都市整備委員会速記録第一号

平成十八年二月二十一日(火曜日)
第五委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十三名
委員長高橋かずみ君
副委員長伊藤まさき君
副委員長長橋 桂一君
理事花輪ともふみ君
理事立石 晴康君
大松  成君
高橋 信博君
たぞえ民夫君
植木こうじ君
きたしろ勝彦君
小沢 昌也君
川井しげお君
中村 明彦君

 欠席委員 一名

 出席説明員
都市整備局局長梶山  修君
次長村松  満君
技監小林 崇男君
技監依田 俊治君
総務部長安藤  明君
都市づくり政策部長福島 七郎君
住宅政策推進部長矢島 達郎君
都市基盤部長成田 隆一君
市街地整備部長石井 恒利君
市街地建築部長野本 孝三君
都営住宅経営部長小林 計代君
住宅政策担当部長水流潤太郎君
航空政策担当部長小山  隆君
多摩ニュータウン事業担当部長酒井 洋一君
都市景観担当部長安井 順一君
経営改革担当部長石井 一夫君
再編整備推進担当部長庄司 静夫君
参事北村 俊文君
参事飯尾  豊君
参事金子 敏夫君
参事中沢 弘行君
参事山室 善博君
参事山口  明君
参事渡辺  滋君
参事今井  光君
参事宇多田裕久君

本日の会議に付した事件
 陳情の取り下げについて
 都市整備局関係
第一回定例会提出予定案件について(説明)
・平成十八年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備局所管分
・平成十八年度東京都都営住宅等事業会計予算
・平成十八年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・平成十八年度東京都都市開発資金会計予算
・平成十八年度東京都多摩ニュータウン事業会計予算
・平成十八年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・平成十八年度東京都都市再開発事業会計予算
・平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 都市整備局所管分
・平成十七年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)
・東京都営住宅条例の一部を改正する条例
・東京都福祉住宅条例の一部を改正する条例
・東京都小笠原住宅条例の一部を改正する条例
・東京都地域特別賃貸住宅条例の一部を改正する条例
・東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例
・都営住宅十七H-一〇六東(百人町四丁目第五)工事請負契約
・都営住宅十七H-一〇五東(高松三丁目第四)工事請負契約
・都営住宅十七H-一〇一東(新宿六丁目)工事請負契約
・都営住宅十七CH-一〇八東(江戸川二丁目・江戸川区施設)工事請負契約
請願陳情の審査
(1)一七第一六七号 東京都屋外広告物条例に関する請願
(2)一七第七一号 都営住宅のアルミサッシ窓を二重サッシ窓にすることに関する陳情
(3)一七第八七号 東大和市南街六丁目における違法建築是正に関する陳情
(4)一七第九二号 イタリア文化会館の外壁色彩と皇居周辺の景観の調和に関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・第百七十三回東京都都市計画審議会付議予定案件について
・多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)(案)について
・みどりの新戦略ガイドライン及び都市計画公園・緑地の整備方針(案)について

○高橋(か)委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、陳情の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布の一七第八六号、イタリア文化会館の外壁色彩の変更及び皇居周辺の景観の調和に関する陳情は、議長から取り下げを許可した旨、通知がありましたので、ご了承願います。

○高橋(か)委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び請願陳情の審査並びに報告事項の聴取を行いたいと思います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行い、報告事項につきましては、説明聴取の後、質疑終了まで行いたいと思います。ご了承願います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○梶山都市整備局長 本日は、平成十八年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、予算案が二件、条例案が五件、契約案が四件でございます。
 まず、平成十八年度予算案について申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料1、平成十八年度当初予算説明書の一ページをお開き願います。都市整備局所管全会計の総括表でございます。
 当局の所管する会計は、十七年度末で廃止を予定しております市街地再開発事業会計を除きますと、一般会計、都営住宅等事業会計以下五つの特別会計、公営企業会計でございます都市再開発事業会計の合計七会計でございます。
 市街地再開発事業会計につきましては、所管いたします白鬚西並びに亀戸・大島・小松川両地区の市街地再開発事業がおおむね完了することから、今年度末をもって廃止し、一般会計に引き継いでいくこととしております。
 平成十八年度の会計別の予算額は、一般会計二千六百億五千三百万円、都営住宅等事業会計一千五百七十二億円、都営住宅等保証金会計五十五億七百万円、都市開発資金会計四十一億八千九百万円、多摩ニュータウン事業会計三百四十八億七百万円、臨海都市基盤整備事業会計百九十八億一千百万円、都市再開発事業会計二百四十三億五千三百万円でございまして、これらを合計いたしますと、予算額は五千五十九億二千万円となります。平成十七年度予算額と比較いたしますと、三・三%の増となります。
 引き続きまして、平成十八年度当初予算案の基本的な考え方についてご説明申し上げます。
 都市整備局は、現場感覚を反映した、迅速で実効性ある都市整備を進めていくことにより、都市の活力はもとより、風格や魅力、安全性や持続可能性を備えた、二十一世紀にふさわしい東京への再生を目指しております。
 我が国の経済が緩やかな回復基調にある今日、日本の牽引車たる首都東京の再生を確実に進めるため、引き続き、三環状道路を初めとする道路ネットワークの整備、良好な景観や緑の創出、都民生活のセーフティーネットとしての都営住宅の再編整備などに積極的に取り組んでまいります。
 さらに、平成十八年度は、何よりも重視すべき都民の生命、財産を守るため、豪雨災害への取り組みや木造住宅密集地域における耐震改修助成を新たに事業化することといたしました。
 また、昨年十一月に発覚いたしました構造計算書偽装問題への対処といたしまして、居住者支援を行います。あわせて、都民の不安払拭のため、分譲マンションの耐震診断助成を行うこととし、これらをマンション耐震偽装問題対策事業として実施いたします。
 これらの施策の実施に当たりましては、規制、誘導、助成、都施行の面整備など、局の持つあらゆる手法を効果的に組み合わせて取り組んでいく所存であり、そのために必要な予算を計上しております。
 以上が平成十八年度当初予算案の基本的考え方でございます。
 続きまして、平成十七年度補正予算案についてご説明いたします。
 今回の補正予算案は、事業進捗等に伴い事業費を追加補正するもの、及び構造計算書偽装問題への緊急の対応を図るためのものでございます。
 恐れ入りますが、お手元の資料2、平成十七年度補正予算説明書の二ページをお開き願います。平成十七年度都市整備局補正予算総括表でございます。
 表頭の中ほど、補正予算額の欄をごらんください。十七年度補正予算額は、一般会計二百五億八千二百万余円、下段に移りまして、都市再開発事業会計八十五億五千五百万円、合計で二百九十一億三千七百万余円となっております。
 続きまして、条例案五件についてご説明いたします。
 資料3、平成十八年第一回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんください。
 まず、東京都営住宅条例の一部を改正する条例(案)でございます。
 本条例は、公営住宅法施行令の改正等に伴い、単身使用者資格、公募の例外の事由に関する規定整備を行うものでございます。
 次の東京都福祉住宅条例の一部を改正する条例(案)及び三の東京都小笠原住宅条例の一部を改正する条例(案)につきましても、公営住宅法施行令の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 続いて、四の東京都地域特別賃貸住宅条例の一部を改正する条例(案)及び五の東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例(案)でございます。
 両条例とも、土地区画整理法の改正に伴い、規定整備を行うものでございます。
 最後に、お手元の資料4、平成十八年第一回都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。
 いずれも、都営住宅を建設いたします工事請負契約議案四件でございます。
 私の説明は以上でございますが、引き続き、詳細な内容を総務部長よりご説明させていただきます。

○安藤総務部長 まず初めに、平成十八年度当初予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成十八年度当初予算説明書をごらんいただきたいと存じます。
 局長から総括的なご説明をいたしましたので、私からは、主な事業内容について、一般会計から順にご説明申し上げます。
 五ページをお開き願います。都市整備局一般会計総括表でございます。
 表の上段、歳出でございますが、最上段の都市整備費の欄をごらんいただきますと、平成十八年度予算額が二千六百億五千三百万円で、十七年度と比べまして、一番右になりますが、一二・〇%の増となっております。
 表の下段、歳入でございますが、最下段の計の欄をごらんいただきますと、十八年度予算額が一千四百十億四千二百万余円で、十七年度と比べまして二三・八%の増となっております。
 以下、主要事業についてご説明申し上げます。
 七ページからは都市整備管理費でございます。
 恐れ入りますが、八ページをお開き願います。表の枠外左上に予算科目を記載してございます。第一項、都市整備管理費、第二目、企画調査費でございます。事業費は八億四千七百万余円でございます。
 表頭右側の概要欄をごらんください。本事業は、都市計画事業に係る各種調査事業を掲げております。(2)のウ、品川駅周辺整備計画策定調査、(5)、都市づくりと連動した都有地の有効活用、(6)、都市再生ステップアッププロジェクトは重点事業でございます。
 表左側、予算額の欄の中段には、これらの事業に充当する特定財源及び差引一般財源を記載してございます。
 以下、各事業とも同様の形で記載してございます。
 恐れ入りますが、少し飛んで一二ページをお開き願います。一二ページから一三ページにかけては、第二項、都市基盤整備費、第二目、都市基盤調査費でございます。事業費は三億五千万余円で、重点事業は記載のとおりでございます。
 概要欄の(8)のイは、豪雨災害に対する新たな取り組みで、近年多発している都市型豪雨による被害から都民の生命、財産を守るための新たな取り組みを検討するものでございます。
 一四ページをお開き願います。一四ページから一五ページにかけては、第三目、都市基盤施設等助成費でございます。事業費は八百七十五億七千七百万余円となってございます。
 一五ページをごらんください。概要欄の(9)、羽田空港再拡張事業は、国に対する無利子貸付を行うものでございます。
 一七ページをお開き願います。第三項、市街地整備費、第二目、都市防災施設整備事業費でございます。事業費は二十三億二千八百万余円で、概要欄の(3)、防災密集地域再生促進事業などに要する経費を計上しております。
 恐れ入りますが、少し飛んで二一ページをお開き願います。第六目、都市改造費でございます。事業費は四百二十二億二千五百万余円で、概要欄の(2)、都施行区画整理や、(3)、沿道一体整備などに要する経費を計上しております。(6)、市街地再開発は、先ほど局長からご説明したように、市街地再開発事業会計の廃止に伴い、白鬚西地区、亀戸・大島・小松川地区における市街地再開発事業の財産処分や残工事等を一般会計に引き継いで実施するものでございます。
 二二ページをお開き願います。第七目、ニュータウン事業費でございます。事業費は二百一億六千四百万余円で、(4)、多摩ニュータウン事業会計繰出金は、多摩ニュータウン事業会計において都債の償還に必要な資金に不足を生じるため、一般会計からの繰り出しを行うものでございます。
 二四ページをお開き願います。第四項、建築行政費、第二目、建築指導費でございます。事業費は二億一千二百万余円で、(3)、耐震改修促進事業は、重点事業として一億二千九百万余円を計上しております。
 ア、木造住宅の耐震化のための助成制度は、木造住宅密集地域において一定の要件を満たす木造住宅を対象に、耐震診断や耐震改修に要する経費を助成するものでございます。
 イ、木造住宅のための簡易な耐震工法の紹介は、都民負担の軽減を図るため、工期が短い工法、安価な工法を普及させるものでございます。
 ウ、耐震診断・補強設計事務所登録制度は、都民が安心して耐震診断、耐震改修に取り組めるよう、一定水準の技術があると認められる建築士事務所を登録、紹介するものでございます。
 恐れ入りますが、少し飛んで二八ページをお開き願います。第五項、住宅費、第三目、地域住宅対策費でございます。事業費は六十一億二千五百万余円で、(4)、マンション耐震偽装問題対策事業などに要する経費を計上しております。これは構造計算書偽装問題に対処するためのもので、ア、危険な分譲マンション対策事業には、構造計算書偽装問題に係る分譲マンションの居住者支援として二十六億一千九百万余円、イ、マンション耐震診断助成事業には、分譲マンションの耐震性能に対する居住者の不安を払拭するための耐震診断助成費として八億一千万余円、合計三十四億三千万円を計上しております。
 三二ページをお開き願います。一般歳入でございまして、過年度貸付に係る返還金収入などを計上しております。
 続いて、三三ページから三五ページまでは繰越明許費、三七ページから四三ページまでは債務負担行為を記載してございます。
 以上で一般会計の説明を終わらせていただきます。
 続いて、特別会計についてご説明申し上げます。
 四七ページをお開き願います。都営住宅等事業会計総括表でございます。
 歳出でございますが、平成十八年度予算額が一千五百七十二億円で、十七年度と比べまして〇・五%の減となっております。
 歳入でございますが、計の欄にございますとおり、歳出と同額となってございます。
 以下、主要事業についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、五〇ページをお開き願います。第一項、都営住宅等事業費、第二目、住宅管理費でございます。事業費は三百七十九億五千五百万余円でございます。
 概要欄をごらんください。平成十八年度の都営住宅等の管理戸数は二十六万一千百八十一戸でございます。
 五一ページをごらんください。第三目、住宅建設費でございます。事業費は五百五十六億二千三百万余円でございます。
 概要欄をごらんください。(1)、公営住宅建設事業等の規模は、公営住宅建設事業は三千戸、スーパーリフォーム事業が一千九百戸でございます。(2)、勝どき一丁目地区プロジェクトは重点事業に位置づけられております。
 少し飛んで、五五ページから五七ページまでは繰越明許費、五九ページから六一ページまでは債務負担行為を記載してございます。
 六五ページをお開き願います。都営住宅等保証金会計総括表でございます。
 歳出でございますが、平成十八年度予算額が五十五億七百万円で、十七年度と比べまして六三一・三%の増となっております。
 歳入でございますが、計の欄をごらんいただきますと、十八年度予算額が七十六億三千三百万円で、十七年度と比べまして四三・三%の増となっております。
 事業の概要は、六七ページから七〇ページに記載しておりますとおり、都営住宅等の保証金返還金と都営住宅等事業会計に対する繰出金でございます。
 なお、歳出が大幅に増加しておりますのは、都営住宅等事業会計に対する繰出金が増加したためでございます。
 七三ページをお開き願います。都市開発資金会計総括表でございます。
 歳出でございますが、平成十八年度予算額が四十一億八千九百万円で、十七年度と比べまして二〇・八%の減となっております。
 歳入でございますが、計の欄にございますとおり、歳出と同額となってございます。
 事業の概要は、七五ページから七七ページに記載しておりますとおり、都市整備用地の買収費並びに一般会計及び公債費会計に対する繰出金でございます。
 八一ページをお開き願います。多摩ニュータウン事業会計総括表でございます。
 歳出でございますが、平成十八年度予算額が三百四十八億七百万円で、十七年度と比べまして二一七・一%の増となっております。
 歳入でございますが、計の欄をごらんいただきますと、十八年度予算額が歳出と同額の三百四十八億七百万円で、十七年度と比べまして一三四・三%の増となっております。
 歳入の欄、中ほどの繰入金をごらんください。平成十八年度予算額は百三十四億余円で、十七年度予算額との比較では百三十四億余円の皆増となっております。これまでに引き続き、積極的に宅地の販売に努めることとし、百一億三千万余円の財産収入を見込んでおりますが、先ほど一般会計のニュータウン事業費のご説明でも申し上げましたとおり、都債の償還額に対して不足するため、不足額を一般会計から繰り入れるものでございます。
 以下、主要事業についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、八四ページをお開き願います。第一項、ニュータウン事業費、第二目、宅地販売事業費でございます。事業費は十三億七千七百万円で、概要欄にございますように、宅地販売に要する経費を計上しております。
 少し飛んで、八七ページから八九ページまでは繰越明許費を記載してございます。
 九三ページをお開き願います。臨海都市基盤整備事業会計総括表でございます。
 歳出でございますが、平成十八年度予算額は百九十八億一千百万円で、十七年度と比べまして一五・六%の減となっております。
 歳入でございますが、計の欄をごらんいただきますと、十八年度予算額が六百六億七千四百万円で、十七年度と比べまして六一・一%の増となっております。増要因としては、土地の売却及び繰越金を見込んでおります。
 以下、主要事業についてご説明申し上げます。
 九六ページをお開き願います。第一項、臨海都市基盤整備事業費、第二目、開発費でございます。事業費は百六十四億七千二百万円で、概要欄にございますように、晴海、豊洲、有明北の三地区の整備に要する経費でございます。
 九九ページから一〇一ページまでは繰越明許費を記載してございます。
 以上で五つの特別会計の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、公営企業会計である都市再開発事業会計についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、一〇五ページをお開きください。都市再開発事業会計の総括表でございます。この会計は公営企業会計でございますので、収益的収支と資本的収支とに分けて記載してございます。
 まず、表上段の収益的収支でございますが、収入の合計が平成十八年度予算額で五十九億八千三百万余円、十七年度と比べまして一〇〇〇%を超える大幅増となっております。これは、事業の進捗に伴い財産処分が見込まれるためでございます。
 支出の合計は、十八年度予算額で四十三億八百万円、十七年度と比べまして一〇〇〇%を超える大幅増となっております。支出も収入と同様、財産処分に伴い売却する資産の帳簿価格に相当する売却原価を計上したことによるものでございます。
 次に、表下段の資本的収支でございますが、収入の合計が十八年度予算額で二百億四千五百万円、十七年度と比べまして二三・二%の減となっております。
 支出の合計は、表最下段の合計欄をごらんいただきますと、収入と同額となっております。
 以下、主要事業についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、少し飛んで一一二ページをお開き願います。第二款、資本的支出、第一項、都市再開発事業費、第二目、北新宿地区都市再開発事業費でございます。事業費は四十二億七千四百万円でございます。
 一一三ページをごらんください。第三目、環状二号線地区都市再開発事業費でございます。事業費は百十八億四千九百万円でございます。
 一一四ページをお開き願います。第四目、大橋地区都市再開発事業費でございます。事業費は二十三億七千百万円でございます。
 以上で平成十八年度当初予算案の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、平成十七年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、お手元の資料2、平成十七年度補正予算説明書をごらんください。
 まず、一般会計からご説明申し上げます。
 六ページをお開き願います。歳入予算補正概要でございますが、表頭の中ほど、補正予算額の欄をごらんください。
 上段の国庫支出金は、国庫補助金の内示増に伴い、四十七億余円の増額補正を伴うものでございます。
 下段の都債は、地下高速鉄道建設事業助成費などに充当するため、百三十六億六千百万円を増額補正するものでございます。
 表最下段の歳入合計欄にございますとおり、歳入合計額で百八十三億六千百万余円の増額補正となっております。
 七ページをお開き願います。歳出予算補正概要でございます。
 まず、第二項、都市基盤整備費、第三目、都市基盤施設等助成費でございますが、表頭の中ほどの補正予算額は百十六億九千五百万余円でございます。
 表の右端の概要欄にございますように、事業進捗に伴い、1、地下高速鉄道建設助成と、2、首都高速道路公団出資金等の二事業を増額補正するものでございます。
 八ページをお開き願います。第三項、市街地整備費、第六目、都市改造費でございます。補正予算額は八十五億五千五百万円で、国庫補助金の内示増に伴いまして、都市再開発事業会計への支出金を増額補正するものでございます。
 九ページをお開き願います。第五項、住宅費、第三目、地域住宅対策費でございます。補正予算額は三億三千百万余円で、1、マンション耐震偽装問題対策事業として、構造計算書偽装問題に対し緊急の対応を図るため、増額補正を行うものでございます。
 次に、都市再開発事業会計補正予算についてご説明申し上げます。
 一一ページをお開き願います。表頭中ほどの補正予算額でございますが、収入として、一般会計負担金八十五億五千五百万円を計上しております。これは、環状第二号線新橋・虎ノ門地区の用地買収に対する一般会計負担金を増額補正するものでございます。
 一二ページをお開き願います。支出として、環状二号線地区都市再開発事業費八十五億五千五百万円を計上しております。これは、環状第二号線新橋・虎ノ門地区の用地買収等に要する経費を増額補正するものでございます。
 以上で十七年度補正予算案につきまして説明を終わらせていただきます。
 続きまして、条例案についてご説明いたします。
 お手元の資料3、平成十八年第一回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
 今回提出を予定しております条例案五件につきまして、ご説明申し上げます。
 三ページをお開き願います。まず、東京都営住宅条例の一部を改正する条例(案)につきましてご説明申し上げます。
 1の改正の理由でございますが、公営住宅法施行令の一部改正等に伴い、規定を整備するものでございます。
 2の条例案の概要でございますが、大きく二点ございます。
 第一に、単身使用者資格の改正でございます。
 公営住宅法施行令の改正に伴いまして、都営住宅を単身で使用することができる者に、精神障害者、知的障害者、配偶者からの暴力の被害者を追加するとともに、単身で使用することができる高齢者の年齢を五十歳以上から六十歳以上に改めるものでございます。
 第二に、公募の例外の事由の改正でございます。
 公営住宅法施行令の改正に伴いまして、既存使用者または同居者の世帯構成及び心身の状況から見て適切であると認められる場合に、公募によらずに都営住宅の使用を許可できるよう規定整備を行うものでございます。
 また、土地区画整理法の改正により、引用する条項にずれが生じたことに伴いまして規定を整備いたします。
 五ページから七ページにかけましては条例案文を、九ページから一一ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
 次に、一五ページをお開き願います。東京都福祉住宅条例の一部を改正する条例(案)でございます。
 1の改正の理由でございますが、公営住宅法施行令の一部改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 2の条例案の概要でございますが、民生住宅を単身で使用することができる者に精神障害者等を追加するとともに、単身で使用することができる高齢者の年齢を六十歳以上に改めるものでございます。
 一七ページから一九ページにかけましては条例案文を、二一ページから二二ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
 二五ページをお開き願います。東京都小笠原住宅条例の一部を改正する条例(案)でございます。
 1の改正の理由でございますが、公営住宅法施行令の一部改正に伴い、規定を整備するものでございます。
 2の条例案の概要でございますが、小笠原住宅に単身で使用申し込みをすることができる高齢者の年齢を六十歳以上に改めるものでございます。
 二七ページに条例案文を、二九ページには新旧対照表を記載してございます。
 三三ページをお開き願います。東京都地域特別賃貸住宅条例の一部を改正する条例(案)でございます。
 1の改正の理由でございますが、土地区画整理法の改正により、引用する条項にずれが生じたことに伴いまして規定を整備するものでございます。
 2の条例案の概要にございますように、条例第六条第三号中の土地区画整理法「第三条第三項若しくは第四項」を「第三条第四項若しくは第五項」に改正いたします。
 三五ページに条例案文を、三七ページには新旧対照表を記載してございます。
 四一ページをお開き願います。条例案の最後になりますが、東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例(案)でございます。
 東京都地域特別賃貸住宅条例の一部改正と同様に、土地区画整理法の改正により、引用する条項にずれが生じたことに伴いまして規定を整備するものでございます。
 四三ページに条例案文を、四五ページには新旧対照表を記載してございます。
 次に、工事請負契約議案をご説明申し上げます。
 お手元の資料4、平成十八年第一回都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。
 一ページから二ページにかけまして、件名、工事場所、契約の相手方、契約金額、工期、契約の方法、工事概要、提案理由をそれぞれ記載しております。
 三ページをお開きください。都営住宅十七H-一〇六東(百人町四丁目第五)工事の概要でございます。
 中段ですが、住宅の戸数は二百七十一戸、構造等は、鉄筋コンクリートづくり、十三階建て一棟でございます。契約の相手方は大日本・太陽建設共同企業体、契約金額は十四億四千九百万円、工期は平成二十年二月七日までとなっております。
 四ページに案内図と配置図、その次のページに平面図、断面図を添付してございますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 六ページをお開きください。都営住宅十七H-一〇五東(高松三丁目第四)工事の概要でございます。
 中段ですが、住宅の戸数は二百三十九戸、構造等は、鉄筋コンクリートづくり、八階建て一棟でございます。契約の相手方は馬淵・渡邊建設共同企業体、契約金額は十二億二千四百三十万円、工期は平成十九年八月三十日までとなっております。
 七ページに案内図と配置図、その次のページに平面図、断面図を添付してございますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 九ページをお開きください。都営住宅十七H-一〇一東(新宿六丁目)工事の概要でございます。
 中段ですが、住宅の戸数は二百十八戸、構造等は、鉄筋コンクリートづくり、十三階建て一棟でございます。契約の相手方は株木・網代建設共同企業体、契約金額は十二億九千四百六十五万円、工期は平成二十年二月二十二日までとなっております。
 一〇ページに案内図と配置図、その次のページに平面図、断面図を添付してございますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 一二ページをお開きください。最後になりますが、都営住宅十七CH-一〇八東(江戸川二丁目・江戸川区施設)工事の概要でございます。
 中段ですが、住宅の戸数は百六十戸、構造等は、鉄骨鉄筋コンクリートづくり、十四階建て一棟でございます。また、併存施設といたしまして江戸川区施設が予定されております。契約の相手方はスターツ・伊勢崎建設共同企業体、契約金額は十三億一千四百六十万円、工期は平成二十年五月七日までとなっております。
 一三ページに案内図と配置図、その次のページに平面図、断面図を添付してございますので、それぞれごらんいただきたいと存じます。
 以上で、平成十八年第一回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。
 ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言を願います。

