都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員会速記録第七号

平成十八年十月十三日(金曜日)
 第四委員会室
 午後一時二分開議
 出席委員 十五名
委員長服部ゆくお君
副委員長東野 秀平君
副委員長川井しげお君
副委員長土屋たかゆき君
理事ともとし春久君
理事高島なおき君
きたしろ勝彦君
秋田 一郎君
谷村 孝彦君
野島 善司君
大西由紀子君
吉田康一郎君
小沢 昌也君
古館 和憲君
曽根はじめ君

 欠席委員 一名

 出席説明員
総務局局長大原 正行君
総務部長岳野 尚代君
法務部長中村 次良君
参事中村 光博君
病院経営本部本部長大塚 孝一君
経営企画部長及川 繁巳君
監査事務局局長白石弥生子君
参事皆川 重次君

 委員外の出席者
参考人
出納長室会計制度担当部長元府中病院事務局長 細野 友希君

本日の会議に付した事件
都議会議員後藤雄一君の調査活動等の具体的事例を検証し、もって、議員の品位保持と調査活動のあり方等について調査・検討すること
副委員長の互選
参考人に対する質疑
・後藤雄一君の平成十六年三月十九日の府中病院への立入調査について
報告事項(質疑)
・後藤雄一君の平成十七年十月二十五日の総務委員会における不適切発言について
・後藤雄一君の平成十六年三月十九日の府中病院への立入調査について
・後藤雄一君の平成十四年十二月十一日の本会議一般質問における検事調書引用について

○服部委員長 ただいまから都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員会を開会いたします。
 初めに、委員の辞任及び選任についてご報告を申し上げます。
 議長から、十月六日付をもって中嶋義雄副委員長の辞任が許可され、同日付で新たに東野秀平委員を選考した旨の通知がありました。
 この際、新任の委員をご紹介いたします。
 東野秀平委員です。よろしくお願いします。
   〔委員あいさつ〕

○服部委員長 紹介は終わりました。

○服部委員長 ただいま報告のとおり、副委員長の辞任に伴い、副委員長一名が欠員となっておりますので、この互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○吉田委員 委員長の指名推選の方法によるものとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○服部委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には東野秀平委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認めます。よって、副委員長には東野秀平委員が当選されました。
 副委員長より就任のごあいさつをお願いします。

○東野副委員長 東野秀平でございます。委員長を補佐し、しっかりとやってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○服部委員長 なお、議席については、ただいまご着席のとおりといたしたいと思います。ご了承願います。

○服部委員長 これより都議会議員後藤雄一君の調査活動等の具体的事例を検証し、もって、議員の品位保持と調査活動のあり方等について調査・検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の報告事項に関する参考人に対する質疑及び三件の報告事項に対する質疑を行います。
 報告事項、後藤雄一君の平成十六年三月十九日の府中病院への立入調査についてを議題といたします。
 これより参考人への質疑を行います。
 本日は、後藤雄一君の平成十六年三月十九日の府中病院への立入調査の際に病院で対応に当たった、当時の府中病院事務局長、細野友希さんに、お忙しい中、日程を調整していただいてお越しいただいた次第であります。
 まず、私から事実確認をさせていただきます。
 参考人の氏名及び現在の職を伺います。

○細野参考人 細野友希でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 私は現在、出納長室の会計制度担当部長の職についております。

○服部委員長 次に、当調査委員会の調査事項となっている後藤雄一君の平成十六年三月十九日の府中病院への立入調査時点での職及び所掌事務、役割を教えてください。

○細野参考人 私は、後藤議員の立ち入り時点を含みます平成十五年六月十六日から平成十七年七月十五日まで、病院経営本部府中病院事務局長の職についておりました。
 事務局は、院の業務運営に係る企画、予算、人事及び施設の管理に関することなどを所管する庶務課並びに患者の診療及び入退院の事務に関することなどを所管する医事課、これらを置く組織でございます。事務局長は、院長の命を受け、事務局の事務をつかさどり、所属職員を指揮監督する職責にあるものでございます。

○服部委員長 次に、病院の管理運営に関して責任ある立場にあったということでよろしいでしょうか。

○細野参考人 先ほど申し上げましたとおり、病院の管理及び運営に関し、院長の命を受け、院長を補佐し、その責務を担う、そういう職であったと認識しております。

○服部委員長 次に、七月三十一日の当調査委員会に、病院経営本部から、当時の状況が記載されている東京都法務資料の写しが提出されています。
 改めて参考人に伺いますが、事実経過として記載された内容は当時の状況に間違いございませんか。

○細野参考人 間違いございません。

○服部委員長 当調査委員会は、七月三十一日に、当時の状況等について病院経営本部に対する質疑を行い、九月八日には、実際現場となった府中病院を視察しております。
 本日は、さらに具体的な検証を行うため、当時、後藤議員の立入調査に直接対応した細野参考人からお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
 私からは以上です。
 それでは、細野参考人に対しまして質疑を行います。
 なお、参考人に対します質疑は、お手元に配布いたしました参考人に対する質疑運営要領及び質疑順序並びに質疑時間の取扱いに関する申合わせについてのとおり行うことを理事会で申し合わせました。ご了承願います。
 それでは、発言を願います。

○高島委員 細野参考人には、本日、お忙しいところを当委員会にご出席をいただき、心から感謝申し上げます。
 私の質問は多少時間がかかりますが、ぜひご協力をいただきたいと思います。
 まず、七月三十一日の本特別委員会の質疑において理事者側から提出された当時のやりとりの記録を中心として、府中病院における後藤議員の言動の一つ一つがつまびらかになったところであります。
 私は、今回の事件を同じ都議会議員という立場にある者として改めて振り返ってみると、後藤議員が行った言動は、都議会議員としての立場を利用し、ややもすると、都議会議員だからという相手方に芽生えがちな遠慮や配慮といった深層心理を巧みに、巧妙に利用し、相手方の心理状況をもてあそびながら、事前にイメージしていた結論に無理やりストーリーを仕立てていくかのような、極めて悪らつな対応であったと強く認識をしております。これは都会議員としての、ある意味では優越的な立場をかさに着た、社会通念上は到底許されることのできない行為であります。
 前回、七月三十一日の質疑の後、九月八日には、実際に現場となった府中病院を委員会として訪れ、現場の様子をつぶさに実際に視察したところですが、当時、後藤議員がたどった検査科内の通路の左右には、おびただしい数の精密な検査機器が設置され、ウイルス、細菌その他の病原微生物が含まれる可能性のある数千本もの検体が保管されておりました。また、検査科技師だと思われる白衣を着た何人かの職員の方々が、静粛な雰囲気の中で、衛生管理に配慮しつつ、一人一人が真剣なまなざしで、患者の命にかかわる重要な検査作業に取り組んでいる様子も拝見をいたしました。
 今回、後藤議員が病院内に立ち入った時間は三十分程度かもしれませんが、一分一秒が真剣勝負である救急救命病院、まさに人の命と隣り合わせにある神聖な場所に、都議会議員であろうとも、一部外者にすぎない者が勝手に侵入し、今回の事件が起きたのかと思うと、驚愕の念を禁じ得ないものがあります。
 こうした状況を実際に私自身の目で見て、非常識といえる後藤議員の行動に対しては、病院関係者は、医療機関である病院施設の適切な管理運営という点、また、都民サービスを停滞させてはならないという点から、毅然とした態度で臨む姿勢も欠かせなかったのではないかと感じております。
 参考人にとっては、やむにやまれぬ中での行動だったと思います。その意味で、当時の実際の対応に当たり、何を考え、どのような意図あるいは心理的な状況の中で対応したのかを伺いたいと思っております。
 また、こうした状況下においては、少々酷な質問になるかもしれませんが、病院という施設の特性を踏まえた場合、外部からの侵入者に対するセキュリティー対策という点、課題はなかったのかという点も確認していきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、府中病院の事務局長としての取り組み姿勢について伺いたいと思います。
 参考人は、当時の事務局長の職責にかんがみて、院内秩序の維持についてどのような姿勢、心構えで臨んでいたのか、教えていただきたい。

○細野参考人 院内秩序の維持ということについてですが、施設管理上の実質的な責任者として、特に院内における安全性の確保に努め、患者さん並びに都民の信頼を得ることに努力してきました。

