委員長 | 高橋かずみ君 |
副委員長 | 伊藤まさき君 |
副委員長 | 長橋 桂一君 |
理事 | 花輪ともふみ君 |
理事 | 立石 晴康君 |
大松 成君 | |
高橋 信博君 | |
たぞえ民夫君 | |
植木こうじ君 | |
きたしろ勝彦君 | |
小沢 昌也君 | |
川井しげお君 | |
中村 明彦君 |
欠席委員 一名
出席説明員都市整備局 | 局長 | 梶山 修君 |
次長 | 村松 満君 | |
技監 | 小林 崇男君 | |
技監 | 依田 俊治君 | |
総務部長 | 安藤 明君 | |
都市づくり政策部長 | 福島 七郎君 | |
住宅政策推進部長 | 矢島 達郎君 | |
都市基盤部長 | 成田 隆一君 | |
市街地整備部長 | 石井 恒利君 | |
市街地建築部長 | 野本 孝三君 | |
都営住宅経営部長 | 小林 計代君 | |
住宅政策担当部長 | 水流潤太郎君 | |
航空政策担当部長 | 小山 隆君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 酒井 洋一君 | |
都市景観担当部長 | 安井 順一君 | |
経営改革担当部長 | 石井 一夫君 | |
再編整備推進担当部長 | 庄司 静夫君 | |
参事 | 北村 俊文君 | |
参事 | 飯尾 豊君 | |
参事 | 金子 敏夫君 | |
参事 | 中沢 弘行君 | |
参事 | 山室 善博君 | |
参事 | 渡辺 滋君 | |
参事 | 今井 光君 | |
参事 | 宇多田裕久君 |
本日の会議に付した事件
陳情の取り下げについて
都市整備局関係
第四回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都市計画事業晴海四・五丁目土地区画整理事業施行規程
・東京都国土利用開発審議会条例の一部を改正する条例
・多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例
・東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例
・東京都建築安全条例の一部を改正する条例
・地下車路出路築造工事(十七汐留-四)請負契約
・東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅等の指定管理者の指定について
・東京都営住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅等の指定管理者の指定について
・東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅、東京都引揚者住宅等の指定管理者の指定について
請願陳情の審査
(1)一七第四〇号 (仮称)JV豊洲四丁目計画新築工事の変更に関する請願
(2)一七第八四号 車体利用広告規制の見直しに関する請願
(3)一七第四三号 都営清瀬中里団地より小金井街道への出入り口の道路形態の見直しに関する陳情
(4)一七第五七号 高層マンション建築計画是正に関する陳情
報告事項
・姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽造とその対応について(説明)
・第百七十二回東京都都市計画審議会付議予定案件について(説明・質疑)
○高橋(か)委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、陳情の取り下げについて申し上げます。
お手元配布の一七第四四号、「(仮称)南砂二丁目計画」の計画変更に関する陳情は、議長から取り下げを許可した旨通知がありましたので、ご了承願います。
○高橋(か)委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の第四回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取及び請願陳情の審査並びに報告事項の聴取を行いたいと思います。
なお、第四回定例会提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。
また、姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽造とその対応についての報告事項につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は十一月三十日及び十二月九日の委員会で行いたいと思います。
また、報告事項、第百七十二回東京都都市計画審議会付議予定案件については、説明聴取の後、質疑終了まで行いたいと思いますので、ご了承願います。
これより都市整備局関係に入ります。
初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、都市整備局長から紹介があります。
○梶山都市整備局長 過日の委員会を欠席させていただきました幹部職員を紹介いたします。
経営改革担当部長の石井一夫君でございます。
なお、外かく環状道路担当参事の山口明君は、公務出張のため、本日の委員会を欠席させていただいております。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕
○高橋(か)委員長 紹介は終わりました。
○高橋(か)委員長 次に、第四回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
○梶山都市整備局長 本日は、平成十七年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
提出予定案件は、条例案が五件、契約案が一件、事件案が三件でございます。
まず、お手元の資料1、平成十七年第四回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんください。
東京都市計画事業晴海四・五丁目土地区画整理事業施行規程(案)についてでございますが、本施行規程は、中央区晴海四丁目付近において土地区画整理事業を施行するに当たり、必要な事項を定めるものでございます。
次に、東京都国土利用開発審議会条例の一部を改正する条例(案)でございます。
本条例は、国土総合開発法の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
続いて、三の多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例(案)でございます。
本条例は、土地区画整理法の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
四の東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例(案)でございます。
本条例は、区市による高度地区に係る都市計画の変更に対応するため、別表備考欄など、規定を整備するものでございます。
五の東京都建築安全条例の一部を改正する条例(案)でございます。
本条例は、建築基準法の改正に伴い、規定を整備するものでございます。
次に、お手元の資料2をごらんください。
港区東新橋一丁目地内において地下車路出路を築造いたします工事請負契約議案でございます。
最後に、お手元の資料3をごらんください。
地方自治法の規定に基づき、都営住宅等の管理を行う指定管理者を指定いたします事件案三件でございます。
私の説明は以上でございます。
引き続き、詳細な内容につきまして、総務部長より説明いたします。
○安藤総務部長 初めに、条例案についてご説明申し上げます。
お手元の資料1、平成十七年第四回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
今回提出を予定しております条例案五件につきましてご説明申し上げます。
三ページをお開き願います。
まず、東京都市計画事業晴海四・五丁目土地区画整理事業施行規程(案)につきましてご説明申し上げます。
1の提案理由でございますが、都が中央区晴海四丁目付近において土地区画整理事業を施行するに当たり、必要な事項を土地区画整理法の規定により条例で定める必要があるため、制定するものでございます。
2の施行規程(案)の概要でございますが、事業の名称、施行地区など、法に定める必要な事項について定めてございます。
五ページから一八ページにかけましては、同施行規程案文を記載してございます。
次に、二一ページをお開き願います。東京都国土利用開発審議会条例の一部を改正する条例(案)でございます。
1の改正の理由でございますが、国土総合開発法の改正に伴い、東京都国土利用開発審議会の名称、所掌事項の改正など、規定を整備するものでございます。
2の条例(案)の概要でございますが、条例の題名を東京都国土利用審議会条例に改め、第一条第一項中、「東京都国土利用開発審議会」を「東京都国土利用審議会」に改めるとともに、設置根拠などの規定整備を行うものでございます。
二三ページから二四ページにかけましては条例案文を、二五ページには新旧対照表を記載してございます。
次に、二九ページをお開き願います。多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例(案)でございます。
1の改正の理由でございますが、土地区画整理法の改正により、引用する条項にずれが生じたことに伴いまして、各地区の施行規程を整備するものでございます。
2の条例(案)の概要にございますように、各地区の施行規程十九件について改正いたします。
三三ページから三五ページにかけましては条例案文を、三七ページから五五ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
五九ページをお開き願います。東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例(案)でございます。
1の改正の理由でございますが、区市による高度地区に係る都市計画の変更に伴いまして、別表備考欄など、規定を整備するものでございます。
2の条例(案)の概要にございますように、絶対高さ制限を定める高度地区で、例えば二十五メートルや三十一メートル第二種高度地区という記載方法を、第二種高度地区のみの記述で読み取れるよう表記方法を改め、今後の区市による新規指定にも対応できるよう、規定整備を行うものでございます。
六一ページから六四ページにかけましては条例案文を、六五ページから六九ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
七三ページをお開き願います。条例案の最後になりますが、東京都建築安全条例の一部を改正する条例(案)でございます。
1の改正の理由でございますが、建築基準法の改正により、引用する条項にずれが生じたことに伴いまして、規定を整備するものでございます。
2の条例(案)の概要にございますように、条例第八条の二中の、建築基準法「第八十五条第四項」を「第八十五条第五項」に改正いたします。
七五ページに条例案文を、七七ページには新旧対照表を記載してございます。
次に、工事請負契約議案をご説明申し上げます。
お手元の資料2、平成十七年第四回都議会定例会提出予定工事請負契約議案の概要についてをごらんください。
件名は、地下車路出路築造工事(十七汐留-四)でございます。
二ページをお開き願います。工事場所は、案内図にございますように、港区東新橋一丁目地内でございます。
本工事は、補助三一三号線の地下車路につきまして、その出路百十七・五メートルを築造するものでございます。
形状は、三ページの断面図のとおりでございます。
恐れ入りますが、一ページにお戻りいただきまして、契約の概要についてご説明を申し上げます。
契約の相手方は木原・永光建設共同企業体、契約金額は十七億七千四百五十万円、工期は平成二十年三月十一日までとなっております。
次に、事件案につきましてご説明申し上げます。
事件案は三件ございまして、地方自治法の規定に基づき都営住宅等の指定管理者を指定するため、提案するものでございます。
お手元の資料3、一ページをごらんください。東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅等の指定管理者の指定についてでございます。
本件は、北区に所在する都営住宅等の指定管理者を指定するものでございます。
二の指定管理者の名称でございますが、指定管理者候補者は東京都住宅供給公社でございます。
