委員長 | 和田 宗春君 |
副委員長 | 矢島 千秋君 |
副委員長 | 曽根はじめ君 |
理事 | 長橋 桂一君 |
理事 | 川井しげお君 |
理事 | 吉野 利明君 |
新井美沙子君 | |
相川 博君 | |
東野 秀平君 | |
樋口ゆうこ君 | |
いなば真一君 | |
立石 晴康君 | |
渡辺 康信君 | |
大西 英男君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長 | 梶山 修君 |
次長 | 中路 有一君 | |
技監 | 小林 崇男君 | |
技監 | 杉浦 浩君 | |
総務部長 | 村松 満君 | |
都市づくり政策部長 | 森下 尚治君 | |
住宅政策推進部長 | 安藤 明君 | |
都市基盤部長 | 成田 隆一君 | |
市街地整備部長 | 石井 恒利君 | |
市街地建築部長 | 野本 孝三君 | |
都営住宅経営部長 | 小林 計代君 | |
連絡調整担当部長 | 加藤 英夫君 | |
住宅政策担当部長 | 水流潤太郎君 | |
外かく環状道路担当部長 | 道家 孝行君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 酒井 洋一君 | |
参事 | 飯尾 豊君 | |
参事 | 金子 敏夫君 | |
参事 | 中沢 弘行君 | |
参事 | 山室 善博君 | |
参事 | 小山 隆君 | |
参事 | 渡辺 滋君 | |
参事 | 今井 光君 | |
参事 | 安井 順一君 | |
参事 | 石井 一夫君 | |
参事 | 庄司 静夫君 | |
参事 | 松村 進君 |
本日の会議に付した事件
陳情の取り下げについて
都市整備局関係
事務事業について(質疑)
○和田委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、陳情の取り下げについて申し上げます。
お手元配布の一五第三二号、国立市泉二丁目アパート家賃引下げに関する陳情、一六第五三号、都営住宅台所排水管の管内清掃の見直しに関する陳情、一六第五四号、都営住宅管理運営の法令尊重に関する陳情、一六第五五号、「駐車場管理業務委託契約書」見直しに関する陳情及び一六第六一号、都からの回答文書の調査に関する陳情は、議長から取り下げを許可した旨通知がありましたので、ご了承願います。
○和田委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせいたしましたので、ご了承願います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより都市整備局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
資料について理事者の説明を求めます。
○村松総務部長 十月十四日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元に配布しております都市整備委員会資料の表紙をめくっていただきまして、目次をごらんください。
資料は、1の都営住宅建設事業等に係る中小企業への工事発注実績から、4の都営住宅使用料一般減免の状況までの四件でございます。
それでは、まず一ページをお開き願います。
1の都営住宅建設事業等に係る中小企業への工事発注実績でございます。都営住宅建設事業等において、資本金三億円以下または従業員数三百人以下の中小企業への発注実績を、財務局、住宅局別に件数、金額及び括弧書きで全体に占める割合を記載してございます。
二ページをお願いいたします。
二ページから三ページにかけまして、2の高さ百メートル以上の大規模ビルの建設状況を記載してございます。平成十六年三月末までに建築確認が済んだ高さ百メートル以上のビルについて、竣工またはその予定日が平成十三年度から十七年度のものを、名称、高さ及び延べ面積について記載してございます。
次に、四ページをお開きください。
3の豊洲・有明北土地区画整理事業の概要でございます。豊洲地区及び有明北地区における事業費、施行期間、施行面積、概要図について記載してございます。
五ページをごらんください。
4の都営住宅使用料一般減免の状況でございます。過去十年における減免件数及び減免額を記載してございます。
以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○和田委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○立石委員 それでは初めに、昨今、都の礼金、更新料廃止、十月一日から施行されたいわゆるトラブル防止の条例について、世間の方に誤解が多少あるようで、そこら辺から質問させていただきたいと思っております。
賃貸住宅の礼金、更新料については、長い間の商慣習として行われてきた経緯がありますし、大げさにいえば日本の文化ともいえる。いろいろ聞いてみますと、かつて礼金、更新料という表現のかわりに、かわりにといいますか、権利金というような時代もあったそうですが、そういう意味では一つの商慣習としてこういう名前が使われ出してきた。それは日本の文化という大げさないい方をしましたけれども、エッセイストの遠藤周作夫人によると、桜だけでも表現の方法として三百五十もあるんだそうですね。確かに日本人の繊細な神経というか、文化というか、そういうことはいえるだろうと思います。
そういう意味でも、確かに時代の商慣習と大きく変わってきた現代という意味で、いろいろあるかと思いますけれども、同時に、時代や社会経済状況の変化に合った見直しをしていくことは大変必要である、これは当然のことだろうと思います。これについて、皆さんから私の耳にもいろんな意見が入っておりますけれども、都として、借り主さん、仲介業者の方々や、家主さんといいますか、大家さんの業界の皆様の話を十分に聞いておられると思いますけれども、改めて聞くべきであると考えますがどうか。
また、今回施行された賃貸住宅紛争防止条例と混同して、条例で規制されたように誤解されている向きもあるのではないか。混同のないようにしていくべきだと考えますけれども、この辺のお考えをお伺いしたいと思います。
○安藤住宅政策推進部長 礼金、更新料のない契約につきましては、関係団体等の理解と協力を得ることが必要だと考えておりまして、今後とも十分に意見交換を重ねてまいります。
またあわせて、条例と混同のないように、条例の内容の正確な周知に努めてまいります。
○立石委員 今、安藤部長からそういうご答弁をいただきましたが、混同されているのではないかと思われる向きがかなりありましたので、そこら辺の誤解のないように、また、条例という立場から、東京都という強いといいますか、立場から、いろいろ誤解があってはいけませんので、役所は親切に誤解のないようにしてほしいと要望しておきたいと思っております。
次に、都営住宅の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
私もかつて本会議で質問したことがありますけれども、好立地であります南青山一丁目団地の建てかえプロジェクトが行われております。今、民間活用の事業の先駆的な形として評価されているわけでありますけれども、まず初めに、民間活用のプロジェクトの特徴について改めてお伺いしたいと思います。
○庄司参事 南青山一丁目団地でございますが、ここは都心部の利便性の高い地域に位置していることから、都営住宅だけではなくて、多様な機能を導入し、都市再生に寄与する取り組みを実施しているところでございます。
このプロジェクトの特徴でございますが、第一に、定期借地権を活用し、都営住宅敷地に民間事業者が都営住宅と民間住宅とを一体的に整備することであります。第二に、総合設計制度を活用して容積率を緩和し、敷地の高度利用を実現したことであります。第三に、都心居住推進のための民間賃貸住宅、都市活動層を支援するための国際医療福祉大学大学院、少子高齢化に対応する保育園や高齢者グループホームなど多様な機能を持つ施設を整備することであります。
こうした特徴を持つプロジェクトの実施により、地域の活性化に大きく貢献できるものと考えております。
○立石委員 今のご答弁を聞いておりまして、土地を有効活用しようということであるし、少子高齢化に対応して保育園だとか高齢者のグループホーム、これはよくわかるわけでありますけれども、都市活動層を支援するための国際医療福祉大学大学院、この都市活動層を支援するという意味がちょっととれなかったんですが、もう一回説明していただけますか。
○庄司参事 都市活動層でございますが、仕事や遊びなど都市において活発に活動している方々を示すものでございます。
○立石委員 つまり、国際医療福祉大学大学院をここに置いたということは、仕事をしながら、また都心において活動を、研究したい、実務につきながら研究したいとか、さらに勉学というか、学びたいという方のためにつくられるというお話がありましたが、そのように理解させていただきました。
さらに、南青山一丁目団地と同じように、都内にはとてもすばらしい、好立地、好環境に、大分昔、昭和四十年前後の住宅難の時代に建てられた、都営住宅のありがたさを大変感じたわけでありますけれども、そういう時代の建物も今の時代に少し老朽、狭隘化してきたわけですね。そういう建てかえの時期を迎えた都営住宅が、南青山と同じようにいろんなところでできたらば、土地の有効活用と、都営住宅にお住まいになられる皆さんも、今の時代に合ったエレベーターがつくとか、近代的という表現は余り適切ではないかもしれませんけれども、時代に合った建物に更新できるだろうと。
国その他の公共の建造物というのは七十年ぐらいの耐用年数というふうに聞いておりますけれども、七十年といっても、現実には七十年というのは大変な時代ですから、昭和でいえば七十九年ですから、昭和九年の建物では機能的にも時代おくれになっていると思うんです。大体どのくらいで、土地の有効活用を兼ねて南青山一丁目団地の建てかえプロジェクトと同じような形でプロジェクトが組まれることが可能であるか、ここら辺もお尋ねしたいと思います。
○庄司参事 都営住宅の耐用年数につきましては、通常七十年ぐらいの耐用年数を持っているわけでございますが、建てかえに当たりましては耐用年数の半分、三十五年が原則でありまして、また、特別な場合はこれによらないことができるというふうに考えてございます。
○立石委員 土地の有効活用ということと、そこにお住まいになっておられる皆さんが、今の時代に合った形で機能更新できる。所得階層のみならずいろいろな階層の方が、その時代に合った土地の有効活用を図り、かつ住環境を整える、東京の居住生活というふうになるだろうと思いますので、ぜひいろいろな形で促進してほしいと考えます。
次に、過日も当該委員会で都市計画の事前説明という形で、新丸ビルを初めとする計画の説明がありましたけれども、あれは東京駅を中心とした丸の内サイドといいますか、それに対して八重洲口サイドについてどのように計画を練っておられるのか、また考えておられるのか。
また、私の地元の選挙区でもありますので、友人、知人、いろんな方からいろんな話を聞いて、丸の内はうまくいくのに八重洲口サイドはなかなかうまくいかない、これはどうしたんだろうかと思いながら質問させていただきたいと思っております。
今いうように、丸ビルあるいは明治安田生命、最近でき上がったオアゾなど次々と竣工し、新丸ビルも特定街区の建築計画案がさきの常任委員会で報告されています。
こうした開発とあわせて、駅前広場、地下広場などの整備が進むとともに、特定容積率適用区域を活用して、東京駅の赤れんが駅舎の復元、保存など風格ある東京の顔づくりができるとともに、国際競争力を持つ国際ビジネスセンターにふさわしい駅の更新が着々と進められている。今の時代にふさわしいと思いながらも、また名建築であります明治の辰野金吾博士の建造物が復元できるということはすばらしいなと思いながら、しかし今いうように、もう一方、八重洲口においては、丸の内と比べ、東京駅前にふさわしい機能更新が立ちおくれているのではないかというふうに思っております。
大きな要因として、敷地の規模など市街地の特性の違いが挙げられると思います。新丸ビルをいうわけではありませんけれども、三菱地所一社ということでありますし、航空写真を見てもわかるように、狭小といいますか、小さなブロックに分かれた発展の経緯があります。もちろん八重洲、銀座は歴史と伝統あるしにせが建ち並び、日本を代表する商業地として発展してきたわけでありますが、景気が後退した今日、テナントの減少など、小規模地権者が機能更新を進めるには極めて厳しい環境となっています。
しかしながら、道路、鉄道など極めて高い水準の公共投資がなされた東京駅前においては、公共の福祉の観点からも、また国民の大切な税金を投入してできてきた今日の繁栄を思うときに、駅前にふさわしい機能更新を進めていくべき責任があると考えますが、まず所見を伺いたいと思います。
○森下都市づくり政策部長 八重洲側の整備についてのお尋ねでございますけれども、委員ご指摘のように、東京駅周辺は、丸の内側と八重洲側がそれぞれ適切な都市機能の更新を図ることによりまして、日本の顔として、あるいは国際競争力のあるビジネスセンターとして、都市再生を強力に進めていくべき地域であると、そんなふうに認識しているところでございます。
○立石委員 都市再生特別地区の指定が考えられるということですけれども、全国的に見るとどのような容積が指定されているのか、東京都ではどのような指定状況であるか、引き続きお伺いしたい。
○森下都市づくり政策部長 委員ご指摘のように、この地域におきましては、都市再生特別措置法に基づきます緊急整備地域に指定されておりまして、都市再生特別地区を定めることができるということでございます。
その全国的な事例でございますけれども、まず、現在指定しております、特に容積率に着目してご説明申し上げますと、神戸市の三宮駅前におきまして、バスターミナルの設置によりまして交通広場の機能を確保するとか、歩行者デッキの整備などによりまして、一六〇〇%の容積率が指定されてございます。そのほか、名古屋駅前におきましても一四二〇%の指定などがございます。
東京都におきましては、大崎駅西口E東地区というところで七五〇%の指定ということでございます。そんなところが指定状況でございます。
○立石委員 わかりました。この間は、新丸ビルで一七六〇という数字が頭に入っておりますけれども、一六〇〇とか、周りへの公共貢献ということとあわせると、随分変わってきたなという印象がありますし、三宮駅前もバスターミナルもインクルーズされるということなので、公共貢献も大きいなと思いつつ引き続き質問させていただきます。
都市再生の特別地区における容積率は、どのような観点から評価を行っているのか。また、中小ビルが共同化して再開発を行う場合、東京駅八重洲口周辺においてはどのように考えられるか、この際お伺いしておきます。
○森下都市づくり政策部長 都市再生特別地区は、民間の提案を受けまして、従来の都市計画制度の枠にとらわれずに、当該地区に必要な都市再生貢献に応じまして容積率の最高限度などを定めることができるものでございます。
東京駅八重洲口周辺につきましては、都市再生緊急整備地域の地域整備方針におきまして、老朽建築物の機能更新や土地の集約化等により、業務・商業が適切に調和した魅力ある複合市街地の形成を図ることなどが定められてございます。
これらの方針に基づきまして、地域に不足している機能の充実であるとか独創的な都市の魅力の創出、関連公共施設の整備などを行うことが都市再生貢献と考えられておりまして、こうした貢献度合いに応じまして、適切な容積率の最高限度などを定めることとなると考えてございます。
○立石委員 今ご答弁いただきましたように、都市再生緊急整備地域の地域整備方針ということで、東京都も老朽建築物の機能更新と。あそこら辺はよく通るところでありますけれども、古いビルが多く建っているという印象がありますので、これは入るのかなと思いながら、また八重洲口サイドは、今、浅草線の成田、羽田、東京駅八重洲口の空港アクセスという観点からも、ぜひこの地域の再生を図るべく機能更新のためにまちづくりをしてほしいと、これを一点要望しておきたいと思います。
小規模な地権者の生活再建という表現を私は使うのでありますが、どういうことかというと、実態を見ますと、かなり古いビルなものですから空き家も結構出ているんですね。正確な数字は最近調べておりませんけれども、聞いた話によれば、いわゆる二〇〇三年問題だとか大規模な開発の立派なビルが竣工して移転してしまうということで空き家になっていると、その実態は四割近い空き室率だというふうに聞いております。
しかも、一社でわっと出ていただくわけではなくて、計画があって工事に着手するまでの間に数年かかるわけですけれども、建てかえの時期に移転をしていただくためにはそれ相当の経費もかかることだろうと、そういう意味で生活再建という表現を使っておるんですけれども、そういうことが含まれないと、まちづくりがなかなか進んでいかないというような気持ちを、現場を見ながら実態として感じておりますので、これらの点もぜひ要望しておきたいと思います。
最後に、私は本会議でも質問したことがあるんですけれども、環状二号線の晴海、築地の地上化についてという問題を局長にお尋ねしたいと思うんですが、築地と臨海部を結ぶ環状二号線については、東京都はことし二月に晴海から築地の区間について地上化の素案の説明を行い、今後、都市計画変更の手続を進めるという話でありました。
これに対し、従来は地下化であったわけですから、それが地上化されるということで、環状六号線とか環状七号線の道路が静かな住宅街にわっと出てしまうわけですから、これはびっくり仰天ということで、区議会も区長さんも大反対ということで大変な騒ぎになっているわけでございます。
しかしながら、なぜこうなっていったかということを考えると同時に、築地市場の移転問題が大きくかかわってくるだろうというふうに思っております。築地市場の移転は私も大反対でございまして、地元中央区では築地市場移転に断固反対する会というものをつくりました。しかしながら、東京都は既に決定したという現在において、現実的に大事な築地市場の将来を考えながら、この反対する会が築地市場地区の活気とにぎわいビジョンづくり委員会をつくりまして、九月に中間のまとめを報告しています。既にご承知のとおりでありますが、この中間のまとめに基づいて、環状二号線の地上化とあわせて、勝どき地区のまちづくりを進めることなど、中央区長を初めとする議会の皆さんが都に対して強く要望をいたしております。
この環状二号線の必要性はよくわかりながらも、こうした区の取り組み状況を踏まえながら、都の具体的な取り組み姿勢について、地元住民に対してさらに十分に伝えていく必要があると考えております。
環状二号線の沿線には、いうまでもなく浜離宮、隅田川を初めとした豊かな水辺空間が既にあるわけでありまして、魅力的な都市空間の形成や観光機能を強化し、まさに首都東京の顔としての一翼を担うだけの風格と潜在的能力を兼ね備えた地区であります。このことから、ただ環状二号線の整備を、道路だけをつくるというのではなく、質の高い観光の意味からも、観光道路という表現があるかないかわかりませんが、観光的な意味からも道路の状況の整備を考えて、周辺のまちづくりを進めることが肝要ではないかと私は思っておりますが、局長のご見解をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○梶山都市整備局長 環状二号線の地上化につきましては、現在、具体的形状等に関して区と協議を進めている段階でございます。また地元中央区は、先生ご指摘のビジョンの実現に向けて、今後積極的に地元の合意形成を図る方針であると伺っているところでございます。
こうした状況を受けまして、都といたしましては、観光にも資するため、勝鬨橋下流に設置される環状二号線の新たな橋梁について、百年先を見据え、風格ある都市景観の創出に十分配慮してまいります。と同時に、環状二号線周辺まちづくりについて、計画部門、住宅部門や再開発等の面的整備部門が一体となった組織統合のメリットを生かして検討してまいりたいと考えております。
○東野委員 地元の問題で何点か質問したいと思います。
私の地元の目黒区では、現在、首都高速道路公団による中央環状線の工事が着々と進められているわけでございます。この中央環状線と東名高速に通じます首都高渋谷線とがちょうど接続するところ、地区でいいますと大橋地区というんですけれども、ここにはかなり大規模なジャンクションが計画されている。
このジャンクションの建設に当たりましては、地元の目黒区や地元住民は、周辺のまちづくりと一体的にこの整備を行うように、これまで強く求めてきました。単なるジャンクション整備だけではなく、まちづくりとの一体化ということでございます。その結果としまして、昨年東京都は、都施行の第二種市街地再開発事業を実施することを決定したわけでございます。
その後、再開発事業の都市計画の案を作成して、地元説明会の開催を経て、ことしの一月に都市計画決定を行うなど、これまでにない迅速な手続がされたというふうに聞いております。今後この再開発事業を円滑に進めていくためには、何にも増して地元の権利者等の要望や意見を十分に尊重しながら計画を作成していく必要があるのではないか、このように思うわけでございます。
そこで、地元の権利者からは主にどのような意見、また要望が出されているのか、まず最初にお伺いしたいと思います。
○石井市街地整備部長 平成十四年に地元と目黒区等で策定されました大橋一丁目地区まちづくり方針というものがございますけれども、こちらには、第一に住み続けられるまちづくり、第二に周辺との連続性が確保されたまちづくり、第三に環境に配慮したまちづくり、この三つの柱をまちづくりの目標とするということにされております。
地元権利者は、この理念をこの地で実現するため、一刻も早い再開発事業の具体化を強く望んでおられます。また、再開発事業の実施に伴い、転出するかどうかの判断に必要な補償の考え方や、代替物件の不動産情報あるいは権利床取得などに関する十分な情報提供と意見交換の場と機会、これらを設けることなどが地元から強く要望されているところでございます。
○東野委員 今、石井部長の方からご答弁いただきました。石井部長は地元に入っていただいて、地元の方とちょうちょうはっしやっていただいているということはよく聞いております。非常に細かいところまで把握されているのではないかと思っております。
この再開発事業の事業化に向けては、今お話しありましたように、地元の権利者との調整を積極的に図っていくことがどうしても肝要であるというふうに当然考えるわけでございますが、現在、事業化に向けまして地元権利者との話し合いの中身についてお伺いしたいと思います。
○石井市街地整備部長 どのような話し合いをしているかということでございます。都は今年度中の事業計画決定に向けまして、地元地権者で構成されております再開発協議会や関係機関等との協議の場を通じまして、積極的に話し合いを行っているところでございます。こうした場におきまして、再開発ビルの用途別の配置計画であるとか、広場や周辺道路の整備のあり方など、事業実施に向けたさまざまな課題がございますので、これらにつきましてお互いの知恵と意見を出し合いながら、基本的な計画案づくりを進めているところでございます。
○東野委員 この再開発事業では、約百六十メートルの高さと百メートルの高さの二棟の再開発ビルを建設することになっているわけでございます。限られた地域に百メートル以上のビルが二棟建つというのは、周辺の街並みを考えてみても非常に目立つというか、際立つ部分であるわけでございますけれども、再開発事業、いわゆる権利者とまちづくりのさまざまな話し合い、そして収用の問題とかさまざまあるわけでございます。これを再開発事業の表とすれば、裏といっては何ですけれども、再開発事業に伴って周りの地域に、例えば日影の問題などが生じることになるわけでございまして、いってみれば表で目立っている部分とそうでない、この事業が成り立っていくために周りの方々の協力というか、いい方を変えれば我慢というか、犠牲というか、そういったさまざまなものがあって、初めてこの再開発事業というのは進んでいくのではないか、これは当然のことといえば当然のことなのかもしれません。
きのう、私は周辺の団体の代表の方々とさまざま意見交換をいたしました。再開発地域からちょっと離れた方たちなんですけれども、日影の問題で非常に苦慮されている、非常に悩まれている部分なんですが、ちょうど氷川台地域というところなんですね。その氷川台地域には保育園もあって、子どもたちの環境を守っていくという観点でも、氷川台の皆様方は今、都の方々とお話し合いをしながら一生懸命進めているというか、いろいろな意見交換をしているわけでございます。こうした影響を受ける周りの方々に対しまして、都の基本的なスタンスとしてどのように対応されているのかをお伺いしておきたいと思います。
○石井市街地整備部長 今、委員からお話のあったことにつきましては、私どもも課題として受けとめておりまして、再開発事業は大変多くの事業効果を生み出すものでございます。しかし、一方でご指摘のような課題も多いと、あるということも事実だと認識しているところでございます。
そうしたことから、周辺の氷川台地区の方々に対しましては、説明会の開催や個別対応をきめ細かに行いまして、特に課題となっております日影の影響について説明をしてまいりました。
