都市整備委員会速記録第九号

平成十七年九月二十九日(木曜日)
第六委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長高橋かずみ君
副委員長伊藤まさき君
副委員長長橋 桂一君
理事花輪ともふみ君
理事三宅 茂樹君
理事立石 晴康君
大松  成君
高橋 信博君
たぞえ民夫君
植木こうじ君
きたしろ勝彦君
小沢 昌也君
川井しげお君
中村 明彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長梶山  修君
次長村松  満君
技監小林 崇男君
技監依田 俊治君
総務部長安藤  明君
都市づくり政策部長福島 七郎君
住宅政策推進部長矢島 達郎君
都市基盤部長成田 隆一君
市街地整備部長石井 恒利君
市街地建築部長野本 孝三君
都営住宅経営部長小林 計代君
住宅政策担当部長水流潤太郎君
航空政策担当部長小山  隆君
多摩ニュータウン事業担当部長酒井 洋一君
都市景観担当部長安井 順一君
再編整備推進担当部長庄司 静夫君
参事北村 俊文君
参事飯尾  豊君
参事金子 敏夫君
参事中沢 弘行君
参事山室 善博君
参事山口  明君
参事渡辺  滋君
参事今井  光君
参事宇多田裕久君

本日の会議に付した事件
 都市整備局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百八十二号議案 土地の売払いについて
付託議案の審査(決定)
・第百八十二号議案 土地の売払いについて
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○高橋(か)委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の付託議案の審査、並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、過日の委員会で紹介できませんでした幹部職員について、都市整備局長から紹介があります。

○梶山都市整備局長 公務の都合により、過日の委員会を欠席させていただきました幹部職員をご紹介いたします。
 外かく環状道路担当参事の山口明君でございます。
 なお、経営改革担当部長、石井一夫君は、病気療養のため、本日の委員会を欠席させていただいております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○高橋(か)委員長 紹介は終わりました。

○高橋(か)委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百八十二号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はいたしておりませんので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○たぞえ委員 それでは、議案について幾つか伺いたいと思います。
 きのう、おとといの本会議でも、都民の生活実態が紹介されました。小売店一万件の閉店、そして、完全失業者も東京で三十四万人、そういうもとで、賃貸住宅で暮らしている都民の方々から、収入実態に合わせた住宅供給をということで声も大きくなっています。
 ことし二月の都営住宅のポイント式の応募状況を見てみますと、募集登録千四百に対して一万三千九百九十人、昨年十一月の空き家募集、公募戸数千百九に対して三万八千六百九十二。一方、都営住宅の建設は、平成十二年度から七年間全くない状況です。都民ニーズにこたえていないということだろうと思います。
 そこで、初めに伺うのは、多摩ニュータウン開発当初の東京都の公共住宅政策の基本方針は一体どんなものだったのか、まず説明いただきたいと思います。

○酒井多摩ニュータウン事業担当部長 お答えいたします。
 多摩ニュータウン事業は、新住宅市街地開発法に基づきまして、高度経済成長期におきます東京の急速な人口増加に伴う住宅難への対応と区部周辺部へのスプロール化の防止を目的としまして、昭和四十一年に事業決定されました。その後、東京都、日本住宅公団--現在の都市再生機構でございます--それから東京都住宅供給公社が、それぞれの役割に応じ、公共住宅を供給してまいりました。
 一方、開発当初から、多摩ニュータウンを単なるベッドタウンにとどめるのではなく、業務施設の誘導を図り、職住近接を実現することが各方面から求められておりました。
 こうした流れを受けまして、昭和六十一年に新住宅市街地開発法が改正され、住宅だけではなく、オフィスなどの業務施設の立地が可能となり、職と住の調和した、複合的で多機能なまちづくりが進められております。

○たぞえ委員 都民に必要な住宅を供給するという点では、本当に大事な仕事をされてきたと思います。しかし同時に、先ほどいいましたように、供給はさらに拡大をしなきゃならないという課題もあると思うんです。
 今回販売する対象宅地である都有地G-31、この地点の開発当初の土地利用方針は、どういう方向で整備されてきたのでしょうか。

