委員長 | 吉原 修君 |
副委員長 | 松下 玲子君 |
副委員長 | 東野 秀平君 |
理事 | 林田 武君 |
理事 | 川井しげお君 |
理事 | 柿沢 未途君 |
高倉 良生君 | |
石森たかゆき君 | |
村松みえ子君 | |
吉田康一郎君 | |
植木こうじ君 | |
小沢 昌也君 | |
こいそ 明君 | |
立石 晴康君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長 | 柿堺 至君 |
次長 | 南雲 栄一君 | |
技監 | 福島 七郎君 | |
技監 | 只腰 憲久君 | |
理事 | 河島 均君 | |
総務部長 | 安藤 明君 | |
都市づくり政策部長 | 野本 孝三君 | |
住宅政策推進部長 | 矢島 達郎君 | |
都市基盤部長 | 石井 恒利君 | |
市街地整備部長 | 宮村 光雄君 | |
市街地建築部長 | 金子 敏夫君 | |
都営住宅経営部長 | 小林 計代君 | |
企画・技術担当部長 | 村尾 公一君 | |
開発プロジェクト推進担当部長 | 戸田 敬里君 | |
住宅政策担当部長 | 水流潤太郎君 | |
区市町村調整担当部長 | 中沢 弘行君 | |
民間住宅施策推進担当部長 | 山室 善博君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 今井 光君 | |
都市景観担当部長 | 安井 順一君 | |
経営改革担当部長 | 小宮 三夫君 | |
参事 | 並木 勝市君 | |
参事 | 笠井 謙一君 | |
参事 | 山口 明君 | |
参事 | 座間 充君 | |
参事 | 小澤 弘君 | |
参事 | 清水 文夫君 | |
参事 | 宇多田裕久君 |
本日の会議に付した事件
陳情の取り下げについて
都市整備局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都住宅基本条例
・東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例
・都営住宅十八CH-一〇四東(小松川三丁目第二・江戸川区施設)工事請負契約
・都営住宅の買入れについて
請願陳情の審査
(1)一八第一二七号の二 多摩都市モノレールの利用に関する請願
(2)一八第八二号 三菱地所他の「(仮称)江東区白河四丁目プロジェクト」に関する陳情
(3)一八第八三号 三菱地所他の「(仮称)江東区白河四丁目プロジェクト」に関する陳情
(4)一八第八四号 三菱地所他の「(仮称)江東区白河四丁目プロジェクト」に関する陳情
(5)一八第八五号 三菱地所他の「(仮称)江東区白河四丁目プロジェクト」に関する陳情
(6)一八第八六号 三菱地所他の「(仮称)江東区白河四丁目プロジェクト」に関する陳情
(7)一八第九三号 八ッ場ダムに関する陳情
○吉原委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、陳情の取り下げについて申し上げます。
お手元配布の一八第七九号、都営成城アパートの建て替え計画に関する陳情は、議長から取り下げを許可した旨、通知がありましたので、ご了承願います。
○吉原委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び請願陳情の審査を行いたいと思います。
なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思いますので、ご了承願います。
これより都市整備局関係に入ります。
初めに、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○柿堺都市整備局長 本日は、平成十八年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
提出予定案件は、条例案が二件、契約案が一件、事件案が一件でございます。
お手元の資料1、平成十八年第四回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんください。
まず、東京都住宅基本条例案でございます。
本条例は、本年六月の東京都住宅政策審議会答申などを踏まえ、今後の住宅政策の基本的方向を明らかにし、総合的な住宅政策を推進するため、条例の全部を改正するものでございます。
次に、東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例案でございます。
本条例は、東京都住宅基本条例の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
お手元の資料2をごらんください。江戸川区小松川に都営住宅を建設いたします工事請負契約議案でございます。
最後に、お手元の資料3をごらんください。南青山一丁目団地建てかえに伴う都営住宅の買い入れ議案でございます。
私の説明は以上でございます。
引き続き、詳細な内容につきまして、総務部長よりご説明いたします。よろしくご審議のほど、お願いを申し上げます。
○安藤総務部長 それでは、お手元の資料1、平成十八年第四回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
三ページをお開き願います。まず、東京都住宅基本条例案につきましてご説明申し上げます。
1の改正の理由でございますが、東京都住宅政策審議会答申等を踏まえ、今後の住宅政策の基本的な方向を明らかにし、総合的な住宅政策を推進するため、条例の全部を改正するものでございます。
2の条例案の概要でございますが、まず、(1)、前文(基本理念)の改正でございます。
東京都住宅政策審議会答申で示されました三つの基本的方向、良質な住宅のストックと良好な住環境の形成、住宅市場の環境整備、住宅に困窮する都民の居住の安定の確保によりまして総合的な住宅政策を確立することを規定するものでございます。
次に、(2)の基本的施策でございますが、住まいの安全・安心の確保、住宅市場の活用、ストックの有効活用の三つの視点を重視しながら規定してございます。
具体的な内容につきまして、次のページ以降に記載してございますので、恐れ入りますが、四ページをお開き願います。
〔1〕の公共住宅の供給等についてでございます。
ア及びイに記載してございますが、都民の居住の安定確保を図るため、公共住宅の公平かつ的確な供給を図るよう努めるとともに、高齢者、障害者、子育てをしている世帯等の入居促進への配慮を規定するものでございます。
続きまして、ウからオにかけて記載してございますが、都営住宅等の供給に当たっては、人口、世帯数の見通し等を踏まえ、既存ストックの活用促進に努めるとともに、建てかえ等に当たっては、地域のまちづくりに資するよう、用地の活用促進等に努めることを規定するものでございます。また、その際、多様な世帯が居住する活力ある地域社会の形成促進に配慮することについて規定してございます。
最後に、カに記載してございますが、区市町村の主体的な取り組みを促進するために必要な措置を講ずるよう努めることを規定するものでございます。
次に、〔2〕の良質な住宅のストックと良好な住環境の形成についてでございます。
アからウにかけて記載してございますが、地震に対する安全性の確保の促進等、良質な住宅の整備及び管理の促進に努めるとともに、良好な住環境の形成を図るため、木造住宅密集地域の整備促進等に努めることを規定するものでございます。また、マンションの管理の適正化及び建てかえ等の円滑化に努めることについて規定してございます。
五ページをごらんください。〔3〕の住宅市場の環境整備についてでございます。
アに記載してございますが、住宅取引の安全等の確保を図るため、住宅に関する適切な情報提供の促進等に努めることを規定してございます。
また、イからエにかけて記載してございますが、既存住宅の流通促進に努めるとともに、地域の住宅建設事業者等の技術力の向上、都内産木材の住宅への使用促進等並びに技術開発や先導的事業の促進等に努めることを規定するものでございます。
次に、〔4〕の都民の居住の安定確保についてでございます。
ア及びイに記載してございますが、民間住宅における高齢者、障害者、子育てをしている世帯等の居住の安定確保を図るため、民間賃貸住宅への円滑な入居の促進等に努めること、並びに地震その他の災害を受けた地域の復興等を図るため、応急住宅の供給の促進等を講ずることについて規定するものでございます。
最後に、(3)の東京都住宅マスタープランの策定等についてでございます。
条例に定める基本的施策を具体化し、実行するための総合計画としての位置づけを明確化するなど、所要の改正を行うものでございます。
七ページから一九ページにかけましては条例案文を、二一ページから三四ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
次に、三七ページをお開き願います。東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例案でございます。
東京都住宅基本条例の全部改正に伴い、同条例第九条第三項の規定が削除されることから、第三条第一項の規定を整備するものでございます。
三九ページに条例案文を、四一ページには新旧対照表を記載してございます。
次に、工事請負契約議案をご説明申し上げます。
お手元の資料2、平成十八年第四回都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。都営住宅十八CH-一〇四東(小松川三丁目第二・江戸川区施設)工事の概要でございます。
一ページに、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載しております。
二ページをお開きください。中段でございますが、住宅の戸数は九十九戸、構造等は、鉄骨鉄筋コンクリートづくり、十二階建て一棟でございます。契約の相手方は、岩田・江州建設共同企業体、契約金額は十億一千六百四十万円、工期は平成二十一年二月五日までとなっております。
三ページに案内図と配置図、その次のページに平面図、断面図を添付してございますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
最後になりますが、都営住宅の買い入れ議案につきましてご説明申し上げます。
お手元の資料3、買い入れ都営住宅、南青山一丁目団地建てかえプロジェクトの概要をごらんください。
本件は、南青山一丁目団地建てかえに伴い都営住宅を整備するため、民間事業者が建設した都営住宅を買い入れるものでございます。
所在は、東京都港区南青山一丁目三十九番二百八十九でございます。