具体的に申し上げますと、日影の影響というのは、冬至日におきましておおむね一時間から一時間半程度生ずると。この日影につきまして時間ごとに図に表示いたしまして、時々刻々と影が移動していく様子をわかりやすく説明してまいりました。
また、地元の要望に応じまして、建物の配置や形状等を変更することで日影の影響を軽減した複数の案について検討を行いまして、その案をわかりやすい資料で説明し、地元の意見を聞いてまいりました。
これからも周辺地区の方々の理解がさらに得られるよう真摯に対応してまいりまして、この地区が周辺とともにいいまちになるように頑張ってまいりたいと、このように思っております。
○東野委員 いずれにしましても、ジャンクションと一体になったまちづくりというのは、地元の願いでもあろうかと思います。何も地元が再開発に対しまして、頭から反対というわけではないというふうにも仄聞しております。
ただ、今も部長がいわれましたとおり、周辺にはどうしても影響を与えてしまうものであります。ここではビルの高さの問題とかそういうのを議論する場ではないと思いますので、あえて申し上げませんけれども、今、部長の話にありましたように、地元の方々のさまざまなご要望やご意見をしっかりとお聞きいただいて、先ほど目黒区との協定でというふうなお話をしました三つの柱、この再開発がなされて、まちの環境も一段とよくなったというふうにならなくてはいけないと思います。こういう事業は、どこかの一部の犠牲によって進められるべきではないと思います。もちろん我慢するところは我慢していただく部分というのは出てくるかもしれませんけれども、周辺の方々の思いがまちづくりに最大限通じ、また、再開発が進むことによって周辺のまちがこのようによくなった、整備された、そういう再開発であっていただきたいことを心より念じて、私の質問を終わります。
○相川委員 私から二点質問させていただきます。
一つは、先ほど立石先生のご質問にもありましたけれども、十月一日に施行されました賃貸住宅紛争防止条例に関してなんです。この条例の都民への周知のツールとしてガイドラインを発行されたというふうに聞いておりますけれども、もう少し予算をかけて徹底してPRする必要があろうかと思うんですが、いかがでしょうか。
○安藤住宅政策推進部長 ただいまの賃貸住宅トラブル防止ガイドラインにつきましては、十月一日施行の賃貸住宅紛争防止条例にあわせまして四万部作成し、都内の宅地建物取引業者など関係業界や都民に対して配布しているほか、局のホームページでも全文を掲載しているところでございます。
また、条例とガイドラインにつきましては、広報東京都、東京くらしネット、東京都提供のテレビ番組などでもPRしているところでございます。
なお、ガイドラインにつきましては関係業界や都民からの希望が多いため、書店による一般販売を開始することにした次第でございます。
今後とも、このような手段を通じて積極的なPRに努めてまいります。
○相川委員 わかりました。
次の質問ですが、これは私が本会議で一般質問したり、昨年の予算特別委員会で質問したときの知事の答弁、あるいはほかの議員が本会議で質問したときの知事の答弁で、知事の口からよく出てくる言葉なんですけれども、戦後の東京には都市計画がなかったと、そのために今こういうめちゃくちゃな東京のまちが存在しているんだというような発言をよくされます。実は私は、少なくとも戦災復興時の東京にはすぐれた都市計画が存在していたんだというふうに思っておりまして、都市整備局としてこの点についてどういう認識を持たれているのか伺いたいと思います。
○森下都市づくり政策部長 都市整備局としての都市計画についての認識ということでございますけれども、都市計画は、公共施設の整備であるとか土地利用の規制、誘導などを通じまして、快適な都市生活と機能的な都市活動の確保を図るというものでございます。
東京におきましては、明治時代の東京市区改正条例の制定以来、都市計画というものが定められまして、その実現の機会として震災復興、それから戦災復興、東京オリンピックなどにあわせまして大規模な都市改造を行うなど、大きな節目を経てきたところでございます。
財政的な事情などによりまして、当初の計画どおりに実現していない部分もございますけれども、こういった機会を通じまして、例えば昭和通りであるとか青山通り、主要なターミナルの駅前広場であるとか首都高速道路など、東京の都市活動を支えます骨格を形成してきたところでございます。
また、快適で機能的な都市の実現を図るために、用途地域であるとか市街地開発事業、地区計画などの制度を活用しながら都市づくりを進めてまいりました。
このように、東京都としては、社会経済情勢の変化や都市化の急速な進展などの中で、都市計画の推進に努めてきたというふうに認識しているところでございます。
○相川委員 皆さんの立場ですと、これ以上突っ込んだいい方はできないでしょう。それはよく理解できますし、私も小心者ですから、知事に直接、知事の認識は違いますよなんていう度胸も持ち合わせておりませんので、こういう委員会、何でもありの事務事業質疑の中で間接的に知事に訴えさせていただきたいと思っているんです。
私は、先ほどもいいましたように、戦災復興のときの東京には、少なくともすぐれた都市計画があっただろうと。あの当時、東京市だったか、東京府だったかわかりませんけれども、石川栄耀さんといわれていますが、たしか東京市だか東京府の技監をおやめになった後、早稲田で教鞭をとられましたけれども、ああいうすぐれた方を中心にして、当時の東京都にはすぐれた方がいっぱいいらっしゃって、ある意味ではすばらしい都市計画を描いていたと私は思っているんです。
これは皆さんと皆さんの先輩の名誉のためにあえていわせていただくんですが、知事はそれをいつも否定されているわけです。というのは、そういうすぐれた都市計画があって、実は東京のまちがこれほどだめになってしまったのは、東京オリンピックという国策のせいだと私は思っているんです。去年かことしの初めか、お隣の立石先生の地元の日本橋を復活する会なんていう会ができたという報道がされていましたけれども、ああいう江戸東京のシンボリックなものまでも、あの国策でめちゃめちゃに破壊してしまう。
だから、東京都の立場は、東京にはすぐれた都市計画があって、それを国がだめにしたんだから、あなたたちは権限と金を東京によこせと、我々はこれから東京のまちをつくり直していくんだという立場だと私は思っているんです。そういう気概を持って、東京のまちづくりの先頭に立っていただきたいと思っています。
もう一つ、最近非常に危惧しているんですが、今の都市計画制度の運用の流れが余りに規制緩和の流れに乗り過ぎていると私は思っています。例えば地区計画制度なども、ドイツのファープランとかベイプランをモデルにしてつくったはずなのに、最近では特定街区とか総合設計をオーソライズするためのツールに使ってしまっているという、これはベイプランとかファープランを日本に紹介した日笠端さんがこういう現実を知ったら、それこそ墓の下で泣いているんじゃないかというぐらいのものだと私は思うんです。
また、先日、渡辺先生が質問されたり、きょうも立石先生が質問されていましたけれども、特例容積率適用地区の質問がございました。私はあれそのものを否定する立場には全然ないんですが、本来的にいえば、実体のない容積率を売り買いするようなこそくな手段をとらなくても、JRは東京駅を復元、保全するということが当たり前だと思うんです。それを、実体のない容積率をどこかへ持っていって、その金でやりなさいよと。これは次善の策としてはしようがないのかもしれませんけれども、今は特例容積率適用地区というのを非常に限定したケースで使っていますから、まだ心配はないのかもしれませんが、ああいう枠が取り払われたら、そのうち、まちの不動産屋に、余った容積率買いますとか、何丁目何番地先に容積率がありますからお売りしますとか、そういう広告なんかが出かねないような規制緩和の流れだと思うんです。
景観なんか特にそうですけれども、当然、規制強化を必要とする局面だってあるわけでして、これから皆さんが東京のまちづくりの先頭に立って走られるわけですから、規制緩和と規制強化というものをしっかりと使い分けて、いいまちをおつくりいただきたいということを最後に期待を申し上げて、終わらせていただきます。
○曽根委員 それでは、私からも都市再生の問題について何点か質問させていただきます。
その前に、新潟県の中越地震、その前には台風による相次ぐ被害の累々とした犠牲者の方々や、今でも被災地で寒さに震えている多くの被災住民の方々にお見舞いを申し上げるとともに、昨日、東京都も救援隊を送るだけではなく、都営住宅への受け入れなどを発表されましたが、ぜひ万全の体制で被災地の方々への支援を行っていただきたい。詳しくは住宅問題として、後で渡辺委員の方からも質問があると思います。
私は、都市再生ということでのオフィスやマンションなど都心を中心にしたビル開発ラッシュが続いているために、東京の環境やまちづくりへの影響はどうなっているのかということについて、幾つかの角度から質問していきたいと思うんです。
昨年、私は予算議会で都市再生問題を知事に質問いたしまして、そのとき都市計画局長は、二〇〇三年問題ということについては、確かにオフィス供給は二〇〇三年度でピークを迎えるけれども、その後落ちついていくんだというようなお話をされました。
ところが、きょういただいた資料の百メートル以上のビルの計画を見ると、決して落ちついた状況ではないというふうに思われるんですが、これは個々のビルの計画については載っていますけれども、昨年度、今年度、それから来年度にかけての竣工予定の大規模ビルの床面積の合計というのはどうなるんでしょうか。
○野本市街地建築部長 平成十五年度から平成十七年度に竣工予定で、高さ百メートル以上の大規模ビルの床面積の合計でございますけれども、平成十五年度は十九棟、約百七十五万平米、平成十六年度は二十棟、約百二十三万平米、平成十七年度は二十二棟、約二百二十九万平米でございます。
○曽根委員 確かに今年度は少し下がっているわけですが、超高層ビルに関しては、なぜか来年度は昨年ピークといわれた二〇〇三年を大きく上回る計画が出ている。これは昨年、当時の勝田都市計画局長のオフィスビルラッシュは落ちつくといったことと矛盾しているように思えるんですが、どういう関係で来年度大きな山がまたできてしまうのか、この点についてどうお考えでしょうか。
○野本市街地建築部長 ビル建設の状況につきましては、それぞれ開発者の方の市場調査とか資金計画、あるいは土地取得の状況等、さまざまな状況があり、一概には難しいかと思いますけれども、このようにとりあえず来年度竣工のものがふえているというのは、需要を見越してのものかなという予想というか、そんなふうな考え方をしております。
○曽根委員 確かにここに来て急速に超高層ビルの計画自体もふえてきていると思うんです。私は二つ原因があると思うんですが、一つは、オフィスビル全体の供給は、もしかするとある程度落ちついてきているのかもしれないが、ビル全体の供給の中で百メートル以上の超高層ビルの占める割合が高くなっている。ですから、超高層ビルだけとれば計画はどんどんふえてきている。私は、恐らく中小ビルの方は、逆に供給はかなりダウンしているだろうと思います。これが一点。
それから、そのことの原因として、最近、東京都のアセスメントの基準を、高さでは百メートルだったものを百八十メートルに、延べ床面積では十五万平米を超えるものに、両方超えるものというふうに限ったことによって、特に民間事業者にとってはビルが極めて建てやすくなったということが影響していると思いますが、そういう印象をお持ちでないでしょうか。
○野本市街地建築部長 低層ビルが減って、かえって高層ビルがふえているんじゃないか、それはアセスの緩和が原因しているんじゃないかということでございますけれども、手元にそういった統計資料もございませんので、何とも申しかねるという状況でございます。
○曽根委員 手元に資料がないとおっしゃいますが、先日も我が党の渡辺委員から、丸の内の開発について都計審案件に関連して質問しましたが、さきの代表質問でも我が党が指摘したように、丸の内の開発で、計画当初は間違いなくアセスにかかるというふうに見られていた東京ビルヂングの計画や丸の内の北口開発ビルの計画が、アセスの改定と同時にこの二つのビル計画は物の見事にアセスから外れて、アセス抜きで建てられるようになったわけです。この丸の内の開発は、アセスの基準緩和によって大幅に促進されたといって間違いないと思うんです。
実は余談になりますが、我が会派のスタッフの一人が電車に乗っていて、すぐ隣にビル開発の関係者が座っていたんですね。その会話が耳に入ってしまった。その話によると、以前は百メートル以上を建てるときは、アセスに億単位の費用と大変な時間がかかったと。しかし、今はほとんどフリーパスで非常に建てやすくなったという話を、ビル関係者が隣でしていたと。そういう点では、東京都のアセス基準緩和というのがいかにビルラッシュをあおる結果を招いているかというのは、私は明瞭だと思うんです。
その点で我が党は、超高層ビルを野放しに近い状態にしておくということがどういう問題を起こすのか。これはこの間、本会議その他で指摘してきたように、ビル自体が熱を排出するということによるヒートアイランド現象や、地球温暖化ガスの排出による環境への負荷の問題だとか、周辺道路の許容量を超えた自動車交通を呼び込む問題、またその自動車の排ガスや排熱の問題、最近は湾岸の狭い地域にビルが建ち並ぶことによる風の道の遮断問題、さらには最近問題になっております長周期地震動への対策、エレベーター停止によるパニックの危険、これは先日も、東京映画祭だとか、都庁の展望台行きのエレベーターも、おりる途中に新潟地震のために三十五階で途中停止をして、十二人が一時間半ぐらい閉じ込められたというふうな--一時間半とまって、係員が手動でドアをあけに行って助けたと。上に取り残された二百五十人のうち大半の人は階段でおりざるを得なかったと。映画祭の方は、お客さんは全員、映画を見た後に五十二階まで階段を上がってパーティーの会場に行かなければならなかったということがあったと聞きました。こうした多くの問題が未解決のまま山積みされているということを指摘してまいりました。
都はオフィスビルの環境対策として、確かに屋上緑化や空地の緑化を進めてきたわけですけれども、はっきりいって超高層ビルの場合、私が見る限り、こうした屋上緑化、空地緑化、壁面緑化などがほとんど進んでいないように思うんですが、実際どのぐらいの実績を上げているのかというのをもしご存じだったら教えていただきたい。
○野本市街地建築部長 ビルの環境対策ということでございます。さまざまな観点があるかと思うんですけれども、一つ緑化についていいますと、建物建設の際の緑化については環境局がメーンにやっております。一千平米以上の敷地について一定の緑化計画書というものを出していただきまして、そこで指導するということになっております。
それから、私どものところでの環境対策あるいは温暖化対策といたしましては、例えば開発諸制度の一つであります総合設計制度では、都市のヒートアイランド化の抑制など都市環境の改善に資するということで、屋上緑化について容積として評価し、割り増すということを行っております。
この実績でございますけれども、平成十三年度から十五年度までに八十七件の総合設計をやっておりますが、そのうち三十二件について屋上緑化をやっているということで、割合でいうと約三六%、屋上緑化の実績があるということでございます。
それから、総合設計ではないんですけれども、延べ床面積二千平方メートル以上の建築物では、平成十五年度よりエネルギー計画書というものを出していただいています。建築物の省エネルギー化を推進し、地球温暖化防止に寄与するということで、この実績を申しますと、平成十五年度が九十六件、平成十六年度は六十一件の省エネ計画書を出していただいて、環境への配慮が進んでいるということでございます。
○曽根委員 屋上緑化は四割近くがやっているという話ですが、環境局にお聞きしましたら、例えば屋上の場合、人が使えるスペースの二割、総合設計なら三割を緑化するという規定になっているそうで、例えば傾斜の屋根のようなビルの場合は、人が使えませんから緑化の義務はないと。ゴンドラの機材だとかいろいろな機材が置いてあれば、その部分は除くという規定だそうで、つまりどれだけ緑化できるかという保証がないわけですよね。
そもそも超高層ビルも中低層の五階建てぐらいのビルも、敷地が同じであれば、屋上に行こうが地面であろうが平面の面積は同じですよね。だから、空地や屋上の緑化を頑張ったとしても、その点では同等なんですが、五階建てのビルが同じ敷地面積で、例えば三十階百メートルになれば、環境に与える負荷は間違いなく六倍以上になるわけです。そのほかにも超高層に伴ういろいろな問題があります。
しかし、この六倍の環境負荷に対応してどこかで緑化で稼ごうと思ったら、例えば垂直面積の壁面緑化しかないんです。しかし、壁面緑化というのは技術的にも恐らく難しいでしょう。効果を出せるほどのものはなかなか出てこないでしょう。そういう点でいうと、超高層ビル自体が緑化と、それから緑化による温暖化ガスの吸収というような点でいうと、条件は非常に大きく悪いという点を見ましても、私は、都のアセスの規制緩和、それから超高層ビルの事実上野放しに近い状態、こういう都市政策を進めていくならば、つい先日ロシアで決議が行われた京都議定書が発効するのにあわせて、炭酸ガスで九〇年対比で六%減、現状からいえば一二から一三%落とさなければならないという目標を達成する保証がますます遠ざかっていく。この点からも都市政策の見直しが必要ではないかというふうに思うんですが、そういう点でのご認識をお聞きしておきたいと思います。
○野本市街地建築部長 ビル建設等によりまして、環境への影響がどんどん悪化していくんじゃないかということかと思うんです。先ほどの、壁面緑化が進まないんじゃないかということなんですけれども、環境局の方では、壁面緑化についてもそれを推進すべくいろいろと対応しているということを聞いております。
もう一つ、私どもの方で説明しました省エネルギー計画書ということなんですけれども、もうちょっと説明させていただくとご理解いただけるかと思うんですが、実は計画書の中に、外壁や窓等を通しての熱の損失防止であるとか、空調設備、換気設備、照明設備、給湯設備、エレベーターといった建築設備類のエネルギーの効率的利用、こういったことを詳細なチェックを進めておりますので、面積がふえるから、そのままエネルギーの浪費につながるということにはつながらないと考えております。
○曽根委員 都市計画を立ててそれを推進する都市整備局がそういう認識では、実際には確かに超高層ビルが建っても、そのすべてが新しく入るものではなくて、ほかから移転したものもあります。しかし、明らかにオフィスビル全体の面積がふえていて、そこに新たに企業がテナントとして入ってきて営業面積がふえているわけですから、そういう点では環境に対する負荷はふえ続けるということは間違いないわけです。
そういう点で、確かに屋上緑化その他でもある程度は吸収できますが、以前私も質問したことがありますけれども、オフィスビル一つつくる、特に超高層のビルで十万平米を超えるような床面積のビルをつくることによる炭酸ガスを吸収できるのは、今の技術レベルでいっても、水元公園三つ分ぐらい必要なんです。多少技術が進んだとしても大変な森林面積が必要になるわけで、それを保証するものは今のところ技術的には全く成り立ちません。
これは環境局の範疇ではなくて、都市整備局自身がこの方針について、さっき、都市計画がちゃんとあったんだという話もありましたが、少なくともかつてのような一極集中是正の方針を実質的にも堅持できるような方針を持たないと大変なことになると思います。このことを指摘しておきたいと思うんです。
もう一つは、都市の緑化の問題で関連して質問したいんですが、都市再生ということで、都市公園などによる緑の確保という点でも大きな後退が始まってきていると思うんです。
というのは、たしか二〇〇〇年だと思いますが、緑の東京計画というのが策定されまして、これまでの緑の倍増計画とか、多摩でいえばフィンガープランとか、かつてありましたが、こういうものと大きな変更として、緑の割合を示す緑被率という基準のとり方をやめて、みどり率というふうなとり方に変えたと聞いていますが、緑被率とみどり率の違いというのはどういうものかを聞いておきたいと思います。
○成田都市基盤部長 緑被率とみどり率の違いということでございますけれども、従来、緑被率と申しますのは、植林地とか農地の緑の占める割合を示してございまして、今回、みどり率というのは、それに加えるところの河川の水面、湖沼あるいは公園内でも園地とか広場、こういうふうなものを加えまして、みどり率と改定してございます。
○曽根委員 緑被率はまさに緑そのものの面積をとるわけですけれども、実際の緑以外に公園やグラウンドなどの面積全体を含めるとか水面も含めると。これを、例えば都民の憩いの場所のスペースがどれぐらいあるかという新たな基準として使うならまだしも、これを緑被率にとってかえようというのは、例えば公園の面積の三割とか四割を必ず緑にしなさいとかいう基準があれば別ですけれども、そういう基準がない以上、公園面積全体をとって、これは大きくいえば緑ですというふうにしてしまうのは、地球温暖化の問題で炭酸ガスの吸収とか、そういうきちんとした目標を持たなければならないことに対してあいまいにしてしまうし、事実上の後退を招くんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○成田都市基盤部長 地球温暖化の問題と温暖化対策につきましても、緑だけではなく、湖沼、水面等の水辺に関しましても、私どもは、従来からも温暖化対策の面から効果があると認識してございますし、今回、それに基づきまして、水面と芝生等の広場、こういう地面につきましてもみどり率の中に算定してございます。
○曽根委員 ご存じだと思いますけれども、地球温暖化と温暖化という言葉は似ているようで違うものなんですね。地球温暖化問題というのは、まさに炭酸ガスの量にかかわる問題であって、これを吸収できるという点では、水面は樹木の吸収能力に比べればはるかに及ばないわけです。したがって、地球温暖化問題の対策という点では、実際の緑の面積をどう確保するか、もっとはっきりいえば、ちゃんとした樹林、森林を確保する問題に取り組まなければならないわけです。
そういう点では、みどり率ということで、例えば広場、グラウンドでもいいということになれば、本当にあいまいになってしまうし、水面というのは、東京都の中で基本的には昔も今もそんなに大きく広がっていないわけです。変わらないわけです。そういう点でいうと、緑の目標をあいまいにするというふうにならざるを得ないという点を強く申し上げておきたいと思うんです。
これは都市整備局がきちんと計画をつくっていかなければ、でき上がったビルや空地の緑化といっても、それも基準が守られているかどうかを環境局が幾ら調べても後の祭りなんですね。都市政策で原因をつくっているわけですから、この都市政策をきちんと変えなければならないと思いますが、改めて都市整備局長に、この点についてはきちんと対処していくべきという見解をいただきたいんですが、いかがでしょうか。
○成田都市基盤部長 曽根副委員長のご指摘でいろいろあれでございますけれども、私ども平成十二年に緑の東京計画を発表いたしまして、この中で緑被率からみどり率と変えてございまして、これを受け、その後、東京都の都市計画審議会の中に専門委員会を設けまして、東京らしいみどりをつくる新戦略というふうなものを打ち出してございます。
現在、これらの二つのビジョンに基づきながら公園緑地の整備方針を検討してございまして、都市整備局といたしましても、今後の緑政策について、これらの整備方針を確定しながら、都民の皆様に示していきながらご理解をいただければと思っております。
○曽根委員 局長は、こういうぐあいにぱっと答えられるようにぜひなってもらいたいんです。
東京都がみどり率というのを対外的に統一的な基準として設けると。しかし、区や市町村は、私のいる北区も含めて引き続き緑被率で頑張っているわけです。そういう区市町村との整合が合わなくなるだけではなくて、東京都がみどり率でいいとなれば、右へ倣えになっていく危険性は大いにあるわけです。
したがって、今、焦眉の課題としては、何としても九〇年対比六%減という、国策としても東京都としても守らなければならない目標に向かって、こういう後退、あいまいさは許されないということを改めて強調しておきます。したがって、緑被率についても計画的な目標を持つこと、みどり率を否定するものではありませんが、緑被率の目標をあいまいにしないこと、都市公園についても計画的に整備を進めることを求めておきたいと思うんです。
次に、私は、都施行の再開発自身が超高層ビルや環境負荷の原因をつくっている問題についてただしていきたいと思うんです。それは、都施行の再開発で、かつては白鬚西地区とか白鬚東、また亀・大・小など、いわば防災や住宅を中心にしたまちづくりのための再開発が東京都施行の第二種再開発事業で行われていましたが、最近の再開発は非常に様相が違うんじゃないかと思うからなんです。
現在の都施行の再開発で事業中のところはどこで、進捗率はどういう状況か教えてください。
○石井市街地整備部長 都施行の再開発で事業中のところはどこで、進捗率はどうかということでございます。都施行の再開発で事業中のところは、環状第二号線地区、北新宿地区、それと白鬚西地区及び亀戸・大島・小松川地区の四地区でございます。
