都市整備委員会速記録第八号

平成十七年九月十五日(木曜日)
第五委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長高橋かずみ君
副委員長伊藤まさき君
副委員長長橋 桂一君
理事花輪ともふみ君
理事三宅 茂樹君
理事立石 晴康君
大松  成君
高橋 信博君
たぞえ民夫君
植木こうじ君
きたしろ勝彦君
小沢 昌也君
川井しげお君
中村 明彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長梶山  修君
次長村松  満君
技監小林 崇男君
技監依田 俊治君
総務部長安藤  明君
都市づくり政策部長福島 七郎君
住宅政策推進部長矢島 達郎君
都市基盤部長成田 隆一君
市街地整備部長石井 恒利君
市街地建築部長野本 孝三君
都営住宅経営部長小林 計代君
住宅政策担当部長水流潤太郎君
航空政策担当部長小山  隆君
多摩ニュータウン事業担当部長酒井 洋一君
都市景観担当部長安井 順一君
再編整備推進担当部長庄司 静夫君
参事北村 俊文君
参事飯尾  豊君
参事金子 敏夫君
参事中沢 弘行君
参事山室 善博君
参事渡辺  滋君
参事今井  光君
参事宇多田裕久君

本日の会議に付した事件
 都市整備局関係
事務事業について(説明)
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・土地の売払いについて
報告事項(説明・質疑)
・第百七十回東京都都市計画審議会付議予定案件について

○高橋(か)委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、議席について申し上げます。
 議席は、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○高橋(か)委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会において、お手元配布の日程表のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の事務事業の説明聴取及び第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、並びに報告事項の聴取を行いたいと思います。
 なお、事務事業及び提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日の委員会で行いたいと思います。
 また、報告事項につきましては、説明を聴取した後、質疑終了まで行いたいと思います。
 ご了承願います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、都市整備局長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。

○梶山都市整備局長 都市整備局長の梶山修でございます。
 高橋委員長を初め委員の皆様方には、当局の事務事業につきまして、日ごろからご指導、ご鞭撻を賜り、まことにありがとうございます。
 都市整備局といたしましては、今後とも、事務事業の適切かつ円滑な運営を図るとともに、安全で快適な都市づくりを進めるために一層の努力をいたす所存でございます。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、お手元の理事者名簿に従いまして、当局の幹部職員をご紹介いたします。
 まず、次長の村松満君でございます。技監の小林崇男君でございます。技監の依田俊治君でございます。総務部長の安藤明君でございます。都市づくり政策部長の福島七郎君でございます。住宅政策推進部長の矢島達郎君でございます。都市基盤部長の成田隆一君でございます。市街地整備部長の石井恒利君でございます。市街地建築部長の野本孝三君でございます。都営住宅経営部長の小林計代君でございます。住宅政策担当部長の水流潤太郎君でございます。航空政策担当部長の小山隆君でございます。多摩ニュータウン事業担当部長の酒井洋一君でございます。都市景観担当部長の安井順一君でございます。再編整備推進担当部長の庄司静夫君でございます。連絡調整担当参事の北村俊文君でございます。企画・技術担当参事の飯尾豊君でございます。開発プロジェクト推進担当参事の金子敏夫君でございます。区市町村調整担当参事の中沢弘行君でございます。民間住宅施策推進担当参事の山室善博君でございます。民間開発担当参事の渡辺滋君でございます。調整担当参事の今井光君でございます。営繕担当参事の宇多田裕久君でございます。当委員会との連絡に当たらせていただいております、総務課長の浅川英夫君でございます。
 なお、経営改革担当部長の石井一夫君は病気療養のため、また、外かく環状道路担当参事の山口明君は公務出張のため、本日の委員会を欠席させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○高橋(か)委員長 あいさつ並びに幹部職員の紹介は終わりました。

○高橋(か)委員長 引き続き、事務事業について理事者の説明を求めます。

○梶山都市整備局長 都市整備局の事務事業につきまして、お手元にお配りしております資料1によりまして、主要課題の概略をご説明申し上げます。
 まず、一ページをお開きください。
 当局は、現場感覚を反映した、迅速で実効性ある都市整備を進めていくことにより、都市の活力はもとより、風格や魅力、安全性や持続可能性を備えた二十一世紀にふさわしい東京への再生を目指しております。
 当局の事務事業は、おおむね次の五つに区分されます。
 第一は、都市整備の基本的事項に関すること。第二は、土地利用や都市基盤などの都市計画に関すること。第三は、住宅及び住環境整備に関すること。第四は、市街地整備に関すること。第五は、建築に関することでございます。
 昨年四月の三局再編統合を踏まえ、計画部門と事業実施部門が一体となった組織の特性を十分に発揮しながら、これらの事務事業を総合的に推進してまいります。
 続きまして、当局が所管する主要な課題への取り組みについてご説明申し上げます。
 1の住み、働く場としての都市の再生でございます。
 まず、拠点整備の推進。
 現在、都心、副都心や品川などの新拠点、立川などの核都市において、地域の特色を生かした拠点整備を精力的に進めてございます。大手町・丸の内・有楽町地区でのオフィス機能の更新による国際ビジネス拠点の形成、大崎駅周辺地域での民間による再開発、秋葉原や環状二号線地区などにおける都施行の市街地整備事業、品川駅周辺地域における環境モデル都市実現に向けた取り組みなど、東京の活力を高め、新しい魅力を創造する都市再生を積極的に推進してまいります。
 多摩ニュータウンにつきましては、多摩自立都市圏の形成に向け、地元自治体と連携しながら、複合的な都市機能や、自然と調和した良好な住環境を備えたまちづくりを進めてまいります。
 次に、民間活力を生かしたまちづくりプロジェクトの推進でございます。
 民間活力により、都有地を有効に活用したまちづくりプロジェクトを推進し、地域の活力を高め、都市再生を図ってまいります。現在事業中の南青山一丁目団地、港南四丁目第三団地、東村山市本町地区に引き続き、勝ちどき一丁目地区などにおけるプロジェクトを推進してまいります。
 次に、地域が主役のまちづくりの推進でございます。
 東京のしゃれた街並みづくり推進条例に基づく街区再編まちづくり制度などにより、身近な都市再生を推進し、東京に個性豊かな魅力的な街並みをふやしてまいります。また、いわゆる交通バリアフリー法やハートビル条例などに基づき、バリアフリーのまちづくりを展開してまいります。
 三ぺージから五ぺージにかけては、2の首都圏メガロポリスを支える都市基盤の整備でございます。
 まず、航空政策の推進でございます。
 首都圏における空港機能の充実は、東京のみならず、日本経済の活性化及び国際競争力の強化のため、喫緊の課題となっております。
 羽田空港の再拡張、国際化につきましては、現在、国において事業が進められておりますが、今後も、一日も早い事業の完成と国際化の推進を働きかけてまいります。
 また、米軍横田飛行場の民間航空利用及び横田空域の返還についても、早期実現に向け、引き続き国に働きかけるなど、取り組んでまいります。
 次に、三環状道路の整備促進でございます。
 首都圏の三環状道路につきましては、現在建設中の首都高速道路中央環状新宿線や首都圏中央連絡道路などの事業を推進するとともに、昨年十一月に都市計画決定した中央環状品川線について、今年度から着手する街路事業に引き続き、公団民営化後の新会社による有料道路事業が確実に実施されるよう、国に働きかけてまいります。また、大橋地区では、首都高速道路のジャンクション整備と一体的に市街地再開発事業を進めてまいります。
 東京外かく環状道路につきましては、インターチェンジの設置案などについて幅広く意見を聞くため、本年一月から沿線区市で住民説明会を開催してまいりました。今後は、外環の基本的な考え方を取りまとめ、広く都民の理解を得て、計画の早期具体化に取り組んでまいります。
 次に、都市計画道路の整備でございます。
 区部に引き続き、多摩地域につきましても、新たな事業化計画を策定いたします。本年八月には中間のまとめを公表したところであり、横田基地の軍民共用化の動向も踏まえ、関係市町とともに作業を進めてまいります。
 次に、公共交通網の整備でございます。
 公共交通網につきましては、本年八月に、秋葉原とつくばを最短四十五分で結ぶつくばエクスプレスが開業いたしました。引き続き、日暮里・舎人線などの整備や、小田急線などの複々線化計画を推進するとともに、空港へのアクセスを改善するため、京浜急行蒲田駅などにおいて、乗りかえ利便性向上のための鉄道駅総合改善事業を実施するなど、鉄道ネットワークの整備に努めてまいります。
 次に、踏切対策の推進でございます。
 都内では、JR中央線などの連続立体交差化を推進しておりますが、いまだ約千二百カ所の踏切が残されており、踏切問題の早期解決が課題となっております。このため、昨年度に策定した踏切対策基本方針に基づき、地元区市町村、鉄道事業者などとの連携を一層強化し、効果的な踏切対策を進めてまいります。
 続きまして、五ぺージの下の方でございますが、3の大都市の安全を高め、安心を確保する都市づくりでございます。
 災害に強いまちづくりを推進するため、木造住宅密集地域の整備、避難場所、避難道路の整備及び建築物等の耐震化を一体的に進めてまいります。
 木造住宅密集地域におきましては、道路整備と一体的に進める沿道まちづくりなどにより、都市計画道路の整備を契機として沿道の不燃化、共同化を促してまいります。
 避難場所につきましては、確保、拡大方策について検討していきます。また、木造住宅の耐震化を促進するため、安価な仕組みの普及など、都民負担を軽減するための方法について検討を進めてまいります。
 六ページをお開きください。4の快適な都市環境の整備でございます。
 まず、東京らしいみどりをつくる新戦略でございます。
 都市の快適な生活を保つため、みどりの新戦略ガイドラインを策定するとともに、都市計画公園、緑地の整備方針を定め、都市計画公園の事業化計画を明らかにするなど、東京らしい緑づくりを進めてまいります。これらについて、本年六月に中間のまとめを公表したところであり、本年度中の策定を目指します。
 続いて、良好な景観の形成でございます。
 これまでも、歴史的建造物などの景観資源を生かしながら、屋外広告物規制も含め、地域に適した良好な景観形成に努めてまいりました。さらに実効性のある景観施策を進めるため、本年一月に、東京都景観審議会に東京における今後の景観施策のあり方について諮問し、検討を進めております。
 七ページをごらんください。5の住宅施策の推進でございます。
 まず、新たな住宅政策の展開でございますが、東京における居住の魅力の向上を目指して、本年六月、東京都住宅政策審議会に、東京における新たな住宅政策の展開について諮問を行いました。同審議会では、まちづくり、市場活用、福祉などの視点を強化し、都民全体に効果の及ぶ広がりのある住宅政策について検討を進めております。
 次に、民間住宅施策の推進でございます。
 民間住宅建設市場の構造改革を図り、広くて質がよく、低廉な戸建て住宅の供給を促進するため、東村山市本町地区において、先進的で意欲ある民間事業者とともに、戸建て住宅の価格を三割引き下げる実証実験の取り組みを進めております。本年五月に事業会社を設立したところであり、来年度には住宅建設工事に着手してまいります。
 このほか、マンションの長寿命化、建てかえの円滑化などの総合的対策や、安心して取引できる戸建て中古住宅市場の形成など、民間住宅施策を推進してまいります。
 次に、八ぺージ、都営住宅制度の抜本的改革でございます。
 都営住宅につきましては、若年ファミリー世帯などを対象に期限つき入居制度を実施し、利用機会の公平性の確保と地域の活性化を図るとともに、使用料滞納者に対する初期対応の強化により、家賃滞納の一層の圧縮に努めてまいりました。
 今後とも、都営住宅が真に住宅に困窮している人に供給され、都民共有のセーフティーネットとして一層有効に機能するよう、このような管理制度の抜本的改革を推進してまいります。
 最後に、6の建築行政の展開でございます。
 建築物の安全性の向上を図るため、確認、検査はもとより、定期報告制度を確実に実施するなど、建築規制の実効性の確保に努めてまいります。
 また、都民が安全で安心して暮らせるよう、建築物の耐震強化を促進するなど、まちづくりと連携した建築行政の推進に取り組んでまいります。
 以上の主要課題に対し、計画部門から事業実施部門に至るまで局全体が一丸となって取り組むことにより、首都東京の活力、魅力を高め、都民生活の質の向上を図ってまいります。
 続きまして、総務部長から所管事業の詳細についてご説明させていただきます。どうもありがとうございました。