中段でございますが、買い入れる住宅の戸数は百五十戸、構造等は、買い入れ部分が鉄筋コンクリートづくり、地上十四階地下二階となっております。
売り主は南青山アパートメント株式会社、買い入れ金額は十六億八千三百九十九万円でございます。
二ページをお開き願います。案内図と配置図でございます。
続きまして、三ページをお開き願います。全体概略図並びに断面図、平面図を記載してございます。網かけの部分が今回の買い入れ対象でございます。
簡単ではございますが、以上で平成十八年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○吉原委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言を願います。
○植木委員 現行の東京都住宅基本条例が制定されてから、制度や施策の方向性の変更や規則の変更など、この間の推移について、主なものを示していただきたい。
それから、都営住宅十八CH-一〇四東、小松川の団地ですけれども、ここの土壌汚染の実態と改良工事の進行状況についてお示しください。
以上です。
○吉原委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 ただいま植木委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、ただいま要求されました委員と調整の上、ご提出願います。
○吉原委員長 これより請願陳情の審査を行います。
一八第一二七号の二、多摩都市モノレールの利用に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○石井都市基盤部長 整理番号1、一八第一二七号の二、多摩都市モノレールの利用に関する請願についてご説明いたします。
資料の一ページをあわせてごらんいただきたいと思います。
本請願は、日野市多摩都市モノレールを利用しやすくさせる会代表木下正次さん外千四百十五名から提出されたものでございます。
本請願の第一項につきましては、シルバーパスに関する事項であるため、他の常任委員会に付託されております。本委員会に付託されている項目は、第二項から第五項までとなってございます。
請願の要旨でございますが、まず第二項、都電、都バス、都営地下鉄と同様の障害者パスを利用できるようにしてほしいというものでございます。
次に、第三項、運賃を引き下げてほしいというものでございます。
次に、第四項、ホームに風よけ待合室を設置してほしいというものでございます。
最後になりますが、第五項、障害者用のトイレのドアを電動にするなど、障害者が利用しやすい駅にしてほしいというものでございます。
現在の状況でございますが、まず第二項に関してでございます。
多摩都市モノレール株式会社では、身体障害者、知的障害者及びその介護者の運賃について、JRその他都内の私鉄と同様に、五割の割引を実施しております。
次に、第三項に関してでございますが、運賃につきましては、会社がみずからの経営状況等を踏まえ、国土交通大臣の認可を経て、適切な料金を定めることとなっております。多摩都市モノレール株式会社では、経営の安定化及びサービス向上を目的とした設備投資のために、平成十六年八月に開業後初めての運賃値上げを行ったところでございます。
次に、第四項に関してでございますが、多摩都市モノレールの駅につきましては、雨風の影響を緩和するため、軌道面を除き、天井まで外壁に覆われた構造となっております。また、道路上空にかかる高架の駅でございまして、ホームが限られた空間であることから、混雑時における利用者の安全性やスムーズな動線確保の観点を踏まえますと、風よけ待合室の設置は困難な状況にございます。
なお、ホーム階の下にありますコンコース階、これは雨風がしのげる構造になっており、電光掲示板などを確認して、列車到着前にホーム階に上がることによりまして、乗車待機スペースとして活用することが可能でございます。
最後に、第五項に関してでございます。
多摩都市モノレールでは、現在、各駅に一カ所、計十九カ所の障害者用トイレが設置されております。ドアの構造につきましては、棒状の握り手を採用した手動式引き戸でございまして、東京都福祉のまちづくり条例の施設整備マニュアルに適合してございます。
以上で請願の説明を終わります。
○吉原委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○村松委員 説明はありましたけれども、多摩都市モノレールを利用しやすい乗り物に、この請願は、第一項が多摩都市モノレールにシルバーパスを適用できるようにしてくださいということで、昨日の厚生委員会の中では継続審査になったということを伺っております。
多摩都市モノレールが多摩センターから上北台まで全面開通してから、丸七年が経過しました。多摩の沿線住民にとっては、南北交通の利便性や、交通渋滞の心配もなくほぼ時間どおり走るモノレールは大変喜ばれております。乗客も、当初に比べて徐々にふえて、今では一日の乗客数が十万五千人を超える利用者になっております。
こうした多摩都市モノレールを利用しやすくとの声があり、切実な要望があったので、高齢者のシルバーパスを適用させてほしいといった要望とともに、障害者無料パスが使えるように、高過ぎる運賃を引き下げて、ホームに風よけ待合室の設置を、障害者への配慮をなどの要望が出されております。
この委員会では、障害者無料パスが使えるようにを含めて四項目の審議になっておりますので、最初の障害者無料パスについて伺いたいと思うわけですが、二十三区の方で、都電、都バス、都営地下鉄、ここに障害者無料パスが使えるのに、どうして多摩都市モノレールには使えないのか、まずそのことから説明をお願いします。
○石井都市基盤部長 お尋ねの都営交通の障害者パスは、都内居住の身体障害者、知的障害者及びその介護者が都電、都バス及び都営地下鉄を利用するに当たりまして、運賃を無料とするものでございます。ご承知のとおり、都営交通は、都の直轄の都事業でございます。
また、多摩都市モノレール株式会社では、身体障害者、知的障害者及びその介護者の運賃については、JRを初め、「ゆりかもめ」や、その他の都内の私鉄と同様に、五割の割引を実施しているところでございまして、民間の事業者であるということで、横並びでやっているものでございます。
○村松委員 私は、この間、モノレールの問題では、三多摩格差ということからずっと取り上げてきました。三多摩の地域には、都営地下鉄もなければ都電もありません。そして、都バスが走っているのは、ほんの一部のところなんですね。
都営地下鉄の路線を見ましたら、四路線あるんですね。浅草線が十八・三キロ、三田線が二十六・五キロ、新宿線が二十三・五キロ、大江戸線は四十・七キロ、これに加えて、今建設中の日暮里・舎人線、ここも東京都の交通局の管轄になるやもしれないという動きなんですが、そういうふうになりますと、合わせて百十八・八キロが、二十三区に住んでいる障害者は無料パスの対象になるんですね。
三多摩の方で、障害者無料パスがあるというのを、三多摩の障害者の方、余り知らないんです。それもそのはずなんです。乗る対象がないからなんです。
私、交通局に都営地下鉄の利用者の数をお聞きしました。そうしましたら、都営地下鉄を利用している車いすの利用者、年間九万四千百九人利用していると。視覚障害者は年間一万三千九百九十九人利用しているということでしたが、多摩都市モノレールを障害者が年間どのくらい利用しているのか、その数をつかんでいたら教えてください。
○石井都市基盤部長 年間というお尋ねでございますが、多摩都市モノレールにおきましては、障害者用の定期券と障害者用切符の販売枚数というのを把握しておりまして、これは一カ月単位でやっているものですから、十二倍していただければおおよそかと思いますが、本年十月の障害者用定期券の販売枚数は十六枚でございます。それから、同じく十月の一カ月分の障害者用切符の販売枚数は二千枚でございます。この二千枚には介護者の分も含まれております。
それらから類推いたしますと、この定期券及び切符の販売枚数からは、路線全体で、一日当たりおよそ四十から五十人程度の障害者の方が利用されている、このように思います。一日当たりですから、一年間というと、大体それの三百六十五倍をしていただければと思います。
ただ、この数はあくまでも券売機から類推したものでございまして、それ以外に障害者が使われているかどうかについては特段カウントしてございませんので、正確な数値ではございません。あくまでも券売機の数ということでご承知いただきたいと思います。
○村松委員 モノレールの障害者の利用枚数、それすら正確に把握していないという姿勢だというふうに思うんですね。
それで、モノレールの冊子をいただいたんですが、その冊子の中にこういうふうに書かれているんですよ。建設事業は東京都と一体となって行っていますと。多摩都市モノレールの建設は、東京都と当社が一体となって行う事業ですと。東京都は橋脚や軌道けたなどのインフラ部分を担当し、当社が運営基地や変電所、車両など、主として運行にかかわる部分を担当していますということで、東京都と一体となってモノレールの株式会社がこれをつくっているんですよ。だから、民間だと、普通の民間と一緒にこのモノレールをやっていいのかというのがあるんです。
それでは、東京都の出資率と、このモノレール株式会社の出資率はどうなっているか、示してください。
○石井都市基盤部長 多摩都市モノレール株式会社に対する東京都の出資比率は、五〇・五六%でございます。
○村松委員 済みません。舌足らずで申しわけなかったんですが、モノレールだけでなくて、ほかの出資率もちょっと示してください。
○石井都市基盤部長 都が出資している主な公共交通は五社ございます。五社のうち、順番に申し上げますと、「ゆりかもめ」が六七・二%でございます。それから、りんかい線が九〇・六%でございます。つくばエクスプレスが一七・七%でございます。東京メトロが四六・六%でございます。そして、先ほど申し上げた多摩都市モノレールが五〇・六%ということでございます。
○村松委員 私が示してほしかった出資率は、実をいいますと、他のところだったんです。東京都五〇・六%、西武鉄道一一・六%、京王電鉄六・四%、それから小田急電鉄が三・九%とか、幾つかあるんですけれども、この中で圧倒的に東京都が主体になって運行しているわけですし、ここに書かれている中でも、東京都と一体となってこの事業を進めているとはっきり書かれているわけですから、先ほど障害者無料パスの問題については、要は、実施主体の判断だ、考え方でやっているという話になっているわけですから、事業主体の考え方で、やっぱり障害者の無料パスをモノレールに適用すべきだ、そういうふうに思うんです。私は、三多摩格差解消の立場からも、ぜひもう一度答弁をいただきたいんですが。