○植木委員 今後の都営住宅、公社住宅の建てかえ計画について。
 それから、都営住宅建設事業などにかかわる中小企業工事発注実績についてお示し願いたいというふうに思います。
 それから、緑の関係ですけれども、みどり率について、住宅や道路等々、内訳があると思うんですが、それらの各項目についての面積をお示し願いたいと思います。
 それから、道路関係ですが、三環状の総事業費の計画と実績及び都の負担についてお示しください。
 それから、多摩の都施行幹線道路の事業費の推移。
 それから、区部と多摩の優先整備道路の評価結果をそれぞれお示し願いたいというふうに思います。
 それから、高さ百メートル以上の大規模ビルの建設状況について。
 それから、都心三区、二十三区の業務床面積の推移。
 それから、都市再生緊急整備地域の動向、指定前と現在の違いがわかるもの。
 それから、都市再生緊急整備地域のビル数と延べ床面積について、九九年と直近についてそれぞれお示しください。
 以上です。

○高橋(か)委員長 ただいま植木委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○高橋(か)委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 一七第一六七号、東京都屋外広告物条例に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○安井都市景観担当部長 整理番号1、一七第一六七号、東京都屋外広告物条例に関する請願につきましてご説明いたします。
 お手元の請願・陳情審査説明表、資料5でございますけれども、一ページをお開きください。
 本請願は、千代田区東神田二丁目の赤帽首都圏軽自動車運送協同組合代表理事、小林則夫さんから提出されたものでございます。
 請願の要旨ですが、都において、東京都屋外広告物条例の規制を緩和し、貨物車両における第三者広告物掲載を許可していただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、車体利用広告につきましては、広告物審議会の答申を踏まえまして、平成十二年に路線バス及び路面電車を、平成十三年には電車を、平成十五年にはタクシー等につきまして規制の見直しを行ったところでございます。
 一方、貨物自動車の車体利用広告につきましては、広告物審議会におきまして、都内における登録台数は、バスやタクシーと比較し極めて多く、景観面、交通安全面の影響が多大であること、また、登録台数の多さのみならず、一台の表示可能な面積も大きく、広告物のはんらんにつながること、さらに、貨物自動車には戸別配送等の車も含まれ、広告の禁止区域である住居専用地域を自由に走行することなどの課題が指摘され、平成十七年一月の東京における今後の広告物規制のあり方についての答申により、トラックについては広告規制の緩和をすべきでないとの提言が出されております。
 したがいまして、規制の見直しに当たりましては、都としては慎重に対応する必要があると考えてございます。
 以上で説明を終わります。

○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第一六七号は継続審査といたします。

○高橋(か)委員長 次に、一七第七一号、都営住宅のアルミサッシ窓を二重サッシ窓にすることに関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○宇多田参事 整理番号2、一七第七一号、都営住宅のアルミサッシ窓を二重サッシ窓にすることに関する陳情についてご説明申し上げます。
 陳情者は、渋谷区にお住まいの樋口徹さんでございます。
 陳情の趣旨は、都営住宅渋谷区笹塚二丁目アパート四二-九号棟の前面の道路、都道角筈和泉町線に面する部屋の窓を、交通騒音を抑え、住民が安眠及び健康で文化的な生活が得られるよう、二重サッシ窓に変えていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、笹塚二丁目アパート四二-九号棟は、昭和四十五年度から四十六年度に建設された住棟でございまして、南側に六畳、北側に四・五畳の和室を持つ二DKタイプの住戸で構成され、四・五畳の和室が都道第四三一号線、都道角筈和泉町線に面しております。
 建設当時は、通常、都営住宅におきましては、窓にスチール製サッシを使用しておりましたが、当該アパートにつきましては、道路に面する居室の窓に、遮音性がより高いアルミサッシを用いますとともに、厚い網入りガラスを入れるなど、騒音対策に配慮しております。
 陳情者からは、道路騒音に対してアルミサッシの二重サッシ化に関する要望が出されていましたが、さらに平成十六年十二月には、二十四時間の騒音測定を行うことの要望が出されました。
 このため、平成十七年三月二十四日から二十五日にかけて、陳情者が居住する五〇四号室の道路に面する四・五畳の部屋で騒音を測定しましたところ、室内外の騒音レベル差から、この窓は透過損失二六デシベル程度の遮音性能があることが確認されました。
 この性能は、現在の公営住宅法に基づく公営住宅等整備基準におきまして、開口部の遮音性能を確保するために必要とされております、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく評価方法基準による透過損失等級二、二〇デシベル以上を満たしております。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一七第七一号は不採択と決定いたしました。

○高橋(か)委員長 次に、一七第八七号、東大和市南街六丁目における違法建築是正に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○野本市街地建築部長 整理番号3、一七第八七号、東大和市南街六丁目における違法建築是正に関する陳情につきましてご説明いたします。
 お手元の説明表の五ページをお開きいただきたいと存じます。
 本陳情は、東大和市に居住する布施邦彦さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、東大和市南街六丁目五十二の四における民間共同住宅の違法建築について、憲法理由で使用を認めた違法増築部分の削減策を講じること、現在指導中の違法部分、容積率あるいは北側斜線規制に対する是正指導を強化すること、指導中の違法な建物が建て主の家賃収益につながらないよう対策を講じること、以上のようなことを都として実現していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますけれども、まず六ページをごらんいただきたいと存じます。当該建築物は、西武拝島線東大和市駅から北西方向に約七百メートルほどのところにございます。
 五ページにお戻りいただきたいと思います。
 平成十年十一月二十五日に多摩西部建築指導事務所が建築確認し、その後、建築工事が着工されました。平成十一年二月に布施氏から陳情があり、多摩西部建築指導事務所が調査の結果、北側斜線制限及び容積率の違反を把握し、是正指導を行いました。平成十一年七月一日に一部是正工事が終了いたしましたが、同月十七日に再度違反工事に着手したため、同月二十八日に工事停止命令を出しました。平成十二年六月二十六日に一部是正工事を行いましたが、違法な工事が残っているため、都は引き続き指導しております。
 以上で説明を終わります。

○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一七第八七号は継続審査といたします。

○高橋(か)委員長 次に、一七第九二号、イタリア文化会館の外壁色彩と皇居周辺の景観の調和に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○安井都市景観担当部長 整理番号4、一七第九二号、イタリア文化会館の外壁色彩と皇居周辺の景観の調和に関する陳情につきましてご説明します。
 お手元の説明表七ページをお開きください。
 本陳情は、千代田区にお住まいの橋本憲典さん外二千七百二十名から提出されたものでございます。
 陳情の要旨ですが、都において、地域にふさわしい良好な環境を維持していくため、地域に大きな影響を与える建築物の色彩基準をつくっていただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、本建物は、皇居千鳥ヶ淵沿いの落ちつきのある市街地に位置しておりまして、周辺には高校や共同住宅などが立地してございます。平成十七年九月に工事が完了し、現在、イタリアの文化会館及びその事務所などとして使用されてございます。
 計画から竣工までの経緯をご説明いたしますと、本建物は、千代田区景観条例に基づく事前届け出の対象になっていたために、千代田区との間で、平成十一年四月から十四年十一月までの計九回にわたりまして、景観についての協議が重ねられてございます。平成十四年十二月に、色彩を含め、現在の計画で区と事業者との協議が終了しております。
 翌十五年一月に、都に対して総合設計の許可申請が提出されました。都は、許可基準に基づき計画内容を審査し、公聴会の開催、建築審査会の手続を経て、同年四月に許可をいたしました。
 その後、建築主であるイタリア大使館は工事に着手し、建物は昨年の九月に完成しておりますけれども、同じ十二月に本陳情が都議会に出され、同時に、都知事に対しても、本陳情と同趣旨の陳情書が提出されてございます。
 なお、都への陳情提出の一月前には、千代田区議会及び千代田区長に対して、イタリア文化会館の建てかえの外壁色彩の変更について陳情書が提出されてございます。
 都は、総合設計制度を活用する建築計画につきましては、これまでも事業者に対しまして、景観への配慮を要請した上で許可を行ってまいりましたが、色彩についての明確な基準は定めてございません。
 こうした中、ことしになりまして、東京都景観審議会から答申が出され、総合設計など都市開発諸制度の運用における色彩の配慮基準の設定が提言されてございます。こうしたことから、都としては、色彩のガイドラインをできるだけ早期に策定し、総合設計などの運用に反映してまいりたいと考えてございます。
 以上で説明を終わります。

