じていただくよう求めているところでございます。
都営住宅建てかえ事業は、建物、設備等が老朽化した住宅を、バリアフリー化などを図った新たな住宅に建てかえるものでございますが、建てかえ時の移転説明の際に、移転スケジュール、移転先住宅の概要、入居後の家賃など移転を円滑に進めるために必要な事項に加えて、住まい方のルールについても適切に説明しているところでございます。
なお、高齢者や単身者の割合が増加している都営住宅の現状を踏まえまして、都営住宅でのペット適正飼育の可能性について、平成十三年に検討会を設置し検討を行いました。その結果を踏まえて、平成十四年から都営住宅内動物適正飼育モデル事業を立ち上げ、これに応募のあった二団地においてモデル実施を行っているところでございます。
しかしながら、事業実施団地においても約四割の居住者の方が都営住宅でペットを飼うことについて反対であるというアンケート結果が出ており、居住者間での動物飼育についての合意形成は困難な状況となっております。
また、動物適正飼育の推進につきましては、自治会役員の方などの自主的かつ熱心な取り組みに依拠するところが大きく、他団地での実施可能性につきましては、十分な検証が必要な状況でございます。
説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○高橋委員長 説明は終わりました。
本件につきまして発言を願います。
○いのつめ委員 これは、陳情の件名が飼い主のいない猫に関する陳情ということになっていますけれども、飼い主がいなくなった猫に関する陳情というふうに私は理解しておりますけれども、この問題は、地域住民にとって非常に深刻な問題です。
都営住宅の建てかえの際には、多くの捨て猫が発生しています。地域猫の世話をしている方々は、野良猫か、飼われていた、そして捨てられた猫か、ということが簡単に区別がつくそうです。建てかえ時には、飼い猫が放置されているのが急に増加するそうです。家の中でひっそり飼われていたので、去勢や避妊手術を受けておらず、放置しておくと、あっという間に子猫がふえてしまうということです。
都営住宅でのペットの飼育は、ルールで、飼わないでとお願いしている。この陳情は、都営住宅に限らず、飼うからには責任を持って最後まで飼ってほしいという願いが込められたものだと思います。陳情者の方々は、都営住宅の跡地に残された猫を捕獲し避妊手術をしています。全部自費だそうです。野良猫がふえるのを防止しているグループの方々です。
この方々の声を真摯に受けとめ、東京都は、実態を認識し建てかえ時の対応に責任を持つべきと考え、何点か質問させていただきます。
まず、都営住宅の建てかえ時に、猫の飼育状況を調査する必要性について、どのように考えているのかお聞かせください。
○山口参事 都営住宅の建てかえに当たりましては、居住者に対し、移転を進めるために必要な事項を説明するとともに、「住まいのしおり」をお渡しし、円滑に共同生活を営む上で必要なことについても適切に説明してございます。動物飼育につきましては、他の入居者に迷惑を及ぼす原因になるためお断りしており、「住まいのしおり」や「すまいのひろば」でお知らせしているところでございます。
こうしたことから、建てかえ時に改めて調査をすることは考えてございません。
○いのつめ委員 今、理由を述べられましたが、実態を把握するどころか、今のような答弁では、置いていかれる猫の防止ができるはずはありません。
私が伺った話では、昭和三十五年、鷺宮アパートに入居された方は、猫を飼ってはいけないといわれなかったと。ずっと家族として一緒に暮らしていたのに、移転の際、新しい住宅はペットを飼うことはルールで禁止しているからといわれ、どうしていいのかわからず猫を残していったということです。
都営住宅で動物の飼育を禁止するようになったのはいつからですか。
○山口参事 入居の際に全員に配布する「住まいのしおり」で、昭和三十九年四月から動物飼育はお断りする旨を記載してございます。
○いのつめ委員 都営住宅が、戸建てであった木造住宅のころや庭つきの簡易耐火住宅いわゆる長屋であったころは、犬や猫を飼うことはさほどトラブルにもならず、東京都も特に注意をしていなかったと聞いています。集合住宅を大量に建て始めた昭和三十年代の終わりごろから、都営住宅内では犬、猫を飼育することは隣人への迷惑行為につながり、東京都は、犬、猫の飼育を断ってきていると認識しています。
都営住宅の入居者に毎月配布している「すまいのひろば」では、昭和五十年から注意を喚起しています。それ以前から居住していれば、こっそりと迷惑をかけないように飼っている方もいるわけで、建てかえ時には配慮し、対応することが重要だと考えます。
少なくとも建てかえ時の移転説明時に、ペットを飼っている人には、連れていけないルールなので、預かってくれる、また引き取ってくれるような機関や、次に飼ってくれる人を探してくれるようなNPOの紹介などを行うべきと考えるが、見解をお聞かせください。
○山口参事 繰り返しになりますが、都営住宅における動物飼育につきましては他の居住者に迷惑を及ぼすことになるためお断りしており、「住まいのしおり」や「すまいのひろば」でお知らせしているところでございます。
都営住宅の建てかえに当たりましては、居住者に対し、移転を進めるために必要な事項を説明するとともに、「住まいのしおり」をお渡しし、円滑に共同生活を営む上で必要なことについても適切に説明をしてございます。
なお、居住者から質問や相談を受けた場合には、個別相談等を通じて必要な助言や案内を行うなど、適切に対応することとしております。
今後とも都営住宅の管理者として、居住者が自主的にこれらの事項をお守りいただき、適切に対応されるよう周知徹底に努めてまいります。
○いのつめ委員 この陳情者のグループの方々は、新宿御苑をねぐらにしている猫の捕獲と避妊手術、病気の猫の治療など、ことし七月から九月までの三カ月で自己資金四十万円を負担しているそうです。
新宿御苑は環境省の管轄ですが、環境省の見解は、新宿御苑には猫はいない、というものだったそうです。何とも冷たい対応に驚くばかりです。それなのに、新宿御苑で産まれた子猫を、陳情者にどうにかしてくれと頼んでくるということです。
犬や猫が好きな方もいれば、嫌いな方もいます。高齢者や単身者が急増する中で、犬や猫がアニマルセラピーの役割を果たし、皆さんのいやしになっているという現状もあります。しかし、犬や猫に無責任にえさを与える人に非難の声があることも承知しています。毛が抜ける、においが臭い、鳴き声がうるさいなど、隣人同士のトラブルも発生しています。世間では、犬、猫の飼育禁止を掲げているマンションでトラブルが発生した場合には、共用部分は歩かせないなどの迷惑をかけない飼い方のルールを決め、一代限りの飼育を認め、解決した例もあると聞いています。
東京都では、動物適正飼育のモデル事業を平成二十二年十月まで続け、方向性を明確にするといっています。本来、十七年に結論を出すところ、五年間延長しました。これ以上先延ばしは許されません。現実を注視し、今、困っているボランティアや入居者、近隣住民がいるのです。捨てられていく猫を知恵と工夫で何とか減少させることはできないか、その対策を強く求めるものです。福祉保健局とも協議するなど、東京都の都市整備局の柔軟な対応を要望いたします。
○植木委員 飼い主のいない猫に関する陳情について、飼うからには不幸な猫をつくらないようにというお話が今もありました。大分詳しく質問をしたので、私もダブるところがあるので、できるだけ簡潔にしたいというふうには思うのですけれども。
私のうちは都営住宅じゃなくていわゆる住宅街なんですけれども、実は、数年前に近くのアパートの方が引っ越しをされまして、その後、野良猫が数匹そのアパートの階段のあたりにすみながら、だんだん子どもがふえていっちゃったんですね。近所の方々がけんかをしているわけですよ。えさをやっちゃいけないとか、いや、これはえさをやって、動物だからきちっとしなきゃいけないという方もおられて、しばらくそういう状況があったんですけれども、こういう猫の運動をやっている方が来て、きちっとえづけをして、そして捕まえて去勢手術をして、というのを繰り返し何匹かやっておられました。私、最初はどうなるのかなと思って心配だったんですけれども、最終的には野良猫がいなくなりまして、ご近所の方々も動物に対する関心というのが非常に高くなったという経験を、三年ぐらい前ですけれども、ありました。
今回は都営住宅ということなんですけれども、いずれにしても、動物の愛護及び管理に関する法律というのが国でもできて、それから最近はペットの時代といわれて、猫に限らず犬でも鳥でも魚でも飼う方がふえてきているんじゃないかと思うんですけれども、そういう動物愛護の精神を生かすということは、何も福祉保健局だけの仕事じゃなくて全国民の問題だろうと思うんですね。どうやるか、あるいは、それぞれの人たちの好き嫌いも含めてありますから、どう関係するか、いずれはどこかで、ルールがきちっとまち中、全部に行き届けば一番いいわけです。
お聞きしますけれども、動物の愛護及び管理に関する法律で、動物愛護の精神を生かすというふうになっていますけれども、どういうことになるのか。それから、最近は、マンションでは動物の飼育について、どのような傾向にあるのかお示しいただきたいと思います。
○並木経営改革担当部長 まず、動物の愛護及び管理に関する法律ですが、これでは第七条におきまして、動物の所有者または占有者の責務等を規定してございます。そこでは、動物の所有者または占有者は、その責任を十分に自覚して、動物を種類、習性等に応じて適正に飼養すること等により動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体もしくは財産に害を与え、または人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならないなどの定めがなされてございます。
○宇多田参事 分譲マンションにおけるペットの飼育につきましては、各管理組合がみずから規約等の中でその可否やルールを定めて運営しているところでございます。
東京都としましてそれらに関するデータは有しておりませんけれども、民間の調査研究機関の調査結果によりますと、販売ベースでは、ペット飼育が可能なマンションの供給が近年増加しております。またストックベースでは、平成十五年度に国土交通省が実施したマンション総合調査の結果によりますと、ペット飼育を禁止しているマンションが約六割弱となっております。
○植木委員 つまり、ペットの時代といわれているわけですからいろんな試行錯誤があってしかるべきですけれども、動物愛護の精神では、やっぱり責任を果たしながらきちっと適正な飼育をするという考え方を徹底していこうという方針。それから、マンションについては、新しく新築されているマンションの方からだんだん、ペット可というマンションの供給が増加しているということも示されました。
もちろん不可というところも、まだ古いマンションなんかはあるのだろうと思うのですが、現在、日本には犬が一千万頭、猫が八百万頭いるといわれています。核家族化、高齢化、それから核家族化の範囲なんでしょうけれども、単身者もふえている。それから家族の一員としてペットを飼育する方もふえてきているわけです。ですから、飼う人の社会的な責任やマナーをきちっとしながらも、やはりどの社会においても、どこかでルールを確立するということがいずれは必要だと思うんですね。
ただ、猫の場合は、犬のように首輪をつけてじっとしていろというふうにならない性格を持っているだけに、なかなか難しいんですけれども、いずれはそういう共生の時代としての確立というのは、やはりどの局であっても必要だろうというふうに思うんです。
先ほどの質問の中で、いつごろからというお話がありましたけれども、これは条例や規則や要綱、何かきちっと決めているんでしょうか。それとも、どういうふうになっているんでしょうか。
○並木経営改革担当部長 都営住宅での動物飼育について、特に条例等、明文化された規定はございません。入居時にお渡しする「住まいのしおり」の中で、飼育をお断りしてございます。
○植木委員 経過的には、いつ、どなたが決めたことになるんですか。
○並木経営改革担当部長 先ほど答弁もございましたけれども、昭和三十九年四月から「住まいのしおり」の方でその旨について記載してございます。その当時からそういった背景をもとに記載したものだというふうに理解してございます。
○植木委員 つまり、ルールがないんですよ。「住まいのしおり」でずっと徹底してきたという事実が積み重なっていることは事実ですから、それはそれとして受けとめるとしても、やはり、今はモデル事業も実施しているというふうに聞いていますから、そこできちっと、どういうふうにするのかというのは、総合的な判断のもとに、それからそういう社会的な背景も含めて、どちらがいいかということは私の方からはいいませんけれども、ルール化というのはやっぱりどこかで必要なんだろうと思うんです。現在ルールがないんですから。
そういう意味で、モデル事業については、先ほどもお話がありましたけれども、いつまでに、どういう成果があって、それから賛成、反対いろいろあると思うんですけれども、それらがどうなっているのか。それから、モデル事業が終わった段階ではどういうふうにする計画なのか、あわせてお聞かせ願いたいと思います。
○並木経営改革担当部長 動物適正飼育モデル事業ですが、これは、都営住宅においてペットが適正に飼育できるかどうかの可能性を検証することを目的として、住棟居住者全員の同意をいただいた上で、平成十四年度から二団地において実施しているものでございます。適正飼育のルールをつくり、自治会や飼い主の会の協力のもとに、平成二十二年度まで行うこととしてございます。
このモデル事業においては、都営住宅のペットの適正飼育の可能性につきまして、ルールの遵守やトラブル処理体制、原状回復費用などの事項を検証してございます。平成十四年度にモデル事業を開始して以来、これまで事業を実施している団地の自治会、あるいは居住者の方の熱心な取り組みにより、飼育ルールの遵守や居住者間のトラブル処理等が自主的に行われるなど、ペットの適正飼育の推進に向けた一定の成果があらわれてございます。
しかし、一方では、事業を実施している団地においても、鳴き声や団地の敷地内におけるふん尿の不始末などの苦情等がしばしば寄せられていることに加え、アンケートでは約四割の居住者が都営住宅内でペットを飼うことに反対であるとの結果も出ており、現時点でもなお、動物飼育についての居住者の合意形成を得ることは難しい状況にございます。
こうしたことから、今後も、予定している平成二十二年度までモデル事業を継続して、居住者間のペット飼育に関する合意形成の状況等も踏まえ、都営住宅においてペットを適正に飼育できるかどうかについて、さらに検討していきたいというふうに考えてございます。
○植木委員 私、そのルールというのを見せてもらったんですよ。非常に丁寧な標準ルールというのが三ページにわたってきめ細かに書いてあるんですね。これをみんなで守っていけば、僕は非常に可能性があると思うんです。これは非常に丁寧な標準のルールですよ。もちろん反対の方が多い場合、それから賛成の方が多い場合、いろいろケースは当然出てくるんですよ。これは出てくるなといったって無理なんですよ。ただ、問題は、やはりそういうルールを定めた中で、みんながみんなの合意でやっていくということが必要なんだろうと思うんです。
今回の陳情は、こういうルール化をどうするかという問題なんですけれども、飼うかどうかをいっているんじゃなくて、野良猫をつくらないでくれ、こういう頼みなんですよね。だから、これは非常に限定的な意味合いもあるわけです。もちろん、根本はそういうルールをつくってほしいというのが多分あるんだろうと思うんですけれども、陳情はそういうことを趣旨としているわけですから。
福祉保健局の方では、都市整備局からお話があれば、飼い主を見つける組織とか、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、NPOとかを紹介することはやぶさかではありませんというふうにもいっておるわけですから、今、ペットの時代といわれる社会的な背景の中で、飼育を望んでいる方がふえてきている中で、やはり知恵と力を尽くしていくことが大事だと思うんです。
そういう意味で、この野良猫を、飼い主のいない不幸な猫をこれ以上ふやさないということ、建てかえ時に当たっての努力は私は当然だと思うし、個別の相談というようなことは受け入れているというお話がありましたけれども、ぜひ説明会でもそういうのをきちっとやれば大きな問題にならずに早く発見できるわけですから、それは努力すべきだというふうに思っております。
したがって、この陳情については、趣旨を採択していただきたいということを述べて質問を終わりにします。
○高橋委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○高橋委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二〇第五〇号の一は不採択と決定いたしました。
○高橋委員長 次に、二〇第六六号、建築紛争調整申出に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○河村市街地建築部長 お手元の説明表の五ページをお開きいただきたいと存じます。
整理番号3、二〇第六六号、建築紛争調整申出に関する陳情についてご説明いたします。
本陳情は、千代田区の平河町まち・環境協議会有志代表、田中輝久さんから提出されたものでございます。
陳情の要旨でございますが、都において、次のことを実現していただきたい。
一、東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づいて、建築計画を知らせる標識設置の時点から紛争調整申し出書を受け付け、建築計画自体に対する苦情も扱うこと。
二、既に、不当な処理により総合設計許可がおりてしまった全共連ビル建てかえ計画について、今からでも建築設計も含めて苦情を受け付け、紛争調整を行うこと、というものでございます。
計画地でございますが、七ページをごらんいただきたいと思います。七ページでございます。千代田区平河町二丁目七番一、砂防会館の北側、東京メトロ永田町駅に至近のところでございます。
現在の状況でございますが、五ページにお戻りいただきたいと存じます。恐縮です。この地域は、千代田区により平河町二丁目東部地区地区計画が定められており、高さの最高限度が百メートルとされています。
この地区計画は、平成十九年三月に決定されております。
建築主の全国共済農業協同組合連合会は、平成二十年二月一日に建築計画の標識を設置いたしました。
二月二十五日、陳情者は条例に基づく紛争調整を求めてきましたが、この建築物が総合設計による許可を受ける前で、建築内容や規模が確定していないことから、建築物や建築主に対する相談、指導は総合設計の許可を担当する建築指導課で行うこと、及び紛争調整申し出書の提出で開始されるあっせんによる紛争調整は総合設計の許可後に行うことを説明し、建築指導課を紹介いたしました。
建築主は、三月十九日に総合設計制度による許可申請を行いました。
都は、建築計画の図書を縦覧して意見書の提出を受けるとともに、四月二十四日に公聴会を開催し近隣住民の意見を聴取した結果、建築計画に賛成の意見三十八通、反対の意見七通をいただきました。
都は、これらの意見を踏まえ、本件地区計画に係る地区整備計画の決定の際、反対意見の内容が既に地域で議論、整理されたものであることから、これは整理済みと判断し、建てかえ計画の内容が市街地の環境の整備改善に資するとして建築審査会に付議し、同意を受けました。そこで、七月一日、建築主に対して総合設計の許可を行いました。
七月十八日、陳情者が建築物の高さや規模の見直しを求めることを内容とする紛争調整を求めてきたことから、建築主に対してあっせんに応じるよう要請しましたが、建築物の高さや規模については地区計画の決定段階で既に示されており、また総合設計の許可もおりているということで拒否されました。
都は、陳情者に対しても、建築主があっせんに応じられるよう要求事項の再整理を求めましたが、応じてもらえませんでした。
九月十二日、他の近隣住民から建築審査会に対して、本件建築物の総合設計許可の取り消しを求める審査請求がなされました。陳情者を含む近隣住民と建築主とは、これまで数十回に及ぶ意見交換を行ってまいりましたが、両者の隔たりは大きく、歩み寄りは見られておりません。
以上で説明を終わります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○高橋委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○いのつめ委員 意見を述べさせていただきます。
これまでこの陳情については、陳情者、東京都と双方から意見を聞いてきました。東京都が間に立ってあっせんのテーブルに着いてもらう努力を重ねてきたことは承知しています。
幾ら地区計画が既に決まっているという地域特性があるとしても、住民側の意向が建築主側に理解が得られていないことで紛争調整に至らず、建築審査会に総合設計許可の取り消しを求める審査請求が行われたと、陳情者のお気持ちは、理解できるわけです。しかしながら、建設側は法や条例に従い建設計画を着々と進めていくわけですけれども、地域住民の方にしたら、何十年も地域に居住していて、自分たちの二階建ての住宅のすぐ隣に百メートルを超す高さのビルが建設されるという非日常的な事態が起こったわけです。