○石井都市基盤部長 障害者パスにつきましては、会社が民間であるということで、社会経済情勢や経営状況等を踏まえまして、その必要性を判断し、実施するものでございます。
会社は、経営状況等を踏まえまして、障害者パスの導入を実施するのは難しい状況にある、このように判断しております。都といたしましては、こうした会社の判断を妥当なものと認識しております。
また、先ほど株式の話がありましたけれども、確かに都は、多摩都市モノレール株式会社につきまして、過半数に達する株式を有しているわけでございますが、これは他の株主の考え方も尊重しなければならない。あくまでも株主は皆イコールでございます。そういう意味で、他の株主の考え方も尊重すべきであり、適正かつ効率的な経営を確保する見地から、基本的には会社の経営判断が尊重されるべき、このように考えております。
○村松委員 私は、三多摩格差を解消してほしいと。せめて障害者の無料パスは、そんなに--要は、高齢者のシルバーパスに、東京都が都営交通、都バス、都電、都営地下鉄、そういうのに出しているのから比べれば、本当にわずかだなと思うんですが、それはそれぞれの実施主体のところで判断できるわけですから、それはぜひやってほしいというふうに思います。そのことを強く求めて、次の質問に入ります。
次に、ホームに風よけ待合室をということなんですが、モノレールは、ご承知のとおり南北交通なんですね。で、地上三階を通るわけですから、十四メートルから十五メートルのところを走るわけですね。冬なんかは、あそこを使った人はすごくわかると思うんですが、北風にあおられて、本当にホームにいるとつらいと。特に高齢者とか病院に通っている人は、見ていれば、あの寒いところで、両方に壁がないわけですから、北風が吹きさらす中で、自動販売機で風をよけている、そういうふうにしている人がいるわけです。
モノレールの駅のホームは、先ほどいったようにあれなんですが、なぜ待合室がつくれないのか、そのことをぜひ教えてください。
○石井都市基盤部長 多摩都市モノレールの駅は、先ほどもお話がありましたように、鉄道駅と比べまして、上空にあるというようなことが特徴でございます。車両も大変編成が短いという関係があって、ホームの長さが短くなっております。また、お話のように、道路上空の高架駅のため、幅も大変狭くならざるを得ない。また、階段やエスカレーターなどのスペースが必要でございまして、人がいる場所が限られてしまう、こういうことでございます。さらに、おかげさまで、朝夕は列車待ちの乗客により大変混雑しているような状況もございます。
このため、会社からは、列車乗降時における安全性確保、それから、スムーズな乗りおり動線の確保という観点から、待合室の設置は困難である、このように聞いております。
そうした会社としての判断は妥当である、このように東京都としても考えているところでございます。
○村松委員 高いところで冷たい風に当たっている高齢者や、病院へ行っている、通院している人がいる、そのことに対しての思いというのはないのでしょうか。
それから、私は本当にやる気になればできると思うんですよ。あのモノレールは、中央線や京王線と違って、線路の前に防護さくがありますよね。乗りおりのところだけ、ぱっと開くというふうになっていますから、防護さくというのはちゃんとあると思うんです。それから、京王線なんかでも、私たちが見てきて、狭いホームでも結構つくっているところがあるんですね。
その辺で、この間、私たち、何回かモノレール株式会社の方にも要請してきているんですが、担当者はこの間、現場に行って、駅のホームなんかを、そういう京王線の狭いところなんかを見てきたのかどうなのか。そういうところで待合室があるかどうかということをもし見てきたのなら、どういう見解を持っているか、示してください。
○石井都市基盤部長 障害者に対してどうだというお話と、現場を見ているか、こういうことでございますが、多摩都市モノレールの駅は、先ほども申し上げましたけれども、天井まで壁に覆われている。レールの上は、もちろんちょっと上げていますけれども、両側は覆われているということで、雨風の影響が緩和された構造になっています。
それと、普通の鉄道の地上を走る駅と違いまして、下にコンコース階という改札の階がございます。そちらは完全に風雨が、風も防げますし、雨ももちろん大丈夫。その階を活用していただきたいということでございまして、ホーム階の下にそうした雨風をしのげるコンコース階がありますので、運行時刻を示す電光掲示板がありますので、そこへ時計が入っていますから、先ほど先生がおっしゃったように、列車は非常に時間を正確に走ってきますので、これで列車の待機スペースとして活用していただく、電車が来るころになったら上がっていただくということが可能だ、こういうふうに思っております。
それから、京王線などはどうか、見てきたかということでございますけれども、これも、私ども南平の駅まで行って見ておりますが、大変狭い空間の中でつくっております。ただ、これは特急が走る関係もあるのかなというふうに、私ども、実際に現場を見てきております。
それから、南平の駅については、長さが、ホーム長が二百十メートルございます。それに対しまして、先ほどちょっとお話を申し上げましたけれども、多摩都市モノレールの駅は六十五メートルと、約三分の一でございますので、その中に設置するのは大変難しい、こういうことでございます。
○村松委員 冬の寒い日にあそこのモノレールを利用していないという部長のことをいったような今の答弁なんですが、本当にあそこの場所に立って、北風--地上三階で、十五、六メートルのところで、マンションなんかにしたら、それこそ三階、四階ぐらいのところなんですよ。そこで、横は少しは防音壁がありますけれども、線路のところから来る風というのが物すごいんですね。
そういうところと、それから、二階がコンコースになっていて、そこは風よけであるというふうにいっていましたけれども、ぐあいの悪い人とか高齢者が、動作が--足りるのかということなんです。だから、早く上に行って、自動販売機のところで風よけをしているという実態があるからこそ、風よけ待合室をお願いしたい、そういうふうな請願が出ているんです。
乗客の安全というふうにおっしゃっていますけれども、乗客数を各駅ごとに多分調べていると思うんですね。一番多い駅はどこの駅で何人なのか、一番少ないところはどこの駅で何人なのか示してください。
○石井都市基盤部長 平成十七年度の乗車人員データによりますと、乗車数が一番多い駅は立川北駅で、一日当たり約一万七千二百人です。乗降ではございません。乗車でございますので、半分でございます。それから、一番少ない駅は程久保駅で、一日当たり約八百人でございます。
○村松委員 私たちは、今すぐすべての駅に風よけ待合室というふうにいっているわけではないんです。とりあえず北風をもろに受けている駅、例えば万願寺駅とか甲州街道駅とか、それから立川の泉体育館、ああいうところ、乗客が比較的少ない、二千二百人とか二千七百人ぐらいのところにとりあえずつくって、様子を見ることも考えられるんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○石井都市基盤部長 先ほど来申し上げていますように、運行上の個々のサービスは、会社が利用者の利便性向上や経営状況等を踏まえて自主的に判断すべきことだ、このように考えております。
会社からは、先ほども申し上げましたけれども、物理的な制約による安全性確保の観点から、設置する考えはない、このように聞いておりまして、また、都といたしましても、現在の会社の経営状況などから勘案いたしますと、大変難しい状況である、このように認識しております。
○村松委員 ことしの二月二日なんですが、南多摩市議会の議長会から、多摩都市モノレール株式会社の方に、鉄道事業の整備促進に関する要望書というのが提出されていると思うんですね。この中にも、駐車場の整備促進に関する積極的な協力とか、駅ホームのベンチの改善及び待合室の設置、これが入っているんですね。多摩都市モノレールを利用しやすくさせる会でも、この間、モノレール株式会社の方にも伺っているんです。
こういう南多摩議長会の要望書や会からの要望をどのように受けとめているのか、お聞かせください。
○石井都市基盤部長 会社からは、南多摩市議会議長会などからそのような要望があったということは聞いておりますけれども、都にはそういった要望は出されておりません。
都には、市長会から、都予算に対する要望事項において、多摩都市モノレールへのシルバーパス導入が掲げられております。
○村松委員 東京都の市長会は、重点要望で東京都に、モノレールにシルバーパスをというのは出されているんです。これは南多摩市議会議長会から出されているということで、南多摩の市議会議長なんかも、本当に、だれもに優しい乗り物にしてほしい、そういう思いから出していると思うんです。私もこの会の人たちも、そういう思いだと思うんです。ぜひ余り冷たいことをいわないで、早急にできるところからやっていただきたい、このように思います。
次に、障害者に優しい駅についてなんですが、このモノレールを建設するときに、障害者団体などと意見交換をしたのか、その辺をぜひお聞きしたいんですが。
○石井都市基盤部長 施設整備に当たっては、私ども、皆さんご承知のとおり福祉のまちづくり条例というのがありますので、それにのっとって整備を進めてきたということでございます。
○村松委員 福祉のまちづくり条例の整備基準にのっとってやったというふうにおっしゃいましたが、でき上がってから直すというのはすごく大変なんですね。でも、実際にそこを利用している障害者から、いろんな要望が次から次に出ているんです。これはモノレールだけじゃなくて、ほかの施設でもあると思うんです。
例えば、今、高幡不動駅、あそこを京王と市なんかが一緒になって改築の仕事をしているんですけれども、ここなんかでも本当に今、でき上がっていないから、まだ何とかなるかなと思っているんですが、十月二十日の日に、みんなに優しい高幡不動駅の会の人たちが、近くの障害者施設に入っている人たちと、女性と男性、右手不自由な方、左手不自由な方の車いすで、今でき上がりつつある高幡不動駅を実地してみたんですね。今の段階でも相当の問題があるなということを私、感じたんです。
例えば、下り線のホームを見たら、ホームの幅が狭くて、柱などが出っ張っていて車いすの移動が危険だと。黄色の点字ブロックの外側を通るしかなかったとか、電車に乗るためのスロープ板はすぐに持ってきてくれるのかということで、いろんな不安があるということと、多目的トイレでは、ドアの開閉センサーが左側にしかなくて、左手の不自由な人は車いすをバックしなきゃ使えなかったというような問題とか、あと、ベビーシートが邪魔していて、センサーに手が届かないためにドアが閉まらないという問題もあったり、緊急呼び出しボタン、水洗ボタン、手洗い用蛇口センサーに手が届かない。券売機でもそうなんですね。けり込みが浅いため車いすが入らないとか、券売機が高過ぎて手が届かないというような問題が出ているんですよ。
