委員長 | 村上 英子君 |
副委員長 | 吉倉 正美君 |
副委員長 | 大塚たかあき君 |
理事 | きたしろ勝彦君 |
理事 | 松下 玲子君 |
理事 | 新藤 義彦君 |
鈴木 章浩君 | |
河野百合恵君 | |
高橋 信博君 | |
泉谷つよし君 | |
植木こうじ君 | |
立石 晴康君 | |
相川 博君 | |
藤井 一君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長 | 只腰 憲久君 |
次長 | 泉本 和秀君 | |
技監 | 福島 七郎君 | |
総務部長 | 安藤 明君 | |
都市づくり政策部長 | 野本 孝三君 | |
住宅政策推進部長 | 松村 光庸君 | |
都市基盤部長 | 升 貴三男君 | |
市街地整備部長 | 宮村 光雄君 | |
市街地建築部長 | 金子 敏夫君 | |
都営住宅経営部長 | 小林 計代君 | |
企画担当部長 | 村尾 公一君 | |
住宅政策担当部長 | 瀬良 智機君 | |
外かく環状道路担当部長 | 遠藤 正宏君 | |
民間開発担当部長 | 座間 充君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 今井 光君 | |
都市景観担当部長 | 安井 順一君 | |
建設推進担当部長 | 山室 善博君 | |
参事 | 中山 正雄君 | |
参事 | 瀧本 裕之君 | |
参事 | 宇多田裕久君 | |
参事 | 庄司 貞夫君 | |
参事 | 小澤 弘君 | |
参事 | 並木 勝市君 | |
参事 | 清水 文夫君 | |
参事 | 荒川 達夫君 |
本日の会議に付した事件
都市整備局関係
契約議案の調査
・第百六号議案 都営住宅十九CH-一一一東(足立区江北四丁目・足立区施設)工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百二十四号議案 平成十九年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 都市整備局所管分
・第百二十六号議案 平成十九年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)
・第百二十九号議案 平成十九年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)
報告事項(質疑)
・「地震に関する地域危険度測定調査(第六回)」について
・「震災時火災における避難場所及び避難道路等の指定(平成十九年度改定)」について
付託議案の審査(決定)
・第百二十四号議案 平成十九年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 都市整備委員会所管分
・第百二十六号議案 平成十九年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)
・第百二十九号議案 平成十九年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)
○村上委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、契約議案について申し上げます。
契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会の所管分について、議長から調査依頼がありました。
本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
公文の写しはお手元に配布してあります。
朗読は省略いたします。
平成二十年二月二十八日
東京都議会議長 比留間敏夫
都市整備委員長 村上 英子殿
契約議案の調査について(依頼)
左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
記
1 調査議案
第百六号議案 都営住宅十九CH-一一一東(足立区江北四丁目・足立区施設)工事請負契約
2 提出期限 平成二十年三月三日(月)
○村上委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の契約議案の調査並びに付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
これより都市整備局関係に入ります。
初めに、理事者の欠席について申し上げます。
河島航空政策担当理事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
次に、契約議案の調査を行います。
第百六号議案を議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○安藤総務部長 二月十九日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元に配布しております都市整備委員会資料、二月十九日要求分の表紙をお開きいただき、目次をごらんください。
契約議案関係の資料は、1の都営住宅建設事業に係る中小企業への工事発注実績一件でございます。
一ページをお開き願います。
都営住宅建設事業における発注実績につきまして、資本金三億円以下、または従業員数三百人以下の中小企業への発注内訳を、財務局契約、当局契約の別に記載してございます。
以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○村上委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○河野委員 契約議案、足立区江北四丁目の都営住宅建てかえに関する契約議案について質問いたします。
資料4を前回の委員会でいただきましたが、落札率九五・九五%、一般競争入札となっているわけなんですけれども、この契約の入札の状況とか、そういうものについて少し詳細な説明をお願いいたします。
○安藤総務部長 入札参加者及び状況についてのご質問でございますが、本工事にかかわる一般競争入札につきましては、五者の建設共同企業体による入札が行われまして、二者が辞退いたしました。
○河野委員 そうすると、三者の間で争ったというのでしょうか、競争入札ということで、今回のこの業者が決定されたということだと思うんですが、建てかえについて伺います。
建てかえは、十一階建て、一棟、百八十七戸となっています。百八十七戸のうち、一DK、二Kと専用面積が狭い住戸の数が八四・五%の比率となっています。
型別供給の推移についてお尋ねいたしますが、東京都は今、年間三千戸の都営住宅を建てかえていると聞いておりますが、過去にさかのぼって一DK、二K、こうした住宅の建てかえ戸数は、それぞれ建てかえ総戸数のどれくらいの比率を占めているのでしょうか。
○山室建設推進担当部長 一DK、二Kの推移についてお答えいたします。
都営住宅の建てかえにおきます型別の建設戸数でございますが、現行の実施基準が適用されました十六年度では、全体で三千一戸供給されておりますが、一DKは千二百七十九戸で四三%、二Kは五百二十四戸で一七%でございます。
また、今年度、十九年度におきましては、一DKは千二百四十一戸で、全体が三千九戸を今、予定しておりまして、四一%、二Kは九百五十五戸で三二%でございます。
○河野委員 平成十六年度と直近の数を示していただきました。私たちも調べてみましたが、平成十六年度はおっしゃるような状況で、一DKと二K合わせますと、約六〇%の比率を占めております。十七年度は、これが六四・五%に上がり、十八年度になると一DK、二K、七〇・二%になります。十九年度は、今おっしゃった数を足しますと七二%を超える、七三%近いということで、ずっと見ていきますと、年を追って専用面積が狭い一DK、二Kの割合がふえてきているのがわかります。
私は、昨年の事務事業質疑で、一DKの入居者の方の生活実態を委員会でご紹介しました。都は、誘導居住面積、これは満たしていないけれども最低居住面積は満たしているから、このままで型別供給を進めていくんだという立場にあるわけなんですけれども、実際に入居者が不便を感じているという今、何らかの改善をすべき時期に来ていると、私は、ひとり暮らしの高齢者の方のお話を伺いながら考えました。
居住者から寄せられている意見や、これまでの議会での質疑について、今、局として、こうした型別供給で、専用面積やいろいろな住まい方の問題で検討していることがあったら、お示しをいただきたいと思います。
○山室建設推進担当部長 型別供給の取り組み状況でございますが、まず、都営住宅の建てかえに当たりましては、繰り返しになりますが、居住者の世帯人数に応じました基準を設けまして、住みやすい間取りとなるよう工夫しながら、最低居住水準を確保するとともに、バリアフリーにも配慮しました適切な面積基準の住宅を供給してきているところでございます。