対応してくれる行政が区なのか都なのか、どこが担当部署なのかもわからない。陳情という言葉さえ無関係で、普通に暮らしてきた方々が、急に陳情を出すという初めての経験をなさる。ご自分の生活がある中で、この降ってわいた出来事に対応していくわけです。
東京都の対応が間違っていない、状況に応じ適切な対応をしてきたといわれます。しかしながら、この前の二〇第四六号陳情、この六六号陳情、この陳情どちらも高さに対するものです。東京都の対応は本当に十分といえるのでしょうか。
次々に高層建築物が計画されていきます。地域の一般住民は低い建物で生活しています。各地で問題が発生しています。東京都に助けを求めている方々に対し、状況に応じたきめ細やかで丁寧な対応を求めます。
○河野委員 一点質問させていただきます。
陳情文を読みますと、ことしの二月二十五日に陳情者が東京都に調整を求めてきたのに、全共連建設の二棟の建築物が総合設計制度を使っていることを理由に受け付けられないまま時間が過ぎて、七月に全共連に総合設計の許可がおりたという経過が示されていて、五カ月以上、単に時間を浪費させられ、建築計画に対する歩み寄りの機会を失ったという陳情者の気持ちが理解できる内容になっております。
伺いたいのは、都市整備局市街地建築部の建築指導、建築紛争調整担当の方がされているのでしょうか。その部署と調整課が、陳情者の相談を正面から受けとめようという姿勢が極めて弱かったという印象を受けるのですが、これはどうだったのでしょうか。
○河村市街地建築部長 当該地域はご案内のように千代田区が入りまして、地域住民とともに、まちづくりとして地区計画を定めてございまして、地域住民等のさまざまな意見を調整した上で、地域の合意で建築物の高さや通路、広場などの配置が既に決定されておるところでございます。
また、本件は、この地区計画を踏まえまして、総合設計制度を活用し建築物の規模を定める計画となっておりまして、建築計画の標識が設置されましても、総合設計の許可がなされるまでは建築物の規模が定まっていないため、あっせんなど紛争調整を行うのが難しい状況にございました。
一方、この総合設計の許可に当たりましては、建築図書の縦覧や関係者からの意見書の提出、公聴会での意見表明など、近隣の利害関係者の意見を反映させる措置が用意されてございまして、建築審査会がそれらの意見を踏まえまして、第三者として公平、中立な立場から判断する仕組みとなっております。
また、紛争調整の前処理としての機能もあわせていることから、住民の要望を受けとめ、総合設計所管部署で対応してきたわけでございます。
総合設計許可後、陳情者はあっせん等の紛争調整を申し出てまいりましたが、あっせんを行うには住民と建築主双方の申し出が必要であることから、都は双方の間に立ちまして、建築主にあっせんに応じるよう調整を図ってまいりました。
しかしながら、建築主は、高さなど建築計画の基本的な内容につきましては、地区計画の決定段階で、区の都市計画審議会の審議も経て地域において既に整理されている事項であるということ、また、建築規模につきましても、関係者の意見を踏まえ建築審査会の同意を得て、総合設計の許可もおりており、この点についてあっせんに応じることはできないという考えを示したために、あっせんによる調整を行うには至りませんでした。
○河野委員 私も、陳情に対する意見を述べさせていただきます。
現地に行ってまいりました。今、全共連の旧建築物が取り壊しの真っ最中です。建築予定地の周りの道路は、大体二車線で幅員は広くありませんでした。真向かいに麹町中学校があって、近くには大学のキャンパスもあります。文教地区ともいえる地域で、古くからの戸建て住宅も残っておりました。
この場所に高さ百メートルの超高層オフィスビルと七十八メートルの集合マンションが建った場合を想定すれば、陳情文にあるように、日照被害、風害、圧迫感などの問題が起きると住民の人たちが不安を抱くのは当然だ、と感じて帰ってまいりました。
住民の方々が異議を唱えている全共連の二棟の超高層ビルの建設によって、まち全体が大きくさま変わりするということは明らかだと思います。全共連は公的役割を担った団体でありますから、住民生活への配慮に努力すべきと私は感じます。
したがいまして、一項目めの調整の制度の改善とともに、陳情の二項目めの、今からでも建築設計を含めて苦情を受け付け紛争調整を行ってほしい、この要望に沿って陳情は採択していただくようにお願いいたします。
○高橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二〇第六六号は継続審査といたします。
以上で陳情の審査を終わります。
○高橋委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○只腰都市整備局長 来る二月六日に開催予定の第百八十四回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきまして、ご説明いたします。
お手元に大変たくさんの資料がございますが、そのうち案件総括表という青い表紙、薄いものがお手元にあろうかと思います。それをめくっていただきます。
今回、東京都決定案件が全部で四十五件ございまして、その内訳は区部が十件、市町村部で三十五件でございます。
さらに、一番下(2)に付記してございますが、都市計画審議会を設置していない三宅村が、直接本審議会に付議する三宅村決定の案件を、二件予定してございます。
本日でございますが、このうち主要な案件といたしまして、4に記載してございます都市再生特別地区の大手町地区並びに丸の内二丁目七地区につきましてご説明いたします。
それでは、引き続き担当の部長から説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
○瀧本参事 都市再生特別地区の二件及び関連案件についてご説明申し上げます。
最初に、都市再生特別地区、大手町地区の変更についてご説明いたします。資料はお手元の白表紙、提案事項概要、薄茶色表紙、事前説明会資料でございます。あわせてお手元のダイダイ色表紙、都市計画(素案)の提案もご参照ください。
今回の変更は、都市再生特別措置法に基づき、都市再生機構から本年九月、都市計画の提案があったものでございます。
スクリーンをごらんください。
都における都市再生緊急整備地域は八地域、約二千五百十ヘクタールが指定されており、本地区は東京駅、有楽町駅周辺地域内にございます。
薄茶色表紙、事前説明会資料三ページをごらんください。
計画地は、既に都市再生特別地区が決定されている大手町地区約十二・四ヘクタールのうちBゾーンの一部であり、東側に大名小路が接し、北側に首都高速都心環状線が近接する約一・九ヘクタールの区域をB-1街区として、変更の提案があったものでございます。
スクリーンには地区の航空写真を示しております。計画地西側に千代田線大手町駅、南側に半蔵門線大手町駅、東側に丸ノ内線大手町駅が近接しております。
事業者からの提案内容については、地域の整備方針に適合し、周辺環境への配慮、都市基盤との均衡が確保されるとともに、都市再生貢献が高く、周辺地域の方々のおおむねの同意も得られていると判断いたしてございます。
事前説明会資料八ページ及び九ページをごらんください。
本計画は、大手町地区における連鎖型再開発の第二ステージのプロジェクトであり、業務機能の拡充を図りながら、金融教育・交流センター、外国語に対応できる国際医療サービス施設を整備し、国際金融拠点としての機能の強化、地域の活性化を図るものでございます。
また、日本橋川沿いのオープンスペースでは、歩行者専用道の整備とともに、緑化空間を整備し、快適な歩行者空間を形成いたします。
さらに、仲通り機能の延伸や貫通通路の整備、地下通路の拡充を行い、歩行者の回遊性の向上を図ります。
環境負荷低減の取り組みとして、設備システムの高効率化、太陽光エネルギーの利用などのほか保水性舗装を実施いたします。
災害時の支援機能として、防災備蓄倉庫を整備するとともに、帰宅困難者の一時的な避難場所を確保いたします。
白表紙、提案事項概要三ページ及び事前説明会資料七ページをごらんください。
都市計画の主な内容として、容積率の最高限度は一五七〇%とし、四〇%を国際金融拠点を支援する交流・情報発進機能に寄与する施設、医療施設等の用途といたします。高さの最高限度は、高層部Aの部分で百五十七メートル、高層部Bの部分で百七十七メートルといたします。
事前説明会資料一〇ページをごらんください。
完成予想図でございます。主要用途は事務所、店舗、交流施設、医療施設、駐車場となっております。
次に、都市再生特別地区丸の内二丁目七地区の変更、補助線街路第九七号線の変更及び千代田歩行者専用道第五号線の変更についてご説明いたします。お手元のフジ色表紙、都市計画(素案)の提案もご参照ください。
今回の変更は、都市再生特別措置法に基づき、日本郵政株式会社から、本年九月都市計画の提案があったものでございます。
スクリーンをごらんください。
本地区は、都市再生緊急整備地域の東京駅、有楽町駅周辺地域内にございます。
薄茶色表紙、事前説明会資料一一ページをごらんください。
計画地は、西側に大名小路が接し、北側に東京駅前広場が近接する約一・七ヘクタールの区域でございます。
スクリーンには地区の航空写真を示しております。計画地北東側にJR東京駅、北側の東京駅前広場の地下に丸ノ内線東京駅がございます。
事業者からの提案内容については、地域の整備方針に適合し、周辺環境への配慮、都市基盤との均衡が確保されるとともに、都市再生貢献が高く、周辺地域の方々のおおむねの同意も得られていると判断いたしてございます。
事前説明会資料一三ページ及び一四ページをごらんください。
本計画は、業務機能の拡充とともに、外国語への対応が可能な国際ビジネス・観光情報センターのほか総合ミュージアム、国際カンファレンスセンターなどを整備し、国際ビジネス拠点の機能の強化、観光情報や学術、文化の発信・交流拠点の形成を図るものでございます。
プロジェクトの推進に際しては、東京中央郵便局の既存建築物をできる限り保存し、歴史的な景観資源の継承を図りながら、東京駅前の風格ある都市景観を維持形成いたします。
また、東京駅前地下通路の拡充や貫通通路の整備を行い、地上、地下の歩行者ネットワークの強化を図ります。
環境負荷低減の取り組みとして、設備システムの高効率化、太陽光や地中熱の利用などのほか、緑化空間の整備を図ります。
災害時の支援機能として、防災備蓄倉庫を整備するとともに、帰宅困難者の一時収容場所を確保いたします。
白表紙、提案事項概要五ページ及び事前説明会資料一二ページをごらんください。
都市計画の主な内容として、容積率の最高限度は一六三〇%とし、四〇%を文化施設等の用途といたします。容積率のうち二二〇%は特例容積率によるものとなっております。高さの最高限度は、高層部の部分で約二百メートルといたします。
事前説明会資料一五ページをごらんください。
完成予想図でございます。主要用途は事務所、店舗、文化・情報・交流施設、駐車場となっております。
次に、薄茶色表紙、事前説明会資料一六ページの位置図及び一七ページ、一八ページの計画図をごらんください。
補助線街路第九七号線及び千代田歩行者専用道第五号線の変更でございます。既存建築物の継承による歴史的な景観の形成と、歩行者ネットワーク機能の拡充をあわせて図ることを目的として、補助線街路第九七号線について、建築物の保存部分に係る隅切りの区域を変更するとともに、既定の地下歩行者専用道を約百五十メートル延伸し、総延長四百九十メートル、幅員十二メートルないし三十五メートルに変更いたします。
スクリーンには補助線街路第九七号線の変更部分の拡大図を示しております。
事前説明会資料一九ページ及び二〇ページをごらんください。
参考としまして、千代田区及び中央区決定の都市計画案件でございますが、地下の歩行者専用道の変更に伴い、東京駅南部通路線について、延長を約五十メートル短縮し二百九十メートルに変更いたします。
説明は以上でございます。
○高橋委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○立石委員 最初に、ちらりと見ると、昔の中央郵便局ですよね。東京駅のシンボル。それから、大手町の大変立派なビルがぼんぼん壊されていくという状況の中で、かつて大正十二年の例の関東大震災のときは、東京の大勢の人があそこへ逃げたわけですね。多くの方が大変な命拾いをした大切な広場だったわけですよね。
そういう観点からして、今説明を聞きながら感じたことなんですけれども、もとの名前の方がいいやすいんで中央郵便局と称しますが、今建てかえようとしている中央郵便局はどのぐらいたっているんだろうか。また、壊している計画は、どのぐらいたっているんだろうと。まずここから始めたいと思うんですが、よろしくお願いします。
○瀧本参事 最初に、東京中央郵便局でございますけれども、一九三一年、昭和六年になりますか、建ててから七十七年が経過をしている歴史的な建築物でございまして、今回それについてプロジェクトの提案があったものでございます。
それから、大手町の方の建物につきましては、今、連鎖型再開発を実施しているところでございますけれども、あちらについてもおおむね築年数が四十年前後以上たったものでございまして、建物としましては非常に老朽化をしているという状況でございまして、今回再開発の提案があったものでございます。
○立石委員 七十七年ないしそれなりの経年をしているということはわかりますけれども、しからばこの新しい計画は、将来何年ぐらいもたせようとして目標を持ってやろうとしているのか。事業者の方、東京都に相談があったときに、何かお話というのは出ていますか。
例えば夏休みにイタリアのトリエステという古いまちを訪ねました。シティ・ホールがありました。バロック建築というか、ハプスブルグ家の記念すべきシティ・ホールが三百年を経てもきちっと機能しているんですね。すばらしい建物で、中はもちろん変えているんだろうけれども、そういうのを見てうらやましくも思うし、我が東京もこうなりたいなと思う。
同時に、やっぱりそういう意味でも、この二つの象徴的なビルというかタワーになるわけですけれども、事業者の方が東京都に相談に見えて、ご提案に見えて、どういう感覚でやろうとしておるのか。その辺もまた教えていただきたい。
○瀧本参事 今お尋ねの、両地区におきます建物をどの程度もたせるかということでございますけれども、これは、大手町地区の方におきましても丸の内地区の方のプロジェクトにおきましても、下層部の部分については、その地域のにぎわい施設なり公共貢献する施設を入れまして、後ろ側に超高層ビルを建てるわけでございます。それについては構造、耐震性能、その他環境性能含めまして、いわゆるトップランナーの性能を持たせるものをつくるということにしてございます。
したがいまして、何年というのはございませんが、通常コンクリートであれば六十年ですし、あるいは新しい建物が超高層になれば、七十年、八十年あるいは百年もつ、それだけの性能を持たせる建物が近年建っているわけでございまして、当然、この両地区の提案につきましても、それだけの性能を持った建物をつくって、末永くこの地区の一つの建物として機能を発揮していくというようなもので提案があった、というふうに理解をいたしております。
○立石委員 随分短いなという気がするんですけれども、それはそれとして、要は、かつて大原則として、霞が関ビルができる以前は百尺、三十一メーターという高さの制限があって、建築の基本として建ぺい率が一〇〇%で、せいぜい一〇〇〇%ぐらいが限度でしたね。それが特区という仕組みによって、どんどんどんどん、へ理屈というか理屈というか、それなりの社会貢献ということで、公共貢献といいますか、いわれてみるとなるほどな、そうだな、国際社会における国際競争力、都市間競争ということを考えればそれは当然だなとわかりながらも、時の流れが早過ぎるという感じがしないでもない。
しかし、また今お話しのように、百年にも満たないものなのかという気持ちもするし、それじゃだめだと。都市計画とかという考えであれば、もっと何世代にもわたって、やっぱり東京のまちが、日本のまちというか東洋のまちらしい重みのある、長い歴史、変わらない、例えば皇居、大内山というか皇居のああいう景観は、歴史的にも大変価値あるものだし--機能はどんどん変わっているだろうし役割ももちろん変わっているけれども、やっぱりそういう東京駅いわゆる俗にいう大・丸・有というのは、こういう意味でゾーンとして考えられるところだろうと思います。時代とともに国際貢献、国際競争力、公共貢献という意味からは、いろんな問題があると思いますが。
そこで幾つか質問していきたいと思いますけれども、確かに日本が国際金融都市として機能していく場合に、欠けているものがたくさんありますね。そういう意味で、大・丸・有というか新しいゾーンにできるこの二つのビル、計画は、教育とか医療という面ではどのようなポイントを置いておられるか、ちょっとこれをお聞きしたいと思います。
○瀧本参事 お答え申し上げたいと思うんですが、立石委員の方から先ほど百年は短いというようなお話もございまして、建物の物理的な側面というものに着目した場合に、現代の技術をもってすれば七十年、百年あります。さらに、建物を使う使い手の方でメンテナンスというものをきちっとやってあるいはまた適時に改修をかける、あるいは機能を更新していく、社会的な耐用年数も更新することによって改善していくということであれば、さらに長くもつだけの性能の建物はつくっていくということでやってまいるところでございます。
では、この地区におきます金融教育なりあるいは医療なりの機能の導入、今回大手町地区で提案があったわけでございますけれども、これは昨年六月に国から第十三次都市再生プロジェクト、国際金融拠点機能の強化というものが出されまして、これに基づいて、本年四月に東京駅、有楽町駅周辺地区の地域整備方針が改定されております。国際金融機能を支える業務基盤、生活基盤の整備を進めていくということが打ち出されております。
その中で、まず金融の状況でございますけれども、これをやろうというふうに事業者の方が提案した要因としまして、ロンドンやニューヨークと比較した場合、国際金融拠点としての東京の評価は、ある調査によりますと、治安などでは高くなっておりますけれども総合評価では九位と低迷いたしております。その主たる要因は、国際金融に豊富な能力を持つ人材の不足でございまして、我が国では金融教育が十分に提供されていないということが指摘されているところでございます。
また、医療につきましては、外国人の就業者や家族が安心して生活できる環境として、英語など外国語が通じる医療施設の整備が求められておりますけれども、大手町地区には円滑に英語で対応できる診療所は見当たらないという状況にございます。
日本の国際競争力を高めていくという上で、こうした状況に対する必要性は大きいと考えておりまして、今回そういうものの提案が大手町地区の方でなされたところでございます。
○立石委員 早とちりで、七十年ぐらいしかもたないのかなと思ったらそうじゃなくて、もちろんそうですね、メンテナンスにもよるし、コンクリートの材質も鉄筋も内容はよくなっていますね。
この間も東京都の医療センター、府中をちょっと見せていただいて、本当にすごいなというのが実感でした。私も建築士だから、実感というのが一番わかりやすいんで、実感としてこれはすごいな、それは百年や二百年はもつなという感じはします。であれば、やっぱり非常に大事な建物だし、内容とか中身はもちろん設備は変わっていくだろうけれども、そういう意味ではすごくよくわかります。
今ご答弁を聞きながら、私の思いは、皆さん都市整備局ですから壮大な理想を持って、大・丸・有というのは象徴的な地域でしょう、そういうものを今の時代につくっていく。言葉は悪いかもしれませんけれども、後の時代の人に、あれはあほじゃないかといわれるようなものをまさかつくるわけないわけで、ユートピアというか、理想に燃えてつくろうとしているわけですから。
その中で、今、国際競争力という中で九位という言葉がありましたね。ちょっとひっかかるんですが、ある機関の調査によると、国際金融の都市としては九位であるという評価だった。それなりの評価をされているわけですけれども、ニューヨーク、ロンドンとかいろいろあるわけですけれども、九位というのはちょっと腑に落ちないなというような感じもいたします。ちなみにちょっと詳しく、一着というか一等というのか、一番はどこというような話をあったら聞かせてほしいんですけれども。
○瀧本参事 先ほどお答えいたしました東京の国際金融拠点としての評価ということでございますが、これは外国のシティ・オブ・ロンドンというところの調査、公表されたものでございまして、五十の都市の国際金融センターのランキングを、金融サービス従事者へのアンケート調査を行いまして、その結果に基づいてこれらを評価して、順位づけをしているところでございます。
評価した項目でございますが、大きく五つの要因に分けて分析がされておりまして、一つは人材の質ですとか、人材教育の程度といったような人的要因、それから市場の透明性、自由度といったビジネス環境要因、さらに金融の質、取引の安全性といった市場アクセス要因、さらにインフラ要因、一般競争要因と、こういった項目によってそれぞれ順位をつけております。
