委員長 | 村上 英子君 |
副委員長 | 吉倉 正美君 |
副委員長 | 大塚たかあき君 |
理事 | きたしろ勝彦君 |
理事 | 松下 玲子君 |
理事 | 新藤 義彦君 |
鈴木 章浩君 | |
河野百合恵君 | |
高橋 信博君 | |
泉谷つよし君 | |
植木こうじ君 | |
立石 晴康君 | |
相川 博君 | |
藤井 一君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長 | 只腰 憲久君 |
次長総務部長事務取扱 | 泉本 和秀君 | |
技監 | 福島 七郎君 | |
理事 | 加藤 英夫君 | |
理事 | 河島 均君 | |
都市づくり政策部長 | 安井 順一君 | |
住宅政策推進部長 | 松村 光庸君 | |
都市基盤部長 | 升 貴三男君 | |
市街地整備部長 | 座間 充君 | |
市街地建築部長 | 河村 茂君 | |
都営住宅経営部長 | 清水 文夫君 | |
企画担当部長 | 横溝 良一君 | |
連絡調整担当部長 | 岡沢 裕君 | |
住宅政策担当部長 | 瀬良 智機君 | |
外かく環状道路担当部長 | 遠藤 正宏君 | |
民間開発担当部長 | 石川 進君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 小澤 弘君 | |
都市景観担当部長 | 町田 修二君 | |
経営改革担当部長 | 並木 勝市君 | |
参事 | 瀧本 裕之君 | |
参事 | 宇多田裕久君 | |
参事 | 福田 良行君 | |
参事 | 中島 俊明君 | |
参事 | 山口 幹幸君 | |
参事 | 荒川 達夫君 |
本日の会議に付した事件
陳情の取り下げについて
都市整備局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京のしゃれた街並みづくり推進条例の一部を改正する条例
・東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅等の指定管理者の指定について
・東京都営住宅、東京都特定公共賃貸住宅等の指定管理者の指定について
・東京都営住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅等の指定管理者の指定について
・東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅、東京都引揚者住宅等の指定管理者の指定について
請願陳情の審査
(1)二〇第八号 都営住宅の使用承継に関する請願
(2)二〇第一一号 本町四丁目マンション建設に関する請願
(3)二〇第二九号 (仮称)目黒リバーサイドタワー建設工事に関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・第百八十三回東京都都市計画審議会付議予定案件について
○村上委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、陳情の取り下げについて申し上げます。
お手元配布の二〇第一二号、都営住宅の維持管理の見直しに関する陳情、二〇第一三号、都営瑞穂アパート集会所の使用に関する陳情及び二〇第一四号、都営住宅の維持管理に関する陳情は、議長から取り下げを許可した旨通知がありましたので、ご了承願います。
○村上委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせしましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び請願陳情の審査並びに報告事項の聴取を行いたいと思います。
なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑を終了まで行いたいと思いますので、ご了承願います。
これより都市整備局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、只腰局長から紹介があります。
○只腰都市整備局長 去る七月十六日付で異動のございました当局の幹部職員をご紹介申し上げます。
市街地整備部長の座間充でございます。市街地建築部長の河村茂でございます。都営住宅経営部長の清水文夫でございます。企画担当部長の横溝良一でございます。連絡調整担当部長の岡沢裕でございます。民間開発担当部長の石川進でございます。再編整備推進担当参事の中島俊明でございます。建設推進担当参事の山口幹幸でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○村上委員長 紹介は終わりました。
○村上委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○只腰都市整備局長 本日は、平成二十年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
提出予定案件でございますが、条例案が一件、事件案が四件でございます。
お手元の、右上に資料1というふうに書いた資料がございます。平成二十年第三回東京都議会定例会提出議案説明資料というふうに記載してございます。
東京のしゃれた街並みづくり推進条例の一部を改正する条例案でございます。
本条例は、公益法人制度改革等に伴い、規定を整備するものでございます。
続きまして、お手元の資料2でございますが、事件案四件でございまして、地方自治法の規定に基づき、都営住宅等の管理を行う指定管理者を指定するものでございます。
私の説明は以上でございます。引き続き、詳細な内容につきまして、総務部長事務取扱次長よりご説明いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○泉本次長 それでは、お手元の資料1、平成二十年第三回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
三ページをお開き願います。まず、東京のしゃれた街並みづくり推進条例の一部を改正する条例案につきましてご説明申し上げます。
1の改正理由でございますが、公益法人制度改革等に伴い、規定を整備するものでございます。
2の条例案の概要でございますが、まず、(1)の公益法人制度改革に伴う規定の整備でございます。
アに記載してございますが、民法第三十四条で規定する現行の公益法人制度が、準則主義により一般社団法人または一般財団法人の法人格を取得する制度に移行することに合わせまして、条例第十二条中の、民法第三十四条の法人の文言を修正するものでございます。
また、イに記載してございますが、中間法人法の廃止により、中間法人が一般社団法人に移行することに合わせ、まちづくり団体の登録の一要件として中間法人を規定する条例第三十九条の条文を整理いたします。
次に、(2)についてでございますが、都市計画法の改正を踏まえ、条例第十二条で規定する都市計画の提案を行うことができる者に、営利を目的としない法人、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、国土交通省令で定める団体を追加するものでございます。
五ページから六ページにかけましては条例案文を、七ページから九ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
次に、事件案につきましてご説明申し上げます。
事件案は四件ございまして、地方自治法の規定に基づき、都営住宅等の指定管理者を指定するため、提案するものでございます。
お手元の資料2、一ページをごらんください。東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅等の指定管理者の指定についてでございます。
本件は、北区に所在する都営住宅等の指定管理者を指定するものでございます。
二の指定管理者の名称でございますが、指定管理者候補者は、東京都住宅供給公社でございます。
三の指定の期間でございますが、平成二十一年四月一日から平成二十六年三月三十一日まででございます。
三ページをごらんください。同じく、東京都営住宅等の指定管理者の指定についてでございます。
本件は、港区に所在する都営住宅等の指定管理者を指定するものでございます。
二の指定管理者の名称でございますが、指定管理者候補者は、東京都住宅供給公社でございます。
三の指定の期間は、平成二十一年四月一日から平成二十六年三月三十一日まででございます。
五ページをごらんください。同じく、東京都営住宅等の指定管理者の指定についてでございます。
本件は、武蔵野市、三鷹市及び西東京市に所在する都営住宅等の指定管理者を指定するものでございます。
二の指定管理者の名称でございますが、指定管理者候補者は、東京都住宅供給公社でございます。
指定の期間は、平成二十一年四月一日から平成二十六年三月三十一日まででございます。
七ページをごらんください。同じく、東京都営住宅等の指定管理者の指定についてでございます。
本件は、これまでご説明いたしました北区、港区並びに武蔵野市、三鷹市及び西東京市に所在するものを除く地域に所在する都営住宅等の指定管理者を指定するものでございます。
二の指定管理者の名称でございますが、指定管理者候補者は、東京都住宅供給公社でございます。
指定の期間は、平成二十一年四月一日から平成二十四年三月三十一日まででございます。
簡単ではございますが、以上で平成二十年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○村上委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言を願います。
○河野委員 三点お願いします。
一番、指定管理者制度導入前と後の都営住宅管理戸数と予算の推移。
二番、東京都住宅供給公社の職員配置状況。正規、契約、派遣、臨時、パート職員それぞれについてお願いします。
三番、住宅供給公社のコールセンターの職員配置状況と相談の実績、及びコールセンターに関して寄せられている要望や意見。
以上です。
○村上委員長 ただいま河野委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、提出願います。
○村上委員長 これより請願陳情の審査を行います。
初めに、二〇第八号、都営住宅の使用承継に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○並木経営改革担当部長 整理番号1、二〇第八号、都営住宅の使用承継に関する請願についてご説明申し上げます。
請願・陳情審査説明表の一ページをお開き願います。
請願者は、東京都生活と健康を守る会連合会会長、須山利夫さん外二百七十三名でございます。
請願の要旨でございますが、都は使用承継に関し、次の三点を実現していただきたいというものでございます。
一つ目は、都営住宅の使用承継制度を名義人の一親等に戻すことでございます。
二つ目は、直ちに一親等に戻すことが無理な場合、高齢者、障害者等で特に居住の安定を図る必要がある者の解釈を拡大し、身体障害者は身体障害者手帳を保持する者全員、知的障害者及び精神障害者は愛の手帳または精神障害者保健福祉手帳を保持する者全員、病弱者は難病指定患者に限定せず、ケース・バイ・ケースとすることでございます。
三つ目は、機会均等のためにも、都営住宅を大量に建設することでございます。
現在の状況でございますが、一つ目の都営住宅の使用承継制度につきましては、平成十八年六月の東京都住宅政策審議会答申及びそれに先立つ平成十七年十二月の国の通知を踏まえ、公営住宅の入居者と非入居者間の公平性を確保するため、平成十八年八月に、使用承継を原則として配偶者のみに認めるよう制度を改正し、一年間の周知期間を設け平成十九年八月から実施しております。
二つ目の高齢者、障害者等ですが、制度改正に当たりまして、高齢者、障害者、病弱者については、特別の事情により必要が認められる場合、例外として三親等まで承継を許可することといたしました。
また、平成二十年四月からは、承継を配偶者に限定する原則は堅持しつつ、障害者等に一層配慮し、特別の事情により承継が許可される条件を一部変更いたしました。
変更内容でございますが、身体障害者については、従来、重度のみ許可しておりましたが、例えば、心身障害者福祉手当について都内の区市が共通して支給対象としているものが身体障害者三級までであること等を踏まえ、三級まで許可できることといたしました。
知的障害者及び精神障害者についても、従来、重度のみ許可しておりましたが、知的障害者については愛の手帳の四度まで、また、精神障害者については精神障害者保健福祉手帳三級まで拡大しています。この結果、既に手帳を所持する者全員について許可できることとなっております。
病弱者でございますが、難病患者、原爆被爆者、公害病認定患者のほか、都立病院または東京都保健医療公社病院の医師の診断書を踏まえ、判断できることとしております。
また、このほか、高齢者につきましては同居親族の年齢要件がございましたが、承継者が六十歳以上である場合、入居収入基準以下であれば同居者の年齢は問わないことといたしました。
なお、これら障害者、高齢者の一部変更につきましては、平成十九年八月以降、平成二十年三月末までの間に使用承継の事由が発生していた世帯についても、遡及して適用することといたしました。
最後に、三つ目の都営住宅の建設についてでございますが、既に都内の住宅の数が世帯数を一割以上上回っていることや、人口減少社会の到来が見込まれていることなどを踏まえまして、新規の建設を行わずに、ストックを活用して公平かつ的確に供給していくこととしております。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○村上委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○きたしろ委員 本来都営住宅というのは、一千二百万都民共有の財産であるわけです。そしてまた、特に住宅に困窮する都民に適切に供給されるべきものでもあります。都営住宅の入居に当たっては公募が原則であり、同一の親族が承継により居住を続けることを限定的とし、利用機会の公平性を確保する必要があると思います。
