東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会小委員会速記録第四号

平成二十二年八月三十一日(火曜日)
 第五委員会室
 午後一時開議
 出席委員 九名
委員長西岡真一郎君
副委員長長橋 桂一君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長増子 博樹君
伊藤 興一君
星 ひろ子君
高木 けい君
岡田眞理子君
清水ひで子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
知事本局市場再整備調査担当部長関  雅広君
中央卸売市場管理部長塩見 清仁君
事業部長横山  宏君
市場政策担当部長大朏 秀次君
調整担当部長森本 博行君
新市場担当部長野口 一紀君
新市場事業推進担当部長志村 昌孝君
新市場建設技術担当部長砂川 俊雄君

本日の会議に付した事件
 東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する調査・検討を効率的かつ機動的に行う。
報告事項(質疑)
・「東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に係る調査委託」及び「市場再整備検討に係る調査委託」の中間報告について

○西岡委員長 ただいまから東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会小委員会を開会いたします。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 岡田中央卸売市場長は、公務のため、本日の小委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 これより東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する事項について調査検討を行います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、報告事項に対する質疑を行います。
 これより、昨日の小委員会に引き続き、報告事項、東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に係る調査委託及び市場再整備検討に係る調査委託の中間報告についてに対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木委員 都議会自民党の鈴木あきまさでございます。連日、暑いところ本当にご苦労さまでございます。特に移転・再整備に係る調査中間報告書案、あるいは市場再整備検討に係る調査中間報告書案、お取りまとめをいただくに当たりまして、知事本局や中央卸売市場の皆様におかれましては、夏休み返上で本当に一生懸命頑張っていただいた。皆様の努力を何とか都民の利益に、そして食の安全に、私たちは結びつけていかなければいけない。そんな思いで、何点か質問させていただきたいと思っております。
 さて、昨日、この議会局及び市場再整備検討チームから、民主党の提案を踏まえた三案について、施工計画、工期及び課題等に関する中間報告がございました。今後、小委員会として早期に結果を取りまとめていく必要があるわけですが、報告ではさまざまな課題、私が見ても大変多くの課題を抱えているというふうに拝見をさせていただきましたが、そこで、市場関係者の皆さんもこの小委員会の質疑を大変注目をしていると思います。課題のうち、特に重要な点を中心に質問をさせていただきたいと思っております。明快な答弁をよろしくお願いをいたします。
 それではまず、環状二号線についてです。
 環状二号線は、臨海部と都心部とのアクセスを向上させ、広域的な交通の利便性を一層高めるとともに、築地を含めた周辺のまちづくりにも大いに貢献する重要な路線であります。しかし、環状二号線の計画は、築地市場の敷地を通り抜ける形で整備することとなっており、現在地再整備を行う場合には大きな課題となります。
 今回の報告のA案においては、さきの小委員会における民主党の意見を踏まえて、敷地を最大限活用するために、環状二号線を地下化するということとしております。
 平成十九年の都市整備委員会の答弁によりますと、かつて地下で都市計画決定されていたときに試算した事業費が一千九百億円。現行計画である地上化で整備する場合の事業費が一千三百億円とのことです。事業費の算定時期の違いなどがあることは承知の上で、両者の差額六百億円をもって、地下化による事業費の増加分と考えることができると思います。
 晴海から勝どきの区間は既に地上化で事業が行われており、地下化する区間は約三分の二であることから、地下化による事業費の増加分は約四百億円と大まかに試算することもできると思っております。築地市場を現在地で再整備することにより、他の事業にこのような莫大な財政的な影響を及ぼすことは大きな課題であるということを、私は指摘をさせていただきたいと思っております。
 環状二号線の地下化については、このような財政的な負担の問題以外にもさまざまな問題があると思いますけれども、具体的にどのような影響があるのか、市場再整備検討チームにお伺いをいたします。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 環状二号線についてでございますが、ご案内のとおり、環状二号線は臨海副都心や晴海、それから勝どきなど、そうしたものの連携の強化、さらに勝どき地区における避難路の確保など道路ネットワーク、また防災性の向上などの点から、極めて重要な道路というふうに考えております。
 ご指摘のとおり、環状二号線を地下化する場合には、どの程度かというのはちょっと現在では試算はできないんですけれども、かなりの事業費が増加するのかなということは想定されます。
 それ以外の課題といたしまして、仮に環状二号線を地下化するとした場合については、勝どき地区で、当然現在は地上で考えていますので、地下に潜るとなると、勝どきにアクセスするために側道を整備する必要がございます。そうしたことから、さらなる用地の確保が必要となるとともに、今の計画で進められてきた臨海副都心や晴海地区、それから勝どき地区などのまちづくりに影響があるというふうに考えております。
 また、都市計画の変更や環境影響評価手続が必要となることから、現在は二十七年度に全線開通すると予定をしておりますけれども、これが大幅に遅延をし、環状二号線の整備を前提に開発が進んでいる交通需要に対応できないこととなるかと考えられます。
 これらのことから、道路構造を変更する場合には、こうしたまちづくりなどにさまざまな影響があるというふうに考えております。

○鈴木委員 環状二号線が地下化された場合の課題について、今ご答弁を聞いておりまして、財政的な増加分四百億円以外にも、臨海副都心や晴海地区、勝どき地区など周辺のまちづくりにも影響が出てくるなど、大きな課題が生まれてくるということがよくわかりました。
 次に、環状二号線による市場へのアクセスについて質問をさせていただきます。
 豊洲新市場においては、環状二号線は晴海通りと並んで、市場関係車両のアクセスにとって重要な役割を果たす予定となっております。仮に築地で現在地再整備を行う場合においては、地下化するにせよ、現行計画にするにせよ、環状二号線は市場関係車両のアクセスに有効に活用すべきものであると考えております。
 そこでお伺いをいたしますが、報告における各案において、市場関係車両が環状二号線にどのようにアクセスするのか、お伺いをいたします。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 環状二号線と市場とのアクセスについてのお尋ねですが、まずA案につきましては、環状二号線は築地市場用地内を地下で通るということになっております。このため、残念ながら市場から直接アクセスできないという計画となっております。この場合については、晴海通りへの負荷、それから臨海方面へのアクセスの面で課題があるのではというふうに考えております。
 また、B案、C案の場合につきましては、環状二号線は今の計画どおり、隅田川を橋梁で渡り、築地市場内で平面交差した上で、途中から半地下で入っていくと、そういう構造になっております。
 B、C案では、晴海地区に転配送機能を設け、ツインマーケットとなる案でございますので、そうしたことを考慮いたしまして、晴海方面から築地方面に環状二号線を使ってアクセスを側道で行うというのは可能な案になってございます。
 ただ、虎ノ門方面から環状二号線を使って直接市場の方にアクセスすることはできないというふうになっております。これは、どうしても二十三ヘクタールという築地の狭隘な敷地ということを考慮して、ぎりぎりの線で考慮した案というふうになっているかと思っております。

○鈴木委員 環状二号線は、築地の敷地を通過する重要な骨格幹線であるにもかかわらず、狭隘な敷地ですからやむを得ないのでしょうけれども、築地市場に機能的にアクセスできないということは非常にもったいないという感じが、今、答弁を伺ってそういう感じがいたしました。新市場を建設する際、市場へのアクセス機能を最大限アップさせるということは、市場関係者の皆さんは特に望んでいることではないかと考えております。
 次に、事業費についてお伺いをさせていただきます。
 私の感覚からいたしますと、今回のこの報告の各案の事業費は、大分低く抑えられているなという印象を受けております。A案については、仮設とはいえ、市場を二つつくることになるわけですから、豊洲が約一千億円ならば、二千億円ぐらいになってもおかしくないわけです。
 B案、C案のようなローリング工事では、さまざまな業界の利害調整が必要となってきます。かつて業界が一致協力して取り組むとされた築地の再整備においても、業界調整の難航から、本体工事に着手できずに中断をしてしまいました。業界調整はそれだけ大変な労力が必要なんだということは、もう委員の皆さんも十分にわかっていらっしゃることだと思います。
 再整備工事においては、各業界の調整が難航し、工期が延伸したり、都と各業界とで協議をしながら計画に修正を加えていったということですが、計画に修正を加えていったりということが必ず必要になってくるわけです。
 そこで、他市場の再整備で、工事費が当初より増額した事例があったら教えていただきたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 特別委員会でもご視察をいただきました大阪市の中央卸売市場の場合で申しますと、あそこはご案内のとおり、狭い敷地でローリングをしながら再整備をしたということで、非常に今回の案に類似している例かというふうに考えます。
 その工事費でございますけれども、昭和六十三年の基本計画を策定した当初は約六百四十億円ということで計画をされておりましたが、最終的には、平成十四年度に竣工したときには、工期も大幅におくれて、工事費も千二百二十億円と、約倍に上がったと聞いております。
 この増加の主な要因といたしましては、地中障害が見つかったこととか、その間、物価がかなり高騰したと。工事単価が上がったということに加えまして、業者からのローリング中のさまざまなご要望があって、それにこたえた結果、諸設備をいろんな形で充実強化したと、そういう影響があったということをお聞きしております。

○鈴木委員 こういったさまざまな協議が必要になってくる。各業界との協議をしながら何度も修正をしていかなければいけない。大阪の今の本場の再整備では六百八十億円が一千二百二十億円にも工事が、つまり二倍にも膨らんでしまった。こういうことを、私どもというのは非常にしっかりと認識をしなければいけないというふうに思っております。
 さらにお伺いをいたしますが、今回報告いただいた事業費の試算では、すべての工事関係費が含まれているのでしょうか。数字だけでこれだけでできると思われてもいけないと思いますので、この金額から増額されるものについて、ぜひ明らかにしていただきたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 今回の報告におきましては、具体的な詳細な調査等まで行っているわけではございませんので、残念ながら工事費として算出できなかったものが幾つかございます。
 まず、土壌汚染でございますが、この土壌汚染が明らかとなった場合の対策費については、残念ながら計上してございません。ご案内のとおり、豊洲では四十ヘクタールで五百八十六億円の対策費と、現在見込んでおります。築地や晴海におきましても、東京ガスのような操業由来という土壌汚染ということではないとは思いますけれども、当然可能性がございます。仮に豊洲同様の対策を食の安全に考慮して講じた場合には、やはり数百億円規模の対策が必要となるかと。そういう可能性があると思っております。
 また、場内の上下水道等の整備費については織り込んでおりますけれども、仮に防潮堤をつくる場合などのポンプ場等の整備費についても、今回は計上しておりません。
 さらに、文化財保護法に基づきまして発掘調査が必要となった場合の発掘調査費などについても必要になるというふうに考えております。

○鈴木委員 今回の事業費の試算は、あくまで理想的な工程で理想的に工事が進むという前提であるという、今、そういうお答えですね。
 このように、理想的にはいかないことは、中央卸売市場の行政や市場関係者の皆さんが経験したことからも明らかであるわけです。豊洲の事業費と比べる場合には、このことは十分留意しなければいけません。また、他市場の例を見ても、それぞれ事情はあると思いますけれども、特にローリングの場合には、当初どおりの金額では済まないという実態がよくわかりました。
 さて、昨日の夕刊や、これけさの朝刊になるんでしょうか、一部の報道によりますと、築地建てかえ試算の半額、三千四百億が一千七百八十億円にというような見出し、あるいは築地市場、建てかえ、試算の半額、こういうような、現在地再整備費用は一千七百八十億円で、豊洲移転の最大一・八倍というような見出しが躍っているわけです。私はきのうの夕刊の記事も、ちょうど私どもの委員会が中断して打合会に入る前に見ましたけれども、本当にその当時、きのうの民主の岡田委員の質問がされる前に新聞でこういうふうな記事が躍っているというのは、本当に不思議に思いました。しっかりマスコミの皆さんも、この委員会の議論というものを、皆さんはよく聞いてもらわなきゃいけない。そして、あなたたちは判断してもらわなきゃいけない。そして、正しい情報を都民に提供しなければいけない。あなたたちマスコミにはその責任があるはずですよ。
 そういう思いで、もう一つ聞かせてもらいますけれども、昨日、議会局で、今、私がいったこと、報告した建設費と、都が築地再整備の建設費として示していた三千四百億と比較して、あたかも築地再整備が半分の費用で可能であるというような、今、私が申し上げたような報道がされたわけなんだけれども、建設費三千四百億円は、どのように算出されたものなのか。そもそも二つの建設費は単純に、そんなに単純に比較ができるものなのか。その辺についてぜひ聞かせてください。

○砂川中央卸売市場新市場建設技術担当部長 昨日、議会局より報告された建設費と、築地再整備の費用として都が示しておりました建設費三千四百億円の相違についてでございます。
 建設費三千四百億円には、冷蔵庫、加工パッケージ施設、民間駐車場などの整備費用が含まれております。これに対しまして、議会局の試算した費用には、これらの施設は含まれていないわけでございますが、これは、築地で再整備する場合には非常に狭隘な敷地で建設をしなければならないということで、一つの棟に合築をしなければならない、それから重層化をしなければならない、そういうことから、都がまず整備をいたしまして、こういう施設についても東京都の負担で整備をするという整理をしていたものでございます。
 また、市場会館棟や築地川東支川埋め立てなどの土木、外構工事が三千四百億円の費用の中には含まれておりました。こうしたことから、二つの建設費を単純に比較することはできないと考えております。
 また、議会局より報告した計画につきましては、これから基本構想、基本計画、基本設計、実施設計を行いまして、市場業界との調整を進めていくことを前提とした計画でございます。
 これに対しまして、三千四百億円を積算した当時の計画につきましては、市場業界や地元区とたび重なる協議調整を行い、これらの内容を踏まえた計画に基づく建設費でございます。さらに、基本方針、基本計画、基本設計、市場棟につきましては、構造設計などを含む実施設計まで行い、より詳細な検討を行った上での計画でございます。
 また、環境アセスメントなどの手続や上下水道などの将来管理者との協議調整を経た計画で、より実施に近い計画に基づいて積算した額だということでございます。
 さらには、三千四百億円につきましては、狭隘な築地市場の敷地内で種地を確保しながら、営業を継続しながらの工事であったことから、六回のローリングで二十年と長期にわたる工事を前提とした計画でありました。これらのことからも、二つの建設費を単純に比較することはできないと考えております。

○鈴木委員 議会局が試算した建設費を、過去、再整備に取り組んだ際に再積算した三千四百億円と比較するということは、今の答弁をお伺いしてもわかるように、合理的ではないということが、私自身よくわかりました。本小委員会で検討すべきことは、豊洲新市場と比較し得る現在地再整備の可能性であることから、議会局試算の建設費と比較すべきものは、本来、豊洲新市場の建設費は九百九十億円であるはずなわけでございます。
 それでは、次に、使用料への影響についてであります。
 主として業者の皆さんの使用料で成り立つ市場会計においては、事業費の増減は使用料の水準に大きく影響を及ぼしています。各案において、使用料にはどのような影響があるのか、また影響を試算するに当たってどのような前提で行ったのか、お伺いをいたします。

○森山議会局調査部長 施設使用料についてでございますが、豊洲の新市場の場合と比較しまして、A案では約一・六二倍、B案及びC案では約一・三三倍と試算いたしております。
 試算の方法についてでございますが、中央卸売市場より市場別使用料制を仮に導入した場合の算出方法と必要なデータ、これにつきまして徴集して算定してございます。具体的な算定に当たりましては、今回検討いたしましたA案からC案のいずれもが、売り場面積等につきまして、築地の新市場計画と同規模として計画しておりますので、市場使用料収入や人件費等の共通経費については同額と仮定して積算しております。
 このため、今回のA案、B、C案との違いにつきましては、主に建設費の違いが施設使用料の差としてあらわれているものというふうに考えております。
 それから、維持管理費につきましては、建物を私どもの方の構想では多層化するということにしておりますので、本来でしたら昇降機等の台数がふえたりして、維持管理費が増加することが見込まれております。しかし、今回の検討におきましては、そこまで正確にその増分を把握することが難しかったことから、豊洲と同額と仮定して施設使用料等を算定しているところでございます。