各地区の進捗率でございますが、平成十五年度末現在、再開発事業費の支出ベースで申し上げますと、環状第二号線地区が約二九%、北新宿地区が約六八%、白鬚西地区が約九六%、亀戸・大島・小松川地区が約九九%でございます。
なお、赤羽北地区につきましては、平成十四年度末に事業が完了してございます。
○曽根委員 赤羽北は、私はすぐそばに住んでいるんですが、終了したと。白鬚、それから亀・大・小もほぼ終息だと思います。進行中である北新宿、環二の開発が、最近事業をしているわけですが、以前の第二種の開発と全く様相が違うんですね。東京都自身が今まで建物を建ててきましたが、都が建物を建てるのさえやめているという状況で、最近やっている北新宿と環二の開発で、都自身が施行する再開発ビルというのはあるんでしょうか。あるとすれば、どこにあるんでしょうか。
○石井市街地整備部長 都が直轄で建設する再開発ビルについてでございますけれども、間もなく完成予定の北新宿地区一棟は私どもが直接仕事をしてございます。
○曽根委員 お聞きすると、北新宿の直接施行しているビルが特定建築者制度ができる直前に事業に入ったということで、その後は特定建築者制度ができて、私の地元の赤羽北の再開発でも一棟ありますけれども、環二と北新宿の大部分は特定建築者制度をもって、民間に土地を売って建築させているという状況です。
これらの開発は、いずれも幹線道路建設が大きな目的の一つに実際上なっておりまして、道路計画との関係でいえば、以前は住民が地上げに遭ったり、地上げ後のバブル崩壊で虫食い状態で放置されたり、いろいろ苦労があったところに、今度は東京都が直接、開発会社のかわりに土地買収に入って、第二種のやり方ですよね。東京都がまず土地を買うわけです。公共の開発だからということで住民が信用して任せてみると、実際に建てるビルの大半は東京都が建てるんじゃなくて民間の会社が建てる、民間会社の持ち物である。地権者にもなかなか手が出ないような超高層ビルになってしまう。入るのは地元の大手の地権者、つまり企業ですね。環二でいえば森ビル、北新宿でもかつて地上げなどで悪名をはせた企業の関連会社ということになっているわけです。もしくは多くのビルが開発を赤字にしないための保留床としてそれが売られて、そこにまた新たに大手が入ってくるという状況なんですね。
したがって、ビルを建てるのも不動産かゼネコンですし、看板だけは東京都が公共ということで持っていますが、その裏を見てみると、まさに大企業が入り、大企業のために大企業によって開発されているという実態があって、しかし公共という看板だけはしょっているという実態だと思うんです。
それでも問題がなければいいじゃないかというかもしれませんが、こういうやり方をしているとやっぱり問題は起きるわけです。そういう開発の手法が一体どういう問題を起こすかというのを象徴しているのが、今度新たに第二種の開発を進めようとしている大橋一丁目の開発だと思うんです。
この問題に入っていきたいんですが、大橋一丁目の再開発というのは、首都高新宿線と品川線をつなぐ大橋ジャンクションをそのほとんどの面積が占めている開発です。これ自体、非常に特異な姿だと思いますが、東京都が示している大橋再開発の目標は何でしょうか、また、ここでもやはり特定建築者制度を活用するのでしょうか。
○石井市街地整備部長 大橋地区の再開発の目標と、ここでも特定建築者制度を活用するのかという二点についてのお尋ねかと思います。
目標でございますけれども、大橋地区につきましては、中央環状新宿線の大橋ジャンクションの建設に伴って、地元及び地元区から地区内で生活再建が図れるようにジャンクション整備と一体となったまちづくりを求められまして、東京都はこうした事情の中から、ジャンクション整備のみでなく、周辺のまちづくりといいましょうか、一体となったまちづくりを都施行の再開発事業として行うこととしたものでございます。
この再開発も、都が直接建てる計画にならずに特定建築者制度を活用するのかということでございますけれども、現在、今お話がありましたような環二地区で進めております特定建築者制度は、これまで都が施行してまいりました再開発事業で幾つかの保留床販売を行ったわけでございますが、その実績と反省に立ちますと、残念ではありますけれども、余りうまく売れないということがありまして、この反省を踏まえまして、再開発事業に特定建築者制度を導入することとしたものでございます。
この特定建築者制度のメリットでございますけれども、何よりも今いったような保留床処分のリスクが大変小さい、結果的には税金をつぎ込むことが少なくて済むようになるということ。それから、やはり民間と一体となってやるということで、東京都の予算制度に縛られるようなことがありませんので、事業のスピードアップが図れる。それと、スピードアップが図れることによりまして、利息を生むような大変大きな仕事でございますので、金利負担が小さくなる。結果、総事業費が縮減される、こういうようなメリットはあるわけでございます。したがいまして、これからの事業地区につきましては、特定建築者制度を活用してまいりたい、そういう予定でおるわけでございます。
大橋地区につきましても、今お話ししましたような事業のスピードアップと保留床処分のリスク軽減等の観点から、特定建築者制度の導入を予定しており、都が直轄で再開発ビルを建設する予定はございません。
○曽根委員 今、石井部長がおっしゃったのは、私がもらったパンフレットの地区計画の目標というのとちょっと違うんですね。この目標を読むと、地区計画の導入により、周辺市街地環境に留意しながら立体道路制度を活用して土地利用を図り、既存の商業・業務及び住宅機能を維持増進するとともに、公益施設の導入等により公益的な中心性を有する生活拠点として整備、誘導するとなっていまして、ジャンクションというのは余り書いていないんですが、いずれにしても良好な住宅環境、また商業・業務環境を維持増進していくと、周辺市街地環境に留意するというふうに目標なりに書かれていながら、実際にそうなっていないじゃないかというのが、先ほどもちょっとご質問がありましたが、ビルの日影となる氷川台の町会、また都営大橋団地ですか、あと保育園から開発の抜本的な見直しを求める声が上がっていると思うんです。それはご承知だと思うので省略します。
なぜそういう声が上がっているかという点で、私が現地へ行ってお話をいろいろ聞いてみると、やはり良好な住環境、周辺環境に配慮といいながら、実態は大橋ジャンクションをつくるための開発であって、したがって開発面積の大部分を大橋ジャンクションが占め、実際に再開発ビルを建てられる面積というのは、全体の面積の三分の一ぐらいしかないと。その狭いところにビルを建てるから、どうしても超高層になってしまうということから来ているんじゃないかと、だれが見てもそう思うと思うんです。
これによる被害の問題に入る前に、もともとこの大橋ジャンクションをなぜ必要とするのかという点に、我が党は根本的疑問を呈してきたわけです。中央環状新宿線は急ぐために地下にしましたよね。地下鉄と二階建てにしました。したがって、一番深いところでは五十メートルの地下を通って道路が来るわけです。それが高架と接続するために、どんなにループを小さくとっても二回回さなければつながらないわけです。したがって、あのような巨大な大きさのジャンクションをつくらなければならなくなる。私は、道路計画としてもかなり困難な、無理がある計画ではないかというふうに思うんです。
しかも、それをやるのが大橋の市街地のど真ん中で、今でもあそこは氷川台からしてもずっと下になっていますから、谷合い地というんですか、いかにも大気汚染、排気ガスがたまりやすい地域に、だから今でも大気汚染の最悪の地域の一つだと思いますが、ここにジャンクションがつくられる。当然ながら、地元から見れば大変な計画だと思うんです。
首都高の地下道路を新宿線だけじゃなくて品川線も計画しているので、この問題について一点だけ聞いておきたいんですけれども、先日も都計審で我が党の松村議員から質問しましたが、十キロ、さらに品川線で十キロ、合計二十キロの地下道路をつくるわけです。その地下道路の安全基準というのは何ですかというふうに聞いたら、昭和五十三年に例の日本坂トンネルの大事故がありました。あれを教訓につくられた安全基準が今のベースになっているらしいんですね。日本坂トンネルというのは二キロ程度のトンネルらしいので、それは参考にならないんじゃないかと。もう少し長いんですか、十キロぐらいあるんですか。長大なトンネル、もう少し長距離のトンネルのための安全対策として、既に欧米でも例があるわけですから、せめて換気塔をつくる。二キロないし二・五キロぐらいの間隔で換気塔がありますよね。その間隔で安全対策、車だったら車が逃げられる、避難路ができるぐらいのことをやらないのに、地下道路をつくるということ自体に非常に無理があるんじゃないかというような問題も指摘しました。
品川線全体の財政的な問題も含めて我が党は反対の立場なんですが、この安全対策について、先日も新潟で道路自体が全部なくなるという中に巻き込まれた車の事故もありました。私もきのうずっと見ていましたが、ああいう事態の何百倍もの規模で再発が起きかねないと思うんですが、新宿線の地下道路の安全対策についてどの程度のことを考えているんでしょうか。
○道家外かく環状道路担当部長 首都高速中央環状線でございますけれども、新宿線のトンネルは約十キロ、品川線のトンネルは約八・四キロほどでございます。合わせて十八キロ余のトンネル延長を持つことになります。
トンネル内の安全対策につきましては、その中での火災や交通事故に対して十分な安全対策を実施していく必要があると認識をしております。そして、国土交通省が定めました道路トンネル非常用施設設置基準のうち最も厳しい基準を適用することとしております。この基準は現時点における最新の基準でございます。
具体の安全対策でございますが、まず防災安全施設といたしましては非常用電話、火災検知器、泡消火器、誘導表示板などを設置することとしております。次に避難対策といたしましては、発災時に人が安全、迅速に避難するための非常口や地上への出口を設置するなど、設備や構造上の対策を適切に実施していく予定でございます。
新宿線、品川線ともさまざまな防災安全対策を講じ、トンネル内の安全確保に努めてまいります。
○曽根委員 これは余り詳しく質問するつもりはないんですけれども、人が逃げるだけで最小限だと思います。しかし、次から次へと車が入ってくる高速道路で、トンネル自体は崩れないまでも、この間のような地震で、高速で走っている自動車は間違いなくスピンを起こすわけです。それによる玉突き事故などが起こった場合に、次から来る車が一方通行の高速道路の中でどうやったら避難できるのかというようなことも含めて、二次災害、三次災害を起こさないための手だてというのは、今の話では到底安全といえる状況ではないということを指摘しておきたいと思うんです。
こうした道路をつなげるための開発のために、私は今問題にしたいのは、公共団地である氷川台の大橋の団地、それから保育園、こういう公共的な施設をなぜ日影にしなきゃならないのかという問題なんです。
先ほど、日影は一時間から一・五時間という話がありましたが、地元の皆さんが問題にしているのは、保育園の園庭で子どもが遊ぶ時間にちょうど日影が来ると。日影が始まってから影が抜けるまでに二時間あるというんですよ。これは事実だと思うんですが、いかがでしょうか。
○石井市街地整備部長 先ほど申し上げましたように、保育園の園庭に日影が生じますのは、冬至日におきまして、場所によっておおむね一時間から一時間半程度の日影が生ずる、それが動いてまいりますということでございます。
なお、再開発ビルによる日影の影響につきましては、東京都日影条例で規定されております敷地境界線から五メートルを超え十メートルまでの範囲の四時間以内、それから十メートルを超える範囲の二・五時間以内、それぞれを満足しているものでございます。
○曽根委員 先ほどの答弁でおっしゃった日影図というのはこれですよね。こういうのを丁寧に示しましたという話がさっきありましたが、こういうものを示したからといって日影の時間が短くなるわけではありませんよね。
この図を見て、私は、なぜ住民の皆さんがいうのと時間がずれているのかなと思ったら、園庭の西側から日影が始まって、園庭から影が抜けるまでに二時間。石井部長がおっしゃっているのは、一点をとった場合に影がいつまで続くかでしょう。そうすると、長いところで一時間半かもしれません。しかし、園庭に日影が始まってから、園庭を影が通って抜け切るまでが二時間以上あるんだと。保育園の人たちは、ちょうど子どもたちが遊び始める十時ぐらいから十一時半ぐらいまでの時間の大半が、園庭のどこかがその影に入ってしまうということを問題にしているんだと思うんです。
既に八時から十時ぐらいまでの時間は、すぐ近くに広告塔のついたビルがありまして、その影でもって園庭には日影ができていると。十時の影が終わったかと思ったら、かなり距離はありますけれども、再開発ビルの百六十メートルの影が届いてきて、二時間にわたってずっと影がかかると。日影のときの温度の違いというんですか、これが非常に影響があって、先日行ったときに、子どもたちにとっては寒さで震えるぐらい違いがあるんだということを、園の責任者の方が懸命にお話をしてくださいました。
私は、東京都の第二種の再開発はそんなに数がないわけですから、調べてもらえばわかると思うんですが、保育園に日影を落として、こういう影響を与えるというのは前代未聞だと思うんです。こういうことまでしなければ開発できないのか、いろいろやり方はあったじゃないかというのが地元の方の声なんです。
この点で、私は率直にいえば、例えば団地の方々や保育園の方々の意見を取り入れながら、開発の当初からいろいろ相談していけば解決の道はあっただろうし、もともとこの開発の構想自体がジャンクションをつくるためですから、ジャンクションをつくるだけならば、首都高が頑張れば道路としてできるわけですから、そういうことを考えても、もともとの計画に周辺住民に対する配慮が余りにも欠けていると思うんですが、いかがでしょうか。
○石井市街地整備部長 お話でございますけれども、私どもはこれまでも、地区の北側の保育園はもとより、都営住宅や影響を受ける周辺の方々に対しまして数多くの説明会を開催し、個別対応などきめ細かく進めてきたところでございまして、今後とも地元の理解が得られるように努めてまいります。
○曽根委員 周辺の住民の方とも話し合ったということは、もちろん事実としてあったわけですが、ちょっとお聞きしたいんですけれども、石井部長は直接話し合いもされたということなので、私は、その話し合いの中で確認事項というのを住民の団体の方からいただいたんですが、その確認事項の中に、わずか一ヘクタール強の敷地に再開発を計画したことに誤りがあったと指摘されても仕方がないと、東京都や目黒区の方からの発言があったということと、都、区、地権者の意見に偏った、初めに計画ありきではなく、今後はビル建設によって被害を受ける住民の意見を反映しながら進めることというような確認がされたというメモをいただいたんですが、一ヘクタール程度の敷地に開発を計画したことに問題があったんだという発言があったとすれば、それはどういう意味でおっしゃったんでしょうか。
○石井市街地整備部長 残念ながら私の手元にはそういう事実はございません。確認しておりません。
○曽根委員 それでは、ことし二月に、氷川台の日照を守る会という団体と大橋の再開発事務所の山形課長さんとで取り交わしたと思うんですが、その中にある、一ヘクタール程度の開発ということに問題があったと東京都が認めたという事実はないということですか。これを確認し合ったということは。
○石井市街地整備部長 少なくとも私はそういう確認をしておりませんし、そういう報告を受けておりません。
○曽根委員 それでは、部長さんは知らないということなので改めて確認をしていただきたいんですが、これは住民の皆さんがつくったものですから、確認をしていただければいいと思うんですが、意味するところはこういうことだと思うんです。住民の皆さんが、同じ大きさであっても、再開発ビルをセットバックなりで動かせないのかという要望をしていますよね。何十メートルかずらせないのかと。そしたら、全体の敷地自体が、大橋ジャンクションのわきですから、百メートル四方ぐらいしかないわけですよね。どう動かしても逃げられない、影が園庭にかかってしまうということを意味すると私は思うんです。開発自体が、非常に狭いところにのっぽビルを建てるという開発、根本的にここに問題があると思うんです。
課長さんも、話し合いの中では率直にいえばそういうことなんですよというふうに認めざるを得ないような事態だとすれば、影が落ちるのは保育園や都営住宅なんです。それから、都営住宅のさらに北側にいる人たちは、都営住宅が三十年前にできたときに、東京都が建てるからと安心していたら、当時は日影条例はなかったというんですけれども、一、二階まで影ができちゃって、ようやく三階のところに日が当たったのに、そこに東京都施行の再開発ビルでまた影ができるということで、かんかんになっている方もいるわけです。そういう問題を配慮した何らかの対策というのはあってしかるべきだろうと。それができないんだったら、周辺環境なんていう言葉を目標に入れること自体が間違いだと思うんですが、いかがですか。
○石井市街地整備部長 先ほど他の会派の先生からのご質問にお答えしたのは、地元区と地元の方々が掲げた目標でございまして、その目標には周辺環境を生かしたまちづくりというようなことがあったわけでございます。私どもはそれを真摯に受けとめてできる限りの努力をしたいと、このように考えているところでございます。
○曽根委員 最後にします。
話し合いはまだこれからもあるでしょうし、皆さんの意見を聞いて努力をしたいということなので、私は、開発面積が非常に狭くてビルの位置など身動きがとれないということであるならば、再開発としてやっていくのかどうかも含めた抜本的な見直しをして、少なくとも周辺住民の方々が納得いかないような形での強行突破は断じて避けるべきだということと、もともと大橋ジャンクションの計画を再開発で進めることには根本的な無理があるということを指摘しておきたいと思うんです。
このあと若干の質問予定がありましたが、約束の時間を大分過ぎていますので、これで私の質問を終わりにします。
○新井委員 それでは三問質問させていただきます。
一問目は都営住宅の原状回復についてということで、退去するときに、もともとおふろがなかった都営住宅については、浴槽とふろがまを自分で撤去していきなさいと、この原則についてです。再開発とか非常に大きい話が続いている中で、急に浴槽とふろがまかというような感じがあるかもしれませんけれども、生活している方の実感、それから周辺で暮らしている方の感想というところで、こういった問題は非常に大きい問題ですので、よろしくお願いいたします。
まず、平成十五年から、バリアフリータイプのおふろにした場合には原状回復という義務を免除するということになっているわけなんですけれども、この進捗状況と、昭和五十六年以前に建設されたもともとおふろのない住宅戸数について、まずお伺いしたいと思うんです。
○小林都営住宅経営部長 居住者が住宅を改造した場合には、退去する際にはもとの状態に戻すことが原則でございますが、都が設置している浴槽、ふろがまを居住者がバリアフリータイプに交換した場合、破損等がなくて管理上支障のないものにつきましては、平成十五年四月から、退去する際の原状回復義務を免除しております。
この実績でございますが、平成十五年度の浴槽、ふろがまを交換する申請件数は百三十九件ございましたが、いまだ退去者が出ていないため、現在、原状回復義務の免除の申請はございません。
次に、浴室に居住者が浴槽、ふろがまを設置する必要のある住宅は、約十三万戸でございます。
○新井委員 バリアフリータイプになったのが百三十九件ということで、なかなか一気には進まないわけですけれども、問題はもともとおふろがない住宅ということなんですが、まだ十三万戸、前回のときからほとんど減っていないというような状況かなと思います。前回というのは、私は二年前、それから昨年も質問させていただいているんですけれども、この間、まだ使用できる浴槽やふろがまが廃棄されていると。資源のむだ遣いというふうにいっていいと思うんですけれども、こういった資源のむだ遣いということと同時に、かける必要のない出費が都民の方に向けられているというふうなことがあるわけです。
それで、浴槽とふろがまを撤去する数は、おふろがもともとない住宅からの転居数と一致するかと思うんですけれども、これは年間どのくらいあるのかということ、それからまた、こういったおふろの撤去にかかる費用はどの程度なのか、お伺いいたします。
○小林都営住宅経営部長 浴槽、ふろがまの撤去でございますけれども、居住者が退去する際に、みずからの財産として、みずからの責任において行うものでございますため、その数を私どもが把握することはできませんけれども、居住者が浴槽、ふろがまを設置する必要のある住宅から退去した数は、この五年間の平均で約四千二百戸でございます。
それから、撤去費用でございますが、同様の事情から把握はできませんけれども、居住者が退去する際に住宅供給公社に撤去の依頼をし、空き家修繕の際に一括して処理される場合には、約七千円を支払うこととなります。
○新井委員 こういった費用とか戸数がなかなか把握ができにくいということでしたので、多摩ニュータウンで調査をしてみました。はっきりした数字でとらえられるということではないんですけれども、おふろのない住宅から退去なさる方、多摩市の場合には全部なんですけれども、千三百戸ぐらいあるわけです。結構多い数なんです。そのうちの二〇%が住宅供給公社に撤去を依頼する。撤去を依頼するというか、どうにかしてくださいということと、そのままほうっていってしまう方がいると。その場合には供給公社の方で撤去するわけなので、それが二〇%。あとの八〇%は自分で処理をしているということです。
それで、供給公社の場合は、先ほどおっしゃったように七千円の転出者負担ということで、その後、供給公社がまとめて産業廃棄物として処理していくということなんですね。個人で処理をする場合は、業者によって価格はいろいろなんですけれども、何社か調査をいたしまして平均をとりますと、おかまと浴槽の取り外しと運送費、出張費、処分費、合わせて平均一万四千円ということで、供給公社の倍かかっているわけなんです。
二〇%が供給公社、八〇%は自分で撤去するのが原則ということなので、自分で撤去しているわけなんですけれども、その際、多摩市にはエコプラザというリサイクルセンターがあるんですが、年間百個くらいこちらに持ち込まれていると。こちらに自分で持ち込みますと、粗大ごみとして八百円でエコプラザが引き取るということで、引き取った後は、エコプラザがキロ当たり十円で業者に引き取ってもらっているという状態です。
これを全体の数に引き当てて考えてみますと、四千二百個、それで二〇%が七千円、八〇%が一万四千円程度で処理をしているとしますと、これは個人負担ですけれども、撤去と処理費用で年間五千三百万円かかっているということなんです。
さらに、おふろを撤去しちゃうということは、次に入った方は自費でおふろを取りつけなければいけないわけですね。都営住宅のおふろのないタイプに入るおふろの費用は十三万円から十四万円ということですので、四千二百個のおふろを新しく入る方が購入しているということで、この費用は五億八千八百万円ということなんです。こういった意味で個人にかかるコストも非常に大きいということがまず一点。
それから、先ほどいいましたように、まだ耐用年数が来ていないで使用できるものを廃棄するということで、産業廃棄物がたくさん出てきているということがあるわけです。多摩市は入居年数が短いといいますか、転居の数が非常に多いのが特徴らしいんですけれども、毎年毎年、転居する方あるいは入居する方から、どうしてこんなむだなことをするんだという声が寄せられるわけなんです。自分が見て、もし前の方のおふろが使えるものであればそのまま使えばいいし、捨てる方は、取りかえたばかりなのにもったいないということで、何とかならないかというふうな声が寄せられるわけですけれども、こういったところで前回質問したわけです。ごみ問題を取り扱っている方も、この浴槽を見まして、これが全部廃棄されていくというのはどんなものかという声が非常に高く上がってきているわけなんです。
それでリユースの提案をしたわけです。当初したときには、ある程度使えるふろが残され、次の人が汚れや形状など気にしないという場合については、資源の有効活用や環境への負荷の対応を図る一つの提案と認識する。都としても資源や環境への対応については重要であると認識しており、さまざまな対応策について、公平、公正、効率性を踏まえ検討を加えたいと、こういうご答弁を最初にいただいたんですね。
ところが、実際にいろいろデポジット制度とか提案をしますと、なかなか事務的に難しいということで実施に至らないわけですけれども、例えば入居後十年未満で、少しの年数しか入居していない方が退去する場合に限ってのリユースといったものについてご検討をいただけますでしょうか。
○小林都営住宅経営部長 ふろがまの耐用年数は十年前後、それから浴槽も、FRT製の場合には十五年前後といわれております。また、前の居住者が使用した浴槽などを引き継ぐ新しい居住者につきましても、前回もご答弁したように、浴槽の材質や色、大きさなどの好みも多様であると思われます。