昨年度、承継対象者を原則として配偶者に限定する内容の改正が行われましたが、例外的に承継を認めるべき範囲については、既に議会においても十分議論がなされている問題でもあります。
私自身、ある議員の秘書をしていたときに、この使用承継というものにかかわったことがございます。そうした中で、どうしてこういう承継が起こるのだろうかという、そのときから疑問に思っていたわけです。それを、都議会議員になりましてこの問題を取り上げさせていただいた。そして、その結果が今いわれたような改正になったわけですけれども、まず確認の意味で、承継対象者を原則として配偶者に限定した理由について、改めてお伺いをいたします。
○並木経営改革担当部長 承継対象者を限定した理由についてですが、都営住宅の入居は公募によることが原則で、入居を希望している都民が多数いる中で、公募の例外である使用承継によって長年にわたり同一親族が居住し続けることを認めることは、入居者、非入居者間の公平性を著しく損なうこととなります。
このため、平成十七年十二月に出された承継の厳格化を求める国の通知や、平成十八年六月の都の住宅政策審議会の答申も踏まえて、高齢者、障害者など居住の安定を図る必要がある者に配慮しつつ、使用承継の範囲を原則として配偶者に限ることとしたものでございます。
○きたしろ委員 まさに都営住宅を都民共有の財産として適切に利用するための改正であるわけです。この改正の趣旨を踏まえて的確に対応してもらいたいというふうに思います。
その一方、高齢者、障害者等については、居住の安定に特段の配慮をすべきであり、配偶者以外であっても例外的に承継を認めることは必要であると思います。それこそ弱者救済という意味合いもあるかと思います。
先ほど説明があったように、二十年四月から、特別の事情により承継を認める者の範囲が一部見直されましたけれども、これは、承継対象を原則配偶者とするこれまでの原則は堅持しつつも、こうした高齢者、障害者等に、より一層配慮するため、承継対象の範囲を拡大したものと考えております。
このうち、病弱者については、特別な事情があることの判断ができる場合に承継が認められることになっておりますけれども、実際にどのような対応をしているのか、お伺いをいたします。
○並木経営改革担当部長 病弱者への対応についてですが、病弱者については、承継しようとする者または同居者に、疾病により、当該都営住宅に継続して居住しなければ生活の維持が困難であると認められる方がいるときに認めております。
具体的には、パーキンソン病等国が指定する百二十三の難病や進行性筋ジストロフィーなど都が指定する難病にかかっている者、原爆被爆者、公害病認定患者が対象となります。これら以外については病名で対象者を判断できないことから、今年の四月から、都立病院あるいは東京都保健医療公社病院の医師の診断書を踏まえ、住環境の病状への影響状況に基づき居住の継続が必要と判断される場合に、認めております。また、他の病院に入院中で、入院期間も相当長期になることが見込まれ、退去猶予期間中に都立病院あるいは公社病院で受診することが困難な場合については、入院中の病院の診断書で対応することとしております。
この取り扱いについては、制度全体の周知や、窓口や電話等での個別の問い合わせに対して丁寧な説明をすることで理解を得てございます。
○きたしろ委員 今の説明にあったように、弱者といいますか病弱者に対しても、使用承継の取り扱いについて適切な運用がなされているものと感じております。
こうしたさまざまな配慮を行った結果、使用承継の現状はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
○並木経営改革担当部長 使用承継の現状についてですが、ただいま申し上げましたとおり、現在使用承継については、制度の厳格化を図る一方で、高齢者や障害者等に対する新たな取り扱い方針等をもとにきめ細かな対応を行っております。こうしたことや、これまで制度の内容について、「すまいのひろば」の配布、団地内のポスター掲示によりお知らせするとともに、窓口における丁寧な説明等を行ってきたこともあり、居住者からの問い合わせにも円滑に対応できております。加えて、承継いただけない方には六カ月間の猶予期間を設けるなど、さまざまな配慮を行っていることもあり、おおむね期間内に手続が完了されております。
○きたしろ委員 今の答弁にあったように、高齢者や障害者等あるいは個人の生活実態を踏まえて、きめ細やかな対応が十分なされているように感じられます。今後とも居住者に対して丁寧な対応を心がけてほしいと思っております。
本来、都営住宅は、入居者個人のものではなく、冒頭申し上げたように都民共有の財産であります。今後ともこの基本原則を忘れることなく、既存ストックを有効活用しながら、使用承継制度の適切な運用など都営住宅の公平かつ的確な供給に向けた一層の取り組みを進めていただくことを要望して、質問を終わります。
○藤井委員 私もこの都営住宅の承継についての質問をさせていただきます。今の、きたしろ理事に関連をいたしまして、何点かお伺いをしたいと思います。
今回この請願が出ましたけれども、名義人を一親等に戻せとか、あるいは手帳を持っている者全員に承継をしろとか、都営住宅を大量に建設しろという請願でございますが、いうのは簡単でございますけれども実際にそれをどのようにしてやるかというのがまさに大事でございまして、請願が出ている、この生活と健康を守る会というのは、ある特定政党を支持する団体の要望であるということをまず前提にした上で--ただいま部長から答弁がありましたように、一昨年八月の見直しによりまして、この都営住宅の承継については原則として配偶者に限定をする、一親等の者は排除することとされましたけれども、このことは、入居者と希望しても入居できない人との公平性を確保するという意味からは意義があるものであると考えるわけでございます。
しかしそうはいっても、現実に入居者が亡くなって、残された高齢者あるいは障害者、病弱者、いろんな方がいらっしゃる中で、その方たちが都営住宅に入居できない場合、大変生活上の支障が出るのじゃないかということで、我が党にもたくさんの要望が寄せられたわけでございます。その際、ことしの二月五日でございますけれども、我が公明党といたしまして、この都営住宅の使用承継に関する申し入れを、当時の菅原副知事に行いました。
その中で我が党は、特別な事情により承継をさせる場合がある、よりきめ細かな対応が必要であるということで、第一点目に、まず承継しようとする者が六十歳以上でかつ同居者に六十歳未満十八歳以上の者がいる場合、あるいは、承継しようとする人が身体障害者手帳三級、精神障害者保健福祉手帳二級、三級、愛の手帳三度、四度の場合というように、承継の対象を拡大するよう求めたところでございます。また、病弱者については、都立病院などの医師の診断書を踏まえて居住の継続が必要と判断した場合、こういった方も承継をするよう訴えたわけでございます。同じ趣旨の申し入れが都議会自民党からもあり、都市整備局として、こういった申し入れを真剣にまた前向きに取り入れ、そして今回四月からの実施になったという経過があるわけでございます。
そういう経過を踏まえますと、今回こういった請願が出ておりますけれども、いろいろと努力をして、そしてまたいろいろと検討してなされた今回の四月からの実施だということを思いますと--一つは、まず第一点目にこの病弱者についていろいろ議論もしました。先ほど答弁にありましたように、難病あるいは原爆被爆者、公害病認定患者、こういった方も承継ができるようにしたわけでございます。それ以外の、病名により対象者を判断できる場合以外、医師の診断書が必要となるわけですが、この四月以降、都立病院、公社病院の診断書に限って認められるように制度改正されましたけれども、この診断書によって現在まで何件の方が承継が認められたのか、お伺いをいたします。
○並木経営改革担当部長 都立病院あるいは公社病院の診断書により許可した件数ですが、本年四月以降八月末までで、確認できた件数では八件でございます。
○藤井委員 八件の方たちがこういった承継ができるようになったということでございます。
また、これまでかかりつけ医の診断書でもよかったわけですが、都立病院、公社病院の診断書ということに改正をしたことで居住者からの相談もふえているのじゃないかというふうに思いますが、そういった相談について対応はどのようにしているのか、お伺いをいたします。
○並木経営改革担当部長 今回の取り扱いの見直しに当たりましては、制度全体の周知を図るとともに、個別の問い合わせについては、必要とされる診断書の内容等について丁寧に説明をするなどの対応をとってございます。
○藤井委員 それから、先ほど申しましたように、障害者についても、自民党と公明党との要望によりまして、障害者に対する対象範囲、承継できる範囲も広がったわけでございます。知的障害者については四度まで、精神障害者保健福祉手帳については三級まで、身体障害者手帳についても、当初一、二級だったのを三級まで拡大をさせていただいたということですが、知的障害及び精神障害については本年四月の運用の見直しによって手帳所持者全員に承継が認められることになったわけですので、今回、全員に拡大しろというのはもう既に実行されているわけです。障害があっても手帳を持っていない人、例えば、今申請をしている、手帳の申請手続をしているけれども今は手帳がない、その方たちが将来的にはこういった対象の手帳を持つようになる場合もあるわけでして、そういったような方たちに対してのやはりきめ細かな配慮も必要だと思いますが、具体的にこういった場合、都の対応はどのようにしているのか、お伺いいたします。
○並木経営改革担当部長 障害があっても手帳を有しない人への対応ですが、現在、窓口等に障害者の承継についての相談があった場合には、障害の状況等を伺い、確認し、手帳取得の意向を確認するなどの対応をとってございます。また、手帳を取得していなくても、特別障害に準ずる者として区市町村長や福祉事務所長の認定を受けている場合は、特別障害者として承継の対象となります。
○藤井委員 現実にそのように対応されているということでございますので、今後やはりこういった承継についても、承継される方についてはきめ細かく、また先ほど答弁にありましたように、窓口での対応等をしっかりと親切に対応していただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。
○河野委員 質問します。
先ほどからお話がありましたように、東京都は、使用承継の要綱を四月一日から見直しして実施しています。これは、居住者や都民の声を一定反映した、その結果だと思います。承継できる対象者は拡大されましたけれども、まだ問題は残されていると感じておりますので、幾つか質問させていただきます。
最初に伺います。
昨年八月二十五日に、使用承継の要綱を、承継できるのは原則配偶者のみと変えてから一年がたっております。この一年間の承継許可件数と要綱改定前の年間の平均的な承継許可件数、これがどういう状態だったのか、お答えをいただきたいと思います。
○並木経営改革担当部長 年間の使用承継件数ですが、これまで、平均約四千件程度で推移してきております。平成十九年八月二十五日以降一年間の使用承継件数ですが、前提となる使用承継事由の発生件数が異なるため、単純な比較はできませんが、約三千四百件となってございます。
○河野委員 これまでの平均承継許可件数に比べると、一定数、六百件ぐらいですか、減になっているということがわかりました。
これは、内容がどうだったのかということで私は伺いたいと思いますけれども、一年たった中で、まだ東京都としても調査をまとめられていないというお話も伺いましたので、要綱見直しの後どういう状況が起こっているのかを調査し、また、委員会などに報告していただくように要望しておきたいと思います。
使用承継制度が変更になったことで、これまで幾つもの相談が私たちのところにも寄せられております。その中で、二人の女性の具体的な例に関連して質問をいたします。
二人とも年齢は五十代半ばであります。今、委員からも質問がありましたけれども、一人の方は障害にかかわる方です。心の病を持っておりまして十年来治療を受けています。しかし、手帳はこれまで申請してきませんでした。七月に名義人の母親が亡くなって、自分は、病気で働けない、収入がないために都営住宅を出ると生活ができないという不安を抱えております。母親の死亡と前後して区役所に相談に行って手帳を申請し、取得できるだろうとの回答を得ていますけれども、こうした場合承継が可能になる、先ほどのご答弁ではそのようなニュアンスがあったと思うのですが、正確にもう一度伺っておきたいので、この場合はどうなるか、お答えいただきたいと思います。
○並木経営改革担当部長 障害者の手帳の件ですけれども、先ほど申し上げましたように、障害者の承継については、窓口等に相談があった場合には、障害の状況等を伺って手帳取得の意向を確認するなどの対応をとっております。また、手帳を取得していなくても、特別障害に準ずる者として区市町村長や福祉事務所長の認定を受けている場合には、特別障害者として承継の対象となります。
○河野委員 この問題でもうちょっと詳しく伺いますけれども、先ほどのご答弁で猶予期間というお言葉も使われておりましたけれども、名義人が亡くなられた時点で手帳がなかった、しかし前後して申請した場合に、恐らく一カ月か二カ月で手帳は交付になるわけですけれども、そういう場合も六カ月以内の猶予期間なら、これは承継が認められるというお考えに立っておられますでしょうか。
○並木経営改革担当部長 障害者の認定ですが、六カ月間の猶予期間中に手帳が取得できるというふうになった場合につきましては、承継できるというふうにしてございます。
○河野委員 わかりました。ぜひ不安のないようにお願いしたいと思います。
それから、もう一人の方の場合もお話をしたいと思います。
