委員長 | 服部ゆくお君 |
副委員長 | 川井しげお君 |
副委員長 | 中嶋 義雄君 |
副委員長 | 相川 博君 |
理事 | 高島なおき君 |
理事 | ともとし春久君 |
理事 | 酒井 大史君 |
谷村 孝彦君 | |
野島 善司君 | |
大西由紀子君 | |
西岡真一郎君 | |
秋田 一郎君 | |
きたしろ勝彦君 | |
増子 博樹君 | |
古館 和憲君 | |
曽根はじめ君 |
欠席委員 なし
出席説明員総務局 | 局長 | 高橋 功君 |
総務部長 | 荒川 満君 | |
法務部長 | 中村 次良君 | |
参事 | 中村 光博君 | |
病院経営本部 | 本部長 | 大塚 孝一君 |
経営企画部長 | 奥田 匠君 | |
監査事務局 | 局長 | 高橋 道晴君 |
参事 | 皆川 重次君 |
本日の会議に付した事件
都議会議員後藤雄一君の調査活動等の具体的事例を検証し、もって、議員の品位保持と調査活動のあり方等について調査・検討すること
報告事項(説明)
・後藤雄一君の平成十七年十月二十五日の総務委員会における不適切発言について
・後藤雄一君の平成十六年三月十九日の府中病院への立入調査について
・後藤雄一君の平成十四年十二月十一日の本会議一般質問における検事調書引用について
○服部委員長 ただいまから都議会議員後藤雄一君の調査活動等に関する調査特別委員会を開会いたします。
初めに、本委員会の担当書記に追加がありましたので、ご紹介いたします。
調査部の担当書記の古川浩二君です。
〔書記あいさつ〕
○服部委員長 よろしくお願いいたします。
○服部委員長 次に、本委員会の運営について申し上げます。
過日の理事会において、お手元配布の運営要領に基づいて運営していくことを申し合わせました。ご了承願います。
次に、今後の委員会日程について申し上げます。
先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
これより都議会議員後藤雄一君の調査活動等の具体的事例を検証し、もって、議員の品位保持と調査活動のあり方等について調査・検討を行います。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告の聴取を行います。
なお、本日は説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は後日に行いますので、ご了承願います。
初めに、本日出席いただいている関係局の局長から、それぞれあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。
○高橋監査事務局長 監査事務局長の高橋道晴でございます。よろしくお願い申し上げます。
それでは、当局の幹部職員をご紹介いたします。
参事で監査担当の皆川重次でございます。当委員会との連絡に当たります総務課長の吉積千春でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔理事者あいさつ〕
○大塚病院経営本部長 病院経営本部長の大塚孝一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、お手元にお配りしてございます名簿に従いまして、病院経営本部幹部職員をご紹介させていただきます。
経営企画部長奥田匠でございます。次に、当委員会との連絡等に当たらせていただきます総務課長中川原米俊でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕
○高橋総務局長 総務局長の高橋功でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
お手元にお配りしてございます名簿に従いまして、総務局の幹部職員をご紹介させていただきます。
総務部長の荒川満でございます。法務部長の中村次良でございます。参事で調査担当の中村光博でございます。当委員会との連絡等に当たらせていただきます総務課長の内藤淳でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔理事者あいさつ〕
