委員長 | 相川 博君 |
副委員長 | 野島 善司君 |
副委員長 | 樋口ゆうこ君 |
理事 | 高橋かずみ君 |
理事 | 中嶋 義雄君 |
理事 | 吉野 利明君 |
吉原 修君 | |
清水ひで子君 | |
東野 秀平君 | |
新井美沙子君 | |
矢島 千秋君 | |
渡辺 康信君 | |
内田 茂君 | |
坂口こうじ君 |
欠席委員 なし
出席説明員都市整備局 | 局長 | 梶山 修君 |
次長 | 藤井 浩二君 | |
技監 | 小林 崇男君 | |
技監 | 杉浦 浩君 | |
総務部長 | 村松 満君 | |
都市づくり政策部長 | 森下 尚治君 | |
住宅政策推進部長 | 安藤 明君 | |
都市基盤部長 | 山崎 俊一君 | |
市街地整備部長 | 石井 恒利君 | |
市街地建築部長 | 野本 孝三君 | |
都営住宅経営部長 | 青木 治道君 | |
連絡調整担当部長 | 加藤 英夫君 | |
都市づくり調整担当部長 | 南雲 栄一君 | |
住宅政策担当部長 | 水流潤太郎君 | |
区市町村調整担当部長 | 高岡 信也君 | |
外かく環状道路担当部長 | 道家 孝行君 | |
多摩ニュータウン事業担当部長 | 高西 新子君 | |
営繕担当部長 | 渡部 景之君 | |
参事 | 金子 敏夫君 | |
参事 | 山室 善博君 | |
参事 | 宮川 昭君 | |
参事 | 渡辺 滋君 | |
参事 | 今井 光君 | |
参事 | 石井 一夫君 | |
参事 | 庄司 静夫君 |
本日の会議に付した事件
請願の取り下げについて
都市整備局関係
事務事業について(質疑)
○相川委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
初めに、請願の取り下げについて申し上げます。
一六第六号、東京都住宅供給公社設立目的を逸脱する家賃値上げ反対に関する請願は、議長から、取り下げを許可した旨通知がありましたので、ご了承願います。
○相川委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の事務事業に対する質疑を行います。
これより都市整備局関係に入ります。
事務事業に対する質疑を行います。
本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
資料について理事者の説明を求めます。
○村松総務部長 四月二十七日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
お手元に配布しております都市整備委員会資料、四月二十七日要求分の表紙をめくっていただきまして、目次をごらんください。
資料は、1の都内の最低居住水準に満たない世帯の割合から、15の都市整備局の事業内容等の都民への周知についてまでの十五件でございます。
それでは、まず一ページをお開き願います。1の都内の最低居住水準に満たない世帯の割合でございます。
居住世帯のある住宅、そのうちの民営借家及び公営住宅について、世帯総数と最低居住水準未満の世帯の世帯数とその割合を記載してございます。
二ページをお開き願います。2の都内の老朽木造賃貸住宅戸数でございます。
木造賃貸住宅の総戸数と昭和五十五年以前に建築された木造賃貸住宅の戸数を記載してございます。
三ページをごらんください。3は、昭和三十年代以前建設の都営住宅戸数を記載してございます。
四ページをお開き願います。4の都営住宅及び公社住宅建設戸数の推移、過去二十年間でございます。
昭和五十九年度から平成十五年度までの都営住宅、公社住宅の建設戸数を記載してございます。
五ページをごらんください。5の都心五区の都営住宅及び公社住宅戸数でございます。
千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区における都営住宅及び公社住宅の戸数をそれぞれ記載してございます。
六ページをお開き願います。6の都営住宅応募状況でございます。
上段の表は新築募集の応募状況を、中段の表はバリアフリー仕様住宅募集の応募状況を、下段の表は空き家募集の応募状況を、それぞれ記載してございます。
七ページをごらんください。7の平成十四年度滞納月数別滞納額一覧でございます。
滞納月数を三区分し、区分ごとに件数と金額を記載してございます。
八ページをお開き願います。8のエレベーター未設置の中層都営住宅の棟数でございます。
既設の中層都営住宅におけるエレベーター未設置の棟数を廊下型と階段室型に分け、記載してございます。
九ページをごらんください。9の定住対策を見直した区とその主な理由でございます。
区別に、それぞれ見直しの内容と主な理由を記載してございます。
一〇ページをお開き願います。10の都施行土地区画整理事業の整備進捗状況でございます。
地区ごとに、所在区市、施行面積、施行期間、事業費、平成十四年度までの執行額、進捗率を記載してございます。
一一ページをごらんください。11の防災都市づくり促進事業補助額の推移でございます。
平成十年度から平成十四年度までの都市防災不燃化促進事業の都と国の補助額と、防災生活圏促進事業の都補助額を記載してございます。
一二ページをお開き願います。12の都施行市街地再開発事業によるマンション供給戸数でございます。
地区ごとに、権利床、保留床の戸数を記載してございます。
一三ページをごらんください。13の多摩ニュータウンにおける居住人口と高齢者人口についてでございます。
各市における多摩ニュータウン区域の居住人口、高齢者人口、高齢者率について記載してございます。
一四ページをお開き願います。14の全区市町村ごとの全世帯に占める公営住宅世帯の割合でございます。
区市町村ごとに、全世帯数、公営住宅世帯数、全世帯に占める公営住宅世帯の割合を記載してございます。
一五ページをごらんください。15の都市整備局の事業内容等の都民への周知についてでございます。
都市整備局では、事務の所管をわかりやすくご案内するため、「広報東京都」での周知、都市整備局ホームページでの周知、都市整備局ご案内窓口の設置などの取り組みを行っております。
以上で資料説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○相川委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○吉野委員 東京都の組織再編がありまして、新しく都市整備局という大きな組織ができた、その事務事業の説明に対する質疑ということでありますので、うちは委員が大勢出ておりますから、私は多摩の振興という一点だけについて伺いたいというふうに思っております。
これまでの都市計画局の中にあってのいろいろな議論ですとかあるいは事業の説明等の経過の中では、どうしても都心部の開発が大きなウエートを占めていたというふうに私は感じております。都区部で、国際競争力の強化だとかあるいは都市の魅力づくりを図ることを目的として、有力な民間プロジェクトの誘導が進められてきておりまして、このような都市再生の取り組みは、東京の再生、ひいては我が国の再生のために不可欠であるというふうに思っておりますし、これからも力を入れていかなければならない施策であるというふうに考えております。
しかし、一方で、東京の活力を呼び戻すためには、都民の三人に一人に当たる約四百万人の都民が居住しております多摩地域の振興も重要であるというふうに私は思っております。都が示しております環状メガロポリス構造も、都区部と多摩地域を含む東京圏のそれぞれの都市とが一体となって首都機能を発揮し、日本の活力を高めていくという考え方であるというふうに理解をしております。
このような中で、今後、都はどのような多摩地域を目指していくのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○南雲都市づくり調整担当部長 多摩地域の将来像についてのお尋ねでございますけれども、多摩地域は、多くの大学や先端技術産業が立地をしておりまして、また豊かな自然にも恵まれ、将来に向けて多くの発展の可能性を秘めております。また、首都圏メガロポリスを構成する地域の中におきましては、他に先駆けて都市機能の整備が進んでおります。
こうした中で、首都東京の再生に向けまして、その一翼を担う多摩地域の役割は、ますます重要となっております。
都におきましては、平成十三年に策定いたしました多摩の将来像二〇〇一の中におきまして、核都市や生活圏レベルの拠点を中心に自立性の高い地域を形成すること、それから、地域の内外との連携、交流を高めることを基本理念として掲げております。また、都市基盤の整備や個性的で秩序ある市街地の形成などによりまして、東京の活力の一翼を担う多摩を将来像として描いているところでございます。
これからの多摩地域は、地域それぞれの個性を十分に考慮した上で、その特性に合った発展を促し、全国に誇れる魅力的な地域を創造することが必要であると考えているところでございます。
○吉野委員 多摩地域におきまして、道路、交通などの都市基盤の整備の進展に伴い、人、物、情報の流れが活発化してきております。今後はさらに広域的な都市づくりに向けて、都心部とのつながりだけではなく、他県との都市間の連携も視野に入れ、東京圏全体としてバランスある発展を目指すことが求められているというふうに思います。
また一方では、四百万人が暮らす潤いと安らぎのある生活環境の創造も欠かせないものであります。都としては、先ほどの答弁がありました多摩の将来像の実現に向けてどのように取り組んでいかれるつもりなのか、お伺いいたします。
○南雲都市づくり調整担当部長 多摩地域における都市づくりにつきましては、昨年策定いたしました多摩アクションプログラムにおきまして、圏央道や外環道の整備など、広域ネットワークによる多摩の活性化、南北主要道路の整備や連続立体交差事業などによる域内交通網の整備促進、また、多様な主体が活躍する持続可能なまちづくりや緑のネットワークの形成など、そういうものを重点的な取り組みとしているところでございます。
都といたしましては、今後とも、このような取り組みを積極的に推進いたしまして、地元市町村や都民と連携しながら、活力と魅力にあふれた多摩、存在感のある多摩の実現に向けまして努力していきたいと考えているところでございます。
○吉野委員 私は、東京の中にありましても、これから自治体間の競争が一層活発になるのではないかなというふうに思っております。居住空間としての魅力を高めたり、あるいは事業展開の場としての魅力を高めたり、そういう自治体の努力の成果を競い合いながら、全体として東京の活力を高めていくというふうな流れになっていくんだろうというふうに思っております。
そういう意味では、都心区部だけではなくて、やはり多摩も同じように東京都としてその発展に尽力をしていただいて、都民の皆さんが何を魅力としてそこに住もうとするのか、何を魅力としてそこで働こうとするのか、そういった競い合うような状況の中で一層都が発展していかれればなというふうに思っているところでございますので、ぜひ今後も、多摩地域における振興ということについても、新たな都市整備局として積極的な取り組みをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○坂口委員 一点だけでございます。時間は二十分とっていただいたようでございますが、三分で終わります。よろしくお願いいたします。
組織が再編されて、大変たくましく、頼もしい局になったという気がするわけでございますけれども、全く私見なんですけれども、もうちょっと何かわかりやすい再編ができなかったのかなと率直に思います。かなり寄せ木細工的というとちょっといい方が適切かどうかわかりませんが、いろんな部ですとかセクションがありまして、我々から見てもわかりづらいというのが実態でございます。
局長が局のこれからの事務事業の概要についてご説明をされたわけでございますが、それによりますと、都市整備の基本的な事項を所掌するセクション、都市計画を所掌する、または住環境の整備、市街地整備、さらには建築に関する、五つの大きな役割があるということでございまして、その組織が目指すところは、現場感覚を反映した、迅速で実効性ある都市整備の推進を図るための再編統合であるということですね。これはもうそのとおりであろうかと思います。
もうちょっとわかりやすくいうと、人の面でも組織の面でも大変強化されましたね。大変な人員を抱える局となりました。それから物の面でも、今まで都市計画局は余り土地を持つとか建物を持つということはなかったと思うんですが、今二十六万戸ですか、二十五万数千戸の都営住宅、それに付随するいろんな施設、土地等を持つわけですから、これはもう大変なことですね。それからお金の面でも、予算規模はほぼ倍ぐらいになったのではないでしょうか。--三倍ですか。今サインが出ましたけれども、三倍だということでございますから、これはすごいですね。それから当然、これだけの人がいて組織が動くわけですから、情報の面でも、今までの恐らく三倍ぐらいの情報を取り扱うセクションになっているのではないかということですね。
大変頼もしい限りであるわけでございますが、ただ喜んでばかりはおれないわけでございまして、頼もしければ頼もしいほど、またパワーアップされればされるほど、それをうまく都民のニーズに合わせて活用できる手だてを持たなかったら、これは宝の持ちぐされということになってしまいます。大変わかりやすい例でいうならば、プロ野球でも高校野球でも、金かけていい選手はいっぱいとった、しかしながら、最下位ですとか下から二番目ですとかBクラスに甘んじているようでは、これはもう何をかいわんやということになるわけでございまして、やはり管理者のといいますか、または監督の経営手腕が問われるということにもなってくるわけでございます。
そこで、都民の目から見てやはりわかりやすい、使いやすい都市整備局にしていただきたい。それはひいては、私どもにとりましてもわかりやすい、使いやすい都市整備局の機能ということになるわけでございますから、それをお願いしたい。
そしてあわせて、冒頭申し上げましたが、また局長の事務事業の説明でもございましたが、都民ニーズに的確にこたえられる、そのような局ですね。機敏にダイナミックに対応できるような、そういう局のあり方が問われてくると思うわけでございますが、資料をいただきまして、いろいろ聞かせていただきました。新しいキーワードで、何か専門の案内員を配置しまして、できるだけ都民にわかりやすく、そして役に立つ局を目指していきたい、コンシェルジュというんだそうですね。ああ、コンシェルジュがキーワードですかといいましたら、いや、それだけではありませんということであったわけでございますけれども、先般テレビを見ておりましたら、長野県の田中康夫知事も、今まで県庁にいた職員をそれぞれの自治体に駐在させるということで、コンシェルジュという言葉がそこでも出てまいりましたね--としての役割を担わせる、そして地方行政を活性化していく、その試みをしているようでございますけれども、まとめてお答えください。
都市整備局の事業内容の都民への周知、そしてまた都民のニーズにこたえられるような組織づくり、そしてまた運営をどのようにしていくのか、総務部長にお答えいただきまして、それで私の質問はきょうは終わりでございます。
○村松総務部長 今回の組織改正につきましては、都市計画局、住宅局及び建設局の市街地整備部門の統合というかなり大がかりなものになりました。組織としても七部三十三課八事業所という規模になったわけでございます。都民や事業者が直接訪れる職場も多いため、都民への広報にも十分意を用いて取り組まなければならないというふうに考えております。
そのため、まず「広報東京都」の四月号におきまして、都市整備局の課ごとに、主な仕事の内容や問い合わせ先などを明らかにいたしました。できるだけ全体をコンパクトにわかりやすくお伝えしようという趣旨で、この広報は行ったところでございます。
また、都市整備局ホームページにおきましても、新組織の課ごとの事業内容や問い合わせ先など、詳細な情報提供を行っております。
