委員長 | 高橋 信博君 |
副委員長 | 中山 信行君 |
副委員長 | いのつめまさみ君 |
理事 | 伊藤まさき君 |
理事 | 神林 茂君 |
理事 | 三原まさつぐ君 |
河野百合恵君 | |
植木こうじ君 | |
長橋 桂一君 | |
こいそ 明君 | |
新藤 義彦君 | |
立石 晴康君 | |
大塚たかあき君 | |
相川 博君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長 | 只腰 憲久君 |
次長総務部長事務取扱 | 泉本 和秀君 | |
技監 | 福島 七郎君 | |
理事 | 加藤 英夫君 | |
都市づくり政策部長 | 安井 順一君 | |
住宅政策推進部長 | 松村 光庸君 | |
都市基盤部長 | 升 貴三男君 | |
市街地整備部長 | 座間 充君 | |
市街地建築部長 | 河村 茂君 | |
都営住宅経営部長 | 清水 文夫君 | |
企画担当部長 | 横溝 良一君 | |
連絡調整担当部長 | 岡沢 裕君 | |
住宅政策担当部長 | 瀬良 智機君 | |
外かく環状道路担当部長 | 遠藤 正宏君 | |
民間開発担当部長 | 石川 進君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 小澤 弘君 | |
都市景観担当部長 | 町田 修二君 | |
経営改革担当部長 | 並木 勝市君 | |
参事 | 瀧本 裕之君 | |
参事 | 宇多田裕久君 | |
参事 | 福田 良行君 | |
参事 | 中島 俊明君 | |
参事 | 山口 幹幸君 | |
参事 | 荒川 達夫君 |
本日の会議に付した事件
都市整備局関係
事務事業について(質疑)
○高橋委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより都市整備局関係に入ります。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
河島航空政策担当理事は、公務のため本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承を願います。
次に、過日の委員会において紹介できませんでした幹部職員について、都市整備局長から紹介があります。
○只腰都市整備局長 過日の委員会を欠席させていただきました幹部職員をご紹介いたします。
多摩ニュータウン事業担当部長の小澤弘でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○高橋委員長 紹介は終わりました。
○高橋委員長 これより事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○泉本次長 十月九日の当委員会で要求をいただきました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元の都市整備委員会資料の表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。
資料は、1の都営住宅・公社住宅・都民住宅等の建設実績から、16の沿道一体整備事業の進捗状況までの十六件でございます。
それでは、まず一ページをお開き願います。1の都営住宅・公社住宅・都民住宅等の建設実績でございます。
過去十年間の建設実績を、新規、建てかえ別に記載してございます。
二ページをお開き願います。2の都内の最低居住水準未満・誘導居住水準以上の世帯の割合でございます。
民間住宅、公共住宅の別に、最低居住水準未満の世帯の割合と誘導居住水準以上の世帯の割合を記載してございます。
三ページをごらんください。3の既設都営住宅のエレベーター設置状況でございます。
既設都営住宅のエレベーター設置状況を、過去五年間について年度別に記載してございます。
四ページをお開き願います。4の公社住宅のエレベーター設置状況でございます。
公社住宅での設置状況を、過去五年間について年度別に記載してございます。
五ページをごらんください。5の使用承継制度の厳格化実施状況でございます。
都道府県と政令市ごとに、措置状況を記載してございます。
六ページをお開き願います。6の都施行土地区画整理事業における地区別の状況でございます。
会計区分ごとに、地区名、施行面積、総事業費、各年度事業費及び進捗率について記載してございます。
七ページでございますが、7の生産緑地地区面積の推移でございます。
過去五年間の都内計、区部、多摩部別に記載してございます。
八ページをお開き願います。九ページにかけまして、8の東京都の耐震診断・耐震改修助成実績を記載してございます。
(1)では木造住宅、(2)ではマンションについて、地方公共団体ごとに、平成十八年度及び十九年度の件数を記載してございます。
一〇ページをお開き願います。一一ページにかけまして、9の区市町村の耐震診断・耐震改修助成実績でございます。
(1)では木造住宅、(2)ではマンションについて、各地方公共団体ごとに、平成十八年度及び十九年度の件数を記載してございます。
一二ページをお開き願います。一四ページにかけまして、10の高さ百メートル以上の大規模ビルの建設状況を記載してございます。
平成二十年三月末までに建築確認済みの、高さ百メートル以上のビルにつきまして、竣工またはその予定日が平成十六年度から二十一年度のものを、名称、高さ及び延べ面積について年度別に記載してございます。
少し飛びまして、一五ページをお願いいたします。一六ページにかけまして、11の都市再生緊急整備地域指定後の高さ百メートル以上の大規模建築物の建設状況を記載してございます。
(1)から(6)の地域ごとに、名称、高さ、延べ面積、及び従前延べ面積を記載してございます。
一七ページでございます。12の外環及び外環ノ2の整備における移転対象棟数でございます。
外環の整備における移転対象棟数について、当初計画と現在の計画を比較してございます。
一八ページをお開き願います。13の都市高速道路晴海線の計画と整備状況です。
都市高速道路晴海線について、計画と整備状況を記載してございます。
一九ページでございます。14の多摩の核都市についての取り組み状況でございます。
核都市別に、多摩の心(しん)育成・整備計画に位置づけられている事業の取り組み状況を記載してございます。
二〇ページでございます。15の多摩地域の都市計画道路における第三次事業化計画策定以降の取り組み状況でございます。
多摩地域の都市計画道路について、施行主体ごとに取り組み状況を記載してございます。
二一ページをごらんください。16の沿道一体整備事業の進捗状況でございます。
(1)では事業実施地区、(2)では事業予定地区について、地区ごとに進捗状況を記載してございます。
以上、資料説明とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○高橋委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○三原委員 最近の東京圏は、軌道の乗り物あるいは鉄道同士の相互乗り入れと、大変便利になってきております。例えば日暮里・舎人ライナーが開業し、あるいはまた副都心線、そういうものが開業したりして、大変都民も喜んでいるわけでございますが、そういった最近の鉄道事情といいますか、軌道の乗り物の計画について最初にお尋ねをしたいと思います。
実は新聞報道で承知しているだけですから余り正確ではないかもしれませんけれども、羽田と成田の間、この両空港を結ぶ新線の構想というようなものが、突然、国の方から出てきた。もちろん類似のことは議論されてきておりますから後ほど伺いますが、突然そういう新構想のようなものが出てまいりまして、関係者は少しびっくりしたというようなイメージで報道されておりました。
そこで、成田と羽田の両空港を結ぶ新線の構想について、国が発表したわけでしょうが、もう少し具体的な内容を教えていただきたいと思います。
○升都市基盤部長 羽田、成田の空港を結ぶ新線構想ということでございます。
国は、成田、羽田両空港の一体的活用の推進と首都圏の国際競争力の維持強化の観点から、成田-羽田両空港間を五十分台、都心と両空港間をそれぞれ三十分台以内で結ぶことを目指しているところでございます。
このため、平成二十二年度完成予定の成田新高速鉄道などの既存ストックを最大限活用することを前提にいたしまして、短絡線の整備などを含め、首都圏空港としてふさわしいアクセス改善方策について、二十一年度に調査検討を実施するというふうに聞いておるところでございます。
○三原委員 二十一年度の概算要求で突然出てきたというふうに新聞報道もされておりますけれども、国が一方的に発表するといっても、国の管轄内でやるといいますか、国が独自に直轄している場所があってそこで事業をやるというんじゃありませんから、当然このラインでいえば、特にバイパス構想というようないい方でいえば東京都の都内になるわけですから、当然国から東京都に対して正式に、こういうことをやっていきたいというような提案があってしかるべきだと思います。また、それを受けた東京都の方も、当然需要がどうであるかとか、費用負担が出てくるのかどうかとか、さらには将来の採算性とかそういったことについて、都も独自にある程度検討した上で国と相談して、国が発表するというのが本来の手順のような気がします。
しかし今回は、どうも新聞報道で見る限りは、国が一方的に構想をぶち上げた、東京都はどぎまぎしている、こういうイメージに報道されていますが、都は、その辺はどういうふうに受けとめておられるでしょう。
○升都市基盤部長 今回の構想でございますが、国からは、二十一年度に調査を概算要求に盛り込むという際に、お話の新線構想について具体的な提案はございませんでした。ただ、国からは、こういう調査を二十一年度やるので、都も協力してほしいという要請はあったところでございます。
また、私どもといたしましては、この構想の実現には、お話がございましたように、整備の必要性でございますとか需要、費用対効果、事業採算性など、事業性に関する課題について十分な検討を行う必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
○三原委員 平成十二年の運輸政策審議会答申第十八号で、都営浅草線に追い抜き線をつくるとか、東京駅に接続するとかという構想の案が出ていたはずでございますが、このことについて、東京都はかなり議論をされたように記憶をしているんですが、その内容をもう少し、非常に関連していますから教えてください。
○升都市基盤部長 平成十二年の運輸政策審議会答申で盛り込まれております、俗に東京駅接着と呼ばれているものでございます。東京都は平成十三年度から二年間、国と中央区、鉄道事業者などで構成いたします都営浅草線東京駅接着等の事業化推進に関する検討委員会を設置いたしまして、浅草線の東京駅接着に関する検討を実施いたしました。
この検討では、整備の必要性、複数の整備案の策定、各案の比較評価などを行いまして、平成十四年度に、八重洲通りに面する再開発と一体的に整備する案を最有力案といたしました。
なお、この検討に際しまして、大深度地下を活用した短絡線整備の可能性についても検討を行っておりますが、多大な事業費の確保や事業採算性、既設路線への影響などさまざまな課題があったために、有力な案としての抽出には至ってございません。
○三原委員 成田と羽田の間を五十分ぐらいで結ぶ、その間に東京駅にも接続するというのは、国民が両飛行場、あるいは外国の方が両空港を利用されるという点では非常に便利がいいなということを直感的には感じます。
しかし、ちょっと冷静に考えると、成田と羽田の間がそんなに便利になったら、何も羽田を国際空港にしなくても、成田を今までどおり国際空港にして、羽田は国内線にして、相互は五十分ぐらいで結ぶんだから、何も不便ではないじゃないですかという議論に発展させられてしまったら、東京都が願っている羽田の国際化というのに、ちょっと水を差されるんではないかなという感じが私はしているんです。
したがって、国がいい出しているこの新しいバイパス構想も、あるいはまた運政審で出された都営浅草線の東京駅接続等の構想も決して悪いことではないと思いますけど、やはり羽田の国際化というのが知事初め都民の念願であるとすれば、その辺も十分に視野に入れて、この新しい鉄道路線の計画ということを真剣に考えておかなければいけないのではないか、こう私は思います。だから、私の取り越し苦労であればいいですけど、むしろ専門家の皆さんはどうお感じになっているか聞かせてください。
○升都市基盤部長 理事のお話ございましたように、羽田空港の国際化を推進するという観点から見ますと、空港アクセスの改善は不可欠でございます。
都といたしましても、京急蒲田駅の改良を推進いたしておるところでございますし、また、京浜急行や東京モノレールによる国際ターミナルの新駅設置など、空港アクセスの改善に積極的に取り組んでいるところでございます。
今回の羽田と成田を結ぶ鉄道アクセスにつきましては、国から具体的な計画がまだ示されてございません。そのため、現時点で羽田の国際化との連携については不明な点が多々ございます。
このため、今後都といたしましても、国の調査に参加するなどいたしまして、検討の状況を慎重に見きわめてまいります。
○三原委員 都側のお考えはわかりましたけれども、私の勝手な推測で、取り越し苦労であればいいですけれども、国は何を考えているかわかりませんから、それは慎重に、それこそ相手の懐をよく読んでこの議論をされた方がいいかなという気がいたしますから、あえてそのことを申し上げておきたいと思います。
もう一つ、新しい軌道路線で、最近着工したやに聞いているんですが、JRの東北縦貫線というのがあるそうでございます。これは私どもが全く議論をする余地のない案件だったようですから、承知してなくてもしようがないんでしょうけど、JRの東北縦貫線というのはどういう路線で、何を目的にしているといいますか、まず、その計画内容とか、いつ着工していつ完成するかといったことを教えてください。
○升都市基盤部長 東北縦貫線の計画内容と完成予定年度でございますが、本事業は、JR東日本が、現在上野どまりになっている宇都宮、高崎、常磐線の各列車を東京駅に乗り入れるための整備を行うものでございます。
計画延長は約三・八キロメートルでございまして、神田駅付近で、新幹線高架橋の上に新たに縦貫線の高架橋を新設する区間がございます。それが約一・三キロでございます。また、既設の高架橋を活用する区間が約二・五キロとなってございます。本年五月に工事に着手いたしまして、平成二十五年度の完成を予定しているところでございます。
○三原委員 そうすると、これはJRさんの独自な事業ということで、既存の鉄道の上を二階建てでまた走ろうということのようですから、東京都がとやかくいうことは全くなかったんだろうとは思いますが、それでも都内を走ることですから、何か、その当時の議論で東京都がかかわっておられることがあるのかどうか。
この事業の本来の目的にかかわることですから、ちょっと参考に教えてください。
○升都市基盤部長 この事業本来の目的ということのお話でございましたが、JR東日本によりますと、本事業によりまして、宇都宮線、高崎線、常磐線の各方面から東海道線、東京、新橋、品川方面への直通運転が可能となることから、並行する山手線や京浜東北線の混雑が大幅に緩和されるほか、乗りかえの解消でございますとか所要時間の短縮が図られるというふうにしてございます。
また、首都圏を南北に結ぶ輸送ネットワークの強化によりまして、交流の促進や地域の活性化に寄与するなどの効果があるというふうに考えておるところでございます。
なお、本事業は、JR東日本が全額自己資金で行っているもので、都は、直接事業に参加しているものではございません。
○三原委員 今のお話の中で、宇都宮線、高崎線、常磐線が東京駅へ入って、さらには東京以西どこまで行くのか知りませんけど、そういう新線構想といいますか新しい路線の構想、こういうふうに伺いました。私などは常磐線をしょっちゅう使わせていただいていますけど、とてもすべての常磐線が東京駅に乗り入れるというのはちょっと物理的に不可能だから、多分常磐線の何本かは、東京駅もしくはその以西まで行くということなのかなと、今お話を聞きながら思いました。
実は東京駅に向かって行きたいという、私だけじゃなくて中山先生もおられますけど、地元の人間として、つくばエクスプレスの問題があるわけです。
今、常磐線の話も出ましたから、そっちへちょっと話をつなげていきますが、たしか十七年の八月、つくばエクスプレスは開業いたしましたけれども、最近耳にするところでは、かなり営業成績がいいというようにも伺っています。その辺の実態について教えてください。
○升都市基盤部長 つくばエクスプレスの現在の状況でございます。つくばエクスプレスの現在の一日当たりの乗車人員でございますが、平成十九年度の実績では、一日当たり二十三万四千人というふうになってございます。また、ことしに入っても順調な伸びが続いているというふうに聞いておるところでございます。
営業状況でございますが、平成十九年度の決算では、十九億円の損失となっております。いまだ黒字化は達成してございません。しかしながら、減価償却前の資金的な収支では、百六十三億円の黒字となっている状況でございます。
○三原委員 開業して数年しかたってないわけですから、なかなか順調なすべり出しといいますか、順調な営業だなというふうに私なんか素人は思います。
そうした中で、ことしの夏前から少し議論になっていますのは、建設に当たって各自治体から出資金を出しましたが、非常に工事を倹約するといいますか、極力圧縮して安く上げようという努力が実って、その出資金に余剰が出たと。
したがって、それをどうしようかという議論がなされているというふうに聞いておりますが、この出資金の余剰がどういう事情で発生しているのか、あるいはまた、それを、どうこれから対処していこうという話になっているのか。これは各自治体によって考え方は違うかもしれませんが、東京都あるいは関連の四区、その辺の意向を聞かせてください。
○升都市基盤部長 まず、出資金がどうだったかというお話でございます。ことし三月に確定いたしましたつくばエクスプレスの建設工事につきましては、建設工法の見直しや新技術の導入などによりまして、当初の計画額と比較して約千三百億円の削減がなされたところでございます。
このため、建設工事費の財源として地方自治体が事前に出資いたしました出資金につきましては、出資済み額と本来出資すべき額の差額が、百八十五億円発生したところでございます。
この出資金につきましては、今後想定される混雑率の上昇に対し、さらに安全で快適な輸送サービスの提供を念頭に置きまして、関係自治体とともに有効な活用策を検討してまいりたいと考えているところでございます。
また、そのほかの自治体の考え方というご質問がございました。それぞれ県市によりまして、その考え方が異なっております。県市によっては、例えば区によっては、今後、もう少し議論していきたいというふうにお話しなさっている区もあるところでございます。
○三原委員 なかなかの金額ですから--東京都分は、教えていただいた従前の資料では三十七億だそうですけど、足立区は十六億とか台東区は十一億とか、自治体から見れば大変大きな金額ですよ。したがって、これをそう簡単に、どうしようというふうに決めてぱっぱと使ってしまうと、もうそれは使ったらなくなっちゃうわけですから、かなり慎重に将来を見越したことで用途を考えていくということが私は重要だと思っているので、またそれに関連したことを後ほどお尋ねしたいと思います。
実は、つくばエクスプレスが秋葉原で起工いたしましたのは平成七年ぐらいだったと思いまして、私も起工式に出席をさせていただいた記憶がありますが、もともと昭和六十年の運輸政策審議会の答申では、東京が始点で、秋葉原が始点ではなかったんですよね。東京始点で守谷までがすぐ施行する区間、それから先、つくば研究学園都市の方は検討すべき路線というふうになっていたんですが、実際に着工したときは秋葉原が始点、そして守谷から先、つくば研究学園都市の方まで事業を行うというふうになったわけです。
どうもその辺が、何で秋葉原-東京間が後回しになるということになったか、かなり議論をされたのではないかなというふうに思うんですが、古いことですからおわかりにならなければ仕方ありませんけど、もし何かそういうことでおわかりのことがあれば、どうして秋葉原始点になって東京始点ではなくなったのかというのを、おわかりになるところでちょっと教えてください。
○升都市基盤部長 昭和六十年の運輸政策審議会答申第七号で、東京-守谷間が、目標年次までに新設することが適当である区間というふうに位置づけられておりまして、守谷からつくば間が、今後新設を検討すべき区間というふうにされていたということでございます。これはお話のとおりでございます。
その後、昭和六十二年に発足いたしました、国や沿線自治体等で構成される常磐新線整備検討委員会が、起終点などの基本フレームについて検討を行いまして、その結果、第一期工事として秋葉原-つくば間を建設することとしたというふうに聞いているところでございます。
○三原委員 古い資料といいますか、古いことですからなかなか資料も見つからないでしょうし、当時のご担当の方が現におられるわけではありませんから、それはやむを得ないと思いますが、その後の平成十二年の運輸政策審議会の答申の十八号でも、東京-秋葉原間については全く消えたのではなくて、検討すべき路線というふうに明示をしています。
したがって、この秋葉原-東京間について、東京都も含めて何か検討された機会が今まであったのかどうか、その辺についてわかる範囲で教えてください。
○升都市基盤部長 秋葉原-東京駅間の検討についてでございますが、国は、平成十七年度からこれまで、運輸政策審議会答申第十八号のフォローアップ調査を実施しておりまして、その中で、つくばエクスプレスの東京延伸についても概略の検討を行っているところでございます。
その結果、輸送人員の増加は見込まれるものの、事業スキームや資金調達方法についてさらなる検討が必要であるというふうに聞いているところでございます。
○三原委員 内部での検討はなかなか表に出てこないから、我々も知ることができないんですけど、ちょっと余談でまことに申しわけないんですけど、地元のことなものですから。
日暮里・舎人ライナーの過去のいろんな会議の資料を探して、今、読んで、調べてみているところなんですけど、六十年の運政審の前に、運政審の小委員会で学者さんや何かが入っておられて、そのときに議論している議事録は非公開なんですけど、読ませてもらう機会があって読みましたら、ある審議会の委員の先生は、日暮里・舎人ライナーの現在の路線のところは盲腸線だと。体の盲腸ですね、盲腸線だから、運政審の小委員会で議論するという話じゃないじゃないかというようなことをいっておられるんですよ。
幸いなことに、事務当局、当時は運輸省ですが事務当局が、これは地元の強い要望もあるしまた関係自治体も強く要望しているし、必ずしも軌道でなくても新交通システムというようなもので考えられることもあるので、引き続いて検討課題にしてもらいたいというふうにして、審議会の先生方の意向を押し返しているんですね。たったそれが、今日実現した大きな起点だったんじゃないかなというような気がするぐらいで、もし学者さんが、盲腸線だからこんなところで議論しなくてもいいよといったら、消えちゃいますよね。
ですから、この東京-秋葉原間の問題も、これからいろいろ協議の機会があると思いますけど、東京都は、やっぱり都民の意向をしっかり踏まえてそういう場所で発言をしてもらいたい、こう思います。例えば茨城県などの沿線自治体は、東京延伸をしてくれという要望をきちっと出しておりますし、また国会議員の議員連盟も、東京延伸をやるべきだということを決議しております。
残念ながら都議会の方は、常磐新線と日暮里・舎人新線の議連があったんですが、いつの間にか解散してしまいましたので決議を突きつけられなくて--中山先生、まことに残念だよね。非常に私は憤慨しているんですけど、いずれにしましても、まだまだこういう場もあります。現実に、足立区だけではなくて荒川区や台東区の区民の方も、つくばエクスプレスに乗って東京駅に行けることは大変便利だということをおっしゃるに違いないわけですから、そういった都民の意向そして関連自治体の意向、さらにはそうした議会側の意向も十分踏まえて、私は、この東京延伸の問題については今後対処してもらいたいと思います。
まことに失礼ですが、往々にして、東京は反対ですからみたいな発言をなさる方があるやに聞いておりますが、とんでもない。我々は住民の意向を一番よく承知していますから、また利用者の意向もよく承知しているはずですから、しかも国会議員の議員連盟あるいはまた他県の自治体も東京延伸を図るべきだといっているんです。東京都がやっぱり真剣に検討して、都民の意向は何だ、どこにあるんだということを把握して発言もし、こうした何らかの議論に参画をしてもらいたいと思います。
特に沿線市、これは市だけじゃなくて区とか入っているんでしょうけど、沿線市の連絡協議会というような機関もあるそうですから、そういう場所で軽々に、東京都は余り希望していませんみたいな発言は絶対しないようにお願いしますよ。我々の、こういう場所で議論した結論が東京の発言となっていくなら構いませんけど、こっちで全然議論しないのに、皆さん方の方の専門的な知識で、そう簡単に、余り希望しないような発言になったらえらいことになりますから、これは、それをしっかりくぎを刺すという意味で失礼ながら申し上げたんですけど、その辺のことについて理事者側の意向を聞かせてください。
○升都市基盤部長 今お話がございましたように、国会議員などによる議連がございます。また、茨城県の沿線市などにつきましては、ぜひ延伸を要望するということで、いろいろな要望活動を行っているというふうに聞いてございます。
ただ、沿線自治体、かなり、十一区市ございますがその中にもいろいろ議論がございまして、会社の経営基盤の安定が重要だというお話をするところもございますし、また今お話がありましたように、東京延伸をぜひ行ってほしいというところもございます。そういうさまざまな意見があるところでございます。
東京都といたしましては、秋葉原-つくば間の輸送需要の拡大というものに努めながら、鉄道会社の経営基盤を整えていくということでございますとか、旅客需要の動向を見きわめながら、車両増備など輸送力増強に尽力をしていくことが、まずは重要なのかなというふうに考えているところでございます。
ただ、東京延伸につきましては、先ほどもお話ししましたが、事業スキームでございますとか事業採算性、財源の確保などの課題があるというふうに考えております。慎重に対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○三原委員 現時点での都側のお考えはよくわかりました。ただ、これから当然、住民からも東京延伸についての要望や陳情も出てくるだろうと思いますし、こうした議会側の議論の場も通じて必要性を訴えていきたいと思います。
もちろん鉄道会社の経営がぐらぐらするようでは、そんなことは議論していられませんから、それはそれでしっかり経営してもらうようなことを我々も応援していかなきゃいけないと思いますが、長期的に考えたときに、もともと運輸政策審議会の答申に東京を起点とするようにうたわれているわけですし、引き続いて検討すべきだということも述べられているわけですから、つくばエクスプレスの東京延伸については、ぜひこれから慎重な発言と、都民の意向、議会の意向を踏まえてしっかりと対処していっていただきたいと思います。そのことを念押しして、次の質問に移ります。
区画整理事業についてお尋ねをしたいと思いますが、先ほど資料も出ておりますから、ちょっとお尋ねするのは失礼ですけど、都施行の事業の現況についてもう一度、都心地区、周辺地区の進捗状況、簡単で結構ですから教えてください。
○座間市街地整備部長 都施行土地区画整理事業の進捗状況でございますけれども、先ほどの委員会資料にもございますが、都心部二地区の平成十九年度末現在の進捗率でございますが、事業費ベースで汐留地区八〇%、秋葉原地区八三%となっておりまして、事業が完了に近づいております。
また、周辺区部五地区の進捗率でございますが、田端地区五六%、花畑北部地区六一%、瑞江駅西部地区三六%、篠崎駅東部地区四五%、六町地区二六%となっておりまして、各地区とも事業が順調に進捗しているものと考えております。
○三原委員 皆さん方のご努力は大変高く評価しますし、特に出先の現場で、いろいろと地元で活動している職員の皆さんのご苦労はよく聞かされて承知をしておりまして、それには本当に頭が下がる思いでございますが、さらに進展するようにお願いをしたいと思います。
そこで、我々に課せられた使命は予算をどれぐらい求めていくかということになると思うんですけど、単純にいいますと、副知事の依命通達だと大体二十一年度予算もことしと同じぐらいの枠でいくということのようです。そこで、都心二地区の完了に伴う予算の少なくていい部分が出てくるわけですから、その枠を外してしまうとせっかく二十年度枠でといっているのに下がってしまいます。都心の工事完了に伴う減額分は極力周辺区の事業に回してもらうという強い決意が要りますが、その辺はどうでしょうか。
○座間市街地整備部長 平成二十一年度予算についてでございますけれども、これまで都心部二地区に大規模な移転や工事が集中していたことから、この二地区につきましては、鉄道関連の工事を残して工事が完成に近づいております。
秋葉原地区におきましては、JRと交差する箇所で大規模な工事を行うことから、今年度に限りまして都心部二地区の予算がふえておりますけれども、来年度以降は減額傾向になると考えております。
今後は、これまでの区画整理事業の予算フレームを生かしながら、事業が本格化してきております周辺区部へ事業の重点を移していくこととしております。これに伴いまして周辺区部の予算につきましては、計画期間内での事業完了を目指して、引き続き増額の方向で要望してまいります。
○三原委員 言葉は不適切かもしれませんが、かつて汐留、有明あるいは秋葉原、都心部の区画整理事業が真っ盛りのころは、周辺区は少し辛抱してくださいよというイメージのことを、本当にいわれたんですよ。
ですから、今度は都心区の区画整理事業が収束に向かっているわけですから大いに周辺区に回すと、こういうふうにしてもらわなきゃいけないので、そうするんだという強い決意で予算に取り組んでもらいたいと思いますし、幸いにして区画整理を促進しようという議員連盟もあって、議員さん方もそういう方向に力強く団結していくとなっていますから、ぜひそこのところを理解して対応していただきたいと思います。
そこで、これはもっと専門の議員さんもおられて、私、素人で恥ずかしいんですけど、区画整理に伴って移転補償のようなお金が出てまいります。一般の税については五千万円の特別控除というようなことがあったりして影響が少ないんですけど、介護保険とか児童手当、そういうもののお金は、移転補償費が所得とみなされて、そっくり計算されてしまう。したがって、移転するのは何も個人の都合で移転するわけじゃないし、移転補償は移転せざるを得ないから出るわけですけど、それはまたすぐ移転することに伴って使ってしまうわけですから、いうなら一時的には確かに所得になりますけど、すぐそれは使ってしまいます。
そういうお金が介護保険料や何かの計算の中に入ってくるというのは、まことに不都合なことだというふうに私は感じます。現に、そういうことを非常に不満だと訴えておられる関係者もおられます。
介護保険料なんていうのは区によって違ったりするんでしょうけど、私の地元は足立区ですから、数字をちょっと示してくれませんか。仮にこれぐらいの移転料なら、これぐらい介護料が高くなると。
○座間市街地整備部長 介護保険料についての試算でございますけれども、各権利者によりまして補償金も介護保険料も異なっておりますので、確定的な数字ではございませんけれども、足立区の場合、年間の合計所得金額が二百万から六百万円の方で、補償金と合わせて合計所得金額が八百万円以上になったと仮定いたしますと、翌年の年間保険料は約七万八千円から約十万五千円となりまして、約二万七千円増額することになります。
○三原委員 今、そうでなくても、そういった介護保険とか後期高齢者医療だとかといって個人が負担する金額について大激論が起きているときです。金銭的には二万とか三万、あるいは人によっては五万とか六万という金額かもしれませんし、一年こっきりかもしれませんけど、これはいうならば公な事業ですから、そういうところにも波及しないようにちゃんとやっていかなきゃいけないので、国の方がだめなんですけど、教えてやらなきゃだめですから。
したがって、国は当然承知してほおかむりしているのかもしれませんけど、東京都のみならず全国でそういう事情があるはずですから、東京都は国にどのように働きかけておられるかについて教えてください。
○座間市街地整備部長 介護保険に関します国への働きかけでございますけれども、まず、介護保険料の算定の基礎となります所得の認定でございます。これにつきましては、児童手当や老齢年金など公的扶助とともに、公共事業による補償金を所得から控除する特例措置を講じるよう、平成十八年度から、用地対策連絡協議会を通じて国に対して改善要望を行っているところでございます。
介護保険料は、土地区画整理事業に限らず公共事業の施行に伴う補償全般にかかわる問題でございまして、今後、関係部局とも十分協議の上、引き続き、国に対して働きかけてまいります。
○三原委員 ぜひ、そういう区画整理事業や何かに協力した--区画整理だけじゃないですけど、公共事業に協力してくださった方が嫌な思いをするようなことをやらせちゃだめですから、しっかりと国にもいっていただいて、早急に是正できることを期待しております。
もう一つ、具体的に、六町地区の区画整理事業というのをやっていただいていますが、これは非常に事業区域も広かったり権利関係者が多かったりというようなことがあって、非常に時間がかかっております。そういう時間がかかるという中で、長期に話がとどまってしまう、つまり中断してしまうというような方がかなりいるというふうに聞いているんですけれども、四、五年議論が続いても一向に進展をしないという、こういうのを専門家の方は長期中断とかいうそうでございますが、どういう事情でそういうことが起きるのか。また実際、六町についていえばどれぐらい件数があるのか教えてください。