この方は、ずっと独身で家計を支えて、お母さんを扶養しながら生活をしてきた人です。お母さんが長く肺を患っていた上に、自分自身も平成七年に乳がんにかかって、これまで三回手術を受けております。母親の医療費にお金がかかり、病気になってもパートで働いている。こういう生活なんですが、収入は月に十万円弱です。この夏に母親の死亡届を出したら、承継できないという通知を受けてびっくりしたそうです。十三年間もがんで苦しんできて、蓄えがなく収入も限られているから、家賃が高い民間アパートにはとても移れないという切実な悩みを抱えています。
この場合、病弱者として判断して都営住宅の使用承継が認められてよい状況じゃないかと私は思いますけれども、どういう条件をクリアすれば承継は認められるのか、お伺いをいたします。
○並木経営改革担当部長 繰り返しになりますけれども、使用承継は原則として配偶者に限り認められる中で、病弱者、高齢者等について特別な事情があると判断される場合に認められるものでございます。
病弱者につきましては、難病や公害病認定患者等以外については、病名により対象者であるというふうに判断ができないことから、この特別な事情の判断に当たって、都立病院または東京都保健医療公社が設置した病院の医師に診ていただき、その医師の診断書を踏まえ、行うこととしてございます。
○河野委員 私は、今後この方のような例は少なからず出てくると思います。こうしたご家族にとって、東京都が行った使用承継の見直しは、今大きくいって二つ問題があると感じています。
一つは、病弱者の場合、四月からの実施要綱では、ご答弁にありました都立病院、東京都保健医療公社病院の診断書があれば認めるとしていることです。現在通院中で働くことも十分でないような人などは、かかりつけ医の診断書で認めてもよいのではないかと考えますが、これはどうでしょうか。
それからもう一点、承継できる人の年齢を六十歳以上としていることです。ずっと独身で働いて母親を扶養してきたこの人は、私は母にとって配偶者と同じ役割を持っていたといっています。家族の生活の歴史、あり方を考慮して、使用承継ができる年齢を六十歳以上と狭めないで、せめて大阪府などがとっているように五十歳以上の家族が承継できるように見直すことが大切だと思いますけれども、お考えはいかがでしょうか。
○並木経営改革担当部長 まず一点目の入院中の場合ですけれども、これは先ほど申し上げましたとおり、入院中で、しばらく入院がかかって都立病院等で診察を受けられないといった場合には、その医師の診断書を踏まえて行うことというふうにしてございます。
それから、二点目の年齢の問題でございますけれども、これも先ほどからたびたび申し上げているとおり、使用承継はあくまでも例外的に認めているものでございまして、年齢については、六十歳以上の高齢者は、居住の安定性や継続性に配慮すべき者ということで、単身者でも都営住宅に申し込みができるということや倍率優遇により優先入居の対象となっているといったようなことと同様に、例外的に承継を認めているものでございます。
なお、従来は、承継者が六十歳以上の高齢者であることに加え、同居者がいる場合には、同居者のいずれもが六十歳以上の高齢者または十八歳未満という要件を設けておりましたが、本年四月の運用の見直しにより、この同居者の年齢要件については見直してございます。
○河野委員 今おっしゃった後段の同居者の年齢は問わないということは、居住している方々にとっては大変安心感がもたらされておりますのでよかったなと思うのですけれども、六十歳以上という年齢制限、これが、やはりたくさんの高齢のご両親と生活を営んできた、そういう方々にとって大変不安を投げかけているのは現実ですので、病弱者の場合、それから年齢の問題について、一層私は改善が必要だと思いますので、この機会に努力を求めておきたいと思います。
それで続きの質問なんですが、請願は一親等まで承継を認めるように求めています。東京都が、使用できる人を原則配偶者までとした根拠は、いろいろおっしゃっておりましたけれども国土交通省の住宅局長通知、これがあると思います。しかし、他県では、承継を一親等は認めるとしたままのところが幾つもあります。都も一親等に戻すように、都民、居住者から要望されている切実な思いを受けとめて見直し前に戻すべきだし、これは十分に実施することが可能な問題だと考えますけれども、ご見解はいかがですか。
○並木経営改革担当部長 たびたび繰り返して恐縮ですけれども、都営住宅の入居は公募によることが原則で、入居を希望している都民が多数いる中で、公募の例外である使用承継によって長年にわたり同一親族が居住し続けることを認めることは、入居者、非入居者間の公平性を著しく損なうこととなります。
このため、国の通知や都の住宅政策審議会の答申も踏まえて、都として、居住の安定を図る必要がある者、高齢者等への一層の配慮を加えた上で、使用承継の範囲を原則として配偶者に限るとしたものでございまして、一親等に戻すことは考えてございません。
○河野委員 繰り返し長年にわたり同一家族が居住し続けることは公平性を欠くというご答弁もありましたけれども、この長年にわたりが、東京都の都営住宅で、一体どれくらいの年月が長年にわたりという判断をされて、こういう使用承継の変更になったのかということも、私はいつか機会があったら伺いたいと思いますので、ご準備をしておいていただきたいと思います。
請願は、都営住宅への入居希望者に均等な機会が与えられるように都営住宅の大量建設を求めています。都営住宅の申し込みを何十回しても当たらないという話はしばしば聞きます。多くの人が応募しても入居できないという問題を持っているわけですけれども、この三年間で都営住宅の応募倍率はどのように推移しているか、お示しをいただきたいと思います。
○並木経営改革担当部長 三年間ということで、平成十七年度の平均応募倍率は三十三・七倍、平成十八年度は三十五・〇倍、平成十九年度は二十六・八倍でございます。
○河野委員 都営住宅の新規募集用の建設がなくなって丸九年がたちました。石原知事が就任した年ですけれども、そのときからですね。石原知事就任時の九九年ころは約十一倍の応募倍率だったのが、今では三倍近い数字が--毎年そういう応募になっているということが今のご答弁でわかりましたけれども、これは都民にとってはとても深刻です。
石原知事の就任前、都営住宅の建設は、年々少しずつ減っていたとはいっても、年に四千戸から五千戸くらいは建設されたということを聞いています。もしこの九年間、例えば毎年五千戸ずつ建設していたとしたら、四万五千戸が都民に供給された計算になります。今よりも都民に安心感を与えることができたはずです。そこで伺いますけれども、現在都営住宅を百戸建設したとしたら、その建設費はどれくらいになりますか。
○山口参事 都営住宅の建設費は、平成二十年度予算におきまして、戸当たり平均で約一千百万円となってございます。百戸建設した場合には、団地ごとに敷地の状況などが異なるため、幅はございますが単純計算すれば約十一億円程度ということになります。
○河野委員 百戸で十一億、一千戸なら百十億という計算になります。
今、都民の中では、東京都の予算の重点をどこに置くのか、このことが関心の一つになっています。ことしは、新銀行東京への四百億円の追加出資に対して、都民の七割、八割の人が反対をいたしました。仮に四百億円を都営住宅の建設に充てたとしたら、三千六百戸を超える新しい都営住宅が建設可能になったわけです。都の予算は都民の生活を重視して使ってほしい、これが切実な都民の声であります。
都民生活がかつてなく苦しい今だからこそ、都営住宅の新規建設に踏み出す、その決断をすべきときではないかと私は痛感いたしますけれども、都市整備局はどのようにお考えでしょうか。
○山口参事 都営住宅につきましては、既に都内の住宅数が世帯数を一割以上上回っておりまして、さらに、将来人口減少社会の到来が見込まれていることなどを踏まえまして、新規の建設は行わずストックを活用して、公平かつ的確に供給してまいります。
○河野委員 ストックがあるのは民間の住宅で、それは高い家賃の住宅であるということで、多くの人がそこにはとても行けないということで悩んでいるのですから、そこはよく見ていただきたいと思います。
最後に、請願に関して意見を申し上げます。
公営住宅法は、「国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする。」としています。東京都は、公営住宅法の目的に沿って、その理念を尊重して住宅施策を進めるべきではないでしょうか。
使用承継制度は、国の通知が出た後も、全国では、従来どおりのままの道府県が約半数あります。都が見直した使用承継制度は都営住宅の居住者の生活からかけ離れている、実態がわかってくれていないという意見が引き続き寄せられています。使用承継制度をもとに戻すこと、特に一親等までは承継できるようにすること、そして、都営住宅の建設を進めて都民の住宅要望にこたえる、このことを改めて要望しておきます。
請願は、都営住宅への都民要望を反映している内容ですから、採択していただくようお願いして、私の質問を終わります。
○村上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○村上委員長 起立少数と認めます。よって、請願二〇第八号は不採択と決定いたしました。
○村上委員長 次に、二〇第一一号、本町四丁目マンション建設に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○河村市街地建築部長 お手元の説明表の三ページをお開きいただきたいと存じます。
整理番号2番、二〇第一一号、本町四丁目マンション建設に関する請願についてご説明いたします。
本請願は、渋谷区の、本町四丁目の環境を守る会代表、小山八十彦さん外六百五十一人から提出されたものでございます。
請願の要旨でございますが、都において、本町四丁目マンション建設の事業主である三菱地所株式会社に対して、次のことを指導していただきたい。
1、計画内容について、近隣住民との話し合いの場をきちんと設けること。事業主による一方的な説明会ではなく、誠実な意見交換の場として設けること。
2、計画内容の策定に当たっては、特に以下の点について配慮すること。
(1)、現状の街並み景観などに配慮して、突出した高さの建築物にならないようにすること。
(2)、建物の形態、配置などを十分検討し、ビル風など風害の対策を行うこと。
(3)、安全・安心なまちづくりのため、なるべくワンルームマンションではなく、ファミリー向けの部屋をふやすこと、というものでございます。
計画地でございますが、五ページをごらんいただきたいと存じます。渋谷区本町四丁目二十二番一ほかで、都営大江戸線西新宿五丁目駅から西方向に約五百メートルのところにございます。
現在の状況でございますが、三ページにお戻りいただきたいと存じます。
建築主は、平成十九年八月十六日に渋谷区の条例に基づいて標識を設置し、同年九月に周辺住民への説明会を実施しました。当初の計画では、高さが約百メートル、二十七階建てでございました。
平成十九年十一月、当該地の高さ制限を五十メートルとする渋谷区高度地区変更素案が公表され、建築主は、渋谷区の指導もあり、計画の見直しに入りました。
建築主は、平成二十年七月二日に計画変更後の住民説明会を実施し、翌三日、標識を再掲、設置し直してございます。変更された計画によりますと、高さは約四十六メートル、十三階建てとなっております。その後の周辺住民への説明会ですが、七月三十一日に実施し、九月中にもまた実施する予定と聞いてございます。
以上で説明を終わります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○村上委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○植木委員 この本町四丁目マンション建設に関する請願、建物の建つところは渋谷区なんですが、ちょうど区境でありまして、私の中野区に隣接するところであります。
それで、今のご説明では、七月三十一日に住民説明会を実施したという報告があって、九月中にも説明会をやるという予定ですが、この七月三十一日以降も住民の皆さんが三菱地所に対して要望書を提出されている、こういうふうに伺っています。
それで、このマンション計画、高さ制限については変更したということでありますけれども、変更図を見てみますと逆に床面積で四百五十四平米もふえているんですね。高さを低めて床面積も減るのかなと思っていたら、ふえている。それから、住戸も三十五戸もふえている。戸数がふえればそこに入居者の自動車もふえる可能性があるんですけれども、逆に駐車場の台数は二台減っていて、しかも住民側に通路ができるように変更された。これでは、せっかくの変更も改悪ではないかという声が上がっているんですが、皆さんはどのように見ているのでしょうか。
○河村市街地建築部長 計画変更に絡んだ問題でございますが、平成十九年八月の当初計画から比べますと、延べ面積で二万二百十六あったものが、平成二十年七月には計画変更されまして二万六百七十平米、先ほどご指摘ありましたように四百五十四平米ふえているということですね。これとまた屋外にあった駐車場、これが地下化されたというような変更になっておりまして、その分の面積がふえたということでございます。また、総戸数も、ご指摘ありましたように二百二十一戸から二百五十六戸へと三十五戸ふえてございます。これは、当初計画と建築物の規模は同じではございますが、各戸の専有面積を減らした、小ぶりにしたということでございまして、その結果住戸数がふえてきたと聞いております。
地元のご意見等でございますが、ワンルームタイプが少しふえておりますので、ファミリータイプをふやしてほしいなというような要望等がございます。
○植木委員 いろいろ理由を述べていたけれども、やはり改悪ですよね。
今お話のあったワンルーム、住民の皆さんは、ファミリータイプをふやすように指導してほしい、こういう声が上がっています。今、住戸面積一つ一つを減らしたんだ、こういうことですけれども、ワンルームはどのくらいあって、ファミリータイプにする指導、これについてはどのように行っていますか。