引き続き、この基準によりまして、供給を進めてまいりたいというふうに考えております。
○河野委員 バリアフリーということは結構なことなんですけれども、私は、部長のご答弁では納得いかない、やはりもう少し詳細に実態を調査して、検討を進めるべきではないかというふうに本当に感じております。
もう一点伺っておきます。都営住宅内のコミュニティの形成の問題なんですけれども、一DKに入居されるのはひとり暮らしの世帯、そしてほとんどの方が高齢者になります。二Kも高齢世帯の方が多くなります。
今、都営住宅の自治会の役員さんたちがとても困っている問題があるのは、居住者が高齢化していること。そのために自治会で行う草取りなどにも、なかなか出て来られない人がどんどんふえている。それから自治会の役員の引受手がいない、こうしたことです。
今のような状態で型別供給が進んでいきますと、建てかえた新しい都営アパートには高齢世帯が多数を占めることになってまいりますから、どうなんでしょうかと疑問なんです。
都営アパートとして一つの社会が形成されている。まちですから、そのまちが年齢や生活の状況に偏りがないこと、バランスのとれた好ましい住環境をつくることが必要なんじゃないかと考えているわけなんですが、東京都は住宅供給者として、都営アパートのコミュニティ、自治会の活動などを支援する、そういう役割を担っていると思います。
そういう役割に照らして、今直面しているような私がお話しした問題、どのような認識をお持ちか、お尋ねをしておきます。
○山室建設推進担当部長 都営住宅のコミュニティにつきまして、お答えいたします。
繰り返しになりますが、都営住宅の建てかえに当たりましては、居住者の世帯人数に応じました基準を設けまして、住みやすい間取りとなるよう工夫しながら適切な住宅を供給しているところでございます。
今回の契約議案であります江北四丁目アパートにおきましても、同じ考えに基づいて計画をしております。
都営住宅のコミュニティにつきましては、一DKそれから二Kの居住者がふえてきているということで、バリアフリーな住宅、それからエレベーターを設けるなど、高齢者が移動しやすい住環境の整備に努めているところでございます。
また、コミュニティのバランスなど、地域の取り組んだまちづくりといいますか、そういった視点が大切というふうに考えておりまして、例えばこの江北四丁目のアパートでは、平成十九年三月に決定しました地区計画を踏まえまして、建てかえに伴い創出します用地を有効に活用しまして、地域のニーズに合わせた生活拠点の整備や質の高い住宅供給により、ミックストコミュニティの実現を目指してまいりたいと考えております。
○河野委員 今回は契約議案の審査ですので、簡単に要望を述べさせていただきます。
東京都が新規募集の都営住宅の建設をやめてから、もう九年になります。
型別供給については、いろいろ問題が起こっておりますが、同時に新規の建設がないことが都民の住宅難を深刻にしております。
東京都が都民のニーズにこたえた方向に都営住宅施策を検討する、そうしたことを本当に努力していただくことを強く求めまして、この質問は終わらせていただきます。
○村上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
お諮りいたします。
本案につきましては、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で契約議案の調査を終わります。
○村上委員長 次に、付託議案の審査を行います。
第百二十四号議案、平成十九年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、都市整備局所管分、第百二十六号議案及び第百二十九号議案を一括して議題といたします。
本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに本案に対する質疑を行います。
発言を願います。
○河野委員 北新宿地区と大橋地区の再開発事業に関連して質問いたします。
まず、北新宿地区について伺います。
今回は、施設建築敷地処分代金の予納金ということで約百九億四百七十万、また、事業費百三億三千万が計上されています。地区の施行面積は四・七ヘクタールということですが、この地区の総事業費は幾らになるのでしょうか。
それから、これまで何回か計画の変更が行われてきて、完成事業年度の変更などもあったようであります。こうした経過についてご説明を求めたいのと、あわせまして、これらの変更による事業費や都負担金などの影響がありましたら、ご説明をお願いします。
○宮村市街地整備部長 北新宿地区のご質問についてお答えいたします。
まず、北新宿地区の事業費が七百七十一億円でございます。
事業施行期間につきましては、地元権利者の生活再建に関する要望を受け協議を重ねたことなどによりまして、それに時間を要したことから、平成十九年度末までを平成二十三年度末までに延伸をいたしております。
事業費については、七百六十三億円から七百七十一億円に変更いたしましたが、これは用地費の増加に伴うものであり、事業期間の延伸によるものではございません。
また、その財源は敷地処分金を充てることになりますので、都負担金には影響はございません。
○河野委員 地権者との話し合いが長引いたり、それから資料としていただきましたパンフレットを見ますと、この裏の方に、何回も都市計画決定とか事業計画決定が変更されて、本当にこの北新宿の再開発事業、さまざまに変遷があったようです。
このようなことが起こりながら、東京都がこの地区を再開発事業で整備する目的、それについてお聞きをいたします。
○宮村市街地整備部長 最初に、都市計画とか事業計画の変更についてちょっと触れられましたので、そのことについて、まずご答弁申し上げます。
都市計画については、平成六年十月に都市計画決定をいたしまして、その後、平成十四年六月及び十九年四月に、地権者の要望等踏まえまして、建物の配置計画や主要用途の変更を行いました。
また、事業計画につきましても、平成十年五月に当初の決定をいたしまして、今日までに都市計画との整合を図るほか、事業期間の延伸などの変更を行っております。
そして、北新宿地区の、市街地再開発事業で整備する目的あるいはメリットというご質問でございますが、北新宿地区の市街地再開発事業は、放射第六号線の整備と周辺の市街地を一体的に整備することにより、新宿駅周辺などの交通渋滞の緩和や新宿副都心にふさわしい土地利用の転換など、東京の都市再生に寄与することを目的としております。
次に、当該地域は狭隘な道路が多く、木造住宅が密集する防災上危険な区域の中を放射第六号線が斜めに横切る計画となっております。この地域を再開発事業で実施することによりまして、放射第六号線の整備と周辺のまちづくりを一体的に行えることや、権利者が希望すれば地区内での生活再建を可能とするというものでございます。
○河野委員 放射六号の整備や密集市街地の、これを整備していくためのまちづくりは、用地買収方式の道路事業とかそういうものも駆使しながら、他のまちづくりの手法も選択できたのではないか、その可能性はあったのではないかということもいわれてきた再開発事業だと思います。
ところで、お伺いしたいのは、一街区の特定建築者が決定していよいよ建物の建築に入るとのことですが、特定建築者となったのはどこなのか。
それから、特定建築者が購入した土地の面積、価格、支払い方法などについてお答えをお願いいたします。
○宮村市街地整備部長 特定建築者は、公募いたしまして、敷地価格と建築計画等の企画提案について総合評価方式により審査をいたしまして、三菱地所株式会社と平和不動産株式会社のグループを選定いたしました。
敷地面積は約一万四千四百平方メートルで、譲渡価格は約一千百五十四億円でございます。譲渡価格のうち四百三十一億五千五百万円が、平成十九年度に納入をされました。残額につきましては、平成二十三年度までに納入される予定でございます。
○河野委員 一万四千四百平米で一千百五十四億円、巨大な、ちょっと気の遠くなるような金額のものなんですが、この北新宿の再開発地区の中で、二街区では既に二棟の住宅棟が建っています。それから、三街区、四街区はまだ何棟かの建物が残っているようでありますが、今回、土地処分の予納金が入った一街区は更地になっています。
私は、更地になった現地を見て第一に思ったのは、長い間このまちに住み続けてきた人たちがどうなったのかということでした。従前の居住者の方々の状況はどうなのでしょうか。従前の権利者、居住者の方の数や、転出された方の状況などをお示しいただきたいと思います。
○宮村市街地整備部長 北新宿地区の権利者数は三百九十四人でございます。うち、土地または建物の所有者である地権者は百七十三人で、借家人は二百二十一人でございます。地権者のうち、入居された方は六十四人、転出された方は百九人、また、借家人のうち、入居された方は一人、転出された方は二百二十人でございます。