○座間市街地整備部長 長期中断についてでございますけれども、六町地区におきましては、商業ゾーンや工業ゾーンなどへの換地位置に関する住民要望、これらを踏まえて換地設計を行ったことから、従前地の場所と離れた位置に換地が定められるという、いわゆる飛び換地が多く存在いたします。このため、従前地での建物解体から仮換地への引き渡しまでの仮住まいや仮営業等の営業が長期間継続します、いわゆる長期中断が発生しております。
また、つくばエクスプレス六町駅前の広場先行整備等のように緊急を要する場合、やむを得ず長期中断が発生している事例もございます。六町地区におきましては、現在、四年以上長期中断している件数は五十五件となっております。
○三原委員 ご説明にありましたからよくわかりましたけど、飛び換地が発生したりするのは、地権者のご希望を聞いてあげたからそうなったというのもあって、決して行政側の失敗でも何でもないんですけど、結果として四年も五年も六年もというようになって、これから先もずっとそういう状況が続く可能性もありますから、これは何か打開しなきゃだめだと私は思うんです。
私はそっちの専門家じゃありませんからわかりませんけれども、現場を見たりいろんな人の話を聞いたりして、二つのことがいえるなと思っているんです。一つは、都有地もたくさんあるはずですから、そういった都有地や何かの換地先と入れかえてあげる。換地の修正とでもいいますか、そういうやり方はないのか。
もう一つは、従前地、あるいは極端にいうと仮換地先までそうですけど、換地先の土地を都が買い上げてあげる。つまり、五年も十年もたつとその人の人生設計は変わってきますから、将来この仕事をずっと続けようと、この商売をやっていこうと思ったけど、今の社会情勢、この年齢になると、この商売はやめた方がいいというふうに思われたりしてくると、予定どおり換地先に行ってもだめなわけですよね。
ですから、長期にわたったがゆえに発生してくる事情を考慮して、従前地を買い上げてあげるというような方式を決断してやらないと、長期中断は解消しないし、それがずっと残っていけば、区画整理事業そのものが収束するのがずっと先になってしまうということがありますから、その辺は行政側の、かなり決断が要るんではないかと思いますが、どうでしょうか。
○座間市街地整備部長 長期中断の解消策についてでございます。これまで長期中断に対しましては、仮住まいや仮営業等に必要となる費用の補償を行うとともに、施行者による仮設住宅、仮設店舗の設置や、長期中断等の経営者の仮換地を整備済み都有地の仮換地と入れかえる等の対応を行ってきております。
引き続きこれらの対応を行うとともに、理事ご提案の、従前地または仮換地先の取得につきましては、長期中断を解消するために有効な施策の一つと考えておりますので、今後、その可能性について検討してまいります。
○三原委員 ありがとうございました。ぜひ換地設計の修正といいますか、都有地や何かに移るやり方、もう一つは従前地あるいは換地先も含めてですけど、買い取り、そういうことで少しでも事業に協力してもらって区画整理事業を進めていくということが重要だと思います。
そういう買い取りというようなことが全く法律に触れてめちゃくちゃだというのならだめですけど、今の部長のご答弁だと、そういう方法もあり得るということですから、我々も議会側から応援したいと思いますので、ぜひそういう決断をしていただきたいと思います。追ってまた機会があると思いますからお願いします。
ちょっと時間が追われたので、最後に、民間の組合施行の区画整理について簡単に伺っておきたいと思います。まず、組合施行は、二十三区、多摩を含めて何カ所あるんでしょうか。
○石川民間開発担当部長 組合施行の地区についてですが、平成二十年三月末現在、区の認可を含む施行中の組合施行の土地区画整理事業は、二十三区では、足立区の花畑東部、江戸川区の葛西など十一地区。多摩地域では、府中市の西府、日野市の日野駅北など十四地区、合計二十五地区でございます。
○三原委員 今、名前が出ましたけど、花畑東部と葛西はかなり年月がかかっているように聞いております。花畑東部は、たしか昭和四十二年ごろの組合認可だと思いますから、もう四十年ぐらいかかるわけですが、広さも広い、地権者も多いというようなことになると、それは年月かかるのはやむを得ません。でも四十年もかかるというのは、ちょっと常識的でないなというような気がするんです。その辺は、私は東京都側の指導がちょっと不十分だったんではないかなと思うんですよ。
中身はつまびらかでありませんけれども、勝手に想像させてもらえば、さっきの六町地区の区画整理、今ちょうど十年ぐらいしかたってないんですけど、そういう中でも長期中断がいっぱい出てきたりしているようなことを考えると、換地設計や何かに問題があったんではないか。あるいは組合の理事さん方の運営の仕方に、専門家ではありませんから不十分なことがあったのではないか。あるいはまた、もろもろのことを東京都がしっかり指導していたんだろうかなということを非常に感じます。
したがって、全般的に見て、四十年もやっていてまだ終結しないということは、東京都側の指導監督不十分ではないかと、まことに失礼ですが、そう感じざるを得ないので、その点はどうですか。
○石川民間開発担当部長 花畑東部は、昭和四十二年に事業認可を受けて以来四十年が経過し、事業が長期化し、理事の高齢化などにより組合の事業執行上でのさまざまな問題があることについて、東京都も承知しております。
都としては、これまで、事業計画変更などの節目節目において適宜指導を行ってきたところでありますが、これまでの指導に必ずしも十分ではない点があったと認識しており、反省すべき点は反省しております。
都としては、事業の早期収束に向けて地元区と連携し、これまで以上に強力に組合を支援してまいります。
○三原委員 いみじくも反省しておりますという言葉がありましたが、反省するだけじゃだめなので、反省に基づいて具体的にやってもらわなきゃだめです。でも、今、部長さんは反省しておりますとおっしゃったけど、私の感じるところでは、ここ一、二年は、かなり東京都も踏み込んでご指導していただいているし、理事さん方も、お話が出ましたが、ご高齢にもかかわらず頑張っておられるというふうに思います。
ただ、もう時間もありませんから私の考えをいっておきますけど、組合の理事さんなんかの中には、大変失礼ないい方ですが、旧農家であったりして、決して区画整理の専門家や何かの人が理事になっていないわけですよ。
ですから、組合の定款をつくらせるとき、それに基づいて都が組合認可をするときに、理事さんの中にちゃんと学識経験者のような方をお二人とか三人とか入れるようにして理事を構成させれば、例えば区とか市のそういう方の専門家のOB、あるいは、東京都のこういう区画整理事業あるいは道路事業等に精通している方のOB、そういう方にご参画いただけるように最初からしておけば、もっともっと都の指導なんかもうまく伝わるでしょう。
また専門知識のない理事さん方も、現場で、元専門家であられた人の指導を受けながらやっていくということは絶対効果があると思うので、これから先、区画整理事業の組合認可があるかどうかわかりませんけど、少なくともそういう発想をしなかったのは、私は失敗だったと思いますから、あえてこういう場合は学識経験者の理事をちゃんと就任させるように指導しておくべきだったなというふうに思います。
また、もう一つは、四十年間もやっているうちに、保留地を処分してもだんだんお金が不足してくるというような事態が絶対出てくると思うんですね。だから、組合が独自にやっているお金の出入りですから、東京都もそれは細かくいろいろはいえないのかもしれませんけど、指導監督権はあるわけです。したがって、しっかりとお金の出入りもチェックすると同時に、長期化する中では、資金不足に対してどういう支援ができるかということも真剣に考えてもらわなきゃだめだと私は思います。
ただ指導するだけじゃなくて、まさに物心両面といいますが、物に当たる部分、すなわちそういった資金を補助金のような形でもっと出していくというようなことも考えないと、収束しないんじゃないかと思うんですね。
そこで、最後の質問になりますけど、四十年やって、ここ一、二年、皆さん方もえらい努力し、理事者さんも努力をして収束しそうに見えますが、まだ収束しない、まだ何年かかかりそうだといっています。この最終処理はどういうふうになりそうですか、お答えください。
○石川民間開発担当部長 現在、換地処分に向けて、個々の仮換地について宅地境界の確認測量などを進めているところでございます。今後は、早期事業収束に向けて、個々の換地面積、清算金等を明らかにする換地計画の縦覧を行い、換地処分、登記、清算金徴収、交付等を進める予定でございます。
東京都としても、こうしたさまざまな手続や課題に対応するため、引き続き担当職員をアドバイザーとして出席させるなど、地元区とともに、早期の事業収束に向けて組合を強力に支援してまいります。
○三原委員 勝手に見通しは立たないでしょうけど、どうですか、本当は二十一年三月収束というか、組合解散認可とかといわれていたんですけど、今のお話を聞くととてもそんなことできませんよね。だから、どうですか、あとどれぐらいかかりそうですか。おおよそ、推測でいいです。
○石川民間開発担当部長 具体的なスケジュールにつきましては、現在、組合が検討しているところでございまして、都は、先ほどご答弁をいたしました手続などが迅速に進むよう、組合を強力に支援し、早期事業収束を目指してまいります。
○三原委員 組合が決めることですから、なかなか役所としてはいえないんでしょう。ですけど、あえて私の方からいいますけど、来年の三月終結というわけにいかないとしても、少なくともまだ、換地設計の確定といいますか、そういう事業、縦覧とかそういうのがあるようですから、一年間はそういう業務があるとして、そこから清算に入る。
清算に入れば、分納というような希望者も出たりすると、法的には二年間ぐらいそれを見ることができるんだそうですから、少なくとも向こう丸三年ぐらいはかかるのかというふうな気がいたします。間違ってもそれが先に延びるというようなことのないように、しっかりと局は指導していただきたいと思いますので、そのことを強く要望して質問を終わります。ありがとうございました。
○大塚委員 引き続き都市整備委員会でお世話になります。よろしくお願い申し上げます。
きょうは、三点について質問をしたいと思います。
まず初めに、私の地元、港区芝浦は、東京都、港区、そして民間のディベロッパーの共同開発ででき上がった芝浦アイランドを初めとして、ここ最近、良質な超高層住宅が多数供給され、東京の新しい水辺の都市空間が形成されております。港湾局などが力を入れ、運河ルネッサンス事業も着実に進行し、今申した住宅が接する水辺空間も、地元の方々の憩いの空間として整備されてまいりました。
その影響で、ここ数年、人口急増地域になっており、特に子どもの数が急増しております。数字で見てみますと、港区全体では、ゼロ歳から十二歳までの過去五年間の増加率は一・二七倍であるのに対して、芝浦・港南地区は、五年前は二千五百人であったのに対しまして、ことし平成二十年では五千十一人と二倍の子どもたちがこの地域に住んでおります。
元気な子どもたちの数がふえて、にぎわいが出ることは大変喜ばしいことですけれども、一方で教室が足りなくなるなどの事態を受けて、現在港区では、近接する芝浦小学校の移転の拡張工事をこれから始めようとしております。本来であれば、人口急増を見越して、もっと前から対策を練っておく必要があったと思います。
これは港区の問題ですから一つの事例として挙げさせていただきましたけれども、住民からは、日常的な商業、文化サービス機能を初め、医療、交通安全対策、震災対策など、生活環境の充実を求める声も多く聞かれます。その声にこたえるには、先ほど述べたようにまずは港区の役割は大きいと考えますが、東京都は、広域行政の一環として昨年、品川・田町駅周辺の約六百三十ヘクタールの地域を対象にしたまちづくりガイドラインを策定いたしました。
このガイドラインの中身を見ますと、風の道など環境に配慮したまちづくりが大きな柱の一つになっておりますが、今後も人口の増加が見込まれる品川・田町駅周辺地域では、人々が快適に暮らせる住宅地の形成が最も住民にとって大事であり、このことに東京都と港区が協力して取り組むことが必要だと思います。
そこで質問ですが、品川・田町駅周辺地区において、住民の視点に立った計画的なまちづくりを都は進めるべきと考えますが、所見をお伺いします。
○安井都市づくり政策部長 品川駅、田町駅周辺地域は、都心にも近く、また運河沿いの地域特性を生かして、近年、大規模な開発が続いてございまして、居住人口も増加してございます。
都は、この地域を対象といたしまして、昨年十一月にまちづくりガイドラインを策定し、多様な人々の生活空間にふさわしい、便利で快適な居住空間と水辺などのにぎわい空間の形成などを図っていくこととしております。
今後、ガイドラインに基づきまして、地区計画なども活用しながら、開発を契機に緑やオープンスペースの創出を図るほか、人口の増加なども念頭に置きまして、地元区と連携し、生活利便施設を適切に誘導するなど、住民の視点を踏まえた居住環境の形成に留意し、計画的にまちづくりを進めていきたいと考えてございます。
○大塚委員 今ご答弁のように、東京ガスの跡地の問題や、品川駅の港南口の水処理センター、これは下水道局ですけれども、その上部利用など、これからまた大きなまちづくりが行われますので、港区と連携をしてしっかり取り組んでいただきたいと思います。
次に、先ほどの資料にもありましたけれども、このところふえ続けております超高層マンション並びにオフィスビルの震災対策として、特に防災備蓄倉庫の考え方について、確認のため、お尋ねをいたします。
先日、私の住むマンションの防災訓練に参加をした際、マンションの各階に、水や食料などの非常用の防災備蓄品が格納されている倉庫が設置してあることを、私も初めて知りました。いざ地震が起きた際は、エレベーターはとまり非常階段が火災など危険にさらされ使用できなくなるなど、救助されるまでに数日かかることが、容易に考えられます。その意味でも、超高層の大規模施設の開発に関して、防災備蓄倉庫の設置を今後さらに促進するべきと、実体験をもとに感じました。
そこで伺いますが、防災備蓄倉庫を設置した場合、建物の容積率の緩和を受けることができるとすれば、当然開発事業者にとっても有利に事業採算計画が立てられ、備蓄倉庫の設置がさらに進むと考えますが、容積率緩和制度の現状と開発事業者への普及啓蒙活動はどのようになっているか、教えていただきたいと思います。
○河村市街地建築部長 大規模マンション等に防災備蓄倉庫を設置する場合、総合設計など建築基準法に基づく許可制度や、都市計画である特定街区、再開発等促進区を定める地区計画、都市再生特別地区の活用により、容積率を緩和することが可能であります。
こうした制度につきましては、開発計画の相談などを通じ事業者に周知しているほか、ホームページでも広く周知してございます。今後とも、適切に対処してまいります。
○大塚委員 今、各種制度によって緩和制度があるということですが、開発事業者も積極的にこの制度を使って、今後、地震対策は大切ですので、それからまた、事業者だけではなくて本当は住民の皆さんにも、各階に備蓄倉庫があるということも知らせていかなければなりませんが、このことは都市整備局というよりも総務局の所管だと思いますので、また別の機会にお願いをしたいと思います。
最後に、屋外広告物の取り扱いについてお尋ねをいたします。
近年、大変にぎわいを見せる臨海副都心の地区では、進出企業がまちづくり協議会を設置し、良好な都市環境の創出に積極的に取り組んでおります。こうした団体の取り組みに対して支援を行うことは、東京都としても大変重要であることはいうまでもありません。
都心部からの臨海副都心地区への玄関口となります「ゆりかもめ」の新橋駅の壁面に、例えば、臨海副都心地区で行われます、ことし終わってしまう「冒険王」などのイベントの広告を表示することは、臨海副都心地区への集客力の向上につながり、効果的と考えます。また同時に、東京オリンピックの招致にも効果があると思われます。
しかしながら「ゆりかもめ」の新橋駅の壁面は、実は道路構造物となっており、条例上、屋外広告物の表示は禁止になっているため、広告が表示できないという状態になっております。
駅舎が道路ということはちょっと理解しがたいわけですけれども、東京都としては、このような、まちづくりの公共性や必要性そしてにぎわいの創出などの観点から、屋外広告物条例の柔軟な対応をすべきと考えますが、見解をお伺いします。
○町田都市景観担当部長 臨海副都心地区では、地元の企業が中心となりましてまちづくり協議会を組織し、地元が主体的に広告物の誘導に努めているところでございます。このような取り組みというのは、その地区のまちづくりにも、その観点からも評価できるものと考えているところでございます。
「ゆりかもめ」の新橋駅の壁面は、法律上は道路構造物でございますので、このため、条例上、屋外広告物の禁止物件に該当することから、広告物の掲出をする場合には、屋外広告物審議会の議を経て特例許可を受ける必要がございます。その際には、都の施策との整合性あるいは公益性の確保、加えて広告デザインへの配慮、こういったところの観点からの検討が必要となります。
「ゆりかもめ」の駅舎へのイベント等の広告掲出につきましては、今後、道路管理者など関係機関とも協議をいたしまして、特例許可制度の活用について検討してまいりたいと考えております。
○大塚委員 ありがとうございました。「ゆりかもめ」につきましては、広告物の特例許可というのはたびたびあるわけではなくて、公共性や客観性が必要だと思います。
したがいまして、先ほどいったように、お台場地区の活性化や、あるいはオリンピックも来年十月に決まってしまいますから、そういう意味ではもたもたしていると効果が薄れてしまいますので、審議会で広告物の取り扱いを、新橋の「ゆりかもめ」にあっては公平公正に議論されて、掲出ができるようにお願い申し上げて、私の質問を終わります。
○長橋委員 私の方からは、今後の市街地整備についてお伺いしてまいりたいと思います。また、それにわたって、現状の課題等についても何点かお伺いをしたいと思います。
いわゆる市街地整備、東京のまちづくりの骨格をこの市街地整備事業は担ってきたと思うわけでありまして、まさに現在の東京都の市街地整備事業がどうであったのか、さまざまな検証があろうかと思いますけれども、戦後から始まって、世界の中でも大都市として認められるまでになったその経緯については、さまざまな人の努力があったのであろうかと思います。
そういう中で、今、三原理事からも初めにあったとおり、区画整理事業であるとか市街地再開発事業等、また、現状の課題である木造密集地域の整備事業。最近では、いわゆる区画整理事業であるとか市街地再開発整備事業というのは大変な期間と膨大な費用がかかるわけでありまして、それをコンパクトにして、しゃれ街条例で街区再編。また、今お話があった街並み景観づくりの制度を活用したりして、さまざまな工夫を凝らしてきている。
また、特に最近では沿道一体整備事業、道路事業と街路事業の整備を一体になって進めていく、そういう事業も進めてきているわけでありますけれども、既にさまざまな事業が進捗している中で、今後どういうまちづくりをしていくのかということについて、何点か聞いていきたいと思います。
今、もうご案内のとおり、「十年後の東京」でも、二〇一五年からは人口減少社会に突入すると。そしてまた、高齢者の人口が三百万人を超すというようなことで、生産人口も減る。そういう面でいえば、まちづくりも含めた、東京自体が、日本自体が大きな局面を迎えているかと思うわけであります。
さらには、現在大変な経済状況にあるわけでありまして、そういう中でこのまま--東京オリンピックで大きく東京が整備されてきた中にあって、その事業が更新時期を迎えている。同じように更新するのではありませんけれども、局面を迎えるに当たって、今までの市街地整備事業をどう認識しているのか、このまま継続するのか。また、新たな対策を打たなきゃいけないと思うわけでありますけれども、まずは現状の市街地整備事業について、認識をお伺いいたします。
○座間市街地整備部長 これまでの東京の市街地整備に対する都の認識についてでございますけれども、東京の市街地整備は、これまで、時代の変化に合わせまして首都東京の形成を担い、区部では、全体面積の約四分の一に相当いたします約一万四千ヘクタールにつきまして土地区画整理事業を実施するなど、東京の都市づくりに大きく貢献してまいりました。
また最近では、お話にございましたけれども、道路整備と一体的に進める沿道まちづくりを実施するなど、地域の実情に応じた市街地整備を進めてきております。
一方、我が国は予想を上回るスピードで少子高齢社会を迎えるなど、社会経済構造の大きな転換期を迎えております。東京の市街地整備におきましても、時代の流れに的確に対応することが必要となっていると考えております。特に経済のグローバル化やライフスタイルの変化など、東京を取り巻く状況の変化はより一層明確になり、顕在化していると考えております。
このため、さらなる成熟社会の形成に向けて、多様なまちづくりの主体が連携を強化し、効率的に市街地整備を推進していくことが重要であると認識をしております。
○長橋委員 新たな市街地整備事業を時代の変化の流れとともに進めていく必要があるというご答弁であったかと思います。
「十年後の東京」に、二十一世紀の都市モデルの実現をする、二〇一六年の東京オリンピックを目指し八つの目標を掲げているわけであります。八つの目標を全部いうわけじゃありませんけれども、例えば、水と緑の回廊に包まれた美しいまち東京を復活させると。私も大賛成であります。また、災害に強い都市づくりを目指すと。さらには、世界に先駆けて超高齢社会の都市モデルを創造するというようなことが記載をされているわけでありますけれども、どれも十年後に向けた実行プログラムであります。
この中で、「十年後の東京」の、超高齢社会の都市モデルを創造する、その章をめくると、まちづくりに関しての記載はどこにあるのかなというぐらいに、どちらかといいますと、高齢者に対する介護の問題だとかそういった問題等は記載されてありますけれども、いわゆるまちづくりという観点からも、これからは元気な人ばかりじゃなくてお年を召した方が、もちろん元気な高齢者もいるわけでありますけれども、そういった方々に合ったまちづくりというのも必要ではなかろうかと思うわけであります。今後、市街地整備を本当に時代の流れとともに実効性のあるまちづくりにしていく。
私、前にもこの都市整備委員会にいてご答弁いただいたときには、高齢者対策、高齢者にも向けたまちづくりということで、忘れないんですけれども、歩いて楽しい道路であるとか公共交通機関の移動の円滑化、こういったことを図りながらまちづくりを進めていきたいと、こんなご答弁もいただいたことを覚えているわけであります。
今後、都は、この市街地整備をどのような方向で進めていくのか、お伺いをいたします。
○座間市街地整備部長 今後の市街地整備に当たりましては、「十年後の東京」に掲げられました都市像を実現するよう、政策的に事業を進めたいと考えております。
特に低炭素型の環境都市づくりや災害に強いまちを目指す防災都市づくり、あるいは福祉のまちづくりなどは東京における喫緊の課題でございまして、これらを解決することが必要であると考えております。
このため、環境、防災、利便などを指標として設定し、事業がこれらにもたらす貢献度を評価するとともに、事業実施の可能性などを総合的に勘案して、都が重点的に取り組む市街地整備を明確にしてまいります。この際、地域が抱える課題の解決に向けた市街地整備事業を円滑に遂行するため、公有地をまちづくりに戦略的に活用してまいります。
今後、限られた財源や人材などをこれまで以上に有効に活用するとともに、良好な市街地整備を誘導する主要プロジェクトを厳選し、事業を推進してまいります。
○長橋委員 ごもっともなご答弁であろうかと思います。福祉のまちづくりということは、ご答弁がありましたけれども、いわゆる車優先のまちづくりから歩く人優先のまちづくりということを私はずっといってきているんですけれども、そういった中で、安心して暮らせるまちづくりということが大事であろうかと思いますし、高齢者だけではなくて障害者も安心して住める、そういったまちづくりを進めていくことが、今後さらに重要であろうかと思うわけであります。
そういった意味で、今、さまざまな人材も活用してと、いわゆる民間や、それからまた住民の方々にもご協力をいただいて効率的に進めていくというご答弁であったかと思いますけれども、新たな市街地整備を進めていくと、こういうことが常に求められているのではなかろうかと思いますし、今こそそういう時期であろうかと思います。
冒頭に、さまざまな市街地整備事業、区画整理事業を初めとした事業があるわけでありますけれども、そういった役割、またそういった目的別によって柔軟に対応していかなきゃいけないし、市街地整備事業というのは、どれだけ、どんな事業があるんですかといいますと、たくさんあるわけでありまして、そういったことの中に、都が先駆的に取り組む事業は何なのかということを明確にしていくことも必要であろうかと思います。
新たな都市整備事業、方針、役割、そういったものをつくるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○座間市街地整備部長 新たな市街地整備におけます都の役割といいましょうか、目標でございますけれども、今後の市街地整備に当たりましては、都、区市町、民間事業者などがさまざまな主体の役割分担を明確にするとともに、各主体が相互に連携し一体的に事業を進めていくことが重要であると考えております。
このため、都施行事業につきましては、リスクの低減や初動期における資金の圧縮などを図りながら効率的に推進するとともに、他の事業者などと計画段階から密接に連携を図りながら、開発に伴う地域への貢献を適切に誘導するなど、公民協調による事業を推進してまいりたいと考えております。
また、整備が完了した市街地の質や価値を継続的に維持向上するよう、地域が主体となったまちの運営管理を適切に誘導してまいります。
こうした市街地整備の取り組みなどを、基本方針として近く取りまとめ、この基本方針を軸に、市街地整備を効率的に、効果的に推進してまいります。
○長橋委員 今ご答弁に、新たな市街地整備の基本方針を年内に取りまとめるということでございます。まちづくりにおきましては大変な時間と費用がかかる中にあって、都が民間の活力も活用しながら先導していくことによって、まちは大きく変わっていくのであろうかと思うわけでありますので、ぜひその基本方針を取りまとめましたら、まずはお見せいただきたいと思っております。
冒頭にも申し上げましたけれども、沿道一体の整備事業について、関連してお伺いをしてまいりたいと思います。
沿道一体整備事業は、資料にもいただきましたけれども、私の地元の東池袋で事業が進捗をしておりますし、鐘ケ淵や高松、土支田、そういったところは今、事業をやっているわけであります。特に東池袋、鐘ケ淵については、木密地域でありますし、なおかつ高齢者がほかの地区以上に、大勢の方がいらっしゃる、そういう地域であります。
そういった中で、ただ単なる道路事業ではなくて、沿道の方が基本的には引き続き住み続けられるような、そういう事業としてこの沿道一体整備事業がスタートしているわけでありますけれども、高齢化が進む木密地域の整備に当たっては、防災都市づくり推進計画の中に定められているわけであります。その防災都市づくり推進計画の中の整備地域、重点整備地域に限って、限ってといいますか、そこを重点的に整備を進めていくということであります。
ことしの二月に、地域危険度測定調査結果を踏まえて、この重点整備地域、整備地域を決めてある防災都市づくり計画を近く見直しを予定している、このようにお伺いしてますけれども、この防災都市づくり推進計画の見直しについて、どのような状況なのかお伺いをいたします。
○石川民間開発担当部長 防災都市づくり推進計画の見直しについてですが、首都直下地震の切迫性が指摘される中、「十年後の東京」の実現に向け、防災上危険な市街地の改善をより一層効果的かつ的確に進めるため、防災都市づくり推進計画を見直すものでございます。
計画の見直しに当たっては、木密地域整備の目標像を示しつつ、住宅耐震化の強化や市街地の形成状況に応じた施策を展開し、地域の防災性の早期向上を図っていく必要があります。
このため、引き続き事業を重点化するとともに、これまでの計画の進捗や事業効果を検証した上で、効果的な事業手法や規制誘導策を積極的に活用し、防災都市づくりを加速してまいります。
また、都市再生機構の活用による従前居住者用の住宅の整備など、高齢者等の居住継続に配慮した推進方策の導入など、関係区と連携しながら整備プログラムを充実させ、計画を見直ししてまいります。
○長橋委員 この防災都市づくり推進計画、新たに見直しを進めていくということであります。その内容についてお伺いしたところでありますけれども、前回は平成十六年の三月に見直しがされましたし、その前は平成九年の三月ということで、おおむね五年ごとに見直しが図られていると思います。ですから、この整備地域、重点整備地域ももちろん整備が進んでいるわけですから重点整備地域でなくなる地域もあろうかと思いますし、また場合によっては、新たに指定されるところもあるのかなと思うわけであります。
そういう中で、先駆的にといいますか、先ほどお話ししました沿道一体整備事業が、資料にもありましたとおり東池袋とか墨田区の鐘ケ淵等で行われているわけでありますけれども、こういった地域で、私もこの東池袋の地域はよく歩きますしまた地域の方にもお話を聞くわけでありますけれども、事業のさなかにあって、さまざまなご意見やご要望を聞いておりましたし、また何としてもこの沿道一体整備事業を成功させたい、こういう思いが地元の方も強くございます。
そういう中にあって、せっかくこういった事業整備をするに当たって、地元住民と地元区が地区計画を策定して進めているわけでありますけれども、どうしても道路事業ですから、道路というのは直線でございますので、かかる地域、かかる家が、すべてかかるわけではないわけで、当然残地が残ったりする。そういった中でこの地域では、ここにあるとおり、街区で検討会といいますか勉強会をやって、その残地をどう活用していこうかということもやっているやに聞いております。
こうした、ただ残地の整理だけではなくて、事業の完成後には、本当にこの事業をやってよかった、またほかの木造密集地域からも、ぜひああいう整備を我がまちでもしたい、というようなまちにしていきたいという思いで地区計画も練られていると思います。今現在、進捗中の東池袋地区、鐘ケ淵、そして土支田・高松地区の地区計画はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
○石川民間開発担当部長 道路整備に伴い、その沿道にふさわしい土地利用を実現するためには、地区計画などによる建築物に対する誘導策が重要でございます。
東池袋地区については、地元まちづくり協議会からの提言を受けて、本年六月に地区計画を決定しており、前面道路の幅員に合わせた建物の高さの最高限度や建物の用途、色彩などを制限しております。
これにあわせ、高度利用が可能な用途、容積に変更し、池袋副都心に近接する補助八一号線沿道にふさわしい、商業・業務と住宅機能の調和のとれた中高層の複合市街地の形成を目指しております。
土支田・高松地区についても、平成十九年の四月に、建物の用途、色彩などを制限する地区計画を決定し、沿道にふさわしい土地利用の誘導を図るとともに、緑豊かで景観に配慮した災害に強いまちを目指しております。
鐘ケ淵地区については、本事業導入以前から、既に沿道にふさわしい高度利用が可能な用途、容積が指定されています。今後は、鐘ケ淵駅周辺のまちづくりも視野に入れ、地元区と連携し、地域にふさわしい方策を検討してまいります。
○長橋委員 それぞれ地元まちづくり協議会からの提言を受けて、私の地元なんかは地区計画を策定しているわけであります。そういう中で、いよいよ本格的にどういうまちにしていくのか具体的に進めていく。地区全体ではそれぞれ事情も違うでありましょうし、そういうことでこの街区の勉強会をやっているということでありますし、勉強会が終わると、今度は検討会になるとかといろいろお伺いしたんですけれども、ぜひ残地の有効活用をして--引き続き住み続けるということは、どうしても建物を共同化していかなければならないわけであります。東池袋地区を初めこの三地区では街区の勉強会を実施しているわけでありますけれども、もう既に事業が始まって大分たっているわけでありまして、こういった街区の勉強会を通して、建物の共同化は具体的に出てきているのか。
これはなかなか難しい話であろうかと思いますし、それぞれ個人個人の事情等を取りまとめていくことは大変な作業であろうかと思いますけれども、ぜひ先駆的に建物の共同化を図って--それが延焼遮断帯にもなるわけですし、災害に強いまちづくりにしていくわけであります。
東池袋地区は本当に木造密集地域、行きどまりの道路も多い。そういう中で、いざ災害があったら大変な被害を受けるというのが想像される。それは住民の方もよくわかっているわけでありますけれども、じゃ実際はどうするかとなると、費用もかかるわけでありますし、また、そういったものに対する助成といいますか、手助けというのがどうなっているかということもなかなかわからない。
そういうのをこの街区の中で、勉強会でやっているかと思いますけれども、具体的に共同化に向けた結果が出てきているのか、そこら辺を含めてお伺いをしたいと思います。
○石川民間開発担当部長 沿道まちづくりを進める上で、地域の方々が自由な意見交換を行い、具体的な整備計画について話し合う場をつくることは重要でございます。東池袋地区においては、そのような場として平成十七年七月より街区懇談会を設立し、現在までに、六つの街区で合計三十一回の街区懇談会や勉強会などを開催しております。