さらに、坂口委員からご指摘がありましたように、この四月から、当局に直接おいでになる都民の皆様のために、都市整備局ご案内窓口というのを新たに設けたところでございます。通称コンシェルジュというふうに私どもは呼んではおりますが、都市整備局のご案内窓口ということで、わかりやすくそういう名称で、職員三人をローテーションで常駐をさせて、お客様の求めに応じて迅速かつ親身に対応していこうということを始めたところでございます。
しかしながら、ご指摘のように、都民への周知の程度がどうかだとか、あるいは課題ごとの所管がわかりやすくなっているかどうか、こういった点については、まだまだ改善しなければならない点もあると認識をいたしております。
今後、先生方や都民の皆様のご意見を踏まえながら、例えばしゃれた街並みづくり推進条例がどこなのかとか、そういう事業ごとに、どこが担当しているのか、そういう組織が容易にわかるような情報提供を行っていくなど、さらに工夫を加えまして、都民や事業者の皆さんにとって、より一層わかりやすく、機動的な都市整備局を目指してまいりたいというふうに考えております。
○坂口委員 よろしく頼みます。
以上です。
○東野委員 私の方からは、木密地域の解消について、基本的なことでございますけれども、何点かお伺いしたいというふうに思います。
事業概要にもございますとおり、東京の木密地域は、都心からおおむね十キロ圏に当たる山手線と環状七号線の間やJR中央線を中心に、広範に分布しているというふうにありますけれども、東京都とそれから各区は、ちょうど昭和五十年代の末ぐらいから、この木密地域の住環境改善、また良好な住宅の供給に取り組んできているわけでございます。しかしながら、密集地域が目に見える形といいますか、実感できる形で改善されてきているのかなというふうに考えますと、そうでもない、なかなかそういうふうに思えない、こういうことを感じつつ、何点か質問したいというふうに思うんです。
まず最初に、基礎資料としまして、一つには、都の木密、木造住宅密集地域の総面積、さらに、そのうち木造住宅密集地域の実際に整備事業を行っている地区と面積がどのぐらいあるのかをお示しください。
○石井市街地整備部長 ただいま委員からお話がありましたように、東京には、都心からおおむね十キロ圏の山手線と環状七号線との間やJR中央線沿線を中心に、約二万三千三百ヘクタールの木造住宅密集地域が広範に分布しております。
これまで、東京都木造住宅密集地域整備促進事業を十九区六十六地区、約二千八百ヘクタールにおいて実施し、老朽建築物等の建てかえ促進や公共施設の整備により、防災性の向上、居住環境の整備及び良質な住宅の供給を行ってきております。
○東野委員 二万三千三百ヘクタール中二千八百ヘクタールということで、この数字から見ますと、かなりの地区で木密事業を行っているわけですけれども、私の住む目黒も、品川区とまたがる地域で、この木密地域の指定がされているわけでございますけれども、少なくとも、私が議員になって十年ちょっとになりますが、その間、自分の区の実感としても、自分が住んで歩いている実感としても、進んでいるなという感じをなかなか、残念ながら受けない。それが、先ほど申しましたように素直な気持ちなわけですけれども、これ、十九区六十六地区、二千八百ヘクタールというふうにいわれているわけですけれども、実際に見えにくい状況。これは何かなぜこう見えにくいのかな、これだけ進んで。いってみれば一割強ですね、地域の面積からすれば。それでも目黒が進んでいないのかもしれませんけれども、ほかの地域が進んでいるのかもしれませんけれども、恐らく実際に目に見える形というか、実際に見えにくい原因というのがどの辺にあるのかなと、これをちょっと教えてもらえればと思うんです。
○石井市街地整備部長 木造住宅密集地域整備促進事業は、ご承知のように、住民が事業地区内の木造住宅の建てかえを行う際に、あわせまして細街路の拡幅整備などを行って地域の延焼防止を図る、いわば修復型の事業でございます。
事業地区内では、権利関係が複雑であることに加えまして、高齢者が多いことなどから、建てかえ意向が少ないこと、また対象地域が広大であります上に、事業地区が分散されているためにまとまった成果が見えにくいことなどから、必ずしも計画どおりに進んでいないように見えるという、委員ご指摘のような面もあるかと考えられます。
しかしながら、地区の延焼しにくさをあらわす不燃領域率について見ますと、事業地区内では着実に上昇しておりまして、避難道路等の整備につきましても、一定の進捗が図られておるところでございます。
○東野委員 今、不燃領域率というお話が出たのですけれども、これが向上しているよということで、この不燃領域率というのは、例えばどういった形で、木密の地域、指定されている地域の住民の方とかもしくは区とか、そういったところを示す形になっているんでしょうか。ご参考までにちょっと教えていただきたいと思います。
○石井市街地整備部長 既にご承知のことかとは思いますけれども、不燃領域率と申しますのは、一定のオープンスペースを除きまして、そしてそのオープンスペースを除いた部分の建物の不燃化の状況がどのくらいあるか、つまり燃えにくさをあらわす指標でございますけれども、これまでのところ、そう具体的に、地域にここがこれだけになったというようなことを出している例は少のうございます。
○東野委員 ありがとうございます。
今まで聞いてきましたのは、いわゆる従来の住宅局が所管している部分の木密事業についてであるわけですけれども、一方、都市計画局でも都市防災不燃化促進事業とか防災生活圏促進事業といったものを行って、木密地域の防災性の向上を図ってきているわけでございますけれども、住宅局がこれまで行ってきた事業と、それから都市計画局が行ってまいりました事業、今申し上げました事業、これの差異、違いといったものはどういったものがあるのでしょうか。
○石井市街地整備部長 木造住宅密集地域の整備に関しての旧住宅局と旧都市計画局の事業の違いでございますが、旧住宅局では、この事業地区内の住環境改善や防災性の向上に重点を置きまして、主に木造住宅の建てかえ促進やポケットパークの整備などを行ってまいりました。
一方、旧都市計画局では、都市防災の観点から、避難路の整備促進や沿道の不燃化による延焼遮断帯の形成など、広域的視点から市街地火災の拡大を防止することを重点に施策を展開してきております。
○東野委員 今聞かせてもらって明白なんですけれども、従来、確かに各局でおのおの木密に対する施策、事業を行ってきたわけですけれども、ここら辺に、今回統合されてもう一つ局が加わった、建設局が一部加わった形での三局の合同の木密地域に対する施策を行っていくという意義が、この短い数問のやりとりの中でも浮かび上がってくるのかなという、そういう実感がします。
これまでのことはこれまでのことといたしまして、これからは、今度の新しい局では、計画段階からまた実施段階まで統一した形での事業を行うことになるわけでございますけれども、ここで求められるのは、やはり統合された以上、事業遂行の効率化ではないかなと。そしてまた、先ほどちょっと触れましたけれども、目に見える形でもどのように行っていくか。また、住民にもある程度、防災性という観点であるので不用意なことはなかなか、お知らせするのは別としまして、住民にも親しめる形での何らかの方策というものも考えながら総合的に進めていくということが大事なのではないかなというふうに思いますけれども、いわゆる効率化等含めまして、三局で合同して事業を行っていくその辺のご所存というかお気持ちというか、その辺をちょっとお聞かせいただければと思います。
○石井市街地整備部長 今回の組織再編によりまして、計画から事業実施までを、これまで以上に一貫して行うことが可能となったと考えております。具体的に申し上げますと、都市づくりの計画策定による誘導策にあわせまして、個別の建築行為に対する規制、誘導策を持ちつつ、まちづくり事業の実施部隊としての機能を備えることとなったといえようかと思います。
木造住宅密集地域の整備につきましては、それぞれの局が実施してきた事業の重層化、集中化を図るとともに、道路などの公共施設の整備を契機として、民間開発や建てかえ促進などを緊密に連携させ、総合的な防災まちづくりを推進してまいります。
また、地区計画などの都市計画諸制度と建築基準法を活用し、地区特性に応じた規制、誘導策を講じるなど、木造住宅密集地域の整備改善を効率的に進めてまいりたい。と同時に、今お話がありましたようなPRにつきましても、積極的に推進してまいりたい、このように考えております。
○東野委員 事業が進み始めて二十年を超えなんなんとするところですけれども、今までさまざまな障害があったことも、これは事実でありましょう。今まで私たち、私たちというか、質問に対してさまざまな障害を聞いてもまいりましたし、また、事実それはそうであったというふうに思います。先ほど出ました高齢化の問題もしかり、それから権利変換の難しさの問題もしかり。
ただ、ここまで時間がかかっているのと、それでよしとするのかどうか、これはまた別の問題であって、災害はいつ何どき襲ってくるかわからない大震災に備えるためにも、一刻も早い整備を求められているわけですので、ぜひ、この三局が合同となった今日、そのメリットを最大限に生かして木密事業に鋭意取り組んでもらいたいということを最後に要望して、私の質問を終わります。
以上です。
○渡辺委員 私は、指定管理者制度について若干質問をさせていただきたいと思います。
昨年、地方自治法の改正によりまして、地方自治体の持つ公の施設で個別法や特別法にかかわらない施設は、都が直接管理するか、あるいは民間企業が直接管理運営するかという指定管理者制度というものがつくられたわけです。これは、この制度によるすべての公の施設の民間企業への委任であり、行政の全面市場化への道にほかならないと私は思います。
しかも、政府は、これにとどまらず、公の施設の全面管理委託を規制している学校教育法、道路法、河川法、図書館法など、住民の平等、公平な利用と、安心して任せられる自治体サービスを保障している各法律の規制を阻害要件として取り上げ、果ては、国民健康保険事務や生活保護事務など、住民の命と生活を守る自治体の責務まで投げ捨てるような画策までしておるわけです。
また、財界は、この政府の動きに拍車をかけるため、経済財政諮問会議の財界代表の一人である経済同友会の牛尾治朗氏以下四名の連名で、地域活性化と雇用創出についてという要求書を提出し、行政サービスの民間移譲を阻害する要因を除去し、外部委託を具体化するための手法について、既存法の改正や地域再生法のような新規立法を含めて検討すること、そのために、政府部内に内閣府、各省庁の横断的な組織を設置すべきとまで迫っているわけです。
こんな財界の思うような方向に乗り出すことは、地方自治体が地方自治体の役割を否定して、地方自治体は財界の奉仕者に変質させられ、住民自治の否定につながる重大な問題と私はいわざるを得ないというふうに思っております。
今回の法改正による指定管理者制度ができて、民間企業も参入できることになったとしても、いろいろな角度から見て、あるいはまたいろいろな角度から考えてみても、都営住宅、病院、保育所など公的施設は民間企業にはなじまないし、無理だといわざるを得ないというふうに思っております。
東京都は、都が行う事業を民間活力の活用、市場経済の導入を徹底し、より効率的な行財政改革を図り、効果的な住民サービスを提供するとしておりますけれども、公的施設を民間の市場経済の中に投げ込めば、住民サービスの向上どころか、住民サービス低下につながることは明らかであります。
私は、このような立場から、指定管理者制度に限って若干質問をいたします。
まず、都営住宅は、入居決定から明け渡しなどまで、極めて多岐にわたるプライバシーや首長の裁量権にゆだねるところが非常に多い事業です。したがいまして、指定管理者制度導入による民間企業への委任は、本来なじまないのではないかと思うわけですが、都は、事業主体として現時点でどのようにこれらについて考えておられるのか、お聞かせいただきたいというふうに思います。
○石井参事 ただいまの指定管理者制度についてのお尋ねでございますが、昨年六月、地方自治法が改正されまして、新たに指定管理者制度が導入されたわけでございます。その趣旨とするところは、公の施設の適正かつ効率的な運営を図るためとのことでございます。
指定管理者制度は、地方公共団体が指定する法人その他の団体に公の施設の管理を行わせようとする制度でございまして、その対象は民間事業者等幅広く含まれる、そのようにされているところでございます。
このような指定管理者制度の導入の趣旨、あるいは低額所得の都民が多数現に住んでいるという都営住宅の特性、それを踏まえて、現在、幅広い内容について局内で検討しているところでございます。
○渡辺委員 ご存じのように、十六年の三月三十一日付国土交通省住宅局長名の通知の中で、公営住宅については、公営住宅の入居者の決定その他の公営住宅法上事業主体が行うこととされている事務を指定管理者に委任して行わせることは適当でないとしています。また、家賃及び敷金等の決定や減免等は、公営住宅制度の目的と密接不可分であり、指定管理者に移行した後も、指定管理者の収入として収受させることは適切でないと厳しく規制をしておるところです。ただ、指定管理者への委任は、家賃の徴収事務のみを委任することや、駐車場等共同施設の使用料を収受させることについては差し支えないとしています。
それでも指定管理者制度による民間企業への委任というのはあくまでも実行するのかどうか。いわゆる国交省のあの厳しい規制という、こういうものがあるにもかかわらず、あくまでも実施するということなのかどうか、再度お伺いをいたしたいと思います。
○石井参事 今、委員ご指摘のとおり、本年三月三十一日、国交省住宅局長より通知が出てございます。都営住宅の入居者の決定その他の公営住宅法上事業主体が行うこととされている事務、それは指定管理者に委任して行わせることは適当でないという内容でございます。したがいまして、これらの事務について指定管理者に委任するということは考えておりません。
○渡辺委員 次に、三菱総合研究所は、ことし三月二十三日、指定管理者制度導入による新規市場拡大のためにという趣旨のもとに、パブリックビジネス研究会の設立について幅広く呼びかけ、八十社の参加のもとに研究会が発足したと報じられております。内容は、今回の指定管理者制度の導入により、公共施設の運営は民間企業の運営へと切りかわり、民間企業にとって大きなビジネスチャンスとなる市場が創設されますといい切って、地方自治体及び民間企業間のチャンネルづくりに努めるとして、研究会の講師に国や自治体の職員を招くとともに、自治体職員との交流など、国や自治体との情報交換、チャンネルづくりを支援する、こういうふうにしているわけです。また、不動産業者も、この指定管理者制度に強い関心を寄せておりまして、積極的に取り組む姿勢を示しております。
このような動きを、事業主体とする東京都はどのように受けとめているのか、また理解しているのかということも、お聞きしておきたいと思います。
○石井参事 今お話しの三菱総研の研究会の発足につきましては新聞でも報じられてございますので、発足したというところは聞いてございます。しかしながら、これらはいわゆる個々の企業活動ということもございまして、この件について、東京都として現在コメントをする立場にはない、そのように考えてございます。
○渡辺委員 いずれにしても、このような動きがあるということについては、重大な関心を持って対応するということが必要だというふうに考えます。
次に、一般論でいいますけれども、指定管理者制度導入に当たって、当事者としてはそのメリットとしている、地方公共団体にとっては財政負担の軽減につながる、住民にとっては利用料金の引き下げ及び満足度の高いサービスが受けられる、こういうふうに述べておるわけですけれども、都営住宅ということについていえば、満足度の高いサービスとは一体何なのか、どういうものかということについてお聞きをしたいと思います。