○鈴木委員 業界にとって、豊洲でも使用料が上がらないようにしてほしいという声があるというふうに伺っておりますが、それよりも一・三から一・六倍に上がるということになると、営業にも支障を来しかねないわけです。コスト面から見ると豊洲に優位性があるということが、よく委員の皆さんもおわかりいただけたと思います。
 次に、晴海地区の活用についてお伺いをしたいと思います。
 今回の再整備案は、どれも晴海地区へ仮移転するプランとなっております。現在地である築地及び移転先として決定されている豊洲以外の全く新たな土地を活用するということは、その条件を一から整えなければいけないということであります。条件が整わなければ、築地での再整備も着手できないことになります。晴海地区を活用するに当たって、仮に敷地が活用できたとしても、さまざまな課題があると思いますが、どのようなものがあるのでしょうか。想定し得る問題点をわかりやすくお答えをいただきたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 晴海五丁目地区には、ご案内のとおり、晴海ふ頭、朝潮ふ頭、晴海の客船ターミナル、それから晴海のふ頭公園、清掃工場など、非常に公共性の高い施設が多く立地するとともに、これらの施設に隣接いたしまして高層マンション等が建てられている立地条件にあります。
 まず、課題といたしましては、晴海五丁目地区が全域が堤外地ということにされておりますので、この場所に市場を建設する場合には、本設であろうと仮設であろうと、防災、高潮対策として、盛り土等の整備が必要となります。
 また、夜間から早朝にかけてどうしても荷が集約をするという市場の特性がございます。この地区、今は割と夜間は静寂な土地だというふうに理解をしておりますけれども、例えばA案で仮移転をしている三年程度の間につきましては、この時間帯に現在の築地の車両を考えますと、その機能が全部移転いたしますので、三万三千台の車が通行することとなります。当然、早朝の時間につきましては、清掃工場関係の車両とも錯綜するなどの混雑の発生も見込まれるかと思われます。
 さらに、公園ですとか、地域でも親しまれている野球場などがございますので、こうした代替地を確保する必要があるとともに、いずれにいたしましても、そういうことも含めて、地元住民との合意形成というものを十分にやっていく必要があるというふうに考えております。

○鈴木委員 今お伺いしたように、晴海地区は清掃工場建設の際にも地元調整に随分苦労したというふうに聞いておりますし、A案では、仮設で営業している期間、三万三千台の車両が通行することになるということで、これは地元調整に十分かつ慎重な対応が必要になってきますね。これは大変ですよね。
 今年度予算に付された付帯決議では、現在地再整備の可能性について、大方の事業者の合意形成に向けて検討するということになっております。そこで、これは民主党さんにお伺いしたいんですが、今回報告された各案は、大方の業界が本当にまとまることができるというふうに民主党さんはお考えになっているのか、ぜひお伺いしたいと思います。

○増子委員 当然、このことだけでまとまるかどうかというのはわかりませんけれども、基本的にはやっぱりこういった比較検討を通じて、多くの皆さんにその実際のところをやっぱり正確にご理解をいただくと。その上で私たちはきちんと、できれば個別の事業者の皆さんにもご意見をぜひ伺っていきたいというふうに申し上げておりまして、そういったそれぞれのご意見を踏まえて判断をしていくべきものなんではないかなというふうには思っております。

○鈴木委員 今、増子副委員長はそういうふうに簡単にお答えになっているけれども、これ大変ですよ。本当大変ですよ、これは。重く受けとめていただきたいと思います。
 これまで報告された各案について質疑をしてまいりましたが、重立った事項を見ただけでも大変な課題があることがよくわかりました。我が党は、この再整備案に対して大方の業界がまとまることはかなりハードルが高いなというふうに思っております。
 改めていうまでもなく、卸売市場は生鮮食料品の安定的な供給のために、市場業者が営業活動を行う業務施設であります。再整備は、単に技術的に可能だということではだめなんです。市場業者の皆さんが営業を行うに際して活動しやすく、これからの流通環境の変化に対応して産地や顧客のニーズに的確にこたえることのできる施設であるかどうか、あるいはこたえ得る施設にできるかということが、これが大切なんです。
 市場の整備に関して議論を行う際には、卸売市場の将来を真剣に考える市場業者の視点に立つことが重要であると考えております。小委員会において調査を行っている再整備案の三案について、豊洲新市場と比較し得るものとして営業活動を行っている業界の代表の方々の皆さんのご意見を、ぜひお聞きしてみたいと考えております。
 最後になりますが、ここで新市場の現状について目を移してみたいと思います。
 ガラリやコンクリートの塊の落下事故に見られるように、築地市場の老朽化はもはや限界に達しております。大地震が来れば、築地で働く人の生命、身体の安全にかかわる重大な問題であります。また、限界に達した築地市場をだましだまし使うためには、毎年毎年、相当な補修が必要となり、経費面でもかなりの負担となっております。
 そのような状況のもと、都は二十六年度中の豊洲新市場の開場を予定しております。一刻の猶予もならない築地市場の現在を憂い、都や都議会に何度も要望があったように、業界は早期の新市場開場を望んでいるわけです。議会としても、現在地再整備の可能性を検討することは、一定において我が党も了解をしたところでありますが、いたずらにこの議論を引き延ばすことは決して許されないわけであります。
 我が党は、築地市場移転の問題においては、早期に結論を導くことが議会の使命であるということを強く表明をさせていただきたいと思います。
 そして、最後に申し上げるならば、この委員会で大阪の中央卸売市場の視察をさせていただきました。あの視察の後に、会議室で業界の皆様から、くしくも発言があった。私たちにこういっておりました。私たちがつくったこの大阪市場のようなものはつくらないでください。きょう皆さんごらんになってわかったんじゃないんですか。このような市場をつくることはやめた方がいいですよ。こういうふうにおっしゃっていましたよね。このことを我々小委員会の委員というものはしっかりと心に刻み込んで、この議論を進めなければいけないというふうに思います。
 以上、私の質問を終わります。

○高木委員 鈴木委員から、現在地再整備にかかわる整備費の比較のお話がございました。これはちょっと大事な話なので私からも触れておきますが、きのうの夕刊なのかな、読売新聞だと思いますけどね、夕刊に載った新聞記事ですから、一時ぐらいには多分締め切っているんだと思いますけれども、原稿の締め切りは。それに、築地建てかえ試算の半額、三千四百億が一千七百八十億円に、都議会で議論へ、こういう見出しになった記事が書かれているんですよ。私たちに正式に報告をされる前にこういう記事が、どういうところからこう情報が流れて、どういう情報に基づいてこういう記事が載るのか、私はよくわからないけれども、先ほど鈴木副委員長が話されたように、議論というか、その報告もされる前に、マスコミのこの新聞がこういう情報を都民あるいは国民に流していくというのはどういうことなのかなと私は思っています。売れればいいと思って書いているのかもしれないし、アイキャッチだから、おもしろい記事が出ればいいと思っているのかもしれないけれども、社会人としてこれはどうかなと思いますよ、こういう記事を書かれるって。別にきょうはマスコミを追及する会じゃないから、これ以上いいませんけどね。
 とにかく、議論を聞く前に記事を書かれるというのはいかがなものかなと私は一都議会議員として、マスコミの皆さんの良識も疑うし、常識も疑うし、こんなことで本当にいい都政がつくれるのかなということを危惧してならないわけであります。
 一つ大事な点、先ほど砂川部長から、試算の問題で単純に比較すべきではないというお話がございました。私もそのとおりだと思っておりまして、これもう少しわかりやすくお話をされた方がよろしいような気がします。特に、前回の築地現在地再整備については、当初、平成二年の基本設計のときに、基本設計で二千三百八十億円という金額だったわけなんです。その後、ローリングの影響とか業界要望あるいは工期のおくれ、そういうものがあって、整備費が増額されて、平成七年の再試算によって三千四百億という数字がはじき出された。これがある意味ではそのベースになっていて、三千四百億というのはここから出てきている話なんですね。
 ですから、基本設計で二千三百八十億、プラスアルファで三千四百億になったということを押さえておかないと、今現在出ている一千七百八十億とか一千四百六十億と三千四百億を比較することがいかにナンセンスなことかということが、こういう委員会の議論を聞けばわかるわけですよ。だからいっているんだよね、この話を。
 今回のA案の当初ベース一千七百八十億円だって、これから当然、埋蔵文化財の調査をやったり、基盤整備をやったり、土壌対策をやって、大体、僕が聞いている話で、これで約三百億ぐらいかかる、それから、先ほどもちょっと触れられたけれども、加工パッケージの施設、あるいは駐車場、冷蔵庫類、これだけで六百億ぐらいかかるだろうということをいわれている、そうすると九百億。この一千七百八十億に九百億を足せば、おのずと二千六百八十億円という数が出てくる。さらに、それプラス、今後の業界要望を含めていろいろやっていけば、それは最初の三千四百億とどこの時点で比較すべきかということをこれから考えなきゃいけないけれども、しかしながらそんなに乖離した数字が出てくるはずがないんですよ。
 そのことを押さえないで、三千四百億だった試算が、東京都が再試算をした結果、半額になりましたよって流されたら、都民にはどういうこれがすり込みになるんですか、知識として。だから、そういうことを市場の皆さんも、あるいは建設を担当している皆さんも、あるいは知事本局の皆さんも、ぜひわかりやすく説明するという努力を怠らないでいただきたい。それを、プレスリリースも含めて、しっかりとこれからやっていただきたいなということだけはお話をしておきたいと思います。
 私の質問に入る前に、昨日、大分長い時間中断をいたしましたので、私の思いを少し語っておきたいと思います。
 八月三日の小委員会、この委員会の持ち方、それの打合会で、大きく四点にわたって確認されております。この委員会は、現在地再整備の可能性について、専門的、中立的に検討するために、七月十六日に設置されたということがまず一点目。
 二点目は、この小委員会においては、民主党から提案された築地現在地再整備計画に向けての検討事項案を基本に、豊洲新市場整備案と比較し得る現在地再整備案について検討を行う、これが二つ目。ここにはっきりと民主党から提案されたということが書いてありますので、あえて申し上げておきたいと思います。
 三つ目、議会としての検討は効率的かつ機動的に行うことが望ましいから、必要に応じて小委員会を開催し、第三定例会で一定の成果を示せるように努力するということが書かれている。
 四つ目、議会が中心となって検討する小委員会の役割を踏まえると、委員同士で濶達な議論を行うなど、通常の委員会審議の進め方にとらわれず、より充実した審議ができるように努力していく、これが確認事項なんですよね。
 ですから、この確認事項に基づいて、私たちはこの委員会を持たなければいけないんだろうというふうに思っています。
 昨日の話は、民主党から出された築地現在地再整備計画に向けての検討事項案というのは、A、B、Cだというふうに説明されたものが、さらに新たにそれにつけ加わりそうになったんで、私はこれはおかしいじゃないかという話をいたしたわけでございます。ですから、出すんだったらそのときに四案目で出してくれれば、別にそれはそれで四つ検討すればいいことですから、そういう話をしてたわけでございまして、改めてこれから、これもやってくれ、あれもやってくれというのは筋が違うんじゃないですか、そういう後出しじゃんけんはやめてくださいよ、再三これは非公式も公式も含めていってきたと私は思っています。
 ですから、私たちは、与えられた役割に基づいて、このA、B、Cの三案について検討を加えていくということが基本でありますから、そのことを踏まえて質疑していきたいと思います。
 私からは、今回の再整備案のA、B、C、それぞれのかぎを握っているのは、一つはローリングだけに頼るということではなくて、移転再整備という話があって、そして晴海の問題がありますので、特にきょうは、私は晴海の問題について特化をして質疑したいと思っています。
 このかぎを握っているのは、今申し上げましたように晴海、町名でいいますと仮移転先は晴海五丁目ということになるわけであります。この地区は、報告書の図面にもかかれておりましたとおり、晴海ふ頭を初めとして客船ターミナル、それから晴海ふ頭公園あるいは清掃工場などの公共性の高い施設が立地している一方、大規模な未利用地が残る場所として注目も集めています。
 先ほど関部長からちょっと触れられたと思いますが、昨年、この地域には戸数約四百戸の高層マンションが二棟、竣工いたしております。この地域は、そもそも地区の開発計画を持たれていたと思いますので、この晴海五丁目の開発計画というのはどのようになっているのか、あるいは今後どう進めていくつもりなのか、まずここをお伺いしたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 ご質問に答える前に、冒頭の高木委員のご発言について一言申し上げさせていただきます。
 いずれにいたしましても、どのような経緯でマスコミに情報が漏れたのかわかりませんけれども、私どもの資料管理が至らなかった点があったかというふうにも思いますので、それについてはここでおわび申し上げるとともに、確かに数字についてはひとり歩きをしてしまう性格がございます。それにつきましては、私どもの方でわかりやすく、きちんと説明するように努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ご質問の件でございますが、晴海五丁目につきましては、現在、平成十四年九月に改定いたしました豊洲・晴海開発整備計画によりまして、東京の海の玄関にふさわしい、客船ふ頭等を中心に、国際的な雰囲気の中で多くの人が集う国際交流拠点として位置づけられております。
 今後、具体的な内容につきましては、社会経済状況ですとか、また時代のニーズ、晴海地区全体の開発の状況を勘案して検討していくこととなっております。

○高木委員 現在の計画は以上だと思います、わかりました。
 今回、B、C案では、市場機能の一部が晴海に残ることになっていますが、この場合、豊洲・晴海開発整備計画にどういう影響を及ぼしますか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 現在の豊洲・晴海開発整備計画におきましては、B案またはC案に掲げられているような、晴海五丁目地区におきます本設市場の建設は計画してございません。そのため、晴海に本設市場を建設する場合には、報告書にも書いてございますけれども、港湾計画及び豊洲・晴海整備計画を変更して、晴海地区の土地利用計画を変更する必要がございます。

○高木委員 それでは、A案なんですけれども、A案では仮設なんですが、晴海五丁目の港湾局用地の大部分を活用することになっています。この場合、豊洲・晴海開発整備計画を変更する必要はあるんでしょうか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 A案でございますけれども、晴海五丁目には本設の市場を建設することはございませんけれども、市場の豊洲移転を中止する内容となっております。したがいまして、豊洲への市場の全面移転を前提に、豊洲地区の都市機能の配置を計画している現行の豊洲・晴海開発整備計画を全面的に変更する必要がございます。
 また、A案では、現在ふ頭公園として使用している敷地につきましても仮設市場とする計画となっているため、港湾運営等を大幅に見直すことが必要となってまいります。

○高木委員 A、B、C、いずれの案も計画変更が必要である。それが結論だろうと思います。
 計画を変更するにはさまざまな手続や調整が必要になると思いますが、計画を変更するまで、仮に変更するとした場合、おおむねどの程度の期間を要すると考えられますか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 計画を変更する場合には、その前提といたしまして、既に開発を進めていらっしゃる民間の地権者ですとか、また地元区などとの調整が必要となると考えられます。
 ただ、これらの調整に係る範囲、時間というのを予測するのはちょっと困難ではございますけれども、これまでにない、かなりの変更ということが考えられますので、相当長期に及ぶのではというふうに考えておりますので、ちょっと明確に、今どのぐらいかということは申し上げられないということだけご理解いただきたいというふうに思います。

○高木委員 地元区を初めとして、地権者、開発業者との連携を図りながら、計画的にまちづくりはもう既に進められているという中での調整等に時間を要するというのは当然だと思いますね。私の質問に無理があるというか、お答えしろというのは無理なんだろうと思いますので、それはそれでわかりますが、先ほどの答弁で、港湾運営を大幅に見直すことは必要というお話がありました。私は、一方では経済・港湾委員会の副委員長もやっておりますので、経済・港湾委員会の所管は中央卸売市場だけではありませんで、港湾局もあれば、産業労働局もあれば、労働委員会もあるわけですよ。
 特に今、港湾局の港湾の関係の話が出ましたので、経済・港湾委員会の副委員長としてもすごくこの話というのは気にかかることなんですよ。現在供用中の晴海ふ頭、あるいは朝潮ふ頭の一時的な利用というのは、例えばA案だとかなりの部分を、この晴海ふ頭の部分をお使いになるし、特に客船ターミナルが孤立するような形になるわけですよ。
 このあたりのことを考えると、仮にこっちに市場が、一時にしろあるいはB、C案のように一定規模のものが移るにしろ、このふ頭の利用というのは可能になるんでしょうか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 お話のように、A案の場合につきましては、全面的に晴海地区を利用することとなります。工事に十八カ月、それから仮設期間で約三年かかりますので、当然その間につきましては港湾機能に影響がございます。
 具体的に申しますと、晴海ふ頭、朝潮ふ頭につきましては、主に客船、官庁船が利用してございまして、現在供用中のふ頭でございます。晴海ふ頭の突端では、先生もお話がありましたけれども、客船の東京港への寄港に対応するとともに、都民に親しまれる港づくりを進めるという必要がございますので、晴海客船ターミナルを開設してございます。また、晴海の官庁船バースや朝潮ふ頭は、水産庁を初めとする官庁船、それから大学ですとか研究機関などの学術研究船、また海上バスなどが寄港する機能を現在も有してございます。
 こうした機能は東京港にとって極めて重要なところでございまして、仮に一時的な利用であっても、代替措置によるふ頭機能の強化、確保は必要となってくると考えられます。
 客船ターミナルの機能の移転では、都心部に隣接していること、また大型客船が着岸できるよう、水深また出入港時に必要となる十分な広さの水域が確保できるような条件を満たす必要がございますけれども、こうした適地を東京港内において短時間で確保することは難しいというふうに考えております。
 また、官庁船バースや朝潮ふ頭につきましても、東京港において、現在と同等の係留機能、また荷さばきの用地を確保することは難しいと考えております。
 したがって、一時的な利用の場合でございましても、現在のふ頭機能の縮小を伴う場合には、極めて重大な問題が生じるのではないかと考えております。

