都市整備委員会速記録第十七号

平成十九年十一月二十九日(木曜日)
第五委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長村上 英子君
副委員長吉倉 正美君
副委員長大塚たかあき君
理事きたしろ勝彦君
理事松下 玲子君
理事新藤 義彦君
鈴木 章浩君
河野百合恵君
高橋 信博君
泉谷つよし君
植木こうじ君
立石 晴康君
相川  博君
藤井  一君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長只腰 憲久君
次長泉本 和秀君
技監福島 七郎君
総務部長安藤  明君
都市づくり政策部長野本 孝三君
住宅政策推進部長松村 光庸君
都市基盤部長升 貴三男君
市街地整備部長宮村 光雄君
市街地建築部長金子 敏夫君
都営住宅経営部長小林 計代君
企画担当部長村尾 公一君
住宅政策担当部長瀬良 智機君
外かく環状道路担当部長遠藤 正宏君
民間開発担当部長座間  充君
多摩ニュータウン事業担当部長今井  光君
都市景観担当部長安井 順一君
建設推進担当部長山室 善博君
参事中山 正雄君
参事瀧本 裕之君
参事宇多田裕久君
参事庄司 貞夫君
参事小澤  弘君
参事並木 勝市君
参事清水 文夫君
参事荒川 達夫君

本日の会議に付した事件
 請願の取り下げについて
 都市整備局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約
請願陳情の審査
(1)一九第一二号 小平都市計画道路三・三・三号新五日市街道線の早期建設に関する請願
(2)一九第三七号の一 都道の整備促進に関する陳情
(3)一九第四七号 公団住宅の見直しに対する意見書提出に関する陳情
(4)一九第五四号 東大泉アパート建替計画に関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・第百八十回東京都都市計画審議会付議予定案件について

○村上委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、請願の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布の一九第九八号、結核回復者に対する都営住宅の特別割当の確保に関する請願は、議長から取り下げを許可した旨通知がありましたので、ご了承願います。

○村上委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせしましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、請願陳情の審査及び報告事項の聴取を行いたいと思います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑を終了まで行いたいと思いますので、ご了承願います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○只腰都市整備局長 本日は、平成十九年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明申し上げます。
 提出予定案件は、契約案一件でございます。
 お手元の資料1でございますが、江東区豊洲と有明に架設いたします富士見橋の工事請負契約議案でございます。
 引き続き詳細な内容につきまして、総務部長よりご説明申し上げます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
 なお、航空政策担当理事の河島均は、公務のため、本日の委員会を欠席させていただいております。
 どうかよろしくお願い申し上げます。

○安藤総務部長 それでは、工事請負契約議案をご説明申し上げます。
 お手元の資料1、契約案、富士見橋鋼けた製作・架設工事請負契約をごらんください。
 一ページに、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載しております。
 契約の相手方は高田機工株式会社、契約金額は十三億四千六十四万円、工期は平成二十二年一月十九日までとなっております。
 二ページに案内図と平面図、その次のページに側面図、断面図を添付してございますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 簡単ではございますが、以上で平成十九年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

○村上委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○村上委員長 なければ、資料要求はなしということで確認させていただきます。

○村上委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに、一九第一二号、小平都市計画道路三・三・三号新五日市街道線の早期建設に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○升都市基盤部長 お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の一ページをごらんください。
 整理番号1、一九第一二号、小平都市計画道路三・三・三号新五日市街道線の早期建設に関する請願についてご説明させていただきます。
 本請願は、小平市の清水徳司さんから提出されたものでございます。
 請願の要旨は三点ございます。
 一点目は、小平都市計画道路三・三・三号新五日市街道線について、昭和三十七年に都市計画決定されて以来、一部区間は完成したものの、全線開通に至っていないことから、道路事業を推進して、速やかに全線開通させること。
 二点目は、事業遂行に支障があって停滞しているのであれば、直ちに道路事業計画の廃止を含めた見直しを行い、道路事業を完結すること。
 三点目は、道路事業に関する情報について、公開できるものは速やかに広報することでございます。
 現在の状況でございますが、二ページの図面をごらんください。
 新五日市街道線は、図面の右側に二重丸で表示しております西東京市の東伏見四丁目を起点といたしまして、小平市、立川市、福生市を経由し、左側の二重丸で表示しております、あきる野市小中野に至ります延長約三十二キロメートルの多摩地域を東西に結ぶ幹線道路として都市計画決定されており、当該地の小平市内につきましては、昭和三十七年に都市計画決定されております。
 次に、整備の状況でございますが、図面で黒く表示したところが完成区間をあらわしておりますが、国道一六号の西側につきましては、一部事業中の区間を除きまして、おおむね整備されております。東側は、一部区間を除き、未整備の状況となっております。
 一点目の早期全線開通についてのご要望でございますが、平成十八年四月に策定いたしました多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)では、図面の新五日市街道線と表示した左上、国道一六号と立川東大和線の間、約六千百三十メートルを平成二十七年度までに優先的に整備する路線、優先整備路線に位置づけております。しかし、立川東大和線から東側につきましては、当該地を含めまして、この優先整備路線に位置づけられておりません。このため、次期事業化計画を策定する際に整備時期等の検討を行うことになります。
 次に、二点目の廃止を含めた計画の見直しについてでございますが、第三次事業化計画におきまして、未着手の都市計画道路の必要性を検討いたしました結果、本路線につきましては、多摩地域における都市間連携の向上に資する東西方向の重要な骨格的幹線道路として、必要性を確認したところでございます。
 三点目の道路事業に関する情報の広報についてでございますが、第三次事業化計画を策定する過程におきまして都民意見の募集を行ったほか、都市整備局のホームページなどで公表しており、今後も必要な情報については明らかにしていく予定でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○村上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○高橋委員 それでは、一九第一二号、新五日市街道線の早期建設に関する請願に関連いたしまして、多摩地域の都市計画道路につきまして何点か質問させていただきます。
 私の地元であります小平市には、南北方向に府中街道、東西方向に青梅街道、五日市街道があり、古くから多摩地域の道路交通を担う重要な路線であります。これらの道路では、これまでに部分的な拡幅整備や、すいすいプランによります交差点改良などが行われておりまして、一定の渋滞の解消は図られていると思います。
 しかしながら、通勤時間帯のみならず、土曜、日曜の買い物客などによります渋滞は、依然として多摩地域各所で発生をしております。移動に多大な時間と労力を要し、バスの定時性も確保されないなど、社会的な損失は相当なものと思われます。また、裏道と称される生活道路に通過交通が流入いたしまして、歩行者の安全性や地域環境の悪化などの問題も生じております。交通の円滑化や安全な歩行者空間の確保を図ることは極めて重要な課題であり、都市計画道路の整備の重要性を改めて痛感させられているところでございます。
 そこで、多摩地域の都市計画道路の整備状況はどのようになっているのか、また、未着手となっている道路はどのくらいあるのか、ご説明をお願いいたします。

○升都市基盤部長 多摩地域の都市計画道路の整備状況でございますが、現在、計画延長約千四百三十キロメートルに対しまして、完成率は平成十八年度末で約五三%と、ようやく五割を超えたところでございます。また、未着手となっている路線でございますが、約三六%に相当する約五百二十五キロメートルとなっております。

○高橋委員 完成率はようやく五割を超えたということでありまして、都市計画道路はまだまだ不足しているといわざるを得ません。今後も早急な整備が必要であることはいうまでもなく、特に骨格的な幹線道路を優先して整備していくことが不可欠と考えます。
 そこで、都市計画道路の整備目標はどのようになっているのか、伺います。

○升都市基盤部長 都市計画道路は、委員のお話もございましたが、都市を形成する最も基本的な都市基盤でございまして、魅力と活力に満ちた多摩地域を創造する上でも、早急に整備を進めることが不可欠であるというふうに考えてございます。
 昨年四月に策定いたしました多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)の策定に当たりましては、活力、安全、環境及び暮らしの四つの基本目標を掲げ、その達成に向け優先整備路線を選定したところでございます。これらの路線のうち、特に多摩地域の南北道路などの整備を重点的に進め、二〇一五年までに骨格幹線道路の整備に一定のめどをつけることを目指すとともに、都市計画道路ネットワークの早期実現を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

○高橋委員 多摩の南北道路の不足は致命的といっても過言ではありません。ぜひ重点的な整備をお願いしたいと思います。
 一方で、東西方向の道路も、その交通容量は相当不足していると考えます。最近は、ロードサイド型の大規模ショッピングセンターの進出が顕著となっておりまして、激しい交通渋滞が各所で見られております。そこで、東京都は東西方向の幹線道路の整備についてどのような認識を持っているのか、伺います。

○升都市基盤部長 多摩地域の交通の流動につきましては、圏央道の開通などによりまして一定の改善はなされておりますが、交通需要の変化などからまだまだ渋滞箇所があることは十分承知しているところでございまして、東西の骨格的幹線道路の整備も重要であるというふうに認識しているところでございます。
 第三次事業化計画におきましても、多摩地域の都市間を接続する骨格幹線道路を整備し、道路ネットワークを形成する必要があるとしており、東西方向の幹線道路では、東京八王子線、新青梅街道線、新五日市街道線などの一部を優先整備路線に位置づけ、整備を進めることとしております。

○高橋委員 多摩地域の道路ネットワークは、南北、東西双方の幹線道路が整備されてこそ、初めて有効に機能するものと考えます。ぜひ東西方向の道路整備にも精力的に取り組んでいただきたいと思います。
 今回請願が出されている新五日市街道線はその一つでありますが、今後、横田基地が軍民共用化された際には、都心方向からのアクセス道路としても極めて重要な道路となると考えております。そこで、東西方向の幹線道路であります新五日市街道線の整備の見通しはどのようになっているのか、伺います。

○升都市基盤部長 新五日市街道線の整備の見通しでございますが、新五日市街道線は、東西方向の都市間の連携の向上に資するとともに、多摩地域のまちづくりにとって重要な骨格的幹線道路として都市計画決定されているところでございます。また、小平市都市計画マスタープランにおきましては、主要幹線道路として位置づけているところでございます。
 立川東大和線の西側区間は、第三次事業化計画では優先整備路線に位置づけられておりますが、残る東側の区間については、周辺の都市計画道路の整備状況などを勘案いたしまして、次期の事業化計画を策定する際に検討を行っていく考えでございます。

○高橋委員 これは横田基地の軍民共用化の行方にも随分かかわってくると思いますけれども、小平市内の小川町一丁目の区画整理も順調に進んでおり、進行しているわけでございますので、ただいまの説明のとおり、立川東大和線の西側区間、つまり西の一六号から、西から東に向かって整備がされている。小平市はその隣でございまして、ぜひとも、区画整理も現実にやっているわけですので、優先整備路線に準じて整備を進めてほしいと願っております。
 新五日市街道線は、その多くは現道のないところに計画線がかかっていることもあり、該当する多くの地権者の方々が道路整備の行方を知りたがっていると思います。また、今回の請願者のいうように、早期整備を望んでいる方も数多くいらっしゃると考えます。どうか、多摩地域の発展のため、また、ご協力をいただいている多くの関係地権者のためにも、早期整備が実現されますよう強く要望いたしまして、質問を終わります。

○松下委員 私も、一九第一二号、新五日市街道線の早期建設に関する請願に関連して質問をいたします。
 当該路線は、昭和三十七年の都市計画決定以来、既に四十五年が経過し、現在、一部が完成したのみで、その大部分が未完成のままであり、事業化のめどが立っていません。一方、小平市内の小川町一丁目においては、本路線の区域を含めて土地区画整理事業が進められており、この部分に限っては先行して整備がなされています。
 このような状況の中、請願者は、都の事業に積極的に協力したいという思いで、みずから率先して代替地を入手していらっしゃいます。その処分について悩んでいらっしゃり、この計画道路に関する情報を得たいと思うのは当然のことであると思います。
 そこで、請願者を含めて当該路線の計画について関係地権者にどのような情報をどのように提供しているのか、お伺いいたします。

○升都市基盤部長 東京都と二十八市町が共同で昨年策定いたしました多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)では、平成二十七年度までに優先的に整備すべき路線を選定しております。この第三次事業化計画では、当該路線の小平市区間は優先整備路線に選定をされておりません。
 第三次事業化計画の策定につきましては、「広報東京都」や地元小平市の市報などにより公表したところでございます。その内容については、広報PR用として概要版を市町の関係窓口に配布するとともに、都市整備局のホームページでその全文を掲載しているところでございます。また、都市計画道路の計画線の位置など、都市計画に関する情報につきましても、都市整備局のホームページで提供するとともに、都市整備局や各市町の窓口において常時ご相談に応じているところでございます。

○松下委員 情報提供としては、多摩地域における都市計画道路の整備方針に当該道路がのっていないということで、平成二十七年までには着手も行わないというふうに解釈をするということかと思いますが、この方が当時代替地を買われたときには、他の事業に優先して事業を着工するという説明を受け、確かに発表当時は工事が進められており、この分では立ち退きの時期が迫ってくると考えて、また、代替地は個人で探すようにとの説明であったため、苦労して代替地を探して購入したとのことは、この請願にも述べられておりますが、情報提供として、都に対して問い合わせをしても、現在事業の予定はありません、今後の見通しはわかりません、建設計画は廃止していませんという回答では、余り親切な回答とはいえないのではないかと思います。
 平成二十七年までには事業決定が優先的にはされないという、数字を出すなり、今後の見通しが、代替地を処分しようかどうしようかと悩んでいらっしゃる請願者に対して少しでも判断材料になるような形で情報提供をしていただきたいと思いますし、今後も積極的な情報提供を行っていただきたいと思います。
 優先整備路線に選定されておらず、本請願のように長期間事業が行われない路線については、地権者は、都市計画道路区域内の建築制限により土地の有効利用が図れないなど、不便を強いられております。このような状況を緩和するため新たに建築制限を緩和し、これまでの二階建てから、三階建てなどが可能になってはいます。この建築制限の緩和についてどのように関係者に広報され、また、相談、質問に対してどのような対応をしているのか、お伺いいたします。

○升都市基盤部長 建築制限の緩和に関する広報についてでございますが、平成十八年六月から実施されております建築制限緩和につきましては、その実施の際に「広報東京都」でお知らせをしております。また、あわせまして都市整備局のホームページにも掲載しておるところでございます。
 また、個別の相談や質問に対しましては、都市計画道路の担当部署や建築指導担当部署で常時対応しているところでございます。

○松下委員 先ほどの当該路線の計画に関しての情報提供では、小平市報においても公表したというふうにありましたが、今のお答えだと東京都の広報やホームページということで、東京都からの情報提供なのかなというふうに思いますが、やはり、都の広報もそうですが、三多摩地域の市民にとって、市報という身近な存在で、しっかりと都の事業に関してなり新たな情報なりを入手する手段として、市報というのは大きく位置づけられているとも思いますので、市報に載っていなかったのは残念だなという気はいたします。
 都市計画道路の整備には長期の事業期間がかかり、具体的な情報提供にはもちろん限界があるとは思いますが、この請願者のように知り得る情報量が少なく、不安な日々を送られている方は多いと考えられます。一般都民にわかりやすい情報提供を今後もより考えていただく必要があると思います。今後とも住民の方からの相談や質問について、今まで以上に丁寧なご対応をしていただきたいと思いますし、四十五年間という長い年月にわたって、立ち退きの心配を抱えつつ、また代替地の維持費用も払いつつ過ごしていらっしゃる計画道路上の方がたくさんいらっしゃるということをぜひしっかりと念頭に置いていただいた上で、この事業に関して適切な情報提供と丁寧な情報提供を行っていただきたいと要望して、私の質問を終わります。

○升都市基盤部長 申しわけありませんでした。先ほどのお答えの中で、市の広報についてお話をしておりませんでした。
 建築制限の緩和につきましても、多摩地域の都市計画道路の整備方針を公表いたしました小平市報「市報こだいら」の中で、建築制限の緩和につきましても広報させていただいております。どうも申しわけございませんでした。

○植木委員 この請願を見まして、道路というのはなかなか難しい問題があって、やはり生活がかかっているからだと思うのですね。だから、やるならやってほしい、あるいは、もうここまで来たのなら見直してほしい、そういう意見が出るのはある意味では当然だと思うのです。
 この現道の未着手部分、小平のところですけれども、昭和三十七年というのですから四十五年前ということですが、当時は恐らく、ここはほとんど人が住んでいなかったかと思うのですけれども、そこのところを正確にひとつ教えてほしいのと、現在は住宅密集地になっていて、そこを通るという計画だろうと思うのですが、道路というのはやはり、道路があって人が住むのじゃなくて、人が住んでいて道路をどうするかということですから、非常に悩むことになると思うのです。そういう点で、現状についてまずお示しをいただきたい。

○升都市基盤部長 現状でございますが、資料2の二ページでございますが、現在の状況を、先ほどもご説明いたしましたが、小平区間を表示してございます。その中で、現在一部完成しているところが、花小金井の駅前のところ、一部完成しております。また、先ほどご質問の中でお話がございましたが、小川町一丁目土地区画整理事業が現在事業をしておるところでございまして、その部分については、区画整理の中で新五日市街道線の整備を進めております。そのほかは、一般市街地の中を現在都市計画決定されておりますが、事業は行われていないということでございます。