○石井参事 都営住宅は都民共有の貴重な財産でございまして、都民の居住面におけるセーフティーネットとして的確に機能する必要があるところでございます。公営住宅制度の趣旨を踏まえるとともに、公正な制度運用を行うことが重要であり、こうした観点からのサービス改善をさらに進めていく必要があると考えているところでございます。
○渡辺委員 余り深追いはしたくないということにしたいと思いますから、これ以上深追いはしませんが、いずれにしても、従来のサービスを守って、これを低下させないということが大前提だというふうに私は思います。その上に立って、引き続きサービス向上に向けて取り組んでいくということを強く要望しておきたいというふうに思います。
ところで、これまでの公社委託という中では、エレベーターや結露の問題、あるいは手すりの問題、流し台の問題、いろいろな問題が生ずるたびに都と話し合いをしてきたところでありますけれども、今後、民間企業が指定管理者になった場合、機械的、画一的な対応にならないかどうかというものが非常に危惧するところなんですね。従来どおり都が窓口となって、指定管理者である民間企業への指導あるいは仲介など、事業主体者としての役割を果たすことができるかどうか、あるいは果たすべきだと思いますけれども、その点ではどうでしょうか。
○石井参事 都営住宅の管理につきましては、これまでもルールに基づき、都の指導のもとに公正に行ってきたところでございます。都は事業主体として、今後とも適時適切な指導をしてまいります。
○渡辺委員 重要なことは、民間企業が指定管理者になった場合、機械的、画一的にならないといっておるわけですけれども、これまでの長い間培われてきた都営住宅の管理運営のノウハウが居住者に受け入れられるように努力することだというふうに思うんです。少なくとも住宅修繕などでの苦情あるいは要望には積極的に対応すること、特にこれらについては、本人に会うとか、あるいは指定業者を派遣して速やかに対応するということが決定的に重要だというふうに思います。何よりも居住者との信頼関係が基本ですから、都の指導が極めて重要であることを強調しておきたいというふうに思います。
ところで、国交省の住宅局長の通知にある入居者のプライバシーについてでありますけれども、このプライバシーを守るということは、二十六万戸、そして居住者といえば約八十万人ぐらいになるんでしょうか、この居住者の個人プライバシーが守れるかどうかが最も危惧されるところだというふうに思っています。最近のマスコミでも、大量の個人情報が流出している報道がされておりますけれども、個人プライバシーが流出するなどは許されるものではないというふうに思います。都営住宅の居住者の場合、所得や減免の有無から滞納、生活保護受給者かどうかまで、世帯のすべてがわかるようになっております。
国交省の通知の中では、入居者のプライバシー保護については、個人情報保護条例、指定管理者の管理の基準に関する条例、または公営住宅の管理に関する条例において、指定管理者に対して入居者のプライバシー保護を義務づけるとともに、事業主体と指定管理者との間で締結する契約に、個人情報の保護に関して必要な事項を盛り込むことを規定する必要があるとしています。この場合においても、個人情報保護条例に罰則を設けることを積極的に検討することが望ましいとまでいっております。
また、個人情報保護条例が制定されていない場合、または個人情報保護条例に罰則を設けない場合には、指定管理者の管理の基準に関する条例または公営住宅の管理に関する条例を定める際に、違反に対する罰則規定を設けることが必要である、こういうことまで述べておりまして、以下四項目にわたってさらに細かく指示している、こういうのが国交省の通知であります。
プライバシーの問題では、以上申し上げましたように、国交省としても特別に力を入れているという感じもいたします。当然のことだと思いますが、そこで伺いますけれども、この罰則規定をきちんと整備しなさい、抜け落ちることのないようにしなさいということですが、都としてはどのように考えておられるのか、見解をお聞きします。
加えていえば、プライバシーが守れないような指定管理者だったらば契約を解除するという強い姿勢で取り組んでもらいたいということも、あわせて申し添えておきたいというふうに思います。答弁をいただきたい。
○石井参事 個人情報の保護につきましては、東京都におきまして、東京都個人情報の保護に関する条例がございます。現在、生活文化局におきまして、指定管理者制度も視野に入れた見直しを検討中と聞いているところでございます。
また、指定管理者と事業主体である東京都との契約におけるプライバシー保護の問題につきましては、これも含めまして、今、総合的に幅広に指定管理者制度のあり方について検討を行っておるところでございます。
○渡辺委員 次に、二十六万戸の都営住宅を指定管理者に委任する場合、二十六万戸というものを一括して委任するのか、また幾つかに分割して委任するのか、こういうことがあると思うんですね。事業主体である都としての考え方、どういうものが望ましいのかということについて、答えられたらひとつ聞かせていただきたいと思うんです。
○石井参事 都営住宅の管理に指定管理者制度を導入するということにつきましては、現在、指定管理者制度の趣旨あるいは都営住宅の特性を踏まえて、幅広く検討しているところでございます。
○渡辺委員 それ以上聞いても検討中ということだと思いますので、次に移りますが、従来、二十六万戸の都営住宅の管理運営をしてきたのは、ご存じのとおり住宅供給公社です。この住宅供給公社には、公社住宅の管理運営にかかわる職員も含めまして、現在約千人近く働いているというふうに聞いています。公社への都からの派遣職員は、二十から三十名ともいわれております。また、公社職員の大半が派遣労働者とパート労働者と聞いております。
これは仮定の話ですけれども、この住宅供給公社が指定管理者にならなかった場合、これは入札制度ですから、仮定の話で何ともいえないんでしょうけれども、住宅供給公社で働く職員の半数以上がこの指定管理者制度から外されるということになると、外されるといったらおかしいですけれども、外れるということになると、要らなくなる職員は半数以上にも上る、そしてこの人たちは解雇される、こういうことにつながっていくわけですよね。ですから、派遣労働者だからといって、安易にこの問題を考えてはならないというふうに思います。この派遣労働者にも家族がいるでしょうし、また、家族の生活を支える中心になっている方も少なくないと思うんですね。今後どうすればいいのか、事業主体としての東京都が真剣に考えるべきではないかというふうに思います。
また、供給公社の職員に公営住宅のノウハウを教えるために派遣された東京都の元住宅局職員は、やっと覚えてもらったかなと思ったら、今度は仕事がなくなってしまう、私たちは何のために派遣されたのか、これまで頑張ってきたけれども、本当にわからないというようなことも話しておりました。
この都の職員たちは、これまでもどういうことをやってきたかというと、居住者から苦情や相談や要望があれば、公社職員と一緒に出かけてその要望にこたえてきた。まさに居住者との信頼関係を築いてきた、しかもまた、都営住宅そのものを支えてきた人たちです。さらに、都の職員たちは、居住者から修理や修繕の相談や要望を受けて、公社の指定店というか、あるいは協力店というか、何十何百とある業者、その業者に修理修繕を、長い間のつき合いを生かして、すぐ現場に飛んでいってもらって仕事をしてもらってきた、こういう中小零細業者の方々、これらのことを考えると、本当に黙っていられない、こういうことも話しておりました。
これまでの供給公社にかわって指定管理者に民間企業が決まれば、民間企業にとっても、大企業しかないと私は思いますけれども、修理修繕などはその民間企業系列の下請に回されるのは必然です。まさに住宅供給公社は、今や先の見えないところに立たされているといってもいいと思うんですね。都がこれまで育ててきた住宅供給公社をどうするのか、派遣労働者や元住宅局から指導のために派遣された職員、あるいはまた、公社のためにということで数多くの業者、こういう方々の不安や心配、こういうものにどうこたえていくのか。これからは、本当にすべて東京都の責任でこれらの問題を解決していかなければならないという重大な問題だというふうに私は思っています。
これは仮定の話でいたしましたから、これについては、答弁は求めても仮定だからということになりますから、答弁は求めませんけれども、そういう立場でこの問題については対応していく、取り組んでいく、責任を持っていくということをひとつ強く要望しておきたいというふうに思います。
最後になりますが、都営住宅における指定管理者制度導入に向けた日程についてお伺いをしたいと思うんです。条例改正と指定業者の議決などは議会で議論しなければならない、また、議決を必要とされておりますけれども、そのいわゆる時期というか、これはいつごろになるのか、そしてまた、スタートはいつからスタートされるのかということについてお伺いいたします。
○石井参事 条例改正あるいは指定管理者の議決、あるいは具体的な指定管理者制度のスタートの時期につきましても、現在検討中でございます。
○新井委員 それでは、三点質問をさせていただきます。
一問目は、都市計画公聴会のあり方についてということでお伺いいたしたいと思います。
都市計画法の改正以来、市民の提案制度ができましたり、都市計画審議会にも市民の公募の委員などがあちこちの自治体で生まれたりということで、かなりありようが変わってきたかなというふうに思うわけですけれども、都計審の公聴会のあり方について、これにつきましては、公述人とか傍聴に来た方の感想などを伺いますと、もう少し開かれた、双方向の会議にならないだろうかというような声が随分上がってきております。
そこで、規則を見たんですけれども、これは具体的な運営についてということのルールというのはほとんど書かれていないわけで、これまでの慣例というようなことでずっと運営がされてきたのかなというふうに思うわけですけれども、公聴会のあり方ということで、まずご質問をさせていただきたいと思います。
今、公述人は一方的に意見をいうだけ、行政はただいっているのを聞いているだけということで、一方的な会になっているわけですけれども、この公聴会をもう少し開かれた、市民の意向が反映しやすいものにするべきであろうということで、まず、公聴会で公述人にその場で回答するなど、出た意見に対してある程度のフィードバックができるようにはならないだろうかということを、まずお伺いしたいと思います。
○森下都市づくり政策部長 公聴会でございますけれども、都市計画区域マスタープランであるとか、あるいは用途地域の都内一斉の見直しなど、都市計画区域全体に影響を及ぼすような広域的な都市計画の案をあらかじめ住民の意見を反映させながら作成するために、いわゆる素案の段階で意見を聞くために行っているものでございます。都市施設であるとか市街地開発事業などの都市計画の場合には、主に区域内の住民に対して説明会を実施しておりますけれども、これに対して公聴会は、広域的に多くの方から意見を聞くということを主眼に行うものでございます。
そこで、都は、公聴会での意見を参考に都市計画案を作成して、その後、都市計画法第十七条に基づきまして案の縦覧をすることとなっておりまして、その段階で意見が反映されたかどうかということについては明らかになるということでございます。
さらに、その都市計画の案に対しまして、また改めて意見書の提出ができまして、意見書の要旨とそれに対する都の見解も含めまして、都市計画審議会で審議されているわけでございます。このような手順によりまして、意見のフィードバックは行われているものと考えております。
○新井委員 今、公聴会の現在でのあり方というご説明がありまして、確かに素案の段階で意見を聞くために行っているということとか、縦覧をする段階ではそれは明らかになるだろうということはあるわけですけれども、なお今の一方通行の公聴会のあり方というものに対して、公述人の不満も多い。結局その場で意見はいうものの、わざわざ出向いて、文書にして、そして意見をいうものの、結局それで終わってしまう。自分のいった意見が一体どうなったのかということについては、全然さっぱりわからない状況だということで、公述人の方の不満も多いですし、傍聴に来ている方も、これは何かこんな会だったのかみたいな感想をいただくことがとても多いんですね。
そういう意味では、案そのものに対して、素案の段階でオープンにして意見を聞いているわけですから、案そのものに対しての意見をそのまま返すということはなかなか難しいかもしれませんけれども、一部分答えられる部分については、その場で双方向のやりとりができるような公聴会にまずすべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 公聴会といいますのは、今申し上げましたように、縦覧を行っております素案につきまして幅広く意見を求めるために実施しているものでございまして、従来から、そういうことからは、聞くことを主体とする運営を行っているところでございます。
したがって、双方向のやりとりというようなことまでは想定はしておりませんけれども、素案作成の考え方などにつきまして、必要に応じて補足の説明を行うようなことは考えられるかと思います。
○新井委員 できる範囲の中で、その場で若干質疑に応じるようなことがあれば、せっかく公述にいらした方も気持ちが大分違うかと。これからまた自分も参加していきたいという気持ちがなえてしまわないような、そういう公聴会のあり方ということで、少しずつぜひお願いしたいと思います。
それで、双方向あるいはフィードバックということでは、公聴会その場でのやりとりとともに、その後の対応ということも一つあるかと思うんですけれども、例えば、公述人によってはほとんど対案提示のようなものをなさる方もあるわけですよね。そういう方が、すぐそれに答えてもらえなくても、その案ができたとき、自分の提示したものがどんなふうになったのか、どういうふうに検討されて、だめだったのかあるいは採用されたのかというふうなことを個別に回答していくというか、そういうことも必要ではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 都市計画案が策定された段階で、公述意見に対する対応については、採用されたかそうでないかというようなことも含めまして明らかになるわけでございますけれども、公聴会の後、その都市計画の案が出る前でございますけれども、公述人から個別に問い合わせを受けるような場合もございます。そのような場合には、従来から、都の対応方針について、回答できる範囲内でお答えしているところでございます。
○新井委員 事前に問い合わせがあった場合には、できる範囲でのご回答ということですけれども、それでは、案が決まりますよね。決まったときに、その公述してくださった方にそれぞれ、あなたの意見に対してはこうでしたということを個別にお返ししていく、オープンにしていくということが必要ではないかと思うんですけれども、その件についていかがでしょうね。
それから、オープンということも、個別に公述人の方に返すということだけはなくて、一般的にそのことについて興味を持つ方が、皆さんが、どういうふうな案が出て、その案が出るまでの過程で公聴会でどういうような意見が出て、どう対応されたのかというのを知りたいという方もたくさんいらっしゃると思うんですね。そういう方に対して一般的にオープンにしていくということも必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○森下都市づくり政策部長 事前に個別には対応しているところでございますけれども、都市計画案の策定作業に当たりましては、公聴会で出されました意見の内容と、それに対する都の見解を整理しながら、作業を進めているということでございます。
そういうことで、公聴会の意見の内容と、それから都の見解というのは整理されているわけでございますけれども、それらを公表することにつきましては、公表することについての公述人の事前の了承を得ることとか、あるいは第三者のプライバシーの保護などの問題がございまして、今後の検討課題とさせていただきたいと思っております。