○服部委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。
○服部委員長 初めに、後藤雄一君の平成十七年十月二十五日の総務委員会における不適切発言についての状況の報告を聴取します。
○高橋監査事務局長 昨年十月二十五日の総務委員会における後藤議員の発言に関しまして、その状況や経緯についてご説明申し上げます。
当日の総務委員会では、局が所管する事務事業についての質疑が行われましたが、監査事務局関係では、後藤議員から二点について、それぞれ幾つかご質問がありました。
まず第一点は、監査委員に関するものでございます。
具体的には、監査委員の職務、審議日数、報酬、公用車などについてご質問がありました。
第二点は、島しょ地域の工事に関する監査に関してであり、問題となった発言はこのときのものであります。若干詳しくご説明いたします。
後藤議員からは、工事の発注者が局で監督者が支庁の場合、監査はどのように行っているのか、また、島しょ地域の監査についても厳密な監査をやるべきだという趣旨のご質問がありました。
ご質問に対しては、契約書や検査調書における書類審査、関係者へのヒアリングなどにより監査を実施していること、また、島しょ地域の監査も都内で行う監査と同じ視点で行っていることなどをご答弁いたしました。
そして、この質疑の最後に後藤議員から、式根島の例を挙げて、監査やっているのかよ、監査やっているんだったら、担当者までぐるになっているのかという趣旨の発言があり、これが現在問題とされているものであります。
なお、正確ないい回しについては、速記録が確定されておりませんので確かめられませんが、おおむねそのような発言であったと思います。
以上、後藤議員の発言にかかわる状況や経緯についてご説明させていただきました。よろしくお願いいたします。
○服部委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○谷村委員 それでは、次の二点の資料をお願いしたいと思います。
島しょにおける監査の実施状況を調査するための、関連してですが、島しょ地域で実施した工事請負契約にかかわる監査方法で、この監査の根拠、いわゆる監査委員の権限、法的根拠に関するもの、そして、その具体的な手続の流れがわかるものをまず一点お願いしたいと思います。
二点目に、島しょにおける監査の実施状況を過去五年間さかのぼってお願いしたい。
○服部委員長 監査事務局関係でほかにございますでしょうか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○服部委員長 ただいま谷村委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○服部委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求されました委員と調整の上、提出願います。
次に、後藤雄一君の平成十六年三月十九日の府中病院への立入調査についての状況の報告を聴取します。
○奥田病院経営本部経営企画部長 後藤雄一都議会議員による平成十六年三月十九日の都立府中病院検査科への立ち入り及びその後の経緯につきまして、立ち入り当日の状況、立ち入り後の都の対応、都の対応をめぐって同議員が提起した訴訟の経過の順にご報告いたします。
まず、立ち入り当日の状況でございますが、後藤議員の立ち入りについて文書で行われた知事の申し入れ及び病院経営本部長の抗議に対し同議員が謝罪広告の掲載等を求めた裁判において東京地方裁判所が下した判決の中で認定した事実に基づいて、実際の判決文を引用しながら、少し長くなりますが、ご報告いたします。
同議員は、平成十六年三月十九日、事前に予告することなく、また都立府中病院の受付に訪問を告げることなく、午前八時五十五分ごろ、直接同病院の検査科受付に赴きました。
なお、臨床検査室内には、ウイルス、細菌その他の病原微生物を含有する可能性のあるさまざまな検体が保管され、精密な機器やコンピューターを用いた各種検査が実施され、また、患者の個人情報が記載された多くの帳票類も保管されております。