○植木委員 私が現状といったのは、人の住んでいる状況を中心に考えてどうかということだったのですけれども。質問の方もちょっと舌足らずだったので大変申しわけないと思っているのですが、いずれにしても道路の事業化というのは、やはり人の住む環境あるいは自然環境を大事にする。それから、社会的な状況がどうだ、人口減少社会あるいは少子高齢化社会の中でどうか。そういうことを踏まえたものに努力する必要があると思うのです。特に都市計画道路の整備方針、事業化計画を立てる、あるいは見直しに当たっては、そういう立場が私は必要だと思うのです。
 特にこの三・三・三号線は、先ほどもお話がありましたように三十七年、四十五年前、当時は住宅について今ほどはなかったと思うし、今は多くの方々が住んでおられる。そういう意味で、こうしたところに幹線道路が通っていくと、地域住民が非常に分断されて、生活圏も分断される、そういうこともあると思うのですね。
 そういうことと、もう一つは、この請願の二番目にもありますように、四十五年も状況を残したままということは、やはり何か問題があるのではないか。時のアセスということもありますように、やはり廃止も含めて再検討するべきだというふうに私は思っています。特に地域住民が切実に求めている生活道路、現在ある生活道路をより整備する、あるいは歩道の整備だとか、そういうことで地域の住民の皆さんの生活圏を守っていくという道路なら私は大賛成ですけれども、こうした住環境や自然環境への大きな負荷になるような、そうした計画については再検討することを私は求めておきます。
 以上です。

○村上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件中第三項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村上委員長 異議なしと認めます。よって、請願一九第一二号中第三項は趣旨採択と決定いたしました。

○村上委員長 次に、一九第三七号の一、都道の整備促進に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○升都市基盤部長 お手元の請願・陳情審査説明表の三ページをごらんください。
 整理番号2、一九第三七号の一、都道の整備促進に関する陳情についてご説明いたします。
 本陳情は、小金井市の露口哲治さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は二点ございます。
 一点目は、小金井市の道路整備状況について、十年後に策定予定の多摩地域における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)において、多摩地域の近隣他市並みとすること。
 二点目は、都道一三四号線、連雀通りの小金井市中町一丁目十番十七号から十二番十六号地先までの間は、道路幅が狭く歩道もないため、拡幅整備をすることというものでございます。
 現在の状況でございますが、四ページの図面をごらんください。
 一点目についてでございますが、東京都では、平成十八年四月に多摩地域の二十八市町と共同で多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)を策定し、平成二十七年度までに優先的に整備を進めていく路線、優先整備路線を選定しております。
 このうち、小金井市内では、四ページの図面の右上の方に南北方向に破線でお示ししておりますとおり、東京都施行の小金井都市計画道路三・四・一一号線、小金井市施行の小金井都市計画道路三・四・八号線を優先整備路線に位置づけております。
 このうち、三・四・一一号線につきましては、平成十八年度に事業に着手し、三・四・八号線につきましては、現在、小金井市が事業を進めております東小金井駅北口土地区画整理事業の中で整備を進めていくこととしております。
 その他の都市計画道路の整備につきましては、次期事業化計画を策定する際に検討していくこととなります。
 次に、二点目でございますが、四ページの図面の中央部下側をごらんください。
 拡幅整備を要望している約二百七十メートル区間のうち約八十メートル区間については、小金井都市計画道路三・四・三号線と重複しておりますが、同路線は第三次事業化計画に位置づけられておりません。このため、同区間の整備につきましては、次期事業化計画を策定する際に検討を行うこととなります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○村上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉倉委員 一九第三七号の一、都道の整備促進に関する陳情の第二点目につきまして、一言意見を申し述べたいと思います。
 この件につきましては、地元住民の意見を十分に聞き、合意形成を得て進められるよう、特にお願いをしておきたいと思います。
 以上でございます。

○植木委員 この陳情の第一ですが、多摩地域における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)についてですが、先ほど基本的なことを述べましたので改めて繰り返すことはいたしませんけれども、やはりそこに住んでいる人たちが基本でありますから、そういう点で、見直すべきところは見直すという立場に立っていただきたいということを申し述べて、意見を表明しておきます。

○村上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件中第二項を趣旨採択とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村上委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一九第三七号の一中第二項は趣旨採択と決定いたしました。

○村上委員長 次に、一九第四七号、公団住宅の見直しに対する意見書提出に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○松村住宅政策推進部長 それでは、整理番号3、一九第四七号、公団住宅の見直しに対する意見書提出に関する陳情についてご説明申し上げます。
 お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の五ページをお開きいただきたいと存じます。
 本陳情の陳情者は、葛飾区の東京二十三区公団住宅自治会協議会の会長、林守一さんでございます。
 陳情の要旨は、国に対して、次のことを求める意見書を提出していただきたいというものでございます。
 一つ目は、公団住宅、現在のUR賃貸住宅が、居住者の居住の安定を保障し、引き続き公共住宅としての役割を果たすよう、政府と独立行政法人都市再生機構はその充実に努めること。
 二つ目は、居住者の高齢化や収入低下の実態に配慮した家賃制度に改めるよう検討すること。
 三つ目は、政府と機構は、国会で可決された独立行政法人都市再生機構法に対する附帯決議を忠実に守り、その実現に努めることでございます。
 現在の状況でございますが、独立行政法人都市再生機構は平成十六年七月一日に設立され、根拠法は独立行政法人通則法及び独立行政法人都市再生機構法でございますが、この機構法の成立に当たりましては、附帯決議が付されております。
 その内容といたしましては、「賃貸住宅について、居住者との信頼関係を尊重し、居住者の居住の安定を図り、住宅や利便施設等の適切な維持管理を行うとともに、家賃が低所得の高齢者等の居住者に対して過大な負担とならないよう配慮すること。」などとなっております。
 また、本年六月二十二日には規制改革推進のための三カ年計画が閣議決定され、その中で機構の賃貸住宅事業につきましては、機構本来の役割を果たすべく、居住者の居住の安定に配慮した上で、一つ、「機構の保有する賃貸住宅のうち、公営住宅階層の居住者が大半を占めているものについては、機構本来の役割に徹するべく地方公共団体に譲渡するなどして機構の業務から切り離すため、当該団体と協議する。」二つ、「機構の持つ七十七万戸の賃貸住宅について適正化に向けた今後の削減目標を明確にする。」などの措置を講ずることとされております。
 なお、これらの措置内容につきましては、平成二十年度までに結論を得、結論を得次第措置することとされており、現在、機構等において検討が行われているところでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。

○村上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○植木委員 この陳情は、公団の賃貸住宅に住む方々の生活がかかった、非常に切実な内容だというふうに思います。
 今も説明がありましたけれども、規制改革推進のための三カ年計画が閣議決定されて、いろいろ動き始めてきているわけですけれども、特に賃貸住宅にお住まいの方々は公営住宅階層の居住者が大半を占めている、高齢者の方々も多くなってきているということで、この方々は何とか公団で住み続けながら生活をしたいという思いから、あえて高家賃の中でも頑張って生活をしていたり、それから国などにも毎回各政党を通じて要望したり、いろいろな努力をしてきています。
 ところが、これが地方公共団体に移譲するなど、機構と切り離すということになりますと、一体その後どうなるのかということで、切実な声が私どものところにも寄せられています。その一方で、また都市機構の方は、賃貸住宅約二十万戸削減計画というのを内々的に持っているということも、この間明らかになってきました。都市機構は、公には追い出しはあり得ないということをいってはいるのですけれども、いっているとすれば、こうした二十万戸削減計画というのはやはり撤回するというふうに明言すべきだと思うのですが、こうした事態に今なっていると思うのです。
 今も説明の中で附帯決議の問題がありました。都市機構法あるいは住宅セーフティーネット法などの制定時に、全会派が一致して附帯決議をつけた。この附帯決議の中身は四点ですよね。居住者との信頼関係、それから居住の安定、住宅の利便施設などの適切な維持管理、それから家賃を低所得者が住めるように過大にならないように、この四点の附帯決議がついているわけですから、そういう意味で、この住民の思いをどうしても国の方に届けていくということは、私ども都民にとっても非常に大事な問題の一つだと私は思うのです。
 そこで、今説明の中に全国の公団賃貸住宅は七十七万戸あるというふうに出ていますが、全国では七十七万戸、何人が住んでおられるのか、そのうち、都内にある公団の賃貸住宅については何戸で何人ぐらいが住んでおられるのか、つかんでいたら教えていただきたいと思います。

○松村住宅政策推進部長 十九年三月末で管理戸数は七十七万戸ですが、居住人数については今ちょっと資料を持ち合わせておりません。都内の管理戸数は十七万戸でございまして、居住人数については今ちょっと資料を持ち合わせておりません。

○植木委員 十七万戸といいますと、約二〇%ちょっとになると思うのですね。ですから、全国の中で二割以上を占めているということで、非常に大きいと思うのです。それだけに、私は、都としても、どういうふうに推移していくのかまだ明確なところは出ておりませんけれども関心を持っていく必要があると思うのです。
 それで、公営住宅階層の居住者が大半を占めているというふうにいわれているのですが、一体どのくらいおられるというふうに都としてはつかんでおられるのでしょうか。

○松村住宅政策推進部長 今の私どもの手持ちでは、どのぐらいが公営住宅階層かという資料はちょっと持ち合わせておりません。

○植木委員 国の方向で行くと、年内には計画を持って、二十年度には結論を出すと。その後、どうするかという話になってくる。こうした基本的なスケジュールは出ているわけです。しかし一方で、附帯決議がついていて、各政党を通じて内閣にもいろいろな意見が行っている段階だろうと思うのです。そういう意味で、やはり地方公共団体というのは、都と区市、東京でいえばそれしかないわけですから、ぜひ現状をつかんで、本当にどういうふうに動いていくのか。そこはやはりきちっと見ていく必要があると思うのです。
 それで、何よりも公団居住者が引き続き居住の安定を保障される。一番いいのは、都市機構が公共住宅の役割を維持して、附帯決議の趣旨を生かしていくということで、削減計画は撤回するということになれば一番いいわけですから、今の段階でこそ国に対して物をいっていくことが必要だと思うのです。
 それから、多摩平なんかの団地では、公団住宅が老朽化していく中で、一定部分そこに都営住宅を建てて都営住宅階層の方々を入れるとか、そんな工夫も過去にはやった例があるわけですから、そういう意味で、居住の安定の確保のためには国も地方自治体も大いに努力をする。そして、この附帯決議に反しないようにしていく。そういう意味で、私はこの陳情を、議会として、意見書ということで国に意見を現段階で申し述べていくということは非常に大事だし、東京都としてもそうした働きかけをしていただきたいということを求めて、私の質疑を終わりにします。

○村上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村上委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一九第四七号は継続審査といたします。

○村上委員長 次に、一九第五四号、東大泉アパート建替計画に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○山室建設推進担当部長 それでは、整理番号4、一九第五四号、東大泉アパート建替計画に関する陳情についてご説明いたします。
 請願・陳情審査説明表の七ページをお開き願います。
 陳情者は、練馬区の東大泉団地自治会会長、鈴木春代さん外二百八十九名でございます。
 陳情の要旨でございますが、都が計画している東大泉アパートの建てかえにおいて、次の四点を実現していただきたいというものでございます。
 一つ目は、建てかえ後の新しい住居は、単身者用についても二DK、四十七平米以上とするものでございます。
 二つ目は、建てかえ後の使用料、家賃については、現行使用料より高くならないようにすることでございます。
 三つ目は、集会所については、建てかえ計画の百平米では狭いので、近隣開放型二階建てとするものでございます。
 四つ目は、倉庫については、現在の面積を上回る面積の倉庫を設置することでございます。
 現在の状況でございますが、一つ目の新しい住居の広さについてですが、都営住宅の建てかえに当たりましては、型別供給実施基準を設け、居住者の世帯人員に応じ適切な居室構成、面積規模の住宅を供給しており、一人世帯用は一DKとなります。この一DKの住戸の面積は、一人世帯の最低居住水準二十五平米、二人世帯の最低居住水準三十平米を確保するとともに、浴室や廊下などのバリアフリーにも配慮し、三十二平米としております。
 二つ目の都営住宅の使用料につきましては、公営住宅法、都営住宅条例等に基づき、入居者の所得や部屋の面積、経過年数等により定める応能応益的使用料負担制度をとっております。このため、建てかえ後の使用料は、部屋の面積、入居者の収入等により異なることになりますが、建てかえ前より使用料が高くなる場合は、五年間の段階的に差額の六分の一ずつ漸増する措置をとり、入居者の負担を軽減緩和しております。
 三つ目の建てかえで設置する集会所につきましては、建設する住宅の総戸数により基準を設け、その規模を定めておりまして、地元の町会などから近隣住民への開放の要望がある場合は、所定の規模に一定程度を加えた集会所を設置することができることとしております。ちなみに、東大泉アパートでは、建てかえで建設する総戸数が五百二十三戸であることから、集会所の面積は百平米となります。なお、地元の町会などからは集会所の近隣住民への開放の要望は出されておりません。また、集会所の階数につきましては、バリアフリーやコスト、緊急時の避難の面から平屋建てとしております。
 四つ目の倉庫につきましては、集会所内に一定規模の面積を確保することとしております。よろしくご審査のほどお願いいたします。

○村上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○泉谷委員 この件について何点か質問させていただきます。
 練馬区の都営住宅の戸数というのは今どのぐらいあるのか、また世帯比はどのぐらいなのか、お教えいただければと思います。

○山室建設推進担当部長 本年三月末時点でございますが、練馬区の都営住宅の戸数は一万二千戸余りでございます。また、練馬区の総世帯数約三十二万世帯に対する世帯比は約四%でございます。

○泉谷委員 もう一点聞けばよかったのですけれども、都営住宅はなかなか入れないということをよく耳にしますけれども、都営住宅の応募倍率というのはどのぐらいなのでしょうか。また、この東大泉アパートの戸数は今どのぐらいなのか、あわせてお願いいたします。

○山室建設推進担当部長 都営住宅の応募倍率でございますが、直近の平成十九年、本年の五月時点の倍率で見ますと、都全体では三十八倍となってございます。また、練馬区で見ますと六十倍ということでございます。また、都営東大泉アパートの全戸数は、現在三百六十戸でございます。

○泉谷委員 この陳情に出ておりますけれども、もうちょっと広くしていただきたいとか、家賃が高くならないようにしてくださいということがありますけれども、この東大泉地域で民間の賃貸住宅の家賃というのは、例えばワンルーム、一DK、二DKの家賃相場というのはどのぐらいなのでしょうか。

○山室建設推進担当部長 民間の賃貸住宅の家賃でございますが、ご案内のとおり、民間の賃貸住宅は市場における取引によって決まるものでございまして、公営住宅法や条例により定められる都営住宅の使用料とは算定方法が異なりますが、参考までに複数の民間の不動産仲介業者の物件情報を調べてみたところ、都営東大泉アパートの最寄り駅であります西武鉄道池袋線大泉学園駅周辺の民間賃貸マンションの平均的な家賃は、ワンルームにつきましては六万三千円から七万九千円、一DKにつきましては七万三千円から七万五千円、二DKにつきましては九万円から十一万四千円程度となっております。

○泉谷委員 今のご答弁でわかったとおり、二DK、単身用で二DK、約九万から十一万四千円、こんなにかかる。そういうものを単身用にしてくれというのは、余りにも身勝手過ぎる要求だと思います。
 私は、単身者というのはどういう人たちが入るのかわかりませんけれども、普通に考えている都営住宅の人というのは、高齢者であったり、働けない障害をお持ちの方とか、そういう人が入るのならいざ知らず、普通の人が入るのであれば、若い人たちは、ワンルームで六万、あるいは、この間テレビでやっていましたけれども、押し入れを上と下で分けて一万円弱ぐらいで入っている。上の人があけたら、下の人もこんにちはと出てきちゃうような、ドラえもんみたいな部屋で過ごしている人もいたり、やはりそういう観点から見ても、二DKを単身用にするというのは、根本的に不当要求だと思っております。
 また、都営住宅に入る方への教育というのがちょっと足りないのじゃないかと思っております。先ほど六十倍というお話がありましたけれども、六十分の一しか入れないそういう人たち、ほかの五十九世帯の方は入れないわけですから、もし入るときにしっかりと、税金でこういうふうに補助されていると。本来なら名前も公表して、税金はこういうふうに使われているのだということを、しっかり名前を出して発表して教育をすべきだと思うのですが、なかなかそういうところまでプライバシーの問題があったりしてできないというのは認識しておりますけれども、そういった状況でこういった二DKを要求するというのは、本当にありがたみが全然わかっていない不当要求だと思いますので、こういう、一番みたいなことはおかしいと思いますし、また、建てかえ後の使用料について、現行より高くならないようにするということがありますけれども、これも、新築に建てかえたら家賃が上がるのは当然のことでありまして、これもおかしな話だなと思っております。
 また、ここに、三点目に集会所をつくってほしいということがあるのですが、現在、集会所の使われ方というのはどのようにされているのでしょうか。

○山室建設推進担当部長 集会所の利用方法についてご説明いたします。
 都営住宅に設置する集会所につきましては、東京都営住宅集会所使用要領に基づきまして、団地自治会が管理運営をしております。都営東大泉アパートは、現在一カ所、百四平米の集会所がございまして、この団地の自治会や居住者がさまざまな行事などに使用しているところでございます。

