| 委員長 | 河野ゆうき君 |
| 副委員長 | こまざき美紀君 |
| 副委員長 | もり 愛君 |
| いいだ健一君 | |
| せりざわ裕次郎君 | |
| 笹岡ゆうこ君 | |
| せいの恵子君 | |
| 高野たかひろ君 | |
| たかく則男君 | |
| とや英津子君 |
欠席委員 なし
出席説明員| 福祉局 | 局長 | 高崎 秀之君 |
| 次長理事兼務 | 浅野 直樹君 | |
| 理事 | 船尾 誠君 | |
| 総務部長 | 森田 能城君 | |
| 企画部長DX推進担当部長兼務 | 柳橋 祥人君 | |
| 指導監査部長 | 西坂 啓之君 | |
| 生活福祉部長 | 新内 康丈君 | |
| 子供・子育て支援部長 | 天野 哲史君 | |
| 高齢者施策推進部長 | 花本 由紀君 | |
| 障害者施策推進部長 | 梶野 京子君 | |
| 政策推進担当部長女性活躍推進担当部長兼務 | 石塚 宣君 | |
| 福祉人材・サービス基盤担当部長 | 佐藤 淳哉君 | |
| 子供・子育て施策推進担当部長 | 瀬川 裕之君 | |
| 総合連携担当部長児童相談センター総合連携担当部長人材企画担当部長兼務 | 竹中 雪与君 | |
| 高齢者施策推進担当部長 | 木村 総司君 | |
| 障害者医療調整担当部長 | 新田 裕人君 |
本日の会議に付した事件
令和六年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について
福祉局関係
・令和六年度東京都一般会計決算(質疑)
・令和六年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算(質疑)
・令和六年度東京都心身障害者扶養年金会計決算(質疑)
○河野委員長 ただいまから令和六年度各会計決算特別委員会第二分科会を開会いたします。
本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局関係の決算に対する質疑を行います。
これより福祉局関係に入ります。
決算の審査を行います。
令和六年度東京都一般会計決算中、福祉局所管分、令和六年度東京都母子父子福祉貸付資金会計決算及び令和六年度東京都心身障害者扶養年金会計決算を一括して議題といたします。
本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
その際要求のありました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。
○森田総務部長 十月十日の当分科会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
お手元の令和六年度各会計決算特別委員会第二分科会要求資料をご覧ください。
資料は、目次にありますように、全部で二十一項目でございます。
それでは、一ページをご覧ください。1、福祉費等の予算及び決算の推移といたしまして、福祉費等の予算現額、決算額、一般会計に占める割合などの推移につきまして、(1)に令和六年度分の福祉費を、(2)に令和二年度から令和五年度までの四か年にかけての福祉局及び保健医療局所管分の福祉保健費を、(3)に令和二年度及び令和三年度の二か年分の旧病院経営本部所管分の地域病院費を記載してございます。
二ページをご覧ください。2、福祉局等の予算・決算額の推移(一般会計)といたしまして、一般会計のうち、表側の予算の区分ごとに、(1)に令和六年度分の福祉局所管分の予算現額及び決算額を、(2)に令和二年度から令和五年度にかけての福祉局、保健医療局及び旧病院経営本部所管分の予算現額及び決算額の推移を記載してございます。
三ページをご覧ください。3、シルバーパス発行状況の推移といたしまして、シルバーパスの費用別発行実績数、七十歳以上人口及びその人口に占める発行実績数の割合の推移を令和二年度から令和六年度にかけて記載してございます。
四ページをご覧ください。4、令和六年度における区市町村包括補助事業の補助額といたしまして、四つの包括補助事業別に、令和六年度の区市町村ごとの補助額の実績を五ページにかけて記載してございます。
六ページをご覧ください。5、区市町村地域生活支援事業等の実施状況といたしまして、(1)、アに区市町村地域生活支援事業の必須事業を七ページにかけまして、八ページの(1)、イに区市町村地域生活支援事業の任意事業を九ページにかけまして、一〇ページの(2)に区市町村地域生活支援促進事業を一一ページにかけまして、事業ごとに令和六年度の区市町村別の実施状況を記載してございます。
一二ページをご覧ください。6、認可保育所の屋外遊戯場の状況といたしまして、令和六年度中に東京都が認可した保育所における屋外遊戯場の設置状況につきまして、敷地内のみ、敷地内及び代替遊戯場、代替遊戯場のみの三つに区分し、それぞれの施設を区市町村別に記載してございます。
一三ページをご覧ください。7、認可保育所、認証保育所及び認可外保育施設の施設数並びに指導検査件数及び文書指摘施設数の推移といたしまして、表側の施設種別の区分ごとに、施設数、指導検査件数及び文書指摘施設数を令和四年度から令和六年度にかけて記載してございます。
一四ページをご覧ください。8、認可保育所、認証保育所及び認可外保育施設の改善勧告数、改善勧告の公表数、事業の停止命令数、施設閉鎖の命令数等の推移といたしまして、表側の施設種別の区分ごとに、改善勧告数、改善勧告の公表数、事業の停止命令数並びに認可、認証の取消し数及び認可外保育施設に対する施設閉鎖の命令数を令和二年度から令和六年度にかけて記載してございます。
一五ページをご覧ください。保育施設巡回指導員数の推移といたしまして、各年度三月三十一日現在の保育施設巡回指導員の人数の推移を令和二年度から令和六年度にかけて記載してございます。
一六ページをご覧ください。10、東京都介護職員キャリアパス導入促進事業の当初予算額及び決算額の推移といたしまして、区分に記載した事業ごとに、(1)に当初予算額を、(2)に決算額を令和三年度から令和六年度にかけて記載してございます。
一七ページをご覧ください。11、東京都介護職員キャリアパス導入促進事業の規模の推移(当初予算及び決算)といたしまして、当初予算及び決算において、事業ごとに補助対象とした事業所数及びレベル認定者数を令和三年度から令和六年度にかけて記載してございます。
一八ページをご覧ください。12、都内の介護職員数の推移といたしまして、都内の介護職員につきまして、厚生労働省が推計した人数を令和三年度から令和五年度にかけて記載してございます。
一九ページをご覧ください。13、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターにおけるコロナ専用病床の確保数の推移と利用実績といたしまして、令和六年四月一日から令和七年三月三十一日にかけての実績を記載してございます。
二〇ページをご覧ください。14、宿舎借り上げ支援事業(介護、障害、保育、児童養護)の実績の推移といたしまして、(1)から右側二一ページの(4)にかけまして、介護、障害、保育、児童養護に係る宿舎借り上げ支援事業の実績をそれぞれ令和二年度から令和六年度にかけて記載してございます。
二二ページをご覧ください。15、保育所等における置き去り等事故の報告件数といたしまして、令和三年度から令和六年度にかけての報告件数を記載してございます。
二三ページをご覧ください。16、東京都ひきこもりサポートネットの相談件数の推移といたしまして、電話相談、メール相談、ピアオンライン相談及び来所相談における延べ相談件数及び訪問相談における新規受付件数を令和四年度から令和六年度にかけて記載してございます。
二四ページをご覧ください。17、ひきこもりに係る支援事業の予算・決算額の推移といたしまして、各年度の予算現額、決算額及びそのうちに占めるサポートネット運営費の金額を令和四年度から令和六年度にかけて記載してございます。
二五ページをご覧ください。18、特別養護老人ホーム経営支援事業におけるあん摩マッサージ指圧師加算の対象者数の推移といたしまして、各年度の対象者数を令和二年度から令和六年度にかけて記載してございます。
二六ページをご覧ください。19、都内から都外の医療型障害児入所施設に入所している人数といたしまして、令和六年四月一日現在の人数を障害児及び十八歳以上の障害者ごとに、道府県別、東京都民間社会福祉サービス推進費補助金(医療型障害児施設)の有無別に記載してございます。
二七ページをご覧ください。20、障害者の自立訓練(生活訓練)事業所数の推移といたしまして、各年度四月一日現在の事業所数を平成二十七年度から令和六年度にかけて記載してございます。
二八ページをご覧ください。21、放課後等デイサービス事業所数の推移といたしまして、各年度四月一日現在の事業所数を平成二十七年度から令和六年度にかけて記載してございます。
以上、簡単ではございますが、要求資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
○河野委員長 説明は終わりました。
ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
発言を願います。
○こまざき委員 都民ファーストの会のこまざき美紀です。よろしくお願いします。
まず、都型放課後等デイサービス事業について伺います。
現在、放課後等デイサービスの利用者負担については、深刻な格差が生じています。まず、障害の有無による格差です。学童クラブの利用料が月額五千円前後であるのに対し、放課後等デイサービスでは、最大で月三万七千二百円もの負担が生じています。
さらに、障害のあるお子さんを育てるご家庭間でも、世帯の所得状況により、ゼロ円、四千六百円、三万七千二百円と大きな格差が存在しています。
加えて、自治体間格差も見過ごせません。千代田区、中央区、品川区では、所得制限なしで利用者負担を無償化、荒川区では、利用者負担を通常よりも軽減するなど、独自の補助を実施する自治体があります。
一方で、そうした支援のない自治体も多く、お住まいの地域によって保護者の負担額が大きく異なる状況となっています。このような、ダブル、トリプルの格差を是正し、障害のある子供たちが住む地域にかかわらず必要な支援を受けられる環境を整備することは、喫緊の課題です。
私は、令和六年第四回定例会や厚生委員会等において、この課題の解決に向け、質疑を行ってきました。その際、利用者の負担軽減とともに、サービスを提供する事業所の数の確保と提供される支援の質の向上、この両輪での取組が不可欠であることを訴えてきました。
そして、都は、都民ファーストの会の要望を受け、障害児通所支援事業所の利用状況等調査を実施していただきました。この調査では、自治体による独自の利用者負担軽減策の実施、検討状況なども調査項目に含まれており、地域間の格差が明らかとなったことは、大きな一歩であると評価しています。
都が実施している都型放課後等デイサービス事業は、質の高いサービスを提供する事業所を増やすという点で、極めて重要な施策であると認識しています。本事業は、令和六年度におよそ三億五千万円の予算が計上され、経験豊富なコア職員の配置など、都が定める基準を満たす事業者に対して経費の補助を行うものです。事業所がより柔軟に取り組めるよう、サービス提供時間など一部の要件を選択制にするなどの見直しを行い、支援の質の向上を図っています。
そこで伺います。まず、本事業の実績についてです。令和六年度において補助対象となった事業所数はどの程度か、また、要件見直し後の申請状況に変化は見られたのか伺います。
○梶野障害者施策推進部長 都型放課後等デイサービス事業の補助要件については、事業所がより柔軟にサービスの充実に取り組めるよう、令和六年度から、従来の必須要件であった十九時までのサービス提供と、送迎の実施を任意で選択できる仕組みへと見直しをいたしました。令和六年度に本事業を実施した三十三事業所のうち、十六事業所が新たな補助要件の対象となっております。
○こまざき委員 要件の見直しにより、より多くの事業所が申請できる環境が整いつつあることを前進と受け止めます。
次に、質の向上の観点から、その成果について伺います。
保護者からはどのような評価を受けているのか、また、サービスの質的評価はどのように行っているのか、具体的に伺います。
○梶野障害者施策推進部長 都型放課後等デイサービス事業では、毎年度、保護者評価を実施すること及びおおむね三年に一回、福祉サービス第三者評価を受審することを補助要件としております。
保護者からの評価では、経験豊富な職員を配置していることから、細やかなフィードバックがあり安心して子供を預けられる、個々の子供の特性を踏まえて、すぐに取り組める具体的なアドバイスをしてもらえるなどの声がございました。
また、第三者評価では、組織マネジメントやサービス分析、利用者アンケートなどを実施しており、各事業所は、受審結果を踏まえ、サービスの質の向上に取り組んでおります。
○こまざき委員 保護者からは具体的なアドバイスへの評価をいただいているとのこと、子供たち一人一人に寄り添う支援が実践されていることを心強く思います。
第三者評価による質の担保に加え、保護者アンケートを定期的に実施し、その声をサービスの改善に反映させる仕組みづくりも重要です。引き続き、利用者目線での質の向上に取り組んでいただくよう要望します。
最後に、今後の展開と課題についてです。区部及び市町村部における都型放課後等デイサービス事業所の設置状況はどのようになっているのか、また、都型の基準を満たす事業所をさらに増やすためには、どのような方策を講じていくのか伺います。
○梶野障害者施策推進部長 令和六年度に本事業を実施した事業所数は、区部で二十三事業所、市町村部で十事業所でございます。
また、職員配置状況から、本事業の要件を満たす可能性のある事業所に対しては、これまでの事例を参考に各補助要件を丁寧に説明するなど、個別に働きかけを行いました。
今後も、より多くの事業所が取り組めるよう、普及啓発を推進してまいります。
○こまざき委員 個別の働きかけという丁寧なアプローチを評価いたします。都内全域で必要とする子供たちが質の高い支援を受けられるよう、事業所の拡充に取り組んでいただくことを期待いたします。
数の面で申しますと、二〇五〇東京戦略三か年のアクションプランによりますと、二〇二六年計画で二百事業所まで増設することを目標に掲げています。まだまだ伸び代があるなと思っております。一層の取組を求めます。
さきの東京都議会議員選挙におきましては、都民ファーストの会政策集二〇二五におきまして、障害児福祉施策の所得制限撤廃を掲げ、多くのご期待をいただきました。私が繰り返し求めてきた放課後等デイサービスの利用負担軽減も、この所得制限撤廃の重要な柱の一つとなっています。全ての障害のある子供たちが家庭の所得や住む地域にかかわらず必要な支援を受けられるよう、放課後等デイサービスの質、数、負担の公平性の三位一体の実現を強く求めて、次の質問に移ります。
高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業について伺います。
加齢性難聴は、高齢者の社会的孤立や認知機能の低下を招く重要な課題です。聞こえにくさは、家族や友人とのコミュニケーションを困難にし、外出や社会参加の意欲を減退させます。その結果、閉じ籠もりがちになり、認知症のリスクが高まるという悪循環に陥ることが指摘されています。国際学会の研究などでも、難聴が認知症の最大の危険因子の一つであることが示されており、早期発見、早期対応が介護予防の観点から極めて重要であることは明らかです。
このような中、都が令和六年度に新規事業として、高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業を開始し、約六億円の予算を計上されたことは、高く評価いたします。本事業は、加齢性難聴の早期発見、早期対応を支援し、高齢者のコミュニケーション機会を確保することで、介護予防を推進する極めて重要な取組です。
まず、令和六年度において、本事業により区市町村に対してどのような支援を行っているのか伺います。
○花本高齢者施策推進部長 補聴器の支給について、都はこれまで、区市町村包括補助事業により区市町村を支援してまいりましたが、加齢性難聴の早期発見と適切な補聴器利用の進展のため、令和六年度から、高齢者聞こえのコミュニケーション支援事業を単独事業として開始いたしました。本事業では、補聴器購入費用の助成について、補助率二分の一で区市町村を支援しております。
また、加齢性難聴に関わる普及啓発など、早期発見、早期対応に関わる経費や、補聴器相談医が在籍する医療機関がない自治体に対する聴覚検査経費について、補助率十分の十で支援しております。
○こまざき委員 令和六年度から、単独事業化により、補助率の引上げや普及啓発への手厚い支援が実現したことは大変意義深いと考えます。
補聴器購入費用の助成について、包括補助での実施の令和五年度の実績と、単独事業とした令和六年度の実績を伺います。また、令和六年度に補聴器助成を受けた高齢者の人数と、補助対象メニューとした早期発見、早期対応に係る普及啓発及び聴覚検診経費の実績について伺います。
○花本高齢者施策推進部長 補聴器購入費用の助成について、包括補助で実施していた令和五年度は、二十三区市町村に支援を実施していました。
単独事業化した令和六年度は、これを十区市町村上回る三十三区市町村に対し支援を実施しており、七千九百二十二人の高齢者が補聴器支給を受けております。加齢性難聴に関わる普及啓発については、補聴器購入費用の助成対象である三十三区市町村が実施しており、そのうち十五区市町村に対し支援を行っております。
聴覚検査の補助については、補聴器相談医が在籍する医療機関がない自治体を支援するものであり、補聴器購入費助成を実施している二村が対象となっております。令和六年度は、いずれも島しょ部等に専門医を派遣する別事業の中で聴覚検査を実施したため、本事業としての補助金交付申請はございませんでした。
○こまざき委員 前年度から十区市町村が増加し、約八千人もの高齢者が支援を受けられたことは、大きな前進だと思います。
本事業により、実際に高齢者のコミュニケーション機会の確保や介護予防にどのような効果が見られたのか、把握している範囲で伺います。
○花本高齢者施策推進部長 補聴器支給の助成を受けた高齢者に自治体が実施したアンケート調査においては、多くの方が、会話がスムーズになった、精神的な安定感が得られた、日常のコミュニケーションが向上したなどと回答しております。難聴と認知症の関係について、認知症予防、介入、ケアに関するランセット国際委員会によりますと、難聴は、認知症の危険因子であるとの結果が示されております。
また、国においても、難聴高齢者の早期発見・早期対応に関する調査研究事業が実施されており、都は国に対して、加齢性難聴に関する調査研究の結果を踏まえ、公的補助制度の創設など、補聴器等の普及を推進するための方策を講じるよう提案要求しております。
○こまざき委員 ご答弁ありがとうございます。
新規事業として初年度を終えるに当たりまして、区市町村からは、どのような声が寄せられているのか、事業の実施に際して明らかになった課題は何か、そして、より多くの高齢者に支援を届けるため、今後どのように事業を拡充、改善していくお考えなのか、都の見解を伺います。
○花本高齢者施策推進部長 本事業について、事業未実施の区市町村からは、地域の実情に応じた基準額の設定水準や、事業効果の測定方法などの課題があるとの意見が寄せられております。
都は、区市町村に対し、実施自治体の取組状況等を情報共有するとともに、加齢性難聴に対する本事業の有効性について周知を実施してまいりました。令和七年度からは、区市町村の意見も踏まえ、事業効果の測定のため、モニタリングや調査等の経費を補助対象として追加いたしました。引き続き、多くの自治体で取組が進むよう、事業の実施を働きかけてまいります。
○こまざき委員 令和七年度からモニタリング経費を補助対象に追加するなど、区市町村の声を踏まえた改善を進めていただけることは、心強い限りです。地元北区でも、本事業を活用して補聴器購入費用の助成が実施されており、長年、区民の皆さんから寄せられてきた要望が実現したことに深く感謝を申し上げます。加齢性難聴への対応は、高齢者のQOL向上と介護予防の両面で極めて重要ですので、引き続き、積極的な取組をお願いいたします。
子供の権利擁護専門相談事業について伺います。
都では、現在、こども未来アクションに基づき、年間一万八千人の子供から意見を聴取するなど、子供の声を政策に反映する取組が全庁的に進められています。また、こども基本条例の制定により、子供の意見表明権の保障も明文化されました。
しかしながら、いまだ子供の声を十分に聞くことなく決められるルールや、子供の視点が必ずしも反映されない対応が存在しているのも事実です。校則に関する悩みやいじめ対応への不安、特別な配慮を必要とする子供への対応など、様々な相談をいただきます。
こうした状況の中で、福祉局が実施する子供の権利擁護専門相談事業は、都が実施する子供の相談事業の中で、唯一、独立、中立的な救済機関であり、本事業は、子供オンブズマンのような重要な役割を担っていると認識しています。弁護士や学識経験者による専門性の確保、学校や施設への直接的な調整活動など、一定の成果を上げていることは評価をいたします。
