都市整備委員会速記録第八号

平成十九年六月七日(木曜日)
第六委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長秋田 一郎君
副委員長松下 玲子君
副委員長東野 秀平君
理事林田  武君
理事川井しげお君
理事柿沢 未途君
高倉 良生君
村松みえ子君
石森たかゆき君
吉田康一郎君
植木こうじ君
小沢 昌也君
こいそ 明君
立石 晴康君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長只腰 憲久君
次長泉本 和秀君
技監福島 七郎君
総務部長安藤  明君
都市づくり政策部長野本 孝三君
住宅政策推進部長松村 光庸君
都市基盤部長升 貴三男君
市街地整備部長宮村 光雄君
市街地建築部長金子 敏夫君
都営住宅経営部長小林 計代君
企画担当部長村尾 公一君
住宅政策担当部長瀬良 智機君
外かく環状道路担当部長遠藤 正宏君
民間開発担当部長座間  充君
多摩ニュータウン事業担当部長今井  光君
都市景観担当部長安井 順一君
建設推進担当部長山室 善博君
参事中山 正雄君
参事瀧本 裕之君
参事宇多田裕久君
参事庄司 貞夫君
参事小澤  弘君
参事並木 勝市君
参事清水 文夫君
参事荒川 達夫君

本日の会議に付した事件
 都市整備局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都営住宅条例等の一部を改正する条例
・東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例
・多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例
請願陳情の審査
(1)一九第二号 六町神社の早期移転計画撤回と六町エコプチテラス事業の継続に関する請願
(2)一九第五号 東京都住宅供給公社が設立目的に立ち戻り公共住宅の役割を果たすことに関する請願
(3)一八第一二四号 都営成城アパート建て替え計画に関する陳情
(4)一九第五号 「(仮称)スカパー東京メディアセンター」建設計画に関する陳情
(5)一九第一二号 都営住宅の収入超過者に係る家賃について特例措置を求める意見書提出に関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・平成十八年度東京都一般会計予算の繰越しについて
・平成十八年度東京都都営住宅等事業会計予算の繰越しについて
・平成十八年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算の繰越しについて
・平成十八年度東京都都市再開発事業会計予算の繰越しについて

○秋田委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○秋田委員長 会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び請願陳情の審査並びに報告事項の聴取を行いたいと思います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑を終了まで行いたいと思いますので、ご了承願います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動により、都市整備局長に只腰憲久君が就任されました。また、幹部職員に交代がありましたので、只腰局長からあいさつ並びに紹介があります。

○只腰都市整備局長 六月一日付で都市整備局長を拝命いたしました只腰憲久でございます。
 秋田委員長を初め委員の皆様には、当局の事務事業につきまして日ごろからご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
 都市整備局といたしましては、事務事業の適切かつ迅速な運営を図るとともに、安全で快適な都市づくりを進めるために一層の努力をいたす所存でございます。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、お手元の名簿に従いまして、異動のございました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 次長の泉本和秀でございます。住宅政策推進部長の松村光庸でございます。都市基盤部長の升貴三男でございます。外かく環状道路担当部長の遠藤正宏でございます。民間開発担当部長の座間充でございます。建設推進担当部長の山室善博でございます。連絡調整担当参事の中山正雄でございます。開発プロジェクト推進担当参事の瀧本裕之でございます。民間住宅施策推進担当参事の宇多田裕久でございます。経営改革担当参事の並木勝市でございます。営繕担当参事の荒川達夫でございます。
 以上でございます。
 なお、航空政策担当理事の河島均は、公務出張のため、本日の委員会を欠席させていただいております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○秋田委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○秋田委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○只腰都市整備局長 本日は、平成十九年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は条例案が四件でございます。
 お手元の資料1、平成十九年第二回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんください。
 まず、東京都営住宅条例等の一部を改正する条例案でございます。
 本条例は、都営住宅への暴力団員の入居等を制限するため、規定を整備するものでございます。
 次の東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございますが、租税特別措置法等の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 次の東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例案でございますが、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 次の多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例案でございますが、多摩ニュータウン整備事務所の移転に伴い、規定を整備するものでございます。
 私の説明は以上でございます。
 引き続き、詳細な内容につきまして、総務部長よりご説明をいたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○安藤総務部長 それでは、お手元の資料1、平成十九年第二回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
 三ページをお開き願います。
 まず、東京都営住宅条例等の一部を改正する条例案につきましてご説明申し上げます。
 1の改正の理由でございますが、都営住宅等の使用者資格に暴力団員でないこと等の規定を設ける必要があるため、整備するものでございます。
 2の条例案の概要でございますが、対象とする条例は、(1)に示しておりますとおり、東京都営住宅条例外五件でございます。
 (2)の改正内容でございますが、四ページにかけまして記載してございますので、順番に主な改正内容をご説明申し上げます。
 まず、〔1〕の使用者の資格でございますが、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に規定する暴力団員でないことを加えるものでございます。
 四ページをお開き願います。
 〔2〕の同居の許可でございますが、同居しようとする者が暴力団員であるときは、許可しないことを定めるものでございます。
 次に、〔3〕の使用の承継でございますが、使用を承継しようとする者またはその同居者が暴力団員であるときは、許可しないことを定めるものでございます。
 続きまして、〔4〕の明渡請求権でございますが、住宅を取得したとき及び暴力団員であることが判明したときは、明け渡しを請求することができることを定めるものでございます。
 次に、〔5〕の許可等に関する意見聴取でございますが、知事は、使用許可をしようとするとき、または同居する者を含む現に都営住宅を使用している者について、知事が特に必要であると認めるときは、暴力団員であるか否かについて警視総監の意見を聞くことができることを定めるものでございます。
 最後に、〔6〕の知事への意見でございますが、警視総監は、暴力団員に該当するか否かについて、知事に対し意見を述べることができることを定めるものでございます。
 五ページから三七ページにかけましては条例案文を、三九ページから七八ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
 次に、八一ページをお開き願います。東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例案でございます。
 1の改正の理由でございますが、所得税法等の一部を改正する法律の施行に伴う租税特別措置法の改正等に伴い、規定を整備するものでございます。
 2の条例案の概要でございますが、法律、政令の条項番号にずれが生じるため、条例で引用している条項番号を整理するものでございます。
 八三ページから八四ページにかけましては条例案文を、八五ページから九一ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
 次に、九五ページをお開き願います。東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例案でございます。
 1の改正の理由でございますが、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行による密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 2の条例案の概要でございますが、法律の条番号にずれが生じるため、条例で引用している条番号を整理するものでございます。
 九七ページに条例案文を、九九ページから一〇〇ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
 次に、一〇三ページをお開き願います。多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例案でございます。
 1の改正の理由でございますが、東京都多摩ニュータウン整備事務所の移転に伴い、規定を整備するものでございます。
 2の条例案の概要でございます。
 対象とする条例は(1)に示しておりますとおり、多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程外三件でございます。
 次に、(2)の改正内容でございますが、多摩ニュータウン整備事務所の移転に伴い、事務所の所在地の規定を改正するものでございます。
 一〇五ページに条例案文を、一〇七ページから一一三ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
 簡単ではございますが、以上で平成十九年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○秋田委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。

○植木委員 都営住宅における暴力団の入居問題に対して、他の自治体ではどのような対策を行っているのか。
 また、住民名簿の照会はどのように行っているのか、事例をお示しいただきたいと思います。
 それから、これまで具体的な事例がありましたら、それについても示していただきたいと思います。
 以上です。

○秋田委員長 ただいま植木委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、提出願います。

○秋田委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに、一九第二号、六町神社の早期移転計画撤回と六町エコプチテラス事業の継続に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○宮村市街地整備部長 それでは、私からご説明をさせていただきます。
 お手元の資料2、請願・陳情審査説明表の一ページをごらんいただきたいと存じます。整理番号1、一九第二号、六町神社の早期移転計画撤回と六町エコプチテラス事業の継続に関する請願についてご説明申し上げます。
 本件は、足立グリーンプロジェクトの代表である平田裕之さんほかから提出されたものでございます。
 請願の要旨は、区画整理事業の特例措置である六町神社の早期移転計画を撤回し、六町エコプチテラス事業の継続を認めていただきたいというものでございます。
 次に、現在の状況でございます。
 二ページの図面の右の方をちょっとごらんいただきたいんですが、位置でございます。足立区の東部で、つくばエクスプレスの六町駅の周辺でございます。
 では、状況でございますが、六町四丁目付近土地区画整理事業は、平成十年三月に事業計画を決定し、平成十三年二月に、関係権利者に対して換地の位置、形状を明らかにした換地設計案を発表いたしました。
 六町神社につきましては、二ページの下の図面に示してございますが、現在の位置は図の左下のハッチのかかっているところでございます。これを図面の右やや上の換地の位置に移転をするというものでございますが、神社の換地に隣接いたしまして、氏子二十四名が寄進する土地を集約するよう短冊状に換地を定めております。この換地設計案の発表の際に、あわせて全体の施行順序を、前期、中期、後期の三段階で示しており、六町神社は平成十七年度までに移転を予定する前期の区域に属しておりました。
 当地区では事業を促進するため、足立区が用地を先行取得しておりますが、このうち、六町神社の移転先となる区有地を暫定利用いたしまして、平成十四年十月、足立区が六町エコプチテラス事業を開始いたしました。当該事業は足立区プチテラス設置要綱に基づき実施するもので、足立区が区のまちづくり公社に管理を委託しております。請願者である足立グリーンプロジェクトは、まちづくり公社との協定に基づき、当地区の区画整理事業に支障のない範囲で、一年ごとの更新により、当該六町エコプチテラスの維持管理を行っております。
 その後、平成十八年六月、地権者の仮住まいの期間を極力短くするという観点から、地区全体の施行順序の見直しを行っております。しかし、六町神社の移転につきましては、仮住まいの必要がないことに加え、地元行事等の地域活動の拠点として一層の役割が期待できることなどから、既定の方針どおり早期に移転することで足立区など関係者と調整を進めているところでございます。
 なお、この間、平成十六年十二月には、当初予定しておりました六町神社の移転時期が近づく中で、六町神社の氏子代表三十二名から、早期移転の要望書が施行者に提出されており、権利者の代表で構成される当地区の土地区画整理審議会の委員からも、一致して早期移転の要望が出されております。
 また、六町神社の移転先として必要な範囲は、暫定利用している当該区有地の三分の一程度でございまして、残りの大部分は引き続き現状での使用が可能でございます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○秋田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○川井委員 この六町地区の区画整理事業は、まさにつくばエクスプレス六町駅を中心に都市計画道路や駅前広場等の公共施設を整備し、安全で快適な居住環境の形成を図るものであろうかと思っております。特にこの説明でもしていただいたとおり、平成十年の着手以来、現在約二〇%ぐらいの進捗率と聞いております。地元から一層の促進が期待されている事業だということもお聞きしております。
 こうした状況の中で、今回の請願について何点か質問をさせていただきたい。また、質問については、若干今の説明と重複するところがありますが、あえて一つずつ聞いて、確認をしていきたい、こう思っております。
 まず第一に、この六町神社の移転、この移転は、どういうことで必要なのかご説明をいただきたいと思います。

○宮村市街地整備部長 区画整理事業は、公共施設を整備し宅地の利用増進を図る事業でございまして、多くの宅地がその位置、形状を整えて再配置されることになります。ご質問の六町神社は、従前地の近くに幹線道路が新設されることとなるため、静かな環境を重視して、区画整理事業により神社創建の地付近に換地を定め、移転することといたしました。

○川井委員 そうしてみますと、今回の六町神社の移転というのは、区画整理事業の一環として行われるということでよろしいですね。--区画整理事業の一環として行われるということが今確認をされました。
 一方、今回の六町神社の移転では、氏子の方々がみずからの土地を寄進した、あるいはすると、こう聞いております。これは、自分の土地を提供するということは大変なことなんだろう、地域のためにという思いが非常に強く受け取られるのですが、その経緯は、どういう形の経緯の中で、そういう、地元の方々が土地を寄進してまでこの場所を広げたい、こういうことなのか、ご説明をお願いします。

○宮村市街地整備部長 ご質問の六町神社の現在の状況ですけれども、お手元の資料2の二ページにもございますように、面積が約三百五十平方メートルということで非常に境内地が手狭でございます。移転に合わせて境内地を拡張したいということでございますが、神社も区画整理事業を行いますと減歩を受けまして三百十平米ということでさらに狭くなるという中で、地域の皆さんから再建についてのさまざまな要望の調整の結果、氏子二十四名の方が所有する土地を、区画整理事業の手法を活用いたしまして換地設計上の特別な取り扱いを行い、神社に隣接いたしまして集約換地するものでございます。
 このお手元の資料2の二ページの、先ほどご説明した右の図面で、下の図面の右上の方の六町神社の換地の周りに細長く短冊状についていますのがその寄進される土地で、これを合わせて約八百平方メートルに広げるというものでございます。

○川井委員 通常、土地の問題というのは大変なことであって、地境なんていうのは五センチずれたって末代まで争いを起こす、こういうようなところを、みずからの土地を寄進してでも神社の境内を広げたい。これはやはり地域にとって大きな効果があるとかあるいは大きな思いを持っていることなんだろうと、こう理解するんですね。
 そこで、この集約換地をして境内を広げること、そのことによってどのような効果が期待されると考えておられますか。

○宮村市街地整備部長 現在の六町神社でございますが、現在も地域の子ども会や老人会、婦人会などの活動にもよく利用されております。また、私も現地に参りましたけれども、敷地の中に、狭い中で、例えば地元の消防団の倉庫だとかいろいろなものを設置して、地域の共有地というのが正確かどうかわかりませんけれども、そういったものとして地域の皆さんが使っておられるという場所だと思います。移転後は境内地が広がることによりまして、さらに町内の諸行事やイベント等に活用がされるということで、地域活動の拠点として一層の役割が期待されるというふうに考えております。