○泉谷委員 そう考えると、五百二十三戸で百平米というのは、小さいとは決していえませんし、普通の会合を行う、あるいは何かを行うにはちょうど適した大きさかなと思っております。
 また、新しく建てるわけですから、建築基準法の新規の法にのっとってやるわけですから、耐震性もあると思いますので、そういうところが避難所になるということは想定できないわけですね。もし、新しくできるところが倒壊するような、液状化現象や倒壊することがあるということは、ほかの地域はもう全滅的になっておりますので、そういうことを考えると、そこに住んでいる方の葬儀や、いろいろな趣味の、あるいは自治会の諸行事を行うのであれば、この百平方メートルで狭いとはいえないと思いますので、これも不当な要求だなと思っております。
 全般的にして都営住宅、これは今いろいろなお話がありましたけれども、法律で決まっていることではございますけれども、私が感じるに、今、承継制度とかいろいろ問題がありますけれども、都営住宅に入っている人が都営住宅から出てもっと自分の生活を向上しようという意欲がないということに--本当に都営住宅というのはいいのか、そのように感じております。私も、親ががんになりまして、一年間親が働けなくて、しかも自営業でしたので、治療費と借金で借金まみれになったことがありましたけれども、そういう中でも歯を食いしばって、人の世話にはならないということで来ましたので、そういう気概がなく、ずっとそこに落ちついてしまうというこの制度自体がおかしな制度だなと思っております。
 そういう観点から、私は、この陳情に対して不当要求だということを申し上げて、採択は否決だということを述べて終わりにいたします。

○河野委員 私は陳情について意見を申し上げます。
 都営住宅の建てかえ計画で、居住者が直面している切実な思いが込められた陳情だと思います。私は、先日十一月六日の事務事業質疑で、建てかえで移転した高齢者の方の生活の現状を述べて専用面積の拡大等を都に求めましたが、陳情者も同じ思いだということがわかりました。
 都営住宅は、法律に基づいて所得の少ない人の生活を維持させていく上で、やはりセーフティーネットということで、公が責任を持って住宅を供給するという大事な住宅の制度だと思います。そういう点では、生活維持ができるだけの家賃の負担、応能応益という言葉がありましたけれども、やはり能力に応じた、生活水準に応じた家賃を設定するということが必要であると考えます。
 さらに、集会施設の充実についても求められておりますが、私が住んでいる江戸川区に、数十戸の東瑞江都営アパートというのがあります。ここに、この陳情者が求めておられる近隣開放型の集会施設と位置づけられたようなものがありまして、ここは、高齢者の方とか女性のサークル団体とかがそれぞれ団地自治会の役員さんに申し込みをして、自分たちの活動に生かしているという施設になっていて、都営住宅と併設されたこういう集会施設があるということは、地域にとっても大変ありがたいことだなというふうに感じています。
 そういう幾つかの点で申し上げましたけれども、本陳情については、住民同士が生活を支え合ってコミュニティの形成に努めていく、そういう願いが込められておりますし、団地自治会が挙げて都議会に陳情を提出されている、このことを重く受けとめて、陳情者の要望に対し東京都が努力していただくことを求め、陳情の趣旨採択をお願いして発言を終わります。

○村上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○村上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一九第五四号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。

○村上委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○只腰都市整備局長 来る、来年になりますが、二月七日木曜日に開催予定の第百八十回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきまして、ご説明申し上げます。
 今回、東京都決定案件が全部で二十件ございまして、案件総括表の中に書いてございますが、その内訳は、区部で十二件、市町村部で八件ございます。
 本日でございますが、これらのうち、主な案件といたしまして、東京都市計画都市再生特別地区の渋谷二丁目二十一地区並びに国分寺三・四・五号国分寺北線及び関連する案件の二件につきまして、担当部長から説明をいたさせますので、よろしくお願い申し上げます。

○瀧本参事 私からは、都市再生特別地区、渋谷二丁目二十一地区の変更についてご説明いたします。
 資料は、お手元の白表紙、提案事項概要、薄茶色表紙、事前説明会資料でございます。あわせて、お手元の桃色表紙、都市計画(素案)の提案をご参照ください。
 今回の変更は、都市再生特別措置法に基づき、渋谷新文化街区プロジェクト推進協議会の事業推進者である東京急行電鉄株式会社から、本年十月、都市計画の提案があったものでございます。
 スクリーンをごらんください。都における都市再生緊急整備地域は、八地域、約二千五百十ヘクタールが指定されており、本地区は、都市再生緊急整備地域の渋谷駅周辺地域内にございます。
 事前説明会資料八ページをごらんください。計画地は、西側に明治通りが隣接し、北側に宮益坂、東側に青山通りが近接する約一・一ヘクタールの区域でございます。
 スクリーンには地区の航空写真を示しております。計画地西側にJR渋谷駅、地下鉄銀座線・半蔵門線渋谷駅、東急東横線渋谷駅が近接しているほか、来年六月には地下鉄副都心線渋谷駅が開業いたします。
 事業者からの提案内容については、地域の整備方針に適合し、周辺環境への配慮、都市基盤との均衡が確保されるとともに、都市再生貢献が高く、周辺地域の方々のおおむねの同意も得られていると判断いたしてございます。
 事前説明会資料一〇ページ及び一一ページをごらんください。
 本計画は、渋谷駅周辺の谷の地形に対し、縦方向のバリアフリー移動空間であるアーバンコアを整備するなど、歩行者ネットワークの形成を図るものでございます。
 また、本格的なミュージカル劇場や関連文化施設を整備し、多様な世代のニーズに対応できる生活文化の発信、交流拠点の形成を図ります。
 災害時の支援機能として、防災備蓄倉庫の整備や帰宅困難者のための一時収容場所を確保するほか、環境負荷低減の取り組みとして、隣接する地下鉄副都心線渋谷駅の自然換気を行うための吹き抜け空間を整備し、省エネルギー化に貢献いたします。
 建築物についても、最新技術を導入するとともに、夜間の冷気を活用するナイトパージや緑化の推進など、環境対策を実施いたします。
 白表紙の提案事項概要四ページ及び事前説明会資料九ページをごらんください。
 都市計画の主な内容として、建築物の容積率の最高限度は一三七〇%とし、そのうち二四〇%は文化施設の用途に供する部分といたします。建築物の高さの最高限度は、高層部Aの部分で百八十八メートルといたします。
 事前説明会資料一二ページをごらんください。建築物の完成予想図でございます。
 建築物の主要用途は、店舗、文化施設、事務所、駐車場となっております。
 私からの説明は以上でございます。

○升都市基盤部長 私からは、国分寺都市計画道路及び用途地域の変更についてご説明させていただきます。
 本件は、JR中央線国分寺駅の北口周辺に関する案件で、国分寺都市計画道路三・四・五号国分寺北線並びに三・四・一二号国分寺駅上水線及び用途地域の変更を行うものであり、関連案件として国分寺市決定の市街地再開発事業などがございます。
 お手元の白表紙、提案事項概要では二九ページから四〇ページ、薄茶色表紙、事前説明会資料では一一七ページから一三七ページになります。
 航空写真をスクリーンに映してございますので、ごらんください。
 本件は、社会経済状況の変化を踏まえて市街地再開発事業の街区の配置や面積などを変更することに合わせて、交通広場の位置や規模など都市計画道路の変更を行うとともに、用途地域を変更するものでございます。
 赤色のハッチが今回変更する都市計画道路をあらわしており、東西方向のものが三・四・五号国分寺北線、南北方向の道路とこれに付随する交通広場が三・四・一二号国分寺駅上水線でございます。緑色のハッチは、用途地域を変更する区域でございます。
 次に、スクリーンの都市計画変更概要図をごらんください。
 現計画では、駅に接して交通広場を設置し、その北側に再開発建築物の西街区を配置する計画でございました。変更案では、国分寺駅北口の交通結節点機能を強化し、交通の円滑化を図るため、交通広場面積を六千平方メートルから八千平方メートルに拡大するとともに、交通広場と西街区を入れかえ、既成市街地に広く接することとなる北側に移動させ、既成市街地の建物更新を促進し、健全な市街地の発展に寄与することとしております。
 なお、変更案では交通広場が駅と離れることになることから、両者のアクセスを確保するため、立体通路及び立体交通広場を同時に都市計画決定いたします。
 次に、都市計画変更の内容についてご説明いたします。
 事前説明会資料一一九ページの都市計画道路三・四・一二号線の計画図をごらんください。
 三・四・一二号国分寺駅上水線は、標準幅員十六メートル、国分寺駅と小平市域の五日市街道までを結ぶ延長千六百九十メートルの路線で、駅に近接する区間は幅員二十二メートルとなっています。
 斜線で示した駅近傍の区域が、廃止される現計画の交通広場で、北側のメッシュで示した駅から離れた区域が、追加される区域となります。この広場の位置変更に伴いまして、三・四・一二号線の起点位置を新たな交通広場との接点に変更し、延長を変更いたします。
 事前説明会資料一一八ページをごらんください。
 三・四・五号国分寺北線は、標準幅員十六メートル、延長三百十メートルの路線で、再開発区域を除いておおむね整備済みとなっております。交通広場の変更に合わせまして、起点部の隅切りを三・四・一二号の交通広場に編入し、起点位置及び延長を変更いたします。また、これらの変更とともに、両路線の車線数を二車線と定めます。
 次に、事前説明会資料一二三ページ、用途地域の変更に関する計画図をごらんください。
 これまで都市計画道路の中心及び現道の中心を区域境としていた部分につきまして、今回の都市計画道路の変更に合わせまして、〔1〕、〔2〕及び〔3〕の部分について区域境を道路端に変更し、商業地域五〇〇%及び四〇〇%を商業地域六〇〇%に変更いたします。また、再開発事業区域から除外される〔4〕の部分につきまして、商業地域六〇〇%を商業地域四〇〇%に変更いたします。
 次に、今回の都市計画変更と同時に国分寺市が決定、変更する案件について説明いたします。
 事前説明会資料の一二四、一二五ページ、交通広場及び通路の計画図をごらんください。
 今回位置を変更する交通広場とのアクセスを確保するため、再開発ビル内に約千平方メートルの立体交通広場と幅員十二メートル、延長約六十メートルの立体通路を新たに決定いたします。
 次に、事前説明会資料の一二六ページ、駐車場の計画図をごらんください。
 位置を変更する交通広場の地下部分に、約三千台の自転車の収容が可能な約〇・二六ヘクタールの自転車駐車場を決定いたします。
 次に、事前説明会資料の一二七ページから一三一ページ、国分寺駅北口地区第一種市街地再開発事業の計画図をごらんください。
 市街地再開発事業の施行区域面積は約二・一ヘクタールで、公共施設として交通広場のほかに区画道路を整備いたします。施設建築物は二棟あり、主な用途は、西街区が商業施設、東街区は住宅でございます。全体の事業スケジュールといたしましては、今年度都市計画変更を行い、平成二十年度に事業認可、平成二十一年度に権利変換、平成二十二年度に工事に着手いたしまして、平成二十五年度を完成目標にしております。
 次に、事前説明会資料の一三二、一三三ページ、高度利用地区の計画図をごらんください。
 第一種市街地再開発事業の変更に伴い、壁面の位置の制限、建ぺい率の最高限度、容積率の最高限度などを変更いたします。
 事前説明会資料の一三四ページから一三七ページ、地区計画の計画図をごらんください。
 再開発事業区域を含む国分寺駅北口地区の約三・六ヘクタールの区域において、都市基盤の改善や地区特性に応じた土地利用を誘導することで、国分寺市の新たな顔となるまちづくりの推進を図るため、地区計画を変更するものでございます。
 以上で説明を終わります。

○村上委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○立石委員 都市再生特区について何点かお伺いいたします。
 初めに銀座四丁目六地区のプロジェクトについてですが、今回のプロジェクトは、東京の都市再生の一翼を担う銀座地区を国際的な商業、観光の拠点としていくため、これまでの銀座のにぎわいを維持しながら、銀座にふさわしい商業機能の更新と充実を図ろうとするものであり、注目をしております。
 銀座は、一年を通して買い物、観劇などの来客が多く訪れる、日本を代表する商業のまちであることはいうまでもありません。そこで、最近は銀座の風景が、しにせに加えて外国の高級ブランド専門店が次々にビルを構え、新たなにぎわいをつくり出しています。このようなにぎわう銀座が、だれもがちょっと一休みとか、気軽に腰をおろすような場所がなく、つまり広場がないということであります。土一升、金一升のところですから、広場などつくれるわけはないということもいえるわけですけれども、しかし、先進七カ国などの街並みを見ると、大変合理的な、合理的というか適当な広場があるわけでありますけれども、こういうものがこの銀座にできるといいなと私は思っておりました。今度の計画を見ますと、銀座サテライトということで工夫をされているようでございますが、この銀座サテライトについて、その具体的な内容を少し説明してほしいと思います。

○瀧本参事 お尋ねにございました公共的な広場ということでございまして、このプロジェクトの中では銀座テラスというふうに名づけてございますが、この広場、銀座テラスにつきましては、地区計画の地区施設として位置づけまして、本館屋上、新館九階部分のフロアに設置をいたします。外部から直接アクセスできるエレベーターを備え、来街者に開放された約二千九百平方メートルの公共的な休憩、交流、憩いの広場空間として整備することとしております。
 そのうち、屋外空間では、約三百九十平方メートルの芝生広場の整備やプランターの設置など、緑化を進めます。屋内空間では、テーブルやいすなどの休憩施設を配置するほか、環境PR等のコーナーを設けることとしております。
 運営については、デパートの営業時間よりも長く利用できるようにするとともに、地元のニーズに対応した展示会やイベントなども実施することといたしております。

○立石委員 先ほどもちょっと話しましたけれども、これを仮に公共が、つまり税金で広場を用地買収するようなことがあればいうまでもなく大変な経費がかかるわけですけれども、それを都市再生特区という、文字どおり地方自治が民主政治の実験室だといわれる、昔からいわれておりますけれども、そういう意味でちょっとこの銀座テラスという発想は、この資料を見ておもしろい考え方だな、こう思いました。
 しかしながら、どういうふうに、例えばデパートが閉まった時点では、外部から直接とはいいながらも、時間的な担保だとか休日、三百六十五日あるわけですけれども、こういう広場はどういうふうに運営されるのか。具体的にはいろいろな形があると思いますけれども。あるいはまた、よくあの辺では--半分が室内になりますけれども、室内の場合で、展示会その他が本来の公共空間としての、あるいは都市再生の貢献としての役割ではなくて、商業的な従属した形で使われてしまうのじゃないかなというちょっと懸念もありますが、そこら辺はどのように再生特区として担保しているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

○瀧本参事 この銀座テラス、公共の広場でございますけれども、運営につきましては、基本的にはデパートの営業とともに営業してまいりますが、しかし、その営業時間よりも長く利用できるようにするとともに、直接外部からアプローチできるエレベーターも設置いたしまして、この対応をするということになってございます。
 また、今お尋ねのございました銀座テラスの屋内部分でございますが、環境や健康に配慮した商品を扱うロハス店舗の設置ですとか環境イベントの開催ということを行って、環境に関する啓発活動等も行うということで進めてございます。これらにつきましては、地区計画の地区施設として位置づけて、公共的な広場として活用していくということにいたしてございます。

○立石委員 銀座は地元なので、よく行くところですけれども、晴海通り、中央通り、区道があるわけですけれども、ちょうど晴海通りに地下鉄の出入り口が何カ所かあって、この間もそうだったのですが、片や社民党の党首が中央通りで演説をしている、日曜日に。民主党の党首が、また各党の党首が、その次あたりに我が党が遊説の順番が回ってきて、ちょうどあの辺で立っているような状況の中で、本当に大勢の人が流れているので、この空間は、水がちょうど抵抗を受けるみたいに人の流れが地下鉄の出入り口で抵抗を受けていますけれども、そういうような点は今度のこの企画では少し整理されるようでございますけれども、人の流れといいますか、この辺は具体的にはどんな感じになるのでしょうか。

○瀧本参事 今お尋ねの人の流れということでございます。
 今回のプロジェクトにおきましては、周辺地区の通りの整備というものも予定しているところでございまして、晴海通りの地上歩道にある地下鉄出入り口を三越の敷地内などに移設して、歩道の拡幅、改善を行います。また、地下道は、銀座線の駅前空間を拡充整備し、エレベーターを設置してバリアフリー動線を確保するほか、東銀座方面への地下道を明るく歩きやすい空間として整備をする予定でございます。このほか、銀座一丁目から四丁目の区道四二七号について、石張りなどの表層整備を行いまして、安全で快適な歩行者空間の実現を図ることとしてございます。
 また、あわせまして、安全な歩行者ネットワークということでは、今回駐車場の整備というものを予定してございまして、都市計画駐車場九十六台、周辺の小規模建物の集約駐車場五十一台、それからプロジェクトの提案者である三越の附置義務駐車場二百五十二台、合計で三百九十九台の駐車場の整備を行います。また、駐輪場百九十二台、駐バイク場十八台を整備いたしまして、歩道の通行機能の改善、安全性の向上を図る、このようになってございます。