○高島委員 次に、施設管理の面としては、病院内には、その性質上、立入禁止区域が数多くあると思いますが、一般人が禁止区域に入らないよう、当時、事務局長として、日常的にどのような注意を払っていたか、伺いたい。

○細野参考人 病院には、安全性の観点などから一般の人の立ち入りを制限している区域が多数あります。このような区域の近辺においては、関係者以外立入禁止という趣旨の案内板等により注意を喚起するとともに、部外者を見かけたときには職員が積極的に声かけをする、そして確認する、このようなことを行っておりました。

○高島委員 看板とか声をかけての注意というお話ですが、確認の意味でお伺いをいたしますが、府中病院において、部外者の視察や訪問、写真撮影などを行う際、通常どのような手続がとられていたのか、また、視察等の申込状況は事務局長は把握していたのか、伺いたい。

○細野参考人 通常の手続でございますが、手続は事務局の庶務課で担当しておりました。その訪問の目的、時間等を伺った上で、院内の関連する部署と事前に調整を行いまして、支障のない限りでお受けしていました。そのうち重要な案件につきましては報告を受けていました。

○高島委員 後藤議員から一切連絡がなかったことは既に明らかになっております。定められた手続を全く無視した行動であるということが改めて認識をされたのかなと思っております。
 次に、後藤議員立ち入りの第一報を受けた際の病院内の状況について何点か伺いたいと思います。
 後藤議員が検査科に無断で立ち入った平成十六年三月十九日の午前八時五十五分ごろ、事務局長であった参考人は自身どのような状況にあったのか、伺いたいと思います。

○細野参考人 私の部屋、事務局長室で、当日行う予定の運営会議につきまして、庶務課長と事前の打ち合わせをしていました。

○高島委員 庶務課長と打ち合わせをなさっていたということですけれども、後藤議員の突然の訪問はどのように報告されたのか、また、知らせに来た職員はどのような様子だったのか、伺いたい。

○細野参考人 庶務課長に連絡をするため、二階にありました検査科から検査科職員が一階の庶務課に飛んできました。しかし、庶務課長は、先ほどお話ししたとおり、私の部屋で運営会議の打ち合わせをしておりましたので、その検査科の職員は庶務課長にPHSで連絡をしました。庶務課長は私の部屋でそれを受信しまして、その職員から報告を受けました。私はその場で庶務課長から報告を受けて状況を知りました。

○高島委員 同じ院内とはいえ、PHSで連絡をとり合っていたというのはあったのかなと思う。
 それでは、以前から、職務上、後藤議員との面識があったようですが、その報告を受け、何が起きているのか、とっさにイメージできたか、伺いたい。

○細野参考人 その連絡では、だれが来たかというところはまだわかっておりませんでした。その報告を受けた段階では全くイメージができませんでした。

○高島委員 状況が把握できなかった、そういう認識だと思います。相当現場は混乱をしていたのかなということが私どもはちょっと認識ができるかなと思っております。
 では次に、細野参考人が検査科に到着した後の実際のやりとりについて伺いたいと思います。
 参考人が検査科に到着した際の現場の様子、雰囲気はどのような状況に映ったのか。例えば、後藤議員と対応していた技師長の様子、技師長に対する後藤議員の言動についての第一印象をお聞かせいただきたい。

○細野参考人 私が検査科の控室に到着したときの様子でございますが、後藤議員と技師長が向かい合っておりました。後藤議員は技師長に何か問い詰めているような様子でした。第一印象ですが、とにかく非常に緊張した雰囲気でした。

○高島委員 最初に対応した技師長は、後藤議員の威圧的な詰問に、今まさにお話があったように相当緊張した中で、尋常ではない心理状況ではなかったのかな、そんなイメージを私は今お受けさせていただくわけでございますけれども、参考人は、後藤議員が検査科の冷蔵庫を勝手にあけるなどの行動をとっているとき、まずどのような対応をとるべきだったか、どう判断したかを伺いたい。

○細野参考人 技師長から、後藤議員が冷蔵庫をあけたので、断ってからにしてくださいといいましたと、そういう報告を受けました。それを聞いて私は、後藤議員がまずどういう目的で来院し、そしてそのようなことを行うのか、まずその真意を確認しなければならない、このように考えました。

○高島委員 後藤議員は、参考人に対しても、冷蔵庫の中に酒類があると指摘し、院内飲酒について詰問しているんです。参考人は現場に到着するや否やのことであり、状況把握に苦慮している最中のことだったと思います。
 そこで、後藤議員に詰問され、参考人はどのような心理状況の中で飲酒ルール等について説明したのか、当時の状況を思い起こしながら聞かせてもらいたい。
 また、当時、勤務時間内の飲酒行為は一切なかったかどうか、改めて確認の意味でお伺いをさせていただきたい。

○細野参考人 後藤議員からいろいろ質問される中で、当時、後藤議員が、ある局の飲酒問題、つまり勤務中に飲酒しているという問題を取り上げていたことを思い出しました。それで、後藤議員は、その問題と同じように、府中病院の検査科でも飲酒しながら検査を行っているのではないかと疑っているかと考えました。もしそうなら大きな誤解ですので、その誤解を解こうと私は必死になっていました。検査科はもちろん、府中病院において勤務時間中の飲酒行為は一切ございませんでした。

○高島委員 勤務時間中にお酒飲んで検査するなんということは私の常識ではあり得ないし、それが当たり前だと。そういうことで前提で決めつけている、それは相当いろいろと問題があったのかなと思いますよ。
 技師長は、飲酒について、業務終了後であることや、退職者の送別会など何かの節目に使った、飲んだというふうに説明しているにもかかわらず、後藤議員は、恫喝めいた口調で一方的に病院職員の飲酒を断罪するような態度をとっていたようですが、その点について参考人はどのように感じたか、伺いたい。

○細野参考人 後藤議員が厳しく詰問しているのは、初めは、先ほど申しましたように、勤務中に飲酒していると思っているのではないかと考えました。しかし、詰問の様子から、後藤議員は、院内で飲酒するのはとにかく一切だめだ、このように考えているようでした。
 しかし、先ほど高島先生おっしゃったように、技師長がいろいろと飲酒の理由とか、それから状況とかを説明しようとしても、それには一切聞く耳を持たないという感じでして、私としては、余りに一方的ではないか、このように感じていました。

○高島委員 さっき冒頭にお話ししたように、すべて結論は見えた中での視察であり、当然そういう予定だったのかなということが改めて今の参考人のお話でわかったのかなと思います。
 内部告発があったとされておりますが、当時、院内での飲酒によるトラブルとか、冷蔵庫の利用方法にかかわる職員の苦情などを参考人は受けたことがあったかどうか、伺いたい。

○細野参考人 そのようなトラブルや苦情というのは受けておりませんでした。

○高島委員 過日の委員会質疑の内容や今の参考人のお話を聞けば、私は、院内におけるいわば飲酒ルールについては、社会一般の常識に照らしても何ら逸脱したものとは思えないんです。
 重要なことは、今回のような所定の手続を無視した突然の来訪、しかも、さまざまな理由から一般人の立入禁止区域に強制的に侵入した者に対しては、もっと毅然として阻止する必要があったのではないでしょうか。厳しい見方をすれば、手続上の問題があれば、事務局長の権限で立ち入り拒否や強制退出の命令も出せるのではないでしょうか。
 特に検査科については、病院事業の円滑な遂行を妨げないことを条件にして、病院職員の指示のもとで初めて入室が可能とされているはずであります。今回の後藤議員の一連の行動は、病院業務の円滑な遂行を著しく混乱させるものであり、後藤議員と直面した段階で、正規の手続を促し、まずは退出させることが先決ではなかったかと思います。
 そこで、参考人に対しては非常に酷な質問をいたしますが、何ゆえ事務局長としてそうした毅然たる態度、行動をとれなかったのか、当時の心理状況も含め、お聞かせいただきたい。

○細野参考人 私が後藤議員に会った最初の段階は、まず、その場の異様な状況というか、混乱した雰囲気を何とかして、また、技師長初め職員の動揺を静めようといたしました。そして、後藤議員の主張を聞いたときには、後藤議員の誤解を解くことがまず必要である、そのように判断いたしました。
 しかし、後藤議員に次々といろいろなことを要求されているような状況が続くのはよくないと考え、後藤議員を事務局長室へ案内しようとしましたが、なかなか検査科から動こうとはされませんでした。相手は議員の方であり、強引に連れていくこともできませんでした。後藤議員のけんまくとか勢いに押されたということもございますが、基本的には、都議会議員という立場をしんしゃく、配慮したからだと、このように考えております。