しかし、真の権利擁護機関として機能するには、検証すべき課題があると考えています。令和元年から三年度の活動報告書によれば、電話相談の相談件数は、平成二十四年度の三千五百六十七件から令和三年度、八百十四件へと約七七%も減少しました。特に、児童本人からの相談は七六・三%から三三・四%に半減しています。
その後である令和四年度以降の相談件数と、子供からの相談件数について伺います。
○天野子供・子育て支援部長 都は、子供の権利擁護専門相談事業におきまして、子供の福祉の向上と権利擁護を図ることを目的に、いじめ、虐待、体罰など、様々な悩みや訴えを受け付けてございます。電話相談の実績は、令和四年度が八百六十七件、令和五年度が千百八件、令和六年度が千五十一件となってございます。
また、このうち子供からの相談は、令和四年度が三百十三件、令和五年度が三百八十八件、令和六年度が四百二十一件となっております。
○こまざき委員 平成二十四年度からの相談件数の減少傾向は、子供の困り事が解決した結果と考えることは困難であります。電話相談のみという現在の手法では、SNSやオンライン相談になれ親しんだ現代の子供たちにとってアクセスしにくいのではないでしょうか。
相談件数の減少には、どのような理由があると考えているのか、見解を伺います。
○天野子供・子育て支援部長 電話相談の減少の理由といたしましては、近年、子供のスマートフォンの利用率が高まったこと、親子のための相談LINE、相談ほっとLINE@東京など、行政が実施するSNS相談事業が充実してきたことなどがあると考えてございます。
○こまざき委員 先生にいわれた言葉で傷ついたけれども、電話では緊張して話せない、外国ルーツで日本語での電話相談が困難、聴覚障害があり電話での相談ができないなど、現在の電話相談中心の体制では対応できない子供たちの声があります。
また、本事業は、二〇〇四年度から開始され、二十年以上も続く事業であり、この間、子供たちを取り巻く環境は大きく変化しています。様々な相談窓口が充実していることは評価しますが、子供の権利擁護専門相談事業においても、子供の実情に合わせた相談手法として、メール相談、オンライン面談、多言語対応、手話通訳などの導入も必要ではないでしょうか。ギュッとチャット等、既存のLINE相談ツールとの連携や、電話以外の対応につきましても検討いただくよう要望をいたします。
この事業では、電話相談だけでは解決に向かわない子供の権利侵害に関する相談については、専門員による相談へ引継ぎを行います。そして、専門員が中立的な第三者として、調査や調整などの対応を行います。活動報告書において、電話相談などから専門員による相談へ引き継がれた件数は、令和元年度で四十二件、二年度で二十八件、三年度で二十六件と記載されています。
専門員相談において、実際に解決につながったのかどうかの分析も必要です。解決に至るまで、学校などの関係機関との調整を行うケースもあると思います。
令和四年度以降の専門員相談の実績と、その事案の解決に向け、どのように取り組んでいるのか伺います。
○天野子供・子育て支援部長 弁護士や学識経験者から成る専門員による相談の実績は、令和四年度が三十一件、令和五年度が五十八件、令和六年度が九十六件となってございます。令和六年度からは、改正児童福祉法の施行に伴い、児童福祉審議会への申立て等に対応するため、専門員を三名から七名へ増員を図り対応しております。
専門員は、相談事案の問題解決を図るため、事実関係の調査、関係機関等への助言、調整活動を行っており、事案への対応方針については、専門員会議において決定してございます。
○こまざき委員 専門員による相談の成果は、子供の権利が実際に守られたかを数値で示すべきだと考えています。今後は、この成果を具体的な数値で分かりやすく公表していただくよう要望します。
子供の権利擁護専門相談事業は、大人からの理不尽な扱いや権利侵害を受けて苦しむ子供たちにとって、最後のとりでともいえる存在です。子供たちが実際に相談するに当たっては、まず、窓口の存在を知り、アクセスしやすいと感じることが不可欠です。そのためには、例えば他自治体で設置されている子供オンブズマンのように、子供自身が理解しやすく、親しみやすい名称への改善が必要です。
さらに、ホームページを含む広報においても、子供目線に立った訴求力の高い内容へと見直すべきです。こどもの権利条約第十二条に基づく意見表明権の実質的保障のため、現行事業の評価できる要素は継承しつつ、本事業の抜本的強化を強く求めます。
次の質問に移ります。
ギャンブル依存症対策に関連して、依存症対策フォーラムについて伺います。
都は、依存症に関する正しい知識の普及と理解促進を目的として、依存症対策フォーラムを継続的に開催しており、この取組自体は高く評価しています。
令和六年度における参加者数及び参加者アンケートの実施状況と、その結果について伺います。
○新田障害者医療調整担当部長 都は、依存症の普及啓発のため、都民を対象とした依存症対策普及啓発フォーラムを毎年実施しており、昨年度は、若者の薬物依存をテーマに開催しました。参加者は四百四十九人であり、アンケートでは九八%の方がフォーラムの内容について満足と回答しており、依存症に関する新しい知識を得られた、様々な立場の人の意見を聞くことができたなどの声がありました。
また、今後取り上げてほしい内容としては、支援技術、支援方法や、回復者の体験談が多く挙げられました。
○こまざき委員 四百四十九人の参加と、九八%という高い満足度は、都民の関心の高さと、事業の質の高さを示していると思います。
アンケート結果のその後の施策への反映方法について伺います。
○新田障害者医療調整担当部長 昨年度の結果を踏まえ、今月開催したフォーラムでは、多様化する現代の依存症をテーマに、クリニックでの支援事例やギャンブル依存からの回復体験談、支援者、当事者によるパネルディスカッションを実施し、昨年を上回る参加がありました。
今後も、参加者の意見や要望を依存症の普及啓発活動に生かしてまいります。
○こまざき委員 昨年度のアンケート結果を踏まえ、今年度は、ギャンブル依存をテーマに開催し、参加者も増加しているとのこと、着実な取組を評価します。
近年、オンラインカジノの普及等により、ギャンブル依存症の深刻化が進んでいます。今後も、ギャンブル依存症に特化したフォーラムの開催を要望します。その際には、専門家、民間支援団体、当事者、ご家族等の知見を取り入れ、都と参加者が最新の実態と施策を共有できる場としていただくことを求め、次の質問に移ります。
ひきこもり支援について伺います。
内閣府の令和四年度調査によれば、全国の十五歳から六十四歳までのひきこもり人口は百四十六万人に上ります。特に深刻なのは、中高年層が約八十五万人と、若年層の約六十一万人を上回り、長期化、高齢化が進行していることです。高齢の親と中高年のひきこもりの子という八〇五〇問題も顕在化しています。厚労省の通知においても、相談窓口の周知徹底が重要な施策として位置づけられています。
このような状況を踏まえ、都における令和六年度のひきこもり支援事業について六点を伺います。
まず、多くの方にひきこもりについて正しく知ってもらうことや、必要な方に相談支援窓口の情報を発信していく広報活動は、ひきこもりに係る支援を行っていく上で重要と考えます。
そこで、令和六年度における都の広報活動実績について伺います。
○新内生活福祉部長 都では、ひきこもりに関する正しい理解の促進に向けまして、ひきこもりは特別なことではなく誰にでも起こり得ることという動画をユーチューブ広告やトレインチャンネル等で配信し、ユーチューブ広告の再生回数は約百六十二万回でありました。
また、当事者やご家族等に、都のひきこもり相談窓口である東京都ひきこもりサポートネットを知っていただくための動画を、都内コンビニ約千三百店舗、薬局約百店舗等で配信するとともに、都営地下鉄全線で約千六百枚のドアステッカー広告等を実施いたしました。
さらに、当事者やご家族等に都や区市町村等の相談窓口、支援内容などを周知するポスター約七千四百部を薬局、図書館に配布するとともに、相談窓口、支援機関紹介のリーフレット約三万部を関係機関に配布するなど、積極的な広報活動を実施いたしました。
○こまざき委員 ご答弁ありがとうございます。多様な媒体を活用した積極的な広報活動を展開されていることを確認しました。
次に、令和六年度における東京都ひきこもりサポートネットの相談実績について、相談種別ごとの件数と、前年度比での変化を伺います。
○新内生活福祉部長 令和六年度における東京都ひきこもりサポートネットの相談実績は、電話相談四千二百七十一件、前年度比一〇五%、メール相談五百四十五件、前年度比九七%、ピアオンライン相談六十件、前年度比七一%、来所相談百三十件、前年度比一二五%、訪問相談の新規受付二十五件、前年度比一五六%となっております。
○こまざき委員 電話相談が前年度比一〇五%の四千二百七十一件、来所相談が一二五%、特に訪問相談の新規受付が一五六%と大幅に増加しており、広報活動の効果が相談件数の増加として現れていることを確認いたしました。
都は、令和七年一月に、周知、広報強化を行っております。実施後の相談件数の変化について伺います。
○新内生活福祉部長 令和七年一月の長期休み明けに集中的に実施した広報事業におきまして、インターネット、電車、コンビニ、新聞広告など、様々な媒体を活用するとともに、対象者に応じた広報を展開いたしました。
具体的には、広く都民に向けましては、ひきこもりへの正しい理解の普及促進を、当事者やご家族等に向けては、相談窓口等の周知など受け手を意識した情報発信を行いました。
結果としまして、広報実施後の令和七年一月の電話相談は三百十二件、前月比一一一%、メール相談は四十五件、前月比は一三二%となりました。
○こまざき委員 ご答弁ありがとうございます。
次に、令和六年度に東京都ひきこもりサポートネットを通じて支援機関につながった件数と、その後の相談者への支援継続状況について伺います。
○新内生活福祉部長 東京都ひきこもりサポートネットでは、継続的に相談に応じているほか、相談内容によっては、区市町村の窓口や都内で社会体験活動、居場所活動を行う民間支援団体等を紹介しております。令和六年度の紹介件数は千六百六十二件でございました。
また、紹介後は、それぞれの機関の方針に沿って支援が開始されますが、自己肯定感の回復に向けて支援が短期間で終了する場合もあれば、長期間にわたる場合もあるなど、一人一人の状況に即して支援が実施されております。
なお、サポートネットでは、他機関を紹介した後も、相談者からの要望があれば継続して支援を実施しております。
○こまざき委員 ご答弁ありがとうございます。丁寧なサポート体制を講じていただいていることを確認しました。こうした一連の支援に対しまして、都は、当事者やご家族等から支援に関する満足度や評価をどのように酌み取り、生かしているのか伺います。
○新内生活福祉部長 都は、広く都民を対象としたひきこもりに関する講演会や、ひきこもりでお悩みの方向けの合同説明相談会等を開催した際のアンケート調査を通しまして、意見やニーズの把握に努めております。令和六年度に実施したアンケートでは、ひきこもりへの理解が深まった、相談したり支援団体とつながることができたなど、おおむね九割の方から好評をいただきました。
また、講演会のアンケートで、ひきこもり当事者の話を聞きたいとの要望を受けまして、令和七年度は、元ひきこもり当事者の方に出演をしていただきました。
○こまざき委員 利用者の声を着実に事業改善に生かしていると思います。ありがとうございます。
令和六年度の広報活動実績を伺いましたが、今後も広報活動を強化していくために、令和七年度の新たな取組について伺います。
○新内生活福祉部長 令和六年度は、元ひきこもり当事者やご家族等が参画するひきこもり支援協議会におきまして、パンフレット等の広報媒体について、人目を気にせず、手に取りやすいサイズの有用性に関して意見がございました。
そこで、令和七年度は、当事者やご家族等に届く広報に向けまして、名刺サイズのポケット相談メモを作成し、相談窓口等の情報周知を図ってまいります。
○こまざき委員 ご答弁ありがとうございます。名刺サイズのポケット相談メモという当事者に配慮した新たな取組に、大変評価をいたしております。ひきこもり支援協議会の意見も取り入れながら、真に情報が必要な方に届く工夫もされていると思います。今後も、百四十六万人という深刻な状況にあるひきこもりの方々とご家族が必要な支援に確実につながることができるよう、より一層の取組を期待いたします。
最後の事業の質問となります。赤ちゃんファースト事業について伺います。
都の赤ちゃんファースト事業は、子育て世帯の経済的負担を軽減し、必要な育児用品を選択できる優れた制度として、多くの都民から高い評価を得ています。十万円相当のカタログギフトという支援規模は、子育て家庭にとって大変ありがたいものであり、都の子育て支援に対する強い姿勢を示す重要な施策であると認識しています。
しかしながら、この有益な制度において、カタログの到着時期に課題があるとの声が寄せられており、制度のさらなる充実を求め、質問いたします。
まず、令和六年度の利用実績について伺います。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 赤ちゃんファーストギフトは、子供を産み育てる家庭を応援し、後押しすることを目的に、子育て家庭に対して十万円相当の育児用品や子育て支援サービス等を選べるギフトカードを送付し、申請者がカタログサイトに登録した上で、希望する用品等を選択するものでございます。令和六年度は、八万六千七百七十四件の利用登録がございました。
○こまざき委員 八万六千件を超える利用登録があり、多くの子育て家庭に活用されていることが確認できました。このように、多くの都民が利用する赤ちゃんファーストギフトですけれども、ギフトカードの到着時期について、都民から、申請してから数か月かかるというお声をいただいています。
現在、ギフトカードは、どのように都民に送付されているのか、変更点があれば、その点についても伺います。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 赤ちゃんファーストギフトの送付につきまして、これまでは、国の出産・子育て応援交付金と一体的に実施をしていたことから、区市町村を通じて送付をしておりました。
今年度からは、子育て支援サービスのワンスオンリー、ワンストップの取組を進めるため、〇一八サポートと赤ちゃんファーストギフトを同時申請できる仕組みへ変更いたしました。申請内容につきましては、要件確認や重複申請がないかなど、住民基本台帳ネットワークシステムでの照合等により慎重に審査をした上で、対象者へギフトカードを送付しております。
○こまざき委員 〇一八サポートとの同時申請によるワンストップ化は、評価いたします。また、慎重な審査により、送付に時間を要している実態も理解しました。
しかし、申請された方は、いつ届くのか不安を感じているのも事実です。ギフトカードの送付について、申請方法等が変更になったとのことでありますけれども、育児用品の購入等に当たっては、到着が遅れているのではないかという心配のお声もございます。
そのため、申請後にギフトカードがいつ頃届くのか、到着の見通しを案内することで、利用者の不安を解消し、利用者サービスの向上につながると考えますが、都の見解を伺います。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 現在、福祉局のホームページにおきまして、ギフトカードの審査状況、発送時期についてご案内をしております。今後、ギフトカードの配送につきまして、申請者に、より丁寧にお知らせをしてまいります。
○こまざき委員 ご答弁ありがとうございます。今後、ギフトカードの配送について、申請者に、より丁寧にお知らせしていくという前向きなご答弁をいただきました。子育て家庭の不安を解消し、より安心して制度を利用できるよう、早期の実現を強く要望しまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。
○笹岡委員 立憲ミネ無の笹岡ゆうこです。よろしくお願いいたします。
私は、子育てと介護をしておりますので、まず、訪問介護のことについて伺いたいと思います。
訪問介護の基本報酬は、令和六年に引き下げられました。この改定は、在宅介護の崩壊につながるという指摘があるとおり、大変問題であると考えています。令和七年、厚労省の介護人材確保に向けた処遇改善等の課題によると、事業を運営する上での課題として、人材の確保、定着のために十分な賃金を払えない、賃上げができない、良質な人材の確保が難しいなどを挙げている事業者が多いとしています。
高齢化、深刻な人手不足、担い手不足に直面しながらも、高齢者の生活を支える介護の現場が、持続可能で、働く人が誇りを持てる処遇に変えていかなければいけません。
訪問介護の報酬引下げについて、令和六年度における都内訪問介護事業者の休廃業件数を伺います。
○花本高齢者施策推進部長 令和六年度の都が指定を行っている訪問介護事業所の休廃業件数は、休止が四十五件、廃止が百九十一件となっております。
○笹岡委員 いただいた数字は、都内のみの数字でそれだけになっていることが分かります。地域の介護を支える人材が、静かに、しかし着実に減り、事業継続の限界に直面したという現実が数字として明確に表れていることが分かりました。
続いての質問です。厚労省の調査によれば、訪問介護の利益率は、令和四年で七・八%と比較的高い水準を示し、国は、訪問介護は黒字だという判断を招いたという指摘が複数の報道からありました。
しかし、これはサービス付高齢者向け住宅、いわゆるサ高住などの、移動が少なく効率的な運営ができる事業所により、利益率が大幅に押し上げられた結果だといわれています。結果的に、地域を一件一件回っている中小の事業所の苦しい経営実態との大きな乖離が起こりました。
そこでお尋ねいたします。令和六年度報酬改定において、訪問介護の報酬が引き下げられた要因に対する都の見解を伺います。
○花本高齢者施策推進部長 国は、介護事業経営実態調査により、サービス類型ごとの収支差率を把握し、介護事業所の経営状況を十分踏まえながら、社会保障審議会の意見を聞いた上で、報酬改定を実施していると説明しております。
都は、国に対し、事業者が事業運営を安定的に行うことができる報酬とするよう提案要求しており、訪問介護については、基本報酬減の影響等について、併設事業所の状況等のサービス提供の実態を精緻に分析した上で、必要な対応等を行うよう求めております。
○笹岡委員 ありがとうございます。併設事業所、つまりサ高住などに関しても、状況等のサービス提供の実態を精緻に分析した上で、必要な対応を求めるという大切な要求をしていることが分かりました。引き続き、訪問介護の現場を守るために、しっかりと国に対して意見をしていただきたいと考えています。
そこで、サ高住、都内サービス付高齢者向け住宅における訪問介護事業所の併設状況を伺います。
○花本高齢者施策推進部長 令和六年度、サービス付き高齢者向け住宅実態調査によりますと、回答のあった三百七十か所のうち、訪問介護事業所を併設している住宅は百五十五か所でございました。
○笹岡委員 約四割が介護サービスを併設で提供していることが分かりました。サ高住内でサービスが完結することにより、地域のケアネットワークとの連携、そして医療と介護サービスとの連携に課題があるともいわれています。国は、報酬引下げの影響を補う施策として、処遇改善加算の拡充を位置づけています。
しかし、武蔵野市内の事業所は、既に頑張って処遇改善に取り組んできており、上位の加算を取っている事業者は減収になるだけだと窮状を訴えています。
都内訪問介護事業所における令和五年度と令和六年度の処遇改善加算の取得状況について伺います。
○花本高齢者施策推進部長 処遇改善加算については、令和六年度に加算率の上乗せが行われており、都が指定を行っている訪問介護事業所では、令和五年度末で八七・六%、令和六年度末で八七・七%の事業所が取得しております。
○笹岡委員 令和五年度と令和六年度を比較して、処遇改善加算を新たに取得できたのは僅か〇・一%だということが分かりました。これで、国がいうように、本当に現場の介護人材の処遇は改善されているのでしょうか。小規模事業者にとって取得は難しいこともあり、加えて事務負担の重さも指摘される中、処遇改善加算を含めれば報酬全体が上がるという当初の国の見通しは、またも現場と乖離しており、深刻な問題だと考えています。
また、毎月のサービス担当者会議などにおいても、居宅介護支援事業者におけるDXがあまり進んでおらず、たくさんの紙を扱っている姿を見て、大変そうだと感じています。
そこで伺います。国は、ケアプランデータ連携システムの普及を進めておりますが、介護事業者における導入率を伺います。
○花本高齢者施策推進部長 国によりますと、全国のケアプランデータ連携システム対象事業所における令和七年一月末時点での導入率は六・七%で、都は七・七%でございました。