○高木委員 重大な問題が生じるという結論を、今、結んでいただいたんですが、まさにそのとおりだと思います。
 それで、たしかこれ、官庁船とか、あるいは外国の客船もそうですけど、あるいは調査船、学術研究船というのかな、いろいろ来ますよね。これ、港として何か、たしか法律だか条約だかで、国際条約みたいな何か、たしか僕はあったような気がする、ごめんなさい、ちょっと不勉強であれなんだけど、何かあったと思うんですよ。そういうこともいじらなきゃいけない話に、多分なってくるんだろうなと思っています。
 この晴海の客船ターミナルあるいは外国の客船の誘致という話は、よく経済・港湾委員会でも出ますし、あるいは本会議やそれぞれ予算、決算委員会でも出る話でございまして、党派を超えて、この客船ターミナルあるいは外国の客船誘致というのは随分聞いてきた話だと思うんですよ。
 私の手元に一つだけ、参考までに申し上げますと、これは民主党の石毛議員が平成十七年に各会計決算特別委員会で発言をしているんですが、客船ターミナルをもっと活用すべきだ、銀座や築地にも近いところだから、客船誘致をもっと進めるべきだという話もされているんですね。これ、民主党がどうだという話ではなくて、これは党派を超えて多分そういう考えだと思うんですよ。
 ですから、晴海がたまたま土地があいていた、そこに築地市場が移転する、あるいは一時移転をさせてその再整備を図る、それはそれで、市場という観点から見れば一つの考え方かもしれないけれども、先ほど申し上げたように、都政というのはもっと幅広く全体を見なければいけないんだろうと思います。
 特に十三兆円に上る予算を東京都政というのは毎年毎年執行しているということを考えますと、築地市場の問題は当然大切だし、都政のことし最大の課題だといわれているのを私もわかっているし、それはその意識で取り組まなければいけないんだろうと思いますが、しかし、だからといって、ほかの事業全部つぶしていいという話にはならないんだと思いますよ。
 特に港湾局が所有しているこの土地に、ある意味では港湾局が知らない間に絵をかかれちゃっているわけでしょう、これ。私は経済・港湾委員会の副委員長として、ある意味では港湾局は悲劇だなと思っているんですよ。かわいそうだなと思っていますよ。あいているからといってここへ絵をかかれてしまってね。それで、これでどうだといわれているわけだから。
 だから、全体の都政のバランスということを考えれば、客船ターミナルもつぶしていい、外国から来る船も着けなくていい、晴海地区は築地市場の移転再整備のために全部活用しなさい、ここは全部、港湾局関係なく出ていきなさいよといわんばかりのこういう都政のあり方というのは、考え方として、私は余りよろしくないなというふうに思います。
 ですから、東京都政全体を考えたときに、その中で築地市場をどうあるべきかということを考えると、やはりしっかりとその移転先というのを確保しながら、私はしっかりと再整備に取り組んでいくということがやはり必要なのではないかな、最終的には結論は申し上げませんけれども、そういう気がいたします。
 もう一つ、最後に伺っておきますが、晴海ふ頭公園というのがありますね。これもこの絵にかかれているところの中に入っています。公園機能の問題、ここは広さからすると二・六ヘクタールというふうに聞いておりますので、かなり大きな広大な公園だと思います。これ都市計画公園となっているんだろうと思いますけれども、この公園を使ってしまうという、このことに対して、これはどうなのかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 ただいまのご質問の前に、まず外国船の関係ですけれども、当然、外国船が着船できるふ頭ということにつきましては、法で定められておりますので、当然その辺の関係も手続上生じてくるかというふうに思っております。
 それから、今ご案内のとおり、東京もアジア諸港に対して非常に港湾機能、そういう意味ではハブ機能が劣化しているということで、今現在、都を挙げて、ハブ機能の強化のために国と調整をして、議会の皆様方のご支援も得て、ようやく計画港湾として定められているところでございます。
 そういう意味では、東京港の魅力を高めるための機能というものが十分必要だということは私たちも認識をしておりますので、今後、港湾局とはそういう形でいろいろ調整をしてまいりたいというふうに思います。
 晴海ふ頭についてのお尋ねですけれども、公園機能の再開のめどが立つのであればということで、原状復帰を当然の条件といたしまして、一時的に市場仮設施設用地として休園することは、可能といえば可能というふうに考えております。ただし、お話もありましたように、晴海ふ頭公園は二・六ヘクタールというまとまった広さを有する、済みません、都市計画公園ではなくて海上公園という中でも、重要なふ頭公園というふうに考えております。したがいまして、休園に当たりましては、地元区や地元住民などとの慎重な調整が必要となるというふうに考えております。

○高木委員 これまでの質疑を通じて、そのA、B、Cのいずれの案でも、実施に向けて地元等との調整に膨大な時間、労力を要することがおわかりになったと思います。特にA案については、地元調整に加えてふ頭あるいは公園など、現在供用している施設の代替機能を探す必要が出てくる、そういう意味では実施が非常に困難であろうというのが、多分結論なんだろうなと思います。
 特に、つい先日、国際戦略港湾に東京港、三港連携をしながら、ご指定をしていただいた。そのことを考えますと、港湾機能の強化は求めるにしろ、港湾機能を削減していくということは、東京都政としてはあり得ない話だと私は思います。
 ですから、築地再整備、もちろん大事な課題です。これはことしの都政最大の課題といわれて、私たちも取り組んでいる、それはもう先ほど申し上げたとおり。しかしながら、だからといって全部このことに集中をして、これだけができればいい、そういう話にはならない。港湾も大事、築地も大事、すべてこれは東京都政の一部であり、それが全体としての東京都政ですから、そういうバランスのある議論を展開して、最終的なすばらしい豊洲・築地再整備に至れば、私はいいことだなというふうに思っております。
 以上で私の質問を終わります。

○伊藤委員 公明党の伊藤興一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、公明党からも、先ほども高木委員、鈴木副委員長からも話が出ましたけれども、昨日の夕刊、また本日の朝刊、このマスコミ報道等について、一つ確認をさせていただきたいと思います。
 新聞の見出しで、建てかえ資産の半額と、この見出しを見て、公明党のもとにも何人かの都民の方から、半額でいいのかと。そういうお電話が入りました。またお話もありましたけれども、これはちょっとやっぱり正確ではないと。先ほどの議論の中でもありましたけれども、昨日示された千七百八十億円、これに対しての今のところの比較できる数字は、豊洲の九百九十億円、これが今のところ比較できる数字だということを確認をしたいのが一つと、もう一つは、であるならば、この千七百八十億円に比較でき得る数字、これをやはり示していく必要があるんではないかというふうに思いますが、冒頭、このことをちょっと伺いたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 まず、昨日の、マスコミに委員会の実質的に審議前に情報が漏れたことに申しましては、重ねてになりますけれども、私どもの情報管理が悪かったということで、ここでおわびをさせていただきます。
 ただし、三千四百億、千七百八十億というのがちょっとやっぱりひとり歩きしているということがございます。当然、千七百八十億と比較し得るものは、豊洲と比較し得る案をつくるという本委員会の性格から申しますと、九百九十億円と比較されるべきというふうに考えておりますが、当然、前のご質問にもお答えしているように、そこにはまだ含まれていない数字とかがあります。先ほど高木委員にもお答えいたしましたように、その辺が明確にわかるように、どのようにわかりやすくお伝えできるかについては、今後工夫をしてまいりたいというふうに考えております。

○伊藤委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
 それでは、私の方で予定をしておりました質問に入らせいただきたいと思います。
 このたび、昨日報告された市場再整備検討に係る調査中間報告については、現在地再整備の可能性について、具体的に、また専門的に検討を行うことができる貴重な判断材料となると思います。また、具体的に目に見える形で、机上の論は机上の論ですけれども、目に見える形で豊洲との比較可能な案が示されたということは、大変な成果だと思います。
 さらに申し上げたいことは、この短い期間で精力的に検討を進めていただいた関係者のご尽力には、まず感謝を申し上げたいと思います。
 そこで、私の方から冒頭に、民主党の提案によりまして、三つの骨子案に対してこの具体的な調査の中間報告が行われたわけでありますけれども、このたび提案された民主党さんは、この案についてどのように評価されているのか。まずちょっと伺いたいと思います。

○増子委員 私ども、昨日この案のご説明をいただきまして、資料要求もさせていただいたり、こうしていただきたいという部分を申し上げましたので、それらの資料をまたいただいて、後にそれも精査させていただいて、その上でやっぱりきちんと評価させていただいたり意見を申し上げさせていただいたりするべきなのかなというふうには思っております。
 ただ、これをぱっと見た瞬間にという、感想でいいということであれば、その半額がどうとかという話じゃないですけれども、想像していたよりは少し工費が低いのかなと思ってはいます。ただ、これも、昨日要望させていただきましたとおり、もう一回資料を精査させていただきながら、通常、東京都などが何か例えば建設をするというときには、当然プロポーザルにしたり、あるいはいろんなところからコンペをやったりということで、当然幅があるだろうとも思っておりますので、そういった意味では、そういった議論の中から精査をさせていただいて、きちんと評価をしていきたいと思っております。
 それと、なかなか困難なのではないかといわれておりましたけれども、技術的にはできなくはないということも今回わかったということと、晴海も、先ほど来さまざまな課題が指摘をされておりますけれども、晴海ももっと少ないスペースでしか使えないというふうに、これまでもいわれてまいりましたけれども、そういった点でももう少し使えるような可能性があるということが示されたといった点は結構なことなのかなというふうに思っております。
 いずれにしても、プラス、マイナスをこれから皆さんで議論していくということでございますので、全体的な評価はまたいずれということにさせていただければありがたいと思います。

○伊藤委員 ありがとうございます。突然評価を伺いまして失礼いたしました。いずれにしても、今回のこの示された案によりまして、技術的にはこうやれば何とかできるのかな、あるいはこういう課題がまた改めて浮き彫りになってくる、こんなことも見えてくるわけでありますけれども、私は、何よりもやっぱり大事なことは、市場機能は本来どうあるべきかということをきちんと議論を深めていくことが大事であるというふうに思います。
 その上で、一つは、まず新しいこの新市場につきましては、今後、また三十年、五十年とこの時代が続いていく中で、市場に求められる機能、あるいは流通の状況、こういうものがさまざま変わってくるわけでありますので、こうしたことにきちんとやっぱり対応できる新市場でなくてはいけないということが一つと、もう一つ、特にこの小委員会でもそうでございますけれども、過去に、この現在地の再整備を走りながら、壁に突き当たりながら前に進もうと思ったけれども、中止せざるを得なかった、この前回の教訓をしっかりと私たちはもう一度生かしながら、狭隘な敷地の中で再整備を行う場合のこうした課題だとか、それから計画だとか、こうしたことを綿密に検討して議論をしていく必要があるというふうに、まず申し上げたいと思います。
 こうしたことから、今回の現在地再整備の案につきまして、さまざまな課題について、確認とともに、私からも何点か質問させていただきます。
 まず、敷地から見た課題でございます。
 水産として世界一の流通量を誇り、日本の基幹市場としての新市場を整備するには、市場本体の設備あるいは機能はもとより、流通環境の変化に対応できる市場として整備されるべきと思います。しかしながら、四十ヘクタールの豊洲と比べて、築地の再整備を行う場合には、約半分の二十ヘクタール程度の敷地の中で、同程度の機能を整備するということになると思います。このことは、敷地や機能配置の中でかなりの無理が生じることが避けられないというふうに思います。
 そこで、今回の報告の中で、敷地面の制約から見た場合の課題について、改めて確認をさせていただきたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 東京、さらには日本の食文化を支える、これからの中央市場の役割を求められております。当然、品質を保持するためのコールドチェーンの確保ですとか、外気を遮断できるようにするため閉鎖型にしなくてはいけないということになります。
 また、生鮮食料品の流通拠点といたしまして、他市場への転配送機能を強化するなどして、日本及び世界に誇れる基幹市場として十分な機能を備える必要があるというふうに考えております。
 そのため、今後新市場を整備するに当たりましては、施設面また機能面できちんと充実した施設をつくる必要があるというふうに考えておりまして、豊洲新市場の計画でも、今の築地市場の一・五倍の延べ床面積を確保することにより、そうした機能を十分に確保できるように考えているところでございます。
 この豊洲の機能を、約半分になります築地に集約するということでございますので、どうしても伊藤委員ご指摘のように、敷地面積上の制約がるるあるかというふうに考えております。まずは、やっぱり高層化となってしまうことが、まずその第一の条件としてはございますけれども、具体的に敷地面で見たときでは、出入り口につきまして私たちも精査してございますが、豊洲については、広大な敷地なので、七カ所出入り口があります。市場はご案内のとおり、やっぱり車で支えられているところですので、こうしたアクセスという面は重要だというふうに考えております。
 A案では四カ所、B、C案五カ所といいましても、実際には出入り口は同じで実質四カ所というふうにしか設置できないので、こういう課題があるのかなというふうに思っております。
 また、高層化で上に上がらざるを得ない青果さんの場合についてでございますが、売り場と同じ階に、できるだけ駐車場、バースを備えて、そういう積み荷の対応をすることが望ましいというふうに考えられますが、豊洲の場合では、その卸、仲卸さんの売り場と同じ階、当然、平面ですけれども、一階で約八百二十台、駐車場が確保されております。A案の場合につきましては四階、B案、C案もそうですけれども、四階になりますけれども、A案は七百二十台と、それなりに確保できているかなと思うんですけれども、B、C案では、豊洲の約六割の四百九十台。当然、その他の階も含めて、豊洲と同じ台数というのは確保できているんですけれども、売り場と同じ階層ではそれしか確保できないという状況になっております。
 一方、豊洲新市場の場合でも敷地の問題は若干ございまして、敷地面積が広い上での課題かと思いますけれども、三つの街区に分かれているため、各街区の連携、連絡などが課題になりますとともに、やはり築地からは商圏が少し離れてしまう。具体的には二・五キロぐらい離れるなどの課題もあるというふうに考えております。

○伊藤委員 ありがとうございます。豊洲は豊洲でまた課題はあるけれども、今の答弁によりますと、市場は本来、やはり平面で整備されることが望ましいんだなということを改めて感じた次第でございます。
 立体化した大阪の再整備につきましては、業界の方々が大変に苦労されたということを、私たちも特別委員会で視察をさせていただいて、現地の方にお話を伺ったあの言葉の一つ一つが大変に印象的でありました。
 豊洲案では、転配送センターが上部階に配置されることなど、多層化しておりますけれども、青果、水産とも、卸、仲卸売り場は一階に豊洲では配置をされております。しかし今回のA、B、Cの三つの案では、いずれも青果が四階に配置されるというふうにされておりますけれども、ここでちょっと私は、過日の経済・港湾委員会で参考人招致、参考人の方々の意見を聞いたときに、青果の泉理事長だったと思います。さまざま語ってらしたことが大変に心に残っております。
 その一つは、私たちこの議会に対しましても、このときは土壌汚染の問題でありましたけれども、大変な気持ちを感情を込めながら、憤りを抑えながら、議会に対して、大変なことを議論しているんだということをわかってほしいということを訴えていらっしゃったのが一つと、もう一つは、あるほかの参考人の方から、青果だけ晴海へ行くというプランの話が突然出たときに、泉参考人はこのようにおっしゃっていました。もともと青果を晴海にという話は、私もあのとき傍聴人の一人として聞いておりましたが、全く電話一本ない中で、いきなり青果を晴海にと。大変に驚きましたと。本当に憤りを抑えながらお話をされていたわけでありますけれども、今回の案では、青果は四階に、あるいは仮移転で晴海に、こういう話が、青果の方々にとってはまた突然、私は話が出てきたんじゃないか。
 この青果の方々は、前の現在地の再整備、平成三年からの再整備のときにも、本当に大変なこの業界の声をまとめながら、やっと二階に上がるという、こういう話を苦渋の決断でされながら、それも中断をしてきている。こういう青果の方々に、また突然、四階に上がるという話。これは本当にどう思われているのか、私は心配でならない、このように思うわけでありますけれども、八月三日のこの小委員会におきまして、増子副委員長が、一階に水産を配置して、その上に青果を配置させていただくのがいいのではないかという想定をいたしておりますというふうに発言をされておりますけれども、民主党さんはなぜ青果を上に配置すると、こういうふうに考えたのか、伺いたいと思います。