同議員は、外来入り口から同病院の建物に入り、同日午前八時五十五分ころ、臨床検査室控室の入り口付近に到着し、その場にいた同科職員に対し、私は都議会議員の後藤雄一という者だと告げ、革のケースに入った都議会議員の身分証明書を示しました。ただし、示した時間は何秒となかったため、対応した職員には、それが都議会議員の身分証明書であることは確認できませんでした。
同議員は、茶色のジャンパー及び黒いズボンを着用し、肩かけのかばんを携えており、その職員の抱く男性都議会議員の服装のイメージとは異なったことから、同議員が本当に都議会議員であるのかどうか半信半疑でした。
同議員が冷蔵庫を見たいといいましたので、その職員は、どちらの冷蔵庫ですかと尋ねると、同議員は休憩室にある冷蔵庫だといいました。臨床検査室には業務用の冷蔵庫や職員の福利厚生用の冷蔵庫が多数あり、休憩室というのが控室を指すのか当直室を指すのかもわからず、同議員が見たいのがどの冷蔵庫であるかもわからなかったので、とりあえず、この奥の部屋にもありますが、と控室の方向を指しながら答えました。すると同議員はそのまま控室へ向かおうとしたので、その職員は、同議員が都議会議員であることを確認できておらず、外部者に控室に保管されている検体に接触されては困ると考え、慌てて、ちょっと待ってください、技師長に話してみますからと同議員を呼びとめるとともに、大声で技師長、技師長、都議会議員という方が休憩室の冷蔵庫を見せてほしいということですがと叫び、控室の入り口と通路を挟んだ斜め向かいにある技師長室に向かって歩いていきました。
同議員は、その職員の後を追いました。技師長室から出てきた技師長は、技師長室の入り口付近で同議員と出会いました。同議員は技師長に対し身分証明書を示しましたが、技師長には身分証明書がよく確認できませんでした。技師長は同議員に対して名刺を求め、同議員から名刺を受け取りました。
技師長は、来訪の目的を詳しく聞こうと、同議員に対して技師長室への入室を勧めましたが、同議員は、休憩室の中を見せてもらいたいといって、技師長の返答を待たずに即座にみずから控室に進んでいきました。
同議員は、控室入り口から右手に見えた冷蔵庫に直行し、直ちにその扉をあけました。同議員の後を追った技師長は、同議員の主な調査目的が酒類の発見にあることを知らなかったため、同議員が突然冷蔵庫の扉をあけたのを見て、とっさに、この人は都議会議員ではないかもしれない、そうであれば、検査科内の冷蔵庫を次々とあけられ、それが高じて患者から採取した検体などをばらまかれては大変だと考え、冷蔵庫をあけるなら断ってからにしてくださいなどと大きな声で申し向け、その行動を制止しようとしました。
しかし、同議員はこれに従わず、冷蔵庫の中に缶ビールが一本入っているのを見るやいなや、技師長に対し、これは何だ、なぜこんなものが入っているんだと、どなるように詰問しました。技師長は、ちょっと私にはわかりませんと返答し、病院の庶務課は先生がおいでになることを知っているのですかと尋ねると、同議員は、知らないよと、呼んでもらっても構わないよと答えました。技師長は近くにいた職員の方向を振り返り、大至急庶務課長を呼んできてくださいと指示しました。
続いて、同議員は技師長に断りなく、控室内にあった別の冷蔵庫の扉をあけました。この冷蔵庫にはワインのボトルが四本入っており、同議員はこれを見て、こんなものまである、税金で買った冷蔵庫にこんなものを入れていいのか、これはどうしたのかと技師長に詰問し、冷蔵庫にワインが入っている様子を写真撮影しました。
このころ、職員からの情報を聞きつけた同病院の事務局長が、庶務課長及び庶務係長を連れて控室に駆けつけました。
事務局長は、前任の職にあったときにも、職務上、同議員と接触がありましたが、なぜ同議員が突然同病院に来訪したのかわからず、先生、何をしているんですかと同議員に声をかけました。すると同議員は、再びワインの入っていた冷蔵庫をあけ、中に入っているワインを指さしながら、事務局長に対し、こんなものが入っている、職場で酒を飲んでいいのか、禁止していないのかと詰問口調で述べ、引き続いて缶ビールが入っている状態の冷蔵庫もあけてみせました。
事務局長は、同議員が当時、都営バスの飲酒運転の問題を取り上げていたことを思い出し、同病院においても業務中の飲酒があると疑っていると察し、同議員に対して、勤務中の飲酒は当然禁止されており、勤務時間外の飲酒も原則として禁止である旨説明いたしました。また、同議員が扉をあけた冷蔵庫は検査業務用ではなく、職員の福利厚生用である旨も説明いたしました。