○高島委員 その当時の細野参考人の思いがよくわかるなという、そんなご答弁だったといっていいのかな、大変ありがとうございます。
 ならば、過去において、今回の事件のような、所定の手続を行わずに禁止区域への立ち入り事件のようなものが発生していたのか、発生していた場合はどのような対応をとったのか、参考のためにお伺いしたい。

○細野参考人 そのようなことはありませんでした。

○高島委員 そういう過去の例はない、まさに前代未聞の出来事だったということだと思いますね。
 確かに、一般常識を有する者であれば、立入禁止区域に入ることなど道理がないし、誤解を恐れずにいえば、侵入者にとっても、さまざまな検体が保管されている検査科への入室はみずからへの感染などリスクもあるわけです。当該区域への侵入を予測すること自体が非常識なことというほかありません。
 その後も後藤議員の暴走は続き、その非常識な行動はますますエスカレートしていきます。例えば、後藤議員は参考人の説明にも聞く耳持たずといった様子で、ワインの入った冷蔵庫の隣にある冷蔵庫をあけるよう要求し、次から次へと捜索の対象を広げていったわけです。これはまさにテレビドラマで見る家宅捜索と同じだと私は思っているんですね。後藤議員は、都会議員としての調査活動を、テレビで見る正義のヒーローか何かと大きく勘違いしているのではないでしょうか。
 前回、公明党の谷村委員も、こうした行動に対して、本当の一一〇番通報を考えるべきではなかったかと発言をされておりますが、全く私も同感であります。実際に、警察の家宅捜査でさえ、事前に所定の手続を踏み、いわゆる捜査令状をとってから行うものなんですよ。(発言する者あり)それはまあ、そちらもいるからね。
 また、共産党曽根委員も、後藤議員の一連の行動は適切ではないということについては共通認識なんです、私どもと。一議員の行動に対して法的問題が伴うとすれば、司直の場で判断されるべきだというご意見もおっしゃっているんですよ。
 そこで、参考人に聞きますが、とどまることを知らない後藤議員の行動に対して、例えば建造物侵入罪など何らかの法律違反ではないかという認識を持たなかったのか、仮にそういう認識を持ったとしたら、なぜ警察へ通報しなかったのか。参考人にとっては思い出したくない過去かもしれないんですが、ぜひとも当時の考えや判断に至った経過をお聞かせいただきたい。

○細野参考人 後藤議員がおっしゃるところの調査というものが、議会の正当な調査権に基づくものではないという、そういう認識はありました。しかし、何らかの法律違反ではないかというところまでの認識には正直いって至りませんでした。さらに、議員という立場ということもありまして、法的対応をとるというようなことにもその当時は思い至りませんでした。

○高島委員 先日、我が党の議員何人かと、弁護士のところへちょっといろいろとアドバイスをいただきに行ったんですね。そのとき、刑事訴訟法の第二百三十九条、何人でも、犯罪があると思料するときは告発することができる。官吏または公吏は、官吏または公吏というのは公務員、国家公務員、地方公務員のことをいっている、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは告発をしなければならないというふうに書いてあるんです、刑事訴訟法に。これは答弁は要らないんだけれども、つまり、私たち公務員は、皆さん公務員は、目前で犯罪が行われたときには速やかに告訴しなければならないということがちゃんと刑事訴訟法に載っているんですよ。このことはすごく大事なことだと私は思っていますよ。
 さらに、後藤議員は、食器棚の引き出しをあけるよう技師長に要求し、あけさせている。また、個人の机の引き出しまであけるよう要求し、事務局長はちゅうちょしたものの、結果的にあけさせられているんですね。さらに、冷蔵庫にあったワインや食器棚にあった食品類なども並べて撮影をしております。まさにやりたい放題ではないでしょうか。
 改めて確認いたしますが、院内の写真撮影については、所定の申請なり病院職員の同意なり、事前に一定の手続が必要なはずであります。今回はそういった手続なり同意があったのかどうか、お聞かせをいただきたい。

○細野参考人 事前に所定の手続は一切とられていませんでした。

○高島委員 大体そういうことはもうわかっているんですけれども、あえて聞かせていただきました。
 写真撮影は個人の肖像権やプライバシー問題と密接にかかわる問題であり、撮影許可については元来慎重であるべきと考えております。このことはここにいる委員の皆さんも異論はないと思います。みずからの調査活動が人権問題にさえ優先するがごときの後藤議員の言動は、まさに思い上がりも甚だしいとしかいいようがありません。ただ、逆にいえば、この思い上がりこそが、周囲を寄せつけない、聞く耳を持たないかたくなさとなり、時には立場の弱い相手を圧倒する力になっているのかもしれません。
 さらに、後藤議員は、個人の事務机の中にも酒類があるのではないかと疑心暗鬼に駆られて、個人机の引き出しまであけるよう要求をしたわけです。これはもう常軌を逸した行動としかいいようがありません。こうした行動を正規のルールで制止すること自体困難といってもしようがないんでしょうね、その状況の中は。
 そこで、写真撮影はもとより、個人の机の引き出しまであけさせたことは、社会常識に照らせば個人のプライバシーにかかわる問題があると思うんです。参考人は、事務局長の権限であけてくれといわれたが、当時どのような認識を持っていたのか、伺いたい。

○細野参考人 事務机とはいえ、個人の私物も入っているわけでして、プライバシーの問題があると認識していました。したがって、事務局長といえども、職員の個人の事務机の引き出しを本人の同意もなしに開放することはできないと考え、このようなことからちゅうちょしていたわけでございます。

○高島委員 なぜ後藤議員が個人の机の引き出しまで興味を持ったか、すごく私は疑問なんですよね。どういう意味かなと思っております。
 次に、プライバシー上も問題となるのではないかという認識もあったにもかかわらず、結果的には、後藤議員の行動を制止したり、要求に対して拒否するような対応がとれず、黙認せざるを得なかったことについて、参考人は事務局長としてじくじたる思いがあったと思います。そのとき、どのような気持ちで後藤議員の一連の行動を見ていたのか、率直にお聞かせをいただきたい。

○細野参考人 私としましては、後藤議員の要求を拒否いたしますと、隠ぺいしている、そのように思われると考えました。一方、我々は犯罪を犯しているわけではない、それなのに、なぜそこまでいわれたり要求を聞かなければならないんだ、こういった思いもありました。しかし、議員という立場を考えますと、拒否したり制止したりということはできませんでした。

○高島委員 申しわけないね。聞かせてくださいといって、参考人も嫌な思いだと思うんですけれども、きちっと私どもはこの事実を明らかにしていかなければいけないという、そういう委員会の目的もありますし、議員の調査権ということを考えていけば、きちっとこういうことを聞いていかなければいけないということで、大変申しわけないなと思っております。
 当時の後藤議員の有無をいわせない詰問、糾弾的な後藤議員の言動に対して、結果的にはなすすべを持たなかった病院側、それほど議員の言動は相手方に対して時には大きなプレッシャーになり得ることを今のお話でさまざま私は見せつけられた思いです。私は、この一連の事例について、まずみずからの戒めとして受けとめなければならないと強く感じております。
 さて次に、参考人は、私が想像するに、これ以上検査科の業務を停滞させるわけにはいかない、まずは後藤議員を検査科室の外へ、とりあえず事務局長室に案内する行動に出られたわけですね。しかしながら、後藤議員は事務局長室に入らずに、いわば押収したワインや食品類を持って院長室に押しかけることになるわけです。一般的に、要職にある人に面会しようとするならば、事前のアポイントメントをとることが私は常識だと思っております。ましてもや、病院の最高責任者であり、日々医療にかかわる高度な専門的な判断、病院運営にかかわる高度な経営判断をしている重責を担っている病院長に対するものであればなおさらであります。
 そこで、参考人は、結果的にはいきなりアポなしで院長に後藤議員を案内せざるを得なかったわけですが、このこと自体、どのような感想をお持ちか、お聞かせをいただきたい。

○細野参考人 院長の立場と責任の重さを考えれば、後藤議員を面会させたことは軽率であったと感じております。しかし、そのときは、病院の姿勢として逃げている、そういうふうには思われたくなかったということがございまして案内した次第でございます。