○安藤総務部長 ただいま局長から都市整備局の主要課題をご説明申し上げましたので、私からは、お手元の資料2、事業概要に基づきまして、当局の所管事業の概略をご説明申し上げます。
 まず、八ページをごらんください。局の組織でございます。
 本庁には、総務部、都市づくり政策部、住宅政策推進部、都市基盤部、市街地整備部、市街地建築部及び都営住宅経営部の七部がございます。
 また、事業所は、次の一〇ぺージにございますように、第一及び第二区画整理事務所、再開発事務所、多摩建築指導事務所、東部、西部の二つの住宅建設事務所、ぺージの中ほどとなります、課相当の多摩ニュータウン整備事務所の計七カ所でございます。
 次に、一六ページをお開きください。部課別の職員定数を一覧表にしてございます。
 左上の合計欄に記載してございますように、当局の職員定数は千二百八十七名でございます。
 続いて一八ページをごらんください。平成十七年度の予算規模でございますが、下段の表にありますように、一般会計が二千三百二十一億円余、特別会計が二千三百十二億円余、公営企業会計が二百六十三億円余、総合計で四千八百九十七億円余でございます。
 次に、少し飛びまして三七ページをごらんください。このぺージから五四ぺージまでは、都市整備に関する基本的な計画を記載しております。
 このぺージの東京の新しい都市づくりビジョン、四〇ぺージの都市計画のマスタープラン、四三ぺージの土地利用に関する基本的な計画、五三ぺージの東京都住宅マスタープランなどがございます。
 次に、五九ページをお開きください。ここからは、各事業別の概要についてご説明申し上げます。
 まず、このぺージから七七ぺージまでは、東京の都市構造と拠点整備の推進でございます。
 東京の新しい都市づくりビジョンで位置づけた都心、副都心、新拠点、臨海地域、核都市等のそれぞれの整備方針並びに事業の現況について記載してございます。
 六二ページをごらんください。大手町・丸の内・有楽町地区の再生について記載してございます。
 我が国を代表する国際的なビジネスセンターである当地区においては、ビジネス機能の強化とともに、にぎわいの創出や歴史、文化の保存など、魅力あるまちづくりを進めております。
 次に、六四ページをごらんください。下段に新拠点の整備として、IT関連産業の世界的拠点を目指す秋葉原駅周辺地区、並びに、新幹線新駅の開業により地域のポテンシャルが急速に高まっている品川駅周辺地区の整備について記載してございます。
 次に、七八ページをお開きください。民間活力を生かしたまちづくりプロジェクトの推進についてでございます。
 都有地を活用しながら進めている民間プロジェクトとして、東村山市本町地区などを記載してございます。
 次に、八二ページをごらんください。都主体の市街地整備事業の推進でございます。
 公共施設の整備促進、密集市街地解消などの課題を解決するため、公共性が高く、民間では実施が困難なものについて、都が主体となって市街地整備事業を実施しております。
 八三ぺージから八五ぺージには、汐留地区などの大規模跡地開発土地区画整理事業、六町地区などの既成市街地再整備土地区画整理事業を、八五ぺージ中段から八九ぺージまでは、市街地再開発事業として、都市防災の強化を主な目的とする亀戸・大島・小松川地区などや、都市施設の整備を主な目的とする環状第二号線新橋・虎ノ門地区などを記載しております。
 次に、九〇ページをごらんください。道路整備との一体的沿道まちづくりでございます。
 この事業は、都市計画道路の整備とあわせ、民間の活力を生かしながら沿道の効率的な土地利用を図るための事業であり、現在、鐘ヶ淵地区などについて事業を進めております。
 次に、九三ページをお開きください。地域が主役のまちづくりの推進でございます。下段に、街区再編まちづくり制度を記載しております。
 この制度は、敷地が細分化した密集市街地など、まちづくりの課題を抱える地域において、敷地の統合などを行うことにより、土地の有効利用を図りながら共同化を促進し、街区単位で魅力ある街並み形成を進めることを目的としております。
 次に、一〇四ページをごらんください。道路網の整備でございます。
 一〇七ぺージにかけて、区部及び多摩の都市計画道路の事業化計画や整備状況などについて記載してございます。
 次に、一〇八ページをごらんください。都市高速道路でございます。
 外環や中央環状品川線などの整備について記載してございます。
 次に、一一四ページをお開きください。新たな鉄道、新交通システムの整備として、つくばエクスプレス、日暮里・舎人線などを記載しております。
 次に、一二〇ページをごらんください。航空政策の推進でございます。
 昨年度、国において事業化された羽田空港の再拡張、並びに、次の一二一ぺージには横田飛行場の民間航空利用と空域の返還などを記載しております。
 次に、一二三ページをお開きください。物流対策の推進でございます。
 経済のグローバル化に対応し、国際競争力を向上させるため、物流の構造改革が不可欠となっております。そのため、関係各局と連携を図りつつ、総合物流ビジョンの策定などの取り組みを進めております。
 次に、一三一ページをごらんください。木造住宅密集地域の整備でございます。
 防災都市づくり推進計画に基づき、重点整備地域を中心に延焼遮断帯の整備、市街地の整備などを進めております。
 次に、一三五ページをお開きください。建築物等の安全化でございます。
 耐震診断、耐震改修についての都民に対する普及啓発などの取り組みを記載しております。
 次に、一三七ページをごらんください。避難場所、避難道路の整備でございます。
 震災時において避難者の安全を確保し、火災の延焼を阻止するため、避難場所として、公園、グラウンドなどの大規模なオープンスペースを指定しております。
 次に、一四七ページをごらんください。東京らしいみどりをつくる新戦略でございます。
 平成十五年十月の東京都都市計画審議会の答申を踏まえ、東京の緑づくりを誘導するための指針となる、みどりの新戦略ガイドラインの策定などに関する取り組みを記載しております。
 次に、一五八ページをごらんください。良好な景観の形成についてでございます。
 景観行政を総合的かつ計画的に進めるため、東京都景観条例に基づき、景観基本軸の指定や歴史的景観の保全などを行っています。
 次に、一六〇ページをお開きください。中段に屋外広告物の指導を記載してございます。
 本年一月の東京都広告物審議会答申を受けまして、地域の個性や魅力を生かした広告景観を創出するため、東京都屋外広告物条例を改正いたしました。これにより、特定の区域における広告物に関するルールを条例上の許可基準とすることなどが可能となりました。
 次に、一六九ページをごらんください。東京の住まい向上作戦についてでございます。
 住宅の新規供給、維持管理、更新及び流通など、各段階における課題を解決し、より良質な住宅に居住できる仕組みの整備が必要となっております。このため、東村山市本町地区プロジェクトにおいて、戸建て住宅の価格を三割引き下げる実証実験を推進するほか、一七〇ぺージ中段にありますとおり、マンションの長寿命化のため、ガイドブックによる適切な維持管理に関する普及啓発などに取り組むとともに、建てかえの円滑化のため、具体事例をもとにした課題への対処方策を検討しております。
 また、良質な中古住宅の流通促進のため、事業者など関係機関と連携し、都民が安心して取引できる仕組みの整備に取り組んでおります。
 次に、一七八ページをお開きください。このぺージの下段から一八一ぺージにかけて、宅地建物取引業法に基づく免許の交付、指導などの事務事業について記載してございます。
 次に、一八三ページをごらんください。都営住宅等の供給管理でございます。
 住宅困窮者の住まいを確保するため、公営住宅法に基づく都営住宅などを供給しております。
 まず、一八五ぺージ中段の都営住宅建てかえ事業でございます。昭和三十年代以前に建設された都営住宅などを中心に、計画的に建てかえを実施しております。
 また、一八六ぺージ下段にありますとおり、昭和四十年代に建設した住宅を対象としますスーパーリフォーム事業を行っております。
 次に、一九〇ページをごらんください。都営住宅等の管理でございます。
 表にございますとおり、現在の管理戸数は、合計約二十六万五千戸となっております。
 次に、二〇〇ページをお開きください。期限つき入居制度の導入など、都営住宅の管理制度の改革に関する取り組みを記載しております。
 次に、二〇七ページをごらんください。ここから二二六ぺージまでは、建築行政と開発規制についてでございます。
 建築行政では、建築基準法及びその他の関係法令により、建築計画の確認、許可、違反建築の取り締まりなどを行い、建築物の質の向上や安全、防災等に資するとともに、都市計画で定められた地域、地区等の土地利用計画に即した秩序ある都市の形成を目指しております。
 二一九ぺージからは、建設業法に基づく建設業の許可及び建設業者の指導監督などについて、また、二二三ぺージからは、宅地造成等規制法などに基づく宅地開発に対する規制等を記載してございます。
 次に、二三二ページをごらんください。このぺージ以降は資料編となっておりまして、国土計画に始まり、都市計画に関する諸制度の内容、市街地整備事業の仕組み、都営住宅の申込資格、管理の実績、当局所管の監理団体の概要など、本編の記述に対応した基本的な資料を掲載してございます。
 以上、簡単でございますが、当局の事務事業につきましての説明とさせていただきます。
 次に、お手元の資料3、東京都監理団体等運営状況によりまして、当局所管の団体についてご説明申し上げます。表紙の次のページをお開き願います。
 都が二五%以上の出資等を行っている当局所管の団体は、公益法人では、東京都住宅供給公社、東京都新都市建設公社、首都高速道路公団、株式会社では、東京臨海高速鉄道、多摩ニュータウン開発センター、多摩都市モノレール、東京地下鉄、日本自動車ターミナル、東京スタジアム、建設資源広域利用センターがございます。これらの団体の詳細につきましては、後ほど資料をごらんいただきたいと存じます。
 各委員の皆様方におかれましては、これらの団体が都の事務事業等を代行、補完し、都民サービスの向上に一定の役割を果たしていることをご理解いただき、これらの団体の健全な発展のため、今後ともご指導、ご支援くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
 以上で当局の説明を終わらせていただきます。