○川井委員 現在でも地域の子ども会、老人会、婦人会、こういう活動が頻繁であると。また、今消防団の器具倉庫ですか、機材倉庫、まさに防災、そういう意味では、今各地域、町会、自治会等で行われている防犯パトロールなんかも恐らくその拠点となる場所が欲しいんだろう、そういう場所にもなるんだろう、こう思うんですね。実はこの防犯パトロール、東京じゅうのあらゆる団体が協力してくれることによって、えらい防犯的には犯罪が減っております。そういうことを含めて、今回の移転により、この六町神社の境内の広がりが、地域活動の拠点として一層の役割が期待されることが今の説明でわかりました。
 しかしながら、一方では、今回の請願に目を通してみると、区画整理事業の一環である神社の移転により六町エコプチテラスの事業が継続できなくなっている、こういっているんですね。そこでここのところをちょっと聞いていきたいんだけれども、足立区と足立グリーンプロジェクトの間ではどのような協定が結ばれ、この事業が行われてきたのかお聞きをしたいと思います。

○宮村市街地整備部長 平成十四年十月、足立区が、六町神社の移転先ともなる区有地を暫定利用いたしまして六町エコプチテラス事業を開始いたしました。この事業は足立区が区のまちづくり公社に管理を委託しており、請願者である足立グリーンプロジェクトは、まちづくり公社との協定に基づき六町エコプチテラスの維持管理を行っております。
 当該協定書によりますと、事業内容は、ヒートアイランド対策としての緑化棚等の設置や、生ごみリサイクル推進のための農園を設置して、自主的な活動を展開するとともに、施設内の土地利用、運営並びに清掃、除草等を行うということでございます。
 また、協定の期間につきましては、区画整理事業に支障のない範囲で一年ごとに更新することとなっており、事業の終了に当たりましては、工作物等を完全撤去の上、原状復旧して返還するということになっております。

○川井委員 そうしますと、やはりこれは暫定的な利用であって、あくまで、今のご答弁からすると、土地区画整理事業に支障のない範囲での暫定的な利用なんだろう、そう思います。しかしながら、今回の六町神社の移転は区画整理事業の一環であることは間違いないわけですね。そうでしょう。

○宮村市街地整備部長 今ご質問のとおり、今回の六町神社の移転は区画整理事業の一環として実施するものでございます。

○川井委員 この土地はもともと区画整理事業をすべき地域であって、当然それが優先されるんだろう。だからこそ、ここにこうして足立区との契約は、土地区画整理事業に支障のない範囲でという一項があるんだ、しかも、それを担保するために単年度契約になっているということなんだろう、こう思います。協定書によれば、今の説明から、区画整理事業に支障がある場合は契約を更新しないということが明らかになったんだろう、こう思います。
 それで一方に、先ほどいうように、この請願を出した方々はこの事業が行われなくなってしまうということを危惧しているわけだけれども、そこでお聞きします。六町エコプチテラスのうち神社の移転により利用できなくなるのはどの程度なのか、そして事業全体に対してどのような影響があるのか、この事業が引き続き継続できなくなってしまうのか、そこら辺をお聞きしたい。

○宮村市街地整備部長 六町神社の移転先として使用いたしますのは、六町エコプチテラス事業として暫定利用しております区有地の三分の一程度でございます。利用できなくなるのは区民農園のような使われ方をしているエリアの一部でございまして、共同利用されておりますキーウイの棚とかビオトープ等、残りの大部分は引き続き現状と同様に使用が可能であると思われます。

○川井委員 そうしますと、このグリーンプロジェクト、六町エコプチテラスの事業というのは、残りの大部分は事業が継続できるんだ、こういうご説明ですね。そうなんだろうと思います。この六町神社の移転により影響があるのはまさに一部分であり、残りの大部分については事業の継続ができるのではないかと私はお聞きしました。
 また、区民農園にかわってできる六町神社、私の神社というイメージはやはり鎮守の森なんですよ。ですから、先ほどヒートアイランド等に貢献できるキーウイの棚とかなんとかいうご説明があったけれども、この区民農園にかわってできる六町神社には恐らく高木などが植栽されて、鎮守の森として本格的な緑が期待されるんじゃないだろうか。そうなってくると十年あるいは二十年たったときには、ある意味うっそうとした鎮守の森が期待されて、環境についてもヒートアイランドについても、大きな貢献ができるように私は考えるんですね。そんなことも期待しております。
 次に、当該用地は足立区の区画整理事業用地であり、六町神社を移転するに当たって足立区との調整が必要になってくるだろう、こう思っております。そこでお伺いをしますが、プチテラスの事業者であり、土地所有者である足立区との調整、足立区の意向はどうなっているのかお聞かせ願いたい。

○宮村市街地整備部長 足立区がこの土地を取得いたしましたのは、ご質問のとおり、そもそも区画整理事業の促進を図るためでございます。六町神社の移転につきましては、これまで進めてきた調整の中で、足立区としても早期移転の必要性を理解し、区画整理事業に協力する旨の意向を確認しております。

○川井委員 今幾つか、六点七質問ほどをしてきた。この中で以上のことを私が判断していくと、六町神社の移転によって大きな地域コミュニティの場を提供というかな、活動拠点、防災を初め防犯、あるいは子ども会、婦人会、あるいは老人会、そういう場所の提供ということで、それぞれの土地の寄進者というのか、寄附される方々も、本来なら身を切られるような思いでこの土地を提供するんだろう。こういう思いを考えると、この土地を提供する権利者の善意にこたえる、また、この計画自身が前期の計画、そういうことを考えると、早期移転を実現すべきと私は考えますが、どう考えておりますか。

○宮村市街地整備部長 土地を寄進する権利者の高齢化が進んでおりまして、相続などによる代がわりの可能性も考えられます。寄進地の集約換地による境内地拡大を確実に実現させるためにも、関係権利者の協力が得られる現時点での早期移転が重要と考えております。
 また、地元行事の開催など、地域活動の拠点としての役割を担う神社の移転を早期に実現し、多くの地権者がかかわる集約換地という懸案の一つが解決されることで、多くの地域住民の理解と協力が得られ、区画整理事業全体の促進につながるというふうに考えております。

○川井委員 これまでの質疑で明らかになったとおり、区画整理事業を促進するため、六町神社の早期移転、こういうことを私は重要なことであろうと思っております。
 それともう一点は、一部に趣旨採択というような声もうわさでは聞いているんですけれども、私は、議会人としての責任をしっかりと担って、中途半端な判断を委員会が下したならば、問題なんだろうと。今質疑をしながら議論を重ねてくると、この団体の方々も一部を除く大方のところで事業が継続できる、そしてこの神社を拡大して移転することによって、地域力の向上というか、地域のまさに活動の拠点が広がる、そういう期待、あるいは将来的環境にとって、鎮守の森というような形の中で、高木、緑がふえていく、こういうことを大いにバックアップするような方向で我々努めなければいかんだろうし、行政としてもその役割を果たしていくことなんだろう、私はそんなふうに思っております。そういうことからして、私は本請願は不採択とすべきものと考えております。
 以上で終わります。

○吉田委員 私からも、六町地区の土地区画整理事業について何点かお伺いをいたしてまいりたいと思います。
 若干、川井理事のご質問と重複する部分もあるかもしれませんが、論旨をきちんと明確にするという意味からも多少の重複をご容赦いただければとも思います。
 まず最初に、この六町地区の土地区画整理事業について、この目的と施行の順序、これについてお伺いいたします。

○宮村市街地整備部長 六町地区の区画整理事業は、つくばエクスプレスの導入空間を確保し、新駅を中心とした地域の拠点の形成を図ることなどを主な目的として施行しております。具体的には、六町駅周辺に商業、業務機能を導入するなど土地利用状況を再編し、同時に都市計画道路や公園等の都市基盤を整備し、良好な住環境を備えた利便性の高い市街地の形成を図ることとしております。
 また、施行順序につきましては、平成十三年二月に換地の位置、形状を発表した際に、あわせて地区全体を前期、中期、後期に区分してお示しをいたしました。その後、十八年六月に、仮住まい期間をできるだけ短縮する観点から地区全体の施行手順を見直し、平成二十二年度までに移転する予定の区域及び二十三年度以降に移転を予定する区域を、AからEの五ブロックに区分してお示しをいたしたところでございます。

○吉田委員 わかりました。
 それでは次に、今回の請願者でございます足立のグリーンプロジェクトのやっておられる六町エコプチテラス事業とはどういう事業なのか、また、この事業がどのような経緯で始まったのかをお伺いいたします。

○宮村市街地整備部長 六町エコプチテラス事業は、先ほどもご答弁いたしましたが、平成十四年十月、都市緑化の推進などを目的といたしまして、足立区が区画整理事業のために取得した土地を暫定利用して始めた事業でございます。
 足立区は当該事業を区のまちづくり公社に委託しており、請願者である足立グリーンプロジェクトは、まちづくり公社との協定に基づきまして六町エコプチテラスの維持管理を行っております。
 なお、六町エコプチテラス事業が開始されました平成十四年十月において、前年二月に発表した換地設計によりまして、当該地が六町神社の移転先となっているということは既に知られておりました。また、この六町エコプチテラス事業は、区画整理事業の施行者に事前の相談はなく始められたものでございます。

○吉田委員 今のご答弁は、このエコプチテラス事業が、初めに協定が結ばれる当初からここが将来六町神社の土地になるということがきちんと公表はされていたということと、それからこの施行者である東京都に事前には連絡、相談なく、足立区とそれからこの足立グリーンプロジェクトの方々で協定を結んで、都は後からそれを知ったんだということだというふうに理解をいたしました。
 続きまして、この六町エコプチテラス事業というのは、国土交通省の認可の団体でございます財団法人都市みらい推進機構が主催をする、平成十八年度土地活用モデル大賞で審査委員長賞を獲得した、あるいはNHKで放映された「難問解決!ご近所の底力」、これはなかなか視聴率がある番組でございますが、この番組のヒートアイランド現象への対策を考える「我慢できない!夏の猛暑」という回において、これは二〇〇四年八月五日に初めの放送、そして二〇〇五年七月二十八日に再放送された、二度にわたって放送されたという番組でございますが、この中において、この分野の学識経験者でございます首都大学東京の三上岳彦教授による測定と分析なども含めて、このエコプチテラス事業というのがヒートアイランド対策、その他地域コミュニティづくりに大変に大きな成果が上がった事業だという評価を得ているという事実がございます。
 これは基本的には足立区の行っている事業ではございますが、このような実績を上げているこの事業について、東京都はどのように認識を持っておられるのかお伺いいたします。

○宮村市街地整備部長 六町エコプチテラス事業が緑化推進を行ってきたことにつきまして、土地活用モデル大賞で審査委員長賞を受賞したことについては承知をしておりますが、これはあくまでも区が取得いたしました区画整理事業用地を暫定活用したことによる受賞であるというふうに理解をしております。

○吉田委員 次に、今回六町神社の移転、これは当初の計画がどういう計画であったかも含めて、早期に移転することになったという認識があって、今回の請願が出ておるわけでございますが、この早期に移転をすることとなった理由についてお伺いをいたします。

○宮村市街地整備部長 土地の寄進を受けることで神社の敷地が広がり、地域活動の拠点として一層の役割が期待できることや、氏子代表及び地権者の代表で構成される審議会委員から早期移転の要望が出されていることなどを理由に、六町神社を早期に移転するものでございます。
 なお、平成十三年に施行順序を発表した時点では、六町神社付近は十七年度までに移転を予定している区域に属しておりました。その後、平成十八年に見直した施行順序をおおむねの目安として示しましたが、それまでと同様、ほかにもあるわけですが、周囲の条件によってはこの順序にとらわれず部分的な移転の可能性があることをあわせてお知らせをしております。

○吉田委員 これに関連しまして、六町神社以外にも移転時期を早めるというような例外的な部分的な移転というか、ピンポイントの移転というか、例外的な扱いをした事例はほかにあるのかどうかお伺いをいたします。

○宮村市街地整備部長 主なものとしましては、六町地区の区画整理施行地区内では、これまでに二階建て街区及び共同住宅街区にそれぞれ希望する権利者の換地を集約しており、いずれも従前地付近の移転時期にかかわらず、早期に移転をしております。

○吉田委員 いろいろと経緯がわかってまいりました。
 では、このいろいろの六町神社の例外的な扱いをしたというか早期の移転、これについて、今回の請願者でございます足立グリーンプロジェクト、こちらへの説明の経緯、どのようなご説明をされてきたのか、こういうことについてお伺いいたします。

○宮村市街地整備部長 これまで六町エコプチテラス事業につきましては、事業者であり土地所有者でもある足立区に対して説明を行うなど、地元区への対応を基本としてまいりました。また、区のまちづくり公社との協定によれば、プチテラス事業は区画整理事業の支障にならない範囲で一年ごとに更新することとなっております。このため、六町神社の移転につきましては、本年十月の協定更新時期を念頭に置きまして、昨年十二月に説明を行ったところでございます。