○新井委員 今後の検討課題ということですけれども、公聴会そのものは傍聴もできる、いわば閉ざされた会ではなくて開かれた会でありまして、その場で公述をなさる方は、一般的に、余りオープンにしてもらいたくないというふうなことは余り考えられないのではないかと思うんですね。そういう意味では、例えば公述をする方に、これはオープンになりますよということを了承していただいて公述するとか、そんなことをすれば可能なのではないかというふうに思います。
ぜひ今後、より開かれたということで、今のご答弁を聞いていますと、知りたければこちらに問い合わせれば教えてあげるよというような姿勢からまだ一歩出ていないところがあるかと思います。やはりそういう時代ではないと思うんですね。今全国的にいろいろ、すべてのいろいろなケースが開かれたもの、あるいは情報公開とか市民参加とかいうふうに流れが来ていますけれども、都市計画の公聴会については、まだまだ非常に姿勢がかたいといいますか、そういうような評価が一般的にまちづくり関係のものにはあるようですので、そこのところはぜひ、まだ全国的にどこも今対応しているところはないものですから、東京都が全国に先駆けて、開かれた公聴会のあり方ということでぜひ頑張ってやっていただきたいということをお願いして、終わります。
それから、二問目なんですけれども、DV被害者、ドメスチックバイオレンスの被害者の都営住宅への優先入居なんですけれども、これについては現在行われているというふうに思うんですけれども、実績はどんなふうになっているでしょうか、教えてください。
○石井参事 DV被害者の都営住宅への優先入居でございますが、都においてはこれまで、DVにより事実上婚姻関係が破綻していることが公的機関の証明により確認できる、そのような場合は、母子世帯として、また五十歳以上という公営住宅法上の入居資格を備えた単身世帯として、都営住宅の入居を認めてまいりました。
DV被害者を含む母子世帯につきましては、母子世帯の住宅困窮度が高いことを考慮いたしまして、抽せん方式による募集において当せん倍率の優遇を行い、また、住宅困窮度を点数化して合計点数の高い応募者から順次入居させるポイント方式による募集におきまして、戸数枠の確保を行ってきたところでございます。
実績でございますが、これによりまして、平成十五年度、都営住宅への入居が決定した母子世帯、そのうちDV被害者は二十世帯程度でございます。
このほかに、母子生活支援施設転出者あるいは宿泊所等からの転出者向けに特別の募集枠を設けております。これにより都営住宅に入居が決定したDV被害者は、母子世帯あるいは五十歳以上の単身世帯、合わせて、平成十五年度で八世帯でございます。
○新井委員 現状で、母子世帯また五十歳以上というところでは、一定程度の優先入居が行われているということがわかりました。
三月に国交省からの文書が出まして、母子あるいは五十歳以上ということから外れている単身の五十歳以下の女性、このDV被害者についても、都営住宅を目的外使用させることができるというふうな通知があったわけなんですけれども、これについて東京都の方はどんなふうに対応をされていかれるのでしょうか。
○石井参事 現在、公営住宅法上、五十歳未満の単身者には公営住宅への入居資格がございませんが、公営住宅の本来の入居対象者の入居を阻害せず、また、公営住宅の適正かつ合理的な管理に支障のない範囲で、五十歳未満の単身者も含めたDV被害者に公営住宅を使用させることができるようになったところでございます。
このため、現在東京都におきましては、本来の入居対象者との関係等も考慮しながら、共同住宅である都営住宅においてどのような対応が可能であるか、慎重に検討していきたいと考えているところでございます。
なお、現在、女性相談センター等の関係機関から、DV被害者の生活状況あるいは被害者に対して配慮すべき事項等を聞くなど、DV被害者の実情を正確に把握するよう努めているところでございます。
○新井委員 これから女性相談センターの方といろいろお話し合いをするということですので、これ以上いろいろ伺ってもなかなか対応策は出ないと思いますので、ぜひお願いをしておきたいと思います。
まず一つは、国交省からの文書では、婦人相談所における一時保護を受けた者または婦人保護施設もしくは母子生活支援施設の退所者も該当することとなったというふうに書かれているわけなんですけれども、実は、非常にDV被害者は対象者が多くて、これらの施設が満室のため利用できないで、NPOなどの民間の宿泊施設を利用している女性が非常に多いというのが現状です。ある団体は三年間で百十四名の受け入れ、自立支援をしているところなんですけれども、こういった方は、婦人相談所の一時保護とかもしくは婦人保護施設、母子生活支援施設の退所者という枠に当てはまりませんので、今回の国交省からの通知から漏れてしまうんですね。実は、この漏れている方の方が非常に数としては多くなるのではないかというふうな実態もございます。
そこで、婦人相談所とかあるいはウィメンズプラザ、あるいは市区町村の生活保護課など公の機関に、DV被害者ということで相談があったという経緯があれば、公の施設に入所していなくても、NPO、民間の施設に宿泊している方も、この対象とするというふうにぜひしていただきたいということが一つ。
もう一つは、今回、都営住宅の目的外使用ということですと、利用できる住宅数は非常に限られてくると思うんですね。ほかにも目的外使用はいろいろ、ホームレスとか災害被災者の方ですとかありまして、数としては非常に少ない、とても足りるというふうには思えないんです。
それで、単身のDV被害者の場合、施設の方のお話を聞きますと、ひとり暮らしをすることに対しては非常に不安感を感じている方が多いと。施設で一緒になりまして知り合ったDV被害者同士の方が、お互いに助け合って今後生きていきたい、暮らしていきたいというふうに感じている方が、当初非常に多いそうなんです。
そういう意味では、グループホーム的な住まい方、自立支援の仕方ということもあるかというふうに思うんですけれども、今回いろいろ空き室のデータをいただきましたら、都民住宅というのは非常に空き室が多いということがわかりまして、公営住宅よりもむしろ都民住宅ですね、ここも空き室が非常に多い。ここはファミリー世帯ですから、単身で住むというよりかは複数が住まっていくということに適しているということもありまして、都民住宅をぜひDV被害者の方たちのグループホームとして使えるようにということで活用してもらいたいというふうに思うんです。都施行の都民住宅の資源の活用ということで、ぜひ国交省の方と交渉して実現をしていただきたいというふうに思いますので、このあたり、女性相談センターの方とこれからお話をするときに、実態がどんなふうになっているのか、ぜひ詳しく聞いていただいて、できる限りDV被害者を支援するというところで、大きく政策に取り組んでいただきたいというふうに思います。これから各自治体全部どんなふうにするか決めていくところなんですけれども、東京都がどういうふうにするかということが非常に大きな指針になるということもございますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
最後なんですけれども、多摩ニュータウンの問題についてお伺いいたします。
多摩ニュータウン、所管がだんだんだんだん小さくなっていってしまって、ニュータウンのある各市とも、非常に不安が大きくなってきているという状況なんですけれども、まず、多摩ニュータウンにおける宅地販売のこれまでの実績、どんなふうになっているのか伺います。
○高西多摩ニュータウン事業担当部長 都としての多摩ニュータウンにおける宅地販売でございますが、全体計画約四百八十七ヘクタールのうち、これまでに約三百六十五ヘクタールを販売しており、今後は残りの約百二十二ヘクタールを販売してまいります。
○新井委員 今全体の実績を伺ったのですけれども、多摩センター北地区、ここに限ってはどのくらいになっているでしょうか。また、この地区は、今後どんなふうに販売を進めていかれるのでしょうか、教えてください。
○高西多摩ニュータウン事業担当部長 多摩センター北地区におきましては、宅地販売の全体計画、約十二・九ヘクタールのうち、これまで約一・五ヘクタールを研修施設、物品販売施設等の用地として販売しておりまして、今後は残りの約十一・四ヘクタールを販売してまいります。
また、この地区は、地区計画の土地利用方針といたしまして、業務、研究、居住機能等の複合機能の形成を図ることとなっております。これまでもこの方針に沿って販売を進めてまいりました。現在、業務系、商業系の土地需要が減退しているなど厳しい社会情勢の中、宅地販売は非常に困難な状況にございますが、今後も、営業を強化するなど工夫を凝らして販売促進に努めてまいります。
○新井委員 まだまだ未利用地がたくさん残っているということで頑張っていただきたいわけですが、多摩ニュータウンの活性化調査というものに取り組んでいらして、その中でも、多摩センター駅の北口地区をモデル地区としての検証というような項目もありますので、まだこれは取り組み中ということで、大いに期待をしておりますので、地元市とぜひ協議をしながら頑張っていただきたいというふうに思います。
次は、多摩ニュータウンなんですけれども、特に初期開発がずっと進められてきまして、しかもニュータウン区域が約六〇%を占めているという多摩市の事情について、若干ご質問をさせていただきたいと思います。
今、多摩ニュータウンの中で、人口の年齢構成についてお伺いをしたいと思いますけれども、特に多摩市の人口の年齢構成がほかの三市と比べますと非常に高齢化率が高いですし、五十歳から六十四歳までの年齢層、ここが非常に突出して多いというふうになっているわけなんですけれども、この原因についてはどんなふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○高西多摩ニュータウン事業担当部長 多摩市の年齢別人口構成でございますが、ニュータウン区域の高齢者率は、平成十五年十月一日現在で一一・五%となっております。都の一七・五%に比べるとまだ低いですが、多摩ニュータウン全体の率九・七%よりは高くなっております。
また、年齢別人口構成でございますが、五十歳から六十四歳までの年齢層が最も多く、次いで二十歳から三十四歳までの年齢層が、他の年齢層に比べて突出しているのが特徴でございます。
現在五十歳から六十四歳までの年齢層が非常に多いことにつきましては、多摩ニュータウンの初期開発区域である諏訪、永山地区等に、昭和四十六年から昭和五十一年にかけまして、当時世帯形成期にあったこの年齢層が一斉に集中して入居したことが挙げられると考えております。
○新井委員 そうですね。今のご答弁にあったとおりなんですけれども、実は、今回各構成市ごとの年齢構成ということで資料をお願いしたのですけれども、各市とも、多摩市以外は、ニュータウン区域ということでの実態把握は全くしていないということで、いただけなかったんですね。これは、そのほかの三市が多摩市に比べて緊急度が低い、特殊性も低いんじゃないか。特に多摩市については、緊急度、特殊性含めて非常に高いということで、市の方でも独自にデータを全部そろえているわけなんですね。
今おっしゃいましたように、非常に特殊な人口構成ということで、高齢化率といえばまだまだ高いといえども、一一・五%ということで、平均的に見るとまだ低いんですね。ところが、五十歳から六十四歳までのいわゆる団塊の世代の前後の世代が本当に突出して大きい。ですから、五年から十年後になりますと、本当に短期間のうちに一挙に高齢化を迎えるということで、このことについては、かなり以前からずっと指摘はされていたんですけれども、では、どうするかということについて、なかなか具体的な施策というものが展開されてこなかったということがあると思うんですね。
それで、今回、このような高齢化もしくは高齢化を目前にしている大量の団塊の世代という人たちを目の前にしているわけなんですけれども、こういった状況で、みんなが生き生きと安心して暮らしていけるようなまちにするということについて、やはり本気になって考えなくてはいけない時期なのではないかというふうに思うわけです。
公団住宅が多摩市域は非常に多いわけなんですけれども、まず、若年層が流出しているということが一つあります。若年層が流出してしまう。そういう二十代や三十代の若者たちの人口増を図っていくことが必要だということで、まず、公団の賃貸住宅の空き室、これをファミリー形成期に向けた活用ということで一つできないかということ。
もう一つは、エレベーターのない五階建ての住宅が非常に多くて、いわゆる水平移動だけではなくて、上から下におりていく、あるいは下から上に上がるという縦移動、これが非常に問題になってきているので、これについても対策を立てなくてはいけないということ。
もう一つは、そういう部分も含めて、低層階への住みかえを進めていかなくてはいけないこと。
このくらい、今回三つについてお伺いしたいと思うんですけれども、この三つの問題について、都の方ではどんなふうに認識をしていらっしゃるでしょうか。
○高西多摩ニュータウン事業担当部長 今後急速に到来します高齢化社会を見据えまして、多摩ニュータウン区域内に居住する高齢者が安心して生き生きと活動できるまちづくりを進めることや、若者の多摩ニュータウン内への流入を促すことが必要であると認識しております。
このため、都市基盤整備公団におきましても、これまで取り組みを進めてきておりまして、中層住宅へのエレベーター設置につきましては、廊下型住宅には設置しました。ただし、階段型住宅へのエレベーター設置につきましては、技術上あるいは経費上など困難な課題があることから、設置が進んでいないという実情にございます。
また、高齢者の低層階への住みかえや単身者等若い世代向けの空き室の活用につきましては、一定の成果を上げていることもあり、今後ともそうした取り組みを促進していくことが必要であると考えております。
○新井委員 まず一点目なんですけれども、若者の流入を図ることは必要だということで、これについては一致しているわけなんです。じゃ、空き家はどうするかといったときに、公団の賃貸住宅の空き室率、空き室状況、今回、こういったものもやはり資料要求させていただいたんですけれども、十分だと思われるような資料が公団の方からは出ませんでした。それは出たことは出たんですけれども、とても現実と離れた、こんなことがあるわけがないという数字しか出てこなかったんですね。それで、東京都の方からお願いしてもなかなか出していただけないということで、私が独自に国の方に、公団の方に聞きまして、現在での空き室状況というものを出してもらいました。
これを見ますと、数は出してくれるなということですので、数そのものはここではいえないんですけれども、公に出してきている数字と比べても、圧倒的に多い数が出ています。そのような住宅をぜひ活用して、若年層が住めるようにしていかなくてはいけないのではないか。
なぜ若年層が出ていってしまうかということを、若者たちにちょっとヒアリングしたことがあるんですけれども、家賃も民間に比べてそんなに安くない。公団住宅なのに安くない。余りきれいじゃない。設備もちょっと古くて、余り住みたいと思えないというような答えが返ってきまして、そういうところを改善しない限り、空き家はたくさんあっても、なかなか人が住まないという状況が改善されないのではないかというふうに思うわけです。
これにつきましては、公団の賃貸ということですので、なかなか都の方に直接ご提案することはできないわけですけれども、こういった状況があるということを、ぜひご認識していただきたいというふうに思います。