○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。

○立石委員 きょうまで都市再生特区として指定された区域の一覧、及び協議中のものも含めた一覧。
 中央環状新宿線のトンネル部分の工事請負契約状況がわかる一覧。
 その他、最近五年間くらいでトンネル、地下化された道路の工事契約状況がわかる一覧をお願いいたします。
 以上。

○たぞえ委員 八つお願いします。
 一つは、中越、千葉北西部地震でのエレベーターでの人の閉じ込め事故、故障の状況一覧。
 二つ目が、百メートル以上の建築物の年度別建設戸数。
 三つ目が、都営住宅、公社住宅、都民住宅の新規、建てかえ建築の実績。
 四つ目、都市再生緊急整備事業七カ所の進捗状況。
 五つ目、耐震住宅の診断、改修の状況。
 六つ目、都営住宅用地の売却実績及び跡地利用。
 七つ目、地区計画の変化、推移。
 八つ目、都心三区、周辺区のオフィスビル床面積の変化。
 以上、わかるものをお願いします。

○高橋(か)委員長 ほかにございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 ただいま立石理事、たぞえ委員から資料要求がありました。
 これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認めます。よって、理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○高橋(か)委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○梶山都市整備局長 本日は、平成十七年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております都市整備局関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、事件案一件でございます。
 お手元の資料4をごらんください。多摩市山王下の土地を売り払います事件案でございます。よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。
 引き続き、詳細な説明を総務部長より説明させていただきます。

○安藤総務部長 それでは、お手元の資料4、土地の売り払いについてをごらんいただきたいと存じます。
 売り払いの目的は、多摩ニュータウン事業により販売宅地として整備した財産の処分でございます。
 次のぺージの案内図をごらんいただきたいと存じます。所在地は、東京都多摩市山王下二丁目三番の都有地でございます。本件地は、京王相模原線の京王多摩センター駅から徒歩十分程度のところに位置しております。
 恐れ入りますが、前のぺージに戻っていただきまして、土地の種類及び面積でございます。土地の種類は宅地、面積は二万八千六百五十・四七平方メートルでございます。
 売り払いの予定価格は、二十五億四千四百万円でございます。
 簡単ではございますが、以上で平成十七年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。
 ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 それでは、資料要求はなしと確認させていただきます。

○高橋(か)委員長 次に、報告事項、第百七十回東京都都市計画審議会付議予定案件について、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○梶山都市整備局長 本日は、十月二十六日に開催予定の第百七十回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきまして、ご説明いたします。
 今回、東京都決定案件が全部で九件あり、その内訳は、区部で四件、市町村部で五件でございます。また、産業廃棄物処理施設の用途に供する特殊建築物の許可案件が一件ございます。
 本日は、これらのうち、主な案件といたしまして、千代田区大手町一丁目地内用途地域の変更と、葛飾区新宿六丁目地区地区計画につきましてご説明いたします。
 それでは、引き続き担当部長から説明いたしますので、よろしくお願いいたします。