○吉田委員 十二月に説明をされたということでありますが、いろいろの経緯等について、請願者の方々には少なくともいろいろな情報がきちんと伝わっていなかった、こういうことがあると思います。
 まず、この平成十三年の段階で、神社周辺は十七年度までに移転するという予定であった。こういうことについて、都は、区にはあるいは関係者には説明をしていたかもしれませんけれども、少なくとも私がお聞きをした範囲では、この請願者の方々にはこれは認識がされておりませんでした。
 そしてさらに、この平成十八年六月の施行順序の見直し、この六町神社の換地後の移転地、ここはCとDブロックというところに入るところであるかと思いますけれども、ここは平成二十三年度以降に実施をする予定のところ、しかし、この神社に関してだけは早目に移転をするんだと内々に考えていたというような意向についても、これはきちんと周辺の住民の方あるいはこの請願者の方々にはきちんとご説明もなかった、このように認識をしております。
 そしてさらに、十二月等に説明をされたということでございますけれども、非常にこの説明が、都と区とで説明が、あるいは説明の前提となるこのプチテラス事業への評価、認識、こういうものが大きく異なっている上に、都の現場の説明が不誠実かつ事業の意義を全く認めてくれていない、このようにこの事業を行っている方々から受けとめられているということも、これは事実であって、そのためにこういう請願が出てきているんだろうと思います。
 私自身は、もちろんこの神社、これが、地域における役割、私自身もみこしを担いだりいろいろの地域活動をさせていただいております。神社の境内でいろいろな催し物がされている、それが地域活動の大変重要なコアとなっている、あるいは地域の方々の心のよりどころとなっている、これは大変に大切なことだ、このように思っている一人であります。しかし、それと同時に、このプチテラス事業を行っていらっしゃる方々、この方々が暫定的な土地利用の中でやっていらっしゃる活動の内容、そしてそれをやっていただいている中での思い、これもまた大変に大切な活動をしていただいているんだな、このようにも認識をいたしております。
 日本では余り有名ではありませんけれども、コミュニティガーデン、こういう考え方、例えばイギリス、あるいはドイツではこれがクラインガルテン、あるいはオランダではホルクスガルテンというんでしょうかね、あるいはスウェーデン、デンマーク、フランス、さまざまな地域において、業としての農業ではなくて、都市生活者の人たちがみずから農園あるいは環境活動をすることによって、地域コミュニティ、こういうものを、また神社に集うのとは別な形で形成をしていく。そして良好な景観を形成、維持していく。そしてヒートアイランド現象、そういうものを緩和していく。あるいはここの場合は生ごみの削減、こういうようなことにも効果を持っている。そして食べ物も含めた環境教育、こういう場にもなっている。そしてさまざまな立場の方々の居場所づくりにもなっている。そして防災機能も果たしている。さまざまなメリットがあることで、諸外国ではこのコミュニティガーデンという活動は、国を挙げていろいろと支援をしながらやっている、こういう活動でありまして、そのために先ほど申し上げたような表彰をされたり、あるいは公共放送が、すばらしい活動だ、このように評価をして全国に二度にわたって放送する、こういうことでございます。
 そういう意義を東京都としても多分きちんと認めているからこそ、東京都あるいは都市整備局としても、平成十二年の十二月には緑の東京計画、あるいは平成十八年の一月にはみどりの新戦略ガイドライン、こういうものを策定をされまして、都だけではなくて、区市町村ともあるいは地域住民ともNPO等とも協力をしながら、緑をふやしていくんだ、こういう活動を一生懸命にやっていただいている。そして石原知事は今般の「十年後の東京」、こういう中においても、新たに千ヘクタールぐらいの緑をふやして東京を緑あふれる都市にしていかなければいけないんだ、こういう東京都の思いと、今このエコプチテラスの方々が一生懸命に活動されている内容というのは、まさしく同じ目的のために頑張っていただいているわけでありまして、東京都はきちんとこの方々の活動を評価した上で、しかし、神社、こういうこともとても大切だな、こういう丁寧なご説明をきちんとしていただかなければならない、このように思う次第でございます。
 これまでのいろいろと東京都の担当の部局の方々とやりとりをさせていただいた中で、この本庁のご担当の方々は大変にそういう思いを持っていらっしゃる。もちろん現場でも持っていらっしゃるんでしょうけれども、その思いがこの請願をされた方々に、はっきりいえば全然届いていない。もうちょっときちんとした丁寧な説明を、東京都は足立区とともにしなければいけないと思います。
 これはテープ起こしをしたわけではありませんので、表現は不正確かもしれませんけれども、東京都のご担当の方が、この場所を神社移転のためにあけてくれというご説明をする中で、ここは空き地なのでというご説明をされていたところ、足立区のまちづくり公社の方々はそれを遮ってというか、それに対して、ここは足立区プチテラス設置要綱に基づく区の公共施設です、ただの空き地もしくは近隣住民が自分たちの楽しみで畑をやっているというようなところであれば公務員である我々が支援することはありません、ここは協働の先進事例であって極めて公共性の高い公共施設だと認識しているんです、このようにご説明もされている、こういう事業であります。きちんとしたご説明とプロセスがあれば、私は今回の早期移転撤回、このような形ではなくて、皆様が--もちろん神社も大事です、そしてこういう環境コミュニティガーデン、こういうことも、これはもうただ物をつくればできるということではなくて、営々と皆様が集って時間と労力をかけて、そしてつくっていかなければ維持できないボランタリーな活動であります。この両方が両立するような、両立したいなという気に地域の合意がとれるようなご説明がなかったことを大変残念に私は思っております。
 そういう意味におきまして、このエコプチテラスの事業の意義を、東京都都市整備局としてはどういうふうに理解しているのか。
 先ほど申し上げた、緑の東京計画やみどりの新戦略ガイドライン、あるいは知事の緑をふやそうという方針、こういうことについて、あるいはそれをここに落とし込むとどのようなご見解になるのか、この二点についてお伺いをいたします。

○升都市基盤部長 緑の倍増ということのご質問について、まずお答えをさせていただきます。
 東京都の計画に矛盾するのではないかということだと思いますが、都市における緑化の推進というものは、先ほどの議論の中でも新たな緑の創出も起こるというお話もございました。そういうようなさまざまなまちづくりの中で、創意工夫をしながらつくっていくものだというふうに私ども考えております。東京都としても、「十年後の東京」に示したように新たな目標等も示しております。そういう中で努力をしているところでございます。
 ただし、今回、そのような具体的な展開ということに対しては、それぞれの地域の特色というものや事業の特性というものを踏まえて、総合的にバランスをとって取り組むことが大切だというふうに認識しておるところでございます。

○宮村市街地整備部長 六町エコプチテラスにかかわる説明について答弁をさせていただきます。
 先ほども答弁をいたしましたけれども、基本的にはこの事業については、区画整理事業を実施する上でのさまざまな説明を行ってきた経過としましては、権利者である、土地の所有者である足立区に対して説明をして、それが基本だというふうに考えております。ただ、もちろん区から要請もありましたので、このグリーンプロジェクトの方とも会って、現場の方で説明をしております。ただ、確かに十分納得されなかったかもしれませんが、説明をしていないとか、そういうことはございません。
 これも最初、先ほどのやりとりの中でありましたけれども、私どもはこのエコプチテラス事業が始まる時点では承知していなかったわけですが、後で活動が始まってから聞いたわけです。その時点で、将来いろいろ問題にならないように、心配だったですから、区とも話をしましたけれども、足立区の方では、基本的には一年契約で、必要なときには更新ができるというご説明を受けましたので、私どもはそういうことで理解をしていました。したがって、昨年十二月にご説明をした際も、そういう反応があるというのは、現実、現場としてはびっくりしたのかなという気もしますけれども、いずれにしても、ご理解いただくような努力はその後もいろいろ文書のやりとりの中でしたり、接するところでしたりということでやってきたつもりではございます。
 基本はあくまでも足立区だというふうな立場で改めてお話を申し上げて、私の答弁を終わります。

○吉田委員 ありがとうございます。
 再確認というか、お聞きをしたいんですけれども、これまでのご説明ということが不十分であったという、あるいはきちんと納得いくような形でのご説明でなかったということでございますので、今後とも引き続き丁寧に足立区と協力してご説明をいただきたい。(発言する者あり)
 そして、これは都市整備局ではなくて環境局の所管かもしれませんけれども、環境局の方では、東京都環境基本計画、それから新戦略プログラムというものを策定して公表している中で、まちのすき間緑化プロジェクトにおいて、自治体や公社、NPO、こういう方々とともに連携をして、そして土地の所有者、使用者、あるいは緑化の実施の主体、こういう方と連携をして、すき間のような土地あるいは暫定的に利用する土地、こういうところの緑化を進めていくんだ、環境局の方では一生懸命にこういう活動もされているわけであります。ぜひ、この一般的な方針だけでなくて、ここも大変に意義ある活動をされている、営々と活動されてきた方々が、自分たちの活動は全然意義を、東京都という自分たちの自治体が評価してくれていなかったんだということのないように、きちんと彼らが引き続き高いモラル、そういうものを持って、例えば残地の部分だけでもぜひやってください、こういうようなことを東京都の側としていうべきであろう、このように要望申し上げて、私として、そしてこの請願者の方々の思い、この趣旨を採択すべきである、このように意見を申し述べて質問を終わらせていただきます。

○宮村市街地整備部長 ちょっと補足をさせていただきます。
 説明が不十分だというふうなお受け取りをされたようですが、私どもとしてはきちんと説明すべきことはしたというふうに認識しております。それが一点です。(発言する者あり)

○秋田委員長 ご静粛にお願いします。

○宮村市街地整備部長 もう一つは、さっきもちょっと申し上げましたけれども、この事業そのものは区の公社とその団体が協定を結んで行っておりますし、その協定自体の中ではっきりと区画整理事業に支障のない範囲で行うということがうたってありますので、そこを私どもとしては理解して、区ときちんとお話をしてきたというつもりでございます。

○東野委員 私の方から四点にわたって質問をさせていただきます。
 内容に関して、今の民主党さんの質問と重複する部分、どうしても丁寧な質問をさせていただく限りにおいて、そういう重複する部分が出てくることをお許しいただきたいというふうに思います。
 足立区六町エコプチテラスの存続を求める本請願が提出されることになった経緯に照らし、我が党は、善意の緑化ボランティア団体、それと区画整理事業の迅速な執行をもって都民生活の利便性の向上を図ろうとする東京都とのボタンのかけ違い、これが発生した貴重な教訓として、このような事態が二度と繰り返されないように願うものであります。その立場から何点か質問したいと思います。
 初めに、事実関係について確認します。
 まず、請願を提出した団体の性格についてであります。六町エコプチテラスは、都施行の区画整理事業施行地区内にある足立区所有の土地において、足立区が実施している事業であり、当該ボランティア団体は区が定めるプチテラス設置要綱、何回も出てきていますが、それに基づいて財団法人の足立区まちづくり公社と管理協定書を締結して、区画整理事業上の遊休地である当該地を使って緑化事業を営んでいます。
 都市緑化の推進などを目的とするプチテラス設置要綱に基づく緑地は全部で九十八あり、ほとんどが町会などによって運営されており、当該団体のような公益的なボランティア団体によって営まれるプチテラスは一カ所であります。協定書は毎年度、区画整理事業に支障を来さない範囲で更新していくシステム、このようになっています。
 次に、六町地区の区画整理事業の進捗状況についてであります。
 去る平成十八年六月二十九日付で、区画整理上の施行順序の見直しが行われました。その結果、全体の約八〇%に当たる残余地域について、平成十八、十九、二十、二十一、二十二の五カ年間に区画整理事業が行われる当面の施行予定地域と、平成二十三年度以降に順に取り組むAからEの五ブロックとに分けられたわけでございます。その中で、六町エコプチテラスはC地区とD地区にまたがる位置づけで、六町エコプチテラス地域の取り組みの開始時期は少なくとも十年後になる、こういうふうに見込まれておりました。
 一方、今回の施行順序の見直しに当たっては、都は、こうした地域別の取り組み順の整理とは別に部分的に小規模な範囲において工事を行う場合があります、このように住民に周知しています。
 続いて、六町神社の早期移転に関する当該ボランティア団体への連絡状況であります。
 平成十八年の十二月十一日に、足立区から、当該ボランティア団体に、都が神社の移転を決めてしまったので、私たちとしてはどうしようもない、都と直接話し合ってほしいとの趣旨の説明があり、この時点で初めて神社の早期移転がボランティアの知ることとなりました。続く十二月十四日に、都の担当者が六町エコプチテラスに出向き、この場所は足立区が所有する空き地であり審議会と氏子有志の要望があるからここに神社の移転を検討したいとの趣旨で説明を行い、その場での質疑内容を回答書として提出するようボランティア団体から都に対して依頼があり、都の担当者からは一カ月をめどに提出する旨の約束がありました。
 最後に、ボランティアの質問に対する回答の経緯についてでありますが、審議会で直接説明する機会を設けてほしい旨の要望に対し、平成十九年の一月三十一日に、都の担当者からボランティア団体の代表者に電話があり、審議会で説明してほしいと申し入れたところ、団体の代表者からは先に回答書が欲しいと回答。質問書の提出後二カ月半を経て、この二月、請願の提出がなされました。
 一方、請願の受理の後、都は、四月二十六日付で回答書を送付。さらに、相手方の折衝の中で五月十一日付で再質問書が提出され、五月三十一日付で回答していると伺っております。
 そこで、重なりますが、六町神社の早期移転を行う理由について改めて確認させていただきたいと思います。

○宮村市街地整備部長 神社の早期移転を行う理由は、第一に、神社の換地に隣接いたしまして二十四名の地権者が寄進する土地を集約換地していることから、相続などによる代がわりが発生する前に移転する必要があり、また、境内地の拡大によって地域の活動の場としての役割も期待できること、第二に、神社の移転先は区画整理事業を促進するために足立区が取得した区画整理事業用地であり、ほかの地権者の仮住まいを生じることなく神社の移転が可能であること、第三に、神社氏子から早期移転の要望書が提出されており、また、地権者の代表で構成する区画整理審議会の委員からも一致して早期移転の要望が出されていること、以上のことから、区画整理事業の一環として神社を早期に移転し、事業の促進を図るものでございます。

○東野委員 わかりました。これまで述べてきました以上の事実確認に基づくならば、ボランティア団体としては、平成十八年六月以降は、区画整理事業の進展に伴う六町エコプチテラスの終了はまだ十年以上も先の話として理解し、その心づもりのまま平成十八年の十二月を迎え、ボランティア活動が今後も維持発展、継続できるよう準備していたもの、このように思われるわけでございます。また、見直し前においても、区画整理事業の進展がおくれていた、こういった状況もあり、見直し後に設定された時期ぐらいまではおくれるという、そういう観測が地元関係者にも生まれていたのであろうという事情も酌み取れるわけでございます。
 一方、六町神社の早期移転は、区画整理事業の施行順序の見直しを周知する平成十八年六月二十九日付のお知らせに記載された、部分的に小規模な範囲において工事を行う場合がありますとの記述が根拠となったものというふうに思われます。
 そこでお尋ねするわけですけれども、今回のように地域全体に周知された取り組み順序と異なる例外的な取り組みを行う場合、周辺関係者への事前の説明の有無、また、説明の対象にボランティア団体を含むものであるのかどうか、従前の取り扱いと今回の対応についてお伺いしたいと思います。