それから、エレベーターなんですけれども、確かに廊下型にはエレベーターがついているんですけれども、多摩ニュータウンは公団も都営もともに、廊下型ではなくて、階段型の五階建てで、エレベーターなしの住宅というのが非常に多いんですね。現状としては、例えばデイサービスをなさる方なんかも、社協がやっているデイサービスなどは、階段がおりられないものですから、職員がおんぶしておりてくるというようなことをやっているわけなんですよ。これではいつ事故が起こるかわからないという状況がございまして、市民の力も活用しようということで、NPOなどでは、座ったまま上りおりができる昇降機を財団から助成で買いまして、それで移送サービスをしているというふうなこともあるわけなんですけれども、まだまだすべてにエレベーターをつけるわけにはいかないし、そういったNPOで全部カバーすることもできないだろうということで、本当に問題が多いです。この点についても、十分にご認識があると思うんですけれども、実態をぜひ見ていただきたいというふうに思います。
もう一つ、低層階への住みかえについては、一定の成果を上げておるというふうにお答えになっているんですけれども、ちょっとこの辺が私と認識が違うので、この住みかえについては、余り成果が実は上がっていないというふうに思います。
これも資料をいただいたんですが、多摩市における住みかえ実績ということで、十三件という数字をいただきました。平成十年が五件、十一年が五件、十二年が一件、十三年が二件、そして十四年、十五年がゼロだと。ゼロだということで、ニーズがないので、これ以上しようがないんじゃないか、こんなようなお話があったわけなんですけれども、この住みかえの実績について、私が自治会の方なんかから聞くお話と違いましたので、これもちょっと公団の方と自治協の方で調査をしてみました。
まず最初に、階下への住みかえというのは、六十歳以上あるいは障害を持った方は、当初家賃の優先的な住みかえができたんです、当初は。ところが、八〇年ぐらいから、高齢者特別修繕料金というのができまして、当初家賃での住みかえができなくなって、募集家賃になってしまった。募集家賃というのは、いわゆるリニューアルして、古い、当初の家賃ではなくて、今の家賃、当然上がっていっているわけですよね。今の家賃で住みかえるということになってしまって、非常に住みかえが進まなくなったので、ずっと運動を続けてきたところ、九九年に高齢者優良賃貸住宅制度というものができました。これは国の制度なので、公団では年間四千戸程度募集しているそうなんですけれども、倍率は十倍ということです。
なぜ住みかえ実績が十三件で、十四年、十五年がゼロかというのが出たのかと思いましたらば、結局、優先入居はできないんですよ、この制度を使うと。国の制度ですので、国のお金が入っているので、公募をしなくちゃいけない。だから、公団では四千戸募集していても、広く公募をかけますから、自分の地域の中での住みかえは全然進んでいかないということで、この十三件というのは、家賃が高くなってもいいから住みかえたいと思う人の数字なんですね。
例えば、多摩の例でいいますと、多摩市の古い永山団地、三DKで五十四平米ですと七万一千三百円なんですけれども、九万五千五百円になっちゃうんです。二万四千円も上がるんですね。だから、二万四千円も上がると、高齢の方は体のぐあいも悪くなってきていて、住みかえをしようというふうになかなか進まない。そういうことでこのゼロという数が出てきているのであって、ニーズがないからゼロになっているというわけじゃないんですよね。だから、このあたりをもう少ししっかりと認識していただきたいなというふうに思います。
自治体によっては独自に、優先入居での差額を補助して、住みかえを進めていこうと。例えば東京都なら東京都が、二万何がしかの分を補てんして住みかえを進める、あるいは多摩市が補てんして進めるというふうなことをやっているところもあるということで、この住みかえについては、ぜひ実態を見ていただいて、住みかえの促進は必要であるというふうにお答えになっていらっしゃいますので、この部分については、地元市と、情勢も踏まえた上で検討していただきたいというふうに思います。
それで、今ずっとお話をさせていただいたんですけれども、多摩市において、こういう特殊な年齢構成から将来生じてくるさまざまな問題ということが予測されるわけです。都として、今るるお話ししたいろんな未解決の課題があるわけなんですけれども、こういったものにぜひ市と公団とともに取り組んでいくべきではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○高西多摩ニュータウン事業担当部長 年齢構成上、将来生じ得るまちづくりの課題についての取り組みということでございますが、多摩市等の地元の四市と都及び都市基盤整備公団を構成員といたしまして、平成十三年十一月に設置されました多摩ニュータウンまちづくり協議会が平成十四年十一月に策定いたしました多摩ニュータウンにおける新しいまちづくり方針というものがございます。この方針におきましても、若者から高齢者までだれもが住み続けられるまちづくりを進めるということを、まちづくりの基本の一つとして取り組んでいくこととしております。
今後とも、この協議会や、そのほかの場において、地元市から具体的に検討したいという提案がございましたときには、都としても参画してまいります。
○新井委員 多摩ニュータウンまちづくり協議会、四市と都と公団ということで行っているわけなんですけれども、先ほど来お話ししていますように、各市ごとに抱えている課題というのが全然違っていまして、多摩市は、多摩市の初期開発からの問題を抱えていると。八王子は、まだ多くの未利用地が残っていて、これから開発していくところがありますので、そういう問題を抱えていると。各市ごとにニュータウン区域で抱えている問題というのは大きく異なっていまして、四市一緒に話し合いをするという場ではなかなか解決していかないということがたくさんあるわけです。
そういう意味では、地元市から検討したい旨の提起があった場合には、都としても参加していくんだというご答弁がありましたけれども、今回、いろいろ資料要求してよくわかったんですけれども、公団に対しての資料要求をしますと、なかなかちゃんとした情報が返ってこない。ということは、東京都が公団地域の情報をほとんど持っていないということがよくわかったんですね。反対でいえば、多分、公団は東京都の情報というのを恐らく持っていないんだろうというふうに思うんですよ。
一つのまちの中で大きな課題を抱えて、これからまちをどうしていこうかという対応を考えるときに、一部分は公団が持っていて、情報が全くわからない。あと半分は東京都が持っていて、公団の方はわからない。こういう状況の中で、それぞれがこれは課題だということで問題解決を図ろうとしても、なかなかまちづくり全体としては解決ができないということがあると思うんですよ。ですから、この際、多摩ニュータウンの情報については、公団の持っている情報、東京都が持っている情報、多摩市が持っている情報、こういったものを全部共有して、そしてこのまちをどうしようかということを考えていかないと、一歩も先に進まないということがあると思うんですね。
多摩ニュータウンの所管の方がどんどんどんどん小さくなっていくたびに、私もニュータウンに住む住民ということで非常に気になりまして、その都度ご質問しているわけなんですけれども、小さくなっても頑張ってやっていきますよというご答弁はいただけるわけなんですよ。
例えば、平成十四年ですけれども、十一月には、当時の石河理事からは、まちづくりというのは十分公団とも調整しながら進めていきたい。公団に対しても、向こうは向こうの立場もあるでしょうし、置かれた状況もありますから、いい方はいろいろ気をつけなければいけないと思いますけれども、申し入れることは申し入れて、東京都が全体の調整をやれという、そういう任務を負っていることを、十分認識してやっていくというふうにおっしゃっておりまして、今回、都市整備局ということで非常に大きな局になりまして、ニュータウンをつかさどるところは少しずつ狭まってはいるんですけれども、局としては非常に大きくなって、先ほどのご答弁の中でも、まちづくり機能というのを抱えるところは非常に大きくなったんだというご答弁がありました。ぜひその大きなまちづくり機能というものを、東京都がこれまでつくってきたニュータウンの今後のまちづくりに生かしていただきたいというふうに思うわけなんですけれども、最後に局長、いかがでしょうか。
○梶山都市整備局長 私も多摩ニュータウンの隣接のところに住んでおりますので、ニュータウンがどういうふうに変遷してきたかということは肌で感じています。そういう中で、多摩ニュータウンは、それぞれの時代の要請を踏まえて先導的なまちづくりをしてきたな、私、こういうふうに思っています。
今、そうはいっても、多摩ニュータウンのまちづくりというのは、いわゆる開発者が主体の建設の時代から、地域や生活者の視点に立った地域経営の時代を迎えているな、こういうふうに思います。こういうことから、今後、地域経営の主体である地元市、先ほど先生がおっしゃっておりましたけれども、そういう中で、都や都市基盤整備公団などが連携してまちづくりの課題に取り組んでいくことが必要だな、こんなふうに思っています。
したがいまして、都といたしましても、引き続き、多摩ニュータウンまちづくり協議会などを活用しながら、総合調整者としての役割を果たしていきたい、こういうふうに考えております。
○相川委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
午後二時四十二分休憩
午後二時五十七分開議
○相川委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○高橋委員 最初に、事業概要九七ページ、九八ページの、新しい都市づくりのための都市開発諸制度活用方針に基づく運用に関連して、お尋ねをさせていただきます。
東京の民間都市開発では、総合設計制度などの都市開発の諸制度が多く活用されておりますが、東京都では、これらの制度の運用を、都市開発諸制度活用方針として昨年の六月に策定いたしましたが、これは都市づくりを政策的に誘導していく上で大事なツールの一つであると考えます。まず、制度のポイントについてお伺いをさせていただきます。
○森下都市づくり政策部長 都市開発諸制度でございますけれども、オープンスペースの整備など良好な市街地の形成を図る建築計画につきまして、容積率など建築規制の緩和を行っていく制度でございまして、特定街区であるとか、再開発促進区を定める地区計画、あるいは総合設計制度などがございます。これまでに、丸ビルあるいは六本木ヒルズ、恵比寿ガーデンプレイスなど、七百以上の開発プロジェクトで活用されてきた実績がございます。
現在の都市開発諸制度の活用方針は、平成九年から運用してきた都市開発諸制度の運用方針を、東京の新しい都市づくりビジョンなどを踏まえまして、より戦略的なものとして改正したものでございます。
この方針では、都市開発諸制度を積極的に活用すべきエリアとして、都心、副都心のほか、秋葉原、品川の新拠点を追加するとともに、都心やその周辺部などで、オフィスの更新に合わせて、にぎわいのある商業や文化交流など多様な機能をより積極的に導入できる仕組みにしております。また、多摩のエリアにおきましても、適用エリアを一部追加しまして、多様な機能を導入できるよう改正しているところでございます。
○高橋委員 次に、この都市開発諸制度活用方針には、練馬駅周辺地区や、ほかに自由が丘、府中といった地区が一般拠点地区に位置づけられておりますが、一般拠点地区とはどのような都市の形成を目指す地区なのか、また、この活用方針で具体的にどのような支援が可能なのか、お伺いいたします。
○森下都市づくり政策部長 一般拠点地区とは、都心、副都心などに次ぎまして地域の中心となるような地区でございまして、地元区市町村との協議の上、設定しているものでございます。業務・商業を初めとしまして、地域特性に応じて文化交流施設などの育成を図るとともに、オープンスペース整備など良好な市街地環境の形成を目指す地区でございます。
この一般拠点地区では、一定の条件のもとでございますけれども、都市開発諸制度を適用する場合、他の地域よりも割り増し容積率の高い建築計画が可能となります。例えば、通常の地域では最大二〇〇%の容積割り増し率でございますけれども、一般拠点地区では二五〇%まで可能となってございます。
○高橋委員 次に、このような体系的な活用方針を持っているところは、全国的にも余り例がないと仄聞しております。ぜひさらに積極的に活用されるようにするべきだと考えます。今後の取り組みについて伺い、次の質問に移らせていただきます。
○森下都市づくり政策部長 東京は、全国の都市に比べまして民間の都市開発が極めて活発でございまして、各制度の運用面での整合を図るとともに、これを戦略的に運用することにより、あるべき市街地像を実現するのに大きな成果を上げ得るという認識のもとに、この活用方針を定めているところでございます。
本年四月には、ホームページにわかりやすい解説を掲載したところでございますけれども、今後とも、この活用方針が各地域のまちづくりにより一層有効に活用され、ひいては、東京全体で都市づくりビジョンで示した多機能集約型の都市構造が実現できるように、積極的に取り組んでまいります。
○高橋委員 次に、事業概要一七八ページ、一七九ページの、道路整備との一体的な沿道まちづくりについてお尋ねいたします。
都営地下鉄大江戸線の大泉学園町方面への延伸に関連して、その導入空間ともなる補助二三〇号線の整備について伺います。
大江戸線は、今や、都民にとって欠かすことのできない路線と認識しております。とりわけ練馬区内の放射線部においては、交通不便地域の解消のみならず、沿線のまちづくりにおいて整備効果は大きいと思います。こうした中で、大江戸線を延伸することへの期待はますます大きなものとなっており、練馬区では、大江戸線延伸の導入空間の確保に向けて、区施行による土地区画整理事業の事業計画素案を平成十六年度に発表すると聞いております。
そこで、土支田地区における土地区画整理事業区域以外の補助二三〇号線の整備に当たって、都が導入を予定している道路整備と一体的に進める沿道まちづくりの見通しについて伺います。
○石井市街地整備部長 お話の補助第二三〇号線は、区部北西部の道路ネットワーク形成とともに、都営地下鉄大江戸線の導入空間ともなる幹線道路でございまして、この三月に策定されました区部における都市計画道路の整備方針、いわゆる第三次事業計画の優先整備路線にも位置づけられたところでございます。
平成十五年度には、国の一体開発誘発型街路事業制度を活用し、笹目通りから大泉学園通りまでの区間におきまして、沿道のまちづくり構想などに関する調査を実施してきております。
今年度は、駅予定地を中心とした区施行の土地区画整理事業の進捗状況に配慮し、区と十分に調整しながら、地元意見を反映した沿道での民間開発誘導について調査を進めるとともに、笹目通りから土支田通りまでの区間におきまして、現況測量に着手してまいります。
○高橋委員 最後に、事業概要一六四ページの、市街地再開発事業の施行者と都の役割に関連して、保谷駅南口地区第一種市街地再開発事業についてお尋ねさせていただきます。
ご案内のとおり、西武池袋線保谷駅は、一日平均乗降客数約五万二千人を有する、多摩と区部の境に位置する主要な駅であります。しかしながら、現在の南口交通広場は十分な空間が確保されず、バスや一般車両の交通に支障を来すとともに、駅を利用する歩行者の安全性にも大きな問題を抱えております。また、南口駅前を東西に走る都道二三三号線は、駅前を通過する道路であることから、交通量が非常に多いにもかかわらず、現況幅員が約七メートルと狭く、歩道がないことから、駅利用者や買い物客にとって、交通安全上、非常に危険性が高い地区となっております。
そのような状況の中、保谷駅南口地区第一種市街地再開発事業が、事業化に向けてようやく動き出すと聞いております。
保谷駅南口地区第一種市街地再開発事業は、西東京市が施行者として行う事業でありますが、保谷駅前を走る都道二三三号線が練馬区と西東京市の行政境になっており、駅前の都道を挟んだ南側は練馬区であり、駅利用者の半数近くが練馬区民であります。このため、保谷駅は、練馬区にとって西の玄関口ともいえる重要な駅であると思います。西東京市の住民だけでなく、駅を利用する練馬区民にとっても、当該再開発事業の意義は非常に大きいものがあると思います。そこで、事業の目的とこれまでの経緯についてお尋ねさせていただきます。