○増子委員 私たちはどういう配置がよろしいのかという中で、いろんな形があるだろうと思いますけれども、一つには、かつての現在地再整備案が議論をされたときに、青果さんの方が上の階に上がられるということの合意があったというふうに認識をしておりますので、複層階になる場合はその方が可能性があるのではないかということで、そうお答えさせていただいたということでございます。

○伊藤委員 前回の再整備のときの件も議事録に残っております。泉理事長が語っておりました。本当に大変な中、合意というか、形成をつくっていくのに本当に苦労されたことが載っておりましたので、特に私はこの青果の方々に対しての意見を聞くにしても、また考えを示すにしても、本当に丁寧にやらなくてはいけない。このように改めて申し上げたいところでございます。
 それでは、理事者側に次に伺いたいと思いますけれども、青果の卸、仲卸の方々が、今申し上げたように、自分たちが上層階に行く、行かなければいけないということに疑問を抱かれていると思います。そこで、青果を高層階にした場合の課題と、あるいはまた今回の案の中で、この青果の方々に何か配慮されている部分があるんであれば、そこを伺いたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 築地市場の最もセールスポイントというのは、やはり水産と青果を両方扱う総合的な市場であるということ、それに加えまして、質量ともに豊かな取扱量を誇るということによって、買い出し人の方等に対しても非常に魅力を持っているということが挙げられるかというふうに思います。
 買い出し人の方の多くは水産と青果の両方の店舗から仕入れを行っておりまして、業界団体の方々からも、買い回りについて特に配慮するように要望を受けているところでございます。
 そのため、今回の案につきましては、限られた敷地の中で青果さんが上に行くということを勘案して、できる限り、その中でもできる配慮というのを幾つかやってはおります。
 まず一つは、三階に買い出し人の方の駐車場を置いて、いわゆる一階の水産、それから四階の青果ということで、上下で移動ができるようにして、買い回りの方に配慮しているというのはポイントなのかなというふうに思っております。
 また、青果の売り場に直接アクセスするための道路を、いずれにしてもつくらせていただいて、それも一方向ではなく、ループ状になっている上下のアクセスが一本ずつ。それから、下の方からはスロープで上り下りができるというふうにして、単にほかの方たちと違って、青果だけに配慮した専属道路をつくったと。これも狭い敷地の中でぎりぎりなので、二本しかとれなかったんですけれども、こういう形の配慮は何とか行えたのかなというふうには思っております。
 しかしながら、青果を高層階に置くということになりましたので、幾つか課題がございます。まずは、先ほども申し上げましたけれども、同じ階、卸、仲卸のある四階、ここで駐車場がやはりどうしても敷地の制約から少なくなってしまうことを、先ほど申し上げました。さらに、スロープの走行距離が長くて、やはりアプローチ動線については、配慮はいたしましたけれども、やはり問題があるのかなということは考えられます。
 さらに高層階、実際には、四階、五階というともう二十メートル以上の高さになるので、当然、どういう天候かというのもいろんな状況が想定されますので、前の参考人招致の中でも非常に、雪の間でも一生懸命頑張っているとか、吹きさらしの中でも頑張っているというご発言がありましたけれども、やはり高層階にあるとどうしても風が吹きさらすということは考えられますので、そうしたことが荷おろしなどに支障があることなども含めまして、いろんな課題は考えられるかというふうに思っております。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 次に、ローリング及び引っ越しの回数について確認をさせていただきたいと思います。
 A案については晴海に全面移転をして、築地での再整備終了後戻ってくるということになりますので、仮移転先に移るときと戻ってくるときの二回の引っ越しとなるわけであります。また、B、C案につきましてはローリング回数が四回、引っ越し回数は、水産の仲卸、また関連店舗、水産加工、冷蔵庫、買い荷保管所が一回、その他の青果の卸、仲卸、あるいは水産の卸等については引っ越しが二回というふうになっておりますけれども、仮移転があるところ、ないところがこのようにあるわけですけれども、なぜこのような案となったのか伺いたいのが一つと、もう一つは、ほかの市場でこうしたことが起きた場合に、業界の意によらないというか、本意ではない、こうしたことについて、また差異があるわけですね、違いがあるわけですね。こうしたことについて、ほかの市場の場合、何か対応した事例があるんであれば、教えていただければというふうに思います。
 また、あわせて伺いますけれども、仮移転の期間は短いにこしたことがありません。例えばB案では、青果の卸、仲卸が六年間、水産卸が二年間となっておりますけれども、この期間が延長される要素はないのか、伺いたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 今回、検討してまいりました、特にローリングについてはB案とC案なんですけれども、これにつきましては、晴海という土地を含めた築地ということで、その限られた敷地を種地として活用し、ローリングさせる案ということになっております。
 八月三日の小委員会では、業者さんのいろんな負担も考えて、ローリング回数は最小限にすべきとのご提案もございましたので、当然、築地の今の老朽化の状況などを踏まえますと、工期も可能な限り短縮することが望ましいと考えました。これらのことを総合的に検討した結果、仮移転のあるところとないところが生じたものというふうに考えております。
 それから、他市場のこうした事例でございますけれども、ご視察いただきました大阪市場につきましては、水産、青果さんとも、基本的にはおおむね二回程度ということでございましたが、当然、大阪も複雑なローリングをいたしましたので、業者さんによっては三回移転されたところがあったというふうに聞いております。
 また、札幌市場の場合には、青果さんをまず仮移転した上で、中のローリングを進めたということですので、全体的に水産が一回、青果が二回の引っ越しだったというふうに聞いております。
 それから、そういうことに対して何らかの対応をしたところというお尋ねがございましたので、大阪さんでは全般的に低利子の融資ということで対応されたというふうに私どもも聞いております。ただし、今の札幌市場の場合でございますけれども、業界全体で一回と二回という差別、差別的、ちょっと区別があったということがありまして、札幌市の方では、青果さんに対してその上回ってしまった一回分の引っ越し代について支援をしたということを聞いております。
 それから、仮移転期間、これが長くなってしまってはいけないということで、この期間が延長される要素はということでございますけれども、まず、今回の工程には含まれていないものが幾つかございまして、それは埋蔵文化財が出土された場合、また土壌汚染が明らかとなった場合などが挙げられます。こうしたことに加えまして、他市場についていろいろ私どもも現地調査、行かせていただきましたけれども、地中埋設物の処理など予期せぬ事態もありまして、ローリング工事を行っている場合、こうした予期せぬ事態が生じると、そういう仮移転等、また工期全体も延長する可能性は十分にあると考えられます。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 この先の話になると思いますけれども、ローリングは最小限にとどめるということと、先ほども申し上げましたけれども、業者によっては仮移転があるところ、ないところ、引っ越しが一回のところ、二回のところ、要するに再整備をさせていただくに当たって、その業界、また業種によって不公平があってはいけないわけでありますから、今後、このことも、仮に現在地整備をするんであれば、検討していかなければいけないことだというふうに思います。
 続いて、B、C案のローリング工事について伺いたいと思います。
 ただでさえ狭い築地で、営業しながらローリングするということは、各段階で営業活動に大なり小なり、さまざまな影響が出ると思います。他の市場でのローリングや、あるいは築地での過去の再整備の際にも、さまざまな課題があったことは、これまでにも明らかになっておりますし、そのことが工期やコストにも影響を及ぼしてきたのも事実であります。
 そこで、今回のこの報告案に示してあるローリングのフェーズごとに、具体的にどのような影響が生じるのか、確認をしたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 ローリングのフェーズごとに生じる具体的な影響についてのご質問でございます。
 当然、前回の再整備でもこういうことに直面をして、中止に至らざるを得なかった非常に重要な課題ではないかと、私たちも認識をしております。そういうことなので、できるだけ明らかにして、業界の方にもご判断いただけるようなものにすべきかというふうにして、今回お示しをさせていただきました。
 まずフェーズ0、これは青果が晴海の方に移転いたしまして、現施設を解体する場合でございます。この場合ですけれども、隣接する敷地で営業を続けながら、アスベストの処理のほか、青果門からのトラックが出入りができないといったような形で影響が出るかと考えております。
 次にフェーズの1ですけれども、青果が移った種地に関連施設や買い荷保管所、立体駐車場やエネルギーセンターなどを移設新築し、現関連エリアなどからアスベストの除去、また解体工事を行う場合です。この場合、買い荷保管所が青果門のあたりに配置されております。こちらに配置されておりますので、各店舗からの距離が非常に差が生じて、営業面での格差が出てしまうのかなと。また、仲卸さんの方から買い荷保管所への物流動線については、ちょっと、かなり支障が生じるというふうに考えております。
 フェーズ2は、今の関連エリアのところに水産棟が本設で移って、立体駐車場の方に水産卸売の仮設建物を建設した場合です。この場合につきましては、卸さんと仲卸さんの搬送距離は、現状のこの扇形なので非常に狭いんですけれども、非常に長くなってしまうという影響や、当然その工事をしながらですので、この辺のアクセスが非常に狭くなってしまう。そういう工事車両とのふくそうや冷蔵庫との物流動線の分断などが考えられるかと思います。
 このように、各フェーズことに物理的な影響が考えられますけれども、ほかの市場等のお話を伺うと、こういうローリングを行った事例で見ますと、さまざまな影響が考えられるので、どうしても市場取扱量が減少してしまうなど、営業面に与える懸念も考えられます。

○伊藤委員 ありがとうございます。いずれにしても、現在地で営業しながらローリングして工事をしていくということはいかに大変かということだと思います。
 続きまして、工期について確認をしたいと思います。
 昨年の末にも立て続けに、築地市場の天井部からガラリが落ちたり、あるいはコンクリートの塊が落ちたりということの報道がありました。築地で働いておられる方々が、こうした不安の中で、日々営業を続けられていることだと思いますけれども、また過日の参考人の意見聴取の中でもそのことが出てまいりました。
 そういった意味で、新市場がいつ開場されるのか、また工期がどれぐらいになるかというのは、これはもう一大事の、一番の、私はこの工期の問題が重要ではないかというふうに思います。
 今回の調査で、A案は十一年と九カ月、B、C案は十七年と一カ月余りとされておりますけれども、実際にこれで済むのかどうかですね。これ以上延びる可能性があるのか。延びるとしたら、どのようなことが想定されて、どのぐらい延びる可能性があるのか、伺いたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 今回お示しをした工期でございますけれども、これはご説明もいたしましたが、市場整備計画が策定をされて、環境アセス、都市計画手続、設計、仮移転、本体工事を行う場合の、その標準的な工期をお示ししたというものでございます。当然、市場整備計画を策定するためには、業界の合意ですとか、先ほどもるる話しましたけれども、晴海地区を活用することによる地元調整、こうした期間というのは当然その前に必要となってまいります。
 例えば、前回、築地から晴海に方針変更した場合も、七年に工事が中止をして、全体的に豊洲に移転をしようと業界の中でもまとまったのが十三年ですので、そういう意味では、そういう業界の合意調整でも前回で六年かかっているということは、今回の工期には入ってございません。
 また、土壌汚染、それから埋蔵文化財が出た場合の対応につきましても、これは全然調査を行っていないので、どの程度の期間を要するのかが明らかでないので、それをちょっと定量的にお示しをすることが難しいということで、含んでおりません。ご案内のとおり、豊洲については土壌汚染だけでも二十カ月かかるということとされております。
 さらにですけれども、B、C案の場合にはローリング工事を前提としております。他市場等の実態調査でもおわかりのとおり、ローリングの場合には、予期せぬ地中埋設物の発掘などによって、業界要望に対応することもあって、工期が延びやすいということがいえるかというふうに思います。

○伊藤委員 ありがとうございます。先ほどの十一年九カ月、十七年一カ月というのは最短の工期だということを改めてわかったわけでありますけれども、私は、何よりもこの期間の中に、最短期間の中に、工期の中に含まれていない、アスベストだとか、築地、晴海の土壌汚染対策だとかも、さまざまあると思います。ただ、何よりもやっぱり時間がかかる、そしてかけなきゃいけないことがこの業界の合意であるし、あるいは、今回はこの晴海地区の住民の合意、これも時間がかかるし、丁寧にやらなきゃいけない問題だというふうに思います。
 なぜこの工期のことが一番大事かと申し上げますと、くしくもあしたは九月一日でございます。この築地の歴史をたどりますと、日本橋にあった魚市場、これが壊滅的な状況になったのは、関東大震災のときの九月一日であります。あのとき、日本橋が壊滅的な状況になる、燃える、崩れる、そして川に流れる、さまざまな状況があった。ただし、この日本橋にかわる場所がなかったというふうに聞いております。そして、約十年かけて、市場が大混乱をして、そして十年かけてやっとあそこの築地の場所に、この築地の市場が建っていくわけであります。
 この私たちの住む東京にも首都直下型が、今後三十年以内に大きな地震が来るよというのは七〇%の確率といわれて、いわれ始めて、恐らくもう三、四年たっておりますので、三十年以内じゃ……(「もっとたっている」と呼ぶ者あり)もっとたっていますか。三十年以内じゃないですね、もうね。(「あした来てもおかしくないんだよ」と呼ぶ者あり)もうそのとおりで、あした来てもおかしくないという状況であるわけであります。
 きょう、私はこの小委員会がこの日に行われた、あしたが関東大震災の日であるということも、重大な意義のある日ではないかというふうに思います。以前、経済・港湾委員会の中でパネルを示させていただきました。築地のあの仲卸のこの半円形の扇型のところですね。あそこの大半の部分、また築地の市場の中で大半の部分が、耐震強度が非常に厳しい状況である。もし本当にあすにでもこの関東大震災級、あるいは阪神・淡路級の震災がこの首都に襲ってきた場合に、市場が一瞬にしてつぶれる。そうすれば、この市場がどれほど、この東京が、また首都圏が、全国がどれほど混乱するのかということの、私たちはその責任もしっかりと感じながら、この議論を急がなければいけないというふうに思うものであります。
 その上で、私は先ほど工期、これは非常に重要だと申し上げたわけで、十一年と何カ月とか、十七年とか、そんなに待っていられない状況であるということを、やはり私たちはしっかりと認識をしなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。
 加えて、先ほども埋蔵文化財の話がありましたけれども、築地の歴史から見て、この文化財についてどのような文化財が可能性があるのかですね。また、それが発見された場合どのような影響があるのか、ちょっと確認をしておきたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 築地地区でございますけれども、文献等を調べてみますと、江戸幕府の老中でございました松平定信などの大名屋敷が位置していたということがわかっております。それに加えまして、松平公の有名な江戸時代の庭園でございます浴恩園の跡にあるということ。それから、この地域全体が江戸遺跡の範囲に含まれているということ。また、隣接する浜離宮などがございますことから、いずれにしろ試掘調査の必要があるというふうに考えております。
 その結果、遺跡が発掘された場合には発掘調査をする必要がございます。築地に準ずる十ヘクタール規模の埋蔵文化財調査の事例でございますけれども、汐留の遺跡ですとか、市谷本村町の遺跡調査の場合には、発掘調査終了までに十年程度の期間を要してございます。
 発掘調査が終了するまで、文化財に影響を及ぼす掘削工事を行うことは、残念ながらできませんので、すべてこのものが丸々とは申しませんけれども、事業計画スケジュールに支障が生じる、大幅に遅延する可能性はあると考えております。
 そうした場合、A案の場合は、晴海に移っていますので、狭い場所の中でいろんなことをやらなくてはいけないという、その仮設期間が長くなってしまいます。また、B、C案の場合では、ローリングをやっている途中になりますので、当然、市場の営業そのものにもかなり影響が生じるというふうに考えております。

