委員長 | 高橋かずみ君 |
副委員長 | 長橋 桂一君 |
理事 | 三宅 茂樹君 |
理事 | 立石 晴康君 |
理事 | 花輪ともふみ君 |
大松 成君 | |
高橋 信博君 | |
たぞえ民夫君 | |
植木こうじ君 | |
きたしろ勝彦君 | |
小沢 昌也君 | |
川井しげお君 | |
中村 明彦君 |
欠席委員 一名
出席説明員都市整備局 | 局長 | 柿堺 至君 |
次長 | 南雲 栄一君 | |
技監 | 福島 七郎君 | |
技監 | 只腰 憲久君 | |
総務部長 | 安藤 明君 | |
都市づくり政策部長 | 野本 孝三君 | |
住宅政策推進部長 | 矢島 達郎君 | |
都市基盤部長 | 石井 恒利君 | |
市街地整備部長 | 宮村 光雄君 | |
市街地建築部長 | 金子 敏夫君 | |
都営住宅経営部長 | 小林 計代君 | |
企画・技術担当部長 | 村尾 公一君 | |
開発プロジェクト推進担当部長 | 戸田 敬里君 | |
住宅政策担当部長 | 水流潤太郎君 | |
区市町村調整担当部長 | 中沢 弘行君 | |
民間住宅施策推進担当部長 | 山室 善博君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 今井 光君 | |
都市景観担当部長 | 安井 順一君 | |
経営改革担当部長 | 小宮 三夫君 | |
参事 | 並木 勝市君 | |
参事 | 笠井 謙一君 | |
参事 | 山口 明君 | |
参事 | 座間 充君 | |
参事 | 小澤 弘君 | |
参事 | 清水 文夫君 | |
参事 | 宇多田裕久君 |
本日の会議に付した事件
陳情の取り下げについて
都市整備局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都景観条例
・東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
・東京のしゃれた街並みづくり推進条例の一部を改正する条例
請願陳情の審査
(1)一八第一二号 京成四ツ木駅前交通広場及び周辺道路整備計画の縮小に関する請願
(2)一八第一三号の三 平成十七年九月都内十河川流域で生じた水害に対する総合治水対策に関する請願
(3)一八第三七号 目黒区青葉台三丁目に計画中の四十四階建てビルに関する陳情
(4)一八第四三号 (仮称)JV豊洲四丁目計画新築工事に関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・シンドラーエレベータ株式会社製エレベーターの事故への対応について
・第百七十五回東京都都市計画審議会付議予定案件について
○高橋(か)委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、陳情の取り下げについて申し上げます。
お手元配布の一八第五二号、都営墨田区立花六丁目アパートに併置されている地域集会所に関する陳情は、議長から取り下げを許可した旨通知がありましたので、ご了承願います。
○高橋(か)委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び請願陳情の審査並びに報告事項の聴取を行いたいと思います。
なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑を終了まで行いたいと思いますので、ご了承願います。
これより都市整備局関係に入ります。
初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、柿堺都市整備局長から紹介があります。
○柿堺都市整備局長 去る七月十六日付で異動のございました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
次長の南雲栄一君でございます。技監の福島七郎君でございます。技監の只腰憲久君でございます。都市づくり政策部長の野本孝三君でございます。都市基盤部長の石井恒利君でございます。市街地整備部長の宮村光雄君でございます。市街地建築部長の金子敏夫君でございます。企画・技術担当部長の村尾公一君でございます。開発プロジェクト推進担当部長の戸田敬里君でございます。区市町村調整担当部長の中沢弘行君でございます。民間住宅施策推進担当部長の山室善博君でございます。多摩ニュータウン事業担当部長の今井光君でございます。連絡調整担当参事の並木勝市君でございます。航空政策担当参事の笠井謙一君でございます。民間開発担当参事の座間充君でございます。調整担当参事の小澤弘君でございます。
なお、航空政策担当理事の河島均君は、公務のため、本日、委員会を欠席させていただいております。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕
○高橋(か)委員長 紹介は終わりました。
○高橋(か)委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○柿堺都市整備局長 本日は、平成十八年第三回都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
提出予定案件は、条例案が三件でございます。
お手元の資料1、平成十八年第三回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんください。
まず、東京都景観条例案でございます。本条例は、大規模建築物等の事前協議制度などを導入するとともに、景観法に基づく所要の規定を設けることにより、美しく風格のある東京を実現するため、条例の全部を改正するものでございます。
次の東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例案、三の東京のしゃれた街並みづくり推進条例の一部を改正する条例案でございますが、両条例とも、東京都景観条例の改正等に伴い、規定を整備するものでございます。
私の説明は以上でございます。
引き続き、詳細な内容につきまして、総務部長よりご説明申し上げます。
○安藤総務部長 それでは、お手元の資料1、平成十八年第三回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
三ページをお開き願います。まず、東京都景観条例案につきましてご説明申し上げます。
1の改正の理由でございますが、大規模建築物等の事前協議制度等を導入するとともに、景観法の規定に基づき景観計画等に係る規定を設けること等により、美しく風格ある東京を実現するため、条例の全部を改正するものでございます。
2の条例案の概要でございますが、五ページにかけまして記載してございますので、順番に主な改正内容をご説明申し上げます。
まず、(1)及び(2)に記載してございますが、景観法の制定を受けまして、条例を自主条例から一部法委任条例に改めるとともに、良好な景観を形成する意義や重要性について基本理念を定めるものでございます。
四ページをお開き願います。
(3)に記載してございますが、東京全体として良好な景観の形成を推進するため、区市町村との協議について規定を定めるとともに、区市町村の景観計画区域における都条例の適用除外規定を定めるものでございます。
続きまして、(4)から(6)にかけて記載してございますが、景観計画区域内に景観基本軸及び景観形成特別地区の地区を定めることができることとし、各地区の定義を規定いたします。また、景観法の規定により条例で定めることとされている届け出対象行為並びに変更命令等の対象となる行為を規定するものでございます。
五ページをごらんください。
(7)に記載してございますが、大規模建築物等の建築等につきまして、企画段階から景観への配慮を含めた協議を行う仕組みを創設するものでございます。
最後に、(8)及び(9)に記載してございますが、景観法に基づく景観重要建造物に関する手続規定等並びに東京都景観審議会に関する規定の整備を行うものでございます。
七ページから三〇ページにかけましては条例案文を、三一ページから五六ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
次に、五九ページをお開き願います。東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例案でございます。
1の改正の理由でございますが、東京都景観条例の改正に伴い、景観計画に定める事項を屋外広告物の表示等に関する行為の制限に反映するほか、規定を整備するものでございます。
2の条例案の概要でございます。
まず、(1)に記載してございますが、禁止区域の追加等でございます。景観計画に基づき、文化財庭園など歴史的価値の高い施設の周辺地域で知事の定める範囲内にある地域を対象として、禁止区域を指定することができるよう改めるとともに、禁止区域における非営利広告物の表示または設置に係る規定を整備するものでございます。
次に、(2)に記載してございますが、許可区域の追加等でございます。景観計画区域のうち知事の指定する区域を対象として、許可区域を指定することができるよう改めるとともに、当該区域内に適用される基準を別に定めることができるよう規定を整備するものでございます。
六〇ページをお開き願います。(3)に記載してございますが、車体利用広告に関する条文の表記を統一するものでございます。
六一ページから六二ページにかけましては条例案文を、六三ページから六七ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
七一ページをお開き願います。最後になりますが、東京のしゃれた街並みづくり推進条例の一部を改正する条例案でございます。
1の改正の理由でございますが、東京都景観条例の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
2の条例案の概要にございますように、第三十四条において定める東京都景観条例の適用除外規定が、改正される東京都景観条例上に位置づけられることから、当該規定を削除するものでございます。
七三ページに条例案文を、七五ページには新旧対照表を記載してございます。
簡単ではございますが、以上で平成十八年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。
ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言を願います。
○たぞえ委員 一点、お願いします。
他の四十六道府県での景観条例等、三条例の制定状況と概要のわかるものをお願いいたします。
○高橋(か)委員長 ただいまたぞえ委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。
理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、提出願います。
○高橋(か)委員長 これより請願陳情の審査を行います。
初めに、一八第一二号、京成四ツ木駅前交通広場及び周辺道路整備計画の縮小に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○石井都市基盤部長 整理番号1、一八第一二号、京成四ツ木駅前交通広場及び周辺道路整備計画の縮小に関する請願についてご説明いたします。
お手元の資料の一ページ及び二ページの図面をあわせてごらんください。
本請願は、四ツ木駅前交通広場反対住民協議会代表白田清さん外一名から提出されたものでございます。
請願の要旨でございますが、葛飾区が地域住民に提示している京成四ツ木駅交通広場及び周辺道路整備計画案(第二次案)について、次のことを実現していただきたいというもので、具体的な内容といたしましては二点ございます。
一点目は、駅周辺住民が無用の立ち退きをしないで済むよう、当初提示した計画案(第一次案)に戻すよう再検討すること、二点目は、当初の計画案を住民に無断で突然変更した原因、理由を明らかにすることという内容でございます。
現在の状況でございますが、京成四ツ木駅周辺につきましては、平成十三年一月に、京成電鉄押上線四ツ木駅から青砥駅間の連続立体交差事業の都市計画決定とあわせまして、葛飾区において、幅員八から二十三メートルの鉄道附属街路を同時決定し、この鉄道附属街路を活用して、タクシーや一般車が回転可能なロータリーを設置する計画といたしました。これが請願者のいう第一次案でございます。図面左下の拡大図をごらんいただきたいと思います。
その後、区におきまして、四つ木地区の防災性向上や商店街の活性化、交通結節機能の強化などの観点から、駅周辺の都市基盤整備計画について見直しを行いまして、通称旧四つ木街道、図面の位置図の中ほどにございます弓状の路線でございます。これの拡幅を計画いたしました。これが葛飾区画街路第四号線でございます。
また、これとあわせて、四ツ木駅前広場へのアクセス道路及び路線バスの乗り入れやタクシープール等の設置が可能な交通広場、同じく図面の位置図、中ほどに黒く着色されている路線、これを計画いたしました。このアクセス道路と交通広場が葛飾区画街路第六号線で、請願者のいう第二次案となります。図面右下の拡大図をご参照いただきたいと思います。
この計画、請願者のいう第二次案でございますが、これにつきましては、葛飾区において、本年六月に葛飾区都市計画審議会に付議し、七月二十一日付葛飾区告示第二三七号で決定及び告示がなされております。
次に、現計画、請願者のいう第二次案でございますが、この策定に際しましては、葛飾区が平成十七年五月に開催いたしました、計三回に及ぶ旧四つ木街道及び駅周辺整備意見交換会において案を提示した後、沿道まちづくり勉強会の開催--これは五回開催いたしております--及び都市計画素案説明会の開催、計二回の延べ十回にわたり都市計画案の地元説明を実施いたしまして、合計約五百六十人の参加者がございました。
また、ほっとマイタウン四つ木や四つ木駅周辺街づくり協議会などの地元の団体、協議会と協力いたしまして、計十六回にわたる講演会、見学会の実施や、まちづくりニュースの配布など、きめ細やかな対応が図られてございます。
なお、本件につきましては、葛飾区に対しても同趣旨の請願が二件提出されており、平成十八年三月の葛飾区議会において不採択となってございます。
以上で説明を終わります。
○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○たぞえ委員 京成四ツ木駅の請願について伺いたいと思います。
京成押上線四ツ木駅は、京成電鉄の連続立体交差事業によって荒川の橋梁の位置が変わり、その結果、三年前に駅の位置を変えて高架式で完成をいたしました。私も現地を見て、大変立派な駅になったなという実感です。その際、工事に使っていた駅前広場が空き地となり、この鉄道附属街路をどのように利用するか、これは周辺の街区まちづくりのあり方に大きくかかわっている問題でありました。
東京都は、こうした既成市街地の中に発生した鉄道改良に伴う跡地に対する開発方針、これをどういうふうに考えていらっしゃるのか、まず示していただきたいと思います。
○石井都市基盤部長 鉄道駅周辺は、ご承知のように、交通結節点として多くの人々が集まるということから、一般的にまちの顔となる場所というふうに認識しておりまして、あるいは拠点となり得る場所であるということから、地域のまちづくりを進めていく上で大変重要な役割を担っている、このように認識しております。
このため、駅周辺に公共的利用が可能な土地がある場合は、地域のまちづくり計画に基づき、鉄道事業者と協議の上、積極的に活用していくべきもの、このように考えております。
○たぞえ委員 平成十三年に、京成押上線の連続立体交差事業の都市計画決定にあわせて、この鉄道附属街路を活用して、駅前でタクシーや一般車が回転可能なロータリーを設置する、こういう計画になったわけです。
現在、この駅の乗降客は一日六千人--乗りおり合わせて一万二千人といわれておりますが、大変規模的には小さい駅です。また、バス停は、説明のあった四つ木街道に設置されており、このバス停から駅まで移動する、こういう駅であります。しかし、沿線の青砥や金町などの繁華街と比べて落ちつきのある環境だということで、まちの方々も、こうした大規模な開発ではなくて、落ちついた環境で日常生活を営みたい、このように長年期待をされていました。
しかし、そうした住民の長い時間積み上げてきたいわゆる第一次案に対して、突如、都市計画決定を覆して、街路四号の拡幅、駅前広場へのアクセス道路、そして路面バスなどの乗り入れを行える交通広場をつくる、こういう計画にさま変わりをしたわけです。
つまり、このさま変わりの開発というのは、第一に、一度都市計画決定に向けて住民合意がされていたものを、しかも、それは立ち退きもなかった計画を、駅前整備だということで、新たな、土地を所有している地権者百五十人がこの対象にならざるを得なくなった。第二に、商店街の沿道の拡幅で、さらに過去最大規模の商業地域の土地の改変が行われる。こういう事態に今直面をしているわけです。
そこで伺いますが、平成十三年に都市計画決定したこのまちづくり計画と今回の二次計画について、どういう点で都市計画の根本的な考え方の違いがあるのか、都の見解を伺いたいと思います。
○石井都市基盤部長 請願者のいう一次案と二次案の根本的な違いということかと思いますが、請願者のいう一次案は、京成押上線の連続立体交差化に伴い、附属街路を活用し、一般車やタクシーによる四ツ木駅へのアクセス機能、駅前広場機能等を確保するものでございました。これはお話のあったとおりでございます。
二次案は、一次案に加えまして、地域の防災性向上や商店街の活性化、歩行者の安全性の確保などを目的に、葛飾区画街路六号線として都市計画決定され、駅前広場の拡大と、同四号線に接続する導入路の整備を行うこととしたものでございます。これによりまして、駅前へのバスの直接乗り入れやタクシープールの設置を可能とするなど、四ツ木駅における交通結節機能の強化や、駅前における安全で快適な歩行者空間の創出を図るものでございまして、区のマスタープランで定められている四ツ木駅周辺の生活拠点の形成に寄与するもの、このように考えております。
○たぞえ委員 要するに、道路の拡幅が引き金になっているんです。その結果、住民の生活や営業に多大な影響が及ぼされる。不安の声が起こるのは、私は自然だと思います。
昨年十二月に、区の住民に対する説明会でも、こうした不安や不満の声がたくさん出されています。駅前広場中止住民協議会、また、四つ木のまちづくりを考える会、こういう市民団体も立ち上がって、将来のまちづくりをどうするのか、真剣な議論が行われてきました。
葛飾区が行った意向調査で大変私が注目しているのは、こういう意見が述べられています。計画に協力も理解もしたいと思うが、また借金をして返済するのは不可能だ。道路が広くなることはいいことだが、商売をしているところが削られて商売ができなくなると、ますます商店会は寂れる。この計画は中立の立場だが、駅前バスロータリーをつくるのは反対だ。地元住民の意見を最終的に反映させた計画を策定するべきだ。計画に反対や賛成を表明していない方々から多数の意見が出されました。
土地を手放す地権者が百五十人、そういう方々がこの計画に、住民に無断で突然変更したと血相を変えているわけです。私も、わずか四年前に決めた都市計画決定を覆す、このようなやり方は、将来のまちにとってどうなのかというように同感をするんです。
そこで、葛飾区は、ことしの二月に予定していた新しい都市計画案の工事縦覧、それから、三月に予定していた都市計画審議会の開催のスケジュールも結局変更せざるを得なくなりました。四ツ木駅の立体化が終わって、今後、京成押上線の連続立体交差化事業は、早くても七年後に完成するといわれていますが、一本の鉄道をめぐってまちの将来が大きく変わろうとしている。このような短期日に都市計画の変更というのはあり得るんだろうか。合意形成もとっておいて、次はまちを二分するような計画に切りかえることが可能なのかどうか。都市計画の手続というのは、そんな単発的に行政の思惑だけで変えることができるのか。
このような葛飾区の将来のまちづくりについて、東京都としての都市計画の進め方についてはどのようなスタンスがあるのでしょうか。
○石井都市基盤部長 いわゆる第一次案は、京成押上線の連続立体交差化にあわせて、鉄道附属街路を差し当たり都市計画決定したわけでございますが、この時点では、旧四つ木街道や駅前広場など、具体的な計画を策定するまでには至らない、そういう状況にございました。
その後、わずか五年というようなお話もございますが、逆に五年をかけて、具体的なまちづくり案を策定するために、地元地権者やまちづくり団体などとの意見交換を、先ほど来説明しているように進めるなどした結果、現在の計画を決定するに至ったという状況がございます。