私は、福祉のまちづくり条例の整備指針にのっとってやっているというふうに威張らないで、やっぱり何かをするときには、できるだけ大勢の人たちが使いやすいようにするという方がいいわけですから、障害者団体の人たちの意見を十分聞いて、今後の公共施設をつくるために役立てていただきたいということで、強く要望しておきます。
最後ですが、高過ぎる運賃、この問題でぜひ検討していただきたいと思うんですが、先ほどご紹介いたしました南多摩議長会の方からも要望が出ているんですね。現行運賃額の適正化についての検討、括弧として現行運賃の割高感が強いことに対する低運賃化についての検討、この要望も出されているんです。
多摩都市モノレールと他の乗り物で比べた場合、私たちは、多摩の乗り物といえば、すぐに中央線、京王線というふうに思うんですが、そういう形で検討したことはあるのでしょうか。
○石井都市基盤部長 多摩都市モノレールの運賃は割高ではないか、こういうお話でございますけれども、多摩都市モノレールの運賃は、距離に応じた料金について見ますと、首都圏の他のモノレールや新交通と比較いたしまして、必ずしも割高ではございません。
こうした新交通と比較するのは、最近の交通は投資額が似ている。昔の鉄道とはそういう意味では異なりますので、そうした似たような交通と比較して見ているわけでございますけれども、必ずしも割高ではございません。
また、初乗り運賃については、他社では百八十円、百九十円となってございますが、多摩都市モノレールでは、一駅区間の運賃を百円にするなど、利用しやすい運賃設定とするよう努めております。
なお、先ほどの答弁で、福祉のまちづくり条例の話でございますが、まちづくり条例の制定の際には、当然にして障害者の方々の意見を聞いて制定している、このように聞いております。
○村松委員 さっきの、当然、障害者団体の話は聞いてやっただろうと思うけれども、でも、実際、今の障害者の人たちが使って、非常に使いにくいというのが実態なんですよ。それはやっぱり認識を改めて、次のいろんな公共施設をつくるときには生かしていただきたい。後からつくり直すというのは本当に大変なことだという、そこのところの辺を私は自覚していただきたいというふうに思うのです。
それから、乗り物のことなんですが、私は日野に住んでいますから、日野はモノレールが通っている、それから京王線が走っている、中央線が走っているということなんですね。そういう中で、モノレールを利用している人が、安いなんて思ったことはだれもなくて、何とかならないのか、あの料金はというような思いがあるんですね。
多摩センター駅から立川まで、キロ数にしたら九・七キロなんですね。駅の数で十駅なんです。これで四百円。九・七キロで四百円。京王線はどうかといったら、新宿から、この間、私、京王永山まで用事がありましたので使いましたら、二十七キロで三百三十円なんです。それから、JR中央線の豊田駅から新宿駅まで、三十二・八キロで四百六十円なんです。本当に割高感というのはあるんです。
先ほど来から、新交通でお金がかかっているというお話がありましたけれども、確かにお金はかかっているというのは私も感じていますよ。モノレールをつくるのは本当にお金がかかるなというのはあるんですが、だけど、やっぱり乗っている人たちのことも考えて、ぜひ長い目で見て、引き下げてほしい。そういうことを要望して、ちょうど時間になりましたので、終わります。
○吉原委員長 ほかにご発言ございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○吉原委員長 起立少数と認めます。よって、請願一八第一二七号の二は不採択と決定いたしました。
○吉原委員長 次に、一八第八二号から一八第八六号まで、三菱地所他の「(仮称)江東区白河四丁目プロジェクト」に関する陳情は、関連がありますので、一括して議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○金子市街地建築部長 整理番号2、陳情一八第八二号から整理番号6、陳情一八第八六号までは、同一の建築計画についての陳情でございますので、一括してご説明をいたします。
まず、整理番号2の三菱地所他の「(仮称)江東区白河四丁目プロジェクト」に関する陳情につきましてご説明いたします。
お手元の説明表の三ページをお開きいただきたいと存じます。
本陳情は、江東区プラザ元加賀管理組合理事長江崎益廣さん外千四百七十六人から提出されたものでございます。
陳情の要旨でございますが、都及び東京都建築審査会は、仮称江東区白河四丁目プロジェクトの計画案について、総合設計制度の申請受け付け及び認可審査に当たり、地域の生活環境悪化を精査の上、慎重な取り扱いをしていただきたいというものでございます。
現在の状況でございますけれども、四ページの配置図をごらんいただきたいと思います。
計画地は、幅員二十二メートルの三ツ目通り及び幅員二十二メートルの清洲橋通りに接する、約四千九百平方メートルの敷地でございます。
本計画は、総合設計により、三十五階建ての共同住宅及び保育園を建築しようとするものでございます。
建築主は、この計画についての説明会を、本年五月十四日から十一月九日までに十二回実施しております。
なお、同様の陳情書が都知事あてに本年九月十九日付で提出されております。
また、建築主からは、総合設計の許可申請書が本年十月十一日に提出されております。
建築主の方は、現在も引き続き近隣住民への説明を行っているところでございます。
続きまして、整理番号3から6までについては、ただいまご説明いたしました整理番号2と同一の建築計画に対する陳情でございまして、陳情の要旨及び現在の状況につきましても、先ほどの整理番号2と同様でございますので、陳情者のみを説明させていただきたいと思います。
整理番号3でございますが、説明表の五ページでございます。
本陳情は、江東区大森尚美さん外二百十人から提出されたものでございます。
続きまして、整理番号4でございます。説明表の七ページでございます。
本陳情は、江東区田邊好文さん外八十三人から提出されたものでございます。
次に、整理番号5でございますが、説明表の九ページでございます。
本陳情は、江東区大久保修男さん外二百二十七人から提出されたものでございます。
最後に、整理番号6でございますが、説明表の一一ページをお開きいただきたいと思います。
本陳情は、江東区の桑原勲さん外二百四十八人から提出されたものでございます。
説明は以上でございます。
○吉原委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○柿沢委員 今ご説明がありましたけれども、本件物件は、白河四丁目の三ツ目通りと清洲橋通りの交差点のところに、三菱地所とNTT都市開発、JFE都市開発の三社が、総合設計制度を活用して、容積率の割り増しを受けて、三十六階建ての高層マンションを建てようというものでございます。
きょう、ちょうど二時から都庁で公聴会が行われると聞いておりまして、先ほどまで陳情者の方がこの傍聴席にいらっしゃったんですけれども、二時からということで退席されてしまいまして、この質疑が聞いていただけない形になってしまって残念なんですが、今回の物件では、本来なら現行容積率三六九・七四%までしか容積率が認められていないものを、公開空地などを提供することで、容積率を六六四・三〇%--これは東京都に無償提供する都市計画道路の用地の面積を除いた場合の容積率ですけれども--まで緩和をするということになっている。また、住宅の共用部分なんかを容積率不算入ということで、そこの部分を勘案すると、建物のボリュームとしては容積率九〇〇%を超えるという、大変大規模な高層マンションの計画になっています。これについて、周辺の住民などがさまざまな問題を指摘しているのが今回の陳情ということであります。
周辺では、このところ、非常に大型の開発が相次いでおりまして、今回の物件と同じ交差点のすぐ向かいには、昭和四年に完成した旧同潤会のアパートメントが再開発されて、三十二階建てのイーストコモンズフロントタワーが誕生しています。また、すぐ近くには、同じような形で、三十三階建てのイーストコモンズセントラルタワーというのができております。ここ一、二年の間に、三十階建て規模のマンションが既に二つできている。さらに、三つ目通りを挟んだ向かい側では、小名木川沿いの場所に、これまた総合設計制度を活用して、Dグラフォート清澄白河という三十二階建ての高層マンションが、平成二十年の完成を目指して今建設中ということで、ここ数年の間で、本件物件を含めると、三十階建て規模のマンションがこの地域に四棟も出現をするということになるわけです。
もともと私も、江東区のまさに近くの住民ですからわかりますけれども、この周辺というのは、周りはほとんどが一軒家か、あるいは低層の住宅、まさに深川の下町だったわけです。そこが突如として巨大マンションが林立するまちに変貌するということになってきています。
そのことによって、周辺の環境に大きく影響が出ております。例えば風の問題です。本件の物件が建つ交差点の周辺では、最近建てられた、先ほど申し上げたような高層マンションの影響か、このところ非常に強く風が吹くようになっている。私に説明してくださった住民の代表の方によると、お年寄りや子どもたちが、この交差点周辺、幼稚園、保育園なんかもあったりしますので、通ると、子どもたちなんかは吹き飛ばされそうな勢いの風が吹くというふうにいっておられました。これでさらに三十六階建てのマンションがこの交差点に建つということになったら一体どうなってしまうのかというふうに、住民の皆さんもおっしゃっているわけでございます。
本件物件の開発者である三菱地所などは、風の影響については風洞実験で確認をして、影響が大きいと見られるところは植栽を行って、木を植えることでカバーをするというふうにいっています。
しかし、その風洞実験の結果というのが、周辺住民の皆さんの生活実感といささかかけ離れている。本当にちゃんと実験をしたのか、ここの部分がこんなに風が弱いはずがない、あるいは、ここの部分が強いのはちょっとおかしいんじゃないのか、そんなふうに、風洞実験の結果について、開発者の出した実験結果に対して、これを見た住民の皆さんが非常に疑問の声を上げております。
そうした疑問の声がありますので、そうした開発者側の結果をチェックしたいということで、実際にどういう実験を行ったのか、実験装置や施設を見せてもらいたい、あるいは実際のデータ、生データを見せてもらいたいというお話を開発者の側に住民の皆さんが持ちかけたそうですけれども、これについても拒否をして見せてくれないということです。