またさらに、撤去費用でございますが、空き家修繕で一括して処理する場合には、先ほど申したように七千円程度でございますが、新しい居住者が再利用しない場合には、個別の撤去工事になるために約二倍なりまして、前の居住者からすると、次の居住者が引き継がない場合には相当な費用の負担をすることになるなど問題がございまして、ご提案のリユースについては、まだまださまざまな課題があるというふうに認識しております。
○新井委員 住まう方にしてみると、使えるものをわざわざお金を払って撤去して、また新しいものを十四万もかけて入れなくてはいけないということで、非常に不都合だということがあるんですけれども、お話を伺いますと、退去の際のお掃除のこととかいろんな理由があって、普通に思うよりも難しいものだなということは私も実感しているわけです。
ただ、十三万戸の都営住宅をこれからもスーパーリフォームとか建てかえで対処していこうとなった場合、これは物すごい年数がかかるわけです。その間、使えるものをごみとして営々と捨てていくのかというふうなことが出てくるわけです。もしリユースができないということで、スーパーリフォームあるいは建てかえで対応するとすると、どのくらい年数がかかるんでしょうか。
○小林都営住宅経営部長 まだ使えるものがうんと捨てられていると、こんな感じでございますが、都営住宅の居住者の平均居住期間は二十年弱と長いことから、居住者が設置します浴槽は、平均的には耐用年数まで使われているんじゃないかというふうに考えております。
それで、スーパーリフォーム等で対処した場合に何年かかるのかということでございますけれども、居住者が浴槽、ふろがまを設置しなければならない住宅が十三万戸ございますので、仮に建てかえとスーパーリフォームの現時点における事業量年五千戸で試算いたしますと、約二十六年ということになります。
○新井委員 数字で計算すると二十六年ということで、これからもずっとこういう形で、まだ使えるものが確かにあるわけですよね。先ほど二十年とおっしゃいましたけれども、おふろを自分で入れかえた後、退去するということもあるわけで、居住年数がそのままおふろがあるという年数ではないので、そのあたりは認識していただきたいと思うんです。
先ほどいいましたように、居住年数が短いところについては、まだ十分使えるおふろが捨てられているということで、特に多摩市の場合にはそういうものを目にする方が非常に多いということで、毎年毎年三月の転居時期になりますと、そういった声が寄せられてくるわけなんです。
ですから、リユースは無理だということで、あきらめるといいますか、スーパーリフォームと建てかえでやるんだということではなく、どこかモデル的なところをつくりまして、全体で実施するのは無理にしても、リユースについて若干実験をしてみるというようなことを今後ぜひ考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、やはり都営のおふろの件なんですが、生活保護の世帯あるいは特定目的公営住宅の対象者、東京都だけのマンション建てかえに伴う一時的困窮者の方とか事業再建者の方、破産しちゃった方ですね、そういう方については退去の際のこういった措置はどんなふうになっているでしょうか。
○小林都営住宅経営部長 生活保護世帯の方が浴槽、ふろがまが設置されていない住宅に入居する場合には、浴槽、ふろがまを設置するために、生活保護費の一部といたしまして十一万七千円を限度に住宅維持費が支給される制度がございます。
次に、退去に際しましては、生活保護世帯など特に収入の低い世帯に対しては、住宅の原状回復義務に係る費用負担を軽減しております。マンション建てかえなどに伴う一時入居者に対しましては、浴槽、ふろがまのある住宅を提供しております。
○新井委員 特定目的公営住宅の対象者についてはおふろのあるところを対応しているということで、それはわかりました。
あと生活保護の方なんですけれども、これは私は供給公社の方で確認したんですが、生保の方については減免できるということになっていて、必ず減免しなければならないではないということで、基本的には、入居した際に保証金を預けている場合には、そこからちゃんと取っていますということなんです。都営住宅に入居する際に生活保護を受けている場合には保証金は払いませんから、そこから引き落とすものがないので、これは減免されているということなんですけれども、都営住宅に入るときには生活保護を受けていなくて保証金を払います。退去するときに生活保護を受けている状態になられている方については、減免措置になっていないんですね。
ですから、今のご答弁では、生活保護世帯に対しては原状回復義務に係る負担を軽減しているということですので、この件についてはもう少し周知をしてさしあげる必要があるのではないかと思いますので、それについてはよろしくお願いいたします。
○小林都営住宅経営部長 軽減措置というのは、具体的に申しますと、入居の際に住宅使用料に見合う二カ月の保証金をいただきますが、原状回復費用をその保証金の範囲でいただいていると、それを超えた場合には、プラスアルファで請求はしないということでございますので、入居の際に生活保護の対象でなかった方であっても、一応軽減の対象になっているということでございます。
○新井委員 現場の方としては、生活保護の方はすべて減額、減免しているというふうには認識していないということがございましたので、このあたりは現場の方とお話をしていただいて、調整していただきたいと思います。
もう一つ、おふろの設置については住宅維持費が支給されているということで、十一万ちょっとでおふろが設置できますよということなんですけれども、この住宅維持費というのは扶助費ということで、都営だけじゃなくて、生活困難な方が住んだときに、例えば雨漏りがしたときにはそれで修繕ができますよというもので、おふろを設置するためのお金ではないということです。
それで、これを福祉事務所の方が手当てをして、これでやっていらっしゃる方もいるけれども、この件については必ずしもそういうふうにできていないという面がございます。扶助費ですから、これを使いますと自治体の負担ということも出てくるわけですね。
基本的には都営住宅というのは、大家である東京都の責任において、生保の方とか、あるいは生保を受けないでともかく頑張ろうということで、一生懸命頑張っているひとり親世帯、特にシングルマザーの方たちがいらっしゃるわけですから、そういう方については東京都の方で大家の責任としておふろを設置していくとか、そういうこともぜひ考えていただきたいと思います。
先ほど、新潟中越地震のことで百戸提供するという話がございました。今、都営住宅の半分はおふろがなくて、半分はおふろがついている状態なんですけれども、この方たちにつきましてはどのように対応されるんでしょうか。百戸の中でおふろがない住宅を提供されるような場合もあり得るんでしょうか。
○小林都営住宅経営部長 お答えする前に、先ほどの都営住宅で雨漏りがあった場合には、生活保護費の住宅維持費ではなくて、私どもの費用で修繕をさせていただきます。
それから、中越地震で今回提供する百戸のことでございますけれども、現在予定している住宅につきましては、すべて浴槽がございます。
○新井委員 先ほど雨漏りといったのは、住宅維持費というのがおふろを設置するためのものではなくて、例えば生活保護世帯の方が一戸建ての住宅に住んで雨漏りがあった場合に対応する費用であるので、都営住宅に入っておふろが設置されていないのだから、この費用でおふろを設置しなさいという種類のものではないということを申し上げたんです。ですから、都営の場合には大家さんの責任としてぜひ考えていただきたいということです。
今回は、おふろのあるところを百戸分ですか、新潟地震の被災者に提供するということですけれども、以前、三宅島の避難民の方たちが来たときに、おふろの入っていない住宅がその中に含まれていたわけですね。それで、皆さん希望なさらないということで、おふろがついていない住宅をそういう方に提供するのはどんなものかという声が上がりましたので、今回伺ったわけなんですけれども、おふろがないところに行くということがないように、そしてまた、まだ都営住宅の半分がおふろがないわけですから、万が一そういうところに提供しなくてはいけないという事態が起きた場合には、東京都がおふろを設置してから対応するということをお願いしておきたいと思います。
次に二問目ですが、都市計画の廃止、変更のルールということについてお伺いしたいと思います。
現在、多摩地域における都市計画道路の整備計画の見直しが行われているわけなんですけれども、その進捗状況をお伺いいたします。特に、見直しにおける市民参加についてはどんなふうになっているのか教えてください。
○成田都市基盤部長 多摩の都市計画道路の見直しについてのお尋ねでございます。現在、都市計画道路を効果的、効率的に整備するために、多摩の都市計画道路に関しましては、平成元年、平成八年三月と、過去二度にわたり事業化計画を策定してきたわけでございますけれども、現行の第二次事業化計画が平成十七年度末に終了いたしますので、この改定を現在しているわけでございます。
見直しに当たりましては、市町との共同検討組織であります策定検討会議を七月に発足させまして、現在、二十八市町と共同で検討作業を進めてございます。策定に当たりましては、検討の各段階におきまして住民等へ公表し、意見公募を行っていく予定でございまして、その際、平成元年、八年に引き続き、さまざまな媒体を活用し住民等へ周知を図るとともに、専用電話等を設置するなど説明を行ってまいりたいと思っております。
○新井委員 道路につきましては、区部の方が十六年に終わりまして、区と共同でということで計画を立てられたわけなんですけれども、市部の方では初めてということで、ぜひ参加ということを重視していただいて進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
同じく都市計画公園の整備なんですけれども、都市計画公園緑地の整備方針を策定するということで今年度から始められているわけですが、そちらの方の進捗状況と、こちらの方への都民の意見の反映はどんなふうになっているのか、お伺いいたします。
○成田都市基盤部長 公園の方の策定計画でございますけれども、都市計画公園の見直しに関しましては、都市計画公園緑地の整備方針を策定いたしまして、この中で見直しの基本的考え方を整理していくこととしてございます。
整備方針は、都と特別区、それから都と市町が個別に検討組織を設置いたしまして、都と区、市町が共同して策定するものでございまして、現在それぞれが個別に検討を進めている段階でございます。
区部の方では、九月に助役会、部課長会にご説明申し上げておりますし、市では事務的に現在進めておりますけれども、十一月に部課長会、それから市長会等にご説明申し上げまして、今後、都民の意見につきましては、整備方針の中間の取りまとめの段階で広くご意見を聞く機会を設けてまいりたいと、かように考えております。
○新井委員 整備方針を立てていくということですけれども、道路と違って公園は今回が初めての取り組みで、しかも区部と市部両方一遍に、さらに、都立公園だけではなくて区市立の公園も含めて一斉に取り組むということで、非常に膨大な作業になっていくわけですね。そういう意味で、整備方針を立てるということでも、東京都の当初の予定ですと、ちょっと忙しいと、なかなか市民の意見を聞いて協議してまとめていくのは難しいというような現場からの声が上がっているようですので、この際、少し時間をかけてゆっくり、ゆっくりといいますか、十分に意見を吸い上げた上で、ぜひやっていただきたいと思います。
それで、当然、市や区立公園については、その区や市が地元の周辺住民の意見を聞いて、整備方針に沿って取りまとめていくことになるわけですけれども、都立公園の場合には、具体的には都が行うのか、あるいは市や区が行うのか、地元住民の意向の吸い上げ、参加ということですけれども、これはどんなふうに反映されていくんでしょうか。
○成田都市基盤部長 今回の見直しに関しましては、都立公園に絞って見直しをしておるわけではございませんで、都立公園、それから区市立公園あるいは都市計画緑地というふうに広範囲に見直しを考えてございますので、先ほど申し上げましたように、都と区市それぞれ共同しながら作業を進めてまいりたいと思っております。
○新井委員 区市立公園は当然、整備方針ができた後個別に考えていくときに、区や市がそれぞれ周辺住民の意向を聞いてやっていくわけですね。都立公園の場合はどういうふうになるんでしょうか。都がそれを行うのか、あるいは区と市と共同してということは、区や市がそれを行って東京都に上げていくということになるんでしょうか。その辺の手続的なことはどうなんですか。
○成田都市基盤部長 進め方に関しましては、区、市それぞれにそれぞれの体制がございますので、基本的には都と区、市が共同して行うというようなことで、都立公園に関しましても都と区、あるいは市共同して行うこととなってございます。
ただ、市が主体的に行い、それから都に意見を具申しながら検討するというふうな形態も、市の体制によってはあると思いますけれども、基本的には都と市が共同して行うということでございます。
○新井委員 区市立公園については自分たちがやるんだと、基礎自治体の区や市の方はそれは十分とらえていて、周辺住民の意見をちゃんと聞いてやっていこうということなんですけれども、都立公園の場合には、都が行うか、市区が行うか、共同で行うか、いずれにしても地元住民の意見を吸い上げて合意形成した上で、みんなが納得のできる計画の見直しになると、そのようにしていくというお答えだったんでしょうか、ちょっと確認させてください。
○成田都市基盤部長 先生は全員が納得というふうにおっしゃっているようでございますけれども、公共施設の場合は、それぞれの考え方とかそれぞれの生活形態とかありまして、全員が納得ということは、これまでの経験、経緯からなかなか難しいことでございます。そういう意味では、先ほど時間をゆっくりかけてと申されておりましたけれども、行政計画の中には、ある意味では時間管理の概念も入れながら計画的に進めていくことも大切かと思いますので、私どもはそういう観点から区市と共同しながら進めてまいりたいと思っております。
○新井委員 一〇〇%の納得という意味ではなく、合意形成という手法をちゃんととっていただきたいということで今ご質問しているわけで、区市立の公園については全然問題がなく、自分たちがやろうというふうに思っているわけですが、都立公園については東京都がやることだから、自分たちがやる必要がないのかなというふうな認識を基礎自治体の方たちがとりますと、結局、都立公園については全然市民の参加もなく、住民の意見の吸い上げもなく、何か決まっちゃったなみたいなことになったら困るという視点でお伺いしているわけです。
そういう意味で、地元の区市と十分共同して行うというふうにおっしゃったということは、いずれにしてもそういうことを大事にして、合意形成を大事にして参加ということでやっていくんですねというふうに確認……。
○成田都市基盤部長 私どもは、基本的には区部の都市計画道路の見直し作業と同様な形で進めていこうと考えてございますので、例えば区部の見直し作業の中では、当然、都市計画道路の中には都道と区道、市道を一緒に検討してございますので、公園の場合も全く同じでございます。
その際、整備方針の中間のまとめ、整備方針案、それから整備方針と三段階ございますけれども、その段階段階でそれぞれの広報あるいは市報、区報、ホームページ、それから専用電話などで意見を集約しながら、あるいは意見募集をしてそれを集約し、都区の考え方を整理し、それを公表していくというふうなことで、そういう段階を踏み、その意見に対し都、区、市の考え方を幅広く明示しながら進めていくということでございますので、そういう意味では、区立公園あるいは市立公園だからきちっとする、都立公園だから区民、市民の意見を聞かないということではございませんので、これを踏まえながら、区部の都市計画道路の見直しの段取りと同様な形で進めていきたいと考えております。
○新井委員 実際の計画ができたところで、たくさんの反対とかが出てくるようなことにならないようにお願いしたいと思います。
以前にも指摘したんですけれども、日本の都市計画制度の中には廃止、変更のルールがないということで、今回、道路や公園などでは見直しということで取り組まれているわけなんですけれども、この際、廃止、変更のルールといったものを東京都の中でつくっていけないものかというご提案をしたいわけです。
例えば事業認可の必要な都市計画においては、十年以内に整備計画が立てられないときには計画を見直す。その後、また十年たって事業認可に至らないときには、そこでまた見直しをするとかというふうにルール化しておきますと、公園などは五十数年、都市計画決定したまま塩漬けにされているという実態があるわけですが、そういうことを防ぐためにも、この際、道路と公園の見直しが進められているわけですから、きちんとルール化をして、都市計画の見直しということをやっていくべきではないかと思うわけですけれども、これについてはいかがでしょうか。
○成田都市基盤部長 今、新井委員から廃止、変更のルールがないというご指摘でございますけれども、今回の区部の道路の中でも変更している路線もございますし、廃止している路線もございますので、そういう意味では、今のご指摘は当たらないかと考えてございます。
それから、五十年塩漬けというお話でございますけれども、私どもが担当しております都市基盤というものは、長い間、大きな事業費をかけてやるものでございますので、例えばローマの道路に関しましては、二千五百年前から五百年間、五万キロも整備しているということで、それから見ますと我が東京の道路はまだまだ短い間でやっておりますので、どうぞご理解のほどをお願いいたします。
○森下都市づくり政策部長 都市計画制度全般に関する質問ということで、私の方からもお答えさせていただきます。
都市計画事業に関する都市計画につきましては、社会経済的要請であるとか広域的なまちづくりの観点から定めるものでございまして、あくまでも事業実施を前提に決定するものでございます。したがいまして、委員からご提案ございましたように、一定の期間内で事業化のめどが立たない場合、廃止や見直しをするというルール化は適切ではないと考えております。
もちろん、社会経済情勢の変化であるとか長期にわたる権利制限等が働くわけでございますので、一定の状況のもとでは見直しが必要な場合があると、これは先ほど都市基盤部長の方から申し上げたとおりの考え方でございます。
○新井委員 期せずして森下部長の方からもご答弁がありましたけれども、私は変更とか見直しをしていないといっているんじゃないんです。確かに今、現に道路とか公園を行っているわけです。だけれども、どういう事態になったら見直すとかというルールがないでしょうと、だからそのルールをつくって、そのルールに沿って粛々とやっていったらどうですかということをいっているわけです。
事業化というのはやることを前提に決めているわけだから、見直しするのはちょっと違っているんじゃないかとおっしゃいましたけれども、現に都市計画決定したまま事業化に至らないで、ずっとそのままになっている部分があるわけで、そういうことについては、何も全部廃止しろといっているわけではなくて、ある時期が来たら、このまま続行するのか、あるいは若干変更するのか、廃止も含めてどうしようかということを再度決定し直すというルールを持つ方が、都民にとっては親切なわけです。どうなるかわからないものをいつまでもずるずる都市計画決定したまま置いてあるということについては、実際に暮らしている現場では非常に不満の声が大きいです。
そういう意味では、どうするかをはっきりと決めてあげて、ある程度の時間がたったら、またそこで決め直すと。私は、何も廃止とか変更、見直しを全然していないじゃないかというふうに申し上げているわけではないので、その辺は誤解なさらないようにお願いいたしたいと思います。
それでは、もう一つ残っているんですけれども、(「委員長、訂正を」と呼ぶ者あり)次に移ろうとしたんですけれども、ここは以前から平行線であるということはわかっているわけですが、私としてはぜひルールが必要であると……
○和田委員長 新井委員、委員長に従ってください。訂正させます。
○成田都市基盤部長 先ほど路線の廃止と申しましたけれども、廃止を検討しているというふうなことでご訂正申し上げたいと思います。
○新井委員 もう一問は紛争予防条例についてなんですけれども、時間が来てしまいましたので、まとめて伺いたいと思います。
先ほど来、ほかの委員からもありましたけれども、国の規制緩和ということで建築基準法なんかも緩和されてしまいまして、特に天空率という考え方が導入されてから、建築紛争がどんどんふえてきているわけなんです。
それで、各自治体では景観ということを大事にしようということで、独自条例に取り組んで高さ制限をしたりとかということを一生懸命やっているわけなんです。東京都として何かできることはというところで、これまでも幾つかご提案してきたわけなんですけれども、ここのところもすれ違いということで、なかなかうまくいかないんですが、今回、紛争予防条例についてまとめて伺います。
まず、建築確認の標識の設置が三十日ということになっておりますけれども、大体の皆さんは、建築確認の看板を見てから、大変だ、こんなものが建つんだということに気がついて、慌てていろいろお話し合いを始めるということになっているのが現状ですので、この標識の設置を三十日から六十日ということで延期することができないかどうかということ。もう一つは、周辺住民への周知、看板を立てるだけではなくて、特に影響を受けそうな人には個別に周知するということを事業者に義務づける。もう一つは、説明会は必ずしも開かなくてもいいことになっていて、東京都が指導するようになっているわけですけれども、この説明会を必ず義務づける。この三つくらいを紛争予防条例を改正していくと、紛争の起こりぐあいが若干違ってくるんじゃないかと思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○野本市街地建築部長 三点まとめて答えさせていただきます。
住民の方々と建築主との間で建築紛争を防止することは、良好な地域社会を形成する上で重要な課題であると認識しています。これまでも都は、住民の方々、建築主、双方の意向を十分に伺って、紛争解決に向けて協議調整を進めてまいりました。一方、建築確認の迅速な処理も求められておりますので、ご提案の標識設置期間の延長につきましては、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。
それから、広報紙等で周知したらどうかということなんですけれども、紛争予防条例では、建築主は建築計画を近隣住民に知らせる方法として、敷地の見やすい場所に標識を設置することを義務づけております。都は、建築主から標識設置届が提出された場合は、提出写真をもとに標識の設置を確認するとともに、標識の設置場所についても審査しまして、妥当でない場合は是正の指導をしているということでございます。また建築主には、町会等に対して建築計画を十分周知、説明するよう指導しております。
今後とも、周知等につきましては条例にのっとりまして、建築主に対して建築計画を近隣住民に十分周知させるとともに、わかりやすい説明をするように指導してまいります。
それから、説明会の実施を義務づけたらどうかということなんですけれども、紛争予防条例では、近隣住民からの申し出があったときに、説明会等の方法により説明ということを規定していますけれども、住民からの申し出により説明することになっている理由は、地域の状況により、住民が説明会の開催を求める場合と求めない場合があります。それから、計画内容の住民への説明を説明会に限定していない理由につきましては、住民側から、説明会にする場合、それから個別説明にする場合と、それぞれ選択したいということがありますので、そのように選択できるようにしているということでございます。
○新井委員 建築紛争防止は重要な課題であると認識していると最初にお答えになっているんですけれども、結局その具体策については何もしませんと、今までどおりですというお答えなので、非常に切ないわけなんですけれども、これだけ建築紛争が起こっているわけなので、東京都の方も、建設を進めていく事業者の立場ということよりも、むしろ都民の立場に立って、あるいは周辺の環境が破壊されてしまうということを心配する人たちの立場に立って、紛争予防条例を考えていっていただきたいということをお願いしておきます。
それから、あっせん、調停は都の役割として期待できることだと私は思うんですけれども、最近の動向はどんなふうになっているでしょうか。
○野本市街地建築部長 東京都は、近隣住民から紛争調整の申し出があった場合には、建築紛争を早期に解決するために、できるだけ早く当事者間のあっせんを行うこととしております。平成十五年度の都扱いのあっせんは二十三件、そのうち合意した件数は十四件、不調に終わったものは九件であります。当事者間の合意が成立したものの割合は、約六〇%となってございます。
また、あっせんで合意に至らなかった場合には、当事者の意向を踏まえ、弁護士などの専門家で構成する調停委員会の積極的な活用を図っております。近年の調停件数の実績としては、平成十四年度が一件、平成十五年度は三件となってございます。
○新井委員 合意成立が六〇%ということで、頑張っていらっしゃると思います。今後、司法制度の改革などもありますけれども、法に沿って白か黒かということではなくて、あっせんして調停していく、合意形成していくということは非常に大事なことかと思いますので、今後も都民の立場に立ってぜひ頑張っていただきたいということをお願いして、終わります。