勉強会等においては、残地の有効活用を図るため、残地を取り込んだ周辺の方々との共同化や、隣接地へのあっせんによる宅地規模の拡大などの推進を踏まえ、具体的な整備計画などについて話し合いを行っております。そのうちの一つの街区で、道路用地買収で移転を余儀なくされる権利者などのため、都有地を活用した具体的な共同ビルの建築計画を策定いたしました。
今後は、残りの五つの街区での検討を深めるとともに、その他の街区においても同様な話し合いの場の設置を進め、道路整備と一体となった沿道まちづくりを展開してまいります。
○長橋委員 今、一つの街区で具体的な共同化ビルの建築計画が策定されたと。そこは都有地を活用しておりますので、非常に取り組みやすいところであったのかなと思うわけでありますけれども、ほかの街区についてもぜひ積極的に進めていただきたいと思うわけであります。
そういう中で、先行する三つの地区の事業、そして予定されている三つの地区の事業、やはりここを--冒頭に申し上げた高齢社会になって、道路事業、街路事業であれば自分で移転先を探さなきゃいけないという中にあって、一体となって住み続けられるということが大変重要であろうかと思います。何十年にわたって住み続けたまちを離れるということは、高齢者にとっては大変な思いがあるわけでありまして、ぜひこの三つの事業を成功させていただきたいと思うわけでありますし、私の地元でもそういう事業がありますので、協力をしてまいる決意でございます。
そこで、今三つの実施事業そして三つの予定地区、今後さらにこういった沿道一体の整備事業を--木造密集地域は東京で二万ヘクタール以上あるというふうに聞いているわけでありまして、さらに進めていただきたいと思います。
今後の沿道一体事業の見通しについてお伺いをいたします。
○石川民間開発担当部長 東池袋地区では引き続き、鋭意用地買収を進め、平成二十三年度の街路事業完了を目指すとともに、まちづくりにおいて各街区での住民合意形成を図り、そのうち検討が深まった一つの街区において、手続が整い次第、建築に着手していく予定でございます。
また、鐘ケ淵地区や土支田・高松地区においても同様に、これまで進めている地元での検討をさらに深め、共同化に結びつけていくなど、街路整備と沿道まちづくりを一体的に進めてまいります。
今後も沿道一体整備事業の取り組みをさらに強め、事業効果を地域に見える形で示していくことで、十条地区や目黒本町地区など新規地区の推進にもつなげてまいります。
○長橋委員 成功することによって新規地区の推進につながると思いますので、ぜひご努力をお願いいたします。
続きまして、木造密集地域対策の中で住宅の耐震化については、我が党がこの委員会、また本会議等でも取り上げてまいりましたけれども、まずは木造住宅の耐震化についてお伺いをしたいと思います。
阪神・淡路大震災があって十年後の平成十七年、十年たったにもかかわらず、その阪神・淡路大震災の教訓がどれだけ生かされているのかというところから、この耐震化の問題についてはスタートしたかに思っております。十年たってその検証をしますと、多くの犠牲者、亡くなった方は、建物の倒壊によって亡くなった方が八割だったと。こんなようなことから耐震化を進めるべきだと。なかんずく木造住宅についてはその危険性が高い。木密地域についてはさらに高い。
そうした中で、木密地域の中には大変高齢者が多いわけでありまして、なかなか進まない。どう進めていくのか。危ないから、自分で建てかえなさい、耐震化をしなさいといっても進まない。ここで、都が乗り出して、木造住宅の耐震化については都が積極的に助成制度も含めてやるべきだと。一年間かかってもなかなかいいお答えをいただけなかったんですけれども、最後は石原知事の決断でこの助成制度が導入された、このようにも思っております。
またそうはいっても、いつあってもおかしくない大震災、地震、首都直下型地震があるといわれておきながら、自分の住宅はどうなのかということに対して意識が低いということで、平成十七年に私も本会議で取り上げました、耐震フォーラム。地震の切迫性と、建物を耐震化する重要性について耐震フォーラムをやるべきだということで、この下、議会棟の一階でやりました。私もそれを聞きに行きましたし、あわせて、建て直す、建てかえると大変な費用がかかるけれども、民間は耐震化にさまざまな工夫をしている、アイデアを持っている、それも安くできる方法もある、こういうのを集めて展示をしたらどうかというようなことも訴えて、以来、東京都はそういったことを積極的にやっていただいているかと思います。
そういうことで、現状なかなか進んでないというのはよくわかっているんですけれども、平成十八年度から始まった、まずはこの木造住宅の耐震化助成事業の実績と取り組みについてお伺いをいたします。
○河村市街地建築部長 木造住宅の耐震化は、木造密集地域のうち、建物倒壊による道路閉塞などで避難や救助、消火活動を妨げるなどして大規模な市街地火災につながるおそれがある地域について取り組まれてございます。
実績といたしましては、まず耐震診断については、平成十八年度五百五十一件、平成十九年度四百八十六件。改修工事は、平成十八年度二十二件、平成十九年度四十七件でございます。
当該事業に取り組む区の数でございますが、平成十八年度の事業開始時点では十六区でございましたが、現在では、対象となる二十区すべての区で実施してございます。
木造住宅の耐震化は、建物所有者の、事業に対する理解とその主体的な取り組みが求められますことから、積極的な取り組みに向けた意識啓発が重要となります。そこで都は、関係機関と連携し、耐震フォーラムや耐震キャンペーンを実施するなどして、社会機運の醸成を図っております。
また、建物所有者個々に耐震化に向けた具体の行動をとってもらうため、負担の軽減と工法に対する信頼性の向上に向け、平成十七年度から、安価で信頼できる工法、事例について公募し、専門家を交えて選定の上、パンフレット等で紹介してきてございます。
○長橋委員 木造住宅の耐震化助成事業は、区の事業に対して都が助成をするということでありまして、当初は十六区だったのが、今は、いわゆる対象地域の区である二十区ですべてやっていると。実績もお伺いをいたしました。
しかし、平成二十七年度までに、九割を目指す、耐震化を目指すといっているわけでありますから、これは加速をしていかなきゃいけないわけであります。そういう中で、大事な意識啓発ということで、耐震フォーラムや安価で信頼できる工法事例を紹介しているということであります。
兵庫の防災センターに行ったときに、あそこは大変すばらしい--都市整備の方は、担当者は必ず行っていらっしゃるかと思うんですけど、東京都でもあんなのできないかと話をしたら、それはなかなかと。ああいう立派なのをつくるのは難しいわけであります。しかしながら、あらゆる機会を通して啓発を図り、具体的にその工法等を見せていくことは大事であろうかと思います。
前回のときには、東京都施設だけではなくて消防署にもお願いして、東京消防庁には三つの防災館がある、池袋、本所、立川にある。そういったところでもやったらどうかということで、冒頭、池袋防災館、私の地元でやっていただきまして、私の地元の人間を連れていきました。ここまで来るのはなかなか大変ですけれども、池袋防災館なら場所もわかるし行ってみようということで、大勢の方に一緒に見に行っていただきまして、啓発につながったんではなかろうかと思うわけであります。
大分これが浸透してきておりますので、私も毎日、都庁議会棟の一階ロビーを通りますと、定期的にやっているのを見るとつい立ちどまって見てしまう。ですけれども、どの工法がいいのかということになってくると、なかなか難しい判断ですから担当者に聞かなきゃいけないと思うわけであります。
そこで、たびたびキャンペーンをやっているわけでありますから、そういったものをまとめてパンフレットにしたらどうか、あるのかといったら、こういうのがあるというふうに来ました。「大地震に備えてあなたの家を安全にしましょう」ということでパンフレットがありました。大変よくできていると思うんですね。ちょっと字が小さいんですけれども、過去の地震による被害がどんなものであるかとかいうことをいいながら、後半部分は、いわゆる民間が工夫した工法の事例を紹介している。ここからでも見えにくいんですけど、字が小さくてわからないし、読んでも専門的な言葉が多くて、ちょっとこれ、どうしたらいいのか。
木造住宅に住んでいる方は高齢者が多いわけでありまして、そういった方が見て、やろうという気にならなきゃいけない。これを見ても、なかなかそう思わないと思うわけであります。ぜひこういうパンフレットをもっと--どうしても皆さんがつくると、これも記載しなきゃいけない、あれも記載しなきゃいけないと思うのであろうかと思いますけれども、やはり都民の立場に立って、高齢者の立場に立ったパンフレットをぜひつくってもらいたいと思うんですが、いかがですか。
○河村市街地建築部長 都では、平成十七年度から、木造住宅耐震化のための安価で信頼できる耐震改修工法を公募し、選定した工法等につきまして、パンフレットの配布、展示会の開催のほかホームページへの掲載により、建物所有者等に紹介してきてございます。
そのうち展示会につきましては、都として、平成十七、十八年度に都政ギャラリー、十九年度に新宿駅西口イベントコーナー等で、選定した工法、装置の展示を実施いたしました。そのほかにも、防災館や、区市、業界などが主催の展示会におきましても、都内各所で数多く実施してきてございます。今年度も、夏の耐震キャンペーンに合わせて、九月に新宿駅西口イベントコーナーにて展示会を開催いたしました。
先ほどもご指摘ございましたパンフレットによる紹介といたしましては、木造住宅の耐震改修全般につきまして事業の内容を紹介する中で、安価で信頼できる工法の事例紹介を行っておりまして、このパンフレットは都区の窓口や展示会などで配布してございます。
今後は、耐震化が必要な木造住宅に高齢者の方々が多く住まわれていることもございまして、高齢者の立場にも立って、字が大きく、内容もわかりやすくするなど、紙面を工夫してまいります。
○長橋委員 早速、字を大きくしていただけると。私どもにもわかりやすくしていただければいいと思います。実際、これをつくりましたら、ぜひいただきたいと思うんですね。都市整備委員の皆さんにも配っていただきたいのはもちろんでありますけれども。
いわゆるこういったパンフレット、東京都にはたくさんあります。資料センターへ行くとたくさんあります。必ずいうのは、窓口に置いてありますと。またいろんなキャンペーンでも配布していると。それだけじゃ浸透しない。我々も含めて、あらゆる機会を通してアピールしていく。そういったことが、都はやっていますといっておきながら、恐らくこの内容は、ホームページにも載っているんだと思うんですよ。でも、ホームページを見て判断するというのはなかなかできないと思うわけであります。
ぜひ見やすくするとともに、できれば民間のパンフレットをよく参考にして、そういったものをどうやったら読んでいただけるかというようなことを、これ以上いいませんけれども、それはどこに書いてあるんだというと、ここの何ページって小さな字で書いてある。よくそういうことが我々皆さんとお話しするとあるので、そんなことも配慮していただければなと思うわけであります。
続いて、木造住宅の耐震化とあわせて今、大きな課題になっているのが、老朽化マンションの耐震化であります。これを最後にしたいと思いますけれども、現在、都内には分譲マンションが百四十万戸。そのうち昭和五十六年以前の旧耐震基準のマンションが約二十二万戸あるということでありまして、それについても、同じようにパンフレットが、東京都はちゃんとつくってあるんですね。「マンションの耐震化のすすめ」、こういうのがあります。
そういう中で、東京都の住戸のうち四分の一はマンションであると、このようにいわれているわけでありまして、その中で東京都は、耐震改修もありますけれども、十八年度からマンションの耐震診断の助成を開始した。そして二十年度、今年度から耐震改修助成、今度は具体的に改修の助成を実施したということであります。これをお伺いしますと、マンションの耐震改修は喫緊の課題でありますけれども、やっと今年度スタートしたということであります。
お伺いをすると、前年度から区市でこの事業は始まったけれども実績がなかったということです。戸建て住宅も、なかなか改修するのは費用がかかる、ましてやマンションだとどうなるんだろうということで、やっている区市はありますけれども、区市も積極的に声をかけづらかったんだろうと思います。そういう中で、都がこの事業に、区市にバックアップを今年度からスタートしたということでありますけれども、いまだにこの耐震改修助成事業、木造住宅の耐震改修は二十区全区に広がった、だけれどもマンション改修事業についてはまだ全区に及んでない。
聞きますと、私の地元豊島区は、人口はどんどん減り続けてきたけど、マンションがここに来て大分建ってきて人口はふえていると。当然老朽化したマンションがたくさんあるわけでありますけれども、豊島区は手を挙げてないから都のその事業に参加できない。こんな状況があるわけであります。こういう中心といいますか豊島区みたいに人口密集地域でも、そういう状況であるにもかかわらず、いまだに手を挙げていない区市がある。財政事情もあろうかと思いますけれども、こういった喫緊の課題であるマンション改修事業について、都は、区にもっともっと働きかけて、重要性を含めて拡大をしていくべきだと思うわけであります。
今年度始まった事業であります。実績については伺いませんけれども、必ず実績を上げてもらいたい。あわせてご答弁をお願いします。
○宇多田参事 分譲マンションの耐震化を進めるためには、都の助成制度を活用した区市の制度整備充実などの取り組みが重要でございます。
そのため都は、補助制度の窓口となるすべての区市と協議を行ってまいりまして、既に耐震診断助成制度はすべての区と六市で、また耐震改修助成制度につきましても、十二区二市で制度整備したところでございます。来年度までには、耐震改修助成につきましても大半の区で制度を整備する見通しでございます。
今後も、区市に対してマンション耐震改修助成制度の整備を働きかけていきますとともに、区市と連携したマンション耐震化への支援を充実しまして、耐震化への取り組みに積極的に努めてまいります。
○長橋委員 今は十二区二市が制度を整備した、来年度は大半の区で制度を整備する見通しだということでございますので、いよいよ本年度から加速をして進めていただきたいと思います。
そういう中で我が党は、ことしの第二回定例会でこのマンション問題について取り上げました。今いったようなことを含めて、都の取り組みについてただしたところであります。いわゆるマンションの建てかえ、改修だけじゃなくて維持管理から修繕であるとかいったことを含めて、老朽化したマンションではどういう方向で進めていけばいいのかということがあるので、しっかり取り組んでもらいたいと。そしたら東京都は、そういったことを含めてマンション白書を作成すると、このようなご答弁をいただきました。
お伺いすると、東京都で、こういったマンションに関する白書をつくるのは初めてであるということであります。ぜひ早急につくってもらいたいと思うわけでありますけれども、このマンション白書の作成の目的について、改めてお伺いをいたします。
○宇多田参事 マンション居住者の高齢化等によりまして、管理組合の機能が低下し、合意形成が一層困難になる等、マンションを適切に維持管理や更新をしていく上でさまざまな問題が生じています。
このため都は、マンション白書の作成を通じてマンション管理の現況を調査、把握し、課題を明らかにしますとともに、新たなマンション施策展開に資することとしてまいります。
○長橋委員 東京都がマンション白書を作成するということは、マンションが集積する東京だけではなくて、東京都のマンション白書ができたら、ほかの地方も見習うということもあろうかと思いますので、喫緊の課題でありますマンション対策について実態把握をするということでありますので、まず白書を早急につくっていただきたい。いつになったらできるんだというふうに思うわけでありますので、なるべく早い時期に作成をしていただきたいと思います。
あわせて、よく地元から聞くお話は、老朽化したマンションが多い中で、さまざまな相談窓口はどうしたらいいのか、こういうことをよく聞かれるわけであります。住んでいる方々が一緒になって高齢化になっていく状況のマンションもあるわけでありまして、そうすると、マンションの維持管理、管理組合さえもなかなか難しい話であろうかと思います。
また、マンションにお住まいの方は、なかなかコミュニティをとりづらいといいますか、積極的にマンションの中でコミュニティをとっているマンションというのは少ないように思います。中には、当番で管理組合の自治会の会長を決めているようなところが多いわけであります。それも、いわゆるコミュニティ、プラスごみの問題とかそういった問題だけで、建てかえとなるとどうするのかというと、お互いに意識の疎通もなかなかうまくいってないようなマンションもあるんではなかろうかと思うわけでありまして、そういうところに専門家がアドバイスをしていくということが大事であろうかと思います。ただ、どこに行けばいいのかということが重要であろうかと思います。
東京都のマンション対策というのは、東京ではどういうものを発行しているかというと、いろんなガイドブックがあるんですね。維持・管理ガイドブック、長期修繕計画ガイドブック、安心して暮らしていくためのマンション管理ガイドライン、そしてまた建てかえガイドであるとかそういうのもある。維持管理から修繕、大規模改修、さらには建てかえとなると、大きなハードルをクリアしていかなきゃいけないんですけれども、そういった窓口がどこにあるのかということは、例えばそれぞれのガイドブックには出ているんでしょうけれども、具体的にわかりやすく説明したものはないんじゃないかと僕は思います。
地元の方からも、マンション問題に一生懸命取り組んでいる方からすると、この課題が大きいんだといっていました。そういった相談先はどこに行けばいいのか、修繕だったらどこに行けばいいのか、建てかえとなるとどこに行けばいいのかというようなことがわかるような、そういった案内をしていくことが必要じゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○宇多田参事 マンションの適切な維持管理や建てかえに向けまして、これまでもマンション居住者や管理組合からの相談につきましては、マンション管理センターやマンション管理士会等、関係機関と連携して適切に対応してまいりました。
また、マンション管理ガイドラインとかマンション建てかえガイドブック等により、相談窓口も紹介してきたところでございます。ただ、一覧としてわかりづらいということもございますので、これに加えまして、マンションの維持管理から建てかえまで相談先も多岐にわたりますので、マンションの居住者や管理組合にとってわかりやすい案内となりますように、都のマンション施策の紹介とあわせまして、維持管理や建てかえ等に係るさまざまな相談先のすべてを一覧に掲載したパンフレットを、年度内に発行しまして配布するなど、マンションの適切な維持管理や建てかえの検討が進むよう、支援に努めてまいります。
○長橋委員 パンフレットをつくっていただけると。わかりやすいパンフレットをぜひつくっていただきたいと思いますし、維持管理から建てかえに至るまでの相談先を一覧にしたもの、これは重要であろうかと思います。
優秀な皆さん方に聞けば、これはこうだとすぐ答えられますけれども、私たちは、より--皆さんもそうかもしれませんけど我々も住民の皆さんからこういうことを聞かれるわけです。私は、このさまざまな仕組みが頭に入っているわけじゃないんで答えられない。こういうものがあると、そういった相談にも適切に対応できるかなと思うわけであります。
このパンフレットも、さっきいったとおり、都区の窓口だけじゃなくて、積極的にあらゆる機会を通して配っていただきたいと要望いたします。年度内にできるということでありますので、これもぜひたくさんいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
○河野委員 高速晴海線と都営住宅の建てかえ問題に関してお伺いをします。
首都高速晴海線は、高速湾岸線から有明、豊洲、晴海に接続する路線として、首都高速道路公団、現在は首都高速株式会社によって事業が進められています。この高速晴海線の工事の進捗状況、ご説明をいただきたいと思います。
○遠藤外かく環状道路担当部長 高速晴海線でございますけれども、ただいま委員のお話にもございましたように、高速晴海線は、臨海副都心の有明地区を起点といたしまして高速湾岸線から分岐しまして、豊洲、晴海、月島を経まして築地方面に至るルートで都市計画が決定されております。
このうち一期区間でございます、湾岸線から晴海までの二・七キロメートルにつきましては、首都高速道路株式会社、当時の首都高速道路公団でございますけれども、工事の実施認可を取得いたしまして平成十三年の十二月から事業に着手してございます。
工事の進捗でございますけれども、湾岸線から豊洲までの一・五キロメートルの区間につきましては、二十年度中、今年度中の開通を予定してございます。残る豊洲から晴海までにつきましては、二十四年度の完成を目指しているところでございます。
○河野委員 豊洲から晴海に向けても、これから先、事業を進めるということなんですが、今後の事業計画、スケジュールについて具体的にどういうふうに、晴海大橋という大きな橋があるわけですから、この問題も含めて、スケジュールについてもう少し詳しくお願いします。
○遠藤外かく環状道路担当部長 先ほども申し上げましたように、湾岸線から豊洲までの区間につきましては、二十年度中、今年度中の開通を予定してございます。残ります豊洲から晴海までの一・二キロメートルの区間につきましては、二十四年度中の完成ということで、首都高速道路株式会社の方で準備を進めているというところでございます。
○河野委員 さかのぼって五年前になりますけれども、二〇〇三年の予算特別委員会で我が党の木村委員が質問をしております。
今の晴海大橋の上を走る高速晴海線の下部工事、都市計画道路の晴海通りと上に乗っかる首都高速晴海線、この基礎部分ですが、両方の道路が乗っかるわけなんですけど、この工事費を東京都が全額負担して建設しているのは、地方財政再建促進特別措置法が禁じている首都高速道路公団に対する都の寄附行為に当たる、このことを明らかにしました。知事と財務局長もその事実を認めて、首都高に負担を求めるという答弁がありました。
その後、私は、環境・建設委員会で二〇〇五年にこの問題をお聞きしまして、首都高と都の工事費負担の状況を伺いました。そのときは、有明と豊洲をつなぐ今の木遣り橋部分の、首都高の工事費負担分として六億円、これが東京都に支払われたということでありました。あの当時は、晴豊一号橋といわれていた今の晴海大橋が開通し、先ほどの答弁のように、首都高速晴海線は今、工事の延伸が計画されているわけです。
首都高が負担すべき工事費がどうなったかということで、改めて伺っておきたいんですが、東京都と首都高の協議では、残りの負担額は首都高が幾らすべきなのか。それからその支払いの時期、東京都にお金が支払われるのはどの時期になるのか、お聞きしておきます。
○座間市街地整備部長 首都高晴海線橋脚の工事費についてでございますけれども、晴海大橋に係る首都高速道路株式会社負担については約二十七億円となっておりまして、これの負担につきましては、平成十六年十二月に東京都と旧首都高速道路公団が締結した確認書がございますけれども、これによりますと、晴海線の橋げたが架設される時期までに都に納入されるということになってございます。
○河野委員 二〇〇三年の当時に石原知事は、この問題で答弁したときに、前の知事のときに行われた取り決めだから巻き戻しをして正当な負担を求める、という旨の答弁をされています。それから長い年月、五年が過ぎているわけなんですけれども、高速晴海線のために東京都が工事費を立てかえたままの状態が続いているといっていいのではないかと考えます。
首都高との工事費の負担額が、知事がおっしゃる正当な負担ということで計算されたのかどうかということも含めて、これまでの協議の経過、平成十六年十二月に確認書を交わしているということなんですけれども、協議の経過などについて伺っておきたいですし、負担分が一体どうして木遣り橋六億円、晴海大橋分のところが二十七億円で済んでいるのか、全体の工事費などとの関係でご説明を求めておきます。
○座間市街地整備部長 晴海線の橋脚の費用負担の考え方でございますけれども、晴海大橋の橋脚は、施工の効率性、経済性の観点から、晴海通りと首都高速晴海線との一体構造として建設されております。この橋脚工事にかかわります首都高速道路株式会社の負担金額につきましては、晴海通りと首都高速晴海線の橋脚をそれぞれ別々に建設した場合の仮の工事費用を算出し、その工事費の割合によって定めております。
工事費全体につきましては百十七億を予定しておりまして、このうち東京都負担分が九十億、公団負担分が二十七億円となっております。
○河野委員 これから先、二十七億円、公団が、公団というか株式会社首都高が、東京都にお金を橋脚完成時に払うということで、まだ数年先になるわけです。さかのぼって考えると二〇〇三年から問題になっているわけですから、相当の長い、十年近いものが過ぎていくわけなんですが、非常に緩やかな首都高への対応なんじゃないかなというふうに感じます。
私たち都民への施策は、財政が大変とかいろいろいろいろいって切り込んできた中で、首都高との関係ではこういう緩やかな対応をされている東京都の姿勢というのは、改めて見直ししていく必要があるんじゃないかと思いますし、分割ででも東京都に払うということが可能な問題だと考えますので、私は、二十四年を待たないで、きちんとした話し合いを再度行うべきことも提案しておきたいと思います。
高速晴海線は、晴海大橋から晴海に入ると、晴海三丁目交差点のところに高速の仮出入り口が設けられると聞いています。晴海三丁目交差点周辺には、晴海トリトンスクエアとかホテル、マンションなどがあって、高速仮出入り口ができることによる交通渋滞や大気汚染が心配されています。
首都高の交通量予測では、晴海までの延伸が完成した場合、一日、四万二千台の車が流入してくるということもいわれています。まちの状況が大きく変わることが予想されます。
晴海に建設が予定されている高速道路仮出入り口の構造なども含めて、近隣の環境の変化は一体どういうふうになるのか、都市整備局はその予測をどのようにされているのか、お聞きしておきます。
○遠藤外かく環状道路担当部長 お話しの晴海仮出入り口でございますけれども、晴海線の一期工事が終わりまして供用がなされますと、晴海線と接続いたします平面の街路の交通量が増加するものというふうに私ども見込んでございます。
したがいまして、晴海三丁目の交差点の周辺の平面の街路におきまして、晴海線が供用された状況も考慮いたしまして、沿道の環境対策といたしまして、高さ五メートルの遮音壁を延べ二百メートルにわたって現在設置をしているというところでございます。
○河野委員 臨海部の開発問題を考える都民連絡会という団体があります。ここが測定している二酸化窒素、ずっと毎年毎年やっているわけなんですが、ことし六月の二酸化窒素の測定値は、高速湾岸線沿線では軒並み環境基準値の〇・〇六ppmを超えています。有明地域では〇・〇七ppmという数値も出ております。高速湾岸線とつながる首都高速晴海線に多くの量の車両が入ってくることになりますから、晴海地域の住民の人たちは、環境に大きな変化が起こる、悪化してしまうということを本当に心配しているということを、この機会に申し上げておきたいと思います。
伺いますが、晴海から西側、築地を通って都心の方へ抜けていくこの首都高速晴海線の建設計画、この見通しについてはどんな状況にあるのか、また、道路構造などについてもご説明をお願いいたします。
○遠藤外かく環状道路担当部長 晴海線の晴海から築地までの区間、私ども二期区間と呼んでおりますけれども、この区間約二・四キロメートルにつきましては、平成五年の七月に都市計画決定をしてございます。大半を地下式という構造で計画決定しております。現段階では、未着手となってございます。
このほかの整備につきましては、これまで政府提案要求などを通じまして、国に早期事業化を働きかけてきたところでございます。
○河野委員 ちょうど晴海大橋から首都高がおりるところというのは、本当に晴海のまちの真ん中だと思うんです。そこにストレートに大量の車を呼び込む結果を招くことが心配されていると同時に、ここの晴海の三丁目の交差点のところに、将来は壊しますと住民に説明をしている仮出入り口を設けることについては、むだな事業になるんじゃないかという声が寄せられています。
高速晴海線は有明-豊洲間の開通にとどめておいてもらいたい、これが住民の切なる願いとなっています。現段階では、都心方面への事業化の見通しがないのでありますから、住民のいっているとおりに生活環境をきちんと守っていく、そのためにも高速道路の仮出入り口の建設計画については見直しをすること。そして首都高速晴海線は、これもまた建設を一たん見直す立場で、私は今、東京都が都民の声を受けて、国や首都高速道路株式会社と協議を始めるべきと考えますけれども、どうでしょうか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 高速晴海線でございますけれども、首都高の都心環状線と湾岸線を結ぶことによりまして、築地・月島地区や臨海副都心などで発生いたします交通を分散させるとともに、臨海部の交通の利便性向上、ひいては臨海の開発促進に寄与する路線だというふうに考えてございます。
このため、二期区間でございます晴海から築地までの事業化については、まだ具体化されてないわけでございますけれども、まず一期区間を全線完成させることが重要だと、このように考えておりまして、晴海仮出入り口を設置することとしてございます。
都といたしましては、今後とも、晴海線二期区間の早期事業化につきまして国に働きかけていく考えでございます。
○河野委員 この問題については、地域ではきちんと住民団体もつくられまして、要望をまとめて東京都にも出しているわけでありますし、私たちのところにも寄せられてきているわけですから、都民の、本当にそこに生活し、毎日過ごしている人たちの切実な声であるということを、私はきちんと東京都がとらえていただきたいと思います。
石原知事は、築地、晴海、豊洲、有明を結ぶオリンピック施設計画を打ち出しています。この構想のもとで進められようとしている高速晴海線の建設は、まさに必要のない道路づくりの典型、この声もあります。都民の意見は圧倒的に、オリンピックよりも今大事なのは、仕事や暮らし、医療の充実に力を入れてほしいということです。この切実な願いにこたえて、高速晴海線の問題は税金のむだ遣いのないよう、環境保全を進めるよう、見直しを求めていくことを、私は改めて強く要望しておきます。
次に、都営住宅の建てかえに関して質問をいたします。
東京都は現在、昭和三十年代建築の都営住宅建てかえをするということの対象を広げて、昭和四十年代建築の住宅の建てかえにも着手をしています。この間、世帯の構成人数によって居住面積が決まる型別供給が拡大されてきました。建てかえた都営住宅の型別供給の割合、一DKとか二DKとか、その割合についてはどういう状況になっているのかをお示しください。
○山口参事 平成十九年度におきましては合計三千九戸の建てかえを行いましたけれども、その型別の供給割合は、一DKが約四一%、二Kが約三二%、二DKが約一七%、三DKが約一〇%となってございます。
○河野委員 今、平成十九年度の数値で示していただきましたけど、私、ほかの資料を計算してみました。平成十年ぐらいから十九年度までの過去十年の建てかえの状況を計算したんです。総戸数三万一千三百三十四戸建てかえになっているうち、一DKが一万三百六十六戸、三四%です。二Kと二DKは一万四千三百三十五戸、四五・七%ですから、約八割は一DK、二K、二DKの住宅ということになります。
一DK、二Kについては、その住宅が狭いということで、居住者から大変生活に困難を来しているという声が上がって、私たちも繰り返し東京都に改善を求めてまいりました。ことし八月に都市整備局は、二Kの部屋の設計を変更して、約三平方メートル広くする新しい方針を明らかにしました。限られた改善ではありますけれども、居住者の声を受け入れた対応であるというふうには考えます。
今回見直した、二人用二Kを二DKにした背景、その理由、どういうことが根拠になって見直しがされたのか、お聞きしておきます。
○山口参事 二人世帯用住宅につきましては、既に第二回定例会代表質問で答弁したところでございます。
少子化が進展する中、今後、安心して子どもを育てられる住宅として供給することも求められているため、子育てをする若年ファミリーや高齢者など、多様な世帯が活用できる良好なストックとなるよう、面積規模など必要な見直しを行ったものでございます。
○河野委員 型別供給の居住面積についてはまだ課題が残されております。単身世帯用の一DKについて、昨年の事務事業質疑でも私は改善を求めました。六畳の居室に布団を敷いたら部屋がいっぱいになってしまって、子どもや孫がそして友人たちが泊まりに来ても、いてもらうことができない。数人の友人に集まってもらっても、お茶を飲む場所をつくるのも大変という狭さを訴えられています。
私たちはこれまで、型別供給については、誘導居住面積水準を基準にして都営住宅の供給を行うように求めてまいりましたけれども、一DKの改善については、こういう実態がある中で、局はどのような見解をお持ちなのか伺っておきます。
○山口参事 都営住宅の建てかえに当たりましては、居住者の世帯人数により基準を設け、住みやすい間取りとなるよう、工夫しながら住宅を供給しております。
基準の設定に当たりましては、都営住宅は都民共有のセーフティーネットであることから、最低居住面積水準を確保するとともにバリアフリーを考慮した面積としており、一DKについても必要な機能は十分満たしているものと考えております。
○河野委員 本当にそうでしょうか。私は、東京と同じ大都市の京都と大阪に問い合わせをしてみました。