三の指定の期間でございますが、平成十八年四月一日から平成二十一年三月三十一日まででございます。
三ページをごらんください。同じく東京都営住宅等の指定管理者の指定についてでございます。
本件は、武蔵野市、三鷹市及び西東京市に所在する都営住宅等の指定管理者を指定するものでございます。
二の指定管理者の名称でございますが、指定管理者候補者は東京都住宅供給公社でございます。
三の指定の期間は、平成十八年四月一日から平成二十一年三月三十一日まででございます。
五ページをごらんください。同じく東京都営住宅等の指定管理者の指定についてでございます。
本件は、これまでご説明いたしました北区、武蔵野市、三鷹市及び西東京市を除く地域に所在する都営住宅等の指定管理者を指定するものでございます。
二の指定管理者の名称でございますが、指定管理者候補者は東京都住宅供給公社でございます。
三の指定の期間は、平成十八年四月一日から平成二十一年三月三十一日まででございます。
簡単ではございますが、以上で平成十七年第四回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。
ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方はご発言を願います。
○植木委員 今回、指定管理者の指定の案件が三件ほど出ておりますけれども、これによって従来の仕事の分担がどのように変わってくるのか、そこについてわかりやすい資料をお願いします。
○高橋(か)委員長 ほかにございますか。--ほかにないですね。ただいま植木委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○高橋(か)委員長 これより請願陳情の審査を行います。
一七第四〇号、(仮称)JV豊洲四丁目計画新築工事の変更に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○野本市街地建築部長 お手元の請願・陳情審査説明表、一ページをお開きいただきたいと存じます。
整理番号1、一七第四〇号、(仮称)JV豊洲四丁目計画新築工事の変更に関する請願につきましてご説明いたします。
本請願は、江東区の(仮称)JV豊洲四丁目計画新築工事を考える会代表、有田昇治さん外五百八十六人から提出されたものでございます。
請願の要旨でございますけれども、(仮称)JV豊洲四丁目計画新築工事について、以下のことを実現するよう建築主に働きかけてもらいたいとするものです。
一、建築物の高さを変更すること、二、プライバシー保護及び圧迫感の軽減のため、建築物の位置を敷地境界線から離すこと、三、駐車場を移転するか、地下に移設すること、四、南西からの風を遮断しないこと、五、解体工事に伴う被害の補償を直ちに行うこと、六、当会との工事協定書を締結すること、七、低騒音などの測定器を見えるところに設置し、工事中の騒音、振動対策を講じること、八、工事による事故が発生した場合は、直ちに工事を中止し、当会の同意を得るまで工事を再開しないこと、九、工事の住民へ与える影響については、話し合いのための協議会を定期的に開くことというものでございます。
現在の状況でございます。
右側の二ページをごらんいただきたいと思います。計画地は、江東区豊洲四丁目二番二ほかで、東京メトロ有楽町線豊洲駅から東南方向に約二百八十メートルほどのところでございます。
左側の一ページにお戻りいただきたいと存じます。
建築主は、平成十七年六月十日に建築紛争予防条例に基づく標識を設置し、同年六月二十五日から近隣住民への説明会を開始しました。平成十七年七月二十六日に、上記、有田氏外七十八名より紛争調整の申し出があり、都では、同年八月十日から十一月二十四日まで延べ七回のあっせんを行いまして、現在調整を継続中でございます。
平成十七年八月二十三日に、建築主は、指定確認検査機関である都市居住評価センターから建築確認を受けております。
あっせんでの話し合いを経て、立体駐車場の縮小などの一部計画変更や、工事協定書が近日中に締結の見通しになるといった一定の前進が見られます。都としては、建築主に対し、引き続き誠意を持って話し合いを行うよう指導しております。
以上で説明を終わります。
○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
本件についてご発言願います。
○植木委員 この新築工事を考える会の代表の方からもお話がありまして、部分的には提案が受け入れられたところもあるんですけれども、やはり建築物の高さとか日照とかプライバシーとか、幾つかの点でまだ中心的な問題が解決していないというお話がございました。
それで、ちょっと幾つかお聞きするのですが、この会の要求の中には入っていないんですけれども、この図面を見ますと、お隣に中学校があり、それから北側というのでしょうか、北西部というのでしょうか、小学校や幼稚園があるわけですけれども、こういう学校関係についての配慮、あるいは地元区からの要請などにはどのようにこたえていたのか、お示し願いたいと思います。
○野本市街地建築部長 周辺の幼稚園、小中学校への影響等でございますけれども、地元江東区の景観審議会では、本件マンションの建設計画に関しまして、周辺環境への影響を考慮し、近接地への圧迫感を緩和するよう、委員より意見が出されております。それを踏まえて、事業者は、先ほど説明しましたように一部設計変更も行っております。具体的には、豊洲小学校、幼稚園及び中学校寄りの区道側の建物形状の一部変更、あるいは建物外壁の色彩を変化を持たせる、こんなことをやっております。また、主として隣接の深川第五中学校側の緑化を図る、このようなことをやっております。
○植木委員 そうしますと、学校関係、地元区との関係では一定の改善が見られたということでしょうけれども、住民との話し合いの経過の中ではどのような内容について--現状で説明ありましたけれども、具体的な中身について教えていただきたいと思います。
○野本市街地建築部長 請願者代表の居住するマンションには説明会を三回実施しております。また、近隣のそのほかのマンションあるいは都営住宅に対しましても説明会を実施するとともに、近隣に対しては、それぞれ個別説明ということで対応しております。
本件マンション建築については、都で実施したあっせんで、立体駐車場その他の附属施設部分での住民の要望は一部取り入れられ、住民も建築主が示した変更案に一定の評価をしているものでございます。
ただ、建築物本体の高さあるいは敷地境界からの離隔距離については、残念ながらまだ双方の主張が平行線という状況でございます。
○植木委員 このご説明を受けた後、直近にまた話し合いを持ったと聞いているんですけれども、そこでの一定の前進というのはあるのでしょうか。
○野本市街地建築部長 直近の、本年十一月二十四日に第七回目のあっせんを行いましたけれども、そこで工事協定書の内容について合意いたしました。近日中に実施予定の第八回のあっせんにおいて、工事協定を締結できる見込みと考えております。
○植木委員 当初、工事協定まで結ばないというお話があって、大分やりとりがあったということも会長さんがおっしゃっておられましたけれども、ようやく工事協定を結ぶという点では、これから一定の方向が出てくると思うんですけれども、やはり一番要求されている本体の問題、日照やプライバシー、こういった問題については実はまだまだなんだということで、その点についてぜひ委員会の場でいっておいてほしいという要望も受けました。
近隣の方々にとっては、はたで見るよりも、毎日毎日の生活ですから、決して簡単でないこともたくさんあると思うんですね。そういう意味で、引き続き東京都としてこうした話し合いについて、双方のいい分を聞きながらも、住民というのは長い間の生活にかかわってくる問題ですから、話し合いについて適切に、住民の声を可能な限り反映させるように話し合いの継続を努力していただきたいというふうに思いますので、その決意といいましょうか、見解をいただいて、私の質問を終わりにしたいと思います。
○野本市街地建築部長 話し合いの結果、一定の前進が見られましたけれども、まだ相違点もございますので、そういった相違点が合意に至るように、話し合いの場の設定などに努めてまいりたいと考えております。
○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第四〇号は継続審査といたします。
○高橋(か)委員長 次に、一七第八四号、車体利用広告規制の見直しに関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○安井都市景観担当部長 整理番号2、一七第八四号、車体利用広告規制の見直しに関する請願につきましてご説明いたします。
お手元配布の説明表の三ページをお開きいただきたいと存じます。
本請願は、社団法人東京都トラック協会会長、中西英一郎さんから提出されたものでございます。
請願の要旨でございますが、東京都屋外広告物条例における車体利用広告規制を見直し、営業用トラックへの車体利用広告規制を緩和してほしいというものでございます。
現在の状況でございますが、車体利用広告につきましては、広告物審議会の答申を踏まえまして、平成十二年に路線バス及び路面電車を、平成十三年には電車を、平成十五年にはタクシー等につきまして規制の見直しを行ってきたところでございます。
一方、貨物自動車の車体利用広告につきましては、広告物審議会におきまして、都内における登録台数は、バスやタクシーと比較して極めて多く、景観面、交通安全面への影響が多大であること、登録台数の多さのみならず、一台の表示面積も大きく、広告物のはんらんにつながること、貨物自動車には戸別配送等の車が含まれ、広告の禁止区域である住居専用地域を自由に走行することなどの多くの課題が指摘されまして、平成十七年一月の東京都広告物審議会の答申により、トラックについては広告規制の緩和をすべきでないとの提言が出されているところでございます。
したがいまして、都としては、規制の見直しに当たりましては慎重に対応する必要があると考えております。
以上で説明を終わります。
○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○立石委員 私自身もトラック業界というか、自分のおじいさんが運送会社を経営していたので、運送会社の大変な苦労というのは、二十四時間営業で大変な苦労というのを自分自身知っているつもりで、この二月にも、どうしてこういう厳しい経営状況の中で応援をするという配慮がないんだろうかと。景観ということから考えても、それはそうだろうけれども、しかし、経営とか、苦しい経営、中小企業が多いでしょう。中小企業の実態から見ても、もう少し配慮していくべきではないのか、中小企業を応援するという意味でも。そういう気持ちが自分はするわけです。
二月のレベルでもかなり激しくやりとりさせていただきましたけれども、いわゆる景観はもちろん大事ですね。景観はもちろん大事ですし、閑静な住宅街に広告がはんらんするということもいろいろ考慮しなきゃならぬという広告物審議会、この気持ちもよくわかりますけれども、さはさりながら、中小企業を応援するという意味からも、この二月に継続審査ということになりましたけれども、都民の皆さんの請願権といいますか、これは非常に大事なことですから、その後十カ月ぐらいたっているわけですけれども、どういうやりとりがあったのか、この間の当局の取り組み方というか、ちょっとそこら辺を教えてほしいんですけれども。
○安井都市景観担当部長 前回の請願以降、トラック協会の方に出向きまして、都の車体利用広告の考え方についてご説明するとともに、トラック協会の皆さん方からも直接ご意見を聞く機会を設けてございます。
その中で、現行のラッピングバスの中には、景観への配慮に欠けるデザインも見られるのではないかというご意見がございました。実は、こうしたご意見は、最近都民や景観審議会の委員からも出されたところでございます。
そこで、都といたしましては、自主審査をフォローする体制を整えまして、まず、現在の車体利用広告をよりよい形で定着させることが必要であると考えてございます。今年度当初より、広告主や広告業界の代表の方、また交通事業者、交通管理者など、関係者の方とともに、デザインの改善に向けて取り組みを行っているところでございます。