○伊藤委員 ありがとうございます。単純な足し算でできるわけではないと思いますけれども、いずれにしても、先ほど聞いた十一年九カ月、十七年一カ月というのは最短の工期だと。これに加えて、こういう文化財が出てくる可能性もある中で、私たちはそういうことも加味して判断をしなければいけない、このように思うわけでございます。
 次に、ランニングコストについて伺いたいと思います。
 新しくなる、新しい新市場での使用料がどうなるかということが、業界の方々には大変な関心事であります。そこで、使用料との関係では重要なポイントとなりますけれども、重層化することによってランニングコストにどう影響するのか、高くなってしまうのか、どのような影響になるのか、この辺をちょっと伺いたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 四十・七ヘクタールという豊洲の敷地内での機能を築地の二十三ヘクタールに集約するため、A、B、C案とも高層化とならざるを得ない案となっております。ランニングコストは、基本的には基本設計相当、いわゆる詳細な施設の配置とかを定めないと、また配管等がどうなるのか、そういうことも全部定めないとコストが算出できないので、今回の案では、残念ながら数値的にお示しすることはできません。
 ただ、ご指摘のように、一般的に平面構造よりも高層化した場合の方がランニングコストが高くなるのは明らかだというふうに思っております。具体的には、エレベーターを多数設置することとなりますので、また、各階ごとに、大阪でもそうでしたけれども、廃棄物の集積場などを設置する必要がございます。こうしたことによって、光熱費や清掃費はふえます。
 また、空調や換気についても、当然、高層化になることによって、体積や、逆にいうと配管の延長も長くならざるを得ません。そうしたことによって、当然運転効率は悪くなりますので、経費がふえます。また、六階まで給水しなくちゃいけないので、そのためにポンプアップなどが必要となります。
 また駐車場、今、地下で構造を用意しておりますけれども、そうした地下の場合には、運転費がふえるということも明らかとなっております。
 また、B、C案では、築地と晴海の二つの市場をつくりますので、当然一つに集約している方が、例えば警備員だとかそういうのを配置するにも、一つの方が少なく済みますけれども、二つにつくるということで、そういう維持管理などもふえるというふうに考えております。実際に大阪の市場、ご視察いただきましたけれども、お話の中では、立体化に伴って換気の設備や上下移動、エレベーターですね、こうしたものの導入でランニングコストが確実に上がったというふうにお話を聞いております。
 そのことの影響もございまして、残念ながら、整備前と比較して、平成二十年の市場施設使用料は約二倍になったということを聞いております。

○伊藤委員 ありがとうございます。高層化するとランニングコストにもはね返ってしまう。またそれが使用料にもはね返ってしまうということだと思います。
 私の方から最後の質問になりますけれども、市場の将来性、発展性について伺いたいと思います。
 冒頭述べたとおり、市場は新市場に移ることが目的ではないと思います。むしろ、その後魅力ある市場として、時代の変化とともにまた対応しながら、この市場が発展していくということが重要だと思います。そういう意味で、この市場機能の発展性については、A、B、Cの案ではどのように担保され、そしてまた将来の柔軟性などをどのように確保しているのか、この辺の課題も含めて伺えればと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 築地市場でございますけれども、首都圏の三千三百万人の食の安心・安全を守っている、その中で豊富で新鮮な生鮮食品を供給する基幹市場としての役割が求められているというふうに思います。また、全国各地から、大型産地からの荷を大量に受け、日本の食の価格形成を行う拠点市場としても、その役割が求められているというふうに思っています。
 こうした役割をきちんと果たしていくためには、多数、大量の荷の受け入れをきちんとやり、そうした大量の荷についての動線の確保、その荷さばき、品質管理の徹底など、市場機能をきちんと整備していくことが必要でございます。また、あわせまして、将来の流通環境の変化にも対応できる市場ということが望まれているかというふうに思っています。そのため、豊洲市場は、そういうことに対して将来性も加味して、四十ヘクタールの敷地の中でさまざまな機能を有しているものというふうに考えておりますし、当然、多少高層化する部分がありますけれども、平面構造でございますので、将来増築する可能性についても十分持っているかなというふうに思われます。
 今回のA、B、C案につきましては、そういう意味では高層化を前提としておりますので、残念ながらその辺のところは敷地の制約もありまして、なかなかフレキシビリティーを持てないというところはございますが、一応幾つかの点では、若干配慮をしております。
 まず、B、C案につきましては、晴海に本設される転配送センターでございますので、ここは先ほど申した豊洲と同様に、平面構造を基本としておりますため、将来の増築可能性はあるというふうに思っております。
 あと、若干ですけれども、加工パッケージのための増築のスペースなども用意しておりますけれども、残念ながら当面は駐車場で活用するということですので、将来使うとしても駐車場スペースが足りなくなってしまうという課題もあわせ持ってはおります。
 こうして、築地において、将来の流通環境の変化に対応した新たな施設整備を行っていく用地でございますけれども、どうしても狭い敷地を最大限に活用するプランということを考えますと、限界があるかなというふうに考えられると思います。

○伊藤委員 大変にありがとうございます。
 今回のこの中間報告、説明を受けまして、業界の方々の目線、また視点に立ってみると、さまざまな課題があることも明らかになりました。いずれにしても、先ほど申し上げたとおり、待ったなしの築地の状況を考えると、新市場を早期に整備することが、都民にとっても、業界にとっても、また食の安心・安全を守るためにも大切なことであり、私たち都議会として、早期にこの検討結果を取りまとめることが重要であるということが一つと、もう一つは、議会での検討も重要でありますけれども、先ほど青果の話を触れさせてもらいましたけれども、業界の方々は影響に直接かかわることでございます。今後は業界の方々へ、本案の特徴、課題などにつきまして、わかりやすい形でお示しをしていただきまして、業界の意見をしっかりと聞いて、そしてまた検討結果を取りまとめていく。こうしたことが重要であると意見を述べまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○長橋委員 それでは、私からも質問をさせていただきます。
 今、我が会派の伊藤委員から、今回の三案に対する課題、大方といいますか、かなり踏み込んで答弁をいただきました。まさに答弁を聞いておりますと、この委員会の中で議論されたことが次への一歩につながる、このように思うわけでありますし、また冒頭、自民党の委員からも、今回の課題について、また報道について、いわゆる市場整備費、費用についても指摘がありました。
 昭和十年にできた築地市場、今まで七十五年たって、その間にも再整備は検討されたけれども、とんざをした。もう絶対に後戻りができないわけでありまして、この小委員会、そして築地特別委員会、非常に大事な東京の将来、築地の将来を担う委員会でありますから、もちろん皆さん方は夏休みを返上して、この委員会の運営、また資料の作成に当たってきたと思いますが、さらに危機感を持って、今後の委員会に臨んでいただきたい。強く要望しておきます。
 うちの伊藤委員からは、種々お話があったとおり、課題について聞かせていただきました。改めてここで、この委員会、また初のこの小委員会の質疑でありますから、もう一度確認をしていきたい。この委員会に至った経緯というのを確認をしておきたいなと、このように思うわけでありまして、根っこの話でありますので、最初の私の議論としてはここをしっかりと確認をしておきたいと思うわけであります。
 まずは、七月十六日に民主党さんから、この築地現在地再整備計画に向けての検討事項案、A、B、C案が特別委員会に提出をされた。そして、この再整備案を特別委員会として調査検討事項とするということを決めたわけであります。そして、あわせて設置をいたしましたこの小委員会において調査検討を行っていこうということでありますので、特別委員会のもとにできたこの小委員会が、この民主党から出された検討案について検討すると。しかしながら、それに対しては、議会局調査部において具体的に調査をさせるということを、この特別委員会で決定をしたわけでありまして、そして先日八月三日に開かれた小委員会において、議会局の調査部長から、この調査についての報告があったわけであります。
 報告の中身は、調査内容が専門性を非常に必要とするものであることから、市場の業務に精通する業者へ調査業務を委託しておりますと、こういう答弁でした。そして、七月三十日に、築地市場再整備に関する業務経験を有する株式会社山下設計と契約をいたしましたと。
 現在、現在地再整備案三案の詳細調査を開始しておりますが、今月二十日、二十四日ごろまでに、工期や整備に関する概算費用などにつきまして中間報告を取りまとめる予定ですと。それがきのう出された案であります。
 さらに、委託調査の最終報告につきましては、この議論も踏まえてということだと思いますが、九月末を目途としておりますと、こういうことでございまして、あくまでこの特別委員会として専門的、そしてかなり専門的に技術的な観点からも調査をしたということでございますので、この出された中間報告という案は、非常に専門的、中立的なものでありますし、議論もそれに対して、各党派にとらわれず、きちっと議論をすべきだというふうに思うわけでありますけれども、まずはこの株式会社山下設計にどんな契約方法で契約をしたのか。またその金額はどうであったのか。また、選定に当たっての、先ほど非常に専門的な技術を有した、こういうことで当たったわけでありますが、その条件、そうしたことについてお答えをいただきたいと思います。

○森山議会局調査部長 今回の調査検討につきましては、まず、七月十六日に特別委員会よりご指示をいただいたところでございます。この調査につきましては、専門性を非常に必要とするものであるということから、市場の業務に精通する業者へ調査業務を委託することが必要であるというふうに考えておりました。
 このため、業者の選定に当たりまして二つの要件を設けてございます。一点目は、過去に卸売市場の全面的な再編整備、これは年間取扱量が、水産については十万トン以上、かつ青果についても十万トン以上、これらを扱っている市場に関する基本計画または基本設計を受託した実績があること。二番目としまして、過去に東京都における水産、青果をあわせ持つ卸売市場に関する基本計画または基本設計を受託した実績があること。これを要件として、受託業者の方の希望を募ったところでございます。
 その結果、三者により競争入札が行われまして、平成二年の築地市場再編整備基本設計に携わった株式会社山下設計と、七月三十日の日に税抜きで二百三十七万七千円で委託契約の方を締結してございます。さらに、委託の際の仕様書におきましては、調査を行う際の配置する技術者につきましても、過去に都における水産、青果をあわせ持つ卸売市場に関する基本計画または基本設計策定の業務等の経験を有する者を必ず配置することという条件を付しまして、総括技術者として、平成二年の築地市場再編整備基本設計に携わった者が実際に配置されて、調査検討を行っているところでございます。

○長橋委員 今回の調査委託に当たって、非常に実績を重視をされたということであろうかと思います。
 改めて聞きますが、この山下設計に決まった、三者の中から決まったと、こういうことでありますけれども、山下設計の実績というのは具体的にどういうものがあるんでしょうか。

○森山議会局調査部長 過去の実績としましては、平成二年の築地市場再編整備基本設計に携わっているということでございます。

○長橋委員 ですから、山下設計は、過去のこの築地市場の再編整備についてもかかわっていたということでありますから、非常に市場移転については熱心に取り組んできたということだと思います。
 そこで、七月十六日に出された民主党の検討事項案、A、B、C案ですね、これだけではなかなか条件を、委託するには難しいだろうと思うわけですね。もちろん専門家がやるわけでありますけれども、それを補足する意味といいますか、さらなる条件を具体的に示したのが、私は八月三日の議論だったと思うんですね。自民党さんから、また共産党からも質問があった。その中で、例えば今さんざん議論がありましたけれども、青果が上になるというようなこともそこで初めて明らかになったわけでありますけれども、もう一度整理をする意味で、この検討事項案に八月三日の議論が加わって、この中間報告が出てきたと思いますけれども、八月三日に出された条件、具体的な、民主党の増子副委員長から話があった条件というのはどういうものだったのか、整理をして答弁をいただきたいと思います。

○森山議会局調査部長 八月三日の小委員会におきましては、まず副委員長の方から、検討事項案の説明の中で、タイプCにつきまして、一部機能を晴海に一時移転するということを条件として追加する旨のご説明がございました。これについては、特段皆様の方からご議論はなかったと認識しております。
 また、検討事項案につきまして、民主党の想定している内容としまして、一階に水産を配置し、その上に青果を配置する。B、C案のローリング回数は三回程度。B、C案において一時移転を行う一部機能とは、青果あるいは水産の機能といった一つのまとまりが基本。B、C案において、晴海地区への仮移転の際は平面配置が可能。A案で晴海地区への仮移転の際は、十五ヘクタールよりももう少し使える可能性もあり、場合によっては多層化もあり得ると。環状二号線につきましては、A案は地下化を模索し、B、C案は現行の計画で可能。再整備した施設の面積については豊洲並みのものと。それから、積みかえ品の数値については、平成十四年五月の築地市場物流実態調査中の通過物等ということ。それから、大口というのは競りが始まる前に築地から運び出されている商品といった各点についてご議論があったというふうに認識しております。

○長橋委員 今、調査部長からご答弁があったとおり、そういったことがこの小委員会で議論されて、小委員の皆さんもその議論を聞く中で、特にそれに対する質疑に対する新たな提案、また疑義はなかったと。その上で、その内容がこの中間報告に出されたわけでございまして、私の見る限りでは、そうした議論も踏まえて、かなり専門的に、そしてまた調査されて、この中間報告が出されたと、このように思うわけでありまして、確かにきちっとした前提がなければ調査もできないわけでありますし、また逆に、いろんなプランが出てきてしまうと、これはどの案がいいのかということを考えると、限られた時間の中で委員会として結論を出していくには、今いったことを踏まえて議論すべきだろうと、このように思うわけでございます。
 そこでちょっと民主党さんにお伺いをいたします。そのときの議事録はここにあるわけでありますが、その中で、それぞれ質疑の中で答弁されていて、今いったような内容が明らかになったわけでありますが、さらに、多層化を多層化と感じさせないような手法あるいは工法といったものも実はございまして、ぜひ一度見ていただきたい。これは、業者への負担軽減というような中からご答弁があったんですけれども、改めて確認するんですけれども、この前提には、アイデア募集をさせていただきましたと、我々も聞いております。民主党さんがアイデアを公募して、大変多くの案が応募があったと。そういう中の一つの案でもあるのかなというふうに、文脈としては読めるわけでありますけれども、また、昨日の議論の中では、そうした案を取りまとめて、検討事項案として提出をしたと、こういうお話もあったかと思いますので、もう一度改めますけれども、こういったアイデア募集の中からまた新たな提案というのが、きのうもちょっと議論したんですけれども、新たな提案というのはないというふうに、私は、ないというか、すべきではないと、こういうふうに思うのでありますけれども、そこら辺はどうなんでしょうか。

○増子委員 私どもが議会で検討していくというその設定の中で、しかしそうはいっても、何らかのたたき台というか、ベースになるものがないと、議論が当然進まないということもあります。それで、なるべくコンセプトとスペックという形で出させていただく中で、皆さんのご理解をいただきながら、検討案を実際にコンサルでつくっていただいているということだというふうに、まず思っておりますし、その後、私たちの中でアイデア募集、今、長橋先生からもお話ありましたけれども、いろんな方からいろんなアイデアをいただいております。
 もちろん、今回の山下設計さんは、大変、市場の建設に本当に精通しておられるということで、それはそれで私どももそういう認識をしておりますけれども、当然いろんな、先ほど申し上げましたけれども、都が何か施設をつくるといったときにもコンペをやったり、当然プロポーザル方式をやったりして、いろんなものを考えていくという中では、いわゆる根幹にかかわるスペックとかコンセプトとか以外にも、車の上がり方とか駐車場とかというのはいろんな考え方が当然あるものだというふうに思っておりますので、私たちは、そういった意味では、もちろん時間が限られているのは、限られているというか、早急にやった方がいいと思っておりますし、三定を目途にというのも理解している中で、最大限できる、よりいいものを議論しながら目指していくというところに、ぜひご理解をいただければありがたいということで、さまざまなご提案もさせていただいているというふうにご理解いただければありがたいと思います。

○長橋委員 改めてお伺いをしたわけでありますが、今ご答弁があったとおり、時間のない中、また三定の中で結論を出すという中で、よくわかっていると、こういうことでございます。そういった意味では、うちの伊藤委員がいっておりましたけれども、やはり市場がどうあるべきかということからこの議論を進めていくことだろうと思いますし、もちろんないと思いますけれども、また新たなアイデアとかということではなくて、専門的に調査された内容について、それをきちっと議論をして深めていく中で結論を出していただければなと思うところでございます。
 最後に、課題とは違いますが、卸売市場の再編の推進についてということで、農水省がこういった報告書を出されております。中身は、今後の市場のあり方ということだろうと思います。今、国が第九次の見直しについて進めているというようなことでしょうけれども、これからそれも入るんでしょうけれども、この中に中央卸売市場の役割分担の必要性であるとか、また拠点市場の役割、そういったことが議論されているわけでありますけれども、これの方向性について、やはりこの流通の変化に伴って、市場自体も、再編といいますか、また新たな市場が迫られているということだと思いますから、これもやはり私はこの議論の中で、課題としては踏まえていかなきゃいかぬなと、こう思っているわけでありますけれども、まずこの内容について、また、国が考えている方向性について、いかがでしょうか。ご答弁をお願いします。

○大朏中央卸売市場市場政策担当部長 国は近々、平成二十三年度から二十七年度までの五カ年間を計画期間といたします第九次の中央卸売市場整備計画を策定するとしております。現在、その方向性を示します卸売市場整備基本方針の策定中でございまして、この基本方針を本年十月を目途に公表する予定であると聞いてございます。
 基本方針の内容につきましては、先生お話ありました、卸売市場の将来方向に関する研究会、この研究会だと思いますが、これは農水省が主催いたしまして、市場関係者ですとか学識経験者等の研究会でございますけれども、この研究会が本年三月に報告書をまとめました。この報告書ではいろいろな対応方向が書かれてございますが、幾つかご紹介いたしますと、出荷者、需要者のニーズへの適切な対応が必要であるとして、卸売り場の低温化など、コールドチェーンの推進、あるいは中央卸売市場の一部を拠点市場として位置づけるなど、効率的な物流ネットワークを構築する観点から、卸売市場の再編の推進、あるいはコンプライアンスの徹底や地球温暖化問題を初めとする環境問題への対応などが必要であるとしております。
 国の第九次の卸売市場整備基本方針においては、こうした内容が基本的な考え方として示されるのではないかと考えております。