そうした結果として、周辺住民の皆さんの、風の実験、本当にちゃんとした実験を行ったのか、業者の都合のいいようにデータをつくっているんじゃないのかというような不信の声が上がっております。
さらに、三十六階建ての建物ですから、落下物対策というのが非常に重要になりますけれども、許可要綱上、歩道状空地からの壁面後退をしないかわりに、落下物に対する危険防止の措置を有効に講じることというふうな規定があります。この危険防止の措置を有効に講じたので壁面後退をしなかったということになっているわけですけれども、しかし、開発者の講じている対策というのは、手すりの高さを床面から一・三メートル高目に設定しましたとか、さくのタイプの手すりではなくて、ガラスを全面に張って、物がすき間から落ちにくくしましたとか、上から物が落ちないようにする対策は確かに講じてはいますけれども、万が一物が落ちた場合の危険を軽減するという措置はとられておりません。これでは、落下物に対する危険防止の措置を有効に講じているとはいえないのではないか。
万が一、上から、三十六階建ての建物ですから、三十六階から植木鉢が落ちてきたという場合に、これは本当に、下を歩いている人からすれば大変な危険を伴うことになる。こうしたことに対する措置というのはとられていないではないかということを、周辺の住民の皆さんがおっしゃっております。そして、落下防止のひさしなどを最低限設置するべきなのではないのかということをおっしゃっているわけでございます。
いい始めると切りがないんですけれども、風の問題、落下物の問題、申し上げましたけれども、こうした周辺住民の声、非常に、周りで生活をしていて、現場の実態といいますか、その地域の実情というものを踏まえて上がってきている声だというふうに思います。こうした声をしっかり踏まえて、計画の見直しなどを開発者は行っていくべきだというふうに私は考えておりますが、総合設計の許可申請も出されている、また公聴会がきょう開かれているという状況を受けて、都としてどのように対応していくのかということを伺わせていただきたいと思います。
○金子市街地建築部長 ただいま風対策あるいは落下物対策ということで、いろいろご指摘がございました。
一般に風につきましては、先ほどお話がございましたように、風洞実験などの結果で影響が及ぶというところにつきましては、植栽などを施すというような改善を行うような指導をしております。
それから、高層マンションの落下物対策につきましては、先ほどお話がありましたように、バルコニーの手すりの対策といったことを行っているところでございます。
本件につきましては、現在、総合設計の許可申請書の内容につきまして審査を行っているところでございますけれども、先ほどお話がありました風洞実験の結果、あるいは落下物対策等についても、過去の事例なども踏まえまして、ただいま申し上げたような観点から審査をしていきたいというふうに考えております。
○柿沢委員 風の問題に関しては、やはりこの風洞実験の結果というものに対して疑問を持つ住民の皆さんが、独自に風力計を設置して、今、独自の調査をやられているというふうにも聞いております。こうしたデータも提示をしていただいて、総合的に見て、本当に今行われている対策で十分なのかどうか、そうした部分について精査をしていただきたいというふうに思っております。
同時に、周辺住民への説明のあり方ということについても、手続的に非常に大きな疑問があります。
そもそも開発者側は、この白河四丁目プロジェクト、三十六階建てのマンションの完成予想図のパースすら住民に提示をしていない。周辺環境や景観的にマッチするのか、こういうことを確認しようと思っても、完成模型も示されていない。だから、住民の皆さんが独自に模型をつくって、周りとどう景観的になるのかということを、自分たちで自費で模型をつくって検証しているというようなありさまであります。
また、説明会では、江東区の中高層建築紛争予防条例に準じて、公開看板、いわゆる標識の設置後九十日たたなければ行政手続は進めないということを開発者側は明言をしていたということですけれども、それを翻して、九十日たたないうちに手続を開始しています。七月二十六日に標識を設置した、九十日以上たたなければやらないということでやれば、十月二十六日以降ということになるのでしょうか。しかし、十月十一日には、この総合設計の許可申請というものを始めている。
本件物件については、都の条例が適用される物件でありますので、都の条例では、標識の設置後三十日がたてば手続に入れるということになっておりますので、これ、直ちに条例違反ということにはなりませんけれども、都は、地元区の紛争予防条例の規定に準じて対応するよう、開発者に対しては基本的にいっているというふうにも聞いていますし、そもそも、みずから説明会で、九十日たたなければ申請しませんよということを明言していたにもかかわらず、それを覆して、しかも、事前の説明をせずに不意打ちのような形で申請を行ったということで、これは周辺住民の皆さんは本当に強い憤りを、だまし討ちじゃないのかということで、開発者に対して感じているところであります。
こうした、ある意味では手続面も含めて、開発者に対する周辺の皆さんの非常に強い疑問の声や憤りの声が上がっている中で、私は、開発者は今後とも引き続き誠意ある対応を、また説明を、周辺の皆さんに行っていく必要があると思いますけれども、今後、都はどのように開発者を指導していくのか、伺わせていただきます。
○金子市街地建築部長 都はこれまでも、事業者に対しまして、計画について近隣住民の方に丁寧に説明するとともに、質問等に対してはわかりやすく的確に対応するよう指導してきているところでございます。先ほどの江東区の条例の件につきましても、先生おっしゃるように、区の条例については尊重するようにといった形で話してきたところでございます。
本件につきましても、そういった形で指導してまいりまして、これまで十二回の説明会を重ねてきたという報告を受けております。まだ十分ではないということでございますけれども、今後とも、できる限り住民の不安を解消して理解を得るために、十分な説明に努めるよう指導してまいりたいと考えております。
○柿沢委員 十二回の説明会を行ったということを今ご答弁でおっしゃいましたけれども、しかし、十二回やったからといって丁寧な説明をしているかのようなことにはならないので、これは、むしろ住民との合意形成がうまくとれていない。こじれているからこそ、これだけの回数の説明会をやっても、まだまだ本当に住民が納得をして、いいものをつくってくださいというふうにいえる状況になっていないということはぜひ認識をしていただきたいと思っております。
また、ご答弁いただいた話し方も非常に弱かったので、何となく、本当にちゃんと指導してくれるのかなという気持ちにもちょっとなるわけでありますけれども、総合設計制度を私は一概に否定するものではありませんけれども、公開空地をとって、ある意味では許可要綱を形式的にクリアすれば何でもやっていいんだということにはならないというふうにも思います。
私は、深川のこの地域に高層マンションが林立するという状況は、景観的にも好ましくないと思っていますし、伝統的に、やはりそうしたことがなじまない地域であったというふうに、私も住民の一人として感じています。
そういう中でこの陳情が提出をされているわけですけれども、ぜひ、許可ありきの検討ではなくて、また、開発者の開発スケジュールに合わせて急ぎ足で許可を出してしまうということではなくて、計画の見直しや周辺住民への十分な説明、また合意を得た上で開発を進めていくべきというふうに申し上げたいと思います。
その意味で、今後も引き続き皆様方に慎重な検討をお願い申し上げ、また住民の声を、きょう公聴会、まさに今開かれていると思いますけれども、しっかりと酌み取って事に当たっていただくようにお願い申し上げて、私の質疑を終わらせていただきます。
○村松委員 私からも、この陳情、江東区白河四丁目の三菱地所等の超高層建築にかかわる問題について質疑をさせていただきたいと思います。
先ほどのお話がありまして、私も現地に行って見させていただき、この請願を出している方々とのお話もしてまいりました。今のこの場所というのが日通の工場跡地だということで、そこの場所は更地だったんですね。この更地の後ろの方には、北側の方にプラザ元加賀というマンションがあるんです。ここの棟は十五階建てなんです。十五階建てが四棟あって、二十階建てが一棟ある。そこに大きな三十五階建てのマンションというふうに伺ったんですが、三十五階建てのマンションができるということで、私が行ったときは、このプラザ元加賀のマンションの前の方が子どもたちの遊び場になっていて、親子連れで楽しんでいたり、あるいは自転車を乗り回している子どもたちがいたり、本当に温かい感じのマンションの住民の皆さんの生活ぶりでした。
そういうところに急に大きなマンションができるということですから、生活の基盤を壊されるという中で、こういうふうに皆さん立ち上がって、許すな環境破壊、超高層マンション建設反対という、そういう旗も立っておりました。
そこで、私はこの問題を考えたときに、四つの問題でちょっと質疑したいなというふうに思っているんです。
一つは、先ほどお話がありましたので、この近くのところの立地条件ですね、さっき、南の方に三十三階建てのマンション、大きなところが二棟、その後ろにも建っていると。さらにこれがふえるということでしたので、ここに住んでいる人たちがどんな思いで生活しているのかということで、きょうは公聴会が開かれているわけですけど、その公聴会の中で意見を出したいという方から、ちょっとご意見を伺いましたので、そういう人たちの思いを紹介したいと思います。
白河四丁目プロジェクトに対する意見書ということで、私は白河三丁目イーストコモンズフロントタワー二階にある白河整形外科に勤務する看護師です。この地区の高年化も進み、来院者の約七割は六十五歳以上の高齢者です。超高齢者といわれる八十歳以上の方々も、年を追うごとに多くなっております。リハビリテーション科を有する当院では、運動器不安定症、括弧して、転倒リスクが高い、交差点で青の信号の間に渡り切れない、医療補助具がないと歩行が困難などなどの方々も多く、それなりの治療効果を上げております。これは、国が推進している寝たきり老人の減少に、多少なりとも寄与していると自負しております。しかしながら、幾つかの障害があり、通院することを断念しなければならないようなことが起きており、患者さんからの多くの訴えが聞かれます。それは以下のことに集約されます。一つが、イーストコモンズの--イーストコモンズというのは、この清洲橋通りと三ツ目通りの、このちょうど建設計画の斜め前のところなんですが、イーストコモンズのマツモトキヨシとセブンイレブンの間のビル風が強く、玄関、エレベーターホールに入れない、二つ目が、白河四丁目の交差点の突風が怖くて、手押し車を使っていても渡れない、三つ目が、ビル風が怖くて、一人では通院できない独居老人の増加ということです。この地区は、オフィス街ではありません。高齢者の多く居住するまちです。これ以上の超高層ビルは、上記に挙げた風害一点に絞っても、弱者に住みにくく危険を増大する異常な建築物といわざるを得ません。人情の残るまち深川に、高齢者、障害者、幼児がともに生活できる環境を残してほしいと強く要望しますと。
