都市整備委員会速記録第九号

平成十六年九月三十日(木曜日)
第六委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長相川  博君
副委員長清水ひで子君
副委員長野島 善司君
理事高橋かずみ君
理事中嶋 義雄君
理事吉野 利明君
吉原  修君
東野 秀平君
新井美沙子君
樋口ゆうこ君
矢島 千秋君
渡辺 康信君
内田  茂君
坂口こうじ君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長梶山  修君
次長中路 有一君
技監小林 崇男君
技監杉浦  浩君
総務部長村松  満君
都市づくり政策部長森下 尚治君
住宅政策推進部長安藤  明君
都市基盤部長成田 隆一君
市街地整備部長石井 恒利君
市街地建築部長野本 孝三君
都営住宅経営部長小林 計代君
連絡調整担当部長加藤 英夫君
住宅政策担当部長水流潤太郎君
外かく環状道路担当部長道家 孝行君
多摩ニュータウン事業担当部長酒井 洋一君
参事飯尾  豊君
参事金子 敏夫君
参事中沢 弘行君
参事山室 善博君
参事小山  隆君
参事渡辺  滋君
参事今井  光君
参事安井 順一君
参事石井 一夫君
参事庄司 静夫君
参事松村  進君

本日の会議に付した事件
 都市整備局関係
契約議案の調査
・第二百四号議案 都営住宅十六H-一〇一北(村山)工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百九十七号議案 東京都建築安全条例の一部を改正する条例

○相川委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しは、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十六年九月二十九日
東京都議会議長 内田  茂
都市整備委員長 相川  博殿
契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 契約議案
第二百四号議案 都営住宅十六H-一〇一北(村山)工事請負契約
2 提出期限 平成十六年十月四日(月)

○相川委員長 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第二百四号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○相川委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○相川委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案につきましては、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○相川委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○相川委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百九十七号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
 資料について理事者の説明を求めます。

○村松総務部長 九月十五日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております都市整備委員会資料九月十五日要求分の表紙をめくっていただきまして、目次をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、1の都内における大型の自動回転ドアの設置状況についてから、3の六本木ヒルズでの自動回転ドアの事故における国と都の対応についてまでの三件でございます。
 それでは、まず一ページをお開き願います。1の都内における大型の自動回転ドアの設置状況についてでございます。
 都内にある直径三メートルを超える自動回転ドアの設置施設数と台数について記載してございます。
 二ページをお開き願います。2の六本木ヒルズにおけるこれまでの自動回転ドアの事故の状況についてでございます。
 六本木ヒルズにおいて平成十五年四月から平成十六年二月までに発生した事故について、発生件数、被害者の年齢層及び事故原因について記載してございます。
 三ページをごらんください。3は六本木ヒルズでの自動回転ドアの事故における国と都の対応についてでございます。
 六本木ヒルズの事故発生時からの国及び都の対応について記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○相川委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○野島委員 何点かお尋ねをいたします。
 この事故、この件は、三月のあの六本木ヒルズで起きた死亡事故、都市生活の便利、機能性とあわせて、いろいろ生活していく中で思いもよらないところに死角があるな、そんなことを改めて認識した事故でもございました。日常生活が機械文明の発達で便利になる反面、危険もすぐ隣にある、こんなことを強く認識したところです。
 特に東京は、ビル等、大変多いわけですから、たしか全国の四割ぐらいは東京に回転ドアがあるというふうな話も伺っております。そういう意味では、今回の条例案が時宜を得たものである、こんなふうに思っております。
 今も説明を受けたんですが、百八十台ありますよと。それから、きのうの我が党の秋田議員の質問に対しても、百八十台、既存のそういう回転ドアがある。中には、休止したり、そのままやっているところもあるのかなと思いますが、京王プラザは、僕よくあそこを通過しちゃうんですが、何かこんなのがあって、わきを通ってくださいというふうな形になっていますが、現在、あの事故以来、そういうものがどういうふうになっているのか、その辺の割合というんですかね、そんなところも教えていただきたいと思います。

○野本市街地建築部長 既存自動回転ドアの運行の状況でございますけれども、四月の実態調査では、都内における設置台数は百八十台でございました。九月にこの百八十台の使用状況を調査したところ、撤去または撤去予定のものが六十台、約三分の一です。それから、残りの百二十台のうち、使用中のものが二十六台、それから運転休止中のものが九十四台でございます。