○河村市街地建築部長 ファミリーとワンルームの関係でございまして、ファミリーをふやせないかということで、本計画はファミリー向けの住戸が、現計画ですと百七十二戸でございます。それからワンルームが八十四戸、合計して二百五十六戸ということでございまして、全体の数の三分の一ぐらいをワンルームで、それ以上にファミリーが占めているということでございます。渋谷区さんのワンルームの条例がございまして、その条例の規定ですと、これを商業地域としますと、全体の戸数から四十戸を引いて五分の一、二割ファミリーを確保すればいいということで、条例の規定は十分満たしてございます。ただ、地元ではそれ以上にファミリーをふやしてほしいというのが要望でございます。
○植木委員 渋谷区のワンルームについての条例があります。でも、こんなでかい規模のマンションは想定していないのですよ。ちょっと認識が違うんじゃないかと思うんですよね。
ちょっと今名称は忘れましたけれども、要するに、まちの小さな共同住宅でワンルームがふえると、そこに住んでいる人たちは町会にも入らないとか、それからごみの処理の問題が大きくなるとか、そういういわゆる小さな共同住宅のことをいっているのであって、マンションというのはいわば、億ションとかという言葉があるぐらいに、豪華なという意味があるんですよ。そのマンションにワンルーム規制条例の、ちょっと名称は忘れちゃったんですけれども、それを適用するという考え方自体がおかしいんじゃないですか。いかがですか。
○河村市街地建築部長 区の条例の適用についてでございますが、本件は、先ほどもご答弁申し上げましたように区の条例の適用はないという物件なんでございますが、条例の内容を一つ一つの基準を見ましても、例えば住戸の専有面積とか駐車台数とか駐輪場の台数、また外壁を後退させなさいとか、いろいろな空地を確保しなさいとか、それから管理人室を設けなさいとかいろいろな規定がございます。
本計画は、適用にならないのですけれども、そういった内容は満たしてございます。そういったことでございます。
○植木委員 満たすのは当然ですよ。満たさないものを出してきたら許可するわけにいかないでしょう。そうじゃなくて、そういう、地域の共同住宅の条例の規模の考え方で臨んじゃだめだよということを私はいっているんですよ。
それから、従来は南側に、いわゆる通路、自動車の通路、これはなかった。ところが、変更したら、南側に通路ができるようになっているんです。それからもう一つは、一階は店舗が入るようになっていて、その店舗の搬入口はすべて裏側から、つまり南側の住民の住んでいる側に搬入スペースがあるんですよね。どこが入るかわかりませんけれども、例えばこれだけの面積ですから大きなスーパーが入るのか、あるいは建具屋さんが入るのか材料屋さんが入るのかわかりませんけれども、こういう搬入車が、一般の住宅のところにいきなり通路ができて車が通る。こういうことで許可をするのでしょうか。
○河村市街地建築部長 いろいろな車が来るということで、近所の道路を見ますと、四メートルから五メートルぐらいの幅員ですか、東方向、西方向にあるということで、なるべくこの計画ではそこに負担をかけないようにということで、すぐに敷地の中に引き込んで処理しようというふうに建築主は考えていると承ってございます。
また、実際の車の処理は、ただいまの計画案で、住民説明、いろいろと意見交換をしておりますが、その検討の中でいろいろ対応を考えてまいりたいというふうに伺ってございます。
○植木委員 その認識は甘いんじゃないですか。
最初の、計画変更の前の、これも余りよくはないんだけれども、通路として突き抜けられるようにはなっていないんですよ。それが通路としてつけられるようになったから、まさにこの四メートルから五メートルの道路から車が住宅街の中を抜ける、そういう形になるわけですよ。だから、ちょっと認識が違うと思うんです。
それで、スーパーなどに--スーパーか何かは、私が事前にお聞きしたらわからないというので特定できないのですけれども、これだけの店舗があって、搬入口が南側、住民の側にある。最近スーパーなんかも、よく見てみますと四トン車以上の車が結構入るんですね。恐らく、チェーン店であるのかわかりませんけれども、チェーン店だとすれば何カ所も店を回る、だから四トン車で物販をする、こういうことになるんですけれども、住宅街をこういう四トン車の車が、この計画で入らないという保証があるのかというのを住民は心配しているんですよ。この点についてはいかがですか。
○河村市街地建築部長 四トン車の通行などに関するご質問でございますが、現在のところ建築主は、具体的にどのような店舗形態になるか、業態を含めて未定といってございます。したがいまして、四トン車が通行するかどうかは不明な段階でございます。
いろいろ道路、交通等をめぐって地域住民の方とお話し合いをしているということで、これは道路の使い方の問題かなというふうに考えてございまして、周辺住民と建築主による関係者間の話し合いが大変重要かなと私どもは考えておりまして、都としても、十分話し合いが進むように関係者等に働きかけてまいりたいと思います。
○植木委員 話し合うのは当然なんだけれども、そういう四トン車みたいなのが住宅の側に、しかも道路の中--というところに通るようなことを認めるような計画になっているということ自体が問題なんですよ。
北側の方南通り、つまり表側ですね、ここは最近拡張したばかりで、ちょっと今メートルは忘れましたけれども結構広いでしょう。十分スペースはありますよね。周辺の会社もみんな表から搬入していますよね。そういうところから見て、何でこれだけの規模のマンションが、わざわざ住民の側を通らなきゃいけないのか。これはやはりきちっと指導して、表側に回すという計画変更をきちっと指導すべきだと思うんですけれども、それが指導できないようだったら私はおかしいと思いますけれども、いかがですか。
○河村市街地建築部長 周りの道路に迷惑をかけないで自分の敷地にいきなり、というお話ということに承ります。
あそこの土地は横に長いのですが、前にバス停があったりいろいろと支障がなきにしもあらずということで、事業者さんの方では、地域住民の方ともいろいろお話し合いを進めるとともに、関係行政機関、例えば警察とかそういったところともお話し合いをしているというふうに承っております。あとは地域とどうお話し合いが進むか、見守ってまいりたいと思います。
○植木委員 見守るという姿勢じゃやはりおかしい。許可権者でしょう。許可権者がそんな姿勢でどうするのですか。
私は、先ほどもいいましたように隣の区なんですけれども、周辺は新宿、中野、渋谷のちょうど区境なんですね。渋谷の人たちは--どんどん開発によってまちが変わっていく、最近は、地域でお祭りもやっているのだけれどもお祭りの神酒所の設置すらなかなか困難なほど、今開発がどんどん進んできている。
そういう中で、ここの本町三丁目、四丁目をあわせて三、四丁目地区の大半を占めているのが二軒家町会という町会なんですよ。私も、最近の町会長の方はわかりませんけれども前の町会の方はよく知っている人だったのですが、ここでは、わがまちルール、二軒家地区のまちづくり憲章、こういうのをつくっておられるのです。それで、何でこんなものをつくったのかということの趣旨を教えてくれたんです。
近年、本町三丁目周辺地区では、山手通りの沿道などを初めとする建物の更新によってまちの様相が変化してきている、これからも安心して住み続けられるまちの環境を保全、創出していくことが大きな課題となっています、そのために、まちにかかわるすべての人たちがお互いを尊重し協力してまちづくりを進めることを目指して、まちのルールを定めた。二軒家町会というのですけれども、二軒家地区のまちづくり憲章というのをつくっているんです。それで、良好な生活環境を守りはぐくみ、健康に暮らせるまちをつくります、自分たちのまちの景観は、みんなで話し合い合意して決めていきます、こういう目標を十項目ほど挙げて憲章をつくっている。まさにそういう地区なんですよ。
だから、まちというのは、ただ単体でどうかということじゃなくて、そこに住んでいる人たちが本当に安心できるのか。住宅街の真ん中が搬入先になっていいのか。本当に、さっきいったように方南通りは拡幅したばかりですから、十分利用できるんですよ。バス停だって、それは相談すればできることなんです。許可権者として、そんな姿勢じゃだめだということを私は強く述べたいと思っております。
こういう二軒家地区のまちづくり憲章、こういう住民の声についてはどう思いますか。
○河村市街地建築部長 地元のまちづくり憲章、いろいろな、安心に、住み続けられるまちづくりということで、そういった趣旨は大変大事なことかなと思っておりまして、お互いに尊重して住み続けていくという説明がございましたが、私どもの紛争調整も互譲の精神というのを掲げてございまして、互いに関係者がよく話し合って納得のいくような形でまとめ進めていくということは大事だということで、そういった考え方で私どもも調整に当たっておるところでございます。
○植木委員 まさに、互譲の精神といったけれども、変更案がこういうことなんですよ。もともとの案は、逆にそこを通過できないようになっていたのが、道路に関していえばですよ、高さは確かに低くなったんだけれども、道路に関していえば逆に住宅街を、こういう搬入路になっている。だから、互譲の精神という点ではそこのところこそきちっとすべきだと思うんです。
それからもう一つは、この三菱地所が一応建て主になっているんですけれども、実際に資金集めをしたり設計の手配をしたりするかなめになっているのが、特定目的会社、いわゆるSPCが前面に出ているわけです。この特定目的会社というのは資金集めと建物を建てるのが目的の会社なんですよね。そうしますと、住民と今話し合いをやっているけれども、建物が建っちゃったら、これ、だれが住民との話し合いの内容を継続的に生かすことができるのか。それこそ互譲の精神できちっと継続できるのか。その指導は東京都としてきちっとやるべきだと思うのですけれども、いかがですか。
○河村市街地建築部長 ただいま、建設そして管理等についてのご指摘がございました。
もうちょっと私の方から詳しく申し上げますと、この建築主は、本プロジェクト推進のために設立された特別目的会社、いわゆるSPCという会社でございまして、合同会社渋谷本町四丁目開発という企業でございます。この特別目的会社は、特定の不動産を取得し、開発、保有、売却するといういろいろな一連の業務を行うことになってございます。そうした法人でございまして、この特別目的会社は、それぞれの業務を幾つか専門家に分けまして依頼するということで、開発業務全体は三菱地所が担うことになってございます。それから設計監理業務は、三菱地所の関連する会社、三菱地所設計に委託しておると。工事は当然ゼネコンになるかと思います。管理面もそういった視野で今、考え中ということを聞いておりますので、全体として三菱地所が全体をコントロールしていくというふうに承っております。このことは説明会でも、たしか述べたというふうに聞いてございますので、その点ははっきりさせておきたいと思います。
都といたしましては、こういったプロジェクトでございますので、そう問題は起こらない、しっかり管理されるというふうにとらえております。
○植木委員 それからもう一点は、この請願者が最後に、九月に向けて要望書を出しているのは、先ほどいったように、まちづくり憲章に基づいて地域はみんなで話し合っている。南側はまさに低層住宅ですよ。それから、まちづくり憲章で--新宿寄りに行くとちょっと違うのかもしれませんけれども周辺は八階建てぐらいです、大体が。私どもの住んでいる中野側、ここは、公務員住宅と、それこそ低層のお店が数カ所、数軒というのかな、建っている、そういうところなんですよ。そういう意味で、高さについても要望している。
それから、今の特定目的会社については、確かに事業資金やコーディネーター役であるのだけれども、やはり最近の特定目的会社というのは、資金を調達するので不動産ファンドなどを活用して効率的に、利益優先でどんどんどんどん進める傾向が、最近いろんなところで問題になっています。そういう意味では、利益優先じゃなくて、やはり住民の声をきちっと聞いて最後まで責任を持たせる。
責任の問題は先ほどもちょっと述べたので重ねてしませんけれども、高さの問題、それから今後の管理運営についての都側の姿勢をお聞かせいただきたいと思います。
○河村市街地建築部長 今ちょっと誤解を与えている節がないとも限らないので、ちょっと正しておきますと、これは建築許可ではございませんで、一般の建築確認でやれる案件というふうにご理解いただきたいと思います。
それから、質問でございまして、高さと管理について受けました。高さにつきましては、当初の百メートルから半分に落とすというような計画変更をされております。さらに、その高さの点についても、地元では今ちょっと風害等が心配されるということで、地域住民と建築主が話し合っておりまして風洞実験をやろうということで、そういったことで動いております。委託調査をかけている。まだ結果は出てきてございませんが、そういった観点で、その結果がそう遠くない将来に説明されることと思います。
あと、建物の管理でございますが、私どもの聞くところによりますと、しっかりとした会社が管理もしっかりやっていくというふうにいっております。また、条例には適合いたしませんが、ワンルームマンション等の条例に沿った管理をしっかりやっていくようにも承ってございますので、私どもは心配してございません。
○植木委員 これで最後にしますけれども、心配していませんという言葉が最後にあったので。
住民の皆さんは心配しているんですよ。だから、引き続き要望書を出しているんですね。それこそ、さっきの車の問題一つとってみても心配の種ですよ。だから、管理の問題は心配していないというかもしれませんからこれ以上いいませんけれども、請願の趣旨をきちっと受けとめて対処していただきたいということを申し述べて、終わりにします。
○村上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上委員長 異議なしと認めます。よって、請願二〇第一一号は継続審査といたします。
○村上委員長 次に、二〇第二九号、(仮称)目黒リバーサイドタワー建設工事に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○河村市街地建築部長 お手元の説明表の七ページをお開きいただきたいと存じます。
整理番号3番、二〇第二九号、(仮称)目黒リバーサイドタワー建設工事に関する陳情につきましてご説明いたします。