○酒井多摩ニュータウン事業担当部長 土地利用目的についてのお尋ねでございますが、開発当初の昭和四十四年当時、丘陵地でございました今回の販売対象宅地を含む一帯は、新住宅市街地開発法に基づく土地利用計画におきまして、住宅用地とされておりました。
 その後、昭和六十一年の新住宅市街地開発法の改正や多摩市の要請を受けまして、業務施設用地に変更いたしました。

○たぞえ委員 住宅供給を行うために多摩ニュータウンを中心にした開発が行われて、多摩市では約六割の土地が開発地域になって、そして七一年には、多摩ニュータウンの諏訪、永山、こういうところで第一次の入居が始まり、人口が急増して、その後、順次計画的なまちづくりが進んできたわけです。
 このG-31の用地はもともと山林で、当初、丸ごと多摩市の区域の土地でした。この時点では、用途は第一種中高層住居専用地域だったと聞いています。それで、今回売られる土地と一体となっている部分が多摩市から除外されて、八王子市の区域に編入、追加されました。引っ張り出してきましたら、ちょうど百五十六回都計審、平成十四年十二月の都計審でこのことが決定されたわけです。当初多摩市の土地が八王子市に編入された。それで、八王子に編入された土地は現在も第一種中高層住居専用地域ですが、編入されなかった多摩市の土地は、議案で説明されている用途に変更されました。
 私、先日現地を見てきたのですが、その現地にあります東京都多摩ニュータウン整備事務所にも寄って、話を聞いてきました。今回売り出される土地の地面というのは、そこに八王子市と多摩市の境界線が目の前に見えるわけじゃないのです。一つの大きな土地なんですが、右側が八王子市、左側が多摩市。その八王子市の土地は、来年一月にはマンション建設の建設予定の看板が張り出されている。
 ところが、多摩市側は、もともとそこの土地は第一種中高層住居専用地域であったのに、この土地ですね、このG-31、これは用途が違うわけです。いつ用途がどう変わったのか、説明いただきたいと思います。

○福島都市づくり政策部長 現在の用途地域でございますが、平成十四年に八王子・立川・多摩業務核都市基本構想が策定をされまして、これを受けまして地区計画を決定いたしてございます。平成十五年に第二種住居地域に変更をしたところでございます。

○たぞえ委員 要するに、住宅用地から業務・商業施設の用途に切りかわったわけですね。同じ山林、土地が二つの用途を持つという特殊な性格を帯びたわけです。ですから、土地の確保の段階では住宅供給、しかし、出口は企業用地。これは一般的に見てみましても、土地の政策変更が行われたというふうに思うわけです。その定めた方針は、先ほどいいました百五十六回の都市計画審議会で決まりました。
 それで、その前の十一月に業務核都市基本構想というのが策定されて、この業務核都市基本構想の中で、業務施設集積地区の区域の方針に関する事項というところがあるので、読んでみました。これがその基本構想ですけれども、この中を見ますと、どこを開いても、業務施設とか業務機能とか、こういう言葉が大変あふれている基本方針です。
 そして、この中の多摩センター周辺地域をよく読んでみると、ここも、業務機能等の導入のための土地供給の余力が大きいとか、質の高い都市基盤、当地区ならではの機能を生み出す条件を整えている、こういうふうに締めくくって、今回売り出す土地、G-31を高く評価されているわけです。
 一方で住宅用地として八王子に編入する、一方で多摩市として住宅から業務・商業施設に土地の用途を変えていく、こういう経過がこの問題にはあったわけです。これを決めたのは、結局、東京都の都市計画審議会ですから、私は今回、多摩や八王子という地域の特定問題ではなくて、やはり東京都の住宅政策の一つの終点というのでしょうか、結論を都が引き出す、そういう土地の販売であるというふうに思います。
 そこで、次に伺うのは、この土地を今回購入される企業ですけれども、土地の保有に応じて、税の負担はどのように担保されるのでしょうか。