○和田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後三時三十分休憩
午後三時四十二分開議
○和田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○吉野委員 私の家は農家でございまして、私も議員になる前はずっと植木屋だったものですから、緑にずっとこだわり続けております。そこで、今回も都市の緑の保全と創出についてということで質問をさせていただきたいと思います。
先日二十五日の産経新聞では、東京のヒートアイランド現象の原因として、平成三年から五年間で二十三区の緑地系土地利用が二百七十二ヘクタール減少し、反対に建物や舗装などの地表を覆う被覆率が平成八年には八二%になったことを主な原因として挙げておりました。
緑地の減少の中身を調べてみますと、都市の農地の減少が大きな割合を占めていることがわかります。この都市の緑は、レクリエーションの場や都市の防災性の向上、生物の生息環境や景観形成への寄与など多様な機能を持っておりますし、今後その重要性はますます高まっているということは周知の事実でございます。このため、都市の環境インフラとして、樹林地や農地など既存の緑の保全を推進するとともに、計画的に緑の創出を図っていく必要があるというふうに思います。
そこで、都における区部と多摩部の緑の状況の変化について、都としてどのように把握しているのか、お伺いをいたします。
○成田都市基盤部長 緑の状況についてのお尋ねでございますけれども、区部におきましては、昭和六十三年に比べ、その後の十四年間に農用地で六百四十ヘクタールが減少してございます。
一方、多摩部におきましては、農用地は二千二百六十ヘクタール、森林が四百八十ヘクタール減少してございまして、区部にも増して多摩部においては緑の大きな減少傾向がございます。
○吉野委員 区部はある程度市街化が進むところまで進んだ中で、公園整備の拡大を初め屋上緑化など緑の回復策が必要であるというふうに、これまで取り組みが進められているところでございます。
一方、多摩部におきましては、市街化の進行に対し、区部と同様緑化を推進するとともに、樹林地や農地などの緑の保全策が必要です。このような観点から、多摩部において、まちづくりの中で具体的に緑の保全、創出策がどのようになされているのか、お伺いをいたします。
○成田都市基盤部長 多摩の丘陵地や崖線の緑など重点的に緑を保全し、創出する必要があることから、これまで都市計画公園として位置づけてきておりますけれども、例えば武蔵野の雑木林を持っております井の頭公園や石神井川の源泉となっております小金井公園のように、都市計画公園緑地として整備、保全を図ってまいってございます。
また、三鷹市などで指定されておりますように、小規模な風致地区や町田市における緑地保全地区などのように、保全を図るべき樹林地等を地域地区といたしまして、地元の市町村と十分な連携を図りながら保全に努めているところでございます。
○吉野委員 相続の発生に伴いまして区市町村が借りていた借地公園がなくなったり、生産緑地などの農地が宅地に変わり、屋敷林などの樹林が切られてなくなるなど、相続税などの税制面でも大きな問題があり、緑が減少する大きな要因ともなっております。
中でも、多摩部の緑におきましては、生産緑地を含めた農地の持つ緑の機能は、良好な都市環境形成の観点からも重要な役割を果たしてきております。市民農園やボランティア等の援農によって、主たる農業従事者がいなくとも、生産緑地として維持、存続できるよう国への働きかけを含め、制度化の必要性があるものというふうに思っております。
そこで、生産緑地として農地を保全していくために、都市整備局として今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
○成田都市基盤部長 生産緑地につきましては、農地の持つ緑地機能とともに、公園やコミュニティ・センターなどの公共施設の敷地に適している土地など、その多目的な機能に着目いたしまして、都市計画の地域地区に位置づけ、保全を図ってきたところでございます。
今後とも、多摩部の良好な都市環境形成のために、生産緑地を初めとする農地につきましては、地元市や農政部局と協力し、永続的な存続が図られるよう、その保全に努めてまいりたいと思っております。
また、生産緑地といたしまして、農地を保全していくために、今、吉野理事ご指摘のように、税制面の改善につきまして、毎年国に働きかけておるところでございまして、今後も続けてまいりたいと思っています。
○吉野委員 東京におけます農地というのは、大方が市街化区域内農地ということで、市街化を前提とした農地というふうに位置づけられてしまっているという面があります。かつて住宅が足りないというときに、東京の農地を全部つぶして住宅にすれば、安価で提供できるんだというふうな暴論を吐いた国会議員もおりまして、そんな中で私ども、当時むしろ旗を掲げて宅地並み課税反対運動というものを展開をし、ようやく獲得をしたのが生産緑地制度という形で、生産緑地の指定を受けていれば、農地として認めていくというふうな状況になったという経緯がございますけれども、先日、三鷹市の都市計画審議会に出席をしましたら、新たな生産緑地の指定が〇・七ヘクタールありました。初めてふえたという状況でしたけれども、同じその場面で相続等により農地が減少したのは四・五ヘクタールという報告も受けたところでございます。
そういう税制面等の大きな課題があって、どうしても農地の減少が避けられない。そこで三鷹市の都市計画審議会でしたから三鷹の市長に、やはり三多摩の市長会全体でも共通の認識として農地というものの重要性、宅地化を目指す農地なんていうことが前提じゃなくて、東京の環境をしっかりと維持をしていくための位置づけとしての農地という共通の認識を持ってもらうように、市長会の中でもぜひ働きかけをしていってほしいというふうなお願いをしてきたところでございます。
東京都も、私もこれまで委員会の場ではたびたびこういうお願いをしてまいりましたし、成田部長に前にお願いをして、先行買収の制度、これもつくっていただきました。国が、変えていただいたんですけれども、実質、部長に提案をして、それを実現をしていただいたという経過がございます。
外環の予定地の農地を買いかえをしたい。でも、目の前の農地が買い取り請求が出て、どんどん宅地化をされていく中で、こっちの外環の予定地の中の農地を持っている人がそこを買いかえをしたいと思っても、できない状況だったのを先行買収で買いかえができるようにしてきた。そういう形でいろんな取り組みをしていくことによって、少しでも農地を維持をするということをあらゆる場面で取り組みをしていかなければいけないんだろうというふうに私は思っているところでございます。
こんなことを含めまして最後に、緑の保全、創出に対する都市整備局長の決意をお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○梶山都市整備局長 近年、都市化の波に押されまして、次第にその姿を消しつつある雑木林や屋敷林などは、武蔵野の面影を残す貴重な緑である。このような現存する緑を保全し、有効活用していくことは、新たな緑を創出することにも増して重要な課題であると認識しております。
これまでも都市の緑を確保するため、税制等の改善策について、私も直接国に働きかけてきたところでございます。都では、都市の緑を確保するため、都市計画に公園や緑地を位置づけると同時に、都市計画審議会答申にございましたように、民有地の緑の創出など東京らしいみどりをつくる新戦略に基づき、都市の緑地の保全に努め、緑豊かな都市の実現を目指していきたいと思っております。
○長橋委員 都市整備委員会に所属になりまして、初めての質問でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
きょうは三点にわたってお伺いをしたいと思っております。
その前にまず局長に、都市整備局長としてお答えをいただきたいと思っていることがございます。この都市整備局、この四月から三局、都市計画局、住宅局、建設局の市街地整備部が一緒になって統合されて都市整備局ができました。我が党も昨年の第三回定例会でも、この局の統合についてはお話をさせていただきました。よりスピード感を持って実効性のある都市整備、都市再生を進めるためにできた局である、このように認識をするわけであります。また、時代の流れの中で更新時期を迎える、そういった施設等に、より一層現場感覚を重視した都市整備が必要であろう、こういうふうに思うわけでございまして、都市整備局には期待をするわけであります。
そういう中で、我が党は、今月末に党大会がありまして、そこで都市整備について提案をしていることがございます。これについて今、局長にご意見を伺いたいんですが、歩いて暮らせるまちづくりということを提唱しております。この中では、いわゆる本格的な高齢社会に対応するために、自宅から徒歩、自転車、公共交通機関などで行ける範囲、衣食住などの日常生活の諸機能が集約された安心、快適の歩いて暮らせる生活圏を形成する必要が今後ある、こういうことでございます。歩いて暮らせるまちづくり、いいかえれば、今までの車優先の社会から高齢社会の中にあって、そういった方々が安心して暮らせるまちへ変えていかなければいけない、こう思うわけであります。
例えば、歩道橋。きのうお伺いしましたら、歩道橋、都道については平成十年から十五年、十二基撤去をしている。現在約六十基は残っている。もちろん、必要な歩道橋、小学生が通学路に使っている安全のための歩道橋もあるわけでありますけれども、やはり歩道橋というのは、私の地域でも撤去されたところはありましたけれども、車優先のための施設であるということも一面あるのではないかと思うわけであります。そう考えると、この歩いて暮らせるまちづくりというのは、住んでみたいまちといいますか、また住みたい、そういうまちであろうかと思います。それはイコール安心・安全、快適、利便性、そしてまた景観も含めて大事な視点だろうかと思います。
そういった意味で、今後の都市整備、都市再生をどう進めていくか、この歩いて暮らせるまちづくりについて局長にお伺いいたします。
○梶山都市整備局長 少子高齢化は東京という都市が初めて直面いたします、避けて通ることのできないトレンドであると思っております。これにより経済的活力の低下あるいは医療福祉費の経費の増大などの問題が懸念されております。こうした状況を迎えつつある中で、今後とも都市の活力を維持向上させていくためには、大都市東京の有する潜在的エネルギーを引き出し、生かし、都市再生を進めるとともに、バリアフリー化を進めるなど、高齢者が活躍する場や機会を拡大していくことが重要だと思っています。
都市づくりの基本的な方針を示した都市づくりビジョンにおいても、高齢者を含めてだれもが安心して快適に活動することのできる都市の実現を目指しております。このため、都市整備局といたしましては、公共交通機関における移動の円滑化、歩いて楽しい道路、公園の整備や良好な景観の形成、さらには木造住宅密集地域における安全・安心な都市づくりなど、多面的、複合的に取り組んでいるところでございます。こうした取り組みが、お話の、歩いて暮らせるまちづくりの実現につながるものと考えております。
○長橋委員 局長のご答弁、我が党の歩いて暮らせるまちづくりと一致をするということで、今、局長の答弁いただいたことが本当に進むよう我が党も努力をしてまいりたい。
まず一点目でございます。震災対策についてお伺いをいたします。
もうご案内のとおり、新潟中越地震、改めて災害の恐ろしさを目の当たりにしたわけでございます。こういう中で、自治体同士の支援協力をどう進めていくのかということもありますし、また震災対策について、さらに喫緊の課題等、検討をされているんではないかと思います。
まず初めに、東京都として新潟中越地震被災者の方々にご冥福を、またいうわけでございますけれども、都市整備局としてどのような対応をされたのか、お伺いをいたします。
○村松総務部長 今般の新潟県中越地震に対する都としての支援についてでございますが、地震直後から東京都は人命救助、水道、医療等の応急対策について、既に新潟県等から要請を受け、実施をしております。
都市整備局としても、被災した建築物に係る応急危険度判定員の派遣及び造成された宅地に関する被災宅地危険度判定士の派遣といった応急的な支援策のほか、被災者の都営住宅への一時的な入居という支援が可能でございます。
このうち、被災建築物応急危険度判定員につきましては、一昨日、二十六日になりますが、新潟県や国土交通省等から派遣要請がございまして、都及び二十三区の職員で構成する三十二名の応急危険度判定員を現地に派遣したところでございます。
この判定員の派遣につきましては、昨日も追加の派遣の要請がございました。現在、第二陣を派遣すべく手配中でございます。また、被災宅地危険度判定士の派遣につきましても、派遣要請を受けた場合、直ちに対応できるように準備を進めております。
さらに、先ほど質疑の中でも既に出ておりましたが、被災者の都営住宅への一時的な入居につきましても、同じ一昨日に国土交通省から要請がございまして、百戸程度提供できる旨、昨日新潟県と国に対して連絡をしたところでございます。
○長橋委員 都として早速手を打った、また、要請を受けて手を打った、評価をいたします。
先ほど休憩時間に、百戸の都営住宅について発表したところ、問い合わせが殺到した、このようにも聞いております。これとは別に、震災疎開パッケージというのがございまして、これは平成十四年度防災功労者内閣総理大臣賞を受けたんですけれども、年間五千円で、万が一のときに、この提携地域へ避難できる、そして安心の地域生活を確保する。これはもし震災がなかったら、提携地域から名産品が届くとか、それからまたオプションでは、疎開先の下見ツアーもついている。非常にすばらしいものだというのでやっているわけですけれども、東京都としても、実際東京都は震災が起きたときに、住宅を、まずは当然住むところを手当てしなきゃいけないわけですけれども、こういったことが地方に、だったらうちの地域で受け入れますよというのもあるかと思うんで、意見ですけれども、検討していただければなと思っております。
次に、この新潟中越地震が示すとおり、さまざまな喫緊の課題というのが今後出てくるんではなかろうか。東京都でも、防災マニュアルが既にきちんとつくられておりますけれども、例えば二十三区で地震があったらどうかということではなくて、新潟という地域であったわけでありますので、山古志村のように孤立してしまって大変な地域がある。東京都でも、二十三区だけじゃありませんから、奥多摩の地域のようなところで孤立した場合、もし震源地がそっちの方だったらどうなるかということも大きな検討課題だと思いますし、そういった意味で、今後この新潟中越地震を教訓に、さらに検討していただいて、課題の洗い出しをしていただきたいと思うわけでありますけれども、今、この震災対策に対して都はどのように取り組んでいるのか、お伺いをいたします。
○野本市街地建築部長 震災対策のうち、特に建築物についての震災対策ということでお答えしたいと思います。
この二十三日に発生しました新潟県中越地震の被災状況をニュースで見ますと、震災対策の重要性を改めて再認識している次第でございます。
現在の取り組みといたしましては、被災時に重要な役割を担う病院とか不特定多数が利用する百貨店、こういったものは特定建築物と申しますけれども、こういった特定建築物の耐震化の促進が特に重要と考えております。新たに病院や百貨店、こういった業界団体を構成員とします耐震改修促進連絡会というものを設置しまして、改修の取り組みを一緒に推進しているところです。
また、耐震改修が行われていない病院には、場合によりましては立入調査をしまして、促進方の努力をしているということでございます。
また、木造住宅など一般建築物につきましては、これまでパンフレットの配布や窓口相談、こういった普及啓発活動を行ってきましたけれども、来年一月には新たな取り組みとしまして耐震フォーラムを開催し、都民の関心をより一層高めていきたいと考えております。
○長橋委員 今、部長が最後に、来年一月に耐震フォーラムを開催をするということで、この耐震フォーラムについてお伺いをいたします。
今年度の第二回の定例会で、我が党の質問で耐震フォーラムを来年一月にやるということを明らかにしていただいたわけであります。ご案内のとおり、来年一月が阪神・淡路大震災十周年でございます。そこで、この耐震フォーラムをやるということで、まずはその目的、内容、規模、周知方法、日程等について明らかにしていただきたいと思います。簡単で結構でございます。
○野本市街地建築部長 耐震フォーラムについてでございますけれども、既存の木造住宅の耐震性向上について都民へ普及啓発する目的で開催するものです。
日程は、阪神・淡路大震災が発生しました一月十七日ということなんで、その直前の来年の一月十一日から十六日まで開催する予定です。その中で木造住宅の耐震診断や補強方法に関する展示を都政ギャラリーで行う予定です。また、その間の十五日には、都民ホールで二百五十人規模の講演会あるいはパネルディスカッションを開催する予定です。
周知方法としては、都や区の広報、ホームページに案内記事を掲載するほか、講演会についてはインターネットでもお申し込みできるようにいたします。また、防災訓練や住宅月間の催しの際にも、このフォーラムの案内のチラシを配布してございます。
○長橋委員 今、ご答弁の中に、展示は都政ギャラリーで行う、こういうことでございます。耐震フォーラム、せっかくやるわけでございますので、この展示については、今、民間がさまざまな検討、また提案をしているところでありますし、ぜひその都政ギャラリー、毎日私はあそこを通って自分の控室に行くわけですけれども、ちょっと狭いんではないかなと思うわけでありまして、ぜひこの展示については検討していただきたいんですが、例えば隣の都民広場で行うなど、もう少し他の東京都の施設の活用を考えてはどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
○野本市街地建築部長 耐震フォーラムの開催場所についてでございますけれども、ただいま申しましたように、来年一月十五日には都民広場で別のイベントが開催される予定がございます。そういうことで、ちょっと同時開催は難しいのかなと考えております。
また、展示は六日間行いますので、雨あるいは雪が降りますと非常に運営が難しいということもございますので、屋内で開催したいと。
ただ、今ご提案の趣旨は、都民の目に触れやすい場所での開催をということかと思いますので、例えば都庁舎の一階の展示コーナーとか、そういった場所でのあわせての展示、こんなことも検討してみたいと考えております。
○長橋委員 都庁舎の一階でもやると、都民の目に触れる機会が多くなる、ぜひ実現をお願いしたいと思います。
今、お伺いしました耐震フォーラムについて、概要についてはよくわかりました。最後、この耐震対策について、具体的な中身についてお伺いをいたします。
○野本市街地建築部長 耐震フォーラムの具体的中身ということで特色的なところを説明いたしますと、木造住宅の耐震補強方法につきましては、実物あるいは模型、こんなものを展示したいと考えてもございます。そういうものを見ることによって都民の理解が一層深まるのかな、こんなことを考えております。
それから、地震の際に建物の倒壊だけではなくて、家具の転倒がかなりございます。こういったもので死傷者も見られるということで、家具の転倒防止対策、こんなものについても、やはり実物あるいはパンフレットなどを展示し、紹介したいと考えております。
それから、ちょっと異質ではあるんですけれども、高齢者への耐震診断や補強に関する訪問営業に関するトラブル、こんなことも何かと耳にしておりますので、こんな訪問営業によるトラブルを防止するため情報提供も行っていきたいと考えております。
○長橋委員 耐震フォーラムについてはタイムリー、タイムリーといういい方はあれですけれども、阪神・淡路十周年のときにやるということがございます。東京がやるということは、全国の自治体もこの東京のやった内容について注目をされるんではないかと思うわけであります。
この時期に、先日新聞を見ていましたら、同じ震災地である兵庫県神戸市で、来年一月には国連防災世界会議が開催される。ここで兵庫戦略というのが採択をされる予定である、こういうのもありますし、また民間でも、市民が学会とともに考える東京の地震防災、これを東京都よりも早く、一月早々、一月八、九でフォーラムといいますか、シンポジウムをやる。会場は建築会館でやる、ぜひ見に来い、こういうふうにもいわれているわけであります。ちょうどこれも阪神・淡路大地震十周年行事、こういうふうに銘打ってやるわけでありますので、ぜひ耐震フォーラム、すばらしい内容で都民の皆さんの喚起を促すような行事にしていただきたいことをお願いをいたします。
次に、沿道まちづくりについてお伺いをしたいと思います。
私の地元で、沿道まちづくりの第一号として補助八一号線整備事業がスタートをいたしました。そこでこの沿道まちづくり、お伺いをすると、都市計画については先ほどから議論がありましたけれども、都市計画道路は、いまだ完成率が、都内全体で完成しているのは約五五%、区部では五七%ということで、なかなか都市計画道路の整備が進まない。
こういう中で、この沿道まちづくりは、今まで道路と市街地整備がばらばらだったものを一緒にして行っていく。私は非常に期待をしているわけでありますので、そこでまず私の地元である--補助八一号線で八月三十日に地元説明会をやったやに聞いておりますので、私もこの地元説明会には参加をして質疑もさせていただきました。おおむね地元の方からはぜひ進めてもらいたい、こういう意見が多かったように思います。
そこで、この八月三十日以降の沿道まちづくりの取り組みについてお伺いをいたします。
○石井市街地整備部長 東池袋地区補助第八一号線整備と沿道のまちづくりについてのお尋ねでございますけれども、このまちづくりの説明会でございますが、八月三十日に実施しておりまして、その際は事業概要などの説明を行っております。
八月三十日から今まで約二カ月がたったわけでありますが、その間、できるだけ地元に早く入りたい、このような思いから、九月の五日、六日には地元相談会を開催いたしますとともに、「まちづくりニュース」を地元住民に全戸配布いたしまして、そして周知徹底に努めてまいりました。
また、今週の月曜日でございますけれども、十月二十五日には都区連携支援のもとに関係住民が沿道のまちづくりを検討するための組織でございます沿道まちづくり協議会という名称の協議会の準備会が開催されました。
ただいま理事からお話がありましたように、ありがたいことに、このように地元のまちづくりに対する機運が高まってきております。加えまして、昨晩、十月二十七日でございますが、現況測量説明会を開催いたしました。近く十一月の初旬ごろになろうかと思いますけれども、沿道まちづくり協議会を正式に発足させるとともに、速やかに現況測量に着手してまいります。
○長橋委員 そこでこの沿道まちづくり、先日の日経新聞でございますけれども、報道がされていまして、注目をしているということであろうかと思います。ここを見ますと、街路整備と並行し、所有地が分断される住民からの土地集約や整理、建てかえなどの相談に応じるほか、民間事業者の紹介や費用助成も検討する、こういうふうに出ておりました。
費用助成については、そう簡単にいかないといっておりましたけれども、ここで民間事業者の紹介もやっていくということでございますので、この民間導入、こういった沿道、道路と一体整備について民間の導入についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
○石井市街地整備部長 ただいま理事からご紹介いただきました新聞記事にもありますように、この手法は街路整備を契機といたしまして、都区が連携し、技術的な支援を行うことによりまして、まちづくりへの機運を高めながら、民間のノウハウとセンスを効果的に活用いたしまして、安全で快適な沿道にふさわしいまちづくりを実現するものでございます。
このためには、沿道での建物の共同化などに際しまして、関係住民がいかにして優良な民間業者をパートナーとして得られるかどうかが極めて重要でございます。したがいまして、住民みずからが優良な民間事業者を選定できる仕組みづくりが欠かせない、このように考えるところから、そのための一つの手段といたしまして、都区の支援のもと、公平性や透明性が確保されました民間事業者の登録と選定などの新たな制度化につきまして、現在、鋭意検討を行っているところでございます。
○長橋委員 今、民間事業者の登録、選定をやっていく、公平、透明性を高める。この地域は私の地元でありますので、地域の方とこの地域をどう整備をしていくのか、引き続き地域の皆さんと一緒になって考えていきたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
そこで、この地域は東京で唯一走る都電、路面電車が走っているところでございます。この新聞の最後の方には、都は路面電車を生かしつつ、ファッション店舗などが並ぶおしゃれな通りをと意気込む、こういうふうに書いてございました。そういう意味でいうと、今後のまちづくり、道路一体整備に当たって、景観も大事な視点になってくるかと思います。先ほど局長にお伺いした住んでみたいまちの中に、やはり景観というのは重要な視点であるかと思います。