○石井市街地整備部長 この再開発事業は、保谷駅南口駅前広場と一体的に施設建築物を整備いたしまして、土地の合理的な高度利用と防災性の向上を促進することにより、良好なまちづくりを目指すものでございます。
大分前の話になりますけれども、昭和五十八年度に基礎調査を行って以来、当初は組合施行の再開発事業を予定しておりましたが、権利者などからの要望もありまして、平成八年になって、市施行で再開発事業を実施することとし、平成十二年十二月に市街地再開発事業の都市計画決定を行っております。
○高橋委員 次に、この再開発事業の事業化に向けまして、都市計画変更を行うため、周辺住民に対して、都市計画変更素案の説明会をこの四月に行ったと聞いておりますが、周辺住民からどのような質問や要望があったのか、お伺いいたします。
○石井市街地整備部長 今お話にありましたように、施行者でございます西東京市は、四月の六、七の両日、都市計画変更素案の説明会を行っております。
当日の様子でございますけれども、約六十名の出席者があり、これは練馬区民も含めてでございますが、参加者からは、交通広場や歩道の整備、工事の着工時期、施設建築物内に予定されている公益施設についての質問がありましたほか、本事業の推進要望が多数出されたと聞いております。
○高橋委員 そこで、今回の事業により、どのような公共施設が整備され、駅利用者にとってどのようなメリットが生じるのか、お伺いいたします。
○石井市街地整備部長 今回の事業がどのようなメリットを生じるのか、こういうお尋ねでございますが、本再開発事業におきましては、ペデストリアンデッキ--歩行者のデッキでございますが--を含めまして、約四千二百平米の交通広場を整備するとともに、施設建築物の都道に面する部分につきましては、道路境界線から二・五メートル壁面後退をしまして、敷地の一部を歩道として整備するものでございます。その結果、バスや一般車両の交通広場へのスムーズなアクセス確保に加えまして、歩行者の安全性の向上が期待できる、このように考えております。
○高橋委員 先ほども申し上げましたように、この保谷駅南口地区第一種市街地再開発事業は、中高層ビルの建築や交通広場の整備だけでなく、駅南口の事業用地に面する、歩道と車道が分離されていない狭隘な都道二三三号線の整備にも期待されるところであります。昭和五十八年の再開発事業の基礎調査の実施以来、およそ二十一年目を迎えている今日、都からの指導監督、助成をしっかり行っていただきまして、そういったことが一日も早く完成することを期待させていただきまして、意見として申し上げさせていただきまして、終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○清水委員 この間、東京都は、東京の新しい都市づくりビジョンを作成し、政策誘導型都市への転換を図るとして、都心部を中心とした都市再生路線を進めてきました。その中でも、特に住宅政策では住宅マスタープランなどを作成し、都心居住を重点としながら、公営住宅の新規建設、都営住宅の新規建設などはゼロを初め、公共住宅からの撤退を進めてきました。
この間繰り返し、低所得者などの、また若年者のための公営住宅の建設、住宅政策の拡充の必要性が高まっていて、公的住宅からの撤退路線は改めるべきだということを主張してきたところですけれども、幾つか伺いたいというふうに思います。
まず、二〇〇一年から二〇〇三年までの区部及びセンター・コア・エリアにおける住宅建設戸数について伺います。
○水流住宅政策担当部長 区部における二〇〇一年から二〇〇三年までの三年間の住宅着工戸数でございますが、合計で約三十八万戸でございます。このうち、おおむねセンター・コア・エリアと区域が重なる都心の十一区につきましては、約十五万戸でございます。
○清水委員 この住宅マスタープランの、二〇〇一年から二〇〇五年までのセンター・コア・エリアの住宅建設戸数の目標というのは約十五万戸ということで、現在お答えいただいた二〇〇一年から二〇〇三年までの住宅戸数というのが、既にここで達成しているという状況だと。達成するというのか、目標に迫っているという状況だと思うわけです。
それで、マスコミなどでも、週刊誌などでも、高層マンション建設ラッシュということで報道されているわけですけれども、じゃ、これから一体、民間再開発、都も含めた再開発や区画整理などで、住宅開発計画においてどれだけ住宅が供給されるのかということを伺ったところ、マンションなどの戸数は、総体的にここの資料で出ているだけだということで、全体としては把握されていないということで、二〇〇三年までの建設戸数で既にマスタープランを達成しているという現状にあるということだと思うのです。
その結果、都として、都心部での住宅供給を促進してきたわけですけれども、東京構想二〇〇〇では、二〇一五年までの東京の人口想定をしています。それによると、二〇一五年は区部八百十四万人というふうに想定しているわけですけれども、十六年四月一日の、いただいた資料によると、人口は区部八百三十五万人余りということになっているわけです。こういう認識を持っておられたかどうかということなんですけれども、予測した数値を大きく上回って増加していると思うんですが、こういう状況というのを住宅担当部署としてどういうふうに認識しておられるのか伺います。
○水流住宅政策担当部長 東京構想二〇〇〇の予測を上回って住宅建設が進んでいるということでございますけれども、東京では、バブル経済崩壊後の地価などの下落に伴う住宅価格の低下などを背景といたしまして、分譲マンションを中心に住宅供給が活発化してございます。特にここ数年、過去最大のマンションブームが続いておりまして、その結果、区部を中心に人口回帰が進んでいるものと思われます。
こうした住宅供給の活発化は、職住近接や利便性の向上を求める都民のニーズに対応するものであり、基本的には住宅事情の改善に寄与するものと認識してございます。
○清水委員 この二〇〇五年までのマスタープランの目標を、これからこのまま進んでいくと超えてしまうという問題に対しては、どのようにお考えですか。
○水流住宅政策担当部長 マスタープランなどの予測を超えて住宅建設が進んでいるわけですけれども、基本的に、こうした住宅建設が活発化していることは、都民の住宅ニーズに寄与し、住宅事情を改善するものと認識してございます。
○清水委員 今のいろいろな計画を見ていると、ほぼ数万戸の規模で毎年ふえていくのかなというふうに予測されるわけなんです。それでは、旧都市計画局の担当者に伺いたいと思うんですけれども、東京の新しい都市づくりビジョンにおいて、人口想定も、もちろんこれは東京構想二〇〇〇を都市づくりビジョンで利用しているわけなんですけれども、実際と今お話ししましたような大きな隔たりがあるわけです。この状況というのを都市計画担当部署としてどのように認識されているのか、お伺いいたします。
○森下都市づくり政策部長 委員ご指摘のように、都市づくりビジョンの人口見通しも、東京構想二〇〇〇の数値と同様のものでございます。
この状況の認識でございますけれども、区部の人口増加は、都市づくりビジョンの中でも述べているように、都心居住を推進し、環境負荷の少ない職住近接の都市構造を実現していく視点からは望ましいものと考えております。
また、将来、人口減少時代を迎えるわけですけれども、現在の人口の増加は、東京の活力の維持向上を図ることや、あるいは地域のコミュニティの再生を図ることなどからも、望ましいものであると認識しているところでございます。
○清水委員 一般的な人口の増加についていっているのではなくて、この都市づくりビジョンでも、二〇一五年を一つの目安にして、八百十四万ということで都市づくりビジョンというのはできているわけなんです。それを既に二十万人以上超えているということについての認識を、どのように感じておられるのかということを聞いたんですけれども、いかがですか。
○森下都市づくり政策部長 人口が予想よりも伸びているということにつきましては、先ほどいいましたように、職住近接の都市構造ということで、望ましい姿に近づきつつあるということで、積極的に理解しているところでございます。
その伸びによって、他の面でのマイナスがあるかどうかといいますと、都市構造上望ましいということの上に、さらに、特に住宅の場合には、交通発生等についての負荷も少ないということであって、大きな問題は生じていないのではないかと理解しているところでございます。
○清水委員 今、交通発生の負荷も事務所などに比べて少ないということをいいたかったんだと思うんですけれども、それでは、直接の担当ではありませんけれども、環境基本計画というのは、東京構想二〇〇〇の人口増に基づいて、大気汚染、CO2、そしてエネルギーの消費などについて削減目標、達成目標を定めているわけですよ。ですから、じゃ、一体これはどう考えるのかということは、ここにはもう環境局がおられないから、直接伺えないわけなんですけれども、人口の推定が狂っているというか、予想よりもはるかに速く達成してしまっているということについては、そしたら、この環境基本計画も含めた見直しというのが必要なんじゃないですか。
○森下都市づくり政策部長 環境基本計画そのものについては所管ではございませんので、お答えは差し控えさせていただきますけれども、東京の都市構造が改善されてきて、全体として、例えば交通負荷の面では緩和する傾向があるでしょうということであるとか、あるいは業務とか商業施設に比べて、住宅については新たな環境負荷は少ないということで、トータルとして、東京の都市構造、土地利用と都市基盤とのバランス等については、大きな問題はこの面では生じないのではないかという考え方でございます。
○清水委員 しかし、それは全くの予想でしかないわけですよね。だって、事務所よりも、また店舗よりも発生自動車数が少ないというだけで、しかし、総体的には人口が二十万人ふえているということに対して、そこでは自動車交通がどうなっているのかということは、ここでは予想していないわけですよ。だから、環境に負荷はないというようなことを必ずいえないわけじゃないんですか。
○森下都市づくり政策部長 先ほどご答弁申し上げましたのは、東京の都市構造がそういう職住近接型の構造になっていくことによって、都市交通の面での負荷はふえるものではないという意味でご説明申し上げたものでございまして、例えばCO2だとか大気汚染とか、他の要素のことをいっているわけでは決してございません。今申し上げましたのは、道路交通等の負荷について、都市構造上、都市基盤と土地利用のバランスについては、このことによって大きく崩れるものではないということを述べたわけでございます。
○清水委員 しかし、いずれにせよ、エネルギー消費を含めたすべての環境、例えば今、一つの問題は、これまで都市計画局と環境局が一緒だったからお話ししているわけで、環境にかかわる負荷というのは全く想定されていないということになると思うのです。それから、住宅の方も、マスタープランの中で、経済状況の推移によっては見直しをするというふうに書いてありますよね。見直しをするというふうに書いてありますけれども、今そういう時期だというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○水流住宅政策担当部長 住宅マスタープランは、経済社会状況の変化に応じて見直すべきものではございますけれども、現在の住宅建設の活発化は、都民の住宅事情の改善に基本的に役に立つということでございまして、現時点で見直す考えはございません。
○清水委員 少なくとも住宅建設戸数の目標との乖離があるということでは、じゃ、そのことによって、一体住宅事情というのはどうなのか、それから環境というのはどうなのかということでは、都市計画上も住宅上も、やはり見直すべきだというふうに思うわけです。
それで、これ以上、私たちはこれまでエネルギー問題、地球温暖化の問題など環境への影響は避けられないということで、都市計画などによって急激な成長は抑制するということを、オフィスビルの乱立の中でいってきたわけですけれども、今回、やはり住宅の、とりわけ超高層による分譲マンションなどの誘導というのは改めていくべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○水流住宅政策担当部長 繰り返しになりますが、都心居住は、職住近接を実現し、通勤混雑を緩和し、また家族の地域社会における生活、文化活動を活発化するものでございます。そうした観点から、引き続き推進すべきものと考えております。
また、超高層マンションにつきましても、都心居住の一つの形態として、オープンスペースを確保しながら、都市の空間を高度に、有効に利用する一つの形態であろうと思っておるところでございます。
○清水委員 先ほどの資料要求でいただいた中に、定住対策を見直した区が十ほどあるわけです。この中でも、江東区の話は何度も引き合いに出されているので、マンションが急増して、学校や保育所の不足というようなことがいわれているわけなんですけれども、各区の様子を見ると、今まで住宅附置制度、それからファミリー世帯、新婚世帯を対象とした家賃補助制度など、中には財政という問題、各区の財政事情というものもあるかもしれないんですけれども、既にこうした区では余りにもマンションなどが多く急増して、学校や保育所の対応ができないというような状況になっているということも見られると思うのです。
ある新聞によると、不動産研究所の調べでは、超高層マンションは十五年に急増したと。これは東京だけではないんですけれども、首都圏の供給戸数は前年比二一・四%、この勢いは今後さらに加速し、現段階で計画が明らかなだけで、これは首都圏ですけれども、これまでのストックの一・五倍に匹敵する十万戸以上が供給する見通しだということで、住宅白書でも、マンション建設による既成社会とのあつれきということで、問題点が出されているわけなんです。こういう各区の事情を見ても、それから東京の今の人口の状況を見ても、やはりもう一度見直し、考え直す、検討するということが必要だというふうに思うわけです。
そして、こうして供給されるマンションのほとんどが分譲マンション、賃貸といっても高額賃貸が非常に多いということでは、この前、代表質問などでも触れてきたわけです。六本木、汐留などで供給される高家賃マンションの実情を幾つか例をお話しさせていただいてきたわけですけれども、この間、「住宅情報」という雑誌、新聞に掲載されたある大学の教授は、都心居住への疑問ということで、平均的な勤労者でも手の届く倍率は五倍前後とされているので、マンションの価格は手が届く水準になったように見える。しかし、高齢者や低所得者などが住むことができる住宅は建設されず、ますます狭き門になっているというふうに書いているわけです。
私は、今の、ここまで建設されたものをどうするということはできないわけだから、抑制をしながら、もう一ついただいた資料の中でも、都営住宅の平均倍率が出ているわけです。平均倍率が十四年、十五年、高くなっていますし、それから最高倍率もいただいているわけです。確かに募集する戸数は少ないかもしれない。しかし、一戸のところに千数百人以上が申し込んでいるところもあるわけです。そして、リストラや所得減などで生活困窮者は増加している。そういう中で、都営住宅の建てかえで、そこに民活ということで民間住宅を誘導するというようなことではなくて、先ほどのことも関連して、少なくとも都営住宅の用地では都営住宅の建設を進めるというのが、今の幾つかの理由から必要ではないかと思いますけれども、いかがですか。
○水流住宅政策担当部長 現在の人口の動きは確かに増加してきているわけですけれども、中長期的に見ますと、これは間違いなく減少に転じると見込まれてございます。したがいまして、都営住宅につきましては、現在あるストックの維持活用に重点を移しまして、これを真に住宅に困窮する都民のセーフティーネットとして、一層有効に機能させることが重要と考えてございます。