京都府、ここは一DKの府営住宅は供給していません。二DK以上です。大阪は、一DKの府営住宅はありますが、供給面積は四十二平方メートルだそうです。東京の一DKよりも十平方メートルも広い、こういう状態です。都営住宅の一DKに住む人たちが、狭いことを嘆くと、大阪の人は、東京ではどうして一DKということが問題になるのか理解できなかったけれども、その面積を聞いたらなるほど納得がいった、ということで、驚いたという話も聞いております。
次の質問をさせていただきます。健康で文化的な生活を営むという、憲法で保障された人権のよりどころとなる住宅を供給する東京都が、その憲法を生かす立場に立つことが、今、大事だと思います。
ことし五月に新宿区の社会福祉協議会が、戸山団地・くらしとコミュニティについての調査報告書というのを発表しました。これです。戸山団地がある百人町四丁目では、生産人口とともに高齢人口も大きく増加しており、平成十九年度は高齢人口率が五〇%を超えたと書いてあります。
報告書の内容を新聞報道が取り上げましたが、高齢化に加えて、建てかえで高齢者が集中したことが原因で、高齢化率トップの群馬県南牧村並みの限界集落が都心部に生まれたことになると、このように報道したわけです。これまでに都が進めてきた型別供給が、限界集落といわれるような状態をつくり出しているということは、大きな問題だと思います。
そこで伺いますけれども、先ほどの部長のご答弁は、子育て世代など若い人たちの入居の枠などを拡大するとか、入居のスペースを守るとかといっておりましたけれども、私は、こういう子育て世代の人たちも都営住宅への入居が保障されることは大事なことだと思いますので、部長の答弁、全く賛成なんですけれども、そのためにも、こういう若い人たちの子育て世代の人たちの入居枠の拡大、拡大するためには都営住宅の戸数をふやす、そのことが必要だと思います。
子育て世代の人たちが子育てに責任を持てる、そういう点では居住スペースの拡大も図られなくてはなりませんから、今の一DKや二K、二DKに重きを置いている型別供給ではなくて、三DKや四DKの住宅建設もきちんとしていくことが必要になっていると思うんです。
これが、少子化社会の中で子育て支援にもつながることを重視して、多人数世帯が居住できる部屋数を有する住宅の建設戸数割合をふやすことが必要だということを、私は訴えたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○山口参事 まず冒頭、限界集落のお話がございましたが、限界集落とは、人口の五〇%が六十五歳以上の高齢者となり、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落のことを指すというふうに聞いております。都営住宅は、そういうことは全くないということをまず申し上げておきたいと思います。
それから、若年ファミリー世帯向けの二DK、三DKの面積や供給割合をふやすべきであるというご質問に対してでございますが、都営住宅の建てかえに当たりましては、当該住宅の従前居住者の世帯人員などに応じ、適切な割合で住宅を供給しております。
また、供給する住宅の面積規模につきましても、最低居住面積水準を確保するとともにバリアフリーにも配慮し設計しており、お話しの二DKや三DKについても適切なものと考えております。
○河野委員 先ほどご紹介した限界集落のような状況が起きているというのは、新宿の社会福祉協議会が出した報告書の中に書いてあるんです。公的な立場の人たちがちゃんと調べて書いてあるものですから、これは信頼性に足るものだということをきちんと認識していただきたいと思います。
今の、限界集落のような状況が起きていないという都のご認識、私は、もっともっと都営住宅の居住者の状態を調べていただきたいし、本当に高齢社会の中で、自治会の維持自身が困難であるとか草引きも大変になっているとか、いろんなバックアップ、支援を求めているのが、高齢者が多くなっている都営住宅の実情であるということを、この機会に申し上げておきたいと思います。
次の質問に移りますけれども、八月に出た二DKの設計見直しの適用についてです。
私たちが受けた説明では、今後建てかえる都営住宅については、設計段階のところを含めて、可能な限り新しい面積基準を適用するというものでした。
現在、都市整備局はどういう基準、考え方でこの新しい方針の適用を決めるのでしょうか。建てかえに入っている都営住宅居住者からいろいろな問い合わせ、要望が寄せられていますから、具体的なお答えを求めておきたいと思います。
○山口参事 二人用二DKに関しましては、若干、住戸の面積がふえ階高が高くなります。そういったことから、団地ごとに、これまでの事業進捗状況、立地条件、従前の戸数、敷地の形状などを勘案して、個別に検討してまいります。
なお、取り扱いが決定した段階で適切にお知らせをしてまいりたい、こんなふうに考えております。
○河野委員 要望だけしておきますけれども、葛飾区に高砂団地というところがあります。一千戸を超える大規模団地です。ことし一月に建てかえの説明会が始まりました。そして、この夏から既に居住者の人が転居しているという状況があります。
この都営アパートで子育てをして、今は夫婦二人の世帯になっている人たちが多くなっているんですが、高齢期に入ったこうした家庭では、時々訪ねてきてくれる孫たちとひとときを過ごすのが最高の楽しみだったといっています。建てかえて二Kの部屋になった場合に、孫たちを迎える部屋のゆとりすらなくなってしまう、だから、居住面積の改善方針を早くこうした高砂団地などにも適用してほしいという声が寄せられているんです。
私が住んでいるのは江戸川区なんですけれども、江戸川区でも、江戸川二丁目団地とか東篠崎団地など大規模団地で、高齢化が進んでいる都営住宅の団地建てかえが始まっております。高砂団地の人たちと同様の切実な声が寄せられております。
きょう、葛飾区の区計審の議事録のコピーを持ってまいりましたけど、葛飾区の区計審では、高砂団地建てかえ問題が議題になったときに、会長が結論としておっしゃっているんです。
今回の建てかえに当たって、居住環境のレベルアップをこの機会に図るというのは非常に重要な観点だと思います、その点は、今後とも東京都と区で協議を継続していただくということをお願いしておきたい、これが審議会の会長のご発言なんです。
部長ご答弁されましたように、今回の新しい面積基準拡大の方針、適用を決めていくときには、速やかにそれぞれの団地の人たちに話し合いを持って説明するということでありますので、可能な限り新しい基準で設計する、これを貫いていただくこと。そして、住民に事前に安心感の持てる説明の場を保障する、このことを強くお願いしまして、私の質問とさせていただきます。
○高橋委員長 この際、議事の都合によりまして、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時三十二分休憩
午後三時四十六分開議
○高橋委員長 休憩前に引き続きまして委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○神林委員 私は、羽田空港をめぐる最近の動き及び国際化等について質問をさせていただきます。
羽田空港の再拡張事業による国際化を二年後に控えている今、再拡張事業は目に見えて進捗しております。羽田の国際化に関する方針が、骨太の方針の中で閣議決定され、航空交渉も具体的に進み始めており、羽田の国際化による地域の活性化についても大きな期待が高まっております。
そこで私は、羽田の国際化はどんどん推進してもらいたい、またそれと同時に、あわせて地元もよくしたい、こういう観点の思いを込めまして、これから質問をさせていただきます。
まず第一点目でございますが、羽田再拡張及び国際化に係る国の取り組み状況について、まず伺います。
○福田参事 羽田の再拡張及び国際化に係る国の取り組み状況でございますが、羽田の再拡張事業は、新滑走路や国際線地区の整備を行うものでありまして、二〇一〇年十月、供用開始する予定であります。現在処理できる年間の発着回数は三十・三万回でありますが、再拡張後は、四十・七万回まで段階的に増加することとしております。
また、国際化につきましては、国は当初、昼間三万回とし、就航都市に距離制限を設けていましたが、都の強い要請などによりまして、二〇一〇年の新滑走路の供用開始当初に、昼間は、羽田のアクセス、利便性を生かせるアジア近距離路線に約三万回、深夜、早朝は、欧米を含む世界の主要都市へ約三万回、合計約六万回の国際定期便を実現する方針を示したところでございます。また、就航都市につきましても、距離制限を撤廃したところでございます。
さらに二〇一〇年以降につきましても、国内線需要に適切に対応しつつ、国内、国際双方の需要の伸びを勘案し、国際線の増加を推進するとしております。
○神林委員 今ご答弁を聞いていきますと、前からお話はあったことではございますけれども、もう既に二〇一〇年の供用開始の部分では、十万回以上の発着回数がふえると。しかも、深夜、早朝を含めないでそれだけあるということでございます。
既に航空交渉は始まっておりますけれども、それでは、二〇一〇年の供用開始当初の運航予定回数に対して、どの程度、今、もう既に埋まってきているのか、この点についてお聞きいたします。
○福田参事 二〇一〇年の供用開始に向けた航空交渉の状況でございますけれども、航空当局間の航空交渉によりまして、年間回数に換算すると、昼間の国際定期便につきましては、一カ国と一日十二便、交渉成立をしておりまして、年間に直しますと約九千回相当が埋まっております。
また、深夜、早朝につきましては、四カ国と計十二便、交渉が成立しておりまして、昼間と同じく、三万回のうち約九千回程度埋まっている状況でございます。
○神林委員 今、交渉の過程をお聞きしたわけでございますけど、まだまだあきがあるわけでございますね。一義的にはこれは国交省がやることだとは思いますけれども、やはり東京都としても、首都圏の経済ですとか、本当に東京に集まる方の部分、考えれば、これは何らかの方針で国土交通省にも強くいっていかなければいけないと思います。
そこで、東京都は今後、離発着数のあきに対してどのような方針で臨んでいくのか伺います。
○福田参事 残りの発着枠への対応の方針についてでございますけれども、残りの発着回数につきましては約四万回強ございますけれども、今後も航空交渉をしていくこととなりますが、都といたしましては、残りの発着回数についても、国が示した国際化の方針を確実に履行するよう、国に強く求めてまいります。
○神林委員 これは地元の問題でもありますので、若干ご説明しなければいけないと思うんですが、年間約千回に及ぶ、A滑走路を離陸し左旋回して地元の市街地上空を低空飛行するいわゆる左旋回飛行は、今なお地元住民に深刻な被害を与え続けております。
私は、かねがね主張しているんですが、本来ならば即時廃止を要望するところでございますが、少なくとも、四本目の滑走路が完成しその処理能力が上がった時点で直ちに廃止し、C滑走路やD滑走路に振り向けるべきである。こういうことを再三私は主張してきているわけでございます。
二〇一〇年供用開始に向けた概要が見えてきた今日において、その見通しについて、また東京都の考え方、取り組みについて、改めてお伺いいたします。
○福田参事 羽田空港を離陸した航空機が大田区の市街地上空を通る左旋回飛行は、朝、羽田から各地に向けて、航空機が集中的に離陸し混雑する時間帯に、離陸回数をふやすために、限定的に行われているものであります。この左旋回飛行につきましては、国は、再拡張後においては、運用に当たっては需要動向を考慮し、機材の低騒音化についても検討することとしております。
都といたしましては、航空機騒音を低減することは地域の人々にとって重要な課題であることから、国に対して、このような施策を着実に進めるよう、引き続き強く働きかけてまいります。
○神林委員 今ご答弁にありましたとおり、東京都はやはり地元民の重要な代弁者であるわけでございますので、この点、これからも一回一回交渉のたびにしっかりした対応を要望していただきたいと思います。ただ要望するだけじゃなくて、しっかり実行しなきゃいけませんので、ぜひお願いをしたいと思います。
引き続きまして、羽田空港を含めた首都圏空港の今後の需要は、処理能力と比較してどうなっていくのかということを、もう一度はっきり、確認でお聞きしたいと思います。
○福田参事 首都圏空港についての今後の需要でございますけれども、航空旅客輸送や貨物輸送はそれぞれ増加の見込みとなっておりまして、国際線は、国内線に比べてもさらに相当高い伸びがあると見込まれております。
国の航空分科会資料によれば、今後、処理能力は増加したとしても、十年後には容量が再び満杯になることが予想されているところでありまして、都としては、管制、機材、施設等につきまして、あらゆる角度から可能な限りの検討をし、空港容量の拡大を国に求めてまいります。
○神林委員 十年後には、もうすぐ容量が満杯になってしまうと。我々の立場からいえば、満杯になって、それで困っているということでは、それでは済まないわけでございます。やはり今の時点から、ただ満杯になって困るということではなくて、そうした予測も十分視野に入れて今後の空港計画の検討を進めていただきたいと思いますので、これについては要望をさせていただきます。
続きまして、羽田空港において、今後旅客輸送や貨物輸送の増加が見込まれるということでございますが、それに対応して、当然のことでございますけれども、ホテルあるいは交通アクセスまた航空貨物の施設、こういう、その増加に伴って関連する機能配置についてはどのように対応するのか、お考えをお願いいたします。
○福田参事 羽田の再拡張、国際化に伴う航空需要の増加を視野に入れ、ホテルあるいは会議施設などの国際交流施設や航空貨物施設など、必要な機能を空港周辺に立地することが求められているところでございます。
このため、跡地利用基本計画や地元区の基本構想を踏まえ、羽田空港が担う人、物、情報の交流機能を十分に発揮させるよう、羽田空港跡地や周辺地域のまちづくりを具体化していくことが重要と認識しております。
○神林委員 きょうは、跡地や周辺のまちづくりについては触れないつもりでございますので、また、そういった跡地や周辺のまちづくりのときに、こういう後背機能については十分論議をさせていただきたいと思っております。
続きまして、いろいろな会議、実務者の会議等で物事がだんだん決まってきているわけでございますが、羽田空港の再拡張や国際化について取り組みが進む中で、今お話ししました実務者協議会羽田分科会ですか、これだけじゃないわけでございまして、いろいろ実際に物事を決める、実務をつかさどるさまざまな会議があるわけでございます。
この構成メンバーを見ますと、ほとんどが国交省とか東京都、千葉県、神奈川県がメンバーということでございまして、横浜市や川崎市もいろいろな形で何とか参入して、いろいろと話を入れていこうという部分が顕著に目立つわけでございます。
そういうことを考えますと、最も影響を受ける地元の大田区の意見は、一体どう反映していくのかということになろうと思います。当然、一義的には東京都が代弁するということなると思いますけれども、東京都の見解を伺います。
○福田参事 羽田の再拡張、国際化は、例えば、外国人旅行者などのための観光機能の強化など、多様な交流によるにぎわいの創出など、都市機能の強化に大きな効果があると考えられます。
都といたしましては、羽田の再拡張、国際化と連携して、地域の発展に向けた取り組みを進めることも重要と考えております。(三原委員「大田区の声は、どうして、だれが届けるの」と呼ぶ)大田区も含めて、地域の発展に十分配慮した考え方を示していくことが重要だというふうに考えております。
○神林委員 今、三原先生からもお話がありましたとおり、肝心なのは--だから大田区の声を届ける機関が今ないんですよ。ですから、ぜひそういう意味で、本当だったらオブザーバーか何かで大田区に参加していただくことが一番いいとは思っているんです。でも、それがかなわないんだったら、東京都の中にある大田区なんですから、地元の声として、ぜひ東京都に、それをしっかりと代弁していただきたいということをお願いしているわけでございまして、ぜひよろしくお願いしたいと思います。うなずいていただいているから大丈夫ですね。
それでは、この部分については話題を変えまして、九月に横田空域が一部返還されたということで、いろいろな航空域の部分で改善がされ、進んできたということを聞いておりますが、ルートがどのように変更されたのか、またどんな効果が具体的に得られたのか、この辺についてお伺いいたします。
○福田参事 横田空域の一部返還後の飛行ルートにつきましては、これまで羽田空港から北陸、九州北部、ソウル等の方面に向かう飛行ルートは一つであったものが、ことしの九月二十五日、横田空域の一部返還によりまして、新たに東京上空を通る二つのルートが追加され、三つの飛行ルートで運用を開始したところでございます。
これにより、まず羽田空港において再拡張後に想定される大幅な便数増加にも対応する、効率的な出発方式が可能となりました。また、飛行時間についても平均で約三分の時間短縮効果が得られるとともに、燃料削減などの経済効果が年間で約九十八億円に上り、環境改善効果としても、一般家庭約一万五千世帯の年間排出量に相当するCO2約八万一千トンが削減できるものと想定しております。
○神林委員 私も、日本あるいは首都圏の航空行政のことを考えますと、非常にいいことでプラスだと思っておりまして大歓迎なのでございますが、最近地元の区民から聞く声は、今までも飛行機が飛んでうるさいということでいわれるんですが、あれ、最近ほかのコースを何か飛行機がちょろちょろ上空を飛ぶようになりましたねという声を、非常に聞くんですよ。
ですから、新しいこういうコースの変更があって真上を飛ぶ、しかも目の前に、真上に見えるわけですね。やはり、非常に地元民としては、一体何なんだという部分、不安に思う部分もあるわけでございます。
そういう意味から考えれば、こうやってルート変更があったわけですから、じゃ具体的に今まで、環境への影響等を含めましてどのような影響があったのか、これはしっかり調べていかなきゃいけないことだと。しかも、それを、わからない地元民に対してしっかり説明していかなきゃいけないということが当然あろうかと思います。この点について、東京都の見解をお願いいたします。
○福田参事 これまでは、先ほどお話ししましたように、羽田空港から北陸、九州北部、ソウル方面へ向かう航空機は、横浜市上空を飛行していた一ルートだけだったわけですが、今回の一部返還によりまして、新たに多摩川上空を飛行するルートが運用開始されたところでございます。
このルート変更に伴い、大田区から、今まで騒音が発生することがなかったところから、住民から、新たに騒音が発生するようになったという連絡を受けているところでございます。
新たな飛行ルートの運用に当たっては、事前に国からの説明を受けている中では、陸上に入る前に東京湾上で高度を稼ぐなど、騒音に十分配慮しているとの説明を受けているところでございますが、都としては、まず実態を把握することが重要と考えていることから、現況調査を行っているところでございます。
○神林委員 さっきもお話ししましたとおり、実際、空の上を飛んでいるのが見えるんですよ。それはやっぱり地元民としたら非常に不安に思うわけですよね。ですから、当然のことでございますけど、騒音測定などの現況調査は当然やっていただくということ。多分、環境基準には満たない数値だとは思うんですよ。でも、やっぱりそれをしっかりと、今いったように地元民に情報提供していただかないと、地元の方々にはご理解いただけないと思います。現況調査とあわせて、しっかりとした情報提供をお願いしたいと思います。
今まで、いろいろと羽田空港の件に対してお話をしてきましたけれども、先ほども一番最初にお話ししたとおり、羽田空港がよくなることは地元としても大歓迎で、いいことなんですよ。でも、せっかくそうやってよくなるわけですから、それとあわせて地元もよくしたい、地元の声もしっかり届けていただきたいというのが強い要望としてあるわけでございます。その辺をしっかり胸に秘めていただいて、さっきも繰り返しあったとおり、地元の声をしっかり、東京都としては代弁者として、国やほかの県にも大きく声を出していっていただきたい、このように心からお願いする次第でございます。
それでは、最後の質問としまして、羽田の国際化にかかわる都の主張、さらには東京都の今後の取り組み、国への主な要求事項等につきましてお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
○福田参事 羽田空港の国際化により、首都圏の発展を支えることはもとより、我が国全体の国際競争力の回復につなげていくことが重要であります。
また、羽田空港は世界各地と緊密なネットワークで結ばれると同時に、一方で国内における遠距離高速移動を担保するネットワークを保つことも求められておりまして、こうしたニーズに十分対応できる空港容量を備えていく必要があると考えております。
都といたしましては、供用開始に合わせた国際化に関する方針を確実に履行するとともに、昼間の国際線増加や、需要の多いアジアの主要都市への昼間の定期便のさらなる就航拡大をするよう、また、空港容量の拡大に向けて、管制、機材、施設等あらゆる角度から可能な限りの検討をするよう、あらゆる機会を通じて国に求めてまいります。
○伊藤委員 私からは、まず総合物流ビジョンについてお伺いをいたしたいと思います。
便利な日常生活は、物流によって支えられております。東京都が物流対策を総合的かつ組織的に進めていくことは、国際的な競争激化による変化への対応のためだけでなく、最近落ちついたとはいえ、原油価格の高騰対策としても大変重要なことであろうと思います。
都は、既に平成十八年に総合物流ビジョンを策定し、基本的な考え方やさまざまな施策についてお示しをいただいております。このビジョンに基づき、現在、物流の効率化を図り、国際競争力の強化や環境負荷の軽減に努めておられると思いますけれども、今後、より積極的な施策の推進が求められておりますので、以下四点、お伺いしたいと思います。
まず、最近の取り組み状況について、どのようになっているのかお聞きいたします。
○升都市基盤部長 物流ビジョンに基づきます最近の取り組み状況でございますが、本年五月に、東京都西南部における流通機能の適正化を目的といたしまして、東京都西南部の流通業務施設に関する整備方針を作成したところでございます。
この整備方針は、今後、関係市が、八王子市と青梅市でございますが、取り組みます、流通業務地区及び流通業務施設に関する整備計画の策定を支援するための基本的な事項を、東京都が取りまとめたものでございます。
また、本年六月には、商店街などにおける流通効率化を支援するため、東京における地区物流効率化認定制度を創設したところでございます。この制度は、物流改善に向けまして関係者が作成した計画を都が認定し、道路整備保全公社駐車場の優遇的な利用や、施設整備などに対する産業力強化融資の活用を可能とするなど、関係者の取り組みを支援するものでございます。
○伊藤委員 ご答弁にありましたように、二つの取り組みを、最近の取り組みとしてやっていただいているということであります。東京の西南部には物流拠点がないということで方針を定められたということですので、関係者と十分協議をして進めていただきたいというふうに思いますし、物流効率化制度についても、吉祥寺や町田、北千住などで実現をしていると。ぜひともこのような取り組みをより広い地域で展開をしていただきたいというふうに思います。
続きまして、大手の運送事業者は、豊富な資金であるとかたくさんの人材を抱えておりますので、独自で体制を整えて物流の効率化を図っております。
一方、都内には多数の中小の運送事業者があります。物流全体の効率化を図るためには、これら中小の運送事業者への支援が必要と考えますが、都の取り組みについてお伺いいたします。
○升都市基盤部長 中小の運送事業者の支援でございますが、東京都は昭和五十二年から、道路特定財源の軽油引取税を財源といたしまして、東京都トラック協会に対して運輸事業振興助成交付金を交付してございます。
この交付金を使いまして、トラック運送事業の近代化や人材育成事業などによる、中小の運送事業者の物流効率化に向けた取り組みを推進しているところでございます。
○伊藤委員 経済産業省の関東経済産業局が、平成十六年にある調査をしております。関東地域における共同物流システムのインフラ整備に関する調査というものの中に、約九割の会社が、小ロット多頻度納入、時間指定納入の対策等に最も苦慮していると。
これは平成十六年ですから若干時間がたっていますけれども、消費者への対応というのは、大変現場で困っているということでありますので、特にこういった点は中小への手厚い支援が必要だろうというふうに思います。
次に、荷さばきスペースの確保についてお聞きいたします。
ここ新宿近辺を初めとして、都心部には荷さばきスペースの絶対数が足りないと聞いております。都心の繁華街では、他の地域に比べ大量の品物や荷物が行き交っております。
大量の荷物を効率的に配達するためには、荷さばきスペースの確保などハード面の整備が重要であると思いますが、都の取り組みについてお伺いいたします。
○升都市基盤部長 荷さばきスペースの確保などのハード面の整備でございますが、東京都は、建築物内の荷さばき施設を確保するために、平成十四年に東京都駐車場条例を改正いたしまして、一定規模以上の建築物に、荷さばき駐車施設の附置を義務づけているところでございます。
また、平成十八年度からは、路外での荷さばきスペースを確保するため、民間の駐車場事業者が管理運営いたします時間貸し駐車場、いわゆるコインパーキングでございますが、その駐車場におきまして運輸事業者が荷さばきできるように、協力を要請してきているところでございます。
その結果、現在、都内約三百の時間貸し駐車場におきまして、荷さばきが可能となっているところでございます。
○伊藤委員 民間の持っているコインパーキングを活用してやっていただいている、三百カ所、これは十分なのかそうでないのかというのはちょっとよくわかりませんけれども、もっと多くに拡大をしていただきたいというふうに思います。
さらに、今後、都が独自で取り組める対策として都有地の活用が考えられますが、その取り組み状況についてお伺いいたします。
○升都市基盤部長 荷さばきに対する都有地の活用でございますが、東京都はこれまで、都有地を活用して駐車場を管理運営いたします財団法人東京都道路整備保全公社に要請を行い、六本木駐車場など二十一カ所の駐車場において、荷さばきが可能となっているところでございます。
また、同公社では、平成十八年三月までに、首都高速道路高架下を活用いたしまして、板橋区板橋二丁目、新宿区新小川町の二カ所で荷物の積みかえステーションの整備を行ったところでございます。
今後とも、関係機関の協力を得ながら、引き続き物流対策に取り組んでまいります。
○伊藤委員 ぜひとも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
次に、都有地を生かしたまちづくりについてお伺いいたします。
現在、東京の市街地は、耐震性の向上、住環境の改善や密集市街地解消など大変多くの課題を抱えております。これらの課題を解決するため、都みずからが主体となって、土地区画整理事業、市街地再開発事業などのさまざまな手法で土地の利用増進や高度利用を図っております。
都が主体となって行うまちづくりにおいては、公有地の有効活用も重要な手法と思います。
都有地の中には、低利用、未利用のものや、施設の再編により生み出される用地があると思いますが、都有地を生かしたまちづくりについて、どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。
○瀧本参事 まちづくりを進めていく上で、都有地を活用していくことは重要と認識しております。
これまでの都有地活用の取り組みでございますが、先駆的なプロジェクトとして港区の南青山一丁目地区において、また先行まちづくりプロジェクトとして東村山市の本町地区や中央区の勝どき一丁目地区等において、公募型プロポーザル方式によりまして、民間活力を活用したまちづくりを推進してまいりました。
現在は、目黒区の上目黒一丁目地区において、隣接する区有地と合わせた共同事業としまして、地元区とともに地域の特性を生かしたまちづくりに取り組んでございます。
今後も、都の施策の実現や地元の課題解決に向けたまちづくりに、都有地の活用を図ってまいります。
○伊藤委員 民間活力の手法を用いたり、地元の区と協力をし合ったりやっておられるということでありますけれども、中でも、都営住宅用地については、都内各地に大変多くのストックを有しております。私の地元葛飾区においても、約千二百世帯の方々の住まう都営高砂団地の建てかえ事業が、現在始まりつつあります。
このような大規模都営団地の建てかえは、周辺のまちづくりに大変大きな影響を及ぼすものであります。建てかえに際しての都の基本的な考え方について伺います。
○中島参事 都営住宅の建てかえについての基本的な考え方でございますが、建てかえに当たりましては、老朽化した都営住宅を更新するだけでなく、敷地の有効活用により土地を創出し、地域のまちづくりの課題に的確にこたえていくということが重要であると考えております。
このため、今後、管理戸数の抑制を図りながら、財政状況を勘案しつつ、更新期を迎えつつある昭和四十年代建設の住宅に対象範囲を広げ、規模を、年間四千戸程度まで段階的に拡大し、建てかえ事業を行っていくこととしております。
○伊藤委員 建てかえ事業を積極的に進めるとともに、老朽化した都営住宅を更新するだけでなく、高度利用し、生み出した土地を地域のまちづくりに活用し、まちづくりを促進していくということであります。
これは地元としても大変歓迎をするべきことだというふうに思いますが、その際、やはり地元の自治体との連携が重要だと思いますが、今後どのように対応されていくのか、ご見解を伺います。
○中島参事 地元自治体との連携についてでございますが、都営住宅の建てかえにあわせて創出された用地の活用に当たっては、地域ごとの課題への対応や地域特性を生かしたまちづくりなど、基本的な事項について地元区と協議を行っております。
今後も事業の実施に当たっては、引き続き地元区と十分連携をとりながら進めてまいります。
○伊藤委員 それぞれの地域の特色にあわせて、都としても地元区と連携を図っていただけるということでありますので、丁寧な対応をしていただきたいというふうに思います。
創出された用地の活用については、地域のまちづくりに与える影響が大きいことから、当該地域の住民だけでなく、周辺の地域住民の関心も非常に高いわけであります。
そこで、高砂団地につきましても、その創出用地の活用法について地域住民へのきめ細かい情報提供が必要と考えますが、ご見解を伺います。
○中島参事 地域住民への情報提供についてでございますが、大規模団地では建てかえ事業が完了するまでの間に長い時間を要することから、用地が創出される時期を見据え、地元区などと協議を行い、適切な時期に地域の住民に情報を提供しております。
お尋ねの高砂団地における創出用地の活用については、建てかえ事業の進捗に応じて地元区と協議を行い、適切な時期に地域の住民に情報を提供してまいります。
○伊藤委員 今回は触れませんでしたけれども、都有地の活用については、現在、各局が別々に対応しております。より積極的に都有地の活用を進めるためには、一元的、全庁的な取り組みも必要と思いますが、これは別の機会に触れたいと思います。
また、先ほどご答弁にもありましたけれども、確かに協議には時間がかかると思います。しかし、現に、建てかえを機に引っ越しをしなければいけない方も多数出ております。そういった方々からすると、自分たちが出ていくわけだから、この土地は何に今後使われるのかというのも、やはり都としてしかるべき時期に説明をしていただく必要があるのかなというふうに思います。
ぜひともこの点についてはなるべく早い段階で都としても対応していただきたいと要望して、質問を終わります。
○中山委員 少々駆け足で質問させていただきますので、ご容赦を願いたいと思います。
初めに、東京の渋滞解消についてお伺いさせていただきます。
東京は、世界に類を見ないほど高密度に正確な鉄道ネットワークが形成されております。ただし、鉄道と道路が平面交差しているところが多くあって、約千二百カ所もの踏切があるということをお伺いしております。私も、冬柴大臣のときに、外かくの要請に行きましたときに教えていただいてびっくりしたんですけれども、パリやロンドンではそれぞれ二十カ所以下ぐらいの踏切しかないということで、いや、そうなんだと驚きました。
東京の国際都市としての魅力向上、経済活動の促進、都民生活の安全、利便性の向上のためには、踏切問題を一刻も早く改善していくことが重要であります。東京都では、平成十六年六月に踏切対策基本方針を策定し、踏切対策の推進に向けて取り組んでいらっしゃいますが、改めてその内容をお伺いいたします。
○升都市基盤部長 東京都では、踏切における交通渋滞を初めとするさまざまな問題の解決に向け、重点的かつ計画的に多様な踏切対策を進めていくために、副委員長からお話がございました踏切対策基本方針を策定したところでございます。
方針では、踏切の遮断時間や自動車交通量などを勘案いたしまして、二〇二五年までに重点的に踏切対策を実施、検討していく重点踏切を、約三百九十カ所抽出いたしました。その上で、重点踏切の解消を図るため、鉄道立体化の可能性を検討していく鉄道立体化の検討対象区間を二十区間選定するとともに、その他の重点踏切につきましては、踏切道の拡幅や踏切システムの改善など、早期に実施可能な対策を検討していくこととしております。
この方針に基づき、都、区市町、鉄道事業者など関係者で連携を図りながら踏切対策に積極的に取り組んでいるところでございます。
○中山委員 今お話が対策としてございましたけれども、やはり、踏切そのものを解消する鉄道の立体化の取り組みが特に重要でございます。私の地元足立区でも、大変貧しい財政状況にもかかわらず、区みずから施行主となって竹ノ塚の踏切の立体化に向けて踏み出しました。