○高島委員 先ほどから、隠ぺいをしているとか逃げているとか、そういう思いをしたくないという参考人のつらい思い、心情はすごく私は理解をさせていただいている思いです。これはもちろんここにいらっしゃる委員さんも同じ思いではないかなと思っております。
 いきなり後藤議員から院内における飲酒についての詰問を受けた院長からは、職員は忙しい中、電子カルテの導入や救急医療体制に取り組み、よくやってくれており、少なくとも職員が勤務中に飲酒するなどは考えられないという、そういう発言もなさっていると思います。しかし、後藤議員が、事の経緯も語らずに、飲酒の事実についてのみ激しく院長に詰め寄る様子を見て、日ごろから院長の人となりを知り、苦楽をともにしている事務局長であった参考人の気持ちたるや、何をかいわんやだと思っております。参考人は、院長の心中どのような思いであったと思うのか、また、参考人の気持ちをお聞かせ願いたい。

○細野参考人 私は、なぜ後藤議員にそこまでいわれなくてはならないのかという気持ちでした。恐らく院長も同じようにそういう気持ちを抱いたのではないかと思います。

○高島委員 こうして後藤議員は、検査科のみならず院長まで巻き込んで、始業時間の直前から三十分以上もの間、病院運営の中枢に少なからずとも影響を与えたことになっているんです、事実として。
 そこで、まず参考人ご自身が、今回の後藤議員への対応により、当日の業務にどのような影響が生じたのか、思い起こせる範囲で結構ですから、できる限り具体的にお聞かせをいただきたい。

○細野参考人 私自身のことでございますが、当日の九時半から開始する予定でございました運営会議、これが十時過ぎの開始となってしまいました。

○高島委員 次に、検査科における検査業務や、さらには医療、診療業務全体にどのような影響が出たのか、参考人が知り得る限りで構わないので、お聞かせをいただきたい。

○細野参考人 病院全体がそうですが、診療開始当初は、検査科も朝の時間帯は大変忙しい時間でございます。
 ところで、検査科の技師長は、午前八時五十五分から約三十分間、後藤議員に対応したため、検査科における管理業務は議員への対応終了後の処理ということになりました。また、検査科の課長補佐は、同時間、三十分間やはり対応したために、この間、病棟や外来からの検査依頼の受け付け及び各部門への振り分け、こういったことをできず、他の職員が代行して行う、こういうことが必要になってきました。

○高島委員 いろいろと影響が出たんでしょうね、今のお話を聞いたので。
 そこで、そういう影響が、その日のうちに正常化できたのか、後日にわたり何らかの影響が出たのか、お聞かせをいただきたい。

○細野参考人 検査科でございますが、検査業務そのものは何とか通常の状態に戻りましたが、職員の精神的な動揺というものはしばらく続いておりました。そういうふうに思われます。

○高島委員 精神的な影響というのはすごく大きい、ましてもや人の生命を預かる病院ですからね。医療施設ですからね。加えて、ゆゆしき事態として、病院内で最高会議体とされている運営会議の開催まで大きな影響を与えたわけであります。
 そこで、この運営会議とは、当時の府中病院ではどういう位置づけや機能があるのか、構成員はどのようになっているのか、伺いたい。

○細野参考人 運営会議というのは、病院運営全般に関する事項につきまして審議決定を行う機関でございます。その構成メンバーは、院長、それから副院長二名、事務局長、看護部長、庶務課長、医事課長、庶務係長、企画係長となっております。

○高島委員 要するに、最高意思決定機関、一番大事な会議、必要な会議だ、そういう認識をしますが。
 次に、当日の運営会議ではどのようなテーマを議論あるいは意思決定する予定だったのか、差し支えない範囲で教えていただきたいと思います。

○細野参考人 重要な課題でございます次年度の経営目標、これを審議する予定となっておりました。

○高島委員 大変重要な会議だということでございますけれども、当日の運営会議は、後藤議員の訪問により、開始時間が大幅におくれたと聞いております。そのことを含め、病院運営全体に具体的にどのような影響が出たのか、お聞かせをいただきたい。

○細野参考人 運営会議の開始時間がおくれたこともありますし、それから、この後藤議員の対応もございましたので、審議の時間が十分にとれませんでした。その後のスケジュールの確保ということにつきましても、院長初め、多忙な幹部ということもございまして、スケジュールの調整に非常に苦慮しました。

○高島委員 こうした運営会議は、病院の業務運営を進める上で極めて重要な役割を担っているもので、それが正常な形で予定どおり進められないということは非常に大きな問題があると考えております。事務局長としての所見をお伺いしたい。

○細野参考人 運営会議は病院の経営で最も重要な会議でございます。予定どおりに運営できなかったことは極めて遺憾なことと思いました。

○高島委員 今の一連の参考人の認識を踏まえれば、前回の質疑の際にも公明党の谷村委員から指摘のあった威力業務妨害の可能性も十分あると私は考えられます。そのことをよく認識していただきたいなと思います。
 次に、後藤議員は、今回の突撃取材と称する調査から得られたとする内容について、事実の検証をすることなく、一方的に調査結果としてレポートを作成し--ここにあるんですよ。都庁記者クラブに配布するとともに、みずからのホームページにも個人の実名を入れて掲載されているんですね。このことについて何点か質問させていただきたい。
 まず、参考人が後藤議員のホームページの公表内容を見たとき、どのような感じを持ったんでしょうか。例えば、事実誤認や要らぬ誤解を招くような記述があったのかなかったのか、率直にお聞かせをいただきたい。

○細野参考人 後藤議員の公表された内容を見たときのことでございますが、まず、議員と執行機関の信頼関係が裏切られたというのが率直な気持ちでございます。
 事実誤認ということでございますが、技師長がうそをついているというような記述、これは明らかに誤りでした。
 それから、誤解を招くということでございますが、あたかもこのことによって医療事故が--このことというのは、先ほどの府中病院の勤務時間後に飲酒したということでございますが、このことによって医療事故が起こっているかのような、そういった記述がされたことでございます。

○高島委員 残念でならない、その思いでございます。結果的に見ると、恫喝するような形で詰問を受けた技師長の精神的な苦痛、いわれのない誹謗中傷を受けた形となった病院職員の名誉について、事務局長の立場から、参考人はどのような感じを受けたのか、お伺いをしたい。

○細野参考人 繰り返しになりますが、私は、何であのようないわれ方をしなくてはならないのか、特に技師長のいわれ方などを思いますと、そういう感じがしてならないのです。また、技師長や病院の名誉について何とか救済することができないか、そうとも思いました。

○高島委員 まさに今の参考人の思いはそのとおりだな、その切なる気持ちはよく理解させていただくところでございます。
 後藤議員の調査結果の公表を受けて、その後、病院に対する問い合わせや苦情といったものがあったんでしょうか。また、あったとした場合、病院運営に何か支障が生じることはなかったのか、お伺いをしたい。

○細野参考人 酒を飲んで治療しているのではないかといった内容の苦情の電話が寄せられました。これまで築き上げてきた病院への信頼が崩れていくというか失われていくことを感じました。また、職員の士気というんでしょうか、これも低下した、このように感じました。

○高島委員 まさに、多くの先人、多くの関係者が長い時間をかけ、ご努力をして築き上げた府中病院の信頼を、全く根拠のないこのホームページや都議会レポート、こういうものを出すことによって大変な結果を生んでしまった、その思いは、それは参考人はもとより、関係者の思いもそんな思いかな、残念だ、つらい、そういう思いではないかと思います。
 今、参考人にあえて職員の話を聞きました。改めてもう一度お伺いをいたしますが、今回の事件後に、実名を公表された職員はもとより、府中病院に勤務する職員たちの心理状況に何か影響が与えられたのかどうか、与えることはなかったのかどうか、ちょっとお聞かせをいただきたい。