○長橋委員 今、ご答弁がありました。やはり物流の効率化をより図っていかなければ、市場は生き延びていけないといいますか、再編をしていかなければ市場の機能はどんどん低下してしまうだろうということでありますから、基本的には、効率的な物流ネットワークの構築をする観点から、卸売市場の再編推進が必要であるということで、ここに研究会でまとめられていると。こういう方向で、第九次の整備計画もより具体的にまとめられていくんだろうと、こう思うわけであります。
 東京には築地市場だけじゃなくて、ほかにも市場が当然あるわけでありますが、その基幹市場である築地市場がどういう市場になるのかということが、国においても私は注目をされていると。東京都はその責任がある、こういうふうに思うわけでありますけれども、そうすると、どうしても効率化という観点からすると、民主党さんが出されたといいますか、検討事項に出されているA、B、C案のB、C案、いわゆるツインマーケットというのは、この物流の効率化という観点からすると効率が悪くなるんじゃないかなと、このようにも考えるわけでありますけれども、今後計画をされる第九次卸売市場整備計画における方向性、それと、このツインマーケット案というのは、整合性的にはどのようになるのか、ご答弁いただきたいと思います。

○大朏中央卸売市場市場政策担当部長 先ほどご答弁申し上げました卸売市場の将来方向に関する研究会の報告書では、大規模な市場と中小規模の市場における流通事情に即した卸売市場の機能、役割分担の明確化を図り、効率的な物流ネットワークを構築することが重要であるといたしまして、中央卸売市場について、おおむね地方ブロックごとに、大型産地から荷を大量に受け、周辺の市場と連携した流通を行う役割を担う拠点市場を位置づけ、その機能強化を進める必要があるとしてございます。
 今回のB、C案でございますが、報告書にも記載がありますように、築地と晴海に機能分離されているが、両市場間の二次配送が発生するため、物流コストが上昇する、あるいはまた、今後、物流の効率化が進むと築地に行く荷が少なくなるなど、ブランドの維持に影響を与える可能性があるなど、機能分離に関する課題が指摘されてございます。
 したがいまして、B、C案につきましては、効率的な物流ネットワークが確保できるのか、あるいは築地市場が今後拠点市場としての地位を確保し、維持し続けることができるのかといった観点からも、十分な検討が必要であると認識しております。

○長橋委員 今のご答弁を聞いていますと、いわゆるハブ空港であるとか、ハブ港湾というんですか、その取り組みが、日本はある面ではおくれたがゆえに、ほかの国に持っていかれたと。ほかの国に流通で一歩おくれをとったと、こんな話も聞くわけであります。
 そう考えると、今、世界の中で日本が注目されている一つに、食の文化というものが大変注目をされているわけであります。日本の食、なかんずく、私も議会ではこの東京の食文化といったことも取り上げたことがありますけれども、まさにその基盤を担うのはこの中央卸売市場でありまして、今、場合によってはコストが上昇してしまう、また、築地ブランドが低下をしてしまう。こういうことがあっては、やはり日本の文化の発信、東京の文化の発信にも影響してくると、このように思うわけでありまして、こういったことも踏まえて、市場をぜひ、再整備については検討すべきだろうと、このように思うわけであります。
 最後に申し上げますが、それぞれ最終報告を取りまとめるということでございます。今、我々が議論しているのは中間報告でございます。最終報告を取りまとめるに当たって、きょうの議論も踏まえてされるんだろうと思いますけれども、それについて、やはりもう一度、うちの伊藤委員がいっていましたけれども、工期についてもきちっと比較検討できるような、工期というものをきちっと示さなければ、都民は迷ってしまう。
 また、きょう報道された事業費についても、単純に見れば誤解を生ずるわけでありまして、昨年我々は、我が党、予算委員会でこの課題について取り上げました。そのときに、事業費の問題が大きな問題だ、このように取り上げました。当時の再整備基本計画によれば、当初二千三百八十億円の事業費が、再試算によると三千四百億円になったと。さらに、現在においては環状二号線の土地利用の制約などから、重層化が避けられず、それ以上の事業費が必要になると見込まれるんじゃないのかと、このようにお伺いをしましたら、当時の市場長からは、あえて施設の面積のみに基づいて事業費を試算しますと、施設建設費は四千百億円と見込まれると、こういうふうになっているわけでありまして、三千四百億、また昨年の予算委員会では四千百億、その中身について我々は説明は受けていなかったわけでありますが、それがこういうふうな形で報道されると疑心暗鬼になるのは当然だろうと、このように思うわけでありまして、そうしたことを踏まえて、最終報告に向けて、またこの委員会の運営については、皆さんも一緒にやっていくわけでありますから、さらに緊張感を持ってやっていただくことをお願いしまして、質問を終わります。

○西岡委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
   午後三時十五分休憩

   午後三時三十三分開議

○西岡委員長 休憩前に引き続き小委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○清水委員 我が党は、本議論の大前提として、都民、業者の多数の一致した意見は現在地での築地再整備であること、そして、土壌が汚染されている豊洲新市場は、食の安全を守る立場から認められないということだと考えます。そういう立場で、現在地再整備を現実に前進させるところから質問をしたいと思います。
 まず最初に、議会局の中間報告についてです。
 A案からC案の晴海の仮設冷蔵庫の建設費、ランニングコストはどれほどを見込んでいるのかお伺いいたします。

○森山議会局調査部長 ランニングコストについては、今回の調査では、ちょっと残念ながらはじいて--済みません。建設費でございますか。ちょっと今回のところは積算しておりません。

○清水委員 計算していないということを、これまでもお答えいただいていますので、私は、だれが負担するかどうかは別としても、どのような費用がどれぐらいかかるのか、たとえそれが民間であっても、すべてを明確にすることなしには前に進まないというふうに思います。その上で、だれが負担するのかということが議論されることになるというふうに考えます。
 この十年、事もあろうにガス工場という危険な土地にひたすら移転をさせようとして現在地再整備の時計をとめてきた都が、業者負担を抑えるために何をするのかということは、決定的だといって過言ではありません。この本編の中の与条件の理由の中でも記載されていますけれども、これまでもたびたびいわれてきたことですけれども、水産や青果が仮移転になれば、冷蔵庫棟の仮設費用負担が大問題になるというふうにいわれておりますが、冷蔵庫棟の建設費の仮設費用負担について、本報告では、先ほど掲載されていないというふうにはいわれましたけれども、どのように考えておられるのかお伺いいたします。

○森山議会局調査部長 冷蔵庫の建設費についてですけれども、豊洲の新市場整備計画では、冷蔵庫については市場業者に整備されるものとされておりまして、今回の検討に当たっては豊洲との比較ということですので、仮移転も含めてこの考え方を適用して、単独では積算をしておりません。

○清水委員 A案を前に進める場合に、この冷蔵庫棟の仮設での整備という問題が、本設の建設費ということもありますけれども、とりわけ仮設に冷蔵庫棟をつくらなければいけないということで大変負担になるということは、これまでも繰り返しいわれてきているわけです。私は確認するために、都の冷蔵庫棟を先日、視察をさせていただきましたけれども、マグロの冷凍庫棟、マイナス四十度などの中にも、オーバーを着せてもらって入らせてもらいました。そして、その設備というのは、予想していたよりははるかに大変な設備です。到底、仮設だからといって簡易な施設にはできないだろうというふうな説明があったわけですけれども、この冷蔵庫棟の簡易の施設ということが考えられるのかどうなのか。これは市場でもいいんですけれども、ちょっとお答えいただけますか。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 この冷蔵庫につきましては、この生鮮食料品を取り扱う卸売市場におきまして、取扱物品の特性に応じた鮮度管理、品質保持というものが求められます。当然、それは必要なものでありまして、今、先生、お話がありましたように、その温度帯も例えばチルド、フローズンというふうに大きく分かれておりまして、その温度管理も、例えば十度からマイナス二十度、そしてもっと高いものはマイナス三十度以上の超低温で保存をしております。こういった設備につきましては、例えば断熱材であるとか、それを冷やす機械室、そういったものがやっぱり必要になりまして、仮設という形には多分難しいんだろうなと。やっぱり本設並みの費用、ランニングコストがかかってくる、そういうふうに理解しております。

○清水委員 その場ではそういう説明も受けたので、私はそれが仮設でできるなどということは軽々しくいえませんので、そういう本設並みの設備が仮設の場所でも行われるのかなという予測が立つわけです。そうすると、その建設費というのは、民間のところを伺うことはできなかったですけれども、都の設備だと建設費が十億円以上かかると。そうなると、あの中には民間のも含めて八つとか九つとかあるわけですから、数十億、百億近くかかるというふうになるかと思うんですけれども、晴海に仮移転して仮設の場合もこの規模でつくられることになるのかどうかということを、中間報告の内容はそうなっているのかどうか伺います。

○森山議会局調査部長 晴海の仮設の場合の冷蔵庫ですけれども、これは築地で使っているものと同等程度といいますか、築地で使っているのと同じような業態で必要になる程度というのを予想しているということでございます。

○清水委員 そうすると、水産の仮移転の場合の一つの大きなネックに、冷蔵庫棟の仮設整備ということが出されてくるかと思うんです。これは意見ですけれども、やはりその問題もどういう立場でこれから進むのかということについて、計算していないといったんですけれども、大前提として民間では、じゃ、それはどれだけかかるのかということなどもきちんと計算をするということが重要だと思います。そういう課題が、もうずっといわれてきているわけですから、実際に現在地再整備になって一つの案が出てきて、それなしには前に進めないかもしれないということの場合、そこに踏み込んでいかなければいけないということで、やはり計算していただきたいというふうに思います。
 次に、B案、C案について、この建設費の一覧がありますけれども、晴海地区に三十億、六十億の建設費が計上されていますが、これは何ですか。お聞きします。

○森山議会局調査部長 まず、三十億ですけれども、B案の方でいきますと、水産の配送センターその他の施設分の本設分です。C案にいきますと、青果の大口ピッキング、水産配送センター、水産大口荷さばき関係、それとその他の施設関係ということになってございます。

○清水委員 今いわれた部分というのは、主には市場機能としては、現在、市場外取引として位置づけられているものだというふうに思うわけです。それを東京都の建設費として計上する理由をお示しいただきたいというふうに思います。

○森山議会局調査部長 今回の算定に当たっては、豊洲の新市場の計画との比較ができるようにということで算出しております。豊洲新市場における都と市場業者との整備区分に基づきまして、今回の部分については東京都が整備するということになっておりますので、建設費として積算しているということでございます。

○清水委員 今の説明で、市場外取引、今までも九百何十トン、約千トンという扱う場所について、市場施設として豊洲案とか、それからA案の中にも入っているということで、スペースとして確保されるということです。仮にその機能を含めて整備した場合に、これまでは市場のあいているところだとか、隅で行っているとか、そういうところを利用して積みかえていたなどの仕事が、大型トラックでスムーズに取引が可能になった場合、その是非は別として、これまで以上に積みかえや大口取引がスムーズになっていくということは、ふえていくということが予想されるわけです。そうなった場合に、相対取引の量が減少されるというふうな予想はされなかったのかどうなのか。取扱高への影響とか、全体の取扱高へのこの影響について、それはどのような試算をされているのかお伺いしたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 B、C案については、ツインマーケットということになっておりますので、当然、大口のもの、それから他市場への転送というものが、B案、C案では晴海の方に移るということになっております。まず、じゃ、それによって、多分、築地というのがどういうふうになっていくのかというご質問かと思いますけれども、基本的にそれがどういうふうに移行するかということまでについては、今回は調査はしておりませんが、一般的に考えれば、B、C案のように転配送の機能を移した場合には、機能が分離されるので、産地は二カ所に荷を運ばなければなりません。そうしたことを考えますと、効率化を目指す産地としては、市場取扱物品と他市場向けの荷を混載しているという現状から考えますと、二次輸送のコストが当然発生するということは考えられるかと思います。今、スーパーマーケットの業界も二十カ月ぐらい連続、売上高が落ちていると。イオンさんなんかもいろいろ経営の統合なんかをやられて、今後、仕入れコストを下げてくるというようなことも新聞報道でされております。そうした状況を踏まえると、当然、築地というブランドがどこまで機能として維持されるのかということについては、そういう業界動向を十分勘案する必要があると思いますけれども、一般的にいえば品ぞろえの豊富さを武器に産地や顧客から信頼を得ている築地というブランドの魅力というのは、やはり減退せざるを得ないということで、そういう意味では取扱量が減っていくということは、十分予想されることかと考えます。

○清水委員 加工パッケージセンターなどについては、例えば水産業者の中には、共同施設をつくっても、加工ということになると企業秘密だと。仲卸業者が共同して使用するにはなじまないということも一方でいわれています。他の市場を視察すると、当初につくった加工場、パッケージセンターがあるわけですけれども、それは本来の加工場としてではなくて倉庫として利用してしまっているところも、幾つかのところではありました。また、それは本当に市場機能としての施設であるのかどうかということです。それから、場外に民間施設として整備しているところもありました。今回の中間報告では、そうした各市場の実態を踏まえて必要施設として検討し、面積を出したものなのかどうか。この加工パッケージセンターの豊洲のものをそのまま移したということはあるのかもしれないんですけれども、そういうことをいろいろと要望を聞いたり、整理したりして出されたものなのかお伺いします。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 基本的には、清水委員からもお話があったように、豊洲スペックということなので、豊洲の加工パッケージとして必要なものを今回の計画の中には織り込んであるところであります。他市場等の話でいえば、例えば盛岡なんかの市場では、仲卸の機能のそれぞれの売り場のすぐ横に加工パッケージ的な場所を確保して十分整備されているようなところも見受けられますが、当然それは広い敷地があるので、仲卸さんの売り場面積をそれなりに確保できるということを前提に、そういうことがなされているというふうに思います。ですから、築地の場合には限られた施設であるということから、そういう施設についても集約化などを前提にしてやるということについては、当然合理的な考え方ではないかなというふうに考えます。

○清水委員 ある市場では、仲卸に貸すという企画をして施設をつくったけれども、お申し込みは予想外に少なく、採算面で課題が残ったということも聞いています。そのほか、低温施設、配送センターなども、どの程度の規模にするかは大型量販店対応の物流センター機能を中心にした豊洲の規模そのものをそのまま実務的に横引きして、それを現在地で整備した場合の、後で触れますけれども、施設使用料を計算して出すなどということは、業者負担が膨大なものになる危険というものがあります。市場機能としての関連施設は、業者との相談を進めながら検討していく必要があります。また、現実に行われている積みかえ品の機能整備などについては、全農などというところも自分たちで各地に物流配送センターを持っていますので、公正性という点からも、市場外取引のルール化を一方で進めていく必要があると思います。
 先ほども他の委員も触れたかもしれませんが、そもそもB、C案の水産、青果を切り離した案の晴海仮移転については、なかなか困難だということを私は考えています。青果業界の方からも改めてお話を伺いましたけれども、水産、青果の切り離しというのはなかなか困難だと。参考人に質疑に来られた業界の方も、築地というのは水産、青果両方の特に業務向けの新しい商品、珍しい商品を世に発信しているんだ、七十数年の歴史がある総合市場なんだということを強調しておられました。また、最近も築地の青果の方に伺ってきましたけれども、その総合市場とか、それから何で青果の方が築地、水産と一緒じゃなきゃだめなんだということが改めて私も認識できたんですけれども、築地の青果の特徴というのは、大田の青果物とは違う特徴があるということです。魚を仕入れる人たちが関連商品として仕入れるケースが多くて、高級ワサビは築地でないと仕入れられないんだそうです。つま物を扱う店も多いんだそうです。青果一般も、例えば料亭の方が仕入れるようなものを比較的多く扱っていると。水産と一体でなければ買参人が困ってしまうし、別々の整備では業者としても売り上げに大きな影響を受けると。他の市場にはないこうした築地の食文化というべきものを守るためにも、築地の青果を水産と一体で残してほしいという話も伺ってまいりました。その点では、なかなか業者の合意というものを得るには、これはとても困難だなということを感じました。
 次に、使用料の問題ですけれども、施設使用料を試算する際に市場別使用料を採用した理由についてお伺いいたします。市場別使用料を採用しないという場合については、どのような試算になるのでしょうか。