なお、都は、ケアプランデータ連携システムのさらなる普及に向け、今年度から市区町村に対する補助事業を開始いたしました。
○笹岡委員 ありがとうございます。都で七・七%とまだまだ低い水準であることが分かりました。実際は、紙やファクスでのやり取りも多く、現場のメリットもまだ見えにくいようです。現場の文書作成に要する負担をなるべく減らすことができるように、一層の支援をお願いいたします。
令和六年度の都の事業で、大変評価が高かった事業について伺います。令和六年度における居住支援特別手当の実績と評価を伺います。
○花本高齢者施策推進部長 都は、介護職員等の処遇改善に向け、国が介護報酬等の必要な見直しを講じるまでの間、介護職員等を対象に、居住支援特別手当を支給する事業者を支援しており、令和六年度は、約一万五千事業所の約八割が申請し、多くの事業所に活用いただいております。
○笹岡委員 ありがとうございます。都の迅速な対応力と独自性を示す好事例になったと思っています。介護の事業者の皆様からよくお声をいただきますのは、好意的な反応が多いものです。これは非常に高く評価したいと思っています。
令和六年度における介護人材対策に係る新規事業のうち、介護DX推進人材育成支援事業、介護現場のイメージアップ戦略事業及び地域を支える「訪問介護」応援事業の実績を伺います。
○花本高齢者施策推進部長 介護事業所でDXの推進に取り組むリーダー人材の育成を支援する介護DX推進人材育成支援事業は、百五十二法人に補助を行いました。介護現場のイメージアップ戦略事業においては、九法人、十三事業所を介護の仕事と夢や趣味を両立できる環境づくりに取り組む介護WITH事業所として選定し、介護事業者向けセミナーで、職場環境の整備方法や具体的な事例の紹介を行うなど、共同でPRを行っております。
訪問介護事業所での雇用確保と働きながらの資格取得を支援する、地域を支える「訪問介護」応援事業では、二百七十七法人、八百二十四事業所が本事業に参加し、二百三十三人が修了いたしました。
○笹岡委員 ありがとうございます。先ほども申し上げましたが、介護事業者の方々から様々お話を伺うと、東京都がかなり頑張ってくださっているという声を多く聞きます。そういった動きは高く評価したいと思っています。
しかしながら、今回の訪問介護の報酬引下げは、在宅介護の崩壊につながるだけではなく、現場で支える介護職に対して、士気を下げる、極めて誤ったメッセージを放ってしまったこと、これも深刻な問題だと考えています。
介護は、数字では測れない、人の尊厳を守る仕事です。雇用と働く人の誇りを守ること、そして、持続可能に介護に携わる人を支えていくこと、そのメッセージを都が先頭に立って、一層発信していただきたいと思っています。
続きまして、認知症について伺いたいと思います。
認知症は、誰にでも起こり得る身近な疾患であり、超高齢社会を迎える中で、その増加が確実に進んでいます。私自身も父の介護を経験している中で、医療と介護の連携、そして何よりも地域のサポートの力の大切さを実感すると同時に、多くの課題を感じています。認知症かもしれない、どこに相談したらよいのか、これからどうなるのか。当事者や家族は、不安を抱えながらも、適切な医療や支援につながれないことが少なくありません。
東京都では、地域における医療、介護の一層の連携と、認知症対応力の向上を図るために、認知症の診療に成熟した医師を認知症サポート医として養成し、さらに、地域包括支援センターなどと連携して活動できる医師をとうきょうオレンジドクターとして認定しています。これにより、身近な地域で医療と介護が一体となった支援体制の強化を進めていることと思っています。
そこで質問いたします。認知症サポート検診事業の内容と実績を伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 認知症サポート検診事業では、認知症に関する正しい知識の普及啓発、認知機能検査と、検診後の支援を行う市区町村の取組を支援しており、昨年度は、二十五の自治体に対して補助を実施いたしました。
○笹岡委員 ありがとうございます。早期発見と支援の橋渡しとしての市区町村への取組への支援を評価しています。
都が要請した認知症サポート医の人数と、とうきょうオレンジドクターとして認定した人数を伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 都は、昨年度、百四名の認知症サポート医を養成し、昨年度末時点で累計千八百五十二名となっております。また、昨年度からは、地域包括支援センター等と連携して積極的に活動する認知症サポート医をとうきょうオレンジドクターとして認定しており、百十四名を認定いたしました。
○笹岡委員 ありがとうございます。少しずつ進んでいることが分かりました。これらの取組により、地域における医療と介護の連携体制の基盤整備が進むことを期待しています。
私自身も、専門の先生の診療に同行しておりますが、オレンジドクターの浸透度は、これからもっと頑張っていただきたいと感じています。
オレンジドクターの認定をさらに進めるべきだと考えますが、都の取組を伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 都は、東京都医師会と連携しながら、地域包括支援センター等と協力して活動するオレンジドクターの役割や活動内容を周知するなど、認知症サポート医に対して申請を促すとともに、市区町村にもこの事業を周知しております。
○笹岡委員 ありがとうございます。これらの総合的な取組によって、地域の支援体制が着実に広がりつつあると思っています。共に頑張っていきたいと思っています。認知症の取組を様々進めている市区町村への支援を引き続き、力を入れてお願いしたいと思います。
続きまして、都内の認知症高齢者の人数をどのように把握されているのか伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 都は、三年に一度、高齢者保健福祉計画の策定に当たり、都内の認知症のある高齢者の分布状況を把握することを目的に調査を実施しており、都内で要介護、要支援認定を受けている高齢者一人一人の年齢、要介護度、認知症の日常生活自立度を各市区町村に確認し、集計しております。
○笹岡委員 ありがとうございます。各市区町村からの情報をしっかりと見ていることが分かりました。
一方で、都が把握した人数は、要介護、要支援認定を受けている認知症高齢者であって、実際に認知症である高齢者の人数とはいえないと思いますが、見解を伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 都は、要介護、要支援認定を受けている高齢者一人一人の年齢、要介護度、認知症の日常生活自立度を各市区町村に確認し、集計しております。
また、認知症のある人を早期診断、支援に結びつけるため、検診事業の実施などにより、ご本人の状態に応じて要介護認定等を受けていただき、必要な医療、介護サービスにつなげております。
○笹岡委員 ありがとうございます。認知症の実態を正確に把握することは、非常に難しい課題だと感じます。現在分かっているのは、要介護、要支援認定を受けている高齢者のうち、認知症の症状を有する方の数にとどまっています。
しかし、地域で活動をしていると、地域の居場所事業やコミュニティの場に携わる方々から、認知症ではないかと思われる方が正しいサポートにつながらないまま暮らしているというご相談を多く受けます。つまり、実際には、統計上の数字よりももっと多くの方が支援を必要としているのではないかと考えます。
また、本人や家族にとって、認知症は、依然としてネガティブな印象が強く、相談をためらう傾向が根強くあり、これを払拭するのは、総力を挙げた啓発が必要だと感じています。地域社会全体としても、認知症と共に生きる人の尊厳が大切にされて、安心して共に歩める取組を今後さらに進めていく必要があります。
認知症を特別なものとせず、身近な存在として理解をすること、地域に安心して相談できる場があること、そして、医療や支援につながりやすい仕組みを整えること、何よりも早期発見が大切だというメッセージをもっと浸透させること、これらが当たり前の意識として社会に根づくように、継続的な啓発が求められています。地域の最前線で取り組む各市区町村と連携しながら、取組を丁寧に支えていただけますように、改めてお願いいたします。
続きまして、認知症グループホームについて伺います。
認知症グループホームは、家庭的で落ち着いた雰囲気の中で、食事の支度や掃除、洗濯などの日常生活行為を利用者やスタッフが共同で行うことにより、認知症状が穏やかになり、安定した生活と本人の望む生活を実現することができるといわれています。
認知症高齢者グループホームについて、令和六年度末時点の整備実績について伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 認知症高齢者グループホームにつきましては、令和六年度末現在で一万二千九百七十七人分の整備を行っており、令和五年度末と比較すると、三百三十四人分の増加となっております。
○笹岡委員 認知症高齢者グループホーム、三百三十四人増と聞くと、少し少ない気もいたしますが、グループホームは、一つ一つの施設の人数が少人数のため、その規模を考慮しないといけません。都内の整備は少しずつ進んでいるものの、依然として地域間格差が大きく、特に多摩地域では、整備率が全国平均を下回る地区が多く見られます。
高齢化の進行に加えて、認知症の人の在宅生活を支える地域資源の一つとして、グループホームの役割は年々高まっており、今後、さらに安定した整備ペースの確保が求められています。
認知症高齢者グループホーム整備促進のために、どのように取り組んできたのか伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 認知症高齢者グループホームについては、都は市区町村に対し、国の基金を活用した補助に加え、都独自の整備費補助を行っており、整備率の低い地域への補助単価を加算するとともに、令和六年度から物価スライド方式を導入いたしました。
○笹岡委員 国の制度だけでは、大都市部の建設費や物価高騰に対応し切れない中で、東京都が独自補助などを導入したことは非常に重要だと思います。
そして、土地確保は、都心部の整備を難しくしている要因の一つでもあります。認知症高齢者グループホーム整備促進の課題として、大都市特有の地価の高さがあります。
土地確保のための支援策について伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 都は、認知症高齢者グループホームの整備に当たり、都有地の減額貸付や、定期借地権の一時金に対する補助を実施しております。
また、補助に際しては、地価が高い地域や、整備率が低い地域に対する補助率を引き上げるなど、土地確保が困難な地域や、整備を進める必要性が高い地域に重点的な支援を行っております。
○笹岡委員 補助率にも工夫をして支援をしていることが分かりました。また、都有地の減額貸付なども行っており、都有地の一層の福祉活用も期待をしたいと思います。
認知症グループホームの理念は、住み慣れた地域でその人らしく暮らすことですが、医療やみとりの体制の制約により、最後の段階で別の施設に移ることもあります。武蔵野市内の社会福祉法人は、グループホームで重度化した方を同法人の特養で受け入れることがあります。改めて、特養の需要の高さは、こういった視点からも、うかがうことができると考えます。地域で安心して年を重ねることができる体制づくりについて、市区町村と連携した一層の取組を期待したいと思います。
続きまして、外国人介護従事者について伺います。
日本では、少子高齢化が急速に進み、将来的な介護人材の不足が深刻化しています。こうした状況を踏まえて、国は、外国人介護従事者の増加は、在宅、施設介護サービスを維持、拡充していく上で不可欠な要素と位置づけています。
令和六年、厚労省の外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性についてによると、介護分野の特定技能外国人在留者数は、受入れを開始した二〇一九年以降、継続して増加しています。武蔵野市においては、EPAの一環として、インドネシアより外国人介護福祉士候補生を継続的に受け入れている社会福祉法人があります。
今回は、人数の規模が大きい特定技能の在留資格を持つ外国人介護従事者について伺います。都における特定技能の在留資格を持つ外国人介護従事者数について、過去三年の推移を伺います。
○花本高齢者施策推進部長 出入国在留管理庁の公表資料によりますと、特定技能については、令和四年末が千四百六十九人、令和五年末が二千三百四人、令和六年末が三千四百六十八人でございます。
○笹岡委員 以前より二・三倍ぐらいの特定技能の外国人介護従事者数に増えてきていることが分かりました。
かいごパスポートTokyoは、東京都内の介護施設事業所における外国籍の介護従事者の受入れを促進するとともに、海外への情報発信によって、日本国外在住の外国籍人材を誘致することを目的とした事業です。
令和六年度から開始した外国人介護従事者活躍支援事業について、取組と実績評価について伺います。
○花本高齢者施策推進部長 都は、東京の介護現場の魅力を発信する専用サイトにおいて、都内介護事業所等の海外向けの求人情報を掲載しており、令和六年度は、専用サイトに三百五十二件の求人を掲載し、二百十六人から応募を受け付けております。
また、特定技能外国人の受入れ施設等に対しては、登録支援機関等に支払う紹介料について補助を実施しており、補助実績は二百五十一事業所と、多くの事業所に活用されております。
○笹岡委員 令和六年度から始まったばかりの事業とはいえ、多くの事業所の活用があったことが分かりました。専門家は、一人訪問では言語や文化の壁が大きい、利用者訴えの把握の場合、把握の難しい場合があると懸念を指摘していることもあります。
日本語教育などの支援も重要だと考えますが、令和六年度から開始した特定技能外国人に対する取組と実績を伺います。
○花本高齢者施策推進部長 都は、特定技能外国人を受け入れる介護施設等を支援するため、日本語や介護技能の学習に必要な経費を支援しており、令和六年度は、外国人介護従事者百八十七人分の補助を実施いたしました。
○笹岡委員 ありがとうございます。外国人介護従事者の増加は、今後、ますます介護サービスを支えるために不可欠であると感じます。その実現と定着のためには、様々な課題を同時に克服する必要があります。支援を体系的に強化することにより、多様な人材が生き生きと働き続けられる介護現場をつくっていくことが求められています。継続的で積極的な取組をお願いしたいと思います。
続きまして、地域移行について伺います。
令和六年度から、東京都障害者・障害児施策推進計画が取りまとめられました。障害のある方が地域で安心して暮らすための地域生活基盤の整備が進んでいます。地域移行を推進する目的と課題、都の取組について伺います。
○梶野障害者施策推進部長 障害者支援施設の入所者がご本人の意向に応じて地域生活に移行するためには、グループホームなどの地域生活基盤の整備や、関係機関との調整が必要でございます。
都は、障害者・障害児施策推進計画において、グループホームや日中活動の場の整備目標を定めており、令和六年度末の定員は前年度と比較して、グループホームが八百四十六人分、日中活動の場が千二百四十六人分、それぞれ増加をいたしました。
また、施設入所者の地域移行を進めるため、相談支援事業所などの関係機関との調整を行うコーディネーターを施設に配置し、グループホームでの生活体験や地域への移行経験を聞く機会を提供しております。
○笹岡委員 ありがとうございます。コーディネーターの活躍を今後も期待しています。
武蔵野市では、障害のある方の一人暮らしに向けた体験の場、つまりいきなりではなくステップを踏んでいく機会の場などに、市有不動産の活用を行っています。
障害のある方の住まいについて、地域で支える体制の強化が求められていますが、特に重度の支援を必要とされる方が入れるグループホームなどがまだまだ少ないといえます。親亡き後の不安の声に、なかなか整備が整わない状況です。市区町村の現場と連携し、着実に進めていっていただきたいとお願いいたします。
続きまして、就労継続支援B型事業所のことについて伺います。
就労継続支援B型事業所は、障害のある方が地域の中で自分の力を生かし、社会とつながりながら働く大切な場です。
都は、昨年度から、就労継続支援B型事業所マネジメント事業を開始されておりますが、その成果について伺います。
○梶野障害者施策推進部長 本事業では、就労継続支援B型事業所が工賃向上を目指す上での課題を抽出し、専門のアドバイザーを派遣することにより、事業所が自ら課題を解決できるよう支援をしております。昨年度は、三十二事業所を支援するとともに、好事例を紹介する報告会と商談会を併せて開催し、自主製品の売上げ向上や販路拡大につなげております。
○笹岡委員 昨年度は、三十二事業所を支援し、よりよい取組の共有などもされていることが分かりました。武蔵野市内には、一九七六年から、地域の方々に見守られながら、個々の力を伸ばす工夫を重ねている社会福祉法人の事業所もあります。働くこと、工賃を上げる工夫だけではなく、障害のある方が豊かに生きられるように学びを取り入れている現場があります。それは、工賃という数字だけでは測れない、成長を支える大切な取組だと感じました。都の令和六年度の三十二事業への支援を評価しつつ、こうした地域の小さな挑戦も見逃さず、応援する仕組みをさらに充実させていただきたいと思います。
引き続きまして、発達障害について伺います。
子供の健やかな成長のためには、早期に発達障害の有無や特性を踏まえた支援につなげていくことが重要であり、東京都は、市区町村の発達検査体制の充実に向けて取り組んでいます。
昨年度、発達検査に関する実態の把握と、市区町村における検査体制の充実に向けた緊急支援に取り組みましたが、どのように総括しているのか伺います。
○新田障害者医療調整担当部長 都が昨年度行った実態調査では、自治体で発達検査を受けるまでの待機が生じていることや、検査に携わる心理士等の専門人材の不足が確認されました。また、区市町村発達検査体制充実緊急支援事業では、二十五の自治体から申請があり、自治体からは、診断に携わる人員を配置したことにより、待機期間は短縮に向かっているなどの意見がありました。
○笹岡委員 発達検査までの待機が生じていることは、都議会でも多くの指摘があったようです。私も市議時代に、保護者の方から、病院での検査は月初めに二か月先の初診予約を取れるかどうかだという話を伺い、市議会で取り上げました。都が市区町村への検査体制整備に向けて緊急支援をしたことは、非常に大切な取組だと感じます。今後も継続的な取組により、子供たちが必要な支援を受けながら、自分らしくすくすくと成長できる東京の実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。
最後に、株式会社コスモズの委託費の不適切な管理について伺います。
株式会社コスモズは、令和五年に施設整備の補助金の過大受給が判明しています。補助事業の主体は市区町村のため、武蔵野市も含む各自治体が同社と調整し、補助金を返還させており、報道によると総計一億円を超えておりましたが、令和六年度に都に返還された分もあると聞いております。また、都は、委託費に関する同社の不適切な管理を把握し、指導検査に入っていると聞きました。
そこで、同社が運営している認可保育所に対する市区町村の委託費を同社が不適切に管理していたことについて、都は、どのように対応したのか伺います。
○西坂指導監査部長 都は、令和五年九月から、株式会社コスモズが運営する都内十三か所の認可保育所に対しまして、児童福祉法第四十六条に基づく特別指導検査を実施いたしました。
特別指導検査の結果、保育所に対する委託費が適正に管理されていないので是正すること、ほかの拠点区分への資金の貸付け及び借入れの認識がなされていないので是正することを文書指摘いたしました。同社から、令和六年四月二十五日に改善状況報告書の提出がございまして、報告書に基づき改善指導を行っております。
○笹岡委員 様々な指導を行っていることが分かりました。今後、このような事案が発生しないように、都は、どのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 私立認可保育所の運営費として支弁される委託費につきましては、国が取扱いを定めており、各積立資産を積立目的以外に使用するなどの場合に、事前に都に協議することとされております。
都は、毎年、委託費の事務手続を適切に実施するよう、区市町村を通じて保育所に働きかけております。また、令和六年には、委託費の資金管理の徹底や手続の遵守に関する通知を発出しております。引き続き、委託費の適正管理の徹底が図られるよう、必要な取組を行ってまいります。
○笹岡委員 ありがとうございます。これらの件について、保育士の方々や現場の園児のケアについては、武蔵野市は、保育アドバイザーを継続して派遣をしたりすることにより配慮を怠りませんでした。