いわゆる第二次案につきましては、地元区により、四つ木地区における防災性の向上や商店街の活性化、交通結節機能の強化などの観点から計画されたものでございまして、都としても、より安全で快適なまちづくりを将来に向かって進めていくというために必要な計画である、このように考えております。
○たぞえ委員 この地図を見ても、今度の計画案というのは大きな変更です。区の調査でも、建物が道路にかかる方で、三五%の方がこの計画どおり進めるべきである、三二%が反対である、わからないが二九%。意見が二分しているんですね、現在でも。建物が道路にかからない、そういう方でも、ぜひ進めるべきだ、三九%。反対、一四%。わからない、三八%。
ですから、第一次案のときは、大方皆さん合意されて都市計画手続が進んだ。しかし、違う案が出てきたら、まちが二分になった。住民の意思が固まっていない、こういう状況で、広域行政を担う都として、葛飾区にはどのような助言や指導をされ抜いてきたのか。どのように住民の納得ができるスタンスまで持ち上げてきたのか。その都としての取り組みはどうだったのですか。
○石井都市基盤部長 都としてどのように指導、助言を行っているのか、都の立場はどうか、こういうことかと思いますが、地元自治体が策定する都市計画につきましては、都は広域的自治体の立場で、他の都市計画等との整合性や一体性を確保するなどの観点から、その機能が十分発揮できるよう、必要な指導、助言を行ってきております。
また、都市計画道路の計画に当たりましては、関連する法令等の準拠はもとより、地域のまちづくりや沿道の土地利用、周辺交通への影響等を勘案しつつ、十分な合意形成のもとに適切な計画となるよう指導しているところでございまして、十分な合意形成のためのどういう手続をとっているか等について、地元区からいろいろ状況を聴取しながら、その指導に努めているところでございます。
○たぞえ委員 まとまっていたまちが分かれてしまった。本当にそういう事態になった計画は、残念でなりません。長年住んできた方が、多数、土地を手放さなければいけない。しかも、駅の乗降客数から見ても、新宿のようにバスロータリー、そんなに活発に車が回転するような広場のないまちで、こうした広場が本当に必要なのかどうか。こういう現実から出発した都市計画が今、大変大事だというふうに考えます。
私はそういう意味で、この請願の方々が願っている、もう一度この計画について再検討して、必要な情報を提供してほしい、これは当然だというふうに思います。そういう皆さんの期待にこたえるためにも、私はこの請願をぜひ採択して、もう一度葛飾でもんでもらいたい。葛飾の将来にかかわる大事な問題だという位置づけで、都としても対応してもらいたいというふうに思います。
以上です。
○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○高橋(か)委員長 起立少数と認めます。よって、請願第一八第一二号は不採択と決定いたしました。
○高橋(か)委員長 次に、一八第一三号の三、平成十七年九月都内十河川流域で生じた水害に対する総合治水対策に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○石井都市基盤部長 整理番号2、一八第一三号の三、平成十七年九月都内十河川流域で生じた水害に対する総合治水対策に関する請願についてご説明いたします。
資料の三ページをあわせてごらんください。本請願は、練馬区妙正寺川の水害を考える会代表佐野嘉代子さん外十一名から提出されたものでございます。
請願の要旨でございますが、平成十七年九月四日から五日にかけての集中豪雨によって、石神井川、妙正寺川、神田川など都内十河川流域において浸水被害が発生いたしました。ついては、総合治水対策として、次のことを国土交通省、林野庁、他県及び区市町村と連携し、協働して推進していただきたいというものでございます。
本請願の第一項から第五項につきましては、他の常任委員会に付託されております。本委員会に付託されている項目は、第六項及び第七項の二項目でございます。
まず、第六項でございますが、公共施設及び一般家庭において、雨水貯水槽及び雨水浸透ますを普及させてほしいというものでございます。
次に、第七項でございますが、特定都市河川浸水被害対策法の概念を取り入れ、地域の実情に合致した条例の制定を要望されたものでございます。
現在の状況でございますが、第六項では、雨水の流出を抑制することは、都市部における治水対策として重要であり、都は、学校や公園などの公共施設における浸透ますなど貯留浸透施設の設置を推進するとともに、民間施設に対しては、開発や建築行為に合わせた指導などにより普及促進に努めてまいりました。その結果、平成十七年三月末時点における対策量は、都内合計で約四百九十万立方メートルとなっており、浸水被害の軽減に寄与してございます。
次に第七項でございますが、特定都市河川浸水被害対策法は、平成十六年五月に施行されております。同法では、総合治水対策を推進するため、著しい浸水被害の発生などの要件を満たす河川を特定都市河川に指定し、流域水害対策計画の策定や、雨水流出を増加させる行為に対する貯留浸透施設の設置、保全などを義務づけています。
都は、法制定以前から、神田川や石神井川などを対象に総合治水対策に関する計画を策定し、河道の改修や調節池の整備に加え、開発行為などに合わせた貯留浸透施設の設置による雨水流出抑制を図るなど、総合治水対策を推進してまいりました。
さらに、近年の局所的な集中豪雨の増加などを踏まえ、総合治水対策が着実に進むよう、本年五月には、学識経験者などから成る豪雨対策検討委員会を立ち上げまして、現在検討を進めております。
以上で請願の説明を終わります。
○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○大松委員 総合治水対策に関する請願について質問をいたします。
昨年九月四日の集中豪雨で、都内で六千棟を超える床上、床下の被害が出ました。その八割に当たる五千棟の被害が出ましたのが、今回請願を出していただいております十の河川流域でございます。私の地元の北区もその一地域でありまして、石神井川流域の掘船、滝野川地域におきまして甚大な被害が出たわけでございます。私も発災直後から朝方まで現地に駆けつけいたしましたけれども、腰まで水が来る床上浸水、この恐怖。また、朝方、水が引いた後に、畳やたんすについた泥をぬぐわれた住民の皆様の惨めな気持ちは、察して余りあるものでございます。
所管は違いますけれども、現在、五〇ミリ対応の河川整備が急速に進められておるわけでございますけれども、住民の皆様に安心していただけますように、この五〇ミリ対応の河川整備も求めさせていただいているところでございます。
一方、私の北区の石神井川の下流部、昨年の災害時に、既に五〇ミリ対応の河川整備の工事は終了しておりました。その中で大きな被害が出ましたのは、河川つけかえ工事のために首都高速道路株式会社が設置をしておりました、かさ上げ工が倒れたのが大きな原因でございます。いずれにしましても、当時の水位といいますのは、溢水した現場の間近にあります溝田橋の上にまで迫らんとするほどの水位でありました。
また、これは申し上げるまでもなく、近年、五〇ミリ対応以上の集中豪雨がふえているわけでございます。流域全体に降りました雨水が集中してまいります下流部におきましては、この五〇ミリ対応の河川整備では不十分であると私はいわざるを得ないと思うわけでございます。
そこで注目されておりますのが、まさに都市整備局の皆様が進めていただいております、五〇ミリ対応の河川整備にプラスアルファの効果をもたらします流域対策、透水性舗装や雨水浸透設備等によりまして、河川に流れる水を地面の方に浸透させていくという対策でございます。昨年発災直後の委員会でも伺いましたけれども、以来、一年たちました。その対策の現状、進捗状況について、まずお伺いをいたします。
○石井都市基盤部長 十流域におきます流域対策につきましては、都と流域区市町村が共同いたしまして、貯留浸透施設の設置目標量などを定めた流域別計画を策定し、今、プラスアルファの効果というお話がありましたけれども、そうした効果の長期目標といたしまして、一時間当たり一〇ミリ分の降雨を貯留浸透することを目指して取り組みを進めております。このため、学校などの公共施設に浸透ますなどの貯留浸透施設の設置を推進すると同時に、民間施設に対しましては、開発や建築行為に合わせた指導などにより普及促進に努めてまいりました。
その結果でございますが、平成十七年三月末現在の対策実績は、貯留施設と浸透施設を合わせて約百五十万立方メートルとなっておりまして、この量は、二十五メートルプールに換算いたしますと約五千個分に相当する量でございます。その効果は、長期目標の一時間当たり一〇ミリに対しまして、おおむね三ミリ分の降雨のカットに相当するということでございます。
○大松委員 河川に流れ出る雨水を一〇ミリ分、地中の方に浸透できれば、五〇ミリプラス一〇ミリ、こういうことになります。また、本来の自然の水循環の環境も取り戻すことができるわけでございます。さらなる力強い取り組みをお願いするものでございます。
それで、今回の請願にあります、特に雨水貯水槽、雨水浸透ますについては、都としてさらなる普及の取り組みをお願い申し上げるものでございます。そのためにも、雨水浸透ます等を含む総合治水対策の目標年次を明確にして、積極的な取り組みを行うべきである、このように思います。その目標につきましては、現在、長期的には一〇ミリの雨水を吸収するということでございますけれども、長期的にはいかにも弱いというような感じがするわけでございます。ぜひ具体的な目標年次を示した取り組みをお願い申し上げます。
また、公共施設等への設置についても取り組みをやっていただくとともに、民間の方の設置につきましては、東京都が平成十三年まで実施をしておりました補助金の制度を復活することなども含めて、さらなる取り組みを今後お願い申し上げます。そのことにつきまして見解を伺います。
○石井都市基盤部長 流域対策が長期的に必要だということで、これまで浸透ます設置等について事業を進めてまいったわけでございますけれども、一定程度の成果もあったというような認識のもとに廃止した経緯がございますが、最近、短時間に五〇ミリを超えるような集中豪雨が特定の地域に集中して降るというような事態が増加しておりまして、そういう状況ではありますけれども、流域対策の重要性はより一層増している、このように認識しております。
このため、本年五月に学識経験者などから成る豪雨対策検討委員会を立ち上げまして、豪雨対策のあり方について、流域対策の推進策も含めて検討を進めているところでございます。
今後、本委員会からの答申を踏まえまして、都として豪雨対策に関する基本方針を策定いたしまして、積極的に流域対策を推進してまいりたい、このように考えております。
○大松委員 ぜひ実効性のある豪雨対策の基本方針をつくっていただきたい、このようにお願い申し上げるものでございます。
それで、請願では、特定都市河川浸水被害対策法についても言及をされておられます。まず、この法律の適用状況等についてお伺いをいたします。
○石井都市基盤部長 特定都市河川浸水被害対策法につきましてちょっとご説明いたしますと、これは総合治水対策全般を法制化したものだということがいえようかと思います。その大きな特徴は、法に基づきまして特定都市河川に指定された場合、畑を宅地化するなどの雨水流出を増加させるような行為に対しまして、法により浸透ますを設置するなどの流出抑制対策が義務づけられる、こういう法律でございます。
このため都では、十七年四月、流域の市街化が進むと予想され、同法適用のメリットの大きい鶴見川流域につきまして、国と連携して特定都市河川流域に指定し、同法に基づく諸対策を進めているところでございます。
既に市街化が進むなど、同法の適用を受けることが難しい河川流域も多々ございまして、そうした流域につきましては、先ほどご説明した、今後策定する基本方針に基づきまして流域対策を実施してまいりたい、このように思っております。
○大松委員 今回のこの請願では、この法律の趣旨を踏まえた条例制定を求めておられます。市街化が進んでいる地域では、なかなかこの対策を進めるに当たって、普及するに当たってのいろいろな課題もございます。この対策を着実に進めていくためにも、こうした条例制定は有効でございますので、ぜひご検討をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○植木委員 今回の妙正寺川の水害を考える会からの請願でございますが、この会には私どもの中野の方も入っておりまして、ぜひ採択をお願いしたいということで繰り返しお電話をいただいたりしておりますけれども、実際、昨年の八月、九月の水害のときには本当に大変な思いをいたしまして、直後の都市整備委員会でも、それから建設委員会でも、水害対策についてぜひ促進をということで求めてきました。
私の家は妙正寺川に近いんですけれども、妙正寺川そのものがあふれて、駅前あたりも水がひざまで出る。河川のそばでは、とてもそこに自転車や歩行者は行けないという、そんな状況でした。それだけに、こういう思いで請願されるということは、本当に住民の皆さんの声を代弁して出してきたものだというふうに思っております。
その後、激特事業も実施になり、現在、各地域で妙正寺川周辺で説明会も一通り行われまして、私も参加しましたけれども、住民の皆さん、非常に熱心に質問して、どういうふうになるのか、どれだけの効果があるのかというふうに非常に期待感を持って見守っているわけですね。そういう意味で、直接の激甚災害指定の中心は河川局や下水道局でありますけれども、やはり総合対策を所管している都市整備局としても、大きな旗振り役をやっていただきたいというふうに思っておりますし、期待もしております。
それで、幾つかお伺いしますけれども、今回、十河川のことが出ていますけれども、特に妙正寺川、つまり神田川水系のところのお話が出ていますので、神田川、妙正寺川、善福寺川、これは支流になるわけですけれども、神田川の本流の方は今回の激甚指定には入っていないんですけれども、それぞれ支流は入っておりますけれども、この実施によって、改修率は現時点がどうで、どのくらい進展するというふうに予測されているのでしょうか。
○石井都市基盤部長 お話のように、平成十七年九月四日から五日にかけまして、大変な集中豪雨があったわけでございます。大規模な浸水被害を受けたことから、都は、河川激甚災害対策特別緊急事業を実施してございます。
この結果、どの程度上がるかという予測といいましょうか、そういったお尋ねかと思いますけれども、各河川における護岸整備率は、妙正寺川が二四%から八ポイント上昇いたしまして三六%程度に、善福寺川は三九%から四ポイントアップいたしまして四三%へ改善されるという見込みでございます。
○植木委員 妙正寺川の整備率は非常におくれて、今回、三六%まで持っていける、こういうことですが、いずれにしても、水害対策を進める上では、河川局だけではいかないわけですから、やはり流域対策、下水道や各戸貯留とか、そういう総合的な対策が必要になってくる。
都としても、先ほど説明がありましたように、今回、豪雨対策検討委員会を設けて、いろいろな角度から検討するというお話ですけれども、豪雨対策検討委員会はどのようなメンバーといいましょうか、構成で、どのような方が入っておられるのか。それから、どういう検討課題を整理されているのか、その辺についてお示しいただきたいと思います。
○石井都市基盤部長 豪雨対策検討委員会の委員の構成と、どのような検討内容かというお尋ねかと思います。
委員の構成でございますけれども、東大の御厨教授を委員長といたしまして、気象、防災、河川、下水道の各分野の専門の方々に委員をお願いしてございます。
それから、検討会でどのような検討をしているかということでございますが、豪雨対策検討委員会の中では、大きく分けまして、一つ目は局所的集中豪雨の増加などへの的確な対応方策ということ、それから、効果的な治水対策の実現方法、三番目に公民の役割分担のあり方--かなり流域が広うございますので、民間の方のご協力なくしては、これはできない、こういうふうに思っております--という三点の基本的視点から、ハード、ソフト両面の今後の豪雨対策のあり方について、専門的見地からの検討をお願いしているところでございます。
○植木委員 局所的豪雨に対する的確な対応、効果的な対策、それから公民の役割、こういう三つの角度で、今回、今までと違って気象関係者も含めて入ったというのは--去年、たしか私は、都市型災害とは一体何ぞやという質問をやったことを今思い出したんですけれども、都市型で局所的に集中的に雨が降るメカニズムというのが専門家の間でいろいろ研究されていることも事実ですし、特に練馬、中野、板橋、この周辺に集中豪雨がたびたびあることも事実だと思うんです。
そういう意味で、ぜひそういう点での検討を進めていただきたいわけですけれども、国の特定都市河川浸水被害対策法に基づいて、改めて流域水害対策の総合計画を策定することというふうに法ではなっております。一応都としても、これまで総合対策はいろいろ暫定計画等で立てているわけですけれども、この豪雨対策検討委員会でいろいろな提言が多分あることになると思うんですけれども、あって、それを総合対策としてはどういうふうに一歩進めていくのか。計画をさらに強化するということになるんだと思うんですけれども、その辺の関係といいましょうか、今後の見通しをお示し願いたいと思います。
○石井都市基盤部長 総合治水対策と申しますのは、ご承知のとおりでございますけれども、必ずしも雨の降る場所と被害の出る場所が一致しないというところに対して、どう対応できるかということでございます。そうした観点から、面的な広がりの中で総合治水を考えていく、こういうことかと、かように考えてございまして、それを最近の豪雨の特徴である地域の集中度みたいなものと組み合わせて考えていくことになろうかなと、こんなふうに思っております。それらについて専門的見地からのご提言をいただいて方針を取りまとめ、それを具体的な政策にしていくということだと考えております。
○植木委員 面的な広がりや集中度などを含めて豪雨対策検討委員会からいただいて、さらに具体化を進めていく。そういう段階ですから、非常に重要な段階だと思うんですね。もちろん専門家の方々がいろいろ審議されるので、そこでの専門的な検討を大いに期待すると同時に、実際に私ども具体的に水害を受けている現場にいる者として、三つの角度で私としても要望したいというふうに思っております。
一つは、既に具体的になってきている問題として、激甚指定や、それから妙正寺川でいいますと、激甚指定の上流の鷺の宮住宅というところに浸水調節池をつくるというのが建設局で検討されている、こういう段階なんですが、総合計画の中では、さらに上流部分についてそういった調節機能を持たせる。
一つのところに何もかも重い負担をかぶせるというのは、なかなか現実的には難しいというか、その周辺にとっては大変なことになりますので、分散する上でも、そうした長期的な見通しも含めて検討をお願いしたいというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○石井都市基盤部長 総合治水対策は、先ほど来お話ししていますように、そもそも比較的長期的な展望のもとに事業を進めていくものでございます。お話のありました鷺の宮団地における調節池につきましても、流域の総合治水を図る上で必要なものということで整備を検討しているものでございます。
そこから先、いろいろな上流とか、そういったあたりについては、これからいろいろな問題があります。用地をどうやって確保するかとか、いろいろありますので、現段階では一概にはまだ申し上げられません。
○植木委員 まだ鷺の宮のところは着手はこれから、来年設計ということに多分なっていくんだろうと思うので、その先のことについて、今の段階でまだ打ち出せないというお話ですが、長期的な見通しを立てる上でも、少なくともそういう上流部分の水害の負荷を受け取るところの検討については、ぜひ検討事項の中に入れていただきたい、これは要請をしておきます。
それから、もう一点の面的にという点では、請願にありますように、雨水浸透ますを普及させることという要望が出されておりますけれども、この面的にというのは非常に重要だと思うんですね。都市化が進む中で、だんだん雨の吸収力が少なくなってくる。だから、河川、下水道、そこで全部をどうやって受けとめるかということに、どうしてもなりかねないわけです。もちろん面的にというのは時間のかかることですし、大変なことですから、一気にいかないということはよくわかりますけれども、やはりここを促進するということは、地球環境の上からいっても非常に重要だと思うんですね。