○立石委員 今、地下の広場のことも触れられました。あそこは、ちょっと失礼ですけれどもホームレス的な方がたむろしているようなところもありまして、よく東銀座まで行くのに、地下道を通るとちょっと暗い感じがするなと。この間もまたユビキタスの実証実験なんかをやられておりましたけれども、あの辺がそうすると明るくなる。段差がなくなる。そして何といいますか、広場みたいなものがどのくらい、図面を読めばわかるわけですが具体的にはどのくらいの広場が--本来あれは、公共がつくったとしたら、どのくらい費用は、費用は大ざっぱでいいのですけれども。つまり、大変な公共、こうあるべきまちの風景とか地下の風景があるといいなと我々はいつも思って海外などを視察しますけれども、そうすると、ニューヨークに限らず、ロンドンに限らず、シンガポールでも、本当にうまいことを考えているなというのは幾らも例がありますね。
 遅まきながらといったら大変失礼ですけれども、都市再生特区という手法で、実験的に幾つか、もう既に十カ所ばかりできましたかね。そういうようなことから考えて、せっかくこれをまた銀座の四丁目の、特に目抜き通りの、ある意味で日本一の商店街の風格ある地下街といいますか、先ほどお話があったように駐車場が足りないとか駐輪場が足りないとかそういうお話を、商店街、銀座通り連合会とか町会の新年会に出ますとよく陳情を受けますけれども。そういう意味で大変立派な、この絵によると立派な、本来いわゆる公共がやるべき、パブリックがやるべきことを、事業者の提案によって都市再生貢献といいますかそういう形でなされるということで、これは非常にいいことだと私は思っておりますし、本来どのくらいかかるかということを聞くのは、事業上の秘密もあるでしょうし、概算しても相当なお金がかかるなというふうに思います。
 しかもまた、今のお話だと四二七号でしたか、区道のつけかえによって、そこに表面上の、何といいますか石畳というのですか、きれいな石を張る。しかも、当該敷地だけじゃなくて四二七号のエンドまで、つまり銀座一丁目まで持っていくということですけれども、これも非常にすばらしいことだと私は思います。
 大ざっぱでいいのですが、答えられないかもしれませんが、大体どのぐらいかかるものなんですかね。本来公共で、税金でやるべきものを--税金でやるべきというと語弊がありますけれども、やったとしたらどのくらいかかるものが、この事業の展開によって何といいますか、今アメリカで、PPPというパブリック・プライベート・パートナーシップというのが非常にいわれ出して、例の双子の赤字以来アメリカで大変な税収の足りなくなった時点、あの時点でたしかいわれる話だと、インカムが百、出が百四十だといわれるような状態の中で考えられた方法が、公共と、しかもプライベートとパートナーを組んで、つまり、民間企業と、公共の税金を使うべきところを、パートナーシップをとって、お互いによりよき地域のために、また都民、向こうでいえば市民のために州政府が主導してやったなんていうことを読んだことがあるのですけれども。この場合においても、大ざっぱにいうと都市再生特区はそういう一面も私は持っていると思いますので、この事例で、部長は、大ざっぱで結構ですけれども、このぐらい得をするというと語弊がありますが、パートナーとしてお互いにいいわけですから。ちょっとわかりましたら教えてください。わからなかったら後で結構です。

○瀧本参事 今委員からお尋ねのございました、まず地下の空間の整備でございますけれども、これは、地下鉄の地下空間の駅前空間の拡充整備、それからさらに晴海通り地下側の拡幅整備、さらに歩道の整備、長さ百メートルほどの現状の歩道を明るく歩きやすい空間に改善整備をいたします。これらの面積の合計としましては、約二千平方メートルの整備を行っていただくということでございまして、この整備については、今回のプロジェクトの中で、プロジェクト側で負担して整備をしていただくというような貢献をしていただくことになってございます。
 それからまた、先ほどの区道四二七号でございますが、これにつきましても、延長五百メートルにわたって整備をしていただく。面積は四千平米になります。これにつきましても、表層整備は、このプロジェクトの中で負担してやっていただくことになってございます。
 これは、当然事業費的にはかなりの金額になるわけでございますけれども、この事業計画につきましては、私ども東京都の方にも提出をしていただいておりますが、金額的なものについては、業者、事業者等の関係で公表しないということになってございまして、相当の金額がかかるということでご理解をいただければと思っております。

○立石委員 相当な金がかかるということはいわれたので、それ以上は結構ですけれども、非常に、私はそういう意味で都市再生特区に期待をしております。
 と同時に、私も長く都会議員をやらせていただきましたけれども、何でこんなことができないんだと。都民、区民、市民、それと、だれもが考えて、こんなことはやった方がいい。駐輪場は何でできないんだろうか。そういうようなときに、官と民の境がはっきりし過ぎていて、やはりなかなかできなかった。しかし、昨今の事例を見ると、一〇〇%とはいえませんけれども、もちろんメリットがあると同時にデメリットもたくさんあるのでしょうけれども、しかし、概してまちはきれいになって整備されてきたなと。しかも、耐震、耐火、安全・安心、環境に大変配慮されている形になっているなということで、期待をしています。
 しかし、同時にまた、今気づいたことの一つとして、それじゃ何でもあるのかと。四二七号の区道が、銀座の一丁目から四丁目の角まで、一等地のあそこを、今まではそこにはデパートの商品を納入する車ががたがた、ばたばたしていました。それを整理されて、またタクシーの出入りで、あるいは駐車場の出入りで本当に錯綜していました。この区道のあり方として、区は判断されて、道路、通路としての用途は残しながら、かつ三原通りに区道をつけかえるわけですね。何といいますか、つけかえの大原則みたいな方法といいますか、区道をつけかえる利便性として、皆さんのためになるのだ、公のためになるのだという貢献上の判断として、東京都、都市整備局としてどんな判断をされたのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。

○瀧本参事 今お尋ねの区道のつけかえということでございますが、中央区としましては、この銀座地区については、歴史的にも街区が非常に小さいということで細切れの形になっているところを、できるだけ街区の大きな単位でこの地区の開発を誘導していくというような方針を持ってございます。この銀座地区につきましても、そうしたことで、こうした再開発、開発の機会をとらえて、できるだけ街区としてまとまりのあるようなものになるように、なおかつ、それは通行機能等を維持した上で、よりよい街区ができるような誘導をしているところでございます。
 今お話のございました区道四二七号の道路をつけかえた部分でございますが、これにつきましては、先ほど交通がふくそうしているという三原通りのものを、駐車場の出入り口を道路をつけかえた部分の三原通りの方へ整備するということでございまして、そこにつけかえた道路の活用を図ることとしてございます。そして、そのつけかえた、民間敷地となる区道部分でございますが、これにつきましては、通路として、地区計画の地区施設として位置づけまして、歩行や自動車交通の機能を確保しながら、店舗が連なるにぎわいのパサージュとして整備をすることといたしてございます。この日常管理については、三越が行うという予定でございます。
 それから、区道をつけかえた先の三原通りの部分でございますが、歩道の整備を行うとともに、都市計画駐車場等の出入り口として、歩行者と自動車が交錯しない形で整備をいたします。この日常管理や運営についても、三越が行う予定というふうになってございます。

○立石委員 大体わかりました。
 四二七号がいわゆる貫通通路というのですかね、要するに通路になる、何とかパサージュとおっしゃいましたけれども、要はにぎわいのある、暗くならない、物の仕入れ先の裏側動線ではなくて表動線になるということで、銀座のにぎわいからしたらウエルカムな話だと思います。
 そこは、しかし時間で車が入れないのですか。それとも、それはどういうようなことになるのですか、その貫通通路というものは。私道みたいになっちゃうのかどうか、わかりませんけれども。

○瀧本参事 今お尋ねの四二七号のパサージュという部分でございますが、ここにつきましては、都市計画法上の地区計画の地区施設として位置づけまして、また、道路交通法の規制等も引き続きしていただくということで警察当局とも協議を進めてございまして、これは二十四時間通行が、歩行や自動車交通がきちっと確保される。その上で、この周辺に歩道状空地等も整備をいたしまして、出会いとにぎわいのパサージュという形で商業拠点にふさわしい整備をしていこうというものでございます。

○立石委員 わかりました。銀座はわかりました。先ほどもちょっとお話ししましたように、公共と民間が事業協力をして、いいまちをつくろうとするという趣旨もわかるし、いろいろなメリット、デメリットもあるとは思いますけれども、今に合っているなという感じはいたしました。期待したいと思います。
 それと同時に、ここで提案されている渋谷の、これは二丁目ですか、昔の東急文化会館ですか、そこのところに今度、再開発のための再生特区をかけようというわけですね。これについてちょっと質問したいと思いますが、自分の体験談を恥ずかしながら語ると、私も物心ついて初めて渋谷駅に着きました、銀座線で。銀座線で着いて、ああ、ここが渋谷かと。十代のころ、初めて渋谷というところへ、東京生まれですけれども行って、まあ何とすごいところだろうと思いながら出ようとしたら出口がわからなかった。本当に江戸っ子としては悔しいので、何とか探そうと思って出口を探しましたけれども、わからなかった。最後は結局、恥ずかしながら駅員さんに聞いて、やっと出た。出たら、デパートの中でどこだかわからない。これは何だ、こういう渋谷はもう来たくないな。委員長には悪いけれども、そんな思いがしました。
 しかし、渋谷はいいところですから、若者がたくさんいて。それを今度のこの会館、旧東急文化会館というのですか、そこを今度再生特区にしてどのように変わっていくか。この点を幾つか質問したいなと思います。
 公共貢献という、先ほども話しましたけれども、公共貢献としてどんなメリットがあるのか。要するに、地域社会というか、まちそのものにどんな貢献をされるのか、お聞きしたいと思います。

○瀧本参事 この渋谷二丁目地区の公共貢献ということのお尋ねでございますけれども、今委員からございましたが、渋谷は非常に谷の地形でございまして、移動するのにも非常に苦労するということがございます。
 そこで、今回のこのプロジェクトにおきましては、縦方向をつなぐバリアフリー動線ということで、アーバンコアの整備をするという提案がございます。このアーバンコアによりまして、地下三階から地上四階まで、そして渋谷駅の方面から宮益坂、青山方面へ連続する歩行者ネットワーク、バリアフリーのネットワークを整備するというもので、今、一つ公共貢献を進めているところでございます。
 それからまた、環境対策といたしまして、隣接する地下鉄副都心線渋谷駅の自然換気を行うための吹き抜け空間を建物内に整備するといったようなことで、自然エネルギーの活用を図ることといたしてございます。
 また、本格的なミュージカル劇場や関連文化施設を整備しまして、多様な世代のニーズに対応できる、魅力ある生活文化の発信、交流拠点の形成を図ります。
 さらに、災害時の支援機能といたしまして、ミュージカル劇場やエキシビションホール、アーバンコアを活用して、帰宅困難者のための一時収容場所を提供いたします。
 また、敷地外の南側区道の整備や地下鉄副都心線渋谷駅と連絡する地下接続広場空間の整備を行うほか、銀座線移設に伴う駅の受け入れ空間の確保や橋脚の一部整備を実施することとなってございます。

○立石委員 今初めて聞いた言葉の中にアーバンコアという言葉が出ましたけれども、要は谷底から山の上まで、地下三階から地上四階か三階ですか、七階分のフロアのアップダウンをバリアフリーにして、エスカレーター、エレベーターを使って、宮益坂というのですか、そこへ出たり青山通りへ出ることが可能になる。渋谷の文字どおりの谷が解消される、アーバンコアになるということが一つの大きな社会貢献と。
 環境的に、何というか、余り詳しいことはわかりませんけれども、これを読むとナイトパージですか、そういう言葉が出てきたりしていますけれども、これはどういう環境対策になるのですか。

○瀧本参事 今回のこの渋谷二丁目地区におきましては、環境対策にも力を入れて取り組んでいるところでございまして、今お尋ねのございましたナイトパージというものも採用することになってございます。
 このナイトパージでございますけれども、夜間の外気を取り入れることによりまして、夜間の間に自然の通風を建物の横から取り入れて上空の方へ流す、そういう通風の空間を建物内で用意することによりまして、夜間の間に建物の温度というものを下げていく。そういうことによりまして、空調負荷の低減を図ろう、そして環境対策、CO2の削減等にも結びつけていこうというような試みを、今回このプロジェクトの中で実施するということになってございます。

○立石委員 わかりました。いわば、昔のことをいうとおかしいですけれども、昔の木造のトイレって、和便器があって、下の方に小さな窓があって上の方に大きなそれなりの窓がある。三十センチぐらいの窓が下にあって上に同じぐらいの窓があるというのは、だれもがよく経験したことのある、昔の木造家屋の一軒家のつくりでしたね。そういうようなものをナイトパージと思っていいわけですか。--うんといっているのでいいと思うのですけれども。これはつまり、僕は何をいいたいかというと、今の時代は、窓は閉めっきり、全部自然の換気とか、そういう日本人の文化というかな、そういうものを余りにも近代科学は利用していないと思いますね。
 日比谷っていうのは谷だろう、文字どおり。渋谷もね。日比谷と渋谷、間違えたけれども、「ひび」というのはノリの竹のことをいうらしいですね。それで、あそこは谷だったので日比谷という。渋谷も同じように、渋ガキがあったかどうかわかりませんけれども、そういうアップダウンが東京には片っ端からあると思うのですね。それで、今いうアーバンコアを使うとか、先ほどの、江戸時代と大げさなことをいう必要もありませんけれども、独特の日本人が持っている知恵ですね。
 話がちょっと、時間がなくなりましたけれども、日本人のトイレに対する感覚というのはすばらしいというのですね。あの有名なマドンナが日本に来日されて、トイレでびっくりしたという話を聞いたことがあるのですよ。つまり、便座が温かいとか、女性でなくても恥ずかしいなと思うようなことにやはり消音の効果があるとか、すごい工夫がされている。非常に繊細なものですね、日本人の文化というのは。そういうようなものを、局の皆さんが、提案される事業者の方に、こういう形で、古きをたずねるというかな、古きをたずねて、近代の、つくりかえるときに--かつて成長時代に環境を無視してどんどんどんどん窓も閉めっきり、強制換気というか機械換気に頼っていた時代に、こういうナイトパージなんて英語を使うとわかりにくいけれども、昔流にいえばそういうことだろうから、そういうようなものも積極的に評価すべきことだなというふうに思いました、これを読んで。
 それと同時に、思いつきのようで悪いのですが、実は思いつきではなくて、銀座の点にしてもこの渋谷の計画にしても、絵文字みたいなものを、ピコグラフ、ピコ何とかというのでしょう、そういうようなものをどんどん利用して、ここは皆さんが自由に出入りしていい銀座テラスなんですよ、渋谷のアーバンコアなんですよというような表示をされるようなことも、局として事業者に提案してほしいなと思います。
 絵を見れば、海外の方でも一目瞭然にわかることです。ここは自由に休んでいいところだと、せっかく銀座に--外部から直接入れるエレベーター、二十七人乗りが三台ついていますね、この計画を見ると。同じように渋谷でも、同じような形で、みんなが本当に使いやすい、専門家が専門家としてわかったふりをして、わかったつもりになっていて、一般の方が気づかないのじゃ何にもなりませんので、わかりやすく説明できるような手法をどんどん考えてほしいなということを要望して、また私の意見を申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

○村上委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間の休憩をとりたいと思います。
   午後二時四十五分休憩

   午後二時五十七分開議

○村上委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○河野委員 私は、押上・業平橋駅周辺地区地区計画、それと都市高速道路五号、六号線の車線拡幅、それから江戸川区篠崎地域の都市計画道路、公園緑地の変更について質問をいたします。
 最初に、押上・業平橋駅周辺地区の地区計画と新タワーの建設に関係して伺いたいと思います。
 NHKと在京民放五社が新タワーの建設を墨田区押上・業平橋エリアに決めたのは、昨年の三月三十一日でありました。今回地区計画が示された地域は、新タワー建設予定地の六・四ヘクタールの区画整理地域が入っております。区画整理事業は既に区画整理組合が設立されているとのことですが、そこの地権者は、東武鉄道、京成電鉄のほか、民間地権者十数人と聞いています。そのうち東武鉄道の所有地が八〇%近いということも聞いております。
 まず伺いたいのは、区画整理事業についてでありますが、事業費と、都の負担する補助金などについてお示しをいただきたいと思います。

○座間民間開発担当部長 土地区画整理事業におきます都の財政負担でございますけれども、事業費全体で約八十六億円でございます。このうち東京都の負担金としては、補助金といたしまして約三十四億円、事業費に対する割合として約四〇%となっております。

○河野委員 そうすると、事業費八十六億円ですか、そのほかの財源としてはどのようなものがあるか、もう少し詳しくご説明いただけますか。

○座間民間開発担当部長 事業費といたしまして八十六億円のうち、補助金と、保留地処分金が補助金のほかにございます。金額は約十億円でございます。

○河野委員 私がお聞きしているところによりますと、事業費は約八十六億三千万、そして保留地処分金十一億ということで、あとは国と都から補助金という形で入ってくるというふうに承っておりますが、それで間違いなければ後でご答弁いただきたいと思いますが、そうであれば、この区画整理事業については、保留地処分金のほかは大半が国や都のお金で実施されるということになります。
 次の質問ですが、現在示されている新タワービル建設計画は、延べ床面積が二十三万平方メートル、三十一階建て、一番高い棟が百六十メートルの高さ、一階から三階は商業床になると聞いています。タワーそのものの高さは六百十メートルということで、相当高い構造物になります。
 新タワーを誘致する地元の墨田区は、このタワー構想について三つのメリットを挙げています。一つは都市防災上の安全機能の向上、二つ目は集客効果と地域活性化、経済への波及効果、そして三つ目が観光と産業の融合、ものづくりのまち墨田の可能性を求めていくというものですが、私は、この点について東京都の見解を幾つかお伺いしておきたいと思います。
 第一、防災の問題です。このビルとタワーの建設で、防災機能はどのように果たしていくのでしょうか。そしてまた、墨田区はご承知のとおり東部低地帯に位置しております。地盤は非常に軟弱だといわれておりますが、その軟弱地盤のところに、六百十メートルもの高さの構造物が一緒になった大きな商業ビルをつくるわけですから、耐震性については十分な検証がされていることが必要だと思います。とりわけ六百十メートルもの高さのタワー、これは今、長周期地震波、この問題が大きく注目されている中で、この長周期の地震波との関係では、本当にきっちりと耐えられるものかどうか、そういう懸念も出されております。
 この防災問題で、二点についてご答弁をお願いします。