各市区町村は、他の地域で展開している保育園のことまで把握ができません。全体を把握する、広域的にチェックするのは都の役割であり、都が力を発揮できることです。今後も、再発防止の取組について、都が主導して役割を果たしていただきたいと意見をして、私からの質問を終わります。
○せりざわ委員 よろしくお願いいたします。私からは、まず、介護サービス基盤についてお伺いをさせていただきます。
今年、全てのいわゆる団塊世代と呼ばれる方々が後期高齢者となる年を迎えております。後期高齢者の要介護認定率というのは、前期高齢者の約七倍となっていて、とりわけ重度要介護認定者とされる要介護四と五については、約九割が後期高齢者となっております。このような状況で、東京都として介護サービス基盤整備に向けて、第九期高齢者保健福祉計画において、特別養護老人ホームについて六万四千人の介護保険施設等の整備目標を設定して、整備の促進に取り組んでいると伺っております。
中でも、特別養護老人ホームは、一人暮らしの高齢者が多い都内において、常時介護を必要とした、在宅生活が困難な高齢者の生活の場として大変重要な施設でもあります。
特別養護老人ホームについて、令和六年度、整備促進策等、整備状況についてお聞かせください。
○木村高齢者施策推進担当部長 特別養護老人ホームの整備促進に向け、都は、建築費高騰に対応するため、令和六年度から施設整備費補助に物価スライド方式を導入いたしました。また、整備率が低い地域の補助単価の増額を行っております。
これにより、定員一人当たりの令和六年度補助単価は、ユニット型の場合、二百十八万円増の九百十八万円となり、さらに、整備率が低い地域については、最大一千三百十八万円となっております。これらの支援策により、令和六年度末現在、五万四千三百六十五人分を整備しております。
○せりざわ委員 物価スライド方式の導入であったりとか、単価の引上げなど、様々な施策を展開されていることが分かりました。整備に対する支援の強化をして着実に整備が進んでおりますが、入所申込みから入所まで、これはニーズの高まりというのもあると思いますが、待機しなければならない地域もある状況であります。整備目標の達成に向けて、引き続き支援策の充実を求めさせていただきます。
そして、高齢者の増加に伴って、医療ニーズが高い要介護高齢者の増加も見込まれております。急性期の治療後、在宅生活への復帰を目指す高齢者を受け入れる介護老人保健施設や、日常的な医学管理などの医療機能と生活施設としての機能を兼ね備えた介護医療院についても、今後、さらなるニーズの高まりが考えられます。
続けて、介護老人保健施設及び介護医療院の整備状況についてお聞かせください。
○木村高齢者施策推進担当部長 介護老人保健施設及び介護医療院につきましては、介護医療院の整備費補助制度を創設したほか、特別養護老人ホームと同様に物価スライド方式を導入しております。これらの支援策により、令和六年度末現在、合わせて二万四千六百三十一人分を整備しております。
○せりざわ委員 介護医療院については、まだ未整備の地域というのも非常に多いと伺っております。今後増大する医療ニーズに対応するためにも、ぜひ整備を進めていただければと思います。
東京都は、令和六年度末に認知症施策推進計画を策定して、認知症になってからも必要な支援を受けながら自立し、地域で安心してほかの人々と暮らすことのできる社会を目指すとされております。一人暮らしの高齢者の増加が見込まれるこの東京においては、専門的なケアを受けながら家庭的な環境の中で、住み慣れた環境の中で暮らしていけるグループホームというのは、認知症高齢者を支える重要な役割を担っていると考えております。
最後に、認知症高齢者グループホームの整備状況について伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 認知症高齢者グループホームにつきましては、都は、区市町村に対し、国の基金を活用した補助に加え、都独自の整備費補助を行っており、整備率の低い地域への補助単価を加算するとともに、令和六年度から物価スライド方式を導入いたしました。
これにより、ユニット当たりの令和六年度補助単価は、八百七十五万円増の三千六百七十五万円となり、さらに、整備率が低い地域については、四千六百七十五万円となっております。これらの支援策により、令和六年度末現在、一万二千九百七十七人分を整備しております。
○せりざわ委員 各施設について整備目標の達成に向けて、補助単価の引上げであったり、スライド方式であったり、様々な支援の充実に取り組んでいることが分かりました。
しかし、この東京都内においては、地価や建築費の高騰を受けて新たな施設整備が難しい状況が続いておりまして、さらなる取組というのが求められます。超高齢社会においては、今後とも、介護が必要となっても安心して暮らせる東京の実現を目指して、しっかりと施策の推進を望んでおります。
続けて、不妊治療の支援についてお伺いをさせていただきます。
結婚、出産をめぐる環境というのは、この数十年で大きく変化をしております。晩婚化であったり、晩産化といって、厚労省の統計によれば、第一子を出産する母親の平均年齢というのが三十歳を超えたということで、一九七〇年から比べると約四歳、平均、第一子の出産年齢が四歳上がったというふうなデータも確認をしております。
こうした社会構造の変化に伴って、不妊治療を受ける夫婦というのは、これから増加の一途をたどると予測をしております。東京都のデータでも、不妊治療に関する相談件数というのがここ十年で倍増しており、体外受精など先進医療の活用というのも広がっております。
一方で、経済的な負担、精神的な負担というのは依然多く、治療途中で断念せざるを得ないというケースも少なくありません。
まず初めに、東京都の不妊治療で悩む方に対して、検査や治療の支援というのをこれまで行ってきましたが、令和六年度の実績についてお聞かせください。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 不妊症に関わる事業につきましては、不妊検査等助成事業と特定不妊治療費助成事業を行ってございます。
まず、このうち不妊検査等助成事業の決算額につきましては、五億三千二百五十七万八千円、執行率は九五・六%、助成件数は一万七百六十三件となっております。もう一つの特定不妊治療費助成事業の決算額につきましては、六億七千四百五十九万円、執行率は七一・四%、助成件数は一万二千九百二十二件となっております。
○せりざわ委員 ありがとうございます。延べ二万三千件を超える支援を行っているということで、大変多くの都民への不妊治療の助成がされているということが分かりました。
一方で、この治療費が出て、現実的に妊娠して出産をできるというのは、まだまだ率というか、が少ない状況にあって、多くの方は途中でやめられるということが現実としてはあると思います。そのときに、やめる際の様々な理由が、経済的な理由というのが第一位、そして第二位が、精神的な負担を感じて、もうやめてしまうという方が多くいらっしゃるようであります。
こういった精神的な理由でやめてしまう方々に対しても、しっかり東京都として寄り添っていく、相談体制の充実というのを求めさせていただきます。
東京都として、これまでも不妊症で悩む都民に対して、東京都不妊・不育ホットラインでの相談を受けていると聞いておりますが、事業概要と相談実績についてお聞かせください。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都は、東京都不妊・不育ホットラインを開設し、不妊相談等、医師のスーパーバイズの下、専門の研修を受けたピアカウンセラーが電話で相談を受け付けており、令和六年度の相談件数は四百五十六件でございました。
相談者からは、不妊・不育ホットラインで話せることで気持ちが安定している、また、電話をすることで発散になっているという声もいただいておりまして、引き続き、寄り添った相談対応を実施してまいります。
○せりざわ委員 様々な電話相談の実績というのもお伺いしました。そして、電話だからこその発散というのもお話をお伺いさせていただきました。この少子化の状況において、そして、夫婦が共働きが増えていく中で、晩婚、晩産化というのは多分さらに進んでいくんだろうと思いますので、首都東京として、ぜひこの不妊治療の支援というのは、さらなる推進をしていただければと思います。
最後に、ひとり親家庭支援についてお伺いをさせていただきます。
東京都としては、ひとり親家庭というのが大体十四万世帯いるというふうに伺っておりまして、十一万世帯ぐらいが母子世帯というふうにも伺っております。私も今、三歳と一歳の子供を育てておりますけれども、子育てと仕事の両立というのを二人でやることすら厳しい中で、これを一人でやるというのは、本当に多くのハードルがあって、負担がかかっていることだろうと想像しております。
この中で、子供の年齢が低ければ低いほどこの状況は深刻であって、多くのひとり親家庭の方々というのは、経済的な困難はもちろん、時間的な制約であったり、心理的なストレスというのに大変悩まされていると推察をしております。
このひとり親家庭というのは、少子化の中で、さらなる社会的な支援の意義があるんだろうと思っておりますが、ひとり親家庭を取り巻く状況を踏まえて自立に向けた支援をまずは進めていくことが大切だろうと思っております。
令和六年度、東京都がひとり親家庭の自立に向けた支援を行ってきたと思いますので、取組をお聞かせください。
○天野子供・子育て支援部長 都は、ひとり親家庭のニーズに対応した支援施策を展開するため、令和六年度に検討委員会を設置しまして、施策の基本的事項や具体的取組について検討し、ひとり親家庭自立支援計画を作成いたしました。
計画では、ひとり親家庭の自立を支援し、生活の安定と向上を図ることなどを理念として、都が行うべき施策と、区市町村等に対する支援策を示しております。計画に基づき、相談体制の整備、就業支援、子育て支援や生活の場の整備、経済的支援の四つを柱として、ひとり親家庭への総合的な支援を行ってございます。
○せりざわ委員 ひとり親家庭の自立支援計画というのを策定して、それに向けて進めていくというお話をいただきました。この計画の策定というのは、やはり行政が、こういうことをやって自立をしてくださいと、いわゆるパッケージをただただ示すだけではなくて、しっかりと現場の調査をして、そして現場の声を聞いて、この計画をつくっていくことが何より大切だと思いますが、今回の計画策定に当たって、ひとり親家庭の状況であったり、ニーズ、もしくは当事者の声というのをどのように把握したのかお聞かせください。
○天野子供・子育て支援部長 計画策定に先立ちまして、ひとり親家庭に対して、就業や収入の状況などについて行った調査によりますと、ひとり親の就業率は九割を超えているが、年収三百万円未満の世帯が約五割、養育費を受けている世帯は約三割でございました。
また、当事者団体及びひとり親家庭で育つ子供たちへのヒアリングを実施し、日常的な居場所の確保や相談体制の整備、離婚後の子の養育に関する民法改正への対応などについて意見をいただきました。こうした状況やニーズを踏まえて計画を策定しており、施策分野ごとの具体的な取組に反映してございます。
○せりざわ委員 ひとり親家庭の当事者も含めて、あとは特に子供たちに対してもヒアリングを実施したということで、大変すばらしい取組だと思います。ひとり親家庭の支援のニーズというのは、本当に様々であって、家庭一つ一つに様々なストレスや悩みというのがあると思っております。ひとり親になった理由や時期、そして、自身や子供の年齢や職業など、その家庭に置かれた状況によって異なると思っております。
また、民法の改正によって、離婚後の養育に関する新たなルールというのが来年の五月までに施行される見込みであります。
法改正の対応を含め、ひとり親の悩みや不安などに寄り添うため、ひとり親が相談しやすい体制というのを整備していくことが必要だと思いますが、都の取組についてお聞かせください。
○天野子供・子育て支援部長 都は、ひとり親家庭支援センターにおきまして、専門相談を実施するほか、区市町村の母子・父子自立支援員等を対象とする研修を行っており、今年度は、法改正に対応した研修を新たに実施するとともに、困難なケースへの専門的助言も開始いたしました。
また、養育費の立替え保証や養育費の取決めを行う際の公正証書の作成等に要する費用を助成する養育費確保支援事業を実施する区市の負担を軽減してございまして、令和六年度は、三十七区市を支援しております。今年度は、区市が弁護士等による養育費の履行確保のための専門相談など先駆的な取組を行う場合、区市負担分を都が全額負担するなど、支援を拡充してございます。
○せりざわ委員 様々な支援をしていただいていることを確認させていただきました。特に最後、養育費のお話をいただきましたので、この養育費の課題というのは、まだまだ大きな課題であって、私も区議時代にこの東京都の支援を品川区で採用するように提案をさせていただいて、品川区でも使わせていただいております。
まだまだそれでも、養育費を受けている家庭というのが少ない状況にありますし、両親が様々な理由で離婚を選択されて、そして、それが理由で子供たちの将来の選択肢が一つ一つなくなってしまうということは、やはり避けていきたいと思っておりますので、引き続き、様々な支援の拡充を求めて、質問を終わります。
○たかく委員 それでは、私の方から、福祉局所管の質疑をさせていただきます。
最初に、認知症サポート検診事業について私からもお伺いいたします。
平均寿命が伸びて高齢化率の高まる今日において、認知症は、誰もがなる可能性があります。東京都の認知症人口は、二〇二五年には約五十六万人、六十五歳以上の約一七%に増え、そのうち見守りや支援が必要な方は約四十二万人に達するとされております。
ちょっと古い資料ですが、平成二十六年東京都の調査では、認知機能の低下した方の六三%がご自宅で生活し、その一六%は一人暮らしであるとされています。認知症支援を医療や介護の専門職だけではなく、地域全体で考えていくことが、今、求められていると思います。
そこで、認知症に早く気づき、早期に診断を受けることは重要であります。早めに治療をすれば改善が可能な病気を見つけたり、症状が軽いうちに今後の生活の準備をしたりすることも可能です。
認知症の方を早期診断につなげるには、まず、検診を受けていただくことが必要であり、都は、東京都認知症施策推進計画における基本的施策の一つとして、認知症の早期の気づき、早期診断、早期支援を掲げ、その取組として、認知症サポート検診事業を実施しております。
そこで、認知症サポート事業の目的と、検査の対象年齢、そして、補助率も併せてその内容について伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 認知症サポート検診事業は、区市町村の実情に応じて、認知症に関する正しい知識の普及啓発を行うとともに、認知機能検査と検診後の支援を推進することで、認知症の早期診断、早期支援を促進することを目的としております。
本事業では、認知症の早期診断に関する普及啓発や、五十歳以上の住民を対象として希望される方に認知機能検査を実施し、検診後には、定期的な連絡や訪問を行う区市町村の取組について、補助率十分の十で支援しております。
○たかく委員 今の答弁ですと、東京都は、区市町村が実施する事業の経費を補助しているということで、補助率は十分の十ということです。区市町村に対しては、手厚い補助になっているとのことであります。ぜひとも、多くの区市町村で活用して、一人でも多くの方々に検診を受けていただければというふうに思います。
それでは、令和六年度の区市町村による補助の活用状況と、本事業で認知機能検査を受診した人数についても併せて伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 都は、昨年度、二十五自治体に対して補助を行いました。本事業を活用した自治体から、合計約一万二千人が認知機能検査を受診したと報告を受けております。
○たかく委員 本事業における認知機能検査には、医師の判定が必要とされております。ある自治体では、検査会場で判定する医師の確保が難しく、本事業の活用にちゅうちょしているとの意見もありました。
事業の目的からすれば、区市町村が利用しやすいように取り組むべきと考えます。
本事業を活用する区市町村が認知機能検査をどのように実施しているのかを伺います。また、医師の確保が難しいという区市町村に対して、都としてどのような支援を行っているのか併せて伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 本事業を活用する自治体による認知機能検査は、主に自治体が指定した複数の医療機関で実施する方法と、検査会場に医師を配置して実施する方法とがあり、それぞれの地域の実情に応じて行われております。
都は、本事業の実施状況を毎年度調査し、その結果を全ての区市町村に共有するとともに、東京都医師会に本事業への協力と、地区医師会への周知を依頼するなど、区市町村の取組が進むよう支援しております。
○たかく委員 先ほどの答弁で、二十五区市町で約一万二千人の方が認知機能検査を受診しているということで、この事業は原則として五十歳以上の都民が対象とのことでありますが、いろいろデータをもらいますと、区市町村によっては七十歳と七十五歳に限定していたり、六十五歳から五歳刻みの自治体もございました。
ある自治体では、より大規模な形で住民を会場に集めて、普及啓発、認知機能検査を行いたいという意向もあると聞いております。そういった取組があっても、この事業をしっかりと活用できるように、東京都として、区市町村の意見を丁寧に聞いていただきながら、柔軟に対応していただければというふうに要請して、次の質問に移ります。
次は、里親等委託の推進について伺います。
社会的養護の必要な子供は、全国で約四万二千人、東京都で約四千人おります。新しい社会的養育ビジョンでは、未就学児の里親等委託率を七五%以上、学齢期以降は五〇%以上にする目標に対して、令和四年度末の全国平均では二四・三%、東京都では実に一七・二%の水準です。
里親等委託率が伸びない理由と、また、令和六年度の取組について伺います。
○天野子供・子育て支援部長 里親等への委託を推進するためには、里親登録数の拡大に向け、里親制度の社会的な理解の促進や、認知度のさらなる向上が必要でございます。
また、実親の同意取得が困難であるため委託に至らないケースも存在するほか、ケアニーズが高く対応が困難な児童への対応のため、里親の養育力向上や、里親に寄り添った支援が必要とされております。
こうした現状を踏まえて、令和六年度は、養育家庭体験発表会等の普及啓発のほか、里親の開拓や研修、児童と里親のマッチング、委託後の支援などを包括的に行うフォスタリング機関事業を順次拡大して実施いたしました。
○たかく委員 東京都は、本年三月に新たな東京都社会的養育推進計画を策定、令和十一年までの五年間の取組としていくこととなりました。計画では、家庭養育優先原則とパーマネンシー保障の二つの考え方に沿って、社会的養護の下で育つ子供たちについて、家庭と同様の養育環境において健やかに育ち、自立できることを目指すことを基本理念の一つに掲げております。
そこで、家庭養育優先原則とパーマネンシー保障の考え方についての見解を伺います。
○天野子供・子育て支援部長 社会的養育推進計画におきましては、家庭養育優先原則とパーマネンシー保障の二つを計画全体を貫く共通の考え方として位置づけております。
家庭養育優先原則とは、保護者を支援するとともに、家庭と同様の環境における養育を推進するものとして児童福祉法に規定されてございます。
パーマネンシー保障とは、永続的な家族関係をベースにした育ちの場を保障する考え方でありまして、国が計画の策定要領で示してございます。具体的には、支援者は予防的支援により家庭での生活を維持するために努力し、代替養育が必要な場合であっても、育ちの連続性の保障の観点から、子供中心の途切れない支援を提供することとされております。
○たかく委員 家庭養育優先原則、そして、パーマネンシーの保障の考え方については理解いたしました。
それでは、東京都の社会的養育推進計画における取組の方向性について伺います。
○天野子供・子育て支援部長 都は、社会的養育推進計画に基づき、家庭における養育が困難な場合でも、家庭と同様の環境で養育できるよう里親等への委託を推進しており、令和十一年度における里親等委託率を三七・四%とすることを目標としております。
計画では、家庭と同様の環境における養育の推進のために目指す方向性として、里親制度の普及と登録家庭数の拡大を進めて里親等への委託を促進すること、里親の養育を支えるための支援を充実すること、特別養子縁組に関する取組を推進することの三つの方向性を定めています。
○たかく委員 私は、昨年の決算特別委員会で、里親等委託の推進について質疑をしました。里親委託の推進に当たっては、里親制度の周知や、理解促進のための養育家庭体験発表会や、里親支援を包括的に行うフォスタリング機関事業を実施しているとの答弁でありました。
また、児童相談所において、施設入所児童の里親委託を検討するため、児童の意向確認や実親の同意を得るための丁寧な説明、関係機関と連携したフォロー体制を整えるなど、里親委託を優先したケースワークを推進していくとの答弁もそのときいただきました。