○野島委員 今お話を伺いまして、なくなっちゃえば終わりでありますから、また撤去、予定も含めてね。そうしますと、使用中が二十六台、運転をやめていますのが九十四台、こういうことでございます。
 便利さとか、あとは、話によると、空気が出入りしにくくなるから、非常に省エネといいましょうか、にもなるというふうな話も聞いています。
 私なんか、足は短いんですけれども歩速は速いものですから、回転ドアの前に行きますと歩速を緩めなきゃいけないんですよね。逆に、だから普通のドアの方がぱっと入れていいなと思ったりなんかして、余り回転ドアは使わないです。ただ、両手に荷物なんか持っていると、あれは非常に便利だし、そういう意味では、恐らく事業者の方も引き続き使っていきたい、こういうふうなこともあろうかと思うんです。
 昨日の局長答弁でも、私どもの秋田議員に対して、設置者、メーカーに改正条例を周知徹底したい、それから安全対策を遵守させる、こういうふうなご答弁をいただいているわけでありますが、より具体的には、その安全性を高めていく--新しいものほどチェックされていくわけですね、この条例で。既存のもので使いたいよという場合に、より具体的に、その安全性を高めるためにどんなふうな取り組みをなされていくのか、そんなところを伺っておきたいと思います。

○野本市街地建築部長 自動回転ドアを再開するための対策についてでございますけれども、条例改正案による規制は、原則として既存の自動回転ドアには適用されるものではございませんけれども、都といたしましては、施設利用者の安全を確保するため、既に自動回転ドアを設置している施設の管理者あるいはメーカーなど、あるいは関係団体に対しまして、条例改正案の内容について周知を図り、安全対策の遵守を求めていくということを考えております。
 具体的には、条例が可決されました後、施設管理者、メーカーなどを対象に説明会を開催するということで、その場で条例内容を周知し、あるいは安全対策遵守を求める、こんなことを考えております。
 その後、各施設管理者から、実際にどのような対策をとるのか、あるいはとったのかというような対策の報告を受けまして、現地調査の結果、必要により個別指導することも考えている、こんなことでございます。
 具体的な内容なんですけれども、主なものを申しますと、回転速度を毎秒六十五センチ以下とする、それから、低速運転装置というのをつけるようにしているんですけれども、この低速運転装置のボタンを押しますと、毎秒三十五センチ以下に切りかえられるということ、それから駆け込み防止さくを設置すること、自動回転ドアに隣接して自動式引き戸を併設すること、こんなことでございます。

○野島委員 新設と既存、より安全性を高めるために、細かな指導をぜひお願いしたいと思います。
 ことしの台風で、西日本でも高潮被害というんですか、海の水がずっと上がってきちゃって水浸しになっちゃったよと。そのときに、テレビで放映していたんですが、高潮が来るわけですから、川に防潮扉というんですか、それが機能すればそこまで行かなかったよ、なぜそうなっちゃったのと。実はその扉を動かすのはモーターですから、電気が来なくなっちゃった、だから当然上がらないわけですね。そうすると、当然そういうことも予測しながら自家発電装置というのがありますよね、エンジンで電気を起こす。それを動かそうと思ったら、これが使い物にならなかった。最後に、これはもう人力でやるしかない、人の力で。それで回そうと思ったら、歯車がさびついていていかんともしがたかったと。だから、どんな便利な機械も、やっぱり常日ごろの維持管理、あるいは一朝事あったときにどう動くかということだと思うんですね。
 それから、かなり昔の話ですが、「タワーリング・インフェルノ」という小説というのかね、ありまして、超高層ビルなんですね、最高に近代化された。その竣工披露パーティーのときに、ちょっとしたことがあって、それを技術者が見過ごしてしまった。そこから大きな事故につながってビルが崩壊していくというのがありましたけれども、いわば機械を扱う人間が、安全な形でやるために常日ごろ十分な注意をしていかなければ、どんな機械であれ人間に刃向かってくる、これは当然のこととしてあると思うんです。
 そんなことで、この自動回転ドアに限らず、建築設備あるいは建築物、十分な維持管理と適切な使用をしていく、このことが必要であると思うんですね。今後、その辺の回転ドアについて、いわば常に管理者なりが意識してそういうものをやっていかなきゃいけない。ただ、人間というのは、大体なれてくると物をなめてかかる癖が僕にも--僕はありますけれども、そういう意味では、常にそういうことが必要だと思うんですけれども、今後の維持管理対策についてお伺いしておきたいと思います。

○野本市街地建築部長 自動回転ドアの維持管理対策についてでございます。
 条例案では、所有者または管理者に対しまして、毎年一回以上、メーカー、代理店による点検を義務づけております。また、その内容を特定行政庁、具体的には都とかあるいは区でございますけれども、その内容を特定行政庁が掌握するために、基準法に基づく定期報告制度の活用を図っていく、こんなことになっています。
 今後とも、所有者、施設管理者、メーカー、それから関係行政機関、こういったところが連携しまして、自動回転ドアの安全対策に努めてまいります。