また、都営住宅の用地は都民共有の財産でございまして、都民全体のニーズを踏まえた総合的な政策の展開に活用していくべきものと考えてございます。そのため、老朽化した団地の建てかえに当たりましては、敷地の高度利用等により用地を創出し、地域の特性を踏まえながら、都営住宅のほかに、少子高齢化に対応した福祉、医療機能あるいは生活利便性や都市の魅力を高めるための商業、文化機能等の導入を進めているところでございます。
今後とも、都営住宅用地を有効に活用し、周辺地域を含めた活力ある地域社会の形成あるいは都市再生に資するプロジェクトを進めてまいります。
○清水委員 人口減といわれるわけなんですけれども、総体としての減少はあるかもしれないけれども、実際、現実、都民の実態は、じゃ、人口が減少していくから、今はもう都営住宅は要らないんだという状態なのかどうか。将来にわたってつくり続けるかどうかということは別として、現在の中で、公団や公社に住んでいた方たちが、年金が減って、家賃が非常に重い負担となったという人も何人もいます。また、先ほども紹介したように、思わぬ倒産ということで、お台場の公社住宅に入っていたけれども、本当に何とかしていただきたいというようなご相談を受けることもあります。また、突然のリストラ、それから先ほども紹介しましたような所得の減ということで、これまでの家賃が、民間住宅に入っていた方も含めて、本当に負担になるという例が多いわけです。それからまた、八王子なんかでも、八王子は非常に倍率が低いじゃないかとかということをいわれるわけなんですけれども、若いご夫婦などからも、結婚するから申し込みたい、ぜひ都営住宅が当たってほしいというようなことをいわれることも非常に多いわけです。現在、そういう人たちの受け皿としての都営住宅を、せめて都営用地での建設を進めていくことが、私は求められているというふうに思うわけです。
人口が減るということは将来あるでしょう。それはいわれているところですけれども、今、じゃ、つくらなくていいのかといえば、それはないということでは、特に都心部で住宅の募集倍率が非常に高いということも聞いているわけです。それは、都心部では仕事を確保することができるということで、それから高齢になっても仕事を何とか確保できるということで、遅い時間でも、電車が、交通機関があるということで、また病院に近いというようなことで、区内で都営住宅への入居を非常に多くの方が願っているわけです。
八王子などでも、確かに低いところが、最低倍率が八王子なんていうようなところもあるわけですけれども、倍率が高くて入れないという方も多いわけです。区部並みのところもあるわけです。特に病院が少ない地域なんかではそういう希望が多いわけです。多摩地域での都営住宅の建てかえに伴う都有地の活用、都営住宅の活用というのも必要だというふうに思うわけですけれども、いかがですか。
○水流住宅政策担当部長 都営住宅の応募倍率でございますけれども、都営住宅は一般公募枠のほかに、ポイント制枠などいろいろな枠がございまして、都営住宅全体の応募倍率につきましては、経年的に安定して推移しているところでございます。
また、応募状況については、応募者の収入あるいは居住の状況などを総合的に見て、判断する必要があると考えてございます。
幾つかご指摘のございました、真に住宅に困窮しているような方々に対して的確に都営住宅を供給する、そのために現在あるストックを有効に活用していくというのが私どもの基本的な考えでございます。
○清水委員 いつも真に住宅に困窮しているというふうにいわれるわけなんです。しかし、私たちは、ほかの方も皆さん、本当に都営住宅に入りたいという方に、それじゃ、申し込んでみてくださいというだけですけれども、でもそれは非常に多いわけですよ。だから、真にそれは--だって、私たち、実際に真に住宅に困っている方から相談を受けて、そういうふうな提案をしているわけですから、真に住宅に困窮している人が少ないとか多いとか、数字を見ていうということは、やはりやめていただきたいというふうに思うわけです。
さらに、先ほど他の委員の質問にありましたけれども、国土交通省が、ドメスチックバイオレンスの、DVの被害者を公営住宅の空き家に優先的に入居できるような支援策を決めて都道府県に通知したということで、先ほどご答弁があったわけですが、その中で、従来の入居希望者との関係も考慮しながらというようなことでお話がされていたわけです。これはどれくらいの日付で検討し、どれくらいで結論を出して、都として対応しているのか、伺いたいと思います。
○石井参事 今、委員ご指摘の国土交通省の通知でございますが、二点ございまして、一点は、公営住宅法の中での優先入居をDV被害者に対して適用したらどうか。それについては、既に東京都は実施しているということでございます。
もう一つは、公営住宅法の枠外での目的外使用許可もできるようになったということでございますが、その後者につきましては、現在、女性相談センター等関係機関の方といろいろヒアリングして、また近々その会議を持つということで、その辺のDV被害者の実態あるいは需要というものを把握した上でもって、都営住宅で対応できるかどうかも含めて検討してまいりたいと思います。
○清水委員 配偶者暴力防止法が施行されてから、東京都でもこの間、いろいろなところで話が出ているわけなんですけれども、相談件数とか一時保護件数というのは急にふえたということではなくて、法が施行されたことによって暴力の状況が顕在化したということによる増加なんですけれども、都の相談件数も、十三年度三千三百三十四件が十四年には七千三百件に、また一時保護の必要がある件数は三百三十六件から四百八十九件にふえているということで、先ほどもご紹介がありましたように、いろいろなところで一時保護の対応をしているというような中で、東京都としては、先ほど本来の入居者との関係というようなことをいわれると、本来、倍率の高い中で、どうやってこれを確保していくのかということも出てくるかと思うのです。そういうことも考えられているかと思うんです。
だから、私は、こういう時代に沿った都営住宅の必要性というのも、改めて新たに求められているというふうに思うわけです。やはり、こうした要求が、またこうした事情が大きく変化している中では、都営住宅の新規建設に踏み出していただきたいということを要望しておきたいと思います。
住宅に関する総合的な調査も、この間要望してきました。住宅・土地統計調査及び住宅需要実態調査を活用すればいいんだということで、お答えをいただいているわけですけれども、この調査は五年ごとの調査で、都民の実態を把握する上で、もっときめ細かい調査を都として独自で行う必要があると考えますけれども、どうでしょうか。
○水流住宅政策担当部長 全国規模で五年ごとに行われる総合的な調査に加えまして、東京都では、その中間年における住宅の供給あるいは価格、家賃の動向などにつきまして、住宅着工統計や民間の調査データを活用するなどして、都民のニーズや住宅実態の把握に努めているところでございます。
また、例えばでございますが、中古住宅やリフォーム、分譲マンションなどの個別のテーマにつきまして、一般消費者にアンケートを行うなど、都独自の調査も随時行っているところでございます。
○清水委員 住宅事情は、私たちが主張しているのは、短期的に大きく変化するということです。そうしたときに、都民の収入や家賃負担、居住面積、収入階層別住宅の分布、都民の要望など、住宅に関する総合的な調査が必要だというふうに思います。引き続き要望しておきます。
時間が来ておりますので、簡単に要望だけしておきたいというふうに思います。
本当ならば、防災対策ということで、三つほどご答弁をいただきたかったわけですけれども、一つは、木造住宅密集地域、木造住宅に対する耐震改修補償制度の導入、それから首都高速道路の震災対策ということでは、この間、長周期地震波などの問題も大きくクローズアップされてきているので、阪神大震災に対応する地震対策はしているということを聞いているわけですけれども、やはりこういう対策を首都高速においても検討することを要望しておきたいというふうに思います。また、公園面積の増大ということでは、現在、公園の整備目標があるわけですけれども、それに対して非常に少ないということで、七・七平米を目標に、現在は五・四三平米だということで、まだまだ非常に不十分ということでは、この防災対策というものを、木造住宅の耐震改修補償制度を含めて充実することを要望し、改めてまた別の機会に質問することをお願いして、質問を終わります。
○吉原委員 それでは、簡単に三、四点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
これまで東京都は、地震対策を初めとして、火災対策などさまざまな防災対策に向けて、全庁を挙げて積極的な取り組みをしてきていただいてまいりました。今後も引き続き、あらゆる災害への予防あるいは対応策を構築していただく中で、都市整備局としても、危機管理体制の役割をより強固なものにしていただいて、防災に強い都市づくりのために全力を尽くしていただきたい、そう思っているところでもございます。
さて、昨年の六月、国の方で特定都市河川浸水被害対策法を制定いたしました。これは集中豪雨時における防災調整池の重要性ということで、その重要性にかんがみて、浸水被害の防止に努めるということだろうと思っております。そしてこの五月十五日、いよいよ施行され、スタートされる、そういうふうに伺っているところでもございます。河川の指定、そして河川地域の指定は知事が指定をするということになっているわけでありますけれども、施行に向けての都の対応状況というものをお尋ねいたします。
○山崎都市基盤部長 東京都の対応の状況でございますけれども、河川の指定は、今、委員の方から申したとおりでございますけれども、その後、この法に基づいた計画をつくって、さまざまな流域対策等を実施していくことになります。
この検討におきましては、都知事、河川管理者、下水道管理者、それからいわゆる地元自治体というような関係者で計画をつくり、対策を実行していくことになりまして、現在、関係者でいろいろ協議をしているところでございます。
○吉原委員 せっかくできた法律ですし、施行間近ということになっているわけでありますので、治水対策あるいは浸水対策という意味からも、早急に関係部局と調整をしていただいて、ぜひ指定を早目にしていただけたらありがたいなと思います。
我々のような三多摩に住んでいる者にとっては、ご案内のとおり、三多摩の中では大規模な開発というものが大変多いわけであります。その中において、民間所有の防災調整池が数多くあるわけでございまして、防災調整池の役割は開発地域や周辺地域を浸水被害から防止する、こういうことであります。しかしながら、年がら年じゅう機能や役割を果たすという施設ではないわけであります。そんな意味では、非日常的なだけに、日ごろの管理の難しさといいますか、重要さというか、そういうものを強く感じるわけでありますけれども、既存の調整池の管理はどんな形で、どなたが行っているのか、お尋ねをいたします。
○山崎都市基盤部長 既存の調整池の管理でございますけれども、さまざまな形態、おおむね四つぐらいの管理形態がございます。一つは自治体が管理しているもの、二つは公社公団が管理しているもの、三つは民間が所有し、管理しているもの、四つ目として、民間が所有し、管理協定を結びまして自治体が管理している、こういうような形態がございます。
民間がみずから管理しているものにつきましては、中には埋め立てが行われるというような問題も生じているところがございます。一部の自治体においては、こういうことに対しまして、自治体に移管し、管理協定を締結する等々の対応をしているところもございます。
○吉原委員 管理形態、四つあるということでございますけれども、特に民間の所有する防災のための調整池について、一部は地元自治体との管理協定を結んでいる、こういうことでございますけれども、本当に本来の管理をしなければならないような形態をなしているのかどうなのか疑問を感じることが、私たちの三多摩の中でも間々見受けられることがあるわけであります。
例えていえば、調整池の上には構造物が建てられることが可能だということに規定ではなっているようでございますけれども、そのことによって、宅地を開発したときに、その開発されたところに住まわれるようになった方々は、調整池の上に物が建つということは最初から知らないわけでございまして、そういった状況の中から、個人的な所有者と住民の皆さんとの紛争に発展してしまう、こういうケースもあるわけであります。
また一方、調整池は、深さの深いところもそうでないところも場所によってあるんだろうと思いますけれども、良好な住宅地をなしている中で、その調整池、そんなに深さがないようなところであっても、民間の方が所有しているところにとっては、何とか事故のないように、あるいは危険が住民の皆さんに及ばないように、そういうことのお考えのもとだろうと思いますけれども、広い調整池の周りを全部網を張って、フェンスをつくっている。良好なところに住んでいる住民の皆さんにとっては、何ともしがたい、景観も余りよろしくない、こういう意見も多数聞いているわけであります。
また、今お話しさせていただいたものは、戸建て地域にありがちな話ではありますけれども、集合住宅、公団さんもそうでありましょうし、また供給公社の場合もあるいはそうかもしれません。大きな一団地の中には、調整池が大変広いところもあるわけでございまして、そういうところについては、一年じゅうそのところに水がたまっている。集中豪雨のときは、特に水がたまる量というのは多いかもしれませんけれども、そうではなくて、からからの物すごい夏の暑いときでも、ヨシが茂って、ある一定の水がそこにはたまっている状況があるわけでありまして、排水もきちっとできていないのではないかな、そんな思いをすることが地元でも見受けられるわけであります。
本来であれば、宅地あるいは大規模開発をするときには、東京都も、許可するという意味であっても、直接的あるいは間接的に関与している部分があるんだろうと思いますので、そういった調整池が一体どういう状況になっているかということを実態調査していただく機会があってもいいんではないかな、そんなふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○山崎都市基盤部長 東京都では、五十三区市町村と東京都で総合治水対策協議会というのをつくってございます。この協議会を通じまして、各区市町村におきます防災調整池等の設置状況については、毎年調査してきております。しかし、今ご質問の管理の実態については、必ずしも十分把握していないというのが現状でございまして、今後、同協議会を通じて、管理の実態についても調査していきたいと考えております。
○吉原委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
この新法が施行されることによって、既存の防災調整池を保全調整池として指定されるものについては、法内ということになるんだろうと思いますけれども、その法内になったものについては、管理責任もきちっと出てくるんだろうと思いますので、余り心配はしなくてもいいのかなというふうな思いもしているわけであります。その一方で、先ほど冒頭にお話をさせていただいたような、指定をされていないところについての調整池というものは、今後一体どうなっていくんだろうかと心配をするわけであります。
そのための予防策といいましょうか、そういった意味においても、個人的な所有者であれば、民間の方の所有者であれば、地元自治体と管理契約を結ぶとか、そういったある程度東京全体の中での統一したものを、やっぱり東京都としてもつくっていく必要があるのではないかな、そんな思いをしておりますので、きょう、その返事をくださいということではありませんけれども、また協議をしていただいた中で、そのことについても教えていただく機会があったらありがたいなと思っているところでもあります。
もう一点だけちょっとお尋ねをさせていただきますけれども、先ほど吉野委員からも、多摩地域における振興という意味でお話をいただきました。全く同感でございまして、三多摩も、文化もそうでありますし、経済もそうでありますし、あるいは交通インフラもそうでありますし、さまざまなことをとっても、まだまだ立ちおくれている部分がたくさん見受けられる、そんな思いをしているわけでありまして、特に八王子、多摩、立川、青梅もそうでありますし、町田も、業務核都市として指定された中で、今、構想も決定して進んできている、そういう部分もあるわけであります。