様々な普及啓発や、児童相談所のケースワークにより、里親委託を進めていくことでありますが、現在の委託率を見ると、まだまだ十分ではありません。
計画に定めた取組の方向性を一層進めていく必要があると考えますが、具体的な取組について伺います。
○天野子供・子育て支援部長 都は、今年度、地域や企業の理解を促進し、育てやすく働きやすい環境を醸成するため、民間企業に対する里親制度の説明会を新たに実施するなど、広報普及啓発の取組を拡充してございます。
また、乳児院に、養親希望者と養子候補児童の交流、マッチングなどを行う専門職員を新たに配置するなど、乳児院の体制強化を図っております。さらに、計画に定めた取組の方向性を一層進めるため、児童福祉審議会専門部会におきまして、各取組における具体的な論点と課題を踏まえて、現在検討してございます。
○たかく委員 今、お話ありましたように、具体的な取組をしっかりと進めて、里親等の委託率をしっかり上げていただくよう要望をさせていただいて、次の質問に移ります。
次は、ベビーシッター利用支援事業の一時預かり利用支援についてお伺いをさせていただきます。
この事業は、日常生活上の突発的な事情等によって一時的にベビーシッターによる保育を必要とする保護者がベビーシッターを利用する場合の利用料について、区市町村が負担軽減を行う場合に、その費用の一部を補助することにより、保護者の多様なニーズに応えるとともに、ベビーシッターを安心して利用できる環境を整備するものであります。
ベビーシッターによる一時預かりを利用するという家庭が増えておりますが、過去三年間のベビーシッターによる一時預かり利用支援の実施自治体数と利用児童数の実績についてお伺いいたします。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 ベビーシッター利用支援事業の一時預かり利用支援の実施自治体数と利用児童数の実績でございますが、まず、令和四年度が十四区市で八千四百二十四人、五年度は十九区市で一万六千七百四人、六年度は二十六区市村で二万七千二百七十五人となっております。
○たかく委員 今の答弁ですと、六年度でも二十六区市村のみということで、まだまだ実施していない区市町村があるということは実態でございます。
私は、ある親御さんからこういった相談をいただきました。ひとり親や低所得の方がこのベビーシッターの利用料を一時的に立て替えるのが大変で、ベビーシッター利用を諦めざるを得ないケースがあるとのことで相談をいただきました。
実際、利用料というのは、一時間当たり日中預かりでは二千五百円、夜間利用では一時間当たり三千五百円、なかなかこのベビーシッター利用者の経済的負担をやはり軽減していくために、利用者が立替え払いをしなくても済むような仕組みに切り替えるべきと考えておりますが、見解を伺います。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 本事業では、ベビーシッターを利用した保護者が利用料を一旦立て替えた後、事業の実施主体である区市町村から助成を受ける仕組みとなっております。保護者の申請のタイミングや支払い時期等につきましては、区市町村によって様々となってございます。
今後、保護者への助成方法に係る課題等を整理するため、区市町村や事業者への意見聴取を通じて実態を把握してまいります。
○たかく委員 私の方に相談に来られたのは、夜間であると一時間三千五百円ということで、やはり立替えの部分が非常に重いということで、ぜひ立替え払いをしなくても済むようにという要望をいただきました。今回、今の答弁では、具体的に実態把握をして進めていくということでございますので、しっかり現実、実態を把握していただきますようお願い申し上げて、次の質疑に移ります。
次は、重症心身障害者等のショートステイの拡充についてです。
重症心身障害者等のショートステイ、短期入所は、在宅で障害児者を介護、療育されている家庭にとっては、病気のとき、あるいは何かご都合があってどうしても外出しなければならないときなど、在宅生活を送る上で欠かせない支援であると考えます。
私も、重症心身障害児等やその家族の在宅生活を支える短期入所の充実について、令和五年の予算特別委員会で取り上げました。その際、局からは、短期入所をさらに拡充するため、病院等への支援や、事業実施の働きかけを実施するとの答弁がありました。令和五年度からは、医療型短期入所開設支援事業を開始し、民間のノウハウも活用しながら、短期入所の拡充に向けた取組を行っていると聞いております。
そこで、具体的な取組と、令和六年度の実績についてお伺いいたします。
○梶野障害者施策推進部長 都は、重症心身障害児や医療的ケア児の受入れが可能な医療型短期入所を拡充するため、未設置の地域を中心に、診療所や病院のほか、介護老人保健施設などに対し、事業開始のイメージができるよう働きかけを行い、令和六年度は計五十か所を訪問いたしました。
働きかけの結果、関心を示した病院等を対象に開設に向けた講習会を実施したほか、開設準備を進めている病院等の参考となるよう、既に事業を実施している施設での利用者受入れ及び退所時の見学、また、保護者との懇談会等を実施し、実際の開設につなげております。
また、新たに事業を開始した病院等に対しては、個別のフォローアップを実施し、運営に当たっての不安、疑問点の解消を図るとともに、運営に必要な知識の習得を目的とした実践的な研修を開催しており、看護師、社会福祉士など約四十名が参加をいたしました。
○たかく委員 この重症心身障害者等とその家族にとって短期入所というショートステイは、在宅生活を送る上で欠かせない支援であります。家族の休養等を支援し、重度障害児者等の健康と家族の福祉の向上を図るため、医療ニーズに対応可能なショートステイ事業をより一層促進していただきたいことを要望し、最後の質問に移ります。
居住支援特別手当について伺います。
都議会公明党は、令和五年第四回定例会の代表質問で、介護職の低賃金を一つの要因として介護人材の不足が大きな問題となっている中、都独自の支援策を講じていくよう求めました。こうした提案を受け、都は、令和六年度より、介護職員、介護支援専門員並びに障害福祉サービス等職員を対象とした居住支援特別手当が創設され、都議会公明党にも喜びの声をいただいているところであります。
初めに、令和六年度から開始した居住支援特別手当について、これまでの成果をお伺いいたします。
○花本高齢者施策推進部長 都は、令和六年度から、国が介護報酬等について必要な見直しを講じるまでの間、介護職員や介護支援専門員、障害福祉サービス等の福祉介護職員を対象に、居住支援特別手当を支給する事業者を支援しております。
令和六年度は、介護分野では約一万五千事業所の約八割が申請いたしました。障害分野では、介護事業所を併設する事業所で職員が兼務する場合に介護部門でまとめて申請する事例もあり、約一万五千事業所のうち申請したのは約五割となっております。この結果、令和六年度は、介護、障害分野を合わせ二百八十一億九千万円を補助いたしました。
○たかく委員 多くの事業者が活用しているということですが、申請していない事業者も高齢分野では約二割、障害分野では約五割いることであります。
介護職従事者の方より、所属する事業者が居住支援特別手当の申請をせず、せっかくの事業にもかかわらず、私たちに支援が行き届かず、大変困っているとの声も寄せられております。評価の高い事業でありますので、都内全ての事業者が活用できるよう取り組んでいくべきと考えます。
本年三月の予算特別委員会の都議会公明党の質疑において、都は、本事業の申請に当たっての課題を把握するため、全事業者にアンケート調査を実施するとの答弁があったところですが、その結果についてお伺いいたします。
○花本高齢者施策推進部長 本年六月に全事業者を対象に、令和六年度の活用状況や、申請に当たって労力を要した点などについてのアンケートを実施し、約千五百法人からの回答がありました。申請に当たって必要な支援を伺ったところ、申請手続のサポート、事業の周知や説明を希望する事業者が多くありました。
○たかく委員 行政手続などの申請においては、ともすれば煩雑になりがちで労力を要し、申請が敬遠されてしまっているケースもあるのではないかと思います。申請手続のサポート、事業の周知、説明を希望する事業者が多かったとのことでもあり、こうした点を改善することによって活用が促進されるものと考えます。
アンケート調査により把握した課題を踏まえ、今後、申請率向上に向けて積極的に取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
○花本高齢者施策推進部長 本年八月から、令和六年度に未申請の全事業者に対し、コールセンターからプッシュ型で本事業の周知を図っており、これまでに全ての事業者への架電を終えております。このうち、申請意向があり、手続のサポートを希望する事業者に対しては、給与規定の改定や申請書類の記入方法などについて、伴走型できめ細かく支援をしております。
さらに、介護事業所等への就職希望者が就職先を選択する際の参考となるよう、本年六月から、令和六年度に居住支援特別手当事業を活用した事業者を都のホームページにおいて公表しております。こうした取組により、本事業のさらなる活用を進め、介護職員等の処遇改善に確実につなげてまいります。
○たかく委員 ありがとうございます。東京都独自の制度として喜ばれ、期待されている事業でもありますので、ぜひ今後とも、より多くの事業者で活用され、介護や障害福祉の最前線で働かれている皆様に支援が行き届くよう積極的な取組をお願いして、私からの質問を終わります。
○河野委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
午後三時三分休憩
午後三時二十分開議
○河野委員長 休憩前に引き続き分科会を開きます。
質疑を続行いたします。
発言を願います。
○とや委員 日本共産党のとや英津子です。よろしくお願いいたします。
福祉施設の運営などについて伺っていきたいと思います。
医療、介護、福祉、保育、学童などで働くケア労働者の賃上げが国民生活の安心・安全の上で緊急課題となっています。
ケア労働者は、この間、コロナ禍でも国民の命と暮らしを守るため奮闘をしてきました。
しかし、診療報酬、介護報酬などの抑制で、もともとほかの産業よりも低い賃金水準に置かれてきた上に物価高騰で賃金の低迷に拍車がかかり、離職が相次いで、深刻な人員不足を生んでおります。
こうした中、先ほど来出ておりましたが、東京都は、介護職場などで働く人たちに対して居住支援などを行っています。
東京都が行っている居住支援特別手当事業について、私からも制度の内容と目的、昨年度の決算額と実績をお答えいただきたいと思います。
○花本高齢者施策推進部長 都は、介護人材等の確保に向け、国が介護報酬等について必要な見直しを講じるまでの間、介護職員等を対象に居住支援特別手当を支給する事業者を支援しております。
令和六年度は、介護分野では、約一万五千事業所の約八割が申請いたしました。障害分野では、介護事業所を併設する事業所で職員が勤務する場合に、介護部門でまとめて申請する事例もあり、約一万五千事業所のうち、申請したのは約五割となっております。
この結果、令和六年度は、介護、障害分野を合わせ、二百八十一億九千万円を補助いたしました。
○とや委員 ありがとうございます。二百八十億円以上をかけて支援をしているということです。都としても、優先度の高い重要な事業として位置づけているのだと思います。
しかし、課題もあります。居住支援特別手当の支援については、定期昇給の幅が小さくなる傾向がある一方で、手当が五年目までの月二万円から、六年目以降は月に一万円下がる、勤続年数の長い人の賃金が低くなるような状況があります。モチベーションにも関わると考えます。
都の認識を伺うとともに、福祉現場の職員のさらなる処遇の改善、特に賃金の引上げが必要ではないでしょうか。
○花本高齢者施策推進部長 介護サービス事業等は、介護報酬等により運営されることが基本であり、都は国に対して、事業者が安定的な事業運営を行うことができる報酬とするよう、繰り返し要望しております。
都は、国が介護報酬等について必要な見直しを講じるまでの間、介護職員や介護支援専門員、障害福祉サービス等の福祉介護職員を対象に、居住支援特別手当を支給する事業者を支援しており、人材確保の観点から、勤続五年目までの介護職員には一万円を加算し、月額二万円としております。
○とや委員 介護報酬等による運営がされるというのは基本です。それは私も賛成です。それに加えて東京都が支援をしているというのは分かりました。
しかし、勤続年数の長い人と賃金が逆転してしまえばモチベーションに関わると申し上げております。経験の浅い人の賃金よりベテラン職員の賃金が低いという実態は、職員間の関係にも影響するのではないでしょうか。
東京都は、聞き取りによりますと、国への要求等、高齢者分野では厚労省と直接交渉をしているとお聞きしております。つまり、それだけ介護事業所や施設が困難を抱えるということだと思います。
実際、今日お出しいただいた資料を見ますと、都内の介護職員数は、令和三年度に十八万二千八百八人だったのが、令和五年度には十七万五千六百七十三人と、だんだん減ってしまっております。極めて深刻だと思います。
そして、介護職員不足の最大の要因は、全産業平均を大きく下回る低賃金と劣悪な労働条件です。最低賃金が上がっても、介護報酬はその分上がらないので、最低賃金引上げの対応のためにほかの職員の賃金が下がるということになってしまいます。福祉職場では、賃金を上げることができないし、続けられないと。そして、仕方なく働くか、それとも転職をするかという状況で、若い人が続かないそうです。結局、現場の犠牲の下で介護が成り立っているようなものだとの声が福祉の関係者からも届いています。一刻も早く解決しなければならない問題です。
都の居住支援をさらに充実すれば、事業所にとっても職員の定着につながり、プラスになります。せめて居住支援手当が引き上がれば、もう少し頑張ってみようという気になるんじゃないでしょうか。引上げを強く求めておきます。
低賃金と職員不足の中で、隙間バイト、スポットワークが広がっています。福祉職場で働く人たちの中には、隙間バイトをしないと生計が成り立たない、有休の日や土日、施設の夜勤明けの日にスポットバイトで働くなど、労働者の実態があります。
東京都は、介護職場などの福祉施設で働く人の労働実態や職員の確保の状況の実態について把握をしていらっしゃいますか。
○佐藤福祉人材・サービス基盤担当部長 国の介護労働実態調査や都の介護サービス事業者運営状況調査等で、福祉職場の職員の確保、定着等の状況を把握しております。
また、事業者団体等から成る東京都福祉人材確保対策推進協議会におきまして、介護や保育現場の状況等について伺っております。
○とや委員 国や東京都の調査、推進協議会において福祉現場の状況などは把握はしているということですが、問題はスポットワーク、いわゆる隙間バイトについては調査、把握をしていないということです。
東京都のサービス事業者運営状況調査、実態調査は三年ごとにやっていますが、この調査の二〇二二年度の結果を見ますと、人材不足によるサービス提供への影響という項目があって、例えば特別養護老人ホームの場合、影響があると答えている事業者は六七・四%に上がっていました。そして、職員の過不足状況については、介護職員が最も不足感が強くて、大いに不足、やや不足が約八割を占めていました。介護現場は本当に人手が不足をしている、こうしたところにスポットワークが入っているのだろうということがうかがえます。
実際、淑徳大の結城康博教授は、介護業界の隙間バイトの広がりについて、本来なら正規職員などを自前でリクルートして教育すべきだが、それもできていないと。猫の手も借りたいという状態で事業者は隙間バイトに頼っていると述べています。
タイミーというスポットバイトの登録業者の調査では、この事業者に登録する人のうち、介護分野の有資格者は、二〇二四年七月に二十八万五千人を突破したということであります。現在は原則禁止されている日雇派遣の代わりに生まれたのがスポットワーク、隙間バイトであります。まさに隙間に入り込むようにして現れた働き方であります。
小池知事は、高齢者介護に携わる人たちが希望を持って働き続けることができる、そんな環境整備も重要でありますと昨年の年頭の挨拶で述べましたが、とてもそんな状況ではないと思います。
隙間バイトについては、国も保育分野への調査を開始したようですが、都としても、福祉分野なども含めた深い調査が必要なのではないかということを今日は指摘しておきたいと思います。
次に伺いたいのが、福祉職場にスポットワークを導入したときの介護や保育の質の問題です。
福祉施設のスポットワークはスマホ等で申込みができ、事前の面接もなく、保育園や介護現場で働くことができます。
保育園のスポットワークについては、子供の着替えまで仕事の内容に含まれているというのがありまして、都としてその実態を把握しているでしょうか。また、福祉施設のスポットワークについての都の認識を伺います。
○佐藤福祉人材・サービス基盤担当部長 国の介護労働実態調査等で福祉職場の実態を把握するとともに、東京都福祉人材確保対策推進協議会におきまして、介護や保育現場の状況等について伺っております。
国の通知では、スポットワークにより採用された保育士を最低基準上の保育士定数の一部に充てることは望ましくないとされておりますが、病気等のやむを得ない事情により、当日の欠勤が急遽出た場合に活用するなどは一概に妨げられるものではないとされております。
また、国は、介護分野への多様な人材層の参入促進を図るため、民間事業者のマッチング機能を活用したモデル事業を実施しております。
○とや委員 保育士については通知が出ているということです。そして、介護については国のマッチング強化モデル事業を行っているというご答弁でありましたが、先ほど紹介した結城康博先生は、日替わりで高齢者の生活空間に入ることは信頼が保てず、高齢者に不安を与える可能性があるし、どれだけスキルがあっても初めての施設や高齢者を介護することはリスクがあるとも述べています。実際、ある施設では夜勤中に重大な事故があったということも聞いております。
こうした実態があって、自治体が積極的に導入を支援するのは、私は問題があるのではないかと考えます。これも指摘をしておきたいと思います。
今ご答弁いただいた保育園の方の国の通知について伺います。
保育所等におけるスポットワーク、いわゆる隙間バイトにより採用された保育士の取扱いについて、この通知はどこにどのように周知したのか、お答えください。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都は、当該通知につきまして、管内の認可保育所や認証保育所等に周知されるよう、区市町村に通知をしております。
○とや委員 今ご答弁いただいた認可保育所や認証保育所等ということですが、国の通知の内容ですね、国の通知は、認可外保育所も保育施設も対象になっていますか。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 国の通知の中で対象になっている施設につきましては、認可保育所を規定しているというふうに認識してございます。
○とや委員 つまり、この通知は認可外保育施設は含まれていません。対象外ということなんです。それでも東京都は、認可外保育施設の一つであります認証保育所については、区市町村にあえて通知を出しているということであります。
私は、認可外保育所も含めて、ちゃんと東京都として判断をして、認証保育所も含めているんだから、区市町村に周知を徹底するように通知するべきだと考えます。
子供は、どこで育てられても良好な環境で成長する権利があります。認可保育所や都の認証保育所だけでは、通知で注意喚起はするが、あとは知らないというわけにはいかないと思います。認可外についても全て都が発出して、区市町村任せにせず、注意喚起をするべきだというふうに思います。
認可外保育施設については通知の対象にならないということですが、では巡回指導や立入調査を東京都行っていますが、スポットワークについて実態をつかみ、指導の対象にするなど、指導内容のチェック項目に含まれているのかどうかをお答えください。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 巡回指導や立入調査におきましては、認可外保育施設指導監督基準に基づきまして指導助言を行っております。
スポットワークにつきましては調査項目ではございませんけれども、認可外保育施設の運営に支障があるという場合につきましては、適切に指導助言を行っております。
○とや委員 適切に指導助言を行うと、問題があればね。それは東京都の責任として当然だと思います。しかし、スポットワークについてはチェック項目に入っていないということなんですよね。そうなると、認可外は事実上のノーマークになるんじゃないかと私は思います。
厚労省の通知は、スポットバイトを保育所に配置されている常勤保育士の代わりに配置するのは望ましくないとしています。しかし実際は、現場で保育士が不足しているため、採用し、働いてもらっている例があります。保育の関係者から聞くと、必要な戦力として働いてもらっていると、そういう施設があるというふうにおっしゃっていました。