○宮村市街地整備部長 これまでも希望者の換地を集約した共同住宅街区や二階建て街区の事例がございますが、いずれも従前地のエリアの移転時期を待たずに早期移転を実施しております。これらの事例では、関係権利者に十分説明して理解を得てまいりました。
 今回の神社の移転につきましても、足立区を含め関係権利者とは必要な調整を図ってきております。
 なお、六町エコプチテラス事業につきましては、足立グリーンプロジェクトが足立区まちづくり公社との協定により、区有地を暫定利用し維持管理を行っており、区画整理事業の必要があれば撤去すると協定で規定されていることから、施行者といたしましては、土地所有者であり、またプチテラスの事業者でもある足立区への対応を基本としてまいりました。神社の移転につきましては、本年十月の契約更新時期に先立ちまして、昨年十二月に前もって説明を行ったところでございます。

○東野委員 都の区画整理事業は、都民に対し、より快適で利便性の高いハード面での居住条件を提供するためのものであり、決して都の都合などで行われるものではありません。と同時に、その目的を果たすためには、区画整理予定地で生活や事業を営む都民の現実の利益をでき得る限り尊重しながら事業を進めなければならず、そのために換地計画の決定や補償交渉の進捗というのは困難をきわめるわけでございます。特にこの六町地区においては、区の学校再編計画、また、つくばエクスプレスの新駅建設、環状七号線へのアクセス道路の新設、近くを流れる綾瀬川への新しい横断橋の建設、さらには地元住民の個々の換地希望へのでき得る限りの対応など、他に例を見ないほど、普通でさえ困難な区画整理事業をさらに困難にする地元課題に積極的に対応してきており、全国の区画整理事業の模範ともいえる先進的な取り組みを示してまいりました。それだけに六町地区の区画整理事業はなかなか順調に進展しない状況にありました。そこで事業の一日も早い完成を望む地元住民の強い要望にこたえるために、事業計画のてこ入れともいえる見直しを図ったのが、さきの平成十八年六月二十九日付の施行順序の見直しであり六町神社の早期移転である、このように理解するわけであります。
 以上のことから、区画整理事業の進捗を図る、そのためには本請願を採択するのは非常に難しいと考えるわけでございます。
 一方、緑化事業に限らず、自治体とボランティアとの協働はもはや常識ともいえる広がりを見せています。区画整理事業においてこそ、都はこれまでのところボランティアとの連携の経験は薄かったでありましょうが、ニート、フリーター対策、キャリア教育、環境事業、防犯治安対策、災害救助問題などの分野では、区市町村を経由してだけでなく、都みずからボランティアの特性を評価し、その活動の効率化を図る施策を打ち出すことによって、問題の解決に取り組んでいます。
 従来、区画整理事業に伴う交渉事に当たっては、地権者や借地借家人、事業者など、ほかに対抗できる法律的権利を有する存在をその対象としてきたわけでございます。しかし、さきに指摘しましたように、ボランティアと自治体等との協働が日常化している現在においては、そうした団体との密接な情報交換、理解を得る取り組みも重要になってきているというふうに考えるわけでございます。
 今回のケースでは、ボランティアはその性質上も、また法的にも、換地、補償などの対価的な約束を示す必要のない存在であるわけでございます。現に本請願を提出しているグループはそのような金銭的な対価は一切求めていません。けれども、ボランティアは一人一人の構成員の自発的な取り組みによって運営されるものであり、そのつながりは極めて精神的、心理的なものであります。それだけに企業などと異なり、上意下達的な組織体質ではなく、また、リーダーの独断専行で物事を決められるものではなく、ボランティアの中心者の方々の運営に際する苦労というのは並大抵のものではないというふうに思います。したがって、換地、補償などの金銭的対価を検討する必要のないものの、少なくとも事前の丁寧な説明や情報提供といった点は、都が直接行うか、または第三者を介して行うにしても、特に綿密に時間をかけて行う必要があるというふうに考えるわけでございます。
 現に六町神社の早期移転に際しては、地権者であり六町神社の氏子でもあり審議会の委員であった人々とかなり早い時期から交渉を重ねてきたはずであり、そうであるからこそ六町神社の早期移転のアイデアも生まれたものと推測されます。そうした過程の中で、早い段階から六町エコプチテラスを運営するボランティアと接触し相談を持ちかけていたら、現在のような感情的対立は生まれていなかったものというふうに思われます。仮に六町神社の早期移転が周辺地権者の理解を得て区画整理事業の進捗を図るためには必要やむを得ない判断だとしても、事前の相談、積極的な情報提供という点において、地権者や借地借家人に対する取り扱いと、現にそこで活動を展開するボランティア団体などへの対応とでは温度差があった、この点が今回のボタンのかけ違いを招いた原因の一つであったというふうに考えるわけでございます。
 こうした経験は今後の都の区画整理事業の円滑な推進を図るために重要な教訓であります。今後、都は従来からの地権者等を対象とした取り組みに加えて、区画整理事業施行地区内を舞台として活動するボランティアなどの存在への丁寧な対応も加えるべきである、このように考えます。そのために区市とも積極的に連携して情報の収集に努め、場合によっては積極的に区画整理事業への理解を深めるための折衝、説明に努めるべきと考えますが、所見を伺います。

○宮村市街地整備部長 区画整理事業は関係者の理解を得て進めることが大切でございます。必要に応じて地域で活動するボランティア団体についても丁寧な説明をする等、地元自治体とも連携し、適切な対応に努めてまいります。

○東野委員 最後に、緑化事業の重要性についての認識について質問したいと思います。
 六町エコプチテラスの活動は、先ほどありましたNHKの「ご近所の底力」でも取り上げられ、周辺住宅地よりも気温を一度から三度引き下げる効果があったと紹介されています。また、年間来園者は九千人を超え、海外からもエコボランティアのメッカとして注目を集め、アメリカ、ニュージーランド、オセアニアなどからの訪問者もあります。都市農業としても年間一万一千個のキーウイを実らせるなど、成果を上げています。そして周辺の保育園などと連携してコロッケ畑オーナー制度を設けて食育に貢献したり、キアゲハ救出大作戦など、遊びと環境をマッチングさせた環境教育にも貢献したりするなどして、平成十八年十月には財団法人の都市みらい推進機構が主催する土地活用モデル大賞において審査委員長賞を受賞しています。そうしたすばらしい成果を上げているボランティアの活動は、読売、毎日、産経など各紙に取り上げられたほか、「ご近所の底力」など四回のテレビ番組で全国に紹介されています。
 こうした住民主体の緑化事業の取り組みは、地元足立区に貢献しているだけではなく、「十年後の東京」プランの中で一千ヘクタールの新しい緑地の創出を求める東京都にとっても重要であるわけでございます。事実、都においても、平成十五年の予算特別委員会で我が党の織田拓郎議員が、民間の遊休地を活用して公園の緑地を確保していくことに関して都の見解を求めたところ、都市計画局長は、「民間の樹林地等につきましては、税負担が軽減される市民緑地制度を活用いたしまして、土地所有者から無償で借り受けて緑地として公開するなど、緑の保全、創出を図ってまいります」と答弁しています。
 また、平成十六年第四回定例会の一般質問で、自民党の近藤やよい議員が、暫定的に遊休地となっている区画整理事業用地について、雑草除去などがかさむ中、NPOなどにエコ農園などの目的で一定の条件のもとで提供することを質問した際、都市整備局長は、「お話のような都の行政目的に沿う暫定利用につきましては、今後、事業に支障のない範囲で、有償を前提に民間団体への活用も検討してまいります」と答弁しています。
 あくまでも区画整理事業の進展に支障を来さない範囲で取り組まれるという制約はあるけれども、緑化にボランティアで取り組んでくださっている住民の皆さんの多年にわたる努力には、最大限の敬意を持って臨むべきであります。
 ボランティアの皆さんも、区画整理事業と遊休地の緑化ボランティアの両立という新しい試みの中で、区画整理事業の進展の中で六町エコプチテラスの終了を迎えるときには、円満な終了と土地の引き渡しを願っていたはずであります。円満な事業の終了こそが、また別の遊休地における良好な緑化事業の進展につながるからであります。それがなぜ感情的対立に発展してしまったのか。その理由の一つは、先ほど指摘したように、大勢の自発的な意思によって推進されるボランティア事業の特質を都が十分理解していなかった。それが地権者等への配慮に比較すると余りにも隔たりのあった情報提供や事前の相談の差となってあらわれ、数カ月にもわたって質問書に対する回答がおくれるという結果になってあらわれているわけでございます。
 あわせてもう一つの理由は、この緑化事業自体の重要性への認識の薄さにあったものと考えます。それが、六町エコプチテラスを単なる空き地と表現した都の担当者の言葉となってあらわれ、ボランティアの皆さんの反発を招いたのであります。
 都は、六町神社の早期移転後も、現在の六町エコプチテラスの三分の二の敷地は残り、そこでボランティア事業は継続できると説明したそうでありますけれども、感情がこじれてしまった今、どうやら継続は難しいようであります。都民生活の質的向上のために欠かすことのできない区画整理事業の推進と、緑化に貢献してくださるボランティアの皆様との両立を願う立場から、まことに残念であります。
 そこで、今回の出来事が緑化ボランティアと東京都の区画整理事業との永遠の仲たがいのきっかけにならないように願う立場から、今後さらに都が施行する区画整理事業施行地区内の遊休地において、ボランティア団体や地元自治体等から緑化事業の申し出があった場合には、今回の教訓を生かし、都市整備局としても、都市環境上また緑化の重要性の観点から、できる限りの誠意を持って前向きに検討すべきであると考えます。ボランティアによる緑化推進への認識を含め、今後の区画整理事業と緑化事業の両立に関する決意を伺いまして、質問を終わりたいと思います。

○宮村市街地整備部長 東京都といたしましても、景観や環境面から緑をふやす取り組みは重要なものと認識しており、六町地区の区画整理事業におきましても、新たに設置する七カ所の公園、緑地での緑化や道路緑化の充実を図るなど、緑の都市づくりに積極的に取り組んでいくこととしております。
 ご質問にある区画整理事業施行地区内の遊休地の件でございますが、区画整理事業のために先行取得した土地でございますので、事業を促進する観点から使用していくというのが基本でございます。ご質問にありましたかつての局長答弁を踏まえながら、地域の実情などケース・バイ・ケースで対応してまいりたいというふうに考えております--踏まえながらというのは、もとにしてというふうに直させてください。

○植木委員 既に各分野といいましょうか、区画整理事業の経緯、それからエコプチテラス事業の推移、それから区画整理事業を進める側と利用するボランティアの方々との関係とかいろいろこれまで質疑がありました。ですから、私はごくごく基本的な点に絞って質問をさせていただきたいというふうに思っているんですが。その前提として、今度の問題を私もいろいろ考えてみましたけれども、それぞれ単独で見ますと、なかなか事業というのはそれぞれの意味合いがあって、このエコプチテラス事業の運動をやっていらっしゃる方々からビデオも見させていただきましたし、それからホームページも見させていただきました。それで緑地を活用した環境に対する取り組み、コンポストあるいはキーウイを使ってヒートアイランド対策を進める、清掃事業、そういったさまざまな多岐にわたった仕事をしている。それ単独で見れば、当然私どもも大賛成であり、もともとヒートアイランド対策や環境対策をずっと進めてきた立場として、こういうものというのは非常にいいものだというふうに私たち思っています。
 ただ、問題なのは、この土地、今回議論になっている土地が、土地区画整理事業という一つの目的のある土地であるところに問題が大きくなってきているというふうに思うんですね。もしこれがもっと足立区自身が裁量でできるものであれば、当然、足立区が始めた事業として違った形ができる可能性というのはあるんだろうと思うんですけれども、しかし、ここは土地区画整理事業として進められてきた。もうその点についてはこれまでたくさん質問がありましたから、細かい点は省きますけれども、いずれにいたしましても、エコプチテラス事業をやってきた方々のこれまでの経過、それから土地区画整理事業を進めてこられてきた行政側だけじゃなくて住民の皆さんとの関係、いろいろ経過があって、今回は六町神社ということですけれども、やはり住民の長い間の取り組みの中でのいわば生活にかかわる問題というのもこの中にはあるというふうに私は思っています。
 そこでちょっと伺いますが、この六町地区の土地区画整理事業、もともとは地元への提案というのは、どのような規模で減歩率はどのくらいだったのでしょうか。もともとの計画についてお示しください。

○宮村市街地整備部長 六町地区の土地区画整理事業の当初地元へ提案した計画案では、事業の施行面積は現在と同じく約六十九ヘクタール、平均減歩率は約二二%となっておりました。

○植木委員 規模は変わらないけれども、減歩率は二二%だったと。当時のことを私、地元の渡辺都議からいろいろお話を聞きましたが、減歩率二二%という点では、とても大変だ、小さな区画の住民の皆さんにとってはこれではとても賛成できない、こういう声も当時あったそうです。この提案は結局事業として実らなかった。白紙になったわけですね。それでその後、一定の期間を経て今回の提案になったというふうに聞いておりますけれども、今日の事業に至るまでの、住民の皆さんがどのようにかかわってきたのか、この点についてお聞きしたいんですが、協議会や審議会とかいろいろやられたんだと思うんですけれども、その住民のかかわり合いについて一点お聞かせ願いたいと思います。
 それからもう一点は、足立区がここに、先ほど来先行取得という土地が説明されておりましたけれども、当初から、その位置づけ、目的について改めてお示しいただきたいというふうに思います。

○宮村市街地整備部長 まず、六町地区の区画整理事業の沿革についてお答えいたします。
 平成五年に、先ほどの計画素案というものを発表いたしまして説明会等を行いました。それに合わせて地域の中で住民運動等が起こりまして、賛成、反対、両派ございましたけれども、その後、関係する各種の住民団体との話し合いを非常に頻繁に重ね、話し合いを進める中で、平成七年につくばエクスプレスの都市計画が決定をされ、この前に、平成七年ほぼ時期を同じくして住民運動が、幾つかの修正案等を組まれた中で住民運動が分解というかいろいろ合意が図られていく中で、区画整理を受け入れるというふうな決議がされたというふうに聞いております。その後、四つの住民団体と合同協議会というのを設けまして、話し合いを重ねて、平成九年から事業計画の縦覧等を始めた。それで現在に至っているというところでございます。
 現在も、土地区画整理審議会の中の地元の委員の皆さんというのは、熱心に当時からいろいろかかわってこられた方が多くて、そういう方たちのご意見も聞きながら事業を進めているという状況でございます。
 それから二点目の、この区有地の関係のご質問かと思いますけれども、今お話しした、ご説明した中で、当初計画案の提案後、減歩率の緩和を求める地元要望が強く出されまして、さまざまな協議の結果として、それを緩和するために、当該用地、今回の六町エコプチテラスの場所につきましては、区画整理事業推進のために減歩率緩和を目的に足立区が取得したということでございます。