それで、河川や調節池と同様に、雨水浸透事業で一〇ミリを何とか目標にということだと思うんですけれども、神田川流域では何%になっているでしょうか。全都的には何%になっているでしょうか。
○石井都市基盤部長 神田川流域におきます浸透ますなどの設置については、貯留槽や透水性舗装の設置など、その他の流域対策も合わせまして、長期目標として一時間当たり一〇ミリ分の降雨を貯留浸透することを目指しているというのは、ほかの流域と変わりません。東京都全体でも、やはり一〇ミリをカットしていきたいということで、先ほどご説明したとおりでございます。
神田川流域におきましての現在の実績ということかと思いますけれども、こちらは十七年三月末現在で五十九万立方メートルとなっておりまして、先ほど来お話ししております二十五メートルプールに換算いたしますと、約二千個分に相当する量でございます。東京都全体では五千個と先ほどお話しをいたしましたけれども、神田川流域でいいますと二千個分に相当する量でございまして、その効果は、先ほど来と同じような算定をいたしますと、一〇ミリに対しましておおむね三ミリ分の降雨のカット量に相当します。
○植木委員 現在、三ミリの到達点ということですけれども、この到達点をどう見るかということなんですけれども、現時点では、この程度でやむを得ないと見ているのか、やはり十分でない、面的にもっと整備が必要だ、こういうふうに思っておられるのか、その点についてはいかがでしょうか。
○石井都市基盤部長 浸透ますの設置などの流域対策というのは、先ほど来ちょっとお話ししていますが、大変地元の方の協力をいただかなければできない、こういうこともありますので、長期的な視野に立って、まさに関係者の協力をいただきながら進むべき課題だ、こういうふうに考えております。しかし、その効果は、今までお話ししましたように、着実に上がってきているというふうに考えておりまして、引き続き対策を推進してまいりたい、このように思っております。
なお、先ほど、妙正寺川は二四%から三六%で八ポイント増というふうに私、発言いたしましたけれども、計算の間違いでして、一二ポイント差でございますので、訂正させていただきたいと思います。
○植木委員 着実にというのですけれども、僕は十分か不十分かと聞いたんですね。十分か不十分かといわれれば、不十分だと私は思うんです。実際に水害がたくさん出ているから。
河川だって五〇ミリでいいのかといえば、さらにその上を目指すわけですから、重ねて聞くことはしませんけれども、いずれにしても、雨水浸透事業、特に各戸事業については、十年間、都として区市町村を援助してやってきた。たしか十三年に、一定、区市町村が軌道に乗ったからということで都としての援助を打ち切ったということを去年の質疑の中でお聞きしましたけれども、その後の状況を私もいろいろ調べてきたんですけれども、なかなか区市によっても違う。到達状況がいろいろあったり、問題点もいろいろ違うので、一概にはいえないと思うんですけれども、少なくとも東京都が援助してきたのが軌道に乗った段階では、年間千数百戸ずつ、大体各戸貯留が進んできた。それから、援助を一応区市町村に移した。つまり、援助を打ち切ったという段階から、十六年度では七百四十件、約半分くらいに減ってきている。
こういうことで、区市によっても努力、補助金を独自に上乗せしたり、あるいは金額は少なくなったけれども継続したり、あるいは要綱設置で指導しているとか、自治体によっていろいろありますけれども、やはり現実にはテンポが落ちてきているということは私はあると思うんですね。
それで、私の地元の中野区でお聞きしましたら、建物を建設するときに指導があって、設置計画は立てるんですね。ところが、実際に設置完了届を出されると、初めて金銭的な話になっていくわけですけれども、経年的にずっと見ても、それが三割から四割なんですね。多い少ないは、でこぼこはありますけれども。
そういう意味で、やっぱり都としても、こうした流域対策、今回請願の趣旨にもありますように、各戸貯留対策をきちっと設置目標を掲げながら、改めて都として各戸貯留施設への支援を復活すべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○石井都市基盤部長 具体的な援助といいましょうか、補助ですが、設置の実績を見てきますと、平成八年がピークでございました。こういった浸透ますの設置などは、建物の更新時期、建築更新のときに行われることが非常に多い。通常、既存の建物をそのためだけに改装するというようなことは、余り例がないかと思います。そういったことで、多少景気に左右されているところがあるのかなというふうに思います。
平成八年から十三年まで、どんどん実績の数が下がってきている。そうしたこともありまして、東京都の先行的な役割は十分に果たしてきたということで、市の方にお願いしたという状況にございます。
これからにつきましては、先ほど来申し上げています、委員会の答申あるいは基本方針を踏まえまして適切に対処してまいりたい、このように思っております。
○植木委員 まさに水害を受けている地域はもちろんですけれども、全都的に見ても、都市型水害というのは非常に大きな問題になっていますので、ぜひこれは復活の努力をしていただきたいということを強く要望したいというふうに思っております。その上でも、整備計画、これも明確に打ち出していただきたいというふうに思っております。
それから、これは今まででは余りないんですが、今回、豪雨対策検討委員会に気象関係者も入ったというのは、私は都市型水害としての新しい角度の検討ができるのかなという期待をしているんです、実際にどうなるかわかりませんけれども。やっぱり集中豪雨とか局地的な、しかも短時間のというのは、気象現象も影響しているということは、どういう作用をしているかは綿密なのはこれからでしょうけれども、それは間違いないと思うので、そういう意味で集中豪雨の原因を軽減する、そういうものというのは、その対策委員会でやる仕事なのかどうかということはさておきまして、やっぱり必要だと私は思うんですね。
昔の水害は、田んぼがダムになったり、山が調節池のかわりになったり、水が蒸発して気候循環があったんですね。ところが、最近、都市化のところでは、そういう気候循環が全然狂ってきちゃっているわけですね。そういう意味で、気候循環を改めて、都市でも可能ではないかと私は最近思ってきたんですね。
例えば、今、環境局などがやっているクールアイランド、つまり、まちの中に公園をつくって、その公園からの水蒸気だとか風とか、そういうものが都市に対して働きかける、あるいは気候に働きかける。そういうような、まさに面的な意味で、クールアイランドだとか植栽をふやすとか、そういうことも兼ね合わせてやれば、貯留浸透も含めて大いに面的に進むのではないか。
これはもちろん、今まで直接的には都市整備局としてやってはいませんので、今の段階でどうこうということはあれですけれども、新しい角度として、そういうことも総合計画の中で一定程度検討する必要があるんじゃないか。少なくとも河川の流域は植栽をふやすとかね。ただコンクリートをたくさんつくればいいということではないというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○石井都市基盤部長 豪雨の増加要因については、地球温暖化が主因だ、地球規模の問題だというような説もありますし、あるいは東京でいいますと、ちょっと調べてみたんですが、相模湾や鹿島灘、東京湾からの海風がぶつかり合うのが主因だというような、そういったさまざまな説がありまして、豪雨の原因というのは必ずしもはっきりしていないというのが実態かと思います。
都といたしましては、そうした研究も必要かと思いますが、河川整備や下水道整備、流域対策など総合的な治水対策をまず着実に進めるという観点から、水害から都民の生命、財産を守るため、最も確実な方法が総合的な治水対策の着実な推進だ、このように考えております。ちょっとくどくなりました。
○植木委員 総合的な対策をきちっとやっていくことが基本であることは私も同感であるし、一番重要なことだと思います。新しい問題提起ということになろうかと思いますけれども、今後そういうことも含めて視野に入れていただければというふうに思っております。
いずれにしても、請願の趣旨を大いに生かしていただいて、雨水貯水、浸透ますの普及、それから総合計画の一層の充実、それを大いに促進していただきたいということを重ねて要望して、終わりにします。
○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。よって、請願一八第一三号の三は趣旨採択と決定いたしました。
○高橋(か)委員長 次に、一八第三七号、目黒区青葉台三丁目に計画中の四十四階建てビルに関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○金子市街地建築部長 お手元の説明表の五ページをお開きいただきたいと存じます。整理番号3、一八第三七号、目黒区青葉台三丁目に計画中の四十四階建てビルに関する陳情についてご説明いたします。
本陳情は、目黒区青葉台三丁目計画対策チーム代表窪山歌子さん外百二十人から提出されたものでございます。
陳情の要旨でございますが、青葉台三丁目に予定されている住友不動産が建築する四十四階建てのビルは、建築許可をしないでいただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、六ページをごらんいただきたいと思います。計画地は、現在工事中の大橋ジャンクションから約二百メートル東に位置しておりまして、幅員四十メートルの国道二四六号線に面した約七千平方メートルの敷地でございます。
五ページをごらんいただきたいと思います。建築主は、当初、総合設計により四十四階建ての共同住宅を建築する予定でしたが、現在では、同じく総合設計による三十四階建ての事務所、共同住宅に計画を変更しております。
また、建築主は、この計画につきまして、ことし七月三日から九月十三日までに説明会を十五回実施しており、現在も引き続き近隣住民への説明を行っております。
以上でご説明を終わります。
○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一八第三七号は継続審査といたします。
○高橋(か)委員長 次に、一八第四三号、(仮称)JV豊洲四丁目計画新築工事に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○金子市街地建築部長 お手元の説明表の七ページをお開きいただきたいと存じます。整理番号4、一八第四三号、(仮称)JV豊洲四丁目計画新築工事に関する陳情についてご説明いたします。
本陳情は、江東区の(仮称)JV豊洲四丁目計画新築工事を考える会代表有田昇治さんから提出されたものでございます。
陳情の要旨でございますが、(仮称)JV豊洲四丁目計画新築工事について、近隣住民の生活環境の悪化が解消されるまで建築計画の進行を停止するよう建築主に働きかけてもらいたいというものでございます。
現在の状況でございますが、八ページの図をごらんいただきたいと存じます。計画地は江東区豊洲四丁目二番二ほかで、東京メトロ有楽町線豊洲駅から東南方向に約二百八十メートルのところにございます。
七ページをごらんいただきたいと思います。建築主は、平成十七年六月十日に、東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に基づく標識を設置いたしまして、同年六月二十五日から近隣住民への説明会等を開始いたしました。
平成十七年七月二十六日、有田氏外七十八名より紛争調整の申し出がありまして、都では同年八月十日からあっせんを行ってまいりましたが、合意に至らず、住民側の意向により、本年二月八日、延べ十二回であっせんは打ち切りとなっております。
その後も、陳情者と建築主において話し合いが継続されておりまして、都といたしましては、建築主に対し、引き続き誠意を持って話し合うよう指導しているところでございます。
以上で説明を終わります。
○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○植木委員 現状について今ご説明がありましたが、前回の審議のときにちょっと質問したものですから、見解だけ述べさせていただきます。
紛争調停によるあっせん打ち切りとなった後も、粘り強く話し合いが続いてきているというふうにお話がありましたし、これまで繰り返し話し合いの中で、合意できること、あるいは平行線で一致できないこと、いろいろありましたけれども、やっぱり基本は話し合いによって進めてきたということは、それぞれ歩み寄って努力をされている。もちろん十分、不十分はそれぞれあるとは思いますけれども、そういう意味で、最後まで話し合いで解決するということを重ねてお願いしたい。地元からもそういうお話がありましたので、申し添えておきたいと思います。
以上です。
○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一八第四三号は継続審査といたします。
以上で請願陳情の審査を終わります。
なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関にこれを送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
○高橋(か)委員長 次に、理事者からの報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
初めに、シンドラーエレベータ株式会社製エレベーターの事故への対応についてを聴取いたします。
○金子市街地建築部長 お手元の資料3によりまして、シンドラーエレベータ株式会社製エレベーターの事故への対応についてご報告をさせていただきます。
本年六月、港区が所有するシティハイツ竹芝に設置されたエレベーターで、高校生が死亡するという痛ましい事故が発生いたしました。
都では、再発防止のため、事故後直ちに、都営住宅及び公社住宅のシンドラー社製のエレベーターについて、建築基準法令により定められた項目の緊急点検及び過去の人身事故やふぐあいの履歴調査を実施いたしました。
また、都営住宅及び公社住宅を除く民間施設等のシンドラー社製エレベーターにつきましても、同様に緊急点検及び調査を開始しておりまして、現在も継続中でございます。
緊急点検及び調査の概要でございますが、都営住宅及び公社住宅におけるシンドラー社製エレベーターは三百七十台ありましたけれども、緊急点検の結果、建築基準法上の不適合はございませんでした。
なお、事故機と同一機種である都営住宅百人町三丁目アパート二号棟六号機につきましては、住民の方々にはご不便をおかけしておりますけれども、安全を期して、当面使用を停止しております。
履歴調査につきましては、過去に扉の開閉不良などのふぐあいがあったエレベーターが百七十二台ありましたけれども、人身事故はございませんでした。
次に、都営住宅及び公社住宅以外の民間施設等にあるシンドラー社製エレベーターの緊急点検及び調査でございますけれども、九月六日現在の集計では、設置台数九百六十二台、そのうち七百五十一台の緊急点検を実施いたしまして、ブレーキ調整、バッテリー不良などの不適合が十七台ございました。
また、履歴調査済みのエレベーターは八百二十四台で、そのうち二百五十七台にふぐあいがございましたが、人身事故はございませんでした。
このほか、都では、シンドラー社製以外のエレベーターについても独自の取り組みを行っております。
まず、都営住宅及び公社住宅のシンドラー社製以外のエレベーター三千十台につきまして緊急点検を実施いたしまして、その結果、地震感知器の不良や停電灯の不良などの不適合が九台ございました。
次に、民間施設等では、シンドラー社と平成三年に合併した日本エレベーター工業株式会社のエレベーターのうち、シンドラー社以外の会社が保守管理を行っている二百六十九台を対象に、九月六日までに百十九台の緊急点検を実施し、バッテリー不良などが二台ございました。
以上、これまでの緊急点検によれば、ブレーキ調整等を必要としたシティハイツ竹芝の三台を除きまして、大きな事故に結びつくような不適合はございませんでした。
今後の対応でございますが、事故原因や責任の所在につきましては警察などが究明中であり、また、再発防止策等について国での検討が進められていることから、都といたしましては、その結果を踏まえまして必要な対応を実施し、安全確保に万全を期してまいります。
なお、詳細につきましては、別紙をごらんいただければと存じます。
報告は以上でございます。
○高橋(か)委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○きたしろ委員 港区のエレベーター事故により、高校生のとうとい命が失われたわけです。事故発生後、都では直ちに緊急点検及び調査を実施し、安全管理に努めていることは評価したいと思っております。今後のエレベーターの安全確保に向け、何点か質問をさせていただきます。
まず第一問ですけれども、今回のエレベーター事故の原因等はいまだ明らかになっていないわけですけれども、国の社会資本整備審議会のワーキングチームから、エレベーターの安全確保について、定期検査の実施方法の見直しなどに触れた中間報告が出されているところであります。
現時点で、エレベーターの維持管理について法律の定めはどうなっているのか、まずお伺いをいたします。
○金子市街地建築部長 エレベーターの維持管理につきましては建築基準法に定められておりまして、エレベーターは建築設備の一つでございまして、設置時には、建築確認、検査によって、かごの落下防止など、建築基準法に定める技術基準の適合性を確認しております。
設置後は、民間施設のエレベーターにつきましては、所有者あるいは管理者が、法に定める検査資格者などによる年一回の定期的な検査を実施いたしまして、その結果を特定行政庁へ報告することとされております。また、国、都、区及び建築主事を置く市、そういったものが所有する施設のエレベーターにつきましては、同じく建築基準法で定期点検を行うように定められておりますけれども、特定行政庁への報告の義務はございません。
なお、一般には、こうした法に定める定期検査のほかに、所有者等が保守管理業者と契約いたしまして、月一回から二回程度の保守点検を行っております。
○きたしろ委員 今お伺いしましたけれども、民間の施設については、所有者等が法にのっとり対応することになるとのことですけれども、行政として、技術基準の適合性の確認など、十分に対応してもらいたいと思っております。民間の施設とは違い、都がみずから所有者となるものについては、当事者として安全の確保に努める必要があるので、ぜひそのようにお願いをしておきたいと思います。
次に、今回の事故を起こしたシンドラー社製の受注が公共施設に多いと感じているわけですけれども、これは価格面での競争が主になっている契約上の問題もあるのかなというふうに思っているわけです。安かろう悪かろうで、それで命にかかわるような問題があっては困るわけですから、都として、そのことに関してはどのように考えているのか、お伺いをいたします。
○安藤総務部長 エレベーターの設置工事の契約に当たりましては、東京都契約事務規則や工事請負契約に関する指名基準に基づきまして、希望制競争入札方式により適正な執行に努めているところでございます。
入札参加に当たりましては、建築基準法の遵守はもとより、JIS規格に合格していることや、財団法人ベターリビングの認定規格、いわゆるBL認定規格を受けていることなどの資格要件を備えるなど、エレベーターの品質の確保に努めているところでございます。
エレベーター設備につきましては、設置工事における品質の確保に加えまして、適切な保守管理のもとで長期にわたり安全性を確保することが重要と考えております。
今後の契約についてでございますが、現在、今回のエレベーター事故の原因解明が行われているところでもございまして、その結果を踏まえまして、再発防止の観点から、より一層の品質確保や適正な保守管理などに努めてまいりたい、かように考えております。
○きたしろ委員 設置者が東京都である施設中でも、数が多く、居住者の生活の場である都営住宅のエレベーターの保守管理については、特に安全性の確保に配慮が欠かせないと思っているわけです。
事故機のエレベーターの保守管理は、独立系の会社が頻繁にかわっていたと聞いているわけですけれども、都営住宅について、メーカー系とそれ以外の独立系などの保守管理会社が、それぞれどれくらいの数を受注しているのか、お伺いをいたします。
○宇多田参事 都営住宅のエレベーターの保守管理については、管理を受託しております住宅供給公社が各エレベーター保守管理会社に業務を委託しております。
平成十八年度の都営住宅のエレベーター二千九百四十二基の保守管理業務の受注内訳でございますが、設置工事を行ったメーカー系列の保守管理会社が二千八百六十六基、独立系及び他メーカー系の保守管理会社が七十六基の受注をしております。