○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一七第九二号は趣旨採択と決定いたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関にこれを送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。

○高橋(か)委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、第百七十三回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。

○梶山都市整備局長 本日は、五月二十四日に開催予定の第百七十三回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
 今回、東京都決定案件が全部で八件ございますが、その内訳は、区部で四件、市町村部で四件でございます。また、一般廃棄物及び産業廃棄物処理施設の用途に供する特殊建築物の許可案件が二件ございます。
 本日はこれらのうち、主な案件といたしまして、調布市小島町一丁目ほか各地内用途地域の変更につきましてご説明いたします。
 それでは、引き続き担当部長から説明いたしますので、よろしくお願いいたします。

○福島都市づくり政策部長 私からは、お手元に配布申し上げております白い表紙の提案事項概要一五ページから二一ページをごらんいただきたいと存じます。また、事前説明会資料集、茶色の表紙の冊子でございますが、一三ページから二四ページに記載がございますので、あわせてご参照いただきたいと存じます。
 なお、必要に応じまして、後方の画面の方にも案内などをしておりますので、ご参照いただければと存じます。
 調布市における用途地域の変更につきましての案件でございます。
 位置でございます。茶色い表紙の一三ページをごらんいただきたいと存じます。京王線調布駅の北側に位置するところでございまして、調布市といたしましては、市の都市計画マスタープランにおきまして、調布駅周辺地域を市の中心市街地ゾーンとして位置づけ、京王線の連続立体交差事業に合わせまして、周辺の道路整備や市街地の整備など、まちづくりを精力的に進めているところでございます。
 茶表紙の一六ページをごらんいただきたいと存じますが、このほど、既に事業着手をしております調布駅南口の再開発事業に続きまして、北口におきましても、懸案となっておりました再開発が具体化したことに伴いまして用途地域を変更しようとするものでございます。
 当地区におきましては、調布市が決定をする都市計画の内容が三つございまして、一つ目は市街地再開発事業でございます。茶表紙の一六ページから一七ページ、一八ページに図面関係の記載がございまして、一九ページをおあけいただきますと、完成予想図を掲載してございます。提案事項概要の白い表紙の方では、一六ページに計画の諸元を載せてございます。建築計画といたしましては、地上十階地下一階建て、延べ面積といたしましては約三万平方メートルを予定してございまして、今後、手続が順調に進みました場合には、平成二十一年度中の完成を目指すこととしてございます。
 二つ目の都市計画は地区計画でございまして、この資料集、茶表紙では二〇ページから二一、二二ページに、それぞれ地区計画の区域、それから地区施設の内容、壁面の位置の制限などを載せてございます。提案事項概要では、白表紙、一七ページから二〇ページにそれぞれの計画書の記載がございます。
 三つ目の都市計画は、茶色の表紙に戻りますが、二三ページ、それから二四ページにわたりますが、高度利用地区の都市計画の内容を記載してございます。提案事項概要では、白い表紙では二一ページに計画の諸元の記載がございます。
 以上、三つの都市計画につきまして調布市が決定をいたしますが、これらの内容を総合的に踏まえまして、本日ご配布の茶表紙に戻っていただいて、一四ページに、図と右下に凡例がございまして記載がございますが、白い表紙の方では一五ページに戻っていただきます。調布市小島町一丁目及び布田一丁目の各地内につきまして、現用途地域、商業地域、建ぺい率八〇%、容積率五〇〇%を、建ぺい率八〇%、容積率六〇〇%に変更いたそうとするものでございます。
 以上でございます。

○高橋(か)委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 ご発言願います。

○立石委員 五月二十四日に予定されております都市計画決定、特に、私の地元であります晴海地区について何点かご質問をいたします。
 晴海地区では既に地区計画が都市計画決定されておりますが、今回はそのうちの四つの街区で都市計画の変更を予定されているわけでありますが、どのようなまちづくりを目指しているのかという観点から初めに質問いたしたいと思います。
 特にあの地域には、神社仏閣あるいは水辺、これらの景観、あるいは交通の手法、大江戸線勝どき駅、月島駅があって、あるいは船の小型船舶係留所が--係留所というのか停留所というのか、ございますし、あるいはまた環状二号線が既に計画されておる状況のところであります。
 そういう観点から、このまちづくりをどういうふうなイメージで--歴史的に見れば、臨海副都心に移転するまでの国際見本市会場もかつてあった。こういう状況を頭に置きながら、どういうまちをつくろうとしているのか、初めにご質問いたします。

○福島都市づくり政策部長 晴海地区につきましては、きょうお配りの白い表紙の提案事項概要の二三ページに、まちづくりの目標等につきまして地区計画として定めてございます。
 また、後ろの画面も参照いただきたいと存じますけれども、この地区につきましては、地理的な条件、大変都心に、東京駅に近いという条件、それからお話にもございました、各種交通機関が大変発達をしている、こうした都心への近接性、アクセスのよさ、またウオーターフロントとしての特徴を生かしまして、居住、商業・業務等の各種機能を適切に配置した、安全で魅力あるまちづくりを進めることにしてございます。
 今回は、この考え方に沿いまして、茶表紙の資料集の三三ページにも位置を示してございます、また画面にも示してございますが、五-二街区では約九百戸程度の共同住宅、また、E及びF街区におきましては事務所ビルを、また、二-三街区におきましては雨水ポンプ場等を整備するものでございます。

○立石委員 そういうことになるわけですけれども、都市計画の決定を、変更をこの場合はするわけですけれども、話として聞いた場合に、形式的というか実質的というか、ウオーターフロントだ、こういう言葉が出てくる。これは別に晴海じゃなくても、どこでもウオーターフロント的なところはウオーターフロントだと。都心に近いといえば都心にも近い。半円を描けば、東京駅というのか、同じように都心に近いだろう。
 そういうことではなくて、このまちの歴史的なものを考えたときに、どういうまちづくりをしようとしているのか。もちろん、五-二街区では九百戸建つのですか、大田区の方から何か東京都の土地と交換をして建てるというようなことも聞いていますし、E、F街区はかつてビルがあった。ボリュームが上がったのでさらに容積率を上げる、こういうことです。また、二-三街区はポンプ場ですね、これは確かに、雨が降るとひざぐらいまでお水が上がった経験もありますので、自分も地元なのでよく知っておりますけれども、これは必要だな、こういうふうに思うわけでありますが、どうも九百戸の住宅というもの--これも都心居住という意味では結構だと。
 さはさりながら、ラッシュ時に勝どきの地下鉄に乗りますと、本当にホームが狭くて人があふれているんですよね。次の列車が入るまでに、言葉は悪いかもしれないけれども、おりたお客様がはけ切れない。はけるという言葉は適切じゃありませんけれども、はけ切れない。そういう状況で次の列車がどんどん着いてくるわけですね。交通局は、ここに都市計画の高速晴海線が入ったので、清澄道路側に出入り口を一つ増設してくれたんです。多少はよくなりました。
 しかし、さらにここに九百の住宅がどんどんできるということに対して、当局としてどういうふうにこれを読んでいるんだろうか。あるいは、E街区、F街区で容積を変更すると、一五〇の一五〇のアップをするということですから、これに関してはどういうようなまちづくりとしてイメージしているんだろうか、十分余裕があってはけ切れるのかどうか、こういうような点をまちづくりという点で、形式的ではだめだと。
 私はよく思うのですが、都市計画の専門家じゃなきゃ都市計画なんかできません、もちろん。しかし、やはりまちの人たちの、そこに居住する、訪れる人、働く人たちの、この三者の考え方をどのようにここに反映していくか。ほかにはないところをここでつくっていくんだという、都市計画の専門家の自負がなければだめだと思うんですね。そこら辺をまちづくりとしてどうするんだということを私は今聞きたいというふうに思っているわけです。
 例えば神社の、三百五十年も四百年も続く住吉神社の水上神幸祭が通るわけですね。京都でいえば、それこそ時代祭だとか、そういった非常に長い歴史を誇るまちの景観、一つの風物としての歴史がある、そういうようなものに対してどういうような考え方を--否定しているんじゃありません。賛成しているんですが、どういうような考え方が局の中で議論があったのか。ここまで行くまでに、そういう観点は無視したのか、あるいは考えておられたのか。
 そういう点がないと、ただ、今ご答弁聞いているだけでは、ああ、そうですか、あれ、どこかほかのまちでも聞いたような話だな、業務床が必要だ、都心居住が必要だと、それだけでは、何だ、どこだって同じじゃないかと。やはり皆さんが真剣に回を重ねて都市計画されてきた根拠の中にあると思うんですよ。
 歴史とか景観とか土地柄とか、そういうこともちょっと、今僕がいった質問の中では答えてほしいんですけれども、いかがでしょうか。

○福島都市づくり政策部長 質問の内容がちょっと多岐にわたっていたかと思うんですが、もしまとめ切っていないようでしたらご指摘をいただきたいと存じます。
 まちの持つ歴史、文化をどういうふうに生かすのかということでございます。それから、交通施設や基盤、そうしたものが十分まちの開発などと関連づけされていくのであろうか、こういったようなご指摘であったかと存じます。
 私どもといたしましては、この地区での歴史を持つという、先ほどご指摘もございました神社、そういったもののまちと関連づける景観とか、それから、それが持つ環境、また安全性、近年特にそういった需要が高まっております要素も加味をいたしまして、まちの将来像を示す必要があると考えまして、都と区と、また地元の皆様方のご意見も伺いながら、晴海まちづくりの考え方としてこれまで取りまとめてまいったわけであります。
 そうした中で、この地区の特徴といたしましては、当然土地をお持ちの方、そこにお住まいの方、またそこを利用される方、それから私ども行政に携わる者、こうしたそれぞれの立場の人たちが、できるだけまちが円滑に発展をしていくようにという考え方からいろいろな協議をさせていただいておりますが、なお開発のスピードというものがどうしても、民間の地権者の方々の意向なども踏まえますと段階的にならざるを得ないということもございますので、交通施設などとの関係につきましては、今後とも、できるだけまちの発展にそごを来さないように努めてまいりたいと考えております。

○立石委員 わかりました。
 福島さん、多岐にわたるといったって、そういうもろもろのことを局の中で議論があったわけでしょう。なきゃおかしいものね。当然あるでしょう。環状二号線だって、素案の見直しを提示されているわけでしょう。
 そういう状況の中で、非常に難しい問題だけれども、これ以上広げませんけれども、別に反対しているわけじゃありません。しかし、そういう配慮を--区との協議だとか地元の方々の協議の中にたくさん出てきているはずだと思うんですよね。そういうものは、こういうところでは答弁しにくいのかもしれませんけれども、何回ぐらいこの案件に関して、地元とかあるいは区とか東京都のご当局と重ねてきたのか、正確な数字じゃなくていいですよ、答えられたら答えてほしいんですけれども。

○福島都市づくり政策部長 晴海地区のまちづくりに関しましては、相当長いやりとりをしてまいっておりますが、今回の案件のご説明に関しましては、まちづくり協議会の場で二回、また考え方といたしまして、地元に三ないし四回程度のご説明をしてまいっております。

○立石委員 結構でございますが、次に、この都市計画変更は住宅やオフィスということでありますけれども、皆さんは都市整備局として、都市計画の専門家として、今姉歯は極端な例外中の例外だと思いますけれども、大体、都市計画を考える上でどのくらいの耐用年数を持つ建物を、マンションとか業務・商業、業務ビルですか、計画されるようですけれども、どのぐらいもつものを想定されているのか、お答えいただけたらお答えいただきたいんですが。

○福島都市づくり政策部長 建物の耐用年数といいますのは、目標として、建てる人がこのビルについては何年というふうに、なかなか最初から明示をした建て方をするということは一般的にはなってございませんが、当然、こういう場所にそれなりのいわゆる資金を投資するということでありますので、特にこの地区の持っている特性から考えますと、相当長い耐用年数をこのビル建設の中には意識しているものと私どもは考えてございますが、何年というようなことに関しますと、私どもといたしましては、できるだけ長く、こういうふうに想像するわけでありますし、事業者の方にはそういった趣旨での指導をしてまいりますが、年数につきましては、恐縮ですが、私の方から何年を意識してつくるのかということについてはちょっとお答えをすることができませんので、お許しをいただきたいと存じます。

○立石委員 何でそんなことを聞くのかと皆さんは思われるかもしれませんけれども、私つくづく思いますに、住宅なんかは一世代三十年ぐらいで終わってしまいますね。公共の建築物でも、小学校でも中学でも結構、長いと思われるけれども短いですね。本当にこれから都市計画を皆さんが苦労してつくって、業務ビルにしてもマンションにしてもどのぐらいもつのか、それはここではいえないかもしれないけれども、ひそかにご計画というか考えがあると思うんですね、当たり前のことですけれども。
 それなりの建築家の方に聞いてみると、百年はもつのか、こういうふうに聞いてみたら、当たり前だと、こういうような話が返ってきました。これは、こういう席でいうことではないかもしれません。
 しかし、木造なんかの建築物であれば、法隆寺はともかく、百年、二百年なんていうのはざらにあるわけですね。そういうことから考えたらば、石原知事がよくいうように、コンクリートの三枚張りという表現を知事はよくされますけれども、まことにそういうまちづくりは二十一世紀では考えてはいけない。考えている矢先にああいう事件が起きてしまいましたけれども、その点も局として、我が国の我が大東京の都市計画は少なくとも、世紀の初めだからいうわけじゃありませんけれども、二百年ぐらいはもたせるつもりでやるんだとか、そのぐらいの大方針を立ててほしいなと、これは要望しておきます。
 次に、この晴海地区の再開発事業について、晴海三丁目西地区の市街地再開発事業については、既に平成九年の協議会開催以来約八年の歳月を経て、この一月に事業認可がされました。私も、繰り返しますけれども、地元の方に何遍も要望を受けて、早くやれ早くやれといわれておりましたもので、ことしの一月に事業認可がおりてよかったな、こういうふうに思っております。
 そこで、地元の方々が大変な苦労をしてきたという経緯もありますし、あの晴海が原っぱの時代から、供給公社を初めとする、自治会長さん、滝波さんとおっしゃいましたか、彼が苦労して、それこそ新婚時代に入って、娘さん、子どもさん方が結婚する、お孫さんができるような長い年月を経て、あのまちを彼らが、まちに住んでいる方々がつくってきた。そういう意味からも、この事業認可をいただいたということは大変うれしいことだと。
 関連して聞くわけではありませんけれども、この事業に関して、大体いつぐらいに完成を予定されているのか、引っ越しの時期はいつか。かなり高齢なお方も多いものですから、そういう意味でもちょっと質問したいと思います。

○渡辺参事 この再開発の事業は建築物をつくっていくわけですけれども、何棟かございますので順次つくってまいりまして、最終的な建築物が終わるのは平成二十五年の五月を予定しております。最初にでき上がる一棟目は住宅棟でございますけれども、これは竣工が平成二十一年十二月を予定してございます。

○立石委員 二十一年の十二月ということで、非常に我々のところに陳情が多いわけです、早くやってくださいと。本当に長い歴史がかかっているわけですから、皆さん本当に待ち遠しく望んでいます。しかも、こんな姉歯事件みたいなことがあると大変不安でありますし、第二次関東大震災もここ十年にというような話があれば、なおさら非常に心配ですね。
 そこで、順繰りに押していけば平成二十一年の十二月ということになるのかもしれません。しかし、皆さんの要望は、何遍も聞くのですが、何とか寒い時期ではなくて夏のうちに引っ越せるように、前倒しするように努力してほしいという要望をいただいております。
 部長、ひとつこの辺も、第一棟目の方々がもともと古くから住んでおられる方ですから、彼らのためにも、また高齢者であり、まちづくりに大変大きな寄与をしてきた住民そのものの方々ですね、彼らに対する配慮として質問しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○渡辺参事 この事業は、都市再生機構が施行者となりまして、先ほど理事ご指摘のように、国土交通大臣からことし一月に事業計画の認可を受けたところでございますが、現在、施行者におきまして権利変換計画の策定中でございます。関係権利者と十分協議しながら合意形成を図っているところでございます。
 ご指摘の入居時期につきましては、地元からの要望があるということをお伺いいたしておりますし、そういったことで、権利者のきめ細かな対応とあわせまして、ぜひともそういう入居時期の件について配慮するよう、都市再生機構に対しても働きかけてまいります。