同議員は、ワインの入っていた冷蔵庫の左隣にあるショーウインドー型の冷蔵庫の中に酒類がないことを確認し、事務局長らに対し、最初にあけた冷蔵庫の右隣にある食器戸棚の中を見せることを強い口調で要求しました。技師長は、事務局長と同議員のやりとりから、同議員が都議会議員であることを理解し、その場の雰囲気から同議員の要求に従わざるを得ないと察し、みずから食器戸棚をあけました。この食器戸棚には酒類は入っていませんでした。
ここで同議員は技師長に対し、いつ酒を飲んでいるのか、厳しい口調で尋ねました。技師長が、年度末に退職者の送別会などを行っている旨答えると、同議員は、そういうときはいいんだよと、だけど、それだけじゃないだろう、しょっちゅうやってるんだろ、どのくらいの頻度で飲んでいるのか正直に答えなさいよ、もちろん、おれの調査能力をもってすれば調べるのなんか簡単だけどね、などと詰問しました。
技師長が、業務終了後、仲間内で飲むこともありますと答えると、同議員は、週にどれくらい飲んでるんだとさらに詰問するので、技師長が、週に一回くらいのときもあれば二、三回のときもありますと答えると、同議員は事務局長に対し、ほら、こんなにやってるんだよと厳しくいいました。事務局長は、だけど先生、勤務時間が終わった後なんですよと答えました。
次に、同議員は再びワインの入っていた冷蔵庫の扉をあけ、技師長に対し、ところでこのワインは何なんだよと詰問しました。技師長はワインの由来を正確に把握しておらず、おぼろげな記憶をもとに、職員のヨーロッパのお土産ではないでしょうか、たしかそう聞いているのですがと答えました。すると同議員は、ワインを冷蔵庫から取り出し、四本ともラベルが日本語で記載されているのを確認して、技師長に対し、外国のものじゃないよと詰め寄りました。技師長は、職員の土産だと思うのですが、よくわからないのですと答えました。同議員は、ワイン四本をテーブルの上に並べると、これらを写真撮影しました。
技師長は、このワインはすぐに破棄しますといいましたが、事務局長は、捨てることはないですよ、持ち主に返せばいいですよといい、ワインを冷蔵庫の中に戻そうとしましたが、同議員が戻してはだめだといったので、事務局長は、その場にあった段ボールの箱の中にワイン四本と缶ビール一本を入れました。
事務局長は、同議員と事務局長室で話そうと考え、事務局長室に行きましょうと同議員に声をかけて、段ボール箱を持って控室出入り口に向かいましたが、同議員は控室内の反対側の端の方にある冷蔵庫へ向かっていきました。事務局長や技師長は慌てて同議員の後を追うと、同議員は、冷蔵庫の上にウイスキーやしょうちゅうの瓶が置いてあるのを見て、こんなに堂々と置いてある、やっぱりしょっちゅうやっているんだなどと厳しくいい、これらを写真撮影しました。そして同議員は、中をあけてくれと再び強い口調で要求しました。技師長は断ることができない空気を察し、冷蔵庫の扉をあけました。冷蔵庫の中にはブランデーやワインのボトルが入っていました。
続いて同議員は、冷蔵庫の右隣にある事務用キャビネットの引き出しをあけるよう要求し、技師長がこれをあけました。引き出しの中には酒のつまみ類が入っていました。同議員は、つまみ類を取り出して値札を見るなどした後、これらを引き出しの中に並べて写真撮影しました。
さらに、同議員は、事務用キャビネットの右隣に並んでいる個人事務机にも酒類その他が入っているのではないかと疑い、この引き出しもあけてくれと強く要求しました。技師長は、これは個人用の机でプライバシーの問題もあるのでとこれを断ろうとすると、同議員は事務局長に対して、じゃあ、事務局長の権限であけてくれよと強く求めました。技師長は、事務局長がちゅうちょするのを見て、断ることはできないという空気を察し、引き出しをあけました。引き出しの中にはかばんが入っているのみであり、酒類等は入っておらず、同議員も引き出しの中を見て、そのことを確認しました。
事務局長は、この冷蔵庫の酒類も、先ほど見つけた缶ビール一本及びワイン四本と同じ段ボール箱にまとめ、同議員とともに事務局長室に移動しようとしました。しかし、同議員は、事務局長室の前まで来ると、院長に会いたい旨申し出たので、事務局長は同議員を院長室に案内しました。