○植木委員 今お話、説明があったように、住民の皆さん、いろいろな協議会、団体がつくられ、そしてそれらが集まって協議会をつくられ審議会もつくられてきた。ある審議会の役員の方にいろいろお聞きしましたら、ほかの地区では必ずしも住民の皆さんが審議会の責任者になっていないけれども、この地域は住民の皆さんがかなり中心になって運営をされている、こういうお話も聞いて、やはり住民の皆さんが切実に、自分たちのそれぞれの土地がどうなるかということを長い間かかって合意をしてきた。その経過の中で、足立区が減歩を一層進めるために土地を購入したとこういうことだと思うんですけれども、その減歩率は最終的に何%になったのか。これは都施行だと思うんですけれども、都の努力はどうだったのか、その点についてお示し願いたいと思います。

○宮村市街地整備部長 都と区が分担しまして、減歩緩和の対策を行いました。その結果として平均減歩率は約一九%となり、一般の権利者についてはさらに緩和されているというところでございます。

○植木委員 東京都が土地を取得してなおかつ一九ですか。私、一四というふうに聞いていたんですけれども、念のため、違ったら。

○宮村市街地整備部長 全体の平均減歩率は一九%でございますが、一般の方についての実質の減歩率としては一四%というふうになっております。

○植木委員 一般の方のところは一四%まで減歩ができると。かなり小さな区画の方々も当然たくさんおられるわけですから、そういう意味で、住民の皆さんが一生懸命、最初はとても受け入れられないという中で減歩を促進させて、今日に来ている。今回は神社の問題が中心ではありますけれども、やはりそういう中で、土地区画整理事業というのは関係者も多くて、実際に進行というのはどこの地域でもなかなか困難を来している。そういう中での減歩を進めてきた、そういう地域だろうということを私は思うんですね。
 そういう意味で、エコプチテラス事業をされている方々の思いは、当然その思いがあると思うんですけれども、同時に、この土地区画整理事業というのは、そういう長い間で、住民の皆さんが本当に自分たちの生活設計も含めて考えてきたという経緯があるわけです。そういう意味で、もともとこの土地というのは暫定利用、それが一年なのか三年なのか五年なのか、それは事業の進捗やいろいろあってもやっぱり限界のある土地だということが、結局、一番の問題だと思うんですね。
 私は、足立区が本当に事業として促進していくとするならば、やっぱり一定の土地を、きちっとした、こういう減歩のために先行取得するという土地ではなくて、本当にヒートアイランド対策として緑化対策として、住民のボランティアの皆さんが活動できるような土地の確保、こういうことを足立区が、事業の提案者の一人としては、事業というのはエコプチテラスの事業ですね、そういう努力をするというのが本来のことだと思うんです。
 ここについては、早いか遅いか、これが一年か、暫定利用して五年か、それはわかりませんけれども、あくまでも限定されたものである。そういう意味では、私はこれだけ一生懸命エネルギーを持って取り組んでおられる方々、ぜひ地元の行政とも話し合って、そういった一定区の裁量でもって、長期に、あるいはこういう毎年ということじゃないような土地の確保ということを働きかけるなどしてやっていくことの方が、より本格的なヒートアイランド対策になるんだろうと思うんですね。
 ですから、それぞれ歴史をいい出せばなかなか相入れないものですけれども、問題は、この土地区画整理事業という、その大もとのことの仕組みはそこで変わらないわけですから、そういう意味でぜひこうした努力を進めてきた、もちろん残りの土地は暫定利用できるというお話も出ていますので、そういうことも含めて、新たな土地の確保やあるいは区への働きかけなどで、そういう事業が継続してどこか別の場所でできるようなことはないのかという方向性も含めて、検討するというのが一番大事なことではないかなというふうに思っております。
 そういうことを訴えまして、私の質問を終わりにします。

○秋田委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○秋田委員長 起立少数と認めます。よって、請願一九第二号は不採択と決定いたしました。

○秋田委員長 次に、一九第五号、東京都住宅供給公社が設立目的に立ち戻り公共住宅の役割を果たすことに関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○松村住宅政策推進部長 それでは、整理番号2、一九第五号、東京都住宅供給公社が設立目的に立ち戻り公共住宅の役割を果たすことに関する請願についてご説明を申し上げます。
 お手元の請願・陳情審査説明表の三ページをお開きいただきたいと存じます。
 この請願の請願者は、日野市にお住まいの平山住宅自治会会長の小俣昭光さん外九百四十名でございます。
 請願の要旨は、都は、東京都住宅供給公社に関し、次のことが実現できるようにしていただきたいというもので、1、公社定款の設立目的に反する地方住宅供給公社法施行規則の廃止を求める意見書を国に提出すること。2、公社設立の目的に立ち戻り、公共住宅の役割を果たすこと。3、莫大にため込んだ剰余金を取り崩し、家賃の値下げをすること。4、募集家賃の毎年四月改定を見合わせること。5、継続家賃の三年ごとの家賃値上げは機械的に行わないこと。6、長期的な家賃検討のための公社・居住者・有識者による家賃審議会を設置すること。7、安くて良質で誰もが入居できる住宅の建設を行うこと。8、引き続き住戸改善と環境整備を積極的に行うことでございます。
 現在の状況でございますが、平成十四年三月に地方住宅供給公社法施行規則が改正され、賃貸住宅の家賃について、近傍同種の住宅の家賃と均衡を失しないように公社が定めるものとされております。
 これを踏まえ、東京都住宅供給公社は、学識経験者等に入居代表者を加えた賃貸住宅管理問題調査会の意見を聴取した上で、平成十六年二月に、家賃改定に係る実施方針を定めたところでございます。この方針に基づき、平成十六年度以降、募集家賃は毎年、継続家賃は三年ごとに改定を行っているところでございます。
 なお、今回の家賃改定の基本的な考え方や具体的内容については、居住者の方々に対しまして、平成十八年八月以降、五回にわたり、「都公社だより」を通じて周知を図っております。また、各住宅の自治会等からの求めによりまして説明会を開催し、居住者の方々の理解を得られるよう丁寧な説明に努めてまいりました。
 家賃改定に当たりましては、家賃が上昇する場合、その上昇額を抑制する激変緩和措置を行うほか、継続して居住し、低所得等の要件に該当する高齢者世帯等について、家賃特別減額措置を実施しているところでございます。
 住宅供給公社におきましては、こうした家賃改定を通じて、民間賃貸住宅家賃との均衡を確保するとともに、空き家を解消し、住宅ストックの有効活用を図るなどにより、良質な住宅供給を推進することとしております。
 また、公社では、計画的に建てかえや修繕を実施することにより、居住環境の改善を図るとともに、高齢者、身体障害者等に対しましては、個別に設備の改良も行っているところでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。ご審査のほどよろしくお願い申し上げます。

○秋田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○村松委員 この請願というのは、公社住宅に安心して住み続けられる、居住環境の良好な住宅を求めて、八項目の請願事項を関係機関に議会として意見書を提出していただきたい、こういうものです。
 私もこの平山住宅で五年間お世話になり、自治会の活動も一緒にさせていただきました。この請願項目すべてに賛成の立場から、幾つかに絞って質問させていただきます。
 まず、この平山住宅の築年数、それから世帯数、居住者の人数、平均年齢と平均入居年数、そして最も長い入居者は何年なのか、それをお答えください。

○松村住宅政策推進部長 本年五月末時点でございますが、平山住宅の築年数は四十二年四カ月、世帯数は八百十七戸と聞いております。また、居住者の平均年齢については、公社への届け出状況等から調べたところ、世帯主の平均年齢で五十六・九歳ということであります。
 それから、平均居住年数、最長居住年数でございますが、本年五月末時点で、平均居住年数は十七年四カ月、最長居住年数は四十二年四カ月と聞いてございます。

○村松委員 建設してから既に四十二年たっている。入居平均年数十七年というのは、ほかの団地から比べるとちょっと長い方かなというふうに思います。
 私の知っている人で、当初から入居されている方が何人もいるわけですが、この間、当初から入居している人たちの修繕問題で、最初、ちょっとお聞きしたいと思います。
 入居者の中で、従前から入居している人と途中から入居されている方で、浴槽整備などの違いにサービスの違いがあると伺っているんですが、その辺はいかがでしょうか。

○松村住宅政策推進部長 浴槽の関係でございますが、こうした設備等につきまして、古くから継続して住んでいる居住者の浴槽を公社負担で設置すべきかどうかということは、基本的に公社の自主的な経営判断に任されるものだと考えておりますが、公社に確認したところ、当初入居時に居住者に浴槽、ふろがまを設置していただいた住宅の数は現在三万八千戸ほどでございまして、公社では引き続き居住者負担での更新をお願いするという考えであると聞いております。

○村松委員 最初にちょっと丁寧な答弁が欲しかったんですが、当初から入居している人は浴槽の整備がないんですよね。自分で浴槽を買って壊れたらまた自分で買う。ところが途中で入居する人は既にもう浴槽はついている、そういう状況なんですね。四十数年たったりすれば当然浴槽は壊れる。先ほど答弁がありましたが、高齢者が多い住宅で、年金の中から浴槽の整備十数万を出すというのは相当厳しいんですね。
 入っている人みんなが自分の負担でやるんならともかく、ちょっと違うだけで浴槽の負担が違うなんておかしいんじゃないか、そういう意見があるんですが、そういうことに対してはどういうふうにお答えになりますか。

○松村住宅政策推進部長 繰り返しになりますけれども、個々の浴槽設置をどういう基準でやるかということについては、基本的に公社の自主的判断に任されるべきものだ、こう考えております。
 ただ、聞いたところによりますと、基本的に継続家賃というんですか、従前から住んでいる方と、新たに募集される方については浴槽等を設置するということでございますが、継続家賃といわゆる新たな募集家賃との差というのはあるというふうに聞いております。

○村松委員 この辺ではいっていることが平行線なんですが、私はやはりもっと入居者の実態を調査して物をいってほしいというふうに思うんです。本当に同じに入っていてわずかの差で浴槽サービスがあるところとないところが違うなんて、そんなのちょっとあり得ない話なんですよね。
 後でお金の問題はお聞きしますけれども、この問題については、引き続いて私の方は、ぜひ浴槽の問題については整備を強く要望しておきます。
 次に、エレベーター設置の問題なんですが、請願書には、平山住宅に六十五歳以上の高齢者が三百人以上いる、このように書かれております。社会でこれだけバリアフリーの問題が大きな問題になっているのに、そういうときに高齢者が五階まで上がらなければならない、そういうふうな状況なんですが、公社住宅ではエレベーター設置の問題をどのように考えているのか、東京都は伺っていたら、お聞かせください。

○松村住宅政策推進部長 エレベーターの設置につきまして、公社は現在進めている建てかえによってエレベーター設置を進めている、こういうふうに理解をしてございます。
 既存の住宅につきまして、いわゆるエレベーターを設置するかどうかということにつきましては、公社が技術面とかコスト面も含め、公社の経営責任において適切に判断をしている、このように理解をしております。

○村松委員 エレベーター設置について、公社の方で国の方に要望していると思うんですが、それは承知していますか。

○松村住宅政策推進部長 承知してございます。

○村松委員 公社自身もエレベーター設置をするために国の方に財政支援をお願いします、そういう申し入れをしているんですよ。ですから、公社自身がエレベーター設置の必要性を認めている、このように認識していると思うんですが、東京都はどういうふうにお考えですか。

○松村住宅政策推進部長 繰り返しになりますけれども、個々のエレベーターにつきまして設置する、例えば、確認したところによりますと、すべての戸数にエレベーターをつけるとなると、現在階段型という非常にコストがかかる、技術面で難しいところが多いというふうに聞いておりますので、そういったことを設置するということにつきまして、居住者の家賃の値上げにもつながるということもございまして、住宅供給公社ではそうしたコスト面も含めて適切に判断している。それで、例えば高齢者等につきまして、いわゆる高齢者とか障害者の方々、こうした方々が上の階にいる等々で困難な方につきましては、同一団地の下層階への住みかえとか、エレベーターの設置された他団地への住みかえなどで対応していると、このように承知しております。

○村松委員 そういう制度、措置をとっているということは私も承知しているんですが、全体が高齢化してきていると。それから、既に都営住宅などでは、階段式であってもエレベーターを設置しているんですよね。公社住宅に住んでいたって同じ条件だと思うんですよ。そういうサービスをやるのは私は当たり前だというふうに思うんです。お金がかかり過ぎるというふうにおっしゃっておりますが、そういう点では東京都が公社に任せ切りにするのでなく、東京都自身も公社への財政的支援をしながら、国への要望、これをもっともっと強めていく必要がある。
 読ませていただきましたら、一番先にエレベーター設置を国に求めているんですよ。そういう意味でも、引き続いてこの問題は居住者の立場に立って対応していただきたい、そのことを私は強く要望いたしておきます。
 次に、これまで平山住宅で使用しておりました汚水処理施設の問題なんですが、ここで市の方の下水道につなぐ、そういう動きの中で、汚水処理施設がこれからどういうふうに使われるんだろうかということが住民の方々の関心事になっているんですね。そのことについて、今後の見通しをお聞かせ願いたいんですが。

○松村住宅政策推進部長 公社に確認しましたところ、汚水処理施設の撤去につきましては、平山住宅の周辺地域の公共下水道供用開始が本年六月となることから、その後、公共下水道切りかえ工事を実施し、その工事完了後に汚水処理施設を撤去する予定である、このように聞いております。