○塩見中央卸売市場管理部長 私ども、中央卸売市場では、施設別使用料については現在検討中でございます。それが現状でございます。

○清水委員 この資料を見ますと、豊洲の何倍とかと書かれているんですけれども、今お話がありましたように、この議論というのは検討会で議論中だ、検討中だといわれているわけです。まだ結論も出ていないわけです。これまでは、大規模施設の改修というのは七カ所余りで一千六百八十億円余りの建設が実施されていますけれども、これらの建設費を中央卸売市場全体で負担するように対応してきました。どちらがいいかということは、またこれから検討する、結論を出すということなんですけれども、そういう時期でありながら、何でこの資料には市場別使用料を採用するのかという点で、やはりこのような形で示すというのは、私は公平ではないし、適切ではないというふうに思います。
 すべての機能を現在地再整備で行うのが現実的だと思います。その上ではいろいろ課題がありますが、それを、今までも繰り返しいっているんですけれども、都としてどう打開していくのかという都の責任ある対応が求められるわけです。業者の不安は、コストの負担問題、工事期間中の商売への影響、引っ越し費用などなど、先ほどからいわれております。それは都としても知恵と力を出し、業者と協力して解決すべき課題として受けとめるべきだと思います。工事期間がかかるのも、もっと工夫して工期短縮に努力すべきです。現在地で再整備する以上、ある程度かかることでしょう。問題は、都の責任で業者の方々の負担をできる限り少なくし、工期を短くすることです。
 もともとここまで再整備問題がずれ込んできたのは、私たちがこれまで指摘してまいりましたように、当時の現在地再整備で進んでいれば、もっと早く完成できました。今ごろ完成できています。当時、業者への要望を十分配慮せず、財政難を理由にした市場機能の縮小、業者間の調整や課題の解決に十分な役割を果たしてこなかったこと、現在地再整備が進まない中、石原知事が高濃度汚染地への移転計画を強引に進めたことなど、都に責任があります。だからこそ、時間の短縮や費用の節約などに全力を尽くすことや、業者間の調整などに全力を傾注して現在地再整備の実現性を図る必要があります。
 費用の点でいえば、高濃度汚染された豊洲市場予定地を買ったばかりに、用地取得費、基盤整備費にこれまで一千億円も投入してまいりました。土壌汚染対策などには、今後さらに六百億円近いお金がかかり、それもこれで済むという保証はありません。最大の問題は、豊洲新市場予定地は土壌汚染問題で、どうやっても食の安全にふさわしい場所にすることができないことです。そこに移転したら百年の悔いを残すことになると思います。都民の安全を最優先すべき築地再整備に努力すべきです。
 次に、知事本局チームがまとめた中間報告についてお伺いいたします。
 都議会の参考人質疑で豊洲移転を主張される方も、現在地で再整備できればそれが一番よいというような意見をいっていました。そのほかにも何人かの関係者からお話を聞きましたが、同様に現在地で再整備できればそれが一番よいというふうにいっていました。この関係者の声にこたえることが、今、都に求められる姿勢だと思います。
 ところが、これまでの市場当局の対応は、私たちが議会で現在地再整備について何を聞いても何を提案しても、それは不可能ですと繰り返すだけでした。今回の知事本局のチームは、議会側の現在地再整備検討に協力する。同時に、執行機関としても現在地再整備について調査するという二つの役割に沿って報告をまとめたかと思います。私たちは、こうしたチームができた以上、これまでの市場当局の、それは不可能だという一辺倒でかたくなな同様の対応ではなく、誠実に建設的に現在地再整備の検討を前に進めていただきたいと思っています。
 何点か伺います。
 最初に、市場のあり方にかかわる問題です。
 知事本チームがまとめられた中間報告では、農水省の考え方を中心に、業界、諸外国の動向から、今後の卸売市場の施設整備の方向性をまとめています。私は、このまとめで重要な視点として欠落している点があると思います。それは、五月十七日の市場特別委員会の参考人質疑でも出された点です。拠点市場の考え方です。大きな産地から拠点市場に荷を入れて、大型量販店、大都市周辺の市場に配給するという方式です。これを進めてきたために、地方の中央卸売市場は衰退してきています。都道府県を超えた拠点市場への荷の一極集中を進めるという方式は、荷の奪い合いの中でそれぞれの地域の条件に応じた機能が失われてしまいます。産地も、拠点市場に合わせて大型産地形成の方向に進みます。豊洲については、東京だけでなく首都圏一円、三千三百万人の卸売市場への供給を担う基幹市場をつくるというご説明が先ほどもありました。首都圏には、横浜、川崎、千葉、船橋、宇都宮に中央卸売市場がありますが、そういうところの荷の減少につながります。結局、地方の中央卸売市場の衰退、少量多品種の沿岸漁業産地の衰退、産地の農業の振興に影響が及びます。
 そこでお伺いいたしますが、この道を避けるには、現にある中央卸売市場、地方卸売市場それぞれが個性を発揮して相互にバランスのとれた発展ができる、農林漁業の再建、商店街の振興が進むようにする方向こそ目指すべき今後の市場のあり方だと思いますが、この内容の調査というのはどのようになっているのですか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 これからの中央卸売市場につきましては、当然、市場の流れに沿って、やっぱり魅力ある市場をつくるというのが基本ではないかなというふうに思っています。そういう意味では、それぞれの市場が個性を発揮し合うというのは、それはおっしゃるとおりかと私も思いますけれども、ただ、画一的に物事を考えるのではなく、やっぱり大量出荷を一挙に引き受けられる市場と、これを地域的に補完する中小の市場、これがバランスよく機能してこそネットワークが形成される、そういう必要があるのではないかなというふうに思われます。
 そうした食文化の流通機能の中で、中央卸売市場がどんどん、ある意味市場に負けているところは実態があるかと思います。そうしたことに負けないためには、やはり魅力を高めていくという必要性があって、そこを広域と地域、ハブ機能を生かした全国的な流通、これを構築していくことが極めて重要だというふうに思っています。その中でも築地の市場というのは、全国各地の大型産地からの大量の荷の集積という利点を最大限に生かして、効率的かつ安定的な流通の確保、確かな目ききを通じた価格形成機能、それから食の安全・安心の確保という、こうした拠点市場として役割をますます充実する必要があるというふうに考えております。
 こうした考え方を基本に、豊洲新市場構想は構想されております。今回の現在地再整備案についても、基本的にはこの考え方を踏襲した形、スペックについても基本的には踏襲した、そういう市場を目指した考え方でありますので、それについては、全体的な方向感については本編の方でも触れておりますので、こうしたこれまでの考え方と同じというふうに認識をしております。

○清水委員 私は、十分な調査がされていないというふうに思いますし、それについて調査を引き続き進めていただきたいというふうに思います。
 次に、卸売市場の公的管理、公共性が崩れてきているという問題です。
 政府が進めてきた構造改革路線、規制緩和路線に沿って、競り原則、委託集荷原則など数々のルールの撤廃で市場への荷を集めようとしてきましたが、結果的には成功していません。それを踏まえて、国では市場あり方検討会で、これまでの原則を再確認する方向も出ているというふうに思います。
 築地市場は、水産では四百八十種類、青果物では二百七十種類など、豊富な品ぞろえを大きな特徴としていると出されている本にも書かれていますが、大型産地からだけではなく中小産地からも荷が集まっているからだということです。おすし屋さん、料亭、レストランなど、築地でしか売れないような魚もあるということです。これを支えているのが市場関係業者などです。品物を評価し、価格を設定し、多様な商品特性を評価できる、この高い能力を失わせることがあってはなりません。
 そこでお伺いいたしますが、今回の中間報告は、国が進めてきた規制緩和の方向を前提につくったものだというふうに思います。私は問題があると思いますが、それこそ国のいいなりになるのではなく、都民や業者の意見を踏まえ、現在地で再整備する上では現在の築地市場が持っている特徴を維持し、発展する市場のあり方を目指す方向にする必要があると思います。その上で、今後の調査のまとめ方として、築地市場が持っている特徴、日本の食文化を守り自給率の向上を図るという大局的な立場に立った全国的な役割を、調査報告としてはまとめておられないようですけれども、それについてはどうですか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 今回の調査でございますけれども、これは民主党さんの方からご提案がありました検討事項案、これをベースにして、そこに示された考え方、基本スペックをもとに検討したものというふうに認識をしております。それは、豊洲新市場のスペックに準拠しておりますけれども、そもそも豊洲新市場を計画するに当たっては、卸売市場審議会の場などを通じまして、専門家、業界、地元区の皆様方が参加して、現在の築地の機能、それから将来の市場の発展性などについても、さまざまな角度から議論をした上で策定されたものというふうに認識をしております。今回はそれに準拠してございますので、基本的にはそういう考え方を整理をされた上で、さらに現在地再整備の可能性を検討しようというのが今回の主目的だというふうに認識をしております。
 ちなみに、報告書においては、他市場におけるハブ機能の現状やコールドチェーンの状況などについても、代表的な市場を紹介し分析を行うなど、これまでの議論にないところも付加しているところでございます。
 なお、今回の検討につきましては、国の規制的方向性ですとか国のいいなりとかというご発言がありましたけれども、基本的には議会でご検討されているものを踏まえてやっているというふうに考えておりますので、私たちの方で特段そういう考えを持っているところはございません。

○清水委員 現在地再整備を検討するに当たって、これまで市場当局は面積の不足、建設費の増大、基幹市場としての機能配置が不十分などということを挙げてきました。それは、以上の視点からいっても見直しが求められます。
 例えば、築地市場の取扱高ですけれども、現在地再整備を進めた一九九〇年当時から三〇%減少しています。しかし、豊洲市場計画の取扱高は、当時よりも増加する計画です。また、今回の検討についても、先ほども申し上げましたけれども、その取扱高で行っています。建設費についていえば、先ほど市場当局が単純に比較できないことだということをいわれましたけれども、都が今までいってきた数字よりも低くなっているわけです。この二十年間の技術の進歩を考えた場合に、より工事期間を短縮できる工法の検討も必要だというふうに思います。
 そこでお伺いいたしますけれども、一九九〇年当時進めてきた現在地再整備案は、先ほども指摘したとおり、技術的な問題で失敗したわけではないと、私たちはこれまでもいってまいりました。当時の現在地再整備案は、都が設計会社や業者、一体で検討してきたもので、実現性は高いものがあると考えていました。当時の案についても、専門的な目から見ても、現在の取り扱いなどから見ても再検証すると。現在の技術水準から工期の短縮などの可能性をしっかり検証し、改善した場合にはどのような工期と経費がかかるかなどを調査することは、業者がさまざまな可能性を比較検討する上でも有効なことだと思います。先ほども議会局の方にも伺いましたけれども、知事本チームの方にもお伺いしたいと思います。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 築地市場の現在地再整備を行ったのは、昭和六十三年に基本計画を策定いたしまして、平成三年から工事に着手したものでございます。当時は当時の考え方があって、設計思想、設計理念があったというふうには思っております。ただ、現状はかなり流通環境、当然、取扱量、いろんなさまざまな技術的な課題というのが、当時と違ったものがあるというのはそれはそのとおりかと思います。
 ただ、一方で今回の調査につきましては、民主党さんがご提案いただきました検討事項案をもとに検討を進めたものでございます。そこについても、十分、豊洲スペックを準拠していることから、今日の流通環境の変化、市場の将来のあり方なども考慮した上で市場を整備できる具体的なものという形であらわされたものかなというふうに思っております。
 そういうことで、今日置かれた環境のもとでの現在地再整備は、過去に取り組んだことを全く顧みないということではございませんけれども、当然、置かれた状況の変化が大きくございますので、そのとき決めたからそれを全くそのとおりにやれということではなく、現在の状況を踏まえてきちんと対応することが、今後の市場のあり方としては適切かというふうに考えます。

○野口中央卸売市場新市場担当部長 先ほど過去の話が出ましたので、ちょっとご参考までにお答えいたしますと、過去、再整備は平成三年に着手しまして、八年に中断いたしました。その際に、これは財源の問題で最終的にとんざをした、そういうわけでは決してございません。この準備工事の段階、これは平成三年から着手しまして、仮設卸売り場、駐車場、搬入路、そういったものの準備工事を行ってまいりました。本体工事に着手する前に、やはりここで業界調整が非常に大きな問題になりました。その際には、やっぱり工期が長期化、それから先生がおっしゃった財源の問題も含まれております。
 その当時、どういうことがあったかと申しますと、やはり場内の物流、例えばご商売のための物流と工事用の物流の動線が錯綜する。そして、これが営業上の支障に出てくる。また、それで工事用の作業用地を確保しなきゃいけない。駐車場が制約をされてしまう。さまざまな問題が発生してきました。当時そういったことで、例えば産地の方からは、やっぱり積み荷が築地に来ても積みおろしに四、五時間かかってしまう。これではとても産地の方からもう断られてしまうんじゃないかと、そういう話が実際出ておりました。そしてまた、買い出し人の方も不便、不利益、そういったものが相当かかるので、周辺市場の方に移転をすると、そういう話も出ておりました。さらに、これは再整備に反対のための署名運動、そういったことも始めると、そういった話も当時出ておりました。そういったこともあわせて、いろんな財源だけの問題ではなくて、やはり工事の困難性、そういったものから当時は中断に至ったと、そういったものでございます。

○清水委員 財源問題だけだといっているわけではなくて、最初の計画から見直し計画案でぐっと縮小してきたでしょう。そのことを私たちはいったんですよ、なぜ築地市場がだめになったのかという議論のときにね。そのことを私たちはいっているんです。その縮小計画の中が、一つ合意がとれないというものに至ったということは、なぜ築地市場がだめになったとかという議論をしたときに私たちが指摘した内容です。
 関係者、関係業者からの意見聴取についてお伺いいたします。
 土壌汚染対策に関する技術会議の報告においては、八月十二日に中央区から、この間の情報提供のあり方、盛り土の調査において、内規が遵守されなかったことについての遺憾の意などが表明されておりますし、今後のことについて十分な情報公開を行うことや、技術会議の提言内容について中央区や区議会への説明を求めているというふうに思います。今回の現在地再整備についての二つの中間報告については、中央区、江東区など関係自治体、関係区議会に直ちに報告を行い、十分時間をとって意見を聞くことが重要だと思いますが、いかがですか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 地元であります中央区、江東区からは、これまでもさまざまなご要望をいただいておりますし、また、各議会の中でも真剣にこの問題で議論されているというふうに認識をしております。今回は、まず都議会、この委員会の中でご議論をいただくということが当然あってしかるべきということなので、今後、必要に応じて地元区等に要請することなども考えられることから、そうした機会などを通じて積極的に地元区とも調整をしてまいりたいというふうに考えております。

○清水委員 今回の報告には、先ほども述べましたけれども、中央区などが繰り返し東京都へ要望してきたことなどは触れられておりませんが、なぜでしょうか。
 また、業界からの意見ですけれども、通勤用駐車棟のほか加工パッケージ、冷蔵庫棟など、業者負担で施設整備する方針となっています。現在地再整備に従い、業界の要望に沿った形でつくるとすればどのような計画が考えられるかなど、こちらの調査としても報告書としてまとめる必要があったのではないかというふうに思いますが、どうですか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 例えば、中央区さんの方からは、二十一年二月二十六日の要望などで、豊洲地区の土壌汚染問題、築地の跡地利用、場外市場の問題、豊洲への交通アクセス、移転までの衛生防災対策等について、これまで要望を受けているところでございます。
 ただ、基本的にこの課題については、築地市場の豊洲移転、これを前提とされた要望ではないかなというふうに認識をしております。ということもございまして、今回の検討は現在地再整備の可能性の検討であるという性格から、中央区の要望内容、今、伺っている内容だけで見ますと、少なくとも築地での市場のあり方ということとは直接関係しないというふうに考えておるので、今回の報告書の中では特段のまとめをしなかったところでございます。
 また、業界につきましては、当然、市場の性格からいって業界の営業活動と一体不可分であるということは私たちも十分認識をしております。それにつきましては八月三日の小委員会の合意の中でも、今後この案がある程度まとまった段階で、業界にご意見を聞くというふうにされておりますので、当然そうした業界意見などを十分に踏まえて、この報告書案については対応していくべきものというふうに考えております。

○清水委員 今の二つの点について、さらに調査をし、報告としてまとめていただきたいというふうに思います。私たちは、東京都がこれまでとにかく豊洲移転ありきだという姿勢を改めて、きちんと必要な予算をつけて、最新技術を結集するための現在地再整備を、広く専門家などからも公募して、より現実的な築地市場現在地再整備案をつくって進めるべきことだというふうにこれまでも申し上げてまいりました。それが、豊洲移転をやめさせて現在地再整備を実現する道であること、それを改めて申し上げて質問を終わります。