特に東京の場合は、このうち人的要因順位というものがかなり低くなっておりまして、国際的な競争の中で英語等を駆使して金融として戦っていける、そういう人材の評価というのは非常に低いというようなことが大きな要因となって、この五つの中の総合順位としては九位となっております。ちなみに一位がロンドン、二位がニューヨーク、三位が香港と、この調査ではそういうことになってございます。
○立石委員 今お話を聞いていてそれなりに納得して、よって今度は、新しいこの二つの計画ではこれらを充実させるために、どういう施設をつくってどう目標を達成しようとしているか、その辺をちょっとお聞かせください。
○瀧本参事 今、立石委員の方から、そういう状況の中でどういう対応を図ったかということでございます。そうした金融の方面の競争力を高める必要性、さらに、そういうものを高める上での、東京において外国人の就業者の方々が安心して働ける、そういう環境をつくるということも、これはまたフェース・ツー・フェースの経済取引の中では重要でございます。
そういうことから、今回事業者の方では、一つには金融教育・交流センターで金融の高度専門の人材を育成する施設と、もう一つが外国語、英語に対応できる国際的な医療サービス施設、そういうものを整備していこうということで、大手町地区の連鎖型再開発の方では提案があったものでございます。
この金融教育・交流センターにおきましては、参加者に対して双方向型で実践的なプログラムを実施いたしまして、金融に関する高度な知識や実践的なノウハウの習得を促進し、高度金融人材の育成を図るということ。それと同時に、子どもや学生を初め一般の方々を対象といたしまして、ゲームの手法等も用いて金融や経済学の入門講座等を実施して、日本の金融人材のすそ野の拡大を図ると、こういうものに寄与していこうという提案がございます。
それから国際医療サービス施設でございますけれども、これは一般の保険診療を基本といたしまして、英語など外国語ができる医者あるいは看護師を配置いたしまして、外国人にも円滑に対応できる医療サービスを提供して、外国人も安心して働ける環境整備に寄与しようということでの提案がなされております。
これらによりまして、国際金融等の高度なビジネス活動が活発に行われ、国際競争力の強化が図られていくというふうに考えてございます。
○立石委員 わかりました。そうすると、かつてというか、今あるあそこといういい方になっちゃいますけれども、例の当該予定地は、そこに保育園ができるわけではないけれども、小さな子どもさん方にも開放して金融教育をしようというわけでしょう。
聞いた話ですけれども、ユダヤ人の方は金融関係の方が多いと聞いておりますけれども、彼らは三歳か五歳になる子どもに、暖炉の上においしいお菓子を置く、おいしいお菓子を取ろうとする、子どもが取ろうとすると、父親がそれを暖炉の上からたたき落とす。気づいたときから、おいしいもの、甘いもの、うまい話に乗ってはいけないということで、たたき落として教育するなんていうのを聞いたことがある。
そういうところから教育をしている先進国、先進国といういい方はおかしいけれども、金融のプロたちの教育をしている。どんな教育をするかわかりませんけれども、この国もその点が大変おくれているから、これはしっかり教育していこうということと、海外から人材というかビジネスマンが見えたときに、そこで彼らが子育てをするなり教育をする。市民として、医療関係に英語を話せる方が少なければ、非常に不安である。よってそれをレベルアップして、ロンドン、ニューヨークですか、一番、二番の国並みにしていこうと、こういう方針で建てかえるわけでしょう。そういうことですね。そういうふうに理解すればいい。わかりました。
次に、丸の内の例の東京駅前の旧中央郵便局といいましょう、このことについてご質問いたします。
まず、現在の建物を全面的に保存する方法はなかろうかというふうに率直に思ったんですけれども、この点はどうなんでしょうか。
○瀧本参事 この丸の内地区でございます。先ほどもご指摘がございました、建築後七十七年たつ、そして非常に歴史的な価値のある建築物というふうにされてございまして、これに対して保存の要望というものもいろいろ出されているところでございます。そうしたものも踏まえまして、本計画の事業者におきましては、既存建物の保存について検討を行うために、調査を日本都市計画学会に委託いたしまして、有識者による検討委員会を設置して、既存建物の保存について専門的に検討を行っております。
そうした中では、全面的に保存するためには、やはり事業の採算というものが必要になってございます。では、その事業的な採算というものを進めるということで、一つには、あの地区で特例容積率適用地区という制度が実施されておりますが、そういうものについて適用することができないだろうかという検討も行われているところでございます。
これは東京駅舎のケースを見ましても、その土地、街区が持っている特例容積率の分をすべて移転する、そして事業を成り立たせるというためには、一つの街区の開発だけでは困難でございまして、幾つかの開発で容積を移転していくということになります。そうしますと、年次的にも非常にかかるということがございますのと、事業者の方であの地区内の方の建てかえの状況というものもいろいろ調査いたしまして、中央郵便局の余剰容積を移転できる場所というものが非常に少なくなってきている状況がございます。保存の検討を行っていた時点で、具体的に容積率を移転できるという建てかえ計画は確認できなかったということでございます。
また物理的な面では、これは古い建物でございますので、建物の耐震性能が不足していると。そのほか、建築後七十七年経過していて、コンクリートの劣化や鉄筋の腐食、設備の老朽化、外壁タイルの剥離といったものが生じておりまして、この建物を全面的にすべて保存するというためには、そして当然、今後長期にわたって使用できる性能を持たせなければいけないということをしていくためには、技術的にも財政的にもいろいろ問題があるということがわかりました。
本計画の事業者を含めて、日本郵政グループでございますが、保有不動産の有効活用、あるいは経費の削減といった経営基盤の強化、効率的な経営を行うということが強く求められているということもございます。
そうしたいろいろなものを総合的に勘案いたしまして、事業者の方で検討を行いました結果、全面的な保存は困難という結論に至りまして、今回の部分保存の提案になったものでございます。
○立石委員 大体わかったんですが、部分保存ということで、その部分保存されるところは一体どういうように利用されようとしているのか。よくニューヨークだのロンドンへ行くと、古い建物が見事にそのまま昔懐かしい雰囲気で、我々にも利用できるような仕組みになっていますよね。そういうのを見ると、本当にここで百年も前に、百五十年も前に--アメリカへ行けば、それこそリンカーンがどうのこうのなんて思いがつながっていきますね。郵便局なんか特にね。そういうおもしろさというか縦軸の流れみたいなのがありますよね。
そういう意味で、残された、部分保存される、その部分をどう利用しようとしているのかお聞かせください。
○瀧本参事 この部分保存のところでございますけれども、これは先ほど申し上げましたように、全面的な保存は困難ということからいろいろと検討いたしまして、最終的には建物の耐震性能の強化というものは不可欠でございますので、これは耐震壁を取りつけると現在の姿というものが損なわれてしまうということがございますので、建物の地下に免震装置を設置するというようなことになりました。
そういうようなものの技術的なところというものが一つ制約でございまして、最終的には、東京駅前広場に面する既存建物の顔ともいえる北側の部分の一階、かつての郵便局の窓口や待合となっていた部分を、長さ六十六メートル、奥行き二スパン、約十三メートルの範囲につきまして、平面でいうと八百八十平米ほどになりますが、それを一階から五階まで、躯体も含めて保存するということになったものでございます。
この保存する部分につきましては、やはり新しい時代に対応した機能をいろいろ盛り込んでいこうということでございまして、引き続き郵便局の窓口というものもこの中に設置いたしますが、地域のニーズを踏まえまして、駅前でございますので国際ビジネスや観光の情報センターを入れていこうと。それから学術、文化の総合ミュージアム。これは大・丸・有地区にこうした美術館なり博物館というのが非常に少ないということから、学術、文化の総合的なミュージアムというものを入れ込んでいく。さらに、国際カンファレンスセンターといったものを整備いたしまして、また屋上は緑化を行っていくということにしてございます。
これらの施設は広く一般に開放いたしまして、この地域で働く人々や地域を訪れる人々の利用に供することとしておりまして、歴史的な建築物に多くの人々が親しめる計画といたしているところでございます。
○立石委員 わかりました。要は、東京駅へおりれば今までの景観と同じような景観のスカイライン、百尺、三十一メーターがあって、その上に超高層が建つという感じで、イメージでいきますと余り圧迫感がありませんのでこれはいいなと。それはそういうふうに思います。圧迫感があると何かうっとうしいですけれども、圧迫感がないなと。新丸ビルも丸ビルも、そういう意味では圧迫感がないと思います。
ただ質問の最後に、私は中央区ですので、何となく、超高層群ができて立派なまちができたなというふうに思いながらも、追いつけ追い越せで競争の余り……。東京のアイデンティティー、東洋の誇るべき東京の長い歴史を感じさせる、先ほどちょっといった、イタリアのトリエステという古いまちに立ってハプスブルグ家の歴史が残るシティ・ホールを見て感動したようなものは、当然東京にはいっぱいありますね。そういうまちはやっぱり皇居とか、皆さんが景観軸みたいなことをいっていますけれども、そういうことだと思うんですね。
そういう大切なものを、東京都の都市整備局長が皆さんのトップとしてどういうふうに東京をつくっていこうとしているか。東京のアイデンティティー、東洋の代表なんて生意気なことをいうんではなくて、東洋のみんなが何となく肌合いが合って、東京に来るとほっとする我がまち--我が国も我が都市も、東京のようなまちをつくりたい。そういうような理想を語っていただきたいと思って。いかがでしょうか。
○只腰都市整備局長 大手町・丸の内・有楽町、いわゆる大・丸・有地区でございますが、ご承知のように日本の首都である東京の中心でございまして、日本経済の中枢を担う役割が求められております。そういうことで、引き続き、業務機能の更新あるいは高度化を進めていく必要があるというふうに考えてございます。
当地区ではこれまで、まちづくりガイドライン等に基づきまして、公と民が連携して建物の高さの調和、あるいは先ほどお話がございました三十一メートルの軒線の連続性など統一感ある街並みの形成を図るとともに、先ほど部長から説明いたしました歩行者ネットワーク、あるいは緑化空間の整備を進めてまいりました。
一方で、お話のありましたような東京駅の創建時への復元、あるいは幾つかの歴史的建造物の保存、再現を行うことなどによりまして、当地区の歴史的遺産の継承にも取り組んでまいりました。
この地区におきましては、引き続き業務機能の更新を進めていくことが必要というふうに考えておりますが、その際は、商業、文化、あるいは交流機能など多様な機能を導入いたしまして、都市活動の活発化やにぎわいの向上を図っていく、これが一つでございます。
それに加えまして、今お話がございました、これまでの江戸から東京に至る歴史や伝統あるいは街並みの継承などといった視点を、一層重視していきたいというふうに考えてございます。
都といたしましては、都市機能の充実、更新とともに、歴史と開発の融合、緑化や良好な景観の形成などを図りながら、東京の都市再生に取り組んでまいります。
○長橋委員 私からも、今、立石委員からご質疑がありました丸の内二丁目七地区について、重ねて質疑をさせていただきたいと思います。
きょうテレビを見ていましたら、新宿を四十年間、定点撮影をしているというのの特集がありまして、新宿のまちが四十年前から刻々と変わっていくのを見ました。途中から都庁もその風景の中に入ってきて、どんどんと高層化しているわけですね。
都庁も、前はここは淀橋水道ですかね、東京の街並みが大きく変わっていく。そういう中で、歴史的建造物に対してぜひ残したい、保存をしたいという思いもよくわかりますし、今のご質疑の中でも、そういったものを極力残していきたいと、こういうご意見もあったかと思うわけであります。
そういう中で、この質問をするに当たりまして、この東京中央郵便局、今お話ししたとおり、七十七年前に建てられた日本の近代建築の代表作であるということで、大変多くの方々から日本郵政株式会社に対して保存の要望が出ているわけであります。
私の手元にも千代田区議会の東京中央郵便局建造物保存に関する要望書、ことしの七月四日に出されているわけでありまして、その中には、この建物の歴史的、文化的価値は重要文化財に指定されても不思議ではありません、歴史的建造物は外観だけが残されてもその文化的役割を果たすことができません、ぜひとも設計者の吉田鉄郎氏の功績と建築物の価値を最大限保存されることを望むものでありますと。こういう要望書が一致して、議会で出されているわけであります。
また国会においても、超党派の国会議員が、重要文化財にして保存する会ということで、同じく日本郵政株式会社に要望が出されておりますし、また日本建築学会もたびたび、この文化的意義、歴史的価値から見解を述べられて、保存について意見を申されているわけであります。
そういう中で、きょう都市整備委員会で質疑があり、来年二月の都市計画審議会でこれが決定をするということであります。まずは東京都として決めるわけでありますが、こういった要望はその都度その都度、新聞、マスコミをにぎわしているわけでありまして、日本郵政株式会社としてもこういった意見を聞いているかと思いますけれども、郵政がどう受けとめているのか。その点、東京都は郵政からどのように聞いているのか、まずお伺いいたします。
○瀧本参事 保存に対する要望でございます。委員もいろいろお話がございましたとおり、事業者に対しましてこれまで各方面から、この建物の保存に関する要望書が出されております。
これについては、事業者としましてその要望書、要望内容の重要性にかんがみましてこれを重く受けとめて、最大限の保存というものの取り組みができるよう検討を進めてきたところでございます。
この保存に関してはそうしたこともございまして、専門的な検討を行うために日本都市計画学会に調査を委託いたしまして、有識者による東京中央郵便局歴史検討委員会というものを設置いたしまして検討を行っております。そしてこの検討結果を踏まえて、今回の部分保存の提案が行われたところでございます。
○長橋委員 日本郵政も重く受けとめた。その結果、事業者である日本郵政株式会社が歴史検討委員会を設置したということであります。これの別冊にも歴史検討委員会のことが触れられておりますし、既存建物の保存への取り組みということで、今、部長がお話しした内容が書かれているわけであります。
これについて結論的に見ますと、保存の方法の検討ということで、ここには三つ示されております。いわゆる全体保存、部分保存が二通りということであります。部分保存については、北面の保存、それから北面と北東面との二面の部分保存というようなことも書かれているわけであります。
この歴史検討委員会は、この別冊を見ますと、都市計画から建築史、建築計画、構造や材料に至るまでの学識経験者が集まってこの報告をまとめられたと。先ほど、まだ歴史検討委員会はやっているというようなご答弁もあったように聞くんですけれども、報告はまとめられたんだろうと思うんですけれども。
そういう中で、委員が何人いたか、ここには書いていないのでわかりませんけれども、この三つだけしか提案がなかったのか。この三つを見ても全面保存と部分保存では随分違うわけでありまして、委員の中に全面保存ということを主張された委員も恐らくいたんではなかろうかと思います。またそうでなく部分保存で、耐震性のこともあるでしょうし、七十七年たっているわけですから免震対策をしなきゃいけないということもわかるんですけれども、そこら辺がどうも別冊を見ていると、まさに部分建てかえありきというようなことで--検討委員会の抜粋なわけですよね。そういうふうに考えると、この歴史検討委員会、どういう内容でこの歴史的な建造物に対して検討がなされたのか、その内容をもう少し詳しく教えていただきたい。
そしてまたお伺いしますと、千代田区議会も、これについては景観審議会等で議論されている。その中に、この歴史検討委員会の内容がどうなっているんだろう、こんなことが話題になったという話も聞いているわけであります。その報告がまとまっているんであればだれでも見れるのかどうか、公表しているのかどうか、そんなことも含めてご答弁をいただきたいと思います。
○瀧本参事 この歴史検討委員会でございますけれども、実施時期でございますが、昨年の十九年四月から十一月にかけまして四回開催されてございます。委員は、学識経験者の方が七人参加されております。それぞれ専門的な先生、先ほど委員ご指摘のあった専門的なところからの検討がなされているところでございます。
この委員会においては、先ほどお話がありました三つの、全保存と部分保存二つということでございますが、それに加えましてさらに再現ですね、全部を建てかえてもとの姿に戻す。それからまた建てかえというような、全部で五つの選択肢がこの中では検討されておりまして、そういうものの提示がなされております。
この検討委員会におきます検討結果、その報告書でございますが、東京中央郵便局の局舎を、結論的には、現位置にできるだけオリジナルを保存するというものをぜひ検討してほしいという提言がございまして、ただしその中身としましては、先ほど申し上げました五つの選択肢の中からいろいろ検討して、そして進めていくというような結論になっているものでございます。
この検討委員会報告書でございますけれども、これにつきましては、日本都市計画学会の方に調査を委託いたしまして検討委員会を実施しているところでございまして、この検討内容をまとめた報告書につきましては、都市計画学会の方において閲覧に供しているところでございます。
○長橋委員 この報告書については、日本都市計画学会で閲覧が可能であるということであります。やはり、これに対して関心の高い方、また保存に取り組んでいる方々にとってはその内容をぜひ知りたいということであろうかと思いまして、お伺いしたわけでございます。
そういう中で、この中央郵便局だけではなくて、過去にも、丸の内周辺においても、やはり中央郵便局と同じように、歴史的な建造物を残したいという思いがあって、いろんな保存の方法で残した事例はほかにもあるんではなかろうかと思うんですけれども、どんな事例があったのかお伺いいたします。
○瀧本参事 大手町・丸の内・有楽町地区について、既存建築物を保存しながら再開発を行った事例ということでございますと、明治安田生命ビル、それから日本工業倶楽部、旧第一生命館でございますDNタワー、大手町野村ビル、東京銀行協会といったようなものがございます。
このうち、明治安田生命ビルが重要文化財、日本工業倶楽部が登録有形文化財、DNタワーが都選定歴史的建造物となっております。大手町野村ビルあるいは東京銀行協会については、重要文化財等の指定は受けておりませんけれども、既存の外壁を保存するなど歴史的景観の保存を図っております。
このほか、歴史的建築物を再現した事例といたしまして、現在工事中でございますが、三菱一号館がございます。
○長橋委員 歴史的な建築物を保存した例が、以前にも、明治安田生命ビルを初め幾つかあるということであります。この中央郵便局も、保存の方法とかが違いますけれども、これに対して全面保存を訴える方々にとってみると、今までの事例が果たしてよかったのかどうか、こんなこともいわれているんではなかろうかと思うわけであります。
やはり歴史的建造物ですから、それが本当に耐震性も含めて保存できるんであれば、そうしたいという思いはよくわかります。ただ事業者であれば、今後の事業の展開を考えて、また東京駅、丸の内のまさに正面を飾るところでありますから、民営化して、今後の事業の展開をどう図っていくかということの決断だったろうと思います。また先ほどお話ししましたけれども、国会議員超党派で、国会議員は重要文化財に指定する会、文化庁もそれだけの価値があると、こんなことを答弁しているんだけれども、最終的には、事業者がそれを重く受けとめている中でどう判断するかということであろうかと思うわけであります。
ですから、重く受けとめて歴史検討委員会を設置して、検討して、広く多くの方の意見を聞きましたというようにも聞こえるんですけれども、まだ都市計画決定もしていない、また区の景観審議会も審議中である、そういうさなかに事業者が決定して工事入札を行った。これは明らかに、手続としてはどうなのという意見もあるわけであります。
もう既に、どんな建物が建つのか新聞にも出たわけであります。そうすると--歴史検討委員会でまだ検討しているんですよ、それはまた東京都の都市計画審議会にかかるんですよ、にもかかわらず入札が決定して青写真が出た、これに対する手続もおかしいんじゃないか、というご意見もあるんですが、それについてはいかがでしょうか。
○瀧本参事 この工事入札ということでございますけれども、ここへ至ってきた流れとして、先ほども申し上げました、歴史検討委員会というのは昨年の平成十九年十一月までで一通りの検討を終えましてそこで報告書が出て、それを踏まえてさらに本計画の事業者として検討を進めまして、あるいはまたいろいろ各方面から出されるご要望も踏まえて、そういう中からできる限り多くの保存の範囲を広げたいということで、技術的にも具体的にもいろいろ検討した結果が今回の提案でございます。