○河野委員 今伺っていますと、権利者の方で残れた数もわずかですけれども、驚くのは借家の人がほぼ一〇〇%、二百二十一人のうち二百二十人が転出されたということで、本当に多くの方がこの事業によって地区外に転出されたことになります。
北新宿の地区の再開発事業に関する過去の関係委員会の議事録を少し読んでみました。当初の計画には、地区内の借家人など、居住者が引き続き同地区内で生活が営めるように東京都が再開発住宅を建設する計画があったことがわかりました。北新宿で再開発事業スタート時には、事業施行者の都の責任で再開発住宅を確保し、住んでもらうという計画があったのに、今、実際はその計画がなくなっている、そういう状況に至っています。
なぜ従前居住者のための再開発住宅を建てることをやめてしまったのか、その理由、背景などについてご説明をいただきたいと思います。
○宮村市街地整備部長 再開発住宅は、事業に伴い住宅に困窮する借家人などの生活再建の場といたしまして、かつて白鬚西地区などで建設をしてまいりました。
北新宿地区では、都市計画決定当初、再開発住宅の建設を予定しておりましたが、都財政が悪化している中で、既存の再開発住宅などのあっせんが可能であることから再開発住宅の建設を取りやめたものでございます。このため、平成十三年に借家人を対象に説明会を行い再開発住宅をめぐる社会情勢の変化を説明し、住宅に困窮する方には既存の再開発住宅や都営住宅などをあっせんし、生活再建ができるように努めたものでございます。
なお、あっせんの実績としまして、都営住宅等三十六世帯をあっせんいたしております。
○河野委員 借家人の方の二百二十一人のうち三十六世帯は都営住宅に入れて、それはそれとしてよかったと思うんですけれども、今、部長がご説明になった他地区の再開発住宅を選択した方もいらっしゃる。私は、やはりその方々も住みなれた土地を離れていくということでは、まさに苦渋の選択、悩みながらの転出だったのではないかというふうに想像せざるを得ません。
今回、補正予算案が出た一街区では、特定建築者が建設して販売するまたは賃貸住宅に充てる住宅しか、できないことになります。一街区一棟は地上二十階で、高さ六十五メートルの建築物、二百九十六戸の住宅が入る計画、これがパンフレットを見てわかりますが、このうち分譲、賃貸の戸数はどんな状況になりますか。また、一平方メートル当たりの販売価格、幾らくらいに設定されるのか、お聞きいたします。
○宮村市街地整備部長 北新宿地区の一街区の住宅につきましては、ご質問のとおり、戸数が二百九十六戸でございますが、一街区は特定建築者制度を活用しておりますので、住宅棟全体がすべて保留床でございます。
分譲、賃貸の内訳につきましては、特定建築者が決定するものでございます。また、仮に分譲にした場合のその価格につきましても、特定建築者が決定するというものでございます。
○河野委員 再開発事業の施行者である東京都が、基本的な、こういう都民にとって大事な分譲住宅や賃貸住宅の金額の設定もわからないとか、割合もわからないというのは、いかがなものかというふうにお聞きしながら思いました。
私、インターネットで、この近辺、北新宿周辺の分譲マンションの価格を検索してみたんです。地下鉄丸ノ内線の西新宿がこの再開発地区から最も近い駅となりますが、この西新宿から徒歩二分、七十八平米のフロア面積の分譲マンションは六千四百八十万というものがありました。徒歩五分のところでは、七十平米で六千百八十万という価格でした。大ざっぱに計算すると、一平米当たり九十万近い価格になります。既に入居している、都がつくりました、放射六号ですかその反対側の二街区の住宅は、一平米当たり六十四万円で値段が設定されたということが都議会の議事録に載っておりますが、同じ地区内でかなり価格の開きが生ずることになるのではないでしょうか。
先ほど相当数の住民が転出する事態になってしまっている状況が示されましたが、結局、特建者制度を使って民間に住宅を供給させることは、高額の負担がかかる分譲、賃貸の住宅だけが都民に提供されると、こういうことになるんじゃないでしょうか。所得格差の拡大とか生活の貧困化が強くいわれている現在の中で、都民の生活実態とかけ離れた開発、まちづくりになっているんじゃないかと私は強く感じております。
そこで、もう一点伺っておきたいんですが、環境問題についてお聞きいたします。
一街区の第二棟というんですか、高い方のビルですね、高さ百六十七メートル、業務床とか商業が入るようですが、このビルに隣接して古いアパートや戸建て住宅がたくさん残されています。こうした周辺の戸建て住宅などに日照、風害、電波障害など、どのような生活環境の変化が生じるのか。
また、この、業務床がほとんどのビル全体から排出されるCO2などのことも懸念がありますが、こうした環境対策について事業者である東京都都市整備局はどのような見解と対策をお持ちか、お答えください。
○宮村市街地整備部長 今のご質問にお答えする前に、若干ちょっと私どもとしてもご説明しておかなければいけないと思いますが、保留床にするか、分譲になるか、賃貸になるか、現時点では私ども承知していないというのは確かですが、当然それは把握して、それで、あくまでも事業計画に沿って建物を建てていただくというのは変わりませんので、あとは当然入札された価格とのかかわりもあるんでしょうから、そこはそれぞれ特定建築者が--私どもの都の条件、いろんな契約の中で可能な範囲で価格設定等、分譲なり、特にどちらでなければいけないと決めているわけではございませんので、そういうことで特定建築者が判断するということになると思います。
それから、価格については、確かに二の一棟という東京都が建てて処分しました保留床の価格は、当時、平均一平米当たり六十四万というふうになっていますが、当時と現在では、ちょうど地価の動向がかなり変わってきている状況ですので、単純な比較はできないかと思います。あくまでも当時の市場価格ということを前提に価格を決めて処分をしております。ですから、こういう事業の性格上、全体としての事業採算をきちんととっていくというのが必要不可欠ですので、当然、そういう必要な、保留床の処分に当たっても市場価格を基本に考えていく。都が仮に直接やったとしてもそういうことになると思います。
それで、環境対策についてのご質問についてですが、CO2の排出抑制やヒートアイランド現象の緩和などについての環境対策は、再開発事業を実施する上で最も重視しなければならない要素の一つだと考えております。このため、環境に優しいまちづくりを目指し、さまざまな取り組みを行っておりますが、この一街区の特定建築者公募におきましても、環境への配慮ということを評価項目の重要な一つに入れております。
地区北側の住宅地に対する日照などの影響については、地区内の建物全体が与える日影が基準値以下となるよう配慮しているものでございます。これは、都市計画段階からそういうふうにやっております。
それから、建物の計画につきましては、特定建築者の提案では、建物の外装に断熱性の高い熱反射ガラスを採用し熱負荷を低減させるとともに、照明には自然光の利用や外気通量制御が可能な空調システムを採用するなどの自然エネルギーの有効利用を推進するほか、省エネ機器の採用によりCO2の排出量を抑制することとしております。
このほか、ヒートアイランド対策に貢献するために、敷地全体では屋上緑化、壁面緑化、保水性舗装にあわせて約五千平方メートルの緑地を創出するということにしております。
○河野委員 時間の関係もありますので、申し上げたいことはありますけれども、特定建築者の問題とそれから環境問題については、また改めて別の機会にお尋ねをしたいと思いますが、やはり百六十七メートルもの高層ビルが建つ中で、今、環境対策、るるご答弁いただきましたけれども、周辺の住環境にかなり大きな影響を及ぼす、これは明らかな事実ではないかということだけは申し上げておきたいと思います。
続いて、大橋地区再開発事業について伺います。
先ほど北新宿の従前居住者の状況についてお聞きしましたが、大橋地区ではどうだったのか、その状況をお示しください。
○宮村市街地整備部長 大橋地区についてお答えいたします。
権利者数は三百三十九名でうち地権者が百七十四人、借家人が百六十五人でございます。地権者のうち入居が百二十六人、転出が四十八人であり、借家人のうち入居が十四人、転出が百五十一人でございます。
○河野委員 この大橋地区でも相当の数が、この事業に伴って転出をされているという状況が数字でわかったと思います。
昨年十月二十六日の公営企業会計決算特別委員会で、我が党のたぞえ議員が大橋地区の借家人の状況について質問しております。大橋地区では、事業計画決定時に百六十五人の借家人がいたけれども、昨年一月の時点で地区内に残る人は十四人、わずか八%と市街地整備部長がお答えになっております。すなわち、九二%の借家人が大橋のまちに残れないという事態になっています。