○立石委員 長くなってしまいましたけれども、あそこに、築地に市場があります。その関係で鰹節組合がございます。彼らの事業も、今度新しく豊洲に新市場が建設されるわけでありますけれども、ちょうど中間の位置にあるわけですね、あのロケーションが。そういう意味からも、余り遠くに仮移転するということは不都合だということで、ぜひその地域に工事中の代替地といいますか、そういうようなものも要望があったかと思うのですけれども、渡辺部長、どうでしょうか。最後にそのことをちょっとお聞きして、質問を終わりたいと思います。

○渡辺参事 地区内権利者の鰹節組合の件でございますけれども、代替地を求めているという要望については私どもも伺っております。
 現在、区も入りまして、代替地についていろいろ検討しておるところでございますが、これにつきましても、あわせて私どもも都市再生機構に対して働きかけてまいります。

○大松委員 私の方からは、五月二十四日、都計審に付議されます案件のうち、足立区新田地区のまちづくりについて質問をさせていただきます。
 まず最初に、この足立区の住宅開発の概要を、簡単で結構でございますので、ご説明お願いを申し上げます。

○福島都市づくり政策部長 新田地区におきましては、本日ご配布申し上げております茶表紙の資料集八ページをごらんいただきたいと存じます。また、後方の画面もあわせてご参照いただければと存じます。
 この地区におきましては、平成九年度より、工場跡地--相当大規模な工場跡地でございます--におきまして、住宅等の整備と、道路、公園、スーパー堤防など公共施設を一体的に整備する住宅市街地総合整備事業というものを実施してございます。
 主要な整備となります住宅建設につきましては、平成二十一年度末を目標にいたしまして、約三千戸の住宅供給を予定してございます。現在、既に五百六十六戸の住宅が入居となってございます。

○大松委員 工場跡地が新しいまちに生まれ変わるわけでございますけれども、私も、地元北区の隣接する地域でございまして、よく参るわけでございますが、大変魅力的なまちづくりを進めていただいております。
 また、その中で三千戸の住宅建設、既に五百六十六戸が入居しておられるということでございまして、この住宅の住民にとりましては、この地域は川によって分断をされている島状の地域でございまして、このまちづくりの中でも最大のポイントになっておりますのが仮称新田豊島橋、新しい橋が最大のポイントになっておるわけでございます。この橋の整備の見通しについてお願いいたします。

○福島都市づくり政策部長 隅田川にかけます橋梁工事につきましては、現在、橋台の工事が終了いたしておりまして、橋げたにつきましては現地で組み立てをしているところでございます。順調に推移いたしますと、平成十九年四月に供用開始をする予定でございます。

○大松委員 ありがとうございます。
 都市計画と申しましても、やはりこれは地域住民の皆様の深いご理解と、またご協力がありまして、初めてこの都市計画も進められるわけでございます。そうした観点から、まちづくりに当たりましては、それぞれの地域の持っている特性を最大限に生かし、さらに周辺地域へのきめの細かい配慮が求められる、このように考えるわけでございます。
 このまちづくりの最大のポイント、先ほども申し上げましたが、これまでまちを分断してきたところに橋をかける、北区豊島地域と足立区の新田地域を結ぶ両岸整備というところに大きな特徴があるわけでございまして、このまちづくりの影響は、新田地域ばかりだけではなく、北区の豊島地域にも大きな影響を及ぼすわけでございます。
 そして、この大きな影響の中でも、さらに大きなメリットがあるわけでございます。その一つは、これまでまちを分断してきたという川を、負の資源としてではなく、これを有用な資源として活用していくということでございます。この景観、よりよい景観の形成に資することもございますし、また北区側からとりましても、足立区側に新しい防犯防災の施設ができるということは大きなメリットがあるわけでございます。この両地域の人々が行き交うことによって、まちの活性化も進むわけでございます。こうしたメリット、この地域の特性を大いに生かしていただけるようなまちづくりをお願い申し上げるものでございます。
 その一方で、このまちづくりの周辺の地域から心配をする声が上がっております。それは交通ネットワークの問題でございます。このまちづくりが進みますことによって、明治通りと環七を結ぶ、また王子駅と新田地域を結ぶ道路のネットワークができることになるわけでございますけれども、現実的には、新たにできる新田豊島橋から王子駅までの最短距離にある補助八八号線は、現在まだ幅員も狭く、毎日渋滞が続いているような道路でございます。したがいまして、地元の地域の人たちからは、このまちづくりが進むと同時に、八八号線の渋滞がさらに悪化するのではないか、このようなお声を私どもはよく聞かせていただいているところでございます。
 そうした観点から、この補助八八号線を初め、周辺道路の整備をともに進めていくまちづくりでなければ、この事業の効果は期待できないのではないか、このようなお声があるわけでございます。周辺道路の整備も含めまして、この地域のまちづくりを推進する観点から、都市整備局の取り組みをお伺いいたします。

○福島都市づくり政策部長 新田地区の開発に合わせまして周辺道路などの公共施設を整備していくことは、今お話にもございましたように、人や車の流れを円滑にするだけではなく、災害時の安全性の向上など、活力あるまちづくりを推進していく観点からも大変重要であると認識をしてございまして、そのために都市整備局といたしましては、お話のありました、王子へのアクセスとなる八八号線、また、川を越えたところでの北区街路五号線など公共施設の整備に当たりまして、住宅市街地総合整備事業によります国庫補助金を活用するなどして整備促進に努めてまいりたいと考えております。

○大松委員 既に事業化はされておりますけれども、八八号線の早期の事業の進捗を東京都としてしっかり頑張っていただきたい。お願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
 以上でございます。

○たぞえ委員 第二次、第三次の多摩道路事業化方針にも明記されていない都市計画道路、稲城市南山土地区画整理事業で生み出す今回の都決定について伺いたいと思います。
 南山地区は、種の保存法で絶滅のおそれがある希少野性動植物に指定されているオオタカの営巣が確認されている地域です。同時に、先日見てまいりましたら、鎌倉時代の像石が連なって、江戸から、最近では関東大震災のときの無縁仏四千数百体の石仏や墓石が並ぶ、そういうありがた山を登ってきました。貴重な文化財と歴史が刻まれた、多摩川を見おろす高台のそういう地域でした。
 稲城市が二〇〇四年に行った市民意識調査で、稲城市に住む魅力の八五・六%が、緑が多い、自然環境がいいというふうに市民の方が答えられて、自然を守りたいと希望する方は実に九五%、市の調査でも示されていました。大変、自然環境保護の断トツな答えが市民から返ってきていると思います。
 このようにして、都心からわずか三十分のところに、生態系の頂点にいるオオタカが生息しているということが、この地域は豊かな本物の自然が存在している、そういうあかしではないかというふうに痛感をしました。とすれば、都市計画道路の決定に当たっては、この貴重な自然をどういう形で守っていくか、このことが大変大事になるんじゃないでしょうか。
 この計画地の南側は、ほとんど緑豊かな山林が広がっていました。私も歩きましたら、これが稲城市の都心部なのかなと思うぐらい、まるで奥多摩の山林を歩いているような感じでした。北側は、生産緑地を含む竹林や雑木林の、そういう斜面地であります。
 また同時に、見て驚きましたのは、東京オリンピックの際に、稲城の地形のさまざまな土壌を利用したオリンピックの手だてがとられたそうでありますが、標高差六十メートルもある、いわゆるグランドキャニオンと呼ばれる、そういうものを目の当たりにしました。遠くから見ても地層がはっきり見える。何層にもなっていました。一番上の地層は約二百年前の地層で、当時稲城は、東京湾というのでしょうか、今の海底にあった地域でありますが、はっきりと歴史の地層が見える、そういうところなんです。
 しかし同時に、危険地域ということで市からも指定されているそうです。先日、東京都の防災会議地震部会が多摩直下地震を想定して、液状化の発生可能性の高い地域と急斜面の崩壊危険地域を幾つか指定しておりますが、稲城市もこの指定地域に今回されたわけであります。
 伺いますのは、この開発地は、宅地造成等規制法によって都が規制を指定する区域なのでしょうか。

○渡辺参事 区画整理等に伴う宅地造成ということでございますので、私の方からお答えいたしますが、この地区は宅地造成等規制法による宅地造成工事規制区域でございます。

○たぞえ委員 この開発に当たって、準備組合が行っております事前環境評価書が四年前に出されました。これを見てみますと、区画整理事業で造成工事中、十一カ所に、土砂の流出防止の土堰堤がつくられることになっています。しかし、この土堰堤は、稲城の砂利層の土を中心にしてつくられるために、集中豪雨では崩壊をするということもこの評価書の中で指摘されるほどです。そういう地盤だということなんですね。七一年には、隣接する川崎市の生田緑地で、土砂の崩壊実験中に多くの関係者の命が奪われたという事故がありました。
 今回の開発は、谷の部分を四四%埋め立てる計画です。これがその開発地でありますが、茶色い部分が盛り土する部分、黄色い部分が切り土をする。だから、全体の面積のほとんどを切ったり張ったり埋めたりはがしたりと、こういう計画地なんですね。こういう計画地で、大規模な盛り土の危険性が新潟の中越地震でも教訓として指摘され、こうした安全性をどう確保していくかということで、今国会では宅造法の改正案が提案されているわけです。これを受けて都としては、こうした危険な地域での安全対策をどうされるのか、見解を伺いたいと思います。

○渡辺参事 宅地造成工事規制区域での宅地造成工事の許可に際しましては、東京都は以前から技術基準を定めておりまして、従来からこの基準に基づきまして、擁壁や切り土、盛り土で生ずる斜面の安定について、地震時も含めて安全性を審査しております。
 先ほど法改正のお話がございましたけれども、東京都ではこれまでも、そうしたことも踏まえまして審査をしているわけでございます。この地区につきましても、宅地造成等規制法及び都の技術基準に基づき、適正に審査してまいります。

○たぞえ委員 それでは、もう少し詳しく伺いますけれども、この計画地といいますか地区内で、幅員六メートルの区画道路を配置して、主要な九メートルから十六メートルの区画道路をさらに経て、そして幹線道路へ連絡させる道路網の構築が図られるというふうにきょうの提案に書かれています。道路面積は、現在、計画地の全面積の四・三%ですが、この整備によって区域内の道路率はどう変化するのでしょうか。

○渡辺参事 区画整理区域内の都市計画道路は、今回都市計画変更を提案してございます多摩三・四・一二号読売ランド線、多摩三・四・一六号稲城南多摩線のほか、新規に稲城市で決定される多摩七・四・五号東長沼矢野口線の三本ございまして、面積が約四・五ヘクタールございます。また、区画道路及び特殊道路は約九・八ヘクタールございます。合計いたしますと、道路面積はおおむね十四・三ヘクタール、約一六・四%になります。
 これは一般的な土地区画整理事業地区の道路率約二〇%に比較しますと、現在、道路面積につきまして約十・四ヘクタール、約一二・四%増加するということでございます。公園緑地を多くとっている関係から、少し道路率が低くなっておりますけれども、計画はそういうことでございます。

○たぞえ委員 ほかと比べて少し少ないとか多いとかという議論じゃなくて、全面積四・三%が一六・四%、約四倍にふえるわけですから、その分、山林や農地などが道路に形を変えるという、そういう問題として見ていただきたいと思うんです。
 十六メートル以上の幅員のある幹線道路、五万平方メートルあるわけですが、この三つの幹線道路予定地は現在平地に建設するのでしょうか。

○渡辺参事 本地区は起伏が激しい地形でございますために、土地区画整理事業の実施の中で切り土、盛り土を行い、都市計画道路を築造する予定でございます。そういうことで、切り土、盛り土の高さが大体、最大で切り土が二十六メートル切り、盛り土は三十四メートルという形になります。
 その幹線道路の予定地でございますけれども、縦断勾配を既定値を確保しながら、山の部分、谷の部分を通過していくために、かつ丘陵地の中腹では切り土区域の箇所が多くなってございます。そういうことから、起伏が激しい地形であるために切り土、盛り土を行いますが、それによって土地の平たん性を確保して、良好な土地利用を図っていくという予定でございます。

○たぞえ委員 そうですね、幹線道路計画地は大部分は山林です。川崎市へ抜ける地域は、高さ最大三十五メートル、建物十階建ての高さの盛り土をするというわけです。大変な土砂を積むわけですね。計画地中央の地域は、三十メートル逆にえぐるというわけですよ。ですから、あっちこっちから寄せてきて、まあ、計画地内での土を動かすだけの計画ですから、つい目の前にあった土がここに埋まっている、ここにあった山林の土が向こうに行ったと、大変な物流が行われるわけです。こうして平地に忽然と道路ができて車が走り出す、こういう光景が生まれるわけです。
 果たしてこの幹線道路には、この地区内で発生する自動車だけではなく他の市街地から車が入ると思うんですが、どういうふうに入ってきて、どういうふうに流れていくのか、そして、この三つの幹線がどのように合流、合体していくのか、さらに、その車は一日何台この区画の計画地を走り抜いていくのか、教えてください。

○渡辺参事 交通の流れでございますけれども、今図面が出ましたので、図面をごらんいただきたいと思いますが、東京都側からは、多摩三・四・一二号読売ランド線をメーンルートといたしまして川崎側へと流れてまいります。途中、読売ランド線に多摩七・四・五号東長沼矢野口線が合流いたしまして、その後、トンネル部を抜けた後、多摩三・四・一六号稲城南多摩線が合流いたしまして、そして川崎へ流れます。
 この各路線の将来交通量でございますけれども、多摩三・四・一二号読売ランド線、今指しておるところでございますが、ここが一日約一千台でございます。多摩七・四・五号東長沼矢野口線が一日約二千五百台、多摩三・四・一六号稲城南多摩線が約一日五千九百台ということで、この各路線が合流した後の読売ランド線は一日約七千百台と推定してございます。

○たぞえ委員 私も半日かかってあっちこっち行ってみたのですけれども、京王よみうりランド駅--ちょっと画面つけて。京王よみうりランド駅から川崎市に抜けるのは、この絵からいきますと、右の曲線になっているしっぽのところですかね、そこから来るんですか、その図でいきますと。そうですね。それで、京王よみうりランドから来る車は、トンネルをくぐって一回ぐるっと円周、回って川崎に落ちていく。それから、多摩川の有料大橋から来る部分の幹線がその白い枠線だと思いますけれども、集まってくる。それからもう一本あるわけですね。
 ですから、この計画地というのは、あっちこっちから車が集まってきて平地を曲線に走ったりする、自動車レース場のような感じもするんですけれども、これまで山林や農地、原野、こういうところで、トラックがまさに数千という数で走り抜く、これが新たな戸建て住宅や集合住宅等を建設する場合にどういう影響を与えるか、大変危惧をするわけです。
 現在、山林や原野、田畑、六七%面積を示しておりますが、そのうち残るのはどのぐらいなのでしょうか。

○渡辺参事 まず、今の山林等の残るものの前に、先ほど車のお話が出ましたけれども、こうした計算をしていくときには、きちんと我々の中でも量の予測をいたしますし、そうしたことで、道路が十分容量的にはもつということを推計してございます。
 ご質問の、残る割合でございますが、登記簿の現況での山林、原野、農地を合わせて五十八・一ヘクタールございます。計画区域は八十七ヘクタールでございますので、割合としては今六七%でございます。
 そのうち、区画整理事業におきまして現地で換地、すなわち現状のまま残すわけですけれども、残す面積は、自然のまま残る公園や緑地が七・四ヘクタール、それから既存の寺院、日本山妙法寺というお寺がありますが、この周辺で三・一ヘクタール、合計十・五ヘクタールで一二%となります。
 緑地の面積は、合計十二・七ヘクタールの公園、生産緑地、これは民有緑地も計画しておりまして、それが一・五ヘクタールございますので、すべて合わせますと二二%の緑地が確保されるということになります。
 それから、これに加えまして街路樹の整備、それから民有地の緑化などによりまして、多摩部の平均的な土地区画整理地区の六%と比較しますと、相当量の緑が新たに創出されるというふうに考えてございます。

○たぞえ委員 緑を何かふやすとかという話があったけれども、八万本の樹木を今度切るんですよ、この敷地内で。大変な数を切ってまた植えるというんですが、八万本植えるということは聞いていません。そこで、とにかくそうやって、山林や原野だ、農地だ、木をばっさりばっさりやる。そういう中にいろいろな施設をつくるわけです。
 きょうこれから報告があると思いますが、みどりの新戦略ガイドラインですね、多摩のみどり率は、二〇二五年の目標値で二〇〇〇年の現況値を維持するといっていますが、そうですか。