○東野委員 二度と起こってはいけない痛ましい事故が起こったわけでございますけれども、今まで、回転ドアといいますか自動回転ドア、我々使っていて、自分自身が使用する際にも冷やっとするようなことがあったり、また、意外と見た目よりもずうたいが大きいもので、これによると、これに挟まれたらえらいことになるな、なんて思ったことも私だけではないというふうに思うんです。
 こういった回転ドアに対する安全基準、そういったものは今までなかったということなわけですね。それ自体が、なかったということ自体がおかしいというか、不思議なわけでございますけれども、この痛ましい事故を契機に、国交省と経産省がガイドラインをつくったということでございます。ただ、これは国がつくるガイドラインでございますので、全体的に網はかかるのかもしれませんけれども、特にこういった東京のような、非常に人の出入りの激しい箇所にある回転ドア等々考えますと、その一律のガイドラインで果たして済んでいくのかということを考えるわけでございます。
 今回、東京都は独自に安全基準を検討されて、そして条例案のこのたびの提案になったというふうに聞いておりますので、この点に関しまして何点かお伺いしたいというふうに思います。
 まず、国のつくりましたガイドライン、これと都の建築安全条例、この間の違いといいますか、ガイドラインと比べて都の独自性というものを、この際ですので明らかにしていただきたいというふうに思います。

○野本市街地建築部長 都の条例案と国のガイドラインとの違い、また、都の条例案の独自性についてでございます。
 国のガイドラインはいわゆる技術的助言という位置づけでありまして、法的な強制力は持つものではないということでございます。これに対しまして、今回提案しております建築安全条例は、法的な強制力があるため実効性が確保できる、こういうことでございます。
 都の独自の安全基準の主なものといたしましては、四点ほど挙げたいと思うんですけれども、第一に、高齢者、幼児等が主として利用する建築物には自動回転ドアの設置を禁止したこと、第二に、病院に設置する場合の回転速度を、秒速五十センチ以下と一般のものよりも低速化したこと、第三に、駆け込み防止のためのさくの設置を義務づけたこと、第四に、点検を年一回以上行い、安全を確認することを義務づけたこと、こんなところでございます。

○東野委員 建築安全条例に規定することによって実効性が確保される、そのような今ご説明であるわけですけれども、この実効性ということに関しまして、具体的にどのように実効性を確保していくのか、お伺いいたします。

○野本市街地建築部長 具体的にどのように実効性を確保していくかということでございますけれども、自動回転ドアに関する安全対策を建築安全条例に規定することで、建築確認制度の中で審査及び検査を行う、こういうことで実効性を確保するということでございます。違反した場合については、当然ながら是正指導を行いまして、なお、悪質な条例違反の場合は二十万円以下の罰金に処することもできる、こんなふうになっております。

○東野委員 実際、どの程度の効果を発揮するかということでございますけれども、ぜひともその実効性に関しましては効果が発揮されて、そして、二度とこのような事故が起こらないことがベストであるわけでございます。
 この回転ドアの事故というのは、過去、記録に残っているだけでも、先ほど来お話があったように、かなりの事故があったわけでございますけれども、その事故の中で大半を占めているのが高齢者、それから幼児の事故である。そういったことから、このたび、幼児とか高齢者が利用する施設での自動回転ドアの設置を禁止するということでありますけれども、具体的にはどのような施設が禁止の対象になるのか。また、私自身思うわけですけれども、障害者施設というのは当然ながら対象となるというふうに私は思うんですが、この点をお伺いしたいと思います。

○野本市街地建築部長 どのような施設で自動回転ドアの設置が禁止されるかということでございますけれども、条例改正案では、設置禁止となる主な施設として、幼稚園、保育園、小学校、児童福祉施設、老人ホーム、このほか、ご指摘の身体障害者施設や知的障害者施設などのいわゆる障害者施設も対象となってございます。

○東野委員 ちょっと具体的にお聞きしたいと思いますが、自動回転ドアの回転速度は、先ほどご説明ありましたように、毎秒六十五センチ以下、このように定められているわけですが、この六十五センチ以下というのは、数字ではあらわれますが、どのぐらいの速度なのかなと。我々が日常生活を送るに当たって、どういった感覚でとらえたらいい速度なのか。また、病院は毎秒五十センチということなんですが、これも大体どのぐらいの速度なのか、これをちょっとご説明していただきたいと思います。