そういった意味では、その景観を形成するに当たって、民間事業者がいろんな提案を、民間ならではの提案をしてくるかと思いますので、そういった場合に、例えば道路空間を構成する道路施設、これも景観に配慮された、例えば形や色、こういったことも大事な視点になってくるかと思いますし、またそのためには、良好な景観を形成するには地域の方々も自己規制というか、色とか形とかいうことを考えると自己規制も必要になってくる。でも、そういう中で、行政と民間、地域の方々が話し合っていくことは非常に有効であろうかと思います。
ぜひそういった意味で、沿道の良好な景観形成について都はどのように取り組むのか、お伺いをいたします。
○安井参事 沿道の良好な景観形成についてのご質問でございますけれども、道路の整備に合わせまして、そういった地域では必ず建物の建てかえが発生するわけでございます。そうした建築と建てかえを適正に誘導しまして、良好な街並みの創出に取り組んでいくということは、景観形成上非常に効果が大きいわけでございまして、非常に重要であるというふうに認識してございます。
このような地域のまちづくりは、都との適正な役割分担のもとで、地元に身近な区や市が中心となって進めていくことが望ましいと考えるところでございますけれども、都といたしましても、昨年、東京のしゃれた街並みづくり推進条例をつくりまして、これに基づき街並み景観づくり制度を創設いたしまして、地域が中心となっている取り組み活動を支援していきたい、そういったところでございます。
今後は、この制度を活用いたしますと、地元の協議会などに専門のデザイナーを派遣することもできるようになってございますので、そういった支援であるとか、あるいは区市が地域特性に配慮した地区計画をつくろうといったような際には技術的支援を惜しまないとか、そういった形で道路整備と一体となった沿道のまちづくり計画を進めていきたい、このように考えてございます。
○長橋委員 申し出た時間があと二、三分ぐらいになりましたので、短く進めたい。答弁も簡潔で結構でございます。ぜひ沿道まちづくり、東池袋、土支田、鐘ヶ渕、この三つを予定しておりますけれども、さらに木造密集地域の解消を考えると、この整備手法はさらに広げていくべきだ、こういうふうに思いますので、よろしくお願いします。
最後に、違法看板についてお伺いをいたします。
私も、地元の商店街の方たちと最近お話をしました。まちの美化、みんな非常に関心が高く、景観を特に阻害している違法看板については、行政だけに任しているのではなくて、我々も汗をかいてやりたい。どうしても行政だけですと、なかなか思うように進まない。特に違法看板はイタチごっこ、撤去してはまた並ぶという中にあって、我々も汗をかきたい、このようにいっておりました。
そこで、この違法看板、捨て看板の撤去、これはどのように行っているのか、まずお伺いいたします。
○安井参事 捨て看板の撤去でございますけれども、都は平成十三年に屋外広告物法の運用ガイドラインを作成いたしまして、発見時はすぐに撤去できるような、そういった対応に努めてきてございます。
また、具体的な事務については、条例に基づきまして、区市において実施している。撤去作業は、通常区や市の職員がやっているわけでございますけれども、法律の上でボランティア等への委任が可能なことから、ボランティアと連携している自治体もございます。
○長橋委員 そうすると、民間、ボランティアにも委託をしてやっているということでございますけれども、どれぐらいやっているのか。委託をしている区市はどれぐらいあるのか、お答え願います。豊島区はどうなのか。
○安井参事 実際にやっているところは区部では五区、多摩では八市でございまして、豊島区は今後やるということで聞いてございます。
○長橋委員 豊島区はまだ手を挙げていない。もちろん、委託をするとなると、各区市で要綱等をつくらなきゃいけないということでございます。ただ、今お伺いすると、五区八市、十三区市しか手を挙げていない、やっていないということであれば、これはまだまだ少ないんではないか、こういうふうに思うわけでございます。
そういった意味では、民間の方、ボランティアといいますけれども、やはりそれは繁華街を抱える商店街、町会の方たちが積極的に私の地元はそういう形でやりたい、こういっているわけでございますので、こういったボランティアの方々に委託をしてできるわけでございますので、ぜひ進めていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○安井参事 捨て看板の撤去に対応できる職員というのはどの区や市におきましても限られているわけでございまして、先ほど豊島区のことをお答えいたしましたが、今後さらに八区六市がそういった取り組みをしたいというふうに聞いてございます。
こういったことができるだけ広がっていくことが望ましいわけでございまして、今後とも区や市と協力し、ボランティアとももちろん連携いたしまして、捨て看板等の減少、撤去に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○長橋委員 最後、お伺いをしたいんですが、その商店街の方たちとお話ししている中で、商店街からすばらしい案が出されました。いわゆる違法看板等に、この看板は違法ですよというステッカーを張ったらどうか、こういうご提案がありました。その話は、その商店街だけではなくて、ほかでも私は何回かお伺いをいたしました。いわゆる駐車違反、また駐輪でも、私も駐車違反をしたことがあって、このステッカーを張られたことがありますけれども、そういったことはやっているわけです。だけれども、この違反広告物には、今すぐにはできないという話を聞きました。ぜひ今後こういったことを考えたらどうか。
実際に、屋外広告物法の手引の写しを見せてもらったら、簡易除却ができない違反広告物については、市民に対する注意の喚起及び掲出者に対する警告の観点から、除却作業の際に当該広告物が違反広告物である旨を示すシール、ステッカー等を添付することを検討してはどうか。それに対して、このような措置をとることは法律上可能ですか。答え、お尋ねの措置は、違反者に対する事実上の警告または自発的な義務履行についての勧告もしくは説得の手段と解するのは適当である。このように解することにより、法令上の根拠なくお尋ねの措置をとることはできるものと解する、こういうふうにあるわけであります。
実際に、こういった行政が、こういう警告の文書を張っているのがあるわけですけれども、ぜひこういったことを民間にも、ボランティアにもできるよう検討していただければとお願いして、質問を終わります。
○樋口委員 二十三日の新潟中越地震では甚大な被害が起こりました。一日も早い復興と、今、苦しまれている方々、そしてお悲しみになられていらっしゃる方々の物心ともの安定が望まれる。そして、それを祈るだけでございます。
私も、一昨日、ある物資の確保のお手伝いに走らさせていただいておりました。しかし、情報が錯綜し、そして一転二転と変わってしまう状況の中で、私自身も焦りを感じながら、もしこの大東京で何かが起こったら、こんなようなことが起こってしまったら、一体どうなるんだろうかということを考えておりました。
そして、私の地元中野においても、この中野区というのは日本一人口密度が高くて、また道路率が二十三区二十一番目。まだ二十二、二十三があるといっても、それは例えば大きな埋め立てによってつくられた、大きな土地によっての道路率の低さというものが挙げられております。実際、二十三区では道路率は最低、そして人口密度が一番高いという状況にあります。
また、都立公園もありません。そして、木造密集地域が多くあります。そのために、建物の建てかえが行き詰まっているために、大変危険な状況であります。地域危険度のうちでも、特に火災危険度が高くて、防災、安全性の向上が必要な地区がほとんどであります。このような都市構造を持つ中野区では、木造密集地域の改善を行っていかなくてはなりませんが、そこの中で、木造住宅密集地域整備促進事業、いわゆる木密事業があります。
そこでお伺いさせていただきますけれども、この中野区の木密事業の実施状況と、そしてどのような事業を行っているのか、具体的にお伺いしたいと思います。
○渡辺参事 中野区内では、現在南台の一、二丁目地区、それから南台の四丁目地区、平和の森公園周辺地区の三地区、合計約百六ヘクタールで木密事業を実施してございます。また、この南台の二地区では、主に避難場所である東大附属中等教育学校までの避難経路となる生活道路の整備や、その整備に伴って移転が必要となった方のための従前居住者用住宅の建設を行ってございます。
さらに、平和の森公園周辺地区では、生活道路の拡幅整備や老朽建築物の共同化等による建てかえ促進事業を実施してございます。
○樋口委員 災害に強いまちづくりを進めたい、その思いは皆様も一緒だと思いますが、なかなか解消されておりません。木密事業は、都内の多くの地域で実施しておりますけれども、それぞれの地区によって抱えている課題がたくさんあります。特に、木造密集地域というのは、権利者が大変複雑だし、また高齢化が進んでいます。とてもとても細い道の奥にあり、建てかえが進まない、そんな状況のところがたくさんあるわけです。なかなか成果としてまとまらないと思われます。
中野区もまさにそのとおりで、細い路地を入っていきますと、そのくねくねくねくねしたところに、やっと人が通れるかというようなところにおうちの門がある、そのようなご家庭もあります。
中野区は、防災街区整備計画、そして新防火規制をいち早く導入し、努力をしておりますけれども、区民が安心して住み続けられる防災安全性が高いまちづくりを目指すには、国や、そして都の補助を積極的に導入する必要が--といいますのは、中野区は大変財政上厳しい状況にありますので、その必要性があります。
そこで、木密事業の整備を図るために、進めるために、中野区内の地域が抱えている課題は一体何なのか、もう一度検証していただき、また、都は今後中野区の木密事業の促進や地域の防災性の向上に対してどのような支援を行っていくのか、伺いたいと思います。
○渡辺参事 今、樋口委員のご指摘のように、東京都内の他の木密地域と比べてみても、中野区では、特に市街地の燃えにくさを示す不燃領域率といいますけれども、この不燃領域率が低い。ですから、その向上が重要な課題であると考えております。
不燃領域率の向上には、老朽建築物の建てかえ促進による耐火性、耐震性の向上、そして不足している公園などの空地の確保、これが必要であると認識してございます。先ほど私が申し上げた事業に加えまして、今、委員ご指摘のように、中野区では都内でもいち早く密集市街地の整備に適した防災街区整備地区計画や、昨年度創設されました新しい防火規制を導入してございます。
中野区は、都が本年三月に策定した防災都市づくり推進計画の重点整備地域などにおきまして、避難場所周辺の建築物の不燃化や生活道路の拡幅整備などの事業を今後重点的に実施をするというふうにしております。都としては、今後ともこうした区の取り組みに対して積極的に支援してまいります。
○樋口委員 災害が起こりますと、その際に必要になるのが避難路の確保です。そして、避難場所であります。新潟からの映像を見るに当たって、ヘリポートの重要性だとかヘリポートからおろされた物資をいかに荷さばきするか、そしてそこにどうやって置いておくかということが非常に重要になっているように思います。
しかしながら、都内の避難場所というのは、どうも十分に足りているとは思いません。今、国の方では、小中学校の統廃合が行われようとして、それを進めようとしております。本当に避難場所が十分確保されているのでしょうか。
そこで、今後避難場所の整備に向けて、東京都としてどのように取り組んでいくのか、お尋ね申し上げます。
○渡辺参事 東京都は震災対策条例第四十七条によりまして、区部において避難場所を指定しております。区部全域を見ますと、この避難場所の中には三キロメートル以上の遠距離避難が必要な箇所や避難人口一人当たりの面積、これが一平方メートル未満の箇所もございます。
このため、防災都市づくり推進計画では、避難場所となる大規模公園の整備や避難場所周辺の建物の不燃化などを進めることにより、避難場所の拡充や一人当たり面積一平方メートル未満の避難場所、この解消を図ることとしております。
○樋口委員 ありがとうございます。ぜひ私たちの安心・安全を推進していただきたいと思っております。
さて、安心・安全といいますと、私は幾度となく踏切対策の重要性について今まで訴えてまいりました。諸外国、先進諸国から見てみると、こんなに多い踏切というのはこの日本、特に東京だけでございます。
本年六月に、都において踏切対策基本方針が策定されたことは、私の思いの一つが実を結んだのではないかと思って喜んでおります。また、このことは局の主要課題の説明においても、局長から力強い決意をいただきまして、大変頼もしく感じているところでございます。
とはいっても、なかなかこの踏切対策というのは進まないというのが現状であります。例えば、私の地元の中野でありますと、西武新宿線があります。西武新宿線は、始発の西武新宿駅から環八まで、およそ九割というものが、いわゆるボトルネック踏切、あかずの踏切であります。もし事故が起きたら、私たちの安心・安全が守れるのか、また、財産や生命が守れるのかということに対しても、非常に危機感を覚えております。ぜひ一刻も早い踏切対策を望んでおります。
さて、その中野区の西武新宿線での踏切対策について、何点か伺いたいと思います。
この中野の西武新宿線の踏切内、これは中野区だけです、この五年間、ことしの十月までに何と六人の死亡者がおられます。これは、踏切内の問題であります。この踏切があるからこそ、あったからこそこんな状況になってしまいました。
つい先日、私の事務所の者が本当に暗い顔をして帰ってきました。まさにこれは自殺だったんだと思うんですが、飛び込まれたその瞬間を見て、自分はそれをとめることができなかった。そんなことをいって、私自身も、一日も早く、この西武新宿線は絶対に何とかしなくてはならないという焦りになっております。
さて、その区内の踏切対策に対しまして、都の認識についてお伺いさせていただきたいと思います。
○成田都市基盤部長 中野区内の踏切対策に対します都の認識ということでございますけれども、中野区内には、今先生ご指摘のように、主要な幹線であります補助二六号線、いわゆる中野通りを初めとしまして、二十カ所の踏切がございます。これらの踏切のほとんどがピーク時間帯一時間当たりの遮断時間が四十分以上となっているなど、交通の円滑化や地域分断の解消、安全上から必要と認識してございます。
このため、本年六月に策定いたしました踏切対策基本方針の中で、中井-野方駅付近、野方-井荻駅付近の二区間を鉄道立体化の可能性を検討していくべき区間として位置づけてございます。
○樋口委員 私も二年ほど前の十月に、中野区における西武新宿線踏切解消に対する四つの案というものを見させていただきまして、愕然としました。
それは、二六号線を解消するものと、そして環七以東、山手通りから環七までの間の七つの踏切、それだけを解消する、地下化ということで案が出されておりました。地下化、そして高架という形で出されておりました。
環七以西については全く触れられていなかった。そのことについて非常な憤りと、そして熱い思いを何度も何度も都市整備局、このときは都市計画局でありましたけれども、ぶつけさせていただき、そしてこのような結果が出たということは、大きな大きな進歩だったと思い、私自身も本当にうれしく思っております。
基本方針に鉄道立体化の検討対象区間として位置づけられたことは、大きな一歩だと私今申し上げましたが、今後どのように検討が進められていくのかということをお伺いしたいと思います。
○成田都市基盤部長 鉄道の立体化の検討に際しましては、地域におけるまちづくりと連動することから、地元区が主体となりまして、道路と鉄道のあり方やまちづくりを検討していくことが必要でございます。
中野区におきましても、昨年五月に西武新宿線沿線まちづくり及び踏切対策検討会を設置しており、都及び西武鉄道もこれに参画してございます。都といたしましては、地元区が設置する本検討会を通じまして、沿線のまちづくりと一体となった道路、鉄道の立体化につきまして引き続き検討を深めてまいります。
○樋口委員 事業化のためにまちづくりを検討していくことが必要であるということでございます。中野区内の西武新宿線における現在のまちづくりの検討状況をお伺いしたいと思います。
まちづくりというものは、基本的に自治体、その地元が行っていくもの、それはわかった上での質問でございますが、また、こうした地元の検討に対して都も支援を行っていくべきではないかと私自身考えております。と申しますのは、ここの委員会でもさまざまな意見があります。それぞれの意見、立場の中で、一つにまとまるということはなかなかございません。だからこそ、その円滑な、一日も早い西武新宿線の何らかの手法に対して都として支援を行っていくべきだと考えますが、どうぞご所見をお願い申し上げます。
○成田都市基盤部長 中野区におきましては、現在交通結節点の強化や防災性の向上、産業振興などの面から、西武新宿線の駅周辺まちづくりについて検討を進めてございます。中でも、沼袋駅及び新井薬師前駅の二駅については、地権者や地元団体の代表者、中野区等が参画するまちづくり勉強会が設置されていると聞いてございます。
都としても、こうした地元自治体の進めるまちづくりに対し、技術面や事業手法についてのノウハウの提供、国費導入に向けた調整など支援を行ってまいります。
○樋口委員 都としても、こうした地元の自治体が進めるまちづくりに対して、技術面や事業手法についての提供や国費導入に向けた調整など支援を行ってまいりますという力強いご答弁をいただいて、本当にうれしく思っております。
まちづくりは、個人個人さまざまなお考えを持った方々がおられます。大変難航することが常であります。まちづくりを地方のことは地方で勝手にやってくれというのではなくて、都が支援をしていくということは本当に大きな一歩だと思います。私の質問に対する答弁に対して、多分私と同じ中野を地元としております川井理事も喜んでいただけるかと思いまして、本当にうれしく思っております。(「一歩も前へ出ていないじゃない」と呼ぶ者あり)都民の安心・安全を守るために、生命、財産を守るために、一日も早く中野を初めとする踏切対策、これは東京都全部でございますけれども、踏切対策を進めていただくよう、どうぞ都と地元と連携をとって進めていただきたいと願っております。--(五百三十一字削除)--私、樋口ゆうこからの質問を終わらせていただきたいと思います。
○渡辺委員 私も大きく二つの課題について質問をさせていただきます。
最初に、常磐新線の施工不良の問題についてお伺いをいたします。
これは「FLASH」という週刊誌に報道された、いわゆる常磐新線の重大な施工不良について取り上げられたのは皆さんご存じのことと思います。
常磐新線つくばエクスプレスは来年の秋開通ということになっていて、期待が多く寄せられているわけですが、開通の期日に間に合わせるのはいいけれども、手抜き工事ということでは絶対許されるものではありません。命の問題にかかわる問題ですから、東京都はそういう意味では最大の出資者ということでもあり、工事施工業者に対し厳しい態度で対応していただきたい、こういうふうに思うわけであります。
まず最初に、この常磐新線の施工会社は首都圏新都市鉄道株式会社であるけれども、この会社に東京都としてどれくらい出資しているのか、具体的にお示しをいただきたいと思います。
○成田都市基盤部長 当会社に出資しています出資金は約一千三百億円でございますけれども、都としてはそのうち十五年度末までに約三百二十億円を出資してございます。
○渡辺委員 鉄道でありますから、多くの人を乗せて走るわけですよ。安全対策というか、安全に人を運ぶことを最大の責務としている鉄道会社ですから、その会社が、ここにいろいろ写真で示されておりますけれども、この「FLASH」にね。こんなずさんな工事を進めているとはだれが思うか、こんなことはだれしも思っていないわけですね。
こんなずさんな工事を進めている会社に多額の出資をしているわけですが、出資金を引き揚げるぐらいの態度で厳しく臨むということが私は必要なんではないかというふうに思いますけれども、その点ではいかがでしょうか。
○成田都市基盤部長 常磐新線はJR常磐線等の混雑緩和あるいは東京圏北東部地域への公共交通体系の整備などを目的として新設、建設されているものでございまして、出資は開業までの会社経費や建設費あるいは用地費など、年度ごとの工事費との見合いで出資してございまして、この事業に出資しております都のほか地元足立区、埼玉、千葉、茨城県の各県、その沿線自治体とともに推進すべき事業というふうに認識しておりまして、現段階で引き揚げは困難かと認識してございます。
○渡辺委員 でき合いで出しているということですけれども、まだ来年の秋ですから、これからの出資金、そういうものも出てくるというふうに思うんですけれども、立場として、東京都の姿勢として、そういう立場で厳しく臨んでいただくということは必要だ、こういう議論も都議会の中であったということも、きちんと示すことが必要なんじゃないかと私は思うんです。
この会社というのは、名前が違いますけれども、以前には各自治体から集められた出資金あるいは貸付金、こういうものを効果的、効率的に活用するとして、マイカルという株を買って、そしてたしかこれは百億弱だと思いますけれども、大きな損失を出した。そういう不祥事を出した会社なんですね。
今は、先ほどいいましたけれども、首都圏新都市鉄道株式会社、こういうふうに名称は変わっておりますけれども、いずれにいたしましても、この首都圏新都市鉄道株式会社、これはどこに仕事を発注していたのか。その委託関係先、これを少し明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。
○成田都市基盤部長 通称常磐新線といってございますけれども、この工事につきましては、首都圏新都市鉄道株式会社から、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、以前鉄建公団といってございますけれども、ここに委託をし、施工してございます。全線約六十キロの区間でございますけれども、この鉄道運輸整備機構に委託してございます。
○渡辺委員 鉄建公団といいますけれども、鉄建公団が茨城県の場合どうなっているのか、それから東京の場合どうなっているのか、その先をちょっと聞かせてください。
○成田都市基盤部長 東京区間におきましては、南千住などJRの駅等直接いじる場所がございまして、この間に関しましては、鉄建公団から、鉄道運輸機構からJRに再委託してございます。
茨城県に関しましては、鉄道運輸機構が委託を受け、それを建設会社、清水建設が受注してございますので、こちらの方に発注してございます。
○渡辺委員 今お話があったとおりですが、首都圏新都市鉄道株式会社から元の鉄建公団、ここが受注をして、そこからまた茨城県では直接清水建設に委託するというか下請みたいな形になるわけですけれども、こういう形になっていると。そして東京の場合、南千住部分は鉄建からJRへ、そしてこの清水建設へ、こういう流れなんですけれども、JRそのものが受けても、直接建設工事をやるわけではないんですよね。何でJRというのが請負をして、そしてまたこれを清水建設に委託しなきゃならないのかという問題については、よく私わかりませんが、いずれにいたしましても、JRのあの南千住のところにおきましても、茨城県のところと同じように、コンクリが落下している。そして、中の鉄筋そのものが露出する、見えるというような状況があるわけです。
そこでちょっとお聞きしますけれども、このJRの監督責任というか、施工管理者としての責任というのはどういうことなんでしょうか。それはあるんでしょうか。
○成田都市基盤部長 首都圏新都市鉄道株式会社から運輸機構、それからJRということで、JRも当然運輸機構から委託を受けてございますので、管理監督責任はございます。
○渡辺委員 JRに対する監督責任というのは、私は監督不行き届きという重大な責任があると思っているんです。そういう点で、東京都としてもJRに対して厳しくその指導というか、そういうものをしていく必要があるというふうに思います。
次に、この「FLASH」によると、施工不良工事の事実関係の写真ですけれども、時間の関係で余り見せることはできませんけれども、三回ばかり見ています。これによりますと、コンクリートがはがれ落ちている、これは全くの手抜き工事としかいいようがないと私は思うんです。
茨城県の場合、萱丸高架橋という橋の下の部分に、落下箇所というかコンクリが落ちている、そういう箇所があった。これが指摘されて補修をした、してから再びひびが入る、こういう状況が繰り返されているわけです。しかも、こういうことだから、清水建設は三カ月間のいわゆる指名停止処分というものを受けているわけです。ですから、先ほどもちょっといいましたけれども、これは人命を最優先する鉄道会社、その鉄道会社がこういうようなことがあってはいけないと思うんですよ。ところが、こういうことを繰り返している。だから、指名停止処分三カ月ということなんですけれども、私は当然のことだと思います。
南千住も、同じようにホームの天井のコンクリートに穴があいている、鉄筋が露出している。これもやはり手抜きだ。全部清水建設がやっているわけでしょう。両方とも清水建設がやっている。