○細野参考人 先ほど士気が低下したというお話をしましたが、職員の間では大きな動揺とか不安が生じていたと私は感じていました。

○高島委員 特に今回の事件後に実名を公表された職員はもとより、府中病院に勤務する職員たちの心理状況--失礼しました。特に個人名を掲載された職員からすれば、事実確認もされていないということで公にいわば犯人的な扱いをされることになったわけです。当該職員はもとより、そのご家族のことまで考えれば、名誉を大きく傷つけたことになり、今後長年にわたりどのような影響が出るか、はかり知れません。こうした影響があり得ることを想定した上で後藤議員は公表したのでしょうか。仮に意図的であれば、甚だ悪質であります。過失とすれば、余りにも思慮に欠ける行動としか私はいいようがありません。
 最後に、私の一連の参考人質疑のまとめとして、二点について参考人にお伺いをしたいと思います。
 まず、今回の後藤議員の府中病院立ち入り事件は、そもそも事の始まりが、匿名の告発文書が契機になっております。そうすると、だれが告発したのかという問題があるわけです。私は決して告発者捜しをしたいわけではありませんが、一般的に立入禁止区域である検査科内の、それも控室の出来事について、外部の者が知る由もないことはいわずもがなです。この告発が病院内部の者が行ったと認識はありますか。また、その内容の信憑性について、参考人はどのような認識あるいは感想をお持ちですか。お伺いをしたい。

○細野参考人 病院に対しましては、そうした飲酒に関する内部告発のようなものはございませんでした。しかし、後藤議員の一連の言動などから、内部告発があったのではないか、そういうふうに感じはいたしました。
 信憑性についてですが、一般的に内部告発の内容というのは一面的、一方的でありがちだと思います。したがいまして、十分な検証が必要と考えております。

○高島委員 第二点は、今回の一連の状況を振り返り、参考人として今まさに何を想起されているか。率直なお考えや感想があれば、お聞かせ願いたい。

○細野参考人 私は、今回後藤議員が行ったことを仮に一般の人が行ったとしたら、私は一体どういう対応をしただろうか、このように考えました。いうまでもなく、その場合は全く別の対応となったと思います。この違いというのは、その人が都議会議員かそうでないかの違いによって生じるものでございます。そして、私がなぜ異なる対応をするかといえば、それは議会と執行機関というのが信頼関係を前提にしているからでございまして、それだからこそ、私なりに後藤議員に対しては誠意を持って対応しようとしたわけでございます。
 しかし、今になって考えてみますと、後藤議員のような行動をされた場合、必ず業務への何らかの影響が出るのは間違いありません。特に病院というところは、患者の安全性、これを最優先に考えなければいけない職場であったわけです。幸い、命にかかわる重大な事故までは起こりませんでしたが、このことを考えれば、速やかに、もっと速やかに退室していただくなど、毅然とした対応をとるべきだったと反省しています。

○高島委員 大変いろいろと思いを語っていただいて、ありがたかったかなと思っております。
 最後にまとめとして、本日は、当時の府中病院事務局長であった細野友希出納長室会計制度担当部長を参考人として招致し、当日の状況などについて、実際に立ち会った者として今回の事件をどのように感じているのかをつまびらかに披瀝していただきました。当日の後藤議員の一連の行動については、前回の質疑、府中病院への視察、そして今回の参考人からの話で事実の全貌が確認できたと私は考えております。
 具体的には、平成十六年三月十九日午前八時五十五分ごろ、施設管理者である府中病院長の許可なく一般人の立入禁止区域である検査科に侵入し、室内にあった複数の冷蔵庫を勝手にあけ、その中を許可なく撮影をする。また、食器棚や個人の事務机の引き出しを威圧的な態度であけさせ、さらには、これらの行為によって把握したと称する調査内容を院長に対して突きつけ、詰問するとともに、事実の検証を一切行うことなく、同病院職員の実名を記載した上、レポートにまとめて都庁記者クラブに配布をし、これをみずから設置するホームページに掲載して一方的に公表するといった社会常識に反するような行為が、どのような経緯で、状況下で行われたかを再認識することができました。
 後藤議員が、院長を初め技師長、事務局長に対して、事実の検証を行うことがないままに一方的にその管理責任を問う言動を続け、病院職員に対してそれほどの脅威や精神的な威圧感を与えたのか、また、さらには実名を公表された職員やその家族の名誉が侵害されたかについて、実際に対応した事務の責任者の生の声からも察して余りあるものがあると私は感じております。
 後藤議員がとった行動には、法的には建造物侵入罪や威力業務妨害、さらには個人の名誉毀損罪にかかわるものも散見されると私は認識をしております。今後これらに対してどのような対応をとっていくか、私も、そしてこの委員会も検討する余地があると考えております。
 現段階では、我々も一方の当事者の声を聞いたにとどまっている状況にすぎません。今後は後藤議員から直接お話を聞く、その場を設定する必要があるのではないか、そういう認識を持っておりますので、委員長、ぜひお願いをしたいと思っております。
 いずれにしても、都政は議会と執行機関との信頼関係だと思っております。先ほど参考人も同じ思いでご発言があったと私は認識をしております。太いきずなで結ばれているからこそ、さまざまな厳しい、激しい議論も闘わせることができるのではないでしょうか。この信頼関係を議会側から裏切るようなことがあっては決してならないと思っております。私自身も、本日の参考人のお話を聞いて、改めて肝に銘じたところであります。
 参考人に対しては、任意の出席であるにもかかわらず、勇気を持って出席していただいたことについては、深い敬意と感謝にたえません。そして、いろいろと過去の思い出したくない、嫌なお話も率直にご披露していただいたことについては、本当に感謝をしております。きょうの参考人のその思いをしっかりと私ども委員そして委員会は受けとめて、今後この委員会の活動をしていかなければいけないのかな、そういう思いを改めてさせていただきました。
 以上をもって私の質疑を終了させていただきます。ありがとうございました。

○服部委員長 ただいまの高島理事からの、もう一方の後藤議員の意見も伺いたいというご発言に対しましては、後ほど理事会で協議をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○ともとし委員 参考人におきましては、長時間にわたって集中的にご答弁をいただくわけでございまして、精神的にも非常に、余りいい環境の中で答弁されているなというふうには思わないわけでございますが、参考人の答弁いかんによっては、我々議会側も、あるいはまた執行機関側も大いに反省すべきところも出てくるのではないかな。そして同時に、後藤議員に対する調査のあり方についても十二分に反省をしていただかなければならないかな。このように思いますので、しばらくの間、ひとつ率直なご意見等も含めながら、ご答弁をお願いしたいと思います。
 今、高島理事からの一問一答がございました。それを受けて、私の方からも若干の質問等をさせていただきたいと思います。
 まず、細野参考人は、この事務局長の職についたのはいつからで、何年ぐらいになりますか。

○細野参考人 私が府中病院の事務局長に就任いたしましたのは平成十五年六月十六日でございます。そして、平成十七年七月十五日までの間、その職にありました。

○ともとし委員 先ほど質疑に対して、府中病院にあっては過去にこのような事例はなかった、あるいはまた、事務局長としての職にあった、そういう時期においてもまさにこのような経験はなかった、こういうようなご答弁だったかなと思うのです。同時に、答弁の中で聞かせていただいた中でも、一般の人とそれから議員との比較対照、それらについても出てきたのかなというふうに思います。
 私はざっくばらんに、この事件といっていいかどうかわかりませんけれども、この事件が一般の方だったら、そのときの対応は、私は、一般的に解釈するならば、直ちに警備室等を通じながら、その侵入者に対してそれを取り押さえて、何らかの手段をもって警察に連絡をし連行してもらう、そういう内容になっていたのではないかなと思いますが、参考人はどう思いますか。

○細野参考人 今回の検査科の状況から考えてみましても、後藤議員が検査科の中に入って、そこで都議会議員ということをおっしゃりながら行動されたというところもございますが、もしそこで、仮の話ですが、冷蔵庫の方に走って、知らない一般の方が走っていって冷蔵庫を勝手にあけたり写真を撮ったということであれば、当然ながら制止して、あるいはその制止がきかなければ強制的に退去させる。これは私でなくても、そのときに対応した技師長でも、あるいはその周りにいた職員でもそういう対応をしたと思います。

○ともとし委員 要するに、一般の方だったらそういう内容になるのです。たまたまその侵入してきた人が都議会議員という肩書きを持っていた。都議会議員というバッジをつけていた。そこにおいて配慮をせざるを得なく、ある意味では技師長を初め職員の方も、また後から現場に駆けつけたところの事務局長も、それなりの配慮をしつつ行動をとったのかなというふうに、先ほど来の答弁の内容からも聞かせていただきました。
 それだけ職員の皆さんは、都議会議員という肩書き、そしてまたバッジ、そうしたものをつけている人に対して、まさに職員の皆さんと同様に、車の両輪として都政あるいはまた都民の生命そして安全を預かっている者として、それなりに真剣にやっている。そんなことを前提にしながら、一目置きながらそうした行動をとったのかなというふうに思うのですが、しかしながら、その肩書き、バッジをつけていたといっても、そういうような行動をとるということについては、これは先ほど来答弁があったように常識的にはあり得ない、そういう内容なんですね。それに対しては、やはりきちっとした、事務局長として、あるいは技師長として、あるいはまた職員として、節度あるそういうような対応をしても、ある意味では差し支えなかったのではないかな。こういうふうにも私たちは、逆にいえば感じがしているわけでございますが、もう一回その辺についてご答弁いただきたいと思います。