この工事入札、こうした都市計画がまだ決まっていない段階でのものでございますけれども、これは本計画事業者の事情によるものでございますけれども、東京中央郵便局の既存建物の一部保存及び忠実な再現を行うということにもしてございます。再現の部分もございます。このためには、その工事に先立って綿密な調査を行うということが必要になるわけでございます。
また、保存を図る部分に免震工法を採用いたしますが、新築部分との取り合いの詳細設計は、工事を施行する建設業者を決定して実際の施工方法や手順を詰めないと、行うことは困難ということでございます。このようなことから早期に工事入札を行って建設業者を決める必要があったというふうに聞いてございます。
○長橋委員 今の説明をお伺いしますと、事業者の意向であったということであろうかと思います。
冒頭に申し上げました、千代田区議会が要望書を出されていると。この要望書は端的に、建築物の価値が最大限保存されることを望むと。その前には、重要文化財にしてもおかしくないと書いてあるわけでありますけれども、こうした地元区の要望に対して事業者はちゃんと返事しているんですか。そこら辺だけ。
先に発表しておいて、地元の千代田区議会にきちっと説明しているのかどうか、今後どうするのか、ちょっと教えてください。
○瀧本参事 地元区から出されている要望に対しましては、事業者はこれを受けましてその趣旨に沿っていろいろと検討を進めて、保存の範囲をできるだけ広げると。部分保存をするにしても、広げるということで検討を進めてきているところでございます。
これにつきましては、これまでのところは特に文書で回答というようなことはしてございませんけれども、ここで部分保存の検討の結果が一通り出てまいりました。そして、都市計画の提案というものがなされたということもございまして、今後、近々に千代田区議会の方に、事業者として文書等をもって報告してまいるというようなことで進めていく、というふうに聞いてございます。
○長橋委員 要望に対して近々に千代田区議会にきちっと答えるということでありますので、確認をさせていただきました。
確かに、先ほど立石委員からもあった全面保存、技術的には日本の建築技術を駆使すればできるんだろうと思うんですけれども、採算性の問題もあるしまた事業者の意向もあろうかと思います。
そういう中で、一番のメーンである北側部分については、六十メーターですか、二スパンをそのまま残すと。残すためには免震対策を施さなきゃいけない。ところが、北東部分については同じようにできないのか、こういう意見があるわけであります。北側部分は保存する、北東部分は再現する、と違うわけであります。ですから、北側部分については都市計画も変更して保存に努めるわけでありますけれども、なぜ北東側は同じようにできないのか。やはり、顔である、一部は保存で一部は再現というのではどうかな、こんな意見もあるんですが、そこら辺についてはいかがでしょうか。
○瀧本参事 東京中央郵便局の既存建物でございますけれども、これをそのままの姿で現在の耐震基準に適合させて保存するためには、耐震壁を取りつけるといったことが出てきてしまいますので、できませんので、委員ご指摘のあった、建物の地下に免震装置を設置するということが必要となります。
この免震装置については、装置を支える地中壁が建物の地下外壁から少なくとも一・四メートル程度外側に出てしまうということがございます。既存建物の北東側の部分、外壁の部分を再現する部分でございますが、仮に免震装置を設置するとした場合、長い区間にわたって地中壁が敷地の外にはみ出してしまうということになります。そのため、北東側の部分を保存することは困難というふうになったということでございます。
この保存する部分と再現する部分については、建物がこれまでの姿を、ちゃんときちっと外観が出るように、仕上げ等についても建設当初のイメージを出すようなことで工事を進めていくというふうに聞いてございます。
○長橋委員 最後になりますけれども、いろいろお伺いしてまいりました。いよいよ来年の二月の都市計画審議会で決まるわけでありますが、議論を重ねてきた中で、全面保存、こういったことを主張されている方々もいまだおります。また保存の方法についても、今後の東京の玄関口ですから、まさに歴史的な重みも含めて、なぜそんなに急ぐんだ、こんなご意見もあるわけであります。
ですから、皆さん方、都市整備局、まさに東京の玄関をつくる。我が家では、自分の家の玄関をつくる、それがみすぼらしいというか、みすぼらしいといういい方はおかしいですけれども、そこを立派なものにしたいという思いはあろうかと思うわけであります。ぜひそうした方々に対して東京都は、ただ事業者からこういう提案があったからそれを法的にどうだとかということで、いいですよとかだけではなくて、指導性も含めてきちっと説明していくべきだ。それを怠っては、やはり禍根を残すんではなかろうかと思います。
最後に、そうした方々に対する説明についてどうするのか、ご説明をいただきたいと思います。
○瀧本参事 事業者におきましてはこれまでも、いろいろと出された要望に対して、これを踏まえまして検討を行ってきたというところでございます。今、長橋委員からご指摘がございましたけれども、今後、事業者として十分な説明を行うよう努めるとともに、またできる限りの対応を図るよう、事業者の方に要請してまいります。
○長橋委員 しっかりお願いします。
○高橋委員長 この際、議事の都合によりまして、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時十八分休憩
午後三時三十二分開議
○高橋委員長 それでは、休憩前に引き続きまして委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○植木委員 きょうは都市計画関係のことで、大手町、丸の内、それから開発の方針と出ていますので、順次質問したいと思います。
まず、大手町の問題ですけれども、きょう時間もありませんので確認の意味だけで質問は一点だけにしますが、大手町の連鎖型開発の第一次計画の案件が出たときに、当時詳細な質問をしたので、それを繰り返すととても終わりませんので。たしか経団連が内部の話し合いの中で、新たな出費がないような形でやるようにということをいって、マスコミからもかなり取り上げられました。
そして、今度は第二次の事業が提案されていると。第二次が終わりますと、今度は第三次と。連鎖型というんですから、開発が連続してどこまで行くのかわかりませんけれども、開発規模が広がっていくわけですよね。そして、一つ一つが異様に超高層であるわけですね。
それで、経団連のことについてだけ、どのような経過になっているかを、確認だけですので、簡単にお示し願いたいと思います。
○石川民間開発担当部長 経団連の土地についてのお尋ねでございますが、経団連の土地につきましては、土地区画整理事業によりまして、現在建築が行われております第一次開発の場所に、平成十八年九月に仮換地をされております。現在使用しております既存の建築物のある土地につきましては、施行者である都市再生機構が管理しており、現在、経団連に貸しております。
○植木委員 経団連についての経過はそういうことですが、いずれにしても、連鎖型というのは、もう最初から先々の開発が、もちろん地権者がそれぞれ意思を一致させていくわけですから時間もかかるわけですけれども、開発そのものはどんどん進めていくと、こういうことがはっきりしているというのが一つあります。
それから、施行者が管理しているというのは、URが入っていることはありますけれども、同時に三菱地所がこれに加わってきていて、三菱地所が全体として今後もかなり大きく主導権を発揮していくということなども、いずれきちっと、まとまった時間があるときに質問したいというふうに思っておりますので、そのことだけ強調しておきます。
丸の内の問題、今それぞれお話がありましたのでダブる点はできるだけ省略しますが、話の流れからいわなきゃならないことが最低限ありますので、その辺は容赦願いたいと思っています。
今もお話がありましたように、とにかく、日本建築学会から建築家協会、それからドコモモという団体だとか新建築家集団、それから国会の方では、東京中央郵便局庁舎を国指定重要文化財とし、首都東京の顔として将来世代のために永く保存・活用を進める国会議員の会というのがあって、百七十人の国会議員が入っていると。そのほかに市民団体としても、東京中央郵便局庁舎を国指定重要文化財にする会などなど、それから先ほども紹介がありましたけれども、千代田区議会も要望書を出したというお話がありました。
やっぱり建築学会などは、歴史的な近代建築の中での重要性とか、赤れんがの東京駅と駅前広場を構成する都市景観上の不可欠な重要な建築物、ということなど詳しく要請書の中には書いてあって、歴史的・文化的価値、景観・環境的価値、社会的価値を内蔵し当時の構造技術を駆使した建築物である、というふうに強調しているわけです。
先ほど来の質問で明らかになったのは、都は、事業者はどうだということはよくいうんですけれども、都としてはこの建築物の文化的位置づけ、歴史的な価値、これについてはどのように考えているんでしょうか。それをまずお聞きしたいと思います。
○瀧本参事 この東京中央郵便局の建物でございますが、一九三一年に逓信省の吉田鉄郎が設計した、近代的な事務所建築ビルの一つの模範になっているビルでございまして、この建物についての重要性については東京都としても十分に認識をしているところでございます。
○植木委員 だとするならば、東京都としては、東京都指定の東京都歴史的建造物の指定、あるいは国指定重要文化財にするということを国に対して働きかけるとか、そういう東京都としての積極的な考え方あるいは検討があったのかないのか、その点について教えてください。
○瀧本参事 この点につきましては東京都に対しましてもいろいろ要望もいただいているところでございます。東京都としてそうした要望を受けて、特に歴史的な建物である、そして駅前の都市景観というものを図る、そういうことから景観上の対応についても、そごのないように進めるよう事業者の方にもかつて話をし、また事業者としての検討を進める中で、できる限りの保存を図るような要請もしてきたところでございます。
そういうものを踏まえて、全体的なところでの総合的な検討を行った結果が、今回の提案になったというふうに受けとめてございます。
○植木委員 そうじゃないんですよ。都として検討委員会があるのかどうか、多分あるはずですよ。
そういうところで検討したのか。検討した結果、東京都ではどうなのか。あるいは国に対して働きかける価値がある内容であるとしたならばどうするかとかという、そういう具体的な検討と検討内容、これを示してほしいんですよ。
○町田都市景観担当部長 東京都の景観条例上、東京都が選定する歴史的建造物という位置づけがございます。
当該の建物につきましては、平成十年十一月になりますけれども、景観審議会の意見を聞きまして、東京都選定歴史的建造物の選定候補のリストに登載をいたしました。都ではそのリストに登載されましたことを踏まえまして郵政省、当時の郵政省でございますね、それから郵政事業の所管の時期も含めまして、所有者に対しまして、選定の意義などを説明しながら、建物保存に向けての協議を行ってきたところでございます。
しかしながら、郵政民営化という検討をされる過程の中で、所有者といたしましては、将来計画が未定であるというようなことから、都選定の景観条例上の位置づけについては選定の同意には至らなかったという経緯でございます。
○植木委員 都としてやっぱり積極的なイニシアチブがないじゃないですか。旧郵政省のときの話。今回は建築上の指導は確かにやっているかもしれない。でも、重要文化財として保存するという問題について、やっぱり真っ正面から取り組む必要があると思うんですよ。きょう、前にも二人の質問者がおられましたので細かいことは省略しますけれども、やっぱりそれだけの値打ちがあるという最初の言葉どおり、それを行動であらわすということが必要だと思うんですよ。
私、建築の専門家、何人も知っているわけじゃないんですけれども、建築学会の方にお話を聞きましたら、日本の高度な技術をもってすれば十分できるというお話を大変細かくしてくださいました。私、専門家ではないんで一つ一つは十分ここで披露できる内容はないですけれども、非常に細かく教えてくれました。できるということなんです。
問題は、やる気--東京都と今度の新しい事業者、東京都が新しい事業者に対してそれを説得する、そういう姿勢があるかどうか、ここにかかっているんだと思うんですよ。この姿勢がなければ。
お伺いを立てて、多少残してください、検討結果がこうでした、ああ、そうですか、これじゃだめですよ。やっぱり、やる気と技術の問題として、きちっと立場に立ってほしいと。もう一回お願いします。
○町田都市景観担当部長 保存に対しての東京都からの働きかけという意味からいたしますと、それは確かに、全面保存であったり部分保存であったり、いろんな方法があろうかと思います。その辺の検討については、日本郵政側が学会等の検討委員会でいろいろ検討してきたという経過について、これまでの答弁の中でるるお話をさせてきていただいているところでございます。そういった結果の中での今回の部分保存ということでございます。景観面からいたしましても、東京都としては、一定の働きをしてきた結果としての現在の考え方でございます。
○植木委員 ヨーロッパなどの例がよく出ますけれども、私もイギリスで古い建築物の建てかえの現場を見させてもらって、説明も受けたことがあるんですけれども、まさに躯体そのものをどう保存するかというのに物すごい心血を注いでおりました。内部は非常に近代的な、新しいハイテクに対応できるような仕組みも取り入れながらつくっているんですよね。そういう努力というのは日本でできないのかというのは、非常に残念でならない。
新聞報道などでも、これは読売新聞でずっと特集を組んでいる中で、こういう記事を私は見たんですけれども、英国では十九世紀末以降、歴史的建造物の保存運動が起こり、第二次世界大戦後本格化した、史跡保存機関イングリッシュ・ヘリテージによるとということで、ただ指定するだけじゃなくて増改築に対する当局の許可を必要とするということで、許可の建築物がことし四月現在で一万八千四百六十一件ですよ。東京の場合は、都の指定だけだと七十八でしょう。だから、本気でやる姿勢がどうなのかということがやっぱり問われるだろうと思うんです。本当に日本を観光立国にしていくような、そういう立場であるとすれば、もっともっと、歴史的な建造物にも力を注ぐという必要があると思うんです。
ここでも、こういう方を紹介しておりました。ロンドンの遺跡管理の専門家の方が、東京は刺激的なまちではあったが古い建造物、文化建造物などは少ないまちだった、こういって、観光を重要産業とするならばやはりそういうまちとしての努力というのはあるはずだ、という趣旨のことをいっているんですね。私もその点は本当に共感します。
最初にロンドンのお話をしましたけれども、それは本当に努力しているんですよ。金と時間がかかるんですね。時間がね。金の方は、もちろん巨額なお金がかかるところもあるでしょうけれども、よく保存するために内部をどうするかということでの努力には、非常に心血を注がなきゃいけないということもあって、かかるんですよ。だから、僕はそういう意味で都としてできないはずはないというふうに思います。
今回の建物を見ますと、今度は株式会社の郵便局ですよね。それで、あるんだけれども、全体の計画を見たら、郵便局はどこにあるんだろうというぐらいちっちゃいんですね。つまり、郵便局の床面積それから全体の延べ床面積で見ると、自分たちが使える直接的な面積以外は、再開発なんかでいえば権利床ですから、保留床ですか、これは権利を自分で持っているわけですけれども、まさにほかは全部貸したり何だりできる、そういうものですよね。そういう意味では、財政的にも非常に余裕のある建物ができるはずなんですね。僕自身はこの基本構想そのものは反対でありますけれども、お金が大変だとさっきの説明の中でいっていましたけれども、決してそんなことはないと思うんですよ。
ちなみに、郵便局の全体の延べ床面積とそれから実際の床面積、従前の郵便局の床面積、それぞれ教えてください。
○瀧本参事 この床面積ということでございますが、その前にちょっと申し上げたいんですけれども、この建物を全体的に保存するという方法としては、耐震壁の設置とそれから免震工法、二つございます。
今回、歴史検討委員会においてはいろいろ技術的な検討を行っているわけでございますけれども、耐震壁の方法もございます。その耐震壁をやりますと、かなりの枚数の耐震壁をいろんなところにつけなきゃいけないということがございまして、これは現在の姿をそのまま保存するというところにちょっと抵触をするということが一つございます。
それで、なおかつ、もしも全面的にそういう方法で残すような場合において、一つには先ほどから出ておりますけれども、特例容積率適用地区を使ってできないだろうか、こういう検討も行っているわけでございまして、そういうものもなかなか困難ということから、歴史検討委員会では部分保存というようなものも含めた提案がなされて、これを計画事業者の方でいろいろと多面的に検討した結果、今回の東京駅前の北側の一番重要なところについてはぜひ残そうということで提案があって、さらに、その駅前の北東側の部分については、その当時の材料で使われたものを使って忠実に再現をしようということで、東京の駅前の景観をきちっと継承していくというものの提案でなされているということは申し上げたいというふうに思います。
それから延べ面積のお話でございますけれども、計画延べ面積は約二十一万五千平方メートルでございまして、そのうち郵便局の機能としては、中央郵便局の例えば集配機能は銀座の方に持っていく。機能としては周辺のところできちっと営業はするということでございまして、ここで残すものは窓口機能ということで、千平米から二千平米程度のもので現在検討を進めていると。郵便局の床面積としてはそのように検討しているというふうに聞いてございます。
○植木委員 前段の答弁ですけれども、私も質問するつもりでいたんだけれども、もう既にお二人の質問の中で繰り返し出ていたから、その上に立って東京都の姿勢を聞いたわけですよ、承知の上で聞いているわけですから。ところが、東京都の姿勢は十分でないということは、先ほどの答弁ではっきりしちゃったんですよ。だから、これはもっときちっと都市整備局全体としてこの問題に真剣に取り組んでいただきたいということを重ねていっておきます。
それから、今回、これだけの二つの特区が出ました。大・丸・有の地域は、総合的に見ますと相当な容積率、面積が上がっている。現在建っているだけでもたくさんあるわけですが、今、非常に金融危機の影響を受けて、テナントがなかなか借り手がいないとか賃料の設定がどうかとかという話もたくさんあります。この周辺の賃料の設定がなかなか思わしくないという報道も聞いておりますけれども、それについて実態がどうかということが一つ。
それから、国際金融都市ということで、ここにはそういう施設もつくるということですけれども、旧都庁舎の跡に建った東京国際フォーラム、ここも非常に、国際的な会議をやる場としてあるいはそういう国際的な金融関係の話もやるということで、たしか建てたはずだったと思うんですが、こういうところとの競合とかそういうことの検討はあるのか。あわせてお願いしたいと思います。
○瀧本参事 一点目の賃料といったお尋ねでございますけれども、これは民間の調査機関の調査というものによりますと、東京の賃貸オフィスビルにおいては需給が緩和をしてきて、賃料や立地、それからオーナーのテナント誘致のいろんな手法の違い、そういうものによって稼働率に差が生じているということが指摘されておりまして、賃料についても現在は低下傾向にあるというふうにされてございます。
それから、国際フォーラム、その他のものでございますけれども、これは今回、丸の内地区においては、いろいろな国際ビジネス、情報インフォメーションセンターあるいはミュージアム、そういうものを設けていくということと同時に、カンファレンスセンターというものも設けていくことといたしております。
こういうものについては、先ほどお尋ねのありました国際フォーラムのところにも大きな会場がございます。それからまた大手町の開発の中でも、第一次再開発の方では、大規模な国際カンファレンスセンター、国際会議場を予定しております。今回この丸の内のところでもそういったもののカンファレンスセンターの整備をして、それぞれ大・丸・有地区の中で連携を図りまして、双方補完を図りながら、この展開を図ることによって大・丸・有地区、東京の国際競争力というものをますます高めていく、こういうような計画になっております。
○植木委員 私も民間調査機関のいろいろホームページで見ましたけれども、森トラストのビルで丸の内トラストタワーというのが十一月に開業、稼働率が五〇%だそうですね。賃料は当初七万円と予定していたのを、下げて五、六万円。これ以上下げると、都心の全体の価格を下げるということになりかねないということでやっているようですけれども、いずれにしても、テナント以上に過剰になってきていること。
それから金融不況の中で、こういう国際金融センターなるものがどうなるのかというのは、当然出てくると思うんですね。国の方では、国際金融街構想ということで、こういう国際金融のいろんなセンターをつくったりする場合には、都市計画上の規制の緩和と、それから税制などの援助を行うというのが新聞報道で出ているわけです。どんどんどんどん、行け行けどんどんというようなことになって、本当にこれで大丈夫なのかというのはいつも私は思っているわけなんですね。