私の地元練馬区の認可保育所でも、複数の施設で隙間バイトの募集を確認しています。その業務を見ますと、子供の着替えの補助、今申し上げましたけどね、なども含まれているんですよ。子供の成長発達の過程で性被害は深刻な影響を与えるわけです。何があるか分からない、こうした仕事に就かせている実態もあるわけです。その日限り、施設に入るのは初めて、子供に会うのも初めてという人が面接もなしに来るわけです。
さらに、このスポットバイトですが、少なくとも区内三園で恒常的に募集しているという可能性もありました。認可保育所等に通知を出しているのに子供たちが守られていない、この通知から逸脱した行為があるとすれば、通知が命令ではないにせよ、問題だと思います。
子供の育ちにとって、保育者が細切れだったり、いつ来るか分からないとか、一週間後にはいないなど、こういう状態が情緒に影響を与えるのは明らかです。だから国も通知を出しているのだと思います。
せめて認可外保育施設の巡回指導員の増員、そしてスポットワークについても巡回時のチェック項目に入れるべきだと考えますが、いかがですか。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都では、都内にある全ての認可外保育施設に対しまして、年一回の巡回指導ができる体制を整備しております。
巡回指導につきましては、国の通知を踏まえた認可外保育施設指導監督基準に基づきまして、指導助言を行っております。
○とや委員 子供と日常的に関係のない職員を保育所に配置し、保育士と同じ仕事をお願いせざるを得ない実態もあるのだと思います。しかし、それではいいはずがないですよね。保育士の資格については確認をしたりするけれども、面接や研修もない保育所が多いわけです。子供と二人きりにならないようにと指示があっても、現場から頼まれたらトイレ介助など一対一になる場面もあるとの声もあります。その日にならないとどんな人が来るか分からないというのはやはり問題があると思います。
そして、なぜこういうスポットバイトのような働き方が広がっているかです。
スポットワークが増えてきた背景には、保育や介護の職場の賃金が低いことや、長く続かず現場が職員不足になっているという問題があると考えますが、都の見解を伺います。
○佐藤福祉人材・サービス基盤担当部長 介護サービスや保育サービス等は、介護報酬や公定価格等により運営されることが基本でございまして、都は国に対して、事業者が人材の確保、育成、定着を図り、事業運営を安定的に行うことができる報酬等とするよう繰り返し提案要求をしております。
また、宿舎借上げ支援や、保育士等キャリアアップ補助を実施するほか、国が介護報酬等について必要な見直しを講じるまでの間、介護職員等を対象に、居住支援特別手当の支給に取り組む事業者への支援も実施しております。
○とや委員 今、介護現場の報酬引上げだとか都の支援についてお答えいただきましたが、報酬の引上げをはじめ、保育現場など福祉施設の処遇改善は待ったなしであり、おっしゃるとおり国の責任だと思います。
その責任を果たしていない下で、都が支援をしているということは歓迎するものですが、やはり福祉現場の賃金の低さ、職員不足は、現場に負担をかけて、スポットワークを夜勤明けにせざるを得なかったり、休日にも有給休暇中にもバイトをしなければならないような働き方が人間らしい働き方とは到底いえないんじゃないかと思います。
事業者も助かるし、労働者も空いた時間を活用できるからウイン・ウインだという意見もありますが、それは違うと思います。本来、十分な賃金、収入があれば、自由な時間は趣味や家族との時間に使ったり、友人との交流などに使えるはずではないでしょうか。お小遣い稼ぎという人もいますが、十分な賃金があれば稼ぐ必要もありません。
スポットバイトは、今あらゆる職種に広がっていますが、特に保育や介護など、対面での仕事に持ち込むには、私はあまりにも安易だと思います。福祉施設は人材が不足し、どこの施設でも苦労していると思いますが、こうした中でアプリを利用することで、来てくれれば便利かもしれませんが、介護や保育の質に影響を与えることは明らかです。
都としても、ぜひスポットワークについては、国の調査、やるということですが、巡回での調査など機会を設けてやっていただいて、福祉現場の労働者の処遇改善、介護や保育の質の向上に努めていただくよう求めておきます。
次に、保育所のゼロ歳児保育のことについて伺っていきます。
ゼロ歳児保育を実施している保育所では、年度当初の定員割れに悩んでいます。四月に入園児が埋まらなくても、年度の途中で入園希望があれば受け入れるわけで、保育士を確保し、配置しておかなければなりません。その間、人件費は事業者持ちとなって、何とかしてほしいという声が届いています。
運営が厳しく、ゼロ歳児保育をやめる保育所も出ている状況がありますが、まず都内の保育所におけるゼロ歳児クラス定員の五年間の推移を伺います。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都内認可保育所のゼロ歳児の定員数でございますが、各年四月一日時点で、まず令和三年は二万五千三百六十四人、令和四年は二万五千四百六十四人、令和五年は二万五千三百七十五人、令和六年は二万五千三百五人、令和七年は二万五千二百九十六人となっております。
○とや委員 ありがとうございます。大体二万五千人くらいを推移しているようですが、この数字はあくまで東京都が定員認可をした数なので、実際はもう少し違う数字が出ているのではないかと思います。それは年度当初のゼロ歳児の定員割れがあったりして、保育所によっては、定員はそのままだけれども、一歳児や二歳児に活用する場合があるからです。
そこで、都内の保育所でゼロ歳児クラスを一歳児一年保育や二歳児クラスに転用している自治体はどのくらいありますか。また、緊急一歳児受入事業の昨年度の実績を伺います。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 保育所の定員につきましては、地域の状況等により空きが生じることもございまして、区市町村につきましては、空き定員も活用して入所調整を行い、年度途中にも保育が必要な児童を受け入れております。
また、令和六年度の緊急一歳児受入事業の実績でございますが、十一区市に補助金の交付決定をしております。
○とや委員 定員に空きが生じることがあるんですよね。区市町村が調整しているということですが、東京都はこの状況を把握しているんですか。そこを教えてください。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 繰り返しになりますけれども、保育所の定員につきましては、地域の状況等により空きが生じることもございまして、区市町村は空き定員も活用して入所調整を行っており、年度途中に保育が必要な児童を受け入れている状況でございます。
詳細につきましては、それぞれの自治体において行っておりますので、一つ一つの詳細については把握はしてございません。
○とや委員 認可保育所について、ゼロ歳児クラスは、年度初めに空きがあっても、夏までに新入園児が入るので体制を組む必要があるので、保育所の運営は厳しくなる現状があるわけです。それね、やっぱりちゃんと把握してほしいんですけど、しかし、それでも年度途中の入園を保障するには、相当数の定員を、一、二歳児に転用することなく残しておかなければならないわけです。転用は保育園だけの判断はできず、今おっしゃったように、空き定員については区市町村が調整するということですが、その区市町村によって補助などに格差があるわけです。賃金を上げたくても定員が埋まらないと賃金の保障が難しい、ベースアップもできないそうで、一時金で調整するしかないという話も聞いています。半年でもいいから補填ができないかと切実な声が上がっています。
そこでお聞きします。
これは要望ですが、公立私立問わず、都としてゼロ歳児定員に応じた定額の収入補助を保障するべきではないでしょうか。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都は、保育所等が空き定員や余裕スペースを活用して緊急的に一歳児を受け入れる取組や定員変更を行う取組等を支援しております。
また、他者との関わりの中で子供の成長が図られるよう、就労等の有無にかかわらず保育所等が空きスペースを活用して子供を預かる取組につきましても運営費等を支援してございます。
○とや委員 先ほど述べたとおり、一歳児の受入れに活用することは解決策にはならないんですよね。また、就労等の有無にかかわらず預かる事業も、定員の空きを活用して行うのは様々な困難がありますし、定員の空きがなくなると利用し続けられなくなってしまうというのは望ましくないと思います。定員割れによる減収対策と位置づけるべきではありません。
有効な対策が打たれない中で、ゼロ歳児の定員を減らす動きもあって、また一歳児に待機児が多いのは事実ですが、このままゼロ歳児の定員が減れば、ゼロ歳児から預けたくても預かれない事態が生まれかねません。
これまでも、保護者が認可園でなく認可外に入れざるを得ない、入園せざるを得ないという事例がありました。それが練馬区での認可外保育室に預けざるを得なくて亡くなった若草ベビールームの事例です。
この保育室では、七年前の十月、赤ちゃんの死亡事故が起きましたが、私はこれは取り返しのつかない事故だと思っています。
その事故の教訓について伺っておきたいと思います。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 平成三十年十月、練馬区内の認可外保育施設で発生した午睡時の死亡事故につきましては、東京都教育・保育施設等における重大事故の再発防止のための事後的検証委員会において検証が行われ、令和二年三月に同委員会から検証結果及び提言の報告が行われました。
都は、提言を踏まえ、睡眠中の事故防止策につきまして、保育所等に対しリスクに関する意識喚起を繰り返し行っているほか、従来より実施しております講習会におきましても注意喚起を行っております。
○とや委員 この若草ベビールームは認可外の保育施設でしたが、都から何度も行政指導がありました。それでも従うことがなかったようです。保育士資格を持っている人は園長のみだったともいわれております。この子の保護者は、本当は認可保育園に預けたかったが、ゼロ歳児の途中入園は空きがなく、仕方なく不認可園に預けたと語っております。
練馬区は今年度、試行で三園のゼロ歳児の閉鎖、削減をしています。しかし、四月時点で分かっているだけでも既に四十九人のゼロ歳児の待機児が出ています。もっと月が行けば、もっともっと増えていくという試算もあります。
繰り返しますが、ゼロ歳児クラスは年度の途中になるにつれて定員は埋まっていきますが、保育所の運営上の都合でクラスを閉鎖したり、一歳児や二歳児に振り替えたりすれば、入園できない子供が出てきます。ゼロ歳児が待機児はないというのは事実ではありません。十分な定員を確保できるよう、都として保育所への定額補助などで支援をしていただいて、保育の質を守り抜くよう、施設への支援などの強化を求めておきます。
さらに、今日の質疑では、こうした施設に隙間バイトが入れば、さらに保育の質が後退する可能性があるわけです。それなのに指導の通知も、国からの通知ですね、対象外となっている。これではまた同じ過ちを繰り返すことになりかねません。
子供の成長発達を保障するために良好な保育がどこでも行われるよう、都として尽力をしていただくよう求めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○もり委員 私からは、初めに子供食堂の現状と課題についてお伺いをいたします。
令和六年八月に行われた都内における子供食堂の実施状況によると、都内の子供食堂は五十一区市町、千七十五か所の子供食堂が活動しており、地域の子供たちや保護者への食の支援と居場所として重要な役割を果たしています。
地元大田区では、学校の先生から、一日の栄養を学校給食でしか取っていない児童がいるとの一言を聞いた八百屋だんだんの近藤さんが、子供一人でも来られる居場所として全国初の子供食堂と名づけて以来、子供の貧困対策と親子の孤立を防ぐ居場所として全国に取組が広がり、私自身、娘が生まれた際、産後の孤独を感じた際に子供食堂に救われた一人として、都としての財政支援を求めてまいりました。
子供食堂の現状と課題について、都内における子供食堂の実態調査から、東京都内における子供食堂の現状と、令和六年度において明らかになった主な課題について、都の認識をお伺いいたします。
○天野子供・子育て支援部長 調査によると、多くのNPO法人等の民間団体が食事や交流の場を提供する子供食堂の取組を自主的に実施しております。
○もり委員 報告書では、運営資金の不足、スタッフ、後継者の不足、食材の確保への課題や支援対象者への周知不足などの課題が浮き彫りになっています。
また、本当に支援が必要な方に情報が届いていないという課題もあり、大田区では社会福祉協議会が窓口となってこども食堂マップを作成し、利用者の周知に努めており、子供食堂同士の課題を共有し合うネットワーク体制の構築が課題であり、取り組んでいるところです。
東京都の支援策と効果について伺います。
東京都が実施している子供食堂推進事業の内容と、令和六年度の実績についてお伺いをいたします。
○天野子供・子育て支援部長 都は子供食堂に対し、区市町村を通じて、会食の開催や配食、宅食に係る経費等を補助してございます。
令和六年度の補助実績は、二十八自治体、四百四十八か所に交付決定してございます。
○もり委員 令和六年度における予算現額は三億五千九十七万二千円、不用額は一億二千四百十四万二千円で、決算額が二億二千六百八十三万円、事業の執行率は六四・六%となっています。せっかくの予算ですので、現場のニーズに応じてより有効に活用していただきたいと願います。
運営資金の不足、物価高騰の影響で食材費や光熱費が増加し、資金繰りが困難な団体が増えています。令和六年度における都の取組についてお伺いをいたします。
○天野子供・子育て支援部長 令和六年度からは、週一回以上食事の提供を行う子供食堂への補助基準額を引き上げるとともに、子供食堂の利用勧奨等を実施する区市町村への支援を充実いたしました。
○もり委員 令和六年度から週一回以上行う子供食堂の補助基準額を引き上げていただいたとのことで、資金繰りが困難な団体が増える中、感謝を申し上げます。
また、資金の不足、食材の確保、特にお米などの主食の確保が困難という声が多く聞かれる中、寄附の減少も影響していますので、これは局を超えて、中央卸売市場との連携による規格外野菜の活用や、都内の団体、企業と連携をした消費期限内の食材の有効活用等、局横断的な連携による支援物資の拡充等を要望いたします。
今後、子供食堂の持続可能性を高めるために東京都が行うべき支援は何か、現場の声も伺ってまいりました。東京都の助成事業は大変ありがたいが、申請の煩雑さが負担であるとの声が寄せられ、仕組みはつくっていただいたが、使いやすい制度になっていないとの声も聞かれました。
手続の大変さ、簡素化が申請の課題となっています。都の見解と、六年度の取組についてお伺いをいたします。
○天野子供・子育て支援部長 都は、事業の実施主体である区市町村が円滑に補助金を申請できるよう補助要件等をQ&Aに取りまとめ周知するなど、工夫を図ってございます。
○もり委員 ありがとうございます。このQ&Aをホームページから探そうとしたんですが、なかなかたどり着くことができませんでした。
地元大田区内のこども食堂マップでは、約六十件の子供食堂が活動していますが、都の補助金を活用している子供食堂は区内では十件程度でした。
直接の申請窓口は各区市となりますが、ボランティアで支えている皆さんにとって、煩雑な申請手続が、オンライン申請の活用等、より負担とならないよう、区市から円滑な申請ができるよう、一層の取組と周知をお願いいたします。
子供食堂の補助金が人件費に使えないという指摘が都民の方より寄せられています。
実際に多くの自治体や民間助成制度で見られる制約ですが、これに対し、有償ボランティアの活用も注目をされています。見解についてお伺いをいたします。
○天野子供・子育て支援部長 都は、本事業において、会食の開催や配食、宅食に係る経費を支援するため、食材費や光熱水費のほか、調理器具等の備品や会場の賃料等を補助してございます。
なお、有償ボランティアの活用など、子供食堂の運営は、事業者の判断によるものでございます。
○もり委員 NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえにより昨年六月にまとめられた全国こども食堂実態調査結果の中でも、食事の提供にとどまらない子供の居場所、ひとり親家庭の支援、多世代交流や生活困窮家庭の支援としての役割、高齢者、障害者の生きがいづくりや学習支援等、様々な役割が掲げられており、東京都の子供食堂推進事業の実施方法の中には、区市町村は、虐待の未然防止、早期発見に係る研修等の実施、また、虐待が疑われる場合など早急な対応が必要な場合には子供家庭支援センター等に速やかに報告を行うなど、子供の虐待や困窮を早期に発見する役割が期待をされていますが、全てボランティアで担われている現状があります。
都の実態調査からも、スタッフ、後継者不足、高齢者や担い手の確保が難しい現状の課題が明らかになっています。
そうした中、今年、地元の大田区の子供食堂の名づけ親であるだんだんさんが、十三年間続けてきた子供食堂の大きな流れから一線を退くと発表しました。これは新聞でも取り上げられたんですけれども、子供の貧困は、子供が貧困なのではなく、背景にあるひとり親の困窮や非正規雇用の低賃金など、根本に国が向き合わなければならない問題をボランティアに押しつけているのではないか。ACのCMにも、あなたにもできることがある子供食堂のCMに違和感や憤りを感じる声も聞かれます。子供食堂は行政の下請ではないとの声も聞かれます。
子供食堂から見える課題にしっかりと必要な行政サービスにつながるよう、都としても自治体に対して、人件費も含めて必要な支援につながるよう取り組んでいただきたいと強く要望し、次の質問に移ります。
児童虐待対策についてです。
令和六年度の児童虐待防止等総合支援事業補助金は百七十七億円で、児童相談所の体制強化、子供家庭支援センターの設置促進、ヤングケアラー支援、親子再統合支援など、多岐にわたる施策に取り組んできました。
令和六年度に児童相談所の機能強化に向けてどのように取り組んだのか、お伺いをいたします。
○天野子供・子育て支援部長 都は、令和六年度において、児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、児童福祉司等を増員するほか、困難ケースで職員に助言指導等を行う専門課長を配置するなど、人員体制の強化に取り組みました。
○もり委員 二〇一六年の児童福祉法改正で、特別区も都と同等の児童相談所を設置できるようになり、児童相談所の区への移管が進む中、地元大田区においても、令和八年の児童相談所の整備に向けて、職員の東京都への派遣等、時間をかけて準備に取り組んできた経緯がありますが、昨年三月に大田区立児童相談所の計画が撤回をされました。
大田区において、蒲田で三歳の児童が一週間置き去りにされて亡くなったネグレクトの事案は、私自身、そのお子さんの家の本当に目の前で子供食堂を行っていた経緯もあり、こんなに近くにいたのに気づけなかったこと、ひとり親家庭でありながら保育園に通わなくなった等、その予兆は幾つかあり、要支援家庭として必要な支援とつなげることができたら救えた命であったと悔しさと悲しみが胸に刻まれています。
これまで、都立品川児童相談所は、大田区、目黒区、品川区を所管しておりましたが、品川区児童相談所が区立で設置されたことにより、大田区、目黒区においてよりきめ細やかな支援体制の強化が求められると考えます。
具体的な対応件数について伺いたかったのですが、これはそれぞれの自治体における虐待件数について、令和六年の数字はまだ報告がまとめられていないとのことでしたので、改めて報告をお願いします。
東京都との連携において、どのような業務が共同で実施をされるのか、令和六年度の検討状況についてお伺いをいたします。
○竹中総合連携担当部長児童相談センター総合連携担当部長人材企画担当部長兼務 都立品川児童相談所は、令和七年度の管轄は大田区一区となることを踏まえまして、令和六年度におきまして、都と大田区は、都と区が共同で児童虐待相談対応を行う体制などについて検討を行っております。
○もり委員 施設整備の概要と財政負担についてお伺いをいたします。
○天野子供・子育て支援部長 仮称でございますが、大田区子ども家庭総合支援センターには、都の児童相談所と区の子供家庭支援センターが設置される予定でございます。財政負担につきましては、都区間で協議を行っております。
○もり委員 また、東京二十三区で区立児童相談所の設置を断念する自治体が相次いでいる理由と背景としては、働き手の児童福祉司などの人材不足の課題が挙げられております。
児童相談所設置に向けた専門職の人材確保に向けた取組はどのようになっているのか、令和六年度の取組についてお伺いをいたします。