踏切対策基本方針策定後の取り組みについてお伺いをいたします。
○升都市基盤部長 鉄道立体化の検討対象区間二十区間のうち、今、副委員長からお話がございました足立区の竹ノ塚駅付近でございますが、平成十九年度に、竹ノ塚駅付近の連続立体交差事業を、足立区施行事業として国から新規着工準備採択を受けているところでございます。また、平成二十年度には、都施行事業といたしまして西武新宿線の中井から野方駅付近、また京王線の代田橋から八幡山駅付近の二区間につきまして、新規着工準備採択を受けたところでございます。
現在、これら三区間につきましては、関係者と調整を図りながら、早期事業化に向け構造形式や施工方法などの検討を行っているところでございます。
その他の区間につきましても、今後、関連する道路整備計画や、地元区市が主体となったまちづくりへの取り組みの熟度、財源の動向などを踏まえながら、建設局などと連携を図り、立体化の推進に向けて取り組んでまいります。
○中山委員 当委員会には同じ足立区選出の三原先生もいらっしゃいますけれども、竹ノ塚の踏切の立体化は足立区にとりましても大変な念願でございまして、平成十七年の年末に政令改正を行って、それまで幹線道路しか国の補助事業の対象でなかったところについて、竹ノ塚の場合は、赤山街道という事故のあった踏切が区道なものですから対象じゃなかったわけですけれども、当時の北側国土交通大臣が改正をして、すべて閣議の了解をいただいて、一時間に四十分以上ボトルネックとなる踏切は国の国庫補助の対象とするということになりました。
対象事業を広げるような役人の方の改正というのはそれまで余りないんじゃないかと思いますけれども、千二百カ所の三百九十カ所が、特に問題点があるということでございますが、やはり、踏切はない方がいいんだという姿勢をきちっと明確にして、私はこれからも東京都の大事な取り組みとして、予算獲得に向けて柱として打ち出していただきたいというふうに思います。
次に、首都圏三環状道路の整備についてお伺いいたします。
ことしの八月、東京の大動脈である首都高速五号線で、タンクローリーの横転により大火災が起きました。高速道路の橋げたなどは非常に大きな損害をこうむりまして、一台の自動車による事故で、大変な工事期間、二カ月を要する大規模な修復工事に至ってしまいました。
しかし、このような大規模な修復にもかかわらず、関係者がご努力いただいて急ピッチで復旧していただいたことは評価に値すると思います。もっとかかるんじゃないかなと思って心配をしておりました。
一方、この復旧工事の間、五号線が通行どめとなり、昨年開通したばかりの中央環状新宿線も長時間通行どめとなってしまいました。このため、付近の道路の渋滞はかなり激しいものとなったことを私も実感しております。
そこで、この事故により、東京の道路交通にどのような影響を与えたのか、お伺いをいたします。
○遠藤外かく環状道路担当部長 去る八月三日の早朝、板橋区内の首都高速五号線で起きましたタンクローリーの横転事故でございますけれども、この事故は、五号線と中央環状線が交差いたします熊野町ジャンクション地区で起きたものでございます。
まさに交通の要衝ともいえる箇所で発生したものでございまして、タンクローリーに積載されました燃料に引火しまして三時間にわたって炎上、これによりまして、首都高速の上下二層となっております上層の橋げたが沈下するなど、道路施設に大きな損害をもたらすということになったものでございます。
道路を管理いたします首都高速道路株式会社では、事故発生直後から五号線と中央環状線を通行どめにいたしまして、その後、段階的に順次車線を開放しながら復旧工事を実施いたしまして、せんだって、十月の十四日で全面開通となったものでございます。
今回、この規制によりまして、事故直後から、首都高速道路の渋滞量、これが通常の五割増しということになってございました。また、首都高を利用して高井戸から三郷まで移動する場合の所要時間でございますけれども、通常の二倍以上の百三十分程度に増加してございます。また、一般道路におきましても、事故現場を中心といたしまして広い範囲で渋滞が発生しました。事故直後におきます渋滞量につきましては、通常の二倍程度というふうに観測されてございます。
○中山委員 今、ご報告がございましたけれども、やはり環状道路の整備というのは非常に大事だなということを、改めて事故を通して私自身、実感いたしました。渋滞緩和に役立ちますよという積算があったわけですけれども、本当にそうなるのかなと思っておりましたが、やはり山手トンネルが完成して便利になりましたし、また、事故が起きてみると大変な事態になるということでございまして、道路の重要性を実感いたしました。
ただし、本当に三環状道路が整備されていれば、仮に一つの環状道路で事故が起きたりとかそういうことがあったとしても、抜け道といいますか、ほかに路線ができるということで代替できるんじゃないかと思うんですね。
ある面では、道路というのは必要最小限度だけあればいいというものではなくて、いろんなところで事故が起きたり、ない方がいいわけですけれども、遮断されることもあります。そうしたときのためにいろいろなバイパスがあるということが大事ではないかと思っております。
三環状道路については、「十年後の東京」において、平成二十八年までに約九割を整備することを目標に掲げております。そこで、首都圏三環状道路の現在の進捗はどのようになっているのか、改めてお伺いいたします。
○遠藤外かく環状道路担当部長 首都圏三環状道路の整備状況でございます。
まず、中央環状線でございますけれども、現在、全体で七五%の区間の完成となってございます。残ります新宿線の新宿から渋谷までの間、それと品川線につきまして鋭意整備が進められてございまして、新宿線につきましては二十一年度に全線開通、品川線につきましては二十五年度に完成を予定してございます。
次に、外かく環状道路でございますけれども、全体で現在、四〇%の区間の完成となってございます。千葉県区間が事業中でございます。都内区間につきましては、関越から東名まででございますけれども、国土開発幹線自動車道建設法に基づく基本計画の決定を終えた段階というふうになってございます。
さらに、圏央道でございますけれども、現在、全体で約四〇%の区間が完成となってございます。残る区間のうち、都内区間でございます八王子ジャンクションから八王子南インターまでの区間につきましては平成二十三年度に完成、これに向けまして現在、整備が進められているところでございます。他県の区間につきましても、おおむね平成二十七年度までに完成する予定、このようになってございます。
三環状道路全体といたしましては、おおむね約四割の完成ということになってございます。
○中山委員 全体の整備率が四割という状況は、パリ、ロンドン、ソウルなどの外国の主要諸都市の環状道路と比べましても大きく立ちおくれているといわざるを得ません。都はこれまでも、整備に力を入れていただいてまいりましたが、一層の促進が必要と考えます。
とりわけ外環の練馬大泉から東名高速までの十六キロメートルについては未着工でございまして、この区間の整備は、東京の渋滞解消のためだけでなく、東名道や中央道など国幹道を相互に結ぶことによって利便性が向上し、経済の発展やCO2削減につながるという意味でも非常に効果の高い道路と考えます。
思えば平成十三年に石原知事が当時の扇国土交通大臣と現地を視察し、四十年来の凍結を解除して七年余りが経過しました。この間、原点からの話し合いということで地域の住民の皆様とも話し合う機会が持たれ、平成十九年四月には、大深度地下方式へ都市計画変更が行われております。私が幹事を務めさせていただいております東京都議会外かく環状道路建設促進議員連盟では、今月、金子国土交通大臣に対して、平成二十一年度に事業着手するよう要望をさせていただいたところでございます。
こうした意味で、外環の事業着手を一刻も早く実施する必要があるかと思いますが、只腰局長に今後の取り組みについて決意をお伺いしたいと思います。
○只腰都市整備局長 ただいまお話しいただきました、外環を含む三環状道路の整備促進でございますが、慢性的な交通渋滞の解消あるいは環境改善を図るとともに、首都圏の都市機能の向上を図る上で極めて重要な路線でございます。今、お話ございましたように、今回、中央環状線のジャンクションの一部でございますが支障を来したことで、東京の道路交通に甚大な影響がございました。このことを見ましても、環状道路の重要性は明白でございます。
お話の外環でございますが、早期着手が非常に重要な路線というふうに考えてございます。都におきましても、知事、副知事を筆頭にいたしまして、国の幹部に機会あるごとに働きかけを行ってございます。
また、今、お話ございましたように、東京都議会におかれましても、外かく環状道路建設促進議員連盟、非常に活発に活動していただいておりまして、感謝するとともに心強く思ってございます。
一方、新聞等にも報道されていますように、道路特定財源を一般財源化するという動きがございます。
また、都市と地方を殊さらに対立させまして、地方の道路を重視すべきだというような主張も一部見受けられているところでございます。その辺を勘案いたしますと、外環の事業化に向けましては、決してハードルは低くはないんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
都といたしましては、三千億の税源移譲に伴う十三項目の一つ、最重要な要求事項でございまして、外環の平成二十一年度事業着手が非常に求められている、強く要求しなければならないというふうに考えている次第でございます。
これを実現するためには、三つぐらい条件があろうかと思います。
今後、国で見直されます道路の中期計画にしっかり外環を位置づけること、それが一つ。それから、手続としましては国幹会議を開催しまして、整備計画を決めるということが二番目。それから三番目が、これは新規の事業になりますので、来年度の予算の確保、また現場の執行体制の確立、こうしたものが重要な項目かと思います。
これらの項目の確立、達成に向けまして、私ども引き続きまして全力を尽くして取り組んでまいります。
○中山委員 今、局長から、決してハードルは低くないというお話がございましたけれども、道路特定財源の一般財源化に伴う政府方針に基づきまして、外環につきましても、交通需要の見直し、費用対便益の見直しという作業が行われておると聞いております。
しかし、外環道こそまさに必要な道路でございます。そういう面では、何とかしてそれを実現していかなくてはなりません。できる限り都の負担が少なくて済むような仕組みを工夫しながら、国とも闘い、かち取ってまいりたいというふうに私自身も決意いたしております。
あわせて地元対応につきましても、環境対策や地域の交通対策など、地元からの要望にもきちっと耳を傾け、事業着手のほどをよろしくお願い申し上げます。
いずれにしても、踏切につきましても、外環道の整備、三環状整備につきましても、東京の唯一の弱点あるいは最大の弱点であるかもしれませんけれども、交通渋滞というものの解消を目指してしっかりと取り組みを進めていくことが必要かと思います。
続きまして、先ほど我が党の長橋委員からもお話ございましたけれども、耐震化について若干触れたいと思います。
初めに、木造住宅の密集地域の整備、再生についてでございます。
先ほども質疑がございましたけれども、木造住宅密集地域はさまざまな課題から、なかなかその進捗が進んでおりません。
そうした中で、民間事業者からは民間事業者に交渉事を任せてくれればもっと早く迅速に進むんだけれどもというお声を、私自身も伺うことがございます。確かに複雑な土地の権利関係の把握あるいはキーパーソンとなるような人物の掌握など、ディベロプメントを手がけてきた民間専門事業者の方が、木造事業への、関係者の方々の参加意欲を引き出すという点では手なれているのかもしれません。
しかし一方で、高齢者などの借家人などの立場からすれば、ついの住みかと定めたところから追い出されてしまうのではとか、あるいは家賃が高くなってしまうのではと、さまざまな不安があるのも当然であります。単なる市場原理だけで物事が進んではならないという面があることは事実であります。
したがって、木密事業の促進に関しましては、生活弱者に配慮した、安心感、公平感のある行政による救済と、民間事業者などによる創意工夫に富んだ意欲のある取り組みのマッチングが重要であります。その意味で、今後、本事業の推進を加速させるために、民間事業者のノウハウやマンパワーの活用を拡大していくべきと考えます。
そこで、木密地域整備に関する民間のノウハウ等の活用について、その現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。
○石川民間開発担当部長 木密地域における民間活力の活用についてですが、木密地域の整備再生を早期に実現するには、事業実施に至る各段階で、行政として地域のNPOやコンサルタントを含む民間事業者との連携を図り、民間事業者、地域住民、行政がそれぞれの役割を担っていくことが重要でございます。
特に老朽住宅等の不燃化、共同化では、民間事業者が地権者の具体的な相談に適切に対応して進めていくことが効果的でございます。民間のノウハウの活用としては、地元企業で構成されるNPO、コンサルタントなどが地元に密着して実現した、大田区蒲田や、新宿区若葉の共同化などの事例がございます。
今後の取り組みとしては、工務店やハウスメーカーを登録している住まいづくり・まちづくり協力員制度の浸透を図るとともに、事業の初動期においても、コンサルタントによる共同化に向けた地元の合意形成を支援するなど、民間事業者が参入しやすい環境整備を図ってまいります。
○中山委員 意欲的な取り組み姿勢を高く評価したいと思います。ぜひそういう交渉事に関するコンサルティング業務部門だけでも、広くプロポーザルを募り、まずは木密事業などにおいて、さらには耐震化事業などにおいて、民間ノウハウの積極的導入に挑戦していただきたいと思います。
また、都市再生機構の話が出ましたけれども、私は、東京都住宅供給公社の活用も真剣に検討するべきであると個人的ながらに思ってもおります。公社は、どちらかというと現在は管理会社になってきている感がありますけれども、かつては公的なディベロプメントにおいても一定の役割を果たしていたと仄聞しております。
現在、そうしたノウハウ、人材が、公社にストックされているかどうかわかりませんけれども、URも民営化される中、民間事業者と、都庁の住宅行政あるいは耐震、耐火行政などの橋渡し役となる可能性がある団体が重要であると思います。そうした面で、財団法人の東京都防災・建築まちづくりセンターなどとの連携とあわせて、こうした点での新たな体制整備、展開、新たな取り組みの開始を要望させていただきます。
また、都営住宅などにおきまして、我が党は少子化対策等のために管理戸数の一時凍結ということを提案させていただきましたけれども、都営住宅などからも、こうした木密事業あるいはさまざまな再開発事業等において、なかなかその地で住み続けることのできない生活弱者に対する都営住宅の提供というものも、柔軟な対応をできるような工夫が大事であるかと思っております。
続きまして、事業概要の一三九ページにございます復旧・復興対策のうち、復興対策について質問させていただきます。
首都直下型地震の切迫性が指摘されておりますけれども、震災時の被害は甚大になることが予測されておりまして、いかに迅速に復興できるかが東京再生の大きなかぎとなります。そのため、被災直後から円滑な復興に取り組めるよう、あらかじめ都市復興の準備を進めておき、有事に備えておくことが重要でございます。
そこで、東京の都市復興について、都の取り組みをお伺いいたします。
○座間市街地整備部長 都市復興に関する取り組みでございますが、東京に震災が発生した際に迅速に復興に取り組み、都市を再構築することが首都としての機能再生に極めて重要でございます。
東京都は、平成十五年三月に東京都震災復興マニュアルを策定いたしまして、都市復興を円滑に実施することを目的とした復興までの手順を、時系列的に明示しております。具体的には初動体制の確立、基本方針や基本計画の策定、事業計画の確立など復興に関する作業手順を段階ごとに取りまとめております。
一方、都市復興を円滑に進めるためには、日ごろから都と区市町村間の行政間はもとより、行政と住民が情報や対策を共有し、良好な地域コミュニティを維持発展させることが重要でございます。
このため、東京都では毎年、区市町村職員を対象に都市復興模擬訓練を実施しております。今年度は足立区千住地区におきまして、初動体制の確立から基本計画の策定までの作業について訓練を実施したところでございます。
また、地域コミュニティを生かし地域防災力の向上を図るためには、本年は十二月を予定してございますけれども、毎年、震災復興シンポジウムを開催し、都民等に対し震災対策への意識啓発を図ることとしております。
今後とも、発災時に円滑に復興事業が推進できるよう、これらの取り組みを継続的に実施してまいります。
○中山委員 地元足立区での取り組みをご紹介いただくなど、さまざまな点で事前の準備を重ねていただいている点を、高く評価したいと思います。
一種の造語になるかもしれませんけれども、事前復興という視点があることをお伺いいたしました。
例えば先ほどの踏切なども、現在から立体化を進めておくとか、あるいは答弁にございました、コミュニティの形成をあらかじめ進めておくとかそういうことも大事だと思いますし、また、今心配されておりますが、住宅を失った方々に対する住宅供給という点で、民間事業者との間に協定を締結しておくというようなことも大事かと思います。
あわせて私は、復興が復旧で終わってしまうか、復興というステージまでたどり着くかで、大きな震災を経験する日本が、その経済的な打撃というものを乗り越えて次の経済発展を遂げていけるかどうかの分かれ目になってくると思います。
もちろん実際にはどういう被害が起きるかわかりませんし、被害に応じて復興計画は提示するしかないとは思いますけれども、やはり東京のあり方として、単なる原状回復ということではなく、あるべき都市の姿としてどのような復興を遂げていく必要があるのか。そのことは、東京都みずからも指し示す必要がございますし、あわせて区市町村にもそういうことを検討していただくということが大事かと思います。そうした面では、今、答弁にございました、シンポジウム等の開催を通じてさまざまな議論を事前に呼び起こしておいていただく、そして都民の関心を集めていただくということが大事ではないかと思います。
また、都営住宅におきましては、今後、高層化が予定されておりますけれども、その余剰地につきましても、単にいたずらに民間に売却するということではなくて、起きてはなりませんけれども、起きてしまった場合の震災時の復興の際の種地として使うことも大事な視点であるかと思いますので、その活用について慎重に検討すべきであるというふうに思っております。
続きまして、消費行政としての住宅という視点について質問をさせていただきたいと思います。
現在、消費者が、ニーズにかなう選択を安全かつ適切に行える市場となっているかどうか、それが、住宅購入、建設、改修等のさまざまな部門において問われていると思います。
例えば消費者と事業者との間には、知識の差や情報の格差の問題がございます。住宅の購入や建設、賃貸、リフォーム等を行おうとする消費者が、ニーズにかなう選択を安全かつ適切に行うためには、住宅の質と価格の妥当性や、事業者の能力、信頼性等を判断するための十分な知識や正確な情報が必要でございます。しかし、消費者に必要な情報が提供されるための仕組みが、必ずしも十分とはいえない状況にあるかと思います。
その他、住宅の品質についての消費者の不安の声が聞こえております。また、住宅取引時のトラブルの発生など、住宅市場にはさまざまな問題が存在しております。
こうした状況を踏まえ、都は、どういった住宅市場の実現を目指すべきと考えて、取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。
○瀬良住宅政策担当部長 目指すべき住宅市場についてでございますけれども、住宅や住宅に関連するサービスは、その多くが市場を通じて供給されております。一方、住宅市場におきましては、消費者への的確な情報提供や住宅の品質、性能の確保などの課題がございます。
都といたしましては、市場の透明性や競争性を高め、新築から中古、リフォーム、賃貸を含めた市場全体を活性化し、都民の多様な選択肢の中から、暮らしに合った住まいを円滑かつ適切に選べるようにすることが必要であるというふうに考えております。
○中山委員 今、ご答弁がありましたような考え方で進めていくためには、単に法に根拠を置く、許認可業務上の指導にとどまっていてはだめかと思います。民間任せではなく、行政として一定の方針を持って取り組みを進めていくべきであります。
これまで都は、住宅市場に対し、どのような働きかけを具体的に行ってきたのか、お伺いをいたします。
○瀬良住宅政策担当部長 住宅市場におきまして果たすべき行政の主な役割といたしましては、情報提供、相談体制の整備や住宅関連事業者への働きかけ、そういったことがあるというふうに考えております。
都では、情報提供、相談体制の整備といたしまして、賃貸ホットラインの開設、マンション管理ガイドラインの作成、安心して住宅を売買するためのガイドブックの作成などを行ってまいりました。また、事業者への働きかけといたしまして、東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例の制定、住宅リフォーム事業者行動基準の策定、地域工務店から消費者への情報提供の手引などの作成などを行ってまいりました。
○中山委員 今のご答弁でございました、東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例の制定、これは大変重要な視点であったかと思います。いわゆる東京ルールということでございますけれども、単なる許認可の法的なお仕事だけではなくて、本当に、都民の中にある住宅問題を解決していくためのルールづくりというものを通して、市場に働きかけていく大事な取り組みであると思います。
都民が一人の消費者として、ニーズに応じた住まいを安全に選択できる市場を実現していくために、今後、都はどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
○瀬良住宅政策担当部長 都といたしましては、市場がその機能を最大限に発揮するように、引き続き情報提供等により市場の環境整備を図るとともに、民間事業者等との連携、協力を図っていくことは重要であるというふうに考えております。
こうした取り組みを通じ、環境負荷の低減や住宅の長寿命化など新たな課題に対応した住宅施策を展開し、都民が、それぞれの価値観やライフスタイル、ライフステージに応じた住まいを、安全かつ適切に選択できる市場を実現してまいります。
○中山委員 今、ご答弁にございましたけれども、住宅の長寿命化それから環境負荷の低減ということでのエコという視点、さまざまな面で、新しい、住宅の品質を問われる視点が出てきているということであるかと思います。またさらには、外国人の方も多く日本に暮らすことが今後予想されてまいります。
そうした面で、住宅に関するトラブルというものを解消していくためのルール、それを市場の中に制度として組み立てていく、それは大事な視点ではないかと思います。むしろその法的な規制、権限というものも、必要に応じて東京都が国に対して要望し制度を変えていく、必要な権限があるならばそれを獲得していく、そういうことも大事かと思います。
そうした中で、私は、財団法人の東京都防災・建築まちづくりセンターが実施されている民間賃貸住宅に入居する高齢者などに対する見守りサービス、いわゆるあんしん入居制度に非常に関心を持っております。このあんしん入居制度創設の背景とこれまでの登録件数についてお伺いをいたします。
○宇多田参事 あんしん入居制度についてでございますが、平成十三年四月の高齢者の居住の安定確保に関する法律の制定を契機に賃貸住宅への高齢者の入居を支援するため、同年十月に、本人の費用負担により、高齢者の見守りや万一の場合の葬儀の実施、残存家具の片づけを行うあんしん入居制度を創設いたしまして、財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターにおいて運営、実施しております。
制度創設以来、平成二十年九月末現在までの契約件数は三百二十三件でございます。
○中山委員 高齢者の方が入居をする際に大家さんから断られてしまう事例があるということから、私どももその制度の創設を強く要望してまいりましたし、また、不動産事業者の方々にご協力いただいて、その紹介をしていただくという取り組みも推進してきていただきました。
現在、総計で三百二十三件、昨年十九年度は七十五件、ことし九月末までの段階で三十五件ということでございますけれども、これは新規登録だそうですけれども、これが多いか少ないかということに関しては、まだまだ確かに少ないという面はあるかと思います。ただ、この制度がなければ、その三百人ほどの方々は入居できなかったかもしれないという点では非常に大事な制度であると思います。
ただ、これをより多くの方に、また、より気軽に利用していただけるようにしていくために、これを単なる福祉的なお仕事として都庁が直接やっているというだけではなくて、民間部門もそうした視点から工夫を凝らせるような取り組みを誘導していくことが大事ではないかと思います。適切かどうかわかりませんけれども、例えば将来の住宅の確保に関する保険商品等の開発とか、特定瑕疵担保保険というものは出ましたけれども、そうした視点ももしかしたら実際には有効になってくるかもしれません。
そうした面で、都の住宅行政に関するさまざまなご意見、ご要望を都民からいただいていると思いますけれども、それをしっかり分析、検討していくことは、東京都が率先して果たすべき住宅行政の課題というものを明らかにしていく、そうした大事な現場からの声であると思います。これからも積極的にそうした都民要望を分析していただいて、積極的な立案をお願い申し上げて、次の質問に移ります。
都営住宅に関しまして、ことし六月にいわゆる組織改正が公社で行われまして、お客様センター、コールセンターというものが設置されました。このお客様センターにつきましては、開設当初、電話がつながりにくかったということなどがありまして、都議会公明党としましては、さきの第三回定例会の当委員会におきまして、その改善措置の状況をお伺いしたところでございます。また、今月に入り、都議会公明党の当委員会所属議員として、私も、長橋委員ともどもお客様センターを訪問させていただいて、直接お話をお伺いすることができました。
そうしたところによりますと、当初六割弱だった応答率も約九割となり、おおむね円滑に運営されているということでございますが、確かに一〇〇%問題のない応対を実現するということは、これはなかなか難しいことであると思います。けれども、一日千五百件から二千五百件の電話による問い合わせがある、多い場合は四千件もある、そうしたことを考えますと、やはり一括集約をして、いわゆる電話応対という点で、より質のよい応対を求めていくということは大事な視点かと思います。
私の地元足立区でも、電話による問い合わせ窓口を一括化いたしまして、それぞれの業務ごとに、ふだん問い合わせを受けている言葉を全部コンピューターに登録して、電話応対のプロの方々に、その三千件ほどの中から適切に電話応答をしていただいているという取り組みを行っております。実際に事務を行いながら電話にも出て説明するというと、時には、乱雑な扱いをするつもりがなくてもそうなってしまう場合があるかもしれません。でも、やはり、電話応対という点で、きちっとプロの方が丁寧に応対をしながらやってくださるということは、これは効率性からいってもいい点であると思います。
ただし、新たに開設されたお客様センターで居住者の方が不安に感じた点があるとしますと、機械による音声ガイダンスや、ふなれなオペレーターによる画一的な電話応対などに冷たさを感じるような状況があったからではないかと思います。高齢者などに対してはより一層、居住者の立場に立った真摯な対応が求められます。高齢者や障害者への対応に十分配慮しながら、居住者が不安を感じることがないよう、お客様センターでの運営に努めるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○並木経営改革担当部長 お客様センターの運営についてでございますが、これまで公社では、音声ガイダンスになれていない高齢者等に配慮し、音声ガイダンスが流れてからオペレーターに接続するまでの時間の短縮等を行ってきておりますが、さらに、今週から自動的にオペレーターにつながる趣旨の案内を追加するなどの改善を図っております。
また、オペレーターに対する教育において、公社は、採用時の接遇研修や採用後のフォローアップ研修を通じ、高齢者や障害者への対応を特に重要なポイントとして、接遇の向上を図っております。さらに、住戸内設備の実物大模型をお客様センターに設置することや、都営住宅に実際に出向いて現場検証を行うなどの新たな取り組みにより、居住者からの問い合わせに対しわかりやすい説明が行われるよう知識の向上に努めております。
今後とも、引き続きオペレーターに対する研修体制のさらなる充実などに向け、公社を適切に指導してまいります。
○中山委員 私も見学をさせていただいた際に、公社の方の工夫だと思いますけれども、都営住宅の設備の実物大模型というものを見させていただいて、実際にこういうふうになっているんだというようなことを確認しながらオペレーターの方が答えていただく、そういう工夫をしていただいている点はすばらしいと思いました。
また、月曜日に問い合わせが集中するということもお伺いしましたし、通知を出した直後とか、そういうときにも多いと伺いました。実際、問い合わせ件数の想定に応じてオペレーターの方の出勤の状況も変わってきて、調整していただいているようです。これはやはり、直営で正規の公務員の方で雇うということになれば、大変な費用がかかるんではないかなというふうに思います。
そうした面で、取り組み自体は大変すばらしいことだと思うんですけれども、もう一つの課題として、私が当初感じておりましたのは、高齢者や障害を持った居住者の方々の状況をよく知っていらっしゃるのは自治会の役員の方々であり、長年、みずからの地域の都営住宅の業務に携わってきた、窓口センターの職員の方であるというふうに思います。
お客様センターの開設当初は、窓口センターの担当者と直接話がしたいという要望も数多く寄せられたと聞いております。現在、こうした場合には、窓口センターの担当者への速やかな電話の転送が行われるようになったとのことでございますが、ふだんから地域の窓口センターと頻繁に連絡をとることの多い自治会役員の方々にとってみれば、やはりそれは当然のことではないかと思います。
それぞれの団地の実情を最もよく把握している地域の窓口センターの運営が、お客様センターの運営と連動して行われるように取り組むべきでございます。お客様センターの運営をより一層円滑にしていくために、お客様センターとそれぞれの団地を所管する窓口センターとが適切な役割分担のもと、緊密な連携が図れるように検討するべきと考えますが、見解を伺います。
○並木経営改革担当部長 公社のお客様センター及び窓口センターの連携についてでございますが、都としてもその連携が重要と考え、本年六月の公社の組織改正後、両センターにおける居住者対応の実態を把握し、公社に対して、必要な改善措置をとるよう求めてまいりました。
これを受けて公社では、電話の内容に応じ速やかに窓口センターへの転送を行うことや、自治会からの要望などに対しても担当部署への連絡を迅速に行うなどを行っております。また、新たに、お客様センターのオペレーターが窓口センターに出向き、定期的な情報交換を行うこととしております。
今後とも、お客様センターと窓口センターとの連携により、居住者への対応が一層円滑に行われるよう、適時的確に引き続き公社を指導してまいります。
○中山委員 お伺いしましたところによりますと、お客様センターがある場所におきましては、二十四時間三百六十五日、緊急事態に備えて体制をしいていらっしゃるということでございます。
都営住宅におきましては、火災の発生やさまざまな不慮の事態に対する対応が必要となってまいります。そうした意味で、緊急時、例えば大きな地震が発生した後、お客様センターに電話が殺到するというようなことも考えられます。オペレーターの方はどのような体制でお客様センターに来られるのか、そうした集合訓練でありますとか、あるいは、お客様センターがある施設そのものは大変耐震化にもすぐれているし、また、電力の確保という点でも備えがあるというふうにお伺いしておりますけれども、それが実際に役に立たなければ意味がございませんので、そうした点での点検等も怠りなく、今後もご努力をお願いしたいというふうに思います。
最後に、建設発生土対策についてお伺いをして終わりたいと思います。
私の地元には、下水道局が所管する中川建設発生土改良プラント、通称土づくりの里というものがございます。下水道管渠等の新設、更新工事などにおいて発生する土を、埋め戻し用の土として改良するための施設でございます。
仄聞するところによれば、建設発生土対策は下水道局のみならず、都庁全体で進められているそうでございますが、都市整備局は建設発生土対策をどのように進めていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○安井都市づくり政策部長 いわゆる高度成長期におきまして、都内では建設発生土が大量に発生いたしまして、処分地の不足、不法投棄による環境破壊などが社会問題となったことから、都は昭和六十三年に、東京都における残土対策基本方針を定めまして、都などが実施する公共事業を中心として建設発生土対策に取り組んできております。
平成三年七月には、都庁内九局及び建設発生土の再利用機関から成る東京都建設発生土利用調整会議を設置いたしまして、発生抑制、再生利用、再使用、適正処理などの取り組みを進めてきてございます。この会議では、公共工事土量調査を毎年度実施いたしまして、その調査結果をもとに、工事間の利用、再利用機関の受け入れ、広域利用の調整などを行ってきております。