○福島都市づくり政策部長 私の方からは、お手元に配布してございます、この茶色い説明会資料、白い表紙の審議会提案事項概要、それからクリーム色をしております資料別冊、この主に三冊を使ってご説明をいたしたいと存じます。なお、後ろの画面もあわせてご参照いただきますれば幸いに存じます。
 それでは、最初に、千代田区大手町の用途地域の変更についてでございます。これは、クリーム色の別冊資料集をあわせてごらんいただきたいと存じます。
 二ぺージをおあけいただきますと、本地区の位置でございます。東京駅丸の内口から約八百メートルに位置をしております大手町地区でございます。
 大手町地区は、国の第五次都市再生プロジェクトに指定をされまして、合同庁舎跡地を種地といたしまして段階的、連続的に建てかえを進めていく連鎖型都市再生を進めることによりまして、業務中枢機能を維持しつつ、計画的に大手町地区全体の機能更新を図ることとされております。
 これに伴いまして、本地区がこれまでの官公庁主体の土地利用から国際ビジネスセンターへと土地利用転換を誘導すべき区域となりましたことから、地区計画の変更とあわせまして用途地域を変更するものでございます。
 参考といたしまして、千代田区が決定いたします大手町・丸の内・有楽町地区計画についてご説明します。四ページをごらんいただきます。また、図面では、同じ資料の一一ぺージ、飛んで恐縮でございますが、資料の記載がございます。
 地区計画の区域でございますが、一一ぺージにございます約百十九・一ヘクタールでございまして、本地区では、地区の特性に応じまして、丸の内、有楽町西側地区あるいは大手町A、B地区など、全体で五つの地区に分けまして、業務機能の更新、高度化や、多様な都市機能の集積を進めております。
 大手町地区におきましては、特に隣接地区との連続性に配慮した歩行者空間や公開空地のネットワーク化、日本橋川沿いの魅力ある空間形成を一体的に進めるため、壁面の位置の制限のほか、地区施設としての通路を定めております。
 地区整備計画につきましては、八ページをごらんいただきたいと思います。それから、図面資料では、同じく一二ぺージ、最後になりますけれども、ご参照ください。
 今回、大手町B地区に既に定めてあります地区整備計画を合同庁舎街区まで拡大することで、建築物の用途、容積率の制限、建ぺい率の最高限度、開放空地の割合などを定めております。
 また、用途地域、これが東京都の決定になりますけれども、用途地域の変更につきましては、三ぺージをおあけいただきたいと思いますが、ただいまご説明をいたしましたところの地区計画の変更等にあわせまして、用途地域を変更するものでございます。現在、商業地域建ぺい率八〇%、容積率七〇〇%の地域につきまして、容積率を一二〇〇%に変更いたすものでございます。
 続きまして、葛飾区新宿六丁目地区地区計画の決定についてでございます。
 この案件のご説明につきましては、先ほどご説明しました茶色い冊子、これは説明会資料とございます。それから、計画書の記載をしてございます、提案事項概要という白い表紙の方をごらんいただきたいと存じます。
 新宿六丁目地区は、白表紙の二七ぺージから三〇ぺージ、それから事前説明会の図面資料集では、この茶表紙ですが、三一ぺージから三三ページをごらんいただきたいと存じます。
 この地区は、葛飾区の北部に位置をいたしまして、JR常磐線金町駅より約八百メートルの圏内にございます。西側は中川、南側はJR常磐線に接しております面積約三十三・三ヘクタールの区域でございます。
 区域の現況でございますが、主に二つから成ってございまして、製紙工場の跡地約十八・二ヘクタールと、残り約十三・二ヘクタールがガス化学関連製品の研究施設並びに製造工場となってございます。
 本案は、工場跡地とその周辺の土地利用転換を適切に誘導しながら、地域にふさわしいまちづくりを進めようとするものでございます。
 地区計画の内容でございますが、茶表紙の三二ぺージに計画図がございます。面積は約三十三・三ヘクタールでございまして、このうち、十六・九ヘクタールには再開発等促進区を定めるものでございます。
 今回決定いたしますのは、土地利用や公共施設、建築物等の整備の方針を定めます区域の整備、開発及び保全に関する方針、土地利用転換等を支える主要な道路など公共施設を定めるものでございまして、建築等の具体的な制限を定める地区整備計画につきましては、現在あるいは将来、土地所有者となる者が土地利用の方針などに沿って開発を行おうとする際に順次定めていくことにしてございます。
 提案事項、白表紙二七ページをごらんいただきたいと思いますが、地区計画の目標の記載がございます。
 地区計画の目標につきましては、今ほど申し上げましたように、大規模な工場跡地の土地利用転換にあわせて、地域の活性化に資する新たな生活拠点を形成し、隣接する金町駅の中心市街地と連携した広域的な中心性を備えた市街地を目指すこととしてございます。
 土地利用の方針につきましては、計画地を四つに大きく区分けをいたしまして、それぞれの都市機能を整備していくこととしております。
 次いで公共施設の整備方針、三三ぺージになりますが、円滑な交通処理を図るため、地区幹線道路や主要区画道路をそれぞれ整備いたしますほか、都市計画公園を整備するものとしております。
 そのほか、建築物の整備の方針、緑化等の方針も定めるものでございます。
 大変雑駁ではございますが、説明を終わらせていただきます。

○高橋(か)委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 ご発言願います。

○伊藤委員 新宿六丁目地区の地区計画について、お伺いをしたいと思います。
 今回の地区計画におきまして、中心となる製紙工場の跡地利用につきましては、約十八ヘクタールといった、都内でも有数規模の跡地であり、金町駅周辺の活性化との関係や周辺のまちへの影響など、大変インパクトがあり、かねてより大変注目をしてきたところであります。
 また、都市基盤の更新がおくれている葛飾区におきましては、この計画にかける区民の思いや、また期待が大変強うございますので、ぜひとも前向きなご答弁をいただければと思います。
 まず、この地区計画につきまして、いつごろまちづくりが始まるのか、具体的なタイムスケジュール等も含めて教えていただきたいと思います。

○福島都市づくり政策部長 今回の地区計画に基づきまして、主要な道路等の整備につきましては、平成十八年度、十九年度を予定していると聞いてございます。
 また、建物の建設につきましては、十八年度より順次着手をいたす予定と聞いてございまして、こうした基盤整備などが順調に進みますと、平成二十一年度ごろには新たな建物などが整備されてくる、このように考えてございます。

○伊藤委員 わかりました。
 それでは、各地区ごとにどのような施設が建設をされるのか、お聞きしたいと思います。
 この資料によりますと、商業ゾーンや住宅ゾーンというふうに書いてございますが、周りには既に大規模なショッピングモールが建設途中ということもございますので、現在示せる範囲で結構でございますので、具体的に教えていただきたいと思います。

○福島都市づくり政策部長 現在具体的になっておりますのは、今ご説明をいたしております地区計画の中でお示しをしております内容以上のものは、まだ具体的になってございませんで、この茶表紙の三二ページに、区分けとそれぞれの機能を大ぐくりして示してございます。
 複合A地区と便宜上呼んでおりますゾーンにつきましては、ここに記載のとおり、アミューズメント、娯楽からいろいろ幅広い機能を含む大規模商業を中心にスポーツ、文化、交流等のにぎわい施設を、また、A地区の住宅ゾーンや、住宅A地区と称しておる区分けの部分につきましては中高層主体の住宅地、それから複合B地区におきましては、医療福祉施設や中高層住宅、それから、住宅B地区と称しております区域につきましては、中低層の住宅などを想定してございます。
 今後、この地区計画の方針にのっとりまして、事業者など関係者で施設内容をより具体化していくことになると考えてございます。

○伊藤委員 ありがとうございました。
 最後になりますけれども、金町駅の北側の既成市街地の活性化について、今回の地区計画とあわせて検討するべきではないかというふうに私も思いますし、大変この要望が地元では強いわけでございますけれども、都の見解をお示しください。

