都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員会速記録第十一号

平成十九年一月二十九日(月曜日)
 第四委員会室
 午後一時二分開議
 出席委員 十六名
委員長服部ゆくお君
副委員長川井しげお君
副委員長ともとし春久君
副委員長土屋たかゆき君
理事谷村 孝彦君
理事大西さとる君
理事高島なおき君
きたしろ勝彦君
秋田 一郎君
橘  正剛君
野島 善司君
大西由紀子君
吉田康一郎君
小沢 昌也君
古館 和憲君
曽根はじめ君

 欠席委員 なし

 出席説明員
総務局局長大原 正行君
総務部長岳野 尚代君
法務部長中村 次良君
参事中村 光博君
病院経営本部本部長大塚 孝一君
経営企画部長及川 繁巳君
監査事務局局長白石弥生子君
参事皆川 重次君

本日の会議に付した事件
都議会議員後藤雄一君の調査活動等の具体的事例を検証し、もって、議員の品位保持と調査活動のあり方等について調査・検討すること
副委員長の互選
理事の互選
参考人に対する質疑
・後藤雄一君の平成十七年十月二十五日の総務委員会における不適切発言について
・後藤雄一君の平成十六年三月十九日の府中病院への立入調査について
・後藤雄一君の平成十四年十二月十一日の本会議一般質問における検事調書引用について

○服部委員長 ただいまから都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員の辞任及び選任についてご報告を申し上げます。
 議長から、一月二十六日付をもって東野秀平副委員長の辞任が許可され、同日付で新たに橘正剛委員を選任した旨の通知がありました。
 この際、新任の委員を紹介いたします。
 橘正剛委員です。どうぞよろしくお願いします。
   〔委員あいさつ〕

○服部委員長 紹介は終わりました。

○服部委員長 ただいま報告のとおり、副委員長の辞任に伴い、副委員長一名が欠員となっておりますので、この互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○吉田委員 委員長の指名推選の方法によるものとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○服部委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には、ともとし春久理事をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には、ともとし春久理事が当選されました。
 副委員長より就任のごあいさつがあります。

○ともとし副委員長 ともとしでございます。委員長を補佐してしっかり頑張らせていただきたいと思います。よろしくどうぞ。

○服部委員長 次に、ともとし春久理事の副委員長就任に伴い、理事一名が欠員となっておりますので、これより理事の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○吉田委員 委員長の指名推選の方法によるものとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○服部委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認めます。よって、理事には、谷村孝彦委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認めます。よって、理事には、谷村孝彦委員が当選されました。
 なお、議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思います。ご了承願います。

○服部委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 これより都議会議員後藤雄一君の調査活動等の具体的事例を検証し、もって、議員の品位保持と調査活動のあり方等について調査・検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、三件の報告事項に対する後藤雄一議員への参考人質疑を予定しておりましたが、お手元配布のとおり、後藤議員より、本日の委員会を欠席する旨の通知が議長あてにありました。
 ここで、配布させていただいた後藤議員からの欠席通知について一言申し上げます。
 欠席通知の二ページ目をごらんいただきたいと思いますが、別紙7として提出と記載されております。しかし、この別紙7につきましては、議長、委員長において協議し、資料の出所、由来、内容の信用性に疑義があり、かつ、内容に個人の名誉を傷つける可能性があるとの判断に至りました。よって、先ほどの理事会で申し合わせたとおり、委員長の権限で欠席通知及び別紙1から6までを配布しております。
 それでは、今回の後藤議員の欠席についてご意見がありましたら、発言を願います。