○中山委員 都では、建設発生土対策について全庁を挙げて取り組まれているということでございますが、建設発生土対策の取り組みのうち、再利用、再使用の取り組みについて伺います。
○安井都市づくり政策部長 まず、発生土の再生利用でございますけれども、建設現場で発生した土がそのままでは埋め戻しなどに利用できない状態の場合に、必要な改良を加えまして再び工事現場で利用できる土に再生することをいっております。当局が所管する東京都建設発生土再利用センターなどではこのような改良を行ってございまして、建設発生土が上下水道工事の埋め戻し材として再利用されてございます。
また、再使用の方でございますけれども、建設発生土の性状が良好で、そのままの状態でも工事現場で使用することをいっております。建設資源広域利用センターでは、首都圏各地の都市基盤整備事業と調整いたしまして、建設発生土について再使用を促してございます。
どちらも建設発生土対策にとりまして重要な取り組みでございます。
○中山委員 今、再生利用と再使用についてお答えいただきましたけれども、こうした建設発生土対策が重要な取り組みであることはよく理解できました。
私の地元の、中川の下水道の土づくりの里につきましても、下水道工事を円滑に進めていくためには非常に大事な施設であると思っております。ただ、何せ二十三区のまち中に、どんと八・五ヘクタールもの施設がございまして、地元の住民の方々は、長い間使用していただくのは困るということで暫定利用ということで考えていらっしゃいますし、そういうことを前提にして受け入れたという経緯もございます。
また、将来的には土木工事の量がどのように変化していくのかわかりませんけれども、さまざまな都市施設の更新時期が近づいてきていることも確かでございまして、場合によっては建設発生土というものはふえていく、そして、そのための埋め戻し用の改良の土の確保も重要な課題であるということが出てくる可能性があります。
今後の都の建設発生土対策の見通しと対応についてお伺いをいたします。
○安井都市づくり政策部長 データが確定している最も新しい年度は平成十八年度でございますので、この年度では、都などの公共事業による建設発生土は約二百三十五万立米となってございます。この年度からさかのぼる過去五年間の推移を見ますと、おおむね二百万立米ぐらいで横ばい状態でございます。
今後の見通しにつきましては、公共事業の動向や、大量の土の掘削を伴う工事がどのくらいあるかというようなことに左右されるわけでございまして、確定的なことを申し上げるのはなかなか困難というふうに考えてございます。
都といたしましては、引き続き、東京都建設発生土再利用センターや建設資源広域利用センターなどの再利用機関を活用し、再生利用、再使用をできる限り促進していくとともに、東京都建設発生土利用調整会議を通じまして公共事業者などに発生抑制を促しまして、環境保全や建設資材の循環に努めてまいりたいと考えております。
○中山委員 土木工事で発生した土を埋め戻す場所は、比較的確保しやすいかと思いますけれども、その埋め戻し用の良質な土を確保していく、山砂利等の採取等を防ぎながらそれをやっていくということは大変な課題であるかと思います。
今後とも、再生利用を行う施設や受け入れ地の充実を図り、建設発生土対策に力を、全庁的な視点から各局とも連携しながら取り組んでいただきますようお願いをして、私の質問を終了いたします。
○高橋委員長 この際、議事の都合によりまして、おおむね十分間休憩いたします。
午後五時十四分休憩
午後五時二十七分開議
○高橋委員長 休憩前に引き続きまして委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○植木委員 私も、住宅問題について幾つか伺いますが、最近起きている賃貸住宅関係についてから行きたいと思います。
賃貸住宅を借りようとしますと、不動産業者から保証人を立てるように求められます。ところが最近は、高齢化や核家族化の中で保証人が立てられないケースや、外国人などはもともと日本国籍を持った保証人を立てることが困難な状況もあります。そういう中で、契約にかかわって、連帯保証を一時的に代行する保証専門の会社がふえてきています。また、物件の管理を請け負う会社などもふえるなど、新しい形態が出てきています。
中には、一部悪質な業者が存在していることが社会問題になっています。ところが、法的には不動産業法にも触れないなど法的整備が整っていないこともあり、東京都の不動産業課や消費者センターに相談しても十分な対応がないとか、あるいは東京都の借地借家人組合を紹介すると。借地借家人組合の方では、都から紹介されてきたということで相談に乗る例もたくさんあるといっていました。
ここにAさんという名前はいえませんけれども、保証委託契約書があります。この例でいきますと、不動産の契約時に、私には保証人がいるんだ、こういうふうにいったんだけれども保証会社を紹介されて、保証委託契約をしなければだめだといわれて、しようがない、これを書いたと。ところがこの保証会社との契約書の中に連帯保証人を書かされると。仕方なく親に保証人、書いてもらった。一体何のための保証契約かというんで相談に来た例なんですね。
そうしましたら、保証会社に毎年一万円の保証委託料というのが払われるんだそうです。いざとなると一時的な保証もなくて、父親に厳しく取り立てをやったというんですよね。一体何のための保証会社かというのを思うんです。そうしますと、保証会社は毎年一万円の手数料を取る、それから不動産屋も保証会社から手数料を取る、こういう関係ができている。
それから私の友人の例では、賃貸契約書にきちんと保証人を立てているのに、今度は、紹介された管理会社から保証会社と契約しなければだめだと。既に保証人を立てているんだからといっても、保証人を立てなければ賃貸契約を打ち切る、こういうことでトラブルが出てきているんです。借地借家人組合からお聞きしましたら、こういう例はたくさんあるんだそうですね。
家賃が一日でもおくれるとかぎを取りかえて法外な取りかえ料を取ったり、賃貸物件に無断で立ち入って追い出す。ひどくなるとやくざまがいの電話やおどし、張り紙、本人の承諾なしに持ち物が処分されてしまう例もある。明らかに違法の場合には、まだやれるんですけれども、違法すれすれのものもふえて、相談がふえてきている。
ですから問題は、明らかに犯罪となれば警察も関与できるから警察に頼む、しかし法の網の目をくぐってやっている。それから、借りる方も賃貸料の入金がおくれがちだという負い目もあって問題になりにくい、こういう例もある。東京都も、不動産業法の範囲外だ、こういって対応し切れていない、こういう問題があると思うんです。
そこでお聞きしますが、こういう最近の保証会社のトラブルについて、どのように受けとめておられるでしょうか。
○松村住宅政策推進部長 保証契約に関する相談につきましては、十九年度でいいますと、全体で一万六千件のいわゆる相談件数のうち三十二件ほどございました。それから今年度についても半年で八千四百件ですけれども、それで三十数件というふうなことでございまして、件数的にはいわゆる総相談件数に占める割合は少ないと。
ただ、我々こうした相談につきましては、先ほど植木委員がおっしゃったように、例えば警察に相談すべきような事案については警察に、あるいは消費者生活センターに、あるいは、もうちょっと保証会社と直接交渉したらどうかというふうなことで、適切に対応しております。
○植木委員 そんな生易しいものじゃないんですよ、一日おくれたらもうかぎを取りかえちゃうんですから。それで相談に行って今のような対応じゃ、どうするんですか。
そもそも保証会社との契約は任意であるはずですよ。さっきの例のように、もともとの契約書で保証人を立てているのに、何で保証会社を立てなきゃいけないんですか。理由が全くないでしょう。だから、任意だということをやっぱりちゃんとはっきりさせる、それはもう不動産業法からいったってそうですよ。
それから、保証会社や管理会社がこういうところに、介在するという言葉はおかしいかもしれませんけれども、立ち会うようになるのは、結局、大家さんから紹介される例もあるけれども多くは不動産業者が契約時に紹介する、これが通常ですよ。ですから、やっぱり保証会社と不動産会社両方への対策が私は必要だと思っています。
それでまず、当事者の保証会社についてですけれども、もちろんすべてが悪いわけではないんですが、一部の悪質な事例について、ほうっておけば業界全体の信用が崩れるわけですからやはり業界を指導する必要があると思うんです。その意味で、業界の上部団体ですね、正式な名称がちょっとぱっと出てこないんですけれども、管理会社の方々ですよね。それからもう一つは、当事者の賃貸保証制度協議会ですよね、これに対して適正化のための指導をする必要があると。もちろん、これまで皆さんの努力で自主ルールはつくってあるといっても、実際には問題が起きているわけですから。
それで、一つは、業界への指導はどういうふうになっているのか、それから、こういう一部の悪質な業者はこういう協会に入っているのかどうか、もしご存じでしたら教えていただきたいと思います。
○松村住宅政策推進部長 保証会社に対する業界団体、これも、保証業務に関しては、我々都市整備局はいわゆる宅建業法に基づく宅建業者に対する指導を所管しておりますので、そうしたことについては所管する立場ではございません。
それから二番目の、業界団体でどのような団体が加入しているかと。一応、三十九社が、何か保証会社の協議会をつくっているというのは聞いていますけれども、それ以上のことは承知しておりません。
○植木委員 業界は、法的には限界があるというお話ですよね。これでいいのかということをやっぱり考える必要があると思うんです。
それから、先ほどいいましたように、不動産業者が本当に契約時にそういう説明を行っているのか、これは任意ですよと。こういう点について指導を行っているのかどうか。賃貸保証制度協議会なんかのようないわゆる管理会社の組合の自主ルールのようなものが、不動産業界にはあるのかどうか教えていただきたいと思います。
○松村住宅政策推進部長 宅建業者がいわゆる保証会社を紹介しているというふうなことは事実だと思います。ただ、それに応じて、個々の物件について借り主と業者が契約を結ぶというふうなことでございまして、これも先ほども申しましたけれども、賃貸保証契約は、宅建業法取引の範囲外でございます、家賃保証会社と借家人との間の契約の問題であるというふうに考えております。
○植木委員 あくまでも法の外だということなんですけれども、不動産業者が契約時に紹介したりする場合、問題が起きた会社、少なくともこういうところについては紹介業者からは外す、このぐらいのことはちゃんといえるんじゃないですか。それから、あくまでも任意なんだよということは説明できるんじゃないですか、いかがですか。
○松村住宅政策推進部長 個々の物件によって宅建業者が家賃保証会社を紹介しますけれども、物件によっては、そういった保証会社との契約が条件というふうなこともございます。そういう意味では、そうした物件が条件に合わなければ、基本的には個々の物件でそういった形でその物件をやめて、逆にいうと、違う物件を探していただくというふうなことが基本ではないか、こう思っております。
○植木委員 基本はそういうことだというんですが、この私が最初に紹介した人も、そこまで問題になるとは思わなかったんです。問題が起きて初めてわかって相談に来ている、こういう事例なんですよ。
だから、もちろん詳細に読んで、あるいは詳細に説明がされていれば違っていたかもしれないということは当然あると思うんですけれども、やっぱり不動産業者として、最低限、問題があったところについては紹介対象から外す。それから保証契約については、これはあくまでも任意ですよということは説明する。このぐらいのことはやっぱりできるんじゃないですか。もう一度お願いします。
○松村住宅政策推進部長 保証契約自体は、これはいわゆる宅建業法に基づく重要事項説明の対象外でございます。
そういう意味でいうと、保証契約を結ぶかどうかということについては、個々の物件で、それが条件になっているということはあるかもしれませんけれども、逆にいうと、そういうことを十分承知しながら個々の契約者がいわゆる保証契約を結ぶかあるいはそういうのが嫌なら連帯保証だけにするかとか、そういったふうな形で対応すべきだと、こういうふうに考えてございます。
○植木委員 あくまでも、問題があったところは外すということも、指導しないと。それから任意であるということも、説明はしないと。これは業法の外だということなんですよね。これは本当に私はおかしいと思うんですよね。多分これは、やりとりしていても同じ答弁の繰り返しになるのでこれ以上いいませんけれどもね。
じゃ、さらに、保証会社の最大手のリプラスという会社が最近倒産して、この十月二十四日に管財人が決まりました。九月の末に次のスポンサーが内定したと。内定ですからどこまで進んでいるのかというのはわからないんですけれども、ホームページを開きましたら、これが業界最大級で、保証契約が五十万件と、こうなっているわけです。実は、私の地元の中野区でも、お年寄りなどの保証人が立てられない方にこの会社を紹介している、こういうお話でした。
それから、こういう保証会社、ここと限るかどうかはちょっと確認できていませんけれども、いろんな業界があるから--多分いろんな業界だろうと思いますけれども、十数区市あるというふうにマスコミでは報道しておりました。
じゃ、そういう方々が、次期が内定したからうまくいくのか、その辺がまだホームページだけではちょっとわからないんですけれども、こういう方たちがどのようになるのか。それから一般の人たちが、倒産をしたときにどうなるのか、こういう点について何か実態や状況を把握しているでしょうか。
○松村住宅政策推進部長 保証会社の倒産ということは新聞で承知しておりますけれども、その実態等については、これは所管外のことでもありまして承知をしておりません。
○植木委員 それからもう一つ、こうした安い住宅を求める住民をねらった商法に、全くこれまでと発想の違ったゼロゼロ物件と称した悪質商法も、最近トラブルが頻発しています。
これは、かぎを借りて、そのかぎに附属している居室を利用できるということで、これも私、契約書をお預かりしてきましたけれども、一時使用契約書となっているんですね。
この契約書の中には、わざわざ賃貸契約ではないということが盛り込まれている。それから、一日でも入金がおくれると使用停止ということで、追い出すということになっている。それから、追い出した後は、再利用手数料、つまり普通の住宅でしたら再契約あるいは更新ということになるんでしょうけれども、再利用手数料というのが、これが法外なんですね。それから、月額利用料は諸事情によって変更することがある、これは賃貸物件であるとすれば家賃の値上げに当たる問題ですね、つまり家賃を勝手に変更できると。それから、生存確認を行った場合は一万五百円の生存確認出張料といって、無断入居を合理化している、これも契約書に書いてあるんですね、びっくりしました。こういうのもある。
このたび、ある入居者の方がゼロゼロ物件の不動産会社を東京地裁に提訴して、これから裁判が行われると思うんですけれども、こういう不動産会社についてはどのような認識をされているでしょうか。
○松村住宅政策推進部長 お話しのゼロゼロ物件については、不動産会社との、いわゆる宅建業法上の取引ではなくて使用貸借ということで、逆にいうと法を逃れたというふうなことで、これにつきましては、消費生活条例とかそういう違反あるいは刑法上の違反というふうなことで摘発されたということでございまして、宅建業法上の問題ではないというふうなことでございます。
○植木委員 まだ摘発までいっていないんですけれども、告訴をされたということですよね。
ただ、今、ちょっと幾つかの事例、私の知る範囲ですから全体からすればごくわずかかもしれません。しかし、これだけの事例を見ても、住まいにかかわる問題について東京都が関心を持たなくていいのか。これが実は問題なんですよ、私がいいたいのは。
もちろん、犯罪と明確になった部分については警察にお願いすることは当然だし消費者のトラブルの範囲内のものもあるでしょう。しかし、住まいにかかわる問題でこういういろんな事例が出てくる、実態も把握していない、これではやっぱり住宅を担当する者として私は不十分だと思うんですよ。
そういう意味で、私は先ほど、都としてそれぞれの業界に指導をきちっとしてほしいということを一ついいました。同時に、不動産業課になるのかわかりませんけれども、そこがきちんと相談の窓口、もちろんその整理の先はいろんなところを紹介したらいいでしょう、そういう窓口として、はっきりさせる。それから実態をつかむ。これは最低やってほしいんですよ。
それから先ほどいったように、不動産業者が、トラブルが発生したあるいは悪質だと明確になったようなものは外すとか、任意であるということについては、皆さんがつくったすばらしい、なかなかいいあれですけれども、賃貸住宅トラブル防止ガイドライン、これに盛り込むように私はしていただきたいというふうに思うんですが、いかがですか。以上四つぐらいいましたけれども。
○松村住宅政策推進部長 じゃ、最後からいいますと、費用負担の問題等というふうなことで、実態調査をするというふうなことでございますけれども、私どもとしては、これはいわゆる保証会社の問題というふうなことで、件数的にも本当に全体の総相談件数からした割合については、まだそういったことは少ないというふうなことで、実態調査をする考えは今のところございません。
それから、費用負担というか、住宅政策での問題はどうかというふうなことでございますが、私どもは、そういう意味では、住宅政策というのは、いろんな形で民間を誘導していくというふうなことがございますけれども、例えば今、委員がおっしゃるような形で規制、指導しようというふうなことについては、基本的にはやはり法的根拠というのが必要だということでございますので、そういった中で、私どもは、相談というふうなことで最大限の努力をしているというふうなことでございます。
○植木委員 そうすると、不動産業課をちゃんと相談の窓口として認定するという、そういうことでよろしいんですね。
それからもう一つ、さっき答えなかったんですけれども、短い時間の質問ですから私は荒っぽくいっていますけれども、もちろん丁寧に検討して、トラブル防止ガイドラインに入れられるもの、入れられないものをちゃんとしんしゃくして、少なくとも次期改定のときには入れてほしいと。この二点。
○松村住宅政策推進部長 不動産業課の相談につきましては、そういう意味じゃ、保証会社の件につきましても、どういったところが相談窓口かというふうなことも含めて適切に対応しております。
それから、トラブル防止ガイドラインにつきましては、これは、どういう形で借り主と貸し主の費用負担をするかというふうな宅建業法の問題でございまして、そうした保証会社の問題について、これをそういったガイドライン等に入れる考えはございません。
○植木委員 あくまでも入れないと頑張っているんですけれども、なぜそもそもこういう悪質な事例が出てきたのかというのを、私は、住宅を担当する者としてここで考えてほしいと思って、この質問をしているんです。
というのは、社会的な背景というのは、安定した収入がない派遣労働者や日雇い同然の働き方、最近のひどいのは、一日派遣のもありますよね。そういう方がふえてきて、こういう収入が不安定な勤労者、貧困層、こういうところをねらった行為ともいえる内容だと私は思うんです。悪質な例ですよ。
そういう意味では、そういう人たちは、きちんと払いたいけれどもおくれがちであったりする、払えないから負い目になる、収入があったときに払う、こういう関係があるんですよ。おくれちゃいけないんです、払わなきゃいけないんですけれどもそういう現実がある。これをねらった行為なんですよ。
だから一日でもおくれたら、もう本人の承諾なしにかぎを取りかえちゃうんですよ。最悪の場合は荷物まで出しちゃうんです。職場にも電話をかける、脅迫まがいのことまでやる、こういうことだから社会問題になっているわけです。だけれども件数として表に出てくるのは少ないですよ。実際は、だけど、みんな保証会社と契約していますよ。トラブルが起きたときに初めてこういう--契約書をいっぱい私ももらってきましたけれども、事態が明らかになる。
だから、そういうところで、法律的に関係ないといって手が出せないということにしてはいけないんじゃないかと、住宅、人の営みに対してね。
もちろん不正はちゃんと--する。同時に、都として不十分、できないんなら、国に対して、こういうことをやるべきではないかという提言ぐらいしたらどうですか。いかがですか。
○松村住宅政策推進部長 先ほども申し上げましたとおり、これにつきましては、保証会社については、私どものいわゆる所管の外というふうなこともございまして、それを私どもの方から国の方に提言するというふうなことは、現在のところ考えておりません。
○植木委員 本当に何にも考えていないという感じですね。私は非常に残念だと思いますよ、人間の住まいですから。どこで解決するのかというのは、確かにいろいろあると思います。どこで解決するのか、少なくとも不動産業課に相談が来ているわけでしょう。借地借家人組合に紹介して終わりにするなんていうんじゃ、やっぱりお粗末だと私はいいたいと思います。
いずれにしても、こういうことについてはぜひ、今後、この裁判の行く末はわかりませんけれども、裁判の結果によって少なくともこのゼロゼロ物件--悪質なゼロゼロ物件ですよ、なくなってほしいと私は思っていますけれども、どうなるかまだわかりません。
しかし、こういう低所得者や住宅困窮者あるいは若者や派遣、こういう実態があるわけですから、もしそこで賃貸住宅として何も手が打てないというのならば、都として家賃助成というのを考える、私は、そういう手だてもあると思うんですね。
私どもは日本共産党として家賃助成の条例提案を行いましたし、東京都にも繰り返し求めてきましたが、いまだにやる気が見えてこないんですけれども、これまで東京都は、国が本来やるべきものだというふうにいっておりました。
こういう家賃助成というものの効果というんでしょうかね、種類はいろいろありますけれども、区市町村ではやっているところもあると思うんですが、家賃助成についての効果についてはどのように考えているんでしょうか。やることは、いろいろまだお金の問題もあるからとりあえずさておいて、この点についてまず伺いたいと思います。
○瀬良住宅政策担当部長 家賃助成についてでございますけれども、昨年度の東京都の住宅政策審議会での議論がございました。
その中では民間賃貸住宅に対する家賃補助についてご議論をいただき、そしてその中で、家賃補助というのは、低所得者のニーズに基づく住宅選択行動を通じて合理的な資源配分を可能とするとか、あるいは公営住宅の入居者、非入居者間の不公平、あるいは団地の活力の低下といった問題の生ずることのない政策手段だというような指摘もございました。
ただ、他方、家賃補助については、施策対象や給付基準あるいは収入、資産の捕捉、その他財政負担、執行体制など整理すべき問題もある、このようなご指摘があったということでございます。
○植木委員 低所得者のニーズはある、合理的な根拠はある、しかしいろいろ考えるべき課題もあるというご説明でした。住政審ですね。じゃ、これまで私どもは何回か質問していますけれども、東京都としては何かその後検討しているのかどうか、やる気になっていただいているのかどうか、お示しいただきたいと思います。
○瀬良住宅政策担当部長 家賃助成につきましては、生活保護制度との関係、それから財政負担のあり方など多くの課題があることから、都として実施することは考えておりません。
○植木委員 依然として、百年河清を待つように変わらないという考えですけれども、やっぱり低所得者のことを考えた場合に何らかの対策は必要だと思うんですよ。そういう意味で、今後も私たちは求めていきたいし、しかるべきときにはまた条例提案などもしたいので、ぜひ皆さんにもご賛同いただきたいということをいっておきます。
それから、こういう方々に対して、都営住宅としてどうなのかということがもう一つあると思うんですね。
若者の単身者や若者の夫婦が住宅に困窮している現状、こういうところに供給が必要だというふうに思いますが、これまで私たちが質問していたのに対して、優先入居や期限つき入居の募集戸数をふやしたなどという答えが毎回されているんですけれども、総戸数抑制が前提ですから、同じパイの中で片方の枠をふやしても片方にしわ寄せが行く、あるいは別のところにもしわ寄せが行く、こういうことでは、やはりいかがなものかなと思うんですよ。
そういう意味で、若者単身者や若者夫婦、子育て世帯に対して募集戸数増を行うこと、それから建てかえに当たって用地などを単純に売却するんじゃなくて必要なところには戸数増を図ること、それから当然その中に若者単身者や若者夫婦、子育て世帯の枠をつくること、それから何よりも総戸数の抑制を中止して戸数増を図ること、これが、私は東京都として求められていることだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○並木経営改革担当部長 都営住宅の入居についてでございますけれども、若年ファミリー世帯に対しましては、期限つき入居の募集枠の拡大を図るとともに、子育て世帯に対する優遇抽せんや収入基準の緩和等により入居促進を図っております。建てかえを中心として、現在ある戸数を十分に活用しながらそういった対応を図っております。
若年単身者につきましては、民間賃貸住宅市場において単身者向けの住宅供給が多い中で、高齢単身者などに比べ住宅確保は容易であることから、公営住宅法上、施策の対象外となっております。
○植木委員 余り現実を認識していないと思うんですよね。さっきの答弁であったわけですよね、総戸数が抑制的になってきている。それから、民間住宅で入居しやすい条件があるというけれども、先ほど幾つか挙げた例だけでも問題のあるところが出てきているわけですよ。そういうのに対して、本来、都営住宅の役割じゃないかと私は思うんです。
きょうは時間がありませんので、期限つき入居についてはちょっともう別途にしてやめますけれども、ぜひそれは総戸数抑制を取り払って、若者単身者、若者夫婦、子育て世帯、ここをふやしていただきたいということを重ねて要求しておきます。
それから、その一方で入居枠が狭められつつあると。使用承継の問題とかそういうのは、ちょっともうきょうは省きますけれども、特に入居収入基準改定の問題それから家賃値上げの問題、これはまさに入居の枠を狭めるものであるので、私たちは、実は九月に国交省に行って、その前にも交渉や聞き取りは何度かやったんですけれども、改めて家賃の値上げと収入基準改定の撤回を求める申し入れをやりました。
その大枠のポイントは、結局、入居及び明け渡し収入基準の引き下げを決定して入居可能な枠を狭めたということが問題だということを指摘しながら、公募対象が大幅に削減されるということ、それから現入居者のうち約三割が家賃値上げを迫られる、収入超過者は明け渡し努力義務と民間並み家賃が課せられることになる、多くの貧困と格差の広がりの中で、こういう措置はまさにこれに追い打ちをかけるものであると。
先ほど私も公的住宅の必要性を述べましたけれども、こういうものまでさえ枠を絞ってしまうということはやっぱりいかがなものかということで、家賃の値上げ、収入基準改定にかかわる公営住宅法施行令の改定の撤回、それから全国一律の基準を改め大都市の実態を踏まえた基準を設け入居枠の拡大や負担軽減に努めること、それから家賃助成の問題や公的住宅の建設の問題も含めて幾つか求めたんですけれども、基本はこの入居収入基準改定の撤回の問題なんです。
都として、こういう入居を狭めることに対して、国に対して何か物をいったことはあるんでしょうか。
○並木経営改革担当部長 今回の入居収入基準の政令改正は、住宅セーフティーネットの中核である公営住宅を、住宅困窮者に公平かつ的確に供給するためのものであり、国において政令において定められ、既に来年四月から施行されることが決まっております。
これについては、改正の内容も、入居収入基準を適切な額とすべきとの東京都住宅政策審議会の答申や、東京都住宅マスタープランの内容とも整合するものであることから、改正の趣旨に沿って適切に実施していきたいというふうに考えておりまして、そういったことで国に対しても対応してございます。
○植木委員 つまり家賃の値上げ等、入居収入基準の改定は撤回する考えはない、こういうことなんですよね。
じゃ、都としてどうかという問題がそうなるとありますけれども、これまで私どもが何回か話し合いをしたり交渉したり、申し入れもしてきましたけれども、既存入居者の家賃が値上がりになる場合、五年間については段階的に経過措置を講ずるとか、収入区分が上がる場合については経過措置期間を検討する、こういうふうにいっていました。
いずれにしても、これが来年度四月からということになるわけですから、どういうふうになっていくのかということを詳しく説明していただきたいのと、あくまでもこれは経過措置であって結果的には上がっていくわけですよね、一般的には。
そうなるとやっぱり入居枠が狭められたという、私の指摘どおりになると思うんですけれども、そこのところはいかがでしょうか。
○並木経営改革担当部長 まず、政令改正に伴う都独自の激変緩和策でございますけれども、本年の第三回定例会でご答弁を申し上げましたとおり、まず、家賃の上昇額が他の世帯に比べてより大きい、収入区分が二段階上昇する世帯については、政令による五年間の経過措置期間を延長する方向で検討を進めてございます。また、円滑な実施に向けて十分な準備を行う観点から、家賃改定の適用時期について一定期間延ばすことも検討してございます。
経過措置期間後の対応ということでございますけれども、これにつきましては先ほど申し上げましたとおり、今回の政令改正は、住宅セーフティーネットの中核である公営住宅を的確に供給し、入居者、非入居者間の公平性を確保する観点から定められておりますので、その政令に従って、これは対応されるものというふうに考えてございます。
○植木委員 結果的にいえば、これまでの私どもの聞いたのと変わっていないですよね。経過措置の後はやっぱり値上がるということの説明でした。これじゃ、やっぱり入居枠が狭まるということの証明そのものじゃないですか。だから、そういう意味で、一連の低所得者対策としての公営住宅の役割、それから求められているもの、こういうものを勘案して、私は、これについては引き続き働きかけていきたいというふうに思っています。多分同じ答弁が何回やっても返ってくると思うんで。
公社住宅についてもちょっとお聞きしたいんですが、公社住宅は、建てかえに伴う問題と戸数を減らすという問題が今、出てきています。公社の再編整備計画が出されて五年ほどたっていると思うんですけれども、現在までどれだけ建てかえに着手をしているのか、今年度三カ年計画も出しているわけですけれども、それも含めて何団地、何戸、着手になるんでしょうか。
○松村住宅政策推進部長 公社が平成十五年五月に作成した再編整備計画でございますが、昭和三十九年以前に建設された約一万九千戸の住宅を、平成三十七年度までに約一万七千戸の住宅に再編整備することとしております。また、計画の対象となる昭和三十九年以前に建設された団地は六十四団地でございまして、既に建てかえをした、あるいは実施スケジュールを示した団地は二十七団地でございます。
都としては、貴重な賃貸住宅資産を有効に活用する上で、公社が再編整備計画を引き続き着実に進めていくことが重要であると考えております。
○植木委員 二千戸減らした。そうすると、残りの未着手は何団地、何戸になるんでしょうか。
○松村住宅政策推進部長 六十四団地のうち着手したのが二十七団地--事業済みまたは事業廃止をした団地が二十七団地でございますので、残りが三十七団地でございます。
○植木委員 私も計算しましたら、三十七団地の一万四千九百戸残っていると。このうち、一万七千戸に--つまり二千戸減らすということですから、これでどこまでこの中で減るのかちょっと正確にはわかりませんけれども、残りの方がはるかに多いわけですね。
現在はどういう段階かというと、五年たって今後の二年の計画は出していると。そうしますと、平成十五年から考えると平成二十五年まで、残り区間は、着手をしていない団地を計算しましたら十九団地、五千九百戸以上が残っているわけですね。それを残りの二年程度でやると--当初十年期間のことをいっているんです。さらに目標の三十七年までというと、もっとたくさん出てくるわけです。当面の当初計画区間である十年間のうち、十九団地、五千九百戸以上残っている。
そうしますと、十年間ぐらいまでは、できるかできないかはちょっと別としても、つまり、ことし、来年、再来年まで出してあって、二十五年まではこれとこれとなっているんですからある程度はわかるけれども、その先は全くわからない。目標の平成三十七年度。そういう意味では、今後の見通しを居住者に示す時期に来ているんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○松村住宅政策推進部長 再編整備計画に基づきまして、いわゆる三カ年のアクションプランに基づきまして個々の事業を実施しております。それで、個々の団地の再編整備計画の実施時期につきましては、事業を取り巻く経営環境とか地元区の調整などを踏まえて決める必要がございます。こうしたことから、公社では、責任を持って居住者にスケジュールを示せるのは三カ年が限度、いわゆるアクションプランの三カ年というふうなことでございます。
都としては、公社の賃貸住宅の再編整備は、公社が自主自立経営を進める中、公社の経営責任により適切に対応している、このように考えております。
○植木委員 なぜ住民の方々が心配するかというと、直下地震がいつ起きてもおかしくないといわれている、その一方で、建てかえ対象だから平成三十七年までは耐震診断も耐震補強も対象になっていない、こうなっているわけですよ。そうすると、残りあと十七年間待っていなさいと、こういうことで見通しも示さない。これは心配するのは、私は当然だと思うんですよ。