○立石委員 まちの中を見ますと、これは本当にちょっと、景観上問題あるなんという例は幾らでもありますね。景観のみならず、内容もありますよ。前回のときもいったのですけれども、消費者金融の、あたかも一般常識で考えても内容がどうもおかしいなという、社会的にそれこそ問題になるようなことを広告しているのはいっぱいありますよね。そういう点もあるし、はたまた地下鉄なんか乗ってみると、消費者金融をどんどんあおっておいて、多重債務者への救済の法律カウンセリングみたいなのもいっぱい出ていますよね。
そういう点から考えても、トラック業界というか、運送業界の物流的な意味での大きな役割とか、東京都に対するディーゼル車の排出ガスの協力度だとか、そういったことを考えた場合に、もうちょっと温かい配慮というものが当然行われていいと思うんですよね。
景観上の内容だとか、そういったものをもっと、役所が干渉するということは行き過ぎかもしれませんけれども、もう少しそこら辺の内容を、今いうような、消費者金融をあおるような、浪費をあおる--浪費というか、それはそれなりの目的があるだろうけれども、そういう内容の社会性に反するようなことではなくて、もうちょっと、例えば居酒屋さんなんかでも、すごいどぎついのがまちの中に山のように、これで景観、広告物審議会通っているのかなというようなのがいっぱいありますよ。
そういう点から考えても、もっと内容を吟味した上で、車体広告も何分の一かはいいとか、やはりビジネスチャンスというのでしょうか、そういうメディアの媒体としての車体、そういう意味からももうちょっと応援するという姿勢はあっていいと思います。他の県でも幾らでもあるわけでしょう。そこら辺を考慮して、東京都も認める方向でもうちょっと配慮してほしいなというような気持ちがあるんですけれども、この点はどうですか。
○安井都市景観担当部長 他県でも認めている例があるので、東京都でもう少し配慮をというようなご趣旨だと思いますけれども、車体利用広告につきましては、都民の足となる公共交通機関を対象に、平成十二年より、交通安全面、また、今委員がおっしゃいました景観面の影響を見ながら段階的に緩和してきたところでございます。
既に規制を見直しましたバスの登録台数は、約一万四千台でございます。タクシー等につきましては五万六千台でございまして、それぞれ業界団体の加盟率が一〇〇%という状況のもとで、業界による台数規制やデザインの自主審査を行っております。
一方、都内における貨物自動車の登録台数は八十一万台と、バスやタクシーと比べて極めて多いわけでございまして、また、業界団体のトラック協会への加盟率という点で見ましても、約一割にとどまっているというのが実情でございます。
また、都内の交通事故というのはずっと全国一の状況が続いている、こういった都内の交通状況や、また、今お話がございました、非常に広告が多いという東京の実情を考えますと、車体利用広告の規制見直しに当たりましては慎重に対応する必要があるのではないかというのがこれまでの都の考え方でございます。
○立石委員 それなりにわかるんだけれども、トラック協会への加盟率が、これによると一一%。路線バスは一〇〇%、タクシー、法人九五、個人九九。業界そのものの加盟率ということを、今、安井さん、挙げられましたけれども、それだけ加盟率一一%というのは、少ないという評価よりも、むしろ、一匹オオカミという言葉があるかないかわかりませんけれども、一杯船主とか、一台トラック車主というのかわかりませんけれども、実態はそうだと思うんですよね。そういう中で、一一%の方が協会に入って、お互いのルールを守りながら、協会というか、全体の向上をしていこうというトラック協会の流れがあるわけですね。
一一%の人だから少ないんだといういい方ではなくて、また、一一%じゃ少ないから、もっと加盟させて、タクシー業界のように法人九五とか--それはバスは当然入らなけりゃ、路線免許車ですから、当然それはできないわけだろうけれども、むしろ一一%も、ある意味で業界、トラック協会に入って、お互いに役割を向上させていこうという方々には配慮してもいいような気もするし、一匹オオカミといったら語弊があるけれども、そういう人たちには、勝手気ままにやりたいというわけじゃないだろうけれども、そこら辺を配慮して--継続ということになるのでしょうけれども、私がいいたいのは、請願というのは必死になって出していると思うんだよね。必死になって議会に訴えているわけですから、そういう点を配慮して、理事者の皆さんも、どうしたらできるのか、何が目的なのか、何をしたら皆さんの願意がかなえられるのかということをやはりやっていかなきゃだめだと思うんですね。
通常、私も長いこと都議会をやらせていただいていますけれども、請願を出すという形式的なことで決して出していないと思うんです、みんな。真剣に出していると思います。特にこういう昨今の末端の--末端といういい方はともかくとして、非常に厳しい経済状況の中で、それこそ金融関係の、あるいは投資関係の、知価社会の到来といわれていますけれども、そういう汗を流さない人たちの職業というのは、どんどんどんどん華やかな、所得も多くなっている。しかし、本当に汗を流して、荷物をしょってトラックを運転している人たちの賃金というのは大変苦しい。しかも、こういう人たちがほとんどですよ、はっきりいえば。そういう人たちに少しでも温情ある理解をしていかなければ、都民からそっぽを向かれると私は思います。そういう意味で、継続で結構ですけれども、さらに何とかする方法を見出して努力してほしい、このことを要望して、質問を終わります。
○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。よって、請願一七第八四号は継続審査といたします。
○高橋(か)委員長 次に、一七第四三号、都営清瀬中里団地より小金井街道への出入り口の道路形態の見直しに関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○庄司再編整備推進担当部長 ご説明いたします。
資料4の請願・陳情審査説明表の五ページ、六ページをお開き願いたいと思います。
整理番号3、一七第四三号、都営清瀬中里団地より小金井街道への出入り口の道路形態の見直しに関する陳情でございます。
陳情者は、清瀬にお住まいの横田允男さんでございます。
陳情の要旨でございますが、都営清瀬中里団地建てかえによってつくり直される、中里団地より小金井街道への出入り口の道路形態につきまして、都案を直ちに見直し、円滑な交通と安全のため、従来の形のまま奥へずらすセットバックした道路形態にしていただきたいというものでございます。
現在の状況でございますが、六ページの案内図、位置図をご参照願いたいと思いますが、都営清瀬中里四丁目アパートの出入り口は、二つの外周道路がV字型で小金井街道と一カ所に交わる変則的な交差点であったことから、都営清瀬中里四丁目アパートの建てかえ事業に合わせまして、交通管理者である警視庁及び東村山警察署、また道路管理予定者である地元清瀬市とも協議、調整を行い、二つの外周道路を一つに絞り、小金井街道に接道させ、道路構造令の趣旨に沿った交差点形状に改良することといたしました。
この計画をもとに、平成十四年二月から、周辺住民に対して、建てかえ及び外周道路の整備計画についての説明会を三回実施いたしまして、平成十六年六月に外周道路の北側部分の整備を完了いたしました。残る当該交差点を含む南側部分につきましては、周辺住民と延べ十六回にわたり話し合いを重ねまして、都の整備内容に理解が得られるよう努めてまいりました。
十七年二月には、清瀬市から、この道路の早期整備の要望書が出されました。また、周辺住民に工事説明を行いまして、大方の同意が得られましたので、今年三月、この道路の整備工事に着手いたしまして、九月上旬に完成、供用いたしました。
その後、この道路の交通は円滑な状況にございまして、周辺住民から特に苦情等は寄せられてはおりません。
よろしくご審査のほどお願いいたします。
○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
本件についてご発言願います。
○高橋(信)委員 早速現場を見に行ってまいりました。この陳情にあります道路の整備につきましては、既に終わっているようでありましたが、この陳情を出された方は、これまで相当長期間にわたり取り組みをされてきたようでございます。今、この陳情の内容などにつきまして都から詳しい説明がありましたが、ここで、改めて陳情者の主張と、それへの都の見解を一つ一つ確認をさせていただきながら審査をしていきたいと考えております。
まず、陳情者は、都の整備案では、クランクや丁字路交差点があり、小金井街道への出入り口の信号待ちの渋滞が予想されるため危険である、この道路ではこれまで約四十年間事故はなかったから、従来のV字型のまま奥へずらすセットバックした道路形態にしてほしいといっておりますが、事実はどうなのか、伺います。
○庄司再編整備推進担当部長 この交差点でございますが、陳情説明表の位置図、改良前の欄にございますように、小金井街道に対しまして二本の道路が一点でV字型に交わる変則的な形状で、過去五年間、重軽傷合わせまして六件の交通事故が発生しております。
また、この道路の交通量を調査したところ、夕方のピーク時でも一時間四十五台、十分間で見ても十二台と非常に少ないため、小金井街道への出入り口の信号待ちの車が渋滞して丁字路交差点の出口をふさぐ可能性は極めて低いと考えております。
今回の改良工事は、この交差点における交通の円滑化及び交通事故の防止を図るため、実施したものでございます。
○高橋(信)委員 この交差点の従前のV字型の形状につきましては、陳情者がいうほど安全ではなく、今回の整備によりまして安全性の向上と交通の円滑化が図られたことがよくわかりました。
次に、陳情者は、丁字路交差点と小金井街道の出入り口との間隔や、クランクから丁字路交差点までの距離が不足しているという二つの点で、都の整備案は道路構造令に抵触していると主張しておりますが、この件につきまして当局の見解を伺いたいと思います。
○庄司再編整備推進担当部長 この道路整備に当たりましては、交通管理者である警視庁及び東村山警察署、また、道路管理予定者であります地元清瀬市とも協議、調整を図った上で整備を行ったものでございます。
陳情者は、丁字路交差点と小金井街道の出入り口との間隔が六十メートル以上必要と主張しておりますが、道路構造令では、このような場合は、車が車線を変更して隣の車線に入る片側二車線以上の場合とされており、この道路は片側一車線であるために該当しておりません。
次に、西側外周道路のクランク、丁字路手前の曲がり角から丁字路交差点までの距離について一定の距離が確保できない場合、道路構造令では、警戒標識でこれを補う必要があるとされていますため、現地では既にT型道路交差点ありの警戒標識を設置しているところでございます。
以上のことから、今回の道路整備は道路構造令に則して適正に行っているものでございます。
○高橋(信)委員 この道路の整備が道路構造令に基づいたものであることはわかりました。また、この道路を既に管理しております清瀬市も、この道路の形状を支持していること、警察にも了解を得られていることも理解いたしました。
次に、陳情者は、この道路の整備は、本来、第三期の建てかえ工事に合わせて行う予定なのに、暫定整備という名目で強引に工事を進めたと主張しておりますが、この件に関しまして当局の見解を求めます。
○庄司再編整備推進担当部長 清瀬中里四丁目アパートにおきましては、三期にわたる建てかえを予定していましたが、これまで一期、二期の建てかえを進める中で、居住者の他団地への移転が当初予定より多く、現在建てかえ需要はほぼ満たされている状況にございます。
また、ことしの二月、地元清瀬市から、小金井街道が今後拡幅が予定されており、整備後は所沢や狭山方面からの交通量がふえ、これまでの交差点形状では危険性がより増大することが想定されるため、この道路の早期整備を要請されたところでございます。
これらのことを勘案し、今回、この外周道路の整備を行ったものでございます。
○高橋(信)委員 団地の建てかえが一段落したので、小金井街道拡幅後の交通量も勘案いたしまして外周道路の整備を行ったと思います。
最後に、これまでの都の対応が不誠実であったと陳情者は主張しておりますが、この件について当局の見解を求めます。
○庄司再編整備推進担当部長 ご説明いたします。
都といたしましては、この道路整備事業を実施するに当たりまして、延べ十六回にわたり陳情者と話し合いを重ね、都の整備内容に理解が得られるよう努めてまいりました。
ことし二月には、清瀬市から、この道路を都の計画案の形状により早期整備することを求める要望書が出されたところから、またさらに、居住者及び周辺住民に工事の説明を行い、大方の同意が得られたことを踏まえ、着手したものでございます。