大橋地区の事業説明のパンフレットを、私たちいただいておりますが、まちづくりにおける三つの柱の第一に、住み続けられるまちづくりとなっています。しかし実際に事業が行われれば、こうした、掲げた第一の柱、住み続けられるまちづくりとは全く別の事態が起こっているのではないでしょうか。施行者として、こうした事態についてはどのような見解をお持ちでしょうか。
○宮村市街地整備部長 再開発事業の仕組み上、権利者の意向によりまして、地区内での生活再建、または地区外へ転出しての生活再建ということを選択していただくことになります。
大橋地区におきましては、資産の少ない権利者も権利床の取得が容易となるように、小規模タイプの住宅を配置するとともに、入居や移転の際に必要となる移転資金の貸し付けや、清算徴収金の分納などの処置を講じており、権利者が地区内で生活再建できるようさまざまな配慮をしております。その結果、先ほど申し上げましたように、地権者百七十四名のうち七割強が入居というふうになっております。
また、当地区の特性といたしまして都市型マンションの借家人が多く、いわゆるワンルームマンションといったようなものですが、単身者の割合も高いという状況がございます。
また、一たん地区外に仮住まいを行う必要がありますが、二回移転の煩わしさもあることなどから、権利者みずからが周辺の賃貸物件への直接移転を選択したため、地区内に残る借家人が少なかったというふうに認識しております。
なお、事業に伴い、住宅に困窮する借家人の方につきましては、民間住宅の紹介や都営住宅のあっせんなどを行っております。都営住宅へ入居を希望した借家人は九名ございますが、収入基準をオーバーした一名の方を除いて八名の方が入居予定となっております。
今後とも住宅に困窮する借家人などの生活再建に十分配慮しながら、着実に事業を推進してまいります。
○河野委員 私は、きょう、もう一点、環境問題を伺おうと思ったんですけれども、時間の関係でこの質問は省略させていただきます。別のところでまた改めて伺いたいと思いますが、この大橋地区はご承知のとおり、巨大な二重ループの高速ジャンクションができて、そこのすぐそばに大きな二棟の再開発ビルが建つということで、環境問題も大変心配されておりますので、その点はどうぞ事業の進行に当たっては配慮していただけるような努力をお願いしておきたいと思います。
意見を申し上げます。
北新宿、大橋地区について質問しましたが、東京都が進めている再開発事業は、長年住みなれたまちから、本当に、転出をせざるを得ない状況が多数の人に生まれているというんですか、そういう状況が生み出されていると思います。
都営住宅として期待が持たれていた再開発住宅、新宿の方では撤退してしまいましたし、民間に住宅市場をゆだねているわけです。環境への影響も決して安心できる状態ではないと思います。住民が安心できる居住環境が保障されないこうした巨大な再開発事業、まちづくりに私たちは賛意を表することはできません。
北新宿と大橋地区再開発事業にかかわる補正予算が計上されている百二十四号及び百二十九号議案には、反対であるということを申し上げまして、質問を終わります。
以上です。
○村上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
○村上委員長 次に、地震に関する地域危険度測定調査(第六回)について及び震災時火災における避難場所及び避難道路等の指定(平成十九年度改定)についての報告事項に対する質疑を行います。
本件については、既に説明を聴取しております。
その際、要求いたしました資料はお手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○安藤総務部長 二月十九日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
先ほど契約議案関係でごらんいただきましたお手元の都市整備委員会資料を、いま一度ごらんいただきたいと存じます。
表紙をお開きいただき、目次をごらんください。
報告事項関係の資料は、2の地域危険度と被害想定の比較と、3の木密地域における整備地域の指定の推移と事業進捗の二件でございます。
二ページをお開きいただきたいと存じます。
2の地域危険度と被害想定の比較でございます。
地域危険度と被害想定について、震源、表示の方法、表示の単位を対比して記載してございます。
三ページをお開き願います。
3の木密地域における整備地域の指定の推移と事業進捗でございます。
防災都市づくり推進計画における整備地域の指定の推移と事業進捗を記載してございます。
以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○村上委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○きたしろ委員 まず最初に、全く違う話だけれども、局長と技監、オリンピックのバッジが違うんだけどどういうこと--まあ、それはそれでいい。
平成七年に起こった阪神・淡路大震災は、近代的な大都市を襲った日本で初めての直下型地震で、死者約六千四百人、全壊住宅約十万棟の被害をもたらしました。また、この地震による火災で全焼した建物棟数は約七千棟に上りました。あの悲惨な災害からことしで十三年が過ぎたわけですが、東京においても三十年以内に七〇%の確率でマグニチュード七程度の大地震が発生すると危機感をもって報じられました。
我々は、この震災の教訓を忘れることなく常に地震に備えるとともに、被害を最小限に抑えるための防災対策を緊急に実施する必要があります。
そうした中で、二月十九日に地震に関する地域危険度が公表されましたが、都としても、正しい情報を正確に伝えるために丁寧な説明を心がけてほしいとお願いをしておきます。
そこで、都が「十年後の東京」への実行プログラムに掲げる、地震が怖くない安全な東京を実現するという視点から、何点か伺います。
まず初めに、前回と今回の危険度を比べると、東京のまちはどのくらい安全になったのか。また、どういうところで地域危険度が低下したのか、お伺いをいたします。
○宮村市街地整備部長 今回の調査では、五年前の調査との比較を行うため、同じ測定方法を用いまして、今回と前回のデータにより危険性の変化を算定いたしました。その結果、倒壊のおそれのある建物の面積当たりの棟数が都内平均で約一七%減少し、また、火災で延焼する単位面積当たりの建物面積が都内平均で約一四%減少するなどの改善が見られました。
とりわけ千代田区西神田三丁目地区など市街地整備事業が完了した地区や、都市計画道路の整備により沿道建物の不燃化や耐震化が進んだ地区などで危険度が大幅に低下をいたしました。
○きたしろ委員 今の答弁をお聞きしますと、市街地整備や都市計画道路の整備などが進んだところで、地域の危険性が大幅に低下したとの説明がありましたが、安全なまちづくりに向けた整備が着実に進められている効果だと思います。
そうした中にあっても、万が一、首都直下地震による市街地火災が発生した場合、避難場所が重要となります。
そこで、二月十九日に公表された避難場所等の改定を見てみると、新規の避難場所の指定とあわせて危険性が少ない地区内残留地区の面積が倍増しており、これらが危険度の低下に貢献しているものと考えられます。
そこで、地区内残留地区とはそもそもどういう地区なのか。また、地区内残留地区が倍増したということはどのような意味を持つのか、お伺いをいたします。
○宮村市街地整備部長 ご質問の地区内残留地区は、建物の不燃化が進んだことなどによりまして、万が一、地震による火災が発生しても、市街地火災が拡大するおそれがなく、広域的な避難を必要としない地区ということでございます。
今回の改定では、都市再生の取り組みや市街地整備の進捗などに伴いまして、地区内残留地区は五年前の約四千五百ヘクタールから約九千ヘクタールへ増加し、その結果、地区内残留地区の区部全体の面積に対する割合は約一五%に拡大をいたしました。
○きたしろ委員 当然、都は、これから必要な市街地整備を推進するということも必要になろうかと思いますけれども、逃げなくて済む地区内残留地区の拡大に努めてもらいたいと思います。
地区内残留地区が増加するということは、地震に対して安全なまちが拡大していることになるとのことですが、私の地元の港区においても地区内残留地区が拡大されています。
そこで、港区においては地区内残留地区をどのように拡大したのか、お伺いをいたします。
○宮村市街地整備部長 港区におきまして、今回新たに地区内残留地区に指定いたしましたのは、おおむねJR線と日比谷通りに挟まれた約百三十五ヘクタールの区域でございます。この地域では、汐留地区の西側街区が土地区画整理事業により整備され、また、新橋駅から田町駅付近にかけては道路などの基盤が既に整備されていることから、建物の更新により不燃化が促進されたものでございます。