この方の意見と、もう一人の方は、子どもの立場に立った意見が出ているんですね。要約しますと、超高層建築物により、北側に位置するプラザ元加賀敷地内の子どもの遊び場、これが午前十時から午後二時まで影響を受け、日影となるが、この計画にそのかわりとなる公園の遊び場の提供がない、このことを一つ目として指摘し、二つ目は、この計画による地域の幼児の増加により、幼稚園の就園が困難になるというふうにあるんです。既に、通園に三十分かかる遠方の幼稚園でも、この地域の幼稚園定員からあふれた入園希望急増のため、白河地区の子どもは入園できませんと明言しているということで、そういう状況も生まれている。三つ目が、近隣の小学校への児童受け入れが困難になると予想される、この意見が出されております。
それで、現在でも先ほど紹介した風害の影響があるのに、さらに悪化させるような超高層マンション建設の被害と、子どもの遊び場が十時から午後二時まで日が差さない状況が生まれること、こういう心配の声があるんですけれども、こうした声をどのように受けとめて今度の問題をとらえようとしているのか、そのことをちょっとお聞かせください。
○金子市街地建築部長 ただいま、風と日影のお話がございました。
風につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、風洞実験などの結果で、風環境に大きな影響が及ぶと判断される部分につきましては、植栽などによって改善を行うような指導をしてまいります。
また、日影につきましても、当然、日影規制がございますので、それに適合するような計画となるように指導していく、審査していくということでございます。
住民の方々の声につきましては、先ほど来お話が出ておりますが、きょう公聴会を開催しておりまして、ご意見をお伺いして、私どももそれを理解し、また建築審査会の方にも伝えまして判断をしていくということになろうかと思います。
○村松委員 あの建物が建つ前でも心配の声があるんですね。心配の声と、それから、現に風が強くて、病院に行きたくても行けないというような状況が生まれているということを、きちっと重く受けとめていただきたいというふうに思うんです。
二つ目の問題として、マンション建設計画の問題なんですが、江東区でマンション建設計画の調整に関する条例が、平成十五年十二月に制定されて十六年一月一日から施行されておりますけれども、この江東区のマンション建設計画の調整に関する条例、これがどういう背景から出てきたのか。やっぱりこういうこともきちっと含めた上で議論する必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
○金子市街地建築部長 ただいま江東区のマンション建設計画の調整に関する条例についてお話がございましたけれども、背景といいますか、条例の目的には、急増するマンション建設に対応するため、土地取引等の前に、事業者に区への届け出を求め、公共公益施設の整備状況との調整を図り、もって良好な住環境の形成と区民福祉に寄与することを目的とすると、こういうふうに定められているところでございます。
○村松委員 何で江東区にこういうマンションの建設を調整しなければならないのかという、その背景について私はお聞きしたかったんですが、平成十二年から平成十八年までの六年間で、江東区全体で、二十階以上の建物が六十二棟も建設された。そういう中で、保育所あるいは小学校、また学童クラブ、こういうものの受け皿が間に合わず、この条例をつくった、こういう経過があるんですね。
先ほどご答弁がありましたけど、この条例の目的はさっきいったとおりです。で、この中身があるんですね。この中身は、公共公益施設の受け入れ困難地区、それを指定しているんです。さっきいった小学校や保育園や学童クラブ、その受け皿のないところは、二十階建て以上の超高層マンションは遠慮してほしいと。それを区長が、区長は、受け入れ困難地区では、事業者に対して建設事業を行わないよう協力を求めることができるというふうに書かれているんです。
この建設の計画のあるところなんですが、建設が予定されているところは白河四丁目ですが、白河三丁目の近くには区立元加賀小学校という学校があるんですね。ここは、受け入れ困難校には指定はされていないんです。指定はされていないんですが、しかし、こういうふうになっているんです。児童推計等により、収容対策上問題が生じるおそれのある小学校。このように、この白河三丁目にある元加賀小学校では、小学校の受け入れ体制がそういう状況だということなんです。
それで、白河の一丁目、二丁目の場所なんですが、近隣の同じ白河なんですが、この白河一丁目、二丁目の明治小学校通学区域というところがあるんです。明治小学校通学区域は、白河一丁目、二丁目の子どもたちが行っているんですが、ここは、まさに受け入れ困難地区に入っているんですね。ここは江東区で一番児童数が多いんです。クラスが二十一クラスで、利用可能な教室が二十四、必要教室数が二十五ということで、もう本当にここは、この近隣は、学校の方でも大変な状況になるんじゃないかというふうに私は思っております。
そういうことも含めてこの問題は考えていかなきゃならないというふうに思うんですが、江東区とのやりとりは、こういう問題も含めてやりとりがあるのでしょうか。
○金子市街地建築部長 江東区マンション建設計画の調整に関する条例に関するやりとりということでございますけれども、事業者の方では、この条例に基づきまして、建設事業届け出書というものを江東区長に提出しております。
それで、区長の方から、区長の意見ということで通知がございまして、先ほどおっしゃったように、本計画の小学校通学区域は、児童推計等により受け入れ対策上問題が生じるおそれがあるので、児童の出現率や建設入居時期等について、十分本区に協力されたいというふうに通知がございました。
これに対しまして、事業者といたしましては、今後のマンション事業計画につきましては、小学校等の受け入れ対策等について貴区と--江東区とですが、十分協議の上、協力いたしますという回答を出しているところでございます。
○村松委員 先ほど幼稚園の問題を私はいいましたが、学校の問題だって、やっぱりこれは、部屋の数を二つ以上にしなければ子どもは来ないだろうとか、いろいろなことで、何とかその辺をうまく乗り切ろうとしているようですけれども、1DKという形で、Dの方を広くして、区切って子育てができるような条件という、そういうすり抜けるみたいなことも、やろうとすればできるんですよね。
そういう意味からも、やっぱり私は、今の江東区で、この六年間で六十二棟も建設されて、さらにそういう超高層マンションの建設というのは、もっともっと慎重にやるべきだというふうに思います。
三つ目の問題として、今、超高層ビル、巨大地震で大きく損傷のおそれのある警告という、これは十一月二十日、毎日新聞なんですが、こういう超高層ビルの中で、長周期地震動で重大な損傷もという、こういう問題については、都としてどういう見解を持っているのでしょうか。超高層マンションが、あっちでもこっちでも建つということになれば、やっぱりこういう問題はほうっておけないと思うんです。こういう危機感についてはいかがでしょうか。
○金子市街地建築部長 長周期地震動については、まだ解明されていない部分もございますので、研究課題ということで、皆さん専門家の方がご研究なさっているというふうに考えております。
現在の制度の中では、超高層ビルにつきましては、個別に振動解析といいますか、応答析を行って、普通の構造計算とは異なる形で設計を行っております。したがって、今の基準につきましては、地震に対して安全であるというふうに考えております。
○村松委員 土木学会あるいは日本建築学会の研究の中で、高層ビルは、地震が来たときなんかは想定を超えて大きな問題をはらむだろうと、そういう警告なんかあるものですから、やはり東京都は、この問題を都市づくり、まちづくりの意味からも十分検討すべきであるし、まだ建っていないところは、そういうことも踏まえて、ぜひ検討していただきたい。
最後の問題なんですが、私は、白河四丁目のこのマンション問題は、近隣住民の問題と同時に、まちづくりの問題として、地元の自治体がしっかりと、地元の皆さんと一緒に話し合いを持って進める必要があるというふうに思っております。
これも、ことしの十月十四日の東京新聞なんですが、景観問題で条例を改正したと。これは、東京の銀座の景観を維持するための新しい銀座ルールを定める東京都中央区の改正建築条例が、十月十三日、同区議会で可決されたと。地元の地区計画を見直す都市計画決定とともに、十六日施行される。これにより、銀座の建築物は五十六メートル以下に規制される。しにせ百貨店の松坂屋などが森ビルとともに検討していた最高百九十メートルの超高層化案は、事実上断念せざるを得なくなった、こういう記事があるんですね。
これによりますと、銀座の中央通りは、和光三十メートル、三越三十一メートルなど、ほぼ同じ高さの建物が並ぶ。銀座ルールは、一九九八年、銀座にふさわしい落ちついた街並みづくりのために定められ、地区計画変更などで五十六メートルまでの高さ制限を導入。ところが、建築基準法の特例制度などで、基準を満たせば高さ制限を超えられる抜け道があったと。
こういうところを、中央区議会の方は、事実上、ここの松坂屋が、百九十メートル、この超高層化をしようとしたところ、面積九千平方メートルを再開発して進めようとしたんですけれども、この区議会の中では、いろんな住民の皆さんの意見があって、こういうふうに変えざるを得なくなったというふうなこともあるわけですから、ぜひ私は、今度の江東区の問題を江東区の方に返して、こうしたことを教訓にしながら進めていくことが大事じゃないかというふうに思います。
先ほど、問題点が解明されました。柿沢委員の方から問題点が解明されましたが、東京都が区からの方の、この建設を進めるに当たっては、施行のいかんにかかわらず、圧迫感がないようにという問題とか、それから地域で紛争が起きないようにという問題とか、さまざまな問題が提起されているわけですから、そういう問題も十分踏まえて、建設設計のやり直しを含めて再検討していただきたい。そのことを申し上げて、質問を終わります。
○吉原委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、いずれも継続審査とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一八第八二号から陳情一八第八六号までは、いずれも継続審査といたします。