○成田都市基盤部長 委員今ご指摘の、後ほどご報告申し上げますみどりの新戦略ガイドラインでは、ご指摘のように、多摩部のみどり率に関しましては、目標値を、二〇〇〇年の現況値を二〇二五年に現状維持したいというふうなことで計画させていただいてございます。
 本地域のように、宅地開発等により失われる緑があります一方で、公園緑地の整備や道路等の街路樹等、敷地の緑化あるいは屋上緑化など、新たな緑を創出していくこととしてございます。これらによりまして、多摩地域全体といたしましても、今回策定いたしておりますみどりの新戦略ガイドラインで目指すみどり率の目標値を維持するよう努めてまいりたいと思っております。

○たぞえ委員 しかし、現実にこれだけの自然の環境が、何だかガソリンスタンドになったり、コンビニになったり、集合住宅になったり、戸建て住宅になったり、道路になったり、とにかく緑そのものは少なくなることは事実ですよ。そんな広大な緑地を開発してしまったら、都の考えているみどり率というのは保証できるんですか、その敷地内でいって。

○成田都市基盤部長 今回の稲城のような、全体的に雑木林等に覆われております地域につきましては、委員ご指摘のように、緑の量は確かに減ると思いますけれども、もう一方では、こういう緑のない場所での開発等もございますし、そういう中で、私ども、公民役割分担をしながら、公は公の役割のもと、民は民間開発の中でそれなりの緑を確保していくよう、今後とも施策を展開しながら指導もしてまいりたいと考えております。

○たぞえ委員 多摩の緑を残す上で、全体をプラスマイナスという理論じゃなくて、このエリアは現状維持、このエリアがマイナスになったらこのエリアはどうふやしていくか、そういう対策を講じなければ、二〇〇〇年時と二〇二五年を同率比で保とうというわけですから、それは並みじゃないですよ。机上計算じゃできない仕事なんですよ。
 だから私は、この南山の問題についても、これだけ緑が減るんだから、じゃ樹木をふやそうとか植えようとかという議論では済まない、大きな根っこがあるんだというふうに思うんです。一方でみどり率をふやす、一方で緑を削る、これはやっぱり一貫性ですね。どういうふうに理論的にも実践的にも確保していくかという、そういう視点でみどり率というのを考えていかないと大変なことになるんじゃないかなというふうに思いました。
 緑の減少は今、大変危機的な状況であります。特に多摩では、〇三年時点と九八年を比べても二%減少しているわけですから、こういう緑を保持する上でも、区画整理事業等の生み出す新たな施設についてはぜひ十分に検討していただきたいし、またこの地域は危険な、そうした埋め立て、切り土という特殊な地域でもありますので、安全対策はよく住民の声を聞いて進めていただきたい。
 以上です。

○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十三分休憩

   午後三時七分開議

○高橋(か)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 次に、多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)(案)についての報告を聴取いたします。

○成田都市基盤部長 今月九日に公表いたしました多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)(案)についてご説明申し上げます。
 お手元に資料9といたしまして、A4、一枚に概要を記したもの、それから資料10といたしまして本編、そして資料11といたしましてパンフレットを配布させていただいてございます。
 まず、資料9をごらんいただきたいと思います。概要を説明させていただきます。
 まず、目的でございますけれども、多摩地域には一千四百二十五キロメートルの都市計画道路がございまして、平成十六年度末で約五一%の完成率となってございます。
 これまで東京都では、都市計画道路を計画的に整備するため、事業化計画を平成元年、平成八年と、おおむね十年間のタームで策定してまいりました。こうした中、現行の第二次事業化計画が平成十七年度までの計画であることから、関係の二十八市町と共同で、第三次事業化計画を柱とした整備方針を策定するものでございます。
 その主な内容でございますけれども、整備方針の主な内容といたしましては、大きく四つのポイントに分けてございます。一つは、未着手となってございます都市計画道路について必要性の確認を行うことでございます。二つ目は、整備方針の最大の柱でございます第三次事業化計画であり、今後十年間で優先的に整備すべき路線の案といたしまして百三十三キロメートルを選定いたしてございます。三つ目のポイントといたしましては、多摩の地域特性を踏まえ、緑豊かな都市空間を創出する新たな取り組みといたしまして環境軸を示すとともに、埼玉県や神奈川県との都県境を越えた新たな道路ネットワークの検討を提示いたしてございます。四つ目のポイントといたしましては、優先整備路線に入らなかった路線への対応といたしまして、建築制限緩和の基準などについても定めてございます。
 具体的な内容につきましては、資料11のパンフレットに記載してございます。
 必要性の確認でございますけれども、現在未着手の都市計画道路を対象に、改めて必要性の確認を行い、要検討路線を抽出してございます。
 本編の資料11の三ページから六ページにかけてお開きいただきたいと思います。図と表によりまして第三次事業化計画を示してございまして、全体としては、先ほど申し上げましたように百三十三キロメートルの計画でございます。内訳といたしましては、図面にあります青色で表示しておりますのが、都が施行する路線で八十五キロメートルございます。ピンク色で表示しているのが、市、町が施行する路線で四十七キロメートルございます。さらに、緑色で表示してございますけれども、組合区画整理などによりますその他施行路線としているものが二キロメートルございます。
 また、今回提案しております環境軸でございますけれども、多摩の特性を踏まえました新たな道路整備のあり方として環境軸の形成を提案いたしてございます。
 多摩の南北道路では、広い歩道、緑地帯を有する環境施設帯を設置するなど、環境に配慮いたしました都市基盤の整備が行われるようになってきてございます。こうした機会をとらえまして、道路や公園などの骨格となる都市施設と周辺のまちづくりを一体とし、緑豊かな広がりと厚みを持った良好な空間に誘導する環境軸の形成を図ってまいりたいと考えてございます。この環境軸の形成に向けましては、調布保谷線や府中所沢線、新青梅街道線など、具体的に路線の検討を進めてまいりたいと思います。
 今後、考え方や推進していくための道筋を示しました環境軸基本方針を策定してまいりたいと考えてございます。
 次に、都県境とのかかわりでございますけれども、多摩の地域特性を踏まえましたもう一つの取り組みといたしまして、都県境を越えました道路網の拡充の検討につきまして示してございます。具体的には、埼玉県側では府中所沢線を初めといたしました都市計画道路のあり方につきまして、また、神奈川県側では南多摩尾根幹線の相模原市への延伸につきまして、近隣県と調整いたし、広域的な道路ネットワークの形成を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に、建築制限の緩和でございますけれども、都市計画道路区域内におきます建築制限の緩和につきましては、都市計画施設の区域内では建築制限が働き、原則といたしまして、階数が二階以下、木造、鉄骨づくりなど、容易に移転、除却ができる構造物に限り建築が許可されてございます。このため、長期に事業が実施されない場合には、地権者が土地を有効に利用できないなどの課題がございます。このような課題に対応するため、区部と同様に、多摩におきましても、三階建てまでの建築を可能とする緩和基準を示してございます。
 今後の予定でございますけれども、今回の整備方針案に対しまして、三月十五日まで意見公募を行った後、引き続き関係市町と共同で作業を進め、できるだけ早期に最終の取りまとめをいたしながら公表していきたいと考えてございます。
 私の説明は以上でございます。

○高橋(か)委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 ご発言を願います。

○高橋(信)委員 ただいまは、今後十年間に向けて新たな、現状に合わせた取り組みの提案がされました。
 それでは、多摩地域における都市計画道路の整備方針について伺います。
 私の住んでおります多摩地域では、都市計画道路の整備率がようやく五〇%を超えたところであり、まだまだ十分とはいえない状況であります。多摩の都民といたしまして、ぜひ都市計画道路の整備をさらにさらに進めていただきたいと考えております。
 そこで今回は、先ほど整備方針の四つのポイントについて説明がありましたが、最大の柱であります第三次事業化計画と、それに先立ち行っております必要性の確認についてお聞きいたします。
 まず、必要性の確認についてですが、今回の整備方針、先ほども部長から説明がありましたが、都市計画道路の必要性を改めて確認しているとのことですが、どういったことを行ったのか伺いたいと思います。

○成田都市基盤部長 都市計画道路の必要性についてでございますけれども、未着手の都市計画道路を対象といたしまして、八つの評価項目に照らし評価を実施してございます。
 具体的には、一日の将来交通量が六千台あるかどうか、基幹幹線道路かどうか、地域のまちづくりを進める上で必要かなどの基準に照らし合わせまして評価を行い、さらに、まちづくりの観点からも検討を行った結果、要検討路線を抽出してございます。
 そのほかにも、特別の事由に該当する路線につきまして、要検討路線として抽出してございます。

○高橋(信)委員 ありがとうございました。
 それでは次に、ポイントにもありますように、優先整備路線についてですが、今回は第三次事業化計画とありますが、これまでの計画と比べまして、どのくらいの規模となるのか教えていただきたいと思います。

○成田都市基盤部長 これまでは、平成元年十二月に第一次となる事業化計画を策定いたしまして、昭和六十三年度から八年間を計画期間といたして、百四十七キロを新規に着手する路線として位置づけてございます。また、平成八年三月には第二次事業化計画を策定いたしまして、平成八年度から十年間を計画期間といたしまして二百十四・五キロメートルを位置づけてございます。
 今回の第三次事業化計画では、計画期間を平成十八年度から平成二十七年度までの十年間といたしまして、百三十三・五キロメートルを優先整備路線として位置づけてございまして、第二次計画に比べ、計画の重点化を図ってございます。

○高橋(信)委員 これまでに二度、事業化計画をつくってきたわけでございますが、これによりまして、多摩の都市計画道路の整備状況がどのように変わってきたのか、整備率の推移について伺いたいと思います。

○成田都市基盤部長 第一次の事業計画の前年でございます昭和六十二年では、多摩の整備率は三六%でございました。第一次終了時の平成七年度には四一%と上昇してございまして、平成十六年度末現在では五一%という整備率になってございます。

○高橋(信)委員 今までも限られた財源の中で着実に整備を進めていただいていることについては大変評価いたしますが、今回の計画は第二次に比べまして計画を絞り込んだとのことでございますが、今回の優先整備路線はどのようなものを中心に選んだのか、今回の特徴につきまして具体的に伺いたいと思います。

○成田都市基盤部長 第三次事業化計画では、府中所沢線などの南北の主要五路線を全線開通させるほか、東八道路や新五日市街道などの一部など東西の主要道路の整備を進め、多摩地域におきます主要な幹線道路の整備について一定のめどをつけたいと思ってございます。
 さらに、都県境におきましては、他県との調整を進め、都県境を越えた広域的な道路ネットワークの形成に向けまして、こうした道路も優先整備路線として位置づけてございます。
 限られた財源の中、より重点的かつ効果的、効率的な整備をすべく、優先整備路線の選定を行ってございます。
 今回の優先整備路線として位置づけられましたこれらの路線が完成した暁には、多摩地域の都市計画道路の整備率は七割を超えまして、区部との格差もほとんどなくなるものと見込んでございます。

○高橋(信)委員 小平市内には小平三・三・三号線、いわゆる新五日市街道という幹線道路が計画されております。これは、第二次でも優先する路線として位置づけられましたが、依然として小平区間は未着手のままであります。確かに新五日市街道は西東京市から立川市に至る十五キロメートル以上が未着手でありますが、今回、立川より西側が優先路線となっている点は評価をいたします。ぜひ整備を進めていただきたいと思います。
 ところで、十年間では状況が変化するなど、ここにもある路線でなくとも事業化を検討していくことが必要となることも考えられると思いますが、整備方針では、こういった点につきましてどのように対応していくこととしているのか、伺いたいと思います。

○成田都市基盤部長 整備方針におきましては、現在の都市計画道路ネットワークを基本といたしまして策定してございまして、今後、区画整理や再開発など、まちづくりが具体化した場合には、ここで位置づけられている路線以外であっても、順次事業化について検討を加えてまいりたいと思っております。
 また、横田基地の軍民共用化などは、それらの動向を踏まえ、具体化になった段階で、適時、都市計画道路の追加や変更などを行った上で順次事業化を図ってまいりたいと考えております。

○高橋(信)委員 よくわかりました。今回も多摩地域南北五路線、それから東西四路線ということで、今後十年間、まず南北を重点的にやりまして、その次に東西ということで、いろいろ圏央道の接続だとか横田絡みで、西の方から東の方に攻めてくる。そして、今、話がありましたように、横田基地の軍民共用化がある程度具体的になってきた場合に、ぜひ東西、小平とか北多摩、都心に向けてのアクセス道路としての東西道路の整備をぜひお願いして、計画に入れていただきたいと思っております。
 今後の対応につきましても、きちんと考えた上での計画であることはわかりましたが、いずれにいたしましても、第三次事業化計画として十年間の路線を示しているのですから、ここに位置づけられました路線につきましては、必ず二十七年度までに手をつけていただくよう強く要望いたしまして、質問を終わります。

○伊藤委員 私の方からも、多摩地域における都市計画道路の整備方針についてお伺いをいたしたいと思います。
 先ほどのご報告でもございましたとおり、今回の整備方針、主な内容として四つのポイントがあるということでございましたけれども、私は、必要性の確認ということに絞って何点かお伺いをいたしたいと思います。
 都市計画道路の整備は、私がいうまでもなく、大変長い時間がかかるものでございます。ですから、計画を一度決めたからといって、そのまま順次整備を行っていくのではなく、社会状況の変化や、また地元の市のまちづくりとも照らし合わせて、その都度必要性を確認をしていくことは大変重要な視点であるというふうに思います。そういう意味では、今回、必要性の確認を行ったことは高く評価をいたしたいと思います。
 そこで、今回行った必要性の確認の考え方や基準などについて、その内容を具体的にお示しをいただきたいと思います。

○成田都市基盤部長 伊藤委員のご質問は、必要性の確認の考え方の基準というふうなことでございますけれども、必要性の確認につきましては、未着手の都市計画道路を対象といたしまして、先ほどご答弁申し上げましたように八項目の評価項目に照らしてございます。
 具体的には、バス停までの歩行距離を五百メートルと仮定いたしまして、幅員十六メートル以上の都市計画道路の間隔をチェックいたすこと、あるいは良好な居住環境の形成に資するか、先ほども申し上げましたように、道路の基本であります最低交通量が一日六千台になるかどうか、このような基準に照らしながら評価を行い、さらにまちづくりの観点から検討を行い、要検討路線を抽出してございます。
 そのほかにも、特別の事由に該当する路線につきましては、要検討路線として抽出してございます。

○伊藤委員 これは私の意見として聞いていただければというふうに思いますが、評価の基準そのものがどうなのか。いろんな考え方や具体的なデータを積み重ねて、一日の将来交通量が六千台というような具体的なご答弁も先ほどございましたけれども、じゃ、六千台が果たしてどうなのかということもありますし、十年間に一度の見直しで本当にいいのかという意見も中にはあろうかと思いますので、今後部内で協議をしていただくときにそういった視点も取り入れていただければと、これは私の意見として申し添えさせていただきます。
 それでは、今ご説明がございました要検討路線のうち、評価の基準に照らし抽出された路線とその取り扱いはどういうふうになるのかということについてお伺いをいたします。

○成田都市基盤部長 訂正させていただきます。先ほど伊藤副委員長に伊藤委員と申し上げまして、大変申しわけございませんでした。
 評価の基準に照らし合わせた結果、調布三・四・三〇号線の一部、約四百二十メートルを抽出した事例としてございます。この路線は、十二メートルの行きどまり道路でございまして、西側では調布保谷線が事業中であることなど、このエリア周辺では道路ネットワークの形成が進んでいることから、先ほどの基準に照らし、当該路線を要検討路線として抽出してございます。
 一方、地元調布市では、この調布三・四・三〇号線がある深大寺地区におきまして、深大寺や神代植物公園を生かしましたまちづくりに向けまして検討をしていく意向でございます。今後、この市の意向等を踏まえながら、この路線のあり方について地元市と協議してまいりたいと考えています。

○伊藤委員 この本文を見ますと、特別の事由に該当するものについて、抽出のフローという図がかいてございます。三つの特別の事由ということで挙げられておりまして、どれか一つでも該当するものについては要検討路線として、また区間として抽出をしていくということでございますけれども、それぞれの考え方、三点あるというふうに思いますけれども、経過などについてお伺いをいたしたいと思います。

○成田都市基盤部長 特別の事由としまして、今回の整備方針の中には三つの事由を設定してございます。
 まず第一には、史跡と道路計画とが重複している路線でございます。史跡を保全しながら道路を整備していくことができるかどうかという視点から抽出してございまして、例えば今回抽出しておりますのは国分寺三・四・一号線でございまして、国分寺市では、当該エリアを対象といたしまして、歴史的、文化的資産を生かしたまちづくりの検討を進めてございます。
 二点目といたしましては、東京都内の計画線と隣接県の計画線とにずれが生じている路線などの検討でございます。隣接県と、課題解決に向け調整が必要との共通認識に立った路線につきまして抽出してございます。これらにつきましては、計画の不整合の解消に向け、隣接する埼玉県、神奈川県などとともに、線形検討など具体的な調整を始めてございます。
 三つ目といたしましては、高速道路の地下化に伴って、引き続き都市計画として必要なもの、あるいは附属街路のように高速道路が高架というようなことから必要となっている道路で、地下化により必ずしも必要となくなったものを区別いたすというようなことでございまして、例えば外環の地下化に伴い検討が必要と思われる路線を抽出してございます。