この指定によって、港区の総面積約二千ヘクタールのうち約四五%が、逃げないで済む地区内残留地区となったものでございます。
○きたしろ委員 港区においても地区内残留地区が区の面積の半分近くまで指定されたということで、これは、計画的な市街地整備や民間による都市機能更新の防災面の効果であると考えます。また、来年度から緊急輸送道路、沿道建物の耐震化の対象を全路線に拡大したことやマンションの耐震改修助成を創設するなど、都の積極的な取り組みも評価しているところでございます。
最後になりますが、地震が怖くない東京の早期実現に向けて、逃げないで済むまちづくりと安全な避難場所の確保に関する今後の取り組みについてお伺いをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○宮村市街地整備部長 東京都は、逃げないで済むまちの実現に向けまして防災都市づくりを強力に推進しており、将来的には、避難場所を必要としないほどの安全なまちを目指しております。
一方、いつ起きるかわからない大地震による火災から都民の生命を守るためには、安全な避難場所の確保も重要でございます。引き続き、一人当たり一平方メートル以上の避難有効面積の確保と、三キロメートル以上の遠距離避難地区の解消に向けて、新規指定や避難場所周辺の建物の不燃化などを推進していく必要がございます。
都といたしましては、二月に公表した新たな地域危険度に基づき、新年度から防災都市づくり推進計画の見直しに着手いたしますので、安全な避難場所の整備にも配慮しつつ、逃げないで済むまちづくりを加速し、地震が怖くない東京の早期実現に向けて取り組んでまいります。
○松下委員 今から十三年前の平成七年の阪神・淡路大震災では、地震により、六千人以上もの多くのとうとい命が奪われ、地震による直接的な死者数の約九割が住宅や建築物の倒壊によるものであり、住宅、建築物の耐震化が非常に重要な課題であり、また、昨年十二月に発表されました「十年後の東京」への実行プログラムの中でも、震災対策に集中的に取り組み災害に強い都市をつくることが、大きな目標として掲げられております。
都民のとうとい生命と財産を守るという観点から、先日発表されました地震に関する地域危険度測定調査(第六回)に関して、何点か質問させていただきます。
地域危険度は、おおむね五年ごと、前回は平成十四年に公表されています。今回公表された地域危険度と前回とを比べると、測定方法や市街地の状況、どのように変わったのかを丁寧にご説明していただきたいと思います。
○宮村市街地整備部長 地域危険度は、東京都震災対策条例に基づき、おおむね五年ごとに、市街地の変化や新たな知見を取り入れて測定し公表しております。測定に当たりましては、防災の専門家などで構成する地域危険度測定調査委員会を設置し、阪神・淡路大地震における、揺れと建物倒壊のデータが解析されたことなどを踏まえて、建物の壊れる割合を示す建物全壊率を見直すなど、最新の知見を取り入れて検討をいたしました。
また、市街地の変化につきましては、市街地の状況を五年ごとに調査したデータをもとに、建物の構造や年代などについて五年間の変化を把握し、危険度を測定いたしました。
なお、三キロメートル以上の遠距離避難を余儀なくされる地域がおおむね解消してきたことから、前回まで行ってきた避難危険度の測定は行わず、建物倒壊、火災、総合危険度の三つを公表いたしました。
さらに、今回の調査では、先ほどもご答弁いたしましたが、五年前の調査との比較を行うため、同じ測定方法を用いて、今回と前回のデータにより算定、比較した結果、倒壊のおそれのある建物の面積当たりの棟数が、都内平均で約一七%減少するなどの改善が見られました。
○松下委員 阪神・淡路大震災の経験を踏まえて、今回の調査では、建物の全壊率を見直すなど、最新の知見や最新のデータを取り入れて測定をされ公表されたというお答えだったと思いますが、それでは、前回からの変化も踏まえて、今回公表した地域危険度を今後どのように活用し、東京の防災都市づくりを推進していくのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
○座間民間開発担当部長 地域危険度の活用についてでございますが、前回、平成十四年に公表いたしました地域危険度を踏まえまして、平成十六年に現在の防災都市づくり推進計画を策定しております。その際、地域危険度が高く、特に老朽化した木造住宅が集積するなど、震災時に甚大な被害が想定される地域を整備地域として指定いたしまして、これに基づき、これまで延焼遮断帯の整備や木密事業などの防災都市づくりの施策を重点化して展開してまいりました。
今後、新たに公表されました地域危険度の結果を整備地域の見直し等に活用するとともに、木密事業などの進捗状況、「十年後の東京」への実行プログラムなどを踏まえまして、来年度から防災都市づくり推進計画の見直しを進めてまいります。
○松下委員 防災都市づくり推進計画の見直しの際には、平成二十七年度の目標達成の道筋をより明らかにしていっていただきたいと思います。進捗率の更新や市街地の状況の変化を的確に反映した、実効性の高い整備プログラムを策定し、着実に事業を推進していただきたいと思います。測定方法を、最新の知見やデータを取り入れて新たな測定方法を行うなど、都政においてほかのさまざまな事業に関しても、最新のデータや最新の知見というものをぜひ都市整備局さん全体でも取り入れていっていただきたいというふうにも思っております。
地域危険度の東京都全体の地図を見ますと、危険な箇所は、区部を中心に広範に分布していますが、限られた予算を集中的、重点的に投資し、効果的、効率的に防災都市づくりを進めていただきたいと思います。
防災都市づくり推進計画の見直しの中で、建物の不燃化、共同化や、道路、公園等の整備をどのように推進していくことを考えているのか、お伺いいたします。
○座間民間開発担当部長 防災都市づくり推進計画の見直しに当たりましては、まず、今回発表いたしました地域危険度や不燃領域率の変化を把握するとともに、重点整備地域などにおいて進めている各種事業の効果を十分に検証していく必要があると考えております。その上で、引き続き事業を重点化していくことを前提に、整備プログラムを明確化し、沿道一体整備事業や防災街区整備事業など、効果的な事業を充実させてまいります。
また、容積移転を活用した建てかえ促進など、昨年改正されました密集法に基づく新たな推進方策など、地域の防災性向上を加速するための施策について、関係区市と連携いたしまして検討し、一層効果的な事業の展開を図ってまいります。
○松下委員 地域の防災性の向上を加速するための施策を実行していくに当たっては、その地域で暮らす都民の意見や地元自治体の意見を十分に取り入れて、しっかりとした合意形成を図った上で事業を進めていただきたいと思います。
今回の調査で、危険度のランクは、高低五段階と東京全体の中で危険度がランクづけされておりますので、多摩地域は区部と比較すると非常に安全な印象を受けるのでありますが、多摩地域のそれぞれの市内、地域を詳細に見ますと、その中での木造住宅密集地域の存在など、まだまだ危険なところが残されているのが現状です。
区部における防災都市づくりを推進するとともに、多摩地域においても、いつ来るかわからないけれどもいつかは必ず来る大地震に備えて、地震が怖くない安全な東京を実現するよう要望して、私の質問を終わります。
○植木委員 防災危険度、それから避難場所の問題について質問をしたいと思います。同じテーマでありますので、若干ダブることはあらかじめご容赦願いたいと思っております。
阪神・淡路大震災以来、本当に、まちを安全なまちにという願いは広範な都民の切実な願いだと思うんですが、今回、危険度調査が行われて、これが都民の期待にこたえた具体的な施策にどう生かしていくのかという、そういう点で非常に重要な調査の内容だというふうに思います。
この調査で、五年前と比べて、危険度あるいは住宅の状況等々、どのように変化をしてきたというふうに認識しているでしょうか。
○宮村市街地整備部長 今回の地域危険度の調査結果では、建物倒壊の危険度は、古い木造や軽量鉄骨づくりの建物が密集している荒川、隅田川沿いの地域で高くなっております。また、火災危険度は、環状七号線沿いにドーナツ状に広がる木造住宅密集地域などで依然として高いことなどが明らかとなっております。
さらに、五年前の調査との比較を行うため、同じ測定方法を用いて前回と今回のデータにより算定したところ、倒壊のおそれのある建物の面積当たりの棟数が、都内平均で約一七%減少するなどの改善が見られ、都全体では地震に対する安全性は向上しているというふうに認識しております。