それで、週刊誌の記者あるいはその他の関係者からいろいろ問い詰められて、清水建設の社長は何といっているかというと、清水建設は全部ぶっ壊してでもやり直すということをいったわけですよ。しかし、そんなことは舌の根も乾かぬうちに、先ほどいったように、ひび割れを起こす、そういう問題が出ているわけですから、こういうことは本当にどうなのかという問題ですよ。これに対して、コンクリートの専門の東京大学の小林教授はこういっているんです。これは補修で済む問題ではない、取り壊して新しいコンクリートを流してやらなければ、あの状態では震度五くらいの地震が来たら陥没する、補修で済ませるようなことであってはならない、もし補修でやらせるということであったら、追及していかなきゃなりませんねということまでいって、そしてまた列車の震動が何年も加われば、いつかまた必ず落ちますよ、これは絶対に落ちますよと、これは東京大学の小林教授の、このコンクリートの専門の教授の発言です。そういうことを聞きますと、常磐新線つくばエクスプレスの電車に乗るということ自体も、本当に恐ろしくなりますよ。
これは千住の件でも同じことをいっているわけで、これらの事実関係を都としてはどのように受けとめているのか。この小林教授のこういう発言といいましょうか、こういうものに対してどのように受けとめておられるのかということをちょっとお聞きかせをいただきたい。
○成田都市基盤部長 私も「FLASH」のその記事を読ませていただいているわけでございますけれども、もう一方では、私ども現地の実態調査あるいは鉄道機構、会社などからヒアリングだとか現在の施工体制あるいは施工計画、管理基準などを確認してございます。
これらによりますと、報道記事に記載された箇所以外は特段の異常はないという鉄道機構あるいは会社からの報告も受けておりますし、私どもの職員も確認に行ってございます。また、そのふぐあい箇所につきましては、現在、鉄道総合技術研究所の指導を受けながら、補修あるいは必要な範囲についての補強方法、それから強度試験等を行いながら所定の強度が得られていることを現時点では確認してございます。
○渡辺委員 そういうことだということはわかりましたけれども、このような会社に対する東京都の具体的な指示というか、指導というか、それはどういうものがあったのか、そして、その結果はどういうふうに受けとめたのかということをお聞きしておきたいと思います。
○成田都市基盤部長 東京都といたしましては、いわゆる出資者という立場でこの不良箇所に--今回の報道に関しまして、十六年九月十七日付で私の名前で首都圏新都市鉄道株式会社の社長あてに、構造物の信頼性並びに安全性の確保について、事実関係の確認と今後の対応について、文書により申し入れをしてございます。
その後、TX株式会社--首都圏新都市鉄道株式会社より、口頭あるいは書類により、先ほど申し上げました指摘された事項以外のところにつきましては安全であるという報告を受けておりますので、私どもの職員もこれを確認し、現時点では、常磐新線全線については構造上問題ないというふうに認識してございます。
○渡辺委員 人命最優先で取り組むことが最も強く求められている鉄道事業、こういうことを考えたとき、こんないいかげんな工事では、今後とても仕事を任せることはできないと、本当に信頼を回復させるという点では大変なことだと思うんですね。
そういう点で、先ほどもいいましたけれども、東京都も厳しい姿勢で臨んでいただきたいというふうに思いますけれども、本当に私の気持ちとしては、やはり来年の秋、開通、こういうことでは、これをおくらせてはならないというふうに思いますし、だからといって、いいかげんではいけないんで、厳しくしていただきたい。これからの公共交通事業に関しては、清水建設が参加できないような、そういうことにするとか、あるいは出資とか貸し付けなどというような事業というものがこれから出た場合に、そういうものには参加すべきではない、こういうようなことも含めて私は思っているんです。
そういうことで、東京都としても厳しく対応していただきたいというふうに要請して、この問題については終わりたいと思います。
次は、住宅問題についてお伺いをいたしたいと思います。
都市再生という名のもとで、都心を中心とした広い地域で、ゼネコン大企業が再開発を初めとする大規模開発を所狭しと、かつてない規模で、オフィスビルあるいはまた商業棟、住宅棟ということで進めておるわけです。これらの開発は、仮に高層や超高層、オフィスビルに住宅が附置されると、さらに容積率の増加、こういうことも認められて、超高層ビル建設が一層促進される、このような状況になっているというのはいうまでもございません。
このような都心における超高層オフィスビルに併設された住宅や、あるいは単独の超高層や高層住宅棟、これらは一般都民の手の届かない家賃あるいはまた値段になっているということもご案内のとおりです。
都心部で今供給されている住宅というのは、例えば汐留で供給された都市再生機構の賃貸住宅、これは賃料が十四万から三十四万、また六本木の再開発で生み出された保留床ということになれば、賃貸住宅の家賃は、一番安い部屋で六十六万、最高では月四百三十五万と、こういうふうなことを聞いておるわけです。
これでは、ごく一部の高額所得者のための住宅であっても、とても庶民の手の届く住宅でないことは明白なんです。千代田区や中央区の人口がふえたことをもって、都心に人口が戻った、あるいはUターン傾向にあると、こういうことで大々的に宣伝しておりますけれども、これはごく一部の人たちにすぎない現象であるということを指摘せざるを得ないわけです。一般の都民が入居できるような住宅供給がない限り、本当に都心に人口が戻ったということにはならない、こういうふうに思います。
このことは、高家賃住宅でも入居できるような高額所得者と、この高額家賃などではとても入居できない一般庶民との格差が歴然としている、二極化というものが進んでいることを具体的に証明しているものだというふうに思います。
今申し上げたように、多くの都民が低廉の都営住宅や中堅所得層が入居できる住宅を強く求めている。一般都民が住むことのできる都営住宅や、あるいは中堅所得者層の人たちが入居できる住宅、これは絶対的に足りないんです。そういう立場から、新規につくるべき立場に東京都は立つべきだと思うんですけれども、これについてはどうでしょうか。
○水流住宅政策担当部長 まず、最近の市場の住宅供給動向に対する認識について申し上げます。
近年、東京におきましては、分譲マンションを中心に住宅供給が極めて活発化しておりまして、区部でもファミリー世帯向けの集合住宅の新築が相次ぐなど、多様な形で都心居住が進んでございます。また、新規の住宅供給は、住みかえがそこで起こりますので、中古住宅の流通あるいは賃貸住宅の空き家供給を通じまして、全体の住宅事情の改善に寄与していくという効果もございます。
お尋ねの都営住宅の新規供給でございますけれども、東京の人口、世帯数は中長期的には減少していくと見込まれてございます。一方、都営住宅は、一度建設を行うと、長期にわたって管理していかなければならないものでございます。そうしたことから、都営住宅につきましては、建てかえやスーパーリフォームなど、現在あるストックの維持、活用に重点を移して、供給戸数や管理戸数を抑制していく方針でございます。したがって、新規に建設する予定はございません。
また、都としての中堅所得者向けの住宅でございますけれども、今年度から、従来の都民住宅制度を抜本的に見直しまして、対象地域を重点化しながら、都市型民間賃貸住宅制度として中堅所得者向けの賃貸住宅の供給を行っているところでございます。
○渡辺委員 今、お答えありましたけれども、そういう理由では全然成り立たない、お答えになっていない。今の都営住宅やあるいは中間所得層というか、そういう人たちが求めているという、そういう切実な立場からいったら、何でそんなこというんだと、こういうことにしかならないですよ。
例えばこれまでも人口が減少するとか、あるいはいろいろなマンションがつくられている、そういうことでやりくりしていると。あるいは、住宅が世帯を上回っているとか、そういうのはいろいろ聞きました。だけど、現実の問題として、やっぱり解決されていないんですよ、そういう多くの都民の要求というのは。ですから、私、あえて質問させてもらうのです。
例えば、住宅は世帯を上回っているというけれども、住宅を必要とする一般都民のニーズにこたえられているかというと、なっていない。具体的に私、申し上げたいと思うんですよ、どういう状況なのかと。
今、一般都民の要求に見合った住宅供給になっているかどうかと、これをいいますと、中堅世帯というか、所得層といいましょうか、例えば月給が三十万だ、四十万だと。都営住宅に入れない人ですね。この一般サラリーマン平均世帯でも、月々十二万から十五万円も払って、そして子ども二人育てていくということ自体が大変だと。例えば十二万も十五万も払うということになれば、いっそのこと、うちを買った方がいいんじゃないかという話になる。じゃ、うちを買うということになっても、先立つものがあるわけですから、例えばどれくらいするかというと、やはり年収の五年から六年分、こういうふうなものになってしまうんです。そこで利息を払えば、その倍になるんですよ。だから、そういうことを考えると、やはりうちを買うということにもなかなかいかないという問題で、皆さん、苦労しているんじゃないですか。したがって、もっと安く、そして少しでも広く、こういうことで大変な苦労をしているというのが実態なんじゃないかというふうに思うんです。まして、高校生や大学生などを抱えている年代の人たちの苦労というのは、本当に大変だというふうに思うんですよ。
また逆に、中小零細企業に働いていて、仕事も満足にない、それから残業ももちろんない、ボーナスも出ない。この人たちにとっては、景気が回復してきているというけれども、おれたちを見ろと。何が回復だと。回復してきているのは大きいところばかりじゃないかと。私もそう思いますよ。全く景気回復という点では、実感が伴わないという状況にあるということです。
私の知り合いで、三十四歳の男性の状況をちょっと申しますと、月給二十七万円、奥さんのパート、午前中だけだというんですけれども、四万円、そして子ども三人、中学生二人、小学生一人、家賃は十万円だそうです。二十一万円でやっていかなきゃならないということですよ。こういう人がやっぱりたくさんおられると思うんですよ。
もう一つ紹介しておきますけれども、足立区で勤労者の生活実態、どうなっているかというと、子どもたちが受けている教育扶助というのがありますね。これを見ますと、教育扶助というのは皆さん、ご存じのように、生活保護基準の、足立区では教育扶助を受けられるのはその一・一倍。そういう子どもたちはどれくらいいるかというと、足立の場合では生徒全体の四五%が教育扶助を受けている世帯ですよ。こういう実態、皆さん、わかっているんですか、本当に。こういう人たちがいきなり十二万だ、十三万だ、あるいは都心みたいなところに住めといわれたって、住めるわけがないんですよ。ですから、こういう本当に所得の少ない人たち、あるいはまた中堅所得者、こういう人たちに本当にこたえていくというのは切実な問題なんです。
そういう意味で、あえてもう一度質問しますけれども、このような状況を踏まえて、今日積極的にこういう人たちにこたえていくべきだというふうに思うんですけども、いかがなものでしょうか。
○水流住宅政策担当部長 私ども、都民の住宅事情については、日々その把握に努めているところでございますが、かつてのバブルあるいはバブル崩壊以降の地価の状況と現在を比べてみますと、はるかに地価は下がり、建築費も下がり、したがいまして住宅の価格は都民にとって取得しやすいものになっているわけでございます。
それは新築住宅だけではなく、先ほど申しましたように、住みかえを通じて中古住宅にも波及してございます。家賃にも波及してございます。したがいまして、住宅事情は相当改善してきているわけでございます。
そうした中で、市場が発達してきている中で、私どもの住宅政策といたしましては、直接都が供給することよりは、むしろ市場全体を通じて、広がりのある住宅政策を通じて、都民の住宅要求にこたえていくということを考えてございます。
○渡辺委員 今のお話で、地価が下がっているとか、住宅事情が、広く供給されているというような話がありましたけれども、地価が下がっているということはあるにしても、じゃ、現実に地価が下がっているからといって、先ほど紹介した人たちが、それじゃ、買いましょうということでそんな簡単に買えるような状況じゃないでしょう。その問題ははっきりしているんじゃないですか。
だって、例えば景気がマイナスというか、長引く不況のもとで、多くの人たちの賃金だって下がっているじゃないですか。それで、やはり今景気が回復したといっても、それは本当に大企業の話だけであって、中小企業や零細企業に働く人たち、そういう人たちからしてみれば、全く景気の回復なんていうのは考えられない。一番、最もどん底に落ちているんですよ、今。
だから、一般のそういう、何というか、庶民の暮らし、所得、そういうものが冷え込んでいるから、消費そのものが冷え込んでいるから、なかなか景気回復もできないわけでしょう。その辺はもう少し実態を踏まえて検討していただきたいというふうに思うんですね。それだけでこれは終わりにします。
それから、都心居住という問題があります。これについて、一つだけちょっとお聞きしておきたい。
先ほどもいっておりますけども、住宅は世帯を上回っているんだというけれども、特に都心では家賃が高くて、一般都民は住める状況にはない。今、オフィスビルに住宅を併設すると、容積率が割り増しになりますよね。都心に高額家賃ばかりをつくるということではなくして、私は、容積率の割り増しなどを活用して、都営住宅とか中堅所得者が入居できるような低廉な住宅、これを供給できるようなことを住宅政策として検討すべきではないかというふうに思うんですけれども、これについてはどうでしょうか。
○水流住宅政策担当部長 ご案内のように、住宅を含む優良なプロジェクトに対しまして、総合設計制度などを通じまして、容積率の割り増しに、住宅を含むプロジェクトに対する、特に容積率の割り増しに配慮しているわけでございますけれども、ご指摘の、ご提案の住宅政策の観点から、家賃が安い住宅について、特にその容積率の割り増しを行うといったことは、容積率規制の趣旨に照らしてなかなか困難かと存じます。
○渡辺委員 だから、検討しろといっているんですよ、私は。都営住宅ということになると、拒否反応というのはあるかもしらぬけれども、やはり中堅所得者、こういう人たちが都心に住めるような、そういうものを誘導するための何らかの形での政策というものは持つべきだというふうに私はいっているんです。
もう一つついでにお聞きしておきますが、オフィスビルが、超高層がどんどん建っていくという状況の中で、中小のビルを持っているオーナーさんが、空き室になっていて困っているという人も少なくないわけですよ。そういうオーナーのご協力をいただけるような取り組みも、ぜひひとつ検討に値するんじゃないでしょうかということが一つ。
もう一つ、さらに都心三区だけじゃなくて、都心五区とか、あるいはそのほかでもそうですけれども、公的施設というのがありますよね。この公の施設、これの建てかえのときに、先ほどから申し上げている都営住宅とか、あるいは中堅所得者の住めるような、そういう住宅を併設させていくという点で、これは東京都みずから、そしてまた各区そのものに、自治体に要請をしていくということだって、これは検討することに損はないでしょう。その辺、どうですか。
○水流住宅政策担当部長 あきましたオフィスビルを住宅に転用して中堅勤労者に提供することにつきましては、今年度から都市型民間賃貸住宅制度で既に実施しているところでございます。
それから、公の施設を使って、そこで都営住宅等を供給することでございますけれども、先ほど申し上げましたように、人口、世帯の将来減少を踏まえますと、都営住宅につきましては現在あるストックの維持、活用に重点を移し、供給管理戸数を抑制していく方針でございまして、そのような考えはございません。
○渡辺委員 東京都の考え方は、根本からやっぱり間違っている。今の本当に住宅を求めている多くの一般の都民の方々からしてみれば、何を考えているんだ東京都は、そういうことで批判の的にしかならないですよ、そんな考え方は。先ほどいわれた都市型民間賃貸住宅、これだって本当に役に立つんですか、私たち居住者にとって。建てる人にとっては、それは百万円という、こういうものもありますけれども、これだけでそういう多くの人たちの要望にはつながらないですよ。根本的に政策変更するという立場に立って、これからもひとつ検討していただきたい、これはもう最後まで徹底してこの問題を取り上げて論戦をしていきたいというふうに思っています。
それから、都営住宅や--中堅所得者層が求めている住宅は都心だけではないんで、これまで五年間、新規住宅というのは一戸も建ててこなかったわけですよ。そのために応募倍率も年々高くなっている。このことをどう受けとめているのかということについてもお聞きしておきたい。
○水流住宅政策担当部長 都営住宅の応募状況でございますけれども、近年の応募者の総数は年間おおむね二十万程度で推移してございます。これに対しまして、ストックから発生する空き家、これが募集に回せる戸数のもとになるわけですけれども、毎年ストック総数の三%強で、これも安定的に推移しているところでございます。したがって、年によって多少の差はございますけれども、全体として年々応募倍率が高くなっているという状況にはございません。都営住宅の需給関係が悪化しているという状況にはございません。
また、応募状況でございますけれども、応募者の収入、あるいは居住の状況などを総合的に見て判断する必要があると考えているところでございます。
○渡辺委員 これは余りいいたくないけれども、実際問題として応募率が大体平均している、こういうことをいっているけれども、いわゆる少ないがために--新規建てていないんだから、空き家募集だけでしょう。数少ないでしょう。どっちみち、応募したって当たらない、こういうことから、最初からあきらめている人がたくさんいるということも承知しておいてくださいよ。
次に行きますけれども、新規建設は、私は先ほどいいましたように、いうまでもないんですけど、建てかえの問題も重大な問題なんです。建てかえがなかなか進まない、こういう状況があるんです。おくれているんですね。早急にこれは建てかえるところについては、積極的に取り組んで建てかえていただきたいというふうに思うんです。
私、今質問したいのは、東京都は建てかえのときに、移転先を探しますね。そして、移転先から、今度は建てかえが完成しても、戻ってくる人は少ないと。最初から何割は戻ってこないということで、そして元戸数、これを下回る建設計画しかつくっていないんですよね。どうしてそういうことなんですか。どうして元戸数を下回ってしかつくらないんですか。
○水流住宅政策担当部長 都営住宅については、供給管理戸数を抑制していく方針であることを申し上げました。建てかえに当たっては、少なくとも再入居を希望する従前居住者の数に見合った戸数を確保する必要はございます。しかし、必ず元戸数、すなわち従前あった戸数あるいはそれ以上を建てなければならないというわけではございませんので、先ほどの方針のもと、元戸数以下を基本として個々の団地の状況に応じて具体の戸数を決定することとしております。
○渡辺委員 元戸数、これを確保しない方針、これは都営住宅の抑制というものが大きな方針としてあるから、そういうことになるんだろうと思いますけれども、例えば新築もやらない、元戸数も確保しない、だから今どうなっているか。建てかえをしようと思ったって移転先がない、こういうことで今四苦八苦しているというのが現状でしょう。ますますそうなってくるんじゃないですか。だから、元戸数を確保することは、いわゆる移転先を確保するということにもつながるんですよ。そういうものをしっかりとわきまえて対応してくださいよ。
それから、この建てかえの問題で、小規模の団地、これは現地で建てかえるということが私は基本だと思いますが、抑制ということから、小さいのを建てかえるときになくして、一定のところの大きさの団地に集約する、こういうことがあるわけですね。これはやはり元戸数以上の住宅をつくって、ファミリー世帯への住宅として提供するということにしていかなければならないというふうに思うんです。これは先ほど答弁いただいたから、質問にいたしませんけれども、そういうことで全力を尽くしていただきたい、こういうふうに思います。
次の問題ですが、私、地元の問題にちょっと触れたいというふうに思うんですけども、足立区で、これは住宅関係者はご存じですから、一々こちらで説明しませんが、上沼田団地というのがある。この計画修繕のための調査というものを行ったけれども、計画修繕もやらない。建てかえ対象であるにもかかわらず、建てかえがいつになるかもわからない。ここに住んでいる人たちは、一体どうなっているんだと、これは。そういう点で、建てかえに手がついてからでも、もう何年もかかるわけでしょう。ですから、この団地の建てかえについて少しお聞きしますけれども、これはどうなっているんでしょう。
○庄司参事 上沼田団地でございますが、千五百戸を超える大規模な団地でございまして、周辺のまちづくりと連携した建てかえが重要であると認識しております。そのため、地元区と十分な調整を進める必要があり、現在検討を行っているところでございます。
○渡辺委員 検討を行っているということなんだけれども、先ほどもいいましたけれども、とにかくいつ建てるのかわからない。計画、いわゆる建てかえ団地ですよと指定されて、もう五年から六年たつんですよ。ここにはエレベーターをつけてくださいという、本当に高齢者の方々の切実な要求があるわけだ。ところが、この人たちは、建てかえ団地だからといって、エレベーターをつけてもらえない。毎日毎日が苦労の連続なんですよ。
それから、修繕だって、建てかえ団地だということで対象にならない。どうしてくれるんですか、これ。建てかえ団地だからといって放置されっ放し、本当に高齢者のおばあちゃん、おじいちゃんの実態を見てくださいよ。建てかえ前に多くの人たちが、私ら死んじゃうよと、こういうことまでいわれている。こういうことについて、本当にどういうふうに受けとめているのか、もう一回聞かせてください。
○庄司参事 当団地でございますが、一団地の住宅施設の都市計画決定がされており、その中に民有地も存在しているため、地元区を含む関係者と都市計画変更などについて調整を図ってきたところでございます。
○渡辺委員 この一団地の問題で、足立区といろいろと話し合いをしているということは承知しています。都市計画されていく前に、いわゆる民有地というのがあるわけですけれども、この民有地の人たちに対してのアンケート調査、やるということになっているんですけれども、これはいつやりますか。
○庄司参事 アンケート調査でございますが、本年度中の実施に向けて、地元区を含む関係者とアンケート調査の実施について、現在協議を行っているところでございます。
○渡辺委員 簡単に聞きますけれども、このアンケート調査の結果、いわゆるこの人たちがこの一団地都市計画決定から外してほしい、そういう結果が出た場合に、どういうふうに対応するんですか。
○庄司参事 一団地の住宅施設の都市計画決定につきましては、区の権限でございまして、区とは一団地の住宅施設の都市計画を地区計画に移行することで協議を進めているところでございます。
○渡辺委員 いわゆる地区計画という話になると、これは足立区の意向を踏まえなければならなくなる。いわゆる民有地に住んでいる方々の要求に反するということにもなっていかざるを得ないと思うんですよ、これは。だから、地区計画ということでアンケートとるというのはやめてくださいよ。東京都があそこの民有地として入り込んでいるところを地区計画から外すと。そこの民有地というところについては、もう四十年たつわけだから。だから、そういう点で、都市計画決定されちゃって、そこの中にいる人たちは何やろうとしたってできないわけです。
ここに足立区としては道路を民家の接道道路ということでつくってほしいと、こういう足立区からの要望があるわけですが、東京都はその道路そのものをつくるということについて、私は本当にやってほしいと。
本来は、都市計画決定をする前は、東京都が民有地、そこを買収するということで都市計画決定しちゃったわけですよ。それで、今日まで本当に何も手を打たないでそのままにしているというところから問題が発しているんですから、足立区のいうとおりに、民有地の部分の中のいわゆる道路、民地に結びつく道路ですね、これは東京都で責任を持ってやってくださいよ。そうすれば、これは解決しちゃうんだから、それで。
そのことを強く要望しておきたいと思うということと同時に、もう一つは、こういう話し合いをやっているということですけれども、この話し合いをやっているということとあわせて、建てかえの具体的な計画というんですか、それを示して、同時進行でこれをやっていっていただきたいと思うんですけれども、これはどうでしょうか。
○庄司参事 上沼田団地の建てかえにつきましては、現在地元区と調整を重ねているところでございます。調整が整い次第、できるだけ早く着手していきたいと考えてございますが、道路の話し合いにつきましても並行的に行ってまいりたいというふうに考えてございます。