○きたしろ委員 今お伺いしたところだと、設置工事を行ったメーカー系で管理しているものが大半であるわけです。そのほか設置メーカー系以外が管理しているものもあるということですけれども、保守管理業務の発注はどのような仕組みで行われているのか、お伺いをいたします。
○宇多田参事 保守管理業務はフルメンテ契約としまして、基本的には、故障の際の緊急対応や責任分担の明確さ等を考慮しまして、設置工事を行ったメーカー系の保守管理会社に特命随意契約で発注しております。契約に当たりましては、東京都において一般的に使用しております維持保全業務積算標準単価表に基づき、適正に見積もりを行っております。
なお、平成十三年度より、一部で競争入札によるメンテナンス契約の試行を開始しまして、その後、毎年度、入札による発注を追加してきております。その試行では、一部のエレベーターの保守管理業務につきまして、独立系を交えて入札を行い、翌年度以降は、継続的に安定した管理を行い安全性を確保するため、落札会社に特命随意契約をしております。試行では、独立系三社が落札して受託しております。
○きたしろ委員 今、フルメンテナンス契約の中で、維持保全業務積算標準単価表に基づいてやっていらっしゃるということなんですけれども、特定の会社に随契になるということになると、高どまりになってしまうというようなおそれもあると思うので、その辺のところは十分に配慮をしていただきたいなと思うんです。
また、都営住宅において、メンテナンス契約の試行として、競争入札により価格の安かった独立系が一部受注をしているということであります。独立系の保守管理会社は、メーカー系の会社の寡占に近い状況の中で、競争原理を導入する役割を果たしてきたというふうには私も思うところもあります。ただ、適正な価格で適正な管理ができ、安全が確実に確保されるのであれば、任せることもいいことかなというふうにも思います。
しかし、現状では、いまだ適切な技術情報等の開示等が不十分なために、保守管理会社がかわった場合等の安全確保上の課題もあるようにいわれております。また、メーカー系以外の会社に保守管理委託を行った場合、故障の際の緊急対応が十分でないことや、責任分担が不明確であるというような課題があるとも聞いているわけです。メーカー側と保守管理会社との情報交換が十分に行われていないのではないのかなというふうにも思えるわけです。
そこで、責任を持って保守管理をしていくことは、安全管理上、本当に必要だと思いますけれども、都営住宅において、独立系による保守管理で、これまで問題は生じていないのか、お伺いをいたします。
○宇多田参事 メンテナンス契約の試行におきましても、継続的な保守管理を前提にしまして契約をしているところでございまして、平成十七年度まで受注した独立系三社のうち、一社は引き続き保守管理を続けておりますが、他の二社につきまして、平成十八年度の継続分の契約に際して、数年間継続していた契約を辞退するということに至っております。辞退分につきましては、現在、設置工事を行ったメーカーと異なるメーカー系の保守管理会社が受注して、引き継いでおります。
こうした想定外のことが起きましたことから、現在、継続しているものを除き、今後新たに発注する予定のメンテナンス契約の試行は凍結しているところでございます。
○きたしろ委員 今、今後新たな発注予定のメンテナンス契約の試行は凍結するということです。競争原理を入れるということも当然大切なことですけれども、やはり一番大切なことは、命にかかわる安全を守るということが一番大事なことだと思いますので、その辺のところには十分配慮をしていただきたいと思います。
次に、エレベーターに限らず機械設備というものは、経年とともに部品交換などの手間がより多くかかるのは当然のことであります。最初安い価格で落札して、維持管理に手間と費用がかかるようになると辞退するという、このような姿勢のところに管理を任せられるのか、疑問だと思っております。
さっきの答弁によりますと、三社のうち一社しか今は残っていないということですので、都として、今後、独立系保守管理会社への管理委託をどのように考えているのか、また、都営住宅のエレベーターの安全確保に向けてどのように取り組んでいくつもりなのか、お伺いをいたします。
○宇多田参事 これまでの経緯を踏まえまして、都営住宅における独立系の保守管理会社の導入の試行は当面拡大せずに現状維持にとどめ、今後、継続的に安定して安全に保守管理業務委託を行っていくための課題等を検討してまいります。
また、エレベーターの保守点検業務の実施状況等をより厳格に管理していきますとともに、今後、事故の原因究明を待って必要な対応をするなど、エレベーターの安全管理に十分配慮してまいります。
○きたしろ委員 都営住宅の保守管理については真剣に取り組んでいるということは理解をいたしました。ただ、都営住宅のみならず、すべてのエレベーターについて安全が確保されていなければならないということは、いうまでもないことです。命にかかわることであり、エレベーターの安全対策に対して、都としてどう取り組んでいくか、最後に局長にお伺いをいたします。
○柿堺都市整備局長 エレベーターは、今日、都民にとりまして、都市生活を営む、ほとんど選択の余地のない設備だというふうに思っておりまして、そういう意味では、都民が常に安心して利用できるように、設置者あるいは管理者が安全対策を講じていくことが何よりも重要と認識をしているところでございます。
そのためには、設置時に適切な設計あるいは工事をするというのは当然でございますけれども、それと同時に、使用開始後も、十分な日常点検によりまして、継続的、安定的に適切な保守管理を行っていくことが大切だというふうに思っております。
今回の残念な事故については、今、警察で事故原因の究明が行われているわけでございますけれども、また国においても、専門家によりまして、ハード、ソフト両面から再発防止に向けた検討が行われているようでございます。参事からも答弁をいたしましたけれども、都といたしましては、それらの結果を踏まえまして、区市あるいは国、エレベーター業界など関係団体と連携をしまして、安全確保に万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
○きたしろ委員 エレベーターというのは、今は、超高層の場合には何百人という人がいつも乗っているわけですね。まさに公共の交通機関と同じ認識でなければならない。それだけ厳格でなければならないというふうに私は思っているんです。
そういうことで、特に港区であったものですから、若いとうとい命が亡くなって、このことを重く受けとめて、私自身も今、局長の決意をお伺いしたわけですけれども、安全管理に真剣に取り組むことは当然ですけれども、安全のためにはまた、適正なコストをかけるべきだというふうに私は思っているんです。悪かろう安かろうではいけません。やはり命というものにかかわることには、コストをかけてもしかるべきだというふうに私は思っているんです。
また、独立系もメーカー系も、今いったような命にかかわっていることに自分たちがみずからかかわっているんだということを重く受けとめて、お互いが管理が適切にできる環境づくりを、行政もメーカーも独立系も、その辺のところは十分にやるべきことだなというふうに私は思っているんです。そういった意味では、行政側の努力もさらなる努力をお願いしておきたいというふうに思うんですけれども、また二度とこのような痛ましい事故が起きないように、ぜひとも安全のために一層の努力をしていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。
○長橋委員 私からも、シンドラーエレベーターの事故の対応についてお伺いをいたします。
今回の事故、今、きたしろ委員がお話ししたとおり、若い命が亡くなったという大変痛ましい事故でございました。エレベーターというのは、だれもが安全な乗り物であるということを前提にしているわけでありますが、それを覆す事故でありました。知事も直後の記者会見で、エレベーターに乗るときには、この事故以来、気を使ってといいますか、注意して乗るというような発言もあったやに聞いております。
そこで、港区のシティハイツ竹芝の死亡事故を受けて、都は緊急点検、調査を行ったとの報告を、きょういただいたわけでございます。その結果が、不適合、ふぐあいが何台だったかという報告がありました。幸いといいますか、都営住宅、公社住宅では建築基準法の不適合はなかった。しかしながら、ふぐあいが過去にあったものが百七十二台あった。また、民間施設では、不適合が十七台、ふぐあいは二百五十七台あった。それ以外も報告がされております。
その中で、この不適合、ふぐあい、その違いは何か。また、その原因は何なのか。この違いについて答弁をいただきます。
○金子市街地建築部長 不適合とふぐあいの違いでございますけれども、不適合とは、建築基準法令による検査項目に適合していない状態ということであります。今回の緊急点検で報告されたものは、停電灯のバッテリー不良やインターホンの不良などでございます。
これに対してふぐあいといいますのは、日常的に使用している中で発生する異常な状態といったことでございまして、例えば、ドアの開閉不良ですとか、異常な振動とか、異常走行音といったものが挙げられると思います。
不適合の原因につきましては、やはり部品の摩耗ですとか経年劣化といったことが考えられます。また、ふぐあいの原因につきましては、これはいろいろなものが複合して起きるんだろうと思いますが、例えば扉の溝に異物が挟まるとか、あるいは、かご内で跳びはねるなどといった利用者側の原因なども考えられると思っております。
○長橋委員 今、不適合とふぐあいの違いについてご答弁をいただきました。不適合というのは、法令に定めたものに合致していない、ふぐあいというのは、利用者などが原因で起きることが多いというようなことだと思うんですけれども、エレベーターにとって安全管理上どうなのかということになると、どっちが軽微だとかということはいえないのではなかろうかなと僕は思います。
そういう中で、都営住宅及び公社住宅については、不適合はなかったけれども、ふぐあいは百七十二台あった、こういうふうに報告をされておりますが、やはりいろんなトラブルとかいうのが積み重なって事故に結びつく。エレベーターの事故だけじゃなくて、さまざまなことが、ちょっとしたミス、トラブル、それを見逃したがゆえに大きな事故に結びつくということがあるわけでありますが、このふぐあいのあったエレベーター、履歴調査の結果でありますが、都営住宅についてはエレベーターごとにきちっと掌握をされているのでしょうか。お願いします。
○宇多田参事 都営住宅及び公社住宅のふぐあいの履歴につきましては、エレベーターごとに調査し、掌握しております。
○長橋委員 それはもう百七十二台とわかっているわけですから、当然掌握をされていると思いますが、いわゆる都営住宅では掌握をされているんだと思うんですね。そうすると、どのエレベーターか、特定のエレベーターについてはふぐあいが頻発をしたというエレベーターもあったのではなかろうか、こういうふうに思うわけでありますし、また民間は、数も当然多いわけですけれども、ふぐあいが二百五十七台もあった。そう考えると、ほとんどふぐあいがなかったエレベーターもあれば、ふぐあいが頻発したエレベーターもあったのではなかろうか。
港区のシティハイツ竹芝での住民説明会の模様を新聞で読みましたけれども、住民に報告されていなかった過去のトラブル、こういうものがあって、住民の怒りを買ったというような記事も見たわけでありまして、ここら辺から安全管理というものを見ていかなければならない、こういうふうに思います。
そこで、ふぐあいについては都営住宅で百七十二台あったということは、それはその場で既に対処したということだと思いますけれども、調査した結果、不適合があったということでありますけれども、この不適合のエレベーターにはどのように対処したのか。また、是正指導はちゃんと行ったのかどうか、お伺いをいたします。
○金子市街地建築部長 不適合のあったエレベーターに対してどのような対処をしたかということでございますけれども、今回の緊急点検で発見された不適合の項目につきましては、各特定行政庁から所有者等に対しまして改善指導を行っております。
九月六日現在の状況では、十九台の不適合の報告がありましたけれども、既に改善済みが六台、改善計画策定済みまたは策定中が六台、改善指導中が七台というふうになっております。
○長橋委員 既に改善済み、また策定中が六台、指導中が七台ということで既にやっているわけでありますが、こういった事故の背景には、これも新聞に書いてありましたが、警視庁が今捜査中だということでありますが、ずさんな安全管理体制があったと見て調べているという報道でございます。
エレベーターの事故の未然防止、これはひとえに保守点検が重要であるわけであります。この保守点検がどのように行われているのか。これについては、今、きたしろ委員の質問にもご答弁があったわけでありますが、建築基準法だと、年一回の定期点検、こういうことを特定行政庁に報告することが義務づけられている。なお保守管理業者が、契約をして月一回から二回行っている、こういうことでございます。
今回の事故が起きて、ずっと一連、その経緯をたどっていきますと、まず、シンドラー社の考えられないような発言があったやに私は思います。どういう発言かというと、我々の製品は高い基準を目指していると自負していますというような文書を配布した。そして、直後の住民説明会も出席を拒否した、こういう対応でありました。それとあわせて、シンドラー社は、この事故のあった機種は十四カ月も点検していないというような発言があって、保守の方に問題があったやのようないい方をしているのではなかろうかと思います。その後、住民に対して、また事故に遭った被害者に対してはおわびをしているわけです。
この事故があって、国交省も直ちに、社会資本整備審議会で各県に調査を依頼したわけでありますけれども、国交省の方から依頼したわけでありますけれども、同じように直後に、エレベーター保守事業協同組合というのがあります。独立系のエレベーター保守事業協同組合、これが国交省あてに申し立て書を出している。
その中身は、内容は、ちょっと抜粋しますが、「メーカーは自社の保守業者以外に対して、エレベーターのあらゆる情報を秘匿します。本件のように、官庁入札物件においては独立系の保守業者が管理しているケースが数多く、そのような場合であってもメーカーが独立系に対して技術的な情報等は一切公開されません。自動車のようにリコール制度もありません。リコールに相当するような事実があっても、情報が公開されたことがありません。そのため、メーカー系から独立系に保守が変わった場合に、リコールに相当するような部分の改修がなされないことさえあります。」というようなことで、ぜひそういったことを改善してもらいたいと、直ちに申し立て書を出しているわけであります。
そういう中で港区は、このエレベーターを三菱電機に取りかえるという契約をして、今、工事に入ったというふうに聞いております。そこで、港区は、仮契約に当たって、三菱の子会社である販売代理店に誓約書を出せと求めた。保守点検業者に情報開示の誓約書を提出させた。内容は、さまざまな情報を正確に伝える、そして速やかに部品を供給する。この誓約書を出して工事に入ったのであります。
そこでお伺いしますが、エレベーターでトラブルまたは事故があったときに、特定行政庁にどのように報告が来て、その報告を受けてどのように対処しているのか、お伺いをいたします。
○金子市街地建築部長 都では、東京都建築基準法施行細則によりまして、建築物の所有者等は、建築物及び建築設備に起因する死者または重傷者が生じた事故が発生した場合は、直ちに事故報告書により知事あてに事故の状況を報告するということになっております。事故情報を入手した段階で、関係機関と連携いたしまして情報収集に努めまして、必要な対応を実施していくこととしております。
再発防止に向け、速やかに特定行政庁や関係業界に注意喚起を行っております。
○長橋委員 事故があったときというのが、今のご答弁ですと、建築基準法には、死者または重傷者が生じた事故が発生した場合には直ちに報告をする、そういうふうに義務づけられているということでいいですね。そこまでは義務づけられている。ただし、死者や重傷者というかなり重大な事故に遭ったときに限られているというふうに思います。その情報を入手したら、直ちに関係機関と連携して情報収集に努め、必要な対応を実施していくということであります。
私は専門家じゃありませんので、範囲が難しいんですけれども、どこまで報告するかということがあると思うんですけれども、いわゆる重大事故につながるおそれがあるというようなことは、専門家から見ると、たとえ重傷者が出なくてもわかると思うんですけれども、そういったことについては報告はないのでしょうか。ちょっと突然ですけれども、お願いします。
○金子市街地建築部長 先ほど申し上げた施行細則では、決まりとしてこういうことが記載されておりますけれども、実際には、何か事故がありますと、地元の区ですとか、あるいは建物所有者等から連絡が入ってまいります。
○長橋委員 それはそのとおりで、重大な事故につながるおそれがあれば、これはどこかに欠陥があったとか、部品が摩耗したとか、経年劣化したということで報告があると思うんですけれども、そこら辺があいまいではなかろうかな、もっときちっとそういったことを考えていかなければいけないのではなかろうかな、こういうふうに思うわけであります。
そこで、今回、この対応を受けて、国交省が発表したシンドラーと同機種、制御器と駆動装置と安全装置が事故機と同一の機種については公表した。全国で、新聞には十二台、国交省は十三台と発表になっているんですけれども、そのうち八台は都内にある機種だったということであります。全国にシンドラーのエレベーターは、大体七千基ある。そのうちシティハイツ竹芝と同じ機種が全国に十三台あって、都には八台あったということであります。
今回、東京都がこの調査した結果を受けて、不適合のエレベーターについては私は公表すべきじゃないか、こういうふうに思うわけであります。不適合の内容、これはきょうの報告でも若干触れられておりますけれども、もっと詳しく、対応を含めてきちっと、きょうはまだ民間の方は中間ですから、最終的な報告を細かく公表すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○金子市街地建築部長 国土交通省は、事故機と駆動装置などが同一の機種について、事故の再発防止の観点から設置場所名を公表しております。
今回の緊急点検におきまして、現時点で把握している主な不適合でございますが、ブレーキ調整不良が三台、かご内停電灯、停電時自動着床装置などのバッテリー不良が八台、インターホンの不良が四台などでございます。
都といたしましては、今回の主要な調査が終了いたしました時点で、調査結果とあわせて、主な不適合についても公表していく予定でございます。
○長橋委員 主要な調査が終了した時点で公表していくということでご答弁をいただきました。
今、不適合はブレーキ調整不良とか、かご内停電灯がバッテリーが不良していたとか、例えば車でブレーキが不良だったら、大変な事故に結びつくわけであります。さっき、きたしろ先生もいったけれども、今、超高層のエレベーターで、それは物すごいスピードが出ているんだと思うんですけれども、車だと、どれだけスピードが出たかというのはメーターを見ればわかりますし、自分の体感でもわかるんですけれども、エレベーターに乗っていると、実際に何キロの速さで入っているのか、一庁とか二庁のエレベーター、どれくらいのスピードがあるのかというのは、相当なスピードであろうかと思いますが、私なんかは、もう全く安全であるという認識のもとに乗っている。それがブレーキ調整が不良だったら、これは大変な事故になるんじゃなかろうか、こう思うわけで、そう考えると、つい気になってしまうわけであります。
そういう中で、ちょっと話が飛びますが、都営住宅百人町のエレベーターが、いまだ停止をしているということであります。さっき、国交省が発表したこの中にあるわけですけれども、同じように東京都の施設で、教育庁の職員研修センターも同じ機種ですが、これは既に運転を、使用を再開している、こういうことであります。
百人町のエレベーターはいまだとまったままで、上の方に住んでいる方は大変ご不便をしている。地元の方からも、早く再開をしてもらいたい、こういう声があるんですけれども、同じ都の施設で、都営住宅はとまっている、職員研修センターは、このあれだと、つい最近再開した。ぜひ百人町の方についても、いつ再開するのか、なかなか答えられないかもしれませんけれども、そこら辺はどうなっているのか、ご答弁をいただきたいと思います。