○竹中総合連携担当部長児童相談センター総合連携担当部長人材企画担当部長兼務 都は、深刻化する児童虐待に迅速にかつ的確に対応するため、専門職を幅広く確保できるよう、令和六年度は、業務の魅力等を発信する動画等を活用したリクルート活動の展開や、専門性を重視した採用選考を行いました。
○もり委員 地域の子育て支援機関との連携はどのように図られているのか、検討状況についてお伺いします。
○竹中総合連携担当部長児童相談センター総合連携担当部長人材企画担当部長兼務 現在、大田区を所管する都品川児童相談所は、大田区が設置する要保護児童対策地域協議会に参画いたしまして、各関係機関と児童やその家庭の状況について情報共有を図りながら、援助方針を確認し、援助を行っております。
○もり委員 令和七年現在で、都児童相談所のサテライトオフィスは、七月に開設した大田区を入れて六区になります。練馬区、台東区、また渋谷区、墨田区、目黒区ですが、都児童相談所サテライトオフィスは、都と区の職員が同じ職場で働くことで連携が密になり、迅速で適切な支援につながること、区職員のスキルアップなどが期待されるなど、人材を育成する効果も期待をされているとのことです。
既に区に移管された世田谷区児童相談所の事例等、区民生活に密着した基礎自治体として、子供の命と権利を守ることを最優先に考え、子供と家庭にきめ細やかに寄り添う支援体制に、大田区においても区立児相の設置を期待していました。けれども、今後、大田区に設置されるサテライト事業においても、児童相談所と子供家庭支援センターが一体となって一元的かつ支援における地域資源を最大限に活用し、総合的な児童相談行政の充実に向けて取り組んでいただきたいと要望いたします。
次に、アドボカシーについて伺います。
子供自身の声を尊重し、権利を擁護する支援が求められており、東京都では、児童福祉施設や一時保護所等で生活する子供が自分の意見を表明し、安心して暮らせるよう、アドボカシー機能の充実が求められます。
令和六年度に実施されたアドボカシー関連事業と決算額についてお伺いをいたします。
○天野子供・子育て支援部長 令和六年度の意見表明等支援事業の決算額は一千百五十万円となってございます。
○もり委員 児童福祉施設職員への研修と意識向上に向けて、令和六年度に施設の職員へのアドボカシー研修はどのように行われたのか、お伺いします。
○天野子供・子育て支援部長 都は、令和六年度、子供の周りにいる大人が権利擁護の重要性を理解し、実践できるよう、児童相談所職員、施設職員などを対象に研修を実施いたしました。
○もり委員 東京都は、令和三年に施行された東京都こども基本条例に基づいて、子供を権利の主体として尊重し、子供の最善の利益を最優先にすることを基本理念として、条例では、子供が自らの権利を理解し、意見を表明し、社会の一員として参加できる環境整備を都の責務として明記しています。子供自身が理解を深め、自分のこととして理解を深めていくことが重要です。
令和六年度において、子供自身が権利を理解するために、施設においてどのような取組が行われたのか、お伺いをいたします。
○天野子供・子育て支援部長 都は、児童養護施設等の入所児童向けに子供の権利ノートを作成しており、担当の児童福祉司が児童の施設入所時等に配布し、自分の意見や希望をいえることを説明しております。
また、これに加えまして、児童養護施設入所児童には、権利擁護を担当する本庁の職員が施設を訪問し、子供の権利の説明を行っており、令和六年度は十八か所で実施しております。
○もり委員 子供が自らの意見を表明する支援体制はどのように整備をされているのか、令和六年度より、児童福祉法改正に基づいて意見表明等支援事業が法制化されましたが、令和六年度の都の取組と、そこから見えた課題についてお伺いをいたします。
○天野子供・子育て支援部長 児童相談所が関わる子供が様々な場面で意見を表明できるよう、令和六年九月から一部の一時保護所及び養育家庭におきまして、意見表明等支援事業を開始しております。事業実施初年度であり、子供に制度について理解してもらうため、分かりやすく周知説明を行いました。
○もり委員 子供たちが自ら権利の主体であることを理解し、施設や里親家庭で育つ子供、若者にとっても、話を聞いてくれる大人がいるということ、家族との関係回復に向け、家族に対してもアドボカシーの理解を深める機会としても、とても重要です。
子供と一人一人に寄り添い、子供の声が尊重されるよう、アドボカシーの一層の体制強化をお願いし、質問を終わります。ありがとうございます。
○いいだ委員 よろしくお願いいたします。
まず、盲ろう児支援についてお伺いをいたします。
我が会派は、視覚と聴覚に重複して障害のある盲ろう児の方々への支援充実を長年にわたり強く訴えてまいりました。
令和六年第二回定例会で新宿区に移転した盲ろう者支援センターについて、ハード整備だけでなく、ソフト面の充実が不可欠であると指摘し盲ろう児支援を充実させ、医療、福祉、教育などの関係機関が連携したきめ細かな支援を行うべきと質問しました。
これを受け都は、令和六年度から、このセンターを拠点とした盲ろう児への支援事業を開始したものと認識しています。
そこで、令和六年度から開始した盲ろう児支援に係る事業の実績を伺います。
○梶野障害者施策推進部長 都は、盲ろう者に対する総合的な支援拠点として、東京都盲ろう者支援センターを設置しており、令和六年六月から支援対象を児童にも拡大しております。
盲ろう児については、令和六年度は、家族や特別支援学校、保健センター等の関係機関からの育児やコミュニケーションに関する相談など、四十一件の相談支援を行うとともに、教員や児童発達支援センターの職員等を対象に、盲ろう児との関わり方を学ぶ研修を開催し、四十九人が参加をいたしました。
また、レクリエーションを通じた盲ろう児の交流や、保護者同士が悩みを相談したり、育児の情報交換をする場として交流会を九回開催するなど、盲ろう児とご家族の支援に取り組んでおります。
○いいだ委員 ありがとうございます。センターを拠点として、相談支援、職員研修、そして交流会といった具体的な事業が開始されたことは、盲ろう児支援の重要な第一歩として、まずは評価をいたします。
ただ、最も重要なことは、先ほど来申し上げておりますように、これらの貴重な取組を点で終わらせないことだと思います。
私の質問の趣旨でもあります医療、福祉、教育の連携という線、そして面の支援体制を構築することが今求められているというふうに思います。
盲ろうのお子さんとそのご家族がどのライフステージにあっても、どの窓口を訪れても途切れることのない一貫した支援を受けられること、そして地域で決して孤立することのないよう、都は司令塔となり、この連携体制の構築を強力に推進していただくことを改めて強く要望いたします。
次に、特別養護老人ホームの経営支援についてお伺いいたします。
介護保険制度において、特別養護老人ホームは、国が定める介護報酬によって運営されることが基本であります。しかし、周知のとおり、近年の物価高騰は施設の運営を直撃しており、どこの施設からも経営が非常に厳しいとの悲鳴が上がっております。
都が物価高騰緊急対策事業の対象期間を本年十二月末まで延長するなどの支援に取り組んでいることは承知をしております。しかし、そもそも現行の介護報酬が地価や人件費、そして物価も高い東京の介護現場の実態を適切に反映していないという構造的な問題があります。
私、いいだ健一も先日、地元狛江市にあります特別養護老人ホーム、こまえ苑を視察させていただきました。その際、現場の方から、物価高騰はもちろんだが、何より東京で介護人材を確保するためのコストは桁違いである、そうした中で都独自の経営支援事業は本当に助かっているという切実な声を直接伺ってまいりました。
そこでまず、都が特別養護老人ホームに対する独自の支援として実施をしている経営支援事業についてお伺いをいたします。
○木村高齢者施策推進担当部長 都は、特別養護老人ホームに対し、サービス向上に資する取組を行う施設や、島しょなど厳しい経営環境にある施設等を支援することを目的として、経営支援事業を実施しております。
本事業では、施設の努力、実績を評価する仕組みとして、利用者サービスの向上や地域貢献に向けた施設の取組を評価する加算を行っております。
○いいだ委員 ありがとうございます。本事業が島しょ地域など特に経営環境が厳しい施設を支えるとともに、単なる赤字補填にとどまらず、利用者のサービス向上や地域貢献といった各施設の具体的な努力や実績を評価し加算を行うインセンティブを組み込んだ仕組みであることをまずは理解をいたしました。
先ほども申し上げたとおり、国の介護報酬が東京の高いコストという実態を反映し切れていないという構造的な課題に加え、近年の未曽有の物価高騰が都内の特別養護老人ホームの経営を極めて厳しく圧迫しております。
そのような状況下にあって、この都独自の経営支援事業は、都民の介護サービスの水準を維持し、現場で懸命に働く職員の皆さんを支えるための、まさに生命線ともいえる重要な事業であると思います。この事業が支援を必要とする施設、そして努力している施設に迅速かつ確実に届いていなければ意味がありません。
そこで、この重要な事業が令和六年度においてどれだけ適切に執行されているのか、その実態をまず確認する必要があります。
そこでお伺いをいたします。
特別養護老人ホーム経営支援事業の令和六年度予算の執行状況について伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 令和六年度におきましては、予算額約三十四億円に対し、執行率九八・三%となっております。
○いいだ委員 予算額三十四億円に対し執行率が九八・三%、この極めて高い執行率こそが物価高騰や人材確保に苦しむ都内施設にとって、この都独自の経営支援がいかに不可欠であり、まさに生命線となっているかを示す何よりの証拠だと思います。
ただ、この事業は、単なる赤字補填にとどまらず、施設の努力を後押しする仕組みになっている点が重要であるというふうに認識をしております。
そこで、次にお伺いをします。
本事業では、施設の努力を評価する加算を導入しているとのことでありますけれども、令和六年度の主な加算項目及びその取組状況について伺います。
○木村高齢者施策推進担当部長 都は、経営支援事業における加算項目について、介護報酬改定や高齢者施策等を踏まえ、毎年度見直しを行っております。
令和六年度には、外国人介護職員の活用や、介護現場のDXの促進などに対する加算項目を新設し、施設に対する取組を後押ししております。外国人介護職員の活用については五割以上、介護現場のDX促進については七割以上の施設が取り組んでおります。
○いいだ委員 ありがとうございます。介護報酬改定や国の施策動向等を踏まえて毎年度加算項目を見直していること、特に令和六年度には喫緊の課題である外国人介護職員の活用や、介護現場のDXの促進といった項目を新設されたことを評価いたします。
そして、その加算項目について、外国人材活用で五割以上、DX促進で七割以上もの施設が実際に取り組んでいるというお話は、大変心強く感じました。まさにこの加算の仕組みが施設の積極的な経営努力やサービス向上の取組を後押しする有効なインセンティブとして機能している証左であります。
今後とも、私が視察で伺ったこまえ苑のような現場の切実な声を丁寧に聞きながら、介護現場の実態に合わせて適宜見直しを図り、施設の取組を力強く支援していただくことを力強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、不妊症、不育症への支援について伺います。
子供を望む多くのご夫婦にとって、不妊症や不育症の検査、そして治療にかかる高額の費用は極めて深刻な問題であります。時にこの経済的な負担が大きな壁となり、子供を持つことを諦めざるを得ない方々も少なくありません。少子化対策が叫ばれる中、子供を産み育てたいと願う方々を社会全体で支えることは政治の大きな責務です。
都はこれまでも、こうした方々の経済的負担を軽減するため、検査や治療の費用に対する助成事業を実施してこられました。これらの支援が当事者の方々にとってどれほど大きな支えとなっているか、計り知れません。
そこでお伺いいたします。
都は、不妊症及び不育症検査や治療の費用について経済的支援を行っていますが、令和六年度の実績について伺います。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 不妊症及び不育症に係る事業につきましては、三つ事業がございます。まず不妊検査等助成事業、特定不妊治療費助成事業、不育症検査助成事業でございます。
不妊検査等助成事業の決算額につきましては五億三千二百五十七万八千円、執行率は九五・六%、助成件数は一万七百六十三件となっております。
続いて、特定不妊治療費助成事業の決算額につきましては六億七千四百五十九万円、執行率は七一・四%、助成件数は一万二千九百二十二件でございます。
不育症検査助成事業の決算額につきましては四千九百七十七万円、執行率は八三・四%、助成件数は一千四十一件となってございます。
○いいだ委員 ありがとうございます。不妊検査等で一万七百六十三件、特定不妊治療で一万二千九百二十二件、不育症検査で千四十一件、合計で延べ二万四千件を超える多くの支援が行われたというような実績をまずは確認をいたしました。
この数字の大きさは、いかに多くの都民のご夫婦が悩みを抱え、この経済的支援を切実に求めているかを明確に示しております。これらの支援が多くの方の希望につながったものと評価をいたします。
ただ、不妊症、不育症に悩む当事者の方々が直面する困難は、経済的な負担だけではありません。治療が長期化する中での焦りや不安、ご夫婦間のすれ違い、あるいは周囲からの期待やプレッシャーなど、その精神的な負担は経験した者でなければ分からないほど計り知れないものがあります。経済的な支援をハードの支援とするならば、こうした心の負担を軽減するソフトの支援は、まさに車の両輪であり、どちらが欠けても、当事者に真に寄り添った支援とはいえません。
そこで、次にお伺いします。
当事者支援は、経済的支援だけではなく、精神的な負担軽減の支援も重要です。
当事者が悩みを相談できる場を広めていく必要があると考えますが、都の見解を伺います。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都は、東京都不妊・不育ホットラインを開設し、当事者の悩みにつきまして、不妊症などに悩んだ経験を持つピアカウンセラーが、医師の指導の下、電話で相談を受け付けております。現在、ホームページや医療機関へのチラシ送付によりまして周知してございます。
引き続き、不妊症等の治療を行う都民が様々な相談をできるよう、不妊・不育ホットラインにつきまして広く周知をしてまいります。
○いいだ委員 経済的支援に加えまして、精神的な負担に寄り添う東京都不妊・不育ホットラインの設置は、大変重要な取組であると認識をしております。特に、医師の指導の下、同じ悩みや苦しみを経験されたピアカウンセラーの方が相談に応じている点は高く評価いたします。誰にもいえず一人で不安を抱え込んでしまう当事者にとって同じ目線で話を聞いてもらえる存在は、代え難い支えになるはずであります。
ご答弁にもありましたが、重要なのは、このホットラインの存在を今まさに悩んでいる方々にいかにして届けるかであります。せっかくのすばらしい制度も知らなければ利用できません。
引き続き広く周知するとのことですが、ポスターを貼る、ホームページに載せるといった形式的な周知にとどまらず、不妊治療を行っているクリニックや地域の保健所、またSNS等も活用していただき、この情報が確実に行き渡るよう、実効性ある広報の強化を強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
少子化対策、子育て支援は、まさに待ったなしの重要課題であります。
都はこれまで、チルドレンファーストの社会の実現に向け、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を力強く推進をしてこられました。その中核となるのがこのとうきょうママパパ応援事業であり、身近な地域で子育て家庭を支える区市町村の多様な取組を都が強力に後押しをする極めて重要な事業であると認識をしております。
そこでまずお伺いをします。
都は、とうきょうママパパ応援事業により、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を力強く推進をしており、高く評価しているところですが、本事業の令和六年度実績をお伺いします。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 とうきょうママパパ応援事業の決算額でございますが、九十六億五千七百十六万九千円、執行率は九七・六%となっております。
本事業は、様々な事業によりまして区市町村の子育て支援の取組を後押ししております。
○いいだ委員 ありがとうございます。決算額が九十六億六千万円、執行率が九七・六%と極めて高い水準であることからも、この事業は都民の皆様、そして現場である区市町村から強く求められているということが明確に示されていると受け止めております。
この事業の根幹は、ご答弁にもあったとおり、区市町村が行う子育て支援の取組を後押しすることにあります。そして、その支援は画一的なものではなく、特に困難を抱えるご家庭の実情に寄り添ったきめ細かな支援であるべきです。
その中でも、私は特に重要であるなというふうに考えているのが、双子や三つ子などの多胎児家庭への支援です。
私の周りにも多胎児家庭の知人がおりますけれども、喜びが二倍、三倍であると同時に、その育児負担は私たちの想像を絶するものがあります。授乳やおむつ替え、寝かしつけに追われ、外出することがままならず、保護者が社会的に孤立してしまうケースも少なくありません。
このとうきょうママパパ応援事業においては、こうした多胎児家庭に向けた支援事業もメニューに含まれていると承知をしております。具体的には、相談支援、母子保健事業利用のための移動支援、多胎妊婦健康診査加算等が行われていると聞いておりますけれども、中でも、自宅に直接サポートが入る家事育児サポーター派遣事業、当事者の肉体的・精神的負担を軽減する上で、これは子育ての大きな助けになると考えております。
そこでお伺いをします。
双子や三つ子などの多胎児家庭の育児負担は大きく、多胎児家庭に向けた支援事業、重要です。
とうきょうママパパ応援事業で行う多胎児家庭支援事業で、相談支援、母子保健事業利用のための移動支援、多胎妊婦健康診査加算等を行っておりますけれども、この中でも、家事育児サポーター派遣事業等、子育ての大きな助けになるというふうに考えておりますけれども、支援内容及び実績をお伺いします。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 多胎児家庭支援事業における多胎児家庭サポーター事業では、産後ドゥーラやベビーシッター等が多胎児家庭の自宅を訪問し、外出時の補助や日常の家事、育児を支援しております。令和六年度は三十九の区市町村がこの事業を実施しております。
また、一般の家事育児サポーター派遣事業では、妊婦、児童一人当たり年間九十六時間の利用上限であるところでございますけれども、多胎児家庭につきましては、児童が一歳未満の場合は上限二百四十時間とするなど、手厚く支援をしております。
引き続き、多胎児家庭の支援を行う区市町村の取組を後押ししてまいります。
○いいだ委員 産後ドゥーラやベビーシッターといった専門の方々がご自宅を訪問し、外出の補助のみならず、日常の家事や育児そのものを支援してくださるという内容は、まさに当事者が求めている支援の形であると評価いたします。
特に多胎児家庭に対しては、利用上限を通常の九十六時間から二百四十時間へと大幅に拡充している点は、その深刻な負担の実態に即した非常に手厚い支援であり、高く評価するものであります。
ただ、ご答弁によれば、令和六年度の実施は三十九区市町村にとどまっております。この支援を必要としている多胎児家庭は、都内のどこにお住まいであってもひとしくこの支援を受けられるべきだと思います。
都におかれましては、引き続き後押しするとのご答弁でありましたけれども、まだ実施に至っていない自治体に対しても、この事業の重要性や、多胎児家庭の切実なニーズを伝え、都内全ての区市町村で実施されるよう、より一層の働きかけを強めていただくことを強く要望いたします。
チルドレンファーストの社会とは、困難を抱える家庭を誰一人取り残さない社会であります。引き続き現場の声を聞きながら、区市町村の取組を力強く後押ししていただくことを重ねて要望をし、次の質問に移ります。
次に、放課後等デイサービスの質の向上について伺います。
障害のある子供たちやそのご家族にとって、放課後や学校休業日を安全・安心に過ごせる居場所の確保は極めて重要な課題であります。
都はこれまで、国の基準を上回る手厚い人員配置や、先進的な取組を支援する都型放課後等デイサービス事業を推進してこられました。これは、都内全体のサービスの質を一層高めるためのまさに先進的な取組であり、我が会派としても高く評価しているところであります。
そこでお伺いします。