○細野参考人 私としては、後藤議員が何で来院されたのか、何でそういった冷蔵庫をあけたりしたのかというところをまず確認しなければいけない、まずそう思いました。それで、いろいろ先生のお話を聞いている中で、これは先生、誤解していると。これをこのまま、先生がもし仮にホームページとかいろいろなところで公表されるとこれは大変なことになるということで、その誤解を解かなきゃいけない。こういったことをまず優先させたわけです、私自身としまして。
 ただ、いろいろのやりとりの間に大体先生のお話もわかりましたし、これ以上ここで、検査科にいて検査業務を停滞させるわけにいかないということで、事務局長室にご案内しようとしたわけですが、次の冷蔵庫に行かれたりして、なかなか私の思うとおりにはいかなかったわけですが、その間、やはり検査科の職員がいろいろな形で対応していて、もし万が一、検査技師長とか課長補佐の判断を仰ぐような場面とか、そういうことがもし--たまたまこのときはそこまでのことは生じなかったわけですが、もしそんなことがあって、例えば患者さんの生命にかかわるようなことに及んでしまったらだれが責任をとったのだろうと、その後でございますが、本当に深刻に私は考えました。
 その意味で、先生がおっしゃったとおり、もっと早くそういう対応、退室させるなり毅然とした態度というそのタイミングについては、私自身もいろいろと反省はしているところでございます。

○ともとし委員 この事件の中で、視察もさせていただいて、議員という立場の中から、同じ同僚である議員がそういう行動をとったということについて、反面教師の意味からも反省はさせられました。また同時に、職員の皆さんについても同様のことが、いろいろな状況の中で感じられるものがあるのではないかなというふうに思うのです。
 私は、この原因になった内部告発という代物について、先ほどのご答弁等を聞いていますと、具体的なものは何もなかった、突然のごとくの内部告発があって、後藤議員がそれに基づいて行動したというように聞こえるのですが、この職場において、飲食、特に酒類についてのそういう飲食について、何らかの意味で職員間で問題提起や何かは、今日に至るまで、事件が起きるまでの間に何もなかったのでしょうか。

○細野参考人 重ねて申しますが、飲食、そういったことに関する私ども、院長なり事務局長に対する告発というのでしょうか、内部告発的なものはございませんでした。

○ともとし委員 そういうご答弁の内容からいくと、要するにその場では、休憩している人もいる。また、自分のそういう仕事という意味での時間が終わって、いうなればお帰りになる前に職場のそうした休憩の中で飲食をする人たちもいる。それと同時に、あそこの場所を視察して思うことは、仕事をしている人たちもすぐそばにいらっしゃるような気がするのですね。そうすると、まさに、もうお帰りになるそういう時間帯で、その時間を利用して飲む方、それから単なる職場内での休憩の時間をする方、それと仕事をしている人たち、それが混在するそういう職場かなと。そういうふうにもちょっと、視察に行った中では感じる部分があったのですが、この辺はいかがでしょうか。

○細野参考人 なかなか、府中病院の古さというか、建て増し、建て増しの状況の中で、先生がおっしゃったようにきっちりエリアが分けられれば理想なんですが、なかなかそうはいかない中で、いろいろと工夫して、仕事をやる職員あるいは休憩する職員というのを分けながらエリアを活用してきたわけなんですが、通常は、八時半なり九時ごろから始まりまして、日勤ですが、夕方までで仕事が終わる職員が大半です。若干、いろいろな緊急検査が入っておくれたりする場合もありますが、基本はそういうことでございます。そのうちの基本的には二名が当直、いわゆる深夜業務に入っていきます。その方々が当然いるわけですので、その方々、引き続き働く人たちへの配慮というのは当然職場全体で考えて対応していたわけです。
 それで、場所につきましても、ちょうどご視察に行かれたという場所でいきますと入り口のあたりに当直用のスペースがございまして、そこにも専用の冷蔵庫とかを配置しておりまして、引き続き当直に入る方はそちらの方を主に利用する。それで、その後休憩して帰る方、あるいはコミュニケーションをとるという意味で歓談する方なんかは、ご視察いただいた控室で休憩する。このようなことで、十分に配慮して使っていたと私は理解しているところでございます。

○ともとし委員 今の参考人のご答弁等を聞いていますと、それなりに決められた、そういうある種検査室というか、その中でのある意味での取り決め的なものがきちっとあって、その範囲の中の出来事として現状やっていたことで、その検査室内におけるそういう問題に対するトラブルというものは一切なかったというふうに判断してよろしいのですね。

○細野参考人 控室の使い方とか、そういう内容でのトラブルというか問題点というのでしょうか、そういうのは私どもには寄せられていませんでしたし、それから、検査科の中でもそういうトラブルがあったとは聞いておりません。

○ともとし委員 そうした状況の中で、我々がその事実に基づいたそういう中で感じるのは、そうすると、具体的に検査室ではそういう職員間での中のトラブルはなかった。しかしながら、検査室の中で飲食がやられているということについて不満を持たれている、一職員か一出入りの人かどうだかわかりませんけれども、その内部告発的なものが後藤議員の方にいった。それに基づいて後藤議員が、本来きちっとした手続をやって、具体的にいろいろなそういうものを聞いていればこんなトラブルは起きなかったのでしょうけれども、それを突然のごとく、何の前ぶれもなく行って、そして不法侵入のごとく飛び込んでいって、冷蔵庫か何かをあけ始めた。そういうような状況かというふうに思えるのですけれども、そういうふうに解釈すべき内容なんでしょうか。

○細野参考人 後の話になりますが、後藤議員の方で、実は府中病院の職員から内部告発的なものがあったのだよと、それで、そこには飲酒して困るみたいな、そういうことが書いてあるのだと。それに基づいて後藤議員は府中病院に行ったのだということは、後になってそういうことがわかりましたが、この三月十九日までの間に、そういったトラブルとか苦情なりそういうものが私どものところに--私どもというのは、院長を初めそういった幹部職員のところに届いていたという事実はございません。

○ともとし委員 後藤議員が、そういうように、ある種強行突破みたいなそういう感じで冷蔵庫をあけたりいろいろなことをやり始めて、そういういろいろな大きな問題になってきた。その後、府中病院において、これらのことを前提にして何らかの再発防止というか、そういったことについて方策というのはとられたのでしょうか。検査室の飲食の件も含めながらご答弁いただきたいと思います。

○細野参考人 後藤議員が来られてからの対応ということでございますが、例えばセキュリティーの問題でございますが、セキュリティーの強化ということにつきましては、ある意味で患者の利便性というのでしょうか、そういうものともある場合には相反するという面があります。このため、対応には限界というのが出てくるわけなんですが、特に府中病院では老朽化がかなり進んでいまして、施設とか設備面での対応が難しい状況にありました。そこで、やはり基本は部外者、不審者に対する積極的な声かけ、これが一番だというところで、その確認を一層徹底いたしました。それで、そういう関係者以外は立ち入ってはいけませんよという案内板も増設して対応してきたというところでございます。
 先ほどの控室の使い方ということに関しましては、何というのでしょうか、そういう職員の声があったというのは後ほどわかりましたから、できるだけお互いに迷惑にならないようにうまく使う。これはまさに常識の範囲で対応するようにというような対応を検査科を中心にとっていたというふうに聞いております。