○福島都市づくり政策部長 地元葛飾区が策定をいたしました都市計画マスタープランによりますと、金町駅北側の市街地につきましては、広域生活拠点型商業・業務系市街地を形成することとしてございます。
 説明が少し至らなくて恐縮でございますが、今回策定する地区計画におきましても、金町駅を中心といたしました中心市街地との連携によりまして、金町駅周辺全体を幅広いサービスが提供できる広域的な中心性を備えた市街地にしようということで目指してございます。
 今後、区や地権者などが主体となりまして、まちづくりの検討に取り組むと聞いておりますので、こうした検討の動向を踏まえまして、都といたしましては適切に対処していく考えでございます。

○たぞえ委員 私からも、新宿六丁目の開発について伺います。
 ここは、一九一五年、大正四年に操業を開始した三菱製紙工場の跡地の開発計画。工場が移転して、既成市街地に突如として大規模な空地が生まれた。それをどのように開発をするか。これは周辺の既成市街地に与える影響は極めて大きいと思います。
 まず伺いますが、東京都は、こうした既成市街地の中の工場跡地に対する開発方針、これはどういうものをどのように考えていらっしゃるのか、示していただきたいと思います。

○福島都市づくり政策部長 工場跡地など土地利用転換が見込まれる低未利用地につきましては、住み、働く場として、また安全あるいは魅力あるまちづくりの場としてなど、都市再生の観点からも有効な資源と認識をしているところでございまして、都市再開発の方針におきましては、工場跡地やその周辺地も含め、市街地再開発事業などにより計画的に整備された、複合機能を備えた拠点等として整備することとしてございます。
 このような工場跡地などの低未利用地につきましては、地域特性を勘案して、適切な土地利用によりまして市街地の再生が図られるよう、地元区、市や住民の意向を反映しつつ、各種制度の活用を図っていくことが必要と認識してございます。
 今後、地区計画などの都市計画制度も活用しながら、防災、環境面などにも配慮した総合的なまちづくりを推進してまいります。

○たぞえ委員 いろいろいわれましたけれども、都内では、どこの工場跡地も、できるのはマンションと大型スーパー、面積が広ければ高層マンションと大型のショッピングセンター、大体相場が決まっているわけです。大型店やショッピングセンターができることによって、既成市街地を支えてきた既存の商店会が衰退をする。結果として、既成市街地そのものが衰退をするということがこれまで繰り返されてきました。高層マンションができた場合には日照問題や風害、ショッピングができますと騒音や交通騒音。ですから、この工場跡地の問題を考えると、東京都の都市計画あるいは都市政策はあるのかなということを大変思うわけです。
 ところで、今回この構想をまとめた葛飾区新宿六丁目地区開発基本計画という文書があるんですけれども、この中で、この工場跡地開発ということをいっています。
 当地区は、長年、区や周辺の住民が関心を高くしていた、いわゆる産業系の大規模土地利用転換であり、その開発の基本的な方向を出すことが求められてきた。しかし、従来のように、公団が土地を買収して、公団が主体となって開発を行うシステムではなく、公団自身が直接開発せずに企業が開発者になる。土地有効利用事業で、このような大きな土地を扱った例はない、このようにいっています。
 つまり、この開発は、第一は、この土地は周辺の既存の市街地との関係が非常に深いということです。二番目に、しかし公団が直接開発をせずに、民間企業が事業者となることが従来と違う。三番目に、独立行政法人である都市再生機構が始めた土地有効利用事業としては、過去最大の規模だということがこの検討委員会で出されているわけです。そういう意味で、この開発計画、従来型じゃない条件をもって開発が行われていく。
 そこで、次に伺いますが、提案されている都市計画案では、従来の工場跡地開発とは、どういう点で違いがあるのか、これ説明をお願いします。

○福島都市づくり政策部長 工場跡地の開発につきましては、先ほどご説明をいたしましたけれども、本地区におきましては、大規模な土地利用転換に合わせ、良好な居住環境の形成に加えまして、工場や研究所も残すということもこの地区計画の中の目標としてございまして、私どもといたしましては、必ずしも工場を外に出すということだけを目標にしているわけではございませんで、そうした目標に沿ったまちづくりがこの地区では行われる、こういうふうに考えてございまして、特段大きな違いをここで持ったというふうには考えてございません。

○たぞえ委員 余り変わらないという話ですが、私は大きく変わるんじゃないかと思っているんですね。
 既成市街地とのかかわりでいいますと、今回提案されている地区計画案の目標の中にもたびたび出てきますけれども、地域の活性化に資する、こういう言葉がたくさん出てきます。土地利用の方針の中にも、地域の活性化に資す、こういう文句があって、これがキーワードになっているのが今度の開発の中心点なんです。
 確かに、工場がなくなったんだから、これにかかわる地域の雇用もなくなって、また、地域の関連企業も下請企業もなくなる。これにつながる地域産業も冷え込んでいくわけですから、新宿地域の活性化につながる開発は極めて大切だと思います。
 しかし、計画案を読みますと、地域の活性化に資するアミューズメントを含む大規模商業などを中心に、新たなにぎわいを創出するというふうに書いてあるんですね。結局、この大規模ショッピングセンターを誘導するということが今度の開発の中心点なんですよ。今までのように、工場が移転をした、その跡にどうぞというのではなくて、規模的にも機能的にも大きなものが導入されることを今回の都市計画の素案の中に含んでいるということが違う点なんです。
 しかも、商業ゾーンとして計画されている約三万坪、超大型で、そして二ヘクタールの公園に隣接をしているということでありますが、それだけで新たなにぎわいを創出することができるのかどうかということなんですね。そしてまた、それが地域の活性化に資するといえるかどうかなんです。
 私、きのう、その現場に行ってきましたが、この開発地は、金町駅から約十分のところにあります。この金町駅を中心とする地域は、現在、国の補助事業である中心市街地活性化事業に取り組んでいる最中です。駅の南口も行きましたが、再開発の準備組合が立ち上がって取り組みが始まっていました。
 この中心市街地活性化事業というのは、郊外型の大型店の進出に対して、駅前の中心的な市街地が寂れてしまう、これを何とか食いとめようということでつくられた制度で、取り組んでいるのが、この金町の取り組みなんですね。そこに、国の出資金を財源として土地を購入して、土地有効利用という名で大規模な商業施設をどかんとこのまちに持ってくる。これは、既存のまちづくりに対する大きな矛盾を生むことになるんじゃないでしょうか。こんなことをやられたら、地域の既存の商店会は壊滅的な打撃を受けますよ。
 例えば、葛飾区が図書館をわざわざ再開発ビルに持ってこよう、こういう合意が進んでいる。ところが、今度の三菱製紙の開発地にそういうショッピングセンターができれば、これまでつくられたまちの形がもつかどうかということになるわけですね。ですから、南口の地権者からも、この再開発と競合して、事業採算に影響が出るんじゃないかという不安の声が上がるわけです。地元商店街が埋もれてしまうんじゃないか、血相を変えているわけですよ。私は当然だと思うんですが、この点どうですか。どのようにお考えでしょうか。

○福島都市づくり政策部長 当地区の機能導入につきましては、今、アミューズメントを含む大規模商業やスポーツ施設等を考えておるところでございますが、駅周辺の商店街、そうしたところとは、基本的に機能的なすみ分けができるというふうに考えてございまして、そうした意味で、双方が連携してこの地区のにぎわいをつくっていけるものと、このように認識をしてございます。

○たぞえ委員 すみ分けといいましたが、人間はすみ分けできないんですね。あなたはこちらのショッピング、あなたは駅前のショッピング、こういうわけにいかないです。建物は区分けできても、人間生活の基盤というのはそう簡単にいくものじゃないですよ。しかも、これは金町だけの問題じゃないんです。
 私、きのう行ってきまして驚きましたけれども、金町駅の隣、亀有--ちょっと指してくれますか、場所。(「書いていない」と呼ぶ者あり)いや、亀有の駅よ。そこにあるじゃない。(「もっと先ですよ」と呼ぶ者あり)その中川の隣が駅でしょう。まあそこら辺です。
 それで、亀有駅に隣接する工場跡地がもう一個あります。日本板紙跡地なんですね。ここは、イトーヨーカ堂の巨大ショッピングセンターと高層マンションの開発が現在行われています。この亀有ショッピングセンターは、亀有地域の地元商店会の床面積の二倍を持つ大規模センターなんです。その進出が地域商業にどういう影響を与えるかという点で、今大きな問題になっています。三菱製紙とこの板紙工場跡地の距離がわずか一キロ。しかし、今度の三菱の方は、開発規模はその亀有の一・五倍のショッピング。だから、すみ分けをするといっても、目の前に巨大なショッピングセンターが二つ同時に建っていくという状況です。
 だから、これは単なる金町の個別の地域の問題じゃなくて、葛飾全体のまちづくりの問題になるのではないかと思います。こういう都市計画で、亀有の工場跡地との関係が検討されているのかどうか。隣接する開発とですね。
 それから、東京都に地元の区から計画案が上がってきましたが、手続上、都は都計審にかければいいというだけが都市整備局の仕事じゃないと思うんですけれども、そこら辺の全体のコントロールという点では、東京都はどういうふうに考えられるのでしょうか。