○伊藤委員 今回、要検討路線として十路線九キロを抽出したことは評価をしたいと思います。これらの路線、特に調布市深大寺地区や国分寺の武蔵国分寺跡につきましては、今後、地元の市とともに鋭意検討を進めていただきたいというふうに思いますし、今回三つの路線で指定がございましたけれども、ほかの県と協議を進めていただかなければいけない路線もございますので、その部分もぜひとも鋭意進めていただきたいというふうに思います。
 最終の取りまとめに向けまして、今後とも都の努力を重ねていただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わりとさせていただきます。

○たぞえ委員 第三次事業化計画策定に当たって、去年の八月、中間のまとめを発表して、具体的な評価作業などの検討が行われてきたと、このように報告がありました。
 まず、中間のまとめの扱われ方、都民や利害関係者への周知徹底について伺いたいと思います。中間のまとめについて、市や町で説明会は行われてきたのでしょうか。

○成田都市基盤部長 説明会の開催についてでございますけれども、整備方針の策定は、都と市、町が共同で作業を進めてございまして、中間のまとめの公表に当たっても、説明会を開催するかどうかは各市、町の判断として扱うことといたしてございます。実際に実施いたしましたのは、今回、三鷹市のみでございまして、参加人員は二日で五人と報告を受けております。

○たぞえ委員 今回の案は、この案に書いてあるんですが、事業実施に当たっては、説明会を開催するなど、きめ細かな情報提供に努めながら事業を推進してまいりますとなっています。これは、事業の実施段階では計画説明や工事説明、用地説明等を行うのは当然です。問題は、路線の選定や決定の段階、ここが最も入り口としては大事だと思うんです。
 都の発表の仕方をたどってみますと、都市整備局のホームページと都民情報ルーム、ここに置いておいた。九月一日付の「広報東京都」と、各市の広報と、役所の窓口での閲覧でありました。しかし、当時の「広報東京都」を見てみますと、このサイズの四分の一のところに、中間のまとめについて意見をくださいと、ここにスペースがあるんですね。しかし、どの路線かということは一つもない。自分のまちはどんな路線が走るのかも何もない。でも、意見くださいということで、百二十七通の意見が寄せられたそうであります。
 中間のまとめの冊子にも出てこないわけですから、これじゃ、幾ら都民が意見を出そうとしたって、自分のまちのここに新しい道路ができる、どんな道路なんだろうか、どういう評価でこれが検討されたのかもわからない、こういうことでは出しようがないと思うんです。そういう点でも、中間のまとめでは、都民に路線ごとの計画を知らせるべきではなかったのかというふうに思います。
 今回の案で初めて優先路線の名前が出てまいりました。これについては、生活居住地が道路用地に変更する、直接利害者との関係が生じる大前提となるテーマであります。極めて緊急性が発生しているわけですから、丁寧に進める必要があると思うんです。
 今後、市や町ごとに、路線ごとに説明や意見交換などは実施されていくのでしょうか。

○成田都市基盤部長 案の公表に当たりましては、各市、町の広報紙やホームページなど、広く広報を行っております。さらに説明会を開催するかどうかは、中間のまとめの公表とと同様、各市、町の判断によることとしてございます。現時点では、調布市及び西東京市で実施する予定と聞いてございます。
 なお、たぞえ委員から、非常に公表が遅いのではないかというご指摘でございますけれども、私どもこの進め方につきましては、まず最初に路線のあり方あるいは選定の基準を示し、その次に、それに基づいたパブコメをしながら意見を聞き、各市、町内の路線を選定し、今回はそれが整理されましたので、全体の路線を示しながら全体でご意見を伺うという段階的なPRの仕方をさせていただいてございます。

○たぞえ委員 今度の案のところに入りますが、優先道路の必要性の確認についてです。
 この文章の中でも、多摩地域における未着手の都市計画道路を対象にし、都市計画道路でない既存の主要道路については、道路ネットワークの一部として考慮しましたといっています。
 例えば、今回の三次計画で指定した小平三・三・八号、府中所沢線であります。この道路は、小川住宅団地や鷹の台二号団地などの集合住宅のど真ん中を通るだけでなく、上鈴木地域のように住宅密集地域に直接影響を与える骨格幹線道路です。ところが、幅員十六メートルの既存の幹線道路、府中街道が、二百五十メートル隣を同じ南北に並行して現在走っているわけです。新しい幹線道路を新設すれば、用地買収に時間や費用もかかって、完成まで十年、二十年かかるわけです。既存の交通事情や容量からしても、一定の拡幅整備をする方が社会的、環境的、財政的効果は高いし、しかも地元の人たちを移動させるということになると、さらに膨大な費用がかさむわけですから、こういう既存道路をどう活用するかということはやっぱり検討するべきではなかったかと思うんです。
 この府中街道でありますが、この冊子で書いてあるのを見ますと、混雑している、こういって書いています。しかし、現実に、府中街道の区間三キロは都市計画道路としては認定していない。しかも、拡幅の対策をとってこなかった。これではネットワークどころか、都市計画としての格上げ、昇格もして必要な対策をとるということもせずに、いわば既存道路を見捨ててきた、切り捨ててきた、こういう行為だったではないかと私は考えますが、この点についてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

○成田都市基盤部長 府中街道につきましては、稲城市より東村山市へ至る都道でございまして、このうち国分寺市西恋ヶ窪一丁目より小平市の青梅街道までの区間と、東村山市の本町一丁目より北側の区間につきましては、都市計画道路のネットワーク構成上、都市計画道路としての位置づけがなされてございません。また、この区間につきましては、道路の路線線形の形態からも、現道のところに都市計画決定されているわけではございません。
 しかしながら、これらの区間につきましても、これまで交差点改良や歩道の拡幅など、現道の利便性、安全性の向上のため、順次改良事業を行ってきてございます。

○たぞえ委員 先ほど稲城の話のときに、私も現地に行くのに、この府中街道を世田谷通りから入って走っていきました。骨格道路的な大変大きい道であります。これが多摩に抜けていくわけですが、今回の府中所沢線と既存の府中街道、並行して走っているこの区間だけが都市計画道路として定まっていない。ほかは都市計画道路として拡幅も十分してある。なぜその区間だけ対策を講じなかったかというのは私だけの疑問ではないというふうに思います。
 次に伺いますのは、この四つの基本目標にかかわってですが、人口の動向と交通量の変動についてなんです。今度の案では、多摩地域の人口についても、平成二十七年度をピークに減少に転ずると推計される、しかしながら、女性や高齢者の免許保有者の増加などにより、将来においても多摩地域の自動車トリップ数は増加すると推計されていますと、このように述べています。
 ネットワークというわけですから、多摩地域だけではなくて、広域から車の移動が発生するわけで、しかも人口減少期に入っていて、これから私の年齢のような人間が免許を大量に取得するということはとても考えられない。高齢者では私はありませんが、今後、免許取得者がふえていくということはどうも考えられない。今、四十代、五十代で免許証を持っている方が五十代、六十代というふうにずれ込むということは、確かに現象としては起こるんですよ。しかし、我々の世代がさらに免許を大量に保有するということは私の頭の中では考えられないんです。
 今回の案の中では、免許保有者の増加と車両の増加、同一の性格を持っているというふうにいっていますが、免許がふえれば同時に車両がふえるという、そういう単純な考えが今度の案に示されているのでしょうか。

○成田都市基盤部長 現時点では、確かに委員おっしゃいますように、五十五歳から五十九歳の女性の免許保有率は、二〇〇〇年の時点では五割に満たない状況でございました。しかしながら、二〇二〇年という先の時点になりますと、約八六%が免許を保有する、こういうふうに統計上推計されてございます。
 このようなことから、女性や高齢者の免許保有率が増加することによりまして、一人当たり自動車を利用する頻度が現在よりも高まるというふうなことと考えられておりますので、このため、多摩地域では平成二十七年ごろをピークに人口は減少に転じると推計されてございますけれども、自動車利用のピークはそれよりも少しシフトしてきますので、このような同一の性格を持っているというふうな形で記述させていただいております。

○たぞえ委員 次に、みどり率と一体性のことです。
 これだけ新しく道路をつくるわけですが、当然住宅などの用地が道路用地に変わるわけで、また既存の緑地なども変化いたします。優先道路によって整備される街路樹の量と、道路整備によって減る既存の緑の比較検討、これはどのようにされてきたのでしょうか。

○成田都市基盤部長 優先整備路線につきましては、今回、これからの道路整備の形態は非常に緑豊かな形で整備していこう、こういうふうなことでございまして、特に環境施設帯を設置する幹線道路に関しましては、両側に十メートルずつの良好な緑の空間が確保されることとなります。今回、優先整備路線が整備されることによりまして、約二十三ヘクタールの緑地面積、味の素スタジアムの五倍の分が創出される予定でございます。
 道路整備によりまして、街路樹として恒久的な緑が確保されるとともに、それまで街路樹が設置されていない道路では、新たな緑が創出されるなどの効果があります。環境軸の一つであります府中所沢線は、これまでの既設の道路の中で比較的緑の量が多いとされてております中野通りと比べますと、緑被面積で二・四倍に相当する緑の創出が期待できるというふうにしてございます。

○たぞえ委員 次に、大気汚染排出抑制についてです。
 低速度が渋滞の原因になっている、このようにいっています。その結果、二酸化炭素の排出量が増大しているんだ、このことが指摘をされています。私もそう思います。
 今問題になっているのは、二酸化窒素についての評価が今度の案には全くないということです。中間のまとめの段階では、二酸化窒素などによる大気汚染はディーゼル車の排ガスが大きく影響していますというふうに記載されていました。それを裏づけているのは、環境局が各会計決算特別委員会に提出した資料です。平成十六年度で、東京の自動車排ガス測定局三十四局中、二酸化窒素達成局は十六局で、四七%という深刻な事態であります。
 例えば政府の取り組みですけれども、健康被害の原因物質の一つである窒素酸化物の環境基準を一九七八年に緩和した上で、八五年までに環境基準をクリアするという約束をしていました。しかし、それは守られず、以降九七年、二〇〇〇年までに達成するという約束もほごにされ、今日までこれらは未達成になっています。
 東京都は、今度の計画で、二酸化窒素を平成二十二年までに環境局が達成する計画だから、二十七年度までに事業化する多摩道路計画では、大方環境基準を達成した前提の上だというふうに評価されて、二酸化窒素は二〇二七年には存在しない、こういう立場で今回明記を見送ったのでしょうか。

○成田都市基盤部長 二酸化窒素の評価についてでございますけれども、今委員ご指摘のように、これまでの環境基準につきましては、確かに一九七〇年代、八〇年代につきましては達成目標が達成されてこなかったことは、これはご指摘のとおり事実でございます。しかしながら、近年は、大型ディーゼルあるいは小型車のエンジンの改良が目覚ましいものがございまして、この達成頻度は非常に急激に進化してございます。
 そういう中で、二酸化窒素は評価しないのかというふうなことでございますけれども、必要性の確認の評価項目では二酸化炭素を記述してございまして、走行速度の向上は、二酸化炭素のみならず、同様に二酸化窒素や浮遊粒子状物質の排出が削減される効果もございます。平成十三年度の環境省によります自動車排出ガス原単位及び総量に関する調査の中でも、一般道路におきましては、走行速度が上昇することにより排出原単位が減少していることが示されてございます。
 このようなことから、二酸化炭素を評価することによりまして、二酸化窒素や浮遊粒子状物質を評価することと同様として考えてございます。

○たぞえ委員 次に、優先整備路線の選定についてです。
 今回の優先整備路線のうち、都施行路線と市や町の施行路線すべて、評価項目を使った、そして評価を行ったといっておりますが、すべてそういう路線は選定されたのでしょうか。

○成田都市基盤部長 優先整備路線の選定に当たりましては、幅員十六メートル以上で、かつその起終点が複数の都市計画区域にまたがる路線につきましては、評価項目に照らしまして評価を行った上で選定してございます。
 ただし、幅員十六メートル未満、またはその起終点が同一の都市計画区域内にある路線につきましては、地域固有の課題に照らし合わせまして、主に市、町が選定してございます。

○たぞえ委員 そうすると、八項目の評価で選定しないでも優先路線に入っているものがあるということですか。

○成田都市基盤部長 地域固有の課題に照らしまして選定した路線につきましては、評価項目による評価は行ってございません。ただ、地域の課題に照らして選定を行っているものでございます。

○たぞえ委員 地域固有の課題に照らしてというのは、どういう基準で照らすのですか。

○成田都市基盤部長 地域固有路線の選定に関しましては、行政区域を越えた場合はいろいろな行政間の広域な視点で路線の選定を行う必要がございますけれども、例えば再開発あるいは区画整理、それからインターチェンジ等のトリップのごく短いところに関しましては、地域固有路線というふうな取り扱いで選定させていただいております。

○たぞえ委員 そういうまちのさまざまな固有の課題、それによって選ばれた地域固有の路線は、全体で何割、今回定めたのでしょうか。

○成田都市基盤部長 地域固有の課題に照らしまして選定した路線は、都施行路線では、八四・七キロメートルのうち約三分の一に当たります二十八・六キロメートルが選定されています。また、市、町施行では、四十六・五キロのうち、八割近い三十六・五キロを選定してございます。

○たぞえ委員 評価を下した道路については、初めの八項目で網をかけて、次の四項目で評価を下していくという手法をとっているわけですが、地域固有の場合には、そういう手段が用いられていない。となりますと、このまちに住んでいる方々は、どういう基準で地域固有なのかという選択枠は提供されないままに優先路線にかかってしまう、こういうことになりかねないのではないでしょうか。
 しかも、先ほど議論がありましたように、一日走行台数六千台ということになると、二次の計画のときに乗っていた路線、六千台あったと。そのまま三次に引っ越してきた。いわば移動ですよ。その中の評価されなかった地域固有の路線については、その六千台以外の七つの項目や四つの項目のどの部分に優位性があったのかということも都民的には検証されない。こうなると、私はこの選定の仕方がどうなのかなと思うんです。
 例えば、この中に出ておりますが、整備路線として挙げた箇所以外でも、オリンピックや横田基地の軍民共用化などは動向次第で順次事業化していく、こういうふうにボーナスがついているわけですね。これは、今後そういう事態になったときに検討されるのでしょうが、この今回最終的な案が出た段階では入っていない。しかし、突発的な都政の重要な運営変更が来たときにはそういうものが生まれてくる。突発が十年間続けば、この中に書かれているもの以外のものが相当数出てくるということだって考えられるわけです。突発的なことが起こって、この路線が消えていくということもあり得るわけです。どういう意味で優先路線が固定的に十年続くのかという確たるあかしが、私はこれを読む限りでは十分に読み取れない。
 都民的にも、なぜうちの前の道路が優先なのと、その理由づけが、これから三月十五日までの期間しか都民は触れることができない。こんな将来にかかわる大事な道路問題で、この短期間の意見聴取だけでいいんだろうかというふうに思うわけです。期間を延長してでも都民の意見を酌み取っていくという努力が必要じゃないでしょうか。
 耐震偽造の問題でも、一回目のときには、公的住宅の申し込みが通常の都民住宅の期間よりも短い。結果的には長くして検討していただきました。今回は、きょう二十一日ですから、約二十五日ぐらいしかないんでしょうかね。二十五日でこの冊子を全都民に配るわけではないわけですし、広報でもこれは載せるわけでもないんでしょう、こういう路線を。どうしたら都民がこの情報をつかめるか。いや、ホームページ見てください、市役所に見に行ってください、これだけでは、この短い期間で自分たちの将来のまちのあり方を判断する材料としては非常に不足しているというふうに思います。
 広く意見を集めるという対策を講じていただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。

○成田都市基盤部長 多摩の都市計画道路の整備方針につきましては、今回が初めてではなく第三次ということで、これまで一次から二次を通じまして、それぞれ各都民の方々にはそれなりの情報提供がされ、熟知されているものと考えております。
 また、もう一方では、各市、町の行政機関がそれぞれの行政需要あるいは広報等によりPRをしていただいておりますので、私どもはそれなりの周知はされているというふうに考えてございます。
 また、この評価の結果等に関しましては、求めに応じ、適時適切に対応を図ってまいりたいと思っています。