最近の不動産市況の中を見ますと、二〇一〇年問題というのが出ていました。オフィス需要が、過剰供給で底をつくのが二〇一〇年と書いてあります。既に六本木ヒルズにも空き室がある。お台場や豊洲などのベイエリアでは新築ビルであっても空き室率は一〇%、こういう記事が出ていたり、不動産ファンドの原動力になっていた、いわゆる投機マネーが引き揚げられていますから、Jリートいわゆる不動産ファンドのJリート市場が、外資の引き揚げで、参加している企業などが相次いで破綻をして、ことしだけでも不動産それから建設ゼネコンなど、上場企業の倒産が相次いでいるわけですよね。これは本当に、これからどういうふうになっていくのかというのはたくさんあると思うんです。
この大・丸・有の地域だけでも、現在計画中の建設だけでも五十万ヘクタール、東京ドーム三十八個分というふうに出ていました。これを決定してきたのは、都市整備局の皆さんですよね。それから二十三区で見ますと、これから完成する延べ床面積一万平米以上のオフィスビルが百二十二棟建つと。日経不動産マーケットで百二十二棟、六百六十五万平米というんですから、東京ドーム百十個分がこれから建つという計画だと。こういうことで、本当に、開発や超高層ビルそれから国際金融都市の名のもとにつくることが、いずれは行き詰まり状態が出てくるというふうに私は思うんですね。
そういう意味で、これだけどんどん床面積がふえて、何ら問題がないというふうに感じているのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○瀧本参事 先ほどもお話に出ておりました、国の方においても本年四月に国際金融拠点機能強化プランというものを出しまして、この大・丸・有地区というものを金融拠点機能強化を先行させる地域として位置づけて、その高次の業務機能とそれを支える高度の支援機能整備を図るということで進んできているところでございます。
東京、とりわけこの大・丸・有地区でございますけれども、今いろいろございましたビルの市況の状況というものも変化をしているということはあるわけでございますが、この大・丸・有地区を見てみますと、やはり築後三十年以上経過するビルというものが過半を超えております。建物の老朽化あるいは耐震性の不足しているものもございます。
さらに、ますます厳しくなってくる国際競争、諸外国と対等に競争していくためには、IT化の促進あるいは業務機能の更新、高度化が不可欠でございます。東京が国際競争力を維持向上して、活力ある、維持、持続的発展が可能な都市として構築していくためには、やはり老朽化したストックというものを機能更新して、そしてそこに新たな機能高次化を図りまして、都市再生を進めていくということが重要というふうに考えているところでございます。
また、これが大・丸・有地区などそういうところへ都市機能を集積して、コンパクトで効率的な都市構造へと再編していくということは、都市全体から見ても環境負荷の抑制につながるものというふうに考えてございます。
○植木委員 コンパクトなんてうそをつかないでほしいんですよ。どう見たってコンパクトじゃないでしょう。こんなにはっきりしていることをどうしていうのかなと、本当に正直いって頭にきますよ。コンパクトじゃ決してないですよ。大・丸・有だけでも五十万平米ですよ。東京全体で、今、計画しているだけで床面積は六百六十五万平米ですよ。決してコンパクトじゃない。
それから、今、環境のお話がありましたけれども、今回都市計画の説明書を見てみましたら、少なくとも前回の提案があったのを見ますと、従前の建物のCO2と新しい建物のCO2との比較がちゃんと出ていた。今回、比較が出ていないんですよ。新しい建物がどうかということしか出ていない。これはどうしてですか。
○瀧本参事 CO2の排出総量というものの記載ということでございますが、これはご案内のとおり、現在、東京都においては、業務部門を含めまして二〇二〇年までにCO2二五%削減ということで取り組みを進めてございます。そうした中で条例の改正をし、そして排出総量の義務化というものに向けて、今現在、環境行政が中心になって取り組みを進めているところでございます。
今後都市開発部門においても、全体的な総量規制においては、そうした大きなルールの中で取り組みを進めていくということにしてございます。ただし都市開発を行っている中では、環境においても当然高性能のもの、環境負荷の低減という取り組みが必要でございますので、総量としては書き込みはしてございませんけれども、環境の取り組みというものについてはできる限りのものを、都市再生特区、これは都市再生のトップランナーと同時に環境のトップランナーであるべきだということで要請をし、そして取り組みを行っていただいているというものでございます。
○植木委員 都市再生のトップランナーとして環境対策をやるからいいと。それから、大きなフレームが、確かに環境確保条例が改定されて、大規模事業所についての義務率などがこれから決まってくることは私も承知していますしそれ自体は前進だというふうに思っておりますけれども、少なくとも特区をやる場合に、やはり、従前と計画の排出量は、きちっと書く必要があると思うんですよ。
現に抑制するというんですけれども、大手町と丸の内と二つの特区について、従前の建物でCO2の排出量が幾らなのか、それから計画の排出量が幾らなのか、これ、両方を教えてください。
○瀧本参事 本計画の事業者の試算によりますと、年間のCO2排出量でございますが、大手町地区B-1街区では、既存建物は約九千五百トン、計画建物は約一万四千八百トンと試算しております。同様に丸の内二丁目七地区では、既存建物が約三千四百トン、計画建物が約一万五千八百トンと試算をされているところでございます。
今回のこの二地区の計画につきましてはいずれも、既存の排出量に比べてCO2排出量、計画は増加しておりますけれども、既存建物が、指定の容積率に対しまして、極めて低い土地利用の状況となっていることが大きな要因でございます。これは一平米当たりのCO2の排出原単位で見ますと、大手町B-1街区が六十三・二キログラム、丸の内が六十八・五キログラムで、テナントビルの平均値百七キログラムよりも大幅に削減しているところでございまして、こうした環境の取り組みもやっていただいて--トップランナーの環境の取り組みもしているというところでございます。
○植木委員 確かに新しい建物は、従来から比べると、先ほど示されたように原単位が六十三・二、六十八・六ですか、というふうに変わってきてはいます。従来の原単位、古い原単位が百前後ですから。
しかし、京都議定書で求めているのは、一つ一つの努力と同時に全体としていかに削減するか、ここでしょう。だからそういう意味で、建物として努力しているからいいというふうにはならないんですよ。ただ、どこまで抑制するかというのはもちろんよく検討しなきゃいけない問題はありますけれども、少なくとももっと減らさなきゃいけないというのが、今の東京都の置かれている京都議定書を実現する立場じゃないかと私は思うんですよ。
現に今、出された大手町を見ますと、両方を差し引きますと年間五千三百トンのCO2の排出量がふえるわけです。丸の内の方は、差し引きますと一万二千四百トン。これ、両方合わせますと一万七千七百トン。実に当初の二・三倍がふえるんですよ。そのぐらいふえているんです。そういうことを自覚しないと、やっぱり行け行けどんどんで都市再生をやっていけばいいということになっちゃうんですよね。
名目だけは国際都市だとか金融都市とかいうことを掲げて許可をしていくものだから、そういうことになっていくわけです。そうじゃないんだと。総体としても抑制型にしていくんだという構えがないと、これは幾ら大規模事業所の環境確保条例についてのあれがあっても、やっぱり削減には至らない。あるいは下降傾向にも至らないということですよ。
だから、改めて都市再生特別地区についての、従前と計画と両方、今後はもう一回載っけるべきだと。今回のも本当はそれを載っけるべきだというふうに思いますが、いかがですか。
○瀧本参事 これについては、先ほどもご答弁申し上げましたけれども、全体のCO2の排出抑制というものについては環境行政が中心になって、今後具体的な削減義務率を大規模事業所を中心に定めまして、そして削減義務量というものも一つ一つ求めていくということになっているところでございます。
そうした中で、私ども都市整備部門においても、環境行政の一環として取り組みを進めていくということにしてございまして、私どもの都市整備部門においては、できる限り性能の高い、環境負荷の少ない、そして緑にも配慮する、それからヒートアイランド対策の対応もきちっとするといったような環境のトップランナーを目指す、そうしたプロジェクト。そして、もちろん環境と同時に都市機能の更新、そしてこの地域への公共貢献というものを大いにやっていただく、そういうプロジェクトというものについて取り上げていくというようなことでいるところでございます。
○植木委員 やっぱり大規模事業所を環境確保条例に任せていくというのは危険ですよ。やはりそこは反省してほしいと思うんですよ。だから、少なくとも現在はどうで、新しい計画はどうだという自覚をちゃんと持たせる。百歩譲ったってですよ。僕は百歩譲るのは嫌だけれども百歩譲ったって、そのことぐらいは都市整備局としてやらなかったらおかしいですよ。もう環境確保をやっているから都市整備は関係ない、という言葉は使わなかったけれども、それに近い話ですよ。それは僕はとんでもないと思います。
それから時間もありませんので次に移りますけれども、都市再開発の方針と住宅市街地の開発整備の方針の改定が、今回全面見直しが行われようとしています。今、都市再生とかいろいろやっているのは都市づくりとしての計画があって、これがかつての、東京の新しい都市づくりビジョンに基づいて、その後都市再生もあって、開発はいわば行け行けどんどんで進んできています。
そこで、この、東京の新しい都市づくりビジョンそれから都市再開発の方針、住宅市街地の開発整備の方針、それから都市再開発方針と同じなのかな、都市計画区域マスタープラン、これらはどういう関係になっているのか。上位関係はどうなっているのか。それぞれちょっとお願いしたいと思います。
○座間市街地整備部長 お尋ねの都市づくりビジョンと、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針、いわゆる区域マスタープラン、それと今回の都市再開発の方針並びに住宅市街地の開発整備の方針の関係でございますけれども、まず、都市づくりビジョンにつきましては、東京が目指す都市づくりの将来像の実現に向けて展開すべき戦略などを政策誘導型都市づくりの基本的な枠組みとして示しておるものでございます。
また、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針、いわゆる都市区域マスでございますけれども、これは長期的視点に立った都市像や、その実現に向けた道筋を明らかにするものでありまして、都市づくりビジョンで明らかにした東京の将来像を実現するために必要となる個別の都市計画を定める場合に、その基本的な方針となるものでございます。
一方、都市再開発方針につきましては、都市計画法及び都市再開発法に基づき、都市計画として定めるものでありまして、市街地整備の各種施策を長期的かつ総合的に体系づけたマスタープランでございまして、都市づくりビジョンや区域マスを実効性のあるものとするために、再開発の適正な誘導と計画的な推進を図ることを目的として定めるものでございます。
また、住宅市街地の開発整備の方針につきましては、良好な住宅市街地の開発整備を図るための長期的かつ総合的なマスタープランとして住宅市街地の開発整備の構想の明確な位置づけを行うものでございまして、住宅市街地の開発整備に関する個々の事業を効果的に実施することや、民間の建築活動等を適切に誘導することを目的として策定してございます。
このように、都市再開発方針、住宅市街地の開発整備の方針あるいは区域マスタープランにつきましては、市街地再開発事業などを統括して都市計画として定めるものでございまして、土地利用や都市施設、地区計画など、個別事業がこの内容に沿って進められるために、これらの事業を適正に誘導することが可能な体系となってございます。
○植木委員 そうすると先ほどの説明だと、東京の新しい都市づくりビジョンの道筋や方針を示し、効果的に進める、あるいは実効性あるものにしていくということで、それぞれの体系が組み立てられているということだと思うんですけれども、私は以前、ちょっと正式な名称を忘れましたけれども、整開保といわれたいわゆる整備、開発の促進、保全の方針で、審議した覚えがあるんです。だから今回がどうなっているか、最初なかなかイメージがわかなかったんですけれども、この整開保といわれるのは、開発をやりながらも保全というのが明確に書いてあった。
ところが今回は、都市再開発の方針それから住宅市街地の開発整備の方針というふうに、それぞれ、開発が、明確に文言としても位置づけられてきた。そして、東京の新しい都市づくりビジョンにおいては、それこそセンター・コアの再生ゾーンで特色ある地域ゾーンなどといって三十の地域ゾーンの戦略を打ち出すとか、その後は都市計画上の規制緩和が進められて、都市再生も、たしかこの前後、ビジョンの前の年ぐらいでしょうか、都市再生の法ができて八つの地域指定が行われた。たしか今回これは載っているんですよね。そういうことで、二つちょっとお聞きしたい。
なぜ保全という言葉をわざわざ文言として外してきたのか。それからもう一点は都市再生、都市再生の中身はいろいろありますけれども、今回全面的に盛り込んだのか。そこを教えていただきたい。
○座間市街地整備部長 二点のお尋ねでございますけれども、委員お尋ねの保全に関しましては、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針いわゆる都市計画区域マスタープランでございますが、この中では、先ほども申し上げましたように長期的な視点に立った都市像、ですから既成市街地それから現在の自然、そういうものを含めてでございます。その実現に向けた道筋を明らかにするということでございまして、これはその前段となります都市づくりビジョン、この理念を実現するために策定しているというものでございます。
また、都市再生につきましては、今回の新しい都市再開発の方針の中で、事業の進捗状況に合わせて選定する地区、二号地区として定める部分でございますが、これと並行して、再開発の必要性に応じて選定する地区ということで、都市再生地区、仮にこういうふうに称しておりますけれども、こういうものも都市再開発の方針の中で位置づけていると……
○植木委員 保全という言葉をなぜ除いたんですか。
○座間市街地整備部長 保全につきましては、もちろん施策の中では保全ということも開発の一つの中で位置づけているということでございまして、改めてこの中では再開発を促進するべき地区ということで考えておりますので、もちろんその中には現状の保全というものもニュアンスとしては入っていると考えております。
○植木委員 保全という言葉が除かれているわけですね。いわゆる整開保といわれた保全の方針という、保全が抜けている。これは、当時の議事録を調べてみないと僕も正確にわからないんですけれども、整開保というのは、いわば市街化区域と市街化調整区域などの地域の線引きを行うということで、地域保全というものがたしかあったんだろうと思うんですよ。それが都市づくりビジョンによって開発中心型に変えられて、法的にも保全が削られて、その上に都市再生が中心に出てきたと。
だから、保全や規制というのがますます後退して、全くないとはいいませんけれども、開発促進型になる流れの中だなと、こういうふうに見えるんです。改めてこの都市づくりを、立石さんなんかは速度という話をしていましたけれども、コントロール、いわゆる抑制型都市、世界的にも環境の負荷との関係でそういうことを実際に試みる都市が出始めてきているわけですけれども、そういうコントロールする仕組み、抑制する仕組み、これは現在の枠組みの中ではないんでしょうか。
○座間市街地整備部長 まず、先ほどの保全に関する項目について補足させていただきます。
まず、本方針におきまして一号市街地というものを定めてございますけれども、この計画事項の中に、土地の高度利用及び都市機能の更新に関する方針というものがございまして、この中で都市の環境、景観等の維持及び改善に関する事項を定めているということで、この中にも保全という項目が含まれていることを示しております。
それから、都市の成長をコントロールする仕組みがないというご指摘でございますけれども、先ほど答弁申し上げましたように、都市再開発の方針あるいは住宅市街地の開発整備の方針につきましては、市街地再開発事業などを統括して都市計画として定めております。この中で、土地利用や都市施設、地区計画などの個別の事業、この内容に沿って定められるものでありまして、これらにより、事業を適正に誘導することが可能だと考えております。
○植木委員 適正に誘導されるのが可能だというんだけれども、実例を示してほしいと僕は思うんですね。この間、都市計画審議会に出てきた中身を見ますと、そういうふうに見えるものというのは、農地の保全とか自然緑地、その程度じゃないでしょうかね。
やっぱり全体は、この都市づくりビジョンに基づいて、ウオーターフロントから始まってセンター・コア・ゾーン、それから都市環境再生ゾーンも、最近中身が大分変わってきましたよ。環境ゾーンとかいろいろ出てきて、実際はそうなっていない気がするんですね。
それで、都市環境再生ゾーンで、今回改定になっているところを一カ所だけお聞きします。
中野、私は中野なんですけれども、警察大学校跡地は十四ヘクタールといっていたんですけれども、今回十八ヘクタールというふうに規模が広げられまして、学校と民間の超高層と警察病院等々になってきたんですけれども、ここはかつてどういうふうに位置づけられたかというと、環状七号線の周辺などで救援、復興活動拠点となる大規模公園の迅速な整備を推進するとか、都市の貴重なオープンスペースとして残されている大学移転跡地等の国有地を、公園用地として活用できるように用地の無償貸与等を国に求めていく、こういうふうになっていたのがだんだん変わってきまして、センター・コア再生ゾーンに近接して広域的な位置づけとして両ゾーンに機能が期待されるまち、というふうに地元区でも位置づけが変わってきて、今回この中でも新たな位置づけがされて、恐らく近々都計審なんかにも出てくるんだろうと思うんです。
結局、どんどんどんどん環境再生ゾーンというところまで、また面的に広がっていくんですよね。もともとそういうふうに掲げたのが、変化してきた。よく変化するなら、もちろん私たちも大賛成なんですけれども、やっぱりもとに戻る勇気というのも必要だと思うんですよ。
そういう意味では、今回ここに新たに新規で載っていますけれども、これは撤回する勇気を東京としては持つべきだと思うんですよ。恐らく、区の方で決めてきたという話をすると思うんですけれども、決してそうじゃない。
東京都が誘導してきたことは事実ですし、東京都の職員の方が中野区に行ってそういうふうにやってきたことも事実ですから、もとに戻す勇気をぜひ都市整備局として持っていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○座間市街地整備部長 中野四丁目地区、西地区の話だと思いますけれども、当地区も含めて、中野駅周辺の市街地につきましては、再開発によって更新された地区と、商業と居住機能が高密度に集積する街区が混在しておりまして、警察大学校等の移転跡地の処分を契機として、区の中心市街地として都市機能の向上を目指したまちづくりは進める必要がある地区だと認識しております。
このため、中野区の都市計画マスタープランにおきましては、警察大学校等移転跡地については、防災公園を整備するとともに、商業・業務、住宅施設や医療施設などの導入に向け、土地利用転換を計画的に進めると位置づけられております。
このマスタープランを実効性あるものとするために、昨年、再開発等促進区を定める地区計画が都市計画決定されまして、今後、地区の開発整備が進められていくという状況になってございます。こういうことから今回、二号地区として指定するものでございまして、当地区につきましては、新規といいましても、これまでの既定計画の中では誘導地区として選定されている地区でもございます。
○植木委員 もちろん防災公園はもともと四ヘクタールの計画が縮小されているわけですよね。だからいずれにしても次々と、今回もこの二号地区、つまり開発を促進すべき地域というふうになって、現在は非常に広いところですよね。この間、中野区の中野まつりというのをやりまして、そこで子どもたちが遊んでいる、もう本当に、子馬だとかも呼んで広いところで遊んでいました。そういうところが今度は開発で、まさに大きなまちになる。
ここは、実は東京建物というところが非常に破格の値段で土地を買って、周りの土地がどうなっちゃうんだろうという思いや状況にもあるんですけれども、そのことはさておきますけれども、いずれにしても開発が連担していく。センター・コアに隣接したということで、隣接している地域としてやっていくというようになるというふうに、次々と広がっていくわけですから、やはり最初にいいましたように、コントールしていく仕組みをつくってやっていく必要があるということを重ねていっておきます。