○植木委員 安全性が前進したという点は非常に結構なことだというふうに思うんですけれども、切迫した、今後三十年以内に大地震あるいは直下地震が起きる可能性も指摘されているだけに、この危険度の状況で大丈夫か、そういうことが一番の心配だろうと思うんです。だから、安全になったという評価は、それはそれで相対的に五年前から比べて前進したという点ではいいんでしょうけれども、本当に起きる地震に対してどうなんだという点で、私は厳しく見る必要があるんじゃないかというふうに思うんですが、これが一点。
それから、当然科学的な分析を行っていると思いますけれども、きょういただいた資料の中でも、首都直下の被害想定などと同程度とこういうお話がありましたが、これまでいろんな大地震の中でいろんな教訓が出てきていてその知見に基づいてやってきているというふうに思うんですけれども、その点について、本当にマグニチュード六・九あるいはマグニチュード七・三というこの評価に対して、どういうふうにこの危険度の調査の中で反映されているのか、また、どう見るのか、その点について教えていただきたいと思います。
○宮村市街地整備部長 今回の地域危険度と都の被害想定との違いなり傾向というようなことかと思いますが、先ほどご答弁しましたように、全体として、地域の地震に対する安全性は全般的には向上しておりますけれども、これでいいということを別に申し上げているわけではなくて、まだまだこれから取り組むべきことはたくさんあるというふうな認識は基本的にはございます。
それで、質問へのお答えですが、地域危険度といいますのは、この資料、先ほどの要求資料にもございますように、地域危険度は、特定の震源地を設定するのではなくて、すべての町丁目の直下の地盤に、阪神・淡路大震災と同程度の、同じ強さの揺れを設定しております。また、町丁目単位で五段階の相対評価のランクづけを行って表示をしているというものでございます。
一方、都の被害想定は、例えば東京湾北部などの発生確率の高い特定の震源を設定いたしまして、二百五十メートルメッシュで被害を受ける建物棟数を表示しているということで、地域危険度と被害想定というのは、並べて見ると、絵だけ見ると似てそうに見えますけれども、測定の条件や結果の表示方法などで異なりますので、単純に両者を比較するというのは難しいというふうに考えております。
○植木委員 単純な比較は難しいと。また、資料も見まして、実際にマグニチュード六・九あるいは七・三というときにどうなるかという点では、今回の危険度調査というのは相対評価、それから被害想定の方は数値によってあらわれているという違いがあるわけですね。ですから、実際には危険度五の被害だけで済むのか、あるいは四まで広がっていくのかという、相対評価の中でそういう状況というのは地域によって出てくると思うんですよね。そういう意味で、この危険度調査それからそういうこれまでの震災に基づくいろんな知見を生かしていくという点で、先ほど来説明がありましたように、地震に強い都市づくり計画をこれから立てるということですが、これを立てるに当たってどう生かしていくのか、どのような調査や検討をこれから進めていくのか、これについてお示しいただきたいというふうに思います。
○座間民間開発担当部長 今後の調査の内容についてでございますけれども、先ほど松下理事にお答えしたとおりでございますが、防災都市づくり推進計画の見直しに当たりましては、まず地域危険度あるいは不燃領域率の変化を的確に把握いたしますとともに、重点整備地域などにおいて進められている各種事業の効果などについて検証いたします。その上で、引き続き事業を重点化していくことを前提に、整備プログラムの明確化、沿道一体整備事業あるいは防災街区整備事業などの効果的な事業、あるいは昨年改正されました密集法に基づく新たな推進方策等について検討する予定でございます。
○植木委員 さらに調査をして新たな推進方策をという話でしたけれども、沿道の対策、それから密集法の改定によって、URなどの活用、そういうことだろうと思うんですけれども、基本はやっぱり一番危険度の多い、分布している木造密集地域、ここに対しての対策はどうなのか。それから、それが、不燃化がどこまで進んできてそれに具体的にどうするのか。実際にそこに人は住んでいるわけですから、その人たちの生活も含めて考えていくという、作業というんでしょうか、そういうことを考えていかないとやはりいけないと思うんです。その点で、一つは、危険度ランクが一から五、危険度の中で比較的高いといわれている相対的評価四と五、ここで大体七・二%、三百六十七町丁目にも及ぶわけです、ここだけでも。そういうところに--どういう状況に現在があるのか。
それからもう一点、一緒に聞いちゃいますけれども、不燃化領域率、これも平成二十一年まで五五%、二七年までに六〇%という目標が設定されているわけですけれども現時点でこれはどうなのか、この点について、あわせてお答え願いたいと思います。
○座間民間開発担当部長 まず、危険度の高い地域の対策でございますけれども、今回の地域危険度につきましては、全五千九十九町丁目について危険量を測定し順位づけをした上で、五ランクで相対評価をしたものでございます。このため、事業の推進に伴いましてランクが低下した町丁目がある一方で、水面や公園等を区域から除外するなど、測定方法の変化などに伴いましてランクが上昇した地区もございます。
今回の調査につきましては、先ほど、きたしろ理事にご答弁をいたしましたけれども、前回調査と比較するために同じ測定方法で変化を算定したところ、火災の危険性は都内平均で約一四%減少するとの改善が見られております。また、都市計画道路の整備によりまして、沿道建物の不燃化、耐震化が進んだ地区や、市街地再開発事業が完了した地区などで危険度が大幅に低下していることは、先ほど答弁させていただいたとおりでございます。
今後とも、今回公表いたしました地域危険度調査結果や事業の進捗状況を踏まえまして、地元区と連携しまして、より一層効果的な事業を進めてまいりたいと考えております。
次に、不燃化領域率についてでございますけれども、重点整備地域では、地区によって進捗状況などが若干の差異がございますので、各種事業の実施によりまして、道路、公園の整備あるいは老朽建物の不燃化建てかえなどが行われまして、その結果、全地区平均での不燃化領域率につきましては、この五年間で約四・二ポイント上昇するなどの改善傾向が見られます。
なお、最新の不燃化領域率につきましては、来年度調査を予定しております中で算定をする予定でございます。
○植木委員 不燃化率も一定の前進があると。さらに、正確なのは、来年度の調査の中で一層正確にしていくと。当然重点地域ごとに不燃化率というのは出てくるわけですから、全都一律ということではないので、一層厳密に調査をしていただきたいというふうに思っております。
いずれにいたしましても、木造密集地域、重点整備地区等々、本当に住民合意が必要であると思うんですけれども、昨年も木造密集地域について、進捗状況とかそれから促進のための予算についてとか当時もいろいろ細かいことを聞きました。予算も、若干ですけれども減少している年も結構あるということで、率直にいって、きょうの資料にもありますけれども、全体の整備率を見るとやっぱりおくれているということは否めないと思うんですね。やはり直下地震の被害想定などに早く対応するには、早く手を打つ。しかし、これは住民合意ですから強引にやるというわけにいきませんので、手間暇惜しまず、粘り強い具体的な積み重ねが一つ一つ大事だというふうに私は認識しているんです。
そういう中で、昨年の委員会では防災生活圏事業についてお聞きしましたけれども、今回は住宅地区改良事業、これが今現在、東京都としてどういうふうに取り組んでいるのか、全都ではどういう状況になっているのかを示していただきたいというふうに思います。
○座間民間開発担当部長 住宅地区改良事業の現状でございますけれども、住宅地区改良事業は、住宅地区改良法に基づきまして、不良住宅が密集し、保安、衛生等に関し危険または有害な状況にある地区において、不良住宅を全面的に除却した上で、公共施設や改良住宅等の整備を行う収用事業で、原則として区市町村が実施するものでございます。
現在、都内では、防災都市づくり推進計画の重点整備地域内に指定されております板橋区の大谷口地区約〇・五ヘクタールにおきまして、板橋区が六十一戸の改良住宅の建設を進めているところでございます。
今後とも、老朽木造住宅が密集し、接道不良あるいは居住者の高齢化などにより、自主建てかえあるいは公共施設の整備が困難な地区におきまして、地元区と連携し住宅地区改良事業の活用を図ってまいります。
○植木委員 今、板橋区では取り組んでいるというお話がありましたけれども、これは都としてもできるはずだと思うんですけれども、法律でそうなっていると思うんですが、都としてはどうですか。
○座間民間開発担当部長 現在、東京都におきましては、先ほど答弁いたしました板橋区の大谷口地区一カ所でございまして、東京都として実施している地区はございません。