○たぞえ委員 最後に意見でありますが、区部の幹線道路を決定した時点では、走行台数六千台というのが基準でありました。今回の多摩は、そうした以外にも、大気汚染だとか、さまざまなメニュー八項目によって評価されてきた。そして、それを通った中から、四つのさらなる評価項目で優先道路として今回つくられているわけですよ。だから、二次のとき既にあったんだ、今回三次に来ても本体は変わっていないんだからとおっしゃるけれども、しかし、その評価の仕方、ここが全く今までと違うわけですから、それは都民として、どうしてこの道路が選ばれたのかということを考える時間的なテーブルもやっぱり必要だと思うんです。
 また、なぜと、この八項目にどう該当したのか、都民が全部がそれを共有できるような仕組みづくりなくして、二次から三次に越してきましたという論だけでは、これはちょっと丁寧じゃないなと私思うんですよね。三月十五日までという期間が既に決定されているようでありますが、しかし、個々に利害関係を生む今度の道路計画については、そういう点での丁重な扱い方をぜひしていただきたいということを求めますが、何かございますか。

○成田都市基盤部長 私ども、長い間、道路計画を整備してきながら、過去は硬直的な計画と、こういうふうにも批判された時期もございますけれども、もう一方では柔軟な計画の対応というふうなことも求められておりますので、時代の変化とともに合わせるような計画にしているつもりでございます。

○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○高橋(か)委員長 次に、みどりの新戦略ガイドライン及び都市計画公園・緑地の整備方針(案)についての報告を聴取いたします。

○成田都市基盤部長 みどりの新戦略ガイドライン及び都市計画公園・緑地の整備方針(案)につきまして、ご説明申し上げたいと思います。
 お手元の資料12及び資料13から資料16をあわせてごらんいただきたいと思います。
 東京都は、平成十四年十二月に東京都都市計画審議会に、東京が目指す新しい公園緑地のあり方につきまして諮問いたしまして、翌平成十五年十月に、東京らしいみどりをつくる新戦略の答申を受けております。この答申を踏まえまして、東京らしい緑づくりを推進するため、今回、みどりの新戦略ガイドラインと都市計画公園・緑地の整備方針を策定いたしまして、重点整備公園の指定や民設公園制度の創設など、新たな緑づくりの施策を展開し、緑豊かな風格都市東京を目指していくものでございます。
 まず、みどりの新戦略ガイドラインでございますけれども、本ガイドラインは、公共や民間事業者の緑づくりを誘導、推進していく指針となるものでございまして、東京の緑づくりの目標を掲げるとともに、公共と民間の役割分担を示し、目標達成に向けた新たな施策を提案してございます。
 その目標は、緑の量と質を確保し、ネットワークを構成する。また、みどり率は、緑の東京計画に示します二〇〇〇年の現況値を、二〇二五年には区部で二割増、多摩におきましては現状維持とするというものでございます。
 主な施策といたしましては、都市計画公園・緑地の整備方針の策定や豊かなネットワークに寄与する環境軸の形成、さらに民設公園制度の創設などを進めてまいります。
 次に、都市計画公園・緑地の整備方針(案)でございますけれども、本整備方針は、都市計画公園、緑地の計画的、効率的な整備促進を目指し、都と区、市、町が共同で策定しているものでございます。
 都市計画公園、緑地は、一千六百ヘクタールが都市計画決定されてございます。そのうち四千四百ヘクタールは供用済みでございまして、また社寺境内地など、公園、緑地と同等の機能が確保されている面積が三千六百ヘクタールございます。残る二千六百ヘクタールが今後計画的、効率的な整備を要する面積でございまして、今回はこの二千六百ヘクタールを対象に整備方針を定めているものでございます。
 その内容につきましては、二〇一五年までに整備に着手する予定の重点公園、緑地を選定いたし、その中に優先整備区域を設定するなど、都市計画公園、緑地の事業化計画を作成してまいります。
 また、優先整備区域以外の区域につきましては、建築制限の緩和を検討するなど、長期未着手区域への対応を図ってまいります。
 さらに、新しい緑づくりの取り組みといたしまして、まちづくり事業との連携による公園整備や民設公園制度の創設による公園整備など、新たな公園整備の仕組みを導入いたします。特に民設公園では、さきにご説明申し上げましたが、都市計画公園、緑地のうち、公共が整備を予定している優先整備区域以外の区域を対象に、企業のグラウンドや屋敷林などの民有地を民間により早期に整備し、管理するなど、民間の力を活用した公園整備を進めていくこととしてございます。
 私の説明は以上でございます。

○高橋(か)委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 ご発言を願います。

○高橋(信)委員 それでは、東京都は、水と緑がネットワークされました風格都市東京の実現のための、公共はもとより都民や民間事業者などの緑づくりを誘導していく指針として、みどりの新戦略ガイドラインを策定したということですが、緑豊かな活力あるまちづくりと風致地区について伺います。
 小平市内では、青梅街道や鈴木街道、東京街道、さらには五日市街道沿いが風致地区に指定をされております。街道筋の屋敷林の保全に一定の役割を果たしてまいりました。しかしながら、四十年以上もの長い年月の経過に伴い、樹木は指定を受けた当時の半分も残っておりません。そのため、指定当時の実態とは全く合わない状況が数多く見られます。このような状況の中で、いまだに風致地区に指定されたままになっているため、幾つかの問題が生じております。
 まず、指定を受ける前から建っていた家が建てかえ時期に来たにもかかわらず、各種の規制によりまして、前の家よりも小さな建物しか建たないという悩み、また、実態として全く樹林のない地域、近隣商業地域でありながら、風致地区に指定されているため商店街としての町並みがつくりにくい地域など、数々の矛盾が生じております。
 そこで伺います。まず、風致地区制度における指定の意義についてはどのように考えているのか、お聞きいたします。

○成田都市基盤部長 冒頭、訂正をさせていただきたいと思います。先ほど、計画面積千六百ヘクタールと申し上げましたが、これは一万六百ヘクタールでございまして、千六百ヘクタールですと計算が合わなくなりますので、一万六百ヘクタールで計算が合うようになりまして、訂正させていただきます。
 風致地区制度におきます指定の意義についてのお伺いでございますけれども、東京都における風致地区は、都市計画に定めます地域地区でございまして、現在二十七カ所、約三千五百七十ヘクタールが指定されてございます。この風致地区は、都市における自然的景観を維持するため、風致の特にすぐれた区域を都市計画の地域地区として定めるものでございます。
 例えば二十三区では、石神井風致地区や善福寺風致地区といった遊水池景観の保護を図った区域や、田園調布を含む多摩川風致地区などの田園都市型住宅地の形成を目的に指定された区域、あるいは上野風致地区のように、戦後の混乱期を経て都心の特徴的地形や文化財の保護を目的として指定された区域などがございます。
 こういった風致地区におきましては、東京都風致地区条例によりまして、建築物等の制限をいたし、都市の風致の保全を図り、都市環境の保全を図っているものでございます。

○高橋(信)委員 ただいまのお話によりまして、指定の意義についてはわかりました。
 それでは次に、現在指定されております小平市内の風致地区の役割に対する認識についてどう考えているのか伺います。

○成田都市基盤部長 小平地区の風致地区は、ご指摘のとおり、青梅街道や鈴木道といった街道沿いに帯状に指定されているのが特徴でございます。街道沿いに帯状に指定されていることによりまして、水と緑のネットワーク形成の主要な軸としての役割を果たしてきております。
 その役割につきましては、地元小平市の緑の基本計画等においても明示されておりまして、これを受け、みどりの新戦略ガイドラインにおいて、東京の緑の軸として位置づけを行ってございます。
 小平市内の街道沿いには風致地区の指定がなされていたことで、市街化の進行が見られるにもかかわらず、ケヤキの大径木の保全や、開発時の壁面後退によるゆとりの空間の確保や植栽等により、緑の町並み形成に一定の役割を果たしてきたと認識しております。

○高橋(信)委員 先ほど指定の意義について、東京都内にはいろんな指定されている地区がございまして、一般に面的な指定とか、そういう地区の指定とかはあるのですけれども、小平市内の風致地区の特徴といいますのは、街道筋の道路の両側だけをずっとやって、小平市が三多摩の中のそこを重点的というか、そこだけをやっている特徴がございます。
 その小平市内の特徴でございます街道沿いの帯状の風致地区の指定の状況、その目的についてもう一度伺いたいと思います。

○成田都市基盤部長 風致地区の指定状況は、小平市内では帯状の風致地区として、東京道約三十ヘクタール、青梅街道約五十二ヘクタール、鈴木道約二十ヘクタール、玉川上水約五十ヘクタールが指定されてございます。指定の幅は、街道等に沿って、道路の中心から両側にそれぞれおおむね五十メートル程度の幅となっているところが多い指定区域になってございます。
 指定の目的は、屋敷林が連続して続く武蔵野特有の風情を残すことでございまして、昭和三十七年に指定されております。

○高橋(信)委員 ありがとうございました。
 玉川上水とか、そういうのは指定しなきゃいけないと思うのですけれども、それ以外の東京街道、青梅街道、鈴木街道についてはちょっと種類が違うのではないかという思いがあります。
 先ほど冒頭でも指摘しましたように、この帯状の風致地区は、既に昭和三十七年の指定時点から大きく変化して、現在の実態に合わせた対応が即必要ではないかと思いますが、どのような見解か伺います。

○成田都市基盤部長 昭和六十年代より、開発と風致地区のあり方につきまして議論が活発になり、以来東京都では、国や区市町村と連携しながら、その検討を進めてきてございます。検討の結果、平成十一年に、東京における風致地区に関する見直し基本方針を公表いたしてございます。
 これを受けまして、建築規制につきましては、東京都風致地区条例に基づき、許可の審査基準を改定いたしまして、地域の実情に合った条例運用ができることとなりました。これらによりまして、風致地区につきましては柔軟に対応してきてございます。

○高橋(信)委員 風致地区における緑豊かな活力あるまちづくりについては、柔軟な建築許可対応だけではなく、他の都市計画手法の活用等が有効ではないかと考えております。
 そこで、活力あるまちづくりの中で、守る緑、緑の保全と、つくり出す緑、緑の創出を図るために、民設公園など民間の力を活用した緑の確保策とともに、帯状風致地区の役割を担う施策を導入すべきと思いますが、ご見解を伺いたいと思います。

○成田都市基盤部長 緑全体の保全と創出につきましては、一月にみどりの新戦略ガイドラインを策定し、その中で、目標とする緑の総量やゾーン別のみどり率を示してございます。
 また、緑のネットワーク効果を高めるために、広幅員道路等、骨格となる都市施設の整備の機会をとらえまして、これら都市施設と周辺のまちづくりを一体として、緑豊かな広がりと厚みを持った良好な空間に誘導する環境軸の概念を新たに示してございまして、その形成を図っていくこととしてございます。この環境軸は、街道を軸とする帯状の緑を、豊かな町並みの形成にいたします有効な施策の一つかと考えてございます。
 ご指摘のように、緑の町並み形成を図るため、緑の創出の仕組みといたしまして、民間の活力を活用いたしました民設公園制度の仕組みづくりを行ってございまして、これらの制度が早期に導入できるよう検討を進めてまいりたいと思います。

○高橋(信)委員 ぜひ今回の、いろんな例がございました新しい提案でございます。環境軸の導入や民設公園制度の導入など、小平市にあるような街道沿いの帯状風致地区の役割をも含む形の代替施策の導入を強く要望いたしまして、質疑を終わります。

○植木委員 緑の確保というのは非常に重要だと私は認識しているんですが、特に最近、地球温暖化だとかヒートアイランド現象、そういう中で緑を本当に確保する立場で努力をしていただきたいというふうに思うんです。
 若干歴史的に緑の確保の大きな流れというのでしょうか、振り返りながら、最後に私の要望をしたいと思うんですけれども、二十世紀の後半と、今二十一世紀に入って、緑確保の問題に取り組んでいる。この中で、二十世紀の最終盤のところでは緑の倍増計画というのがありました。それから、東京都の緑のマスタープランが改定されて、ずっと来たというのが二十世紀の後半だと思うんですね。
 二十一世紀は、大枠ですから、ちょっと年限があれですけれども、緑の東京計画と今回のみどりの新戦略ガイドライン、それに合わせて都市計画公園案が出されてきた、こういうふうに思うのですが、二十世紀の後半の緑の倍増計画を私改めて見てみましたら、二十一世紀初頭までにということで、こんなことが書かれておりました。成熟した文化都市は、その構造に緑をしっかりと組み込んだものでなければなりません、東京は世界でも有数な大都市として、便利な暮らしや効率のよい経済活動ができる活力あるまちになりました、その反面、東京は成長過程で、都市に必要な緑を余りに粗末にしてきましたと。こういうふうにいって幾つか目標を掲げているんですが、一つは都市計画区域の身近な緑を倍増するということで、既成市街地には樹木数を一億本から二億本にする、公園は二倍にする、それから都民一人当たりの公園面積は六平米とする、それから保全緑地や生産緑地、保安林の拡大等々で具体化されているわけですね。
 二十一世紀の方は、先ほどご説明がありましたように、これは後でまた触れますのであれですけれども、目標を掲げてまた新たに取り組みが開始されるわけですけれども、この倍増計画で、本当に都市に必要な緑を余りにも粗末にしてきたということで、四年間はかなり重点的に予算配分がされてきたと思うんですね。ところが、その後は、どちらかというと漸減してきているというふうに思うんですが、具体的な都市公園の整備費の予算の推移はどうなっているでしょうか。

○成田都市基盤部長 これまでの公園整備費でございますけれども、基本的には建設局の所管でございますけれども、私ども今いただいている資料の範囲の中では、公園整備費は昭和六十二年、三年をピークといたしまして、その後減少傾向が続いている、こういうふうなことでございます。

○植木委員 建設局でありますけれども、この都市計画公園の整備方針案の中には、きちっと都市整備局の立場が書かれておりますので質問したのですが、最終的には建設局の問題ですから、それ以上追及するというふうにはいたしませんけれども、いずれにしても、倍増計画で四年間は公園整備の予算がずっとピーク状態で、その後ずっと漸減してきているという傾向で来たと思うんですね。それで、二〇〇〇年に出されました緑の東京計画、このあたりも予算が減っていて、その後ちょっと伸びたんですけれども、倍増計画のときから比べれば、全体の傾向はやっぱり漸減状態といってもいいと思うんです。
 それで、新戦略ガイドラインというんですが、これ、なぜ新戦略というふうな名称を使ったのか、そこの意味合いというのをお示しいただきたいというふうに思うんですが。

○成田都市基盤部長 新戦略ガイドラインの新戦略というネーミングについてでございますけれども、これまではどちらかと申しますと、公園につきましては公共が行うというふうなことで、タックスで行うのがベースでございましたけれども、なかなか財政投資等の観点から十分な財源を確保できない、あるいは都心部では大規模な民間の開発が行われてきているというふうなことから、民の活力を活用することも重要な公園整備の要素であるというようなことから、公民の役割分担をしながら多面的な緑づくりをしてまいるというふうなことでございます。

○植木委員 公と民とのそれぞれ役割を持ちながらふやしていこう、そういう点では、いろんな角度の緑確保のことを考えるというのは、私は非常に大事だと思うんです。しかし、全体としてこれを促進するには、やっぱり公的な責任というのでしょうか、役割というのでしょうか、各分野で非常に大事だと思うんですね。
 それで、都市計画公園あるいは里山等々、直接公がかかわるもの、それから民間で建てる建物などに緑を確保するものと、それぞれあると思うんですけれども、まず公的に直接かかわり合いのあるものでいきますと、都市公園の面積がどうしても出ざるを得ないんですけれども、現状と今後の目標、それから現状についての認識をまずお示し願いたいというふうに思います。

○成田都市基盤部長 都市公園に関しましては、先ほどガイドラインで示しましたように、都市計画決定されている一万六百ヘクタールのうち、残り二千六百ヘクタールを整備する必要があるということで、これを私どもは、公共だけではなく民の力も借りながら整備を進めてまいりたい。特にガイドラインの中では、区部では現在のみどり率二九%を二〇二五年には二割増、多摩におきましては八〇%現状維持を目標としておりますので、これをできるだけ守れるような施策展開をしてまいりたい、このように考えてございます。

○植木委員 改めて目標をお示しいただいたわけですが、その具体的な幾つかをちょっとお聞きする上で、今公園面積について、もちろんこれは計画は都市計画、しかし、実際にやるのは建設局であったり区市町村であったりするものですから、皆さんとしてやりづらいと思うのですけれども、やっぱりここにきちっと目標として二つの本の中に出ているわけですから、公園面積一人当たりについて、現状と目標と現在の認識については、ちょっとだけお示し願いたいと思います。