○酒井多摩ニュータウン事業担当部長 税負担が担保されているのかという趣旨は、どのような税が納められるのかというふうに理解しましてご答弁させていただきます。
 購入予定者は民間企業でございまして、また、当該地に事務所等を立地する予定でございます。この場合、購入予定者が納める主な税としましては、まず都税として不動産取得税、法人都民税、法人事業税がございます。また、市税として法人市民税、固定資産税、都市計画税が、国税として法人税がございます。

○たぞえ委員 多摩市からいただいてきたんですが、企業誘致条例というのが多摩市にあります。八王子にも同じような条例があるんですが、今の答弁ですと、取得した企業は相手に応じてきちんとした税金を納めるんだという答弁でありましたが、これを読む限りではそう書いていない。この中に書いてあるのは、固定資産税、都市計画税は免税される、そして、免税と同時に、誘致をしたんだからということで奨励金を出す、こういうふうに書いてありますが、そうですか。

○酒井多摩ニュータウン事業担当部長 多摩市におきましては、多摩市企業誘致条例に基づきまして企業誘致を促進し、都市としての自立を図ることを目的としまして、奨励措置を講ずる企業に指定したときには、その企業に対しまして、固定資産税、都市計画税相当額の範囲内で五年間奨励金を交付する制度があるというふうに聞いております。

○たぞえ委員 多摩市が積極的に誘致をした、東京都は業務核都市構想でそのレールを敷いてあげた、そして用途を変えた、だから企業は進出をしやすい、そういう土台ができ、そのレールを走ってきたというふうに思います。
 今いわれましたように、固定資産税、都市計画税はゼロ、そして奨励金まで出してあげようと。二十三区に居住の皆さんは、小規模住宅用地二百平米以下の場合には、この二つの税金は二分の一の減税を受けています。しかし、多摩に住む都民は、この減免すら適用されていません。一方で、この土地に進出をする企業は、十七年度から二十年度にかけて、五年間こうした税金の優遇を受ける、カバーしてあげられる。これはやっぱり至れり尽くせりの問題があるのではないかと思うんです。
 私、最後にちょっと申し上げたいのは、この土地の価格の問題です。この価格が適正かどうかということなんです。今回処分される都有地は、予定価格で二十五億四千四百万円です。一平方メートル当たり八万八千七百九十四円と、議案で提案されています。
 私、いろいろ調べてみましたら、この土地に近接する固定資産税の評価宅地の平成十七年度の鑑定標準価格というのがあるんですが、一平方メートル当たり十万九千二百五十円です。そうなりますと、今回処分される都有地の予定価格は、平成十七年度の価格水準で見ると、都有地の形状、のり面とかありますから、そういう状況を無視しても、一平方メートル当たり、標準的な取引価格に比べて二万四百五十円格安です。総額五億八千五百九十万円格安の処分ということになるわけです。
 一方で、税金は手当てしてあげましょう、土地の販売価格も、これまた一般販売よりも格安で提供しましょう、こうなりますと、都民は住宅用地を確保するときに相当なお金を工夫して頑張る、しかし企業には優遇されるということが許されるかどうかということだと思います。こういう都有地の処分、いわば都民の財産である土地が、こうして、一方で優遇、一方で適正ということのあり方が都民にとっては納得できるのかどうか。そういう点で、私はこの土地の販売についてはとても納得できないし、賛成はできないという立場であります。
 多摩ニュータウンの事業が終結を迎えて、土地の販売促進を図らなきゃいかぬということは当然ありますけれども、しかし、だからといって、さまざまなメニューを一気に提供して売り払うということが、都民にとってどういう財産の価値として残っていくのか、そういう点を考えますと、今回の土地の処分については再検討するべきじゃないかということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。

○高橋(か)委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百八十二号議案を議題といたします。
 本案については、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第百八十二号議案を採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○高橋(か)委員長 起立多数と認めます。よって、第百八十二号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○高橋(か)委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○高橋(か)委員長 この際、梶山都市整備局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○梶山都市整備局長 一言、お礼のごあいさつを申し上げます。
 このたびの定例会に提案いたしました議案につきまして、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 高橋委員長を初め委員の皆様には、今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、大変簡単ではございますが、お礼のあいさつとさせていただきます。まことにありがとうございました。

○高橋(か)委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時二十三分散会

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