それから、建てかえについて、当然手続的にはいろんな問題はあると思いますよ。一団地の網を外さなきゃいけないとか、周辺の関係とか地元自治体の関係とか住民との関係、いろいろある。それだけに、五年たってあと二年だし、最初の十カ年しか計画が出ていないわけだから、そうすると、今年度か来年度かわかりませんけれども、少なくとも、その後の見通しについてはやっぱり今の段階で示していく必要があるんじゃないかと思うんですよ。
そういう意味で、お聞きしたいのは、十年間待てということでいいのかどうかということと、もう一度こういう--いろんな手続があるんだから、耐震診断の問題もあるんだから、ある程度の見通しは大枠でも出せるはずだと思うんですけれども、いかがですか。
○松村住宅政策推進部長 計画を出せということについては、先ほどお示ししたとおりのことでございまして、いろんな地元の調整等もありますので、三カ年が限度だということでございます。
それから、耐震の関係につきましては、住民の方は心配しておりますけれども、公社は、公社が昭和三十四年以前に建設した団地につきましては、再編整備計画の前半部分、おおむね平成二十五年度までには再編整備しますということで耐震の問題はクリアしております。それからまた、昭和三十五年以降、昭和五十六年の新耐震基準以前に建設した住宅につきましては、平成二十一年度までに耐震診断をし平成二十七年度までに耐震化率九〇%を達成するというふうなことで、耐震化については、国及び都の耐震化の方針に基づきまして対応しておるということでございます。
○植木委員 耐震診断、耐震補強の対象になって、やる、という計画になっているのは順次やるからいいんですよ。問題は、建てかえ対象になっているよといわれた人たちがどうなるかというここのところについて、個々の一つ一つの団地を示せればいいけれども、確かにおっしゃるとおり詰めなきゃならない問題はあると思うけれども、最初の十年間を出して三年ごとに出すといったけれども、その先についてはそろそろ出していかないと見通しがますます暗くなっていくわけですよ。そういうことをいっているんですよ。何も個々の団地できちっと出せといっているわけじゃないんですけれども、しかし当年度も含めて三年出してある、それから当初十年。そうすると、その先がどうなるのか、耐震診断の関係もあるからみんな心配しているわけですから、そろそろ出さなきゃいけないんじゃないかと思っていっているんですけれども、いかがですか。
○松村住宅政策推進部長 また何度も繰り返しますけれども、公社が、事業を取り巻く経営環境等を配慮しながら公社の経営責任により適切に対応していく、このように考えております。
○植木委員 経営責任といいますけれども、当期純利益というのが六十五億円も上がって、積み立てもやっているんですよ。引当金なども含めれば相当な金額ですよ。それはきょう、論議し出したら時間がないからやめますけれども、当期の純利益だけでも六十五億円なんですよ。だから当然、建てかえについて、あるいは今後の計画についてももうちょっと前向きなことが必要だし、耐震診断も必要だというふうに思います--聞いても同じ答弁でしょう。だからそういう繰り返しの答弁じゃなくて、少なくとも進んだ答弁を今後いただきたいということを重ねて強調したいというふうに思っております。
それからもう一つは、コールセンターの問題ですけれども、一週間前に私どもに電話が来ました。何度電話してもかからないというお話でした。これまでうちの河野議員が、都市整備委員会でも決算委員会でも質疑をやりました。現地も見させていただきました。それで先ほど、具体的な、こういうふうに改善をやったよというふうなお話はありました。
私たちは、もともとこのコールセンターというものについてはいろいろ疑問を持っておりました。やっぱり具体的には直接コールセンターでなくて窓口センターなどできちっと対応できるようにすることと、それから当然こういうことで委託業になるわけです。委託になりますと派遣の問題とかいろいろある。それから、指示系統の問題もいろいろ聞いてきましたけれども、こういう、十分検討しなきゃいけない問題もあるというふうに私たちは思っています。
ただ、こういう苦情もあるので改善はしなきゃいけませんから。先ほど改善のお話ありましたけれども、そこでお聞きしたいのは、一つは、なぜ、やるとテープが流れるのかというのは、恐らく古い電話だったりデジタル化していない電話だったりいろんな理由があるはずなんですよね。だから、そういう理由をきちっとして、何度もテープで流すんじゃなくて、そういう人たちには直接、コールセンターになるのか窓口センターになるのか、きちっと受けて、今後はこういうところでやればすぐつながるんですよということをなぜ教えてやらないのか、いつも疑問に思っているんですけれども、そういう丁寧な対応が必要だと思うんですよね。
それから先ほど自治会についても--私たちにもそういう要請がありました、自治会についても改善したというお話がありましたけれども、これはコールセンターに電話をすることになるんですか、それとも窓口センターになるんですか。その辺の確認をちょっとお願いしたいと思います。
○並木経営改革担当部長 まず、音声のガイダンスの話でしょうか。(植木委員「はい」と呼ぶ)これは先ほど答弁したと思うんですが、従来の窓口センターの方に間違って電話した場合にはコールセンターの方に電話をしてほしいということをアナウンスでやっているということですけれども、これにつきましては、なるべく早く、それを、趣旨がわかるように既に改善をしてございまして、自動的にオペレーターにつながるような趣旨の案内をするように、今週からそういう改善をしてございます。
それからもう一つのご質問は、(植木委員「自治会」と呼ぶ)自治会は、今回の改正に伴いまして、お問い合わせにつきましては基本的にはコールセンターで全部一本化して一括して受けることによってサービスの改善を図っていると。わかりやすく統一のとれた対応を行うということで、今回の改善をしたものでございます。
○植木委員 やっぱり実態をよくわかっていないと思いますよ。コールセンターでも、たしかに電話をすると、その他というのがあってそこへつながるんですけれども、その他というのは数番目なんですよ。だからやっぱり何十秒か待つんですよ。だからそういうことが現実にあるということを知っていただいて、直ちに改善できるようなことはできるはずだと思うんですね。
だから古い電話だったり、デジタルなのか何かわかりませんけれども、とにかくいわゆる昔の電話だとつながらないものがあるのは確かなんですよ。そんなことはすぐに徹底できるはずなんですよ。そうすれば一〇〇%になっていくわけですから、そういう直接的な対応が必要だということを重ねていっておきます。
○並木経営改革担当部長 オペレーターからの電話ですけれども、ガイダンスが流れてからオペレーターに接続するまでの時間については、短縮を既に図ってございます。
それから自治会ですけれども、自治会からはコールセンターにかかりますけれども、自治会からの要望に対しましては担当部署への連絡を迅速に行えるように対応してございます。
○植木委員 短縮といいましたけれども、きのう聞いてきたばかりだから、そうなっていないと。まだ時間はかかるんですよ。それはある程度かかるとは思うんだけれども、改善をしてほしいということをいって、これは終わりにします。
それでは次に、東京外かく環状道路について質問をします。
これまで私は、何度か外環問題について質問をしてきました。外環本線の問題それから中期道路計画の問題。中期道路計画も結局見直しに入る、当時私がいっていたとおりになってきました。それから五十九兆円という枠の中にはこの外環は入っているかどうかは不明だというのが、前回、答弁でありました。
きょうは、外環ノ2との関係でちょっと質問をしたいというふうに思います。
ちょっと歴史を振り返ってみますと、昭和四十一年に、外環及び外環ノ2に対しての住民の反対がある中で都市計画決定を強行しました。ところが、都市計画決定を行ったものの反対の声はさらに高まるばかりで、昭和四十五年十月、当時の根本龍太郎建設大臣が、地元と話し得る条件が整うまでこれは強行すべきでないといって、凍結になりました。
当時、環境が悪化する、静かな住環境が壊れる、住民生活やコミュニティが地域分断によって壊れる、住みなれた土地を追われるなど、当時のニュースなどを見てもそう書いてありますけれども、そういうことで反対運動が行われて、住民は政府と東京都に働きかけてきたと思いますけれども、この点についてはどういうふうに受けとめているでしょうか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 外環でございますけれども、お話のように、昭和四十一年に当初の都市計画が決まったわけでございます。その後、お話ございましたけれども、昭和四十五年に参議院の建設委員会におきまして、当時の建設大臣が地元と話し得る条件が整うまでは強行すべきじゃないと、このような発言をしておりまして、それがいわゆる凍結宣言だというふうにいわれておるものでございます。
当時の報道等によりますと、地元住民の反対する理由としましては、生活破壊、公害が心配、地域分断だ、都市計画の提案が抜き打ちだといったようなことで報道がなされたというふうに承知しております。
○植木委員 その後石原知事が、練馬区、武蔵野市を視察して、都議会でも、地下化することを表明したということで、今日まで動いてきているわけですね。私も、武蔵野市の南町の公園、知事が行ったところも周辺も見てきています。
この都市計画決定を提案するに当たって、石原知事が平成十八年の四月二十一日に、当時、記者会見をやっています。大変重要な内容だと私は思っていますが、長いので一部分だけあれしますけれども、こういうふうにいっていますね。
私も現地に行きましたけれどもね、あそこに住んでいる人たちは、計画のもとでね、家を建て直そうと思っても建て直せない、それでとにかく古い家にしがみついて我慢して、どうなることかわからぬ、非常に不安な、不便な生活を送ってきましたが、家をリニューアルされるのも結構でしょう、そういうご迷惑をかけないように、とにかくあの下をくぐる、そういう工法でやりますので、その点はご安心いただきたいと思っております、と知事は述べました。
これはまさに計画決定するときの記者会見ですから、本線を地下にした、地上部の上は建て直してもいい、立ち退きをやる必要はないというような趣旨でいっていると思うんですけれども、これについて都市整備局としてはどのように受けとめているんでしょうか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 ただいまのお話の、会見におきます知事の発言につきましては、私ども存じてございます。
○植木委員 知っているということは承認しているのと同然ですよね、当たり前ですよ。知事の記者会見というのは重い内容ですから、これを皆さんが否定するわけにもいかない--そうですよ。
それで、同様なことを皆さん方もいっていたんです。(資料を示す)ここに、平成十八年六月に国土交通省関東地方整備局と東京都都市整備局が共同で発行しているパンフレットというんでしょうか、こんな厚いんですから書籍でしょうか、これをみんなに配っていたわけです。あるいは置いてあって、持っていってくださいとなっていたわけです。ここには、これまでいただいたご意見、ご提案と計画の具体化の検討等における考え方と書いてある、関越道と東名高速間のところについてですね。
それで、この赤いところがそうなんですけれども、幾つかご紹介いたしますと、例えば七三ページは、地上部の有効活用についての質問に答える形でこういっています。
外環は環境への影響や移転や地域分断への影響を考慮し、大深度地下構造としたことから、地上部の利用が可能となりました、それからこれも七三ページ、大深度のシールド工法を活用した区間では、移転の必要がなくなることから、これまで通りの生活が可能です、といっております。
先ほどの知事の会見と同じですから、地上部はこれまでどおりの生活が可能だということですよね。
ところが今、外環ノ2について皆さんがパンフレットで三つの案を出していっているのはちょっと違うことじゃないかな、こういうふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 ただいまご質問の中で十八年の六月の資料というお話がございましたので、私どもの考えを述べさせていただきますと、外環に関しまして、住民とのさまざまな意見交換の場におきまして、それまで出された意見を取りまとめて、それに対する行政サイドの説明を取りまとめたものというものでございます。その資料の中にもございますように、地上部街路の都市計画についても、るる説明をしてきた経緯がございまして、そういったことがその資料の中にも書かれてございます。決して、外環ノ2が当然に廃止になるということを前提とした説明をしたというふうな認識は、私どもとしてはしてございません。
それと、先ほど、るる意見が紹介されてございましたけれども、それらの回答につきましては、当時の担当者が将来に向かっての可能性の一つを説明あるいは発言したものと、こんなふうに認識してございます。
それで、今やっていることということでございますけれども、地上部の街路の外環ノ2につきましては、本線の大深度への都市計画変更をする際に、その過程で沿線の区市から出された要望がございます。それに対しまして、私ども、十八年の十一月でございますけれども、国と都からこの地上部の街路の必要性の検証を行うと、そういった旨の回答をしているわけでございまして、現在、そのことを踏まえまして、この地上部街路の必要性やあり方について、種々検討を行っているという段階でございます。
○植木委員 余り事実と違うことをいっては困るんですよ。私は、多分そういうだろうと思って、これからいおうと思っていたんですけれども、確かにこの中にはいろんなことが書いてあります。一筋縄ではいかないような内容が書いてあります。だけれども先ほどいったように、移転の必要はないということは、明確に、繰り返し繰り返し出ているんです、これは。
じゃ、もっと明確なものをいっておきます。
地域分断を懸念していますという質問については、六九ページで、外環の整備に伴う沿線地域の地域分断をできるだけ少なくするために外環本線は極力大深度を活用することといたしますと、こういうふうにいっています。
それから大深度区間の地上部の利用についての質問、それから地下の部分の上に住んでいる人の、立ち退き問題がよくわからないという質問に対しては、大深度区間についてはこれまでどおり土地を利用していただくことが可能ですと、ここまではっきりいっているんですよ。それで今の説明というのは全く無責任じゃないですか。もう一度お答えください。
○遠藤外かく環状道路担当部長 先ほど申し上げましたように、地上部街路につきましては、本線の都市計画変更を行う過程で沿線の区市から出された要望に対しまして、私どもは必要性の検証をするという回答をしてございます。それを踏まえまして、現在、この街路の必要性やあり方などについて種々検討を行っているということでございます。
○植木委員 じゃ、これは、当時住民に説明したのはうそだったのかな、本当に心外ですね。
確かに東京都はその後、先ほどもちょっといいましたけれども、三つの方向性を出している。一つは、現在の都市計画区域を活用して道路と緑地を整備する。二つ目が、区域を縮小して車道と歩道を整備する、つまり縮小するけれどもやるよと。三つ目が、代替機能を確保して外環ノ2の都市計画を廃止すると。三つ目になっているわけです、しかも代替機能を確保してと、こういうふうになっている。そもそも石原知事の記者会見でも当時の説明会のときの説明でも、これだけ明確にいっているのがこういうふうに三つになってしまう、これはおかしいですよ。
最初の反対運動のときのことをご紹介しましたけれども、現在でも同じなんですよ。いろんな意見がもちろんありますけれども、私の知っている範囲では、地域分断の問題についてはなかなか全線を調べることはできませんでしたので、一部分を調べてみました。
立ち退きの影響について、武蔵野市では、外環ノ2の計画幅が当時の計画幅でやっていきますと、二百四十棟の住宅が立ち退き対象となる。それから、学区域が分断される小学校が本宿小学校ですかね、それから第三小学校、それから中学校も幾つかある。高校もあるんですけれども高校はともかくとして、小学校の学区域が分断される。それから、地域コミュニティセンターも区域が分かれる。
学区域も多くの町会も分断される、こういうことは当時と変わらないんですよ。何が変わったんでしょうか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 ご質問の趣旨がちょっとわかりかねますけれども、基本的には外環の地上部街路、昭和四十一年に当初計画がされていると。今日までその計画は、都市計画としては存在しているということだというふうに考えております。
○植木委員 当時と状況が変わっていない、むしろ住宅が密集してきているわけです。これは武蔵野市だけじゃないですよ、全体がそうですよね。
そういう意味では、都市計画決定も、もう計画としては成り立っていない。つまり三つの案を出すということは--一度決定されたものを三つの方向性を出す、検討してくれといって出すということは、その決定がもう意味をなしていないということをいっているんですよ、皆さんみずから。でなければそんなことは出さないわけでしょう、今までどおりやりますよということになるわけでしょう。今までどおりやれないから三つの方向性を出したんですよ。
私たちはもともとこれは無理だというふうに思っていましたけれども、東京都の立場に立ってもおかしい。それから、これは当時いっていたことからしてもおかしい。
地元関係者については、武蔵野市長はこういうものを出しています。邑上守正市長ですか、三点ばかりいっているんですね。
一つは、地下方式の構造については地下水の影響や災害時における安全面での知見が少ない状況である、それらに対する見解が十分納得できる根拠となっていない、今後も環境や安全に対する慎重な検討を求める、ということをいっています。
二つ目は、外環ノ2については、沿線地域の住環境保全の観点から、現時点ではその整備の必要性は認識していない、本来、外環本線と外環ノ2は一体として計画されるべき路線であり、本都市計画変更に伴い--これは、外環本線の都市計画決定に伴い、都市計画の変更が必要な路線であると、外環ノ2はね。
それから三つ目は、外環本線の事業着手については、外環ノ2の計画の方向性が明確なものとなってから行うべきであって、現時点では着手は容認するものではない、こういうふうにいっていますけれども、これについてはどんな見解でしょうか。
○遠藤外かく環状道路担当部長 武蔵野市長の意見でございますけれども、都市計画変更に対しましての意見でございます。地上部街路につきましては、地上部街路の計画の方向性がまだ明確でなかったために、今、読み上げられたような意見が出されたというふうに私どもとしては認識しております。
私どもは、武蔵野も含めまして沿線四つの区市がございますので、そういった各区市の意見を踏まえながら、先ほど申しましたように必要性やあり方について検討することをお約束しています。それに沿って今後、広く都民の意見を聞きながら検討を進めて、都の方針をまとめていくという考えでございます。
○植木委員 昭和四十年代の都民の皆さんの反対する理由と、今の皆さんが外環ノ2について反対するものについては同じなんですよ、基本的に。だから、こういう意見が出てくるのは当然なんです。
最初に申し上げましたように、環境も悪化する、静かな環境も壊れる、住民生活、コミュニティが地域分断される、立ち退き問題もある、こういうことについてこれほど明確にいっているわけですから、外環の都市計画決定は取り消すというふうにきちっというべきだということを重ねて強調したいと思っています。
きょう、全体として住宅問題と外環問題をいいましたけれども、私がそもそも思っているのは、都市整備局が住宅局と合体したときからずっといっているんですけれども、先ほどもお話もしましたように、本来、住宅局は多岐にわたって非常に多くの課題を抱えています。公営住宅、民間住宅、耐震化、木造住宅、それから、住宅そのものが人間の営みそのものですから、深い分析や検討が必要です。
これだけ住宅への新たな関心が高まっているときに、今こそ住宅行政に誇りを持って、熱意を持って取り組んでいただきたいし、そのことを組織的に保障する住宅局を、ぜひ改めて設けるべきだということを要望して、私の質問を終わりにします。
○こいそ委員 それでは、大分時間も経過をしておりますので、できるだけ簡略に質疑させていただきたいと思います。
それでは多摩の核都市につきましてからお願いしたいと思いますが、とりわけ核都市である多摩ニュータウンの整備について、まず伺いたいと思います。
多摩地域が活力を持って自立、発展していくためには、多摩ニュータウンを初め五つの核都市の整備が重要であると。これはいうまでもないんですけれども、いずれにいたしましても、核都市が、にぎわいと魅力にあふれた中核拠点として役割をしっかりと発揮していくということの中では、よりさまざまな都の支援も当然必要になってくるわけであります。
この視点から、五つの核都市全体についての整備に向けた東京都の取り組み状況と、それに対する評価について、これからお聞きをさせていただきたいと思います。
○瀧本参事 核都市につきましては、平成十年に多摩の心(しん)育成・整備計画を策定し、整備を行っております。平成十二年には東京構想二〇〇〇において、多摩の心(しん)という名称から、核都市と名称を変更いたしまして、都と地元市において核都市の拠点駅周辺の面整備や交通基盤の整備に積極的に取り組んでまいりました。
多摩の心(しん)育成・整備計画においては、五つの核都市で合計三十二の事業を位置づけておりますが、現在、十事業が完了し、十三事業が実施中となっております。
五つの核都市の整備エリアについて見ますと、過去十年間で、事務所の床面積が倍増しておりまして、従業者数も二割増加するなど、核都市としての都市機能の充実が図られてきております。
○こいそ委員 今、お話ありましたけれども、核都市の中での多摩ニュータウンの位置づけですね。
多摩ニュータウンについては、これまで四十年間にわたって整備が行われてきたということであります。そこで多摩ニュータウンの整備について、これまでの東京都の取り組み、その経過と現在までの整備状況についてお願いをしたいと思います。
○瀧本参事 多摩ニュータウンでございますけれども、高度経済成長による東京の急速な人口増加に伴う住宅難への対応と、急速なスプロール化の防止を目的といたしまして計画がつくられ、昭和四十年に新住宅市街地開発事業の都市計画決定がなされ、翌四十一年に事業に着手しております。新住宅市街地開発事業や土地区画整理事業、関連公共施設整備事業等によりまして、宅地造成、道路や河川などの基盤整備、学校や清掃工場、商業施設等の整備、住宅の建設を行ってまいりました。
多摩ニュータウンについては、住宅の大量供給を主な目的といたしまして事業が始まりましたけれども、昭和六十一年の新住宅市街地開発法の改正によりまして、住宅都市から、多様な機能の立地を図ることとなりまして、多機能複合都市を目指すこととなりました。
現在、新住宅市街地開発事業は終了いたしまして、多摩ニュータウンにおいては、すぐれた居住環境と水準の高い都市基盤が整ったまちが形成されておりますが、引き続き地元市とともにまちづくりに取り組んでいくことが必要でございます。
また、事業開始から四十年がたちまして、初期入居地区においては施設が老朽化しつつあり、また少子高齢化やライフスタイルの変化などもございまして、新たな時代の変化に対して、住宅市街地総合整備事業の導入の検討など、ニュータウンの再生に向けた取り組みも開始されているところでございます。
○こいそ委員 東京都の計画によりますと、核都市の多摩ニュータウン内の整備エリアについて、三つの駅拠点があると。その中で、南大沢、多摩センター、若葉台とあるわけであります。
実際的に多摩センターは、北側の方は東京都の区画整理事業で整備をされ、なおかつ新住区域の、若干、高台の都有地が展開している。しかし南側については、これはもう圧倒的に都市機構が整備を行っている。また、南大沢についてはいうまでもありませんけれども、これもやはりどちらかといえばといいますか、東京都主導で開発が行われてきたんではないかというような感がするんです。若葉台については、これは特に民間主導で行われているんだと。何かてんでんばらばらに、整備が行われているように思えてならないんであります。
多摩ニュータウン内に整備エリアが三地区あると。多摩センターは、実質的なセンター機能としての位置づけが示されていますよね。都は実際的に、現状を見た中でも、どのようにこのセンターの位置づけを考えているのか、このあたりをお願いしたいと思います。
○瀧本参事 多摩ニュータウンにつきましては、多摩市、八王子市、稲城市、町田市の四市にまたがっていること、東西約十四キロメートルにわたる細長い地域であることなどから、今こいそ委員ご指摘のように、多摩センター地区を中核拠点といたしまして、南大沢センター地区、若葉台地区をサブ的なセンターとして整備していくことが必要と考えまして、三地区の整備エリアを位置づけているところでございます。
この中で、多摩センター地区でございますけれども、今、ご指摘ございましたように、センター機能を強化していくべき中心的な地区というふうにとらえてございまして、業務・商業等の多様な機能の集積を図って、多摩ニュータウンの中核拠点としての整備を推進していくということが重要と考えているところでございます。
○こいそ委員 商業・業務の多様な機能の集積を図っていくんだということの話でありますけれども、まさに多摩センター駅周辺でありますけれども、とりわけ中核的な、特にセンター的な機能を担っている。その中で、とりわけ私、今いいましたけれども、南側が都市機構である、北側が、これは民間開発も若干入っているけれども、どちらかといえば東京都の開発で進められてきたということですね。
その中で、同じような、東京都がいわゆる落としていた五つの中における、また三地区における多摩センターという駅の中で、さっきの三駅もそうだけれども、この多摩センター駅そのものもばらばらな開発が、今まで行われてきたんじゃないか。
例えば顕著な例をいいますと、多摩センターの北側については都区画整理事業で行ってきた。私、ちょっとこれは先ほども確認しましたけれども、北側は、一部民間のマンション開発業者が引っ張っている都市ガスはあるけれども、今現在、平成二十年の今に至るまでほとんどプロパンガスということは、これはどういうことなんですかね、はっきりいって。東京都はどう考えているか。
それから、特に多摩センターの駅の南側、これについては、例えば土地売却、さまざまにしても、いわゆる都市整備公団が主導的に市との協議でできますよね、はっきりいって。後に続く中沢もそうだけれども、東京都の存在感というか、いろいろいわれているけれども、東京都の核都市の位置づけの中において、一体どういうように、東京都がここの中でこの都市機能をしっかりと促進させていくのか否か、東京都の責任所在というのは一体どこにあるのか、ちょっと教えていただきたいんです。
○瀧本参事 この多摩ニュータウンの事業でございますけれども、ご案内のとおり、新住宅市街地開発事業と土地区画整理事業によりまして宅地造成が行われてございまして、この造成事業でございますが、東京都それから日本住宅公団、現在の都市再生機構でございますけれども、公社と行ってきたわけでございます。その中で、東京ガス等と、その当時、ガス供給事業のものについてのいろいろな覚書等も結びながら整備を進めてきたというふうな経過がございます。
しかし、東京都が施行した土地区画整理事業のエリアにおきましては、今、委員ご指摘のようにプロパンガスの対応ということで進んでまいりました。これは当時、区画整理事業の中で事業費が膨らむということで減歩率が大きくなるということから、地権者のご了解をいただいてプロパンガスの対応ということで進んできたという経過がございます。幹線道路にはもちろん都市ガスが埋設されておりますので、個々の地権者の自己の負担ということになってしまいますが、幹線のところにはガスが来ているという状況でございます。
そんなことで区画整理が進んできたわけでございますけれども、多摩センター地区でございますけれども、東京都の対応する北側のエリアと、公団の南側のエリアについてのニュータウン駅の周辺でございますが、これは、南北を一体として多摩ニュータウンの中核としてのセンター機能を強化していくべき地区ということで踏まえてございます。
ご指摘のセンター駅、北側は東京都、南側は公団ということでございまして、この南側について、旧公団、現在の都市再生機構が中心になって対応してきたというようなこともございまして、東京都としてのそこへの関与というようなご指摘があったのかというように存じます。
東京都といたしましては、北側と南側を全体的な見地からとらえて、一体的に業務・商業機能等の向上を図っていくことが必要というふうに考えてございまして、今後、この点を重視いたしまして取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○こいそ委員 今、三多摩地域というのは、どうですかね四百二十万近くなったんですかね。この中で東京都が目指す、それぞれのいわゆる政策的なまちづくりはあるけれども、少なくとも局でやっているところは、とりあえず多摩の心(しん)というのは五つですよね。まずは五つ、今までお話があったような中で落とし込んできている。これがそもそも論で、この委員会でもそうかもしれないけれども、それ以前の都市計画局のときにも、私も何回かこういうお尋ねとか質問をさせていただいた経緯があるけれども、今いいました多摩センター駅の北側の話ですけれども、これは東京都の区画整理事業でやってきた、調和のとれたまちづくりを展開する、多摩地域全体の中における落としをしているわけですよね、三つの地区の中における中核的な位置づけの中においても。
その中でおかしいじゃないかと。何で南が都市基盤整備がしっかり進んで、ガス供給が都市ガスになっていて、一方のところは、駅舎ですよ、駅舎。駅舎の下からですよ、はっきりいって。遠いところじゃありゃしない。東京都のまちづくりとして、そういうところはどう考えるんですかと私はさんざんいってきたつもりなんだ、これは。
今現在、まだこれは解決していないでしょう。地元が納得しているわけでも何でもありゃしない。これはおかしいじゃないかという声があったとしても--全然納得していませんよ、それも。だから、いわゆる核都市及び三つの地区でもいい、真ん中の多摩センター駅について、東京都はどう考えておられるんですかということを私はもっと聞きたい。
その中でとりわけ多摩センターの南側、ここについて、いわゆる極めて中心的な街区というのかな、極めて中心的で重要な区画が、UR都市機構によって業者を決めましたよね。これは、非常に重要なところだと思う。東京都だって関心があるはずだ、地元市も関心が本来あるはずだ、当たり前の話で。
これが全然進行していないですよね、このあたりの二区画。これはどういうことですか。
○瀧本参事 この多摩センターの地区でございますけれども、今、委員からもご指摘ございましたけれども、多摩ニュータウンの中核としてのセンター機能を有する地区として業務・商業機能等の集積を図るということでこれまで進めてきたところでございまして、現在、南側を中心に、各種官公庁、本社機能を持つ事務所、ホテル、銀行、デパート、大型スーパーあるいは複合文化施設といったようなものが集積をしてございます。
その中でも、南側でございますけれども、今、委員のご指摘のような二つの地区について、公団、URが所有しているところがございまして、これが、本来的な多摩センター地区の整備の趣旨に即して業務・商業機能等を集積していくという中での売却が行われて、一部整備も進んだ地区もございますけれども、例えば会社の中で、倒産というような形になって整備が進んでいないといったような実態もございます。
これについては、私ども東京都といたしましても、地元の多摩市とともに、URの方に、より一層まちづくりに即した対応を引き続き行っていただくように要請もしているところでございまして、そんなことで今後とも取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。
○こいそ委員 一生懸命やっていただいているんで、これ以上はあれなんですけれども、もう一点だけいわせていただければ、なぜ私がこういうことをいっているかというと、とりわけ今いった地域、多摩センター駅南側ということなんだけれども、先ほどいったけれども、ここらあたりは土地の売買についても、東京都はほとんど関知していないんだよね。
これは要するに業者選定というか、いわゆる施設の立地状況、レイアウト、青写真、計画、本来このことは--あそこはどこかの県の飛び地でも何でもない、れっきとした東京都なんだから、国の直轄地じゃないんだから、まさにこういうことこそ、東京都の都市計画がしっかりと落とし込むというか、誘導していかなくてはならないと私は思うんですよ。重要なところがぽんぽんとあいたら、それは、企業活動及び経済的な状況下の中で会社運営が厳しいところがあるかもしらぬ。しかし綿密に--地元だって危惧した部分はあるんですよ、はっきりいって。ほとんどURでしょう、国とURがやっているわけでしょう、これは。それから市との協議だな。だけれども、実際的には国及びURが決めているわけでしょう。
東京都は何の口出しもできない、東京は何の関与もしない、ただ見ているだけ。これはおかしいじゃないですかと私は再三いっているんだ。おかしくない、これ。だれか答弁してくれない、これ。
○瀧本参事 この多摩センター駅周辺のまちづくりでございますけれども、今、委員ご指摘ございましたように、北側を東京都、南側を公団が施行してきたという経過の中で、南側については公団中心ということで進んできたのも、経過が事実としてございます。
ただし、東京都といたしましては、この北側と南側を全体的な見地からとらえまして、一体的に業務・商業機能等の向上を図っていくということは必要というふうに考えているところでございまして、そうしたことから、この多摩センター地区のまちづくりとして、全体としてこれはとらえていって、そして、地元市や都市再生機構と連携をしつつ、広域的な観点から東京都として主導的な役割を担っていくことが必要と。そういう中でこのまちづくりというものをよりよい方向へ引っ張っていく、こういうことは必要かというふうに考えてございます。