○野本市街地建築部長 一般建築物における最大回転速度の秒速六十五センチ、あるいは、病院における最大回転速度秒速五十センチはどのような速度かということでございますけれども、まず、秒速六十五センチといいますと、時速に直しますと二・三キロでございます。一般成人の歩行速度が平均で約四キロとされておりますけれども、こういったことを考えますと、歩行者が余裕を持って自動回転ドアに出入りできる、こんな速度かなと。
 また、二〇〇二年に財団法人東京都老人総合研究所が調査を行っておりますけれども、この結果によりますと、八十歳以上の男性の平均歩行速度が毎秒百二センチ、それから女性の場合で八十九センチということでございます。それに比較しまして、秒速六十五センチというのは、老人が仮に利用する場合でも支障のない速度なのかな、そんなふうに考えております。
 ちなみに、六本木ヒルズの事故発生時の速度は、毎秒八十センチだったと推定されております。また、病院での速度、秒速五十センチは、時速に直しますと一・八キロということで、一般の六十五センチよりもさらに遅い速度を設定をしているんですけれども、これは病院における自動回転ドアの現在の運用実態、こういったものを調査した結果、適正な速度設定かな、こんなふうに考えております。

○東野委員 今の老人総合研究所が発表された高齢者の歩く速度を、もう一度教えてもらいたいと思います。

○野本市街地建築部長 この総合研究所の調査結果は各年齢層に分けているんですけれども、ここで例示したのは一番高い年齢層ですけれども、八十歳以上の男性の平均歩行速度が毎秒百二センチ、一・〇二メーター、女性で八十九センチということで、〇・八九メーター、こういうことでございます。

○東野委員 あと、残りの質問は野島副委員長と重複しますので割愛させていただきますが、いずれにしましても、条例が制定されたということは、安全確保の点で大きな前進だというふうに思うわけでございます。
 町中には自動回転ドアのほかにエレベーターとかエスカレーター、それから、住宅街に行きますと回転遊具とかいろいろな設備があって、時々その設備から起因する事故等の報告がされるわけでございますけれども、今後とも局としては、身の回りのいわゆるそういった設備に対する安全確保に引き続き注意を払い、また、対応を行っていただきたい、このことを要望して終わります。

○渡辺委員 私も、重複するところもありますけれども、何点かお聞かせいただきたいと思うんです。
 資料をいただいたんですが、ここには大型回転ドアということで七十七カ所の百八十台、こういうことになっていますけれども、このうち自主的に改善されたということで何台あるのかということを、先ほど野島副委員長の方からありましたけれども、何台撤去して、あと何台休止しているとか運転しているとかいうのを、もう一度ちょっと聞かせていただけますか。

○野本市街地建築部長 既存の自動回転ドアの運行の状況ということかと思いますけれども、百八十台のうち撤去または撤去予定のものが六十台、残りの百二十台のうち使用中のものが二十六台、運転休止中のものが九十四台でございます。

○渡辺委員 いわゆるこの百二十台というのは、運転中もしくはまた休止ということなんで、この休止というのは、またいずれ再開するのかどうかわからないけれども、まだ百二十台あるということですね。この百二十台の中で、やっぱり改善されないで現在動いている、あるいは休止されている、それがまた動くかもしれない。
 そういうことで、動いたということを前提に、ちょっと質問させてもらいますが、そういう点で、改善されていないという回転ドア、その管理者に対して、今回提案された条例の内容に準じて、具体的にやはり指導されるのでしょうか、どうでしょうか。その辺、ちょっと聞かせていただきたいと思います。

○野本市街地建築部長 既存の自動回転ドアについて、条例に合わせた改善をどのように求めていくかということかと思いますけれども、先ほど野島副委員長の方にもお答えいたしましたけれども、条例改正案による規制は、原則として既存の自動回転ドアに適用されるものではないけれども、ただ、既に自動回転ドアを設置している施設の管理者などに対しましては、条例改正案の内容について周知を図り、安全対策の遵守を求めていきます。

○渡辺委員 これもまた仮定になりますけれども、運転中のものについてはそうですけれども、残りの九十四台、これについても含めて、仮にこの条例案に沿って、いわゆる具体的な指導をしていくということで、それにこたえないというか、応じないという場合はどうするかという問題があると思うんですね。そういうときには、管理者とかメーカーですけれども、そういうところの企業名をある程度出して、いわゆる指導を強化していくというようなことも必要なんじゃないかというふうに思いますけれども、その点はどうなんでしょうか。

○野本市街地建築部長 条例に沿った安全対策が遵守されない場合の対応ということなんですけれども、企業名の公表という方法ではなくて、各施設管理者に対し一層の周知に努める、それから、現地の状況に応じた個別指導を行う、こんなことを考えております。