○野本都市づくり政策部長 区が決定する地区計画の整備方針において、新タワーゾーンに防災広場を整備し、平常時は交流空間として、災害時には来街者等の一時的な避難空間として活用することとしております。
 また、本地区は墨田区基本計画において新たな防災の拠点として位置づけられておりまして、防災行政無線網の強化や高所カメラの増設を行い、災害対応力あるいは情報収集能力の向上を図ることとしております。
 もう一つのタワーの耐震性能についてでございますけれども、事業者が環境局に提出しております環境影響評価書案に係る見解書では、タワーの耐震安全性については超高層建築物と同様に、学識経験者により審査を経て、国土交通大臣の認定を取得すると記載されております。

○河野委員 タワーの長周期地震動と、エレベーターも当然設置されるでしょうから、その安全性などについては、地域住民の方から意見も多く出されているということを申し上げておきます。
 タワーは電波塔でありますから、電磁波のことも心配されています。電磁波が小児白血病の健康被害の原因になる、こういう懸念から、昨年一月、WHO、世界保健機構では、電磁波による健康被害の有無は現時点では断言できないとしながらも、予防原則という立場から対策を先行させるという方向に変わってきております。下町墨田区は密集した市街地であり、新タワー建設予定の隣接地には都営の押上アパートもあります。近隣住民への電磁波の影響、これについてはどういうものが判断としてあるんでしょうか。

○野本都市づくり政策部長 電磁波による影響でございますけれども、事業者が環境局に提出した環境影響評価書案によりますと、予定されている放送塔による電磁波の発生状況は、総務省の電波防護指針、この基準値を大きく下回る値となっております。
 また、評価書案に係る見解書によりますと、事業者は、放送事業者等と協議して、電波防護指針を遵守するとともに、定期的に電波環境を測定し、適正な管理運営を行っていくとしております。

○河野委員 今お答えいただきました総務省の電波防護指針ですか、これなんですが、日本の国の基準は国際基準に比べるとかなり緩やかだというお話もあります。健康被害の心配、特に子どもさんの小児白血病ということもありますので、ぜひこの電磁波の問題については、東京都も今後注意を払っていっていただきたいということを要望として申し上げておきます。
 地区計画の問題で伺っていきます。
 この事前説明資料、黄色いページのですね、一五ページにゾーニングが示されております。それぞれゾーニング、機能再生ゾーンとか新タワーゾーンとかにぎわいゾーンとかありますが、最初に伺いました墨田区の見解の二点目、地域の活性化と経済波及効果に関して伺っていきます。
 この新タワービルの区画整理区域の周辺を取り巻くように、にぎわいゾーンということで位置づけられておりますが、浅草通り、そして押上通りに沿って今商店街が立地しています。墨田区は全国的にも中小商工業者のまちとして有名でありますけれども、今、さまざまな理由の中で、墨田区内でも商店街の衰退は否めないものがあります。墨田区の関係者のお話によりますと、この五年間だけでも七つの商店街がなくなっているとのことでした。計画では新タワーに年間五百万の集客を見込んでいるとのことです。数百万人の人がタワー見学などに来ても、ほとんどの人がこのにぎわいゾーンに足を運ぶのかどうかということが問題だと思うんですが、私たち一般的な消費活動をする主婦の立場から考えると、新タワービルの商業施設内で買い物や食事がもう済んでしまう、消費活動が完結してしまうということが起こるのではないでしょうか。近くに業平橋駅があって浅草にも出られますし、押上駅には半蔵門線が入ってきています。そういう点では交通も都心に向けて非常に便利なところに位置しているわけですが、そういうところに立地する新タワーというので、新しい名所にはなりますが、そのことが果たして周辺のこの地区計画地域を中心としてにぎわいゾーンということで位置づけて、地域の活性化につながるのかどうか。その点では私、一定の疑問を持つんですが、墨田区が長い間中小企業のまちと評価されてきたその伝統が守れるかどうかということが、今度の新タワービル建設にかかっていると思うんです。
 にぎわいゾーンという位置づけについて、商店街対策、中小企業振興対策、これはどのような対応が考えられているのか、お答えいただければと思います。

○野本都市づくり政策部長 周辺商店街のにぎわいであるとか活性化ということでございますけれども、地元の墨田区では、平成十九年三月に策定しました商業活性化すみだプログラムでは、押上・業平橋地区の目標の一つに、タワー街区の商業と周辺商業が補完し合うということを定めまして、商店街の活性化を図る取り組みを行っていると聞いております。

○河野委員 本当にこのにぎわいゾーンが名前のとおりにぎわい、地域経済を活性化させるゾーンになることを私は望むものなんですけれども、そのようになるように都もぜひ支援してあげていただきたいと思います。
 それで五百万人の集客を見込むということは、車や人の動き方、動線ですね、それについても十分な対策が必要だと思います。新タワービルの中には一千台の駐車場がつくられ、そして一日、一万一千台の車の走行が集中してくるという予測もされていると聞いています。そしてまた、北十軒川、新タワーゾーンの南側に位置する北十軒川ですね、ここに沿って区画整理事業で道路をつくる計画のようでありますけれども、地区計画区域内の道路状況を見れば、北側の水戸街道寄りの方ですね、これは大変狭隘な道路も数多くあります。こういう点で、交通渋滞、交通事故を誘発する可能性が懸念されているわけなんですけれども、車両交通や人の流れについての安全策などについて検討していることがあれば、その状況をお示しいただきたいと思います。

○野本都市づくり政策部長 新タワーゾーンの開発に伴う交通量は、環境影響評価書案によりますと、ただいまご指摘のように、平日では約一万一千百台、休日では約一万二千七百台の予測となっております。
 発生する交通量につきましては、開発地内に約千百台規模の駐車場を整備するとともに、主に敷地内に設ける交通ロータリー、これで交通処理を行う予定でございます。
 また、業平橋駅と押上駅間を連絡する歩行者空間といたしまして、幅員約四メーター、それから延長約四百メーターの東西通路の整備を図ると、区が決定する地区計画の方針に定めております。
 これらの対策によりまして、周辺道路における交通は円滑に処理できると考えております。

○河野委員 そうすると、私が今質問いたしました機能再生ゾーンのあたりから北側にかけてにぎわいゾーンの方向とか、このタワービルができる周辺について、車両交通などについてはほぼ心配ない状況で道路網が整備されていく、そして今の道路も使いながら十分な対策が講じられるということになりますでしょうか。

○野本都市づくり政策部長 ただいま申しましたように、幾つか述べた対策によりまして、周辺道路における交通は円滑に処理できると考えております。

○河野委員 それではこの質問で最後に伺っておきたいんですが、私の記憶の範囲内ですけれども、かつて、数年前、石原知事が記者会見で、今どきタワーでもないだろう、光ファイバーなどの通信の手段もあるんだし、といった意味の発言をされたことがありました。今なぜこのように高い、六百十メートルもの新タワーがこの下町地域に必要なのかという点では、いろいろな方からのご意見も伺う機会があります。
 それぞれの立場であるんですが、ある方は、今、世界では高いタワーということから方向が変わってきている、ケーブルとか、知事が例示した光ファイバーとか、そういうほかの方法で放送を確保している、そういうことも起こっているし、電磁波の問題もあるし、世界の流れとしては高い放送タワーを建てる時代ではないということがいわれているんですが、新タワーの必要性、東京に今なぜこれが建てられなくてはならないのかという点で、都の見解をこの機会にお聞きしておきたいと思います。

○野本都市づくり政策部長 今回提案させていただきました案件は、押上・業平橋駅周辺地区における土地区画整理事業の進捗に合わせた用途地域変更でありますけれども、その上であえて答弁いたしますと、環境影響評価書案に係る見解書では、地上デジタル放送やワンセグ、防災無線等は、都心部に林立する二百メートル級の超高層ビルの影響を受けにくい高さからの送信が望まれており、年々増加する超高層ビルの約二倍以上の高さから電波を発射するこの六百メートル級のタワーは必要である、事業者はそんなふうに見解書で述べています。
 また、光ケーブルの普及が進んでいるというような今ご指摘もありましたけれども、事業者は、非常災害時には電波による放送が有効であると記載しております。

○河野委員 六百十メートルというのは現在の段階では世界で一番高いタワーになるようですけれども、今皆さんが心配されているような電磁波とか交通問題とか、このタワーが東京の一つの新しい名所ともなっていくのかもしれないんですけれども、さまざまな問題をはらんでいるということも受けとめていただいて、都としても見守っていく、そういう懸念のないような形で対応されるようにこの機会に求めておきます。
 東京新聞が十一月二十六日付の朝刊で、墨田区が住民の人たちに情報公開をこの問題で求められて、まちづくり協議会、仮称のようですけれども、これを設置したと報道しました。地域住民から、新タワービル建設や地域のまちづくりについて情報が届いていないというか、少ないという、そういう声が上がって、まちづくり協議会の設置に至ったということが書かれています。
 東武鉄道を中心にした新たな開発事業の中で、三十数ヘクタールの地区計画の地区内とその周辺住民に対しては、今、あなたのおうちを売ってください、土地を売ってくださいと業者が訪ねてくるようになっていたりして、土地バブルの再来かといわれるような、まさに地上げというような状況も起こっていると聞いています。このままでは地域住民が住み続けられないまちになっていくのではという不安の声もありますので、住民に安心感をもたらすまちづくりが進められるように都の特段の努力を求めて、この問題での質問を終わります。
 次に、高速五号線と六号線の車線拡幅に関連して質問をいたします。
 五号線と六号線の工事に当たって、それぞれの事業費、そして都が負担すべきお金ですね、それから事業の完成年度、この三点についてお答えをお願いいたします。

○遠藤外かく環状道路担当部長 ただいま三点お尋ねがございました。
 初めに、事業費でございますけれども、事業予定者でございます首都高速道路株式会社では、現時点におきまして、五号線の方につきましては二百五十億円程度、六号線の方につきましては百から百五十億円程度と、このように算定してございます。
 次に、都の負担でございますけれども、この二つの事業とも、これまでの例によりまして、都の出資対象事業と推定されるところでございますが、具体の都負担の額につきましては、今後関係者間で協議していく、こういうふうになります。
 それと三点目の完成目標でございますけれども、両事業とも中央環状線が全線開通を予定しております平成二十五年度まで、これを目指すことといたしてございます。

○河野委員 私は江戸川区に住んでおります。中央環状葛飾江戸川線をしばしば使います。葛飾区の六号線は土手沿いの道路の上に高速道路があるから、下の民家には余り影響がないという、そういう地理的な条件だというふうに感じられる方もいらっしゃるかもしれないんですが、実際は高速道路の下の住民の皆さんは自動車の騒音などで大変悩みを持っています。
 小菅、堀切間の車線拡幅もいろいろな問題を含んでいるわけなんですけれども、今回は幹線道路、山手通りに沿って走っております五号線の車線拡幅に関連して、以下、何点かお伺いをいたします。
 五号線の板橋、熊野町ジャンクションの拡幅工事区間の現在の車両交通量、これはどうなっているでしょうか。
 それからまた、首都高速株式会社が独自にこの区間の環境アセスメントを実施しているようでありますけれども、何年度を予測の年次にしてアセスが行われたのか、そして予測した将来交通量についてはどのようなものだったのかをお示しください。

○遠藤外かく環状道路担当部長 初めに、現在の交通量でございますけれども、首都高速道路株式会社が平成十八年に行った調査によりますと、当該、板橋、熊野町ジャンクション間の上り線と下り線を合わせました交通量、一日で約十一万台、このようになってございます。
 それと将来交通量でございますけれども、この箇所が今後ピークを迎えるであろうと想定されます、見込まれます平成三十二年を予測の年次と考えまして、上り線、下り線を合わせまして一日の交通量を約十六万五千台と、このように推計しているところでございます。

○河野委員 品川線、新宿線とずっとつながって熊野町に入っていくわけなんですが、平成二十五年以降もふえ続けて、平成三十二年がピークで、そのときには今の十一万台の五割増しの十六万五千台ということは大変な--一車線ふえることでこれがどういうふうな状況が生まれるのかというのはとても心配になる今のご答弁だったと思います。
 それで、五万五千台の走行車両がふえたことで、周辺環境への影響はどうなのでしょうか。工事区間の近くにある板橋区の大和町交差点、ここはご存じのとおり、NO2、二酸化窒素の測定値が毎年ワーストワンとかワーストツーとか、悪い値が出ています。拡幅工事によって走行車両がふえれば、現在より環境は悪化すると考えるのが当然なのではないでしょうか。
 大気質、騒音、振動などについて、現状とそれから今後の開通後の問題で比較した数値、ありましたらお示しください。

○遠藤外かく環状道路担当部長 現況と予測の数値でございますけれども、大気につきましては、二酸化窒素、NO2の現況値、熊野町測定局ですけれども、平成十八年のデータで〇・〇六一ppmとなってございます。これが先ほどの平成三十二年度、予測でございますが、〇・〇四九ppm、このように改善されるというふうに考えてございます。
 それと騒音につきましても、近接の空間でございますが、昼間、西側の例でございますけれども、七二デシベルの現況に対しまして予測値で七一デシベルと、こんなような予測をしてございます。
 それと振動につきましても、昼間、西側で、現況値五一デシベルに対しまして予測値で五三デシベルと、このように予測してございます。

○河野委員 現状で〇・〇六一の二酸化窒素の測定値があって、これは環境基準を超えているわけですが、予測どおり〇・〇四九ppmに本当になるのかという点では、大変疑問です。
 車の単体規制が進むとか、いろいろな道路構造を変えて環境対策をとっていくとかということがありますけれども、研究者の人たちは、自動車の単体規制が進んでも、車が集中してくれば、そこの地域についていえば環境はそれほど改善されないということをおっしゃっている方もいらっしゃいますので、私たちはこの問題をこれからもきちんと注目をして、本当に、都が今アセスを根拠にしてご説明いただきましたけれども、そしてここの事業者の主体は首都高速株式会社でありますけれども、しっかりと関心を払ってこの環境問題を見詰めていきたいということを申し上げておきます。
 あと、今回の車線拡幅工事を実施していくということに当たりまして、東京都と首都高速の株式会社の方で、都市計画変更案に関連して住民説明会を開かれたと聞いています。参加した住民の皆さんから出されたこの都市計画変更案に対して、あるいは環境問題などについての意見をご紹介いただきたいと思います。

○遠藤外かく環状道路担当部長 説明会でございますけれども、先月の四日と五日の二日間にわたりまして、板橋の地元で素案の説明会をいたしております。都市計画素案や事業そのものに対する反対の意見はございませんでした。
 なお、環境にかかわる項目といたしまして、遮音壁のかさ上げにかかわるものとか、あるいは電波障害が発生した場合の補償などの幾つかの要望があったところでございます。

○河野委員 遮音壁などについて要望があったということでありますが、私たちが聞いている範囲では、この地域の住民の皆さん、参加した方々それぞれが環境問題について意見を述べられているようです。現在でも騒音と振動が耐えられない、静かな夜が欲しい、自宅の換気扇のフィルターをわざわざお持ちになって、この汚染の中で毎日暮らしているんですよ、何とかしてくださいという声があったということも聞いております。そういう点では本当に今、事態がひどいという、皆さんが、環境負荷がかかっているこの熊野町と板橋の間のジャンクションの下で山手通りに沿って、大変な思いをされて生活しているということがうかがい知れるのではないかと思います。
 これ、質問の最後に伺っておきますが、現在の三車線の高速道路でも、周辺住民は環境の悪さを、今ご紹介したように訴えているわけです。今後中央環状品川線が完成しさらに都が街路事業として工事を強行している--中央環状新宿線が完成して、その後、品川線が平成二十五年完成ですけれども、車が板橋区にも集中している、地上に上がってくることは避けられません。道路をつくれば車は分散するということではなくて、むしろ反対に集中してくる、増加するということを専門の研究者もいっています。将来にわたって住民の健康被害をきちんと防いでいくこと、環境改善に努めていくというのが都としての、本当に自治体としての責務と考えるものなんですが、拡幅工事による住民生活への影響、今後について、先ほど環境アセスでは心配ないんですよということなんですが、現状に照らし合わせて、本当に十分な保証、大丈夫だという保証があるのかどうか、再度都の見解を伺っておきます。

○遠藤外かく環状道路担当部長 都は、現在、首都圏におきます交通渋滞の緩和や環境の改善を図るために三環状道路の整備を進めているところでございます。
 中央環状線につきましては、先ほど申し上げましたように、平成二十五年度の全線完成を目指しているわけでございます。こうした中央環状線の整備効果、道路ネットワークとしての効果を十分に発揮させるためには、現在供用している区間におきましても、ボトルネック対策など局所的な対策を講じまして、それを全線完成を見据えて取り組んでいくことが大変重要である、このように考えておるわけでございます。
 今回、放射線と交差します板橋区内と葛飾区内の二カ所につきまして、ジャンクション付近の拡幅をするという都市計画変更を提案しているわけでございます。先ほどアセスの中でも申し上げましたように、答弁の中で申し上げましたように、遮音壁のかさ上げとか、あるいは橋のつなぎ目を減らす対策なども、この事業の中、工事の中で実施していくことといたしておりまして、そうしたことを十分に講じながらこの事業を進めていきたいというふうに考えてございます。
 東京の最大の弱点であります交通渋滞を緩和し、大気を初めとする環境の改善を図る上で、これら二つの事業は不可欠な事業だというふうに考えておりまして、今後とも具体化に向けた取り組みを鋭意進めてまいる所存でございます。