○宇多田参事 百人町三丁目アパートの建物の高層部分には二台のエレベーターが設置されているんですが、そのうちの一台の使用を停止しているところでございます。
居住者の方々には、ご不便、ご心配をおかけしているところでございますが、都としましては、安全について万全を期すため、やはり関係当局による事故原因の解明状況等を踏まえて適切に対処してまいりたいと考えております。
○長橋委員 適切に対処するということで、研修センターの方は、八月二十四日に閉じ込め事故もあって、そういうことがあったから絶対あってはならないということであると思いますけれども、片や港区では、今度、三菱に取りかえたということもありますし、せっかくエレベーターを利用している方にとっては大変な不便でありますから、いつまでも原因究明といっていないで、ぜひ早く再開を希望いたします。
次に、責任の所在ということについてでございます。
報告にも最後に、事故原因や責任の所在については警察などが究明中であり、再発防止策について国での検討が進められていることから、都としてはその結果を踏まえ、必要な対応を実施していく、こういうふうに結んでいるわけでありますが、都として、シンドラーエレベータ社または保守管理を含む関係企業、どちらに原因があるのか、両方に複合的に原因があるのか、こういうふうにも思うわけでありますが、どのような処分を考えているのか。
知事は発言で、このシンドラー社のエレベーターに対して、明らかに欠陥商品である、このようにも記者に対していっているわけであります。皆さん方の立場でいえば、最終的にどういう原因なのかということが究明されない限り、処分とかというのは下せないのはわかるんですけれども、やはり皆さんを安心させるためには厳しい処分をきちっとしなければいけないと思うんですけれども、こういった処分、対応については、今、都としてはどういうふうに考えているのか、お伺いをいたします。
○安藤総務部長 今回の事故についてでございますが、現在、関係当局による調査が行われているところでございます。
それで、今後、その原因解明の結果を踏まえての対応ということでございますが、指名停止等の要件に該当する場合には、東京都契約事務協議会というのが東京都に組織されておりまして、その場において必要な措置がなされるものと考えております。
○長橋委員 結果が出れば、指名停止ということも当然であろうかと思います。原因究明が明らかになった時点で、直ちに対応をすべきであると思います。
最後に、昨年七月、千葉県北西部地震でエレベーターの長時間停止、閉じ込めがありました。これについては、我が党も本会議の質問で、こういった防災対策について質問させていただきました。
都は、こういう事態を受け、エレベーター業界に働きかけをしていく、連携をとっていくというご答弁がありましたけれども、どのような働きかけ、連携を行ったのか、教えていただきたいと思います。
○金子市街地建築部長 現在進められております地域防災計画の修正作業におきましても、エレベーターの閉じ込め対策というのは重要な課題というふうにされております。
都は、地震後、日本エレベータ協会に対しまして、緊急停止システムの改善や復旧体制の整備について対策を講じるように働きかけをいたしました。また、エレベーターの保守管理業者に限らず、建物の管理者などによる閉じ込めからの救出の方策について、日本エレベータ協会や保守管理会社と協議を行っているところでございます。
○長橋委員 都としてエレベータ協会に対して、緊急システムの改善や復旧体制の整備について対策を講じるよう働きかけたということでありますが、千葉県北西部地震のときにも、私の身の回りにも閉じ込めに遭った方がたくさんおりました。当然、エレベーターの機能としてとまったものもあれば、そうでなかったといいますか、かなり長時間、閉じ込められてしまった。このときには保守業者は、時間が一遍ですから、大変な思いをしたということもお伺いをしましたけれども、いわゆる事故というのは、さっきもお話ししましたが、小さなトラブルが重なっていく中で、それを未然に防ぐためには、保守点検というのが非常に重要であるわけであります。
そこで今、国交省では、社会資本整備審議会の建築物等事故・災害対策部会で再発防止を検討しているということでありますけれども、シンドラーについてだけではなくて、またエレベーターだけではなくて、エスカレーターもシンドラー社があるというふうにも聞いておりますし、また、一昨年には六本木ヒルズで起きた回転ドアによる死亡事故、こういう事故もありました。
いわゆるITを使ってどんどんと高度化しているだけに、そこを過信してしまうと重大な事故につながってしまうということでありますし、エレベーターにしても、エスカレーターにしても、回転ドアにしても、大変多くの方が利用し、身近な施設であるわけであります。そういった身近な施設で冷やっとしたことがある、そういったことについてきちっと情報を収集して、共有する仕組みが必要じゃなかろうかな、こういうふうに思うわけであります。
さっきも、建築基準法では義務づけられているけれども、そうでないことについては努力規定みたいなことに終わってしまっている。それをきちっと集めていくことによって、専門家が見ると、それは明らかに劣化しているとか、それはどこかが摩耗しているとかということがわかるんじゃなかろうかと思うんですけれども、事故が起こってから結果がわかった、そういう結果だったということではしようがないと思いますので、そういった情報を共有する仕組み、これをきちっとつくっていくべきじゃなかろうかと思いますが、いかがでしょうか。
○金子市街地建築部長 建築物ですとか建築設備のそういった重大な事故に際しては、事前に軽度のトラブルが発生しているという事例がいろいろ指摘されているところでございます。そういったことも受けまして、国の方では、インターネットを活用して身近な事故情報を集約して共有化する、そういった事故情報ホットライン、通称ヒヤリハット情報収集システムというものを試行しているところでございます。
都といたしましては、関係業界に対しまして、このシステムを積極的に活用して、このシステムを拡充していくよう働きかけていく考えでございます。
○長橋委員 それでは、最後、今、国のヒヤリハット情報収集システムが試行されているということで、都はこれを活用して関係業界に働きかけていくということでありますが、ともかくおわかりのとおり、このエレベーター、エスカレーターを含めて、こういった施設は大東京に集積をしているわけであります。ということは、当然事故の確率も高いわけでありまして、ぜひ東京からこういった仕組みを、まず独自でもみずから、国に要請するなり、都として、こういった痛ましい事故は二度と起こしてはならない。そのためには本当に積み重ねていくしかないんですけれども、こういった情報をきちっと集めて、すぐ対策ができるような、そういう体制をぜひともつくっていただきたいことを要望しまして、質問を終わります。
○高橋(か)委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時十分休憩
午後三時二十五分開議
○高橋(か)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○植木委員 エレベーター問題、それぞれ多岐にわたってのご質問がありました。私どもも、千葉県の北西部地震のときも、それから新潟県の地震のときに六本木ヒルズのエレベーターが故障したという問題、そして今度の港区の死亡事故、エレベーター問題が一つの社会問題となっている、そして、とうとい高校生の命がこれによって亡くなられた。そういう点で、本当にこの中から何を教訓として学んで、どう解決していくのかというのは、やはり全都的な課題の一つだろうと思うんですね。
私も、前回の定例会のときに意見表明をしましたし、それから文書質問でも、徹底的な点検の問題、それから保守管理の契約やあり方の問題、それから実態調査、そして国に対して改善方について具体的に指摘をしてまいりました。そういう意味で非常に多くの課題があるわけですけれども、特に今回は絞って、また、それぞれ課題として今、質問がありましたので、ダブりますけれども、問題意識は同じなところもありますけれども、幾つか質問をしたいというふうに思っています。
それで、今回の事故についていろいろ考えますと、報告がいろいろ出されて、最終的には警察庁の最終報告が出ないとわからないということはあるんですけれども、東京都の例えば都営住宅あるいは財務局管轄、それから民間、それぞれ聞いても、一応制度どおりやっているよ、仕組みどおりやっているよということで報告があるんですね。制度どおりやっていて、じゃ、なぜこういうことが起きるのかというところでは、本当にどういうことが改善が必要かということを真剣に考えなければいけないというように思うんですね。
国土交通省では、社会資本整備審議会の建築分科会建築物等事故・災害対策部会でワーキンググループをつくって、エレベーターの安全確保についてという中間報告が出されて、これについて見ましたけれども、基本的には現行制度の枠組みを基本としつつ、その見直しについて取りまとめたものだ、こういうふうにいっていますから、現行制度の枠組みは大きく変わるというふうには思えないのですが、いずれにしても、各規制や改善を図る方向性が出されるということだろうと思うんです。そうしますと、規則どおりやっていますということで終わってはならない改善の方法というものをやっぱり知っておく必要があると思うんです。
いろいろマスコミ報道などで聞いたりしているところをみますと、港区の例でも、保守点検では異常なし、安全は確認されたという報告だったにもかかわらず事故が起きた。起きてみると、いや、実は十階から一階までエレベーターが落下したことがあったんだよとか、そういう声が上がってくる。そうしますと、報告制度の中にいろいろ具体的な問題点もあるのではないか。その点だけ、ちょっときょうは質問をしたいというふうに思うんです。そういう意味で、先ほどの質問とある意味ではダブりますけれども、ご容赦願いたいというふうに思っています。
それで、先ほども質問がありましたけれども、やっぱり僕も同じ問題意識なんですよ。不適合、ふぐあいというのが、きょうの報告の中でもたくさん出てくるんですね。不適合、ふぐあいが、じゃ、具体的にどういう内容で、それは民間でいえばどういう報告制度で改善されていくのか、都営住宅ではそれをどう扱ってどう改善していくのかという道筋が非常に大事だと思うんですね。
そういう意味で、まず、ふぐあいと不適合、それから不適合に対して改善通知がどういうふうに行われているのか、その実態とその意味合いについてお示し願いたいと思います。
○金子市街地建築部長 まず、不適合とふぐあいの違いは何かということでございますけれども、不適合とは建築基準法令による検査項目に適合していない状態をいっておりまして、今回の緊急点検で報告されたものについては、停電灯のバッテリー不良ですとか、インターホンの不良などがあります。
また、ふぐあいとは、日常的に使用している中で発生する異常な状態ということでございまして、例えばドアの開閉不良ですとか異常振動、異常走行音といったものがあろうかと思います。
不適合については、一般に民間の施設ですと、一年に一回定期検査報告というのがございますけれども、その中で不適合の部分があれば、特定行政庁の方に報告がなされるということになっております。
なお、ふぐあいにつきましては、日常の使用している中で発生するものでございまして、こういったものの対応につきましては、一般的には契約に基づいて保守管理業者が対応するということになっております。
○植木委員 不適合については年一回の報告でということなんですが、結局、今の報告にはなかったんですけれども、改善通知は出されなかったということでよろしいのでしょうか。
○金子市街地建築部長 今回のシンドラーエレベーターの調査に関する点検では、不適合とされたものが十七台ございまして、その中で既に現在、完了しているのが五台ですか、それから改善指導中あるいは改善計画策定中といったような状態で、すべて対応がなされております。
○植木委員 十七台が不適合ということで、改善が残っている部分は今、対応している最中だというんですね。
それで、民間だと、例えばマンション管理者、あるいは事業系であれば事業系のビルの管理者、そこに多分報告が契約がされていっているんだろうと思うんですけれども、実は、このふぐあいの積み重ねの中で事故というのは結構起きてきている。つまり、不適合、ふぐあい、いろいろ報告はあるけれども、人身事故に至る報告がないからということで見過ごしていると、実はこういうことの積み重ねの中で大きな事故が起きてしまう。
そういう意味で、僕はこのふぐあいについても、やはりきちっと掌握を、民間であろうと事業者にそれをさせるといいましょうか--実は検査表というのをもらって見たんですけれども、これはABCランクに分けて指摘して、既存不適格という欄があるんですけれども、どう改善されたかという、その改善の中身は書かれていないんですよね、チェックの項目に入っていないのです。だから、チェックをすると同時に、それをどう改善するかということまでやはり書いて報告する、そういう報告の仕組みが必要じゃないか。
これは民間ということになると、どうしても国土交通省の関係があると思うんですけれども、いずれにしても、行政庁として都が管轄されているわけですから、そういった点については、現在どのように認識して改善をされようとしているのか、お示しいただきたいというふうに思います。
○金子市街地建築部長 民間施設のエレベーターの不適合について、定期検査で不適合があった場合の対応でございますけれども、例えば平成十七年度の例でいきますと、十七年度における都内のエレベーターの定期検査報告では、不適合が報告されましたのが、区の所管するものが四区で六台、都が所管するものは一台ということ、合計七台でございました。
区の所管分につきましては、すべて改善予定というのがその報告書に記載されておりまして、一般的にいいますと、改善予定がある場合は、区としてはしばらく様子を見て、実際そのとおり行われるかどうか様子を見るというのが一般でございます。
ただ、一区だけ、取り扱いの方針といたしまして、改善の予定が記載されているいないにかかわらず改善指導の通知をするという区がございまして、昨年度におきましては一区が改善指導の通知を行っております。
都の所管分につきましては、速やかに改善完了報告が出されましたので、改善指導の通知をするまでには至らなかったわけでございます。
それから、報告の中身につきましては、様式をごらんいただきますと、不適合の指摘の内容を記載する項目がございまして、そこに記載されてまいります。例えばバッテリーの不良であれば、バッテリーの交換が必要ですというような内容になっております。
○植木委員 既存不適格が指摘されて、それが改善されたよというところまで見きわめるということがやはり大事だと思うんですよね。それは仕組みとしても、都でやるのか、国でやるのか、そこのところははっきりわかりませんけれども、ぜひお願いしたいというふうに思っております。
それから東京都の施設、都市整備でいえば都営住宅や公社、それから財務局管轄、ここでは、先ほどの話では、定期報告というのは具体的にはないけれども、それぞれの所管で対処しているという報告があったんですが、もうちょっと正確に教えていただけませんでしょうか。
○金子市街地建築部長 都、区、それから建築主事を置く市は、みずから特定行政庁ということでもありますので、報告する義務はございませんけれども、定期点検で確認されました不適合につきましては、所有者としてみずから改善をしているところでございます。
○植木委員 港区の事件が起きたときに、すぐ私はどういうふうな状況になっているかとお聞きしたら、大体、公社できちっと報告を受けていると。細かいふぐあいはあるけれども、命に別状、異常はないからということで具体的には掌握していない、こういうお話があったんですけれども、そういうことなんですか。
つまり、例えば公社が直接は管理委託しているわけですから、公社がそこですべて処分しているから、都庁の方にはそこまでは細かいことは来ていないということなのか、あるいはふぐあいが重なっているようなところまではチェックするとか、そういうところまで改善の仕組みというのでしょうか、チェックというのでしょうか、どういうふうに行われているのでしょうか。
○金子市街地建築部長 ふぐあいと不適合でございますけれども、先ほども申し上げましたが、不適合は建築基準法の検査基準に適合していない部分がある、それは報告していただくということになっております。それは民間のケースでございます。ただ、都や区は、都、区自身が特定行政庁でもありますので、もし民間であれば特定行政庁に報告する義務があるんですが、みずからが特定行政庁でありますので報告義務はない。その一方で、都や区はそういった施設の所有者でありますので、所有者みずからが定期点検を行ってきちんと管理をしていく、そういった仕組みでございます。
それから、日常的に使用している中で発生する、先ほど申し上げましたふぐあいへの対応につきましては、ふぐあいについては、特に民間の施設につきましても特定行政庁への報告といった義務はございません。一般的には、保守管理契約に基づきまして保守管理業者がそれぞれ対応しているということになっていると思います。
○植木委員 対応しているのはわかるんだけれども、そのチェックの仕組みは最終的にどこでチェックするんですか。つまり、例えばふぐあいが重なったりする、それは契約しているんだから、そこが責任でやる、それは当然なんですよね。だけども、そういう中で事故は実際に起きる。だから、それで十分なのかどうか、新たなチェックの仕組みづくりが必要でないかという問題意識なんですよ。そこのところはどうでしょうか。
○金子市街地建築部長 おっしゃるように、小さなふぐあいが重なっていって、何か事故に結びつくものがあるのではないかというふうに思っております。
一般的には、先ほど申し上げた、使っている中で何らかのふぐあいが生じた場合には保守管理会社が対応しまして、その内容をメンテナンスリポートといいますか、そういうものにしてオーナーに報告をいたします。オーナーはその記録をきちんと保管して、特に保守点検業者をかえる場合などには、きちんと次の新しい業者に確実にその情報を伝えていくということが、適切な保守管理を行うために非常に重要であるというふうに思っています。
そのエレベーターの所有者、管理者が責任を持って保守管理するというのが基本でございまして、そういった中で一年に一回定期検査を行って、もし法に不適合の部分があれば特定行政庁に報告をしていただく。あればというか、本来はないことを報告していただくわけですが、時々そういったことが検査資格者の目から見てあるということで、それについては必要があれば改善指導を行っていくといったことでございます。
○植木委員 改善指導するというのは、改善指導するということだろうと思うんですけれども、じゃ、もうちょっと、都施設でいえば、維持保全業務標準仕様書というのが保守点検契約時に点検基準としてあるというふうに認識しているんですけれども、この保守点検の基準は、今回の港区の事例などで見て、改善の余地はないのかあるのか、その辺の検討はされているでしょうか、いかがですか。
○宇多田参事 東京都の都営住宅とか、あるいは公社住宅の維持管理業務というのは、維持保全業務標準仕様書によってやっているわけですが、私どもは、これに基づく仕様によりまして通常適切に点検が行われているというふうに認識してございまして、あとはその事故原因等、そういったことを踏まえて、必要があればそれに応じてということで考えてございます。
○植木委員 その標準仕様書に基づいて適切にやっている、改善を指導している、それはごくごく当然のことなんだけれども、今回の事故を契機に、その仕組みで十分なのかどうかというのをきちっと検証する必要があるんじゃないかと思うんですよ。検証して、なおかつ今のでも大丈夫だというのであれば--僕らはあくまでも報告を受けて聞いているだけですから、そこのところは現場の、特に特定行政庁である都として、やはり研究が必要じゃないかという意味でいっているんですよね。
文書質問を出しておりますので、その辺も改めて答弁が来ると思うんですけれども、いずれにしても、この維持保全業務標準仕様書というのは、東京都が必要があれば改善することは可能な仕組みではないかなというふうに思うんですが、ちょっと正確に、もし間違っているといけないので、教えていただきたいのですが。
○宇多田参事 この維持保全業務標準仕様書につきましては、東京都財務局で策定しておりますので、その段階での役割といいますか、そのように認識しております。
○植木委員 質問がダブっているので、この辺でやめますけれども、いずれにしても、不適合、ふぐあい、こういうものの中からどうやって事故を未然に防ぐのか、そのために今の仕組みで十分なのかどうなのかということがないと、港区も報告では一応仕組みどおりやっているよと、だけども事故が起きた、こういうことの中ですから、もちろん根本的な提起というのは国土交通省からも出てくるとは思いますけれども、都としてできる範囲というのはまだまだたくさんあると思うんですよ。