○福島都市づくり政策部長 この地区計画の提案につきましては、地元葛飾区が相当古くから検討を開始してまいっておりまして、ただいまご指摘のようなことも十分踏まえての私どもへの提案と認識をしてございます。
 私どもといたしましては、この開発が一気になされるわけではございませんし、そうした周辺との関係も十分に踏まえた上で今後調整をされていくものと認識をしてございますので、そうしたそごを来さないように、私どもとしても十分な調整をしてまいりたいと考えております。

○たぞえ委員 ところで、地区計画の土地利用の方針のところに、複合A地区には商業機能と都市型住宅、複合B地区にも生活支援機能と都市型住宅、住宅A地区には中高層の都市型住宅を導入するというふうに書いています。どこへ行っても都市型住宅、やたらに都市型住宅が多いんです。
 そもそも都市型住宅とは何なのか。葛飾区は田舎型住宅しかないまちなのかといわんばかりに聞こえてきます。要するにマンションのことでしょう。どうですか。

○福島都市づくり政策部長 私たちが都市型住宅と称しますのは、基本的には、一つの棟の中に単身者から大家族、また年齢構成でいきますと、若年から高齢の方々、そうした多様な世代が住むことができる空間、そうしたものを備えた住宅のことを都市型住宅と称してございます。

○たぞえ委員 マンションですよ、要するに。
 次に、都市計画の進め方なんですけれども、都市整備局が作成した地区計画の決定についてという文書がありますが、これですね。これ読んでみますと、地区計画の決定の中で、本地区計画は方針のみで、具体的な建築計画はありませんというふうにいっています。先ほど説明、報告があったとおりです。
 しかし、その文書の中に、建築物の整備方針という欄がありますが、そこでは、商業ゾーンの建築物の最高高さは三十メートルにします、そのほかの最高高さは四十五メートルにします、見直し相当容積率三〇〇%にしますと、枠型を初めから定めています。方針といいながら、かなり具体的なところまで問題を提起しているわけです。地区計画、今後に当たっては都市計画の変更もあり得ますというふうに書いています。
 しかし、どう考えても、段階的な都市計画決定というのはあるんだろうか。要するに、入り口ででっかく決めておいて、細かいことは今後の都市計画変更でやっていくと。そういう時間も時期も測定できないようなやり方でのまちづくりがされていいのかどうか。
 二段式開発だというふうに私思うのですけれども、これは、ちょっと私、四年間議会にいなかったので教えてほしいんですが、都市計画の手続というのは、こういうふうに分散型決定をするものなんですか、教えてください。

○福島都市づくり政策部長 このように大規模な土地利用転換が想定される区域におきましては、一気にその開発の全体像が明らかになってくることはまれでございまして、こうしたことにかんがみまして、都市計画では、その開発がなされる時期というものに柔軟に対応していく都市計画の制度が、この、きょうご説明しております再開発等促進区という地区計画でございます。この中におきましては、今申し上げましたそれぞれ機能が、立地をしてくるごとに、あらかじめ、こういう大きなくくりの機能を誘致します、立地をしてもらいます、そして、そこにおきます開発の規模なども事前に明示をいたしまして、ここに進出を希望する方々への目安といいますか、目標としてもらうわけでございます。
 こうしたことをうまく使うことによりまして、段階的な開発が可能になる。そうした意味で、新しい都市計画制度手法ということがいえようかと思います。

○たぞえ委員 じゃ、またそれは勉強させていただきます。
 最後に、交通関係を伺いますが、これだけの規模ですから、相当な自動車交通量の発生、そして、住宅、ショッピングセンターなどの駐車場の確保がなければならないと思います。
 葛飾の区長は、十二日の区議会の定例議会で、開発計画は交通量の掌握を行いながら進めてきたというふうに答弁をしていますが、この開発による自動車発生量、駐車場規模、どのような内容でしょうか。

○福島都市づくり政策部長 現時点で想定してございます開発内容に基づきまして算定をいたしました発生集中交通量は、平日、休日、若干の違いがございますが、おおむね一日当たり一万一千台強との推計を行ってございます。
 また、駐車場の設置台数につきましては、今ほど申し上げました商業あるいは住宅、アミューズなどの開発の具体的な床面積などは明確になってございませんけれども、駐車場の整備にかかわる条例の規定など、最小限の駐車台数と想定されますのは、四千台程度と推計してございます。
 今後、具体的に開発の規模等が明確になる時点では、もう少しこの数字は動こうかと考えてございます。

○たぞえ委員 相当な量が発生するというわけです。
 この自動車量を散らすためには、既存の道路がない地域も含まれている関係で、新設しなきゃいけないということになりました。しかも、環状七号線まで車を引っ張っていくために、中川に橋をかけなきゃいけない、こういうことも起こってくる。都営住宅や民家にもどいてもらって、道路をつくらなきゃいけない。
 区長は、勉強会を開いて一生懸命検討されているようですが、この中川に橋梁を、計画段階と実際に建設して完成するまで何年ぐらいかかるのですか。

○成田都市基盤部長 今たぞえ委員ご指摘のように、補助一三八号線につきましては、地元葛飾区がメーンとなりまして、この整備の方向について今検討しているところでございますけれども、現在、都市計画の計画線がある段階でございますので、具体的なものは申し上げられませんけれども、これまで整備した類似の事例から申し上げますと、おおむね橋長は百二十メートルぐらい、幅員が十六メートルでございますので、橋梁だけのかけかえに要する期間は、おおむね三年ないし五年程度かというふうに想定されてございます。
 ただ、取りつけ道路等の用地買収がございますので、用地買収等を含めますと、七ないし十年ぐらいの期間が必要かというふうに推定されてございます。

○たぞえ委員 結構かかるんですね。しかし、先行して工場跡地の方の建物はできている。しかし、その受け皿となる道路や橋ができ上がっていない。金町の駅前の広場もさほど大きくないですよ。そういう都市づくりの全体像が見えずに、その工場跡地だけ先行するというやり方がいいのかどうかと思います。
 もう一つ聞きますが、この橋をつくった場合のお金、これはどなた様が出すのでしょうか。

○成田都市基盤部長 事業主体、それから事業手法等が定まってございませんので、具体的なことはまだ明確になってございませんけれども、一般論として申し上げますと、ここは両区にまたがってございますので、葛飾区、足立区が区事業といたしますと、それぞれが二分の一を負担する。また、国庫補助事業を導入した場合は、国庫補助の割合は約二分の一でございますので、それぞれ二分の一を除いた二分の一ずつ持ちますので、両区とも四分の一ずつの負担、こういうふうなことに一般論としてはなろうかと思います。

○たぞえ委員 足立区の開発でないのに、足立区が四分の一お金を出さなきゃいけないと。民間企業の開発のために、葛飾区が四分の一の橋梁のお金を出さなきゃいけない、こういう計画ですよ。しかも、それもずっと先の話だと。本体はもっと先にでき上がっている。
 だから、そういう整合性が、この計画では住民に大きな不安を与えているんじゃないでしょうか。南口の駅前開発、そして亀有の工場跡地の問題、複合的な問題なんですね。そういう点を都市計画、都市政策としてとらえていかなきゃいけないというふうに思います。
 こういう現実問題が解決されないままに、開発計画だけは先行して決定される。こういうやり方はどうなのかなと思います。しかも、葛飾区議会にも、そして区計審にも、報告、説明は今のところありません。その現実を置き去りにしたまま都市計画決定に踏み出すということは許されないと思います。こういうやり方は、私は批判が出ても当然だと思います。
 今回の都計審の手続はやめるべきで、かけるべきじゃない、そのことを要求して質問を終わります。