○ともとし委員 事務局長、私は、常識の範囲内でやっていたと思っているのですよ。常識の範囲内でやっていたからこそ、職員間でのトラブルというのはなかったのだと思うのです、具体的には。しかしながら、中の職員だか、あるいは出入りの方かよくわかりませんけれども、そういう姿を見て、それはあるまじきそういう姿なのかなというふうな観点から後藤議員にそういう内部告発的なものがいったのかなと。その一点を踏まえて、後藤さんは突然のごとくそういうような行為をとったのかな、こういうふうに解釈はしているのです。ですから、常識的範囲内の中である意味ではやられていたことではあるけれども、しかしながら、一部の一点の行為だけを見てそういうふうに判断をした人もいるのかなと思うのです。
 ただ、私たちが視察に行ったときには、飲食とかという、特にアルコールに関するものに関しては、何か別な、例えば休憩室みたいな、あるいは食堂みたいな、そういうところでするように変更になったというようなことで若干聞かせていただいたのですが、これは参考人の事務局長時代のことではないかと思いますので、ご答弁は要りませんけれども。
 そうしたことを踏まえながら考えさせていただくと、私は、やはり病院という、そういうような環境にある場所なんですから、少なくともその病院にいる関係者は、先ほど冒頭にも申し上げましたけれども、生命とその人の安全等いろいろなことを考えれば、それこそ身をもって制すべき、そういう職責あるいはまた職員という立場にいらっしゃるのが病院の関係者じゃないかなというふうに思うのですが、その辺についてはもう一度参考人からご答弁をいただきたいと思います。

○細野参考人 やはりそういう職責、私の事務局長という、安全性の維持という職責から考えれば、もっと速やかな対応というのでしょうか、そういうこと、判断を誤らずに速やかに退室していただくというようなことが必要であったと思いますが、最初、冒頭にいいましたとおり、やはり議員ということがございまして、理解していただくということを最優先して、これも私どもの仕事だというふうに当時は考えておりました。

○ともとし委員 いろいろとご遠慮があって、そういうふうにせざるを得なかったのかなというふうに理解するわけですが、私にあえていわせていただくならば、これは身をもって制すべきだ。少なくとも、いろいろな患者の方の検体や何かも、いろいろのものがあるわけですから、やはりその方たちのことをいろいろ考えた、そうした状況の中では、やはり議員といえども、事前のそういうものがなかったものに関してはきちっとすべきだったかなというふうに思うのです。
 それともう一点は、後藤議員が事務局長に対して、あなたの手でその引き出しをあけなさい、こういうふうに命令したものがありました。これは私物にある種なるわけですが、この私物においては、幾ら事務局長という立場からも、本来あけるべきそういう内容のものではないかなというふうに私は思うのです。ただ、それを上回るほど後藤議員の口調は恐らくきつかったのでしょう。そしてまた、それ以前のさまざまな対応が、ある種、それこそ恐怖を抱かせるような、そういうようなものもあったかにも私は思います。いろいろな観点から局長はあけざるを得なかった、こう思うわけですけれども、しかしながら、今冷静になったそういう状況の中では、その私物のものについてはあけるべきではなかったというふうに私は思うのですが、今の状況の中で、その当時とあわせてご答弁をいただきたいと思います。

○細野参考人 後藤議員が個人机のところに来るまでには、控室に入って右側の冷蔵庫をいろいろあけて、それで事務局長室に行こうとしたときに、またそちらの冷蔵庫に、一番奥の冷蔵庫に行ったわけなんです。それで、その冷蔵庫の隣にありましたキャビネットとか、まず冷蔵庫には、そこにまた酒を見つけて、その隣のキャビネットにおつまみのたぐいを、それがあったということから、後藤議員の口調がそれまでに増して非常に厳しいものになってきていました。
 それで、事務局長の権限で個人の引き出しをあけてくれといわれたときには、これは当然プライバシーの問題はあるなというふうには感じましたが、これまでの一連の流れの中で、詰め寄る後藤議員の要求というのでしょうか、これを拒むことがその場ではちょっとできなかったというのが、それで、私は非常にちゅうちょしたということでございます。

○ともとし委員 私にいわせてみれば、後藤さんは、本来私的なそういうものに対して手をつけるということは、ある種犯罪行為になるのかなと。そういったことを自分で予測していたからこそ、事務局長に対してそれをあけるようにあえて命令したのかなというふうに感じるわけなんです。ですから、ある意味では、後藤さんは、何をすることが悪いことなのかというのはある程度わかっていたのだと思うのですよ。だから、あえてそれに対して誘導するような内容で局長にあけさせた。そういうふうにも逆にいえば感じる部分があります。
 一にも二にも、今回の一連の後藤さんの行動というのは、これは都議会議員としてはあるべきそういう内容じゃありません。まさに恥ずかしい、そういう内容の一言に尽きるのかな。同時に、こうしたことに関しては、やはり法的な一つの措置もとらざるを得ない、そのくらいの覚悟が必要なのかな、こんなふうにも思うわけでございますが、それらを踏まえながら、今後のこの委員会の中で明らかにしていきたいというふうに思っている次第でございます。
 私の質問は以上です。

○服部委員長 それでは、このまま次に続行させていただきたいと思います。

○古館委員 ご苦労さまです。
 それでは、最初にずばっと質問させていただきたいと思います。
 るる今お話を聞かせていただきましたけれども、病院として法的な対応をとらなかったというのは、これはなぜでしょうか。

○細野参考人 病院といたしましては、病院のその後の対応につきまして考えますと、議会と執行機関との信頼関係にかかわる重要な問題である、こういう判断をいたしまして、本部との十分な調整が必要であると考えました。
 そこで、一連の事実を本部に速やかに報告した上で、本部の指示を待って対応を図る、こういうふうに判断した次第でございます。

○古館委員 参考人に再度質問して終わりますけれども、現在の考え方も同じですか。
 つまり、先ほどのご答弁ですと、都議なので信頼関係も大事だし、慎重に推移を見守っていかないといけないなと思いながら、本部とも十分な調整が必要だということもあったと。だけれども、時期は既に大分経過しているわけですよね。その当時の、先ほどのやりとりでの考え方はそうだったかもしれないけれども、今日に至ってはどういうお考えを持っていますか。これだけ聞いておきたいと思います。

○細野参考人 法的対応がとれるかとれないかということは、やはり十分に検討して判断すべき案件だと思っております。それに対してどう対応するかということについては、やはり本部と十分な調整が必要だと、これは今でも変わりません。

○古館委員 終わります。

○大西(由)委員 セキュリティーとかそういう点について幾つか確認したいと思いましたが、もう既にお聞きになりましたので、私の方からは一点だけお聞きしたいと思います。
 施設を預かっていらっしゃる事務局長として、今回の後藤さんの調査での指摘された点というものをどういうふうに考えていらっしゃるのか。非常に威圧的な行動とかそれから言動があったということはありましたけれども、その指摘された目標、それは全く的外れの調査であったのか、それとも幾つかの点ではいろいろな面で改善されなければいけないとその当時の事務局長としてお考えになったのかどうか。その点だけお聞きしたいと思います。

○細野参考人 後藤議員の今回の事件につきましては、いろいろと病院側でも考えることはありました。先ほどのセキュリティーの問題もそうですし、それから後藤議員からご指摘のあった、例えば飲酒の問題はどうなのかとか、そういうことも考えまして、やはり誤解のないように、これまでと同じように患者さんや都民の方に誤解のないように対応すべきだ。それは基本的には従来どおりでございます。
 一点、先ほど内部告発という問題がございましたけれども、これは、私どもとしてはやはり、本来は院長なり私の方にそういう話が来るのが普通だろう。そういう意味で、私ども職員の中での信頼関係もちゃんとつくっていこう。このようないろいろな反省は確かにございました。
 以上でございます。

○大西(由)委員 以上です。

○服部委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 細野参考人に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認め、細野参考人に対する質疑は終了いたしました。
 細野さん、本日は本当にありがとうございました。
 この際、議事の都合によりまして、おおむね十分程度休憩をいたします。
   午後二時三十七分休憩

   午後二時四十八分開議

○服部委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより後藤雄一君の平成十七年十月二十五日の総務委員会における不適切発言について、及び後藤雄一君の平成十六年三月十九日の府中病院への立入調査について、並びに後藤雄一君の平成十四年十二月十一日の本会議一般質問における検事調書引用についてを一括して議題といたします。
 これより本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○高島委員 では、質疑はいたしませんで、一言意見だけ申し添えさせていただきたいと思います。
 今、参考人の細野氏からいろいろと質疑をさせていただきました。私どもは、ご本人のじくじたる思いも十分にご理解をさせていただきながら、やはり病院経営本部としてはしっかりとした対応をすべきだということを改めて認識させていただきました。
 もう言葉に出す必要はないと思いますが、質疑の中で刑事訴訟法二百三十九条にあるように即刻私は告訴すべきだという認識を持っております。ぜひそのことについて早急に対応していただきたい。このことを付して私の意見とさせていただきます。
 以上です。