そういう意味で、本当にエレベーターというのが当たり前になってきて、当たり前だけじゃなくて、震災、いろんなことも含めてやっぱり重要なことですから、都としての特定行政庁としての役割、それから都営住宅や公社の直接の管理の役割、そういうことをきちっと見ていただいて今後も進めていただきたいということで、あとはダブりますので、これで終わりにします。
○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
○高橋(か)委員長 次に、第百七十五回東京都都市計画審議会付議予定案件についてを聴取いたします。
○柿堺都市整備局長 来る十一月十六日に開催予定の第百七十五回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきまして、ご説明いたします。
今回、東京都決定案件が全部で十七件ございまして、その内訳は、区部で九件、市町村部で八件でございます。
また、産業廃棄物処理施設の用途に供する特殊建築物の許可案件が一件ございます。
本日は、これらのうち、主な案件といたしまして、豊洲二・三丁目地区地区計画につきましてご説明を申し上げます。
また、今回の都市計画審議会には付議いたしませんが、いわゆるアセスの前合わせ案件といたしまして、幹線街路環状第二号線及び関連する案件につきましてご説明申し上げます。
それでは、引き続き担当部長からご説明申し上げますので、よろしくお願いいたします。
○野本都市づくり政策部長 それでは私から、ナンバー10の豊洲二・三丁目地区の地区計画の変更に関する案件について説明いたします。
お手元の提案事項概要、白表紙、それから資料集の薄茶表紙それぞれをごらんいただきたいと思います。
まず、白表紙の方の五五ページから六四ページ、薄茶表紙の方の四〇ページから四五ページをごらんいただきたいと思います。
まず、位置でございます。本地区は、東京臨海部、地下鉄有楽町線及び新交通「ゆりかもめ」の豊洲駅の周辺にございまして、大規模な造船所跡地を含む面積約五十・五ヘクタールの区域でございます。
資料集の四一ページをごらんください。本地区では、当初、平成十四年六月に地区計画を決定しており、その後、開発の熟度に応じて、順次、地区整備計画を定める都市計画変更を実施しております。
現在、地区の約六〇%において地区整備計画を策定しており、オフィスビルや大学が竣工し、商業施設や住宅整備が進められております。
今回の変更は、豊洲二、三丁目地区まちづくり方針等に基づきまして、豊洲運河の水辺を生かした緑豊かな都市型住宅の創出を図るため、八-四街区におきまして、共同住宅の整備の具体化に合わせ地区整備計画を策定し、地区計画を変更するものでございます。
提案事項概要の六二ページ、六三ページ、それから資料集の四二ページをごらんください。変更内容について説明いたします。
八-四街区では、良好な居住機能を導入する街区として、共同住宅約八百五十戸を計画しております。このため、建築物の用途の制限としまして、第一種住居地域に建築できない建築物を制限しております。
このほか、容積率の最高限度を四〇〇%に、高さの最高限度を百五十五メートルに、壁面の位置の制限等を定めることとしています。
また、住宅整備に合わせ、運河に面してオープンスペースや緑化の確保を図るとともに、豊洲運河沿いに歩行者通路八号、あるいは地区の東西の水辺を結ぶ水域間連絡通路を整備いたします。
私からの説明は以上でございます。
○石井都市基盤部長 次の案件は、東京都市計画道路環状第二号線の変更に関する案件でございまして、環境影響評価手続開始の案件でございます。
資料は、白表紙の提案事項概要一〇一ページ及び薄茶表紙の事前説明会資料八七ページから九四ページでございます。
お手元の白表紙の一〇一ページ及び薄茶表紙の八七ページをお開きいただきたいと思います。
本件は東京都環境影響評価条例の対象事業でございまして、今回はいわゆる前合わせで、東京都決定の案件でございます。今後、条例に基づく環境影響評価を行った後に、東京都都市計画審議会に付議するものでございます。
環状第二号線は、江東区有明を起点とし、中央区、港区などを経て千代田区神田佐久間町に至る延長約十四キロメートルの幹線でございます。
このうち、江東区有明二丁目から港区東新橋二丁目までの約四・七キロメートルの区間については、臨海部と都心部の連絡強化、広域道路ネットワークの強化及び地区内交通の円滑化を図るため、平成五年七月に都市計画決定を行ったものでございます。
薄茶表紙の八九ページをごらんください。また、スクリーンに地区の航空写真を提示しておりますので、あわせてごらんいただきたいと思います。
平成五年七月に決定いたしました当時は、中央卸売市場築地市場が現在地で再整備する予定であったため、中央区晴海四丁目から築地五丁目については地下式としたものであります。
その後、平成十三年十二月に、築地市場の豊洲移転を盛り込んだ第七次東京都卸売市場整備計画が策定され、築地市場の移転が決定いたしました。これに伴い、環状第二号線の地上化が可能となったことから、築地市場跡地における土地利用の増進、築地、勝どき、晴海地区間の連絡強化、勝どき地区における避難ルートの拡充による防災性の向上などの観点から、当該区間における構造形式を、既定計画の地下式から地表式及びかさ上げ式に変更し、環状第三号線とは立体交差とするものでございます。
この構造形式の変更に伴い、中央区晴海三丁目から銀座八丁目までの区間において、線形及び幅員を変更いたします。また、晴海地区と勝どき地区とのアクセス機能を有していた支線一は、今回の構造形式の変更に伴い、環状第二号線本線がその機能を担うことから廃止することといたします。
薄茶表紙の九三ページに参考図を載せてございますので、ごらんいただきたいと思います。
なお、この変更にあわせまして、全線について車線の数を四車線及び六車線と定めます。
事業につきましては、東京都施行を予定しており、平成二十七年度の完成を目指しております。
続きまして、環境影響評価についてご説明いたします。
環境影響評価条例に従い、本路線の環境影響評価書案を本日、知事に提出いたします。
お手元の青表紙の環境影響評価書案の概要に、その要約を挟み込んでおりますので、ごらんください。
環境に及ぼす影響の評価の結論については、二ページから五ページ目に記載してございますが、大気汚染、騒音、振動を初め、いずれの項目につきましても、予測結果は環境基準等の評価の指標を満足していることから、環境への影響は少ないと考えられ、都市計画を変更する上で支障はないと判断しております。
続きまして、環状二号線の変更に伴い、関連する変更案件三件についてご説明をいたします。
資料は、白表紙の一〇二ページから一〇六ページ、薄茶表紙の九五ページから一〇四ページでございます。
初めに、薄茶表紙の九六ページをごらんいただきたいと思います。
勝どき六丁目地区地区計画の区域内に計画されております環状第二号線の線形及び幅員の変更に伴い、公共施設である広場二号の規模について変更いたします。
次に、薄茶表紙の一〇〇ページをごらんいただきたいと思います。勝どき六丁目地区第一種市街地再開発事業についても、先ほどご説明した地区計画と同様に、広場二号について変更するものでございます。
最後に、薄茶表紙の一〇四ページをごらんください。臨海部開発土地区画整理事業の区域内に計画されている環状第二号線の幅員の変更に伴い、土地区画整理事業で定める公共施設の配置を変更するものでございます。
以上で説明を終わります。
○高橋(か)委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○立石委員 質問いたします。
環状二号線の地下化、トンネル化から地上化案に変更するということのいわゆる前合わせとして、今回いよいよ手続が開始されるというわけでありますから、長いこと地元の皆さんと一緒に反対運動をしてきた私としては大変不本意なことでありまして、幾つか--さはさりながら、百歩譲ってというか千歩譲って、道路はやはり平面にあった方が使いやすい。今、石井さんの説明の中にも、支障なし、道路は地上にあった方がいい、こういう発言がありましたが、それはモグラのように地下にあれば、そういう意味では本来地上にあった方がいい部分もある。既にある更地であれば、道路があってまちができる、それは当たり前のこと。しかし、既にあるまちを、そこのけそこのけでやろうというわけですから、半端な話じゃない。
私も昨年の三定でも一般質問して、断固反対の立場をとったわけでありますけれども、そういう中で、地元を代表する方々が、過日、知事に陳情書を提出されました。もちろん私も立ち会って、よく承知をいたしておりますが、この都市整備委員会の常任委員会でしっかりと再確認をしておかなければいけないと思いますので、改めて全部、要望書を再確認したいと思います。
○石井都市基盤部長 地元からの要望について、この場で改めて再確認をしたい、全部説明せいと、こういうお話かと思います。
環状二号線の周辺の月島、佃、勝どき、豊海、晴海各地区の連合町会から、本年八月、環状第二号線の都市計画変更に関する要望書をいただいてございます。具体的な要望事項としては、大きく四つ事項がございます。すべて残らず述べよということでございますので、少し長くなりますけれども、ご説明をさせていただきます。
一つ目は、総合的なまちづくりビジョンの提示に関する事項で、これには五つの項目がございます。一、地上化に伴う生活環境への悪影響を防ぐため、勝どき五丁目地区再開発の促進。次に、今後の幹線道路等の整備に伴い大幅な土地利用転換が予想される豊海地区まちづくりの方向性。次に、慢性的な混雑状況にある都営大江戸線勝どき駅の改善。次に、晴海運動場の代替施設。次に、臨港消防署の移転先でございます。
二つ目の事項としては、築地市場跡地の活用に向けた整合性の確保に関する事項でございまして、これには二つの項目が掲げられております。一つ目は、築地市場跡地二十三ヘクタールの土地活用について、中央区が取りまとめた築地市場地区の活気とにぎわいビジョンと東京都が計画するメディアセンター構想との整合性を図ること。二つ目は、とりわけ東京都は、築地市場地域の活気とにぎわいの継承、発展に向けて取り組んでいる鮮魚マーケットなど、にぎわい施設の実現に向けて都有地の活用を図ること。以上でございます。
三つ目の大きな事項といたしましては、交通環境の改善に関する事項で、これには八つ項目が掲げられております。初めに、晴海地区における地下鉄等の大量輸送機関の整備。次に、人と環境に優しい公共交通機関であるLRTの導入。次に、新月島川を横断する複数の人道橋整備。次に、黎明橋公園通りと環状二号線が交差する動線の確保。次に、朝潮運河橋梁の整備に伴う地区内道路やテラス護岸等歩行者ネットワークの確保。次に、環状二号線が新橋まで開通しない段階では豊洲大橋を開通しないこと。次に、東京都による新島橋のかけかえ整備。次に、「ゆりかもめ」の豊洲から勝どき間の延伸計画の見通しの明確化並びに都市計画道路補助第三一四号線の整備の明確化でございます。
大きなくくりの四つ目は、地域活性化の推進に関する事項でございまして、これには四つの項目が掲げられてございます。初めに、隅田川橋梁の整備に伴い、景観や観光振興面にも配慮した二層構造方式など、快適空間を強調した歴史的なデザインの採用。次に、環状二号線の高架下空間の有効活用。次に、貴重な歴史構造物である勝鬨橋の開橋。最後に、朝潮運河ルネッサンス計画にあるように、水辺を生かしたまちづくり。
以上でございます。
○立石委員 ここでは場が違いますので、各論には入りませんけれども、非常に重要な、地元の大きな強い要望であります、いずれもすべて。そういう中で、特に築地市場の方々が、大変なしにせで、あえて名前はいいませんが、そこの社長というかおやじというか、おやじさんがふと漏らした言葉が非常に印象に残っておりますので、ここで発言したいと思います。
二〇一六年のオリンピックは非常にうれしい、しかし、今まで私たちが働いてきたこの築地市場が豊洲に移転をしてしまって、その跡に勝手にメディアセンターができるということに、ちょっと喜べないなあと、こういう発言をされておりました。まことに中央区民の皆さんの、ある意味で真意を語っているような気がいたします。もちろんオリンピックは大賛成でありますけれども、また、東京が国内候補に決まったということはうれしい限りでありますけれども、本音としてそういう考え方が当然起こってくるなというのは、この席でいっておかなければいけない大事なことだと思います。
だとすれば、二〇一六年に向けて、東京は大きな意味でオリンピック招致成功のために考えた場合に、やはり今挙げられた全部の要望、陳情の中で特に大変大切なことは勝どき駅です。現場に立ちますと、朝のラッシュアワー時間には三分置きに大江戸線の列車が入ってきます。お客様が、乗客がおりられる、ホームが人であふれているわけです。その状況の次の段階に、はけ切らないうちに、既に次の列車が入ってくるという状況です。そういう状況の中で、これは特に特筆しておかなければなりませんので、ここで申し上げておきたいと思います。
各論はこの席では今いうべきではありませんので、今、地元を代表する大変な方々が知事に陳情している事実を深く重く受けとめて--百人百様、千人千様、それぞれ意見は皆あるでしょう。しかし、道路が必要であるということはだれもが承知しているわけですし、自分自身も、だれもが通っているわけでありますから、それはそれとして、一日も早く環状線をつくっていかなければならない。
されど、既にあるまちを当然のこととして地下化すべきだというのが本旨でありますけれども、それがかなわぬとするならば、先ほどいったように千歩譲って、それらの大きな地元の要望を一つ一つ丁寧に回答していくべきだと考えておりますが、このことをひとつ強くここで主張し、意見を申し上げて、私、このことについて終わりたいと思います。
○たぞえ委員 都計審への付議予定案件ナンバー1の北沢二丁目用途変更について伺いたいと思います。いわゆる下北というまちであります。
このまちは、小さな劇場や映画館、ライブハウス、レストラン、喫茶店、雑貨店、洋服店、まさに若者に人気のスポット、そういうまちです。ピザレストランと八百屋さんがくっついて、隣り合わせで商売をする。まさに新しさと親しみやすさが同居している新しい東京のまちだと、多くの方がこのように思ってきました。
「パリ、テキサス」とか「ベルリン・天使の詩」で知られている映画監督のヴィム・ヴェンダースさんからも、このまちについての評価が届けられていますが、紹介をしますと、下北沢というまちを知ってから、東京という都市の生命力の核心に初めて触れたような感じがします。私は、下北沢が今の姿のままで残ることを心から強く願います。こういうメッセージが海外からも寄せられました。
ところが、東京都と世田谷区は、都市計画道路補助五四号線と区画街路一〇号線を通して、駅前にロータリー広場を整備する、こういう計画を発表したわけです。この計画に、まちの魅力を失わせてはならない、小規模商店の営業は成り立たなくなる、商店主らはこのようなことに大変懸念を表明してきました。
世田谷区は、まちづくり懇談会を開いて、地区計画への住民意見は十分に反映していると、このように強気でいます。しかし、市民団体である下北沢フォーラムは、去年の末に、この区の計画案についてのアンケート調査を行いました。住民の代替案を含めて、十分な話し合いが必要だと答えた方は実に七六%です。まちづくりの進め方について内容説明が十分かという質問に対して、思わないが六八%示されました。こうして現在、住み、ご商売される皆さんにとって、この計画は大変な大騒動になっていまして、市民側からも自発的な対案が示される、このような状況です。
七月二十六日に開かれた世田谷区の都市計画審議会で、世田谷区は、区が見解についての説明を省くという発言を繰り返しましたので、ラウンドテーブルが求められる声が出ているのに区は無視していると、審議会の会長は区の姿勢を厳しく批判するほどでありました。まさにこの計画は、道路を含め、将来の下北沢のまちを決する問題だということで、事業認可差しどめを東京地裁に提訴する、こういう問題を各マスコミが大きく取り上げているほどです。
そこで、初めに伺いますが、世田谷区の街づくり条例は、区内のまちづくりについて、基本理念で、区内において行われるまちづくりは、区民等の参加及び提案並びに区民等、事業者及び区の相互間における信頼、理解及び協力の関係によって成立することを確認する。これらのことは、常に尊重されなければならないと条例は示しているわけです。
都市政策と計画に責任を、都として、この理念に対する認識を初めに伺いたいと思います。
○野本都市づくり政策部長 世田谷区の街づくり条例では、ただいまご紹介がありましたけれども、区民はまちづくりに参加する権利と責任を持っている。区内において行われるまちづくりは、区民等の参加及び提案並びに区民等、事業者及び区の相互間における信頼、理解、協力によって成立する。これらのことは、常に尊重されなければならないとされております。こうした理念は、都としても、まちづくりにおいて基本的な姿勢と考えております。
○たぞえ委員 そうなんですよね。これが私も基本的な土台だというように思うんです。
ところが、地区計画十六条の説明会がせんだって開かれましたが、十分に説明が聞こえない。三百人の定数で四百人以上集まって、百人以上の方が会場に入れない。入っちゃいけないというわけですから、これは聞けないわけですよ。入っている人も聞こえない。この一回だけで十六条説明会は終わりでありました。義務にはなっていませんが、十七条説明についても結局行われず、あす十五日から公示縦覧に入ろうとしている。
この都市計画上の手続を踏めばよいとか、この説明会であふれた人にもう一回説明してあげましょうとかいう手法もない。こういうまちづくりの進め方は、世田谷区の街づくり条例の精神からいっても、また、住民参加という土台からいっても、大きく損なう、反するものだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○野本都市づくり政策部長 下北沢駅周辺の計画についての世田谷区による区民への説明、周知についてでございますけれども、まず一点目、町会、商店会で構成されます下北沢街づくり懇談会というものがございます。これは昭和五十九年以来、非常に長い活動をしているところでございますけれども、これが平成十年以降だけでも六十九回開催されまして、千二百二十三名の参加を得て、それぞれ懇談あるいは話し合いをしているということです。
次に、区の説明会でございます。これは、まちづくり関係、あるいは補助五四、あるいは駅広の問題、それから小田急の鉄道の問題、こういった分野に分けまして二十一回の説明会を開き、延べ四千六百九十九名の参加を得ています。
また、町会との意見交換でございます。百四十八団体、五百八十七名の方との意見交換をしております。
それから、それ以外に区民への直接の広報活動を行っていまして、街づくり通信というものを発行しています。これは、これまでに十七回発行していまして、八万六千部発行したということです。
このように長期間にわたって、かなりきめ細かな説明と協議がなされたというふうに聞いております。
ご指摘の地区計画の説明会ですけれども、その当日は予想を超える多くの方の来場がありまして、入場できない方もいたと聞いております。ただ、区は、事前にまちづくりの広報紙を各戸に配布しまして地区計画の内容の周知を図るとともに、当日は質問書を配布して、寄せられた質問に個別に対応するなど、説明会に入場できなかった人たちへの対応を含めて、意見を聞くための努力を行っております。
したがって、条例の理念に照らしまして適切な対応がなされていると考えております。
○たぞえ委員 懇談会六十九回といいますけれども、それは小田急線がどういう鉄道構造になるか、そこら辺からずっと昔からやっている話で、この都市計画案について私はいっているんですよ。その懇談会に私も出たことあるけど、かつてこういう地区計画案になる以前の、どういう下北かという議論のときの回数までカウントして、これが説明会を開いてきた根拠だなんていうのはちょっと乱暴じゃないですか。
現に住民の皆さんが、今、東京都が実行している井の頭通りという幹線道路の整備ですね、近くに走っている、新たな道路は必要ないのではないか、また、その高層ビルというのが、下北沢に適用するという、そういうまちではないんじゃないか、路地の文化を守ってほしい、さまざまな意見をずっと議論してきたけれども、そこが何一つ一致点が見られない、そのままの状況に今日あるんです。説明会二十一回というけれども、都市計画上の手続は一回しかやっていないのです。そういう点では、過去と現在とをごちゃごちゃにするような議論は避けていただきたいと思います。