本陳情は、目黒区の、マンション雅叙苑管理組合理事長、山田朝浩さん外百六十人から提出されたものでございます。
陳情の要旨でございますが、都において、仮称目黒リバーサイドタワー建設工事により建設が予定されている幅七十三メートル、高さ八十三メートルの建築物に関し、本件工事の施主である株式会社モリモトに対して、東京都総合設計制度の趣旨を遵守し、周辺の市街地環境に配慮するとともに、長大な壁面の現出を禁じた東京都景観条例に合致するよう設計変更を行うよう指導していただきたいというものでございます。
計画地でございますが、位置図でお示しいたしておりますように、計画地は目黒駅の南西に位置しておりまして、目黒川沿いの敷地でございます。また、目黒川の対岸には、目黒雅叙園と陳情者がお住まいのマンション雅叙苑がございます。
現在の状況でございますが、都は、平成二十年六月二十日、景観条例に基づく事前協議書を受理しております。また、建築主から、七月二十二日に総合設計の許可申請書が提出されております。
七月二十五日には都知事から目黒区長に意見照会を行い、八月七日に目黒区長から、審査に当たっては区が建築主に要望した趣旨に沿うよう配慮してほしい旨の回答がございました。
七月二十八日から八月十日まで、都は計画図書を縦覧に供しまして、八月十八日に公聴会を開催しております。
以上で説明を終わります。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
○村上委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○鈴木委員 (仮称)目黒リバーサイドタワー建設工事に関する陳情について質問いたします。
本件陳情は、建築基準法第五十九条の二の規定に基づいた総合設計制度による建築の許可にかかわるものであります。私は、総合設計制度につきましては、建築敷地の共同化及び大規模化により土地の有効かつ合理的な利用を促進するもので、公共的な空地空間の確保により市街地環境の整備改善等を図ることを目的としており、そのことにより市街地の防災強化、都心居住の推進、緑化の推進等を実現するための制度として、理解しております。
今般、近隣住民の方から本件にかかわる意見書等が送られてきました。私も、これらの意見書を読ませていただきました。私なりに要約しますと、住民の皆様の心配事や要望は、一つに目黒区が絶対高さ制限をかける条例改正を意識した駆け込みであり、二つ目に眺望の阻害による資産価値の低下、三つ目に風環境の変化を招くものであり、四つ目として、当該地が製薬会社跡地ということから砒素などの土壌汚染への十分な対応、そして五つ目に、高さ制限により建設された住宅が再建不能となることととらえました。
そこで、まず五点ほど質問させていただきたいと思います。
この計画は、陳情者が主張されているような、高さ制限施行前の駆け込みをねらったものなのでしょうか。
○河村市街地建築部長 駆け込みのご質問でございますが、目黒区が高度地区の素案を公表したのは十九年十一月でございますが、事業者は平成十八年十月に総合設計の事前相談を開始いたしてございます。その後、事業者は、土壌調査、その結果に基づく対策工事を十九年四月から二十年六月まで施工いたしました。このように、事業者は二年前から計画を進めてきてございます。
○鈴木委員 ということは、高度地区の素案公表の以前から事前相談が行われていたということですね。
次に、陳情者は資産価値の低下をいっていますが、眺望侵害による資産価値の低下といわれましても、私は、それを評価するのはなかなか難しいのではないかと思っております。ところで陳情者はどちらにお住まいなのでしょうか。また、計画地の近くには高層建築物はほかにないのでしょうか、お伺いいたします。
○河村市街地建築部長 陳情者にかかわる件でございまして、陳情者は、計画地とは目黒川を挟みまして対岸のマンションにお住まいの方々です。このマンションは、全体五棟で構成されておりまして、計画地から最も近い棟はおおよそ四十メートルの距離にございます。高いものは十五階建てで、二十メートルほどの高い斜面の上に建ってございます。
この川沿いには、計画地から川上、川下、それぞれ各五百メートルの範囲に約七十メートルから百十メートルの高さの建物が五棟既に建ってございます。対岸のはす向かい、近くには、最高高さ百メートル、幅にいたしまして二百メートルを超える建物もございます。
○鈴木委員 なるほど。
次に、陳情者は、高層建築物の風害また風環境の変化や、目黒川の、風の道機能の阻害についていっておりますが、都はこの計画をどうとらえているのでしょうか、お伺いいたします。
○河村市街地建築部長 都の、計画に対するとらえ方でございますが、都市のヒートアイランド化の抑制のため、大規模な敷地の特性を生かしまして、この計画地内に十分な緑とオープンスペースをとって周辺市街地に川沿いのさわやかな風の流れを導くことは、重要というふうに考えてございます。
また、高層化に伴う風環境の変化に対しましては、建物の隅、そういったところを切ったり、地表部で風が強まる箇所、そういった箇所に植栽を密に配置したりして、通常の住宅市街地と同じ状況を出していこうというふうに考えてございます。
○鈴木委員 ということはどちらかといいますと、総合設計制度により、敷地内に十分な緑と空地がとられており、周辺市街地の環境改善につながるもので、近隣への風害についても通常の住宅市街地と変わらない対応がなされているということと私は理解いたしております。
次に、陳情者は土壌汚染についても心配しておりますが、これに対し事業者にはどのように対応したのでしょうか、お伺いいたします。
○河村市街地建築部長 事業者への対応ということでございまして、土壌汚染に対する対応でございます。環境確保条例に基づきまして、事業者は必要な調査を行いまして、その結果に基づき対策工事を施工してございます。その結果につきましては、本年六月十二日に環境局に報告されまして受理されてございます。さらに、六月二十日には内部で審査終了ということになってございます。
以上でございます。
○鈴木委員 これについても必要な対策工事がされており、環境局で受理、審査が終わっているということですね。
また、陳情者はまだ建設されていない住宅の建てかえまで心配しておりますが、高さ制限に対し、建設後不適合となる建物は再建できないのでしょうか、お伺いいたします。
○河村市街地建築部長 現在、区が考えております高度地区の素案、これによりますと、将来、地区計画を地元で策定することなどによりまして、再建築を否定しているものではございません。
○鈴木委員 わかりました。これまでの説明で、本計画は駆け込みのものではないということが明らかになったと思います。また、環境、景観面についても問題はないようですし、建物の再建も可能性がないというわけではないということです。
それでは、続いて、許可手続に関してお伺いしたいと思います。
まずは、公聴会における地元住民の方々の意見をもう少し詳しく伺いたいと思います。恐らく賛成、反対両方の意見があるのではないかと思いますが、公聴会でどのような意見が出たのか、詳しくお教えください。
○河村市街地建築部長 公聴会での意見についてでございますが、反対意見といたしましては、この建物が高過ぎるということ、眺望景観に支障がある、景観条例に反するとか、区の高さ制限に適合した計画にすべきであるといったもの、また、風害対策や土壌汚染工事が不十分などといった内容のものです。
一方、賛成意見といたしましては、密集住宅地に公開のオープンスペースができること、歩道機能が拡充され交通安全性が増すことなど、歓迎するものでございました。
○鈴木委員 また都は、許可に当たり、地元目黒区の意見を聞いているということですが、その、区が回答してきた意見の内容をお教えください。
○河村市街地建築部長 区の意見の内容ということでございまして、目黒区が事業者に要望した趣旨に沿うようにご配慮願いたいということで、具体的には、高度地区変更第二次素案というのが公表されておりますが、その内容を踏まえた計画の見直しを検討するようにという要望が出てきてございます。
○鈴木委員 そのような意見を踏まえて、都は、建築審査会に計画案を付議したわけです。都が審査会に付議しようとした考え方をお教えください。
○河村市街地建築部長 都といたしましては、高度地区の適用に当たりましては、一律に適合させるということではなく、大規模な敷地などでは地域性を反映した形で対応することといたしております。
本計画は、緑と空地の少ない住工混在の木造密集地にあってしかも川沿いという地域特性、こういったことを踏まえますとともに、大規模敷地の特性を生かし緑とオープンスペースを確保することにより、川からのさわやかな風を周辺市街地に送り込む計画となってございます。市街地環境の整備改善に資するものであると考え、付議いたしました。
○鈴木委員 そうした考えで審査会に付議したということですけれども、それで結果はどのようになったのでしょうか、お伺いします。
○河村市街地建築部長 結果は保留となりました。
○鈴木委員 結果は保留だったということですけれども、都は、保留の理由をどうとらえているのでしょうか。事業者には何と伝えているのですか。そして、今どういう状況になっているのか、お教えください。
○河村市街地建築部長 何点かお尋ねがございました。まず、都といたしましては、現行の高度地区、北側斜線制限といったものへの配慮を求められたものというふうに理解してございまして、都といたしましては、そのことについて事業者にも伝えてございまして、現在、事業者において検討中というふうに聞いてございます。
○鈴木委員 これまでの答弁で明らかになりましたように、絶対高さ制限前の駆け込みをねらったものではないようですし、総合設計により高層にはなりますが、公開のオープンスペースを歓迎し、賛成する意見もあります。
そもそもこのような建築問題については、建て主側の十分な説明と相互の話し合いによる理解が重要でありますので、そうしたさらなる努力を期待する中で、建築審査会が保留しそのことを都が事業者に伝え、現在事業者が検討中ということですので、とりあえず、今回この陳情の取り扱いについては継続にしたいと思います。
以上です。
○植木委員 私も、この目黒リバーサイドタワーについて伺いたいと思います。
今もお話ありましたが、総合設計制度を活用しているということで、もともと基準容積率があって、今回どうなるのかまた高さはどうなるのか、これについてまずお聞きしたいというふうに思っています。
私も現地へ行ってみましたが、川沿いで目黒雅叙園の向かい側で、周辺はそんなに高いものがない低層住宅地の中にある。かつては薬屋が薬の製造をやっておられたというふうに聞いております。それ自体はそんなに高いものではなかったというふうに聞いているんですが、それとの比較も含めてお示し願いたいと思います。
○河村市街地建築部長 容積率、高さなどに関する点、また従前の土地利用との比較等のご質問でございます。
当該計画地は、基準容積率は三〇〇%でございまして、容積の割り増しは約二二五%、合計で五二五%という計画になってございます。
高さにつきましては総合設計制度では緩和してございません。第三種の高度地区がかかってございまして、これの北側斜線制限の緩和について、別途、許可申請がなされてございます。
従前土地利用との絡みでございますが、従前、萬有製薬が十年ほど前までされていたということで、聞いているところによりますと、おおむね四階建てから五階建て、一部八階建ての建物が複数あったというふうに承ってございます。
○植木委員 三〇〇%が、総合設計制度を使うと五二五。二倍までいきませんけどかなりの、倍か、近いものになっている。萬有製薬の方は、昔の図面で見たので正確にはわからないんですけれども、かなり余裕を持って建ててある図面を見ました。
区長意見の問題が先ほど出されましたが、区長意見では、この説明の中身でもよくわからないのですが、審査会に当たっては、区が建築主に要望した趣旨に沿うよう配慮してほしいと。先ほどの説明では高さ制限のことだということですけれども、高さ制限の規制はどういう内容になっているのか、容積率の基本は変わらないのか、この点についてお示しください。
○河村市街地建築部長 区長さんの意見等は、今の絶対高さ制限の趣旨に沿うようにというような意見でございました。
今、許可申請を受けていますのは、総合設計による容積の割り増し緩和ですね、それと高度地区の北側斜線制限という制度がございまして、それによる高さの緩和を求められているということでございます。
○植木委員 私の質問をよく聞いてほしいんですが、区長意見が出されたけれども、高さ制限だという話があったけれども、高さ制限の中身はどうなっているんですか、容積率についてはどうなるんですかということを聞いているんです。お答えください。
○河村市街地建築部長 今、目黒区さんの方でお考えになっている高度地区絶対高さ制限の内容は、一般的には二十メートル、大規模な敷地につきましては一・五倍の三十メートル、そのほか特例等がございまして、地区計画の区域はその内容によるとか、適用除外の規定とか区長が認める場合はこの限りにあらずとか、幾つかの特例措置が用意されてございます。高度地区の制限ですので、別に容積率については触れておりません。
以上でございます。
○植木委員 容積率もちゃんと触れているんですよ。現状でといっているんです。だから、三〇〇%なんですよ。
それから、先ほど来、地区計画であたかもすぐに変わるかのようなことをいっているけど、今、その地区計画で変わるという方向が出ているんですか。そこ、どうなんですか。
○河村市街地建築部長 地区計画の話が出ましたが、私が説明いたしましたのは、区の高度地区第二次の素案の内容につきまして、このような内容、仕組みになっているという説明を申し上げましたので、今、地区計画で変わるというお話ではございません。
○植木委員 だからさっきの説明はおかしいんですよ。あたかも地区計画がすぐできるかのような、そういうお話をしていた。都の姿勢として、私は正しくないと。事実はきちっといわなきゃだめですよ。
そうしますと、今、目黒区のお話を聞きますと、十一月ごろの都市計画審議会でこの高さ制限等について決定するというふうに伺っています。日にちはまだ決まってないとかいわれていましたけど。いずれにしても、もう提案するということはなされているわけですよね。そうですよね。