最後に、これだけの分量のある内容が、実際に地域で公聴会などを開くと、ほとんど参加が少ない。つまり呼びかけが少ないんだろうと思うんですよ。たしか参加者が四人ぐらいだと。この全都の広いところでですよ、センター・コアから多摩の方のゾーンまで含めてですよ。たった四人で公聴会をやりましたなんて威張っていえることじゃないと思うんですよね。
そういう意味で周知徹底を、もちろん区市町村の協力ももらわなければできないでしょうし、都独自の努力も必要でしょう。十分住民の要求をくみ上げて、要は声をくみ上げていくということは賛成、反対を抜きにしても基本の基本ですから、そこは積極的に推進していただくことを強調して、もしお答えがあれば答えていただいて終わりにします。
○安井都市づくり政策部長 公聴会の開催についてのご質問がございましたのでお答えしますが、開催に先立ちまして、東京都の公報で公告はもちろんですけれども、「広報東京都」の掲載、インターネットでのお知らせの掲載、さらには町内のポスター掲示や開催案内の配布など、できるだけ都民の目に見られるような各種の広報媒体を活用して周知を図っております。
また、都だけでなくて、関係区市町村におきましても、同じように広報紙やインターネットでのお知らせの掲載、ポスター掲載や開催案内の配布をお願いいたしまして、協力を得て実施されてございます。
それから今、公聴会、参加四人というようなお話がございましたが、区部では新宿、それから多摩では立川、調布、小平で予定いたしましたが、申し出がなかった調布を除きまして三カ所で実施して、合計十四人の方が公述をされてございます。
○こいそ委員 それでは二点、時間内でお話しさせていただきたいと思います。
まず、今さまざまにお話がありました大・丸・有につきまして、ほとんど意見なんですけれども、いずれにしても世界のメガシティーの東京、当たり前の話ですけれども、日本の首都東京が、東京の玄関口の一つである東京駅、私ははっきりいって、高層化することは当然もう反対じゃないですよ。じゃなくて、今まさに求められているのが景観。
歴史的な風格ある、東京が保全し、残していかなきゃいけない、後生に伝えていかなきゃいけないという大切な、建物も含めて、今回建物だけれども、これは中央郵便局、いろいろな議論を聞いて、はっきりいって東京都の都市計画、まちづくり、景観行政の根本を問われていると私は思うんですね。
この中で、事業者が一定の学術者を集めて四回検討したという先ほどのお話があったけれども、東京都としてはどうなんだと。まさに東京中の東京、ど真ん中の七十有余年の歴史を有する、あれだけすばらしい近代建築のね。都内を走っていても、やっぱりいいなと思う建物がいろいろたくさんありますけれども、その一つだと思うんですよ。これこそがまさに多くの世論というか、世論と公論って違うと思うけれども、はっきりいってこれはまさに公論ですよ。
この中で、しっかりと守っていくということは、先ほど長橋さんからもまた立石さんからも話がありましたけれども、とりわけ全面的と、それから一部改修ということの中で、もう一歩あるんじゃないかと先ほどいわれましたよね。私はまさにそこのところこそが惜しい一歩だと思うんですよ。このあたり、どうでしょうかね。
○瀧本参事 まことに恐縮でございますけれども、こちらの丸の内二丁目七地区のフジ色の冊子をごらんいただきたいと思いますけれども、こちらの五二ページをごらんいただきたいと思います。
いずれにしましても、先ほどから申し上げておりますように、一部保存の部分についてもできる限り、中側も含めて、昔、公衆室、窓口機能をやっていたところについては残しまして、全体で四千四百平米というかなり大きなところはそのまま残します。一階から五階まで。そして、こちらをちょっと見て、正面のところを残しまして、この再現をする部分については忠実にその当時の材料を持ってきまして、東京駅前の景観については、これまでの建設当初の景観を維持するということで計画が進められております。
したがいまして、そういうものが整うことによって、東京駅の駅舎の復元、そして丸の内、新丸の内ビル、こういう一連の中で、この東京中央郵便局が引き続き建設往時の姿を保って、東京の駅前の顔となる景観をつくっていくという計画で提案されているところでございます。私どももそれについて--一方では機能の更新というものも必要でございます。いろんな公共貢献を行います。東京駅前地下広場の拡幅というものも行います。そういうものを総合的に判断いたしまして、今回ご提案をさせていただいたところでございます。
○こいそ委員 恐らく都市整備局の方としては、やはり景観という観点も含めて、特区の中のとりわけ当該の中央郵便局ですよね、これを何とかしっかりと保存するという基本的考え方を示されたと思うんです。
その中で最終的に、いわゆる施行者側の方で、地下埋設の耐震のお話がありましたね。さらにはその北側部分、今のお話も北側だと思うんですよ。我々がいっているのは北側だけじゃなくて、それは確かに経費、コスト的なものだとか、総合的に見れば施行者の方としていろいろ検討していると思います。であってもやはりここのところは、譲るべきところと絶対譲ってはいけないところがあると私は思うんですよ。
というのは、当初の都市整備局が持っていた基本姿勢というのは私はやっぱり貫いてほしいなと。私は、恐らく一部保存ではない形での要望方、されてきたんじゃないかと。しかし、有識者を入れたいろんな検討段階で示された案がこういう案であって、かといって、これは二月ですよね。まだ我々は、今意見を聴取するという段階ですよね。
しかし、この議会の委員会の中でも、特区について云々じゃないんだ。要するに歴史的な建物保存だとか、確かにこの北側部分についてというお話はありました。ご努力されているという部分でわかるけれども、もう一段やっぱり東京都として、近代、明治維新から続いてきた貴重なさまざまなものについての東京の思いというのがあると思うんですよ。都民の思いというのが。
やっぱりこの思いというのは、ただ一部改修したから、保存したからという話で、多くの人がよし、わかったという話じゃないと思うのよ。私は最後まで努力してほしい。
それは施行者、相手があっての話だから、相手はやっぱりコストというのもあるし、総合的な異論は確かにあると思います。ですから、押し合いへし合い、勘弁してくれ、いろんな話があると思うよ。
しかし、東京都はそこにおいても一線というものを守ってほしいと思う。やっぱり押してほしいんだよな。押して押して最後まで。結論はいわないけれども、さりとて、よし、頑張ってくれたなという思いであるならば、まだ違うと思うんです。
さっきの議論を聞いていて、申しわけないけれども、まだできる部分、余地があるんじゃないのかなということも若干思う中で、ぜひひとつ、これはもう私は意見でいいんですけれども、もう一度、内部でこれだけ各党からも話があるわけであって、本当に何回もいって申しわけないけれども、寂しいですよ。貴重な、こういうあれがなくなっていく。
ところが外見から見て、こっちの一方的な方から見れば、保存したじゃないかという話があるけれども、これははっきりいって、それだけじゃないよね。やっぱり、我々も今こういう発言をさせてもらえる立場であればこそ、私はあえて、申しわけない、時間をもらってやらせてもらったんですけれども。
やっぱり後世に本当に禍根を残さないように、まさに玄関口でね。本当に一等中の一等地というか、中心のところであるというこの認識は、私はどこも一緒だと思うんだ、保存することの思いは。とりわけ、ここのところは頑張ってほしいなと思うんですね。
これはもう強く要望させていただきたいと思います。これはこれでいいです。もう一点、時間内に終わりますけれども(発言する者あり)いや、要望でいいです、これは。答弁をいただけるんだったらありがたいと思いますけれども。では、局長。
○只腰都市整備局長 先ほど来、部長からご説明をるるいたしておりますが、歴史的な建物をどう保存していくかというのは非常に難しい課題でございます。私からも先ほど立石委員への答弁で申し上げましたように、都市の再生、再開発、あるいはそういうことを進めるということの中で、あわせて、歴史的な建造物をなるべくその歴史的な雰囲気の中で保全するということが大事なものというふうに考えてございます。
先ほど部長からも五二ページの説明を若干いたしましたけれども、やはり東京駅駅舎の復元。これは創建当時の復元ということで、一階ふえて三階建てになるわけですが、それと見合った景観として、中央郵便局のファサードが保全されることがこの地域の歴史的景観の継承につながるということで、それを非常に重要視いたしまして、私ども、関係者と調整をしてまいったところでございます。
五二ページの下にございますように、そういう面では、連続した、創建当時に戻ったような形での歴史的景観が、この取り組みによりまして確保できたというふうに我々としては考えてございます。そういう面で、丸ビル、あるいは新丸ビルも含めまして、東京駅の駅前広場そのものもかなり改善されまして、東京の顔となる東京駅周辺の景観が、東京郵便局の復元とあわせまして確保できるものというふうに考えてございます。
○こいそ委員 ぜひ、今、局長にご答弁いただきましたように、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、もう一点、時間の範囲内でやりますけれども、稲城市の、ぐっとまた中心部から郊外の方に行きましたけれども、稲城市の坂浜平尾地区ですね。これのいわゆる土地区画整理事業。これはご案内のように、平成九年八月に、東京都施行の中で土地区画整理事業、都市計画決定がなされました。この中で、地元としても先行的な買収に応じたり、さまざまな期待感を込めておりましたけれども、当時の都財政の悪化によって、これが主な理由だということでありますけれども、この事業が凍結になった。白紙になって結局、計画の見直しが示されたということであります。
このような中でさまざまに、さまざまって--当時から土地買収だとかいろいろなことで協力してきた住民、関係者から見ると、今後、この将来というのはどうなっていくのかなと。
それから、もう一点お尋ねいたしますけれども、まちづくりに大きな役割を本来的に果たさないといけない、三十年前から計画予定されていた、この坂平線という道路整備ですね。こういうようなことを踏まえて、一体東京都は、この地区の将来を見据えた基本的な考え方をどういうふうに考えられているのか。このあたりをちょっとお聞かせいただきたい。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 今回の住宅市街地の開発整備方針にも触れられております坂浜平尾地区でございますけれども、稲城市の南西部にございまして、今、委員からお話がありましたとおり、平成九年八月に、土地区画整理事業区域として都市計画決定をいたしましたが、その後、財政再建推進プランの方針等によりまして、平成十一年七月に、都が事業主体となる区画整理事業の実施を見直すことになってございます。
その後、平成十四年から、私ども都と市は、地権者の意向を踏まえながら、都の施行の区画整理事業にかわります新しいまちづくりを進めてまいりました。委員が特にご指摘になりました坂浜平尾線につきましても、地域の状況等を見据えて、施行方法等の検討を重ねてきたものでございます。
坂浜平尾線につきまして特に申し上げますが、平成十八年四月に策定されました多摩地域における都市計画道路の整備方針におきまして、この路線は、都の道路事業と組合の土地区画整理事業の、二つの施行方法によって整備するというふうに位置づけられてまいりました。
そこで、現在、道路事業の施行者である建設局と連携しながら、組合土地区画整理事業の整備に向けまして、道路の線形などにつきまして、関係機関と調整を進めているところでございます。
○こいそ委員 新しいまちづくりを今進めているというお話をいわれましたけれども、その中で、一つは、誘導する、いわゆる坂平線の早期整備が求められているわけであります。もう一方、今お話しのように、将来的な中でいろいろ生活設計というか、ここは農業者も点在しているし、農地を売り払ったとかいろんな事情があるわけなんです。そうすると、このまましていくと、やはり税金的なものを含めたさまざまなことがある。生活設計を含めて。
そういう中で、今後、組合を立ち上げて、組合施行で進めていきたいと。いよいよ来年、目安が立ってまいりましたけれども、これらのことを踏まえて、私はぜひひとつ……。区画整理に関しては、東京都の立案、東京都施行で本来的に立ち上げられたものが、財政状況の理由で凍結になって、実際そこで、もうやらないという話になった。これは地元では寝耳に水であったんだけれども。
それに対して今後、これは意見でもあるんですけれども、ぜひ新しいまちづくり展開が必要なわけであって、今後、来年とその次に続くこの中の二地区の区画整理については、坂平の都施行の当初のゾーンの中における二つの区画整理組合について、私はこの事業、東京都の支援をぜひお願いしたい。これは、要望とまたお答えもいただきたいわけでありますけれども、時間もあれですからね。
もう一点は、先ほどからいっているように、三十有余年一向に進んでいない通称坂平線、道路ですから道路整備ですね。この道路整備が今、いよいよ全線二区間という、一方では都市整備局、一方では建設局。一本の路線の中で二区間、別々の手法で行うと。そうすると、もっとこれまた時間がかかってくるんじゃないかと。その中で、いわゆる全線測量というのはどこでやるんでしょうか。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 二点のご質問がございました。
まず最初の区画整理組合でございますけれども、上平尾地区と小田良地区という地区がございますが、そこの組合設立準備会は平成十七年十一月と平成十八年三月に結成されてございます。
上平尾地区の区画整理事業準備会では平成二十一年の認可取得を目指して、現在、私どもは早期取得に向けての支援を行ってございます。
両地区とも仮の同意比率は九〇%を超えておりますので、区画整理事業への認可取得に向けての機運が非常に強いというふうに考えてございます。今後とも、これまでの経緯を踏まえまして、地元市であります稲城市とも連携しながら、早期の組合土地区画整理事業の認可に向けた支援を重ねて行ってまいりたいと思っております。
それから二点目の坂平線の早期整備でございますけれども、まず私ども、認識といたしまして、坂浜平尾線は多摩ニュータウン地域と川崎市を結ぶ路線であるとともに、坂浜平尾地区の活性化を図る路線であることから、早期整備を図ることが重要と考えてございます。
現在、坂浜平尾線の早期着手を目指しまして、地元理解と協力を得ながら、組合土地区画整理事業の支援を行っておりまして、特に委員ご指摘にありました全線の調査につきましては、区画整理の部分と建設局が行う部分もあわせまして建設局の方で行っていく方向で、今、具体的に業務を進めてございます。
○こいそ委員 時間がありませんから、もうここであれします。いずれにしても、当然、区画整理についてのご支援はぜひお願いしたいと思います。
それと、この路線については、これはやはり全線の整備路線についての測量を行う。測量を行って、調査測量ですね。その中で、形状、かなり起伏があるけれども、正確な測量をもととして、今後の計画がそこで定められていくんじゃないか。コスト的なものを含めて出てくるんじゃないか。ここだと私は思うんですよね。
ですから、この全面測量をする中で、なおかつコスト的なもの、今の技術力をもってすればさまざまな手法もとれるわけであって、その二工区をすることによって、早期に整備に着工できて完了すれば一番いいわけだけれども、三十年以上待たされて、開発手法がそれぞれ違っていて、これからさらに向こう--。本来的に、通常の大切な大切な路線だということで都市計画を決定しているわけであって、ここのところの先行的なものというのは、私はもっと急ぐべきじゃないかと。
三十有余年待っていたんだから、もうこのあたりで決断して、先行的にやっていくというぐらいの姿勢があったっていいんじゃないかと思うんですが、どうですかね。もう最後でいいです。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 上平尾地区とか小田良地区で予定しております組合土地区画整理事業は、道路等の公共施設の整備と宅地造成をあわせて行うことによりまして、土地の利用増進を図る事業でございます。特に坂浜平尾線は非常に高低差が大きく、急峻な地形を通るために、宅地造成と道路整備の整合を図りながら一体的に進めてまいりたいと思っています。
このようなことから、両地区におきましても、組合土地区画整理事業により道路整備を進めることが必要であるというふうに考えてございます。
さらに、また土地区画整理事業区域において、都の道路事業を先行した場合には、道路工事のための先行造成とか仮擁壁等が必要になりまして、道路工事費等が増大することも考えてございます。
そういうことからいたしましても、今後とも両地区におきまして、区画整理事業をもとにしまして道路整備を進めてまいりたいと思いますけれども、関係機関とも十分連絡調整いたしまして、一日も早い着手に努めていきたいというふうに考えてございます。
○こいそ委員 私たちが常々、地元からの要望も含めて、またさらに要望を出させていただいているのは、やっぱり良好なまちづくり、良好な住宅もそう、それから街並み整備もそう。やはり速度として、多摩地域南部のそれぞれの地域というのは、はっきりいって若干おくれているんですよ。
平成九年で立ち上げて、なぜ東京都の施行でやらなきゃいけなかったかということをやっぱり考えてもらいたい。それと、坂平線というものを都道で整備しなきゃいけなかった必然性というのはどこにあったのか、これを考えてもらいたいんです。ですから、全体的に考えていただければ、区画整理のこともそうだけれども、この路線整備というのは、まさに必要度の中では高いと思うんだ。
例えば、まさにさっきの話で、百歩譲ってもいいけれども、これ、二工区で別々の局でやって、早期にやってもらうんだったら、はっきりいって構いませんよ。だけれども、なかなか難しいところがあるでしょう。だから、両局でぜひ調整してもらって、しかるべき形で良好な街並み整備、良好な都市基盤整備、インフラ整備をぜひしてくださいよ。おくれているところに対してしっかりやるのが、やっぱり東京都の姿勢だと私は思いますよ。
都市計画決定にしたって、やる、と断固たる姿勢を出して示したわけでしょう。ぼおんと出した区画整理事業だって、何だか知らない、いつの間にかぽおんとほうったわけでしょう。そういうことを踏まえて、はっきりいって、せめてこの路線ぐらいは責任を持ってやるべきだと私は思いますよ。
測量もしっかりやる、そして調査もしてもらう。起伏状況なんていうのは、今の技術力をもってしたら、そんな問題じゃないと思いますよ。コスト的にだって、もっと割り引いてできることもあるかもしれない。そういうことを踏まえて、どうしたら早期着工、どうしたら完了できるかということをぜひお願いしますよ。局長。済みません。たびたび申しわけないけれども。
○只腰都市整備局長 坂浜平尾地区につきましては、都が都施行を撤退したというような非常に申しわけない事情があることが委員のお怒りの原因の一つになっているんじゃないかと思いますが、いずれにしましても、坂浜平尾線につきましては、十八年四月の都市計画道路の第三次事業化計画におきまして、二つの事業手法により整備するというふうに位置づけをされてございます。私ども、建設局とよく連携をしながら、面整備と線の整備をうまく連携して整合しながら進めてまいります。
○河野委員 私は初めに中央区晴海地区の地区計画変更案について質問いたします。
議案に出されている晴海地区の地区計画変更で、今回変更になるのは二-四街区と二-五街区ですけれども、晴海二丁目地区内の建築物の建設計画とか土地利用の計画についてご説明いただきたいと思います。
この地区計画の基本になる方針などについて、大体こういうふうになるという全体像などもわかる計画も存在するのであれば、それもあわせてご説明ください。
○安井都市づくり政策部長 まず、具体的建築計画の概要でございますけれども、二-四街区、こちらでは容積率六〇〇%のところで、オフィスを中心にした計画がございます。それから二-五街区、これは容積率四五〇%で、住宅を中心にした計画になってございます。
多分、全体の上位計画だということと受けとめてございますけれども、都は平成二年に豊洲・晴海開発整備計画を策定しまして、当地区を含みます地区について、土地利用転換にあわせて、業務、商業、居住、文化などの調和した複合市街地を形成することとしてございます。
これに基づきまして、今回、変更でございますけれども、平成五年に当初の地区計画を都市計画決定しております。
また、都と地元中央区、地元の住民地域団体等で晴海地区のまちづくり協議会というのが設立されてございまして、ここではさまざま、開発についての協議、調整を重ねまして、平成十七年に都及び区のもとに、まちづくりの考え方というのを策定して公表してございます。
具体的に申し上げますと、公共施設の整備や歩行者空間の整備、建築物の高さ、壁面の制限など、街区単位の開発を具体化する際の基本的な考え方をまとめているところでございます。
○河野委員 この地区計画とあわせて、そういう上位計画が存在することとか、もう一つ、まちづくりの考え方というのも発表されているということがわかりました。