なぜこのように住民の声が日増しに高くなるのか。それは、世田谷区が必要な--例えばアンケートを配って意見を寄せてくださいとか、今回の都市計画十六条でそのような手だてをとってはいますけれども、しかし、問題は、意見を聞くという態度はとりますが、住民が示しているまちづくり代替案についての検討は、とうとう区のレベルではされてきませんでした。
例えば、その改善点を紹介すると、都市計画補助五四号線の北口部分の早期整備は意味が見出せないので、第三期工区に順番として回してほしいとか、それから歩行者のエリアを設ける、ビルの高さを六メートル落とす、小田急線の跡地を災害時の避難路として整備をする、防火水槽を埋め込んだ防火ポケットパークを配置する、イベント広場をつくる、タクシー乗り場を整備する、こういう提案なんです。これは、今の大きな計画とはずれていないのです。もっと丁寧なまちづくりをしてほしいというその原点から、こうした住民提案がされてきました。
ところが、この提案された計画を見ますと、都市計画道路沿いの沿道は、高さの上限が六十メートル、四十五メートル、三十一メートル、敷地面積の規模が大きければ大きいほど高いビルが建てられるという、これが今度の用途変更の中身です。こういう計画では今の下北の街並みが守られない、何とか我々の声をもっと計画に反映してほしいと住民はいって、主張をされているわけです。
聞きますが、今度の都市計画審議会に付議される用途変更や世田谷区の地区決定になるまちづくりの方向で、現在のような下北沢のこの街角空間を利用した、こういうまちは再び確保することができる、このように都は踏んで新しい提案をされているんですか。
○野本都市づくり政策部長 今回の地区計画の案では、都市計画道路沿いで高い建物を建築するためには、公開性を持った広場をつくらなければならないということを要件としています。
それから、都市計画道路から内側に入った、いわゆるあんこの部分といいますか、そういった細街路沿いのところでは、壁面を道路から両側に五十センチずつ後退することとしております。
こういった空間を活用することによりまして、この地区で欠けている防災性の向上あるいは安全性の確保、それから、ご指摘の下北沢らしさを生かしたまちづくり、こんなものが可能になると考えております。
○たぞえ委員 十四階、十五階建てのビルが建って、その下で、わずかな公開空地で、これまでの下北のあのまちにできた小広場です。こんなものはつくられないんですよ。自分のビルの敷地の中でバザーをやったり、いろんなものを売ったり、そこにいすを置いて、カフェを置く。こういう楽しみ方ができるような、そんなものが再現できるという図はどこにも示されていない。
この地区計画の最大の関心を呼んでいるのが、中心地の下北沢駅に巨大なロータリーをつくることと都市計画道路です。地区内を九つの用途変更で細分化しますけれども、この道路について伺いたいと思います。
地区内に計画している補助五四号線道路は、地区内の東側の入り口部分の外側の幅員は何メートルというふうになっているんですか。
○石井都市基盤部長 補助第五四号線の東側の入り口の部分の幅員というお尋ねでございますけれども、この幅員は二十六メートルでございます。
○たぞえ委員 それでは、地区内の中心地である駅前広場や、この導入路部分と接続する部分ですね、今、画面に出ておりますが、このちょうど真ん中の青い道路が今お話ししているところでありますが、この接続をする部分の幅員は何メートルでしょうか。
○石井都市基盤部長 補助五四号線のこの付近の道路幅員は、幅が少し変わったりとかしていますので、改めて全体についてご説明をさせていただきたいと思います。
事前説明会資料の六ページにその具体的な図がございますので、ごらんいただければと思います。それと、後ろのスクリーンにも今、委員ご指摘の青い部分が出てございますので、ごらんいただければと思います。
補助五四号線は、今回定めます地区計画区域内を東西方向に横断してございますが、今回事業化する予定の区間は、地区計画区域のうちの一部で、今お話ししました東端の茶沢通りから西側の方に向かい、図面の上で円状になっております部分までの約二百六十五メートルでございます。
補助五四号線は、二車線を基本といたしまして、緑化や広幅員歩道の整備など、歩行者主体の下北沢のまちづくりに貢献できるよう幅員を定めております。
具体的に区間について申し上げますと、今お話ししました事業化を予定している区間の幅員は二十二から二十六メートルございます。今回、事業化を予定していない区間の幅は十五メートルでございまして、今お尋ねのありました東端、地区計画区域の中で一番東になっているところは二十六メートル、それから丸いところまでの区間はずっと二十二メートルで続きまして、二十二から二十六メートルで続いてございます。
それから、補助二六号に至る区間はやはり十五から二十六メートル、地区計画の区域の外で環状七号線に至る区間の幅員は十五から二十六というような、幅が若干いろいろ変わっている部分がございます。
○たぞえ委員 この地区内の入り口、東部分の幅員、それから地区内の中心地の幅員、そして地区内の西側の端の部分、そして地区内の西の出た部分、この四つのパターンを調べると、幅員がすべて違う。真ん中のだんごが三十、入り口は二十二、出口は十五、道路が八メートルも差があったり、場所によっては十五メートルも部分的に差がある。
車道幅員をとるということと歩道を広げるというふうにおっしゃいましたが、要するに道路というのは車が通るんですね。ある部分は二車線、ある部分は一車線、歩道も、ある部分は十メートル、ある部分は五メートル、そんな変形な道がこの下北沢の真ん中に計画されているわけですけれども、私は道路としての立体感が一体生まれるのかなと。
東京都の道路政策というのは、こういう幅員がいろいろ変わる、十五から二十二、二十六から三十、いろんなパターンを持った道路、こういう変形式の道路が今度の東京都の道路行政の定義なのかどうか確認したいと思います。
○石井都市基盤部長 この補助五四号線の計画幅員には若干の経緯がございまして、そこから少しご説明をさせていただきたいと思います。
補助五四号線の計画幅員は十五メートルを標準的な幅としてございますけれども、下北沢駅付近は、昭和四十一年の都市計画道路の計画見直しに伴いまして、当時、地上を走っている小田急線との交差部をオーバーパスに変更いたしました。その際、側道を設ける必要があることから、幅員を二十二から二十六メートルに変更しております。
その後、平成十五年になりまして、小田急線の地下形式への計画変更とあわせ、再び地表形式に変更されてございます。この際、平成十五年の二年前の十三年に区が策定した下北沢駅などの駅前広場整備構想等を踏まえまして、当該地区への来訪者等の歩行者の回遊性の強化を図るため、広幅員の歩道を確保できるように、基本的な幅員は変更しないこととしたものでございます。一度広げたものをあえて狭めずに、それを歩行者空間、しかも来街者の回遊性の強化に活用しよう、こういうことで定めたものでございます。
そして、お尋ねの連続性は確保されているのかというようなことでございますが、補助五四号線は、駅周辺やその他の区間など、区間ごとの特性に応じて歩道幅員などの違いが生ずるものの、自動車や歩行者の通行機能、防災機能などは適切に確保されており、道路機能の連続性は確保されております。そう考えてございます。
また、補助五四号線の環状七号線から補助二六号線の区間につきましては、分割して事業を進めていくということで想定しておりまして、当面急がなければならない駅前付近について事業化するものでございます。
○たぞえ委員 地区内のこの五四号線の建設の工程を聞きますけれども、地区内のこの道路の中心部分、先ほどいわれた二十六メートルから三十メートルという部分は平成二十五年に完成予定だというふうに聞いています。
地区内の西側の十五メートル部分についてはいつ着工するのか、それから地区外との連続する部分は、計画ではいつ取りかかるのか、その年度をいってください。
○石井都市基盤部長 まず、補助五四号線の全体についてお話をしたいと思います。
環状七号線から補助二六号線までの全体の区間につきましては、区部の第三次事業化計画におきまして、平成二十七年度までに優先的に整備を図ることが位置づけられております。
また、区が平成十五年に公表いたしました下北沢駅周辺などのまちづくりの整備計画の中では、補助五四号線の事業化区間の考え方を一期から三期に分けて整理をしてございます。この中で一期区間、今回の当面の事業化区間でございますけれども、茶沢通りから商業地のこのサークルまで、あのちょうどブルーの部分でございますが、サークルまででございます。二期区間は茶沢通りから補助二六号線まで、三期の区間は、一期区間の西側端部、サークルのところから環状七号線までと、このように定めております。
今回の事業化予定区間は、平成二十六年度までに整備を行う予定であると区から聞いております。
また、二期区間及び三期区間、両側になりますけれども、そちらは、区部の第三次事業化計画で平成二十七年度までに整備もしくは着手することとされております。
以上でございます。
○たぞえ委員 この地区内の真ん中部分だけですね、平成二十六年度完成。外側は二十七年ですか。計画的にはぶつ切りなんですよ。ですから、先行で着手した真ん中地点は、道路というよりも、一つの大きな空間が地区のど真ん中に出現する。しかし、そこをつなぐ外、西側と東側との連続性というのは、現在のところ年数的にも大きな開きがあって、そこに車が入り込んで、一体どうしてそこから外へ出ていくのか、そこら辺の一体性が受け取られない、このように住民は、大変この計画についての不信を持っているわけです。
着工もばらばら、完成もばらばら、具体的な着手の計画も真ん中だけだという表示で今回の地区計画が出されてくる。果たしてそういうものでいいんだろうかということを強く感じます。
今回の地区計画の目標を見てみますと、このように書かれています。都市基盤が不足している、歩行者の安全、快適な買い物空間が課題だと、このように掲げていますが、今でも人も店も路地も安定した歩行者の通行がつくられて、快適な買い物空間を確保して、まずもってこのエリアは交通事故が圧倒的に少ないところなんです。
ところが、地区計画目標は、道路が不足している、人が移動できる空間がないということを非常に決めつけていますけれども、数十年にわたって生活基盤がつくられてきた、そういう下北沢地域の実態から見て、なぜ道路があるのに道路がないといえるのか。歩行者の安全が確保されているのに、なぜこれが課題になっているのか。どのようにこのような問題意識を整理されたのでしょうか。
○野本都市づくり政策部長 ただいまの説明にもございましたけれども、現在、下北沢には、駅前広場や幹線道路が整備されておりません。また、外周は幅員が六メートル以上の道路に囲まれておりますけれども、内部には四メートル未満の道路や行きどまりの道路が多い。
こうしたことを考えますと、まさに都市基盤が不足な状況でございまして、歩行者の混雑、あるいは歩行者と車の混在、あるいは緊急時にも消防車とか緊急車両が入ってこれない、快適な買い物空間の形成がまさに必要であると考えております。
○たぞえ委員 幹線道路がないから都市基盤が不足しているとか、そういうことなんですか。まちの人たちが歩いたり、買い物したり、そういう道こそ本当にまちの骨格じゃないですか。大きな環状七号線の幅が今度入るんです。そういうものがなければ都市基盤が整備されないなんていうのは、余りにも実態を知らなさ過ぎると私は強く申し上げざるを得ません。
局長、下北へ行かれたことはあると思うんですが、あのにぎわい、大変なものですよ。原宿、六本木に続いて、下北といえば世界でも有名なまちです。細いけれども、そこにはまちのルールがあり、その小さな家同士がそれぞれの営業と生活圏を確保しながら一つの骨格をつくってきたところです。幹線道路がなければ都市基盤が不足しているなんていうのは、まちの歴史に対する評価が非常に薄いなというふうに私は思います。
住民の皆さんは、この下北問題について、もっと時間をかけてどうあるべきか議論をしてほしい、住民提案もこのテーブルにのせてほしいと、こう強く願っているところです。
局長に最後に伺うのですが、大事な空間を守ってもらいたいというこの市民の思いをどのように受けとめていらっしゃるのか。また、都としては、六本木や原宿、そして下北という伝統あるまちをどうされようとしているのか。大きく転換しようという方向が提案されていますが、それで住み続けられたまちが改変されることにどういうお気持ちなのか、局長の見解を伺いたいと思います。
○野本都市づくり政策部長 今回の地区計画案は、地元町会、商店会などで構成される下北沢街づくり懇談会から平成十年に提言を受けまして、それを基本に出発点として検討してきた経緯がございます。その上で、多くの区民の方からの意見などを検討した上で作成しているわけです。
その内容は、歩行者が主体の安全、快適で回遊性のある魅力的な商業景観を形成すること。あるいは住み続けられるまちづくり。防災性の向上。そして交通結節機能の強化や合理的な土地利用を目指す。それから下北沢らしさを生かしたまちづくりを目指すというようなものでございます。
例えばでございますけれども、ビルの高さ一つとりましても、これまで高さの規制が特になかったものを、十六メートルであるとかあるいは二十二メートルという高さについても規制を加えて、下北沢らしさを生かすというものを目指しております。
このように地区計画案の策定に当たっては、こうした目標をもとに、区民の提案、そういったものも総合的に勘案しまして、本地区計画案は妥当なものだと考えております。
○たぞえ委員 住民の皆さんはこの開発に大変危惧を持っていて、また、多くの専門家の皆さんも、将来のまちづくりはこれでいいのかということを発信しています。
先日は都知事に一万八千人の方々が陳情されていますけれども、このまちのあり方について、私は特に都市計画道路の事業認可については慎重に対応してほしいし、拙速してこのことを決めちゃうというやり方では、区の街づくり条例が掲げているような住民参加型のまちをつくっていくことはできない、このことを強く感じています。改めて、都計審への付議は再検討するよう、私は強く求めます。
改めてこの問題については、機会があるごとに取り上げていきたいと思います。
以上です。
○植木委員 都市計画案件の中で、最初に、中央環状新宿線の脱硝装置設置箇所、これがこのたび縮小されるという案件が出されています。聞くところによりますと、料金集計だとか交通管理のセンターは、公団全体でコンピューター化されたことによって賄えるんだというお話をしましたし、それから、何よりも脱硝装置そのものが当初計画よりも研究が進んで、パイロット実験では非常に大きなものだったんですけれども、実際に道路につけるという段階で、住民も求めておりましたけれども、規模を縮小することができる、こういうことで改善が図られるということで、そういう意味では非常に結構な話だと思います。
同時に、大気汚染をできるだけ軽減するというのは、やはり東京都の環境計画などにのっとっても、こうした排気物を取り除く装置を前進させるということは非常に大事だと思うんです。
それで、ちょっと幾つかお聞きしますけれども、この排気ガスのSPMあるいはNO2などの除去装置ができて、パイロット実験、私も何回か実際に見てきましたけれども、実験装置を見ると、デジタルで今どのくらいの排気を除去しているかというのが数字で刻々と出ているんですよね。こういうものが、もしまちの中で脱硝装置として、環境に配慮する装置がどれだけ機能しているのかということを住民に示すというのは、一つの環境対策への啓発としても非常に大事じゃないかというふうに思うんです。そういう意味で、排気ガスの測定の内容を、どれだけ除去されたかということを都民に示す、こういう要望が地元からも出されています。
それでまず、道路関係で、こうした環境にかかわるデータを--土壌脱硝は関西でやられているんですけれども、こうした化学反応による脱硝というのは実施機としては今回これが初めてなので、多分ほかにないかとは思うんですけれども、こういうデータを随時公表しているところがあるかどうか、お示し願いたいと思います。
○石井都市基盤部長 現在、道路事業者として環境にかかわるデータをリアルタイムで公表しているという事例につきましては、私どもは把握しておりません。
○植木委員 パイロット実験では表示したけれども、実施としてはやっていない。だから、もしここでやるとすれば、まさに先駆的な事業になると思うんですよね。
道路事業者以外では、こうした環境にかかわる、表示している例というのはご存じでしょうか。
○石井都市基盤部長 道路事業者以外でございますね……
○植木委員 道路事業者はないのかな。
○石井都市基盤部長 道路事業者はないですね。
道路事業者以外につきましては、東京都の中で環境にかかわるデータを公表している事例としましては、環境局がございまして、環境局では、大気汚染常時監視測定局ごとの大気質の測定値をおおむね一時間ごとにホームページで公表してございます。
同様に、都の清掃工場の一部では、大気質の測定値を電光表示盤に示しているという事例がございます。
○植木委員 つまり、道路事業では、もしやるとすれば先駆的なんだけれども、ほかでは既にやっている。環境局はホームページでもやっていますけれども、まちの中でも、全部かどうか僕も調べていませんけど、例えば中野なんかは表示しているんですよね。だから、まちの中にも一定表示しているんです。
清掃工場については、杉並工場が最初で、窒素酸化物とか硫黄酸化物とか塩化水素とか、五項目の内容を清掃工場に表示しているんです。それで、昭和四十九年の杉並以降は、大体が設置してやっている。そういう意味では具体的な例はあるんですね。
それで、この首都高速道路の問題に戻りますけれども、この新宿線の換気所のデータは、パイロット実験ではもう刻々と調べているんですけれども、現在の段階でどの程度公表ができるのか、あるいは公表しようとしているのか、その点についてどうでしょうか。
○石井都市基盤部長 新宿線換気所の環境データの公表についてでございますけれども、電気集じん機及び低濃度脱硝装置の管理値であります浮遊粒子状物質、いわゆるSPMと二酸化窒素、NO2の一日平均除去率について、ホームページにより公表していく予定である、このように首都高速道路株式会社から聞いてございます。
○植木委員 ホームページでは除去率を表示することを検討していると。実際に測定してそういうデータがあるわけですから、やろうと思えばできるわけですね、データがあるから。それを一時間単位でやるのか、一日単位でやるのかという技術的な問題はありますけれども、そういう意味で除去率は可能だと思うんですけれども、同時に、これについて都としても、環境の面から啓発する意味でも、設置するように働きかけるという、この二点についてはいかがでしょうか。
○石井都市基盤部長 先ほどお話しの除去率ということでございますけれども、これは除去装置の前後ではかった値でございます。除去する前の大気質と、除去機を通って出た大気質との差を除去率としてあらわすというものでございます。
しかしながら、そういうものでございますけれども、一般的にNO2やSPMの評価、大気にとってどうだという評価は、換気塔から排出されて拡散した後に、地上付近で濃度を環境基準値と比較するものでございまして、出たすぐのところの出入り口で、換気塔から排出された直後のNO2やSPMの濃度で評価するものではございません。そういうことから、現在、計測結果を現地でリアルタイム表示をするというようなことは考えてございません。
あわせまして、NO2の評価というのは、国が定めた基準によりまして長期的な評価を行うものでございまして、具体的には、一日平均値を年間にわたって計測をいたしまして、その数値が仮に三百六十五日分あるとすれば、その低い方から九八%に相当する値と環境基準値とを比較して評価する、そういう方法で大気質を評価してございますので、リアルタイムに表示することは考えていないということでございます。
○植木委員 データとしてはあるのをどう表示するかということは、技術的に行えばできるはずなんです。ただ、それを、今お話あったように、環境基準だとか、そういうことでどう見るかということは確かにあるとは思うんですけれども、僕は技術的に可能だし、それから、せっかく大きなお金をかけて、パイロット実験も積み重ねて除去装置をつくって、その結果、一般的に--その前の計画というのは、極端にいえば、単に集じん機だけつけて天高く巻き上げて、それはどうなるかという施設から比べたら、ずっと改善の方向であるわけですから、そういう意味で、新しい問題として僕は積極的に取り組む意義があると思うんですね。そういう意味で、せっかく初めてつけるこの新宿線において、そういう都民的にアピールできる対応を、設置できるようにぜひ強く求めたいというふうに思っております。
第二番目に、環状二号線の問題について移りたいというふうに思います。