院長室に移動すると、同議員は、テーブルの上に段ボール箱の中の酒類を並べ、院長に対し、検査科技師長の飲酒の情報があったので見に来たが、この実態は何だ、院長はこのような状況を知っているのかと、問い詰めました。院長は、同議員に対し、職員は忙しい中、電子カルテの導入や救急医療体制に取り組み、よくやってくれており、少なくとも職員が勤務中に飲酒するなど考えられない、この病院の職員は非常に頑張っていることをぜひご理解願いたい旨述べましたが、同議員は、私にはいろいろな情報が集まってくる、院長より知っているかもしれない、院長がそういう事実を知らないとしたら問題ではないかなどとも問い詰めました。
これに対して院長が、疑いを持たれるとしたら院長の管理不行き届きであり、今後、管理体制を強化したいと思う旨、述べましたが、同議員は、この件について、今後議会でも問題にする、おれのやり方でやると述べるなどしました。
こうして、合計十分ほどの間、同議員は院長に対して責任を問う言動を繰り返し、午前九時三十分ころ、院長室を退出しました。
同病院における立入調査は、所要時間が全体でも三十分前後という短時間の出来事であり、その間、同議員は、行政機関に対する不信感から、相手に回答の内容を考える時間的余裕を与えず、相手のいい分に耳を傾ける姿勢を示すこともなく、厳しい口調で詰問を続けたものです。
同議員は、同日午後、都議会議員控室において、「行革レポートNo.50」を作成し、都庁記者クラブに所属する報道機関各社に配布しました。
このレポートは、都立府中病院検査科、酒が十二本、休憩室の冷蔵庫三カ所から、技師長、週二、三回の飲酒を認めるという見出しを掲げ、技師長の実名を出して、同議員が本件立入調査の結果を公表するものでありました。
その主要な内容は、技師長が週に二、三回、府中病院検査科内の休憩室で、仕事終了後、職員と一緒に飲んでいたと認めたこと、同病院は救急医療部門が併設され、検査科は当直による作業が行われ、二十四時間勤務であり、日常的な飲酒が発覚するということは、医療事故が都立病院で起こって当たり前だと同議員が実感したこと、ワイン四本について、技師長は職員のヨーロッパからの土産と釈明するが、ワインの瓶に張られている裏のラベルは日本語であり、うそをついていることは明白であることでありました。
また、同議員は、その後帰宅し、みずから管理するホームページ上に、都立府中病院内飲酒の実態、検査科技師長、週二、三回認めるという見出しをつけて、本件立入調査の結果を公表しました。
以上が、既に確定した平成十七年七月二十日の東京地方裁判所の判決において認定された事実に基づく、後藤雄一都議会議員による都立府中病院検査科への立ち入り当日の状況でございます。
続きまして、本件立ち入りがなされた後の都の対応の状況についてご報告いたします。
平成十六年三月二十九日、知事が都議会議長への申し入れを行うとともに、病院経営本部長が後藤議員に対し文書をもって抗議し、謝罪を求めました。病院経営本部長による同議員への抗議の内容は次のとおりでございます。
都立府中病院への立ち入りに関する抗議、貴議員は、平成十六年三月十九日金曜日、午前八時五十五分ころ、施設の管理者である都立府中病院長の許可なく、同病院検査科執務室及び控室に立ち入り、以下の行為を行い、病院業務の遂行を妨げました。
一、一方的に検査科執務室及び控室に入室し、調査活動と称して行動した。二、控室にあった冷蔵庫を許可なくあけるとともに、冷蔵庫及びその収容物を写真撮影した。三、控室内の共用引き出しを開放させ、中にあったつまみ類をみずから並べ直して写真撮影し、また、個人事務机の引き出しを開放させた。四、事実の検証を行うことなく、院長等に対し、一方的にその管理責任を問う言動を続けた。
さらに、貴議員は、上記行為により把握したと称する事柄について、事実の検証を一切行うことなく、一連の経緯を同病院職員の実名を記載した上、レポートと称してまとめ、同日午後三時ごろ、都庁記者クラブに一方的に配布しました。また、一連の経緯を貴議員がみずから設置するホームページに掲載し、一方的に公表しました。