○村松委員 その汚水処理場の跡地、約三千平米あたりあるといっているんですが、その今後の利用方法なんですが、私は、住民の皆さんの要望とそれから市との調整、これをしっかりとしながら進めていただきたい、それは要望だけにしておきます。
 この修繕問題の最後なんですが、私は先日、住宅にお邪魔したときに、何人もの方から、ここで便器を取りかえていただいたんですが、流しても、一回流したぐらいじゃ紙が流れ切れない。そういう中で、二度も三度も流すということで、ちょっと私も見せていただいたんですが、一回の流す水量というのは相当なんですね。やっぱり紙も流れていないという状況だったんです。ひどいところは一階の家のトイレ、そこは上階、二、三、四、五階、上からのトイレの汚水というか汚物が入ってくる。逆流してくるときもある。上で水色の色のついたものを使えば、それも上がってくるというようなこともいわれて、これは設置の仕方がまずいのかなというふうにも思ったんですが、そういう問題と、それから、床を直してもらったら途中べこべこするところもあるということとか、部屋の天井ですが、べろべろペンキがめくれて、落ちはしないんですけれどもひどい状態があったんです。
 そういうところ、室内の修繕の問題で、全部が全部公社がやるということもないんでしょうけれども、私は、本当に一軒一軒の居住者の状況をきちっと丁寧につかんでいただいて、公社が工事をしたら本当にそれでよかったのかどうだったのか、判こを一個押して終わりというんじゃなくて、そういう問題をもっと丁寧にしていただきたいなというふうに思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

○松村住宅政策推進部長 個々の修繕をどうするか、具体的な改善をどうするかということにつきましては、繰り返しになりますけれども、公社が自主的に判断していくものだ、こう考えております。
 聞いたところによりますと、公社では、住宅の使用に支障が生ずるおそれがある給水管とか排水管の改修、流し台や便器の取りかえなどは公社負担により計画的に実施しておりますけれども、これ以外の室内の修繕については、原則的にお客様負担とさせていただいている、このように承知しております。

○村松委員 公社の方もなかなか都合がよくて、本来なら公社は居住者の大家さんだと思うんですよ。その施設でいろんなそごがあったら直す、場合によったら、この間、畳を直したというケースもあったというふうに聞いているんですが、後で出てくるんですが、やっぱり良好で快適な居住環境、そういう立場からしても、本当にもっと身を入れた修繕をする。居住者の立場に立った、そういうサービスをぜひしていただきたい。それも、東京都からこんな意見があったということで、ぜひ公社の方にお伝えいただきたいと思います。
 きょうの請願の内容の一番の中心点になると思うんですが、東京都の住宅供給公社の定款というのがあるんですが、この定款の目的というのは、この地方公社は、住宅を必要とする勤労者に対し、住宅の積立分譲等の方法により居住環境の良好な集団住宅及びその用に供する宅地を供給し、もって住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする、このように定款では述べておりますが、この目的を東京都はどのように解釈するのか、質問いたします。

○松村住宅政策推進部長 公社定款の趣旨は、公社が居住環境の良好な集団住宅を適切な家賃設定のもとで供給し、地域のまちづくりにも貢献することにより、住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することである、このように考えております。

○村松委員 今お答えいただいたように、公社が居住環境の良好な集団住宅を適切な家賃設定のもとで、これは今後もずっとやっていただきたいなというふうに思うんです。
 こういう目的からして、今公社がやっている三年ごとの値上げの根拠になっている近傍同種家賃、これは、近傍同種家賃の根拠になっているのが、地方住宅供給公社法施行規則第十六条、ここで定められているわけですよね。「賃貸住宅に新たに入居する者の家賃は、近傍同種の住宅の家賃と均衡を失しないよう、地方公社が定める」。
 その二で、「地方公社は、賃貸住宅の家賃を変更しようとする場合においては、近傍同種の住宅の家賃、変更前の家賃、経済事情の変動等を総合的に勘案して定めるものとする。この場合において、変更後の家賃は、近傍同種の住宅の家賃を上回らないように定めるものとする」。この近傍同種家賃そのものが本来の定款に反するんじゃないか、そういうふうに私は理解するんですが、いかがでしょうか。

○松村住宅政策推進部長 この近傍同種家賃という制度は、市場家賃より著しく低い家賃を改めることで社会的公正を確保し、市場より高い家賃を改めることにより空き家を解消し、住宅を有効に活用しようとするものでございまして、公社は平成十六年に、先ほども申し述べましたけれども、学識経験者や入居者代表を加えた調査会の意見を聴取した上で実施方針ということで定めておりまして、基本的に公社の定款に反するものではございませんし、また、実際の取り扱いといたしましては、家賃改定におきまして、家賃が引き上げとなる住宅への激変緩和措置や、継続して居住し低所得者層の要件に該当する高齢者世帯への特別減額措置も実施しておるところでございまして、そうした形で適切に運営されている、このように考えております。

○村松委員 公社住宅の目的、さっき答弁いただいた適切な家賃設定、これは、私も入居していたときに--この公社住宅の家賃設定というのはもともと原価主義ですよね。建物の返済を五十年間設定して家賃が設定されている、そういう思いで皆さん入っているんですよ。ですから、勝手に片方が、国がこう決めたから近傍同種家賃をやる、これは住民の生活の安定、それから社会福祉の増進に寄与する、その目的からしたら全然合わないというふうに思うんです。
 家賃制度そのものも当初の目的がそうだったということと、それから今の生活実態、これを公社自身がどうつかんでいるのか、そこを私は聞きたいんですよ。お答えください。

○松村住宅政策推進部長 当初は公社は原価家賃方式であった、こういうふうに承知しております。ただ、これはバブル崩壊後、いわゆる原価家賃の方が市場家賃よりも非常に高くなるケースが出てきたということを是正するために、東京都においては、十二年の家賃改定時に市場家賃を視野に入れた改定を行った。その流れの中で今回の施行規則が出てきた、このように認識しております。
 それから、公社がどのように現在の家賃水準を認識しているかということでございますが、供給公社の空き家率というんですか、これは平均の民間賃貸だと一〇%ぐらいというふうなことでございますが、改正後、改正前、ほぼ二・四%程度というふうなことでございまして、私は入居者に支持されているのかな、このように理解しております。

○村松委員 お答えがなかったんですが、私がお答えしていただきたいといったのは、今入居している人たちの生活実態をどう認識しているのか。それから、さっきお答えがありましたが、地域との公平性の問題をおっしゃっておりましたが、私は、その公平性というのは高いところに合わせれば公平性ということじゃないと思うんですよ。ああいう安くて質のいい、そういう住宅を東京都なり公がつくってあることが、自分は今入っていないけれども、もし何かあったとき本当に助かる、そういう意味からも、私は地域の人たちの公平性につながると思うんです。
 都営住宅であれ、公営住宅であれ、そこに入居している人の身内は外に入っていない人が結構多いわけですよ。そういう意味からも、できるだけ自分の身内も、それからみんなが安心して住めるというところが一番大事だというふうに思うんです。
 そういう意味で、さっきのお答えを、今の高齢者の実態、最初紹介しましたが、平山住宅には六十五歳以上の高齢者が三百人以上もいる、そういう状況の中で、東京都がどのように実態を把握しているのかということをお答えいただきたいと思います。

○松村住宅政策推進部長 公社は、一定の調査等で居住者の生活、所得等を一定の部分把握しているというふうに承知しております。
 そういうふうなことに基づきまして、先ほどの繰り返しになりますけれども、高齢者の世帯あるいは心身障害者の世帯、生活保護世帯というものにつきましては、特別減額措置をしているというふうな形での一定の配慮をしている、このように認識しております。

○村松委員 今の高齢者の実態がどうなのか、これは私がいうまでもなく、今高齢者は毎年毎年、年金が引き下げられる、住民税や所得税が引かれる、そこに医療費や介護保険料、そういうふうに本当に不安にさらされているんですよね。そういう人たちに対して、さらに三年ごとに家賃を上げるということになれば、住民の福祉を増進するどころか、住民の福祉を後退させることになるんじゃないでしょうか。
 私自身も直接行って聞いてきているんです。高齢者が今どういう状態なのか。例えば七十八歳のひとり暮らしの女性なんですが、遺族年金で生活しております。二カ月二十二万円の年金、一カ月十万五千円です。二回脳梗塞で倒れ、がんの手術を受けているために、言語に少し障害を持ち、体も思うように動かせず部屋の中を伝い歩きをする状況です。
 費用は、医療費が検査を含めて一カ月一万三百円、週二回のケアセンターに行って一万五千円、ヘルパーさんを週三回お願いして四千円、電気、ガス、水道、電話料などで一万二千円、残りが三万から四万で生活しなきゃならない、こういう状況なんですよ。
 たまたまこの方にお話を聞いたんですが、そのほかにも、ご主人がずっと認知症で病院へ行っているとかいろんな方がいるんですが、やっぱりこういう人たちの思いに心を寄せながら、この問題は、私は最初質問したんですが、本来の供給公社の設立当初の目的、これに沿って公社を運営していくべきだ、このように思うんです。
 そこで、公社のこの間の経理を伺いたいんですが、この間の利益というのはどのようになっているんでしょうか。公社はこれまでずっと黒字だというふうにいわれているんですが、その辺についてちょっとお答えください。

○松村住宅政策推進部長 平成十四年度決算から十七年度決算までの一般会計の当期利益ということでお答え申し上げますと、十四年度は十七億八千六百万、十五年度は十三億九千百万、十六年度は十三億八千五百万、十七年度は二十九億二千三百万円でございます。

○村松委員 この間のトータルの純利益、黒字はどのくらいになりますか。

○松村住宅政策推進部長 先ほど申し上げたいわゆる当期利益というか、その積み上げ、利益剰余金は百五十九億でございます。剰余金合計ということで十七年度決算で申し上げますと、二千八百五億というふうなことがございますが、そのうち資本剰余金が二千六百四十七億でございます。ただ、このうちのほとんど、二千四百六十八億が平成十六年度決算で実施した資本の再評価に伴う評価差額金だということで、現金を伴うものではないということでございまして、繰り返しになりますけれども、利益剰余金としては百五十九億円でございます。

○村松委員 いろいろ東京都の担当者はいっているわけですが、あそこの公社そのものの減価償却という思いで入っている人たちにすれば、五十年の減価償却のうちの既に四十二年間払っている、あと残りが八年間だということで、三年ごとの値上げというのはどうも納得いかない、そういう思いというのはあるんですよ。しかも、設立目的が生活の安定と社会福祉の増進に寄与するということがはっきり書かれているわけですから、そういう意味からも、やっぱり三年ごとの近傍同種家賃の値上げというのは、設立当初の目的からも逆行するし、それからそこに入居する人たちの社会福祉の増進からも逆行する、そういうことなんです。
 しかも、純利益があるわけですから、そういうのを要は建てかえ費用とかいろんな形で使おうとしているんですが、やっぱり法の精神にのっとって、今の住宅に住んでいる人たちの生活実態をしっかりと見ていただきながら公社運営をしていただきたい。そのために、東京都の担当局としても支援をしていただきたい、そのことを要望いたしまして、質問を終わります。

○秋田委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○秋田委員長 起立少数と認めます。よって、請願一九第五号は不採択と決定いたしました。

○秋田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時十六分休憩

   午後三時二十七分開議

○秋田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 次に、一八第一二四号、都営成城アパート建て替え計画に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○山室建設推進担当部長 それでは、私から、整理番号3、一八第一二四号、都営成城アパート建て替え計画に関する陳情についてご説明いたします。
 請願・陳情審査説明表の五ページ及び六ページをお開き願います。
 陳情者は、世田谷区の成城都営アパート建替問題対策協議会代表黒川博道さん外四百六人の方でございます。
 陳情の要旨は、都が建てかえを計画しております都営成城アパートにつきまして、1、階層及び配棟計画の大幅な変更を行うこと。2、工事期間を大幅に短縮することを実現していただきたいというものでございます。
 現在の状況についてご説明申し上げます。
 1の階層及び配棟計画の変更についてでございますが、成城八丁目地区では、近年の大規模な敷地の土地利用の転換や狭隘道路などの地域の課題を解決し、良好な住環境の確保、創出を図るため、世田谷区におきまして、平成十八年三月に地区計画が決定されております。
 こうしたことから、都営成城アパートの建てかえに当たりましては、この地区計画に整合するとともに、地元住民がまちづくりをしていく上での自主的な基本理念である成城憲章の趣旨をも踏まえまして、建築計画を取りまとめております。
 具体的には、建物の周囲に公園、緑地を設けるとともに、平成十八年五月以降四回開催した説明会等で近隣住民からいただいた要望を踏まえまして、建てかえ計画を見直すなど、周辺への配慮を十分に行った上で、平成十八年九月に世田谷区の環境基本条例に基づく環境配慮制度の手続を完了しております。
 その後も説明会等を行い、近隣住民からいただいた要望を踏まえまして、公園の面積をふやすなど、さらなる計画の見直しを行いました。
 第一期分の既存建物の除却工事につきましては、近隣住民への説明会を二回開催するとともに、個別のご要望にも対応した上で、平成十八年十一月に工事着手をいたしまして、平成十九年三月に完了しております。現在は、第一期の建設工事に着手しているところでございます。
 次に、2の工事期間の短縮についてでございますが、都営住宅の建てかえ事業を円滑に進めてまいりますためには、その団地に居住されている方々に移転していただくための事業用住宅を確保し、そこに移転していただいた上で、建物を除却し建設する必要がございます。この団地の建てかえに当たりましては、移転先となる住宅の確保の状況から、工事を二期に分け、事業を実施するものでございます。
 よろしくご審査のほどお願いいたします。

○秋田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○村松委員 都営成城アパート建て替え計画に関する陳情について質問いたします。
 私は、この陳情の質疑に先立ちまして現地を見てまいりました。現場は既に解体作業が終了し、一期工事の予定地にはシートが張られておりました。緑が比較的多い地域という印象を受けましたが、成城八丁目地区のこの地区計画が策定以前、この場所には今計画されている九階建ては建設されることができたんでしょうか。