○星委員 最後ですので、よろしくお願いいたします。
 今回、この三案が示され、築地での現地再整備を望む方、あるいは豊洲への移転を不安に思う都民の皆様、業界関係者、それぞれの皆様が議会の議論の中で情報公開、あるいは行政の方たちの説明責任が果たされるという、こういう機会が得られたのは、私は非常に画期的なことだと思いますし、短期間でこれだけの資料を作成していただきました行政当局の努力に改めて敬意を表したいと思います。浮き彫りになったというふうにいわれている現地再整備に関してのさまざまな課題ですけれども、私としてはデメリットだけでなくて、もう少し現地再整備のメリットというところの中の部分も、この資料の中で表現をされてほしかったなという感想を持っています。
 それでは、質問に入ります。
 今回の調査の課題抽出の中で、トップバッターとしてアスベスト除去の問題が取り上げられております。残存するのは三万六千平方メートルだが、これは床面積のことで、残存量の精査は今後の調査によるというふうになっておりますけれども、そのことはどういうことなのでしょうか。もっとさらにあるのではないかということがいわれているわけでしょうか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 築地市場のアスベストにつきましては、都の全庁的な処理方針、これは昭和六十三年からアスベスト対策大綱として取りまとめてつくったものですけれども、アスベストの状況をちゃんと調査をして、そこで人に影響があるとか、そういうことで緊急に対応すべきものについては適切に対応するという基本的な考え方です。ですから、アスベストの中でも露出していない飛散の可能性が少ないというものについては、基本的には施設の解体等の場合にやるということとなっています。その中で、天井の内部などに封じ込められました吹きつけアスベストなどについては、サンプル調査などを行いまして、その存在を確認したところでございます。ただ、その量を把握するためには、実際に施設そのものを取り壊さなくてはその量が判明できませんので、あるということが明らかだということを前提に、残存量ではなくて平米で表示をさせていただいているところでございます。実際には、解体工事を行う場合については、正確にその辺の調査を行いまして量を把握していくということになります。

○星委員 東京都の位置づけの中では、ツーランクというか、三段階ぐらいありまして、たしか中央卸売市場は第二段階、いわゆる解体や改修のときに慎重に対応するというランクだというのは私も存じ上げているんですけれども、しかし、やはり本当にずっといわれている老朽化の問題、あるいは、いざ大地震が来たらどうなるんだろうかといった問題の中では、私は正直申し上げて、これは一刻も待たずして、除去が可能ならばするべきものではないかなというふうに思っていますが、豊洲までの移転は、いずれにしてもまだ四年もかかりますよね。ちょっと調べてみましたらば、アスベストがあるあるというふうにいわれておりますけれども、もう既に売り場の方の大方の部分、九割方は、もう過去に除去をされたということをお伺いいたしております。一九九二年ごろから何回かに分けて、かなり業界の方あるいは職員の方が、さまざまな努力、苦労をされながら、営業しながら除去をしてきたというようなお話も漏れ伝わってくるんですけれども、そういったことが可能ではないか。現実にやってこられたという経過があるというふうにお伺いしているので、そのときの手法なんですけれども、どういうふうにやってこられたのかお聞かせください。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 アスベストの処理については、廃棄物処理法ですとか労働安全衛生法ですとか東京都の環境確保条例、また東京都もさまざまなマニュアルをつくって、人の健康被害に係る重要な問題なので、その処理の方法や手続というのを定めているところでございます。既に築地につきましても、アスベストについてはこれまでずっと処理をしてきたところでございますが、当然、営業を続けながらのアスベスト処理ということになりますので、報告書にも記載をしているんですけれども、アスベストを処理する場合についてはちゃんと隔離をして、その中に集じん、また排気の施設などを設けて慎重な対応が求められます。これまでも、関係方面ときちんと調整をしながら、また工期などについても十分にとった上で、人の被害が生じるということでAランクに該当したアスベストなどについては緊急性を要しますので、これまで除去をしてきたところでございます。
 そういう意味では、残っているアスベストについては、基本的には都としては、人の健康被害に直接すぐには影響がこないものですし、また、まだこれだけ、三万六千平方メートルございます。これを除去することについては、例えば水産物部の本館などにまだ量がいっぱい残っておりますので、これを営業しながらさらに除去するというのは難しいことかなと。だから、解体時に行うことが一番ベストではないかなというふうに考えております。

○星委員 ちょっと私の質問の仕方が悪かったのかもしれませんけれども、もう既に除去をされてきたという経過が過去にあるという。そのときは、全面休業してアスベスト除去を行ったわけではなくて、営業しながらやられてきたということ、実績がおありになるということをお伺いしたので、どういった方法でその取るところの売り場は、そのところは閉鎖するとか移動する、どういった手法でやられたのか、今後のこともあるので非常にそのことに興味を持ったものですから、お答えいただけないでしょうか。

○横山中央卸売市場事業部長 ちょっとお答えする前に正確に申し上げますと、現在三万六千平米残っている部分というのは、露出部分だけでございます。全庁的な処理方針というのは、露出部分で、なおかつ飛散の、要するに飛び散る危険のあるところについて、先ほど先生がおっしゃったように三つの段階に分けて処理をせよという方向で、東京都は、特に中央市場は、六十三年からこれまで順次除去をしておりました。
 実際のやり方でございますが、例えば水産の駐車場、こちらを十九年と二十年の二カ年で一階から三階まで、実は天井部分、それから柱の部分に吹きつけアスベストがございまして、それを除去しました。そのときはどのようにやったかということですね。それは、ご存じのように市場の場合、非常に狭くて、実は駐車場を工事する場合は全部隔離しなきゃいけない。そのとまっていた車も場内に代替の駐車場を設けなきゃいけないと、そういうような制約がございます。そういうためには、代替駐車場を設けられた範囲でのみ、幾つかのローテーションに分けて工事せざるを得ないんです。そうしますと、具体的には一階と二階、三階という場合は、各階を五つから六つくらいの区画に分けて、その部分にとまっていた車を、別の代替駐車場を見つけられた範囲でもって細かく分けまして、そこをすべてプラスチックとかビニール等で何重かの、飛散しないように完全に隠した上でもって除去工事を行っています。そういう意味で非常に時間がかかっております。
 以上でございます。

○星委員 ありがとうございました。
 アスベストに関してお聞きしているのは、トップに非常にこれが課題であると、こういうことが述べられているので、ちょっと調べてみたら、営業されながら、当然今ご説明をお聞きしたら大変な作業だったということもありますけれども、いずれにしてもまだ時間がかかる撤去作業というところの中では、私は、食の安全もさることながら、そこで働いておられる労働者の方たちの健康の問題もありますので、一日も早く撤去していただきたいというふうに思いますし、工事に伴うリスクというとらえ方ではなくて、実際にすぐ着手をされれば、それぞれの案に関しても工期がこのことによって多少なりとも縮まるということもありますので、私は除去工事については粛々と進めたらどうでしょうかというふうに思います。
 次に、費用についてお聞きをいたします。
 建設費の費用で、提示をされている資料の中で各案の比較表の2、事業関連の費用が示されておりますが、新聞の報道でもありましたように、事業者への影響というところの欄で、豊洲新市場との対比となっている新市場における使用料の問題ですね。このことに関しましては、新市場における使用料については、私の認識では具体的な数字はまだ全く示されていないというふうに思っているんですけれども、一・六二というようなこの数字の根拠、なぜここで、豊洲の数字はまだ示されていない中で、豊洲との対比という形で一・六二という使用料が算出をされたのかということがわからないんですが、教えていただけますでしょうか。

○森山議会局調査部長 施設使用料に及ぼす影響ということで数字を載せさせていただいています。これにつきましては、小委員会における調査事項として、使用料に及ぼす影響について調べるようにということがございましたので調査させていただいたというところでございます。
 試算の方法につきましては、中央卸売市場より、市場別の使用料制を仮に導入した場合の算出方法と必要なデータについて聴取をいたしまして算定をいたしております。算定に当たりましては、当然A、B、C案のそれぞれの建設費なり、それから売り場面積につきましては豊洲新市場と同規模と仮定して計画をしておりますので、それぞれの市場使用料収入とか人件費等の共通費、これについては同額と仮定して算定しております。
 また、先ほどご答弁しましたけれども、維持管理費につきましては増嵩する。豊洲の方は平面でやるんですけれども、築地等は高層化するので普通は維持管理等が増額するはずなんですけれども、それにつきましてはちょっと正確に増分を把握することができませんでしたので、同額の維持管理費等を仮定しまして試算という形で出させていただいた。豊洲新市場に対してのときの使用料に対してどうなるかという形で比較表として試算を一定の条件のもとに出させていただいているというところです。

○星委員 わかりづらい話なんですけれども、建設費というところの中でも、先ほど来論議がありますように、いろいろな条件がまだそろい切っていない中での比較というところの中の部分では、余りその公平なというか、数字というようなとらえ方はできないということは先ほど来の論議の中で私もわかりました。ただこういう、非常に業者の方たちも敬遠をさらにされてしまうというか、不安を持たれるような数字がひとり歩きするのはよくないなというふうに思いますので、慎重な算出の仕方というか、出せないなら出せないという態度も必要ではないかなというふうに、いわれたから出したということはちょっと違うかなというふうに思います。
 次に、晴海についてお伺いをしていきたいと思います。
 今回、三つの現地再整備の可能性の検討ですが、今日の築地がまちづくりに与えてきた経済的な効果や国の内外問わず発信している独特な食文化を継承することはとても大事なことであり、私はA案もB、C案における築地とごく近い晴海の一体的な活用がそれぞれ検討に値することだというふうに思います。
 そこでお聞きをしたいと思いますが、B、C案では、築地と晴海に分散をしているということで、買い回りをしなければならないということが課題であるというふうにされておりますけれども、築地、晴海間の距離の実測というのはどれぐらいで、事実上買い回りをするのにどのぐらいの時間を要するのかおわかりになるでしょうか。豊洲も築地が大変広い分、買い回り、移動に課題があるということはいわれておりますけれども、さらに築地、晴海というところの中で分散というふうになった場合に、業者の方たち、買い出し人の方たちの所要時間というのはどのような感じなのでしょうか。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 B、C案は、そういう意味ではツインマーケットということになりますので、その機能連携が大事になります。ちょっと実測というか、済みません、地図ではかってみたところなんですが、当然、環二ができたときと環二ができないとき、どういうシチュエーションになっているかというのがありますので、晴海通りを経由した場合で申しますと二・七キロ程度になるのかなと。ということは、時速四キロで歩くと考えると四十分、車ですと五分から十分程度かなというふうに思います。それから、直線の距離ではかりますと二キロ程度でございますので、同じく徒歩の場合には三十分、車の場合にはそんなに変わらないと思いますので五分から十分程度ということになるのかなというふうに思います。
 ちなみに、豊洲についても若干買い回りのことに触れさせていただきますと、五街区の青果さんがございます。あと六街区に仲卸さんがいきますので、そういう意味では青果さんの東端、それから、場合によってはそこから仲卸さんを買い回るとなると、六街区の西端まで行くとすると、その直線距離は一・二キロぐらいあるかなというふうに考えております。

○星委員 次に、A案でいった場合に、仮設費用が六百億円、本設の費用が一千百八十億円ですよね。当然のことながら、仮設と本設というところの中では値段の差はありますけれども、基本的なこととして、この大きな差というのは、あるいは土台とか、基礎とか、資材の耐久性とか、あるいはさまざまな仕様の違いとかという認識でよいんでしょうか。仮設と本設の違い。

○森山議会局調査部長 築地の本設と晴海の仮設のこの費用の違いということですけれども、主な要因としましては、それぞれの床面積が大幅に違うということ、それから、建物の構造が本設の方は閉鎖型になってございます。それに伴って空調設備等の必要性があるというところがまた違います。それから、築地の場合は、高層化によって生じてくる基礎構造、これが違ってきますので、これを含む建物の全体の仕様が違うということが大きな要因でございます。これによりまして金額が異なっているということでございます。

○星委員 今、仮設の場合は閉鎖型ではないということでよろしいですか。--わかりました。
 取り壊す仮設にこれだけの多額の費用をかけるということに対して、私は非常にもったいないなというふうに思いまして、正直申し上げまして、これは意見ですが、いっそのこと、ネットが本来主張している晴海本移転というか、私どもはそういう主張をしてきておりまして、実はこのことに関しては機会あるごとに質問をさせていただいているんですけれども、全く敷地が足りない、あるいは交通アクセスのこと、諸事情で全く困難であるというけんもほろろ状態でずっといっていただいているので、私たちは正直申し上げて封印をしていたんですが、今回、この現地再整備案でこれだけのA案の仮設の地というところの中の部分で、かなり当初いわれていた平米数よりも多く利用して、仮設で、しかも、仮設といっても相当やはり長期間にわたって業務をしっかり行うというところの丈夫な仮設ですよね。本来業務を何年も行えるという、こういう案が示されたことは、私たちにとっては実は驚きなんです。
 そういう答弁をずっといただいていたこともありまして、これは確認させていただくだけで結構なんですが、A案の現地整備の建設費と晴海本設といった場合のいわゆる建設費というのはどのぐらい違うんでしょうか。その辺は概算で結構ですけれども、お答えができる範囲なんでしょうか。
 さらに、晴海本移転だと改めて検討しなければならない課題というのはどういうことなのかということがおわかりになれば、お答えいただければそれで結構でございますので、よろしくお願いいたします。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 何というか、正確にははじいていませんので、まるで申し上げられませんけれども、一般論から考えれば、六百億の仮設ということでつくっておりますけれども、これはご案内のとおり高床式じゃない仮設なので、先ほども話しましたように開放型であるということですので、もし参考となる値ということであれば築地とちょっと形は違いますけれども、今回のA案については二十四・七ヘクタールということですから、ほぼ同じ面積となっていますので、A案でいう千百八十億というのは目安になる金額なのかなと、豊洲、晴海につくった場合には。ただ、晴海の場合につきましては、用地を全部買う必要がございますので、それもあくまで港湾機能を無視した形になっていますので、仮の計算で、B、C案などの平米当たり単価で勘案をすると一千七百億円ぐらいに計算上はなります。ですから、それだけの金額をかけてやらなくてはいけないかなということに、ざくっとした試算ですけれども、なりますかねということになります。
 あとそれから、本設する場合の課題ということでございますけれども、当然今お話しした工事費、用地費などの課題に加えまして、報告書でもいわれていますけれども、防災高潮対策として盛り土の防潮堤を整備する必要があること、それから、晴海ふ頭公園や晴海ふ頭、朝潮ふ頭は現在は仮設期間のみ活用ということで、後々原状復旧するということで考えてございます。
 恒久的に使う場合には、先ほど高木委員にもお答えをしましたように、この港湾機能が日本の、特にアジアにおけるいろいろなハブ機能との関係でどういうふうになるのかということについては極めて課題があるというふうに思っていますので、その問題を根本的に解決していかなくてはならない必要性があるというふうに思っております。
 さらに、A案での晴海の仮設期間は今のところ三年程度でございます。その場合でも課題でお示しもしましたけれども、深夜早朝帯に三万三千台のトラックが通過するということなので、仮設の三年間ということであっても地元調整はかなり難航するものというふうに考えておりますが、これが恒久設置となった場合についてはさらにハードルが高くなるということが想定されますので、地元調整に相当の長期間の調整が必要となると考えております。

○星委員 最後に二点だけ。これは私どもの意見でございますが、オリンピックの立候補ファイルを改めて見たんです。晴海はメーンスタジアム予定地でした。この敷地の使い方も含めて見たときに、かなり、今課題というふうに挙げられている野球場の問題も、公園の問題も全部すっぽりここに入っているんですよね。このふ頭がちょっとこの図面だけだと、どういう論議があったのか、ちょっとその当時の議会に私いなかったものでまだ詳しく追跡していないんですが、こういった実態もあったんですね。ですから、その課題としてこう挙げられてきた中に、やはり都民の中にはいろいろな思いが交錯するというふうに思いますので、ちょっときょうはそのことに触れさせていただきました。締めさせていただきます。ありがとうございました。

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本日の質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、本日の質疑は終了いたしました。

○西岡委員長 この際、打合会の協議結果について申し上げます。
 初めに、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案の特別委員会への中間報告について申し上げます。
 本小委員会で調査検討中の築地現在地再整備計画に向けての検討事項案につきましては、調査委託の報告内容とあわせて、調査検討いただいた内容を中間の報告として取りまとめ、後日の特別委員会において報告することを申し合わせました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、打合会の協議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 なお、本件の取り扱いの詳細につきましては、打合会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○西岡委員長 次に、参考人招致について申し上げます。
 業界団体から意見を聴取するため、参考人招致を行うことを申し合わせました。
 本件につきましては、打合会の協議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 参考人招致の詳細につきまして打合会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 なお、参考人招致につきましては、委員会の決定が必要になりますので、その旨、東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会委員長に申し入れをいたしたいと思いますので、ご了承願います。
 以上をもちまして本日の小委員会を閉会いたします。
   午後四時四十三分散会

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