○河野委員 対策も講じられるというご答弁ではありますけれども、やはり、今深刻な環境汚染の中で生活をされている都民がいらっしゃるということを深刻に受けとめていただいて、この現状を直視しながら、道路交通問題について都は一定の見解を持っていただきたいと思います。
 今多くの人たちが脱車社会ということで、公共交通網の整備を初めとして、環境汚染を引き起こす車から脱却する移動の自由ということもいろいろな方が研究していらっしゃいますので、そういうことも都政の中に反映させていただくように求めておきたいと思います。
 最後に伺いたいのは、議案の九、十、十一になりますか、都市計画道路二八六号線、二八八号線と緑地、篠崎公園の都市計画公園の変更についての問題です。
 今回、二八六号、二八八号の都市計画道路と、篠崎公園、江戸川緑地が、示された議案のとおり都市計画変更になるというか、なる計画が出されております。なぜこの変更案が出されたのか、その理由、背景についてご説明をいただきたいと思います。

○升都市基盤部長 今回の都市計画道路、公園緑地の変更の理由でございます。
 お手元の薄茶色の事前説明会資料でございますと、九九ページをごらんください。あわせて、後方のスクリーンに航空写真を映させていただきます。
 当地区では、都市計画道路補助二八八号線と都市計画篠崎公園が重複して決定されておりまして、既定計画のとおり整備いたしますと、開設済みの篠崎公園を分断することになります。そこで江戸川区では、現計画の道路機能を確保しつつ、公園及び緑地などの計画面積を確保するという考え方から、江戸川区決定によりまして補助二八八号線の線形を見直し変更することといたしました。
 この補助二八八号線線形変更に伴いまして、補助二八六号線につきましては、新たに補助二八八号線と交差点となる部分において、交通の円滑化を図るため一部線形を変更するものでございます。
 篠崎公園につきましては、補助二八八号線の変更に伴いまして、都市計画施設間の整合と公園の機能向上を図るため、また、江戸川緑地につきましては、補助二八八号線の線形変更によるほか、浅間神社の区域を江戸川区決定の特別緑地保全地区として都市計画決定することに伴いまして、変更するものでございます。

○河野委員 補助二八八号線が都立公園の中を走っている路線であるから、これを土手の方に大きく切り回すということが変更案の第一の理由というように、今ご説明を聞いて思いました。
 地域の人たちは、この二八八号線について、必要な道路なのかどうかということで、今の計画線のままもう何十年もこのまま引かれているわけですから、なくても何も不便がないわけなんですね。だからむしろ廃止していただいて、そのまますぐそばにあります鹿骨街道や柴又街道を使って交通の便は十分に果たせるということもあるので、あえてこの線が変更になるから、こちらにぐるっと回しますよというようなことをしなくても、私は、この地域の交通問題については住民の要望に沿ってきちんと対応できるんじゃないかと思っていますので、そのことを初めに申し上げておきたいと思います。
 時間の関係があるので、順次質問しなくてはなりませんので、次の問題について質問をさせていただきます。
 江戸川区は、この間、都市計画変更地域の中で、篠崎公園地区のまちづくり意見交換会として何回かにわたって住民説明会を開いています。区は、篠崎公園を含めて、江戸川河川の土手から約三百メートルの幅でスーパー堤防を建設すること、あわせて篠崎公園の南側に接する地域で区画整理を施行するといっています。スーパー堤防と区画整理事業が一緒の形で行われるとすれば、都も、東京都自身が国直轄事業負担金や区画整理への財政負担をすることが求められるようになるわけですけれども、これらにかかる総事業費は幾らと積算されているのでしょうか。
 また、この事業のそれぞれの事業年度についてお答えをいただきたいと思います。

○升都市基盤部長 区画整理事業、これは区施行を予定されております。それからスーパー堤防はお話しのとおり国が事業をする予定になっておりますが、事業予定者である国土交通省や江戸川区からは、事業計画を策定する前の段階で、まだ事業費は算出していないというふうに聞いてございます。
 また、事業予定でございますが、補助二八八号線は平成二十年度、補助二八六号線は二八八号線の進捗に合わせて平成二十三年度の着手を目指すというふうに聞いてございます。
 また、土地区画整理事業につきましては、平成二十年度の事業化を目標としており、スーパー堤防につきましては、区画整理事業等の進捗状況を踏まえまして盛り土工事に着手する予定だというふうに聞いておるところでございます。

○河野委員 そうすると、わかっているのは、事業年度が、区画整理は平成二十年度に事業化を目指しているということと、都市計画道路は二八八号線がその区画整理と同じ年度に着手をしていこうということなわけですね。そういうふうに私は今お聞きしましたので、確認させていただきます。
 私、どうしても伺いたいことがあるんですが、治水と水防対策についての問題です。
 東京都のこれまでの考え方を、いろいろな議事録を見まして改めて振り返ってみました。昨年、平成十八年の第二回定例会で、石原知事は本会議の答弁で、東部低地帯のことに対する質問について答えておられます。この東部低地帯といわれる地域には多くの人口と資産が集積しておりまして、中でも、満潮面以下の区域に百五十万人の都民が生活している、このために高潮などに対する水害対策が極めて重要であると述べて、そして東京都としては、これまで長年にわたり防潮堤や水門の整備に力を注いできた、その結果、例のハリケーン・カトリーナの被害の際、あのハリケーンに匹敵するような伊勢湾台風級の高潮に対する安全性を確保しているということをおっしゃっているわけですね。だから大きな雨が降っても、この東部低地帯については、被害は今のところカトリーナ級でも心配ないですよという意味のことを石原知事はいっています。
 それからもう一点、ことしの八月に、都市整備局と建設局、下水道局が共同で、東京都の集中豪雨対策基本方針を出しました。この中では、東京のまちに降る雨、これの降り方が変わってきている。区部西部に集中した豪雨が起こる、降る頻度が高くなっているということから、この基本方針の対策エリアは区部西部を重点にするということで、江戸川区などの東部地域は豪雨対策基本方針の重点地域には位置づけられてないわけです。江戸川区などの東部地域でどうなのかと考えたときに、知事の答弁とか、都市整備局、建設局、下水道局のこの豪雨対策基本方針などに照らして考えると、私たちが住むこの江戸川区では、大洪水が起こる確率は極めて少ないというふうに判断されているのが東京都の今の立場なんじゃないかと私は思います。
 これらに照らして考えて、それならば、なぜスーパー堤防構想、水害対策のための構想が、今、この篠崎地域やあるいは江戸川では北小岩地域でも持ち上がっておりますけれども、なぜ江戸川地域にこの構想が、建設計画が持ち上がってきているのかというのが、住民の一人として私自身もどうしても理解できないんです。道路や公園、緑地の都市計画変更は今回出されましたけれども、スーパー堤防構想がその背景にあるということは、私たちは本当に感じ取っていくわけなんですけれども、なぜ今、スーパー堤防建設が必要なのか、国がどういう基準でこれを判断しているのか、そういうことについて都が掌握されていること、あるいは見解をお持ちであれば、お答えをいただきたいと思います。

○升都市基盤部長 今、委員のご発言の中で、非常に大きな洪水は起こらないと思っているのではないかというお話がございましたけれども、知事の発言は、先ほどお話がございましたように、これまでの高潮等や台風に対する安全性のお話をさせていただいたというふうに理解しております。
 また、私ども発表させていただいた豪雨対策、これは、今の都市型水害と集中豪雨に対するお話をさせていただいているところでございます。
 現在の江戸川の堤防は、当該地域を洪水や高潮から守り、都市の安全度を高めるために整備をされてきてございます。
 ただ、今回国が整備を行う予定のスーパー堤防は、堤防の幅を広げまして、堤防を越えるような極めて大規模な洪水が発生した場合の安全性でございますとか、水が堤防内に浸水していくことに対する安全性、さらには、地震に対する安全性を一層向上させるために行うというふうにしているところでございます。
 また、まちづくりと一体的に整備するということによりまして、土地の有効利用や親水性のある快適な空間が確保されるなどの効果を伴うものであるというふうに考えておるところでございます。

○河野委員 部長さん方はいろいろな委員会の場とかで、防災対策とか、それぞれしっかりと議会の議事録なども見ておられると思うので、釈迦に説法かもしれませんけれども、昨年の決算特別委員会の建設局の質疑のところで、東京のこの葛飾とか江戸川に大地震が起こった場合にどのような被害が発生するかということで、大雨が降って堤防が決壊したり、阪神・淡路大震災級ぐらいのああいう地震が起こった場合にどんな被害が起こるのかという点で、その確率、建設局質疑の中で答弁があるんです。それを見ると、大雨が降って堤防が決壊して、そこに地震が起こって、水がどんどんと江戸川なんかに流れてきちゃいますよ、江戸川区内なんかにきちゃいますよというのは、確率としては五万数千分の一だというようなご答弁もシミュレーションとして出ていますというのがありますので、ぜひ一度これは議事録を当たってみていただいて、都市整備局のこれからのまちづくりの参考にしていただきたいなと私は思っています。その点、局長を初めとして、皆さん、まちづくりの専門家なわけですから、ぜひごらんいただきたいと思います。
 私は、昨年の七月に利根川治水大会に参加いたしました。そのとき思ったんですけれども、スーパー堤防事業というのはかなり前から取り組まれています。国としては一九九一年に、東京を中心とした首都圏、それから大阪を中心とした近畿圏、いわゆる二つの大都市を中心とした二つの地域で、五河川六水系にスーパー堤防を整備するという方針を出したんです。それからかなり年数がたって、二十年以上たっていますけれども、全国的にスーパー堤防が整備された率は現在五・四%と聞いています。
 私が参加いたしました利根川治水大会で特別に発言された熊谷市長さんのお話をご紹介したいと思います。スーパー堤防は熊谷市でも検討してきた、しかし、お金がかかる、時間がかかる、そして地権者の住民合意がとりにくい、こういういろいろな隘路があるのでこれはなかなか進まない事業であるということを判断して、熊谷市としては別の河川整備方法、治水対策に転換をするような方法をとっているということもいわれています。
 そういう点では、今、スーパー堤防が、大きな雨が降ったときに堤防の幅を広げて極めて大きな降雨に対してそして地震も含めて防災対策上必要な事業である、というような考えをお持ちというご答弁もあったんですけれども、本当にそうなのかということで検討が必要な時期に入っているのではないかと思っています。スーパー堤防は本当に今、国としても、国土交通省は推進の旗を振りましたけれども、この二十数年たって五・四%しか進まないという状況を踏まえて、一体これでいいのかという見直しの時期に入っているということも伺っておりますので、東京都も、今回、国や都の事業ということで都市計画変更をこれにのせて出してきておりますけれども、この事業が本当に防災対策に有効なものなのかどうか、水防の対策になるのかどうか検証してみていただきたいと思います。
 大きく降った雨は、上流域で遊ばせる遊水池とか、上流地できちんと水が流れ込んでこない、被害が起こらないような輪中堤防とか囲繞堤防などの案も出されていますから、やはり今研究や調査の結果が進んでいるこうした、これまでの築堤やダムの建設で水防をしていくという方法のみに限らない、さまざまな手法が開発されているということを受けとめて、今回のスーパー堤防問題、これでいいのかということを考えてみていただきたいなと思います。
 それで篠崎公園に関連して伺いたいんですが、都立篠崎公園は東京都の公園です。昭和四十年代初めから今のような整備が進んでまいりました。木も育って、スポーツや憩いの広場としてみんなから親しまれています。今回の都市計画の変更によりまして、二八八号線の幹線道路が公園北側から周囲を取り巻く形で建設されることになります。江戸川の堤防沿いは、土手から平均で約三百メートルの幅でスーパー堤防のために盛り土されることになります。せっかく数十年かけて育てた緑を一たんははぎ取ることになってしまって、環境には大きな変化が起こるわけです。
 私、いろいろ当たってみたんですが、東京都の廃棄物審議会が、昨年六月に、循環社会への変革ということを理念にした答申を出しています。この答申では、産業廃棄物の中で建設泥土がふえ続けていることが記されて、シールド工法によるトンネル工事、くい基礎工事によって建設泥土が大量に排出されていて、この建設泥土のリサイクルが今有効に進んでいないと。このリサイクルをきちんと進めていくために、何に使うかということで、最終処分の場に、スーパー堤防がこの答申では挙げられているわけなんです。現在、都内ではご承知のとおり、中央環状新宿線などが地下高速道路としてシールド工法で工事が進められておりまして、大量の建設泥土が発生しているわけですね。今後、三環状道路の建設推進といっていますから、さらにたくさんの建設泥土が都市再生の路線のもとで発生されることが予想されます。超高層ビルの建設からも発生源として出てくることになります。巨大開発によって排出されてきた建設残土をどこに持っていくかということで選ばれたのが、最終処分場として、篠崎公園とか江戸川の北小岩の閑静な住宅地などが対象になってくる。これは本当に地域にとっては重大問題なんです。環境に優しいまちづくりは、都市整備として大事な仕事、これは都市整備局がきちんと位置づけられていると思うんですが、緑を失って、巨大開発による残土受け入れ場ともなる今回のようなまちづくりについては、いかがなものなんでしょうか、お考えをお聞かせください。

○升都市基盤部長 まず、緑地の緑の話が出ましたが、国がスーパー堤防事業を実施するに当たっては、篠崎公園の現在の樹木を一時的に移植するということになりますが、同事業による盛り土が完了した後には、また緑豊かな公園として原状復帰を図るというふうに今後調整を進めていくこととしているところでございます。
 また、盛り土の土の話が出ましたが、一般的に盛り土に使用する土というものは、土壌汚染対策法などに定める基準に適合した、建設発生土を使う場合は当然そういう基準に適合した土を利用するというふうになります。
 そしてお話しの答申、十八年六月の答申の中にはそのようなことが書いてございますが、その答申を受けまして、九月に東京都が定めました廃棄物処理計画の中では、スーパー堤防に使うということは書いてございません。ただ、都の関係部局が一体となって有効利用を推進するという形に書きかえてございます。
 また、答申の中では、最終処分としてスーパー堤防に盛り土に活用、と書いてある前に、当然にその泥土自体を中間処理をする、安定処理をするということで、基本的には、利用する場合には土壌汚染対策法に定める基準に適合したものとするという前提で書かれているものだと私どもは考えておるところでございます。