○植木委員 きょうの案件の一つであります大手町合同庁舎跡地問題について質問します。
 最初に、先ほどもちょっと説明の中に入っていたんですが、この大手町地区では、合同庁舎跡地を基点として連鎖型都市再生を行う、こういうことになっているんですけれども、この連鎖型建てかえ事業ともいわれている都市再生事業がこの計画決定の大きなポイントの一つであると思うんですが、これはどういう手法で、どうしてこういうふうになったのか、教えてください。

○福島都市づくり政策部長 大手町地区は、金融、情報通信、通信、新聞メディアなど、本社が数多く立地をしてございまして、日本経済の中枢機能の集積地でございます。
 これらの業種は、立地が限定されます上に、二十四時間稼動型業種が多く、また現在地での建てかえが容易に進まない、こういう状況にございます。このため、建物の老朽化が進み、IT化への対応にもおくれが見られておりまして、業務を中断することなく建物の機能更新を進めていくことが、国際競争力の強化の観点から不可欠と認識してございます。
 こうしたことから、国の合同庁舎跡地を種地といたしまして、段階的かつ連続的に建てかえを進めていく連鎖型都市プロジェクトによりまして、大手町を国際的ビジネスの戦略拠点として再生するとともに、魅力的な都市空間を形成していこう、このように考えているものでございます。

○植木委員 そうしますと、要するに、周辺の民間企業あるいは団体が老朽化した建物を建てかえしやすくするために、国や東京都としてこれを支援していく、こういうことだろうと思うんです。
 現在これにかかわっている組織は幾つかありますけれども、大手町まちづくり推進会議とか、これには東京都、千代田区、都市再生機構、有限会社大手町開発が参加をしているというふうに聞いています。それから、その有限会社大手町開発には、今回名乗りを上げている日本経団連、日経新聞、JAグループ、全国農業協同組合等ということなんですが、国の合同庁舎ですから、もともと国有財産の処分ということに当たっては競争入札をするというふうになっていると思うんですけれども、どういう経過で都市再生機構への随意契約となってきたのか、その辺についてお示し願いたいと思います。

○福島都市づくり政策部長 都市再生機構は、豊富なまちづくりの経験、ノウハウ等を生かしまして、このプロジェクトを円滑かつ安定的に推進するため事業に参加をしているものでございまして、連鎖型都市再生を支えるための土地区画整理事業を実施し、また長期にわたり種地を保有していくものでございます。
 合同庁舎跡地の売却方法につきましては、財務省が国有財産関東地方審議会の審議を経た上で、大手町地区の都市再生に必要な土地区画整理事業用地として、随意契約による都市再生機構への売却を適当と認めたものである、このように聞いてございます。

○植木委員 今の財務省が随契によって売却を認めたと。これは昨年度だというふうに思うんですけれども、さかのぼって、東京都は土地処分の仕方について国に申し入れたと聞いていますけれども、これについてはどういうふうになっていますか。

○福島都市づくり政策部長 ご指摘の申し入れにつきましては、平成十四年十月に、都知事から財務大臣あてに文書で申し入れたものでございまして、内容といたしましては、大手町合同庁舎跡地が売却される情報を踏まえまして、大手町のまちづくりに役立つ方法で合同庁舎跡地の処分を進めていただきたいという趣旨のものでございます。

○植木委員 まちづくりに役立つ方法で処分ということなんですが、ちょっといま一つわからないんですけれども、要するに処分の仕方を変えてくれということなんですか。それ、どういうことなんでしょうか。

○福島都市づくり政策部長 合同庁舎跡地を活用したまちづくりの方策につきまして、都、区、それから地元協議会により検討しているところでございますので、その状況を十分に踏まえてほしいというのが要請の要旨でございまして、売り方についてまで注文をしたものではございません。

○植木委員 売り方については要請したものじゃないというんですけれども、十六年に都市再生機構に売却を決めたと。
 さかのぼって、東京都が国に申し入れたちょうど同じ時期、平成十四年、二〇〇二年、国の財政制度等審議会国有財産分科会では、平成十五年度中に早期の売却を図りたいということと、一般競争入札の実施も視野に入れながら都の検討を待っている状況だということで、とにかく十五年度中に売却したい、一般競争入札ですぐにやりたい、こういう意思だったのが、結局二年ほどおくれて随契が決まったと。
 競争入札にすればどこまで価格が変化していくかというのは、もちろんわからないわけですけれども、種地を安く提供することができるようにということで、こういう随契になったのではないかというふうに私は思っているんです。
 それにしても、この間の売却方針を決めた財産審議会前後の経過がちょっと不透明なことも幾つかあるんですが--不透明というか、ちょっとわからない点があるんですが、当該地区である千代田区が、この時点で、つまり平成十六年度に処分を決めた時点で、一時同意できないということで参加しなかったという経緯があったわけですね。
 それは、どういうふうに千代田区は主張して同意をしなかったのか、その辺について都はどのように認識しているのかを教えていただきたい。

○福島都市づくり政策部長 当時、区といたしましては、大手町の都市再生を進めること自体については賛成をしてございまして、関東地方審議会に付議することについても了解をしていたものと、都では認識をしてございます。

○植木委員 区がどのように主張していたかということについても……。

○福島都市づくり政策部長 プロジェクトの内容を検討していた当初の段階で、区は、公平、公正、透明性の確保について共通の認識に立っていないと主張をいたしまして、プロジェクトの検討に不参加となったことが一瞬ございました。

○植木委員 つまりこれは、千代田区が合意しなければ、本当は前に進まないはずなんですよね。
 それで、国有財産審議会が平成十六年の六月十八日、二〇〇四年度、決めたと。その前日に大手町まちづくり推進会議が開かれて、ここで四者が合意をする。つまり、千代田、東京都、都市機構、それから大手町開発、この四者が合意をして初めて翌日の審議会に手順としてはいくと。
 ところが、この段階では千代田区は合意していないわけですよ、先ほどいったような理由で。ところが、翌日の十八日の国有財産審議会では、千代田区は合意をしなかったということは一切報告はされていないわけですね。こういう、ちょっとおかしなことがあるんですね。
 それで、私は、千代田区のいろいろ議事録も読んでみたんですけれども、やはり区長も、公平、公正、透明性の確保についての問題点を指摘して、冒頭のあいさつでやっている。
 それから、区のまちづくり推進部長は、区としては、まちづくり事業会社のあり方や事業スキームについて十分議論した上で進めるべきであるとの考えから、当初の基本合意には加わりませんでしたと、こういうふうにいっているんですよね。
 最終的に合意したのは、そのずっと四カ月ぐらい後になるんですけれども、これは本来の進め方じゃなかったということが関係者の間で確認されたため基本合意に至ったと、こういうふうに答弁しているわけですね。
 だから、中身が詳しくわからないんですけれども、当事者でなければ多分わからないんですけれども、要するに、何かスキーム、事業のあり方に問題点があったというふうに推測できるわけですね。
 これだけいろんな組織が絡んでいますから、いろんな経過があるんだろうと思うんですけれども、これが、じゃ一体随意契約、そして、今後事業が進んでいく上でどういう仕組みになって、それには問題点がなかったのかというのが当然問われると思うんです。
 このプロジェクトを国家的なプロジェクトとして、国が都市再生と位置づけてきているわけですが、まちづくり推進会議や国からも要請されて、都市再生機構が要請を受けてこれに参加をしてきたというふうに聞いているんですけれども、この都市再生機構というのはどういう役割を持っているのでしょうか。

○福島都市づくり政策部長 このプロジェクトにおきます機構の役割でございますけれども、段階的、連続的に建てかえを進めるためには、国有地を取得し、種地として長期に保有しながら活用していくことが有効でございまして、民間事業者だけでは、種地の長期保有などの費用負担、リスク負担に限界がございます。
 機構は、全体のコーディネートを行いつつ、有限会社大手町開発とリスクを分担しながら種地を共同で保有する、また、土地区画整理事業を施行し公共施設整備を行う、このような役割を持ってございます。

○植木委員 長期的な保有とかリスクとかいろいろいわれましたけれども、じゃ、都市再生機構から土地の譲渡が可能になるもう一つの会社、有限会社大手町開発ですね。これはなぜ土地の譲渡が可能になってきているのか。この辺の仕組みをちょっと教えていただきたい。なぜなのか。

○福島都市づくり政策部長 ただいまの有限会社大手町開発は、民間都市再生事業という、いわゆる国の方からそういった事業者として認定をされることに伴いまして、随意契約として土地を払い下げる対象者に認定されるものでございます。