この道路は、ことし九月上旬に完成、供用し、既に管理を清瀬市に移管しております。供用して以降、この道路の交通は円滑な状況にあり、周辺住民から管理者である清瀬市や都に対して特に苦情等は寄せられてございません。
○高橋(信)委員 道路のような都市基盤の整備を行う際には、近隣地域にはこのような意見の隔たりが多々生じることがあります。すべての地権者の合意を得ることは難しい場合が多いことも大変理解できます。しかしながら、道路の整備は、その地域全体の交通の円滑化や安全性の向上の面で大きな効果があります。今回の道路整備の開通、供用後、交通は円滑な状況にあり、周辺住民から管理者である清瀬市や都に対しまして特に苦情等が寄せられていないことも、今回の整備の効果を示していることと思います。
この団地の入り口の交差点は、交通量の多い小金井街道に接しております。小金井街道の拡幅は、この地域の道路交通にとりましても重要なものであり、今回の交差点改良は、その点から見ても意義があると思います。
一方、今回の道路整備によりまして、小金井街道から入ったところに新しくT字型の交差点が生まれておりますので、今後、東側外周路の歩道の整備を行う際には、T字型交差点の見通しをよくし、なお一層利用者の安全性の確保を図ることをお願いいたしまして、私といたしましては、この陳情は不採択とすべきものと考えております。
以上で質問を終わります。
○たぞえ委員 陳情者はこれまで、平成十四年二月以降、十六回にわたる説明を受け、繰り返し整備の見直しを要求されているようであります。この陳情者の意向が何らかの形で反映できなかったのかどうか、伺いたいと思います。
○庄司再編整備推進担当部長 先ほどご説明した内容とも重複しますが、この交差点につきましては、V字型の変則的な形状でございまして、これまでも交通事故が発生しております。今回の整備は、交通の円滑化及び交通事故の防止を図るため、警察や清瀬市と協議、調整を行った上、整備したものでございます。
陳情者とは延べ十六回にわたり話し合いを重ね、理解が得られるよう努めてまいりました。
清瀬市から早期整備を求める要望書も提出されたことから、さらに居住者及び近隣住民に工事の説明を行い、大方の同意が得られたので、着手したものでございます。
九月上旬完成、供用以降、管理者である市や都に対して特に苦情はございません。
○たぞえ委員 このような道路の整備は、地域のまちづくりに大変大きな影響を与えるものでありまして、できるだけ多数の住民の意見が反映できる、しかも合意が形成されるということが大変望ましい方法だというふうに思います。
今回の道路整備の陳情者の意見がこの計画には十分反映されていませんが、地元市の要望も受け、既に道路の整備も完了しているようであります。また、大きな交通の支障が現段階ではないということでありますが、今後、こうした公的施設の改良等で道路建設を行う場合に、住民の意向をできるだけ丁重に受け入れて、また協議、合意を図る、そういう整備を進めていただきたいと思います。
以上です。
○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
○高橋(か)委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一七第四三号は不採択と決定いたしました。
○高橋(か)委員長 次に、一七第五七号、高層マンション建築計画是正に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
○野本市街地建築部長 お手元の説明表の七ページをお開きいただきたいと存じます。
整理番号4、一七第五七号、高層マンション建築計画是正に関する陳情につきましてご説明いたします。
本陳情は、渋谷区の神宮前原宿地域生活環境を守る会代表、堺谷一人さんから提出されたものでございます。
陳情の要旨でございますけれども、神宮前一丁目二十三の一、二十三の十二に予定されている高層マンション建築計画につきまして、一、公共負担を回避せず、地域の安全等を尊重する計画であること、二、土壌汚染の危険性のないこと、三、地域住民の良好な環境を破壊しないこと、以上のように是正していただきたいというものでございます。
現在の状況でございますけれども、まず、八ページをごらんいただきたいと思います。計画地は、JR山手線原宿駅から北東方向に約三百メートルのところでございます。
左側の七ページにお戻りいただきたいと存じます。
建築主は、平成十七年五月二十七日に建築紛争予防条例に基づく標識を設置し、同年六月十一日から近隣住民への説明会を開始しました。建築主は住民代表との会合を十月二十五日までに九回開催しており、その後も話し合いを進めております。
平成十七年十月十一日に、建築主は、指定確認検査機関である財団法人日本建築センターから建築確認を受けました。
平成十六年三月と九月の二回にわたり、建築主は、東京都環境確保条例に基づき、土地の履歴及び土壌汚染状況調査を実施し、検出された汚染土壌については全量場外処分いたしております。
現在、都は、建築主に対し、今後とも誠意を持って話し合いを行うよう指導しております。
以上で説明を終わります。
○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
○花輪委員 私もきのう、このマンションの予定地をちょっと見てきたのですが、竹下通りから本当にちょっと入ったところなんですけれども、よくまあこんな閑静なところが残っていたなと思われるような、そういう地域でした。そこに工事の壁がどっと、鉄の板か何かで張られている非常に大きな敷地で、ここにいっぱいいっぱいの建物が建ったらば、本当に圧迫感、そういうものを感じざるを得ないようなマンションになるんだろうな、そんなことを感じて見てきたわけです。
まず最初にお伺いしたいのですが、この陳情されている方々から、恐らく局の皆さんのところにも何度となくご相談に見えたのではないかというふうに思いますが、今までどのように皆さんとして助言をなされて、また指導をしてこられたのか、そのあたりをお伺いしたいと思います。
○野本市街地建築部長 これまでの助言、指導の内容等でございますけれども、まず、陳情者は本年七月四日に都庁に来庁いたしておりまして、私ども建築紛争調整担当の担当者が対応しております。
相談の内容でございますけれども、本件建築地の周辺には今回の計画のような高層建築物はなく、周辺環境との調和を著しく欠くとか、日照への影響、風害、圧迫感、電波障害、プライバシーの侵害などの被害が発生するおそれがあるというものでございました。
その際の対応といたしましては、あっせんなどの建築紛争調整制度等をぜひ活用していただいたらどうかというようなこと、それから、そのおいでになった日に建築主に電話で連絡しまして、近隣住民と誠実に話し合うよう指導もいたしております。
○花輪委員 そういうご指導をいただいて、その後、陳情者の皆さんと建築をされる業者の方との話し合い、その経緯とか経過とかについて皆さんはご承知でしょうか。
○野本市街地建築部長 話し合いの経緯でございますけれども、建築主は、平成十七年五月二十七日に建築紛争予防条例に基づく標識を設置しまして、同年六月十一日から近隣住民への説明会を開催しております。建築主は住民代表への説明を十月二十五日から九回実施し、その後も話し合いを進めており、現在まで計十一回実施したと聞いております。
話し合いの内容でございますけれども、建築計画の変更あるいは土壌汚染への対応、工事中の安全確保、電波障害などであると聞いております。
○花輪委員 どうも相手の会社が外資系の会社ということがあるのでしょうか、なかなかコミュニケーションがうまくとれなかったりとか、担当者がころころかわってしまうというようなことも陳情者の方からも伺いました。
そういう中で、今も部長の方から少しありましたが、土壌汚染の問題なんですが、あの地域はもともと歴史的な背景があって、水銀による土壌汚染がある、そんな地域だったというようなことなんですが、条例による、何かそれなりのことはしたとかいう話は聞いているんですが、すぐ隣に住んでいる人から見れば、工事が始まって土が舞ったり、また、これからの長い生活をその隣で暮らしていくということからすると、この水銀の問題、土壌汚染の問題というのは非常に気になることだと思うんです。
これは環境局の問題なのかもしれませんが、局として、環境局から何かそういう意味での連絡とか相談とか、または情報とかあれば、ご答弁いただければと思います。
○野本市街地建築部長 土壌汚染に関してでございますけれども、平成十六年三月及び九月に、東京都環境確保条例に基づきまして、土地の履歴及び土壌汚染状況調査を実施しております。当該土地を東西に区分し、調査しましたけれども、西側の一調査地点で、表面に近いところですけれども、表層部で基準を上回る水銀が検出されたということです。汚染土壌は全量を場外へ掘削、除去し、最終処分場にて埋立処分をしたということです。
環境局に対して、事業者は、調査及び対策結果について届け出を行うとともに、土壌汚染の調査も適切に行ったと聞いております。この結果については、私ども直接環境局に問い合わせをしまして、適切に行われたと聞いております。
○花輪委員 確かに、今おっしゃるように、適切に条例に基づいてということだと思うのですが、最近思うのは、この建物の計画そのものも建築基準法には違反をしていない、その地域の区の条例にも違反をしていない、東京都の環境を守るそういう条例も、これは環境確保条例ですが、そういうものにも違反をしていない。しかしながら、ぎりぎりのところなんですよね。違反をしていなければいいだろうと、必要最低限のことしかしないし、逆に建築の方でいえば、ぎりぎりいっぱいのところまでやっていく。
最近の民間の確認機関が確認をするようになってから、そういう本当に--法律というのは、本来それを越えてはいけないところがラインなわけで、やっちゃいけないラインを越えないからいいだろうみたいな、そういうことが若干まかり通るような状況を私は非常に危惧をしているわけですが、まだ話し合いが続いているということでもあります。ぜひ局の方からも、なお一層--ああいう本当に、何か局長も、話によるとあのあたりご出身という、とても本当にいい地域だと思いますが、そういう局長のご出身の地域でもあるということです。ぜひその地域の環境を守るためにも、丁寧な説明をするように局からもいっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○野本市街地建築部長 都はこれまでも事業主に対し、住民と十分話し合いを行うなど、適切な対応をとるように指導してまいりました。都は、住民の要望を事業者に伝え、話し合いの継続を指導するとともに、住民からの申し出があれば、あっせんや調停など、紛争調整の労をとってまいりたいと考えております。
○花輪委員 さっきもいいましたけれども、こういう外資系の会社が来て、そういう意味でいうと、国内で長いこと仕事をしてきた会社というのは、地域で何か問題があれば会社の看板に傷がつくということで、なるべく丁寧にやろう、そういう意思が働いたりしましたが、外資の会社の場合は、そこでマンションをつくって売ったら、それでまた次のところに行って--会社はなくなっちゃうかもしれないし、いつまでもその会社が存続しているとも限らない。そういう中で、あちらこちらでこういうトラブルを起こしていく。
また、姉歯の問題なんかもこの後報告があって、あした審議がされるわけですが、官から民、または大きな政府から小さな政府へ、私たちは、官から民も、また大きな政府から小さな政府へも、これを否定をするものではありません。それによって住民の福祉とか公共の福祉がどんどんどんどん膨らんでいくのであれば、それは大変よいことだと思います。しかし、そうではなくして、逆に不安とか不信とか無責任、こういうものが膨らんでいくような官から民とか、また大きな政府から小さな政府へというのは、これはどこかおかしいのではないかな、そんなふうにも考えています。
やはり官から民とか規制緩和、大きな政府から小さな政府へというのは、まずは企業の経営的な理念、または経営の状況とかをしっかり明らかにされていたり、モラルがしっかり確立をされていたり、また、もし紛争があったときには--今の日本の裁判制度というのは、なかなかお金もかかるし時間もかかります。そういう裁判制度がもっともっと安く、そしてまた、手軽というのは変ですけれども、裁判に訴えやすくするような、そういう仕組みができてから、本来は、この官から民とか、また大きな政府から小さな政府へという、そういうようなことが実は完成をしていくんですね。