○成田都市基盤部長 先ほど植木委員の方からも緑の歴史的な経緯のお話がございまして、ご指摘のように、緑の倍増計画、昭和五十九年の時点では、一人当たりの公園面積が三・一平米でございましたけれども、これが緑の東京計画、平成十二年の策定時には五・三四平方メートルに上がってございます。現在平成十六年時点では、これが五・五平方メートルということでございまして、緑の東京計画におきます一人当たりの公園面積は七平方メートルでございますので、一人当たり、あと一・五平方メートル増加させるように努力してまいりたいと思います。

○植木委員 漸次ふえて五・五%までなって、あと一・五%ふやす、こういう計画だということですけれども、都市計画公園について、三キロ圏ごとに十ヘクタールの防災公園というのが、以前きちっと整備するといっていたものですけれども、現在の整備方針ではどのように防災公園計画が整備されているのかについてお示し願いたいと思います。

○成田都市基盤部長 先ほどの委員の、一・五ポイントじゃなくて、一・五平方メートルでございます。(植木委員「ごめんなさい。一人当たりね。失礼しました」と呼ぶ)
 防災公園の間隔でございますけれども、緑の東京計画におきましては、広域的な避難場所となります十ヘクタール以上の大規模公園を防災避難区域三キロ以内に整備していく、こういうふうなことが標準的な配置として考えられているものでございまして、現実の公園計画では、環七周辺の防災活動の拠点となります八公園につきまして、およそ五キロ程度を標準配置としてございます。都市計画公園・緑地の整備方針では、これらの公園を防災公園に位置づけまして、計画的、効率的な整備に努めてまいりたいと考えてございます。
 なお、防災公園の整備は、整備方針で策定しているものではなく、建設局が定めております東京都防災公園整備の基本的考え方、これは平成十五年に定めたものでございますけれども、これにより実施されてございます。

○植木委員 基本的な整備方針についてお示しいただいたんですが、実際にやるのは建設局の方の計画でやるということなんですが、でも、これだけ首都直下地震の問題なんかもあるだけに、積極的に都市整備局として、三キロごとに十ヘクタールのという趣旨は、僕は生かしていく必要があるんじゃないかというふうに思うんですね。また、そうしないと、後で目標の問題について触れますけれども、目標は達成しないという面もあると思うんです。
 目標というのは本当に都市環境をよくするための目標ですから、大胆にやるべきときはやるという点は、やっぱり都市整備局がやらないと、それはできないことなんですね。しかし、お金の問題もありますから、単純に整備方針どおりというふうにはいかない面は私もよく承知していますけれども、ぜひ積極的な、指導的な役割を果たしていただきたいというふうに思うんです。
 もう一つ、先ほど前段で里山のお話がいろいろあったんですが、東京の緑地の保全について、里山などをどうするかというのは、先ほどの多摩で現状維持ということがありましたけれども、先ほどの話をちょっとお伺いしていましたら--すみません。数字がちょっと見当たらないのですが、計画面積--本当になくなっちゃったな。じゃ、飛ばしましょう。後でまたやります。
 里山が大幅に減っている。先ほどの南山の里山だけでも、六十数ヘクタール、あるいは登記簿に登記されている農地や緑地などで換算すると三十八ヘクタール減少するということであるわけですけれども、こういうものを本当に保全するという計画は、一般論としては保全するというふうにこれも書いてあるんですけれども、どういうふうに具体的にはしていくつもりなのでしょうか。

○成田都市基盤部長 ガイドラインでは、東京の緑づくりの推進に向けまして、公共と民間の役割分担を明示しておるわけでございますけれども、特に民間の役割といたしまして、民有地におけます緑の創出と保全、あるいは緑のネットワーク充実への寄与などを示してございます。
 ご指摘の丘陵地などの里山の樹林地につきましては、ヒートアイランド現象の緩和とか生物の生息、生育空間といたしまして、また、人と自然の触れ合いの場として重要な役割を担っておるわけでございます。そこで、東京都といたしましては、これらの樹林地を、例えば野山北・六道山公園あるいは小山田緑地などの丘陵地公園のように、従来と違いまして都市計画決定をし、都市公園として整備、保全してきてございます。
 また、それ以外の土地につきましては、所有者に緑地として確保するよう働きかけてきてもございます。
 今後とも、現在残されております良好な緑につきまして、保全のための法制度が適切に活用されますよう、国に対して要望を行うとともに、樹林地等の保全のための施策の充実に向けて検討を進めてまいりたいと思います。

○植木委員 実際に一つの里山が開発されるというのは、非常に大きな減少になるわけですね。それを補うというのは並大抵のことじゃないと思うんですよ。一遍に三十七ヘクタールとかという緑が直接減る、これをどんなに少しずつ補っても補い切れないというのが私の率直な感想なんですよね。
 そこで、じゃ、どうやってこの目標を達成するかという問題なんですが、一つは、みどり率というのを目標の数値に掲げた。それが後で何ヘクタールというふうに出てくるわけですけれども、みどり率の目標になっている考え方は、従来の緑被率との違いは何なのか。これについて、なぜそういうふうにやったのかを含めてお示し願いたいと思います。

○成田都市基盤部長 みどり率でございますけれども、平成十二年十二月策定の緑の東京計画で政策指標として、それまで用いられておりました緑被率にかわりまして採用されたものでございます。
 みどり率は、従来の緑被率との違いは、緑被率に河川等の水面の占める割合や公園内での樹林地等の緑で覆われていない面積の割合を加えたものでございます。すなわち、公園、街路樹、樹林地、草地、農地、宅地内の緑、河川、水路、湖沼などの面積がその地域全体の面積に占める割合を示してございます。
 なお、浄水場の水面など、みどり率に組み入れるべきかどうかというのは、今後関係局で検討してまいりたいと思っています。

○植木委員 みどり率の幅がぐっと広がったように思うんですが、公園内で緑に覆われていない面積は緑なんですか。

○成田都市基盤部長 従来の緑は、いわゆる樹木本体を指してございましたけれども、それは漢字の緑と書いてございましたけれども、今回は平仮名のみどりというふうなことでございまして、これはある意味では、オープンスペース、空地、そういうものをひっくるめたということでみどり率というふうな形で書いて……(発言する者あり)ご指摘のように、空間があるということは防災対策に非常に重要なことでございます。

○植木委員 河川でも、例えば周りに草が生えている河川もあれば、コンクリートだけでふだんは少しきりの水しか流れていない、もちろん水害対策がありますから、きちっと確保するわけですけれども、その水面も、水も緑というふうに考えるのか。それから、水面だけなのか、周りもそうなのか。それから、道路で緑に覆われていないところも緑というのか。その辺ちょっと説明願います。

○成田都市基盤部長 先ほども申し上げましたように、これまでは緑本体を緑というふうにカウントをしておりましたけれども、私どもは、都市環境の改善とか防災、潤いなどの緑の持つ機能を発揮していく上では、水もそうでございますし、空間もそうでございますし、それから水を含めた広い意味での緑全体を平仮名のみどり、いわゆる空間、オープンスペースという形でとらえながら、みどり率、こういうふうな形で定義させていただいてございます。

○植木委員 私は素人だからわからないのか、今のは、漢字の緑と平仮名のみどりが違うという説明なんですよね。要するに拡大解釈したにすぎなくて、本当にこれで緑の量を確保できるんですかね。ちょっと私、疑問に思うんですよ。これが根底にあると、何でもかんでも緑に入っていっちゃうんですよね。何でもかんでもというと、ちょっといい過ぎかもしれませんけれども、少なくとも今おっしゃったのは、ここに道を開発して小さな植え込みができたら、これも緑となるのか、それがよくわからないんですよ。
 それでも目標をやるというんですから、目標の数字が出ている。この目標の数字、一つは、二〇〇〇年の現況は二九%、これを一五年まで一割、二五年まで二割と、こういうふうに目標を立てていらっしゃる。現時点は、到達点はどこなんでしょう。到達点がわからないと、次に何を努力するのか、今までのこの間のがよかったのか、その辺が出てこないと思うんですけれども、現時点ではどうですか。

○成田都市基盤部長 このみどりのガイドラインには、二〇〇〇年、それから二〇一五年、二〇二五年というふうな表示をしてございまして、二〇〇五年の現在のは表示されてございません。二〇〇〇年のデータは、ランドサット衛星の情報によりまして示しておるものでございまして、このランドサット衛星の情報は、現在日本において入手が非常に困難になってございます。
 もう一方で、今回のデジタル航空写真を用いた調査を現在行っておりますので、この新しい手法による調査によりまして、その精度の検証の確認作業を現在行っておりまして、今後は、このデータが出ましたらば、現時点でのみどり率はそのデータで示してまいりたいと思っております。

○植木委員 そうしますと、ここに書いてあるのでいけば、現時点はわかりませんけれども、二〇〇〇年から二五年の間に四千百ヘクタールを増大させようということですよね。そうすると、今日までの五年間で、本来であればどのくらいまでいっていなきゃいけないかというのは当然わかると思うんですけれども、いかがですか。

○成田都市基盤部長 緑の東京計画では、長期計画として平成二十七年度を目標値として示してございまして、緑の東京計画では実施計画をまだ策定してございませんので、現在、年度途中における全体の整備量は設定されていないというふうなことでございます。
 今委員おっしゃいますように、二〇〇〇年から二〇〇五年までの間にどのぐらいふえているかというふうなことでございますけれども、まだ統計的なものを整理いたしておりませんので、ご答弁できない状況でございます。

○植木委員 局ですから、正確に出ないといえないというのはわかりますけれども、単純に計算しますと、四千百ヘクタール、公と民でやるというわけですから、一年間に直すと百六十四ヘクタール、五年間で八百二十ヘクタールをふやす、こういう計画ですよね。
 先ほど里山のときに、ちょっと資料がなくなったといってあれだったんですけれども、南山里山の例でいいますと、全体の地域が八七ヘクタールで、残る緑が一九・三ヘクタール、約六七マイナスだと。登記簿だけを見ますと、五十八ヘクタールから十九・三ヘクタールを引くと、それでも三十八ヘクタール減っちゃうわけですよ。年間百六十四ヘクタールずつふやしていかなきゃいけないのに、片や、少な目に見ても三十八ヘクタールの公園、緑、いろんな概念を入れたみどり率が、緑のヘクタールが減っている。これはゆゆしき問題としてとらえなきゃおかしいと私は思うんですよね。
 先ほどランドサットのお話が出たんですが、新聞で見たもので、ちょっと資料を手に入れてみたんですが、二〇〇三年のみどり率暫定値というのが発表されていたんですね。暫定値ですから、詳細にはまだあれですけれども、区部で二四%。みどりのガイドラインの方では二九%になっているのが二四%、多摩部で八〇%現状維持するといっているのが、七二%が二〇〇三年度だと、これはランドサットの衛星による計算だというふうにいっているんですね。この五年間の変化を分析すると、みどり率は、この間に区部で一ポイント、多摩部で二ポイント程度減少していると推定される、こういう発表がされたんです。
 もちろん暫定値で、これから詳細は調査結果を精査するといっていますから、暫定値ということで受けとめはしますけれども、それでもそういう大分違うということが一点と、減少が区部では一ポイント、多摩で二ポイントと、これは大きいですよね。これをどう認識というのでしょうか、されていますでしょうか。

○成田都市基盤部長 私ども、ガイドラインを策定する時点ではこの数字でございまして、その数字につきましては、まだ確定している数字ではございませんので、言及を控えさせていただきます。

○植木委員 暫定値、いずれ正確なのが出ると思うんですよね。その段階でどうするかというのがあるんですけれども、いずれにしても、問題は、一ポイントふやすというのは並大抵のことじゃないという自覚がおありなのかどうかなんですよね。計画というのは、数字を正確にして一つずつ積み上げていくということですから、みどり率という考え方を新たに導入したということ自体、私はいろいろ、拡大解釈だなと思うんです、皆さんはそういうふうにはいわないですけれども。
 それと、いろんな開発がやられていく中で、CO2の発散量というのは、固体としては面積的にはふえていく。ところが、上から緑を見た数でいきますから、パーセンテージでいくと、敷地面積の中で二〇%ぐらいあるよといって、これで済ませちゃうというのも、私は積極的に変えていく必要があると思うんです。
 いずれにしても、二十世紀、二十一世紀になって、具体的な一つ一つの計画の積み上げの考え方が少し変わってきた。それからまた、行政としての責任だけじゃなくて、民間にも努力してもらうという、これは新しい面だとしていいと思うんですけれども、今いったようにいろんな問題点がある。現実に減っているという中で、やはり公園、緑地に関する具体的な予算の獲得について、都市整備局としても、これは建設局だ、環境局だといわないで、大体、公園の方はこれ自体を一緒に出しているわけですから、責任があるわけですよ。それから、緑の全体の戦略プランを出しているわけですから、局としての責任はあるわけです。
 そういう意味では、予算の獲得にうんと力を入れるということと、公的な責任を公の分野と民間を誘導するという分野に積極的に力を入れて、一ポイント減ったら大変だという危機意識を持ってやっていただきたいということを強く求めたいと思います。

○成田都市基盤部長 私ども都市整備局は、決して計画だけをしているわけではございませんで、財源確保に関しましては、梶山局長を先頭にいたしまして十分検討しておりますので、よろしくお願いいたします。

○きたしろ委員 緑と水という意味では、私も区議会議員を長い間、港区でやってきたつもりなんですけれども、そういう中でこのみどりの新戦略ガイドラインというのを出していただいて、これから大いに緑をふやそうという意味では非常に画期的なことだということで、私は大いに評価したいなというふうに思っているわけです。
 そういう中で、個々の問題でいいますといろいろあるから、もう時間が時間ですので、高橋委員のダブりを外して、簡単に。
 都市計画公園の中の公園の緑のつくり方と、散歩道というか、緑をふやす街路という意味での、風の道も含めての緑ということも含めて、そして水辺の緑あるいは運河沿いの緑、こういう緑をふやすことが、一つのこれからのヒートアイランド対策、あるいはまた地球温暖化対策の要点にもなろうかなと思っているところなんですけれども、特に二十三区あるいは都心区を含めて、どういう緑のまちづくりをするのか、今回のみどりの新戦略ガイドラインということを踏まえてご答弁をいただきたいと思います。

○成田都市基盤部長 今、きたしろ委員からご指摘のように、都心三区の緑の確保というのは、私どもとしても大変大きな課題でございます。特に地価が高いというふうなこともございます。
 しかし、その一方で、私ども今回のガイドラインにも示しておりますように、区部におきましては、緑を二〇二五年までに二割増という方向性を出しております。
 また、現在の都心におきます緑につきましては、ご指摘のように、都心三区で約四・五ヘクタールの優先整備区域を提案しているわけでございますけれども、都心三区の都市計画公園の緑地は現在百二十ヘクタールございますので、未整備となっている公園が多く、なかなか進まない状況でございます。
 しかしながら、その中で私ども、街路樹だとか、あるいは港湾の水辺だとか、そういう水と緑、多様な公共事業のセクションと連携しながら、建設局、港湾局あるいは地元の港区などとも連携を図りながら緑の確保を図ってまいりたいと思っております。
 さらには、先ほど来議論になっております公園につきましては、早期の整備、公開を図るため、民間の活力を導入いたしました民設公園の制度を早急に仕組みづくりをしながら緑の増強に努力してまいりたい、かように考えてございます。

○きたしろ委員 今いいましたように、水辺だとか川、あるいは都道、そういう中で、沿線に間違いなく街路樹というような、あるいは運河沿いの緑の散歩道というんですか、緑のネットワーク、これはぜひお願いをしたいなということは要望をしておきたいと思うんです。
 今回、海外視察に行かせていただいたんですけれども、その中で、ポトマックでお昼にバスの中でお弁当を食べたんですけれども、桜並木というのがあるわけです。まだ全然咲いていなかったんですけれども、これは当時の東京市長の尾崎行雄さんが、フーバー商務長官、後で大統領になる人なんですけれども、この人に贈った見返りに、ハナミズキというのが東京都に贈られてきているわけです。フーバーさんがいただいたポトマックの桜があれだけ一大名所になっているわけです。東京にその見返りとして贈られたドッグウッドというのかな、ハナミズキが一つも名所がないわけです。
 これは、東京都でどこかしかるべきところにハナミズキの名所としての公園をつくった方がいいのではないのかなという思いがあるんですけれども、これはまさに日米友好という意味も含めて大きな一つの事業になると思うんですよ、小さなことだけれども。そういった意味で、どのようにお考えなのかお伺いをいたします。

○成田都市基盤部長 大変難しい質問でございまして、国際交流あるいは多様な花きを保存し、それからそれぞれの名所にするということは、これは私どもも大変結構なことだと思っておりますし、それらの名所をつくることに関しましても、公園を管理する部門等とも協議しながら今のご提案を検討してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

○きたしろ委員 ぜひよろしくお願いをしたいと申し上げまして、私の質問は終わります。

○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時五十三分散会

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