○植木委員 そうしますと、都市再生が受けて、認定された有限会社が土地の譲渡を受ける、こういうことなんですが、ここに、平成十六年、昨年の六月十八日、国有財産関東地方審議会の議事録があるんですけれども、国のこれを直接所管している豊岡さんという課長さんがいるんですが、こういうことをいっているので、課長さん、随分大胆なことをいったなと私思っているんですけれども、事業を迅速に進めなきゃいけないということで云々と入っていまして、その際、この民間事業会社が、国が直接随意契約で売却するのと同等の適格性を得ることを条件としておりますと。要は、入札せずに、今回機構に随意契約で売るわけですけれども、それが、この民間事業会社に対して契約のトンネルにならないような、ちゃんとして、そこは担保しなくてはいけないと。つまり、都市再生がトンネルの役割を果たしているというふうに思われないようにやらなきゃいけないよと、みずからいっているんですよね。
 つまり、都市再生というのは最初参加していなかったんです。都と千代田区と関係の会社ということだったんだけれども、参加していなかった。それが、入札でなくて随契にするためにいろいろ方策をとった。その方策の一つが都市再生機構に参加してもらうことだと。
 それからもう一つは、今いった有限会社大手町開発に売るには、これは別に法律でも何でもないんですけれども、認定事業者になったら譲渡してもいいという条件をつける、こういうふうに豊岡課長がいっているんですけれども、まさにこの間の計画をずっと見ても、本来入札でやらなきゃいけないのを随契にして、随契にした会社から、わざわざ事業認定した大手町開発という会社に土地を三分の一譲渡する、こういう手の込んだことをやらないと、この事業は成り立たないんですよ。そういうおかしな仕組みが手続的にも出てきている。
 千代田区がこれ、どこまでどういうふうにいっているのかわかりませんけれども、公平、公正、透明性というのを区長がいうということは、よほどのことだと私は思うんですよね。一度区長に会って聞けばいいんですけれども、時間がなかったので、そこまでできませんでしたけれども、いずれにしても、こういう都市計画というのは、一つは、手続に透明性がなきゃだめだ、それから、だれが見てもトンネル会社だみたいなことをいわれないようなことになっているのかどうかということが、当然前提としてあるわけです。その上で、一つ一つの随意契約がいいのか悪いのかということとか、そういうことをきちっと見ていかないと、単にこれは、今回付議されていますけれども、私は疑問だらけというふうに思っております。
 それで、この大手町まちづくり株式会社が三つの要望事項というのを持っているんですね。それから日本経団連としても、総会で決めた内容というのがあるんです。
 一つは、大手町まちづくり株式会社は、再開発地区での建築整備は民間が行うことということをまず第一の条件に挙げていて、合同庁舎跡地の取得に当たっては、現行七〇〇%を前提とした評価をもとに交渉を行うというふうにいっている。三つ目が、開発のメリットを貢献度に配慮して適正に配分しようじゃないかと、これは自分たちで決める。
 それから日本経団連の方では、再開発計画への参加の条件として、新たな資金拠出はなしで、日比谷通り沿いに現会館と同等の床面積を確保する、リスクは負わない、こういう方針で臨むんだ、こういうことをそれぞれいっているんです。
 これはそれぞれの団体がいっているわけですけれども、基本協定書というのがあって、きょうの案件にもかかわるんですけれども、都市再生に対する地域貢献度に応じて容積率を設定することになっている、こういうんですけれども、この地域貢献度に応じてというのは一体どういうことなのか、お示し願いたい。

○福島都市づくり政策部長 現段階で具体的な計画というものは未定でございますけれども、今後、都市再生特別地区を活用する場合におきまして、都市再生緊急整備地域の地域整備方針への整合等を前提として、地域に求められる機能の導入や都市基盤整備など、地域の貢献内容に応じた容積率を設定できるというものでございます。
 都市再生特別措置法に基づく都市計画のルールとして、一般的な考え方を申し述べているものでございます。

○植木委員 現段階でって、ちょっとおかしいんじゃないですか。
 今回、七〇〇%を一二〇〇%に提案しているわけでしょう。みんなにそれの承認を求めていくわけでしょう。そうすると、単なる考え方を述べたというだけじゃなく、まあ貢献度に応じてというのはそうかもしれないけれども、今回容積率一二〇〇%に決めたわけだから、そこのところはどういう理由なのか、もうちょっとそこのところを教えてもらいたい。

○福島都市づくり政策部長 失礼いたしました。
 ことしの三月、大手町地区全体の機能更新を図り、国際ビジネス拠点への形成を進めることが目標として掲げられまして、合同庁舎街区におきまして、国際ビジネスセンターへの土地利用転換を誘導すべきことが地区計画に位置づけられました。
 また、同じく三月でございますけれども、千代田区歩行者専用道路の都市計画決定、それから、これを整備する土地区画整理事業の都市計画決定もなされまして、また地区計画にも地区施設通路が決定されるなど、街区の都市基盤整備の方向性が明確になりました。
 その後、都市再生機構によります大手町合同庁舎の跡地の取得、区画整理の準備組合の設立など、これらの計画を実現する連鎖型都市再生プロジェクトの準備が進んだことを受けまして、今回、将来の市街地整備の条件を地区計画に定めることとあわせまして、容積率の変更をいたすものでございます。

○植木委員 要するに、全体を見回しても、地域貢献度というんだけれども、七〇〇から一二〇〇にいって、とにかく倍近い容積率ですよね。例えば、経団連なども要望どおり容積率を得られるし、権利床を確保して、なおかつ五十一億円の余剰金をもらえる、こういうことまで専門の機関紙なんかには出ているわけですよね。だから、自分のところは一銭もお金を使わないで移転をして、移転の期間、自前で建てれば当然どこかへ移転してそこで事業運営してという、非常に手間暇とお金がかかることをやらなくてもできるし、余剰金まで入ると。まさに二重三重に支援をして、一般の民間の会社だったら、こんな支援はないんですよね。これは、都市再生の拠点地区という位置づけだとか、国家プロジェクトとしての位置づけがあって初めてできる、そういう内容だと思うんですよね。
 だから、そういう中で、やっぱりこの間の競争入札から随意契約にしてきた経過、それから、容積率も二倍近くなるし、余剰金も受け取る。それから、民間が直接随意契約ということに対しては、社会的な批判を浴びるということで、さまざまな陋策を講じてそれを可能にする。わざわざ都市再生機構に参加を要請したり、会社に認定事業というのを与えたりする。まさに国の豊岡課長が、トンネル会社といわれかねないというふうにみずからいっているような中身が、文字どおりこの中には出てきていると思うんですね。
 そういう意味で、開発、都市再生の特に今回の問題については、かねてから私たちが主張してきたように、本当に都市計画のあり方、都民生活や長期的な都市のあり方、そのことをひとつ考えなきゃいけないし、それから、きょうは時間がありませんので触れられませんけれども、やはり地球規模での環境、これは直接的なそこの開発による環境と、まちというのが熟成されていく中で起きる環境への影響、こういうものを長期的な視野できちっと見ていく必要があると思うんですよ。
 最近でいえば、とにかく東京湾から見ると、ビルが壁のように林立しているし、ヒートアイランド現象、あるいは局地雨、私のところも、この間の水害で被害を受けた一人ですけれども、そういうものとか、そういういろんなまちというものを考えていく必要があるし、特にヨーロッパなどでは、過度の集中だとかの抑制を図る新しいまちづくりの探求なども進んでいる。何でも超高層ビルに頼るというやり方に歯どめをかけていく、こういうことも考えられておりますので、東京としても、そういう角度で都市計画というものを真剣に考えていただきたい、このことを主張して終わりにします。
〔「答弁しろよ。いかにも問題あるようなことをいっているんだから」と呼ぶ者あり〕

○福島都市づくり政策部長 二十一世紀は都市間競争の時代といわれてございまして、東京が今後も都市としての繁栄を続け、そこで暮らす人々が安定した生活ができるようにするためには、東京のビジネス環境や産業活動の国際競争力を高め、都市活力の維持発展を図ることが不可欠と認識してございます。
 立ちおくれている交通インフラの整備とあわせまして、優良な民間プロジェクトを促進する都市再生は、そのために進めているものでございまして、今後とも、環境にも十分配慮しながら、都市再生を積極的に強力に促進してまいります。

○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十七分散会

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