ですから、この建築紛争、非常に今ふえていて、私も地元で一件、この前大きなマンションを--これは日本の非常に名前のあるゼネコンさんが売り主になって建設もするわけですが、二回の説明会をして、二回目の説明会では、住民の方がみんな手を挙げているんですが、時間ですからこれで終わりますと。これからも説明してくれといっても、説明会はもうしませんといって、みんながわあわあいっている中、説明会を打ち切って終わってしまいました。もうそういうことが実はまかり通るような今の建築行政になってしまっているということは、私はこれは非常に残念でならないんですね。
ですから、業者さんの方がやり得にならないような、そういう意味からも、ぜひ皆さんと、また私たちとで知恵を絞って、今のこういう世の中を何とかしていかないといけない、そんなふうに思っております。
今回のこの請願については、継続審査という形でいきたいと思います。
以上でございます。
○たぞえ委員 この陳情は、建築主と周辺住民との紛争が深刻になっていることを、私、現地に行って痛感をしました。なぜ合意が図られないのか、何が問題になっているのか、これをまず初めに伺いたいと思います。
○野本市街地建築部長 建築主と住民との話し合いは、先ほども説明しましたけれども、これまでに計十一回やっているということでございます。特に争点といいますか、問題になっているところでございますけれども、住民の方からは、東京都環境確保条例に基づく土壌汚染調査結果に加えて、再調査を求める、また、建物の高さを特に下げてほしいということ等を要望しております。
一方、建て主でございますけれども、建築主でございますけれども、土壌汚染調査は条例に基づき適切に行っており、また、建築計画は建築基準法に適合しているということから、住民の要望には応ずる段階となっておりません。
ということで、問題解決に至っていないということでございます。
○たぞえ委員 今の答弁ですと、建築主は、自分たちは責任を果たした、だから住民要望には対応できないと、かなり強引な姿勢が見られるというふうに私は実感をします。
現地の写真をお借りしましたが、(写真を示す)この竹下通りという若者たちが歩行する、すぐ歩いてものの二十メートルのところの、このような大きな開発地であります。
これまでも、一九八七年には、今回の現場になっている用地が、旭硝子という企業の開発計画がありまして、この開発をめぐって、工事のあり方についての協定が取り交わされたことがありました。この協定書を私、読んでみましたら、話し合いによる問題解決の原則、良好な住環境保全の原則、この二つを開発者と周辺住民が協定を結ぶ。個々の具体的な協定よりも、むしろ、どういうまちをつくるかという、そこに力点を置いた、そういう協定でありました。神宮前のまちは、そういう積み重ねによってつくられてきたまちなわけです。
今回の建築主が、建設に当たって、こういう積み上げられてきたまちづくりのルールをどう尊重して努力をしていこうとしているのか。これを東京都はどう把握されているのでしょうか。
○野本市街地建築部長 地域のまちづくりのルールということなんですけれども、そういったまちづくりのルールにつきましては、地区計画に定めることが最も有効であると考えております。
ただ、当該地区については、地区計画あるいは建築協定等定められておりません。そういうことから、住民と建築主とは誠実な話し合いが重要だと考えております。
○たぞえ委員 これまでも住民から建築主に対して、高さの低減、交通安全対策、土壌汚染の究明、こういう対策の要望が出されてきています。しかし、これらの要望に対して、交渉途中で民間の指定確認検査機関に建築申請が行われる。二十日後には許可がおりる。建築主は、検討しますといいながらほごにする。ケントウだといえば、後楽園のボクシング場だけで結構だと思いますが、要するに、住民の意見と合意を求める姿勢に誠意を示していない。今、答弁で、誠意を持ってやっているとおっしゃいましたが、ここに計画の信憑性への疑問と危惧が住民から生まれているわけです。大変不誠実な対応だというふうに怒るのは、私は当然だというふうに思います。
これは外資系だろうが何系だろうが、こういう問題については、後発計画地の企業はやはり誠意を持たなきゃいけないと思います。都市計画法でも、周辺地域の住環境などを配慮しながら調和のとれた町並みの形成を図る、こう書いてあるわけですから、それならば、やはり誠意を持った対応をしなければならないというふうに強く思います。
今回の開発で、開発計画が成立する一つに道路位置指定の問題があります。この写真では、この地点に渋谷区立の中央図書館というのがあります。この図書館をつくる際に、東郷神社の境内の一部が位置指定道路に指定されて活用が始まったそうです。この道路は、東郷神社内に建てられた図書館建設を目的にした公共福祉のための道路であって、大規模開発を想定したものではありません。指定道路といっても、この道は、実は神社に行く参道なんです。したがって、入り口には、地中に固定されたポールが二本立ち、そしてこのポールの片方には、ゲートというのでしょうか、踏切式ですね、そういうものが設置されている。それをあけるには、この神社や図書館等を利用する方に配られているカードがなければ、そのゲートはあかないという仕組みになっている。そのポールとポールとの間の距離は三・一五メートルしかありません。決してトラックが入るような幅ではない。決められた限られた人しか車両は通行できないという、そういう通り抜けもできない道路で、これまで保たれてきました。したがって、火災だとか災害の際には、こうした大型消防車両は入ることが極めて難しいというのが、このまちの参道の特徴です。
次に伺うのは、この実効幅員が開発の条件を満たしていないというふうに私は考えるのですが、道路として機能不十分な私道を一般公道と同じ性格を持つ道路として扱う合理性は、どういう根拠で選ばれているのか。
○野本市街地建築部長 前面道路の問題でございますけれども、当該位置指定道路は、今、委員ご指摘のように、一定の通行の制約を受けるものでございますけれども、有効幅員は確保されておりまして、建築基準法上は、道路と扱うことに特段の問題はないということで考えております。この確認に当たっても、消防庁への合議をしていまして、支障ないということで確認がおりているわけでございます。
○たぞえ委員 有効と実効ときちんと区分けをしてお答えいただかなければいかぬと私は思うんですよ。現に六メートルあっても、通れる幅は三・一五しかないんですよ。そこに四メートル幅の消防車は入れないのですよ。初めからその三・一五の幅の車両だというふうに限定して、利用者も限って、その指定道路を確定した。しかし、今回のマンションに入居される方は九十四世帯ですか、また、工事車両等も、この三・一五というものを超えて既存の六メートルを活用してくる。いわば後発開発者は、神社や、また図書館建設の際に区と協定した幅員を自分の開発に利用するといわざるを得ないわけです。
渋谷区内で、こういう事情で使用するために設けられた道が、新しい開発によって使われる事例、これはあるのでしょうか。
○野本市街地建築部長 道路の扱いのことでございますけれども、建築行為に当たりまして、道路は、四十二条に定められておるのですけれども、基準法上の道路であることでございます。建物の用途などによりまして、一定の幅員を求められております。それから接道の長さ、敷地が道路にどれだけ接道しているかという接道の長さが確保されていること、こんなことが要件でございます。公道、私道の別など道路の種別を問うものでないということでございます。
なお、こうした事例はほかにも見られるものでございます。
○たぞえ委員 この問題では住民の皆さんが、良好な環境に新たな開発で、先ほど質疑がありましたように、水銀の問題とか、さまざまな事柄についての環境負荷を心配されています。この件につきましては、東京都の直接の指導の分野に入るわけではありませんが、しかし、指定管理機関は民間であると、さらに遠のいている実態の中で、この建築問題については、十分建築主と周辺住民との話し合いが継続できるように、都としては格段の指導と援助をしていただきたいというふうに思います。
これは、決してこの神宮前の出来事だけではないと思います。各地で頻繁に起こるマンション紛争は、すべて建築基準法をクリアしていれば何でもない、問題ないと。しかし、問題ないといっても、建築しやすいように改正されてきたわけですから、建築を望まない人たちにとっては、この改正は不合理な点をかなり持ったものになっていると思います。
こうした中での今回の紛争でありますから、十分な対応をぜひ局としてやっていただきたいということを要求して、終わります。
○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一七第五七号は継続審査といたします。
以上で請願陳情の審査を終わります。
この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
午後二時二十四分休憩
午後二時三十八分開議
○高橋(か)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
まず、姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽造とその対応についてを聴取いたします。
○梶山都市整備局長 本日は、姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽造とその対応につきましてご報告いたします。
都市整備局といたしましては、十一月二十一日に、震度五強で倒壊するおそれのある建築物が都内に八件存在することが明らかとなったことから、局内に構造計算書偽造問題対策本部を設置いたしまして、事実関係の確認や居住者の安全対策などに取り組んでいるところでございます。
現在、マンション居住者の受け入れ住宅の確保、姉歯建築設計事務所が関与した建築物の調査、元請設計事務所の立入検査などに鋭意取り組んでいるところでございます。
引き続き、詳細な内容につきましては担当部長よりご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。
○野本市街地建築部長 お手元の資料5をごらんいただきたいと存じます。
姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽造とその対応についてご説明いたします。
最初に、事件の概要についてでございます。
姉歯建築設計事務所がかかわった物件につきまして、構造計算書の偽造があったことが判明しました。これらにつきまして、国土交通省が再計算いたしましたところ、震度五強で倒壊するおそれのある建築物が都内に八件存在することが判明しております。
次ページの資料1をごらんいただきたいと存じます。この資料1の丸印の物件でございますので、ご参照願います。
これらの件につきまして、都市整備局は、局長を本部長とする構造計算書偽造問題対策本部を設置いたしまして、事実関係の確認や居住者の安全対策などに鋭意取り組んでいるところでございます。
次に、経緯についてでございます。
十一月十七日に、姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽造の疑いのある建築物が二十一件あり、そのうち都内に十一件存在することが判明しております。
二十一日に、再計算の結果、震度五強で倒壊するおそれがある建築物が都内に八件存在することが国土交通省から発表されております。
二十二日には、姉歯建築設計事務所が関与した都内の建築物が七十二件存在することが判明いたしております。
一方、建築士法に基づく立入検査につきましては、当局におきましては、二十二日、二十四日の両日に、姉歯建築設計事務所に委託した元請設計事務所五社について実施いたしております。
また、二十三日に、八件のうちの一つである稲城市内のマンションの住民集会において説明をいたしております。
なお、同月二十五日に、都民の安全を確保するために、緊急措置として、公的賃貸住宅の活用によるマンション居住者の受け入れを決定いたしております。
昨二十八日には、姉歯建築設計事務所が関与した都内七十二件の調査結果も公表したところでございます。
最後に、都の取り組みについてでございます。
まず、マンションの居住者の受け入れ住宅の確保につきましては、緊急措置として、都営住宅、都民住宅、東京都住宅供給公社の賃貸住宅五百戸程度を確保し、受け入れ住宅としてあっせんいたします。