○吉原委員長 次に、一八第九三号、八ッ場ダムに関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○野本都市づくり政策部長 請願・陳情審査説明表の一三ページをお開き願います。
整理番号7、一八第九三号、八ッ場ダムに関する陳情についてご説明いたします。
陳情者は、武蔵野市にお住まいの植田魅具さんでございます。
陳情の趣旨は、国土交通省が利根川上流の吾妻川で事業を実施している八ッ場ダムの建設に都の予算を組まないでいただきたいというものでございます。
現在の状況でございます。
八ッ場ダムは、国土交通省が利根川上流の吾妻川に建設しているものであり、東京都は、区部東部地域の洪水被害の軽減や都民への安定的な給水の確保のために必要なものであることから、利根川流域の他県とともにダム事業に参画しております。
昭和二十七年の構想発表以来、地元との調整を重ね、昭和六十一年に建設大臣が八ッ場ダム建設に関する基本計画を作成しました。
長年にわたる地権者、地元自治体との交渉の末、平成十三年には用地補償について、また、平成十七年には代替地移転についてそれぞれ合意が得られました。
現在、ダム本体工事の着手に向けて、水没地権者への移転代替地造成工事や、水没する国道や県道及びJR吾妻線のつけかえ工事を進めているところでございます。
総事業費四千六百億円のうち、東京都は六百三十六億円を負担することになっており、平成十七年度までに三百九億円を支出しております。
よろしくご審議のほどお願いいたします。
○吉原委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○植木委員 この八ッ場ダムについてですが、今もお話がありましたように、昭和二十七年に調査が始まって以来、実に五十四年が経過して、まだ本体工事にさえ着手できない、こういうものだというふうに思います。
この八ッ場ダムについては、これまでも都議会でいろいろ論議がございました。過大な投資的経費が使われるという財政の問題や、それから、吾妻渓谷や住民、特に吾妻渓谷沿いの川原湯温泉という温泉街がすっぽり水没してしまう。あるいは、吾妻川自身が非常に酸性の強い川でありまして、年じゅう中和剤を投入しなければならないという中和工場もできていると。利水についても、これは特に水道局の関係になってしまうわけですけれども、水需要予測が過大であるという問題もあるなど、大変大きな課題を抱えておると思うんですね。
二年前に、八ッ場ダムの総事業費が二千百十億円から四千六百億円と二倍以上に引き上げられたということで、都議会でも大分論議になりました。この総事業費の内訳は、利水分、治水分、都負担としてどういうふうになるのでしょうか。
○野本都市づくり政策部長 八ッ場ダム建設事業に係る東京都負担額等の内訳でございますけれども、都民への安定的な給水を確保するため、利水分で四百七十三億円、また、区部東部地域の洪水被害の軽減を図るために、治水分で百六十三億円をそれぞれ負担しております。
○植木委員 六百三十六億円のうち、今、利水分、治水分ということでお示し願いましたけれども、大変大きな額がこれからずっと支出されていくわけですが、現時点での出資額について、それぞれ負担額はどうでしょうか。
○野本都市づくり政策部長 平成十七年度までに東京都が支出した金額は三百九億円でございますけれども、その内訳は、利水分が二百三十一億円、治水分が七十八億円となっております。
○植木委員 やっと半分程度の支出になったわけですけれども、今、都負担分は合計で六百三十六億円ということだったんですが、実際には、この八ッ場ダム建設事業費と、関連事業費として水源地域対策特別措置法の事業あるいは水源地域対策基金事業、こういうものを一体として全体の基本計画の変更が行われていると思うんですが、どういう変更だったのか、そして都負担は、現在のところ、わかる範囲でどのくらいになっているのでしょうか。
○野本都市づくり政策部長 八ッ場ダムにかかわる事業につきましては、ダム本体工事などのほかに、いわゆる水特事業と基金事業がございます。
水特事業というのは、水源地域対策特別措置法に基づく事業でありまして、水没地区の周辺を対象として、生活環境を整えるために、道路改良あるいは下水道整備など公共施設整備を図るものでございまして、その総事業費は九百九十七億円となっております。そのうち東京都の負担額は百三十一億円でありまして、平成十七年度までに四十四億円を支出しております。
もう一つの基金事業でございますけれども、これは水没地権者などに対しまして職業転換費の助成など生活再建支援を行う事業であり、平成十七年度までに二十五億円が執行され、このうち東京都は九億円を負担しております。
○植木委員 そうしますと、事業費で議会で答弁がずっとあったんですけど、総事業費として都負担分は六百三十六億円なんだけれども、そうした関連事業費が当然出てくる。現時点では七百七十六億円という、これも百数十億円上回ってきているんですけれども、基金事業はさらに、私が調べた関係では、国の方の資料などを見ますと、最終的には八十四億円程度になるのではないかと予想されているわけです。
そうしますと、差し引いたとしても、八百五十億円を総額として超えることになると。当然、起債もこれに計上されてきますから、そうしますと、一千億円を優に超える莫大な事業費になる。余りにも巨額な事業費のために、関東地方整備局と東京都の関係局などが入って、コスト管理に関する連絡協議会というのを開催しているというふうに聞いています。節減を図るということだそうですが、一体、今日までどのくらい縮減ができたのでしょうか。
○野本都市づくり政策部長 東京都は、平成十五年度の八ッ場ダムの事業費会計に際しまして、国に強く事業費のコスト縮減を要求しております。
その結果、平成十六年五月には、国は東京都などと八ッ場ダム建設事業のコスト管理等に関する連絡協議会を設けまして、コスト縮減の取り組みを始めております。
その結果、平成十六年度には、事業費約二百億円のうち、トンネル工事から発生した採石を道路の舗装材料として再利用するといったことで八千三百万円のコスト縮減をしております。
それから、平成十七年度なんですけれども、事業費約二百八十億円のうち、トンネル床面の施行方法の見直しなどを行いまして、約二億二千万円のコストを縮減しております。
○植木委員 そうすると、今お話があっただけでも、四百八十億のうち三億程度縮減されたというんですけど、結局、余りにも巨額なために、東京都としても縮減を要請せざるを得ないと。一体、最終的に幾らかかるか、まだまだわからないわけですね。維持管理なんかも、これからずっと、もし途中で出ていく。それから国会の答弁でも、期限内の完成を危ぶむような答弁も出ていると。
こういう状況ですから、本当に巨額なダム事業、額だけいえばですね。まず額の問題でいっているわけですけれども。五十四年間かけて、まだ本体事業に入らないで、しかも、全国的にも投資的経費の削減が叫ばれてそういう努力がされているとき、これだけ巨額な事業を、一体、東京都としてどう考えているのか。金額の面だけで、まずお聞きしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○野本都市づくり政策部長 水道は、都民生活あるいは首都東京の都市活動に欠くことのできないライフラインだと考えております。平常時はもとより、渇水期に安定的に給水を行うために、水源の確保は大変重要な課題と認識しております。
もう一つの方の治水でございますけれども、いざ暴風雨時などの罹災を防止するためには、こういったダム事業は、一定の負担のもとに行うことは必要なことと考えております。
○植木委員 水道関係はちょっと後にいたしますけれども、今、治水のお話がありました。もちろん治水そのものは基本的に大事なことでありますから、当然やらなきゃいけないんですけれども、もともとこの八ッ場ダムの設定の考え方が、かつて、一九四七年ですから、この調査が始まった数年前のカスリン台風を基準にして立てたというんですけれども、基準自体が、国土交通省の資料でも、八斗島という、八ッ場ダムの地点よりも下流の伊勢崎のところを基準にして基本高水流量というのを決めてきているということがあるわけなんですが、この八斗島というところでは、確かに毎秒二万五千立方メートルという水量があった。
しかしながら、この上流のダム地点周辺のところでは、毎秒一千万立米もいかなかったんですね。だから、上流で雨を受けとめてやるという本来のダムの性格からいっても、その計算が合わないところから出発しているということが一つあると思うんです。
それから基本高水流量そのものについても、その後どんどん上げていって、毎秒二万二千立米という基準を設けて、この五十年間を見ても、そのカスリン台風よりもまさに毎秒五千立米を上回る基準高を設けて設定してきているという、そういうことから考えてみても、これだけの巨大な事業が本当に必要なんだろうかというのは、その面でも私は疑問なんですよね。
もちろん治水対策については万全を期さなきゃいけないというのは、行政の立場として非常に大事なことなんですけれども、そういう点での検証は、もう一つ私は必要かというふうに思っています。
先ほど、部長から水の確保の問題のお話がありました。水源量の問題と水の需要予測の問題ですね。これも毎回いろんなところで議論になるんですけれども、この面でも、僕は東京都の水の需要予測そのものは過大だと。いろんな計算の中身は過大だと思っているんですけれども、東京都自身の計算の中身からいっても、私は見直しが必要だというふうに思っているんですね、東京都自身の計算の根拠からいっても。それは後でちょっと述べます。
その前に、まず水源の問題ですね。現在、東京都が確保している水源量がどのくらいあって、十九年度に完成予定の、秩父に建設が行われている滝沢ダム、この水源量はどのくらいあるというふうになるのでしょうか。
○野本都市づくり政策部長 東京都は、現在、一日当たり六百二十三万立方メートルの水源を確保しております。都が主な水源としております利根川水系は、渇水に対する計画上の安全度が他の水系に比べて低いということで、最近十年間で、夏冬合わせて三回、取水制限が実施されているという状況がございます。
今ご指摘の滝沢ダムの水源量ですけれども、完成しますと、一日当たり七万立方メートルの水源を確保できるということを見込んでおります。
○植木委員 滝沢ダムで七万立米。
それから、地下水についても実際に使っているはずなんですけれども、水源量はどのぐらいになるのでしょうか。実際に活用している量なのか、ちょっとそこが、もしそこの違いもわかりましたら教えていただきたいんですが。