また、知事もよくいわれている中では、横田基地も、とにかくチャーター便をすぐ飛ばすぞ、こういうふうにおっしゃっていただいているわけでございまして、そのチャーター便を飛ばすということと、民間が軍と共用するということは、また別の話だろうと思いますけれども、昨年の五月だったでしょうか、ブッシュ大統領と小泉総理、日米の首脳会談の中で、横田基地の問題も小泉総理の方から提案されまして、政府間でこれから協議をしていこう、そういうことでその場は終わったということをお聞きしているわけでございまして、今、国内においても、外務省が中心になっていらっしゃるのか、あるいは防衛庁が中心になっているのかわかりませんけれども、とにかく、東京都も一緒になった中で協議が進められているということをお聞きしているわけであります。
そして、お聞きしている中では、民間があそこの横田基地を常時使えるようになるまでに、日米の協議はきちっとした形かどうかはわかりませんけれども、日本側の提案も、この数カ月のうちにアメリカ側にお伝えをする、そういうような段階に来たというふうにお聞きしているわけでございまして、そういった意味でいうと、多摩も南北交通がまだまだ不十分だという状況があるわけであります。
あの臨海の「ゆりかもめ」も、完成しているから、今こそ経営的にも大分楽になってきて、これからプラスになっていくんだろうと思いますけれども、やっぱり中途半端なうちでの交通機関というものは、経営的にも圧迫してしまう部分というものがたくさんあるんだろうと思います。そんな意味でいえば、私も町田は地元でありますし、あるいは上北台から箱根ヶ崎の区間もやるということも、一応構想の中にのっかっているわけでございますし、そういった意味でいうと、その路線を、多摩モノレールというものをきちっとした形で、なるべく短い時間の中でつなげていただくということが、経営的にもあるいは多摩の振興にも、さまざまな形での首都東京としての役割を担う中で、大きな意味があろうかと思っております。
そんな意味で、今の多摩モノレールの状況について、もしお答えいただける部分がございましたら、一言で結構ですので、お願いをいたします。
○山崎都市基盤部長 多摩モノレールの状況でございますけれども、平成十二年の一月に全線開業してございまして、おかげさまで乗客も着実に伸びてきてございます。また、経営につきましても、経費あるいは人件費の縮減、削減に努めて、経営努力をしてきているところでございます。
しかし、鉄道事業あるいは軌道事業の特性としまして、開業から一定期間は資金不足あるいは赤字が発生するというようなことがございまして、ことしの決算では、残念ながら、債務超過となる見通しだというような報告を会社の方からも受けているところでございまして、経営的にはそういうような状況になってございます。しかしながら、当面の運転の資金は確保されている、大ざっぱにいいますと、こんな状況かと思います。
○吉原委員 今お話をいただきましたので、くどくど申し上げるつもりはありませんけれども、とにかく債務超過というのは、この多摩都市モノレールの会社にとっては大した問題ではないと思っておりますから、そういった意味でいうと、東京都も大きな出資もしておりますし、あるいは関連している五市の自治体の皆さんも、出資金もきちっとした形で出しております。そしてまた時期を少しおくらせて、貸し付けも、東京都もあるいは関連の五市の皆さんも貸付金を出しているわけでございますので、そういった皆さんに、これから多摩都市モノレールどうなっていってしまうんだろうというような心配をかけることがないような、そういう姿勢を持った中で進めていっていただきたいと思っております。
そんなものはもう要らないよという方々、多少の政党的な方もいらっしゃるようでありますけれども、そういうことを気にせず、きちっと、経営も大事ではありますけれども、やっぱり将来に残す大きなインフラ整備でございますので、その辺も大きくとらえていただいた中で、積極的な取り組みをお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○矢島委員 最後でございますので、私も簡単に質問をさせていただきます。
去る一回定例会で、東京都における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例が可決されて、この十月に施行されます。十分検討されて提案されたと思いますが、現在行われているガイドラインの作成などの準備と周知の努力はどのようにされるのか、お伺いいたします。
○安藤住宅政策推進部長 現在、条例に基づきまして、宅地建物取引業者に求める説明事項と東京都版ガイドラインを作成中でございます。ガイドラインにつきましては、原状回復の基本的な考え方や賃貸借契約についてわかりやすく解説しますとともに、居住者のマナーについても盛り込んだ内容としまして、七月を目途に策定を進めているところでございます。
策定に当たりましては、関係団体の意見も聞きながら取りまとめていくつもりでございます。
作成したガイドブック等につきましては、ホームページに掲載するなど、広く周知、普及を図ってまいります。
○矢島委員 普通、行政ですと、十分に検討されて、そして取り組まれていくという形なんでしょうけれども、今回の場合には走りながら考えるという面があるように思いますので、ぜひそのところの遺漏のないように、広くしっかりと、後で指摘は直せばいいんだけれども、やはりそこである程度のものはしっかり出していただいて、周知の努力もしていただきたい、これだけ申し上げておきます。
それから、礼金、更新料のない賃貸借契約の推進を、今、東京都が表明しております。しかし、この件は、ある一面を現況の中で示したものということになろうかと思います。礼金、更新料を取らなくても、結果的に配分の問題、ちょっと賃料を上げることによって総額を上げていくわけですから、ある意味では、まだら模様の中では相場を上げるという可能性も出てくる。こうなっていきますと、実質賃料という視点がないと、この意味もなくなってくるように私は思います。つまり、月額賃料の適正な相場があって、礼金、更新料のない賃貸借契約の意味が出てくる、このように思いますので、この点についてどのように考えて、どう取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○安藤住宅政策推進部長 大都市の東京にありましては、全世帯の四割を占める賃貸住宅につきましては非常に貴重でありまして、このストックをいかに活性化していくかが、東京都の住宅政策上、重要であると考えております。
礼金、更新料のない賃貸借契約を普及させる意味は、目的や内容が不透明な礼金、更新料を透明にし、自由で円滑な住みかえを進めていくということにあると考えております。いずれにしましても、礼金、更新料のない契約につきましては、今回の賃貸住宅紛争防止の条例とは異なりまして、運動として進めていくものでありまして、今後、関係業界団体と十分意見交換をしながら進めてまいります。
○矢島委員 私がいったのは、実質を求めているんであって、今は見える姿の話をしているように思いますので、その辺をしっかり埋めるような努力をしていただいて、姿だけ、形だけ--なければいいんだということのないようにしていただきたい、このように思います。
この点については、これで終わります。
次に、住環境についてお伺いをいたします。
都心居住には、職住接近、コミュニティ、高齢者の利便性など課題がありますけれども、総合設計などの誘導もあって、沿道沿いに大きなマンションの建設が進んでおります。しかし、事務室の供給過剰、本来、商業にかかわる地域のマンションの建設がなされているのが現実であります。このため、建物一棟当たりでは住環境の基準は満たしていたとしても、隣接する相互の建物への影響で見ると、住環境が十分満たされているかというのは大きな課題で、これを面として解決していかなければいけないのが重要であろうと思います。この点についての所見と対応をお伺いいたします。
○野本市街地建築部長 都心居住を進めるに当たって、まち全体の居住環境に配慮すべきとのご意見だと思います。
東京都では、地区計画や総合設計制度等の都市開発諸制度を活用しまして、都心居住を推進しているところでございます。
このうち、一例として総合設計制度について申しますと、個別の敷地に対して適用する制度ではございますけれども、当該地区の都市計画のマスタープランあるいは住宅マスタープラン、こういった上位計画に基づいた計画について適用することとしております。こういったことによりまして、公開空地の確保あるいは緑地の確保、それから道路の拡幅整備、そういった市街地環境の整備、改善を図るということにしております。
今後とも、都としましては、市街地環境の整備、改善に配慮した都心居住の推進を図ってまいります。
○矢島委員 都心回帰、都心居住の方向が、今、鮮明になっている中、一たん開発されて、できたら、一時間ぐらいしか日が当たらなかった、あとは電気をつけている、こういうことがないようなまちづくりも基本的に考えていかなければいけないと思いますので、今の答えでは十分ではありませんけれども、それだけ申し上げておきます。
次に、大型開発による事務室の供給過剰は、既存の建物、特に中小建物の活用方法として、住居系への用途転換が大きな課題と、一つの有効な手段になると私は思っております。旧住宅局では、規制の厳しい集合住宅の用途転換などを、「オフィスビル用途転用のいま」というパンフレットにまとめられて、昨年の九月、出されていると聞いております。
この中にも転用例が多く紹介されておりますけれども、私は、適切な条件が整備されれば非常に有効な方法と考えますが、現在の状況と今後の見通しについてお伺いいたします。特に国の規制、都の規制というのは、住居系の規制は特に厳しいわけですから、どういうふうな見通しがあるかもあわせて、ご承知の範囲でお話しいただければと思います。
○高岡区市町村調整担当部長 住宅対策として本年度から実施いたします都市型民間賃貸住宅において、事務所からの用途転用、コンバージョンタイプを創設したほか、用途転用による高齢者向け優良賃貸住宅の供給を支援してまいります。また、住宅金融公庫とも連携し、融資制度の充実を図ったところでございます。
それから、お尋ねの、用途転用を実施する上での課題につきましては、建築基準法上等、いろいろな建築法制にかかわるところの適合性等の問題がございます。これに対しましては、国等において、例えば住宅の採光規定を緩和する等の行為を行っているところでございます。
○矢島委員 ぜひ今後有効な方法だと思いますので、人が住むという基本的な要件がありますけれども、その中で可能なことを国に訴えて、そして東京都も規制しているわけですから、東京都の見直しもあわせて進めていけるように。大都市で一番大きいところは東京ですから、東京がやらなければ、国がやってもおくれるということになりますので、その点ぜひ取り組んでいただきたい、このように思います。
最後に、都市整備の基本的な意味についてお伺いをいたします。
国は昨年夏に、観光の立場からではありますけれども、美しい国づくり政策大綱を発表したと聞いております。私は現物を見ていないんですけれども、この基本では、美しい国土は、いいかえれば、東京の場合には美しい東京にもなる。都市は常に見詰められて、投資しなければ陳腐なものになっていってしまうわけでありますし、人が集まるまちは、逆にいえば、目新しい施設が光を浴びて集客するけれども、次の新しいものができれば、その光がまたそっちに行ってしまうというだけのところではないはずです。ですから、美しい東京というのは、いわばまちづくりの基本。見るだけでは意味がなくて、人が住んで、そこに憩える、そして生活して十分な生活機能を高められるという、そういう意味があると思いますが、この意味で、美しい東京は、都市整備局はどのようにとらえられているか、お伺いいたします。
○野本市街地建築部長 美しい東京が何であるかにつきましては、さまざまなとらえ方があろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、東京都都市景観マスタープランで、美しい東京とは、先人から受け継いだ良好な自然環境を保全し、江戸東京の歴史や文化を伝える景観を現代に生かすとともに、活力に満ちた都市の発展に合わせて、世界都市にふさわしい、美しく、潤いのある都市景観である、こんなふうにとらえてございます。
○矢島委員 住みたくなるまち、そして生活したくなるまち、まちづくりの基本は私はそこにある。これがいわば心から見ても、憩いから見ても、姿から見ても、住みたくなる美しいまちということに、こういう意味合いでいえないこともないかと思います。
東京都はかつて、江戸モダン東京、ポストモダン東京を基軸にして都市づくりに取り組んできた時期があったように聞いております。いろいろなことがあるのは、皆さん、その中に実際にいたわけですから、十分ご承知だろうと思います。私の場合には、先ほどの美しい東京の中の答弁でお話があったことは十分納得いくんですが、現実には、江戸を切り捨てて、世界都市を目指したということになるのが今までの方向ではなかったか、そういう面もあったんだろうと思います。
私は、このことによって、潤いのある生活の場を失ったような面があると思えてなりません。新生の都市整備局は、都市の諸問題を克服するために、目指すべき都市像を明確にして、戦略的政策誘導都市づくりに転換すると説明書きではしておりますが、その全体像と誘導をもって何を変えようとしているのか、また、時間軸の中で形成された都市空間をどのように考え、いかなるまちを想定し、事業の推進の目的にしているか、これを最後に局長にお聞きいたします。
○梶山都市整備局長 平成十三年十月に取りまとめました都市づくりビジョンでは、目指すべき都市像を明確にした上で戦略的に都市づくりを進める、いわゆる政策誘導型都市づくりへの転換を図ることとしております。
この趣旨というか、そのねらいは、今日の社会経済情勢の変化を受けとめ、東京都が主体的に新しい都市づくりを構築し、都市再生を進めていこうとするものでございます。
ご指摘の全体像でございますけれども、一つは、国際都市に不可欠な環境、文化、生活など、さまざまな面で都市の魅力を高めていくということ、あるいは首都圏のポテンシャルを高める人と物の流れの実現など、国際競争力のある東京をつくり出していくことであろう、こういうふうに考えております。
こうした都市づくりに当たりましては、先ほど先生のご指摘にありましたように、時間軸というか、長い年月培ってきました歴史的、文化的都市空間の継承を図るとともに、物流の円滑化と交通渋滞の解消、さらには災害危険度の高い木造密集市街地の改善に努めて、都民が安心して生活できる、そして世界をリードする魅力ある東京の実現を目指してまいります。
○矢島委員 新しくできました都市整備局ですので、この後の議論はまた次回に譲るといたしまして、結果的に、東京都も、都市整備局がいろいろ検討し、調査して、形をつくっていくだけではなくて、都民にどれだけ多くの参加を果たせるかというのが、新しい都市づくりに命を与えることになろうかと思いますので、これは一千二百万の東京にとっては容易なことではありませんが、しかしながら、何らかの方法を発明していただいて、そういう方向に向けて努力していただきたい。それだけ申し上げて、終わります。
○相川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○相川委員長 異議なしと認めます。よって、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
以上で都市整備局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後四時十七分散会
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