○渡辺委員 その道路の問題、並行してやりたいということで答弁がありましたけれども、それは要するに建てかえ計画の具体化とあわせて並行にやっていくと、こういうふうに理解してよろしいですか。--はい、わかりました。
次に行きますが、もう一つ、これは地元に関してですけれども、千住の桜木町というところにいわゆる都営住宅の建てかえがあったわけですが、これまでは二百十戸ぐらいですか、それを建てかえて、ここだけは二百六十戸という、珍しい建てかえをしてくれたんですけれども、ここに建てるときの苦労というのはまた大変なことです。工事車、いわゆるトラックがやっと一台入るという、そういうようなところを、住民の皆さんを説得して、やっと建ててもらったわけですよ。私たちも住民を説得して、都営住宅なんだからということで協力してもらってきた。そして、二百六十戸の都営住宅ができたと思ったら、これに対して一戸も募集しないというんでしょう。どうして募集できないんですか、ちょっとお聞かせください。
○庄司参事 現在、東京都は、年間三千戸の建てかえを実施しているところでございますが、建てかえ事業を円滑に実施するためには、移転先となる事業用住宅の確保が不可欠でございます。したがいまして、現時点では、千住桜木町の住宅は事業用住宅として活用する予定でございまして、公募に回すことは考えてございません。
○渡辺委員 だから、さっきからいっているように、都営住宅をつくりなさいといっているんですよ。そして、その元戸数を減らさないでやりなさいといっているんですよ。そうじゃなかったら、今いったような新しいものを住民から協力してもらってつくったって、それを一戸も公募できないんですよ。こんなむちゃくちゃな話、ありますか。
だから、住民は怒っていますよ。後でみんな交渉に行こうなんて話になっていますから、それはどこへ行くかわからないけれども、ちゃんと対応してくださいよ。いずれにしても、そういう状況なんです。しっかりと受けとめていただきたいなと、こういうふうに私は思います。
時間の問題があるから、最後にいたしますが、最後の問題はエレベーターの問題にいたします。
既存の都営住宅のエレベーター設置について、廊下型、階段室型があるわけですけれども、今までの実績と今後の対象住宅ですね、対象棟というんですかね、住宅棟、これについてちょっとお聞かせいただきたい。
○松村参事 既存都営住宅へのエレベーター設置の実績でございますけれども、廊下型住宅で七百五十五基、階段室型住宅で二十二基でございます。
また、今後設置対象となり得る住宅棟につきましては、廊下型住宅で六百六十七棟、階段室型住宅で七百十七棟でございます。
○渡辺委員 都営住宅のエレベーター設置の要望というのは非常に強いわけですよね。本当につくってもらったところは、大変な喜びですよ。
これまで廊下型への設置というのは、約年間五十五基前後ですよね。これをもう少し予算をつけてもらって--単価が安くなっているんだから。だから、そういう点で百基、これくらいの目標を立てて取り組んでいただきたいというふうに思いますし、同時に階段型についても、毎年何基つけるのかというきちっとした目標を持って取り組んでいただきたいと、こういうふうに思うんですけれども、これについてはどうでしょうか。
○松村参事 階段室型エレベーターの設置につきましては、居住者の意向を踏まえまして、財政事情を勘案しながら進めてまいります。
○渡辺委員 最後ですけれども、階段型のエレベーター、これについては今のところ少ないですけれども、単価が安いですからね、このエレベーターは。ですから、廊下型と同じくらいのスピードでひとつ取り組んでいただきたい。先ほどいった廊下型については、やっぱり百個を目指してくださいね。これはぜひ強く要望しておきたいと思います。
最後ですけれども、これまでエレベーターをつける場合に、その号棟の全員の賛同署名というか、賛同が必要だ、こういうふうになっておりまして、一名でも反対者がいると、とにかくつけてもらえない、これはもう取り残されて後回し、こうなっちゃうわけですね。そうすると、中には確かに一名反対するというようなところも幾つかあるわけです、私も経験していますけれども。その人を待つといったら、できないですね、それは。だから、そういうことを考えたとき、しかもその号棟に高齢者がたくさんおられると。今どこへ行ったって、半数以上はもう高齢者ですから。そういうことを考えたときに、一人のためにやはり多くの人たちが本当に苦労するということを解消することは必要だと思うんです。
それで、何人もというんじゃなくて、とにかく一人くらいの反対者がいても、これはいわゆる共益費にはね返る、あるいは自治会の電気代ということで入る、それから住宅の家賃に再度切りかえるときに変わるとかいうようなこともあって、なかなか難しいという話は聞いているんですけれども、何らかの形で、例えばの話、一人いたら、その一人分のいわゆる内容というのは、東京都でやはり補償するくらいの大きな気持ちに立ってひとつ考えてもらったらいいんじゃないかと私はいつも思っているんですよ。
そうじゃないと、本当に一人のために、みんながどうしようもないということですから、ぜひこれは局を挙げてひとつ検討してください。ぜひこれはそういう方向で取り組んでいただきたいということをお願いを強く申し上げて、終わりたいと思います。
○川井委員 実は先ほど樋口委員から同意を求められて、川井理事も喜んでいるだろうと。実は本当は喜びたいんでありますけれども、喜ぶ状況でない。その質疑に新しい回答は一歩もないと思っております。
これは、速記録がない中でのやりとりならば、私も黙っておりますけれども、速記録が残って、記録とされて、私がした質問、その回答によって、同じ選挙区の川井も喜んでいるだろうと。たまたま私、実は質問する時間を得ていたからいいですけれども、これ、もし、この時間がなかったら、この速記録、記録はひとり歩きしちゃうんですよ、委員長。本来ならば、私は議事進行で動議を申し入れて、その速記録を外してもらいたい、こう思ったんだけれども、自分の発言する時間もあるから、その中でと思っていますから、若干時間がその分延びると思っております。
実はこの踏切の問題、一歩も進まない回答について、実は私も不満なんであります。不満なんであります。実はこの中で、例えば千二百以上超えるあかずの踏切、三百九十カ所、また二十路線という中で絞っていただいて、おかげさまで中野の二路線、そして二十カ所はすべてその二十路線にも入れていただいているし、三百九十カ所にも入れていただいている。しかし、これは長い歴史があるわけであります。
公明党さんにしても、我が自民党にしても、共産党さんにしても、このあかずの踏切の問題、あるいはあかずの踏切の連続立体化、あるいは沿線まちづくりと同化した中での考え方。特に中野は西武新宿線、なぜ二路線か。野方までの一路線と、野方から先の一路線と分かれている、そういう問題。
また、例えば中野においては、かつて補助二六線、高架する。これについて、中野区が失敗したのか、東京都が失敗したのかわからぬけれども、そこはあえてどちらとはいいませんけれども、その説明に失敗をして、地元の大反発を食らった。そのことにおいて、一たん一歩退いて、しかし何とかしなきゃならぬということの中で、中野区を除いて東京都と西武の方で連続立体交差等に、いわゆる地下式もあるだろう、あるいは道路がオーバーパスすることもあるだろう、アンダーパスすることもあるだろう、あるいは連続立体高架もあるだろう、そういうことすべて含めて立体化等を検討できる会をつくりたいという申し入れをして、そこの土俵をつくった。中野区を入れたのは、大分そこが脈が出てきたから、今回入れただけなんです。
しかし、その中で、きょうのやりとりの中で、新しい、一歩前進した部分というのはあるんですか。
○成田都市基盤部長 今、川井理事からお話がありましたけれども、平成十三年に一定で川井理事からご質問いただいておりまして、この間、ただいま申し上げました鉄道の整備方針、これを出したことが環境の変化、これだけが環境の変化かと思っております。
○川井委員 平成十三年云々といっていただいたけれども、それよりも、我が自民党とすれば、私の先輩を含めて延々と努力してきた。一つ希望があるかなと思うのは、中野区とやり合ってきた、あるいは西武新宿線のこの立体化等に含める踏切問題にかかわってきた担当重役小柳常務が、実は西武がいろいろエラーするもんだから、社長になっちゃった。となると、この社長が担当重役だったんだから、一歩これを集中的に小柳さんを引っ張り出して話の土俵に--これはかすかな希望なんでありますけれども、そういう思いは持っているけれども、そこに実は東京都も目をつけて努力はしてほしいな、こんな思いで今いるんです。
それで、実は私は、樋口さんがした質問でいい答えが出てくれば、これは喜ぶんですよ。長年願ってきたことですから。長年願ってきたことですから。しかし、残念なことに、今、部長から回答があったとおりであります。それを、同じ選挙区の川井も私の質問で喜んでいるだろうという記録がひとり歩きすることは、大変甚だ迷惑なんです。
しかし、そうはいっても、全会派で、議会を挙げて、あるいは都民を挙げてこの問題はスクラム組んで努力をして、また東京都の方々にも汗をかいていただかなきゃならない。そして、中野ばかりじゃなくて、二十三区あるいは三多摩含めて、それぞれの行政の方々にもそれぞれの鉄道事業者と闘うのに、スクラム組んで頑張らなきゃいかぬ、そういう思いであります。
つい先日も、野方の踏切で、ちょうど腹で真っ二つに割れた、見た方は飯が食えない、これが現実です。
ついでですから、本当はこれ通告していないけれども、そこで、今出た回答のように、まだまだ踏切の問題、時間がかかる。そうであるならば、とりあえずできることはやらなきゃならない。また、野方で死んだ。こういう思いで一つだけ触れてみたいと思います。西武新宿線野方駅についてということで聞きます。
現状は、改札は南口だけなんであります。バリアフリーの施設は未整備であります。区の方のスタンスは、区としては北口を設置したい、駅のバリアフリー化などを進めたい、お年寄りも障害者も、こういう思いであります。このため、区は、今年度予算をとり、調査を実施しております。それは、整備内容とか手法等を調査するということであります。今年度、区として一定の方向性を出し、来年度、西武鉄道と具体的に調整に入りたい、こう思っているそうであります。
西武の方は、西武としてもバリアフリー化は進めたいという回答が来ております。大きなことです。そして、なお区の調査結果を受けて具体的な検討にも入ると西武側はいっています。
そこで、東京都が、これは区のことだということではなくて、区の持っている技術的な知識、ノウハウ、そして国の予算をどう引っ張り出すか、どういう技術をもって結びつけるか、こういう形での役割というのは大きく東京都は持っているんだろうと思うんです。東京都の思い、意気込み、ちょっと聞かせてください。
○成田都市基盤部長 川井理事がおっしゃいますように、中野区のみならず、東京にはまだ千二百カ所の踏切がございまして、この踏切の解消には大変な事業費と長い時間がかかるというふうなことで、今回、連続立体交差化だけではなく、単独立体あるいは今ご指摘のような踏切の個別対策、こういうふうなものを盛り込みながら今後対応していこうというようなことで、この中では私ども地元の区市ともども協力しながら、東京都はこの鉄道事業に関しましては五十年近い歴史がございますので、このノウハウを提供しながら支援し、一つでも多くの踏切の解消を目指したいと思っております。
○川井委員 ぜひ努力をしていただきたいと思います。それで、本当に全員がこのことを進めようとしている、思いを持っている人たちが喜んでいるといわれても、そうですとこういえるような時代を早く迎えたい、こう思っておりますので、よろしくお願いします。
やっと自分の質問に返ります。
ちょっとお聞きをしたいんですが、東京都は昭和五十六年以来、おおむね十年区切って道路計画を計画的にあるいはできるだけ効率的に仕上げるということの中で、事業計画を立ててきて、あるいは実施計画というのかな、実施方針というのかな、そういうものを立ててきて、一次、二次、今、二次の前期ということだけれども、年数だけはもう十年以上たっちゃった。それで三次ということなんだろうと。これを実は私は二年ほど前、その時期が来るなということで、中野区はこうしてほしい、こういう思いを伝えてありました。
それで、今回、三月十七日ですか、発表されたものがあるわけですけれども、優先的に整備すべき路線二百八区間、百三十キロを設定しました。これ、第三次でありますけれども、第二次は何区間、何キロ、設定してありましたか。それと、当時は前期、後期分けていたような気がするんですけれども、その中で前期が何区間で何キロ、それ以外が何区間、何キロ、ちょっと教えてください。
○成田都市基盤部長 道路事業化計画につきましては、今、川井理事ご指摘のように、昭和五十六年にスタートしまして、この時点では前期十年、後期十年という形でスタートいたしまして、それぞれ前期十年指定されたものにつきましては、完成もしくは事業着手というようなことで、当時は二十年間、約一千七百キロくらいございましたか、それぐらいを整備したいという意気込みで事業計画を立ててございましたけれども、財政あるいは組織、そういう関係から計画どおり進まないということで、平成三年に第二次の事業化計画をしてございまして、第二次の事業化計画では、二次前期では、全部で百七十九キロを指定してございます。その際、事業着手率は区間ベースで六一%着手してございます。延長ベースでは四五%というふうな数字になってございます。
○川井委員 昭和二十二年代あたりに計画線を入れた、それが遅々として進まない、こういう繰り返しの中で、こうして昭和五十六年、こういうような目標を立ててもらった。
私はこれ、実は大変よかったと思っているんです。このことによって、例えば二次の前期なんか、大分手をかけていただいたんだろう。今までの率からいったら、六一%というのは大変高いだろうと思っているんですね。そういう意味では、道路計画、実施計画を立てて、何区間、何キロ、目標を立てた。目標というのは大事だなという思いがしているんです。だからこそ、非常にちょっと残念なんです。
実は私、三次に向けてこんな話をしておりました。例えば中杉通り、これ、引き続き二次の前期に入っているけれども、手がついてない。三次の前期にどうしても入れてほしい。バス通りだよ、歩道はわずか七十五センチ前後、電柱一本あれば、わずか三十センチ余りしか残らない。どうやって車いすが通るんですか。お年寄りが買い物のときに押して歩く車がどうして、どうやって通れるんですか。じゃ、あの通りを通らないで駅に行けるのか、白鷺の方々は。そうすると、年寄りや障害者は駅に出るな、商店街に出るなということになっちゃうんだ、だから頑張ってくれ、三次前期に入れてほしい、今回入れていただきました。大変私としては喜んでおります。
そして、早稲田通り、中野駅から環七まで、これも大変込むところであります。大変込むところであります。そして、中野に警察病院が来る。この警察病院は西部医療地域、新宿、中野、杉並、あるいは西部医療地域を超えた練馬においても、医療の中核をなす施設ができるということにおいて、高度医療を目指していただくことによって、大変期待されている。それにつながる、まさに動脈であります。大動脈であります。その道を広げてほしい、こういう思いで、私だけでなく、我が自民党としてお願いをした。これも今回、三次の前期に入れていただいた。
補助二六号についても、先ほどいったように、昭和二十二年当時から計画線--ここに三十年、引っ越してきて四十年、いまだに手をかけないんだから、こんなものはできないよ、よくまちの人から聞くんです。だからこそ、どこか一カ所でもいいから、五十メートルでもいいから手をつけてくれ。補助二六号を南に下っていって、甲州街道を越えて、突き当たったところで笹塚-大山間、工事がほぼ見えてきた。用地買収は、今度は哲学堂を越えた逆のところにいってくれた。そういうところで進んでいるのはわかるんですけれども、そこに住んでいる--自分のところではないところですから、こんなものはおれが生きているうちにできないよというような感じさえあるのであります。
だからこそ、まちづくりが一向に進まない地域がある。それがわずか五十メートルでも手をつければ、あっ、やっぱり補助二六号中野通りはやるんだな、それならば自分の家も建てかえよう、あるいはまちづくりもこうしていこう、膨らみが出てくる。そのことをお話ししてお願いをしたい。これも本当にわずか五十メートルか百メートルかわからないけれども、五差路のところと青梅街道の杉山公園のところ、二カ所、あれも大きいです。あれがなされれば、これは中野通り、中野区民にとって大きな励みになります。効果が出てきます。あるいは大きな経済効果が出てくるだろうと期待をしているのであります。
ただ一つ残念なことに、方南通りであります。方南通りを後ほど聞きます。なぜこれが入らなかったのか。なぜなのかということを聞きたいんですけれども、これは新宿の西口中央公園から渋谷を通って、中野を通って、杉並に抜けて環七、この通りであります。それが、新宿西口中央公園から拡幅がされてきたんであります。渋谷も終わった。中野も今、実施をしてくれている。しかし、二次の前期に入ったのは中野通りまでなんです。だからこそ、これは環七まで抜けなければ全く意味がないんだ。だから、三次の前期にはこれをどうしても入れてほしい。
その理由として、新宿西口中央公園、これから拡幅されるであろう方南通り、行きますと、ちょうどほどよいところに東大附属、そして海洋研究所、そして中野通りを越えてまたほどなく行くと、右側に地下鉄の操車場がある。そして、すぐに環七にぶつかり、これを右折してすぐに立正佼成会の敷地と大駐車場がある。
青梅街道に行きますと、青梅街道に突き当たると、右側に蚕糸の森、いわゆる蚕糸試験場の跡、広大な公園があります。左折して青梅街道を行きますと、気象研の跡地がある。そうしますと、これは四区、五区にまたがる大避難通路であり、大避難帯だと。しかも、ちょうどいいところに、いい距離のところに一万平米以上の敷地を持つ、こういう避難帯がほかにあるだろうか。だからこそ、この中野通りから環七まで抜くと、それがすべて生きるんですよ、すべて生きるんですよ、そういう話をさせていただいたわけであります。しかし、今回それが除かれてしまった。
そうすると、ここに書いてある、今回判定をする評価項目、こういうものの中に延焼の遮断帯の形成、安全な避難路の確保、そして震災時の甚大な被害が想定される地域の防災性というのが大変強く大きくうたってあります。しかも、この道路に接する南台というところ、南台一、二丁目、先ほどちょっと出ておりましたが、東京でも最も危険な地域として、木密の地域として指定されている。その方々を助くる、その防災拠点となり道路となり避難帯となる、そういうことでお願いをしていたんですが、なかなかこれも難しかったんだろうと思うんですが、どういう議論があったかだけでも聞かせていただきたい、こう思うわけです。
○成田都市基盤部長 川井理事ご指摘のように、この見直しに当たりましては、基本的には四つの基本目標を掲げまして、活力、安全、環境、暮らしと、そういうものをベースにしまして、今ご指摘いただきました十項目を、自動車交通の緩和だとか防災とか、こういうふうなものを照らし合わせまして判定いたしてございます。
今ご指摘の補助六二号線に関しましては、通称方南通りといってございますけれども、交通混雑の緩和や渋滞ポイントという、この概念からは既に九メートルの車道が完成していると。それから、防災の観点から申しますと、区部の道路計画の見直しと一緒に、今年三月に防災都市づくり推進計画を発表いたしましたけれども、この中で木密地域十一重点地域を指定してございまして、今お話がありました中野通りまでは、南台四丁目地区でございますけれども、これは十一重点地区に指定されている。それから、環七側の杉並方向につきましては、ここは十一重点防災区域に指定されていないというふうなことから、既に二十メートルのうち十五メートル概成しているというふうなことから、交通混雑あるいは防災の観点から、他の道路に比べてこの区間につきましては非常にポイントが低いと申しますか、整備するにはポイントが低かったと。
むしろ既に概成となり、道路のネットワークが形成されているという観点から、既存の道路のない計画路線について整備すべきというような方向で、ここのところには優先道路として指定をされてございませんでした。
○川井委員 いずれにしましても、今ご説明いただいた理由があるんだろうと思って、もう決定しているわけですから、今さらどうするわけにもいかないんでありますけれども、ただこれから十二年間、全くこれ、手をつけられない、目も向けられない、こういうところですよと逆に公表されたと同じなわけです。この中に入らなかったということは、逆に十二年間目も向けませんよ、こういうことなんだろうと。
それで、何らかの努力をしてほしい。例えば、せめても方南町のところの商店街の片側に歩道を広げるなりして、荷おろし場をつくるとか、やはりあそこ、バス路線で、ボトルネックなんですよ。ですから、あるいは中野部分だけでも少し歩道拡幅をするとか、何か方法があるんだろう、そういうことを希望だけしておきます。
○和田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
〔樋口委員「それではお願いいたします。私、樋口ゆうこ、申しわけございません。私の持ち時間が少々余っておりますし、もう一言だけ質問させていただきたいんですが、議員の権利のもとに、このような質問をさせていただくことはできませんでしょうか、委員長」と呼ぶ〕
○和田委員長 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、いかがですか。
〔樋口委員「ただ議員の権利ということで、もしお願いができるようでしたら、私は持ち時間をまだ余らせております。ほかの議員は多くの時間をオーバーしております。この中で、もう一回だけ質問をさせていただきたいんですが」と呼び、その他発言する者あり〕
○和田委員長 ちょっとお座りください。
まだ委員長が発言中でありますが、たまたま異議ありという声が一人ありますので、早速理事会を開いてこの取り扱いを協議いたしたいと思います。
休憩いたします。
午後六時十五分休憩
午後六時四十分開議
○和田委員長 ただいまより会議を再開いたします。
どうぞ発言を。
○樋口委員 もう一度質問をさせていただきたいと思います。
先ほど私どもの地元の中野区におけます西武新宿線、その問題について質疑をさせていただきました。その中で、十三年度から十六年度にかわり、大きくこの西武新宿線の踏切対策について、一歩進んだと私も考えております。
さて、その中で、どうしてもやらなくちゃならないこと、それはまちづくりであります。もちろん、連続立体高架事業、そこの中でまちづくりというのは、市区町村においてやっていかなくてはならない重大な命題であります。そのまちづくりは、主体は地元でありますが、そのまちづくりにはさまざまな方々のご意見があり、なかなか進捗しないというのが実態です。
地元自治体が進めていくまちづくり、そのまちづくりということに対して、都も支援を行っていくべきだと考えるが、いかがですかということを、私はお伺いをさせていただきました。それについての確認であります。
その中で、特に大きな進展だと思ったのが、そのまちづくり、本来ならばまちづくりができましたということを東京都に上げて、それから国との調整、特に国費の導入なんかの調整だとか、また技術的な支援だとか、そういったものを東京都は行っていく、今まではそういった形でした。
でも、そこの中で、このまちづくりをしている最中に、都として、技術面や事業手法に対するノウハウの提供や、また国費の導入に向けた調整など支援を行ってまいりますとお答えいただきましたことは、大きな前進だと私も感じております。その答えのままでよろしいんでしょうか。
これは、今までの十六年度以前においてよく行われた手法なのかどうなのか、その辺も含めてもう一回、一部そごがあったように思いますので、お伺いをさせていただきたいと思います。
○成田都市基盤部長 鉄道の立体化に伴うまちづくりにつきましては、非常に長い時間を要するわけでございまして、その中で地元の区市のまちづくりの取り組み、この取り組みの形態につきましても、あるときは進み、あるときは後退とはいきませんけれども、そのままとまったりとか、そういうふうな中で、私どもはその時々について、それぞれ必要な技術的な支援をするように心がけてございまして、進んでいるとか進んでいないとかいうのは、行政の方からのとらえ方ではなく、これはいろいろ地元の区市あるいは実際の地権者の方々が、その辺をある程度ご判断していただかなければならないというふうに考えてございます。
先ほど川井先生にもご答弁申し上げましたように、川井先生が十三年に質問された時点と、それから今年の十六年に踏切整備方針を出したと、こういうことでは、私どもは踏切、なかなか進まない鉄道立体事業をそれぞれの状況に応じた分類をし、その方針を出せたことは意義あることだと、こういうふうに考えてございます。
〔発言する者あり〕
○和田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○和田委員長 異議なしと認めます。よって、事務事業に対する質疑は終了いたします。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後六時四十六分散会
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