○山室建設推進担当部長 地区計画が策定する以前にも、九階建ての建物は建築可能だというふうに考えてございます。

○村松委員 何を根拠にその答弁が返ってこられるんでしょう。

○山室建設推進担当部長 地区計画制度が定められる前の用途地域の中で建築が可能だ、既存の周辺にもそれに相当するマンションが既に建築されているところからも、建築可能だというふうに受けとめております。

○村松委員 都市計画の一団地指定というのがあるんですよね。その都市計画の一団地指定がある限りは、ここには九階建ては建てないはずなんですね。確かに一般的にはそういう建設はできたんでしょうが、この成城都営アパート、ここの場所には本来、当初十階建ての計画はできないはずだったんです。
 なぜできないかというのは、先ほど説明いたしました都市計画一団地指定というのがありまして、そのときに、成城八丁目地区地区計画が策定と同時に、指定が廃止されて、今の計画ができた。そういう中で、住民がまさか自分たちのところは四階建てだったのが九階も十階も建つはずないだろう、そういう思いから皆さんが住民集会に出てきたと思うんですよね。その辺の経過はいかがですか。

○山室建設推進担当部長 お答えいたします。
 都営成城アパートがあります世田谷区の成城八丁目では、近年大規模な敷地の土地利用転換が進行していること、また狭隘な道路や行きどまり道路が多く、交通安全の面などで防災上の課題もあることなどから、世田谷区が平成十八年三月に、周辺地域を含めた地区計画を作成するとともに、成城アパートの都市計画の一団地の住宅施設を廃止したところでございます。
 都といたしましては、この地区計画の内容に合わせまして、建てかえに係る建築計画を取りまとめたところでございます。

○村松委員 その地区計画策定前の建ぺい率、容積率と策定後の建ぺい率、容積率を示してください。

○山室建設推進担当部長 地区計画が定められた建ぺい率は六〇%、法定容積率は二〇〇%でございます。また、一団地の住宅施設での建ぺい率は二〇%、容積率は五〇%、一部五十九年に変更しまして、建ぺい率は二五%、容積率は八〇%ということであります。

○村松委員 答弁にあったんですが、一団地指定のときには建ぺい率二五%、容積率が八〇%あるいは六五%という、そういう地域だったんですね。それが、成城地区の地区計画が策定された後、建ぺい率六〇%の容積率二〇〇%、こういうのができるようになっちゃった、そういう経過のもとで、住民の皆さんが、静かな本当に住んでいてよかった、そういう成城地域が、えっという、そういう皆さんの思いというのが出てきたから、だからこういう陳情などもあったわけなんですね。
 私はこの陳情を見て、ちょっとというようなことが幾つかあるんです。それはさっき紹介されましたが、成城八丁目地区地区計画、これがございますよね。これの中で、住民の皆さんに説明するときにどういう説明をしたのかなというふうに思っているんです。
 議会の方にどういう説明をしたのかなということで、昨年の都市計画審議会を審議する都市整備委員会が一昨年、平成十七年の十一月にあったんです。そのときに、我が党のたぞえ議員の、あそこの都営住宅の建設計画はあるんですか、そういう質問に対して、ありませんと答えているんですね。
 そういう状況の中で、都市計画審議会の中で日本共産党はどういう態度をとったかといいますと、こういうふうにいっているんですよ。
 日本共産党は、これは都営住宅建てかえのために一団地認定を外し、周辺地区計画をつくって道路などを整備するとするものですが、都営住宅の建てかえがどのようなものか明らかにされていません。そのもとで、本議案が住宅地区Bの容積、高さなどの規制緩和を緩めるというものですが、これはマンション開発などを促進する規制緩和となり開発を誘導するものとして反対です、こういう態度表明をしているんですが、まさに都市計画審議会に出す議案の事前説明のときには、都営住宅の建設はありませんというふうにいっておいて、都計審の中でもそういう意見が出て、しかし、今こういう問題で近隣の皆さんが陳情を出してくる。
 そういう中で、成城八丁目地区の地区計画、これは世田谷区がつくったといえばそれまでだと思うんですが、これに東京都はどういう働きかけをしたのか、その辺はいかがでしょうか。

○山室建設推進担当部長 世田谷区が進めます地区計画制度の指定につきまして、都の方から直接何らかの働きかけをしたことはございません。

○村松委員 これは世田谷区がつくったものなんですけれども、地区計画の方針案、もう案は抜けているんですが、そのところに、土地利用の方針というところで、今回建てかえをする都営住宅の場所が住宅地区Dというところなんですね。緑豊かなオープンスペースを備えた中層住宅団地として計画的な建てかえを誘導する、この土地利用の方針のところにはこういうふうに書いてあるんです。普通だったら、この中層住宅というのは四階建て、五階建てを一般的にいうんじゃないんですか。その辺いかがでしょう。

○山室建設推進担当部長 世田谷区が定めました地区計画の中で中層住宅団地といっているのは、おおむね三十メートルまでというふうな理解をしてございます。

○村松委員 私が聞いているところは、同じのを持っているわけですから、ここの土地利用の方針のところに中層住宅団地、このように書いてありますよね。これをとって住民の皆さんに説明する場合には、私は中層住宅といったら四階建てか五階建てかなというふうに思うと思うんですよ。その辺の認識はいかがですか。

○山室建設推進担当部長 中層住宅の定義について、明確な統一されたものはございませんが、東京都の建築構造設計指針等では二十一メートルを超え、三十一メートル以下を中層というふうにしてございます。

○村松委員 私も初めて聞いたんです。建築構造設計指針、こういうのがあって、中層住宅、これが三十メートル以下ですか、こういう定義というのは本当に初めて聞いたんですが、やっぱり一般都民の方にすれば、低層住宅といえば二階建て、中層住宅といえば四階建て五階建て、中高層といえば十階、さらに上となれば、超高層くらいになれば百メートル以上ぐらいになるんでしょうか、そういうふうに思うんですが。何はともあれ、私はこの地区計画を見て本当に驚いたり、それから、ここでどういう説明をしたのかなというのがあるんです。
 一団地指定を廃止したということ、そのものを近隣の住民の皆さんが知らなければ、それからさっきのような中層住宅を誘導するということになれば、そんなに高いものはできないだろうなと安心してしまう。ところが、そうじゃなかった。こっち側の方に中高層住宅、容積率が六〇%とか二〇〇%とかというふうに書いてある。よく見なければわからない。できるだけそういうことは余り声を大にして説明しなかったというのが今回の経過じゃないだろうか、私はそういうふうに理解するんです。だからこそ住民の方は、説明会のときにいきなり十階建てができる、わあ大変だというふうに思っちゃったと思うんですね。
 そういう意味からも、私たちは都営住宅の元戸数よりもふやした建設、それは否定するものではありませんが、近隣住民の利害関係を損なうようなやり方、やっぱり都営住宅という公共住宅をつくるわけですから、近隣住民から歓迎されるようなものをつくらなければいけないというふうに思うんです。
 さっき質疑した平山住宅というところは、号棟と号棟の間が本当に日当たりをきちっと保障している。それから、近隣住民へも日照問題でも全く影響のない、そういうところをつくることこそ公のする仕事だというふうに思うんです。
 だけれども、今度の場合はそうじゃなくて、近隣住民にはいろんな意味で迷惑をかけるというか、そういう問題が出てきているというふうに思うんですね。
 そこでお伺いいたしますが、今度建設をしている都営住宅の西側の日照と、今の予定している東側に建っているマンションの日照、その辺については同じぐらいに日照が確保されているのかどうなのか、それはいかがでしょう。

○山室建設推進担当部長 日照の関係でございますが、ご案内のとおり、この地区計画制度のもとで、建築基準法に基づく三時間及び二時間の日影規制がございます。この規制の中で、この計画を立てて検討しました結果、従前の日影よりはやや改善されているということもございます。

○村松委員 私が聞いたのは、都営住宅の西側の日照の確保と、それから、その都営住宅の東側にあるマンションの日照の確保、これが同じに確保されているのかどうなのか、それを質問しているんです。

○山室建設推進担当部長 日影の関係でございますが、繰り返しになりますけれども、建築基準法に基づく日影規制がございまして、一定の範囲内で、三時間、二時間の日影の影響範囲を抑えるという範囲がございますけれども、現在の住棟配置ではほぼ同じ状況にございます。

○村松委員 日影の測定面が違うんですよ。都営住宅の日陰になるところの、都営住宅の西側のところは測定面が一・五メートルなんです。ところが、東側の測定面というのは四メートルになっているんですよ。そういう意味から日照は確保されていないというのが実態なんですね。だから、さっきいったように、この都営住宅ができることによって、近隣住民に利害といいますか、それが生じてくるということで私は指摘しているんです。
 そういう中でなんですが、やっぱり近隣の方々への納得できるような、そういう説明をもっとやる必要があるんじゃないか、それから、もっと意見を聞く必要があるんじゃないか。都営住宅は今度も規制を外して、これまでの四階を九階、十階にしてまとめることによって、土地があくのがあるんですね。今度も三つぐらいの号棟があくんですよ。そこの利用なんかは今後どうなるんですか。

○山室建設推進担当部長 利用の前に、若干日影につきまして、ちょっと補足説明をさせていただきたいと思います。
 繰り返しですが、今回の建てかえ計画では隣の建物との間隔をできる限り広くとりまして、建物配置を十分工夫などしまして、建築基準法の日影規制は十分に満たしております。
 それから、南側の敷地の経緯でございますが、都営住宅の建てかえに当たりましては、周辺の環境に十分配慮しました上で、都民共有の貴重な財産である都有地をできる限り有効に活用する必要があると考えております。したがいまして、都営成城アパートの建てかえにつきましては、今回建設を行う北側の敷地に集約することで、この団地の建てかえで必要な戸数に加え世田谷区内の建てかえ需要で必要な戸数を確保できることから、南側の敷地での建設は行わないこととしております。

○村松委員 私は、そこの土地利用なんですが、あの土地をそのまま都営住宅を建てることもできるし、そうすれば近隣との関係もそんなに悪くならないだろうというふうに思うんです。そういうことも含めて、もっともっと住民の方と向き合っていただいて、進めていただきたいなというふうに思います。
 それから、工期の問題ですが、工期も確かに、自分の真ん前あるいは自分のすぐそばで、いつまでもいつまでも工事の車両が来たり、あるいはほこりが立ったりとか、そういうことを長年やるということは、精神的にも相当疲れてくるというふうに思うんです。
 その問題についても、やっぱり近隣の皆さんの思いをしっかりと受けとめて、できるだけ短縮できるように努力していただきたいというふうに思います。
 最後なんですが、これまでの話し合いの中で、近隣の皆さんから出た、工事をするに当たっての幾つかの要望があると思うんです。その一つが、工事車両の通行ルート、工事車両がどこをどう通っていくのかということを住民の人に明らかにしてほしい、子どもたちの通学路の問題もあるし、いろんな事故等の心配があるから、その辺については絶えず住民の皆さんに明らかにしてほしい、そのことが一点と、それから、車の出入りのときの事故を防ぐために、これまで、警備員さんを二人置くと、そのことを口約束でしているそうなんですが、その問題もきちんと約束をしていただきたいということ。
 それからあと、住宅予定地の北側の道路があるんですが、そこの道路の問題でも、北側の家のすぐ真ん前が道路になっていて、行ってみればわかるんですが、あの一方通行に細い道があるものですから、そこを右折する車がたくさんあって、家の真ん前が道路になっているということで非常に危ないということがあって、住民の皆さんがそこにできたら歩道をつくってほしいというふうにいっておりますので、その辺についてまとめて伺いますが、いかがでしょうか。

○山室建設推進担当部長 工事に関するご質問でございますが、工事説明会は、本年五月十四日に説明会を行いまして、その中で、交通誘導員の配置や騒音防止対策、それから工事時間などにつきましての要望を受けまして、対応しているところでございます。
 また、この説明会の後にも個別の質問等がございまして、きめ細かく対応してきているところでございます。
 今後は、工事につきまして、対象となる住戸に対しまして説明資料を配布する予定でございます。
 また、北側でございますが、北側に隣接します区画道路の歩行者の安全確保の実施でございますが、この道路につきましては、白線を引くなどの対策につきまして、既に、道路管理者であります世田谷区や地元の警察署と協議、調整を進めているところでございます。

○村松委員 先ほどの警備員の問題とか、それから工事車両の通行ルート、それははっきりと住民の皆さんに明らかにしていただく、そのことについてはどうでしょう。

○山室建設推進担当部長 車の出入りにつきましては、交通整備員を少なくとも二人は常駐して対応するというようなこと、それから、搬出入ゲートにつきましては西側に一カ所設けます。ここから、大型工事の車両用の通行経路としましては、成城学園の駅の西側を通りまして武蔵工大のわきから世田谷通りに出る、このルートにつきまして既にご説明をしているところでございます。

○村松委員 以上です。

○秋田委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○秋田委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一八第一二四号は不採択と決定いたしました。

○秋田委員長 次に、一九第五号、「(仮称)スカパー東京メディアセンター」建設計画に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○金子市街地建築部長 整理番号4、一九第五号、「(仮称)スカパー東京メディアセンター」建設計画に関する陳情についてご説明いたします。
 お手元の説明表の七ページをお開きいただきたいと存じます。
 本陳情は、江東区の東陽二丁目町会会長岡根昭雄さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、仮称スカパー東京メディアセンターの建設を中止し、近隣住民に影響を与えない最適地での建設を計画するよう指導していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、八ページをごらんいただきたいと存じます。
 計画地は江東区新砂一丁目二番四十三ほかで、東京メトロ東西線東陽町駅の南側、汐浜運河沿いにございます。
 七ページにお戻りいただきたいと思います。
 建築主は、平成十八年十一月一日に、東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づく標識を設置いたしまして、同年十一月二十五日に計画地に隣接するマンションの居住者を対象とする近隣住民説明会を実施しております。
 平成十八年十一月二十七日に近隣住民十六名から紛争調整の申し出がありまして、都では同年十二月二十日、平成十九年一月十二日及び同年二月一日にあっせんを行いましたが、同年二月二十一日、住民側より紛争調整申し出の取り下げ書が提出されまして、あっせんを終了いたしました。
 建築主は、平成十九年三月六日に、指定確認検査機関である財団法人日本建築センターから建築確認を受けております。
 なお、計画地周辺のマンション住民の有志等が、平成十九年一月十九日、建築主を相手にパラボラアンテナ設置の差しとめを求め、東京地方裁判所に提訴し、現在係争中でございます。
 説明は以上でございます。