環状二号線は、先ほどもありましたけれども、銀座からずっと晴海に向けて道路で結ぶ新しい道路計画ですね。それで、財政的には非常に破綻している臨海部にこれをつなげて、臨海部にも影響を与える。さらには湾岸道路などともつながる。そういう意味で、今回の案件のあるところは、いわば通過道路の役割になっている。そして、都心への自動車交通の集中を一層促すというものだと思うんですね。
平成二十七年度の段階で、車の交通量は五万六千台、それから三十七年度は、四万台もありますけれども、約五万台に上る、道路を通過する。そういうことに加えて、オリンピックも話に出てきていて、競技場やメディアセンターや選手村をつくる。バスによってピストン輸送するとかという話もある。非常に環境が、これまでの静かなところが一気に変わってくる。
そういう意味で考えてみますと、大きくいえば、そういう東京の都心への自動車交通の一層の集中と、それから環境基本計画で、環境問題の深刻化の原因は大気汚染の激化とヒートアイランド化の二つを大きな課題として挙げていますけれども、そうした環境を今以上に悪化する、そういうものだというふうに思うんですね。そういう意味で、環境基本計画と矛盾しているこういう計画について、しかも地下化を高架にするということで一層環境が悪くなるわけですけれども、そういう点について現時点でどのような認識を持っておられるのか、まずお聞きしたいというふうに思います。
○石井都市基盤部長 先ほど環境影響評価条例の前合わせの現段階での評価書案の概要についてご説明したとおり、地下化から地上化にすることで、環境上の影響は少ない、このように考えているところでございます。都市計画を変更する上で支障はないと判断しております。
○植木委員 環境は悪化しないというんですけれども、後でその内容については触れますが、環境は現況よりは悪化するんですよ。それはもう明白なんです。環境基準をクリアしている、クリアしているという文章になっていますけれども、はっきりとしてそれは間違いですよ。
それで、こうした問題を持っている環状二号線が、今回アセス案件として都市計画審議会に出される報告がされたわけですけれども、中央区の区民にとってみれば、まさに、先ほどいったように都心と臨海部を結ぶ通過道路になるということで、築地の問題もありますけれども、当初は地下化がベストだと東京都はいいながら、今度は地上化になった。そういう点で、中央区から公式に出された意見書、要望書というのは、どのような項目の内容になっているのでしょうか。具体的にお示しいただきたい。
○石井都市基盤部長 中央区から提出された要望、意見は、平成十六年二月の環状第二号線の都市計画変更に関する申し入れにおいて、築地市場再整備問題、生活環境への影響、まちづくりビジョンの欠如などについての申し入れでございました。
○植木委員 具体的な中身をといったんですけどね。
中央区は、まちづくりビジョンの前に、きちっと公式的な区長と議長名で、地上化案が出たときに出しているんですよね。道路の地上化により大気汚染等で環境を悪化させる、まちづくりにとって極めて深刻な問題を抱えており、受け入れられるものではありません、こういうことで七項目挙げているわけでしょう。全部いいませんけれども、一つ、二ついいますと、築地市場の移転化計画を強引に進め、地元に混乱と不安、不信感を引き起こした。それから、道路の地上化は、大気汚染や騒音、振動の増大、交通渋滞の深刻化、歩行者の交通事故の増大、コミュニティの分断など生活環境への悪化が懸念される、こういうような七項目を出しているわけですよ。
その後、ビジョンの問題とかいろいろ経過はありますけれども、議会答弁では、基本は地下化がいいんだ、しかし、東京都がこういう提案をしてきているからということで、やむを得ずいろんな対応はしているということもあります。しかし、基本は地下化が今でもそうだということを、議会答弁でもしているんですよ、この直近の議会でもね。
そういう意味では、こういうことをあくまでも都は押し切るという受けとめが住民の中でも非常に強いわけです。その点についてどのように受けとめておりますでしょうか。
○石井都市基盤部長 地域からさまざまなご要望などが出ておるわけでございます。先ほどもお話ししたとおりでございますが、それらについては、関連する局ですとか団体、関係者が非常に多うございます。それらと調整しながら、長期的な展望を持ちながらお話し合いを続けてまいりたいと思っております。
○植木委員 十分話し合いを引き続きやってほしいと思うんですよね。だけど、環境アセスを出して、これが終わるとゴーサインとなってくるわけですから--私も先日、現地へ行ってきまして、十日に住民の方々と何人かお会いしてきました。あるできたばかりのマンションに引っ越した方、この沿道のマンションですよね。静かな環境と思って新しいマンションに移ってきたが、目の前に高架の道路ができると聞いて困惑しています、目の前に高架ができるということを知っていたら買わなかった、こういう人もおりました。それから、環境基準云々よりも、現状より悪くなることの事実を認識してほしい、こういう意見もありました。それから、都は築地市場の豊洲移転を強引に押し切ったように、環状二号線の地下化案から地上化への切りかえについても強引に進めるのではないか、こういう不信感の声もありました。さまざまな声が確かにあると思います。だけども、事実こういう声が現実にある。
それで、七月には、四日から十二日までまちづくり協議会が開催されまして、賛成、反対さまざまな意見がありますけれども、やっぱり本来、地下化であってほしいという声は圧倒的に強いと思うんです。そこでも原案を説明したときから、反対の強い地上案を提案するというのはおかしい、区議会も反対している豊洲大橋の暫定利用はさせない、月島署や臨港消防署の移転先も考慮されていないなど、さまざまな意見が出されているのは事実であります。
それで、環境の内容に入りますけれども、環境影響評価書案を読んでみますと、何というか、幾つもわかりにくいんですね、これ。専門的で、僕も随分目を通したつもりなんだけれども、わからない。クリアしている、こういうことばかり書いてあるんです。
それで、ちょっと幾つかお聞きしますけれども、例えば現在の勝どき五丁目の道路予定地の騒音測定を見てみますと、現在の環境基準は、昼間、夜間ともに環境基準を達成していないというふうになっているわけです。それで、完成時には環境基準を達成している、こういうふうになっているのです。確かに数字を見ると、達成しているんですよね。あれ、何でかなと思って、数字の中身を見ると、こういうふうになっているんですね。
晴海五丁目の道路わきですけれども、昼間、私も行ってきましたけど、現在非常に静かなまちです。ここは現在、環境基準が未達成、こういうふうになっている地域です。それで、数字的にいうと、昼間が五十六、夜間が五十四。ところが、予測結果は六十四と六十五。北側と南側でちょっと違うんですけれども、昼間が六十四と六十五、夜間が六十二と、それから六十二、三、これが南西側。だから、数字的に見ると、現在より騒音レベルは上がっているんです、昼間も夜も。ところが、達成していると。
これを見ますと、最後の結論は達成しているというのは、なぜ達成しているかというのがわかったんですけれども、幹線道路近接空間に関する特例に該当すると。つまり幹線道路なんだから、環境基準は静かなところよりも高いよと。道路側から見れば、そういうことになるのかなとも思うんですけれども、住民側から見ると、五十六が六十四になり、五十四が六十二になる。これパーセンテージでいくと、一四、五%予測結果が大きいんです。しかし、幹線道路に関する特例ということで、基準値が、昼間は現在の五十五から七十に変わっている。夜間は同様に四十五から六十五に変わっている。これならば環境基準達成ということになっちゃう。
つまり、住民から見れば、目の前に道路ができるということで、これ以上悪化してほしくないよと。先ほどもちょっと紹介しましたけれども、環境基準云々よりも、現状よりも悪くなるかどうかだと、こういうお話をしましたけれども、こういうことになっているんですが、これでは、いわば土俵をちょっと現状に合わせて広げたよと、そうするとクリアする。
これでは僕は、道路をつくる側からすれば当たり前だと思うかもしれないけれども、住民側からすれば納得できないんじゃないでしょうか、いかがですか。
○石井都市基盤部長 環境基本法という法律に基づきまして、騒音にかかわる環境基準では幹線道路の近接空間に関する特例値が定められておりまして、それにのっとって私ども、本アセスではこの環境基準に従い評価を行ったものでございまして、法律に定められたことを遵守している、こういうことでございます。
○植木委員 法律に定めたんだから、それに意見をつけるのはおかしいというような論法では、やっぱり住民は納得されないと思うんですよね。
行ってみますと、本当に静かなマンションで、新しいマンションでした。道路ができますと、幾つかマンションが取り壊されることになる予定になっているんですよね、そこは。その後背にもマンションがあるというところです。
それからもう一つの例では、晴海五丁目、現在清掃工場があって、清掃工場の先にはオリンピックの競技場の予定地があるところ、ここですけれども、現在ほとんど車が通っていないんです。バスがたまに通るのと、それから車が横道にずらっと駐車しているというのはあります。しかし、通過交通は、僕がいたのはせいぜい三時間ぐらいですから、全部はわかりませんけれども、少なくとも私の体感からすると、非常に静かなところでした。
これが計画交通量では五万六千台になるわけですね。ところが、騒音の方は、現在昼間で六十一デシベルなのに、五万六千台以上通って、騒音予測は五十三ないし五十五デシベルに下がる。夜間は、現在五十九デシベルが五十から六十六デシベルに下がるというふうになっているんですね。おかしいなと思って聞いたら、防音壁を建てるからだ、こういうのですけれども、ちょっとそこのところをリアルに教えてください。
○石井都市基盤部長 騒音の予測において、現況値より予測値の方が小さくなる箇所があるけど、それはおかしいんじゃないか、こういう話でございますけれども、お話にありましたように、これは、環境基準を守るために、環境対策として新たな遮音壁などを設置することによるものでございます。
遮音壁は、環状二号線ができることによって新たに発生する自動車の音源があるわけですけれども、それを遮音するだけではなくて、地上付近では周辺の騒音もあわせて遮音する、そういう機能を持っておりますので、こういう結果が出ているというふうに考えております。
○植木委員 マンション側が四メートルの遮音壁なんだそうですけれども、相当でかいですよね。清掃工場の側が二メートルの遮音壁だというんですよね。そうすると、測定地は一メートル二十のところですから、そういうこともあるのかなというのは、私も専門家ではありませんので、わかりませんけれども、しかし、どう見ても、五万六千台になって、遮音壁があってどれだけ効果あるか、僕も技術的にはわからないんですけれども、大変心配に思います。
しかも、まちが分断される。中央区のあれの話にもありましたけれども、まちが分断されるという声がありましたように、そういうことまでやらなければ環状二号線というのはできないんだなということですよね。だから、住民からすると、騒音問題はなかなか素直に受けられないというふうにおっしゃっていました。
それから、大気汚染の方ですけれども、現在地下化を前提とした都市計画の場合の環境、つまり大気汚染の実態がどうなのか。それから今回、都市計画変更のアセス案、つまり地上の場合、どういうふうに環境の影響が変わってくるのか、それを比較した数字をお示しいただきたいと思います。
○石井都市基盤部長 今回の環境影響評価書案におきましては、これまでの都市計画である地下トンネルとの比較は行っておりません。それぞれ環境を満たしているということでございますので、特段の比較の必要はないということでございます。
○植木委員 環境は満たしているから比較は必要ないと、ちょっと暴言じゃないかなと私は思うんですよね。住民にはそういう説明はおかしいですよ。
それで、地下を前提とした都市計画の場合、地下ですから、入り口付近部分は別にしても、地下の部分は、例えば勝どき五丁目のあたりは文字どおり地下ですから、予測はちょっとわかりませんけれども、現況が現在ですよね。
それから環境影響評価書案の調査地点、これは四カ所になっているわけです。築地、勝どき、晴海、豊洲、これを平成二十七年と三十七年で比較、出しているわけですね。それは、バックグラウンド濃度に道路などの排気ガスなど負荷濃度を加えて将来濃度を年平均で出している、こういうふうにお聞きしました。
そうしてみますと、先ほどいったように、築地と勝どきは今の計画は地下ですね。築地のところは換気塔が出る。勝どきのところは地下です。勝どきの方が比較しやすいんですけれども、勝どきの方は、道路からの負荷濃度は、現在から見れば基本的にはゼロじゃないかなと。よっぽど何か別の計画ができればわかりませんけれども、つまりそこが示されていないものですから、わからないのですが。
そうしますと、この将来予測と比較してみますと、地下化の場合は、現在の状況を見ますと、環境影響が〇・〇二五八、これが地上にすると、勝どきは〇・〇三四、つまり一二〇%、現在よりは二〇%増大するわけです。だけど、クリアしているから大丈夫ですというのがご説明なんですけれども、住民から見れば二割ふえるんですね。
ここは道路の両方にマンションがずっと並んでいますから、自動車の排気ガスの逃げ場が余りないところです。こういうのを、ある人に聞きましたら、ストリートキャニオンといって、排気ガスが拡散されない谷間というふうにいわれるんだそうです。そういうこともわかってきました。
それからもう一つは、大気汚染の大気の拡散を予防するモデルになっているパフモデル、プルームモデルという計算式があるんですけれども、これがどういうことを予測して計算するかというのを全面的にやっているあれはないんですが、山の中でも平地でもまちの中でも同じ方式でやっているんですね。これは専門家にゆだねなければなりませんけれども、専門家の方のご意見では、一律にこれをモデルにするのはいかがなものかなといっておりました。これは、私もいずれは研究したいというふうに思っていますけれども、きょうのところはそういう指摘があるということにとどめたいというふうに思います。
いずれにしても、クリアしているというのは、もう数字の上で示されていることは私もよく承知しています。しかし、住民の皆さんは、今よりよくなるのか悪くなるのか、これが一番の基準なんですよ。だから、道路側から見ればクリアしているというお話、住民からすれば、いや、やっぱり悪くなるよという、これはもっともな話だと思うんです。そういうやりとりがやっぱり地元ではあるんです。
もう一つお聞きしますけれども、現在二十七年と三十七年でどういうまちを予想しているのかということと、それからオリンピックが開催されるとなると、あるいはオリンピックだけじゃない、その後も競技はずっと続けられるわけですから、大体、交通量というのはどのくらいふえるものなのでしょうか。この二点についてお示し願いたいと思います。
○石井都市基盤部長 平成二十七年度と三十七年度のまちの様子はどんなかというようなことと、オリンピックに限らないかもしれませんが、イベント時の交通量の予測ということだと思いますが、平成二十七年度には、環状二号線を含めた臨海部の広域幹線道路が開通しているとともに、豊洲新市場が開場しているなど、ウオーターフロントの特性を生かした職と住の均衡のとれた魅力ある新しいまちづくりが進んでいるのではないかというふうに想定しております。
また、平成三十七年度には、周辺の都市計画道路網がおおむね完成していると見込まれ、さらに成熟したまちづくりが進展しているものと考えております。
それから、オリンピックの開催に限りませんけれども、そういったイベントのときにどのぐらい人が集まるかということについては、これは非常に限定的な期間の数値でございますので、特段の想定はしてございません。
○植木委員 もちろん決まったわけではないので、想定はしていないと思いますけれども、例えば今の国立競技場だとか、いろんな施設から見ても、今度の競技場は十万人規模というふうにも聞いておるんですが、正確なところはわかりませんけれども、いずれにしても競技が始まれば、あるいはメディアセンターがその後どうなるか、選手村がその後どうなるかということはありますけれども、交通量は今の予測とは違ってくることは明らかだろうと思うんですね。どういうふうになるかわかりませんけれども。
それで、現時点では、控え目な都のアセスによるNO2の場合でいいますと、将来濃度は最大で〇・〇五九ppm、環境基準は〇・〇六ですよね。だから、〇・〇〇一ppmしか現在違わないんですが、これをはるかに上回らないということをいい切れるのでしょうか。
○石井都市基盤部長 先ほど来ちょっとお話ししていますように、大気質、特にNO2だとかSPMに関しましては、一年間のデータをそろえまして、それの九八%値というようなことでございますので、瞬間的にはかっているものではないということで、一時的に人がふえるということはもちろん想定されますけれども、特にそういう点でこの〇・〇六が守れないということにはならない、直接的にはつながらないというふうに考えております。
○植木委員 僕は、上回らないとはいい切れないと思うんですよ。それは、今の段階ではどちらも確約できる話じゃありませんので、これはいずれ、だんだん明らかになると思いますけれども、そうしたぎりぎりで達成しているということだけは事実だと思うんです。
いずれにしても、幾つか住民の立場でのお話を聞いてきた上で質問をしているので、住民の皆さんの感情は、やはり環境基準をクリアしたよということで、なかなか納得できないということを強くいわれました。
それで、環境問題の最後に、換気塔が築地にできるんですけれども、これの説明書を見ますと、集中排気付縦流換気方式というんでしょうか、ちょっと正確な読み方はわからないのですが、いわゆる脱硝装置はついているのかどうか。それから将来にわたってつけないのかどうなのか。これは地下化の部分ですよね。これはいかがでしょうか。
○石井都市基盤部長 築地地区の換気塔に関する脱硝装置の問題でございますが、供用時の換気所周辺の大気質濃度は、脱硝装置をつけなくても環境基準を達成するものと見込まれておりますけれども、事業の実施段階で、供用直前の換気所周辺の環境基準度達成状況について十分把握に努めてまいります。
さらに、窒素酸化物や粒子状物質の削減技術の開発動向を踏まえまして、事業者の実行可能な範囲で、必要に応じ最新技術の換気所への適用について検討してまいります。
○植木委員 これはこれからの問題ですから、ただ、先ほど新宿線で実施機をつけているということをお話ししましたように、可能なわけです。費用の問題があると思いますけどね。そういう意味で、ぜひこれは、全体の環境を抑えていくというのが地元の一番の要望ですから、達成しているからということだけじゃなくて、できるだけ軽減するという意味で、つけるように努力をしていただきたいというふうに要望しておきます。
最後に、勝鬨橋があそこにはあるんですけれども、これはいわゆる景観づくり基本方針なんかでは、特定史跡建造物というか、正式名称は今ちょっと手元にないんですけれども、そういう指定がされているものというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○安井都市景観担当部長 勝鬨橋についてのご質問でございますけれども、現在の東京都の景観条例で、景観上重要な歴史的建造物というのが定められてございまして、その中で勝鬨橋は平成十一年に都選定の歴史的建造物に指定されてございます。
○植木委員 歴史的建造物である勝鬨橋は四百メートルぐらい離れてはいるんですけれども、それから浜離宮があって、あそこは非常に水辺問題で、隅田川景観基本軸の景観づくりの基本指針、こういうものも出されている。それに対しては、アセスの中ではいろいろ配慮するということはいろいろ書いてあります。書いてあるのは承知しておりますけれども、やっぱり景観基本軸から見ると、超高層ビルではないけれども、隅田川の下流の方から見たら、横に当然重なっていくわけですよね。浜離宮の周辺もだんだん高層ビル化されてきていますけれども、やっぱり景観というものを大事にするという上で、景観の面からもやはり地上というのは避けるべきだと。
そういう意味で、まだまだいろんな角度はあると思うんですけれども、時間の関係もありますので、やはり本来、地下化を求めている地元住民の声に率直にこたえていただきたいということを重ねて要求して、終わりにします。
○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後五時二十四分散会
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