次に、姉歯建築設計事務所が関与した建築物の調査につきましては、姉歯建築設計事務所が関与した都内の建築物七十二件を対象にしまして、この中には既に偽造が判明している十一件を含んでおりますけれども、区市と協力して構造計算書の偽造の有無を調査しまして、その結果、新たに四件について偽造が判明いたしました。
今後、新たに偽造が判明したものについては、建築確認を既に取り消された物件を除きまして、再計算を早急に実施し、耐震強度を確認いたします。
なお、確認申請上の用途と構造計算書上の用途が異なるものが一件ございますけれども、これについては、再計算の結果、構造耐力の基準は満たしております。
また、元請設計事務所の立入検査についてでございますけれども、先ほど説明いたしましたとおり、既に立入検査を行い、現在、偽造への関与を解明中でございまして、関与が明らかになれば厳正な処分をする予定でございます。
以上でございます。
○高橋(か)委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言願います。
○植木委員 最初に、建築確認に関する問題として、法改正後、特定行政庁と指定確認検査機関とで扱った件数の推移。それから東京都行政分の所管ごとの内訳。それから指定確認検査機関の一覧表。それから、イーホームズなど指定確認検査機関の扱った件数の推移。
二番目に、今回の事件にかかわって、建築計画概要書の写し。それから、東京都が立入調査を行った事業所についての偽造の実態ですね、偽造が発覚したものについての実態。それから、どこが検査機関だったのか、何が偽造だったのか、何を見逃したのか、そういう事実関係。それから実際の耐震数値をお示しいただきたい。
それから基本的な問題で、指定確認検査がどのように行われるのかを、構造別、規模別にお示し願いたいというふうに思います。
それから、都市計画や建築確認検査などの一連の規制緩和にかかわる経過をお示しいただきたいというふうに思います。
以上です。
○高橋(か)委員長 ほかにございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 ただいま植木委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。
○高橋(か)委員長 次に、第百七十二回東京都都市計画審議会付議予定案件についてを聴取いたします。
○梶山都市整備局長 平成十八年二月十日に開催予定の第百七十二回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
今回、東京都決定案件が全部で十三件あり、その内訳は、区部で三件、市町村部で十件でございます。
本日は、これらのうち主な案件といたしまして、都市再生特別地区、幹線街路三・四・二号江戸街道線などにつきましてご説明いたします。
それでは、引き続き担当部長から説明いたしますので、よろしくお願いします。
○金子参事 提案事項概要、白い表紙の方の三ページでございます。それから、事前説明会資料、茶表紙の方も三ページからになります。
ナンバー1の東京都市計画都市再生特別地区の変更に関する案件についてご説明いたします。
本案件につきましては、ことしの十一月十一日に、都市再生特別措置法第三十七条の規定によりまして学校法人モード学園から提出されました提案の内容に基づいて都市再生特別地区を指定するものでございます。
事業者からの提案につきましては、お手元に藤色の表紙の都市計画(素案)の提案という資料があろうかと思います。これが提案書でございます。参考としてごらんいただければと思います。
なお、お手元の、水色の表紙の案件総括表等という資料でございますけれども、事前にお送りしたものとちょっと一部に変更がございます。事前にお送りしたものでは、都市計画の案の縦覧開始をすべての案件について十一月三十日からとしておりましたけれども、本日の資料では、都市再生特別地区の案件につきましては十二月十二日からとなっております。これは、提案を受理した時期の関係で、縦覧開始までに関係機関との調整期間を確保する必要が生じたための措置でございます。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
それでは、計画についてご説明いたします。
まず、茶表紙の方の三ページをごらんいただきたいと思います。
本地区は、新宿駅西口前に位置しております。スクリーンの方に現況写真を示しておりますけれども、赤い線に囲まれた部分が対象地区でございます。
都内では、平成十四年に七つの都市再生緊急整備地域が指定されておりますけれども、本地区はこのうちの新宿駅周辺地域内に位置しております。
都市再生緊急整備地域にはそれぞれ地域整備方針が定められておりまして、新宿駅周辺地域の方針では、整備の目標といたしまして、我が国の国際的な中枢業務機能を担う拠点を形成、あわせて、商業、文化などの集積による、多様な魅力を備え回遊性のある観光、交流拠点を形成するとしております。
公共公益施設の整備に関する基本事項といたしまして、駅周辺の歩行者ネットワークの充実強化を挙げております。
以上のような方針のもとに、今回、事業者からの提案を受けまして、局内に設置した審査会等で検討を行いましたところ、提案内容が地域整備方針に適合し、また、周辺環境への配慮や都市基盤との均衡が図られ、周辺地域のおおむねの同意も得られているものと判断いたしましたので、都市再生特別地区として指定するものでございます。
内容でございますけれども、茶表紙の方の四ページの計画図をごらんいただきたいと思います。
都市再生特別地区の区域は、この二点鎖線で囲まれました約〇・九ヘクタール、建築物の主要な用途は専修学校でございます。
都市計画の内容といたしましては、白い表紙の方の三ページにございますように、容積率の最高限度を一三七〇%、最低限度を四〇〇%、建ぺい率の最高限度を八〇%、建築面積の最低限度を三千平方メートル、また、建築物の高さの最高限度を、高層部二百十メートル、低層部三十五メートルとしております。
このうち、容積率の最高限度につきましては、地下地上デッキの各レベルにおける歩行者ネットワークの形成、広場など空地の整備、一般にも開放されたホールを中心とする文化交流施設の整備など、事業者からの提案内容を都市再生への貢献という観点から評価いたしまして、その設定を妥当なものと判断したものでございます。
このほか、壁面の位置の制限を定めておりますけれども、詳細は茶表紙五ページの参考図1に記載のとおりでございます。
次に、茶表紙の六ページの参考図2は、施設配置のイメージでございます。
建物の周囲は広場状に整備いたしまして、地下には、図面のやや左側に青色の太い波線で示しておりますけれども、南北方向の自由通路を設けまして、新宿駅西口から延びる中央通りの地下道と北側街区の新宿エルタワーの地下通路を結びまして、新たな歩行者ネットワークを形成することとしております。
地上と地下の連絡につきましては、図では紫色の波線で丸く表示しておりますけれども、二カ所のサンクンガーデンを設けまして、階段及びエレベーターで縦方向の動線を確保しております。
このほか、図ではちょっとわかりにくくて恐縮でございますけれども、右の方と上の方に空色の細い波線で表示しておりますけれども、現在、新宿駅からエルタワーまで整備されている歩行者デッキを、さらに南と西の方へ延伸する計画となっております。
次に、茶表紙七ページの参考図はイメージパースでございます。
左の図は建物外観のイメージでございますけれども、高層棟は学校施設、その横の丸い低層棟には、六百人及び四百五十人収容の二つのホールを中心とする文化交流施設を計画しております。ホールは、学校での利用のほか、一般にも広く利用されるような運営形態をとることとしております。
右下の図は、地下と地上を結ぶサンクンガーデンの断面でございますけれども、縦動線の確保とともに、地下に自然光を取り込む工夫をしているところでございます。
私の方からの説明は以上でございます。
○成田都市基盤部長 私の方から、提案事項概要ナンバー6からナンバー9までの道路に関する四件の案件をご説明申し上げます。
昭島都市計画道路及び福生都市計画道路を変更する東京都決定の事案でございまして、関連いたしますので、一括してご説明申し上げたいと思います。
お手元の白表紙の提案事項概要、一八ページから二一ページ、薄茶色表紙の事前説明会資料の二九ページから四〇ページをお開きいただきたいと思います。
なお、地区の現況写真を掲示しておりますので、あわせてごらんいただければと思います。
昭島都市計画道路三・四・二号江戸街道線は、昭島市のほぼ中央部をJR青梅線に沿って東西に計画され、立川市境付近から国道一六号を結ぶ地域の骨格道路でございまして、拝島駅周辺地区を除いて完成している路線でございます。
現在、拝島駅には、JR青梅線、五日市線、八高線と西武拝島線が乗り入れてございまして、鉄道により地域が南北に分断され、地域住民は延長約百三十メートルの踏切を通行してございます。このため、駅利用の利便性の向上を図ることを目的といたしまして、拝島駅の橋上駅舎化と南北自由通路の整備が平成十六年度から進められてございます。
一方、駅利用者の約七割が利用する南口駅前は、交通広場が未整備でございますし、路線バスやタクシー等の交通需要に十分に対応できておらず、また、道路も歩車分離されていない状況でございます。
昭島市は、拝島駅の橋上駅舎化と南北自由通路の整備にあわせましてこれらの整備計画を進め、南口の交通結節点機能の早期の強化と交通の円滑化を図るために計画の変更をいたすものでございます。
事前説明会資料の三二ページをごらんいただきたいと思います。
交通広場についてでございますけれども、乗降者数の増加への対応と南北自由通路の整備と整合を図り、駅利用の利便性の向上を図るために、広場の区域、面積を約三千百五十平方メートルから約五千六百平方メートルに広げるとともに、都市計画の位置づけを、昭島三・四・一九号拝島駅南口中央線に附属する交通広場から、昭島三・四・二号江戸街道線に附属する交通広場へと変更いたします。このため、昭島三・四・一九号拝島駅南口中央線の交通広場を廃止し、起点位置及び延長を変更いたすものでございます。
南口交通広場配置図を説明会資料の三三ページに参考図としてつけてございまして、現道の江戸街道を交通広場から出の一方通行といたしまして、通過交通を排除し、バスバースを五カ所、タクシーバースを二カ所、タクシープールを八バースと一般車用バースを五カ所、そのうち一バースは身障者対応といたしまして設置し、南北自由通路と一体的に整備することによりまして、拝島駅の交通結節点機能を強化する計画といたしてございます。
なお、橋上駅舎化及び南北自由通路のイメージ図を、三四ページに参考図として付してございます。
また、昭島都市計画道路三・四・二号江戸街道線につきましては、駅周辺の円滑な交通処理を図るために、国道一六号、都市計画道路名といたしましては昭島三・一・一〇号東京環状線及び福生三・四・一〇号東京環状線でございますけれども、これとの接続部に付加車線、右折二車線を設置するために、一部線形を変更いたしまして、十六メートルの幅員を最大十九メートルに拡幅変更いたすものでございます。
この拡幅変更によりまして、昭島三・一・一〇号東京環状線及び福生三・四・一〇号東京環状線の隅切りの一部を変更いたします。
また、この変更にあわせまして、昭島三・四・二号江戸街道線、同三・一・一〇号東京環状線、同三・四・一九号拝島駅南口中央線及び福生三・四・一〇号東京環状線の車線の数を決定するものでございます。
事業につきましては、交通広場を含む昭島都市計画道路三・四・二号江戸街道線の整備は、昭島市が平成十八年度からこの事業に着手し、二十二年度の完成を予定してございます。
本事業の施行によりまして、現在、この区間の西側地区で建設局が事業中の福生三・四・三の二号新五日市街道線と、既に完成しております通称睦橋通りとをあわせまして、立川市からあきる野市五日市までの路線が整備されることになります。
また、国道一六号につきましては、国が八王子-瑞穂間の拡幅事業を行ってございまして、JR青梅線等をまたぐ武蔵野橋周辺地区におきましては、平成十四年度から拡幅事業に着手してございます。
私の方からは以上でございます。
○高橋(か)委員長 報告は終わりました。
これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○たぞえ委員 初めに、今説明のありました昭島都市計画道路の提案について伺いたいと思います。
昭島市は、長年の懸案事項でありました拝島駅南北自由通路の開通や駅舎の橋上化、また、南口広場や江戸街道の一部整備計画を今回明らかにいたしました。市は、この開発を進めるために、地元住民や地権者への説明、協議を経て、整備方針の確定と都市計画変更などの手続を着実に進めたいといっています。