貴議員によるこうした行為は、都議会による正当な調査活動と到底いえるものではなく、まことに遺憾であります。したがって、ここに厳重に抗議するとともに、謝罪を求めるものです。
病院経営本部長による同議員への抗議の内容は以上のとおりでございます。
なお、四月一日の定例記者会見におきまして、知事は、本件立ち入り及びその後の対応に関する質問に対し、本件立ち入りは、放置すると都庁と都議会との信頼関係が損なわれるものであるため、議長に抗議文書を送った旨、及び都議会議員の身分だけを根拠にこうした調査を行うことは許されていない旨を答えております。
この間、三月三十日に、同議員は、「行革レポートNo.51」を都庁記者クラブに所属する報道機関各社に配布しました。この「行革レポートNo.51」には、同議員が告発者から入手したと称する検査科技師長の写真が掲載されておりました。
最後に、本件立ち入り及びその後の対応をめぐって行われた訴訟の経過につきましてご報告いたします。
平成十六年五月三十一日、後藤議員は、三月二十九日に知事及び病院経営本部長が行った抗議に対し、「広報東京都」への謝罪広告の掲載及び損害賠償を求めて東京地方裁判所に提訴しました。この裁判は、計九回の口頭弁論を経て、平成十七年七月二十日に判決がありました。
判決は、知事及び本部長が行った抗議は、都立病院の円滑な業務遂行の維持や、都議会と都の執行機関との信頼関係を健全に保つという公益を図る目的に出たもので、文書に記載された事実関係については真実であることの証明があり、表現行為として相当性を欠く点もないとして、同議員の請求を棄却しました。
なお、判決後、所定の期日までに同議員が控訴しなかったことから、この判決は既に確定しております。
以上、後藤雄一都議会議員による都立府中病院検査科への立ち入り及びその後の経緯につきましてご報告いたしました。
○服部委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○川井委員 実は、ただいまの報告で、まずは病院職員との具体的なやりとり、後藤議員の行動に対してが一つと、謝罪要求の内容が一つ、そして名誉毀損の訴訟の経過、この三本柱を軸にした報告だっただろうと、こう思っております。できれば、これも、口頭でのご説明でございましたけれども、文書でいただければありがたい、こう思っております。
次に、この検査科の勤務体制をお知らせいただきたい。これは、配置人員、勤務時間割、当直体制、外出の制約など、細かくいただければありがたい、こう思っております。
次に、検査科への入室可能者の範囲。どういう方々が許されておられるのか。
次に、入室許可にかかわる手続があるならば、その手続をお知らせいただきたい。
特に、部外者が検査科に入室できる場合の根拠とその手続、それから、無許可撮影者に対する一般的な処置があるならば、それも教えていただきたい。それから、病院内における写真撮影を許可する場合の手続。
部外者、写真撮影を許可する場合の考え方、基準、そして手続。無許可撮影者に対する一般的な処置。
それと、検査科職員に対する患者等あるいは院外者からの苦情の発生状況を教えていただきたい。
そして次に、この後藤雄一君の立入調査が業務にどのような影響を及ぼしたかという思いがございますので、この突発的に生じた後藤議員への対応に伴う病院業務への影響。
それから、緊急検査、患者の容体急変などに伴う検査科の対応事例、そして、その頻度、過去三年間でいただきたいと思います。
なお、問題となった冷蔵庫、この検査科、特に福利厚生用の冷蔵庫等が設置された経緯、理由。
次に、アルコール類が保管された冷蔵庫を設置している部屋の位置づけ、配置図ですね。これは検査科の配置図、それから病院全体の配置図も一緒にいただければありがたい。
次に、冷蔵庫に職員の私物を保管する事例があるのかないのか。
それと、東京都の法務資料としていただいているというか、私がいただいた第四十五巻第二号、都議による都立病院への立入調査にかかわる謝罪広告等請求事件に対する東京都の法務資料、これをいただきたい。同時に、この名誉毀損の訴訟の裁判記録、これもいただきたい、こう思っております。よろしくお願いします。