○植木委員 この事業も非常に時間と粘り強い努力が必要な事業ですけれども、これは国制度で、区市町村が困難な場合には都道府県がやれるようになっているはずです。現に、かつては都として整備してきたと思うんですね。一九八〇年代のころ積極的に進めて、これまでの成果としては、都として、これがちょっと厳密にどこまで区市町村が入っているのかというのは資料で正確にわからなかったんですけれども、都としてと書いてありますからこれをそのままいいます。百二十五地区、百六十三・五ヘクタール、一万四千八百三十九戸、それから都市計画公園が十三・二ヘクタール、それから余剰地に公営住宅を一万四千十一戸と、非常に大きな成果を上げてきているというふうに思うんです。
これはまだ法律も生きているわけですから、もちろんほかの手法でどんどん進めばそれはそれでいいんですけれども、なかなか全体として進まない中で、こういう手法も含めて改めて考えてみる必要もあるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○座間民間開発担当部長 この住宅地区改良事業につきましては、大変効果のある事業だと認識しておりますので、今後、来年度から見直します防災都市づくり推進計画の中で検討してまいります。
○植木委員 これは非常に広範な住民に関係する場合もありますから、もちろん機械的にやるということはとってはいけない、十分、住民合意の上でというのが前提にありますけれども、やはりこういうことも一つ取り組んでいく必要があるというふうに思います。
この危険度調査は、一つは、木造密集地域を中心として、燃えないという、そういう火災を最小限にするということが一つと、それからもう一つは住宅の倒壊を防ぐ、この両面があると思うんですけれども、時間の関係もありますから、耐震補強の方については、これだけ展開していますとたくさん課題もありますのできょうは意見だけ述べておきます。いずれにしても、地域危険度測定調査、この報告については今後防災都市づくり計画に生かしていく、そういう点で、まず第一に木造密集地域の整備対策の一層の促進という点ですが、木造密集地域の指定の拡大、これを行うということをこれまで提案をしてきました。それから、多摩の市長会からも要望が出ている。多摩もこういう点で拡大をする必要があるということもいってきました。
それから、住民合意などで時間も非常にかかるということもあって、最近は再開発型に走る傾向もあるんじゃないかというふうに思いますけれども、やはり生活圏の支援こそ充実させるということが重要ですので、これまで行ってきた防災生活圏の事業とか住宅地区改良事業、これを現実によく合わせながらですけれども、そうした面も考えていく必要があるのではないかというふうに思います。いずれにいたしましても、生活重視型の対策を進める中で木造密集地域を、整備を促進していただきたいというふうに思います。
それから二番目には、先ほど申し上げました耐震補強の問題ですが、倒れない住宅、耐震補強ということで、昨年建築物の耐震改修促進計画で、耐震化について耐震化率を九〇%を目指すということを決めました。公の方は都が直接やる面もたくさんありますので、整備は一定促進されると思うんですけれども、やはり民間、特に木造密集地域あるいは老朽化したマンション、そういったところでの対策が非常に重要だというふうに思います。そういう意味で、木造住宅の耐震化助成をさらに幅広い対象に使えるように要件を拡大していただきたい。
それから、マンションの耐震化についても繰り返し繰り返し要求してきましたが、来年度ようやく、少しだけですけれども進むという方向が提案されてきています。それから区市町村、私のところは中野ですけれども、中野では全戸訪問をして耐震改修、耐震促進をやってなかなかそれでも実際は進むのが大変なんですけれども、そういう区市町村への支援、あるいは命を守るという点で、寝室や居間やシェルターなどの住宅の一定部分の改修についても支援策を行うというようなことも提案をしてきましたし、それから普及促進、中でも、常設展をするようにということも要求してきました。
いずれにいたしましても、こうした制度をもっともっと活用しやすいものに改善するなど、地域危険度の測定調査の報告に基づいて、今後に積極的に生かしていただきたいと、総論になって恐縮ですけれども、この点についていかがでしょうか。
○座間民間開発担当部長 先ほどもご答弁いたしましたけれども、今後の防災都市づくり推進計画の見直しに当たりましては、委員ご指摘のとおりの項目について、地元区と連携しまして検討してまいりたいと考えております。
○植木委員 次に、避難場所の問題について、質問、移りますけれども、避難場所と危険度調査というのはある意味では非常に密接に関係があるので、前提問題として、前回の危険度調査のときには避難危険度というものを発表されたと思うんですけれども、今回それを行わなかったのはなぜなのか、教えてください。
○宮村市街地整備部長 避難危険度につきましては、前回の調査で、地震火災の危険から安全な避難場所に到達するまでの避難のしにくさとして、主に避難距離の長さなどに基づき算定をいたしました。過去には、三キロメートル以上の避難を余儀なくされる遠距離避難地区の数が全指定区域の約二〇%を占めていたときもございましたが、今回の改定、変更では、遠距離避難地区が約二%までと縮小するなどおおむね解消されてきております。
また、地震による火災が延焼するおそれのない地区内残留地区が倍増し、区部全体面積の約一五%まで増加いたしましたことから、火災あるいは建物倒壊と同列に五つのランクに分けて相対評価を行うという意味が薄れてきたということなどを考慮いたしまして、前回まで行ってきた避難危険度の測定は行わず、建物倒壊、火災、総合危険度の三つを公表したものでございます。
○植木委員 遠距離避難所が三キロメートルだったのが二%に減ったということなんですけれども、この三キロメートルというのは、どういう根拠--これが適切だということなんでしょうか。いかがでしょうか。
○宮村市街地整備部長 今のご質問の遠距離避難の基準である三キロメートルの考え方でございますが、遠距離避難といいますのは、三キロメートル以上の避難を余儀なくされて、東京都震災対策条例などに基づいて、避難道路の指定を行う必要のあるものをいっております。三キロメートルの距離は、昭和四十九年度に定められました避難道路の指定についてで、避難場所までの歩行時間をおおむね一時間とした場合の距離でございます。
今回の改定では、新たな避難場所や既存の避難場所の拡大により、前回六カ所あった遠距離避難地区を三カ所まで半減をいたしました。
今後も遠距離避難地区をゼロにするよう取り組んでいきたいと考えております。
○植木委員 昭和四十九年の基準だと。三キロを余儀なくされて約一時間、これが適切なのかどうかとさっきお聞きしたんですけれども、この点はどうなんでしょう。つまり現時点で、昭和四十九年の基準はわかりましたけれども現時点で見て適切かどうか、これはいかがでしょうか。
○宮村市街地整備部長 適切と考えております。
○植木委員 適切だというのは、決まっているから適切だということなのかよくわかりませんけれども、他の地区のことはよくわかりませんので中野で見ますと、例えば警察大学校の跡地から一番遠いところ、三キロ以下なんですけれども、その間に鉄道ありそれから大型幹線道路あり細街路あり、一時間で、元気な人が一時間なのかお年寄りなのかわかりませんけれども、パニック状態になったときにそんな簡単にいくのかなという思いがするのと、実際に町会だとか区の防災訓練とかで一時避難所に移って、広域避難場所に行くという訓練でも、大勢の人間が行くというのは、一時間というのは、そう僕は適切だというふうにはとても思えないんですよね。
だから、僕はそういう意味で、三キロがだんだん減ってきたよと、これは結構なことです。じゃ、次の目標は二・五キロぐらいでもできるような、そういう整備が進むのかどうか。もちろんこれはいろんなまちづくりそれから現状、いろんなものを考慮しなきゃなりませんから、そう簡単だなんていうふうに私は思っていませんけれども、少なくともこれまでも何年も何年もかかって二〇%から二%に減ってきたわけですから、次の目標に向けてやるという、例えば二・五キロ、あるいはもっとよくいえば二キロとか、次の目標設定も必要になるんじゃないか。つまり、適切だという考えだと、ここでストップしちゃうわけですよ。いかがでしょうか。
○宮村市街地整備部長 三キロメートルというその考え方が適切かどうかというので、適切だとお答えしたんですけれども、当然、ご質問のように避難距離が短い方がいいということは十分理解しております。ですから、今回の見直しに当たりましても、新たな避難場所の指定とかそれから既存の避難場所の拡大といったような取り組みを行いまして、遠距離避難の地区を少なくしてきたということがございます。