令和六年度における本事業の執行状況や、補助を受けた事業所数など、この事業の成果について伺います。
○梶野障害者施策推進部長 都は、障害のある児童が適切な療育を受けられるよう、経験豊富なコア職員を配置するなど、都が定める基準を満たす事業所を支援する都型放課後等デイサービス事業を令和四年度から開始しております。
令和六年度の決算額は約六千八百十六万円、実施事業所数は三十三事業所であり、前年度から十事業所増加をしております。
○いいだ委員 実施事業所数が前年度から十事業所増加し、三十三か所となったとのことで、都の先進的な取組は着実に前に進んでいることと思います。
一方で、現場の声を伺いますと、多くの事業所がこの都型の質の高いサービスを提供したくとも、基準を満たすために必要な経験豊富なコア職員の確保や、それに伴う人件費の負担が大きなネックとなり、事業への参入をためらっているという実情も聞こえてまいります。この点については、昨年度の決算特別委員会において我が会派の加藤議員も質問をし、事業の推進に向けたさらなる工夫を求めたところ、工夫を重ね、事業を推進していくとのご答弁があったと承知をしております。
そこでお伺いをいたします。
この事業をさらに拡充し、より多くの事業所が都型に参入できるよう、令和六年度に行った見直しの内容や、参入を促す工夫について伺います。
○梶野障害者施策推進部長 事業所がより柔軟にサービスの充実に取り組めるよう、従来必須要件でありました十九時までのサービス提供と送迎の実施を令和六年度から任意で選択できるようにいたしまして、要件の充足状況に応じて補助額が算定される仕組みへと改善をいたしました。
事業所に対しては、都のホームページで本事業の詳細な説明動画を新たに公開したほか、メールできめ細かく情報提供を行っております。また、区市町村に対しては、より多くの事業所が本事業に取り組めるよう、管轄内の事業所への周知を依頼しており、こうした取組により参入を促してまいります。
○いいだ委員 これまで必須要件であった十九時までの延長や送迎の実施は特に小規模な事業所にとっては非常に負担が重く、参入の大きな障壁となっていました。これを任意選択とし、さらにその要件の充足状況に応じて補助金額を柔軟に算定できるように改善されたことは、現場の実情を的確に捉えた、まさにご答弁にあった工夫の表れであります。
また、詳細な説明動画やメールによるきめ細かな情報提供も、制度の理解を深め、事業所の不安を解消するために大変有効な手段です。
こうした都の具体的な工夫と後押しが参入をためらっていた事業所の背中を押し、質の高い都型のサービスが都内全域にさらに広がっていくことを強く期待いたします。
障害のある子供たち一人一人がより安全に、より豊かな放課後を過ごせるよう、引き続き現場の声を反映しながら、この先進的な取組を強力に推進していただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○せいの委員 日本共産党のせいの恵子です。資料の提供、ありがとうございました。
私からは、ヤングケアラー支援についてまずお伺いをいたします。
日本では、二〇二一年に初めてヤングケアラーへの支援が国の施策として始まり、東京都でも近年、ヤングケアラー支援対策が拡充しています。
そこで、都のヤングケアラー支援について伺います。
令和六年度のヤングケアラー支援事業の予算額及び決算額並びに事業内容と、その内訳をお示しください。
○天野子供・子育て支援部長 令和六年度の予算額は二億四千五十八万八千円、決算額は一億六千四百八十九万八千円でございます。
令和六年度は、ヤングケアラーコーディネーターの配置を支援するほか、コーディネーターの取組事例集の作成や連絡会の開催、各関係機関や区市町村等による協議会の開催、ピアサポートや家事支援等を行う民間団体への補助を行っております。
○せいの委員 新規事業として、ヤングケアラーコーディネーターの配置や、また事例集の作成がされたと。それで、令和七年の三月にこれは発行をされました。
ヤングケアラーコーディネーター連絡会及び事例集、これが作成され、事業化した目的とその成果についてご見解をお聞かせください。
○天野子供・子育て支援部長 各区市町村のコーディネーターがヤングケアラーの支援を行う上での課題や取組を共有することを目的として連絡会を開催するとともに、支援のポイント等を取りまとめた事例集を作成いたしました。
○せいの委員 お答えありがとうございます。私もこの事例集、拝見いたしました。ヤングケアラーコーディネーターの各市区での取組が紹介されておりました。また、事例集にも、ヤングケアラーコーディネーターは、ヤングケアラーと思われる子供、若者に気づいてから、支援へのつなぎにおいて核となる人材ですと紹介されているとおり、本人やその家族の支援に加え、学校をはじめとする関係機関や地域団体の方からのヤングケアラーに関するあらゆる相談に対して助言を行い、関係機関と連携し、適切な支援をつなぐ役割を担っております。ヤングケアラーコーディネーターをハブとして、支援を行う上での課題が関係者間で共有されれば、支援体制が拡充することにつながると感じます。
北区では、令和五年度は、ヤングケアラーコーディネーターを区の職員が担当していましたが、六年度からはNPO法人に委託をし、一名を専任で配置しました。そして、令和六年十二月には、子供家庭支援センターが主催者となって、区内で初めて一般向けにヤングケアラーシンポジウムを開催し、私も参加させていただきました。ヤングケアラーコーディネーターと地域で活動するコミュニティソーシャルワーカーがヤングケアラー支援について語るという内容で、大変勉強になりました。
このように多職種が連携することは、同じような課題であっても、様々な困難や課題を抱えるヤングケアラーを多角的に支えることが可能になる、そういうことにつながると考えます。
また、事例集にて各市区町村の取組を共有し、紹介し、そして新たな知見を得るというところに大変に意義がある取組であると考えています。
そこでお聞きしますが、現在ヤングケアラーコーディネーターを配置している市区町村を教えてください。また、この配置数の現状について、都はどのように評価をしていますでしょうか。ご見解をお聞かせください。
○天野子供・子育て支援部長 令和六年度の補助金交付決定の実績では、十六自治体においてコーディネーターを配置しており、令和五年度から自治体数が増加してございます。
○せいの委員 ヤングケアラーコーディネーターが年々増加をしているということで、大変うれしい、よいことだと思います。
令和六年度は、東京都の合計六十二の区市町村の中で十六自治体しかこの事業が活用されていない。これは四分の一の自治体にしか配置されていないということだと思うんですが、ちょっと残念だなと感じます。
たしか令和七年度は三十一自治体の配置経費を予算に計上されていると思いますが、この配置経費に近づけるように、また、さらに都内全自治体への配置がされるようにしっかりと自治体へ周知をしていただき、都が後押しすることを要望しておきます。
次に、ヤングケアラー相談支援等補助事業についてお聞きします。
この事業は、ピアサポート等の悩み相談や家事支援ヘルパー派遣等を行う団体、悩みや経験を共有するオンラインサロンを設置運営する団体を支援するものですが、この事業で支援している団体の支援実績と、その支援内容及び決算額をお示しください。
○天野子供・子育て支援部長 都は、本事業において、家庭や進学等の悩みを相談できるピアサポートや家事支援ヘルパーの派遣、SNSを活用したオンラインサロンなどを実施している民間団体に対しまして補助をしてございます。
令和六年度は、十二団体に対して合計で一億四千六十四万三千円の補助を行っております。
○せいの委員 令和六年度、東京都ヤングケアラー相談支援等補助事業の補助団体一覧、これもホームページで確認をいたしました。十二団体それぞれに特色がある取組がされていることが分かりました。
このような取組を行う団体のこの取組に対して後押しをすることで、ヤングケアラーに対しての支援をどんどん前に進めていただきたい。そして、今回十二団体に対し、合計一億四千六十四万三千円を補助ということですが、ヤングケアラー支援を行う団体の皆さんにとって、活動を継続していくこと自体が大変なのではないかなというふうに感じます。
令和六年度の予算執行率は六八・五%です。さらに支援団体が補助金を活用していけるよう周知を行うことや、助成額の上限額引上げを要望しておきます。
次に、ケアラー支援条例についてお聞きします。
令和六年六月、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律が制定され、その中で子ども・若者育成支援推進法が改正され、ヤングケアラーを家族の介護、その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子供、若者として国、地方公共団体等が各種支援に努めるべき対象にされました。
現在、ヤングケアラーの支援に向け、都でも様々な側面から状況の整備が進められておりますが、条例などの環境整備は進んでおりません。
ヤングケアラーは一般的に十八歳未満と理解されていましたが、十八歳を超えて若者ケアラーも切れ目なく支援する必要もいわれています。
日本共産党都議団は、二〇一二年以降、ケアラー自身を支援すべき対象として捉えて支援していくことを求めてまいりました。ケアラー支援に関する条例は、介護者、すなわちケアラーが個人として尊重され、健康で文化的な生活を営むことができるよう、社会全体で支えることを目指します。
埼玉県は、令和二年、二〇二〇年に全国初となる埼玉県ケアラー支援条例を制定し、その中でヤングケアラーについても明記をしました。その後、茨城、北海道、長崎、鳥取、栃木、岐阜県、最近では秋田県でも議会の全会一致により秋田県ケアラー条例が可決されました。東京都でも条例の制定が必要ではないでしょうか。
ケアラー支援条例を制定するため、当事者や元ケアラー、支援団体が参加する検討会を設置することを求めますが、いかがでしょうか。
○柳橋企画部長DX推進担当部長兼務 都はこれまで、主に家族が担ってまいりました高齢者などの介護を社会全体で支え合うという介護保険法の理念等を踏まえまして、高齢者保健福祉計画等を策定いたしまして、家族介護者の介護負担の軽減に向けまして様々な施策に取り組んでございます。
○せいの委員 今のお答えですと、負担軽減に向けて様々な施策に取り組んでいるけれども、そこは私が求めたこととはちょっと遠いかなというところで、以前にも、私たち日本共産党の都議団としては、実態調査をちゃんとやってほしいということも求めてきたんです。
ヤングケアラー支援には、本来やっぱり的確な対策のためには、ケアラーの実態調査が必要だと私は思います。区市町村では、小中学校は自ら調査できます。でもそれ以上の年齢に対して調査を行うことは難しくなってしまいます。
今、先ほどもいいましたが、十八歳以降の若者ケアラーも含めた切れ目ない支援が求められているというときに、都がその実態を把握していくことは必要ではないでしょうか。
現に都が持っている都立高校や大学生との接点など、これを大いに生かして、都内全域での調査を行うこと、これを要望して、まずこの質問を終わらせていただきます。
そして次に、質問を続けさせていただきます。
次の質問は、東京ユースヘルスケア推進事業について質問をいたします。
まず、東京ユースヘルスケア推進事業の目的と内容をお聞かせください。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都は、中高生等の思春期特有の健康上の悩みや妊娠を考える男女のプレコンセプションケアなどに対応できるよう、相談支援や医療機関との連携、受診支援に向けた取組を実施するほか、区市町村への支援を行っております。
○せいの委員 続けてお聞きいたします。
東京ユースヘルスケア推進事業の令和六年度の予算及び決算額を伺います。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 令和六年度の予算額は四億一千九百万円、決算額は二億九千百万余円でございます。
○せいの委員 ただいま、東京ユースヘルスケア推進事業の目的と内容、また予算及び決算額を伺いました。主に相談、連携、受診支援、市区町村支援、これが事業の柱になっているということが分かりました。
では、実際に東京ユースヘルスケア推進事業において、令和六年度はどのような事業が行われたのでしょうか。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都は、中高生等の思春期特有の健康上の悩みなどに対応するための相談窓口、とうきょう若者ヘルスサポート、わかさぽを設置しております。
また、妊娠を考える男女のプレコンセプションケアの推進に向けまして、正しい知識の普及啓発やヘルスチェックへの支援を実施しております。
さらに、妊娠適齢期や婦人科疾患等に関する相談支援等を実施する区市町村への支援も実施しております。
○せいの委員 若者ヘルスサポート、わかさぽにおいては、思春期特有の健康上の悩みなどに、電話、メール、対面での相談を実施しており、来年度は毎日相談に応じる体制を確保するとともに、対面相談の会場を拡充し、利用者の利便性の向上に取り組む等、二月の本会議でも答弁がありました。
相談をしたいと思ったときにできることや、その方法として、チャットなど非対面を求めるのか、対面で相談をしたいのかは、その対象や相談内容によって変わってきます。そういう意味では、様々な窓口があることは望ましくて、住民にとって一番身近な自治体である区市町村においても若者が利用しやすい相談窓口が求められるのではないかと考えます。
そこで伺います。
東京ユースヘルスケア推進事業の令和六年度の区市町村支援の内容について教えてください。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都は、妊娠適齢期や不妊症、不育症等に関する相談支援、健康教育、普及啓発に取り組む区市町村に対し支援を実施しております。
令和六年度の補助基準額は一自治体当たり五百万円でありまして、補助率は、相談支援を実施する場合には十分の十、相談支援を実施しない場合には二分の一となっております。
○せいの委員 品川区が東京ユースヘルスケア推進事業を活用して、二〇二五年、今年の一月から、品川区在住、在学の中学生から十九歳までの人を対象に、心や体のこと、健康のこと、性に関することの不安や悩みを専門の相談員がチャットで答えるユースヘルスケアしながわほけんしつ、しなわかチャットというのを開設いたしました。また、月に一回程度、品川区内の施設で対面の相談会も実施をしております。
品川区の担当課長にこの間の実績をお聞きしたところ、チャット相談が一月から三月で百十七件、四月から九月で二百二十六件、対面の相談は一月から三月で月三回実施して二十六人、四月から九月は月六回の実施で七十五人ということでした。限られた年齢層でこれだけの利用者がいることからも、このような取組にニーズがあるのだと感じます。
そこでお聞きします。
東京ユースヘルスケア推進事業の補助金交付自治体数と交付実績について、令和四年度から六年度の推移を教えてください。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 令和四年度から令和六年度までの交付自治体数及び交付実績につきましては、まず令和四年度は十三自治体、一千九百万円、令和五年度は十七自治体、二千九百万円、令和六年度は二十四自治体、四千二百万円となっております。
○せいの委員 ありがとうございます。今教えていただいたところを、一概にはいえないんですけど、単純に計算をいたしまして、令和四年に事業を開始してから三年間で補助金交付自治体数は一・八倍、補助金交付額は二・二倍になっている。これを考えれば、自治体にもこの事業が認知されてきているのかなと思います。
このように区市町村で取組が推進されてきてはいるんですが、令和六年度に区市町村支援を活用した自治体の事業内容がどんなものだったかというところを教えていただけますか。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都の支援を活用した区市町村の取組事例でございますが、若者向けの健康相談事業や不妊症、不育症に係るピアサポート事業のほか、プレコンセプションケアに係る普及啓発事業などが実施されたところでございます。
○せいの委員 先ほど紹介をいたしました品川区のしなわかチャットの委託を受けているNPO法人ピルコンの代表の染矢明日香さんによりますと、北欧やヨーロッパの国々では、ユース専門の様々な健康に関する相談や診療ができるユースクリニックがあると。また、日本では、報道によると、二〇二五年現在、ユースクリニックとしてオープンしている場所は約六十か所あるけれども、国が主導しているわけではなく、スウェーデン発祥のユースクリニックの理念をベースとして、おのおのの提供機関が独自の形を模索している状況だということです。
若者は、大人と比較して、困り事を言語化する力や、自ら医療機関や相談機関にアクセスする力が不足しがち、特に性に関することについては、より一層相談するハードルが上がる。その結果、心や体の調子を崩してしまったり、性感染症や望まない妊娠、暴力や性的搾取の被害者や加害者になったりするリスクが高まる。だからこそ、正しい医療の知識や包括的性教育、ライフスキル教育、これは日常での困り事を解決する力を養う教育を含めて提供できるユースヘルスケアが必要なのだと述べていました。
この間、東京ユースヘルスケア推進事業においては、今回の質疑でお答えいただいたように、中高生の思春期特有の健康上の悩みなどの相談窓口やプレコンセプションケアの推進など、若者を対象にした事業、これは大分拡充してきたのではないかなと思います。
私もこの間、北区議として、若者の相談窓口の拡充やユースクリニックのようなまち中保健室を区市町村で設置してほしいということを求めてきましたので、若者に対する支援が区市町村で拡充していくことは本当にうれしく思っています。
ですが、一方で、東京ユースヘルスケア推進事業の区市町村補助事業では、思春期から更年期に至るまでの期間の母性保健の向上を図るとともに、同期間の各ライフステージに応じた健康教育を推進するとされています。そうすると、例えば、更年期の相談やケアについては、悩んでいる女性は多いものの、十分な相談体制や情報提供がされていない、このように感じています。
更年期は、症状、時間が千差万別で、当事者の置かれている環境などによっても影響され、本当に症状も人それぞれです。そして、当事者が悩みやつらさを一人で抱え込んで、周囲がそれに気づかないことで深刻化することが問題です。更年期の体の不調は自分でもなかなか気づかないことや、年齢的にもほかの疾患が隠れている可能性などもあり、医療に結びつくことも大切です。
厚労省が二〇二二年三月に行った更年期症状・障害に関する意識調査では、更年期症状を自覚し始めてから医療機関に受診するまでの期間について、すぐ受診した、一か月程度してからした、三か月程度してからと回答した人の割合は四十歳、五十歳で男女とも八割から九割を占めました。
このように、思春期、更年期など、様々なライフステージに応じた、そのときに相談窓口や健康教育が必要です。そして、それに取り組む市区町村をさらに増やしていく、これが大切だというふうに私は考えておりますが、都の見解はいかがでしょうか。
○瀬川子供・子育て施策推進担当部長 都は、各ライフステージに応じた健康教育等の推進に向けまして、引き続き区市町村を支援してまいります。
○せいの委員 ぜひ、性別問わずに、ライフステージに合わせたヘルスケアの相談窓口を各市区町村が創設し、また産科、婦人科医院など医療機関とも連携する体制づくり、これを都が後押ししていただくように要望をいたします。
また、先ほどお話をしました、お話をお聞きした品川区からは、ユースヘルスケアしながわほけんしつだけで予算は千九百九十八万円かかっていると。このほかに、補助対象事業として不妊症や不育症関連の事業があり、この二つの事業で都の二百五十万円の補助を分け合っていると、都の補助が足りていない状況もお聞きいたしました。
令和四年度から六年度の三か年は、相談支援を実施する場合、補助率が十分の十でしたが、令和七年度より補助率が二分の一になりました。
これからも各市区町村の取組が進んでいくように補助額と補助率の引上げを要望し、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○河野委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○河野委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で福祉局関係を終わります。
以上をもちまして第二分科会における決算の審査は終了いたしました。
なお、本分科会の審査報告書につきましては、分科会委員長において取りまとめの上、委員会委員長に提出いたしますので、ご了承願います。
これをもちまして第二分科会を閉会いたします。
午後五時散会
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