○河野委員 一回はぎ取った緑がまたもとどおりの豊かな緑になるには何十年もかかるんですね。私は篠崎公園は昭和四十年代から遊びに行っていますけれども、最初は本当に小さな木だったのが、今は豊かに緑が育っています。そういう点では、一回はぎ取ったものがもとどおりになるには数十年の歳月がかかるということも一つの問題ですし、私、土の質のことはいっておりません。国土交通省できちんと土を振り分けて、何がどういうところに適しているかというのを厳しく精査しているということは伺っていますから、その土の質が問題なのではなくて、シールド工法などによって大量に排出される残土の処理について、スーパー堤防が一つの選択肢として挙げられているということについて、非常に違和感を覚えるということを申し上げておきたいと思います。
 また、環境問題についていえば、ここの地域も北小岩もですけれども、区画整理事業がスーパー堤防とあわせて行われますから、結局のところが区画整理で家を壊して一回移転してまた戻ってくるということで、壊す家の建設廃材の大量発生の問題なんかも、環境負荷ということを考えると、大変大きな問題を起こすのではないかということも感じていることを申し上げておきます。
 スーパー堤防と一緒に江戸川区が区施行で予定している区画整理の問題です。篠崎の公園のそばの地域、これを、非常に狭い地域なんですが、A、B、Cの三地区に分けて事業化すると説明されています。Aの地区は、今回特別保全緑地指定地区になるところも含めて江戸川緑地として、そういう方向で緑の土地にしていくということで位置づけられているんですが、その中に住んでいる、今、家のある人たちはみんな一回どこかへ行ってもらうというのが区の説明の資料にあるわけなんですね。住めないわけです。隣のB、C地区は区画整理をしますと、減歩の負担、一三%平均減歩率、皆さん負担してもらいますよ、こういう説明なんですが、私がきょうお話ししたいのは、一点、お寺の問題です。
 現在、居住者がたくさん住んでいるA地区の中には、開山七百三十年を迎えるお寺さん、妙勝寺さんという名刹があります。この寺院は今回このスーパー堤防事業がかかっている地域にちょうど当たっているわけですね。この区画整理の隣にB地区というのがあるんですが、A地区の中にあるお寺がそっくりそのまま墓地も含めて、隣の区画整理地域のBに移転してくださいといわれているそうです。このお寺さんは、昭和四十年代に都立篠崎公園が整備されたときにも、お寺の墓地を公園整備のために移動しているんですね。公共工事に協力するという立場から、墓地の移転を求められたわけです。そしてそれを実施したわけです。今回またしても、地域の住民の人たちがいろいろな形で異議を唱えているスーパー堤防と区画整理事業、都市計画道路の変更などのために、寺ごと、お墓ごと移りなさいというのは、たとえすぐそばの隣のB地区であってもこれは承服できない問題だということをご住職は訴えておられますし、檀家の皆さんもこぞって反対の声を上げておられます。
 きょう、委員長にお許しをいただきまして、私、二枚写真を持ってまいりました。これが篠崎公園の土手に近いところにあるまちで、こういう戸建て住宅が、篠崎はまだ畑がたくさんありますから、畑の向こうの方にいっぱい住宅が建っていて篠崎公園の方にはお店もあったりして静かな住宅地で車の渋滞もほとんどないような地域なんです。こういう地域と、これはお寺さんにお許しをいただいて持ってまいりましたが、お寺さんも、門前、山門のところに、こうやってスーパー堤防反対ということで高々とのぼり旗を掲げていられるんです。これがこの地域の実情なんですね。
 その点で、私はお寺さんのお話をちょっと、時間の迫っていることも承知しておりますけれどもご紹介したいんです。このお寺さん、第四十五世のご住職なんだそうですが、明治十一年以降、東京全体の河川のはんらんは何回あったかということで調べたそうです。十五回あったうち、江戸川のはんらんは明治二十九年にあったけれども、これは野田の地域、千葉の方ですね、ここで自然堤防の環境の中で一度だけ決壊をした、堤防がですね。江戸川区内では百年以上ただの一度も堤防は壊れたことがないというふうに、調べた結果、書かれています。そしてお寺さんが今思っていることは、このお寺さんの墓地も昭和四十一年、現在の篠崎公園建設のため境内に移転させられ、今ようやくご先祖様のみたまも安らかに眠っておられますと書いてあります。そして今、このスーパー堤防の工事が降ってわいたように知らされたわけなんですけれども、どのようにして次の世代を担う子どもたちに、文化、伝統、先祖や宗教への畏敬の念、近隣との助け合いの心を伝えていくのか本当に疑問だ、古いものを何もかもぶち壊し、根拠のない大規模な公共事業を私は認めるわけにはいかないと、地域のほとんどの人たちが反対しています、安住の地として満足していた生活を突然追われるような過酷な立場を強いられる、この悲惨な状況に落ちていることを行政は十分に認識してほしいということを、スーパー堤防事業に関して綿々と述べられております。全部は紹介できませんけれども、こういう地域の状況があるわけです。
 そういう点で私が伺いたいのは、この檀家のご先祖様のお墓を守ってきた大事な役割のお寺が、二度にわたって公共事業、公園づくりとスーパー堤防や区画整理のためにお墓ごと移転を迫られるということがあり、そして関係住民に対しては、本当に精神的にも物理的にも大きな負担を押しつけていくような状況が生まれている、これが現実なんです。
 都は、今回、都市計画の変更、緑地、公園、都市計画道路の線引きの変更で出されてまいりましたが、スーパー堤防と確実にリンクしているこの事業に対して、どんなふうな受けとめをされておられるか、お答えをいただきたいと思います。

○升都市基盤部長 妙勝寺さんのお話がございましたが、お話がありましたように、お寺につきましては、区画整理地域内でございまして、区画整理事業の中で、隣接地に換地により移転することで今調整をしているというふうに区から聞いているところでございます。
 現在、お寺には江戸川緑地が都市計画決定されておりまして、お話のように、A地区の部分では緑地の用地買収が始まるわけでございます。そういう意味では、今のお寺さんも買収の対象地だということになります。区としては、地区内に可能な限り住み続けられるという意味からも、区画整理の中で、お寺さんについては換地で隣接地に移転してもらうということで調整をしたいというふうに考えているところだと聞いているところでございます。
 また、そのほかのところにつきましても、移転を要する方々につきましては、江戸川区が近隣に代替地を用意しているというふうに聞いております。そういうことが活用できるように十分配慮しながら事業を進めていくということで、繰り返しになりますが、可能な限り地区内に住み続けられることができるよう配慮しながら、区としては事業を進めていきたいというふうに聞いておるところでございます。

○河野委員 ご自分お一人お一人が、お父さん、お母さんのお墓があったり、おじいさん、おばあさんのお墓があったり、ご先祖様のお墓がある、そういう方が多いと思うんですが、そのお墓がこういう公共事業のために何回も何回も、どいてください、移ってくださいなんていわれた場合に、みずからに照らしてみてどんなふうに思うかというのを、このまちづくりに当たって改めて皆さんにお考えいただきたいということを私は一言申し上げておきたいと思います。
 江戸川ではスーパー堤防事業はこの江戸川の河川沿いだけではなくて、荒川の方でもやられてきました。荒川沿いの平井七丁目のスーパー堤防と区画整理事業では、一・七ヘクタール、七十四軒の人たちを対象とした事業が行われてもう既に完成していますが、昨年私たちが調べた時点では、この区画整理地区内にもとどおりに戻れた人は半数の三十数軒でありました。江戸川沿いの北小岩のスーパー堤防の計画地では、事業が決まってもいないのに、地上げ屋さんたちが各戸を訪問し始めているという話もあります。宅地を買い占めて、換地のときに集約化すれば高度利用ができて、高層の民間分譲マンションなどが建設可能になります。バブルのときを連想させるような地価の上昇が起こりつつあるという状況が生まれていて、これは江戸川だけじゃなくて、既に行われた足立区の小台のスーパー堤防事業ではライオンズマンションが建ちました。野田市の江戸川右岸流域では、区画整理対象地域四十一・三ヘクタールの約九割になる三十七・八ヘクタールの土地が、長谷川コーポレーションが買い占めている、こんな例もあるんです。治水対策といいながら、宅地を集約化して大規模な民間開発に回されていくような、こうしたまちづくりと一体として、区画整理と一体として進められているというスーパー堤防のねらい、治水が目的というよりも、もう一つの目的は開発を促進する、そこにあるのではないかと判断しちゃうんですけれども、どうでしょうか。

○升都市基盤部長 江戸川区では、平成十一年に策定いたしました都市計画マスタープランでございますまちづくり基本プランにおきまして、本地区を都市計画道路補助二八六号線、二八八号線や篠崎公園の計画とあわせ、駅至近の住宅地として面的に整備を検討し、利便性の高い住宅地を形成すると位置づけております。
 また、スーパー堤防事業により、地域の安全性を向上させるとともに、地権者の地区外移転を極力少なくするため、区画整理手法を活用したまちづくりをあわせて実施することとしているということでございます。
 このように、これらの事業は安全で快適なまちを実現することを目的としたものであるというふうに考えているところでございます。

○河野委員 みんなが住み続けられて安全で快適になればいいんですけれども、なかなかそうもいかないというのが現実ではないでしょうか。
 それで最後に確認の質問をさせていただきますが、道路や公園、緑地の都市計画変更ということで今回議案が出されました。あわせて、これはスーパー堤防や区画整理事業などのまちづくり事業とリンクしているんですけれども、こうしたまちづくりは、何よりも関係する地域住民の合意に基づいて判断されていくことが必要だと思います。国土交通省は、一九九一年にスーパー堤防事業推進を決めたときも、九七年に河川法を改正したときも、住民の意思の反映を重視しなければならないという考え方を示しています。今回の道路、公園、緑地の都市計画変更とその背景にあるスーパー堤防計画については、徹底した住民への情報公開と住民の意見の反映が求められると私は考えます。国が示している、住民の合意をきちんと形成した上での事業への取り組み、その考え方は都も同じスタンスであると受けとめてよろしいですか、お答えをいただきたいと思います。

○升都市基盤部長 江戸川区におきましては、先ほどもお話しいたしましたが、都市計画マスタープランを策定しておりますが、その策定する過程の中で、今回の都市計画変更に関する内容も含めて広く区民に説明しておるところでございます。さらに、今回の都市計画変更に当たりましては、平成十七年五月以降本年十月までに二十二回の意見交換会や説明会を開催し、地域の住民の方々や権利者の方々に理解と協力が得られるよう努めてきているというふうに聞いております。
 意見交換会や説明会の中では、避難場所など区の防災計画に関することや、各事業の実施方法や施行順序などについて意見があったというふうに聞いております。
 江戸川区は今後とも事業の具体化に向けて引き続き地元との意見交換会や説明会を実施し、地域の方々に理解を求めていくというふうに聞いております。
 また、今、委員のお話のございました河川法の関係では、河川整備計画というものが位置づけられておりまして、平成九年の改正でございますが、その中に、河川管理者は、必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならないというふうに定められております。これに基づきまして、今、国土交通省におきまして、利根川・江戸川河川整備計画の公聴会を開催しているというふうに聞いておりまして、江戸川におきましては、本年二月に公聴会を開いたというふうに聞いてございます。
 公聴会の中では、江戸川区在住の公述人の方もいらっしゃいまして、高規格堤防、スーパー堤防の整備促進を求めたというふうに聞いておるところでございます。

○河野委員 私は、そういう--国と区はわかっているんです。都がどういうスタンスでこのまちづくり事業について軸足を置いているのかということを伺ったつもりなんですが、それはご答弁いただけなかったんです。非常に残念な思いです。結局のところは、国や区がやっているから、東京都も都市計画の変更に協力してあげますよということで今回の議案が出されているというふうに、私は、判断しなくてはならないと思います。その意味で、今回、スーパー堤防の建設を前提とした、示されている都市計画変更案、これは住民の納得、合意が形成されていない段階でありますから、都市計画審議会には提出しないように都に求めまして、質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○植木委員 私も二つのテーマで質問したいと思います。一つは、三宅島の都市計画マスタープランについてです。
 ご存じのように、三宅島は火山ガスの噴出があったため、都市計画マスタープランが他の自治体と一緒にできなかった、今日に至ったというふうに聞いております。
 三宅島は現在も火山ガスが噴出している地域があり、阿古地域、それから坪田地域の一部分ではいまだに高濃度地区として指定されています。こういう段階で都市計画について長期的な視野に立ってマスタープランを定めるということは、高濃度地区の解除の見通しができたからでしょうか。

○野本都市づくり政策部長 都市計画区域マスタープランは、都市計画法に基づき、三宅区域を除く他の二十五区域では、平成十六年四月に策定を既に終えております。しかしながら、三宅都市計画区域は被災状況を考慮しまして、その策定を保留してきたわけです。この時期に策定する理由は、おおむね人口も回復しまして、火山ガスの放出は全体として減少傾向にあるということ等の状況を踏まえまして、復興のめどがついた段階と判断したものでございます。
 高濃度地区につきましては、依然として基準を上回っておりまして、その規制を見直すレベルまで低下していないという状況は変わっておらず、現在のところ、指定解除の見通しはないと聞いております。

○植木委員 人口回復や、だんだん復興が進んできているということですが、この二つの高濃度地区の住民の方々は指定が早く解除されてほしいということを願っているわけです。いずれとにかく解除されることになるだろうと思うんですけれども、その場合、この都市計画マスタープランとの整合性、これについては長期的な見通しに立って立てるわけですから、どのように考えているでしょうか。

○野本都市づくり政策部長 今回の都市計画区域マスタープランは、三宅地域の都市計画に関する基本的な方針を定めるものでございます。その中で、既存集落につきましては、その将来像として防災に配慮した集落環境を整備し、良好な居住環境の整備、維持を促進する方針を示しているわけでございます。
 高濃度地区の坪田地区、阿古地区の両地区につきましては、被災前は既存集落を形成した地域でありますので、これらの方針が適用される地域でございます。

○植木委員 既存地域だから適用はされるということなんですが、高濃度地区の住民は現在そこに住めない生活を余儀なくされているわけです。早く解除されてそこに住める方はいいんですけれども、しかしながら、長期的に見てどうか、あるいはもっと安全なところに移転できないか、いろいろな悩みを持ちながら臨んでおられるというふうに私ども聞いています。そうした場合のまちづくりについては、基本的には村自身で住民の皆さんと相談して計画することだと思いますけれども、そういう点でマスタープランの具体化に当たっては、今後、村との調整を進めて臨んでほしいと、これは要望をしておきます。
 二点目の質問は、都市再生特別地区の問題です。
 今回、銀座とそれから東急の二つが出ていますが、特に銀座については銀座ルールというのがあるということで、大変地元の方々は努力されているというふうに聞いています。地元の方々がお話ししているのが、書かれているものを読んでみると、なかなか努力されているな、銀座全体の方々を視野に入れて、銀座じゅうの意見をなるべく漏れなく取り込むという考え方で進めてきたということとか、それから大型店が結構あるわけですけれども、しにせのお店などは非常に苦しい中でやっているけれども、頑張っているけれども、そういう店が銀座の雰囲気を、銀座らしさを表現しているのではないか、そうした方々の努力も実らせたいというお話とか、それから東京では数多くの再開発が促進されているが、そのほとんどが高層建築、高層化で出てきている。どの再開発に行っても何か似たようなものの繰り返しで、開発の味というか、魅力というのが独特のものが見えない、これでは都民としてまずいんじゃないか、やはりまちの特徴というのは大事にしていかなければいけない、こういうふうにいっておられるのを読ませていただきました。そして銀座ルールというものをつくって、高さを十六メートルに抑える、こういう努力をされている。これが非常に大事な地元住民の皆さんの努力だというふうに思うんですが、しかしながら、都市再生全体は必ずしもこうなっていない、今回の銀座は高さにおいてはそういう点はありますけれども。
 そこで、私は幾つかの角度から質問をしたいというふうに思っています。
 問題の一つは、都市再生への貢献ということで容積率などの大幅な緩和を進めている問題です。
 渋谷東急のビルについては、基準容積率八一五%に対してプラス五五五%、実に一三七〇%にもなる。増加率は四割、四〇・五一%。銀座三越、ここは高さは抑えられていますけれども、地下にやったり、後で述べることとも重なってきますが、いずれにしても基準容積率は七七五%に対してプラス五二五%で一三〇〇%、これも増加率は四〇・三八%。どちらも四割を超える容積率が貢献という形で出されている。こうした容積率の引き上げについての考え方はどのようになっているでしょうか。

○瀧本参事 都市再生特別地区における割り増し容積率につきましては、都市再生緊急整備地域の整備方針等を踏まえ、周辺を含めた公共施設整備、敷地内の空地、緑地、道路等の整備、地域に必要な都市機能の導入など、都市再生貢献の内容を総合的に判断いたしてございます。

○植木委員 容積率をそういう考え方で出しているというんですけれども、実に最高限度が一三七〇%、私は異常だと思うんですよね。とにかく権利床というんでしょうか、床をふやしてやると。いわば利益を与えるようなものですよね。
 それで貢献の中身もちょっと見てみますと、例えば東急の例でいいますと、多層をつなぐ歩行者ネットワーク、基盤改良の一体的推進を貢献として容積率を引き上げると、こういうふうになっています。もちろん地域貢献というのはあると思うんですよ。それを評価するということは、私、全部否定するつもりはありませんけれども。しかし、貢献という面もありますけれども、どちらかというと、地下鉄の駅の乗降客や地域の人々の流れをこのビルにずっと誘導していく、そういう意味では受益の面が非常に多いというふうに思うんですね。ある意味では受益者負担ともいえるんじゃないか。
 それからミュージカルの文化施設ですけれども、これも大変いいことなんですけれども、もともと東急の文化施設として建てかえてきたわけですから、それが中止するから、何とかこれ、やってほしいということで貢献の度合いをはかるということでもなさそうですね。
 結局、貢献という形で、特定の事業者に対して利益につながるものまで容積率を引き上げる、これはやはりおかしいんじゃないかと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。

○瀧本参事 この都市再生特別地区における容積の割り増しということでございますけれども、これは都市再生緊急整備地域の整備方針等を踏まえて、この公共貢献の内容を総合的に判断しているところでございます。
 この都市再生緊急整備地域の方針でございますが、それぞれ銀座地区、それから渋谷地区、そういうところの、例えば銀座地区であれば国際的な商業拠点を形成する、そして渋谷地区であれば、あそこにふさわしい駅前の空間の整備、そして先ほどのアーバンコアというネットワークの構築、そしてその文化の創造発信拠点の形成、こういったものが盛り込まれているものでございます。
 また、あわせて、その地区計画においてもこの地域の整備方針というものが出されてございまして、そういうものに即して、そういうものの方針に合致をした形で、そして具体的には個々の公共貢献をしていただいているもの、そういうものを総合的に判断をして容積率の評価をさせていただいているところでございます。

○植木委員 私も地域貢献というのは、さっきいったように、あり得るとは思うんだけれども、問題は、やはり貢献という言葉が緩和のための理由づけになってやしないか、そのことなんですよ。結局、前の特別地区の、いろいろな提案がこれまでもありました。たびたびその貢献の中身それぞれについて、どのくらいのパーセンテージなんだと聞いても、答えられなかったわけですよね。つまり貢献ということで緩和のための理由づけになってはいないか、そうであってはいけないというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○瀧本参事 この容積の割り増しということでございますが、これは公共貢献の内容を総合的に判断をして評価をするというものでございますが、その際、他の都市開発諸制度、そういうものの評価という内容についても照らしまして、そういうものとの均衡というものも視野に入れて、この審査、評価をいたしているところでございます。
 その中で例えば銀座地区におきましては、既にこの機能更新型高度利用地区というのが設定されてございます。そういうところでの容積の割り増しの考え方、これは例えば高度利用地区の場合には最高で三〇〇%の割り増しがございます。また、既存の都市開発諸制度によるその他の有効空地の整備、そしてここでは託児スペースの導入機能、さらに敷地外の区道や地下空間の整備、そういったものを行っているものでございまして、こういうものも他の制度でも評価して、そういうものについてもこの再生特区の中で視野に入れながら総合的な判断をいたしてございます。また、渋谷地区については、この細分化された土地の集約化を行って一つの大きな街区にする。そしてまた、銀座線移設に伴う駅中心部の拡大などによる骨格的な都市基盤整備の考え方に基づいて、既存の都市開発諸制度などでは、歩行者ネットワークの整備、文化施設の導入機能、さらに地下接続空間の整備、銀座線移設に伴う駅空間の確保や橋脚の一部整備について、いろいろ評価があるところでございまして、この再生地区においてはそういうものを総合的に判断をいたしているところでございます。