ところで二-一街区ですけれども、これは今回の地区計画変更の前に都市計画決定されているとのことです、ここの二-一街区、今回変更になる二-五街区のちょうど隣ですね。そして、二-一街区と二-五街区には三菱地所が各一棟ずつマンション建設を計画していて、ことしの夏ごろにマンション建設計画の住民説明会が開かれたと聞いています。
この住民に対する説明会は、どのような人たちを対象にして、いつ、何回ぐらい開催されているものなんでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 先ほど晴海地区まちづくり協議会というのをご紹介いたしましたが、ここで五月、九月、十一月と三回説明してございます。
○河野委員 この五月、九月、十一月は、まちづくり協議会の皆さんを対象ですね。今、私がいいましたマンションについては、私が聞くところ、環境アセスメントの対象になるような規模のものが建設されるということなんですが、アセスの説明会についてはどんな状況だったんでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 環境アセスの説明会でございますけれども、八月二十四日と二十六日、これは晴海地区でございます。それから、九月一日、これは豊洲地区で実施してございます。
○河野委員 私、地元にこの問題で問い合わせてみました。そのときの説明資料も送ってもらいました。このマンションの建設計画は、一棟の高さが百八十メートルです。地区計画では、高さの制限は最高限度百七十メートルになっていますが、住民に説明されたものは、百八十メートルの高さ、五十一階建て、九百三十戸、駐車場五百六十台。これが一棟分です。
二-一街区は、平成十六年ですから二〇〇四年に都市計画決定、そして二-五街区が、都議会としては、きょう、正式な説明を受けたばかりという段階です。そして、都市計画審議会で、この地区計画の変更が審議されるのは来年になるというふうに聞いています。この地区計画の変更案の決定がまだ公の場で行われていないのに、既に民間の事業者がこうした超高層マンションの建設計画の説明会を開いている。アセスの説明会もやっている。これはどうなんでしょうかということの考え方を伺っておきたいんです。
正式な都市計画決定もされていないのに、民間事業者がこうした詳細な建設計画を出して説明会に入っている。これは私、本当におかしいんじゃないかというふうに感じているんですが、民間事業者の開発の要望に基づいて、二-五街区の地区計画変更が二-一街区に合わせて行われた、そういうふうに受け取る人もいるんじゃないかというふうに疑問を持ちますけれども、この点はどうでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 まず、アセスメントの説明会と、それから今回ご提案している都市計画決定手続の関係で申し上げますと、今回提案しておりますのは、再開発等促進区という土地利用計画でございまして、これ自身はアセスの対象にはなりません。今、実施しているアセスというのは、住宅戸数が千五百戸を超えるという場合の事業としてのアセスでございまして、今回の都市計画とは別でございます。
また、説明の手順、つまり都市計画審議会と、地域に事業者が説明する関係でございますけれども、これは、以前に新宿の再開発等促進区のときにご説明しましたが、もう一回繰り返しますと、再開発等促進区という計画は、もともとは地元のマスタープランだとか、先ほどご質問がございました上位の計画に基づきまして、まず行政、この場合は都でございますけれども、土地利用の方針であるとか、空間設計の考え方、オープンスペースの整備の方針、こういったものの開発の基本的な方針をまず定めます。今回の場合は、これを平成五年に定めているわけでございます。
その後、晴海地区で申し上げますと、先ほどの協議会のような場で、地元と、それから地権者も入った中で開発の協議を重ねてきてございまして、十七年一月に、先ほどもお話ししましたまちづくりの考え方、ここの中で容積率も高さについての目安も含めて取りまとめて、公表してございます。
この後に事業者がこういった考え方に従いまして、例えば建築物の配置であるとか形態であるとか、具体的な計画の内容を取りまとめまして、それを企画提案する。企画提案して、区を経由して都に参りまして、区の意向も確認の上に都市計画の原案をまとめるというような手順になっていまして、そういった過程の中で、もちろん区議会にも通りますし、それから区議会の後には地元説明会も当然入ります。
都市計画審議会の前に、何か、都市計画を事業者が勝手に決めるんではないかというような誤解を仮にお持ちだとすれば、そういうことではないというふうにご説明いたします。
○河野委員 丁寧に説明していただきましたけれども、私は新宿のときも感じましたけれども、あのときは住友不動産でした。今回は三菱地所と鹿島建設ですけれども、こういう大手の民間事業者が、公の場で決まる都市計画決定の前に、自分たちの開発構想を広く打ち出してくるというあり方がこれからも認められていくのであれば、今、手続上は問題はない、きちんとしているんだというお答えですけれども、一般都民としたら、やはり都市計画決定が形ばかりのものになっているということを感じるんじゃないかと私は思うんです。
その点では、部長、また後でお答えがあれば答えていただければいいですけれども、私は、こういうあり方は、東京都としてまちづくりについて広く都民の意見を求める、参加を求めるという立場から見て、やはり改善が必要であるということを申し上げておきます。
次の質問に移ります。
二棟で合計千八百六十戸、千百二十台の駐車台数のマンション建設。これが暮らしに、まちに、何をもたらすかが問題だと思います。
高さ百八十メートルのマンション計画は、晴海二丁目の北側に位置します月島第三小学校への日照被害や周辺への風害被害がとても心配されています。また、地下鉄大江戸線の勝どき駅は晴海トリトンの開発によりまして今でも大変な状態になっていて、朝の通勤時は駅の混雑だけでなくて、この晴海トリトンに行く晴海通りの歩道は人でいっぱい、動けないような状態にもなっているということです。今後、合計千百二十台の駐車場つきのマンションができれば、車両の交通増による渋滞や大気汚染の心配もあります。
伺いたいのは、月島第三小学校への日照の影響、そして周辺への風害、そして交通対策、車や電車の問題、こういうものについて、地域住民から出されているさまざまな要望、意見について、東京都はどのような認識を持ち、どのような対策を講じようとされているのか、伺っておきます。
○安井都市づくり政策部長 ただいまのご質問の前に、一般都民に対する周知のお話がございましたので、それについて若干申し上げますと、当初平成五年に都市計画を決める段階でも、当然、原案の段階、都市計画案の段階、公衆の縦覧に供しまして意見を求めて決定しているわけでございます。
また、この地区では、先ほど来申し上げていますけれども、地元で、行政もそれから地権者も、これは小学校のPTAなんかも入っています。自治会も入ってございます。そういったところで、事業者が確定する前から、開発の目安、目標などを定めまして、それを受けて事業者が企画提案しているということでございますので、非常に丁寧な進め方をしているんではないかなというふうに思います。
また、開発に伴う日照などの影響のご質問がございましたが、今回は二-四と二-五の街区の変更でございますけれども、たまたま二-五の街区と同時に着工となる二-一街区、これもあわせましてアセスメントをやることが適切だろうということで、二-一、四、五、三つあわせまして環境影響評価を行ってございます。
日照でございますけれども、当地区は実は日影規制の対象外の地区でございますけれども、北側市街地に対しまして、冬至において一時間から四時間の日影に抑えるような、一定の配慮をしてございます。特に小学校に対しましては一時間以内という計画になってございます。
それから風害については、植栽など対策を講じて環境を改善する結果になってございます。
それから交通の件でございますけれども、事業者におきましては、周辺の開発を含めて将来交通量、つまり開発ができ上がるときですね、竣工時の交通量を予測して周辺交通の影響についての検証を行いまして、交通管理者と協議を行い、その結果、周辺の交差点飽和度などは支障がない計画になっているということは確認されてございます。
また、勝どきの問題でございますけれども、都としては地元区とも十分連携しながら、周辺開発の機会をとらえまして駅混雑の解消を図る取り組みを行うよう事業者に働きかけるなど、今までもやってきておりますけれども、今後とも、勝どき、晴海地区の開発や交通施策を適切に誘導してまいりたいと考えております。
○河野委員 東京都はご存じだと思うんですけれども、ことしの七月に中央区長から東京都に向けて、地下鉄大江戸線勝どき駅の改良についてということで要望書が提出されております。これには、通勤時間帯における勝どき駅の混雑は極めて深刻な状況と認識、今後、駅周辺の開発に伴って乗降客が増大する、混雑に一層拍車がかかることが必至、と記されています。
開発に伴って、交通問題それからそのほかに保育園、学校や交通基盤などの社会的基盤が、今、住民の目に見えない形で進行されている中で、こうした超高層マンションなどの建設は進行していく、この現状のもとで、私は東京都に対して、今、部長にお答えいただきましたけれども、本当に住民に良好な生活環境を保障する、そういうまちづくりを進めていただくように、改めて要望しておきたいと思います。
もう一つ、環境問題で伺います。二-一街区と二-五街区の高さ制限は百七十メートルというふうになっていますけれども、実際は塔屋などが乗るということもあって百八十メートルの高さということで説明されているようです。二-四街区が六十五メートルということで、二-一、二-四、二-五の三つの街区に高い建物が建ち並ぶということになります。
海に面して幾つもの高層建築物が建っていけば、海風をふさぎ、風の道が断たれてしまって、ヒートアイランド現象が深刻になる。このことはシオサイトの開発などで既にいわれていることなんですけれども、晴海二丁目地区の今回の地区計画変更による開発、これでも同じ現象が起きることが予想されます。
二つの高層マンションから出てくるCO2、自動車排ガスのCO2などで、環境悪化、環境負荷が大きい結果を招くんじゃないか、温暖化防止に逆行するような状況に至るんじゃないかということを、私自身も住民の皆さんも懸念をしておりますが、その点についてはお考え、どうですか。
○安井都市づくり政策部長 環境に関する何点かのご質問でございます。
まず、風の道の確保だと思いますけれども、現地へ行っていただければわかりますけれども、相当風は日ごろからよく吹いているところでございまして、もしご心配ということであれば、むしろそれは板状の建物を建てるよりも、塔状の建物の方がより風の道は確保できて、また運河に対する眺望も開けるということで、今回の計画の方が望ましいだろうということでございます。
また、ヒートアイランド対策ということでございますけれども、東京都の自然の保護と回復に関する条例によりますと、空地の三割緑地ということになってございますけれども、今回では、二-四では六一%、二-五では五七%の緑化ということでございまして、また建物自体につきましても、排熱を抑制する高効率の施設の導入であるとか断熱工法の採用だとか、施設そのものの省エネルギー化対策を実施するとともに、保水性舗装の採用、水景施設の整備、屋上の高反射塗料の塗布などによってヒートアイランド対策を行おうという計画になってございます。
それから、先ほど私の答弁で、三つの街区あわせてアセスを実施しているというふうに申し上げましたが、オフィスの街区は除いておりますので、私の間違いです。おわびして訂正いたします。
○河野委員 それでは伺いますけれども、二〇〇四年九月の時点で晴海二丁目の地域は都有地が全体の四二%を占めていたというふうに聞いています。この都有地の現状が、今どうなっているでしょうか。都有地の公益的な利用がずっと住民や区民の方から要望されてきたわけなんですけれども、具体的な計画はまだ示されていないということです。
民間の開発計画は、今、マンション計画なども次々に具体化している中で、都民共有の財産の都有地についてどのような活用の方針を持たれているのか、東京都の土地利用計画、このことについてお答えください。
○安井都市づくり政策部長 ここは区画整理が行われているところでございますが、換地後、都が所有する宅地面積は四万二千五百平方メートルで、宅地面積全体の約三九%でございます。
利用計画につきましては、一番初めにご説明しました豊洲・晴海開発整備計画では、業務・商業及び住宅地、学校、公園用地となってございますけれども、具体的な利用計画はまだ未定でございます。
○河野委員 業務・商業系もかなりの、これがそうだと思うんですけれども、色塗りがされているわけなんですけれども、やはり貴重な都有地を、東京都が今どんどんやっているような、民間に売却して開発させるという、そういう民間主導の開発に優先的に充てられることがないように、住民の意見、地元区の意見に基づいた公益的な活用がされるように努力していただきたいということを述べておきます。
二-一と二-五街区の開発計画で、春海橋公園の樹木の三分の二が伐採されるといわれています。施行地区内に公園の配置が義務づけられているまちづくり手法の区画整理事業で、地域の整備が進められて、先ほどご答弁がありましたように、二-一と二-二街区には六一%以上、六四%ですか、そういう緑化の計画もマンション建設とあわせて進められるということなんですけれども、とにかく今ある緑は減らさない、これが原則ではないでしょうか。
地元では、せっかく大木に育った緑を残したいと、緑の保全と拡大を望む住民要望が強いわけなんですけれども、この要望にこたえていただく、その上では都はどのような方針をお持ちでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 地区のすぐ近くにあります公園の緑についてだと思いますけれども、この公園の緑は、都及び区が策定しました、先ほども申し上げました晴海二丁目地区のまちづくりの考え方に基づきまして、現況の三分の一程度、面積では四百四十平方メートルの緑を事業の中で確保することになってございます。
この残された緑を含めまして、開発計画では、地上部それから屋上に、現状の約五倍以上の二千五百四十平方メートルの緑化を行う計画となってございます。
○河野委員 今、三分の一残るとおっしゃった緑、春海橋公園ですか、地元では、ここの緑についても何らかの対応をしていただきたいという要望がありますので、お伝えをしておきたいと思います。
これは意見なんですが、二-一と二-五街区は三菱地所と鹿島建設が開発に当たっています。防潮堤の公園整備などで、マンションの資産価値が高まることも地域ではいわれています。今回の地区計画の変更案は、生活環境や交通対策、緑地の保全など、環境問題や地区計画変更手続のあり方、先ほどご答弁がありましたけれども、住民の方が疑問を抱くような問題について、やはり改善がいろいろ必要だと思うんです。
関係住民とか地元区の意見を十分に尊重して事に当たられる、このことをこの問題では強く要望しておきたいと思います。
次に、この膨大な資料の開発計画というんですか、この二つの、都市再開発の方針と住宅市街地の開発整備方針に関連して伺いたいと思います。すごい量の数の地区の指定と資料が配布されていますから、混乱しないように、主に都市再開発の方針を中心に伺ってまいります。
これですね、都心の千代田区などとあわせて、今私が住んでいる江戸川区などでも、新規の地区として載せられている地区が十二区あります。世田谷もかなりの数が新規として載せられています。この方針の策定、一体のものもありますから全体、住宅のもの、住宅整備方針ですか、正式名称は--それとこちらの再開発の方針と、この二つの方針の策定に当たって、東京都は地元自治体と意見交換をして、新規事業については加えていく判断をしたということを伺っておりますけれども、その判断の基準はどういうところに置かれてされたのか、ご説明をお願いします。
○座間市街地整備部長 まず、都市再開発の方針についてご回答いたします。
江戸川区につきましては新規十二地区が今回、二号地区に指定されておりますけれども、全体を含めまして都市再開発方針の決定及び変更に際しては、都は各区市に対して意向調査、そしてヒアリング調査等を実施します。そして都市計画変更、原案の作成に向けた事前協議や調整を行った上で、原案作成の依頼を各区市にいたします。各区市はこれを受けまして都市計画審議会への報告や地元説明会等を行い、都市計画案の原案を作成いたします。都はこれらの原案を精査して、素案として取りまとめ、素案の縦覧や関係区市への意見照会を行うとともに、公聴会を開催して住民の意見を聴取し、都市計画案としてまとめ上げます。
このように区市との調整を十分に図った上で、二号地区としての条件を備えた地区を選定したものでございます。
○河野委員 済みません、最後におっしゃった二号地区の条件を備えたという、その条件なんですけれども、どういうものなんでしょうか。
○座間市街地整備部長 地区の選定に当たりましては、この資料の左肩の(1)-〔1〕というのがございますけれども、この中に地区の選定の基準がございます。この四ページになりますが、事業の進捗の状況にあわせて選定する地区として、〔1〕として、法律または制度要綱に基づく事業が事業中、または都市計画決定が行われている地区、それから区市町村マスタープラン等において再開発の必要性がうたわれて事業化に向けて検討が進められている地区、事業実施を前提として準備組合、研究会等の組織が発足している等、地元の体制が整っている、または整うことが見込まれる地区等でございます。
○河野委員 そういういろんな条件が整っているという判断のもとで載ってきているという話なんですけれども、必ずしもそういうふうにとらえられない地区が幾つかあるので、これは後から申し上げたいと思います。
ちょっと離れて質問しますけれども、こちらですね、都市再開発の概要というのをいただきました。都市再開発の方針の概要、八ページに、安全な市街地の整備というのが二段目に書いてあります。そこに、スーパー堤防等の整備と市街地整備とをあわせて行うことによりということで、東京都の都市再開発の方針にはスーパー堤防というものを位置づけて取り組んでいくということが姿勢として明らかになっているんですけれども、私が知る限りスーパー堤防は、東京都が取り組むもの、規格のものと、それから国土交通省と地元区市町村ですか、そういうところが連携して取り組むもの、規格、そういうものがあると思うんです。
それぞれの事業についてどんな状況にあるのか、内容も含めて都と国、区市町村、スーパー堤防はどういう状況にあるのかについてご説明をお願いします。
○座間市街地整備部長 スーパー堤防につきましては、洪水や大地震による堤防決壊から被害を防ぐために、堤防の市街地側に通常の堤防よりはるかに幅広く盛り土をした緩傾斜型の堤防、これをいいます。これにより、災害に強く安全な市街地の形成に寄与することができます。
スーパー堤防につきましては河川管理者によりその構造、施工が区分されておりまして、国が管理しております荒川等の大河川におきましては、国の基準によりまして、堤防の高さの三十倍程度の範囲を堤防としてその対象区域としております。
一方、都が管理しております比較的中小規模の河川であります隅田川等におきましては、東部低地帯における後背地の市街地の形状、形成状況等を勘案しまして、河川保全区域として定められております最大五十メートルまでの範囲において、地域の土地利用の状況に応じて整備することとしております。
現在、東京都では、荒川水系では隅田川、利根川水系では中川、旧江戸川、新中川、綾瀬川についてこの事業を実施しております。
○河野委員 今のご説明で、やはり東京都の規格は最大五十メートルの範囲で、国のやろうとしている大河川の方は堤防高の三十倍ということですから、相当広い幅でスーパー堤防なるものがつくられていくということなんですけれども、これがおっしゃるように洪水を防ぎ水害対策になるかどうかという点では、議論が分かれている問題なんですね。きょう、このことについては深くお話ししている時間がないので、また改めていろんな場でスーパー堤防の問題はお話しさせていただきたいんですが、ここで一つ、私自身のために、この資料の理解のためにお聞きしておきます。
配布された資料のうちで一番厚いこの冊子、付図と書いてありますけれども、ここの江戸川にかかわるところを見ていてちょっと疑問に思ったんですけれども、五一〇ページに江戸川、40北小岩一丁目東部地区というのが出ています。この図面を見ますと、蔵前橋通りという国道、江戸川から市川に抜けていく通りなんですけれども、ここの真ん中の線で、道路の真ん中の線から区域の線引きがされておりまして、道路のところに商業地域の指定がされているというものがあるんですね。これを見て、本当にここに、もしこの図面どおりにまちづくりが進められていくことになれば全然まちが変わっちゃう、道路も狭くなっちゃう、そんなことを思って、この図面が意味するものは何なのか。
そして、これが五セット一つで、効力を発揮するというんですか、まちづくりに対して、決まりだからこれでやりますよということで住民を拘束していくものになるのかどうか。この点、私はぜひ確認したいと思うんです。こういう図面が出されて、あのときに決まったじゃないかと後でいわれても、住民の人たちみんな困っちゃうわけですよね。
だから、この資料の意味するもの、それぞれの関連について、全部じゃなくてもいいですから、基本的にこういうふうに私たちがこの資料をとらえればいいんだということをわかりやすくご説明いただきたいと思います。