今後ともそういう取り組みを引き続き強力に進めて、より避難距離が短くなるような、あるいは、あわせて、逃げなくて済む残留地区がふえるような、そういう取り組みを進めていきたいと思っております。
○植木委員 ぜひ新たな目標に向けて、次の出発にしていただきたいというのが私の願いであります。ですから、そういう意味では避難危険度というのは、発表するかどうかは別としても、きちっと掌握しながらやっていただきたいというふうに思います。
それから、今、地区内残留地区というお話がありました。これは本当に安全というふうにいい切っちゃっていいんでしょうか。いかがですか。
○宮村市街地整備部長 ご質問にお答えします。
地区内残留地区は、火災に弱い木造住宅が連なっていないこと、及び一連の地域において耐火、準耐火の建築物の占める割合が高いことなどを要件といたしまして、そういう要件とする延焼火災が生じない、市街地火災、延焼が生じないという地区でございます。
都は、防災の専門家で構成する避難場所調査検討委員会の意見を聞きながら、土地利用現況の調査結果や最新の知見に基づきまして、大規模な延焼火災が生ずるおそれがなく、広域な避難を要しない安全な地区を地区内残留地区として指定しております。これはあくまでも火災についてということでご理解をいただきたいと思います。
○植木委員 火災について安全だと。確かに、木造密集地域から比べれば延焼がさほど大きくならないだろうなということは予想がつくんですけれども、千代田区が地区内残留地区、非常に割合が多いので、ちょっと千代田区がどういうふうにいっているか見てみました。ホームページで、区内全域を広域的な避難を要しない地区内残留地区と指定したため平成十五年をもって全広域避難場所の指定を解除しました、また広域避難場所に集まる一時集合場所--いっときと読むのかな、わかりませんけれども、一時集合場所もすべて指定を解除しましたと、こういうふうになっているんですね。つまり、広域の指定を解除するということはそういうことなんだなと。
じゃ、どうするのか。それについてはこういうふうになって--避難はしなくてもよいということをずっと書いてあって、万一危険を感じた場合は避難所に避難してください、こういうふうになっている。避難所というのは、避難場所と性格が違って、そこで一定の生活というんでしょうか避難生活を可能にするところです。管理者もいる。学校だったり地域のセンターだったりするんだと思うんですけれども、緊急時に活用できるのかという面があると思うんです。実際に千代田区の議会での論議の話を聞きましたけれども、避難訓練で夕方になってしまって避難所に行ったら閉まっていた、利用できなかったと。それから、避難所が学校で、学校が充てられているが、統廃合になったら今後どうなるのか、こういう質疑がやられているんですね。ですから、避難場所というのが全くなくなっていいのかということを考える必要がある。
それから、先ほど、火災の延焼が中心だと。しかし、確かに千代田区あたりは高層ビルが進んでいますけれども、中には雑居ビルあるいは老朽化したビルがある。それから最近では、NHKの報道でも、高層ビルの火災などについて新しい検証がいろいろ進められていることが報道されていて、ビル火災というのも私たちの想像を超えるものも出てくる可能性もあるということが指摘されておりました。特に、NHKの報道では、高層建築物は鉄骨と高密度の良質なコンクリでつくられていて、高密度がゆえに危険が大きいという実証実験だったんですね。高密度のコンクリというのは、中の水分が閉じ込められていてあるいは空気も閉じ込められていて、ビル火災になって、二百五十度以上超えると中の水分や空気が膨張して破裂して飛び散る。その映像が紹介されて私も大変ショックを受けたんですけれども、鉄骨の強度が保てなくなって倒壊して、火災が広がるのではないか、そういうお話でした。
それから、こういうものや、ニューヨークの国際センターの、あれは性格は違いますけれどもああいったことも考えていくと、都心で本当に高層ビルだから絶対安全かということではなくて、やっぱり地域地域によって実情に合ったものを取り入れてもいいんじゃないかと、こんなふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○宮村市街地整備部長 避難場所につきましては、市街地火災からの延焼から一時的に逃れてそこで鎮静化するころまで待ってそれからまた自宅に戻っていただく。場合によっては、例えば自宅が既に焼失したり損害を受けていて戻れない、そこで生活できないとなれば、避難所に今度は移っていただいてそこで生活をするというふうな全体の流れがございます。これは前回ご説明したパンフレットにもそんなことを書いておりますけれども、そういう避難場所の指定、条例に基づく避難場所の指定というのは、そういうふうな考え方の中でやっておりますので、当然、地震に伴う大規模な延焼火災のおそれがないところについては、避難場所の指定をするのではなくて現地に残っていただくという仕組みになっているわけですね。
ですから、地震が起きたときのいろいろな現象は、あくまでも火災だけではなくていろいろな、建物の倒壊ももちろんありますしいろいろなことがあるかと思います。その場合に、例えばそこで今まで住んでおられた方が--火が一切出ないということではないですから、延焼はしなくても火災は起きないとはいえませんから、起きて被災された方が、じゃ、どこへ行くかというと避難所へ行っていただくというのが今の仕組みで、そこは地元自治体がそれぞれ考えて対応しているかと思いますけれども、東京都として二十三区全体をどう見ていくかということでいえば、今やっている取り組みが全体的に網羅していくというのが、全体としては非常に重要だろうと思って取り組んでいるところでございます。
○植木委員 もちろん基本は、不燃化が進むことによって防ぐという意味が基本だと思うので、そういう面というのは非常にわかるんですけれども、実際にこれが全部指定解除していいのかというのは、防災というのは我々の想像以上のことが起きる可能性もありますから、そこはやっぱり地域地域によって綿密にしていく必要があるんじゃないかということを私はいっているわけなんです。
いずれにいたしましても、避難場所については、これまでも何回か質疑をしてまいりまして、一つは、避難場所の距離をさらに短縮すること。それから、面積についてはきょうやりませんでしたけれども、現在既に一人当たり二平米前後の避難場所もふえてきているわけですから、一人当たりさらに一平米とか次の目標を目指すなど、やはり進めていただきたいというふうに思うんですよ。パニック状態になったときのことを考えますと、そういう想定をしてもいいのではないかというふうに思います。
それから、今高層ビルの、NHKの報道だけですからそれだけですべてを語るというわけにはいきませんけれども、さまざまな用途について、新しい知見に基づいて避難場所についても改善を図っていく。せっかく調査して改正したわけですから、より広範な、都民が使いやすいそういうものに改善を図るよう重ねて要望して、私の質問を終わりにいたします。
○村上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
○村上委員長 これより付託議案の審査を行います。
第百二十四号議案、平成十九年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、都市整備委員会所管分、第百二十六号議案及び第百二十九号議案を一括して議題といたします。
本案につきましては、既に質疑を終了しています。
これより採決を行います。
初めに、第百二十四号議案、平成十九年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、都市整備委員会所管分及び第百二十九号議案を一括して採決いたします。
本案は、起立により採決いたします。
本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○村上委員長 起立多数と認めます。よって、第百二十四号議案、平成十九年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、都市整備委員会所管分及び第百二十九号議案は、原案のとおり決定いたしました。
次に、第百二十六号議案を採決いたします。
お諮りいたします。
本案は、原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上委員長 異議なしと認めます。よって、第百二十六号議案は、原案のとおり決定いたしました。
以上で付託議案の審査を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時三十八分散会
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