そうしますと、決定されるとどうなるかというと、高さ制限、容積率、これに縛られるわけですね。そうしますと、万が一というかどうなるかまだわかりませんけれども、現状のまま許可がされたとするとこの建物は売りに出される。売りに出されると、どこが売りに出すのかちょっと正確にはわかりませんけれども、今の建て主が不動産業もかなり手広くやってデザイン関係もやっている会社ですから、多分ここが売買されるんだろうというふうに予想するんですが、そこ、もしわかっていたら教えてほしいのが一つ。
それから、売買に当たって、こういう区決定がなされたあるいはなされる--売買は十一月過ぎるのかわかりませんけれども、十一月過ぎれば当然、こういう区決定がありますよということを、売買に当たっての重要事項説明書には記入しなきゃいけないんだろうと思うんですが、その点と、もし記入するとなったらどういう表現で記入するのか、教えていただきたいと思います。
○河村市街地建築部長 売り主に対する質問でございまして、事業主であるこの会社が、モリモトさんですか、販売者になろうというふうに理解してございます。
○松村住宅政策推進部長 都市計画法とか建築基準法上の容積率とか高さ制限については、重要事項説明ということで説明することになっております。
先ほど委員がおっしゃった、いわゆる今後の予定ということにつきましては、これは重要事項説明ということではなくて、業法四十七条一号で、いわゆる業務について、故意に事実を告げずまたは不実のことを告げるということはいけないというふうなことで、そうした予定、いわゆる都市計画法上の予定につきましても事実を告げなければいけないというふうになっております。
○植木委員 現時点では予定だろうと思うんですけれども、十一月にもし決まれば予定ではなくなる。そうすると、販売会社イコール建て主さんは、当然この高さ制限、容積率も三〇〇%になるということはきちっと書かなきゃいけないはずだと思うんですね。
書かなきゃいけないはずだということで、もう一回先ほどと同じ質問なんですけれども、どういうふうに、その場合は記入の仕方をするのかというのが一つ。
それから総合設計制度は、この高さ制限が決まった後、先ほど建てかえの話というような、これはいつになるかわかりませんけれども、現状で見る解釈は、極端な話をすると、もしここで例えば震災で倒れた場合に、総合設計制度はその高さ制限があった場合に適用されるのかどうか、その辺、二点お示しください。
○松村住宅政策推進部長 都市計画が決定した後の重要事項説明ということで申しますと、建築面積の限度、何%かということでですね、敷地面積、あとは建物の高さの制限ということで、例えば道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限、絶対高さ、日影による中高層の建築物の制限というふうな形で記載されるというふうになっております。
○河村市街地建築部長 総合設計を使って、また容積とか高さ制限等はどうかというご質問でございますが、総合設計制度の要件に合えば適用はできますが、高度地区というのは、絶対高さ制限の場合は別途の制限でございますので、それはまた別途の対応が必要になるということで、必要なら都市計画に位置づけるとか、区長の許可をもらうとかそういった手続が必要になろうかと思います。
○植木委員 ちょっと今のわかりにくいんですけど、そういう特定の許可なり特定の要件がない限りはできないというふうに、逆にいえばそういうことになるんでしょうか、ちょっと教えてください。
○河村市街地建築部長 もうちょっと具体的に申し上げますと、総合設計だけでは難しいかなと。あと、あわせて高度地区の許可みたいなもの等が必要になろうかなというふうに考えてございます。
○植木委員 つまり、新しい何かがない限りは総合設計はできないということになりますと、十一月に決定されたといたしまして、そこで販売が、どの時点かでき上がってなのか、途中から--最近は途中から売買する例もありますから、売買するとなると、そこのところを明確に記入しないといけないというのが三十五条。それから、故意に事実をねじ曲げたりして不利益を与えた場合はいけないというのが四十七条の規定にありますから、当然そのことは売買のときから示さなきゃいけないという責任が発生するわけですね。今のご説明でよくわかりました。
そうしますといわば買うときから、都市計画法や絶対高さ制限や総合設計の考え方は、特別なことがない限りは現時点では、つまり決定された時点以降は適用できませんよという、建物としては、非常に、平たい言葉でいえば既存不適格というのかわかりませんけれども、要するに現状のまま持っていていいのかということを最初から記入せざるを得ないという問題。
もう一つは、三〇〇%という基準容積率に今度なりますし、高さ制限も、絶対高さが二十メートルで、大規模特例を活用しても三十メートルということになりますから半分以下ですね。そうなりますと、確かに公開空地の問題もありますから単純に比較はできませんけれども、ざくっといえば、半分の資産価値が売買のときから始まるという、そういう例になるんですよね。そういうことになる。
その説明が不十分であれば、買った人が建て主--あるいは、なぜこれを許可したのかという争いにもなる可能性がある。こういうことになるというふうに、私素人ですからもし間違っていれば指摘をしていただきたいんですが、最初から、そういう売買の関係になるということと考えてよろしいんでしょうか。
○河村市街地建築部長 今に対するお答えでございますが、今も、総合設計許可と高度地区の許可とあわせて実現するプロジェクトというふうになってございまして、将来も、もし建てかえるということになりますと、やはり考えられますのは、総合設計許可と高度地区の許可みたいなことをやっていくのかなというふうに考えてございます。
ですから当面は、もし仮に、今、素案の段階ではございますが、高度地区の絶対高さ制限が、その後時間が進みましたら導入されたということになりますと、その点につきましては多分抵触するようになると思いますので、将来、必要なら許可を受けるということになるのかなというふうに考えております。
○植木委員 将来のことをあなたがいう必要は、私はないと思うんですよ。まだ決まっているわけじゃないんだから。むしろ、目の前に決まるというふうにもうはっきりと区がいっていらっしゃるんですから、おもんぱかる必要は全くないというふうに思うんですね。
ここの会社のホームページを見ますと、非常にデザインとか壁面デザインアワードとかいろいろ研究なさっている事業者なんですけれども、やっぱりこれだけ明確に、目前に、目黒区が予定しているものを承知でやるということになると、こういうことが予想されるということを、私は指摘を第一点目としてしたいと思います。
第二点目は、土壌汚染のことが先ほども出ていましたけれども、現時点では地下に一階というふうになっているんですが、地下何メートルぐらいになるのか。十メートルぐらい掘るのかなというふうに思うんですけれども、土壌汚染対策はやられたということなんですが、工事に当たれば、基礎ぐいとか、あるいは基礎がどうなっているのかによって、汚染問題というのはもう一つあると思うんですが、この点についてはどうなんでしょうか。
○河村市街地建築部長 土壌汚染対策との絡みでのご質問でございます。本件は、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例、いわゆる環境確保条例、そちらの方では不透水層よりも上、今ご質問ありました十メートルあたりでございますが、不透水層よりも上の土壌汚染対策を求めてございまして、本計画におきましては適切に処理されたというふうに環境局の方からは承ってございます。
また、本計画の地下に対する質問がございました。本計画は地下一階の計画でございまして、直接基礎方式というのをとるというふうに承っておりまして、くいは構築いたしません。深さは八メートルほどというふうに承ってございます。
○植木委員 直接地下方式、ちょっと正確な言葉は聞きそびれたんですけど、直接何とか工事というのは地盤面がかたいからやらなくていいんですか。それとも不透水層があるからやらないんですか、その辺がちょっとよくわからないんですが。これだけの高さの建物で、私、都営住宅なんかも耐震診断のときにいろいろ聞くと、基礎まできちっと基礎ぐいをやっているというふうに伺ったんですけれども、この点はいかがなんですか。
○河村市街地建築部長 建物の地下の工事でございまして、どういうふうに安定させるかということで、いろんな方式がございます。よく、くいを構築してもたせようというやり方もあれば、今ご紹介しましたように直接基礎方式というので、建物の地下部分をぐいと地下に、今回は八メートルほどですけれども食い込ませまして、それでもたせるというようなやり方もございます。
本件は、国土交通大臣の構造評定というのを受けまして、構造面での計画が進んでいるというふうに承っておりまして、そういう方式を今回はとるということでございます。
○植木委員 私、素人でよくわからないんですけれども、直接基礎方式だと基礎ぐいは要らないというのを国が許可したというので逆に何か不安を覚えるんですけど、これだけの高さのものが、しかも川のわきですよね。雅叙園なんかはどうなっているのかちょっと後で確かめたいとは思うんですけれども、いずれにしても、掘るに当たって、土壌問題というのは最後まで監視をしなきゃいけないというふうに私は思っています。
それから、長大な壁面の問題も先ほどお話しになりました。東京都景観計画では、総合設計による大規模建築物について、高さ、規模などについては、周辺の建築群と統一感のあるスカイライン、長大な壁面を持つ建築物とならないようにと、こういうふうにいっています。
陳情では、長大な壁面の現出を禁じた景観条例に合致するよう設計変更を指導してほしいこういうふうになっていて、先ほど来の説明では、事前協議で問題にならないんですよというご説明があったんですが、この長大な壁面というとらえ方というのでしょうか、何か基準があるんでしょうか。
○町田都市景観担当部長 長大な壁面の基準に対しての考え方と申しますか、基準の取り扱いというふうにとらえさせていただきたいと思いますけれども、陳情書の中でも、東京都景観計画の中の大規模建築物等に関する景観形成基準というものがございます。それにつきまして、周辺の建築物と統一感のあるスカイラインとする、それから長大な壁面を持つ建築物とならないように計画するというふうに定めてございます。
この基準の運用に当たりましては、これまで事前協議の実績もございます。これらの実績も踏まえまして、基準でも言及しておりますように、周辺の建築物群に配慮いたしまして、計画地周辺の市街地の状況、これに即して計画ごとに判断をしております。スカイラインそれから長大な壁面、ともに同様の取り扱いを行っております。
○植木委員 何かわかるようでわからない基準なんですけれども、要するに何メートルでなきゃいけないとか高さがこういうときにはこうでなきゃいけないというのはないけれども、統一感のあるスカイラインとかいうことで、運用面で、周辺に配慮した、市街地に即して決めると。ちょっとよくわからないですね。長大な壁面、これは一人一人の見方によっても違ってくる。
先ほど、近場に雅叙園があるというお話がありましたけれども、これも現地を見ますと、雅叙園に行くときに、ご存じのように坂を下って行くんですね。つまり川の雅叙園側というのは、いわば丘からこういうふうに下がっている。川を越えて今回の建物がある。こちらは平地、ずっと行くと。従来はそんなに超高層はなかったと。条件が全然違うんじゃないかなと。こちらは、がけ地の高い面の雅叙園も含めて階段状のところに、途中にお寺さんなんかもありますよね。そういうがけ地というのでしょうか、丘が下がっているというのかどっちも似たようなものでしょうけれども。
要するにスカイラインというのは何なのかというとらえ方が、もともとがけ地のあるところをとらえるのと平地のところをとらえるのとじゃ全然違うわけですよ。それを同一視していいのかというのは、一体この事前協議の中で論議されたんでしょうか。
○町田都市景観担当部長 当該建築地の周辺につきましては、がけ地もありますし一方では戸建ての住宅地もあります。ちょうどその境目に位置していると思います。景観形成基準の運用に当たりましては、その周辺の建築物群の状況に配慮し取り扱っているわけでございますので、がけ地側の建築物群等も踏まえて景観の事前協議を行ってきております。
○植木委員 建物だけで考えるといういい方をしたんですよね。がけ地というのは一切無視したということですか。そこのところをもう一度お願いします。
○町田都市景観担当部長 がけ地に建築されている建築物も含めての配慮でございますので、建築物群として扱っているというふうにご理解をいただきたいと思います。
○植木委員 私は、がけ地側とこちらの住宅街とは違うと思うんですけどね。そこは意見の相違になるのかもしれませんけれども、スカイラインというのは、がけがスカイラインになっているんですよ。そこへ雅叙園がある、マンションがある。こっちから、上の方から入ると低いんですよね。雅叙園なんかはぐっと下がっていって、上るのは、逆に帰ってくるとき大変なんですね。
だから都市の景観というのは、先ほど基準の問題ちょっと触れましたけれども、相対的なものだと思うんですね。だから、判断がいろいろ出てくるのは、私は当然だというふうに思うんですよ。どっちが正しいかというのは、客観的に多くの住民の皆さんの声が反映されているかどうかということも含めて、客観的な判断というのがもう一つ必要じゃないかなというふうに思います。
これ、論議していると珍問答みたいになりそうですから、要するに基準というのはそういう相対的なものだということと、川の向こう側とこちらのスカイラインのとらえ方はやっぱり違うんじゃないか。長大な壁面というのも、そういう面で考える必要があるんじゃないかということを申し述べておきます。
最後に、風害の問題も先ほど出ましたが、風害対策をとるのは本当に大事なことですね。私のところの中野坂上というところで高層ビルが建ちまして、お年寄りの方が転倒したりするんですよね。私なんかも、自転車にのぼりをつけて選挙のときなんかやると、のぼりがすっ飛んじゃうんですよね、折れちゃう。傘も、安っぽい傘だとみんななくなっちゃうんですね。そのぐらい風というのは強いんですけれども、風の対策、先ほど説明がありましたけれども、風害対策を行うという話のことをいっていますが、どの程度のことなのかですよね。