○座間市街地整備部長 この別冊資料(1)-〔2〕の件でございますけれども、五一〇ページをごらんになってのご質問だと思いますが、この付図の都市計画上の位置づけについてでございますけれども、都市計画図書につきましては一般的には総括図、そして計画図及び計画書となっておりますけれども、都市再開発の方針の策定に当たりましては、これに加えまして、国の通達であります都市再開発方針策定基準というのがございます。これに基づきますと、この付図を作成することになっています。
この付図につきましては、二号地区の区域を示すとともに、この図の右の方に書いてありますけれども、区域内で想定されます市街地開発事業や都市施設等の位置及び土地利用計画の概要を表示することとしております。
なお、これらの記載事項につきましては、あくまでも計画書と整合を図ったおおむねの位置と土地利用計画の概要を示したものでございまして、この付図にある土地利用の表示については、将来の土地利用を拘束するものではございません。
○河野委員 それで少し安心しました。このとおりになっているんですよ、知らなかったんですかなんて後でいわれたら大変困りますと思って、あえてお伺いいたしました。
次の質問なんですが、ここに今ちょうど開きました江戸川区北小岩一丁目東部地区は、土地区画整理事業と高規格堤防整備事業を行う地区ということで、今回、新規事業として掲載されました。
ここの地域は約二ヘクタールの狭い地域なんですけれども、江戸川河川敷のそばで自然環境に恵まれたところです。この数年、国土交通省と江戸川区が、この地区を含めて江戸川河川敷沿いの北小岩のほぼ全域と東小岩の地域一部にかけて、治水のために必要ということでスーパー堤防の建設と区画整理事業を打ち出しました。このことが、住民の間にいろんな異論もわき、たくさんの疑問が噴出しているという状況です。
まず、住宅約千八百棟、北小岩の地域では立ち退いてもらって、江戸川の堤防に沿って堤防の高さ三十メートル、平均して約三百メートルぐらいの幅で地区全体を土盛りする。スーパー堤防が完成したら、堤防の上に区画整理で換地されて、従前の住民の方が戻ってくるという計画なんですね。一般の区画整理でも住民の負担感が大変大きいということはいわれているんですけれども、この地区の人たちはスーパー堤防の土盛り工事が終わらないと換地してもらえないわけですから、四年から五年はもとの土地に戻れないということになって、大変なことなんです。
北小岩一丁目東部地区は、計画されているスーパー堤防建設地の一部を切り取るような形で今回新規地区としてこの方針に載せられておりますが、地区内の、おおよそ面積で二分の一、地権者数で三分の一の人たちがこの計画に反対の態度を表明しています。
さっきご説明がありましたけれども、地元自治体やいろんな団体とも相談をしながら、公聴会も開き、ここに載せているんだというお話でしたけれども、私は、地域の人たちの十分な合意を得た上での今回の新規事業、新規地区ということで都が判断されたとは到底思えない、都の判断は、本当に地域住民の意見をきちんととらえているのかどうかという点では大変疑問なんですけれども、この地区に限っていえばどんな努力をされたのでしょうか。
○座間市街地整備部長 この北小岩一丁目東部地区につきましては、江戸川区まちづくり基本プランにおきましてスーパー堤防構想地区として位置づけられております。区画整理事業等とスーパー堤防事業を一体的に実施することにより、密集市街地の改善を図り、安全・安心なまちづくりを進めることとして位置づけております。
江戸川区では、平成十七年度からまちづくりに対する地元への説明等を実施しておりまして、平成十八年度には説明会や勉強会を行い、まちづくりの基本計画の素案を作成しております。また平成十九年度以降は、地区の現況測量を実施し、共同建てかえ等に関する懇談会や随時個別相談なども行っていると聞いております。このように、地元区は、住民との合意形成に向けた取り組みを実施しており、当地区のまちづくりの機運等を勘案して、今回二号地区として新規に指定したものでございます。
なお、事業化に当たりましては、基本的に地元の合意形成が重要であることは認識しております。
○河野委員 本当に、地元の合意形成が大事だという今のお言葉を大事にしていただきたいと思います。私が申し上げているのは、地元の江戸川区は一生懸命頑張って、スーパー堤防、スーパー堤防と宣伝しているんですけれども、関係している地域の人たちにとっては本当に生涯にかかわる、孫子の代まで大変な事業だということで、大変混乱と異論が巻き起こっているという状況がありますので、ぜひ合意形成の点では都もよく意思疎通を図っていただきたいと思います。
同じように、JRの小岩駅北口地区で再開発の新規事業ということが載っていますけれども、地区の一番西側の西小岩通りが、街路事業で十メートル道路に幅員が拡張になる案が示されています。古くからの商店が軒並み立ち退きを余儀なくされることになるために、この商店街を挙げて反対の署名が集められているんです。JRの北口から蔵前橋通りに向けて何百メートルかの商店が続いていますが、その両側の商店が全部反対ということで署名を集め、区などに届けているんです。京成小岩の再開発も住民の合意形成にはまだ距離があり、今回の二つの方針、マスタープランで新規事業地区に決定されるのは、納得がいかないという意見が私たちに寄せられます。
都市再開発方針そして住宅地区の整備方針、この二つの方針を決定する際に、東京都がとるべきは、地元自治体の意見をそのまま認めている、そういう点はないというふうにさっきのご答弁で感じるものはありますけれども、やはりうのみにしないこと。それから、できる限り住民の意見を正確に把握することが大事であるということを、私は感じるんです。
先ほど植木都議が質問しましたけれども、公聴会が開かれましたけれども、再開発の方針の方は、新宿で二回やって公聴会に見えた方が四人、そして住宅の整備方針の方は、多摩の方の方々を中心に十人、合計十四人の方が公聴会に意見を述べにきているんですけれども、一千二百万都民が住むこの東京の中で、二けたの人たちの意見を聞いたからといって、これがそのまま通っていくことに私は大変危惧を感じるんです。
公聴会の仕組みを含めて、こういう大事なまちづくりの方針がこのままの仕組みでいいのかどうか検討すべきではないのか、このことを私は提案したいんですけれども、検討方についてはどんなお考えをお持ちでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 公聴会を含めました都市計画手続の進め方でございますけれども、先ほどご説明しましたが、公聴会もできるだけ、可能な限り我々としては都民の目に触れるような形でやってきてございまして、それでもなおかつ希望者がない会場については開催することができないので、地区を、四つを三つに絞ったということがございます。
都としてできるだけ聞かないということではなく、むしろ積極的に聞くという中でそういう結果になっているということをご理解いただきたいと思います。
○河野委員 改善の一つの提案なんですが、公聴会、二十三区は新宿で開かれていますよね。私が住む江戸川から新宿に来るということもなかなか大変なことで、公聴会の申し出をして自分が意見をいえる、ということを知らない人が圧倒的多数だから、どこでやっても少ないのかもしれないんですが、直近の自治体で開催できるような方策も、東京都として区市町村と一緒に考えていくことも一つの方法じゃないかということを申し上げておきたいと思います。
意見なんですけれども、私が今いろいろご紹介しました江戸川区内の各地区だけでなくて、住宅市街地の開発整備方針の方に載っている羽村地区の区画整理事業であるとか、また、今回新規地区に加えられました稲城市の南山東部地区の区画整理事業など、幾つもの地区で住民の合意が得られていないような状態があると思います。
特に、稲城市の南山東部地区は、貴重な緑が失われる開発計画を取りやめてほしいとの住民運動が広がっています。
都市再開発方針の江戸川区の上篠崎地区も高規格堤防整備事業が書き込まれておりますけれども、この地区では、スーパー堤防の建設と区画整理事業の計画に関連した都市計画道路の路線変更の都市計画決定案に対して、約四千通に及ぶ反対の意見書が都市計画審議会に寄せられています。
こうした状況に照らしますと、都民、住民の要望が反映された方針の策定とは私は判断できない、というふうに今感じていることを意見として表明して、質問を終わらせていただきます。
○中山委員 東京都市計画について、都市再開発の方針と住宅市街地の開発整備の方針につきまして何点か質問します。
今回の都市計画審議会に付議される東京都市計画の変更案件では、私の地元、足立区に係る都市再開発の方針として、北千住駅東口周辺地区と綾瀬新橋周辺地区の二つの案件が新規で登載されております。これらはいずれも都市再開発法第二条の三第一項第二号によって規定される二号地区となっております。
まず、そもそも二号地区とはどのような地区を意味するのかお伺いいたします。
○座間市街地整備部長 都市再開発法に定める二号地区についてでございますけれども、都市再開発の方針につきましては、都市再開発法に基づき、市街地における再開発のさまざまな施策を長期的かつ総合的に体系づけたマスタープランでございまして、再開発の適正な誘導と計画的な推進を図ることを目的として定めております。
二号地区につきましては、計画的な再開発が必要として定めた一号市街地のうち、特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区を定めることとしております。
今回の都市計画変更では、現在決定されております四百地区に対しまして、計画が完了した二十地区を廃止するとともに新たに七十五地区を新規地区として決定し、計四百五十五地区を決定しているものでございます。
○中山委員 今、ご答弁にありましたように、一号市街地に選定されるだけでも計画的な再開発が必要な市街地を意味するわけでございますが、二号地区は、その一号市街地の中でも特に一体的、総合的に再開発を促進するべき地区であるということになります。逆にいえば、一体的、総合的に整備を進めなければ解決できない課題を抱えているともいえます。
例えば、新たに二号地区に選定されました綾瀬新橋周辺地区では、補助一三八号線の拡幅に伴う綾瀬新橋の拡幅やかけかえが大きな課題となっております。当委員会の三原理事もかねてから、このことについてはご発言をされているところであります。
綾瀬新橋や補助一三八号の整備の進展は地元住民の悲願でありますが、事業の進展に協力してきた住民の皆さんからは、なかなか進展しない現状に悲鳴にも似た、だれにぶつけていいかわからない怒りの声も上がっております。
今回、綾瀬新橋周辺地区を二号地区とすることで、補助第一三八号線の整備やまちづくりの促進にどのような効果があるのかお伺いいたします。
○座間市街地整備部長 綾瀬新橋地区におきましては、補助第一三八号線の整備と住みよいまちづくりを進めるため、今回二号地区として新規に指定するものでございます。
当地区におきましては、都施行による補助第一三八号線の整備が予定されておりますけれども、道路と民地に高低差が生じるという課題がございますので、道路整備と沿道の一体的なまちづくりについて、現在区が検討しているところでございます。
今回、本方針を策定し、当地区の計画的な位置づけを明らかにすることによりまして、住民との早期合意形成が可能となり、道路整備及び地域のまちづくりの促進が期待できるものと考えております。
○中山委員 今のご答弁にありましたように、中には他局の話ですけれども、一四〇号線のために立ち退いて綾瀬川のそばに移転した方が、今度のかけかえとなる綾瀬新橋の側面に直面するということになってしまって、都の事業に協力しながら踏んだりけったりだなんていうような話もいただいたりしているところであります。そうした課題がありますがために、こうした一体的な再開発の促進地区の指定の必要があるということであるというふうに思います。都は今後とも地元区や関係機関と連携して、綾瀬新橋地区のまちづくりの進展に積極的な協力をお願いいたします。
次に、北千住駅東口周辺地区も新たに二号地区となりました。ご案内のとおり、この地域は地元区の努力により、北千住駅近くという好立地に、東京電機大学の誘致が決定しております。
北千住駅付近におきましては、西口の発展に比較し、東口の整備がおくれているという指摘がかねてからありました。現在の東口もそれはそれなりで魅力的な飲食街が広がっていると私は思っておりますけれども、都内でも有数の乗りかえ客を誇る北千住駅の潜在能力を地元経済の発展に結びつけていくためには、これまでの西口地区の整備に加え、今後は東口地区の再開発が重要であります。
特に、東口には駅前ロータリーというスペースがなく、車両でのアクセスなどに大変なハンディキャップを抱えております。この点では、東京電機大学の進出に伴う整備により、地元区はにぎわい広場という形で、新たな魅力的駅前空間の創出を目指しております。また、東京電機大学の進出は、職人のまち足立の、すぐれた技術を有する中小企業と地元企業との産学連携の進展が大きく期待されているところであります。
こうした多種多様な複合的効果を期待して実施される地区計画などの決定区域が、今回二号地区となることにより、民間活力の効果的な誘導といった視点では、どのような効果を期待できるのかお伺いいたします。
○座間市街地整備部長 北千住駅東口周辺地区についてでございますけれども、当地区は商業、業務、文化等の都市機能の集積を図ることにより、地域の活性化を高めるとともに、災害に強いまちづくりを進めておりまして、駅周辺の公共施設整備にあわせて、大規模施設の導入を図るなど、魅力ある地域の核づくりを行う必要がある地域であると認識しております。
現在、当地区では、住宅市街地総合整備事業を活用した市街地整備を進めるとともに、地区計画について本年十月の区の都市計画審議会において議決されるなど、地元のまちづくりの取り組みが進展しております。
今回、当地区を二号地区に指定することによりまして、市街地開発事業の国庫補助採択の基準の一つに位置づけられるほか、任意に行われる再開発事業におきましても、認定再開発事業制度等の諸制度を活用し、知事の認定を受けることによって、税制の特別措置を受けることが可能となります。
このように、まちづくりに対するインセンティブを与えることによりまして、当地区におけるまちづくりの促進効果が大いに期待できるものと考えております。
○中山委員 先ほど私がご指摘申し上げましたように、北千住駅東口の再開発上の課題は、行政による開発、誘導よりも、民間ノウハウの活用の方がより効果を発揮する可能性が多いと期待されております。にぎわい広場ということでつくってはみたもののにぎわわないとか、産学連携というふうにいったけれども車が近づくことができないだとか、そういうような課題を残したものではなりません。
かといって、民間だけに任せればいいというものでもありません。大学のすぐそばで商業地域を開発するということで、どのような商業地域の開発がいいのか、これはやはり行政がしっかりと加わっていかなくてはいけないという点だと思います。今ご答弁いただいた点につきましても、都が地元区と連携して、積極的な応援、アドバイスをしていただきますようお願い申し上げます。
次に、住宅市街地の再開発整備の方針について質問いたします。
住宅市街地の整備に当たりましては、各地域の特性を生かすことが必要でありますため、東京の新しい都市づくりビジョン、そして、昨年三月に策定されました東京都住宅マスタープランに引き継がれている考えであると思いますが、都内に五つのゾーンが設定されております。そしてゾーンごとに、実現すべき住宅市街地の将来像が示されております。この五つのゾーンは、概要版でいいますと七ページに図が掲げられておりますが、この中の都市環境再生ゾーンは、私の地元の足立区の大半が含まれるゾーンにもなっております。
そこで、まず、本方針における都市環境再生ゾーンとはどのような特性があるものなのかお伺いいたします。
○松村住宅政策推進部長 都市環境再生ゾーンは、センター・コア再生ゾーンと核都市広域連携ゾーンに挟まれており、住宅地を主体としつつ、地域の中心としてにぎわいを見せる個性的なまちや、河川、農地、大規模な公園など潤いのある水と緑に恵まれたまち、住と工の融合した活気あるまちなど、多様な表情を持つ地域とされております。
このゾーンにおきましては、木造住宅密集地域の整備や都市基盤の整備などの取り組みが求められております。
○中山委員 国際都市東京の競争力の向上という視点では、東京湾ウオーターフロント活性化ゾーンとかセンター・コア再生ゾーンの重要性はいうまでもありません。しかし、生活都市東京、産業都市東京、環境都市東京という視点から申し上げますと、都市環境再生ゾーンを初めとする他の三つのゾーンの重要性は極めて大きいと思います。その重要な都市環境再生ゾーンを初めとする他のゾーンの開発のあり方、あるいは効果的な整備のおくれというものが、東京の一つの大きな課題となっているのではと思います。
その都市環境再生ゾーンの街並み整備は、区市町村が意欲的に行っていく拠点となるべきところとして、住宅市街地の開発整備の方針の中で定められている重点地区というものが挙げられます。この重点地区とは、そもそもどのようなものなのかお伺いいたします。
○松村住宅政策推進部長 重点地区は、住宅市街地のうち、大規模な住宅市街地整備事業が行われる地区、公的住宅の建てかえなどが行われる地区などの中から、良好な住宅市街地の形成を図るために一体的かつ総合的に整備、開発する地区を選定しております。
○中山委員 それでは、今回の住宅市街地の開発整備の方針におきまして、具体的に、例えばですけれども、足立区の重点地区の地区数や内容、対象範囲などがどのように変更されたのか、そしてそれはどういった理由によるものなのかお伺いいたします。
○松村住宅政策推進部長 足立区の重点地区は五十二地区あり、新規指定七地区、削除七地区となっており、地区数は従前と変わりませんが、区域面積での合計は千九百二十六ヘクタールから二千五百六十ヘクタールに増加しております。
新規地区としては、不燃化促進事業を行う扇一丁目周辺地区や、住宅市街地総合整備事業を活用してJT敷地の土地利用転換による基盤整備などを行う千住旭町、日ノ出町地区、地区計画の決定がなされた神明南、辰沼、北加平地区などがございます。
区域変更地区は十地区あり、地区計画の決定に伴う区域拡大が見られる舎人、古千谷本町、西伊興、東伊興地区などがございます。
削除地区につきましては、市街地再開発事業や住宅建てかえ事業の終了などによるものでございます。
○中山委員 今のご答弁を含めまして、本方針の重点地区の資料からはさまざまな地域の課題、そして対応の状況が見えてくると思います。
例えば、花畑七、八丁目地区におきましては、多様な世代が住み続けられる良好な居住環境ということが目標に掲げられております。新田地区におきましては、住工混在における工場、倉庫等と住宅の調和を図ること、水辺空間の活用などの目標が掲げられております。
また、本方針の中では、都全体で五百近くの重点地区における目標や整備地区の方針が示されております。これらを見ておりますと、それぞれの地域ごとにさまざまな課題があり、さまざまな取り組みが必要とされているということが浮き彫りになってくるのだと思います。これを今後どのような都市整備的手法を用いて具体的に推進していくのか、これが大事であります。
先ほどの答弁の中で、足立区の重点地区数は変わらないけれども、面積の合計が千九百ヘクタールから二千五百ヘクタール以上に大幅にふえたとのお話がございました。周辺区が都心区の足並みに追いつくように、住環境の整備に力を入れてやっていこうという意気込みがあらわれているものと私は受けとめております。
このたび、住宅市街地の開発整備方針の改定をしようとしているわけでありますが、都といたしましては、今後、地域の状況を踏まえながらどのように住宅政策を応援、展開していくのかお伺いいたします。
○松村住宅政策推進部長 本方針案は、区市町村と緊密な連携をとりながら策定したものでございます。本方針を策定することにより、住宅まちづくりの推進に向けた都民、民間事業者、行政等の適切な誘導や、住宅まちづくり事業と都市計画制度の総合的、一体的な展開を図ることが期待できます。
今後とも区市町村との連携を図り、地域の特性を踏まえながら住宅マスタープランに掲げる住まいの安全・安心の確保や、世代を超えて住み継がれる住宅まちづくりの実現に向けて取り組んでまいります。
○中山委員 ぜひ住宅政策の一層の充実を図っていただきたいと思います。住宅政策におきましては、足立区を初め、各地域でさまざまな課題があります。センター・コア・ゾーンでも、恐らくその地域に応じた課題があるのではないかと思います。このため、先ほど指摘した多世代混住や住工共存、水辺環境の活用などのほか、職住近接や低利用地の土地利用の転換などにつきまして取り組みが求められております。
そのためには行政が知恵を出し、効率的に民間と協力し合って工夫をしていく必要があります。東京の住生活の向上に向け、長期的な視点、幅広い視点からの検討をお願いし、住宅市街地の開発整備方針につきましての私の質問を終わります。
○高橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時五十五分散会
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