○ともとし委員 私も質問はありません。
 先ほどの参考人に対する質疑等をさせていただいて、いろいろなご答弁等も聞かせていただいて、同時に各委員からの発言の内容等も聞いておりまして、特に共産党さんが、なぜやらないのかというようなご意見等もありました。普通だったら即座にやってもおかしくないじゃないかというようなお話だったような気がいたします。
 私も全く同様でございまして、共産党さんの意見に賛成するということは全く、いまだかつてないわけではございますが、共産党さんがあえてそこまでおっしゃってくださるのだったら、私もまさにそのとおりだと。また、高島理事からお話があった件も、まさにそのとおりだというふうに思いますので、やはり病院経営本部として、何らかの意味できちっとした対応が必要じゃないのかな。このような意見を持っておりますので、その旨の発言をさせていただきます。
 以上です。

○古館委員 経営本部に対してはさっきと同じ質問を最初にさせていただきます。
 経営本部としては法的な対応をとらなかったということはどうしてでしょうか。

○及川病院経営本部経営企画部長 本案でございますが、平成十六年三月に本事案が発生いたしました後に、後藤議員に対しましては、病院経営本部長名をもちまして、文書をもって抗議をいたしました。また、同日付をもちまして、知事からも都議会議長に対しまして、都議会として後藤議員に対し厳正に対処していただくよう強く申し入れを行いました。
 本事案でございますけれども、先ほどから議論がございましたとおり、議会と執行機関との信頼関係という重要な問題にかかわることでございますので、私どもといたしましては、その後の対応としましては、そういったこれまでの抗議や申し入れ等の推移を見守ってきたというところでございます。
 その後に、本年三月に本委員会が設置をされまして、これまでさまざまなご議論をいただいたところでございます。ご質問の告訴、告発というお話につきましては、本委員会、これまでのご審議の経過等を十分踏まえて検討させていただきたい、かように考えております。

○古館委員 再度質問しますけれども、だれが見ても法的に明確に違反があったということであれば、告発する義務があるわけですね。今日までそれを告発しなかったということは、議会との信頼関係を配慮して対応してきたということで我々は理解しているのですが、それでよろしいのでしょうか。

○及川病院経営本部経営企画部長 告発義務の問題につきましては、これは相当やはり慎重に検討した上で、告発すべきかどうかということは、これは必要だと思います。
 ただし、確実にこれは絶対にということであれば、それは告発義務があると思いますけれども、その辺は、先ほどの答弁にもございましたとおり、いろいろな観点、例えばこういった本委員会が設置されたような、そういった観点も踏まえて総合的に判断をいたしたいというふうに考えたわけでございます。

○古館委員 改めて日本共産党としての見解を述べておきたいと思います。
 今、委員会だとかという話をしましたけれども、問題の所在というのは、病院経営本部がどういう対応をするかということがとても大事なんですね。その問題についていうと、まず、改めて私ども日本共産党の見解を述べておきたいと思うのですけれども、議員というのは、日常的に住民代表として調査や発言をするということはとても重要であります。しかし、調査権的な特権というのは、個人にはないのですね。したがって、府中病院における後藤氏の行為というのは、一般市民以上の特権を持っているわけではありません。この問題をはっきりすることが病院経営本部としても大事だったのですよ。同時に、後藤氏による府中病院での行為、これはあくまでも議会外での言動であって、議会の中での例えば懲罰の対象などにはなり得ないということもまた当然のことであります。
 したがって、法的に問題があれば、司法の場で判断すべき問題として扱わざるを得ないというのが原則です。このことについては、前回の委員会での曽根委員の質問に対して、総務局の参事が、最終的には刑事裁判所の裁判官が判断することになる、このように答弁していることからも明らかであります。
 結論ですけれども、都立府中病院への後藤氏の立入調査問題については、判決の中で事実経過も詳細に明らかにされており、この立入調査が威力業務妨害を含めて違法行為に当たるかどうかについても、時効は来年の三月中旬だと聞いておりますけれども、当事者である都立府中病院もしくは東京都が、被害を訴えるかどうかを含めて司法の場にゆだねるべきだということをはっきりとさせて、意見とさせていただきます。
 以上です。

○大西(由)委員 以前にも伺ったのですが、今回の後藤さんの調査を受けまして、指摘した部分、それは病院経営本部として妥当なものもあったのじゃないかと思いますが、それをどういうふうに考えるのか。そして、指摘された部分がどのように改善されたのか。ちょっと原点に返って、もう一度ここを確認しておきたいと思います。

○及川病院経営本部経営企画部長 先生のご質問の、指摘された事項での改善というお話でございます。
 例えばセキュリティーの問題で申し上げますと、先ほどの参考人も述べておりましたけれども、患者の利便性、患者さんが使うスペースでもございますので、そういった利便性を考えますと、セキュリティーとは相反する部分もございます。そういう意味ではおのずと限界はございますけれども、各病院はこれまでも検査科の執務室入り口に受付を置いておりまして、今回も受付を置いておりますが、そこの来訪者に対しまして対応しますとともに、仮に不審な姿を見つけた場合には積極的な声かけを行うというような、不審者の侵入を防ぐ、そういった取り組みを強化してきております。
 今後の問題でございますけれども、こういった病院運営をきちんと担保しながら、設備施設面あるいは掲示をするなどの業務に支障を生じない範囲で、引き続き危機管理の対策を徹底してまいりたいと考えております。

○大西(由)委員 個人で行って、調査方法はいろいろな意味では常識の範疇を超えたものがあったかもしれないけれども、後藤さん自身が指摘した部分は、やはり病院経営本部としても改善する点はあったなということは自覚していらっしゃるのですか。それはないのですか。

○及川病院経営本部経営企画部長 ご質問の内容は、セキュリティーではなくて、例えば飲酒の問題とかそういう……

○大西(由)委員 指摘された点で、自分たちに指摘された点が全く的外れであったといえるものかどうかということだけ確認します。

○及川病院経営本部経営企画部長 飲酒の問題につきましては、当時からも常識の範囲内で行われておりまして、その後も、誤解のないように申し上げれば、疑われるようなことがあってはいけませんので、そういうことは今回の件を通じて、そういう気持ちは強くなっておりますけれども、指摘したからそこをすぐ直したというようなことは特段ございません。

○大西(由)委員 多分、目的がどうあれ、そのやり方が問題だということでこの委員会が設定されたのだと思います。そういう意味で、今、刑事告発するかどうかということが問われて、それは病院経営本部の判断になるわけですが、一方で、やはり常識の範疇がどこにあるのかということを合意するというような、そういうことも必要なんだと思います。今回の問題が、個人的ということで後藤さんにいくのではなくて、やはり議会全体で受け取って、そして合意水準をどこに高めていくかというようなことを、もう一つの議会運営のあり方検討会みたいなところで審議することが必要なのじゃないかなと思っております。
 よく私どもが聞くときに、これはどうしてだめなのですかと聞くと、これまでの慣例ですというようなことが答弁としてくるのですけれども、それでいいのかどうか。会派主義の限界があるのかなとか、いろいろなところに感じるところがありますので、やはり議会が問われているもの、それから都民が議員に託しているというものがいろいろなところでもっと広く問われている時代に来ているのだと思うのです。それを一方で私たちも議会として受けとめて、そういうことも少数会派を入れた議会運営あり方検討会みたいなところで審議するものもこの中には含まれているなということを感じております。
 以上です。

○服部委員長 ほかにありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 それでは、先ほど後藤議員を参考人としてという発言も出ておりましたので、この際、理事会を開催して協議したいと思いますが、いかがでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 それでは、そのようにさせていただきます。
 この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。
 午後三時三分休憩

 午後三時十七分開議

○服部委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 初めに、参考人招致についてを議題といたします。
 お諮りいたします。
 参考人として、後藤雄一議員を招致することについてご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
 次に、参考人招致の詳細につきましては、理事会に一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 それでは、そのようにさせていただきます。
 この際、お諮りいたします。
 報告事項につきましては、まだ発言があるかと思いますが、本日はこの程度にとどめ、後日の委員会において質疑を続行いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○服部委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上をもちまして本日の委員会を閉会いたします。
 午後三時十八分散会

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