この計画によって、橋上駅舎や南北自由通路の建設に伴って、当初決定していた駅前広場では対応し切れない、広場部分をさらに広げて江戸街道と接続をさせ、道路と広場を一体に整備するという方向になりました。今でも、駅前の混雑状況を解消できると、このように市民や商店会からも歓迎の声と期待が寄せられています。
私ども日本共産党も、昭和六十年六月の市議会で、青梅線のホームの改造、拝島駅の抜本的改造を主張して、今日までその実現のためにも力を尽くしてまいりました。住民の間では拝島駅利用者の会が結成されて、この会が取り組んだ駅の橋上化と輸送力増強を求める請願は、市議会で全会一致で採択され、今、超党派で取り組まれているところであります。
そこで、初めに伺いますのは、これまでの不便なまちから便利なまちに変えるために、住民と行政による話し合いの到達だというふうに思いますが、このようなまちづくりの方向について、都の認識をまず伺いたいと思います。
○成田都市基盤部長 拝島駅周辺は、JR青梅線や西武拝島線などによってまちが南北に分断されてございまして、自由通路や駅前広場の整備は地元にとっての長年の悲願でございまして、市議会の要請活動や地元昭島市からの促進要望をかねてから受けてきたところでございます。
市では、計画の具体化に向けまして、平成十三年から勉強会をスタートさせ、平成十五年には第一回の説明会を開催して以来、昨年十一月まで逐次説明会を開催するなど、合意形成に努めてきたところでございます。
このような積み重ねの結果、今回提案の都市計画としての案が具体化され、まちづくりが進展することは、大変有意義であると認識してございます。
○たぞえ委員 次に、駅と広場に接続をする現道の江戸街道のあり方についてです。
この道路形状については、市側が一方通行として検討していますが、なぜ現道相互交通が一方通行になるのか。この点ではどのような見解でしょうか。
○成田都市基盤部長 今回の計画は、現道の江戸街道の南側に既に都市計画決定されております昭島三・四・二号江戸街道線と、同路線に附属する交通広場を変更するものでございまして、計画されている駅前広場は現道と位置的に重なるため、これを相互交通といたしますと、駅前広場に通過交通が流入することとなります。このため、駅前広場内の交通がふくそうし、効率性、安全性が低下するなど、駅前広場としての機能を果たせなくなるものでございます。
これらのことから、技術的合理性や地域の利便性を考慮いたしまして、現江戸街道につきましては、駅前広場からそれぞれ出る方向のみの一方通行として計画させていただいております。
○たぞえ委員 仮に一方通行になりますと、幅員十メートルの容量があっても、通行量が激減して、商店街のにぎわいが損なわれる、商業振興に逆立ちしたまちになるのではないかという危惧がされています。このことに懸念を表明される地権者も、もちろんいらっしゃるわけです。同時に、相互交通であれば、車のすれ違いが困難で渋滞が発生する。しかも、広場と駅舎の間でごった返す。これらの解決には、交通安全対策と地域商業の振興をどう構築するか、十分な検討と合意が欠かせないと思います。
今回の提案は、現道の江戸街道をどのような道路形態にすべきと都は考えているのか、伺いたいと思います。
○成田都市基盤部長 駅周辺の計画におきましては、沿道サービス機能及び通勤、通学ルートの確保、あるいは街路としての交通機能の確保、また、駅前広場としての交通結節点機能の確保が必要であると認識してございます。本計画では、一方通行化したといたしましても、この地域の道路ネットワークの構成や地域特性から、これらの機能を十分に確保できるものと考えてございます。
さらに、一方通行化によりまして、歩行者にとっては快適かつ安全に歩ける十分な歩道が確保される予定でございます。このため、商店街にとりましても、歩行者が買い物しやすい、にぎわいのあるまちとなるものと考えております。
都といたしましても、このような計画を妥当なものと判断しております。
○たぞえ委員 今回の都市計画決定につきましては、それはそれとしてあるんですが、今後の事業化に当たっては、今申し上げた一方通行の問題ですとか、駅前広場のレイアウトや植栽の具体化、また道路のつくり方、まだまだいろんな意見が現地ではあると思います。長年にわたって住民が積み上げてきた将来のまちづくり、ぜひこの方向については合意を慎重に、できるように尊重してもらいたいというふうに思いますが、都としてどう今後地元市に支援をしていくのか、どう対処するのか、最後に伺いたいと思います。
○成田都市基盤部長 住民合意についてでございますけれども、事業者であります地元昭島市も、これまでも十分努力してございますし、今後も十分努力していただけると思っておりますけれども、特に都市計画道路や駅前広場につきまして、これまでも全体説明会を五回実施し、また、一方通行となります沿道の方々には個別に説明をしてきて計画を推進しております。
現在の計画では、バス、タクシー、一般車両の駅へのアクセス、あるいは乗降客の利便性確保のため、画面に出ておりますような、あのような基本計画としてございます。今後、具体的な道路のあり方などにつきましては、引き続ききめ細かい対応を図っていく考えでございます。
都といたしましても、市の取り組みに協力いたしまして、技術的支援を行い、計画の早期実現が図られるよう積極的に取り組んでまいりたいと思います。
○たぞえ委員 ぜひ広域行政の都として努力をしていただきたい。そして、地元の周辺住民だけではなく、近隣の商工業者の皆さんが将来安定して生活設計ができるように力を尽くしていただきたいというふうに思います。
次に、成城八丁目地区計画についてです。
これは先ほど説明がありませんでしたので、私から説明する資格もないので、抜きにして直接質問に入りたいと思います。
この計画については、十七年九月から地区計画原案が公示縦覧され、地元の成城自治会、町会でありますが、意見がこの地区計画に対して出されております。
この計画に対してどのような意見と問題点が自治会から指摘されているのか、まず、これを初めに伺います。
○福島都市づくり政策部長 ご質問にお答えする前に、この地区がどういう地区かというところをご理解いただきたいと存じます。
この資料集の八ページをおあけいただきたいと存じます。また、画面にもあらわしますので、ご参照いただきたいと思います。
この地区計画を定めます区域は、小田急線成城学園駅から北へ約一キロの成城八丁目地内でございまして、この地図からは、区画道路など、この資料によります表示では薄目の線で示してございますが、地区計画を定める区域といたしまして、他の周辺の地区と比べますと、道路が非常に整備水準の低い地区ということがいえようかと存じます。
そうした前提に立ちまして、どんなご意見であったのかと申し上げますと、地区計画の原案に対しまして、世田谷区には自治会並びにマンション管理組合など三団体から意見が寄せられてございまして、そのほとんどが道路整備に関する内容でございます。行きどまりの解消や幅員の拡幅などの道路整備に、反対をするというよりも、整備後に地区内に関係のない通過交通を呼び込んだりして危険にさらされるのではないか、こういった不安と、そのために一方通行や進入規制もあわせて工夫すべきではないか、こういった趣旨の意見が寄せられてございます。
○たぞえ委員 成城自治会からも、今いわれましたように、この道路については暮らし道ゾーンという考え方を取り入れた十分な配慮を述べていらっしゃいます。そして、通過交通にならないように歩行者優先の設計をと、大変貴重な意見が自治会から提案されています。なぜ成城自治会が道路問題をこんなにも慎重に検討しているのか、私はその真意をつかむために、改めて現地に行ってみました。
その現地に行く前に、二十五日の金曜日の新聞の下にこの大きい広告が出ておりまして、またマンションかなというふうに見てみましたら、実は、この八丁目地区の、今回の地区計画の当地の隣に建設される予定の販売マンションでした。私は買う意思は全くないのですが、目をさらのようにして、この小っちゃな字を読んでみたんです。
まず驚いたのは、この隣のC地区の一角に建つマンションですが、延べ床面積八千四百二十二平方メートル、地上十階、九十三戸販売をする。駐車場九十四台。販売価格は六千万円から八千万円、そういう広告でありました。今回の地区の隣に建つという品物です。
しかし、先ほどの部長の説明のように、こうした施設が建設された場合に、現道がない。狭隘のために、この集合住宅が建設された場合の通過交通の柱がないということが改めて浮き彫りになったわけです。こういうことを支えるために、区画道路を十二本、そして南北道路を整備しよう、これが今回の提案になっています。
そこで、この八丁目の地区計画がなぜ必要なのか、このことはどのように認識されているのでしょうか。
○福島都市づくり政策部長 地区計画は、地区内の道路整備の水準が低い、あるいは建物の用途とか高さなどが調和が図られていないなど、その地区のまちづくり上の課題に対しまして、地区内の共通ルールを定めることによりまして、開発あるいは建築行為を将来への望ましい方向へ誘導していくために定めるものでございまして、成城八丁目の当地区につきましても、ただいま申し上げました地区が抱える一般的な課題がそのままあらわれている地区でございます。こうしたことから、地区計画を定めるに至ったということでございます。
○たぞえ委員 要するに将来開発のための基盤を整備誘導する、そういうことだと思います。
この八丁目計画の中でも大きな面積を擁しているのが、住宅地区Dの部分です。現在、都営住宅約二百六十戸がありますが、今回の地区計画に当たって、都の都営住宅建てかえの必要性をどう認識されているか、伺いたいと思います。
○庄司再編整備推進担当部長 現在、都営住宅の建てかえにつきましては、昭和三十年代以前に建設された住宅を対象団地として行っているところでございます。
成城アパートにつきましては、昭和三十四年、三十五年度及び平成二年度に十三棟、三百八戸の住宅を建設しており、そのうち三十年代につきましては十二棟、二百六十八戸でありまして、これを建てかえ対象としているところでございます。
○たぞえ委員 建てかえの対象であるという認識だということはよくわかりました。
そこで、都営住宅の居住者や近隣周辺の住民に、この団地の建てかえの時期や規模については説明されているのでしょうか。
○庄司再編整備推進担当部長 当団地の建てかえにつきましては、現在世田谷区で行っている地区計画策定の内容に合わせて検討していく予定でございまして、今後、通常の手順に従い、建てかえの計画がまとまった段階で、都営住宅の居住者や周辺住民に対して説明を行っていく予定でございます。
○たぞえ委員 今説明されているんですかという質問なんですが。
○庄司再編整備推進担当部長 建てかえ計画については、この地区計画の内容を踏まえながら考えていくものでございまして、現在、建てかえ計画を持っているところではございませんので、現在は説明してございません。建てかえ計画がまとまった段階で説明していく予定でございます。
○たぞえ委員 要するに、この八丁目地区計画の中の一角である都営住宅については、全く白紙ということですよ。しかし、今回提案しているB地区については、その用途はかなり芽を開いてあげている。住民の皆さんは、将来のまちがどうなっていくのか、とりわけ今住んでいる都営住宅を建てかえるのかどうなのか、そういう計画をきちんと知って将来設計に役立てたい、こういうふうに考えているわけです。
そういう声には、将来的には建てかえがあるが、今は何もない。しかし、民間の集合住宅、マンションは、横から見ても上から見ても下から見ても、どこから見ても、もう現実にそういった開発がスピードアップされていく。さらに、これからも計画が後ろから待っている。こうなると、今度の地区計画の提案というのは、要するに、現在目の前にある計画を促進する上での、区画道路など、道路形状をすることにどうも力を置き過ぎているのではないか。将来の八丁目計画はどうするのかということに重点が置かれていないというふうに私は大変危惧をするわけです。
そこで、この八丁目の図でいきますと、上の方になるわけですが、今度は九丁目というまちが左側にあります。その上が調布市になるわけですが、大変狭隘な道路です。この八丁目の開発が進行しますと、調布に流れる出口が狭隘のために車の行き場がない、そういう現実を現在も抱え込んでいます。南側が幾ら開発されても、その流れがはけない、こういう状況が一向に解決されてこなかった。一刻も早く道路の拡幅をしなければ、この流入も流出もできないという現実に今ぶつかっています。