本当に住民の皆さんが、これまであそこは低層の住宅街ばかりですから、そこから見て感じる風害が、これ以上ならないという対策になっているのか。聞くところによると、公開空地のところと建物の周辺に少しばかり樹木を植えるというお話も聞いているんですけれども、具体的な対策、明確にお示しください。
○河村市街地建築部長 具体的な風害の対策をということでございますが、本件は風洞実験を行いまして、その結果に基づきまして対策をとっていくということでございまして、風洞実験の結果によりますと、通常の住宅地として考えた場合、一部に若干強くなるようなところが出るなという結果になりました。
それにつきましては、建物の角がとんがっていますと風速が増すようなことが一般にいわれておりましたので、角を、そういうことで、とんがらないように隅を取るということや、風が強くなりそうなところ、具体的には北側、建物の北側の隅なんでございますが、その部分を中心に、密に植栽を行うということを考えております。
さらに本件につきましては、事後アセスではありませんが、従前に、建設前にしっかり現地にて風の流れをはかります。さらに建った後、またはかります。それで、風洞実験との結果等をあわせまして、ある意味で検証作業ですね、そうしたことをやりまして、著しく違っているような場合、また、まだあるなという場合は、再度その場でまた対策を行うようなことを考えているというふうに承ってございます。
○植木委員 対策は行っているという説明なんだけれども、隅切りがどのくらいできるのかというのは、僕は専門的にはわかりませんけれども、樹木は二本ぐらいプラスするんだというお話をされているように聞いていますし、それからあそこは川ですよね。ですからいろんな風が起きる。もう一つは、住民の側から見ると、住民って両側にあるわけですけれども、平地の側から見ると巨大な壁がここにずっとできるわけですから、その壁にぶつかった風というのも当然ある。
そういう意味で、シミュレーションが、どういう方向でやったのかと細かく聞けばわかるんでしょうけれども、やはりこれは対策として、指導する側として、従前より強くなってはならないというのが皆さんの要望です。台風なんかは別として、一般的に考えてそういう風害についてはやはり規制をするという意味で、これは引き続きやっていただきたいというふうに思うんです。
質問はこれで終わりますけれども、この建物の容積は、従来の建物、つまり萬有製薬の建物から見ますと、正確なのがわからないのでもし間違うといけませんけれども、ざくっというと五倍ぐらいの容積率になりそうな、私それ以上になるんじゃないかと思うんですが、それによってCO2の発生量、これははるかに大きくなるというふうに思うんですよね。
これはまちづくりの面でも、今まさにヒートアイランドの問題が出ているだけに、この問題は、本当は従前の建物の容積がわかれば、すぐに私、計算して比較をしようと思ったんですけれども、それがわからないんですけれども、ざくっといえば五倍以上のCO2の発生量があるということも含めて、こうした建物をつくる場合には、やはりそういうことも含めて検討が必要だというふうに私は思っています。
いずれにしても、この目黒リバーサイドタワー建設に関して再度審査会が行われるようですけれども、やはり最初に申し上げましたように、売買するときから資産価値が下がることが明確ないろんな決め事がなされているというような状況で都民に提供するのは、都の責任としても問われることになるんではないかということから、この陳情は採択していただきたいということを最後に主張しまして、終わりにいたします。
○村上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二〇第二九号は継続審査といたします。
以上で請願陳情の審査を終わります。
この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時三分休憩
午後三時十六分開議
○村上委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
○只腰都市整備局長 来る十一月二十日に開催予定の第百八十三回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきまして、ご説明いたします。
青い表紙の案件総括表がお手元にあろうかと思います。一枚開いていただきますと、今回でございますが、全部で件数は八件ございまして、その内訳でございますが、区部で六件、市町村部で二件ございます。
本日でございますが、これらのうち主な案件といたしまして、丸の内一丁目特定街区につきまして担当部長から説明いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
○安井都市づくり政策部長 丸の内一丁目特定街区の変更についてご説明いたします。
お手元の提案事項概要は三九ページから、事前説明会資料は二五ページからをごらんください。
本地区は、東京駅丸の内北口に近接し、永代通り、仲通りに面する約一・六ヘクタールの区域でございます。本地区周辺では、大手町・丸の内・有楽町地区地区計画や大手町・丸の内・有楽町地区まちづくりガイドラインに基づき、公民の協調により、質の高い業務機能への更新や魅力ある商業、文化機能の集積などを図り、都心にふさわしいまちづくりを計画的に進めております。
平成十四年六月には特例容積率適用地区が指定され、老朽オフィスなどの機能更新と一体的に、東京駅赤れんが駅舎の保存、復元が行われております。
今回の特定街区の変更は、平成十二年三月に都市計画決定されました丸の内一丁目特定街区に隣接するビルの建てかえにあわせて特定街区の区域を拡大し、東京駅から大手町駅を結ぶ地下道の整備や地下広場、歩道状空地の整備、周辺市街地と調和した街並みの形成など、都市機能の更新と市街地環境の向上を図るものです。
特定街区の変更内容ですが、区域面積を〇・八から一・六ヘクタールに拡大いたします。また、皇居内堀と調和した景観を形成するため、当街区の西、大手門に面するパレスホテルの敷地について、地区計画により建築物の高さを百メートル以下に制限し、これにより生ずる未利用容積を、特例容積率制度により今回変更する街区に移転しまして、特定街区全体の容積率の最高限度を一四〇四%に変更するものでございます。
このほか、事前説明会資料の二六から二九ページのとおり、建物高さの最高限度、壁面の位置の制限を定めます。
説明は以上です。
○村上委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○河野委員 私は、二つの議案に対して意見を述べます。
初めに、小金井都市計画用途地域変更についてです。
議案は、東小金井駅北口の区画整理事業に伴う用途地域変更案です。この地区の区画整理事業は、一九九五年に都市計画決定がされ、住民の合意形成が不十分なまま二〇〇〇年一月末に事業認可されました。関係住民からは、拙速に事業を進めるべきでないとの意見が出されています。
今回の用途地域変更と地区計画案には幾つかの問題点が指摘されています。施行面積が約十二ヘクタールの地区内は主として住宅街ですが、用途地域変更で、商業、近隣商業の面積が五・六三ヘクタールにもなります。建物の高さ制限は二十六メートル、八階建てになり、近隣の住宅に、日照や圧迫感による生活環境の悪化を招く懸念が、第一の問題です。
第二に、商業地域の建物は道路から壁面の位置を一・五メートルセットバック、一階には商業施設か事務所を入れなくてはならないとされ、また、住宅地域は壁面を一メートルセットバックするとしていることは、私的財産権に制限がかけられるとの意見があります。
第三は、商業調査や出店希望調査などをしないまま、過度に商業を発展させようとする計画案であることです。ほとんど商店街らしきものがないこの地域では、現在の住環境を守りながら地域にふさわしい商業的にぎわいをつくることを前提にすべき、などの意見があります。
したがって、用途地域変更や地区計画については改めて検討を加え、地権者や関係住民の合意に基づいた計画にすべきと判断いたします。
続いて、大田区城南島第二建設リサイクル施設の変更案について意見を述べます。
東京都の環境アセスメント条例は、廃棄物処理場をつくる場合、敷地面積が九千平方メートル以上は環境アセスメントを行わなくてはならないと定めています。議案の既存廃棄物処理施設は、これまでの敷地面積は八千九百平方メートルで、施設稼働時に環境アセスメントを行っていません。今回、約二千二百平方メートル敷地を広げる計画でありますから総敷地面積は一万一千平方メートルを超えることになりますが、環境アセスメントをしないままで施設拡張が認められることは問題であると感じます。
城南島には、都のスーパーエコタウン構想によって廃棄物処理施設が集積しています。私は、以前に第一次募集で設置された施設について調べましたが、アセスメントの対象面積よりわずかに狭い八千九百九十五平方メートルとか八千九百九十七平方メートルと、ぎりぎりの面積で設置されていました。
廃棄物処理施設の集積などで城南島の環境が悪化している現状を、東京都は認識すべきです。
東京都港湾局が調査した臨海トンネルの交通量は、上り下り合計で年間一千二百万台、一日平均三万三千台を超えており、大気汚染は深刻です。大気汚染測定運動大田実行委員会が行った昨年十二月の二酸化窒素測定の結果は、動物愛護センター近くで〇・〇七一ppm、〇・〇八一ppmと、いずれも環境基準値の〇・〇六ppmを大きく上回っています。住民や廃棄物処理施設近隣の工場で働く人々の健康被害が心配されています。
都の責任で廃棄物処理施設の事業者に環境アセスメントの実施を求めるべきであり、以前から要望が出ているように、城南島全体の環境アセスメントも実施を検討する必要があります。議案のような施設増設は、さらに自動車交通をふやし、騒音や粉じんなどの環境悪化を招く結果になりかねません。
したがって、アセスメントも行わないままの施設増設には反対します。
以上です。
○植木委員 私は、丸の内一丁目特定街区の問題と臨海副都心の問題についてお聞きしたいと思います。
先ほど丸の内一丁目特定街区の説明がありましたが、この二六、二七、二八ページのあたりに説明は出ているんですけれども、基準容積率と実際の容積率の違いがあると思うんですが、まず、それについてお示しください。
○安井都市づくり政策部長 容積率と移転の考え方は先ほどご説明したとおりでございますけれども、移転元から約一万六千七百平方メートルが今回の特定街区に移転されることになりまして、これを街区全体の容積としますと一〇四%に相当いたします。現在、この地区は基準容積が一三〇〇%でございますので、両方合わせて一四〇四%を容積率の最高限度として定めるものでございます。
○植木委員 特例容積率、私どもホームページなどでいろんな人のを見ますと、天空権という人もいるしね、要するによその建物の容積率の余ったところを移動するということなんですけれども、これはどのくらい事例があるのか。そんなに多くないと思うので挙げていただきたいと思うんですが。
○安井都市づくり政策部長 具体的に指定されたエリアは、今回ご説明しました大手町・丸の内・有楽町地区の約百十六・七ヘクタールの区域でございます。この指定に基づきまして、これまで四件の敷地間で容積率移転が行われてございます。その目的としましては、東京駅の赤れんが駅舎の復元、これにあわせて土地の高度利用を図り、老朽化オフィスなどの機能更新や質の高い業務機能の導入、商業、文化等の集積を図るということに基づきまして、四件の実績がございます。
○植木委員 私は、もともとはこれは同じブロックの中で行うべきものというふうに思っていたんですが、適用が拡大されてきているというふうに思うんですけれども、その理由はどんなふうにとらえているでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 指定区域は、従来から、先ほどご説明した百十六・七ヘクタールでございます。
○植木委員 同じブロックといういい方がおかしかったのですけど、同じ区画の中で本来一定のブロック。今回、百十六ヘクタールというように、非常に、ブロックというよりも面的な区域というふうになってきていると思うんですね。法体系が変わってきたと思うんですよ。その辺の説明をと思ったんですけれども、多分変わったからそういうことになっているんだと思うんですが。国交省のいろいろ議事録を見てみますと、住宅局長が改正のときにこういうことをいっているので私びっくりしたんですけれども、ほとんどの用途地域で適用が可能だという制度に衣がえをする、こういう説明がされているんですね。
今回、丸の内の全体百十六ヘクタールの区域の中の範囲内で四カ所ということなんだけれども、こういうことが広がっていいのかというのを、際限のない高度利用に走る可能性があるんじゃないかということを危惧しているんですが、この点については、経過も含めていかがでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 この制度ができましたのは平成十二年でございますけれども、このときは、本日ご説明しているような丸の内地区のようなところを対象として制度ができたわけでございますが、その後十六年に法律が改正されまして、例えば屋敷林の保存だとか密集市街地の改善、老朽マンションの建てかえなど、そういったところにも適用できるような、法制度が、改正されているということでございます。
○植木委員 全部が全部だめというふうにはいいませんけれども、こういう制度が際限なく広がるということの危険性があるということで、私はやっぱりやるべきでないと思うんですけれども、既に適用されちゃっている部分は厳格な審査が必要だと思うし、これ以上適用すべきでないというふうに私は思っているんですけれども、今回も本当は適用すべきでないんですけれども、いかがでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 制度としては、先ほどご説明したとおり、適用の考え方は拡大されてございますので、それを適用するかどうかということは、今後の都市づくりの方針に、具体化する中で考えていくべきことというふうに考えております。