南側のところの用地、URの用地を含めまして、地元市、都市機構と連携をして取り組んでいこうということで、土地利用情報連絡会といったような組織もつくりまして、この連絡会を軸として調整を実施しております。
今後は、都として地元市や都市機構をリードいたしまして、多摩センター地区を商業・業務等の多機能複合都市として、職住の近接したより魅力あるまちとしていくために、積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○こいそ委員 今お話しのように、土地利用の情報連絡会がスタートして、これは瀧本参事のもとで鋭意進めていただいているということで、非常によく理解しています。
これは非常に有効な土地利用が今後図れるんじゃないかというふうに期待を持つところなんですけれども、いずれにしても、東西南北、この中で、東京都の基本的な考え方なり東京都が目指す都市づくり、ここでいう多機能複合都市でしょう、にぎわい創出だとかいっていただいているじゃないですか。これは、今ご答弁いただいたように、やっぱり東京都が主導しなければしようがないと思いますね。
都市機構は、率直にいわせていただいて、これは適切ではないかどうかわからないけれども、当該地域では、土地を売るということがかなり重要になってきているのかなという感じも若干するんです。ですから、そうじゃない、まちづくりをしっかりと、都市計画をしっかりと遂行するのは、市は当然あるけれども、あそこは広域性があるわけだから、ぜひ東京都のもう一段の関与なり姿勢をはっきりとそこで示していただきたいと、私は要望をさせていただきたいと思います。
それと、南北の話でもう一点触れさせていただければ、特に今、多摩センター駅の北側の話もちょっと触れましたけれども、とりわけ都有地ですね、これは未利用地がある。これは非常に駅至近であるし、要するに都としてもかなりの財産なんです。この地域の都有地が果たすべき今後の役割というのは、物すごいあるんじゃないかと思うんですよ。
その中で、都は、この活用も含めてこれからどのように取り組んでいくおつもりなのか、その点をお願いします。
○小澤多摩ニュータウン事業担当部長 多摩センター駅周辺は、委員ご指摘のとおり開発ポテンシャルの高い地域でございまして、南と北の一体性を図ることによりまして、多摩センター地区全体の回遊性の向上、利便性の向上を図れるものと考えております。
ご指摘の多摩センター駅北側の都の未利用地の活用に当たりましては、今申し上げた点を十分踏まえまして、地元市や関係者と連携、調整しつつ、土地利用計画にふさわしい業務機能の誘導に向けた販売努力を重ね、核都市としての多摩ニュータウンの発展に寄与していきたいと考えております。
○こいそ委員 そのとおりなんでしょうけれども、当該のご答弁、いわゆる用地に対するお話を、今していただきましたけれども、私があえて何でこの質問をしているかというと、販売努力をこれからも積み重ねていくというお話、それは一つのことなんだろうけれども、私はそれ以前に、あの都有地に向けての青写真なり具体的なものがもっとあってしかるべきじゃないかと思うんです。ただ土地を売っていくんだと。土地利用計画に基づいて業務機能の誘導云々とあるけれども、じゃ、具体的に何なんだというと、出てこないでしょう、全然。具体性が必要じゃないですか、具体性が。それを聞きたいんです。
土地利用計画に基づいて土地を売っていくんだと、こういうことじゃないと思うよ。東京都のいわゆる都市計画におけるまちづくり展開の中で、その地域、都有地がどういう役割を果たすべきか、それに対してどういうような立地を図るべきなのかでしょう。そこは地元市の方の意向もあるだろうし、さまざまあるかもしれないけれども、このあたりは、私はやっぱり具体的にお示しをいただきたいなと。きょうはいいですけれども。
それから、次に続きますけれども、ちょっと各論的な話が続いて申しわけないんだけれども、懸案であります多摩センターの、今いった都有地に向かうところの歩行者デッキのことです。
これは、かねてから、都有地の有効活用を含めて、今の売買を含めての話もそうかもしらぬけれども、どうしたって、あれだけの高低差があれば歩行者デッキというのは必要でしょう。担当している局の方の一生懸命やっていただいた経緯も私はよく承知していますけれども、これはある程度進んだときに、地元市のインフラ整備に対してすぐ反対する会派が、これはもう賛同し得なかったということで、上程されなかった。本当のわずか一部の資金導入なんだけれども。しかし、私は、それを全然容認するわけでも何でもないんだけれども、あえてここでいわせていただくならば、今いった都有地は、多摩市と八王子市に展開していますよね。かなり圧倒的に八王子市のエリアが多い。いわゆる多摩ニュータウンの八王子分、鹿島、松が谷とか、そういう大規模住宅が多い。非常に便利なんだよね、ここを通れば。だから、私は公益性があると思うんですよ、このデッキは。
そうすると、インフラの整備、いわゆるハード部門というのは一たん終わったかもしらぬけれども、これはやはり本来やるべき計画が--これはもう十何年だろう、平成九年どころじゃないですね、私の記憶では。それ以前からずっと連綿として出しては消え、出しては消え、最終的に多摩ニュータウンはもう収束したんだよということで、これさえも一時消えちゃったよね。だけれども、努力してもらってまた引っ張り出してもらったという経緯があるわけですよね。
これは、地元市の努力も必要だという前提だけれども、公益的観点から見て、このデッキというのは、やはり東京都もメリットがあるわけですよ。複数市にまたがって、やはりこの歩行者デッキというのは非常に有効的かつまた非常に重要だと。
地元商店会も相当やっているけれども、そういうところをもう一度考えていただけないかなと思うんですが、どうでしょう。
○瀧本参事 多摩センター駅の南北を結ぶ北側の歩行者デッキの整備ということでございますけれども、これにつきましては、今、こいそ委員の方からもお話ございましたように、この北側の歩行者デッキの整備に向けまして、昨年度、東京都と地元の多摩市で役割分担をいたしまして、協力して整備することというふうにいたしました。その後の経過につきましては今、委員ご指摘のような状況でございまして、残念ながら今、市の中で手続が中断しているというようなことがございます。
しかし、この歩行者デッキの整備につきましては、地元の商店会からも整備の要望書が地元市の方にも出されているところでございまして、私ども東京都といたしましても、この多摩センター地区の発展のためには歩行者デッキというものは不可欠であろうというふうに考えているところでございます。
こうした地元のニーズも踏まえまして、早期の整備に向けて地元市と連携をしつつ、取り組みを促進してまいります。
○こいそ委員 確かに、地元の責任を果たすべきところというのは私はあると思います。だけれども、広域性という観点もやっぱりあるんじゃないのかなと。だから、橋がかかるところだけが地元市の--多摩市なんだけれども、かかっているところは多摩市だからということじゃなくて、より多くの利用者というか、これに供する人たちがまたがっているわけですから、このあたりも考えていただきたいなというふうに思います。
そして、じゃ、次に進みますけれども、とりわけあの地域は、出産可能な病院が二カ所しかない、要するに周産期医療に対応できる病院が圧倒的に不足しているんですよ。部長、何か笑っているけれども、何かあるの。何笑っているのよ、ちょっと真面目に聞いてよ、時間がたっているかもしれないけれども。あなたのところだって関係あるんじゃない、だって--じゃ、続けますけれども。
このいわゆる周産期医療が圧倒的に不足しているところに対して、すなわち中沢地区というところですけれども、これはいわゆる医療、福祉ゾーンだ。ここのところに、これは平成十四年、実質的に売買を行ったのは平成十八年だけれども、ここに四・六ヘクタールあるんですよ。地主は都市機構なんだ。それをしっかり定めたのは地元の東京都だ。四・六ヘクタール、ところがそのうち二・三ヘクタールは、これは医療、福祉ゾーンにあったにもかかわらず、URと地元市の話で変えちゃったんだ。
結局、手続としては、新住宅市街地開発法の施行計画を変えましたよね、これ。これはどこがやったのか、これは国だよね。変更をころっとかけて、ばあっとつくっちゃった。それもとりあえずは二・三ヘクタール、ばあんとやられちゃった。しかし、あれは広域性、地元市だけじゃない、南多摩五市、近隣の八王子初め町田、日野はちょっとあれだけれども日野も含め、稲城も含め、五市だよ、これは。こういう広域性のところに、これは議論は前にやったから、ちょっとそれ以上は進めませんけれども、この一事例を見ても、東京都にしっかりしてほしいんだよ、はっきりいって。今いったような新住宅市街地開発法の施行計画の変更なんていうのは、国ができちゃう。それでぼんぼんぼんぼん変えて、一番買ってくれるのは、当時はマンション業者だよ。宅地開発業者だよ。それで重要なこういうところを--。
我々も本当に残念で、地元からもその後において、知っているのかと、こんな事態をわかっているのかという話が随分ありましたよ。その後、我々もいろいろ調査したりなんかしましたけれども、実際はもう平成十四年の段階だった。ですから、先ほどの土地利用情報連絡会、これは、ぜひこういうことのないようにやっていただきたい。
あの地域は非常に隣接しているんですよ、各自治体と。やっぱり、これをまさにやるのは東京都なんだ、調整能力を持ってしっかりやれるのは。まちづくりの責任をしっかりと果たせるのは、私は東京都だと思いますよ、率直にいって。
ですから、ぜひそういう意味合いからも、この中沢地区、今必要なのは、いろんな必要があるかもしらぬけれども、医療と福祉、とりわけ医療の小児だとか周産期医療というのは、もう今いうまでもないじゃないですか。これはぜひ進めていただきたいと思うんだけれども、今、地主の都市機構は、医療施設誘致について、取り組み姿勢はどうなんでしょうかね。
○瀧本参事 この中沢地区でございますけれども、今、こいそ委員の方からご指摘がございましたように、過去において病院の施設用地というものが、一部、住宅等の用途になったという経過がございます。これは、もともと旧公団による新住宅市街地開発事業の中で、病院用地というふうに位置づけてきた経緯があるわけでございまして、また現在でも、医療施設、教育施設、官公庁施設等の立地を想定した公益的施設用地に位置づけられておるところでございます。
そうした中で、先ほどのいろいろご指摘のあったような状況に至ったわけでございまして、現在は、その中沢地区に未利用地がまだ二ヘクタールほど残っているという状況にございます。周産期医療あるいは小児医療に対応できる医療施設を、この中沢地区にぜひつくるべきだということにつきましては、こいそ委員からもかねてからいろいろご意見をちょうだいしているところでございまして、私ども東京都においては、病院関係は福祉保健部門の所管ということになりますけれども、都市整備部門といたしましても、この中沢地区に周産期医療や小児医療などに対応できる医療施設を誘致することが必要というふうに考えてございます。
まちづくりを進めるという観点、東京都としてリードしていく観点というものを持ちながら、医療施設の導入に向けまして、この土地については現在、ご指摘のように都市機構が持ってございますので、働きかけを行っているところでございます。そうした私どもの働きかけに対しまして、都市再生機構といたしましても、この中沢地区における医療施設の位置づけについては十分に認識をしているというところでございます。
ただ、一方、当然でございますけれども、都市機構は事業採算の確保が求められているということもございまして、ニーズのある企業等に速やかに売却をしたいという意向ももちろん持っているわけでございます。そうしたことから、その都市機構の状況でございますが、医療施設の誘致に必ずしも積極的ではないというような状況もうかがわれるところでございます。
○こいそ委員 交渉を何回もしていただいている中で、率直なまさに現状についてお話ししていただきました。やはりそこなんですよね、問題点というのは。
土地所有が都市機構である。それが地元と協議すれば、四・六ヘクタールのうち残りあと二ヘクタールしかない、これだって、協議対象の中で、採算的なものはというけれども、じゃ、それは取り除いて売却されないとも限らないね。施行計画変更をまたかけちゃえばいいんだから。
今の話、最後の方ですけれども、余り積極的ではないような話もあるんで、しかしこれは、もうこれ以上は、公共的観点でやってもらいましょうよ、はっきりいって。ぽんぽんぽんぽん残りの土地を気持ちよく売られたんじゃかなわないよ、これは。二十二件の土地強制収用がかけられたんだから。
その中で、やっぱりここだって責任を果たしてもらわなきゃ。今、必要な小児だとか周産期だとか、四・六ヘクタールの医療ゾーンなんだから、ここは。それを二・三を売り飛ばして、それで残りもう今、二ヘクタールだ。これは責任をとってもらいましょうよ。ぜひそういう観点でお願いできませんか、局長。
○瀧本参事 とりあえず私の方からお答えしたいと思いますけれども、今、こいそ委員のご指摘ございましたように、ここの用地というのは、本来的に病院の施設用地ということできちっと位置づけられているところでございます。したがいまして、過去、委員のご指摘のような状況があったわけでございますけれども、そういったことに対しまして、私ども東京都といたしましては、先ほども申し上げましたように、地元市、都市機構と土地利用情報連絡会を組織して、そこできちっと調整を実施しているところでございます。
また、特にこの中沢地区につきましては、先ほどご指摘されたようなことで、公団、URの方に働きかけを行っているというところでございまして、機構の方も、当然私ども東京都と地元の多摩市の方で病院の機能を導入するというような強い決意で臨んでいるということは、十分彼らも承知をしているところでございますので、今後引き続き、私ども都といたしましては、地元市と連携を密にして、このまちづくりがきちっと進んでいくような形で対応してまいりたいというふうに思ってございます。
○こいそ委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
それでは、時間もちょっとあれなんで、いろいろと答弁調整等々やっていただいた中で、最後の部分はちょっときょうはできないかもしれませんけれども、もう一点、南多摩尾根幹線、この件についてお聞きしたいと思います。
いわゆる南多摩尾根幹線は、少なくとも東京都のメガロポリス構想及び首都圏の道路広域ネットワークの中で、極めてこれは重要だと。それはどういうことかというと、ご案内のように一六号に接続する、これは要するに神奈川県相模原市ですよ。それから、一部側道部分が開通してつながったことによって、埼玉県新座、ここまでつながる。今度は圏央道までつながるでしょう。そうなってくると、この路線の重要性というのはいうまでもないね。
当初、第三次計画の中では--ちょっと時間がないんで飛びますけれども、交通需要に現行で対応可能だから第三次計画には出さなかったということなんですけれども、今、三回、四回の信号待ち、これ、私はしょっちゅう体験しています。私だけじゃ当然ないけれども、私自身もそうだ。三回、四回の、山の中の一本道じゃないんだから。これだけの体験を見たとしても、実質上いろんなところがつくられ、時間によっては全然緊急車両が通れませんよ。あそこには、ご案内のように小学校、中学校、高等学校、大学四校が立地されていますよね、沿道に。そして、企業だってそうだ、住宅もそうだ、全然状況が変わってきているんですよ、これは。
この中で、広域ネットワークの幹線道路というのかな、こういうことこそ、東京都の責任のもとで第三次にのせて、本来だったらしっかりと整備するというのが、私は一つの果たすべき役割、使命じゃないのかなと思えてならないんですけれども、どうでしょうか。
○升都市基盤部長 今、委員からお話がございましたように、第三次事業化計画には尾根幹線は入っていないところでございます。ただ、お話のございましたように、尾根幹線は、南多摩地域から北多摩南部地域、北部地域に向かって延びる広域的な道路ということは承知をしているところでございます。また、多摩地域と神奈川県をも結ぶ都市間連携を進める上でも大きな役割が期待されている路線だというふうに考えておるところでございます。
今後、こういう広域的な道路ということでございますので、神奈川県や相模原市と検討する必要があるというふうに認識しているとともに、今、お話のございましたように、交通渋滞もあるということですが、尾根幹線自体は掘り割り式の道路ということで決定をされているのは当然ご存じのとおりだと思いますが、そういう道路でございます。
第三次事業化計画の中では尾根幹線の整備のあり方について検討を加えることが必要であるというふうに考えておりまして、広域的な道路ネットワークのあり方を踏まえて概成区間の整備形態の検討を行うこととしておるところでございます。
○こいそ委員 交通渋滞があるんじゃなくて、もう全線にわたって交通渋滞があるじゃないですか。それと、要するに実態的なものを、やはりしっかりと把握していただきたい。一時期、要望して、これは局が違ったかな、交通量調査をやってもらいましたよ。それを見れば年々上がっているんですから、これは。
ですから、いずれにしたって、今のように一六号、神奈川県、埼玉それから圏央道、しっかりと結びついてアクセスすれば、ますますふえるに決まっているじゃないですか、これは。そういうところをしっかりとぜひ実態調査をしていただきたいと思います。
またもう一点、今、掘り割り構造という話がありました。何で掘り割り構造にしたかというと、当初計画ですけれども、これは、一つの話ではモノレールの構想線を入れるためですよ、それだけじゃないけれども。その構想線は今後厳しいような状況じゃないですか、実際のところをいって。
そうなってきたら、私は、道路整備だけじゃなくて公共交通的なもの、すなわち軌道をつくる、LRTか、LRTがなかなか厳しいんであればBRTとか、そういう公共輸送のシステム導入というのを、こういう区間でもやはり実用化していくべきじゃないかと思うんですが、そのあたりはどうでしょうか。
○升都市基盤部長 今、委員からお話がございましたように、尾根幹線につきましては、多摩都市モノレールの導入区間、全線ではございませんが、一部区間が想定されておるところでございます。
ただ、そういうことではなくて、LRTやBRTなどを考えた方がいいんではないかというお話でございます。LRTやBRTは地域交通を担う公共交通機関として有効であるというふうに考えており、基本的には地元自治体が主体的に取り組むべきものであるというふうにしておるところでございます。
導入に当たっては、導入空間の確保でございますとか、自動車交通の影響、需要それから事業主体、採算性など、さまざまな課題があるものでございます。このため、地元市が検討を進めていく場合には、都としても技術的な支援や情報提供など、協力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○こいそ委員 私がいっているのは、さっきからいっているように、いわゆる県境をまたいでそれぞれ広域的でしょう。何で一市だけでやらなきゃいけないの。東京都財政からみれば、多摩地域の市なんていうのは財政規模が非常に厳しいわけですよ。それをどおんといわれたら、この計画なんかも進まないよね。
東京都で今、BRTは走っていないね。走っていないでしょう、LRTも走っていないけれども。地方では結構走り始めているよね、これは。それを東京都でもやっぱり一つのモデル的なケースとして走らせる、代替的な交通輸送機関の一つの例として。そういう工夫だとか積極的な取り組みというのが求められているんじゃないですか。それは地元でやる話だよというだけじゃないんじゃないかと思えてならないんですけれどもね。さまざまな支援策だってないことはないでしょう。だってモノレールを、構想線などというのは、走っているんだから、今だって、計画上。それを、いきなりぽんといわないでくださいよ。もう少し多摩振興策というのを根本的に考えてもらうと。
それから、車社会だけじゃない、環境負荷を最大限与えないというさまざまな取り組みをやっぱりこの局だってやるべきじゃないですか。それを提案したら、いや、それはもう地元市でやれよということじゃないんじゃないかと思うんですけれどもね。どうでしょう。
○升都市基盤部長 今、お話のございましたように、公共交通機関として非常に今、注目をされているものの一つでございます。私どもとしては、そういうような、地域に密着した交通機関ということもあるため、まず地元市が検討を進めいろいろな課題について検討していただくというスタンスでございます。東京都として必要な協力はぜひ行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○こいそ委員 升さんほどの優秀な人がいるわけじゃない、東京都には。だからそうやって、英知とか、東京都には物すごいあるわけじゃないの。地元も検討すると、それはいいかもしれないよ。実質的にこれだけの新しい試みをするんであるならば、東京都はもっと協力してやってくださいよ、先導的な役割を果たしながらも。これは私はぜひお願いしたいと思うよ。
ですから、きょうはここまででいいですけれども、やはり先ほども申し上げたように、多摩振興策、そして東京都のこれからの、環境負荷を与えないような公共輸送機関的なものをどうするかというのは模索時期に入ったと思うんですよ。
ですから、そういうこともこの局でも考えてもらう。ぽんと出せば、それはそうだ、地元検討、これだけじゃなくてね。やっぱりこちらだって、皆さん優秀なんだから。予算だって多摩地域の自治体よりいっぱい持っているよ、局の方が。そうでしょう。そういう面から見たって、ぜひそういう振興策、全体でいえば東京都の中における均衡バランスを持ちながら持続可能な発展を目指すためにも、やはりぜひ鋭意取り組んでいただきたいなと思うんですね。
るる私、申し上げたけれども、きょうは本当は実はまだあと二点あるんだけれども、時間もないしこの程度で……。皆さん大分疲れちゃっているんであれですけれども、私のこのやりとり、あと二点は、いろいろ準備していただいた方もいるんだけれども、本当に申しわけない。
ここまでで、局長。最後に、今までやりとりをする中でも結構ですので、局長の多摩地域に対する局の姿勢というか、局長の思いというか、そのあたりをひとつ聞かせていただいて、終わらせていただきたいと思います。
○只腰都市整備局長 多摩地域でございますが、今、るる熱意あふれるご質問をいただいたわけでございますが、一つの県にも匹敵するような、人口と産業の集積がある非常に重要なエリアだというふうに、私ども考えてございます。
こうした地域が活力にあふれて自立して発展していくためには、やはり都市活動の中心的な場となっております例えば五つの核都市、多摩にあるわけですが、そういうところが業務、商業、文化など、都市機能を充実させて魅力とにぎわいのある地域として向上していくことが重要というふうに考えてございます。
これまで、都は、いろいろ先生から見ますと不十分かもわかりませんけれども、例えば立川等の拠点駅周辺での面整備あるいは多摩都市モノレール等、非常に多摩地域の基盤整備には積極的に取り組んできたつもりでございます。
今後につきましては、いろいろ都市づくりを取り巻く環境の変化等もございます。市街地がどんどん外延的に拡大するという時代でもございませんので、既存のストックを十分活用して都市機能を集約し、コンパクトで質の高い市街地の形成を進めることとしたいと思います。また、緑の保全あるいは低炭素社会の実現など、新しい視点からの取り組みについても強化してまいりたいと思います。
都といたしましては、こうした新しい観点も踏まえながら、核都市など多摩の拠点につきまして取り組むべきプロジェクトを整備方針として取りまとめまして、これに基づきまして核都市の整備を今後とも推進してまいりたいと思います。
また、いろいろご質問いただきました多摩ニュータウンでございますが、部長からもご説明申し上げましたように、昭和四十一年以降、山だったわけですが、新住の手法を活用しまして、現在では相当程度の都市機能あるいは都市の基盤の整備された地域が形成されているというふうには考えてございます。
ただ、いろいろな観点で不十分性、あるいはまだ到達が必要な部分もございます。私ども都市整備局といたしましては、地元の市それから都市再生機構、庁内いろいろ関係局もございますので、そこと連携を図りながらこうした課題の解決に向け全力で取り組んでまいります。
○いのつめ委員 私の地元、新宿百人町三、四丁目の戸山団地は、以前、孤独死でマスコミに取り上げられ、最近は限界集落と報道されており、お住まいになっている方々は心中穏やかでない状況でございまして、ご高齢者への次々販売、訪問販売、振り込め詐欺など事件が懸念され、不安になっている方も多くいらっしゃいます。
昭和三十年、新規募集で入居した方が五十年経過すればご高齢者になっているのは当然のこと、建てかえ後入居される方の高齢者比率が高いことはわかっていたこと、入居している方の責任ではないが、限界集落と表現されている。
都は、どのような考えで建てかえを進めたのか、お伺いいたします。
○山口参事 都営住宅の建てかえに当たりましては、老朽化した住宅を更新するとともに、高齢化の進展に伴う福祉サービスの充実など、地域の課題に配慮し、住環境の整備を図ることが重要でございます。
都営百人町アパートでは、平成二年度から建てかえ事業を行っておりまして、地元区と連携して道路、公園や地域のコミュニティ活動の拠点となる集会所等の施設を整備するとともに、高齢者在宅サービスセンター等の整備を支援してまいったところでございます。
○いのつめ委員 単身者を対象にした一LDKに入居できるのは、六十五歳以上の高齢単身者か、また特別な理由がある方であります。今後入居される方も、一LDKには高齢者予備軍、六十五歳以上の方が多い。建てかえ建設時には一LDK、二LDK、三LDKのバランスを考慮する必要があったと考えます。防災訓練をしても参加できる方は減少ぎみでございますし、草取りもご高齢者にはお願いしにくい部分もあり、新入学児童はごくわずか、自治会の役員選出も困難をきわめている。
建てかえにより、住宅のハード面でのバリアフリー化は推進されました。しかし、お世話できる方々はコミュニティの維持に非常に苦労をされています。東京都はどのような配慮をなされているのかお聞かせください。
○山口参事 先ほど申し上げましたとおり、都営百人町アパートでは、高齢者在宅サービスセンターや地域のコミュニティ活動の拠点となる集会所、広場、公園を整備してございます。またこれに加えまして、東京都は、都営住宅の管理者の立場から、提出書類の取り次ぎ等を行う巡回管理人を配置し、都営住宅に居住する高齢者等で希望する世帯に対し、定期的に個別訪問や個別相談を行ってございます。
これらの施設やサービスを活用し、団地自治会や地元区と連携してコミュニティの維持に努めているところでございます。
○いのつめ委員 東京都は、都営住宅の新規募集はせず空き家での募集を行っておりますが、ファミリー世帯住宅の募集が、百人町では一回に二戸ほどです。この速度では高齢化の解決はずっと先になってしまいます。地域コミュニティはあらゆる年代の方が暮らすことで成り立ちます。中庭から子どもの遊び声や笑い声が聞こえるようなコミュニティづくりが必要だと私は考えます。
加えて、建てかえ前は、一棟には三十二世帯ほどがお住まいになっており、階段の左右に二戸ずつの振り分け、四階建ての建物が多くありました。共益費の集金も階段ごとの当番が行い、共益費の支出も高額ではなかった。
しかし現在は、エレベーター、ワンフロアに二十戸ほどの住宅があり、ワンブロック三百五十戸という大所帯でございます。共益費を徴収するのも払うのも高齢者でありまして、なかなか手間のかかる作業になっていて、今に事故が起きるのではと心配の声が上がっています。
共益費の支出も、電気代は共有部分の廊下、エレベーター、街路灯、水道は共用栓、エレベーター内、エレベーターホールの清掃、排水管の清掃事業。またごみ集積所の清掃管理費、共用部分の蛍光灯代及び取りかえ作業代。建てかえ前と比べますと、収入、支出とも高額になっています。
せめて家賃の自動引き落としとともに共益費を引き落としにし、電気代など都に払う部分を差し引いて自治会に戻してくれたら、どんなに手間が省け、助かるかと要望の声があります。
家賃と共益費を一緒に徴収することの課題はあるのでしょうか。
○並木経営改革担当部長 共益費についてですが、都が自治会等にかわって共益費を徴収することは、新たに徴収や支払いの事務経費が必要となり、所得の低い居住者にとって過重な負担になるおそれがあることや、団地によって共益費の実態がさまざまで、統一的な事務処理が難しいことなど、多くの課題がございます。
○いのつめ委員 家賃も各世帯ごとに異なるわけで、経費はそんなに、私は重くないのではないかと思いますし可能だと思いますが、今後検討していただきたいと思っております。
また、都営住宅には、現在、駐車場や駐輪場はありますが、オートバイの駐輪スペースがないなど、時代のニーズに合っていない部分もあるかと思います。あわせて検討していただきたいと思っております。
新宿区内の都営住宅には、一階に店舗がある住宅があります。ガス管の老朽化により管の交換工事が必要となった場合、上階の住宅部分は東京都が払い、店舗部分は個人負担と、店舗地権者には大きな負担がかかったケースがございました。
一階店舗部分を、賃貸ではなく売却した理由が知りたいと調査を行いましたが、五十年前のこと、資料、議事録がなく、コンセプトは不明であります。
しかし、どの店舗も、公道には面しておらず住宅の内向きに設置され、外部のお客さんの利用が、現在では期待できない状況、構造になっています。
建設時に都が招致し、お願いして購入していただいたならば、建てかえ時には手厚い対応が必要と思われます。これまで建てかえ時には、併存店舗はどのように対応されてきたのか、お伺いいたします。
○山口参事 都営住宅に併存する店舗につきましては、社会経済状況が変化する中、団地内に小規模店舗を設ける意義が小さくなったこと、区分所有建物特有の権利関係の複雑さと調整の困難さなどから、建てかえに当たりましては、原則としてご協力をいただきながら権利の買い取りにより対応していくこととしてございます。
○いのつめ委員 続きまして、都営住宅跡地の利用についてお伺いいたします。
港区港南四丁目では、都営住宅の再編にあわせて創出した用地で、定期借地権方式を活用した民間プロジェクトが実施されました。この事業の目的をお伺いいたします。
○中島参事 港南四丁目の民活プロジェクトについてですが、本プロジェクトは都営住宅の建てかえにより創出した用地を生かして、民間の創意や工夫を活用し、中堅所得層ファミリー世帯向けの定期借地権つき分譲住宅を供給したものでございます。
事業の目的でございますけれども、広くて質がよく、低廉な住宅の供給及び定期借地権制度の普及促進、これを目的として行いました。
○いのつめ委員 八月の販売では、インターネット上でも話題になり、我が家も結婚したばかりの長男家族が申し込みをいたしましたが、残念ながら抽せんで落ちてしまって購入はできませんでした。
この地域で民間のマンションだったら、高額物件が多いところでございます。二十代ではとても手が出ない物件であります。しかしながら、この物件は二千万円台、三千万円台と、一般のマンションに比べると二分の一ぐらいの価格だと思います。
かなり倍率が高い部屋があったと聞いていますが、東京都はこの事業をどのように評価しているのでしょうか、お聞かせください。
○中島参事 本事業の評価についてでございますが、完成した住宅八百九戸、これについて民間事業者が八月に購入者を募集したところ、全住戸に応募があり、その倍率は平均で約十七倍でございました。
十一月には入居が始まる予定であり、広くて質がよく、低廉な住宅の供給など、所期の成果を発揮しつつあるというふうに認識してございます。
○いのつめ委員 都心部でこれから生活の基盤を築こうとする若い世代に住宅を持つという機会をもたらすこと、また都民の税金を投入せずに実現したことは、高く、私も評価をいたします。
今後、このような手法を他の都営住宅跡地においても実施していくのか、見解をお伺いいたします。
○中島参事 都営住宅跡地の活用についてですが、建てかえに当たりましては、老朽化した都営住宅を更新し、バリアフリー化や安全性の向上などを図るだけでなく、敷地の有効活用により土地を創出し、地域の安全性や防災性の向上、住環境の整備など、地域のまちづくりの課題に的確にこたえていくことが重要であると考えております。
今後とも、地域の特性や敷地の条件などを勘案しながら、民間事業者の創意工夫を活用した良質な民間住宅の供給などにより、多様な世帯が居住する活力ある地域社会の形成を促進するよう努めてまいります。
○いのつめ委員 この民間プロジェクトでは、従前の店舗権利者の生活再建についても民間事業者が対応することで、円滑な事業推進を可能にしたということでございます。
都営住宅を、建てかえにより高層化していけば、跡地はおのずから出てきます。新宿区でも、角筈住宅の跡地は暫定利用で五年間貸し出すと決定いたしましたが、新宿駅からオペラシティに行く途中の一等地です。また区内には、昭和三十八年建設の国立競技場に近い霞ヶ丘団地、また大江戸線、副都心線の開通で利便性が高くなった戸山ハイツを初め、建てかえが迫っている都営住宅があります。
大規模団地の建てかえを円滑に進め、まち全体の活力を生み出していくためにも、このような定期借地による民間のプロジェクトで積極的に展開していただくよう要望して、質問を終わります。
○高橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後七時四十分散会
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