この現実の問題について、世田谷区はどう打開をする姿勢なのか。地区計画はそこまで見通しているのか。これを都はどう把握されているのか、伺いたいと思います。
○福島都市づくり政策部長 最初に、区はどう考えているかということでございますけれども、恐縮ですが、資料集の九ページ、また画面の方もご参照いただければと存じます。
お話のこの道路につきましては、画面に示しますが、地区計画の区域の外、この方角では北側になりますけれども、地図にもお示ししてございますように大変狭くなってございまして、世田谷区といたしましては、この区道は、世田谷区が策定をしております道路整備方針に基づきまして、主要生活道路という位置づけのもとに整備をしていく方針でございますが、今回定める地区計画の区域には入ってございません。今後、開発や整備の機会をとらえまして拡幅整備していくと聞いております。
また、都といたしましては、九ページにございますように、先ほどの説明と繰り返しになって恐縮でございますが、この地区は、環境のよい低層住宅地としての成城とはやや趣が変わってございまして、比較的大きな敷地に老人ホーム、マンション、また都営住宅など中高層建物が建ち並んでいる地区でございまして、こうした一方で、狭隘道路や行きどまり道路なども多く残り、防災面、交通面から、安全性ということにつきまして大きな課題も抱えているというふうに認識してございます。
こうした課題に対処するとともに、無秩序な開発を抑制しまして、望ましいまちづくりを誘導していくため、地区計画を定め、あわせて用途地域を変更していくことは、まちづくりの理にかなったものと考えてございまして、今回のような地区計画の取り組みを可能な限り周辺の地区にも拡大しながらまちづくりを進めていくよう、区を指導してまいりたいと考えております。
○たぞえ委員 この八丁目地区計画内の具体的な提案をされているのですが、これをはく周辺の基礎がなければ、ここでは引き続き狭隘道路を現状のまま放任することになるし、また既存に住む人々も、新しい中高層住宅等で人口がふえるわけですから、その支えをしっかりつくってほしいというのが住民の声です。
特に成城は、景観を大事にしてきたまちです。道路の計画が大変進行していますけれども、都市計画に成城の住民があり方として大きな希望を抱く一方で、こういう開発が果たして成城の発展にとって必要なのかどうか、こういう声も聞こえてきます。
この地区計画の策定については、既存の住民の皆さんの暮らしが反映できるような具体的な検討を、ぜひ世田谷区とともにやっていただきたいということを要求して、終わります。
○植木委員 私は、都市再生特別地区、東京モード学園の超高層ビルの案件について、幾つかご質問したいというふうに思います。
この建物は、見るからに奇抜というか、よくいえば斬新というか、今までの想定外の建物になっているんですね。それで、地元区の景観審議会でこの問題が論議はされたというふうに聞いているのですが、どのような内容で、それに対してどういうふうに東京都あるいは事業者は対処しようとしているのか、まずお示しいただきたいというふうに思います。
○金子参事 新宿区の景観審議会での議論でございますけれども、一部の学識経験者の委員から、周辺と調和しない都市景観が形成されるのではないかといった意見があったというふうに聞いております。
また一方では、地元の商店街などからは、新しい顔となるシンボル的なデザインと文化施設の設置は地域のにぎわいと活性化につながり、歓迎するという意見も出ているというふうに聞いております。
審議会の結論といたしましては、足元周りのデザインなど、さらに工夫をして改善するため、新宿区の景観アドバイザーと調整するようにとのことであったというふうに聞いているところでございます。
都といたしましても、この景観につきましては、事前相談の段階から、さまざまな角度からモンタージュ写真によって確認をいたしまして意見を述べてきたところでございます。
その後、事業者といたしましては、外壁のデザインを一部修正したり、あるいはガラスですとかアルミ材などについて反射を抑えた素材への変更をする。そういったことのほかに、足元周りについても、水と緑を生かした外構計画の充実を図るなど、周辺との調和に配慮した計画としてきております。
○植木委員 新宿区の景観審議会について区議会に報告されているんですね、環境建設委員会に。これをお読みしますと、新宿西口全体としてのビル群を見たときに、今後どのようなデザインの建築物が好ましいかという方向性を示すことが必要であるとの議論があった、それが明確でない中での斬新的なデザインに対して歓迎する意見や疑問を持つ意見があった、こういうふうにいっているんですよね。だから、前提が今お話がなかったんです。新宿西口全体としてどうすればいいのかという、そういう点がまず一点。
なぜこれが、景観審議会がこんなに早く持たれたかということもいっています。本来でございますれば、土地利用が決まった後で景観協議を行うということでございますが、かなり個性的な建物であるということを考えまして、都とも協議をした結果、事前に審議会での調査、ご審議をお願いし、この審議会のご意見を参考にしながらということで、東京都の案件でございますので判断していきたい、こういうことで意見が述べられているわけですね。
ですから、個体としての建物がどうかということも、もちろんあるんですよね、これ自体、後で指摘しますけれども。しかし、全体としてもちゃんとした計画がないじゃないかというのが、ちゃんと報告されているんです、区議会でね。
そういう意味で、こういうものについては、やはり専門家や地元の意見というのをきちっと正確にとらえる必要があると思うんです。いろんな細かいことをいっているんですけれども、それを挙げていくと時間がありませんので、大枠だけ、報告されている部分だけを読み上げましたが、そういう立場でぜひ今後も臨んでいただきたいというふうに思っております。
それからもう一つは、この建物は、図面で見ますと総ガラス張りですよね。しかも、三階ごとに、これは何というのでしょうか、吹き抜けというのか、ピロティーというのか、よくわからないのですけれども、三階ごとに吹き抜けがずっとある構造物になっているんですね。素人考えですけれども、こういうガラス張りで、しかも空間が非常に大きい、そうすると熱量を蓄える率が非常に高い。当然冷暖房にかかわるキャパシティーも大きくしなければいけないということが予想されると思うのですけれども、この点についてはどういう計画になっているのでしょうか。
○金子参事 この建物につきましては、高層ビル内の学校でございまして、通常の学校における校庭に相当するような学生のたまり空間を確保する、そういった目的で三層ごとに吹き抜けのアトリウム空間というものを、小さなアトリウム空間ですが、つくっているところでございます。
この吹き抜けの中は、下の方でございますけれども、人のたまる部分のみ空調の対象といたしまして、吹き抜けの上の方は、上部につきましては空調の対象としない、そういったシステムを用いていることになっているため、通常のオフィスビルと比べましても、そのエネルギー消費量がより多くなるといったことはないというふうに聞いております。
このほか、一番大きな部分を占めます教室部分につきましては二重ガラスとして、その間にブラインドを設置して、ガラス面からの熱の透過軽減を図っているということでございます。
○植木委員 これは、何か検証したデータはあるのでしょうか。
○金子参事 エネルギー消費につきましては、設計者の方でコンピューターシミュレーションを行っておりまして、それにつきましては、外部からの建物総熱負荷を大体七%軽減できるような計画であるというふうに聞いております。
○植木委員 でも、この概要書を見ると、そういうのは書いていないんですよ。環境のところを見てみましても、要するに、集中冷暖房をやるから大丈夫だという範囲内のことしか書いていないんですよ。もしそうだとするならば、きちっとした、検証したデータを提示すべきじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○金子参事 提案書の中身でございますけれども、二八ページの方に、環境に配慮した計画ということで、熱負荷の低減というようなことも書いております。
これらにつきましては、それぞれ個別に資料をここに添付するというのはなかなか困難でございますので、一つ一つについて私どもの方で、データなりを出していただいて、見させていただいているところでございます。
○植木委員 個別のデータをここに載せるだけのキャパシティーがないのかわかりませんけれども、後でぜひお見せいただきたい。本当に検証したというなら、それをお示しいただきたいということを要求します。
それから、この容積率は、ご存じのように朝日生命ビルは割と中層のビルだったんですけれども、今度の場合は明らかに高層になって、しかも容積限度いっぱいの一〇〇〇%をさらに三七〇%上乗せすると。ここには五項目に貢献に対する評価ということが出ているんですけれども、この五項目についてどれだけパーセンテージを認めたのか。それから、それの根拠は何に基づいてやったのか、お示し願いたいと思います。
○金子参事 都市再生特別地区は、民間の創意工夫を引き出すために、事業者からの提案によることを基本としておりまして、審査におきましても、一律の基準によらずに、都市再生の貢献の度合いに応じて総合的に判断しまして容積率を設定することとしております。
今回の計画につきましては、地下地上デッキの各レベルにおける歩行者ネットワークの形成ですとか、広場などの空地の整備、一般にも開放されたホールを中心とする文化交流施設の整備などを、都市再生への貢献という観点から総合的に評価したものでございます。
○植木委員 都市再生特別地区と指定されると、いわゆる従来の都市計画に基づかない、こういうことで根拠が示せない、こういうことなんですけれども、じゃ、これは上限というのは何か決まりがあるんですか。
○金子参事 特に法律上、上限というようなことは決められておりません。
○植木委員 上限が何も決め事がないと。理屈の上では、もちろんそんなことはいかないでしょうけれども、倍の高さの建物を認可しても、可能だということに理屈の上ではなるんですよね。だから、都市計画、一体何だろうと。
もう特別地区や都市再生の、今度渋谷でも地域指定ができましたけれども、これができて、そして個々の単体でも特区の申請があると、大体三〇〇から三九〇%、今までの例でいくと上乗せしている。場合によっては、もっと上乗せがあるのかもしれない。つまり際限がない。じゃ、まちとしてどこまで建物というのはどんどん広がっていくのかというのが全く、いわゆる都市計画らしい都市計画というのはないんですよね。だから、都市再生ということで、従来の都市計画制度そのものが根幹からどんどん崩れていってしまっているというふうに思わざるを得ない。
それから、いつも思うんだけれども、環境に配慮したというのは必ず書いてある。確かにいろいろ抑制策は書いてある。しかし、単体がふえていけば、幾ら個別の抑制策を持っていても、総体としてはふえていくわけですよね。それの証拠に、東京都の二酸化炭素の排出量が、二〇一五年までにマイナス六%にする計画が、計画どころか、昨年ではプラス二三%になってしまっている。その差二九%も広がってしまっている。逆に目標の方を下げるような動きが今出てきている。そういうことで本当に都市計画といえるのかというのを、私は常に疑問に感じているんですよね。そういう意味で、都市計画というのは、本来もっと人間にとって優しい、環境に配慮した、そういうものでなければいけないし、当然一定の規制がもっとあってしかるべきだというふうに思うんですよね。
そういう意味で、今後の特区は、前回は大手町の特区申請が出て、これも出てきた。もう特区が出れば短期間でどんどんやることになっていますから、どこまでいくのかわからないというのが私どもの正直な実感です。特区が出るたびに何か恐ろしい気がするんですけれども、いずれにしても、そういうまちづくりについてもっともっと、人間が長い間住み続けられる、そういうまちを念頭に置いた一定の抑制策というものをとるべきだということを重ねて主張して、私の質問を終わりにします。
○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋(か)委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後三時三十七分散会
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