○服部委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○服部委員長 ただいま川井副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○服部委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
次に、後藤雄一君の平成十四年十二月十一日の本会議一般質問における検事調書引用についての状況の報告を聴取します。
○荒川総務局総務部長 平成十四年十二月十一日の本会議一般質問における検事調書引用についての状況をご説明いたします。
平成十四年十二月十一日に開かれました第四回都議会定例会におきまして、後藤議員から、社会福祉法人西原樹林会に関する補助金適正化法違反事件に関する一般質問が行われました。
その中で後藤議員は、この事件に関する同年十月十五日のさいたま地裁の判決において証拠として採用されたとされる三枚の検事調書の写しを、目黒区議会議員が行った記者会見を通じて入手したとして、それをもとに質問を行いました。
その際、答弁に立った当時の福祉局長は、本来、検事調書は弁護士以外の者が持ち得ないこと、また、弁護士は目的以外の使い方をしてはならないという認識を示すとともに、当時の総務局長も同趣旨の答弁を行いました。
次に、翌十二日の総務委員会では、検事調書の取り扱いについて、総務局法務部長より法律的見地から報告を行いました。
その要点を申し上げますと、検事調書は、検察官が刑事訴追をする過程で被疑者等の供述を面前で記録したもので、犯罪を裏づける基礎的証拠となるものであります。その入手の手続は、まず弁護士については、刑事訴訟法第四十条の規定により、裁判所から写しを入手できること、また、犯罪の被害者等の場合は、少し名前の長い法律ですが、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律第三条第一項の規定により、同じく裁判所から写しを入手できること、一般人については、刑事訴訟法第五十三条の規定により、裁判終了後の閲覧はできますが、その場合でも写しを入手することはできないことなどでございます。
また、同委員会での質疑を通じて申し上げましたことは、第一に、公判中の検事調書は裁判所にあること、第二に、検察官と弁護士には、その検事調書を写す謄写権が認められていること、第三に、弁護士が検事調書の写しを第三者に渡す行為は、弁護士法に抵触するおそれがあること、さらに、第三者がその写しをとり、他の第三者に広く配布し、かつ内容が名誉毀損に当たるようなときには、法律に抵触する場合もあることなどでございます。
以上、簡単でございますが、当時の本会議での質問及び総務委員会での質疑での状況を中心に報告をさせていただきました。よろしくお願いします。
○服部委員長 報告は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
○谷村委員 それでは、今ご説明をいただきましたけれども、改めて検事調書の一般的な取り扱いを調査するため、次の五つにつきましてお願いしたいと思います。
まず第一点目、検事調書の法的性格を裏づけるもの、わかるもの。
二点目、立件から訴訟にかかわる経過における検事調書の作成あるいは活用のプロセスがわかるもの。
三点目、検事調書記載内容の秘密保持性。秘密を守るためにどういうふうに扱われているかというものがわかるもの。
四点目、検事調書を訴訟事案以外で公開できる場合の要件及びその対象者のわかるもの。
五点目、検事調書記載内容を不当に公の場で明らかにした場合の刑事責任とはいかなるものになるか。
この五つについてお願いしたいと思います。
最後にもう一点、後藤雄一君が引用したといわれる検事調書そのものが入手できるならば、資料として要求をしたいと思います。
○服部委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○服部委員長 ただいま谷村委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○服部委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後一時四十四分散会
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