○植木委員 ぜひこれは厳格な審査、何でもかんでもいいというようなことに適用が広がらないように、強く要望しておきたいと思います。
それから、この建物の従前の床面積と計画床面積がどういうふうに違ってくるのか。それによって、今、大規模事業所のCO2の排出抑制問題が大きな問題になっていますけれども、どの程度CO2の発生を抑制することになるのかお示しいただきたいと思います。
○安井都市づくり政策部長 従前の床面積でございますが、三つの建物がございまして、合わせて約八万六千平方メートルでございます。計画後の床面積でございますけれども、先ほどの移転元からの容積移転を含めまして約十四万一千平方メートルでございます。
今回の計画では、建物断熱性能の向上や自然エネルギーの活用などの取り組みにより、CO2排出原単位をおおむね三割程度削減ということでご提案しております。
○植木委員 三割程度削減とおっしゃったんですが、私自分で計算をしましたら、従前の三つの建物で原単位一・九キログラムだそうですので、それを掛けると。それから、新しいのが十四万一千平米で六十九・〇。これはやってみなきゃわからないということですけど、計画CO2の原単位で掛けると九百七十二万九千原単位になると。そうしますと、三割ほど減ったというんですけれども、差し引きプラス九万六千キログラム原単位になるんですよね。だから抑制じゃないと思うんですけれども、これはどうでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 まず、今回の計画に限ってお答え申し上げますと、先ほど委員の方からもございましたが、実際には、そこに入るテナントがどのような操業形態でやるのか、どのような使い方をするかということで正確にはわかりませんので、原単位でお答えしたわけでございます。
また、容積移転元では、これ以上の容積は使えない、今回定める容積は使えないということでして、もとは、またホテルという非常にCO2の排出が多い用途でございますから、その辺を加味しますと最終的にどのようになるかということは、正確には申し上げることはできないと思います。
○植木委員 ホテルの容積率をプラスしたということなんですけれども、いずれにしても、ホテルの方は大きくするわけじゃありませんから、こちらの方ではやっぱり、差し引き九万六千五百キログラム原単位ということではふえていることは間違いないので、ここから先は環境確保条例の方になるので質問はしませんけれども、大規模事業所が量的にふえることによって、CO2の発生抑制が実際にはプラスになっていくという問題があると思うんです。そういう意味で、この特例容積率でわざわざプラス一〇四%しなければ恐らくこういうことにはならないわけで、そういう意味でも単に容積率を上げればいいというものじゃないと私は思っています。
ただ、都市整備局にお聞きしたいのは、こうした超高層のビルが集積をどんどんどんどん面的にしていくことになるとどういうことになるのかというのが、最近大きな社会問題になっていると思うんです。特に地球温暖化の問題としてですね。高層ビルがこういうふうに、ここは丸の内地区ですけれども、丸の内の地区の容積率がどんどん高くなって、ほかのところもそうなんですが、やはり二十三区規模で見ても超高層ビルがどんどんふえているんですけれども、こういう地球環境への影響についてどう考えて、どうしなきゃならないのかという、都市づくりの面から考えをお示しいただきたいと思います。
○安井都市づくり政策部長 オフィスなどが集積します都心部では、就業人口、都市活動が集積しておりまして、大量にエネルギーが消費されること、これは事実でございます。
このため都は、ことし一月より、都心部における大規模開発につきまして、環境配慮の点でもすぐれた計画となるよう、企画段階からの誘導を実施しまして、経済的な活力と環境が両立するように取り組んでおります。
具体的には、環境局の環境計画書制度における省エネ項目の基準値、一つは建物の断熱性能の指標であるPAL値、もう一つは設備のエネルギー効率の指標をあらわすERR値でございますけれども、この双方につきまして、高水準となる段階二以上のレベルの達成、また、どちらか一つは最高レベルの差を目指すということを条件に都市計画決定や許認可を実施しております。
また、このような排熱量の削減に加えまして、自然の保護と回復に関する条例に定める基準以上の緑化、また、保水性舗装の施工などによりまして地表面の温度上昇を低減し、ヒートアイランド現象の緩和に努めているところでございます。
今回のご提案は東京駅駅前でございますけれども、公共交通、道路などの基盤施設が充実した都心部におきましてオフィスなどの集積を図ることは、効率的なエネルギー利用の面からも合理的でございまして、こうした観点からも、今後とも都心部の機能更新を進めてまいります。
○植木委員 地球環境への配慮を高い水準のものでやっていくということは、私たちかねてから主張してきたことですから進めていただきたいと思いますけれども、それにしても集積量が多過ぎると思うんですよね。特に都市再生特別地区というのが八カ所指定されてきている。だから、ほかの地域でもいろんな、総合設計で使ったり、いろんなのでふえていることも事実ですし、都市再生緊急整備地域、都市再生特別地区、これらが重なってくるということで総量がどんどんどんどん伸びてきている。この十数年来の伸びは、バブルのときも伸びていましたけれども、その後の伸びもすごいですよね。よく、資料要求で百メートル以上の超高層ビルについて出しますけど、年々ふえているわけですよね。
この間、NHKで地球環境問題の報道がされていたのを私も見て、東京工業大学の神田学先生がいっているのを聞いていて、実際に神田先生のところにも行ってきたんです。二十三区規模で都市が、集積がどんどん強まっていく、もちろん人口もそうですしいろんな問題も入るんですが、そうすると、真夏の最高レベルのときには、太陽エネルギーに匹敵するエネルギーがそこから発生するという話をされていました、スーパーコンピューターでやっているんだそうですけれども。千葉沖からの風、湘南の方からの風、東京湾の風。特に東京湾の風が、二十三区でエネルギーが蓄積されて、それが上昇気流となると豪雨が非常に発生しやすいという研究をされているんですけれども。そういう地球規模で、まちづくりも考える時期に来ているんじゃないかと。単体での努力はもちろん一層していかなければならないんですけれども、地球規模でやっていかないと。そうはいっても、東京はこれだけ集中しているわけですから、相当なエネルギーの抑制がないと、一定の範囲を超える段階になるとそれこそすごくなる。世界の主要都市の中でも、百年間で温度上昇は、一番、東京は高いですよね。
そういうことで、これはぜひそういう立場で臨んでいただきたいというふうに思っています。これも質問したいんだけど、先ほどのような質問、答弁が繰り返されるんじゃないかと思うので、もしあれば、後でもっとしていただきたいですけれども。
それから、臨海副都心の青海地区の地区計画が今回提案されています。これ、いろんな経過があって、直接的には、臨海開発としては港湾局がやっている、まちづくりの決定は都市整備局でやっていると。こういうことですから、ちょっとわかりにくいというかやりづらいんですけれども、そうはいっても最終的には都市整備局が都市計画決定をすることになっていますので、まちづくりのルールについてどうあるべきかということを私は考えたものですから、質問したいと思います。
まず最初に、この臨海副都心のいろんな計画がありますけれども、特に青海地区に関係する計画の変遷というんでしょうか、経過、経緯を示していただきたいと思います。
○安井都市づくり政策部長 臨海副都心まちづくり推進計画、ここにおけます土地利用を、開発の進捗状況や環境の変化を踏まえまして平成十八年九月に見直しております。このときには、平成九年に青海地区について都民提案を募っておりますので、あわせて将来、まちづくりガイドラインに反映させるということで見直しを行っております。
これを受けまして平成十九年二月には、この見直した推進計画に沿って優良な開発を誘導し、良好な都市景観、都市環境の形成などを図ることを目的といたしまして、臨海副都心まちづくりガイドラインを改定しております。
○植木委員 都民提案を受けてのガイドラインで見直しを図った、こういうことなんですが、そうかなというふうに、私率直に思うんですね。そうかなという前に、この都民提案を受けてそれで今回の地区計画の提案になってきていると。この関係というんでしょうか、どういうルールに基づいているんでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 先ほどの答弁ちょっと補足いたしますけれども、十八年九月に推進計画見直しを公表した際、このときに、あわせて将来、都民提案を行ったことについても、ガイドライン変更のときに反映させるということになっているわけでございます。
また、この都民提案のときには、例えば環境との共生であるとか、自然を身近に感じられるまちだとか、イベント空間を備えたにぎわいを演出するまち、このようなことが提案されているわけでございまして、こうしたことがまちづくりガイドラインに反映されまして、それを受けて地区計画を変更していると。
今回は、特に、環境との共生であるとかイベント空間を備えたにぎわい、あと、自然ということで屋上緑化、こういったことを反映した地区整備計画を定めることを提案しているわけでございます。
○植木委員 今回の土地利用の基本方針のところを見ますと、青海地区北側、今回のところに該当するわけですけれども、一体として広域型の商業施設や業務・商業の複合した施設を誘導し、観光・交流を中心としたまちを形成するというふうになっています。観光・交流というのがどういう意味合いなのかがちょっとこれだけの文章ではわからないんですが、それに加えて、今、部長が述べたような話になるんだろうと思うんですが、都民提案というのが本当にそういうことだったんだろうか。イベント広場というのは、確かにそういう面はあるのかもしれません。屋上緑化も、その程度のことは多少の効果はあるかもしれませんが。
都民提案として出されて、優秀作品というのに指定されたものが幾つかあるんですね。専門家の部門では、優秀賞というのが--現在の臨海副都心は多くの巨大な無機物で充満しています、こういう書き出しで始まっています。こうした大量の無機質都市を反省して、レインボータウン全体をできるだけ有機物や有機的手法をテーマにしたまちづくりを提案しますというふうにいって、提案の図柄を見ますと、緑の配置が圧倒的に多くなって、デザインを決定するという語源の説明をしながら、森を主とした絵柄が出ているのが優秀作品だったり、優秀賞は、水を生かした活性する水活都市ということで、やっぱりこれまでの再開発型副都心と異なりということで、夢の形を生むまちということでここでは水をテーマにしてあるとか、特別賞の方は、鎮守の森のようなまち、聖地としての生活空間ということで、やはり森や水をテーマにしたものが圧倒的ですよね。
それから、一般の部門でも同様です。文化と緑のオブジェ。余りもう細かいことはいいませんけれども、中学生の部なんかもっとすごいですよね。これは緑、公園、まさに都民の憩える場所って私たちもいっていましたけれども、そういうのが都民提案なんですよ。
だから、ガイドラインでこれを反映したというんですけど、余りにもかけ離れていて、もしこの都民提案を生かすとしたら違う結果が出る可能性だって私はあったと思うんです。まちづくりのルールがそういう制度になってなくて、地区計画として出てくると、先ほど紹介したからもう繰り返しませんけれども、業務・商業が中心になっていくんですね。多少イベント広場があったり、緑地空間をプラスしたり、屋上緑化したり、その程度はもちろんやらなきゃいけないことですからあれですけれども、そういう、今回のこの地域については、何か地区計画が形骸化しているように感じてならないんですけど、いわゆるまちづくりルールについてはどう考えているでしょうか。
○安井都市づくり政策部長 都民提案の内容につきましては、先ほど一たんご説明しましたので全部は繰り返しませんけれども、職、住、学、遊のバランスのとれた複合的なまちであるとか、環境と共生するまち、こういったものが並べられてございまして、こういったものを受けて、臨海副都心では最先端の都市機能集積を図ると同時に、全体面積の約二七%、約一二〇%もの公園、緑地を設けて、十分な公園などオープンスペースを確保するということでございまして、こういったことを実現するために地区計画を定めるということですから、地区計画の内容は形骸化しているというご指摘は当たらないのではないか、このように考えております。
○植木委員 でもね、この提案、これをぜひ読んでいただきたいと思うんですけど、都民提案とは似て非なる計画が出てきていますよ。もちろん緑地空間をプラスしたり、さっきもいいましたけど、そういうのはもちろん大事なんですけど、都民提案街区として、これはもちろん港湾局なんですけれども、東京都として出しているわけだから、局としてではなくて。そういう意味では、まちづくりをこれほど大きく変更するのであれば、それなりの手続が必要じゃないかと私は思うんです。
いずれにしても、臨海副都心に都民が望んでいるのは、水と緑の本当に豊かな、そういうまちを中心軸としたことを望んでいるということを、改めて私は受けとめていただきたい、読んでいただきたいというふうに思います。
いずれにしても、臨海副都心全体が、これだけ地球環境の問題でいっているときですから、まだ未利用の土地もあります、そういう意味ではこれからでも遅くない。都民提案を生かした、水と緑を大幅にふやす、地球環境にいい、反映できるような、効果のあるような都市にしていただきたいということを重ねて求めまして、終わりにします。
○村上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時五十一分散会
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