○高島委員 それでは、自民党からちょっと意見を述べさせていただきます。
 後藤議員が委員会として決定し議長から正式な参考人としての三回目の出席依頼にも欠席するとしたことは極めて遺憾であります。
 そもそも本委員会の設置目的は、都議会議員後藤雄一君の調査活動等の具体的な事例を検証し、もって、議員の品位保持と調査活動のあり方等について調査・検討、検証することであります。
 欠席の理由として、総務委員会の不適切発言は謝罪し削除を求めているので発言することはない、府中病院の立入調査は刑事告発されているから発言を控える、検事調書引用は、検事調書の写しと思われる資料を見ればわかるので発言することはないとしています。
 しかし、これはあくまで後藤議員の一方的な主張を列挙したものであります。委員会では、今までの事例検証における質疑等を通じて多くの疑義が表明されており、委員会の場で後藤議員のお考えを伺うことが必要だとして参考人の招致を決定したものであります。
 この多くの疑義について公式な委員会の場で明らかにしてこそ、本委員会の設置目的を達成することができると考えております。それをご自身のホームページと同様に一方的な主張のみを送付してきたことは、都議会議員としての資質までも疑わざるを得ません。
 また、今回の欠席の理由を見ても、さらに疑問が膨らんでおります。本委員会における検事調書の引用の件は、本会議一般質問において、本来的に出るべき時期ではなく、一般人は閲覧、謄写できない検事調書のコピーとされるものを使用して、職員の個人名を挙げて質問したことに疑義があり、具体的な事例として検証することとしています。
 そういう事実がありながら、今回も真偽の定かでない検事調書の写しとされる、個人の名誉を傷つける可能性があるものを資料として添付し、それを見ればわかるから発言することはないとは、当時の疑義に答えないばかりか、同様のことを委員会にもさせようという悪意まで感じられるところであります。
 当然、出所不明で、かつ、内容の信用性が担保されない、いわゆるうわさ話にすぎないものに名前が記載され、個人の名誉を傷つける可能性のあるものを公式な場である委員会において公表すべきものではなく、委員長の今回の措置に敬意を表するものであります。
 今回の欠席の通知を受けて、さらに疑問点が膨らんでおり、再度の後藤議員の参考人招致をぜひお願いしたいと思います。
 また、一方で、後藤議員は、ご自身のホームページ上で、今回の欠席の通知とともに、今申し上げた資料の一部を氏名等について黒塗りにして掲載をしております。どのような意図があるかわかりませんが、このような後藤議員の調査活動を考えますと、ホームページについても今後、委員会として調査、検証していく必要があると思いますので、よろしくお願いをいたします。
 以上でございます。

○大西(さ)委員 民主党からの意見をいわせていただきます。
 いわゆる別紙7につきましては、理事会の申し合わせを了といたしたいと思っております。
 後藤議員の欠席につきましては、民主党は既に、議員の調査活動に関する行き過ぎた制約を課することにつながることのないよう十二分に留意することを前提に、当委員会に出席され、正々堂々とみずからの見解を述べられるよう求めることを表明しており、その立場は現在も変わるものではないことを改めて述べさせていただきます。
 以上でございます。

○谷村委員 公明党として意見を述べさせていただきます。
 一回目の招致の際は都合が悪いという理由で欠席をされ、前回は刑事告発中という理由で欠席をされました。今回は理由らしきものを添えて欠席をされるとのことでございましたが、一項目めの総務委員会理事会での発言が、資料添付によって解決するわけではございませんし、都立府中病院への立ち入りに関するものにつきましては、現在まだ起訴をされているわけではなく、司法の場にあるという状況ではございませんので、欠席の理由に当たらないことは前回の委員会の際確認をさせていただいたものであります。
 そして、今回、平成十四年十二月十一日に行われた本会議一般質問における検事調書の引用についての問題につきましては、その彼が引用した検察官調書なるものが送付されてきたようでございますけれども、その送付によって本委員会の設置目的が果たされるわけでは全くありません。
 また、こうしたものが存在すること自体、かつて後藤議員自身が議運理事会等で説明をされたことと異なるわけでありまして、さらにご本人にお尋ねをしなければいけないことがふえたのではないかという感をいたしております。
 七月三十一日の本委員会の質疑におきまして、検事調書を見ることができるのは裁判の公訴提起の後に限られており、その対象者も主に検察官、弁護人であり、それ以外の者に対しては、ごくわずかな者に限られているということが確認をされております。
 検事調書には、個人の名誉、プライバシーにかかわる事項が記載されている場合が多いため、不用意にこれを公開すれば、関係者の名誉や生活の平穏、犯人の更生などに悪影響を及ぼす可能性が高く、一般に公開に適さない情報と考えられているというのが中村法務部長のご説明でありました。
 例外的に一般人に公開されているとしても、それは閲覧に限定をし、謄写までは認められていないものでありまして、検事調書というのは、みだりに公にすることは許されない性格のものであることが確認されているわけでございます。
 また、後藤議員が引用した検事調書につきましては、その入手の方法、ルートについても、正当な理由があったとは到底思えないわけでございます。この場合、弁護人の秘密漏示の刑罰というものに該当する可能性も高いわけであります。その場合の刑罰は、六カ月以下の懲役または十万円以下の罰金と規定されていることも、本委員会の質疑でこれまで確認をされてきたものでございます。
 まず、後藤議員が本会議で引用した検事調書なるものが真正なものなのかどうか、その根拠をお尋ねしなければいけませんし、仮に、それが真実のものであるとするならば、弁護人の秘密漏示という犯罪を前提に成り立つものであって、そうしたものを都議会本会議で取り上げたことについては重大な問題が残るわけであります。
 なお、前回の委員会でも申し上げましたが、都議会外の議員活動、いわゆる後藤議員の活動が議会外で行われたことであるから、あくまでも一般市民として法的に問題があれば、司法の場で判断されるべき問題として扱うべきだという主張につきましては、都議会議員として東京都の施設で行った調査活動、あるいは都議会議員としてホームページなどを使って議会報告を行うようなことにつきましては、本委員会の設置目的であります都議会議員後藤雄一君の調査活動等の具体的事例を検証し、議員の品位保持と調査活動のあり方等について調査・検討する目的からしても、きちんとただしていかなければならないことと認識をしております。
 後藤議員の行った調査活動の問題点を精査することによって、議会の普遍的な課題をただしていくことが重要なわけでございまして、後藤議員の本委員会への出席を四たび求めて、私の発言を終わります。