○秋田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○植木委員 今回のスカパー東京メディアセンター建設の問題ですが、巨大なスカパーアンテナを建設するということですが、今説明がありましたように、一月十九日に差しとめを求める訴訟を東京地裁に起こした。訴状も読んでみましたけれども、とにかくマンションが林立するところになぜこういうアンテナ基地を設置するのかというところから始まって、電磁波の世界的な研究や総務省の動き、それから規制の検討状況、こういった問題に深く立ち入って運動されているということを実感しました。
 こういう電磁波とか電波というのはなかなか目に見えないことで、わかりにくいことなんですけれども、私も、これほど大きな問題ではなかったんですが、実は最近も、携帯電話の中継基地などが各地域で結構小さなコンパクトな施設が設置されると、従来の建築基準法では基本的な見解というのは載ってないものですから、行政の方も国土交通省の研究をされているところの文書を読んで、大体これに当たるだろうということで判断をするとかという事例に会ったんですけれども。そういうふうに、一般的には建築基準法をクリアしているけれども、最近の事例などで新たな検討が必要なものというのも多かれ少なかれ多分あるんだろうと思うんです。私も専門的なことはよくわかりませんけれども。
 今回は、こうした多数の住民が隣接するところに都内三カ所の放送センターを集約するということですが、強力な電磁波による人体への影響など疫学的な事例はたくさんあるんだということをこの訴状では書いておりますし、特に精神的な苦痛とか景観権などを掲げながらも、憲法に基づく生命、身体、健康など、人格権の侵害というものを訴えるに至っています。
 そういう意味で、争われている中身というのは非常に深いと思うんですけれども、そうはいっても、国内的、国際的な科学的な知見の到達点がまだまだ不十分じゃないかなというのが、私がいろいろ訴状を読んだり政府のを読んでみた思いです。
 そういう意味で、今後もこういうことというのはいろんな形であり得るということを考えますと、総務省や国土交通省に働きかけて、正確な道筋というものをつくっていく、ルールをつくっていくということはやはり行政の役割だろうというふうに思うんです。
 それから、今回、近隣のマンションの住民や町会の方々が非常に積極的に取り組んでいるという大変重みのある中身だというふうに思いますので、裁判の状況を見きわめることはもちろんなんですけれども、行政としての検討や努力あるいは政府との連携というんでしょうか、政府への働きかけ、こういったこともぜひ努力をしていただきたいということを要望しておきたいというふうに思います。
 以上です。

○秋田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一九第五号は継続審査といたします。

○秋田委員長 次に、一九第一二号、都営住宅の収入超過者に係る家賃について特例措置を求める意見書提出に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○並木参事 それでは、整理番号5、一九第一二号、都営住宅の収入超過者に係る家賃について特例措置を求める意見書提出に関する陳情についてご説明させていただきます。
 請願・陳情審査説明表の九ページをお開き願います。
 本陳情は、東京都公営住宅連合会会長石井壽三郎さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、都営住宅の収入超過者に係る家賃について、特例措置を求める意見書を国に提出していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都営住宅は、住宅に困窮する低額所得者のための住宅でございまして、入居収入基準を超える収入のある、いわゆる収入超過者には、公営住宅法により住宅の明け渡し努力義務が課せられております。
 また、その家賃は、収入に応じた割り増し家賃とされておりまして、その算定方法につきましては、公営住宅法施行令により定められているものでございます。
 平成十七年十二月、国は、公営住宅の本来の施策対象ではない収入超過者の家賃が、公営住宅に入居できない方の家賃との均衡を失している状況を是正するため、公営住宅法施行令を改正いたしました。
 改正前は、近傍同種の住宅の家賃を上限として、収入が入居収入基準を超える度合いに応じまして一定額を加算していたもので、これは収入に変動がなければ、毎年同じ額の割り増し家賃を加算する方式でございました。
 改正後は、超過度合いに応じて、一定期間後に近傍同種の住宅の家賃となるよう毎年加算額を増額することといたしました。これは収入に変動がない場合でも、毎年度割り増し家賃の額を増額し、最終的には近傍同種の住宅の家賃となるもので、平成十九年四月の家賃から全国一律に適用されているものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○秋田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○植木委員 先ほど公営住宅法施行令の一部改正についてという説明がございました。最近、国の方からこうした施行令の改正が相次いで出ているものですから、一体どの年度に何が出されたのかというのはなかなかわかりにくい。あれよあれよという間に制度が変わっていく、そういう感じを私は今受けています。
 それで、今説明があったのは十七年十二月の施行令だと思うんですけれども、十八年にも施行令の改正がなされているんですね。それぞれ収入超過者や収入基準の改正にかかわるものだと思うんですけれども、改めてその内容についてお示しいただきたいというふうに思います。

○並木参事 まず、今お話がございました十七年十二月の通知におきます収入超過者に係る家賃制度の合理化の内容でございますけれども、これは公営住宅の本来の施策対象ではない収入超過者の家賃が公営住宅に入居できない者の家賃との均衡を失しているという状況を是正するために、収入超過者に係る平成十九年度以降の家賃について、その収入の超過度合いに応じた一定期間後に、近傍同種の住宅の家賃となることとするというものでございます。
 次に、平成十八年の方ですけれども、これは施行令の一部改正に向けてパブリックコメントをとったものでございますけれども、その際の入居収入基準等の見直しについてということでやってございますが、これは現行の入居収入基準等は、平成八年の設定以降十年が経過しており、現在の世帯所得の状況等から見ると、もはや住宅に困窮する低額所得者とはいえない者が入居しているということから、最新の統計、調査データに基づき、入居収入基準等の金額を見直すというものでございます。

○植木委員 今の十八年に出された、その後、国土交通省は公営住宅法施行令の一部改正に関する検討状況についてというのを新たに出しているんですけれども、この内容について説明願います。

○並木参事 平成十八年十二月の通知の内容についてでございますけれども、公営住宅法施行令等の一部改正を実施するに当たり、家賃上昇に伴う激変緩和措置や収入超過者等としての取り扱いに係る配慮措置の見直し、地域の実情を踏まえた運用のあり方等について内容を検討する必要があるため、平成二十一年四月一日から施行予定にすることを考えているというものでございます。

○植木委員 今の二つの施行令と施行令の検討状況について、この三つのことなんですけれども、一つは、収入超過者に対して近傍同種を数年後に導入してくるということ、それからもう一つは、収入基準そのものを変えてしまう、こういうものでした。
 その検討状況についてというのは、今の説明ではちょっと聞いていてわかりにくいかと思うので、私の方からいいますけれども、パブリックコメントをやって、その結果、もともとは平成二十年四月一日から施行予定だったのを平成二十一年四月一日からの施行予定にすることを考えていますと、こういうふうに一年延期をうたっているんですよね。だから、そこにはいろいろの意味合いがあると思うんです。
 それで、一つは、近傍同種という考え方が何年か後には行われるということになりますと、まず一般的に考えても、全国一律と先ほどお話があったんですけれども、全国の中でも地方のよりは、地方の中でも都会、都会の中でも東京都、東京都の中でも二十三区やさらには都心区、こういうふうに近傍同種というのはどんどん違うはずなんですよね。
 それで、二十三区や都心三区あたりは近傍同種は当然高くなるというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○並木参事 地価等を反映しまして、当然それなりの価格になっているというふうに考えております。

○植木委員 ことし三月十五日に、「東京都公報」によりますと、近傍同種家賃、千代田区最高十七万一千六百円、港区二十三万一千二百円、目黒区十六万一千八百円、中野区十五万四千六百円、これは最低と最高両方出ているんですけれども、きょうの趣旨は高くなっているという話ですから最高を挙げたんですけれども。いずれにしても、近傍同種というのは、そういうふうに収入のいかんにかかわらず一律でやるということの意味の中には、当然近傍同種で最高に当たるとそういう金額になってくる、こういうことになるわけですよね。
 さらに、十八年の国土交通省の例でいきますと、今度は収入基準そのものを変えてしまうということになると、また違った意味がそこには加わってくるわけですね。現在は都営住宅の入居資格は一カ月の所得が二十万円以下の世帯、多人数世帯でも約二十三万幾ら、細かいのがあるんですけれども、以下と定められていると。入居後所得が上がれば、上がることは当然あるわけですが、所得に応じた割り増し家賃が徴収される。それから、所得が最高限度額三十九万七千円を超えると明け渡しということになる、こういうことになっているんですが、この国土交通省の十八年の施行令は、公営住宅の利用の機会の公平化ということで、入居所得基準を二十万だったのを十五万八千円以下に引き下げる、また十五万八千円をオーバーすれば、収入超過者として、従来の割り増しではなくて、これは数年後に、先ほどの十七年の国土交通省施行令で近傍同種家賃に引き上げるという方針が打ち出されている。
 その結果、自動的に収入超過者が十三万世帯ふえることになるんですね。現行の対象者と合わせますと三十一万世帯にも広がるといわれています。さらに明け渡し基準についても、三十九万七千円から三十一万三千円に引き下げる。これは全国そういうふうになってくるわけですね。東京が地価が高くても、低いところと同じだ。
 そういうこともあって、パブリックコメントでは、全国の公営住宅協議会や国民の住まいを守る全国連絡会など、さまざまな団体から批判的な見解が寄せられた。それから地方自治体からも慎重論が相次いだ。そうしたこともあって、先ほど聞きました公営住宅法施行令の一部改正に関する検討状況についてというのが出されて、平成二十年度実施といっていたのを二十一年に一年延期して、詳細にもう一度数字の検討をすると、こういうふうになってきているかと思うんですね。
 そういう意味で、そもそも日本、とりわけ東京、とりわけ都心地区は市場家賃そのものが高い。これは日本の国内でもそうですし、欧米諸国と比べてもそういった状況がある。さらに、高い民間家賃の水準に近づける近傍同種ということになっていって、収入基準そのものも変えていくということになってきますと、本当に入居者あるいはこれから入居しようとする人もだんだん狭き門になる。新しい住宅は建てないですから、結局どんどん特化していかなきゃならないということになりかねない。
 そういう意味で、こうした一連の収入基準にかかわる、あるいは所得にかかわる今回の改定問題について考えるならば、私は今回の陳情は趣旨採択とするということをぜひ求めたいというふうに思っております。
 以上です。

○秋田委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○秋田委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一九第一二号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。

○秋田委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○安藤総務部長 お手元の資料3、平成十八年度繰越説明書によりましてご説明させていただきます。
 今回のご報告は、平成十八年度予算の繰越明許費繰越及び建設改良費繰越について、地方自治法施行令第百四十六条第二項及び地方公営企業法第二十六条第三項の規定によりまして議会にご報告するものでございます。
 資料の一ページをお開き願います。初めに、番号1、平成十八年度繰越明許費繰越総括表でございます。
 一般会計及び特別会計の各会計別に、予算現額、繰越明許費予算議決額、翌年度繰越額及びその財源内訳を記載してございます。
 合計欄をごらんください。繰越明許費予算議決額は三百七十六億三千九百万円でございますが、このうち翌年度への繰越額は九十七億九千五百万余円となっております。財源といたしましては、財源内訳の欄に記載のとおり、国庫支出金その他の特定財源及び繰越金を充当してございます。
 続きまして、番号2、平成十八年度建設改良費繰越総括表でございます。
 公営企業会計である都市再開発事業会計につきまして、予算計上額、支払い義務発生額、翌年度繰越額、その財源である繰越資金及び不用額を記載しております。予算計上額は二百二十二億六千万余円に対して、支払い義務発生額が百五十五億八千六百万余円、翌年度繰越額が二十九億六千万余円、不用額三十七億一千四百万余円となっております。
 二ページ以降は、事業別の内訳となっております。
 まず、一般会計でございます。
 三ページをお開き願います。番号1は、地下高速鉄道建設助成でございます。表の右端の説明欄に記載しておりますとおり、繰り越しの理由といたしましては、地下鉄工事に伴う調整等に日時を要したことによるものでございます。
 番号2は、首都高速道路整備事業でございます。繰越理由は、中央環状新宿線の工事に伴う調整等に日時を要したことによるものでございます。
 四ページをお開き願います。番号3は、地下駅火災対策施設整備助成でございます。繰越理由は、地下駅火災対策工事に伴う調整等に日時を要したことによるものでございます。
 番号4は、臨海都市基盤関連街路整備でございます。繰越理由は、富士見橋下部工事に伴う地中障害物の撤去及び物件移転補償に伴う関係人の移転に日時を要したことによるものでございます。
 五ページをお開き願います。番号5は、都市改造でございます。繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関との調整及び物件移転補償に伴う関係人の移転等に日時を要したことによるものでございます。
 六ページをお開き願います。番号6は、住宅建設事業でございます。繰越理由は、都営住宅等事業会計における住宅建設事業の繰り越しに伴い、その財源として繰り越すものでございます。
 番号7は、区市町村住宅供給助成でございます。繰越理由は、中央区区営勝どき一丁目第二アパートの非現地建てかえ事業において、残存基礎の処理等に日時を要したことによるものでございます。
 次に、都営住宅等事業会計でございます。
 八ページをお開き願います。番号1は、住宅建設事業でございます。繰越理由は、住宅建設工事に伴う地元住民との調整等に日時を要したことによるものでございます。
 続きまして、臨海都市基盤整備事業会計でございます。
 一〇ページをお開き願います。番号1は、臨海都市基盤整備でございます。繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関との調整及び物件移転補償に伴う関係人の移転等に日時を要したことによるものでございます。
 最後になりますが、公営企業会計である都市再開発事業会計の建設改良費繰越についてご説明させていただきます。
 一二ページをお開き願います。番号1は、市街地再開発事業でございます。繰り越しの理由といたしましては、用地買収に伴う関係人との折衝等に日時を要したことによるものでございます。
 以上をもちまして、平成十八年度予算の繰り越しについてご報告を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○秋田委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十分散会

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