○渡辺委員 いつ事故が起きるかわからないという状況にあるものですから、仮に先ほどのそういう運転中や休止中のものが再びまた運転する場合については、本当に厳しい態度で指導をしていただきたい、こんなふうに思います。
 次に、先ほどもちょっと東野委員から出されましたけれども、私も実際に、今回出されている条例案の中のものですが、秒速六十五センチということなんですけれども、この六十五センチというのは、これは速いなという感じを持つんですよ。これは私だけじゃなくて東野さんもさっきいっていましたけれども、六十五センチというと、意外と速いです。私も何回か、幾つかのそういう回転ドアをくぐったことがありますけれども、やはり一たん停止するような感じになるんですよね。そして、回転速度に合わせながら入っていくという、我々だってそういうことをしなきゃならないということもあるから、一般的にやっぱりこの六十五センチといえども、全体として見れば速過ぎるかなという感じはするんです。
 そういうことで、今度の条例案は、部長、責任を持って提案したということなんだろうと思いますけれども、この六十五センチ、速いという感じはしませんか。子どもも含めて六十五センチ、高齢も含めて六十五センチ、その辺はどういうふうに受けとめているか、ちょっと聞かせてください。

○野本市街地建築部長 自動回転ドアの最大回転速度を秒速六十五センチとしたのは、その数値が速過ぎるのではないかということでございます。秒速六十五センチ、先ほどの答弁とちょっと重複するところはあるんですけれども、時速にすれば二・三キロということで、一般歩行者の四キロということを考えると、かなりゆとりがあるなということでございます。そういったことからすると、この数値は適切な速度かなと考えているんですけれども……。
 なお、この速度で自動回転ドアを通行することが困難な方、あるいは不安を覚える方には、入り口に設置された低速運転切りかえボタンというのがございまして、それを押しますと、扉の回転速度をさらに遅い秒速三十五センチと、非常に遅い速度の回転に切りかわります。ということで、そういうふうな秒速三十五センチに減速した上で通行するか、あるいは併設された従来型の自動式引き戸を利用する、このような選択ができるようになっておりますので、よろしくお願いします。

○渡辺委員 あわせて、病院の五十センチというもの、ありますね。この病院の五十センチということについても同じようなことなんですが、病院の方こそ非常に大変なんじゃないかという感じがするんですね。まして、車いすなんていうのは、とてもじゃないけれども、できない。そうすると、逆に引き戸的な自動ドアがあるということだからいいんじゃないかというふうにいわれますが、やはり回転ドアが真ん中にあるわけですから、大体そこを通るということになると思うので、この五十センチということについても、私はやっぱり速いという感じがするんですね。これは先ほどと同じようなことになっての答弁になるだろうと思いますから、質問にはいたしませんが、そういう気もします。
 だから、画一的に、普通の建造物だったら六十五センチだよ、病院だったら五十センチだよ、こういうことに私はしない方がいいんじゃないかというふうに思うんですね。それで、病院の五十センチというものも、これは減速できるようになっているんでしょうか、それをちょっと聞かせてください。

○野本市街地建築部長 一般施設の六十五センチのもの、それから病院の秒速五十センチのもの、いずれも低速運転切りかえボタンがついていますので、それを押せば、いずれのものでも秒速三十五センチというところに減速できる、このようになっております。

○渡辺委員 もう一つお聞きしますが、この百八十台という中に、病院はどれくらい入っているんでしょうか、わかったら教えてください。

○野本市街地建築部長 病院等での大型自動回転ドアの設置台数でございますけれども、全国的には九十八台、都内では四台と調査されております。

○渡辺委員 数字の問題ではちょっと通告してなかったものだから、申しわけありません。
 東京で四台ということなんですが、いずれにしても、現在回転していると思うんですね。回転というか、運行していると思うんですけれども、この病院の問題についても、先ほど一般的な建物についての行政指導というか、そういうことで伺いましたけれども、病院に対しても、やはり一般の建造物と同じような形で、これについてもきちっと指導するということと、あわせて、いうことを聞かないというか、従わないという場合については、この問題についてもやはり公表するというようなことで、厳しくひとつ指導していただきたい、こういうふうに思うんです。いかがなものでしょうか。

○野本市街地建築部長 病院につきましても、あるいはその他の施設につきましても、いずれにしましても、自動回転ドアの改善に対しては、先ほどお答えしたような内容で各施設管理者に対し一層の周知に努めるとともに、現地の状況に応じた個別指導を行うと、このように考えております。

○相川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○相川委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時四十一分散会

ページ先頭に戻る

ページ先頭に戻る