○植木委員 私、提案なんですけれども、いろいろな制度の中でも、屋上緑化だとか、一定の空間確保を附置義務としてやっている都市計画手法もありますよね。そういう意味で、もちろん屋上緑化とか広場とか、それから自分のビルに少なくともお客さんを誘導するとか、そういう受益の部分は一定の受益の割合を判断して附置義務にする、そういうことも含めて考えるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○瀧本参事 この容積率の割り増しを含めまして、都市再生特別地区の運用というものにつきましては、国から示された指針がございます。これは特定街区等のような有効空地の確保や導入施設の内容など、個別項目の条件を満たせば一定の容積率の緩和を認めるといった積み上げ型の運用ではなく、都市の魅力や国際競争力を高めるなど、当該都市開発が持つ都市再生の効果等に着目した柔軟な考え方のもとに行うというふうにしてございまして、東京都においてもこの考え方に基づいて、一律的な基準によらない、一件ごとの個別審査により審査を行っているというところでございます。

○植木委員 国の指針に基づいてというんですけれども、この間、十幾つか特別地区が出されましたよね。今回、五五五%プラスしている。三越も五二五%。大手町に至っては八九〇%もの容積率、二館足してね、やっている。それから日本橋室町東地区は五四〇%、淡路二丁目北地区は四七五%。つまり基準容積率とほぼ同じぐらい乗っているのもあるんですね。だから、やはり緩和のための理屈づけになってやしないか、やはりそういう疑惑の持たれないような仕組みというものにしていく必要があるんじゃないかということを私は改めて強調したいというふうに思っています。
 その上で一つだけ、今東急の例でやったんですが、銀座三越の例でいいますと、これは中央区の決定ではありますが、区道の廃止問題があるんですね。もちろんその区道をほかに移転をして、しかも通路として活用するということで一定の配慮をしているということなんですが、この区道を廃止することで一体的に整備すること、それによって、高さ、容積率、これが目いっぱい使えるということになるわけです。一定のそういう、これも要件緩和なんですよね、実質的には。
 銀座は、先ほどもちょっとお話ありましたけれども、そういう区道がまちの中に長い歴史の中で培われてきている。それが要らないというならともかくとして、そうじゃなくて、生きているというところが、こういうことで特定の街区あるいは特定の事業者の緩和のために廃止するということがほかのところでも出やしないかという、私、思いがあるものですからあえて取り上げたんですけれども、今回区決定ではありますけれども、全体の計画の要件にもかかわるわけでありますので、その点についてはどんなふうに考えているでしょうか。

○瀧本参事 このお尋ねの区道四二七号のつけかえでございますけれども、これにつきましては、この銀座地区の街区が非常に小規模であるということから、中央区の方では、できるだけ開発に当たっては大きな街区として土地を有効高度利用しようということがございました。この特区の提案に当たって両者、中央区、そして事業者ともいろいろ相談をして、今回こういう形で道路のつけかえを行う。その一つには、三原通り沿いに都市計画駐車場の出入り口をつくる、そこに公共的な用地が必要であるということもございます。そういうことで、そちらに区道の部分をつけかえる。そしてこの移転をした後の四二七号の部分につきましては、これは通路として地区計画の地区施設に位置づけまして、通行機能も確保した上で、これまでどおり交通規制も行った上で、そこの部分を公共的な利用をしていくということでございます。そうしたことで両者一体となって整備をしてきているところでございます。
 こうしたつけかえにつきましては、中央区の方でも方針を設定しておりまして、銀座地区であれば、この中央通りの一本中側に入った、この現在の区道四二七号沿いといったあたりを対象として、このつけかえをするというものに対応していくというような方針のもとで行ったというふうに聞いてございます。

○植木委員 私は、こういうことがどんどん乱用されないかという心配の面からいっているんですけれども、その点は、もちろん個々で判断していくことになるんだろうと思うんですけれども、乱用になってはいけないというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○瀧本参事 中央区におきましては、この銀座地区の区道の改廃に関する考え方ということで取りまとめてございまして、それによりますと、道路機能に係る、例えば交通、環境、防災、防犯、そういったものの評価、それからさらに、もちろん地域住民の一定の合意形成というものもございます。そうした全体的な交通機能の確保、あるいは周辺に与える影響というようなものの中で、今回、この中央通りの四二七号沿いというものについて、このつけかえに対する対応を図るといったような、その方針に基づきましてこれを対応しているということでございます。ですから、どこでもということではないというふうに私どもは理解をいたしてございます。

○植木委員 ぜひ乱用にならないように注視していただきたい。
 二点目は環境問題です。
 事業所ビルからのCO2の排出量の伸び率、環境局の資料によりますと、他のものも含めていろいろ発表があるんですけれども、一九九〇年から二〇〇五年の間で、産業部門はマイナス四三・四%、業務部門がプラス三三・〇、家庭部門はプラス一五・三%、運輸部門はプラス七・四%。これを見てわかりますように、業務部門の排出量が一番伸びているわけです。
 今回の案件は東急と三越の例でどうかという問題ですが、このCO2排出量については、従前の建物と計画地ではどういうふうになっているでしょうか。

○瀧本参事 年間のCO2排出量ということでございますが、銀座四丁目六地区では、既存の建物は一万二千三百三トンでございます。計画建物は一万二千九百二十八トンと試算しております。また、渋谷二丁目二十一地区では、従前の建物が七千九百四十一トン、計画建物が一万五百六十二トンと試算しております。

○植木委員 今のをちょっと計算してみますと、東急の方は差し引きプラス二千六百二十一トン、年当たりの排出量。それから銀座三越の方は、プラス六百二十五トン、年CO2排出量というようになっています。両方で三千二百四十六トンということです。
 今、「十年後の東京」でカーボンマイナスの方針では、最も環境負荷の少ない先進的な取り組みが都市の隅々にまで浸透している、二〇〇〇年比でマイナス二五%の排出削減を目標に最先端の環境技術を駆使する、こういうふうに二〇〇〇年比でマイナス二五%にするということを掲げています。
 しかしながら、世界的に見ますと、京都議定書では、九〇年比で二〇一〇年までマイナス六%の抑制をするということで努力すべきだったんですが、現実は逆にプラス七%にもなってきている。ですから、京都議定書よりもこの東京のカーボンマイナスは目標値が下げられているわけですけれども、いずれにしても、この東京都の目標から見ても、CO2排出量が増加しているということ自体、都の方針に反しているといっても仕方ないんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○瀧本参事 都市再生プロジェクトにつきましては、事業者はCO2排出量削減の取り組みを積極的に行うというふうにしております。
 プロジェクトにおきましてさまざまな都市再生貢献を行う一方、建物の建てかえにより床面積が増加し、建てかえ後にCO2排出量が増加するケースもございますけれども、建物の環境性能を高めるとともに、最新鋭の設備機器を導入するなどによりまして、床面積当たりのCO2排出量の削減を図っております。
 また、例えば今回の銀座四丁目六地区では、新たに整備する銀座テラスでの環境配慮の啓発活動、また、渋谷二丁目二十一地区では、吹き抜け空間の確保による隣接地下鉄駅の環境負荷低減など、建物以外でのCO2排出量の削減に貢献をいたしているところでございます。
 こうした都市再生のプロジェクトを進めながら都市機能の更新を図ることは、「十年後の東京」の趣旨にも沿ったものであるというふうに考えてございます。

○植木委員 努力するのは私は当然だと思うんですけれども、最新鋭の設備機器を導入しても、結果としてこれはマイナスにならないわけですよね。これはまだ特区だから、かなり皆さんが努力して指導したり、こういうものを使いなさいよといっているのは私もよく承知しています。しかし、都市再生緊急整備地域というのはもっと面的に広い。八カ所で二千五百ヘクタール。そこではもっともっとどんどんビルが建っているわけです。
 この都市再生緊急整備地域内での百メートル以上のビルについて、以前資料をもらったことがあるんですけれども、それによると、九十三棟で容積率が八百三十八万二千五百平米も、これ、増加分だけですよ、累計じゃなくて。CO2の排出量に換算すると年間で実に八十二万トンふえることになる、私計算したんだから。これでは、努力するのは、私はもっと努力しなきゃいけないと思っているんですけれども、抑制に努力しているといっても、実際は差し引きプラスになっているんですよ。そういう点はどんなふうに見ていますか。

○野本都市づくり政策部長 都市再生によって大規模開発が進むと二酸化炭素増加を招くんじゃないかと、そんなご指摘かと思うんですけれども、先ほどから何回かお話ししていますように、「十年後の東京」では、東京全体で二〇二〇年までに二〇〇〇年比二五%の削減を目標に掲げるとともに、環境都市づくり戦略合同会議というものを設置しておりますけれども、その中で、産業部門、業務部門、家庭部門、運輸部門と、各部門ごとにカーボンマイナス都市づくりの実現に向け全庁横断的に取り組んでおります。
 例えば運輸部門ですと、三環状道路など骨格的な道路交通ネットワーク整備推進によりまして、慢性的な渋滞解消というようなことによりまして、CO2の削減、環境負荷が低減されると。これは国の試算でございますけれども、三環状道路が完成しますと、年間二百万トンから三百万トンのCO2の低減が見込まれるというような数値もございます。
 それから都市開発の方ですけれども、建物の高断熱化あるいは効率の高い熱源機器の採用のほか、新たな取り組みとしては、例えば下水熱の利用であるとか、あるいは保水性舗装の導入、こういったことにもよりましてカーボンマイナスの取り組みが一層進んでいくと考えております。
 CO2排出量の問題は、一部の拠点開発の案件だけをとらえまして、局所的にその増減を論じるのでなくて、都市づくり全体で議論すべき問題と考えております。今後とも都市開発の機会を初め、インフラ整備の機会、あるいは住宅政策における取り組みなどを含めまして、都市全体でCO2削減に取り組んでまいります。

○植木委員 都市全体で削減するのは当然だし、私は大賛成ですよ。今、都市計画案件でいっているわけですから、私はここのところをいっているわけですよ。
 それで三環状の道路問題が出ましたけれども、今回は三環状問題じゃないから余り突っ込むことはしませんけれども、国土交通省はいろいろな研究をやっていまして、いろいろな文書が出ているんですよ。確かに一時的に減るという研究成果も出ている。同時に、長期的に見ると、誘導効果というのを計算して排出量がふえていくことも出しているんですよ。国土交通省というのはそういう意味でいろいろな研究をやっていて、それこそ部分を取り上げていっちゃいけないんですよ。将来的に見てどうかという、私はそれを読んだんです。なるほどと思った。一時的に減る問題と、長期的に誘導効果と出る問題と、いろいろな角度からやっています。
 それだけじゃないんですけれども、きょうはそれはちょっと時間長くなっちゃうからやめますけれども、いずれにしても、やはり都市づくりとしても、一定の努力で、努力したけれどもふえちゃったということでは済まない段階に来ている。東京は百年で三度C伸びているんですよね。これはニューヨークやロンドンやパリから比べたって断トツに気温が上がっているんですから、その危機感がなけりゃ、やはりこれはできない。ですから、総量を、この都市づくりにおいても抑制するという方針に転換すべきだということを、この二点目の質問では強調しておきたいというふうに思っています。
 三点目の問題は、都市問題ですね。
 特に都市再生特別地区を今回論議しているわけですけれども、都心部へのオフィスの集中を招き、CO2の排出量の増大、混雑緩和など、さまざまな問題が出てきている。都心に集中する車によるCO2、あるいはSPMも増加する。それから都心の居住面積がどんどん今減っていますよね。千代田なんか、実に床面積の七五%は事務所ビルですよ。それから地下鉄だとか大江戸線もそうですし十三号線も、いろいろなものを整備しても一向に改善されない。社会的、経済的条件に対する都市づくりにおける負荷、こういうものが、今やはり考えていかなきゃならない問題だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○瀧本参事 この都市再生特別地区でございますけれども、緊急整備地域の整備方針等を踏まえまして、都市計画の視点に立って、周辺を含めた公共施設の整備や都市機能の状況を把握し、交通や環境などの面で地域に大きな負荷を与えていないか、プロジェクトの内容を審査しております。例えば交通処理については、このプロジェクトの中で円滑な交通が確保されるということをチェックをいたしております。また、CO2排出量削減の取り組みについては、都市再生特別地区ではできる限りの削減を図ることといたしております。このような取り組みを、広範囲にかつ積極的に進めることにより、CO2排出量の削減がなされていくと考えます。
 今後の都市づくりにおいて、民間の活力を活用して地域の課題の解決を図る都市再生特別地区は、これからの都市づくりのあり方を示すものであり、有意義と考えてございます。

○植木委員 いろいろ努力されているというお話なんですが、特に都心ですよね、緊急整備地域八カ所になってきていますよね。渋谷が今回案件が出て、今後渋谷がどんどんそういうことをしていく。銀座も建てかえ計画が始まりますと、これがどうなってくるか。とにかく都市再生特区だけじゃなくて、いろいろな手法によってまちづくりが進んでくる。特にそういう八つの緊急整備地域などの都市に対する負荷、これは住民や地方自治体に対しても負荷が出てくる、こういうことですから、この点はやはり肝に銘じていかなきゃいけないし、私は今の段階で軌道修正といいましょうかね、一定の抑制方針の策を入れる必要があるというふうに思っています。
 これをもう一つの角度から見ますと、都市再生による都市づくりというものがだんだん、違った角度が今出てきている。都市づくりというよりも、例えば都市再生ファンドだとか証券化、SPCなど、いわゆる金融機関も含めて、事業所ビルが投資の対象になって新しい開発やビル建設をさらに誘導していく、こういう状況が出てきている。私、ここに危惧の念を抱いているんですね。特区の場合は、都市計画手続を一定期間に早くできるようになっていて、したがって金融機関が投資をしやすい、こういう好条件が整えられている。ちまたでは青天井の規制緩和が可能だといわれている。財界の意向を受けて、都市再生事業推進のための政府系の資金を供給できる都市再生ファンドなども用意されている。それが都市計画上の規制緩和とも相まって、どんどん都市づくりが促進して、都心に負荷が集中している。バブルのときも確かに低金利の金が相当動いて、地上げ屋を初めとした、当時は、まち壊しということをいわれましたけれども、今日的にはもっと大きな規模で金融機関も含めてこの都市再生の中に、あるいはいろいろな事業所ビル建設の中に、まちづくりではなくて、ビルを商品として扱うようになってくる。これが加速されていきますと、バブルじゃありませんけれども、十年後、二十年後の都市がどうなっていくんだ、もっとゆがんでいくんじゃないか、都市への負荷がどうなるのか、こういう視野がなければ私はいけないというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○野本都市づくり政策部長 都心部のまちづくりの中で、ファンドとか、どちらかというと、まちづくりというよりは商品とか経済とか、そういう視点が強まっているんじゃないかという指摘なんですけれども、東京は、「十年後の東京」が目標とする国際競争力を高める、国際競争力を高めるということのために快適で利便性の高い都市を実現することが必要であると、そんなふうに考えているわけです。そのために、先ほどから何回かいって恐縮なんですけれども、交通渋滞の解消につながる三環状道路の整備であるとか、都市再生緊急整備地域内における拠点開発、それから計画的な都市機能の整備更新を図るための都市再生は不可欠である、こんなふうに考えているわけです。そのために、先ほどから何回か説明しているかと思うんですけれども、民間プロジェクトの推進に当たって、緑のオープンスペース、それから風の道の確保、そういった環境に十分配慮した都市づくりを誘導しているわけです。
 東京を、国際競争力を高める、快適で利便性の高い都市を実現するというような魅力的な都市とするためにも、今後とも都市再生を積極的に推進してまいりたいと思います。

○植木委員 幾ら国際競争力だからといって無秩序ではだめなんですよ。私、都市計画というのは、本来、無秩序な開発を規制するというところから出発してきたと思うんですけれども、今はどちらかというと、今の答弁でもそうですし、ほとんど同じことを何回もいっているんです。都市再生とそれから促進、それ以外にないんです。(発言する者あり)いや、これ、本当に深刻なんだよ。これは都市整備局だからこそ、私は強くいわなきゃいけないと思っています。ほかの局にこれをいっても仕方ないんです。
 現にこの都心区の千代田、中央、港、新宿、渋谷、事業所ビルの集中度合いは大変ですよ。さっき千代田が七五%といいました。中央区は六十数%、港区は五割、新宿が約四割、渋谷も四割、事業所ビルの床面積が、住宅や工場も含めた全床面積のうち、それだけになっているんですよ。だからこそ、長期的な視野に立って都市計画については今きちっとゆがみを正す、そういう立場に立って都市再生の促進については見直す時期にかかってきているということを強く求めて、質問を終わりにします。

○村上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村上委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十五分散会

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