○古館委員 日本共産党として意見を述べます。
 我が党は、後藤雄一君の特別委員会出席要請については、基本的に必要がないとの立場をとっています。
 今回、後藤雄一議員からは、総務委員会でのぐる発言についてと、病院については司直の手に渡っていること、そして検事調書については写しと思われるものがついてきたとのことです。
 理事会では、委員長の権限で、三番目の検事調書別紙7にかかわる資料について、信憑性に疑義があるとして、理事並びに委員に対する資料配布から除いたとのことですが、配布することを求めておきます。
 我が党は、配布された資料を読んだ上で、その後の対応を検討することといたします。
 なお、同委員会で後藤氏のホームページについても問題にとの理事会での発言がありましたけれども、個々人のホームページについて問題とすることについては、するべきではないことを主張しておきます。
 以上です。

○大西(由)委員 ネットでは、この委員会がスタートする時点で、個人の問題にするのではなく、議会全体の問題ととらえ、議会のあり方検討会で議論すべきものと主張してきた立場です。
 しかし、一方で何より重要なのは、議員一人一人政治活動の自由は十分に保障されなければならない。それだけに十分な責任ある発言が求められていることも、常に議員として自覚すべきことです。後藤議員も選挙で選ばれた議員として、自分の発言に責任を持ち、言葉を尽くして疑問に答えることは、公職にある者の務めであると考え、参考人招致、二回にわたって私どもも同意してきました。
 しかし、残念ながら全く出る意思がないと私どもは判断しております。このように平行線をたどるということは、スタート時点で申し上げたように、この委員会の限界があるということを、残念なんですけれども、そういうことで、ここに限界があるんだということを改めて感じております。
 そういう意味で、今回の今後のあり方については、多分難しいだろうということを思っております。だから、参考人に呼ぶか呼ばないか--とりあえずもう無理だということで、呼ばなくてもいいということです。

○服部委員長 ただいま各会派からのご意見の中で、後藤議員からの回答について、さらに疑問の声が出されており、後藤議員の再度の参考人としての出席依頼の提案がございました。
 委員長としても、委員会運営を公正に行うためには、双方からの意見を聴取することが必要であると考えております。後藤議員からの意見を聴取することは、本委員会の調査・検討を進める上で必要と判断し、再度参考人として招致いたしたいと思います。
 これより後藤議員を再度参考人として招致する件を議題といたします。
 東京都議会議員後藤雄一君を再度参考人として出席を求める件についてを採決いたします。
 本件について、出席を求めることについて賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○服部委員長 起立多数と認めます。よって、本件はさよう決定いたしました。
 なお、参考人招致の詳細につきましては、理事会に一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 それでは、そのようにさせていただきます。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
 午後一時十八分散会

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