○野本都市づくり政策部長 地下水の取水でございますけれども、現在、四十万立方メートルの使用をしておりますけれども、ただ、広域的な地盤沈下の問題あるいは水質等の問題がございまして、長期的には安定的な水源に位置づけることは困難と考えております。
○植木委員 四十万立米というと、非常に大きいですよね、巨額ですよ。八ッ場ダムがたしか五十万立米ぐらいの水量の確保量だと思うんですよね。そうしますと、四十万というのは非常に大きいですよ。ダムを一つつくったのと同じぐらいなわけですから。これについては、やっぱり真剣に考える必要があると思うんですね。
確かに、地盤沈下の問題とかいろいろあります。だから、地域によって、もちろん違うんですよ。しかし、最近は、下町の方へ行けば、地下水の水位が上がっていると。地下鉄工事をやると水が噴き出てくる、こういう事例も出てくる。それから、一部、確かに汚染されて、トリクロロエチレンというのが出たということですけど、それはもう既にふたを閉めてある。薬で今、対処しているということもあります。
それから、国自身が何よりも、この地下水について認定しているんですよね。水源として認定するということも発表されているわけです。だから、そういう意味で、東京都の水源としてきちっとやっていけば、先ほどの、現在の六百二十三万立米プラス滝沢ダムの七万立米、地下水四十万立米を加えますと、六百八十万立米になるんですよ。実に、八ッ場ダムがなくても計算上は目標を達成しちゃっているんです、計算上は。そういう意味で、新たなダムの建設そのものは要らないということになるんです。
もう一つ加えていえば、私たちが日常的に水を、飲み水以外にも相当使っておる。雑用水というんだそうですけれども、水洗トイレとか、樹木に散水するとか、洗車するとか、そういうたぐいの水ですよね。これは当然、雨水をどう活用するか、あるいは下水道の再生水をどう活用するか、こういうことをどれだけ今後熱心にやっていくか、この問題も私はもう一つの課題としてあると思うんですよね。
現在、東京都で、この雑用水の活用については、どういう方針と、それからどのくらい活用されているのか、また、どうこれから活用を促進しようとしているのか、お示しいただきたいと思うんですが。
○野本都市づくり政策部長 雑用水のことについてお答えする前に、今ご指摘のあった、滝沢ダムと地下水を利用すれば、将来的に必要だと予定している六百八十万立米を達成するんじゃないかということについて説明いたしますけれども、現在の確保している六百二十三万立米の中には、地下水も既に含まれてそういうことになっておりますので、残念ながら、その地下水を入れて六百八十を達成するという計算は難しいと考えております。
次に、雑用水の活用でございます。東京都は、昭和四十九年度から、大規模建築物に対し、雑用水の活用について指導してまいりました。平成十五年度には水の有効利用促進要綱を定めまして、延べ床面積一万平方メートル以上の建築物、開発面積三千平方メートル以上の開発事業を対象としまして水の有効利用の指導を行っております。
雑用水でございますけれども、専らトイレの洗浄用水あるいは緑地への散水に用いられておりまして、平成十三年度からの五年間の導入実績としては、一度使った水を処理して利用する循環利用が、平成十三年度に十四件、一日当たり二千立米、平成十四年度は三十四件で、一日当たり八千立米、それから平成十五年は十七件で、一日四千立米、十六年度は九件で、一日当たり三千立米、十七年度は六件で、一日当たり一千立米となっております。
また、敷地内に降った雨を利用する雨水利用でございます。平成十三年度は四十八件、十四年度は五十六件、十五年度は二十七件、十六年度十八件、十七年度十九件となっています。
今後とも、都民、事業者に水資源の大切さを訴えまして、雑用水を活用する建築物が増加するように、周知、指導に努めてまいります。
○植木委員 最初の課題のある水道水の問題ですけれども、これは水道局にもらったんですけれども、八ッ場ダムなどを含めて六百八十万を目標にしていますよと。それで、少雨傾向だとか課題のあるものを引いて、こうなりますよというんですから、皆さんの計画では六百八十が上限なんですよ。さっき私が計算したように、六百八十あるじゃないかといっているわけだから、たとえこれを引いたとしたって、それはできるんですよ。だから、そこは違うんです、まずそっちの認識が。
それからもう一つ、今の雨水や下水の再生水、十三年度からずっと努力されていることが報告ありました。私、これはもっともっと努力をしていく必要があるというふうに思っているんです。
というのは、この全水道水で見てみますと、平均配水量から見ますと、消費量の四分の一が雑用水なんですね。それを単純に計算しますと、平均配水量が四百五十二万立米ですから、四分の一となると百十三万立米、それこそダムが三つ四つの計算なんです。もちろん、それを全部一気にやれといったって、そんな無茶なことを私はいうつもりはないんですけれども、今、雑用水と再生水について努力されているというお話がありました。現在は、合計しても数万立米です。
これを例えば一〇%、雑用水をこうした努力によって他のもので補っていけば、雨水や再生水の利用で補っていけば、一〇%でも、先ほどの百十三万の一〇%ですから十一万立米になるんですよ。これ、二〇%にしたら二十二万立米ですよ。小さなダム一つぐらいになるわけですよ。これは単純にはいかないのは私はよく知っていますけれども、これからの長期的な課題として、六百八十が確保できている、その上にこのこともする必要があるということなんです。
現に水道局の方では、確かに、先ほどの地下水については不安定要素があるというのは、ずっといってはいるんです。ただ、国がそういうふうに水源として認定したということもあって--あるのかも、私はそこ、きょうは水道局じゃありませんので確認できませんけれども、水道局自身が、地下水の活用に関する検討を実施する、こういうふうに明確にいい出してきています。貴重な水源であることから、可能な限り活用を行うと、こういう検討を始めているんです。
そういう意味では、いずれこれは具体化されてくれば、私は期待をしているんですけれども、地下水も四十万立米、そして、それプラス雨水、再生水を活用していけば、八ッ場ダムは要らないんですよ、皆さんの計算でいっても。
それからもう一つは、これは水道局自身の問題なので、質問すると悪いですから、私の方でいってしまいますけれども、水需要予測の計算自体にも、私は、人口推計だとか都市の活用状況とか工場とか、それから実際のいろんな係数を掛けて、将来予測は二十五年に六百万というふうに出ているんですけれども、一つ一つここではちょっと--水道局でそれはやります。ただ、事実関係だけ見ても、僕は十分だというふうに思うんです。
というのは、一つだけ例を挙げますと、これまでの水道局自身の取り組みで、使用水量、水の漏水率が改善されてきているんですよね。これは努力されて非常にいいことです。つまり、平均水量のうち実際に使用している水量の割合、有収率というんだそうですが、これが平成十二年を基準にして、平成二十五年を予測六百万としているんですが、これ一つとって見ても、平成十二年の有収率というのが九〇・五%だったんです。平成二十五年の予測は九四・〇%なんですね。だから、ここまで改善しようということなんです。ところが、もう既に平成十七年度で九四・二%というふうに改善されたんです。本当に並々ならぬ努力をやったんだと思いますよ。
この係数を掛けただけでも、もう基準値が変わっちゃうんです。六百万じゃなくなっちゃうんです。水道局の予測の計算自体が変わっちゃうんです。そういうことも含めて、私は、ダムというのは全面的に見ていただいて、下方修正が必要だというふうに水道局にはいっているんですけれども、たしか十二年のときに、私、下方修正といったら、十五年に六百三十万立米を六百万立米にかえていましたけどね。それでもこういう問題が出てくるわけです。
いずれにいたしましても、今述べたように、財源の問題、それから水源の問題、そしてこの水需要予測の問題、新たなそういう都市としての水道水や下水道水の再生水の利用とか、いろいろ、まだまだたくさんあると思うんですけども、そういう努力をすれば、これ以上の公共投資は必要ないということを重ねて主張いたしまして、終わりにいたします。
○野本都市づくり政策部長 正確に伝わっていないところがありますので、もう一度説明させていただきます。
現在の水源量は、六百二十三万立米でございます。これを将来の水源量として必要なものは六百八十万立米としていますけれども、これは、滝沢ダムの七万、それから八ッ場ダムの五十万というものを加えまして、六百二十三万に五十七万を加えて将来必要な六百八十万立米を確保する、そういうことになっています。先ほどの地下水を利用すれば、四十万立米を利用すればというのは、現在の六百二十三万にもう既に含まれているということなので、それはひとつよろしくお願いいたします。
それから、雑用水でございます。雑用水をもっと有効利用すれば、水源確保をするのを少なくていいんじゃないかというご指摘がありましたけれども、この雑用水というのは、一生懸命推進はしているんですけれども、別配管をしなきゃいけないという経費の問題とか、管理が難しいとか、そういうさまざまな問題点がありまして、理論的には結構なことなんですけれども、なかなか推進するのは難しいということがございます。
それから、先ほどの水道局のことで、私どもがとやかくいうことではないんですけど、有収率あるいは負荷率を見直していけば、もっと水を有効に使えるんじゃないかということなんですけれども、特に有収率を高める、要するに漏水等を減らしていくという努力は、確かにおっしゃるとおりやっているんですけれども、それを見込んで、なおかつ、さっきいった六百八十万立米の水源が必要だと、そういう計算になっておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○植木委員 確かに、一部、三多摩の地下水は入っているんです。それも二万立米程度だと思いますけれど、これは後で水道局として確認しますけども、三十五万立米程度は加えることができるはずです。これは後で水道局で確認して、後ほどまた皆さんに伝えたいというふうに思います。
○吉原委員長 ほかに発言はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○吉原委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○吉原委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一八第九三号は不採択と決定いたしました。
以上で請願陳情の審査を終わります。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時三分散会
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